特表2021-535200(P2021-535200A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2021-535200治療的介入のためのHIV−1 Nef−CD80/CD86相互作用を標的化する阻害剤
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  • 特表2021535200-治療的介入のためのHIV−1  Nef−CD80/CD86相互作用を標的化する阻害剤 図000132
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  • 特表2021535200-治療的介入のためのHIV−1  Nef−CD80/CD86相互作用を標的化する阻害剤 図000134
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-535200(P2021-535200A)
(43)【公表日】2021年12月16日
(54)【発明の名称】治療的介入のためのHIV−1 Nef−CD80/CD86相互作用を標的化する阻害剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/235 20060101AFI20211119BHJP
   A61P 31/18 20060101ALI20211119BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20211119BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20211119BHJP
   A61P 31/12 20060101ALI20211119BHJP
   A61P 31/22 20060101ALI20211119BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20211119BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20211119BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20211119BHJP
   A61K 31/505 20060101ALI20211119BHJP
   A61K 31/423 20060101ALI20211119BHJP
   A61K 31/27 20060101ALI20211119BHJP
   A61K 31/4245 20060101ALI20211119BHJP
   C07C 271/58 20060101ALN20211119BHJP
   C07C 275/34 20060101ALN20211119BHJP
   C07C 311/49 20060101ALN20211119BHJP
   C07C 235/24 20060101ALN20211119BHJP
【FI】
   A61K31/235
   A61P31/18
   A61P35/02
   A61P35/00
   A61P31/12
   A61P31/22
   A61K31/5377
   A61P43/00 107
   A61P43/00 111
   A61K31/506
   A61K31/505
   A61K31/423
   A61K31/27
   A61K31/4245
   C07C271/58
   C07C275/34
   C07C311/49
   C07C235/24 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】98
(21)【出願番号】特願2021-532550(P2021-532550)
(86)(22)【出願日】2019年8月13日
(85)【翻訳文提出日】2021年3月22日
(86)【国際出願番号】IN2019050594
(87)【国際公開番号】WO2020035880
(87)【国際公開日】20200220
(31)【優先権主張番号】201841005491
(32)【優先日】2018年8月13日
(33)【優先権主張国】IN
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】521068585
【氏名又は名称】ナショナル・センター・フォー・バイオロジカル・サイエンス−ティーアイエフアール
(71)【出願人】
【識別番号】521068596
【氏名又は名称】センター・フォー・セルラー・アンド・モレキュラー・プラットフォームズ・エヌシービーエス−ティーアイエフアール
(71)【出願人】
【識別番号】521067887
【氏名又は名称】インディアン・インスティテュート・オブ・インテグレーティブ・メディスン
(71)【出願人】
【識別番号】521068600
【氏名又は名称】インターナショナル・センター・フォー・ジェネティック・エンジニアリング・アンド・バイオテクノロジー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】サティアジット・マヨール
(72)【発明者】
【氏名】アカンクシ・マンジャル
(72)【発明者】
【氏名】タスリマリフ・サイード
(72)【発明者】
【氏名】アナンディ・カルムバチ
(72)【発明者】
【氏名】ラム・アイスレ・ヴィシュワカルマ
(72)【発明者】
【氏名】パルヴィンダール・パル・シン
(72)【発明者】
【氏名】シュワタ・シャルマ
(72)【発明者】
【氏名】グルナダム・ムナガーラ
(72)【発明者】
【氏名】クーシャラバ・レディー・ヤンパラ
(72)【発明者】
【氏名】スリニヴァス・アンバーラ
(72)【発明者】
【氏名】シャヒド・ジャミール
(72)【発明者】
【氏名】サティアジット・ラス
【テーマコード(参考)】
4C086
4C206
4H006
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC42
4C086BC70
4C086BC71
4C086BC73
4C086GA07
4C086GA12
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZB22
4C086ZB26
4C086ZB27
4C086ZB33
4C086ZC55
4C206AA01
4C206AA02
4C206GA04
4C206GA34
4C206HA24
4C206JA13
4C206JA76
4C206MA01
4C206MA04
4C206NA14
4C206ZB22
4C206ZB26
4C206ZB27
4C206ZB33
4C206ZC55
4H006AA01
4H006AA03
4H006AB20
4H006AB29
4H006BJ50
4H006BP30
4H006BT32
4H006BV25
(57)【要約】
式I、II、及びIIIの化合物は、それらの立体異性体、その薬学的に許容される塩、多形体、溶媒和物及び水和物と一緒に、本開示に記載されている。前記化合物は、それを必要とする対象におけるHIV感染と関連する感染又は疾患の場合において免疫活性化を回復させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象において疾患を引き起こすHIVサブタイプを処置するための方法であって、式I、
【化1】
又はその立体異性体、その薬学的に許容される塩、多形体、溶媒和物及び水和物(式中、
R1及びR2は、水素、C6〜10アリール、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル及びアミノからなる群から独立して選択され、ここで、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル及びC6〜10アリールは、ヒドロキシル、ハロゲン、C1〜10アルキル、C1〜10アルコキシ又はC2〜10ヘテロシクリルから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;
R3は、C6〜10アリールであり、ここで、C6〜10アリールは、C1〜10アルコキシ、ニトロ、ハロゲン又はC1〜10アルキルから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており、ここで、C1〜10アルキル及びC1〜10アルコキシは、ハロゲン、水素、ヒドロキシル、C1〜10アルキル、C1〜10アルコキシ又はC2〜10ヘテロシクリルから選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;
R4及びR5は、水素、C1〜10アルキル及び-N=CHC6アリールからなる群から独立して選択され、ここで、N=CHC6アリールは、1個から4個のハロゲンで更に置換されているか;又はR4及びR5は、一緒になって、C2〜10ヘテロシクリル又はC2〜10ヘテロアリールを形成し、ここで、C2〜10ヘテロシクリル又はC2〜10ヘテロアリールは、C1〜10アルキルから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;
X及びYは、Nである);
【化2】
又はその立体異性体、その薬学的に許容される塩、多形体、溶媒和物及び水和物(式中、
R1及びR2は、水素、C1〜10アルキル、ヒドロキシ、チオ、アミノ、C2〜10ヘテロシクリル、C5〜10アリール、C2〜10ヘテロアリール、アシル、アミド、イミド、スルフィニル、スルホニル、カルボキシアルデヒド、シアノ、イソシアノ、アジド、ヒドラジノ、ニトロ、ハロからなる群から独立して選択されるか;又はR1及びR2は、一緒になって、任意選択により置換されている単環式環若しくは二環式環を形成し、ここで、C1〜10アルキル、C2〜10ヘテロシクリル、C5〜10アリール、C2〜10ヘテロアリール又は単環式環若しくは二環式環は、ヒドロキシ、C1〜10アルキル、C5〜10アリール、C1〜10アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ペルハロアルキル、シアノ、チオ、及び-CH2-Ph-NH-COO-Ph-Meから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;
Xは、Oであり;
Yは、C=Oであり;
Arは、C1〜10アルキル、C5〜10アリール又はC2〜10ヘテロアリールから選択され、
R3は、存在しない、又はヒドロキシ、C1〜10アルキル、C5〜10アリール、C2〜10ヘテロアリール、C2〜10ヘテロシクリル、C1〜10アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ペルハロアルキル、ニトロ、シアノ、CH2PhNHCOOPh-Me、NHCONHPh-(Cl)2若しくはCONHNHSO2Ph-Meから選択され;
nは、0〜5から選択される);並びに
【化3】
又はその立体異性体、その薬学的に許容される塩、多形体、溶媒和物及び水和物(式中、
R1は、OH、COOH及びCOORaからなる群から独立して選択され、ここで、Raは、C1〜10アルキルであり;
R2及びR4は、水素又はC1〜10アルキルから独立して選択され;
R3は、C1〜10アルキル又はハロゲンから選択され;
nは、1から5から選択される)
からなる群から選択される化合物の治療用量をHIV感染対象に投与する工程
を含む方法。
【請求項2】
それを必要とする対象において疾患を引き起こすHIVサブタイプを防止するための方法であって、
【化4】
又はその立体異性体、その薬学的に許容される塩、多形体、溶媒和物及び水和物(式中、
R1及びR2は、水素、C6〜10アリール、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル及びアミノからなる群から独立して選択され、ここで、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル及びC6〜10アリールは、ヒドロキシル、ハロゲン、C1〜10アルキル、C1〜10アルコキシ又はC2〜10ヘテロシクリルから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;
R3は、C6〜10アリールであり、ここで、C6〜10アリールは、C1〜10アルコキシ、ニトロ又はC1〜10アルキルから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており、ここで、C1〜10アルキル及びC1〜10アルコキシは、ハロゲン、水素、ヒドロキシル、C1〜10アルキル、C1〜10アルコキシ又はC2〜10ヘテロシクリルから選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;
R4及びR5は、水素、C1〜10アルキル及び-N=CHC6アリールからなる群から独立して選択され、ここで、N=CHC6アリールは、1個から4個のハロゲンで更に置換されているか;又はR4及びR5は、一緒になって、C2〜10ヘテロシクリル又はC2〜10ヘテロアリールを形成し、ここで、C2〜10ヘテロシクリル又はC2〜10ヘテロアリールは、C1〜10アルキルから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;
X及びYは、Nである);
【化5】
又はその立体異性体、その薬学的に許容される塩、多形体、溶媒和物及び水和物(式中、
R1及びR2は、水素、C1〜10アルキル、ヒドロキシ、チオ、アミノ、C2〜10ヘテロシクリル、C5〜10アリール、C2〜10ヘテロアリール、アシル、アミド、イミド、スルフィニル、スルホニル、カルボキシアルデヒド、シアノ、イソシアノ、アジド、ヒドラジノ、ニトロ、ハロからなる群から独立して選択されるか;又はR1及びR2は、一緒になって、任意選択により置換されている単環式環若しくは二環式環を形成し、ここで、C1〜10アルキル、C2〜10ヘテロシクリル、C5〜10アリール、C2〜10ヘテロアリール又は単環式環若しくは二環式環は、ヒドロキシ、C1〜10アルキル、C5〜10アリール、C1〜10アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ペルハロアルキル、シアノ、チオ、及び-CH2-Ph-NH-COO-Ph-Meから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;
Xは、Oであり;
Yは、C=Oであり;
Arは、C1〜10アルキル、C5〜10アリール又はC2〜10ヘテロアリールから選択され、
R3は、存在しない、又はヒドロキシ、C1〜10アルキル、C5〜10アリール、C2〜10ヘテロアリール、C2〜10ヘテロシクリル、C1〜10アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ペルハロアルキル、ニトロ、シアノ、CH2PhNHCOOPh-Me、NHCONHPh-(Cl)2若しくはCONHNHSO2Ph-Meから選択され;
nは、0〜5から選択される);並びに
【化6】
又はその立体異性体、その薬学的に許容される塩、多形体、溶媒和物及び水和物(式中、
R1は、OH、COOH及びCOORaからなる群から独立して選択され、ここで、Raは、C1〜10アルキルであり;
R2及びR4は、水素又はC1〜10アルキルから独立して選択され;
R3は、C1〜10アルキル又はハロゲンから選択され;
nは、1から5から選択される)
からなる群から選択される化合物の適切な用量をHIV高リスク対象に投与する工程
を含む方法。
【請求項3】
式Iの化合物が、以下からなる群から選択される、請求項1又は2に記載の方法:
【化7A】
【化7B】
【請求項4】
式Iの化合物が、以下からなる群から選択される、請求項1又は2に記載の方法:
【化8】
【請求項5】
式IIの化合物が、以下からなる群から選択される、請求項1又は2に記載の方法:
【化9】
【請求項6】
式IIIの化合物が、以下からなる群から選択される、請求項1又は2に記載の方法:
【化10】
【請求項7】
対象におけるHIV感染を、そのNefタンパク質によるCD80/86受容体の内部移行によって媒介される免疫回避によって処置又は防止する方法であって、
【化11】
又はその立体異性体、その薬学的に許容される塩、多形体、溶媒和物及び水和物(式中、
R1及びR2は、水素、C6〜10アリール、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル及びアミノからなる群から独立して選択され、ここで、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル及びC6〜10アリールは、ヒドロキシル、ハロゲン、C1〜10アルキル、C1〜10アルコキシ又はC2〜10ヘテロシクリルから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;
R3は、C6〜10アリールであり、ここで、C6〜10アリールは、C1〜10アルコキシ、ニトロ又はC1〜10アルキルから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており、ここで、C1〜10アルキル及びC1〜10アルコキシは、ハロゲン、水素、ヒドロキシル、C1〜10アルキル、C1〜10アルコキシ又はC2〜10ヘテロシクリルから選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;
R4及びR5は、水素、C1〜10アルキル及び-N=CHC6アリールからなる群から独立して選択され、ここで、N=CHC6アリールは、1個から4個のハロゲンで更に置換されているか;又はR4及びR5は、一緒になって、C2〜10ヘテロシクリル又はC2〜10ヘテロアリールを形成し、ここで、C2〜10ヘテロシクリル又はC2〜10ヘテロアリールは、C1〜10アルキルから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;
X及びYは、Nである);
【化12】
又はその立体異性体、その薬学的に許容される塩、多形体、溶媒和物及び水和物(式中、
R1及びR2は、水素、C1〜10アルキル、ヒドロキシ、チオ、アミノ、C2〜10ヘテロシクリル、C5〜10アリール、C2〜10ヘテロアリール、アシル、アミド、イミド、スルフィニル、スルホニル、カルボキシアルデヒド、シアノ、イソシアノ、アジド、ヒドラジノ、ニトロ、ハロからなる群から独立して選択されるか;又はR1及びR2は、一緒になって、任意選択により置換されている単環式環若しくは二環式環を形成し、ここで、C1〜10アルキル、C2〜10ヘテロシクリル、C5〜10アリール、C2〜10ヘテロアリール又は単環式環若しくは二環式環は、ヒドロキシ、C1〜10アルキル、C5〜10アリール、C1〜10アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ペルハロアルキル、シアノ、チオ、及び-CH2-Ph-NH-COO-Ph-Meから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;
Xは、Oであり;
Yは、C=Oであり;
Arは、C1〜10アルキル、C5-10アリール又はC2〜10ヘテロアリールから選択され、
R3は、存在しない、又はヒドロキシ、C1〜10アルキル、C5〜10アリール、C2〜10ヘテロアリール、C2〜10ヘテロシクリル、C1〜10アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ペルハロアルキル、ニトロ、シアノ、CH2PhNHCOOPh-Me、NHCONHPh-(Cl)2若しくはCONHNHSO2Ph-Meから選択され;
nは、0〜5から選択される);並びに
【化13】
又はその立体異性体、その薬学的に許容される塩、多形体、溶媒和物及び水和物(式中、
R1は、OH、COOH及びCOORaからなる群から独立して選択され、ここで、Raは、C1〜10アルキルであり;
R2及びR4は、水素又はC1〜10アルキルから独立して選択され;
R3は、C1〜10アルキル又はハロゲンから選択され;
nは、1から5から選択される)
からなる群から選択される化合物の適切な用量を対象に投与する工程
を含む方法。
【請求項8】
化合物が、Nef-CD80/86相互作用を阻害することを介して、T細胞活性化を介する免疫シグナル伝達の回復を引き起こす、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
慢性リンパ球性白血病、結腸癌腫、多発性骨髄腫、ウイルス感染、例えばHIV、HPV、ヘルペスを含む、非感染状態と比較して低レベルのCD80/86受容体を特徴とする感染を処置/防止するための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)関連感染による免疫回避の防止/処置に関する。本開示の化合物は、HIVによって媒介される疾患及び状態の処置、防止又は抑制のための医薬として有用であり、医薬の製造のためのそれらの使用である。
【背景技術】
【0002】
近年、異なる手法を介するHIV関連疾病の処置にかなりの進歩がある。それらの1つは、異なる段階のHIV生活環に作用する異なる種類の抗レトロウイルス剤の使用を伴う高活性抗レトロウイルス治療(HAART)の使用である。抗レトロウイルス薬は、ヌクレオシド/ヌクレオチド逆転写酵素阻害剤、非ヌクレオシドレトロウイルス処置、成熟及び細胞阻害剤、インテグラーゼ阻害剤、プロテアーゼ阻害剤及び免疫ベースの治療等、異なる作用機序を有する。HIV治療の急速な開発にもかかわらず、統合プロウイルスを保有する潜伏感染記憶CD4+T細胞で構成されるウイルスリザーバーの根絶のための鍵となる課題が取り残されている。休止記憶CD4+T細胞は、数カ月から数年の間存続することがあり、複製コンピテントウイルスゲノムを保有し、したがって、HAART中の患者に関する問題を提起する。現在の治療は、プロウイルスを根絶せず、この課題に取り組むためにより多くの研究調査を必要とする。
【0003】
Nefタンパク質、HIV-1補助タンパク質、並びに他の細胞構成成分とのその相互作用及びNefを含む複合体の阻害が詳細に研究されてきた。Srcタンパク質-チロシンキナーゼファミリー(一連のシグナル伝達分子)とのNef相互作用は、HIV-1感染人間におけるAIDSの発病及び進行に必要とされる。(Lugariら、Bioorganic & Medicinal Chemistry 19 (2011) 7401〜7406頁; Emert-Sedlakら、ACS Chem Biol. 2009 4(11)、939〜947頁;米国特許第8541415号)。
【0004】
興味深いことに、該ウイルスは、細胞毒性Tリンパ球によってその宿主細胞の死滅を回避するためにNefタンパク質を使用する。Nef媒介機能を阻害することは、したがって、HIV感染細胞に対するCTL活性を、免疫系に対して後者をより可視化することによって、増加させるための異なる戦略を表す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第8541415号
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Lugariら、Bioorganic & Medicinal Chemistry 19 (2011) 7401〜7406頁
【非特許文献2】Emert-Sedlakら、ACS Chem Biol. 2009 4(11)、939〜947頁
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、感染の場合において免疫活性化を回復させる式I、II及びIIIの化合物に関する。本開示は、詳細には、それを必要とする対象におけるHIV感染又はHIV感染と関連する疾患の防止又は処置のための方法であって、式I、
【0008】
【化1】
【0009】
又はその立体異性体、その薬学的に許容される塩、多形体、溶媒和物及び水和物(式中、
R1及びR2は、水素、C6〜10アリール、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル及びアミノからなる群から独立して選択され、ここで、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル及びC6〜10アリールは、ヒドロキシル、ハロゲン、C1〜10アルキル、C1〜10アルコキシ及びC2〜10ヘテロシクリルから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;
R3は、C6〜10アリールであり、ここで、C6〜10アリールは、C1〜10アルコキシ、ニトロ、ハロゲン又はC1〜10アルキルから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており、ここで、C1〜10アルキル及びC1〜10アルコキシは、ハロゲン、水素、ヒドロキシル、C1〜10アルキル、C1〜10アルコキシ又はC2〜10ヘテロシクリルから選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;
R4及びR5は、水素、C1〜10アルキル及び-N=CHC6アリールからなる群から独立して選択され、ここで、N=CHC6アリールは、1個から4個のハロゲンで更に置換されているか;又はR4及びR5は、一緒になって、C2〜10ヘテロシクリル又はC2〜10ヘテロアリールを形成し、ここで、C2〜10ヘテロシクリル又はC2〜10ヘテロアリールは、C1〜10アルキルから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;
X及びYは、Nである);
式II、
【0010】
【化2】
【0011】
又はその立体異性体、その薬学的に許容される塩、多形体、溶媒和物及び水和物(式中、
R1及びR2は、水素、C1〜10アルキル、ヒドロキシ、チオ、アミノ、C2〜10ヘテロシクリル、C5〜10アリール、C2〜10ヘテロアリール、アシル、アミド、イミド、スルフィニル、スルホニル、カルボキシアルデヒド、シアノ、イソシアノ、アジド、ヒドラジノ、ニトロ及びハロからなる群から独立して選択されるか;又はR1及びR2は、一緒になって、任意選択により置換されている単環式環若しくは二環式環を形成し、ここで、C1〜10アルキル、C2〜10ヘテロシクリル、C5〜10アリール、C2〜10ヘテロアリール又は単環式環若しくは二環式環は、ヒドロキシ、C1〜10アルキル、C5〜10アリール、C1〜10アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ペルハロアルキル、シアノ、チオ、及び-CH2-Ph-NH-COO-Ph-Meから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;
Xは、Oであり;
Yは、C=Oであり;
Arは、C1〜10アルキル、C5〜10アリール又はC2〜10ヘテロアリールから選択され;
R3は、存在しない、又はヒドロキシ、C1〜10アルキル、C5〜10アリール、C2〜10ヘテロアリール、C2〜10ヘテロシクリル、C1〜10アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ペルハロアルキル、ニトロ、シアノ、CH2PhNHCOOPh-Me、NHCONHPh-(Cl)2若しくはCONHNHSO2Ph-Meから選択され;
nは、0〜5から選択される);並びに
式III
【0012】
【化3】
【0013】
又はその立体異性体、その薬学的に許容される塩、多形体、溶媒和物及び水和物(式中、
R1は、OH、COOH及びCOORaからなる群から独立して選択され、ここで、Raは、C1〜10アルキルであり;
R2及びR4は、水素又はC1〜10アルキルから独立して選択され;
R3は、C1〜10アルキル又はハロゲンから選択され;nは、1から5から選択される)
からなる群から選択される化合物の治療用量をHIV感染対象に投与する工程
を含む方法に関する。
【0014】
本開示は、HIV感染又はHIV感染と関連する疾患の予防及び/又は処置のための、式I、式II及び式IIIからなる群から選択される化合物又はその立体異性体、その薬学的に許容される塩、複合体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形体、ラセミ混合物、光学活性形態及び薬学的に活性の誘導体に更に関する。
【0015】
本開示は、Nef-CD80/86相互作用を阻害することを介して、T細胞活性化を介する免疫シグナル伝達の回復に向けた、式I、式II及び式IIIからなる群から選択される化合物又はその立体異性体、その薬学的に許容される塩、複合体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形体、ラセミ混合物、光学活性形態及び薬学的に活性の誘導体の使用に更に関する。
【0016】
本開示は、患者における疾患又は状態を処置する際の使用のための、式I、式II及び式IIIからなる群から選択される化合物又はその立体異性体、その薬学的に許容される塩、複合体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形体、ラセミ混合物、光学活性形態及び薬学的に活性の誘導体に更に関し、ここで、前記疾患又は状態は、慢性リンパ球性白血病、結腸癌腫、多発性骨髄腫を含むがん、又はHIV、HPV、ヘルペス等を含むウイルス感染によって引き起こされる。
【0017】
本開示は、対象における疾患又は状態を処置する際の、式I、式II及び式IIIからなる群から選択される化合物又はその立体異性体、その薬学的に許容される塩、複合体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形体、ラセミ混合物、光学活性形態及び薬学的に活性の誘導体の使用に更に関し、ここで、前記疾患又は状態は、HIVによって引き起こされる。対象は、ヒトを含む哺乳動物であってよい。本主題のこれらの及び他の特色、態様及び利点は、以下の記載を参照して、より良く理解される。この概要は、単純化された形態で概念の選択を導入するために提供される。この概要は、開示の鍵となる特色又は必須の特色を同定するとも意図されず、それは、主題の範疇を限定するために使用されるとも意図されない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本開示の実践に従って、化合物の生化学的スクリーニングを例示する図である。
図2】本開示の実践に従って、細胞ベースのアッセイの略図を例示する図である。
図3】本開示の実践に従って、式I、II及びIIIからの化合物による、フローサイトメトリーによって測定された通りの表面CD80/86のNef媒介内部移行の阻害を例示する図である。
図4】本開示の実践に従って、細胞ベースのT細胞活性化アッセイの略図を例示する図である。
図5】本開示の実践に従って、APCにおけるNef媒介T細胞不活性化の阻害を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
当業者は、本開示が、具体的に記載されているもの以外の変更及び修飾を受けることを承知されよう。本開示は、全てのこうした変更及び修飾を含むと理解されるべきである。本開示は、個々に又は集団的に、この明細書において称される又は示される全てのこうした工程、特色、組成物及び化合物、並びにこうした工程又は特色の任意又はより多くの任意及び全ての組合せも含む。
【0020】
定義
便宜のため、本開示のさらなる記載の前に、本明細書及び実施例において用いられるある特定の用語がここに纏められている。これらの定義は、本開示の残部に照らして読まれるとともに当業者によるように理解されるべきである。本明細書において使用されている用語は、当業者に認識及び知られている意味を有するが、しかしながら、便宜及び完全のため、特別な用語及びそれらの意味が下記に説明されている。
【0021】
「a」、「an」及び「the」という冠詞は、冠詞の文法上の目的語の1つを又は1つ超(即ち、少なくとも1つ)を指すために使用される。
【0022】
「含む(comprise)」及び「含む(comprising)」という用語は、包含的でオープンな意味で使用され、追加の要素が含まれ得ることを意味する。この明細書の全体にわたって、文脈が別段に必要としない限り、「含む(comprise)」、並びに変化形、例えば「含む(comprises)」及び「含む(comprising)」という単語は、明記された要素若しくは工程又は要素若しくは工程のグループの包含を含意するが、任意の他の要素若しくは工程又は要素若しくは工程のグループの排除を含意しないと理解される。
【0023】
「含める」という用語は、「含めるが限定されない」を意味するために使用される。「含める」及び「含めるが限定されない」は、相互交換可能に使用される。
【0024】
本明細書において及び本開示の全体にわたって示されている構造式において、以下の用語は、別段具体的に明記されていない限り、示されている意味を有する。
【0025】
「治療用量」という用語は、本開示(薬物)の任意の化合物を、単位時間当たりの用量で長時間にわたって、それを必要とする対象に提供することを指す。本開示による治療用量は、50μMから1000μMの範囲であってよい。
【0026】
「適切な用量」という用語は、HIVを防止するために対象に単位時間当たりの用量で長時間にわたって本開示(薬物)の任意の化合物を提供することを指す。
【0027】
「低レベルのCD80/86受容体」という用語は、T細胞上のCD80/86受容体のレベルの減少に至る任意の状態として定義され得る。
【0028】
「アルキル」という用語は、1個から10個の炭素原子を有するモノラジカル分岐又は非分岐の飽和炭化水素鎖を指す。この用語は、n-ブチル、イソ-ブチル、t-ブチル、n-ヘキシル、n-デシル等の基によって例証される。該基は、任意選択により置換されていてもよい。
【0029】
「アルケニル」という用語は、好ましくは4個、5個、6個、7個、8個、9個又は10個の炭素原子を有するとともに1個、2個、3個、4個、5個又は6個の二重結合(ビニル)、好ましくは1個の二重結合を有する分岐又は非分岐の不飽和炭化水素基のモノラジカルを指す。該基は、任意選択により置換されていてもよい。
【0030】
「アルキニル」という用語は、好ましくは4個、5個、6個、7個、8個、9個又は10個の炭素原子を有するとともにアセチレン(三重結合)不飽和の1つ、2つ、3つ、4つ、5つ又は6つの部位、好ましくは1個の三重結合を有する不飽和炭化水素のモノラジカルを指す。該基は、任意選択により置換されていてもよい。
【0031】
「ハロ」又は「ハロゲン」は、単独で又は任意の他の用語との組合せで、クロロ(Cl)、フルオロ(F)、ブロモ(Br)及びヨード(I)等のハロゲンを意味する。
【0032】
「アリール」という用語は、単一環(例えば、フェニル)若しくは多環(例えば、ビフェニル)、又は多縮合(condensed、fused)環(例えば、ナフチル若しくはアントラニル)を有する5個から18個の炭素原子の芳香族炭素環式基を指す。好ましいアリールとしては、フェニル、ナフチル等が挙げられる。該基は、任意選択により置換されていてもよい。
【0033】
「ヘテロアリール」という用語は、単一環若しくは多環又は多縮合環を有する2個から10個の炭素原子の複素芳香族炭素環式基を指す。好ましいヘテロアリールとしては、ピラゾール、チアゾール、オキサゾール、ベンゾオキサゾール、ピリジン等が挙げられる。該基は、任意選択により置換されていてもよい。
【0034】
「シクロアルキル」という用語は、部分不飽和であってよい、単一の環式環又は多縮合環を有する3個から12個の炭素原子の炭素環式基を指す。こうしたシクロアルキル基は、例として、シクロプロピル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル等の単一環構造、又はアリール基が縮合されている多環構造若しくは炭素環式基を含む。該基は、任意選択により置換されていてもよい。
【0035】
「ヘテロシクリル」という用語は、環内に2個から10個の炭素原子並びに窒素、硫黄、リン及び/又は酸素から選択される1個から10個のヘテロ原子、好ましくは1個、2個又は3個のヘテロ原子を有する、単一環又は多縮合環を有する飽和基若しくは部分不飽和基又は不飽和基を指す。好ましいヘテロシクリルとしては、モルホリン、ピペリジン等が挙げられる。該基は、任意選択により置換されていてもよい。
【0036】
本明細書で使用される場合、「置換されている」という用語は、有機化合物の全ての許容可能な置換基を含むと企図される。広範な態様において、許容可能な置換基としては、有機化合物の非環式及び環式の分岐及び非分岐の炭素環式及び複素環式の芳香族及び非芳香族の置換基が挙げられる。
【0037】
「有効量」という用語は、処置されるべき症状及び/又は状態を著しく及び確実に修正するのに足るほど十分である化合物又は組成物の量を意味する。有効量は、様々な条件に依存して変更され、主治医の知識及び専門知識内である。
【0038】
本明細書に記載されている化合物は、1個又は複数のキラル中心及び/又は二重結合を含有することができ、そのため、立体異性体として存在することができる。したがって、本明細書において図示されている化学構造は、立体異性的に純粋な形態並びにエナンチオマー及び立体異性混合物を含めて、例示又は同定されている化合物の全ての可能なエナンチオマー及び立体異性体を包含する。該化合物は、エノール形態、ケト形態及びその混合物を含めて、いくつかの互変異性体形態で存在することもできる。したがって、本明細書において図示されている化学構造は、例示又は同定されている化合物の全ての可能な互変異性体形態を包含する。
【0039】
「薬学的に許容される」という用語は、ヒト及び動物の組織との接触における使用に適当であるとともに当業者によって理解される化合物、材料、組成物及び/又は剤形を指す。
【0040】
「薬学的に許容される塩」は、薬学的に許容される酸又は塩基との塩を包含する。薬学的に許容される酸は、無機酸及び有機塩基の両方を含む。
【0041】
「多形体」という用語は、同じ分子の結晶形態を指し、異なる多形体は、異なる物理的特性を有し得る。
【0042】
「溶媒和物」という用語は、本明細書で使用される場合、溶媒を含有する、物質の結晶形態を指す。
【0043】
「水和物」という用語は、溶媒が水である溶媒和物を指す。割合、濃度、量及び他の数値データは、本明細書において、範囲形式で表すことができる。こうした範囲形式は、単に便宜及び簡略のために使用されるとともに、範囲の限度として明白に列記されている数値を含むだけでなく、各数値及び下位範囲が明白に列記されているかのように、その範囲内に包含される全ての個々の数値又は下位範囲も含むと柔軟に解釈されるべきであると、理解されるべきである。例えば、約50μMから1000μMの濃度範囲は、約50μMから約1000μMの明白に列記された限度を含むだけでなく、75〜875μM、80〜500μM、その他等の下位範囲、並びに例えば100μM及び155μM等特定範囲内の、分画量を含む個々の量も含むと解釈されるべきである。
【0044】
本開示は、HIV感染の処置のための化合物に関する。標的は、T細胞刺激に関与している宿主免疫受容体CD80/CD86との、HIV-1ウイルスからのNefタンパク質の新規な相互作用である。
【0045】
HIV病原性のための不可欠な因子は、Nefタンパク質である。それは、HIVが免疫応答を回避し、高いウイルス負荷を維持するのを可能にし、複製及び散在に必要とされ、MHC-1及びMHC-2を含めて、免疫応答の発生に関与する細胞表面受容体を下方調節する。驚くべきことに、MHCの再配置に加えて、Nefは、共刺激性タンパク質のB-7ファミリー、即ち抗原提示細胞上に発現されるCD80及びCD86の表面発現も下方調節し、インビトロにおける障害性T細胞刺激に至ることが見出された。Nefは、CD80及びCD86の細胞質尾部に直接的に結合し、ペプチドの導入によって逆転する傾向があり、それを治療的介入のための適当な標的にする。Nef-CD80/86相互作用を標的化することは、独特の作用機序:感染細胞の免疫回避の防止を有する。本開示は、独特な戦略であるNef媒介機能の阻害を中心に展開し、その理由としては、それが、感染免疫細胞(マクロファージ)能力を直接モジュレートすることでナイーブT細胞からHIV特異的T細胞を発生させるというその能力においてNefの鍵となる機能を標的化し、潜在的に、異なるクラスの薬物を生み出すからである。本開示は、免疫シグナル伝達回復を介する新たな系統の抗ウイルス治療を提示する。
【0046】
宿主-ウイルス境界面は、その上、純粋ウイルス標的よりも薬物耐性を受けやすくない。本開示は、対象において疾患を引き起こすHIVサブタイプを防止/処置するための方法であって、以下を含む方法を開示する:本明細書に記載されている通りの式I、式II及び式IIIからなる群から選択される化合物の治療用量をHIV感染対象に投与する工程、ここで、化合物の治療用量は、50μMから1000μMの範囲である。本開示は、全ての下位範囲及び個々の値を包含すると意図される。範囲は、50μMから100μM、又は100μMから1000μM、又は150μMから900μM、又は125μMから500μM、又は500μMから900μM、又は750μMから950μM、又は75μMから150μM、又は100μMから200μMであってよい。
【0047】
ある実施形態において、本開示は、対象において疾患を引き起こすHIVサブタイプを防止/処置するための方法であって、式I、
【0048】
【化4】
【0049】
又はその立体異性体、その薬学的に許容される塩、多形体、溶媒和物及び水和物(式中、
R1及びR2は、水素、C6〜10アリール、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル及びアミノからなる群から独立して選択され、ここで、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル及びC5〜10アリールは、ヒドロキシル、ハロゲン、C1〜10アルキル、C1〜10アルコキシ及びC2〜10ヘテロシクリルから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;
R3は、C6〜10アリールであり、ここで、C6〜10アリールは、C1〜10アルコキシ、ニトロ、ハロゲン又はC1〜10アルキルから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており、ここで、C1〜10アルキル及びC1〜10アルコキシは、ハロゲン、水素、ヒドロキシル、C1〜10アルキル、C1〜10アルコキシ又はC2〜10ヘテロシクリルから選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;
R4及びR5は、水素、C1〜10アルキル及び-N=CHC6アリールからなる群から独立して選択され、ここで、-N=CHC6アリールは、1個から4個のハロゲンで更に置換されているか;又はR4及びR5は、一緒になって、C2〜10ヘテロシクリル又はC2〜10ヘテロアリールを形成し、ここで、C2〜10ヘテロシクリル又はC2〜10ヘテロアリールは、C1〜10アルキルから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;
X及びYは、Nである);
【0050】
【化5】
【0051】
又はその立体異性体、その薬学的に許容される塩、多形体、溶媒和物及び水和物(式中、
R1及びR2は、水素、C1〜10アルキル、ヒドロキシ、チオ、アミノ、C2〜10ヘテロシクリル、C5〜10アリール、C2〜10ヘテロアリール、アシル、アミド、イミド、スルフィニル、スルホニル、カルボキシアルデヒド、シアノ、イソシアノ、アジド、ヒドラジノ、ニトロ及びハロからなる群から独立して選択されるか;又はR1及びR2は、一緒になって、任意選択により置換されている単環式環若しくは二環式環を形成し、ここで、C1〜10アルキル、C2〜10ヘテロシクリル、C5〜10アリール、C2〜10ヘテロアリール又は単環式環若しくは二環式環は、ヒドロキシ、C1〜10アルキル、C5〜10アリール、C1〜10アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ペルハロアルキル、シアノ、チオ、及び-CH2-Ph-NH-COO-Ph-Meから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;
Xは、Oから選択され;
Yは、C=Oであり;
Arは、C1〜10アルキル、C5〜10アリール又はC2〜10ヘテロアリールから選択され;
R3は、存在しない、又はヒドロキシ、C1〜10アルキル、C5〜10アリール、C2〜10ヘテロアリール、C2〜10ヘテロシクリル、C1〜10アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ペルハロアルキル、ニトロ、シアノ、CH2PhNHCOOPh-Me、NHCONHPh-(Cl)2若しくはCONHNHSO2Ph-Meから選択され;
nは、0〜5から選択される);並びに
【0052】
【化6】
【0053】
又はその立体異性体、その薬学的に許容される塩、多形体、溶媒和物及び水和物(式中、
R1は、OH、COOH及びCOORaからなる群から独立して選択され、ここで、Raは、C1〜10アルキルであり;
R2及びR4は、水素又はC1〜10アルキルから独立して選択され;
R3は、C1〜10アルキル又はハロゲンから選択され;
nは、1から5から選択される)
からなる群から選択される化合物の治療用量をHIV感染対象に投与する工程を含む方法を提供する。本開示の別の実施形態において、化合物の治療用量は、50μMから1000μMの範囲である。本開示のなお別の実施形態において、化合物の治療用量は、50μMから100μMの範囲である。本開示の代替実施形態において、化合物の治療用量は、100μMから1000μMの範囲である。本開示の1つの別の実施形態において、化合物の治療用量は、150μMから900μMの範囲である。本開示の代替実施形態において、化合物の治療用量は、125μMから500μMの範囲である。本開示の別の実施形態において、化合物の治療用量は、500μMから900μMの範囲である。本開示の別の実施形態において、化合物の治療用量は、750μMから950μMの範囲である。本開示の別の実施形態において、化合物の治療用量は、75μMから150μMの範囲である。本開示の別の実施形態において、化合物の治療用量は、100μMから200μMの範囲である。
【0054】
ある実施形態において、本開示は、対象において疾患を引き起こすHIVサブタイプを処置するための方法であって、式Iの化合物
【0055】
【化7】
【0056】
又はその立体異性体、その薬学的に許容される塩、多形体、溶媒和物及び水和物(式中、
R1及びR2は、水素、C6〜10アリール、C1〜10アルキル及びアミノからなる群から独立して選択され、ここで、C1〜10アルキル及びC6〜10アリールは、ヒドロキシル、ハロゲン、C1〜10アルキル、C1〜10アルコキシ及びC2〜10ヘテロシクリルから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;
R3は、C6〜10アリールであり、ここで、C6〜10アリールは、C1〜10アルコキシ、ニトロ、ハロゲン又はC1〜10アルキルから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており、ここで、C1〜10アルキル及びC1〜10アルコキシは、ハロゲン、水素、ヒドロキシル、C1〜10アルキル、C1〜10アルコキシ又はC2〜10ヘテロシクリルから選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;
R4及びR5は、水素、C1〜10アルキル及び-N=CHC6アリールからなる群から独立して選択され、ここで、-N=CHC6アリールは、1個から4個のハロゲンで更に置換されているか;又はR4及びR5は、一緒になって、C2〜10ヘテロシクリル又はC2〜10ヘテロアリールを形成し、ここで、C2〜10ヘテロシクリル又はC2〜10ヘテロアリールは、C1〜10アルキルから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;X及びYは、Nである)
の治療用量をHIV感染対象に投与する工程を含む方法を提供する。
【0057】
ある実施形態において、本開示は、対象において疾患を引き起こすHIVサブタイプを処置するための方法であって、式Iの化合物、
【0058】
【化8】
【0059】
又はその立体異性体、その薬学的に許容される塩、多形体、溶媒和物及び水和物(式中、
R1及びR2は、水素、C6〜10アリール及びC1〜10アルキルからなる群から独立して選択され、ここで、C1〜10アルキル及びC6〜10アリールは、ヒドロキシル、ハロゲン、C1〜10アルキル及びC1〜10アルコキシから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;
R3は、C6〜10アリールであり、ここで、C6〜10アリールは、C1〜10アルコキシ、ニトロ、ハロゲン又はC1〜10アルキルから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており、ここで、C1〜10アルキル及びC1〜10アルコキシは、ハロゲン、水素、ヒドロキシル、C1〜10アルキル、C1〜10アルコキシ又はC2〜10ヘテロシクリルから選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;
R4及びR5は、水素、C1〜10アルキル及び-N=CHC6アリールからなる群から独立して選択され、ここで、-N=CHC6アリールは、1個から4個のハロゲンで更に置換されているか;又はR4及びR5は、一緒になって、C2〜10ヘテロシクリル又はC2〜10ヘテロアリールを形成し、ここで、C2〜10ヘテロシクリル又はC2〜10ヘテロアリールは、C1〜10アルキルから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;X及びYは、Nである)
の治療用量をHIV感染対象に投与する工程を含む方法を提供する。
【0060】
ある実施形態において、本開示は、対象において疾患を引き起こすHIVサブタイプを処置するための方法であって、式Iの化合物、
【0061】
【化9】
【0062】
又はその立体異性体、その薬学的に許容される塩、多形体、溶媒和物及び水和物(式中、
R1及びR2は、水素、C6アリール及びC1〜5アルキルからなる群から独立して選択され、ここで、C1〜5アルキル及びC6アリールは、ヒドロキシル、フッ素、C1〜5アルキル又はC1〜5アルコキシから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;
R3は、C6アリールであり、ここで、C6アリールは、C1〜5アルコキシ、ニトロ、ハロゲン又はC1〜5アルキルから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており、ここで、C1〜5アルキル及びC1〜5アルコキシは、ハロゲン、水素、ヒドロキシル、C1〜5アルキル、C1〜5アルコキシ又はC2〜10ヘテロシクリルから選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;
R4及びR5は、水素、C1〜5アルキル及び-N=CHC6アリールからなる群から独立して選択され、ここで、-N=CHC6アリールは、1個から4個のハロゲンで更に置換されているか;又はR4及びR5は、一緒になって、C2〜10ヘテロシクリル又はC2〜10ヘテロアリールを形成し、ここで、C2〜10ヘテロシクリル又はC2〜10ヘテロアリールは、C1〜5アルキルから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;X及びYは、Nである)
の治療用量をHIV感染対象に投与する工程を含む方法を提供する。
【0063】
ある実施形態において、本開示は、対象において疾患を引き起こすHIVサブタイプを処置するための方法であって、式Iの化合物、
【0064】
【化10】
【0065】
又はその立体異性体、その薬学的に許容される塩、多形体、溶媒和物及び水和物(式中、
R1及びR2は、水素、C6アリール及びCF3からなる群から独立して選択され、ここで、C6アリールは、ヒドロキシル、C1〜5アルキル又はC1〜5アルコキシから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;
R3は、C6アリールであり、ここで、C6アリールは、-OCH3、-OCF3、ニトロ、フッ素、CF3から独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;
R4及びR5は、水素、C1〜5アルキル及び-N=CHC6アリールからなる群から独立して選択され、ここで、N=CHC6アリールは、フッ素及び臭素から選択される1個から4個の置換基で更に置換されているか;又はR4及びR5は、一緒になって、C2〜10ヘテロシクリル又はC2〜10ヘテロアリールを形成し、ここで、C2〜10ヘテロシクリル又はC2〜10ヘテロアリールは、C1〜5アルキルから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;X及びYは、Nである)
の治療用量をHIV感染対象に投与する工程を含む方法を提供する。
【0066】
ある実施形態において、本開示は、対象において疾患を引き起こすHIVサブタイプを処置するための方法であって、式Iの化合物、
【0067】
【化11】
【0068】
又はその立体異性体、その薬学的に許容される塩、多形体、溶媒和物及び水和物(式中、
R1及びR2は、水素、C6〜10アリール、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル及びアミノからなる群から独立して選択され、ここで、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル及びC6〜10アリールは、ヒドロキシル、ハロゲン、C1〜10アルキル又はC1〜10アルコキシ、C2〜10ヘテロシクリルから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;
R3は、C6〜10アリールであり、ここで、C6〜10アリールは、C1〜10アルコキシ、ニトロ、C1〜10アルキルから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており、ここで、C1〜10アルキル及びC1〜10アルコキシは、ハロゲン、水素、ヒドロキシル、C1〜10アルキル、C1〜10アルコキシ又はC2〜10ヘテロシクリルから選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;
R4及びR5は、水素、C1〜10アルキル及び-N=CHC6アリールからなる群から独立して選択され、ここで、-N=CHC6アリールは、1個から4個のハロゲンで更に置換されているか;又はR4及びR5は、一緒になって、C2〜10ヘテロシクリル又はC2〜10ヘテロアリールを形成し、ここで、C2〜10ヘテロシクリル又はC2〜10ヘテロアリールは、C1〜10アルキルから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;X及びYは、Nである)
の治療用量をHIV感染対象に投与する工程を含む方法を提供する。
【0069】
ある実施形態において、本開示は、以下からなる群から選択される、式Iの化合物又はその立体異性体、その薬学的に許容される塩、複合体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形体、ラセミ混合物、光学活性形態及び薬学的に活性の誘導体を提供する:
【0070】
【化12A】
【0071】
【化12B】
【0072】
ある実施形態において、本開示は、以下からなる群から選択される、式Iの化合物又はその立体異性体、その薬学的に許容される塩、複合体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形体、ラセミ混合物、光学活性形態及び薬学的に活性の誘導体を提供する:
【0073】
【化13】
【0074】
ある実施形態において、本開示は、対象において疾患を引き起こすHIVサブタイプを処置するための方法であって、式IIの化合物、
【0075】
【化14】
【0076】
又はその立体異性体、その薬学的に許容される塩、多形体、溶媒和物及び水和物(式中、
R1及びR2は、水素、C1〜10アルキル、ヒドロキシ、チオ、アミノ、C2〜10ヘテロシクリル、C5〜10アリール、C2〜10ヘテロアリール、アシル、アミド、イミド、スルフィニル、スルホニル、カルボキシアルデヒド、シアノ、イソシアノ、アジド、ヒドラジノ、ニトロ及びハロからなる群から独立して選択されるか;又はR1及びR2は、一緒になって、任意選択により置換されている単環式環若しくは二環式環を形成し、ここで、C1〜10アルキル、C2〜10ヘテロシクリル、C5〜10アリール、C2〜10ヘテロアリール又は単環式環若しくは二環式環は、ヒドロキシ、C1〜10アルキル、C5〜10アリール、C1〜10アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ペルハロアルキル、シアノ、チオ、及び-CH2-Ph-NH-COO-Ph-Meから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;
Xは、Oであり;
Yは、C=Oであり;
Arは、C1〜10アルキル、C5〜10アリール又はC2〜10ヘテロアリールから選択され;
R3は、存在しない、又はヒドロキシ、C1〜10アルキル、C5〜10アリール、C2〜10ヘテロアリール、C2〜10ヘテロシクリル、C1〜10アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ペルハロアルキル、ニトロ、シアノ、CH2PhNHCOOPh-Me、NHCONHPh-(Cl)2若しくはCONHNHSO2Ph-Meから選択され;
nは、0〜5から選択される)
の治療用量をHIV感染対象に投与する工程を含む方法を提供する。
【0077】
ある実施形態において、本開示は、対象において疾患を引き起こすHIVサブタイプを処置するための方法であって、式IIの化合物、
【0078】
【化15】
【0079】
又はその立体異性体、その薬学的に許容される塩、多形体、溶媒和物及び水和物(式中、
R1及びR2は、水素、C1〜10アルキル、ヒドロキシ、チオ、アミノ、C2〜10ヘテロシクリル、C5〜10アリール、C2〜10ヘテロアリール、アシル、アミド、イミド、スルフィニル、スルホニル、カルボキシアルデヒド、シアノ、イソシアノ、アジド、ヒドラジノ、ニトロ及びハロからなる群から独立して選択されるか;又はR1及びR2は、一緒になって、任意選択により置換されている単環式環若しくは二環式環を形成し、ここで、C1〜10アルキル、C2〜10ヘテロシクリル、C5〜10アリール、C2〜10ヘテロアリール又は単環式環若しくは二環式環は、ヒドロキシ、C1〜10アルキル、C5〜10アリール、C1〜10アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ペルハロアルキル、シアノ、チオ、及び-CH2-Ph-NH-COO-Ph-Meから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;
Xは、Oであり;
Yは、C=Oであり;
Arは、C1〜10アルキル、C5〜10アリール又はC2〜10ヘテロアリールから選択され;
R3は、存在しない、又はヒドロキシ、C1〜10アルキル、C5〜10アリール、C2〜10ヘテロアリール、C2〜10ヘテロシクリル、C1〜10アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ペルハロアルキル、ニトロ、シアノ、CH2PhNHCOOPh-Me、NHCONHPh-(Cl)2若しくはCONHNHSO2Ph-Meから選択され;
nは、0〜5から選択される)
の治療用量をHIV感染対象に投与する工程を含む方法を提供する。
【0080】
ある実施形態において、本開示は、対象において疾患を引き起こすHIVサブタイプを処置するための方法であって、式IIの化合物、
【0081】
【化16】
【0082】
又はその立体異性体、その薬学的に許容される塩、多形体、溶媒和物及び水和物(式中、
R1及びR2は、水素、C1〜10アルキル、ヒドロキシ、チオ、アミノ、C2〜10ヘテロシクリル、C5〜10アリール、C2〜10ヘテロアリール、アシル、アミド、イミド、スルフィニル、スルホニル、カルボキシアルデヒド、シアノ、イソシアノ、アジド、ヒドラジノ、ニトロ及びハロからなる群から独立して選択されるか;又はR1及びR2は、一緒になって、任意選択により置換されている単環式環若しくは二環式環を形成し、ここで、C1〜10アルキル、C2〜10ヘテロシクリル、C5〜10アリール、C2〜10ヘテロアリール又は単環式環若しくは二環式環は、ヒドロキシ、C1〜10アルキル、C5〜10アリール、C1〜10アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ペルハロアルキル、シアノ、チオ、及び-CH2-Ph-NH-COO-Ph-Meから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;
Xは、Oであり;
Yは、C=Oであり;
Arは、C5〜10アリール又はC2〜10ヘテロアリールから選択され;
R3は、存在しない、又はヒドロキシ、C1〜10アルキル、C5〜10アリール、C2〜10ヘテロアリール、C2〜10ヘテロシクリル、C1〜10アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ペルハロアルキル、ニトロ、シアノ、CH2PhNHCOOPh-Me、NHCONHPh-(Cl)2若しくはCONHNHSO2Ph-Meから選択され;
nは、0〜5から選択される)
の治療用量をHIV感染対象に投与する工程を含む方法を提供する。
【0083】
ある実施形態において、本開示は、対象において疾患を引き起こすHIVサブタイプを処置するための方法であって、式IIの化合物、
【0084】
【化17】
【0085】
又はその立体異性体、その薬学的に許容される塩、多形体、溶媒和物及び水和物(式中、
R1及びR2は、水素、C1〜10アルキル、ヒドロキシ、チオ、アミノ、C2〜10ヘテロシクリル、C5〜10アリール、C2〜10ヘテロアリール、アシル、アミド、イミド、スルフィニル、スルホニル、カルボキシアルデヒド、シアノ、イソシアノ、アジド、ヒドラジノ、ニトロ及びハロからなる群から独立して選択されるか;又はR1及びR2は、一緒になって、任意選択により置換されている単環式環若しくは二環式環を形成し、ここで、C1〜10アルキル、C2〜10ヘテロシクリル、C5〜10アリール、C2〜10ヘテロアリール又は単環式環若しくは二環式環は、ヒドロキシ、C1〜10アルキル、C5〜10アリール、C1〜10アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ペルハロアルキル、シアノ、チオ、及び-CH2-Ph-NH-COO-Ph-Meから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;
Xは、Oであり;
Yは、C=Oであり;
Arは、C5〜10アリールであり;
R3は、存在しない、又はヒドロキシ、C1〜10アルキル、C5〜10アリール、C2〜10ヘテロアリール、C2〜10ヘテロシクリル、C1〜10アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ペルハロアルキル、ニトロ、シアノ、CH2PhNHCOOPh-Me、NHCONHPh-(Cl)2若しくはCONHNHSO2Ph-Meから選択され;
nは、0〜5から選択される)
の治療用量をHIV感染対象に投与する工程を含む方法を提供する。
【0086】
ある実施形態において、本開示は、以下からなる群から選択される、式IIの化合物又はその立体異性体、その薬学的に許容される塩、複合体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形体、ラセミ混合物、光学活性形態及び薬学的に活性の誘導体を提供する:
【0087】
【化18】
【0088】
ある実施形態において、本開示は、対象において疾患を引き起こすHIVサブタイプを処置するための方法であって、式IIIの化合物、
【0089】
【化19】
【0090】
又はその立体異性体、その薬学的に許容される塩、多形体、溶媒和物及び水和物(式中、
R1は、OH、COOH及びCOORaからなる群から独立して選択され、ここで、Raは、C1〜10アルキルであり;
R2及びR4は、水素又はC1〜10アルキルから独立して選択され;
R3は、C1〜10アルキル又はハロゲンから選択され;
nは、1から5から選択される)
の治療用量をHIV感染対象に投与する工程を含む方法を提供する。
【0091】
ある実施形態において、本開示は、対象において疾患を引き起こすHIVサブタイプを処置するための方法であって、式IIIの化合物、
【0092】
【化20】
【0093】
又はその立体異性体、その薬学的に許容される塩、多形体、溶媒和物及び水和物(式中、
R1は、OH、COOH及びCOORaからなる群から独立して選択され、ここで、Raは、C1〜5アルキルであり;
R2及びR4は、水素又はC1〜5アルキルから独立して選択され;
R3は、C1〜5アルキル又は塩素から選択され;nは、1から2から選択される)
の治療用量をHIV感染対象に投与する工程を含む方法を提供する。
【0094】
ある実施形態において、本開示は、以下からなる群から選択される、式IIIの化合物又はその立体異性体、その薬学的に許容される塩、複合体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形体、ラセミ混合物、光学活性形態及び薬学的に活性の誘導体を提供する:
【0095】
【化21】
【0096】
ある実施形態において、本開示は、それを必要とする対象において疾患を引き起こすHIVサブタイプを防止するための方法であって、式I、
【0097】
【化22】
【0098】
又はその立体異性体、その薬学的に許容される塩、多形体、溶媒和物及び水和物(式中、
R1及びR2は、水素、C6〜10アリール、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル及びアミノからなる群から独立して選択され、ここで、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル及びC6〜10アリールは、ヒドロキシル、ハロゲン、C1〜10アルキル、C1〜10アルコキシ又はC2〜10ヘテロシクリルから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;
R3は、C6〜10アリールであり、ここで、C6〜10アリールは、C1〜10アルコキシ、ニトロ、ハロゲン又はC1〜10アルキルから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており、ここで、C1〜10アルキル及びC1〜10アルコキシは、ハロゲン、水素、ヒドロキシル、C1〜10アルキル、C1〜10アルコキシ、C2〜10ヘテロシクリルから選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;
R4及びR5は、水素、C1〜10アルキル及び-N=CHC6アリールからなる群から独立して選択され、ここで、-N=CHC6アリールは、1個から4個のハロゲンで更に置換されているか;又はR4及びR5は、一緒になって、C2〜10ヘテロシクリル又はC2〜10ヘテロアリールを形成し、ここで、C2〜10ヘテロシクリル又はC2〜10ヘテロアリールは、C1〜10アルキルから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;X及びYは、Nである);
【0099】
【化23】
【0100】
又はその立体異性体、その薬学的に許容される塩、多形体、溶媒和物及び水和物(式中、
R1及びR2は、水素、C1〜10アルキル、ヒドロキシ、チオ、アミノ、C2〜10ヘテロシクリル、C5〜10アリール、C2〜10ヘテロアリール、アシル、アミド、イミド、スルフィニル、スルホニル、カルボキシアルデヒド、シアノ、イソシアノ、アジド、ヒドラジノ、ニトロ及びハロからなる群から独立して選択されるか;又はR1及びR2は、一緒になって、任意選択により置換されている単環式環若しくは二環式環を形成し、ここで、C1〜10アルキル、C2〜10ヘテロシクリル、C5〜10アリール、C2〜10ヘテロアリール又は単環式環若しくは二環式環は、ヒドロキシ、C1〜10アルキル、C5〜10アリール、C1〜10アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ペルハロアルキル、シアノ、チオ、及び-CH2-Ph-NH-COO-Ph-Meから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;
Xは、Oであり;
Yは、C=Oであり;
Arは、C1〜10アルキル、C5〜10アリール又はC2〜10ヘテロアリールから選択され;
R3は、存在しない、又はヒドロキシ、C1〜10アルキル、C5〜10アリール、C2〜10ヘテロアリール、C2〜10ヘテロシクリル、C1〜10アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ペルハロアルキル、ニトロ、シアノ、CH2PhNHCOOPh-Me、NHCONHPh-(Cl)2若しくはCONHNHSO2Ph-Meから選択され;
nは、0〜5から選択される);並びに
【0101】
【化24】
【0102】
又はその立体異性体、その薬学的に許容される塩、多形体、溶媒和物及び水和物(式中、
R1は、OH、COOH及びCOORaからなる群から独立して選択され、ここで、Raは、C1〜10アルキルであり;
R2及びR4は、水素又はC1〜10アルキルから独立して選択され;
R3は、C1〜10アルキル又はハロゲンから選択され;
nは、1から5から選択される)
からなる群から選択される化合物の適切な用量をHIV高リスク対象に投与する工程を含む方法を提供する。本開示の別の実施形態において、化合物の治療用量は、50μMから1000μMの範囲である。本開示のなお別の実施形態において、化合物の治療用量は、50μMから100μMの範囲である。本開示の別の実施形態において、化合物の治療用量は、100μMから1000μMの範囲である。本開示の代替実施形態において、化合物の治療用量は、150μMから900μMの範囲である。本開示の1つの別の実施形態において、化合物の治療用量は、125μMから500μMの範囲である。ある実施形態において、本開示は、それを必要とする対象において疾患を引き起こすHIVサブタイプを防止するための方法であって、式I、
【0103】
【化25】
【0104】
又はその立体異性体、その薬学的に許容される塩、多形体、溶媒和物及び水和物(式中、
R1及びR2は、水素、C6〜10アリール、C1〜10アルキル及びアミノからなる群から独立して選択され、ここで、C1〜10アルキル及びC6〜10アリールは、ヒドロキシル、ハロゲン、C1〜10アルキル、C1〜10アルコキシ又はC2〜10ヘテロシクリルから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;
R3は、C6〜10アリールであり、ここで、C6〜10アリールは、C1〜10アルコキシ、ニトロ、ハロゲン又はC1〜10アルキルから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており、ここで、C1〜10アルキル及びC1〜10アルコキシは、ハロゲン、水素、ヒドロキシル、C1〜10アルキル、C1〜10アルコキシ又はC2〜10ヘテロシクリルから選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;
R4及びR5は、水素、C1〜10アルキル及び-N=CHC6アリールからなる群から独立して選択され、ここで、-N=CHC6アリールは、1個から4個のハロゲンで更に置換されているか;又はR4及びR5は、一緒になって、C2〜10ヘテロシクリル又はC2〜10ヘテロアリールを形成し、ここで、C2〜10ヘテロシクリル又はC2〜10ヘテロアリールは、C1〜10アルキルから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;X及びYは、Nである)
からなる群から選択される化合物の適切な用量をHIV高リスク対象に投与する工程を含む方法を提供する。
【0105】
ある実施形態において、本開示は、それを必要とする対象において疾患を引き起こすHIVサブタイプを防止するための方法であって、式I、
【0106】
【化26】
【0107】
又はその立体異性体、その薬学的に許容される塩、多形体、溶媒和物及び水和物(式中、
R1及びR2は、水素、C6〜10アリール及びC1〜10アルキルからなる群から独立して選択され、ここで、C1〜10アルキル及びC6〜10アリールは、ヒドロキシル、ハロゲン、C1〜10アルキル又はC1〜10アルコキシから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;
R3は、C6〜10アリールであり、ここで、C6〜10アリールは、C1〜10アルコキシ、ニトロ、ハロゲン、C1〜10アルキルから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており、ここで、C1〜10アルキル及びC1〜10アルコキシは、ハロゲン、水素、ヒドロキシル、C1〜10アルキル、C1〜10アルコキシ又はC2〜10ヘテロシクリルから選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;
R4及びR5は、水素、C1〜10アルキル及び-N=CHC6アリールからなる群から独立して選択され、ここで、-N=CHC6アリールは、1個から4個のハロゲンで更に置換されているか、又はR4及びR5は、一緒になって、C2〜10ヘテロシクリル又はC2〜10ヘテロアリールを形成し、ここで、C2〜10ヘテロシクリル又はC2〜10ヘテロアリールは、C1〜10アルキルから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;X及びYは、Nである)
からなる群から選択される化合物の適切な用量をHIV高リスク対象に投与する工程を含む方法を提供する。
【0108】
ある実施形態において、本開示は、それを必要とする対象において疾患を引き起こすHIVサブタイプを防止するための方法であって、式I、
【0109】
【化27】
【0110】
又はその立体異性体、その薬学的に許容される塩、多形体、溶媒和物及び水和物(式中、
R1及びR2は、水素、C6アリール及びC1〜5アルキルからなる群から独立して選択され、ここで、C1〜5アルキル及びC6アリールは、ヒドロキシル、フッ素、C1〜5アルキル又はC1〜5アルコキシから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;
R3は、C6アリールであり、ここで、C6アリールは、C1〜5アルコキシ、ニトロ、ハロゲン、C1〜5アルキルから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており、ここで、C1〜5アルキル及びC1〜5アルコキシは、ハロゲン、水素、ヒドロキシル、C1〜5アルキル、C1〜5アルコキシ又はC2〜10ヘテロシクリルから選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;
R4及びR5は、水素、C1〜5アルキル及び-N=CHC6アリールからなる群から独立して選択され、ここで、-N=CHC6アリールは、1個から4個のハロゲンで更に置換されているか;又はR4及びR5は、一緒になって、C2〜10ヘテロシクリル又はC2〜10ヘテロアリールを形成し、ここで、C2〜10ヘテロシクリル又はC2〜10ヘテロアリールは、C1〜5アルキルから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;X及びYは、Nである)
からなる群から選択される化合物の適切な用量をHIV高リスク対象に投与する工程を含む方法を提供する。
【0111】
ある実施形態において、本開示は、それを必要とする対象において疾患を引き起こすHIVサブタイプを防止するための方法であって、式I、
【0112】
【化28】
【0113】
又はその立体異性体、その薬学的に許容される塩、多形体、溶媒和物及び水和物(式中、
R1及びR2は、水素、C6アリール及びCF3からなる群から独立して選択され、ここで、C6アリールは、ヒドロキシル、C1〜5アルキル又はC1〜5アルコキシから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;
R3は、C6アリールであり、ここで、C6アリールは、-OCH3、-OCF3、ニトロ、フッ素又はCF3から独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;
R4及びR5は、水素、C1〜5アルキル及び-N=CHC6アリールからなる群から独立して選択され、ここで、-N=CHC6アリールは、フッ素及び臭素から選択される1個から4個の置換基で更に置換されているか;又はR4及びR5は、一緒になって、C2〜10ヘテロシクリル又はC2〜10ヘテロアリールを形成し、ここで、C2〜10ヘテロシクリル又はC2〜10ヘテロアリールは、C1〜5アルキルから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;X及びYは、Nである)
からなる群から選択される化合物の適切な用量をHIV高リスク対象に投与する工程を含む方法を提供する。
【0114】
ある実施形態において、本開示は、それを必要とする対象において疾患を引き起こすHIVサブタイプを防止するための方法であって、式I、
【0115】
【化29】
【0116】
又はその立体異性体、その薬学的に許容される塩、多形体、溶媒和物及び水和物(式中、
R1及びR2は、水素、C6〜10アリール、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル及びアミノからなる群から独立して選択され、ここで、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル及びC6〜10アリールは、ヒドロキシル、ハロゲン、C1〜10アルキル、C1〜10アルコキシ又はC2〜10ヘテロシクリルから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;
R3は、C6〜10アリールであり、ここで、C6〜10アリールは、C1〜10アルコキシ、ニトロ又はC1〜10アルキルから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており、ここで、C1〜10アルキル及びC1〜10アルコキシは、ハロゲン、水素、ヒドロキシル、C1〜10アルキル、C1〜10アルコキシ又はC2〜10ヘテロシクリルから選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;
R4及びR5は、水素、C1〜10アルキル及び-N=CHC6アリールからなる群から独立して選択され、ここで、-N=CHC6アリールは、1個から4個のハロゲンで更に置換されているか、又はR4及びR5は、一緒になって、C2〜10ヘテロシクリル又はC2〜10ヘテロアリールを形成し、ここで、C2〜10ヘテロシクリル又はC2〜10ヘテロアリールは、C1〜10アルキルから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;X及びYは、Nである)
からなる群から選択される化合物の適切な用量をHIV高リスク対象に投与する工程を含む方法を提供する。
【0117】
ある実施形態において、本開示は、それを必要とする対象において疾患を引き起こすHIVサブタイプを防止するための方法であって、式II
【0118】
【化30】
【0119】
又はその立体異性体、その薬学的に許容される塩、多形体、溶媒和物及び水和物(式中、
R1及びR2は、水素、C1〜10アルキル、ヒドロキシ、チオ、アミノ、C2〜10ヘテロシクリル、C5〜10アリール、C2〜10ヘテロアリール、アシル、アミド、イミド、スルフィニル、スルホニル、カルボキシアルデヒド、シアノ、イソシアノ、アジド、ヒドラジノ、ニトロ及びハロからなる群から独立して選択されるか;又はR1及びR2は、一緒になって、任意選択により置換されている単環式環若しくは二環式環を形成し、ここで、C1〜10アルキル、C2〜10ヘテロシクリル、C5〜10アリール、C2〜10ヘテロアリール又は単環式環若しくは二環式環は、ヒドロキシ、C1〜10アルキル、C5〜10アリール、C1〜10アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ペルハロアルキル、シアノ、チオ、及び-CH2-Ph-NH-COO-Ph-Meから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;
Xは、Oであり;
Yは、C=Oであり;
Arは、C1〜10アルキル、C5〜10アリール又はC2〜10ヘテロアリールから選択され;
R3は、存在しない、又はヒドロキシ、C1〜10アルキル、C5〜10アリール、C2〜10ヘテロアリール、C2〜10ヘテロシクリル、C1〜10アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ペルハロアルキル、ニトロ、シアノ、CH2PhNHCOOPh-Me、NHCONHPh-(Cl)2若しくはCONHNHSO2Ph-Meから選択され;
nは、0〜5から選択される)
からなる群から選択される化合物の適切な用量をHIV高リスク対象に投与する工程を含む方法を提供する。
【0120】
ある実施形態において、本開示は、それを必要とする対象において疾患を引き起こすHIVサブタイプを防止するための方法であって、式II
【0121】
【化31】
【0122】
又はその立体異性体、その薬学的に許容される塩、多形体、溶媒和物及び水和物(式中、
R1及びR2は、水素、C1〜10アルキル、ヒドロキシ、チオ、アミノ、C2〜10ヘテロシクリル、C5〜10アリール、C2〜10ヘテロアリール、アシル、アミド、イミド、スルフィニル、スルホニル、カルボキシアルデヒド、シアノ、イソシアノ、アジド、ヒドラジノ、ニトロ及びハロからなる群から独立して選択されるか;又はR1及びR2は、一緒になって、任意選択により置換されている単環式環若しくは二環式環を形成し、ここで、C1〜10アルキル、C2〜10ヘテロシクリル、C5〜10アリール、C2〜10ヘテロアリール又は単環式環若しくは二環式環は、ヒドロキシ、C1〜10アルキル、C5〜10アリール、C1〜10アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ペルハロアルキル、シアノ、チオ、及び-CH2-Ph-NH-COO-Ph-Meから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;
Xは、Oであり;
Yは、C=Oであり;
Arは、C1〜10アルキル、C5〜10アリール又はC2〜10ヘテロアリールから選択され;
R3は、存在しない、又はヒドロキシ、C1〜10アルキル、C5〜10アリール、C2〜10ヘテロアリール、C2〜10ヘテロシクリル、C1〜10アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ペルハロアルキル、ニトロ、シアノ、CH2PhNHCOOPh-Me、NHCONHPh-(Cl)2若しくはCONHNHSO2Ph-Meから選択され;
nは、0〜5から選択される)
からなる群から選択される化合物の適切な用量をHIV高リスク対象に投与する工程を含む方法を提供する。
【0123】
ある実施形態において、本開示は、それを必要とする対象において疾患を引き起こすHIVサブタイプを防止するための方法であって、式II
【0124】
【化32】
【0125】
又はその立体異性体、その薬学的に許容される塩、多形体、溶媒和物及び水和物(式中、
R1及びR2は、水素、C1〜10アルキル、ヒドロキシ、チオ、アミノ、C2〜10ヘテロシクリル、C5〜10アリール、C2〜10ヘテロアリール、アシル、アミド、イミド、スルフィニル、スルホニル、カルボキシアルデヒド、シアノ、イソシアノ、アジド、ヒドラジノ、ニトロ及びハロからなる群から独立して選択されるか;又はR1及びR2は、一緒になって、任意選択により置換されている単環式環若しくは二環式環を形成し、ここで、C1〜10アルキル、C2〜10ヘテロシクリル、C5〜10アリール、C2〜10ヘテロアリール又は単環式環若しくは二環式環は、ヒドロキシ、C1〜10アルキル、C5〜10アリール、C1〜10アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ペルハロアルキル、シアノ、チオ、及び-CH2-Ph-NH-COO-Ph-Meから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;
Xは、Oであり;
Yは、C=Oであり;
Arは、C5〜10アリール又はC2〜10ヘテロアリールから選択され;
R3は、存在しない、又はヒドロキシ、C1〜10アルキル、C5〜10アリール、C2〜10ヘテロアリール、C2〜10ヘテロシクリル、C1〜10アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ペルハロアルキル、ニトロ、シアノ、CH2PhNHCOOPh-Me、NHCONHPh-(Cl)2若しくはCONHNHSO2Ph-Meから選択され;
nは、0〜5から選択される)
からなる群から選択される化合物の適切な用量をHIV高リスク対象に投与する工程を含む方法を提供する。
【0126】
ある実施形態において、本開示は、それを必要とする対象において疾患を引き起こすHIVサブタイプを防止するための方法であって、式II
【0127】
【化33】
【0128】
又はその立体異性体、その薬学的に許容される塩、多形体、溶媒和物及び水和物(式中、
R1及びR2は、水素、C1〜10アルキル、ヒドロキシ、チオ、アミノ、C2〜10ヘテロシクリル、C5〜10アリール、C2〜10ヘテロアリール、アシル、アミド、イミド、スルフィニル、スルホニル、カルボキシアルデヒド、シアノ、イソシアノ、アジド、ヒドラジノ、ニトロ及びハロからなる群から独立して選択されるか;又はR1及びR2は、一緒になって、任意選択により置換されている単環式環若しくは二環式環を形成し、ここで、C1〜10アルキル、C2〜10ヘテロシクリル、C5〜10アリール、C2〜10ヘテロアリール又は単環式環若しくは二環式環は、ヒドロキシ、C1〜10アルキル、C5〜10アリール、C1〜10アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ペルハロアルキル、シアノ、チオ、及び-CH2-Ph-NH-COO-Ph-Meから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;
Xは、Oであり;
Yは、C=Oであり;
Arは、C5〜10アリールであり;
R3は、存在しない、又はヒドロキシ、C1〜10アルキル、C5〜10アリール、C2〜10ヘテロアリール、C2〜10ヘテロシクリル、C1〜10アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ペルハロアルキル、ニトロ、シアノ、CH2PhNHCOOPh-Me、NHCONHPh-(Cl)2若しくはCONHNHSO2Ph-Meから選択され;
nは、0〜5から選択される)
からなる群から選択される化合物の適切な用量をHIV高リスク対象に投与する工程を含む方法を提供する。
【0129】
ある実施形態において、本開示は、それを必要とする対象において疾患を引き起こすHIVサブタイプを防止するための方法であって、式III
【0130】
【化34】
【0131】
又はその立体異性体、その薬学的に許容される塩、多形体、溶媒和物及び水和物(式中、
R1は、OH、COOH及びCOORaからなる群から独立して選択され、ここで、Raは、C1〜10アルキルであり;
R2及びR4は、水素又はC1〜10アルキルから独立して選択され;
R3は、C1〜10アルキル又はハロゲンから選択され;nは、1から5から選択される)
からなる群から選択される化合物の適切な用量をHIV高リスク対象に投与する工程を含む方法を提供する。
【0132】
ある実施形態において、本開示は、それを必要とする対象において疾患を引き起こすHIVサブタイプを防止するための方法であって、式III
【0133】
【化35】
【0134】
又はその立体異性体、その薬学的に許容される塩、多形体、溶媒和物及び水和物(式中、
R1は、OH、COOH及びCOORaからなる群から独立して選択され、ここで、Raは、C1〜5アルキルであり;
R2及びR4は、水素又はC1〜5アルキルから独立して選択され;
R3は、C1〜5アルキル又は塩素から選択され;nは、1から2から選択される)
からなる群から選択される化合物の適切な用量をHIV高リスク対象に投与する工程を含む方法を提供する。
【0135】
ある実施形態において、本開示は、対象におけるHIV感染を、そのNefタンパク質によるCD80/86受容体の内部移行によって媒介される免疫回避によって処置又は防止するための方法であって、式I、
【0136】
【化36】
【0137】
又はその立体異性体、その薬学的に許容される塩、多形体、溶媒和物及び水和物(式中、
R1及びR2は、水素、C6〜10アリール、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル及びアミノからなる群から独立して選択され、ここで、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル及びC6〜10アリールは、ヒドロキシル、ハロゲン、C1〜10アルキル、C1〜10アルコキシ又はC2〜10ヘテロシクリルから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;
R3は、C6〜10アリールであり、ここで、C6〜10アリールは、C1〜10アルコキシ、ニトロ、ハロゲン又はC1〜10アルキルから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており、ここで、C1〜10アルキル及びC1〜10アルコキシは、ハロゲン、水素、ヒドロキシル、C1〜10アルキル、C1〜10アルコキシ又はC2〜10ヘテロシクリルから選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;
R4及びR5は、水素、C1〜10アルキル及び-N=CHC6アリールからなる群から独立して選択され、ここで、-N=CHC6アリールは、1個から4個のハロゲンで更に置換されているか;又はR4及びR5は、一緒になって、C2〜10ヘテロシクリル又はC2〜10ヘテロアリールを形成し、ここで、C2〜10ヘテロシクリル又はC2〜10ヘテロアリールは、C1〜10アルキルから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;
X及びYは、Nである);
【0138】
【化37】
【0139】
又はその立体異性体、その薬学的に許容される塩、多形体、溶媒和物及び水和物(式中、
R1及びR2は、水素、C1〜10アルキル、ヒドロキシ、チオ、アミノ、C2〜10ヘテロシクリル、C5〜10アリール、C2〜10ヘテロアリール、アシル、アミド、イミド、スルフィニル、スルホニル、カルボキシアルデヒド、シアノ、イソシアノ、アジド、ヒドラジノ、ニトロ及びハロからなる群から独立して選択されるか;又はR1及びR2は、一緒になって、任意選択により置換されている単環式環若しくは二環式環を形成し、ここで、C1〜10アルキル、C2〜10ヘテロシクリル、C5〜10アリール、C2〜10ヘテロアリール又は単環式環若しくは二環式環は、ヒドロキシ、C1〜10アルキル、C5〜10アリール、C1〜10アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ペルハロアルキル、シアノ、チオ、及び-CH2-Ph-NH-COO-Ph-Meから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;
Xは、Oであり;
Yは、C=Oであり;
Arは、C1〜10アルキル、C5〜10アリール又はC2〜10ヘテロアリールから選択され;
R3は、存在しない、又はヒドロキシ、C1〜10アルキル、C5〜10アリール、C2〜10ヘテロアリール、C2〜10ヘテロシクリル、C1〜10アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ペルハロアルキル、ニトロ、シアノ、CH2PhNHCOOPh-Me、NHCONHPh-(Cl)2若しくはCONHNHSO2Ph-Meから選択され;
nは、0〜5から選択される);
【0140】
【化38】
【0141】
又はその立体異性体、その薬学的に許容される塩、多形体、溶媒和物及び水和物(式中、
R1は、OH、COOH及びCOORaからなる群から独立して選択され、ここで、Raは、C1〜10アルキルであり;
R2及びR4は、水素又はC1〜10アルキルから独立して選択され;
R3は、C1〜10アルキル又はハロゲンから選択され;
nは、1から5から選択される)
からなる群から選択される化合物の適切な用量を対象に投与する工程を含む方法を提供する。
【0142】
ある実施形態において、本開示は、それを必要とする対象において疾患を引き起こすHIVサブタイプを防止するための方法であって、式I、
【0143】
【化39】
【0144】
又はその立体異性体、その薬学的に許容される塩、多形体、溶媒和物及び水和物(式中、
R1及びR2は、水素、C6〜10アリール、C1〜10アルキル及びアミノからなる群から独立して選択され、ここで、C1〜10アルキル及びC6〜10アリールは、ヒドロキシル、ハロゲン、C1〜10アルキル、C1〜10アルコキシ又はC2〜10ヘテロシクリルから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;
R3は、C6〜10アリールであり、ここで、C6〜10アリールは、C1〜10アルコキシ、ニトロ、ハロゲン又はC1〜10アルキルから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており、ここで、C1〜10アルキル及びC1〜10アルコキシは、ハロゲン、水素、ヒドロキシル、C1〜10アルキル、C1〜10アルコキシ又はC2〜10ヘテロシクリルから選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;
R4及びR5は、水素、C1〜10アルキル及び-N=CHC6アリールからなる群から独立して選択され、ここで、-N=CHC6アリールは、1個から4個のハロゲンで更に置換されているか;又はR4及びR5は、一緒になって、C2〜10ヘテロシクリル又はC2〜10ヘテロアリールを形成し、ここで、C2〜10ヘテロシクリル又はC2〜10ヘテロアリールは、C1〜10アルキルから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;X及びYは、Nである)
からなる群から選択される化合物の適切な用量をHIV高リスク対象に投与する工程を含む方法を提供する。
【0145】
ある実施形態において、本開示は、対象におけるHIV感染を、そのNefタンパク質によるCD80/86受容体の内部移行によって媒介される免疫回避によって処置又は防止する方法であって、式I、
【0146】
【化40】
【0147】
又はその立体異性体、その薬学的に許容される塩、多形体、溶媒和物及び水和物(式中、
R1及びR2は、水素、C6〜10アリール及びC1〜10アルキルからなる群から独立して選択され、ここで、C1〜10アルキル及びC6〜10アリールは、ヒドロキシル、ハロゲン、C1〜10アルキル又はC1〜10アルコキシから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;
R3は、C6〜10アリールであり、ここで、C6〜10アリールは、C1〜10アルコキシ、ニトロ、ハロゲン又はC1〜10アルキルから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており、ここで、C1〜10アルキル及びC1〜10アルコキシは、ハロゲン、水素、ヒドロキシル、C1〜10アルキル、C1〜10アルコキシ又はC2〜10ヘテロシクリルから選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;
R4及びR5は、水素、C1〜10アルキル及び-N=CHC6アリールからなる群から独立して選択され、ここで、-N=CHC6アリールは、1個から4個のハロゲンで更に置換されているか;又はR4及びR5は、一緒になって、C2〜10ヘテロシクリル又はC2〜10ヘテロアリールを形成し、ここで、C2〜10ヘテロシクリル又はC2〜10ヘテロアリールは、C1〜10アルキルから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;X及びYは、Nである)
からなる群から選択される化合物の適切な用量を対象に投与する工程を含む方法を提供する。
【0148】
ある実施形態において、本開示は、対象におけるHIV感染を、そのNefタンパク質によるCD80/86受容体の内部移行によって媒介される免疫回避によって処置又は防止する方法であって、式I、
【0149】
【化41】
【0150】
又はその立体異性体、その薬学的に許容される塩、多形体、溶媒和物及び水和物(式中、
R1及びR2は、水素、C6アリール及びC1〜5アルキルからなる群から独立して選択され、ここで、C1〜5アルキル及びC6アリールは、ヒドロキシル、フッ素、C1〜5アルキル又はC1〜5アルコキシから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;
R3は、C6アリールであり、ここで、C6アリールは、C1〜5アルコキシ、ニトロ、ハロゲン又はC1〜5アルキルから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており、ここで、C1〜5アルキル及びC1〜5アルコキシは、ハロゲン、水素、ヒドロキシル、C1〜5アルキル、C1〜5アルコキシ又はC2〜10ヘテロシクリルから選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;
R4及びR5は、水素、C1〜5アルキル及び-N=CHC6アリールからなる群から独立して選択され、ここで、-N=CHC6アリールは、1個から4個のハロゲンで更に置換されているか;又はR4及びR5は、一緒になって、C2〜10ヘテロシクリル又はC2〜10ヘテロアリールを形成し、ここで、C2〜10ヘテロシクリル又はC2〜10ヘテロアリールは、C1〜5アルキルから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;X及びYは、Nである)
からなる群から選択される化合物の適切な用量を対象に投与する工程を含む方法を提供する。
【0151】
ある実施形態において、本開示は、対象におけるHIV感染を、そのNefタンパク質によるCD80/86受容体の内部移行によって媒介される免疫回避によって処置又は防止する方法であって、式I、
【0152】
【化42】
【0153】
又はその立体異性体、その薬学的に許容される塩、多形体、溶媒和物及び水和物(式中、
R1及びR2は、水素、C6アリール及びCF3からなる群から独立して選択され、ここで、C6アリールは、ヒドロキシル、C1〜5アルキル又はC1〜5アルコキシから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;
R3は、C6アリールであり、ここで、C6アリールは、-OCH3、-OCF3、ニトロ、フッ素又はCF3から独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;
R4及びR5は、水素、C1〜5アルキル及び-N=CHC6アリールからなる群から独立して選択され、ここで、-N=CHC6アリールは、フッ素及び臭素から選択される1個から4個の置換基で更に置換されているか;又はR4及びR5は、一緒になって、C2〜10ヘテロシクリル又はC2〜10ヘテロアリールを形成し、ここで、C2〜10ヘテロシクリル又はC2〜10ヘテロアリールは、C1〜5アルキルから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;X及びYは、Nである)
からなる群から選択される化合物の適切な用量を対象に投与する工程を含む方法を提供する。
【0154】
ある実施形態において、本開示は、対象におけるHIV感染を、そのNefタンパク質によるCD80/86受容体の内部移行によって媒介される免疫回避によって処置又は防止する方法であって、式I、
【0155】
【化43】
【0156】
又はその立体異性体、その薬学的に許容される塩、多形体、溶媒和物及び水和物(式中、
R1及びR2は、水素、C6〜10アリール、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル及びアミノからなる群から独立して選択され、ここで、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル及びC6〜10アリールは、ヒドロキシル、ハロゲン、C1〜10アルキル、C1〜10アルコキシ又はC2〜10ヘテロシクリルから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;
R3は、C6〜10アリールであり、ここで、C6〜10アリールは、C1〜10アルコキシ、ニトロ又はC1〜10アルキルから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており、ここで、C1〜10アルキル及びC1〜10アルコキシは、ハロゲン、水素、ヒドロキシル、C1〜10アルキル、C1〜10アルコキシ又はC2〜10ヘテロシクリルから選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;
R4及びR5は、水素、C1〜10アルキル及び-N=CHC6アリールからなる群から独立して選択され、ここで、-N=CHC6アリールは、1個から4個のハロゲンで更に置換されているか;又はR4及びR5は、一緒になって、C2〜10ヘテロシクリル又はC2〜10ヘテロアリールを形成し、ここで、C2〜10ヘテロシクリル又はC2〜10ヘテロアリールは、C1〜10アルキルから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;X及びYは、Nである)
からなる群から選択される化合物の適切な用量を対象に投与する工程を含む方法を提供する。
【0157】
ある実施形態において、本開示は、対象におけるHIV感染を、そのNefタンパク質によるCD80/86受容体の内部移行によって媒介される免疫回避によって処置又は防止する方法であって、式II
【0158】
【化44】
【0159】
又はその立体異性体、その薬学的に許容される塩、多形体、溶媒和物及び水和物(式中、
R1及びR2は、水素、C1〜10アルキル、ヒドロキシ、チオ、アミノ、C2〜10ヘテロシクリル、C5〜10アリール、C2〜10ヘテロアリール、アシル、アミド、イミド、スルフィニル、スルホニル、カルボキシアルデヒド、シアノ、イソシアノ、アジド、ヒドラジノ、ニトロ及びハロからなる群から独立して選択されるか;又はR1及びR2は、一緒になって、任意選択により置換されている単環式環若しくは二環式環を形成し、ここで、C1〜10アルキル、C2〜10ヘテロシクリル、C5〜10アリール、C2〜10ヘテロアリール又は単環式環若しくは二環式環は、ヒドロキシ、C1〜10アルキル、C5〜10アリール、C1〜10アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ペルハロアルキル、シアノ、チオ、及び-CH2-Ph-NH-COO-Ph-Meから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;
Xは、Oであり;
Yは、C=Oであり;
Arは、C1〜10アルキル、C5〜10アリール又はC2〜10ヘテロアリールから選択され;
R3は、存在しない、又はヒドロキシ、C1〜10アルキル、C5〜10アリール、C2〜10ヘテロアリール、C2〜10ヘテロシクリル、C1〜10アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ペルハロアルキル、ニトロ、シアノ、CH2PhNHCOOPh-Me、NHCONHPh-(Cl)2若しくはCONHNHSO2Ph-Meから選択され;nは、0〜5から選択される)
からなる群から選択される化合物の適切な用量を対象に投与する工程を含む方法を提供する。
【0160】
ある実施形態において、本開示は、対象におけるHIV感染を、そのNefタンパク質によるCD80/86受容体の内部移行によって媒介される免疫回避によって処置又は防止する方法であって、式II
【0161】
【化45】
【0162】
又はその立体異性体、その薬学的に許容される塩、多形体、溶媒和物及び水和物(式中、
R1及びR2は、水素、C1〜10アルキル、ヒドロキシ、チオ、アミノ、C2〜10ヘテロシクリル、C5〜10アリール、C2〜10ヘテロアリール、アシル、アミド、イミド、スルフィニル、スルホニル、カルボキシアルデヒド、シアノ、イソシアノ、アジド、ヒドラジノ、ニトロ及びハロからなる群から独立して選択されるか;又はR1及びR2は、一緒になって、任意選択により置換されている単環式環若しくは二環式環を形成し、ここで、C1〜10アルキル、C2〜10ヘテロシクリル、C5〜10アリール、C2〜10ヘテロアリール又は単環式環若しくは二環式環は、ヒドロキシ、C1〜10アルキル、C5〜10アリール、C1〜10アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ペルハロアルキル、シアノ、チオ、及び-CH2-Ph-NH-COO-Ph-Meから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;
Xは、Oであり;
Yは、C=Oであり;
Arは、C1〜10アルキル、C5〜10アリール又はC2〜10ヘテロアリールから選択され;
R3は、存在しない、又はヒドロキシ、C1〜10アルキル、C5〜10アリール、C2〜10ヘテロアリール、C2〜10ヘテロシクリル、C1〜10アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ペルハロアルキル、ニトロ、シアノ、CH2PhNHCOOPh-Me、NHCONHPh-(Cl)2若しくはCONHNHSO2Ph-Meから選択され;nは、0〜5から選択される)
からなる群から選択される化合物の適切な用量を対象に投与する工程を含む方法を提供する。
【0163】
ある実施形態において、本開示は、対象におけるHIV感染を、そのNefタンパク質によるCD80/86受容体の内部移行によって媒介される免疫回避によって処置又は防止する方法であって、式II
【0164】
【化46】
【0165】
又はその立体異性体、その薬学的に許容される塩、多形体、溶媒和物及び水和物(式中、
R1及びR2は、水素、C1〜10アルキル、ヒドロキシ、チオ、アミノ、C2〜10ヘテロシクリル、C5〜10アリール、C2〜10ヘテロアリール、アシル、アミド、イミド、スルフィニル、スルホニル、カルボキシアルデヒド、シアノ、イソシアノ、アジド、ヒドラジノ、ニトロ及びハロからなる群から独立して選択されるか;又はR1及びR2は、一緒になって、任意選択により置換されている単環式環若しくは二環式環を形成し、ここで、C1〜10アルキル、C2〜10ヘテロシクリル、C5〜10アリール、C2〜10ヘテロアリール又は単環式環若しくは二環式環は、ヒドロキシ、C1〜10アルキル、C5〜10アリール、C1〜10アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ペルハロアルキル、シアノ、チオ、及び-CH2-Ph-NH-COO-Ph-Meから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;
Xは、Oであり;
Yは、C=Oであり;
Arは、C5〜10アリール又はC2〜10ヘテロアリールから選択され;
R3は、存在しない、又はヒドロキシ、C1〜10アルキル、C5〜10アリール、C2〜10ヘテロアリール、C2〜10ヘテロシクリル、C1〜10アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ペルハロアルキル、ニトロ、シアノ、CH2PhNHCOOPh-Me、NHCONHPh-(Cl)2若しくはCONHNHSO2Ph-Meから選択され;nは、0〜5から選択される)
からなる群から選択される化合物の適切な用量を対象に投与する工程を含む方法を提供する。
【0166】
ある実施形態において、本開示は、対象におけるHIV感染を、そのNefタンパク質によるCD80/86受容体の内部移行によって媒介される免疫回避によって処置又は防止する方法であって、式II
【0167】
【化47】
【0168】
又はその立体異性体、その薬学的に許容される塩、多形体、溶媒和物及び水和物(式中、
R1及びR2は、水素、C1〜10アルキル、ヒドロキシ、チオ、アミノ、C2〜10ヘテロシクリル、C5〜10アリール、C2〜10ヘテロアリール、アシル、アミド、イミド、スルフィニル、スルホニル、カルボキシアルデヒド、シアノ、イソシアノ、アジド、ヒドラジノ、ニトロ及びハロからなる群から独立して選択されるか;又はR1及びR2は、一緒になって、任意選択により置換されている単環式環若しくは二環式環を形成し、ここで、C1〜10アルキル、C2〜10ヘテロシクリル、C5〜10アリール、C2〜10ヘテロアリール又は単環式環若しくは二環式環は、ヒドロキシ、C1〜10アルキル、C5〜10アリール、C1〜10アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ペルハロアルキル、シアノ、チオ、及び-CH2-Ph-NH-COO-Ph-Meから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;
Xは、Oであり;
Yは、C=Oであり;
Arは、C5〜10アリールであり;
R3は、存在しない、又はヒドロキシ、C1〜10アルキル、C5〜10アリール、C2〜10ヘテロアリール、C2〜10ヘテロシクリル、C1〜10アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ペルハロアルキル、ニトロ、シアノ、CH2PhNHCOOPh-Me、NHCONHPh-(Cl)2若しくはCONHNHSO2Ph-Meから選択され;nは、0〜5から選択される)
からなる群から選択される化合物の適切な用量を対象に投与する工程を含む方法を提供する。
【0169】
ある実施形態において、本開示は、対象におけるHIV感染を、そのNefタンパク質によるqf CD80/86受容体によって媒介される免疫回避によって処置又は防止する方法であって、式III
【0170】
【化48】
【0171】
又はその立体異性体、その薬学的に許容される塩、多形体、溶媒和物及び水和物(式中、
R1は、OH、COOH及びCOORaからなる群から独立して選択され、ここで、Raは、C1〜10アルキルであり;
R2及びR4は、水素又はC1〜10アルキルから独立して選択され;
R3は、C1〜10アルキル又はハロゲンから選択され;nは、1から5から選択される)
からなる群から選択される化合物の適切な用量を対象に投与する工程を含む方法を提供する。
【0172】
ある実施形態において、本開示は、対象におけるHIV感染を、そのNefタンパク質によるCD80/86受容体の内部移行によって媒介される免疫回避によって処置又は防止する方法であって、式III
【0173】
【化49】
【0174】
又はその立体異性体、その薬学的に許容される塩、多形体、溶媒和物及び水和物(式中、
R1は、OH、COOH及びCOORaからなる群から独立して選択され、ここで、Raは、C1〜5アルキルであり;
R2及びR4は、水素又はC1〜5アルキルから独立して選択され;
R3は、C1〜5アルキル又は塩素から選択され;nは、1から2から選択される)
からなる群から選択される化合物の適切な用量を対象に投与する工程を含む方法を提供する。
【0175】
ある実施形態において、本開示は、
2-(3,5-ジメチル-1H-ピラゾール-1-イル)-5-(4-ニトロフェニル)ピリミジン(I1a)、
2-(3,5-ジメチル-1H-ピラゾール-1-イル)-5-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]ピリミジン(I1b)、
2-(3,5-ジメチル-1H-ピラゾール-1-イル)-5-[4-(トリフルオロメトキシ)フェニル]ピリミジン(I1c)、
2-(3,5-ジメチル-1H-ピラゾール-1-イル)-5-(4-メトキシフェニル)ピリミジン(I1d)、
2-(3,5-ジメチル-1H-ピラゾール-1-イル)-5-(3-ニトロフェニル)ピリミジン(I1e)、
2-(3,5-ジメチル-1H-ピラゾール-1-イル)-5-(2-ニトロフェニル)ピリミジン(I1f)、
2-[2-(4-ブロモベンジリデン)ヒドラジニル)-5-(4-ニトロフェニル)]ピリミジン(I2a)、
2-(2-(4-フルオロベンジリデン)ヒドラジニル)-5-(4-ニトロフェニル)ピリミジン(I2b)、
(E)-2-(2-(4-フルオロベンジリデン)ヒドラジニル)-5-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリミジン(I2c)、
(E)-2-[2-(4-ブロモベンジリデン)ヒドラジニル)-5-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル]ピリミジン(I2d)、
(E)-2-[2-(4-フルオロベンジリデン)ヒドラジニル)-5-(4-メトキシフェニル]ピリミジン(I2e)、
(E)-2-(2-(4-フルオロベンジリデン)ヒドラジニル)-5-(3-ニトロフェニル)ピリミジン(I2f)、
(E)-2-[(2-(4-ブロモベンジリデン)ヒドラジニル)-5-(2-ニトロフェニル)]ピリミジン(I2g)、
N,N-ジメチル-5-フェニルピリミジン-2-アミン(I3a)、
4-(5-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリミジン-2-イル)モルホリン(I3b)、
5-(4-フルオロフェニル)-N,N-ジメチルピリミジン-2-アミン(I3c)、
4-(5-(4-フルオロフェニル)ピリミジン-2-イル)モルホリン(I3d)、
2-(2-アミノ-5-(4-メトキシフェニル)-6-(トリフルオロメチル)ピリミジン-4-イル)-4-エチル-5-メトキシフェノール(I4)
フェニル2-チオキソベンゾ[d]オキサゾール-3(2H)-カルボキシレート(II1)、
p-トリル(3,4-ジクロロフェニル)カルバメート(II2a)、
[1,1'-ビフェニル]-4-イル(3,4-ジクロロフェニル)カルバメート(II2b)、
4-メトキシフェニルジフェニルカルバメート(II2c)、
ジ-p-トリル[メチレンビス(4,1-フェニレン)]ジカルバメート(II2d)、
ナフタレン-2-イル(2-フルオロフェニル)カルバメート(II3)、
2-[3-(3,4-ジクロロフェニル)ウレイド]-4-ニトロフェニル(3,4-ジクロロフェニル)カルバメート(II4)、
3-[(1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)フェニル]ジフェニルカルバメート(II5)、
2,4-ジ-tert-ブチル-6-メトキシフェニルフェニルカルバメート(II6)
2-[(2-トシルヒドラジン-1-カルボニル)フェニル]フェニルカルバメート(II7)、
エチル4-[2-(4-エチルフェノキシ)アセトアミド]ベンゾエート(III1a)、
メチル4-[2-(2-イソプロピルフェノキシ)アセトアミド]ベンゾエート(III1b)、
プロピル4-[2-(4-イソプロピルフェノキシ)アセトアミド]ベンゾエート(III1c)、
イソプロピル4-[2-(4-イソプロピルフェノキシ)アセトアミド]ベンゾエート(III1d)、
プロピル4-[2-(m-トリルオキシ)アセトアミド]ベンゾエート(III1e)、
イソブチル2-ヒドロキシ-4-[2-(4-イソプロピルフェノキシ)アセトアミド]ベンゾエート(III1f)、
4-[2-(3,5-ジメチルフェノキシ)アセトアミド]-2-ヒドロキシ安息香酸(III2a)、
4-(2-フェノキシプロパンアミド)安息香酸(III2b)、
エチル4-[2-(4-クロロフェノキシ)-2-メチルプロパンアミド]ベンゾエート(III2c)、及び
メチル4-[2-(o-トリルオキシ)プロパンアミド]ベンゾエート(III2d)
からなる群から選択される、式I、II若しくはIIIの化合物又はその立体異性体、その薬学的に許容される塩、多形体、溶媒和物及び水和物を提供する。
【0176】
式I、II又はIIIについての化合物は、Nef-CD80/86相互作用を阻害することを介して、T細胞活性化を介する免疫シグナル伝達の回復を引き起こす。
【0177】
ある実施形態において、本開示は、対象において疾患を引き起こすHIVサブタイプを処置又は防止する方法であって、式Iからなる群から選択される化合物の治療用量をHIV感染対象に投与する工程を含み、式Iの化合物は、以下からなる群から選択される、方法を提供する:
【0178】
【化50】
【0179】
ある実施形態において、本開示は、それを必要とする対象において疾患を引き起こすHIVサブタイプを処置又は防止する方法であって、式Iからなる群から選択される化合物の適切な用量をHIV高リスク対象に投与する工程を含み、式Iの化合物は、以下からなる群から選択される、方法を提供する:
【0180】
【化51】
【0181】
ある実施形態において、本開示は、対象において疾患を引き起こすHIVサブタイプを処置又は防止する方法であって、式Iからなる群から選択される化合物の治療用量をHIV感染対象に投与する工程を含み、式Iの化合物は、以下からなる群から選択される、方法を提供する:
【0182】
【化52】
【0183】
ある実施形態において、本開示は、それを必要とする対象において疾患を引き起こすHIVサブタイプを処置又は防止する方法であって、式Iからなる群から選択される化合物の適切な用量をHIV高リスク対象に投与する工程を含み、式Iの化合物は、以下からなる群から選択される、方法を提供する:
【0184】
【化53】
【0185】
ある実施形態において、本開示は、対象において疾患を引き起こすHIVサブタイプを処置又は防止する方法であって、式Iからなる群から選択される化合物の治療用量をHIV感染対象に投与する工程を含み、ここで、式Iの化合物は、以下からなる群から選択される、方法を提供する:
【0186】
【化54】
【0187】
ある実施形態において、本開示は、それを必要とする対象において疾患を引き起こすHIVサブタイプを処置又は防止する方法であって、式Iからなる群から選択される化合物の適切な用量をHIV高リスク対象に投与する工程を含み、ここで、式Iの化合物は、以下からなる群から選択される、方法を提供する:
【0188】
【化55】
【0189】
ある実施形態において、本開示は、対象において疾患を引き起こすHIVサブタイプを処置又は防止する方法であって、式IIからなる群から選択される化合物の治療用量をHIV感染対象に投与する工程を含み、ここで、式IIの化合物は、以下からなる群から選択される、方法を提供する:
【0190】
【化56】
【0191】
ある実施形態において、本開示は、それを必要とする対象において疾患を引き起こすHIVサブタイプを処置又は防止する方法であって、式IIからなる群から選択される化合物の適切な用量をHIV高リスク対象に投与する工程を含み、ここで、式IIの化合物は、以下からなる群から選択される、方法を提供する:
【0192】
【化57】
【0193】
ある実施形態において、本開示は、対象において疾患を引き起こすHIVサブタイプを処置又は防止する方法であって、式IIIからなる群から選択される化合物の治療用量をHIV感染対象に投与する工程を含み、ここで、式IIIの化合物は、以下からなる群から選択される、方法を提供する:
【0194】
【化58】
【0195】
ある実施形態において、本開示は、それを必要とする対象において疾患を引き起こすHIVサブタイプを処置又は防止する方法であって、式IIIからなる群から選択される化合物の適切な用量をHIV高リスク対象に投与する工程を含み、ここで、式IIIの化合物は、以下からなる群から選択される、方法を提供する:
【0196】
【化59】
【0197】
ある実施形態において、本開示は、対象におけるHIV感染を、そのNefタンパク質によるCD80/86受容体の内部移行によって媒介される免疫回避によって処置又は防止する方法であって、式I、
【0198】
【化60】
【0199】
又はその立体異性体、その薬学的に許容される塩、多形体、溶媒和物及び水和物(式中、
R1及びR2は、水素、C6〜10アリール、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル及びアミノからなる群から独立して選択され、ここで、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル及びC5〜10アリールは、ヒドロキシル、ハロゲン、C1〜10アルキル、C1〜10アルコキシ及びC2〜10ヘテロシクリルから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;
R3は、C6〜10アリールであり、ここで、C6〜10アリールは、C1〜10アルコキシ、ニトロ、ハロゲン又はC1〜10アルキルから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており、ここで、C1〜10アルキル及びC1〜10アルコキシは、ハロゲン、水素、ヒドロキシル、C1〜10アルキル、C1〜10アルコキシ又はC2〜10ヘテロシクリルから選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;
R4及びR5は、水素、C1〜10アルキル及び-N=CHC6アリールからなる群から独立して選択され、ここで、-N=CHC6アリールは、1個から4個のハロゲンで更に置換されているか;又はR4及びR5は、一緒になって、C2〜10ヘテロシクリル又はC2〜10ヘテロアリールを形成し、ここで、C2〜10ヘテロシクリル又はC2〜10ヘテロアリールは、C1〜10アルキルから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;
X及びYは、Nである);
【0200】
【化61】
【0201】
又はその立体異性体、その薬学的に許容される塩、多形体、溶媒和物及び水和物(式中、
R1及びR2は、水素、C1〜10アルキル、ヒドロキシ、チオ、アミノ、C2〜10ヘテロシクリル、C5〜10アリール、C2〜10ヘテロアリール、アシル、アミド、イミド、スルフィニル、スルホニル、カルボキシアルデヒド、シアノ、イソシアノ、アジド、ヒドラジノ、ニトロ及びハロからなる群から独立して選択されるか;又はR1及びR2は、一緒になって、任意選択により置換されている単環式環若しくは二環式環を形成し、ここで、C1〜10アルキル、C2〜10ヘテロシクリル、C5〜10アリール、C2〜10ヘテロアリール又は単環式環若しくは二環式環は、ヒドロキシ、C1〜10アルキル、C5〜10アリール、C1〜10アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ペルハロアルキル、シアノ、チオ、及び-CH2-Ph-NH-COO-Ph-Meから独立して選択される1個から4個の置換基で任意選択により置換されており;
Xは、Oから選択され;
Yは、C=Oであり;
Arは、C1〜10アルキル、C5〜10アリール又はC2〜10ヘテロアリールから選択され;
R3は、存在しない、又はヒドロキシ、C1〜10アルキル、C5〜10アリール、C2〜10ヘテロアリール、C2〜10ヘテロシクリル、C1〜10アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ペルハロアルキル、ニトロ、シアノ、CH2PhNHCOOPh-Me、NHCONHPh-(Cl)2若しくはCONHNHSO2Ph-Meから選択され;
nは、0〜5から選択される);並びに
【0202】
【化62】
【0203】
又はその立体異性体、その薬学的に許容される塩、多形体、溶媒和物及び水和物(式中、
R1は、OH、COOH及びCOORaからなる群から独立して選択され、ここで、Raは、C1〜10アルキルであり;
R2及びR4は、水素又はC1〜10アルキルから独立して選択され;
R3は、C1〜10アルキル又はハロゲンから選択され;
nは、1から5から選択される)からなる群から選択される化合物の適切な用量を対象に投与する工程を含む方法を提供する。本開示の別の実施形態において、適切な用量は、50μMから1000μMの範囲である。
【0204】
ある実施形態において、本開示は、本明細書に記載されている通りの免疫回避によって対象におけるHIV感染を処置又は防止する方法を提供し、ここで、化合物は、Nef-CD80/86相互作用を阻害することを介して、T細胞活性化を介する免疫シグナル伝達の回復を引き起こす。
【0205】
ある実施形態において、本開示は、慢性リンパ球性白血病、結腸癌腫、多発性骨髄腫を含むがん、HIV、HPV、ヘルペスを含むウイルス感染から選択される、非感染状態と比較して低レベルのCD80/86受容体を有する感染を処置/防止するための方法を提供する。
【0206】
ある実施形態において、本開示は、それを必要とする対象において疾患を引き起こすHIVサブタイプを防止するための方法であって、:4-(5-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリミジン-2-イル)モルホリン(I3b)、ナフタレン-2-イル(2-フルオロフェニル)カルバメート(II3)、及び4-[2-(3,5-ジメチルフェノキシ)アセトアミド]-2-ヒドロキシ安息香酸(III2a)からなる群から選択される化合物の適切な用量をHIV高リスク対象に投与する工程を含む方法に関する。本開示の別の実施形態において、適切な用量は、50μMから1000μMの範囲である。
【0207】
ある実施形態において、本開示は、対象において疾患を引き起こすHIVサブタイプを防止するための方法であって、4-(5-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリミジン-2-イル)モルホリン(I3b)、ナフタレン-2-イル(2-フルオロフェニル)カルバメート(II3)、4-[2-(3,5-ジメチルフェノキシ)アセトアミド]-2-ヒドロキシ安息香酸(III2a)、及びそれらの組合せからなる群から選択される化合物の治療用量をHIV感染対象に投与する工程を含む方法に関する。本開示の別の実施形態において、治療用量は、50μMから1000μMの範囲である。なお別の実施形態において、化合物は、4-(5-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリミジン-2-イル)モルホリン(I3b)、ナフタレン-2-イル(2-フルオロフェニル)カルバメート(II3)、4-[2-(3,5-ジメチルフェノキシ)アセトアミド]-2-ヒドロキシ安息香酸(III2a)の組合せである。
【0208】
ある実施形態において、本開示は、対象において疾患を引き起こすHIVサブタイプを処置するための方法であって、4-(5-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリミジン-2-イル)モルホリン(I3b)、ナフタレン-2-イル(2-フルオロフェニル)カルバメート(II3)、及び4-[2-(3,5-ジメチルフェノキシ)アセトアミド]-2-ヒドロキシ安息香酸(III2a)からなる群から選択される化合物の治療用量をHIV感染対象に投与する工程を含む方法に関する。本開示の別の実施形態において、適切な用量は、50μMから1000μMの範囲である。
【0209】
ある実施形態において、本開示は、対象において疾患を引き起こすHIVサブタイプを処置するための方法であって、4-(5-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリミジン-2-イル)モルホリン(I3b)、ナフタレン-2-イル(2-フルオロフェニル)カルバメート(II3)、4-[2-(3,5-ジメチルフェノキシ)アセトアミド]-2-ヒドロキシ安息香酸(III2a)、及びそれらの組合せからなる群から選択される化合物の治療用量をHIV感染対象に投与する工程を含む方法に関する。本開示の別の実施形態において、治療用量は、50μMから1000μMの範囲である。なお別の実施形態において、化合物は、4-(5-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリミジン-2-イル)モルホリン(I3b)、ナフタレン-2-イル(2-フルオロフェニル)カルバメート(II3)、4-[2-(3,5-ジメチルフェノキシ)アセトアミド]-2-ヒドロキシ安息香酸(III2a)の組合せである。
【0210】
ある実施形態において、本開示は、対象におけるHIV感染を、そのNefタンパク質によるCD80/86受容体の内部移行によって媒介される免疫回避によって防止又は処置するための方法であって、4-(5-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリミジン-2-イル)モルホリン(I3b)、ナフタレン-2-イル(2-フルオロフェニル)カルバメート(II3)、又は4-[2-(3,5-ジメチルフェノキシ)アセトアミド]-2-ヒドロキシ安息香酸(III2a)から選択される化合物の適切な用量を対象に投与する工程を含む方法に関する。本開示の別の実施形態において、適切な用量は、50μMから1000μMの範囲である。
【0211】
ある実施形態において、本開示は、慢性リンパ球性白血病、結腸癌腫、多発性骨髄腫のようながん、HIV、HPV、ヘルペスを含むウイルス感染から選択される、非感染状態と比較して低レベルのCD80/86受容体を有する感染を、式I、式II及び式IIIの化合物又はその立体異性体、その薬学的に許容される塩、複合体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形体、ラセミ混合物、光学活性形態及び薬学的に活性の誘導体を使用して処置/防止するための方法に関する。
【0212】
ウシ、ネコ、サルにおける感染は、Nefスーパーファミリー経路を介して作用する。
【0213】
ある実施形態において、本開示は、成長ウイルスを死滅又は阻害する際の使用のための、式I、式II及び式IIIの化合物又はその立体異性体、その薬学的に許容される塩、複合体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形体、ラセミ混合物、光学活性形態及び薬学的に活性の誘導体に関する。
【0214】
ある実施形態において、本開示は、HIVの成長を死滅又は阻害する際の使用のための、式I、式II及び式IIIの化合物又はその立体異性体、その薬学的に許容される塩、複合体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形体、ラセミ混合物、光学活性形態及び薬学的に活性の誘導体に関する。
【0215】
ある実施形態において、本開示は、HIVの成長を死滅又は阻害する際の、式I、式II及び式IIIの化合物又はその立体異性体、その薬学的に許容される塩、複合体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形体、ラセミ混合物、光学活性形態及び薬学的に活性の誘導体の使用に関する。
【0216】
ある実施形態において、本開示は、患者における疾患又は状態を処置する際の使用のための、式I、式II及び式IIIの化合物又はその立体異性体、その薬学的に許容される塩、複合体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形体、ラセミ混合物、光学活性形態及び薬学的に活性の誘導体に関し、ここで、前記疾患又は状態は、HIVによって引き起こされる。
【0217】
ある実施形態において、本開示は、患者における疾患又は状態を処置する際の、式I、式II及び式IIIの化合物又はその立体異性体、その薬学的に許容される塩、複合体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形体、ラセミ混合物、光学活性形態及び薬学的に活性の誘導体の使用に関し、ここで、前記疾患又は状態は、HIVによって引き起こされる。患者は、典型的に哺乳動物、好ましくはヒトである。
【0218】
ある実施形態において、本開示は、患者における疾患又は状態を処置する方法に関し、前記方法は、式I、式II及び式IIIの化合物又はその立体異性体、その薬学的に許容される塩、複合体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形体、ラセミ混合物、光学活性形態及び薬学的に活性の誘導体を患者に投与する工程を含み、ここで、前記疾患又は状態は、HIVによって引き起こされる。
【0219】
ある実施形態において、本開示は、医薬としての使用のための、式I、式II及び式IIIの化合物又はその立体異性体、その薬学的に許容される塩、複合体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形体、ラセミ混合物、光学活性形態及び薬学的に活性の誘導体に関する。
【0220】
ある実施形態において、本開示は、ウイルス成長を阻害するための医薬の調製における使用のための、式I、式II及び式IIIの化合物又はその立体異性体、その薬学的に許容される塩、複合体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形体、ラセミ混合物、光学活性形態及び薬学的に活性の誘導体に関する。
【0221】
ある実施形態において、本開示は、式I、式II及び式IIIの化合物、又は薬学的に許容される酸若しくは塩基との式I、式II及び式IIIの化合物の付加塩を含む医薬に関する。これらの医薬は、それらの使用を、治療薬に、殊に、HIVによって引き起こされるウイルス感染の処置に見出す。
【0222】
ある実施形態において、本開示は、人等の温血動物における抗ウイルス効果の生成のための医薬の製造における、式I、式II及び式IIIの化合物又はその立体異性体、その薬学的に許容される塩、複合体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形体、ラセミ混合物、光学活性形態及び薬学的に活性の誘導体の使用に関する。
【0223】
ある実施形態において、本開示は、人等の温血動物における抗ウイルス効果を生成するための方法に関し、前記方法は、式I、式II及び式IIIの化合物又はその薬学的に許容される塩の有効量を前記動物に投与する工程を含む。
【0224】
ある実施形態において、本開示は、人等の温血動物におけるウイルス感染の処置及び/又は予防における使用のための、式I、式II及び式IIIの化合物又はその薬学的に許容される塩に関する。
【0225】
ある実施形態において、本開示は、ヒトを含む哺乳動物の治療的及び予防的処置のための、特に、HIVによって引き起こされるウイルス感染を処置する際の、医薬組成物としての標準的な薬務に従って通常製剤化される通りの、式I、式II及び式IIIの化合物又はその薬学的に許容される塩に関する。
【0226】
ある実施形態において、本開示は、式I、式II及び式IIIの化合物又はその立体異性体、その薬学的に許容される塩、複合体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形体、ラセミ混合物、光学活性形態及び薬学的に活性の誘導体、並びに少なくとも1種の薬学的に許容される担体、希釈液又は賦形剤を含む医薬組成物に関する。
【0227】
「薬学的に許容される」という用語は、健全な医学的判断の範疇内で、ヒト及び動物の組織との接触における使用に適当であり、過度の毒性、刺激性、アレルギー応答、又は他の問題若しくは合併症なく、妥当な利益/リスク比に相応する化合物、材料、組成物及び/又は剤形を含む。
【0228】
式I、式II、及び式IIIの化合物は、安定な薬学的に許容される酸塩又は塩基塩を形成することができ、こうした場合において、塩としての化合物の投与が適切であり得る。該塩は、従来の手段によって形成することができる。本開示の組成物は、経口使用に、局所的使用に、吸入による投与に、吹送法による投与に又は非経口投与に適当な形態であってよい。
【0229】
本開示の組成物は、当技術分野においてよく知られている従来の医薬賦形剤を使用して、従来の手順によって得ることができる。
【0230】
本明細書において開示されている化合物は、単独治療として適用することができる、又は本開示の化合物に加えて、1つ若しくは複数の他の物質及び/若しくは処置を伴うことができる。
【0231】
プロセス及び特徴付けデータ
式I、式II及び式IIIの化合物の調製のための、以下のスキーム1〜7に示されている通りのプロセスも提供され、ここで、全ての基は、前に定義されている通りである。下記に示されている実施例は、例示の方法によってのみ提供され、そのため、本発明の範疇を限定すると解釈されるべきでない。
【0232】
【化63】
【0233】
スキーム-1のI1a〜fの合成のための一般的手順
メタノール中の化合物7(3.4mmol)の溶液に、アセチルアセトン8(5.19mmol)及び触媒量の酢酸を添加した。結果として得られた混合物を60℃〜70℃で5時間の間撹拌した。反応(TLCによってモニタリングされた反応)完了後、溶媒を真空下で除去し、化合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラム上にてヘキサン/EtOAcを使用して精製することで、化合物I1a〜fを得た。
【0234】
2-(3,5-ジメチル-1H-ピラゾール-1-イル)-5-(4-ニトロフェニル)ピリミジン(I1a、スキーム1):
【0235】
【化64】
【0236】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.28 (m, 2H), 8.38 - 8.24 (m, 2H), 7.94 - 7.80 (m, 2H), 6.14 (s, 1H), 2.38 (s, 6H); HRMS (ESI-TOF) C15H14N5O2[M+H]+の計算値296.1147, 実測値296.1147.
【0237】
2-(3,5-ジメチル-1H-ピラゾール-1-イル)-5-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]ピリミジン(I1b、スキーム1):
【0238】
【化65】
【0239】
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 9.24 (s, 2H), 7.70 - 7.67 (m, 2H), 7.61 - 7.58 (m, 2H), 6.13 (s, 1H), 2.36 (m, 6H); HRMS (ESI-TOF) C16H13F3N4 [M+H]+の計算値318.1092, 実測値318.1083.
【0240】
2-(3,5-ジメチル-1H-ピラゾール-1-イル)-5-[4-(トリフルオロメトキシ)フェニル]ピリミジン(I1c、スキーム1):
【0241】
【化66】
【0242】
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 9.36 (s, 2H), 7.68 - 7.48 (m, 2H), 7.19 - 6.96 (m, 2H), 6.12 (s, 1H), 2.44 - 2.25 (m, 6H).; HRMS (ESI-TOF) C16H13F3N4O [M+H]+の計算値334.1041, 実測値334.1062.
【0243】
2-(3,5-ジメチル-1H-ピラゾール-1-イル)-5-(4-メトキシフェニル)ピリミジン(I1d、スキーム1):
【0244】
【化67】
【0245】
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 9.21 (s, 2H), 7.63 - 7.55 (m, 2H), 7.12 - 6.96 (m, 2H), 6.12 (s, 1H), 3.81 (s, 3H), 2.36 (s, 6H); HRMS (ESI-TOF) C16H16N4O [M+H]+の計算値280.1324, 実測値280.1348.
【0246】
2-(3,5-ジメチル-1H-ピラゾール-1-イル)-5-(3-ニトロフェニル)ピリミジン(I1e、スキーム1):
【0247】
【化68】
【0248】
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 9.26 (s, 2H), 8.56 (s, 1H), 8.22-8.19 (m, 1H), 7.99-7.91 (m, 1H), 7.68-7.59 (m, 1H), 6.13 (s, 1H), 2.37 (s, 6H); HRMS (ESI-TOF) C15H13N5O2 [M+H]+の計算値295.1069, 実測値295.1054.
【0249】
2-(3,5-ジメチル-1H-ピラゾール-1-イル)-5-(2-ニトロフェニル)ピリミジン(I1f、スキーム1):
【0250】
【化69】
【0251】
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 9.12 (s, 2H), 8.29-8.27 (m, 1H), 7.82-7.79 (d, J = 29.8 Hz, 1H), 7.60 (s, 1H), 6.13 (s, 1H), 2.36 (m, 6H); HRMS (ESI-TOF) C15H13N5O2 [M+H]+の計算値295.1069, 実測値295.1047.
【0252】
スキーム1のI2a〜gの合成のための一般的手順:
メタノール/エタノール中の化合物7(0.4mmol)の溶液に、置換ベンズアルデヒド9(0.51mmol)及び触媒量の酢酸を添加した。結果として得られた混合物を室温で5時間の間撹拌した。反応(TLCによってモニタリングされた反応)完了後、溶媒を真空下で除去し、化合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラム上にてヘキサン/EtOAcを使用して精製することで、化合物I2a〜gを得た。
【0253】
2-[2-(4-ブロモベンジリデン)ヒドラジニル)-5-(4-ニトロフェニル)]ピリミジン(I2a、スキーム1):
【0254】
【化70】
【0255】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.74 (s, 1H), 8.71 (s, 2H), 8.28 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.86 (s, 1H), 7.61 (dd, J = 15.3, 8.6 Hz, 5H), 7.48 (d, J = 8.5 Hz, 3H); HRMS (ESI-TOF) C17H13BrN5O2: [M+H]の計算値399.2280 実測値399.2282.
【0256】
2-(2-(4-フルオロベンジリデン)ヒドラジニル)-5-(4-ニトロフェニル)ピリミジン(I2b、スキーム1):
【0257】
【化71】
【0258】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.74 (s, 1H), 8.71 (s, 2H), 8.28 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.86 (s, 1H), 7.61 (dd, J = 15.3, 8.6 Hz, 5H), 7.48 (d, J = 8.5 Hz, 3H); HRMS (ESI-TOF) C17H13FN5O2: [M+H]の計算値338.1053 実測値338.1055.
【0259】
(E)-2-(2-(4-フルオロベンジリデン)ヒドラジニル)-5-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリミジン(I2c、スキーム1):
【0260】
【化72】
【0261】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.03 (s, 1H), 8.86 (m, 2H), 7.69 - 7.64 (m, 2H), 7.63 - 7.58 (m, 2H), 7.56 (s, 1H), 7.54 - 7.48 (m, 2H), 7.30 - 7.23 (m, 2H); HRMS (ESI-TOF) C18H12F4N4: [M+H]の計算値360.0998 実測値360.0986.
【0262】
(E)-2-[2-(4-ブロモベンジリデン)ヒドラジニル)-5-(4--(トリフルオロメトキシ)フェニル]ピリミジン(I2d、スキーム1):
【0263】
【化73】
【0264】
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 9.81 (s, 1H), 8.87 (s, 2H), 7.67 - 7.57 (m, 4H), 7.32 - 7.24 (m, 2H), 7.15 - 7.09 (m, 2H), 7.00 (s, 1H); HRMS (ESI-TOF) C18H12BrF3N4O: [M+H]の計算値436.0147 実測値436.0126.
【0265】
(E)-2-[2-(4-フルオロベンジリデン)ヒドラジニル)-5-(4-メトキシフェニル]ピリミジン(I2e、スキーム1):
【0266】
【化74】
【0267】
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 9.01 (s, 1H), 8.84 - 8.77 (m, 2H), 7.63 - 7.59 (m, 2H), 7.56 (s, 1H), 7.54 - 7.49 (m, 2H), 7.29 - 7.25 (m, 2H), 7.08 - 7.04 (m, 2H), 3.91 - 3.72 (m, 3H); HRMS (ESI-TOF) C18H15FN4O: [M+H]の計算値322.1230 実測値322.1242.
【0268】
(E)-2-(2-(4-フルオロベンジリデン)ヒドラジニル)-5-(3-ニトロフェニル)ピリミジン(I2f、スキーム1):
【0269】
【化75】
【0270】
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 9.04 (s, 1H), 8.89 - 8.83 (m, 2H), 8.59 (s, 1H), 8.25 (s, 1H), 8.01 (s, 1H), 7.71 (s, 1H), 7.57 (s, 1H), 7.54 - 7.48 (m, 2H), 7.32 - 7.23 (m, 2H); HRMS (ESI-TOF) C17H12FN5O2: [M+H]の計算値337.0975 実測値337.0954.
【0271】
(E)-2-[(2-(4-ブロモベンジリデン)ヒドラジニル)-5-(2-ニトロフェニル)]ピリミジン(I2g、スキーム1):
【0272】
【化76】
【0273】
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 9.07 (s, 1H), 8.60 - 8.55 (m, 2H), 8.30 (s, 1H), 7.85 (s, 1H), 7.80 (s, 1H), 7.61 (s, 1H), 7.60 - 7.55 (m, 2H), 7.53 (s, 1H), 7.40 - 7.34 (m, 2H); HRMS (ESI-TOF) C17H12FN5O2: [M+H]の計算値337.0975 実測値337.0968.
【0274】
【化77】
【0275】
スキーム2のI3a〜dの合成のための一般的手順:
窒素雰囲気下でジオキサン(3mL)中の11(8.2mmol)の溶液に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.047g、0.41mmol)、置換フェニルボロン酸12(0.98mmol)、及び2mLの水中に溶解させたK2CO3を添加した。混合物を還流下で6時間の間撹拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、セライトを介して濾過し、水で洗浄した。合わせた有機層を無水Na2SO4上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラム上にてヘキサン/EtOAcを使用して精製することで、化合物I3a〜dを得た。
【0276】
N,N-ジメチル-5-フェニルピリミジン-2-アミン(I3a、スキーム2):
【0277】
【化78】
【0278】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.49 (s, 2H), 7.38 (dt, J = 15.2, 7.5 Hz, 4H), 7.26 (t, J = 7.1 Hz, 1H), 3.17 (s, 6H); HRMS (ESI-TOF) C12H14N3: [M+H]の計算値200.1188 実測値200.1187.
【0279】
4-[5-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリミジン-2-イル]モルホリン(I3b、スキーム2):
【0280】
【化79】
【0281】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.58 (s, 1H), 7.70 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.59 (d, J = 8. Hz, 2H), 3.87 (m, 4H), 3.83 - 3.77 (m, 4H); HRMS (ESI-TOF) C15H15F3N3O: [M+H]+の計算値310.1167 実測値310.1170.
【0282】
5-(4-フルオロフェニル)-N,N-ジメチルピリミジン-2-アミン(I3c、スキーム2):
【0283】
【化80】
【0284】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.65 (s, 2H), 7.68 - 7.51 (m, 2H), 7.29 - 7.12 (m, 2H), 2.97 (s, 6H); HRMS (ESI-TOF) C15H12FN3: [M+H]+の計算値217.1015 実測値217.1036.
【0285】
4-[5-(4-フルオロフェニル)ピリミジン-2-イル]モルホリン(I3d、スキーム2):
【0286】
【化81】
【0287】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ8.74 (m, 2H), 7.64 - 7.58 (m, 2H), 7.23 - 7.14 (m, 2H), 3.80 - 3.75 (m, 2H), 3.52 - 3.47 (m, 4H), 3.43 - 3.38 (m, 4H); HRMS (ESI-TOF) C14H14FN3O: [M+H]+の計算値259.1121 実測値259.1158.
【0288】
【化82】
【0289】
スキーム3のI4の合成のための一般的手順
ジオキサン(3mL)中の13(8.2mmol)及び14の溶液は、12時間の間還流させた。反応混合物をEtOAcで希釈し、セライトを介して濾過し、水で洗浄した。合わせた有機層を無水Na2SO4上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗生成物をいかなる精製もせずに更に使用した。化合物15(8.2mmol)をアセトニトリル(3mL)中に窒素雰囲気下で溶解し、次いで、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.41mmol)、置換化合物16(0.98mmol)、及びK2CO3溶液(2mLの水中に溶解させた)を添加した。混合物をマイクロ波上にて1時間の間180℃で加熱した。反応混合物をEtOAcで希釈し、セライトを介して濾過し、水で洗浄した。合わせた有機層を無水Na2SO4上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラム上にてヘキサン/EtOAcを使用して精製することで、化合物I4を白色の固体として得た。
【0290】
2-[2-アミノ-5-(4-メトキシフェニル)-6-(トリフルオロメチル)ピリミジン-4-イル]-4-エチル-5-メトキシフェノール(I4、スキーム3):
【0291】
【化83】
【0292】
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 7.61 - 7.55 (d, 2H), 7.31 (s, 1H), 7.07 - 7.04 (d, 2H), 6.61 (s, 1H), 6.55 (s, 1H), 3.86 - 3.79 (m, 6H), 2.61 - 2.52 (q, 2H), 1.68 (s, 2H), 1.31 - 1.25 (t, 3H); HRMS (ESI-TOF) C21H20F3N3O3: [M+H]の計算値419.1457 実測値419. 1479.
【0293】
【化84】
【0294】
スキーム4のII1の合成のための一般的手順:
酢酸エチル中のベンゾ[d]オキサゾール-2(3H)-チオン18(2.6mmol)の溶液に、クロロギ酸フェニル17をゆっくり0℃で(4.00mmol)、及び触媒量のピリジンを添加した。結果として得られた混合物を室温で1時間の間撹拌した。反応(TLCによってモニタリングされた反応)完了後、溶媒を真空下で除去し、化合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラム上にてヘキサン/EtOAcを使用して精製することで、化合物II1を得た。
【0295】
フェニル2-チオキソベンゾ[d]オキサゾール-3(2H)-カルボキシレート(II1、スキーム4):
【0296】
【化85】
【0297】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.82 - 7.76 (m, 1H), 7.45 - 7.37 (m, 2H), 7.33 - 7.25 (m, 6H). LC-MS (ESI+): m\z 272.0303[M + H]+.
【0298】
【化86】
【0299】
スキーム5のII2a〜dの合成のための一般的手順:
酢酸エチル中の置換アニリン20(2.6mmol)の溶液に、置換クロロギ酸フェニル19をゆっくり0℃で(4.00mmol)、及び触媒量のピリジンを添加した。結果として得られた混合物を室温で1時間の間撹拌した。反応(TLCによってモニタリングされた反応)完了後、溶媒を真空下で除去し、化合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラム上にてヘキサン/EtOAcを使用して精製することで、化合物II2a〜dを得た。
【0300】
p-トリル(3,4-ジクロロフェニル)カルバメート(II2a、スキーム5):
【0301】
【化87】
【0302】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 10.11(s, 1H), 7.60 (s, 1H), 7.35 (d, J = 2.2 Hz, 2H), 7.15 - 7.03 (m, 2H), 7.03 - 6.90 (m, 2H), 2.41 - 2.18 (m, 3H). LC-MS (ESI+): m\z 296.0240[M + H]+.
【0303】
[1,1'-ビフェニル]-4-イル(3,4-ジクロロフェニル)カルバメート(II2b、スキーム5):
【0304】
【化88】
【0305】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ10.11 (s, 1H), 7.83 (s, 1H), 7.76 - 7.47 (m, 4H), 7.47 - 7.41 (m, 2H), 7.35 (d, J = 3.4 Hz, 2H), 7.26 - 7.04 (m, 3H). LC-MS (ESI+): m\z 358.0396[M + H]+.
【0306】
4-メトキシフェニルジフェニルカルバメート(II2c、スキーム5):
【0307】
【化89】
【0308】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.33 - 7.23 (m, 1H), 7.15 - 7.07 (m, 1H), 7.03 - 6.95 (m, 1H), 6.88 - 6.81 (m, 1H), 6.81 - 6.75 (m, 1H), 6.75 - 6.67 (m, 1H), 3.74 (s, 1H). LC-MS (ESI+): m\z 320.1281[M + H]+.
【0309】
ジ-p-トリル[メチレンビス(4,1-フェニレン)]ジカルバメート(II2d、スキーム5):
【0310】
【化90】
【0311】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.86 (s, 2H), 7.52 - 7.38 (m, 4H), 7.38 - 7.29 (m, 4H), 7.19 - 7.07 (m, 4H), 7.04 - 6.95 (m, 4H), 3.91 - 3.57 (s, 2H), 2.50 - 2.17 (s, 6H). LC-MS (ESI+): m\z 467.1965[M + H]+.
【0312】
【化91】
【0313】
スキーム6のII3の合成のための一般的手順:
酢酸エチル中の置換アニリン22(2.6mmol)の溶液に、置換クロロギ酸フェニル21をゆっくり0℃で(4.00mmol)、及び触媒量のピリジンを添加した。結果として得られた混合物を室温で1時間の間撹拌した。反応(TLCによってモニタリングされた反応)完了後、溶媒を真空下で除去し、化合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラム上にてヘキサン/EtOAcを使用して精製することで、化合物II3を得た。
【0314】
ナフタレン-2-イル(2-フルオロフェニル)カルバメート(II3、スキーム6):
【0315】
【化92】
【0316】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.86 (s, 1H), 7.78 - 7.68 (m, 1H), 7.52 (s, 1H), 7.34 (t, J = 5.1 Hz, 1H), 7.10 (dd, J = 15.8, 3.3 Hz, 1H). LC-MS (ESI+): m\z 282.0295[M + H]+.
【0317】
【化93】
【0318】
スキーム7のII4の合成のための一般的手順:
ベンゼン中のフェニルイソシアネート23(4.2mmol)の溶液に、カリウムtert-ブトキシド(10mol%)をゆっくり添加し、次いで2-アミノ-4-ニトロフェノール24(4.2mmol)を添加した。結果として得られた混合物を45〜50℃で1時間の間撹拌した。反応(TLCによってモニタリングされた反応)完了後、溶媒を真空下で除去し、化合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラム上にてヘキサン/EtOAcを使用して精製することで、化合物II4を得た。
【0319】
2-[3-(3,4-ジクロロフェニル)ウレイド]-4-ニトロフェニル(3,4-ジクロロフェニル)カルバメート(II4、スキーム7):
【0320】
【化94】
【0321】
1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 9.23 (s, 1H), 8.59 (s, 1H), 8.41 (s, 1H), 8.05 (s, 1H), 7.81 (s, 1H), 7.55 (d, J = 34.9 Hz, 2H), 7.46 - 7.32 (m, 3H), 7.28 (s, 1H), 7.01 (s, 1H). LC-MS (ESI+): m\z 528.9635[M + H]+.
【0322】
【化95】
【0323】
スキーム8のII5の合成のための一般的手順:
酢酸エチル中の置換アニリン20d(2.6mmol)の溶液に、置換クロロギ酸フェニル25をゆっくり0℃で(4.00mmol)、及び触媒量のピリジンを添加した。結果として得られた混合物を室温で1時間の間撹拌した。反応(TLCによってモニタリングされた反応)完了後、溶媒を真空下で除去し、化合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラム上にてヘキサン/EtOAcを使用して精製することで、化合物II5を得た。
【0324】
3-[(1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)フェニル]ジフェニルカルバメート(II5、スキーム8):
【0325】
【化96】
【0326】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.45 (s, 1H), 7.82 (s, 1H), 7.51 (s, 1H), 7.42 - 7.26 (m, 10H), 7.18 (m, 1H), 7.14 - 7.03 (m, 2H). ). LC-MS (ESI+): m\z 358.1186[M + H]+.
【0327】
【化97】
【0328】
スキーム9のII6の合成のための一般的手順:
酢酸エチル中の置換アニリン27(2.6mmol)の溶液に、置換クロロギ酸フェニル26をゆっくり0℃で(4.00mmol)、及び触媒量のピリジンを添加した。結果として得られた混合物を室温で1時間の間撹拌した。反応(TLCによってモニタリングされた反応)完了後、溶媒を真空下で除去し、化合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラム上にてヘキサン/EtOAcを使用して精製することで、化合物II6を得た。
【0329】
2,4-ジ-tert-ブチル-6-メトキシフェニルフェニルカルバメート(II6、スキーム9):
【0330】
【化98】
【0331】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.86(s, 1H), 7.60 - 7.34 (m, 4H), 7.16 (m, 1H), 7.03 (s, 1H), 6.79 (s, 1H), 3.81 - 3.74 (m, 3H), 1.43 - 1.36 (m, 9H), 1.35 - 1.29 (m, 9H); LC-MS (ESI+): m\z 356.2220[M + H]+.
【0332】
【化99】
【0333】
スキーム10)のII7の合成のための一般的手順:
ベンゼン(5mL)中の酸29(2mmol)の溶液に、塩化チオニル(6mmol)を添加した。反応混合物を還流下で2時間の間撹拌し、濃縮することで、粗製の酸塩化物30を黄色の液体として得た。この液体を乾燥THF(5ml)中に溶解し、p-トシルヒドラジン31(1mmol)に滴下により添加した。2〜4時間の間還流させた後、反応混合物を濃縮した。反応完了をTLCによってモニタリングした。結果として得られた混合物を酢酸エチルと水との間で分配し、有機層を分離し、最終的にブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって、酢酸エチル及びヘキサンの勾配混合物を使用することによって精製することで、化合物II7を得た。
【0334】
2-[(2-トシルヒドラジン-1-カルボニル)フェニル]フェニルカルバメート(II7、スキーム10):
【0335】
【化100】
【0336】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 8.99 (s, 1H), 8.12 - 7.99 (m, 1H), 7.85 (s, 2H), 7.69 - 7.46 (m, 4H), 7.46 - 7.33 (m, 5H), 7.30 (s, 1H), 7.11 (s, 1H), 4.56 (s, 1H), 2.41 - 2.35 (m, 3H); LC-MS (ESI+): m\z 426.1118[M + H]+.
【0337】
【化101】
【0338】
スキーム11のIII1a〜gの合成のための一般的手順:
DCM(5ml)及びトリエチルアミン(10mmol)中の置換アニリン32(5mmol)の溶液に、クロロアセチルクロリド(7.5mmol)を添加した。反応物を室温で6時間の間撹拌し、次いで、水で希釈し、DCMで抽出し、有機層を分離し、ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮することで、粗製2-クロロアミド33を黄色の液体として得た。この黄色の液体をジメチルホルムアミド(5ml)中に溶解し、K2CO3(15mmol)及び対応する置換フェノール34に室温で添加した。室温で12時間の間撹拌した後、反応混合物を氷水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって、溶離液としてEtOAc/ヘキサンを使用することによって精製することで、化合物III1a〜fを得た。
【0339】
エチル4-[2-(4-エチルフェノキシ)アセトアミド]ベンゾエート(III1a、スキーム11):
【0340】
【化102】
【0341】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.45 (s, 1H), 8.04 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.68 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.18 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 6.92 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 4.60 (s, 2H), 4.37 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 2.62 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 1.39 (t, J = 7.1 Hz, 3H), 1.22 (t, J = 7.6 Hz, 3H);HRMS (ESI-TOF) C19H21NO4 [M + H]+の計算値328.1549, 実測値328.1567.
【0342】
メチル4-[2-(2-イソプロピルフェノキシ)アセトアミド]ベンゾエート(III1b、スキーム11):
【0343】
【化103】
【0344】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.49 (s, 1H), 8.03 (d, J = 8.65 Hz, 2H), 7.64 (d, J = 8.65 Hz, 2H), 7.24 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 7.19 (t, J = 8.02 Hz, 1H), 7.06 (t, J = 7.38 Hz, 1H), 6.84(d, J = 8.03Hz, 1H), 4.64 (s, 2H), 3.91 (s, 3H), 3.34 - 3.28 (m, 1H), 1.32 (d, J = 7.38 Hz, 6H); ; HRMS (ESI-TOF) C19H21NO4 [M + H]+の計算値328.1549, 実測値328.1565.
【0345】
プロピル4-[2-(4-イソプロピルフェノキシ)アセトアミド]ベンゾエート(III1c、スキーム11):
【0346】
【化104】
【0347】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.47 (s, 1H), 8.07 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.71 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.23 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 6.95 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 4.63 (s, 2H), 4.30 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 2.95 - 2.88 (m, 1H), 1.88 - 1.76(m, 2H), 1.26 (d, J = 6.9 Hz, 6H), 1.05 (t, J = 7.4 Hz, 3H);;HRMS (ESI-TOF) C21H25NO4 [M + Na]+の計算値378.1682, 実測値378.1681.
【0348】
イソプロピル4-[2-(4-イソプロピルフェノキシ)アセトアミド]ベンゾエート(III1d、スキーム11):
【0349】
【化105】
【0350】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.47 (s, 1H), 8.06 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.71 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.23 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 6.95 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 5.30 - 5.23(m, 1H), 4.63 (s, 2H), 2.95 - 2.88 (m, 1H), 1.39 (d, J = 6.3 Hz, 6H), 1.26 (d, J = 6.9 Hz, 6H); HRMS (ESI-TOF) C21H25NO4 [M + Na]+の計算値378.1682, 実測値378.1645.
【0351】
プロピル4-[2-(m-トリルオキシ)アセトアミド]ベンゾエート(III1e、スキーム11):
【0352】
【化106】
【0353】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.44 (s, 1H), 8.05 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.69 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.23 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 6.89 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 6.84 - 6.77 (m, 2H), 4.62 (s, 2H), 4.27 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 2.37 (s, 3H), 1.85 - 1.74 (m, 2H), 1.03 (t, J = 7.4 Hz, 3H); HRMS (ESI-TOF) C19H21NO4 [M + H]+の計算値328.1549, 実測値328.1541.
【0354】
イソブチル2-ヒドロキシ-4-[2-(4-イソプロピルフェノキシ)アセトアミド]ベンゾエート(III1f、スキーム11):
【0355】
【化107】
【0356】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.85 (s, 4H), 7.36 - 7.15 (m, 8H), 7.12 (s, 4H), 7.04 (s, 4H), 7.01 - 6.90 (m, 12H), 4.93 - 4.87 (m, 8H), 4.37 (s, 4H), 4.28 - 4.03 (m, 8H), 3.03 (s, 3H), 2.27 (s, 3H), 1.42 - 1.20 (m, 24H), 1.13 - 0.90 (m, 24H). LC-MS (ESI+): m\z 386.1962 [M + H]+.
【0357】
【化108】
【0358】
III2a〜dの合成のための一般的手順、スキーム12):
ベンゼン(5mL)中の置換フェノキシアルキル酸38(2mmol)の懸濁液に、塩化チオニル(6mmol)を添加した。反応混合物を還流下で5時間の間撹拌し、濃縮することで、粗製の酸塩化物39を黄色の液体として得た。この液体を乾燥DCM(5ml)中に溶解し、トリエチルアミン(3mmol)及びDCM(5ml)中の置換アニリン40(1mmol)に0℃で滴下により添加した。室温で4時間の間撹拌した後、反応混合物を濃縮した。結果として得られた混合物を酢酸エチルと水との間で分配し、有機層を分離した。有機層を飽和重炭酸塩溶液で洗浄し、2N HClで洗浄し、最終的にブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって、酢酸エチル及びヘキサンの勾配混合物を使用することによって精製することで、化合物III2a〜dを得た。
【0359】
4-[2-(3,5-ジメチルフェノキシ)アセトアミド]-2-ヒドロキシ安息香酸(III2a、スキーム12):
【0360】
【化109】
【0361】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.88 (s, 1H), 8.05 (s, 1H), 7.49 (s, 1H), 7.10 (s, 1H), 6.78 - 6.68 (m, 3H), 4.84 - 4.78 (m, 2H), 2.38 - 2.32 (m, 6H). LC-MS (ESI+): m\z 316.1179[M + H]+.
【0362】
4-(2-フェノキシプロパンアミド)安息香酸(III2b、スキーム12):
【0363】
【化110】
【0364】
1H NMR (400 MHz, アセトン-d6) δ 9.72 (s, 1H), 7.98 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.86 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.36- 7.27 (m, 2H), 7.03 (d, J = 7.9 Hz, 2H), 6.99 (t, J = 7.4 Hz, 1H), 4.92 (q, J = 6.7 Hz, 1H), 1.63 (d, J = 6.7 Hz, 3H);HRMS (ESI-TOF) C16H15NO4 [M + H]+の計算値286.1079, 実測値286.1074.
【0365】
エチル4-[2-(4-クロロフェノキシ)-2-メチルプロパンアミド]ベンゾエート(III2c、スキーム12):
【0366】
【化111】
【0367】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.73 (s, 1H), 8.05 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.69 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 7.29 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 6.95 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 4.38 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 1.59 (s, 6H), 1.41 (t, J = 7.1 Hz, 3H); HRMS (ESI-TOF) C18H18ClNO4 [M + H]+の計算値348.1002, 実測値348.0999.
【0368】
メチル4-[2-(o-トリルオキシ)プロパンアミド]ベンゾエート(III2d、スキーム12):
【0369】
【化112】
【0370】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.52 (s, 1H), 8.04 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.67 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.27 - 7.16 (m, 2H), 6.99 (t, J = 7.4 Hz, 1H), 6.87 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 4.82 (q, J = 6.7 Hz, 1H), 3.92 (s, 3H), 2.38 (s, 3H), 1.69 (d, J = 6.8 Hz, 3H); HRMS (ESI-TOF) C18H19NO4 [M + H]+の計算値314.1392, 実測値314.1428.
【0371】
中間体の合成
I1a〜fの中間体3の合成のための一般的手順(スキーム1):
0℃で乾燥ベンゼン中の化合物1(1.93mg、10mmol)の溶液に、エタンチオール2(0.93g、1.5mmol)、続いてNaH(0.36mg、1.5mmol)を少量ずつ添加した。結果として得られた混合物を室温で3時間の間撹拌した。反応(TLCによってモニタリングされた反応)完了後、溶媒を真空下で除去し、それを氷水でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラム上にてヘキサン/EtOAcを使用して精製することで、化合物3を白色の液体として(1.9g、88%)得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 8.90 - 8.73 (s, 2H), 3.16 - 3.00 (q, 2H), 1.41 - 1.23 (t, 3H); 質量(ESI+) 217.9513 [M+H].
【0372】
I1a〜fの中間体5a〜fの合成のための一般的手順(スキーム1)
窒素雰囲気下でジオキサン(4mL)中の3(8.7mmol)の溶液に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.44mmol)、置換フェニルボロン酸4(10.5mmol)、及び4mLの水中に溶解させたK2CO3(8mmol)を添加した。混合物を還流下で6時間の間撹拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、セライトを介して濾過し、水で洗浄した。合わせた有機層を無水Na2SO4上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラム上にてヘキサン/EtOAcを使用して精製することで、化合物5を得た。
【0373】
I1の2-(エチルチオ)-5-(4-ニトロフェニル)ピリミジン5a(スキーム1)
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 8.87 - 8.58 (s, 2H), 8.46 - 8.20 (d, 2H), 7.93 - 7.64 (d, 2H), 3.18 - 3.05 (q, 2H), 1.38 - 1.29 (t, 3H); 質量(ESI+) 261.05 [M+H].
【0374】
I1の2-(エチルチオ)-5-(4-トリフルオロメチルフェニル)ピリミジン5b(スキーム1):
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 8.51 - 8.45 (s, 2H), 8.21 - 8.13 (d, 2H), 7.73 - 7.54 (d, 2H), 3.03 - 2.96 (q, 2H), 1.31 - 1.22 (t, 3H); 質量(ESI+) 255.09 [M+H].
【0375】
I1の2-(エチルチオ)-5-(4-トリフルオロメトキシフェニル)ピリミジン5c(スキーム1):
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 8.57 - 8.49 (s, 2H), 8.21 - 8.17 (d, 2H), 7.29 - 7.13 (d, 2H), 3.03 - 2.96 (q, 2H), 1.31 - 1.22 (t, 3H); 質量(ESI+) 271.16 [M+H].
【0376】
I1の2-(エチルチオ)-5-(4-メトキシフェニル)ピリミジン5d(スキーム1):
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 8.51 - 8.45 (s, 2H), 8.19 - 8.14 (d, 2H), 7.09 - 6.94 (d, 2H), 3.21 (s, 3H), 3.03 - 2.96 (q, 2H), 1.31 - 1.22 (t, 3H); 質量(ESI+) 217.12 [M+H].
【0377】
I1の2-(エチルチオ)-5-(3-ニトロフェニル)ピリミジン5e(スキーム1):
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 8.87 - 8.58 (s, 2H), 8.48 - 8.23 (m, 4H), 3.18 - 3.05 (q, 2H), 1.38 - 1.29 (t, 3H); 質量(ESI+) 261.05 [M+H].
【0378】
I1の2-(エチルチオ)-5-(2-ニトロフェニル)ピリミジン5f(スキーム1):
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 8.87 - 8.58 (s, 2H), 8.46 - 8.10 (m, 4H), 3.18 - 3.05 (q, 2H), 1.38 - 1.29 (t, 3H); 質量(ESI+) 261.05 [M+H].
【0379】
I1の中間体6a〜fの合成のための一般的手順(スキーム1)
0℃でDCM中の化合物5(7.6mmol)の溶液に、3-クロロ過安息香酸(15.3mmol)を少量ずつ添加した。結果として得られた混合物を室温で3時間の間撹拌した。反応(TLCによってモニタリングされた反応)完了後、溶媒を真空下で除去し、飽和重炭酸塩溶液(10mL)を添加し、反応混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4上で乾燥させ、減圧下で濃縮することで、化合物6を得た。粗生成物をいかなる精製もせずに更に使用した。
【0380】
I1の中間体7a〜fの合成のための一般的手順(スキーム1)
THF中の化合物6(5.1mmol)の溶液に、ヒドラジン水和物(0.5g、10.2mmol)を添加した。結果として得られた混合物を60℃〜70℃で3時間の間撹拌した。反応(TLCによってモニタリングされた反応)完了後、溶媒を真空下で除去し、反応混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4上で乾燥させ、減圧下で濃縮することで、化合物7を得た。粗生成物をいかなる精製もせずに更に使用した。
【0381】
I3a〜dの中間体11a〜bの合成のための一般的手順(スキーム2)
メタノール中の化合物10(1mmol)の溶液に、第二級アミン(1.5mmol)、及びK2CO3(1mmol)を添加した。結果として得られた混合物を室温で1時間の間撹拌した。反応(TLCによってモニタリングされた反応)完了後、溶媒を真空下で除去し、化合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラム上にてヘキサン/EtOAcを使用して精製することで、化合物11を得た。
【0382】
II7の中間体29の合成のための一般的手順(スキーム10):
ベンゼン中のフェニルイソシアネート23(4.2mmol)の溶液に、カリウムtert-ブトキシド(10mol%)をゆっくり添加し、次いでサリチル酸28(4.2mmol)を添加した。結果として得られた混合物を45〜50℃で1時間の間撹拌した。反応(TLCによってモニタリングされた反応)完了後、溶媒を真空下で除去し、化合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラム上にてヘキサン/EtOAcを使用して精製することで、化合物29を得た。
【0383】
III2a〜dの中間体38a〜dの合成のための一般的手順(スキーム12):
DMF(10ml)中の置換フェノール35(10mmol)の溶液に、K2CO3(20mmol)及び置換2-クロロエチルアセテート36(12mmol)を室温で添加した。反応混合物を室温で12時間の間撹拌し、次いで、反応混合物を氷水中に注ぎ、酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層をブライン溶液で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、濃縮することで、粗化合物37を得た。これらの粗化合物37をメタノール(10ml)中に溶解させ、2N NaOH(6ml)に室温で添加し、12時間の間撹拌した。溶媒を真空下で蒸発させ、結果として得られた混合物を2N HClで酸性化し、次いで、固体を濾別した。固体を水及びヘキサンで洗浄し、少しの間真空下で乾燥させることで、純粋な置換2-フェノキシ酢酸38a〜dを80〜90%で得た。
【0384】
2-(3,5-ジメチルフェノキシ)酢酸(38a、スキーム12):
1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.01 (s, 1H), 6.77 - 6.67 (m, 2H), 4.94 - 4.87 (s, 2H), 2.39 - 2.32 (m, 6H); LC-MS (ESI+): m\z 386.1962 [M + H]+.
【0385】
2-フェノキシプロパン酸(38b、スキーム12):
1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.34 (t, J = 8.0 Hz, 2H), 7.01 (t, J = 7.4 Hz, 1H), 6.97 (d, J = 7.9 Hz, 2H), 4.75 (q, J = 6.75 Hz, 1H),1.64 (d, J = 6.75 Hz, 3H); LC-MS (ESI+): m\z 167.08 [M + H]+.
【0386】
2-(4-クロロフェノキシ)-2-メチルプロパン酸(38c、スキーム12):
1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.29 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 6.95 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 1.59 (s, 6H);LC-MS (ESI+): m\z 215.12[M + H]+.
【0387】
2-(o-トリルオキシ)プロパン酸(38d、スキーム12):
1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.28 - 7.15 (m, 2H), 6.99 (t, J = 7.4 Hz, 1H), 6.87 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 4.82 (q, J = 6.7 Hz, 1H), 1.69 (d, J = 6.8 Hz, 3H); LC-MS (ESI+): m\z 181.09[M + H]+.
【実施例】
【0388】
以下の実施例は、本開示の化合物の適用について詳細を提供する。以下は代表のみであり、本発明はこれらの実施例において説明される詳細によって限定されないと理解されるべきである。
【0389】
(実施例1)
生物学的活性/アッセイ
インビトロ生化学スクリーニングを介して、CD80及びCD86とのNef相互作用を標的化することができる小分子を同定した。1061種の化合物のうち、3つの足場を同定した。これらの足場(式I、式II及び式III)からの化合物を(a.)一次生化学スクリーニング;及び(b.)細胞ベースのスクリーニングにおいて検証した。
【0390】
一次スクリーニングにおける化合物の検証
一次スクリーニングとして化合物を検証するために、標準的なELISAアッセイを使用した。アッセイの基本的ステップは、図1に概略されている。細胞質ゾルペプチドCD80、CD86及びCD74はマイクロプレート上にコーティングされ、一方で、CD80及びCD86はNefタンパク質とのより高い結合能を有し、CD74は非特異的ペプチドであるとともにNef結合のためのペプチド陰性対照である。コーティングプレートは、終夜4℃でインキュベートされる。あらゆるステップの前に、プレートをPBS(0.02%ツイーン20)で5回洗浄した。洗浄した後、ウェルを5%ブロット(blotto)でブロッキングし、振盪(650rpm)しながら室温でインキュベートした。あらゆるステップの後に、プレートをPBS(0.02%ツイーン20)で5回洗浄した。2.5%ブロット(1:1000)中に溶解させた、ウサギにおいて産生された一次抗体マウス抗Nefを添加し、振盪器上にて1時間の間室温でインキュベートした。プレートを洗浄し、2.5%ブロット(1:11000)中に溶解させた、ロバにおいて産生された100μLの抗ウサギを添加し、室温で45分間インキュベートした。プレートをPBSで洗浄し、TMB基質溶液を添加し、暗所で5〜10分間インキュベートした。反応を1N H2SO4で停止させ、吸光度を450nmで測定した。陽性対照(Nef)及び陰性対照(ペプチドなしでNefあり)を、ペプチドとのNefの最も高い結合について分析した。プレートの吸光度を450nmで測定した。
【0391】
スループットスクリーニングを行うことで、活性物を引き出した。Z'のような標準的な品質管理測定基準を使用してプレートを認定し、Z'のスコアを使用して活性物を同定した。化合物のIC50値を更に決定することで、試験化合物の効力を評価した。
【0392】
化合物のIC50値は、Table 1(表1)に例示されている。18種の化合物がHIV阻害活性並びにCD80及びCD86タンパク質の発現を増加させることを示すことが見出された。活性物は、主に、ナノ又はナノモル以下の範囲のIC50が選択される式I、II及びIIIからの化合物に属する。選択化合物を次いで、細胞ベースのアッセイ系においてスクリーニングした。
【0393】
【表1】
【0394】
Table 1(表1)は、CD80及びCD86タンパク質のNef媒介下方調節を阻害することにおける個々の化合物の効力を例示する。式I、II及びIIIの計の19種の化合物のうち、より高いpIC50値(ナノ又はナノモル以下の範囲におけるIC50)の点からNef-CD80結合を阻害することに有効であると見出された化合物は、それぞれ、式Iの化合物I1a(pIC50=11.63)、I2a(pIC50=15.04)、I2b(pIC50=15.52)、I3a(pIC50=10.96)、I3b(pIC50=9.89)、式IIの化合物II1(pIC50=10.04)、II4(pIC50=10.56)、II6(pIC50=12.46)、II5(pIC50=11.52)、II2c(pIC50=12.71)、II7(pIC50=10.06)、II2d(pIC50=7.98)、II2a(pIC50=14.70)、及び式IIIのIII2b(pIC50=8.95)、III2a(pIC50=11.35)、III1e(pIC50=8.63)、III1a(pIC50=17.03)、III2c(pIC50=8.82)であった。より高いpIC50値の点から有効な化合物の一部は、それぞれ、I2a(pIC50=15.04)、I2b(pIC50=15.52)、III1a(pIC50=17.03)、及びII2a(pIC50=14.70)であった。他方で、Nef-CD86結合を阻害することに有効であると見出された化合物は、式IのI3b(pIC50=8.79)、並びに式IIのII4(pIC50=9.56)、II3(pIC50=10.90)及びII2d(pIC50=6.29)であった。したがって、CD80及びCD86タンパク質の両方とのNefタンパク質の相互作用を阻害することに活性である化合物は、それぞれ、I2b、II4及びII2dであった。
【0395】
(実施例2)
細胞ベースのスクリーニング:下方調節についての表現型スクリーニング
細胞ベースのアッセイの模式は、図2に示されている通りである。CD80及びCD86は、抗原提示細胞(APC)上に存在するとともにナイーブT細胞の活性化及び生存に必要な共刺激性シグナルを提供する、2つの主要な共刺激性細胞表面タンパク質である。これらのタンパク質の両方は、Nef媒介経路を介してHIV感染中に下方調節される。感染細胞におけるCD80及びCD86表面発現を低減するNef能力は、標的細胞の効果的な認識及び排除に必要なナイーブT細胞の活性化を防止することができると推測されている。図2は、式I、式II又は式IIIの化合物の存在下で、CD80及びCD86とのNefの結合が阻害され、したがって、それらの発現を増加させることを例示している。発現の増加は、ナイーブT細胞を活性化し、感染を排除するのを助ける。
【0396】
簡潔には、単球/B細胞株をNefタンパク質とともに送達する又は複製欠損レトロウイルスに曝露し、表面CD80/86のレベルを化合物処置の有無でフローサイトメトリーによって評価した。Nefタンパク質によって引き起こされたCD80/86の下方調節を逆転させる能力に基づき、化合物を認定した。一次スクリーニングにおけるのと同様の品質チェックを二次スクリーニングにおいて使用した。下方調節について表現型アッセイで試験された代表的な化合物からの結果は、図3に表されている。簡潔には、B/単球細胞を100μMの4種の化合物に2時間の間予備曝露し、次いで、NEFを含有する非複製レトロウイルスに感染させた。最適な感染後(48〜72時間)、表面受容体の内部移行をフローサイトメトリーによって測定した。各足場(I3b、II3及びIII2a)からの代表的な化合物は、CD80/86のNef媒介内部移行の逆転を示した。
【0397】
(実施例3)
T細胞活性化を試験するための効力アッセイ系:
前記相互作用の生物学を模倣するため、適切な細胞系を設計した。細胞ベースのT細胞活性化アッセイの略図は、図4に示されている通りである。図4(A)は、樹状細胞、B細胞、単球、マクロファージを含めて、抗原提示細胞(APC)によるナイーブT細胞の活性化の背後にある原理を表す。該活性化は、活性化T細胞からのIL-2放出の増加によって証明されている通り、主要な組織適合性複合体(MHC)によるCD3活性化と一緒にCD80/86共刺激に基づく。
【0398】
図4(B)は、APCにおけるNefの添加がCD80/86の下方調節及びそれゆえにT細胞活性化の損失を引き起こし、これがIL-2放出の低減に至ることを呈示する略図である。
【0399】
図4(C)は、APC細胞株に送達されるNefタンパク質に対する阻害剤の手段によるAPCの表面に戻るCD80/86の内部移行の救出を呈示しており、これがCD80/86共刺激を回復させ、それゆえ、T細胞からのIL-2放出をもたらす。
【0400】
式I、II及びIIIからの代表的な化合物を機能性T細胞アッセイにおいて試験し、結果は図5に表されている通りである。B細胞株を100μMの4種の化合物に1時間の間予備曝露した。細胞を洗浄し、次いで、タンパク質送達剤を介してNefを導入した。細胞を再び洗浄し、T細胞株と共培養した。IL-2放出(活性化の指標として)をELISAによって3時間後に測定した。Nefの添加は、T細胞活性化を50%超低減した。化合物(I3b、II3及びIII2a)の添加は、Nef媒介不活性化を逆転させた。
【0401】
利点
Nef-CD80/86相互作用を標的化することによるHIV感染の処置の方法は、非常に明確な及び独特の作用機序:感染細胞の免疫回避の防止を有する。潜在的又は既存の治療のいずれもが免疫回避のウイルス戦略を標的化しておらず、本開示は新たなクラスの薬物を提示している。その上、宿主-ウイルス境界面を標的化することも、純粋ウイルス標的よりも薬物耐性を受けやすくない。これは、それゆえ、現存のレトロウイルス処置が失敗した人々のクラスに希望を、及びその上、ホット-スポット集団への前曝露予防に甚大な影響を提供する。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】