(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
本発明は、グリコシル化タンパク質および非グリコシル化タンパク質を含む混合物からの、グリコシル化タンパク質の除去による、非グリコシル化インスリンアナログの精製のためのプロセスに関する。除去は、2つのRP−HPLCステップの組み合わせにより達成される。
非グリコシル化インスリンアナログおよびグリコシル化インスリンアナログの両方を含む複合混合物からの、非グリコシル化インスリンアナログの精製のためのプロセスであって、前記精製プロセスは:
a)酸性pHにおいて、アセトニトリルなどの有機修飾剤と組み合わせたイオンペアリング剤の存在下、前記複合混合物を用いてRP−HPLCを行い、部分的に精製された非グリコシル化インスリンアナログを含む第1の混合物を生じるステップ;および
b)アルカリ性pHにおいて、アセトニトリルなどの有機修飾剤と組み合わせたイオンペアリング剤の存在下、第1の混合物についてRP−HPLCを行い、少なくとも99.95%精製された非グリコシル化インスリンアナログを得るステップ、
または;
a)アルカリ性pHにおいて、アセトニトリルなどの有機修飾剤と組み合わせたイオンペアリング剤の存在下、第1の混合物についてRP−HPLCを行い、部分的に精製された非グリコシル化インスリンアナログを含む第1の混合物を生じるステップ;および
b)酸性pHにおいて、アセトニトリルなどの有機修飾剤と組み合わせたイオンペアリング剤の存在下、前記第1の混合物を用いてRP−HPLCを行い、少なくとも99.95%精製された非グリコシル化インスリンアナログを得るステップ、
を含む、前記プロセス。
請求項1に記載のプロセスであって、低pHベースのRP−HPLCにより得られる部分的に精製された非グリコシル化インスリンアナログを含む第1の混合物が、以下のステップ:
a)RP−HPLCカラムをシリカベースの樹脂、好ましくはC8で充填するステップ;
b)4〜12g/Lの容量のカラムにロードするステップ;
c)有機修飾剤、好ましくはアセトニトリルと組み合わせた、イオンペアリング剤、好ましくはオクタンスルホン酸(OSA)を用いて、3.5〜3.9の範囲の酸性pHで、カラムを洗浄するステップ;および
d)部分的に精製された非グリコシル化インスリンアナログの第1の混合物を溶出させるために、24%〜31%の線形勾配を行うステップ、
を含む、前記プロセス。
請求項1に記載のプロセスであって、低pHベースのRP−HPLCステップに続く高pHベースのRP−HPLCにより得られる、少なくとも99.95%精製された非グリコシル化インスリンアナログが、以下のステップ:
a)RP−HPLCカラムをシリカベースの樹脂、好ましくはC8で充填するステップ;
b)第1の混合物を、4〜12g/Lの容量のカラムにロードするステップ;
c)アセトニトリルと組み合わせた、イオンペアリング剤を用いて、8.3〜8.7の範囲のアルカリ性pHで、カラムを洗浄するステップ;および
d)少なくとも99.95%精製された非グリコシル化インスリンアナログを溶出させるために、25%〜29%の線形勾配を行うステップ、
を含む、前記プロセス。
請求項1に記載のプロセスであって、高pHベースのRP−HPLCステップに続く低pHベースのRP−HPLCにより得られる、少なくとも99.95%精製されたインスリンアナログが、以下のステップ:
a)RP−HPLCカラムをシリカベースの樹脂、好ましくはC8で充填するステップ;
b)4〜12g/Lの容量のカラムにロードするステップ;
c)有機修飾剤、好ましくはアセトニトリルと組み合わせた、イオンペアリング剤、好ましくはオクタンスルホン酸(OSA)を用いて、3.5〜3.9の範囲の酸性pHで、カラムを洗浄するステップ;および
d)少なくとも99.95%精製された非グリコシル化インスリンアナログを溶出させるために、24%〜31%の線形勾配を行うステップ、
を含む、前記プロセス。
イオンペアリング剤が、オクタンスルホン酸(OSA)のナトリウム塩、過塩素酸ナトリウム、および重硫酸テトラブチルアンモニウム(TBAB)からなる群から選択される、請求項1に記載のプロセス。
インスリンアナログがインスリン グラルギンである場合には、イオンペアリング剤が過塩素酸ナトリウムであり、およびインスリンアナログがインスリン リスプロである場合には、イオンペアリング剤がTBABである、請求項4または5に記載のプロセス。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、精製ステップ−1のプロセスのフローチャートを表す。
【
図2】
図2は、精製ステップ−2のプロセスのフローチャートを表す。
【
図3A】
図3Aは、低pHクロマトグラフィーの後に高pHクロマトグラフィーが続く、インスリン グラルギンの精製プロセスの、逆相精製−1最終産物のUVおよびTICクロマトグラムを示す。
【
図3B】
図3Bは、低pHクロマトグラフィーの後に高pHクロマトグラフィーが続く、インスリン グラルギンの精製プロセスの、逆相精製−2最終産物のUVおよびTICクロマトグラムを示す。
【
図4A】
図4Aは、低pHクロマトグラフィーの後に高pHクロマトグラフィーが続く、インスリン リスプロの精製プロセスの、逆相精製−1最終産物についての、質量分析データ−UVおよびTICクロマトグラムを表す。
【
図4B】
図4Bは、低pHクロマトグラフィーの後に高pHクロマトグラフィーが続く、インスリン リスプロの精製プロセスの、逆相精製−1最終産物についての、質量分析データ−UVおよびTICクロマトグラムを表す。
【0013】
【
図5A】
図5Aは、低pHクロマトグラフィーの後に高pHクロマトグラフィーが続く、インスリン リスプロの精製プロセスの、逆相精製−2最終産物の、UVおよびTICクロマトグラムを表す。
【
図5B】
図5Bは、低pHクロマトグラフィーの後に高pHクロマトグラフィーが続く、インスリン リスプロの精製プロセスの、逆相精製−2最終産物の、UVおよびTICクロマトグラムを表す。
【
図6A】
図6Aは、高pHクロマトグラフィーの後に低pHクロマトグラフィーが続く、インスリン グラルギンの精製プロセスの、逆相精製−1および逆相精製−2最終産物の、質量分析データを表す。
【
図6B】
図6Bは、高pHクロマトグラフィーの後に低pHクロマトグラフィーが続く、インスリン グラルギンの精製プロセスの、逆相精製−1および逆相精製−2最終産物の、質量分析データを表す。
【
図7A】
図7A 高pHクロマトグラフィーの後に低pHクロマトグラフィーが続く、インスリン リスプロの精製プロセスの、逆相精製−1最終産物のUVおよびTICクロマトグラム。
【
図7B】
図7B 高pHクロマトグラフィーの後に低pHクロマトグラフィーが続く、インスリン リスプロの精製プロセスの、逆相精製−1最終産物のUVおよびTICクロマトグラム。
【
図7C】
図7C 高pHクロマトグラフィーの後に低pHクロマトグラフィーが続く、インスリン リスプロの精製プロセスの、逆相精製−1最終産物のUVおよびTICクロマトグラム。
【
図8A】
図8A 高pHクロマトグラフィーの後に低pHクロマトグラフィーが続く、インスリン リスプロの精製プロセスの、逆相精製−2最終産物のUVおよびTICクロマトグラム。
【
図8B】
図8B 高pHクロマトグラフィーの後に低pHクロマトグラフィーが続く、インスリン リスプロの精製プロセスの、逆相精製−2最終産物のUVおよびTICクロマトグラム。
【
図8C】
図8C 高pHクロマトグラフィーの後に低pHクロマトグラフィーが続く、インスリン リスプロの精製プロセスの、逆相精製−2最終産物のUVおよびTICクロマトグラム。
【0014】
発明の詳細な説明
当業者は、本明細書において記載されている発明が、具体的に記載されているもの以外の変更および改変の対象となることが分かるであろう。本明細書において記載されている発明は、全てのかかる変更および改変を含むことが理解されるはずである。本発明はまた、本明細書中で言及されるまたは示される、全てのかかるステップ、特徴、組成物および方法を、個々にもしくはまとめて含み、ならびに前記ステップまたは特徴の任意の2つ以上の任意の全ての組み合わせを含む。
【0015】
定義:
便宜上、本発明のさらなる説明の前に、本明細書において採用されている特定の用語、例をここにまとめる。これらの定義は、開示の残りの部分に照らして解釈されるべきであり、当業者により理解されるべきである。他に定義されていない限り、本明細書において用いられる全ての技術的および科学的用語は、当該技術分野における通常の知識を有する者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書全体にわたって用いられる用語は、特定の場合において他に限定されていない限り、以下のように定義される。
本開示は、例示のみを目的として意図されている本明細書において記載されている特定の態様によって、範囲が限定されるべきではない。
機能的に等価なプロセスおよび方法は、本明細書において記載されているように、明らかに本開示の範囲内にある。
【0016】
用語「脱グリコシル化」は、特に、糖実体(グリカン)が精製プロセスによって糖タンパク質から除去されたタンパク質をいう。
用語「グリコシル化」は、特に、マンノース、ポリマンノース、リボース糖などの炭水化物骨格が、タンパク質のA鎖もしくはB鎖のアミノ酸に、またはA鎖およびB鎖の両方のアミノ酸に、付着しているタンパク質をいう。用語「グリコシル化タンパク質」には、モノグリコシル化タンパク質およびポリグリコシル化タンパク質が含まれる。
用語「非グリコシル化」は、特に、タンパク質の全ての鎖に糖骨格(グリカン)が付着していないタンパク質をいう。
【0017】
用語「グラルギン」は、特に、インスリンA鎖の21位におけるアミノ酸アスパラギンがグリシンに置換されており、およびB鎖のC末端に2個のアルギニンが付加されている点でヒトインスリンとは異なる、速効性および長時間作用性のヒトインスリンアナログをいう。
用語「リスプロ」は、特に、ヒトインスリンとは化学的に異なる速効性ヒトインスリンアナログをいう。インスリン リスプロにおいては、B28位におけるアミノ酸プロリンがリジンに置換されており、およびB29位におけるリジンがプロリンに置換されている。
【0018】
用語「RP−HPLC」は、特に、疎水性に基づく分子の分離を含む、逆相高速液体クロマトグラフィーをいう。
用語「下流精製」は、生合成医薬生成物の製造中に発生した関連不純物および廃棄物からの、該生成物の回収および精製をいう。
本発明は、多様なモノグリコシル化型およびポリグリコシル化型インスリンアナログの少なくとも99.95%除去による、非グリコシル化インスリンアナログの精製プロセスに関する。前記プロセスは、最終生成物中に存在する不純物の性質についてのよりよい理解に起因した、最適化された下流精製技術による生成物の選択的精製である。
【0019】
精製ステップ−1および精製ステップ−2と称される、連続して採用される2つのクロマトグラフィー技術の組み合わせ効果の結果としての、非グリコシル化インスリンアナログ精製の精製プロセスである。非グリコシル化インスリンアナログの精製に用いられる両方のクロマトグラフィーステップは、カラムクロマトグラフィー法、好ましくはRP−HPLC、または疎水性相互作用クロマトグラフィーである。前記クロマトグラフィーを用いる利点は、非グリコシル化インスリンアナログ画分の純度の増加である。精製された最終生成物は、グリコシル化バリアントを実質的に(少なくとも99.95%)含まない。好ましくは、非グリコシル化インスリン精製画分におけるグリコシル化型インスリンアナログの濃度は0.05%未満である;したがって、グリコシル化バリアントは定量化未満のレベル(level below quantification(BLOQ))まで除去する。
【0020】
本発明はさらに、同定のためのエレクトロスプレーおよびマトリックス支援レーザー脱離イオン化などの質量分析技術と併用した化学的方法による、様々な糖型のインスリンアナログ、特にインスリン グラルギンおよびインスリン リスプロの同定に関する。
本発明において、低pHで行われる精製ステップは、クロマトグラフィーの逆相モードにおいて、好ましいイオンペアリング剤としてオクタンスルホン酸、好ましくはオクタンスルホン酸(OSA)のナトリウム塩を用いる。OSAは、スルホン基(SO3−)に付着した、炭素8個の長い疎水性鎖を有するカチオン性イオンペアリング剤である。OSAは、酸性pHでタンパク質サンプルと相互作用し、結合化学を変化させて、グリコシル化タンパク質と非グリコシル化タンパク質との間の分割を増強させる。
【0021】
本発明は、非グリコシル化インスリンからの、グリコシル化インスリンの分離において特に有利であることが証明されている。好ましくは、精製された非グリコシル化インスリン画分におけるグリコシル化インスリンの濃度は0.05%未満である。
本開示は、これより実施例を用いて例示されるが、これは、開示の実施を例示することを意図しており、本開示の範囲について、いかなる限定をも暗示するように制限的にみなすことを意図していない。
【0022】
本発明のある態様において、非グリコシル化インスリンアナログおよびグリコシル化インスリンアナログを含む混合物からの、非グリコシル化インスリンアナログの精製プロセスが提供される。
ある態様においては、インスリンアナログは、インスリン グラルギンである。別の態様においては、インスリンアナログは、インスリン リスプロである。
ある態様においては、グリコシル化インスリンアナログは、モノグリコシル化、ジグリコシル化、トリグリコシル化、ポリグリコシル化されていてもよく、およびそれらの混合物であってもよい。
【0023】
ある態様においては、本発明の精製プロセスは、非グリコシル化インスリンアナログおよびグリコシル化インスリンアナログを含む混合物からの、グリコシル化型のインスリンアナログの少なくとも99.95%除去をもたらす。好ましい態様において、除去百分率は、99.96、99.97、99.98、99.99、および100である。
【0024】
ある態様においては、本発明の精製プロセスは、≦0.05%のグリコシル化インスリン グラルギンを含む非グリコシル化インスリン グラルギンの単離をもたらす。好ましい態様において、本発明の精製プロセスは、≦0.05%、0.04%、0.03%、0.02%、0.01%、または0%のグリコシル化インスリン グラルギンを含む非グリコシル化インスリン グラルギンの単離をもたらす。
【0025】
ある態様においては、本発明の精製プロセスは、≦0.05%のグリコシル化インスリン リスプロを含む非グリコシル化インスリン リスプロの単離をもたらす。好ましい態様において、本発明の精製プロセスは、≦0.05%、0.04%、0.03%、0.02%、0.01%、または0%のグリコシル化インスリン リスプロを含む非グリコシル化インスリン リスプロの単離をもたらす。
【0026】
ある態様においては、非グリコシル化およびグリコシル化インスリン グラルギンを含む混合物からの、非グリコシル化インスリン グラルギンの精製プロセスが提供され、前記方法は、第1および第2のステップからなり、ここで、第1のステップは、グリコシル化および非グリコシル化インスリン グラルギンを含む混合物について、イオンペアリング剤およびアセトニトリル(有機修飾剤)の存在下、酸性pHでRP−HPLCを行い、部分的に精製された非グリコシル化インスリン グラルギンを含む第1の混合物を生じることを含み;第2のステップは、第1のステップからの第1の混合物について、イオンペアリング剤およびアセトニトリル(有機修飾剤)の存在下、アルカリ性pHでRP−HPLCを行い、少なくとも99.95%純粋な非グリコシル化インスリン グラルギンを生じることを含む。好ましい態様では、第1のステップにおけるイオンペアリング剤は、オクタンスルホン酸、より好ましくはOSAのナトリウム塩であり、第2のステップにおけるイオンペアリング剤は、過塩素酸ナトリウムである。ある態様において、第1のステップにおけるpH範囲は、3.5〜3.9の範囲にあり、第2のステップにおけるpH範囲は、8.3〜8.7の範囲にある。
【0027】
ある態様においては、非グリコシル化およびグリコシル化インスリン リスプロを含む混合物からの、非グリコシル化インスリン リスプロの精製プロセスが提供され、前記方法は、第1および第2のステップからなり、ここで、第1のステップは、グリコシル化および非グリコシル化インスリン リスプロを含む混合物について、イオンペアリング剤およびアセトニトリル(有機修飾剤)の存在下、酸性pHでRP−HPLCを行い、部分的に精製された非グリコシル化インスリン リスプロを含む第1の混合物を生じることを含み;第2のステップは、第1のステップからの第1の混合物について、イオンペアリング剤およびアセトニトリル(有機修飾剤)の存在下、アルカリ性pHでRP−HPLCを行い、少なくとも99.95%純粋な非グリコシル化インスリン リスプロを生じることを含む。好ましい態様では、第1のステップにおけるイオンペアリング剤は、オクタンスルホン酸、より好ましくはOSAのナトリウム塩であり、第2のステップにおけるイオンペアリング剤は、TBABである。ある態様において、第1のステップにおけるpH範囲は、3.5〜3.9の範囲にあり、第2のステップにおけるpH範囲は、8.3〜8.7の範囲にある。
【0028】
ある態様においては、非グリコシル化およびグリコシル化インスリン グラルギンを含む混合物からの、非グリコシル化インスリン グラルギンの精製プロセスが提供され、前記方法は、第1および第2のステップからなり、ここで、第1のステップは、グリコシル化および非グリコシル化インスリン グラルギンを含む混合物について、イオンペアリング剤およびアセトニトリル(有機修飾剤)の存在下、アルカリ性pHでRP−HPLCを行い、部分的に精製された非グリコシル化インスリン グラルギンを含む第1の混合物を生じることを含み;第2のステップは、第1のステップからの第1の混合物について、イオンペアリング剤およびアセトニトリル(有機修飾剤)の存在下、酸性pHでRP−HPLCを行い、少なくとも99.95%純粋な非グリコシル化インスリン グラルギンを生じることを含む。好ましい態様では、第1のステップにおけるイオンペアリング剤は、過塩素酸ナトリウムであり、第2のステップにおけるイオンペアリング剤は、オクタンスルホン酸、好ましくはオクタンスルホン酸のナトリウム塩である。ある態様において、第1のステップにおけるpH範囲は、8.3〜8.7の範囲にあり、第2のステップにおけるpH範囲は、3.5〜3.9の範囲にある。
【0029】
ある態様においては、非グリコシル化およびグリコシル化インスリン リスプロを含む混合物からの、非グリコシル化インスリン リスプロの精製プロセスが提供され、前記方法は、第1および第2のステップからなり、ここで、第1のステップは、グリコシル化および非グリコシル化インスリン リスプロを含む混合物について、イオンペアリング剤およびアセトニトリル(有機修飾剤)の存在下、アルカリ性pHでRP−HPLCを行い、部分的に精製された非グリコシル化インスリン リスプロを含む第1の混合物を生じることを含み;第2のステップは、第1のステップからの第1の混合物について、イオンペアリング剤およびアセトニトリル(有機修飾剤)の存在下、酸性pHでRP−HPLCを行い、少なくとも99.95%純粋な非グリコシル化インスリン リスプロを生じることを含む。好ましい態様では、第1のステップにおけるイオンペアリング剤は、TBABであり、第2のステップにおけるイオンペアリング剤は、オクタンスルホン酸、好ましくはオクタンスルホン酸のナトリウム塩である。ある態様において、第1のステップにおけるpH範囲は、8.3〜8.7の範囲にあり、第2のステップにおけるpH範囲は、3.5〜3.9の範囲にある。
【0030】
ある態様においては、インスリン グラルギンのグリコシル化バリアントが少なくとも99.95%含まれていない、非グリコシル化インスリン グラルギンが提供される。ある態様においては、インスリン グラルギンのグリコシル化バリアンが少なくとも99.96%含まれていない、非グリコシル化インスリン グラルギンが提供される。ある態様においては、インスリン グラルギンのグリコシル化バリアントが少なくとも99.97%含まれていない、非グリコシル化インスリン グラルギンが提供される。ある態様においては、インスリン グラルギンのグリコシル化バリアントが少なくとも99.98%含まれていない、非グリコシル化インスリン グラルギンが提供される。ある態様においては、インスリン グラルギンのグリコシル化バリアントが少なくとも99.99%含まれていない、非グリコシル化インスリン グラルギンが提供される。ある態様においては、インスリン グラルギンのグリコシル化バリアントが100%含まれていない、非グリコシル化インスリン グラルギンが提供される。
【0031】
ある態様においては、インスリン リスプロのグリコシル化バリアントが少なくとも99.95%含まれていない、非グリコシル化インスリン リスプロが提供される。ある態様においては、インスリン リスプロのグリコシル化バリアントが少なくとも99.96%含まれていない、非グリコシル化インスリン リスプロが提供される。ある態様においては、インスリン リスプロのグリコシル化バリアントが少なくとも99.97%含まれていない、非グリコシル化インスリン リスプロが提供される。ある態様においては、インスリン リスプロのグリコシル化バリアントが少なくとも99.98%含まれていない、非グリコシル化インスリン リスプロが提供される。ある態様においては、インスリン リスプロのグリコシル化バリアントが少なくとも99.99%含まれていない、非グリコシル化インスリン リスプロが提供される。ある態様においては、インスリン リスプロのグリコシル化バリアントが100%含まれていない、非グリコシル化インスリン リスプロが提供される。
【0032】
例
低pHベースのRP−HPLCの後に高pHベースのRP−HPLCが続く、インスリン グラルギンの精製
低pHでの精製ステップ−1は、
図1のフローチャートに示されている通りである。精製ステップ−1の詳細は以下の通りである。
定常相の詳細:
a.媒体:クロマシル(Kromasil) C8−100A−13pm
b.高さ:25.Oil.Ocm
c.線速度:全てのクロマトグラフィーステップについて、≦360cm/h
【0033】
移動相の詳細:
a.移動相A:pH3.7±0.1の、100mM酢酸ナトリウム+0.05%(w/v)オクタンスルホン酸(OSA)(pHは氷酢酸を用いて調整)
b.移動相B:100.0%アセトニトリル
c.精製サイクルの間の移動相AおよびBの温度:20〜30℃
【0034】
ロード(load)調製:
a.先のステップで得られたロード濃縮物を、精製水および酢酸の混合物を用いて、≧1.0:10.0の比率で希釈した。
b.希釈後、サンプルを1.2pm、0.45pm、続いて0.22pmのフィルターでろ過した。
c.1.2pmのろ過に用いられたフィルターは、ポリプロピレン(PP)製であり、0.45/0.22pmのろ過に用いられたものは、ポリエーテルスルホン(PES)材質製であった。
d.ロード中の生成物濃度は、1.0〜2.0g/Lの範囲にあると予想された。
【0035】
精製のためのプロセス条件:
a.カラムは、90.0%(A):10.0%(B)の移動相を用い、≦360cm/hの線速度にて4〜5CV(カラム体積)で平衡化した。
b.カラムは、4〜12gグラルギン/Lクロマシルの容量で、≦360cm/hの線速度にてロードした。
c.ロード後、カラムは、85.0%(A):15.0%(B)の移動相を用い、≦360cm/hの線速度にて4〜5CV(カラム体積)で洗浄した。
d.生成物は、≦360cm/hの線速度にて、24〜31%Bの線形勾配を用い、25CVを超えてカラムから溶出させた。
【0036】
e.溶出の間、可変体積画分の収集は、280nmにおける吸光度(UV)の上昇に基づいて行った。収集は、UV
280がベースラインに低下するまで継続した。カラムからタンパク質を溶出させるのに必要な体積は2.0〜3.0CVであった。
f.溶出画分は、分析し、その純度レベルに基づいてプールし、調製した溶出プール(elution pool)を2〜8℃で保存した。
g.溶出後、残留タンパク質がある場合にはそれを除去するために、カラムを、≦360cm/hの線速度で、1M酢酸50.0%およびアセトニトリル50.0%を用いてアップフロー方向に2CV、続いて1M酢酸30.0%およびアセトニトリル70.0%を用いて1CVで再生した。
異なる相対的保持時間(RRT)における結果は、表1に示されるデータの通りであった。データによれば、グリコシル化タンパク質は、〜4.5倍、すなわちロード中の〜2.6%から溶出プール(EP)中の〜0.6%まで、減少した。
【0037】
【表1】
【0038】
精製ステップ−1からの溶出プールは、グリコシル化タンパク質からの非グリコシル化タンパク質のさらなる精製のための精製ステップ−2にかけられる。
高pHでの精製ステップ−2は、
図2のフローチャートに示されている通りである。精製ステップ−2の詳細は以下の通りである。
定常相の詳細:
a.媒体:クロマシル C8−100A−13pm
b.高さ:25.Oil.Ocm
c.線速度:全てのクロマトグラフィーステップについて、≦360cm/h
【0039】
移動相の詳細:
a.移動相A:pH8.5±0.1の、100mM Tris+50mM過塩素酸ナトリウム(pHは氷酢酸を用いて調整)
b.移動相B:100.0%アセトニトリル
c.精製サイクルの間の移動相AおよびBの温度:20〜30℃
【0040】
ロード調製:
a.精製ステップ−1で得られた溶出プール(EP)を、精製水を用いて1.0:2.0の比率で希釈した。
b.希釈されたサンプルのpHを、2.5M Trisを用いて8.5±0.1に調整した。
c.pH調整後、サンプルを、1.2μm、0.45pm、続いて0.22μmでろ過した。
d.1.2μmのろ過に用いられたフィルターは、ポリプロピレン(PP)製であり、0.45/0.22μmのろ過に用いられたものは、ポリエーテルスルホン(PES)材質製であった。
e.ロード中の生成物濃度は、1.0〜2.0g/Lの範囲にあると予想された。
【0041】
精製のためのプロセス条件:
a.カラムは、90.0%(A):10.0%(B)の移動相を用い、≦360cm/hの線速度にて4〜5CV(カラム体積)で平衡化した。
b.カラムは、4〜12gグラルギン/Lクロマシルの容量で、≦360cm/hの線速度にてロードした。
c.ロード後、カラムは、80.0%(A):20.0%(B)の移動相を用い、≦360cm/hの線速度にて4〜5CV(カラム体積)で洗浄した。
d.生成物は、≦360cm/hの線速度にて、25〜29%Bの線形勾配を用い、25CVを超えてカラムから溶出させた。
e.溶出の間、可変体積画分の収集は、280nmにおける吸光度(UV)の上昇に基づいて行った。収集は、UVがベースラインに低下するまで継続した。カラムからタンパク質を溶出させるのに必要な体積は2.0〜3.0CVであった。
【0042】
f.画分収集後、画分のpHは、氷酢酸を用いて4.0±0.1に調整した。予想される酢酸消費量は、15.0%〜25.0%(V/V)であった。
g.溶出画分は、分析し、その純度レベルに基づいてプールし、調製した溶出プールを2〜8℃で保存した。
h.溶出後、残留タンパク質がある場合にはそれを除去するために、カラムを、精製水50.0%およびアセトニトリル50.0%を用い、≦360cm/hの線速度にてアップフロー方向に3CVで再生する。
結果は、表2に示されるデータの通りであった。データによれば、グリコシル化タンパク質は、ロード中の〜0.5%から溶出プール中の〜0.00%まで減少した。
【0043】
【表2-1】
【表2-2】
【0044】
より完全な理解は、以下の例を参照することにより得ることができるが、これらは、例示のみを目的として提供されるものであり、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
【0045】
例1は、実験番号1〜10により、低pHでの逆相精製−1である精製ステップ−1を例示する。
実験1
ヒトインスリン グラルギンを40mg/mlの濃度で含有する酵素反応最終産物(enzyme reaction end)を、5%アセトニトリル、0.5M酢酸に調整し、精製水を用いて1.31mg/mlに希釈して、ロードサンプルとして用いた。予め充填された逆相クロマシル100−13−C8カラム(1
*25cm)を使用し、インスリン グラルギンを精製した。カラムは、最初に、100mM酢酸ナトリウム+0.05%OSA緩衝液(pH3.7±0.1)90%およびアセトニトリル10%を用い、約5カラム体積で平衡化した。サンプルは、結合容量が〜8.0gヒトインスリン グラルギン/L樹脂のカラムにロードした。緩やかに結合したタンパク質は、100mM酢酸ナトリウム+0.05%OSA緩衝液(pH3.7±0.1)85%およびアセトニトリル15%を用いて、約4カラム体積で洗浄した。結合したタンパク質は、100mM酢酸ナトリウム+0.05%OSA緩衝液(pH3.7±0.1)を用いて25〜32%アセトニトリルの勾配で溶出した。0.25カラム体積の複数画分を280nmにおける吸光度の増加に基づいて収集した。強固に結合したタンパク質は、1M酢酸50%およびアセトニトリル50%を用いて2カラム体積で溶出し、続いて1M酢酸30%およびアセトニトリル70%を用いて1カラム体積で溶出した。全ユニットの操作は、360cm/hの線流速で行った。ロードサンプル、溶出画分および溶出プールは、YMC Co. Ltd製のC18カラムを用いた分析法によって分析した)。結果を表3において下記に示す。
【0046】
【表3】
【0047】
実験2
ヒトインスリン グラルギンを40mg/mlの濃度で含有する酵素反応最終産物を、5%アセトニトリル、0.5M酢酸に調整し、精製水を用いて1.37mg/mlに希釈して、ロードサンプルとして用いた。予め充填された逆相クロマシル100−13−C8カラム(1
*25cm)を使用し、インスリン グラルギンを精製した。カラムは、最初に、100mM酢酸ナトリウム+0.05%OSA緩衝液(pH3.7±0.1)90%およびアセトニトリル10%を用い、約5カラム体積で平衡化した。サンプルは、結合容量が〜8.0gヒトインスリン グラルギン/L樹脂のカラムにロードした。緩やかに結合したタンパク質は、100mM酢酸ナトリウム+0.05%OSA緩衝液(pH3.7±0.1)85%およびアセトニトリル15%を用いて、約4カラム体積で洗浄した。結合したタンパク質は、100mM酢酸ナトリウム+0.05%OSA緩衝液(pH3.7±0.1)を用いて25〜32%アセトニトリルの勾配で溶出した。0.25カラム体積の複数画分を280nmにおける吸光度の増加に基づいて収集した。強固に結合したタンパク質は、1M酢酸50%およびアセトニトリル50%を用いて2カラム体積で溶出し、続いて1M酢酸30%およびアセトニトリル70%を用いて1カラム体積で溶出した。全ユニットの操作は、360cm/hの線流速で行った。ロードサンプルならびに溶出画分および溶出プールは、YMC C18法によって分析した。結果を表4において下記に示す。
【0048】
【表4】
【0049】
実験3
ヒトインスリン グラルギンを40mg/mlの濃度で含有する酵素反応最終産物を、5%アセトニトリル、0.5M酢酸に調整し、精製水を用いて1.42mg/mlに希釈して、ロードサンプルとして用いた。予め充填された逆相クロマシル100−13−C8カラム(1
*25cm)を使用し、インスリン グラルギンを精製した。カラムは、最初に、100mM酢酸ナトリウム+0.05%OSA緩衝液(pH3.7±0.1)90%およびアセトニトリル10%を用い、約5カラム体積で平衡化した。サンプルは、結合容量が〜7.6gヒトインスリン グラルギン/L樹脂のカラムにロードした。緩やかに結合したタンパク質は、100mM酢酸ナトリウム+0.05%OSA緩衝液(pH3.7±0.1)85%およびアセトニトリル15%を用いて、約4カラム体積で洗浄した。結合したタンパク質は、100mM酢酸ナトリウム+0.05%OSA緩衝液(pH3.7±0.1)を用いて25〜32%アセトニトリルの勾配で溶出した。0.25カラム体積の複数画分を280nmにおける吸光度の増加に基づいて収集した。強固に結合したタンパク質は、1M酢酸50%およびアセトニトリル50%を用いて2カラム体積で溶出し、続いて1M酢酸30%およびアセトニトリル70%を用いて1カラム体積で溶出した。全ユニットの操作は、360cm/hの線流速で行った。ロードサンプル、溶出画分および溶出プールは、YMC Co. Ltd製のC18カラムを用いた分析法によって分析した。結果を表5において下記に示す。
【0050】
【表5】
【0051】
実験4
ヒトインスリン グラルギンを18mg/mlの濃度で含有する酵素反応最終産物を、5%アセトニトリル、0.5M酢酸に調整し、精製水を用いて1.5mg/mlに希釈して、ロードサンプルとして用いた。予め充填された逆相クロマシル100−13−C8カラム(1
*25cm)を使用し、インスリン グラルギンを精製した。カラムは、最初に、100mM酢酸ナトリウム+0.05%OSA緩衝液(pH3.7±0.1)90%およびアセトニトリル10%を用い、約5カラム体積で平衡化した。サンプルは、結合容量が〜10.0gヒトインスリン グラルギン/L樹脂のカラムにロードした。緩やかに結合したタンパク質は、100mM酢酸ナトリウム+0.05%OSA緩衝液(pH3.7±0.1)85%およびアセトニトリル15%を用いて、約4カラム体積で洗浄した。結合したタンパク質は、100mM酢酸ナトリウム+0.05%OSA緩衝液(pH3.7±0.1)を用いて25〜32%アセトニトリルの勾配で溶出した。0.25カラム体積の複数画分を280nmにおける吸光度の増加に基づいて収集した。強固に結合したタンパク質は、1M酢酸50%およびアセトニトリル50%を用いて2カラム体積で溶出し、続いて1M酢酸30%およびアセトニトリル70%を用いて1カラム体積で溶出した。全ユニットの操作は、360cm/hの線流速で行った。ロードサンプル、溶出画分および溶出プールは、YMC Co. Ltd製のC18カラムを用いた分析法によって分析した。結果を表6において下記に示す。
【0052】
【表6】
【0053】
実験5
ヒトインスリン グラルギンを18mg/mlの濃度で含有する酵素反応最終産物を、5%アセトニトリル、0.5M酢酸に調整し、精製水を用いて1.6mg/mlに希釈して、ロードサンプルとして用いた。予め充填された逆相クロマシル100−13−C8カラム(2.1
*25cm)を使用し、インスリン グラルギンを精製した。カラムは、最初に、100mM酢酸ナトリウム+0.05%OSA緩衝液(pH3.7±0.1)90%およびアセトニトリル10%を用い、約5カラム体積で平衡化した。サンプルは、結合容量が〜10gヒトインスリン グラルギン/L樹脂のカラムにロードした。緩やかに結合したタンパク質は、100mM酢酸ナトリウム+0.05%OSA緩衝液(pH3.7±0.1)85%およびアセトニトリル15%を用いて、約4カラム体積で洗浄した。結合したタンパク質は、100mM酢酸ナトリウム+0.05%OSA緩衝液(pH3.7±0.1)を用いて25〜32%アセトニトリルの勾配で溶出した。0.25カラム体積の複数画分を280nmにおける吸光度の増加に基づいて収集した。強固に結合したタンパク質は、1M酢酸50%およびアセトニトリル50%を用いて2カラム体積で溶出し、続いて1M酢酸30%およびアセトニトリル70%を用いて1カラム体積で溶出した。全ユニットの操作は、360cm/hの線流速で行った。ロードサンプル、溶出画分および溶出プールは、YMC Co. Ltd製のC18カラムを用いた分析法によって分析した。結果を表7において下記に示す。
【0054】
【表7】
【0055】
実験6
ヒトインスリン グラルギンを32mg/mlの濃度で含有する酵素反応最終産物を、5%アセトニトリル、0.5M酢酸に調整し、精製水を用いて1.5mg/mlに希釈して、ロードサンプルとして用いた。予め充填された逆相クロマシル100−13−C8カラム(2.1
*25cm)を使用し、インスリン グラルギンを精製した。カラムは、最初に、100mM酢酸ナトリウム+0.05%OSA緩衝液(pH3.7±0.1)90%およびアセトニトリル10%を用い、約5カラム体積で平衡化した。サンプルは、結合容量が〜10gヒトインスリン グラルギン/L樹脂のカラムにロードした。緩やかに結合したタンパク質は、100mM酢酸ナトリウム+0.05%OSA緩衝液(pH3.7±0.1)85%およびアセトニトリル15%を用いて、約4カラム体積で洗浄した。結合したタンパク質は、100mM酢酸ナトリウム+0.05%OSA緩衝液(pH3.7±0.1)を用いて25〜32%アセトニトリルの勾配で溶出した。0.25カラム体積の複数画分を280nmにおける吸光度の増加に基づいて収集した。強固に結合したタンパク質は、1M酢酸50%およびアセトニトリル50%を用いて2カラム体積で溶出し、続いて1M酢酸30%およびアセトニトリル70%を用いて1カラム体積で溶出した。全ユニットの操作は、360cm/hの線流速で行った。ロードサンプル、溶出画分および溶出プールは、YMC Co. Ltd製のC18カラムを用いた分析法によって分析した。結果を表8において下記に示す。
【0056】
【表8】
【0057】
実験7
ヒトインスリン グラルギンを16mg/mlの濃度で含有する酵素反応最終産物を、5%アセトニトリル、0.5M酢酸に調整し、精製水を用いて1.5mg/mlに希釈して、ロードサンプルとして用いた。予め充填された逆相クロマシル100−13−C8カラム(2.1
*25cm)を使用し、インスリン グラルギンを精製した。カラムは、最初に、100mM酢酸ナトリウム+0.05%OSA緩衝液(pH3.7±0.1)90%およびアセトニトリル10%を用い、約5カラム体積で平衡化した。サンプルは、結合容量が〜10gヒトインスリン グラルギン/L樹脂のカラムにロードした。緩やかに結合したタンパク質は、100mM酢酸ナトリウム+0.05%OSA緩衝液(pH3.7±0.1)85%およびアセトニトリル15%を用いて、約4カラム体積で洗浄した。結合したタンパク質は、100mM酢酸ナトリウム+0.05%OSA緩衝液(pH3.7±0.1)を用いて25〜32%アセトニトリルの勾配で溶出した。0.25カラム体積の複数画分を280nmにおける吸光度の増加に基づいて収集した。強固に結合したタンパク質は、1M酢酸50%およびアセトニトリル50%を用いて2カラム体積で溶出し、続いて1M酢酸30%およびアセトニトリル70%を用いて1カラム体積で溶出した。全ユニットの操作は、360cm/hの線流速で行った。ロードサンプル、溶出画分および溶出プールは、YMC Co. Ltd製のC18カラムを用いた分析法によって分析した。結果を表9において下記に示す。
【0058】
【表9】
【0059】
実験8
ヒトインスリン グラルギンを36mg/mlの濃度で含有する酵素反応最終産物を、5%アセトニトリル、0.5M酢酸に調整し、精製水を用いて1.6mg/mlに希釈して、ロードサンプルとして用いた。クロマシル100−13−C8樹脂が充填されたNovosepステンレススチールカラム(5
*25cm)を使用し、インスリン グラルギンを精製した。カラムは、最初に、100mM酢酸ナトリウム+0.05%OSA緩衝液(pH3.7±0.1)90%およびアセトニトリル10%を用い、約5カラム体積で平衡化した。サンプルは、結合容量が〜9gヒトインスリン グラルギン/L樹脂のカラムにロードした。緩やかに結合したタンパク質は、100mM酢酸ナトリウム+0.05%OSA緩衝液(pH3.7±0.1)85%およびアセトニトリル15%を用いて、約4カラム体積で洗浄した。結合したタンパク質は、100mM酢酸ナトリウム+0.05%OSA緩衝液(pH3.7±0.1)を用いて25〜32%アセトニトリルの勾配で溶出した。0.25カラム体積の複数画分を280nmにおける吸光度の増加に基づいて収集した。強固に結合したタンパク質は、1M酢酸50%およびアセトニトリル50%を用いて2カラム体積で溶出し、続いて1M酢酸30%およびアセトニトリル70%を用いて1カラム体積で溶出した。全ユニットの操作は、360cm/hの線流速で行った。ロードサンプル、溶出画分および溶出プールは、YMC Co. Ltd製のC18カラムを用いた分析法によって分析した。結果を表10において下記に示す。
【0060】
【表10】
【0061】
実験9
ヒトインスリン グラルギンを32mg/mlの濃度で含有する酵素反応最終産物を、5%アセトニトリル、0.5M酢酸に調整し、精製水を用いて1.7mg/mlに希釈して、ロードサンプルとして用いた。クロマシル100−13−C8樹脂が充填されたNovosepステンレススチールカラム(5
*25cm)を使用し、インスリン グラルギンを精製した。カラムは、最初に、100mM酢酸ナトリウム+0.05%OSA緩衝液(pH3.7±0.1)90%およびアセトニトリル10%を用い、約5カラム体積で平衡化した。サンプルは、結合容量が〜9gヒトインスリン グラルギン/L樹脂のカラムにロードした。緩やかに結合したタンパク質は、100mM酢酸ナトリウム+0.05%OSA緩衝液(pH3.7±0.1)85%およびアセトニトリル15%を用いて、約4カラム体積で洗浄した。結合したタンパク質は、100mM酢酸ナトリウム+0.05%OSA緩衝液(pH3.7±0.1)を用いて25〜32%アセトニトリルの勾配で溶出した。0.25カラム体積の複数画分を280nmにおける吸光度の増加に基づいて収集した。強固に結合したタンパク質は、1M酢酸50%およびアセトニトリル50%を用いて2カラム体積で溶出し、続いて1M酢酸30%およびアセトニトリル70%を用いて1カラム体積で溶出した。全ユニットの操作は、360cm/hの線流速で行った。ロードサンプル、溶出画分および溶出プールは、YMC Co. Ltd製のC18カラムを用いた分析法によって分析した。結果を表11において下記に示す。
【0062】
【表11】
【0063】
実験10
ヒトインスリン グラルギンを32mg/mlの濃度で含有する酵素反応最終産物を、5%アセトニトリル、0.5M酢酸に調整し、精製水を用いて1.7mg/mlに希釈して、ロードサンプルとして用いた。クロマシル100−13−C8樹脂が充填されたNovosepステンレススチールカラム(5
*25cm)を使用し、インスリン グラルギンを精製した。カラムは、最初に、100mM酢酸ナトリウム+0.05%OSA緩衝液(pH3.7±0.1)90%およびアセトニトリル10%を用い、約5カラム体積で平衡化した。サンプルは、結合容量が〜11gヒトインスリン グラルギン/L樹脂のカラムにロードした。緩やかに結合したタンパク質は、100mM酢酸ナトリウム+0.05%OSA緩衝液(pH3.7±0.1)およびアセトニトリル15%を用いて、約4カラム体積で洗浄した。結合したタンパク質は、100mM酢酸ナトリウム+0.05%OSA緩衝液(pH3.7±0.1)85%を用いて25〜32%アセトニトリルの勾配で溶出した。0.25カラム体積の複数画分を280nmにおける吸光度の増加に基づいて収集した。強固に結合したタンパク質は、1M酢酸50%およびアセトニトリル50%を用いて2カラム体積で溶出し、続いて1M酢酸30%およびアセトニトリル70%を用いて1カラム体積で溶出した。全ユニットの操作は、360cm/hの線流速で行った。ロードサンプル、溶出画分および溶出プールは、YMC Co. Ltd製のC18カラムを用いた分析法によって分析した。結果を表12において下記に示す。
【0064】
【表12】
【0065】
低pHでの逆相精製−1の実験データの概要を表13において下記に詳細に示す。
ヒトインスリン グラルギンについての第1の逆相精製ステップは、イオンペアリング剤オクタンスルホン酸(OSA)を併用した低pH緩衝液を用いて、グリコシル化バリアントを68〜90%減少させ、それによりロード中の〜60%から溶出プール(EP)中の>97%まで、純度を増加させる。
【0066】
【表13-1】
【表13-2】
【0067】
残りのグリコシル化不純物は、高pHを採用する第2の逆相精製ステップを用いて取り除かれ、インスリン グラルギンの純度は>99.5%に増加する。
【0068】
例2は、実験番号11〜20により、高pHでの逆相精製−2である精製ステップ−2を例示する。
実験11
2.8mg/mlの濃度のヒトインスリン グラルギンおよび〜29%アセトニトリルを含有する逆相精製−1最終産物を、2M Trisを用いてpH8.5に調整し、精製水を用いて希釈してアセトニトリル10%を含む最終濃度1.3mg/mlのインスリン グラルギンを得て、ロードサンプルとして用いた。予め充填された逆相クロマシル100−13−C8カラム(1
*25cm)を用いて、インスリン グラルギンを精製した。カラムは、最初に、100mM Tris+50mM過塩素酸ナトリウム緩衝液(pH8.5±0.1)90%およびアセトニトリル10%を用い、5カラム体積で平衡化した。サンプルは、結合容量が〜6.5gヒトインスリン グラルギン/L樹脂のカラムにロードした。緩やかに結合したタンパク質は、100mM Tris+50mM過塩素酸ナトリウム緩衝液(pH8.5±0.1)80%およびアセトニトリル20%を用いて、4カラム体積で洗浄した。結合したタンパク質は、100mM Tris+50mM過塩素酸ナトリウム緩衝液(pH8.5±0.1)を用いて25〜29%アセトニトリルの勾配で、25カラム体積を超えて溶出した。0.25カラム体積の複数画分を280nmにおける吸光度の増加に基づいて収集した。強固に結合したタンパク質は、精製水50%およびアセトニトリル50%を用いて4カラム体積で溶出した。全ユニットの操作は、360cm/hの線流速で行った。ロードサンプル、溶出画分および溶出プールは、YMC Co. Ltd製のC18カラムを用いた分析法によって分析した。結果を下記表14に示す。
【0069】
【表14】
【0070】
実験12
2.8mg/mlの濃度のヒトインスリン グラルギンおよび〜29%アセトニトリルを含有する逆相精製−1最終産物を、2M Trisを用いてpH8.5に調整し、精製水を用いて希釈してアセトニトリル10%を含む最終濃度1.3mg/mlのインスリン グラルギンを得て、ロードサンプルとして用いた。予め充填された逆相クロマシル100−13−C8カラム(1
*25cm)を用いて、インスリン グラルギンを精製した。カラムは、最初に、100mM Tris+50mM過塩素酸ナトリウム緩衝液(pH8.5±0.1)90%およびアセトニトリル10%を用い、5カラム体積で平衡化した。サンプルは、結合容量が〜6.6gヒトインスリン グラルギン/L樹脂のカラムにロードした。緩やかに結合したタンパク質は、100mM Tris+50mM過塩素酸ナトリウム緩衝液(pH8.5±0.1)80%およびアセトニトリル20%を用いて、4カラム体積で洗浄した。結合したタンパク質は、100mM Tris+50mM過塩素酸ナトリウム緩衝液(pH8.5±0.1)を用いて25〜29%アセトニトリルの勾配で、25カラム体積を超えて溶出した。0.25カラム体積の複数画分を280nmにおける吸光度の増加に基づいて収集した。強固に結合したタンパク質は、精製水50%およびアセトニトリル50%を用いて4カラム体積で溶出した。全ユニットの操作は、360cm/hの線流速で行った。ロードサンプル、溶出画分および溶出プールは、YMC Co. Ltd製のC18カラムを用いた分析法によって分析した。結果を下記表15に示す。
【0071】
【表15-1】
【表15-2】
【0072】
実験13
2.8mg/mlの濃度のヒトインスリン グラルギンおよび〜29%アセトニトリルを含有する逆相精製−1最終産物を、2M Trisを用いてpH8.5に調整し、精製水を用いて希釈してアセトニトリル10%を含む最終濃度1mg/mlのインスリン グラルギンを得て、ロードサンプルとして用いた。予め充填された逆相クロマシル100−13−C8カラム(1
*25cm)を用いて、インスリン グラルギンを精製した。カラムは、最初に、100mM Tris+50mM過塩素酸ナトリウム緩衝液(pH8.5±0.1)90%およびアセトニトリル10%を用い、5カラム体積で平衡化した。サンプルは、結合容量が〜9gヒトインスリン グラルギン/L樹脂のカラムにロードした。緩やかに結合したタンパク質は、100mM Tris+50mM過塩素酸ナトリウム緩衝液(pH8.5±0.1)80%およびアセトニトリル20%を用いて、4カラム体積で洗浄した。結合したタンパク質は、100mM Tris+50mM過塩素酸ナトリウム緩衝液(pH8.5±0.1)を用いて25〜29%アセトニトリルの勾配で、25カラム体積を超えて溶出した。0.25カラム体積の複数画分を280nmにおける吸光度の増加に基づいて収集した。強固に結合したタンパク質は、精製水50%およびアセトニトリル50%を用いて4カラム体積で溶出した。全ユニットの操作は、360cm/hの線流速で行った。ロードサンプル、溶出画分および溶出プールは、YMC Co. Ltd製のC18カラムを用いた分析法によって分析した。結果を下記表16に示す。
【0073】
【表16】
【0074】
実験14
2.9mg/mlの濃度のヒトインスリン グラルギンおよび〜29%アセトニトリルを含有する逆相精製−1最終産物を、2M Trisを用いてpH8.5に調整し、精製水を用いて希釈してアセトニトリル10%を含む最終濃度1mg/mlのインスリン グラルギンを得て、ロードサンプルとして用いた。予め充填された逆相クロマシル100−13−C8カラム(1
*25cm)を用いて、インスリン グラルギンを精製した。カラムは、最初に、100mM Tris+50mM過塩素酸ナトリウム緩衝液(pH8.5±0.1)90%およびアセトニトリル10%を用い、5カラム体積で平衡化した。サンプルは、結合容量が〜9gヒトインスリン グラルギン/L樹脂のカラムにロードした。緩やかに結合したタンパク質は、100mM Tris+50mM過塩素酸ナトリウム緩衝液(pH8.5±0.1)80%およびアセトニトリル20%を用いて、4カラム体積で洗浄した。結合したタンパク質は、100mM Tris+50mM過塩素酸ナトリウム緩衝液(pH8.5±0.1)を用いて25〜29%アセトニトリルの勾配で、25カラム体積を超えて溶出した。0.25カラム体積の複数画分を280nmにおける吸光度の増加に基づいて収集した。強固に結合したタンパク質は、精製水50%およびアセトニトリル50%を用いて4カラム体積で溶出した。全ユニットの操作は、360cm/hの線流速で行った。ロードサンプル、溶出画分および溶出プールは、YMC Co. Ltd製のC18カラムを用いた分析法によって分析した。結果を下記表17に示す。
【0075】
【表17】
【0076】
実験15
3.8mg/mlの濃度のヒトインスリン グラルギンおよび〜29%アセトニトリルを含有する逆相精製−1最終産物を、2M Trisを用いてpH8.5に調整し、精製水を用いて希釈してアセトニトリル10%を含む最終濃度0.5mg/mlのインスリン グラルギンを得て、ロードサンプルとして用いた。予め充填された逆相クロマシル100−13−C8カラム(1
*25cm)を用いて、インスリン グラルギンを精製した。カラムは、最初に、100mM Tris+50mM過塩素酸ナトリウム緩衝液(pH8.5±0.1)90%およびアセトニトリル10%を用い、5カラム体積で平衡化した。サンプルは、結合容量が〜7gヒトインスリン グラルギン/L樹脂のカラムにロードした。緩やかに結合したタンパク質は、100mM Tris+50mM過塩素酸ナトリウム緩衝液(pH8.5±0.1)80%およびアセトニトリル20%を用いて、4カラム体積で洗浄した。結合したタンパク質は、100mM Tris+50mM過塩素酸ナトリウム緩衝液(pH8.5±0.1)を用いて25〜29%アセトニトリルの勾配で、25カラム体積を超えて溶出した。0.25カラム体積の複数画分を280nmにおける吸光度の増加に基づいて収集した。強固に結合したタンパク質は、精製水50%およびアセトニトリル50%を用いて4カラム体積で溶出した。全ユニットの操作は、360cm/hの線流速で行った。ロードサンプル、溶出画分および溶出プールは、YMC Co. Ltd製のC18カラムを用いた分析法によって分析した。結果を下記表18に示す。
【0077】
【表18】
【0078】
実験16
3.8mg/mlの濃度のヒトインスリン グラルギンおよび〜29%アセトニトリルを含有する逆相精製−1最終産物を、2M Trisを用いてpH8.5に調整し、精製水を用いて希釈してアセトニトリル10%を含む最終濃度1.2mg/mlのインスリン グラルギンを得て、ロードサンプルとして用いた。予め充填された逆相クロマシル100−13−C8カラム(1
*25cm)を用いて、インスリン グラルギンを精製した。カラムは、最初に、100mM Tris+50mM過塩素酸ナトリウム緩衝液(pH8.5±0.1)90%およびアセトニトリル10%を用い、5カラム体積で平衡化した。サンプルは、結合容量が〜6gヒトインスリン グラルギン/L樹脂のカラムにロードした。緩やかに結合したタンパク質は、100mM Tris+50mM過塩素酸ナトリウム緩衝液(pH8.5±0.1)80%およびアセトニトリル20%を用いて、4カラム体積で洗浄した。結合したタンパク質は、100mM Tris+50mM過塩素酸ナトリウム緩衝液(pH8.5±0.1)を用いて25〜29%アセトニトリルの勾配で、25カラム体積を超えて溶出した。0.25カラム体積の複数画分を280nmにおける吸光度の増加に基づいて収集した。強固に結合したタンパク質は、精製水50%およびアセトニトリル50%を用いて4カラム体積で溶出した。全ユニットの操作は、360cm/hの線流速で行った。ロードサンプル、溶出画分および溶出プールは、YMC Co. Ltd製のC18カラムを用いた分析法によって分析した。結果を下記表19に示す。
【0079】
【表19】
【0080】
実験17
3.4mg/mlの濃度のヒトインスリン グラルギンおよび〜29%アセトニトリルを含有する逆相精製−1最終産物を、2M Trisを用いてpH8.5に調整し、精製水を用いて希釈してアセトニトリル10%を含む最終濃度1.2mg/mlのインスリン グラルギンを得て、ロードサンプルとして用いた。予め充填された逆相クロマシル100−13−C8カラム(1
*25cm)を用いて、インスリン グラルギンを精製した。カラムは、最初に、100mM Tris+50mM過塩素酸ナトリウム緩衝液(pH8.5±0.1)90%およびアセトニトリル10%を用い、5カラム体積で平衡化した。サンプルは、結合容量が〜4gヒトインスリン グラルギン/L樹脂のカラムにロードした。緩やかに結合したタンパク質は、100mM Tris+50mM過塩素酸ナトリウム緩衝液(pH8.5±0.1)80%およびアセトニトリル20%を用いて、4カラム体積で洗浄した。結合したタンパク質は、100mM Tris+50mM過塩素酸ナトリウム緩衝液(pH8.5±0.1)を用いて25〜29%アセトニトリルの勾配で、25カラム体積を超えて溶出した。0.25カラム体積の複数画分を280nmにおける吸光度の増加に基づいて収集した。強固に結合したタンパク質は、精製水50%およびアセトニトリル50%を用いて4カラム体積で溶出した。全ユニットの操作は、360cm/hの線流速で行った。ロードサンプル、溶出画分および溶出プールは、YMC Co. Ltd製のC18カラムを用いた分析法によって分析した。結果を下記表20に示す。
【0081】
【表20】
【0082】
実験18
4.2mg/mlの濃度のヒトインスリン グラルギンおよび〜29%アセトニトリルを含有する逆相精製−1最終産物を、2M Trisを用いてpH8.5に調整し、精製水を用いて希釈してアセトニトリル10%を含む最終濃度1.5mg/mlのインスリン グラルギンを得て、ロードサンプルとして用いた。予め充填された逆相クロマシル100−13−C8カラム(2.1
*25cm)を用いて、インスリン グラルギンを精製した。カラムは、最初に、100mM Tris+50mM過塩素酸ナトリウム緩衝液(pH8.5±0.1)90%およびアセトニトリル10%を用い、5カラム体積で平衡化した。サンプルは、結合容量が〜6gヒトインスリン グラルギン/L樹脂のカラムにロードした。緩やかに結合したタンパク質は、100mM Tris+50mM過塩素酸ナトリウム緩衝液(pH8.5±0.1)80%およびアセトニトリル20%を用いて、4カラム体積で洗浄した。結合したタンパク質は、100mM Tris+50mM過塩素酸ナトリウム緩衝液(pH8.5±0.1)を用いて25〜29%アセトニトリルの勾配で溶出した。0.25カラム体積の複数画分を280nmにおける吸光度の増加に基づいて収集した。強固に結合したタンパク質は、精製水50%およびアセトニトリル50%を用いて4カラム体積で溶出した。全ユニットの操作は、360cm/hの線流速で行った。ロードサンプル、溶出画分および溶出プールは、YMC Co. Ltd製のC18カラムを用いた分析法によって分析した。結果を下記表21に示す。
【0083】
【表21】
【0084】
実験19
4.2mg/mlの濃度のヒトインスリン グラルギンおよび29%アセトニトリルを含有する逆相精製−1最終産物を、2M Trisを用いてpH8.5に調整し、精製水を用いて希釈してアセトニトリル10%を含む最終濃度1.5mg/mlのインスリン グラルギンを得て、ロードサンプルとして用いた。予め充填された逆相クロマシル100−13−C8カラム(2.1
*25cm)を用いて、インスリン グラルギンを精製した。カラムは、最初に、100mM Tris+50mM過塩素酸ナトリウム緩衝液(pH8.5±0.1)90%およびアセトニトリル10%を用い、5カラム体積で平衡化した。サンプルは、結合容量が〜9gヒトインスリン グラルギン/L樹脂のカラムにロードした。緩やかに結合したタンパク質は、100mM Tris+50mM過塩素酸ナトリウム緩衝液(pH8.5±0.1)80%およびアセトニトリル20%を用いて、4カラム体積で洗浄した。結合したタンパク質は、100mM Tris+50mM過塩素酸ナトリウム緩衝液(pH8.5±0.1)を用いて25〜29%アセトニトリルの勾配で、25カラム体積を超えて溶出した。0.25カラム体積の複数画分を280nmにおける吸光度の増加に基づいて収集した。強固に結合したタンパク質は、精製水50%およびアセトニトリル50%を用いて4カラム体積で溶出した。全ユニットの操作は、360cm/hの線流速で行った。ロードサンプル、溶出画分および溶出プールは、YMC Co. Ltd製のC18カラムを用いた分析法によって分析した。結果を下記表22に示す。
【0085】
【表22】
【0086】
実験20
4.5mg/mlの濃度のヒトインスリン グラルギンおよび29%アセトニトリルを含有する逆相精製−1最終産物を、2M Trisを用いてpH8.5に調整し、精製水を用いて希釈してアセトニトリル10%を含む最終濃度1.8mg/mlのインスリン グラルギンを得て、ロードサンプルとして用いた。予め充填された逆相クロマシル100−13−C8カラム(2.1
*25cm)を用いて、インスリン グラルギンを精製した。カラムは、最初に、100mM Tris+50mM過塩素酸ナトリウム緩衝液(pH8.5±0.1)90%およびアセトニトリル10%を用い、5カラム体積で平衡化した。サンプルは、結合容量が〜8gヒトインスリン グラルギン/L樹脂のカラムにロードした。緩やかに結合したタンパク質は、100mM Tris+50mM過塩素酸ナトリウム緩衝液(pH8.5±0.1)80%およびアセトニトリル20%を用いて、4カラム体積で洗浄した。結合したタンパク質は、100mM Tris+50mM過塩素酸ナトリウム緩衝液(pH8.5±0.1)を用いて25〜29%アセトニトリルの勾配で、25カラム体積を超えて溶出した。0.25カラム体積の複数画分を280nmにおける吸光度の増加に基づいて収集した。強固に結合したタンパク質は、精製水50%およびアセトニトリル50%を用いて4カラム体積で溶出した。全ユニットの操作は、360cm/hの線流速で行った。ロードサンプル、溶出画分および溶出プールは、YMC Co. Ltd製のC18カラムを用いた分析法によって分析した。結果を下記表23に示す。
【0087】
【表23】
【0088】
高pHでの逆相精製−2の実験データの概要を表24において下記に詳細に示す。
インスリン グラルギンについての第2の逆相精製ステップは、イオンペアリング剤過塩素酸ナトリウムを併用した高pH緩衝液を用いて、残りのグリコシル化バリアントを検出レベル未満まで減少させ、それによりロード中の>96%から溶出プール(EP)中の>99.5%まで、純度を増加させる。
【0089】
【表24-1】
【表24-2】
【0090】
逆相精製ステップ1および2の終了までのクオリティプロファイルおよび推定質量に基づくIDを、それぞれ表25および26において下記に詳細に示す。逆相精製−1最終産物および逆相精製−2最終産物についての質量分析データ UVおよびTICクロマトグラムは、それぞれ
図3Aおよび
図3Bの通りであった。
【0091】
【表25-1】
【表25-2】
【0092】
【表26】
【0093】
低pHベースのRP−HPLCの後に高pHベースのRP−HPLCが続く、インスリン リスプロの精製
低pHでの精製ステップ−1は、
図1のフローチャートに示されている通りである。精製ステップ−1の詳細は以下の通りである。
定常相の詳細:
d.媒体:ダイソーパック(Daisopak) C18−200A−10pm
e.高さ:25.Oil.0cm
f.線速度:全てのクロマトグラフィーステップについて、≦360cm/h
【0094】
移動相の詳細:
d.移動相A:pH3.85±0.1の、400mMクエン酸三ナトリウム−クエン酸緩衝液+0.1%(w/v)オクタンスルホン酸(OSA)+50mM GuCl(塩化グアニジウム)
e.移動相B:100.0%アセトニトリル
f.精製サイクルの間の移動相AおよびBの温度:25〜30℃
【0095】
ロード調製:
e.先のステップで得られたロード濃縮物を、精製水および酢酸の混合物を用いて、≧1.0:10.0の比率で希釈した。
f.希釈後、サンプルを1.2pm、0.45pm、続いて0.22pmのフィルターでろ過した。
g.1.2pmのろ過に用いられたフィルターは、ポリプロピレン(PP)製であり、0.45/0.22pmのろ過に用いられたものは、ポリエーテルスルホン(PES)材質製であった。
h.ロード中の生成物濃度は、1.0〜2.0g/Lの範囲にあると予想された。
【0096】
精製のためのプロセス条件:
h.カラムは、90.0%(A):10.0%(B)の移動相を用い、≦360cm/hの線速度にて5〜10CV(カラム体積)で平衡化した。
i.カラムは、5〜7.5gリスプロ/L樹脂の容量で、≦360cm/hの線速度にてロードした。
j.ロード後、カラムは、78.0%(A):22.0%(B)の移動相を用い、≦360cm/hの線速度にて4〜5CV(カラム体積)で洗浄した。
k.生成物は、≦360cm/hの線速度にて、24〜28%Bの線形勾配を用い、20CVを超えてカラムから溶出させた。
【0097】
L.溶出の間、可変体積画分の収集は、280nmにおける吸光度(UV)の上昇に基づいて行った。収集は、UV280がベースラインに低下するまで継続した。カラムからタンパク質を溶出させるのに必要な体積は2.0〜3.0CVであった。
m.溶出画分は、分析し、その純度レベルに基づいてプールし、調製した溶出プールを2〜8℃で保存した。
n.溶出後、残留タンパク質がある場合にはそれを除去するために、カラムを、≦360cm/hの線速度で、1M酢酸50.0%およびアセトニトリル50.0%を用いてアップフロー方向に2CV、続いて1M酢酸30.0%およびアセトニトリル70.0%を用いて1CVで再生した。
結果は、表27に示されるデータの通りであった。データによれば、グリコシル化タンパク質は、〜3倍、すなわちロード中の〜4%から溶出プール(EP)中の〜1.0%まで、減少した。
【0098】
【表27-1】
【表27-2】
【0099】
精製ステップ−1からの溶出プールは、グリコシル化タンパク質からの非グリコシル化タンパク質のさらなる精製のための精製ステップ−2にかけられる。
高pHでの精製ステップ−2は、
図2のフローチャートに示されている通りである。精製ステップ−2の詳細は以下の通りである。
定常相の詳細:
a.媒体:フェノメネックス(Phenomenex) C8−100A−10pm
b.高さ:25.Oil.0cm
c.線速度:全てのクロマトグラフィーステップについて、≦360cm/h
【0100】
移動相の詳細:
a.移動相A:pH7.5±0.1の、100mM Tris+50mMイミダゾール+0.2%(w/v)重硫酸テトラブチルアンモニウム(TBAB)(pHは氷酢酸を用いて調整)
b.移動相B:100.0%アセトニトリル
c.精製サイクルの間の移動相AおよびBの温度:26〜30℃
【0101】
ロード調製:
a.精製ステップ−1で得られた溶出プール(EP)を、精製水を用いて1.0:2.0の比率で希釈した。
b.希釈されたサンプルのpHを、2.5M Trisを用いて7.5±0.1に調整した。
c.pH調整後、サンプルを、1.2pm、0.45pm、続いて0.22pmでろ過した。
d.1.2pmのろ過に用いられたフィルターは、ポリプロピレン(PP)製であり、0.45/0.22pmのろ過に用いられたものは、ポリエーテルスルホン(PES)材質製であった。
e.ロード中の生成物濃度は、1.0〜2.0g/Lの範囲にあると予想された。
【0102】
精製のためのプロセス条件:
a.カラムは、90.0%(A):10.0%(B)の移動相を用い、≦360cm/hの線速度にて5〜10CV(カラム体積)で平衡化した。
b.カラムは、5〜8.5gリスプロ/L樹脂の容量で、≦360cm/hの線速度にてロードした。
c.ロード後、カラムは、80.0%(A):20.0%(B)の移動相を用い、≦360cm/hの線速度にて4〜5CV(カラム体積)で洗浄した。
d.生成物は、≦360cm/hの線速度にて、25〜29%Bの線形勾配を用い、13CVを超えてカラムから溶出させた。
【0103】
e.溶出の間、可変体積画分の収集は、280nmにおける吸光度(UV)の上昇に基づいて行った。収集は、UVがベースラインに低下するまで継続した。カラムからタンパク質を溶出させるのに必要な体積は、2.0〜3.0CVであった。
f.溶出画分は、分析し、およびその純度レベルに基づいてプールし、調製した溶出プールを2〜8℃で保存した。
g.溶出後、残留タンパク質がある場合にはそれを除去するために、カラムを、≦360cm/hの線速度にて、アップフロー方向に3CVで、精製水50.0%およびアセトニトリル50.0%を用い、続いて1M酢酸30%およびアセトニトリル70.0%を用い、再生した。
結果は、表28に示されるデータの通りであった。データによれば、グリコシル化タンパク質は、ロード中の〜0.5%から溶出プール中のBLOQまで減少した。
【0104】
【表28】
【0105】
例3は、実験番号21〜24により、低pHでの逆相精製−1である精製ステップ−1を例示する。
より完全な理解は、以下の例を参照することにより得ることができるが、これらは、例示のみを目的として提供されるものであり、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
【0106】
実験21
ヒトインスリン リスプロを12.7mg/mlの濃度で含有する酵素反応最終産物を、氷酢酸を用いてpHを<3.5に調整し、続いて10%アセトニトリルに調整し、精製水を用いて1.16mg/mlに希釈して、ロードサンプルとして用いた。予め充填された逆相ダイソーパック200−10−C18カラム(1
*25cm)を用い、インスリン リスプロを精製した。カラムは、最初に、400mMクエン酸三ナトリウム−クエン酸緩衝液+0.1%(w/v)OSA+50mM GuCl緩衝液(pH3.85±0.1)90%およびアセトニトリル10%を用い、約10カラム体積で平衡化した。サンプルは、結合容量が〜5.6gヒトインスリン リスプロ/L樹脂のカラムにロードした。緩やかに結合したタンパク質は、400mMクエン酸三ナトリウム−クエン酸緩衝液+0.1%(w/v)OSA+50mM GuCl緩衝液(pH3.85±0.1)78%およびアセトニトリル22%を用いて、約4カラム体積で洗浄した。結合したタンパク質は、400mMクエン酸三ナトリウム−クエン酸緩衝液+0.1%(w/v)OSA+50mM GuCl緩衝液(pH3.85±0.1)を用いて24〜28%アセトニトリルの勾配で、20カラム体積を超えて220cm/hの流速で溶出した。0.25カラム体積の複数画分を280nmにおける吸光度の増加に基づいて収集した。強固に結合したタンパク質は、3M酢酸70%およびアセトニトリル30%を用いて4カラム体積で溶出した。溶出相以外の全ユニットの操作は、360cm/hの線流速で行った。ロードサンプル、溶出画分および溶出プールは、Waters. Ltd製のC18カラムを用いた分析法によって分析した)。結果を表29において下記に示す。
【0107】
【表29】
【0108】
実験22
ヒトインスリン リスプロを12.7mg/mlの濃度で含有する酵素反応最終産物を、氷酢酸を用いてpHを<3.5に調整し、続いて10%アセトニトリルに調整し、精製水を用いて1.16mg/mlに希釈して、ロードサンプルとして用いた。予め充填された逆相ダイソーパック200−10−C18カラム(1
*25cm)を用い、インスリン リスプロを精製した。カラムは、最初に、400mMクエン酸三ナトリウム−クエン酸緩衝液+0.1%(w/v)OSA+50mM GuCl緩衝液(pH3.85±0.1)90%およびアセトニトリル10%を用い、約10カラム体積で平衡化した。サンプルは、結合容量が〜7.4gヒトインスリン リスプロ/L樹脂のカラムにロードした。緩やかに結合したタンパク質は、400mMクエン酸三ナトリウム−クエン酸緩衝液+0.1%(w/v)OSA+50mM GuCl緩衝液(pH3.85±0.1)78%およびアセトニトリル22%を用いて、約4カラム体積で洗浄した。結合したタンパク質は、400mMクエン酸三ナトリウム−クエン酸緩衝液+0.1%(w/v)OSA+50mM GuCl緩衝液(pH3.85±0.1)を用いて24〜28%アセトニトリルの勾配で、20カラム体積を超えて220cm/hの流速で溶出した。0.25カラム体積の複数画分を280nmにおける吸光度の増加に基づいて収集した。強固に結合したタンパク質は、3M酢酸70%およびアセトニトリル30%を用いて4カラム体積で溶出した。溶出相以外の全ユニットの操作は、360cm/hの線流速で行った。ロードサンプル、溶出画分および溶出プールは、Waters. Ltd製のC18カラムを用いた分析法によって分析した)。結果を表30において下記に示す。
【0109】
【表30】
【0110】
実験23
ヒトインスリン リスプロを10.8mg/mlの濃度で含有する酵素反応最終産物を、氷酢酸を用いてpHを<3.5に調整し、続いて10%アセトニトリルに調整し、精製水を用いて1.42mg/mlに希釈して、ロードサンプルとして用いた。予め充填された逆相ダイソーパック200−10−C18カラム(1
*25cm)を用い、インスリン リスプロを精製した。カラムは、最初に、400mMクエン酸三ナトリウム−クエン酸緩衝液+0.1%(w/v)OSA+50mM GuCl緩衝液(pH3.85±0.1)90%およびアセトニトリル10%を用い、約10カラム体積で平衡化した。サンプルは、結合容量が〜6.7gヒトインスリン リスプロ/L樹脂のカラムにロードした。緩やかに結合したタンパク質は、400mMクエン酸三ナトリウム−クエン酸緩衝液+0.1%(w/v)OSA+50mM GuCl緩衝液(pH3.85±0.1)78%およびアセトニトリル22%を用いて、約4カラム体積で洗浄した。結合したタンパク質は、400mMクエン酸三ナトリウム−クエン酸緩衝液+0.1%(w/v)OSA+50mM GuCl緩衝液(pH3.85±0.1)を用いて24〜28%アセトニトリルの勾配で、20カラム体積を超えて220cm/hの流速で溶出した。0.25カラム体積の複数画分を280nmにおける吸光度の増加に基づいて収集した。強固に結合したタンパク質は、3M酢酸70%およびアセトニトリル30%を用いて4カラム体積で溶出した。溶出相以外の全ユニットの操作は、360cm/hの線流速で行った。ロードサンプル、溶出画分および溶出プールは、Waters. Ltd製のC18カラムを用いた分析法によって分析した)。結果を表31において下記に示す。
【0111】
【表31】
【0112】
実験24
ヒトインスリン リスプロを10.8mg/mlの濃度で含有する酵素反応最終産物を、氷酢酸を用いてpHを<3.5に調整し、続いて10%アセトニトリルに調整し、精製水を用いて1.06mg/mlに希釈して、ロードサンプルとして用いた。予め充填された逆相ダイソーパック200−10−C18カラム(1
*25cm)を用い、インスリン リスプロを精製した。カラムは、最初に、400mMクエン酸三ナトリウム−クエン酸緩衝液+0.1%(w/v)OSA+50mM GuCl緩衝液(pH3.85±0.1)90%およびアセトニトリル10%を用い、約8カラム体積で平衡化した。サンプルは、結合容量が〜6.7gヒトインスリン リスプロ/L樹脂のカラムにロードした。緩やかに結合したタンパク質は、400mMクエン酸三ナトリウム−クエン酸緩衝液+0.1%(w/v)OSA+50mM GuCl緩衝液(pH3.85±0.1)78%およびアセトニトリル22%を用いて、約4カラム体積で洗浄した。結合したタンパク質は、400mMクエン酸三ナトリウム−クエン酸緩衝液+0.1%(w/v)OSA+50mM GuCl緩衝液(pH3.85±0.1)を用いて24〜28%アセトニトリルの勾配で、20カラム体積を超えて220cm/hの流速で溶出した。0.25カラム体積の複数画分を280nmにおける吸光度の増加に基づいて収集した。強固に結合したタンパク質は、3M酢酸70%およびアセトニトリル30%を用いて4カラム体積で溶出した。溶出相以外の全ユニットの操作は、360cm/hの線流速で行った。ロードサンプル、溶出画分および溶出プールは、Waters. Ltd製のC18カラムを用いた分析法によって分析した)。結果を表32において下記に示す。
【0113】
【表32】
【0114】
低pHでの逆相精製−1の実験データの概要を表33において下記に詳細に示す。
【表33】
【0115】
インスリン リスプロについての逆相精製ステップ−1は、イオンペアリング剤オクタンスルホン酸(OSA)を併用した低pH緩衝液を用いて、グリコシル化バリアントを70〜95%減少させ、それによりロード中の〜58%から溶出プール(EP)中の>83%まで、純度を増加させる。
【0116】
例4は、実験25〜26により、高pHでの逆相精製ステップ−2を例示する。
実験25
2.4mg/mlの濃度のヒトインスリン リスプロおよび26.4%アセトニトリルを含有する逆相精製−1最終産物を、2M Trisを用いてpH7.5に調整し、精製水を用いて希釈してアセトニトリル10%を含む最終濃度0.82mg/mlのインスリン リスプロを得て、ロードサンプルとして用いた。予め充填された逆相フェノメネックス100−10−C8カラム(1
*25cm)を用いて、インスリン リスプロを精製した。カラムは、最初に、100mM Tris+200mMイミダゾール+0.2%(w/v)TBAB緩衝液(pH7.5±0.1)90%およびアセトニトリル10%を用い、10カラム体積で平衡化した。サンプルは、結合容量が〜8gヒトインスリン リスプロ/L樹脂のカラムにロードした。緩やかに結合したタンパク質は、100mM Tris+200mMイミダゾール+0.2%(w/v)TBAB緩衝液(pH7.5±0.1)80%およびアセトニトリル20%を用いて、4カラム体積で洗浄した。結合したタンパク質は、100mM Tris+200mMイミダゾール+0.2%(w/v)TBAB緩衝液(pH7.5±0.1)を用いて24〜29%アセトニトリルの勾配で、13カラム体積を超えて溶出した。0.25カラム体積の複数画分を280nmにおける吸光度の増加に基づいて収集した。強固に結合したタンパク質は、100mM Tris+200mMイミダゾール+0.2%(w/v)TBAB緩衝液(pH7.5±0.1)50%およびアセトニトリル50%を用いて2カラム体積で溶出し、続いて3M酢酸30%およびアセトニトリル70%を用いて2カラム体積で溶出した。全ユニットの操作は、360cm/hの線流速で行った。ロードサンプル、溶出画分および溶出プールは、Waters. Ltd製のC18カラムを用いた分析法によって分析した。結果を下記表34に示す。
【0117】
【表34】
【0118】
実験26
1.3mg/mlの濃度のヒトインスリン リスプロおよび〜26.4%アセトニトリルを含有する逆相精製−1最終産物を、2M Trisを用いてpH7.5に調整し、精製水を用いて希釈してアセトニトリル10%を含む最終濃度0.5mg/mlのインスリン リスプロを得て、ロードサンプルとして用いた。予め充填された逆相フェノメネックス100−10−C8カラム(1
*25cm)を用いて、インスリン リスプロを精製した。カラムは、最初に、100mM Tris+200mMイミダゾール+0.2%(w/v)TBAB緩衝液(pH7.5±0.1)90%およびアセトニトリル10%を用い、5カラム体積で平衡化した。サンプルは、結合容量が5.6gヒトインスリン リスプロ/L樹脂のカラムにロードした。緩やかに結合したタンパク質は、100mM Tris+200mMイミダゾール+0.2%(w/v)TBAB緩衝液(pH7.5±0.1)80%およびアセトニトリル20%を用いて、4カラム体積で洗浄した。結合したタンパク質は、100mM Tris+200mMイミダゾール+0.2%(w/v)TBAB緩衝液(pH7.5±0.1)を用いて24〜29%アセトニトリルの勾配で、13カラム体積を超えて溶出した。0.25カラム体積の複数画分を280nmにおける吸光度の増加に基づいて収集した。強固に結合したタンパク質は、100mM Tris+200mMイミダゾール+0.2%(w/v)TBAB緩衝液(pH7.5±0.1)50%およびアセトニトリル50%を用いて2カラム体積で溶出し、続いて3M酢酸30%およびアセトニトリル70%を用いて2カラム体積で溶出した。全ユニットの操作は、360cm/hの線流速で行った。ロードサンプル、溶出画分および溶出プールは、Waters. Ltd製のC18カラムを用いた分析法によって分析した。結果を下記表35に示す。
【0119】
【表35】
【0120】
高pHでの逆相精製−2の実験データの概要を表36において下記に詳細に示す(実験番号25−26)。
【表36】
【0121】
インスリン リスプロについての逆相精製ステップ−2は、イオンペアリング剤重硫酸テトラブチルアンモニウムを併用した高pH緩衝液を用いて、残りのグリコシル化バリアントを検出レベル未満まで減少させ、それによりロード中の>84%から溶出プール中の>95%まで、純度を増加させる。
【0122】
逆相精製ステップ−1の終了までのクオリティプロファイルおよび推定質量に基づくIDを、表37(実験21)および38(実験22)において下記に詳細に示し、逆相精製ステップ−2の終了までのクオリティプロファイルおよび推定質量に基づくIDを、表39(実験25)および40(実験26)において下記に詳細に示す。逆相精製−1最終産物についての質量分析データ UVおよびTICクロマトグラムは、
図4A(実験21)および
図4B(実験22)の通りであり、逆相精製−2最終産物についての質量分析データ UVおよびTICクロマトグラムは、
図5A(実験25)および
図5B(実験26)の通りであった。
【0123】
【表37】
【0124】
【表38】
【0125】
【表39】
【0126】
【表40】
【0127】
高pHベースのRP−HPLCの後に低pHベースのRP−HPLCが続く、インスリン グラルギンの精製
高pHでの精製ステップ−1は、
図1のフローチャートに示されている通りである。精製ステップ−1の詳細は以下の通りである。
定常相の詳細:
a.媒体:クロマシル C8−100A−13pm
b.高さ:25.Oil.Ocm
c.線速度:全てのクロマトグラフィーステップについて、≦360cm/h
【0128】
移動相の詳細:
a.移動相A:pH8.5±0.1の、100mM Tris+50mM過塩素酸ナトリウム(pHは氷酢酸を用いて調整)
b.移動相B:100.0%アセトニトリル
c.精製サイクルの間の移動相AおよびBの温度:20〜30℃
【0129】
ロード調製:
a.先のステップで得られたロード濃縮物を、0.5M Trisおよび0.7Mアルギニンの混合物を用いて、≧1.0:10.0の比率で希釈した。
b.希釈されたサンプルのpHを、酢酸を用いて8.5±0.1に調整した。
c.pH調整後、サンプルを、1.2pm、0.45pm、続いて0.22pmでろ過した。
d.1.2pmのろ過に用いられたフィルターは、ポリプロピレン(PP)製であり、0.45/0.22pmのろ過に用いられたものは、ポリエーテルスルホン(PES)材質製であった。
e.ロード中の生成物濃度は、1.0〜2.0g/Lの範囲にあると予想された。
【0130】
精製のためのプロセス条件:
a.カラムは、90.0%(A):10.0%(B)の移動相を用い、≦360cm/hの線速度にて5〜10CV(カラム体積)で平衡化した。
b.カラムは、9〜10gグラルギン/L樹脂の容量で、≦360cm/hの線速度にてロードした。
c.ロード後、カラムは、80.0%(A):20.0%(B)の移動相を用い、≦360cm/hの線速度にて4〜5CV(カラム体積)で洗浄した。
d.生成物は、≦360cm/hの線速度にて、25〜30%Bの線形勾配を用い、25CVを超えてカラムから溶出させた。
e.溶出の間、可変体積画分の収集は、280nmにおける吸光度(UV)の上昇に基づいて行った。収集は、UVがベースラインに低下するまで継続した。カラムからタンパク質を溶出させるのに必要な体積は2.0〜3.0CVであった。
【0131】
f.画分収集後、画分のpHは、氷酢酸を用いて4.0±0.1に調整した。予想される酢酸消費量は、15.0%〜25.0%(V/V)であった。
g.溶出画分は、分析し、その純度レベルに基づいてプールし、調製した溶出プールを2〜8℃で保存した。
h.溶出後、残留タンパク質がある場合にはそれを除去するために、カラムを、精製水50.0%およびアセトニトリル50.0%を用い、≦360cm/hの線速度にてアップフロー方向に3CVで再生する。
結果は、表41に示されるデータの通りであった。データによれば、グリコシル化タンパク質は、〜9倍、すなわちロード中の〜4.0%から溶出プール中の〜0.25%まで、減少した。
【0132】
【表41】
【0133】
精製ステップ−1からの溶出プールは、グリコシル化タンパク質からの非グリコシル化タンパク質のさらなる精製のための精製ステップ−2にかけられる。
低pHでの精製ステップ−2は、
図2のフローチャートに示されている通りである。精製ステップ−2の詳細は以下の通りである。
定常相の詳細:
a.媒体:クロマシル C8−100A−13pm
b.高さ:25.Oil.0cm
c.線速度:全てのクロマトグラフィーステップについて、≦360cm/h
【0134】
移動相の詳細:
a.移動相A:pH3.7±0.1の、100mM酢酸ナトリウム+0.05%(w/v)オクタンスルホン酸(OSA)(pHは氷酢酸を用いて調整)
b.移動相B:100.0%アセトニトリル
c.精製サイクルの間の移動相AおよびBの温度:26〜30℃
【0135】
ロード調製:
a.先のステップで得られた溶出プールを、酢酸を用いてpHを3.7±0.1に調整し、精製水を用いて≧1.0:1.5の比率で希釈した。
b.希釈後、サンプルを1.2pm、0.45pm、続いて0.22pmのフィルターでろ過した。
c.1.2pmのろ過に用いられたフィルターは、ポリプロピレン(PP)製であり、0.45/0.22pmのろ過に用いられたものは、ポリエーテルスルホン(PES)材質製であった。
d.ロード中の生成物濃度は、1.0〜2.0g/Lの範囲にあると予想された。
【0136】
精製のためのプロセス条件:
a.カラムは、90.0%(A):10.0%(B)の移動相を用い、≦360cm/hの線速度にて10CV(カラム体積)で平衡化した。
b.カラムは、6〜7.5gグラルギン/L樹脂の容量で、≦360cm/hの線速度にてロードした。
c.ロード後、カラムは、85.0%(A):15.0%(B)の移動相を用い、≦360cm/hの線速度にて4〜5CV(カラム体積)で洗浄した。
d.生成物は、≦360cm/hの線速度にて、24〜31%Bの線形勾配を用い、25CVを超えてカラムから溶出させた。
【0137】
e.溶出の間、可変体積画分の収集は、280nmにおける吸光度(UV)の上昇に基づいて行った。収集は、UV280がベースラインに低下するまで継続した。カラムからタンパク質を溶出させるのに必要な体積は2.0〜3.0CVであった。
f.溶出画分は、分析し、その純度レベルに基づいてプールし、調製した溶出プールを2〜8℃で保存した。
g.溶出後、残留タンパク質がある場合にはそれを除去するために、カラムを、≦360cm/hの線速度で、1M酢酸50.0%およびアセトニトリル50.0%を用いてアップフロー方向に2CV、続いて1M酢酸30.0%およびアセトニトリル70.0%を用いて1CVで再生した。
結果は、表42に示されるデータの通りであった。データによれば、グリコシル化タンパク質は、ロード中の〜0.3%から溶出プール中のBLOQレベルまで減少した。
【0138】
【表42-1】
【表42-2】
【0139】
精製ステップ−1からの溶出プールは、グリコシル化タンパク質からの非グリコシル化タンパク質のさらなる精製のための精製ステップ−2にかけられる。
【0140】
例5は、実験27〜29により、高pHでの逆相精製−1を例示する。
実験27
10mg/mlの濃度のヒトインスリン グラルギンを含有する酵素反応最終産物を、pHを8.5に調整し、アセトニトリル10%に調整し、0.5M Tris+0.7Mアルギニンを用いて1.91mg/mlに希釈し、ロードサンプルとして用いた。予め充填された逆相クロマシル100−13−C8カラム(1
*25cm)を用いて、インスリン グラルギンを精製した。カラムは、最初に、100mM Tris+50mM過塩素酸ナトリウム緩衝液(pH8.5±0.1)90%およびアセトニトリル10%を用い、10カラム体積で平衡化した。サンプルは、結合容量が〜9gヒトインスリン グラルギン/L樹脂のカラムにロードした。緩やかに結合したタンパク質は、100mM Tris+50mM過塩素酸ナトリウム緩衝液(pH8.5±0.1)80%およびアセトニトリル20%を用いて、4カラム体積で洗浄した。結合したタンパク質は、100mM Tris+50mM過塩素酸ナトリウム緩衝液(pH8.5±0.1)を用いて25〜30%アセトニトリルの勾配で溶出した。0.25カラム体積の複数画分を280nmにおける吸光度の増加に基づいて収集した。強固に結合したタンパク質は、精製水50%およびアセトニトリル50%を用いて4カラム体積で溶出した。全ユニットの操作は、360cm/hの線流速で行った。ロードサンプル、溶出画分および溶出プールは、YMC Co. Ltd製のC18カラムを用いた分析法によって分析した。結果を表43に示す。
【0141】
*精製−1が高pHで行われる場合、ロード調製は、L−アルギニンおよびTrisを用い、より優れた溶解性を確実にする。ロード調製に用いられるアルギニンは、精製メカニズムには全く影響を与えない。緩衝液の組成および他の入力パラメータを含む、ステップの他の全ての側面は、変更しないでおく。
【0142】
【表43】
【0143】
実験28
10mg/mlの濃度のヒトインスリン グラルギンを含有する酵素反応最終産物を、pHを8.5に調整し、アセトニトリル10%に調整し、0.5M Tris+0.7Mアルギニン
*を用いて1.91mg/mlに希釈し、ロードサンプルとして用いた。予め充填された逆相クロマシル100−13−C8カラム(1
*25cm)を用いて、インスリン グラルギンを精製した。カラムは、最初に、100mM Tris+50mM過塩素酸ナトリウム緩衝液(pH8.5±0.1)90%およびアセトニトリル10%を用い、5カラム体積で平衡化した。サンプルは、結合容量が〜9.3gヒトインスリン グラルギン/L樹脂のカラムにロードした。緩やかに結合したタンパク質は、100mM Tris+50mM過塩素酸ナトリウム緩衝液(pH8.5±0.1)80%およびアセトニトリル20%を用いて、4カラム体積で洗浄した。結合したタンパク質は、100mM Tris+50mM過塩素酸ナトリウム緩衝液(pH8.5±0.1)を用いて25〜30%アセトニトリルの勾配で溶出した。0.25カラム体積の複数画分を280nmにおける吸光度の増加に基づいて収集した。強固に結合したタンパク質は、精製水50%およびアセトニトリル50%を用いて4カラム体積で溶出した。全ユニットの操作は、360cm/hの線流速で行った。ロードサンプル、溶出画分および溶出プールは、YMC Co. Ltd製のC18カラムを用いた分析法によって分析した。結果を表44に示す。
【0144】
*精製−1が高pHで行われる場合、ロード調製は、L−アルギニンおよびTrisを用い、より優れた溶解性を確実にする。ロード調製に用いられるアルギニンは、精製メカニズムには全く影響を与えない。緩衝液の組成および他の入力パラメータを含む、ステップの他の全ての側面は、変更しないでおく。
【0145】
【表44】
【0146】
実験29
10mg/mlの濃度のヒトインスリン グラルギンを含有する酵素反応最終産物を、pHを8.5に調整し、アセトニトリル10%に調整し、0.5M Tris+0.7Mアルギニン
*を用いて1.91mg/mlに希釈し、ロードサンプルとして用いた。予め充填された逆相クロマシル100−13−C8カラム(2.1
*25cm)を用いて、インスリン グラルギンを精製した。カラムは、最初に、100mM Tris+50mM過塩素酸ナトリウム緩衝液(pH8.5±0.1)90%およびアセトニトリル10%を用い、5カラム体積で平衡化した。サンプルは、結合容量が〜9.75gヒトインスリン グラルギン/L樹脂のカラムにロードした。緩やかに結合したタンパク質は、100mM Tris+50mM過塩素酸ナトリウム緩衝液(pH8.5±0.1)80%およびアセトニトリル20%を用いて、4カラム体積で洗浄した。結合したタンパク質は、100mM Tris+50mM過塩素酸ナトリウム緩衝液(pH8.5±0.1)を用いて25〜30%アセトニトリルの勾配で溶出した。0.25カラム体積の複数画分を280nmにおける吸光度の増加に基づいて収集した。強固に結合したタンパク質は、精製水50%およびアセトニトリル50%を用いて4カラム体積で溶出した。全ユニットの操作は、360cm/hの線流速で行った。ロードサンプル、溶出画分および溶出プールは、YMC Co. Ltd製のC18カラムを用いた分析法によって分析した。結果を表45に示す。
【0147】
*精製−1が高pHで行われる場合、ロード調製は、L−アルギニンおよびTrisを用い、より優れた溶解性を確実にする。ロード調製に用いられるアルギニンは、精製メカニズムには全く影響を与えない。緩衝液の組成および他の入力パラメータを含む、ステップの他の全ての側面は、変更しないでおく。
【0148】
【表45】
【0149】
高pHでの逆相精製−1の実験データの概要を表46において下記に詳細に示す。
【表46】
【0150】
ヒトインスリン グラルギンについての第1の逆相精製ステップは、イオンペアリング剤オクタンスルホン酸(OSA)を併用した高pH緩衝液を用いて、グリコシル化バリアントを90〜93%減少させ、それによりロード中の〜56%から溶出プール中の>85%まで、純度を増加させる。
残りのグリコシル化不純物は、低pHを採用する第2の逆相精製ステップを用いて取り除かれ、インスリン グラルギンの純度は>99.5%に増加する。
【0151】
例6は、実験30〜32により、低pHでの逆相精製ステップ−2を例示する。
実験30
5.06mg/mlの濃度のヒトインスリン グラルギンおよび28.8%アセトニトリルを含有する逆相精製−1最終産物を、酢酸を用いてpH3.7に調整し、精製水を用いて希釈してアセトニトリル10%を含む最終濃度〜1.69mg/mlのインスリン グラルギンを得て、ロードサンプルとして用いた。予め充填された逆相クロマシル100−13−C8カラム(1
*25cm)を使用し、インスリン グラルギンを精製した。カラムは、最初に、100mM酢酸ナトリウム+0.05%OSA緩衝液(pH3.7±0.1)90%およびアセトニトリル10%を用い、約10カラム体積で平衡化した。サンプルは、結合容量が〜6.9gヒトインスリン グラルギン/L樹脂のカラムにロードした。緩やかに結合したタンパク質は、100mM酢酸ナトリウム+0.05%OSA緩衝液(pH3.7±0.1)85%およびアセトニトリル15%を用いて、約4カラム体積で洗浄した。結合したタンパク質は、100mM酢酸ナトリウム+0.05%OSA緩衝液(pH3.7±0.1)を用いて24〜31%アセトニトリルの勾配で溶出した。0.25カラム体積の複数画分を280nmにおける吸光度の増加に基づいて収集した。強固に結合したタンパク質は、1M酢酸50%およびアセトニトリル50%を用いて2カラム体積で溶出し、続いて1M酢酸30%およびアセトニトリル70%を用いて1カラム体積で溶出した。全ユニットの操作は、360cm/hの線流速で行った。ロードサンプル、溶出画分および溶出プールは、YMC Co. Ltd製のC18カラムを用いた分析法によって分析した。結果を表47において下記に示す。
【0152】
【表47】
【0153】
実験31
5.49mg/mlの濃度のヒトインスリン グラルギンおよび28.8%アセトニトリルを含有する逆相精製−1最終産物を、酢酸を用いてpH3.7に調整し、精製水を用いて希釈してアセトニトリル10%を含む最終濃度1.96mg/mlのインスリン グラルギンを得て、ロードサンプルとして用いた。予め充填された逆相クロマシル100−13−C8カラム(1
*25cm)を使用し、インスリン グラルギンを精製した。カラムは、最初に、100mM酢酸ナトリウム+0.05%OSA緩衝液(pH3.7±0.1)90%およびアセトニトリル10%を用い、約10カラム体積で平衡化した。サンプルは、結合容量が〜7.0gヒトインスリン グラルギン/L樹脂のカラムにロードした。緩やかに結合したタンパク質は、100mM酢酸ナトリウム+0.05%OSA緩衝液(pH3.7±0.1)85%およびアセトニトリル15%を用いて、約4カラム体積で洗浄した。結合したタンパク質は、100mM酢酸ナトリウム+0.05%OSA緩衝液(pH3.7±0.1)を用いて24〜31%アセトニトリルの勾配で溶出した。0.25カラム体積の複数画分を280nmにおける吸光度の増加に基づいて収集した。強固に結合したタンパク質は、1M酢酸50%およびアセトニトリル50%を用いて2カラム体積で溶出し、続いて1M酢酸30%およびアセトニトリル70%を用いて1カラム体積で溶出した。全ユニットの操作は、360cm/hの線流速で行った。ロードサンプル、溶出画分および溶出プールは、YMC Co. Ltd製のC18カラムを用いた分析法によって分析した。結果を表48において下記に示す。
【0154】
【表48】
【0155】
実験32
〜4.3mg/mlの濃度のヒトインスリン グラルギンおよび28.6%アセトニトリルを含有する逆相精製−1最終産物を、酢酸を用いてpH3.7に調整し、精製水を用いて希釈してアセトニトリル10%を含む最終濃度〜1.5mg/mlのインスリン グラルギンを得て、ロードサンプルとして用いた。予め充填された逆相クロマシル100−13−C8カラム(1
*25cm)を使用し、インスリン グラルギンを精製した。カラムは、最初に、100mM酢酸ナトリウム+0.05%OSA緩衝液(pH3.7±0.1)90%およびアセトニトリル10%を用い、約5カラム体積で平衡化した。サンプルは、結合容量が〜7.5gヒトインスリン グラルギン/L樹脂のカラムにロードした。緩やかに結合したタンパク質は、100mM酢酸ナトリウム+0.05%OSA緩衝液(pH3.7±0.1)85%およびアセトニトリル15%を用いて、約4カラム体積で洗浄した。結合したタンパク質は、100mM酢酸ナトリウム+0.05%OSA緩衝液(pH3.7±0.1)を用いて24〜31%アセトニトリルの勾配で溶出した。0.25カラム体積の複数画分を280nmにおける吸光度の増加に基づいて収集した。強固に結合したタンパク質は、1M酢酸50%およびアセトニトリル50%を用いて2カラム体積で溶出し、続いて1M酢酸30%およびアセトニトリル70%を用いて1カラム体積で溶出した。全ユニットの操作は、360cm/hの線流速で行った。ロードサンプル、溶出画分および溶出プールは、YMC Co. Ltd製のC18カラムを用いた分析法によって分析した。結果を表49において下記に示す。
【0156】
【表49】
【0157】
低pHでの逆相精製−2の実験データの概要を表50において下記に詳細に示す。
【表50】
【0158】
逆相精製ステップ1および2の終了までのクオリティプロファイルおよび推定質量に基づくIDを、それぞれ表51および52において下記に詳細に示す。逆相精製−1最終産物および逆相精製−2最終産物についての質量分析データ UVおよびTICクロマトグラムは、それぞれ
図6Aおよび
図6Bの通りであった。
【0159】
【表51】
【0160】
【表52】
【0161】
高pHベースのRP−HPLCの後に低pHベースのRP−HPLCが続く、インスリン リスプロの精製
高pHでの精製ステップ−1は、
図1のフローチャートに示されている通りである。精製ステップ−1の詳細は以下の通りである。
定常相の詳細:
a.媒体:ダイソーパック C18−200A−10pm
b.高さ:25.Oil.0cm
c.線速度:全てのクロマトグラフィーステップについて、≦360cm/h
【0162】
移動相の詳細:
a.移動相A:pH7.5±0.1の、100mM Tris+200mMイミダゾール+0.2%(w/v)重硫酸テトラブチルアンモニウム(TBAB)(pHは氷酢酸を用いて調整)
b.移動相B:100.0%アセトニトリル
c.精製サイクルの間の移動相AおよびBの温度:20〜30℃
【0163】
ロード調製:
a.先のステップで得られたロード濃縮物を、pHを7.5±0.1に調整し、精製水を用いて≧1.0:10.0の比率で希釈した。
b.サンプルを、1.2pm、0.45pm、続いて0.22pmでろ過した。
c.1.2pmのろ過に用いられたフィルターは、ポリプロピレン(PP)製であり、0.45/0.22pmのろ過に用いられたものは、ポリエーテルスルホン(PES)材質製であった。
d.ロード中の生成物濃度は、1.0〜2.0g/Lの範囲にあると予想された。
【0164】
精製のためのプロセス条件:
a.カラムは、90.0%(A):10.0%(B)の移動相を用い、≦360cm/hの線速度にて5〜10CV(カラム体積)で平衡化した。
b.カラムは、9〜10gリスプロ/L樹脂の容量で、≦360cm/hの線速度にてロードした。
c.ロード後、カラムは、80.0%(A):15.0%(B)の移動相を用い、≦360cm/hの線速度にて4〜5CV(カラム体積)で洗浄した。
d.生成物は、≦360cm/hの線速度にて、24〜29%Bの線形勾配を用い、13CVを超えてカラムから溶出させた。
【0165】
e.溶出の間、可変体積画分の収集は、280nmにおける吸光度(UV)の上昇に基づいて行った。収集は、UVがベースラインに低下するまで継続した。カラムからタンパク質を溶出させるのに必要な体積は、2.0〜3.0CVであった。
f.溶出画分は、分析し、およびその純度レベルに基づいてプールし、調製した溶出プールを2〜8℃で保存した。
g.溶出後、残留タンパク質がある場合にはそれを除去するために、カラムを、≦360cm/hの線速度にて、アップフロー方向に2CVで、移動相A50.0%およびアセトニトリル50.0%を用い、続いて3M酢酸30%およびアセトニトリル70.0%を用い、再生した。
結果は、表53に示されるデータの通りであった。データによれば、グリコシル化タンパク質は、〜3倍、すなわちロード中の〜4.0%から溶出プール中の〜1.0%まで、減少した。
【0166】
【表53】
【0167】
精製ステップ−1からの溶出プールは、グリコシル化タンパク質からの非グリコシル化タンパク質のさらなる精製のための精製ステップ−2にかけられる。
低pHでの精製ステップ−2は、
図2のフローチャートに示されている通りである。精製ステップ−2の詳細は以下の通りである。
定常相の詳細:
a.媒体:ダイソーパック C18−200A−10pm
b.高さ:25.Oil.0cm
c.線速度:全てのクロマトグラフィーステップについて、≦360cm/h
【0168】
移動相の詳細:
a.移動相A:pH3.85±0.1の、400mMクエン酸三ナトリウム−クエン酸緩衝液+0.1%(w/v)オクタンスルホン酸(OSA)+50mM GuCl
b.移動相B:100.0%アセトニトリル
c.精製サイクルの間の移動相AおよびBの温度:26〜30℃
【0169】
ロード調製:
a.先のステップで得られた溶出プールを、氷酢酸を用いてpHを4.0±0.1に調整し、精製水を用いて、≧1.0:1.5の比率で希釈した。
b.希釈後、サンプルを1.2pm、0.45pm、続いて0.22pmのフィルターでろ過した。
c.1.2pmのろ過に用いられたフィルターは、ポリプロピレン(PP)製であり、0.45/0.22pmのろ過に用いられたものは、ポリエーテルスルホン(PES)材質製であった。
d.ロード中の生成物濃度は、0.8〜1.0g/Lの範囲にあると予想された。
【0170】
精製のためのプロセス条件:
a.カラムは、90.0%(A):10.0%(B)の移動相を用い、≦360cm/hの線速度にて5〜10CV(カラム体積)で平衡化した。
b.カラムは、7〜8gリスプロ/L樹脂の容量で、≦360cm/hの線速度にてロードした。
c.ロード後、カラムは、78.0%(A):22.0%(B)の移動相を用い、≦360cm/hの線速度にて4〜5CV(カラム体積)で洗浄した。
d.生成物は、≦220cm/hの線速度にて、24〜28%Bの線形勾配を用い、20CVを超えてカラムから溶出させた。
【0171】
e.溶出の間、可変体積画分の収集は、280nmにおける吸光度(UV)の上昇に基づいて行った。収集は、UV
280がベースラインに低下するまで継続した。カラムからタンパク質を溶出させるのに必要な体積は2.0〜3.0CVであった。
f.溶出画分は、分析し、その純度レベルに基づいてプールし、調製した溶出プールを2〜8℃で保存した。
g.溶出後、残留タンパク質がある場合にはそれを除去するために、カラムを、≦360cm/hの線速度で、アップフロー方向に1M酢酸70.0%およびアセトニトリル30.0%を用いて4CVで再生した。
結果は、表54に示されるデータの通りであった。データによれば、グリコシル化タンパク質は、ロード中の〜0.3%から溶出プール中のBLOQレベルまで減少した。
【0172】
【表54】
【0173】
例7は、実験33〜35により、高pHでの逆相精製ステップ−1を例示する。
実験33
ヒトインスリン リスプロを13mg/mlの濃度で含有する酵素反応最終産物を、pHを7.5に調整し、および10%アセトニトリルに調整し、続いて精製水を用いて1.45mg/mlに希釈して、ロードサンプルとして用いた。予め充填された逆相ダイソーパック200−10−C18カラム(2
*25cm)を用い、インスリン リスプロを精製した。カラムは、最初に、100mM Tris+200mMイミダゾール+0.2%(w/v)TBAB緩衝液(pH7.5±0.1)90%およびアセトニトリル10%を用い、10カラム体積で平衡化した。サンプルは、結合容量が〜7.3gヒトインスリン リスプロ/L樹脂のカラムにロードした。緩やかに結合したタンパク質は、100mM Tris+200mMイミダゾール+0.2%(w/v)TBAB緩衝液(pH7.5±0.1)75%およびアセトニトリル15%を用いて、4カラム体積で洗浄した。結合したタンパク質は、100mM Tris+200mMイミダゾール+0.2%(w/v)TBAB緩衝液(pH7.5±0.1)を用いて24〜29%アセトニトリルの勾配で、13カラム体積を超えて溶出した。0.25カラム体積の複数画分を280nmにおける吸光度の増加に基づいて収集した。強固に結合したタンパク質は、100mM Tris+200mMイミダゾール+0.2%(w/v)TBAB緩衝液(pH7.5±0.1)50%およびアセトニトリル50%を用いて2カラム体積で、続いて3M酢酸30%およびアセトニトリル70%を用いて2カラム容積で、溶出した。全ユニットの操作は、360cm/hの線流速で行った。ロードサンプル、溶出画分および溶出プールは、Waters. Ltd製のC18カラムを用いた分析法によって分析した。結果を表55に示す。
【0174】
【表55】
【0175】
実験34
ヒトインスリン リスプロを13mg/mlの濃度で含有する酵素反応最終産物を、pHを7.5に調整し、および10%アセトニトリルに調整し、続いて精製水を用いて1.45mg/mlに希釈して、ロードサンプルとして用いた。予め充填された逆相ダイソーパック200−10−C18カラム(2
*25cm)を用い、インスリン リスプロを精製した。カラムは、最初に、100mM Tris+200mMイミダゾール+0.2%(w/v)TBAB緩衝液(pH7.5±0.1)90%およびアセトニトリル10%を用い、5カラム体積で平衡化した。サンプルは、結合容量が〜7.3gヒトインスリン リスプロ/L樹脂のカラムにロードした。緩やかに結合したタンパク質は、100mM Tris+200mMイミダゾール+0.2%(w/v)TBAB緩衝液(pH7.5±0.1)75%およびアセトニトリル15%を用いて、4カラム体積で洗浄した。結合したタンパク質は、100mM Tris+200mMイミダゾール+0.2%(w/v)TBAB緩衝液(pH7.5±0.1)を用いて24〜29%アセトニトリルの勾配で、13カラム体積を超えて溶出した。0.25カラム体積の複数画分を280nmにおける吸光度の増加に基づいて収集した。強固に結合したタンパク質は、100mM Tris+200mMイミダゾール+0.2%(w/v)TBAB緩衝液(pH7.5±0.1)50%およびアセトニトリル50%を用いて2カラム体積で、続いて3M酢酸30%およびアセトニトリル70%を用いて2カラム容積で、溶出した。全ユニットの操作は、360cm/hの線流速で行った。ロードサンプル、溶出画分および溶出プールは、Waters. Ltd製のC18カラムを用いた分析法によって分析した。結果を表56に示す。
【0176】
【表56】
【0177】
実験35
ヒトインスリン リスプロを13mg/mlの濃度で含有する酵素反応最終産物を、pHを7.5に調整し、および10%アセトニトリルに調整し、続いて精製水を用いて1.45mg/mlに希釈して、ロードサンプルとして用いた。予め充填された逆相ダイソーパック200−10−C18カラム(2
*25cm)を用い、インスリン リスプロを精製した。カラムは、最初に、100mM Tris+200mMイミダゾール+0.2%(w/v)TBAB緩衝液(pH7.5±0.1)90%およびアセトニトリル10%を用い、5カラム体積で平衡化した。サンプルは、結合容量が〜7.3gヒトインスリン リスプロ/L樹脂のカラムにロードした。緩やかに結合したタンパク質は、100mM Tris+200mMイミダゾール+0.2%(w/v)TBAB緩衝液(pH7.5±0.1)75%およびアセトニトリル15%を用いて、4カラム体積で洗浄した。結合したタンパク質は、100mM Tris+200mMイミダゾール+0.2%(w/v)TBAB緩衝液(pH7.5±0.1)を用いて24〜29%アセトニトリルの勾配で、13カラム体積を超えて溶出した。0.25カラム体積の複数画分を280nmにおける吸光度の増加に基づいて収集した。強固に結合したタンパク質は、100mM Tris+200mMイミダゾール+0.2%(w/v)TBAB緩衝液(pH7.5±0.1)50%およびアセトニトリル50%を用いて2カラム体積で、続いて3M酢酸30%およびアセトニトリル70%を用いて2カラム容積で、溶出した。全ユニットの操作は、360cm/hの線流速で行った。ロードサンプル、溶出画分および溶出プールは、Waters. Ltd製のC18カラムを用いた分析法によって分析した。結果を表57に示す。
【0178】
【表57】
【0179】
高pHでの逆相精製−1の実験データの概要を表58において下記に詳細に示す。
【表58】
【0180】
ヒトインスリン リスプロについての第1の逆相精製ステップは、イオンペアリング剤重硫酸テトラブチルアンモニウムを併用した高pH緩衝液を用いて、グリコシル化バリアントを65〜75%減少させ、それによりロード中の〜58%から溶出プール中の>82%まで、純度を増加させる。
残りのグリコシル化不純物は、低pHを採用する第2の逆相精製ステップを用いて取り除かれ、インスリン リスプロの純度は>95%に増加する。
【0181】
例8は、実験36〜38により、低pHでの逆相精製ステップ−2を例示する。
実験36
Gmg/mlの濃度のヒトインスリン グラルギンおよび28.3%アセトニトリルを含有する逆相精製−1最終産物を、酢酸を用いてpH4.0に調整し、精製水を用いて希釈してアセトニトリル10%を含む最終濃度1.06mg/mlのインスリン リスプロを得て、ロードサンプルとして用いた。予め充填された逆相ダイソーパック200−10−C8カラム(1
*25cm)を用いて、インスリン リスプロを精製した。カラムは、最初に、400mMクエン酸三ナトリウム−クエン酸緩衝液+0.1%(w/v)OSA+50mM GuCl(pH3.85±0.1)90%およびアセトニトリル10%を用い、約10カラム体積で平衡化した。サンプルは、結合容量が〜7.5gヒトインスリン リスプロ/L樹脂のカラムにロードした。緩やかに結合したタンパク質は、400mMクエン酸三ナトリウム−クエン酸緩衝液+0.1%(w/v)OSA+50mM GuCl(pH3.85±0.1)78%およびアセトニトリル22%を用いて、約4カラム体積で洗浄した。結合したタンパク質は、400mMクエン酸三ナトリウム−クエン酸緩衝液+0.1%(w/v)OSA+50mM GuCl(pH3.85±0.1)を用いて24〜28%アセトニトリルの勾配で、20カラム体積を超えて220cm/hの線流速で溶出した。0.25カラム体積の複数画分を280nmにおける吸光度の増加に基づいて収集した。強固に結合したタンパク質は、1M酢酸30%およびアセトニトリル70%を用いて4カラム体積で溶出した。溶出以外の全ユニットの操作は、360cm/hの線流速で行った。ロードサンプル、溶出画分および溶出プールは、Waters. Ltd製のC18カラムを用いた分析法によって分析した。結果を表59において下記に示す。
【0182】
【表59】
【0183】
実験37
〜3mg/mlの濃度のヒトインスリン リスプロおよび28.8%アセトニトリルを含有する逆相精製−1最終産物を、酢酸を用いてpH4.0に調整し、精製水を用いて希釈してアセトニトリル10%を含む最終濃度1.06mg/mlのインスリン リスプロを得て、ロードサンプルとして用いた。予め充填された逆相ダイソーパック200−10−C8カラム(1
*25cm)を用いて、インスリン リスプロを精製した。カラムは、最初に、400mMクエン酸三ナトリウム−クエン酸緩衝液+0.1%(w/v)OSA+50mM GuCl(pH3.85±0.1)90%およびアセトニトリル10%を用い、約10カラム体積で平衡化した。サンプルは、結合容量が〜7.2gヒトインスリン リスプロ/L樹脂のカラムにロードした。緩やかに結合したタンパク質は、400mMクエン酸三ナトリウム−クエン酸緩衝液+0.1%(w/v)OSA+50mM GuCl(pH3.85±0.1)78%およびアセトニトリル22%を用いて、約4カラム体積で洗浄した。結合したタンパク質は、400mMクエン酸三ナトリウム−クエン酸緩衝液+0.1%(w/v)OSA+50mM GuCl(pH3.85±0.1)を用いて24〜28%アセトニトリルの勾配で、20カラム体積を超えて220cm/hの線流速で溶出した。0.25カラム体積の複数画分を280nmにおける吸光度の増加に基づいて収集した。強固に結合したタンパク質は、1M酢酸30%およびアセトニトリル70%を用いて4カラム体積で溶出した。溶出以外の全ユニットの操作は、360cm/hの線流速で行った。ロードサンプル、溶出画分および溶出プールは、Waters. Ltd製のC18カラムを用いた分析法によって分析した。結果を表60において下記に示す。
【0184】
【表60】
【0185】
実験38
〜2.3mg/mlの濃度のヒトインスリン リスプロおよび28.6%アセトニトリルを含有する逆相精製−1最終産物を、酢酸を用いてpH4.0に調整し、精製水を用いて希釈してアセトニトリル10%を含む最終濃度〜0.83mg/mlのインスリン リスプロを得て、ロードサンプルとして用いた。予め充填された逆相ダイソーパック200−10−C8カラム(1
*25cm)を用いて、インスリン リスプロを精製した。カラムは、最初に、400mMクエン酸三ナトリウム−クエン酸緩衝液+0.1%(w/v)OSA+50mM GuCl(pH3.85±0.1)90%およびアセトニトリル10%を用い、約5カラム体積で平衡化した。サンプルは、結合容量が〜8.0gヒトインスリン リスプロ/L樹脂のカラムにロードした。緩やかに結合したタンパク質は、400mMクエン酸三ナトリウム−クエン酸緩衝液+0.1%(w/v)OSA+50mM GuCl(pH3.85±0.1)78%およびアセトニトリル22%を用いて、約4カラム体積で洗浄した。結合したタンパク質は、400mMクエン酸三ナトリウム−クエン酸緩衝液+0.1%(w/v)OSA+50mM GuCl(pH3.85±0.1)を用いて24〜28%アセトニトリルの勾配で、20カラム体積を超えて220cm/hの線流速で溶出した。0.25カラム体積の複数画分を280nmにおける吸光度の増加に基づいて収集した。強固に結合したタンパク質は、1M酢酸30%およびアセトニトリル70%を用いて4カラム体積で溶出した。溶出以外の全ユニットの操作は、360cm/hの線流速で行った。ロードサンプル、溶出画分および溶出プールは、Waters. Ltd製のC18カラムを用いた分析法によって分析した。結果を表61において下記に示す。
【0186】
【表61】
【0187】
低pHでの逆相精製−2の実験データの概要を表62において下記に詳細に示す。
【表62】
【0188】
逆相精製ステップ−1の終了までのクオリティプロファイルおよび推定質量に基づくIDを、表63(実験33)、表64(実験34)および表65(実験35)において下記に詳細に示し、逆相精製ステップ−2の終了までのクオリティプロファイルおよび推定質量に基づくIDを、表66(実験36)、表67(実験37)および表68(実験38)において下記に詳細に示す。逆相精製−1最終産物についての質量分析データ UVおよびTICクロマトグラムは、
図7A(実験33)、
図7B(実験34)および
図7C(実験35)の通りであった。逆相精製−2最終産物についての質量分析データ UVおよびTICクロマトグラムは、
図8A(実験36)、8B(実験37)および
図8C(実験38)の通りであった。
【0189】
【表63】
【0190】
【表64】
【0191】
【表65】
【0192】
【表66-1】
【表66-2】
【0193】
【表67】
【0194】
【表68】
【0195】
結論
例において詳細に示した通り、本発明は、一方のステップでイオンペアリング剤、好ましくはOSAを、他方のステップでのアルカリpHベースの溶離液と併せて採用することによる、グリコシル化アナログからの非グリコシル化インスリンアナログの分離のための2ステップ精製プロセスに関し、グリコシル化型インスリンアナログの約99.95%除去を達成する。