(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-535305(P2021-535305A)
(43)【公表日】2021年12月16日
(54)【発明の名称】改良された性能を伴う断熱ボード
(51)【国際特許分類】
E04D 11/02 20060101AFI20211119BHJP
B32B 5/24 20060101ALI20211119BHJP
B32B 27/32 20060101ALI20211119BHJP
B32B 27/40 20060101ALI20211119BHJP
【FI】
E04D11/02 Z
B32B5/24 101
B32B27/32 Z
B32B27/40
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2021-523257(P2021-523257)
(86)(22)【出願日】2019年10月14日
(85)【翻訳文提出日】2021年6月18日
(86)【国際出願番号】US2019056117
(87)【国際公開番号】WO2020086318
(87)【国際公開日】20200430
(31)【優先権主張番号】62/749,530
(32)【優先日】2018年10月23日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/819,089
(32)【優先日】2019年3月15日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】521172332
【氏名又は名称】カーライル コンストラクション マテリアルズ, エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】レザーマン, マシュー
(72)【発明者】
【氏名】ジャン, シュアン
(72)【発明者】
【氏名】トゥルノウ, コーディ
【テーマコード(参考)】
4F100
【Fターム(参考)】
4F100AG00B
4F100AG00C
4F100AK07B
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4F100JK03B
4F100JK03C
4F100YY00B
4F100YY00C
(57)【要約】
断熱ボードアセンブリは、発泡断熱ボードと、前記発泡断熱ボードの上部側に付着される、上部フェーサであって、上部フェーサは、製織材料から作製される、上部フェーサと、前記発泡断熱ボードの底部側に付着される、底部フェーサであって、底部フェーサは、製織材料から作製される、底部フェーサとを有する。上部および底部製織フェーサは、両側面に上側および下側コーティングと、不製織層とを有してもよく、製織および不製織層は、繋合層を用いてともに保持されてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
断熱ボードアセンブリであって、
発泡断熱ボードと、
前記発泡断熱ボードの上部側に付着された上部フェーサであって、前記上部フェーサは、製織材料から作製される、上部フェーサと、
前記発泡断熱ボードの底部側に付着された底部フェーサであって、前記底部フェーサは、製織材料から作製される、底部フェーサと
を備える、断熱ボードアセンブリ。
【請求項2】
前記発泡ボードは、ポリイソシアヌレートまたはポリウレタン発泡ボードである、請求項1に記載の断熱ボードアセンブリ。
【請求項3】
前記上部フェーサおよび前記底部フェーサは、ガラス繊維から成らない、請求項1に記載の断熱ボードアセンブリ。
【請求項4】
前記発泡断熱ボードは、0.5〜6.0pcfの密度を有する、請求項1に記載の断熱ボードアセンブリ。
【請求項5】
締結具の引抜値は、300重量ポンドより高い、請求項1に記載の断熱ボードアセンブリ。
【請求項6】
屋根アセンブリは、屋根膜と、接合接着剤と、前記断熱ボードとから成り、前記屋根アセンブリは、FM4470(クラス1)の「耐豪雹」定格を充足する、請求項1に記載の断熱ボードアセンブリ。
【請求項7】
前記製織材料は、合成ポリマーから作製される、織り糸またはテープから成る、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記製織材料は、製織ポリプロピレンおよび/またはプロピレンアルファオレフィン共重合体もしくはエチレンアルファオレフィン共重合体から成る、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記製織材料は、4〜30EPIの経糸密度または4〜30PPIの緯糸密度を有する、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記製織材料は、1平方メートルあたり40〜200グラムの重量を有する、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項11】
前記製織材料は、2ミル〜50ミルの厚さを有する、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項12】
前記上部および底部フェーサの一方または両方の片側もしくは両側にポリマーコーティングをさらに備える、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項13】
前記ポリマーコーティングは、ポリエチレン、エチレンおよびアルファオレフィン共重合体、ポリプロピレン、プロピレンおよびアルファオレフィン共重合体、シリコーン、アクリレート、ポリウレタン、天然ゴム、ならびにスチレンブタジエンゴムから成る、群から選択される、請求項12に記載のアセンブリ。
【請求項14】
前記上部および底部フェーサの一方または両方の片側もしくは両側に積層された不製織材料からさらに成る、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項15】
前記不製織材料は、接着剤または繋合層を介して製織マットに積層されている、請求項14に記載のアセンブリ。
【請求項16】
前記不製織材料は、ポリエステル、ポリエチレン、エチレンおよびアルファオレフィン共重合体、ポリプロピレン、プロピレンおよびアルファオレフィン共重合体、ナイロン、ガラス、ケブラー、玄武岩、ならびに炭素繊維から成る、群から選択される、請求項14に記載のアセンブリ。
【請求項17】
前記上部および底部フェーサの一方または両方の片側もしくは両側に、積層ガラスマット、ガラススクリム、またはコーティングガラススクリムをさらに備える、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項18】
前記上部および底部フェーサのそれぞれは、縦方向および横方向の両方における3インチあたり80重量ポンドを上回る引張強度と、縦方向および横方向の両方における15重量ポンド超の引裂強度とを有する、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項19】
圧延断熱フェーサであって、前記圧延断熱フェーサは、縦方向および横方向の両方における3インチあたり80重量ポンドを上回る引張強度と、前記縦方向および前記横方向の両方における15重量ポンド超の引裂強度とを有する、製織材料から形成されている、圧延断熱フェーサ。
【請求項20】
前記製織材料は、合成ポリマーから作製される、織り糸またはテープから成る、請求項19に記載の圧延断熱フェーサ。
【請求項21】
前記製織材料は、製織ポリプロピレンおよび/またはプロピレンアルファオレフィン共重合体ならびに/もしくはエチレンアルファオレフィン共重合体から成る、請求項19に記載の圧延断熱フェーサ。
【請求項22】
前記製織材料は、防水性である、請求項19に記載の圧延断熱フェーサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、その開示全体が、あらゆる目的のために、参照することによって、それらの全体として本明細書に組み込まれる、2018年10月23日に出願され、「Insulation Board Having Woven Facers」と題された、米国仮特許出願第62/749,530号、および2019年3月15日に出願され、「Insulation Board With Improved Performance」と題された、米国仮特許出願第62/819,089号の優先権を主張する。
【0002】
(技術分野)
本発明は、概して、建築物建設において、特に、屋根構築の建設において使用される断熱ボードのためのフェーサとしての製織マットの使用を通した、向上された物理的性質によって付与される、改良された断熱ボード性能に関する。屋根アセンブリにおいて使用されると、本発明は、屋根構築システムが、低または典型的な密度の断熱ボードを用いて「耐豪雹」(VSH)試験定格を充足することを可能にする。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
現在、ポリウレタンまたはポリイソシアヌレート(ポリイソ)発泡屋根構築断熱ボードのためのフェーサは、典型的には、ガラス補強フェルト(GRF)フェーサから、もしくはコーティングガラスフェーサ(CGF)材料からのいずれかで作製される。フェーサは、断熱ボード上および屋根システム内でいくつかの目的を果たしている。例えば、フェーサは、発泡ボードに構造的完全性を提供し、雹、歩行、重HVAC機器、および建設機械によって及ぼされる力から脆弱な発泡体表面を保護することに役立つ。フェーサはまた、風上昇性能に関して発泡ボードに追加される強度も提供する。GRFおよびCGFは両方とも、繊維ガラスを含有し、したがって、製造プロセスの間ならびに最終使用用途において皮膚刺激物である。GRFフェーサを用いる場合、ガラス繊維が、紙に添加され、特に、フェーサが湿潤しているときの寸法安定性を改良する。しかしながら、ガラス繊維は、ボードが、湿気への暴露の後、GRFフェーサの寸法変化に起因して歪まないように、または漏出等の湿気に暴露されている間、強度を喪失しないように防止するものではない。コーティングガラスフェーサは、GRFフェーサと比較すると湿気およびカビに対する改良された耐性をもたらすが、これらのフェーサは、湿気への暴露の後、脱色し、堅性であり、そのため、それらは、ボードを横断して力を分散せず、また、発泡ボードの生産の間、過度の量の化学物質を吸収する傾向も有する。フェーサ材料を含有するこれらの繊維ガラスの付加的な欠点は、(a)それらが、十分に強力な押込抵抗をもたらさないことと、(b)それらが、ポリウレタンまたはポリイソシアヌレート断熱ボードを剥離させる、もしくはそれから離層する傾向にあることと、(c)ガラス繊維の含有が、ボードの生産および配設の間に取扱上の苦情をもたらすこととを含む。
【0004】
重要なこととして、これらの発泡屋根構築ボードを屋根に固着させる締結具もまた、ボードのフェーサを通して通過する。残念ながら、ボードを横断した風上昇が、完全に付着された屋根システムの破壊をもたらす、締結具の引抜を引き起こし得る。屋根システムの風上昇性能を改良するために、付加的な締結具が、典型的には、断熱ボードを通して打ち込まれ、ボードを屋根デッキに係留された状態に保つ。
【0005】
したがって、代わりに所望されるものは、負荷分散および追加された表面強度の両方を提供するであろう、ポリウレタンまたはポリイソシアヌレート発泡屋根構築断熱ボードフェーサ材料である。具体的には、風上昇の間の締結具引抜の潜在性が、低減または排除され得るように、表面負荷を分散させることを補助する、フェーサを提供することが望ましいであろう。締結具の引抜を防止するための負荷分散の利点はまた、発泡断熱ボードを屋根にしっかりと固着することにも役立つ。そのような追加された表面強度の別の利点は、これが、増加された押込抵抗をもたらすであろうということである。本押込抵抗は、屋根に衝打する雹に対して有利であろう。最も好ましくは、理想的な屋根構築システムは、FM4470(クラス1−VSH)において説明されるような、Factory Mutualによって公表された、最近公表の「耐豪雹」試験定格を合格することが可能であろう。加えて、所望の押込抵抗を有するフェーサもまた、配設または屋根修復の間に屋根の上で跪く作業者もしくは屋根の上での歩行に対しても有利であろう。解説されるであろうように、本システムは、本強度および負荷分散の利点を提供する。実際、本システムは、「耐豪雹」(VSH)試験定格を充足するように示されている。加えて、本フェーサは、さらに好ましくは、屋根構築システムが、低または典型的な密度の断熱ボードが使用されるときでも、「耐豪雹」(VSH)試験定格を充足することを可能にする(例えば、そのような密度範囲はさらに、典型的な密度の断熱ボードにおいて見出されるものと同程度に低くあり得、さらに、0.5〜6.0pcfの範囲内であり得る)。
【0006】
負荷分散は、より高い風上昇値が、同等の締結具を用いて達成されることを可能にするであろうが、負荷分散はまた、同等な上昇が、より少ない締結具を利用して達成されることも可能にするであろう。屋根システム内の締結具の数を低減させながら、風上昇性能を維持することは、これが、より少ない締結具を用いて屋根システムを配設するためにより少ない労力を要求し、より少ない締結具が、屋根システムの材料コストを低減させ、より少ない締結具が、ポリウレタンまたはポリイソシアヌレート発泡ボードのより少ない穿通をもたらし、ヒートシンクを最小限にし、それによって、断熱ボードの断熱性能を改良することにつながるため、非常に有利である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
(発明の要約)
一側面では、本発明は、(随意に、ポリウレタンまたはポリイソシアヌレート、もしくはフェノール材料、または発泡ポリスチレン材料(EPS)であり得る)発泡断熱ボードと、発泡断熱ボードの上部側に付着される上部フェーサとしての、製織マットと、発泡断熱ボードの底部側に付着される底部フェーサとしての、製織マットとを有する、断熱ボードアセンブリを備える。随意に、製織フェーサは、天然および/または合成の織り糸ならびに/もしくはテープから作製されてもよい。好適な合成の織り糸またはテープは、ポリエチレン、エチレンおよびアルファオレフィン共重合体、ポリプロピレン、プロピレンおよびアルファオレフィン共重合体、ナイロン、ポリエステル、アクリルポリエステル、ポリアミド、アラミド等のポリマーから作製されることができる。好適な天然の織り糸は、綿、セルロース、羊毛、レーヨン、絹、麻、サイザル麻等の天然繊維から作製されることができる。
【0008】
製織マットは、異なる製織密度を有し得る。布帛メッシュは、経糸(縦)および緯糸(横)方向の両方における1インチあたりの織り糸またはテープの数としての、布帛製織密度の尺度である。1インチあたりの端数(EPI)は、製織布帛の1インチあたりの縦糸の織り糸またはテープの数であり、1インチあたりのピック数(PPI)は、製織布帛の1インチあたりの横糸の織り糸およびテープの数である。例えば、製織密度は、1インチあたり2本のテープ×1インチあたり2本のテープ(EPI×PPI)〜1インチあたり100本のテープ×1インチあたり100本のテープであることができる。好ましくは、製織密度は、4×4〜60×60本のメッシュであろう。最も好ましくは、製織密度は、4×4〜30×30本のメッシュであろう。随意に、製織マットは、縦糸および横糸方向に沿って異なる製織密度を有し、例えば、製織密度は、随意に、一実施形態では、4×8本のメッシュであることができる。
【0009】
本製織マットは、典型的には、1平方ヤードあたりのオンス、または1平方メートルあたりのグラムの単位における布帛重量によって測定される、異なる重量を有することができる。例えば、製織マット重量は、随意に、10gsm〜400gsmであることができる。好ましくは、製織マット重量は、20gsm〜200gsmであり得る。最も好ましくは、製織マット重量は、40gsm〜100gsmであり得る。代替として、製織マットは、異なる厚さを有することができる。例えば、製織マットの厚さは、1ミル〜200ミルであることができる。好ましくは、製織マットの厚さは、2ミル〜100ミルであり得る。最も好ましくは、製織マットの厚さは、2ミル〜50ミルであり得る。
【0010】
随意に、製織マットは、表面の片側または両側にコーティングを有することができる。コーティングは、ポリエチレン、エチレンおよびアルファオレフィン共重合体、ポリプロピレン、プロピレンおよびアルファオレフィン共重合体、シリコーン、アクリレート、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム等の異なるポリマー組成物であることができる。有利なこととして、そのようなコーティングは、ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートボードの製造プロセスの間の耐滲性、発泡ボードの輸送の間の耐水性、および現場配設の間の耐滑性ならびに耐水性を提供するであろう。コーティングは、加えて、製造の間、ポリウレタンまたはポリイソシアヌレート発泡体への改良された接着を提供し、現場配設の間、接合接着剤への改良された親和性および接着を提供し得る。接合接着剤は、ポリウレタン、ニトリル、ネオプレン、クロロプレン、シラン末端ポリエーテル、スチレンブタジエンゴム、アクリル、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)等の異なるポリマー組成物から成ることができる。
【0011】
随意に、上部および底部製織マットのそれぞれは、片側または両側に積層される、不製織材料の付加層を有することができる。積層は、随意に、接着剤または繋合層を用いて行われ得る。不製織層が、製造プロセスの間にポリウレタンまたはポリイソシアヌレート断熱発泡体と接触すると、不製織層は、製織マットの面粗度および表面積を増加させ、製織マットが、ポリウレタンまたはポリイソシアヌレート発泡体とのより良好な接着もしくは接合を有することを可能にし得る。不製織層が、発泡断熱ボードの外側(すなわち、上部または底部)に位置付けられると、これは、耐滑性を向上させ、現場配設の間、接合接着剤との接着性能を改良し得る。不製織繊維は、随意に、ポリエステル、ポリエチレン、エチレンおよびアルファオレフィン共重合体、ポリプロピレン、プロピレンおよびアルファオレフィン共重合体、ナイロン、ガラス、ケブラー、玄武岩、炭素繊維等の異なるポリマー組成物から作製されることができる。
【0012】
随意に、製織マットは、ガラススクリム、ガラスマット、炭素繊維スクリム、またはコーティングPETスクリムと積層されてもよい。製織マットに積層されると、これらの材料は、潜在的に、フェーサおよび断熱ボードの寸法安定性を改良し得る。
【0013】
随意に、製織マットは、低収縮ポリマー織り糸またはテープから作製されることができる。ポリマーテープの収縮率は、ポリマーテープが室温から100℃まで加熱されたときの長さの変化の割合によって査定されることができる。好ましくは、製織マット内で使用されるポリマーテープは、<10%の収縮率を有する。最も好ましくは、ポリマーテープは、<5%の収縮率を有する。
【0014】
随意に、難燃材が、ポリマー織り糸またはテープに添加され、製織フェーサの耐火性を向上させることができる。
【0015】
別の側面では、本発明は、その縦方向およびその横方向の両方において十分に望ましい強度を有する、圧延製織フェーサ材料から成る。本圧延製織材料は、次いで、ポリウレタンまたはポリイソシアヌレート発泡断熱ボードへの上部ならびに/もしくは底部フェーサとして使用されることができる。好ましくは、本圧延製織フェーサ材料は、非常に薄く、低重量を有する。
【0016】
好ましい実施形態では、本製織ポリプロピレンフェーサは、縦方向および横方向の両方における、3インチあたり80重量ポンドを上回る引張強度を有し、また、縦方向および横方向の両方における、15重量ポンド超の凸縁引裂強度も有する。
【0017】
本製織フェーサ材料の利点は、これが、既存のGRFおよびCGFフェーサと比較して、追加された表面強度、負荷分散、ならびに耐久性を提供するという事実を含む。そのような追加された表面強度および負荷分散は、屋根の配設の間の断熱ボード上での歩行ならびに跪座を可能にする。これはまた、CGFのものより優れた防雹性および同等の防カビ性/防湿性も提供する。具体的には、本フェーサを備える本屋根構築システムは、FM4470(クラス1−VSH)において説明されるような、Factory Mutualによって公表された、「耐豪雹」試験定格を充足するように示されている。
【0018】
本製織フェーサは、好ましくは、軽量であるが、強力かつ頑丈な材料である。本製織フェーサ材料の利点は、これが、より高い締結具引抜力を有し、したがって、断熱ボードが屋根に固着された後、優れた耐風上昇性を提供することである。加えて、本製織フェーサシステムはまた、非常に耐久性であり、発泡屋根構築断熱ボードの有効寿命を延長させる。随意の実施形態では、製織フェーサは、ポリエチレン、エチレンおよびアルファオレフィン共重合体、ポリプロピレン、プロピレンおよびアルファオレフィン共重合体、ナイロン、ポリエステル、ポリアミド等のポリマーから作製される。しかしながら、綿、セルロース、レーヨン、絹、麻、サイザル麻等の天然および合成の織り糸またはテープの両方を含む、他の製織材料も、同様に使用され得ることを理解されたい。
【0019】
したがって、本製織フェーサシステムはまた、従来的なGRFおよびCGFフェーサと比較して、より高い曲げ弾性率ならびにより高い締結具プレートの耐引抜性の利点ももたらす。
【0020】
製織ポリプロピレン材料の事例では、本フェーサは、随意に、フィラメントまたはテープの中に引き込まれ、次いで、製織され、布帛シートもしくはマットを生成している、プラスチックフィルムから作製されることができる。これらの好ましい側面では、製織マットは、随意に、片側において、ポリウレタンまたはポリイソシアヌレート発泡体への接着を助長するであろう、不製織層と、他側において、耐水性、耐湿性、および耐滲性を向上させるであろう、ポリマーコーティングとを備える。ポリマーコーティングは、随意に、現場配設の間、接合接着剤への改善された親和性および接着を提供することができる。
【0021】
本製織フェーサ材料の別の利点は、その低費用である。加えて、本製織フェーサ材料は、随意に、再生利用プラスチックから作製され、環境的恩恵を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、上部および底部製織フェーサを伴う発泡断熱ボードの断面側面立面図である。
【0023】
【
図2】
図2は、
図1に類似するが、上部および底部製織フェーサのそれぞれの上方および下方に不製織層またはコーティングを伴う、発泡断熱ボードの断面側面立面図である。
【0024】
【
図3】
図3は、
図2に類似するが、製織および不製織層をともに固着させる繋合層を伴う、発泡断熱ボードの断面側面立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(本システムの詳細な説明)
上記に記載されるように、
図1に示されるような一実施形態では、本システムは、随意に、ポリウレタンまたはポリイソシアヌレート発泡体、もしくはフェノール材料、または発泡ポリスチレン材料(EPS)から作製され得る、発泡断熱ボード12と、発泡断熱ボードの上部側に付着される、上部製織フェーサ20Aであって、随意に、ポリプロピレンを含み得る、製織材料から作製される、上部製織フェーサ20Aと、発泡断熱ボードの底部側に付着される、製織底部フェーサ20Bであって、また、随意に、製織ポリプロピレンから作製される、製織底部フェーサ20Bとを備える、断熱ボードアセンブリ10を提供する。代替側面では、天然および合成繊維の両方を含む、他の製織材料も、代わりに使用されてもよい。
【0026】
別の実施形態では、本システムは、(例えば、発泡体が上部ならびに底部製織フェーサの間に狭入される、押出プロセスの間に)発泡断熱ボード上に付着され得る、その縦および横方向の両方において十分な強度を有する、薄い圧延製織フェーサ材料を提供する。
【0027】
従来的に、ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートは、2つのフェーサの間に狭入される発泡体コアから成る、独立気泡状の堅性発泡断熱ボードである。これは、北米におけるデッキ上商業用屋根建設のために最も広く使用されている断熱材である。多くの既存のシステムでは、フェーサ材料は、繊維ガラスであるが、さらにクラフト紙も、使用されている。これらのポリウレタンまたはポリイソシアヌレート断熱ボードは、種々の機械的締結具および建設用接着剤を用いて屋根デッキに付着される、もしくは屋根構築膜の上方に設置される、バラスト石またはコンクリート舗装材を用いて定位置に保持される。典型的には、屋根構築膜はまた、上部ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフェーサに、発泡体断熱を通して機械的に付着される、接着される、もしくはさらにバラストを用いて定位置に保持されてもよい。
【0028】
本システムに従って、本発明者らは、種々のフェーサ(GRF、CGF、不製織ポリエステル、および製織ポリプロピレンフェーサ材料)を実験的に試験した。これらの実験的試験の結果が、下記の表1に示されている。
【表1】
【0029】
加えて、本発明者らはまた、「引抜」および「風上昇」に関しても同一のフェーサ材料を実験的に試験した。これらの実験的試験の結果が、下記の表2に示されている。
【0030】
引抜試験手順は、引張荷重を使用することによって基板/応力プレートの組み合わせの強度を評価するように設計されている。下記に説明される試験方法は、公称の14×14インチの試験サンプルおよび試験治具を利用する。試験方法は、製品が、大規模な耐風分類試験において使用されることが可能であるどうかを判定するために、相互との比較のために、種々の膜、膜/応力プレートの組み合わせ、基板または基板/応力プレートの組み合わせを評価するために使用されることを意図する。
【0031】
詳細な試験手続きは、以下の通りである。14×14基板試験治具が、Tinius Olsen機械の可動クロスヘッドに固着される。試験のために準備完了状態になると、サンプルが、試験サンプルの下側に位置する応力プレートを伴う、14×14基板試験治具の中に摺動される。締結具のねじ端部が、次いで、定常状態の顎状部の中に固着される。第1のサンプルが試験される前に、Tinius Olsen機械をゼロにし、データを消去する。力が、2インチ/分(51mm/分)のクロスヘッド速度において、基板/応力プレート界面の平面に対して直交する直線状に及ぼされる。サンプルが、試験されている間、サンプルは、視覚的に検査され、容認条件を充足し続けていることを確実にすることになる。サンプルが、不合格になるまで、より高い力が、達成または維持されることが不可能になるまで、もしくは試験実施者の裁量において、試験を継続する。不合格は、容認条件が、もはや充足されなくなるとき、または引張力が、もはや維持されることが可能ではなくなると、生じると見なされる。試験の完了に応じて、サンプルが、検査され、容認条件に適合していない、いかなる物品も、記載されるものとする。引抜試験の結果は、ポンド単位で述べられるものとする。サンプルに割り当てられる結果は、不合格に先立ってサンプルが到達する、最大力であることとする。容認条件は、1.全てのサンプルが、試験サンプルの不合格まで、それらの試験治具内に固着されたままでであるべきであり、2.全体的なサンプル結果は、3回の試験の平均に基づいて判定されるものとすることである。平均値によって除算される、3つの値の標準偏差が、20%を上回る場合、付加的な試験が、行われるものとする。全ての試験の結果は、最終的な平均を判定するために使用されるものとする。
【表2】
【0032】
製織フェーサが、GRFおよびCGFと比較して、締結具の引抜/風上昇に関して極めて良好に性能を発揮したが、これはまた、ASTM C209の吸水による耐湿性に関しても優れた性能を示している。これは、下記に、表3に示されている。
【表3】
【0033】
本試験の結果として、製織ポリプロピレンフェーサ20Aおよび20Bが、従来的GRFならびにCGFフェーサに優る(本明細書に説明されるような)実質的恩恵をもたらすことが発見された。
【0034】
特に、本製織フェーサ20Aおよび20Bは、(直交する)縦方向および横方向の両方において強度の利点を提供する。好ましい側面では、横方向における強度は、縦方向における強度の少なくとも70%である。
【0035】
ロール上に供給される、製織フェーサ材料の事例では、本フェーサ材料は、好ましくは、20gsm〜200gsmの重量と、少なくとも80ポンドの引張強度とを有する。本薄い厚さの利点は、これが、フェーサをより圧延し易くすることである。
【0036】
種々の随意の側面では、製織フェーサ20Aおよび20Bは、天然ならびに/もしくは合成の織り糸および/またはテープから作製されることができる。合成の織り糸またはテープは、ポリエチレン、エチレンおよびアルファオレフィン共重合体、ポリプロピレン、プロピレンおよびアルファオレフィン共重合体、ナイロン、ポリエステル、アクリルポリエステル、ポリアミド、アラミド等のポリマーから作製されることができる。織り糸は、綿、セルロース、羊毛、レーヨン、絹、麻、サイザル麻等の天然繊維から作製されることができる。
【0037】
好ましい実施形態では、本断熱ボードアセンブリは、FM4470(クラス1)の「耐豪雹」(VSH)定格を充足する。これは、さらに、低または典型的密度の断熱ボードを使用して遂行されることができる。一実施形態では、発泡断熱ボードは、0.5〜6.0pcfの密度を有する。これは、「耐豪雹」(VSH)定格を達成するために石膏またはプレス加工ボードを使用する、既存の(かつ費用のかかる)アプローチに優る利点を表す。
【0038】
加えて、断熱ボードとフェーサとの間の接着は、潜在的に、紙、ガラス繊維補強紙、またはコーティングガラスフェーサ(GRF/CGF)、箔、フィルム、もしくは積層物から作製される、既存の標準的密度の断熱ボードおよびフェーサによって達成され得るものより強力であり得る。
【0039】
随意の好ましい実施形態では、製織フェーサを伴う本断熱ボードはまた、種々の厚さのEPDM(エチレンプロピレンジエンモノマー)、TPO(熱可塑性オレフィン)、PVC(ポリ塩化ビニル)、KEE(ケトンエチレンエステル)、またはハイパロン等の屋根膜のシート下でも使用され、「耐豪雹」(VSH)定格を達成することが可能である、屋根構築構造を提供し得る。随意に、EPDM、TPO、PVC、KEE、およびハイパロン屋根膜は、背面側に積層される、不製織材料を有することができる。不製織フリースは、潜在的に、屋根膜の断熱ボードへの接着性能を改良し得る。
【0040】
他の随意の好ましい側面では、接合接着剤が、屋根膜を断熱ボード上に接着するために使用される。随意に、そのような接合接着剤は、押出コーティング、スプレーコーティング、またはローラ塗布コーティングを含むことができる。そのような接着助長剤の実施例は、Flexible FAST
TM、TPO接合接着剤、Cav−Grip III
TM、およびEPDM接合接着剤を含む。
【0041】
(屋根システム性能)
Factory Mutual 4470の「耐豪雹」(VSH)試験のための手順は、中西部の全体を通した14の州における商業的屋根システムの建設に有意な影響を及ぼしている、新しい試験規格である。試験は、屋根システム試験試料における2インチの直径の氷の球を1秒あたり152〜160フィートの速度において推進するステップを伴った。膜は、穿貫されてはならず、これは、基板ボードに接着されたままでなければならない。基板ボードは、本試験に合格するために、亀裂される、またはフェーサを発泡体から離層させることはできない。
【0042】
商業的屋根構築産業において使用される、2つの広く使用される被膜ボード(すなわち、高密度(HD)ポリイソおよび石膏ボード)は、本VSH試験に耐えることは不可能である(下記の表4ならびに5参照)。これまでのところ、VSH定格に関して限定された成功を達成することが可能である、唯一の屋根構築システムが、OSB被覆ボードおよび合板被覆ボードを組み込んでいる(下記の表6参照)。しかしながら、OSBおよび合板ボードは、それらが高額であり、0.5インチHDポリイソより重く、システムが石膏またはHDポリイソ被覆ボードを含有するものと同一の火災等級を達成することが可能ではないため、有意な限界を有する。
【表4-1】
【表4-2】
【表5】
【表6-1】
【表6-2】
【0043】
上記の既存のシステムと対照的に、本発明の種々の実施形態(すなわち、製織ポリプロピレンフェーサ材料を用いて作製される高密度および通常密度のポリイソ断熱ボードを含有するシステム)は、有意な改良を示し、VSH試験に耐えることが可能であった。本屋根システムは、本製織フェーサによって提供される一意の物理的性質に起因して、内部およびFactory Mutual試験の両方に正常に合格した。結果が、下記の表7および8に要約されている。
【0044】
理解され得るように、標準的密度または高密度の断熱ボードおよび製織PPフェーサを使用する、本屋根システムは、TPO FleeceBACK、EPDM FleeceBACK、PVC FleeceBACK、KEE FleeceBACK、ならびに裏面が剥き出しのTPO、EPDM、PVC、およびKEE HPと対合されることができる。これらの膜は、随意に、2液型ポリウレタン接着剤、TPO接合接着剤、PVC接着剤、EPDM接合接着剤、水性接着剤、LVOC接合接着剤、およびCav−Grip IIIを用いて接合されてもよい。本タイプのシステムは、製織PPフェーサを伴う断熱ボードが、1インチあたりのより高いR値をもたらし、あまり高価ではないため、OSBおよび合板ボードを伴うものに優る有意な性能利点を有する。
【表7】
【表8】
【0045】
図2に図示される好ましい側面では、製織フェーサは、好ましくは、それらを防水性にするための化学コーティングを含む。具体的には、システム10は、上記に説明されるように、上部製織フェーサ20Aと、底部製織フェーサ20Bとを有する、発泡断熱ボード12を備える。好ましくは、上部製織フェーサ20Aおよび底部製織フェーサ20Bは、ガラス繊維から成らない。発泡断熱ボードは、好ましくは、0.5〜6.0pcfの密度を有し、締結具の引抜値は、300重量ポンドより高い。好ましくは、屋根アセンブリ10は、屋根膜と、接合接着剤と、断熱ボードとから成り、屋根アセンブリは、FM4470(クラス1)の「耐豪雹」定格を充足する。
【0046】
好ましくは、製織フェーサ20Aおよび20Bのそれぞれは、4〜30EPIの経糸密度または4〜30PPIの緯糸密度と、1平方メートルあたり40〜200グラムの重量と、2ミル〜50ミルの厚さとを有する、製織ポリプロピレン、ならびに/もしくはプロピレンアルファオレフィン共重合体、またはエチレンアルファオレフィン共重合体等の合成ポリマーから作製される、織り糸もしくはテープから成る。好ましくは、上部および底部フェーサ20Aならびに20Bのそれぞれは、縦方向および横方向の両方における3インチあたり80重量ポンドを上回る引張強度と、縦方向および横方向の両方における15重量ポンド超の引裂強度とを有する。
【0047】
図2に図示されるように、フェーサ20Aおよび20Bのそれぞれは、随意に、上部ならびに底部フェーサの一方または両方の片側もしくは両側(すなわち、22A、24A、22B、および24B)にポリマーコーティングを有してもよい。好ましい側面では、ポリマーコーティング層22A、24A、22B、および24Bのうちのいくつかまたは全てが、ポリエチレン、エチレンおよびアルファオレフィン共重合体、ポリプロピレン、プロピレンおよびアルファオレフィン共重合体、シリコーン、アクリレート、ポリウレタン、天然ゴム、ならびにスチレンブタジエンゴムから成る、群から選択される。
【0048】
代替として、フェーサ20Aおよび20Bのそれぞれは、随意に、上部ならびに底部フェーサの一方または両方の片側もしくは両側(すなわち、層22A、24A、22B、および24B)に積層される、不製織材料を有してもよい。不製織材料層は、ポリエステル、ポリエチレン、エチレンおよびアルファオレフィン共重合体、ポリプロピレン、プロピレンおよびアルファオレフィン共重合体、ナイロン、ガラス、ケブラー、玄武岩、ならびに炭素繊維から成る群から選択されてもよい。したがって、層22A、24A、22B、および24Bは、種々のポリマーコーティングまたは他の不製織材料から成ることができる。随意に、層24Aおよび24Bは、積層ガラスマット、ガラススクリム、またはコーティングガラススクリムから成ることができる。
【0049】
最後に、
図3に図示されるように、不製織層24Aおよび24Bは、接着剤または繋合層26A、26Bを介して製織層20Aならびに20Bに積層されることができる。
【0050】
代替側面では、本システムは、縦方向および横方向の両方における3インチあたり80重量ポンドを上回る引張強度と、縦方向および横方向の両方における15重量ポンド超の引裂強度とを有する、製織材料から形成される、圧延断熱フェーサを備える。本側面では、製織材料は、限定ではないが、ポリプロピレン、および/またはプロピレンアルファオレフィン共重合体、ならびに/もしくはエチレンアルファオレフィン共重合体を含む、合成ポリマーから作製される、織り糸またはテープから成る。好ましくは、製織材料は、防水性である。
【手続補正書】
【提出日】2021年6月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
断熱ボードアセンブリであって、
第1および第2の対向する表面を有する発泡断熱ボードと、
前記発泡断熱ボードの上部側に付着された上部単層フェーサであって、前記上部単層フェーサは、前記発泡断熱ボードの前記第1の表面と直接接触し、前記上部フェーサは、製織材料から作製され、前記製織材料は、1インチあたり4〜30端の経糸密度または1インチあたり4〜30ピックの緯糸密度と、縦方向および横方向の両方における3インチあたり80重量ポンドを上回る引張強度と、縦方向および横方向の両方における15重量ポンド超の引裂強度とを有し、前記上部単層フェーサは、前記断熱ボードアセンブリの最外部の上部表面を規定する、上部単層フェーサと、
前記発泡断熱ボードの底部側に付着された底部単層フェーサであって、前記底部単層フェーサは、前記発泡断熱ボードの前記第2の表面と直接接触し、前記底部フェーサは、製織材料から作製され、前記製織材料は、1インチあたり4〜30端の経糸密度または1インチあたり4〜30ピックの緯糸密度と、縦方向および横方向の両方における3インチあたり80重量ポンドを上回る引張強度と、縦方向および横方向の両方における15重量ポンド超の引裂強度とを有し、前記底部単層フェーサは、前記断熱ボードアセンブリの最外部の底部表面を規定する、底部単層フェーサと
を備え、
前記断熱ボードアセンブリは、屋根アセンブリ上に接着または機械的に締結された場合、前記屋根アセンブリがFM4470(クラス1)の「耐豪雹」定格を充足することを可能にし、
前記製織材料は、製織ポリプロピレンおよび/またはプロピレンアルファオレフィン共重合体もしくはエチレンアルファオレフィン共重合体から成る、断熱ボードアセンブリ。
【請求項2】
前記発泡ボードは、ポリイソシアヌレートまたはポリウレタン発泡ボードである、請求項1に記載の断熱ボードアセンブリ。
【請求項3】
前記上部フェーサおよび前記底部フェーサは、ガラス繊維から成らない、請求項1に記載の断熱ボードアセンブリ。
【請求項4】
前記発泡断熱ボードは、0.5〜6.0pcfの密度を有する、請求項1に記載の断熱ボードアセンブリ。
【請求項5】
前記断熱ボードアセンブリは、300重量ポンドより高い締結具の引抜値を展示する、請求項1に記載の断熱ボードアセンブリ。
【請求項6】
前記製織材料は、織り糸またはテープから成る、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記製織材料は、1平方メートルあたり40〜200グラムの重量を有する、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記製織材料は、2ミル〜50ミルの厚さを有する、請求項1に記載のアセンブリ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
本製織フェーサ材料の別の利点は、その低費用である。加えて、本製織フェーサ材料は、随意に、再生利用プラスチックから作製され、環境的恩恵を提供することができる。
本願明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
断熱ボードアセンブリであって、
発泡断熱ボードと、
前記発泡断熱ボードの上部側に付着された上部フェーサであって、前記上部フェーサは、製織材料から作製される、上部フェーサと、
前記発泡断熱ボードの底部側に付着された底部フェーサであって、前記底部フェーサは、製織材料から作製される、底部フェーサと
を備える、断熱ボードアセンブリ。
(項目2)
前記発泡ボードは、ポリイソシアヌレートまたはポリウレタン発泡ボードである、項目1に記載の断熱ボードアセンブリ。
(項目3)
前記上部フェーサおよび前記底部フェーサは、ガラス繊維から成らない、項目1に記載の断熱ボードアセンブリ。
(項目4)
前記発泡断熱ボードは、0.5〜6.0pcfの密度を有する、項目1に記載の断熱ボードアセンブリ。
(項目5)
締結具の引抜値は、300重量ポンドより高い、項目1に記載の断熱ボードアセンブリ。
(項目6)
屋根アセンブリは、屋根膜と、接合接着剤と、前記断熱ボードとから成り、前記屋根アセンブリは、FM4470(クラス1)の「耐豪雹」定格を充足する、項目1に記載の断熱ボードアセンブリ。
(項目7)
前記製織材料は、合成ポリマーから作製される、織り糸またはテープから成る、項目1に記載のアセンブリ。
(項目8)
前記製織材料は、製織ポリプロピレンおよび/またはプロピレンアルファオレフィン共重合体もしくはエチレンアルファオレフィン共重合体から成る、項目1に記載のアセンブリ。
(項目9)
前記製織材料は、4〜30EPIの経糸密度または4〜30PPIの緯糸密度を有する、項目1に記載のアセンブリ。
(項目10)
前記製織材料は、1平方メートルあたり40〜200グラムの重量を有する、項目1に記載のアセンブリ。
(項目11)
前記製織材料は、2ミル〜50ミルの厚さを有する、項目1に記載のアセンブリ。
(項目12)
前記上部および底部フェーサの一方または両方の片側もしくは両側にポリマーコーティングをさらに備える、項目1に記載のアセンブリ。
(項目13)
前記ポリマーコーティングは、ポリエチレン、エチレンおよびアルファオレフィン共重合体、ポリプロピレン、プロピレンおよびアルファオレフィン共重合体、シリコーン、アクリレート、ポリウレタン、天然ゴム、ならびにスチレンブタジエンゴムから成る、群から選択される、項目12に記載のアセンブリ。
(項目14)
前記上部および底部フェーサの一方または両方の片側もしくは両側に積層された不製織材料からさらに成る、項目1に記載のアセンブリ。
(項目15)
前記不製織材料は、接着剤または繋合層を介して製織マットに積層されている、項目14に記載のアセンブリ。
(項目16)
前記不製織材料は、ポリエステル、ポリエチレン、エチレンおよびアルファオレフィン共重合体、ポリプロピレン、プロピレンおよびアルファオレフィン共重合体、ナイロン、ガラス、ケブラー、玄武岩、ならびに炭素繊維から成る、群から選択される、項目14に記載のアセンブリ。
(項目17)
前記上部および底部フェーサの一方または両方の片側もしくは両側に、積層ガラスマット、ガラススクリム、またはコーティングガラススクリムをさらに備える、項目1に記載のアセンブリ。
(項目18)
前記上部および底部フェーサのそれぞれは、縦方向および横方向の両方における3インチあたり80重量ポンドを上回る引張強度と、縦方向および横方向の両方における15重量ポンド超の引裂強度とを有する、項目1に記載のアセンブリ。
(項目19)
圧延断熱フェーサであって、前記圧延断熱フェーサは、縦方向および横方向の両方における3インチあたり80重量ポンドを上回る引張強度と、前記縦方向および前記横方向の両方における15重量ポンド超の引裂強度とを有する、製織材料から形成されている、圧延断熱フェーサ。
(項目20)
前記製織材料は、合成ポリマーから作製される、織り糸またはテープから成る、項目19に記載の圧延断熱フェーサ。
(項目21)
前記製織材料は、製織ポリプロピレンおよび/またはプロピレンアルファオレフィン共重合体ならびに/もしくはエチレンアルファオレフィン共重合体から成る、項目19に記載の圧延断熱フェーサ。
(項目22)
前記製織材料は、防水性である、項目19に記載の圧延断熱フェーサ。
【手続補正書】
【提出日】2021年10月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
断熱ボードアセンブリであって、
第1および第2の対向する表面を有する発泡断熱ボードと、
前記発泡断熱ボードの上部側に付着された上部単層フェーサであって、前記上部単層フェーサは、前記発泡断熱ボードの前記第1の表面と直接接触し、前記上部単層フェーサは、製織材料から作製され、前記製織材料は、1インチあたり4〜30端の経糸密度または1インチあたり4〜30ピックの緯糸密度と、縦方向および横方向の両方における3インチあたり80重量ポンドを上回る引張強度と、縦方向および横方向の両方における15重量ポンド超の引裂強度とを有し、前記上部単層フェーサは、前記断熱ボードアセンブリの最外部の上部表面を規定する、上部単層フェーサと、
前記発泡断熱ボードの底部側に付着された底部単層フェーサであって、前記底部単層フェーサは、前記発泡断熱ボードの前記第2の表面と直接接触し、前記底部単層フェーサは、製織材料から作製され、前記製織材料は、1インチあたり4〜30端の経糸密度または1インチあたり4〜30ピックの緯糸密度と、縦方向および横方向の両方における3インチあたり80重量ポンドを上回る引張強度と、縦方向および横方向の両方における15重量ポンド超の引裂強度とを有し、前記底部単層フェーサは、前記断熱ボードアセンブリの最外部の底部表面を規定する、底部単層フェーサと
を備え、
前記断熱ボードアセンブリは、屋根アセンブリ上に接着または機械的に締結された場合、前記屋根アセンブリがFM4470(クラス1)の「耐豪雹」定格を充足することを可能にし、
前記製織材料は、製織ポリプロピレンおよび/またはプロピレンアルファオレフィン共重合体もしくはエチレンアルファオレフィン共重合体から成る、断熱ボードアセンブリ。
【請求項2】
前記発泡断熱ボードは、ポリイソシアヌレートまたはポリウレタン発泡ボードである、請求項1に記載の断熱ボードアセンブリ。
【請求項3】
前記上部単層フェーサおよび前記底部単層フェーサは、ガラス繊維から成らない、請求項1に記載の断熱ボードアセンブリ。
【請求項4】
前記発泡断熱ボードは、0.5〜6.0pcfの密度を有する、請求項1に記載の断熱ボードアセンブリ。
【請求項5】
前記断熱ボードアセンブリは、300重量ポンドより高い締結具の引抜値を展示する、請求項1に記載の断熱ボードアセンブリ。
【請求項6】
前記製織材料は、織り糸またはテープから成る、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記製織材料は、1平方メートルあたり40〜200グラムの重量を有する、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記製織材料は、2ミル〜50ミルの厚さを有する、請求項1に記載のアセンブリ。
【国際調査報告】