特表2021-535404(P2021-535404A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2021-535404アッセイプレート、分離シート、フィルタ、及びサンプル配置マーク
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-535404(P2021-535404A)
(43)【公表日】2021年12月16日
(54)【発明の名称】アッセイプレート、分離シート、フィルタ、及びサンプル配置マーク
(51)【国際特許分類】
   G01N 1/28 20060101AFI20211119BHJP
   G01N 33/543 20060101ALI20211119BHJP
   G01N 33/53 20060101ALI20211119BHJP
   C12M 1/00 20060101ALI20211119BHJP
   C12Q 1/02 20060101ALI20211119BHJP
【FI】
   G01N1/28 J
   G01N33/543 545A
   G01N33/543 541B
   G01N33/543 575
   G01N33/53 D
   G01N33/53 M
   G01N33/53 Y
   C12M1/00 A
   C12Q1/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】77
(21)【出願番号】特願2021-533407(P2021-533407)
(86)(22)【出願日】2019年8月23日
(85)【翻訳文提出日】2021年4月9日
(86)【国際出願番号】US2019048024
(87)【国際公開番号】WO2020041766
(87)【国際公開日】20200227
(31)【優先権主張番号】62/722,169
(32)【優先日】2018年8月23日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.iPhone
(71)【出願人】
【識別番号】518048123
【氏名又は名称】エッセンリックス コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100102118
【弁理士】
【氏名又は名称】春名 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【弁理士】
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【弁理士】
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【弁理士】
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】チョウ スティーブン ワイ.
(72)【発明者】
【氏名】ディン ウェイ
【テーマコード(参考)】
2G052
4B029
4B063
【Fターム(参考)】
2G052AA28
2G052AD09
2G052DA06
2G052DA15
2G052EA17
2G052FD11
2G052HC02
2G052HC27
2G052JA03
4B029AA07
4B029AA09
4B029BB01
4B029BB15
4B029BB20
4B029FA15
4B029GB09
4B029GB10
4B029HA05
4B063QA01
4B063QA20
4B063QQ03
4B063QS36
4B063QS39
4B063QX01
(57)【要約】
本発明は、生/化学サンプリング、感知、アッセイ及び応用の分野に関する。さらに特に、本発明の一態様は、2つのプレートを分離させる方法、ある特定の成分を複合液体サンプルから分離させ、その中にその成分のない液体サンプルを得る方法、及びサンプルを配置させる方法、ならびにアッセイを容易にするためのプレートの操作方法を含む、生/化学アッセイに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一プレート、第二プレート、ヒンジ、及び分離シート
を含む、前記分離シートによって容易にされるサンプル分析のための装置であって、
(a)前記第一プレート及び前記第二プレートが、互いに対して異なる構成へと可動であり、前記異なる構成が、初期構成、開構成、または閉構成を含み、
(i)各プレートが、前記プレート間に配置されるサンプルを接触させるためのサンプル接触領域を有する内面を含み、
(ii)前記プレートのうちの少なくとも1つが300um以下の厚さを有し、
(iii)前記初期構成では、前記プレートのうちの一方が前記ヒンジに連結される縁部を除く、すべてのその縁部を、他方のプレートの縁部の内側に有し、
(b)前記ヒンジが前記第一プレート及び前記第二プレートに連結され、前記第一プレート及び前記第二プレートが異なる構成へと前記ヒンジを中心に回転することを可能にするように、前記ヒンジが構成され、
(c)前記分離シートが250um以下の厚さを有し、
前記初期構成では、
前記分離シートが、前記2つのプレート間に挟装され、かつ前記2つのプレートと接触しており、
前記分離シートが、前記プレートのいずれによっても覆われていない延出部を有し、
前記分離シートの前記延出部が、前記2つのプレートの分離を容易にするように構成され、
前記開構成では、
前記第一プレート及び前記第二プレートが、部分的にまたは全体的に分離され、
前記サンプルが、前記プレートの一方または両方の上の前記サンプル接触領域に配置され、
前記分離シートが、前記プレートの一方または両方とのいかなる接触からも取り除かれ、
前記閉構成では、前記配置したサンプルの少なくとも一部分が、前記2つのプレートによって薄層へと圧縮される、
前記装置。
【請求項2】
第一プレート、第二プレート、ヒンジ、少なくとも1つの試薬、及び分離シート
を含む、前記分離シートによって容易にされるサンプル分析のための装置であって、
(a)前記第一プレート及び前記第二プレートが、互いに対して異なる構成へと可動であり、前記異なる構成が初期構成、開構成、または閉構成を含み、
(i)各プレートが、前記プレート間に配置されるサンプルを接触させるためのサンプル接触領域を有する内面を含み、
(ii)前記第二プレートが300um以下の厚さを有し、
(b)前記ヒンジが前記第一プレート及び前記第二プレートに連結され、前記第一プレート及び前記第二プレートが異なる構成へと前記ヒンジを中心に回転することを可能にするように、前記ヒンジが構成され、
(c)前記初期構成では、前記少なくとも1つの試薬が前記プレートのうちの少なくとも1つの前記サンプル接触領域上にコーティングされ、
(d)前記分離シートが250um以下の厚さを有し、
前記初期構成では、
前記分離シートが、前記2つのプレートの間に挟装され、かつ前記2つのプレートと接触しており、
前記初期構成では、前記分離シートが、一方のプレートの上の前記少なくとも1つの試薬が他方のプレートに接触するのを減少させるかまたは防止するように構成され、
前記開構成では、
前記第一プレート及び前記第二プレートが、部分的にまたは全体的に分離され、
前記サンプルが、前記プレートの一方または両方の上の前記サンプル接触領域に配置され、
前記分離シートが、前記プレートの一方または両方とのいかなる接触からも取り除かれ、
前記閉構成では、前記配置したサンプルの少なくとも一部分が前記2つのプレートによって非常に均一な厚さのサンプル層へと圧縮される、
前記装置。
【請求項3】
前記初期構成では、前記プレートのうちの少なくとも1つの前記サンプル接触領域上にコーティングされた少なくとも1つの試薬をさらに含み、
前記初期構成では、前記分離シートが、前記少なくとも1つの試薬が他方のプレートに接触するのを減少させるかまたは防止する、
いずれかの先行請求項に記載の装置。
【請求項4】
前記初期構成では、前記プレートのうちの一方の前記サンプル接触領域上にコーティングされた少なくとも1つの試薬を、及び他方のプレートの内の前記サンプル接触領域の対応する位置に少なくとも1つの他の試薬をさらに含み、
前記初期構成では、前記分離シートが、前記少なくとも1つの試薬が前記他方のプレートの前記サンプル接触領域の前記対応する位置上の前記少なくとも1つの他の試薬と接触するのを減少させるかまたは防止する、
いずれかの先行請求項に記載の装置。
【請求項5】
前記プレートのうちの少なくとも1つの内面に貼着され、前記プレートのうちの一方または両方の前記サンプル接触領域内にあるスペーサー
をさらに含み、そのため前記閉構成では、前記層の前記均一な厚さが、前記プレートの前記内面によって制限され、かつ前記プレート及び前記スペーサーによって調節され、前記層の前記厚さが0.01〜200μmである、いずれかの先行請求項に記載の装置。
【請求項6】
前記プレートのうちの少なくとも1つの上にコーティングされた前記少なくとも1つの試薬が、両方のプレートの上にコーティングされている、いずれかの先行請求項に記載の装置。
【請求項7】
前記分離シートが、前記少なくとも1つの試薬の有効期間を維持する、または前記少なくとも1つの試薬の化学的完全性を維持する、またはその両方である、いずれかの先行請求項に記載の装置。
【請求項8】
前記分離シートが、一方のプレート上の前記少なくとも1つの試薬が他方のプレートに接触するのを防止するように構成されている、いずれかの先行請求項に記載の装置。
【請求項9】
前記分離シートが、前記第一プレート及び前記第二プレートの、前記初期構成から前記開構成への物理的分離を容易にする、いずれかの先行請求項に記載の装置。
【請求項10】
前記分離シートが、シート、繊維シート、ポリマー、ポリマーコート紙、またはそれらの組み合わせから選択される非多孔質材料から作製される、いずれかの先行請求項に記載の装置。
【請求項11】
前記分離シートが、ポリスチレン、PMMA、PC、COC、COP、またはそれらの組み合わせから選択される材料である、いずれかの先行請求項に記載の装置。
【請求項12】
前記ヒンジが、外力が前記プレートに加えられる前及び後(0度)に、前記第一プレートと前記第二プレートとの間に0〜180度の二面角を実質的に維持するように構成されている、いずれかの先行請求項に記載の装置。
【請求項13】
前記初期構成では、前記第二プレートが、前記ヒンジに連結される1つの縁部を除くすべての縁部を、前記第一プレートの対応する縁部の内側に有する、いずれかの先行請求項に記載の装置。
【請求項14】
前記初期構成では、前記第二プレートが、前記ヒンジに連結される1つの縁部を除く少なくとも1つの縁部を、前記第一プレートの対応する縁部の内側に有する、いずれかの先行請求項に記載の装置。
【請求項15】
前記初期構成では、前記分離シートが、少なくとも1つの縁部を有し、前記少なくとも1つの縁部が前記第一プレート及び前記第二プレートの対応する縁部を越えて延出する、いずれかの先行請求項に記載の装置。
【請求項16】
前記初期構成では、前記分離シートが、少なくとも1つの縁部を有し、前記少なくとも1つの縁部が前記第一プレート及び前記第二プレートの対応する縁部を越えて延出し、
前記分離シートのサイズが、約0度の二面角を有する前記初期構成から、約0度を上回る二面角を有する前記開構成への、前記第一プレート及び前記第二プレートの開口または分離を容易にするように構成されている、
いずれかの先行請求項に記載の装置。
【請求項17】
分離シートによって容易にされるサンプル分析のための装置を使用するための方法であって、
(i)前記分離シートを有する、いずれかの先行請求項に記載の装置を取得する工程と、
(ii)前記分離シートを、前記第一プレートと前記第二プレートとの間の空間から取り除く工程と、
(iii)前記装置が開構成にあるときに、分析用のサンプルを配置させる工程と、
(iv)前記(iii)の後、前記2つのプレートを閉構成へと閉じる工程であって、前記サンプルの少なくとも一部分が、前記開構成中に配置されている、前記工程と、
(v)前記2つのプレートを合わせて押し付けることによって圧縮力を加えて、前記プレートの前記内面によって制限される非常に均一な厚さの層を形成する工程と
を含む、前記方法。
【請求項18】
前記サンプルを分析する工程(vi)をさらに含む、いずれかの先行請求項に記載の方法。
【請求項19】
酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、イムノブロット分析、免疫蛍光アッセイ(IFA)、免疫組織化学的検査、免疫電子顕微鏡法(IEM)、または免疫発光によって前記サンプルを分析する工程(vi)をさらに含む、いずれかの先行請求項に記載の方法。
【請求項20】
前記サンプルが、タンパク質、低分子、細胞、粒子、核酸、またはそれらの組み合わせから選択されるバイオマーカーを含む、いずれかの先行請求項に記載の方法。
【請求項21】
前記圧縮力を除く工程(v)をさらに含み、
前記工程(v)では、前記ヒンジが前記第一プレートと前記第二プレートとの間に二面角を維持し、前記二面角が、前記圧縮力が除かれる前の前記二面角から、任意の中間値及び範囲を含む1〜30度である、いずれかの先行請求項に記載の方法。
【請求項22】
前記第一プレート及び前記第二プレートが、矩形平面部材を含む、いずれかの先行請求項に記載の装置。
【請求項23】
前記第一プレート及び前記第二プレートが、透明平面部材を含む、いずれかの先行請求項に記載の装置。
【請求項24】
前記閉構成にあるときに、前記第一プレート及び前記第二プレートが、それらの間に均一な間隙または空隙を含む、いずれかの先行請求項に記載の装置。
【請求項25】
前記サンプル接触領域が、前記第一プレートの前記内面上に配置される、いずれかの先行請求項に記載の装置。
【請求項26】
前記サンプル接触領域が、サンプルと接触させられるように構成された所定の領域を含み、前記サンプルを前記所定の領域に制限する、いずれかの先行請求項に記載の装置。
【請求項27】
前記分離シートが、液体、試薬、デブリ、またはそれらの組み合わせが前記分離シートを透過するのを防止するように構成された非多孔質材料を含む可撓性平面部材を含む、いずれかの先行請求項に記載の装置。
【請求項28】
前記分離シートが、少なくとも前記第一プレートまたは前記第二プレートの前記内面に取り外し可能に貼着可能であり、前記分離シートが、前記サンプル接触領域を保護して封入するように構成されている、いずれかの先行請求項に記載の装置。
【請求項29】
前記分離シートが、前記第一プレート及び前記第二プレートのうちの少なくとも1つに取り外し可能に貼着するための接着剤を含む、いずれかの先行請求項に記載の装置。
【請求項30】
前記分離シートが、感圧接着剤または加圧活性化接着剤を含む、いずれかの先行請求項に記載の装置。
【請求項31】
前記接着剤が、エラストマー化合物を含む、いずれかの先行請求項に記載の装置。
【請求項32】
前記接着剤が、アクリル類、バイオベースアクリル酸、ブチルゴム、エチレン酢酸ビニル(EVA)、スチレンブロックコポリマー類(SBC)、またはそれらの組み合わせからなる群から選択されるエラストマー化合物を含む、いずれかの先行請求項に記載の装置。
【請求項33】
前記分離シートが、水に可溶である、またはサンプルに付随する水に可溶である、または前記装置に配置される前記サンプルに可溶である、いずれかの先行請求項に記載の装置。
【請求項34】
前記分離シートが、温度、光、またはそれらの組み合わせの変化によって活性化されるときに、前記装置内で、水に可溶である、または前記サンプルの水に可溶である、いずれかの先行請求項に記載の装置。
【請求項35】
前記分離シートが透明である、いずれかの先行請求項に記載の装置。
【請求項36】
前記分離シートが不透明である、いずれかの先行請求項に記載の装置。
【請求項37】
前記分離シートが疎水面を有する、いずれかの先行請求項に記載の装置。
【請求項38】
前記分離シートが、
中間値及び範囲を含む、5um、10um、20um、30um、50um、100um、200um、300um、500umの、430厚
を有する、いずれかの先行請求項に記載の装置。
【請求項39】
前記分離シートの前記材料が、ガラス、金属、ガラスマイクロファイバー、酢酸セルロース、コットンリンター、セルロース、ポリエチレン、紙、木質繊維、再生新聞紙、植物質、再生布、ウエス、セルロース繊維類(植物、木、木材パルプ、米、水生植物、綿由来の)、またはそれらの組み合わせから選択される、いずれかの先行請求項に記載の装置。
【請求項40】
第一プレート、第二プレート、スペーサー、及び液体試薬保管位置
を含む、前記液体試薬保管位置によってサンプルをアッセイするための装置であって、
i.前記第一プレート及び前記第二プレートが、互いに対して異なる構成に可動であり、
ii.一方または両方のプレートが可撓性であり、
iii.前記スペーサーが、前記第一プレートの内面に固定され、所定の均一な高さを有し、
iv.前記液体試薬保管位置が、前記第一プレート、前記第二プレート、またはその両方の上にあり、
前記異なる構成の1つが開構成であり、前記開構成では、前記プレートが、部分的にまたは全体的に離隔され、前記プレート間の間隔が前記スペーサーによって調節されず、前記サンプルが一方または両方のプレートの上に配置され、
前記異なる構成の1つが、前記開構成での前記サンプルの配置後に構成される閉構成であり、前記閉構成では、前記配置したサンプルの少なくとも一部分が前記2つのプレートによって連続層へと圧縮される、
前記装置。
【請求項41】
前記液体試薬保管位置が、前記プレートの一方または両方の上の複数のウェルであり、
前記ウェル内に保管された任意の液体試薬が、前記第一プレートと前記第二プレートとの間のフィルムによって封止されている、
いずれかの先行方法請求項に記載の装置または方法。
【請求項42】
第一プレート、第二プレート、保管ウェル、シーリングフィルム、及び液体試薬
を含む、サンプルをアッセイするための装置であって、
(a)前記第一プレート及び前記第二プレートが、互いに対して異なる構成へと可動であり、前記異なる構成が、初期構成、開構成、または閉構成を含み、
(i)前記第一プレート及び前記第二プレートがそれぞれ、前記第一プレートと前記第二プレートとの間に配置した前記サンプルを接触させるためのサンプル接触領域を有する内面を含み、
(ii)前記第一プレートが1,000ミクロン以下の厚さを有し、
(b)前記保管ウェルが、250ミクロン未満の深さを有し、前記第二プレートの前記内面上にあり、
(c)前記シーリングフィルムが150um以下の厚さを有する可撓性シートであり、
前記初期構成では、前記液体試薬が実質的に前記保管ウェル内にあり、前記シーリングフィルムが、前記保管ウェルの開口部を覆って前記液体試薬を前記保管ウェル内側に保管するように構成され、
前記初期構成が、前記両方のプレートが前記シーリングフィルムと接触している構成であり、
前記開構成が、
前記第一プレート及び前記第二プレートが、部分的にまたは全体的に分離され、前記サンプルが、一方または両方のプレートの上に配置される、構成
であり、
前記閉構成が、(i)前記シーリングフィルムが、前記第一プレートと前記第二プレートとの間の空間から取り除かれ、(ii)前記サンプルの少なくとも一部分が、前記第一プレート及び前記第二プレートによって非常に均一な厚さの層へと圧縮され、前記プレートの前記内面によって制限される前記層の前記均一な厚さが、0.01〜200μmの範囲にある、構成、である、
前記装置。
【請求項43】
第一プレート、第二プレート、保管ウェル、シーリングフィルム、及び液体試薬
を含む、サンプルをアッセイするための装置であって、
(a)前記第一プレート及び前記第二プレートが、互いに対して異なる構成へと可動であり、前記異なる構成が、初期構成、開構成、または閉構成を含み、
(i)前記第一プレート及び前記第二プレートがそれぞれ、前記第一プレートと前記第二プレートとの間に配置した前記サンプルを接触させるためのサンプル接触領域を有する内面を含み、
(ii)前記第一プレートが1,000ミクロン以下の厚さを有し、
(b)前記保管ウェルが250ミクロン未満の深さを有し、前記第二プレートの前記内面上にあり、
(c)前記シーリングフィルムが150um以下の厚さを有する可撓性シートであり、
前記初期構成では、前記液体試薬が実質的に前記保管ウェル内にあり、前記シーリングフィルムが、前記保管ウェルの開口部を封止して前記液体試薬を前記保管ウェル内側に保管するように構成され、
前記初期構成が、前記両方のプレートが前記シーリングフィルムと接触している構成であり、
前記開構成が、
前記第一プレート及び前記第二プレートが、部分的にまたは全体的に分離され、前記サンプルが、一方または両方のプレートの上に配置される、構成
であり、
前記閉構成が、(i)前記サンプルの少なくとも一部分が、前記第一プレート及び前記第二プレートによって均一な厚さの層へと圧縮され、前記プレートの前記内面によって制限される前記層の前記均一な厚さが、0.01〜200μmの範囲にあり、(ii)前記シーリングフィルムが前記スペーサーによって破壊され、前記ウェルに保管されていた前記試薬を前記サンプルに放出する、構成、である、
前記装置。
【請求項44】
前記シーリングフィルムが分離シートである、いずれかの先行請求項に記載の装置。
【請求項45】
サンプル分析のための装置上に液体試薬を有するための方法であって、
(i)シーリングフィルムを有する、いずれかの先行請求項に記載の装置を取得する工程と、
(ii)前記第一プレートと前記第二プレートとの間の前記空間から前記シーリングフィルムを取り除く工程と、
(iii)前記装置が開構成にあるときに、分析用のサンプルを配置させる工程と、
(iv)前記ステップ(iii)の後、前記第一プレート及び前記第二プレートを閉構成へと閉じる工程であって、前記開構成中に配置された前記サンプルの少なくとも一部分が、前記第一プレート及び前記第二プレートによって非常に均一な厚さの層へと圧縮され、前記第一プレート及び前記第二プレートの前記内面によって制限される前記層の前記均一な厚さが、0.01〜200μmであり、前記液体試薬が前記サンプルに接触する、前記工程と
を含む、前記方法。
【請求項46】
スペーサーを有する可撓性第一プレートと、
保管ウェル、前記保管ウェル内の液体試薬、及び前記保管ウェル内の前記液体試薬を封止するためのシーリングフィルムを有する第二プレートと
を含む、サンプルをアッセイするための装置であって、
前記スペーサーが前記第一プレートと前記第二プレートとの間に間隔を提供して、前記サンプルが前記プレートのいずれかの内面上に配置された後に前記プレートが閉構成へと構成されるときには、均一な厚さを有するサンプル層を形成し、
前記プレートが合わせて圧縮されるときには、前記スペーサーが前記シーリングフィルムを穿刺して前記液体試薬を前記保管ウェルから放出させ、前記サンプルに接触させる、
前記装置。
【請求項47】
以下:
スペーサーを有する第一収集プレートであって、前記スペーサーが前記収集プレートの1つの表面に貼着されている、前記第一収集プレートと、
前記第一収集プレートの前記スペーサーの上のフィルタ部材と
を含む、複合サンプルの成分を分離させるための装置であって、
前記フィルタ部材が前記複合サンプルを含む液体を受容し、前記複合サンプルに加えられる圧縮力が、前記複合サンプル中の成分を、前記フィルタ部材と、前記第一収集プレートとに分離させる、
前記装置。
【請求項48】
前記圧縮力が、重力、遠心分離、人間の手、液圧プレス、圧縮空気の供給源、またはそれらの組み合わせによって提供される、前記フィルタ部材を有するいずれかの先行請求項に記載の装置。
【請求項49】
第二収集プレートをさらに含み、
前記第二収集プレートがスペーサーを有し、前記スペーサーが前記第二収集プレートの1つの表面に貼着されており、前記第二収集プレートの前記スペーサーが前記フィルタ部材に接触するように、前記第二収集プレートが前記フィルタ部材の上に置かれる、前記フィルタ部材を有するいずれかの先行請求項に記載の装置。
【請求項50】
より小さな成分が前記収集プレート内に収集され、より大きな成分が前記フィルタ部材に保持されるように、前記フィルタ部材が前記複合サンプル中の成分を分離させる、前記フィルタ部材を有するいずれかの先行請求項に記載の装置。
【請求項51】
前記フィルタ部材を有するいずれかの先行請求項に記載の装置内の複合サンプルを分離する方法であって、
前記フィルタ部材を前記複合サンプルと接触させる工程と、
少なくとも1つの収集プレートを有する前記装置の前記フィルタ部材上で、前記複合サンプルを圧縮して、前記複合サンプルの成分を分離させる工程と、
を含む、前記方法。
【請求項52】
以下:
第一収集プレートであって、前記収集プレートの1つの表面に貼着されているスペーサーを有し、前記スペーサーを有する前記収集プレートの前記表面上にコーティングされた試薬を有する、前記第一収集プレートと、
前記第一収集プレートの前記スペーサーの上に位置しているフィルタ部材であって、前記フィルタ部材が、前記スペーサーと接触している前記フィルタ部材の表面上に光学構造体を有する、前記フィルタ部材と
を含む、複合サンプルをアッセイするための装置であって、
前記フィルタ部材が、前記複合サンプルを含む液体を受容し、
前記複合サンプルに加えられた圧縮力が、前記複合サンプル内の成分を、前記フィルタ部材と前記第一収集プレートとに分離させ、
前記試薬コートが存在する場合、前記第一収集プレートに分離した成分に接触して、前記試薬と分析物との間に生成物を形成し、
前記光学構造体が前記試薬と前記分析物との間の前記生成物の検出を強化する、
前記装置。
【請求項53】
前記第一収集プレート上の前記試薬コートの代わりに光学構造体をさらに含む、前記フィルタ部材を有するいずれかの先行請求項に記載の装置。
【請求項54】
前記光学構造体が、光学プレート、光学コート、またはそれらの組み合わせから選択される、前記フィルタ部材を有するいずれかの先行請求項に記載の装置。
【請求項55】
前記圧縮力が、重力、遠心分離、人間の手、液圧プレス、圧縮空気の供給源、またはそれらの組み合わせによって提供される、前記フィルタ部材を有するいずれかの先行請求項に記載の装置。
【請求項56】
第一プレート、第二プレート、及び配置マーク
を含む、マークによって容易にされるサンプル分析のための装置であって、
前記第一プレート及び前記第二プレートが、互いに対して、開構成及び閉構成を含む異なる構成へと可動であり、
前記プレートのそれぞれが、分析されるサンプルを接触させるためのサンプル接触領域を有する内面を含み、
前記プレートのいずれか、または両方が、前記サンプルを配置させるための前記プレート上のおよその位置を示す前記配置マークを有し、
前記開構成では、前記プレートが、部分的にまたは全体的に離隔されており、前記プレートの前記サンプル接触領域間の平均間隔が300umを上回り、
前記閉構成では、前記第一プレート及び前記第二プレートが合わせて圧縮されて、前記サンプルを200μm以下の厚さの薄層へと挟み、
前記プレートが前記閉構成にあるときに、前記配置マークが前記サンプルの前記分析を容易にするように構成されている、
前記装置。
【請求項57】
第一プレート、第二プレート、及び圧縮マーク
を含む、マークによって容易にされるサンプル分析のための装置であって、
前記第一プレート及び前記第二プレートが、互いに対して、開構成及び閉構成を含む異なる構成へと可動であり、
前記プレートのそれぞれが、サンプルを接触させるためのサンプル接触領域を有する内面を含み、
前記プレートのいずれか、または両方が、前記閉構成への前記プレートの圧縮を開始するためのおよその位置を示す前記圧縮マークを有し、
前記開構成では、前記プレートが、部分的にまたは全体的に離隔されており、前記プレートの前記サンプル接触領域間の平均間隔が300umを上回り、
前記閉構成では、前記第一プレート及び前記第二プレートが合わせて圧縮されて、前記サンプルを200μm以下の厚さの薄層へと挟み、
前記プレートが前記閉構成にあるときに、前記圧縮マークが前記サンプルの前記分析を容易にするように構成されている、
前記装置。
【請求項58】
第一プレート、第二プレート、及び充填マーク
を含む、マークによって容易にされるサンプル分析のための装置であって、
前記第一プレート及び前記第二プレートが、互いに対して、開構成及び閉構成を含む異なる構成へと可動であり、
前記プレートのそれぞれが、サンプルを接触させるためのサンプル接触領域を有する内面を含み、
前記プレートのいずれか、または両方が、
前記プレートが前記閉構成にあるときに前記サンプルが充填される必要がある、およその領域、を示す前記充填マーク
を有し、
前記開構成では、前記プレートが、部分的にまたは全体的に離隔されており、前記プレートの前記サンプル接触領域間の平均間隔が300umを上回り、
前記閉構成では、前記第一プレート及び前記第二プレートが合わせて圧縮されて、前記サンプルを200μm以下の厚さの薄層へと挟み、
前記プレートが前記閉構成にあるときに、前記充填マークが、前記サンプルの前記分析を容易にするように構成されている、
前記装置。
【請求項59】
複合サンプルをアッセイするための方法であって、以下の工程:
(i)以下:
第一収集プレートであって、前記収集プレートの1つの表面に貼着されているスペーサーを有し、前記スペーサーを有する前記収集プレートの前記表面上にコーティングされた試薬を有する、前記第一収集プレートと、
前記第一収集プレートの前記スペーサーの上に位置しているフィルタ部材であって、前記フィルタ部材が前記スペーサーと接触している前記フィルタ部材の表面上に光学構造体を有する、前記フィルタ部材と、
を有する、いずれかの先行請求項に記載の装置を取得する工程と、
(ii)分析用のサンプルを前記フィルタ部材上に配置させる工程と、
(iii)前記フィルタ部材上の前記サンプルに圧縮力を提供し、前記複合サンプルを、前記フィルタ部材と、前記第一収集プレートとに分離させる工程と、
を含み、
前記試薬コートが存在する場合、前記第一収集プレートに分離した成分に接触して、前記試薬と分析物との間に生成物を形成し、
前記光学構造体が存在する場合、前記試薬と前記分析物との間の前記生成物の検出を強化する、
前記方法。
【請求項60】
配置マークによって容易にされるサンプル分析のための方法であって、
(i)前記配置マークを有する、いずれかの先行請求項に記載の装置を取得する工程であって、
前記第一プレート及び前記第二プレートが、互いに対して、開構成及び閉構成を含む異なる構成へと可動であり、
前記プレートのそれぞれが、分析されるサンプルを接触させるためのサンプル接触領域を有する内面を含み、
前記プレートのいずれか、または両方が、前記サンプルを配置させるための前記プレート上のおよその位置を示す前記配置マークを有する、前記工程と、
(ii)前記サンプルを前記配置マーク上に配置させる工程と、
(iii)前記プレートを圧縮する工程と
を含み、
前記開構成では、前記プレートが、部分的にまたは全体的に離隔されており、前記プレートの前記サンプル接触領域間の平均間隔が300umを上回り、
前記閉構成では、前記第一プレート及び前記第二プレートが合わせて圧縮されて、前記サンプルを200μm以下の厚さの薄層へと挟み、
前記プレートが前記閉構成にあるときに、前記配置マークが前記サンプルの前記分析を容易にするように構成されている、
前記方法。
【請求項61】
圧縮マークによって容易にされるサンプル分析のための方法であって、以下の工程:
(i)前記圧縮マークを有する、いずれかの先行請求項に記載の装置を取得する工程であって、
前記第一プレート及び前記第二プレートが、互いに対して、開構成及び閉構成を含む異なる構成へと可動であり、
前記プレートのそれぞれが、分析されるサンプルを接触させるためのサンプル接触領域を有する内面を含み、
前記プレートのいずれか、または両方が、前記サンプルの圧縮のための前記プレート上のおよその位置を示す前記圧縮マークを有する、前記工程と、
(ii)前記サンプル接触領域上に前記サンプルを配置させる工程と、
(iii)前記圧縮マーク上で前記プレートを圧縮する工程
を含み、
前記開構成では、前記プレートが、部分的にまたは全体的に離隔されており、前記プレートの前記サンプル接触領域間の平均間隔が300umを上回り、
前記閉構成では、前記第一プレート及び前記第二プレートが合わせて圧縮されて、前記サンプルを200μm以下の厚さの薄層へと挟み、
前記プレートが前記閉構成にあるときに、前記圧縮マークが前記サンプルの前記分析を容易にするように構成されている、
前記方法。
【請求項62】
充填マークによって容易にされるサンプル分析のための方法であって、以下の工程:
前記充填マークを有する、いずれかの先行請求項に記載の装置を取得する工程であって、
前記第一プレート及び前記第二プレートが、互いに対して、開構成及び閉構成を含む異なる構成へと可動であり、
前記プレートのそれぞれが、分析されるサンプルを接触させるためのサンプル接触領域を有する内面を含み、
前記プレートのいずれか、または両方が、前記サンプルを配置させるための前記プレート上のおよその位置及び量を示す前記充填マークを有する、前記工程と、
前記サンプルを、前記充填マークに近づけるように前記サンプル接触領域上に配置させる工程と、
前記プレートを圧縮する工程と
を含み、
前記開構成では、前記プレートが、部分的にまたは全体的に離隔されており、前記プレートの前記サンプル接触領域間の平均間隔が300umを上回り、
前記閉構成では、前記第一プレート及び前記第二プレートが合わせて圧縮されて、前記サンプルを200μm以下の厚さの薄層へと挟み、
前記プレートが前記閉構成にあるときに、前記充填マークが前記サンプルの前記分析を容易にするように構成されている、前記工程と
前記方法。
【請求項63】
前記配置マークまたは前記圧縮マーカーが、十字、星、小さな円、またはそれらの組み合わせの形状を含む、いずれかの先行請求項に記載の装置及び方法。
【請求項64】
前記充填マークが、円、正方形、三角形、多角形、またはそれらの組み合わせの形状を含む、いずれかの先行請求項に記載の装置及び方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年8月23日に出願された米国仮特許出願第62/722,169号の優先権の利益を主張するものであり、その内容の全体は、参照により依存され、本明細書に援用される。本明細書に記載されるいずれかの刊行物または特許文書の開示全体は、参照により援用される。
【0002】
分野
本開示は、生/化学サンプリング、感知、アッセイ及び応用の分野に関する。さらに特に、本発明の一態様は、2つのプレートを分離させる方法、ある特定の成分を複合液体サンプルから分離させ、その中にその成分のない液体サンプルを得る方法、及びサンプルを配置させる方法、ならびにアッセイを容易にするためのプレートの操作方法を含む、生/化学アッセイに関する。
【背景技術】
【0003】
背景
本発明は、複合液体サンプルから成分を分離する方法、特に、複合液体サンプルから成 分を分離するための装置及び方法に関する。いくつかの好ましい実施形態では、本発明の一態様は、特に、血漿分離のための装置及び方法に関する。従来、遠心分離は、ローターの速度と、媒体のサイズ、形状、密度、粘度に応じた成分の差異とに基づいて、複合液体サンプルから成分を分離するために使用される一般的な技法である。この方法は、手間がかかり、精巧な機器及び専門的な取り扱いが必要である。少量のサンプルには特に適していない。小型化された検査機器が迅速に開発され、商品化されている、ポイントオブケア環境及び個人健康管理では、少量のサンプルがますます望ましい。この分野での他の既存の技術は、マイクロ流体チャネルの使用を伴い、大量のサンプルの必要がなくなる。ただし、マイクロ流体チャネルの製造は、技術的に困難であり、費用効果にはほど遠い。いくつかの他の技術は、主に多孔質材料(濾紙など)またはガラス繊維から構成されるさまざまな濾材を、収容して支持する装置と組み合わせて利用する。このようなフィルタ方法は、通常、費用効果が高く、取り扱いが簡単であるが、さらなる分析または処理のために、濾過された生成物の放出または移送が必要になることが多い。
【発明の概要】
【0004】
概要
本発明の一態様は、装置の対向するプレート間に位置している分離シートを有するアッセイ装置を提供する。一方のプレートは非常に薄く、これらのプレートを開くために、他方のプレートから分離するのは難しい。分離シートは、以下の機能、(1)分離シートは両方のプレートで覆われていない延出部を有し、この延出部は2つのプレートの開口を容易にすることができる機能、及び(2)これらのプレートが近接しているときに分離シートが対向するプレートの直接接触を防止することで、これらのプレートがアッセイに使用されていないときに、一方のプレート上にコーティングされている1つの試薬が他方のプレートに接触しない機能、の一方または両方を提供する。
【0005】
本発明の別の態様は、装置の対向するプレート間に分離シートを有するアッセイ装置を提供し、これらのプレートの少なくとも1つは、このプレートの内面の一部分上に試薬層または試薬コートを有する。
【0006】
本発明のさらに別の態様は、装置の対向するプレート間に分離シートを有するアッセイ装置を提供し、これらのプレートの少なくとも1つは、保管または保持のための液体試薬用の保存構造体、例えば、ウェル、キャビティ、チャネル、ビア、または同様の構造体を有する。
【0007】
本発明のさらに別の態様は、装置の対向するプレートの一方または両方の上に液体試薬用の上記の保存構造体と、この保存構造体内に液体試薬を封止する、液体試薬用の保存構造体を有するプレートに貼着されたシーリングシートとを有するアッセイ装置を提供する。
【0008】
本発明の別の態様は、アッセイ装置を提供し、このアッセイ装置は、装置の一方のプレート上では液体試薬用の上記の保存構造体、液体試薬用の保存構造体を有するプレートに貼着されている不透過性シーリングシートを有し、対向する他方のプレートは、可撓性、弾力性、またはその両方であり、複数のスペーサー部材を有し、これら複数のスペーサー部材は、サンプル層の厚さ、及び穿刺構造体を制御するために、これらのプレート間に物理的なプレート分離及び空間または空隙の形成を提供し、この穿刺構造体は、これらのプレートが圧縮されるときにシーリングシートを刺す、または破裂させることができる。
【0009】
本発明のさらに別の態様は、第一プレートと、第二プレートと、これらのプレート間に物理的なプレート分離及び空間または空隙の形成を提供する、これらのプレートのそれぞれの内面に貼着されている複数のスペーサー部材と、第一及び第二プレートならびにそれらのそれぞれのスペーサー部材の間に位置している圧縮性多孔質部材とを提供し、この圧縮性多孔質部材を有するアッセイ装置を使用して、濾過またはサイズ排除などによって複合液体サンプル中に存在するより大きな成分からより小さな成分を分離することができる。
【0010】
いくつかの実施形態では、本発明は、分離シートが容易にするサンプル分析のための装置を提供する。このサンプル分析装置は、第一プレート、第二プレート、ヒンジ、及び分離シートを含み、(a)第一プレート及び第二プレートは、互いに対して異なる構成へと可動であり、この異なる構成は初期構成、開構成、または閉構成を含み、(i)各プレートはこれらのプレート間に配置したサンプルを接触させるためのサンプル接触領域を有する内面を含み、(ii)これらのプレートのうちの少なくとも1つは300um以下の厚さを有し、(iii)これらのプレートのうちの一方は初期構成では、ヒンジに連結された縁部を除く、そのすべての縁部を、他方のプレートの縁部の内側に有し、(b)ヒンジは第一プレート及び第二プレートに連結され、第一プレート及び第二プレートが異なる構成へとヒンジを中心に回転することを可能にするように、ヒンジが構成され、(c)分離シートは250um以下の厚さを有し、初期構成では、分離シートは2つのプレート間に挟装され、かつ2つのプレートと接触しており、分離シートはどのプレートにも覆われていない延出部を有し、分離シートの延出部は2つのプレートの分離を容易にするように構成され、開構成では、第一プレート及び第二プレートは、部分的にまたは全体的に分離され、サンプルはプレートの一方または両方の上のサンプル接触領域内に配置され、分離シートはプレートの一方または両方とのいかなる接触からも取り除かれ、閉構成では、配置したサンプルの少なくとも一部分は、2つのプレートによって薄層へと圧縮される。
【0011】
いくつかの実施形態では、本発明は、分離シートが容易にするサンプル分析のための装置を提供する。このサンプル分析装置は、第一プレート、第二プレート、ヒンジ、少なくとも1つの試薬、及び分離シートを含み、(a)第一プレート及び第二プレートは、互いに対して異なる構成へと可動であり、この異なる構成は初期構成、開構成、または閉構成を含み、(i)各プレートはこれらのプレート間に配置したサンプルを接触させるためのサンプル接触領域を有する内面を含み、(ii)第二プレートは300um以下の厚さを有し、(b)ヒンジは第一プレート及び第二プレートに連結され、第一プレート及び第二プレートが異なる構成へとヒンジを中心に回転することを可能にするように、ヒンジが構成され、(c)少なくとも1つの試薬は初期構成ではプレートのうちの少なくとも1つのサンプル接触領域上でコーティングされ、(d)分離シートは250um以下の厚さを有し、初期構成では、分離シートは2つのプレート間に挟装され、かつ2つのプレートに接触しており、分離シートは、初期構成では、一方のプレート上の少なくとも1つの試薬が他方のプレートに接触するのを減少させるかまたは防止するように構成され、開構成では、第一プレート及び第二プレートは、部分的にまたは全体的に分離され、サンプルはこれらのプレートの一方または両方の上のサンプル接触領域内に配置され、分離シートはこれらのプレートの一方または両方とのいかなる接触からも取り除かれ、閉構成では、配置したサンプルの少なくとも一部分は、2つのプレートによって非常に均一な厚さのサンプル層へと圧縮される。
【0012】
いくつかの実施形態において、装置は、初期構成では、これらのプレートのうちの少なくとも1つのサンプル接触領域上にコーティングされた少なくとも1つの試薬をさらに含み、分離シートは、初期構成では、少なくとも1つの試薬が他方のプレートに接触するのを減少させるかまたは防止する。
【0013】
いくつかの実施形態において、装置は、初期構成では、これらのプレートのうちの一方のサンプル接触領域上にコーティングされた少なくとも1つの試薬を、及び他方のプレート内のサンプル接触領域の対応する位置に少なくとも1つの他の試薬をさらに含み、分離シートは、初期構成では、少なくとも1つの試薬が他方のプレートのサンプル接触領域の対応する位置上の少なくとも1つの他の試薬と接触するのを減少させるかまたは防止する。
【0014】
いくつかの実施形態では、装置は、スペーサーをさらに含み、これらのスペーサーは、プレートのうちの少なくとも1つの内面に貼着され、プレートのうちの一方または両方のサンプル接触領域内にあるため、閉構成では、この層の均一な厚さは、これらのプレートの内面によって制限され、かつプレート及びスペーサーによって調節され、層の厚さは、0.01〜200μmである。
【0015】
いくつかの実施形態では、これらのプレートの少なくとも1つの上にコーティングされた少なくとも1つの試薬は、両方のプレートの上にコーティングされている。
【0016】
いくつかの実施形態では、分離シートは、少なくとも1つの試薬の有効期間を維持する、または少なくとも1つの試薬の化学的完全性を維持する、またはその両方である。
【0017】
いくつかの実施形態では、分離シートは、一方のプレート上の少なくとも1つの試薬が他方のプレートに接触するのを防止するように構成される。
【0018】
いくつかの実施形態では、分離シートは、第一プレート及び第二プレートの、初期構成から開構成への物理的分離を容易にする。
【0019】
いくつかの実施形態では、分離シートは、シート、繊維シート、ポリマー、ポリマーコート紙、またはそれらの組み合わせから選択される非多孔質材料から作製される。
【0020】
いくつかの実施形態では、分離シートは、ポリスチレン、PMMA、PC、COC、COP、またはそれらの組み合わせから選択される材料である。
【0021】
いくつかの実施形態では、ヒンジは、外力がこれらのプレートに加えられる前及び後(0度)に、第一プレートと第二プレートとの間に0〜180度の二面角を実質的に維持するように構成される。
【0022】
いくつかの実施形態において、初期構成では、第二プレートは、ヒンジに連結される1つの縁部を除く、すべての縁部を、第一プレートの対応する縁部の内側に有する。
【0023】
いくつかの実施形態において、初期構成では、第二プレートは、ヒンジに連結される1つの縁部を除く、少なくとも1つの縁部を第一プレートの対応する縁部の内側に有する。
【0024】
いくつかの実施形態において、初期構成では、分離シートは、少なくとも1つの縁部を有し、少なくとも1つの縁部は第一プレート及び第二プレートの対応する縁部を越えて延出する。
【0025】
いくつかの実施形態において、初期構成では、分離シートは、少なくとも1つの縁部を有し、少なくとも1つの縁部は第一プレート及び第二プレートの対応する縁部を越えて延出し、分離シートのサイズは、約0度の二面角を有する初期構成から約0度を上回る二面角を有する開構成への第一プレート及び第二プレートの開口または分離を容易にするように構成される。
【0026】
いくつかの実施形態では、本発明は、分離シートが容易にするサンプル分析のための装置を使用するための方法を提供し、この方法は、(i)分離シートを有する、いずれかの先行請求項に記載の装置を取得することと、(ii)分離シートを、第一プレートと第二プレートとの間の空間から取り除くことと、(iii)装置が開構成にあるときに分析用のサンプルを配置させることと、(iv)(iii)の後に2つのプレートを閉構成へと閉じることであって、サンプルの少なくとも一部分は開構成中に配置されている、閉じることと、(v)2つのプレートを合わせて押し付けることによって圧縮力を加えて、これらのプレートの内面によって制限される非常に均一な厚さの層を形成することと、を含む。
【0027】
いくつかの実施形態では、この方法は、サンプルを分析するステップ(vi)をさらに含む。
【0028】
いくつかの実施形態では、この方法は、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、イムノブロット分析、免疫蛍光アッセイ(IFA)、免疫組織化学的検査、免疫電子顕微鏡法(IEM)、または免疫発光によってサンプルを分析するステップ(vi)をさらに含む。
【0029】
いくつかの実施形態では、サンプルは、タンパク質、低分子、細胞、粒子、核酸、またはそれらの組み合わせから選択されるバイオマーカーを含む。
【0030】
いくつかの実施形態では、この方法は、圧縮力を除くステップ(v)をさらに含み、ステップ(v)では、ヒンジは第一プレートと第二プレートとの間に二面角を維持し、この二面角は圧縮力が除かれる前の二面角から、任意の中間値及び範囲を含む1〜30度である。
【0031】
いくつかの実施形態では、第一プレート及び第二プレートは、矩形平面部材を含む。
【0032】
いくつかの実施形態では、第一プレート及び第二プレートは、透明平面部材を含む。
【0033】
いくつかの実施形態では、閉構成にあるときに、第一プレート及び第二プレートは、それらの間に均一な間隙または空隙を含む。
【0034】
いくつかの実施形態では、サンプル接触領域は、第一プレートの内面上に配置される。
【0035】
いくつかの実施形態では、サンプル接触領域は、サンプルと接触するように構成された所定の領域を含み、このサンプルをその所定の領域に制限する。
【0036】
いくつかの実施形態では、分離シートは、液体、試薬、デブリ、またはそれらの組み合わせが分離シートを透過するのを防止するように構成された非多孔質材料を含む可撓性平面部材を備える。
【0037】
いくつかの実施形態では、分離シートは、少なくとも第一プレートまたは第二プレートの内面に取り外し可能に貼着可能であり、分離シートは、サンプル接触領域を保護して封入するように構成される。
【0038】
いくつかの実施形態では、分離シートは、第一プレート及び第二プレートのうちの少なくとも1つに取り外し可能に貼着するための接着剤を含む。
【0039】
いくつかの実施形態では、分離シートは、感圧接着剤または加圧活性化接着剤を含む。
【0040】
いくつかの実施形態では、接着剤はエラストマー化合物を含む。
【0041】
いくつかの実施形態では、接着剤は、アクリル類、バイオベースアクリル酸、ブチルゴム、エチレン酢酸ビニル(EVA)、スチレンブロックコポリマー類(SBC)、またはそれらの組み合わせからなる群から選択されるエラストマー化合物を含む。
【0042】
いくつかの実施形態では、分離シートは、水に可溶である、またはサンプルに関連する水に可溶である、または装置に配置されるサンプルに可溶である。
【0043】
いくつかの実施形態では、分離シートは、温度、光、またはそれらの組み合わせの変化によって活性化されるときに、装置内で、水に可溶である、またはサンプルの水に可溶である。
【0044】
いくつかの実施形態では、分離シートは透明である。
【0045】
いくつかの実施形態では、分離シートは不透明である。
【0046】
いくつかの実施形態では、分離シートは疎水面を有する。
【0047】
いくつかの実施形態では、分離シートは、
中間値及び範囲を含む、5um、10um、20um、30um、50um、100um、200um、300um、500umの、430厚
を有する。
【0048】
いくつかの実施形態では、分離シートの材料は、ガラス、金属、ガラスマイクロファイバー、酢酸セルロース、コットンリンター、セルロース、ポリエチレン、紙、木質繊維、再生新聞紙、植物質、再生布、ウエス、セルロース繊維類(植物、木、木材パルプ、米、水生植物、綿由来の)、またはそれらの組み合わせから選択される。
【0049】
いくつかの実施形態では、本発明は、液体試薬保管位置を用いてサンプルをアッセイするための装置を提供し、この装置は、第一プレート、第二プレート、スペーサー、及び液体試薬保管位置を含み、第一プレート及び第二プレートは、互いに対して異なる構成へと可動であり、一方または両方のプレートは可撓性であり、スペーサーは第一プレートの内面に固定され、所定の均一な高さを有し、液体試薬保管位置は第一プレート、第二プレート、またはその両方の上にあり、異なる構成のうちの1つは開構成であり、開構成ではプレートは、部分的にまたは全体的に離隔され、これらのプレート間の間隔はスペーサーによって調節されず、サンプルは一方または両方のプレート上に配置し、異なる構成のうちの1つは開構成中のサンプル配置後に構成される閉構成であり、閉構成では、配置したサンプルの少なくとも一部分は、2つのプレートによって連続層へと圧縮される。
【0050】
いくつかの実施形態では、液体試薬保管位置は、プレートの一方または両方の上の複数のウェルであり、ウェル内に保管された任意の液体試薬は、第一プレートと第二プレートとの間のフィルムによって封止されている。
【0051】
いくつかの実施形態では、本発明は、サンプルをアッセイするための装置を提供し、この装置は、第一プレート、第二プレート、保管ウェル、シーリングフィルム、及び液体試薬を含み、(a)第一プレート及び第二プレートは、互いに対して異なる構成へと可動であり、異なる構成は初期構成、開構成、または閉構成を含み、(i)第一プレート及び第二プレートはそれぞれ、第一プレートと第二プレートとの間に配置したサンプルを接触させるためのサンプル接触領域を有する内面を含み、(ii)第一プレートは1,000ミクロン以下の厚さを有し、(b)保管ウェルは250ミクロン未満の深さを有し、第二プレートの内面上にあり、(c)シーリングフィルムは150um以下の厚さを有する可撓性シートであり、初期構成では、液体試薬は実質的に保管ウェル内にあり、シーリングフィルムは、保管ウェルの開口部を覆って液体試薬を保管ウェル内側に保つように構成され、初期構成は両方のプレートがシーリングフィルムと接触している構成であり、開構成は、第一プレート及び第二プレートが、部分的にまたは全体的に分離する構成であり、閉構成は、(i)シーリングフィルムが第一プレートと第二プレートとの間の空間から取り除かれ、(ii)サンプルの少なくとも一部分が、第一プレート及び第二プレートによって非常に均一な厚さの層へと圧縮される、構成、であり、これらのプレートの内面によって制限される層の均一な厚さが0.01〜200μmの範囲にある。
【0052】
いくつかの実施形態では、本発明は、サンプルをアッセイするための装置を提供し、この装置は、第一プレート、第二プレート、保管ウェル、シーリングフィルム、及び液体試薬を含み、(a)第一プレート及び第二プレートは、互いに対して異なる構成へと可動であり、異なる構成は初期構成、開構成、または閉構成を含み、(i)第一プレート及び第二プレートはそれぞれ、第一プレートと第二プレートとの間に配置したサンプルを接触させるためのサンプル接触領域を有する内面を含み、(ii)第一プレートは1,000ミクロン以下の厚さを有し、(b)保管ウェルは250ミクロン未満の深さを有し、第二プレートの内面上にあり、(c)シーリングフィルムは150um以下の厚さを有する可撓性シートであり、初期構成では、液体試薬は実質的に保管ウェル内にあり、シーリングフィルムは保管ウェルの開口部を封止して液体試薬を保管ウェル内側に保つように構成され、初期構成は、両方のプレートがシーリングフィルムと接触している構成であり、開構成は、第一プレート及び第二プレートが、部分的にまたは全体的に分離される構成であり、サンプルは一方または両方のプレート上に配置され、閉構成は、(i)サンプルの少なくとも一部分が、第一プレート及び第二プレートによって均一な厚さの層へと圧縮され、これらのプレートの内面によって制限される層の均一な厚さが0.01〜200μmの範囲にあり、(ii)シーリングフィルムがスペーサーによって破裂して、ウェル内に保管される試薬をサンプルに放出する、構成、である。
【0053】
いくつかの実施形態では、シーリングフィルムは分離シートである。
【0054】
いくつかの実施形態では、本発明は、サンプル分析のための装置の上に液体試薬を有するための方法を提供し、この方法は、(i)シーリングフィルムを有する、いずれかの先行請求項に記載の装置を取得することと、(ii)シーリングフィルムを、第一プレートと第二プレートとの間の空間から取り除くことと、(iii)装置が開構成にあるときに分析用のサンプルを配置させることと、(iv)ステップ(iii)の後に第一プレート及び第二プレートを閉構成へと閉じることであって、開構成中に配置されたサンプルの少なくとも一部分は、第一プレート及び第二プレートによって非常に均一な厚さの層へと圧縮され、第一プレート及び第二プレートの内面によって制限される層の均一な厚さは0.01〜200μmであり、液体試薬はサンプルに接触する、閉じることと、を含む。
【0055】
いくつかの実施形態では、本発明は、サンプルをアッセイするための装置を提供し、この装置は、スペーサーを有する可撓性第一プレート、保管ウェルを有する第二プレート、保管ウェル内の液体試薬、及び保管ウェル内に液体試薬を封止するシーリングフィルムを含み、スペーサーは第一プレートと第二プレートとの間に間隔を提供して、サンプルがこれらのプレートのいずれかの内面上に配置した後にプレートが閉構成へと構成されるときには、均一な厚さを有するサンプル層を形成し、これらのプレートが合わせて圧縮されるときには、スペーサーはシーリングフィルムを穿刺して液体試薬を保管ウェルから放出させ、サンプルに接触させる。
【0056】
いくつかの実施形態では、本発明は、複合サンプルの成分を分離するための装置を提供し、この装置は、以下:スペーサーを有する第一収集プレートであって、スペーサーは収集プレートの1つの表面に貼着されている、第一収集プレートと、第一収集プレートのスペーサーの上のフィルタ部材と、を含み、このフィルタ部材は、複合サンプルを含む液体を受容し、複合サンプルに加えられた圧縮力は、複合サンプル中の成分を、フィルタ部材と第一収集プレートとに分離させる。
【0057】
いくつかの実施形態では、圧縮力は、重力、遠心分離、人間の手、液圧プレス、圧縮空気の供給源、またはそれらの組み合わせによって提供される。
【0058】
いくつかの実施形態では、装置は、第二収集プレートの1つの表面に貼着されているスペーサーを有する第二収集プレートをさらに含み、この第二収集プレートは、フィルタ部材の上に置かれるため、第二収集プレートのスペーサーは、フィルタ部材に接触する。
【0059】
いくつかの実施形態では、より小さな成分は収集プレート内に収集され、より大きな成分はフィルタ部材内に保持されるように、フィルタ部材は複合サンプル中の成分を分離する。
【0060】
いくつかの実施形態では、本発明は、フィルタ部材を有するいずれかの先行請求項に記載の装置内で複合サンプルを分離する方法を提供し、この方法は、フィルタ部材を複合サンプルと接触させることと、少なくとも1つの収集プレートを有する装置内でフィルタ部材上の複合サンプルを圧縮して、複合サンプルの成分を分離することとを含む。
【0061】
いくつかの実施形態では、本発明は、複合サンプルをアッセイするための装置を提供し、この装置は、第一収集プレートであって、この収集プレートの1つの表面に貼着されているスペーサーを有し、スペーサーを有する収集プレートのこの表面上にコーティングされた試薬を有する、第一収集プレートと、第一収集プレートのスペーサーの上に位置しているフィルタ部材であって、フィルタ部材がスペーサーと接触しているフィルタ部材の表面上に光学構造体を有する、フィルタ部材とを含み、このフィルタ部材は、複合サンプルを含む液体を受容し、複合サンプルに加えられた圧縮力は、複合サンプル中の成分を、フィルタ部材と第一収集プレートとに分離させ、試薬コートは、存在する場合、第一収集プレートに分離した成分に接触して、試薬と分析物との間に生成物を形成し、光学構造体は、試薬と分析物との間の生成物の検出を強化する。
【0062】
いくつかの実施形態では、装置は、第一収集プレート上の試薬コートの代わりに光学構造体をさらに含む。
【0063】
いくつかの実施形態では、光学構造体は、光学プレート、光学コート、またはそれらの組み合わせから選択される。
【0064】
いくつかの実施形態では、圧縮力は、重力、遠心分離、人間の手、液圧プレス、圧縮空気の供給源、またはそれらの組み合わせによって提供される。
【0065】
いくつかの実施形態では、本発明は、マークが容易にするサンプル分析のための装置を提供し、このサンプル分析装置は、第一プレート、第二プレート、及び配置マークを含み、第一プレート及び第二プレートは、互いに対して、開構成及び閉構成を含む異なる構成へと可動であり、これらのプレートのそれぞれは、分析されるサンプルを接触させるためのサンプル接触領域を有する内面を含み、これらのプレートのいずれか、または両方は、サンプルを配置させるためのプレート上のおよその位置を示す配置マークを有し、開構成では、これらのプレートは、部分的にまたは全体的に離隔され、これらのプレートのサンプル接触領域間の平均間隔は、300umを上回り、閉構成では、第一プレート及び第二プレートは、合わせて圧縮されて、サンプルを200μm以下の厚さの薄層へと挟み、これらのプレートが閉構成にあるときに、配置マークは、サンプルの分析を容易にするように構成される。
【0066】
いくつかの実施形態では、本発明は、マークが容易にするサンプル分析のための装置を提供し、このサンプル分析装置は、第一プレート、第二プレート、及び圧縮マークを含み、第一プレート及び第二プレートは、互いに対して、開構成及び閉構成を含む異なる構成へと可動であり、これらのプレートのそれぞれは、サンプルを接触させるためのサンプル接触領域を有する内面を含み、これらのプレートのいずれか、または両方は、これらのプレートの閉構成への圧縮を開始するためのおよその位置を示す圧縮マークを有し、開構成では、これらのプレートは、部分的にまたは全体的に離隔され、これらのプレートのサンプル接触領域間の平均間隔は、300umを上回り、閉構成では、第一プレート及び第二プレートは、合わせて圧縮されて、サンプルを200μm以下の厚さの薄層へと挟み、これらのプレートが閉構成にあるときに、圧縮マークは、サンプルの分析を容易にするように構成される。
【0067】
いくつかの実施形態では、本発明は、マークが容易にするサンプル分析のための装置を提供し、このサンプル分析装置は、第一プレート、第二プレート、及び充填マークを含み、第一プレート及び第二プレートは、互いに対して、開構成及び閉構成を含む異なる構成へと可動であり、これらのプレートのそれぞれは、サンプルを接触させるためのサンプル接触領域を有する内面を含み、これらのプレートのいずれか、または両方は、これらのプレートが閉構成にあるときにサンプルが充填する必要があるおよその領域を示す充填マークを有し、開構成では、これらのプレートは、部分的にまたは全体的に離隔され、これらのプレートのサンプル接触領域間の平均間隔は、300umを上回り、閉構成では、第一プレート及び第二プレートは、合わせて圧縮されて、サンプルを200μm以下の厚さの薄層へと挟み、これらのプレートが閉構成にあるときに、充填マークは、サンプルの分析を容易にするように構成される。
【0068】
いくつかの実施形態では、本発明は、複合サンプルをアッセイするための方法を提供し、この方法は、(i)第一収集プレートであって、この収集プレートの1つの表面に貼着されているスペーサーを有し、スペーサーを有する収集プレートのこの表面上にコーティングされた試薬を有する、第一収集プレートと、第一収集プレートのスペーサーの上に位置しているフィルタ部材であって、フィルタ部材がスペーサーと接触しているフィルタ部材の表面上に光学構造体を有する、フィルタ部材と、を有する、いずれかの先行請求項に記載の装置を取得すること、(ii)このフィルタ部材上に分析用のサンプルを配置させること、ならびに(iii)圧縮力をフィルタ部材上のサンプルに提供して、複合サンプルを、フィルタ部材と、第一収集プレートとに分離させることを含み、試薬コートは、存在する場合、第一収集プレートに分離した成分に接触して、試薬と分析物との間に生成物を形成し、光学構造体は、存在する場合、試薬と分析物との間の生成物の検出を強化する。
【0069】
いくつかの実施形態では、本発明は、配置マークが容易にするサンプル分析のための方法を提供し、このサンプル分析方法は、(i)配置マークを有する、いずれかの先行請求項に記載の装置を取得することであって、第一プレート及び第二プレートは、互いに対して、開構成及び閉構成を含む異なる構成へと可動であり、これらのプレートのそれぞれは、分析されるサンプルを接触させるためのサンプル接触領域を有する内面を含み、これらのプレートのいずれか、または両方は、サンプルを配置させるためのプレート上のおよその位置を示す配置マークを有する、取得することと、(ii)サンプルを配置マーク上で配置させることと、(iii)これらのプレートを圧縮することであって、開構成では、これらのプレートは、部分的にまたは全体的に離隔され、これらのプレートのサンプル接触領域間の平均間隔は300umを上回り、閉構成では、第一プレート及び第二プレートは合わせて圧縮されて、サンプルを200μm以下の厚さの薄層内へと挟み、これらのプレートが閉構成にあるときに、配置マークはサンプルの分析を容易にするように構成される、圧縮することとを含む。
【0070】
いくつかの実施形態では、本発明は、圧縮マークが容易にするサンプル分析のための方法を提供し、このサンプル分析方法は、(i)圧縮マークを有する、いずれかの先行請求項に記載の装置を取得することであって、第一プレート及び第二プレートは、互いに対して、開構成及び閉構成を含む異なる構成へと可動であり、これらのプレートのそれぞれは、分析されるサンプルを接触させるためのサンプル接触領域を有する内面を含み、これらのプレートのいずれか、または両方は、サンプルの圧縮のためのプレート上のおよその位置を示す圧縮マークを有する、取得することと、(ii)サンプルをサンプル接触領域上に配置させることと、(iii)これらのプレートを圧縮マーク上で圧縮することであって、開構成では、これらのプレートは、部分的にまたは全体的に離隔され、これらのプレートのサンプル接触領域間の平均間隔は300umを上回り、閉構成では、第一プレート及び第二プレートは合わせて圧縮されて、サンプルを200μm以下の厚さの薄層へと挟み、これらのプレートが閉構成にあるときに、圧縮マークはサンプルの分析を容易にするように構成される、圧縮することとを含む。
【0071】
いくつかの実施形態では、本発明は、充填マークが容易にするサンプル分析のための方法を提供し、このサンプル分析方法は、充填マークを有する、いずれかの先行請求項に記載の装置を取得することであって、第一プレート及び第二プレートは、互いに対して、開構成及び閉構成を含む異なる構成へと可動であり、これらのプレートのそれぞれは、分析されるサンプルを接触させるためのサンプル接触領域を有する内面を含み、これらのプレートのいずれか、または両方は、サンプルを配置させるためのプレート上のおよその位置及び量を示す充填マークを有する、取得することと、充填マークに近づけるようにサンプル接触領域上にサンプルを配置させることと、これらのプレートを圧縮することであって、開構成では、これらのプレートは、部分的にまたは全体的に離隔され、これらのプレートのサンプル接触領域間の平均間隔は300umを上回り、閉構成では、第一プレート及び第二プレートは合わせて圧縮されて、サンプルを200μm以下の厚さの薄層へと挟み、これらのプレートが閉構成にあるときに、充填マークはサンプルの分析を容易にするように構成される、圧縮することとを含む。
【0072】
いくつかの実施形態では、配置マークまたは圧縮マーカーは、十字、星、小さな円、またはそれらの組み合わせの形状を含む。
【0073】
いくつかの実施形態では、充填マークは、円、正方形、三角形、多角形、またはそれらの組み合わせの形状を含む。
【図面の簡単な説明】
【0074】
図面は、本教示の範囲をいかようにも限定することを意図するものではない。図面は縮尺どおりである場合とそうでない場合がある。図面は、本発明の一態様の1つ以上の実施形態を示す。
【0075】
図1】プレート分離シートを備えるアッセイ装置の概略図を示す。パネル(a)は、開構成でのアッセイ装置の斜視図を示す。パネル(b)は、閉構成でのアッセイ装置の斜視図を示す。パネル(c)は、パネル(b)のアッセイ装置の断面図を示す。
図2】QMAXカードでの液体試薬保管の概略図を示す。
図3】複合液体サンプルから成分を分離するための装置及び方法の例示的な実施形態を概略的に示す。
図4】液体分離からの分析物分離のための例示的な方法についてのフローチャートである。
図5】血漿分離に使用した場合の装置のさまざまな実験構成に起因した、濾過された生成物の代表的な画像を示す。
図6】実験用濾過装置からの濾過された生成物をアッセイサンプルとして、そしてQMAX装置をアッセイ装置として使用するトリグリセリド(TG)アッセイの結果を示す。
図7】濾過、アッセイ、及び読み取り装置の例の概略図を示す。
図8】撮像に基づいた不完全性除去及び参照方法の一例を示す。
図9】開構成での圧縮オープンフロー(COF)を使用するサンプル分析のための装置の概略図を示す(対向するプレートを連結する任意選択のヒンジは示されていない)。
図10】圧縮オープンフロー(COF)を使用するサンプル分析のための装置の概略図を示す。パネル(a)は、カメラを備える閉構成でのCOF装置の側面図を示す。パネル(b)は、外部プレートの表面上の内部サンプル接触領域(点線)及び配置マーク(「+」)を示す、パネル(a)内のCOF装置の上面図を示す。パネル(c)は、カメラ真下に置かれている第一プレート上に配置マーク(「+」)を有するCOF装置の上面図を示す。パネル(d)は、圧縮マークを有するパネル(c)のCOF装置の上面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0076】
詳細な説明
以下の詳細な説明は、制限としてではなく、例として本発明のいくつかの実施形態を説明するものである。本明細書で使用される節の見出し及びいずれかの副題は、構成目的のみのためのものであり、記載される発明の主題をいかようにも限定するものと解釈されるべきではない。節の見出し及び/または副題の下の内容は、節の見出し及び/または副題に限定されないが、本発明の説明全体に適用される。
【0077】
いくつかの実施形態では、「配置マーク」は「圧縮マーク」として使用されることができ、逆もまた同様である。
【0078】
A.分離シート及び液体ストレージを備えたアッセイ装置
ここで図1を参照して、2つのプレートを含むアッセイ装置の斜視図が示されており、これら2つのプレートは、互いに対して、それぞれ開構成及び閉構成に可動である。本発明の一態様は、アッセイ装置のサンプル接触領域の混入を防止し、その開口を容易にするように構成されたプレート分離シートを含むアッセイ装置を提供する。アッセイ装置は、第一プレート、第二プレート、サンプル接触領域、及びプレート分離シートを含む。第一プレート及び第二プレートは、互いに対して、開構成と閉構成との間で動くように構成される。開構成では、第一プレート及び第二プレートは、互いから部分的に、または完全に分離される。閉構成では、第一プレート及び第二プレートは、互いから分離されていない、または合わせて圧縮される。閉構成では、第一プレート及び第二プレートは、それらの間に小さな間隙を含む。一実施形態では、間隙は均一である。別の実施形態では、間隙は不均一である。
【0079】
第一プレート及び第二プレートは、内面、外面、及び周縁部を含む。一実施形態では、第一プレート及び第二プレートは、それらのそれぞれの周縁部に沿った一部分に枢動可能に連結されることができる。別の実施形態では、第一プレート及び第二プレートは、それらのそれぞれの周縁部の一部分を内部連結するヒンジを介してヒンジ連結される。さらに別の実施形態では、第二プレートの周縁部は、第一プレートの内面にヒンジ連結される。代替の実施形態では、第一プレート及び第二プレートは、リビングヒンジを介してヒンジ連結される。代替の実施形態では、第一プレート及び第二プレートは、連結されておらず、むしろそれらは、アッセイ装置の取り付けられていない構成要素である。
【0080】
サンプル接触領域は、その上にサンプルを受容し、収容するように構成される。サンプル接触領域は、第一プレートまたは第二プレートのうちの少なくとも1つの内面上に配置される。一実施形態では、サンプル接触領域は、図1によって示されるように、第一プレートの内面上に配置される。別の実施形態では、サンプル接触領域は、第二プレートの内面上に配置される。代替の実施形態では、サンプル接触領域は、第一プレート及び第二プレートの内面のそれぞれの上に配置される。一実施形態では、サンプル接触領域は、図1によって示されるように、凹部を含み、この凹部は、アッセイ装置が閉構成にあるときにサンプル接触領域内のその上に配置されるサンプルを受容し、制限するように構成された所定の領域を含む。
【0081】
一実施形態では、アッセイ装置は、閉構成にあるときに第一プレートと第二プレートとの間に形成される間隙を調節するように構成された1つ以上のスペーサーを含む。1つ以上のスペーサーは、第一プレート及び第二プレートが閉構成にあるときに、第一プレートと第二プレートとの間に形成される間隙を調節するように構成された高さ、及びスペーサー間距離を含む。一実施形態では、1つ以上のスペーサーは、均一な高さ、及び一定の均一なスペーサー間距離をそれぞれ含む。別の実施形態では、1つ以上のスペーサーは、不均一な垂直高さ、及び一定ではない均一なスペーサー間距離を含む。一実施形態では、1つ以上のスペーサーは、第一プレートの内面上に配置される。別の実施形態では、1つ以上のスペーサーは、第二プレートの内面上に配置される。さらに別の実施形態では、1つ以上のスペーサーは、第一プレート及び第二プレートの内面の両方の上に配置される。一実施形態では、1つ以上のスペーサーは、サンプル接触領域上に配置される。一実施形態では、1つ以上のスペーサーは、それらが配置される内面に対して外向きに突出する。別の実施形態では、1つ以上のスペーサーは、それらが配置される内面に対して垂直に外向きに突出する。別の実施形態では、1つ以上のスペーサーは、ピラー形状を画定する平面の上面を含む直立した円筒体を含む。動作中、1つ以上のスペーサーは、サンプル接触領域全体にわたるサンプルの拡散を調節することによって、サンプル接触領域内に配置されるサンプルの均一性を制御する。
【0082】
一実施形態では、試薬は、図1のパネル(a)によって示されるように、アッセイ装置の第二プレートの内面上に配置されることができる。試薬は、サンプル接触領域上へのサンプルの配置後にサンプルと混合され、サンプル内の標的バイオマーカーの検出を支援するための所望の反応を引き起こすように構成される。
【0083】
プレート分離シートは、その上へのサンプルの配置前に、デブリ、試薬、及び/または他の混入物によるその混入を防止することによって、サンプル接触領域を保護するように構成されることができる。プレート分離シートは、図1のパネル(b)に示されるように、閉構成にあるときに第一プレートと第二プレートとの間に位置決めされる(すなわち、図9を参照して、二面角シータ(θ)が0を上回り、図1のパネル(b)ではθが約0度である)ように、第一プレートと第二プレートとの間に配置される。一実施形態では、プレート分離シートは、第一プレートの内面に取り外し可能に貼着可能である、可撓性の平面膜または部材を含む。図1によって示されるように、プレート分離シートは、第一プレートの内面に貼着されているときには、その下のサンプル接触領域を封入している。このようにして、サンプル接触領域は、デブリから保護され、使用者は、アッセイ装置を用いるときに、第一プレートからプレート分離シートを簡単に取り外して、サンプル接触領域にアクセスすることができる。一実施形態では、プレート分離シートは、図1のパネル(a)によって示されるように、感圧接着剤または加圧活性化接着剤、すなわち、アクリル類、バイオベースアクリル酸、ブチルゴム、エチレン酢酸ビニル(EVA)、スチレンブロックコポリマー類(SBC)を含むエラストマー化合物のような接着材料(図示せず)を、プレート分離シートを第一プレートの内面に取り外し可能に貼着するために含む。別の実施形態では、プレート分離シートは、不透過性膜を含み、この不透過性膜は、それを通って、液体及びデブリがサンプル接触領域上に透過するのを防止し、それらの混入を防止するように構成される。さらに別の実施形態では、プレート分離シートは、非多孔質膜を含み、この非多孔質膜は、そこを通って、サンプル接触領域上に液体及びデブリが透過するのを防止するように構成される。
【0084】
一実施形態では、プレート分離シートは、第二プレートの内面に取り外し可能に貼着可能であることにより、その下に試薬を封入することができる。このようにして、プレート分離シートは、その上へのサンプルの配置の前に、試薬がサンプル接触領域に移動するのを防止することによって、第一プレートのサンプル接触領域を保護する。サンプル接触領域上へのサンプルの配置後、プレート分離シートを第二プレートから除去することができることにより、アッセイ装置を閉構成へと閉じるときに、試薬をサンプル接触領域上に配置したサンプルと混合することを可能にする。
【0085】
一実施形態では、プレート分離シートは、アッセイ装置の開口、または第一プレート及び第二プレートは、互いに対して、開構成への分離を容易にするように構成される。プレート分離シートは、閉構成にあるときに、アッセイ装置の周縁部に関して外向きに突出する。図示された実施形態では、プレート分離シートは、第一プレートの前面の周縁部を越えて延出することにより、開構成及び/または閉構成にあるとき、第一プレートから外向きに突出する。アッセイ装置が閉構成にあるとき、プレート分離シートは、アッセイ装置の第一プレート及び第二プレートから外向きに突出する。このようにして、プレート分離シートは、把持可能部を提供し、この把持可能部を使用者が把持して持ち上げ、第一プレート及び第二プレートを互いから分離させ、アッセイ装置を開くことができる。別の実施形態では、プレート分離シートは、互いにヒンジ連結される第一プレート及び第二プレートの縁部を除いて、第一プレート及び第二プレートのいずれかのすべての周縁部を越えて外向きに延出する。このようにして、プレート分離シートは、アッセイ装置の1つより多い縁部から外向きに突出することによって、より大きな把持可能部を提供し、プレート分離シートでは、この把持可能部を使用者が把持してアッセイ装置を開くことができる。
【0086】
「プレート分離シート」及び「分離シート」という用語は交換可能である。
【0087】
A1.第一プレート、第二プレート、分離シート、及びヒンジを含む、サンプル分析のための装置であって、
(a)前記第一プレート及び前記第二プレートは、互いに対して異なる構成へと可動であり、前記異なる構成が初期構成、開構成、または閉構成を含み、
(i)各プレートは、前記プレート間に配置されるサンプルを接触させるためのサンプル接触領域を有する内面を含み、
(ii)前記第二プレートは300um以下の厚さを有し、
(b)前記ヒンジは前記第一プレート及び前記第二プレートを連結し、前記第一プレート及び前記第二プレートが異なる構成へと前記ヒンジを中心に回転することを可能にするように、前記ヒンジが構成され、
(c)前記分離シートは250um以下の厚さを有し、前記分離シートは前記初期構成では、前記第一プレートと前記第二プレートとの間に置かれ、
前記初期構成は前記第一プレート及び前記第二プレートが前記分離シートと接触している構成であり、
前記開構成は前記第一プレート及び前記第二プレートが、部分的にまたは全体的に分離され、前記サンプルは前記プレートの一方または両方の上に配置され、
前記閉構成は(i)前記分離シートが、前記2つのプレート間の空間から取り除かれ、(ii)前記サンプルの少なくとも一部分が前記2つのプレートによって非常に均一な厚さの層へと圧縮され、前記層の前記均一な厚さが前記プレートの前記内面によって制限され、0.01〜200μmの範囲にある、前記サンプル分析装置。
【0088】
A2−1.一方または両方のプレートの前記サンプル接触領域上にスペーサーをさらに含み、前記閉構成では、前記層の前記均一な厚さは、前記プレートの前記内面によって制限され、かつ前記プレート及び前記スペーサーによって調節され、0.01〜200μmの範囲にある、いずれかの先行実施形態に記載の装置。
【0089】
A2−2.前記ヒンジは、角度を自己維持するように構成され、前記プレートを初期角度(約0度の二面角シータ)から別の角度(0度を上回る二面角シータ)へと移動させる外力が前記プレートから除去された後、前記ヒンジは一定の角度を実質的に維持する、いずれかの先行実施形態に記載の装置。
【0090】
A3−1.前記初期構成では、前記第二プレートは、前記ヒンジに連結される前記縁部ではない、すべての縁部を、前記第一プレートの対応する縁部の内側に有する、いずれかの先行実施形態に記載の装置。
【0091】
A3−2.前記初期構成では、前記第二プレートは、前記ヒンジに連結される前記縁部ではない、少なくとも1つの縁部を前記第一プレートの対応する縁部の内側に有する、いずれかの先行実施形態に記載の装置。
【0092】
A4−1.前記初期構成では、前記分離シートは、少なくとも1つの縁部を有する、前記少なくとも1つの縁部は前記第一プレート及び前記第二プレートの前記対応する縁部を越えて延出する、いずれかの先行実施形態に記載の装置。
【0093】
A4−2.前記初期構成では、前記分離シートは、前記少なくとも1つの縁部を有する、前記少なくとも1つの縁部は前記第一プレート及び前記第二プレートの前記対応する縁部を越えて延出し、前記分離シートのサイズは、前記初期構成から前記開構成への前記第一プレートと前記第二プレートとの間の開口を容易にするように構成されている、いずれかの先行実施形態に記載の装置。
【0094】
A5−1.前記プレートのうちの一方の前記内面上にコーティングされた少なくとも1つの試薬をさらに含み、前記初期構成では、前記分離シートは前記一方のプレート上の前記少なくとも1つの試薬が他方のプレートに接触するのを防止するように構成されている、いずれかの先行実施形態に記載の装置。
【0095】
A5−2.前記プレートの前記内面のそれぞれの上にコーティングされた少なくとも1つの試薬をさらに含み、前記初期構成では、前記分離シートは、一方のプレート上の前記少なくとも1つの試薬が他方のプレート上にコーティングされた前記試薬に接触するのを防止するように構成されている、いずれかの先行実施形態に記載の装置。
【0096】
AM1.サンプル分析装置を使用するための方法であって、
(i)いずれかの先行実施形態に記載の装置を取得することと、
(ii)前記分離シートを、前記第一プレートと前記第二プレートとの間の前記空間から取り除くことと、
(iii)前記装置が開構成にあるときに、分析用のサンプルを配置させることと、
(iv)前記(iii)の後、前記2つのプレートを閉構成へと閉じることであって、前記開構成中に配置された前記サンプルの少なくとも一部分は、前記2つのプレートによって非常に均一な厚さの層へと圧縮され、前記層の前記均一な厚さは、前記プレートの前記内面によって制限され、0.01〜200μmの範囲にある、前記閉じることと、
を含む、前記方法。
【0097】
AM2−1.前記サンプルを分析するステップをさらに含む、いずれかの先行実施形態に記載の方法。
【0098】
AM2−2.前記分析ステップは、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、イムノブロット分析、免疫蛍光アッセイ(IFA)、免疫組織化学的検査、免疫電子顕微鏡法(IEM)、または免疫発光によって実行される、いずれかの先行実施形態に記載の方法。
【0099】
AM3.前記分析ステップは、前記サンプル中のバイオマーカーを測定し、前記バイオマーカーは、タンパク質、低分子、細胞、粒子、核酸、またはそれらの組み合わせである、いずれかの先行実施形態に記載の方法。
【0100】
Ax.前記外力が除かれた後、前記ヒンジは、前記第一プレートと前記第二プレートとの間に一定の角度を維持し、前記一定の角度は前記外力が除かれる前の前記角度から5度以内である、実施形態A2−2に記載の装置。
【0101】
A4.前記外力が除かれた後、前記ヒンジは、前記第一プレートと前記第二プレートとの間に一定の角度を維持し、前記一定の角度は前記外力が除かれる前の前記角度から10度以内である、実施形態A2−2に記載の装置。
【0102】
A5.前記外力が除かれた後、前記ヒンジは、前記第一プレートと前記第二プレートとの間に一定の角度を維持し、前記一定の角度は前記外力が除かれる前の前記角度から20度以内である、実施形態A2−2に記載の装置。
【0103】
A6.前記外力が除かれた後、前記ヒンジは、前記第一プレートと前記第二プレートとの間に一定の角度を維持し、前記一定の角度は前記外力が除かれる前の前記角度から30度以内である、実施形態A2−2に記載の装置。
【0104】
例示的な実施形態
1)第一プレート及び第二プレートを含むQMAXカードであって、前記第一プレート及び前記第二プレートは、互いに対して、開構成と閉構成との間で移動するように構成されている、前記QMAXカードと、
前記第一プレート及び前記第二プレートのうちの少なくとも1つの内面上に配置されるサンプル接触領域であって、前記サンプル接触領域はその上にサンプルを受容するように構成されている、前記サンプル接触領域と、
前記第一プレートと前記第二プレートとの間に配置されるプレート分離シートであって、前記プレート分離シートはアッセイ装置の前記サンプル接触領域を混入から保護するように構成され、前記プレート分離シートは、前記第一プレート及び前記第二プレートの前記開構成への前記分離を容易にするように構成されている、前記プレート分離シートと、
を含む、アッセイ装置。
【0105】
2)第一プレート及び第二プレートを含むQMAXカードであって、前記第一プレート及び前記第二プレートは、互いに対して、開構成と閉構成との間で移動するように構成されている、前記QMAXカードと、
前記第一プレートの内面上に配置されるサンプル接触領域であって、前記サンプル接触領域はその上にサンプルを受容するように構成されている、前記サンプル接触領域と、
前記第一プレートと前記第二プレートとの間に配置されるプレート分離シートであって、前記プレート分離シートはアッセイ装置の前記サンプル接触領域を混入から保護するように構成され、
前記プレート分離シートは前記閉構成にあるときに、前記アッセイ装置の周縁部に関して外向きに突出し、
前記プレート分離シートは、前記第一プレート及び前記第二プレートの前記開構成への前記分離を容易にするように構成されている、前記プレート分離シートと、
を含む、アッセイ装置。
【0106】
3)互いに対して、開構成と閉構成との間で移動するように構成された、第一プレート及び第二プレートと、
前記第一プレートの内面上に配置されるサンプル接触領域であって、前記サンプル接触領域はその上にサンプルを受容するように構成されている、前記サンプル接触領域と、
前記第一プレートと前記第二プレートとの間に配置されるプレート分離シートであって、前記プレート分離シートはアッセイ装置の前記サンプル接触領域を混入から保護するように構成され、
前記プレート分離シートは前記閉構成にあるときに、前記アッセイ装置の周縁部に関して外向きに突出し、
前記プレート分離シートは、前記第一プレート及び前記第二プレートの前記開構成への前記分離を容易にするように構成されている、前記プレート分離シートと、
を含む、アッセイ装置。
【0107】
4)互いに対して、開構成と閉構成との間で移動するように構成された、第一プレート及び第二プレートと、
前記第一プレートの内面上に配置されるサンプル接触領域であって、前記サンプル接触領域はその上にサンプルを受容するように構成されている、前記サンプル接触領域と、
前記第二プレートの前記内面上に配置される試薬であって、前記試薬は、前記閉構成では前記サンプル接触領域上に配置されるサンプルと反応するように構成されている、前記試薬と、
前記第一プレートと前記第二プレートとの間に配置されるプレート分離シートであって、前記プレート分離シートは、前記サンプルが前記サンプル接触領域上に配置される前にアッセイ装置の前記サンプル接触領域を前記試薬による混入から保護するように構成され、
前記プレート分離シートは前記閉構成にあるときに、前記アッセイ装置の周縁部に関して外向きに突出し、
前記プレート分離シートは、前記第一プレート及び前記第二プレートの前記開構成への前記分離を容易にするように構成されている、前記プレート分離シートと、
を含む、アッセイ装置。
【0108】
5)前記第一プレートか、前記第二プレートか、前記第一プレート及び前記第二プレートの両方かいずれかの前記内面上に配置される1つ以上のスペーサーをさらに含む、いずれかの先行実施形態に記載のアッセイ装置。
【0109】
6)前記第一プレート及び前記第二プレートが前記閉構成にあるときに、前記1つ以上のスペーサーは、前記第一プレートか前記第二プレートかいずれかの上に配置される較正材料の厚さを調節するように構成されている、いずれかの先行実施形態に記載のアッセイ装置。
【0110】
7)前記1つ以上のスペーサーは、それらが配置される前記内面に関して垂直に外向きに突出する、いずれかの先行実施形態に記載のアッセイ装置。
【0111】
8)前記1つ以上のスペーサーは、前記第一プレート及び前記第二プレートが前記閉構成にあるときに、前記第一プレートと前記第二プレートとの間に形成される空間の領域を調節するように構成されている、高さ及びスペーサー間距離を含む、いずれかの先行実施形態に記載のアッセイ装置。
【0112】
9)前記1つ以上のスペーサーは、均一な高さ、及び一定の均一なスペーサー間距離を含む、いずれかの先行実施形態に記載のアッセイ装置。
【0113】
10)前記第一プレート及び前記第二プレートは、枢動可能に連結される、いずれかの先行実施形態に記載のアッセイ装置。
【0114】
11)前記第一プレート及び前記第二プレートは、矩形平面部材を含む、いずれかの先行実施形態に記載のアッセイ装置。
【0115】
12)前記第一プレート及び前記第二プレートは、透明平面部材を含む、いずれかの先行実施形態に記載のアッセイ装置。
【0116】
13)前記第一プレート及び前記第二プレートは、前記閉構成にあるときに、それらの間に均一な間隙または空隙を含む、いずれかの先行実施形態に記載のアッセイ装置。
【0117】
14)前記サンプル接触領域は、前記第一プレートの前記内面上に配置される、いずれかの先行実施形態に記載のアッセイ装置。
【0118】
15)前記サンプル接触領域は、サンプルと接触するように構成された所定の領域を含み、前記サンプルを前記所定の領域に制限する、いずれかの先行実施形態に記載のアッセイ装置。
【0119】
16)前記プレート分離シートは、液体及びデブリがそこを通って透過するのを防止するように構成された非多孔質材料を含む可撓性平面部材を含む、いずれかの先行実施形態に記載のアッセイ装置。
【0120】
17)前記プレート分離シートは、液体及びデブリがそこを通って移動するのを防止するように構成された不透過性膜を含む可撓性平面部材を含む、いずれかの先行実施形態に記載のアッセイ装置。
【0121】
18)前記プレート分離シートは、少なくとも前記第一プレートまたは前記第二プレートの前記内面に取り外し可能に貼着可能であり、前記プレート分離シートは、その下の前記サンプル接触領域を封入するように構成されている、いずれかの先行実施形態に記載のアッセイ装置。
【0122】
19)前記プレート分離シートは、前記第一プレートの前記内面に取り外し可能に貼着可能である、いずれかの先行実施形態に記載のアッセイ装置。
【0123】
20)前記プレート分離シートは、前記第二プレートの前記内面に取り外し可能に貼着可能であり、その下に前記試薬を封入するように構成されている、いずれかの先行実施形態に記載のアッセイ装置。
【0124】
21)前記プレート分離シートは、前記プレート分離シートを前記第一プレートまたは前記第二プレートに取り外し可能に貼着するための接着剤を含む、いずれかの先行実施形態に記載のアッセイ装置。
【0125】
22)前記プレート分離シートは、感圧性接着剤または加圧活性化接着剤を含む、いずれかの先行実施形態に記載のアッセイ装置。
【0126】
23)前記接着剤はエラストマー化合物を含む、いずれかの先行実施形態に記載のアッセイ装置。
【0127】
24)前記接着剤は、アクリル類、バイオベースアクリル酸、ブチルゴム、エチレン酢酸ビニル(EVA)、及びスチレンブロックコポリマー類(SBC)からなる群から選択されるエラストマー化合物を含む、いずれかの先行実施形態に記載のアッセイ装置。
【0128】
25)前記分離シートは、前記装置内の、水に可溶である、または前記サンプルに可溶である、いずれかの先行実施形態に記載のアッセイ装置。
【0129】
26)前記分離シートは、温度、光、及び他のものによって活性化されるときに、前記装置内で、水または前記サンプルに可溶である、いずれかの先行実施形態に記載のアッセイ装置。
【0130】
27)前記分離シートは透明である、いずれかの先行実施形態に記載のアッセイ装置。
【0131】
28)前記分離シートは不透明である、いずれかの先行実施形態に記載のアッセイ装置。
【0132】
29)前記分離シートは前記第一プレートまたは前記第二プレートの一部分である、いずれかの先行実施形態に記載のアッセイ装置。
【0133】
30)前記分離シートは前記第一プレートまたは前記第二プレートの一部分であり、折りたたみ可能である、いずれかの先行実施形態に記載のアッセイ装置。
【0134】
31)前記プレート分離シートが前記閉構成にあるときに前記アッセイ装置から外向きに突出するように、前記プレート分離シートは、前記第一プレート及び前記第二プレートのうちの少なくとも1つの周縁部に関して外向きに突出する、いずれかの先行実施形態に記載のアッセイ装置。
【0135】
32)前記プレート分離シートは前記第一プレートの前面周縁部から外向きに突出する、いずれかの先行実施形態に記載のアッセイ装置。
【0136】
33)前記プレート分離シートは、ヒンジなどによって、互いに枢動可能に連結される前記第一プレート及び前記第二プレートの前記縁部を除いて、前記第一プレートか前記第二プレートかいずれかのすべての周縁部を越えて外向きに延出する、いずれかの先行実施形態に記載のアッセイ装置。
【0137】
34)前記分離シートは疎水面を有する、いずれかの先行方法に記載の装置または方法。
【0138】
35)前記分離シートは5um、10um、20um、30um、50um、100um、200um、300um、500um、またはこれらの値のうちのいずれか2つの範囲内の厚さを有する、いずれかの先行方法に記載の装置または方法。
【0139】
36)前記分離シートの前記材料は、ポリスチレン、PMMA、PC、COC、COP、または別のプラスチックから選択される、いずれかの先行方法に記載の装置または方法。
【0140】
37)前記分離シートの前記材料は、木質繊維、再生新聞紙、ある植物質、再生布、ウエス、セルロース繊維類(植物、木、木材パルプ、米、水生植物、綿由来の)、衣類及び他のものから選択される、いずれかの先行方法に記載の装置または方法。
【0141】
38)前記分離シートの前記材料は、ガラス、アルミニウムとしての金属及び他のものから選択される、いずれかの先行方法に記載の装置または方法。
【0142】
39)前記分離シートの前記材料は、ガラスマイクロファイバー、酢酸セルロース、コットンリンター、セルロース、ポリエチレン、紙及び他のものから選択される、いずれかの先行方法に記載の装置または方法。
【0143】
本発明の一態様が最も実用的で好ましい実施形態であると考えられるものに示され、説明されていることが提示される。しかしながら、本発明の範囲内で逸脱することができ、当業者には明らかな変更形態が生じることが認識される。次に上記の説明に関して、サイズ、材料、形状、形式、機能、ならびに操作、組み立て、及び使用の方法での変形形態を含む、本発明の部品に最適な寸法関係が、当業者には容易に明白かつ明らかであるとみなされ、図面に示され、本明細書に記載されているものとの均等物の関係がすべて、本発明によって包含されることが意図されていることが認識される。
【0144】
したがって、前述のものは、本発明の原理の単なる例示と見なされる。さらに、複数の修正形態及び変更形態が当業者には容易に想起されることから、本発明を、示され、説明された正確な構造及び操作に限定することは望ましくなく、したがって、本発明の範囲内にある、すべての適切な修正形態及び均等物に頼ることができる。
【0145】
いくつかの実施形態では、装置は、プレートの少なくとも1つの上に液体試薬を保管することができる。
【0146】
いくつかの実施形態では、本発明の一態様は、サンプルをアッセイするための装置を提供し、前記装置は、
第一プレート、第二プレート、スペーサー、及び液体試薬保管位置を含み、
i.前記第一プレート及び前記第二プレートは、互いに対して異なる構成へと可動であり、
ii.一方または両方のプレートは可撓性であり、
iii.前記スペーサーは前記第一プレートの前記内面に固定され、所定の均一な高さを有し、
iv.前記液体試薬保管位置は前記第一プレートまたは前記第二プレートまたはその両方の上にあり、
前記構成の1つは開構成であり、前記開構成では前記2つのプレートは、部分的にまたは全体的に離隔され、前記プレート間の間隔は前記スペーサーによって調節されず、前記サンプルは一方または両方のプレート上に配置し、
前記構成の1つは閉構成であり、前記閉構成は前記開構成中の前記サンプルの配置後に構成され、前記閉構成では前記配置したサンプルの少なくとも一部分は前記2つのプレートによって連続層へと圧縮される。
【0147】
前記装置は、一方または両方のプレート上に保管される液体試薬をさらに含む、いずれかの先行方法に記載の装置または方法。
【0148】
前記装置は、前記プレートのうちの1つの上のウェル内に保管される液体試薬をさらに含む、いずれかの先行方法に記載の装置または方法。
【0149】
前記装置は、両方のプレートの上のウェル内に保管される液体試薬をさらに含む、いずれかの先行方法に記載の装置または方法。
【0150】
前記装置は、液体試薬をさらに含み、前記液体試薬は前記プレートの1つの上のウェル内に保管され、前記第一プレートと前記第二プレートとの間のフィルムによって封止されている、いずれかの先行方法に記載の装置または方法。
【0151】
前記装置は、液体試薬をさらに含み、前記液体試薬は両方のプレートの上のウェル内に保管され、前記第一プレートと前記第二プレートとの間の1つのフィルムによってそれぞれ封止されている、いずれかの先行方法に記載の装置または方法。
【0152】
前記プレート上の前記ウェルは単一のウェルである、いずれかの先行方法に記載の装置または方法。
【0153】
前記プレート上の前記ウェルはウェルアレイである、いずれかの先行方法に記載の装置または方法。
【0154】
前記プレート上の前記ウェルは、1um、2um、5um、10um、15um、20um、50um、100um、またはこれらの値のいずれか2つの範囲内の深さを有する、いずれかの先行方法に記載の装置または方法。
【0155】
前記プレート上の前記ウェルは、100um、200um、300um、500um、700um、1000um、またはこれらの値のいずれか2つの範囲内の深さを有する、いずれかの先行方法に記載の装置または方法。
【0156】
前記プレート上の前記ウェルは、1um、5um、10um、20um、50um、100um、またはこれらの値のいずれか2つの範囲内の平均横寸法を有する、いずれかの先行方法に記載の装置または方法。
【0157】
前記プレート上の前記ウェルは、100um、200um、500um、800um、1000um、またはこれらの値のいずれか2つの範囲内の平均横寸法を有する、いずれかの先行方法に記載の装置または方法。
【0158】
前記プレート上の前記ウェルは、1mm、2mm、5mm、8mm、10mm、20mm、またはこれらの値のいずれか2つの範囲内の平均横寸法を有する、いずれかの先行方法に記載の装置または方法。
【0159】
前記液体試薬を保管する前記プレート上の前記ウェルの全面積と、前記プレートの全面積の比率は、1%以下、2%以下、5%以下、10%以下、15%以下、20%以下、30%以下、40%以下、50%以下、60%以下、70%以下、80%以下、90%以下、95%以下、99%以下、またはこれらの値のいずれか2つの範囲内にある、いずれかの先行方法に記載の装置または方法。
【0160】
前記ウェル内に保管される前記液体試薬(複数可)は、前記試薬の一種である。
【0161】
前記ウェル内に保管される前記液体試薬は、例えば、異なるウェル中の前記試薬の数種であることができる。
【0162】
前記保管された液体試薬を有する前記プレートは親水面を有する
、いずれかの先行方法に記載の装置または方法。
【0163】
前記保管された液体試薬を有しない前記プレートは疎水面を有する、いずれかの先行方法に記載の装置または方法。
【0164】
前記液体試薬を保管するための前記シーリングフィルムは疎水面を有する、いずれかの先行方法に記載の装置または方法。
【0165】
前記シーリングフィルムは、5um、10um、20um、30um、50um、100um、200um、300um、500um、またはこれらの値のうちのいずれか2つの範囲内の厚さを有する、いずれかの先行方法に記載の装置または方法。
【0166】
前記シーリングフィルムの前記材料は、例えば、ポリスチレン、PMMA、PC、COC、COP、または別のプラスチックから選択されることができる、いずれかの先行方法に記載の装置または方法。
【0167】
前記プレート上の前記液体試薬の前記コーティング方法は、例えば、液滴印刷、インクジェット印刷、エアジェット印刷、またはスタンプからの転写印刷によることができる。
【0168】
B.プレート対上の液体保管
図2は、QMAXカードなどの中の液体試薬保管のパネル(a)から(e)での概略図を示す。(a)装置はプレートの1つの上にコーティングされた液体試薬を含む。(b)装置はプレートの1つの上のウェル内に保管される液体試薬を含む。(c)装置はプレートの1つの上のウェル内に保管され、第一プレートと第二プレートとの間のフィルムによって封止されている液体試薬を含む。(d)装置は両方のプレート上のウェル内に保管され、第一プレートと第二プレートとの間に1つのフィルムによってそれぞれ封止されている液体試薬を含む。(e)装置は第二プレート上のウェル内に保管され、1つのフィルムによって封止されている液体試薬を含み、可撓性第一プレートが、封止されたウェルを有する第二プレートに対向し、対向する内面に貼着されているスペーサーを有し、これらのプレート間にスペーサーが間隔を提供し、そしてスペーサーはシーリングフィルムを穿刺し、試薬を放出させることができる。事例(e)でのいくつかの実施形態では、アッセイ中に、サンプルは、第一プレートと第二プレートとの間に挟装され、閉構成では薄層を形成する。次に、2つのプレートをさらに圧縮すると、スペーサーによってシールが破壊され、ウェル内に保管される試薬をサンプルに放出する。
【0169】
いくつかの実施形態では、第二プレートは可撓性である。いくつかの実施形態では、第一プレート及び第二プレートの両方は可撓性である。
【0170】
B1.第一プレート、第二プレート、保管ウェル、シーリングフィルム、及び液体試薬を含む、サンプルをアッセイするための装置であって、
(a)前記第一プレート及び前記第二プレートは、互いに対して異なる構成へと可動であり、前記異なる構成は初期構成、開構成、または閉構成を有し、
(i)前記第一プレート及び前記第二プレートはそれぞれ、前記第一プレートと前記第二プレートとの間に配置した前記サンプルを接触させるためのサンプル接触領域を有する内面を含み、
(ii)前記第一プレートは1,000um(ミクロン)以下の厚さを有し、
(b)前記保管ウェルは250um以下の深さを有し、前記第二プレートの前記内面上にあり、
(c)前記シーリングフィルムは500um以下の厚さを有する可撓性シートであり、
前記初期構成では、前記液体試薬は実質的に前記保管ウェル内にあり、前記シーリングフィルムは、前記保管ウェルの前記開口部を覆って前記液体試薬を前記保管ウェル内側に保管するように構成され、
前記初期構成は、前記両方のプレートが前記シーリングフィルムと接触している構成であり、
前記開構成は、
前記第一プレート及び前記第二プレートが、部分的にまたは全体的に分離され、前記サンプルが、一方または両方のプレートの上に配置される、構成
であり、
前記閉構成は、(i)前記シーリングフィルムが、前記第一プレートと前記第二プレートとの間の前記空間から取り除かれ、(ii)前記サンプルの少なくとも一部分が、前記第一プレート及び前記第二プレートによって非常に均一な厚さの層へと圧縮され、前記プレートの前記内面によって制限される前記層の前記均一な厚さが、0.01〜200μmの範囲にある、構成、である、前記装置。
【0171】
B2−1.一方または両方のプレートの前記サンプル接触領域上に複数のスペーサーをさらに含み、前記閉構成では、前記層の前記均一な厚さは、前記第一プレート及び前記第二プレートの前記内面によって制限され、かつ前記第一プレート及び前記第二プレート及び前記複数のスペーサーによって調節され、0.01〜200μmの範囲にある、いずれかの先行実施形態に記載の装置。
【0172】
B2−2.前記第二プレート上に少なくとも2つの保管ウェルをさらに含む、いずれかの先行実施形態に記載の装置。
【0173】
B2−3.前記第一プレートは保管ウェルを含む、いずれかの先行実施形態に記載の装置。
【0174】
B2−3.少なくとも2つの液体試薬をさらに含む、いずれかの先行実施形態に記載の装置。
【0175】
B3−1.前記シーリングフィルムは前記初期構成ではプレート上に置かれ、前記プレートから分離可能である、いずれかの先行実施形態に記載の装置。
【0176】
B3−2.前記シーリングフィルムは分離シートである、いずれかの先行実施形態に記載の装置。
【0177】
B4−1.前記初期構成では、前記シーリングフィルムは、少なくとも1つの縁部を有し、前記少なくとも1つの縁部は前記第一プレート及び前記第二プレートの対応する縁部を越えて延出する、いずれかの先行実施形態に記載の装置。
【0178】
B4−2.前記初期構成では、前記シーリングフィルムは、前記少なくとも1つの縁部を有し、前記少なくとも1つの縁部は前記第一プレート及び前記第二プレートの前記対応する縁部を越えて延出し、前記シーリングフィルムの前記サイズは、前記初期構成から前記開構成への前記第一プレートと前記第二プレートとの間の開口を容易にするように構成されている、いずれかの先行実施形態に記載の装置。
【0179】
B5−1.前記プレートのうちの一方の前記内面上にコーティングされた少なくとも1つの試薬をさらに含み、前記初期構成では、前記シーリングフィルムは、前記一方のプレート上の前記少なくとも1つの試薬が他方のプレートに接触するのを防止するように構成されている、いずれかの先行実施形態に記載の装置。
【0180】
B5−2.前記プレートの前記内面のそれぞれの上にコーティングされた少なくとも1つの試薬をさらに含み、前記初期構成では、前記シーリングフィルムは、一方のプレート上の前記少なくとも1つの試薬が他方のプレート上でコーティングされた前記試薬に接触するのを防止するように構成されている、いずれかの先行実施形態に記載の装置。
【0181】
B6−1.前記第一プレート及び前記第二プレートを連結するヒンジをさらに含み、異なる構成へと前記ヒンジを中心に回転することを可能にするように前記2つのプレートが構成されている、いずれかの先行実施形態に記載の装置。
【0182】
B6−2.前記ヒンジは、角度を自己維持するように構成され、前記プレートを初期角度から前記角度に移動させる外力が前記プレートから除去された後、前記ヒンジは一定の角度を実質的に維持する、いずれかの先行実施形態に記載の装置。
【0183】
B7.一方または両方のプレートは可撓性である、いずれかの先行実施形態に記載の装置。
【0184】
B8.前記スペーサーは、前記第一プレートの前記内面に固定され、所定の均一な高さを有する、いずれかの先行実施形態に記載の装置。
【0185】
B9.前記スペーサーは前記第一プレートの前記内面に固定され、平らな上面を有し、所定の均一な高さを有する、いずれかの先行実施形態に記載の装置。
【0186】
BM1.サンプル分析装置上に液体試薬を有するための方法であって、
(i)いずれかの先行実施形態に記載の装置を取得することと、
(ii)前記第一プレートと前記第二プレートとの間の前記空間から前記シーリングフィルムを取り除くことと、
(iii)前記装置が開構成にあるときに、分析用のサンプルを配置させることと、
(iv)前記ステップ(iii)の後、前記第一プレート及び前記第二プレートを閉構成へと閉じることであって、前記開構成中に配置された前記サンプルの少なくとも一部分は、前記第一プレート及び前記第二プレートによって非常に均一な厚さの層へと圧縮され、前記層の前記均一な厚さは、前記第一プレート及び前記第二プレートの前記内面によって制限され、かつ0.01〜200μmの範囲にあり、前記液体試薬は前記サンプルに接触する、前記閉じることと、
を含む、前記方法。
【0187】
BM2−1.前記サンプルを分析するステップ(v)をさらに含む、いずれかの先行実施形態に記載の方法。
【0188】
BM2−2.前記分析ステップは、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、イムノブロット分析、免疫蛍光アッセイ(IFA)、免疫組織化学的検査、免疫電子顕微鏡法(IEM)、及び免疫発光を使用して実行される、いずれかの先行実施形態に記載の方法。
【0189】
BM3.前記分析ステップは、前記サンプル中のバイオマーカーを測定し、前記バイオマーカーは、タンパク質、低分子、細胞、粒子、核酸、またはそれらの組み合わせである、いずれかの先行実施形態に記載の方法。
【0190】
Bx.前記外力が除かれた後、前記ヒンジは、前記2つのプレート間に一定の角度を維持し、前記一定の角度は前記外力が除かれる直前の前記角度から5度以内である、いずれかの先行実施形態に記載の装置。
【0191】
A4.前記外力が除かれた後、前記ヒンジは、前記2つのプレート間に一定の角度を維持し、前記一定の角度は前記外力が除かれる直前の前記角度から10度以内である、いずれかの先行実施形態に記載の装置。
【0192】
A5.前記外力が除かれた後、前記ヒンジは、前記2つのプレート間に一定の角度を維持し、前記一定の角度は前記外力が除かれる直前の前記角度から20度以内である、実施形態A2−2に記載の装置。
【0193】
A6.前記外力が除かれた後、前記ヒンジは、前記2つのプレート間に一定の角度を維持し、前記一定の角度は前記外力が除かれる直前の前記角度から30度以内である、実施形態A2−2に記載の装置。
【0194】
A7.前記装置は、一方または両方のプレート上に保管される液体試薬をさらに含む、いずれかの先行方法に記載の装置または方法。
【0195】
A8.前記装置は、前記プレートのうちの1つの上のウェル内に保管される液体試薬をさらに含む、いずれかの先行方法に記載の装置または方法。
【0196】
A9.前記装置は、両方のプレートの上のウェル内に保管される液体試薬をさらに含む、いずれかの先行方法に記載の装置または方法。
【0197】
A10.前記装置は、液体試薬をさらに含み、前記液体試薬は前記プレートの1つの上のウェル内に保管され、前記第一プレートと前記第二プレートとの間のフィルムによって封止されている、いずれかの先行方法に記載の装置または方法。
【0198】
A11.前記装置は、液体試薬をさらに含み、前記液体試薬は両方のプレートの上のウェル内に保管され、前記第一プレートと前記第二プレートとの間の1つのフィルムによってそれぞれ封止されている、いずれかの先行方法に記載の装置または方法。
【0199】
A12.前記液体試薬を保管する前記プレート上の前記ウェルは、単一のウェルである、いずれかの先行方法に記載の装置または方法。
【0200】
A13.前記液体試薬を保管する前記プレート上の前記ウェルは、ウェルアレイである、いずれかの先行方法に記載の装置または方法。
【0201】
A14.前記液体試薬を保管する前記プレート上の前記ウェルは、1um、2um、5um、10um、15um、20um、50um、100um、またはこれらの値のいずれか2つの範囲内の深さを有する、いずれかの先行方法に記載の装置または方法。
【0202】
A15.前記液体試薬を保管する前記プレート上の前記ウェルは、100um、200um、300um、500um、700um、1000um、またはこれらの値のいずれか2つの範囲内の深さを有する、いずれかの先行方法に記載の装置または方法。
【0203】
A16.前記液体試薬を保管する前記プレート上の前記ウェルは、1um、5um、10um、20um、50um、100um、またはこれらの値のいずれか2つの範囲内の平均横寸法を有する、いずれかの先行方法に記載の装置または方法。
【0204】
A17.前記液体試薬を保管する前記プレート上の前記ウェルは、100um、200um、500um、800um、1000um、またはこれらの値のいずれか2つの範囲内の平均横寸法を有する、いずれかの先行方法に記載の装置または方法。
【0205】
A18.前記液体試薬を保管する前記プレート上の前記ウェルは、1mm、2mm、5mm、8mm、10mm、20mm、またはこれらの値のいずれか2つの範囲内の平均横寸法を有する、いずれかの先行方法に記載の装置または方法。
【0206】
A19.前記液体試薬を保管する前記プレート上の前記ウェルの全面積と、前記プレートの全面積の比率は、1%以下、2%以下、5%以下、10%以下、15%以下、20%以下、30%以下、40%以下、50%以下、60%以下、70%以下、80%以下、90%以下、95%以下、99%以下、またはこれらの値のいずれか2つの範囲内にある、いずれかの先行方法に記載の装置または方法。
【0207】
A20.前記ウェルに保管される前記液体試薬は、前記試薬の一種である、いずれかの先行方法に記載の装置または方法。
【0208】
A21.前記ウェルに保管される前記液体試薬は、異なるウェル中の前記試薬の数種である、いずれかの先行方法に記載の装置または方法。
【0209】
A22.前記保管された液体試薬を有する前記プレートは親水面を有する、いずれかの先行方法に記載の装置または方法。
【0210】
A23.前記保管された液体試薬を有しない前記プレートは疎水面を有する、いずれかの先行方法に記載の装置または方法。
【0211】
A24.前記液体試薬を保管するための前記シーリングフィルムは疎水面を有する、いずれかの先行方法に記載の装置または方法。
【0212】
A25.前記シーリングフィルムは、5um、10um、20um、30um、50um、100um、200um、300um、500um、またはこれらの値のうちのいずれか2つの範囲内の厚さを有する、いずれかの先行方法に記載の装置または方法。
【0213】
A26.前記シーリングフィルムの前記材料は、ポリスチレン、PMMA、PC、COC、COP、または別のプラスチックから選択される、いずれかの先行方法に記載の装置または方法。
【0214】
A27.前記プレート上の前記液体試薬は、例えば、液滴印刷、インクジェット印刷、エアジェット印刷、スタンプからの転写印刷、またはそれらの組み合わせによってコーティングされる、いずれかの先行方法に記載の装置または方法。
【0215】
1.複合液体サンプルを分離するための装置
一態様では、本発明は、複合液体サンプルから成分を分離するための装置を提供し、この装置は、収集プレートであって、その表面の1つの上に複数のピラースペーサーを有する、この収集プレートと、サンプル受容面及びサンプル出口面を有するフィルタとを含み、収集プレートのピラースペーサーの少なくとも一部分は、サンプル出口面と接触し、それに対して向き、サンプル出口面、及びピラースペーサーの一部分によって制限される微小空隙を形成し、これらの微小空隙は、毛管力を提供し、この毛管力は、サンプル受容面上に配置されるサンプルの少なくとも一部分を収集プレートに向けてフィルタに流入させるための駆動力の少なくとも第一部分であり、フィルタは、この成分をこのサンプルの一部分から分離させるように構成される。
【0216】
図3のパネル(A)は、装置の例示的な一実施形態を示し、この装置は、収集プレート10及びフィルタ70を含む。パネル(A)に示されるように、いくつかの実施形態では、収集プレート10は、内面11、外面12、及びその内面11上に複数のピラースペーサー41を有する。フィルタ70は、サンプル受容面71及びサンプル出口面72を有する。いくつかの実施形態では、ピラースペーサー41は、内面11上に固定される。ピラースペーサー41の少なくとも一部分は、フィルタ70のサンプル出口面72に対して向き、それと接触しており、サンプル出口面72、及びピラースペーサー41の一部分によって制限される濾材70内に微小空隙(図示せず)または微小細孔を形成する。
【0217】
図3のパネル(B)は、装置の例示的な一実施形態をさらに示し、この装置は、除去される成分901を含む複合液体サンプル90を、フィルタ70のサンプル受容面71上に配置させる。本発明の一態様によれば、サンプル90がサンプル受容面71から収集プレート10に向けてフィルタ70に流入するときに、フィルタ70は、成分901をサンプル90の一部分から分離させるように構成される。パネル(B)に示されるように、いくつかの実施形態では、サンプル90の少なくとも一部分は、サンプル受容面71からサンプル出口面72及び収集プレート10に向かう方向にフィルタ70に流入するように駆動力によって駆動される。サンプル90の一部分がフィルタ70に流入するとき、フィルタ70を出るサンプルの一部分である、フィルタ70によって濾過された生成物900(すなわち、濾液)から、成分901を保持する、及び/または除去する。いくつかの実施形態では、濾材70及び/またはフィルタ70内の微小空隙は、駆動力の少なくとも一部分である毛管力を提供する。いくつかの実施形態では、濾材70及び/またはフィルタ70内の微小空隙の毛管力は、駆動力の一部分のみを、そしてその一部分全体を提供する。ただし、他の実施形態では、微小空隙及び/またはフィルタ70からの毛管力は、駆動力の一部分にすぎず、時には無視できる部分でさえある。
【0218】
図3のパネル(A)及び(B)に示され、説明される共通装置についての特徴は、図3及び図4〜6のその他のすべてのパネルに示され、説明される実施形態にも適用可能である。さらに、この装置がすべての図に示され、それらの説明されている特徴についての一例として機能することに留意されたい。
【0219】
図3のパネル(C1)から(C4)は、開示された装置の異なる実施形態を概略的に示し、この装置は、サンプル90の少なくとも一部分を収集プレート10に向けてフィルタ70に流入させるための駆動力の少なくとも一部分を提供する供給源をさらに含む。本明細書に開示されるこれらの例示的な供給源は、他の可能な実施形態、及びいずれかのこれらの供給源の他の実施形態との組み合わせに関して決して排他的であるわけではない。これらの供給源は、別々に、代替に、順次に、もしくは組み合わせて展開される、またはいずれかの他の方法では、その主な機能を果たす限り、すなわち、フィルタ70による成分分離のためにサンプルの流れを発生させるための駆動力の少なくとも一部分を提供するように機能する限り展開される。
【0220】
図3のパネル(C1)に示されるように、いくつかの実施形態では、装置は、第一液体81を提供する供給源(図示せず)をさらに含み、この供給源は、サンプル90との相互混和性がゼロではないにしても低く、駆動力の少なくとも一部分を提供するように構成される。例えば、サンプル90が水性液である状況では、第一液体81は、例えば、鉱物油、ガソリン及び関連する石油製品、植物油、及びそれらの任意の混合物を含むさまざまなタイプの炭化水素油から選択されることができる。いくつかの実施形態では、第一液体81は、サンプル90よりも高い密度を有し、それ自体の重力によってサンプルの流れを駆動する。いくつかの実施形態では、第一液体81は、濾材70及び/またはフィルタ70内の微小空隙によって提供されるより大きな毛管力を受け、その結果、サンプル90を駆動して流すことができる。他の実施形態では、第一液体81を加圧し、この圧力をフィルタ70及び収集プレート10に対して加えることで、サンプル90を収集プレート10に向けて流させる。さらに他の実施形態では、第一液体81は、フィルタ70に流入するようにサンプル90の一部分を駆動する、例えば、高く加圧されることができるように構成されている限り、サンプル90との相互混和性が高い。ただし、このタイプの構成が、濾過された生成物900の品質を損なう可能性があることに留意されたい。例えば、濾過された生成物900は、第一液体81によって混入されることができることで、濾過された生成物900中の分析物は、混入する第一液体81によって物理的に、または化学的に希釈されることがあり、及び/または変わることがあり、これはほとんどの用途では望ましくない可能性がある。
【0221】
図3のパネル(C2)に示されるように、いくつかの実施形態では、装置は、駆動力の少なくとも一部分を提供するように構成された、加圧ガス82を提供する供給源(図示せず)をさらに含む。図示されるように、いくつかの実施形態では、加圧ガス82は、サンプル受容面71からサンプル出口面72に向かう方向に、サンプル90の少なくとも一部分に対して適用される。
【0222】
いくつかの実施形態では、装置は、駆動力の少なくとも一部分を提供するためのスポンジをさらに含む。本明細書で使用される「スポンジ」という用語は、可撓性多孔質材料を指し、この可撓性多孔質材料は、力の下で可変な形状を有する細孔を有し、これらの細孔の形状が変わる場合に、液体をこの材料に吸収することができる、または液体をこの材料から放出することができる。通常、スポンジは非圧縮状態及び圧縮状態を有する。非圧縮状態では、スポンジの多孔質構造は、その最大内部寸法に達する。すなわち、内部細孔は、主な外部の影響がない場合に、可能な限り最大の容積を有する最大の形状にあるが、いくつかの実施形態において、圧縮状態では、スポンジは外部圧縮力を受け、その結果、スポンジの内部細孔は、最大内部寸法よりも小さい寸法を有する形状に圧縮され、変形される。主な外部の影響は、スポンジの内部細孔を変形させるいずれかの外部の影響を指す。スポンジがその圧縮状態から非圧縮状態への方向に変形するときに、スポンジは、それが流体連通しているいずれかの液体を吸収することができる。スポンジがその非圧縮状態から圧縮状態へと反対方向に変形するときに、スポンジは含んでいる液体を放出する。
【0223】
例えば、図3のパネル(C3)は、装置のいくつかの実施形態を示し、装置は、スポンジ50をさらに含む。前述されるように、スポンジ50は、非圧縮状態及び圧縮状態を有する。いくつかの実施形態では、スポンジ50は、収集プレート及びフィルタに対して異なる構成へと相対的に可動である。
(i)構成の1つは、配置構成(図示せず)であり、配置構成では、スポンジ50は、非圧縮状態にあり、収集プレート10及びフィルタ70から部分的に、または完全に分離され、収集プレート10とスポンジ50との間の距離は、スペーサー41、フィルタ70、または配置したサンプル90によって調節されない。
(ii)構成のもう1つは、濾過構成であり、濾過構成では、パネル(C3)に示されるように、フィルタ70は、スポンジ50と収集プレート10との間に位置決めされ、収集プレート10とスポンジ50との間の距離は、スペーサー41、フィルタ70、及び配置したサンプル90によって調節され、スポンジ50は、圧縮状態にあり、これは、駆動力の少なくとも一部分を提供するように構成される。
【0224】
これらの実施形態によれば、配置構成では、図に示されるように、サンプル90の一部分または全体がスポンジ50に入るように、スポンジ50は、サンプル90と接触して置かれているときに液体サンプルを吸収する。スポンジ50、収集プレート10、及びフィルタ70をそれらの濾過構成にするときに(すなわち、スポンジ50が圧縮力によってその圧縮状態に圧縮され、収集プレート10とスポンジ50との間の距離がスペーサー41、フィルタ70、及び配置したサンプル90によって調節されるときに)、スポンジ50内に吸収されているサンプル90の一部分は、スポンジ50を出て、収集プレート10に向かいフィルタ70に流入させられる。したがって、成分901を濾過された生成物900(すなわち、濾液)から保持する、及び/または除去する。いくつかの実施形態では、圧縮力は、フィルタ70に対して一方向にスポンジ50上で加えられる。他の実施形態では、サンプル90が収集プレート10に向けてフィルタ70に流入させられる限り、圧縮力は、いずれかの他の方向にスポンジ50上で加えられる。
【0225】
図3のパネル(C4)は、装置のさらに他の実施形態を示し、この装置は、プレスプレート20をさらに含み、このプレスプレート20は、その表面の1つの上に複数のスペーサー42を有する。いくつかの実施形態では、プレスプレート20は、収集プレート10及びフィルタ70に対して異なる構成へと相対的に可動である。
(i)これらの構成の1つは、配置構成であり、この配置構成では、プレスプレート20は、収集プレート10及びフィルタ70から部分的に、または完全に分離され、収集プレート10とプレスプレート7との間の距離は、それらのスペーサー41及び42、フィルタ70、または配置したサンプル90によって調節されない。
(ii)これらの構成のもう1つは、濾過構成であり、濾過構成では、図3のパネル(C4)に示されるように、フィルタ70は、プレスプレート20と収集プレート10との間に位置決めされ、収集プレート10とプレスプレート20との間の距離は、それらのスペーサー41及び42、フィルタ70、ならびに配置したサンプル90によって調節され、ピラースペーサー42の少なくとも一部分、及びプレスプレートの内面21は、配置したサンプル90の少なくとも一部分をフィルタ70に押し付け、駆動力の少なくとも一部分を提供する。
【0226】
図3のパネル(C4)は、いくつかの実施形態では、プレスプレート外面22及び収集プレート外面12の上に加えられる圧縮力によって、収集プレート10、フィルタ70、及びプレスプレート20を濾過構成にすることを示す。濾過構成では、プレスプレートのピラースペーサー42は、フィルタ70、及び配置したサンプル90の少なくとも一部分に対して向き、それらと接触している。プレスプレート内面11とサンプル受容面71との間の距離は、ピラースペーサー42のおよその高さまで減少する。いくつかの実施形態において、装置の濾過構成では、配置したサンプル90の少なくとも一部分は、次の(a)ピラースペーサー42の高さが配置したサンプル90の制限されていない高さよりも小さいように構成されるという理由、(b)サンプル受容面71からサンプル出口面72に向かう方向にフィルタ70に流入するように配置したサンプル90について比較的低い障害を有するようにフィルタ70が構成されるという理由、(c)収集プレート10に向けてサンプルの流れを引きつけるように比較的高い毛管力を提供するように濾材70内の微小空隙(図示せず)が構成されるという理由、及び(d)ピラースペーサー42が配置したサンプル90の横方向の流れについて比較的高い障害を提供するように構成されるという理由のうちの1つ、それらのいずれかの組み合わせ、またはいずれかの他の代替案が原因で、収集プレート10に向かいフィルタ70に流入させられる。
【0227】
1.1.Xプレート
本発明のいくつかの実施形態では、収集プレートは「Xプレート」とも称される。プレートの表面上に、(i)所定のスペーサー間距離、及び所定の高さを有し、その表面上に固定されるスペーサーと、(ii)配置されるサンプルを接触させるためのサンプル接触領域とを含み、スペーサーの少なくとも1つがサンプル接触領域の内側にあるのはプレートである。
【0228】
いくつかの実施形態では、プレスプレートは「Xプレート」でもある。したがって、これらの実施形態において、装置の濾過構成では、プレスプレート、フィルタ、及び収集プレートは、サンドイッチ状の構造になり、フィルタは、2つのXプレートによって中央で圧縮される。
【0229】
Xプレートの詳細は、配置したサンプルをプレスプレート側から収集プレート側にフィルタに流入させるための駆動力の適切な部分を提供するように事前に決定され、プレートの厚さ、形状及び面積、可撓性、表面の平坦度及び濡れ特性、ピラースペーサーの高さ、横寸法、間隙、プレート及びピラースペーサーの材料及び機械的強度を含むが、これらに限定されない。
【0230】
いくつかの実施形態では、Xプレートは、2015年8月10日に出願された米国仮特許出願第62/202,989号、2015年9月14日に出願された米国仮特許出願第62/218,455号、2016年2月9日に出願された米国仮特許出願第62/293,188号、2016年3月8日に出願された米国仮特許出願第62/305,123号、2016年7月31日に出願された米国仮特許出願第62/369,181号、2016年9月15日に出願された米国仮特許出願第62/394,753号、2016年8月10日に出願されたPCT出願(米国を指定)第PCT/US2016/045437号、2016年9月14日に出願されたPCT出願(米国を指定)第PCT/US2016/051775号、2016年9月15日に出願されたPCT出願(米国を指定)第PCT/US2016/051794号、及び2016年9月27日に出願されたPCT出願(米国を指定)第PCT/US2016/054025号に記載された実施形態を含むが、これらに限定されず、これらの開示のすべては、その全体及びすべての目的のために参照により援用される。
【0231】
1.2.フィルタ
本明細書で使用される場合、「フィルタ」という用語は、装置を指し、この装置は、少なくともサンプル受容面及びサンプル出口面を有し、第一及びサンプル出口面の両方を横切る方向にフィルタを通って液体サンプルが流れるときに、ある特定の成分を複合液体サンプルから除去する。本発明の一態様によれば、フィルタは、機械的、化学的、もしくは生物学的フィルタ、またはそれらの任意の組み合わせであることができる。
【0232】
本発明のいくつかの実施形態では、フィルタは、機械的フィルタであることができる。機械的フィルタは、サンプルがフィルタを通ってある特定の方向に流れるときに、ある特定の固体成分を複合液体サンプルから機械的に除去する、捕捉する、または遮断する。これは通常、多孔質材料から作製されるが、細孔径は、フィルタに流入することができる固体粒子のサイズと、そのフィルタに流入するサンプルから除去される固体粒子のサイズとを決定する。機械的手段の構成要素は不活性であるため、サンプルに影響しない、またはそれと干渉しない。機械的フィルタの例は、発泡体(網状及び/または連続気泡)、繊維状材料(例えば、濾紙)、ゲル、スポンジ、及び同様の材料を含むが、これらに限定されない。材料の例は、酢酸セルロース、セルロースエステル類、ナイロン、ポリテトラフルオロエチレンポリエステル、ポリウレタン、ゼラチン、アガロース、ポリビニルアルコール、ポリスルホン、ポリエステルスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、多孔質構造体を形成することができるいずれかの他の材料、及びそれらのいずれかの組み合わせを含む。
【0233】
本発明のいくつかの実施形態では、機械的フィルタの細孔径は均一である、または所定の分布を有する範囲内で変化する。いくつかの実施形態では、機械的フィルタの平均細孔径は、10nm、20nm、40nm、80nm、100nm、200nm、400nm、800nm、1μm、2μm、4μm、8μm、10μm、20μm、40μm、80μm、100μm、500μm、1mmから1cm、5mm、またはこれらの値のいずれかの間の範囲である。
【0234】
本発明のいくつかの実施形態では、フィルタは化学的フィルタであり、この化学的フィルタは、サンプルがフィルタを通ってある特定の方向に流れるときに、ある特定の成分を複合液体サンプルから化学的に除去する。いくつかの実施形態では、それは、化学反応物、及びこの化学反応物のためのハウジングを含む。化学反応物は、サンプルから除去される、ある特定の成分と特異的に反応する。それは、成分を結合して固定化することができる、または成分を、ハウジング内に保持されるか、ハウジング及び濾過生成物の外側に放出されるかいずれかである他の材料(複数可)に変換することができる。いくつかの実施形態では、化学反応物は、無機化合物、有機化合物、またはそれらの任意の組み合わせである。いくつかの実施形態では、化学反応物は、例えば、抗体、オリゴヌクレオチド、及びサンプルから除去される成分に親和性を有する他の生体高分子を含む生物学的材料であることができる。
【0235】
本発明のいくつかの実施形態では、フィルタは、生物学的フィルタでもあることができる。生物学的フィルタは、生物学的な生物、及びこの生物のためのハウジングを含む。いくつかの実施形態では、生物は、サンプル中のある特定の成分を特異的に摂取し、貪食し、またはこれに結合し、固定化する。生物学的フィルタに使用されることができる例示的な生物は、例えば、細菌、菌類、ウイルス、哺乳類細胞類を含み、これらは、マクロファージ、T細胞、B細胞及び同様の実体のような貪食機能または親和性結合特性を有する。
【0236】
2.複合液体サンプルを分離するための方法
さらなる一態様では、本発明は、複合液体サンプルを分離するための方法を提供し、この方法は、
(1)収集プレートであって、その表面の1つの上に複数のピラースペーサーを有する、収集プレートと、サンプル受容面及び逆のサンプル出口面を有するフィルタとを提供するステップであって、収集プレートのピラースペーサーの少なくとも一部分はサンプル出口面と接触し、それに対して向き、サンプル出口面、及び収集プレートのピラースペーサーの一部分によって制限される微小空隙を形成する、ステップ、
(2)フィルタのサンプル受容面上にサンプルを配置させるステップ、ならびに
(3)配置したサンプルの少なくとも一部分を駆動して、駆動力によって収集プレートに向けてフィルタに流入させるステップであって、
フィルタは配置したサンプルの一部分から成分を分離させるように構成され、駆動力の少なくとも第一部分は微小空隙によって提供される毛管力である、ステップ、
を含む。
【0237】
図4は、開示された方法の例示的な一実施形態についてのフローチャートである。この実施形態では、図3のパネル(A)に示されるような例示的な装置が使用される。最初に、装置の使用者は、収集プレート10であって、その表面の1つの上に複数のピラースペーサー41を有する、収集プレート10と、サンプル受容面71及びサンプル出口面72を有するフィルタ70とを取得し、ピラースペーサー41の少なくとも一部分は、サンプル出口面72と接触して、それに対して向き、サンプル出口面72及び収集プレート10によって制限される微小空隙を形成する(600)。次に、複合液体サンプル90を配置させるときに、サンプルから分離する成分901を、フィルタ70のサンプル受容面71上に有する(610)。配置ステップの後、サンプル90の少なくとも一部分を駆動して、駆動力によって収集プレート10に向かいフィルタ70に流入するようにし、フィルタ70は、成分901を90の一部分から分離した(620)結果、フィルタ生成物900(すなわち、濾液)をもたらすように構成され、微小空隙は、駆動力の一部分を提供するように構成される。
【0238】
いくつかの実施形態では、微小空隙が提供する駆動力の一部分は、駆動力の全体である。これらの実施形態では、駆動ステップは、実際、いかなる外部の影響をも必要とせずに、微小空隙に毛管力によってサンプル90の一部分を収集プレート10に向けて引き出させることである。
【0239】
他の実施形態では、微小空隙が提供する駆動力の一部分は、その一部分にすぎないので、駆動力のその他の部分を提供するために別の供給源が必要とされる。例えば、いくつかの実施形態では、サンプル受容面71がサンプル出口面72に対して空に向かい上向きに面し、収集プレート10が地球に向かい面しているときなどに、重力は、サンプル90を駆動してフィルタ70に流入させるプロセスに関与する。または他の場合には、別の供給源は、上記に提供される装置の一部分であり、例えば、第一液体81を提供する供給源、加圧ガス82を提供する供給源、スポンジ50、及びプレスプレート20を含む。重力を含むこれらの供給源によって提供される駆動力は、別々に、代替に、順次に、もしくは組み合わせて利用されることができる、またはいずれかの他の方法では、フィルタ70によって成分分離のためのサンプルの流れを引き起こすために駆動力の少なくとも一部分を提供するそれらの主な機能を果たす限り利用されることができる。これらの実施形態によれば、この方法の駆動ステップは、駆動力の少なくとも一部分を提供するための供給源を提供して操作することをさらに含む。
【0240】
いくつかの実施形態では、方法の駆動ステップは、配置したサンプルに接触するように第一液体を配置させることを含み、第一液体はサンプルとの相互混和性が低く、駆動力の少なくとも一部分を提供するように構成される。
【0241】
他の実施形態では、方法の駆動ステップは、配置したサンプルに対して加圧ガスを適用することを含み、加圧ガスは、駆動力の少なくとも一部分を提供するように構成される。
【0242】
他の実施形態では、この方法の駆動ステップは、(a)スポンジを配置したサンプルと接触させること、(b)スポンジをフィルタに対して圧縮して、駆動力の少なくとも一部分を提供することを含む。
【0243】
さらに他の実施形態では、この方法の駆動ステップは、(a)プレスプレートの表面の1つの上に複数のピラースペーサーを有する、プレスプレートを配置し、配置したサンプルと接触させることであって、プレスプレートのピラースペーサーの少なくとも一部分はフィルタのサンプル受容面に対して向き、配置したサンプルと接触している、接触させることと、(b)配置ステップ(a)の後、プレスプレートをフィルタに対して圧縮して、プレスプレートとフィルタとの間の距離を縮小させ、駆動力の少なくとも一部分を提供することとを含む。
【0244】
3.分離及び読み取り後のサンプルをアッセイするための方法
さらなる一態様では、本発明は、分離及び読み取り後のサンプルをアッセイするための方法を提供し、前記方法は、
(1)収集プレートであって、その表面の1つの上に複数のピラースペーサーを有する、前記収集プレートと、サンプル受容面及び逆のサンプル出口面を有するフィルタとを提供するステップであって、前記収集プレートの前記ピラースペーサーの少なくとも一部分は前記サンプル出口面と接触し、それに対して向き、前記サンプル出口面、及び前記収集プレートの前記ピラースペーサーの前記一部分によって制限される微小空隙を形成する、前記ステップと、
(2)前記フィルタの前記サンプル受容面上に前記サンプルを配置させるステップと、
(3)前記配置したサンプルの少なくとも一部分を駆動して、駆動力によって前記フィルタを通して前記収集プレートに向けて流すステップであって、前記フィルタは前記成分を前記配置したサンプルの前記一部分から分離させるように構成され、前記駆動力の少なくとも第一部分は前記微小空隙によって提供される毛管力である、前期ステップと、
(4)前記配置したサンプルの前記一部分からの前記成分は前記微小空隙内にコーティングされた試薬と反応するステップと、
(5)画像または一括した光信号による前記微小空隙からの前記信号を検出して分析するステップと
を含む。
【0245】
一方または両方のプレートのサンプル接触面は、1つの試薬、または複数の試薬をそれぞれ保管する1つの保管位置、または複数の保管位置を含み、前記ステップ(3)中に、または後に前記試薬(複数可)は、前記サンプル中に溶解して拡散する、いずれかの先行実施形態に記載の方法。
【0246】
一方または両方のプレートのサンプル接触面は、ビーズをそれぞれ保管する1つの保管位置、または複数の保管位置を含み、前記ステップ(3)中に、または後に前記ビーズは、前記サンプル中に溶解して拡散する、いずれかの先行実施形態に記載の方法。
【0247】
一方または両方のプレートのサンプル接触面は、分析物または標識が増幅位置から500nm以内にあるときに前記分析物からの信号、または前記分析物の前記標識をそれぞれ増幅することができる、1つの増幅位置、または複数の増幅位置を含む、いずれかの先行実施形態に記載の方法。
【0248】
前記装置は、一方または両方のプレート上に、放出可能な乾燥試薬と、前記放出可能な乾燥試薬が前記サンプル内に放出される時間を遅延させる放出時間制御材料とをさらに含む、いずれかの先行実施形態に記載の装置または方法。
【0249】
前記放出可能な乾燥試薬は標識試薬である、いずれかの先行実施形態に記載の装置または方法。
【0250】
前記放出可能な乾燥試薬は酵素比色試薬である、いずれかの先行実施形態に記載の装置または方法。
【0251】
前記放出可能な乾燥試薬は蛍光標識試薬である、いずれかの先行実施形態に記載の装置または方法。
【0252】
前記放出可能な乾燥試薬は蛍光標識抗体である、いずれかの先行実施形態に記載の装置または方法。
【0253】
前記放出可能な乾燥試薬は細胞染料である、いずれかの先行実施形態に記載の装置または方法。
【0254】
前記放出可能な乾燥試薬は細胞溶解剤である、いずれかの先行実施形態に記載の装置または方法。
【0255】
前記ビーズは、
(a)N−ヒドロキシコハク酸イミド(NHS)によって活性化することと、
(b)BSA溶液によって遮断することと、
(c)捕捉剤溶液によってインキュベートすることと、
によって調製される、いずれかの先行実施形態に記載の装置、キット、システム、スマートフォンシステム、及び方法。
【0256】
前記微小空隙内での前記反応はイムノアッセイである、いずれかの先行実施形態に記載の装置または方法。
【0257】
前記微小空隙内での前記反応は比色アッセイである、いずれかの先行実施形態に記載の装置または方法。
【0258】
前記微小空隙内での前記反応は核酸ハイブリダイゼーションアッセイである、いずれかの先行実施形態に記載の装置または方法。
【0259】
前記微小空隙内での前記反応は核酸増幅アッセイである、いずれかの先行実施形態に記載の装置または方法。
【0260】
前記微小空隙内での前記反応はビーズ凝集/脱凝集アッセイである、いずれかの先行実施形態に記載の装置または方法。
【0261】
前記検出器は光信号を検出する光検出器である、いずれかの先行実施形態に記載の装置または方法。
【0262】
前記検出器は電気信号を検出する電気検出器である、いずれかの先行実施形態に記載の装置または方法。
【0263】
アッセイ中の、サンプルまたは試薬の操作は、アッセイでの改善につながることができる。この操作は、例えば、サンプル及び/または試薬の幾何学的形状及び位置の操作、サンプル及び試薬の混合または結合、ならびに試薬サンプルのプレートへの接触領域を含む。
【0264】
図7は、概略図AからCを示す。(A)は、収集プレートの表面の1つの上に複数のピラースペーサーを有し、その内面上に試薬によってコーティングされた収集プレートと、サンプル受容面及びサンプル出口面を有するフィルタプレートとを備える例示的な装置であり、ピラースペーサーの少なくとも一部分はサンプル出口面と接触し、それに対して向き、サンプル出口面及び収集プレートによって制限される、微小空隙を形成し、光学コーティングはアッセイ信号の撮像及び読み取りを援助するためにフィルタの内面上にある。(B)は、収集プレートの表面の1つの上に複数のピラースペーサーを有する収集プレートと、サンプル受容面及びサンプル出口面を有するフィルタとを備える例示的な装置であり、ピラースペーサーの少なくとも一部分はサンプル出口面に接触し、それに対して向き、サンプル出口面及び収集プレートによって制限される、微小空隙を形成し、光学コーティングはアッセイ信号の撮像及び読み取りを援助するためにフィルタ及び収集プレートの内面の両方の上にある。(C)は、収集プレートの表面の1つの上に複数のピラースペーサーを有する収集プレートと、サンプル受容面及びサンプル出口面を有するフィルタとを備える例示的な装置であり、ピラースペーサーの少なくとも一部分はサンプル出口面に接触し、それに対して向き、サンプル出口面及び収集プレートによって制限される、微小空隙を形成し、貫通孔を有する光学プレートはアッセイ信号の撮像及び読み取りを援助するためにフィルタの下にある。
【0265】
i.一方もしくは両方のプレートのサンプル接触面は、それぞれの分析物をそれぞれ結合して固定化する1つの結合位置、もしくは複数の結合位置を含む、または
ii.一方もしくは両方のプレートのサンプル接触面は、1つの試薬、もしくは複数の試薬をそれぞれ保管する1つの保管位置、もしくは複数の保管位置を含み、前記試薬(複数可)は前記ステップ(c)中に、もしくは後に前記サンプル中に溶解して拡散し、前記サンプルは1つの分析物、もしくは複数の分析物を含む、または
iii.前記分析物、もしくは前記分析物の標識が増幅位置から500nmであるときに、1つの増幅位置、もしくは複数の増幅位置は、前記分析物もしくは前記標識からの信号をそれぞれ増幅することができる、または
iv.前記iから前記iiiの任意の組み合わせである、
いずれかの先行実施形態に記載の方法。
【0266】
一実施形態では、試薬及び添加剤は、同じプレート(収集またはフィルタプレート)、または別個のプレート(すなわち、収集またはフィルタプレート)上にコーティングされる。
【0267】
前記試薬は液滴印刷によってアレイにコーティングされる、いずれかの先行実施形態に記載の装置、キット、システム、または方法。
【0268】
前記試薬はスプレーによってコーティングされる、いずれかの先行実施形態に記載の装置、キット、システム、または方法。
【0269】
前記試薬は接触印刷によってコーティングされる、いずれかの先行実施形態に記載の装置、キット、システム、または方法。
【0270】
前記試薬は転写印刷によってコーティングされる、いずれかの先行実施形態に記載の装置、キット、システム、または方法。
【0271】
一実施形態では、光学コーティングは、アッセイ信号の撮像及び読み取りを援助するためにフィルタの内側の上にある。
【0272】
一実施形態では、光学コーティングは、アッセイ信号の撮像及び読み取りを援助するために収集プレートの内側の上にある。
【0273】
一実施形態では、光学コーティングは、アッセイ信号の撮像及び読み取りを援助するために収集プレート及びフィルタプレートの両方の内側の上にある。
【0274】
一実施形態では、光学コーティングは、コーティングの1つの側面からの光信号分離機能を有する。
【0275】
一実施形態では、光学コーティングは、血液から血漿を濾過するときに、血液細胞からの赤色の単離及び遮断機能を有する。
【0276】
一実施形態では、光学コーティングは、1つの側面からの光信号の光反射、増幅、濾過、偏光、及び拡散の機能を有する。
【0277】
一実施形態では、光学コーティングは、金、銀、アルミニウム、及び同様の金属類のような金属薄膜である。
【0278】
一実施形態では、光学コーティングは、5nm、10nm、50nm、100nm、300nm、500nm、1um、またはこれら2つの値のいずれかの間の範囲にあるものの好ましい厚さを有する。
【0279】
一実施形態では、光学コーティングは、1um、2um、5um、10um、20um、50um、またはこれら2つの値のいずれかの間の範囲内にあるものの好ましい厚さを有する。
【0280】
一実施形態では、光学プレートまたはフィルムは、アッセイ信号の撮像及び読み取りを援助するためにフィルタの内側の上にある。
【0281】
一実施形態では、光学プレートまたはフィルムは、アッセイ信号の撮像及び読み取りを援助するために収集プレートの内側の上にある。
【0282】
一実施形態では、光学プレートまたはフィルムは、アッセイ信号の撮像及び読み取りを援助するために収集プレート及びフィルタプレートの両方の内側の上にある。
【0283】
一実施形態では、光学プレートは、液体を流入させる孔部をその上に有する。
【0284】
一実施形態では、光学プレートは、コーティングの1つの側面からの光信号分離機能を有する。
【0285】
一実施形態では、光学プレートは、血液から血漿を濾過するときに、血液細胞からの赤色の単離及び遮断機能を有する。
【0286】
一実施形態では、光学プレートは、1つの側面からの光信号の光反射、増幅、濾過、偏光、及び拡散の機能を有する。
【0287】
一実施形態では、光学プレートは、金、銀、アルミニウム及び同様の金属類のような金属薄膜を含む。
【0288】
一実施形態では、光学プレートは、500nm、1um、2um、10um、20um、30um、50um、またはこれら2つの値のいずれかの間の範囲内にあるものの好ましい厚さを有する。
【0289】
一実施形態での試薬及び応用は、例えば、以下を含むことができる。
A.グルコース比色(蛍光)アッセイ
サンプル:全血、血漿、血清、唾液
試薬レシピ1:グルコースオキシダーゼ、100ユニット/ml;セイヨウワサビペルオキシダーゼ、100ユニット/ml;4−アミノアンチピリン、20mM;及びTOOS、20mM
試薬レシピ2:グルコースオキシダーゼ、100ユニット/ml;セイヨウワサビペルオキシダーゼ、100ユニット/ml;及び3,5,3’,5’−テトラメチルベンジジン(TMB)、20mM
試薬レシピ3:グルコースオキシダーゼ、100ユニット/ml;セイヨウワサビペルオキシダーゼ、100ユニット/ml;及びAmplex Red、20mM
試薬レシピ4:ヘキソキナーゼ、1ユニット/ml;ATP、220μg/ml;及びNAD、400μg/ml
B.カルシウム比色アッセイ
サンプル:全血、血漿、血清、唾液
試薬レシピ1:アルセナゾIII、17μg/ml
C.アルブミン比色アッセイ
サンプル:全血、血漿、血清、唾液
試薬レシピ1:ブロモクレゾールパープル、22μg/ml
D.総タンパク質比色アッセイ
サンプル:全血、血漿、血清、唾液
試薬レシピ1:硫酸第二銅、1.34mg/ml;酒石酸ナトリウムカリウム、3.43mg/ml;及びヨウ化カリウム、0.28mg/ml
E.ナトリウム比色アッセイ
サンプル:全血、血漿、血清、唾液
試薬レシピ1:ONPG、220μg/ml;及びβ−ガラクトシダーゼ、0.05ユニット/ml
F.カリウム比色アッセイ
サンプル:全血、血漿、血清、唾液
試薬レシピ1:ADP、220μg/ml;ホスホエノールピルビン酸、0.05ユニット/ml;ピルビン酸キナーゼ、0.1ユニット/ml;NADH、480μg/ml;リン酸カリウム、13.6mg/ml;硫酸マグネシウム、95μg/ml;FAD、7.85μg/ml;4−アミノアンチピリン、130μg/ml;セイヨウワサビペルオキシダーゼ、10ユニット/ml;及びTBHBA、1.88mg/ml
G.塩化物イオン比色アッセイ
サンプル:全血、血漿、血清、唾液
試薬レシピ1:CNPG3、530μg/ml;α−アミラーゼ、0.36ユニット/ml;及び酢酸カルシウム、250μg/ml
H.血中尿素窒素比色アッセイ
サンプル:全血、血漿、血清、唾液
試薬レシピ1:尿素アミドリアーゼ、0.5U/ml;PEP、570ug/ml;ATP、220ug/ml;ピルビン酸キナーゼ、1U/ml;ピルビン酸オキシダーゼ、10U/ml;リン酸カリウム、13.6mg/ml;MgCl2、95ug/ml;FAD、7.85ug/ml;TBHBA、1.88mg/ml;4−AAP、130ug/ml;及びペルオキシダーゼ、10U/ml
I.クレアチニン比色アッセイ
サンプル:全血、血漿、血清、唾液
試薬レシピ1:クレアチニンアミドヒドロラーゼ、10U/ml;クレアチニンアミジノヒドロラーゼ、30U/ml;サルコシンオキシダーゼ、10U/ml;TBHBA、1.88mg/ml;4−AAP、130ug/ml;及びペルオキシダーゼ、10U/ml
J.アルカリホスファターゼ比色アッセイ
サンプル:全血、血漿、血清、唾液
試薬レシピ1:p−ニトロフェニルリン酸、560ug/ml;硫酸亜鉛、0.5U/ml;及び硫酸マグネシウム、330ug/ml
K.アラニンアミノトランスフェラーゼ比色アッセイ
サンプル:全血、血漿、血清、唾液
試薬レシピ1:L−アラニン、8.74mg/ml;α−ケトグルタル酸、1.01mg/ml;ピルビン酸オキシダーゼ、10U/ml;リン酸カリウム、13.6mg/ml;MgCl、95ug/ml;FAD、7.85ug/ml;TBHBA、1.88mg/ml;4−AAP、130ug/ml;及びペルオキシダーゼ、10U/ml
L.アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ比色アッセイ
サンプル:全血、血漿、血清、唾液
試薬レシピ1:L−アスパラギン酸、4.26mg/ml;α−ケトグルタル酸、1.01mg/ml;オキサロ酢酸デカルボキシラーゼ、10U/ml;TBHBA、1.88mg/ml;4−AAP、130ug/ml;及びペルオキシダーゼ、10U/ml
M.ビリルビン比色アッセイ
サンプル:全血、血漿、血清、唾液
試薬レシピ1:ビリルビンオキシダーゼ、1U/ml
N.コレステロール比色(蛍光)アッセイ
サンプル:全血、血漿、血清、唾液
試薬レシピ1:コレステロールオキシダーゼ、100ユニット/ml;セイヨウワサビペルオキシダーゼ、100ユニット/ml;4−アミノアンチピリン、20mM;及びTOOS、20mM
試薬レシピ2:コレステロールオキシダーゼ、100ユニット/ml;セイヨウワサビペルオキシダーゼ、100ユニット/ml;及び3,5,3’,5’−テトラメチルベンジジン(TMB)、20mM
試薬レシピ3:コレステロールオキシダーゼ、100ユニット/ml;セイヨウワサビペルオキシダーゼ、100ユニット/ml;及びAmplex Red、20mM
O.トリグリセリド類比色(蛍光)アッセイ
サンプル:全血、血漿、血清、唾液
試薬レシピ1:リパーゼ、100ユニット/ml;グリセロキナーゼ、100ユニット/ml;グリセロリン酸オキシダーゼ、100ユニット/ml;4−アミノアンチピリン、20mM;及びTOOS、20mM
試薬レシピ2:リパーゼ、100ユニット/ml;グリセロキナーゼ、100ユニット/ml;グリセロリン酸オキシダーゼ、100ユニット/ml;及び3,5,3’,5’−テトラメチルベンジジン(TMB)、20mM
試薬レシピ3:リパーゼ、100ユニット/ml;グリセロキナーゼ、100ユニット/ml;グリセロリン酸オキシダーゼ、100ユニット/ml;及びAmplex Red、20mM
P.アルコール比色(蛍光)アッセイ
サンプル:全血、血漿、血清、唾液、呼気
試薬レシピ1:アルコールオキシダーゼ、100ユニット/ml;セイヨウワサビペルオキシダーゼ、100ユニット/ml;4−アミノアンチピリン、20mM;及びTOOS、20mM
試薬レシピ2:アルコールオキシダーゼ、100ユニット/ml;セイヨウワサビペルオキシダーゼ、100ユニット/ml;3,5,3’,5’−テトラメチルベンジジン(TMB)、20mM
試薬レシピ3:アルコールオキシダーゼ、100ユニット/ml;セイヨウワサビペルオキシダーゼ、100ユニット/ml;Amplex Red、20mM
Q.過酸化水素比色(蛍光)アッセイ
サンプル:全血、血漿、血清、唾液、呼気
試薬レシピ1:セイヨウワサビペルオキシダーゼ、100ユニット/ml;4−アミノアンチピリン、20mM;及びTOOS、20mM
試薬レシピ2:セイヨウワサビペルオキシダーゼ、100ユニット/ml;3,5,3’,5’−テトラメチルベンジジン(TMB)、20mM
試薬レシピ3:セイヨウワサビペルオキシダーゼ、100ユニット/ml;及びAmplex Red、20mM
R.グラム染色
サンプル:血液塗抹、膣サンプル、生殖器サンプル
グラムクリスタルバイオレット:クリスタルバイオレット、20g;シュウ酸アンモニウム、8g;及びメタノール、200mL
グラムヨウ素:ヨウ素クリスタル、3.33g;及びヨウ化カリウム、6.67g
グラム脱色剤:エタノール、500.0mL;及びアセトン、500.0mL
グラムサフラニン:サフラニンO、0.25g;及びエタノール、10mL
グラム塩基塩基性フクシン:フクシン、0.7g;フェノール、3.5mL;及びエタノール、14mM
S.Leishman染色
サンプル:塗抹サンプル
レシピ:Leishman染料、0.2g;及びアセトンフリーメチルアルコール、100mL
T.ギムザ染色
サンプル:塗抹サンプル
レシピ:ギムザ粉末、0.15g;グリセリン、12.5mL;及びメチルアルコール、12.5mL
U.ライト染色
サンプル:塗抹サンプル
レシピ:ライト染料、1.5g;及びメタノール、500mL
V.フィールド染色
サンプル:塗抹サンプル
フィールド液A:メチレンブルー、1.6g;リン酸二水素二ナトリウム、10g;リン酸二水素カリウム、12.5g;アズール、1g;及び蒸留水、1000mL
フィールド液B:エオシンY、2g;リン酸二水素二ナトリウム、10g;リン酸二水素カリウム、12.5g;蒸留水、1000mL
W.ジェンナー染色
サンプル:塗抹サンプル
レシピ:ジェンナー染料、0.5g;及びメタノール、100mL
X.JSB染色
サンプル:塗抹サンプル
レシピ:Atineオレンジ染料、0.5g;1%硫酸、3mL;二クロム酸カリウム、0.5g;リン酸水素二ナトリウム二水和物、3.5g;及び蒸留水、500mL
JSB染料II:エオシンY、1g;及び蒸留水、500mL
Y.計数及び分化のための白血球細胞染色
サンプル:血液、尿、その他の体液
レシピI:アクリジンオレンジ(検出剤)、1ug/mL〜1mg/mL
レシピII:ヨウ化プロピジウム(PI)(検出剤)、150uM;フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、100uM;及びベーシックオレンジ21(BO21)染料、250uM
Z.計数のための血小板染色
サンプル:血液、尿、その他の体液
レシピI:アクリジンオレンジ(検出剤)、1ug/mL〜1mg/mL
レシピII:ヨウ化プロピジウム(PI)(検出剤)、150uM;フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、100uM;及びベーシックオレンジ21(BO21)染料、250uM
【0290】
4.画像に基づいた読み取り方法及び不完全性の除去
1つの好ましい実施形態、及びいずれかの先行実施形態に記載の方法では、アッセイは撮像によって読み取られる。
【0291】
1つの好ましい実施形態、及びいずれかの先行実施形態に記載の方法では、アッセイは、赤、緑、及び青のチャネルを介して撮像することによって読み取られる。
【0292】
1つの好ましい実施形態、及びいずれかの先行実施形態に記載の方法では、アッセイは、グレースケールチャネルを介して撮像することによって読み取られる。
【0293】
一実施形態では、画像は機械学習法によって解析される。
【0294】
いくつかの実施形態では、サンプルの撮像を用いて、例えば、装置における生物学的アッセイ及び化学的アッセイの適用に際して、以下の(1)サンプル縁部、(2)サンプル中の気泡、(3)少なすぎるサンプル量、または多すぎるサンプル量、(4)スペーサー下のサンプル、(5)凝集したサンプル、(6)溶解したサンプル、(7)サンプルの露出オーバー画像、(8)サンプルの露出不足画像、(8)焦点が合っていないサンプル、(9)光学系エラー、(10)閉じていないカード、(11)間違っているカード、(12)カード内の粉塵、(13)カード内の油、(14)カードに対する焦点面の汚れまたははずれ、(15)リーダー内の適切な位置にないカード、(16)空のカード、(17)カードの製造誤差、(18)別の用途の間違ったカード、(19)乾燥したサンプル、(20)期限切れのカード、(21)ばらつきが大きい信号分布、(22)間違ったサンプル、及びそれらの組み合わせでの例を検出する、区別する、分類する、修正する、及び/または訂正することができる。
【0295】
いくつかの実施形態では、サンプルの撮像を用いて、サンプル内の不完全な領域を除去する、または修正することができる。
【0296】
図8に示される一例では、3つの比色サンプル(全血中のトリグリセリドを測定する垂直流カード上の)をカラー画像によって読み取る。サンプル2は中央領域を有し、この中央領域は、サンプル内の気泡の不完全性が原因で、周囲の領域よりもはるかに明るい色彩強度を有する。サンプル3は、ウェル縁部近くに暗い領域の不完全性を有する。撮像法を用いて、アッセイの精度を向上させるために、色彩強度を分析する前にこれらの不完全領域を除去することができる。視野内の色標準参照を用いて、画像上の色を較正することができる。
【0297】
いくつかの実施形態では、画像内の参照を用いて、画像分析を支援することができる。
【0298】
いくつかの実施形態では、画像内の参照は、例えば、標準カラーキャリブレータ、コントラストキャリブレータ、化学反応キャリブレータ、位置キャリブレータ、サイズキャリブレータ、時間キャリブレータ、及び同様のキャリブレータを含むことができる。
【0299】
5.サンプル
本発明の一態様による複合液体サンプルは、サンプルから提供され、装置及び方法によって分離する1つ以上の成分を含む。
【0300】
開示された装置及び方法は、診断用サンプル、臨床用サンプル、環境サンプル、及び食品サンプルなどのサンプルに使用されることができる。サンプルの種類は、例えば、2016年8月10日に出願され、参照によりその全体が援用される、PCT出願(米国を指定)第PCT/US2016/045437号に開示されるサンプルを含むことができる。
【0301】
特定の実施形態では、サンプルは、細胞、組織、体液、及び便などの生物学的サンプルから得られることができる。典型的には、開示された方法によってサンプルを分析する前に、液体形態ではないサンプルを液体形態に変換することができる。対象となる体液は、例えば、羊水、水性体液、硝子体液、血液(例えば、全血、分画血液、血漿、血清)、母乳、脳脊髄液(CSF)、セルメン(耳垢)、乳び、チャイム、内リンパ、外リンパ、排泄物、胃酸、胃液、リンパ液、粘液(鼻汁及び痰を含む)、心膜液、腹水、胸水、膿汁、粘膜分泌物、唾液、皮脂(スキンオイル)、精液、痰、汗、滑液、涙、嘔吐物、尿、及び呼気凝縮液を含むことができる。特定の実施形態では、サンプルは、被検体、例えば、ヒトから得られることができる。いくつかの実施形態では、サンプルは、対象のアッセイに使用する前に処理されることができる。例えば、分析の前に、タンパク質/核酸は、既知の抽出方法を用いて、使用前に組織サンプルから抽出されることができる。特定の実施形態では、サンプルは、臨床用サンプル、例えば、患者から収集されたサンプルであることができる。
【0302】
特定の実施形態では、サンプルは、環境サンプル供給源から得られることができ、例えば、川、湖、池、海、氷河、氷山、雨、雪、下水、貯水池、水道水、飲料水などからの液体サンプルと、土壌、コンポスト、砂、岩石、コンクリート、木材、レンガ、下水などからの固体サンプルと、空気、水中熱水源、産業排気、車両排気などからの気体サンプルとを含む。通常、液体形態ではないサンプルは、開示された方法によってサンプルを分析する前に液体形態に変換される。
【0303】
特定の実施形態では、サンプルは、動物の消費、例えば、ヒトの消費に適している食品サンプルから得られることができる。食品サンプルは、例えば、生の食材、調理済み食品、動植物由来の食品、前処理された食品、及び部分的に、または完全に処理された食品などを含む。通常、液体形態ではないサンプルは、本発明の方法によってサンプルを分析する前に液体形態に変換される。
【0304】
本発明の一態様によれば、サンプルから分離される成分(複数可)は、固体、液体、気体状態、またはそれらの任意の組み合わせであることができる。サンプルから分離するこれらの成分は、例えば、細胞、組織、ウイルス、細菌、タンパク質、DNA、RNA、気泡、脂質を含む。
【0305】
本発明の好ましい実施形態では、サンプルは、全血サンプルであることができ、全血サンプルから分離される成分は、血液細胞(赤血球細胞、白血球細胞、血小板など)である。好ましい実施形態では、装置及び方法は、血漿分離のために特に構成される。
【0306】
本発明の一態様によれば、サンプル量は、1μL以下、2μL以下、5μL以下、10μL以下、20μL以下、50μL以下、100μL以下、200μL以下、500μL以下、1mL以下、2mL以下、5mL以下、10mL以下、20mL以下、50mL以下、100mL以下、200mL以下、500mL以下、1L以下、またはこれらの値のいずれかの間の範囲であることができる。
【0307】
6.濾過された生成物
本発明のいくつかの実施形態では、収集プレートは、Xプレートであることができ、複合サンプル分離に加えて、このXプレートは、QMAXプロセスでは濾過された生成物のさらなる感知/アッセイ/処理に使用されることができる。
【0308】
QMAX(Q:定量化、M:拡大、A:追加試薬、X:加速、圧縮調節オープンフロー(CROF)とも称される)プロセスまたはアッセイまたはアッセイプラットフォームでは、QMAX装置は、2つのプレートを使用してサンプルの形状を薄層へと操作する(例えば、圧縮することにより)。
【0309】
QMAXアッセイでは、プレート構成の1つは、開構成であり、開構成では、2つのプレートは、完全に、または部分的に分離され(プレート間の間隔はスペーサーによって制御されていない)、サンプルを配置させることができる。別の構成は、閉構成であり、閉構成では、開構成中に配置されたサンプルの少なくとも一部分は、2つのプレートによって非常に均一な厚さの層へと圧縮され、この層の均一な厚さは、これらのプレートの内面によって制限され、かつプレート及びスペーサーによって調節される。
【0310】
本発明のいくつかの実施形態では、サンプルを濾過した後、駆動力の第二部分を提供するフィルタ及び供給源は、収集プレートから分離される。濾過された生成物は、少なくとも部分的に毛管力及び表面張力によって、収集プレート上に保持される。いくつかの実施形態では、濾過された生成物を載せる収集プレートは、捕捉プレートと結合されて、QMAX装置を形成する。収集プレート及び捕捉プレートは、互いに対して異なる構成へと相対的に可動であり、これらの構成の1つは、開構成であり、この開構成では、収集プレート及び捕捉プレートは離隔され、プレート間の間隔はスペーサーによって調節されない。これらの構成のもう1つは、閉構成であり、この閉構成では、これらのプレートは互いに対向しており、スペーサー及び濾過された生成物はこれらのプレート間にあり、濾過された生成物の厚さはプレート及びスペーサーによって調節され、プレートが開構成にあるときよりも薄く、スペーサーの少なくとも1つはサンプルの内側にある。
【0311】
本発明のいくつかの実施形態では、捕捉プレートは、濾過された生成物のアッセイのために、平面ガラスプレートである、及び/または結合剤または検出剤をそれぞれ含む結合位置または保管位置を含む。いくつかの実施形態では、収集プレートもまた、濾過された生成物のアッセイのために、結合位置または保管位置を含む。
【0312】
いくつかの実施形態では、濾過プロセス後に収集プレート及び捕捉プレートが形成するQMAX装置は、例えば、2015年8月10日に出願された米国仮特許出願第62/202,989号、2015年9月14日に出願された米国仮特許出願第62/218,455号、2016年2月9日に出願された米国仮特許出願第62/293,188号、2016年3月8日に出願された米国仮特許出願第62/305,123号、2016年7月31日に出願された米国仮特許出願第62/369,181号、2016年9月15日に出願された米国仮特許出願第62/394,753号、2016年8月10日に出願されたPCT出願(米国を指定)第PCT/US2016/045437号、2016年9月14日に出願されたPCT出願(米国を指定)第PCT/US2016/051775号、2016年9月15日に出願されたPCT出願(米国を指定)第PCT/US2016/051794号、及び2016年9月27日に出願されたPCT出願(米国を指定)第PCT/US2016/054025号に記載された実施形態を含み、これらの開示のすべては、それらの全体があらゆる目的のために参照により援用される。
【0313】
7.有利な効果及び用途
本発明によって提供される装置及び方法は、所与の複合液体サンプルからの望ましくない成分の分離、及び/または所与のサンプルからの所望の成分の抽出が必要とされる、さまざまな分野におけるさまざまな異なる用途で使用することができる。例えば、本発明の装置及び方法は、血液細胞の分離が必要とされる血漿に関連するアッセイでの使用、混入粒子のない純水を必要とする用途での使用、飲料水中の混入細菌の調査に関連する用途での使用などを見いだすことができる。さまざまな分野は、例えば、ヒト、獣医学、農業、食品、環境、薬物検査などの分野を含む。
【0314】
本発明に提供される装置及び方法は、例えば、いくつかの好ましい実施形態で提供される装置及び方法が、比較的はるかに単純で操作が容易であること、十分に訓練された専門家の必要性がないこと、必要な時間がはるかに短いこと、必要なコストがはるかに低いこと、及びいくつかの特定の実施形態では、少ない液体サンプル量を取り扱うのに特に優れていることを含む多くの理由で、複合液体サンプル分離のための既存の技術に勝る多くの利点を有する。
【0315】
さらに、本発明のいくつかの好ましい実施形態に提供される装置を使用して、QMAX装置を形成することができ、このQMAX装置は、より広範囲の用途での使用を見いだすことができる。これらの用途は、例えば、生/化学的アッセイ、液体サンプルの定量的サンプリング、生/化学的処理、及びバイオマーカーの検出を含む。
【0316】
開示されている装置及び方法は、さまざまなタイプの生物学的/化学的サンプリング、感知、アッセイ、及び用途を有し、例えば、2016年8月10日に出願されたPCT出願(米国を指定)第PCT/US2016/045437号、及び2016年9月14日に出願された第PCT/US16/51794号に記載されたものを含み、それらの全体が参照により援用される。
【0317】
本明細書に開示される装置及び方法は、バイオマーカーなどの分析物の検出、精製、及び/または定量化に使用されることができる。これらのバイオマーカーの例は、2016年8月10日に出願されたPCT出願(米国を指定)第PCT/US2016/045437号に開示され、その全体が参照により援用されるものを含むことができる。
【0318】
開示された装置及び方法は、モバイル通信デバイス及びシステムの促進及び強化に関して使用されることができ、これらのモバイル通信デバイス及びシステムは、2016年8月10日に出願されたPCT出願(米国を指定)第PCT/US2016/045437号に列挙され、説明され、要約されたデバイス及びシステムを含み、その全体が参照により援用される。
【実施例】
【0319】
8.実施例1
ここで、本発明の一態様による全血サンプルから血漿を分離するための例示的な装置及び方法が実験によって達成された。血漿分離のために、さまざまな実験条件を試験して比較するための実験を実施した。
【0320】
この実験について、本発明の一態様による収集プレートとして、2つの異なるタイプのXプレートを使用した。どちらもPMMA製で、厚さ175μm、幅1インチ×1インチであった。タイプ1のXプレートは、その表面上に、幅30×40μm、及び高さ30μmの立方体のピラースペーサーを有し、80μmの間隔間距離(ISD)で間を置かれている。タイプ2のXプレートは、その表面上に、高さ2μmを有することを除いて、タイプ1とすべて同じパラメータを有する立方体のピラースペーサーを有する。いくつかの実験条件では、これら2つのタイプの1つから選択された異なるXプレートをプレスプレートとしても使用した。血液サンプル中の血漿から血液細胞を分離するためのフィルタとして、異なる細孔径(0.4μm、μm、1μm、2μm、及び3um)を有する4つのタイプのフィルタメンブレン(すべてKent,WAのSterlitech Corp.から購入、ポリカーボネート製)を使用した。
【0321】
全血サンプルは、商業的に、または、ヒト被検者の指を穿刺することによって新たに得られた。すべての実験条件について、血漿分離中、フィルタメンブレンを収集プレートの上面上に設置し、収集プレートを、そのピラースペーサーを上に向けながら、ベンチの上に置き、次に血漿分離のために、1滴の全血サンプル(プレスプレートに高さ2μmのスペーサーを使用するときには1μL、及び平面ガラスプレート、スポンジ、またはプレスプレートに高さ30μmのスペーサーを使用するときには3μL)をフィルタメンブレンの上面上に配置させた。血液サンプルを収集プレートに向けてフィルタメンブレンに流入させるための駆動力を提供するために、平面ガラスプレートか、スポンジか、プレスプレートかいずれかをプレス手段として使用した。プレス手段を配置した血液サンプルの上面上に置き、次にある特定の時間(例えば、30秒または180秒)、収集プレートに手で押し付けることで、血液サンプルを血漿分離用のフィルタメンブレンに流入させた。
【0322】
血漿分離のために手で押し付けた後、濾過された生成物を収集プレート上に残したまま、プレス手段の上面、及びフィルタメンブレンを剥がした。次に、別の平面ガラスプレート(「捕捉プレート」、厚さ1mm、及び幅1×1インチ)を置き、収集プレートに接触させた。ここでは、QMAXプロセスをサンプルの観察及び定量化に使用した。収集プレート及び捕捉プレートを、互いに対して30秒間手で押し付けた後、「自己保持」させ、QMAX装置を形成した。次に、濾過された生成物を載せた、得られたQMAX装置を、光学顕微鏡下で撮像し、それに応じて、濾過された生成物の体積を推定した。
【0323】
この実験では、11個の異なる実験条件を試験し、各条件の詳細を表1に要約する。
【0324】
図5は、血漿分離に使用した場合の装置のさまざまな実験構成から得られた、濾過された生成物の代表的な画像を示す。各画像の左上隅の番号(1〜11)は、表1に列挙されているその実験グループ番号を示す。各画像に示されている、間を置いて配列された角丸矩形は、収集プレートのピラースペーサーである。画像に示されているように、ガラスプレート(グループ1)は、明らかにサンプル中の赤血球を溶解し、濾過された生成物を可視の赤色のままにした。グループ11は、濾過された生成物中の血液細胞を示し、細孔径(5um)が血液細胞をフィルタにかけるのに十分な小ささではなかったことを示した。グループ7は、おそらくスポンジのサイズが大きすぎたことが原因で、スポンジがすべてではないにしてもほとんどの血液サンプルを吸収して保持したため、血漿または血液がほとんどなかったことを示した。血漿はその他のすべてのグループで得られた。これらの画像からわかるように、グループ5及び6は、濾過された生成物(血漿)がQMAX装置で連続フィルムを形成したときに最良の結果を出した。グループ2、3、4、8、9、及び10は、グループ5及び6でのピラーの高さが2μmであったことと比較して、おそらく収集プレートのピラーの高さが30μmであったことが原因で、主に血漿液滴を示し、場合によってはいくつかの斑状血漿フィルムを示した。
【0325】
(表1)
【0326】
濾過された生成物の推定量は、ピラースペーサーの高さに、画像から計算された血漿の合計面積を乗算することによって実行され、濾過効率は、濾過された生成物の量を全血サンプルの量で除算することによって計算された。全体的なデータは表2に要約される。
【0327】
(表2)濾過された生成物の定量化
【0328】
この実施例は、本発明によって提供される装置及び方法の妥当性を示す。また、本発明を使用して、例示的な装置はこの分野での多くの他の既存の技術と比べて、比較的はるかに単純な構造を有し、取り扱いがはるかに容易であること、この方法ははるかに短い時間、おそらく装置及びサンプルを取得してから血漿分離の完了まで1分以内で行われること、この方法は取り扱う血液サンプルの量がごくわずかであることができることで、侵襲的な大量の採血を回避することによって、被検者、特に患者への負担を軽減すること、という血漿分離を実現する利点を実証する。
【0329】
9.実施例−2.
ここで、実施例−1に示されるような例示的な装置及び方法によって分離された血漿は、通常の実験室試験の一部分であるトリグリセリド(TG)アッセイに使用されることが実証されている。TGは血中に見られる脂肪の一種であり、高水準のTGは冠動脈疾患のリスクを高める可能性がある。したがって、TGテストは、心疾患を発症する個人のリスクを評価するために使用される脂質パネルの一部分である。通常、TGアッセイは比色アッセイであり、赤血球中のヘモグロビンによる色の干渉を避けるために、全血サンプルの代わりに血漿を用いて実行される。ここでは、例示的な装置及び方法を使用して、全血サンプルから血漿を分離し、得られた血漿をTGアッセイ用の基質として使用した。
【0330】
この実験では、血漿分離のために、Xプレート(PMMA、厚さ175μm、及び幅1×1インチ、立方体のピラースペーサー:幅30×40μm、高さ30μm、及びISD80μm)を収集プレートとして使用した。0.4μmの細孔を有するフィルタメンブレン(Sterlitech Corp.、Kent、WA)をフィルタとして使用した。別のXプレート(PMMA、厚さ175μm、及び幅1×1インチ、立方体のピラースペーサー:幅30×40μm、高さ30μm、及びISD80μm)をプレスプレートとして使用した。被検者の指を穿刺することによって新たに約2μLの全血サンプルを採取し、フィルタメンブレン上に配置させ、このフィルタメンブレンを収集プレートのピラースペーサーの上面上に置いた後、プレスプレートを配置したサンプルの上面上に置き、30s間収集プレートに手で押し付けた。全血サンプルの一部分を、収集プレートに向けてフィルタメンブレンに流入させ、血漿分離を実現した。
【0331】
TGアッセイでは、血漿分離後、フィルタメンブレン及びプレスプレートを収集プレートから剥がし、血漿(濾過された生成物)を収集プレート上に残した。次に、0.5μLのTGアッセイ試薬(Express Biotech International Inc.、Frederick、MD)を捕捉プレート(厚さ1mm、及び幅3インチ×1インチを有するPMMA製の平面プラスチックプレート)上に配置させた後、収集プレート上の血漿上まで移動させた。捕捉プレートを収集プレートに手で押し付け、QMAX装置を形成し、TGアッセイを1分間インキュベートした。次に、QMAX装置から画像をキャプチャして分析するように事前設定されたiPhoneに適合したリーダーによって、アッセイ画像を読み取った。
【0332】
図6は、実験用濾過装置からの濾過された生成物をアッセイサンプルとして、そしてQMAX装置をアッセイ装置として使用するトリグリセリド(TG)アッセイの結果を示す。下のパネルは、TGアッセイ及び撮像に使用されたQMAX装置の写真を示す。示されているように、長い平面ガラスプレートを使用して、試験された3つの収集プレートすべてに接触させて押し付け、3つの別々のQMAX装置を形成した。ここでのTGアッセイは比色アッセイであり、この比色アッセイでは、TGを検出するとアッセイ溶液の色が変化し(ピンク色に変わり)、色彩強度が高いほど、アッセイサンプル中のTGのレベルが高いことを示す。上のパネルは、3つの異なる実験条件下での色彩強度の結果の棒グラフを示す。色彩強度は、血漿(濾過された生成物)のみがあった場合(左の棒)にゼロに近く、試薬のみがあった場合(右の棒)に非常に低い水準であった。ただし、色彩強度は、血漿及び試薬の両方が存在した場合(中央の棒)に最高水準に達し、血漿中にTGが存在することを示した。
【0333】
この実施例は、本発明によって提供される装置及び方法の妥当性をさらに示す。それはまた、本発明をQMAXプロセスと組み合わせる容易さを明確に実証し、これは、サンプルの採取/感知/アッセイ/処理を有意に加速し、QMAX装置の適用性を拡大することができる。
【0334】
いずれかの先行装置の実施形態に記載の装置は、以下の検査機能を有する。
【0335】
血液細胞検査は、例えば、白血球細胞数(WBCまたは白血球数)、WBC分類、赤血球細胞数または赤血球数、ヘマトクリット(Hct)、ヘモグロビン(Hbg)、平均赤血球容積(MCV)、平均赤血球血色素量(MCH)、平均赤血球血色素濃度(MCHC)、赤血球分布幅(RDW)、血小板数、及び平均血小板容積(MPV)を含むことができる。
【0336】
血液検査は、例えば、血糖検査、カルシウム血液検査、心筋酵素検査、コレステロール及び脂質検査、C反応性タンパク質検査、D−ダイマー検査、赤血球沈降速度(ESR)検査、葉酸検査、HbA1C検査、HCG検査、国際標準化比(INR)検査、鉄分調査、腎機能検査、肝機能検査、マグネシウム血液検査、エストロゲン血液検査、PSA検査、テストステロン血液検査、甲状腺機能検査、ビタミンB12検査、及びビタミンD検査を含むことができる。
【0337】
血液検査は、例えば、被検者がアレルギーである物質を決定するRAST検査、赤血球が凝集する炎症についてチェックするESR検査、血中ビタミンB12(コバラミン)の量を測定するビタミンB12検査、血中「善玉コレステロール」の水準についてのHDL検査、血中「悪玉コレステロール」の水準についてのLDL検査、体に関する炎症水準について検査するCRP、15個の異なる血液検査の読み取り値を提供するCBC、INR(血液凝固検査、肝臓によって処理される老廃物、酵素及びタンパク質の水準について検査するLFT(肝機能検査)、腎臓の機能を測定する尿素及び電解質検査である)、体の代謝及び化学バランスの全体的像を提供する包括的な代謝パネル(CMP)を含むことができる。
【0338】
肝機能検査は、例えば、T−BIL、D−BIL、TP、ALB、GLO、A/G比、ALP、AST、ALT、GGT、及びLDHを含むことができる。
【0339】
腎機能検査は、例えば、尿素、CRE、EGFR、Na、K、及びClを含むことができる。
【0340】
尿酸検査は、例えば、UAを含むことができる。
【0341】
B型肝炎検査は、例えば、HBsAg、及び抗HBsを含むことができる。
【0342】
腫瘍マーカー検査は、例えば、CEA、CA15−3、CA125、PSA、及びCA19−9を含むことができる。
【0343】
甲状腺機能検査は、例えば、TSH及びF−T4を含むことができる。
【0344】
組織炎症スクリーニングは、例えば、CRP、RA因子、ペプシノーゲン、及びESRを含むことができる。
【0345】
性行為感染症スクリーニングは、例えば、梅毒TP−Ab、及びHIVを含むことができる。
【0346】
血液型検査は、例えば、ABO及びRh(D)を含むことができる。
【0347】
尿検査は、例えば、外観、PRO、GLU、BIL、URO、RBC、ET、NIT、LEU、SG、pH、及び尿沈渣を含むことができる。
【0348】
便潜血検査は、例えば、FOBTを含むことができる。
【0349】
塗抹スクリーニングは、例えば、パパニコロウスメアを含むことができる。
【0350】
アレルギー及び感受性検査は、例えば、IgE検査及びIgG検査を含むことができる。
【0351】
生化学的検査は、例えば、いずれかの生物流体中の血液の存在についてのKastle−Meyer試験、薬物のカテゴリーであるサリチル酸検査、法医学目的のための唾液の存在についてのPhadebas検査、デンプン用のヨウ素溶液検査、特異的アミノ酸類についてのVan Slyke測定検査、ケトステロイド類についてのZimmermann検査、糖類のアルドースとケトースとの間を区別するセリワノフ検査、脂質類の検査、タンパク質中のアルギニンの存在についてのSakaguchi検査、タンパク質類中のトリプトファンの存在についてのHopkins Cole反応、タンパク質類中のシステインの遊離チオール基類の存在についてのニトロプルシド反応、タンパク質類中のシステイン及びシスチンの存在についてのSullivan反応、タンパク質類中のトリプトファンの存在についてのAcree−Rosenheim反応、タンパク質類中のチロシンまたはヒスチジンの存在についてのPauly反応、尿中のアルブミンの存在についてのHeller検査、尿中の胆汁色素の存在についてのGmelin検査、尿中の胆汁色素の存在についてのHay検査、及び同様の検査を含むことができる。
【0352】
生化学的検査は、例えば、多糖類または二糖類を還元することについてのBarfoed試験、糖類またはアルデヒド類を還元することについてのBenedict試薬試験類、糖類またはアルデヒド類を還元することについてのフェーリング液試験、炭水化物についてのモーリッシュ試験、糖類を還元することについてのニーランデル試験、グルコースとフルクトースとの間で区別するための迅速フルフラール試験、タンパク質類についてのビシンコニン酸アッセイ検査、タンパク質類及びポリペプチド類についてのビウレット試薬試験、タンパク質定量を測定するBradfordタンパク質アッセイ、α−アミラーゼ活性を測定するPhadebasアミラーゼ検査、五炭糖類について検査するためのBial検査、ピロリ菌による感染を特定するために使用される尿素呼気試験、及び梅毒についての抗体検査であるWassermann検査を含むことができる。
【0353】
有機検査は、例えば、一級アミン類についてのカルビルアミン反応検査、有機亜硝酸化合物類についてのGriess検査、メチルケトン類またはメチルケトン類に酸化されることができる化合物類の存在についてのヨードホルム反応検査、アルデヒド類を検出するシッフ試験、アルデヒド類についてのトレンス試薬(銀鏡)試験、エステル類またはエーテル類の存在についてのZeisel測定検査、第一級アルコールと第二級アルコールと第三級アルコールとの間で主に測定するために使用されるLucas試薬、不飽和及びフェノール類の存在について検査するために使用される臭素検査、有機物質を含む物体の年代を測定するための放射性炭素年代測定法、アルカリ性KMnO4について検査するためのBaeyer検査、コレステロールの検出についてのLiebermann検査、及びフェノールについて検査するためのフタレイン染料検査を含むことができる。
【0354】
無機検査は、例えば、硫酸塩類についての塩化バリウム試験、定性的なハロゲン化物類についてのバイルシュタイン試験、ある特定の金属類についてのホウ砂球試験、定量的にハロゲン化物類を測定するカリウスハロゲン法、シアン化物の存在についてのシアン化物試験のための化学試験、水の存在についてのCN−硫酸銅試験、金属類についての炎光試験、グリニャール試薬の存在についてのGilman試験、窒素の存在を定量的に測定するケルダール法、アンモニアの存在についてのネスラー試薬、アンモニアまたは一級アミン類についてのニンヒドリン試験、リン酸塩についてのリン酸試験、サンプル中の窒素、イオウ、及びハロゲン化物類の存在についてのナトリウム融解試験、いずれかの酸性の水素についてのZerewitinoff測定、酸、アルデヒド類及び硫化物類についてのOddy試験、塩酸の存在についてのGunzberg試験、乳酸の存在についてのKelling試験、ヒ素の検出のためのマーシュ試験を含むことができる。
【0355】
いずれかの先行装置の実施形態に記載の装置は、以下の検査機能を有することができる:
繊維類の同定としての組成分析、配合分析など。
洗浄、洗濯、漂白での染色堅ろう度試験、及び同様の試験。
ラボサンプルの精練及び漂白についての湿式加工工程分析、及び同様の試験。
サンプルの不完全性分析。
一般的な化学試験(例えば、炭化、溶解、ストリッピング及び再染色、織物の吸収性、漂白損失、乾燥収縮を含むことができる)、及び他の同様の試験。
パラメータ試験(密度、窒素含量、起泡性、エマルション安定性を含む)、及び同様の試験。
水、流出液及びスラッジ分析(pH、密度、伝導度、臭気、濁度、総溶解固形物、総硬度、酸性度、総塩素を含む)、ならびに同様の試験。
エコパラメータ試験(遊離ホルムアルデヒド、銅、コバルト、鉛、水銀、ポリ塩化ビニル、APEO/NPEO試験を含む)、及び同様の試験。
【0356】
いずれかの先行装置の実施形態に記載の装置は、以下の機能及び目的のうちの1つ以上を有することができる。
1)サンプルと他の既知の物質との相互作用を決定する。
2)サンプルの組成を決定する。
3)他の科学、医療、及び品質保証機能についての標準データを提供する。
4)最終用途についての適合性を妥当性確認する。
5)テクニカルコミュニケーションについての基礎を提供する。
6)いくつかのオプションの比較の技術的手段を提供する。
7)法的手続きにおいて証拠を提供する。
8)仕様、規制、または契約の要件が満たされているかどうかを決定する、またはこれらが満たされていることを検証する。
【0357】
成分を分離する実施例
A1.複数のスペーサーを有する収集プレートであって、前記複数のスペーサーは前記収集プレートの表面の1つの上に固定される、前記収集プレート、ならびに
サンプル受容面及びサンプル出口面を有するフィルタ、
を含む、複合液体サンプルから成分を分離するための装置であって、
前記スペーサーの少なくとも一部分は前記フィルタの前記サンプル出口面に対して向き、前記サンプル出口面と接触しており、前記サンプル出口面、及び前記スペーサーの前記一部分によって制限される微小空隙を形成し、
前記フィルタは、前記サンプル受容面から前記収集プレートに向けて前記フィルタに流入する前記サンプルの一部分から成分を分離するように構成されている、前記装置。
【0358】
B1.複合液体サンプルから成分を分離する方法であって、
(1)複数のスペーサーを有する収集プレートであって、前記複数のスペーサーは前記収集プレートの表面の1つの上にある、前記収集プレート、ならびにサンプル受容面及びサンプル出口面を有するフィルタを提供するステップであって、前記スペーサーの少なくとも一部分は前記フィルタの前記サンプル出口面に対して向き、前記サンプル出口面と接触しており、前記サンプル出口面、及び前記スペーサーの前記一部分によって制限される微小空隙を形成する、前記ステップと、
(2)前記フィルタの前記サンプル受容面上に前記サンプルを配置させるステップと、
(3)前記配置したサンプルの少なくとも一部分を駆動力によって駆動し、前記収集プレートに向けて前記フィルタに流入させるステップであって、前記フィルタは、前記サンプル受容面から前記収集プレートに向けて前記フィルタに流入する前記配置したサンプルの前記一部分から前記成分を分離するように構成されている、前記ステップと、
を含む、前記方法。
【0359】
D1.複数のスペーサーを有する収集プレートであって、前記複数のスペーサーは前記収集プレートの表面の1つの上に固定される、前記収集プレート、ならびに
サンプル受容面及びサンプル出口面を有するフィルタ、
を含む、血液サンプルから血漿を抽出するための装置であって、
前記スペーサーの少なくとも一部分は前記フィルタの前記サンプル出口面に対して向き、前記サンプル出口面と接触しており、前記サンプル出口面、及び前記スペーサーの前記一部分によって制限される微小空隙を形成し、
前記スペーサーは1〜50μmの均一な高さ、及び7〜50μmの一定のスペーサー間距離を有し、
前記フィルタは前記サンプル受容面から前記収集プレートに向けて前記フィルタに流入する前記血液サンプルの一部分から血液細胞を分離するように構成され、前記フィルタは多孔質構造体を形成することができる銀、ガラス繊維、セラミック、酢酸セルロース、セルロースエステル類、ナイロン、ポリテトラフルオロエチレンポリエステル、ポリウレタン、ゼラチン、アガロース、ポリビニルアルコール、ポリスルホン、ポリエステルスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、いずれかの他の材料、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される材料から作製され、0.1〜5μmの平均細孔径を有する、前記血漿抽出装置。
【0360】
E1.血液サンプルからの血漿抽出方法であって、
(1)複数のスペーサーを有する収集プレートであって、前記複数のスペーサーは前記収集プレートの表面の1つの上にある、前記収集プレート、ならびにサンプル受容面及びサンプル出口面を有するフィルタを提供するステップであって、
前記スペーサーの少なくとも一部分は前記フィルタの前記サンプル出口面に対して向き、前記サンプル出口面と接触しており、前記サンプル出口面、及び前記スペーサーの前記一部分によって制限される微小空隙を形成し、
前記スペーサーは1〜50μmの均一な高さ、及び7〜50μmの一定のスペーサー間距離を有する、前記ステップと、
(2)前記フィルタの前記サンプル受容面上に前記血液サンプルを配置させるステップと、
(3)前記配置した血液サンプルの少なくとも一部分を駆動力によって駆動し、前記収集プレートに向けて前記フィルタに流入させるステップであって、
前記フィルタは前記サンプル受容面から前記収集プレートに向けて前記フィルタに流入する前記配置した血液サンプルの前記一部分から血液細胞を分離するように構成され、前記上記の材料群、及び多孔質構造体を形成することができるいずれかの他の材料、及びいずれかのそれらの組み合わせから作製され、0.1〜5μmの平均細孔径を有する、前記ステップと、
を含む、前記血漿抽出方法。
【0361】
F1.収集プレート及びプレスプレートであって、前記収集プレート及び前記プレスプレートの両方はその表面の1つの上に固定される複数のスペーサーを有する、前記収集プレート及び前記プレスプレートと、
サンプル受容面及びサンプル出口面を有するフィルタと、
を含む、血液サンプルからの血漿を分離するための装置であって、
前記収集プレートの前記スペーサーの少なくとも一部分は前記フィルタの前記サンプル出口面に対して向き、前記サンプル出口面と接触しており、前記サンプル出口面、及び前記スペーサーの前記一部分によって制限される微小空隙を形成し、
前記収集プレート及び前記プレスプレートの前記スペーサーはそれぞれ、1〜50μmの範囲内の均一な高さ、及び7〜50μmの範囲内の一定のスペーサー間距離を有し、
前記フィルタは前記サンプル受容面から前記収集プレートに向けて前記フィルタに流入する前記血液サンプルの一部分から血液細胞を分離するように構成され、前記上記の材料群、及び多孔質構造体を形成することができるいずれかの他の材料、及びいずれかのそれらの組み合わせから作製され、0.1〜5μmの範囲内の平均細孔径を有し、
前記プレスプレートは前記収集プレート及び前記フィルタに対して異なる構成へと相対的に可動であり、
前記構成の1つは配置構成であり、前記配置構成では、前記プレスプレートは前記収集プレート及び前記フィルタから部分的に、または完全に分離され、前記収集プレートと前記プレスプレートとの間の距離はそれらの前記スペーサー、前記フィルタ、または前記配置したサンプルによって調節されず、
前記構成のもう1つは濾過構成であり、前記濾過構成では、前記フィルタは前記プレスプレートと前記収集プレートとの間に位置決めされ、前記収集プレートと前記プレスプレートとの間の前記距離はそれらの前記スペーサー、前記フィルタ、及び前記配置したサンプルによって調節され、前記スペーサーの少なくとも一部分、及び前記プレスプレートの内面は前記配置したサンプルの少なくとも一部分を前記フィルタに押し付け、前記駆動力の少なくとも一部分を提供する、前記血漿分離装置。
【0362】
G1.血液サンプルからの血漿抽出方法であって、
(1)収集プレート及びプレスプレートであって、前記収集プレート及び前記プレスプレートの両方はその表面の1つの上に複数のスペーサーを有する、前記収集プレート及び前記プレスプレートと、サンプル受容面及びサンプル出口面を有するフィルタとを提供するステップであって、
前記収集プレートの前記スペーサーの少なくとも一部分は前記フィルタの前記サンプル出口面に対して向き、前記サンプル出口面と接触しており、前記サンプル出口面、及び前記スペーサーの前記一部分によって制限される微小空隙を形成し、
前記収集プレート及び前記プレスプレートの前記スペーサーはそれぞれ、1〜50μmの均一な高さ、及び7〜50μmの一定のスペーサー間距離を有する、前記ステップと、
(2)前記フィルタの前記サンプル受容面上に前記血液サンプルを配置させるステップと、
(3)前記配置した血液サンプルと接触するように前記複数のスペーサーを有する前記プレスプレートを配置するステップであって、前記プレスプレートはその表面の1つの上に前記複数のスペーサーを有し、前記プレスプレートの前記スペーサーの少なくとも一部分は前記フィルタの前記サンプル受容面に対して向き、前記配置したサンプルと接触している、前記ステップと、
(4)前記配置ステップの後、前記プレスプレートを前記フィルタに対して圧縮して、前記プレスプレートと前記フィルタとの間の前記距離を減少させ、前記配置した血液サンプルの少なくとも一部分を前記収集プレートに向けて前記フィルタに流入させるステップであって、
前記フィルタは前記サンプル受容面から前記収集プレートに向けて前記フィルタに流入する前記配置した血液サンプルの前記一部分から血液細胞を分離するように構成され、前記上記の材料群、及び多孔質構造体を形成することができるいずれかの他の材料、及びいずれかのそれらの組み合わせから作製され、0.1〜5μmの平均細孔径を有する、前記ステップと、
を含む、前記血漿抽出方法。
【0363】
A2.前記微小空隙は、毛管力を提供し、前記毛管力は、前記サンプル受容面上に配置される前記サンプルの少なくとも一部分を前記収集プレートに向けて前記フィルタに流入させる、駆動力の少なくとも一部分を構成する、実施形態A1に記載の装置。
【0364】
A3.前記駆動力の少なくとも一部分を提供するように構成された第一液体を提供する力の供給源をさらに含み、前記第一液体は前記サンプルとの相互混和性が低い、実施形態A1または実施形態A2に記載の装置。
【0365】
A4.前記駆動力の少なくとも一部分を提供するように構成された加圧ガスを提供する力の供給源をさらに含む、先行実施形態のいずれか1つに記載の装置。
【0366】
A5.スポンジをさらに含み、
前記スポンジは圧縮状態及び非圧縮状態を有し、
前記スポンジは前記収集プレート及び前記フィルタに関して異なる構成へと可動であり、
前記構成の1つは配置構成であり、前記配置構成では、前記スポンジは前記非圧縮状態にあり、前記収集プレート及び前記フィルタから部分的に、または完全に分離され、前記収集プレートと前記スポンジとの間の距離は前記スペーサー、前記フィルタ、または前記配置したサンプルによって調節されず、
前記構成のもう1つは濾過構成であり、前記濾過構成では、前記フィルタは前記スポンジと前記収集プレートとの間に位置決めされ、前記収集プレートと前記スポンジとの間の前記距離は前記スペーサー、前記フィルタ、及び前記配置したサンプルによって調節され、前記スポンジは前記非圧縮状態から前記圧縮状態に変換されており、その間、前記スポンジは前記駆動力の少なくとも一部分を提供するように構成されている、先行実施形態のいずれか1つに記載の装置。
【0367】
A6.複数のスペーサーを有するプレスプレートであって、前記複数のスペーサーは前記プレスプレートの表面の1つの上にある、前記プレスプレートをさらに含み、
前記プレスプレートは前記収集プレート及び前記フィルタに対して異なる構成へと相対的に可動であり、
前記構成の1つは配置構成であり、前記配置構成では、前記プレスプレートは前記収集プレート及び前記フィルタから部分的に、または完全に分離され、前記収集プレートと前記プレスプレートとの間の距離はそれらの前記スペーサー、前記フィルタ、または前記配置したサンプルによって調節されず、
前記構成のもう1つは濾過構成であり、前記濾過構成では、前記フィルタは前記プレスプレートと前記収集プレートとの間に位置決めされ、前記収集プレートと前記プレスプレートとの間の前記距離はそれらの前記スペーサー、前記フィルタ、及び前記配置したサンプルによって調節され、前記スペーサーの少なくとも一部分、及び前記プレスプレートの内面は前記配置したサンプルの少なくとも一部分を前記フィルタに押し付け、前記駆動力の少なくとも一部分を提供する、先行実施形態のいずれか1つに記載の装置。
【0368】
A7.前記プレスプレートの前記スペーサーは、0.5〜100μmの均一な高さ、及び5〜200μmの一定のスペーサー間距離を有する、実施形態A6に記載の装置。
【0369】
A8.前記プレスプレートの前記スペーサーは、1〜50μmの均一な高さ、及び7〜50μmの一定のスペーサー間距離を有する、実施形態A6に記載の装置。
【0370】
B2.前記微小空隙は、前記ステップ(3)での前記駆動力の少なくとも一部分を構成する毛管力を提供する、実施形態B1に記載の方法。
【0371】
B3.前記ステップ(3)は、前記配置したサンプルに接触するように第一液体を配置させることを含み、前記第一液体は、前記サンプルとの相互混和性が低く、前記駆動力の少なくとも一部分を提供するように構成されている、実施形態B1またはB2に記載の方法。
【0372】
B4.前記ステップ(3)は、前記配置したサンプルに対して加圧ガスを適用することを含み、前記加圧ガスは、前記駆動力の少なくとも一部分を提供するように構成されている、先行方法の実施形態のいずれか1つに記載の方法。
【0373】
B5.前記ステップ(3)は、(a)スポンジを前記配置したサンプルと接触させること、(b)前記スポンジを前記フィルタに対して圧縮して、前記駆動力の少なくとも一部分を提供すること、を含む、先行方法の実施形態のいずれか1つに記載の方法。
【0374】
B6.前記ステップ(3)は、
(a)前記配置したサンプルと接触させるようにプレスプレートを配置することであって、前記プレスプレートはその表面の1つの上に複数のスペーサーを有し、前記プレスプレートの前記スペーサーの少なくとも一部分は前記フィルタの前記サンプル受容面に対して向き、前記配置したサンプルと接触している、前記配置することと、
(b)前記配置ステップ(a)の後、前記プレスプレートを前記フィルタに対して圧縮して、前記プレスプレートと前記フィルタとの間の前記距離を減少させ、前記駆動力の少なくとも一部分を提供することと、
を含む、先行方法の実施形態のいずれか1つに記載の方法。
【0375】
B7.前記プレスプレートの前記スペーサーは、0.5〜100μmの均一な高さ、及び5〜200μmの一定のスペーサー間距離を有する、実施形態B6に記載の方法。
【0376】
B8.前記プレスプレートの前記スペーサーは、1〜50μmの均一な高さ、及び7〜50μmの一定のスペーサー間距離を有する、実施形態B6に記載の方法。
【0377】
B9.前記圧縮ステップは、人間の手によって実行される、先行方法の実施形態のいずれか1つに記載の方法。
【0378】
C1.前記収集プレートの前記スペーサーは、所定の実質的に均一な高さ、及び所定の実質的に一定のスペーサー間距離を有する、先行実施形態のいずれか1つに記載の装置または方法。
【0379】
C2.前記均一な高さは0.5〜100μmであり、前記一定のスペーサー間距離は5〜200μmである、実施形態C1に記載の装置または方法。
【0380】
C3.前記均一な高さは0.5〜20μmであり、前記一定のスペーサー間距離は7〜50μmである、実施形態C1に記載の装置または方法。
【0381】
C4.前記フィルタは、機械的フィルタ、化学的フィルタ、生物学的フィルタ、またはそれらの任意の組み合わせである、いずれかの先行実施形態に記載の装置または方法。
【0382】
C5.前記フィルタは、前記上記のフィルタ材料群から選択される材料、及び多孔質構造体を形成することができる任意の他の材料、及びそれらの任意の組み合わせから作製される、いずれかの先行実施形態に記載の装置または方法。
【0383】
C6.前記フィルタは、10nm〜500μmの平均細孔径を有する、いずれかの先行実施形態に記載の装置または方法。
【0384】
C7.前記フィルタは、0.1〜5μmの平均細孔径を有する、いずれかの先行実施形態に記載の装置または方法。
【0385】
D2.前記微小空隙は、毛管力を提供し、前記毛管力は、前記サンプル受容面上に配置されるサンプルの少なくとも一部分を前記収集プレートに向けて前記フィルタに流入させる、駆動力の少なくとも一部分からなる、実施形態D1に記載の装置。
【0386】
E2.前記微小空隙は、前記ステップ(3)での前記駆動力の少なくとも一部分からなる毛管力を提供する、実施形態E1に記載の方法。
【0387】
E3.前記配置ステップは、(a)ヒトの皮膚を穿刺することにより、前記皮膚上に血液の液滴を放出させること、及び(b)血液移送ツールを使用せずに、前記血液の前記液滴を前記フィルタと接触させることを含む、実施形態E1またはE2に記載の方法。
【0388】
G2.前記圧縮ステップは、人間の手によって実行される、実施形態G1に記載の方法。
【0389】
G3.前記配置ステップは、(a)ヒトの皮膚を穿刺することにより、前記皮膚上に血液の液滴を放出させること、及び(b)血液移送ツールを使用せずに、前記血液の前記液滴を前記フィルタと接触させることを含む、実施形態G1またはG2に記載の方法。
【0390】
H1.前記プレートのそれぞれは、200μm未満の厚さを有する、先行実施形態のいずれか1つに記載の装置または方法。
【0391】
H2.前記プレートのそれぞれは、100μm未満の厚さを有する、先行実施形態のいずれか1つに記載の装置または方法。
【0392】
H3.前記プレートのそれぞれは、5cm未満の面積を有する、先行実施形態のいずれか1つに記載の装置または方法。
【0393】
H4.前記プレートのそれぞれは、2cm未満の面積を有する、先行実施形態のいずれか1つに記載の装置または方法。
【0394】
H5.前記プレートの少なくとも1つは、可撓性ポリマーから作製される、先行実施形態のいずれか1つに記載の装置または方法。
【0395】
H6.前記プレートの少なくとも1つは、可撓性プレートであり、前記可撓性プレートの厚さと、前記可撓性プレートのヤング率との積は、60〜75GPa−μmの範囲にあり、前記スペーサー間距離(ISD)の4乗を、前記可撓性プレートの前記厚さ(h)及び前記可撓性プレートの前記ヤング率(E)で除算した値、ISD/(hE)は、10^6um/GPa以下である、先行実施形態のいずれか1つに記載の装置または方法。
【0396】
H7.前記空間は、前記第二プレートの前記内面上に固定される、先行実施形態のいずれか1つに記載の装置または方法。
【0397】
H8.前記スペーサーは、円形、多角形、環状、正方形、長方形、卵形、楕円形、または同じものの任意の組み合わせから選択される断面形状を有するピラーである、先行実施形態のいずれか1つに記載の装置または方法。
【0398】
H9.前記スペーサーは、ピラー形状、及び実質的に平坦な上面を有し、各スペーサーについて、前記スペーサーの横寸法とその高さとの比は、少なくとも1である、先行実施形態のいずれか1つに記載の装置または方法。
【0399】
H10.各スペーサーは、少なくとも1である、前記スペーサーの横寸法とその高さとの比を有する、先行実施形態のいずれか1つに記載の装置または方法。
【0400】
H11.前記スペーサーの最小横寸法は、前記サンプル中の分析物の最小寸法未満である、または前記最小寸法に実質的に等しい、先行実施形態のいずれか1つに記載の装置または方法。
【0401】
H12.前記スペーサーはピラー形状を有し、前記スペーサーの側壁角部は少なくとも1μmの曲率半径を有する丸い形状を有する、先行実施形態のいずれか1つに記載の装置または方法。
【0402】
H13.前記スペーサーは、少なくとも100個/mmの密度を有する、先行実施形態のいずれか1つに記載の装置または方法。
【0403】
H14.前記スペーサーは、少なくとも1000個/mmの密度を有する、先行実施形態のいずれか1つに記載の装置または方法。
【0404】
H15.前記スペーサーは、少なくとも1%の充填率を有し、前記充填率は、前記均一な厚さの前記層と接触している前記スペーサーの面積と、前記均一な厚さの前記層と接触している前記プレートの総面積との比率である、先行実施形態のいずれか1つに記載の装置または方法。
【0405】
H16.前記スペーサーのヤング率と、前記スペーサーの前記充填率との積は、10MPa以上であり、前記充填率は、前記均一な厚さの前記層と接触している前記スペーサーの面積と、前記均一な厚さの前記層と接触している前記プレートの総面積との比率である、先行実施形態のいずれか1つに記載の装置または方法。
【0406】
H17.前記プレートの少なくとも1つは可撓性であり、
前記可撓性プレートについて、前記スペーサー間距離(ISD)の4乗を、前記可撓性プレートの前記厚さ(h)及び前記可撓性プレートの前記ヤング率(E)で除算した値、ISD/(hE)は、10^6um/GPa以下である、先行実施形態のいずれか1つに記載の装置または方法。
【0407】
H18.前記スペーサーは、直接に、プレートのエンボス加工によって、または前記プレートの射出成形によって前記プレート上に固定される、先行実施形態のいずれか1つに記載の装置または方法。
【0408】
H19.前記プレート及び前記スペーサーの前記材料は、ポリスチレン、PMMG、PC、COC、COP、または別のプラスチックから独立して選択される、先行実施形態のいずれか1つに記載の装置または方法。
【0409】
C.圧縮オープンフロー装置にサンプルを配置させるための方法及び装置
原則、及び、ある特定の実施例
図9及び図10は、いくつかの実施形態による、圧縮オープンフロー(COF)を使用するサンプル分析のための装置の概略図である。この装置は、図9、及び図10のパネル(a)に示されるように、第一プレート及び第二プレートを含む。2つのプレートのそれぞれは、サンプルを接触させるためのサンプル接触領域を有する内面を含む。第一プレート及び第二プレートは、互いに対して異なる構成へと可動である。図9に示されるように、装置が開構成にある場合、これらのプレートは、部分的にまたは全体的に離隔され、これらのプレートのサンプル接触領域間の平均間隔は、例えば、300umを上回ることができる。図9では、液体サンプルは、第一プレートの内面の上に配置され得る。図10のパネル(a)に示されるように、装置が閉構成にある場合、第一プレート及び第二プレートは重複部分を有し、これらのプレートのサンプル接触領域間の平均間隔は、200μm以下である。図10のパネル(a)では、開構成中に配置されたサンプルの少なくとも一部分は、ここでは2つのプレートの間に置かれている。2つのプレート間の液体サンプルは、第二プレートから一定の距離に位置決めされるカメラによって撮像されることができる。これらのプレート及びサンプルの組み合わせは、一般に、少なくとも対象となる波長では透過性である。
【0410】
図10のパネル(b)は、いくつかの実施形態による、図10のパネル(a)中の対応する装置の底面図を示す。図10のパネル(b)では、カメラの視野を示す。カメラの視野(別名:サンプル接触領域)の外側の位置にある第一プレート上の配置マーク(すなわち、サンプルの液滴を配置させるために推奨されている液滴領域、別名:圧縮マーク)もまた、図10のパネル(b)に示される。いくつかの実施形態では、配置マークは、十字形状を有することができる。他の実施形態では、配置マークは、他の形状の形態にあることができる。いくつかの実施形態では、配置マークは、第一プレートの外面に印刷されることができる。いくつかの実施形態では、配置マークは、第二プレートの外面に3次元(3D)構造体として作製されることができる。例えば、図10のパネル(a)及びパネル(b)に示されるような第一プレートの外面における3D構造体は、例えば、第二プレートがその設計された形状に成形されている成形プロセス中に形成されることができる。
【0411】
いくつかの実施形態では、図10のパネル(c)に示されるように、第一プレートは、いくらか半透明、または少なくとも部分的に透明であることができる。第二プレートの外面における配置マークは、第一プレートの内面を通して見ると可視である。サンプル分析のための装置を使用するプロセス中に、液体サンプルを第一プレートの内面の上に配置させることができる(例えば、図9に示されるように)。図10のパネル(c)に示されるような配置マークは、使用者が配置マークの近くの所望の位置にサンプルを配置させることを可能にする。サンプルが所望の位置に配置した後、第一プレートを第二プレートに近づけ、装置を開構成から閉構成に変える。装置が閉構成に変わると、サンプルは、第二プレートと第一プレートとの間の空間または空隙を充填する。閉構成では、サンプルの実質的に均一な層は、一般に、第二プレートと第一プレートとの間に形成されることができる。配置マークのため、装置が開構成にある場合、サンプルを所望の位置に配置させることができ、その結果、図10のパネル(a)からパネル(c)に示されるようにさらなる処理のために、カメラの視野内のサンプルの画像をキャプチャして格納することができる。
【0412】
配置マークは異なる形状を有するように設計されることができる。一実施形態では、配置マークは、十字形状にあることができる。一実施形態では、配置マークは、十字形状にあることができる。別の実施形態では、配置マークは、円で囲まれた十字または「プラス」記号の形状にあることができる。別の実施形態では、配置マークは、円の形状にあることができる。別の実施形態では、配置マークは、星の形状にあることができる。
【0413】
図10のパネル(d)は、第一プレートが追加で、または代替に圧縮マークでもあることができることを示す。圧縮マークは、圧縮力を加えて装置の2つのプレートを閉構成にするための位置またはおよその位置を示すように設計される。同様の配置マーク、いくつかの実施形態では、圧縮マークは、第一プレートの外面に印刷されることができる。いくつかの実施形態では、圧縮マークは、第一プレートの外面上の3D構造体であることができる。配置マークは、一般に、圧縮マークに対して所定の位置を有する。いくつかの実施形態では、圧縮マークは、サンプルの撮像領域を囲む形状にある。サンプルの撮像領域は、一般に、カメラが撮像する位置に装置を設置するときのカメラの視野である。いくつかの実施形態では、図10のパネル(d)に示されるように、配置マーク及び圧縮マーク(点線の円)は、異なるマークによって形成される。いくつかの実施形態では、配置マーク及び圧縮マークは、同じマークによって形成されることができる。サンプルの撮像領域を囲むマークは、配置マーク及び圧縮マークの両方に使用されることができる。
【0414】
実施例
配置マーク
A1.第一プレート、第二プレート、及びサンプル配置マークを含む、圧縮オープンフロー(COF)を使用するサンプル分析のための装置であって、
前記第一プレート及び前記第二プレートは、互いに対して、開構成及び閉構成を含む異なる構成へと可動であり、
前記プレートのそれぞれは、サンプルを接触させるためのサンプル接触領域を有する内面を含み、
前記第一プレートは前記開構成では前記サンプルを配置させるためのおよその位置を示す前記サンプル配置マークを有し、
前記開構成では、前記プレートは、部分的にまたは全体的に離隔されており、前記プレートの前記サンプル接触領域間の平均間隔は300umを上回り、
前記閉構成では、前記第一プレート及び前記第二プレートは重複部分を有し、前記開構成中に配置された前記サンプルの少なくとも一部分は、前記2つのプレートの間にあり、前記プレートの前記サンプル接触領域間の前記平均間隔は、例えば、200μm以下であることができる、前記サンプル分析装置。
【0415】
A1.1.第一プレート、第二プレート、及びサンプル配置マークを含む、圧縮オープンフロー(COF)を使用するサンプル分析のための装置であって、
前記第一プレート及び前記第二プレートは、互いに対して、開構成及び閉構成を含む異なる構成へと可動であり、
前記プレートのそれぞれは、液体サンプルを接触させるためのサンプル接触領域を有する内面を含み、
前記第一プレートは前記開構成では前記サンプルを配置させるためのおよその位置を示す前記サンプル配置マークを有し、
前記開構成は前記プレートが、部分的にまたは全体的に離隔されており、前記プレートの前記サンプル接触領域間の平均間隔は300umを上回る構成であり、
前記閉構成は前記第一プレート及び前記第二プレートが互いに対向し、前記開構成中に配置された前記サンプルの少なくとも一部分が、前記2つのプレートの前記内面間に制限され、前記プレートの前記サンプル接触領域間の前記平均間隔が200μm以下である構成であり、
前記サンプル配置マークは前記サンプルのかなりの部分が前記サンプル接触領域間に制限される可能性を高める、前記サンプル分析装置。
【0416】
A2.圧縮オープンフロー(COF)を使用するサンプル分析装置であって、
実施形態A1に記載の装置と、
前記装置内のサンプルの少なくとも一部分を撮像するように構成されたカメラと、
前記装置及び前記カメラが、互いに対して位置決めするように構成されることで、前記カメラが前記装置の所定の表示位置を撮像するアダプタであって、前記所定の表示位置は前記装置の前記配置マークに対する所定の位置を有する、前記アダプタと、
を含む、前記サンプル分析装置。
【0417】
A3.圧縮オープンフロー(COF)を使用するサンプル分析のための方法であって、
実施形態A1に記載の装置を有するステップと、
前記開構成では、前記第一プレート上の前記サンプル配置マークの位置またはおよその位置に前記サンプルを配置させるステップであって、前記サンプルは分析物を含むのではないかと疑われる、前記ステップと、
前記装置を前記閉構成にするステップと、
カメラを提供するステップと、
アダプタを使用して、前記装置及び前記カメラを、互いに対して位置決めすることで、前記カメラは前記装置の所定の表示位置を撮像するステップであって、前記所定の表示位置は前記装置の前記配置マークに対する所定の位置を有する、前記ステップと、
を含む、前記方法。
【0418】
A4.前記装置は、圧縮力を加えて前記2つのプレートを前記閉構成にするための位置またはおよその位置を示す圧縮マークを、前記プレートの1つの上にさらに含む、いずれかの先行実施形態に記載のデバイス、装置、及び方法。
【0419】
A5.前記圧縮マークは、前記配置マークに対する所定の位置を有する、実施形態A4に記載のデバイス、装置、及び方法。
【0420】
A6.前記圧縮マーク及び前記配置マークは、同じ単一のマークである、実施形態A4に記載のデバイス、装置、及び方法。
【0421】
圧縮マーク
B1.第一プレート、第二プレート、及び圧縮マークを含む、圧縮オープンフロー(COF)を使用するサンプル分析のための装置であって、
前記第一プレート及び前記第二プレートは、互いに対して、開構成及び閉構成を含む異なる構成へと可動であり、
前記プレートのそれぞれは、サンプルを接触させるためのサンプル接触領域を有する内面を含み、
一方または両方のプレートは前記2つのプレートを前記閉構成にするために圧縮力を加える、およその位置を示す前記圧縮マークを有し、
前記開構成では、前記プレートは、部分的にまたは全体的に離隔されており、前記プレートの前記サンプル接触領域間の平均間隔は300umを上回り、
前記閉構成では、前記第一プレート及び前記第二プレートは重複部分を有し、前記開構成中に配置された前記サンプルの少なくとも一部分は、前記2つのプレートの間にあり、前記プレートの前記サンプル接触領域間の前記平均間隔は200μm以下である、前記サンプル分析装置。
【0422】
B1.1.第一プレート、第二プレート、及び圧縮マークを含む、圧縮オープンフロー(COF)を使用するサンプル分析のための装置であって、
前記第一プレート及び前記第二プレートは、互いに対して、開構成及び閉構成を含む異なる構成へと可動であり、
前記プレートのそれぞれは、液体サンプルを接触させるためのサンプル接触領域を有する内面を含み、
前記第一プレートは圧縮力を加えて前記2つのプレートを前記閉構成にするためのおよその位置を示す前記圧縮マークを有し、
前記開構成は前記プレートが、部分的にまたは全体的に離隔されており、前記プレートの前記サンプル接触領域間の平均間隔は300umを上回る構成であり、
前記閉構成は前記第一プレート及び前記第二プレートが互いに対向し、前記開構成中に配置された前記サンプルの少なくとも一部分が、前記2つのプレートの前記内面間に制限され、前記プレートの前記サンプル接触領域間の前記平均間隔が200μm以下である構成であり、
前記圧縮マークは前記サンプル接触領域間に制限される前記サンプルの均一性を改善する、前記サンプル分析装置。
【0423】
B2.圧縮オープンフロー(COF)を使用するサンプル分析装置であって、
実施形態B1に記載の装置と、
前記装置内のサンプルの少なくとも一部分を撮像するカメラと、
前記装置及び前記カメラが、互いに対して位置決めするように構成されることで、前記カメラが前記装置の所定の表示位置を撮像するアダプタであって、前記所定の表示位置は前記装置の前記圧縮マークに対する所定の位置を有する、前記アダプタと、
を含む、前記サンプル分析装置。
【0424】
B3.圧縮オープンフロー(COF)を使用するサンプル分析のための方法であって、
実施形態B1に記載の装置を提供するステップと、
前記開構成では、分析物を含むのではないかと疑われる前記サンプルを配置させるステップと、
前記圧縮マークの前記位置に、またはおよその前記位置に圧縮力を加えることによって前記装置を前記閉構成にするステップと、
カメラを提供するステップと、
アダプタを使用して前記装置及び前記カメラを、互いに対して位置決めすることで、前記カメラが前記装置の所定の位置を撮像するステップであって、前記所定の位置は前記装置の前記圧縮マークに対する所定の位置を有する、前記ステップと、
を含む、前記方法。
【0425】
B4.前記装置の前記プレートの1つの上に、サンプルを配置させるための位置またはおよその位置を示すサンプル配置マークをさらに含む、いずれかの先行実施形態に記載のデバイス、装置、及び方法。
【0426】
B5.前記配置マークは、前記圧縮マークに対する所定の位置を有する、実施形態B4に記載のデバイス、装置、及び方法。
【0427】
B6.前記圧縮マーク及び前記配置マークは、同じ単一のマークである、実施形態B4に記載のデバイス、装置、及び方法。
【0428】
関連文書
本発明は、さまざまな構成要素が互いに矛盾しない限り、複数の方法で組み合わされることができる、さまざまな実施形態を含む。これらの実施形態は、現在のファイル内の本発明の態様だけでなく、本明細書で参照される、援用される、または優先権が主張される文書の態様も含む。以下の節(1)〜(9)に開示されている装置、システム、及び方法、例えば、構造、材料、機能、変形、寸法及びそれらの連結を含む、定義、Qカード、スペーサー、均一なサンプルの厚さ、ヒンジ、開口部のノッチ、凹型縁部、スライダー、スマートフォン検出システム、検出方法、標識、分析物、用途(分野及びサンプル)、及びクラウドテクノロジーは、現在の出願、または2016年8月10日及び2016年9月14日にそれぞれ出願されたPCT出願(米国を指定)第PCT/US2016/046437号及び第PCT/US2016/051775号、ならびに2017年2月7日に出願された米国仮出願第62/456065号、2017年2月8日に出願された第62/426065号、及び2017年2月8日に出願された第62/456504号に定義されて説明され、これらの出願はすべて、あらゆる目的のためにその全体が援用される。
【0429】
(1)定義
「CROFカード(またはカード)」、「COFカード」、「QMAXカード」、「Qカード」、「CROF装置」、「COF装置」、「QMAX装置」、「CROFプレート」、「COFプレート」、及び「QMAXプレート」という用語は、いくつかの実施形態ではCOFカードがスペーサーを含まないことを除いて、交換可能であり、これらの用語は、第一プレート及び第二プレートを含む装置を指し、これらの第一プレート及び第二プレートは、互いに対して異なる構成(開構成及び閉構成を含む)へと可動であり、プレート間の間隔を調節するスペーサー(COFカードのいくつかの実施形態を除く)を含む。「Xプレート」という用語は、CROFカード内の2つのプレートのうちの1つを指し、このプレートにスペーサーは固定されている。COFカード、CROFカード、及びXプレートのさらなる説明は、上記の仮出願第62/456065号に記載されている。
【0430】
(2)Qカード、スペーサー及び均一なサンプルの厚さ
本明細書に開示される装置、システム、及び方法は、サンプルの検出、分析、及び定量化のために、Qカード、スペーサー、及び均一なサンプルの厚さの実施形態を含む、または使用することができる。いくつかの実施形態では、Qカードは、サンプルの少なくとも一部分を高い均一性の層にするのを支援するスペーサーを含む。
【0431】
(3)ヒンジ、開口部ノッチ、凹型縁部及びスライダー
いくつかの実施形態では、Qカードは、Qカードの操作、及びサンプルの測定を容易にするのに役立つヒンジ、ノッチ、凹部、及びスライダーを備える。
【0432】
(4)Qカード、スライダー、及びスマートフォン検出システム
いくつかの実施形態では、Qカードは、カードがスマートフォン検出システムによって読み取られることを可能にするスライダーとともに使用される。
【0433】
(5)検出方法
本明細書に開示される装置、システム、及び方法は、さまざまなタイプの検出方法を含む、またはそれらに使用されることができる。
【0434】
(6)標識
本明細書に開示される装置、システム、及び方法は、分析物の検出に使用される、さまざまなタイプの標識を用いることができる。
【0435】
(7)分析物
本明細書に開示される装置、システム、及び方法は、さまざまなタイプの分析物(バイオマーカーを含む)の操作及び検出に適用されることができる。
【0436】
(8)用途(分野及びサンプル)
本明細書に開示される装置、システム、及び方法は、さまざまな用途(分野及びサンプル)に使用されることができる。
【0437】
(9)クラウド
本明細書に開示される装置、システム、及び方法は、データ転送、格納、及び/または分析のためにクラウドテクノロジーを用いることができる。
【0438】
補注
本開示による本発明の主題のさらなる例は、以下の列挙された段落に記載されている。
【0439】
本明細書で使用される場合、「適合された」及び「構成された」という用語は、要素、コンポーネント、または他の主題が、所与の機能を実行するように設計されている、及び/または意図されていることを意味する。したがって、「適合された」及び「構成された」という用語の使用は、所与の要素、コンポーネント、または他の主題が所与の機能を単に実行することが「できる」ことを意味すると解釈されるべきではない。同様に、特定の機能を実行するように構成されていると記載されている主題は、追加で、または代替に、その機能を実行するように動作可能であると説明されることができる。
【0440】
本明細書で使用される場合、「例えば」という句、「例として」という句、及び/または単に「例」及び「例示的」という用語は、本開示による、1つ以上の構成要素、特徴、詳細、構造、実施形態、及び/または方法を参照して使用されるときには、記載された構成要素、特徴、詳細、構造、実施形態、及び/または方法が、本開示による構成要素、特徴、詳細、構造、実施形態、及び/または方法の例示的で、非排他的な例であることを伝えることが意図される。したがって、説明された構成要素、特徴、詳細、構造、実施形態、及び/または方法は、限定的、必須、または排他的/網羅的であることが意図されず、他の構成要素、特徴、詳細、構造、実施形態、及び/または方法もまた、構造的及び/または機能的に同様の、及び/または均等の構成要素、特徴、詳細、構造、実施形態、及び/または方法を含み、本開示の範囲内にある。
【0441】
本明細書で使用される場合、1つより多い実体の一覧に関連する「少なくとも1つの」及び「1つ以上の」という句は、実体の一覧内の実体のいずれか1つ以上を意味し、実体の一覧内に具体的に列挙されているそれぞれの、そしてすべての実体のうちの少なくとも1つに限定されない。例えば、「A及びBの少なくとも1つ」(または、同等に、「AまたはBの少なくとも1つ」、または同等に、「A及び/またはBの少なくとも1つ」)は、Aのみ、Bのみ、またはA及びBの組み合わせを指す場合がある。
【0442】
本明細書で使用される場合、第一実体と第二実体との間に配置される「及び/または」という用語は、(1)第一実体、(2)第二実体、ならびに(3)第一実体及び第二実体のうちの1つを意味する。「及び/または」によって列挙される複数の実体、すなわち、そのように結合された実体の「1つ以上」は、同じ方法で解釈される必要がある。具体的に特定された実体に関連するかどうかにかかわらず、「及び/または」節によって、これらの具体的に特定された実体以外の他の実体が任意選択で存在することがある。
【0443】
本明細書では数値範囲が言及される場合、本発明は、端点が含まれる実施形態、両方の端点が除外される実施形態、及び一方の端点が含まれるが、他方が除外される実施形態を含む。特に示されない限り、両方の端点が含まれると想定されたい。さらに、特に示されない限り、または特に文脈、及び当業者の理解から明らかでない限り、両方の端点が含まれると想定されたい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】