(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-535538(P2021-535538A)
(43)【公表日】2021年12月16日
(54)【発明の名称】バッテリーモジュール
(51)【国際特許分類】
H01M 50/291 20210101AFI20211119BHJP
H01M 10/625 20140101ALI20211119BHJP
H01M 10/647 20140101ALI20211119BHJP
H01M 10/6557 20140101ALI20211119BHJP
H01M 50/289 20210101ALI20211119BHJP
H01M 50/293 20210101ALI20211119BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20211119BHJP
H01M 50/209 20210101ALI20211119BHJP
【FI】
H01M50/291
H01M10/625
H01M10/647
H01M10/6557
H01M50/289 101
H01M50/293
H01M10/613
H01M50/209
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2020-563713(P2020-563713)
(86)(22)【出願日】2019年9月5日
(85)【翻訳文提出日】2020年11月5日
(86)【国際出願番号】CN2019104511
(87)【国際公開番号】WO2021022606
(87)【国際公開日】20210211
(31)【優先権主張番号】201910731734.X
(32)【優先日】2019年8月8日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201921281107.2
(32)【優先日】2019年8月8日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】520434178
【氏名又は名称】欣旺達電動汽車電池有限公司
【氏名又は名称原語表記】Sunwoda Electric Vehicle Battery Co., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100128509
【弁理士】
【氏名又は名称】絹谷 晴久
(74)【代理人】
【識別番号】100119356
【弁理士】
【氏名又は名称】柱山 啓之
(72)【発明者】
【氏名】程志剛
【テーマコード(参考)】
5H031
5H040
【Fターム(参考)】
5H031AA09
5H031CC01
5H031EE04
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5H040AT02
5H040AT06
5H040AY10
5H040CC05
5H040CC13
5H040CC28
5H040CC34
5H040JJ03
5H040LL06
(57)【要約】
バッテリーセル、セルスペーサー、端板、側板、電気絶縁板、接続シート、ワイヤーハーネス及び上部カバーを備えるバッテリーモジュールを開示する。隣接す
るバッテリーセルの間にセルスペーサーが設けられ
、バッテリーセル
とセルスペーサーがUV接着剤で固定され小型アセンブリとなり、複数
の小型アセンブリが積み重ねられ
、小型アセンブリの積み重ね方向の両端に端板が設けられ
、両側に側板が設けられ
、端板
と側板が溶接され
、バッテリーセルが接続シートを介して直列又は並列に接続され、バッテリーモジュールを形成する。本発明は、UV接着剤の厚さを制御することにより、バッテリーセル及びセルスペーサーの厚さの公差が大きいという問題を解決し、組み立てられたモジュールの長さの精度要求を確保し、且
つセルスペーサーが紫外光を透過できる材料で作られ、紫外線ランプの照射によりUV接着剤を速く硬化させ、生産効率を向上させることができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリーセル、セルスペーサーとUV接着剤を備えるバッテリーモジュールであって、
前記バッテリーセルと前記セルスペーサーが前記UV接着剤で固定され、独立した小型アセンブリを構成し、複数の前記小型アセンブリがバッテリーセルの厚さ方向に積み重ねられて前記バッテリーモジュールのバッテリーセル本体を構成することを特徴とするバッテリーモジュール。
【請求項2】
前記セルスペーサーの形状は、工字形、回字形、正U字形、逆U字形、両縦棒の形、両横棒の形、4点の形を含むことを特徴とする請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項3】
前記セルスペーサーは、紫外光を透過できるプラスチックで作られることを特徴とする請求項2に記載のバッテリーモジュール。
【請求項4】
前記セルスペーサー本体は、第一の表面及び第二の表面を有し、前記セルスペーサー本体の第一の表面には、UV接着剤塗布エリアと接着剤オーバーフロー溝が設けられていることを特徴とする請求項2に記載のバッテリーモジュール。
【請求項5】
前記UV接着剤塗布エリアは、前記第一の表面に4つのコーナー、回字形のリング、両横棒、両縦棒、正U字形、逆U字形及びこれらの組み合わせで設けられていることを特徴とする請求項4に記載のバッテリーモジュール。
【請求項6】
前記接着剤オーバーフロー溝は、前記UV接着剤塗布エリアを囲むことを特徴とする請求項4に記載のバッテリーモジュール。
【請求項7】
前記セルスペーサー本体の第二の表面には基準面ボスが設けられていることを特徴とする請求項4に記載のバッテリーモジュール。
【請求項8】
前記UV接着剤塗布エリアは、前記基準面ボスに対応することを特徴とする請求項4又は7に記載のバッテリーモジュール。
【請求項9】
前記基準面ボスの形状は、矩形、C型、W型、O型、Y型、円形又は三角形であることを特徴とする請求項4又は7に記載のバッテリーモジュール。
【請求項10】
隣接する前記小型アセンブリにおけるセルスペーサーの縁同士が接触しないことを特徴とする請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項11】
隣接する前記小型アセンブリにおけるセルスペーサーは、バッテリーセルの中央位置にセル膨脹エリアが用意されることを特徴とする請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項12】
前記UV接着剤の接着厚さは調整及び制御可能であることを特徴とする請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はエネルギー貯蔵技術分野に関し、特にバッテリーモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
バッテリーモジュールは、電気自動車の「心臓」である。バッテリーモジュールは、純粋な電気自動車、ハイブリッド自動車などの新エネルギー交通輸送手段に電力エネルギーを提供するコア部分である。バッテリーモジュールは、主にバッテリーセルの保護と電力エネルギーの出力に用いられ、バッテリーモジュールの構造設計は、バッテリーセルを安全に保護するための非常に重要な部分である。
【0003】
従来技術では一般的にバッテリーセル間に回字形のゴムリングが設けられ、両端の端板に締め付け力を加えることにより、回字形のゴムリングの圧縮性を利用してモジュールの長さを制御する。この組み立て方法には、次の2つの主な問題がある。1.モジュールにおける各回字形のゴムリングの圧縮量が制御できなく、従来のバッテリー製造業界のレベルの制約を受けるため、製造過程で異なる位置にあるバッテリーセルの厚さの公差が大きく、回字形のゴムリングの圧縮性を利用して公差を吸収するが、組み立て過程でモジュールの回字形のゴムリングの圧力と圧縮量が制御できないため、組み立てられたモジュールの長さの精度が非常に低くなる。2.回字形のゴムリングは、高温及び低温条件で性能が大きく変化し、回字形のゴムリングは、高温条件で柔らかくなり、バッテリーコア間の接触を引き起こし、望ましくない結果をもたらす可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術の不足に対して、本発明は、バッテリーセル及びセルスペーサーの厚さの公差が大きいという問題を解決するバッテリーモジュールを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明の実施例は、バッテリーセル、セルスペーサーとUV接着剤を備えるバッテリーモジュールであって、前記バッテリーセルと前記セルスペーサーが前記UV接着剤で固定され、独立した小型アセンブリを構成し、複数の前記小型アセンブリがバッテリーセルの厚さ方向に積み重ねられて前記バッテリーモジュールのバッテリーセル本体を構成することを特徴とするバッテリーモジュールを提供する。
【0006】
さらに、前記セルスペーサーの形状は、工字形、回字形、正U字形、逆U字形、両縦棒の形、両横棒の形、4点の形を含む。
【0007】
さらに、前記セルスペーサーは、紫外光を透過できるプラスチックで作られる。
【0008】
さらに、前記セルスペーサー本体は第一の表面及び第二の表面を有し、前記セルスペーサー本体第一の表面には、UV接着剤塗布エリアと接着剤オーバーフロー溝が設けられている。
【0009】
さらに、前記UV接着剤塗布エリアは、前記第一の表面に4つのコーナー、回字形のリング、両横棒の形、両縦棒の形、正U字形、逆U字形及びこれらの組み合わせで設けられている。
【0010】
さらに、前記接着剤オーバーフロー溝は、前記UV接着剤塗布エリアを囲む。
【0011】
さらに、前記セルスペーサー本体の第二の表面には基準面ボスが設けられている。
【0012】
さらに、前記UV接着剤塗布エリアは、前記基準面ボスに対応する。
【0013】
さらに、前記基準面ボスの形状は、矩形、C型、W型、O型、Y型、円形又は三角形である。
【0014】
さらに、隣接する前記小型アセンブリにおけるセルスペーサーの縁同士が接触しない。
【0015】
さらに、隣接する前記小型アセンブリにおけるセルスペーサーは、バッテリーセルの中央位置にセル膨脹エリアが用意される。
【0016】
さらに、前記UV接着剤の接着厚さは調整及び制御可能である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によって提供されるバッテリーモジュールの技術的解決策では、前記UV接着剤の接着厚さを制御することで前記バッテリーセルと前記セルスペーサーの製造公差の吸収を制御し、バッテリーセル及びセルスペーサーの厚さの公差が大きいという問題を解決することができ、隣接する前記小型アセンブリのセルスペーサーはバッテリーセルの中央位置にセル膨脹スペースが残されており、バッテリーセル膨脹のためのスペースを用意してモジュールの安全を確保することができる。前記セルスペーサー本体の第二の表面に基準面ボスが設けられているため、前記小型アセンブリの積み重ね過程に迅速に位置決めし、製造効率と製造精度を向上させることができ、また、隣接する前記小型アセンブリにおけるバッテリーセルの縁同士が接触せず、力が伝達されないため、セルスペーサーが変形してモジュールの安全性に影響を与えることを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】バッテリーモジュールの第一の実施形態の分解図である。
【0019】
【
図2】バッテリーモジュールの第一の実施形態のセルスペーサーの側面図である。
【0020】
【
図3】バッテリーモジュールの第一の実施形態の小型アセンブリにおける第一の表面の一側の概略図である。
【0021】
【
図4】バッテリーモジュールの第一の実施形態の小型アセンブリにおける第二の表面の一側の概略図である。
【0022】
【
図5】バッテリーモジュールの第二の実施形態の分解図である。
【0023】
【
図6】バッテリーモジュールの第二の実施形態のセルスペーサーの概略図である。
【0024】
【
図7】バッテリーモジュールのセルスペーサーの第三の実施形態の概略図である。
【
図8】バッテリーモジュールのセルスペーサーの第三の実施形態の概略図である。
【0025】
【
図9】バッテリーモジュールのセルスペーサーの第四の実施形態の概略図である。
【
図10】バッテリーモジュールのセルスペーサーの第四の実施形態の概略図である。
【0026】
【
図11】バッテリーモジュールのセルスペーサーの第五の実施形態の概略図である。
【0027】
ここで、1:ワイヤーハーネス、2:上部カバー、3:接続シート、4:電気絶縁板、5:側板、6:セルスペーサー、61:側辺開口部、62:UV接着剤塗布エリア、63:接着剤オーバーフロー溝、64:基準面ボス、65:膨脹エリア、66:第一の表面、67:第二の表面、68:第一のスペーサー、69:第二のスペーサー、681:第一の実施例のセルスペーサー、682:第二の実施形例のセルスペーサー、683:第三の実施例のセルスペーサー、685:第四の実施例のセルスペーサー、687:第五の実施例のセルスペーサー、7:UV接着剤、8:バッテリーセル、81:セルポスト、9:端板。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に本発明の実施例における図面を組み合わせて、本発明の実施例における技術的解決策を明確且つ完全に説明する。明らかに、説明される実施例は本発明の全ての実施例のではなく、一部の実施例であり、本発明の実施例に基づき、当業者が創造的な労働をせずに得る他の実施例の全ては、本発明の保護範囲に属する。
【0029】
用語「上」、「下」、「左」、「右」などの方向又は位置を示す単語は、いずれも当業者が本技術的解決策を容易に理解するために図面の方向又は位置に従って行われる説明であり、特定の方向又は位置のみに従って設計されるように本発明を限定するものではないことは理解すべきである。
【0030】
図1から
図11に示すように、本発明の実施例は、バッテリーセル(8)、セルスペーサー(6)とUV接着剤(7)を備えるバッテリーモジュールであって、バッテリーセル(8)とセルスペーサー(6)がUV接着剤(7)で固定され、独立した小型アセンブリを構成し、複数の前記小型アセンブリがバッテリーセルの厚さ方向に積み重ねられて前記バッテリーモジュールのバッテリーセル本体を構成することを特徴とするバッテリーモジュールを提供する。
【0031】
さらに、セルスペーサー(6)の形状は、工字形、回字形、正U字形、逆U字形、両縦棒の形、両横棒の形、4点の形を含む。
【0032】
さらに、セルスペーサー(6)は、紫外光を透過できるプラスチックで作られる。
【0033】
さらに、セルスペーサー(6)本体は第一の表面(66)及び第二の表面(67)を有し、セルスペーサー(6)本体の第一の表面(66)にUV接着剤塗布エリア(62)と接着剤オーバーフロー溝(63)が設けられている。
【0034】
さらに、UV接着剤塗布エリア(63)は、前記第一の表面(66)に4つのコーナー、回字形のリング、両横棒、両縦棒、正U字形、逆U字形及びこれらの組み合わせで設けられている。
【0035】
さらに、接着剤オーバーフロー溝(63)は、前記UV接着剤塗布エリア(62)を囲む。
【0036】
さらに、セルスペーサー(6)本体の第二の表面(67)には基準面ボス(64)が設けられている。
【0037】
さらに、UV接着剤塗布エリア(62)は、基準面ボス(64)に対応する。
【0038】
さらに、基準面ボス(64)の形状は、矩形、C型、W型、O型、Y型、円形又は三角形である。
【0039】
さらに、隣接する小型アセンブリにおけるセルスペーサー(6)の縁同士が接触しない。
【0040】
さらに、隣接する小型アセンブリにおけるセルスペーサー(6)は、バッテリーセルの中央位置にセル膨脹エリア(65)が用意される。
【0041】
さらに、UV接着剤(7)の接着厚さは調整及び制御可能である。
【0042】
以下、具体的にいくつかのセルスペーサーの実施形態を説明する。
【0043】
本発明の第一の実施例として、
図1に示すように、第一の実施例のセルスペーサー(681)はバッテリーモジュールを構成するために使用された。第一の実施例のセルスペーサー(681)は、
図2〜
図4に示すように、PC材料で作られ、全体が矩形であり、セルスペーサー(6)の側辺の中央に楕円形の側辺開口部(61)が設けられ、セルスペーサー(6)本体上の側辺開口部(61)に対応する位置に完全にくり抜かれて膨脹エリア(65)を形成し、バッテリーモジュールの側板(5)上のセルスペーサー(6)の側辺開口部(61)に対応する位置に通気口が設けられる。バッテリーモジュールが組み立てられた場合、冷却ガスがバッテリーモジュールの側板(5)上の通気口からバッテリーモジュールを通過し、バッテリーセル(7)に直接接触してバッテリーセル(7)を冷却する。
【0044】
膨脹エリア(65)は、セルスペーサー(6)を横切り、幅が側辺開口部(61)の高さと同じであるため、バッテリーセル(7)のための膨脹スペースを用意することができる。バッテリーセル(7)が動作して発熱し、膨張すると、バッテリーセル(7)は自体の厚さ方向に変形するが、膨脹エリア(65)は、この変形のために十分なスペースを残して、バッテリーモジュール全体に対するバッテリーセル(7)の変形の影響を低減することができる。
【0045】
セルスペーサー(6)の片側の4つの頂点にはそれぞれ4つのUV接着剤塗布エリア(63)と接着剤オーバーフロー溝(62)が設けられ、UV接着剤塗布エリア(63)が矩形であり、バッテリーセル(6)の他側のUV接着剤塗布エリア(63)に対応する位置に基準面ボス(64)が設けられる。バッテリーモジュールを組み立てる時に、接着剤オーバーフロー溝(62)は余分なUV接着剤を収容して、UV接着剤のオーバーフローがバッテリーモジュールの性能に影響することを防止することができ、基準面ボス(64)は、バッテリーセル(7)のUV接着剤と接触している部分をさらに押圧し、バッテリーセル(7)とセルスペーサー(6)の接着の安定性を高めることができる。
【0046】
セルスペーサー(6)の上部の両端には、それぞれ位置決め装置(66)が設けられ、バッテリーモジュールを組み立てる時に隣接する2つのセルスペーサー(6)に位置決め補助を提供することができる。セルスペーサー(6)の上部のバッテリーセル(7)の防爆バルブに対応する位置に排気チャネル取り付け固定位置(67)が設けられ、全てのバッテリーセル(7)及びセルスペーサー(6)が組み立てられた後、排気チャネルを排気チャネル取り付け固定位置(67)内に組み立て、バッテリーセル(7)の防爆バルブから噴出されたガスを集めて電解液の飛散を防止し、バッテリーモジュール全体の安全性をさらに向上させる。
【0047】
本発明の別の実施例として、
図5に示すように、第二の実施例のセルスペーサー(682)はバッテリーモジュールを構成するために使用された。本実施例では、第二の実施例のセルスペーサー(682)は、状況に応じて第三の実施例のセルスペーサー(683)、第四の実施例のセルスペーサー(685)又は第五のセルスペーサー(687)に置き換えられてもよい。以下に各実施例のセルスペーサーについてさらに説明する。
【0048】
図5に示すように、第二の実施例のセルスペーサー(682)は、全体が矩形のフレーム構造であり、セルスペーサー(6)の中央が膨脹エリアであり、バッテリーセル(7)の膨脹のためのスペースを用意しており、バッテリーセル(7)が動作して発熱し、膨張すると、バッテリーセル(7)は自体の厚さ方向に変形するが、膨脹エリア(65)は、この変形のために十分なスペースを残して、バッテリーモジュール全体に対するバッテリーセル(7)の変形の影響を低減することができる。
【0049】
セルスペーサー(6)の2つの広い辺にそれぞれ2つのUV接着剤塗布エリア(63)と接着剤オーバーフロー溝(62)が設けられ、UV接着剤塗布エリア(63)が矩形であり、セルスペーサー(6)の他側のUV接着剤塗布エリア(63)に対応する位置に基準面ボス(64)が設けられる。バッテリーモジュールを組み立てる時に、接着剤オーバーフロー溝(62)は余分なUV接着剤を収容して、UV接着剤のオーバーフローがバッテリーモジュールの性能に影響することを防止することができ、基準面ボス(64)は、バッテリーセル(7)のUV接着剤と接触している部分をさらに押圧し、バッテリーセル(7)とセルスペーサー(6)の接着の安定性を高めることができる。
【0050】
図7、
図8に示すように、第三の実施例のセルスペーサー(683)は、全体が「U」形のフレーム構造であり、セルスペーサー(6)の開口位置が膨脹エリアであり、バッテリーセル(7)の膨張のためのスペースを用意しており、バッテリーセル(7)が動作して発熱し、膨張すると、バッテリーセル(7)は自体の厚さ方向に変形するが、膨脹エリア(65)は、この変形のために十分なスペースを残して、バッテリーモジュール全体に対するバッテリーセル(7)の変形の影響を低減することができる。
【0051】
セルスペーサー(6)の2つの側辺にはそれぞれ2つのUV接着剤塗布エリア(63)と接着剤オーバーフロー溝(62)が設けられ、UV接着剤塗布エリア(63)が矩形であり、セルスペーサー(6)の他側のUV接着剤塗布エリア(63)に対応する位置に基準面ボス(64)が設けられる。バッテリーモジュールを組み立てる時に、接着剤オーバーフロー溝(62)は余分なUV接着剤を収容して、UV接着剤のオーバーフローがバッテリーモジュールの性能に影響することを防止することができ、基準面ボス(64)は、バッテリーセル(7)のUV接着剤と接触している部分をさらに押圧し、バッテリーセル(7)とセルスペーサー(6)の接着の安定性を高めることができる。
【0052】
図7に示すセルスペーサー(6)は、開口部が上方を向いた「U」形のフレームであり、
図8に示すセルスペーサー(6)は、開口部が下方を向いた「U」形のフレームであり、両者は同じ構造であり、開口方向のみが異なることに注意すべき、同様に「U」形のフレームの開口部は左側又は右側に向いてもよい。
【0053】
図9、
図10に示すように、第四の実施例のセルスペーサー(685)は、第一のスペーサー(68)及び第二のスペーサー(69)の2つの部分で構成され、第一のスペーサー(68)と第二のスペーサー(69)の間が膨脹エリアであり、バッテリーセル(7)の膨脹のためのスペースを用意しており、バッテリーセル(7)が動作して発熱し、膨張すると、バッテリーセル(7)は自体の厚さ方向に変形するが、膨脹エリア(65)は、この変形のために十分なスペースを残して、バッテリーモジュール全体に対するバッテリーセル(7)の変形の影響を低減することができる。
【0054】
1つのレイアウトスキームは
図9に示す通りであり、第一のスペーサー(68)と第二のスペーサー(69)は、高さが同じであり、それぞれバッテリーセル(7)の2つの側辺に接着され、各スペーサーには1つのUV接着剤塗布エリア(63)及び接着剤オーバーフロー溝(62)が設けられ、UV接着剤塗布エリア(63)が矩形であり、セルスペーサー(6)の他側のUV接着剤塗布エリア(63)に対応する位置に基準面ボス(64)が設けられる。バッテリーモジュールを組み立てる時に、接着剤オーバーフロー溝(62)は余分なUV接着剤を収容して、UV接着剤のオーバーフローがバッテリーモジュールの性能に影響することを防止することができ、基準面ボス(64)は、バッテリーセル(7)のUV接着剤と接触している部分をさらに押圧し、バッテリーセル(7)とセルスペーサー(6)の接着の安定性を高めることができる。
【0055】
もう1つのレイアウトスキームは
図10に示す通りであり、第一のスペーサー(68)と第二のスペーサー(69)は、長さが同じであり、それぞれバッテリーセル(7)の2つの長辺に接着され、各スペーサーには1つのUV接着剤塗布エリア(63)及び接着剤オーバーフロー溝(62)が設けられ、UV接着剤塗布エリア(63)が矩形であり、セルスペーサー(6)の他側のUV接着剤塗布エリア(63)に対応する位置に基準面ボス(64)が設けられる。バッテリーモジュールを組み立てる時に、接着剤オーバーフロー溝(62)は余分なUV接着剤を収容して、UV接着剤のオーバーフローがバッテリーモジュールの性能に影響することを防止することができ、基準面ボス(64)は、バッテリーセル(7)のUV接着剤と接触している部分をさらに押圧し、バッテリーセル(7)とセルスペーサー(6)の接着の安定性を高めることができる。
【0056】
図11に示すように、第五の実施例のセルスペーサー(687)は4つの小型アセンブリで構成され、4つの小型アセンブリの間が膨脹エリアであり、バッテリーセル(7)の膨脹のためのスペースを用意しており、バッテリーセル(7)が動作して発熱し、膨張すると、バッテリーセル(7)は自体の厚さ方向に変形するが、膨脹エリア(65)は、この変形のために十分なスペースを残して、バッテリーモジュール全体に対するバッテリーセル(7)の変形の影響を低減することができる。
【0057】
小型アセンブリ(610)はそれぞれバッテリーセルの4つの頂点に貼り合わせられ、各小型アセンブリ(610)には1つのUV接着剤塗布エリア(63)及び接着剤オーバーフロー溝(62)が設けられ、UV接着剤塗布エリア(63)が矩形であり、セルスペーサー(6)の他側のUV接着剤塗布エリア(63)に対応する位置に基準面ボス(64)が設けられる。バッテリーモジュールを組み立てる時に、接着剤オーバーフロー溝(62)は余分なUV接着剤を収容して、UV接着剤のオーバーフローがバッテリーモジュールの性能に影響することを防止することができ、基準面ボス(64)は、バッテリーセル(7)のUV接着剤と接触している部分をさらに押圧し、バッテリーセル(7)とセルスペーサー(6)の接着の安定性を高めることができる。
【0058】
上記は、本発明の好ましい実施形態であるが、当業者にとって、本発明の前記原理から逸脱することなく、いくつかの修正及び変更を行うことができ、これらの修正及び変更も本発明の保護範囲と見なされるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2020年11月6日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリーセル、セルスペーサーとUV接着剤を備えるバッテリーモジュールであって、
前記バッテリーセルと前記セルスペーサーが前記UV接着剤で固定され、独立した小型アセンブリを構成し、複数の前記小型アセンブリがバッテリーセルの厚さ方向に積み重ねられて前記バッテリーモジュールのバッテリーセル本体を構成し、
前記セルスペーサー本体は、第一の表面及び第二の表面を有し、前記セルスペーサー本体の第一の表面には、UV接着剤塗布エリアと接着剤オーバーフロー溝が設けられ、
前記セルスペーサー本体の第二の表面には基準面ボスが設けられ、
隣接する前記小型アセンブリにおけるセルスペーサーは、バッテリーセルの中央位置にセル膨脹エリアが用意されることを特徴とするバッテリーモジュール。
【請求項2】
前記セルスペーサーの形状は、工字形、回字形、正U字形、逆U字形、両縦棒の形、両横棒の形、4点の形を含むことを特徴とする請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項3】
前記セルスペーサーは、紫外光を透過できるプラスチックで作られることを特徴とする請求項2に記載のバッテリーモジュール。
【請求項4】
前記UV接着剤塗布エリアは、前記第一の表面に4つのコーナー、回字形のリング、両横棒、両縦棒、正U字形、逆U字形及びこれらの組み合わせで設けられていることを特徴とする請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項5】
前記接着剤オーバーフロー溝は、前記UV接着剤塗布エリアを囲むことを特徴とする請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項6】
前記UV接着剤塗布エリアは、前記基準面ボスに対応することを特徴とする請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項7】
前記基準面ボスの形状は、矩形、C型、W型、O型、Y型、円形又は三角形であることを特徴とする請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項8】
隣接する前記小型アセンブリにおけるセルスペーサーの縁同士が接触しないことを特徴とする請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項9】
前記UV接着剤の接着厚さは調整及び制御可能であることを特徴とする請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0034】
さらに、
UV接着剤塗布エリア(62)は、前記第一の表面(66)に4つのコーナー、回字形のリング、両横棒、両縦棒、正U字形、逆U字形及びこれらの組み合わせで設けられている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0045】
セルスペーサー(6)の片側の4つの頂点にはそれぞれ4つの
UV接着剤塗布エリア(62)と
接着剤オーバーフロー溝(63)が設けられ、
UV接着剤塗布エリア(62)が矩形であり、バッテリーセル(6)の他側の
UV接着剤塗布エリア(62)に対応する位置に基準面ボス(64)が設けられる。バッテリーモジュールを組み立てる時に、
接着剤オーバーフロー溝(63)は余分なUV接着剤を収容して、UV接着剤のオーバーフローがバッテリーモジュールの性能に影響することを防止することができ、基準面ボス(64)は、バッテリーセル(7)のUV接着剤と接触している部分をさらに押圧し、バッテリーセル(7)とセルスペーサー(6)の接着の安定性を高めることができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0047】
本発明の別の実施例として、
図5に示すように、第二の実施例のセルスペーサー(682)はバッテリーモジュールを構成するために使用された。本実施例では、第二の実施例のセルスペーサー(682)は、状況に応じて第三の実施例のセルスペーサー(683)、第四の実施例のセルスペーサー(685)又は第五の
実施例のセルスペーサー(687)に置き換えられてもよい。以下に各実施例のセルスペーサーについてさらに説明する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0049
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0049】
セルスペーサー(6)の2つの広い辺にそれぞれ2つの
UV接着剤塗布エリア(62)と
接着剤オーバーフロー溝(63)が設けられ、
UV接着剤塗布エリア(62)が矩形であり、セルスペーサー(6)の他側の
UV接着剤塗布エリア(62)に対応する位置に基準面ボス(64)が設けられる。バッテリーモジュールを組み立てる時に、
接着剤オーバーフロー溝(63)は余分なUV接着剤を収容して、UV接着剤のオーバーフローがバッテリーモジュールの性能に影響することを防止することができ、基準面ボス(64)は、バッテリーセル(7)のUV接着剤と接触している部分をさらに押圧し、バッテリーセル(7)とセルスペーサー(6)の接着の安定性を高めることができる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0051
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0051】
セルスペーサー(6)の2つの側辺にはそれぞれ2つの
UV接着剤塗布エリア(62)と
接着剤オーバーフロー溝(63)が設けられ、
UV接着剤塗布エリア(62)が矩形であり、セルスペーサー(6)の他側の
UV接着剤塗布エリア(62)に対応する位置に基準面ボス(64)が設けられる。バッテリーモジュールを組み立てる時に、
接着剤オーバーフロー溝(63)は余分なUV接着剤を収容して、UV接着剤のオーバーフローがバッテリーモジュールの性能に影響することを防止することができ、基準面ボス(64)は、バッテリーセル(7)のUV接着剤と接触している部分をさらに押圧し、バッテリーセル(7)とセルスペーサー(6)の接着の安定性を高めることができる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0054
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0054】
1つのレイアウトスキームは
図9に示す通りであり、第一のスペーサー(68)と第二のスペーサー(69)は、高さが同じであり、それぞれバッテリーセル(7)の2つの側辺に接着され、各スペーサーには1つの
UV接着剤塗布エリア(62)及び
接着剤オーバーフロー溝(63)が設けられ、
UV接着剤塗布エリア(62)が矩形であり、セルスペーサー(6)の他側の
UV接着剤塗布エリア(62)に対応する位置に基準面ボス(64)が設けられる。バッテリーモジュールを組み立てる時に、
接着剤オーバーフロー溝(63)は余分なUV接着剤を収容して、UV接着剤のオーバーフローがバッテリーモジュールの性能に影響することを防止することができ、基準面ボス(64)は、バッテリーセル(7)のUV接着剤と接触している部分をさらに押圧し、バッテリーセル(7)とセルスペーサー(6)の接着の安定性を高めることができる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0055
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0055】
もう1つのレイアウトスキームは
図10に示す通りであり、第一のスペーサー(68)と第二のスペーサー(69)は、長さが同じであり、それぞれバッテリーセル(7)の2つの長辺に接着され、各スペーサーには1つの
UV接着剤塗布エリア(62)及び
接着剤オーバーフロー溝(63)が設けられ、
UV接着剤塗布エリア(62)が矩形であり、セルスペーサー(6)の他側の
UV接着剤塗布エリア(62)に対応する位置に基準面ボス(64)が設けられる。バッテリーモジュールを組み立てる時に、
接着剤オーバーフロー溝(63)は余分なUV接着剤を収容して、UV接着剤のオーバーフローがバッテリーモジュールの性能に影響することを防止することができ、基準面ボス(64)は、バッテリーセル(7)のUV接着剤と接触している部分をさらに押圧し、バッテリーセル(7)とセルスペーサー(6)の接着の安定性を高めることができる。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0057
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0057】
小型アセンブ
リはそれぞれバッテリーセルの4つの頂点に貼り合わせられ、各小型アセンブ
リには1つの
UV接着剤塗布エリア(62)及び
接着剤オーバーフロー溝(63)が設けられ、
UV接着剤塗布エリア(62)が矩形であり、セルスペーサー(6)の他側の
UV接着剤塗布エリア(62)に対応する位置に基準面ボス(64)が設けられる。バッテリーモジュールを組み立てる時に、
接着剤オーバーフロー溝(63)は余分なUV接着剤を収容して、UV接着剤のオーバーフローがバッテリーモジュールの性能に影響することを防止することができ、基準面ボス(64)は、バッテリーセル(7)のUV接着剤と接触している部分をさらに押圧し、バッテリーセル(7)とセルスペーサー(6)の接着の安定性を高めることができる。
【国際調査報告】