特表2021-535546(P2021-535546A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-535546(P2021-535546A)
(43)【公表日】2021年12月16日
(54)【発明の名称】方法および装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/6566 20140101AFI20211119BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20211119BHJP
   H01M 10/6563 20140101ALI20211119BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20211119BHJP
   H01M 10/647 20140101ALI20211119BHJP
   H01M 50/204 20210101ALI20211119BHJP
   H01M 50/249 20210101ALI20211119BHJP
   H01M 10/617 20140101ALI20211119BHJP
   H01M 50/507 20210101ALI20211119BHJP
【FI】
   H01M10/6566
   H01M10/613
   H01M10/6563
   H01M10/625
   H01M10/647
   H01M50/204 401H
   H01M50/249
   H01M50/204 401D
   H01M10/617
   H01M50/507
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2021-507780(P2021-507780)
(86)(22)【出願日】2019年8月16日
(85)【翻訳文提出日】2021年3月30日
(86)【国際出願番号】GB2019052311
(87)【国際公開番号】WO2020035701
(87)【国際公開日】20200220
(31)【優先権主張番号】1813403.1
(32)【優先日】2018年8月16日
(33)【優先権主張国】GB
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】518232618
【氏名又は名称】ハイパードライブ イノベーション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100173794
【弁理士】
【氏名又は名称】色部 暁義
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド サンデルス
(72)【発明者】
【氏名】ジェイソン ラベル
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー ウォルト
【テーマコード(参考)】
5H031
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H031AA09
5H031HH06
5H031KK08
5H040AA28
5H040AS06
5H040AT02
5H040AT06
5H040AY04
5H040AY08
5H040NN03
5H043AA09
5H043BA19
5H043CA04
5H043CA05
5H043FA04
5H043JA09F
5H043LA21F
(57)【要約】
【構成】電気装置であり、電気装置は、電気装置を給電し、複数の細長い電池セルを備える電池と、電池セルの本体を通って電池セルの第1端部に向かって冷却剤を流すように配置される冷却剤フローシステムと、を備え、細長い電池セルはそれぞれ、セル本体、並びに電池セルの第1端部に存在する正電気接続及び負電気接続を有し、複数の電池セルは一緒に、正電気接続及び負電気接続を介して、それぞれの第1端部で電気的に接続される、電気装置を提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気装置であり、前記電気装置は、
前記電気装置を給電し、複数の細長い電池セルを備える電池と、
前記電池セルの本体を通って前記電池セルの第1端部に向かって冷却剤を流すように配置される冷却剤フローシステムと、
を備え、
前記細長い電池セルはそれぞれ、セル本体、並びに前記電池セルの前記第1端部に存在する正電気接続及び負電気接続を有し、
複数の前記電池セルは一緒に、前記正電気接続及び負電気接続を介して、それぞれの第1端部で電気的に接続される、電気装置。
【請求項2】
前記冷却剤フローシステムは、前記電池セルの前記第1端部とは反対側の第2端部から冷却剤を流す、請求項1に記載の電気装置。
【請求項3】
前記第1端部に配置され、前記電池セルから冷却剤の流れに熱流を供給する熱導体を含む、請求項1又は2に記載の電気装置。
【請求項4】
前記熱導体は更に、前記複数の電池セル間で電流を伝導する、請求項3に記載の電気装置。
【請求項5】
前記電池は、前記電池セルをカプセル化するケーシングを備える、請求項1〜4のいずれか一項に記載の電気装置。
【請求項6】
前記ケーシングは、前記電池セルの前記第1端部に隣接する前記ケーシングから冷却剤を流す流出ベントを含む、請求項5に記載の電気装置。
【請求項7】
前記複数の電池セルが一緒に積層に配置され、
前記ケーシングが、前記電池セルの第2端部から前記第1端部まで、前記積層の上面にわたる一定の断面の流通管をもたらす、請求項6に記載の電気装置。
【請求項8】
前記流出ベントが、前記流通管から下り、電気接続にわたる冷却剤の流れを引き出すように配置される、請求項7に記載の電気装置。
【請求項9】
前記ケーシングが、冷却剤を前記電池セルの前記第1端部とは反対側の第2端部に隣接する前記ケーシングに流す流入ベントを更に含む、請求項5〜8のいずれか一項に記載の電気装置。
【請求項10】
前記複数の電池セルの1つの前記第1端部に配置される温度センサを備える、請求項1〜9のいずれか一項に記載の電気装置。
【請求項11】
ある温度センサが各セルに前記正電気接続と前記負電気接続との間で固定される、請求項10に記載の電気装置。
【請求項12】
前記電気装置が、前記温度センサからの温度信号に基づいて、(i)前記電池セルの充電及び/又は放電と、(ii)冷却剤の流れと、の少なくとも1つを制御するように構成される、請求項10又は11に記載の電気装置。
【請求項13】
前記電池のいずれか側に配置されるアクチュエータを備える電気機械と、
前記電池の前記第1端部からの、前記電気機械に電源を提供する電気供給接続部と、を
備える、請求項1〜12のいずれか一項に記載の電気装置。
【請求項14】
冷却剤が電池セルの第1端部に向かって前記電池セルにわたって流れることによって、冷却剤の流れを温めるステップと、
温められた冷却剤の流れを、前記第1端部における前記電池セルの電気接続にわたって通すステップと、
を含む、電気装置の電池冷却システムの電池にわたる温度勾配を減少させる方法。
【請求項15】
複数の前記電池セルは細長く、
複数の細長い前記電池セルはそれぞれ前記電池セルの前記第1端部に正電気接続及び負電気接続を有し、
複数の前記電池セルがそれぞれの第1端部で前記正電気接続及び負電気接続を介して一緒に電気的に接続される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記電池セルの前記第1端部とは反対側の第2端部から冷却剤を流すステップを含む、請求項14又は15に記載の方法。
【請求項17】
前記電池セルから、前記第1端部に配置される熱導体へ、熱流を供給し冷却剤を流すステップを含む、請求項15又は16に記載の方法。
【請求項18】
複数の前記電池セルの間で前記熱導体を介して電流を伝導するステップを更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記電池が前記電池セルをカプセル化するケーシングを備える、請求項14〜18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記ケーシングから、前記電池セルの前記第1端部に隣接する流出ベントより冷却剤流体の流れを排出するステップを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記電池セルが一緒に積層に配置され、
前記方法は、前記積層の上面をわたる一定の断面の流通管を介して、前記電池セルの第2端部から前記第1端部まで冷却剤の層流を供給するステップを含む、請求項14〜20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
冷却剤の流れを、前記流通管より下に、前記積層の前記上面から、電気接続をわたって引き出すステップを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
冷却剤を、前記電池セルの前記第1端部とは反対側の第2端部に隣接する流入ベントを介して冷却剤流体の流れに供給するステップを含む、請求項14〜21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記第1端部に配置される温度センサから温度信号を取得するステップと、
前記温度センサからの温度信号に基づいて、(i)前記電池セルの充電及び放電と、(ii)冷却剤の流れと、の少なくとも1つを制御するステップと、
を含む、請求項14〜23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記電気装置が、請求項1〜13のいずれか一項に記載の電気装置を備える、請求項14〜24のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、方法および装置に関し、より詳細には、電池、電池冷却および電池冷却方法に関し、車両等の電気機械を備える装置において特に有用性を見出すことができる。
【背景技術】
【0002】
充電式電池は多くの技術で一般的に使用されており、例えば、高速道路上及び高速道路外の両方で使用するための電気自動車またはハイブリッド自動車で使用されている。例えば、充電式電池は(高速道路上での)自動車用途、オフショア用途(高速道路外)、倉庫環境(例えば、フォークリフトトラックや自律誘導車両のような材料運搬装置と共に使用するためのもの)において頻繁に使用される。
【0003】
高性能電池は使用時に著しい熱を発生し、上記電池の性能と寿命の両方が温度によって悪影響を受けるおそれがある。電池の充電と放電を非常に速く行わなければならないときには、より悪い問題が発生する。電流が大きいと熱を生成する。
【0004】
このような高性能電池は、機械的損傷にも弱い。例えば、電池セルのケーシングが破裂した場合、および/または外部導電材がセルに導入される場合(例えば、セルが金属物体によって穿刺される場合)、安全性が危険にさらされる可能性がある。さらに、感電および短絡を防止するために、電池の電気的な接続を保護する必要がある。したがって、結果として、高性能電池セルは、典型的には堅牢なケーシング内に封入される。このことは、温度制御の課題をさらに悪化させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示の態様は少なくとも部分的に、上述の技術的問題に対処することを目的とする。特に、本開示の態様は電池の冷却の改善を、電池の制御と寿命を改善する方法で行うことを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の実施形態は、電池の加熱速度がより速い部分の上に同じ冷却剤の流れを導く前に、電池の典型的にはより少ない熱を発生する部分に最初に冷却剤の流れを提供することによって、これを行うことができる。
【0007】
一態様では、電気装置であり、電気装置は、電気装置を給電し、複数の細長い電池セルを備える電池と、電池セルの本体を通って電池セルの第1端部に向かって冷却剤を流すように配置される冷却剤フローシステムと、備え、細長い電池セルはそれぞれ、セル本体、並びに電池セルの第1端部に存在する正電気接続及び負電気接続を有し、複数の電池セルは一緒に、正電気接続及び負電気接続を介して、それぞれの第1端部で電気的に接続される、電気装置が提供される。当該電気装置は、電池にわたる温度勾配を減少させる効果があり得る。その結果、電池の老化および劣化は、同じ平均温度であるが電池にわたり温度における大きな程度の空間的変動を伴う電池と比較して、低減され得る。温度勾配の影響は特に、電池セルが細長い場合に、例えばスラブ形状のような平坦な形状である場合に、顕著であり得る。セルへの正および負の電気接続の両方がセルの第1の端部で提供される(例えば、平坦かつスラブ形状であり得る、細長いセルの同じ副表面上に配置される)ときに、さらに顕著であり得る。
【0008】
本開示の冷却剤フローシステムは、電池セルの正及び負の接続が提供される端部とは反
対側の第2端部から冷却剤を流すことができる。その結果、冷却剤の流れがセルの本体の上を流れ、冷却剤が、電気接続の上を流れる前に本体を冷却することができる。
【0009】
本開示の装置は、第1端部に配置され、電池セルから冷却剤の流れに熱流を供給する熱導体を含んでもよい。これらの熱導体は、セルのスキンよりも高い熱伝導率を有することができる。これらの熱導体は、例えば1つの電池の正の接続から別の電池の負の接続へと、電池間の電流の流れをさらに伝導し得る。
【0010】
電池は、セルを封入する剛性ケーシングを含むことができる。このケーシングは弾性の防水材料、例えば、ガラス充填ポリカーボネートまたはナイロンなどの強靭なエンジニアリングプラスティックによって提供されてもよい。
【0011】
ケーシングは、電池セルを完全に囲むことができ、電池セルの第1端部に隣接するケーシングから冷却剤を流す流出ベントを含むことができる。複数の電池セルを一緒に積層に配置することができ、ケーシングが、電池セルの第2端部から第1端部まで、積層の上面にわたる一定の断面の流通管をもたらす。これにより、セルの本体を横切る冷却剤の層流を促進し、それによって、電気接続を越える冷却剤の体積流量を増加させ、それによって冷却を改善することができる。また、乱流が、例えば電気接続において、特に電池セルの第1の端部に存在してもよい。
【0012】
流出ベントが、流通管から下り、電気接続にわたる冷却剤の流れを引き出すように配置され得る。例えば、流出ベントは、第1の端部に隣接するケーシングの壁の下半分に配置される少なくとも1つのベントホールを備えることができる。
【0013】
ケーシングが、冷却剤を電池セルの第1端部とは反対側の第2端部に隣接するケーシングに流す流入ベントを更に含むことができる。流入ベントは、流通管に向かってセル本体の第2の端部を横切って上昇する冷却剤の流れを提供するように配置することができる。例えば、流入ベントは、第2の端部に隣接するケーシングの壁の下半分に配置される少なくとも1つのベントホールを備えることができる。
【0014】
温度センサを、複数の電池セルの1つの第1端部に配置できる。例えば、温度センサをセルの正及び負の電気接続と同じ端部で電池に導電性(例えば銅)接続部に固定することができる。例えば、ある温度センサが各セルに正電気接続と負電気接続との間で固定され得る。
【0015】
電池の性能を監視し制御するため、また、セルバランス等の電池の充放電制御を行うために、電池管理システム(BMS)がケーシングの内部に配置されてもよい。電池管理システムを少なくとも部分的に、セル端子に隣接するケーシングの第1の端部に配置することができる。例えば、温度センサなどの計測センサは、BMSの一部を形成することができ、セルの第1の端部に配置することができる。さらに、電池管理システム、および/または電池の他の制御/通信電子機器は、電池のケーシングの内面の凹部に配置されてもよい。これらの電子機器の構成要素は、凹部の大部分を塞ぐことができるPCB上に担持することができる。また凹部は、電池セルの上を流れる冷却剤が、凹部内のこれらの構成要素を横切って(例えば、凹部内のPCBの背後に)迂回されるように配置されてもよい。冷却剤は、電池セルの第1の端部に到達する前に、これらの構成要素を通過して流れることができる。これらの構成要素は、セルバランシングのための電圧制御インピーダンス及び/又は抵抗(例えば、バランシング、及びバランシングに使用されるキャリー散逸電流(carrying dissipative currents)を制御するためのもの)を含むことができる。
【0016】
装置は、温度センサから得られる信号に基づいて、セルの充電及び/又は放電を制御す
るように構成されてもよい。このような機能は、電池管理システムによって実行することもできる。
【0017】
また、冷却剤の流速は、このセンサからの信号に基づいて制御されてもよく、例えば、冷却剤を駆動するためにファンが設けられている場合、ファン速度は、温度に基づいて制御されてもよい。
【0018】
本開示の実施形態は、オンハイウェイおよびオフハイウェイの両方に使用するための電気自動車またはハイブリッド自動車などの電気自動車において提供されてもよい。例えば、本明細書に記載の電池は、車両を移動させるための電気トラクションモータに電力を供給するために接続することができる。このような車両は、自動車用途(高速道路上)、オフショア用途(高速道路外)、又は倉庫環境(例えば、フォークリフトトラック及び自律誘導車両のような材料運搬装置と共に使用するためのもの)のためであり得る。したがって、電池は、倉庫、配送センター、またはこのような他の施設内で材料を操作および/または運搬するためのリフトまたはグラブなどの補助アクチュエータシステムに電力を供給することができることが理解されよう。
【0019】
本開示の文脈では、本明細書に記載される方法および装置が、セルモジュールが単一のセルを備える電池、または各セルモジュールが互いに直列および/または並列に電気的に接続される複数の個々のセルを備える電池に関連することが理解されるであろう。例えば、本明細書に記載されるセルモジュールのいくつかは、それぞれが2つの直列電池の2つの並列ストリングに配置される4つのセルを備える。これらのセルは、モジュールを構成するために、同じケーシング内に一緒に封入されてもよい。ケーシングは、液密であってもよく、気密であってもよい。
【0020】
本明細書で開示される例のいずれか1つの任意の構成は、本明細書で説明される他の例のいずれかの任意の選択される構成と組み合わせることができる。例えば、方法の構成は適切に構成されたハードウェアで実施されてもよく、本明細書で説明される特定のハードウェアの構成は他のハードウェアを使用して実施される方法で使用されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】電池と冷却剤システムとを備える装置を示す図である。
図2図1に図示されているような電池を通る2つの断面を示す図である。
図3図1に図示されているような装置を備える車両を通る2つの断面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
ここで、本開示の実施形態を、添付の図面を参照して、単なる例として説明する。
【0023】
図面において、同様の番号は、同様の要素を示すために使用される。
【0024】
図1は、冷却剤フローシステム4、8、10、12、14を備えた電池6を備える装置2の図である。図2に表される2つの断面図、すなわち断面2Aおよび断面2Bは、図1に示すような電池6を示しているので、3つの図面を簡潔性のために一緒に説明する。
【0025】
第1断面図2Aは、図1と同じ方向を見て電池6を通る断面を示す。断面2Aは、断面2Bの線A-Aによって示される平面内にある。断面2Bは、断面2Aの線B-Bによって示される平面内にある。
【0026】
図示のように、電池6は、電池6のセル9、11、13、15を収容するケーシング7を含むこと
ができる。図面では見えないが、電池セルは、セルの電極、セパレータ、および電解質を含むスキンを含むことができる。セル9、11、13、15は細長くてもよく、平坦であってもよく、例えば、スラブ形状であってもよい。各セルは、セルからDC電流の流れを提供するために、電極に接続された正の電気接続および負の電気接続を備える。図示のように、各セルはまた、温度センサを担持することができ、この温度センサは、セルの電気コネクタと同じ端部に配置することができ、2つの接続部に配置することができ、例えば、別個の熱伝導性シート(セルの2つの電気接続部のいずれかに電気的に接続されていなくてもよい銅コネクタなど)の間に配置することができる。
【0027】
電池セル9、11、13、15を重ねて、積層体内に配置してもよく、電気的な接続はすべて積層体の第1の端部にあってもよい。セルが一緒に直列に接続される場合、あるセルの正端子は次のセルの負端子に接続され、以下同様に電池を列に配置する。典型的には、隣接するセルの電気的な接続間のリンクを、銅などの金属を含むことができる、バスバーによって提供できる。
【0028】
電池管理システム21、および/または電池用の他の制御電子機器を、ケーシング6の壁の内面の凹部23に設けることができる。この凹部23は、電池の積層体の上面に隣接する、ケーシングの上壁に設けられてもよい。これにより、冷却剤が、セルの第1の端部で電池セルの電気接続部の上を流れる前に、これらの制御電子機器も通過して流れ得る。また凹部23によって、セル上の流路の断面が、その長さの少なくとも一部に沿って実質的に規則的であり得る。これにより、冷却剤の層流が促進され得る。また乱流が、例えば電池セルの第1の端部に提供されてもよい。
【0029】
冷却剤フローシステムは、ケーシングの第1の端部に配置される冷却剤流出ベントに接続される流出フィルタと、ケーシングの第2の端部の冷却剤流入ベントに接続された流入フィルタとを備える。
【0030】
入口フィルタは、吸気ダクトによって、ファンのようなエアムーバに接続される。ファンは、さらに別のダクトによって、ケーシングの空気流入ベントに接続される。ケーシングは、電池セルと熱的に接触している冷却剤の流れを、ケーシングの流出ベントに流すための少なくとも1つの内腔を提供する。流出ベントは、流出ダクトによって出口フィルタに接続される。
【0031】
こうして、冷却剤フローシステムを、電池セルの本体を通過して電池セルの第1の端部に向かう、冷却剤の流れを生じさせるように配置できる。これにより、電池の最も冷たい部分に最も冷たい冷却剤を当てることができ、それによって冷却を引き起こすための温度差を与えることができる。冷却剤は電池のより暖かい部分(例えば、電気的な接続が提供される端部)に到達するまでに暖められ得るが、冷却剤は電池のこれらの(より高温の)部分よりも冷えたままであり、それによって冷却が依然として行われ得る。さらに、バスバーおよび/または電気接続端部におけるセルへの他の金属接続は、セルから効率的に熱を伝導するように作用でき、それによって、更なる冷却を可能にする。その結果、直観に反して、本開示の冷却剤システムは、より高温の冷却剤を電池のより高温の部分に適用することによって、改善された冷却を提供し得る。
【0032】
図3は、図1に示すような装置を備える車両72の2つの非常に概略的な断面図を示す。第1の断面3Aは、車両72を平面的に示している。第2の断面3Bは電池を通る断面を示し、電池内部のセルを示し、冷却剤がセル上を流れている。
【0033】
冷却剤フローシステムは、冷却剤の流れが電池の本体から電気的な接続を越えて流れる前に、冷却剤が電池の本体を横切って冷却するように、電池を通る冷却剤の流れを提供す
るように配置されている。したがって、冷却剤システムは、冷却剤を電池セルの最も冷たい部分に最も強く導くことができる。
【0034】
断面3Bに図示されているように、電池のセルを重ねて積層状に配置されてもよく、冷却剤フローシステムは、コネクタが配置される端部とは反対側の、このセルの積層の一端部の下部に対して最初に冷却剤を供給するように配置されてもよい。次いで、冷却剤は、例えば電池ケーシングによって、セルの積層の上を、そして積層の上面(おそらくは積層の側面の周りにも)を横切って、電気コネクタが配置される電池の積層物の端部の上を流れる前に、流れる。このように、この冷却剤の流れのための出口は、ケーシングの下部に向かって設けることができる。
【0035】
断面3Aにおいて、車両72は、車両の2つの作動システム70、70'の間に配置される電池を運べることが分かる。作動システムは、電池から電力を受け取るように接続されてもよく、車両によって運搬又は移動される物体を操作するような機械的動作を行うために配置されてもよい。
【0036】
上記の説明から、図面に示される実施形態は、単に例示的なものであり、本明細書に記載され、特許請求の範囲に記載されるように、一般化され、除去され、または置き換えられ得る構成を含むことが理解されるであろう。例えば、入口フィルタおよび出口フィルタは任意である。そして、図1に示すエアムーバを出口に設けて、電池ケーシングを通して冷却剤を吸引するようにしてもよい。これは、吸気口にエアムーバを設けることに加えて、またはこれに代わるものとして行うことができる。送風機はファン、ポンプを備えてもよく、または受動的吸気(例えば、移動する車両の吸気から)によって駆動されてもよい。典型的には冷却剤は空気または別の気体であるが、液体冷却剤を使用することもできる。
【0037】
ケーシングも任意選択であり、電池セルは、セル上に空気を導くためのルーメンを提供するように作用することができる車両の部分によってカプセル化することができる。
【0038】
一般に図面を参照すると、概略機能ブロック図が、本明細書で説明されるシステムおよび装置の機能を示すために使用されることが理解されるであろう。しかしながら、機能性は、このように分割される必要はなく、説明され以下請求されるもの以外のハードウェアの特定の構造を暗示すると解釈されるべきではないことが理解されるであろう。図面に示される1つ以上の要素の機能は、本開示の装置全体にわたってさらに細分されおよび/または分散され得る。いくつかの実施形態では、図面に示されている1つ以上の要素の機能が単一の機能ユニットに統合されてもよい。上記の実施形態は、例示的な例として理解されるべきである。さらなる実施形態が想定される。
【0039】
例えば、冷却剤の一部、特に電池の積層の頂部を横切る、層流の促進について言及がなされている。しかしながら、本開示の文脈では、乱流も存在し得ることが理解されるであろう。さらに、構造の特定の構成は、電池の1つ以上の領域における乱流を促進するように構成されてもよい。例えば、本開示の方法は、電池セルの1つ以上の部分に隣接する冷却剤の乱流を提供することを含むことができる。このような流れは、例えば、電池の第1の端部における電気的な接続のような、電池セルの1つ以上の領域の周りに提供されてもよい。
【0040】
任意の1つの実施形態に関連して記載された任意の構成は、単独で、または記載された他の構成と組み合わせて使用されてもよく、また、任意の他の実施形態又は任意の他の実施形態の任意の組み合わせの1つ以上の構成と組み合わせて使用されてもよいことが理解されるべきである。さらに、添付の特許請求の範囲に定められる本発明の範囲から逸脱することなく、上記で説明されていない均等物および修正を使用することもできる。
図1
図2
図3
【国際調査報告】