特表2021-535583(P2021-535583A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2021-535583電子材料のプラズマ処理のための装置および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-535583(P2021-535583A)
(43)【公表日】2021年12月16日
(54)【発明の名称】電子材料のプラズマ処理のための装置および方法
(51)【国際特許分類】
   H05H 1/24 20060101AFI20211119BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20211119BHJP
【FI】
   H05H1/24
   H01L21/302 105A
   H01L21/302 102
   H01L21/302 101B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2021-536680(P2021-536680)
(86)(22)【出願日】2019年9月4日
(85)【翻訳文提出日】2021年3月2日
(86)【国際出願番号】US2019049556
(87)【国際公開番号】WO2020101793
(87)【国際公開日】20200522
(31)【優先権主張番号】62/726,905
(32)【優先日】2018年9月4日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
(71)【出願人】
【識別番号】521090092
【氏名又は名称】サーフエックス テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアムス,トーマス スコット
(72)【発明者】
【氏名】チェン,シウ,ファイ
(72)【発明者】
【氏名】ヒックス,ロバート,エフ.
【テーマコード(参考)】
2G084
5F004
【Fターム(参考)】
2G084AA02
2G084AA03
2G084AA05
2G084AA07
2G084AA13
2G084AA26
2G084BB11
2G084BB14
2G084BB26
2G084CC11
2G084CC34
2G084DD01
2G084DD17
2G084DD22
2G084DD55
2G084FF02
2G084FF11
2G084FF32
2G084FF39
2G084GG04
2G084GG07
2G084GG29
2G084HH34
2G084HH42
5F004AA13
5F004BA04
5F004BB13
5F004BB18
5F004BB30
5F004BD03
5F004CA03
5F004CA08
5F004CB09
5F004DA23
5F004DA24
5F004DA25
5F004DA26
5F004DA28
5F004DB01
5F004DB13
5F004DB19
5F004DB20
5F004DB30
(57)【要約】
大気圧、および低温のアルゴンおよび他の分子ガスと共に、および高濃度の反応種と共に動作するプラズマ適用が開示される。プラズマ装置およびプラズマ装置および基板を含む筐体は実質的に粒子を含まず、そのため、基板は加工中、粒子で汚染されない。プラズマは容量放電により、ストリーマまたはマイクロアークなしで発生される。その技術は、有機材料を基板から除去し、よって基板をクリーニングするために;材料の表面を活性化し、よって、その材料と第2の材料の間の接着を増強させるために;基板から材料の薄膜をエッチングするために;ならびに、薄膜およびコーティングを基板上に堆積させるために採用することができ;それらのプロセスは全て、基板の表面を相当な数の粒子で汚染することなく実施される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルゴンおよび1つ以上の分子ガスを含むガス流を入口からハウジング内の流路を通って反応性中性種を含むアルゴンプラズマのための出口まで誘導すること;
前記ハウジング内の前記ガス流を電源電極の電力供給される電極表面と接地電極の接地電極表面の間に誘導することであって、前記接地電極表面は前記電力供給される電極表面から密接に空間を空けられていること;
前記ガス流をイオン化させ、前記反応性中性種を含む前記アルゴンプラズマを生成させるために、電源から、前記電源電極および前記接地電極に結合させて高周波電力を送達すること;
前記アルゴンプラズマを有する前記ハウジングを、筐体ガス流を含む筐体内に配置することであって、粒子を前記流れから除去するために前記筐体ガス流は濾過されていること;ならびに
前記反応性中性種を受理するために、材料基板を前記筐体内で前記ハウジングの出口付近に配置すること
を含む、イオン化ガスプラズマを生成させる方法。
【請求項2】
前記イオン化ガスプラズマからの前記反応性中性種は、前記材料基板から有機汚染をクリーニングする、接着のために前記材料基板表面を活性化する、前記材料基板から薄膜をエッチングする、または前記材料基板上に薄膜を堆積させるために使用され、全て実質的に粒子の堆積がない、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記筐体の内側の前記ガスは大気圧である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記材料基板の表面全体が前記イオン化ガスプラズマからの前記反応種で均一に処理されるように、前記イオン化ガスプラズマのための出口を有する前記ハウジングを、前記材料基板の前記表面に対して移動させる手段をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記高周波電力は、13.56または27.12MHzで送達される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記分子ガスは、前記アルゴンガス流に、0.5〜5.0体積%の濃度で添加され、前記分子ガスの一部は前記アルゴンプラズマの内側で原子に解離し、次いで前記出口から流出し、前記原子はO、N、H、F、CおよびS原子からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記原子は、酸素(O)、窒素(N)、および水素(H)からなる群より選択される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記筐体は、1立方メートルの空気あたりわずか100,000個の0.1ミクロンより大きな粒子を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記筐体はクリーンルームを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記分子ガスは酸素および窒素を含む群から選択され、前記材料基板は半導体ウエハであり、前記半導体ウエハの表面は有機汚染が前記イオン化ガスプラズマからの前記反応性中性種でクリーニングされる、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記分子ガスは水素であり、前記材料基板は銅基板であり、前記銅基板上の酸化銅は、前記イオン化ガスプラズマからの前記反応性中性種によりエッチング除去される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記銅基板はリードフレームストリップである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
アルゴンおよび1つ以上の分子ガスを含むガス流のための入口、反応性中性種を含むアルゴンプラズマのための出口、および前記ガス流を誘導するための前記ハウジング内の流路を有するハウジング;
前記ガス流に曝露される電力供給される電極表面を有する前記ハウジング内に配置された電源電極;
接地電極表面が前記電源電極表面から、密接に空間を空けられ、前記ガス流がそれらの間に誘導されるように前記電源電極に隣接して配置された接地電極;
前記ガス流をイオン化し、前記反応性中性種を含む前記アルゴンプラズマを生成させるために前記電源電極および前記接地電極に結合された高周波電力を送達するための電源;
前記ハウジングを中に含み、筐体ガス流を含む筐体であって、粒子を前記流れから除去するために前記筐体ガス流は濾過されている筐体;ならびに
前記イオン化ガスプラズマからの前記ガス流中の前記反応性中性種を受理するために、前記筐体内に前記ハウジングの出口付近に配置された材料基板
を含む、イオン化ガスプラズマを生成させるための装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、35U.S.C.§119(e)の下、参照により本明細書に組み込まれる下記米国仮特許出願の恩典を主張する。
【0002】
Williamsらによる、2018年9月4日に出願され、「DEVICE AND METHOD FOR PLASMA TREATMENT OF ELECTRONIC MATERIALS」と題する米国仮特許出願第62/726,905号(代理人明細書SRFXP010.P1)。
【0003】
発明の分野
本発明は、電子材料についてのクリーニング、表面活性化、エッチングおよび堆積のためのプラズマ装置およびプラズマ装置を使用する方法に関する。
【背景技術】
【0004】
イオン化ガスプラズマは材料加工において広範囲の用途を見出してきた。材料加工において使用されるプラズマは一般に弱イオン化されており、ガス中の分子のほんの一部が荷電されていることが意味される。イオンに加えて、これらのプラズマは、表面をクリーニングする、活性化する、エッチングする、表面上に薄膜を堆積させることができる反応種を含む。これらの弱イオン化ガスにおける温度は通常、250℃未満であり、そのため、ほとんどの感熱性基板は損傷されない。弱イオン化プラズマの物理および化学はいくつかのテキストに記載されている。例えば、Lieberman and Lichtenberg, “Principles of Plasma Discharges and Materials Processing,” (John Wiley & Sons, Inc., New York, 1994)およびRaizer, Y.P., “Gas Discharge Physics”, (Springer−Verlag, Berlin (1991)を参照されたい。
【0005】
文献によれば、弱イオン化プラズマは0.001と1.0トールの間の圧力の真空で発生する(Lieberman and Lichtenberg (1994)を参照されたい)。電力が2つの電極間に適用され、ガスが分解され、イオン化される。電気は、直流(DC)、交流(AC)、高周波(RF)、またはマイクロ波(MW)源として提供され得る。電極は、容量または誘導結合のいずれかを提供するように構成され得、プラズマが衝突され、維持される。前者の場合、2つの導電性電極が、少量のガスで充填された真空チャンバの内側に配置される。電極の1つにRF発生器により、電力供給され、またはバイアスされ、一方、他の電極は接地される。後者の場合、RF電力はチャンバの絶縁壁の周りのコイルに包まれたアンテナを介して供給される。コイルからの振動電場がガス中に浸透し、イオン化が誘導される。
【0006】
シリコン、ガリウムヒ素、炭化ケイ素、サファイアおよびガラスウエハを含む電子材料が、真空チャンバに挿入され、ウエハの表面を改質する期間、プラズマを衝突させ、それを走行させることにより処理される。標準半導体ウエハサイズは、直径100、150、200および300mmである。真空チャンバは、ウエハサイズの1つに適合するように、特定的に設計される。シリコン表面をクリーニングする1つの方法は、酸素およびアルゴンをチャンバに送り込むものである。プラズマ中のエネルギー自由電子は、酸素分子の一部をO原子および、基板表面上の有機汚染物質を攻撃し、それらをガス状二酸化炭素に変換する他の反応種に変換する。加えて、表面は、基板の正電荷アルゴンイオン(Ar)による衝撃により、汚染物質が物理的にスパッタされ得る。数分間の真空チャンバ内での酸素プラズマ処理に続き、シリコンウエハ表面は他の半導体加工工程、例えば、限定はされないが、ウエハボンディングのためにクリーニングされ、活性化される。
【0007】
電子材料の表面をクリーニングする別の方法は、基板を真空チャンバに挿入し、水素およびアルゴンの混合物を含む供給ガスを用いてプラズマを当てるものである。この場合、エネルギー自由電子はH原子およびArイオンを生成させ、それらは基板の表面に衝突し、金属酸化物汚染物質、例えば、限定はされないが、酸化銅、酸化銀、酸化スズ、または酸化インジウムを除去する。水素をチャンバ中に導入することによる安全上の危険を阻止するために、プラズマへの供給ガスはアルゴン中に4.0%未満のHを含有しなければならない。真空チャンバの動作圧、0.05〜0.50トールで、得られた水素濃度は2〜20ミリトールにすぎない。金属酸化物の水素原子エッチング速度は非常に低く、そのため、酸化物汚染物質のほとんどがスパッタリングにより除去される。
【0008】
半導体基板は、基板表面上の元素を安定なガス分子に変換するガス状の反応種を発生させることにより、真空プラズマ中でエッチングされる。次いで、安定なガス分子がチャンバから送り出される。例えば、シリコンは下記反応によりSiウエハから除去され:Si(s)+4F(g)=SiF4(g)、ここで、添字sおよびgは、それぞれ、固体および気体を示す。フッ素原子は、四フッ化炭素(CF)の炭素およびフッ素原子への電子衝突解離により、プラズマ中で発生する。下のシリコン基板の選択したエリアにおけるエッチングを阻止するポリママスクが表面に置かれた場合、シリコントランジスタのパターンをSiウエハにエッチングすることができる(Lieberman and Lichtenberg (1994)を参照されたい)。ウエハ表面のイオン衝撃はシリコンエッチングプロセスに垂直方向性を付加する。ある一定の金属を含む他の材料のエッチングは塩素プラズマを用いて達成することができ、プラズマ加工の当業者には明らかである。
【0009】
銅基板からの酸化銅膜のエッチングは半導体製造における重要なプロセスである。集積回路を含むダイは銅リードフレームストリップに取り付けられ、ここで、ワイヤがダイ上の出力パッドからリードに取り付けられ、次いで、パッケージ全体がモールド化合物に封入される。酸化銅膜がリードフレームストリップ上に存在する場合、層間剥離がダイパッド−モールド界面に存在することが見出されている(例えば、L. C. Yung, L. C. Ying, C. C. Fei, A. T. Ann and S. Norbert, “Oxidation on copper lead frame surface which leads to package delamination,” IEEE Proceedings of the International Conference on Software Engineering, 2010, Kuala Lumpur, Malaysia, p. 654;およびC. T. Chong, A. Leslie, L. T. Beng, and C. Lee, “Investigation on the effect of copper leadframe oxidation on package delamination,” IEEE Proceedings of the 45th Electronic Components and Technology Conference, Las Vegas, NV, USA, p. 463を参照されたい)。モールド化合物と酸化銅表面の間よりも、酸化銅と銅金属ベースの間で不具合が起こる。酸化物層がベース金属上で成長すると、空隙が界面内で発達し、層間接着が弱くなる。そのため、酸化物層を除去し、界面空隙を排除することが、保護モールドの層間剥離を阻止するのに必要である。真空プラズマは、チャンバ内に送り込まれ得る非常に低い水素濃度のために本出願に適合するには不十分である。
【0010】
薄膜のプラズマ強化化学蒸着(PECVD)は、同様に真空プラズマチャンバ内で実施される。ここで、所望の膜中の元素を含む揮発性前駆体分子が、チャンバ中に導入される。プラズマ中で生成される反応種が前駆体分子を分解し、ウエハ表面上の成長膜中にその後に組み込まれる元素を解放する。例えば、二酸化ケイ素(SiO)は、酸素プラズマ中でのテトラエトキシシラン(Si(OC)の分解により、シリコンウエハ上にエッチングされたトレンチ内に堆積させることができる。反応全体は下記の通り表すことができる:Si(OC4(g)+22O(g)=SiO2(s)+8CO2(g)+8H(g)。プラズマプロセス条件は所望の膜特性を達成するように選択される。例えば、隣接する半導体トランジスタを絶縁するために高い絶縁耐力を有する安定な絶縁体が望まれる場合、純粋ガラス膜が、基板を高温、例えば、500℃まで加熱し、真空チャンバ中の前駆体の量を制限して、堆積速度を減速させ、大過剰の酸素を達成し、前駆体からの炭素および水素全てを二酸化炭素および水に変換することにより、Siウエハ上のトレンチナ内に堆積される。電子材料上の多くの他の薄膜はプラズマ強化化学蒸着により生成され、PECVDの当業者には明らかである。
【0011】
電子材料の真空プラズマ加工の欠点の1つは、チャンバが半導体ウエハの加工の繰り返しで汚れることである。チャンバは徐々に、0.01〜10.0ミクロンの直径のサイズ範囲の粒子(すなわち汚染)で満たされる。この問題は多くの刊行物に記録されている(例えば、G. S. Selwyn, et al., J. Vac. Sci. Technol. A 7, 2758 (1989);同書、8, 1726 (1990); M. J. McCaughey and M. J. Kushner, Appl. Phys. Lett. 55, 951 (1989); R. N. Nowlin and R. N Carlile, J. Vac. Sci. Technol. A 9, 2824 (1990); G. S. Selwyn, Jpn. J. Appl. Phys. 32, 3068 (1993);およびS. J. Choi, et al., Plasma Sources Sci. Technol. 4, 418 (1994);およびR. L. Merlino and J. A. Goree, Physics Today 1(2004年7月)を参照されたい)。プラズマがオンになると、粒子は負電荷を持ち、チャンバ内の電場の結果、ウエハ表面上に浮かぶ。プラズマがオフになると、粒子はウエハ上に落ち、汚染物質の薄層が形成する。ウエハ加工中に存在する粒子は、固体デバイスをだめにしてしまう可能性があることは当業者によく知られている。半導体業界はそれらを排除することに取り付かれ、0.01ミクロン超の直径の粒子がないクリーンルームを建設するのに何十億ドルも費やしている。汚れたプラズマチャンバは粒子汚染を低減するために定期的にクリーニングしなければならない。加えて、ウエハは、プラズマ浸漬後に、それらにくっついた可能性のある粒子を排除するためにウェットクリーニングしなければならない。これは全て電子デバイスを製造するコストを押し上げている。結論として、粒子を発生させない改善されたプラズマ加工装置および方法が必要である。
【0012】
大気圧プラズマは真空プラズマの代わりとして開発されてきた。異なる型の大気圧プラズマ装置が複数の刊行物に記載されている(Schutze, et. al., IEEE Trans. Plasma Sci. 26, 1685 (1998); Goldman and Sigmond, IEEE Trans. Electrical Insulation EI−17, no. 2, 90 (1982); Eliasson and Kogelschatz, IEEE Trans. Plasma Sci. 19, 1063 (1991); Fauchais and Vardelle, IEEE Trans. Plasma Sci. 25, 1258 (1997); Moravej, et al., J. Appl. Phys. 96, 7011 (2004);ならびにBabayanおよびHicks、米国特許7,329,608号(2008年2月12日)および米国特許8,328,982号(2012年12月11日))。これらのプラズマは、多くの理由で半導体製造のために採用されていない。それらは、半導体ウエハ上の固体デバイスを損傷する可能性があるスパークまたはストリーマを含む不均一な反応性ガスビームを発生させる。それらは、過度のUV光を発生させる、または、基板上への静電放電を引き起こす可能性がある。多くの場合、大気圧プラズマは電極表面に保護シースを有しておらず、そのため、エネルギーイオンは前記表面と衝突し、微粒子状物質をエッチングする。これらのプラズマは半導体加工で使用される真空プラズマよりも汚れていることが、当業者に知られている。
【0013】
前記を考慮すると、電子材料加工に好適であり、製造作業に有害となり得る粒子を発生させないプラズマ装置および方法が必要である。これらのおよび他の要求は、以下で記載される本発明の実施形態により満たされる。
【発明の概要】
【0014】
発明の1つの実施形態は、電子材料をクリーニングする、活性化する、エッチングするおよび電子材料上に薄膜を堆積させるために、アルゴンおよび他の分子ガスを利用するプラズマ装置および方法を含む。プラズマ装置および基板が、粒子がプラズマにより加工される基板と接触しないように、粒子を空気から除去する手段を含む筐体の内側に配置される。筐体は装置および基板を入れるキャビネットであってもよく、またはクリーンルームであってもよい。プラズマは、高周波(RF)電力で駆動される2つの電極を含む自立型ハウジングにおいて発生する。高密度の反応種は、装置内で、分子と放電におけるエネルギー自由電子の間の衝突により発生する。反応種はハウジングから、短距離下流に配置された基板上に流れ出る。ハウジングには、RF電力、ならびに、基板をクリーニングし、活性化し、エッチングし、または基板上に薄膜を堆積させる安定なプラズマを発生させるのに好適な割合のアルゴンおよび他の分子ガスの制御された流れが供給される。ガス流システムはクリーニングされ、プラズマ中での粒子発生源となり得る汚染物質なしとされる。プラズマ装置および方法は、前記基板上で自立型ハウジングを走査させることにより、またはハウジングの真下で基板をスピンさせることにより、基板に均一に接触する手段をさらに含む。
【0015】
発明の1つの実施形態では、汚染表面は、プラズマにより発生させられる反応性ガス種への曝露によりクリーニングされる。有機汚染を取り除くために、酸素分子がハウジングに入るアルゴンガスに添加される。プラズマに送られる酸素の濃度は、0.1%〜5.0%、好ましくは0.5%〜1.5%の範囲である。次いでプラズマが、酸素分子をO原子および他の反応種に変換する。このガス流は、クリーニングされる基板表面上に誘導される。このプロセスの一例はシリコンウエハのクリーニングおよび活性化である。シリコン上の自然酸化物層は最初に、吸着された有機化合物の層で汚染される。アルゴン/酸素プラズマ中で発生した活性酸素種は有機化合物と反応し、それらを水蒸気および二酸化炭素に変換し、汚染のない二酸化ケイ素表面が残る。発明のこの実施形態におけるプラズマ装置は粒子のない筐体内にあり、そのため、プラズマから生じるガス流、または筐体の内側の空気からの、シリコンウエハ表面上への粒子の堆積はない。1つの実施形態では、筐体はクリーンルームである。
【0016】
本発明の別の実施形態では、シリコンダイは、ダイをリードフレームストリップに取り付ける直前に、プラズマ装置および方法を用いて、有機汚染がクリーニングされる。ダイアタッチは、半導体実装操作における最初の工程である。ダイ上の有機汚染はダイのリードフレームストリップへの接着を妨げ、不良パッケージとなる可能性がある。発明のこの実施形態はダイのリードフレームへの強い接着の達成を確保する。
【0017】
本発明の別の実施形態では、プラズマガスが、基板表面から、金属、金属酸化物、ポリマ、または半導体を含む材料の層をエッチングするために使用される。金属、金属酸化物、半導体またはセラミックをエッチングする場合、水素、フッ素、または塩素を含むガス分子が自立型ハウジング中へのアルゴン流に添加される。RF電力がハウジングの内側の電極に適用されると、ガス流はイオン化し始め、それから生成されたエネルギー自由電子がガス分子と衝突し、それらを断片に解離させ、水素、フッ素または塩素原子を解放する。これらの原子はハウジングから流出して、短距離下流に配置された基板に衝突する。エッチングは、H、FまたはCl原子のウエハ表面上で曝露された金属、金属酸化物、半導体、またはセラミックとの反応により起こる。
【0018】
1つの実施形態では、酸化銅は下記反応により水素原子でエッチングされる:CuO(s)+2H(g)=Cu(s)+H(g)。この場合、水素分子がハウジングに入るアルゴンガスに添加され、プラズマによりH原子に解離される。H原子はハウジングから流出して、銅および他の材料を含む基板に衝突し、酸化銅層を除去する。プラズマに送られる水素の濃度は、0.1%〜5.0%、好ましくは0.5%〜1.5%の範囲である。基板の1つの例は銅リードフレームストリップである。酸化銅が銅リードフレームストリップの表面上で形成する可能性があり、ワイヤの銅ボンドパッドへの、およびモールド化合物の銅リードへの強い接着を阻止する。酸化銅を銅リードフレーム表面から除去すると、確実に、ワイヤボンドおよびモールド化合物とのリードフレームに対する強い接着が得られる。加えて、モールド化合物と銅表面との接着を阻止する可能性のある粒子は、このプロセスにより、リードフレームストリップ上に堆積されない。
【0019】
別の実施形態では、二酸化ケイ素は下記反応によりフッ素原子でエッチングされる:SiO2(s)+4F(g)=SiF4(g)+2(g)。このプロセスの一例はシリコンウエハの表面上のガラス薄膜のエッチングである。多くの他のエッチング反応が可能であり、当業者には明らかであろう。発明のこの実施形態では、ハウジングの内側のプラズマから生じる反応性ガス流は粒子を含まず、装置は粒子のない筐体内に含まれ、そのため、エッチング反応中、基板上への粒子の堆積はない。
【0020】
発明の別の実施形態は、粒子の同時堆積なしで、薄膜を基板上に堆積させるための装置および方法を含む。好適な前駆体分子は、その反応生成物が所望のコーティングを生成するように選択される。この場合、酸素、窒素、水素または別のガスは、プラズマ源に送り込まれるアルゴンガスと混合することができる。これらの分子はプラズマの内側で解離され、例えば、O、N、またはH原子を含む反応性ガスストリームを生成する。前駆体分子はプラズマ源の出口で反応性ガスストリームと混合される。次いで、得られた混合物は、薄膜の堆積が起こる基板に衝突する。発明の1つの実施形態では、Oおよびアルゴンはプラズマに送られ、プラズマ源の出口でO原子を含む反応種流が発生する。次いで、テトラエトキシシラン、またはテトラメチル−シクロテトラシロキサンを含む揮発性オルガノシラン前駆体が反応性ガス流と混合される。この反応性混合物は、流路に配置された、シリコン、ガリウムヒ素、炭化ケイ素、サファイア、またはガラスウエハもしくはシートを含む基板に衝突し、相当な数の粒子の同時堆積なしで二酸化ケイ素膜を堆積させる。
【0021】
1つの注目に値する実施形態例では、低温、大気圧プラズマを生成させるための装置は、アルゴンおよび1つ以上の分子ガスを含むガス流のための入口、反応性中性種を含むプラズマのための出口、およびガス流を誘導し層流にするためのハウジング内の流路を有するハウジング、ガス層流に曝露される電力供給される電極表面を有するハウジング内に配置された電源電極、接地電極表面が、電力供給される電極表面から密接に空間を空けられ、ガス層流がその間で誘導されるように、電力供給される電極に隣接して配置された接地電極、ガス層流をイオン化し、反応性中性種を含むプラズマを生成させるために、電力供給される電極および接地電極に結合された高周波電力を送達するための電源を含む。典型的には、ハウジングは、接地電極を含むことができ、および/または、出口は直線開口を含むことができる。この実施形態では、ハウジングは、流動ガスを有する筐体の内側に配置され、前記ガスは、粒子のハウジングを含む空間中への導入を阻止するために濾過されている。加えて、シリコン、ガリウムヒ素、炭化ケイ素、サファイア、またはガラスウエハもしくはシートを含む基板は、ハウジングの出口の短距離下流に、基板がそこから生じる反応性ガスに曝露されるように配置される。
【0022】
さらなる実施形態では、分子ガスは、0.1〜5.0体積%の濃度でアルゴンガス流に添加することができ、分子ガスはプラズマの内側で原子に解離し、次いで出口から流出し、ここで、原子はO、N、H、F、Cl、CおよびS原子からなる群より選択される。
【0023】
同様に、発明の方法実施形態は、アルゴンおよび1つ以上の分子ガスを含むガス流を入口からハウジング内の層流路を通って反応性中性種を含むプラズマのための出口まで誘導する工程、ハウジング内のガス層流を電力供給される電極の表面と接地電極の表面の間に誘導する工程であって、接地電極表面は電力供給される電極表面から密接に空間を空けられている工程、ガス層流中の種をイオン化するために、電源から、電力供給される電極および接地電極に結合させて高周波電力を送達する工程、およびプラズマにより発生した反応性中性種をヘッドから基板表面上に誘導する工程を含み、ハウジングおよび基板は、粒子を含まないガス流を有する筐体の内側に含まれる。1つの実施形態では、筐体内のガス流は層流である。
【0024】
材料表面はヘッドから誘導された反応性中性種によりクリーニングまたはエッチングすることができる。その代わりに(または加えて)、材料表面はヘッドから誘導された反応性中性種により増加した表面エネルギーを獲得することができる。これにより、材料表面の接着特性を改善することができる。材料表面はまた、ヘッドから誘導された反応性中性種によりその上に堆積された薄膜を有することができる。化学的前駆体は、ヘッドから誘導された反応種と混合させることができ、化学的前駆体由来の少なくとも1つの元素が、材料表面上に堆積される薄膜に組み込まれる。これらのプロセスの各々において、プラズマガス流は、粒子を実質的に含まず、プラズマ源および基板を含む筐体は、粒子を実質的に含まず、そのため、基板上に堆積される粒子はたとえあったとしてもごくわずかである。発明のこの方法実施形態は、本明細書で記載される装置または方法実施形態のいずれかと一致して、さらに改良することができる。
【0025】
発明の別の実施形態はまた、アルゴンおよび1つ以上の分子ガスを含むガス流のための入口、反応性中性種を含むアルゴンプラズマのための出口、およびガス流を誘導するためのハウジング内の流路を有するハウジング、ガス流に曝露される電力供給される電極表面を有するハウジング内に配置された電源電極、接地電極表面が電源電極表面から、密接に空間を空けられ、ガス流がそれらの間に誘導されるように電源電極に隣接して配置された接地電極、ガス流をイオン化し、反応性中性種を含むアルゴンプラズマを生成させるために電源電極および接地電極に結合された高周波電力を送達するための電源、ハウジングを中に含み、筐体ガス流を含む筐体であって、粒子を流れから除去するために筐体ガス流は濾過されている筐体、および、ガス流中の反応性中性種をイオン化ガスプラズマから受理するために、筐体内でハウジングの出口付近に配置された材料基板を含む、イオン化ガスプラズマを生成させるための装置を含むことができる。同様にこの実施形態では、装置は、相当な数の粒子を含まないキャビネットまたはクリーンルームを含む筐体の内側に配置することができる。発明のこの装置実施形態は、本明細書で記載される装置または方法実施形態のいずれかと一致して、さらに改良することができる。
【0026】
典型的には、アルゴンプラズマは容量放電により、実質的にストリーマまたはマイクロアークなしで生成され、筐体の内側のガスは大気圧である。ハウジングを通るガス流は層流とすることができ、筐体ガス流は層流とすることができ、アルゴンプラズマためのハウジングの出口からのガス流は25〜200℃とすることができる。加えて、イオン化ガスプラズマからの反応性中性種は、材料基板から有機汚染をクリーニングする、接着のために材料基板表面を活性化する、材料基板から薄膜をエッチングする、または材料基板上に薄膜を堆積させるために使用することができ、全て実質的に粒子の堆積がない。電源は、13.56または27.12MHzの高周波で動作することができ、反射電力を最小に抑えるために、高周波電源をアルゴンプラズマにインピーダンス整合するオートチューニングネットワークを含む。1つ以上の分子ガスはアルゴンガス流に0.5〜5.0体積%の濃度で添加することができ、1つ以上の分子ガスの一部はアルゴンプラズマの内側で原子に解離し、次いで出口から流出し、原子はO、N、H、F、CおよびS原子からなる群より選択される。筐体は、1立方メートルの空気あたりわずか100,000個の、0.1ミクロンより大きな粒子を含む可能性があり、筐体はクリーンルームを含むことができる。
【0027】
いくつかの実施形態では、アルゴンプラズマのためのハウジングの出口は直線開口を含む。直線開口は少なくとも材料基板と同じ幅とすることができ、材料基板は、反応性ガスビームに対して一定速度で、これに接触して通過させられる。
【0028】
さらなる実施形態では、装置は、材料基板の表面全体がイオン化ガスプラズマからの反応種で均一に処理されるように、イオン化ガスプラズマのための出口を有するハウジングを材料基板の表面に対して移動させる手段を含むことができる。
【0029】
発明の例示的な方法実施形態は、アルゴンおよび1つ以上の分子ガスを含むガス流を入口からハウジング内の流路を通って反応性中性種を含むアルゴンプラズマのための出口まで誘導すること、ハウジング内のガス流を電源電極の電力供給される電極表面と接地電極の接地電極表面の間に誘導することであって、接地電極表面は電力供給される電極表面から密接に空間を空けられていること、ガス流をイオン化させ、反応性中性種を含むアルゴンプラズマを生成させるために、電源から、電源電極および接地電極に結合させて高周波電力を送達すること、アルゴンプラズマを有するハウジングを、筐体ガス流を含む筐体内に配置することであって、粒子を流れから除去するために筐体ガス流は濾過されていること、および、反応性中性種を受理するために、材料基板を筐体内でハウジングの出口付近に配置することを含む。発明の方法実施形態は、本明細書で記載されるいずれかの装置実施形態と一致して、改良することができる。
【0030】
さらなる実施形態では、分子ガスは酸素および窒素を含む群から選択することができ、材料基板は半導体ウエハであり、半導体ウエハの表面は有機汚染がプラズマでクリーニングされる。分子ガスは水素とすることができ、材料基板は銅基板とすることができ、銅基板上の酸化銅はプラズマでエッチング除去される。銅基板はリードフレームストリップとすることができる。
【0031】
発明のこれらのおよび他の実施形態は好ましい実施形態を含む下記記載から当業者に明らかになるであろう。発明の実施形態は、表面をクリーニングするための方法、表面エネルギーを増加させ、接着を改善するための方法、材料をエッチングするための方法、および薄膜を堆積させるための方法を含み、これらのプロセスの各々は、基板表面上での粒子の蓄積を阻止するように実施される。
【0032】
以下、図面について説明する。この中で、同様の参照番号は対応する部品を表す。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】プラズマ装置が、ロボットを使って基板ウエハ上で走査される、発明の例示的な装置実施形態の概略図である。
図2】基板ウエハが固定プラズマ装置の真下で回転される、発明の例示的な装置実施形態の概略図である。
図3A】アルゴンプラズマ装置例の断面を示す。
図3B】アルゴンプラズマ装置例の断面を示す。
図4】クリーンルーム中のシリコンウエハについての粒子マップを示す。
図5】クリーンルームに曝露されたシリコンウエハ上での粒子サイズ分布のヒストグラムである。
図6】真空酸素プラズマを用いたクリーニング後のシリコンウエハ上での粒子マップを示す。
図7】真空Oプラズマに曝露されたシリコンウエハ上での粒子サイズ分布のヒストグラムである。
図8】大気圧アルゴン−酸素プラズマを用いたクリーニング後のシリコンウエハ上での粒子マップを示す。
図9】大気圧Ar/Oプラズマに曝露されたシリコンウエハ上での粒子サイズ分布のヒストグラムである。
図10】酸化銅エッチング速度の自然対数の温度(K)の逆数への依存性を示す。
図11】発明を使用して基板上にコーティングを堆積させるための自立型プラズマハウジングへのアタッチメントの概略を示す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
概要
以上で記載される通り、基板表面の粒子による著しい汚染なしで電子材料を加工するプラズマ適用が開示される。プラズマ装置および電子材料基板を、キャビネットまたはクリーンルームを含み、相当な数の粒子を含まないガス流を有する筐体の内側に配置する。プラズマ装置は自立型ハウジングから構成され、これには、高周波電力ならびにアルゴンおよび0.1〜5.0体積%の範囲の分子ガスを含むガス流が供給される。RF電力のハウジングの内側の電極への適用により、ガスは大気圧および低温でイオン化される。例えばO、N、H、F、Cl、CおよびS原子を含む高濃度の反応種が、プラズマの内側のガス分子との自由電子衝突により発生する。ガスがハウジングに流れ込み、プラズマを通って、およびハウジングから出て行く時、層流が維持される。電極の1つは加熱され得、これは、プラズマを安定化するのに役立つ可能性がある。反応種を含むガスは短距離下流に配置された基板上に誘導され、前記基板はクリーニングされ、活性化され、エッチングされ、または薄膜でコートされる。プラズマ装置を用いた筐体内での基板の加工を通して、基板上に堆積される粒子はたとえあったとしてもごくわずかである。
【0035】
本発明の実施形態と共に使用される大気プラズマのいくつかの重要な要件が存在することに注意すべきである。粒子の生成を最小に抑えるために、大気プラズマは、容量放電として、ストリーマまたはマイクロアークを発生させずに衝突され、維持されなければならない。加えて、プラズマ装置は、清浄で、粒子の生成につながる可能性のあるシリコーングリースの無いガス流路を採用しなければならない。例えば、プラズマ装置の動作において使用されるマスフローコントローラは、Apiezon M真空グリースまたは任意の同様のシリコーンを含まないグリースを使用することができる。当業者であれば、本明細書で記載される実施例に基づき、容量放電プロセスにより、ストリーマまたはマイクロアークなしで、シリコーングリースを使用することなく、好適な大気プラズマを生成するための技術および装置を理解するであろう。
【0036】
装置および方法例では、アルゴンおよび分子ガスの混合物を、密接に空間を空けられた2つの電極を含むハウジングに通して流し、イオン化ガスプラズマを衝突させ、維持するのに十分な高周波電力を電極の1つ(他方は接地)に適用し、反応性中性種をハウジングから流出させ、その間、ハウジングの内側の自由電子およびイオンを電極間で維持することにより、低温、大気圧アルゴンプラズマが生成される。発明の一実施形態を実行するのに好適なプラズマ送達装置を動作させるためのさらなる詳細は、米国特許9,406,485号および米国特許10,032,609号(どちらも、参照により本明細書に組み込まれる)において見出すことができる。
【0037】
図1は、基板上に相当な数の粒子の堆積がないやり方での、電子材料のプラズマ加工のための例示的な装置の概略を示す。装置は、同伴粒子が実質的にないガス流、例えば、限定はされないが、空気を導入する濾過システム301が取り付けられた筐体300を含む。1つの実施形態では、筐体の内側のガス流は層流である。アルゴンプラズマ装置100は、筐体の内側で、基板303上方距離zでxおよびy方向にプラズマ装置100を走査させる能力を有するロボット302上に載置される。基板303はロボットステージ304上に固定される。筐体300はキャビネット、クリーンルーム、または内側にロボットおよびプラズマ装置を載置するための別の好適な3次元空間であってもよい。基板303は任意の材料、例えば、限定はされないが、シリコンウエハ、化合物半導体ウエハ、炭化ケイ素ウエハ、サファイアウエハ、ガラスシート、プラスチックシート、成型プラスチック部品、金属リードフレームストリップ、プリント回路基板、ディスプレイ、またはフレキシブル回路であってもよい。
【0038】
図2は、基板上に相当な数の粒子の堆積がないやり方での、電子材料のプラズマ加工のための別の例示的な装置の概略を示す。装置は筐体300、ガス濾過システム301、プラズマ装置100、および基板303を含む。プラズマ装置100は、装置100の出口を、1.0〜10.0mmの、基板303からの固定された距離で維持する取付け具305上に載置される。基板303はスピニングステージ306上に配置される。プラズマ装置は、出口プラズマビームが円形基板の半径に広がるように構成される。プラズマ加工中、基板はビームの真下で、1〜10,000rpmの速度でスピンされる。
【0039】
図3Aおよび3Bは低温、大気圧アルゴンプラズマを生成させるための発明の一実施形態による例示的なアルゴンプラズマ装置100の概略断面図である。装置100は、アルゴンおよび1つ以上の分子ガスを含むガス流106のための入口104および反応性中性種を含むアルゴンプラズマのための出口108を支持するハウジング102を含む。典型的には、分子ガスは、アルゴンガス流に、0.1〜5.0体積%の濃度で添加される。分子ガスはアルゴンプラズマの内側で原子(O、N、H、F、CまたはS原子)に解離し、次いで出口から、例えば基板上に流出する。この実施例では、出口108は直線開口を含む。
【0040】
ハウジング102内の流路はガス流を、入口104から電源電極110に向かって移動するにつれ層流になるように誘導する。ハウジング内に配置された電源電極110はガス層流に曝露される電力供給される電極表面112を有する。接地電極114は、接地電極表面116が電力供給される電極表面から密接に空間を空けられており、ガス層流がその間で誘導されるように、電源電極110に隣接して配置される。この実施例では、ハウジング全体102が接地電極114である。しかしながら、当業者であれば、接地電極114は、接地電極表面116付近の領域における別個の構成部品として実行することができることを理解するであろう。当業者により容易に理解されるように、電源電極および接地電極110および114が、互いに電気的に絶縁されていることのみが必要とされる。
【0041】
高周波電力を送達するための電源118が、電源電極および接地電極の両方に結合され、電極表面112、116間を通過するにつれ、ガス層流がイオン化され、反応性中性種を含むアルゴンプラズマが生成される。加えて、ヒーター128は、ガス層流が表面112、116の間に誘導される時に、電源電極110および接地電極114の1つまたは両方を加熱するために、装置100に結合されても、されなくてもよい。ヒーター128は40〜200℃、好ましくは、40〜80℃の温度まで加熱する。加熱は、任意の好適な手段により実行することができるが、しかしながら、装置例100では、ヒーター128は、電源電極110内の中空空間を通って循環される加熱液体を含む。発明の一実施形態を実行するのに好適なプラズマ送達装置において電源およびヒーターを動作させるためのさらなる詳細は、米国特許9,406,485号および米国特許10,032,609号(どちらも参照により本明細書に組み込まれる)において見出すことができる。
【0042】
電力供給される電極は、1〜100ミクロンの厚さの非金属の非導電性材料でコートすることができる。電源電極上の誘電体コーティングは硬質、高温、非多孔性コーティングとすることができ、ガラス(SiO)、アルミナ(Al)、窒化アルミニウム(AlN)、または同様の無機電気絶縁体が挙げられる。そのようなコーティングが電源電極上に存在する場合、「電力供給される電極表面」への言及は依然として適用可能であることに留意されたい;導電性電極とガス流の直接の物理接触は、当業者により理解されるように必要とされない。
【0043】
装置例100は、出口108で反応性中性種を含むアルゴンプラズマの光学分光情報を受理するための光センサを採用することができる。この実施例では、光学分光情報は、プラズマアフターグローの測定を可能にする出口108の直線開口に沿った視線122からのものである。加えて、装置100は、センサ120へ光ファイバフィード126中への光学分光情報を反射するために直線開口の一端でミラー124を採用する。発明の一実施形態を実行するのに好適なプラズマ送達装置において、光学分光情報を獲得するために光センサを動作させるためのさらなる詳細は、米国特許9,406,485号および米国特許10,032,609号(どちらも参照により本明細書に組み込まれる)において見出すことができる。
【0044】
装置100では、流路がハウジング102内に配置された層流インサート130により形成される。層流インサート130はガス流を入口104からチャンバの2つの対向壁132A、132Bまで(その間、ガス流の各半分は出口108の幅となるように広げられる)、次いで、電力供給される電極表面112の2つの反対側134Aおよび134Bまで誘導する。流インサートは熱可塑性物質を含む高温の、プラズマエッチングに抵抗性である絶縁材料で作製することができ、PEEK、パーフロロエラストマー、Kalrez、Viton、フルオロポリマ、テフロン、またはアルミナおよび他のセラミックが挙げられる。電源電極表面112は円柱面の一部を含み、ガス層流は円周方向に円柱面の一部に沿って出口108に向かって誘導される。この場合、分岐ガス流は、電極表面112と116の間でイオン化された後プラズマとして出口108で収束する。発明の一実施形態を実行するのに好適なプラズマ送達装置において流インサートを使用するためのさらなる詳細は、米国特許9,406,485号および米国特許10,032,609号(どちらも参照により本明細書に組み込まれる)において見出すことができる。
【0045】
電源118はまた、高周波電源をアルゴンプラズマにインピーダンス整合するオートチューニングネットワークを含むことができる。加えて、オートチューニングネットワークは、反射電力を最小に抑えながら順電力セットポイントに向かって進む論理アルゴリズムに従い、アルゴンプラズマが、より高い電圧での衝突条件からより低い電圧での走行条件に移動する時に、そのようにする。例えば、50−オームインピーダンス整合を採用することができる。発明の一実施形態を実行するのに好適なプラズマ送達装置においてオートチューニングネットワークを動作させるためのさらなる詳細は、米国特許9,406,485号および米国特許10,032,609号(どちらも参照により本明細書に組み込まれる)において見出すことができる。
【0046】
最後に、プラズマ装置100はまた、ハウジング102の外部の前駆体装置136と共に利用することができる。前駆体装置136は、例えば、短距離下流に配置された基板上への薄膜の堆積を可能にするように、揮発性化学的前駆体(複数可)の直線ビーム138を出口108付近の反応性プラズマ流中に導入する。前駆体出口の形状は、プラズマ出口のものと一致することができる。例えば、4”直線プラズマ源出口については、前駆体出口もまた4”スリットであるが、前駆体出口から出て行くガスが、源を出て行くプラズマガスストリーム中に入るように配向される(例えば、それに垂直、または45°とすることができる、など)。典型的な化学的前駆体としては、オルトケイ酸テトラエチル、テトラメチル−シクロテトラシロキサン、トリメチルシラン、および他のオルガノシランまたは有機金属が挙げられる。
【0047】
装置例100は、当業者により理解されるように、下記セクションにおける詳細な実施例によるプロセスにおいてさらに改良され、または使用され得る。本明細書で記載される装置および方法についてのいくつかの適用例としては、材料表面をクリーニングすること、ウェッティングのために材料表面を活性化すること、接着のために材料表面を活性化すること、基板上に薄膜を堆積させること、基板上にガラス薄膜を堆積させること、基板から材料薄層をエッチングすること、および基板から、酸化銅を含む金属酸化物層をエッチングすることが挙げられるが、それらに限定されない。
【0048】
粒子汚染なしの電子材料のプラズマ加工法
発明はさらに、粒子による基板の著しい汚染なしで電子材料を加工する方法により具体化される。反応性ガスは、図3Aおよび3Bに記載されるように、アルゴンプラズマ装置から出て行き、基板に衝突し、そこで、クリーニング、活性化、エッチング、および/または堆積が起こる。低温、大気圧アルゴンプラズマ装置は、実質的に粒子をガス蒸気に付加せずに反応性ガス流を発生させる。密接に空間を空けられた電極、110および114に適用される高周波電力は、実質的にストリーマ、マイクロアーク、またはスパークなしで容量放電を生成させる。容量放電は、電極表面、112および116の隣に保護シースを有する。シースに入るイオンは多くの衝突を受け、それらの過剰運動エネルギーを失い、その後、電極表面に衝突する。これにより、微粒子状物質のガスストリーム中への放出による表面のスパッタリングが阻止される。
【0049】
発明の実施形態は、アルゴンおよび5.0体積%までの濃度の他の分子ガスの混合物を用いて実施することができる。所望の用途によって、分子ガスは、酸素、窒素、水素、メタン、四フッ化炭素(CF)、オクタフルオロブタン(C)、三フッ化窒素(NF)、六フッ化硫黄(SF)、アンモニア、水、2〜6の炭素−炭素鎖長を有する炭化水素、および当業者に明らかであろう他の分子としてもよい。プラズマ源から出て行くガスの温度は一般に、40〜80℃の範囲であるが、発明の特定の実施形態によっては、80℃より高い温度が使用され得る。基板の温度が所望のプロセスに重要であり、これはプラズマハウジングを通って再循環する流体の温度により、または基板の真下に配置された別のヒーターにより、独立して調整することができる。
【0050】
相当な数の粒子を基板上に堆積させずに材料を加工する方法の実施例が以下で提供される。これらの実施例は発明の実施形態を制限することを意図しないが、それらを実施することができる方法を説明することを意図する。発明の装置および方法は、当業者により理解される多くの他の目的のために使用され得る。
【0051】
実施例1
基板をクリーニングする装置および方法
大気圧アルゴンプラズマは、有機化合物を表面から除去し、よって基板をクリーニングするために使用され得る。表面をクリーニングする方法は、反応性分子を含むアルゴンガスを、プラズマを通して流し、分子を原子および他の反応種に変換することにより達成される。相当な数の粒子を含まないこのガス流はクリーニングされる表面上に誘導される。汚染表面は、それを損傷せずに有機汚染の除去を引き起こすのに十分な期間、プラズマ中で発生した反応種に曝露される。十分な期間は、0.1秒〜1.0時間、一般に1.0秒〜1.0分の範囲の間の反応性ガスへの曝露とすることができる。大気プラズマは表面上で走査させることができるので、総処理時間は、とりわけ大きな基板については、前記期間より長くなる可能性がある。その上、汚染表面がアルゴンプラズマ装置を用いて複数回、各回、相当な数の粒子の付加なしで、走査されるのは有利である可能性がある。
【0052】
発明の実施形態に好適なガス分子としては、酸素、二酸化炭素、一酸化炭素、窒素、亜酸化窒素、アンモニアおよび水が挙げられるが、それらに限定されない。これらの分子は原子、イオンまたは表面クリーニングに有効な準安定分子に変換され得る。O、CO、およびNOを含む酸素含有ガス分子は発明の実施形態に特によく適しており、というのも、それらは基底状態O原子に変換され得るからであり、これは、他にも有益な特性があるが、有機汚染のエッチング除去で有効であるが、無機表面と反応しない。発明の実施形態に好適な大気圧プラズマには、プラズマゾーンの下流で、高濃度の基底状態原子、ラジカル、または準安定分子を発生させるものが含まれ、電極表面のエネルギーイオン衝撃により引き起こされる可能性が最も高い、粒子のガスストリームへの付加はない。
【0053】
発明の実施形態例を200ミリメートル(mm)の直径のシリコンウエハ上で実施した。自立型プラズマハウジングを走査ロボット上に載置し、クラス100クリーンルームの内側に配置した(実験設定については図1における図面を示す)。クラス100クリーンルームは1立方メートルの空気あたりわずか100,000の、サイズが0.1ミクロンより大きな粒子を含んだ。シリコンウエハは、直接ベンダーから、さらにクリーニングせずに取得した。それらはそれらの表面上に薄い自然酸化物層を有した。各ウエハをロボットステージ上に配置し、低温、大気圧アルゴンプラズマを用いて走査させた。反応性ガスがプラズマ源から流出するための出口スリットは100mmの幅であった。出口スリットと200mmシリコンウエハの間の距離はおよそ3mmであった。各実験において、ロボットはプラズマ源をウエハの半分の上で走査させ、次いで、それを100mm右に進め、シリコンウエハのもう半分上で反対方向で走査させた。25〜300mm/sの範囲の異なる走査速度を使用した。100mm直線ビームプラズマ源に、40.0リットル/分(LPM)のアルゴンおよび0.32LPMの酸素を供給した。27.12MHzで550Wの量の高周波電力をプラズマ源に供給した。
【0054】
表1に、200mmシリコンウエハを標準真空プラズマおよび発明の実施形態例(前記段落に記載)を用いて加工するために得られた結果の概要を示す。シリコンウエハを加工した後、それらを、クルス(Kruss)モバイル表面分析装置(MSA)を用いて試験した。この装置は表面エネルギーおよび水接触角(WCA)を決定する。有機化合物で汚染されたシリコン上の自然酸化物は、77.8ミリニュートン/メートル(mN/m)をはるかに下回る表面エネルギー、および30°を超えるWCAを有する。第1の試験は、Siウエハをプラスチック貯蔵容器から取り出して、それを、MSAを用いてクラス100クリーンルームにおいて調査するものであった。これらの結果は表中の第1の列に提示される。表面エネルギーは64.2mN/mであり、水接触角は37.9°であったことがわかる。ウエハを2分(120秒)間、真空酸素プラズマ中で処理した後、表面エネルギーは77.0mN/mであり、WCAは6.7°であった。25〜200mm/sの範囲の走査速度での、低温、大気圧アルゴン−酸素プラズマによる処理により、測定の実験誤差内で同一の結果が得られた。表面エネルギーは77.7±0.1mN/mであり、WCAは6.4±0.8度であった。300mm/sの最も高い走査速度でのみ、わずかに低い表面エネルギーが達成された。これらの結果により、自然酸化物表面上の有機汚染は、大気アルゴン−酸素プラズマにより、200mm/sの走査速度で完全に除去することができることが証明される。200mmシリコンウエハをクリーニングするための総プロセス時間はおよそ2.5秒であり、これは真空プラズマ処理よりも48倍速い。この同じプロセスを300mmシリコンウエハに適用した。300mmシリコンウエハをクリーニングするための総プロセス時間はおよそ5.5秒であった。

【表1】
【0055】
ウエハ表面上での粒子検出を、光散乱ツールを用いて実施した。このツールはSiウエハ上を走査するレーザービームを使用する。表面上に存在する粒子は入射光を散乱するであろう。反射光を測定することにより、基板上の粒子の数、サイズおよび位置を示すことができる。このように、発明の予想外の結果が明らかになる可能性がある。
【0056】
クリーンルーム環境のみに曝露された後のシリコンウエハの粒子マップが図4に提示される。粒子検出装置はウエハ表面上の合計19個の粒子を示す。図5はSiウエハ上での粒子サイズ分布を示す。表面上で検出された19個の粒子は0.2〜0.3ミクロン(μm)のサイズの8個の粒子、0.3〜0.5ミクロンのサイズの3個の粒子、0.5〜0.7ミクロンのサイズの1個の粒子、および0.7〜1.0ミクロンのサイズの7個の粒子を含む。
【0057】
図6は表面を従来技術の真空酸素プラズマでクリーニングした後に得られたシリコンウエハ上の粒子マップを示す。レーザー散乱機器は加工後ウエハ表面上で合計2,776個の粒子を検出した。ウエハ表面上に存在する粒子の数は146倍増加した粒子数を有する表面を生成させた。図7はSiウエハ上の粒子サイズ分布のヒストグラムを示す。表面上で検出された2,779個の粒子は0.2〜0.3μmのサイズの827個の粒子、0.3〜0.5μmのサイズの465個の粒子、0.5〜0.7μmのサイズの328個の粒子、および0.7〜1.0μmのサイズの1,156個の粒子を含む。
【0058】
真空プラズマは何千もの粒子をウエハに付加し、これらの粒子を除去するためのその後のウェットクリーニング工程を必要とし、その後に、さらなる加工、例えば、限定はされないが、融着が可能となる。複雑でコストのかかる改良を粒子加算の数を低減させるために真空プラズマに施すことができるが、これらの改良では、それらは完全に排除されない(例えば、G. S. Selwyn, Jpn. J. Appl. Phys. 32, 3068 (1993)を参照されたい)。
【0059】
図8は、図1に示される装置を用いてクリーニングした後の、シリコンウエハ上で得られた粒子マップを示す。大気圧、アルゴン−酸素プラズマは200mmSiウエハ上を200mm/sの速度で走査し、2.5秒の総プロセス時間が得られた。レーザー光散乱機器は基板表面上で合計23個の粒子を示す。粒子分布のヒストグラムが図9に提示される。表面上で検出された23個の粒子は0.2〜0.3μmのサイズの7個の粒子、0.3〜0.5μmのサイズの2個の粒子、0.5〜0.7μmのサイズの2個の粒子、および0.7〜1.0μmのサイズの12個の粒子を含む。
【0060】
発明の実施形態では、従来技術を超える予想外の改善を得ることができることが明らかである。総粒子数および粒子サイズ分布を下記表2でまとめて示す。「Surfx Ar/Oプラズマ」と表示される具体化された発明は、クリーンルーム環境にのみ曝露されたシリコンウエハと比べると、4個の総粒子しか付加しない。従来技術においてよく知られた真空Oプラズマはクリーンルームからのものを超える2,757個の粒子を付加する。これらの2つの値の比により、具体化された発明は従来技術プロセスより689倍清浄であることが証明される。
【表2】
【0061】
この実施例は、発明が実施され得る1つの方法を示すことを意図するにすぎない。この粒子を含まないプラズマクリーニングプロセスは、多くの有用な用途を有し、限定はされないが、ウエハレベルパッケージングが挙げられる。ウエハレベルでのパッケージングにより、複数のデバイスの単一基板上への積み重ねが可能になる。これにより、それらの生産コストを大きく増加させずに集積回路の機能性および複雑性を著しく増加させることができる。マイクロ電子デバイスはこれまで以上に複雑になっており、より高レベルの集積化、より高い動作周波数、より多くの機能性、および性能の向上を有する。ウエハレベルパッケージングにより得られる3次元チップは、これらの目標を達成する有望なアプローチとなる。
【0062】
3Dチップを生成するための主な方法の1つは融着である。融着では、2つの超平滑(<10Å粗さ)ウエハが粘着剤または外力を使用せずに一緒に融合される。この技術では、数個の方法の1つによる表面処理が必要とされる:O系プラズマ、水和、またはフッ化水素酸溶液中への浸せき。クリーニング後、2つのウエハを順に重ねて置くと、クリーニングされた、酸化表面間での水素結合が引き起こされる。600−1200℃でのアニーリングにより、水が界面領域から追い出され、酸素架橋結合によりウエハが一緒に化学的に融合される。このプロセスでは、表面を綿密にクリーニングすることが要求される。というのも、粒子または物理的デブリの存在は、基板間の密接な接触を阻害し、よって、界面にわたる水素結合の形成を阻止するからである。この実施例で記載される装置および方法は、融着前に表面をクリーニングする有利な方法となる。
【0063】
発明から利益を得る別の適用はガラスフリット接合であり、これはウエハレベルで微小電気機械システムをキャップし、密閉するために広く使用されている。ガラスはんだ付け、またはシールガラス接合とも呼ばれるガラスフリット接合は、中間ガラス層を用いたウエハボンディング技術を説明する。ガラス層は、粒子で汚染されずに、ボンディングのためにクリーニングされ、活性化されなければならない。大気圧、アルゴン−酸素プラズマは本出願において、真空酸素プラズマを超えるいくつかの利点を有し、より速い加工速度、および基板上への粒子堆積の回避が挙げられる。
【0064】
電子材料を生成する多くの方法は、原子的に清浄で、粒子のない表面を必要とする。ウエハレベルパッケージングおよびガラスフリット接合の上記記載はいくつかの例である。他の例が当業者には明らかであろう。
【0065】
実施例2
基板をエッチングする装置および方法
発明の別の実施形態は、ガラス、金属、金属酸化物およびポリマ膜を含む材料のエッチングであり、粒子はエッチングプロセス中、基板上に堆積されない。例えば、有機膜は粒子を含まない筐体の内側に載置された大気圧、アルゴン−酸素プラズマへの曝露によりエッチングされ得る。ガラス、金属および金属酸化物は、アルゴンおよびハロゲン含有分子、例えば、限定はされないが、三フッ化窒素、四フッ化炭素、および六フッ化硫黄の混合物が供給される大気圧プラズマ装置からのアフターグローへの曝露によりエッチングされ得る。発明の一実施形態における、材料をエッチングための好適なプラズマ送達装置を動作させるためのさらなる詳細は、米国特許9,406,485号および米国特許10,032,609号(どちらも参照により本明細書に組み込まれる)において見出すことができる。
【0066】
発明の一実施形態では、金属酸化物材料は、水素還元プロセスによりエッチング除去される。例えば、水素原子束が、アルゴンと混合された水素ガスを送り込むことによりプラズマ中で発生する。金属または半導体基板がプラズマ放電の下流に配置され、そのため、基底状態水素原子および中性種のみが試料表面に衝突する。これらの水素原子は直ちに金属酸化物表面と反応し、清浄な金属表面および副産物としての水蒸気を発生させる。発明の実施形態では、イオン衝撃およびアーク放電(基板を損傷する可能性がある)を回避しながら、望まれない酸化物をライブ電子デバイスから除去することが可能になる。酸化物層を金属から除去する他の方法はこのプロセスを開放空気中で実施するものであり、プラズマ源が大きな中性水素原子束を発生させ、迅速な酸化物除去が可能になり、周囲空気との望まれない副反応が排除される。
【0067】
発明の1つの実施形態は、アルゴンならびに水素および窒素のフォーミングガス混合物が供給された大気圧プラズマを使用して酸化銅を銅から除去する方法である。この実施形態は、半導体業界で使用される銅リードフレーム上で証明された。銅基板をホットプレート上に配置し、180℃まで加熱した。この温度で、酸化銅膜は表面上に広がり、特徴的な紫色を示す。15L/minアルゴンおよび1L/minのフォーミングガス(95%窒素および5%水素)の混合物を含むプロセスガスを、大気圧で1インチ直線プラズマ源に供給した。このプラズマ源は25mm幅の反応性ガスの直線ビームを生成させる。160Wの高周波電力を電極に適用し、プラズマを点火させ、維持させた。次いで、プラズマ源を酸化銅表面の2〜3mm上に載置した。アルゴン−水素プラズマからの出口ガス流への曝露中、紫色の酸化銅膜が除去され、光沢のある金属銅表面が後に残った。発明の一実施形態を用いて酸化銅を除去するためのさらなる詳細は、米国特許出願16/042,905号(参照により本明細書に組み込まれる)において見出すことができる。
【0068】
発明の追加の実施形態は、フォーミングガス混合物からの窒素の存在なしで、アルゴンと水素の混合ガスが供給された大気圧プラズマを用いて酸化銅を還元する方法である。銅リードフレームを、200〜250℃で、5、10、20および30分の期間動作する強制対流式オーブンを用いて、最初に酸化させた。5分後、銅金属は赤褐色を示し、25nmの酸化物層厚さが示される。表3は、オーブン内での各時間間隔での色および対応する酸化物厚さをまとめて示す。
【表3】
【0069】
酸化銅エッチングを、周囲温度および圧力で、アルゴン中に1%水素を含むガス混合物が供給される1インチ(25mm)直線プラズマヘッドを使用して実施した。プラズマを、27.12MHzの150Wの高周波(RF)電力で駆動した。プラズマヘッド出口を試料から1〜2mm離して配置し、その上を、酸化物層厚さによって0.5〜2.0mm/sの速度で走査させた。50nm厚さの酸化銅層を、2.0mm/sの走査速度の単一パス処理により金属銅に還元させた。100nm厚さの酸化銅層の完全除去を、アルゴン−水素プラズマを表面上0.5mm/sで走査させることにより達成した。
【0070】
具体化された発明は、試料上の酸化銅の厚さを、例えば、銅基板の色を用いて測定し、次いで酸化物層を還元して銅金属に戻すために必要とされる時間に基づき、適切なプラズマヘッド走査速度を決定する装置から構成することができる。加えて、半導体およびエレクトロニクス製造において遭遇する可能性のある不均一な厚さの表面酸化物は低温およびハイスループットで、リードフレーム、銅ワイヤおよびボンドパッドを含むものなどの電子パッケージ、および銅ボンドパッドを有するダイの反りまたは損傷なしで裸銅金属に還元することができる。
【0071】
酸化銅エッチング速度は、プラズマ還元プロセス中の基板温度の関数である。銅基板温度を増加させるために2つの方法を使用することができる。第1は銅試料を空気、または非酸化性ガス、例えばアルゴンまたは窒素中に、その端で試料を保持するために断熱材料を使用して、吊すものである。この方法は基板材料からの熱伝導を低減し、よって、試料の局部加熱を消散させずに、蓄積させることを可能にする。この場合、プラズマガスは基板を加熱する源となる。発明の別の実施形態は、吊された試料下に配置された外部熱源を使用して基板温度を制御するものである。
【0072】
図10は、エッチング速度の自然対数対ケルビンで表された絶対温度の逆数のプロットを示す。図で示される関係を使用すると、加熱装置は基板の温度を制御して、エッチング速度を増加させることができる。30℃(303K)の300mmの長さの銅リードフレームについては、50nm酸化物層を還元して裸金属に戻すのに必要とされる時間は、2mm/sの走査速度で150秒である。リードフレームを115℃(388K)に加熱すると、必要とされる時間が8秒(38mm/sの走査速度に等価)に減少する。
【0073】
酸化銅エッチングは可逆反応である。銅試料を加熱すると、大気圧アルゴン−水素プラズマによるエッチング速度が増加する。しかしながら、プロセスが開放空気中で起こる場合、再酸化が熱い銅表面上で起こり得る。再酸化を阻止するために、具体化された発明は、不活性ガス環境中、例えば、アルゴン中または窒素中で実施することができる。1つの例はリードフレームストリップなどの銅基板を筐体の内側に挿入し、筐体を熱アルゴンまたは窒素ガスでパージし、その間、基板(substate)をアルゴン−水素プラズマで走査させるものである。酸化銅エッチングして除去した後、基板(substate)は流れるアルゴンまたは窒素ガス中で周囲温度まで直ちに冷却することができる。周囲温度となった時点で、銅酸化速度は無視でき、試料は筐体から取り出すことができ、次の加工工程に移すことができる。パージされた環境からの除去後の銅リードフレームストリップの分析は、周囲条件での8時間貯蔵にわたり再酸化の証拠を示さなかった。
【0074】
背景技術において、銅リードフレームストリップ上の酸化銅層がダイおよびワイヤボンドをカバーするエポキシモールドの層間剥離の源であることが指摘された(L. C. Yung, et al., IEEE Proceedings of the International Conference on Software Engineering, 2010, Kuala Lumpur, Malaysia, p. 654;およびC. T. Chong, et al., IEEE Proceedings of the 45th Electronic Components and Technology Conference, Las Vegas, NV, USA, p. 463を参照されたい)。アルゴン−水素プラズマによる酸化銅の除去はこの問題を排除するはずである。実験を、70mm×250mmの寸法を有する実装済みの銅リードフレームストリップ上で実施した。ストリップを半導体実装操作における前の加工工程中に酸化に供した。リードフレームストリップを周囲温度および圧力で、アルゴンおよび水素が供給される4インチ(100mm)幅の直線プラズマヘッドを用いて走査した。プラズマ源出口からストリップまでの距離は約1mmであった。100mm幅のビームが、70mm幅のリードフレームの全幅にわたって広がる。ヘッドを、250mmの長さのストリップの長さを下方に、5、10および20mm/sの走査速度で走査させた。これにより、それぞれ、50、25および12.5秒のプロセス時間が得られた。プラズマを、400WのRF電力、30.3リットル/分(LPM)のガス送り速度で、アルゴン中0.46%水素の混合物を用いて動作させた。
【0075】
プラズマ処理後、リードフレームストリップをモールド装置に入れ、モールドをストリップ上のダイパッケージ全て上に射出させ、硬化させた。次いで、パッケージを、ダイパッド−モールド界面で層間剥離について調査した。ダイパッドのいずれでも、層間剥離は観察されなかった。次に、ストリップを30℃、60%の相対湿度で168時間静置させ、その後、層間剥離について試験した(MSL3試験)。再び、層間剥離はパッケージのいずれ上でも観察されなかった。リードフレームストリップをプラズマで処理しなかった、または代わりにアルゴン−酸素プラズマで処理した場合、ダイパッド−モールド界面で層間剥離が観察された。
【0076】
本発明の別の実施形態では、銅リードフレームストリップおよびダイを、ワイヤボンディング前にアルゴン−水素プラズマでクリーニングした。酸化銅の全てのボンドパッドからの除去により、銅ワイヤがダイおよびリードフレームパッドに強い接着力で接着された。そのようなプロセスは半導体実装において多くの利点を有し、というのも、信頼できるパッケージを得るために必要とされる材料およびプロセスが簡略化されるからである。
【0077】
実施例3
薄膜を堆積させる装置および方法
発明の別の実施形態は大気圧および低温のアルゴンプラズマを用いて薄膜を堆積させる方法であり、基板での粒子の堆積は本質的にはない。実施形態は、ガラス様膜をシリコンウエハ上に堆積させることにより実行に移された。ここで、揮発性化学的前駆体は、プラズマ源の出口直後に配置された第2のガス入口で下流に供給される。次いで、揮発性化学的前駆体は、プラズマのアフターグローにおける反応種と一緒になる。反応種は化学的前駆体を攻撃し、それらを分解し、薄膜を1.0センチメートル未満下流に配置された基板上に堆積させる。
【0078】
図11では、大気圧プラズマ源(図3Bを参照されたい)へのテフロンアタッチメントの概略が提示される。この装置は発明の別の実施形態である。それは、プラズマ源ハウジング上に直接載置され、揮発性化学的前駆体を直線アルゴンプラズマ源から出て行く反応性ガスビーム中に均一に分布させる手段を提供する。揮発性化学的前駆体はアタッチメント200に上部ポート202で送り込まれ、テフロンピースのベース206付近の側面のスリット204を通して送り出される。アタッチメントから出て行った後、前駆体化学物質はアフターグロー中の反応種と効率的に混合する。これらの種は化学的前駆体を攻撃し、それを分解し、薄膜を、短距離下流に配置された基板上に堆積させる。
【0079】
この実施例で使用されるオルガノシラン前駆体化学物質は、テトラメチル−シクロテトラシロキサン(TMCTS)であり、アルゴンおよび酸素が供給されるプラズマ源の真下で送達される。プラズマは、120W RF電力で18LPMアルゴンおよび0.2LPM酸素を使用して動作し、プラズマ堆積システムを表面上で25mm/sで走査させた。テトラメチル−シクロテトラシロキサンをキャリヤガス中に分散させ、プラズマハウジングからのガス出口から1.0mm離して配置されたアタッチメントシステムを介して装置に導入した。前駆体化学物質を、液体前駆体で充填されたバブラーを通してヘリウムを流すことにより、アタッチメントに送達させた。バブラーを通る流速は0.4LPMに設定し、追加希釈の3.0LPMのヘリウムを、堆積アタッチメントに入る前に、このガスストリームに添加した。6インチの直径のシリコンウエハをアタッチメントの7mm下流のホルダー上に配置した。ウエハを走査するロボットの塗装プログラムのピッチを1mmで固定した。シリコンウエハ上での大気プラズマハウジングおよびアタッチメントの総ドウェル時間は、堆積サイクルの数を変えることにより変化させた。
【0080】
コーティング厚さの違いは、薄いガラス膜の色を観察することにより明らかである。堆積前、シリコンウエハは均一な銀色を有する。堆積後、堆積されたガラス膜により生成される瑠璃色コーティングが観察される。厚さ変化による色の変化は膜の縁で観察される。しかしながら、膜面積の90%について、色の著しい変化は観察されない。これにより、高度の均一性が図11に示される発明の実施形態で達成されること示された。発明の一実施形態を実行するのに好適なプラズマ送達装置を動作させるためのさらなる詳細は、米国特許9,406,485号および米国特許10,032,609号(どちらも参照により本明細書に組み込まれる)において見出すことができる。
【0081】
実施例4
金属基板をクリーニングおよび活性化する装置および方法
発明の別の実施形態は、低温、大気圧、アルゴンプラズマ装置を用いて、実質的な量の粒子の金属基板上への付加なしで、金属基板をクリーニングおよび活性化する装置および方法である。この実施形態の1つの適用は、コーティングおよび接着剤の金属表面への接着を改善するものである。銅表面活性化を大気圧、アルゴン−酸素プラズマを使用して達成した。基板上でのプラズマ走査速度を5〜100ミリメートル毎秒まで変化させ、銅の水接触角を各走査後に測定した。水接触角の43%低減を50mm/sの速度で観察した。プラズマ走査速度を5mm/sとした時に、水接触角は91°から26°に低減した。低い水接触角は親水性表面を示す。そのような表面はコーティングおよび接着剤への強い接着を起こすはずである。
【0082】
大気圧アルゴンプラズマは有機汚染物質を金属表面から除去し、よって、金属表面エネルギーを増加させ、そのため、他の材料に強く接着するであろう。銅リードフレームを、さらに、酸素、窒素または水素が供給されたアルゴンプラズマに曝露させた。プラズマ処理後、表面自由エネルギー(SFE)を、SFEの極性および分散成分と共に、クルスモバイル表面分析装置を用いて測定した。アルゴン−酸素プラズマへの曝露により、表面エネルギーの極性成分が<3mN/mから21mN/mまで増加した。SFEの極性成分の実質的な増加が、アルゴン−窒素プラズマおよびアルゴン−水素プラズマを用いて観察されたが、アルゴン−酸素プラズマでは達成される程度より小さかった。表面エネルギーの極性成分の大きな増加は、銅が他の材料への接着のために活性化されることをよく示している。発明の一実施形態を実行するのに好適なプラズマ送達装置を動作させるためのさらなる詳細は、米国特許9,406,485号および10,032,609号、ならびに米国特許出願16/042,905号(これらは参照により本明細書に組み込まれる)において見出すことができる。
【0083】
かなりの数の粒子による基板の汚染が起こらない、電子材料を加工するためのアルゴンプラズマを発生させるための装置および方法が開示される。大気圧および低温で材料を加工するために使用され得る安定なアルゴンプラズマを生成させる、オートチューニングおよび温度制御法を有するプラズマ装置が開発されている。装置は流動ガスの温度を制御するための手段および前記流動ガスを部分的にイオン化させるための手段を含み、そのため、均一で安定なプラズマが、粒子をガスストリームに付加することなく発生する。発明の実施形態は、低温およびハイスループットで、基板を粒子で汚染せずに、以前には得られないコストで、材料を処理するためのアルゴンプラズマ装置を採用するプロセスを含む。1つの方法は有機材料を除去するためにアルゴンプラズマ装置を使用する。方法はさらに低温、大気圧プラズマの、全てが粒子を含まない筐体に含まれる基板へのロボット適用を包含する。発明の別の実施形態は、金属酸化物膜を金属から除去するために、水素ガス供給物を有するアルゴンプラズマを使用する。さらに別の実施形態では、アルゴンプラズマは化学的前駆体をシステムに導入する手段と合わせられ、よって、粒子の追加の同時堆積なしで、基板上への薄膜のプラズマ強化化学蒸着が引き起こされる。発明のさらなる実施形態は、金属基板をクリーニングおよび活性化するためにプラズマを使用することができる。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】