(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-535649(P2021-535649A)
(43)【公表日】2021年12月16日
(54)【発明の名称】追跡電源を備える電力増幅器
(51)【国際特許分類】
H03F 1/02 20060101AFI20211119BHJP
H03F 3/21 20060101ALI20211119BHJP
【FI】
H03F1/02 111
H03F3/21
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2021-507493(P2021-507493)
(86)(22)【出願日】2019年8月13日
(85)【翻訳文提出日】2021年4月7日
(86)【国際出願番号】US2019046360
(87)【国際公開番号】WO2020036965
(87)【国際公開日】20200220
(31)【優先権主張番号】62/718,226
(32)【優先日】2018年8月13日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】518240255
【氏名又は名称】アペックス マイクロテクノロジー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APEX MICROTECHNOLOGY,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】パッチン、グレゴリー マイケル
(72)【発明者】
【氏名】バジック、ミロスラフ
(72)【発明者】
【氏名】ラザレビッチ、ブラダン
(72)【発明者】
【氏名】エルツェ、イェンス
(72)【発明者】
【氏名】ゴーリン、カービー ニール
(72)【発明者】
【氏名】オリベル、ヘスス アンヘル
(72)【発明者】
【氏名】アルー、ペドロ
(72)【発明者】
【氏名】コボス、ホセ アントニオ
【テーマコード(参考)】
5J500
【Fターム(参考)】
5J500AA01
5J500AA15
5J500AA41
5J500AC36
5J500AC55
5J500AF18
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5J500AK17
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5J500AT01
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5J500LV08
5J500PF05
5J500PG06
5J500WU03
5J500WU09
(57)【要約】
追跡電源を備える電力増幅器のためのシステムおよび方法が記載されている。電力増幅器はエンベロープトラッキングを使用しうる。電力増幅器の出力が短絡または過負荷である時、電力増幅器は保護される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
線形電力増幅器出力と同様の追跡電源出力を生成するように構成された追跡電源であって、前記追跡電源が正電圧レールおよび負電圧レールに連結されている、前記追跡電源と、
前記追跡電源出力および前記正電圧レールに連結された第一の電圧オフセット電源と、
前記追跡電源出力および前記負電圧レールに連結された第二の電圧オフセット電源と、
前記第一の電圧オフセット電源の出力に連結され、かつ前記線形電力増幅器の正電源入力に連結された第一のダイオードと、
第二の電圧オフセット電圧電源の出力に連結され、かつ前記線形電力増幅器の負電源入力に連結された第二のダイオードと、
負荷に連結された前記線形電力増幅器の出力と、を備える装置。
【請求項2】
前記第一のダイオードが、前記第一の電圧オフセット電源の前記出力から前記線形電力増幅器の前記正電源入力に電流を伝導するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第二のダイオードが、前記線形電力増幅器の前記負電源入力から前記第二の電圧オフセット電圧電源の前記出力に電流を伝導するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第一の電圧オフセット電源および前記第二の電圧オフセット電源が、前記追跡電源出力と直列に接続されている、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記第一の電圧オフセット電源および前記第二の電圧オフセット電源が、同様の出力を有する定電圧源である、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記正電圧レールと接地の間に連結された第一のデカップリングコンデンサと、前記負電圧レールと前記接地の間に連結された第二のデカップリングコンデンサとをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記第一のデカップリングコンデンサが、前記第一のダイオードと前記線形電力増幅器の前記正電源入力との間に連結されている、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記第二のデカップリングコンデンサが、前記第二のダイオードと前記線形電力増幅器の前記負電源入力との間に連結されている、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
線形電力増幅器出力と同様の追跡電源出力を生成する追跡電源であって、前記追跡電源が正電圧レールおよび負電圧レールに連結されている、前記追跡電源と、
前記追跡電源出力および前記正電圧レールに連結された第一の電圧オフセット電源と、
前記追跡電源出力および前記負電圧レールに連結された第二の電圧オフセット電源と、
前記第一の電圧オフセット電源の出力に連結され、かつ前記線形電力増幅器の正電源入力に連結された第一のスイッチと、
前記第二の電圧オフセット電圧電源の出力に連結され、かつ前記線形電力増幅器の負電源入力に連結された第二のスイッチと、
負荷電流を有する負荷に連結された前記線形電力増幅器の出力と、を備える装置。
【請求項10】
前記第一のスイッチが、前記負荷電流が正の時に閉じて、前記第一の電圧オフセット電源の前記出力から前記線形電力増幅器の前記正電源入力に電流を伝導するように構成されている、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記第二のスイッチが、前記負荷電流が負の時に閉じて、前記線形電力増幅器の前記負電源入力から前記第二の電圧オフセット電圧電源の前記出力に電流を伝導するように構成されている、請求項9に記載の装置。
【請求項12】
前記第一の電圧オフセット電源および前記第二の電圧オフセット電源が、前記追跡電源出力と直列に接続されている、請求項9に記載の装置。
【請求項13】
前記第一の電圧オフセット電源および前記第二の電圧オフセット電源が、同様の出力を有する定電圧源である、請求項9に記載の装置。
【請求項14】
前記正電圧レールと接地の間に連結された第一のデカップリングコンデンサと、前記負電圧レールと前記接地の間に連結された第二のデカップリングコンデンサとをさらに備える、請求項9に記載の装置。
【請求項15】
前記第一のデカップリングコンデンサが、前記第一のスイッチと前記線形電力増幅器の前記正電源入力との間に連結されている、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記第二のデカップリングコンデンサが、前記第二のスイッチと前記線形電力増幅器の前記負電源入力との間に連結されている、請求項14に記載の装置。
【請求項17】
追跡電源を正電圧レールおよび負電圧レールに連結することであって、前記追跡電源が線形電力増幅器出力と同様の追跡電源出力を生成するように構成されている、連結することと、
第一の電圧オフセット電源を前記追跡電源出力および前記正電圧レールに連結することと、
第二の電圧オフセット電源を前記追跡電源出力および前記負電圧レールに連結することと、
第一のダイオードを、前記第一の電圧オフセット電源の出力および前記線形電力増幅器の正電源入力に連結することと、
第二のダイオードを、前記第二の電圧オフセット電圧電源の出力および前記線形電力増幅器の負電源入力に連結することと、
負荷に連結するように前記線形電力増幅器を構成することと、を含む、方法。
【請求項18】
前記第一のダイオードが、前記第一の電圧オフセット電源の前記出力から前記線形電力増幅器の前記正電源入力に電流を伝導するように構成されている、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記第二のダイオードが、前記線形電力増幅器の前記負電源入力から前記第二の電圧オフセット電圧電源の前記出力に電流を伝導するように構成されている、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
第一のデカップリングコンデンサを前記正電圧レールと接地の間に連結することと、
第二のデカップリングコンデンサを前記負電圧レールと前記接地の間に連結することと、をさらに含む、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年8月13日に出願された米国仮特許出願第62/718,226号の利益を主張するものであり、その出願の内容は参照により、その全体が本明細書に明示的に組み込まれる。
【0002】
本開示は、追跡電源を備える電力増幅器に関する。
【背景技術】
【0003】
電力増幅器は、電圧および/または電流信号を増幅する装置である。電力増幅器の一例は、追跡電源(TPS)から電力を受け取る電力増幅器である。TPSは、電力増幅器の出力と最小必要ヘッドルームを加算したものに相当する電圧を生成し、これは電力増幅器の効率を高める。しかし、電力増幅器の出力が短絡または過負荷である場合、TPSは短絡または過負荷と一致するように試み、これは電力増幅器またはTPSに損傷をもたらしうる。電力増幅器およびTPSへの損傷を防ぐ一つの方法は、TPSをシャットダウンすることである。しかし、そうすると、電力増幅器のダウンタイムにつながり、電力増幅器の動作範囲が減少する。これらの欠点およびその他の欠点は、本明細書に記載のアプローチによって対処される。
【発明の概要】
【0004】
以下の一般的な説明および以下の詳細な説明は、いずれも例示的かつ説明的なものにすぎず、制限的なものではないことが理解されよう。電力増幅器の出力が短絡または過負荷である時、電力増幅器を保護するためのシステム、装置、および方法が提供されている。
【0005】
例示的実施形態において、装置は、線形電力増幅器の出力と同様の出力を生成する追跡電源を有する。追跡電源は、正電圧レールおよび負電圧レールに接続されてもよい。装置はまた、追跡電源出力および正電圧レールに接続された電圧オフセット電源を有する。装置は、追跡電源出力および負電圧レールに接続された別の電圧オフセット電源をさらに有する。装置はまた、電圧オフセット電源の出力に接続された、かつ線形電力増幅器の正電源入力に接続されたダイオードを有する。加えて、装置はまた、第二の電圧オフセット電圧電源の出力に接続された、かつ線形電力増幅器の負電源入力に接続された別のダイオードを有する。線形電力増幅器の出力は、負荷に接続されうる。
【0006】
別の例示的実施形態において、装置は、線形電力増幅器の出力と同様の出力を生成する追跡電源を有する。追跡電源は、正電圧レールおよび負電圧レールに接続されてもよい。装置はまた、追跡電源出力および正電圧レールに接続された電圧オフセット電源を有する。装置は、追跡電源出力および負電圧レールに接続された別の電圧オフセット電源をさらに有する。装置はまた、電圧オフセット電源の出力に接続された、かつ線形電力増幅器の正電源入力に接続されたスイッチを有する。加えて、装置はまた、第二の電圧オフセット電圧電源の出力に接続された、かつ線形電力増幅器の負電源入力に接続された別のスイッチを有する。線形電力増幅器の出力は、負荷に接続されうる。
【0007】
別の例示的実施形態において、方法は、追跡電源を正電圧レールおよび負電圧レールに接続することを含む。追跡電源は、線形電力増幅器出力と同様の出力を生成しうる。方法はまた、第一の電圧オフセット電源を、追跡電源出力および正電圧レールに接続することを含む。方法は、第二の電圧オフセット電源を、追跡電源出力および負電圧レールに接続することをさらに含む。加えて、方法は、ダイオードを第一の電圧オフセット電源の出力および線形電力増幅器の正電源入力に接続することを含む。方法はまた、別のダイオードを第二の電圧オフセット電圧電源の出力および線形電力増幅器の負電源入力に接続することを含む。方法はまた、線形電力増幅器の出力を負荷に接続することを含む。
【0008】
追加の利点は、以下の説明で部分的に記載されるか、または実践によって学習することができる。それらの利点は、添付の特許請求の範囲で具体的に指摘されている要素および組み合わせによって実現され、かつ達成されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本明細書に組み込まれ、かつその一部を構成する添付の図面は実施例を示し、この説明とともに方法およびシステムの原理を説明するのに役立つ。
【
図2】
図2は、電圧波形および電流波形の実施例図である。
【
図3】
図3は、電圧波形および電流波形の実施例図である。
【
図4】
図4は、電圧波形および電流波形の実施例図である。
【
図5】
図5は、電圧波形および電流波形の実施例図である。
【
図7】
図7は、例示的方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本方法およびシステムが開示および説明される前に、本方法およびシステムは、特定の方法、特定の構成要素、または特定の実装に限定されないことが理解されるべきである。本明細書で使用される用語は、特定の実施例のみを説明する目的のためのものであり、限定することを意図するものではないことも理解されるべきである。
【0011】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形の「一つの(a)」、「一つの(an)」、および「その(the)」は、文脈によって明確に別の規定が示されない限り、複数の参照を含む。本明細書において、範囲は「およその」一つの特定の値から、および/または「およその」別の特定の値までであるとして表現される場合がある。そのような範囲が表現される場合、別の実施例では、一つの特定の値からおよび/または他の特定の値までの範囲が含まれる。同様に、値が近似値として表現される場合、先行する「およそ」の使用によって、特定の値が別の実施例を形成することが理解されるであろう。範囲の各々の端点は、他の端点との関連において、および他の端点とは独立して、有意であることがさらに理解されるであろう。
【0012】
「任意選択的」または「任意選択的に」という用語は、後に説明される事象または状況が生じる場合もあり、または生じない場合もあることを意味し、また、その説明が先述の事象または状況が生じる実施例および生じない実施例を含むことを意味する。
【0013】
本明細書の説明および特許請求の範囲を通して、単語「含む(comprise)」ならびに「含む(comprising)」および「含む(comprises)」などのその単語の変化形は、「含むが、限定されない」を意味し、例えば他の構成要素、整数または工程を除外することを意図するものではない。「例示的」とは、「の実施例」を意味し、好ましいまたは理想的な実施例を示唆することを意図していない。「など」は、制限的な意味で使用されず、説明の目的で使用される。
【0014】
本明細書には、記載された方法およびシステムを実施するために使用されうる構成要素が記載されている。これらの構成要素および他の構成要素が本明細書に記載されていて、これらの構成要素の組み合わせ、サブセット、相互作用、群などが記載される時、これらの各様々な個別および集合的な組み合わせおよび並べ替えの具体的な参照が明示的に記載されない場合があるが、すべての方法およびシステムについて、各々は本明細書に具体的に意図され、かつ記載されていることが理解される。これは、記載された方法の工程を含むがこれに限定されない、本出願のすべての実施例に適用される。それ故に、実施しうる様々な追加的な工程がある場合、これらの追加的な工程の各々は、記載の方法の任意の特定の実施例または実施例の組み合わせを用いて実施してもよいことが理解される。
【0015】
本方法およびシステムは、好ましい実施例の以下の説明およびそこに含まれる実施例、ならびに図およびそれらの前後の説明を参照することによって、より容易に理解されうる。
【0016】
方法、システム、装置、およびコンピュータプログラム製品のブロック図およびフローチャートを参照して、方法およびシステムを以下に説明する。ブロック図およびフローチャートの各ブロック、ならびにブロック図中およびフローチャート中のブロックの組み合わせはそれぞれ、コンピュータプログラム命令によって実装されうることが理解されよう。これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置上で実行される命令が、フローチャートブロック(複数可)に明記された機能を実装するための手段を作り出すように、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または他のプログラム可能なデータ処理装置上に読み込まれて、機械を生産しうる。
【0017】
これらのコンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ可読メモリに記憶された命令が、フローチャートブロック(複数可)に明記された機能を実装するためのコンピュータ可読命令を含む製造品を生産するように、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置を、特定の様態で機能するように命令しうるコンピュータ可読メモリに記憶されてもよい。コンピュータまたは他のプログラム可能な装置上で実行される命令が、フローチャートブロック(複数可)に明記された機能を実装するための工程を提供するように、コンピュータプログラム命令はまた、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置上に読み込まれて、コンピュータまたは他のプログラム可能な装置上で一連の動作工程を実行させ、コンピュータによって実装されるプロセスを生成してもよい。
【0018】
よって、ブロック図およびフローチャートのブロックは、明記された機能を実行するための手段の組み合わせ、明記された機能を実行するための工程の組み合わせ、および明記された機能を実行するためのプログラム命令手段を支持する。また、ブロック図およびフローチャートの各ブロック、ならびにブロック図中およびフローチャート中のブロックの組み合わせは、明記された機能または工程を実行する専用のハードウェアベースのコンピュータシステムによって、または専用のハードウェアおよびコンピュータ命令の組み合わせによって実装されうることも理解されるであろう。
【0019】
一態様において、短絡中に増幅器を保護する回路は、正V
+および負V
−の2つの電圧レールによって供給された負荷に接続された線形電力増幅器を備え、それが要求出力電圧を生成する。回路はまた、電力増幅器の出力電圧(例えば、追跡電源(TPS))、V
TPSに等しい可変供給電圧を生成するコンバータを有する。回路は、V
TPS+ΔV
オフセットおよびV
TPS−ΔV
オフセットを得るために、TPSと直列に組み合わされた等電圧ΔV
オフセットの2つの定電圧源を有する。回路はまた、V
TPS+ΔV
オフセットからV
+に電流を伝導するために配置された一つのダイオードを有する。回路は、V
−からV
TPS−ΔV
オフセットに電流を伝導するように配置された別のダイオードを有する。回路は、V
+と接地の間、ならびにV
−と接地の間に配置された2つのデカップリングコンデンサを有してもよい。
【0020】
一態様において、短絡中に増幅器を保護する回路は、正V
+およびV
−の2つの電圧レールによって供給された負荷に接続された線形電力増幅器を備え、それが要求出力電圧を生成する。回路はまた、電力増幅器の出力電圧(例えば、追跡電源(TPS))、V
TPSに等しい可変供給電圧を生成するコンバータを有する。回路は、V
TPS+ΔV
オフセットおよびV
TPS−ΔV
オフセットを得るために、TPSと直列に組み合わされた等電圧ΔV
オフセットの2つの定電圧源を有する。回路はまた、V
TPS+ΔV
オフセットとV
+の間に配置された一つのスイッチを有する。回路は、V
−とV
TPS−ΔV
オフセットの間に配置された別のスイッチを有する。回路は、V
+と接地の間、ならびにV
−と接地の間に配置された2つのデカップリングコンデンサを有してもよい。回路はまた、負荷電流に基づいてスイッチのための制御信号を生成する制御回路を有してもよい。
【0021】
図1は、装置100の一実施例を図示する。一態様において、短絡および/または過負荷の場合に、装置100は電力増幅器104および/または追跡電源(TPS)102を保護する。示される通り、装置100は、TPS102、電力増幅器104、および負荷106を有する。TPS102は、接地接続108、ならびに第一のオフセット電源110および第二のオフセット電源112と接続されている。TPS102は、オフセット電源110、112と直列に接続されてもよい。TPS102は、第一のオフセット電源110およびダイオード114を介して、増幅器104の正電圧レール103と連結および/または接続されることができる。さらに、TPS102は、第二のオフセット電源112およびダイオード116を介して、増幅器104の105を介して負電圧レールに連結および/または接続されることができる。一態様において、オフセット電源110、112は、TPS102の出力を一定量だけ増加または減少させる定電圧電源である。例えば、第一のオフセット電源110は、正電圧量(例えば、+1V、+5V、+25Vなど)だけ正レール上のTPS102の出力を増加させる。別の言い方をすれば、第一のオフセット電源110は、正電圧レール103上のTPS102の出力に電力を加える。別の例として、第二のオフセット電源112は、負電圧量(例えば、−1V、−5V、−25Vなど)だけ負レール105上のTPS102の負出力を増加させる。別の言い方をすれば、第二のオフセット電源112は、負電圧レール105上のTPS102の出力から電力を加える。
【0022】
示される通り、第一のオフセット電源110は、ダイオード114と接続および/または連結されている。第一のオフセット電源110は、ダイオード114の陽極と直列に接続されることができる。ダイオード114の陰極は、コンデンサ118と連結および/または接続されることができる。一態様において、コンデンサ118はバイパスコンデンサである。コンデンサ118は、接地118と直列に接続されることができる。コンデンサ118は、任意の合理的な静電容量を有することができる。コンデンサ118の静電容量は、TPS102および/または増幅器104のサイズに依存しうる。示される通り、ダイオード114の陰極は、電力増幅器104の正電源入力(例えば、正レール103)と直列に接続されている。
【0023】
示される通り、第二のオフセット電源112は、ダイオード116と接続および/または連結されている。第二のオフセット電源112は、ダイオード116の陰極と直列に接続されることができる。ダイオード116の陽極は、コンデンサ120と連結および/または接続されることができる。一態様において、コンデンサ120はバイパスコンデンサである。コンデンサ120は、接地120と直列に接続されることができる。コンデンサ120は、任意の合理的な静電容量を有することができる。コンデンサ120の静電容量は、TPS102および/または増幅器104のサイズに依存しうる。示される通り、ダイオード116の陽極は、電力増幅器104の負電源入力(例えば、負レール105)と直列に接続されている。
【0024】
示される通り、電力増幅器104は、第一のトランジスタ122および第二のトランジスタ124を備える。一態様において、電力増幅器104は線形電力増幅器である。トランジスタ122、124は、それぞれのダイオード126と並列に接続されている。具体的に、トランジスタ122はそれぞれのダイオード126aを有し、トランジスタ124はそれぞれのダイオード126bを有する。トランジスタ122、124は、電力増幅器104の段トランジスタとすることができる。例えば、トランジスタ122、124は、トランジスタ122、124のうちの一つが電力を生成しない一方で、他方のトランジスタが電力を生成するように、対向段トランジスタであってもよい。それ故に、トランジスタ122、124はそれぞれ、増幅器104のために一つの電力段で電力を生成することができる。電力増幅器104は、負荷106と直列に接続されている。負荷106は接地108と連結されることができる。説明を容易にするために示されていないが、当業者であれば、装置100のそれぞれの部品のそれぞれに関連する電流、電圧、およびインピーダンスがありうることを理解するであろう。例えば、負荷106は、負荷電流、負荷電圧、および負荷インピーダンスを有することができる。
【0025】
一態様において、TPS102は、電力増幅器104の出力電圧に等しい電圧を生成する。一態様において、TPS102は、アクティブである電力増幅器104のトランジスタ(例えば、トランジスタ122、124)にのみ電力を供給する。例えば、負荷106電流が正の時、トランジスタ122はアクティブであり、負荷106電流が負である時、トランジスタ124はアクティブである。短絡中、ダイオード114、116は、正レール103と負レール105の両方上の同じ方向の電流の流れを防止する。電流が一方向のみに流れることを可能にすることによって、トランジスタ122、124のうちの一つのみが、短絡状態または電流制限モードで電流を伝導する。
【0026】
一態様において、負荷106の電流が正値から負値に切り替わる時、トランジスタ122は伝導を停止し、ダイオード114はオフになる。さらに、ダイオード114およびトランジスタ122がオフになると、コンデンサ118は、ダイオード114およびトランジスタ122から実質的に切断される。一態様において、コンデンサ118は、負荷
106電流がゼロに達した瞬間に、正供給レールが有していたV
s+=V
負荷+ΔV
オフセット(V
TPS=V負荷として)の値に充電されたままとなる。さらに、負荷106電流が正電流から負電流に遷移すると、ダイオード114およびコンデンサ118は、V
負荷+ΔV
オフセット電圧のピーク検出器の機能を果たしうる。負荷106電流が負になると、電流はトランジスタ124およびダイオード116を通って流れ始める。
【0027】
一態様において、ダイオード114は、負荷106に供給されている電流が正値から負値に切り替わる時、短絡が発生するのを防止する。例えば、負荷106の電流が正値から負値に切り替わる時、ダイオード114を通る電流は停止する。さらに、当業者によって理解される通り、ダイオード114の物理的能力によって、ダイオード114は、任意の負電流がダイオード114を通って移動すること、およびTPS102に到達することを防止する。それ故に、ダイオード114は、正電圧レール103を介して電力増幅器104からTPS102に負電流が流れるのを防止することによって、TPS102および電力増幅器104に損傷が生じるのを防止する。
【0028】
一態様において、負荷106電流が負値から正値に切り替わる時、トランジスタ124は導電を停止し、ダイオード116はオフになる。さらに、ダイオード116およびトランジスタ124がオフになった時に、コンデンサ120はダイオード116およびトランジスタ124から実質的に切断される。一態様において、コンデンサ120は、負荷
106電流がゼロに達した瞬間に負供給レールが有していたV
s−=V
負荷+ΔV
オフセット(V
TPS=V負荷として)の値に充電されたままとなる。さらに、負荷106電流が負から正に遷移する時、ダイオード116およびコンデンサ120は、V
負荷+ΔV
オフセット電圧のピーク検出器として機能しうる。負荷106電流が正になると、電流はトランジスタ122およびダイオード114を通って流れ始める。
【0029】
一態様において、ダイオード116は、負荷106に供給されている電流が負値から正値に切り替わる時、短絡が発生するのを防止する。例えば、負荷106の電流が負値から正値に切り替わる時、ダイオード116を通る電流は停止する。さらに、当業者によって理解される通り、ダイオード116の物理的能力によって、ダイオード116は、任意の正電流がダイオード116を通って移動すること、および電力増幅器104に到達することを防止する。それ故に、ダイオード116は、負電圧レール105を介してTPS102から電力増幅器104に正電流が流れるのを防止することによって、TPS102および電力増幅器104に損傷が生じるのを防止する。
【0030】
図2は、電圧波形および電流波形の実施例
図200を図示する。具体的に、電圧および電流波形200は、トランジスタ122が伝導する(例えば、正の負荷106電流がある)瞬間の間に、負荷106電圧が単調に減少する時のシナリオ下で、ダイオード114がどのようにオフおよびオンにされるかを図示する。説明を容易にするために、ΔV
オフセットはゼロに等しいが、当業者であれば、ΔV
オフセットは任意の値でありうることを理解するであろう。示される通り、トランジスタ122およびダイオード114は、時間t1まで負荷
106電流を伝導する。時間t
1にて、負荷106電流は正値から負値になる。それ故に、時間t
1にて、ダイオード114はオフになり、コンデンサ118は、(V
負荷+ΔV
オフセット)(t
1)と等しい電圧で充電されたままになる。コンデンサ118は、負荷
106電流が正になる時間t2まで充電されたままとなる。一態様において、(V
負荷+ΔV
オフセット)(t
1)がV
負荷(t
2)よりも高いため、ダイオード114はオフのままであり、負荷106電流は、時間t3までコンデンサ
118を放電し、負荷電圧が(V
負荷+ΔV
オフセット)(t
1)に等しい時、ダイオード114は再び伝導を開始する。これが起こると、TPS102は負荷106電流を提供、かつ正供給レールを調節し始める。説明を容易にするために
図2は、ダイオード114、コンデンサ118、およびトランジスタ122を参照して説明されている一方で、当業者であれば、ダイオード116、コンデンサ120、およびトランジスタ124は同様の様態で動作するが、電圧および電流の極性が切り替わっていることを認識するであろう。
【0031】
図3は、電圧波形および電流波形の実施例
図300を図示する。具体的に、
図300は、トランジスタ122が伝導する(例えば、正の負荷106電流がある)瞬間の間に負荷106電圧が動的に変化する時に、ダイオード114がどのようにオフおよびオンにされるかを図示する。示される通り、トランジスタ122は、時間(t
1)まで伝導する。時間(t
1)にて、トランジスタ122はオフになるが、ダイオード114は動作し続ける。また、時間(t
1)にて、トランジスタ124およびダイオード116はオンになる。時間(t
1)から時間(t
2)まで、V
負荷およびV
負荷+ΔV
オフセットが増加すると、ダイオード114はコンデンサ118の充電を行う。時間(t
2)から時間(t
3)まで、V
負荷+ΔV
オフセットは、(V
負荷+ΔV
オフセット)(t
2)よりも高い値に達せず、VS
+は変化しない。それ故に、時間(t
2)から時間(t
3)まで、ダイオード114は伝導しない。時間(t4)にて、トランジスタ122は再び伝導を開始し、ダイオード114も同様に伝導を開始する。説明を容易にするために
図3は、ダイオード114、コンデンサ118、およびトランジスタ122を参照して説明されている一方で、当業者であれば、ダイオード116、コンデンサ120、およびトランジスタ124は同様の様態で動作するが、電圧および電流の極性が切り替わっていることを認識するであろう。
【0032】
図4は、電圧波形および電流波形の実施例
図400を図示する。具体的に、
図400は、電力増幅器が抵抗負荷を駆動する時に短絡が生成される場合、ダイオード114および116がどのようにオンおよびオフにされるかを図示する。短絡は(t
1)にて発生し、短絡電流は、電力増幅器基準のため負荷電流が方向を変化させる瞬間(t
2)までダイオード114を介して伝導される。(t
2)から(t
4)まで、短絡電流はダイオード116を通過する。(t
4)にて、電力増幅器基準は、負から正に変化し、負荷電流は正に変化する。ダイオード114は次に、再び短絡電流を伝導する。(t
5)にて、短絡が除去され、ダイオード114は、出力電圧(例えば、抵抗負荷)に比例した負荷電流を伝導する。阻止電圧などの追加の波形は、理解を深めるために示されている。
【0033】
図5は、電圧波形および電流波形の実施例
図500を図示する。具体的に、
図500は、電力増幅器が容量性負荷を駆動する時に短絡が生成される場合、ダイオード114および116がどのようにオンおよびオフにされるかを図示する。短絡は(t
1)にて発生し、短絡電流は、電力増幅器の電圧基準がゼロに達する瞬間(t
2)までダイオード114を通して伝導される。(t
3)にて、電力増幅器の電圧基準は再び正となり、短絡電流はダイオード114によって伝導される。(t
4)にて、短絡が除去され、装置は通常モードで動作を開始する。阻止電圧などの追加の波形は、理解を深めるために示されている。
【0034】
図6は、装置600の一実施例である。一態様において、短絡および/または過負荷の場合に、装置600は電力増幅器604および/または追跡電源(TPS)602を保護する。示される通り、装置600は、TPS602、電力増幅器604、および負荷606を有する。TPS602は、接地接続608、ならびに第一のオフセット電源610および第二のオフセット電源612と接続されている。TPS602は、オフセット電源610、612と直列に接続されてもよい。TPS602は、正電圧レール603を介して、第一のオフセット電源610と連結および/または接続されることができる。さらに、TPS602は、負電圧レール605を介して、第二のオフセット電源612に連結および/または接続されることができる。一態様において、オフセット電源610、612は、TPS602の出力を一定量だけ増加または減少させる定電圧電源である。例えば、第一のオフセット電源610は、正電圧量(例えば、+1V、+5V、+25Vなど)だけ正レール603上のTPS602の出力を増加させる。別の言い方をすれば、第一のオフセット電源610は、正電圧レール603上のTPS602の出力に電力を加える。別の例として、第二のオフセット電源612は、負電圧量(例えば、−1V、−5V、−25Vなど)だけ負レール605上のTPS602の負出力を増加させる。別の言い方をすれば、第二のオフセット電源612は、負電圧レール605上のTPS602の出力から電力を加える。
【0035】
示される通り、第一のオフセット電源610は、スイッチ614と接続および/または連結されている。第一のオフセット電源610は、スイッチ614と直列に接続されることができる。スイッチ614は、コンデンサ618と連結および/または接続されることができる。一態様において、コンデンサ618はデカップリングコンデンサである。コンデンサ618は、接地608と直列に接続されることができる。コンデンサ618は、任意の合理的な静電容量を有することができる。コンデンサ618の静電容量は、TPS602および/または増幅器604のサイズに依存しうる。示される通り、スイッチ614は、電力増幅器604の正電源入力(例えば、正レール)と直列に接続されている。
【0036】
示される通り、第二のオフセット電源612は、スイッチ616と接続および/または連結されている。第二のオフセット電源612は、スイッチ616と直列に接続されることができる。スイッチ616は、コンデンサ620と連結および/または接続されることができる。一態様において、コンデンサ620はデカップリングコンデンサである。コンデンサ620は、接地608と直列に接続されることができる。コンデンサ620は、接地608と直列に接続されることができる。コンデンサ620は、任意の合理的な静電容量を有することができる。コンデンサ620の静電容量は、TPS602および/または増幅器604のサイズに依存しうる。示される通り、スイッチ616は、電力増幅器604の負電源入力(例えば、負レール)と直列に接続されている。
【0037】
示される通り、電力増幅器604は、第一のトランジスタ622および第二のトランジスタ624を備える。一態様において、電力増幅器604は線形電力増幅器である。トランジスタ622、624は、それぞれのダイオード626と並列に接続されている。具体的に、トランジスタ622はそれぞれのダイオード626aを有し、トランジスタ624はそれぞれのダイオード626bを有する。トランジスタ622、624は、電力増幅器604の段トランジスタとすることができる。例えば、トランジスタ622、624は、トランジスタ622、624のうちの一つが電力を生成しない一方で、他方のトランジスタが電力を生成するように、対向段トランジスタであってもよい。それ故に、トランジスタ622、624はそれぞれ、増幅器604のために一つの電力段で電力を生成することができる。電力増幅器604は、負荷606と直列に接続されている。負荷606は接地608と連結されることができる。説明を容易にするために示されていないが、当業者であれば、装置600のそれぞれの部品のそれぞれに関連する電流、電圧、およびインピーダンスがありうることを理解するであろう。例えば、負荷606は、負荷電流、負荷電圧、および負荷インピーダンスを有することができる。
【0038】
一態様において、TPS602は、電力増幅器604の出力電圧に等しい電圧を生成する。一態様において、TPS602は、アクティブである電力増幅器604のトランジスタにのみ電力を供給する。例えば、負荷606電流が正の時、トランジスタ622はアクティブであり、負荷606電流が負である時、トランジスタ624はアクティブである。短絡中、スイッチ614、616は、正レール603と負レール605の両方上の同じ方向の電流の流れを防止する。電流が一方向のみに流れることを可能にすることによって、トランジスタ622、624のうちの一つのみが、短絡状態または電流制限モードであっても電流を伝導する。
【0039】
一態様において、スイッチ614、616は制御可能なスイッチである。例えば、スイッチの制御信号は、負荷606電流の符号から生成される。一態様において、スイッチ614、616の制御論理は、負荷電流測定値および一組のコンパレータを含む。例として、負荷606電流が正の時、スイッチ614は閉じていて、トランジスタ622は伝導している。電流が正の時、スイッチ616は開いていて、トランジスタ624は伝導していない。別の例として、負荷606電流が正の時、スイッチ616は閉じていて、トランジスタ624は伝導している。電流が負の時、スイッチ614は開いていて、トランジスタ622は伝導していない。このように、スイッチ614、616は、
図1のダイオード114、116と同様に、短絡イベント中にダイオード626を通る電流の伝導を防止する。
【0040】
一態様において、負荷606電流が正値から負値に切り替わる時、トランジスタ622は電気の伝導を停止し、スイッチ614は開いて、スイッチ614を通して電流が流れるのを防ぐ。さらに、スイッチ614が開いていて、トランジスタ622がオフの時、コンデンサ618は、スイッチ614およびトランジスタ622から実質的に切断される。負荷606電流が負になると、電流はトランジスタ624およびスイッチ616を通って流れ始める。
【0041】
一態様において、スイッチ614は、負荷606に供給されている電流が正値から負値に切り替わる時、短絡が発生するのを防止する。例えば、負荷606の電流が正値から負値に切り替わる時、スイッチ614は開き、電流はスイッチ614を通って流れるのを停止する。それ故に、スイッチ614は、負電流がスイッチ614を通って移動すること、およびTPS602に到達することを防止する。それ故に、スイッチ614は、正電圧レール603を介して電力増幅器604からTPS602に負電流が流れるのを防止することによって、TPS602および電力増幅器604に損傷が生じるのを防止する。
【0042】
一態様において、負荷606電流が負値から正値に切り替わる時、トランジスタ624は電気の伝導を停止し、スイッチ616は開いて、スイッチ616を通して電流が流れるのを防ぐ。さらに、コンデンサ620は、スイッチ616が開いていて、トランジスタ624がオフの時、スイッチ614およびトランジスタ622から実質的に切断される。負荷606電流が正になると、電流はトランジスタ622およびスイッチ614を通って流れ始める。
【0043】
一態様において、スイッチ616は、負荷606に供給されている電流が負値から正値に切り替わる時に、短絡が発生するのを防止する。例えば、負荷606の電流が負値から正値に切り替わる時、スイッチ616が開き、電流がスイッチ616を通って流れるのを停止する。それ故に、スイッチ616は、負電流がスイッチ616を通って移動すること、およびTPS602に到達することを防止する。それ故に、スイッチ616は、負電圧レール605を介して電力増幅器604からTPS602に正電流が流れるのを防止することによって、TPS602および電力増幅器604に損傷が生じるのを防止する。
【0044】
図7は、例示的方法700のフローチャートである。710にて、追跡電源(例えば、TPS102、602)は、正電圧レールおよび負電圧レールに連結されている。追跡電源は、線形電力増幅器出力と同様の追跡電源出力を生成するように構成されることができる。
【0045】
720にて、第一の電圧オフセット電源(例えば、オフセット電圧電源110、112、610、610)は、追跡電源および正電圧レールに連結されている。第一の電圧オフセット電源は、追跡電源出力と直列に接続されることができる。第一の電圧オフセット電源は、定電圧源を含むことができる。第一の電圧オフセット電源は、第二の電圧オフセット電源と同様の出力を有しうる。
【0046】
730にて、第二の電圧オフセット電源(例えば、オフセット電圧電源110、112、610、610)は、追跡電源および負電圧レールに連結されている。第二の電圧オフセット電源は、追跡電源出力と直列に接続されることができる。第二の電圧オフセット電源は、定電圧源を含むことができる。第二の電圧オフセット電源は、第二の電圧オフセット電源と同様の出力を有しうる。
【0047】
740にて、第一のダイオード(例えば、ダイオード114、116)は、第一の電圧オフセット電源の出力と、線形電力増幅器(例えば、電力増幅器104、604)の正電源入力とに連結されている。一態様において、ダイオードは、追跡電源、または電力増幅器、またはその両方における短絡または過負荷イベントを防止するように構成されている。第一のダイオードは、第一の電圧オフセット電源の出力から線形電力増幅器の正電源入力に電流を伝導するように構成されることができる。
【0048】
加えて、第一のダイオードは、スイッチ(例えば、スイッチ614、616)で置き換えることができる。例えば、第一のスイッチは、第一の電圧オフセット電源の出力に連結され、かつ線形電力増幅器の正電源入力に連結されることができる。第一のスイッチは、負荷電流が正の時に閉じて、第一の電圧オフセット電源の出力から線形電力増幅器の正電源入力に電流を伝導するように構成されることができる。
【0049】
750で、第二のダイオード(例えば、ダイオード114、116)は、第二の電圧オフセット電源の出力と、線形電力増幅器(例えば、電力増幅器104、604)の負電源入力とに連結されている。一態様において、ダイオードは、追跡電源、または電力増幅器、またはその両方における短絡または過負荷イベントを防止するように構成されている。第二のダイオードは、線形電力増幅器の負電源入力から第二の電圧オフセット電圧電源の出力に電流を伝導するように構成されることができる。第二のスイッチは、負荷電流が負の時に閉じて、線形電力増幅器の負電源入力から第二の電圧オフセット電圧電源の出力に電流を伝導するように構成されている。
【0050】
加えて、第二のダイオードは、スイッチ(例えば、スイッチ614、616)で置き換えることができる。例えば、第二のスイッチは、第二の電圧オフセット電圧電源の出力に連結され、かつ線形電力増幅器の負電源入力に連結されることができる。
【0051】
760にて、線形電力増幅器は、負荷(例えば、負荷106、606)に連結するように構成されている。加えて、第一のデカップリングコンデンサは、正電圧レールと接地の間に連結されてもよく、第二のデカップリングコンデンサは、負電圧レールと接地の間に連結されてもよい。第一のデカップリングコンデンサは、第一のダイオードと線形電力増幅器の正電源入力との間に連結されることができる。第二のデカップリングコンデンサは、第二のダイオードと線形電力増幅器の負電源入力との間に連結されることができる。
【0052】
方法およびシステムを、具体的な実施例に関連して説明してきたが、本明細書の実施例は、制限的ではなく可能性のある実施例であるようにあらゆる点において意図されているので、記載された特定の実施例に範囲が限定されることを意図していない。
【0053】
別途明示的に記載されない限り、本明細書に記載のいずれの方法も、その工程が特定の順序で実施されることを要求していると解釈されることは決して意図されていない。従って、方法の請求項が、その工程が従うべき順序を実際に列挙していない場合、または工程が特定の順序に限定されることを特許請求の範囲または説明において別途具体的に記載されていない場合、いかなる点においても、順序が推測されることは決して意図されていない。これは、工程の配設または操作フローに関する論理的な問題、文法的な構成または句読点に由来する平易な意味、明細書に記載の実施例の数またはタイプを含む、解釈のためのあらゆる可能性のある不明確な根拠にも当てはまる。
【0054】
範囲または趣旨から逸脱することなく、様々な修正および変形を成しうることが、当業者には明らかであろう。他の実施例は、明細書および本明細書に記載の実施の検討から当業者には明らかであろう。明細書および実施例は、単に例示的なものとして考慮され、真の範囲および精神は、以下の特許請求の範囲によって示されることが意図されている。
【0055】
例示的な実施形態
実施形態1:線形電力増幅器出力と同様の追跡電源出力を生成するように構成された追跡電源を備え、追跡電源が正電圧レールおよび負電圧レールに連結されている装置。第一の電圧オフセット電源は、追跡電源出力および正電圧レールに連結されることができる。第二の電圧オフセット電源は、追跡電源出力および負電圧レールに連結されることができる。第一のダイオードは、第一の電圧オフセット電源の出力に連結され、かつ線形電力増幅器の正電源入力に連結されることができる。第二のダイオードは、第二の電圧オフセット電圧電源の出力に連結され、かつ線形電力増幅器の負電源入力に連結されることができる。負荷に連結された線形電力増幅器の出力。
【0056】
実施形態2:追跡電源が、線形電力増幅器の出力を追跡および/または追従する追跡電源出力を生成するように構成されている、実施形態1に記載の実施形態。
実施形態3:追跡電源出力が線形電力増幅器出力を追跡および/または追従する、実施形態1または実施形態2に記載の実施形態。
【0057】
実施形態4:第一のダイオードが、第一の電圧オフセット電源の出力から線形電力増幅器の正電源入力に電流を伝導するように構成されている、実施形態1〜3のいずれか一つに記載の実施形態。
【0058】
実施形態5:第二のダイオードが、線形電力増幅器の負電源入力から第二の電圧オフセット電圧電源の出力に電流を伝導するように構成されている、実施形態1〜4のいずれか一つに記載の実施形態。
【0059】
実施形態6:第一の電圧オフセット電源および第二の電圧オフセット電源が、追跡電源出力と直列に接続されている、実施形態1〜5のいずれか一つに記載の実施形態。
実施形態7:第一の電圧オフセット電源および第二の電圧オフセット電源が、同様の出力を有する定電圧源である、実施形態1〜6のいずれか一つに記載の実施形態。
【0060】
実施形態8:正電圧レールと接地の間に連結された第一のデカップリングコンデンサと、負電圧レールと接地の間に連結された第二のデカップリングコンデンサとをさらに備える、実施形態1〜7のいずれか一つに記載の実施形態。
【0061】
実施形態9:第一のデカップリングコンデンサが、第一のダイオードと線形電力増幅器の正電源入力との間に連結されている、実施形態8に記載の実施形態。
実施形態10:第二のデカップリングコンデンサが、第二のダイオードと線形電力増幅器の負電源入力との間に連結されている、実施形態8〜9のいずれか一つに記載の実施形態。
【0062】
実施形態11:線形電力増幅器出力と同様の追跡電源出力を生成する追跡電源を備える、装置。追跡電源は、正電圧レールおよび負電圧レールに連結されることができる。第一の電圧オフセット電源は、追跡電源出力および正電圧レールに連結されることができる。第二の電圧オフセット電源は、追跡電源出力および負電圧レールに連結されることができる。第一のスイッチは、第一の電圧オフセット電源の出力に連結され、かつ線形電力増幅器の正電源入力に連結されることができる。第二のスイッチは、第二の電圧オフセット電圧電源の出力に連結され、かつ線形電力増幅器の負電源入力に連結されることができる。線形電力増幅器の出力は、負荷電流を有する負荷に連結されることができる。
【0063】
実施形態12:追跡電源が、線形電力増幅器の出力を追跡および/または追従する追跡電源出力を生成するように構成されている、実施形態11に記載の実施形態。
実施形態13:追跡電源出力が線形電力増幅器出力を追跡および/または追従する、実施形態11または実施形態12に記載の実施形態。
【0064】
実施形態14:第一のスイッチが、負荷電流が正の時に閉じて、第一の電圧オフセット電源の出力から線形電力増幅器の正電源入力に電流を伝導するように構成されている、実施形態11〜13のいずれか一つに記載の実施形態。
【0065】
実施形態15:第二のスイッチが、負荷電流が負の時に閉じて、線形電力増幅器の負電源入力から第二の電圧オフセット電圧電源の出力に電流を伝導するように構成されている、実施形態11〜14のいずれか一つに記載の実施形態。
【0066】
実施形態16:第一の電圧オフセット電源および第二の電圧オフセット電源が、追跡電源出力と直列に接続されている、実施形態11〜15のいずれか一つに記載の実施形態。
実施形態17:第一の電圧オフセット電源および第二の電圧オフセット電源が、同様の出力を有する定電圧源である、実施形態11〜16のいずれか一つに記載の実施形態。
【0067】
実施形態18:正電圧レールと接地の間に連結された第一のデカップリングコンデンサと、負電圧レールと接地の間に連結された第二のデカップリングコンデンサとをさらに備える、実施形態11〜17のいずれか一つに記載の実施形態。
【0068】
実施形態19:第一のデカップリングコンデンサが、第一のスイッチと線形電力増幅器の正電源入力との間に連結されている、実施形態18に記載の実施形態。
実施形態20:第二のデカップリングコンデンサが、第二のスイッチと線形電力増幅器の負電源入力との間に連結されている、実施形態18または19に記載の実施形態。
【0069】
実施形態21:追跡電源を、正電圧レールおよび負電圧レールに連結することを含む方法。追跡電源は、線形電力増幅器出力と同様の追跡電源出力を生成するように構成されることができる。方法はまた、第一の電圧オフセット電源を、追跡電源出力および正電圧レールに連結することを含む。方法は、第二の電圧オフセット電源を、追跡電源出力および負電圧レールに連結することをさらに含む。また、方法は、第一のダイオードを、第一の電圧オフセット電源の出力および線形電力増幅器の正電源入力に連結することを含む。さらに、方法は、第二のダイオードを、第二の電圧オフセット電圧電源の出力および線形電力増幅器の負電源入力に連結することを含む。加えて、方法は、負荷に連結するように線形電力増幅器を構成することを含む。
【0070】
実施形態22:第一のダイオードが、第一の電圧オフセット電源の出力から線形電力増幅器の正電源入力に電流を伝導するように構成されている、実施形態21に記載の実施形態。
【0071】
実施形態23:第二のダイオードが、線形電力増幅器の負電源入力から第二の電圧オフセット電圧電源の出力に電流を伝導するように構成されている、実施形態21〜22のいずれか一つに記載の実施形態。
【0072】
実施形態24:方法が、正電圧レールと接地の間に第一のデカップリングコンデンサを連結することと、負電圧レールと接地の間に第二のデカップリングコンデンサを連結することとをさらに含む、実施形態21〜23のいずれか一つに記載の実施形態。
【手続補正書】
【提出日】2021年8月30日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
線形電力増幅器出力と同様の追跡電源出力を生成するように構成された追跡電源であって、前記追跡電源が正電圧レールおよび負電圧レールに連結されている、前記追跡電源と、
前記追跡電源出力および前記正電圧レールに連結された第一の電圧オフセット電源と、
前記追跡電源出力および前記負電圧レールに連結された第二の電圧オフセット電源と、
前記第一の電圧オフセット電源の出力に連結され、かつ前記線形電力増幅器の正電源入力に連結された第一のダイオードと、
前記第二の電圧オフセット電源の出力に連結され、かつ前記線形電力増幅器の負電源入力に連結された第二のダイオードと、
負荷に連結された前記線形電力増幅器の出力と、を備える装置。
【請求項2】
前記第一のダイオードが、前記第一の電圧オフセット電源の前記出力から前記線形電力増幅器の前記正電源入力に電流を伝導するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第二のダイオードが、前記線形電力増幅器の前記負電源入力から前記第二の電圧オフセット電源の前記出力に電流を伝導するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第一の電圧オフセット電源および前記第二の電圧オフセット電源が、前記追跡電源出力と直列に接続されている、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記第一の電圧オフセット電源および前記第二の電圧オフセット電源が、同様の出力を有する定電圧源である、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記正電圧レールと接地の間に連結された第一のデカップリングコンデンサと、前記負電圧レールと前記接地の間に連結された第二のデカップリングコンデンサとをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記第一のデカップリングコンデンサが、前記第一のダイオードと前記線形電力増幅器の前記正電源入力との間に連結されている、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記第二のデカップリングコンデンサが、前記第二のダイオードと前記線形電力増幅器の前記負電源入力との間に連結されている、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
線形電力増幅器出力と同様の追跡電源出力を生成する追跡電源であって、前記追跡電源が正電圧レールおよび負電圧レールに連結されている、前記追跡電源と、
前記追跡電源出力および前記正電圧レールに連結された第一の電圧オフセット電源と、
前記追跡電源出力および前記負電圧レールに連結された第二の電圧オフセット電源と、
前記第一の電圧オフセット電源の出力に連結され、かつ前記線形電力増幅器の正電源入力に連結された第一のスイッチと、
前記第二の電圧オフセット電源の出力に連結され、かつ前記線形電力増幅器の負電源入力に連結された第二のスイッチと、
負荷電流を有する負荷に連結された前記線形電力増幅器の出力と、を備える装置。
【請求項10】
前記第一のスイッチが、前記負荷電流が正の時に閉じて、前記第一の電圧オフセット電源の前記出力から前記線形電力増幅器の前記正電源入力に電流を伝導するように構成されている、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記第二のスイッチが、前記負荷電流が負の時に閉じて、前記線形電力増幅器の前記負電源入力から前記第二の電圧オフセット電源の前記出力に電流を伝導するように構成されている、請求項9に記載の装置。
【請求項12】
前記第一の電圧オフセット電源および前記第二の電圧オフセット電源が、前記追跡電源出力と直列に接続されている、請求項9に記載の装置。
【請求項13】
前記第一の電圧オフセット電源および前記第二の電圧オフセット電源が、同様の出力を有する定電圧源である、請求項9に記載の装置。
【請求項14】
前記正電圧レールと接地の間に連結された第一のデカップリングコンデンサと、前記負電圧レールと前記接地の間に連結された第二のデカップリングコンデンサとをさらに備える、請求項9に記載の装置。
【請求項15】
前記第一のデカップリングコンデンサが、前記第一のスイッチと前記線形電力増幅器の前記正電源入力との間に連結されている、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記第二のデカップリングコンデンサが、前記第二のスイッチと前記線形電力増幅器の前記負電源入力との間に連結されている、請求項14に記載の装置。
【請求項17】
追跡電源を正電圧レールおよび負電圧レールに連結することであって、前記追跡電源が線形電力増幅器出力と同様の追跡電源出力を生成するように構成されている、連結することと、
第一の電圧オフセット電源を前記追跡電源出力および前記正電圧レールに連結することと、
第二の電圧オフセット電源を前記追跡電源出力および前記負電圧レールに連結することと、
第一のダイオードを、前記第一の電圧オフセット電源の出力および前記線形電力増幅器の正電源入力に連結することと、
第二のダイオードを、前記第二の電圧オフセット電源の出力および前記線形電力増幅器の負電源入力に連結することと、
負荷に連結するように前記線形電力増幅器を構成することと、を含む、方法。
【請求項18】
前記第一のダイオードが、前記第一の電圧オフセット電源の前記出力から前記線形電力増幅器の前記正電源入力に電流を伝導するように構成されている、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記第二のダイオードが、前記線形電力増幅器の前記負電源入力から前記第二の電圧オフセット電源の前記出力に電流を伝導するように構成されている、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
第一のデカップリングコンデンサを前記正電圧レールと接地の間に連結することと、
第二のデカップリングコンデンサを前記負電圧レールと前記接地の間に連結することと、をさらに含む、請求項17に記載の方法。
【国際調査報告】