(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-535675(P2021-535675A)
(43)【公表日】2021年12月16日
(54)【発明の名称】商用車両のための情報伝送システム、商用車両、および連結商用車両
(51)【国際特許分類】
H04W 16/26 20090101AFI20211119BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20211119BHJP
H04W 84/10 20090101ALI20211119BHJP
H04W 4/48 20180101ALI20211119BHJP
B60R 16/023 20060101ALI20211119BHJP
【FI】
H04W16/26
H04W84/12
H04W84/10 110
H04W4/48
B60R16/023 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2021-510798(P2021-510798)
(86)(22)【出願日】2019年8月6日
(85)【翻訳文提出日】2021年3月24日
(86)【国際出願番号】EP2019071103
(87)【国際公開番号】WO2020043441
(87)【国際公開日】20200305
(31)【優先権主張番号】18192100.8
(32)【優先日】2018年8月31日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】597007363
【氏名又は名称】クノル−ブレムゼ ジステーメ フューア ヌッツファールツォイゲ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Knorr−Bremse Systeme fuer Nutzfahrzeuge GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ベンス セメス
(72)【発明者】
【氏名】フーバ ネーメト
(72)【発明者】
【氏名】タマス コーニャ
(72)【発明者】
【氏名】ガーボル テレキ
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ ヒリアー
(72)【発明者】
【氏名】ベネデック ポウル
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067EE02
5K067EE06
(57)【要約】
本発明は、少なくとも1つの商用車両(12,14,16)のための情報伝送システム(10)であって、少なくとも1つの情報送信モジュール(18)、少なくとも1つの繰り返しモジュール(20)および少なくとも1つの受信モジュール(22)を含み、情報送信モジュール(18)が、メッセージを定義する信号を繰り返しモジュール(20)に送信するように構成および配置されており、繰り返しモジュール(20)が、信号を増強して受信モジュール(22)に信号を転送するように構成および配置されている、情報伝送システム(10)に関する。本発明はさらに、商用車両(12,14,16)および連結商用車両(12,14,16)に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの商用車両(12,14,16)のための情報伝送システム(10)であって、
該システム(10)が、少なくとも1つの情報送信モジュール(18)、少なくとも1つの繰り返しモジュール(20)、および少なくとも1つの受信モジュール(22)を含み、
前記情報送信モジュール(18)が、メッセージを定義する信号を前記繰り返しモジュール(20)に送信するように構成および配置されており、
前記繰り返しモジュール(20)が、前記信号を増強して前記受信モジュール(22)に前記信号を転送するように構成および配置されている、
情報伝送システム(10)。
【請求項2】
前記繰り返しモジュール(20)が、通信機および/または通信機の一部である、請求項1記載の情報伝送システム(10)。
【請求項3】
前記情報送信モジュール(18)が、通信機および/または通信機の一部である、請求項1または2記載の情報伝送システム(10)。
【請求項4】
前記受信モジュール(22)が、通信機および/または通信機の一部である、請求項1から3までのいずれか1項記載の情報伝送システム(10)。
【請求項5】
前記情報送信モジュール(18)が、トラック(12)に搭載されるように構成および配置されており、
前記繰り返しモジュール(20)および前記受信モジュール(22)が、トラック(12)に搭載されていない、
請求項1から4までのいずれか1項記載の情報伝送システム(10)。
【請求項6】
前記情報送信モジュール(18)と前記繰り返しモジュール(20)との間の信号伝送が、無線である、請求項1から5までのいずれか1項記載の情報伝送システム(10)。
【請求項7】
前記情報繰り返しモジュール(20)と前記受信モジュール(22)との間の信号伝送が、無線である、請求項1から6までのいずれか1項記載の情報伝送システム(10)。
【請求項8】
前記情報送信モジュール(18)および/または前記繰り返しモジュール(20)および/または前記受信モジュール(22)の間の前記信号伝送が、WiFi、Bluetooth、WAVE、ETSI ITS‐G5、IEEE802.15.4、C‐V2Xなどの規格のうちの少なくとも1つに準拠している、請求項1から7までのいずれか1項記載の情報伝送システム(10)。
【請求項9】
前記情報伝送システム(10)が、少なくとも+5dBiの利得を有する1つ以上の指向性アンテナ(18a,18b,20a,20b,22a,22b)を含む、請求項1から8までのいずれか1項記載の情報伝送システム(10)。
【請求項10】
前記指向性アンテナ(18a,18b,20a,20b,22a,22b)が、前記情報送信モジュール(18)および/または前記繰り返しモジュール(20)および/または前記受信モジュール(22)のうちの少なくとも1つと有線接続部(32,34)を有する、請求項9記載の情報伝送システム(10)。
【請求項11】
前記少なくとも1つの指向性アンテナ(18a,18b,20a,20b,22a,22b)が、前記情報送信モジュール(18)と前記繰り返しモジュール(20)と前記受信モジュール(22)とに設けられている、請求項10記載の情報伝送システム(10)。
【請求項12】
各指向性アンテナ(18a,18b,20a,20b,22a,22b)が、前記それぞれのモジュールとの有線リンク(21a,21b)を有している、請求項11記載の情報伝送システム(10)。
【請求項13】
前記情報伝送システム(10)が、1つ以上の組み込みアンテナおよび/または統合アンテナ(18a,18b,20a,20b,22a,22b)を含む、請求項1から12までのいずれか1項記載の情報伝送システム(10)。
【請求項14】
請求項1から13までのいずれか1項記載の情報伝送システム(10)の情報送信モジュール(18)を少なくとも含む、商用車両(12,14,16)。
【請求項15】
少なくとも1つのトラック(12)および少なくとも2つのトレーラ(14,16)を含む連結商用車両(12,14,16)であって、
前記連結商用車両(12,14,16)が、請求項1から13までのいずれか1項記載の情報伝送システム(10)を含み、
前記情報送信モジュール(18)が、前記トラック(12)上に配置されており、
前記繰り返しモジュール(20)が、第1のトレーラ(14)上に配置されており、
前記受信モジュール(22)が、第2のトレーラ(16)上に配置されている、
連結商用車両(12,14,16)。
【請求項16】
請求項1から13までのいずれか1項記載の情報伝送システム(10)のための情報送信モジュール(18)であって、前記情報送信モジュール(18)の特徴部を含む、情報送信モジュール(18)。
【請求項17】
請求項1から13までのいずれか1項記載の情報伝送システム(10)のための繰り返しモジュール(20)であって、前記繰り返しモジュール(20)の特徴部を含む、繰り返しモジュール(20)。
【請求項18】
請求項1から13までのいずれか1項記載の情報伝送システム(10)のための受信モジュール(22)であって、前記受信モジュール(22)の特徴部を含む、受信モジュール(22)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商用車両のための情報伝送システム、商用車両、ならびに少なくとも1台のトラックおよび少なくとも2台のトレーラを含む連結商用車両(commercial vehicle combination)に関する。
【0002】
商用車両の分野では、トラック、トレーラ、または複数のトレーラ間の有線通信インタフェース(例:ISO11992規格による定義)が広く使用されている。しかし、これらの有線通信回線のスループットは限られており、新しいアプリケーションで必要とされるデータレートをサポートできない場合が多い。また、これらの有線通信インタフェースは、グローバルには使用されていない。より高い帯域幅をサポートし、より多くの機能性に加えてグローバルに適用可能なインタフェースをサポートするための代替ソリューションとして、連結輸送ユニット間の無線通信がある。
【0003】
無線信号の減衰、すなわち無線信号の損失は、距離とともに増大する。そのため、無線通信の性質上、通信機とレシーバとの間の距離が長くなるとサービス品質が低下する。ロードトレインのシナリオで、複数のトレーラがトラックに取り付けられている場合、この現象により、最後尾にあるトレーラからトラックに直接に大きなデータレートおよび低レイテンシのデータを送信することが非常に困難となる。
【0004】
豪国特許出願公開第2012101599号明細書は、無線通信を使用して牽引車両とトレーラとの間でブレーキ情報を通信するための無線トレーラブレーキ制御システムに関するものであり、ここでは、トレーラ制御モジュールが、トレーラのトレーラブレーキシステムに通信的に結合されている。
【0005】
米国特許出願公開第2017/021372号明細書は、ビジョンシステムに関するものであり、カメラがトレーラ上に配置され、カメラ画像が牽引車両に無線で伝送され、カメラ画像が牽引車両内のスクリーン上に提示される。
【0006】
米国特許出願公開第2015/061853号明細書は、各ドーター車両タイヤのドーター車両タイヤ空気圧センサからステータス信号を受信し、対応する無線信号を前述のマザー車両の車載本体に提供するための、タイヤ空気圧監視システムで使用され、かつレッカー車両のマザー車両またはドーター車両に選択的に設置されたリピータモジュールに関するものである。また、データレートおよびレイテンシ要件(通常、433MHzおよび333MHzバンドで動作し、20kbpsより低いピークデータレート、1秒より高いレイテンシを意味する)の要求を著しく小さくすることを示唆する、TPMS素子が記載されている。
【0007】
欧州特許出願公開第1384626号明細書は、無線通信中継局を含む中継局を内部に収容した自動車用ミラー装置に関するものであり、これは、自動車に設けられたミラー装置内に収容された、自動車の内外間で伝送する波形信号を中継する機能を有する。
【0008】
本発明の目的は、商用車両のための情報伝送システム、商用車両、および連結商用車両を提供することであり、特に、信号の伝送が増強され、無線信号の減衰が回避され、その結果、無線信号の損失が回避されるという点で、改善された特性を有する。
【0009】
当該目的は、請求項1の特徴を有する少なくとも商用車両の情報伝送システムによって解決される。したがって、少なくとも1つの商用車両のための情報伝送システムが提供され、当該システムは、少なくとも1つの情報送信モジュール、少なくとも1つの繰り返しモジュールおよび少なくとも1つの受信モジュールを含み、情報送信モジュールは、メッセージを定義する信号を繰り返しモジュールに送信するように構成および配置され、繰り返しモジュールは、信号を増強して(enhance)受信モジュールに信号を転送するように構成および配置されている。
【0010】
本発明は、連結車両となるように接続された車両間の車両間通信システムが提供されるという基本的な考え方に基づいており、これにより、無線通信の通信範囲を拡大することが可能となり、ロードトレインのシナリオにおいても、連結車両間の無線通信を利用することができる。特に、無線信号の減衰および損失は、距離とともに増大するが、これは繰り返しモジュールを提供することで回避される。トレーラ内およびロードトレインの車両間における無線信号を繰り返すことで、信号の展開から信号受信点までの全ての距離にわたってサービスの品質を維持することができる。そのため、長距離であっても、最後尾のトレーラからトラックに(またその逆に)直接大きなデータレートおよび低レイテンシのデータを送信することができる。
【0011】
繰り返しモジュールは、通信機および/または通信機の一部であってよい。これにより、例えば、ロードトレインの全ての車両は、同一の通信機を備えていてよい。これにより、同種のものを使用することができ、コストを削減し、スケールとシステムで使用される類似または同一の部品の数量の増大との経済性に対して品質を向上させるのに役立ちうる。
【0012】
また、情報送信モジュールは、通信機および/または通信機の一部であってよい。これにより、品質を向上させ、コストを下げることができる。さらに、当該情報送信モジュールは、情報を送信するだけでなく受信することもできる。
【0013】
受信モジュールは、通信機および/または通信機の一部であってよい。繰り返しになるが、このこともまた、システム全体のロードトレインにおいて同一の部品を使用するのに役立つ。
【0014】
情報送信モジュールは、トラックに搭載されるように構成および配置されていてよく、繰り返しモジュールおよび受信モジュールは、トラックに搭載されていない。特に、送信モジュールは、トラックに搭載され、トラック情報システムに接続されていてよい。トラック情報システムは、運転中に運転者によって処理され、制御される。例えば、ロードトレインのシナリオの場合、繰り返しモジュールを第1のトレーラ上に配置し、受信モジュールを最後尾のトレーラ上に配置してもよい。その結果、連結されて運転される接続された全ての車両上の要素を含む完全なデータ伝送回線を確立することができる。
【0015】
情報送信モジュールと繰り返しモジュールとの間の信号伝送は、無線であってよい。無線伝送の信号を提供することで、機械的な故障の原因となる有線回線を確立する必要がなくなる。
【0016】
特に、情報繰り返しモジュールと受信モジュールとの間の信号伝送は、無線であってよい。
【0017】
送信モジュールおよび/または繰り返しモジュールおよび/または受信モジュールの間の信号伝送は、WiFi、Bluetooth、WAVE、ETSI ITS‐G5、IEEE802.15.4、C‐V2Xなどの規格のうちの少なくとも1つに準拠しうる。これらの規格のいずれかを選択することで、標準素子およびシステムコンポーネントを使用することができる。さらに、確立された規格を使用することができるので、システム全体の品質はもちろんのこと、システム伝送の品質も高くすることができる。また、独自の規格を作成する場合よりも、システムまたはデータ伝送コンポーネントのコストを低くすることができる。
【0018】
情報伝送システムは、少なくとも+5dBiの利得を有する1つ以上の指向性アンテナを含みうる。
【0019】
指向性アンテナは、情報送信モジュールおよび/または繰り返しモジュールおよび/または受信モジュールのうちの少なくとも1つとの有線接続部を有しうる。
【0020】
少なくとも1つの指向性アンテナは、情報送信モジュールと繰り返しモジュールと受信モジュールとに設けられうる。これにより、各モジュールは、指向性アンテナを有することができ、当該指向性アンテナは、システムのモジュール間で信頼性の高いデータ伝送を確立し、定義するのに役立つ。
【0021】
各指向性アンテナは、それぞれのモジュールとの有線接続部を有しうる。これにより、アンテナと各モジュールとの間で十分に定義されたデータ伝送および接続を確立することができる。
【0022】
また、モジュールとアンテナとの間の距離が非常に短く、有線通信回線との間に大きな距離をブリッジングする必要がないため、リスク評価において機械的故障が大きな意味を持つことがなくなる。
【0023】
情報伝送システムは、1つ以上の組み込みアンテナおよび/または統合アンテナを含みうる。アンテナを統合することで、よりコンパクトな情報伝送システムを構築することができる。
【0024】
さらに、本発明は、商用車両に関する。したがって、商用車両は、上述したように、少なくとも情報伝送システムの情報送信モジュールを含みうる。
【0025】
また、本発明は、連結商用車両に関する。したがって、連結商用車両は、少なくとも1つのトラックおよび少なくとも2つのトレーラを含み、ここで、連結商用車両は、上述した情報伝送システムをさらに含む。情報送信モジュールはトラック上に配置されうるものであり、繰り返しモジュールは第1のトレーラ上に配置されうるものであり、受信モジュールは第2のトレーラ上に配置されうるものである。
【0026】
さらに、本発明は、情報伝送システムの情報送信モジュールに関する。情報送信モジュールは、本開示に記載されているように、情報送信モジュールの特徴部を含む。
【0027】
さらに、本発明は、情報伝送システムの繰り返しモジュールに関する。繰り返しモジュールは、本開示に記載されているように、繰り返しモジュールの特徴部を含む。
【0028】
さらに、本発明は、情報伝送システムのメッセージ受信モジュールに関する。メッセージ受信モジュールは、本開示に記載されているように、メッセージ受信モジュールの特徴部を含む。
【0029】
さらなる詳細および利点について、ここで図に関連して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本発明の実施形態による、情報伝送システムを備えた連結車両のアーキテクチャを示す図である。
【
図2】本発明による通信機(繰り返しモジュール)のブロック図である。
【0031】
図1は、本発明の少なくとも1つの商用車両の情報伝送システム10を示す図である。
【0032】
ここでは、多くの商用車両が存在しており、すなわち、牽引車両としての1台のトラック12と、2台のトレーラ14,16とが存在する。
【0033】
図示された実施形態では、車両、すなわちトラック12および2台のトレーラ14,16は、連結されており、いわゆるロードトレインを形成している。
【0034】
全ての車両、すなわち、ここではロードトレインの第1の位置にある牽引車両としてのトラック12、ロードトレインの中間位置を有する第1のトレーラ14、およびロードトレインの最後尾の位置を有する第2のトレーラ16は、無線通信機18,20,22をそれぞれ備えている。
【0035】
無線通信機18はトラック12に搭載されており、無線通信機20は第1のトレーラ14に搭載されており、無線通信機22は第2のトレーラ16に搭載されている。
【0036】
また、トラックには、電子制御ユニット(ECU)19が設けられている。
【0037】
システム10内で使用された通信機は全て同一である。これは、より多くの車両が使用され、各車両に同じように製造された特定の通信機が備えられている場合にも可能である。
【0038】
各無線通信機18,20,22は、無線信号Wを送信し、かつ受信することができる。
【0039】
無線通信機18,20,22は、データ処理そのものを行うのではなく、通常の有線インタフェースを介して処理ECU19にデータを転送する。
【0040】
ここでは、無線通信機18,20,22の(少なくとも)1つによって表される情報送信モジュールと、他の無線通信機18,20,22の(少なくとも)1つによって表される繰り返しモジュールとの間の信号伝送が無線で確立されている。
【0041】
また、情報繰り返しモジュール(例えば第1のトレーラ14上の通信機20によって表される)と、受信モジュール(ここでは第2のトレーラ16上の通信機22によって表される)との間の信号伝送は、無線である。
【0042】
通信機18,20,22間の信号伝送は、WiFi接続であってよい。また、例えばBluetooth、WAVE、ETSI ITS‐G5、IEEE802.15.4、C‐V2Xなどの別の規格を選択することも可能である。
【0043】
さらに、情報伝送システム10は、1つ以上の指向性アンテナ18a,18b,20a,20b,22a,22bを含む。
【0044】
アンテナ18a,18b,20a,20b,22a,22bは、通信機18,20,22内に一体化されている。図示の実施形態では、各通信機18,20,22は、2つの統合アンテナ18a,18b,20a,20b,22a,22bを有する。
【0045】
全てのアンテナ18a,18b,20a,20b,22a,22bは、少なくとも+5dBiの利得を有する。
【0046】
さらに、全てのアンテナ18a,18b,20a,20b,22a,22bは、それぞれの通信機18,20,22に有線接続されている。
【0047】
図2は、本発明による通信機18,20,22のブロック図であり、ここでは、「中間」通信機20を使用している。
【0048】
通信機20は、アンテナ20aおよびアンテナ20bを有する。
【0049】
さらに、通信機20は、第1の無線通信モジュール24と、第2の無線通信モジュール26と、コントローラユニット28と、電源30と、電源電圧を搬送する有線接続部32と、車両の他のセンサの信号を搬送する有線接続部34とを有する。
【0050】
アンテナ20aは、第1の無線通信モジュール24と有線リンク21aで接続されている。
【0051】
アンテナ20bは、第2の無線通信モジュール26と有線リンク21bで接続されている。
【0052】
コントローラユニット28は、高速通信リンク36,38を介して通信モジュール24,26に接続されている。
【0053】
情報伝送システム10の機能については、以下のように説明できる。
【0054】
情報伝送システム10は、情報送信モジュールとしての第1の通信機18と、繰り返しモジュールとしての中間通信機20と、受信モジュールとしての最後尾通信機22とを含む。
【0055】
第1の通信機18は、繰り返しモジュールとして機能する中間通信機20にメッセージを定義する信号を送信する。中間通信機20は、信号を増強し、受信モジュールとして機能する最後通信機22に信号を転送する。
【0056】
最後尾トレーラ16がトラック12に(またはその逆に)メッセージを送信したい場合、メッセージが直接送信されることはない。
【0057】
これに代えて、最後尾トレーラ16の通信機22は、無線リンクL1を介して、中間トレーラ14に搭載された中間通信機20にメッセージを送信する。
【0058】
中間トレーラ14に搭載された中間通信機20は、信号を増強した後、別の無線リンクL2を介してトラック12に搭載された第1の通信機18にメッセージを転送する。2つの無線リンクL1,L2は、異なるチャネルで動作してもよいし、または異なる無線技術を使用してもよい。
【0059】
一実施形態では、使用される無線技術は、Wi‐Fi規格に準拠している。後方対向無線機R1はクライアントCLとして動作するように構成され、前方対向無線機R2はアクセスポイントAPとして構成されている。アクセスポイントAPは異なるチャネルで動作する可能性があるため、チャネルの帯域幅を共有する必要はない。
【0060】
通信機20内では、コントローラユニット28は、その有線インタフェース34と2つの無線通信モジュール24,26との間のゲートウェイの役割を果たす。
【0061】
コントローラユニット28は、一方の無線モジュール24から他方の無線モジュール26にデータを転送し(または双方向通信回線であるためその逆に転送し)、その有線インタフェース34と無線インタフェース24,26とを介して受信した車両のセンサのデータを送信する。
【符号の説明】
【0062】
10 情報伝送システム
12 トラック
14,16 トレーラ
19 電子制御ユニット(ECU)
18 情報送信モジュール
18a,18b,20a,20b,22a,22b 指向性アンテナ
20 繰り返しモジュール
21a,21b 有線リンク
22 受信モジュール
24,26 無線通信モジュール
28 コントローラユニット
30 電源
32,34 有線接続部
36,38 通信リンク
AP アクセスポイント
CL クライアント
L1,L2 無線リンク
R1,R2 対向無線機
W 信号
【国際調査報告】