(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-535725(P2021-535725A)
(43)【公表日】2021年12月16日
(54)【発明の名称】太陽電池またはソーラーパネルエネルギー抽出システム
(51)【国際特許分類】
H02S 50/00 20140101AFI20211119BHJP
H01L 31/044 20140101ALI20211119BHJP
G05F 1/67 20060101ALI20211119BHJP
【FI】
H02S50/00
H01L31/04 520
G05F1/67
【審査請求】有
【予備審査請求】有
【全頁数】38
(21)【出願番号】特願2021-526744(P2021-526744)
(86)(22)【出願日】2019年11月22日
(85)【翻訳文提出日】2021年5月14日
(86)【国際出願番号】AU2019051288
(87)【国際公開番号】WO2020102858
(87)【国際公開日】20200528
(31)【優先権主張番号】2018904462
(32)【優先日】2018年11月22日
(33)【優先権主張国】AU
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】521209203
【氏名又は名称】ディジログ テクノロジーズ プロプライエタリー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ジュリー,キース ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ウィルキンズ,グレアム チャールズ
【テーマコード(参考)】
5F151
5H420
【Fターム(参考)】
5F151JA08
5F151KA01
5H420BB03
5H420BB14
5H420CC03
5H420DD03
5H420EB39
5H420FF14
5H420FF22
(57)【要約】
光起電力システムは、少なくとも一つの太陽電池と、該少なくとも一つの太陽電池に接続された二次直流電源とを有する。二次電源は、一定の電圧作動において、光起電力セルに電力を入力するように構成され、太陽電池の最適電圧作動レベルまたはその近傍において、太陽電池の作動が維持される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光起電力発電システムであって、
太陽放射からの一次エネルギー入力を受けるように構成された、少なくとも一つの太陽電池と、
該少なくとも一つの太陽電池に並列に接続された二次直流エネルギー入力と、
を有し、
前記二次直流エネルギー入力は、一定の電圧で電力を出力するように構成され、前記一定の電圧は、前記少なくとも一つの太陽電池の指定された電圧最大電力(Vmp)定格と整合するように選定され、
これにより、前記少なくとも一つのソーラーアレイは、前記二次直流エネルギー入力から電力を引き出し、前記少なくとも一つの太陽電池の作動電圧をVmpに維持できる、光起電力発電システム。
【請求項2】
前記二次直流エネルギー入力電圧は、一定である、請求項1に記載の光起電力発電システム。
【請求項3】
前記二次直流エネルギー入力電圧は、前記少なくとも一つの太陽電池の最大作動温度において、前記少なくとも一つの太陽電池の指定されたVmpと整合するように選定される、請求項2に記載の光起電力発電システム。
【請求項4】
前記二次直流エネルギー入力電圧は、可変であり、前記指定された電圧最大値は、前記少なくとも一つの太陽電池の現在の作動温度において、前記少なくとも一つの太陽電池の指定されたVmpと整合するように制御される、請求項1に記載の光起電力発電システム。
【請求項5】
さらに、少なくとも一つの太陽電池の現在の作動温度を検知するように構成された、少なくとも一つの温度センサを有する、請求項4に記載の光起電力発電システム。
【請求項6】
さらに、前記現在の作動温度を受信するように構成された制御器を有し、該制御器は、前記現在の温度の前記Vmpに基づいて、前記二次直流エネルギー入力電圧を自動で調整する、請求項5に記載の光起電力発電システム。
【請求項7】
負荷が印加され、減少した光条件の間、前記二次電力入力により、前記太陽電池の作動電圧が維持される場合、前記太陽電池は、前記二次電源を有さない前記太陽電池と比べて、電気的変換に対する光のより高いレベルを有し、最適電圧が維持される、請求項1に記載の光起電力発電システム。
【請求項8】
完全な日射(full light)の条件下では、前記二次電力入力から電力が引き出されない、請求項1に記載の光起電力発電システム。
【請求項9】
前記太陽電池は、通常、直列構成に接続され、陰がかかった太陽電池により、完全な日射における前記直列構成の全ての他の太陽電池は、前記陰のかかった太陽電池と同様の出力にまで、エネルギー生成が低下し、
ソーラーパネルは、バイパスダイオードを有し、前記ソーラーパネルが陰になり、前記電圧が特定のレベルに低下した場合、前記エネルギーは、前記ソーラーパネルをバイパスし、前記直列ストリングにおける損失を最小限に抑制し、
二次電源により前記ストリング電圧を維持するこの新たな方法が利用され、
太陽電池/パネルに陰がかかった場合、日射を受ける残りの太陽電池/パネルは、前記二次電源により維持されたVmpのため、前記陰がかかった太陽電池により影響を受けず、完全な作動が維持され、
当該シスエムの損失は、前記陰がかかった太陽電池/パネルのもののみとなる、請求項1に記載の光起電力発電システム。
【請求項10】
前記二次電力入力は、直流電力に変換される主交流電力、電池、または直流エネルギーを供給できる他の同様の電源の入力である、請求項1に記載の光起電力発電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の技術分野は、光起電力(PV)パネルから電気エネルギーを回収することである。実施形態の適用は、例えば、曇りまたは陰がかかった条件における、最適な作動条件から外れて作動するPVパネルからのエネルギー出力の改善に関する。
【背景技術】
【0002】
光起電力(PV)パネルは、電気的に結合されたPVセルのアレイ(太陽電池とも称される)を有し、太陽エネルギーから直流電源が生成される。全ての光起電力ソーラーパネルの問題は、太陽電池の作動条件であり、利用可能な光およびパネル/太陽電池に印加される負荷の量によって絶えず変化する、極めて急峻なIV曲線(電圧と電流の間の関係)が生じる。従って、電流は、ある程度安定しても、電圧は、セル上の利用可能な光とともに変動する。光の増加、従って出力電圧の増加とともに、ソーラーパネルにより供給される負荷は、それに応じて上昇され得る。しかしながら、瞬間的に過大な負荷が印加されると、電圧は衰弱し、その結果、IV曲線も悪化し、光エネルギーを電気に変換する太陽電池の能力は、著しく低下する。従って、太陽電池パネルからのエネルギー抽出を管理し、太陽電池が非効率的に作動する環境を最小限に抑制することが必要である。
【0003】
PVセルからのエネルギー抽出を管理する最も一般的な形態は、MPPT(最大電力点追跡)と呼ばれる。最大電力点追跡(MPPT)、または時折、電力点追跡(PPT)として知られる技術は、風力タービンおよび光起電力(PV)ソーラーシステムでは広く使用されており、全ての条件下で電力抽出を最大化できる。この原理は、主に太陽光発電に適用されるが、一般に、可変出力を有する電源、例えば、光パワー伝送および熱光起電力、に適用される。MPPT法は、最大電圧/電流点が衰弱する前に、太陽電池/パネルから抽出される最大負荷を絶えず調整することによる方法である。
【0004】
PV太陽光システムは、インバータシステム、外部グリッド、バッテリバンク、または他の電気負荷との関係に関し、多くの異なる構成で存在するが、太陽光発電の最終目標とは無関係であり、MPPTにより対処される中心的な問題は、太陽電池からの電力伝達の効率が、太陽電池パネル/セルに降る注ぐ日射の量および負荷の電気的特性の両方に依存することである。太陽光日射の量が変化すると、最大の電力伝達効率を提供する負荷特性が変化するため、システムの効率は、負荷特性が変化し、電力伝達が最大効率に維持された際に最適化される。この負荷特性は、最大電力点(MPP)と呼ばれ、MPPTは、この点を見つけ、負荷特性をそこに維持するプロセスである。電気回路は、現在の状態に対してMPPを維持することを目的として、光起電力セルに任意の負荷を提供し、その後、電圧、電流、もしくは周波数を、他の装置またはシステムに適するように変換するように設計される。MPPTは、使用可能な電力を取り出すため、セルに提供される最良の負荷を選択するという問題を解決する。
【0005】
典型的にMPPT装置は、電力変換器システムに統合され、この電力変換器システムは、電圧または電流の変換、フィルタリング、および各種外部負荷を駆動または供給するための調整を提供する。これには、例えば、電力グリッド、バッテリまたはモータが含まれる。ソーラーインバータは、直流電力を交流電力に変換し、MPPTを導入することができる。そのようなインバータは、ソーラーモジュールから出力電力(I-V曲線)をサンプリングし、最大電力を得るため適切な抵抗(負荷)を印加する。MPPでの電力(Pmpp)は、電圧(Vmpp)とMPP電流(Impp)の積である。
【0006】
ある企業は現在、個々のモジュールに最大電力点追跡装置を設置し、最適化装置の使用により、不均一な陰影、汚れ、または電気的不整合においても、各々がピーク効率で作動できる。最適化装置は、限定された範囲のブースト/バック機能を有し、限られた制御作動窓において、MPPTを支援する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
現在のところ、MPPT法を強化しIVピークを配置する他の変動アルゴリズムが存在するが、全ての現在の方法の基本は、主として、最大電圧/電流点が衰弱する前に、太陽電池/パネルから抽出される最大負荷を絶えず調整することに依存する、MPPT法に基づく。光が増加すると、作動電圧は、開回路電圧の最大レベルにまで上昇する一方、光が減少すると、作動電圧は低下する。この低下は、午前/午後/雲/陰影の状態により引き起こされ、あるいは単に、パネルが太陽に対して垂直ではないような入射角により生じる。現在のMPPT法では、最適作動電圧対電流点が確実に得られるように、負荷を低減させたり、増加させたりする必要がある。
【0008】
この負荷点は、絶えず変化し、最適セル特性負荷点とは必ずしも一致せず、セルは、その設計されたVmp(電圧最大電力定格)の外部で作動される。
【0009】
再生可能エネルギー源の利用増加に対する要望の高まりとともに、代替システムに対する継続的な要望がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
ある態様では、本発明により、出力電圧が最適なパネル/太陽電池電圧と等しい電源を有する、太陽エネルギー抽出システムが提供される。これは、太陽電池の単セルであっても、最適な一定の最小電圧をソーラーアレイに供給するソーラーパネルのストリングであってもよい。
【0011】
ある態様では、光起電力発電システムであって、
太陽放射からの一次エネルギー入力を受けるように構成された、少なくとも一つの太陽電池と、
該少なくとも一つの太陽電池に並列に接続された二次直流エネルギー入力と、
を有し、
前記二次直流エネルギー入力は、一定の電圧で電力を出力するように構成され、前記一定の電圧は、前記少なくとも一つの太陽電池の指定された電圧最大電力(Vmp)定格と整合するように選定され、
これにより、前記少なくとも一つのソーラーアレイは、前記二次直流エネルギー入力から電力を引き出し、前記少なくとも一つの太陽電池の作動電圧をVmpに維持できる、光起電力発電システムが提供される。
【0012】
ある実施形態では、前記二次直流エネルギー入力電圧は、一定である。そのような実施形態の一例では、前記二次直流エネルギー入力電圧は、前記少なくとも一つの太陽電池の最大作動温度において、前記少なくとも一つの太陽電池の指定されたVmpと整合するように選定される。
【0013】
ある別の実施形態では、前記二次直流エネルギー入力電圧は、可変であり、前記指定された電圧最大値は、前記少なくとも一つの太陽電池の現在の作動温度において、前記少なくとも一つの太陽電池の指定されたVmpと整合するように制御される。そのような実施形態は、少なくとも一つの温度センサであってもよく、これは、少なくとも一つの太陽電池の現在の作動温度を検知するように構成される。実施形態は、さらに、前記現在の作動温度を受信するように構成された制御器を有し、該制御器は、前記現在の温度の前記Vmpに基づいて、前記二次直流エネルギー入力電圧を自動で調整してもよい。
【0014】
ある実施形態では、負荷が印加され、減少した光条件の間、前記二次電力入力により、前記太陽電池の作動電圧が維持される場合、前記太陽電池は、前記二次電源を有さない前記太陽電池と比べて、電気的変換に対する光のより高いレベルを有し、最適電圧が維持される。
【0015】
ある実施形態では、完全な日射(full light)の条件下では、前記二次電力入力から電力が引き出されない。
【0016】
ある実施形態では、前記太陽電池は、通常、直列構成に接続され、陰がかかった太陽電池により、完全な日射における前記直列構成の全ての他の太陽電池は、前記陰のかかった太陽電池と同様の出力にまで、エネルギー生成が低下し、
ソーラーパネルは、バイパスダイオードを有し、前記ソーラーパネルが陰になり、前記電圧が特定のレベルに低下した場合、前記エネルギーは、前記ソーラーパネルをバイパスし、前記直列ストリングにおける損失を最小限に抑制し、
二次電源により前記ストリング電圧を維持するこの新たな方法が利用され、
太陽電池/パネルに陰がかかった場合、日射を受ける残りの太陽電池/パネルは、前記二次電源により維持されたVmpのため、前記陰がかかった太陽電池により影響を受けず、完全な作動が維持され、
当該シスエムの損失は、前記陰がかかった太陽電池/パネルのもののみとなる。
【0017】
ある実施形態では、前記二次電力入力は、直流電力に変換される主交流電力、電池、または直流エネルギーを供給できる他の同様の電源の入力である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】システムの実施形態の単純化されたブロック図である。
【
図2】システムの別の実施形態の単純化されたブロック図である。
【
図3】太陽電池またはアレイの温度に対する電圧設定点(Vsp)の変化を示したグラフである。
【
図4a】システムの一実施形態による二次直流電源が提供された、完全な日射下における単一セルにおける発電への影響を示した図である。
【
図4b】システムの一実施形態による二次直流電源が提供された、部分的に影がかかった状態における単一セルにおける発電への影響を示した図である。
【
図5a】MPPTを使用した際の、完全な日射下における単一セルにおける発電への影響を示した図である。
【
図5b】MPPTを使用した際の、部分的に影がかかった状態における単一セルにおける発電への影響を示した図である。
【
図6a】MPPTを使用した際の、完全な日射下における直列に接続された太陽電池のアレイにおける発電への影響を示した図である。
【
図6b】MPPTを使用した際の、部分的に影がかかった状態における直列に接続された太陽電池のアレイにおける発電への影響を示した図である。
【
図7a】システムの一実施形態による、二次直流電源が提供された、完全な日射下における直列に接続された太陽電池のアレイにおける発電への影響を示した図である。
【
図7b】システムの一実施形態による、二次直流電源が提供された、部分的に影がかかった状態における直列に接続された太陽電池のアレイにおける発電への影響を示した図である。
【
図9a】完全な日射下において、MPPTを使用した従来のPV発電システムの作動例を示した図である。
【
図9b】部分的に影がかかった状態において、MPPTを使用した従来のPV発電システムの作動例を示した図である。
【
図10a】完全な日射下における、システムの実施形態の作動の例を示した図である。
【
図10b】部分的に影がかかった状態における、システムの実施形態の作動の例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本願では、少なくとも一つの太陽電池と、該少なくとも1つの太陽電池に接続された二次直流電源とを有する光起電システムの各種実施形態が記載される。二次電源は、光起電力セルに電力を入力して、太陽電池の最適電圧作動レベルまたはその近傍で、太陽電池の動作を維持するように構成される。
【0020】
開示のシステムの実施形態では、太陽電池から最適な性能を得るため、太陽電池が各種光および負荷条件からの昇降の結果から電圧を決定する代わりに、太陽電池の最適電圧作動レベルを得ることを目的として、第2の電源を用いて太陽電池(または太陽電池のアレイ)の作動電圧が人工的に制御される。
【0021】
太陽電池は、設計されたVmp(電圧最大電力定格)で作動する際に、最適に動作する。Vmpで作動されると、電池は、最大の効率で太陽エネルギーの光子を電気に変換する。従って、Vmpで作動される場合、太陽電池の最適な性能、および最大の電力出力が達成される。同様に、直列に接続されたセルのアレイも、アレイに対するVmpを有し、例えば、ソーラーパネルは、Vmpを有する。アレイVmpは、アレイ内の個々のセルのVmpに基づき、これは、アレイ内の全てのセルがそれらの個々のVmpまたはその近傍で作動する、アレイのVmpを反映する。最適な太陽エネルギー変換特性、従って、個々のセルまたはセルのアレイの最大電力出力は、Vmpで作動する場合に達成される。Vmpは、物理的特性に基づく太陽電池、またはアレイの固有の特性である。典型的には、セルまたはアレイ(パネル)のVmpは、太陽電池またはアレイの製造者により伝達される。Vmpは、作動温度に影響され得るため、通常、Vmpの熱係数も、製造者により提供される。ソーラーパネルおよびアレイのこれらの固有の特性は、試験を通じて製造者により特徴付けられる。
【0022】
前述のように、太陽電池またはアレイの最適効率は、Vmpで作動する際に達成される。これは、実際には、作動条件が良好で、日射が強く、陰がないときに得られる。この場合、個々の太陽電池は、十分な太陽エネルギーを受け、Vmpでの作動が達成され、維持される。ただし、実際の条件は、しばしば、最適ではなく、時刻、雲、樹木からの陰により、アレイパネルに入射する太陽光が減少する。これは、少なくともいくつかのセルにおいては、Vmpを達成するにはエネルギーが不十分であることを意味する。セルが直列に接続されるPVアレイでは(スティングとも呼ばれる)、アレイの全体的な作動電圧は、最も特性の低いのセルの作動電圧に制限される。従って、アレイが部分的に陰を受け、またはパネルの表面のダストもしくはデブリにより、いくつかのセル作動があまり効率的に作動されない状況では、全体の作動電圧が低下し、さらには陰になっていないセルに対しても、それらの作動電圧は低下し、従って、変換効率が低下する。
【0023】
最適な太陽電池特性を得るため、太陽電池の最適なVmpは、負荷の変化、および日中を通して変化する太陽露出とは無関係に、維持される必要がある。光条件が変化しても、太陽電池のVmpが維持される場合、これは、太陽電池の製造者により設計された最適なレベルで作動する。
【0024】
本システムの実施形態では、PVパネル/アレイに対する二次入力を確実に行うプラットフォームが提供される。これにより、PVアレイが、PVパネル/太陽電池製造者により設定された最適出力条件内で作動することが確実となる。
【0025】
実施形態では、PVアレイに接続された二次直流電源が提供され、電力をPVアレイ(またはセル)に注入することで、アレイのセルによって生じる電力が補完され、Vmp、またはVmpに近い値が維持され、従って、太陽電池は、その最大変換効率またはその近傍で作動できる。
【0026】
図1には、システム100の実施形態の高レベルブロック図を示す。第1の入力は、光により生じる、太陽電池110からのエネルギーであり、一方、第2の入力は、組み合わされた太陽電池の最適電圧を生じる電圧を有する直流電源120である。システム100から生じた電力は、負荷130により消費される。負荷130は、例えば、太陽光発電システム100からの直流出力電力を、地域使用または電力グリッドへの供給のための交流電源に変換するインバータであってもよい。あるいは、負荷130は、生成された直流電力の直接消費側、例えば直流モータであってもよい。
【0027】
太陽電池またはアレイ110は、任意の従来の太陽電池またはソーラーPVパネルであってもよい。二次直流電源120は、負荷への出力に、太陽電池またはアレイと並列に接続140される。直流電源電圧は、太陽電池またはアレイに整合されたVmpである。ダイオード145により、二次直流電源から太陽電池またはアレイ110への、1ワットの電源が確保される。しかしながら、接続140により、電流を、二次直流電源から太陽電池またはアレイに引き込むことが可能となる。あるいは、換言すれば、太陽電池またはアレイの出力には、ブロッキングダイオードはなく、ソーラーアレイの出力において、電子は、両方向に自由に流れることができる。この構成の効果は、太陽電池(またはアレイのセル)が、少ない光を受けまたは陰になっている状況下において、セルがVmpを維持する上で不十分な電子を変換し、電流が直流電源から引き出され、太陽電池またはアレイのセルに電子が供給され、Vmpでの作動が維持されることである。この効果は、太陽エネルギーが最大効率で利用可能となるように、セルが変換し続けることである。従って、太陽電池またはアレイにより消費される(二次直流電源からの)ある外部電力が存在する場合でも、アレイの最適変換効率を維持することにより、出力電力において正味のゲインが存在する。
【0028】
太陽電池は、小さな電圧窓内で最大電力を生成するように設計される。太陽電池がこの小さな窓の外で作動した場合、光から電子エネルギーへの変換が大きく減少する。
【0029】
第2の電源120により、太陽電池110は、全ての光/負荷条件下で、この窓内で常に作動されるようになる。第2の電源120は、主電源、バッテリ、発電機、または任意の他の直流電源であり得る、直流電源であってもよい。第2の電源電圧は、太陽電池/アレイの正確なVm作動窓に調整される。典型的には、製造者により、アレイの導入用の通常の作動温度に対し、Vmpが指定される。
【0030】
システムの動作は、本質的にパッシブであり、二次直流電源からの電力の引き出しは、セルに固有の応答であることに留意する必要がある。二次直流電源と並列に太陽電池またはアレイを接続することにより、回路は、Vmpに維持され、太陽エネルギーから生じる電子がVmpを維持するのに不十分である場合、セルをVmpを維持するため、これらが直流電源から電子に引き出される。従って、PVアレイは、二次直流電源から引き出される電力の量を本質的に制御し、Vmpでの動作が維持される。例えば、雲の通過によりPVアレイに影が生じると、直流電源から電力が引き出され始め、減少した電子発生が補償され、雲が通過し、セルでの発電が再び増加すると、二次直流電源から、より少ない電流が引き出されるようになる。
【0031】
ある実施形態では、二次直流電源は、固定電圧出力を有し、これは、アレイに整合された、最も一般的な作動温度条件用のVmpに構成される。本願発明者らによるプロトタイプの試験では、全ての作動温度の下、アレイのVmpが、二次直流電源により正確に整合されていない場合であっても、効率ゲインが達成され得ることが示されている。Vmp付近での作動においても、効率ゲインが提供される。
【0032】
あるシステムの実施形態では、二次電源は、調整可能な電圧電源であってもよく、システムは、温度センサと、PVアレイの作動温度に基づいて、直流電源出力を調節するように構成された制御器とを有し、作動温度用のアレイの二次直流電源の出力電圧がVmpに維持されてもよい。
【0033】
図2には、システムの実施形態の一例における、より詳細なブロック図を示す。この実施例では、ソーラーアレイ210は、直流電源220に接続され、PVアレイ210への電力の注入が可能になる。直流電源は、制御器260に接続され、または制御器260を有し、該制御器260は、PVアレイ210に接続された温度センサ250により検出されたPVアレイ210の作動温度に基づいて、可変直流電圧を調整してもよい。制御器は、マイクロプロセッサまたはプログラム化ロジック制御器を有し、これは、製造者により供給されたVmp、および装置のメモリに保管され、あるいはプログラムロジックにコード化された、温度係数データに基づいて、検知された温度でのVmpを計算するように構成される。制御器は、PVアレイ出力をモニタする必要がなく、直流電源220の出力電力を制御せず、電圧のみを設定することを理解する必要がある。直流電源により供給される電力は、PVアレイにより有機的に制御される。出力からパネルへの電子の有機的な電子流により、パネル全体が、直流電源により設定されたVmpに留まることが可能となる。
【0034】
太陽電池に対する光が減少すると、太陽電池の電圧も低下する。第2の電源は、太陽電池電圧が最適電圧窓よりも下方に降下することを抑制する。好ましくは、第2の電源120は、電力を供給するように調整され、これにより、太陽電池(またはアレイ)は、Vmpに維持されるようになる。二次電源は、太陽電池に電圧を供給し、従って、太陽電池および二次電源の両方が、カラー(collar)アレイ出力を介して、負荷に対する供給電力に寄与する。この条件下では、電圧は、(例えば、太陽電池がVmpを維持する自身の発生を補完するために必要とする追加の電子の数に応じて、太陽電池により)二次電源から太陽電池に引き出され、電力は、太陽電池および二次電源の両方から、負荷に供給される。直流電源により供給される電力の量は、日射の減少ととともに増加し、アレイ内のVmpが維持され、二次直流電源からシステムへの電力入力が、太陽電池により生成される電力を上回る点が存在することを理解する必要がある。しかしながら、そのような条件下においても、実際の利点がある。例えば、暗い状態が一時的な場合(例えば、暗雲の通過、または一時的な陰影)、インバータの作動には、影響が生じない。現在のシステムでは、PVアレイからの電力出力が低下すると、インバータのシャットダウンが生じ得る。また、そのようなシステムは、典型的には、遅延ディレイを有するように構成される。遅延ディレイの期間は、インバータがリセットされ、作動に戻る前に、アレイからの十分な出力が達成される期間である必要がある。これは、インバータを保護し、PVシステムから電源グリッドへの入力の不整合を最小限に抑制する。アレイに対して記載された二次直流電源を用いることにより、太陽エネルギー条件が大きく変動する場合であっても、インバータに対して実質的に一定の出力を維持することができる。太陽エネルギーの変動の影響は、直流電源からアレイに引き出される電力の対応する変化であり、インバータへの出力は、一定に、または実質的に一定に維持される。
【0035】
太陽電池と二次電源の間の関係は、直線的である。この関係は、セル製造者からの既知のVmpと、パネルの温度により定められる。
図3には、太陽電池またはアレイの電圧設定点(Vsp)と電力の関係、ならびに温度によるVspの差を示す。典型的には、異なる温度に対するVmpは、セルまたはPVアレイ製造者により供給され、セルまたはアレイの固有の特性に基づく。前述のように、太陽電池は、Vmpにおいて最大の効率で、太陽エネルギーを変換する。Vmpは、温度に依存し、通常、温度の上昇に伴い低下する。
【0036】
図1に示したようなシステムの実施形態では、二次直流電源は、固定電圧(Vsp)で作動し、その後、二次直流電源電圧(Vsp)は、製造者に基づいて、最高セル作動温度でVmpに固定され得る。
図3からわかるように、より低い温度では、固定されたVspは、作動温度において、Vmpをわずかに下回り得る。しかしながら、この作動は、最大効率をわずかに下回るだけであり、太陽エネルギーレベルの変動の間も、そのレベルには維持されるため、PVアレイからの長期出力形態は、現在のMPPTベースのシステムに比べて改善される。
【0037】
図2に示された実施形態を考慮すると、全体的な出力電力ゲインは、二次直流電源(または、従って制御器)に対するセル温度の入力、および現在の作動温度に対するVspからVmpへの調整により、僅かに改善できる。Vspが温度可変Vmpに調整される場合、ある対応する電力出力変化が生じ得ることを理解する必要がある。しかしながら、そのような変動は、アレイ作動温度とともに変化する。アレイ作動温度は、通常、ゆっくりとした変化速度を有し、従って、インバータの動作(または他の負荷)に最小限の影響を及ぼす。
【0038】
一般に理解されていることとは対照的に、太陽電池のV/I関係(V/I曲線)は、非線形である。太陽電池は、温度と全抵抗との間に複雑な関係を有し、これにより、非線形の出力効率が生じ、これは、I−V曲線に基づいて解析できる。MPPTシステムの目的は、PVセルの出力をサンプリングし、適当な抵抗(負荷)を適用し、任意の所定の環境条件に対し、最大電力を得ることである。従来のソーラーインバータは、概して、全体のPVアレイ(モジュール関連)に対してMPPTを実施する。そのようなシステムでは、インバータにより指示された同じ電流が、ストリング(直列)内の全てのモジュールを介して流れる。異なるモジュールは、異なるI−V曲線を有し、(製造誤差、部分的な陰影などによる)異なるMPPを有するため、このアーキテクチャは、あるモジュール/セルがそれらのMPP未満で実施され、その結果、低い効率変換速度が得られることを意味する。入射する太陽エネルギーが変化すると、これとともにセルに生じる電気も変化し、太陽照度が低下すると、これとともにセルにより生じる電力が低下し、従って、引き出すことのできる電圧および電流が低下する。MPPTを用いたシステムでは、電流および電圧の操作のため、印加される見かけの負荷が変化し、これにより、低い光条件の間、太陽電池(またはアレイ)から最大の電力を引き出すことができる。しかしながら、全体的な電力は、太陽の照射により制限される。
【0039】
図4aおよび
図4bには、完全な日射(
図4a)および部分的に陰がかかった状態(
図4b)における、単セル410における発電への影響を示す。電圧注入を可能にするため、二次直流電源が提供されている。この例では、
図4aにおいて、セル410は、完全に照射され、太陽光から30Wのエネルギーを受け、2ボルトおよび3.4アンペアの直流で、5.4WDCのエネルギー出力が生成される。
図4bには、部分的に陰420がかかったセル410を示す。この例では、セルは、80%が太陽光により照射され、24Wの光エネルギーを受け、20%の陰の部分は、60%の太陽光強度を受け、2.88Wの光エネルギーを受けている。2次直流電源は、セルに並列に接続され、2Vの固定電圧(Vdc)を有する。これらの陰の条件において、0.432Wの直流が、二次直流電源(0.216Aの直流で2V)から受動的に引き出される。太陽電池の陰の領域は、入射太陽光から0.648Wのエネルギーを生成し、これは、太陽電池からの全体出力を5.4Wに維持するため、直流電源から引き出された0.432Wにより、補完される。
【0040】
図5aおよび
図5bには、完全な日射(
図5a)および部分的に陰がかかった状態(
図5b)における、単セルにおける発電に対する影響を示す。ここでは、MPPTが使用される。
図4aの例と同様、完全な照射では、30Wの太陽光エネルギーがセル510に入射され、セル510は、2Vおよび3.4Aの直流で、5.4WDCのエネルギー出力を生成する。
図5bには、部分的に影がかかったセル520を示す。この例では、セル510は、80%が太陽光により照射され、24Wの光エネルギーを受け、20%の陰の部分520は、60%の太陽光強度を受け、2.88Wの光エネルギーを受けている。陰のため、セル510の出力電力が低下し、MPPTは、抽出電力を最大化するため、セルの見かけの負荷を操作する。しかしながら、この例では、1.2Vおよび1.62Aの直流で、1.944WDCしか達成できない。セルの陰部分の影響により、セルの残りの部分の特性も影響を受けている。
【0041】
通常、太陽電池は、アレイ内で直列に接続される。単セルからのエネルギー生成を低下させる光の減少は、セルのアレイ全体の作動に影響を及ぼし得る。同様に、アレイにおいて接続された太陽電池のパネル(しばしばストリングと呼ばれる)に関し、一つのパネルの特性低下は、アレイ内の他のパネルから生じるエネルギーに影響を及ぼし得る。
【0042】
通常のパネルは、鋭い電圧対電流曲線でエネルギーを生成し、これには、絶えず変化する最大電力点を見出し、パネル上で利用可能な光により、可能な最大エネルギーを抽出するため、共通のMPPT法が必要となる。パネルがMPPの外側にある場合、セル電圧が衰弱し、電力が減衰し、エネルギーの生成が停止される。一つのセルは、それが一つのパネル内のセルであるか、パネルのストリングであるかによらず、直列に配線された全てのセルに影響を及ぼす。この例は、
図6aおよび
図6bに示されている。図には、完全な日射(
図6a)と部分的な陰(
図6b)における、直列接続された太陽電池のアレイの発電に及ぼす影響が示されている。MPPTが使用される。
図6aには、完全な日射における太陽電池610のストリングを示す。各セル610は、21.6Wのストリングから全出力用に、5.4WCDエネルギー(2Vおよび2.7A直流)を生成する。
図6bには、同じストリングを示すが、ここでは、一つのセル620に部分的に(50%)陰630がかかっており、残りのセル640には、完全な日射が維持されている。この例では、陰になっているセルから出力される電力が低下し、これに対応して作動電圧が低下する。MPPTシステムは、作動電圧をアレイのVmp、またはその近傍に戻すことを目的として、アレイストリング上の見かけの負荷を低減するように作動する。この制御は、V/I曲線に基づいてアレイから引き出される最大電力に基づく。従って、電圧の上昇に伴い、(負荷低減のため)電流が低下し、陰になったセル620は、2Vおよび1.35Aの直流で2.7WDCを生成する。負荷の低減のため、ストリング全体の作動は、陰になったセル620の作動により制限される。従って、ストリングの各セルから引き出される電力は、陰がかかったセル620により、1.35で2Vに制限される。また、セルのV/I特性により、残りの陰のないセル640では、10.8Wのストリングから、全出力に対して、わずか2.7WDC(2V、1.35A)しか生成されない。従って、汚れまたはデブリ(例えば、葉、鳥の糞、ゴミ、塵など)による単セルの陰、あるいは(例えばアンテナからの)僅かな陰影により、ストリング全体の出力が損なわれる可能性がある。
【0043】
本システムの実施形態では、陰から失われた電力と等価な電力に近い電力を注入することにより、電圧の衰弱が抑制される。例えば、太陽電池は、セルを覆う陰を有し、陰の20wが生じ、損失電力と同等量の電力を注入することにより、セルの残りの部分は、影響を受けずに作動する。次に、陰で覆われていないセルは、未影響の電力を連続的に生成し続けることができる。
図6aおよび6bと同じストリングおよび陰の例を用いた一例が、
図7aに示されている。同様に、この実施例では、完全な日射の間、21.6Wのストリングからの全出力の場合、アレイのセル710の全てにより、(2Vおよび2.7A直流で)5.4WのCDエネルギーが生じる。
図7bには、同じストリングを示すが、ここでは、一つのセル720には、部分的(50%)に陰730がかかっており、残りのセル740は、完全な日射のままである。この例では、二次直流電源により、2.7W(2V、1.35A)の電力が注入され、陰のかかったセルにおいてVmpが維持され(MPPTで行われるように、アレイに対する負荷を軽減することなく)、陰のかかったセルは、2.7W(2V、1.35A)を生成し、2Vおよび2.7Aにおいて5.4Wのセル720から、組み合わされた出力が提供される。これにより、ストリングの残りのセルは、インバータに対する全電力出力21.6Wに対して、5.4W(2Vおよび2.7A直流)での作動を維持することができる。インバータへの電力出力は、総電力であることが理解される必要がある。これを実現するため、システムは、二次直流電源から一部のエネルギーを消費しており、正味の発電量全体は、二次電源により注入される電力を差し引いたものとなる。しかしながら、陰がかかっていないセル740において、最大効率での作動が継続するという事実のため、正味の発電量(21.6W−2.7W=18.9W)は、依然、MPPTを用いて同じシナリオで達成され得る出力を超える。
【0044】
太陽電池は、二次電源が適切なVmpを維持する場合、低〜中レベルの光の間、より多くのエネルギーを変換することができる。Vmpが維持されるため、ソーラーパネルに陰がかかっている場合、ストリング内の残りのパネルに対する影響は、最小限に抑制され、ストリング上の残りのパネルは、影響を受けずに作動し続けることができる。
【0045】
電圧を注入することによる追加の特徴は、セルの電圧が第2の直流源により管理されるため、直列ストリングにおける異なる配向に面する太陽電池が、その時間/配向の間、完全能力で作動することである。これにより、ソーラー最適化手段を必要とせずに、またはさらなる1ステップを必要とせずに、ソーラー設計に柔軟性を持たせることができ、全ての太陽電池がその個々の最適電位で作動するため、太陽電池/ソーラーパネルは、曲面を有することが可能となる。
【0046】
本願に記載のシステムは、電圧注入技術法(ViT)と称することができ、ViTは、太陽電池からのエネルギー抽出の異なる視野となる。これは、所与の環境に対する最適作動電圧(Vmp)の温度係数と組み合わされ、製造者から指定された、最適電圧の知識を有する。第2の直流源(ViT)は、太陽電池と並列に接続され、対象物に計算された電圧が注入され、太陽電池は、各種所与の光条件に対して、最大特性で作動し、一定の電圧の維持が確保され、MPPT法と同様、太陽電池上の光の強度により、電圧が昇降する。
【0047】
ViTにより、太陽電池の電圧が一定に保たれることが確実となり、負荷や光の状態に関わらず、電池の最適な作動条件が得られる。
【0048】
ViTは、陰/非最適な配向により生じた、直列のストリングに損失電力を注入/置換し、陰のない/最適な太陽電池が影響を受けずに作動することが確保される一方、陰がかかった/非最適な太陽電池は、依然、所与の利用可能な光により、それらの最良の機能で作動する。
【0049】
あるPVパネルでは、各パネルにおいて、遮断ダイオードまたはバイパスダイオードが導入され、重厚な陰になったソーラーパネルを介した電流の流れが支援される。ViTを用いた場合、遮断ダイオードは、除去されてもよい。また、改善された特性が得られ得る。
【0050】
第2の直流電源は、バッテリユニット、直流発電機、または接続された直流電源の主電源であってもよい。ある実施形態では、二次直流電源が別のPV電源であり、または他の再生可能エネルギー電源システムであってもよい。
【0051】
Vitシステムの実施形態の別の利点は、低レベルの光条件において、エネルギーが吸収されるという有意点である。これは、第2の直流電源が電圧を管理することによるものであり、通常の作動条件では、第2の直流電源を提供することにより、電圧が減衰するのに対して、太陽電池電圧は減衰せず、太陽電池は、最適な窓の外部に電圧が低下した場合よりも効率的に作動し続ける。
【0052】
第2の直流入力が一次ソーラー入力に続き、従って、太陽電池にとっては有益ではないが、第2の電源がエネルギー貯蔵源(電池)または発電器からの場合、連続的な電力生成のインバータは有益であることが認められている。これは、例えば夜間における、直流電源のみからの電源への円滑な移行に対しても、有意である。
図8には、システムの一例が示されており、この実施形態では、直流電源820は、インバータ830からの電力出力を記憶するバッテリ貯蔵バンクであり、これは、例えば日中において、局地的電力使用(例えば、家庭または工場)の要求、または電力グリッド入力の要求を上回り、ソーラーアレイ810は、完全な日射下、または二次直流電源から電力が抽出されていない(またはほとんど抽出されていない)状況で、作動する。例えば夕暮れ時に、入射太陽エネルギーが低下すると、直流電源820は、アレイにエネルギーを供給し、Vmpが維持され、インバータ830に対する一定の出力が維持される。従って、夜間への自然な遷移の結果、電池貯蔵820から供給されるインバータに対する電力への自然な移行が生じる。この配置の利点は、直流切り換えが回避されることである。さらに、夜明けに、太陽光が太陽アレイ810に入射すると、逆の遷移が生じ、ソーラーアレイ810からの電力発生が上昇し、バッテリ貯蔵から引き出される電力が低下する。これにより、優先的なまたは排他的な、ソーラー供給と電池電力供給との間において、スムーズで継ぎ目のない移行が可能になる。
【0053】
(比較例)
図9aおよび
図9bには、完全な日射下(
図9a)、および陰がかかった条件下(
図9b)における、MPPTを用いた従来のPV発電システムの作動の例を示す。
【0054】
図9aに示すように、アレイ910は、完全な日射下においてVmpで作動し、MPPT930は、可変の見かけの負荷(R=Rm)を調整し、アレイから最大電力を引き出す。電力出力(Pout)940は、MPPにおけるものであり、その結果、インバータ920からXW電力出力950が得られる。
【0055】
図9bに示すように、PVアレイ910に部分的に陰915がかかっている場合、陰のかかった領域における電圧Vs970は、最初低下し、MPPT930は、見かけの負荷Rを調整し、これをRsまで低下させ、アレイの電圧をVmp(V?)、またはその近傍まで戻す。アレイ全体から電力960に減少が生じ、インバータ980YWからの出力が低下する。ここで、Y<Xである。
【0056】
図10aおよび10bには、完全な日射下(
図10a)および陰がかかった条件下(
図10b)におけるシステムの実施形態の作動の例を示す。完全な日射下(
図10)では、PVアレイ1010は、Vmpで作動し、最大電力を生成する。二次直流電源1020の電圧出力は、現在の作動温度で、アレイに対してVmpに設定される。アレイからの出力は、最大電力点MPPである。インバータ1030からXW出力が生じる。
図10bには、陰がかかった条件を示す。この場合、Zワットでの電力は、直流電源1020から、ソーラーアレイに抽出され、PVアレイ1010においてVmpが維持される。従って、インバータ1030に対して最大電力入力が維持され、Xワットの電力の出力が継続される。正味の発生電力は、X−Zワットである。
【0057】
例えば、5×300Wの太陽電池モジュールを有するMpptシステムは、1000Wを生成する。物体が一つのパネルの30%を覆った場合、パネルは、I−V曲線が衰弱し、陰のため、電圧が大きく低下し、パネル特性は、約70%だけ低下する。これにより、引き続き、ストリング内の他の全てのパネルが陰のかかったパネルと同じ特性に制限され、全体のアレイ出力は、300Wとなる。5×300Wの太陽電池モジュールを有するViTシステムの場合、1000Wが生成される。物体が一つのパネルの30%を覆った場合、ViTは、適正な作動電圧を維持し、75Wが注入され、これにより、30%の陰により損失したエネルギーが直接戻される。ソーラーアレイは、機器に1000Wを供給する一方、ViTにより75Wが注入され、925Wの正味ワットが生じる。
【0058】
ViTの有意点は、単セルレベルにまで利点が提供され、注入エネルギーが正味のエネルギーゲインと等しくなるまで、エネルギー生成における正味のゲインが全体に生じることであることがわかった。エネルギーの中立点が得られた後、太陽電池は、正味のゲインが低下するまで作動し続けた。この時点でのViTエネルギーは、太陽エネルギーよりも大きく、従って、ViTエネルギーが電池のようなエネルギー貯蔵源からのエネルギーとならない限り、あまり大きな利点は得られない。
【0059】
(異なる試験条件においてMpptとViTを比較したプロトタイプ試験結果の例)
(試験1)
一つのMpptに直列に接続された6×300Wモジュールを有するMpptインバータ(合計1800W)
全てのパネルは、太陽に向かって北に配向され、インバータの全電力は、1500Wである。
・ストリングにおける一つのソーラーパネルには、完全に陰がかかっており、総電力は、80Wまで低下
・ストリングにおける一つのソーラーパネルには、部分的に陰がかかっており、インバータからの総電力は、150Wまで低下
・一つのパネルを東に配向させる。全てのパネルは、東に配向された電力の電力レベルにまで低下し、インバータの全電力は、420W
・一つのパネルを西に配向させる。全てのパネルは、西に配向された電力の電力レベルにまで低下し、インバータでの全電力は、560W。
【0060】
(試験2)
Mpptに直列に接続された6×300Wモジュールを有するViTインバータ。ViTは、インバータに接続される。全てのパネルは、太陽に向かって北に配向され、全電力は、1500Wである。
・ストリングにおける一つのソーラーパネルには、完全に陰がかかっているが、インバータの総電力は、1500Wに維持され、ViTの250Wの注入の結果、正味の電力生成は1250W
・一つのソーラーパネルには、部分的に陰がかかっているが、インバータでの総電力は、1500Wに維持され、ViTの75Wの注入の結果、正味の電力生成は1425W
・一つのパネルを東に配向させる。インバータの全電力は、1500Wであり、ViTの125Wの注入により、正味の電力生成は1375W
・一つのパネルを西に配向させる。インバータの全電力は、1500Wであり、ViTの100Wの注入により、正味の電力生成は1400W。
【0061】
前述の実施形態および実施例では、PVアレイからの電力は、インバータに出力されるが、これは、システムの単なる一適用例に過ぎない。出力は、直流電力を受け取るように構成された、任意の負荷に対して行われてもよい。例えば、負荷は、電気モータ、バッテリ貯蔵、直流交流電力変換システムなどであってもよい。システムは、任意の直流電源用途に適用可能である。
【0062】
明示的な文言または必要な暗示のため、文脈上別異の解釈を要する場合を除き、特許請求の範囲および前述の本発明の記載において、「comprise」と言う用語、または「comprises」もしくは「comprising」のような変化形は、包括的な意味で使用され、すなわち、記載された特徴の存在を特定するためのものであって、本発明の各種実施形態における別の特徴の存在または追加を排除するものではない。
【0063】
本願において、任意の先行技術の刊行物が言及されている場合、そのような言及は、当該刊行物が、オーストラリアまたはその他の国における共通の一般的技術の一部を構成することを認定するものではないことが理解される。
【手続補正書】
【提出日】2020年7月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光起電力発電システムであって、
太陽放射からの一次エネルギー入力を受けるように構成された、少なくとも一つの太陽電池と、
該少なくとも一つの太陽電池に並列に接続された二次直流エネルギー入力と、
を有し、
前記二次直流エネルギー入力は、一定の電圧で電力を出力するように構成され、前記一定の電圧は、前記少なくとも一つの太陽電池の指定された電圧最大電力(Vmp)定格と整合するように選定され、
これにより、前記少なくとも一つのソーラーアレイは、前記二次直流エネルギー入力から電力を引き出し、前記少なくとも一つの太陽電池の作動電圧をVmpに維持できる、光起電力発電システム。
【請求項2】
前記二次直流エネルギー入力電圧は、一定である、請求項1に記載の光起電力発電システム。
【請求項3】
前記二次直流エネルギー入力電圧は、前記少なくとも一つの太陽電池の最大作動温度において、前記少なくとも一つの太陽電池の指定されたVmpと整合するように選定される、請求項2に記載の光起電力発電システム。
【請求項4】
前記二次直流エネルギー入力電圧は、可変であり、前記指定された電圧最大値は、前記少なくとも一つの太陽電池の現在の作動温度において、前記少なくとも一つの太陽電池の指定されたVmpと整合するように制御される、請求項1に記載の光起電力発電システム。
【請求項5】
さらに、少なくとも一つの太陽電池の現在の作動温度を検知するように構成された、少なくとも一つの温度センサを有する、請求項4に記載の光起電力発電システム。
【請求項6】
さらに、前記現在の作動温度を受信するように構成された制御器を有し、該制御器は、前記現在の温度の前記Vmpに基づいて、前記二次直流エネルギー入力電圧を自動で調整する、請求項5に記載の光起電力発電システム。
【請求項7】
低光条件の間、負荷が印加されると、
前記太陽電池は、前記二次直流電力から電力を抽出し、最適電圧が維持され、前記二次電源を有さない前記太陽電池と比べて、光の電気的変換が改善され、前記最適電圧が維持され、
これにより、負荷要求に合致した改善された電力出力が得られる、請求項1に記載の光起電力発電システム。
【請求項8】
前記二次電源の電圧は、完全な日射(full light)の条件下では、前記二次電力入力から電力が引き出されないように設定される、請求項1に記載の光起電力発電システム。
【請求項9】
前記少なくとも一つの太陽電池は、直列構成に接続された、太陽電池のアレイを有し、
前記アレイが前記二次電源を使用せずに作動される場合、陰がかかった太陽電池により、前記直列構成内の完全な日射における全ての他の太陽電池は、前記陰のかかった太陽電池と同様の出力にまで、エネルギー生成が低下し、
前記二次直流エネルギー入力は、前記アレイの電圧をVmpに維持し、
前記アレイにおける1または2以上の太陽電池に陰がかかった際に、日射を受ける残りの太陽電池/パネルは、前記陰がかかった太陽電池により影響を受けず、完全な作動が維持される、請求項1に記載の光起電力発電システム。
【請求項10】
前記二次電力入力は、直流電力に変換される主交流電力、電池、または直流エネルギーを供給できる他の同様の電源の入力である、請求項1に記載の光起電力発電システム。
【手続補正書】
【提出日】2021年5月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光起電力発電システムであって、
太陽放射からの一次エネルギー入力を受けるように構成された、少なくとも一つの太陽電池と、
該少なくとも一つの太陽電池に並列に接続された二次直流エネルギー入力と、
を有し、
前記二次直流エネルギー入力は、設定された電圧で電力を出力するように構成され、前記設定された電圧は、前記少なくとも一つの太陽電池の指定された電圧最大電力(Vmp)定格と整合するように選定され、
これにより、前記少なくとも一つの太陽電池は、前記二次直流エネルギー入力から電力を引き出し、前記少なくとも一つの太陽電池の作動電圧をVmpに維持できる、光起電力発電システム。
【請求項2】
前記二次直流エネルギー入力の出力電力は、その電圧である、請求項1に記載の光起電力発電システム。
【請求項3】
前記少なくとも一つの太陽電池は、前記二次直流エネルギー入力から電圧を抽出する、請求項1に記載の光起電力発電システム。
【請求項4】
前記二次直流エネルギー入力電圧は、一定である、請求項1に記載の光起電力発電システム。
【請求項5】
前記二次直流エネルギー入力電圧は、前記少なくとも一つの太陽電池の最大作動温度において、前記少なくとも一つの太陽電池の指定されたVmpと整合するように選定される、請求項4に記載の光起電力発電システム。
【請求項6】
前記二次直流エネルギー入力電圧は、可変であり、前記指定された電圧最大値は、前記少なくとも一つの太陽電池の現在の作動温度において、前記少なくとも一つの太陽電池の指定されたVmpと整合するように制御される、請求項1に記載の光起電力発電システム。
【請求項7】
さらに、少なくとも一つの太陽電池の現在の作動温度を検知するように構成された、少なくとも一つの温度センサを有する、請求項6に記載の光起電力発電システム。
【請求項8】
さらに、前記現在の作動温度を受信するように構成された制御器を有し、該制御器は、前記現在の温度の前記Vmpに基づいて、前記二次直流エネルギー入力電圧を自動で調整する、請求項7に記載の光起電力発電システム。
【請求項9】
低光条件の間、負荷が印加された際に、
前記太陽電池の最適電圧は、前記二次直流エネルギー入力により維持され、前記二次直流エネルギー入力を有さない前記太陽電池と比べて、電力変換が改善され、
これにより、負荷要求に合致した改善された電力出力が得られる、請求項1に記載の光起電力発電システム。
【請求項10】
前記二次直流エネルギー入力の電圧は、完全な日射(full light)の条件下では、前記二次直流エネルギー入力から電力が引き出されないように設定される、請求項1に記載の光起電力発電システム。
【請求項11】
前記少なくとも一つの太陽電池は、直列構成に接続された、太陽電池のアレイを有し、
前記アレイが前記二次直流エネルギー入力を使用せずに作動される場合、陰がかかった太陽電池により、前記直列構成内の完全な日射における全ての他の太陽電池は、前記陰のかかった太陽電池と同様の出力にまで、エネルギー生成が低下し、
前記二次直流エネルギー入力は、前記アレイの電圧をVmpに維持し、
前記アレイにおける1または2以上の太陽電池に陰がかかった際に、日射を受ける残りの太陽電池/パネルは、前記陰がかかった太陽電池により影響を受けず、完全な作動が維持される、請求項1に記載の光起電力発電システム。
【請求項12】
前記二次直流エネルギー入力は、直流電源である、請求項1に記載の光起電力発電システム。
【請求項13】
前記二次直流エネルギー入力は、直流電力に変換される主交流電力、電池、または直流エネルギーを供給できる他の同様の電源の入力である、請求項1に記載の光起電力発電システム。
【請求項14】
光起電力電源システムであって、
太陽照射からの一次エネルギー入力を受けるように構成された、少なくとも一つの太陽電池と、
該少なくとも一つの太陽電池に並列に接続された二次直流エネルギー入力と、
を有し、
前記少なくとも一つの太陽電池および前記二次直流エネルギー入力の双方から、負荷に電力が供給され、
前記二次直流エネルギー入力は、設定された電圧で電力を出力するように構成され、
前記設定された電圧は、前記少なくとも一つの太陽電池の指定された電圧最大電力(Vmp)定格と整合するように選定され、
これにより、前記少なくとも一つの太陽電池は、前記二次直流エネルギー入力を利用して、前記少なくとも一つの太陽電池の作動電圧をVmpに維持できる、光起電力発電システム。
【請求項15】
前記二次直流エネルギー入力から当該システムへの電力入力が前記太陽電池により生成される電力を超える、低光条件または陰がかかった条件では、当該システムは、前記二次直流エネルギー入力のみによる前記負荷への電力供給に移行する、請求項14に記載の光起電力発電システム。
【請求項16】
前記二次直流エネルギー入力の前記出力電力は、その電圧である、請求項14に記載の光起電力発電システム。
【請求項17】
前記少なくとも一つの太陽電池は、前記二次直流エネルギー入力から電圧を抽出する、請求項14に記載の光起電力発電システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の技術分野は、光起電力(PV)パネルから電気エネルギーを回収することである。実施形態の適用は、例えば、曇りまたは陰がかかった条件における、最適な作動条件から外れて作動するPVパネルからのエネルギー出力の改善に関する。
【背景技術】
【0002】
光起電力(PV)パネルは、電気的に結合されたPVセルのアレイ(太陽電池とも称される)を有し、太陽エネルギーから直流電源が生成される。全ての光起電力ソーラーパネルの問題は、太陽電池の作動条件であり、利用可能な光およびパネル/太陽電池に印加される負荷の量によって絶えず変化する、極めて急峻なIV曲線(電圧と電流の間の関係)が生じる。従って、電流は、ある程度安定しても、電圧は、セル上の利用可能な光とともに変動する。光の増加、従って出力電圧の増加とともに、ソーラーパネルにより供給される負荷は、それに応じて上昇され得る。しかしながら、瞬間的に過大な負荷が印加されると、電圧は衰弱し、その結果、IV曲線も悪化し、光エネルギーを電気に変換する太陽電池の能力は、著しく低下する。従って、太陽電池パネルからのエネルギー抽出を管理し、太陽電池が非効率的に作動する環境を最小限に抑制することが必要である。
【0003】
PVセルからのエネルギー抽出を管理する最も一般的な形態は、MPPT(最大電力点追跡)と呼ばれる。最大電力点追跡(MPPT)、または時折、電力点追跡(PPT)として知られる技術は、風力タービンおよび光起電力(PV)ソーラーシステムでは広く使用されており、全ての条件下で電力抽出を最大化できる。この原理は、主に太陽光発電に適用されるが、一般に、可変出力を有する電源、例えば、光パワー伝送および熱光起電力、に適用される。MPPT法は、最大電圧/電流点が衰弱する前に、太陽電池/パネルから抽出される最大負荷を絶えず調整することによる方法である。
【0004】
PV太陽光システムは、インバータシステム、外部グリッド、バッテリバンク、または他の電気負荷との関係に関し、多くの異なる構成で存在するが、太陽光発電の最終目標とは無関係であり、MPPTにより対処される中心的な問題は、太陽電池からの電力伝達の効率が、太陽電池パネル/セルに降る注ぐ日射の量および負荷の電気的特性の両方に依存することである。太陽光日射の量が変化すると、最大の電力伝達効率を提供する負荷特性が変化するため、システムの効率は、負荷特性が変化し、電力伝達が最大効率に維持された際に最適化される。この負荷特性は、最大電力点(MPP)と呼ばれ、MPPTは、この点を見つけ、負荷特性をそこに維持するプロセスである。電気回路は、現在の状態に対してMPPを維持することを目的として、光起電力セルに任意の負荷を提供し、その後、電圧、電流、もしくは周波数を、他の装置またはシステムに適するように変換するように設計される。MPPTは、使用可能な電力を取り出すため、セルに提供される最良の負荷を選択するという問題を解決する。
【0005】
典型的にMPPT装置は、電力変換器システムに統合され、この電力変換器システムは、電圧または電流の変換、フィルタリング、および各種外部負荷を駆動または供給するための調整を提供する。これには、例えば、電力グリッド、バッテリまたはモータが含まれる。ソーラーインバータは、直流電力を交流電力に変換し、MPPTを導入することができる。そのようなインバータは、ソーラーモジュールから出力電力(I-V曲線)をサンプリングし、最大電力を得るため適切な抵抗(負荷)を印加する。MPPでの電力(Pmpp)は、電圧(Vmpp)とMPP電流(Impp)の積である。
【0006】
ある企業は現在、個々のモジュールに最大電力点追跡装置を設置し、最適化装置の使用により、不均一な陰影、汚れ、または電気的不整合においても、各々がピーク効率で作動できる。最適化装置は、限定された範囲のブースト/バック機能を有し、限られた制御作動窓において、MPPTを支援する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
現在のところ、MPPT法を強化しIVピークを配置する他の変動アルゴリズムが存在するが、全ての現在の方法の基本は、主として、最大電圧/電流点が衰弱する前に、太陽電池/パネルから抽出される最大負荷を絶えず調整することに依存する、MPPT法に基づく。光が増加すると、作動電圧は、開回路電圧の最大レベルにまで上昇する一方、光が減少すると、作動電圧は低下する。この低下は、午前/午後/雲/陰影の状態により引き起こされ、あるいは単に、パネルが太陽に対して垂直ではないような入射角により生じる。現在のMPPT法では、最適作動電圧対電流点が確実に得られるように、負荷を低減させたり、増加させたりする必要がある。
【0008】
この負荷点は、絶えず変化し、最適セル特性負荷点とは必ずしも一致せず、セルは、その設計されたVmp(電圧最大電力定格)の外部で作動される。
【0009】
再生可能エネルギー源の利用増加に対する要望の高まりとともに、代替システムに対する継続的な要望がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
ある態様では、本発明により、出力電圧が最適なパネル/太陽電池電圧と等しい電源を有する、太陽エネルギー抽出システムが提供される。これは、太陽電池の単セルであっても、最適な一定の最小電圧をソーラーアレイに供給するソーラーパネルのストリングであってもよい。
【0011】
ある態様では、光起電力発電システムであって、
太陽放射からの一次エネルギー入力を受けるように構成された、少なくとも一つの太陽電池と、
該少なくとも一つの太陽電池に並列に接続された二次直流エネルギー入力と、
を有し、
前記二次直流エネルギー入力は、
設定された電圧で電力を出力するように構成され、前記
設定された電圧は、前記少なくとも一つの太陽電池の指定された電圧最大電力(Vmp)定格と整合するように選定され、
これにより、前記少なくとも一つのソーラーアレイは、前記二次直流エネルギー入力から電力を引き出し、前記少なくとも一つの太陽電池の作動電圧をVmpに維持できる、光起電力発電システムが提供される。
【0012】
前記二次直流エネルギー入力の出力電力は、その電圧である。
【0013】
ある実施形態では、前記二次直流エネルギー入力電圧は、一定である。そのような実施形態の一例では、前記二次直流エネルギー入力電圧は、前記少なくとも一つの太陽電池の最大作動温度において、前記少なくとも一つの太陽電池の指定されたVmpと整合するように選定される。
【0014】
ある別の実施形態では、前記二次直流エネルギー入力電圧は、可変であり、前記指定された電圧最大値は、前記少なくとも一つの太陽電池の現在の作動温度において、前記少なくとも一つの太陽電池の指定されたVmpと整合するように制御される。そのような実施形態は、少なくとも一つの温度センサであってもよく、これは、少なくとも一つの太陽電池の現在の作動温度を検知するように構成される。実施形態は、さらに、前記現在の作動温度を受信するように構成された制御器を有し、該制御器は、前記現在の温度の前記Vmpに基づいて、前記二次直流エネルギー入力電圧を自動で調整してもよい。
【0015】
ある実施形態では、負荷が印加され、減少した光条件の間、前記二次電力入力により、前記太陽電池の作動電圧が維持される場合、前記太陽電池は、前記二次電源を有さない前記太陽電池と比べて、電気的変換に対する光のより高いレベルを有し、最適電圧が維持される。
【0016】
ある実施形態では、完全な日射(full light)の条件下では、前記二次電力入力から電力が引き出されない。
【0017】
ある実施形態では、前記太陽電池は、通常、直列構成に接続され、陰がかかった太陽電池により、完全な日射における前記直列構成の全ての他の太陽電池は、前記陰のかかった太陽電池と同様の出力にまで、エネルギー生成が低下し、
ソーラーパネルは、バイパスダイオードを有し、前記ソーラーパネルが陰になり、前記電圧が特定のレベルに低下した場合、前記エネルギーは、前記ソーラーパネルをバイパスし、前記直列ストリングにおける損失を最小限に抑制し、
二次電源により前記ストリング電圧を維持するこの新たな方法が利用され、
太陽電池/パネルに陰がかかった場合、日射を受ける残りの太陽電池/パネルは、前記二次電源により維持されたVmpのため、前記陰がかかった太陽電池により影響を受けず、完全な作動が維持され、
当該シスエムの損失は、前記陰がかかった太陽電池/パネルのもののみとなる。
【0018】
ある実施形態では、前記二次電力入力は、直流電力に変換される主交流電力、電池、または直流エネルギーを供給できる他の同様の電源の入力である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】システムの実施形態の単純化されたブロック図である。
【
図2】システムの別の実施形態の単純化されたブロック図である。
【
図3】太陽電池またはアレイの温度に対する電圧設定点(Vsp)の変化を示したグラフである。
【
図4a】システムの一実施形態による二次直流電源が提供された、完全な日射下における単一セルにおける発電への影響を示した図である。
【
図4b】システムの一実施形態による二次直流電源が提供された、部分的に影がかかった状態における単一セルにおける発電への影響を示した図である。
【
図5a】MPPTを使用した際の、完全な日射下における単一セルにおける発電への影響を示した図である。
【
図5b】MPPTを使用した際の、部分的に影がかかった状態における単一セルにおける発電への影響を示した図である。
【
図6a】MPPTを使用した際の、完全な日射下における直列に接続された太陽電池のアレイにおける発電への影響を示した図である。
【
図6b】MPPTを使用した際の、部分的に影がかかった状態における直列に接続された太陽電池のアレイにおける発電への影響を示した図である。
【
図7a】システムの一実施形態による、二次直流電源が提供された、完全な日射下における直列に接続された太陽電池のアレイにおける発電への影響を示した図である。
【
図7b】システムの一実施形態による、二次直流電源が提供された、部分的に影がかかった状態における直列に接続された太陽電池のアレイにおける発電への影響を示した図である。
【
図9a】完全な日射下において、MPPTを使用した従来のPV発電システムの作動例を示した図である。
【
図9b】部分的に影がかかった状態において、MPPTを使用した従来のPV発電システムの作動例を示した図である。
【
図10a】完全な日射下における、システムの実施形態の作動の例を示した図である。
【
図10b】部分的に影がかかった状態における、システムの実施形態の作動の例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本願では、少なくとも一つの太陽電池と、該少なくとも1つの太陽電池に接続された二次直流電源とを有する光起電システムの各種実施形態が記載される。二次電源は、光起電力セルに電力を入力して、太陽電池の最適電圧作動レベルまたはその近傍で、太陽電池の動作を維持するように構成される。
【0021】
開示のシステムの実施形態では、太陽電池から最適な性能を得るため、太陽電池が各種光および負荷条件からの昇降の結果から電圧を決定する代わりに、太陽電池の最適電圧作動レベルを得ることを目的として、第2の電源を用いて太陽電池(または太陽電池のアレイ)の作動電圧が人工的に制御される。
【0022】
太陽電池は、設計されたVmp(電圧最大電力定格)で作動する際に、最適に動作する。Vmpで作動されると、電池は、最大の効率で太陽エネルギーの光子を電気に変換する。従って、Vmpで作動される場合、太陽電池の最適な性能、および最大の電力出力が達成される。同様に、直列に接続されたセルのアレイも、アレイに対するVmpを有し、例えば、ソーラーパネルは、Vmpを有する。アレイVmpは、アレイ内の個々のセルのVmpに基づき、これは、アレイ内の全てのセルがそれらの個々のVmpまたはその近傍で作動する、アレイのVmpを反映する。最適な太陽エネルギー変換特性、従って、個々のセルまたはセルのアレイの最大電力出力は、Vmpで作動する場合に達成される。Vmpは、物理的特性に基づく太陽電池、またはアレイの固有の特性である。典型的には、セルまたはアレイ(パネル)のVmpは、太陽電池またはアレイの製造者により伝達される。Vmpは、作動温度に影響され得るため、通常、Vmpの熱係数も、製造者により提供される。ソーラーパネルおよびアレイのこれらの固有の特性は、試験を通じて製造者により特徴付けられる。
【0023】
前述のように、太陽電池またはアレイの最適効率は、Vmpで作動する際に達成される。これは、実際には、作動条件が良好で、日射が強く、陰がないときに得られる。この場合、個々の太陽電池は、十分な太陽エネルギーを受け、Vmpでの作動が達成され、維持される。ただし、実際の条件は、しばしば、最適ではなく、時刻、雲、樹木からの陰により、アレイパネルに入射する太陽光が減少する。これは、少なくともいくつかのセルにおいては、Vmpを達成するにはエネルギーが不十分であることを意味する。セルが直列に接続されるPVアレイでは(スティングとも呼ばれる)、アレイの全体的な作動電圧は、最も特性の低いのセルの作動電圧に制限される。従って、アレイが部分的に陰を受け、またはパネルの表面のダストもしくはデブリにより、いくつかのセル作動があまり効率的に作動されない状況では、全体の作動電圧が低下し、さらには陰になっていないセルに対しても、それらの作動電圧は低下し、従って、変換効率が低下する。
【0024】
最適な太陽電池特性を得るため、太陽電池の最適なVmpは、負荷の変化、および日中を通して変化する太陽露出とは無関係に、維持される必要がある。光条件が変化しても、太陽電池のVmpが維持される場合、これは、太陽電池の製造者により設計された最適なレベルで作動する。
【0025】
本システムの実施形態では、PVパネル/アレイに対する二次入力を確実に行うプラットフォームが提供される。これにより、PVアレイが、PVパネル/太陽電池製造者により設定された最適出力条件内で作動することが確実となる。
【0026】
実施形態では、PVアレイに接続された二次直流電源が提供され、電力
/電圧をPVアレイ(またはセル)に注入することで、アレイのセルによって生じる電力が補完され、Vmp、またはVmpに近い値が維持され、従って、太陽電池は、その最大変換効率またはその近傍で作動できる。
【0027】
図1には、システム100の実施形態の高レベルブロック図を示す。第1の入力は、光により生じる、太陽電池110からのエネルギーであり、一方、第2の入力は、組み合わされた太陽電池の最適電圧を生じる電圧を有する直流電源120である。システム100から生じた電力は、負荷130により消費される。負荷130は、例えば、太陽光発電システム100からの直流出力電力を、地域使用または電力グリッドへの供給のための交流電源に変換するインバータであってもよい。あるいは、負荷130は、生成された直流電力の直接消費側、例えば直流モータであってもよい。
【0028】
太陽電池またはアレイ110は、任意の従来の太陽電池またはソーラーPVパネルであってもよい。二次直流電源120は、負荷への出力に、太陽電池またはアレイと並列に接続140される。直流電源電圧は、太陽電池またはアレイに整合されたVmpである。ダイオード145により、二次直流電源から太陽電池またはアレイ110への、1ワットの電源が確保される。しかしながら、接続140により、電流を、二次直流電源から太陽電池またはアレイに引き込むことが可能となる。あるいは、換言すれば、太陽電池またはアレイの出力には、ブロッキングダイオードはなく、
損傷が生じないような太陽電池の設計が可能な場合、潜在的に、ソーラーアレイの出力において、電子は、両方向に自由に流れることができる。この構成の効果は、太陽電池(またはアレイのセル)が、少ない光を受けまたは陰になっている状況下において、セルがVmpを維持する上で不十分な電子を変換し、電流が直流電源から引き出され、太陽電池またはアレイのセルに電子が供給され、Vmpでの作動が維持されることである。この効果は、太陽エネルギーが最大効率で利用可能となるように、セルが変換し続けることである。従って、太陽電池またはアレイにより消費される(二次直流電源からの)ある外部電力が存在する場合でも、アレイの最適変換効率を維持することにより、出力電力において正味のゲインが存在する。
太陽電池構造が二次電源からの反転電流による損傷を受け得る場合、二次電源により、電圧のみが太陽電池に供給され、太陽電池の電力変換が改善されてもよい。
【0029】
太陽電池は、小さな電圧窓内で最大電力を生成するように設計される。太陽電池がこの小さな窓の外で作動した場合、光から電子エネルギーへの変換が大きく減少する。
【0030】
第2の電源120により、太陽電池110は、全ての光/負荷条件下で、この窓内で常に作動されるようになる。第2の電源120は、主電源、バッテリ、発電機、または任意の他の直流電源であり得る、直流電源であってもよい。第2の電源電圧は、太陽電池/アレイの正確なVm作動窓に調整される。典型的には、製造者により、アレイの導入用の通常の作動温度に対し、Vmpが指定される。
【0031】
システムの動作は、本質的にパッシブであり、二次直流電源からの電力
または電圧の引き出しは、セルに固有の応答であることに留意する必要がある。二次直流電源と並列に太陽電池またはアレイを接続することにより、回路は、Vmpに維持され、太陽エネルギーから生じる電子がVmpを維持するのに不十分である場合、セルをVmpを維持するため、これらが直流電源から電子に引き出される。従って、PVアレイは、二次直流電源から引き出される電力の量を本質的に制御し、Vmpでの動作が維持される。例えば、雲の通過によりPVアレイに影が生じると、直流電源から電力
/電圧が引き出され始め、減少した電子発生が補償され、雲が通過し、セルでの発電が再び増加すると、二次直流電源から、より少ない
電力が引き出されるようになる。
【0032】
ある実施形態では、二次直流電源は、固定電圧出力を有し、これは、アレイに整合された、最も一般的な作動温度条件用のVmpに構成される。本願発明者らによるプロトタイプの試験では、全ての作動温度の下、アレイのVmpが、二次直流電源により正確に整合されていない場合であっても、効率ゲインが達成され得ることが示されている。Vmp付近での作動においても、効率ゲインが提供される。
【0033】
あるシステムの実施形態では、二次電源は、調整可能な電圧電源であってもよく、システムは、温度センサと、PVアレイの作動温度に基づいて、直流電源出力を調節するように構成された制御器とを有し、作動温度用のアレイの二次直流電源の出力電圧がVmpに維持されてもよい。
【0034】
図2には、システムの実施形態の一例における、より詳細なブロック図を示す。この実施例では、ソーラーアレイ210は、直流電源220に接続され、PVアレイ210への
電圧の注入が可能になる。直流電源は、制御器260に接続され、または制御器260を有し、該制御器260は、PVアレイ210に接続された温度センサ250により検出されたPVアレイ210の作動温度に基づいて、可変直流電圧を調整してもよい。制御器は、マイクロプロセッサまたはプログラム化ロジック制御器を有し、これは、製造者により供給されたVmp、および装置のメモリに保管され、あるいはプログラムロジックにコード化された、温度係数データに基づいて、検知された温度でのVmpを計算するように構成される。制御器は、PVアレイ出力をモニタする必要がなく、直流電源220の出力電力を制御せず、電圧のみを設定することを理解する必要がある。直流電源により供給される電力は、PVアレイにより有機的に制御される。出力からパネルへの電子の有機的な
電圧流により、パネル全体が、直流電源により設定されたVmpに留まることが可能となる。
【0035】
太陽電池に対する光が減少すると、太陽電池の電圧も低下する。第2の電源は、太陽電池電圧が最適電圧窓よりも下方に降下することを抑制する。好ましくは、第2の電源120は、電力を供給するように調整され、これにより、太陽電池(またはアレイ)は、Vmpに維持されるようになる。二次電源は、太陽電池に電圧を供給し、従って、太陽電池および二次電源の両方が、カラー(collar)アレイ出力を介して、負荷に対する供給電力に寄与する。この条件下では、電圧は、(例えば、太陽電池がVmpを維持する自身の発生を補完するために必要とする追加の電子の数に応じて、太陽電池により)二次電源から太陽電池に引き出され、電力は、太陽電池および二次電源の両方から、負荷に供給される。直流電源により供給される電力の量は、日射の減少ととともに増加し、アレイ内のVmpが維持され、二次直流電源からシステムへの電力入力が、太陽電池により生成される電力を上回る点が存在することを理解する必要がある。しかしながら、そのような条件下においても、実際の利点がある。例えば、暗い状態が一時的な場合(例えば、暗雲の通過、または一時的な陰影)、インバータの作動には、影響が生じない。現在のシステムでは、PVアレイからの電力出力が低下すると、インバータのシャットダウンが生じ得る。また、そのようなシステムは、典型的には、遅延ディレイを有するように構成される。遅延ディレイの期間は、インバータがリセットされ、作動に戻る前に、アレイからの十分な出力が達成される期間である必要がある。これは、インバータを保護し、PVシステムから電源グリッドへの入力の不整合を最小限に抑制する。アレイに対して記載された二次直流電源を用いることにより、太陽エネルギー条件が大きく変動する場合であっても、インバータに対して実質的に一定の出力を維持することができる。太陽エネルギーの変動の影響は、直流電源からアレイに引き出される電力
/電圧の対応する変化であり、インバータへの出力は、一定に、または実質的に一定に維持される。
【0036】
太陽電池と二次電源の間の関係は、直線的である。この関係は、セル製造者からの既知のVmpと、パネルの温度により定められる。
図3には、太陽電池またはアレイの電圧設定点(Vsp)と電力の関係、ならびに温度によるVspの差を示す。典型的には、異なる温度に対するVmpは、セルまたはPVアレイ製造者により供給され、セルまたはアレイの固有の特性に基づく。前述のように、太陽電池は、Vmpにおいて最大の効率で、太陽エネルギーを変換する。Vmpは、温度に依存し、通常、温度の上昇に伴い低下する。
【0037】
図1に示したようなシステムの実施形態では、二次直流電源は、
設定された電圧(Vsp)で作動し、その後、二次直流電源電圧(Vsp)は、製造者に基づいて、最高セル作動温度でVmpに
設定され得る。
図3からわかるように、より低い温度では、固定
/設定されたVspは、作動温度において、Vmpをわずかに下回り得る。しかしながら、この作動は、最大効率をわずかに下回るだけであり、太陽エネルギーレベルの変動の間も、そのレベルには維持されるため、PVアレイからの長期出力形態は、現在のMPPTベースのシステムに比べて改善される。
【0038】
図2に示された実施形態を考慮すると、全体的な出力電力ゲインは、二次直流電源(または、従って制御器)に対するセル温度の入力、および現在の作動温度に対するVspからVmpへの調整により、僅かに改善できる。Vspが温度可変Vmpに調整される場合、ある対応する電力出力変化が生じ得ることを理解する必要がある。しかしながら、そのような変動は、アレイ作動温度とともに変化する。アレイ作動温度は、通常、ゆっくりとした変化速度を有し、従って、インバータの動作(または他の負荷)に最小限の影響を及ぼす。
【0039】
一般に理解されていることとは対照的に、太陽電池のV/I関係(V/I曲線)は、非線形である。太陽電池は、温度と全抵抗との間に複雑な関係を有し、これにより、非線形の出力効率が生じ、これは、I−V曲線に基づいて解析できる。MPPTシステムの目的は、PVセルの出力をサンプリングし、適当な抵抗(負荷)を適用し、任意の所定の環境条件に対し、最大電力を得ることである。従来のソーラーインバータは、概して、全体のPVアレイ(モジュール関連)に対してMPPTを実施する。そのようなシステムでは、インバータにより指示された同じ電流が、ストリング(直列)内の全てのモジュールを介して流れる。異なるモジュールは、異なるI−V曲線を有し、(製造誤差、部分的な陰影などによる)異なるMPPを有するため、このアーキテクチャは、あるモジュール/セルがそれらのMPP未満で実施され、その結果、低い効率変換速度が得られることを意味する。入射する太陽エネルギーが変化すると、これとともにセルに生じる電気も変化し、太陽照度が低下すると、これとともにセルにより生じる電力が低下し、従って、引き出すことのできる電圧および電流が低下する。MPPTを用いたシステムでは、電流および電圧の操作のため、印加される見かけの負荷が変化し、これにより、低い光条件の間、太陽電池(またはアレイ)から最大の電力を引き出すことができる。しかしながら、全体的な電力は、太陽の照射により制限される。
【0040】
図4aおよび
図4bには、完全な日射(
図4a)および部分的に陰がかかった状態(
図4b)における、単セル410における発電への影響を示す。電圧注入を可能にするため、二次直流電源が提供されている。この例では、
図4aにおいて、セル410は、完全に照射され、太陽光か
らのエネルギーを受け、2ボルトおよび
2.7アンペアの直流で、5.4WDCのエネルギー出力が生成される。
図4bには、部分的に陰420がかかったセル410を示す。この例では、セルは、80%が太陽光により照射され
、20%の陰の部分は、60%の太陽光強度を受
ける。2次直流電源は、セルに並列に接続され、2Vの固定電圧(Vdc)を有する。これらの陰の条件において、
2Vの直流が、二次直流電
源から受動的に引き出される。太陽電池の陰の領域は、入射太陽光から0.648Wのエネルギーを生成し、これは、太陽電池からの全体出力を
4.96Wに維持するため、直流電源から引き出された
電圧により、補完される。
【0041】
図5aおよび
図5bには、完全な日射(
図5a)および部分的に陰がかかった状態(
図5b)における、単セルにおける発電に対する影響を示す。ここでは、MPPTが使用される。
図4aの例と同様、完全な照射では
、太陽光エネルギーがセル510に入射され、セル510は、2Vおよび
2.7Aの直流で、5.4WDCのエネルギー出力を生成する。
図5bには、部分的に影がかかったセル520を示す。この例では、セル510は、80%が太陽光により照射され
、20%の陰の部分520は、60%の太陽光強度を受
ける。陰のため、セル510の出力電力が低下し、MPPTは、抽出電力を最大化するため、セルの見かけの負荷を操作する。しかしながら、この例では、
2.4Aの組み合わされた電流で、3.96WDCしか達成できない。セルの陰部分の影響により、
電圧が低下し、セルの残りの部分の特性も影響を受けている。
【0042】
通常、太陽電池は、アレイ内で直列に接続される。単セルからのエネルギー生成を低下させる光の減少は、セルのアレイ全体の作動に影響を及ぼし得る。同様に、アレイにおいて接続された太陽電池のパネル(しばしばストリングと呼ばれる)に関し、一つのパネルの特性低下は、アレイ内の他のパネルから生じるエネルギーに影響を及ぼし得る。
【0043】
通常のパネルは、鋭い電圧対電流曲線でエネルギーを生成し、これには、絶えず変化する最大電力点を見出し、パネル上で利用可能な光により、可能な最大エネルギーを抽出するため、共通のMPPT法が必要となる。パネルがMPPの外側にある場合、セル電圧が衰弱し、電力が減衰し、エネルギーの生成が停止される。一つのセルは、それが一つのパネル内のセルであるか、パネルのストリングであるかによらず、直列に配線された全てのセルに影響を及ぼす。この例は、
図6aおよび
図6bに示されている。図には、完全な日射(
図6a)と部分的な陰(
図6b)における、直列接続された太陽電池のアレイの発電に及ぼす影響が示されている。MPPTが使用される。
図6aには、完全な日射における太陽電池610のストリングを示す。各セル610は、21.6Wのストリングから全出力用に、5.4W
DCエネルギー(2Vおよび2.7A直流)を生成する。
図6bには、同じストリングを示すが、ここでは、一つのセル620に部分的に(50%)陰630がかかっており、残りのセル640には、完全な日射が維持されている。この例では、陰になっているセルから出力される電力が低下し、これに対応して作動電圧が低下する。MPPTシステムは、作動電圧をアレイのVmp、またはその近傍に戻すことを目的として、アレイストリング上の見かけの負荷を低減するように作動する。この制御は、V/I曲線に基づいてアレイから引き出される最大電力に基づく。従って、電圧の上昇に伴い、(負荷低減のため)電流が低下し、陰になったセル620は、
反転バイアスを生成する。負荷の低減のため、ストリング全体の作動は、陰になったセル620の作動により制限される。従って、ストリングの各セルから引き出される電力は、
+2Vに制限される一方、陰がかかったセル620により、
−2Vが生じる。また、セルのV/I特性により、残りの陰のないセル640では、
8.1Wのストリングから、全出力に対して、わずか
4.05WDC(2V、
2.205A)しか生成されない。従って、汚れまたはデブリ(例えば、葉、鳥の糞、ゴミ、塵など)による単セルの陰、あるいは(例えばアンテナからの)僅かな陰影により、ストリング全体の出力が損なわれる可能性がある。
【0044】
本システムの実施形態では、陰から失われた電力
または電圧と等
価に近い電力
または電圧を注入することにより、電圧の衰弱が抑制される。例えば、太陽電池は、セルを覆う陰を有し、陰の20wが生じ、損失電力と同等量の電力
または電圧を注入することにより、セルの残りの部分は、
最小限の影響で作動する。次に、陰で覆われていないセルは、未影響の電力を連続的に生成し続けることができる。
図6aおよび6bと同じストリングおよび陰の例を用いた一例が、
図7aに示されている。同様に、この実施例では、完全な日射の間、21.6Wのストリングからの全出力の場合、アレイのセル710の全てにより、(2Vおよび2.7A直流で)5.4Wの
DCエネルギーが生じる。
図7bには、同じストリングを示すが、ここでは、一つのセル720には、部分的(50%)に陰730がかかっており、残りのセル740は、完全な日射のままである。この例では、二次直流電源により、
2VDCの
電圧が注入され、陰のかかったセルにおいてVmpが維持され(MPPTで行われるように、アレイに対する負荷を軽減することなく)、陰のかかったセルは、2.7W(2V、1.35A)を生成
する。これにより、ストリングの残りのセルは、
負荷に対する全電力出力
16.2Wに対して、
4W(2Vおよび
2A直流)での作動を維持することができる。インバータへの電力出力は、総電力であることが理解される必要がある。これを実現するため、システムは、二次直流電源から一部のエネルギーを消費しており、正味の発電量全体は、二次電源により注入される電力を差し引いたものとなる。しかしながら、陰がかかっていないセル740において、最大効率での作動が継続するという事実のため、正味の発電
量は、依然、MPPTを用いて同じシナリオで達成され得る出力を超える。
【0045】
太陽電池は、二次電源が適切なVmpを維持する場合、低〜中レベルの光の間、より多くの
電力を変換することができる。Vmpが維持されるため、ソーラーパネルに陰がかかっている場合、ストリング内の残りのパネルに対する影響は、最小限に抑制され、ストリング上の残りのパネルは、影響を受けずに作動し続けることができる。
【0046】
電圧を注入することによる追加の特徴は、セルの電圧が第2の直流源により管理されるため、直列ストリングにおける異なる配向に面する太陽電池が、その時間/配向の間、完全能力で作動することである。これにより、ソーラー最適化手段を必要とせずに、またはさらなる1ステップを必要とせずに、ソーラー設計に柔軟性を持たせることができ、全ての太陽電池がその個々の最適電位で作動するため、太陽電池/ソーラーパネルは、曲面を有することが可能となる。
【0047】
本願に記載のシステムは、電圧注入技術法(ViT)と称することができ、ViTは、太陽電池からのエネルギー抽出の異なる視野となる。これは、所与の環境に対する最適作動電圧(Vmp)の温度係数と組み合わされ、製造者から指定された、最適電圧の知識を有する。第2の直流源(ViT)は、太陽電池と並列に接続され、対象物に計算された電圧が注入され、太陽電池は、各種所与の光条件に対して、最大特性で作動し、一定の電圧の維持が確保され、MPPT法と同様、太陽電池上の光の強度により、電圧が昇降する。
【0048】
ViTにより、太陽電池の電圧が一定に保たれることが確実となり、負荷や光の状態に関わらず、電池の最適な作動条件が得られる。
【0049】
ViTは、陰/非最適な配向により生じた、直列のストリングに損失電力
または電圧を注入/置換し、陰のない/最適な太陽電池が影響を受けずに作動することが確保される一方、陰がかかった/非最適な太陽電池は、依然、所与の利用可能な光により、それらの最良の機能で作動する。
【0050】
あるPVパネルでは、各パネルにおいて、遮断ダイオードまたはバイパスダイオードが導入され、重厚な陰になったソーラーパネルを介した電流の流れが支援される。ViTを用いた場合、遮断ダイオードは、除去されてもよい。また、改善された特性が得られ得る。
【0051】
第2の直流電源は、バッテリユニット、直流発電機、または接続された直流電源の主電源であってもよい。ある実施形態では、二次直流電源が別のPV電源であり、または他の再生可能エネルギー電源システムであってもよい。
【0052】
Vitシステムの実施形態の別の利点は、低レベルの光条件において、エネルギーが吸収されるという有意点である。これは、第2の直流電源が電圧を管理することによるものであり、通常の作動条件では、第2の直流電源を提供することにより、電圧が減衰するのに対して、太陽電池電圧は減衰せず、太陽電池は、最適な窓の外部に電圧が低下した場合よりも効率的に作動し続ける。
【0053】
第2の直流入力が一次ソーラー入力に続き、従って、太陽電池にとっては有益ではないが、第2の電源がエネルギー貯蔵源(電池)または発電器からの場合、連続的な電力生成のインバータは有益であることが認められている。これは、例えば夜間における、直流電源のみからの電源への円滑な移行に対しても、有意である。
図8には、システムの一例が示されており、この実施形態では、直流電源820は、インバータ830からの電力出力を記憶するバッテリ貯蔵バンクであり、これは、例えば日中において、局地的電力使用(例えば、家庭または工場)の要求、または電力グリッド入力の要求を上回り、ソーラーアレイ810は、完全な日射下、または二次直流電源から電力が抽出されていない(またはほとんど抽出されていない)状況で、作動する。例えば夕暮れ時に、入射太陽エネルギーが低下すると、直流電源820は、アレイにエネルギーを供給し、Vmpが維持され、インバータ830に対する一定の出力が維持される。従って、夜間への自然な遷移の結果、電池貯蔵820から供給されるインバータに対する電力への自然な移行が生じる。この配置の利点は、直流切り換えが回避されることである。さらに、夜明けに、太陽光が太陽アレイ810に入射すると、逆の遷移が生じ、ソーラーアレイ810からの電力発生が上昇し、バッテリ貯蔵から引き出される電力が低下する。これにより、優先的なまたは排他的な、ソーラー供給と電池電力供給との間において、スムーズで継ぎ目のない移行が可能になる。
【0054】
(比較例)
図9aおよび
図9bには、完全な日射下(
図9a)、および陰がかかった条件下(
図9b)における、MPPTを用いた従来のPV発電システムの作動の例を示す。
【0055】
図9aに示すように、アレイ910は、完全な日射下においてVmpで作動し、MPPT930は、可変の見かけの負荷(R=Rm)を調整し、アレイから最大電力を引き出す。電力出力(Pout)940は、MPPにおけるものであり、その結果、インバータ920からXW電力出力950が得られる。
【0056】
図9bに示すように、PVアレイ910に部分的に陰915がかかっている場合、陰のかかった領域における電圧Vs970は、最初低下し、MPPT930は、見かけの負荷Rを調整し、これをRsまで低下させ、アレイの電圧をVmp(V?)、またはその近傍まで戻す。アレイ全体から電力960に減少が生じ、インバータ980YWからの出力が低下する。ここで、Y<Xである。
【0057】
図10aおよび10bには、完全な日射下(
図10a)および陰がかかった条件下(
図10b)におけるシステムの実施形態の作動の例を示す。完全な日射下(
図10)では、PVアレイ1010は、Vmpで作動し、最大電力を生成する。二次直流電源1020の電圧出力は、現在の作動温度で、アレイに対してVmpに設定される。アレイからの出力は、最大電力点MPPである。インバータ1030からXW出力が生じる。
図10bには、陰がかかった条件を示す。この場合、Zワットでの電力
または電圧は、直流電源1020から、ソーラーアレイに抽出され、PVアレイ1010においてVmpが維持される。従って、インバータ1030に対して最大電力入力が維持され、Xワットの電力の出力が継続される。正味の発生電力は、X−Zワットである
。
【0058】
ViTの有意点は、単セルレベルにまで利点が提供され、注入エネルギーが正味のエネルギーゲインと等しくなるまで、エネルギー生成における正味のゲインが全体に生じることであることがわかった。エネルギーの中立点が得られた後、太陽電池は、正味のゲインが低下するまで作動し続けた。この時点でのViTエネルギーは、太陽エネルギーよりも大きく、従って、ViTエネルギーが電池のようなエネルギー貯蔵源からのエネルギーとならない限り、あまり大きな利点は得られない。
【0059】
(異なる試験条件においてMpptとViTを比較したプロトタイプ試験結果の例)
(試験1)
一つのMpptに直列に接続された6×300Wモジュールを有するMpptインバータ(合計1800W)
全てのパネルは、太陽に向かって北に配向され、インバータの全電力は、1500Wである。
・ストリングにおける一つのソーラーパネルには、完全に陰がかかっており、総電力は、80Wまで低下
・ストリングにおける一つのソーラーパネルには、部分的に陰がかかっており、インバータからの総電力は、150Wまで低下
・一つのパネルを東に配向させる。全てのパネルは、東に配向された電力の電力レベルにまで低下し、インバータの全電力は、420W
・一つのパネルを西に配向させる。全てのパネルは、西に配向された電力の電力レベルにまで低下し、インバータでの全電力は、560W。
【0060】
(試験2)
Mpptに直列に接続された6×300Wモジュールを有するViTインバータ。ViTは、インバータに接続される。全てのパネルは、太陽に向かって北に配向され、全電力は、1500Wである。
・ストリングにおける一つのソーラーパネルには
、陰がかかっているが、インバータの総電力は、1500Wに維持され、
負荷へのViTの250Wの注入の結果、正味の電力生成は1250W
・一つのソーラーパネルには、部分的に陰がかかっているが、インバータでの総電力は、1500Wに維持され、
負荷へのViTの75Wの注入の結果、正味の電力生成は1425W
・一つのパネルを東に配向させる。インバータの全電力は、1500Wであり、
負荷へのViTの125Wの注入により、正味の電力生成は1375W
・一つのパネルを西に配向させる。インバータの全電力は、1500Wであり、
負荷へのViTの100Wの注入により、正味の電力生成は1400W。
【0061】
前述の実施形態および実施例では、PVアレイからの電力は、インバータに出力されるが、これは、システムの単なる一適用例に過ぎない。出力は、直流電力を受け取るように構成された、任意の負荷に対して行われてもよい。例えば、負荷は、電気モータ、バッテリ貯蔵、直流交流電力変換システムなどであってもよい。システムは、任意の直流電源用途に適用可能である。
【0062】
明示的な文言または必要な暗示のため、文脈上別異の解釈を要する場合を除き、特許請求の範囲および前述の本発明の記載において、「comprise」と言う用語、または「comprises」もしくは「comprising」のような変化形は、包括的な意味で使用され、すなわち、記載された特徴の存在を特定するためのものであって、本発明の各種実施形態における別の特徴の存在または追加を排除するものではない。
【0063】
本願において、任意の先行技術の刊行物が言及されている場合、そのような言及は、当該刊行物が、オーストラリアまたはその他の国における共通の一般的技術の一部を構成することを認定するものではないことが理解される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正の内容】
【国際調査報告】