特表2021-535770(P2021-535770A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2021-535770マルチ・ステージ・プロセス・チャレンジ・デバイス、インジケーター・システム、およびプロセス・チャレンジ・デバイス・システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-535770(P2021-535770A)
(43)【公表日】2021年12月23日
(54)【発明の名称】マルチ・ステージ・プロセス・チャレンジ・デバイス、インジケーター・システム、およびプロセス・チャレンジ・デバイス・システム
(51)【国際特許分類】
   A61L 2/28 20060101AFI20211126BHJP
【FI】
   A61L2/28
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2021-504362(P2021-504362)
(86)(22)【出願日】2018年8月21日
(85)【翻訳文提出日】2021年1月21日
(86)【国際出願番号】EP2018072552
(87)【国際公開番号】WO2020038566
(87)【国際公開日】20200227
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】521031671
【氏名又は名称】ゲーカーエー ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カイザー、ウルリッヒ
【テーマコード(参考)】
4C058
【Fターム(参考)】
4C058EE30
(57)【要約】
プロセス・チャレンジ・デバイス(2)であって、プロセス・チャレンジ・デバイス(2)は、特に、滅菌チャンバーの内側のロードの最悪ケースの浸透条件をシミュレートするためのものであり、プロセス・チャレンジ・デバイス(2)は、生物学的インジケーター、化学的インジケーター、または物理学的インジケーター(140)を収容するための検出器ボリューム(90)を含み、それによって、前記検出器ボリューム(90)は、一連のガス・ボリューム(110、114、118)のデッド・エンドに配置されており、前記プロセス・チャレンジ・デバイス(2)は、2つのパーツ(6、14)、すなわち、ハウジング・パーツ(6)および挿入パーツ(14)を含み、それによって、前記挿入パーツ(14)は、両方の前記パーツ(6、14)の内側にシールを備えることなく前記検出器ボリューム(90)が配置されるように、前記ハウジング・パーツ(6)の中へ少なくとも部分的に挿入可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセス・チャレンジ・デバイス(2)であって、前記プロセス・チャレンジ・デバイス(2)は、特に、滅菌チャンバーの内側のロードの最悪ケースの浸透条件をシミュレートするためのものであり、前記プロセス・チャレンジ・デバイス(2)は、生物学的インジケーター、化学的インジケーター、または物理学的インジケーター(140)を収容するための検出器ボリューム(90)を含み、それによって、前記検出器ボリューム(90)は、一連のガス・ボリューム(110、114、118)のデッド・エンドに配置されている、プロセス・チャレンジ・デバイス(2)において、
前記プロセス・チャレンジ・デバイス(2)は、2つのパーツ(6、14)、すなわち、ハウジング・パーツ(6)および挿入パーツ(14)を含み、それによって、前記挿入パーツ(14)は、両方の前記パーツ(6、14)の内側にシールを備えることなく前記検出器ボリューム(90)が配置されるように、前記ハウジング・パーツ(6)の中へ少なくとも部分的に挿入可能であることを特徴とする、プロセス・チャレンジ・デバイス(2)。
【請求項2】
前記2つのパーツ(6、14)は、シーリングなしに互いに嵌まり合い、一緒に組み合わせられて、滅菌剤に関して特定の浸透特質を提供するための直列に接続されたボリューム(110、114、118)を形成し、ガス・エントランス入口部/出口部が、前記ハウジングおよび挿入パーツの接続の間にある、請求項1に記載のプロセス・チャレンジ・デバイス(2)。
【請求項3】
前記一連のボリューム(110、114、118)は、接続されたチャネルを提供し、前記チャネルの一方の端部は、滅菌チャンバーに接続可能であり、他方の端部は、前記検出器ボリューム(90)に接続されており、前記検出器ボリューム(90)は、滅菌剤の存在を検出するための1つまたは複数の化学的インジケーター、生物学的インジケーター、または物理学的インジケーターを収容するように構成されている、請求項1または2に記載のプロセス・チャレンジ・デバイス(2)。
【請求項4】
前記2つのパーツ(6、14)は、特に、それらの位置を機械的に固定することによって一緒にクリックまたはスナップすることによって、フォース・フィットおよび/またはフォーム・フィット接続のための手段(120〜132;150)を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のプロセス・チャレンジ・デバイス(2)。
【請求項5】
前記2つのパーツ(6、14)を、互いに対して複数の規定の位置に、前記位置を機械的に固定することによって、互いに対して位置決めするために、調節手段(120〜132)が提供されている、請求項4に記載のプロセス・チャレンジ・デバイス(2)。
【請求項6】
前記ハウジング(6)および/または前記挿入パーツ(14)は、金属、プラスチック、または、金属−プラスチック−結合システムから作製されている、請求項1から5のいずれか一項に記載のプロセス・チャレンジ・デバイス(2)。
【請求項7】
前記直列に接続されたガス・ボリューム(110、114、118)は、エントランス領域から前記デッド・エンドへ、容積および/または断面が減少している、請求項1から6のいずれか一項に記載のプロセス・チャレンジ・デバイス(2)。
【請求項8】
前記パーツ(6、14)のうちの少なくとも1つは、丸形、長円形、長方形、またはマルチ・エッジの形状を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載のプロセス・チャレンジ・デバイス(2)。
【請求項9】
前記一連のガス・ボリューム(110、114、118)は、多孔性の材料によって部分的にまたは全体的に充填されている、請求項1から8のいずれか一項に記載のプロセス・チャレンジ・デバイス(2)。
【請求項10】
前記検出器ボリューム(90)は、200マイクロリットル未満の容積、3cmから6cmの間の長さ、および、3mmから5mmの間の断面を有している、請求項1から9のいずれか一項に記載のプロセス・チャレンジ・デバイス(2)。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載のプロセス・チャレンジ・デバイス(2)と、前記検出器ボリューム(90)の中に配置されている少なくとも1つの化学的インジケーター、生物学的インジケーター、または物理学的インジケーター(140)とを含む、インジケーター・システム(144)。
【請求項12】
前記インジケーター・システム(144)は、生物学的インジケーター(140)を備えており、前記生物学的インジケーター(98、140)のキャリアは、紙、金属、ガラス繊維、プラスチック、ステンレス鋼、任意のプラスチック・フォイル、Tyvek、または任意の組み合わせから作製されており、特に、加えて、上記材料のうちの少なくとも1つによってカバーされている、請求項11に記載のインジケーター・システム(144)。
【請求項13】
前記インジケーター(98、140)は、自己完結型の生物学的インジケーター(SCBI)または生物学的インジケーター・ストリップであり、スポアのキャリアは、紙、金属、ガラス、ガラス繊維、プラスチック、または、上記材料の任意の組み合わせから作製されている、請求項11または12に記載のインジケーター・システム(144)。
【請求項14】
前記インジケーター(98、140)は、紙、ガラス繊維、ステンレス鋼、または、PET、PP、もしくはその他のような、プラスチック・フォイルのようなさまざまなキャリアを使用する化学的インジケーターであり、異なる滅菌プロセスをモニタリングするために使用されることとなる異なる化学的インジケーター・カラーによって両側を表面保護またはカバーされている、請求項12に記載のインジケーター・システム(144)。
【請求項15】
コンポーネントとして、2つ以上の挿入パーツ(14)と、2つ以上のハウジング・パーツ(6)とを含む、プロセス・チャレンジ・デバイス組み合わせ(200)であって、前記コンポーネントは、請求項1に記載のプロセス・チャレンジ・デバイス(2)を提供するために、それぞれの挿入パーツ(14)がそれぞれのハウジング・パーツ(6)と組み合わせられ得るように構築されており、前記挿入パーツ(14)および/またはハウジング・パーツ(6)は、異なって構築されており、挿入パーツ(14)およびハウジング・パーツ(6)のそれぞれの組み合わせが、その空気除去および殺菌剤浸透特質に関して、それぞれの他の組み合わせとは異なるようになっており、それは、好ましくは、数個のハウジングおよび挿入パーツだけによって、いくつかの異なるプロセス・チャレンジ・デバイス(PCD)を作製することを可能にする、プロセス・チャレンジ・デバイス組み合わせ(200)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に、一連のボリューム(ガス・フローがその中を両方の方向に移送される)のデッド・エンドに配置されている検出器ボリュームの中に配置されている生物学的インジケーター、化学的インジケーター、または物理学的インジケーターを収容する滅菌チャンバーの内側のロードの最悪ケースの浸透条件をシミュレートする、プロセス・チャレンジ・デバイスに関する。また、本発明は、インジケーター・システムおよびプロセス・チャレンジ・デバイスの組み合わせに関する。
【0002】
インジケーター・システムは、EN ISO 11140−1にしたがって、プロセス・チャレンジ・デバイスおよび検出器の組み合わせとして定義され、生物学的インジケーター、化学的インジケーター、または物理学的インジケーターが、殺菌剤の存在をモニタリングするための検出器として、検出器の内側にあることが可能である。それは、そのパッケージングを含む滅菌ロードの内側の最悪ケースの浸透条件を表すための代理モデルとして使用される。生物学的インジケーターまたは化学的インジケーターは、複雑な器具の内側の最悪ケースの浸透場所の中へ置かれることができないので、それは、滅菌条件がロードの中に実現されているかどうかをチェックするための代理モデル(代理インジケーター・システムによって表される)として使用される。
【背景技術】
【0003】
病院での無菌手術、および、産業における無菌の充填に関して、無菌の器具または材料の使用が、絶対的に必要である。したがって、必要な滅菌において、滅菌剤、たとえば、蒸気、ホルムアルデヒド、エチレンオキシド、過酸化水素、および/またはオゾンが、通常、気相を介して、滅菌されることとなる器具の表面へ移送され、既存の細菌の完全な死滅を保証する。この目的のために、滅菌チャンバーを備えた滅菌器が、通常に使用され、その中で、器具またはそれらの材料は、それらが滅菌される前に、常にパッケージングされている。滅菌前に、滅菌チャンバーは、第1の空気除去を必要とし、次いで、ガス状の殺菌剤(滅菌剤とも呼ばれている)によって満たされ、それは、内側の空気がその前に除去されなければならないということを必要とする。滅菌剤は、滅菌されることとなる器具または材料のすべての表面に接触するものとし、すべての細菌の完全な死滅が起こるようになっている。
【0004】
すべての外部表面および内部表面、たとえば、多孔性のパックまたは中空のデバイス、たとえば、チューブおよび低侵襲性の器具などに、滅菌剤が到達する場合にのみ、すべての表面エリアにおける商品の完全な滅菌が保証される。商品の内側のおよび滅菌チャンバーの内側の空気の除去は、滅菌プロセスが開始する前に、適切な空気除去手順によって確保されなければならない。その後に、滅菌チャンバーが滅菌剤によって満たされ、滅菌チャンバーの内側の器具のすべての表面に滅菌剤によって到達するようになっている。これは、器具のパッケージングおよび幾何学的設計を通して、滅菌剤の完全な浸透がすべての表面に対して保証されるときにのみ可能である。
【0005】
低侵襲性の手術(MIS)器具の複雑な構造は、滅菌プロセスにおいて問題が多いということが知られている。相対的に長いパイプまたはチューブおよび比較的に小さい自由断面を備えた医療用デバイスがますます使用されており、残っている不活性ガス(空気など)が存在している場合には、すべての内部表面に対する滅菌剤の信頼性の高い表面接触が、より困難になるようになっている。そのうえ、複雑な内部表面を備えた材料および商品(たとえば、テキスタイル・パッケージ)は、滅菌を必要とする。そのようなケースでは、残っている空気または他の非凝縮性ガス(NCG)の既存の蓄積が、それらの表面の完全なまたは部分的な接触を防止する可能性がある。完全な滅菌は、滅菌プロセスの前に商品の内側の空気が完全に除去されるときにのみ保証され、ならびに/または、真空ステージの間に、空気がリークを通して進入せず、および/もしくは、滅菌剤を備えた滅菌チャンバーの中へNCGが導入されないときにのみ保証され、滅菌剤がすべての表面に到達することができるということを保証する。
【0006】
すべての器具はパックされており、したがって、滅菌性が使用前に直接的にテストされることができないので、始動前の滅菌プロセスの検証、および、滅菌プロセスの間のルーチン・モニタリングが必要である。加えて、検出器は、滅菌プロセスの成功を証明するために使用される。たとえば、化学的インジケーターが使用され、それは、インジケーターが滅菌プロセスのすべての重要な変数およびそれらの重要なパラメーターに露出されたときに、たとえば、時間の経過とともに凝縮する蒸気および温度によって、それらの色を変化させる。代替的にまたは追加的に、生物学的インジケーターは、ストライプ、サスペンション、または自己完結型の生物学的インジケーター(SCBI)の形態で使用され得る。滅菌プロセスの後に、挿入されたインジケーターは、ロードを解放するためにテストされる。
【0007】
そのような化学的インジケーターまたは生物学的インジケーターは、滅菌チャンバーの内側のインジケーターが位置決めされている場所において、プロセスのすべての重要な滅菌変数およびパラメーターが起こったということをモニタリングする。そのようなインジケーターは、複雑な器具のアクセス不可能な表面のそれらの重要なエリアに設置されることができず、滅菌成功の可能性の直接的な証拠ではない。したがって、代理テスト・デバイスが、滅菌の成功を決定するために必要であり、パックの外側の商品とともに滅菌される。たとえば、テキスタイルまたは他の材料の滅菌プロセスに関して、BowieおよびDickから、標準的なテスト・パックが説明されており(Bowie, I. W., e.a., The Bowie+Dick autoclave tape test, LancetI, 1963, p.585−587)、そこでは、DIN A4サイズの化学的インジケーター・テスト・シートが、EN 285に準拠した7kg重量のコットン・パッケージの中に中央に設置されている。コットンの品質、コットンの歴史、および、パッケージの個性に起因して、この標準的なテストは正確に再現可能ではないが、その浸透特質は、中空のデバイスとは異なっている。
【0008】
代替的に、いわゆるインジケーター・システムが使用され得る。たとえば、EP0628814A1またはEN867−5に説明されているような、そのようなテスト・デバイス・システムにおいて、複雑な器具のアクセスが困難な内側の表面が、適切なモデルによってシミュレートされ、同様の方式で複雑な器具の中への浸透プロセスの成功をモニタリングすることを可能にする。
【0009】
それらの周知のインジケーター・システムは、「プロセス・チャレンジ・デバイス」(PCD)から構成されており、また、滅菌剤の浸透を証明するために適切な検出器から構成されており、それは、ガス進入サイドにおいて、適切に選択された長さのチューブに接続されており、ガス進入サイドは、EN ISO標準11140−1に説明されているように、その入場端部において開口している。このインジケーター・システムは、滅菌されることになっている同様に設計されている器具の浸透特質をシミュレートし、ここで、特に、分別真空および/または蒸気の凝縮による代替的なガス交換の間に、検出器のエリアの中のチューブ端部において、最終的に残っている空気または他の非凝縮性ガスが濃縮される。
【0010】
チューブ端部に接続されているそのようなシステムの検出器が滅菌剤を検出する場合には、より高い浸透特質を有するPCDを使用して、それらの内側表面の器具の最もアクセス不可能なポイントは、同様に滅菌剤と接触していたに違いないということが仮定され得る。たとえば、生物学的インジケーターまたは化学的インジケーターを検出器として保持することができるテスト・デバイスなどのようなチューブ・モデルは、また、Euro Standard EN 867−5における滅菌プロセスの検証を意図している。より複雑な商品の滅菌成功をチェックするために、たとえば、Euro Standard EN 285、EN 14180、EN 1422、またはEN 867−5に説明されているように、それらの寸法が適切に適合されている異なる構築のテスト・デバイスが使用され得る。デバイスは、器具の有効なシミュレーションを提供するのに十分に長くなっている必要がある。
【0011】
上記に説明されているテスト・デバイスは、たとえば、EP0628814A1またはEP1172117A2から公知である。マルチ・ステージのテスト・デバイスは、EP1468701B1から公知である。このテスト・デバイスにおいて、ガス収集ボリュームは、マルチ・ステージ方式で設計されており、それぞれのステージの断面/容積が、検出器ボリュームの方向に向けて近隣のボリューム同士の間で減少するようになっている。
【0012】
検出器ボリュームは、テスト・デバイス・チャネルの一方の端部に位置決めされており、一方、ガス収集ボリュームへのエントランスは、たとえば、テスト・デバイスのチャネルの他方の端部に配置されている。検出器ボリュームは、検出器が検出器ボリュームの内側に設置され得るように開けられ得り、そして、再び閉じられ得る。テスト・デバイスが滅菌チャンバーの中に設置されているときに、検出器ボリュームは、滅菌剤に露出される。検出器ボリュームの中への滅菌剤の直接的な進入(それは、テストを無効にすることとなる)を防止するために、シーリング・エレメントが、検出器ボリュームが開けられ得る領域をシールするために提供されなければならない。シーリング・エレメント(それは、たとえば、ガスケットとして構築されている)は、時間の経過とともに擦り減り、交換される必要がある。検出されない故障は、無効なテスト結果につながる。本発明は、このリスクを全体的に排除する。
【0013】
インジケーター・システムは、プロセス・チャレンジ・デバイスおよび検出器の組み合わせとして、EN ISO 11140−1にしたがって定義され、生物学的インジケーター、化学的インジケーター、または物理学的インジケーターが、殺菌剤の存在をモニタリングするための検出器として、検出器の内側にあることが可能である。それは、そのパッケージングを含む滅菌ロードの内側の最悪ケースの浸透条件を表すための代理モデルとして使用される。生物学的インジケーターまたは化学的インジケーターは、複雑な器具の内側の最悪ケースの浸透場所の中へ置かれることができないので、それは、滅菌条件がロードの中に実現されているかどうかをチェックするための代理モデル(代理インジケーター・システムによって表される)として使用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、信頼性の高いテスト結果が取得され、デバイスのメンテナンスおよび空間的な延在が低減されるように、テスト・デバイスを改善することである。追加的に、改善されたプロセス・チャレンジ・デバイスを使用する改善されたインジケーター・システムが提供される。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の目的は、プロセス・チャレンジ・デバイスであって、プロセス・チャレンジ・デバイスは、特に、滅菌チャンバーの内側のロードの最悪ケースの浸透条件をシミュレートするためのものであり、プロセス・チャレンジ・デバイスは、生物学的インジケーター、化学的インジケーター、または物理学的インジケーターを収容するための検出器ボリュームを含み、それによって、検出器ボリュームは、一連のガス・ボリュームのデッド・エンドに配置されており、プロセス・チャレンジ・デバイスは、2つのパーツ、すなわち、ハウジング・パーツおよび挿入パーツを含み、それによって、挿入パーツは、両方のパーツの内側にシールを備えることなく検出器ボリュームが配置されるように、ハウジング・パーツの中へ少なくとも部分的に挿入可能である、プロセス・チャレンジ・デバイスによって実現される。
【0016】
本発明の好適な実施形態は、従属請求項および図の説明の中に特定されている。
【0017】
本発明は、公知のテスト・デバイスの共通の不利益が、検出器チャンバーのシーリングの必要性、および、Bowie−Dickコットン・テスト・パックのような組み合わせられたテスト・デバイスの必要とされるスペースであるという考慮事項に基づいている。これらの公知のデバイスに関して、容積を変化させることは可能でない。共通のテスト・デバイスは、コンパクト性を犠牲にして、十分に長く寸法決めされたガス収集ボリュームによってのみ、高い感度を実現する。
【0018】
2つのパーツを含み、そのうちの一方のパーツが、外側ハウジングまたはケーシングを提供し、他方のパーツが、他のパーツの中へ挿入可能である、プロセス・チャレンジ・デバイスを構築することによって、これらの不利益が除去され得るということを出願人は見出した。これらのステージの最後または最終に検出器ボリュームを配置することは、シールされたPCDの必要性を除去する。その理由は、エントランス領域からすべてのステージを通って検出器ボリュームへトラベルした滅菌剤のみがアクセス可能であるからである。設計的に、検出器ボリュームにアクセスする代替的な道は可能でない。また、そのような設計は、合計のガス経路の困難性を変化させる可能性を提供する。検出器ボリュームが両方のパーツの内側に配置されているということは、好ましくは、それぞれの空間的な方向において、それが両方のパーツによって取り囲まれているということを意味している。好ましくは、検出器ボリュームは、挿入パーツ14の端部ピースまたはダクトの中に配置されている。次いで、検出器ボリューム90の中に配置されているインジケーター/検出器は、ハウジング・パーツ6から挿入パーツ14を引っ張り出すことによって容易にアクセスされ得る。
【0019】
プロセス・チャレンジ・デバイスは、好ましくは、2つ以上のパーツ、なかでも、挿入パーツおよびハウジング・パーツを含み、挿入パーツは、ハウジング・パーツの中へ挿入可能であり、シーリングは、これらの2つのコンポーネントの間に提供されない。
【0020】
挿入パーツおよびハウジング・パーツ自身は、互いに接続/固定される1つまたは複数のコンポーネントからそれぞれ構築され得る。それらは、好ましくは、金属、プラスチック、または金属/プラスチック複合材料から構築されている。
【0021】
本発明によるプロセス・チャレンジ・デバイスの重要な特徴は、それがシーリング・エレメント/ガスケットを含まないということである。このように、プロセス・チャレンジ・デバイスは、長い寿命時間および高い信頼性を有している。その理由は、きつくない/漏れやすいシーリングのリスクが存在しないからである。
【0022】
好ましくは、2つのパーツは、シーリングなしに互いに嵌まり合い、一緒に組み合わせられて、滅菌剤に関して特定の浸透特質を提供するための直列に接続されたボリュームを形成する。
【0023】
有利には、一連のボリュームは、接続されたチャネルを提供し、これらのチャネルの一方の端部は、常に滅菌チャンバーに接続されており、他方の端部は、検出器ボリュームに接続されており、検出器ボリュームは、滅菌剤の存在を検出するための1つまたは複数の化学的インジケーター、生物学的インジケーター、または物理学的インジケーターを収容するように構成されている。
【0024】
好ましくは、一連のガス・ボリュームは、それぞれのパーツの内側に提供され、および/または、2つのパーツの間に提供される。したがって、ガス・ボリュームは、挿入パーツおよび/またはハウジング・パーツの表面/壁部によって限定されている。それは、2つのパーツのうちの一方の完全に内側に位置決めされ得り、または、少なくとも部分的に両方のパーツの表面/壁部同士の間に位置決めされ得る。
【0025】
2つのパーツは、有利には、特に、一緒にクリックまたはスナップすることによって、フォース・フィットおよび/またはフォーム・フィット接続のための手段を含む。
【0026】
好適な実施形態では、2つのパーツを、互いに対して複数の規定の位置に、互いに対して位置決めするために、調節手段が提供されている。
【0027】
好ましくは、挿入パーツがハウジング・パーツから引っ張り出されているときに、特に、それが引っ張り出され、次いで、既定の位置に調節されているときに、少なくとも1つのガス・ボリュームの長さおよび/または容積が増加する。このように、プロセス・チャレンジ・デバイスの感度は、一連のテストの間で再現可能な方式で調節され得る。
【0028】
好適な実施形態では、検出器ボリュームは、挿入パーツの端部ピースに配置されている。挿入パーツがハウジング・パーツから完全に引き抜かれているときには、検出器ボリュームは、インジケーター/検出器を除去/挿入するために都合よくアクセスされ得る。
【0029】
検出器ボリュームは、好ましくは、一連のガス・ボリュームを通ってデッド・エンドへトラベルしてきたガスによってのみアクセス可能である。これは、検出器ボリュームは、他の公知のデバイスのように、ガス進入を防止するためにシールを必要とする他のガス・アクセスを有していないということ意味している。
【0030】
有利には、挿入パーツとハウジング・パーツとの間に、滅菌剤が一連のガス・ボリュームに進入するためのエントランス領域が提供されている。エントランス領域は、好ましくは、挿入パーツまたは第2のパーツのカバー・パーツと、ハウジング・パーツまたは第1のパーツによって提供されるハル/ケーシングとの間に配置されている。このエントランス領域は、ハウジング・パーツと挿入パーツとの間の相対的な長手方向の位置を調節するための調節手段を備えた実施形態にとって特に有利である。
【0031】
ハウジングおよび/または前記挿入パーツは、好ましくは、金属、プラスチック、または、金属−プラスチック−結合システムから作製されている。
【0032】
好適な実施形態では、ガス・ボリュームは、エントランス領域からデッド・エンドへ、容積および/または断面が減少している。
【0033】
好適な実施形態では、挿入パーツおよび/またはハウジング・パーツは、丸形、長円形、長方形、またはマルチ・エッジの形状/断面を含む。このように、テスト・デバイスの必要な垂直方向のスペースは、最適化および低減され得る。好適な実施形態では、ケーシングまたはハウジング・パーツは、円形形状を有している。
【0034】
好ましくは、一連のガス・ボリュームは、多孔性の材料によって少なくとも部分的に充填されている。特に好ましくは、全体のまたは本質的に全体の一連のガス・ボリュームが、多孔性の材料によって充填されている。
【0035】
検出器ボリュームは、好ましくは、200マイクロリットル未満の容積、3cmから6cmの間の長さ、および、3mmから5mmの間の断面を有している。このように、検出器ボリュームは、滅菌プロセスの滅菌特性に最適化された感度を提供するように設計されている。
【0036】
ガス・ボリュームは、有利には、ジグザグの様式で空間的に入れ子にされて配置されている。一般化された様式でのジグザグという用語は、少なくとも部分的に互いに平行に走る一連の通路を備えた経路またはキャナルまたはステージのボリュームを示している。それは、特に、通路が入れ子にされて行ったり来たりすることを示している。
【0037】
好ましくは、空間的に入れ子にされたガス・ボリュームは、一連の所定の通路を含み、経路に沿ったその後続の通路は、以前の通路の中に半径方向に位置付けされており、検出器ボリュームは、この一連の通路の最後の通路の端部に配置されている。したがって、通路は、その後に互いの中に入れ子にされて配置され、それは、テスト・デバイスのコンパクトな設計を提供することを可能にする。滅菌剤が検出器ボリュームに到達することを可能にするために、滅菌剤は、すべてのステージまたは通路を通過しなければならない。
【0038】
有利には、テスト・デバイスは、一連の3つの通路を含む。これらの通路は、ケーシングの内側にジグザグの方式で配置されている。3つの通路は、互いに平行に整合させられている。検出器ボリュームに到達するために、滅菌剤は、第1および第3の通路の中を同じ方向に移動し/流れ、第2の通路の中を反対側方向に移動する/流れる。
【0039】
好ましくは、プロセス・チャレンジ・デバイスは、一連の3つの通路を含む。これらの通路は、3つのガス・ボリュームによって提供されている。
【0040】
好適な実施形態では、テスト・デバイスは、第1の閉端部と、エントランス領域を含む第2の端部とを備えた外側ケーシングを含み、第1のダクトが、外側ケーシングの半径方向内側に配置されており、第1の通路がエントランス領域から第1の端部へ第1のダクトと外側ケーシングとの間に画定されるようになっている。
【0041】
好ましくは、第2のダクトは、第1のダクトの中に半径方向に配置され、第2の通路を画定しており、第1の内側エントランス領域は、第1の端部に画定されており、第2の通路は、第1の内側エントランス領域から、第1のダクトと第2のダクトとの間に、第2の端部に向けて画定されている。
【0042】
好ましくは、第3のダクトは、第2のダクトの中に半径方向に配置されており、第2の内側エントランス領域は、第2の端部において第2のダクトと第3のダクトとの間に画定されており、第3の通路は、第2の端部から第1の端部へ、第2のダクトと第3のダクトとの間に画定されており、第1の端部における通路の端部において、検出器ボリュームが配置されている。
【0043】
好ましくは、直径は、後続のステージのダクト同士の間で減少している。
【0044】
好ましくは、断面は、後続の通路同士の間で減少している。断面は、自由断面、すなわち、流体が流れるために利用可能な断面を示している。検出器ボリュームに向けて、後続の通路同士の間の断面は、好ましくは、少なくとも50%だけ減少し、より好ましくは、75%を超えて減少している。
【0045】
好ましくは、容積は、後続の通路同士の間で減少している。ダクトは、好ましくは、共通の中央軸線に対して同心円状に配置されている。
【0046】
テスト・デバイスは、好ましくは、前記エントランス領域のサイズを調節するためのエントランス手段を含む。テスト・デバイスは、好ましくは、少なくとも1つの通路の長さを調節するための可変手段を含む。
【0047】
好ましくは、可変手段、特に、スナップ手段および/またはノッチが提供され、可変手段によって、少なくとも1つの通路は、複数の規定の長さに設定され得る。
【0048】
好適な実施形態では、テスト・デバイスは、特に上記に説明されているように、2つのパーツを含み、そのうちの第2の(挿入)パーツは、他方の(ハウジング)パーツの中へ挿入可能であり、可変手段は、挿入可能なパーツがハウジング・パーツの中へ挿入される程度を変化させることを可能にする。
【0049】
また、本発明の目的は、上記に説明されているプロセス・チャレンジ・デバイスと、検出器ボリュームの中に配置されている少なくとも1つの化学的インジケーター、生物学的インジケーター、または物理学的インジケーター/検出器とを含む、インジケーター・システムによって実現される。
【0050】
好ましくは、インジケーター・システムは、生物学的インジケーターを含み、生物学的インジケーターのキャリアは、紙、金属、ガラス繊維、プラスチック、ステンレス鋼、任意のプラスチック・フォイル、Tyvek、または任意の組み合わせから作製されており、特に、加えて、上記材料のうちの少なくとも1つによってカバーされている。
【0051】
好ましくは、インジケーターは、自己完結型の生物学的インジケーター(SCBI)または生物学的インジケーター・ストリップであり、スポアのキャリアは、紙、金属、ガラス、ガラス繊維、プラスチック、または、これらの材料の任意の組み合わせから作製されている。
【0052】
好ましくは、インジケーターは、紙、ガラス繊維、ステンレス鋼、または、PET、PP、もしくはその他のような、プラスチック・フォイルのようなさまざまなキャリアを使用する化学的インジケーターであり、異なる滅菌プロセスをモニタリングするために使用されることとなる異なる化学的インジケーター・カラーによって両側を表面保護またはカバーされている。
【0053】
有利には、インジケーター・システムのインジケーターは、特に高い感度を実現するように設計されている。それによって、検出器ボリュームは、主として非常に低くなっており、実際のインジケーターによって占められる容積に広く適合されている。有利には、検出器ボリュームは、約250〜500μlよりも小さくなるように選ばれており、キャリアとして紙を備えた共通の化学的インジケーターまたは生物学的インジケーターの使用において(100〜250μlの容積を消費する)、検出器ボリュームのほぼ半分が、実際のインジケーターによって充填されるようになっている。
【0054】
検出器として、たとえば、湿度、温度、圧力に関するセンサー、および/または、超音波センサーのような、物理学的パラメーターの評価のためのシステムが使用され得り、それは、滅菌チャンバーの中に位置付けされており、また、受信されたデータのワイヤレス送信のためのいわゆるデータ・ロガーとしても設計され得る。たとえば塩のような固体材料が、同様に使用され得り、それは、滅菌剤が存在しているときに物理的に変化し、したがって、たとえば、それらの融点を実現し、および/または、それらの色を変化させる。有利には、化学的インジケーターが、インジケーターとして使用され、それは、使用された滅菌剤と接触しているときにその色を変化させ、または、生物学的インジケーター(たとえば、インジケーター・ストリップおよび/または自己開発インジケーターの形態)が、インジケーターとして使用される。テスト・デバイスは、たとえば、低温蒸気ホルムアルデヒド滅菌プロセス、エチレンオキシド滅菌プロセス、過酸化水素滅菌プロセス、またはオゾン滅菌プロセスのような、ガス状の滅菌剤を伴う滅菌プロセスをモニタリングするのに特に適切である。
【0055】
検出器の前のガス収集ボリュームのいくつかのステージの直列のガス接続は、特定の流れ特性を実現し、凝縮エリアの存在は、また、テスト・デバイスを特に適切なものにし、蒸気が滅菌剤として使用される滅菌プロセスの中での使用のために滅菌剤の特定の凝縮を可能にする。したがって、有利には、プロセス・チャレンジ・テスト・デバイスは、蒸気滅菌プロセスをモニタリングするために使用される。基本的に、滅菌チャンバーのためのすべての空気除去バージョンが使用され得る。プロセスの中のテスト・デバイスは、プロセスがどの蒸気浸透特質を提供するかということをオペレーターに知らせる。
【0056】
本発明の目的は、コンポーネントとして、2つ以上の挿入パーツと、2つ以上のハウジング・パーツとを含む、プロセス・チャレンジ・デバイス組み合わせであって、これらのコンポーネントは、上記に説明されているようなプロセス・チャレンジ・デバイスを提供するために、それぞれの挿入パーツがそれぞれのハウジング・パーツと組み合わせられ得るように構築されており、挿入パーツおよび/またはハウジング・パーツは、異なって構築されており、挿入パーツおよびハウジング・パーツのそれぞれの組み合わせが、その空気除去および殺菌剤浸透特質に関して、それぞれの他の組み合わせとは異なるようになっている、プロセス・チャレンジ・デバイス組み合わせによってさらに実現される。
【0057】
プロセス・チャレンジ・デバイス組み合わせまたはシステムは、挿入コンポーネントのうちの1つおよびハウジング・コンポーネントのうちの1つを選択することによって、具体的なプロセスの試験のために必要または所望される特定の特性/感度を備えたプロセス・チャレンジ・デバイスを提供することを可能にする。非常に便利な方法で、さまざまな条件が、適切な挿入ピースおよびハウジング・ピースの選択によってテストされ得る。異なる構成は、成功した滅菌のさまざまな困難をシミュレートすることが可能である。
【0058】
好ましくは、挿入パーツおよびハウジング・パーツの数は、同一である。
【0059】
好ましくは、プロセス・チャレンジ・デバイス組み合わせは、3つの挿入パーツおよび3つのハウジング・パーツを含む。このように、9つのプロセス・チャレンジ・デバイスが組み立てられ得り、それは、器具の異なる滅菌条件をシミュレートすることを可能にする。
【0060】
好ましくは、挿入パーツは、組み立てられた状態でガス・ボリュームの壁部を提供する外側ハルの相互に異なる長さを有しており、および/または、前記ハウジング・パーツは、組み立てられた状態でガス・ボリュームの壁部を提供する内側ハルの相互に異なる長さを有している。
【0061】
また、本発明は、上記に説明されているプロセス・チャレンジ・デバイスの中へ挿入されるように構成されている生物学的インジケーター、化学的インジケーター、または物理学的インジケーターに関する。
【0062】
本発明の利点は、特に、以下の通りである。上記に説明されているプロセス・チャレンジ・デバイスの2パーツ設計に起因して、検出器ボリュームは、ハウジング・パーツの中へ挿入されることとなるパーツの中に設置され得る。このように、滅菌剤およびガスは、一連のボリュームの全体を通ってトラベルすることによってのみ、検出器ボリュームに到達することが可能である。滅菌剤が検出器ボリュームに到達することができる唯一の道が、ガス収集ボリュームのすべてのステージを通過することによるものであるので、検出器ボリュームの特別なおよび別個のシーリングは必要でなく、寿命を増加させ、そのメンテナンス間隔を減少させる。
【0063】
ガス収集ボリュームの後続のステージの入れ子にされた配置に起因して、プロセス・チャレンジ・デバイスの正味の容積が、従来の設計と比較して低減される。2パーツ設計は、異なるガス・コンパートメントのさまざまな容積/寸法を変化させることを可能にし、それによって、個々の感度要件に対して感度を調節することを可能にする。
【0064】
調節手段および/または両方のパーツを接続するための手段によって、ねじ込み接続は必要でなく、インジケーター/検出器は、非常に迅速に除去/挿入され得る。両方のパーツが長期耐久性のある材料から製造され得り、シーリングは必要ないので、プロセス・チャレンジ・デバイスは、数千回の滅菌サイクルをモニタリングするルーチンのために使用され得る。ハウジング・パーツに対して挿入パーツの引き抜き長さを調節する可能性を提供することによって、特に、異なる位置へ挿入パーツをクリックすることによって、プロセス・チャレンジ・デバイスは、特別な適用要件に調節され得る。
【0065】
本発明のさらなる特徴および利点は、その好適な実施形態のうちのいくつかの以下の詳細な説明から、より明確になるはずであり、その好適な実施形態は、添付の概略図面を参照して作製され、限定の目的のためではなく、インディケーションとして与えられている。
【0066】
とりわけ、添付の図面は、本発明のさらなる理解を提供するために含まれており、本明細書の一部の中に組み込まれており、また、本明細書の一部を構成している。本説明とともに図面は、本発明の原理を説明する。図面において、対応する特質および/またはコンポーネントは、同じ参照数字によって識別されている。
【図面の簡単な説明】
【0067】
図1】好適な実施形態における、ハウジング・パーツおよび挿入パーツを備えたプロセス・チャレンジ・デバイスを斜視図で示す図である。
図2】ハウジング・パーツを斜視図で示す図である。
図3】組み立てられた状態のハウジング・パーツおよび挿入パーツを通る断面を示す図である。
図4】挿入パーツを斜視図で示す図である。
図5】組み立てられた状態のハウジング・パーツおよび挿入パーツを通る断面を示す図である。
図6】挿入パーツがハウジング・パーツの中へ挿入された状態の断面図である。
図7】一緒にフィットさせられている両方のパーツの別の断面図である。
図8】第2の好適な実施形態におけるプロセス・チャレンジ・デバイスのハウジング・パーツを斜視図で示す図である。
図9】組み立てられた状態のハウジング・パーツおよび挿入パーツを通る断面を示す図である。
図10】さらなる好適な実施形態におけるプロセス・チャレンジ・デバイスの挿入パーツを示す図である。
図11】組み立てられた状態のハウジング・パーツおよび挿入パーツを通る断面を示す図である。
図12】ハウジング・パーツの中へ完全に挿入された図10の挿入パーツを示す図である。
図13図12による構成の断面を示す図である。
図14】挿入パーツがハウジング・パーツの中へ緩く挿入された状態の、図12によるプロセス・チャレンジ・デバイスを示す図である。
図15図14の構成を通る断面を示す図である。
図16】調節手段を備えた挿入パーツの詳細図である。
図17】挿入パーツがハウジング・パーツの中へ完全に挿入された状態の構成を示す図である。
図18】挿入パーツが第1の調節された位置にある状態の第1の構成を示す図である。
図19】挿入パーツが第2の調節された位置にある状態の第2の構成を示す図である。
図20】インジケーターが検出器ボリュームの中へ挿入された状態の構成を示す図である。
図21】デバイスの別の断面図である。
図22】第3の好適な実施形態におけるプロセス・チャレンジ・デバイスを斜視図で示す図である。
図23図22のデバイスを側面図で示す図である。
図24図22のデバイスを通る断面図である。
図25図22のデバイスのハウジング・パーツを斜視図で示す図である。
図26】ハウジング・パーツを断面図で示す図である。
図27図22のデバイスの挿入パーツを斜視図で示す図である。
図28】内側パーツを断面図で示す図である。
図29】プロセス・チャレンジ・デバイスを第1の断面図で示す図である。
図30図29のプロセス・チャレンジ・デバイスを第2の断面図で示す図である。
図31図29のプロセス・チャレンジ・デバイスを第3の断面図で示す図である。
図32】好適な実施形態におけるプロセス・チャレンジ・デバイス・システム・コンポーネントの3つのコンポーネントを示す図である。
図33】プロセス・チャレンジ・デバイス・システムの3つのさらなるコンポーネントを示す図である。
図34図29によるプロセス・チャレンジ・デバイスのハウジング・パーツを示す図である。
図35図34のコンポーネントを断面図で示す図である。
図36図34のコンポーネントをさらなる断面図で示す図である。
図37図29によるプロセス・チャレンジ・デバイスの挿入パーツを第1の図で示す図である。
図38図37のコンポーネントをさらなる図で示す図である。
図39図37のコンポーネントを第1の断面図で示す図である。
図40図37のコンポーネントを第2の断面図で示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0068】
図1において、好適な実施形態におけるプロセス・チャレンジ・デバイス2が示されている。図1に表示されているプロセス・チャレンジ・デバイス2は、滅菌剤の浸透特質をテストするように設計された構築スキームを示している。テスト・デバイス2の使用の間に実現される知識は、特に、滅菌プロセスの中での蒸気の検証または試験のために使用され得る。そのような蒸気滅菌プロセスを使用して、滅菌されることとなる器具または材料は、特定されていない滅菌チャンバーの中へ入れられる。最初に、滅菌チャンバーは、空気から除去される。空気除去プロセスは、下向きの重力変位プロセス、超大気圧もしくは亜大気圧の空気除去サイクル、または、それらの組み合わせによって実施され得る。プロセス・チャレンジ・デバイス2は、特に、滅菌ルーチンの滅菌特性をテストするように設計されている。プロセス・チャレンジ・デバイス2は、第1のパーツまたはハウジング・パーツ6を含み、第1のパーツまたはハウジング・パーツ6は、外側ハウジングまたはケーシング10を提供している。第2のパーツまたは挿入パーツ14が、第1のパーツ6の中へ部分的におよび/または完全に挿入可能であり、第2のパーツまたは挿入パーツ14は、ケーシング10のためのカバー18を含む。
【0069】
ケーシング10は、長円形形状を有しており、長円形形状は、プロセス・チャレンジ・デバイス2が滅菌チャンバーの中に配置されているときに必要とされる高さの低減につながる。ケーシング10の中には、開口部22が提供されており、開口部22は、マルチ・ステージのガス・ボリューム/一連のガス・ボリューム(滅菌プロセスの間に、ガスは、2つの対向する方向にその中を輸送され、それらは、内側のケーシング10の中に空間的に入れ子にされた方式で配置されている)のためのエントランス領域である。ケーシング10は、好ましくは、凹んだ領域30を備えたパーツ26を含む。ケーシング10は、第1の端部34において閉じられており、第2の端部38において開口部36を提供しており、第2の端部38において、カバー18が、ケーシング10の上に配置されている。
【0070】
図2は、挿入パーツ14が除去された状態のハウジング・パーツ6を示している。ハウジング・パーツ6は、第2のダクト42またはシェル/ハルを含み、ダクト42およびケーシング10の共通の中央軸線48に対して同心円状に形状決めされており、また、ハウジング・パーツ6は、開口部44を含む。ダクト42は、円筒状に形状決めされており、ケーシング10の内側から底部52に固定されている。ダクト42の内部スペースは、第1の端部34において閉じられている。ハウジング・パーツ6および挿入パーツ14を通る断面が、図3に示されている。
【0071】
図4において、挿入パーツ14が、斜視図で示されており、挿入パーツ14は、装着位置において、ハウジング・パーツ6の中に少なくとも部分的に挿入されている。カバー18は、端部パーツ60および挿入パーツ64を備えた長円形状のピースとして構築されている。完全に挿入された状態では、挿入パーツ64が、ハウジング10の中に完全に挿入されている。完全に挿入された状態では、ケーシング10の縁68(図2を参照)が、端部パーツ60のためのシートとしての役割を果たし、端部パーツ60は、横方向に、挿入パーツ64よりも大きい延在を有している。第2のパーツ14は、長円形形状72を有する第1のダクト70を含む。第1のダクト70は、装着位置において、軸線方向76にケーシング10の中へ延在しており、第1の端部34においてケーシング10の内側の中に経路領域を残している。第1のダクト70の内側には、第3のダクト80が配置されており、第3のダクト80は、外側円形形状を有している。軸線方向76において、第3のダクト80は、第1のダクト70よりも遠くに延在している。検出器ホルダー94を備えた検出器ボリューム90が、好ましくは第1のダクト70を越えて突出している、第3のダクト80の一部として配置されている。第2のパーツ14の上面図が、図5に示されている。
【0072】
プロセス・チャレンジ・デバイス2を製造する好適な方法において、ダクト42は、ケーシング10とは別個のパーツ、および、ケーシング10とは別個に製造されたパーツである。それは、好ましくは、円筒形状のピースであり、ケーシング10の内側の中の対応するソケットの上に置かれている。挿入パーツ14の第3のダクト80は、好ましくは、ダクト70とは別個のパーツ、および、ダクト70とは別個に製造されたパーツである。それは、好ましくは、ダクト70の中へ挿入され、ダクト70の内側の対応するソケットの上に置かれている。
【0073】
検出器ボリューム90は、ケーシング10のデッド・エンドおよび閉端部に配置されており、また、シーリングレスの方式で構築されており、すなわち、それは、シーリング・エレメントおよび/またはガスケットを含まない。これは、シーリング・エレメントが必要ないという利点を有している。公知のデバイスにおいて、シーリング・エレメントは、定期的なチェックおよびメンテナンスを必要とする。その理由は、ガス・リークが測定を無効にすることとなるからである。シーリング・エレメントは、典型的に、検出器を挿入および除去するための検出器チャンバーの開口部に必要とされる。ここで示されているプロセス・チャレンジ・デバイス2において、検出器ボリューム90は、第2のパーツまたは挿入パーツ14の一部である第3のダクト80の端部に配置されている。第2のパーツまたは挿入パーツ14が第1のパーツまたはハウジング・パーツ6から完全に引き抜かれているときには、インジケーター/検出器が、検出器ボリューム90の中へ挿入され得る。検出器ボリューム90への別個のシールされたアクセスは必要とされない。そのうえ、検出器ボリューム90は、ケーシング10の中に提供される一連のガス・ボリュームを横断したガスによってのみアクセス可能である。2つのパーツ6、14を備えた設計、および、第2のパーツ14の端部パーツにおける検出器ボリューム90の場所は、示されている信頼性の高いシーリングレスの設計を可能にする。
【0074】
図6および図7において、プロセス・チャレンジ・デバイス2を通る2つの断面が、デバイス2の垂直の配向に示されている。プロセス・チャレンジ・デバイス2が滅菌チャンバーの中に設置されているときに、滅菌剤および/またはガス/蒸気は、開口部22を通って進入し、第1のダクト70とケーシング10との間を方向100に流れる/移動する/ストリームすることが可能である。より正確には、それは、ケーシング20の内側壁部と第1のダクト70の外側壁部との間を流れることとなる(第1のガス・ボリューム110は、それらによって画定されている)。次いで、それは、ケーシング10の内側を第1の端部34へ流れ続けることとなる。次いで、それは、方向102に流れることとなり、第1のダクト70と第2のダクト42との間で、すなわち、第1のダクト70の内側壁部または表面と第2のダクト42の外側壁部との間で、方向102にその状態を続け、第2のガス・ボリューム114の中に続くこととなる。次いで、それは、向きを変えることとなり、それが検出器ボリューム90に到達するまで、第3のガス・ボリューム118の中を第1のダクト42と第3のダクト80との間で方向104に流れ続けることとなる。このように、ジグザグの進路または経路が、滅菌剤のために画定される。説明されているガスに関するトラベルは、開口部22から検出器ボリューム90へのその道を説明している。滅菌プロセスにおいて、ガスは、ガス・ボリューム110、114、および118の中を両方の方向に移動することとなる。
【0075】
好適な実施形態における第1の通路もしくはボリューム110、または、第1のステージのガス収集ボリュームは、約50cmの容積を有している。好適な実施形態における第2の通路もしくはボリューム114、または、第2のステージのガス収集ボリュームは、約15cmの容積を有している。好適な実施形態における第3の通路もしくはボリューム118、または、第3のステージのガス収集ボリュームは、約7cmの容積を有している。
【0076】
滅菌剤がガス収集ボリュームのエントランスから検出器ボリューム90へ経路全体を通過した場合にのみ、検出器ボリューム90の中に設置されているインジケーター/検出器98が、滅菌剤に反応することとなる。検出器ボリューム90はこのようにのみアクセス可能であるので、結果の高い信頼性が提供される。検出器ボリューム90は、他のテスト・デバイスの場合のような滅菌剤からの直接的なアクセスを防止するために、シールされる必要がなく、他のテスト・デバイスでは、検出器チャンバーが、検出器を挿入するために開けられなければならず、そして、再び閉められなければならず、それによって、シーリング・エレメント/ガスケットが、滅菌剤の直接的な進入を防止するために提供されている。
【0077】
第2の好適な実施形態におけるプロセス・チャレンジ・デバイス2のハウジング・パーツ6が、図8に示されている。以前の図に示されている実施形態とは対照的に、図8による実施形態は、ガスのためのエントランスとして、開口部22を提供していない。ガスが一連のボリュームに進入するためのエントランスは、パーツ6および14の両方の間の円周方向のギャップの中で可能にされる。図9において、第1のパーツ6および第2のパーツ14は、断面で示されている。図10に示されているように、軸線方向76への挿入パーツ14は、ダクト72の上に、一連の係合/調節エレメント120、122、124、126、128、130、132を含む。調節エレメント120〜132は、好ましくは、互から等しく間隔を置いて配置されており、好ましくは、それぞれのラベルを含む。それぞれのラベルは、好ましくは、距離を示しており、第2のパーツ14は、完全に挿入された状態と比較して、その距離だけ第2のパーツ14から引き抜かれている。
【0078】
好ましくは、引き抜き距離を示す追加的なラベル140、142が提供されている。好適な本実施形態では、ラベル140および142は、数字「20」および「10」をそれぞれ示しており、それらは、20ミリメートルまたは10ミリメートルの引き抜き距離を示している。調節エレメント120、124、126、128、130、132は、ラベル「60」、「50」、「40」、「30」を提供されており、それらは、繰り返しになるが、ミリメートルで引き抜き距離を示している。本実施形態では、調節エレメントは、増加する距離とともにダクト72から突出する傾斜面または歯として構築されている。
【0079】
図12において、挿入パーツ14は、ハウジング・パーツ6の中へ完全に挿入されている。図11および図13は、互いに嵌め込まれているパーツ6、14を通る断面を示している。
【0080】
図14は、ハウジング・パーツ6の中の特定の引き抜き長さに調節された挿入パーツ14を表示している。図14において、端部パーツ60は、パーツ14が特定の引き抜き距離においてハウジング・パーツ6と係合されている構成と比較して、90度だけ傾けられている。好ましくは、挿入パーツ14の両側に、調節エレメント126〜132およびラベル140、142が提供されている。このように、挿入パーツ14とハウジング・パーツ6との係合は対称的であり、より良好な力の分配につながる。追加的に、ユーザーに関するハンドリングが改善される。図15は、両方のコンポーネントの断面を示しており、図16は、端部パーツ60の詳細図を示している。
【0081】
図17において見ることができるように、装着位置において挿入パーツ14に面するその内側において、ハウジング・パーツ6は、調節エレメント120〜132と係合することができる突出部150を含む。好ましくは、突出部150は、第1のエレメント6の内側表面の両側に配置されている。突出部150は、エレメント6の内周の半円形のみをカバーしている。このように、挿入パーツ14を特定の角度だけ回すときに、突出部150および調節エレメント120〜132が解除される。
【0082】
この構成では、たとえば、本インジケーターを除去するために、および/または、スロットとして本質的に構築されている検出器ボリューム90の中へ新しいインジケーターを挿入するために、挿入パーツ14は、ハウジング・パーツ6から自由に除去され得る。また、解除位置において、ハウジング・パーツ6に対する挿入パーツ14の引き抜き長さが選ばれ得る。所望の引き抜き長さが選ばれ、それが対応するラベルから推測され得ると、挿入パーツ14は、対応する調節エレメント120〜132と突出部150との係合のために回され得る。好適な実施形態では、ハウジング・エレメント6の中での挿入エレメント14の完全に係合された位置および完全に解除された位置は、ハウジング・エレメント6の中での挿入エレメント14の90度の回転によって到達される。
【0083】
図18において、挿入パーツ14およびハウジング・パーツ6の構成が示されており、そこでは、調節エレメント132が、圧力嵌めの様式で突出部150と係合されている。隣接する調節エレメント130に起因して、より長い引き抜き長さへの挿入パーツ14の移動は、突出部150によって阻止されている。
【0084】
図19および図20は、第2の係合位置にあるプロセス・チャレンジ・デバイス2を示している。図20において、挿入されたインジケーター140が示されている。プロセス・チャレンジ・デバイス2およびインジケーター144は、インジケーター・システム144を構築している。図21において、90度だけ回転させられたプロセス・チャレンジ・デバイスの図が示されている。挿入パーツ14がハウジング・パーツ6から引き抜かれるそれぞれの追加的な距離に伴って、直列に配置されているすべての3つのボリュームの長さが増加される。
【0085】
図22図28において、さらなる好適な実施形態におけるプロセス・チャレンジ・デバイス2が示されている。この実施形態では、ハウジング・パーツ6は、円形の断面を有している。また、好ましくは、この実施形態は、以前の実施形態に関係して説明されているような2つのパーツ6、14によって構築されていおり、一連の3つのガス・ボリュームを提供している。また、好ましくは、ケーシングおよびダクトに関係する2つのパーツ6、14の設計は、上記に説明されているように構築されている。
【0086】
挿入パーツ14がハウジング・パーツ6の中へ部分的にのみ挿入されているときに、ガス/蒸気のためのエントランス領域は、端部パーツ60/カバー18とケーシング10との間の円形ギャップを介して提供される。プロセス・チャレンジ・デバイスは、複数のセットの方向にのみ挿入パーツ14をハウジング・パーツ6の中へ進入させることを可能にする位置合わせ手段を提供することが可能である。次いで、挿入パーツ14およびハウジング・パーツ6が、特定の角度だけ互いに対して回転させられる場合には、挿入パーツ14は、ハウジング・パーツ6から引き抜かれることができない。このように、挿入パーツ14が滅菌プロセスの間にハウジング・パーツ6から解放されないということが、信頼性高く保証され得る。好適な変形例では、ケーシング10/ハウジング・パーツ6の内側に、少なくとも1つの突出部が配置されており、それによって、挿入パーツ14は、少なくとも1つの凹部を備えたカラーを含み、少なくとも1つの凹部は、挿入パーツ14がハウジング・パーツ6の中へ挿入されるときに、突出部が通過することを可能にする。
【0087】
次いで、カラーは、長手方向に配置されており、前記突出部の下方に配置されている。挿入パーツ14が規定の角度だけ回されるときに、突出部は、カラーをブロックし、それによって、フォーム−ロッキング様式で挿入パーツ14の解除を防止する。好ましくは、3つの突出部が、内周に沿って等しく隔を置いて配置されており、カラーは、3つの凹部を含む。
【0088】
図29図31および図37図40は、さらに好適な実施形態におけるプロセス・チャレンジ・デバイスを示している。この実施形態では、軸線方向176へのハウジング・パーツ6の内側ハル170が、ケーシング6の外側ハル172よりも遠くに延在している。このように、パーツ6/14のダクト/壁部同士の間に形成された少なくとも1つのガス・ボリュームのサイズは、両方のハル170、172が同じ軸線方向の延在を有する場合と比較して、容積が変更されている。
【0089】
図32において、3つの異なるハウジング・エレメントまたはハウジング・パーツ6が示されている。これらのハウジング・パーツ6は、すべて、同一の外側ハル172を含む。また、それらは、内側ハル170をそれぞれ含み、内側ハル170は、図33に示されている3つの挿入パーツ14と組み立てられた状態で、プロセス・チャレンジ・デバイスに進入するガスのためのダクトまたはガス経路を形成する。図32に示されているハウジング・パーツ6は、軸線方向176への内側ダクトまたはハル170の長さが異なっている。左側に示されているハウジング・パーツ6は、最も長いハル170を含み、右側に示されているハウジング・パーツ6は、最も短いハル170を含む。
【0090】
図33に示されている3つの挿入パーツ14は、内側パーツ180(その一方の端部186に、検出ボリューム90が形成されている)の軸線方向176への延在によって異なっている。
【0091】
図32によるハウジング・パーツ6、および、図33による挿入パーツ14は、プロセス・チャレンジ・デバイス・システム200を構成する。図33に示されているそれぞれの挿入パーツは、それぞれのハウジング・パーツ6の中に挿入され得る。このように、少なくとも1つの寸法(特に、ガス・ボリュームの長さおよび/または断面)が互いに異なる、9つの異なるプロセス・チャレンジ・デバイス2が構築され得る。したがって、このセットのプロセス・チャレンジ・デバイスは、異なる滅菌感度をシミュレートすることを可能にする。このモジュール式システムは、コンポーネントに必要とされる材料を節減する。9つのプロセス・チャレンジ・デバイスが別個に構築されなければならなくなる場合には、3つの代わりに9つのハウジングおよび挿入パーツが必要になることとなる。また、このシステムは、1つまたは複数のハウジング・パーツ6および/または挿入パーツ14を追加することによって、容易に拡張され得る。
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【国際調査報告】