(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-535826(P2021-535826A)
(43)【公表日】2021年12月23日
(54)【発明の名称】消毒方法及び消毒装置
(51)【国際特許分類】
A61L 2/20 20060101AFI20211126BHJP
A61L 9/01 20060101ALI20211126BHJP
A61L 9/03 20060101ALI20211126BHJP
【FI】
A61L2/20 106
A61L9/01 B
A61L9/03
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】31
(21)【出願番号】特願2021-537511(P2021-537511)
(86)(22)【出願日】2019年9月5日
(85)【翻訳文提出日】2021年4月9日
(86)【国際出願番号】FI2019050636
(87)【国際公開番号】WO2020049224
(87)【国際公開日】20200312
(31)【優先権主張番号】20187119
(32)【優先日】2018年9月9日
(33)【優先権主張国】FI
(31)【優先権主張番号】20187121
(32)【優先日】2018年9月9日
(33)【優先権主張国】FI
(31)【優先権主張番号】20187128
(32)【優先日】2018年9月9日
(33)【優先権主張国】FI
(31)【優先権主張番号】20197109
(32)【優先日】2019年8月9日
(33)【優先権主張国】FI
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】521094953
【氏名又は名称】クレアミックス オサケ ユキチュア
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハッカライネン、ハリ
(72)【発明者】
【氏名】ウィルスカ、パヌ
【テーマコード(参考)】
4C058
4C180
【Fターム(参考)】
4C058AA21
4C058AA23
4C058BB07
4C058CC05
4C058EE29
4C058JJ16
4C058JJ29
4C180AA07
4C180AA10
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4C180EA53X
4C180GG01
4C180GG07
4C180GG13
4C180GG14
4C180GG16
4C180GG18
4C180HH05
(57)【要約】
本発明は、洗浄のために使用される消毒方法に関する。本発明は、過酸化水素H
2O
2は、1つ以上のポンプ又は重力によって生成された液体圧によって、1つ以上のタンク16から1つ以上の排出管6を介して1つ以上の排出装置5へと排出/伝達され、排出装置5は加温/加熱装置4の蒸発部材4eの1つ以上の蒸発上面4eaに過酸化水素を排出し、蒸発上面4eaは水平面に関して1から30度の蒸発角度4ejを有しており、したがって排出装置5側の端部、排出端4cは加温/加熱装置4の排出装置5の逆側の端部のガス排出端4dよりも高くなり、それによって過酸化水素が蒸発部材4e上に重力によって広がり、過酸化水素H
2O
2は過酸化水素ガスに変化し、過酸化水素ガスによって消毒が行われ、蒸発部材4eは、全体的又は部分的のいずれかで、ナイロン又はポリエステルPET又はPEN繊維Pentex又はケブラー又はテクノーラ又はトワロン(登録商標)又はスペクトラ又はダイニーマ又はcetran又はザイロンPBO又はベクトランなどの上記の材料の混合である1つ以上のブレーディング又はマット又は織物、或いはガラス繊維のブレーディング又は炭素繊維、或いは多孔の板又は金属網又は酸化アルミニウムからなることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄のために使用される消毒方法であって、過酸化水素(H2O2)は、1つ以上のポンプ又は重力によって生成された液体圧によって、1つ以上のタンク(16)から1つ以上の排出管(6)を介して1つ以上の排出装置(5)へと排出/伝達され、前記排出装置(5)は加温/加熱装置(4)の蒸発部材(4e)の1つ以上の蒸発上面(4ea)に過酸化水素を排出し、前記蒸発上面(4ea)は水平面に対して1から30度の蒸発角度(4ej)を有しており、したがって前記排出装置(5)側の端部、すなわち排出端(4c)は前記加温/加熱装置(4)の前記排出装置(5)の逆側の端部、すなわちガス排出端(4d)よりも高くなり、それによって過酸化水素が前記蒸発部材(4e)上に重力によって広がり、過酸化水素(H2O2)は過酸化水素ガスに変化し、前記過酸化水素ガスによって消毒が行われ、前記蒸発部材(4e)は、全体的又は部分的のいずれかで、ナイロン又はポリエステル(PET)又はPEN繊維(Pentex)又はケブラー又はテクノーラ又はトワロン(登録商標)又はスペクトラ又はダイニーマ又はcetran又はザイロン(PBO)又はベクトランなどの前記の材料の混合である1つ以上のブレーディング又はマット又は織物、或いはガラス繊維のブレーディング又は炭素繊維、或いは多孔の板又は金属網又は酸化アルミニウムからなる、ことを特徴とする消毒方法。
【請求項2】
過酸化水素(H2O2)は、1つ以上のポンプ又は重力によって生成された液体圧によって、1つ以上のタンク(16)から1つ以上の排出管(6)を介して1つ以上の排出装置(5)へと排出/伝達され、前記排出装置(5)は加温/加熱装置(4)の蒸発部材(4e)の1つ以上の蒸発上面(4ea)に過酸化水素を排出し、前記蒸発上面(4ea)は水平面に関して1から30度の蒸発角度(4ej)を有しており、したがって前記排出装置(5)側の端部、すなわち排出端(4c)は前記加温/加熱装置(4)の前記排出装置(5)の逆側の端部、すなわちガス排出端(4d)よりも高くなり、それによって過酸化水素が前記蒸発部材(4e)上に重力によって広がり、過酸化水素(H2O2)は過酸化水素ガスに変化し、前記過酸化水素ガスによって消毒が行われ、前記排出装置(5)側の端部は、前記加温/加熱装置4の前記蒸発部材(4e)の前記蒸発上面(4ea)の方向に空気を吹くための1つ以上の送風機(2)を有し、前記蒸発部材(4e)は前記加温/加熱装置(4)の最上部であり、前記蒸発上面(4ea)で、前記排出端(4c)において、過酸化水素は1つ以上の排出装置(5)から排出され、前記蒸発部材(4e)は、全体的又は部分的のいずれかで、ナイロン又はポリエステル(PET)又はPEN繊維(Pentex)又はケブラー又はテクノーラ又はトワロン(登録商標)又はスペクトラ又はダイニーマ又はcetran又はザイロン(PBO)又はベクトランなどの前記の材料の混合である1つ以上のブレーディング又はマット又は織物、或いはガラス繊維のブレーディング又は炭素繊維、或いは多孔の板又は金属網又は酸化アルミニウムからなる、ことを特徴とする請求項1に記載の消毒方法。
【請求項3】
吸込空気(3)は1つ以上の送風機(2)によって吸い込まれ、それによって前記蒸発上面(4ea)上に真空が形成され、前記真空に起因して、低温にて過酸化水素が過酸化水素ガスに変化する、ことを特徴とする請求項1に記載の消毒方法。
【請求項4】
1つ以上の内向きリリーフ弁(24)によって、空気が前記消毒装置本体(1)内に入ることから規制され、それによって前記送風機(2)が前記消毒装置本体(1)内から空気を吸い込んでいるとき、前記消毒装置本体(1)内で真空が生成される、ことを特徴とする請求項3に記載の消毒方法。
【請求項5】
前記加温/加熱装置(4)の前記蒸発部材(4e)の前記蒸発上面(4ea)の上側において、気流は前記蒸発上面(4ea)の下側よりも速く、前記消毒方法は2つの連続した送風機(2)を含み、冷気送風機(2a)と呼ばれる上方送風機(2)は前記蒸発部材(4e)上で冷気矢印(22)の方向で冷気を吹き、温気送風機(2b)と呼ばれる下方送風機(2)は、上方の前記冷気送風機(2a)よりも低風量で前記蒸発部材(4e)の下で、加温部材(4f)によって加温/加熱された空気(23)を吹く、ことを特徴とする請求項1に記載の消毒方法。
【請求項6】
前記加温/加熱装置(4)の前記蒸発部材(4e)の前記蒸発上面(4ea)の上側の1つ以上の空気ガイド(7)によって気流領域は前記ガス排出端(4d)に向かって減少され、それによって空気流量は前記ガス排出端(4d)に向かって増加する、ことを特徴とする請求項1に記載の消毒方法。
【請求項7】
前記加温/加熱装置(4)の前記蒸発部材(4e)の前記蒸発上面(4ea)の前記上側の気流の温度は、前記蒸発上面(4ea)の下側よりも低い、ことを特徴とする請求項1に記載の消毒方法。
【請求項8】
前記排出装置(5)は前記加温/加熱装置(4)の前記蒸発部材(4e)の1つ以上の蒸発上面(4ea)に過酸化水素を排出し、水平面表示器(10)によって、前記蒸発上面(4ea)は各方向において正しい位置に調節されてもよく、それによって過酸化水素は均一に流出し、前記蒸発上面(4ea)上で過酸化水素ガスに変化し、前記過酸化水素ガスを用いて消毒が行われる、ことを特徴とする請求項1に記載の消毒方法。
【請求項9】
前記消毒方法の前記装置は消毒装置本体(1)に配置され、前記消毒装置本体(1)は標準的なサイズ及び形状を有し、標準的な、すなわち同様の接続を備えるようなものであり、それに起因して複数の消毒装置本体(1)は並んで又は重なって相互接続されてもよく、前記消毒方法の能力は、1つの消毒装置に所望の数の消毒装置本体1を配置することによって所望された通りに選択されてもよい、ことを特徴とする請求項1に記載の消毒方法。
【請求項10】
前記消毒装置本体(1)は、金属、ステンレス鋼又はアルミニウム又は銅又は鋼によって形成された閉じられた箱であり、前記吸入端(1d)における上側(1a)には1つ以上の吸入口/吸入通路(1f)が存在し、前記吸入口/吸入通路(1f)から、空気/ガスが前記消毒装置本体(1)内部に入ってもよく、前記空気/ガスは過酸化水素(H2O2)を気化させるために前記消毒装置本体(1)内部で使用され、前記消毒装置本体(1)の前記吹込端(1e)には1つ以上の吹込口/吹込通路(1g)が存在し、前記吹込口/吹込通路(1g)から、過酸化水素(H2O2)過酸化水素ガス(14)が、直接、又は1つ以上の所望の対象への所望の管又は別の通路/経路を介して洗浄対象に到達してもよく、前記吸入口/吸入通路(1f)及び前記吹込口/吹込通路(1g)は、前記消毒装置本体(1)の上側、端部、下側又は側部に配置されてもよく、前記送風機(2)がガス及び空気の混合物の空気又はガスの循環を実行するので、その位置は必要に応じて自由に選択されてもよく、1つ以上の吸入路/吸管(12)及び吹込路/吹管(13)が前記吹込口/吹込通路(1g)に対して固定されてもよい、ことを特徴とする請求項1に記載の消毒方法。
【請求項11】
清浄な空気を吹き込むため、又は浄化対象の空気を循環させるために1つ以上の送風機(2)が設けられ、前記送風機(2)は、前記吸入端(1d)において、1つ以上の吸入口/吸入通路(1f)から前記消毒装置本体(1)に吸込空気(3)を吸い込み、前記送風機(2)は、矢印(3)の方向においてガス/空気を吸い込む、軸流送風機、又はガス/空気を動かす同様の装置であり、前記空気は空気濾過器/清浄器を使用することによって濾過されてもよく、前記吸込空気(3)について、前記吸込空気(3)は空気、酸素、アルゴン、又は上記の混合でもよく、前記送風機(2)は、側方から見た場合にほぼ水平に、1から30度の蒸発角度(4ej)にて、吸込空気(3)を前記加温/加熱装置(4)の過酸化水素排出端(4c)に吹く、ことを特徴とする請求項1に記載の消毒方法。
【請求項12】
前記蒸発部材(4e)は、マット又は織物と呼ばれる場合もある、交差して織られたブレーディングであり、前記蒸発部材(4e)の密度は、前記蒸発部材(4e)を空気が通過してもよいようにされ、前記蒸発部材(4e)の厚さは、前記蒸発部材(4e)の表面領域に応じて0.5から3mmである、ことを特徴とする請求項1に記載の消毒方法。
【請求項13】
前記消毒装置本体(1)は、上方から見た場合に星形であり、それによって過酸化水素ガス(14)は洗浄対象空間に良好に広がってもよく、それに対応して、吸込空気(3)は前記消毒装置に集中的に吸い込まれ、それによって前記所望の吸込空気(3)が所望の場所から導かれてもよい、ことを特徴とする請求項1に記載の消毒方法。
【請求項14】
前記吸入路/吸管(12)に沿って、吸込空気(3)は前記消毒装置に到達し、前記吸入路/吸管(12)は、柔軟及び継続的な、いわゆるひだ状管であることが好ましく、その長さは引っ張ることによって長くなってもよく、押すことによって短くなってもよく、前記管は、例えば移動式の空気調和装置から既知であり、及び/又は前記吹込路/吹管(13)は、柔軟及び継続的な、いわゆるひだ状管であることが好ましく、その長さは引っ張ることによって長くなってもよく、押すことによって短くなってもよい、ことを特徴とする請求項1に記載の消毒方法。
【請求項15】
洗浄のために使用される消毒装置であって、過酸化水素(H2O2)は、1つ以上のポンプ又は重力によって生成された液体圧によって、1つ以上のタンク(16)から1つ以上の排出部材(6)を介して1つ以上の排出装置(5)を有する排出装置本体(1)へと排出/伝達されてもよく、前記排出装置(5)によって、加温/加熱装置(4)の蒸発部材(4e)の1つ以上の蒸発上面(4ea)に過酸化水素が排出されてもよく、前記蒸発上面(4ea)は水平面に対して1から30度の蒸発角度(4ej)を有しており、したがって前記排出装置(5)側の端部、すなわち排出端(4c)は前記加温/加熱装置(4)の前記排出装置(5)の逆側の端部、すなわちガス排出端(4d)よりも高くなり、それによって過酸化水素が前記蒸発部材(4e)上に重力によって広がり、過酸化水素(H2O2)は過酸化水素ガスに変化し、前記過酸化水素ガスによって消毒が行われ、前記排出装置(5)側の端部は、前記加温/加熱装置(4)の前記蒸発部材(4e)の前記蒸発上面(4ea)の方向に空気を吹くための1つ以上の送風機(2)を有し、前記蒸発部材(4e)は前記加温/加熱装置(4)の最上部であり、前記蒸発上面(4ea)で、前記排出端(4c)において、過酸化水素は1つ以上の排出装置(5)から排出され、前記蒸発部材(4e)は、全体的又は部分的のいずれかで、ナイロン又はポリエステル(PET)又はPEN繊維(Pentex)又はケブラー又はテクノーラ又はトワロン(登録商標)又はスペクトラ又はダイニーマ又はcetran又はザイロン(PBO)又はベクトランなどの上記の材料の混合である1つ以上のブレーディング又はマット又は織物、或いはガラス繊維のブレーディング又は炭素繊維、或いは多孔の板又は金属網又は酸化アルミニウムからなる、ことを特徴とする消毒装置。
【請求項16】
前記蒸発部材(4e)は前記加温/加熱装置(4)の最上部であり、前記蒸発上面(4ea)で、前記排出端(4c)において、過酸化水素は1つ以上の排出装置(5)から排出され、蒸発部材(4e)に1つ以上の網(4ei)が存在する、ことを特徴とする請求項15に記載の消毒装置。
【請求項17】
前記網(4ei)は、0.3から5mmのメッシュサイズ及び0.3から1.0mmのワイヤー厚さを有する金属ワイヤーから形成される網である、ことを特徴とする請求項16に記載の消毒装置。
【請求項18】
1つ以上の内向きリリーフ弁(24)は、前記消毒装置本体(1)内に空気が入ることを規制するために使用され、それによって前記送風機(2)が前記消毒装置本体(1)内から空気を吸い込んでいるとき、前記消毒装置本体(1)内で真空が生成される、ことを特徴とする請求項15に記載の消毒装置。
【請求項19】
前記内向きリリーフ弁(24)は調節可能であり、それによって前記消毒装置本体(1)内で所望の真空が調節されてもよく、前記真空は1つ以上の真空計(25)によって計測可能である、ことを特徴とする請求項18に記載の消毒装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の目的
本発明は、人及び動物の住環境などの洗浄対象における洗浄、さらには人間及び動物の食物の生育/貯蔵環境における洗浄、又は人及び動物の輸送/移動環境における洗浄のために使用される消毒方法に関する。本発明は、さらに、人及び動物の住環境などの洗浄対象における洗浄、さらには人間及び動物の食物の生育/貯蔵環境における洗浄、又は人及び動物の輸送/移動環境における洗浄のために使用される消毒装置に関する。
【背景技術】
【0002】
洗浄対象の詳細
微生物及びバクテリアを根絶するために使用される。病院など、微生物、バクテリア又は細菌の増殖によって汚染されたあらゆる場所又は物が洗浄される。
【0003】
消毒は以下において必要とされる。
− 構内洗浄のために病院において。病院のバクテリア及び接触性伝染病を制御するため。
− 救急車及び患者輸送設備の洗浄のため。
− 輸送設備並びに火災及び救助サービスの他の装備の洗浄のため。
− 建物の空気調和システムの洗浄のため。
− 実験空間(例えば安全キャビネット)の洗浄のため。
− 食品業界において、室内、機械及び輸送設備の洗浄のため。
− バイオ燃料の製造 − 製品ロスの削減。汚染対象のみが洗浄される。
− 国防軍、バイオテロリズム、細菌戦において、汚染対象/設備が洗浄される。
− セキュリティ用途、安全用途において、輸送設備、及び衣服などの他の装備が洗浄される。
− 動物疾患/動物生産施設。汚染施設が洗浄される。
− 輸送物流(船、飛行機など)、汚染輸送機器が洗浄される。
− 蟻の駆除、紙魚駆除など、有害生物防除、微生物防除、害獣害虫駆除のため。
駆除を要する不快なもの及びその標的となるもの。
− バクテリア、微生物、ウィルス、及び有害生物/害獣害虫。例えば、病院、家庭内、店舗、実験室、一般に人及び動物によって使用される施設/空間において。
− バクテリア、微生物、ウィルス、及び有害生物/害獣害虫。例えば、生物戦/テロリズムによる汚染後の施設/領域の洗浄。自然災害後(身体がバクテリア、微生物、又はウィルスに感染することによって蔓延させないように、例えば身体消毒のために、生体物質を破壊)。
− バクテリア、微生物、ウィルス、及び有害生物/害獣害虫。通気路、水道管路(空の場合)、下水管など、移動体のための様々な種類の経路、ルート網、運搬体のためのトンネル。
− バクテリア、微生物、ウィルス、及び有害生物/害獣害虫。救急車両、消防車両、バス、車、飛行機、船、ロケット、作業機械など、地上、水上、空中における車両。
− バクテリア、微生物、ウィルス、及び有害生物/害獣害虫。
【0004】
従来技術
現在、洗浄対象に向けて空間に該当する物質を直接噴霧することにより、弱過酸化水素が洗浄のために使用される。
【0005】
問題は、非伝搬性であることで、どこにも伝搬しないことである。また、過酸化水素は液状において腐食性を有するため、腐食作用も問題である。洗浄対象の表面に均一に過酸化水素を投与することは実現が不可能であるため、過酸化水素成分の量を調節することが困難である。過酸化水素成分が不均一であるため、結果として洗浄時間にばらつきが生じる。水分点に近接して、不正確な投与が行われると、過酸化水素は凝縮して液体に戻り、それによって液体過酸化水素は洗浄対象に残り、洗浄対象を腐食させる。現在のところ、過酸化水素による洗浄は、時間がかかり、不正確で、結果的に高価な作業である。さらに、そのような洗浄が行われたとしても、洗浄対象の一部は均一に洗浄されないであろう。
【0006】
公報、特開2003−339829(図面、機械翻訳段落[0013]−[0024])から、洗浄を目的とした消毒方法及び消毒装置が知られている。本方法において、過酸化水素は、ポンプによって生成された液体圧において、容器から噴霧部材を介して、高温のキャリアガス蒸気も導かれる蒸発部材へ噴霧される。蒸発部材において、過酸化水素は過酸化水素ガスに変化する。キャリアガス蒸気を吹くために、送風機が使用される。
【0007】
公報、特開2003−339829において、蒸発部材は、閉じられた壁による長尺且つ直線状の開放空間によって形成され、蒸発部材は、公報においてフラッシング領域/ゾーンと呼ばれ、そのフラッシング領域/ゾーンに対して、空気と過酸化水素溶液が混合して噴霧され、それに起因して、過酸化水素が小液滴となる。フラッシング領域/ゾーンは、電気ヒータによって外部から加熱される。機械翻訳から、「フラッシング領域/ゾーンはスプレーノズルの下流に存在し、電気ヒータは、拡大径部を有するフラッシング領域/ゾーンに設置され、電気ヒータは、過酸化水素溶液が微細な粒子に蒸発する十分な長さである。さらに、側面から見ると、フラッシング領域/ゾーンは円筒状又はラッパ管状をしており、垂直又は水平に設置されることが好ましい。フラッシング領域/ゾーンは蒸発面を有さない。
【0008】
公報、欧州特許出願公開第2650023(A1)号(公報全体、特に段落[0014]−[0024]、図面)から、洗浄のための消毒方法及び消毒装置が知られている。本方法において、過酸化水素は、ポンプによって生成された液体圧において、タンクから噴霧部材を介して、高温のキャリアガス蒸気も導かれる蒸発部材へ噴霧される。蒸発部材において、過酸化水素は過酸化水素ガスに変化する。特に、
図4は、蒸発部材が内部に蒸発面を有さない閉タンクであることを示す。
【0009】
公報、米国特許出願第2004265459(A1)号(段落[0006]−[0009]、[0011]、[0065]−[0068]、図面)から、洗浄のための消毒方法及び消毒装置が知られている。本方法において、消毒剤(過酸化水素など)は、ポンプによって生成された液体圧において、タンクから噴霧部材を介して、高温のキャリアガス蒸気も導かれる蒸発部材へ噴霧される。蒸発部材において、過酸化水素は気化される。本公報において、高温キャリアガスを吹くために送風機が使用されることは明示的に言及されない。特に、
図1は、蒸発部材が内部に蒸発面を有さずキャリアガスと酢酸とを混合するガイド板のみを有する閉タンクであることを示す。
【0010】
特開2003−339829、欧州特許出願公開第2650023(A1)号及び米国特許出願第2004265459(A1)号のすべての公報において、蒸発部材は、蒸発面又は手段が存在しないタンク状構造内の閉タンク状構造から形成される。特開2003−339829、欧州特許出願公開第2650023(A1)号及び米国特許出願第2004265459(A1)号のすべての公報において、過酸化水素は、過酸化水素が気化される蒸発部材に対して、ポンプによって生成された液体圧によって噴霧される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2003−339829(図面、機械翻訳段落[0013]−[0024])
【特許文献2】欧州特許出願公開第2650023(A1)号(公報全体、特に段落[0014]−[0024]、図面)
【特許文献3】米国特許出願第2004265459(A1)号(段落[0006]−[0009]、[0011]、[0065]−[0068]、図面)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
目的は、過酸化水素(H
2O
2)がガス状態では腐食性でないため、腐食が発生しない過酸化水素ガス(H
2O
2)によって消毒が実行されることである。
【0013】
上記の欠点は除かれる場合があり、上記の目的は、請求項1の特徴部分に開示されるものによって特徴づけられる本発明の消毒方法によって達成される場合があり、本方法の好適な実施例が請求項2から14に開示される。本発明による消毒装置は、請求項15の特徴部分に開示されるものによって特徴づけられ、締め要素の好適な実施例が従属項16から19に開示される。
【0014】
本発明の最も重要な利点として、本発明の消毒方法が、洗浄対象に対する過酸化水素ガスの正確な投与を実現することを言及する場合がある。正確な量の過酸化水素は、蒸発部材である、1つ以上の蒸発部材を有する1つ以上の加温/加熱装置において液体流として1つ以上のノズルから過酸化水素を排出することによって正確に投与されてもよい。蒸発部材は加温/加熱装置の上方部分であり、排出端に対向するその上面において、過酸化水素が1つ以上の排出装置から排出される。蒸発部材は、ガラス繊維ブレーディングからなる。蒸発部材の蒸発上面は、側方から見た場合に1から30度の蒸発角度を有しており、したがって蒸発排出端は蒸発ガス端よりも高くなり、それによって過酸化水素が下って流出し、排出装置の後の蒸発部材の蒸発上面全体に均一に広がり、その蒸発上面において、過酸化水素は過酸化水素ガスにガス化され、その過酸化水素ガスを使用して、1つ以上の吹込路/吹管によって洗浄が制御可能に最良に実行される。吹込路の断面形状は丸型とは異なってもよく、断面は、四角形、長方形、楕円形、三角形、多角形など、既知の形状を有してもよい。蒸発面の下側の加温部材が蒸発面を温めるのにともなって、蒸発上面において、過酸化水素は過酸化水素ガスへと急速に蒸発する。蒸発面の上側の気流は下側の気流よりも速く、上側の速い気流はそれとともに気化した過酸化水素を吸い込む傾向にあるため、過酸化水素は急速にガス化する。蒸発面の上側の気流は下側の気流よりも冷たく、それに起因して空気過流、すなわち乱気流が蒸発部材の上側で生成され、それが過酸化水素のガス化を加速する。本発明の消毒方法の使用の結果、洗浄費用が大幅に節約されることは明らかである。
【0015】
過酸化水素に関する一般的な情報(Wikipedia)
https://fi.wikipedia.org/wiki/Vetyperoksidi#Aiheesta_muualla
過酸化水素(超酸化水素と呼ばれる場合もある)H
2O
2は、水素の酸化物の1つであり、そのCAS番号は7722−84−1である。水素の他のより一般的な酸化物は水(H
2O)である。
【0016】
性質
過酸化水素は強力酸化剤である。温められると、水と酸素に分解し、それによって同時にその過程においてエネルギーが放出される。いくつかの金属及び不純物が分解過程の触媒の役割を果たす。過酸化水素液は、分解過程の速度を下げることを目的とした場合、例えば、リン、硫黄、ホウ素、クエン酸、アセトアニリド、又はアセトフェネチドによって安定化される場合がある。
【0017】
85パーセント未満の過酸化水素は燃焼せず、強力酸化剤であり、したがって燃焼剤とともに過酸化水素を使用することによって深刻な燃焼又は爆発の危険性がある。85パーセントを上回る過酸化水素は、分解中に青い炎をともなって燃焼し、したがってその分解反応はそれよりも弱い過酸化水素溶液とは異なる。
【0018】
分解時、過酸化水素は水と酸素とに変化する。
2H
2O
2 → 2H
2O+O
2
【0019】
過酸化水素は不安定で、それ自体で分解するが、反応は非常に遅い。反応は、触媒(二酸化マンガンなど)の使用によって加速される場合もある。過酸化水素において、酸素の酸化数は−Iであり、0(O
2)と−II(H
2O)の分解生成物である。したがって反応において不均化反応が発生し、酸化数の増加及び減少の両方が起こる。
【0020】
過酸化水素の漂白及び消毒の能力は、分解過程において形成される反応性の高い自由酸素原子に基づく。
【0021】
利用
酸化水素は、キャリアロケットのために使用される燃料のオキシダントとして使用されてきた。
【0022】
過酸化水素の工業的用途はパルプ及び織物の漂白を含み、医療及び食品業界においては消毒薬として使用される。工業において使用される過酸化水素は、通常、35又は50パーセントの過酸化水素であるが、他の濃度も同様に利用可能である。消毒のため、100パーセントの過酸化水素も使用される場合がある。
【0023】
低(5パーセント未満)濃度の過酸化水素は、髪の脱色など、化粧品において使用され、例えばコンタクトレンズの洗浄液として、さらには傷の消毒時に使用される。消毒の能力は、触媒としての役割を果たす過酸化水素血液の分解に基づく。放出される酸素がバクテリアを殺滅する。
【0024】
空気中又は他の自然へ過酸化水素が放出されたとしても短期の害を発生させるのみであるため、過酸化水素は、最近では、非常に広範囲にわたって使用されている。放出されると、比較的急速に水と酸素に分解し、したがって環境又は個体群に対して長期の問題を発生させない。
【0025】
Wikipediaの「帆布(sailcloth)」では、様々な繊維が列挙されており、帆布の繊維は、蒸発部材の素材として非常に適している。
https://en.wikipedia.org/wiki/Sailcloth
帆布は、様々な種類の帆布におけるリネン、ヘンプ、木綿などの天然繊維から、数多くの織物、紡糸織物、成形織物(cast textile)におけるナイロン、ポリエステル、アラミド、炭素繊維を含む合成繊維まで幅広い種類の材料を包含する。
1 歴史
〇1.1 西洋の伝統
〇1.2 他の伝統
2 現代の繊維
〇2.1 ナイロン
〇2.2 ポリエステル(PET)
〇2.3 PEN繊維(Pentex)
〇2.4 ケブラー
〇2.5 テクノーラ
〇2.6 トワロン(登録商標)
〇2.7 スペクトラ
〇2.8 ダイニーマ
〇2.9 certran
〇2.10 ザイロン(PBO)
〇2.11 ベクトラン
〇2.12 炭素繊維
【0026】
https://fi.wikipedia.org/wiki/Alumiinioksidi
酸化アルミニウム、又はアルミナ、(Al
2O
3)はアルミニウムの酸化物である。様々な製品における添加物及び充填物として、さらには触媒として、ホール・エルー法によってアルミニウム金属が製造される際に大量の化合物が使用される。酸化アルミニウムは、コランダム中の純粋なα酸化アルミニウムにおいて自然に発生する。酸化アルミニウムは、工業的にはバイヤー法によって製造される。2015年、およそ115,000,000トンの酸化アルミニウムが世界で製造された。
【0027】
製造された酸化アルミニウムの大部分は、ホール・エルー法によって金属アルミニウムの製造のために使用される。この方法において、氷晶石が酸化アルミニウムに加えられる。酸化アルミニウムと氷晶石との混合物は、940から980℃の温度において工業規模で溶融され、その溶融物を電気分解し、それによってアルミニウムが陰極によって還元されることでアルミニウムは生成される。
【0028】
酸化アルミニウムは、塗装において添加物として、紙工業、ガラス繊維製造において、その硬度のため研磨剤として、脱硫動作において触媒として、及び触媒のキャリアとして、人工コランダム、ルビー及びサファイアの製造において、セラミック材料の製造において、TLCプレートにおいて、炭化水素の除湿剤として、化学薬品の洗浄において、実験室オーブンのコーティングとして、電子機器工業において使用される。
【0029】
蒸発器材料は酸化アルミニウムをプレスしたものである。プレス成形が可能である。
【0030】
以下において、以下の添付図面を参照して本発明を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本発明の消毒方法による消毒装置本体の断面垂直側面図である。
【
図2】
図1の消毒装置本体の上部からの垂直図である。
【
図3】
図1及び
図2の消毒装置本体の加温/加熱装置の垂直側面図である。
【
図6】
図5の加温/加熱装置の拡大垂直端面図である。
【
図7】
図6の加温/加熱装置の組み立てられた蒸発部材の垂直端面図である。
【
図9】スキュー角における
図7及び
図8の蒸発部材の垂直側面図であり、そのスキュー角において蒸発部材は消毒装置本体に対して設置され、
図9の上方左端部において、排出装置が存在する。
【
図13】過酸化水素の排出装置の垂直側面図であり、
図1及び
図2の消毒装置本体内において、過酸化水素液は、排出装置の下側から、図の右側に開放する排出路を通って流出する。
【
図14】
図13の排出装置の排出方向を形成する垂直詳細図である。
【
図15】排出方向から垂直に見た場合の、
図13及び
図14の排出装置の排出方向からの垂直図である。
【
図17】使用空間に配置された、
図1及び
図2の消毒装置本体の上方からの垂直図である。
【
図18】使用空間に配置された、
図17の消毒装置本体の垂直前面図であり、使用空間は閉じられており、使用空間において、左側に、吸入路/吸管が輸送位置に向かって屈曲するように描かれ、右側に、吹込路/吹管が輸送位置に向かって屈曲するように描かれる。
【
図19】使用空間に配置された、
図18の消毒装置本体の垂直前面図であって、使用空間が開放されている。
【
図21】使用空間に配置された、
図18、
図19及び
図20の消毒装置本体を示す図であり、前方から垂直に見た場合に、使用空間が開放されており、使用空間において、左側では吸入路/吸管は使用位置/洗浄位置に向かって開放されて描かれており、右側では吹込路/吹管が使用位置/洗浄位置に向かって開放されて描かれている。
【
図22】使用空間に配置された
図21の消毒装置本体の垂直前面図であり、使用空間は開放されており、使用空間において、左側では、過酸化水素タンクが使用空間のカバーから吊り下げられており、そこから過酸化水素が重力によって排出装置へ流出する。
【
図23】本発明による第2の消毒装置の図であり、消毒装置本体が使用空間に配置され、上方から垂直に見た場合に、使用空間は開放され、使用空間において、左側では吸入路網/吸管が使用位置/洗浄位置に向かって開放されて描かれており、右側では吹込路システム/吹管が使用位置/洗浄位置に向かって開放されて描かれている。
【
図24】使用空間に配置された
図23の消毒装置本体の図であり、上方から垂直に見た場合に、使用空間は開放され、使用空間において、左側では吸入路網/吸管が使用位置/洗浄位置に向かって開放されて描かれており、右側では吹込路網/吹管が使用位置/洗浄位置に向かって開放されて描かれており、吸入路/吸管及び吹込路/吹管は、洗浄対象の空間に向かって気密性間仕切壁を通過する。
【
図25】本発明の第3の消毒装置の図であり、消毒装置本体が使用空間に配置され、前方から垂直に見た場合に、使用空間は開放され、使用空間において、左側では吸入路/吸管が使用位置/洗浄位置に向かって開放されて描かれており、右側では吹込路/吹管が使用位置/洗浄位置に向かって開放されて描かれており、使用空間は吹込路/吹管に向かって過酸化水素ガスを吹くための圧力送風機を有する。
【
図26】本発明の第4の消毒装置の図であり、消毒装置本体は消毒キャビネットに配置され、前面から垂直に見た場合に、
図26では消毒装置本体の一部は省略されており、図は、所望の数の消毒装置本体が消毒キャビネットに配置されてもよく、それによって消毒キャビネットの消毒能力が調節可能であることを図示する。
【
図27】本発明の第5の消毒装置の上方からの垂直図であり、消毒装置本体は星形に配置される。
【
図28】本発明の第6の消毒装置の垂直側面図であり、消毒装置本体は断面で示され、消毒装置本体内には2つの連続した送風機が存在する。
【
図29】本発明の第7の消毒装置の垂直側面図であり、消毒装置本体は断面で示され、消毒装置本体内には送風機が存在し、空気排出端に配置され、それによって送風機は消毒装置本体に対して真空を生成する。
【
図30】本発明の第8の消毒装置の垂直側面図であり、消毒装置本体は断面で示され、消毒装置本体内には送風機が存在し、空気排出端に配置され、それによって送風機は消毒装置本体に対して真空を生成し、本体の吸入端において調節可能な内向きリリーフ弁が存在する。
【発明を実施するための形態】
【0032】
添付の図面及び関連部分に示す発明は同程度に示されておらず、図面は概略的であり、原則的に、本発明の好適な実施例及びその一部の構造及び動作を例示する。
【0034】
図において、消毒装置本体1は、金属、好ましくはステンレス鋼によって形成された閉じられた長方形の箱であり、吸入端1dにおけるその上側1aには1つ以上の吸入口/吸入通路1fが存在し、その吸入口/吸入路1fから、空気/ガスが消毒装置本体1内部に入ってもよく、前記空気/ガスは過酸化水素(H
2O
2)を気化させるために消毒装置本体1内部で使用される。吹込端1eの消毒装置本体1の上側1aには1つ以上の吹込口/吹込通路1gが存在し、その吹込口/吹込路1gから、過酸化水素(H
2O
2)過酸化水素ガス14が、直接、又は1つ以上の所望の対象への所望の管などの通路/経路を介して洗浄対象に到達してもよい。図とは異なり、吸入口/吸入路1f及び吹込口/吹込路1gは、消毒装置本体1の端部、下側又は側部に配置されてもよく、送風機2が空気又はガスの循環及び空気混合を実行するので、その位置は必要に応じて自由に選択されてもよい。1つ以上の吸入路/吸管12及び吹込路/吹管13が吸入口/吸入路1f及び吹込口/吹込路1gに対して、
図18、
図19、
図20、
図21、
図22、
図23、
図24及び
図25に示すように、既知のようにして、最良には回転可能なようにして締め付けられてもよい。
【0035】
消毒装置本体1は、上側1a、下側1b、側部1c、吸入端1d、吹込端1e、吸入口/吸入路1f、吹込口/吹込路1gを有する。
【0036】
図において、吹込ガイド1gaは、屈曲されたシートメタル、好ましくはステンレスで形成され、吹込端1eにおいて消毒装置本体1内部で固定される。
【0037】
清浄な空気を吹き込むため、又は洗浄対象の空気を循環させるために1つ以上の送風機2が設けられる。送風機2は、吸入端1dにおいて、1つ以上の吸入口/吸入路1fを介して消毒装置本体1の内部で吸込空気3を吸い込む。
【0038】
送風機2は、矢印3によって示される方向においてガス/空気を吸い込む、最も既知の軸流送風機、遠心送風機、又はガス/空気を動かす同様の装置である。最も好適に濾過された空気、建設業界から既知の濾過器/洗浄器は図に示されない。吸込空気3について、吸込空気3は、空気、窒素、アルゴン、又はその混合でもよい。送風機2は、側方から見た場合にほぼ水平面にて、吸込空気3を加温/加熱装置4の過酸化水素の排出端4cに吹く。
【0039】
吸込空気3を吹くために、空気を加温/加熱装置4に対して導入するように空気ガイド/管システムが使用されてもよい。同様の技術を使用して、単一の大型送風機が使用されてもよく、それによって吸込空気3は複数の加温/加熱装置4に吹かれる。例えば、
図27の構造解決策において、8つの消毒装置本体1及びその内部の加温/加熱装置4に吸込空気3を吹くために、1つの大型送風機が使用される。
【0040】
加温/加熱装置4は、上側4a、下側4b、排出端4c、ガス排出端4d、及び側部4eを有する。
【0041】
蒸発部材4eは、加温/加熱装置4の最上部であり、その上面において、排出端4cに向かって、過酸化水素は1つ以上の排出装置5から排出される。
【0042】
蒸発部材4eは、ガラス繊維ブレーディングから形成される。蒸発部材4の蒸発上面4eaは、側方から見た場合に1から30度の蒸発角度4ejを有しており、したがって蒸発排出端4ecは蒸発ガス端4edよりも高くなり、それによって過酸化水素が下って流出し、蒸発部材4eの排出装置5の後の蒸発上面4ea全体に均一に広がる。
【0043】
蒸発部材4eは、蒸発上面4ea、蒸発下面4eb、蒸発排出端4ec、蒸発ガス端4ed、蒸発部材側部4ee、及びガラス繊維ブレーディング4efを有する。
【0044】
ガラス繊維ブレーディング4efは、ガラス繊維マットと呼ばれる場合もある、既知の交差して織られたガラス繊維ブレーディング4efのようなものである。ガラス繊維ブレーディング4efの密度は、そのガラス繊維ブレーディングを空気が通過してもよいようにされ、ガラス繊維ブレーディング4efの厚さは、蒸発部材4eの領域に応じて0.5から3mmである。
【0045】
図4において、上枠4egは、蒸発上面4eaへの長方形開口部4ekを図において有し、この開口部4ekの領域から、過酸化水素は気化されてもよい。開口部4ekの形状は、図の長方形とは異なってもよく、上部から見た場合の形状は、円錐又は楕円形でもよく、又は他の既知の形状でもよい。
【0046】
図において、下枠4ehは、長方形開口部4ekを有し、この開口部4ekの領域から、送風機2からの空気が下側からの過酸化水素を気化するようになる。
【0047】
網4eiは2から5mmのメッシュサイズ及び0.3から1.0mmのワイヤー厚さを有する、最良ではステンレス鋼から形成された網であり、上方から見た場合の網4eiの形状は正方形であることが好ましい。図とは異なり、ガラス繊維ブレーディング4efは、上枠4egに対して耐熱接着剤を使用して接着されてもよく、それによって下枠4ehが必要なくなる。ガラス繊維ブレーディング4efの上部において、過酸化水素の制御不能な排出を防ぐ網4eiが存在する。
【0048】
図8は、網4eiがガラス繊維ブレーディング4efの上側及び下側にあり、それによってガラス繊維ブレーディング4efは網4eiの間で加圧され、上枠4egと下枠4ehとによって加圧され、それによって接着剤による固定が必要ないことを示す。上枠4egと下枠4ehとは、例えば既知のリベットによって互いに固定されてもよく、好ましくは、下枠4eg及び下枠4ehの下向きに屈曲した側部(
図7及び
図8)は80から89度の内角を有するように折られ、それによって上枠4egと下枠4ehは、圧縮接続によって屈曲した側で互いに接着する。
【0049】
図において、加温部材4fは、加温上側4fa加温リブ4fcを備えたアルミニウム片である。
【0050】
加温部材4fは、加温上側4fa、加温下側4fb、加温リブ4fc、及びその中の加温リッド端4fcaを有する。
【0051】
図において、加温器4gは、電気(電気エネルギー)によって継続的に調節可能な加温板であり、既知のように、その温度が継続的に調節可能な、電気ストーブで使用されている種類の電気要素など、既知の方法によって既知の電気要素によって構成される。
【0052】
加温/加熱装置4の最下部である冷却器4hについて、冷却器4hの役割は、下側から加温器4gを冷却することによって加温器4gの温度を管理することである。冷却器4hは、冷却上側4ha及び冷却下側4hbを有する。図において、冷却器4hは、冷却下側4hb冷却リブ4hcを備えたアルミニウム片である。冷却器4hは、冷却上側4ha、冷却下側4hb、及び1つ以上の冷却リブ4hcを有する。
【0053】
過酸化水素の排出装置5は、図において、プラスチックからそれを印刷することによって製造された片であり、排出管6のための排出管コネクタ5e及び排出路5fを有する。
【0054】
排出装置5は、排出上側5a、排出下側5b、排出側5c、送風機側5d、排出管コネクタ5eを有する。
【0055】
排出下側5bは、排出下側5bから、蒸発部材4eに対して、より具体的には排出側5cに対して過酸化水素を排出する。排出側5cは、蒸発ガス端4edの側、すなわち蒸発部材4eの下側である。送風機側5dは、送風機2側の側である。
【0056】
排出路5fは、排出装置5内部の1つ以上の開口部であり、複数の開口部に分岐している。排出路5fは過酸化水素の流入端5faである1つ以上の排出管コネクタ5eで開始し、排出路5fは過酸化水素の排出端5fbにおいて終端し、過酸化水素の排出端5fbは過酸化水素の1つ以上の排出ガイド5fbaを有する。
【0057】
排出路5fは、過酸化水素の流入端5fa及び過酸化水素の排出端5fbを有する。
【0058】
過酸化水素の排出端5fbにおいて、過酸化水素排出ガイド5fbaが存在する。図において、過酸化水素排出ガイド5fbaは、排出下側5bに平行な溝であり、それに沿って過酸化水素は流出し、蒸発部材4eの蒸発上側4ea上に広がる。図において、3つの過酸化水素排出ガイド5fbaが存在するが、図と異なって、加温/加熱装置4の幅、すなわち過酸化水素の蒸発面の幅に応じて、その1つ以上の片が存在してもよい。
【0059】
過酸化水素の排出部材6は、最良には管とホースの組み合わせであり、それによって排出部材の始端が、例えば病院技術において使用される異なる種類の物質の輸液バッグから既知の柔軟な透明ホースであり、消毒装置本体1の内部の排出部材6の終端は、
図1及び
図2によれば、特に、加温部材4f及び/又は冷却器4hのリブの間で屈曲した、アルミニウム管などの既知の金属管の種類のものであり、それによって、過酸化水素は、排出装置5に向かって金属管内部を流れるのにともなって事前に温められる。
【0060】
空気ガイド7は、送風機2からガラス繊維ブレーディング4efへ気流を向け、それによって排出装置5からガラス繊維ブレーディング4efに排出/流出する過酸化水素液がガラス繊維ブレーディング4ef上で均一に広がり、それに起因して過酸化水素が効率よくガス化される。また、空気ガイド7がガラス繊維ブレーディング4efの上部の空気空間を収縮し、それによってガラス繊維ブレーディング4efの上部における空気流量が加速し、旋回気流が形成され、これがさらに過酸化水素のガス化の速度を上昇させる。
【0061】
図17は、本発明による消毒装置を示し、その消毒装置本体1は、輸送/利用ブリーフケース(最良には、1つ以上の開放可能なカバーを備えるプラスチックから形成された装置箱)である使用空間8に設置される。
【0062】
使用空間8は、上側8a、下側8b、前側8c、後側8d、左側8e、及び右側8fを有する。
【0063】
使用空間8の前側8c、後側8d、左側8e、及び右側8fは、本発明の記載を実現するためだけに指定されたものであり、他の名称によって呼ばれることも可能であり、消毒装置の各部分の位置は、図に示すものとは異なってもよい。
【0064】
間仕切壁8gは、
図18及び
図19に示すように、ヒンジ8gaが取り付けられた開放可能なカバー8hを有しており、カバー8hは開閉位置に対して既知の1つ以上のラッチによってロック可能であり、開位置において、カバー8hは噛み合わされてもよい。
【0065】
制御装置9は、その消毒装置によって必要とされる全制御装置を含み、さらに、電気接続のための必要なコネクタに加えて、例えば、制御装置9は既知の電気、無線、携帯電話、計測器、制御及び通信技術によって組み立てられる。
【0066】
図17の水平面表示器10は、気泡水準器から既知である(円形気泡水準器(ox−eye bubble level)(例えば
図17に図示)は、凸型ガラスカバーの下に気泡を有し、コンパス方位がどこを向いていても傾きを示す)。これは、透明部分から水平面、例えば台の水平位置を一見して)検証及び調節するために使用されてもよく、気泡によって使用空間8の位置が検出されてもよく、それによって、下側8bの既知の調節脚(ねじが切られた調節足)によって(
図17及び
図18に示す3本の調節脚21によって)使用空間8を、最良には3本のみの調節足が存在することによって使用空間8が揺れない水平面に調節することが容易である。この水平位置は、蒸発部材4e上で予定通りに過酸化水素が流出し、消毒過酸化水素ガスに変化するために重要である。
【0067】
水平面表示器10は従来技術によって製造された電気水平面表示器10でもよく、電気傾き測定は、特にe−Driftitの名称でも呼ばれるバッテリー駆動の均衡スクーターにおいて使用される。e−Driftitは、2つの車輪を備えたバッテリー駆動の車両であり、車両上に人が立ち、傾くことによって人は車両を移動させるとともに、車両を操縦及び停止させる。
【0068】
特にアクセサリ空間11に過酸化水素ボトル/容器が配置されてもよく、1つ以上の排出装置5への1つ以上の排出管6によって、過酸化水素が1つ以上の既知の電気液体ポンプによって汲み上げられる。既知のように、液体ポンプの汲み上げ能力は継続的に調節可能であり、それによって過酸化水素の気化が環境条件及び効率要件と合致するように調節されてもよい。
【0069】
図17において、上記の関連部品のすべてを有する消毒装置本体1は、前側8cに近接して配置されるが、その位置はこれである必要はない。
【0070】
吸入路/吸管12に沿って、吸込空気3は消毒装置に到達してもよい。吹込路/吹管12は、最良において柔軟及び継続的な、いわゆるひだ状管(wrinkled pipe)のようなものであり、その長さは引っ張ることによって長くなってもよく、押すことによって短くなってもよく、この管は、特に移動式の空気調和装置から既知である。
【0071】
吹込路/吹管13に沿って、過酸化水素ガス14は洗浄対象に到達してもよい。吹込路/吹管13は、最良において柔軟及び継続的な、いわゆるひだ状管であり、その長さは引っ張ることによって長くなってもよく、押すことによって短くなってもよく、この管は、特に移動式の空気調和装置から既知である。
【0072】
図22において、過酸化水素タンク16は過酸化水素輸液ボトル又はバッグであり、そこから過酸化水素液は排出管6に沿って排出装置5へ流出する。
図22の排出管6において、病院の輸液バッグから既知の液体排出調節装置16aが存在する。
【0073】
図24は洗浄対象の空間17の外側の消毒装置を示し、洗浄対象の空気と過酸化水素ガス14の循環が複数の管によって制御可能に行われる。消毒装置は洗浄対象の空間17の外側に存在するため、装置は洗浄期間において安全に動作、調節及び使用されてもよい。
図24において、吸入路/吸管12及び吹込路/吹管13は気密性間仕切壁18を介して洗浄対象の空間17へ導かれ、それらの管は既知の方法で封入されてもよく、例えば適切なシール又はテープ又は同様のものを使用して封入されてもよい。間仕切壁18は、既知のターポリンのようなものでもよく、扉の開口部又は窓の開口部に配置される。
【0074】
図25は消毒装置本体1の上側1aが吹込端1eに存在することを示し、吹込口/吹込路1gには1つ以上の圧力送風機19が存在し、1つ以上の吹込路/吹管13において過酸化水素ガス14の流れを増大させる。
【0075】
図26は、前方部分が開放された、又は前方部分がガラス扉などの透明扉を有してもよい本発明の消毒キャビネット15を示す。消毒キャビネット15は、消毒装置本体1が配置されてもよい消毒装置本体1のための1つ以上の標準的なラック空間20を有する。所望の数の消毒装置が消毒キャビネット15において追加可能であり、VHPユニット、触媒コンバーター、空気乾燥機、加熱器などと呼ばれる場合もある消毒装置が、電気接続のための標準的なコネクタ並びに空気入口及び出口を有する標準的なサイズのモジュールとして消毒キャビネット15又は同様の装置に追加されてもよい。このモジュールは、各車があらゆるラジオを収容する同一のサイズの設置場所を有する従来のDINサイズのカーラジオと同様の方法の「ラック」である。標準的なラック空間20に起因して消毒装置を追加又は除去することが簡単であるため、消毒キャビネット15の生産出力は必要に応じて変更することが容易である。すなわち、消毒キャビネットは消毒装置本体1のための既成のラック空間20を有するため、出力はラック空間20の数に応じて利用可能である。
図26は、洗浄対象の物体又は物質/材料のための棚15aを示し、棚15aは、過酸化水素ガスが消毒キャビネット15内のあらゆる箇所に到達してもよい格子棚又はグリル棚であることが好ましい。
【0076】
図27において、消毒装置本体1は、上方から見た場合に星形に配置され、それによって過酸化水素ガス14は洗浄対象空間に良好に広がってもよく、それに対応して、吸込空気3は消毒装置に集中的に吸い込まれ、それによって所望の吸込空気3が所望の場所から導かれてもよい。吸込空気3は、1つの送風機によって全消毒装置本体1へ集中して吹かれてもよく、代替的に、
図27に示すように、複数の送風機が使用されて吸込空気3を1つ以上の経路/管に沿って消毒装置本体1のハブへと吹いてもよい。経路/管が使用される場合、吸込空気3が、どの場所から消毒装置本体1に伝達されるかを正確に決定することが可能である。
【0077】
図28は、2つの連続した送風機2を示す。冷気送風機2aと呼ばれる上方送風機2は蒸発部材4eの上で冷気矢印22の方向で冷気を吹く。温気送風機2bと呼ばれる下方送風機2は、上方の冷気送風機2aよりも低風量で蒸発部材4eの下で、加温部材4fによって加温/加熱された空気23を吹く。送風機2は、空気、すなわちガスを動かす最も既知の軸流送風機又は同様の装置である。最も好適に濾過された空気、建設業界から既知の濾過器/洗浄器は図に示されない。ガスは、空気、窒素、アルゴン、又はその混合でもよい。ポンプ2は、超酸化水素が液状で移動される既知のポンプである。ポンプ2は、調節可能な容積式ポンプでもよく、又は流量制御弁、個別の流量制御弁、若しくはポンプの内部の流量制御弁を備えてもよい。
【0078】
図30において、内向きリリーフ弁24は、所望の真空が弁のばね側に到達したときに開放するばね荷重円盤弁である。内向きリリーフ弁24は、弁本体24a、閉円盤24b、調節ばね24c(
図29において、ばねは圧縮ばねである)、調節可能ねじ24d、及び開閉方向矢印24eを有する。
図30において、真空計は既知の真空計である。真空は過酸化水素の気化の温度を下げ、それによって気化は増強する。真空弁の形状は
図30に示すもの以外でもよく、最も重要なことは、入ってくる空気を消毒装置本体1へと規制することであり、すなわち、空気圧は、アパートメントの空気圧が調節される方法で調節される。
【0079】
過酸化水素の濃度/ガス含有量はVTTにおいて計測されており、本発明の装置は、1725ppm/m3(particles per million)毎立方メートルの出力能力に達しており、この出力能力は他のあらゆる消毒装置では到達できなかったものである。過酸化水素は、飛行中に飛行機が衝突事故を発生させる可能性のある電気ショート又は他の電気妨害を発生させる可能性がある残留物を一切残さないため、過酸化水素は、飛行機を消毒するために使用してもよい唯一の洗浄剤である。消毒装置は、過酸化水素(H
2O
2)を格納及び伝達するために1つ以上のタンク16と1つ以上のポンプ2を含む。ポンプ2は調節可能な容積式ポンプであり、又はポンプ2と関連して、又はポンプ2の後に、1つ以上の流量制御弁が配置され、それによって過酸化水素の流量が1つ以上の排出装置5に対して調節される。
【0080】
図は、洗浄のために使用される消毒方法及び装置を示す。
【0081】
本発明の方法によれば、過酸化水素(H
2O
2)は、1つ以上のポンプ又は重力によって生成された液体圧によって、1つ以上のタンク16から1つ以上の排出管6を介して1つ以上の排出装置5へと排出/伝達され、排出装置5は加温/加熱装置4の蒸発部材4eの1つ以上の蒸発上面4eaに過酸化水素を排出し、蒸発上面4eaは1から30度の蒸発角度4ejを有しており、したがって排出装置5側の端部、排出端4cは加温/加熱装置4の排出装置5の逆側の端部のガス排出端(4d)よりも高くなり、それによって過酸化水素が蒸発部材4e上に重力によって広がり、過酸化水素(H
2O
2)は過酸化水素ガスに変化し、過酸化水素ガスによって消毒が行われ、蒸発部材4eは、全体的又は部分的のいずれかで、ナイロン又はポリエステル(PET)又はPEN繊維(Pentex)又はケブラー又はテクノーラ又はトワロン(登録商標)又はスペクトラ又はダイニーマ又はcetran又はザイロン(PBO)又はベクトランなどの上記の材料の混合である1つ以上のブレーディング又はマット又は織物、或いはガラス繊維のブレーディング又は炭素繊維、或いは多孔の板又は金属網又は酸化アルミニウムからなる。
【0082】
本発明の方法によれば、過酸化水素(H
2O
2)は、1つ以上のポンプ又は重力によって生成された液体圧によって、1つ以上のタンク16から1つ以上の排出管6を介して1つ以上の排出装置5へと排出/伝達され、排出装置5は加温/加熱装置4の蒸発部材4eの1つ以上の蒸発上面4eaに過酸化水素を排出し、蒸発上面4eaは水平面に対して1から30度の蒸発角度4ejを有しており、したがって排出装置5側の端部、排出端4cは加温/加熱装置4の排出装置5の逆側の端部のガス排出端4dよりも高くなり、それによって過酸化水素が蒸発部材4e上に重力によって広がり、過酸化水素(H
2O
2)は過酸化水素ガスに変化し、過酸化水素ガスによって消毒が行われ、排出装置5側の端部は、加温/加熱装置4の蒸発部材4eの蒸発上面4eaの方向に空気を吹くための1つ以上の送風機2を有し、蒸発部材4eは加温/加熱装置4の最上部であり、蒸発上面4eaで、排出端4cにおいて、過酸化水素は1つ以上の排出装置5から排出され、蒸発部材4eは、全体的又は部分的のいずれかで、ナイロン又はポリエステル(PET)又はPEN繊維(Pentex)又はケブラー又はテクノーラ又はトワロン(登録商標)又はスペクトラ又はダイニーマ又はcetran又はザイロン(PBO)又はベクトランなどの上記の材料の混合である1つ以上のブレーディング又はマット又は織物、或いはガラス繊維のブレーディング又は炭素繊維、或いは多孔の板又は金属網又は酸化アルミニウムからなる。
【0083】
本発明の方法によれば、吸込空気3は1つ以上の送風機2によってガス排出端4dから吸い込まれ、それによって蒸発上面4ea上に真空が形成され、真空に起因して、低温にて過酸化水素が過酸化水素ガスに変化する。
【0084】
本発明の方法によれば、1つ以上の内向きリリーフ弁24は、空気が消毒装置本体1内に入ることを規制するために使用され、それによって送風機2が消毒装置本体1内から空気を吸い込んでいるとき、消毒装置本体1内で真空が生成される。
【0085】
本発明の方法によれば、加温/加熱装置4の蒸発部材4eの蒸発上面4eaの上側において、気流は蒸発上面4eaの下側よりも速く、消毒方法は重なった2つの送風機2を含み、冷気送風機2aと呼ばれる高い方の送風機2は蒸発部材4e上で冷気矢印22の方向で冷気を吹き、温気送風機2bと呼ばれる低い方の送風機2は、上方の冷気送風機2aよりも低風量で蒸発部材4eの下で、加温部材4fによって加温/加熱された空気23を吹く。
【0086】
本発明の方法によれば、加温/加熱装置4の蒸発部材4eの蒸発上面4eaの上側の1つ以上の空気ガイド7によって気流領域はガス排出端4dに向かって減少され、それによって空気流量はガス排出端4dに向かって増加/加速される。
【0087】
本発明の方法によれば、加温/加熱装置4の蒸発部材4eの蒸発上面4eaの上側の気流の温度は、蒸発上面4eaの下側よりも低い。
【0088】
本発明の方法によれば、排出装置5は前記加温/加熱装置4の蒸発部材4eの1つ以上の蒸発上面4eaに過酸化水素を排出し、1つ以上の水平面表示器10によって、蒸発上面4eaは各方向において正しい位置に調節されてもよく、それによって過酸化水素は均一に流出し、蒸発上面4ea上で過酸化水素ガスに変化し、過酸化水素ガスを用いて消毒が行われる。
【0089】
本発明の方法によれば、消毒方法の装置は消毒装置本体1に配置され、消毒装置本体1は標準的なサイズ及び形状を有し、標準的な、すなわち同様の接続を備えるようなものであり、それに起因して複数の消毒装置本体は並んで又は重なって相互接続されてもよく、消毒方法の能力は、1つの消毒装置に所望の数の消毒装置本体1を配置することによって所望された通りに選択されてもよい。
【0090】
本発明の方法によれば、消毒装置本体1は、金属、ステンレス鋼又はアルミニウム又は銅又は鋼によって形成された閉じられた箱であり、吸入端1dにおける上側1aには1つ以上の吸入口/吸入通路1fが存在し、吸入口/吸入通路1fから、空気/ガスが消毒装置本体1内部に入ってもよく、空気/ガスは過酸化水素(H
2O
2)を気化させるために消毒装置本体1内部で使用され、消毒装置1の吹込端1eには1つ以上の吹込口/吹込通路1gが存在し、吹込口/吹込通路1gから、過酸化水素(H
2O
2)過酸化水素ガス14が、直接、又は1つ以上の所望の対象への所望の管又は別の通路/経路を介して洗浄対象に到達してもよく、吸入口/吸入通路1f及び吹込口/吹込通路1gは、消毒装置本体1の上側、端部、下側又は側部に配置されてもよく、送風機2がガス及び空気の混合物の空気又はガスの循環を実行するので、その位置は必要に応じて自由に選択されてもよく、1つ以上の吸入路/吸管12及び吹込路/吹管13が前記吹込口/吹込通路1gに対して固定されてもよい。
【0091】
本発明の方法によれば、清浄な空気を吹き込むため、又は浄化対象の空気を循環させるために1つ以上の送風機2が設けられ、送風機(2)は、吸入端(1d)において、1つ以上の吸入口/吸入通路(1f)から消毒装置本体1に吸込空気(3)を吸い込み、送風機2は、矢印3の方向においてガス/空気を吸い込む、軸流送風機、又はガス/空気を動かす同様の装置であり、空気は空気濾過器/清浄器を使用することによって濾過されてもよく、吸込空気3は空気、酸素、アルゴン、又は上記の混合でもよく、送風機2は、側方から見た場合にほぼ水平に、1から30度の蒸発角度4ejにて、吸込空気3を加温/加熱装置4の過酸化水素排出端4cに吹く。
【0092】
本発明の方法によれば、蒸発部材4eは、マット又は織物と呼ばれる場合もある、交差して織られたブレーディングであり、蒸発部材4eの密度は、蒸発部材4eを空気が通過してもよいようにされ、蒸発部材4eの厚さは、蒸発部材4eの表面領域に応じて0.5から3mmである。
【0093】
本発明の方法によれば、消毒装置本体1は、上方から見た場合に星形に配置され、それによって過酸化水素ガス14は洗浄対象空間に良好に広がってもよく、それに対応して、吸込空気3は消毒装置に集中的に吸い込まれ、それによって所望の吸込空気3が所望の場所から導かれてもよい。
【0094】
本発明の方法によれば、それに沿って吸込空気3が消毒装置に到達してもよい吸入路/吸管12は、柔軟及び継続的な、いわゆるひだ状管であることが好ましく、その長さは引っ張ることによって長くなってもよく、押すことによって短くなってもよく、管は、例えば移動式の空気調和装置から既知であり、及び/又は吹込路/吹管13は、柔軟及び継続的な、いわゆるひだ状管であることが好ましく、その長さは引っ張ることによって長くなってもよく、押すことによって短くなってもよい。
【0095】
本発明の消毒装置において、過酸化水素(H
2O
2)は、1つ以上のポンプ又は重力によって生成された液体圧によって、1つ以上のタンク16から1つ以上の排出管6を介して1つ以上の排出装置を有する排出装置本体1へと排出/伝達され、排出装置5によって、加温/加熱装置4の蒸発部材4eの1つ以上の蒸発上面4eaに過酸化水素が排出されてもよく、蒸発上面4eaは水平面に対して1から30度の蒸発角度4ejを有しており、したがって排出装置5側の端部、排出端4cは加温/加熱装置4の排出装置5の逆側の端部のガス排出端4dよりも高くなり、それによって過酸化水素が蒸発部材4e上に重力によって広がり、過酸化水素(H
2O
2)は過酸化水素ガスに変化し、過酸化水素ガスによって消毒が行われ、排出装置5側の端部は、加温/加熱装置4の蒸発部材4eの蒸発上面4eaの方向に空気を吹くための1つ以上の送風機2を有し、蒸発部材4eは加温/加熱装置4の最上部であり、蒸発上面4eaで、排出端4cにおいて、過酸化水素は1つ以上の排出装置5から排出され、蒸発部材4eは、全体的又は部分的のいずれかで、ナイロン又はポリエステル(PET)又はPEN繊維(Pentex)又はケブラー又はテクノーラ又はトワロン(登録商標)又はスペクトラ又はダイニーマ又はcetran又はザイロン(PBO)又はベクトランなどの混合又は上記の材料である1つ以上のブレーディング又はマット又は織物、或いはガラス繊維のブレーディング又は炭素繊維、或いは多孔の板又は金属網又は酸化アルミニウムからなる。
【0096】
本発明の消毒装置において、蒸発部材4eは加温/加熱装置4の最上部であり、蒸発上面4eaで、排出端4cにおいて、過酸化水素は1つ以上の排出装置5から排出され、蒸発部材4eiに1つ以上の網4eiが存在する。
【0097】
本発明の消毒装置において、網4eiは、0,3から5mmのメッシュサイズ及び0.3から1.0mmのワイヤー厚さを有する金属ワイヤーから形成される網である。
【0098】
本発明の消毒装置において、1つ以上の内向きリリーフ弁24は、消毒装置本体1内に空気が入ることを規制するために使用され、それによって送風機2が消毒装置本体1内から空気を吸い込んでいるとき、消毒装置本体1内で真空が生成される。
【0099】
本発明の消毒装置において、内向きリリーフ弁24は調節可能であり、それによって消毒装置本体1内で所望の真空が得られてもよく、真空は1つ以上の真空計25によって計測可能である。
【0100】
本発明の使用例
消毒対象の表面の洗浄は、1つ以上の本発明の消毒装置によって実行される。消毒が開始される前に、消毒対象は、可能な限り従来の技術によって機械的に洗浄される必要があるが、例えば食材又は他の多孔質の対象は機械的な洗浄が困難な場合がある。
【0101】
消毒装置は、閉じられた空間、例えば2.5mの、通常の部屋の高さがある容器又は部屋に配置される。部屋は、良好に換気されることが可能でなければならず、建物の換気から既知の送風機及び濾過ユニットが接続される。室内には、湿度レベルを安定化させるために、気温、湿度、純度が厳しく管理及び制御される実験室を含む建物の構内における空気調和の管理から既知の装置である複数の空気調和管理装置が配置される。消毒装置は、室内に配置される。消毒装置は、従来技術を使用して遠隔制御によって作動される。消毒過程は自動であり、部屋のサイズに応じて、数時間から1日以上を要し、この過程の期間は洗浄対象に依存する。消毒後、部屋は既知の濾過器を介して外気と換気される。洗浄された装置/対象はさらなる処理のために移動されることが可能である。品質保証文書は、例えば、VTT Technical Research Centre of Finland Ltdから入手してもよい。
【0102】
本発明の消毒装置は、既知の材料、最も有効なのは金属を用いて既知の方法によって製造されてもよい。
【0103】
当業者にとって、上記の例示的な実施例は、説明の例示を目的としているため構造及び動作において比較的単純であることは明らかである。本特許出願に示すモデルに従うことによって、本特許出願に開示の発明概念を使用した異なる構造的解決策を構築することが可能である。本発明は、上記に開示した代替案に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によって定義される発明概念の範囲内において多くの変形が可能である。
【国際調査報告】