(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-535854(P2021-535854A)
(43)【公表日】2021年12月23日
(54)【発明の名称】インプリント装置及びインプリント方法
(51)【国際特許分類】
B29C 59/02 20060101AFI20211126BHJP
H05B 6/10 20060101ALI20211126BHJP
H05B 6/44 20060101ALI20211126BHJP
H01L 21/027 20060101ALI20211126BHJP
B29C 33/02 20060101ALI20211126BHJP
【FI】
B29C59/02 B
H05B6/10 381
H05B6/44
H01L21/30 502D
B29C33/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2021-513329(P2021-513329)
(86)(22)【出願日】2019年9月10日
(85)【翻訳文提出日】2021年3月9日
(86)【国際出願番号】KR2019011685
(87)【国際公開番号】WO2020055086
(87)【国際公開日】20200319
(31)【優先権主張番号】10-2018-0109067
(32)【優先日】2018年9月12日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2018-0136713
(32)【優先日】2018年11月8日
(33)【優先権主張国】KR
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】520231337
【氏名又は名称】アイテッド インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100166338
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 正夫
(72)【発明者】
【氏名】ソ ジ フン
(72)【発明者】
【氏名】ユ クム−ピョ
(72)【発明者】
【氏名】イ ユ ホン
【テーマコード(参考)】
3K059
4F202
4F209
5F146
【Fターム(参考)】
3K059AA08
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(57)【要約】
インプリント装置は、マスター基板とポリマーフィルムとの間に圧力を印加し、前記マスター基板に形成されたパターンを、前記ポリマーフィルムに転写させる。前記インプリント装置は、複数のコイルを含み、前記複数のコイルによって誘導された電磁場によって、前記マスター基板の表面が加熱される。複数のコイルの各々には、貫通ホールが定義され、前記貫通ホールには、支持棒が挿入される。前記複数のコイルの位置は、前記マスター基板に対応して変更される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持面を提供する第1ボディ部;及び
前記支持面と対向する圧着面を提供し、上下方向に動くことができる第2ボディ部を含み、
前記第1ボディ部は、
マトリックス形態に配列され、それぞれに前記上下方向と直交する第1方向に形成された第1貫通ホール及び前記上下方向と前記第1方向と直交する第2方向に形成された第2貫通ホールが定義された複数のコイルのコア;
それぞれが前記複数のコイルのコアを取り囲む複数のコイル線;
それぞれが前記複数のコイルのコアの中で対応するコイルのコアの第1貫通ホールを通過する複数の第1支持棒;及び
それぞれが前記複数のコイルのコアの中で対応するコイルのコアの第2貫通ホールを通過する複数の第2支持棒を含む、インプリント機構。
【請求項2】
前記複数のコイル線に交流電源を提供する電源供給部をさらに含む、請求項1に記載のインプリント機構。
【請求項3】
前記コイルのコアのうちの少なくとも一部は、前記複数の第1支持棒のうちの少なくともいずれか一つに沿って、前記第1方向に移動することができ、
前記コイルのコアのうちの少なくとも一部は、前記複数の第2支持棒のうちの少なくともいずれか一つに沿って、前記第2方向に移動することができる、請求項2に記載のインプリント機構。
【請求項4】
前記第1ボディ部の一側に配置された第1上部固定ローラー;
前記第1ボディ部の他側に配置された第2上部固定ローラー;
前記第2ボディ部の一側に配置され、前記第1上部固定ローラーと対向する第1下部固定ローラー;及び
前記第2ボディ部の他側に配置され、前記第2上部固定ローラーと対向する第2下部固定ローラーをさらに含む、請求項3に記載のインプリント機構。
【請求項5】
前記第1上部固定ローラーと前記第1下部固定ローラーに隣接して配置される第1ガイドローラー;及び
前記第2上部固定ローラーと前記第2下部固定ローラーに隣接して配置され、前記第1ガイドローラーと同じ方向に回転する第2ガイドローラーをさらに含む、請求項4に記載のインプリント機構。
【請求項6】
前記複数のコイルのコアのうちの少なくともいずれかの一側に配置され、前記複数の第1支持棒のうちの対応する第1支持棒に結合される前記第1固定部材;及び
前記複数のコイルのコアのうち、前記少なくともいずれかの他側に配置され、前記複数の第2支持棒のうちの対応する第2支持棒に結合される第2固定部材をさらに含む、請求項3に記載のインプリント機構。
【請求項7】
それぞれが前記第1貫通ホール及び前記第2貫通ホールの各々に収容される複数のガイド部材をさらに含み、
前記複数のガイド部材のそれぞれの内部には、第1ネジパターンが形成された、請求項3に記載のインプリント機構。
【請求項8】
前記複数の第1支持棒及び前記複数の第2支持棒のそれぞれに前記第1ネジパターンに対応する第2ネジパターンが形成された、請求項7に記載のインプリント機構。
【請求項9】
前記第2ボディ部は、前記複数のコイルのコアに対応するマトリックス形態に配列される複数の温度センサーをさらに含み、
前記電源供給部は、前記複数の温度センサーそれぞれがセンシングした温度に応じて前記複数のコイル線に異なるサイズを有する交流電源を提供する、請求項3に記載のインプリント機構。
【請求項10】
前記第1ボディ部は、前記複数のコイルのコアにそれぞれに対応するように配列される複数の温度センサーをさらに含み、
前記電源供給部は、前記複数の温度センサーそれぞれがセンシングした温度に応じて前記複数のコイル線に異なるサイズを有する交流電源を提供する、請求項3に記載のインプリント機構。
【請求項11】
前記第2ボディ部は、冷却水をガイドするパイプを含む、請求項3に記載のインプリント機構。
【請求項12】
第1ボディ部が提供する支持面に少なくとも一部が金属コーティング層によってカバーされている微細パターンが形成されたマスター基板を配置する段階;
前記支持面と対向する圧着面を提供する第2ボディ部及び前記マスター基板の間にポリマーフィルムを配置する段階;
前記第1ボディ部は、それぞれに第1方向に形成された第1貫通ホールと、前記第1方向と直交する第2方向に形成された第2貫通ホールが定義された複数のコイルのコア、それぞれが前記複数のコイルのコアを取り囲む複数のコイル線、それぞれが前記複数のコイルのコアの中で対応するコイルのコアの第1貫通ホールを通過する複数の第1支持棒、及びそれぞれが前記複数のコイルのコアの中で対応するコイルのコアの第2貫通ホールを通過する複数の第2支持棒を含み、前記複数のコイル線に交流電源を提供して前記マスター基板の前記金属コーティング層を加熱する段階;
前記第1ボディ部と前記第2ボディ部が前記マスター基板及び前記ポリマーフィルムに圧力を印加する段階;及び
前記第1ボディ部と前記第2ボディ部の距離が離れる段階を含む、インプリント方法。
【請求項13】
前記コイルのコアのうちの少なくとも一部が、前記複数の第1支持棒のうちの少なくともいずれかに沿って、前記第1方向に移動されたり、前記コイルのコアのうちの少なくとも一部が、前記複数の第2支持棒のうちの少なくともいずれかに沿って、前記第2方向に移動される段階をさらに含む、請求項12に記載のインプリント方法。
【請求項14】
前記第2ボディ部は、前記複数のコイルのコアに対応して配置された複数の温度センサーを含み、前記複数の温度センサーを用いて、前記複数のコイルのコアのそれぞれの温度をセンシングし、
前記複数のコイルのコアの中でセンシングされた温度が第1度であるコイルのコアには、第1交流電源を提供し、
前記複数のコイルのコアの中でセンシングされた温度が前記第1度より低い第2度であるコイルのコアには、前記第1交流電源よりも大きい第2交流電源を提供する、請求項13に記載のインプリント方法
【請求項15】
前記複数のコイル線に交流電源を提供して前記マスター基板の前記金属コーティング層をアニーリングする段階をさらに含む、請求項13に記載のインプリント方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コイルを介して誘導加熱を用いるインプリント装置及びインプリント方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ナノ単位の微細パターンをインプリントするためには、パターンが形成されたマスター基板をポリマーフィルム上に圧着することになる。
【0003】
フィルム上に印加される圧力の大きさを減らすために、コイルに形成された磁場を介して微細パターンを誘導加熱することもある。
【0004】
このとき、加熱対象となるマスター基板の大きさが変化する場合には、コイルがマスター基板を均一に加熱することができない問題が発生する。
【0005】
また、精度の高いインプリント工程のためには、加熱されたコイルの温度を均一にしなければならないが、コイルが配置された位置によって、加熱される温度が異なる問題が発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、コイルを用い、微細パターンが形成されたマスター基板が均一な温度になるように加熱することを目的とする。
【0007】
また、本発明は、様々なサイズのマスター基板を加熱することができるインプリント装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態に係るインプリント機構は、支持面を提供する第1ボディ部と前記支持面と対向する圧着面を提供し、上下方向に動くことができる第2ボディ部を含むことができる。
【0009】
前記第1ボディ部は、複数のコイルのコア、複数のコイル線、複数の第1支持棒、及び複数の第2支持棒を含むことができる。
【0010】
前記複数のコイルのコアは、マトリックス形態に配列され、それぞれに前記上下方向と直交する第1方向に形成された第1貫通ホール及び前記上下方向と前記第1方向と直交する第2方向に形成された第2貫通ホールが定義されることができる。
【0011】
前記複数のコイル線は、それぞれが前記複数のコイルのコアを取り囲むことができる。
【0012】
前記複数の第1支持棒は、それぞれが前記複数のコイルのコアの中で対応するコイルのコアの第1貫通ホールを通過することができる。
【0013】
前記複数の第2支持棒は、それぞれが前記複数のコイルのコアの中で対応するコイルのコアの第2貫通ホールを通過することができる。
【0014】
本発明の一実施形態に係るインプリント機構は、前記複数のコイル線に交流電源を提供する電源供給部をさらに含むことができる。
【0015】
本発明の一実施形態では、前記コイルのコアのうちの少なくとも一部は、前記複数の第1支持棒のうちの少なくともいずれか一つに沿って、前記第1方向に移動することができる。前記コイルのコアのうちの少なくとも一部は、前記複数の第2支持棒のうちの少なくともいずれか一つに沿って、前記第2方向に移動することができる。
【0016】
本発明の一実施形態に係るインプリント機構は、前記第1ボディ部の一側に配置された第1上部固定ローラー、前記第1ボディ部の他側に配置された第2上部固定ローラー、前記第2ボディ部の一側に配置されて前記第1上部固定ローラーと対向する第1下部固定ローラー、及び前記第2ボディ部の他側に配置され、前記第2上部固定ローラーと対向する第2下部固定ローラーをさらに含むことができる。
【0017】
本発明の一実施形態に係るインプリント機構は、前記第1上部固定ローラーと前記第1下部固定ローラーに隣接して配置される第1ガイドローラー及び前記第2上部固定ローラーと前記第2下部固定ローラーに隣接して配置され、前記第1ガイドローラーと同じ方向に回転する第2ガイドローラーをさらに含むことができる。
【0018】
本発明の一実施形態に係るインプリント機構は、前記複数のコイルのコアのうちの少なくともいずれかの一側に配置され、前記複数の第1支持棒のうちの対応する第1支持棒に結合される前記第1固定部材及び、前記複数のコイルのコアのうち、前記の少なくともいずれかの他側に配置され、前記複数の第2支持棒のうちの対応する第2支持棒に結合される第2固定部材をさらに含むことができる。
【0019】
本発明の一実施形態に係るインプリント機構は、それぞれが、前記第1貫通ホール及び前記第2貫通ホールの各々に収容される複数のガイド部材をさらに含むことができる。前記複数のガイド部材のそれぞれの内部には、第1ネジパターンが形成されることができる。
【0020】
本発明の一実施形態では、前記複数の第1支持棒及び前記複数の第2支持棒のそれぞれに前記第1ネジパターンに対応する第2ネジパターンが形成されることができる。
【0021】
本発明の一実施形態では、前記第2ボディ部は、前記複数のコイルのコアに対応するマトリックス形態に配列される複数の温度センサーをさらに含み、前記電源供給部は、前記複数の温度センサーそれぞれがセンシングした温度に応じて前記複数のコイル線に異なるサイズを有する交流電源を提供することができる。
【0022】
本発明の一実施形態では、前記第1ボディ部は、前記複数のコイルのコアのそれぞれに対応するように配列される複数の温度センサーをさらに含み、前記電源供給部は、前記複数の温度センサーそれぞれがセンシングした温度に応じて前記複数のコイル線に異なるサイズを有する交流電源を提供することができる。
【0023】
本発明の一実施形態では、前記第2ボディ部は、冷却水をガイドするパイプを含むことができる。
【0024】
本発明の一実施形態によるインプリント方法は、第1ボディ部が提供する支持面に少なくとも一部が金属コーティング層によってカバーされている微細パターンが形成されたマスター基板を配置する段階;前記支持面と対向する圧着面を提供する第2ボディ部及び前記マスター基板の間にポリマーフィルムを配置する段階;前記第1ボディ部は、それぞれに第1方向に形成された第1貫通ホールと、前記第1方向と直交する第2方向に形成された第2貫通ホールが定義された複数のコイルのコア、それぞれが前記複数のコイルのコアを取り囲む複数のコイル線、それぞれが前記複数のコイルのコアの中で対応するコイルのコアの第1貫通ホールを通過する複数の第1支持棒、及びそれぞれが前記複数のコイルのコアの中で対応するコイルのコアの第2貫通ホールを通過する複数の第2支持棒を含み、前記複数のコイル線に交流電源を提供して前記マスター基板の前記金属コーティング層を加熱する段階;前記第1ボディ部と前記第2ボディ部が前記マスター基板及び前記ポリマーフィルムに圧力を印加する段階;及び前記第1ボディ部と前記第2ボディ部の距離が離れる段階を含むことができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明の一実施例によれば、小さいサイズの圧力だけでインプリント工程を進め、不良率を低減し、工程速度を増加させることができる。
【0026】
また、本発明によれば、マスター基板を均一に加熱して、工程の精度を向上させることができる。
【0027】
また、様々なサイズのマスター基板に柔軟に対応することができ、工程の便宜性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明の一実施例に係るインプリント装置を示した図である。
【
図2】
図1のコイルのコア、コイル線、第1支持棒、第2支持棒、及び固定部材を例示的に示した図である。
【
図3】本発明の一実施例に係るコイルのコアを例示的に示した図である。
【
図4a】本発明の一実施例に係るマスター基板を例示的に示した図である。
【
図4b】
図4aのI−I′に沿って切断した断面を例示的に示した図である。
【
図5】本発明の一実施例に係るコイルのコア(CC)、ガイド部材(GS1、GS2)、及び支持棒(SB1−1、SB2−1)を示した図である。
【
図6】本発明の一実施例に係る第2ボディ部を例示的に示した図である。
【
図7】本発明の一実施例に係る第1支持棒を例示的に示した図である。
【
図8】本発明の一実施例に係るインプリント方法によるフローチャートを例示的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明する。
【0030】
図面において、構成要素の割合及び寸法は、技術的内容の効果的な説明のために誇張されたものである。「及び/または」は、連関された構成が定義することができる1つ以上の組み合わせをすべて含む。
【0031】
「含む」等の用語は、明細書に記載の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定するためのものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部分品またはこれらを組み合わせたもの等の存在または付加可能性を予め排除するものではないことを理解しなければならない。
【0032】
図1は、本発明の一実施形態に係るインプリント装置(IPA)を示した図である。
図2は、本発明の一実施形態に係るコイルのコア(CC)、コイル線(CL)、第1支持棒(SB1)、第2支持棒(SB2)、及び固定部材(FX)を例示的に示した図である。
図3は、本発明の一実施形態に係るコイルのコア(CC)を示した図である。
【0033】
インプリント装置(IPA)は、第1ボディ部(BD1)、第2ボディ部(BD2)、マスター基板(MS)、固定ローラー(RL1−H、RL2−H、RL1−L、RL2−L)、ガイドローラー(GR1、GR2)、及び電源供給部(PW)を含むことができる。
【0034】
第1ボディ部(BD1)は、第1ハウジング(HS1)、複数のコイルのコア(CC)、複数のコイル線(CL)、複数の第1支持棒(SB1)、複数の第2支持棒(SB2)、及び固定部材(FX)を含むことができる。
【0035】
本発明の一実施形態では、第1ハウジング(HS1)は、コイルのコア(CC)、コイル線(CL)、支持棒(SB1、SB2)、及び固定部材(FX)を収容することができる。
【0036】
第1ハウジング(HS1)は、マスター基板(MS)を支持するための支持面を提供することができる。
【0037】
図1及び
図2を参照すると、コイルのコア(CC)は、マトリックス形態に配列されることができる。本明細書では、5x5に配置されたコイルのコア(CC)を例示的に図示したが、これに限定されない。コイルのコア(CC)の数と配列される形態は、必要に応じて変更されることができる。
【0038】
本発明の一実施形態では、コイルのコア(CC)のそれぞれは、円柱形状を有することができる。コイルのコア(CC)のそれぞれは、金属物質を含むことができる。
【0039】
コイル線(CL)のそれぞれは、対応するコイルのコア(CC)を取り囲むことができる。つまり、コイル線(CL)のそれぞれは、対応するコイルのコア(CC)の外郭面に沿って巻かれている。
【0040】
コイル線(CL)に交流電源が提供されている場合には、コイル線(CL)のそれぞれの内部及びコイルのコア(CC)には、誘導磁場が形成されることができる。
【0041】
図3を参照すると、コイルのコア(CC)のそれぞれには、第1方向(DR1)に形成された第1貫通ホール(TH1)と第2方向(DR2)に形成された第2貫通ホール(TH2)が定義されることができる。このとき、第1方向(DR1)と第2方向(DR2)は、互いに直交することができる。
【0042】
第1支持棒(SB1)のそれぞれは、対応するコイルのコア(CC)の第1貫通ホール(TH1)に挿入されることができる。
【0043】
第2支持棒(SB2)のそれぞれは、対応するコイルのコア(CC)の第2貫通ホール(TH2)に挿入されることができる。
【0044】
コイルのコア(CC)の少なくとも一部は、第1支持棒(SB1)または第2支持棒(SB2)によってガイドされ、第1方向(DR1)または第2方向(DR2)に移動することができる。
【0045】
これにより、コイルのコア(CC)が配置される全体的な面積が変更されることができる。また、コイルのコア(CC)の一部は、互いに近くに配置し、他の一部は、互いに遠くに配置することができる。
【0046】
固定部材(FX)のそれぞれは、コイルのコア(CC)に隣接して配置され、支持棒(SB1、SB2)の中で対応する支持棒に結合することができる。
【0047】
固定部材(FX)は、コイルのコア(CC)の支持棒(SB1、SB2)が第1方向(DR1)または第2方向(DR2)に動くことを防止することができる。例えば、固定部材(FX)は、めねじ形をもって、固定部材(FX)を回転させて、コイルのコア(CC)を移動させたり、固定することができる。このとき、支持棒(SB1、SB2)の少なくとも一部は、固定部材(FX)のめねじパターンに対応するおねじパターンが形成されることができる。
【0048】
第2ボディ部(BD2)は、第2ハウジング(HS2)とパイプ(PP)を含むことができる。
【0049】
第2ボディ部(BD2)は、第1ボディ部(BD1)の下部に配置されることができる。第2ボディ部(BD2)は、第1方向(DR1)と第2方向(DR2)と直交する第3方向(DR3、または上下方向)に移動し、第1ボディ部(BD1)と第2ボディ部(BD2)との間に配置される物体に圧力を印加することができる。これにより、第2ハウジング(HS2)は、他の物体に圧力を印加する圧力面を提供することができる。
【0050】
パイプ(PP)は、第2ボディ部(BD2)の内部を貫通する形で実装されることができる。パイプ(PP)は、冷却媒体(例えば、冷却水)が通過する通路を提供することができる。インプリント装置(IPA)のうちの少なくとも一部が加熱されている場合には、パイプ(PP)に流れる冷却水を用い、インプリント装置(IPA)の温度を下げることができる。
【0051】
図1では、第1ボディ部(BD1)が第2ボディ部(BD2)より上部に配置されることを例示的に図示したが、これに限定されない。本発明の他の実施形態では、第2ボディ部(BD2)が第1ボディ部(BD1)より上部に配置することができる。
【0052】
第1上部固定ローラー(RL1−H)は、第1ボディ部(BD1)の一側に隣接して配置され、第2上部固定ローラー(RL2−H)は、第1ボディ部(BD1)の他側に隣接して配置されることができる。
【0053】
第1上部固定ローラー(RL1−H)と第2上部固定ローラー(RL2−H)は、ガイドバー(GB)によって第1ボディ部(BD1)に固定されることができる。ただし、これに限定されることではなく、第1上部固定ローラー(RL1−H)と第2上部固定ローラー(RL2−H)は、ガイドバー(GB)とは別の構成要素によって、第1ボディ部(BD1)に隣接して固定されることができる。
【0054】
第1下部固定ローラー(RL1−L)は、第2ボディ部(BD2)の一側に隣接して配置され、第2下部固定ローラー(RL2−L)は、第2ボディ部(BD2)の他側に隣接して配置されることができる。
【0055】
第1上部固定ローラー(RL1−H)と、第1下部固定ローラー(RL1−L)との間に印加される圧力及び第2上部固定ローラー(RL2−H)と第2下部固定ローラー(RL2−L)との間に印加される圧力によって、第1ボディ部(BD1)と第2ボディ部(BD2)との間に配置されるポリマーフィルム(PF)が固定されることができる。すなわち、第1ボディ部(BD1)と第2ボディ部(BD2)によりポリマーフィルム(PF)とマスター基板(MS)が圧着されるとき、固定ローラー(RL1−H、RL1−L、RL2−H 、RL2−L)によってポリマーフィルム(PF)が第1方向(DR1)または第2方向(DR2)に動くことを防止することができる。
【0056】
第1ガイドローラー(GR1)は、第1上部固定ローラー(RL1−H)及び第1下部固定ローラー(RL1−L)に隣接して配置することができる。第2ガイドローラー(GR2)は、第2上部固定ローラー(RL2−H)及び第2下部固定ローラー(RL2−L)に隣接して配置することができる。
【0057】
第1ガイドローラー(GR1)及び第2ガイドローラー(GR2)は、第1ボディ部(BD1)と第2ボディ部(BD2)との間に配置されるポリマーフィルム(PF)をガイドすることができる。第1ガイドローラー(GR1)と第2ガイドローラー(GR2)は、互いに同じ方向に回転することができる。
【0058】
電源供給部(PW)は、外部から提供された電力をコイル線(CL)に交流電源の形で提供することができる。電源供給部(PW)は、コイル線(CL)に全体的に同じ交流電源を提供するか、必要に応じてコイル線(CL)に異なるサイズの交流電源を提供することができる。
図1では、電源供給部(PW)とコイル線(CL)を接続する配線は、便宜上示されていない。
【0059】
図4aは、本発明の一実施形態に係るマスター基板(MS)を例示的に示した図である。
図4bは、
図4aのI−I′に沿って切断した断面を例示的に示した図である。
【0060】
マスター基板(MS)は、ベース部(BS)、パターン部(PT)、及び金属コーティング層(CT)を含むことができる。
【0061】
ベース部(BS)の一面にインプリントの対象の形状を決定するパターン部(PT)が配置されることができる。パターン部(PT)を構成する配線のそれぞれの厚さは数ナノメートルから数マイクロメートルであることができる。
【0062】
金属コーティング層(CT)は、ベース部(BS)の一面上に配置され、パターン部(PT)をカバーすることができる。
【0063】
金属コーティング層(CT)は、コイル線(CL)とコイルのコア(CC)に誘導された電磁場によって加熱される。加熱された金属コーティング層(CT)を用いれば、少ない圧力を用いてもポリマーフィルム(PF)のインプリント工程が容易に行われることができる。
【0064】
図5は、本発明の一実施形態に係るコイルのコア(CC)、ガイド部材(GS1、GS2)、及び支持棒(SB1−1、SB2−1)を図示したものである。
【0065】
第1ガイド部材(GS1)は、第1貫通ホール(TH1)に挿入される構成要素であり、第2ガイド部材(GS2)は、第2貫通ホール(TH2)に挿入される構成要素である。
【0066】
第1ガイド部材(GS1)及び第2ガイド部材(GS2)のそれぞれの内部には、第1ネジパターン(SCR1)が形成されることができる。
【0067】
第1支持棒(SB1−1)は、第1ガイド部材(GS1)に挿入され、第2支持棒(SB2−1)は、第2ガイド部材(GS2)に挿入されることができる。
【0068】
第1支持棒(SB1−1)及び第2支持棒(SB2−1)それぞれの外面には、第1ネジパターン(SCR1)に対応する第2ネジパターン(SCR2)が形成されることができる。
【0069】
本発明の一実施形態では、第1ガイド部材(GS1)または第1支持棒(SB1−1)を回転させ、第1方向(DR1)でコイルのコア(CC)との間の離隔距離を調節することができる。また、第2ガイド部材(GS2)または第2支持棒(SB2−1)を回転させ、第2方向(DR2)でコイルのコア(CC)との間の離隔距離を調節することができる。
【0070】
図6は、本発明の一実施形態に係る第2ボディ部(BD2−1)を例示的に示したものである。
【0071】
本発明の一実施形態では、第2ボディ部(BD2−1)は、複数の温度センサー(TS)をさらに含むことができる。温度センサー(TS)は、コイルのコア(CC)の配列に対応してマトリックス形態に配列されることができる。
【0072】
温度センサー(TS)は、インプリント工程中にコイルのコア(CC)またはコイル線(CL)の温度をそれぞれ測定することができる。
【0073】
インプリント装置(IPA)は、測定された温度に応じて、電源供給部(PW)がコイル線(CL)に提供する電源の大きさを調節することができる。例えば、温度が低いとセンシングされた部分に対応するコイル線(CL)には大きな強さを有する交流電源を提供し、温度が高いとセンシングされた部分に対応するコイル線(CL)には小さな強さを有する交流電源を提供することができる。このような調整を介して、インプリント装置(IPA)は、マスター基板(MS)の金属コーティング層(CT)を均一に加熱することができる。
【0074】
本発明の他の実施形態では、温度センサー(TS)が、第1ボディ部(BD1)に実装されることができる。この場合には、温度センサー(TS)のそれぞれは、コイルのコア(CC)の中で対応するコイルのコア(CC)に隣接して配置することができる。
【0075】
図7は、本発明の一実施形態に係る第1支持棒(SB1−2)を例示的に図示したものである。
【0076】
第1支持棒(SB1−2)の表面には、目盛り(MK)を表示することができる。ユーザーは、第1支持棒(SB1−2)の表面に形成された目盛り(MK)を介してコイルのコア(CC)との間の離隔距離を測定することができる。
【0077】
図7では、第1支持棒(SB1−2)のみ例示的に図示したが、第2支持棒も目盛り(MK)が表示されることができる。
【0078】
図8は、本発明の一実施形態によるインプリント方法(S10)によるフローチャートを例示的に図示したものである。
【0079】
インプリント方法(S10)は、マスター基板の配置段階(S100)、コイルの位置調整段階(S200)、ポリマーフィルムの配置段階(S300)、誘導加熱段階(S400)、圧力印加段階(S500)、及び分離段階(S600 )を含むことができる。
【0080】
マスター基板の配置段階(S100)で、第1ボディ部(BD1)と第2ボディ部(BD2)の間に、マスター基板(MS)が配置されることができる。
【0081】
コイルの位置調整段階(S200)で、マスター基板(MS)の大きさに対応し、コイルのコア(CC)の少なくとも一部の位置が第1方向(DR1)または第2方向(DR2)に変更されることができる。
【0082】
ポリマーフィルムの配置段階(S300)で、ポリマーフィルム(PF)は、マスター基板(MS)と第2ボディ部(BD2)との間に配置されることができる。
【0083】
誘導加熱段階(S400)で、コイル線(CL)とコイルのコア(CC)に形成された誘導磁場によって、マスター基板(MS)の金属コーティング層(CT)が加熱されることができる。
【0084】
圧力印加段階(S500)で、第1ボディ部(BD1)と第2ボディ部(BD2)のうちの少なくともいずれか一つが移動し、それに応じて、ポリマーフィルム(PF)とマスター基板(MS)は、第1ボディ部(BD1)と第2ボディ部(BD2)からの圧力が印加される。このプロセスでは、マスター基板(MS)に形成されたパターン部(PT)の形に対応した形状が、ポリマーフィルム(PF)に転写される。
【0085】
分離段階(S600)で、第1ボディ部(BD1)と第2ボディ部(BD2)は、互いに離れて、それに応じて、パターンが転写されたポリマーフィルム(PF)がマスター基板(MS)から分離することができる。
【0086】
本発明の一実施形態では、インプリント方法(S10)は、マスター基板の配置段階(S100)と誘導加熱段階(S400)との間に実施される事前加熱段階(図示せず)をさらに含むことができる。
【0087】
事前加熱段階では、コイル線(CL)とコイルのコア(CC)に形成された誘導磁場を用い、マスター基板(MS)の金属コーティング層(CT)を加熱して、金属のコーティング層(CT)をアニーリングすることができる。事前加熱段階で加熱された金属コーティング層(CT)の温度は、誘導加熱段階(S400)で加熱された金属コーティング層(CT)の温度よりも高くなることもあり得る。
【0088】
実施例を参照して説明したが、該当技術分野の熟練された当業者は、下記の特許請求範囲に記載された本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲内で、本発明を多様に修正及び変更することができることを理解できよう。また、本発明に開示された実施例は、本発明の技術思想を限定するためのものではなく、下記の特許請求範囲及びそれと同等の範囲内にあるすべての技術思想は、本発明の権利範囲に含まれるものとして解釈されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0089】
小さいサイズの電子製品や審美感が高い電子製品の需要が高まっている状況に応じて、微細なパターンをインプリントすることは非常に重要である。本発明によると、精度の高いインプリント工程を行うことができ、これにより、本発明は、産業上の利用可能性が高い。
【国際調査報告】