特表2021-535988(P2021-535988A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2021-535988空気圧式の制御機器、不用空気システム、不用空気システムを備えたハウジング、空気圧式のアクチュエータ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-535988(P2021-535988A)
(43)【公表日】2021年12月23日
(54)【発明の名称】空気圧式の制御機器、不用空気システム、不用空気システムを備えたハウジング、空気圧式のアクチュエータ
(51)【国際特許分類】
   F15B 11/06 20060101AFI20211126BHJP
   F16H 61/30 20060101ALI20211126BHJP
【FI】
   F15B11/06 Z
   F16H61/30
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2021-512619(P2021-512619)
(86)(22)【出願日】2019年8月2日
(85)【翻訳文提出日】2021年4月2日
(86)【国際出願番号】EP2019070902
(87)【国際公開番号】WO2020048700
(87)【国際公開日】20200312
(31)【優先権主張番号】102018215300.0
(32)【優先日】2018年9月7日
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】597007363
【氏名又は名称】クノル−ブレムゼ ジステーメ フューア ヌッツファールツォイゲ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Knorr−Bremse Systeme fuer Nutzfahrzeuge GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】マーティン クラール
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル ガイス−エッサー
【テーマコード(参考)】
3H089
3J067
【Fターム(参考)】
3H089AA02
3H089BB24
3H089DA04
3J067AA24
3J067AB13
3J067DB02
3J067DB13
3J067DB27
3J067GA01
(57)【要約】
空気圧式の制御機器(5)、不用空気システム、ハウジング(3)および空気圧式のアクチュエータが開示される。これらは、空気圧式の制御機器(5)の空気抜き時に排出され、一般的に汚染物を含む不用空気を集合させかつ/または運転中に目に付かない領域で排出して、1つには、酷く汚染されたハウジングによって使用者を苛立たせず、もう1つには、一般的に不用空気に接触させられる恐れのある構成部材を保護する可能性を提供するように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気圧式の制御機器(5)であって、該制御機器(5)を接続することができる圧縮空気供給装置の圧力を出発点として、必要となる作業圧に影響を与えるように構成されていて、不用空気管路(6)に接続され、これによって、前記作業圧の減少のために前記制御機器(5)から排出される不用空気を前記不用空気管路(6)に放出するように構成されている、制御機器(5)。
【請求項2】
前記制御機器(5)は、
電磁弁、
ダイヤフラム弁、
ピストン弁、
スライダ弁、
リレー弁および/または
空気圧式の変速機アクチュエータ用の制御機器
として形成されている、請求項1記載の制御機器(5)。
【請求項3】
不用空気システムであって、少なくとも1つの不用空気管路(6)を有し、該不用空気管路(6)は、空気圧式の制御機器(5)に接続され、これによって、作業圧の減少のために前記制御機器(5)から排出される不用空気を収容するように構成されている、不用空気システム。
【請求項4】
少なくとも2つの不用空気管路(6)が、1つの管路に集合させられており、かつ/または
前記少なくとも1つの不用空気管路(6)は、フレキシブルまたはリジッドな区分を有し、かつ/または
前記不用空気システムは、空気圧式の変速機アクチュエータに設けられるように構成されている、請求項3記載の不用空気システム。
【請求項5】
前記不用空気システムは、収容された前記不用空気を空気抜き装置内にまたは大気(AT)に排出するように構成された1つの流出路(7)を有するか、または
前記不用空気システムは、前記1つの流出路(7)に接続されるように構成されている、請求項3または4記載の不用空気システム。
【請求項6】
前記不用空気システムの前記流出路(7)は、前記収容された不用空気を管路を介して引き続き案内するように構成された接続路として形成されており、
前記管路は、前記収容された不用空気を、前記不用空気システムが前記不用空気を収容するハウジング(3)の外部に案内するように構成されている、請求項5記載の不用空気システム。
【請求項7】
ハウジング(3)であって、空気圧式の操作要素を収容するように構成されていて、
さらに、請求項1または2記載の少なくとも1つの空気圧式の制御機器(5)と、請求項3から6までのいずれか1項記載の不用空気システムとを収容するように構成されている、
ハウジング(3)。
【請求項8】
前記ハウジング(3)は、請求項1または2記載の少なくとも1つの空気圧式の制御機器(5)と、請求項3から6までのいずれか1項記載の不用空気システムとを有し、前記制御機器(5)と前記不用空気システムとは、互いに流体接続されており、かつ/または
前記ハウジング(3)は、1つの流出路(7)を有し、該流出路(7)は、前記不用空気システムに流体接続されていて、不用空気を空気抜き装置内にまたは大気(AT)に排出するように構成されており、かつ/または
前記ハウジング(3)は、圧縮空気供給装置、好ましくは圧縮空気アキュムレータ(1)に接続されるように、接続路を有し、該接続路に前記少なくとも1つの空気圧式の制御機器(5)が接続されている、請求項7記載のハウジング(3)。
【請求項9】
前記流出路(7)は、前記ハウジング(3)が組み付けられている場合および/または前記ハウジングが使用される場合に目に付かないように、かつ/または前記不用空気を目に付かない領域に排出するように配置かつ構成されているように、前記ハウジング(3)に配置されており、かつ/または
前記ハウジング(3)は、空気圧式の変速機アクチュエータのハウジングとして形成されている、請求項8記載のハウジング(3)。
【請求項10】
前記ハウジング(3)の前記流出路(7)は、収容された前記不用空気を管路を介して引き続き案内するように構成された接続路として形成されており、
前記管路は、前記不用空気システムが前記不用空気を収容する前記ハウジング(3)の外部に前記収容された不用空気を案内するように構成されている、請求項8または9記載のハウジング(3)。
【請求項11】
空気圧式のアクチュエータであって、
請求項1または2記載の少なくとも1つの空気圧式の制御機器(5)と、
前記制御機器(5)に接続された、請求項3から6までのいずれか1項記載の少なくとも1つの不用空気システムと、
請求項7から10までのいずれか1項記載のハウジング(3)と、
前記空気圧式の制御機器(5)によって作業圧が供給されかつ再び空気抜きされるように構成された少なくとも1つの空気圧式の操作要素と
を有し、好ましくは、
少なくとも、前記少なくとも1つの空気圧式の制御機器(5)、前記少なくとも1つの不用空気システムまたは前記少なくとも1つの空気圧式の操作要素は、前記ハウジング(3)の内部に設けられている、空気圧式のアクチュエータ。
【請求項12】
前記少なくとも1つの空気圧式の操作要素は、変速機、特にシフトスリーブ付き変速機のシフト要素を操作するように構成されている、請求項11記載の空気圧式のアクチュエータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気圧式の制御機器(Stellglied)、不用空気システム、ハウジング、好ましくは空気圧式の変速機アクチュエータとして形成された空気圧式のアクチュエータに関する。
【0002】
今日の空気圧式のアクチュエータ、特に空気圧式の変速機アクチュエータは、所望の作業圧を形成して、この作業圧をアクチュエータの圧力室に供給する制御機器を有している。作業圧を再び減圧したい場合には、圧力室が空気抜きされる。この空気抜きは、対応する制御機器が位置するハウジングの内部で行われる。
【0003】
不用空気は、一般的に不純物、例えばパーティクル、水または油を含んでいるので、同様にハウジング内に設けられている構成部材、例えば電子的なボードに、堆積物、汚染物もしくは腐食によって損害が生じてしまうか、もしくは出口の周りの汚れた油膜によって外観が損なわれてしまう。
【0004】
したがって、本発明の課題は、上述した問題が解決されるように、空気圧式のアクチュエータ、特に空気圧式の変速機アクチュエータのための空気抜きを行うことである。
【0005】
この課題は、独立請求項の対象によって解決される。有利な改良形態は従属請求項の対象である。
【0006】
本発明によれば、空気圧式の制御機器であって、この制御機器を接続することができる圧縮空気供給装置の圧力を出発点として、必要となる作業圧に影響を与えるように構成されていて、不用空気管路に接続され、これによって、作業圧の減少のために制御機器から排出される不用空気を不用空気管路に放出するように構成されている、制御機器が設けられている。したがって、空気圧式のアクチュエータの機能充足のためには、空気圧式の制御機器が重要となる。不用空気管路を接続することができる制御機器に対して1つの接続路を好適に形成することによって、制御機器への不用空気管路の簡単な組付けが可能となる。
【0007】
圧縮空気供給装置は、好ましくは圧縮空気アキュムレータとして形成されている。
【0008】
代替的または付加的には、空気圧式の制御機器が、好ましくは、変速機アクチュエータに設けられた空気圧式の制御機器として形成されている。このためには、制御機器が、好ましくは、環境影響、例えば温度変動に対して頑強に形成されていることが必要となる。なぜならば、この温度変動は、商用車の運転時に一貫して−40℃〜+120℃の範囲内にあり得るからである。このとき、内部に制御機器が設けられている断熱されたハウジングは必ずしも存在していない。
【0009】
制御機器は、特に電磁弁、ダイヤフラム弁、ピストン弁、スライダ弁および/またはリレー弁として形成されている。別種の弁も可能である。
【0010】
不用空気管路に接続されるような制御機器の構成が有利である。
【0011】
制御機器は、さらに好適には、ハウジング内、特に好適には変速機アクチュエータのハウジング内に設けられているように構成されている。このためには、制御機器が、好ましくは、この制御機器をハウジング内に位置固定するために、ハウジングの固定手段と共にまたは別個の固定手段およびハウジングと共に結合部を形成するように構成された要素を有している。
【0012】
さらに、本発明によれば、不用空気システムであって、少なくとも1つの不用空気管路を有し、この不用空気管路が、空気圧式の制御機器に接続され、これによって、作業圧の減少のために制御機器から排出される不用空気を収容するように構成されている、不用空気システムが設けられている。この不用空気システムは、好ましくは、複数の不用空気管路を1つの管路にまとめて、不用空気を目的に合わせて引き続き案内するように構成することができる。
【0013】
好ましくは、少なくとも1つの不用空気管路が、少なくとも部分的にフレキシブルまたは弾性的な材料、例えばゴムから形成されている。したがって、不用空気管路は、空気圧式のアクチュエータの作動中に生じることがある振動の影響をほとんど受けないようになっている。代替的または付加的には、少なくとも1つの不用空気管路が、少なくとも部分的にリジッドに、例えば鋼から形成されていてもよい。
【0014】
不用空気システムは、好ましくは、ハウジングの内部に設けられているように構成されている。不用空気システムは、さらに好適には、少なくともハウジングの一部から形成されている。
【0015】
不用空気システムは、好ましくは、制御機器をハウジング内に位置固定するために、ハウジングの固定手段と共にまたは別個の固定手段およびハウジングと共に結合部を形成するように構成された要素を有している。
【0016】
不用空気管路は、好ましくは、必ずしも管路として形成されていない。不用空気管路は、少なくとも一部で別個の容積として形成されていてもよく、この容積内に、好適には複数の制御機器が空気抜きする。
【0017】
好ましくは、不用空気システムは、収容された不用空気を空気抜き装置内にまたは大気に排出するように構成された1つの流出路を有している。代替的には、不用空気システムは、このような1つの流出路に接続されるように構成されている。したがって、不用空気を集合させて排出する可能性が提供されている。
【0018】
不用空気システムの流出路は、好ましくは、収容された不用空気を管路を介して引き続き案内するように構成された接続路として形成されている。管路は、好ましくは、接続路に流体接続されている。管路は、さらに好ましくは、収容された不用空気を、不用空気システムが不用空気を収容するハウジングの外部に導出するように構成されている。さらに好ましくは、同管路は、不用空気の最終的な流出をハウジングから遠ざけて実施するように構成されている。
【0019】
不用空気の流出は、好適には、流出路が別の管路に接続されているか否かにかかわらず、消音器を介して行われる。
【0020】
空気抜き装置は、不用空気を集合させるように構成された別個のチャンバであってよい。
【0021】
代替的または付加的には、不用空気システムが、好ましくは、変速機アクチュエータに設けられた不用空気システムとして形成されている。このためには、不用空気システムが、好ましくは、環境影響、例えば温度変動に対して頑強に形成されていることが必要となる。なぜならば、この温度変動は、商用車の変速機作動器もしくは変速機アクチュエータにおける作動時に一貫して−40℃〜+120℃の範囲内にあり得るからである。このとき、内部に不用空気システムが好ましく設けられている断熱されたハウジングは必ずしも存在していない。したがって、例えば、不用空気システムがその機能性を環境影響によって失わないことが可能でなければならない。接続箇所、例えば、上述した空気圧式の制御機器に対する接続箇所を解離することなく、不用空気システムが、温度に起因した長さ変化を実施することができることに特に注意を払わなければならない。
【0022】
さらに、本発明によれば、ハウジングであって、空気圧式の操作要素を収容するように構成されていて、さらに、上述したような少なくとも1つの空気圧式の制御機器と、上述したような不用空気システムとを収容するように構成されている、ハウジングが設けられている。
【0023】
ハウジングは、特に好適には、制御機器をハウジング内に位置固定するために、制御機器、不用空気システムおよび/または操作手段の固定手段と共にまたは別個の固定手段および制御機器、不用空気システムおよび/または操作手段と共に結合部を形成するように構成された要素を有している。
【0024】
好ましくは、ハウジングは、上述したような少なくとも1つの空気圧式の制御機器と、上述したような不用空気システムとを有しており、この制御機器と不用空気システムとは、特に制御機器の不用空気を集合させるために、互いに流体接続されている。これによって、ハウジングは、作業圧を形成すると共に少なくとも1つの空気圧式の制御機器の不用空気を不用空気システムによって集合させるように構成されている。
【0025】
代替的または付加的には、ハウジングは、1つの流出路を有しており、この流出路は、不用空気システムに流体接続されていて、不用空気を空気抜き装置内にまたは大気に排出するように構成されている。したがって、不用空気システムを使用して、この不用空気システムにより集合させられた不用空気をハウジングから排出するために、中央の1つの流出路が提供されている。
【0026】
不用空気システムに接続されるように構成された1つの流出路は、有利には、不用空気内に含まれていることがある汚染物、例えばパーティクル、水または油が、ハウジングの内部の構成部材上に沈積して、この構成部材に損傷を与えるという問題を回避する。
【0027】
好適には、ハウジングの流出路と不用空気システムの流出路とは、互いに同一であるかまたは少なくとも互いに流体接続されている。
【0028】
代替的または付加的には、ハウジングは、圧縮空気供給装置、好ましくは圧縮空気アキュムレータに接続されるように、接続路を有しており、この接続路に少なくとも1つの空気圧式の制御機器が接続されている。これによって、作業圧を形成するために必要となる圧縮空気をハウジングの内部の空気圧式の制御機器に案内する可能性が提供されている。
【0029】
不用空気がさらにハウジングの任意の領域から排出されると、不純物、特に油がハウジングの外側に固着してしまう可能性がある。油膜が生じ、この油膜が周辺からダストやパーティクルを付加的に吸収し、これによって、ハウジングに、目に付く不純物が生じてしまう。この不純物は、ハウジングに漏れがあることの示唆と誤解されてしまう。したがって、このような不純物によって、この空気圧式のアクチュエータの機能性に対する使用者の信頼が、少なくとも低下するかまたは完全に崩れてしまう。さらに、使用者は、引き続き、憶測の漏れを取り除くために、むだに工場を探す羽目になってしまう。
【0030】
したがって、流出路は、好ましくは、ハウジングが組み付けられている場合および/またはハウジングが使用される場合に目に付かないように、かつ/または不用空気を目に付かない領域に排出するように配置かつ構成されているように、ハウジングに配置されている。これによって、有利には、不用空気内に含まれていることがある汚染物、例えばパーティクル、水または油が、目に付く膜をハウジングに残さないことが達成され、これによって、使用者によるハウジングの漏れの誤った思い込みの問題が回避される。
【0031】
ハウジングの流出路は、好ましくは、収容された不用空気を管路を介して引き続き案内するように構成された接続路として形成されている。管路は、好ましくは、接続路に流体接続されている。管路は、さらに好ましくは、収容された不用空気をハウジングから遠ざけて導出するように構成されている。さらに好ましくは、同管路は、不用空気の最終的な流出をハウジングから遠ざけて実施するように構成されている。
【0032】
不用空気の流出は、好適には、流出路が別の管路に接続されているか否かにかかわらず、消音器を介して行われる。
【0033】
代替的または付加的には、ハウジングが、好ましくは、変速機アクチュエータのハウジングとして形成されている。このためには、ハウジングが、好ましくは、環境影響、ダストまたは湿気に対して頑強に形成されていることが必要となる。したがって、ハウジングは、好ましくは、環境に対して密に形成されている。こういった環境影響に対して、既存のインタフェース、例えば流入路および流出路が、特に好適にはフィルタ装置を備えている。
【0034】
さらに、本発明によれば、空気圧式のアクチュエータであって、
− 上述したような少なくとも1つの空気圧式の制御機器と、
− 制御機器に流体接続された、上述したような少なくとも1つの不用空気システムと、
− 上述したようなハウジングと、
− 空気圧式の制御機器によって作業圧が供給されかつ再び空気抜きされるように構成された少なくとも1つの空気圧式の操作要素と
を有する空気圧式のアクチュエータが設けられている。
【0035】
好ましくは、少なくとも、少なくとも1つの空気圧式の制御機器、少なくとも1つの不用空気システムまたは少なくとも1つの空気圧式の操作要素が、ハウジングの内部に設けられている。
【0036】
空気圧式の操作要素は、種々異なる観点で形成することができる。この場合、1つの好適な構成が、変速機を操作するための構成である。したがって、好ましくは、少なくとも1つの空気圧式の操作要素は、変速機、特にシフトスリーブ付き変速機のシフト要素を操作するように構成されている。
【0037】
このように形成された空気圧式の変速機アクチュエータは、好ましくは、商用車に使用するように構成されている。
【0038】
少なくとも1つの空気圧式の操作要素は、好ましくは、変速機においてギヤセレクトおよびシフトパターンセレクトを実施するように構成されたシフトフィンガとして形成されている。このために必要となるシフトフィンガの移動は、最終的には、少なくとも1つの制御機器により形成された作業圧によって空気圧式に行われ、これによって、シフトフィンガが、変速機の相応のシフト要素に係合することができ、所定のギヤを入れるかまたは抜くために、このシフト要素を最終的に移動させることができる。
【0039】
特に変速機が車室の背後に目に付く形で配置されていることが多い商用車における本発明に係る変速機アクチュエータは、不用空気の不純物によってハウジングの内部の構成部材に損傷が与えられないという利点を有している。
【0040】
さらに、流出路が相応して目に付かない形で配置されていると、さらに、前述したような汚染物が、目に付く外面に生じないという利点がある。これによって、工場への商用車のむだな滞在の回数が減じられ、商用車の経済性が高められる。
【0041】
以下に、本発明の好適な実施形態の説明を添付の図面を用いて行う。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】供給管路から先行技術による空気圧式の制御機器への原理的な経過を含む空気圧式のアクチュエータのハウジングの原理図である。
図2図1に示した配置形態の本発明による拡張を示す図である。
【0043】
図1には、供給管路4から先行技術による空気圧式の制御機器5への原理的な経過を含む空気圧式のアクチュエータのハウジング3の原理図が示してある。
【0044】
ハウジング3の内部で供給管路4へと分岐される圧力管路2によってハウジング3に流体接触させられる選択的な圧縮空気アキュムレータ1の形態の圧縮空気供給装置が示してある。供給管路4は、例えば電磁弁として形成された空気圧式の制御機器5に流体接続されている。
【0045】
制御機器5は、圧縮空気アキュムレータ1から圧力管路2と供給管路4とを介して供給された圧力から作業圧を形成するように構成されている。次いで、この作業圧を制御機器5を起点として空気圧式の圧力室(図示せず)に供給することができ、これによって、例えば、アクチュエータ、特に変速機アクチュエータの操作要素(図示せず)が運動させられる。
【0046】
制御機器5は空気圧式の圧力室から、本実施形態ではそれぞれ別個の流出路7を介してハウジング3の内室に不用空気を排出し、これによって、圧力室内の圧力が再び減少させられる。制御機器5の不用空気内に含まれていることがあるパーティクル、水または油を含む汚染物に基づき、ハウジング3の内部の要素、例えば電子的なボードが危険にさらされている。
【0047】
したがって、図2には、図1に示した実施形態の本発明による改良形態が示してある。
【0048】
図示の配置形態では、制御機器5の右側に複数の不用空気管路6が続いている。各不用空気管路6は別個の制御機器5に接続されている。不用空気管路6は、制御機器5の不用空気を収容するように構成されている。このために、不用空気管路6は制御機器5に流体接続されている。
【0049】
不用空気管路6は最終的にハウジング3の内部で1つにまとめられ、1つの共通の流出路7に開口している。この流出路7は、本実施形態では流出管路として形成されていて、制御機器5の不用空気を大気ATに排出する。
【0050】
したがって、不用空気はハウジング3内に排出されず、これによって、ハウジング3の内部の要素、例えば電子的なボードが、汚染された不用空気によって危険にさらされていないことを達成することができる。
【0051】
不用空気管路6と流出路7とは、ハウジング3から不用空気を導出するように構成された不用空気システムを形成している。
【0052】
流出路7は、排出される不用空気もしくは不用空気が排出される領域および/または流出路7自体が外部から使用者の目に付かないように、ハウジング3に配置されている。これによって、ハウジング3の目に付く領域に汚染物が生じないことが確保されている。これによって、密でないハウジング3の誤った思い込みを回避することができる。
【0053】
本発明は、本明細書に記載した実施形態に限定されるものではない。個々の要素を取り除くかまたは個々の要素を同作用の要素と取り替えることによって、本発明によるさらに別の実施形態を達成することができる。
【0054】
例えば、個々の不用空気管路6の代わりに、ハウジング3から分離された別個の容積が設けられていてもよく、この容積内に制御機器5が空気抜きし、次いで、この容積から流出路7に空気抜きされる。
【0055】
さらに、流出路7は、上述したように、ハウジングにじかに設けられていてもよいし、接続路として形成されていてもよい。この接続路は、管路に接続されて、不用空気を目的に合わせて所望の箇所に案内し、そこで排出するように構成されている。この場合、所望の箇所は、例えば商用車の、通常運転中に(ハウジングが組み付けられている場合でも)目に付かない箇所に設けることができる。このことは、目に付かない流出路7を備えたハウジング3をハウジング3に取り付けることが不可能となる場合に特に有利である。
【0056】
さらに、流出路7は、不用空気の流出を音響的に減衰するように構成された消音器(図示せず)を有することができる。
【符号の説明】
【0057】
1 圧縮空気アキュムレータ
2 圧縮空気管路
3 ハウジング
4 供給管路
5 制御機器
6 不用空気管路
7 流出路
AT 大気
図1
図2
【国際調査報告】