【実施例】
【0217】
本発明の実施例
A1.試料を分析するための方法であって、
(a)本明細書に開示する一実施形態に係るデバイスを取得することであって、デバイスは、第1のプレートと、第2のプレートと、スペーサとを含み、スペーサは、約200ミクロン以下である所定の実質的に均一な高さを有する、ことと、
(b)混合物を取得するために2つ以上の標識抗体と試料を接触させることであって、該2つ以上の標識抗体は、該試料内の標的細胞上の1つ以上のエピトープに結合できる、ことと、
(c)プレートが開放構成で構成されているときにプレートの一方または両方に混合物を付着させることであって、開放構成は、2つのプレートが部分的にまたは完全に別々に分離されており、プレート間の間隔がスペーサによって調節されない構成である、ことと、
(d)(c)の後に、2つのプレートを強制的に閉鎖構成にすることであって、閉鎖構成では、混合物の少なくとも一部は、2つのプレートによって実質的に均一な厚さの層へと圧縮され、層の均一な厚さは、プレートの混合物接触面によって限定され、プレート及びスペーサによって調節される、閉鎖構成にすることとを含む、
方法。
【0218】
A2.試料を分析するための方法であって、
(a)本明細書に開示する一実施形態に係るデバイスを取得することであって、デバイスは、第1のプレートと、第2のプレートと、スペーサとを含み、スペーサは、約200ミクロン以下である所定の実質的に均一な高さを有し、該第1のプレート、該第2のプレート、及び該スペーサの少なくとも1つは、2つ以上の標識抗体でコーティングされた少なくとも1つの表面を含む、ことと、
(b)プレートが開放構成で構成されるときにプレートの一方または両方に試料を付着させることであって、開放構成は、2つのプレートが部分的にまたは完全に別々に分離されており、プレート間の間隔はスペーサによって調節されず、試料の一方または両方のプレートへの付着時に、該試料は、該2つ以上の標識抗体と接触し、該2つ以上の標識抗体は、該試料内の標的細胞上の1つ以上のエピトープに結合できる、ことと、
(c)(b)の後に、2つのプレートを強制的に閉鎖構成にすることであって、閉鎖構成では、試料の少なくとも一部は、2つのプレートによって実質的に均一な厚さの層へと圧縮され、層の均一な厚さは、プレートの試料接触面によって限定され、プレート及びスペーサによって調節される、閉鎖構成にすることと
を含む、方法。
【0219】
A3.スペーサが、約100ミクロン以下、約75ミクロン以下、約50ミクロン以下、約30ミクロン以下、約25ミクロン以下、約10ミクロン以下、約5ミクロン以下、または約1ミクロン以下である所定の実質的に均一な高さを有する、任意の先行実施形態に記載の方法。
【0220】
A4.該スペーサの該所定の実質的に均一な高さは、該標的細胞のサイズまたは形状に基づいて決定される、任意の先行実施形態に記載の方法。
【0221】
A5.該2つ以上の標識抗体は、該標的細胞の分子上の異なるエピトープを結合する、任意の先行実施形態に記載の方法。
【0222】
A6.該2つ以上の標識抗体は、同じエピトープを結合する、任意の先行実施形態に記載の方法。
【0223】
A7.該2つ以上の標識抗体は、該標的細胞上の異なる分子を結合する、任意の先行実施形態に記載の方法。
【0224】
A7.1 該2つ以上の標識抗体に結合された前記標識は、同じ波長で励起できる、任意の先行実施形態に記載の方法。
【0225】
A8.試料を分析するための方法であって、
(a)本明細書に開示する一実施形態に係るデバイスを取得することであって、デバイスは、第1のプレートと、第2のプレートと、スペーサとを含み、スペーサは、約200ミクロン以下である所定の実質的に均一な高さを有し、該第1のプレートは、第1の抗体でコーティングされた表面を含み、該第2のプレートは、第2の抗体でコーティングされた表面を含む、ことと、
(b)プレートが開放構成で構成されるときにプレートの一方または両方に試料を付着させることであって、開放構成は、2つのプレートが部分的にまたは完全に別々に分離されており、プレート間の間隔はスペーサによって調節されず、試料の一方または両方のプレートへの付着時に、該試料は該第1の抗体及び該第2の抗体と接触し、該第1の抗体及び該第2の抗体は、該試料内の標的細胞上の1つ以上のエピトープに結合できる、ことと、
(c)(b)の後に、2つのプレートを強制的に閉鎖構成にすることであって、閉鎖構成では、試料の少なくとも一部は、2つのプレートによって実質的に均一な厚さの層へと圧縮され、層の均一な厚さは、プレートの試料接触面によって限定され、プレート及びスペーサによって調節される、ことと
を含む、方法。
【0226】
A9.試料を分析するための方法であって、
(a)本明細書に開示する一実施形態に係るデバイスを取得することであって、デバイスは、第1のプレートと、第2のプレートと、スペーサとを含み、スペーサは、約200ミクロン以下である所定の実質的に均一な高さを有する、ことと、
(b)混合物を取得するために2つ以上の色素と試料を接触させることであって、該2つ以上の標識色素は、該試料内の標的細胞に結合できる、ことと、
(c)プレートが開放構成で構成されているときにプレートの一方または両方に混合物を付着させることであって、開放構成は、2つのプレートが部分的にまたは完全に別々に分離されており、プレート間の間隔がスペーサによって調節されない構成である、ことと、
(d)(c)の後に、2つのプレートを強制的に閉鎖構成にすることであって、閉鎖構成では、混合物の少なくとも一部は、2つのプレートによって実質的に均一な厚さの層へと圧縮され、層の均一な厚さは、プレートの混合物接触面によって限定され、プレート及びスペーサによって調節される、ことと
を含む、方法。
【0227】
A10.試料を分析するための方法であって、
(a)本明細書に開示する一実施形態に係るデバイスを取得することであって、デバイスは、第1のプレートと、第2のプレートと、スペーサとを含み、スペーサは、約200ミクロン以下である所定の実質的に均一な高さを有し、該第1のプレート、該第2のプレート、及び該スペーサの少なくとも1つは、2つ以上の色素でコーティングされた少なくとも1つの表面を含む、ことと、
(b)プレートが開放構成で構成されるときにプレートの一方または両方に試料を付着させることであって、開放構成は、2つのプレートが部分的にまたは完全に別々に分離されており、プレート間の間隔はスペーサによって調節されず、試料の一方または両方のプレートへの付着時に、該試料は、該2つ以上の色素と接触し、該2つ以上の色素は、該試料内の標的細胞に結合できる、ことと、
(c)(b)の後に、2つのプレートを強制的に閉鎖構成にすることであって、閉鎖構成では、試料の少なくとも一部は、2つのプレートによって実質的に均一な厚さの層へと圧縮され、層の均一な厚さは、プレートの試料接触面によって限定され、プレート及びスペーサによって調節される、ことと
を含む、方法。
【0228】
A11.スペーサは、約100ミクロン以下、約75ミクロン以下、約50ミクロン以下、約30ミクロン以下、約25ミクロン以下、約10ミクロン以下、約5ミクロン以下、または約1ミクロン以下である所定の実質的に均一な高さを有する、任意の先行実施形態に記載の方法。
【0229】
A12.該スペーサの該所定の実質的に均一な高さは、該標的細胞のサイズまたは形状に基づいて決定される、任意の先行実施形態に記載の方法。
【0230】
A13.該2つ以上の色素は該標的細胞を非特異的に結合する、任意の先行実施形態に記載の方法。
【0231】
A14.該2つ以上の色素は同じ波長で励起できる、任意の先行実施形態に記載の方法。
【0232】
A15.試料を分析するための方法であって、
(d)本明細書に開示する一実施形態に係るデバイスを取得することであって、デバイスは、第1のプレートと、第2のプレートと、スペーサとを含み、スペーサは、約200ミクロン以下である所定の実質的に均一な高さを有し、該第1のプレートは、抗体でコーティングされた表面を含み、該第2のプレートは、色素でコーティングされた表面を含む、ことと、
(e)プレートが開放構成で構成されるときにプレートの一方または両方に試料を付着させることであって、開放構成は、2つのプレートが部分的にまたは完全に別々に分離されており、プレート間の間隔はスペーサによって調節されず、試料の一方または両方のプレートへの付着時に、該試料は、該抗体及び該色素と接触し、該抗体及び該色素は、該試料内の標的細胞に結合できる、ことと、
(f)(b)の後に、2つのプレートを強制的に閉鎖構成にすることであって、閉鎖構成では、試料の少なくとも一部は、2つのプレートによって実質的に均一な厚さの層へと圧縮され、層の均一な厚さは、プレートの試料接触面によって限定され、プレート及びスペーサによって調節される、ことと
を含む、方法。
【0233】
A16.試料を分析するための方法であって、
(e)本明細書に開示する一実施形態に係るデバイスを取得することであって、デバイスは、第1のプレートと、第2のプレートと、スペーサとを含み、スペーサは、約200ミクロン以下である所定の実質的に均一な高さを有する、ことと、
(f)混合物を取得するために、試料を標識抗体及び色素と接触させることであって、該標識抗体及び該色素は、該試料内の標的細胞に結合できる、ことと、
(g)プレートが開放構成で構成されているときにプレートの一方または両方に混合物を付着させることであって、開放構成は、2つのプレートが部分的にまたは完全に別々に分離されており、プレート間の間隔がスペーサによって調節されない構成である、ことと、
(h)(c)の後に、2つのプレートを強制的に閉鎖構成にすることであって、閉鎖構成では、混合物の少なくとも一部は、2つのプレートによって実質的に均一な厚さの層へと圧縮され、層の均一な厚さは、プレートの混合物接触面によって限定され、プレート及びスペーサによって調節される、ことと
を含む、方法。
【0234】
A17.試料を分析するための方法であって、
(d)本明細書に開示する一実施形態に係るデバイスを取得することであって、デバイスは、第1のプレートと、第2のプレートと、スペーサとを含み、スペーサは、約200ミクロン以下である所定の実質的に均一な高さを有し、該第1のプレート、該第2のプレート、及び該スペーサの少なくとも1つは、標識抗体及び色素でコーティングされた少なくとも1つの表面を含む、ことと、
(e)プレートが開放構成で構成されるときにプレートの一方または両方に試料を付着させることであって、開放構成は、2つのプレートが部分的にまたは完全に別々に分離されており、プレート間の間隔はスペーサによって調節されず、試料の一方または両方のプレートへの付着時に、該試料は、該標識抗体及び該色素と接触し、該標識抗体及び該色素は、該試料内の標的細胞に結合できる、ことと、
(f)(b)の後に、2つのプレートを強制的に閉鎖構成にすることであって、閉鎖構成では、試料の少なくとも一部は、2つのプレートによって実質的に均一な厚さの層へと圧縮され、層の均一な厚さは、プレートの試料接触面によって限定され、プレート及びスペーサによって調節される、ことと
を含む、方法。
【0235】
A18.スペーサが、約100ミクロン以下、約75ミクロン以下、約50ミクロン以下、約30ミクロン以下、約25ミクロン以下、約10ミクロン以下、約5ミクロン以下、または約1ミクロン以下である所定の実質的に均一な高さを有する、任意の先行実施形態に記載の方法。
【0236】
A19.該スペーサの該所定の実質的に均一な高さは、該標的細胞のサイズまたは形状に基づいて決定される、任意の先行実施形態に記載の方法。
【0237】
A20.該色素は該標的細胞に非特異的に結合する、任意の先行実施形態に記載の方法。
【0238】
A21.該標識抗体上の該標識及び該色素は、同じ波長で励起できる、任意の先行実施形態に記載の方法。
【0239】
一実施形態では、染色試薬及び添加剤は、同じプレート(第1のプレートもしくは第2のプレート)または別個のプレート(第1のプレート及び第2のプレート)にコーティングされる。
【0240】
一実施形態では、添加剤は、標的細胞に物理的、または化学的もしくは生理学的な影響を与える化学物質である。例は界面活性剤(他の暫定版を参照)及びイオン(他の暫定版を参照)である。
【0241】
一実施形態では、染色試薬は、標識抗体、ペプチド、オリゴヌクレオチド、アプタマー、小分子、及び標的細胞の内部または外部の1つ以上の特定の成分に結合親和性を有する任意の他の物質である。
【0242】
一実施形態では、標識された染色試薬の検出は、蛍光ベース(他の暫定版を参照)、化学発光ベース(他の暫定版を参照)または比色ベース(他の暫定版を参照)またはプラズモンベース(他の暫定版を参照)である。
【0243】
一実施形態では、標的細胞は、細菌及び古細菌などの原核生物、または動物細胞及び植物細胞などの真核生物である。共通の例は、哺乳類細胞、酵母、藻類などを含む。
【0244】
一実施形態では、試料中の標的細胞の数は、1または複数である場合がある。
【0245】
いくつかの実施形態では、デバイスにコーティングする試薬は、Triton X−100、界面活性剤、Zwittergent、ASB−14、ASB−16、CHAPS、カチオン性界面活性剤NN−[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]−N−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド(Ila)、llb、llc、lld、CTAC、Tween 20、Tween 40、Tween 60、Tween 80、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ラウリル硫酸アンモニウム、CTAB、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(SLES)、ミレス硫酸ナトリウム、ドキュセート、パーフルオロオクタンスルホン酸塩、アルキルアリールエーテルホスフェート、アルキルエーテルホスフェート、CTAB、塩化セチルピリジニウム(CPC)、塩化ベンザルコニウム(BAC)、塩化ベンゼトニウム(BZT)、ジメチルジオクタデシルアンモニウムクロリド、ジオクタデシルジメチルアンモニウムブロミド(DODAB)、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン、コカミドプロピルベタイン、狭範囲エトキシレート、オクタエチレングリコールモノドデシルエーテル、ペンタエチレングリコールモノドデシルエーテル、ノンキシノール、Triton X−100、ポリエトキシル化獣脂アミン、コカミドモノエタノールアミン、コカミドジエタノールアミン、ポロキサマー、グリセロールモノステアレート、グリセロールモノラウレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリステアレート、デシルグルコシド、ラウリルグルコシド、オクチルグルコシド、ラウリルジメチルアミンオキシド、ジメチルスルホキシド、ホスフィンオキシドを含むがこれらに限定されない、細胞膜または細胞核を透過性にする薬剤を含む。
【0246】
いくつかの実施形態では、デバイスにコーティングする試薬は、希釈としての細胞膜間の浸透圧差の方法によって、または塩濃度を調整することによって、細胞膜または細胞核を透過性にする薬剤を含む。
【0247】
いくつかの実施形態では、デバイスにコーティングする試薬は、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、四酸化オスミウム、重クロム酸カリウム、及び過マンガン酸カリウムを含むが、これらに限定されない、タンパク質架橋を行う薬剤を含む。
【0248】
WBCを染色するための色素は、第1のプレート、または第2のプレートもしくはその両方の上にコーティングされる、任意の先行実施形態に記載のデバイス、キット、システム、または方法。
【0249】
WBC及びPLTを染色するための色素は、第1のプレート、または第2のプレートもしくはその両方の上にコーティングされる、任意の先行実施形態に記載のデバイス、キット、システム、または方法。
【0250】
PLTを染色するための色素は、第1のプレート、または第2のプレートもしくはその両方の上にコーティングされる、任意の先行実施形態に記載のデバイス、キット、システム、または方法。
【0251】
試薬はアレイへの液滴印刷によってコーティングされる、任意の先行実施形態に記載のデバイス、キット、システム、または方法。
【0252】
試薬は、プレート上の構造のオープンガイドフロー特性を使用してコーティングされる、任意の先行実施形態に記載のデバイス、キット、システム、または方法。
【0253】
試薬は噴霧によってコーティングされる、任意の先行実施形態に記載のデバイス、キット、システム、または方法。
【0254】
試薬はコンタクトプリンティングによってコーティングされる、任意の先行実施形態に記載のデバイス、キット、システム、または方法。
【0255】
試薬は転写プリンティングによってコーティングされる、任意の先行実施形態に記載のデバイス、キット、システム、または方法。
【0256】
RBCを染色するための色素は、第1のプレート、または第2のプレートもしくはその両方の上にコーティングされる、任意の先行実施形態に記載のデバイス、キット、システム、または方法。
【0257】
RBCを分離して丸くするための界面活性剤は、第1のプレート、または第2のプレートもしくはその両方の上にコーティングされる、任意の先行実施形態に記載のデバイス、キット、システム、または方法。
【0258】
RBCを溶解させるための化学物質は、第1のプレート、または第2のプレートもしくはその両方の上にコーティングされる、任意の先行実施形態に記載のデバイス、キット、システム、または方法。
【0259】
アクリジンオレンジは、第1のプレート、または第2のプレートもしくはその両方の上にコーティングされる、任意の先行実施形態に記載のデバイス、キット、システム、または方法。
【0260】
Zwittergentは、第1のプレート、または第2のプレートもしくはその両方の上にコーティングされる、任意の先行実施形態に記載のデバイス、キット、システム、または方法。
【0261】
メチレンブルー及びZwittergentは、第1のプレート、または第2のプレートもしくはその両方の上にコーティングされる、任意の先行実施形態に記載のデバイス、キット、システム、または方法。
【0262】
アクリジンオレンジ及びZwittergentは、第1のプレート、または第2のプレートもしくはその両方の上にコーティングされる、任意の先行実施形態に記載のデバイス、キット、システム、または方法。
【0263】
YOYO色素及びZwittergentは、第1のプレート、または第2のプレートもしくはその両方の上にコーティングされる、任意の先行実施形態に記載のデバイス、キット、システム、または方法。
【0264】
デバイスは、一方または両方のプレート上に、抗癒着層、細胞溶解層、細胞染色層、放出時間制御物質層、及びそれらの組み合わせを含むマルチ試薬層をさらに含み、
プレートにコーティングされた各層は、10nm、100nm、200nm、500nm、1um、または前記値のいずれか2つの間の範囲の厚さを有し、
抗膠着剤は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、EDTA二ナトリウム、K2EDTA、K3EDTAなどを含み、
細胞染色剤は、ライト染色剤(エオシン、メチレンブルー)、ギムザ染色剤(エオシン、メチレンブルー、及びアズールB)、メイグリュンヴァルト染色剤、リーシュマン染色剤(「多色の」メチレンブルー(すなわち、多様なアズールへと脱メチル化されている)及びエオシン)、エリスロシンB染色剤(エリスロシンB)、ならびに、アクリジンオレンジ色素、3,3−ジヘキシルオキサカルボシアニン(DiOC6)、ヨウ化プロピジウム(PI)、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)及びベーシックオレンジ21(BO21)色素、臭化エチジウム、ブリリアントスルファフラビン及びスチルベンジスルホン酸誘導体、エリスロシンBまたはトリパンブルー、Hoechst 33342、三塩酸塩、三水和物、及びDAPI(4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドール、二塩酸塩)、YOYOを含むがこれらに限定されない他の蛍光染色剤を含み、
細胞染色剤は、ライト染色剤(エオシン、メチレンブルー)、ギムザ染色剤(エオシン、メチレンブルー、及びアズールB)、メイグリュンヴァルト染色剤、リーシュマン染色剤(「多色の」メチレンブルー(すなわち、多様なアズールへと脱メチル化されている)及びエオシン)、エリスロシンB染色剤(エリスロシンB)、ならびに、アクリジンオレンジ色素、3,3−ジヘキシルオキサカルボシアニン(DiOC6)、ヨウ化プロピジウム(PI)、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)及びベーシックオレンジ21(BO21)色素、臭化エチジウム、ブリリアントスルファフラビン及びスチルベンジスルホン酸誘導体、エリスロシンBまたはトリパンブルー、Hoechst 33342、三塩酸塩、三水和物、及びDAPI(4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドール、二塩酸塩)、YOYO、酸性フクシン、ヘマトキシリン、Hoechst 33258及びHoechst 33342を含むHoechst染色剤、メチルグリーン、メチレンブルー、ナイルブルー、ナイルレッド、四酸化オスミウム、ローダミン、サフラニン、MeOSuc−AAPV−AMC、CFSE、BCECF/AM、硝酸銀、ニュートラルレッド、ピロニンY、カルセイン−AM、ジヒドロエチジウム、キシレンシアノールFF、ローダミン123、4−メチルウンベリフェリルパルミテート、ファストブルーBソルト、ルシファーイエローCH二カリウム塩、DAPIジラクテート、ヨウ化プロピジウムを含むがこれらに限定されない他の蛍光染色剤を含み、
細胞溶解剤は、塩化アンモニウム、重炭酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、酢酸、クエン酸、他の酸及び塩基などを含み、
放出時間制御物質は、アルブミン、カルボマー、カルボキシメチルセルロース、カラギーナン、キトサン、デキストリン、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、またはポリビニルアルコールなどを含む、
任意の先行実施形態に係るデバイスまたは方法。
【0265】
いくつかの実施形態では、特定の濃度の化学物質は、デバイス内の赤血球の均一な分布を達成するためにプレートにコーティングされ、血液中に溶解される。
【0266】
いくつかの実施形態では、特定の濃度の化学物質は、プレートにコーティングされ、血液中に溶解されて、デバイス内の赤血球を溶解し、コーティングは第1のプレート、または第2のプレートもしくはその両方の上にある場合がある。
【0267】
いくつかの実施形態では、デバイス内でコーティングされる化学物質は、界面活性剤、Zwittergent、ASB−14、ASB−16、CHAPS、カチオン性界面活性剤NN−[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]−N−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド(Ila)、llb、llc、lld、CTAC、Tween 20、Tween 40、Tween 60、Tween 80、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ラウリル硫酸アンモニウム、CTAB、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(SLES)、ミレス硫酸ナトリウム、ドキュセート、パーフルオロオクタンスルホン酸塩、アルキルアリールエーテルホスフェート、アルキルエーテルホスフェート、CTAB、塩化セチルピリジニウム(CPC)、塩化ベンザルコニウム(BAC)、塩化ベンゼトニウム(BZT)、ジメチルジオクタデシルアンモニウムクロリド、ジオクタデシルジメチルアンモニウムブロミド(DODAB)、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン、コカミドプロピルベタイン、狭範囲エトキシレート、オクタエチレングリコールモノドデシルエーテル、ペンタエチレングリコールモノドデシルエーテル、ノンキシノール、Triton X−100、ポリエトキシル化獣脂アミン、コカミドモノエタノールアミン、コカミドジエタノールアミン、ポロキサマー、グリセロールモノステアレート、グリセロールモノラウレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリステアレート、デシルグルコシド、ラウリルグルコシド、オクチルグルコシド、ラウリルジメチルアミンオキシド、ジメチルスルホキシド、ホスフィンオキシドを含むが、これらに限定されるものではない。
【0268】
いくつかの実施形態では、デバイス内でコーティングされる赤血球溶解を引き起こす試薬は、Pluronic F−127、Cremophor EL、Pluronic F−68、Myrj 52、Brij 35、オレイン酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、Tween 20、Tween 40、Tween 60、Tween 80、SLS、CTAB、CTAC、タモキシフェン、サポニン、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、乳酸、ABS−14、ABS−16、抗マラリア薬(キニン化合物)、ヒ素、ダプソン、金属(クロム/クロム酸塩、白金塩、ニッケル化合物、銅、鉛、シス−白金)、亜硝酸塩、ニトロフラントイン、ペニシリン、フェナゾピリジン(ピリジウム)、rho免疫グロブリン、リバビリン、スルホンアミド、スルホンを含むが、これらに限定されるものではない。
【0269】
いくつかの実施形態では、デバイス内でコーティングされる抗凝固剤は、エチレンジアミン四酢酸二カリウム(K2EDTA)、エチレンジアミン四酢酸三カリウム(K3EDTA)などのEDTA、クマリン(ビタミンKアンタゴニスト)、ワルファリン(クマディン)、アセノクマロール、フェンプロクモン、アトロメンチン、フェニンジオン、ヘパリン、フォンダパリヌクス及びイドラパリヌクス、ダビガトラン、リバロキサバン、アピキサバン、エドキサバン、ベトリキサバン、NOAC、ヒルジン、レピルジン、ビバリルジン、アグラトロバン、ダビガトラン、バトロキソビン、ヘメンチン、ビタミンE、クエン酸ナトリウム、クエン酸デキシトロース、フルオリドオキサレートなどのシュウ酸塩、デルタパリン、デシルジン、エノキサパリンを含むが、これらに限定されるものではない。
【0270】
いくつかの実施形態では、デバイス内の赤血球の均一な分布を達成するために、Zwittergentは、3ng/mm2、5ng/mm2、8ng/mm2、12ng/mm2、15ng/mm2、25ng/mm2、35ng/mm2、50ng/mm2、80ng/mm2、100ng/mm2、またはいずれかの前記2つの値の間の範囲内の好ましい面積濃度でプレートにコーティングされる。
【0271】
いくつかの実施形態では、デバイス内の赤血球を溶解させるために、Zwittergentは、100ng/mm2、120ng/mm2、150ng/mm2、180ng/mm2、200ng/mm2、300ng/mm2、400ng/mm2、500ng/mm2、800ng/mm2、1000ng/mm2、またはいずれかの前記2つの値の間の範囲内の好ましい面積濃度でプレートにコーティングされる。
【0272】
いくつかの実施形態では、デバイス内の赤血球の均一な分布を達成するために、Zwittergentは、血液中の0.05mg/mL、0.1mg/mL、0.2mg/mL、0.3mg/mL、0.5mg/mL、0.6mg/mL、1.0mg/mL、2mg/mL、またはいずれかの前記2つの値の間の範囲内の好ましい最終濃度でプレートにコーティングされる。
【0273】
いくつかの実施形態では、デバイス内の赤血球を溶解させるために、Zwittergentは、血液中の2mg/mL、3mg/mL、4mg/mL、5mg/mL、6mg/mL、7mg/mL、9mg/mL、10mg/mL、15mg/mL、25mg/mL、50mg/mL、またはいずれかの前記2つの値の間の範囲内の好ましい最終濃度でプレートにコーティングされる。
【0274】
いくつかの実施形態では、デバイス内で赤血球の均一な分布を達成するために、Zwittergentは、3ng/mm2、5ng/mm2、8ng/mm2、12ng/mm2、15ng/mm2、25ng/mm2、35ng/mm2、50ng/mm2、80ng/mm2、100ng/mm2、またはいずれかの前記2つの値の間の範囲内の好ましい面積濃度でプレートにコーティングされる。
【0275】
いくつかの実施形態では、デバイス内の赤血球を溶解させるために、Zwittergentは、100ng/mm2、120ng/mm2、150ng/mm2、180ng/mm2、200ng/mm2、300ng/mm2、400ng/mm2、500ng/mm2、800ng/mm2、1000ng/mm2、またはいずれかの前記2つの値の間の範囲内の好ましい面積濃度でプレートにコーティングされる。
【0276】
いくつかの実施形態では、デバイス内の赤血球の均一な分布を達成するために、Zwittergentは、血液中の0.05mg/mL、0.1mg/mL、0.2mg/mL、0.3mg/mL、0.5mg/mL、0.6mg/mL、1.0mg/mL、2mg/mL、またはいずれかの前記2つの値の間の範囲内の好ましい最終濃度でプレートにコーティングされる。
【0277】
いくつかの実施形態では、デバイス内の赤血球を溶解させるために、Zwittergentは、血液中の2mg/mL、3mg/mL、4mg/mL、5mg/mL、6mg/mL、7mg/mL、9mg/mL、10mg/mL、15mg/mL、25mg/mL、50mg/mL、またはいずれかの前記2つの値の間の範囲内の好ましい最終濃度でプレートにコーティングされる。
【0278】
アクリジンオレンジは、0.5ng/mm
2、1ng/mm
2、2ng/mm
2、3ng/mm
2、5ng/mm
2、8ng/mm
2、10ng/mm
2、15ng/mm
2、20ng/mm
2、30ng/mm
2、またはいずれかの前記2つの値の間の範囲内の面積濃度でプレートにコーティングされる、任意の先行実施形態に記載のデバイス、キット、システム、または方法。
【0279】
アクリジンオレンジは、3〜10ng/mm
2の面積濃度でプレートにコーティングされ、Zwittergentは3〜10ng/mm
2の面積濃度でプレートにコーティングされる、任意の先行実施形態に記載のデバイス、キット、システム、または方法。
【0280】
アクリジンオレンジは、5〜20ng/mm
2の面積濃度でプレートにコーティングされ、Zwittergentは10〜30ng/mm
2の面積濃度でプレートにコーティングされる、任意の先行実施形態に記載のデバイス、キット、システム、または方法。
【0281】
いくつかの実施形態では、標識(イムノアッセイ抗体標識、RNA標識、染色色素としての例)は、試料中の0.1nM/mL、0.5nM/mL、1nM/mL、5nM/mL、10nM/mL、15nM/mL、20nM/mL、50nM/mL、またはいずれかの前記2つの値の間の範囲内の好ましい最終濃度でプレートにコーティングされる。
【0282】
いくつかの実施形態では、標識(イムノアッセイ抗体標識、RNA標識、染色色素としての例)は、試料中の1nM/mL、5nM/mL、10nM/mL、15nM/mL、20nM/mL、またはいずれかの前記2つの値の間の範囲内の好ましい最終濃度でプレートにコーティングされる。
【0283】
いくつかの実施形態では、標識(イムノアッセイ抗体標識、RNA標識、染色色素としての例)は、試料中の0.1uM/mL、0.5uM/mL、1uM/mL、5uM/mL、10uM/mL、15uM/mL、20uM/mL、50uM/mL、またはいずれかの前記2つの値の間の範囲内の好ましい最終濃度でプレートにコーティングされる。
【0284】
いくつかの実施形態では、標識(イムノアッセイ抗体標識、RNA標識、染色色素としての例)は、試料中の0.1ng/mL、0.5ng/mL、1.0ng/mL、1.5ng/mL、2.0ng/mL、5ng/mL、10ng/mL、50ng/mL、またはいずれかの前記2つの値の間の範囲内の好ましい最終濃度でプレートにコーティングされる。
【0285】
いくつかの実施形態では、標識(イムノアッセイ抗体標識、RNA標識、染色色素としての例)は、試料中の0.05mg/mL、0.15mg/mL、0.3mg/mL、0.5mg/mL、1.0mg/mL、またはいずれかの前記2つの値の間の範囲内の好ましい最終濃度でプレートにコーティングされる。
【0286】
いくつかの実施形態では、標識(イムノアッセイ抗体標識、RNA標識、染色色素としての例)は、血液中の0.1mg/mL、0.5mg/mL、1.0mg/mL、1.5mg/mL、2.0mg/mL、5mg/mL、10mg/mL、50mg/mL、またはいずれかの前記2つの値の間の範囲内の好ましい最終濃度でプレートにコーティングされる。
【0287】
いくつかの実施形態では、標識(イムノアッセイ抗体標識、RNA標識、染色色素としての例)は、試料中の100mg/mL、200mg/mL、300mg/mL、またはいずれかの前記2つの値の間の範囲内の好ましい最終濃度でプレートにコーティングされる。
【0288】
実施例1
グラム陰性菌及びグラム陽性菌を区別するための迅速なアッセイ
材料:
1.ヨウ化ヘキシジウム:この核酸染色剤は哺乳動物細胞に浸透し、大部分のグラム陽性菌をオレンジ色に選択的に染色する(Thermofisher、H7593)。
2.SYTO 9:グラム陽性菌とグラム陰性菌の両方を緑色に染色する(Thermofisher、S34854)。
3.500nm波長励起フィルタ。
4.表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)(グラム陽性)、大腸菌(Escherichia coli)(グラム陰性)。
【0289】
方法:
菌培養の調製:
1.S.epidermidis及びE.coliがそれぞれグラム陽性菌及びグラム陰性菌として使用された。これらの異なる細菌種は、染色前に37°Cで一晩栄養ブロス(R061582、Remel)で培養された。
【0290】
Qカードの調製:
1.PBSに懸濁した12ug/mLのヨウ化ヘキシジウム及び8uMのSYTO 9を含む混合物を、Xプレート(高さ2umの柱を含む)のバッチに1cm
2あたり3uLで印刷され、空気乾燥された。
2.S.epidermidis及びE.coliを含む2uLのPBSまたは血液が基質プレートに加えられた。印刷されたXプレート及び細菌血液試料を含む基質プレートがしっかりと互いに押し付けられた(
図7)。
【0291】
画像化:
60秒間のインキュベーション期間の後、iPhone6sを使用してアッセイの蛍光及び明視野画像が撮影された。グラム陽性菌のみがオレンジ色に見えるのに対し、グラム陽性菌とグラム陰性菌の両方とも緑色に染まる場合がある(
図7)。
【0292】
この実験では、QMAXカードは、1つは厚さ1mmの平らなPMMA基板、及び1つはその上にピラーアレイを有する厚さ175umのPMMAフィルムである2つのプレートを有し、ピラーサイズは30x40um、間隔(ピラー)間距離は80umであり、ピラーの高さは2umである。
【0293】
実施例2
迅速なCD4免疫染色
材料:
1.CD4抗体:Ab34276(Abcam)及び10R−CD4KHUP(FItzgerald Industrial Intermediate)
2.抗体標識キット:
2.1 Alexa Fluor 647 NHSエステルキット(A37573、Thermofisher)
2.2 ZenonマウスIgG1抗体標識キット(Z25008、Thermofisher)
3.SYTO62赤色蛍光核酸染色(S11344、Thermofisher)DMSO中の5mM
4.Bioworld抗体バイオスタビライザ10X(22050005−2、Fisher Scientific)
5.Triton X−100(X−100 100ml、Sigma)
【0294】
方法:
1.抗体二重標識法:
1.1.一次蛍光標識:100ugの各CD4検出抗体(Ab34276及び10R−CD4KHUP)が、製造元のプロトコルに従って、Alexa Fluor 647 NHSエステル標識キット(Thermofisher)を使用して標識された。抗体標識後、Sephadex−G25カラム(17−0853−01、GE Health)を使用し、残留色素が除去された。精製された抗体は、30%グリセロール及び1%BSAで構成された混合物内で最終濃度1ug/uLまで再懸濁された。抗体は、さらなる使用まで−20℃で保存された。
【0295】
1.2.二次蛍光標識:Alexa Fluor 647 NHSエステル標識CD4抗体は、製造元の指示に従ってZenon Alexa Fluor 647標識キット(Fcドメイン標識)を使用し、2回目に標識された。簡略すると、1ugの各CD4抗体は15ulのPBS中の8ulのマウスIgG1 Alexa Fluor647標識試薬と混合された。反応混合物は5分間室温でインキュベートされ、次いで、さらなる使用まで4℃で維持された。この二重標識法は、CD4特異抗体の蛍光シグナルを大幅に強化する。
【0296】
2.検出抗体混合物:
2Dアッセイ:二重標識された6ug/mlの各検出抗体は、5uMのSYTO 62(Thermofisherの赤色蛍光DNA色素)、0.5Xの抗体バイオスタビライザ(Bioworld)、及びPBS中の0.1%Triton X−100(Sigma)とともに混合された。したがって、この混合物は、DNAを染色する色素とともに混合され12ug/mLの最終抗体濃度を有する。
【0297】
2Aアッセイ:二重標識された6ug/mlの各検出抗体は、0.5Xの抗体バイオスタビライザ(Bioworld)及びPBS中の0.1%Triton X−100(Sigma)と混合された。この混合物も12ug/mLの最終抗体濃度を有するが、DNA色素は省略される。
【0298】
1Aアッセイ:二重標識された6ug/mlの1つの検出抗体は、0.5Xの抗体バイオスタビライザ(Bioworld)、及びPBS中の0.1%Triton X−100(Sigma)とともに混合される。この混合物は、DNA色素を含まない6ug/mLの最終抗体濃度のみを含む。
【0299】
1Dアッセイ:二重標識された6ug/mlの1つの検出抗体は、0.5Xの抗体バイオスタビライザ(Bioworld)、及びPBS中の0.1%Triton X−100(Sigma)とともに混合される。この混合物は、DNA色素を含む1つの抗体だけを含む。
【0300】
3.Qカードの表面処理:
3.1.Xプレート(10umのピラーを含む)と基質プレートの両方は、1%NaOHで50
°Cで1時間処理された。その後、両方のプレートは、洗浄ごとに5分間、蒸留水、PBS、及び再度蒸留水で洗浄された。
【0301】
3.2.プレート洗浄後、プレートは、室温で2時間、4%BSAで遮断された。プレートは、残留BSAを取り除くために、2度、5分間、蒸留水で洗浄され、次いで空気乾燥された。
【0302】
4.Qカードへの抗体混合物の印刷:
4.1 調製した抗体混合物は、両方のプレート(X−プレートと基質プレート)上に約3uL/cm
2で印刷された。抗体が印刷されると、プレートは空気乾燥され、さらに使用する前に光から保護された。
【0303】
5.iPhone 6sを使用したCD4検出:
5.1.調製した基質プレートに2ulの新鮮な全血が加えられた。次に、調製したXプレートは、血液試料にしっかりと押し付けられた。写真は、iPhone6sを使用して1分間のインキュベーション1度の後に撮影された。
【0304】
6.マイクロリットルあたりのCD4カウントの計算:
6.1.Xプレートピラーの高さ:10um
【0305】
6.2 fov:視野(iPhoneまたは蛍光顕微鏡を使用して撮影された写真の中のQカードの総面積)
【0306】
6.3.fov内の試料の量:
6.3.1.長さ(um)×幅(um)×高さ(10um)=fovの体積(um
3)
【0307】
6.4.1ul=10
9um
3
【0308】
6.5.マイクロリットルあたりのCD4カウント:
6.5.1.:FOV X 10
9um
3/FOVの体積(um
3)でのCD4カウント
【0309】
6.6.例:
図8に示すiPhoneの写真では、31のCD4陽性シグナルがあった。
図8は、iPhoneベースの顕微鏡によって撮影されたQMAXデバイスを用いたCD4T細胞数の例示的な写真を示す。細胞は、SYTO62非特異的核色素とともに検出抗体によって染色されている。
6.6.1.マイクロメートルあたりのCD4カウント:
31×10
9um
3/(1680um×2200um×10um)=31×10
9um
3/3.7×10
7um
3=838/ul
【0310】
実施例3
蛍光in situハイブリダイゼーション(RNA−FISH)
RNA蛍光in situハイブリダイゼーション(RNA−FISH)は、蛍光顕微鏡を介して単一の細胞内の特異的なRNA標的(mRNA、IncRNA、及びmiRNA)を検出し、局在化させるための分子細胞遺伝学的技術である。従来のRNA−FISH方法は、通常、複数のステップ、例えば、固定、透過処理、ハイブリダイゼーション、及び画像化を含む。FISHには幅広い医療用途があるが、この技術の複雑さによって迅速な診断におけるその可能性は制限されている。したがって、専門家以外が実施できる高速で正確、携帯可能、及び/または安価なRNA−FISHアッセイを開発することが望ましい。本発明はこれらの必要性を満たす。
【0311】
1.材料:
ステラリス(登録商標)FISHプローブ、クエーサー(登録商標)670色素を含むHuman GAPDH(BioSearch Technologies、カタログ番号SMF−2019−1)。
ピラーの高さが10μmのQカード。
【0312】
2.手順:
プレートのコーティング。高さ10μmのピラーを備えたXプレートが、3.5%ホルムアミドを含む50%ステラリスRNA FISHハイブリダイゼーションバッファ(BioSearch Technologies、カタログ番号SMF−HB1−10)中で界面活性剤として異なる濃度のZwittergent(Sigma−Aldrich)を有する0.25uMのクエーサー(登録商標)670標識FISHプローブで印刷され、空気乾燥された。
【0313】
試料の追加。3μLの新鮮な全血は基質プレートの中央に滴下され、Xプレートで覆われた。
【0314】
染色。カードは、室温で1分間インキュベートされた。
【0315】
画像化:染色されたカードは、外部レーザー照明を備えたiPhone6sによって画像化された。
【0316】
3.結果:
第1のプレート(Xプレート)及び第2のプレート(基質プレート)を含むX−FISHデバイスの実施形態。特定のプローブ及び界面活性剤(例えば、Zwittergent)がXプレートに印刷される。血液試料を基質プレートに滴下した後、Xプレートは覆われ、基質プレートに押し付けられる。1分後、デバイスは画像化及び分析のためにスマートフォンデバイスに挿入される。(b)は、白血球に発現する特異的なRNAをX−FISHによって検出するための図である。Xプレート上のピラーは、アッセイが行われる2つのプレートの間に間隙を作る。印刷されたプローブ及び界面活性剤(例えば、Zwittergent)は、血液中で溶解される。界面活性剤(例えば、Zwittergent)は、赤血球を溶解し、細胞に進入するプローブを促進して標的RNAを結合するために白血球を透過処理する。注目すべきことに、プローブは、シグナルを増幅するために標的RNA連続して結合するように設計されている。
【0317】
X−FISHのフローチャートの説明。調製は、フルオロフォア標識検出プローブ及び界面活性剤でXプレートを印刷することである。アッセイは、試料を基質プレートに塗布することと、Xプレートで覆うことと、1分間室温でインキュベートすることと、読み出しのためにスマートフォンデバイスの中に挿入することを含む。
【0318】
図5は、GAPDHプローブを使用したQMAXでの高速FISH中の白血球透過処理に対する異なるZwittergent濃度の影響を示す。(a)血液中の0.625mg/mL両性染色剤は、スマートフォンベースの顕微鏡によって観察されたGAPDHプローブではFISHシグナルを出さない。(b)2.5mg/mLのZwittergent及びそれよりも多く(5mg/ml)は、スマートフォンベースの顕微鏡及び(c)蛍光顕微鏡(DAPI WBC核対比染色が(c)で使用された)によって観察されたGAPDH標識白血球からの強い蛍光シグナルを出す。
【0319】
実施例4
クラミジア染色
実験では、マウス抗クラミジア(Abcam、カタログ番号ab41196)が染色に使用され、クラミジア抗原コントロールスライド(MBL Bion、カタログ番号QCHE−4502)が試料を保持するためのデバイスとして使用された。
【0320】
実験の1つでは、クラミジアに感染させた固定ヒト組織細胞を含むスライドが、40ug/mLのDyLight633標識抗クラミジア抗体1uLで30秒間インキュベートされた。QMAX免疫染色では、ピラー高さが30umのXプレートが使用された。次いで、スライドがPBSTで3度洗浄され、蛍光顕微鏡で画像が撮影された。BF:明視野。DL633:DyLight633蛍光。
【0321】
図6は、任意選択の洗浄ステップなしでQMAXデバイスを使用したクラミジア染色の例示的な写真を示す。実験では、クラミジアに感染させた固定ヒト組織細胞を含むスライドが、40ug/mLのDyLight633標識抗クラミジア抗体1uLで1分間インキュベートされた。QMAX免疫染色では、ピラーの高さが30umのXプレートが使用された。画像は洗浄せずに顕微鏡で撮影された。
【0322】
従来の染色による実験では、クラミジアに感染させた固定ヒト組織細胞を含むスライドが、40ug/mLのDyLight633標識抗クラミジア抗体20uLで30分間インキュベートされた。次いで、スライドはPBSTで3度洗浄され、蛍光顕微鏡で画像が撮影された。
【0323】
本発明の追加の実施例
クラミジアを検出するためのワンステップ染色アッセイ
AA1 試料中のクラミジアを検出するための方法であって、
(a)第1のプレートであって、第1のプレートの内面に、試料と接触するように構成された試料接触領域を含む第1のプレートを取得することと、
(b)試料接触領域に試料を付着させることであって、試料はクラミジアに感染させた細胞を含むと疑われる、ことと、
(c)クラミジア染色培地を試料に付着させることであって、染色培地はクラミジア結合抗体を含み、染色培地及び試料は混合物を形成する、ことと、
(d)試料及び染色培地の混合物を第2のプレートで覆うことと、
(e)混合物の少なくとも一部が薄層へと圧縮されるように、第1のプレート及び第2のプレートを押し付けることと、
(f)約60秒以下である所定の期間、インキュベートすることと、
(g)混合物からクラミジア関連のシグナルを検出することと
を含む、方法。
【0324】
AA2 所定の期間が約30秒以下である、任意の先行実施形態の方法。
【0325】
AA3 所定の期間が約15秒以下である、任意の先行実施形態の方法。
【0326】
AA4 クラミジア抗体が蛍光標識されている、任意の先行実施形態の方法。
【0327】
AA5 薄層が100um未満である均一な厚さを有する、任意の先行実施形態の方法。
【0328】
AA6 薄層が50um未満である均一な厚さを有する、任意の先行実施形態の方法。
【0329】
AA7 薄層が30um未満である均一な厚さを有する、任意の先行実施形態の方法。
【0330】
AA8 クラミジア関連シグナルが試料を画像化することによって検出される、任意の先行実施形態の方法。
【0331】
クラミジアを試験するためのワンステップサンドイッチアッセイ
AB1 試料中のクラミジアを検出するための方法であって、
(a)第1のプレートであって、第1のプレートの内面に、結合部位を有する試料接触領域を含む第1のプレートを取得することであって、結合部位は、クラミジアを含むと疑われる試料中のクラミジアに結合する固定化捕捉抗体を含む、ことと、
(b)第2のプレートであって、第2のプレートの内面に、貯蔵部位を有する試料接触領域を含む第2のプレートを取得することであって、貯蔵部位は、試料と接触すると、試料中に拡散できる検出抗体を含み、捕捉抗体及び検出抗体はクラミジアの異なる部位に結合して、捕捉抗体−クラミジア検出抗体サンドイッチを形成する、ことと、
(c)プレートの試料接触領域の一方または両方に試料を付着させることと、
(d)(c)の後に、2つのプレートを閉鎖構成にすることであって、閉鎖構成では、(c)で付着した試料の少なくとも一部は、2つのプレートの試料接触領域間に限定され、0.01〜200μmの範囲内の平均厚さを有する、ことと、
(e)捕捉抗体によって捕捉されたクラミジアに関連するシグナルを検出することと
を含む方法。
【0332】
AB2.試料はヒト被験者由来である、任意の先行AB実施形態に記載の方法。
【0333】
AB3.捕捉部位はタンパク質安定剤をさらに含む、任意の先行AB実施形態に記載の方法。
【0334】
AB4.貯蔵部位はタンパク質安定剤をさらに含む、任意の先行AB実施形態に記載の方法。
【0335】
AB5.検出抗体が蛍光標識を含む、任意の先行AB実施形態に記載の方法。
【0336】
AB6.2つのプレート間の試料が0.5〜50umの範囲内の均一な厚さを有する、任意の先行AB実施形態に記載の方法。
【0337】
AB7.2つのプレート間の試料が1〜35umの範囲内の均一な厚さを有する、任意の先行AB実施形態に記載の方法。
【0338】
AB8.クラミジアの存在または不在を決定することをさらに含む、任意の先行AB実施形態に記載の方法。
【0339】
AB9.ステップ(a)から(e)までの全体の時間が10分未満である、任意の先行AB実施形態に記載の方法。
【0340】
AB10.ステップ(a)から(e)までの全体の時間が3分未満である、任意の先行AB実施形態に記載の方法。
【0341】
AB11.ステップ(a)から(e)までの全体の時間が2分未満である、任意の先行AB実施形態に記載の方法。
【0342】
追加の特徴
AC1.試料接触領域の一方または両方はスペーサを含み、スペーサは、プレートが閉鎖構成にあるときにプレートの試料接触領域間の間隔を調節する、任意の先行実施形態に記載の方法。
【0343】
AC2.第1のプレートは複数の結合部位を含み、第2のプレートは複数の対応する貯蔵部位を含み、プレートが閉鎖構成にあるときに、各結合部位は対応する貯蔵部位に面する、任意の先行実施形態に記載の方法。
【0344】
AC3.検出抗体は貯蔵部位上で乾燥される、任意の先行実施形態に記載の方法及びデバイス。
【0345】
AC4.結合部位の捕捉抗体は、任意の先行実施形態における分析物または捕捉された検出剤の光シグナルを増幅する増幅表面上にある、任意の先行実施形態に記載の方法。
【0346】
AC5.結合部位の捕捉剤は、任意の先行実施形態における分析物または捕捉された検出剤の光シグナルを増幅する増幅表面上にあり、捕捉剤と分析物または検出剤との間の距離が増加するにつれ、増幅が著しく減少した点で、増幅は近接に依存している、任意の先行実施形態に記載の方法。
【0347】
AC6.シグナルの検出は電気的、光学的、またはその両方である、任意の先行実施形態の方法。(蛍光、SPRなどを含むが、これらに限定されるものではない)。
【0348】
CD4発現細胞の数値化
本発明のいくつかの実施形態に係るCD4発言細胞の染色のためのプロセスでは、(「Xプレート」と呼ぶ)第1のプレート及び(例えば、ガラスまたはアクリルから作られた)第2のプレートが取得されて、第1のプレート及び第2のプレートは、互いに対して移動可能である。特定の実施形態では、第1のプレート及び第2のプレートは、接続されていない。特定の実施形態では、第1のプレート及び第2のプレートは、回転構造体(例えば、ヒンジ)によって接続されている。プレートの各々は、1つは内面であり、1つは外面である2つの表面を有し、プレートが互いに押し付けられると、内面は互いに向き合う。内面では、各プレートは、液体試料と接触するための試料接触領域を含む。
【0349】
いくつかの実施形態では、検出剤(例えば、標識された抗CD4抗体)は、プレートの一方または両方の試料接触領域上に固定化される。特定の実施形態では、検出剤は抗CD4抗体を含む。特定の実施形態では、検出剤はフルオロフォアで標識される。特定の実施形態では、抗CD4抗体はAlex 647で標識される。
【0350】
ステップ2で、プレートは、プレートが別々に分離している開放構成にあるとき、液体試料はプレートの一方または両方の試料接触領域に付着される。特定の実施形態では、試料は全血である。
【0351】
ステップ3で、プレートは互いに押し付けられて閉鎖構成になる。特定の実施形態では、プレスは人間の手で行われる。特定の実施形態では、プレスは人間の手で実施される。閉鎖構成では、プレートは、その間に間隙をもって互いに押し付けられ、試料は薄層へと圧縮される。特定の実施形態では、薄層は均一な厚さを有する。特定の実施形態では、プレートの一方または両方は、試料接触領域の一方または両方において固定されたスペーサを含む。プレートが閉鎖構成に押し込まれると、スペーサは試料層の厚さを調節する。特定の実施形態では、スペーサはピラー形状を有する。
【0352】
ステップ4で、試料層は画像化され、CD4発言細胞の数は数値化される。
【0353】
実験では、QMAXデバイスは2つのプレートを有する。第1のプレートは、ピラーの高さが2umまたは10um、ピラーのサイズが30×40um、間隔の間の距離が80umのXプレートであり、厚さ175umのPMMAで作られている。第2のプレートは、厚さ1mmのガラスまたはアクリルであった。Alexa Fluor 647標識を含む抗CD4抗体は、液体の形または乾燥した形のどちらかで第2のプレート上に配置された。抗CD4抗体は、その液体の形で5〜50ug/mLで、体積は0.5〜1uLである。抗CD4抗体は、乾燥後、1〜100ng/cm
2の表面濃度で、300um周期の配列に印刷され、乾燥された。
【0354】
実験で、ステップ2の場合、試料は量が〜1uLの新鮮な全血である。
【0355】
実験では、ステップ3の場合、プレートが互いに押し付けられた後、試料層は検出剤とともに約60秒間インキュベートされる。
【0356】
実験では、ステップ4の場合、染色した全血試料層は、実験室顕微鏡でまたはモバイルデバイス−アダプタシステムでのどちらかで画像化された。
【0357】
本発明のいくつかの実施形態に従って試料の画像を取り込むために使用される1つの装置は以下のとおりである。iPhoneを例とすると、iPhone/読み取り装置のセットアップは、光源としてレーザーダイオードを使用する。レーザーダイオードの中心波長は638nmで、出力は10〜20mWである。光源の前の励起フィルタは、650nmのショートパスである。光は、典型的な照明面積が1mm×4mmのQMAXデバイスの背面の上にアルミニウム鏡によって反射される。観測システムはQMAXデバイスの前面にあり、iPhoneは発光フィルタ及びレンズを追加する。発光フィルタは670nmのロングパスである。レンズは、約4mmの焦点距離、及び0.2のNAを有する。
【0358】
電話/読み取り装置システムの下の厚さ2umのQMAXカードでのCD−4で染色された全血の蛍光写真。左側の写真は、50ug/mLの相対的に高い抗体濃度を使用しており、右側の写真は、10ug/mLの抗体濃度を使用している。蛍光写真は、染色されたCD−4 T細胞の明確な蛍光を示している。(b)電話/読み取り装置システムの下の厚さ10umのQMAXカードでのCD−4で染色された全血の蛍光写真。左側の写真は、50ug/Lの相対的に高い抗体濃度を使用しており、右側の写真は、10ug/mLの抗体濃度を使用している。CD−4 T細胞は、10umのQMAXでは観察されておらず、これは、倒立顕微鏡システムと比較して、iPhone読み取り装置の感度及びダイナミックレンジが低いことに起因する可能性がある。
【0359】
QMAXデバイス及びiPhoneレーザーセットアップで数えたCD4発現T細胞の数を以下に示す。QMAXシステムで数えたCD4 T細胞は900/uLであり、試料の既知のT細胞値は500〜1600/uLである。
【0360】
いくつかの実施形態では、染色することは、以下の
(a)第1のプレート及び第2のプレートを取得するステップであって、各プレートは、そのそれぞれの内面の上に、液体試料と接触するように構成される試料接触領域を含み、
検出剤は、プレートの一方または両方の試料接触領域上に配置され、
検出剤は、バイオマーカに特異的に結合するように構成される、
ステップと、
(b)試料接触領域に試料を付着させるステップであって、試料は、バイオマーカを発現する細胞を含む、ステップと、
(c)第1プレート及び第2プレートを押して、互いに向き合う2つの試料接触領域によって少なくとも部分的に限定される薄層に試料を圧縮するステップと、
(d)約60秒以下である所定の期間、インキュベートするステップと、
(e)試料層を画像化し、バイオマーカを発現する細胞を数えることによって、バイオマーカを発現する細胞を数値化するステップと
を含む。
【0361】
CD4発現細胞のために染色アッセイを実施するためのプロセスを明示する例示的なフローチャートは、以下の
(a)第1のプレート及び第2のプレートを取得するステップであって、各プレートは、そのそれぞれの内面の上に、液体試料と接触するように構成される試料接触領域を含み、
検出剤は、プレートの一方または両方の試料接触領域上に配置され、
検出剤は、バイオマーカに特異的に結合するように構成される、
ステップと、
(b)試料接触領域に試料を付着させるステップであって、試料は、バイオマーカを発現する細胞を含む、ステップと、
(c)第1プレート及び第2プレートを押して、互いに向き合う2つの試料接触領域によって少なくとも部分的に限定される薄層に試料を圧縮するステップと、
(d)約60秒以下である所定の期間、インキュベートするステップと、
(e)試料層を画像化し、バイオマーカを発現する細胞を数えることによって、バイオマーカを発現する細胞を数値化するステップと
を含む。
【0362】
本発明の実施例
全血中のCD4T細胞のワンステップ染色アッセイ
BA1.1 試料中のバイオマーカを発現する細胞を数値化するための方法であって、
(a)分析物を含む液体試料を保持するように構成された試料ホルダを取得することであって、検出剤は、試料ホルダに配置され、バイオマーカに特異的に結合するように構成される、ことと、
(b)試料接触領域に試料を付着させることであって、試料はバイオマーカを発現する細胞を含み、試料は試料ホルダ中の検出剤と接触する、ことと、
(c)試料を薄層へと圧縮するために試料ホルダを調整することと、
(d)所定の期間インキュベートすることと、
(e)試料層を画像化し、バイオマーカを発現する細胞を数えることによってバイオマーカを発現する細胞を数値化することと
を含む方法。
【0363】
BA1.2 試料中のバイオマーカを発現する細胞を数値化するための方法であって、
(a)第1のプレート及び第2のプレートを取得することであって、各プレートは、そのそれぞれの内面の上に、液体試料と接触するように構成される試料接触領域を含み、
検出剤は、プレートの一方または両方の試料接触領域上に配置され、
検出剤は、バイオマーカに特異的に結合するように構成される、
ことと、
(b)試料接触領域に試料を付着させることであって、試料は、バイオマーカを発現する細胞を含む、ことと、
(c)第1プレート及び第2プレートを押して、互いに向き合う2つの試料接触領域によって少なくとも部分的に限定される薄層に試料を圧縮することと、
(d)約60秒以下である所定の期間、インキュベートすることと、
(e)試料層を画像化し、バイオマーカを発現する細胞を数えることによってバイオマーカを発現する細胞を数値化することと
を含む、方法。
【0364】
BA1.3 血液試料中でCD4(表面抗原分類4)を発現する細胞を数値化するための方法であって、
(a)第1のプレート及び第2のプレートを取得することであって、各プレートは、そのそれぞれの内面の上に、血液試料と接触するように構成される試料接触領域を含み、
検出剤は、プレートの一方または両方の試料接触領域上に配置され、
検出剤は、CD4に特異的に結合するように構成される、
ことと、
(b)試料接触領域に血液試料を付着させることであって、血液試料は、CD4を発現する細胞を含む、ことと、
(c)第1プレート及び第2プレートを押して、互いに向き合う2つの試料接触領域によって少なくとも部分的に限定される薄層に血液試料を圧縮することと、
(d)約60秒以下である所定の期間、インキュベートすることと、
(e)試料層を画像化し、CD4を発現する細胞を数えることによって、CD4発現細胞を数値化することと
を含む、方法。
【0365】
BA2.1 試料中のバイオマーカを発現する細胞を数値化するための装置であって、
バイオマーカを発現する細胞を含む液体試料を保持するように構成された試料ホルダであって、検出剤は、試料ホルダに配置され、バイオマーカに特異的に結合するように構成される、試料ホルダと、
試料ホルダを収容し、モバイルデバイスに取り付け可能であるように構成されたアダプタと
を含み、
i.モバイルデバイスはイメージャを含み、
ii.アダプタは、アダプタがモバイルデバイスに取り付けられると、イメージャの視野(FOV)内に試料を配置するように構成され、
iii.イメージャは、試料の画像を取り込むように構成され、それによって試料が約60秒以下である所定の期間検出剤とインキュベートされた後、バイオマーカの検出剤との結合によって生成されるシグナルを検出/測定する、
装置。
【0366】
BB1.1 所定の期間が約30秒以下である、任意の先行実施形態に記載の方法または装置。
【0367】
BB1.2 ステップ(d)の後に試料接触領域が洗浄されないという条件で、任意の先行実施形態に記載の方法または装置。
【0368】
BB1.3 検出剤が抗体である、任意の先行実施形態に記載の方法または装置。
【0369】
BB1.4 抗体がフルオロフォアで標識されている、任意の先行実施形態に記載の方法または装置。
【0370】
BB1.5 検出剤が、励起時にシグナルを発するシグナル伝達分子で標識されている、任意の先行実施形態に記載の方法または装置。
【0371】
BB1.6 薄層はほぼ10um以下の均一な厚さを有する、任意の先行実施形態に記載の方法または装置。
【0372】
BB1.7 薄層はほぼ2um未満である均一な厚さを有する、任意の先行実施形態に記載の方法または装置。
【0373】
BB1.8 試料は全血である、任意の先行実施形態に記載の方法または装置。
【0374】
BB1.9 バイオマーカはCD4(表面抗原分類4)である、任意の先行実施形態に記載の方法または装置。
【0375】
BB1.10 細胞はT細胞である、任意の先行実施形態に記載の方法または装置。
【0376】
BB1.11 検出剤は試料接触領域上に固定化されている、任意の先行実施形態に記載の方法または装置。
【0377】
画像ベースアッセイのための機械学習(ML)
本発明では、画像ベースアッセイで物体を検出するための機械学習モデルは、訓練データから構築される。いくつかの実施形態では、機械学習ベースの検出はアッセイのための画像で実行され、いくつかの実施形態では、機械学習ベースの検出は、より高いコントラスト及びより低い信号対雑音比を有するアッセイのための変換された画像で実行される。機械学習ベースの検出は、アッセイのためにイメージャによって撮影された画像の訓練セットDB0を収集する動作で開始する。これらの画像は、例えばQMAXカードなどの試料保持デバイス内の試料で複数の画像を撮影することによって収集される。次いで、機械学習ベースの検出は、DB0から各訓練画像を取得し、訓練のために画像内の関心のある物体にラベルを付ける。ラベルを付けた画像は、機械学習モデル構築のために別個の訓練セットDB1に保存される。
【0378】
機械学習モデル訓練では、それはラベルを付けた訓練データベースDB1を取得し、ディープニューラルネットワークの形で機械学習モデル構造を選択して、訓練データベースDB1に対してモデルを訓練する。いくつかの実施形態では、RetinaNetの機械学習モデルが使用され、いくつかの他の実施形態では、Fast−RCNNの機械学習モデルが選択される。Tensorflow及びPyTourchは、検出及びセグメント化のために訓練データベースDB1を使用し、機械学習モデルを訓練するために使用される。機械学習モデル訓練プロセスは、訓練セットDB1上または別個の評価画像データセット上の損失関数が事前に設定した停止基準を満たすと、DB1内の訓練データに対する特定の反復の後に終了する。機械学習訓練プロセスから取得した機械学習モデルは、アッセイ用途のために保存される。
【0379】
アッセイ中、試料の画像は、機械学習ベースの推論モジュールに対する入力である。機械学習推論モジュールは、訓練セットDB1に基づいた以前の訓練プロセスで取得されたモデルに基づいて、機械学習ベースの検出及びセグメント化を実行する。検出した物体及びその場所は、画像ベースのアッセイ用途のために検索し、取り出すことができるデータベースに保存される。
【0380】
いくつかの実施形態では、機械学習モデルの訓練は、ローカルコンピューティングサーバで実行され、いくつかの実施形態では、機械学習モデル訓練は、スケーラビリティ及び効率のためにハイブリッドクラウド内で実行される。画像ベースのアッセイでは、機械学習ベースの検出及びセグメント化は、デバイス上で、または計算の複雑さ、デバイス上のリソース、ネットワーク接続、アッセイ遅延要件などに応じて、ローカルリソースとクラウドリソースの両方を使用するハイブリッドクラウドなどの分散コンピューティングリソースを使用してのどちらかで実行される。
【0381】
他の実施形態
本開示は、多様な構成要素が互いに矛盾しない限り、複数の方法で組み合わせることができる様々な実施形態を含む。これらの実施形態は、本出願の本開示だけではなく、本明細書で参照され、組み込まれる、またはそれに対する優先権が主張される文書も含む。
【0382】
(1)Qカード、スペーサ、及び均一な試料厚さ
本明細書に開示するデバイス、システム、及び方法は、試料の検出、分析、及び数値化のためのQカード、スペーサ、及び均一な試料厚さの実施形態を含むまたは使用することができる。いくつかの実施形態では、Qカードは、試料の少なくとも一部を高い均一性の層にするために役立つスペーサを含む。
【0383】
本明細書に開示するデバイス、システム、及び方法は、試料の検出、分析、及び数値化のためのQカード、スペーサ、及び均一な試料厚さの実施形態を含むまたは使用することができる。いくつかの実施形態では、Qカードは、試料の少なくとも一部を高い均一性の層にするために役立つスペーサを含む。スペーサの構造、材料、機能、変形、及び寸法、ならびにスペーサ及び試料層の均一性は、上記のPCT出願(米国を指定)第PCT/US2016/046437号及び第PCT/US2016/051775号、及び対応する米国仮出願番号に開示されている。
【0384】
補注
本開示に係る本発明の主題の追加の例は、以下の列挙した段落に説明される。
【0385】
本明細書で使用する場合、用語「適合された」及び「構成された」は、要素、構成要素、または他の主題が、所与の機能を実行するように設計及び/または意図されていることを意味する。したがって、用語「適合された」及び「構成された」の使用は、所与の要素、構成要素、または他の主題が所与の機能を単に実行「することができる」ことを意味すると解釈されるべきではない。同様に、特定の機能を実行するように構成されていると記載されている主題は、さらにまたは代替的に、その機能を実行するように作動すると説明し得る。
【0386】
本明細書で使用する場合、句「例えば」、句「例として」、及び/または単に用語「例」及び「例示的」は、本開示に係る1つ以上の構成要素、特徴、詳細、構造、実施形態、及び/または方法に関して使用されるとき、説明されている構成要素、特徴、詳細、構造、実施形態、及び/または方法が、本開示に係る構成要素、特徴、詳細、構造、実施形態、及び/または方法の例示的で非排他的な例であることを伝えることを意図している。したがって、説明されている構成要素、特徴、詳細、構造、実施形態、及び/または方法は、限定的、必須、または排他的/網羅的であることを意図するものではなく、構造的及び/または機能的に類似及び/または均等な構成要素、特徴、詳細、構造、実施形態、及び/または方法を含む他の構成要素、特徴、詳細、構造、実施形態、及び/または方法もまた、現在の開示の範囲内にある。
【0387】
本明細書で使用する場合、複数のエンティティのリストに関連する句「の少なくとも1つ」及び「の1つ以上の」は、エンティティのリスト中のエンティティのいずれか1つ以上を意味し、エンティティのリスト内に特に示されたありとあらゆるエンティティの少なくとも1つに限定されない。例えば、「A及びBの少なくとも1つ」(または同等に「AまたはBの少なくとも1つ」、または同等に「A及び/またはBの少なくとも1つ」は、A単独、B単独、またはA及びBの組み合わせを指し得る。
【0388】
本明細書で使用する場合、第1のエンティティと第2のエンティティとの間に配置された用語「及び/または」は、(1)第1のエンティティ、(2)第2のエンティティ、ならびに(3)第1のエンティティ及び第2のエンティティのうちの1つを意味する。「及び/または」で示された複数のエンティティは、同じようにつまり、そのように結合されたエンティティの「1つ以上」と解釈されるべきである。他のエンティティは、任意選択で、明確に識別されたそれらのエンティティに関連しているのか、それとも関連していないのかに関わらず、「及び/または」節によって明確に識別されたエンティティ以外に存在してもよい。
【0389】
本明細書で数値範囲が言及される場合、本発明は、エンドポイントが含まれる実施形態、両方のエンドポイントが除外される実施形態、及び一方のエンドポイントが含まれ、他方が除外される実施形態を含む。特に明記されていない限り、両方のエンドポイントが含まれていると想定されたい。さらに、他に示されない限り、または文脈及び当業者の理解から他の方法で明らかでない限り。