特表2021-536233(P2021-536233A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2021-536233吸収性担体を有するシーシャカートリッジ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-536233(P2021-536233A)
(43)【公表日】2021年12月27日
(54)【発明の名称】吸収性担体を有するシーシャカートリッジ
(51)【国際特許分類】
   A24F 1/30 20060101AFI20211129BHJP
【FI】
   A24F1/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2021-510392(P2021-510392)
(86)(22)【出願日】2019年8月21日
(85)【翻訳文提出日】2021年2月25日
(86)【国際出願番号】IB2019057056
(87)【国際公開番号】WO2020044179
(87)【国際公開日】20200305
(31)【優先権主張番号】18191820.2
(32)【優先日】2018年8月30日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】エメット ロベール
(72)【発明者】
【氏名】ゴンザレス フローレス アナ イザベル
(57)【要約】
シーシャカートリッジ(200)は、空洞(218)を画定する本体を備える。エアロゾル形成基体(300)と、エアロゾル形成体で含浸されたシートを形成する吸収性担体(310)とが、空洞の中に配置されている。吸収性担体は、内部空洞表面、またはエアロゾル形成基体、または内部空洞表面とエアロゾル形成基体の両方に隣接もしくは接触して配置されてもよい。カートリッジが加熱されると、吸収性担体中に含浸されたエアロゾル形成体はエアロゾル形成を改善しうる。
【選択図】図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シーシャカートリッジであって、
空洞および内部空洞表面を備える本体と、
前記空洞の中に配置されたエアロゾル形成基体と、
前記空洞の中に配置された吸収性担体と、
前記吸収性担体の中に含浸されたエアロゾル形成体と、を備える、シーシャカートリッジ。
【請求項2】
前記エアロゾル形成体がグリセリン、プロピレングリコール、またはこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載のシーシャカートリッジ。
【請求項3】
前記吸収性担体が0.1g〜8gの前記エアロゾル形成体を含む、請求項1〜2のいずれかに記載のシーシャカートリッジ。
【請求項4】
前記吸収性担体が、前記内部空洞表面、または前記エアロゾル形成基体、または前記内部空洞表面と前記エアロゾル形成基体の両方に隣接している、請求項1〜3のいずれかに記載のシーシャカートリッジ。
【請求項5】
前記吸収性担体が前記内部空洞表面と直接接触している、請求項1〜4のいずれかに記載のシーシャカートリッジ。
【請求項6】
前記吸収性担体が精製セルロース材料を含む、請求項1〜5のいずれかに記載のシーシャカートリッジ。
【請求項7】
前記吸収性担体が紙を含む、請求項1〜6のいずれかに記載のシーシャカートリッジ。
【請求項8】
前記吸収性担体シートがひだ付けされている、請求項1〜7のいずれかに記載のシーシャカートリッジ。
【請求項9】
前記吸収性担体が0.1mm〜5mmの厚さを有する、請求項1〜8のいずれかに記載のシーシャカートリッジ。
【請求項10】
前記吸収性担体が2cm2〜50cm2の表面積を有する、請求項1〜9のいずれかに記載のシーシャカートリッジ。
【請求項11】
前記吸収性担体および前記エアロゾル形成基体が、吸収性担体およびエアロゾル形成基体の交互の層の渦巻きを形成する、請求項1〜10のいずれかに記載のシーシャカートリッジ。
【請求項12】
前記吸収性担体が熱伝導性材料または熱誘導性材料で裏打ちされている、請求項1〜11のいずれかに記載のシーシャカートリッジ。
【請求項13】
前記吸収性担体がシートを形成する、請求項1〜12のいずれかに記載のシーシャカートリッジ。
【請求項14】
前記吸収性担体が、前記空洞の内部側壁に沿って配置された円筒状部分を備える、請求項1〜13のいずれかに記載のシーシャカートリッジ。
【請求項15】
シーシャシステムであって、
請求項1〜14のいずれかに記載のシーシャカートリッジと、
シーシャ装置であって、
前記カートリッジを受容するためのレセプタクルと、
前記カートリッジが前記シーシャ装置の前記レセプタクル内に受容されている時に、前記エアロゾル発生基体を加熱するための発熱体と、
液体充填レベルを有し、かつ前記液体充填レベルの上方の上部空間を画定するベッセルと、
前記レセプタクルから前記ベッセルの中の前記液体充填レベルの下方にエアロゾルを搬送するためのエアロゾル導管と、
前記上部空間と連通する出口と、を備える、シーシャ装置と、を備える、シーシャシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、シーシャ装置と、シーシャ装置で使用するエアロゾル形成基体を備えるカートリッジとに関し、より具体的には、こうしたカートリッジで使用するエアロゾル形成体で含浸された吸収性担体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のシーシャ装置は、たばこを喫煙するために使用されていて、また消費者によって吸入される前にベイパーおよび煙が水盤を通過するように構成されている。シーシャ装置は、一つの出口を含んでもよく、または二人以上の消費者によって同時に装置を使用してもよいように二つ以上の出口を含んでもよい。シーシャ装置の使用は、多くの人によって娯楽活動および社交体験であると考えられている。
【0003】
シーシャ装置で使用されるたばこは、例えば生成されるベイパーおよび煙の量を増やすために、または風味を変化させるために、またはその両方のために、その他の成分と混合されてもよい。従来のシーシャ装置において、たばこを加熱するために木炭のペレットが典型的に使用され、木炭のペレットは、たばこまたはその他の成分を完全にまたは部分的に燃焼させる場合がある。加えて、木炭のペレットは一酸化炭素などの有害な、または潜在的に有害な生成物を発生させる場合があり、この有害な生成物はシーシャのベイパーと混合する場合があり、かつ水盤を通過する場合がある。
【0004】
一部のシーシャ装置は、例えば木炭燃焼の副産物を回避するために、またはたばこ加熱の一貫性を改善するために、電気加熱源を使用してたばこを消費することが提案されてきた。たばこではなく、eリキッドを採用する他のシーシャ装置が提案されてきた。eリキッドを採用するシーシャ装置は、燃焼による副産物を除去するが、シーシャ消費者から、従来のたばこ由来の体験を奪う。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
たばこを加熱するが燃焼させない電気ヒーターを採用するその他のシーシャ装置が提案されている。こうした加熱非燃焼式シーシャ装置は、たばこの燃焼に伴う副産物を低減する、または無くす。しかしながら、こうした装置は、従来の木炭由来のシーシャ装置と比較して、エアロゾル生成の低減を被る場合がある。エアロゾルの生成は、目に見えるエアロゾル、エアロゾル質量、エアロゾル体積、またはこれらの任意の組み合わせのうちのいずれかを指す場合がある。従って、こうした装置は、従来のシーシャ体験に対するユーザーの期待を満たさない場合がある。エアロゾルの生成の低減は初期の吸煙中に、より顕著である場合がある。エアロゾルの生成の低減は、ヒーターとたばこ由来の基体との間の非効率的な熱伝導性に起因する場合がある。
【0006】
一部の加熱非燃焼式シーシャ装置は、従来のたばこ由来の糖蜜から実質的に逸脱した基体と組み合わせて使用される。例えば、電子シーシャ用の基体は、乾燥石またはeリキッドを含む場合がある。これらの基体は通常、糖蜜より均質な形態および糖蜜より高い熱伝導率を有する。糖蜜は、比較的により不均質になる傾向があり、それ故に均一に加熱することが困難である。しかしながら、ユーザーは、非糖蜜基体が典型的な慣例および体験を悪化させていると知覚する場合がある。
【0007】
電気ヒーターと基体の間の非効率的な熱伝導性は、特に初回〜20回の吸煙中、全体的に低い量の総エアロゾル物質(TAM)をもたらす場合がある。
【0008】
エアロゾル化を改善する電気加熱式シーシャ装置用のエアロゾル発生システムを提供することが望ましいことになる。また、TAMを増加させる電気加熱式シーシャ装置用のエアロゾル発生システムを提供することも望ましいことになる。ユーザーが最初の吸煙を行うまでの時間(最初の吸煙までの時間、TT1Pとも呼ばれる)を低減する、電気加熱式シーシャ装置用のエアロゾル発生システムを提供することがさらに望ましいことになる。また、エアロゾル化の改善、TAMの増加、およびTT1Pの低減のうちの一つ以上を行う一方で、従来の基体(例えば、糖蜜)の使用を可能にするエアロゾル発生システムを提供することがさらに望ましいことになる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の様々な態様は、空洞および内部空洞表面を画定する本体を備えるシーシャカートリッジに関する。カートリッジは、空洞の中に配置されたエアロゾル形成基体を備える。カートリッジは、空洞の中に配置された吸収性担体を備える。吸収性担体はシートを形成してもよい。吸収性担体は、揮発性エアロゾル形成体で含浸されている。吸収性担体は、内部空洞表面に隣接して、またはエアロゾル形成基体に隣接して、または内部空洞表面とエアロゾル形成基体の両方に隣接して(例えば、内部空洞表面とエアロゾル形成基体の間に)定置されてもよい。使用中にカートリッジと吸収性担体内の揮発性エアロゾル形成体とが加熱された時、エアロゾル形成体は蒸発してエアロゾルを形成する。
【0010】
本開示の一態様によると、エアロゾル形成基体からの感覚活性化合物のエアロゾル化および放出を改善するために、エアロゾル形成体で含浸された吸収性担体は、カートリッジ内部に定置されている。吸収性担体は、一つ以上のエアロゾル形成体で含浸されていてもよい。随意に、吸収性担体はまた、一つ以上の感覚活性化合物またはその前駆体で含浸されていてもよい。エアロゾル形成体は、使用時にエアロゾルの形成を容易にする化合物である。こうした化合物としては、グリセリンおよびプロピレングリコールが挙げられるが、これらに限定されない。感覚活性化合物は、感覚的な応答を引き起こすことを可能にする化合物、例えば風味剤である。
【0011】
一部の態様によると、吸収性担体は、空洞の内部表面に隣接して定置されてもよい。例えば、吸収性担体は、カートリッジが使用中である時に、加熱された表面と直接接触するように、カートリッジの壁(側壁など)に沿って、またはカートリッジの底部にて、またはカートリッジの上部に沿って、またはこれらの任意の組み合わせで定置されてもよい。好ましい一実施形態において、吸収性担体は、カートリッジが使用中である時に、加熱される表面と直接接触するようになる。
【0012】
本明細書において「シート」という用語は、概して平坦であり、かつ材料の厚さより大きい(例えば、桁違いに、より大きい)幅および高さを有する材料を指すために使用される。シートの一例は一枚の紙である。当然のことながら、「シート」という用語はまた、紙より大きい厚さを有する材料も包含してもよい。材料のシートは、曲げられてもよく、折り曲げられてもよく、捲縮されてもよく、しわくちゃにされてもよく、またその他であってもよい。
【0013】
吸収性担体は、任意の形態または形状を取ってもよい。吸収性担体は、平坦な、湾曲した、丸められた、折り曲げられた、ひだ付けされた、捲縮された、しわくちゃにされた、曲げられた状態などにされてもよく、または複数の形態と形状の組み合わせ(例えば、平坦な部分と、ひだ付けされた部分または曲げられた部分)を含んでもよい。
【0014】
カートリッジおよびカートリッジ内部の吸収性担体が使用中に加熱される時、吸収性担体の中に含浸(例えば、吸収)されたエアロゾル形成体は、部分的にまたは全体的に気化する。気化した化合物は、エアロゾルの形成に寄与する。エアロゾル形成体は、特に最初の数回の吸煙中に、シーシャ装置によって発生される総エアロゾル物質を増加させることによってエアロゾル化を改善する場合がある。そのため、木炭由来のシーシャ装置により類似したエアロゾル生成が、従来の基体(モラセス)を使用する、かつエアロゾル形成体で含浸された吸収性担体を採用する加熱非燃焼式シーシャ装置を用いて得られる場合がある。これは、従来のシーシャ装置および基体と関連付けられた風味、香り、および慣例を可能な限り保つために役立つ。揮発性エアロゾル形成体で含浸された吸収性担体を有しない場合、従来のモラセス基体は、加熱非燃焼式シーシャ装置において、特に最初の数回の吸煙中に、従来の木炭加熱シーシャ装置と比較して、相対的に低い量の総エアロゾル質量をもたらす場合がある。
【0015】
本明細書で使用される「エアロゾル」という用語は、揮発性風味化合物を含有していてもよい、空気などの気体中の微細固体粒子または液滴の懸濁物を指す。
【0016】
吸収性担体は、エアロゾル形成体などの揮発性化合物の担体として働いてもよい。カートリッジ中の揮発性エアロゾル形成体で含浸された吸収性担体の使用は、最初の吸煙までの時間を低減させる、または総エアロゾル物質(TAM)を増加させる、または最初の吸煙までの時間を低減させ、かつTAMを増加させる場合がある。通常、電気加熱式シーシャ装置ではTAMが低いのは最初の数回の吸煙であるので、TAMは、特に最初の数回の吸煙中に優先的に増加する。
【0017】
カートリッジは、任意の適切な形状であってもよい。例えば、カートリッジは、シーシャ装置によって受容されるように構成された形状を有してもよい。シーシャ装置は、エアロゾル形成基体およびカートリッジ中の吸収性担体を加熱するように構成されている。装置は、カートリッジ中の吸収性担体およびエアロゾル形成基体を伝導によって加熱するように構成されてもよい。カートリッジは、発熱体からカートリッジ中のエアロゾル発生基体への効率的な熱伝達を提供するために、シーシャ装置の発熱体との接触を可能にするように、またはシーシャ装置の発熱体との間の距離を最小化するような形状にされ、かつサイズにされていることが好ましい。熱は、任意の適切な機構によって(例えば抵抗加熱によって、または誘導によって)発生されてもよい。誘導加熱を容易にするために、カートリッジにはサセプタが提供されてもよい。例えば、カートリッジ本体は、サセプタの機能を果たすことができる材料(例えば、アルミニウム)から作製されてもよく、またはサセプタ材料が、カートリッジの空洞内に提供されてもよい。サセプタ材料は、任意の形態(例えば、粉末、中実ブロック、断片等)でカートリッジの空洞内に提供されてもよい。
【0018】
カートリッジは、実質的に立方体形状、円筒形状、円錐台形状、または任意のその他の適切な形状を有してもよい。カートリッジは、概して円筒形状または円錐台形状を有することが好ましい。
【0019】
カートリッジは、中にエアロゾル形成基体が配置される空洞を画定する任意の適切な本体を備えてもよい。本体は、耐熱性ポリマーまたは金属などの一つ以上の耐熱性材料から形成されていることが好ましい。本体は熱伝導性材料を含むことが好ましい。例えば本体は、アルミニウム、銅、亜鉛、ニッケル、銀、その任意の合金、およびこれらの組み合わせのうちのいずれかを含んでもよい。本体はアルミニウムを含むことが好ましい。
【0020】
本体は上部、底部、および側壁を含んでもよい。本体は一つ以上の部品を含んでもよい。例えば、側壁および底部は、一体型の単一部品であってもよい。側壁および底部は、任意の適切な様態で互いに係合するように構成された二つの部品であってもよい。例えば、側壁および底部は、ねじ係合または締まり嵌めによって互いに係合するように構成されてもよい。側壁および底部は、一緒に接合された二つの部品であってもよい。例えば、側壁および底部は、溶接によって、または接着剤によって、一緒に接合されてもよい。上部および側壁は、単一の一体型の部品であってもよい。側壁および上部は、任意の適切な様態で互いに係合するように構成された二つの部品であってもよい。例えば、側壁および上部は、ねじ係合または締まり嵌めによって互いに係合するように構成されてもよい。側壁および上部は、一緒に接合された二つの部品であってもよい。例えば、側壁および上部は、溶接によって、または接着剤によって、一緒に接合されてもよい。上部、側壁、および底部はすべて、単一の一体型の部品であってもよい。上部、側壁、および底部は、任意の適切な様態で互いに係合するように構成された三つの別個の部品であってもよい。例えば、上部、側壁、および底部は、ねじ係合、締まり嵌め、溶接、または接着剤によって互いに係合するように構成されてもよい。
【0021】
本体は、中にエアロゾル形成基体と、エアロゾル形成体で含浸された吸収性担体とが配置されてもよい空洞を画定する。空洞を画定する本体の一部分は、加熱可能な壁または表面を備えてもよい。本明細書で使用される「加熱可能な壁」および「加熱可能な表面」は、直接的または間接的のいずれかで熱が加えられてもよい壁または表面の区域を意味する。加熱可能な壁または表面は、熱伝達表面として機能してもよい。例えば、空洞を画定する本体の部分の加熱可能な壁または表面は、それを通して熱が空洞の外側から本体を通して空洞または空洞の内部表面に伝達されうる表面である。
【0022】
エアロゾル形成基体は、空洞の任意の適切な容積を占めてもよい。カートリッジ中のエアロゾル形成基体の容積は、カートリッジ中に定置されたエアロゾル形成基体の量、組成、形状、充填密度、または形式を改変することによって変化する場合がある。
【0023】
任意の適切なエアロゾル形成基体は、カートリッジの本体によって画定された空洞中に提供されてもよい。エアロゾル形成基体は、揮発性化合物を放出する能力を有する基体であることが好ましい。エアロゾル形成基体は、エアロゾルを形成しうる化合物を放出する能力を有する基体であることが好ましい。揮発性化合物はエアロゾル形成基体を加熱することによって放出されてもよい。エアロゾル形成基体は固体もしくは液体であってもよく、または固体構成要素と液体構成要素の両方を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、少なくとも固体を含むことが好ましい。
【0024】
エアロゾル形成基体はニコチンを含んでいてもよい。ニコチン含有エアロゾル形成基体はニコチン塩マトリクスを含んでもよい。エアロゾル形成基体は植物由来材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体はたばこを含むことが好ましく、たばこ含有材料は、加熱に伴いエアロゾル形成基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含有することが好ましい。エアロゾル形成基体は均質化したたばこ材料を含んでもよい。均質化したたばこ材料は、粒子状たばこを凝集することによって形成されてもよい。エアロゾル形成基体は別の方法として、または追加的に、非たばこ含有材料を含んでもよい。エアロゾル発生基体は均質化した植物由来材料を含んでもよい。
【0025】
エアロゾル形成基体は、例えば薬草の葉、たばこ葉、たばこの茎の破片、再構成たばこ、均質化したたばこ、押出成形たばこ、膨化たばこのうちの一つ以上を含有する、粉末、顆粒、ペレット、断片、スパゲッティ、細片、またはシートのうちの一つ以上を含んでもよい。
【0026】
エアロゾル形成基体は、少なくとも一つのエアロゾル形成体を含んでいてもよい。基体中のエアロゾル形成体は、吸収性担体の中に含浸されたエアロゾル形成体と同一であっても異なっていてもよい。エアロゾル形成体は、使用時に高密度で安定したエアロゾルの形成を容易にする、かつシーシャ装置の動作温度にて熱分解に対して実質的に耐性のある任意の適切な周知の化合物または化合物の混合物であってもよい。適切なエアロゾル形成体は当業界で周知であり、これには多価アルコール(トリエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、グリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテート、またはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸、またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチル、テトラデカン二酸ジメチルなど)が挙げられるが、これらに限定されない。特に好ましいエアロゾル形成体は、多価アルコールまたはその混合物(トリエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、最も好ましくはグリセリンなど)である。エアロゾル形成基体は、他の添加物および成分(風味剤など)を含んでもよい。エアロゾル形成基体はニコチンおよび少なくとも一つのエアロゾル形成体を含むことが好ましい。一部の実施形態において、エアロゾル形成体は、グリセリンまたはグリセリンと一つ以上の他の適切なエアロゾル形成体(上記のものなど)との混合物である。
【0027】
エアロゾル形成基体は、任意の適切な量のエアロゾル形成体を含んでもよい。例えば、エアロゾル形成体含有量は、乾燥重量基準で5%以上であってもよく、乾燥重量基準で30重量%より高いことが好ましい。エアロゾル形成体含有量は、乾燥重量基準で約95%未満であってもよい。エアロゾル形成体の含有量は最大約55%であることが好ましい。
【0028】
エアロゾル形成基体は、熱的に安定な担体上に提供されてもよく、またはその中に包埋されてもよい。本明細書で使用される「熱的に安定な」という用語は、基体が典型的に加熱される温度(例えば、約150℃〜約300℃)で実質的に分解しない材料を示す。熱的に安定した担体は、吸収性担体とは分離される場合があり、また吸収性担体とは区別される場合がある。熱的に安定した担体は、エアロゾル形成基体(例えば、糖蜜)のための支持を提供するために使用されてもよい。エアロゾル形成基体および熱的に安定した担体は、カートリッジの中心に配置されてもよい。その一方で、吸収性担体は、エアロゾル形成体のための担体として使用されてもよい。吸収性担体およびエアロゾル形成体は、カートリッジの側壁、または底部、またはその両方に隣接して定置されてもよい。吸収性担体およびエアロゾル形成体は、エアロゾル形成基体および熱的に安定した担体を少なくとも部分的に包囲してもよい。
【0029】
熱的に安定した担体は、第一の主表面、または第二の主表面、または第一の主表面と第二の主表面の両方上に基体が堆積された薄い層を備えてもよい。熱的に安定した担体は、例えば紙もしくは紙様の材料、不織炭素繊維マット、低質量の目の粗いメッシュ金属スクリーン、または穿孔された金属箔もしくは任意の他の熱的に安定した高分子マトリクスで形成されてもよい。別の方法として、熱的に安定した担体は、粉末、顆粒、ペレット、断片、スパゲッティ、細片、またはシートの形態を取ってもよい。担体は、たばこ構成成分が中に組み込まれた不織布または繊維の束であってもよい。不織布または繊維の束は、例えば炭素繊維、天然セルロース繊維、またはセルロース誘導体繊維を含んでもよい。
【0030】
一部の実施例において、エアロゾル形成基体は、任意の適切な量の一つ以上の糖を含む。エアロゾル形成基体は、スクロースを分割することによって得られたグルコースとフルクトースの混合物である転化糖を含むことが好ましい。エアロゾル形成基体は、約1重量%〜約40重量%の糖(転化糖など)を含むことが好ましい。一部の実施例において、一つ以上の糖は、コーンスターチまたはマルトデキストリンなどの適切な担体と混合されてもよい。
【0031】
一部の実施例において、エアロゾル形成基体は、一つ以上の感覚増強剤を含む。適切な感覚増強剤としては、風味剤および感覚剤(冷感剤など)が挙げられる。適切な風味剤としては、天然または合成のメントール、ペパーミント、スペアミント、コーヒー、茶、スパイス(シナモン、クローブ、ショウガ、またはこれらの組み合わせなど)、ココア、バニラ、果実風味、チョコレート、ユーカリ、ゼラニウム、オイゲノール、リュウゼツラン、ビャクシン、アネトール、リナロール、およびこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0032】
一部の実施例において、エアロゾル形成基体は懸濁液の形態である。例えば、エアロゾル発生基体は、糖蜜を含んでもよい。本明細書で使用される「糖蜜」とは、約20%以上の糖を含むエアロゾル形成基体組成物を意味する。例えば、糖蜜は、少なくとも約35重量%の糖など、少なくとも約25重量%の糖を含んでもよい。典型的に、糖蜜は、約50重量%未満の糖など、約60重量%未満の糖を含有する。
【0033】
従来のシーシャ装置で使用するエアロゾル形成基体は糖蜜の形態であり、これは不均質であり、かつ塊および空洞を含みうる。こうした空洞は、基体と加熱された表面の間の直接的な熱的接触を防止して、熱伝導を特に非効率的にする。結果として、電子加熱式シーシャ装置は、例えばeリキッドまたは乾燥石を使用することによって、従来の糖蜜から逸脱する傾向がある。本開示に記載の通り、シートを形成し、かつカートリッジ中の揮発性エアロゾル形成体で含浸された吸収性担体の使用に起因して、電気加熱を使用する一方で典型的な慣例およびシーシャ体験を保つために、より従来的なエアロゾル形成基体(糖蜜など)が使用されうる。
【0034】
任意の適切な量のエアロゾル形成基体(例えば、糖蜜またはたばこ基体)を空洞の中に配置してもよい。一部の好ましい実施形態において、約3g〜約25gのエアロゾル形成基体が空洞の中に配置されている。カートリッジは、少なくとも6g、少なくとも7g、少なくとも8g、または少なくとも9gのエアロゾル形成基体を含んでもよい。カートリッジは、最大15g、最大12g、最大11g、または最大10gのエアロゾル形成基体を含んでもよい。約7g〜約13gのエアロゾル形成基体が、空洞の中に配置されていることが好ましい。約10gのエアロゾル形成基体が、空洞の中に配置されていることがより好ましい。エアロゾル形成基体は、吸収性担体によって画定された空間内に配置されてもよい。
【0035】
カートリッジの本体は、約15cm以下の長さを有することが好ましい。カートリッジは約1cm以上の内径を有してもよい。カートリッジは空洞中に、約70cm2〜約100cm2など、約25cm2〜約100cm2の加熱可能な表面積を有してもよい。空洞の容積は、約10cm3〜約50cm3であってもよく、約25cm3〜約40cm3であることが好ましい。一実施形態において、本体は約10cm以下の長さを有する。本体の内径は、約1.75cm以上であってもよい。本体は空洞中に、約70cm2〜約100cm2など、約30cm2〜約100cm2の加熱可能な表面積を有してもよい。空洞の容積は、約10cm3〜約50cm3であってもよく、約25cm3〜約40cm3であることが好ましい。一実施形態において、本体は約3.5cm〜約7cmの範囲の長さを有する。本体の内径は、約1.5cm〜約4cmであってもよい。本体は空洞中に、約70cm2〜約100cm2など、約30cm2〜約100cm2の加熱可能な表面積を有してもよい。空洞の容積は、約10cm3〜約50cm3であってもよく、約25cm3〜約40cm3であることが好ましい。本体は円筒状または円錐台状であることが好ましい。
【0036】
カートリッジは、約10分〜約60分、好ましくは約20分〜約50分、より好ましくは約30分〜約40分持続するシーシャ体験のために十分な量のエアロゾルを提供することになるエアロゾル形成基体の量を含むことが好ましい。
【0037】
カートリッジは、一つ以上の通気孔を備えてもよい。通気孔は、入口、または出口、またはその両方であってもよい。通気孔は、カートリッジの底部、上部、側面、またはこれらの組み合わせにて配置されてもよい。一部の実施形態において、カートリッジは、カートリッジがシーシャ装置で使用される時に、空気がエアロゾル形成基体を通して流れることを可能にするための一つ以上の入口および一つ以上の出口を備える。一部の実施形態において、カートリッジの上部は、カートリッジの一つ以上の入口を形成するために一つ以上の開口部を画定してもよい。カートリッジの底部は、カートリッジの一つ以上の出口を形成するための一つ以上の開口部を画定してもよい。一つ以上の入口および出口は、カートリッジを通した適切な引き出し抵抗(RTD)を提供するようにサイズ設定および形状設定されていることが好ましい。一部の実施例において、入口(複数可)から出口(複数可)へのカートリッジを通したRTDは、約10mmH2O〜約50mmH2Oであってもよく、約20mmH2O〜約40mmH2Oであることが好ましい。試料のRTDは、体積流量が出力端で17.5ミリリットル/秒である安定した条件下で気流によって横断された時の、試料の二つの端の間の静圧の差を指す。試料のRTDは、ISO規格6565:2002に規定の方法を使用して、あらゆる換気を遮断した状態で測定されてもよい。
【0038】
本開示の一態様によると、カートリッジは、エアロゾル形成体で含浸された吸収性担体を含み、カートリッジ内部に配置されている。吸収性担体はシートを形成してもよい。吸収性担体材料は、揮発性化合物を吸収、または吸着、または吸収と吸着の両方をするように選択されてもよい。吸収性担体材料は、揮発性化合物をカートリッジの加熱された表面と近接近した状態に、または接触した状態に保持しうる支持体の機能を果たすように選択されてもよい。吸収性担体材料は、揮発性化合物をカートリッジの加熱された表面と直接、均一に接触した状態に保持する能力を有することが好ましい。吸収性担体は、エアロゾル形成基体(例えば、糖蜜)を少なくとも部分的に包囲してもよい。
【0039】
一実施形態によると、吸収性担体は、吸収性担体が加熱されるにつれてエアロゾルの形成を補助する場合がある一つ以上のエアロゾル形成体で含浸されている。適切なエアロゾル形成体としては、ポリオール、グリコールエーテル、ポリオールエステル、エステル、および脂肪酸が挙げられるが、これらに限定されない。エアロゾル形成体は、グリセロール、プロピレングリコール、エリスリトール、1,3−ブチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、クエン酸トリエチル、プロピレンカーボネート、ラウリン酸エチル、トリアセチン、メソ−エリスリトール、ジアセチン混合物、スベリン酸ジエチル、クエン酸トリエチル、安息香酸ベンジル、フェニル酢酸ベンジル、バニリン酸エチル、トリブチリン、酢酸ラウリル、ラウリン酸、およびミリスチン酸のうちの一つ以上を含んでよい。エアロゾル形成体は、揮発性が比較的に高く、かつ比較的に高い吸湿性を呈する化合物を含むことが好ましい。一部の実施形態において、エアロゾル形成体は、グリセロール(例えば、植物グリセリン(VG))、プロピレングリコール、またはこれらの組み合わせを含む。
【0040】
吸収性担体は、任意の適切な量の一つ以上のエアロゾル形成体を含んでもよい。例えば、吸収性担体は、0.3g以上、0.5g以上、0.8g以上、1g以上、1.2g以上、または1.5g以上のエアロゾル形成体を含んでもよい。吸収性担体は、最大8g、最大7g、最大6g、最大5.5g、最大5g、最大4.5g、または最大4gのエアロゾル形成体を含んでもよい。一実施形態において、吸収性担体は0.5〜5gのエアロゾル形成体を含む。
【0041】
吸収性担体の中に含浸された(例えば、その中に吸収された)一つ以上のエアロゾル形成体は、喫煙の体験の開始時に利用可能な凝縮核の数を増加させる場合がある。喫煙の体験の開始時に利用可能な凝縮核の数の増加は、エアロゾル発生をより早く開始させる場合があり、また特に最初の数回の吸煙中に、より多くのエアロゾルを発生させる場合がある。例えば、エアロゾル形成体で含浸された吸収性担体は、最初の5回、最初の10回、最初の15回、最初の20回、または最初の30回の吸煙中に発生されるエアロゾルの量を増加させる場合がある。
【0042】
吸収性担体の中に含浸されたエアロゾル形成体の使用はまた、適切なまたは望ましいTAM(通常、約15mg/吸煙)を含む、最初の吸煙(すなわち、最初の吸煙までの時間、またはTT1P)のためにシーシャ装置の準備が整うのにかかる時間を低減する場合がある。例えば、TT1Pは、エアロゾル形成体で含浸された吸収性担体を有しない糖蜜を採用するカートリッジを使用する時、およそ17分(予熱時間4分を含む)でありうる。しかしながら、最初の数回の吸煙中に利用可能なエアロゾルの量を増加させるために吸収性担体の中に含浸されたエアロゾル形成体を使用することによって、TT1Pは約1分〜約15分だけ低減される場合がある。一部の実施形態において、(低減された)TT1Pは、約5分以上、約8分以上、または約10分以上である。(低減された)TT1Pは、約15分、最大約12分、または最大約10分であってもよい。
【0043】
吸収性担体は、シーシャ装置によって直接加熱されるカートリッジの表面と直接接触して定置されてもよい。例えば、吸収性担体は、カートリッジの内部表面と直接接触して定置されてもよい。カートリッジの内部表面は、底部、側壁、上部、またはこれらの組み合わせであってもよい。吸収性担体は、エアロゾル形成基体の周辺の周りに定置されてもよい。エアロゾル形成基体の周辺の周りでの定置は、吸収性担体中のエアロゾル形成体の効果を、シーシャ装置での使用中にカートリッジから取られる最初の数回の吸煙に対して標的化することを可能にする。一部の実施形態において、吸収性担体の少なくとも一部分は、カートリッジ内の基体を包囲する。
【0044】
吸収性担体は、任意の適切な形態または形状を有してもよい。例えば、吸収性担体は、円筒状カートリッジ壁の内部表面を少なくとも部分的に裏打ちする、またはエアロゾル形成基体を少なくとも部分的に包囲する、またはその両方をする、円筒状部分を含んでもよい。吸収性担体は、カートリッジの底部を覆う部分をさらに含んでもよい。吸収性担体は、平坦な(例えば、平面状の)、湾曲した、丸められた、折り曲げられた、ひだ付けされた、捲縮された、しわくちゃにされた、曲げられた状態などの部分を含んでもよく、または複数の形態と形状の組み合わせ(例えば、平坦な部分と、ひだ付けされた部分または曲げられた部分)を含んでもよい。一実施形態において、吸収性担体は丸められた形状を有する。例えば、吸収性担体は、エアロゾル形成基体で層状にされ、かつ吸収性担体とエアロゾル形成基体との複数の交互の層を含むスパイラル円筒形状に丸められてもよい。丸められた円筒形状は、カートリッジ内部に定置されてもよい。
【0045】
吸収性担体は多孔性材料から作製されてもよい。一部の実施形態において、吸収性担体は繊維を含む。例えば、吸収性担体は、精製されたセルロース系材料から作製されてもよい。ここで、「精製されたセルロース系材料」という用語は、セルロース系(例えば、植物に由来する)であるが、化合物を除去するために、または材料の化学構造を改変するために、またはその両方のために処理(例えば、精製)された材料を指すために使用される。除去された化合物は、水以外の化合物であってもよく、これによって精製プロセスは乾燥以外の工程、または乾燥の他にも別の工程を含む。吸収性担体で使用するための適切な精製されたセルロース系材料の例としては、紙、フィルターペーパー、ボール紙、厚紙、レーヨン(例えば、リヨセル、ビスコース、モダール)、およびこれに類するものが含まれる。一部の実施形態によると、吸収性担体は絹、ウール、綿、リンネルなどのその他の繊維質材料を含んでもよい。
【0046】
吸収性担体は任意の適切な厚さを有してもよい。例えば、吸収性担体は、約0.1mm以上、約0.2mm以上、約0.5mm以上、または約1mm以上の厚さを有してもよい。吸収性担体は、最大約5mm、最大約4mm、最大約3.5mm、最大約3mm、最大約2.5mm、または最大約2mmの厚さを有してもよい。一実施形態において、吸収性担体は、約0.1mm〜約3mmの厚さを有する。
【0047】
吸収性担体は、任意の適切な表面積を有してもよい。例えば、吸収性担体は、約2cm2以上、約3cm2以上、約3.5cm2以上、約4cm2以上、約5cm2以上、約6cm2以上、または約8cm2以上の表面積を有してもよい。吸収性担体は、最大約50cm2、最大約40cm2、最大約30cm2、最大約25cm2、最大約20cm2、最大約18cm2、最大約15cm2、または最大約10cm2の表面積を有してもよい。一実施形態において、吸収性担体は、約4cm2〜約20cm2の表面積を有する。
【0048】
吸収性担体はまた、熱伝導性材料または熱誘導性材料の層を含んでもよい。例えば、吸収性担体は、熱伝導性材料または熱誘導性材料で被覆もしくは積層されてもよい。適切な熱伝導性材料または熱誘導性材料の例としては、アルミニウム、銅、亜鉛、ニッケル、銀、ステンレス鋼、またはこれらの組み合わせなどの様々な金属が含まれる。サセプタ材料はまた、黒鉛、モリブデン、炭化ケイ素、ニオブ、INCONEL(登録商標)合金(オーステナイトニッケルクロム系超合金)、金属化フィルム、セラミック(例えば、ジルコニアなど)、遷移金属(例えば、Fe、Co、Niなど)、または半金属構成要素(例えば、B、C、Si、P、Alなど)を含んでもよく、またはそれらで作製されてもよい。こうした熱伝導性材料または熱誘導性材料は、熱橋の機能を果たし、より均一な温度プロファイルを提供してもよい。熱伝導性材料または熱誘導性材料層の使用は、吸収性担体が丸められた形態で提供される場合、好ましい。
【0049】
一実施形態によると、カートリッジは空洞および内部表面を画定する本体を備え、またカートリッジは、空洞内に基体とエアロゾル形成体で含浸された吸収性担体とを含有する。吸収性担体はシートを形成してもよい。吸収性担体は、カートリッジの底部、上部、側壁、またはこれらの組み合わせにて配置されてもよい。カートリッジは、少なくとも6g、少なくとも7g、少なくとも8g、もしくは少なくとも9gの、または最大15g、最大12g、最大11g、もしくは最大10gのエアロゾル形成基体を含んでもよい。カートリッジは、0.3g以上、0.5g以上、0.8g以上、1g以上、1.2g以上、もしくは1.5g以上の、または最大8g、最大7g、最大6g、最大5.5g、最大5g、最大4.5g、もしくは最大4gの、吸収性担体の中に含浸された一つ以上のエアロゾル形成体を含んでもよい。吸収性担体は、基体の下方に、または基体を包囲して(例えば、少なくとも部分的に包囲して)、またはその両方で配置されてもよい。例えば、吸収性担体は、内側に配置された基体を有するカップ形状またはポーチ形状を形成してもよい。一実施形態において、吸収性担体は、基体との交互の層として配置されている(例えば、丸められている)。シートを形成する吸収性担体は、平坦な、湾曲した、丸められた、折り曲げられた、ひだ付けされた、捲縮された、しわくちゃにされた、曲げられた状態などにされてもよく、または複数の形態と形状の組み合わせ(例えば、平坦な部分と、ひだ付けされた部分または曲げられた部分)を含んでもよい。
【0050】
カートリッジは、一つ以上の入口を覆う第一の取り外し可能なシール、および一つ以上の出口を覆う第二の取り外し可能なシールを含んでもよい。第一のシールおよび第二のシールは、カートリッジの内容物の漏れを防止し、かつ貯蔵寿命を延ばすために、空気が入口および出口を通って流れることを防止するのに十分であることが好ましい。シールは、ステッカー、箔、またはこれに類するものの剥離可能なラベルを備えてもよい。ラベル、ステッカー、または箔は、接着剤、捲縮、溶接、または別の方法で容器に接合されるなど、任意の適切な様態でカートリッジに貼り付けられてもよい。シールは、ラベル、ステッカー、または箔をカートリッジから剥がす、または取り外すために把持されてもよいタブを含んでもよい。
【0051】
本発明によるシーシャカートリッジは、任意の適切なシーシャ装置で使用されてもよい。シーシャ装置は、エアロゾル形成基体からエアロゾルを形成するためにカートリッジ中のエアロゾル発生基体を十分に加熱するが、エアロゾル形成基体を燃焼しないように構成されていることが好ましい。例えば、シーシャ装置は、エアロゾル形成基体を約150℃〜約300℃の範囲の温度に加熱するように構成されてもよく、約180℃〜約250℃、または約200℃〜約230℃の範囲の温度に加熱することがより好ましい。
【0052】
シーシャ装置は、カートリッジを受容するためのレセプタクルを備えてもよい。シーシャ装置は、カートリッジがレセプタクルの中に受容されている時に、カートリッジの本体に接触するように、またはこれに近接するように構成された発熱体を備える。発熱体は、レセプタクルの少なくとも一部を形成してもよい。例えば、発熱体は、レセプタクルの表面の少なくとも一部分を形成してもよい。シーシャカートリッジは、伝導によって発熱体から空洞中のエアロゾル形成基体に熱を伝達するように構成されてもよい。一部の実施形態において、発熱体は電気発熱体を備える。一部の実施形態において、発熱体は抵抗加熱構成要素を備える。例えば、発熱体は、一つ以上の抵抗性ワイヤーまたはその他の抵抗性要素を備えてもよい。抵抗性ワイヤーは、熱伝導性材料と接触して、生成された熱をより広い区域にわたって配分してもよい。適切な導電性材料の例としては、アルミニウム、銅、亜鉛、ニッケル、銀、およびこれらの組み合わせが挙げられる。発熱体は、レセプタクルの表面の少なくとも一部分を形成してもよい。
【0053】
シーシャ装置は、発熱体に動作可能に連結された制御電子機器を備えてもよい。制御電子機器は発熱体の加熱を制御するように構成されてもよい。制御電子機器は、カートリッジ中のエアロゾル形成基体が加熱される温度を制御するように構成されてもよい。制御電子機器は任意の適切な形態で提供されてもよく、また例えばコントローラ、またはメモリとコントローラを含んでもよい。コントローラは、「特定用途向け集積回路(ASIC)」状態機械、デジタル信号プロセッサ、ゲートアレイ、マイクロプロセッサ、または等価のディスクリート論理回路もしくは集積論理回路のうちの一つ以上を含んでもよい。制御電子機器は、回路の一つ以上の構成要素に制御電子機器の機能または態様を実行させる命令を包含するメモリを含んでもよい。本開示における制御電子機器に帰属する機能は、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェアのうちの一つ以上として具現化されてもよい。
【0054】
電子回路はマイクロプロセッサを備えてもよく、これはプログラム可能なマイクロプロセッサであってもよい。電子回路は電力の供給を調節するように構成されてもよい。電力は、電流パルスの形態でヒーター要素に供給されてもよい。
【0055】
一部の実施例において、制御電子機器は、発熱体の電気抵抗をモニターするように、かつ発熱体の電気抵抗に応じて発熱体への電力の供給を制御するように構成されてもよい。このようにして、制御電子機器は抵抗性要素の温度を調節してもよい。
【0056】
シーシャ装置は、熱電対などの温度センサーを備えてもよい。温度センサーは、発熱体の温度を制御するために制御電子機器に動作可能に連結されてもよい。温度センサーは、任意の適切な場所に位置付けられてもよい。例えば、温度センサーは、加熱されているエアロゾル形成基体の温度をモニターするために、レセプタクル内に受容された時にカートリッジの中に挿入されるように構成されてもよい。加えて、または別の方法として、温度センサーは発熱体と接触してもよい。加えて、または別の方法として、温度センサーは、シーシャ装置のエアロゾル出口またはその一部分にて温度を検出するように位置付けられてもよい。センサーは、感知された温度に関連する信号を制御電子機器に送信してもよい。制御電子機器は、センサーにて適切な温度を達成するために、信号に応答して発熱体の加熱を調整してもよい。
【0057】
制御電子機器は電源に動作可能に連結されてもよい。シーシャ装置は任意の適切な電源を備えてもよい。例えば、シーシャ装置の電源は、電池または電池の組であってもよい。電源の電池は、再充電可能であってもよく、または取り外し可能かつ交換可能であってもよく、または再充電可能かつ取り外し可能かつ交換可能であってもよい。任意の適切な電池が使用されてもよい。例えば、市販のヘビーデューティータイプの電池または標準的な電池(産業用のヘビーデューティー電動工具のために使用される電池など)である。別の方法として、電源は、スーパーコンデンサまたはハイパーコンデンサを含む任意のタイプの電力であってもよい。別の方法として、組立品は、外部電力供給源に接続されてもよく、またこうした目的のために電気的および電子的に設計されていてもよい。採用される電源のタイプにかかわらず、電源は、再充電される、または外部電力供給源への接続を必要とする前に、エアロゾルがカートリッジ中のエアロゾル形成基体から枯渇するまで、少なくとも一つのシーシャセッションの間に組立品の通常の機能のために十分なエネルギーを提供することが好ましい。電源は、再充電される、または外部電力供給源への接続を必要とする前に、少なくとも約70分の装置の連続動作の間、組立品の通常の機能のために十分なエネルギーを提供することが好ましい。
【0058】
一実施例において、シーシャ装置は、カートリッジレセプタクル、発熱体、エアロゾル出口、および外気入口を備えるエアロゾル発生要素を含む。カートリッジレセプタクルは、エアロゾル形成基体とエアロゾル形成体で含浸された吸収性担体とを含有するカートリッジを受容するように構成されている。カートリッジは、上述の通りであってもよい。発熱体は、レセプタクルの表面の少なくとも一部を画定してもよい。
【0059】
シーシャ装置は、レセプタクルと流体接続している外気入口チャネルを備える。使用時に、カートリッジ内部の吸収性担体が加熱されると、吸収性担体中に含浸されたエアロゾル形成体が気化する。外気入口チャネルからカートリッジを通して流れる空気は、カートリッジ中のエアロゾル形成体構成成分およびエアロゾル形成基体から発生したエアロゾルに同伴されるようになる。
【0060】
一部の電気加熱式シーシャ装置は、予熱された空気を採用し、かつ吸煙に伴い空気が熱源の近くを移動するように気流経路を典型的に採用する。さらに、一部の電気加熱式シーシャ装置は、加熱される表面積を増大することによって放射熱伝達を増大させる要素を採用する。
【0061】
外気入口チャネルは、シーシャ装置の外側からの外気がチャネルを通って、かつ一つ以上の開口部を通してカートリッジレセプタクルの中に流れうるように、カートリッジレセプタクルを通る一つ以上の開口部を備えてもよい。チャネルが二つ以上の開口部を備える場合、チャネルは、チャネルを通って各開口部に流れる空気を方向付けるためのマニホールドを備えてもよい。シーシャ装置は、二つ以上の外気入口チャネルを備えることが好ましい。
【0062】
上述の通り、カートリッジは、使用時に空気がカートリッジのチャンバーを通って流れることを可能にするために、ハウジングの中に形成された一つ以上の入口を備える。レセプタクルが一つ以上の入口開口部を備える場合、カートリッジ中の入口のうちの少なくとも一部は、レセプタクルの上部の開口部と整列してもよい。カートリッジは、カートリッジがレセプタクルの中に挿入されている時に、レセプタクルの相補的な整列機構と嵌合して、カートリッジの入口をレセプタクルの開口部と整列させるように構成された整列機構を備えてもよい。
【0063】
カートリッジに入る空気は、エアロゾル形成体で含浸された吸収性担体にわたって、またはそれを通して、またはこの吸収性担体にわたって、かつそれを通して流れてもよい。カートリッジに入る空気は、エアロゾル形成基体にわたって、またはそれを通して流れ、エアロゾルを同伴し、そしてエアロゾル出口を経由してカートリッジおよびレセプタクルを出る。エアロゾル出口から、エアロゾルを搬送する空気は、シーシャ装置のベッセルに入る。
【0064】
シーシャ装置は、液体を含有するように構成された内部容積を画定する、かつ液体充填レベルの上方の上部空間中に出口を画定する任意の適切なベッセルを備えてもよい。ベッセルは、ベッセル中に含有された内容物を消費者が観察することを可能にするように光学的に透明または不透明なハウジングを備えてもよい。ベッセルは、液体充填ラインなどの液体充填境界を備えてもよい。ベッセルハウジングは任意の適切な材料で形成されてもよい。例えば、ベッセルハウジングは、ガラスまたは適切な剛直なプラスチック材料を含んでもよい。ベッセルは、消費者がベッセルを充填する、空にする、または洗浄することを可能にするように、エアロゾル発生要素を備えるシーシャ組立品の一部分から取り外し可能であることが好ましい。
【0065】
ベッセルは、消費者によって液体充填レベルまで充填されてもよい。液体は水を含むことが好ましく、これには一つ以上の着色剤、または風味剤、または着色剤と風味剤が随意に注入されてもよい。例えば、水には、植物または薬草の浸出液のうちの一方または両方が注入されてもよい。
【0066】
レセプタクルのエアロゾル出口を出る空気中に同伴されたエアロゾルは、ベッセル内に位置付けられた導管を通って移動してもよい。ベッセルを通って流れるエアロゾルが、消費者への送達のために、導管の開口を通った後、液体を通り、ベッセルの上部空間の中に入り、そして上部空間出口を通って出るように、導管はシーシャ組立品のエアロゾル発生要素のエアロゾル出口に連結されてもよく、またベッセルの液体充填レベルの下方に開口を有してもよい。
【0067】
上部空間出口は、エアロゾルを消費者に送達するためのマウスピースを備えるホースに連結されてもよい。マウスピースは、ユーザーによって起動可能なスイッチ、またはマウスピースでのユーザーの吸煙を検出するように配設された吸煙センサー、またはユーザーによって起動可能なスイッチと吸煙センサーの両方などの起動要素を備えてもよい。起動要素は、シーシャ装置の制御電子機器に動作可能に連結される。起動要素は、制御電子機器に無線で連結されてもよい。起動要素の起動は、エネルギーを発熱体に常に供給するのではなく、制御電子機器に発熱体の起動を生じさせてもよい。起動要素の起動は、エネルギーを発熱体に常に供給するのではなく、制御電子機器に発熱体の起動を生じさせてもよい。その結果、起動要素の使用は、こうした要素を採用していない装置と比較してエネルギーを節約するよう機能して、一定の加熱ではなく要求に応じた加熱を提供する場合がある。
【0068】
例示の目的のために、本明細書に記載の通りのシーシャ装置を使用する一つの方法が下記に、時系列で提供されている。ベッセルは、シーシャ装置の他の構成要素から取り外されて、水で充填されてもよい。天然果汁、植物浸出液、および薬草浸出液のうちの一つ以上が、風味付けのために水に添加されてもよい。添加される液体の量は、導管の一部分を覆うべきであるが、ベッセル上に随意に存在する場合がある充填レベルのマークを越えてはならない。次いで、ベッセルは、シーシャ装置に再び組み立てされる。エアロゾル発生要素の一部分は、カートリッジをレセプタクルの中に挿入することを可能にするように取り外されてもよく、または開かれてもよい。その後、エアロゾル発生要素は再組み立てされる、または閉じられる。その後、装置はオンにされてもよい。装置をオンにすることは、吸収性担体およびエアロゾル形成基体を、吸収性担体中に含浸されたエアロゾル形成体およびエアロゾル形成基体の気化温度以上であるが、吸収性担体およびエアロゾル形成基体の燃焼温度を下回る温度まで加熱するための、発熱体の加熱プロファイルを開始してもよい。吸収性担体中に含浸されたエアロゾル形成体化合物は気化し、エアロゾルを発生する。ユーザーは望む通りにマウスピースを吸煙してもよい。ユーザーは、エアロゾルが見えなくなるまで、または送達されなくなるまで、装置を使用し続けてもよい。一部の実施形態において、カートリッジの使用可能なエアロゾル発生基体が枯渇した時に、装置は自動的に停止するように配設されてもよい。一部の実施形態において、消費者は、例えばカートリッジ中のエアロゾル形成基体が枯渇した、またはほとんど枯渇したという合図を装置から受けた後、装置を未使用のカートリッジで再充填してもよい。未使用のカートリッジで再充填された場合、装置を引き続き使用してもよい。シーシャ装置は、例えば装置のスイッチをオフにすることによって、消費者によっていつでもオフにしうることが好ましい。
【0069】
シーシャ装置は、任意の適切な空気管理を有してもよい。一実施例において、ユーザーからの吸煙動作は、吸込み効果を作り出して、装置内部に低圧を引き起こすことになり、これは外部の空気を装置の空気吸込み口を通して外気入口チャネルの中に、そしてレセプタクルの中に流れさせる。次に、空気は、レセプタクルの中のカートリッジを通って流れて、エアロゾル形成基体から生成されたエアロゾルを搬送しうる。次に、同伴されたエアロゾルを含む空気は、レセプタクルのエアロゾル出口を出て、導管を通ってベッセル内部の液体に流れる。次に、エアロゾルは、泡になって液体から出て、ベッセルの中の液体のレベルより上の上部空間の中に入り、上部空間出口を出て、そして消費者への送達のためにホースおよびマウスピースを通る。外部の空気の流れ、およびシーシャ装置内部のエアロゾルの流れは、ユーザーからの吸煙の動作によって駆動されてもよい。
【0070】
ここで本開示に記載の一つ以上の態様を描写する図面を参照する。しかしながら、当然のことながら図面に描写されていない他の態様も、本開示の範囲および趣旨に収まる。図中で使用されている類似の番号は、類似の構成要素を指す。しかしながら、当然のことながら、所与の図において一つの構成要素を指すために一つの番号を使用することは、別の図において同一の番号が付けられた構成要素を制限することを意図しない。加えて、異なる図において構成要素を指すための異なる番号の使用は、異なる番号付きの構成要素が他の番号付きの構成要素と同一または同様であることはできないと示すことを意図しない。図は例示の目的で提示されていて、制限の目的で提示されていない。図中に提示された概略図は、必ずしも実寸に比例していない。
【図面の簡単な説明】
【0071】
図1図1は、シーシャ装置の概略断面図である。
図2A図2Aは、エアロゾル形成基体と、シートを形成し、かつエアロゾル形成体で含浸された吸収性担体とを有するカートリッジの断面側面図である。
図2B図2Bは、エアロゾル形成基体と、シートを形成し、かつエアロゾル形成体で含浸された吸収性担体とを有するカートリッジの断面上面図である。
図2C図2Cは、エアロゾル形成基体と、丸められた構成でシートを形成し、かつエアロゾル形成体で含浸された吸収性担体とを有するカートリッジの断面上面図である。
図3A図3Aは、カートリッジの概略底面図である。
図3B図3Bは、カートリッジの概略上面図である。
図4図4は、カートリッジの概略斜視図である。
図5図5は、実施例1からの試験データのグラフ表示である。
【発明を実施するための形態】
【0072】
図1は、シーシャ装置100の一実施例の概略断面図である。装置100は、液体19を含有するように構成された内部容積を画定する、かつ液体19の充填レベルの上方にある上部空間出口15を画定するベッセル17を含む。液体19は水を含むことが好ましく、これには一つ以上の着色剤、一つ以上の風味剤、または一つ以上の着色剤および一つ以上の風味剤が随意に注入されていてもよい。例えば、水には、植物の浸出液または薬草の浸出液のうちの一方または両方が注入されてもよい。
【0073】
装置100はまた、エアロゾル発生要素130も含む。エアロゾル発生要素130は、エアロゾル発生基体と、シートを形成し、かつエアロゾル形成体で含浸された吸収性担体とを含有するカートリッジ200を受容するように構成されたレセプタクル140を含む。エアロゾル発生要素130はまた、レセプタクル140の少なくとも一つの表面を形成する発熱体160を含む。描写された実施形態において、発熱体160は、レセプタクル140の上面および側面を画定する。エアロゾル発生要素130はまた、外気を装置100の中に引き出す外気入口チャネル170を含む。一部の実施形態において、外気入口チャネル170の一部分は、空気がレセプタクル140に入る前に空気を加熱するために発熱体160によって形成されている。次に、予熱された空気はカートリッジ200(これもまた発熱体160によって加熱される)に入って、エアロゾル形成体およびエアロゾル発生基体によって発生したエアロゾルを搬送する。空気はエアロゾル発生要素130の出口を出て、導管190に入る。
【0074】
導管190は、空気およびエアロゾルをベッセル17中の液体19のレベルの下方に搬送する。空気およびエアロゾルは液体19を通して泡になり、ベッセル17の上部空間の出口15を出てもよい。エアロゾルをユーザーの口に搬送するために、ホース20を上部空間出口15に取り付けてもよい。マウスピース25は、ホース20に取り付けられてもよく、またはその一部を形成してもよい。
【0075】
使用時における装置の例示的な気流経路は、図1に太い矢印で描写されている。
【0076】
マウスピース25は起動要素27を含んでもよい。起動要素27は、スイッチ、ボタンもしくはこれに類するものであってもよく、または吸煙センサーもしくはこれに類するものであってもよい。起動要素27は、装置100の任意のその他の適切な場所に定置されてもよい。起動要素27は制御電子機器30と無線通信して、例えば電源35に発熱体140を給電させることによって、装置100を使用状態にするか、または制御電子機器に発熱体160を起動させてもよい。
【0077】
制御電子機器30および電源35は、図1に描写されている通りのエアロゾル発生要素130の底部分以外のエアロゾル発生要素130の任意の適切な位置に位置してもよい。
【0078】
図2A図2Cを参照すると、カートリッジ200は、エアロゾル形成基体300と、エアロゾル形成体で含浸されたシートを形成する吸収性担体310とが中に配置されてもよい空洞218を画定する本体210を有する。本体210は、上部215、底部213、および側壁212を含む。本体210は、一つ以上の部品から形成されてもよい。例えば、上部215または底部213は、エアロゾル形成基体300および吸収性担体310を空洞218の中に配置することを可能にするように、側壁212から取り外し可能に取り付けられてもよい。
【0079】
吸収性担体310は、空洞218の側壁212および底部213に沿って配置されてもよい。吸収性担体310はまた、上部215に沿って、または底部213、上部215、もしくは側壁212の任意の組み合わせに沿って配置されてもよく、またはこれらの表面のうちのいずれかを部分的に覆ってもよい。図2Bに示す実施例において、吸収性担体310は、エアロゾル形成基体300の周辺部を包囲するひだ付けされた側面を有する。図2Cは、エアロゾル形成基体300および吸収性担体310が、吸収性担体310およびエアロゾル形成基体300の複数の交互の層を含む渦巻き円筒形状を形成する配設を示す。丸められた円筒形状は、カートリッジ200の本体210内部に配置されている。
【0080】
カートリッジ200は、空洞218内部に加熱可能な表面積を有し、これは、例えばシーシャ装置の発熱体によって本体の外部に加えられた熱を、空洞218の中の吸収性担体310およびエアロゾル形成基体300に伝達することができる表面である。
【0081】
ここで図3Aおよび図3Bを参照すると、本体の上部215および底部213は、カートリッジが使用されている時に空気がカートリッジを通って流れることを可能にするために、複数の開口部217、216を有してもよい。上部215および底部213の開口部216、217は整列されてもよい。カートリッジ200はまた、もしくは別の方法として、側壁212に沿って開口部を含んでもよい。吸収性担体310は、底部213、上部215、側壁212、またはこれらの組み合わせに沿って配置されて、開口部の一部またはすべてを覆ってもよい。開口部217、216は、カートリッジが使用前に保存されている時、剥離可能なシールまたはカバーによってさらに遮断されてもよい。
【0082】
図4は、例示的なカートリッジ200の概略斜視図である。側壁212は円錐台形状を画定する。底部213は複数の開口部を画定する。上部は、側壁212から延びるフランジ219を備える。フランジ219は、フランジを把持することによって使用後にカートリッジ300をレセプタクルから容易に取り外しうるように、シーシャ装置のレセプタクルの肩部の上に置かれてもよい。
【0083】
上述の特定の実施形態は本発明を例示することが意図される。しかしながら、他の実施形態は、特許請求の範囲に定義される通りの本発明の範囲から逸脱することなく作成されてもよく、上述の特定の実施形態は制限的であるように意図されていないことが理解されるべきである。
【0084】
本明細書で使用される単数形「一つの(a)」、「一つの(an)」、および「その(the)」は、複数形の対象を有する実施形態を包含するが、その内容によって明らかに別途定められている場合はその限りではない。
【0085】
本明細書で使用される「または」は概して、「および/または」を含む意味で使用されるが、その内容によって明らかに別途定められている場合はその限りではない。「および/または」という用語は、列挙された要素の一つもしくはすべて、または列挙された要素のうちの任意の二つ以上の組み合わせを意味する。
【0086】
本明細書で使用される「有する(have)」、「有している(having)」、「含む(include)」、「含んでいる(including)」、「備える(comprise)」、「備えている(comprising)」、またはこれに類するものは、制約のない意味で使用され、概して「含むが、これらに限定されない」を意味する。当然のことながら、「から本質的に成る(consisting essentially of)」、「から成る(consisting of)」、およびこれに類するものは、「から成る(comprising)」およびこれに類するものに包摂される。
【0087】
「好ましい」および「好ましくは」という語は特定の状況下で、特定の利点をもたらす場合がある本発明の実施形態を指す。しかしながら、同一の状況下または他の状況下で、他の実施形態もまた好ましいものである場合がある。その上、一つ以上の好ましい実施形態の列挙は、その他の実施形態が有用ではないことを暗示するものではなく、また特許請求の範囲を含む本開示の範囲からその他の実施形態を除外することを意図しない。
【0088】
「実質的に」という用語は、本明細書で使用される「著しく」と同一の意味を有し、修飾する後続の用語の意味の度合いが少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約98%であると理解されうる。「実質的に〜ではない」という用語は、本明細書で使用される「著しく〜ではない」と同一の意味を有し、また「実質的に」と逆の意味を有し、すなわち修飾する後続の用語の意味の度合いが10%以下、5%以下、または2%以下であると理解されうる。
【0089】
「上」、「下」、「左」、「右」、「上方」、「下方」および他の方向または向きなど、本明細書で言及される任意の方向は、明瞭化および簡潔性のために本明細書に記載され、実際の装置またはシステムを限定すること意図しない。本明細書に記載の装置およびシステムは、数多くの方向および向きで使用されてもよい。
【0090】
実施例
実施例1:
エアロゾル形成体で含浸された吸収性担体がエアロゾル形成に及ぼす効果を評価した。植物グリセリンとプロピレングリコールとの1:1の混合物約1.5gで含浸された、40cm2の表面積を有するシート(セルロース紙)を形成する吸収性担体をカートリッジ内部に配置した。吸収性担体は、カートリッジの内壁に隣接して位置付けられた円筒形状を有した。次いで、カートリッジに、市販の糖蜜(Al−Fakher)10gを、多孔性材料の円筒内部で充填した。エアロゾル形成体で含浸された吸収性担体なしで、対照試料を調製した。
【0091】
カートリッジを試験用シーシャ装置の中に挿入し、ここでカートリッジは、セラミック抵抗発熱体を使用して、200℃の設定点温度で加熱された。ヒーターの設定点温度は、(吸煙と吸煙の間で)糖蜜が木炭で動作されるシーシャと類似の温度になるように選択された。
【0092】
エアロゾル化プロセスを改善するために、直径約3mmの出口オリフィスを有するアルミニウムで作製されたフィン付きノズルを、加熱エンジンから約55mmのところに定置した。
【0093】
発生したエアロゾルは、合計5個のCambridgeパッドを使用して収集され、パッドの重量が試験の前後に記録された。試験中の任意の所与の時点にて、パッドのうちの一つのみが、発生したエアロゾルを収集する。
【0094】
喫煙試験の総持続時間は105回の吸煙に相当する。望ましい吸煙の体験を達成するために、プログラム可能なデュアルシリンジポンプ(PDSP、Pomac B.V.(オランダ、トルバート)から入手可能)4台を同時に使用して、吸煙レジームを作り出した。吸煙レジームは以下の通りであり、試料および対照を105回の吸煙について試験した。吸煙回数は、各21回の吸煙の5つの連続した部分に分割され、各部分からのエアロゾルは別個のCambridgeパッドに収集される。吸煙21回ごとに、弁はエアロゾルが正しいCambridgeパッドに分配されていることを確実にする。結果として、エアロゾルの生成は、時間に応じてモニターされうる。
【0095】
最初の21回の吸煙、および対照と試料の合計105回の吸煙にわたって収集された総エアロゾル質量(TAM)の結果を、下記の表1および図5に示す。最初の21回の吸煙についての結果は、吸煙当たりのmgとして計算され、試験の合計持続時間(15回の吸煙)についての結果は、累積総質量としてmg単位で与えられる。
【0096】
【表1】
【0097】
エアロゾル形成体で含浸された吸収性担体の使用によるエアロゾル発生の著しい増加が、最初の21回の吸煙中だけでなく、実験全体を通して達成されたことが観察された。試験中に蓄積した総TAMはまた、エアロゾル形成体で含浸された吸収性担体の方で大きかった。
【0098】
それ故に、シーシャ装置のためのカートリッジが記述される。本発明の様々な修正および変形が、本発明の範囲および趣旨を逸脱することなく、当業者に明らかになるであろう。特定の好ましい実施形態に関連して本発明を説明してきたが、当然のことながら、特許請求の通りの本発明は、こうした特定の実施形態に不当に限定されるべきではない。実際に、機械技術分野、化学技術分野、およびエアロゾル発生物品製造または関連分野の当業者にとって明らかである、本発明を実行するための記述された方法の様々な修正は、以下の特許請求の範囲内に収まるものであることが意図される。
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図4
図5
【国際調査報告】