【実施例】
【0191】
実施例及び一般的な合成
以下の実施例及び予言的合成方法は、上記の発明を製造及び使用する方法をより完全に説明するのに役立つ。これは決して本発明の真の範囲を限定するのに役立つのではなく、むしろ例示目的で提示されることが理解される。別段指定しない限り、以下の略語は、以下の意味を有する。略語が定義されていない場合、それはその一般に受け入れられている意味を有する。
【0192】
aq.= 水性
μL= マイクロリットル
μM= マイクロモル濃度
NMR= 核磁気共鳴
Boc= tert-ブトキシカルボニル
br= ブロード(広幅)
Cbz= ベンジルオキシカルボニル
d= ダブレット(二重線)
℃= セルシウス度
DCM= ジクロロメタン
dd= ダブルダブレット
DIEA= N,N-ジイソプロピルエチルアミン
DMAP= N,N-ジメチルアミノピリジン
DMEM= ダルベッコ改変イーグル培地
DMF= N,N-ジメチルホルムアミド
DMSO= ジメチルスルホキシド
EDC= N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N'-エチルカルボジイミド塩酸塩
EtOAc= 酢酸エチル
g= グラム
h又はhr= 時間
HPLC= 高速液体クロマトグラフィー
Hz= ヘルツ
IU= 国際単位
IC
50= 50%阻害濃度
J= Hz単位における結合定数
LCMS= 液体クロマトグラフィー質量分析
m= マルチプレット(多重線)
M= モル濃度
M+H
+= 質量スペクトルの親ピーク+H
+
mg= ミリグラム
min= 分
mL= ミリリットル
mM= ミリモル濃度
mmol= ミリモル
MMTr= モノメトキシトリチル
MS= 質量スペクトル
MTBE= メチルtert-ブチルエーテル
nM= ナノモル濃度
PE= 石油エーテル
ppm= 百万分率
q.s.= 十分量
s= シングレット(一重線)
RT= 室温
sat.= 飽和
t= トリプレット(三重線)
TBDMS= tert-ブチルジメチルシリル
TBDPS= tert-ブチルジフェニルシリル
TEA= トリエチルアミン
THF= テトラヒドロフラン
TMS= トリメチルシリル
【0193】
さらに、本発明の様々な化合物は、一実施形態では、以下のスキーム1及び2に記載される一般合成経路によって製造してもよい:
【0194】
スキーム1
【0195】
【化24】
スキーム2
【0196】
【化25】
[式中、R
4、R
6及びR
7は、本明細書中、上に定義される。]
【0197】
[式中、
Ac= アセチル
AcO= アセテート
AgNO
3= 硝酸銀
DCM= ジクロロメタン
DMAP= 4-ジメチルアミノピリジン
DMF= N,N-ジメチルホルムアミド
MeCN= アセトニトリル
MeOH= メタノール
NaH= 水素化ナトリウム
NaOMe= ナトリウムメトキシド
Ph= フェニル
TEA= トリエチルアミン
TES= トリエチルシラン
TBAF= フッ化テトラ-n-ブチルアンモニウム
THF= テトラヒドロフラン
X'= ハロゲン
であり、X及びR基は、本明細書中、上に定義される。]
【0198】
機器の説明
1H NMRスペクトルは、Varian又はBruker分光計で記録した。化学シフトは、百万分率(ppm、δ単位)で表わされる。結合定数はヘルツ(Hz)単位におけるものである。分裂パターンは、見かけの多重性を示しており、s(シングレット(一重線))、d(ダブレット(二重線))、t(トリプレット(三重線))、q(カルテット(四重線))、quint(クインテット(五重線))、m(マルチプレット(多重線))、br(ブロード(広幅))と表わされる。
【0199】
分析的低分解能LCMSを得るための代表的な機器及び条件は、以下に記載される。
【0200】
機器:
SQ検出器を備えたWaters Acquity UPLC-MSシステム
【0201】
MS条件:
走査モード: 交互のポジティブ/ネガティブエレクトロスプレー
走査範囲: 125〜1200amu
走査時間: 150msec
走査間遅延: 50msec
【0202】
LC条件:
UPLC分析は、Phenomenex Kinetex 1.7um 2.1×50mm XB-C18カラムで40℃で実施した。
0.2uLのサンプルを、PLNO(ニードルオーバーフィルを用いた部分ループ(partial loop with needle overfill))注入モードを使用して注入した。
【0203】
用いた勾配は以下であった:
移動相A: 水+0.2%v/vギ酸
移動相B: アセトニトリル+0.15%v/vギ酸
【0204】
【表3】
【0205】
UV検出は、40Hzにおける210〜350nm走査からの合計吸光度シグナルによって提供された。
【0206】
[実施例1]
(((2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-2-エチニル-3-ヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)メチルイソブチレート
【0207】
【化26】
【0208】
ステップA: (2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-2-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-2-エチニルテトラヒドロフラン-3-イルアセテート。窒素雰囲気下のねじ蓋式ガラス圧力容器中の無水MeCN(10mL)中の2-フルオロ-9H-プリン-6-アミン(0.545g、3.56mmol)の懸濁液を、トリメチルシリル2,2,2-トリフルオロ-N-(トリメチルシリル)アセトイミデート(1.89ml、7.12mmol)で処理し、油浴中で撹拌しながら80℃まで加熱した。45分後、固体の大部分が溶解した。溶液を、MeCN(9mL)中に溶解した(4S,5R)-5-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-5-エチニルテトラヒドロフラン-2,4-ジイルジアセテート(1.14g、2.37mmol、Org. Lett., Vol. 13, No. 19, 2011に従って調製)で処理し、続いて、新たに調製した0.2Mトリフルオロメタンスルホン酸/MeCN(2.37ml、0.474mmol)(2.5mLのMeCN中に44μLのトリフル酸を溶解することによって調製)で処理した。温度を80℃で維持した。80℃で1.5時間後、LCMSは完全な反応を示した。溶液を室温まで冷却し、1M HCl水溶液(3mL)の添加によってクエンチした。混合物を短時間撹拌した後、飽和NaHCO
3水溶液とEtOAcとの間で分配し、相を分離した。水相をEtOAc(2×)で抽出した。合わせたEtOAc溶液をNa
2SO
4で乾燥させ、減圧で濃縮して、黄褐色の固体を得た。この材料をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、0〜100%EtOAc/DCM)に供し、より高いR
f成分を単離して、表題化合物(0.63g、46%)を白色の固体として得た。LCMS (ESI) m/z C
30H
32FN
5O
4Siの計算値: 573.2. 実測値: 574.4 (M+1)
+.
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4) δ 8.10 (s, 1H), 7.59 - 7.67 (m, 4H), 7.26 - 7.45 (m, 6H), 6.39 (t, J = 6.6 Hz, 1H), 5.91 (dd, J = 7.0, 5.5 Hz, 1H), 3.97 (d, J = 10.9 Hz, 1H), 3.86 (d, J = 10.9 Hz, 1H), 3.05 - 3.18 (m, 2H), 2.64 - 2.74 (m, 1H), 2.14 (s, 3H), 0.97 - 1.04 (m, 9H).
【0209】
ステップB: (2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-2-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-2-エチニルテトラヒドロフラン-3-オール。1:1のTHF/MeOH(4mL)中の(2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-2-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-2-エチニルテトラヒドロフラン-3-イルアセテート(0.62g、1.08mmol)の撹拌溶液に、25%NaOMe/MeOH(3滴)を添加した。得られた溶液を室温で撹拌した。30分後、LCMSは完全な反応を示した。溶液を氷酢酸(5滴)で処理し、減圧で乾燥するまで濃縮した。残渣を8:2のクロロホルム/iPrOHと半飽和NaHCO
3水溶液との間で分配し、相を分離した。水相を、8:2のクロロホルム/iPrOHの2回の追加部分で抽出した。合わせた有機溶液をNa
2SO
4で乾燥させ、減圧で乾燥するまで濃縮して、表題化合物(0.52g、91%)を白色の固体として得た。LCMS (ESI) m/z C
28H
30FN
5O
3Siの計算値: 531.2. 実測値: 532.3 (M+1)
+.
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4) δ 8.17 (s, 1H), 7.53 - 7.66 (m, 4H), 7.22 - 7.45 (m, 6H), 6.32 (dd, J = 7.8, 3.1 Hz, 1H), 5.01 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 3.87 (q, J = 11.3 Hz, 2H), 3.05 (s, 1H), 2.90 - 2.99 (m, 1 H), 2.63 - 2.72 (m, 1H), 0.94 (s, 9H).
【0210】
ステップC: 9-((2R,4S,5R)-5-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-5-エチニル-4-((4-メトキシフェニル)ジフェニルメトキシ)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-フルオロ-N-((4-メトキシフェニル)ジフェニルメチル)-9H-プリン-6-アミン。DCM(8mL)中の(2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-2-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-2-エチニルテトラヒドロフラン-3-オール(0.510g、0.959mmol)の撹拌懸濁液に、硝酸銀(0.489g、2.88mmol)、2,4,6-トリメチルピリジン(0.766ml、5.76mmol)、及び(クロロ(4-メトキシフェニル)メチレン)ジベンゼン(0.889g、2.88mmol)を添加した。得られたオレンジ色の懸濁液を室温で撹拌した。2時間後、LCMSは完全な反応を示した。混合物をEtOAcで希釈し、セライトで濾過して固体を除去した。濾液を10%クエン酸水溶液(2×)、飽和NaHCO
3水溶液(2×)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧で濃縮して、淡黄色の泡状物を得た。この材料をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、0〜100%EtOAc/ヘキサン)に供して、表題化合物(1.00g、97%)を白色の泡状物として得た。LCMS (ESI) m/z C
68H
62FN
5O
5Siの計算値: 1075.5. 実測値: 1076.7 (M+1)
+.
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.12 - 7.62 (m, 35H), 6.98 (s, 1H), 6.74 - 6.82 (m, 4H), 6.22 (t, J = 6.6 Hz, 1H), 4.75 (t, J = 5.9 Hz, 1H), 3.93 (d, J = 11.3 Hz, 1H), 3.86 (d, J = 11.3 Hz, 1H), 3.77 (s, 3H), 3.75 (s, 3H), 2.77 (s, 1H), 1.71 (t, J = 6.3 Hz, 2H), 0.87 (s, 9H).
【0211】
ステップD: ((2R,3S,5R)-2-エチニル-5-(2-フルオロ-6-(((4-メトキシフェニル)ジフェニルメチル)アミノ)-9H-プリン-9-イル)-3-((4-メトキシフェニル)ジフェニルメトキシ)テトラヒドロフラン-2-イル)メタノール。THF(8mL)中の9-((2R,4S,5R)-5-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-5-エチニル-4-((4-メトキシフェニル)ジフェニルメトキシ)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-フルオロ-N-((4-メトキシフェニル)ジフェニルメチル)-9H-プリン-6-アミン(0.99g、0.92mmol)の撹拌溶液に、1M TBAF/THF(1.38ml、1.38mmol)を滴下添加によって添加した。得られた溶液を室温で撹拌した。1時間後、LCMSは完全な反応を示した。溶液を氷酢酸(0.10mL)で処理し、減圧で濃縮した。残渣をMeOH/DCMに溶解し、乾燥するまで再び濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、0〜100%EtOAc/ヘキサン)に供して、表題化合物(0.623g、81%)を白色の固体として得た。LCMS (ESI) m/z C
52H
44FN
5O
5の計算値: 837.3. 実測値: 838.6 (M+1)
+.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.04 (s, 1H), 8.00 (s, 1H), 7.47 - 7.54 m, 4H), 7.12 - 7.38 (m, 20H), 6.79 - 6.88 (m, 4H), 6.04 (t, J = 6.3 Hz, 1H), 5.15 (t, J = 6.1 Hz, 1H), 4.47 (t, J = 6.1 Hz, 1H), 3.84 (s, 1H), 3.69 (s, 3H), 3.67 (s, 3H), 3.49 - 3.57 (m, 1H), 3.38 - 3.47 (m, 1H), 1.63 - 1.72 (m, 1H), 1.49 - 1.58 (m, 1H).
【0212】
ステップE: (((2R,3S,5R)-2-エチニル-5-(2-フルオロ-6-(((4-メトキシフェニル)ジフェニルメチル)アミノ)-9H-プリン-9-イル)-3-((4-メトキシフェニル)ジフェニルメトキシ)テトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)メチルイソブチレート。0℃のDMF(0.3mL)中の((2R,3S,5R)-2-エチニル-5-(2-フルオロ-6-(((4-メトキシフェニル)ジフェニルメチル)アミノ)-9H-プリン-9-イル)-3-((4-メトキシフェニル)ジフェニルメトキシ)テトラヒドロフラン-2-イル)メタノール(32mg、0.038mmol)の撹拌溶液に、水素化ナトリウム、鉱油中60%分散体、(3.05mg、0.076mmol)を添加し、混合物を周囲温度で30分間撹拌した。DMF(0.1mL)中のイソ酪酸クロロメチル(5.74mg、0.042mmol)の溶液を添加し、混合物を周囲温度で1時間撹拌した。混合物をEtOAcと飽和NaHCO
3との間で分配し、相を分離した。有機相を水、次いでブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲル(4gのカラム、0〜30%DCM/EtOAc)で精製して、出発材料及び所望の5'-アルキル化生成物の混合物を白色の固体として得た。DCM(1.0mL)、続いてギ酸(1mL、26.1mmol)を添加し、オレンジ色の混合物を周囲温度で撹拌した。30分後、混合物を濃縮し、次いで、RP-HPLCによって精製して、表題化合物(1.4mg、9%)を無色の残渣として得た。LCMS (ESI) m/z C
17H
20FN
5O
5の計算値: 393.1. 実測値: 394.2 (M+1)
+.
1H NMR (400MHz, メタノール-d
4) δ 8.19 (s, 1H), 6.33 (dd, J = 4.3, 7.4 Hz, 1H), 5.28 (d, J = 6.3, 1H), 5.24 (d, J = 6.3, 1H), 4.77 - 4.71 (m, 1H), 3.98 (d, J = 10.9, 1H), 3.91 (d, J = 10.9, 1H), 3.14 (s, 1H), 2.81 - 2.72 (m, 1H), 2.67 - 2.46 (m, 2H), 1.13 - 1.09 (m, 6H).
【0213】
[実施例2]
(((2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-2-エチニル-3-ヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)メチルイソプロピルカルボネート
【0214】
【化27】
【0215】
ステップEで炭酸イソプロピルクロロメチルを使用することを除いて、実施例1と同様の方法で表題化合物を製造した。LCMS (ESI) m/z C
17H
20FN
5O
6の計算値: 409.1. 実測値: 410.3 (M+1)
+.
1H NMR (400MHz, メタノール-d
4) δ 8.21 (s, 1H), 6.34 (dd, J = 4.1, 6.8 Hz, 1H), 5.31 - 5.21 (m, 2H), 4.91 - 4.78 (m, 1H, 重なり合った水のピーク), 4.78 - 4.71 (m, 1H), 4.05 - 3.91 (m, 2H), 3.14 (s, 1H), 2.82 - 2.71 (m, 1H), 2.69 - 2.57 (m, 1H), 1.27 - 1.20 (m, 6H).
【0216】
[実施例3]
エチル(9-((2R,4S,5R)-5-エチニル-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-フルオロ-9H-プリン-6-イル)カルバメート
【0217】
【化28】
【0218】
ステップA: (2R,3S,5R)-2-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-5-(6-((エトキシカルボニル)アミノ)-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-2-エチニルテトラヒドロフラン-3-イルアセテート。0℃のDCM(0.4mL)中の(2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-2-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-2-エチニルテトラヒドロフラン-3-イルアセテート(32mg、0.056mmol)、DMAP(6.81mg、0.056mmol)及びトリエチルアミン(0.016mL、0.112mmol)の溶液に、DCM(93uL)中のクロロギ酸エチル(6.96μl、0.073mmol)の溶液を添加し、混合物を周囲温度で20分間撹拌した。混合物を0℃まで冷却し、追加のトリエチルアミン(0.016mL、0.112mmol)及びDCM(93ul)中のクロロギ酸エチル(6.96μl、0.073mmol)を添加した。混合物を周囲温度で30分間撹拌した。混合物をDCMで希釈し、飽和NaHCO
3、次いでブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲル(4gのカラム、0〜50%DCM/EtOAc)で精製して、表題化合物(17.5mg、49%)を無色の残渣として得た。LCMS (ESI) m/z C
33H
36FN
5O
6Siの計算値: 645.2. 実測値: 646.4 (M+1)
+.
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.10 (s, 1H), 8.08 (s, 1H), 7.69 - 7.64 (m, 4H), 7.48 - 7.42 (m, 2H), 7.41 - 7.35 (m, 4H), 6.54 (dd, J = 5.9, 7.4 Hz, 1H), 5.82 (dd, J = 3.9, 7.0 Hz, 1H), 4.35 (q, J = 7.3 Hz, 2H), 4.06 (d, J = 11.3 Hz, 1H), 3.96 (d, J = 11.3 Hz, 1H), 2.91 - 2.83 (m, 1H), 2.75 - 2.67 (m, 1H), 2.59 (s, 1H), 2.17 (s, 3H), 1.37 (t, J = 7.0 Hz, 3H), 1.11 - 1.07 (m, 9H).
【0219】
ステップB: エチル(9-((2R,4S,5R)-5-エチニル-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-フルオロ-9H-プリン-6-イル)カルバメート。THF(0.3mL)及びメタノール(0.1mL)中の(2R,3S,5R)-2-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-5-(6-((エトキシカルボニル)アミノ)-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-2-エチニルテトラヒドロフラン-3-イルアセテート(17.5mg、0.027mmol)の撹拌溶液に、2M LiOH(0.027mL、0.054mmol)を周囲温度で添加し、混合物を35分間撹拌した。1N HCl(100uL)を添加し、次いで、水で希釈し、混合物をEtOAcで抽出した。抽出物をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、無色の残渣に濃縮した。残渣をTHF(0.400mL)に溶解し、周囲温度でTBAF(0.032mL、0.032mmol)で処理し、混合物を20分間撹拌した。AcOH(6滴)を添加し、混合物を数分間撹拌し、次いで濃縮した。残渣をシリカゲル(4gのカラム、0〜10%DCM/MeOH)で精製して、表題化合物(7mg、70%)を白色の残渣として得た。LCMS (ESI) m/z C
15H
16FN
5O
5の計算値: 365.1. 実測値: 366.2 (M+1)
+.
1H NMR (400MHz, メタノール-d
4) δ 8.49 (s, 1H), 6.43 (dd, J = 4.3, 7.4 Hz, 1H), 4.82 - 4.75 (m, 1H), 4.31 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 3.86 (d, J = 12.1 Hz, 1H), 3.77 (d, J = 12.5 Hz, 1H), 3.11 (s, 1H), 2.86 - 2.77 (m, 1H), 2.71 - 2.62 (m, 1H), 1.36 (t, J = 7.0 Hz, 3H).
【0220】
[実施例4]
((2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-2-エチニル-3-ヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メチルドデシルカルボネート
【0221】
【化29】
【0222】
ステップA: カルボノクロリド酸ドデシル。氷-塩混合物中で冷却したCCl
4(20mL)中のドデカン-1-オール(373mg、2.0mmol)及びピリジン(0.178mL、2.200mmol)の撹拌溶液に、トリホスゲン(593mg、2.000mmol)を添加した。混合物を-15℃で数分間撹拌し、次いで、周囲温度まで温め、一晩撹拌した。混合物をエーテルで希釈し、次いで、セライトで濾過した。濾液を濃縮して、カルボノクロリド酸ドデシル(531mg、定量的収率)を無色の油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ = 4.32 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 1.81 - 1.65 (m, 2H), 1.45 - 1.22 (m, 18H), 0.94 - 0.82 (m, 3H).
【0223】
ステップB: ドデシル(((2R,3S,5R)-2-エチニル-5-(2-フルオロ-6-(((4-メトキシフェニル)ジフェニルメチル)アミノ)-9H-プリン-9-イル)-3-((4-メトキシフェニル)ジフェニルメトキシ)テトラヒドロフラン-2-イル)メチル)カルボネート。0℃のDCM(2.5mL)中の((2R,3S,5R)-2-エチニル-5-(2-フルオロ-6-(((4-メトキシフェニル)ジフェニルメチル)アミノ)-9H-プリン-9-イル)-3-((4-メトキシフェニル)ジフェニルメトキシ)テトラヒドロフラン-2-イル)メタノール(317mg、0.378mmol)及びDMAP(46.2mg、0.378mmol)の撹拌溶液に、トリエチルアミン(0.158mL、1.135mmol)、続いてDCM(1.0mL)中のカルボノクロリド酸ドデシル(226mg、0.908mmol)の溶液を添加した。混合物を0℃で5分間撹拌し、次いで、周囲温度まで温め、4時間撹拌した。混合物を濃縮し、次いで、シリカゲル(24gの金カラム、0〜50%DCM/EtOAc)で精製して、表題化合物(330mg、83%)を白色の固体として得た。LCMS (ESI) m/z C
65H
68FN
5O
7の計算値: 1049.5. 実測値: 1050.7 (M+1)
+.
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.63 (s, 1H), 7.57 - 7.52 (m, 4H), 7.43 - 7.38 (m, 2H), 7.34 - 7.19 (m, 18H), 7.02 (s, 1H), 6.84 - 6.77 (m, 4H), 6.16 (dd, J = 4.1, 7.6 Hz, 1H), 4.62 - 4.57 (m, 1H), 4.31 (d, J = 11.7 Hz, 1H), 4.06 - 4.01 (m, 2H), 3.97 (d, J = 11.7 Hz, 1H), 3.79 (s, 3H), 3.76 (s, 3H), 2.85 (s, 1H), 2.21 - 2.12 (m, 1H), 1.84 - 1.76 (m, 1H), 1.65 - 1.57 (m, 2H), 1.35 - 1.20 (m, 18H), 0.92 - 0.85 (m, 3H).
【0224】
ステップC: ((2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-2-エチニル-3-ヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メチルドデシルカルボネート。周囲温度のDCM(5.0mL)中のドデシル(((2R,3S,5R)-2-エチニル-5-(2-フルオロ-6-(((4-メトキシフェニル)ジフェニルメチル)アミノ)-9H-プリン-9-イル)-3-((4-メトキシフェニル)ジフェニルメトキシ)テトラヒドロフラン-2-イル)メチル)カルボネート(464mg、0.442mmol)の撹拌溶液に、ギ酸(1.0mL、26.1mmol)をゆっくり添加し、混合物を4.5時間撹拌した。トリエチルシラン(0.141mL、0.884mmol)を添加し、混合物を周囲温度で1時間撹拌した。混合物を濃縮し、次いで、EtOHと共濃縮(co-concentrate)して、白色の固体を得た。材料をシリカゲル(24gの金カラム、0〜10%DCM/MeOH)で精製して、表題化合物(171mg、77%)を白色の固体として得た。LCMS (ESI) m/z C
25H
36FN
5O
5の計算値: 505.3. 実測値: 506.4 (M+1)
+.
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6) δ 8.25 (s, 1H), 7.99 - 7.73 (m, 2H), 6.25 (dd, J = 4.3, 7.8 Hz, 1H), 5.84 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 4.71 - 4.59 (m, 1H), 4.42 (d, J = 11.3 Hz, 1H), 4.19 (d, J = 11.7 Hz, 1H), 4.05 - 3.88 (m, 2H), 3.65 (s, 1H), 2.82 - 2.73 (m, 1H), 2.54 - 2.41 (m, 1H, 重なり合った溶媒ピーク), 1.56 - 1.45 (m, 2H), 1.33 - 1.11 (m, 18H), 0.84 (t, J = 6.6 Hz, 3H).
【0225】
[実施例5]
((2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-2-エチニル-3-ヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メチルエチルカルボネート
【0226】
【化30】
【0227】
ステップAでカルボノクロリド酸エチルを使用することを除いて、実施例4と同様の方法で表題化合物を製造した。LCMS (ESI) m/z C
15H
16FN
5O
5の計算値: 365.1. 実測値: 366.1 (M+1)
+.
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6) δ 8.25 (s, 1H), 8.01 - 7.71 (m, 2H), 6.25 (dd, J = 4.3, 7.8 Hz, 1H), 5.84 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 4.71 - 4.61 (m, 1H), 4.42 (d, J = 11.3 Hz, 1H), 4.20 (d, J = 11.7 Hz, 1H), 4.08 - 3.99 (m, 2H), 3.66 (s, 1H), 2.84 - 2.73 (m, 1H), 2.56 - 2.39 (m, 1H, 重なり合ったDMSOピーク), 1.14 (t, J = 7.2 Hz, 3H).
【0228】
[実施例6]
(((2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-2-エチニル-3-ヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)メチルデシルカルボネート
【0229】
【化31】
【0230】
ステップA: クロロメチルデシルカルボネート。0℃のDCM(30mL)中のカルボノクロリド酸クロロメチル(0.690mL、7.76mmol)の撹拌溶液に、DCM(8mL)中のデカン-1-オール(1.481mL、7.76mmol)及びピリジン(0.659mL、8.14mmol)の溶液を1時間にわたって(シリンジポンプによって)滴下添加した。混合物を0℃で30分間撹拌した。混合物をDCMで希釈し、0.5M HCl、水、飽和NaHCO
3、最後にブラインで洗浄した。有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲル(24gのカラム、0〜30%ヘキサン/EtOAc)で精製して、表題化合物(1.76g、90%)を無色の油状物として得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3) δ 5.74 (s, 2H), 4.23 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 1.75 - 1.66 (m, 2H), 1.44 - 1.16 (m, 14H), 0.89 (t, J = 6.6 Hz, 3H).
【0231】
ステップB: デシル((((2R,3S,5R)-2-エチニル-5-(2-フルオロ-6-(((4-メトキシフェニル)ジフェニルメチル)アミノ)-9H-プリン-9-イル)-3-((4-メトキシフェニル)ジフェニルメトキシ)テトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)メチル)カルボネート。0℃のDMF(0.5mL)中の((2R,3S,5R)-2-エチニル-5-(2-フルオロ-6-(((4-メトキシフェニル)ジフェニルメチル)アミノ)-9H-プリン-9-イル)-3-((4-メトキシフェニル)ジフェニルメトキシ)テトラヒドロフラン-2-イル)メタノール(31mg、0.037mmol)の撹拌溶液に、水素化ナトリウム、鉱油中60%分散体(2.96mg、0.074mmol)を添加した。混合物を周囲温度で10分間撹拌した。DMF(150uL)中のクロロメチルデシルカルボネート(27.8mg、0.111mmol)の溶液を添加し、混合物を10分間撹拌した。飽和NHCl
4を添加し、混合物を数分間撹拌した。混合物をEtOAcで希釈し、水、次いでブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲル(4gのカラム、0〜50%DCM/EtOAc)で精製して、表題化合物(23mg、59%)を無色の残渣として得た。LCMS (ESI) m/z C
15H
16FN
5O
5の計算値: 1051.5. 実測値: 1052.5 (M+1)
+.
【0232】
ステップC: (((2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-2-エチニル-3-ヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)メチルデシルカルボネート。デシル((((2R,3S,5R)-2-エチニル-5-(2-フルオロ-6-(((4-メトキシフェニル)ジフェニルメチル)アミノ)-9H-プリン-9-イル)-3-((4-メトキシフェニル)ジフェニルメトキシ)テトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)メチル)カルボネート(23mg、0.022mmol)に、DCM中1%TFA(0.8ml)を添加し、混合物を周囲温度で1時間撹拌した。混合物を濃縮し、次いで、RP-HPLC(C18、0.1%FAを含む10〜100%MeCN/水)によって精製して、表題化合物(2.0mg、18%)を白色の固体として得た。LCMS (ESI) m/z C
24H
34FN
5O
6の計算値: 507.3. 実測値: 508.3 (M+1)
+.
1H NMR (400MHz, メタノール-d
4) δ 8.21 (s, 1H), 6.33 (dd, J = 4.3, 7.4 Hz, 1H), 5.29 (d, J = 6.6 Hz, 1H), 5.24 (d, J = 6.6 Hz, 1H), 4.76 - 4.70 (m, 1H), 4.12 - 4.05 (m, 2H), 4.02 (d, J = 11.3 Hz, 1H), 3.95 (d, J = 11.3 Hz, 1H), 3.14 (s, 1H), 2.78 - 2.69 (m, 1H), 2.67 - 2.56 (m, 1H), 1.63 - 1.54 (m, 2H), 1.36 - 1.19 (m, 14H), 0.88 (t, J = 6.8 Hz, 3H).
【0233】
[実施例7]
エチル(9-((2R,4S,5R)-4-((エトキシカルボニル)オキシ)-5-エチニル-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-フルオロ-9H-プリン-6-イル)カルバメート
【0234】
【化32】
【0235】
ステップA: エチル(9-((2R,4S,5R)-5-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-4-((エトキシカルボニル)オキシ)-5-エチニルテトラヒドロフラン-2-イル)-2-フルオロ-9H-プリン-6-イル)カルバメート。0℃のDCM(0.8mL)中の(2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-2-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-2-エチニルテトラヒドロフラン-3-オール(50mg、0.094mmol)、トリエチルアミン(0.066mL、0.470mmol)及びDMAP(11.49mg、0.094mmol)の撹拌溶液に、DCM(82uL)中のカルボノクロリド酸エチル(0.018mL、0.188mmol)を添加した。混合物を0℃で5分間撹拌し、次いで、周囲温度まで温め、90分間撹拌した。混合物をEtOAcで希釈し、ブラインと混合した飽和NaHCO
3、続いてブラインで洗浄し、最後に乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲル(4gの金カラム、0〜50%DCM/EtOAc)で精製して、表題化合物(6.4mg、10%)を無色の残渣として得た。LCMS (ESI) m/z C
34H
38FN
5O
7Siの計算値: 675.3. 実測値: 676.4 (M+1)
+.
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.10 (s, 1H), 8.08 (s, 1H), 7.68 - 7.62 (m, 4H), 7.47 - 7.41 (m, 2H), 7.40 - 7.34 (m, 4H), 6.54 - 6.49 (m, 1H), 5.71 (dd, J = 4.3, 6.6 Hz, 1H), 4.35 (q, J = 7.3 Hz, 2H), 4.31 - 4.24 (m, 2H), 4.08 (d, J = 11.3 Hz, 1H), 3.98 (d, J = 10.9 Hz, 1H), 3.00 - 2.92 (m, 1H), 2.84 - 2.76 (m, 1H), 2.63 (s, 1H), 1.39 - 1.34 (m, 6H), 1.08 (s, 9H).
【0236】
ステップB: エチル(9-((2R,4S,5R)-4-((エトキシカルボニル)オキシ)-5-エチニル-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-フルオロ-9H-プリン-6-イル)カルバメート。周囲温度のTHF(0.3mL)中のエチル(9-((2R,4S,5R)-5-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-4-((エトキシカルボニル)オキシ)-5-エチニルテトラヒドロフラン-2-イル)-2-フルオロ-9H-プリン-6-イル)カルバメート(6.4mg、9.47μmol)の撹拌溶液に、TBAF、THF中1M溶液(0.012mL、0.012mmol)を添加し、混合物を周囲温度で10分間撹拌した。AcOH(5滴)を添加し、混合物を乾燥するまで濃縮した。残渣をRP-HPLCによって精製して、表題化合物(2.9mg、70%)を白色の固体として得た。LCMS (ESI) m/z C
18H
20FN
5O
7の計算値: 437.1. 実測値: 438.2 (M+1)
+.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.29 - 10.76 (m, 1H), 8.60 (s, 1H), 6.42 - 6.37 (m, 1H), 5.63 - 5.53 (m, 1H), 5.48 (dd, J = 3.7, 6.4 Hz, 1H), 4.23 - 4.14 (m, 4H), 3.74 - 3.59 (m, 3H), 3.15 - 3.06 (m, 1H), 2.71 - 2.62 (m, 1H), 1.28 - 1.22 (m, 6H).
【0237】
[実施例8]
(2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-2-エチニル-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-3-イルエチルカルボネート
【0238】
【化33】
【0239】
ステップA: (2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-2-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-2-エチニルテトラヒドロフラン-3-イルエチルカルボネート。0℃のDCM(3.0mL)中の(2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-2-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-2-エチニルテトラヒドロフラン-3-オール(178mg、0.335mmol)、TEA(0.233mL、1.674mmol)及びDMAP(40.9mg、0.335mmol)の撹拌溶液に、DCM(0.44mL)中のクロロギ酸エチル(0.064mL、0.670mmol)を添加した。混合物を0℃で5分間撹拌し、次いで、周囲温度で2時間撹拌した。混合物をEtOAcで希釈し、ブラインと混合した飽和NaHCO
3水溶液、続いてブラインのみで洗浄し、最後に乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲル(0〜50%EtOAc/DCM)で精製して、表題化合物(52mg、26%)を白色の固体として得た。LCMS (ESI) m/z C
31H
34FN
5O
5Siの計算値: 603.2. 実測値: 604.4 (M+1)
+.
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.94 (s, 1H), 7.71 - 7.63 (m, 4H), 7.47 - 7.41 (m, 2H), 7.40 - 7.34 (m, 4H), 6.50 - 6.45 (m, 1H), 5.89 (br s, 2H), 5.72 (dd, J = 4.4, 6.8 Hz, 1H), 4.32 - 4.24 (m, 2H), 4.08 (d, 11.2 Hz, 1H), 3.98 (d, 11.2 Hz, 1H), 3.00 - 2.92 (m, 1H), 2.81 - 2.74 (m, 1H), 2.61 (s, 1H), 1.36 (t, J = 7.2 Hz, 3H), 1.13 - 1.05 (m, 9H).
【0240】
ステップB: (2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-2-エチニル-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-3-イルエチルカルボネート。周囲温度のTHF(1.2mL)中の(2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-2-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-2-エチニルテトラヒドロフラン-3-イルエチルカルボネート(52mg、0.086mmol)の撹拌溶液に、TBAF、THF中1M溶液(0.129mL、0.129mmol)を添加し、混合物を20分間撹拌した。混合物を濃縮し、次いで、シリカゲル(0〜10%MeOH/DCM)で精製して、表題化合物(19mg、59%)を白色の固体として得た。LCMS (ESI) m/z C
15H
16FN
5O
5の計算値: 365.1. 実測値: 366.2 (M+1)
+.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.32 (s, 1H), 8.02 - 7.74 (m, 2H), 6.31 (dd, J = 6.3, 8.0 Hz, 1H), 5.56 (dd, J = 5.6, 7.0 Hz, 1H), 5.44 (dd, J = 3.2, 6.6 Hz, 1H), 4.23 - 4.13 (m, 2H), 3.75 - 3.58 (m, 3H), 3.08 - 2.99 (m, 1H), 2.64 - 2.57 (m, 1H), 1.25 (t, J = 7.2 Hz, 3H).
【0241】
[実施例9]
(2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-2-エチニル-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-3-イルノナデシルカルボネート
【0242】
【化34】
【0243】
ステップA: 4-ニトロフェニルノナデシルカルボネート。DCM(10mL)中のノナデカン-1-オール(530mg、1.86mmol)及びカルボノクロリド酸4-ニトロフェニル(451mg、2.24mmol)の混合物を、ピリジン(3.00mL、37.1mmol)で処理し、混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、100%DCM)によって精製して、所望の生成物(810mg、97%)を白色の固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.30 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.41 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 4.31 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 1.74 - 1.83 (m, 2H), 1.39 - 1.50 (m, 2H), 1.29 (s, 30H), 0.86 - 0.96 (m, 3H).
【0244】
ステップB: (2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-2-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-2-エチニルテトラヒドロフラン-3-イルノナデシルカルボネート。DCM(5mL)中の(2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-4,5-ジヒドロ-9H-プリン-9-イル)-2-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-2-エチニルテトラヒドロフラン-3-オール(150mg、0.281mmol)、及びDMAP(34.3mg、0.281mmol))の撹拌溶液に、TEA(0.157mL、1.12mmol)、続いて4-ニトロフェニルノナデシルカルボネート(152mg、0.337mmol)を添加し、混合物を室温で36時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、分取TLC(ヘキサン/EtOAc 1:1)によって精製して、所望の生成物を固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.96 (s, 1H), 7.68 (qd, J = 3.8, 1.4 Hz, 4H), 7.35 - 7.48 (m, 6H), 6.49 (t, J = 6.7 Hz, 1H), 5.83 (bs, 2H), 5.72 (dd, J = 6.9, 4.1 Hz, 1H), 4.22 (td, J = 6.8, 2.2 Hz, 2H), 4.09 (d, J = 11.0 Hz, 1H), 4.00 (d, J = 11.2 Hz, 1H), 2.96 (dt, J = 14.0, 7.1 Hz, 1H), 2.80 (ddd, J = 13.7, 6.3, 4.1 Hz, 1H), 2.62 (s, 1H), 1.64 - 1.80 (m, 2H), 1.23 - 1.43 (m, 32H), 1.07 - 1.13 (m, 9H), 0.85 - 0.95 (m, 3H).
【0245】
ステップC: (2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-2-エチニル-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-3-イルノナデシルカルボネート。THF(5.00mL)中の(2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-2-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-2-エチニルテトラヒドロフラン-3-イルノナデシルカルボネートの溶液に、TBAF(1M、THF)(0.422mL、0.422mmol)を添加し、混合物を室温で30分間撹拌した。混合物を濃縮し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM/MeOH、0〜5%)によって精製して、所望の生成物を白色の固体(129mg、2ステップについて76%)として得た。LCMS (ESI) m/z C
32H
50FN
5O5の計算値: 603. 実測値: 604 (M+1)
+.
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.95 (s, 1H), 6.38 (dd, J = 9.1, 5.5 Hz, 1H), 5.98 (s, 2H), 5.65 (dd, J = 6.1, 1.8 Hz, 1H), 4.19 - 4.29 (m, 2H), 4.04 - 4.12 (m, 1H), 3.95 - 4.00 (m, 1H), 3.24 (ddd, J = 13.9, 9.1, 6.3 Hz, 1H), 2.67 (s, 1H), 2.60 (ddd, J = 13.9, 5.6, 1.8 Hz, 1H), 1.69 - 1.77 (m, 2H), 1.27 - 1.49 (m, 32H), 0.87 - 0.94 (m, 3H).
【0246】
[実施例10]
(2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-2-エチニル-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-3-イルイコシルカルボネート
【0247】
【化35】
【0248】
ステップAでノナデカン-1-オールの代わりにイコサン-1-オールを用いて、(2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-2-エチニル-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-3-イルノナデシルカルボネートの合成について本明細書に記載の通り表題化合物を調製した。LCMS (ESI) m/z C
33H
52FN
5O
5の計算値: 617. 実測値: 618 (M+1)
+.
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.83 (s, 1H), 6.37 (dd, J = 9.3, 5.5 Hz, 1H), 6.26 (br s, 2H), 5.66 (dd, J = 6.3, 1.3 Hz, 1H), 4.16 - 4.29 (m, 2H), 4.07 (d, J = 12.6 Hz, 1H), 3.97 (d, J = 12.6 Hz, 1H), 3.25 (ddd, J = 14.0, 9.3, 6.3 Hz, 1H), 2.66 (s, 1H), 2.57 (ddd, J = 13.9, 5.5, 1.6 Hz, 1H), 1.67 - 1.79 (m, 2H), 1.28 (s, 32H) 1.41 (m, Hz, 2H), 0.85 - 0.96 (m, 3H).
【0249】
[実施例11]
(((2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-2-エチニル-3-ヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)メチルヘキサデシルカルボネート
【0250】
【化36】
【0251】
ステップA: クロロメチルヘキサデシルカルボネート。0℃のDCM(45mL)中のカルボノクロリド酸クロロメチル(1.034mL、11.63mmol)の撹拌溶液に、DCM(12mL)中のヘキサデカン-1-オール(2.82g、11.6mmol)及びピリジン(0.988mL、12.2mmol)の溶液を10分間にわたって滴下添加した。混合物を0℃で30分間撹拌した。混合物をDCMで希釈し、0.5M HCl水溶液、水、飽和NaHCO
3水溶液、最後にブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲル(0〜30%EtOAc/ヘキサン)で精製して、表題化合物(3.51g、90%)を、静置すると凝固して白色の固体となる無色の油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 5.74 (s, 2H), 4.23 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 1.77 - 1.65 (m, 2H), 1.43 - 1.19 (m, 26H), 0.93 - 0.86 (m, 3H).
【0252】
ステップB: (((2R,3S,5R)-2-エチニル-5-(2-フルオロ-6-(((4-メトキシフェニル)ジフェニルメチル)アミノ)-9H-プリン-9-イル)-3-((4-メトキシフェニル)ジフェニルメトキシ)テトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)メチルヘキサデシルカルボネート。0℃のDMF(22mL)中の((2R,3S,5R)-2-エチニル-5-(2-フルオロ-6-(((4-メトキシフェニル)ジフェニルメチル)アミノ)-9H-プリン-9-イル)-3-((4-メトキシフェニル)ジフェニルメトキシ)テトラヒドロフラン-2-イル)メタノール(2.0g、2.387mmol)の撹拌溶液に、水素化ナトリウム(0.239g、5.97mmol)を添加した。混合物を周囲温度で10分間撹拌した。DMF(4mL)中のクロロメチルヘキサデシルカルボネート(1.199g、3.58mmol)の溶液を添加し、混合物を15分間撹拌した。水を添加し、数分間撹拌し、混合物をEtOAcで抽出した。合わせた抽出物を水、次いでブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲル(0〜10%EtOAc/DCM)で精製して、表題化合物(1.20g、44%)を白色の泡状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 5.74 (s, 2H), 4.23 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 1.77 - 1.65 (m, 2H), 1.43 - 1.19 (m, 26H), 0.93 - 0.86 (m, 3H).
【0253】
ステップC: (((2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-2-エチニル-3-ヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)メチルヘキサデシルカルボネート。0℃のDCM(50mL)中の(((2R,3S,5R)-2-エチニル-5-(2-フルオロ-6-(((4-メトキシフェニル)ジフェニルメチル)アミノ)-9H-プリン-9-イル)-3-((4-メトキシフェニル)ジフェニルメトキシ)テトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)メチルヘキサデシルカルボネート(1.40g、1.24mmol)の溶液に、5%TFA/DCM(500uL)をゆっくり添加した。混合物を室温まで温め、次いで、周囲温度で約4日撹拌した。混合物を再冷却し、追加の5%TFA/DCM(500uL)を添加し、混合物をさらに14日間撹拌した。溶液を乾燥するまで濃縮し、残渣を2回のフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、0〜10%MeOH/DCM)に供して、表題化合物(197mg、27%)を白色の固体として得た。LCMS (ESI) m/z C
30H
46FN
5O
6の計算値: 591.3. 実測値: 592.4 (M+1)
+.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.24 (s, 1H), 7.80 (br s, 2H), 6.25 (dd, J = 4.8, 7.6 Hz, 1H), 5.69 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 5.26 - 5.16 (m, 2H), 4.62 - 4.52 (m, 1H), 4.07 - 4.02 (m, 2H), 3.90 (d, J = 11.2 Hz, 1H), 3.82 (d, J = 11.2 Hz, 1H), 3.57 (s, 1H), 2.78 - 2.69 (m, 1H), 2.54 - 2.40 (m, 1H, 重なり合ったDMSOピーク), 1.60 - 1.50 (m, 2H), 1.35 - 1.14 (m, 26H), 0.91 - 0.80 (m, 3H).
【0254】
[実施例12]
ドデシル(((2R,3S,5R)-2-エチニル-5-(2-フルオロ-6-ヘプタンアミド-9H-プリン-9-イル)-3-ヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メチル)カルボネート
【0255】
【化37】
【0256】
ステップA: ドデシル(((2R,3S,5R)-2-エチニル-5-(2-フルオロ-6-(((4-メトキシフェニル)ジフェニルメチル)アミノ)-9H-プリン-9-イル)-3-((4-メトキシフェニル)ジフェニルメトキシ)テトラヒドロフラン-2-イル)メチル)カルボネート。DMF(10mL)中の((2R,3S,5R)-2-エチニル-5-(2-フルオロ-6-(((4-メトキシフェニル)ジフェニルメチル)アミノ)-9H-プリン-9-イル)-3-((4-メトキシフェニル)ジフェニルメトキシ)テトラヒドロフラン-2-イル)メチル1H-イミダゾール-1-カルボキシレート(1.00g、1.07mmol)の混合物に、ドデカン-1-オール(0.400g、2.146mmol)及び炭酸カリウム(0.297g、2.146mmol)を添加し、得られた混合物を室温で一晩撹拌した。LCMSは完全な反応を示した。反応混合物を水(20mL)で希釈し、EtOAc(3×10mL)で抽出し、有機相を合わせ、ブライン(20mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、真空下で濃縮した。混合物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、1:1のEtOAc/石油エーテル)に供して、所望の生成物(730mg、63%)を白色の固体として得た。LCMS (ESI) m/z C
65H
68FN
5O
7の計算値: 1050. 実測値: 1051 (M+1)
+.
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.68 (s, 1H), 7.53 (d, J =8 Hz, 4H), 7.39 (d, J = 8 Hz, 2H), 7.32 - 7.28 (m, 8H), 7.24 - 7.16 (m, 10H), 6.81 - 6.77 (m, 4H), 6.17 - 6.14 (m, 1H), 4.56 (t, J = 16 Hz, 1H), 4.30 (d, J = 16 Hz, 1H), 4.14 - 4.09 (m, 1H), 4.04 - 4.01 (m, 2H), 3.96 (d, J = 12 Hz, 1H), 3.76 (d, J = 12 Hz, 6H), 2.83 (s, 1H), 2.21 - 2.14 (m, 1H), 1.80 - 1.74 (m, 1H), 1.63 - 1.57 (m, 4H), 1.32 - 1.22 (m, 16H), 0.89 - 0.86 (m, 3H).
【0257】
ステップB: ((2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-2-エチニル-3-ヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メチルドデシルカルボネート。DCM(11mL)中のドデシル(((2R,3S,5R)-2-エチニル-5-(2-フルオロ-6-(((4-メトキシフェニル)ジフェニルメチル)アミノ)-9H-プリン-9-イル)-3-((4-メトキシフェニル)ジフェニルメトキシ)テトラヒドロフラン-2-イル)メチル)カルボネート(1.10g、1.05mmol)の混合物に、TFA(1.2mL、16mmol)を添加し、得られた混合物を室温で1時間撹拌した。LCMSは完全な反応を示した。反応混合物にMeOH(10mL)を添加し、次いで、DCMを真空下で除去した。混合物を分取TLC(シリカゲル、20:1のDCM/MeOH)に供して、所望の生成物(400mg、72%)を白色の固体として得た。LCMS (ESI) m/z C
25H
36FN
5O
5の計算値: 505. 実測値: 506 (M+1)
+.
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ 7.96 (s, 1H), 6.39 (s, 1H), 6.05 (br, 2H), 4.79 (s, 1H), 4.55 - 4.43 (m, 2H), 4.18 - 4.12 (m, 2H), 2.99 - 2.86 (m, 1H), 2.80 (s, 1H), 2.75 - 2.59 (m, 1H), 1.72 - 1.58 (m, 2H), 1.35 - 1.20 (m, 18H), 0.89 - 0.85 (m, 3H).
【0258】
ステップC: ((2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2-エチニルテトラヒドロフラン-2-イル)メチルドデシルカルボネート。0℃で窒素下で撹拌したDMF(10mL)中の((2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-2-エチニル-3-ヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メチルドデシルカルボネート(400mg、0.791mmol)及びイミダゾール(162mg、2.37mmol)の溶液に、DMF(1mL)中のTBS-Cl(358mg、2.37mmol)の溶液を1分の間滴下添加した。反応混合物を室温で16時間撹拌した。LCMSは完全な反応を示した。反応物を水(200mL)で希釈し、混合物をEtOAc(3×200mL)で抽出した。合わせた有機層を真空中で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、1:1のEtOAc/石油エーテル)に供して、所望の生成物(400mg、82%)を白色の固体として得た。LCMS (ESI) m/z C
31H
50FN
5O
5Siの計算値: 619. 実測値: 620 (M+1)
+.
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ 7.93 (s, 1H), 6.35 - 6.31 (m, 1H), 6.05 (br, 2H), 4.84 (t, J = 15 Hz, 1H), 4.50 (d, J = 12 Hz, 1H), 4.29 (d, J = 12 Hz, 1H), 4.15 - 4.06 (m, 2H), 2.82 - 2.74 (m, 1H), 2.67 - 2.58 (m, 2H), 1.68 - 1.59 (m, 2H), 1.34 - 1.19 (m, 18H), 0.96 (s, 9H), 0.87 (t, J = 12 Hz, 3H), 0.13 (d, J = 6 Hz, 6H).
【0259】
ステップD: ((2R,3S,5R)-3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2-エチニル-5-(2-フルオロ-6-ヘプタンアミド-9H-プリン-9-イル)テトラヒドロフラン-2-イル)メチルドデシルカルボネート。0℃で窒素下で撹拌したDCM(20mL)中の((2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2-エチニルテトラヒドロフラン-2-イル)メチルドデシルカルボネート(400mg、0.645mmol)、DMAP(39.4mg、0.323mmol)及びTEA(0.450mL、3.23mmol)の溶液に、DCM(2.00mL)中の塩化ヘプタノイル(192mg、1.291mmol)の溶液を1分の間滴下添加した。反応混合物を室温で3時間撹拌した。LCMSは完全な反応を示した。ブライン(200mL)に注ぎ入れることによって反応をクエンチし、混合物をEA(200mL)で抽出した。有機層を真空中で濃縮した。混合物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、1:1のEtOAc/石油エーテル)に供して、所望の生成物(300mg、62%)を白色の固体として得た。LCMS (ESI) m/z C
38H
62FN
5O
6Siの計算値: 731. 実測値: 732 (M+1)
+.
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.51 (s, 1H), 8.10 (s, 1H), 6.39 - 6.36 (m, 1H), 4.83 (t, J = 16 Hz, 1H), 4.49 (d, J = 8 Hz, 1H), 4.30 (d, J = 8 Hz, 1H), 4.16 - 4.05 (m, 2H), 2.98 - 2.91 (m, 2H), 2.80 - 2.74 (m, 1H), 2.69 - 2.62 (m, 2H), 1.79 - 1.59 (m, 4H), 1.46 - 1.39 (m, 2H), 1.35 - 1.20 (m, 28H), 0.93 (s, 9H), 0.14 (d, J = 8 Hz, 6H).
【0260】
ステップE: ドデシル(((2R,3S,5R)-2-エチニル-5-(2-フルオロ-6-ヘプタンアミド-9H-プリン-9-イル)-3-ヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メチル)カルボネート。20℃で窒素下で撹拌したTHF(10mL)中の((2R,3S,5R)-3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2-エチニル-5-(2-フルオロ-6-ヘプタンアミド-9H-プリン-9-イル)テトラヒドロフラン-2-イル)メチルドデシルカルボネート(300mg、0.410mmol)の溶液に、TBAFの溶液(0.82mL、0.82mmol、THF中1N)を1回の投入で添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌した。LCMSは完全な反応を示した。水(200mL)に注ぎ入れることによって反応をクエンチし、混合物をEA(200mL)で抽出した。有機層を真空中で濃縮した。混合物を分取RP-HPLC(C18、MeCN/水、0.05%TFA)に供して、所望の生成物(120mg、47%)を白色の固体として得た。LCMS (ESI) m/z C
32H
48FN
5O
6の計算値: 617. 実測値: 618 (M+1)
+. 1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.54 (s, 1H), 8.11 (s, 1H), 6.43 (t, J = 12 Hz, 1H), 4.78 (t, J = 12 Hz, 1H), 4.52 - 4.43 (m, 2H), 4.14 (t, J = 12 Hz, 2H), 2.96 - 2.89 (m, 3H), 2.82 (s, 1H), 2.72 - 2.65 (m, 1H), 1.79 - 1.62 (m, 4H), 1.44 - 1.39 (m, 2H), 1.36 - 1.25 (m, 22H), 0.92 - 0.85 (m, 6H).
【0261】
[実施例13]
((2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-2-エチニル-3-ヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メチルオクタデシルカルボネート
【0262】
【化38】
【0263】
ステップA: ((2R,3S,5R)-2-エチニル-5-(2-フルオロ-6-(((4-メトキシフェニル)ジフェニルメチル)アミノ)-9H-プリン-9-イル)-3-((4-メトキシフェニル)ジフェニルメトキシ)テトラヒドロフラン-2-イル)メチルオクタデシルカルボネート。0℃のDCM(5mL)中の((2R,3S,5R)-2-エチニル-5-(2-フルオロ-6-(((4-メトキシフェニル)ジフェニルメチル)アミノ)-9H-プリン-9-イル)-3-((4-メトキシフェニル)ジフェニルメトキシ)テトラヒドロフラン-2-イル)メタノール(500mg、0.597mmol)及びDMAP(72.9mg、0.597mmol)の撹拌溶液に、TEA(0.250mL、1.790mmol)、続いてDCM(1mL)中のカルボノクロリド酸オクタデシル(397mg、1.193mmol)の溶液を添加した。混合物を0℃で5分間撹拌し、次いで、周囲温度まで温め、4時間撹拌した。飽和NaHCO
3水溶液を添加し、混合物をEtOAcで抽出した。抽出物をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲル(0〜40%EtOAc/ヘキサン)で精製して、無色の残渣である表題化合物(441mg、65%)を得た。
【0264】
ステップB: ((2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-2-エチニル-3-ヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メチルオクタデシルカルボネート。DCM(8mL)中の((2R,3S,5R)-2-エチニル-5-(2-フルオロ-6-(((4-メトキシフェニル)ジフェニルメチル)アミノ)-9H-プリン-9-イル)-3-((4-メトキシフェニル)ジフェニルメトキシ)テトラヒドロフラン-2-イル)メチルオクタデシルカルボネート(441mg、0.389mmol)の溶液に、ギ酸(2.0mL、52.1mmol)、続いてトリエチルシラン(0.191mL、1.19mmol)を滴下添加し、混合物を周囲温度で2時間撹拌した。混合物を濃縮し、次いで、シリカゲル(0〜10%MeOH/DCM)で精製して、表題化合物(193mg、84%)を白色の固体として得た。LCMS (ESI) m/z C
31H
48FN
5O
5の計算値: 589.4. 実測値: 590.4 (M+1)
+.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.17 (s, 1H), 7.80 (br s, 2H), 6.25 (dd, J = 4.4, 7.7 Hz, 1H), 5.79 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 4.71 - 4.59 (m, 1H), 4.43 (d, J = 11.4 Hz, 1H), 4.21 (d, J = 11.4 Hz, 1H), 4.03 - 3.93 (m, 2H), 3.62 (s, 1H), 2.82 - 2.74 (m, 1H), 2.53 - 2.43 (m, 1H, 重なり合ったDMSOピーク), 1.57 - 1.47 (m, 2H), 1.31 - 1.18 (m, 30H), 0.90 - 0.80 (m, 3H).
【0265】
[実施例14]
N-(9-((2R,4S,5R)-5-エチニル-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-フルオロ-9H-プリン-6-イル)デカンアミド
【0266】
【化39】
【0267】
ステップA: N-(9-((2R,4S,5R)-4-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-5-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)-5-エチニルテトラヒドロフラン-2-イル)-2-フルオロ-9H-プリン-6-イル)デカンアミド。MeCN(0.75mL)/THF(0.75mL)中の9-((2R,4S,5R)-4-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-5-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)-5-エチニルテトラヒドロフラン-2-イル)-2-フルオロ-9H-プリン-6-アミン(80.0mg、0.153mmol)の溶液に、デカン酸(66.0mg、0.383mmol)、2-クロロ-1-メチルピリジニウムヨージド(98.0mg、0.383mmol)、TEA(0.128mL、0.920mmol)及びDMAP(1.8mg、0.015mmol)を添加し、混合物を60℃で18時間撹拌した。混合物をDCMで希釈し、飽和NaHCO
3/水で洗浄した。有機相を乾燥させ(Na
2SO
4)、濃縮し、シリカゲル(EtOAc/ヘキサン0〜100%)で精製して、N-(9-((2R,4S,5R)-4-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-5-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)-5-エチニルテトラヒドロフラン-2-イル)-2-フルオロ-9H-プリン-6-イル)デカンアミド(48mg、46%)を淡黄色の油状物として得た。LCMS (ESI) m/z C
34H
58FN
5O
4Si
2の計算値: 675.4. 実測値: 676.5 (M+1)
+.
【0268】
ステップB: N-(9-((2R,4S,5R)-5-エチニル-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-フルオロ-9H-プリン-6-イル)デカンアミド。0℃のTHF(1.25mL)中のN-(9-((2R,4S,5R)-4-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-5-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)-5-エチニルテトラヒドロフラン-2-イル)-2-フルオロ-9H-プリン-6-イル)デカンアミド(47mg、0.070mmol)の溶液に、TBAF(0.174mL、0.174mmol)(1M/THF)を添加した。0℃で18時間後、酢酸(9.95μl、0.174mmol)を添加し、混合物をシリカゲルに吸着させ、シリカゲル(MeOH/ジクロロメタン3%)で精製して、N-(9-((2R,4S,5R)-5-エチニル-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-フルオロ-9H-プリン-6-イル)デカンアミド(27mg、87%)を灰白色の泡状物として得た。LCMS (ESI) m/z C
22H
30FN
5O
4の計算値: 447.2. 実測値: 448.3 (M+1)
+.
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4) δ 8.53 (s, 1H), 6.46 (dd, J = 7.4, 4.3 Hz, 1H), 3.84 - 3.92 (m, 1H), 3.75 - 3.82 (m, 1H), 3.11 (s, 1H), 2.84 (ddd, J = 13.4, 7.0, 4.4 Hz, 1H), 2.62 - 2.75 (m, 3H), 1.76 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 1.23 - 1.52 (m, 13H), 0.86 - 0.98 (m, 3H).
【0269】
[実施例15]
N-(9-((2R,4S,5R)-5-エチニル-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-フルオロ-9H-プリン-6-イル)テトラデカンアミド
【0270】
【化40】
【0271】
ステップA: 9-((2R,4S,5R)-4-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-5-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-5-エチニルテトラヒドロフラン-2-イル)-2-フルオロ-9H-プリン-6-アミン。DMF(3.2mL)中の(2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-2-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-2-エチニルテトラヒドロフラン-3-オール(195mg、0.367mmol)及びイミダゾール(49.9mg、0.734mmol)の溶液に、TBS-Cl(71.9mg、0.477mmol)を周囲温度で添加し、次いで、混合物を約1時間撹拌した。LCMSは変化を示さなかった。DMAP(5mg、0.041mmol)を添加し、混合物を5日間撹拌した。LCMSは所望の生成物が形成していないことを示した。混合物をEtOAcで希釈し、水、次いでブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、白色の固体に濃縮した。残渣をDCM(4.0mL)に懸濁し、イミダゾール(49.9mg、0.734mmol)、DMAP(44.8mg、0.367mmol)、最後にTBS-Cl(71.9mg、0.477mmol)で順次に処理した。混合物を周囲温度で一晩撹拌した。LCMSは所望の生成物への約35%の変換を示した。反応混合物をEtOAcで希釈し、0.1N HCl、続いて飽和NaHCO
3水溶液、最後にブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲル(0〜30%EtOAc/DCM)で精製して、表題化合物(66mg、28%)を白色の固体として得た。LCMS (ESI) m/z C
34H
44FN
5O
3Si
2の計算値: 645.3. 実測値: 646.5 (M+1)
+.
【0272】
ステップB: N-(9-((2R,4S,5R)-4-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-5-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-5-エチニルテトラヒドロフラン-2-イル)-2-フルオロ-9H-プリン-6-イル)テトラデカンアミド。0℃のDCM(1.5mL)中の9-((2R,4S,5R)-4-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-5-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-5-エチニルテトラヒドロフラン-2-イル)-2-フルオロ-9H-プリン-6-アミン(66mg、0.102mmol)、TEA(0.028mL、0.204mmol)及びDMAP(12.48mg、0.102mmol)の溶液に、DCM(320uL)中のテトラデカノイルクロリド(0.033mL、0.123mmol)の溶液を添加し、混合物を周囲温度で一晩撹拌した。混合物を濃縮し、次いで、シリカゲル(0〜30%EtOAc/ヘキサン)で精製して、表題(38mg、44%)化合物を無色の残渣として得た。
【0273】
ステップC: N-(9-((2R,4S,5R)-5-エチニル-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-フルオロ-9H-プリン-6-イル)テトラデカンアミド。THF(0.6mL)中のN-(9-((2R,4S,5R)-4-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-5-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-5-エチニルテトラヒドロフラン-2-イル)-2-フルオロ-9H-プリン-6-イル)テトラデカンアミド(38mg、0.044mmol)の溶液に、TBAF、THF中1M溶液(0.111mL、0.111mmol)を添加し、混合物を周囲温度で30分間撹拌した。混合物を濃縮し、次いで、シリカゲル(0〜50%EtOAc/DCM)で精製して、表題化合物(12.5mg、56%)を白色の固体として得た。LCMS (ESI) m/z C
26H
38FN
5O
4の計算値: 503.3. 実測値: 504.4 (M+1)
+.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 10.97 (s, 1H), 8.62 (s, 1H), 6.35 (dd, J = 4.5, 7.4 Hz, 1H), 5.59 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 5.30 - 5.19 (m, 1H), 4.69 - 4.51 (m, 1H), 3.70 - 3.63 (m, 1H), 3.61 - 3.55 (m, 1H), 3.53 (s, 1H), 2.81 - 2.73 (m, 1H), 2.61 - 2.46 (m, 3H, 重なり合ったDMSOピーク), 1.67 - 1.53 (m, 2H), 1.38 - 1.16 (m, 20H), 0.94 - 0.79 (m, 3H).
【0274】
抗HIV活性
PSVアッセイ
偽型ウイルスアッセイ(PSV)を使用して、HIV阻害剤の効力を評価した。NL4-3プロウイルス[エンベロープのオープンリーディングフレーム(ORF)における変異、及びnef ORFの代わりにルシフェラーゼレポーター遺伝子を含有する]を含有するプラスミド、及び様々なHIV gp160エンベロープクローンについてのORFを含有するCMVプロモーター発現プラスミドの同時トランスフェクションによって、複製欠損ウイルスを生成した。採取したウイルスを少量のアリコートにおいて-80℃で保存し、ウイルスの力価を測定して、抗ウイルスアッセイのための頑強なシグナルを生成した。
【0275】
HIV侵入のための主要な受容体であるヒトCD4、並びに感染のための標的細胞としてHIV侵入に必要とされる共受容体であるヒトCXCR4若しくはヒトCCR5のいずれかを発現するように安定して形質転換されたU373細胞を使用することによって、PSVアッセイを実施した。目的分子(HIVの小分子阻害剤、HIVの中和抗体、HIVの抗体-薬物コンジュゲート阻害剤、HIVのペプチド阻害剤、及び様々な対照を含むが、これらに限定されない)を、組織培養培地に希釈し、段階希釈によって希釈して、濃度の用量範囲を生成することができ、これは実施例1について実施した。この用量範囲をU373細胞に適用し、事前に製造された偽型ウイルスを添加した。培養の3日後に生成されたルシフェラーゼシグナルの量を使用して、偽型ウイルス感染のレベルを反映した。IC
50、すなわち、阻害剤を含有しない感染からPSV感染を50%低減するのに必要とされる阻害剤の濃度を計算した。細胞毒性を測定するアッセイを並行して実施して、確実に、阻害剤について観察された抗ウイルス活性が、標的細胞の生存率の低減と識別可能であるようにした。IC
50値は、各化合物について3〜4倍段階希釈を使用した10点の用量反応曲線から決定し、これは、>1000倍の濃度範囲に及ぶ。
【0276】
これらの値は、標準の4パラメーターロジスティック方程式を使用して、モル化合物濃度に対してプロットされる:
【0277】
y=((Vmax*x^n)/(K^n+x^n))+Y2
[式中、
Y2=最小のy n=勾配係数
Vmax=最大のy x=化合物濃度[M]
K=EC
50]
【0278】
得られたデータを表3及び4に示す。
【0279】
【表4】
【0280】
【表5】
【0281】
抗ウイルス持続性アッセイ
PSVアッセイは、各化合物の抗ウイルス持続性を決定するように適合させた。このアッセイは、細胞において2日間活性を残存する、すなわち、化合物の除去から48時間後に、用量依存的に細胞のPSV感染を防止する各化合物の能力を評価する。U373細胞の二重のプレートを、37℃で6時間、小分子阻害剤の段階希釈で処理した。1×PBSで細胞を2回洗浄することによって、化合物を細胞から除去した。ベースライン群(すなわち、洗浄直後又は0時間)について、調製したPSVで細胞を感染させ、3日間培養した。実験群(48時間)について、培養培地を、洗浄した細胞に添加し、プレートを37℃で48時間インキュベートする。培養の2日後、調製したPSVを細胞に添加し、混合物を3日間培養した。培養後に生成されたルシフェラーゼシグナルの量を使用して、各化合物についてベースライン群(0時間)及び実験群(48時間)における偽型ウイルス感染のレベルを反映した。IC
50、すなわち、阻害剤を含有しない感染からPSV感染を50%低減するのに必要とされる阻害剤の濃度を計算した。48及び0時間で決定されたIC
50の比である持続性指数、及びEFdA[(2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-2-エチニル-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-3-オール]と比較した持続性指数の倍率変化を、表2に示す。
【0282】
データの統計分析及びグラフ化は、JMP 13.2.1(SAS Institute, Cary, NC)で実施した。4パラメーターロジスティックヒルモデル(four-parameter logistic Hill Model)を、それぞれの化合物、時点及び実行(run)について別々に、%阻害及びlog
10濃度値に適合させた。パイロット実験は、2つの独立した実験実行を含み、後のフォローアップ実験は4つの実行を含んだ。R
2に基づく品質管理基準、及び4つ全てのパラメーター推定値の95%信頼区間範囲を使用して、不十分な適合度の曲線を除外した。逆予測(inverse prediction)を使用して、50%阻害に対応するlog
10濃度(log
10IC50*)を得て、以下の式を使用して、それぞれの化合物及び実行について、log
10持続性指数を計算した: log
10持続性指数=log
10IC50*
48時間-log
10IC50*
0時間。次に、化合物についての固定効果及び実験実行についての変量効果を用いて、線形混合効果モデルをlog
10持続性指数値に適合させ、その後、陽性対照EFdAのlog
10持続性指数を他の試験化合物のlog
10持続性指数と比較する事後対比を行った。次いで、推定されたLS平均及び差を、10
推定値を介して元のスケールに逆変換し、持続性指数及び倍率変化としてそれぞれ報告した。未処理p値を報告した。代表的な実施例及びEFdAについての抗ウイルス持続性データを表5に示す。
【0283】
【表6】
【0284】
化合物11及び13(実施例11及び13)についてのラット薬物動態データ
単回筋肉内(IM)注射後の化合物11及び13の薬物動態を雄のWistar Hanラットにおいて評価した。試験化合物を2%P407、2%PEG3350、3.5%マンニトール配合物に10mg/mLの濃度で懸濁した。20mg/kgの単回用量の試験化合物を右腓腹筋に筋肉内注射した(2mL/kg)(n=3)。血液サンプルを外側尾静脈から以下の時点で収集した: 1日目[30分、1時間、3時間、5時間、7時間]、2〜5日目、7、10、14、17、21、24、28、31、35、38、42、45、49、52、56、59、63、66及び70日目など。試験化合物及びEFdAの濃度を評価するために、約150μLの血液をNaFL/Na2EDTA管に収集した。次いで、正確に150μLの血液を新たな管にピペッティングし、150μLの100mM酢酸アンモニウムpH4と混合し、(プロドラッグのいくつかは、安定剤として1.5μLのFAとの混合を必要とした)、ボルテックスし、ドライアイスで直ちに凍結し、分析まで-80℃で保存した。試験化合物及びEFdAの分析のために、凍結した血液サンプルを解凍し、200μLの内部標準溶液(アセトニトリル中20ng/mLのグリピジド(Glipizide))と混合し、750rpmで10分間ボルテックスし、6000rpmで10分間遠心分離した。次いで、上清をUPLC/MS-MS(Triple Quad(商標)6500+)によって分析した。非コンパートメント解析ツール、Pharsight Phoenix WinNonlin(登録商標)6.4ソフトウェアの非コンパートメントモデルを使用して、薬物動態パラメーターを評価した。結果を
図1及び2に示す。