特表2021-536494(P2021-536494A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-536494(P2021-536494A)
(43)【公表日】2021年12月27日
(54)【発明の名称】マグネシウム含有製剤及びその使用
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/205 20060101AFI20211129BHJP
   A61K 33/06 20060101ALI20211129BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20211129BHJP
   A61K 31/352 20060101ALI20211129BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20211129BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20211129BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20211129BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20211129BHJP
   A61K 31/522 20060101ALI20211129BHJP
   A61K 31/375 20060101ALI20211129BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20211129BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20211129BHJP
   A61P 3/06 20060101ALI20211129BHJP
   A23L 33/10 20160101ALI20211129BHJP
【FI】
   A61K31/205
   A61K33/06
   A61K45/00
   A61K31/352
   A61K9/08
   A61K9/48
   A61K47/26
   A61K47/12
   A61K31/522
   A61K31/375
   A61P1/16
   A61P43/00 121
   A61P3/06
   A23L33/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2021-513276(P2021-513276)
(86)(22)【出願日】2019年6月27日
(85)【翻訳文提出日】2021年4月20日
(86)【国際出願番号】IL2019050717
(87)【国際公開番号】WO2020049549
(87)【国際公開日】20200312
(31)【優先権主張番号】261670
(32)【優先日】2018年9月6日
(33)【優先権主張国】IL
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】521094078
【氏名又は名称】トゥドゥ ホールディングス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】ゼリンカー デイヴィッド
【テーマコード(参考)】
4B018
4C076
4C084
4C086
4C206
【Fターム(参考)】
4B018LB10
4B018MD03
4B018MD08
4B018MD09
4B018MD18
4B018MD19
4B018MD25
4B018ME14
4C076AA12
4C076AA53
4C076BB01
4C076CC09
4C076CC21
4C076CC24
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4C076DD67
4C076FF68
4C084AA22
4C084MA02
4C084MA17
4C084MA37
4C084MA52
4C084NA05
4C084NA14
4C084ZA751
4C084ZC212
4C084ZC75
4C086AA01
4C086AA02
4C086BA08
4C086BA18
4C086CB07
4C086HA04
4C086MA05
4C086MA10
4C086MA17
4C086MA37
4C086MA52
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZA75
4C086ZC21
4C086ZC75
4C206AA01
4C206AA02
4C206FA59
4C206MA05
4C206MA37
4C206MA57
4C206MA72
4C206NA05
4C206NA14
4C206ZA75
4C206ZC21
4C206ZC75
(57)【要約】
本発明は、そのいくつかの実施形態において栄養に関し、より詳細には、脂肪代謝に対する運動の効果を高めるマグネシウム及びL−カルニチンを含有する製剤であって、例えば、脂肪性肝疾患、慢性肝疾患、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、アルコール性肝疾患(ALD)、肝炎、線維症、肝硬変及び非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)等の肝臓疾患の治療に有用なマグネシウム及びL−カルニチンを含有する製剤に関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運動と組み合わせて肝臓疾患を治療することにおいて使用するための、マグネシウムの供給源と、L−カルニチンの供給源と、生理学的に許容できる担体とを含む製剤。
【請求項2】
抗酸化剤をさらに含む請求項1に記載の製剤。
【請求項3】
前記抗酸化剤がフラバノノール抗酸化剤である請求項2に記載の製剤。
【請求項4】
前記フラバノノール抗酸化剤がジヒドロケルセチン(DHQ)である請求項3に記載の製剤。
【請求項5】
前記マグネシウムの供給源が、乳酸マグネシウム又はクエン酸マグネシウムを含む請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項6】
前記L−カルニチンの供給源が、L−カルニチン酒石酸塩を含む請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項7】
運動と組み合わせて肝臓疾患を治療することにおいて使用するための、乳酸マグネシウムと、L−カルニチン−L−酒石酸塩と、生理学的に許容できる担体とを含む製剤。
【請求項8】
ジヒドロケルセチン(DHQ)である抗酸化剤をさらに含む請求項7に記載の製剤。
【請求項9】
前記生理学的に許容できる担体が水溶液である請求項8に記載の製剤。
【請求項10】
経口投与用に製剤化されている請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項11】
前記肝臓疾患が非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)である請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項12】
対象において、運動時に肝臓疾患を治療するか又は肝臓疾患の重症度を軽減することにおいて使用するための請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項13】
前記製剤が、運動前に前記対象に投与される請求項12に記載の製剤。
【請求項14】
前記肝臓疾患が、脂肪性肝疾患、肝炎、線維症又は肝硬変である請求項12に記載の製剤。
【請求項15】
前記脂肪性肝疾患が、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)又はアルコール性肝疾患(ALD)である請求項14に記載の製剤。
【請求項16】
前記NAFLDが非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)である請求項15に記載の製剤。
【請求項17】
前記製剤の投与が、運動の10分〜3時間前に行われる請求項16に記載の製剤。
【請求項18】
前記製剤の投与が、運動の約1時間前に行われる請求項16に記載の製剤。
【請求項19】
前記投与が1日1回行われる請求項11から請求項18のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項20】
前記投与が、10日間〜365日間の範囲の期間にわたって行われる請求項11から請求項19のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項21】
包装材と、前記包装材内に包装されたマグネシウムの供給源、L−カルニチンの供給源及び生理学的に許容できる担体とを含むキットであって、前記キットは、運動時に肝臓疾患を治療することにおいて使用するためのものであるキット。
【請求項22】
前記マグネシウムの供給源及び前記L−カルニチンの供給源が、前記包装材内に個別に包装されている請求項21に記載のキット。
【請求項23】
前記マグネシウムの供給源、前記L−カルニチンの供給源、及び前記担体のそれぞれが、前記包装材内に個別に包装されている請求項21に記載のキット。
【請求項24】
前記マグネシウムの供給源及び前記担体が前記包装材内に一緒に包装されており、前記キットが、前記L−カルニチンの供給源を前記マグネシウムの供給源及び前記担体と混合するための説明書をさらに含む請求項22に記載のキット。
【請求項25】
前記包装材内に包装された抗酸化剤をさらに含む請求項21から請求項24のいずれか1項に記載のキット。
【請求項26】
前記抗酸化剤がジヒドロケルセチン(DHQ)である請求項25に記載のキット。
【請求項27】
包装材と、前記包装材内に包装された請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の製剤とを含むキットであって、前記キットは、運動時に肝臓疾患を治療することにおいて使用するためのものであるキット。
【請求項28】
請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の製剤を含む栄養補助食品。
【請求項29】
運動と組み合わせて医薬として使用するための請求項28に記載の栄養補助食品。
【請求項30】
肝臓疾患の治療に使用するための請求項28又は請求項29に記載の栄養補助食品。
【請求項31】
カフェイン、ビタミン、ミネラル又はこれらのいずれかの組み合わせをさらに含む請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項32】
カフェイン、ビタミン、ミネラル又はこれらのいずれかの組み合わせをさらに含む請求項28に記載の栄養補助食品。
【請求項33】
カプセルに入れられている請求項10に記載の製剤。
【請求項34】
前記製剤が、対象に2つのカプセルを提供することにより投与される請求項33に記載の製剤。
【請求項35】
前記製剤が、パラチノース、クエン酸、カルニチン、クエン酸マグネシウム、ワイルドベリー香料、クランベリー香料、アスコルビン酸、スクラロース、ソルビン酸カリウム及び水をさらに含む請求項1に記載の製剤。
【請求項36】
前記製剤が、1用量あたり1gのパラチノース、1用量あたり0.2gのクエン酸、1用量あたり1.5gのカルニチンL、1用量あたり1.5gのクエン酸マグネシウム、1用量あたり0.1gのワイルドベリー香料、1用量あたり0.05gのクランベリー香料、1用量あたり0.01gのアスコルビン酸、1用量あたり0.012gのスクラロース、1用量あたり0.0225gのソルビン酸カリウム、及び1用量あたり10.6055gの水を含み、用量が15mlである請求項35に記載の製剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、そのいくつかの実施形態において栄養に関し、より詳細には、脂肪代謝に対する運動の効果を高めるマグネシウム及びL−カルニチンを含有する製剤であって、例えば、脂肪性肝疾患、慢性肝疾患、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、アルコール性肝疾患(ALD)、肝炎、線維症、肝硬変及び非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)等の肝臓疾患の治療に有用なマグネシウム及びL−カルニチンを含有する製剤に関する。
【背景技術】
【0002】
マグネシウムは、生物内に、特に哺乳動物に広く分布する天然元素であり、骨における濃度が最も大きい。
【0003】
マグネシウムの欠乏、又は低マグネシウム血症は、糖尿病及びメタボリックシンドロームの発生率、並びに冠動脈疾患(CAD)による死亡率の増加としばしば関連している。生物内でのマグネシウムの欠乏は、筋肉の異常な興奮、並びに痙攣、精神障害、カルシウムやカリウムの異常にも関連付けられてきた。
【0004】
現在、マグネシウムの1日あたりの栄養所要量は、31歳以上の男性で420mg/日、女性で320mg/日であり、妊娠中や身体の成長期にはさらに300mg/日が必要とされている。調査結果によると、米国では、かなりの数の成人がマグネシウムの1日の推奨量を摂取していない。
【0005】
カルニチン(ビタミンBt;3−ヒドロキシ−4−トリメチルアンモニオ−ブタノエート)は、アミノ酸のリジンとメチオニンから生合成される第四級アンモニウム化合物である。生細胞では、カルニチンは、代謝エネルギーを生成するために脂質を分解する際に、細胞質からミトコンドリアへ脂肪酸を輸送するのに必要である。
【0006】
カルニチンには2つの立体異性体が存在する。生物学的に活性な形態はL−カルニチンであり、そのエナンチオマーであるD−カルニチンは生物学的に不活性である。
【0007】
L−カルニチンは、ヒトにとっては、長鎖脂肪酸がミトコンドリアの内膜を通過してマトリックスに運ばれ、そこで分解されてエネルギーが生産される(β酸化)ための必須の補酵素である。
【0008】
L−カルニチン−L−酒石酸塩は、L−カルニチン塩基と酒石酸との塩で、式(C16NO.Cで表される。これは結晶性の粉末で、融点は169〜175℃であり、約68%のL−カルニチンと約32%のL−酒石酸とからなる。L−カルニチン−L−酒石酸塩は、分子量が472.5g/molで、CAS登録番号は36687−82−8である。その化合物名は3−カルボキシ−2−ヒドロキシ−N,N,N−トリメチル−(2R)−1−プロパンアミニウムと(2R,3R)−2,3−ジヒドロキシブタン二酸との2:1の塩である。
【0009】
その構造式は下記のとおりである。
【化1】
【0010】
L−カルニチンを含む製品は、運動パフォーマンスを向上させると報告されている。これらの報告は、L−カルニチンが、脂肪からのエネルギー生産、運動持久力の確保、運動後の回復促進、心臓や免疫細胞へのエネルギー供給、及び運動時の早期疲労の防止のために、体内で必須の役割を果たしていることを示した研究に関する。
【0011】
脂肪性肝疾患は、トリグリセリド脂肪の大きな空胞が肝細胞に蓄積する可逆的な病態である。この疾患の原因は複数あるが、主にアルコール又は薬物若しくは毒物の過剰摂取と、肥満やインスリン抵抗性と、及び脂肪代謝に影響を与えるその他の状態と関連する。非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)は、脂肪性肝疾患の一つで、アルコールの過剰摂取以外の原因で肝臓に脂肪が沈着して(脂肪肝)発症する。非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)は、NAFLDの中でも最も症状が重く、進行が速いサブタイプである。アルコール性肝疾患(ALD)は、脂肪肝、アルコール性肝炎、並びに肝線維症及び肝硬変を伴う慢性肝炎等、アルコールの過剰摂取に関連する肝臓の症状を包括する。肝炎は肝組織の炎症を含み、線維症は臓器、例えば肝臓に過剰な線維症結合組織が形成されることを含み、肝硬変は正常な肝組織が瘢痕組織に置き換わることを特徴とする長期間の損傷により肝臓が正常に機能しない状態である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
様々な肝臓疾患を治療するための改良された製剤であって、その製剤の効果が運動時に増強されるものを求めて、マグネシウムの供給源とL−カルニチンの供給源とを組み合わせた新規な製剤を調製した。
【0013】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、マグネシウムの供給源と、L−カルニチンの供給源と、生理学的に許容できる担体とを含む製剤が提供される。
【0014】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、マグネシウムの供給源と、L−カルニチンの供給源と、ジヒドロケルセチン(DHQ)と、生理学的に許容できる担体とを含む製剤が提供される。
【0015】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、乳酸マグネシウムと、L−カルニチン−L−酒石酸塩と、水溶液とを含む製剤が提供される。
【0016】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、包装材と、この包装材内に包装されたマグネシウムの供給源、L−カルニチンの供給源及び生理学的に許容できる担体とを含むキットであって、脂肪性肝疾患、慢性肝疾患、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、アルコール性肝疾患(ALD)、肝炎、線維症、肝硬変及び非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)等の肝臓疾患の治療に適応されるキットが提供される。
【0017】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、包装材と、この包装材内に包装された本明細書に記載される製剤とを含むキットであって、脂肪性肝疾患、慢性肝疾患、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、アルコール性肝疾患(ALD)、肝炎、線維症、肝硬変及び非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)等の肝臓疾患の治療に適応されるキットが提供される。
【0018】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、本明細書に記載される製剤を含む栄養補助食品が提供される。
【0019】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、栄養補助食品の製造における本明細書に記載される製剤の使用が提供される。
【0020】
いくつかの実施形態によれば、当該製剤は、抗酸化剤をさらに含む。
【0021】
いくつかの実施形態によれば、抗酸化剤は、ジヒドロケルセチン(DHQ)である。
【0022】
いくつかの実施形態によれば、マグネシウムの供給源は、乳酸マグネシウムを含む。
【0023】
いくつかの実施形態によれば、L−カルニチンの供給源は、L−カルニチン酒石酸塩を含む。
【0024】
いくつかの実施形態によれば、当該製剤は液体の形態にある。
【0025】
いくつかの実施形態によれば、上記担体は水溶液である。
【0026】
いくつかの実施形態によれば、当該製剤は経口投与用に製剤化されている。
【0027】
いくつかの実施形態によれば、当該製剤は、運動と組み合わせて使用するために適応される。
【0028】
いくつかの実施形態によれば、当該製剤は、運動を行う約10分〜約3時間前に投与される。
【0029】
いくつかの実施形態によれば、当該製剤は、運動を行う約1時間前に投与される。
【0030】
いくつかの実施形態によれば、当該製剤は1日1回投与される。
【0031】
いくつかの実施形態によれば、当該製剤は、約10日〜約200日の範囲の期間、投与される。
【0032】
いくつかの実施形態によれば、マグネシウムの供給源及びL−カルニチンの供給源は、包装材内に個別に包装されている。
【0033】
いくつかの実施形態によれば、マグネシウムの供給源、L−カルニチンの供給源、及び担体のそれぞれは、包装材内に個別に包装されている。
【0034】
いくつかの実施形態によれば、マグネシウムの供給源及び担体は、包装材内に一緒に包装されており、当該キットは、L−カルニチンの供給源をマグネシウムの供給源及び担体と混合するための説明書をさらに含む。
【0035】
いくつかの実施形態によれば、当該キットは、包装材内に包装された抗酸化剤をさらに含む。
【0036】
いくつかの実施形態によれば、抗酸化剤は、ジヒドロケルセチン(DHQ)である。
【0037】
いくつかの実施形態によれば、当該キットは、運動と組み合わせて使用するために適応される。
【0038】
いくつかの実施形態によれば、当該キットは、脂肪性肝疾患、慢性肝疾患、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、アルコール性肝疾患(ALD)、肝炎、線維症、肝硬変及び非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)等の肝臓疾患を治療するために適応される。
【0039】
いくつかの実施形態によれば、当該栄養補助食品は、運動と組み合わせて使用するために適応される。
【0040】
いくつかの実施形態によれば、当該栄養補助食品は、脂肪性肝疾患、慢性肝疾患、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、アルコール性肝疾患(ALD)、肝炎、線維症、肝硬変及び非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)等の肝臓疾患の治療に適応される。
【0041】
本発明のいくつかの実施形態は、上記慢性肝疾患、脂肪性肝疾患、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、アルコール性肝疾患(ALD)、肝炎、線維症、肝硬変若しくはNASHを治療するか又はこれらの重症度を軽減する方法であって、必要とする対象に本発明の製剤を投与する工程を備える方法に向けられる。いくつかの実施形態によれば、当該製剤は、運動前に投与される。
【0042】
特に定義されていない限り、本明細書で使用されているすべての技術用語及び/又は科学用語は、本発明が関連する技術分野の当業者によって一般的に理解されているものと同じ意味を持つ。本明細書に記載されているものと同様又は同等の方法及び材料が、本発明の実施形態の実施又は試験において使用することができるが、例示的な方法及び/又は材料を以下に記載する。矛盾がある場合は、定義を含む特許明細書が優先される。また、材料、方法、及び例は例示に過ぎず、必ずしも限定的であることを意図していない。
【発明を実施するための形態】
【0043】
本発明は、そのいくつかの実施形態において栄養に関し、より詳細には、例えば、脂肪性肝疾患、慢性肝疾患、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、アルコール性肝疾患(ALD)、肝炎、線維症、肝硬変及び非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)等の肝臓疾患を治療するために有用であるマグネシウム及びL−カルニチンを含有する製剤に関するが、これらだけに関するわけではない。
【0044】
本発明は、その適用において、以下の説明に記載された詳細又は実施例によって例示された内容に必ずしも限定されないことを理解されたい。本発明は、本明細書に記載されているか否かに関わらず、他の実施形態を含んでよく、かつ/又は様々な方法で実施又は遂行されてもよい。
【0045】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、マグネシウムの供給源と、L−カルニチンの供給源と、生理学的に許容できる担体とを含む製剤が提供される。本明細書中では、「マグネシウム」は、別のことが示されている場合を除き、マグネシウムイオンMg2+を指す。
【0046】
以下、「生理学的に許容できる担体」との用語は、生物に著しい刺激を与えず、かつ投与された化合物の生物学的な活性及び特性を損なわない担体又は希釈剤を指す。担体の例としては、限定されないが、プロピレングリコール、生理食塩水、エマルション、有機溶剤と水との混合物、並びに固体(例えば、粉末)及び気体の担体が挙げられる。
【0047】
いくつかの実施形態では、当該製剤は、抗酸化剤をさらに含む。
【0048】
いくつかの実施形態では、抗酸化剤はフラボノイドを含む。いくつかの実施形態では、このフラボノイドは、フラバノノール、すなわち、2,3−ジヒドロフラボノール骨格を含むフラボノイドを含む。抗酸化フラバノノールの例としては、例えば、ジヒドロケルセチン(DHQ)及びジヒドロケンフェロールが挙げられる。DHQは、例示的な抗酸化物質である。
【0049】
抗酸化剤は、キラル化合物又はアキラル化合物であってもよい。抗酸化剤がキラルである(例えば、DHQ)いくつかの実施形態では、その化合物は、その化合物のキラルな形態のいずれか、又はそれらの任意の混合物(例えば、ラセミ体)を含んでもよい。例えば、DHQは、(2R,3R)−DHQ、(2S,3S)−DHQ、(2R,3S)−DHQ、及び/又は(2S,3R)−DHQを含んでもよい。いくつかの実施形態では、DHQは、(2R,3R)−DHQである。
【0050】
従って、本発明のいくつかの実施形態によれば、マグネシウムの供給源と、L−カルニチンの供給源と、抗酸化剤と、生理学的に許容できる担体とを含む製剤が提供される。
【0051】
本発明のいくつかの実施形態によれば、マグネシウムの供給源と、L−カルニチンの供給源と、フラバノノール抗酸化剤と、生理学的に許容できる担体とを含む製剤が提供される。
【0052】
本発明のいくつかの実施形態によれば、マグネシウムの供給源と、L−カルニチンの供給源と、ジヒドロケルセチン(DHQ)(例えば、(2R,3R)−DHQ)と、生理学的に許容できる担体とを含む製剤が提供される。
【0053】
本明細書中、「マグネシウムの供給源」という表現は、物理的媒体中にマグネシウム(例えば、マグネシウムイオン)を生成する化合物、塩、複合体、及び組成物を包含し、例えば、マグネシウムの塩及び複合体、並びにマグネシウム(例えば、マグネシウムイオン)を含む混合物(例えば、溶液、懸濁液)を含む。
【0054】
いくつかの実施形態では、マグネシウムの供給源は、マグネシウムの薬学的に許容できる塩である。
【0055】
本明細書で一般的に使用される場合、「薬学的に許容できる塩」という語句は、親化合物(例えば、Mg2+、L−カルニチン)の荷電種及びその対イオン(複数可)を指す。対イオンは、通常、投与される化合物の生物学的活性及び特性を損なうことがないままで、親化合物の溶解性を変更するため、及び/又は、塩により生物への著しい刺激を軽減するために選択される。薬学的に許容できる塩におけるカチオン(例えば、マグネシウム、L−カルニチン)の対イオン(例えば、アニオン)の例としては、酢酸アニオン及び乳酸アニオン(例えば、1価のアニオンとして)、酒石酸アニオン(例えば、2価のアニオンとして)等(これらに限定されない)のカルボン酸アニオンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。薬学的に許容できる塩のアニオンに対する対イオン(例えば、カチオン)の例としては、限定されないが、アンモニウム、ナトリウム、及びカリウムが挙げられる。
【0056】
マグネシウム(Mg2+)等の2価のイオンの対イオンは、例えば、マグネシウムと2:1のアニオン:マグネシウムのモル比で結合してもよい1種以上の1価のアニオン、マグネシウムと1:1のアニオン:マグネシウムのモル比で結合してもよい1種以上の2価のアニオン、及びマグネシウムと2:3のアニオン:マグネシウムのモル比で結合してもよい3価のアニオンを含んでもよい。加えて、1価のアニオン、2価のアニオン、3価のアニオンの組み合わせを使用してもよい。
【0057】
いくつかの実施形態では、マグネシウムの対イオンは、1価のアニオン(1種以上の1価のアニオン)及び/又は2価のアニオン(1種以上の2価のアニオン)からなる。
【0058】
いくつかの実施形態では、マグネシウムの対イオンは、1価のアニオン(1種又は複数種の1価のアニオン)である。
【0059】
特定の理論に拘束されることなく、比較的低い原子価を特徴とするアニオン(すなわち、2価のアニオン及び1価のアニオン)、とりわけ1価のアニオンを有するマグネシウム塩は、マグネシウムの溶解を促進し、それによって、例えば、マグネシウムのバイオアベイラビリティ、製剤化の容易さ、及び/又は製剤の投与の容易さを高めると考えられる。
【0060】
いくつかの実施形態では、マグネシウムの塩は、乳酸マグネシウムを含む。いくつかの実施形態では、この乳酸塩はL−乳酸塩を含む。いくつかの実施形態では、この乳酸塩はD−乳酸塩を含む。いくつかの実施形態では、上記乳酸塩はラセミの乳酸塩を含む。
【0061】
特定の理論に拘束されることなく、乳酸マグネシウムは、非常に水溶性の塩であること、及び乳酸塩は、運動を行う前に投与された場合、身体の重要なエネルギー源としてさらに役立つことができることから、乳酸マグネシウムはマグネシウムの非常に適切な供給源であると考えられる。
【0062】
いくつかの実施形態では、当該製剤は、マグネシウムの供給源として乳酸マグネシウム(例えば、マグネシウムイオンと乳酸)を含む。
【0063】
本明細書中で、「L−カルニチンの供給源」という表現は、純粋なL−カルニチン、並びに生理的媒体中でL−カルニチンを生成する塩、複合体、化合物又は組成物、及びL−カルニチンを含む混合物(例えば、溶液、懸濁液)を包含する。
【0064】
いくつかの実施形態では、L−カルニチンの供給源は、双性イオン性L−カルニチン、すなわち、正の電荷(例えば、アンモニウムカチオン)と等しい負の電荷(例えば、カルボキシレートアニオン)を含むL−カルニチンを含む。
【0065】
いくつかの実施形態では、上記供給源は、純粋な(例えば、双性イオンの)L−カルニチンを含む。
【0066】
いくつかの実施形態では、上記供給源は、L−カルニチンの薬学的に許容できる塩を含む。
【0067】
いくつかの実施形態では、L−カルニチンの薬学的に許容できる塩は、双性イオンのL−カルニチン、正に帯電した対イオン(例えば、本明細書に記載されるカチオン)、及び負に帯電した対イオン(例えば、本明細書に記載されるアニオン)を含む。
【0068】
いくつかの実施形態では、L−カルニチンの薬学的に許容できる塩は、正に荷電したL−カルニチン(例えば、カチオン性アンモニウム基及び中性カルボン酸基を含む)及び1種以上の負に荷電した対イオン(例えば、本明細書に記載されるアニオン)を含む。
【0069】
正に帯電したL−カルニチンの対イオンは、例えば、L−カルニチンと1:1のアニオン:L−カルニチンのモル比で結合してもよい1種以上の1価のアニオン、L−カルニチンと1:2のアニオン:L−カルニチンのモル比で結合してもよい1種以上の2価のアニオン、L−カルニチンと1:3のアニオン:L−カルニチンのモル比で結合してもよい1種以上の3価のアニオンを含んでもよい。加えて、1価のアニオン、2価のアニオン、3価のアニオンの組み合わせを使用してもよい。
【0070】
いくつかの実施形態では、L−カルニチンの対イオンは、1価のアニオン(1種以上の1価のアニオン)及び/又は2価のアニオン(1種以上の2価のアニオン)からなる。
【0071】
酒石酸アニオン(タルトレート)は、例示的な2価のアニオンである。
【0072】
いくつかの実施形態では、上記酒石酸アニオンは、D−酒石酸アニオンを含む。いくつかの実施形態では、酒石酸アニオンは、メソ酒石酸アニオンを含む。いくつかの実施形態では、酒石酸アニオンは、ラセミ酒石酸アニオン(L−酒石酸アニオン及びD−酒石酸アニオン)を含む。例示的な実施形態では、酒石酸アニオンはL−酒石酸アニオンを含む。
【0073】
いくつかの実施形態では、L−カルニチンの対イオンは、1価のアニオン(1種又は複数種の1価のアニオン)である。
【0074】
特定の理論に拘束されることなく、比較的低い原子価を特徴とするアニオン(すなわち、2価のアニオン及び1価のアニオン)を有するL−カルニチン塩は、L−カルニチン塩がマグネシウムと接触したときに、マグネシウムの溶解を妨げることを回避するのに役立つと考えられている。
【0075】
マグネシウム及び/又はL−カルニチンの対イオンは、キラル又はアキラルであってもよい。いくつかの実施形態では、化合物又はイオンがキラルである場合(例えば、乳酸アニオン、酒石酸アニオン)、化合物は、その化合物若しくはイオンのキラルな形態のいずれか、又はそれらの混合物(例えば、ラセミ体)を含んでいてもよい。
【0076】
いくつかの実施形態では、当該製剤は液体の形態にあり、例えば、上記生理学的に許容できる担体が液体である製剤である。例示的な実施形態では、生理学的に許容できる担体は水溶液である。
【0077】
本明細書中で、「水溶液」という用語は、純水(これにマグネシウムの供給源及びL−カルニチンの供給源が添加される)、並びに溶質(例えば、マグネシウム及びL−カルニチン以外の溶質)を含む水を包含する。
【0078】
いくつかの実施形態では、水溶液は、担体(例えば、水)及び当該製剤の少なくとも1つの他の成分(例えば、マグネシウム、L−カルニチン、又は抗酸化剤)の両方を含む。従って、そのような実施形態では、水溶液は、本明細書に記載されるマグネシウムの供給源又はL−カルニチンの供給源であってもよい。
【0079】
そのような溶液の例は、マグネシウム強化(富化)水であり、これは、任意に、担体及びマグネシウムの供給源の両方として機能してもよい。当該製剤に使用するのに適したマグネシウム強化水は、例えば、国際特許出願PCT/IL2010/000843(国際公開第2011/045795号パンフレットとして公開)に記載されているように調製されてもよい。
【0080】
いくつかの実施形態では、液体形態の製剤(例えば、本明細書に記載されるもの)の中のマグネシウムの濃度は、約120mg/l〜約3000mg/lの範囲である。いくつかの実施形態では、マグネシウムの濃度は約200mg/l〜約2000mg/lの範囲である。いくつかの実施形態では、マグネシウムの濃度は約300mg/l〜約1200mg/lの範囲である。いくつかの実施形態では、マグネシウムの濃度は約400mg/l〜800mg/lの範囲である。例示的な実施形態では、マグネシウムの濃度は約600mg/lである。いくつかの実施形態では、マグネシウムの濃度は約120mg/l〜約300mg/lの範囲である。いくつかの実施形態では、マグネシウムの濃度は約300mg/l〜約600mg/lの範囲である。いくつかの実施形態では、マグネシウムの濃度は約600mg/l〜約900mg/lの範囲である。いくつかの実施形態では、マグネシウムの濃度は約900mg/l〜約1200mg/lの範囲である。いくつかの実施形態では、マグネシウムの濃度は約1200mg/l〜約1500mg/lの範囲である。いくつかの実施形態では、マグネシウムの濃度は約1500mg/l〜約1800mg/lの範囲である。いくつかの実施形態では、マグネシウムの濃度は約1800mg/l〜約2000mg/lの範囲である。
【0081】
いくつかの実施形態では、液体形態の製剤(例えば、本明細書に記載されるもの)の中のL−カルニチンの濃度は、約1360mg/l〜約10880mg/lの範囲である。いくつかの実施形態では、L−カルニチンの濃度は約2720mg/l〜約10880mg/lの範囲である。いくつかの実施形態では、L−カルニチンの濃度は約2720mg/l〜約8160mg/lの範囲である。いくつかの実施形態では、L−カルニチンの濃度は約4080mg/l〜約6800mg/lの範囲である。例示的な実施形態では、L−カルニチンの濃度は約5440mg/lである。いくつかの実施形態では、L−カルニチンの濃度は約1360mg/l〜約2720mg/lの範囲である。いくつかの実施形態では、L−カルニチンの濃度は約2720mg/l〜約4080mg/lの範囲である。いくつかの実施形態では、L−カルニチンの濃度は約4080mg/l〜約5440mg/lの範囲である。いくつかの実施形態では、L−カルニチンの濃度は約5440mg/l〜約6800mg/lの範囲である。いくつかの実施形態では、L−カルニチンの濃度は約6800mg/l〜約8160mg/lの範囲である。いくつかの実施形態では、L−カルニチンの濃度は約8160mg/l〜約9520mg/lの範囲である。いくつかの実施形態では、L−カルニチンの濃度は約9520mg/l〜約10880mg/lの範囲である。
【0082】
いくつかの実施形態では、液体形態の製剤(例えば、本明細書に記載されるもの)の中のL−カルニチン−L−酒石酸塩の濃度は、約2000mg/l〜約16000mg/lの範囲である。いくつかの実施形態では、L−カルニチン−L−酒石酸塩の濃度は約4000mg/l〜約16000mg/lの範囲である。いくつかの実施形態では、L−カルニチン−L−酒石酸塩の濃度は約4000mg/l〜約12000mg/lの範囲である。いくつかの実施形態では、L−カルニチン−L−酒石酸塩の濃度は約6000mg/l〜約10000mg/lの範囲である。例示的な実施形態では、L−カルニチン−L−酒石酸塩の濃度は約8000mg/lである。いくつかの実施形態では、L−カルニチン−L−酒石酸塩の濃度は約2000mg/l〜約4000mg/lの範囲である。いくつかの実施形態では、L−カルニチン−L−酒石酸塩の濃度は約4000mg/l〜約6000mg/lの範囲である。いくつかの実施形態では、L−カルニチン−L−酒石酸塩の濃度は約6000mg/l〜約8000mg/lの範囲である。いくつかの実施形態では、L−カルニチン−L−酒石酸塩の濃度は約8000mg/l〜約10000mg/lの範囲である。いくつかの実施形態では、L−カルニチン−L−酒石酸塩の濃度は約10000mg/l〜約12000mg/lの範囲である。
【0083】
当業者は、本明細書に記載されるような、1回の用量/提供物あたりのマグネシウム及びL−カルニチンの適切な量を与えるマグネシウムの供給源及び/又はL−カルニチンの供給源の量を容易に選択することができるであろう。
【0084】
いくつかの実施形態によれば、当該製剤中のマグネシウムの供給源は、約150mg/lのマグネシウムを含む。いくつかの実施形態によれば、当該製剤中のマグネシウムの供給源は、約100〜110mg/lのマグネシウムを含む。いくつかの実施形態によれば、当該製剤中のマグネシウムの供給源は、約110〜120mg/lのマグネシウムを含む。いくつかの実施形態によれば、当該製剤中のマグネシウムの供給源は、約120〜130mg/lのマグネシウムを含む。いくつかの実施形態によれば、当該製剤中のマグネシウムの供給源は、約130〜140mg/lのマグネシウムを含む。いくつかの実施形態によれば、当該製剤中のマグネシウムの供給源は、約140〜150mg/lのマグネシウムを含む。いくつかの実施形態によれば、当該製剤中のマグネシウムの供給源は、約150〜160mg/lのマグネシウムを含む。いくつかの実施形態によれば、当該製剤中のマグネシウムの供給源は、約160〜170mg/lのマグネシウムを含む。いくつかの実施形態によれば、当該製剤中のマグネシウムの供給源は、約170〜180mg/lのマグネシウムを含む。いくつかの実施形態によれば、当該製剤中のマグネシウムの供給源は、約180〜190mg/lのマグネシウムを含む。いくつかの実施形態によれば、当該製剤中のマグネシウムの供給源は、約190〜200mg/lのマグネシウムを含む。
【0085】
いくつかの実施形態によれば、マグネシウムの供給源の約10%w/wがマグネシウムである。いくつかの実施形態によれば、マグネシウムの供給源の約5〜15%w/wがマグネシウムである。
【0086】
いくつかの実施形態によれば、マグネシウムの供給源は乳酸マグネシウム又はクエン酸マグネシウムである。
【0087】
いくつかの実施形態によれば、当該製剤の用量あたりのマグネシウムの供給源の量は約1500mgである。いくつかの実施形態によれば、当該製剤の用量あたりのマグネシウムの供給源の量は約1000〜1250mgである。いくつかの実施形態によれば、当該製剤の用量あたりのマグネシウムの供給源の量は約1250〜1500mgである。いくつかの実施形態によれば、当該製剤の用量あたりのマグネシウムの供給源の量は約1500〜1750mgである。いくつかの実施形態によれば、当該製剤の用量あたりのマグネシウムの供給源の量は約1750〜2000mgである。
【0088】
いくつかの実施形態によれば、当該製剤の用量あたりのマグネシウムの供給源の量は約3〜1500mgである。いくつかの実施形態によれば、当該製剤の用量あたりのマグネシウムの供給源の量は約3〜10mgである。いくつかの実施形態によれば、当該製剤の用量あたりのマグネシウムの供給源の量は約10〜50mgである。いくつかの実施形態によれば、当該製剤の用量あたりのマグネシウムの供給源の量は約50〜100mgである。いくつかの実施形態によれば、当該製剤の用量あたりのマグネシウムの供給源の量は約100〜200mgである。いくつかの実施形態によれば、当該製剤の用量あたりのマグネシウムの供給源の量は約200〜300mgである。いくつかの実施形態によれば、当該製剤の用量あたりのマグネシウムの供給源の量は約300〜400mgである。いくつかの実施形態によれば、当該製剤の用量あたりのマグネシウムの供給源の量は約400〜500mgである。いくつかの実施形態によれば、当該製剤の用量あたりのマグネシウムの供給源の量は約500〜600mgである。いくつかの実施形態によれば、当該製剤の用量あたりのマグネシウムの供給源の量は約600〜700mgである。いくつかの実施形態によれば、当該製剤の用量あたりのマグネシウムの供給源の量は約700〜800mgである。いくつかの実施形態によれば、当該製剤の用量あたりのマグネシウムの供給源の量は約800〜900mgである。いくつかの実施形態によれば、当該製剤の用量あたりのマグネシウムの供給源の量は約900〜1000mgである。いくつかの実施形態によれば、当該製剤の用量あたりのマグネシウムの供給源の量は約1000〜1100mgである。いくつかの実施形態によれば、当該製剤の用量あたりのマグネシウムの供給源の量は約1100〜1200mgである。いくつかの実施形態によれば、当該製剤の用量あたりのマグネシウムの供給源の量は約1200〜1300mgである。いくつかの実施形態によれば、当該製剤の用量あたりのマグネシウムの供給源の量は約1300〜1400mgである。いくつかの実施形態によれば、当該製剤の用量あたりのマグネシウムの供給源の量は約1400〜1500mgである。
【0089】
いくつかの実施形態によれば、当該製剤の用量あたりのL−カルニチンの供給源の量は約100〜2500mgである。いくつかの実施形態によれば、当該製剤の用量あたりのL−カルニチンの供給源の量は約100〜200mgである。いくつかの実施形態によれば、当該製剤の用量あたりのL−カルニチンの供給源の量は約200〜300mgである。いくつかの実施形態によれば、当該製剤の用量あたりのL−カルニチンの供給源の量は約300〜400mgである。いくつかの実施形態によれば、当該製剤の用量あたりのL−カルニチンの供給源の量は約400〜500mgである。いくつかの実施形態によれば、当該製剤の用量あたりのL−カルニチンの供給源の量は約500〜750mgである。いくつかの実施形態によれば、当該製剤の用量あたりのL−カルニチンの供給源の量は約750〜1000mgである。いくつかの実施形態によれば、当該製剤の用量あたりのL−カルニチンの供給源の量は約1000〜1250mgである。いくつかの実施形態によれば、当該製剤の用量あたりのL−カルニチンの供給源の量は約1250〜1500mgである。いくつかの実施形態によれば、当該製剤の用量あたりのL−カルニチンの供給源の量は約1500〜1750mgである。いくつかの実施形態によれば、当該製剤の用量あたりのL−カルニチンの供給源の量は約1750〜2000mgである。いくつかの実施形態によれば、当該製剤の用量あたりのL−カルニチンの供給源の量は約2000〜2250mgである。いくつかの実施形態によれば、当該製剤の用量あたりのL−カルニチンの供給源の量は約2250〜2500mgである。
【0090】
いくつかの実施形態によれば、当該製剤の用量あたりのマグネシウムの供給源の量は約1500mgであり、当該製剤の用量あたりの遊離マグネシウムの量は約150mgである。いくつかの実施形態によれば、当該製剤の用量あたりのマグネシウムの供給源の量は約1000〜1250mgであり、当該製剤の用量あたりの遊離マグネシウムの量は約100〜125mgである。いくつかの実施形態によれば、当該製剤の用量あたりのマグネシウムの供給源の量は約1250〜1500mgであり、当該製剤の用量あたりの遊離マグネシウムの量は約125〜150mgである。いくつかの実施形態によれば、当該製剤の用量あたりのマグネシウムの供給源の量は約1500〜1750mgであり、当該製剤の用量あたりの遊離マグネシウムの量は約150〜175mgである。いくつかの実施形態によれば、当該製剤の用量あたりのマグネシウムの供給源の量は約1750〜2000mgであり、当該製剤の用量あたりの遊離マグネシウムの量は約175〜200mgである。
【0091】
いくつかの実施形態によれば、当該製剤の中のマグネシウムの供給源の量は約1500mgであり、遊離マグネシウムの量は約150mgであり、L−カルニチンの供給源の量は約1500〜2000mgである。
【0092】
いくつかの実施形態では、液体形態の当該製剤(例えば、本明細書に記載されるもの)の中のDHQの濃度は約20mg/l〜約600mg/lの範囲である。いくつかの実施形態では、DHQの濃度は約40mg/l〜約300mg/lの範囲である。いくつかの実施形態では、DHQの濃度は約60mg/l〜約200mg/lの範囲である。例示的な実施形態では、DHQの濃度は約60mg/lである。いくつかの実施形態では、DHQの濃度は約20mg/l〜約40mg/lの範囲である。いくつかの実施形態では、DHQの濃度は約40mg/l〜約60mg/lの範囲である。いくつかの実施形態では、DHQの濃度は約60mg/l〜約80mg/lの範囲である。いくつかの実施形態では、DHQの濃度は約80mg/l〜約100mg/lの範囲である。いくつかの実施形態では、DHQの濃度は約100mg/l〜約120mg/lの範囲である。いくつかの実施形態では、DHQの濃度は約120mg/l〜約140mg/lの範囲である。いくつかの実施形態では、DHQの濃度は約140mg/l〜約160mg/lの範囲である。いくつかの実施形態では、DHQの濃度は約160mg/l〜約180mg/lの範囲である。いくつかの実施形態では、DHQの濃度は約180mg/l〜約200mg/lの範囲である。いくつかの実施形態では、DHQの濃度は約200mg/l〜約220mg/lの範囲である。いくつかの実施形態では、DHQの濃度は約220mg/l〜約240mg/lの範囲である。いくつかの実施形態では、DHQの濃度は約240mg/l〜約260mg/lの範囲である。いくつかの実施形態では、DHQの濃度は約260mg/l〜約280mg/lの範囲である。いくつかの実施形態では、DHQの濃度は約280mg/l〜約300mg/lの範囲である。
【0093】
本発明のいくつかの実施形態に係る例示的な製剤が、以下の例1に示されている。
【0094】
従って、本発明のいくつかの実施形態に係る一般的な製剤は、例えば約150mgのマグネシウムを放出するマグネシウムの供給源と、例えば約2000mgのL−カルニチンの供給源を含むL−カルニチンの供給源と、水と、任意に、例えば15〜50mgの量のジヒドロケルセチンとを含む。
【0095】
例示的な製剤は、1,500mgの乳酸マグネシウム(約150mgのマグネシウム及び1,350mgの乳酸)と、2000mgのL−カルニチン−L−酒石酸塩(約1360mgのL−カルニチン)と、15mgのDHQと、水とを含み、250mlの製剤を完成させる。
【0096】
従って、本発明のいくつかの実施形態に係る一般的な製剤は、例えば約150mgのマグネシウムを放出するマグネシウムの供給源と、例えば約1500〜2000mgのL−カルニチンの供給源を含むL−カルニチンの供給源と、水と、任意に、例えば15〜50mgの量のジヒドロケルセチン(DHQ)とを含む。
【0097】
他の製剤は、マグネシウムの他の供給源(例えば、マグネシウム強化水の形態で)と、L−カルニチンの他の供給源(例えば、遊離塩基L−カルニチンの純粋な結晶形態、L−カルニチンのHCl塩等)と、他の量のマグネシウムの供給源と、他の量のL−カルニチンの供給源と、他の抗酸化剤と、他の量(含まれないことも含めて)のDHQ又は任意の他の抗酸化剤とを含んでもよい。
【0098】
本明細書に記載される製剤は、栄養補助食品の形態で使用するために提供されてもよい。
【0099】
従って、本発明の実施形態の別の態様によれば、栄養補助食品の製造における本明細書に記載される製剤の使用が提供される。いくつかの実施形態では、当該栄養補助食品は、(例えば、本明細書に記載されているように)運動と組み合わせて使用するためのものである。
【0100】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、本明細書に記載される製剤を含む栄養補助食品が提供される。いくつかの実施形態では、栄養補助食品は、(例えば、本明細書に記載されているように)運動と組み合わせて使用するためのものである。
【0101】
いくつかの実施形態では、当該栄養補助食品は、本明細書に記載されるマグネシウム、L−カルニチン及び任意の抗酸化剤に加えて、1種以上のさらなる栄養素を含む。好適な栄養素の例としては、必須ミネラル(例えば、カルシウム、鉄、カリウム、ナトリウム)、ビタミン(例えば、ビタミンA、B、B、B、B、B12、C、D、E及び/又はK)、及びアミノ酸(例えば、20種の標準的なアミノ酸のうちのいずれか、9種の必須アミノ酸のうちのいずれか)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0102】
いくつかの実施形態では、当該栄養補助食品は、有益な効果をもたらす可能性のあるさらなる添加物及び/又は活性成分を含む。そのような添加物の例としては、カフェイン、L−アルギニン、オルニチン、ガラナ、高麗人参、及びイチョウ葉(ginkgo balboa)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0103】
本明細書に記載されている製剤及び栄養補助食品のいずれも、対象において、本明細書に詳述されているような肝臓疾患を、運動時に治療するのに有用である。
【0104】
いくつかの実施形態では、当該方法は、運動時に、対象における脂肪性肝疾患、慢性肝疾患、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、アルコール性肝疾患(ALD)、肝炎、線維症、肝硬変及び非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)等の肝臓疾患を治療するためのものである。
【0105】
これらの実施形態のいずれかにおいて、当該方法は、本明細書に記載される製剤及び/又は栄養補助食品を、運動前に対象に投与する工程を備える。
【0106】
脂肪性肝疾患は、非アルコール性脂肪性肝疾患とアルコール性肝疾患に伴う脂肪性肝疾患の両方を包含する。
【0107】
いくつかの実施形態では、脂肪性肝疾患は非アルコール性脂肪性肝疾患である。
【0108】
いくつかの実施形態では、脂肪性肝疾患は、アルコール性肝疾患と関連している。
【0109】
脂肪性肝疾患は、例えば、(例えば、超音波検査、コンピュータ断層撮影、磁気共鳴イメージングによる)肝臓のイメージング及び/又はバイオマーカー(例えば、肝酵素の上昇)の検査を含めた、医学の技術分野で使用される公知の基準に従って判定されてもよい。脂肪性肝疾患の好適な非侵襲的検査の例としては、FibroTest及びSteatoTestが挙げられるが、これらに限定されない。
【0110】
本明細書に記載される態様のいずれかにおいて、当該製剤及び/又は栄養補助食品は、任意に、運動を開始する前に投与される。
【0111】
いくつかの実施形態では、当該製剤及び/又は栄養補助食品の投与は、運動の約3時間前以降に行われる。いくつかの実施形態では、当該製剤及び/又は栄養補助食品の投与は、運動の約10分〜約3時間前に行われる。
【0112】
いくつかの実施形態では、当該製剤及び/又は栄養補助食品の投与は、運動の約2時間前以降に実施される。いくつかの実施形態では、当該製剤及び/又は栄養補助食品の投与は、運動の約10分〜約2時間前に行われる。
【0113】
いくつかの実施形態では、当該製剤及び/又は栄養補助食品の投与は、運動の約1.5時間前以降に実施される。いくつかの実施形態では、当該製剤の投与は、運動の約10分〜約1.5時間前に行われる。
【0114】
いくつかの実施形態では、当該製剤及び/又は栄養補助食品の投与は、運動の少なくとも約10分前に行われる。いくつかの実施形態では、当該製剤及び/又は栄養補助食品の投与は、運動の少なくとも約20分前に行われる。いくつかの実施形態では、当該製剤及び/又は栄養補助食品の投与は、運動の少なくとも約30分前に行われる。いくつかの実施形態では、当該製剤及び/又は栄養補助食品の投与は、運動の少なくとも約40分前に行われる。いくつかの実施形態では、当該製剤及び/又は栄養補助食品の投与は、運動の少なくとも約1時間前に行われる。
【0115】
いくつかの実施形態では、当該製剤及び/又は栄養補助食品の投与は、運動の約20分〜約2時間前に行われる。いくつかの実施形態では、当該製剤及び/又は栄養補助食品の投与は、運動の約30分〜約1.5時間前に行われる。いくつかの実施形態では、当該製剤及び/又は栄養補助食品の投与は、運動の約1時間前に実施される。
【0116】
いくつかの実施形態では、当該製剤及び/又は栄養補助食品の投与は、1日1回行われる。いくつかのそのような実施形態では、毎日の運動は、その後すぐに、例えば、本明細書に記載されているような製剤の投与後、約3時間以内に行われてもよい。毎日の運動は、単一の運動セッションとして、又は一連の比較的短い運動セッションとして行われてもよい。
【0117】
いくつかのそのような実施形態では、毎日の運動は、当該製剤及び/又は栄養補助食品の投与後、約3時間以内に完了する。
【0118】
いくつかの実施形態では、当該製剤及び/又は栄養補助食品の投与(及び、いくつかの実施形態では、付随する運動)は、少なくとも約10日間の期間にわたって行われる。いくつかの実施形態では、その期間は、少なくとも約14日間である。いくつかの実施形態では、その期間は、少なくとも約20日間である。いくつかの実施形態では、その期間は、少なくとも約28日間である。いくつかの実施形態では、その期間は、少なくとも約1ヶ月である。いくつかの実施形態では、その期間は、少なくとも約2ヶ月である。いくつかの実施形態では、その期間は、少なくとも約3ヶ月である。いくつかの実施形態では、その期間は、少なくとも運動4ヶ月である。いくつかの実施形態では、その期間は、少なくとも運動5ヶ月である。いくつかの実施形態では、その期間は、少なくとも運動6ヶ月である。
【0119】
いくつかの実施形態では、当該製剤及び/又は栄養補助食品の投与(及び、いくつかの実施形態では、付随する運動)は、最長約365日間の期間にわたって行われる。いくつかの実施形態では、この期間は、最長約200日間である。いくつかの実施形態では、この期間は、最長約150日間である。いくつかの実施形態では、この期間は、最長約100日間である。いくつかの実施形態では、この期間は、最長約60日間である。いくつかの実施形態では、この期間は、最長約30日間である。
【0120】
いくつかの実施形態では、当該製剤及び/又は栄養補助食品の投与(及び、いくつかの実施形態では、付随する運動)は、約10日〜約365日間の期間にわたって行われる。いくつかの実施形態では、この期間は、約10日〜約200日間である。いくつかの実施形態では、この期間は、約14日〜約150日間である。いくつかの実施形態では、この期間は、約20日〜約100日間である。いくつかの実施形態では、この期間は、約28日〜約60日間である。いくつかの実施形態では、この期間は、約1日〜約200日間である。いくつかの実施形態では、この期間は、約1日〜10日間である。いくつかの実施形態では、この期間は、約10〜20日間である。いくつかの実施形態では、この期間は、約20〜50日間である。いくつかの実施形態では、この期間は、約50〜100日間である。いくつかの実施形態では、この期間は、約100〜150日間である。いくつかの実施形態では、この期間は、約150〜200日間である。いくつかの実施形態では、この期間は、約200〜250日間である。いくつかの実施形態では、この期間は、約250〜300日間である。いくつかの実施形態では、この期間は、約300〜365日間である。
【0121】
例示的な実施形態では、当該製剤及び/又は栄養補助食品の投与(及び、いくつかの実施形態では、付随する運動)は、約28日間の期間にわたって行われる。
【0122】
本明細書に記載される製剤の有効性により、当該製剤の投与と運動とを含むレジメンは、脂肪性肝疾患、慢性肝疾患、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、アルコール性肝疾患(ALD)、肝炎、線維症、肝硬変及び非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)等の肝臓疾患の治療において、運動のみの対応するレジメン、又は運動及びL−カルニチンの投与の対応するレジメンよりも効果的であると考えられる。「対応するレジメン」は、(例えば、投与量と時間において)同等の量の運動及び/又はL−カルニチンを用いたレジメンを指す。
【0123】
運動と本明細書に記載されている製剤及び/又は栄養補助食品の組み合わせの効果の特徴付けは、当該技術分野で一般的に行われているように、被験者(対象)の群を調査し、結果を平均化することによって行われてもよい。同様に、運動と本明細書に記載される製剤の組み合わせ、運動単独又は運動とL−カルニチン(本明細書に記載)の組み合わせの効果の間の比較は、被験者の群の平均結果を比較することによって特徴付けられてもよい。いくつかの実施形態では、各群は、少なくとも4人の被験者を含む。いくつかの実施形態では、各群は、少なくとも5人の被験者を含む。いくつかの実施形態では、各群は、少なくとも6人の被験者を含む。いくつかの実施形態では、各群は、少なくとも8人の被験者を含む。いくつかの実施形態では、各群は、少なくとも10人の被験者を含む。いくつかの実施形態では、各群は、少なくとも15人の被験者を含む。いくつかの実施形態では、各群は、少なくとも20人の被験者を含む。
【0124】
本明細書に記載される態様のいずれかのいくつかの実施形態では、1用量(例えば、1日の投与)あたりの投与される製剤の中のマグネシウムの量は、約30mg〜約750mgの範囲である。いくつかの実施形態では、マグネシウムの量は、約50mg〜約500mgの範囲である。いくつかの実施形態では、マグネシウムの量は、約75mg〜約300mgの範囲である。いくつかの実施形態では、マグネシウムの量は、約100mg〜約200mgの範囲である。例示的な実施形態では、マグネシウムの量は約150mgである。いくつかの実施形態では、マグネシウムの量は、約30mg〜約50mgの範囲である。いくつかの実施形態では、マグネシウムの量は、約50mg〜約75mgの範囲である。いくつかの実施形態では、マグネシウムの量は、約75mg〜約100mgの範囲である。いくつかの実施形態では、マグネシウムの量は、約100mg〜約125mgの範囲である。いくつかの実施形態では、マグネシウムの量は、約125mg〜約150mgの範囲である。いくつかの実施形態では、マグネシウムの量は、約150mg〜約175mgの範囲である。いくつかの実施形態では、マグネシウムの量は、約175mg〜約200mgの範囲である。いくつかの実施形態では、マグネシウムの量は、約200mg〜約250mgの範囲である。いくつかの実施形態では、マグネシウムの量は、約250mg〜約300mgの範囲である。いくつかの実施形態では、マグネシウムの量は、約300mg〜約350mgの範囲である。いくつかの実施形態では、マグネシウムの量は、約350mg〜約400mgの範囲である。いくつかの実施形態では、マグネシウムの量は、約400mg〜約450mgの範囲である。いくつかの実施形態では、マグネシウムの量は、約450mg〜約500mgの範囲である。
【0125】
本明細書に記載される態様のいずれかのいくつかの実施形態では、1用量(例えば、1日の投与)あたりの投与される製剤の中のL−カルニチンの量は、約340mg〜約2720mgの範囲である。いくつかの実施形態では、L−カルニチンの量は、約680mg〜約2720mgの範囲である。いくつかの実施形態では、L−カルニチンの量は、約680mg〜約2040mgの範囲である。いくつかの実施形態では、L−カルニチンの量は、約1020mg〜約1700mgの範囲である。例示的な実施形態では、L−カルニチンの量は約1360mgである。いくつかの実施形態では、L−カルニチンの量は、約340mg〜約680mgの範囲である。いくつかの実施形態では、L−カルニチンの量は、約680mg〜約1020mgの範囲である。いくつかの実施形態では、L−カルニチンの量は、約1020mg〜約1360mgの範囲である。いくつかの実施形態では、L−カルニチンの量は、約1360mg〜約1700mgの範囲である。いくつかの実施形態では、L−カルニチンの量は、約1700mg〜約2040mgの範囲である。いくつかの実施形態では、L−カルニチンの量は、約2040mg〜約2380mgの範囲である。いくつかの実施形態では、L−カルニチンの量は、約2380mg〜約2720mgの範囲である。
【0126】
本明細書に記載される態様のいずれかのいくつかの実施形態では、L−カルニチンはL−カルニチン−L−酒石酸塩の形態にあり、1用量(例えば、1日の投与)あたりの投与される製剤の中のL−カルニチン−L−酒石酸塩の量は、約500mg〜約4000mgの範囲である。いくつかの実施形態では、L−カルニチン−L−酒石酸塩の量は、約1000mg〜約4000mgの範囲である。いくつかの実施形態では、L−カルニチン−L−酒石酸塩の量は、約1000mg〜約3000mgの範囲である。いくつかの実施形態では、L−カルニチン−L−酒石酸塩の量は、約1500mg〜約2500mgの範囲である。例示的な実施形態では、L−カルニチン−L−酒石酸塩の量は約2000mgである。いくつかの実施形態では、L−カルニチン−L−酒石酸塩の量は、約500mg〜約750mgの範囲である。いくつかの実施形態では、L−カルニチン−L−酒石酸塩の量は、約750mg〜約1000mgの範囲である。いくつかの実施形態では、L−カルニチン−L−酒石酸塩の量は、約1000mg〜約1250mgの範囲である。いくつかの実施形態では、L−カルニチン−L−酒石酸塩の量は、約1250mg〜約1500mgの範囲である。いくつかの実施形態では、L−カルニチン−L−酒石酸塩の量は、約1500mg〜約1750mgの範囲である。いくつかの実施形態では、L−カルニチン−L−酒石酸塩の量は、約1750mg〜約2000mgの範囲である。いくつかの実施形態では、L−カルニチン−L−酒石酸塩の量は、約2000mg〜約2250mgの範囲である。いくつかの実施形態では、L−カルニチン−L−酒石酸塩の量は、約2250mg〜約2500mgの範囲である。いくつかの実施形態では、L−カルニチン−L−酒石酸塩の量は、約2500mg〜約2750mgの範囲である。いくつかの実施形態では、L−カルニチン−L−酒石酸塩の量は、約2750mg〜約3000mgの範囲である。
【0127】
本明細書に記載される態様のいずれかのいくつかの実施形態では、1用量(例えば、1日の投与)あたりの投与される製剤の中のDHQの量は、約5mg〜約150mgの範囲である。いくつかの実施形態では、DHQの量は、約10mg〜約75mgの範囲である。いくつかの実施形態では、DHQの量は、約15mg〜約50mgの範囲である。例示的な実施形態では、DHQの量は約15mgである。いくつかの実施形態では、DHQの量は、約10mg〜約20mgの範囲である。いくつかの実施形態では、DHQの量は、約20mg〜約30mgの範囲である。いくつかの実施形態では、DHQの量は、約30mg〜約40mgの範囲である。いくつかの実施形態では、DHQの量は、約40mg〜約50mgの範囲である。いくつかの実施形態では、DHQの量は、約50mg〜約60mgの範囲である。いくつかの実施形態では、DHQの量は、約60mg〜約70mgの範囲である。いくつかの実施形態では、DHQの量は、約70mg〜約80mgの範囲である。いくつかの実施形態では、DHQの量は、約80mg〜約90mgの範囲である。いくつかの実施形態では、DHQの量は、約90mg〜約100mgの範囲である。いくつかの実施形態では、DHQの量は、約100mg〜約110mgの範囲である。いくつかの実施形態では、DHQの量は、約110mg〜約120mgの範囲である。いくつかの実施形態では、DHQの量は、約120mg〜約130mgの範囲である。いくつかの実施形態では、DHQの量は、約130mg〜約140mgの範囲である。いくつかの実施形態では、DHQの量は、約140mg〜約150mgの範囲である。
【0128】
水性担体は、運動中に身体が必要とする水を提供することによって、運動前に有益である。
【0129】
従って、本明細書に記載される態様のいずれかのいくつかの実施形態では、1回の投与(例えば、本明細書に記載されるように、好適な量のマグネシウム及びL−カルニチン、並びに任意にDHQを含む1日の投与)で投与される、本明細書に記載される水溶液に基づく液体製剤の体積は、液体製剤が、例えば少なくとも約0.2mlの実質的な体積を有するように、実質的な量の水を含む。いくつかの実施形態では、当該製剤の体積は約0.2ml〜約1.0mlの範囲にある。いくつかの実施形態では、当該製剤の体積は約1.0ml〜約10mlの範囲にある。いくつかの実施形態では、当該製剤の体積は約10ml〜約25mlの範囲である。いくつかの実施形態では、当該製剤の体積は約25ml〜約50mlの範囲である。いくつかの実施形態では、当該製剤の体積は約50ml〜約100mlの範囲である。いくつかの実施形態では、当該製剤の体積は約50ml〜約500mlの範囲である。いくつかの実施形態では、上記体積は約100ml〜約500mlの範囲である。いくつかの実施形態では、上記体積は約150ml〜約400mlの範囲である。いくつかの実施形態では、上記体積は約200ml〜約300mlの範囲である。いくつかの実施形態では、上記体積は約250mlである。いくつかの実施形態では、上記体積は約50ml〜約100mlの範囲である。いくつかの実施形態では、上記体積は約100ml〜約150mlの範囲である。いくつかの実施形態では、上記体積は約150ml〜約200mlの範囲である。いくつかの実施形態では、上記体積は約200ml〜約250mlの範囲である。いくつかの実施形態では、上記体積は約250ml〜約300mlの範囲である。いくつかの実施形態では、上記体積は約300ml〜約350mlの範囲である。いくつかの実施形態では、上記体積は約350ml〜約400mlの範囲である。いくつかの実施形態では、上記体積は約400ml〜約450mlの範囲である。いくつかの実施形態では、上記体積は約450ml〜約500mlの範囲である。
【0130】
いくつかの実施形態によれば、本発明の製剤は、パラチノース、クエン酸、カルニチンL、クエン酸マグネシウム、ワイルドベリー香料やクランベリー香料等の香料、アスコルビン酸、スクラロース、ソルビン酸カリウム、及び水を含む。
【0131】
いくつかの実施形態によれば、当該製剤は、1用量あたり約1gのパラチノース、1用量あたり約0.2gのクエン酸、1用量あたり約1.5gのカルニチンL、1用量あたり約1.5gのクエン酸マグネシウム、1用量あたり約0.1gのワイルドベリー香料、1用量あたり約0.05gのクランベリー香料、1用量あたり約0.01gのアスコルビン酸、1用量あたり約0.012gのスクラロース、1用量あたり約0.0225gのソルビン酸カリウム、及び1用量あたり約10.6055gの水を含み、その用量は約15mlである。
【0132】
活性剤の製剤化及び投与に関する技術は、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」、Mack Publishing Co.、イーストン(Easton)、ペンシルベニア州、最新版に見出される。
【0133】
本発明の実施形態の製剤は、当該技術分野で周知のプロセス、例えば、従来の混合、溶解、造粒、糖衣(dragee−making)、微粒子化(levigating)、乳化、カプセル化、封入(entrapping)、又は凍結乾燥のプロセスによって製造されてもよい。
【0134】
このように、本発明の実施形態に係る製剤は、賦形剤及び助剤を含む1種以上の生理学的に許容できる担体を用いて従来の方法で製剤化することができ、これにより、マグネシウムの供給源及びL−カルニチンの供給源を、薬学的に使用できる調製物に加工することが容易になる。適切な製剤化は、選択された投与経路に依存する。
【0135】
いくつかの実施形態では、当該製剤は、経口投与用に製剤化されている。
【0136】
経口投与のために、本発明の実施形態のマグネシウム及びL−カルニチンは、マグネシウムの供給源及びL−カルニチンの供給源を、当該技術分野で周知の生理学的に許容できる担体と組み合わせることによって、容易に製剤化することができる。このような担体により、マグネシウム及びL−カルニチンを、錠剤、ピル、糖衣錠(ドラジェ)、カプセル、液体、ゲル、シロップ、スラリー、懸濁液等として製剤化し、対象による経口摂取に供することが可能になる。
【0137】
例示的な実施形態では、当該製剤又は栄養補助食品は、飲料、すなわち、典型的な対象が比較的大量に(例えば、少なくとも50ml)、著しい不快感や副作用なしに飲むことができる液体として製剤化される。飲料の製剤は、一般的に、水又は水溶液を担体として含むことになる。飲料は、任意に、飲料の嗜好性を高めるための当該技術分野で公知のさらなる成分、例えば、矯味矯臭剤、甘味料、着色料等を含んでもよい。
【0138】
経口用途用の製剤及び栄養補助食品は、固体賦形剤を使用し、任意に、得られた混合物を粉砕し、そして所望に応じて好適な助剤を添加した後で、顆粒の混合物を加工して錠剤又は糖衣錠コアを得ることにより作製することができる。好適な賦形剤としては、特に、ラクトース(乳糖)、スクロース(ショ糖)、マンニトール及び/若しくはソルビトールを含めた糖類などの充填剤;例えば、トウモロコシデンプン、小麦デンプン、米デンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカントガム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル−セルロース、及び/若しくはカルボキシメチルセルロースナトリウム等のセルロース調製物;並びに/又はポリビニルピロリドン(PVP)等の生理学的に許容できるポリマーが挙げられる。所望に応じて、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、及び/又はアルギン酸若しくはアルギン酸ナトリウム等のその塩などの崩壊剤が添加されてもよい。
【0139】
糖衣錠コアには、適切なコーティングが施されていてもよい。この目的のために、任意にアラビアガム、タルク、ポリビニルピロリドン、カーボポールゲル、ポリエチレングリコール、二酸化チタン、ラッカー液、好適な有機溶剤又は溶剤混合物を含有してもよい濃厚な糖液が使用されてもよい。識別のため、あるいは活性なマグネシウム及び/又はL−カルニチンの用量の異なる組み合わせを特徴づけるために、染料又は色素を錠剤又は糖衣コーティングに添加してもよい。
【0140】
経口的に使用できる製剤及び栄養補助食品は、さらに、ゼラチンから調製されたプッシュフィット(押し込み嵌め)カプセル、及びゼラチンとグリセロール又はソルビトール等の可塑剤とから調製された軟質の密封カプセルを含む。プッシュフィットカプセルは、活性成分を、ラクトース等の充填剤、デンプン等の結合剤、タルク又はステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤、及び任意に安定剤との混合物で含有してもよい。軟質のカプセルでは、マグネシウムとL−カルニチンを、水、水溶液、脂肪油、流動パラフィン、流動ポリエチレングリコール等の好適な液体に溶解又は懸濁させてもよい。加えて、安定剤を添加してもよい。
【0141】
経口投与のためのすべての製剤は、選択された投与経路に好適な投与量にされている必要がある。
【0142】
注射のために、本発明の実施形態のマグネシウム及びL−カルニチンは、ハンクス液、リンゲル液、又は生理的食塩水緩衝液等の生理学的に適合した緩衝剤に、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールのような有機溶剤を加えた、又は加えない水溶液に配合されてもよい。
【0143】
経粘膜投与については、当該製剤中に浸透剤を使用してもよい。
【0144】
頬側投与のために、上記組成物は従来の方法で処方された錠剤又はロゼンジ(トローチ剤)の形態をとってもよい。
【0145】
吸入による投与については、本発明に係る使用のためのマグネシウム及びL−カルニチンは、好適な噴霧剤、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン又は二酸化炭素を使用して、加圧パック又はネブライザーからのエアロゾルスプレー提示物(典型的には、粉末状、液状及び/又はガス状の担体を含む)の形態で送達されてもよい。加圧されたエアロゾルの場合、計量された量を供給するためのバルブを設けることにより、投与単位が決定されてもよい。吸入器又は注入器で使用するための、マグネシウムの供給源及びL−カルニチンの供給源と、ラクトース又はデンプン等(これらに限定されない)の好適な粉末ベースとの粉末混合物を含む、例えばゼラチンのカプセル及びカートリッジが処方されてもよい。
【0146】
本明細書に記載されたマグネシウムの供給源及びL−カルニチンの供給源は、非経口投与、例えば、ボーラス注射又は持続的注入のために製剤化されてもよい。注射のための製剤は、単位投与形態、例えば、アンプル又は任意に添加された防腐剤を有するマルチドーズ容器で提示されてもよい。この組成物は、油性又は水性のビヒクル中の懸濁液、溶液又はエマルションであってもよく、懸濁剤、安定化剤及び/又は分散剤等の形成剤(製剤化剤)を含んでいてもよい。
【0147】
非経口投与のための製剤は、水溶性の形態のマグネシウムの供給源とL−カルニチンの供給源の水溶液を含む。加えて、マグネシウムの供給源及びL−カルニチンの供給源の懸濁液が、適切な油性注射用懸濁液及びエマルション(例えば、油中水型、水中油型又は油中油中水型エマルション)として調製されてもよい。適切な親油性の溶剤又はビヒクルとしては、ゴマ油等の脂肪油、又はオレイン酸エチル等の合成脂肪酸エステル、トリグリセリド、又はリポソームが挙げられる。水性の注射用懸濁液には、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、デキストラン等、懸濁液の粘度を高める物質が含まれていてもよい。任意に、懸濁液は、マグネシウムやL−カルニチンの溶解度を高め、高濃度の溶液を調製できるようにする、好適な安定剤や薬剤も含んでいてもよい。
【0148】
あるいは、マグネシウムの供給源及びL−カルニチンの供給源は、使用前に好適なビヒクル、例えば水で構成するための粉末形態であってもよい。
【0149】
本明細書に記載されるマグネシウムの供給源及びL−カルニチンの供給源は、例えば、カカオバター又は他のグリセリド等の従来の座薬基剤を使用して、座薬又は停留浣腸等の直腸組成物に配合することもできる。
【0150】
本明細書に記載される製剤及び栄養補助食品は、好適な固相若しくはゲル相の担体又は賦形剤も含んでよい。そのような担体又は賦形剤の例としては、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、様々な糖類、デンプン、セルロース誘導体、ゼラチン、及びポリエチレングリコール等のポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。
【0151】
本明細書に記載される態様のいずれかのいくつかの実施形態では、当該製剤又は栄養補助食品は単位投与形態にある。
【0152】
本明細書で使用される「単位投与形態」という用語は、物理的に離散した単位であって、各単位が、少なくとも1種の生理学的に許容できる担体、希釈剤、賦形剤、又はそれらの組み合わせと連携して、所望の効果をもたらすように計算された所定の量の活性成分(例えば、マグネシウム及びL−カルニチン)を含むものを表す。
【0153】
いくつかの実施形態では、単位投与形態は、本明細書に記載されているように、1用量(例えば、1日の投与)あたりの投与される製剤に適した量のマグネシウム及びL−カルニチン(並びに、任意にDHQ等の抗酸化剤も)を含む(例えば30mg〜750mgのマグネシウム、340mg〜2720mgのL−カルニチン(例えば500mg〜4000mgのL−カルニチン−L−酒石酸塩)、例えば5mg〜150mgのDHQ)。
【0154】
経口投与のための組成物単位投与形態には、サシェ剤(小袋)、ピル、カプレット、カプセル、錠剤、又は水性若しくは非水性媒体中の粉末、顆粒、若しくは懸濁液若しくは溶液の個別の(例えば、別々に包装された)単位が含まれる。
【0155】
いくつかの実施形態では、単位投与形態は、例えば、飲料(例えば、本明細書に記載されているもの)等の液体形態(例えば、懸濁液又は溶液)の製剤を含む。単位投与形態の液体は、適切な包装、例えば、ボトル又は缶で包装されてもよい。
【0156】
本明細書に記載される態様のいずれかのいくつかの実施形態では、単位投与形態中の液体製剤(又は栄養補助食品)の体積は、少なくとも約50mlである。いくつかの実施形態では、上記体積は約50ml〜約500mlの範囲である。いくつかの実施形態では、上記体積は約100ml〜約500mlの範囲である。いくつかの実施形態では、上記体積は約150ml〜約400mlの範囲である。いくつかの実施形態では、上記体積は約200ml〜約300mlの範囲である。いくつかの実施形態では、上記体積は約250mlである。
【0157】
いくつかの実施形態では、単位投与形態は、固体(例えば、サシェ剤、ピル、カプレット、カプセル、錠剤、若しくは個別単位の粉末、顆粒)、又は濃縮液体(例えば、シロップ)の形態であり、所定体積の水と混合して懸濁液又は溶液を形成することによって使用のために調製される。水の体積は、本明細書に記載される液体製剤(例えば、約50mlから約500mlの体積を有する)になるように決定されてもよい。
【0158】
本発明の実施形態の別の態様によれば、包装材と、マグネシウムの供給源(例えば、本明細書に記載されている)と、L−カルニチンの供給源(例えば、本明細書に記載されている)と、生理学的に許容できる担体(例えば、本明細書に記載されている)とを含むキットが提供される。
【0159】
いくつかの実施形態では、当該キットは、本明細書に記載される製剤の2つ以上の個別に包装された構成要素を含み、これらは使用者によって組み合わせられて当該製剤を形成することができる。
【0160】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるマグネシウムの供給源及びL−カルニチンの供給源は、個別に(例えば、キット内の別個の構成要素として)包装されている。いくつかの実施形態では、上述の供給源の少なくとも1つは、粉末として包装されている。
【0161】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される担体は、個別に(例えば、キット内の第3の構成要素として)包装されている。
【0162】
いくつかの実施形態では、担体は、マグネシウムの供給源又はL−カルニチンの供給源等の別の構成要素と組み合わせて、例えば、マグネシウムの供給源又はL−カルニチンの供給源の溶液又は懸濁液の形態で包装(パッケージ化)される。
【0163】
いくつかの実施形態では、マグネシウムの供給源及び担体は、例えば、マグネシウムを含む溶液(例えば、マグネシウム強化水)として、組み合わせて包装されている。いくつかの実施形態では、L−カルニチンは、マグネシウムと組み合わせて担体に添加されてもよい固体(例えば、粉末)として別個に包装されている。
【0164】
マグネシウムは元素であり、従って分解されにくいが、L−カルニチン及び多くの抗酸化剤(例えば、DHQ)は有機化合物であり、従って、とりわけ液相にあるときには分解されやすいことを理解されたい。
【0165】
従って、いくつかの実施形態では、液体担体がマグネシウムの供給源と組み合わせて包装され、キット内の有機化合物(例えば、L−カルニチン、DHQ)は、固体形態(これは、一般的に、液体形態よりも分解を受けにくい)で、例えば、粉末として個別に包装されている。いくつかの実施形態では、有機化合物は個別に包装されている。いくつかの実施形態では、有機化合物は、組み合わせて、例えば粉末混合物として包装されている。
【0166】
本発明の実施形態の態様のいずれかに係る活性成分(例えば、マグネシウム及びL−カルニチン)は、所望に応じて、活性成分を含む1つ以上の単位投与形態を含んでもよいFDA(the U.S. Food and Drug Administration、米国食品医薬品局)承認のキット等のパック又はディスペンサー装置で提示されてもよい。このパックは、例えば、ブリスターパックや加圧容器(吸入用)等(これらに限定されない)の金属箔やプラスチック箔を含んでもよい。このパック又はディスペンサー装置には、投与のための説明書が添付されていてもよい。また、パック又はディスペンサーには、医薬品の製造、使用又は販売を規制する政府機関が定めた形式の容器に付随する通知が添付されていてもよく、この通知は、ヒトへの投与又は獣医学での投与のための組成物の形式を政府機関が承認したことを反映している。このような通知は、例えば、米国食品医薬品局が処方薬として承認したラベルや、承認された製品挿入物であってもよい。本明細書に記載された製剤を含む組成物は、本明細書に詳述されているように、適応される状態の治療のために調製され、適切な容器に入れられ、ラベル付けされてもよい。
【0167】
このように、本発明の実施形態の態様のいずれかのいくつかの実施形態によれば、本明細書に記載される製剤、キット又は栄養補助食品は、過剰体重、脂肪性肝疾患及び慢性疲労症候群(本明細書に記載されているとおり)からなる群から選択される状態の治療に使用することを含む、本明細書に記載されるいずれかの用途のために、包装材に包装され、包装材内又は包装材上に印刷で識別される。いくつかの実施形態では、当該製剤、キット、又は栄養補助食品は、(例えば、本明細書に記載されているように)運動と組み合わせて使用するために適応される。本明細書で使用される用語「約」は、±10%を指す。
【0168】
用語「comprises(…を含む)」、「comprising(…を含む)」、「includes(…を含む)」、「having(…を有する)」及びそれらの結合体は、「including but not limited to(…を含むが、それらに限定されない)」を意味する。
【0169】
「consisting of(…からなる)」という用語は、「including and limited to(…を含み、かつそれらに限定される)」を意味する。
【0170】
「consisting essentially of(…から実質的になる)」という用語は、組成物、方法、又は構造が追加の成分、工程、及び/又は部品を含んでもよいが、それは、追加の成分、工程、及び/又は部品が特許請求された組成物、方法、又は構造の基本的かつ新規な特性を実質的に変更しない場合に限られることを意味する。
【0171】
「例示的」という語句は、本明細書において、「例、事例、又は説明として役立つ」という意味で使用される。「例示的」として記述された任意の実施形態は、必ずしも他の実施形態よりも好ましいか若しくは有利であると解釈されるものではなく、かつ/又は他の実施形態からの特徴の組み込みを除外するものではない。
【0172】
語句「任意に」は、本明細書では、「いくつかの実施形態で提供され、他の実施形態では提供されない」ことを意味するために使用される。本発明の任意の特定の実施形態は、そのような特徴が衝突しない限り、複数の「任意」の特徴を含んでもよい。
【0173】
本明細書で使用される場合、単数形の「a」、「an」及び「the」は、文脈と明らかに矛盾する場合を除いて、複数の指示対象を含む。例えば、「a compound」又は「at least one compound」という用語は、化合物の混合物を含む複数の化合物を含んでもよい。
【0174】
本願全体にわたって、本発明の様々な実施形態は、範囲形式で提示されることがある。範囲形式での記載は、単に利便性と簡潔性のためのものであり、本発明の範囲に対する柔軟性のない限定として解釈されるべきではないことを理解すべきである。従って、ある範囲の記載は、可能なすべての部分範囲及びその範囲内の個々の数値を具体的に開示していると考えられるべきである。例えば、1〜6という範囲の記載は、1〜3、1〜4、1〜5、2〜4、2〜6、3〜6等の部分範囲と、その範囲内の個々の数値、例えば1、2、3、4、5、6等が具体的に開示されていると考えるべきである。これは、範囲の広さに関係なく適用される。
【0175】
本明細書で数値の範囲が示されている場合、それは示された範囲内の任意の数値(分数又は整数)を含むことを意味する。第1の指示された数と第2の指示された数と「の間の範囲の/範囲にある」、及び第1の指示された数「から」第2の指示された数「までの範囲の/範囲にある」という表現は、本明細書中で互換的に使用され、第1及び第2の指示された数、及びその間のすべての分数及び整数の数値を含むことを意味する。
【0176】
本明細書で使用する場合、「方法」という用語は、所定の課題を達成するためのやり方、手段、技術、及び手順を指し、これらは、化学、薬理学、生物学、生化学、及び医療技術の専門家に公知であるか、又は化学、薬理学、生物学、生化学、及び医療技術の専門家によって公知のやり方、手段、技術、及び手順から容易に開発されるやり方、手段、技術、及び手順を含むが、これらに限定されるものではない。
【0177】
本明細書で使用する場合、「治療する(こと)」という用語は、状態の進行を無効にすること、実質的に阻害すること、遅らせること、若しくは逆転させること、状態の臨床的若しくは審美的な症状を実質的に改善すること、又は状態の臨床的若しくは審美的な症状の出現を実質的に防止することを含む。
【0178】
明確にするために別々の実施形態の文脈で説明されている本発明の特定の特徴は、単一の実施形態において組み合わせて提供されてもよいことが理解される。逆に、簡潔にするために単一の実施形態の文脈で説明されている本発明の様々な特徴も、別個に、又は任意の適切なサブコンビネーションで、又は適宜、本発明の任意の他の説明された実施形態で提供されてもよい。様々な実施形態の文脈で説明された特定の特徴は、それらの要素がないと実施形態が機能しない場合を除き、それらの実施形態の必須の特徴とは見なされない。
【0179】
本明細書に記載され、添付の特許請求の範囲の書類で請求される本発明の様々な実施形態及び態様は、以下の例で実験的にサポートされる。
【実施例】
【0180】
これより、以下の例を参照するが、これらの例は、上記の説明とともに、本発明のいくつかの実施形態を非限定的に示すものである。
【0181】
例1(仮説例)
製剤:
本発明のいくつかの実施形態に係る一般的な製剤は、例えば約150mgのマグネシウムを放出するマグネシウムの供給源と、例えば約2,000mgのL−カルニチンの供給源を含むL−カルニチンの供給源と、水と、任意に、例えば15〜50mgの量のジヒドロケルセチン(DHQ)とを含む。
【0182】
例示的な製剤は、1,500mgの乳酸マグネシウム(約150mgのマグネシウム及び1,350mgの乳酸)、1360mgのL−カルニチン(約2000mgのL−カルニチン−L−酒石酸塩)、15mgのDHQ、及び水を含み、250mlの製剤を完成させる。他の製剤は、マグネシウムの他の供給源(例えば、マグネシウム強化水の形で)と、L−カルニチンの他の供給源(例えば、遊離塩基L−カルニチンの純粋な結晶形、L−カルニチンのHCl塩等)と、他の量のマグネシウムの供給源と、他の量のL−カルニチンの供給源と、他の抗酸化剤と、他の量(含まれないことも含めて)のDHQ又は他の抗酸化剤を含んでもよい。
【0183】
研究プロトコル:
マグネシウムの供給源及びL−カルニチンの供給源を含む複合製剤の効果を実証するための臨床研究を実施する。
【0184】
脂肪性肝疾患、慢性肝疾患、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、アルコール性肝疾患(ALD)、肝炎、線維症、肝硬変及び非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)等の肝臓疾患に罹患している20歳〜70歳のボランティア100名を本研究の対象とする。
【0185】
各ボランティアは、運動の約1時間前に250mlの製剤を摂取し、トレッドミルで1時間の運動(時速6.5kmでの歩行)を行うよう指示される。
【0186】
ボランティアは以下の群に分けられる。
L−カルニチン群 − 2gのL−カルニチンを含む製剤を受ける
試験群 − マグネシウムの供給源、L−カルニチンの供給源、及びDHQを含む上記の例示的な製剤を受ける
【0187】
治療レジメン(食事、運動、製剤)を4週間適用する。
【0188】
例2(仮説例)
脂肪性肝疾患(例えば、非アルコール性脂肪性肝疾患)の患者を、2つの群(例えば、各20人の患者)に分ける。一方の群の患者には、例1に記載の製剤を投与し(例えば、3ヶ月間)、他方の群の患者は、同じ期間にプラセボを受ける。製剤及びプラセボの投与は、適切な運動レジメン(例えば、例1に記載されたもの)と併せて行う。
【0189】
肝臓に対する治療の効果(プラセボとの比較)は、脂肪肝を推定するSteatoTestを用いて評価され、イスラエルのエルサレムにあるRambam Laboratories(ランバム研究所)で実施される。
【0190】
例3
目的:NAFLD患者を治療するときの、アミノ酸L−カルニチン及びマグネシウムを含む製剤と運動の組み合わせの有効性を評価すること。
【0191】
材料及び方法:2017年10月から2018年5月にかけて、イスラエルのアフラ(Afula)にあるHaemek Medical Center(ヘメックメディカルセンター)の肝疾患ユニット(Liver Diseases Unit)で、第3相、無作為化、二重盲検、プラセボ対照のNAFLD臨床試験を実施した。患者は2つの群に無作為に割り当てられ、二重盲検化された。一方の群は「研究群」で、下記表1に詳述されている試験製剤を16週間受けた。他方の群は「対照群」で、プラセボ(ミネラルウォーター)を8週間受けた後、上記試験製剤をさらに8週間受けた。脂肪肝及び肝線維症は、試験開始時と終了時に超音波診断装置(フランス)を用いたせん断波エラストグラフィによる超音波測定により評価した。
【0192】
【表1】
【0193】
結果:合計22名の患者を募集した。研究群と対照群はそれぞれ11人の患者で構成された。研究群では、16週間の治療中にアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、c反応性タンパク質(CRP)レベルが有意に低下した。しかしながら、脂質プロファイル及びインスリンレベルには有意な変化は見られなかった。対照群では、AST、ALT及びCRPのレベル、並びに/又は脂質プロファイル若しくはインスリンレベルに有意な変化はなかった。せん断波エラストグラフィでは、線維症の点で両群間に統計的に有意な差を明らかにできなかった。
【0194】
結論:L−カルニチン及びマグネシウムからなる治療は、NAFLD患者の肝臓トランスアミナーゼレベル、特にASTのレベルを有意に改善した。線維症グレードは両群間で有意な差はなかった。
【0195】
本発明をその具体的な実施形態に関連して説明してきたが、多くの代替案、変更、及び変形が当業者に明らかになることは明らかである。従って、本発明は、添付の特許請求の範囲の趣旨と広い範囲内に入るすべてのそのような代替案、変更、及び変形を包含することが意図されている。
【0196】
本願における任意の文献のすべての引用又は特定は、そのような文献が本発明の先行技術として利用可能であることを認めるものと解釈してはならない。セクションの見出しが使用されている限り、それらは必ずしも限定的であると解釈されるべきではない。
【国際調査報告】