(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
前記EGFR変異は、A702T、A743V、A767_V769dup、A840T、A840V、C620W、C797G、C797S、D770_N771delinsP、D855Y、E709_T710delinsD、E734V、E749Q、G724C、G724S、G735D、G779F、G796S、G857E、G863S、G874D、H773_V774delinsLM、H773dup、H835fs*35、H870R、K713T、K753E、K755S、L718Q、L718V、L730R、L747P、L768S、L792F/H、L792K、L844V、L858R、C797Gを伴うL858R、C797Sを伴うL858R、L718Qを伴うL858R、L718Vを伴うL858R、L792F/Hを伴うL858R、T790Mを伴うL858R、N771_H773dup、N772delinsGY、P596L、P699L、P741S、P848L、Q791H、R831C、S768_D770dup、S768_V769delinsIL、T725M、T790M、T847I、V765M、V773L、V834L、V843I、及びV843L、からなる群から選択される、請求項2に記載の方法。
前記HER2変異は、D769H、D769Y、R896C、V777L、V777_G778insCG、G309A/E、S310F/Y、V659E/D、G660D、K753E、L755P/S、Del755−759、L768S、D769H/Y、V773L、A775_G776insYVMA、G776V/L、Cins、V777L、P780Ins、P780_Y781insGSP、V842I、L866M、R896C、膜近傍及び膜貫通ドメインの変異S653C、S656C、V659E、G660D、及びG660R、ならびに、JMD変異R677L、R678W、T686A、E693K、S649T、P650S、L651V、V659G、G660D、G660R、L663P、L674V、R677L、R678Q、R683Q、E693K、Q709L、及びA710V、ならびに、ErbB2遺伝子融合ZNF207−HER2、MDK−HER2、NOS2−HER2、ERBB2−GRB7、ERBB2−CTTN、ERBB2−PPP1R1B、ERBB2−PSMB3、または別のN末端パートナー、からなる群から選択される、請求項4に記載の方法。
前記HER2変異は、A289D/I/N/T/V、A466T、A775_G776insSVMA、A775_G776insV、A775_G776insYVMA、C311R、C334S、C797S/Y、D227G/H/V/Y、D769H、D769Y、del.755−759、E321G、E790A/K/Q、G309A、G309E、G598V、G660D/R、G719A、G719A/C/D/S、G776>VC、G776_V777>AVCV、G776_V777>AVGCV、G776_V777>AVGSGV、G776_V777>VCV、G776C、G776S、G776V、G778S、I263T、I675M、I767M、L755S、L755S/W、L858R、L861Q/R、L866M、L869Q、L869R、N1219S、N319D、P780_Y781insGSP、P780ins、R103Q、R108G/K、R222C、R252C、R678Q、R678Q+L755W、R868W、R896C、S310F、S310Y、S768G/I/T、T733I、T790M、T798I/M、T862A、V659_660VE、V659E/D、V659E/G660R、V659E/V660R、V664E、V664F、V665M、V769L、V777_G778insC、V777A、V777L、V777M、V842I、及びY772_V773insLMAY、からなる群から選択される、請求項4に記載の方法。
前記HER3変異は、T355I、F94L、G284R、D297Y、T355I、E1261A、V104M、A232V、P262H、G284R、T389K、V714M、Q809R、S846I、E928G、任意の活性化変異、TKI耐性変異、遺伝子融合、キナーゼドメイン重複、及びErbB受容体の遺伝子増幅、からなる群から選択される、請求項7に記載の方法。
前記HER3変異は、A232A、A232V、D297Y、E332K、E928G、G284R、K329E、M91I、P262H、Q809R、R475W、R667C/H、S846I、T355I、T389K、V104L/M、及びV855A、からなる群から選択される、請求項7に記載の方法。
前記HER4変異は、N181S、T244R、Y285C、R306S、V348L、D595V、H618P、D931Y、K935I、E317K、E452K、E542K、R544W、E563K、E836K、E872K、及びHER4遺伝子融合EZR−ERBB4、IKZF2−ERBB4、BGALT−ERBB4、または別のN末端パートナー、からなる群から選択される、請求項10に記載の方法。
前記HER4変異は、A657V、A705V、A710V、D595V、D609N、D931Y、E317D、E317K、E452K、E542K、E563K、E693G、E693K、E695K、E836K、E872K、G660D、G660R、G668E/R、G672R、G704E/R、G936R、H618P、I654L/M/T、I655M、I673F/M/V、I675L/M/T、I682M/T、K935I、L39F、L662V、L674I/V、L798R、M313I、M712L、N181S、P1033S、P409L、P650L/S、P699S/del、P700S、P702L、P702S、pG776insV_G/C、Q679E/H、Q709K、Q709L、Q711H、R106C/H、R1174Q、R306S、R393W、R491K、R544W、R677L、R677Q、R678P、R678Q、R678W、R683Q、R683W、R688L/Q/W、R689I/K、R713L/Q/W、R771C、R847C/H、R992C/S、S1246N、S1289A、S303F/Y、S341L、S653C、S653P、T244R、T652M、T652R、T686A/M/R、V348L、V659D、V659D/ins、V659E、V664F/I、V665M、V665M/del、V669A/L、V697L、V697L/M/del、V840I、Y111H、Y285C、及びY685H、からなる群から選択される、請求項10に記載の方法。
前記L858R変異は、L858R及びT790M、L858R/C797S、ならびにL858R/C797S/T790M、からなる群から選択される、請求項13に記載の方法。
前記エキソン19欠失は、d746−750、d746−750/C797A、d746−750/C797S、及びd746−750/T790M/C797S、からなる群から選択される、請求項15に記載の方法。
前記エキソン20挿入は、D770_N771>ASVDN、N771_P772>SVDNP、N771_H773dupNPH、N771_P772insHH、N771_P772insH、N771_P772insNN、N771_P772insG、N771_P772>GYP、N771_P772insGTDN、N771_P772insY、N771_P772insV、N771_P772insT、N771_P772>SVDSP、N771_P772>SPHP、N771_P772>SHP、N771_P772>SEDNS、N771_P772>RDP、N771_P772>KGP、N771_P772>KFP、N771dupN、N771>GY、V774_C775>AHVC、V774_C775>GNPHVC、V774_C775>GTNPHVC、V774_C775insHNPHV、V774_C775insHV、A769_D770insASV、A763_Y764insFQEA、A763_Y764insLQEA、A767_V769dupASV、S768_D779dupSVD、S768_V769>PL、S768_V769>TLASV、V769_D770insSAVS、V769_D770insSGSV、V769_D770insSLRD、V769_H773>LDNPNPH、V769_D770insE、V769_D770insGE、V769_D770insGTV、V769_D770insGVM、V769_N771dupVDN、D770_N771insG、D770_N771>GYN、D770_N771>GSVDN、D770_N771>GVVDN、D770_N771insH、D770_P772dupDNP、D770_N771>QVH、D770_N771insAVD、D770_N771insGT、D770_N771insGV、D770_N771>EGN、M793_P794>ITQLMP、H773_V774dupHV、H773_V774insY、H773_V774insNPY、H773_V774insTH、H773_V774insSH、H773_V774insPY、H773_V774insHPH、H773_V774>NPNPYV、H773_V774>PNPYV、H773dupH、H773>YNPY、P772_H773dupPH、P772_H773insGNP、P772_H773>RHPH、Y764_V765insHH、A767_S768insTLA、D770ins_N771insSVD、V774_C775insHV、P772_H773insGDP、I744_K745insKIPVAI、K745_E746insIPVAIK、K745_E746insVPVAIK、A763_Y764insFHEA、A775_G776insYVMA、G776>VC、V777_G778insCG、P780_Y781insGSP、D770>GY、D770_N771insY、D770_N771insGF、D770_N771insSVD、N771_P772insN、P772_H773insNP、P772_H773insNPH、H773_V774insAH、H773_V774insPH、H773_V774insH、H773_V774insNPH、及びV774_C775insHV、からなる群から選択される、請求項17に記載の方法。
前記エキソン20挿入は、A763_Y764insFHEA、A763insFQEA、D770_N771insNPG、D770GY、D770insSVD、H773insH、H773insNPH、V769insASV、及びV777_G778insCG、からなる群から選択される、請求項17に記載の方法。
前記エキソン20挿入は、D770_N771>ASVDN、N771_P772>SVDNP、N771_H773dupNPH、及びA763_Y764insFQEA、からなる群から選択される、請求項17に記載の方法。
前記compound変異は、p.E709G p.L858R、p.E746_A750del p.T751P、p.E746_R748del p.A750P、p.G719A p.L861Q、p.G719A p.L861R、p.G719C p.L833_V834delinsFL、p.G719C p.L861Q、p.G719C p.S768I、p.G721D p.E746_A750del、p.G724S p.S768I、p.L833_V834delinsFL p.L858R、p.L833V p.H835L、p.L858R p.A871E、p.N700S p.S784F、p.N700S p.T783A、p.S720F p.L861Q、p.T725M p.K728E、p.T751_I759del p.L798F、p.V738F p.L858R、及びp.V834L p.L858R、からなる群から選択される、請求項21に記載の方法。
前記融合変異は、MDK_ex4/HER2_ex11、NOS2_ex2/HER2_ex2、及びZNF207_ex2/HER2_ex18、からなる群から選択される、請求項23に記載の方法。
前記融合変異は、EGFR−KDD(キナーゼドメイン重複)、EGFR−NTRK1、EGFR−PPM1H、EGFR−PSPH、EGFR−PSPHP1、EGFR−RP11、EGFR−RP11−745C、EGFR−SEPT14、及びEGFR−SEPT14融合、からなる群から選択される、請求項23に記載の方法。
前記希少変異は、complex変異、エキソン18の欠失/挿入、エキソン18のG719X変異、エキソン18の別の置換、エキソン20の挿入、エキソン20の別の置換、及びL858R complex変異、からなる群から選択される、請求項30に記載の方法。
前記希少変異は、A767V769dupASV、A769D770insASV、E709D、E709X、G709A+G719S、G719A、G719A+S768I、G719C、G719S、G719S+L861Q、G719S+S768I、G719X、L858R+S768D770dupSVD、L858R+S768I、L858R+T790M、S768I、及びT790M、からなる群から選択される、請求項30に記載の方法。
前記エキソン18変異またはエキソン19変異は、E697G、E709 T710delinsD、E709A+G719S、E709D、E709H T710del、E711K、エキソン19、G719A、G719C、G719S、G719S+L861Q、L692V、p.A702T、p.A743V、p.E709_T710delinsD、p.E709G、p.E734V、p.E749Q、p.G724C/S、p.G735D、p.K713T、p.K728E、p.L730R、p.L747P、p.P699L、p.P741S、p.S720F、p.T725M、p.V738F、P699L、T725M、及びY693I、からなる群から選択される、請求項33に記載の方法。
前記エキソン20変異は、A763 Y764insFQEA、A767 V769dupASV、A767S768insSVR、D761 E762insEAFQ、D770 H773dupTTP、D770 N771insSVD、G796S、H773_V774dupH、H773_V774insPH、H773L+V774M、Ins 2AA、Ins 3AA、M766 V769insWPA、N771 delinsKPP、N771dupN、p.A767_V769dup、p.D770_N771delinsP、p.G779F、p.H773_V774delinsLM、p.H773dup、p.N771_H773dup、p.N771delinsGY、p.Q791H、p.S768_D770dup、p.S768_V769delinsIL、p.V765M、P772 C775dupPHVC、P772 H773dupH、P772 H773insDNP、P772 H773insLGNP、P772 H773insT、R776H、S768 D770dupSVD、L858Rを伴うS768D770dupSVD、T725M、V769M、及びR776Hなどのその他の変異を伴う、L858Rを伴うS768D770dupSVD、S768I+V769L、L858Rを伴うS768I、T725M、V769M、及びR776Hなどのその他の変異を伴う、L858Rを伴うS768I、T790M、L858Rを伴うT790M、T725M、V769M、及びR776Hなどのその他の変異を伴う、L858Rを伴うT790M、V769 D770delinsGI、V769 D770insL、V769M、ならびにV774M、からなる群から選択される、請求項35に記載の方法。
前記エキソン21変異は、p.A840T、p.A840V、p.A871E、p.D855Y、p.G857E、p.G863S、p.G874D、p.H835fs*55、p.H835L、p.L833_V834delinsFL、p.L833V、p.L861Q/R、p.P848L、p.R831C、p.T847I、p.V834L、p.V843I、及びp.V843L、からなる群から選択される、請求項37に記載の方法。
前記complex変異は、G719A+P772 H773dup、G719A+S768I、G719A+V769M、G719C+S768I、G719S+del19(E746_A750del)、G719S+L861Q、G719S+S768I、P.G724S+p.S768I、p.E709G+p.L858R、p.E746_A750del+p.T751P、p.E746_R748del+p.A750P、p.G719A+p.L861Q、p.G719A+p.L861R、p.G719C+p.L833_V834delinsFL、p.G719C+p.L861Q、p.G719C+p.S768I、p.G721D+p.E746_A750del、p.L833_V834delinsFL+p.L858R、p.L833V+p.H835L、p.L858R+p.A871E、p.N700S+p.S784F、p.N700S+p.T783A、p.S720F+p.L861Q、p.T725M+p.K728E、p.T751_I759del+p.L798F、p.V738F+p.L858R、p.V834L+p.L858R、P772 H773dup、S768 D770dupSVD+L858R、S768I+L858R、及びT790M+L858R、からなる群から選択される、請求項39に記載の方法。
前記オシメルチニブ耐性変異は、Del19+C797S、Del19+G724S、Del19+L718V、Del19+L792F、Del19+L792H、L858R+C797G、L858R+C797S、L858R+L718Q、L858R+L718V、L858R+L792F、及びL858R+L792H、からなる群から選択される、請求項42に記載の方法。
肺腺癌と関連する前記EGFR変異は、A763_Y764insFQEA、A767_S768insTLA、A767_V769dupASV、D770_N771insGT、H773_V774insNPHを伴うD770N、G776V/L、Cins、GSP781−783ins、M766_A767insAI、S768_D770dupAVD、S768I、G719Aを伴うS768I、V769Lを伴うS768I、V765insHH、V769_D770insASV、V774_C775insHV、及びYVMA776−779ins、からなる群から選択される、請求項44に記載の方法。
胃癌と関連する前記EGFR変異は、MDK_ex4/HER2_ex11、NOS2_ex2/HER2_ex2、及びZNF207_ex2/HER2_ex18、からなる群から選択される、請求項46に記載の方法。
非小細胞肺腺癌と関連する前記EGFR変異は、L858R、L858R/T790M、del19、del19/T790M、del19/T790M/C797S、L861Q、及びG719C/S768I、からなる群から選択される、請求項50に記載の方法。
乳癌と関連する前記EGFR変異は、I655V、K676R、K753E、L755S、L768S、Q680R、R647K、及びV773L、からなる群から選択される、請求項54に記載の方法。
リンチ大腸癌及びリンチ様大腸癌と関連する前記EGFR変異は、A848T、G865R、L726F、L755S/F、A848Tを伴うL755S、V842Iを伴うL755S、及びV842I、からなる群から選択される、請求項56に記載の方法。
がんを有する対象におけるHER駆動性がんを治療するための方法であって、EGFR変異またはErbB−2変異のうちの少なくとも1つは、前記対象の腫瘍細胞において検出され、治療有効量の化合物A、またはその塩もしくは溶媒和物を投与することを含み、
前記EGFR変異は、A763_Y764insFHEA、C797S/L858R、d746−750、d746−750/C797A、d746−750/C797S、d746−750/T790M/C797S、D770GY、D770_N771insNPG、G719C、G719S、L747S、L858R、L858R/T790M、L861Q、及びT790M/C797S/L858R、からなる群から選択され、
前記ErbB−2変異は、D769H、D769Y、R896C、V777L、及びV777_G778insCG、からなる群から選択される、
前記方法。
化合物Aを用いた治療に対する、HER駆動性がんを有する対象の反応性を予測するための方法であって、前記対象に由来する腫瘍細胞の試料における変異の有無を検出することを含み、
前記対象は、前記対象に由来する腫瘍細胞の前記試料において、前記変異が検出された場合に、化合物Aを用いた前記治療に対して反応を示す見込みがあり、
前記変異は、A763_Y764insFHEA、C797S/L858R、d746−750、d746−750/C797A、d746−750/C797S、d746−750/T790M/C797S、D770GY、D770_N771insNPG、G719C、G719S、L747S、L858R、L858R/T790M、L861Q、及びT790M/C797S/L858R、からなる群から選択される、EGFR変異を含む、または、
前記変異は、D769H、D769Y、R896C、V777L、及びV777_G778insCG、からなる群から選択される、ErbB−2変異を含む、
前記方法。
少なくとも1つの変異は、A763_Y764insFHEA、C797S/L858R、d746−750、d746−750/C797A、d746−750/C797S、d746−750/T790M/C797S、D770GY、D770_N771insNPG、G719C、G719S、L747S、L858R、L858R/T790M、L861Q、及びT790M/C797S/L858R、からなる群から選択される、請求項1から請求項78のいずれか1項に記載の方法。
少なくとも1つの変異は、D769H、D.769Y、R896C、V777L、及びV777_G778insCG、からなる群から選択される、請求項1から請求項78のいずれか1項に記載の方法。
少なくとも1つの変異は、C797S/L858R、d746−750/C797S、d746−750/T790M/C797S、及びT790M/C797S/L858R、からなる群から選択される、請求項1から請求項78のいずれか1項に記載の方法。
前記がんは、オシメルチニブ、ゲフィチニブ、アファチニブ、エルロチニブ、ダコミチニブ、ラパチニブ、ネラチニブ、アビチニブ、オルムチニブ、ペリチニブ、ポジオチニブ、トラスツズマブ、ペルツズマブ、セツキシマブ、パニツムマブ、からなる群から選択される、少なくとも1種の薬剤に対する耐性を有する、請求項1から請求項81のいずれか1項に記載の方法。
化合物Aと組み合わせて、少なくとも1種の別の薬剤、またはその塩もしくは溶媒和物を投与することを更に含む、請求項1から請求項82のいずれか1項に記載の方法。
化合物Aは、吸入、経口、経鼻、直腸、非経口、舌下、経皮、経粘膜、膀胱内、肺内、十二指腸内、胃内、硬膜内、硬膜外、胸膜内、腹腔内、気管内、耳、眼内、皮下、筋肉内、皮膚内、動脈内、静脈内、気管支内、吸入、及び局所、からなる群から選択される少なくとも1つの経路で投与される、請求項1から請求項89のいずれか1項に記載の方法。
がんを有する対象におけるHER駆動性がんを治療するための方法であって、EGFR C797S変異は、前記対象の腫瘍細胞において検出され、治療有効量の化合物A、またはその塩もしくは溶媒和物を投与することを含む、前記方法。
化合物Aを用いた治療に対する、HER駆動性がんを有する対象の反応性を予測するための方法であって、前記対象に由来する腫瘍細胞の試料における変異の有無を検出することを含み、
前記対象は、前記対象に由来する腫瘍細胞の前記試料において、前記変異が検出された場合に、化合物Aを用いた前記治療に対して反応を示す見込みがあり、
前記変異は、EGFR C797S変異を含む、
前記方法。
前記EGFR C797S変異は、C797S/L858R、d746−750/C797S、d746−750/T790M/C797S、及びT790M/C797S/L858R、からなる群から選択される、少なくとも1つの変異を含む、請求項97から請求項107のいずれか1項に記載の方法。
前記がんは、オシメルチニブ、ゲフィチニブ、アファチニブ、及びエルロチニブ、からなる群から選択される、少なくとも1種の薬剤に対する耐性を有する、請求項97から請求項108のいずれか1項に記載の方法。
前記がんを治療または予防する、少なくとも1種の別の薬剤、またはその塩もしくは溶媒和物を投与することを更に含む、請求項97から請求項109のいずれか1項に記載の方法。
化合物Aは、吸入、経口、経鼻、直腸、非経口、舌下、経皮、経粘膜、膀胱内、肺内、十二指腸内、胃内、硬膜内、硬膜外、胸膜内、腹腔内、気管内、耳、眼内、皮下、筋肉内、皮膚内、動脈内、静脈内、気管支内、吸入、及び局所、からなる群から選択される少なくとも1つの経路で投与される、請求項97から請求項112のいずれか1項に記載の方法。
HER駆動性がんを治療するための医薬品の製造における化合物Aの使用であって、前記HER駆動性がんはエキソン18変異またはエキソン19変異を含む、前記使用。
HER駆動性がんを治療するための医薬品の製造における化合物Aの使用であって、前記HER駆動性がんは、非小細胞肺腺癌と関連するEGFR変異を含む、前記使用。
HER駆動性がんを治療するための医薬品の製造における化合物Aの使用であって、前記HER駆動性がんは、リンチ大腸癌及びリンチ様大腸癌と関連するEGFR変異を含む、前記使用。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本開示は部分的に、ある特定のニトロメチルアリール4級アンモニウム塩(NMQプロドラッグとも呼ばれる)を低分子EGFR阻害剤として使用して、ある特定のHER駆動性がんを治療または予防することが可能であるという発見に関する。一部の実施形態では、がんはHER駆動性薬剤耐性がんである。一部の実施形態では、低分子EGFR阻害剤(RN−4000;「(E)−4−((4−((3−ブロモ−4−クロロフェニル)アミノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル)アミノ)−N,N−ジメチル−N−((1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル)−4−オキソブタ−2−エン−1−アミニウム塩(ブロミド)」としても周知;本明細書ではまた、(2E)−4−{[4−(3−ブロモ−4−クロロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−[(1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミドと呼ぶ;本明細書ではまた、化合物A、RN−4000、TRLX、またはタルロキソチニブと呼ぶ)、及び/または、その活性代謝物(RN−4000E;「(E)−N−(4−((3−ブロモ−4−クロロフェニル)アミノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド」としても周知;本明細書ではまた、「(2E)−N−[4−(3−ブロモ−4−クロロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]−4−(ジメチルアミノ)−2−ブテンアミド」と呼ぶ;本明細書ではまた、化合物Bと呼ぶ)を使用して、ある特定のHER駆動性がんを治療または予防する。
【0028】
一部の実施形態では、がんはEGFR駆動性である。
【0029】
化合物Aが、カチオンまたは塩、例えば、以下に記載する臭化物塩として存在し得るということを当業者は理解するであろう。
【0030】
化合物A及び化合物Bの構造について、以下に記載する:
【化1】
化合物A、RN−4000、TRLX、またはタルロキソチニブ
【化2】
化合物B、またはRN−4000EもしくはTRLX−TKI
【0031】
本開示では、ある特定のHER駆動性がんを治療または予防するための、化合物A及び/または化合物Bの任意のその他の低分子アナログを含む、その他のNMQプロドラッグ及び/または低分子EGFR阻害剤の使用について、更に検討を行う。一部の実施形態では、がんはHER駆動性薬剤耐性がんである。このようなNMQプロドラッグ及び/または低分子EGFR阻害剤としては、WO2010104406、WO2011028135、US20120077811、及びUS20120202832(それぞれの内容全体は参照により本明細書に組み込まれる)に開示されているものが挙げられるがこれらに限定されない。例えば、本開示では、式I、
【化3】
の4級窒素塩化合物のNMQプロドラッグについての検討を行い、
式中、
Xは、任意の負に荷電した対イオンであり、
R
1は、式−(CH
2)
nTrの基であり、式中、Trは、芳香族ニトロ複素環または芳香族ニトロ炭素環であり、−(CH
2)
nTrは、還元的に活性化した分解トリガー(「還元トリガー」)として機能し、
nは、0〜6の整数であり、
R
2、R
3、及びR
4はそれぞれ独立して、3級アミンキナーゼ阻害剤(R
2)(R
3)(R
4)Nの脂肪族基もしくは芳香族基である、または、R
2、R
3、及びR
4のうちの2つは、キナーゼ阻害剤の脂肪族もしくは芳香族の複素環式アミン環を形成していてもよく、または、R
2、R
3、及びR
4のうちの1つは不在であり、R
2、R
3、及びR
4のうちの2つは、キナーゼ阻害剤の芳香族複素環式アミン環を形成していてもよい。
【0032】
一部の実施形態では、化合物は、式II、
【化4】
の化合物であり、
式中、
Xは、任意の負に荷電した対イオンであり、
Yは、NまたはC−R
7であり、式中、R
7は、H、C
1−C
6アルキル、C
1−C
6アルコキシ、ならびに、以下の式IIIa、IIIb、及びIIIc、
【化5】
のうちの1つの基から選択され、
式中、*は、結合点であり、
Tは、O、NH、N(C
1−C
6アルキル)、及び直接連結部から選択され、
mは、0〜6の整数であり、
Uは、OR
10、CF
3、OCF
3、CN、NR
11R
12、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、N1−メチルピペラジニル、モルホリニル、CON(R
13)(R
14)、SO
2N(R
15)(R
16)、N(R
17)COR
18、N(R
19)SO
2R
20、COR
21、SOR
22、SO
2R
23、及びCOOR
24、から選択され、
R
8、R
9、R
10、R
11、R
12、R
13、R
14、R
15、R
16、R
17、R
18、R
19、R
20、R
21、R
22、R
23、R
24は独立して、H及びC
1−C
6アルキルから選択され、
Zは、NまたはC−CNであり、
nは、0〜6の整数であり、
R
1は、式(CH
2)
nTrの基であり、式中、Trは、芳香族ニトロ複素環または芳香族ニトロ炭素環であり、−(CH
2)
nTrは、還元トリガーとして機能し、
nは、0〜6の整数であり、
R
2及びR
3は独立して、C
1−C
6アルキル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、CH
2CH
2OH、及びCH
2CH
2O(C
1−C
6アルキル)、から選択される、または、R
2及びR
3は共に、少なくとも1個のヘテロ原子を含有する非芳香族炭素環もしくは非芳香族複素環を形成していてもよく、
R
5は、アニリン、インドール、インドリン、アミン、アミノインドール、及びアミノインダゾール、から選択され、そのそれぞれは、H、C
1−C
6アルキル、C
2−C
6アルケニル、C
2−C
6アルキニル、C
1−C
6アルコキシ、F、Cl、Br、I、CN、CH
2F、CHF
2、CF
3、OH、NH
2、NO
2、NH(C
1−C
6アルキル)、N(C
1−C
6アルキル)
2、CONH
2、CO(C
1−C
6アルキル)、SO
2NH
2、及びSO
2(C
1−C
6アルキル)、から選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されていてもよく、
R
6は、H、C
1−C
6アルキル、C
1−C
6アルコキシ、NH(C
1−C
6アルキル)、N(C
1−C
6アルキル)
2、及び、以下の式IV、
【化6】
の基から選択され、
式中、
*は、結合点であり、
Vは、(CH
2)
k、O、NH、及びN(C
1−C
6アルキル)から選択され、
kは、0〜6の整数であり、
R
25は、H及びC
1−C
6アルキルから選択される。
【0033】
一部の実施形態では、Xは、ハロゲン化物(例えば、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物)、メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、トルエンスルホン酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、及びギ酸塩、から選択される。一部の実施形態では、Xはハロゲン化物である。一部の実施形態では、Xは、フッ化物、塩化物、臭化物、及びヨウ化物、から選択される。
【0034】
一部の実施形態では、R
1は、以下の式Va〜Vq、
【化7】
のうちの1つの基であり、
式中、
*は、式IIの化合物の4級窒素への結合点であり、
R
26は、H、C
1−C
6アルキル、C
1−C
6アルコキシ、C
2−C
6アルケニル、C
2−C
6アルキニル、CF
3、OCF
3、F、Cl、Br、I、NO
2、CN、COOH、COO(C
1−C
6アルキル)、CONH
2、CONH(C
1−C
6アルキル)、CON(C
1−C
6アルキル)
2、CO(C
1−C
6アルキル)、SO
2NH
2、SO
2NH(C
1−C
6アルキル)、SO
2N(C
1−C
6アルキル)
2、SO
2(C
1−C
6アルキル)、及び、上で定義した式IIIaの基、から選択され、式中、*は、式Vの基への結合点であり、
R
27は、H、C
1−C
6アルキル、及び、上で定義した式IIIaの基、から選択され、式中、*は、式Vの基への結合点であり、
R
28は、H及びC
1−C
6アルキルから選択される。
【0035】
一部の実施形態では、R
1は、以下の式Vr〜Vae、
【化8】
のうちの1つの基である。
【0036】
一部の実施形態では、R
1は、式Vcの基であり、式中、R
26はHであり、R
27はCH
3である。
【0037】
一部の実施形態では、R
1は、式Vdの基であり、式中、R
26は、H、C
1−C
6アルキル(例えば、メチル)、C
1−C
6アルコキシ(例えば、OCH
3)、C
2−C
6アルキニル(例えば、エチニル)、CONH
2、CONHMe、CF
3、OCF
3、Br、NO
2、及びCN、から選択され、R
27は、CH
3、CH
2CH
2CONH
2、及びCH
2CH
2CN、から選択される。
【0038】
一部の実施形態では、R
1は、式Vd、
【化9】
の基であり、
式中、*は、結合点であり、R
26は、H及びC
1−C
3アルキルから選択され、R
27は、H及びC
1−C
6アルキルから選択される。一部の実施形態では、R
26は、H、メチル、エチル、トリフルオロメチル、−CN、−CONH
2、及びプロピン−1−イル、から選択され、R
27はC
1−C
6アルキルである。
【0039】
一部の実施形態では、R
26はHであり、R
27はC
1−C
3アルキル(例えば、メチル)である。
【0040】
一部の実施形態では、R
1は式Vdの基であり、式中、R
26は1−プロピニルであり、R
27はCH
3である。
【0041】
一部の実施形態では、R
1は式Vqの基であり、式中、R
26は、H、C
1−C
6アルキル(例えば、メチルまたはエチル)、及びC
1−C
6アルコキシ(例えば、OCH
3)、から選択され、R
27はCH
3である。
【0042】
一部の実施形態では、R
1は、式Vd
(1)〜Vd
(7)、
【化10】
のうちのいずれか1つの基である。
【0043】
一部の実施形態では、R
27は、メチル、エチル、及びプロピルから選択される。一部の実施形態では、R
27はメチルである。
【0044】
一部の実施形態では、R
2及びR
3は、ピロリジニウム、ピペリジニウム、ピペラジニウム、N1−メチルピペラジニウム、及びモルホリニウム、から選択される環を形成する。
【0045】
一部の実施形態では、R
5は、以下の式VIa〜VIg、
【化11】
のうちの1つの基であり、
式中、
*は、結合点であり、
R
29、R
36、R
37、R
39、R
44、R
49、及びR
54は独立して、H及びC
1−C
6アルキルから選択され、
R
30、R
31、R
32、R
33、R
34、R
35、R
38、R
40、R
41、R
42、R
43、R
45、R
46、R
47、R
48、R
50、R
51、R
52、R
53、R
55、R
56、R
57、及びR
58は独立して、H、C
1−C
6アルキル、C
2−C
6アルケニル、C
2−C
6アルキニル、C
1−C
6アルコキシ、F、Cl、Br、I、CN、CH
2F、CHF
2、CF
3、OH、NH
2、NO
2、NH(C
1−C
6アルキル)、N(C
1−C
6アルキル)
2、CONH
2、CO(C
1−C
6アルキル)、SO
2NH
2、及びSO
2(C
1−C
6アルキル)、から選択され、
WはNまたはC−Hである。
【0046】
一部の実施形態では、YはNであり、ZはNまたはC−CNであり、
R
1は、以下、
(a)式Vcの基(式中、R
26はHであり、R
27はCH
3である)、
(b)式Vdの基(式中、(i)R
26は、H、C
1−C
6アルキル(例えば、メチル)、C
1−C
6アルコキシ(例えば、OCH
3)、C
2−C
6アルキニル(例えば、エチニル)、CF
3、OCF
3、Br、NO
2、及びCN、から選択され、R
27は、CH
3、CH
2CH
2CONH
2、及びCH
2CH
2CN、から選択される、または、(ii)R
26は1−プロピニルであり、R
27はCH
3である)、
(c)式Vfの基(式中、R
26はHであり、R
27はCH
3である)、及び、
(d)式Vqの基(式中、R
26は、H、C
1−C
6アルキル(例えば、メチル及びエチル)、及びC
1−C
6アルコキシ(例えば、OCH
3)、から選択され、R
27はCH
3である)、
から選択され、
式中、
R
2及びR
3は、独立して、C
1−C
6アルキルから選択される、または、ピロリジニウム、ピペリジニウム、ピペラジニウム、N1−メチルピペラジニウム、及びモルホリニウム、から選択される環を共に形成し、
R
5は、以下、
(a)式VIaの基(式中、*は、結合点であり、R
29はHであり、R
30、R
31、R
32は独立して、H、C
1−C
6アルキル、C
2−C
6アルケニル、C
2−C
6アルキニル、C
1−C
6アルコキシ、F、Cl、Br、I、CN、CH
2F、CHF
2、CF
3、OH、NH
2、NO
2、NH(C
1−C
6アルキル)、及びN(C
1−C
6アルキル)
2、から選択される)、
(b)式VIdの基(式中、*は、結合点であり、R
39はHであり、R
40及びR
41は独立して、H、C
1−C
6アルキル、C
2−C
6アルケニル、C
2−C
6アルキニル、C
1−C
6アルコキシ、F、Cl、Br、I、CN、CH
2F、CHF
2、CF
3、OH、NH
2、NO
2、NH(C
1−C
6アルキル)、及びN(C
1−C
6アルキル)
2、から選択され、R
42及びR
43は独立して、H、C
1−C
6アルキル、C
2−C
6アルケニル、C
2−C
6アルキニル、C
1−C
6アルコキシ、F、Cl、Br、I、CN、CH
2F、CHF
2、CF
3、OH、NH
2、NO
2、NH(C
1−C
6アルキル)、及びN(C
1−C
6アルキル)
2、から選択され、WはNまたはC−Hである)、及び、
(c)式VIfの基(式中、*は、結合点であり、R
49はHであり、R
50及びR
51は独立して、H及びFから選択され、R
52及びR
53は独立して、H、C
1−C
6アルキル、F、Cl、Br、I、CH
2F、CHF
2、及びCF
3、から選択され、WはNまたはC−Hである)、
から選択され、
R
6はHであり、
Xは、任意の負に荷電した対イオンであり、
n=1または2である。
【0047】
一部の実施形態では、YはC−HまたはC−(C
1−C
6アルコキシ)であり、ZはNまたはC−CNであり、
R
1は、以下、
(a)式Vcの基(式中、R
26はHであり、R
27はCH
3である)、
(b)式Vdの基(式中、R
26は、H、C
1−C
6アルキル、C
1−C
6アルコキシ、C
2−C
6アルキニル、CF
3、OCF
3、Br、NO
2、及びCN、から選択され、R
27は、CH
3、CH
2CH
2CONH
2、及びCH
2CH
2CN、から選択される、または、R
26は1−プロピニルであり、R
27はCH
3である)、
(c)式Vfの基(式中、R
26はHであり、R
27はCH
3である)、及び、
(d)式Vqの基(式中、R
26は、H、C
1−C
6アルキル(例えば、メチル及びエチル)、及びC
1−C
6アルコキシ(例えば、OCH
3)、から選択され、R
27はCH
3である)、
から選択され、
R
2及びR
3は、独立して、C
1−C
6アルキルから選択される、または、ピロリジニウム、ピペリジニウム、ピペラジニウム、N1−メチルピペラジニウム、及びモルホリニウム、から選択される環を共に形成し、
R
5は、以下、
(a)式VIaの基(式中、*は、結合点であり、R
29はHであり、R
30、R
31、R
32は独立して、H、C
1−C
6アルキル、C
2−C
6アルケニル、C
2−C
6アルキニル、C
1−C
6アルコキシ、F、Cl、Br、I、CN、CH
2F、CHF
2、CF
3、OH、NH
2、NO
2、NH(C
1−C
6アルキル)、及びN(C
1−C
6アルキル)
2、から選択される)、
(b)式VIdの基(式中、*は、結合点であり、R
39はHであり、R
40及びR
41は独立して、H、C
1−C
6アルキル、C
2−C
6アルケニル、C
2−C
6アルキニル、C
1−C
6アルコキシ、F、Cl、Br、I、CN、CH
2F、CHF
2、CF
3、OH、NH
2、NO
2、NH(C
1−C
6アルキル)、及びN(C
1−C
6アルキル)
2、から選択され、R
42及びR
43は独立して、H、C
1−C
6アルキル、C
2−C
6アルケニル、C
2−C
6アルキニル、C
1−C
6アルコキシ、F、Cl、Br、I、CN、CH
2F、CHF
2、CF
3、OH、NH
2、NO
2、NH(C
1−C
6アルキル)、及びN(C
1−C
6アルキル)
2、から選択され、WはNまたはC−Hである)、及び、
(c)式VIfの基(式中、*は、結合点であり、R
49はHであり、R
50及びR
51は独立して、H及びFから選択され、R
52及びR
53は独立して、H、C
1−C
6アルキル、F、Cl、Br、I、CH
2F、CHF
2、及びCF
3、から選択され、WはNまたはC−Hである)、
から選択され、
R
6はHであり、
Xは、任意の負に荷電した対イオンであり、
n=1または2である。
【0048】
一部の実施形態では、YはC−R
7であり、式中、R
7は式IIIbの基であり、ZはNまたはC−CNであり、
R
1は、以下、
(a)式Vcの基(式中、R
26はHであり、R
27はCH
3である)、
(b)式Vdの基(式中、R
26は、H、C
1−C
6アルキル、C
1−C
6アルコキシ、C
2−C
6アルキニル、CF
3、OCF
3、Br、NO
2、及びCN、から選択され、R
27は、CH
3、CH
2CH
2CONH
2、及びCH
2CH
2CN、から選択される、または、R
26は1−プロピニルであり、R
27はCH
3である)、
(c)式Vfの基(式中、R
26はHであり、R
27はCH
3である)、及び、
(d)式Vqの基(式中、R
26は、H、C
1−C
6アルキル(例えば、メチル及びエチル)、及びC
1−C
6アルコキシ(例えば、OCH
3)、から選択され、R
27はCH
3である)、
から選択され、
R
2及びR
3は、独立して、C
1−C
6アルキルから選択される、または、ピロリジニウム、ピペリジニウム、ピペラジニウム、N1−メチルピペラジニウム、及びモルホリニウム、から選択される環を共に形成し、
R
5は、以下、
(a)式VIaの基(式中、*は、式IIの化合物への結合点であり、R
29はHであり、R
30、R
31、R
32は独立して、H、C
1−C
6アルキル、C
2−C
6アルケニル、C
2−C
6アルキニル、C
1−C
6アルコキシ、F、Cl、Br、I、CN、CH
2F、CHF
2、CF
3、OH、NH
2、NO
2、NH(C
1−C
6アルキル)、及びN(C
1−C
6アルキル)
2、から選択される)、
(b)式VIdの基(式中、*は、式IIの化合物への結合点であり、R
39はHであり、R
40及びR
41は独立して、H、C
1−C
6アルキル、C
2−C
6アルケニル、C
2−C
6アルキニル、C
1−C
6アルコキシ、F、Cl、Br、I、CN、CH
2F、CHF
2、CF
3、OH、NH
2、NO
2、NH(C
1−C
6アルキル)、及びN(C
1−C
6アルキル)
2、から選択され、R
42及びR
43は独立して、H、C
1−C
6アルキル、C
2−C
6アルケニル、C
2−C
6アルキニル、C
1−C
6アルコキシ、F、Cl、Br、I、CN、CH
2F、CHF
2、CF
3、OH、NH
2、NO
2、NH(C
1−C
6アルキル)、及びN(C
1−C
6アルキル)
2、から選択され、WはNまたはC−Hである)、及び、
(c)式VIfの基(式中、*は、式IIの化合物への結合点であり、R
49はHであり、R
50及びR
51は独立して、HまたはFから選択され、R
52及びR
53は独立して、H、C
1−C
6アルキル、F、Cl、Br、I、CH
2F、CHF
2、及びCF
3、から選択され、WはNまたはC−Hである)、
から選択され、
R
6はHであり、
Xは、任意の負に荷電した対イオンであり、
n=1または2である。
【0049】
一部の実施形態では、化合物は、式VII、
【化12】
の化合物であり、
式中、
(1)R
59はHであり、
(a)R
60は(3−クロロベンジル)オキシ−であり、R
61はクロロである、
(b)R
60及びR
61は、それらが結合している炭素原子と共に、1−(3−フルオロベンジル)−1H−ピラゾールを形成する、
(c)R
60は2−ピリジニルメトキシであり、R
61はクロロである、
(d)R
60とR
61は両方ともクロロである、
(e)R
60はクロロであり、R
61はブロモである、
(f)R
60とR
61は両方ともブロモである、
(g)R
60はフルオロであり、R
61はエチニルである、
(h)R
60はクロロであり、R
61はエチニルである、
(i)R
60はブロモであり、R
61はエチニルである、
(j)R
60が4位のR
61と組み合わせて3位にある場合以外において、R
60はブロモであり、R
61はフルオロである、
(k)R
60は2−ピリジニルメトキシであり、R
61はフルオロである、もしくは、
(l)R
60は2−ピリジニルメトキシであり、R
61はブロモである、
(2)R
59、R
60、及びR
61のうちの少なくとも1つは、ベンジルオキシ、3−クロロベンジルオキシ、及び2−ピリジニルメトキシ、から選択され、R
59、R
60、及びR
61のうちの少なくとも1つが、ベンジルオキシ、3−クロロベンジルオキシ、または2−ピリジニルメトキシ、ではない場合、それ以外のそれぞれは独立して、H、ハロゲン、及びC
2−C
4アルキニル、から選択され、R
59、R
60、及びR
61のうちの1つが、ベンジルオキシまたは2−ピリジニルメトキシであるならば、R
59、R
60、及びR
61のうちのそれ以外の2つは、Hではない、
または、
(3)R
59、R
60、及びR
61のうちの2つは、それらが結合している炭素原子と共に、1−(3−フルオロベンジル)−1H−ピラゾールを形成し、それ以外は、H、ハロゲン、及びC
2−C
4アルキニル、から選択される、
のいずれかである。
【0050】
一部の実施形態では、式VIIの化合物は、式VIII、
【化13】
に記載の化合物であり、
式中、R
62はHであり、
(a)R
63は(3−クロロベンジル)オキシ−であり、R
64はクロロである、
(b)R
63及びR
64は、それらが結合している炭素原子と共に、1−(3−フルオロベンジル)−1H−ピラゾールを形成する、
(c)R
63は2−ピリジニルメトキシであり、R
64はクロロである、
(d)R
63とR
64は両方ともクロロである、
(e)R
63はクロロであり、R
64はブロモである、
(f)R
63はブロモであり、R
64はクロロである、
(g)R
63とR
64は両方ともブロモである、
(h)R
63はフルオロであり、R
64はエチニルである、
(i)R
63はクロロであり、R
64はエチニルである、
(j)R
63はブロモであり、R
64はエチニルである、
(k)R
63はブロモであり、R
64はフルオロである、
(l)R
63は2−ピリジニルメトキシであり、R
64はフルオロである、または、
(m)R
63は2−ピリジニルメトキシであり、R
64はブロモである、
のいずれかである。
【0051】
一部の実施形態では、式VIIの化合物は、
(2E)−N−(4−{3−クロロ−4−[(3−クロロベンジル)オキシ]アニリノ}ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル)−4−(ジメチルアミノ)−2−ブテンアミド(1)、
(2E)−4−(ジメチルアミノ)−N−(4−{[1−(3−フルオロベンジル)−1H−インダゾール−5−イル]アミノ}ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル)−2−ブテンアミド(2)、
(2E)−N−{4−[3−クロロ−4−(2−ピリジニルメトキシ)アニリノ]ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル}−4−(ジメチルアミノ)−2−ブテンアミド(3)、
(2E)−N−[4−(3,4−ジクロロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]−4−(ジメチルアミノ)−2−ブテンアミド(4)、
(2E)−N−[4−(3−ブロモ−4−クロロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]−4−(ジメチルアミノ)−2−ブテンアミド(5)、
(2E)−N−[4−(4−ブロモ−3−クロロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]−4−(ジメチルアミノ)−2−ブテンアミド(6)、
(2E)−N−[4−(3,4−ジブロモアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]−4−(ジメチルアミノ)−2−ブテンアミド(7)、
(2E)−4−(ジメチルアミノ)−N−[4−(3−エチニル−4−フルオロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]−2−ブテンアミド(8)、
(2E)−N−[4−(4−クロロ−3−エチニルアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]−4−(ジメチルアミノ)−2−ブテンアミド(9)、
(2E)−N−[4−(4−ブロモ−3−エチニルアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]−4−(ジメチルアミノ)−2−ブテンアミド(10)、
(2E)−N−[4−(4−ブロモ−3−フルオロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]−4−(ジメチルアミノ)−2−ブテンアミド(11)、
(2E)−4−(ジメチルアミノ)−N−{4−[3−フルオロ−4−(2−ピリジニルメトキシ)アニリノ]ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル}−2−ブテンアミド(89)、及び
(2E)−N−{4−[3−ブロモ−4−(2−ピリジニルメトキシ)アニリノ]ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル}−4−(ジメチルアミノ)−2−ブテンアミド(90)、
からなる群から選択される。
【0052】
上のリストに記載した化合物の構造について、以下、
【化14】
に記載する。
【0053】
一部の実施形態では、化合物は、式IX、
【化15】
の化合物であり、
式中、Xは、任意の負に荷電した対イオンであり、R
59、R
60、及びR
61は、式VIIで定義したとおりであり、R
65は、H、メチル、エチル、トリフルオロメチル、−CN、−CONH
2、及びプロピン−1−イル、から選択され、R
66はC
1−C
6アルキルである。
【0054】
一部の実施形態では、化合物は、式X、
【化16】
の化合物であり、
式中、Xは、任意の負に荷電した対イオンであり、R
59、R
60、及びR
61は、式VIIで定義したとおりであり、R
67は、H、メチル、エチル、トリフルオロメチル、−CN、−CONH
2、及びプロピン−1−イル、から選択される。
【0055】
一部の実施形態では、化合物は、式XI、
【化17】
の化合物であり、
式中、Xは、任意の負に荷電した対イオンであり、R
62、R
63、及びR
64は、式VIIIで定義したとおりであり、R
68は、H、メチル、エチル、トリフルオロメチル、−CN、−CONH
2、及びプロピン−1−イル、から選択される。
【0056】
一部の実施形態では、Xは、ハロゲン化物(例えば、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物)、メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、トルエンスルホン酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、及びギ酸塩、から選択される。
【0057】
一部の実施形態では、化合物は、
(2E)−4−[(4−{3−クロロ−4−[(3−クロロベンジル)オキシ]アニリノ}ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル)アミノ]−N,N−ジメチル−N−[(1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(12)、
(2E)−4−[(4−{[1−(3−フルオロベンジル)−1H−インダゾール−5−イル]アミノ}ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル)アミノ]−N,N−ジメチル−N−[(1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(13)、
(2E)−N−[(1,2−ジメチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−[(4−{[1−(3−フルオロベンジル)−1H−インダゾール−5−イル]アミノ}ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル)アミノ]−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(14)、
(2E)−4−({4−[3−クロロ−4−(2−ピリジニルメトキシ)アニリノ]ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル}アミノ)−N,N−ジメチル−N−[(1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(15)、
(2E)−4−{[4−(3,4−ジクロロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−[(1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(16)、
(2E)−4−{[4−(3−ブロモ−4−クロロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−[(1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(17)、
(2E)−4−{[4−(4−ブロモ−3−クロロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−[(1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(18)、
(2E)−4−{[4−(3,4−ジブロモアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−[(1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(19)、
(2E)−4−{[4−(3−エチニル−4−フルオロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−[(1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(20)、
(2E)−4−{[4−(4−クロロ−3−エチニルアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−[(1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(21)、
(2E)−4−[(4−{3−クロロ−4−[(3−クロロベンジル)オキシ]アニリノ}ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル)アミノ]−N−[(1,2−ジメチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(22)、
(2E)−4−[(4−{3−クロロ−4−[(3−クロロベンジル)オキシ]アニリノ}ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル)アミノ]−N−[(2−エチル−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(23)、
(2E)−4−[(4−{3−クロロ−4−[(3−クロロベンジル)オキシ]アニリノ}ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル)アミノ]−N,N−ジメチル−N−{[1−メチル−4−ニトロ−2−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(24)、
(2E)−4−[(4−{3−クロロ−4−[(3−クロロベンジル)オキシ]アニリノ}ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル)アミノ]−N−[(2−シアノ−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(25)、
(2E)−N−{[2−(アミノカルボニル)−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−[(4−{3−クロロ−4−[(3−クロロベンジル)オキシ]アニリノ}ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル)アミノ]−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(26)、
(2E)−4−[(4−{3−クロロ−4−[(3−クロロベンジル)オキシ]アニリノ}ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル)アミノ]−N,N−ジメチル−N−{[1−メチル−4−ニトロ−2−(1−プロピニル)−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(27)、
(2E)−N−[(2−エチル−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−[(4−{[1−(3−フルオロベンジル)−1H−インダゾール−5−イル]アミノ}ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル)アミノ]−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(28)、
(2E)−4−[(4−{[1−(3−フルオロベンジル)−1H−インダゾール−5−イル]アミノ}ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル)アミノ]−N,N−ジメチル−N−{[1−メチル−4−ニトロ−2−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(29)、
(2E)−N−[(2−シアノ−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−[(4−{[1−(3−フルオロベンジル)−1H−インダゾール−5−イル]アミノ}ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル)アミノ]−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(30)、
(2E)−N−{[2−(アミノカルボニル)−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−[(4−{[1−(3−フルオロベンジル)−1H−インダゾール−5−イル]アミノ}ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル)アミノ]−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(31)、
(2E)−4−[(4−{[1−(3−フルオロベンジル)−1H−インダゾール−5−イル]アミノ}ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル)アミノ]−N,N−ジメチル−N−{[1−メチル−4−ニトロ−2−(1−プロピニル)−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(32)、
(2E)−4−({4−[3−クロロ−4−(2−ピリジニルメトキシ)アニリノ]ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル}アミノ)−N−[(1,2−ジメチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(33)、
(2E)−4−({4−[3−クロロ−4−(2−ピリジニルメトキシ)アニリノ]ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル}アミノ)−N−[(2−エチル−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(34)、
(2E)−4−({4−[3−クロロ−4−(2−ピリジニルメトキシ)アニリノ]ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル}アミノ)−N,N−ジメチル−N−{[1−メチル−4−ニトロ−2−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(35)、
(2E)−4−({4−[3−クロロ−4−(2−ピリジニルメトキシ)アニリノ]ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル}アミノ)−N−[(2−シアノ−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(36)、
(2E)−N−{[2−(アミノカルボニル)−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−({4−[3−クロロ−4−(2−ピリジニルメトキシ)アニリノ]ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル}アミノ)−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(37)、
(2E)−4−({4−[3−クロロ−4−(2−ピリジニルメトキシ)アニリノ]ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル}アミノ)−N,N−ジメチル−N−{[1−メチル−4−ニトロ−2−(1−プロピニル)−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(38)、
(2E)−4−{[4−(3,4−ジクロロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N−[(1,2−ジメチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(39)、
(2E)−4−{[4−(3,4−ジクロロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N−[(2−エチル−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(40)、
(2E)−4−{[4−(3,4−ジクロロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−{[1−メチル−4−ニトロ−2−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(41)、
(2E)−N−[(2−シアノ−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−{[4−(3,4−ジクロロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(42)、
(2E)−N−{[2−(アミノカルボニル)−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−{[4−(3,4−ジクロロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(43)、
(2E)−4−{[4−(3,4−ジクロロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−{[1−メチル−4−ニトロ−2−(1−プロピニル)−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(44)、
(2E)−4−{[4−(3−ブロモ−4−クロロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N−[(1,2−ジメチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(45)、
(2E)−4−{[4−(3−ブロモ−4−クロロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N−[(2−エチル−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(46)、
(2E)−4−{[4−(3−ブロモ−4−クロロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−{[1−メチル−4−ニトロ−2−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(47)、
(2E)−4−{[4−(3−ブロモ−4−クロロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N−[(2−シアノ−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(48)、
(2E)−N−{[2−(アミノカルボニル)−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−{[4−(3−ブロモ−4−クロロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(49)、
(2E)−4−{[4−(3−ブロモ−4−クロロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−{[1−メチル−4−ニトロ−2−(1−プロピニル)−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(50)、
(2E)−4−{[4−(4−ブロモ−3−クロロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N−[(1,2−ジメチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(51)、
(2E)−4−{[4−(4−ブロモ−3−クロロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N−[(2−エチル−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(52)、
(2E)−4−{[4−(4−ブロモ−3−クロロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−{[1−メチル−4−ニトロ−2−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(53)、
(2E)−4−{[4−(4−ブロモ−3−クロロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N−[(2−シアノ−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(54)、
(2E)−N−{[2−(アミノカルボニル)−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−{[4−(4−ブロモ−3−クロロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(55)、
(2E)−4−{[4−(4−ブロモ−3−クロロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−{[1−メチル−4−ニトロ−2−(1−プロピニル)−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(56)、
(2E)−4−{[4−(3,4−ジブロモアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N−[(1,2−ジメチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(57)、
(2E)−4−{[4−(3,4−ジブロモアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N−[(2−エチル−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(58)、
(2E)−4−{[4−(3,4−ジブロモアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−{[1−メチル−4−ニトロ−2−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(59)、
(2E)−N−[(2−シアノ−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−{[4−(3,4−ジブロモアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(60)、
(2E)−N−{[2−(アミノカルボニル)−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−{[4−(3,4−ジブロモアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(61)、
(2E)−4−{[4−(3,4−ジブロモアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−{[1−メチル−4−ニトロ−2−(1−プロピニル)−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(62)、
(2E)−N−[(1,2−ジメチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−{[4−(3−エチニル−4−フルオロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(63)、
(2E)−N−[(2−エチル−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−{[4−(3−エチニル−4−フルオロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(64)、
(2E)−4−{[4−(3−エチニル−4−フルオロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−{[1−メチル−4−ニトロ−2−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(65)、
(2E)−N−[(2−シアノ−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−{[4−(3−エチニル−4−フルオロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(66)、
(2E)−N−{[2−(アミノカルボニル)−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−{[4−(3−エチニル−4−フルオロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(67)、
(2E)−4−{[4−(3−エチニル−4−フルオロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−{[1−メチル−4−ニトロ−2−(1−プロピニル)−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(68)、
(2E)−4−{[4−(4−クロロ−3−エチニルアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N−[(1,2−ジメチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(69)、
(2E)−4−{[4−(4−クロロ−3−エチニルアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N−[(2−エチル−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(70)、
(2E)−4−{[4−(4−クロロ−3−エチニルアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−{[1−メチル−4−ニトロ−2−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(71)、
(2E)−4−{[4−(4−クロロ−3−エチニルアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N−[(2−シアノ−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(72)、
(2E)−N−{[2−(アミノカルボニル)−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−{[4−(4−クロロ−3−エチニルアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(73)、
(2E)−4−{[4−(4−クロロ−3−エチニルアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−{[1−メチル−4−ニトロ−2−(1−プロピニル)−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(74)、
(2E)−4−{[4−(4−ブロモ−3−エチニルアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−[(1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(75)、
(2E)−4−{[4−(4−ブロモ−3−エチニルアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N−[(1,2−ジメチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(76)、
(2E)−4−{[4−(4−ブロモ−3−エチニルアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N−[(2−エチル−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(77)、
(2E)−4−{[4−(4−ブロモ−3−エチニルアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−{[1−メチル−4−ニトロ−2−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(78)、
(2E)−4−{[4−(4−ブロモ−3−エチニルアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N−[(2−シアノ−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(79)、
(2E)−N−{[2−(アミノカルボニル)−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−{[4−(4−ブロモ−3−エチニルアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(80)、
(2E)−4−{[4−(4−ブロモ−3−エチニルアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−{[1−メチル−4−ニトロ−2−(1−プロピニル)−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(81)、
(2E)−4−{[4−(4−ブロモ−3−フルオロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−[(1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(82)、
(2E)−4−{[4−(4−ブロモ−3−フルオロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N−[(1,2−ジメチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(83)、
(2E)−4−{[4−(4−ブロモ−3−フルオロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N−[(2−エチル−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(84)、
(2E)−4−{[4−(4−ブロモ−3−フルオロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−{[1−メチル−4−ニトロ−2−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(85)、
(2E)−4−{[4−(4−ブロモ−3−フルオロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N−[(2−シアノ−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(86)、
(2E)−N−{[2−(アミノカルボニル)−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−{[4−(4−ブロモ−3−フルオロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(87)、
(2E)−4−{[4−(4−ブロモ−3−フルオロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−{[1−メチル−4−ニトロ−2−(1−プロピニル)−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(88)、
(2E)−4−({4−[3−フルオロ−4−(2−ピリジニルメトキシ)アニリノ]ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル}アミノ)−N,N−ジメチル−N−[(1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(91)、
(2E)−N−[(1,2−ジメチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−({4−[3−フルオロ−4−(2−ピリジニルメトキシ)アニリノ]ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル}アミノ)−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(92)、
(2E)−N−[(2−エチル−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−({4−[3−フルオロ−4−(2−ピリジニルメトキシ)アニリノ]ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル}アミノ)−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(93)、
(2E)−4−({4−[3−フルオロ−4−(2−ピリジニルメトキシ)アニリノ]ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル}アミノ)−N,N−ジメチル−N−{[1−メチル−4−ニトロ−2−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(94)、
(2E)−N−[(2−シアノ−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−({4−[3−フルオロ−4−(2−ピリジニルメトキシ)アニリノ]ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル}アミノ)−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(95)、
(2E)−N−{[2−(アミノカルボニル)−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−({4−[3−フルオロ−4−(2−ピリジニルメトキシ)アニリノ]ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル}アミノ)−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(96)、
(2E)−4−({4−[3−フルオロ−4−(2−ピリジニルメトキシ)アニリノ]ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル}アミノ)−N,N−ジメチル−N−{[1−メチル−4−ニトロ−2−(1−プロピニル)−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(97)、
(2E)−4−({4−[3−ブロモ−4−(2−ピリジニルメトキシ)アニリノ]ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル}アミノ)−N,N−ジメチル−N−[(1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(98)、
(2E)−4−({4−[3−ブロモ−4−(2−ピリジニルメトキシ)アニリノ]ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル}アミノ)−N−[(1,2−ジメチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(99)、
(2E)−4−({4−[3−ブロモ−4−(2−ピリジニルメトキシ)アニリノ]ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル}アミノ)−N−[(2−エチル−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(100)、
(2E)−4−({4−[3−ブロモ−4−(2−ピリジニルメトキシ)アニリノ]ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル}アミノ)−N,N−ジメチル−N−{[1−メチル−4−ニトロ−2−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(101)、
(2E)−4−({4−[3−ブロモ−4−(2−ピリジニルメトキシ)アニリノ]ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル}アミノ)−N−[(2−シアノ−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(102)、
(2E)−N−{[2−(アミノカルボニル)−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−({4−[3−ブロモ−4−(2−ピリジニルメトキシ)アニリノ]ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル}アミノ)−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(103)、及び
(2E)−4−({4−[3−ブロモ−4−(2−ピリジニルメトキシ)アニリノ]ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル}アミノ)−N,N−ジメチル−N−{[1−メチル−4−ニトロ−2−(1−プロピニル)−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(104)、
または、その任意のその他の塩(例えば、列挙した対イオンは、任意のその他の対イオンに交換され、一部の実施形態では、同一極性−陰性または陽性の薬学的に許容される対イオンである)、もしくはその任意の溶媒和物、
からなる群から選択される。
【0058】
上のリストに記載した化合物の構造について、以下、
【化18-1】
【化18-2】
【化18-3】
【化18-4】
【化18-5】
【化18-6】
【化18-7】
に記載する。
【0059】
一部の実施形態では、化合物は、
(2E)−4−{[4−(3−ブロモアニリノ)−6−キナゾリニル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−(4−ニトロ−ベンジル)−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド、
(2E)−4−{[4−(3−ブロモアニリノ)−6−キナゾリニル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−(2−ニトロ−ベンジル)−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド、
(2E)−4−{[4−(3−ブロモアニリノ)−6−キナゾリニル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−[(1−メチル−5−ニトロ−1H−ピロール−2−イル)メチル]−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド、
(2E)−4−{[4−(3−ブロモアニリノ)−6−キナゾリニル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−[(1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド、
(2E)−4−{[4−(3−ブロモアニリノ)−6−キナゾリニル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−[(1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−2−イル)メチル]−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド、
(2E)−4−{[4−(3−ブロモアニリノ)−6−キナゾリニル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−[(1−メチル−4−ニトロ−1H−ピラゾール−5−イル)メチル]−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド、
(2E)−4−{[4−(3−ブロモアニリノ)−6−キナゾリニル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−[(3−ニトロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル)メチル]−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド、
1−((2E)−4−{[4−(3−ブロモアニリノ)−6−キナゾリニル]アミノ}−4−オキソ−2−ブテニル)−1−[−(1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]ピペリジニウムブロミド、
4−((2E)−4−{[4−(3−ブロモアニリノ)−6−キナゾリニル]アミノ}−4−オキソ−2−ブテニル)−4−[−(1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]モルホリン−4−イウムホルメート、
(2E)−4−{[4−(3−クロロ−4−フルオロアニリノ)−7−メトキシ−6−キナゾリニル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−[(1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド、
(2E)−4−{[4−(3−ブロモ−4−フルオロアニリノ)−6−キナゾリニル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−[(1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド、
(2E)−4−{[4−(4−フルオロ−3−メトキシアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−[(1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド、
(2E)−4−{[4−(3−ブロモ−4−フルオロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,−N−ジメチル−N−[(1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド、
(2E)−4−{[4−(3−ブロモ−4−フルオロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N−[(1,2−ジメチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド、
(2E)−4−{[4−(3−ブロモ−4−フルオロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N−[(2−メトキシ−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド、
(2E)−4−{[4−(3−ブロモ−4−フルオロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N−[(2−エチニル−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド、
(2E)−4−{[4−(3−ブロモ−4−フルオロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,−N−ジメチル−N−{[1−メチル−4−ニトロ−2−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド、
(2E)−N−{[1−(3−アミノ−3−オキソプロピル)−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−{[4−(−3−ブロモ−4−フルオロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド、
(2E)−4−{[4−(3−ブロモ−4−フルオロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N−[(2−シアノ−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド、
(2E)−4−{[4−(3−ブロモ−4−フルオロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N−[(2−シアノ−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムトリフルオロアセテート、
(2E)−4−{[4−(3−ブロモ−4−フルオロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N−{[1−(2−シアノエチル)−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド、
(2E)−4−({4−[4−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)アニリノ]ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル}アミノ)−N,N−ジメチル−N−[(1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド、
(2E)−N−[(1,2−ジメチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−({4−[4−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)アニリノ]ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル}アミノ)−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド、
(2E)−4−({4−[4−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)アニリノ]ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル}アミノ)−N−[(2−メトキシ−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド、
(2E)−N−[(2−エチニル−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−({4−[4−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)アニリノ]ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル}アミノ)−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド、
(2E)−4−({4−[4−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)アニリノ]ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル}アミノ)−N,N−ジメチル−N−{[1−メチル−4−ニトロ−2−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド、
(2E)−N−{[1−(3−アミノ−3−オキソプロピル)−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−({4−[−4−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)アニリノ]ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル}アミノ)−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド、
(2E)−N−[(2−シアノ−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−({4−[4−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)アニリノ]ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル}アミノ)−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド、
(2E)−N−{[1−(2−シアノエチル)−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−({4−[4−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)アニリノ]ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル}アミノ)−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド、
(2E)−4−{[4−(3−エチニルアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−[(1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド、
(2E)−N−[(1,2−ジメチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−{[4−(3−エチニルアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド、
(2E)−4−{[4−(3−エチニルアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N−[(2−メトキシ−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド、
(2E)−4−{[4−(3−エチニルアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N−[(2−エチニル−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド、
(2E)−4−{[4−(3−エチニルアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−{[1−メチル−4−ニトロ−2−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド、
(2E)−N−{[1−(3−アミノ−3−オキソプロピル)−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−{[4−(−3−エチニルアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド、
(2E)−N−[(2−シアノ−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−{[4−(3−エチニルアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド、
(2E)−N−{[1−(2−シアノエチル)−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−{[4−(3−エチニルアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド、
(2E)−4−({4−(3−クロロ−4−フルオロアニリノ)−7−[(3S)−テトラヒドロ−3−フラニルオキシ]−6−キナゾリニル}アミノ)−N,N−ジメチル−N−[(1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムトリフルオロアセテート、
(2E)−4−({4−[3−クロロ−4−(2−ピリジニルメトキシ)アニリノ]−3−シアノ−7−エトキシ−6−キノリニル}アミノ)−N,N−ジメチル−N−[(1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムトリフルオロアセテート、
(2E)−4−{[4−(3−クロロ−4−フルオロアニリノ)−3−シアノ−7−エトキシ−6−キノリニル]アミノ−}−N,N−ジメチル−N−[(1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド、
2−(4−{[6−(2,6−ジクロロフェニル)−8−メチル−7−オキソ−7,8−ジヒドロピリド[2,3−d]ピリミジン−2−イル]アミノ}フェノキシ)−N,N−ジエチル−N−[(1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]エタンアンモニウムブロミド、
2−(4−{[6−(2,6−ジクロロフェニル)−8−メチル−7−オキソ−7,8−ジヒドロピリド[2,3−d]ピリミジン−2−イル]アミノ}フェノキシ)−N−[(1,2−ジメチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル−]N,N−ジエチルエタンアンモニウムブロミド、
4−{[6−(2,6−ジクロロフェニル)−8−メチル−7−オキソ−7,8−ジヒドロピリド[2,3−d]ピリミジン−2−イル]アミノ}−1−[(1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]ピリジニウムブロミド、
1−[2−(4−{[6−(2,6−ジクロロフェニル)−8−メチル−7−オキソ−7,8−ジヒドロピリド[2,3−d]ピリミジン−2−イル]アミノ}フェノキシ)エチル]−1−[(1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]ピペリジニウムブロミド、
N,N−ジエチル−2−[({5−[(Z)−(5−フルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−3H−インドール−3−イルイデン)メチル]−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−イル}カルボニル)アミノ]−N−[(1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]エタンアンモニウムトリフルオロアセテート、
N−[(1,2−ジメチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−N,N−ジエチル−2−[({5−[(Z)−(5−フルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−3H−インドール−3−イルイデン)メチル]2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−イル}カルボニル)アミノ]エタンアンモニウムブロミド、
4−({[4−(4−ブロモ−2−フルオロアニリノ)−6−メトキシ−7−キナゾリニル]オキシ}メチル)−1メチル−1−[(1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]ピペリジニウムトリフルオロアセテート、
(2E)−4−{[4−(3−ブロモ−4−フルオロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N−[(2−エチル−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド、
(2E)−4−{[4−(3−ブロモ−4−フルオロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,−N−ジメチル−N−{[1−メチル−4−ニトロ−2−(1−プロピニル)−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド、
(2E)−4−{[4−(3−ブロモ−4−フルオロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,−N−ジメチル−N−[(1−メチル−2−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド、
(2E)−4−{[4−(3−ブロモ−4−フルオロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N−[(4−エチル−1−メチル−2−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド、及び
(2E)−N−[(2−エチル−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−{[4−(3−エチニルアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1アンモニウムブロミド、
からなる群から選択される。
【0060】
一部の実施形態では、本明細書で開示する化合物は、がん、とりわけ、HER駆動性がんを治療するために投与される。一部の実施形態では、治療するがんは肺癌を含む。その他の実施形態では、肺癌は非小細胞肺癌を含む。更にその他の実施形態では、がんは胃癌を含む。更にその他の実施形態では、がんは乳癌を含む。更にその他の実施形態では、がんは頭頸部扁平上皮細胞癌(HNSCC)を含む。更にその他の実施形態では、がんは胃/胃食道(GE)移行部癌を含む。更にその他の実施形態では、がんは食道癌を含む。更にその他の実施形態では、がんは唾液腺癌を含む。更にその他の実施形態では、がんは卵巣癌を含む。更にその他の実施形態では、がんは子宮内膜癌を含む。更にその他の実施形態では、がんは子宮癌を含む。更にその他の実施形態では、がんは膵臓癌を含む。一部の実施形態では、がんは胆道癌を含む。一部の実施形態では、がんは膀胱癌を含む。一部の実施形態では、がんは大腸癌を含む。一部の実施形態では、がんは腎臓癌を含む。一部の実施形態では、がんは、脳癌及び/または脊髄癌(膠芽腫)を含む。一部の実施形態では、がんは、リンパ腫、例えば、原発性中枢神経系リンパ腫を含む。一部の実施形態では、がんは、白血病、例えば、急性リンパ芽球性白血病を含む。
【0061】
一部の実施形態では、がんは、肺癌、胃癌、乳癌、HNSCC、GE移行部癌、食道癌、唾液腺癌、卵巣癌、子宮内膜癌、子宮癌、前立腺癌、膵臓癌、結腸癌、胆道癌、膀胱癌、大腸、腎臓、膠芽腫、中皮腫、腺癌、リンパ腫、及び白血病、の群から選択される。
【0062】
一部の実施形態では、がんは非小細胞肺癌である。
【0063】
一部の実施形態では、がんは乳癌である。
【0064】
一部の実施形態では、がんは脳癌である。
【0065】
一部の実施形態では、がんは脳転移である。例えば、脳転移は、中枢神経系の外側にあり、その後血液脳関門を越えて脳に転移するがんを起源としていてもよい。それゆえ、ある特定の脳腫瘍は、体内の他の箇所を起源とするがんと関連し得る(例えば、がんに由来し得る)。
【0066】
一部の実施形態では、脳転移は非小細胞肺癌と関連している。
【0067】
一部の実施形態では、がんは尿路上皮癌である。
【0068】
一部の実施形態では、がんは肺腺癌である。
【0069】
一部の実施形態では、がんは胃癌である。
【0070】
一部の実施形態では、がんは脊髄癌である。
【0071】
一部の実施形態では、がんはリンチ大腸癌及びリンチ様大腸癌である。
【0072】
一部の実施形態では、がんは、EGFR変異と関連する(例えば、EGFR変異を特徴とする)非小細胞肺癌である。
【0073】
一部の実施形態では、がんは、EGFR変異と関連する(例えば、EGFR変異を特徴とする)乳癌である。
【0074】
一部の実施形態では、がんは、EGFR変異と関連する(例えば、EGFR変異を特徴とする)脳癌である。
【0075】
一部の実施形態では、がんは、EGFR変異と関連する(例えば、EGFR変異を特徴とする)脳転移である。
【0076】
一部の実施形態では、脳転移は、EGFR変異と関連する(例えば、EGFR変異を特徴とする)非小細胞肺癌と関連している。
【0077】
一部の実施形態では、がんは、EGFR変異と関連する(例えば、EGFR変異を特徴とする)尿路上皮癌である。
【0078】
一部の実施形態では、がんは、EGFR変異と関連する(例えば、EGFR変異を特徴とする)肺腺癌である。
【0079】
一部の実施形態では、がんは、EGFR変異と関連する(例えば、EGFR変異を特徴とする)胃癌である。
【0080】
一部の実施形態では、がんは、EGFR変異と関連する(例えば、EGFR変異を特徴とする)脊髄癌である。
【0081】
一部の実施形態では、がんは、EGFR変異と関連する(例えば、EGFR変異を特徴とする)リンチ大腸癌及びリンチ様大腸癌である。
【0082】
一部の実施形態では、本明細書で開示する化合物は、血液脳関門を越えることができる。それゆえ、一部の実施形態では、がんは脳癌または脊髄癌である。一部の実施形態では、がんは、血液脳関門を越えた、膠芽腫、神経膠腫、脳幹神経膠腫及び視床下部神経膠腫、小脳星状細胞腫及び大脳星状細胞腫、髄芽腫、上衣腫、神経外胚葉性腫瘍、松果体部腫瘍、原発性中枢神経系リンパ腫、ならびに急性リンパ芽球性白血病、から選択される。一部の実施形態では、がんは、二次的な脳転移(例えば、体内の他の箇所を起源とするが血液脳関門を越えて脳内に転移するがん)である。一部の実施形態では、がんは、脳転移を伴うNSCLCを含む。一部の実施形態では、本明細書で開示する化合物の脳内における濃度は、驚くべきことに、HER駆動性脳癌またはHER駆動性脊髄癌を治療するのに十分である。
【0083】
一部の実施形態では、化合物Aは血液脳関門を越える。一部の実施形態では、化合物Aは、血液脳関門を越えて、その活性代謝物である化合物Bへと変換される。一部の実施形態では、化合物Aがその活性代謝物である化合物Bへと変換されてから、化合物Bが血液脳関門を越える。一部の実施形態では、化合物Bは血液脳関門を越える。
【0084】
任意の理論に束縛されるものではないが、本明細書で開示する化合物が、いくつかのメカニズムにより、特定のHERタンパク質、例えば、EGFRに結合すると考えられている。一部の実施形態では、本明細書で開示する化合物は、
図1に示すとおり、システイン(EGFR C797)残基との共有結合により、EGFRに結合する。一部の実施形態では、共有結合は不可逆的な相互作用である。一部の実施形態では、本明細書で開示する化合物は、代替メカニズム、例えば、活性部位との可逆的な非共有結合相互作用により、HERタンパク質、例えば、EGFRに結合する。一部の実施形態では、本明細書で開示する化合物は、複数の相互作用により、例えば、共有結合相互作用及び非共有結合相互作用により、HERタンパク質、例えば、EGFRに結合する。一部の実施形態では、HERタンパク質、例えば、EGFR内の特定の変異は、本明細書で開示する化合物のそのタンパク質との結合性に影響を及ぼし得る。
【0085】
一部の実施形態では、がんは、EGFR変異及びErbB−2変異のうち少なくとも1つを含む。一部の実施形態では、がんはEGFR変異を含む。一部の実施形態では、がんはErbB−2変異を含む。一部の実施形態では、がんはErbB−3変異を含む。一部の実施形態では、がんはErbB−4変異を含む。
【0086】
一部の実施形態では、EGFR変異はA763_Y764insFHEAを含む。一部の実施形態では、EGFR変異はC797S/L858Rを含む。一部の実施形態では、EGFR変異はd746−750を含む。一部の実施形態では、EGFR変異はd746−750/C797Aを含む。一部の実施形態では、EGFR変異はd746−750/C797Sを含む。一部の実施形態では、EGFR変異はd746−750/T790M/C797Sを含む。一部の実施形態では、EGFR変異はD770GYを含む。一部の実施形態では、EGFR変異はD770_N771insNPGを含む。一部の実施形態では、EGFR変異はG719Cを含む。一部の実施形態では、EGFR変異はG719Sを含む。一部の実施形態では、EGFR変異はL747Sを含む。一部の実施形態では、EGFR変異はL858Rを含む。一部の実施形態では、EGFR変異はL858R/T790Mを含む。一部の実施形態では、EGFR変異はL861Qを含む。一部の実施形態では、EGFR変異はT790M/C797S/L858Rを含む。
【0087】
一部の実施形態では、EGFR変異はC797Sを含む。一部の実施形態では、EGFR変異はC797Sである。一部の実施形態では、EGFR変異は、単一変異、二重変異、または三重変異、から選択される。一部の実施形態では、EGFR変異は、二重EGFR変異または三重EGFR変異から選択される。一部の実施形態では、二重EGFR変異または三重EGFR変異におけるEGFR変異のうちの少なくとも1つは、C797Sである。
【0088】
一部の実施形態では、EGFR変異は、A763_Y764insFHEA、C797S/L858R、d746−750、d746−750/C797A、d746−750/C797S、d746−750/T790M/C797S、D770GY、D770_N771insNPG、G719C、G719S、L747S、L858R、L858R/T790M、L861Q、及びT790M/C797S/L858R、のうちの少なくとも1つを含む。一部の実施形態では、EGFR変異は、A763_Y764insFHEA、C797S/L858R、d746−750、d746−750/C797A、d746−750/C797S、d746−750/T790M/C797S、D770GY、D770_N771insNPG、G719C、G719S、L747S、L858R、L858R/T790M、L861Q、及びT790M/C797S/L858R、からなる群から選択される。
【0089】
一部の実施形態では、ErbB−2変異はD769Hを含む。一部の実施形態では、ErbB−2変異はD769Yを含む。一部の実施形態では、ErbB−2変異はR896Cを含む。一部の実施形態では、ErbB−2変異はV777Lを含む。一部の実施形態では、ErbB−2変異はV777_G778insCGを含む。
【0090】
一部の実施形態では、ErbB−2変異は、D769H、D769Y、R896C、V777L、及びV777_G778insCG、のうちの少なくとも1つを含む。一部の実施形態では、ErbB−2変異は、D769H、D769Y、R896C、V777L、及びV777_G778insCG、からなる群から選択される。一部の実施形態では、ErbB−2変異は、単一変異、二重変異、または三重変異、から選択される。一部の実施形態では、EGFR変異は、二重ErbB−2変異または三重ErbB−2変異から選択される。
【0091】
一部の実施形態では、EGFRエキソン変異は、HER2変異、HER3変異、及びHER4変異、から選択されるEGFRエキソン変異である。
【0092】
一部の実施形態では、EGFRエキソン変異は、A763_Y764insFHEA、C797S/L858R、d746−750、d746−750/C797A、d746−750/C797S、d746−750/T790M/C797S、D770GY、D770_N771insNPG、G719C、G719S、L747S、L858R、L858R/T790M、L861Q、及びT790M/C797S/L858R、EGFRエキソン20挿入変異(Reiss et al J Thorac Oncol.2018 Oct;13(10):1560−1568,Arcila et al Mol Cancer Ther.2013 February;12(2):220−229)、EGFR希少変異及びEGFR compound変異(Beau−Faller et al Annals of Oncology 25:126−131,2014,Martin et al Clin Lung Cancer.2019 May 11.pii:S1525−7304(19)30103−2,Mishra et al Oncotarget,2017,Vol.8,(No.69),pp:114371−114392)、第三オシメルチニブ耐性変異L718Q/V、G724S、L792F/H、G796S、C797S/G(Thress et al.,Nat.Med.21(6)(2015)560−562;Nishino et al,Lung Cancer,Volume 126,149−155;Le et al,Clin Cancer Res.2018 Dec 15;24(24):6195−6203)、EGFR遺伝子融合EGFR−SEPT14、EGFR−RAD51(Konduri et al,Cancer Discov.2016 Jun;6(6):601−11,Shah et al BMC Genomics.2013;14:818−832;Frattini et al,Nat Genet.2013;45:1141−1149)、EGFR−PSPHまたは別のC末端パートナー、及びEGFRキナーゼドメイン重複(EGFR−KDD)(Gallant et al,Cancer Discov.2015 Nov;5(11):1155−63)、D769H、D769Y、R896C、V777L、V777_G778insCG、G309A/E,S310F/Y、V659E/D、G660D、K753E、L755P/S、Del755−759、L768S、D769H/Y、V773L、A775_G776insYVMA、G776V/L、Cins、V777L、P780Ins、P780_Y781insGSP、V842I、L866M、R896C(Bose,et al.,2013,Cancer Discov 3:224−37;Greulich,et al.,2012,Proc Natl Acad Sci U S A 109:14476−81;Kavuri,et al.,2015,Cancer Discov 5:832−41;Ou,et al.,2017,J Thorac Oncol 12:446−457;Zuo,et al.,2016,Clin Cancer Res 22:4859−4869;Verma,et al.,2018,PLoS One 13:e0190942,2018;Bellmunt, et al.,2015,Cancer Med 4:844−52;Kloth,et al.,2016,Gut 65:1296−305;Xu,et al.,2017,Clin Cancer Res 23:5123−5134;Stephens,et al.,2004,Nature 431:525−6;Shigematsu,et al.,2005,Cancer Res 65:1642−6;Wang,et al.,2006,Cancer Cell 10:25−38)、膜近傍及び膜貫通ドメインの変異(Pahuja et al Cancer Cell 34,792−806,November 12,2018)S653C、S656C、V659E、G660D、及びG660R、ならびに、JMD変異R677L、R678W、T686A、E693K、S649T、P650S、L651V、V659G、G660D、G660R、L663P、L674V、R677L、R678Q、R683Q、E693K、Q709L、及びA710V、ならびにErbB2遺伝子融合(HER2融合、参照文献:Yu,et al.,2015,J Transl Med 13:116,2015;Ross,et al.,2013,Clin Cancer Res 19:2668−76;Ross,et al.,2014,Clin Cancer Res 20:68−75;Chmielecki,et al.,2015,Oncologist 20:7−12;Gao,et al.,2018,Cell Rep 23:227−238 e3;Mishra et al Oncotarget,2017,Vol.8,(No.69),pp:114371−114392)、ZNF207−HER2、MDK−HER2、NOS2−HER2、ERBB2−GRB7、ERBB2−CTTN、ERBB2−PPP1R1B、ERBB2−PSMB3または別のN末端パートナー、N181S、T244R、Y285C、R306S、V348L、D595V、H618P、D931Y、K935I(Kurppa etal,Oncogene(2015),1−9)、E317K、E452K、E542K、R544W、E563K、E836K、E872K(Prickett et al,Nat Genet.2009 Oct;41(10):1127−32)、ならびにHER4遺伝子融合EZR−ERBB4、IKZF2−ERBB4、BGALT−ERBB4または別のN末端パートナー、T355I、F94L、G284R、D297Y、T355I、E1261A;V104M、A232V、P262H、G284R、T389K、V714M、Q809R、S846I、及びE928G、任意の活性化変異、TKI耐性変異、遺伝子融合、キナーゼドメイン重複、ならびにErbB受容体の遺伝子増幅、からなる群から選択されるEGFRエキソン変異である。
【0093】
一部の実施形態では、EGFRエキソン変異は、A763_Y764insFHEA、C797S/L858R、d746−750、d746−750/C797A、d746−750/C797S、d746−750/T790M/C797S、D770GY、D770_N771insNPG、G719C、G719S、G719X、L747S、S768I、L858R、L858R/T790M、L861Q、及びT790M/C797S/L858R、EGFRエキソン20挿入変異(Reiss et al J Thorac Oncol.2018 Oct;13(10):1560−1568,Arcila et al Mol Cancer Ther.2013 February;12(2):220−229)、EGFR希少変異及びEGFR compound変異(Beau−Faller et al Annals of Oncology 25:126−131,2014,Martin et al Clin Lung Cancer.2019 May 11.pii:S1525−7304(19)30103−2,Mishra et al Oncotarget,2017,Vol.8,(No.69),pp:114371−114392)、第三オシメルチニブ耐性変異L718Q/V、G724S、L792F/H、G796S、C797S/G、EGFR遺伝子融合EGFR−SEPT14、EGFR−RAD51、EGFR−PSPH、または、別のC末端パートナー、ならびにEGFRキナーゼドメイン重複(EGFR−KDD)、からなる群から選択されるEGFRエキソン変異である。
【0094】
一部の実施形態では、EGFR変異はL858R変異である。
【0095】
一部の実施形態では、L858R変異は、L858R及びT790M、L858R/C797S、ならびにL858R/C797S/T790M、からなる群から選択される。
【0096】
一部の実施形態では、EGFR変異はErbB−2(HER2)変異である。
【0097】
一部の実施形態では、ErbB−2(HER2)変異は、D769H、D769Y、R896C、V777L、V777_G778insCG、G309A/E、S310F/Y、V659E/D、G660D、K753E、L755P/S、Del755−759、L768S、D769H/Y、V773L、A775_G776insYVMA、G776V/L、Cins、V777L、P780Ins、P780_Y781insGSP、V842I、L866M、R896C、膜近傍及び膜貫通ドメインの変異S653C、S656C、V659E、G660D、及びG660R、ならびに、JMD変異R677L、R678W、T686A、E693K、S649T、P650S、L651V、V659G、G660D、G660R、L663P、L674V、R677L、R678Q、R683Q、E693K、Q709L、及びA710V、ならびに、ErbB2遺伝子融合ZNF207−HER2、MDK−HER2、NOS2−HER2、ERBB2−GRB7、ERBB2−CTTN、ERBB2−PPP1R1B、ERBB2−PSMB3、または別のN末端パートナー、からなる群から選択される。
【0098】
一部の実施形態では、HER2変異は、A289D/I/N/T/V、A466T、A775_G776insSVMA、A775_G776insV、A775_G776insYVMA、C311R、C334S、C797S/Y、D227G/H/V/Y、D769H、D769Y、del.755−759、E321G、E790A/K/Q、G309A、G309E、G598V、G660D/R、G719A、G719A/C/D/S、G776>VC、G776_V777>AVCV、G776_V777>AVGCV、G776_V777>AVGSGV、G776_V777>VCV、G776C、G776S、G776V、G778S、I263T、I675M、I767M、L755S、L755S/W、L858R、L861Q/R、L866M、L869Q、L869R、N1219S、N319D、P780_Y781insGSP、P780ins、R103Q、R108G/K、R222C、R252C、R678Q、R678Q+L755W、R868W、R896C、S310F、S310Y、S768G/I/T、T733I、T790M、T798I/M、T862A、V659_660VE、V659E/D、V659E/G660R、V659E/V660R、V664E、V664F、V665M、V769L、V777_G778insC、V777A、V777L、V777M、V842I、及びY772_V773insLMAY、からなる群から選択される。
【0099】
一部の実施形態では、EGFRエキソン変異はErbB−3(HER3)変異である。
【0100】
一部の実施形態では、ErbB−3(HER3)(Mishra et al Oncotarget.2018 Jun 12;9(45):27773−27788;Jaiswal,et al.,2013,Cancer Cell 23:603−17)変異は、T355I、F94L、G284R、D297Y、T355I、E1261A、V104M、A232V、P262H、G284R、T389K、V714M、Q809R、S846I、及びE928G、任意の活性化変異、TKI耐性変異、遺伝子融合、キナーゼドメイン重複、ならびにErbB受容体の遺伝子増幅、からなる群から選択される。
【0101】
一部の実施形態では、HER3変異は、A232A、A232V、D297Y、E332K、E928G、G284R、K329E、M91I、P262H、Q809R、R475W、R667C/H、S846I、T355I、T389K、V104L/M、及びV855A、からなる群から選択される。
【0102】
一部の実施形態では、EGFRエキソン変異はErbB−4(HER4)変異である。
【0103】
一部の実施形態では、ErbB−4(HER4)変異は、N181S、T244R、Y285C、R306S、V348L、D595V、H618P、D931Y、K935I、E317K、E452K、E542K、R544W、E563K、E836K、E872K、及びHER4遺伝子融合EZR−ERBB4、IKZF2−ERBB4、BGALT−ERBB4、または別のN末端パートナー、からなる群から選択される。
【0104】
一部の実施形態では、HER4変異は、A657V、A705V、A710V、D595V、D609N、D931Y、E317D、E317K、E452K、E542K、E563K、E693G、E693K、E695K、E836K、E872K、G660D、G660R、G668E/R、G672R、G704E/R、G936R、H618P、I654L/M/T、I655M、I673F/M/V、I675L/M/T、I682M/T、K935I、L39F、L662V、L674I/V、L798R、M313I、M712L、N181S、P1033S、P409L、P650L/S、P699S/del、P700S、P702L、P702S、pG776insV_G/C、Q679E/H、Q709K、Q709L、Q711H、R106C/H、R1174Q、R306S、R393W、R491K、R544W、R677L、R677Q、R678P、R678Q、R678W、R683Q、R683W、R688L/Q/W、R689I/K、R713L/Q/W、R771C、R847C/H、R992C/S、S1246N、S1289A、S303F/Y、S341L、S653C、S653P、T244R、T652M、T652R、T686A/M/R、V348L、V659D、V659D/ins、V659E、V664F/I、V665M、V665M/del、V669A/L、V697L、V697L/M/del、V840I、Y111H、Y285C、及びY685H、からなる群から選択される。
【0105】
一部の実施形態では、EGFR変異はエキソン19欠失である。
【0106】
一部の実施形態では、エキソン19欠失は、d746−750、d746−750/C797A、d746−750/C797S、及びd746−750/T790M/C797S、からなる群から選択される。
【0107】
一部の実施形態では、EGFR変異は、A702T、A743V、A767_V769dup、A840T、A840V、C620W、C797G、C797S、D770_N771delinsP、D855Y、E709_T710delinsD、E734V、E749Q、G724C、G724S、G735D、G779F、G796S、G857E、G863S、G874D、H773_V774delinsLM、H773dup、H835fs*35、H870R、K713T、K753E、K755S、L718Q、L718V、L730R、L747P、L768S、L792F/H、L792K、L844V、L858R、C797Gを伴うL858R、C797Sを伴うL858R、L718Qを伴うL858R、L718Vを伴うL858R、L792F/Hを伴うL858R、T790Mを伴うL858R、N771_H773dup、N772delinsGY、P596L、P699L、P741S、P848L、Q791H、R831C、S768_D770dup、S768_V769delinsIL、T725M、T790M、T847I、V765M、V773L、V834L、V843I、及びV843L、からなる群から選択される。
【0108】
一部の実施形態では、EGFR変異はEGFRエキソン20挿入変異である。
【0109】
一部の実施形態では、EGFRエキソン20挿入変異は、D770_N771>ASVDN、N771_P772>SVDNP、N771_H773dupNPH、N771_P772insHH、N771_P772insH、N771_P772insNN、N771_P772insG、N771_P772>GYP、N771_P772insGTDN、N771_P772insY、N771_P772insV、N771_P772insT、N771_P772>SVDSP、N771_P772>SPHP、N771_P772>SHP、N771_P772>SEDNS、N771_P772>RDP、N771_P772>KGP、N771_P772>KFP、N771dupN、N771>GY、V774_C775>AHVC、V774_C775>GNPHVC、V774_C775>GTNPHVC、V774_C775insHNPHV、V774_C775insHV、A769_D770insASV、A763_Y764insFQEA、A763_Y764insLQEA、A767_V769dupASV、S768_D779dupSVD、S768_V769>PL、S768_V769>TLASV、V769_D770insSAVS、V769_D770insSGSV、V769_D770insSLRD、V769_H773>LDNPNPH、V769_D770insE、V769_D770insGE、V769_D770insGTV、V769_D770insGVM、V769_N771dupVDN、D770_N771insG、D770_N771>GYN、D770_N771>GSVDN、D770_N771>GVVDN、D770_N771insH、D770_P772dupDNP、D770_N771>QVH、D770_N771insAVD、D770_N771insGT、D770_N771insGV、D770_N771>EGN、M793_P794>ITQLMP、H773_V774dupHV、H773_V774insY、H773_V774insNPY、H773_V774insTH、H773_V774insSH、H773_V774insPY、H773_V774insHPH、H773_V774>NPNPYV、H773_V774>PNPYV、H773dupH、H773>YNPY、P772_H773dupPH、P772_H773insGNP、P772_H773>RHPH、Y764_V765insHH、A767_S768insTLA、D770ins_N771insSVD、V774_C775insHV、P772_H773insGDP、I744_K745insKIPVAI、K745_E746insIPVAIK、K745_E746insVPVAIK、A763_Y764insFHEA、A775_G776insYVMA、G776>VC、V777_G778insCG、P780_Y781insGSP、D770>GY、D770_N771insY、D770_N771insGF、D770_N771insSVD、N771_P772insN、P772_H773insNP、P772_H773insNPH、H773_V774insAH、H773_V774insPH、H773_V774insH、H773_V774insNPH、及びV774_C775insHV、から選択される。
【0110】
一部の実施形態では、EGFRエキソン20挿入変異は、A763_Y764insFHEA、A763insFQEA、D770_N771insNPG、D770GY、D770insSVD、H773insH、H773insNPH、V769insASV、及びV777_G778insCG、から選択される。
【0111】
一部の実施形態では、EGFRエキソン20挿入変異は、D770_N771>ASVDN、N771_P772>SVDNP、N771_H773dupNPH、及びA763_Y764insFQEA、から選択される。
【0112】
一部の実施形態では、EGFRエキソン変異は、A763_Y764insFHEA、C797S/L858R、d746−750、d746−750/C797A、d746−750/C797S、d746−750/T790M/C797S、D770GY、D770_N771insNPG、G719C、G719S、L747S、L858R、L858R/T790M、L861Q、及びT790M/C797S/L858R、のうちの少なくとも1つのEGFRエキソン変異である。一部の実施形態では、ErbB−2変異は、D769H、D769Y、R896C、V777L、及びV777_G778insCG、のうちの少なくとも1つである。
【0113】
一部の実施形態では、EGFR変異はcompound変異である。
【0114】
一部の実施形態では、compound変異は、p.E709G p.L858R、p.E746_A750del p.T751P、p.E746_R748del p.A750P、p.G719A p.L861Q、p.G719A p.L861R、p.G719C p.L833_V834delinsFL、p.G719C p.L861Q、p.G719C p.S768I、p.G721D p.E746_A750del、p.G724S p.S768I、p.L833_V834delinsFL p.L858R、p.L833V p.H835L、p.L858R p.A871E、p.N700S p.S784F、p.N700S p.T783A、p.S720F p.L861Q、p.T725M p.K728E、p.T751_I759del p.L798F、p.V738F p.L858R、及びp.V834L p.L858R、からなる群から選択される。
【0115】
一部の実施形態では、EGFR変異は融合変異である。
【0116】
一部の実施形態では、融合変異は、MDK−HER2、NOS2−HER2、及びZNF207−HER2、からなる群から選択される。
【0117】
一部の実施形態では、融合変異は、MDK_ex4/HER2_ex11、NOS2_ex2/HER2_ex2、及びZNF207_ex2/HER2_ex18、からなる群から選択される。
【0118】
一部の実施形態では、融合変異は、EGFR−KDD(キナーゼドメイン重複)、EGFR−NTRK1、EGFR−PPM1H、EGFR−PSPH、EGFR−PSPHP1、EGFR−RP11、EGFR−RP11−745C、EGFR−SEPT14、及びEGFR−SEPT14融合、からなる群から選択される。
【0119】
一部の実施形態では、融合変異は、EGFR−SEPT14、及びERBB2−PSMB3、からなる群から選択される。
【0120】
一部の実施形態では、EGFR変異はEGFR非定型である。
【0121】
一部の実施形態では、非定型変異は、G719C、G719S、L747S、及びL861Q、からなる群から選択される。
【0122】
一部の実施形態では、EGFR変異は希少変異である。
【0123】
一部の実施形態では、希少EGFR変異は、complex変異、エキソン18の欠失/挿入、エキソン18のG719X変異、エキソン18の別の置換、エキソン20挿入、エキソン20の別の置換、及びL858R complex変異、からなる群から選択される。
【0124】
一部の実施形態では、希少EGFR変異は、A767V769dupASV、A769D770insASV、E709D、E709X、G709A+G719S、G719A、G719A+S768I、G719C、G719S、G719S+L861Q、G719S+S768I、G719X、L858R+S768D770dupSVD、L858R+S768I、L858R+T790M、S768I、及びT790M、からなる群から選択される。
【0125】
一部の実施形態では、希少EGFR変異はエキソン18変異である。
【0126】
一部の実施形態では、希少EGFR変異はエキソン19変異である。
【0127】
一部の実施形態では、希少EGFR変異は、E697G、E709 T710delinsD、E709A+G719S、E709D、E709H T710del、E711K、エキソン19、G719A、G719C、G719S、G719S+L861Q、L692V、p.A702T、p.A743V、p.E709_T710delinsD、p.E709G、p.E734V、p.E749Q、p.G724C/S、p.G735D、p.K713T、p.K728E、p.L730R、p.L747P、p.P699L、p.P741S、p.S720F、p.T725M、p.V738F、P699L、T725M、及びY693I、からなる群から選択されるエキソン18変異またはエキソン19変異である。
【0128】
一部の実施形態では、希少EGFR変異はエキソン20変異である。
【0129】
一部の実施形態では、希少EGFR変異は、A763 Y764insFQEA、A767 V769dupASV、A767S768insSVR、D761 E762insEAFQ、D770 H773dupTTP、D770 N771insSVD、G796S、H773_V774dupH、H773_V774insPH、H773L+V774M、Ins 2AA、Ins 3AA、M766 V769insWPA、N771 delinsKPP、N771dupN、p.A767_V769dup、p.D770_N771delinsP、p.G779F、p.H773_V774delinsLM、p.H773dup、p.N771_H773dup、p.N771delinsGY、p.Q791H、p.S768_D770dup、p.S768_V769delinsIL、p.V765M、P772 C775dupPHVC、P772 H773dupH、P772 H773insDNP、P772 H773insLGNP、P772 H773insT、R776H、S768 D770dupSVD、L858Rを伴うS768D770dupSVD、T725M、V769M、及びR776Hなどのその他の変異を伴う、L858Rを伴うS768D770dupSVD、S768I+V769L、L858Rを伴うS768I、T725M、V769M、及びR776Hなどのその他の変異を伴う、L858Rを伴うS768I、T790M、L858Rを伴うT790M、T725M、V769M、及びR776Hなどのその他の変異を伴う、L858Rを伴うT790M、V769 D770delinsGI、V769 D770insL、V769M、ならびに V774M、からなる群から選択されるエキソン20変異である。
【0130】
一部の実施形態では、希少EGFR変異はエキソン21変異である。
【0131】
一部の実施形態では、希少EGFR変異は、p.A840T、p.A840V、p.A871E、p.D855Y、p.G857E、p.G863S、p.G874D、p.H835fs*55、p.H835L、p.L833_V834delinsFL、p.L833V、p.L861Q/R、p.P848L、p.R831C、p.T847I、p.V834L、p.V843I、及びp.V843L、からなる群から選択されるエキソン21変異である。
【0132】
一部の実施形態では、希少EGFR変異はcomplex変異である。
【0133】
一部の実施形態では、希少EGFR変異は、G719A+P772 H773dup、G719A+S768I、G719A+V769M、G719C+S768I、G719S+del19(E746_A750del)、G719S+L861Q、G719S+S768I、P.G724S+p.S768I、p.E709G+p.L858R、p.E746_A750del+p.T751P、p.E746_R748del+p.A750P、p.G719A+p.L861Q、p.G719A+p.L861R、p.G719C+p.L833_V834delinsFL、p.G719C+p.L861Q、p.G719C+p.S768I、p.G721D+p.E746_A750del、p.L833_V834delinsFL+p.L858R、p.L833V+p.H835L、p.L858R+p.A871E、p.N700S+p.S784F、p.N700S+p.T783A、p.S720F+p.L861Q、p.T725M+p.K728E、p.T751_I759del+p.L798F、p.V738F+p.L858R、p.V834L+p.L858R、P772 H773dup、S768 D770dupSVD+L858R、S768I+L858R、及びT790M+L858R、からなる群から選択されるcomplex変異である。
【0134】
一部の実施形態では、EGFR変異はHER2
YVMA変異である。
【0135】
一部の実施形態では、EGFR変異はオシメルチニブ耐性変異である。
【0136】
一部の実施形態では、オシメルチニブ耐性変異は、Del19+C797S、Del19+G724S、Del19+L718V、Del19+L792F、Del19+L792H、L858R+C797G、L858R+C797S、L858R+L718Q、L858R+L718V、L858R+L792F、及びL858R+L792H、からなる群から選択される。
【0137】
一部の実施形態では、EGFR変異は、del746_L750、del747_L751/T790M、A767_V769dupASV、G13C、L858R、L858R/T790M、N771_H773dupNPH、Q61H、Q61K、及びS768_D770dupSVD、からなる群から選択される。
【0138】
一部の実施形態では、EGFR変異は、肺腺癌と関連するEGFR変異である。
【0139】
一部の実施形態では、肺腺癌と関連するEGFR変異は、A763_Y764insFQEA、A767_S768insTLA、A767_V769dupASV、D770_N771insGT、H773_V774insNPHを伴うD770N、G776V/L、Cins、GSP781−783ins、M766_A767insAI、S768_D770dupAVD、S768I、G719Aを伴うS768I、V769Lを伴うS768I、V765insHH、V769_D770insASV、V774_C775insHV、及びYVMA776−779ins、からなる群から選択される。
【0140】
一部の実施形態では、EGFR変異は、胃癌と関連するEGFR変異である。
【0141】
一部の実施形態では、胃癌と関連するEGFR変異は、MDK_ex4/HER2_ex11、NOS2_ex2/HER2_ex2、及びZNF207_ex2/HER2_ex18、からなる群から選択される。
【0142】
一部の実施形態では、EGFR変異は、肺癌と関連するEGFR変異である。
【0143】
一部の実施形態では、肺癌と関連するEGFR変異はL858Rである。
【0144】
一部の実施形態では、EGFR変異は、非小細胞肺腺癌と関連するEGFR変異である。
【0145】
一部の実施形態では、非小細胞肺腺癌と関連するEGFR変異は、L858R、L858R/T790M、del19、del19/T790M、del19/T790M/C797S、L861Q、及びG719C/S768I、からなる群から選択される。
【0146】
一部の実施形態では、EGFR変異は、尿路上皮癌と関連するEGFR変異である。
【0147】
一部の実施形態では、尿路上皮癌と関連するEGFR変異は、R157W、S310F/Y、及びV777L/A/M、からなる群から選択される。
【0148】
一部の実施形態では、EGFR変異は、乳癌と関連するEGFR変異である。
【0149】
一部の実施形態では、乳癌と関連するEGFR変異は、I655V、K676R、K753E、L755S、L768S、Q680R、R647K、及びV773L、からなる群から選択される。
【0150】
一部の実施形態では、EGFR変異は、リンチ大腸癌及びリンチ様大腸癌と関連するEGFR変異である。
【0151】
一部の実施形態では、リンチ大腸癌及びリンチ様大腸癌と関連するEGFR変異は、A848T、G865R、L726F、L755S/F、A848Tを伴うL755S、V842Iを伴うL755S、及びV842I、からなる群から選択される。
【0152】
一部の実施形態では、がんは、オシメルチニブ、ゲフィチニブ、アファチニブ、及びエルロチニブ、からなる群から選択される少なくとも1つに対する耐性を有する。一部の実施形態では、がんは、オシメルチニブに対する耐性を有する。更にその他の実施形態では、がんは、ゲフィチニブに対する耐性を有する。更に特定の実施形態では、がんは、アファチニブに対する耐性を有する。一部の実施形態では、がんは、エルロチニブに対する耐性を有する。
【0153】
定義
特に定義しない限り、本明細書で使用する全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者が一般に理解する意味と同一の意味を有する。本明細書に記載の方法及び物質と同様または同等の任意の方法及び物質を、本出願の実施または試験において使用することもできるが、例示的な方法及び物質について説明する。
【0154】
本明細書で使用する場合、以下の用語のそれぞれは、本項における用語に関連した意味を有する。
【0155】
本明細書で使用する場合、冠詞「a」および「an」は、その冠詞の文法上の目的物の1つまたは2つ以上(すなわち、少なくとも1つ)を意味する。例として、「an 要素」とは、1つの要素または2つ以上の要素のことを意味する。
【0156】
量、持続時間などの測定値に言及して本明細書で使用する場合、「約」とは、本開示の方法を実施するのに適切な偏差となるように、記載値から±20%または±10%の、より好ましくは±5%の、更により好ましくは±1%の、その上より好ましくは±0.1%の偏差を包含することを意味する。
【0157】
本明細書で使用する場合、用語「アファチニブ」とは、N−[4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−7−[[(3S)−テトラヒドロ−3−フラニル]オキシ]−6−キナゾリニル]−4(ジメチルアミノ)−2−ブテンアミド、またはその塩もしくは溶媒和物のことを意味する。
【0158】
疾患もしくは障害における症候の重症度、このような症候を患者が経験する頻度、またはその両方が低減する場合、疾患または障害は「緩和」される。
【0159】
本明細書で使用する場合、用語「アルキル」、「アルケニル」、「アルキニル」、及び「アルコキシ」は、直鎖基と分枝鎖基の両方、及び、非置換基と置換基の両方を含む。任意選択的な置換基としては、ハロゲン、C
1−C
6アルコキシ、CN、OH、NH
2、NO
2、NH(C
1−C
6アルキル)、N(C
1−C
6アルキル)
2、CONH
2、CO(C
1−C
6アルキル)、SO
2NH
2、及びSO
2(C
1−C
6アルキル)、を挙げてもよいがこれらに限定されない。
【0160】
本明細書で使用する場合、用語「芳香族ニトロ複素環」とは、任意の環位置において1つまたは複数のニトロ(NO
2)基で置換された芳香族複素環部分のことを意味する。芳香族複素環部分は、少なくとも1個の原子が、窒素、硫黄、または酸素から選択される4〜12個の原子を含有する、単環式または二環式の環であってもよい。芳香族複素環部分は、炭素連結型または窒素連結型であってもよい。芳香族複素環部分は、任意の利用可能な環の炭素原子またはヘテロ原子において、1つまたは複数の別の置換基で更に置換されていてもよい。置換基としては、式VのR
26基において定義された基を挙げることができるがこれらに限定されない。
【0161】
本明細書で使用する場合、用語「芳香族ニトロ炭素環」とは、任意の位置において1つまたは複数のニトロ(NO
2)基で置換されたベンゼン部分のことを意味する。加えて、2個の隣接した環炭素原子は、任意選択的に連結して、縮合炭素環または縮合複素環を形成していてもよい。ベンゼン部分(及び任意選択的な縮合環)は、任意の利用可能な炭素原子またはヘテロ原子において、1つまたは複数の別の置換基で更に置換されていてもよい。置換基としては、式VのR
26基において定義された基を挙げることができるがこれらに限定されない。
【0162】
本明細書で使用する場合、用語「同時投与された」及び「同時投与」とは、本明細書で検討する化合物またはその塩を、本明細書で検討する障害または疾患を治療することもまた可能な化合物と共に、対象に投与することを意味する。一実施形態では、同時投与化合物は、別々に、または、単一の治療手法の一部としてのあらゆる種類の組み合わせで、投与される。同時投与化合物は、様々な固体配合物、ゲル配合物、及び液体配合物の状態の固体と液体の混合物、ならびに溶液としての、あらゆる種類の組み合わせで製剤化されていてもよい。
【0163】
本明細書で使用する場合、用語「組成物」または「医薬組成物」とは、本明細書で検討する少なくとも1種の化合物と薬学的に許容される担体の混合物のことを意味する。医薬組成物は、患者または対象への化合物の投与を容易にする。当該技術分野に存在する化合物投与のための多数の技術としては、静脈内投与、経口投与、エアロゾル投与、非経口投与、眼投与、経鼻投与、経肺投与、及び局所投与、が挙げられるがこれらに限定されない。
【0164】
用語「容器」は、医薬組成物を収容するための、あるいは、安定性及び/または水分吸収を管理するための保護を付加するための、任意の入れ物を含む。例えば、一実施形態では、容器は、医薬組成物、例えば、液体製剤(液剤及び懸濁剤)、半固体製剤、凍結乾燥固体製剤、液剤、及び散剤、または、デュアルチャンバー内に存在する凍結乾燥製剤、などを収容する包装である。その他の実施形態では、容器は、医薬組成物を収容する包装ではなく、すなわち、容器は、包装された医薬組成物または包装されていない医薬組成物及び医薬組成物を使用するための取扱説明書を収容する箱またはバイアル瓶などの入れ物である。更に、包装技術は当該技術分野において周知である。医薬組成物を使用するための取扱説明書は、医薬組成物を収容する包装上に含まれていてもよく、それゆえ、取扱説明書は、包装製品との向上した機能的な関係を形成し得るということを理解すべきである。しかしながら、取扱説明書は、化合物の目的の機能、例えば、患者における呼吸障害を治療、予防、または抑制すること、を実施する化合物の能力に関する情報を含んでいてもよいということを理解すべきである。
【0165】
本明細書で使用する場合、用語「測定する」とは通常、任意の形態の測定のことを意味し、例えば、腫瘍細胞におけるEGFRエキソン20挿入変異を含む、本明細書で開示する変異の存在を検出することを含む。用語「測定する」は、定量的測定及び/または定性的測定の両方を含む。本明細書で更に開示される方法を含む当業者に周知の任意の好適な方法を用いて、変異(例えば、EGFRエキソン20挿入変異)を測定してもよい。
【0166】
「疾患」とは、本明細書で使用する場合、動物が恒常性を維持できず、疾患が改善しない場合に動物の健康が悪化し続けるような動物の健康状態のことである。
【0167】
「障害」とは、本明細書で使用する場合、動物が恒常性を維持可能ではあるが、障害がない状態と比較して動物の健康状態が良好性に欠けるような動物の健康状態のことである。未治療のまま放置したとしても、障害が必ずしも動物の健康状態の更なる低下をもたらすということではない。
【0168】
本明細書で使用する場合、用語「有効量」、「薬学的有効量」及び「治療有効量」とは、所望の生理学的効果をもたらすのに十分な量ではあるが非毒性の化合物または薬剤のことを意味する。その効果は、疾患の徴候、症状、もしくは原因の抑制及び/または緩和であってもよく、または、生物学的機構における任意のその他所望の変化であってもよい。任意の個々のケースにおける適切な治療量については、日常的に用いる実験法を利用することにより、当業者が決定してもよい。治療効果または改善は、障害または疾患と関連する、いずれか1つ、大多数、または全ての症候、合併症、結果、または根本的な原因の完全な除去である必要はない。それゆえ、一部の実施形態では、良好なエンドポイントは、ある期間(時間、日、週、月など)にわたり、対象の障害もしくは疾患の症状に一時的、中期的、もしくは長期的な漸増的改善が認められる際、または、障害もしくは疾患の1種もしくは複数種の関連する有害な症候もしくは合併症もしくは結果もしくは、悪化もしくは増悪させる(例えば、症状、障害、または疾患の1種または複数種の症候または合併症を固定する)根本的な原因の、発症、頻度、重症度、増悪、もしくは期間、もしくは阻害もしくは逆転に部分的な低下が認められる際に、達成される。
【0169】
本明細書で使用する場合、用語「エルロチニブ」とは、N−(3−エチニルフェニル)−6,7−ビス(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−アミン、またはその塩もしくは溶媒和物のことを意味する。
【0170】
本明細書で使用する場合、用語「HER駆動性がん」とは、HERタンパク質のうちの1つ変異、例えば、EGFR遺伝子融合、EGFRキナーゼドメイン重複、ErbB−2遺伝子融合、ErbB−2変異、NRG1遺伝子融合、ErbB−3変異、及び/またはErbB−4融合などにより、任意の様式で発症または進展するがんのことを意味する。
【0171】
HER駆動性がんは、EGFR遺伝子融合、EGFRキナーゼドメイン重複、ErbB−2遺伝子融合、ErbB−2変異、NRG1遺伝子融合、ErbB−3変異、及び/またはErbB−4融合、の存在により示され得る。HER駆動性がんは、本明細書に記載のオシメルチニブ、ゲフィチニブ、アファチニブ、及び/またはエルロチニブ、に対する耐性を有していてもよい。一部の実施形態では、HER駆動性がんは、EGFR変異またはErbB−2変異を有し、EGFR及び/またはErbB−2変異は、例えば、本明細書に記載の組織病理学、イメージング、腫瘍増殖、DNA解析、RNA解析、またはその他の診断法により、表現型で示される。一部の実施形態では、変異は、例えば、特定の変異の指標である下流の生化学的マーカー、代謝マーカー、循環RNA、または循環DNAなど、を検出することにより、一般的な生体試料から、例えば、血液、組織、尿などから同定され得る。一部の実施形態では、例えば、直接の腫瘍生検、または、ctDNAもしくはCTCを用いたリキッドバイオプシーを使用して、変異を試験してもよい。
【0172】
「取扱説明用資料」という用語が本明細書で使用される場合、キット内の本明細書で検討する組成物及び/または化合物の有用性を伝達するのに使用可能な刊行物、記録、図表、またはその他の表現媒体、を含む。キットの取扱説明用資料は、例えば、本明細書で検討する化合物及び/または組成物を収容する容器に添付されていてもよく、あるいは、化合物及び/または組成物を収容する容器と共に発送されてもよい。代替的に、取扱説明用資料は、レシピエントが取扱説明用資料及び化合物を協同的に使用するという趣旨で、容器とは別に発送されてもよい。取扱説明用資料の送達は、例えば、キットの有用性を伝達する刊行物もしくはその他の表現媒体の物理的な送達によるものであってもよく、または、代替的に、電子伝達により、例えば、コンピュータを用いた、電子メールにより、もしくはウェブサイトからダウンロードすることにより、実施されてもよい。
【0173】
本明細書で使用する場合、「見込み」、「する見込み」、及び類似表現とは通常、ある事象の確率が高いことを意味する。それゆえ、「見込み」、「する見込み」、及び類似表現とは、がん治療に対する反応性に関して使用される場合、通常、個体が、がんもしくはがんの症候における重症度の低下、または、がんの増悪の防止もしくは遅延を示す確率が高いことを意図する。用語「見込み」、「する見込み」、及び類似表現とはまた、がん治療に対する反応性に関して使用される場合、通常、がん治療における向上のエビデンスとなり得る指標の上昇を意味し得る。
【0174】
本明細書で使用する場合、用語「オシメルチニブ」とは、N−(2−{2−ジメチルアミノエチル−メチルアミノ}−4−メトキシ−5−{[4−(1−メチルインドール−3−イル)ピリミジン−2−イル]アミノ}フェニル)プロパ−2−エンアミド、またはその塩もしくは溶媒和物のことを意味する。
【0175】
用語「患者」、「対象」または「個体」は、本明細書では同じ意味で用いられ、in vitroまたはin situに関わらず、本明細書に記載する方法の対象となる任意の動物またはその細胞のことを意味する。非限定実施形態では、患者はヒトである。一部の実施形態では、対象は、自身の治療を必要とする対象である。その他の実施形態では、対象は、EGFR変異及びErbB−2変異のうちの少なくとも1つを含むがんを有する。一部の実施形態では、対象は、単一EGFR変異、二重EGFR変異、または三重EGFR変異、を含むがんを有する。一部の実施形態では、対象は、単一ErbB−2変異、二重ErbB−2変異、または三重ErbB−2変異、を含むがんを有する。
【0176】
本明細書で使用する場合、用語「薬学的に許容される」とは、化合物の生物学的活性または生物学的特性を阻害せずに比較的非毒性である担体または賦形剤などの物質のことを意味し、それはすなわち、望ましくない生物学的作用を引き起こさずに、または物質を含む組成物の構成成分のいずれかと有害に相互作用せずに、物質を個体に投与可能であるということである。
【0177】
本明細書で使用する場合、用語「薬学的に許容される担体」とは、薬学的に許容される物質、組成物または担体、例えば、液体充填剤もしくは固体充填剤、安定化剤、分散剤、懸濁剤、賦形剤、添加剤、増粘剤、溶媒、または本明細書で開示する化合物をその目的の機能を果たし得るように患者へと送達または輸送することに関わる被包材のことを意味する。通常、このような構造体は、体のある器官または部位から体の別の器官または部位へと送達または輸送される。それぞれの担体は、本明細書で開示する化合物を含み患者に有害ではない製剤中のその他成分と相溶性があるという意味で「許容される」必要がある。薬学的に許容される担体として機能し得る物質の一部の例としては、糖類、例えば、ラクトース、グルコース及びスクロースなど、デンプン類、例えば、コーンスターチ及びポテトスターチなど、セルロース及びその誘導体、例えば、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース及び酢酸セルロースなど、粉末状トラガカント、麦芽、ゼラチン、タルク、添加剤類、例えば、カカオバター及び座薬用ワックスなど、油類、例えば、ピーナッツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油及び大豆油など、グリコール類、例えば、プロピレングリコールなど、ポリオール類、例えば、グリセリン、ソルビトール、マンニトール及びポリエチレングリコールなど、エステル類、例えば、オレイン酸エチル及びラウリン酸エチルなど、寒天、緩衝剤類、例えば、水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウムなど、界面活性剤、アルギン酸、発熱物質を含まない水、等張食塩水、リンゲル液、エチルアルコール、リン酸緩衝液、ならびに、医薬品製剤に用いられるその他非毒性の相溶性物質が挙げられる。
【0178】
本明細書で使用する場合、「薬学的に許容される担体」としてはまた、本明細書で開示する化合物の活性と相性が良く患者にとって生理学的に許容される全てのコーティング剤、抗菌及び抗カビ剤、ならびに吸収遅延剤などが挙げられる。補助的な活性化合物もまた組成物内に混合してもよい。
【0179】
「薬学的に許容される担体」は、本明細書で開示する化合物の薬学的に許容される塩を更に含んでいてもよい。本明細書で開示する医薬組成物中に含まれていてもよいその他の別の成分は、当該技術分野において周知であり、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences(Genaro,Ed.,Mack Publishing Co.,1985,Easton,PA)(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている。
【0180】
本発明で使用する場合、用語「薬学的に許容される塩」とは、薬学的に許容される非毒性の酸から調製される投与化合物の塩のことを意味し、無機酸、有機酸、溶媒和物、水和物、またはその包接化合物、が挙げられる。
【0181】
本明細書で使用する場合、用語「予測する」とは、事前に明らかにするまたは示すことを意味し得る。例えば、治療に対する反応性を「予測する」ために使用する場合、用語「予測する」とは、発症時、治療が開始される前、または、治療期間がかなり進む前に、がん治療のアウトカムの見込みが明らかになり得るということを意味し得る。予測方法はまた、予後判定法として説明してもよい。
【0182】
用語「予防する」、「予防すること」、または「予防」とは、本明細書で使用する場合、薬剤または化合物の投与を開始する時点において疾患または症状と関連する症候を発症していない対象において、このような症候の発症を回避または遅延することを意味する。
【0183】
本明細書で使用する場合、用語「プロドラッグ」とは、投与後に代謝または別の方法で変換されて、少なくとも1つの特性に関して生物学的に活性な化合物またはより活性な化合物(または薬物)となる、化合物のことを意味する。薬物と比較して、プロドラッグは、薬物と比較してより少ない活性または不活性となるように化学的に修飾されているが、その化学修飾は、プロドラッグが投与された後に、代謝またはその他の生物学的プロセスによって対応する薬物が生成されるようになっている。プロドラッグは、活性薬物と比較して、変化した代謝安定性もしくは輸送特性、より少ない副作用もしくはより低い毒性、または改善された香味を有していてもよい(例えば、参照文献Nogrady,1985,Medicinal Chemistry A Biochemical Approach,Oxford University Press,New York,pages 388−392を参照のこと(参照により本明細書に組み込まれる))。対応する薬物以外の反応物質を使用して、プロドラッグを合成してもよい。
【0184】
本明細書で使用する場合、語句「腫瘍細胞を準備すること」とは、個体の細胞を採取する(例えば、生検または別の方法により)工程のことを意味する、及び/または、あらかじめ個体から採取された腫瘍細胞の試料を受け取る工程のことを意味する。
【0185】
「治療用の」治療薬は、病状の徴候を示す対象へと、それら徴候を減少または排除する目的で投与される治療薬である。
【0186】
用語「反応性」または「反応を示す」とは、治療に関して使用する場合、治療する疾患、障害、または症状の症候を低下または抑制させる上での、治療の有効性の度合いのことを意味する。例えば、用語「反応性が高い」とは、細胞の処理または対象の治療に関して使用する場合、当該技術分野において周知の任意の方法を用いて測定する際に、疾患の症候を低下または抑制させる上での、有効性の上昇のことを意味する。一部の実施形態では、有効性の上昇は、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、または少なくとも約50%である。
【0187】
一部の実施形態では、腫瘍細胞は「試料」を含む。その他の実施形態では、試料は、生体試料を含み、例えば、細胞、細胞培養物、組織、及び/または体液、であってもよい。好適には、生体試料は、腫瘍細胞生検材料、臨床試験に由来する複数の試料などを含んでいてもよい。試料は、粗試料であってもよく、または、保存、加工、もしくは測定の前に、様々な度合いで精製されていてもよい。
【0188】
本発明で使用する場合、用語「治療」または「治療すること」は、治療薬、すなわち本明細書で開示する化合物(単独でまたは別の医薬品と組み合わせて)の患者への適用もしくは投与と定義される、または、本明細書において検討する症状、本明細書において検討する症状の症候、もしくは本明細書において検討する症状を発症する可能性を有する患者由来の単離組織もしくは細胞株(例えば、診断用途またはエクスビボ用途)へと、本明細書において検討する症状、本明細書において検討する症状の症候、もしくは本明細書において検討する症状を発症する可能性を治療、治癒、緩和、軽減、変化、矯正、改善、好転もしくは影響を及ぼす目的で、治療薬を適用もしくは投与することと定義される。このような治療薬を、薬理ゲノミクス分野から得た知識に基づき具体的に調製または改質してもよい。
【0189】
一部の実施形態では、用語「治療」または「治療すること」とは、個体が特定のがんを患っている間に行われる行為のことを意味し、がんの重症度もしくはがんの症候を低下させる、及び/または、がんの増悪を防止もしくは遅延させる。例えば、一部の実施形態では、「治療」または「治療する」とは、腫瘍の増悪速度の、5%、10%、25%、50%、または100%の低下のことを意味する。その他の実施形態では、「治療」とは、測定全身腫瘍組織量(すなわち、個体に存在するがん性細胞の数、及び/または腫瘍のサイズ)の、5%、10%、25%、50%、または100%の低下のことを意味する。更にその他の実施形態では、「治療」とは、がんの任意の身体的症候(複数可)の、5%、10%、25%、50%、または100%の低下のことを意味する。更にその他の実施形態では、「治療」とは、任意の好適な方法、例えば、細胞カウント、アッセイ結果、またはその他の好適な方法などを用いて測定する際に、個体の総合的な健康状態の、5%、10%、25%、50%、または100%の増進のことを意味する。本明細書で使用する場合、がんは、本明細書で検討するがんを含む任意のがんであってもよく、例えば、HER駆動性がんが挙げられる。一部の実施形態では、がんはHER駆動性薬剤耐性がんである。
【0190】
本明細書で使用する場合、用語「EGFR」、「ErbB1」、「ErbB−1」、または「HER1」とは、上皮増殖因子受容体のことを意味する。ヒトEGFRのアミノ酸配列(アイソフォーム1;標準的−UniProt番号P00533−1)を配列番号:1に記載する。
【0191】
以下の限定されない、EGFRの代替アイソフォーム(標準的なアイソフォームに関連する)についてもまた検討する。
アイソフォーム2(UniProt番号P00533−2):
404〜405:FL→LS
406〜1210:欠損
アイソフォーム3(UniProt番号P00533−3):
628〜705:CTGPGLEGCP(配列番号:10)...GEAPNQALLR(配列番号:11)→PGNESLKAML(配列番号:12)...SVIITASSCH(配列番号:13)
706〜1210:欠損
アイソフォーム4(UniProt番号P00533−4):
628〜628:C→S
629〜1210:欠損
【0192】
EGFR遺伝子のヌクレオチド配列(完全なcds、あるいはスプライシングされたもの)を配列番号:2に記載する。
【0193】
EGFRエキソン18のヌクレオチド配列を配列番号:3に記載する。
【0194】
EGFRエキソン19のヌクレオチド配列を配列番号:4に記載する。
【0195】
EGFRエキソン20のヌクレオチド配列を配列番号:5に記載する。
【0196】
EGFRエキソン21のヌクレオチド配列を配列番号:6に記載する。
【0197】
本明細書で使用する場合、用語「ErbB2」、「ErbB−2」、「HER2」、または「HER−2」とは、受容体チロシン−タンパク質キナーゼErbB−2のことを意味する。ヒトErbB2のアミノ酸配列(アイソフォーム1;標準的−UniProt番号P04626−1)を配列番号:7に記載する。
【0198】
以下の限定されない、ErbB2の代替アイソフォーム(標準的なアイソフォームに関連する)についてもまた検討する。
アイソフォーム2(UniProt番号P04626−2):
1〜610:欠損
アイソフォーム3(UniProt番号P04626−3):
1〜686:欠損
アイソフォーム4(UniProt番号P04626−4):
1〜23:MELAALCRWGLLLALLPPGAAST(配列番号:14)→MPRGSWKP(配列番号:15)
アイソフォーム5(UniProt番号P04626−5):
1〜30:欠損
アイソフォーム6(UniProt番号P04626−6):
633〜648:欠損
771〜883:AYVMAGVGSP(配列番号:16)...ETEYHADGGK(配列番号:17)→TISNLFSNFA(配列番号:18)...LMCPQGAGKA(配列番号:19)
884〜1255:欠損
【0199】
本明細書で使用する場合、用語「ErbB3」、「ErbB−3」、「HER3」、または「HER−3」とは、受容体チロシン−タンパク質キナーゼErbB−3のことを意味する。ヒトErbB−3のアミノ酸配列(アイソフォーム1;標準的−UniProt番号P21860−1)を配列番号:8に記載する。
【0200】
以下の限定されない、ErbB−3の代替アイソフォーム(標準的なアイソフォームに関連する)についてもまた検討する。
アイソフォーム2(UniProt番号P21860−2):
141〜183:EILSGGVYIE(配列番号:20)...IVVKDNGRSC(配列番号:21)→GQFPMVPSGL(配列番号:22)...SKVPVTLAAV(配列番号:23)
184〜1342:欠損
アイソフォーム3(UniProt番号P21860−3):
331〜331 C→F
332〜1342:欠損
アイソフォーム4(UniProt番号P21860−4):
1〜59:欠損
アイソフォーム5(UniProt番号P21860−5):
1〜643:欠損
【0201】
本明細書で使用する場合、用語「ErbB4」、「ErbB−4」、「HER4」、または「HER−4」とは、受容体チロシン−タンパク質キナーゼErbB−4のことを意味する。ヒトErbB−4のアミノ酸配列(アイソフォームJM−A CYT−1;標準的−UniProt番号Q15303−1)を配列番号:9に記載する。
【0202】
以下の限定されない、ErbB−4の代替アイソフォーム(標準的なアイソフォームに関連する)についてもまた検討する。
アイソフォームJM−B CYT−1(UniProt番号Q15303−2):
626〜648:NGPTSHDCIYYPWTGHSTLPQHA(配列番号:24)→IGSSIEDCIGLMD(配列番号:25)
アイソフォームJM−A CYT−2(UniProt番号Q15303−3):
1046〜1061:欠損
アイソフォームJM−B CYT−2(UniProt番号Q15303−4):
626〜648:NGPTSHDCIYYPWTGHSTLPQHA(配列番号:26)→IGSSIEDCIGLMD(配列番号:27)
1046〜1061:欠損
【0203】
本開示全体にわたり、本開示の様々な態様は範囲形式で示され得る。範囲形式による記載は便宜上及び簡潔性のために過ぎず、本明細書の本開示における確固たる制限と解釈すべきではないということを理解すべきである。したがって、範囲の記載は、可能性のある下位範囲に加えてその範囲内における個々の数値の全てを明確に開示しているとみなされるべきである。例えば、1〜6などの範囲の記載は、例えば、1〜3、1〜4、1〜5、2〜4、2〜6、3〜6などの下位範囲に加えて、その範囲内における個々の数値、例えば、1、2、2.7、3、4、5、5.1、5.3、5.5及び6を明確に開示しているとみなされるべきである。それゆえ、例えば、90〜100%の範囲への言及は、91〜99%、92〜98%、93〜95%、91〜98%、91〜97%、91〜96%、91〜95%、91〜94%、91〜93%などを含む。90〜100%の範囲への言及はまた、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%などに加えて、91.1%、91.2%、91.3%、91.4%、91.5%など、92.1%、92.2%、92.3%、92.4%、92.5%などを含む。一連の範囲については、本明細書の全体にわたり開示されている。一連の範囲の使用は、別の範囲を示す上の範囲と下の範囲の組み合わせを含む。この構造は、範囲の幅、及び本特許文献の全体にわたる全ての文脈に関わらず適用される。それゆえ、例えば、一連の範囲、例えば、5〜10、10〜20、20〜30、30〜40、40〜50、50〜75、75〜100、100〜150などへの言及は、例えば、5〜20、5〜30、5〜40、5〜50、5〜75、5〜100、5〜150、及び10〜30、10〜40、10〜50、10〜75、10〜100、10〜150、ならびに20〜40、20〜50、20〜75、20〜100、20〜150などの範囲を含む。このことは、範囲の幅に関わらず適用される。
【0204】
組成物及び方法
本明細書では、本明細書で開示する式I、II、VII、VIII、IX、X、及び/またはXIの化合物を用いた組成物及び方法を提供する。
【0205】
一部の実施形態では、化合物は、RN−4000[「(E)−4−((4−((3−ブロモ−4−クロロフェニル)アミノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル)アミノ)−N,N−ジメチル−N−((1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル)−4−オキソブタ−2−エン−1−アミニウム塩(ブロミド)」;本明細書ではまた、「(2E)−4−{[4−(3−ブロモ−4−クロロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−[(1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド」と呼ぶ;化合物A]、及び/または、RN−4000E[「(2E)−N−[4−(3−ブロモ−4−クロロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]−4−(ジメチルアミノ)−2−ブテンアミド」;本明細書ではまた、「(E)−N−(4−((3−ブロモ−4−クロロフェニル)アミノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド」と呼ぶ;化合物B]、である。
【0206】
一部の実施形態では、本明細書で開示する、式I、II、VII、VIII、IX、X、及び/またはXIの化合物は、医薬組成物の一部であり、その医薬組成物は任意選択的に、HER駆動性(例えば、非限定例において、EGFR駆動性など)薬剤耐性がんを治療または予防する、少なくとも1種の別の薬剤を更に含む。
【0207】
一部の実施形態では、化合物A及び/または化合物Bは、医薬組成物の一部であり、その医薬組成物は任意選択的に、HER駆動性(例えば、非限定例において、EGFR駆動性など)薬剤耐性がんを治療または予防する、少なくとも1種の別の薬剤を更に含む。
【0208】
本明細書ではまた、対象におけるHER駆動性がんを治療または予防するための方法を提供する。本明細書では更に、対象におけるEGFR駆動性薬剤耐性がんを治療または予防するための方法を提供する。一部の実施形態では、方法は、治療有効量の本明細書で検討する少なくとも1種の化合物、例えば、化合物A及び/または化合物B、またはその塩もしくは溶媒和物を含む、本明細書で開示する、式I、II、VII、VIII、IX、X、及び/またはXIの化合物を必要とする対象に、それを投与することを含む。HER駆動性がんとしては、EGFR遺伝子融合、EGFRキナーゼドメイン重複、ErbB−2遺伝子融合、ErbB−2変異、NRG1遺伝子融合、ErbB−3変異、及び/またはErbB−4融合、により引き起こされるがんが挙げられるがこれらに限定されない。
【0209】
EGFRがん原遺伝子を含む発がん性変異について表1に例示するが、それら変異のそれぞれについては本明細書で検討する。
【0211】
表1に関連する参照文献:
1.Hirano et al.,2015 Oncotarget 6(36):38798−38803.
2.Yasuda et al.,2013 Sci Transl Med 6:225.
3.Grabe et al.,2017 ACS Med.Chem.Lett.139:674−697.
4.Lu et al.,2019,Med.Res.Rev.38(5):1550−1581.
5.Minner et al.,2012 Cancer 118(5):1268−1275.
6.Manfred et al.,2017 CNS Drugs 31(9):723−735.
7.Salvi et al.,2016 J.Thor.Onc.11(6):e78−e80.
8.Mishra et al.2017 Oncotarget,8(69),114371−114392.
9.Tu et al.2017 Cancer 114:96−102.
10.Wang,Z.2017 Methods Mol.Biol.1652:3−30.
【0212】
ErbB−2(HER2)がん原遺伝子を含む発がん性変異について表2に例示するが、それら変異のそれぞれについては本明細書で検討する。
【0214】
表2に関連する参照文献:
1.Lebeau,et al.,2001,J Clin Oncol 19:354−63.
2.Bose,et al.,2013,Cancer Discov 3:224−37.
3.Li,et al.,2016,J Thorac Oncol 11:414−9.
4.Cancer Genome Atlas Research N:Comprehensive molecular profiling of lung adenocarcinoma,2014,Nature 511:543−50.
5.Kavuri,et al.,2015,Cancer Discov 5:832−41.
6.Gordon,et al.,2013,Ann Oncol 24:1754−61.
7.Das,et al.,2014,Cancer Lett 353:167−75.
8.Gonzaga,et al.,2012,BMC Cancer 12:569.
9.Nardi,et al.,2013,Clin Cancer Res 19:480−90.
10.Williams,et al.,2010,Clin Cancer Res 16:2266−74.
11.Tuefferd,et al.,2007,PLoS One 2:e1138.
12.Morrison,et al.,2006,J Clin Oncol 24:2376−85.
13.Slomovitz, et al.,2004,J Clin Oncol 22:3126−32.
14.Chou, et al.,2013,Genome Med 5:78.
15.Bellmunt,et al.,2015,Cancer Med 4:844−52.
16.Lee,et al.,2006,Clin Cancer Res 12(1):57−61.
17.Oh et al.2018,(19)5:e775−e781.
18.Hyman et al.,2018,Nature 554:189−194.
【0215】
本出願では、本明細書で検討する化合物を用いて、がんを有する対象を治療するための方法について検討するが、EGFR及び/またはErbB−2変異は、対象の腫瘍細胞に存在する。本出願ではまた、このような方法の関連使用について検討する。
【0216】
このようなEGFR変異及び/またはErbB−2変異を伴うがんは、変異(複数可)の存在を示すある特定の特徴を示す。例えば、ある特定のEGFR変異またはErbB−2変異を伴うがんは、EGFR−TKI、例えば、オシメルチニブ、ゲフィチニブ、アファチニブ、及びエルロチニブなどに対する耐性及び/または不十分な反応性を示す(例えば、Takeda et al.,2018,Oncotarget 9(30):21132,Hyman et al.,2018,Nature 554:189−194(その全体は参照により本明細書に組み込まれる)を参照のこと)。それゆえ、本出願では、本明細書で検討する化合物を用いて、がんを有する対象を治療するための方法について更に検討するが、対象の腫瘍細胞におけるEGFR変異及び/またはErbB−2変異の存在は、腫瘍薬、例えば、EGFR−TKIなどに対する耐性及び/または不十分な反応性により示される。
【0217】
EGFR変異及び/またはErbB−2変異はまた、がんの特定の表現型特性、例えば、組織病理学、イメージング、腫瘍増殖、DNA解析、RNA解析、もしくはその他の診断法、及び/または患者の生存率、により示され得る(例えば、Naidoo et al.,2015,Cancer 121(18):3212(その全体は参照により本明細書に組み込まれる)を参照のこと)。一部の実施形態では、変異は、特定の変異の指標である下流の生化学的マーカー、代謝マーカー、循環RNA、または循環DNAなど、を検出することにより、一般的な試料から、例えば、血液、組織、尿などから同定され得る。一部の実施形態では、例えば、直接の腫瘍生検、または、ctDNAもしくはCTCを用いたリキッドバイオプシーを使用して、変異を試験してもよい。
【0218】
本出願では、本明細書で検討する化合物を用いて、がんを有する対象を治療するための方法について更に検討するが、治療は、再発性がんまたは難治性がんを有する対象のための維持療法の一部である。例えば、本出願では、本明細書で開示する化合物を用いて、対象における耐性がんまたは難治性がんを治療するための方法について検討する。一部の実施形態では、治療により、再発性がんまたは難治性がんを有する対象における、完全寛解、寛解、及び/または、完全な治癒がもたらされる。一部の実施形態では、治療により、安定が維持され、部分寛解(例えば、若干の腫瘍退縮)がもたらされる、または、完全に退縮した腫瘍の再発が予防される。一部の実施形態では、がんはEGFR変異を有する。一部の実施形態では、EGFR挿入変異は、A763_Y764insFHEA、C797S/L858R、d746−750、d746−750/C797A、d746−750/C797S、d746−750/T790M/C797S、D770GY、D770_N771insNPG、G719C、G719S、L747S、L858R、L858R/T790M、L861Q、及びT790M/C797S/L858R、のうちの少なくとも1つである。一部の実施形態では、がんはErbB−2変異を有する。一部の実施形態では、ErbB−2変異は、D769H、D769Y、R896C、V777L、及びV777_G778insCG、のうちの少なくとも1つである。
【0219】
一部の実施形態では、本明細書で開示する、方法及び関連使用の化合物は、式I、II、VII、VIII、IX、X、及び/またはXIの化合物である。一部の実施形態では、化合物は、式I、II、IX、X、及び/またはXIの化合物である。一部の実施形態では、化合物は、式VII及び/またはVIIIの化合物である。一部の実施形態では、化合物は、化合物12〜88、及び91〜104のうちの1つである。一部の実施形態では、化合物は、化合物1〜11、89、及び90のうちの1つである。一部の実施形態では、化合物は化合物17である。一部の実施形態では、化合物は化合物5である。一部の実施形態では、化合物は化合物Aである。一部の実施形態では、化合物は化合物Bである。
【0220】
一態様では、本出願は、対象におけるHER駆動性がんを治療または予防するための方法を提供し、方法は、「(2E)−4−{[4−(3−ブロモ−4−クロロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−[(1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド」(化合物A)、及び(2E)−N−[4−(3−ブロモ−4−クロロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]−4−(ジメチルアミノ)−2−ブテンアミド(化合物B)、またはその塩もしくは溶媒和物、からなる群から選択される、治療有効量の少なくとも1種の化合物を必要とする対象に、それを投与すること、を含む。
【0221】
別の態様では、本開示は、HER駆動性がんの治療または予防を必要とする対象においてそれを行うための方法を提供し、方法は、
(a)対象の腫瘍細胞を準備すること、
(b)準備した腫瘍細胞における変異、または遺伝子融合、もしくは遺伝子増幅の有無を検出すること、
(c)EGFR変異及びErbB−2変異のうちの少なくとも1つが検出された場合に、(2E)−4−{[4−(3−ブロモ−4−クロロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−[(1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(化合物A)による治療に対して、対象が反応を示す見込みがあることを予測すること、及び、
(d)治療有効量の化合物A、またはその塩もしくは溶媒和物を投与すること、
を含む。
【0222】
別の態様では、本開示は、HER駆動性がんの治療または予防を必要とする対象においてそれを行うための方法を提供し、方法は、
(a)対象の腫瘍細胞を準備すること、
(b)準備した腫瘍細胞における変異、または遺伝子融合、もしくは遺伝子増幅の有無を検出すること(変異はEGFR(HER1)変異を含む)、
(c)EGFR変異及びErbB−2変異のうちの少なくとも1つが検出された場合に、(2E)−4−{[4−(3−ブロモ−4−クロロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−[(1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(化合物A)による治療に対して、対象が反応を示す見込みがあることを予測すること、及び、
(d)治療有効量の化合物A、またはその塩もしくは溶媒和物を投与すること、
を含む。
【0223】
別の態様では、本開示は、HER駆動性がんの治療または予防を必要とする対象においてそれを行うための方法を提供し、方法は、
(a)対象の腫瘍細胞を準備すること、
(b)準備した腫瘍細胞における変異、または遺伝子融合、もしくは遺伝子増幅の有無を検出すること(変異はHER2変異を含む)、
(c)EGFR変異及びErbB−2変異のうちの少なくとも1つが検出された場合に、(2E)−4−{[4−(3−ブロモ−4−クロロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−[(1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(化合物A)による治療に対して、対象が反応を示す見込みがあることを予測すること、及び、
(d)治療有効量の化合物A、またはその塩もしくは溶媒和物を投与すること、
を含む。
【0224】
別の態様では、本開示は、HER駆動性がんの治療または予防を必要とする対象においてそれを行うための方法を提供し、方法は、
(a)対象の腫瘍細胞を準備すること、
(b)準備した腫瘍細胞における変異、または遺伝子融合、もしくは遺伝子増幅の有無を検出すること(変異はHER3変異を含む)、
(c)EGFR変異及びErbB−2変異のうちの少なくとも1つが検出された場合に、(2E)−4−{[4−(3−ブロモ−4−クロロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−[(1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(化合物A)による治療に対して、対象が反応を示す見込みがあることを予測すること、及び、
(d)治療有効量の化合物A、またはその塩もしくは溶媒和物を投与すること、
を含む。
【0225】
別の態様では、本開示は、HER駆動性がんの治療または予防を必要とする対象においてそれを行うための方法を提供し、方法は、
(a)対象の腫瘍細胞を準備すること、
(b)準備した腫瘍細胞における変異、または遺伝子融合、もしくは遺伝子増幅の有無を検出すること(変異はHER4変異を含む)、
(c)EGFR変異及びErbB−2変異のうちの少なくとも1つが検出された場合に、(2E)−4−{[4−(3−ブロモ−4−クロロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−[(1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(化合物A)による治療に対して、対象が反応を示す見込みがあることを予測すること、及び、
(d)治療有効量の化合物A、またはその塩もしくは溶媒和物を投与すること、
を含む。
【0226】
別の態様では、本開示は、HER駆動性がんの治療または予防を必要とする対象においてそれを行うための方法を提供し、方法は、
(a)対象の腫瘍細胞を準備すること、
(b)準備した腫瘍細胞における変異、または遺伝子融合、もしくは遺伝子増幅の有無を検出すること(変異はEGFR(HER1)変異を含む)、
(c)EGFR変異及びErbB−2変異のうちの少なくとも1つが検出された場合に、化合物A、化合物B、またはこれらの組み合わせによる治療に対して、対象が反応を示す見込みがあることを予測すること、及び、
(d)治療有効量の化合物A、またはその塩もしくは溶媒和物を投与すること、
を含む。
【0227】
別の態様では、本開示は、HER駆動性がんの治療または予防を必要とする対象においてそれを行うための方法を提供し、方法は、
(a)対象の腫瘍細胞を準備すること、
(b)準備した腫瘍細胞における変異、または遺伝子融合、もしくは遺伝子増幅の有無を検出すること(変異はHER2変異を含む)、
(c)EGFR変異及びErbB−2変異のうちの少なくとも1つが検出された場合に、化合物A、化合物B、またはこれらの組み合わせによる治療に対して、対象が反応を示す見込みがあることを予測すること、及び、
(d)治療有効量の化合物A、またはその塩もしくは溶媒和物を投与すること、
を含む。
【0228】
別の態様では、本開示は、HER駆動性がんの治療または予防を必要とする対象においてそれを行うための方法を提供し、方法は、
(a)対象の腫瘍細胞を準備すること、
(b)準備した腫瘍細胞における変異、または遺伝子融合、もしくは遺伝子増幅の有無を検出すること(変異はHER3変異を含む)、
(c)EGFR変異及びErbB−2変異のうちの少なくとも1つが検出された場合に、化合物A、化合物B、またはこれらの組み合わせによる治療に対して、対象が反応を示す見込みがあることを予測すること、及び、
(d)治療有効量の化合物A、またはその塩もしくは溶媒和物を投与すること、
を含む。
【0229】
別の態様では、本開示は、HER駆動性がんの治療または予防を必要とする対象においてそれを行うための方法を提供し、方法は、
(a)対象の腫瘍細胞を準備すること、
(b)準備した腫瘍細胞における変異、または遺伝子融合、もしくは遺伝子増幅の有無を検出すること(変異はHER4変異を含む)、
(c)EGFR変異及びErbB−2変異のうちの少なくとも1つが検出された場合に、化合物A、化合物B、またはこれらの組み合わせによる治療に対して、対象が反応を示す見込みがあることを予測すること、及び、
(d)治療有効量の化合物A、またはその塩もしくは溶媒和物を投与すること、
を含む。
【0230】
別の態様では、本開示は、HER駆動性肺癌の治療または予防を必要とする対象においてそれを行うための方法を提供し、方法は、
(a)対象の腫瘍細胞を準備すること、
(b)準備した腫瘍細胞における変異、または遺伝子融合、もしくは遺伝子増幅の有無を検出すること(変異はEGFR(HER1)変異を含む)、
(c)EGFR変異及びErbB−2変異のうちの少なくとも1つが検出された場合に、化合物A、化合物B、またはこれらの組み合わせによる治療に対して、対象が反応を示す見込みがあることを予測すること、及び、
(d)治療有効量の化合物A、またはその塩もしくは溶媒和物を投与すること、
を含む。
【0231】
別の態様では、本開示は、HER駆動性肺癌の治療または予防を必要とする対象においてそれを行うための方法を提供し、方法は、
(a)対象の腫瘍細胞を準備すること、
(b)準備した腫瘍細胞における変異、または遺伝子融合、もしくは遺伝子増幅の有無を検出すること(変異はHER2変異を含む)、
(c)EGFR変異及びErbB−2変異のうちの少なくとも1つが検出された場合に、化合物A、化合物B、またはこれらの組み合わせによる治療に対して、対象が反応を示す見込みがあることを予測すること、及び、
(d)治療有効量の化合物A、またはその塩もしくは溶媒和物を投与すること、
を含む。
【0232】
別の態様では、本開示は、HER駆動性肺癌の治療または予防を必要とする対象においてそれを行うための方法を提供し、方法は、
(a)対象の腫瘍細胞を準備すること、
(b)準備した腫瘍細胞における変異、または遺伝子融合、もしくは遺伝子増幅の有無を検出すること(変異はHER3変異を含む)、
(c)EGFR変異及びErbB−2変異のうちの少なくとも1つが検出された場合に、化合物A、化合物B、またはこれらの組み合わせによる治療に対して、対象が反応を示す見込みがあることを予測すること、及び、
(d)治療有効量の化合物A、またはその塩もしくは溶媒和物を投与すること、
を含む。
【0233】
別の態様では、本開示は、HER駆動性肺癌の治療または予防を必要とする対象においてそれを行うための方法を提供し、方法は、
(a)対象の腫瘍細胞を準備すること、
(b)準備した腫瘍細胞における変異、または遺伝子融合、もしくは遺伝子増幅の有無を検出すること(変異はHER4変異を含む)、
(c)EGFR変異及びErbB−2変異のうちの少なくとも1つが検出された場合に、化合物A、化合物B、またはこれらの組み合わせによる治療に対して、対象が反応を示す見込みがあることを予測すること、及び、
(d)治療有効量の化合物A、またはその塩もしくは溶媒和物を投与すること、
を含む。
【0234】
別の態様では、本開示は、HER駆動性脳転移の治療または予防を必要とする対象においてそれを行うための方法を提供し、方法は、
(a)対象の腫瘍細胞を準備すること、
(b)準備した腫瘍細胞における変異、または遺伝子融合、もしくは遺伝子増幅の有無を検出すること(変異はEGFR(HER1)変異を含む)、
(c)EGFR変異及びErbB−2変異のうちの少なくとも1つが検出された場合に、化合物A、化合物B、またはこれらの組み合わせによる治療に対して、対象が反応を示す見込みがあることを予測すること、及び、
(d)治療有効量の化合物A、またはその塩もしくは溶媒和物を投与すること、
を含む。
【0235】
別の態様では、本開示は、HER駆動性脳転移の治療または予防を必要とする対象においてそれを行うための方法を提供し、方法は、
(a)対象の腫瘍細胞を準備すること、
(b)準備した腫瘍細胞における変異、または遺伝子融合、もしくは遺伝子増幅の有無を検出すること(変異はHER2変異を含む)、
(c)EGFR変異及びErbB−2変異のうちの少なくとも1つが検出された場合に、化合物A、化合物B、またはこれらの組み合わせによる治療に対して、対象が反応を示す見込みがあることを予測すること、及び、
(d)治療有効量の化合物A、またはその塩もしくは溶媒和物を投与すること、
を含む。
【0236】
別の態様では、本開示は、HER駆動性脳転移の治療または予防を必要とする対象においてそれを行うための方法を提供し、方法は、
(a)対象の腫瘍細胞を準備すること、
(b)準備した腫瘍細胞における変異、または遺伝子融合、もしくは遺伝子増幅の有無を検出すること(変異はHER3変異を含む)、
(c)EGFR変異及びErbB−2変異のうちの少なくとも1つが検出された場合に、化合物A、化合物B、またはこれらの組み合わせによる治療に対して、対象が反応を示す見込みがあることを予測すること、及び、
(d)治療有効量の化合物A、またはその塩もしくは溶媒和物を投与すること、
を含む。
【0237】
別の態様では、本開示は、HER駆動性脳転移の治療または予防を必要とする対象においてそれを行うための方法を提供し、方法は、
(a)対象の腫瘍細胞を準備すること、
(b)準備した腫瘍細胞における変異、または遺伝子融合、もしくは遺伝子増幅の有無を検出すること(変異はHER4変異を含む)、
(c)EGFR変異及びErbB−2変異のうちの少なくとも1つが検出された場合に、化合物A、化合物B、またはこれらの組み合わせによる治療に対して、対象が反応を示す見込みがあることを予測すること、及び、
(d)治療有効量の化合物A、またはその塩もしくは溶媒和物を投与すること、
を含む。
【0238】
別の態様では、本開示は、HER駆動性がんの治療または予防を必要とする対象においてそれを行うための方法を提供し、方法は、
(a)対象の腫瘍細胞を準備すること、
(b)準備した腫瘍細胞における変異、または遺伝子融合、もしくは遺伝子増幅の有無を検出すること(変異は、A763_Y764insFHEA、C797S/L858R、d746−750、d746−750/C797A、d746−750/C797S、d746−750/T790M/C797S、D770GY、D770_N771insNPG、G719C、G719S、L747S、L858R、L858R/T790M、L861Q、及びT790M/C797S/L858R、EGFRエキソン20挿入変異(Reiss et al J Thorac Oncol.2018 Oct;13(10):1560−1568,Arcila et al Mol Cancer Ther.2013 February;12(2):220−229)、EGFR希少変異及びEGFR compound変異(Beau−Faller et al Annals of Oncology 25:126−131,2014,Martin et al Clin Lung Cancer.2019 May 11.pii:S1525−7304(19)30103−2,Mishra et al Oncotarget,2017,Vol.8,(No.69),pp:114371−114392)、第三オシメルチニブ耐性変異L718Q/V、G724S、L792F/H、G796S、C797S/G、EGFR遺伝子融合EGFR−SEPT14、EGFR−RAD51、EGFR−PSPH、もしくは、別のC末端パートナー、EGFRキナーゼドメイン重複(EGFR−KDD)、からなる群から選択される、EGFR(HER1)変異を含む、または、変異は、D769H、D769Y、R896C、V777L、V777_G778insCG、G309A/E、S310F/Y、V659E/D、G660D、K753E、L755P/S、Del755−759、L768S、D769H/Y、V773L、A775_G776insYVMA、G776V/L、Cins、V777L、P780Ins、P780_Y781insGSP、V842I、L866M、R896C、膜近傍及び膜貫通ドメインの変異S653C、S656C、V659E、G660D、及びG660R、ならびに、JMD変異R677L、R678W、T686A、E693K、S649T、P650S、L651V、V659G、G660D、G660R、L663P、L674V、R677L、R678Q、R683Q、E693K、Q709L、及びA710V、ならびに、ErbB2遺伝子融合ZNF207−HER2、MDK−HER2、NOS2−HER2、ERBB2−GRB7、ERBB2−CTTN、ERBB2−PPP1R1B、ERBB2−PSMB3、もしくは別のN末端パートナー、からなる群から選択されるErbB−2(HER2)変異を含む、または、変異は、N181S、T244R、Y285C、R306S、V348L、D595V、H618P、D931Y、K935I、E317K、E452K、E542K、R544W、E563K、E836K、E872K、及びHER4遺伝子融合EZR−ERBB4、IKZF2−ERBB4、BGALT−ERBB4、もしくは別のN末端パートナー、からなる群から選択されるErbB−4(HER4)変異を含む、または、変異は、T355I、F94L、G284R、D297Y、T355I、E1261A、V104M、A232V、P262H、G284R、T389K、V714M、Q809R、S846I、及びE928G、任意の活性化変異、TKI耐性変異、遺伝子融合、キナーゼドメイン重複、ならびにErbB受容体の遺伝子増幅、からなる群から選択されるErbB−3(HER3)変異を含む)、
(c)EGFR変異及びErbB−2変異のうちの少なくとも1つが検出された場合に、(2E)−4−{[4−(3−ブロモ−4−クロロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−[(1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(化合物A)による治療に対して、対象が反応を示す見込みがあることを予測すること、及び、
(d)治療有効量の化合物A、またはその塩もしくは溶媒和物を投与すること、
を含む。
【0239】
別の態様では、本出願は、がんを有する対象におけるHER駆動性がんを治療するための方法を提供し、変異は、対象の腫瘍細胞において検出され、変異は、A763_Y764insFHEA、C797S/L858R、d746−750、d746−750/C797A、d746−750/C797S、d746−750/T790M/C797S、D770GY、D770_N771insNPG、G719C、G719S、L747S、L858R、L858R/T790M、L861Q、及びT790M/C797S/L858R、からなる群から選択されるEGFR変異である、または、変異は、D769H、D769Y、R896C、V777L、及びV777_G778insCG、からなる群から選択されるErbB−2変異であり、
方法は、化合物A及び化合物B、またはその塩もしくは溶媒和物、からなる群から選択される、治療有効量の少なくとも1種の化合物を投与すること、を含む。
【0240】
別の態様では、本出願は、がんを有する対象におけるがんを治療するための方法を提供する。その他の実施形態では、方法は、
(a)対象の腫瘍細胞を準備すること、
(b)準備した腫瘍細胞における変異の有無を検出すること(変異は、A763_Y764insFHEA、C797S/L858R、d746−750、d746−750/C797A、d746−750/C797S、d746−750/T790M/C797S、D770GY、D770_N771insNPG、G719C、G719S、L747S、L858R、L858R/T790M、L861Q、及びT790M/C797S/L858R、からなる群から選択されるEGFR変異である、または、変異は、対象の準備した腫瘍細胞におけるD769H、D769Y、R896C、V777L、及びV777_G778insCG、からなる群から選択されるErbB−2変異である)、
(c)変異が検出された場合に、本明細書で検討する化合物による治療に対して、対象が反応を示す見込みがあることを予測すること、
(d)治療有効量の本明細書で検討する化合物を対象に投与すること、
を含む。
【0241】
一部の実施形態では、がんはHER駆動性がんである。
【0242】
一部の実施形態では、がんはHER駆動性薬剤耐性がんである。
【0243】
一部の実施形態では、化合物は化合物Aである。一部の実施形態では、化合物は化合物Bである。
【0244】
別の態様では、本出願は、がんを有する対象におけるがんを治療するための方法を提供する。その他の実施形態では、方法は、
(a)対象の腫瘍細胞における変異の有無を検出すること(変異は、A763_Y764insFHEA、C797S/L858R、d746−750、d746−750/C797A、d746−750/C797S、d746−750/T790M/C797S、D770GY、D770_N771insNPG、G719C、G719S、L747S、L858R、L858R/T790M、L861Q、及びT790M/C797S/L858R、からなる群から選択されるEGFR変異である、または、変異は、D769H、D769Y、R896C、V777L、及びV777_G778insCG、からなる群から選択されるErbB−2変異である)、
(b)変異が検出された場合に、本明細書で検討する化合物による治療に対して、対象が反応を示す見込みがあることを予測すること、
(c)治療有効量の本明細書で検討する化合物を対象に投与すること、
を含む。
【0245】
一部の実施形態では、がんはHER駆動性がんである。
【0246】
一部の実施形態では、がんはHER駆動性薬剤耐性がんである。
【0247】
一部の実施形態では、化合物は化合物Aである。一部の実施形態では、化合物は化合物Bである。
【0248】
更に別の態様では、本出願は、がんを有する対象におけるがんを治療するための方法を提供し、変異は、対象の腫瘍細胞において検出され、変異は、A763_Y764insFHEA、C797S/L858R、d746−750、d746−750/C797A、d746−750/C797S、d746−750/T790M/C797S、D770GY、D770_N771insNPG、G719C、G719S、L747S、L858R、L858R/T790M、L861Q、及びT790M/C797S/L858R、からなる群から選択されるEGFR変異である、または、変異は、D769H、D769Y、R896C、V777L、及びV777_G778insCG、からなる群から選択されるErbB−2変異である。
【0249】
その他の実施形態では、方法は、治療有効量の本明細書で検討する化合物を対象に投与すること、を含む。更にその他の実施形態では、がんはHER駆動性がんである。更にその他の実施形態では、がんはHER駆動性薬剤耐性がんである。更にその他の実施形態では、化合物は化合物Aまたは化合物Bである。更に別の態様では、本出願は、がんを有する対象におけるがんを治療するための組成物の製造における、本明細書で検討する化合物の使用を提供し、変異は、対象の腫瘍細胞において検出され、変異は、A763_Y764insFHEA、C797S/L858R、d746−750、d746−750/C797A、d746−750/C797S、d746−750/T790M/C797S、D770GY、D770_N771insNPG、G719C、G719S、L747S、L858R、L858R/T790M、L861Q、及びT790M/C797S/L858R、からなる群から選択されるEGFR変異である、または、変異は、D769H、D769Y、R896C、V777L、及びV777_G778insCG、からなる群から選択されるErbB−2変異である。
【0250】
その他の実施形態では、本出願は、がんを有する対象におけるがんを治療するための組成物の製造における、本明細書で検討する化合物の使用を提供し、変異は、対象に由来する腫瘍細胞の試料において検出され、変異は、A763_Y764insFHEA、C797S/L858R、d746−750、d746−750/C797A、d746−750/C797S、d746−750/T790M/C797S、D770GY、D770_N771insNPG、G719C、G719S、L747S、L858R、L858R/T790M、L861Q、及びT790M/C797S/L858R、からなる群から選択されるEGFR変異である、または、変異は、D769H、D769Y、R896C、V777L、及びV777_G778insCG、からなる群から選択されるErbB−2変異である。更にその他の実施形態では、がんはHER駆動性がんである。更にその他の実施形態では、がんはHER駆動性薬剤耐性がんである。更にその他の実施形態では、化合物は化合物Aまたは化合物Bである。
【0251】
更に別の態様では、本出願は、がんを有する対象におけるがんの治療における、本明細書で検討する化合物の使用を提供し、変異は、対象の腫瘍細胞において検出され、変異は、A763_Y764insFHEA、C797S/L858R、d746−750、d746−750/C797A、d746−750/C797S、d746−750/T790M/C797S、D770GY、D770_N771insNPG、G719C、G719S、L747S、L858R、L858R/T790M、L861Q、及びT790M/C797S/L858R、からなる群から選択されるEGFR変異である、または、変異は、D769H、D769Y、R896C、V777L、及びV777_G778insCG、からなる群から選択されるErbB−2変異である。
【0252】
その他の実施形態では、本出願は、がんを有する対象におけるがんの治療における、本明細書で検討する化合物の使用を提供し、変異は、対象の腫瘍細胞の試料において検出され、変異は、A763_Y764insFHEA、C797S/L858R、d746−750、d746−750/C797A、d746−750/C797S、d746−750/T790M/C797S、D770GY、D770_N771insNPG、G719C、G719S、L747S、L858R、L858R/T790M、L861Q、及びT790M/C797S/L858R、からなる群から選択されるEGFR変異である、または、変異は、D769H、D769Y、R896C、V777L、及びV777_G778insCG、からなる群から選択されるErbB−2変異である。更にその他の実施形態では、がんはHER駆動性がんである。更にその他の実施形態では、がんはHER駆動性薬剤耐性がんである。更にその他の実施形態では、化合物は化合物Aまたは化合物Bである。
【0253】
その他の実施形態では、本出願は、HER駆動性がんを治療するための医薬品の製造における、本明細書で検討する化合物の使用を提供し、変異は、A763_Y764insFHEA、C797S/L858R、d746−750、d746−750/C797A、d746−750/C797S、d746−750/T790M/C797S、D770GY、D770_N771insNPG、G719C、G719S、L747S、L858R、L858R/T790M、L861Q、及びT790M/C797S/L858R、からなる群から選択されるEGFR変異を含む、または、変異は、D769H、D769Y、R896C、V777L、及びV777_G778insCG、からなる群から選択されるErbB−2変異を含む。一部の実施形態では、がんはHER駆動性薬剤耐性がんである。
【0254】
更に別の態様では、本出願は、がんを有する対象におけるがんの治療において使用するための、本明細書で検討する化合物を提供し、変異は、対象の腫瘍細胞において検出され、変異は、A763_Y764insFHEA、C797S/L858R、d746−750、d746−750/C797A、d746−750/C797S、d746−750/T790M/C797S、D770GY、D770_N771insNPG、G719C、G719S、L747S、L858R、L858R/T790M、L861Q、及びT790M/C797S/L858R、からなる群から選択されるEGFR変異である、または、変異は、D769H、D769Y、R896C、V777L、及びV777_G778insCG、からなる群から選択されるErbB−2変異である。その他の実施形態では、本出願は、がんを有する対象におけるがんの治療において使用するための、本明細書で検討する化合物を提供し、変異は、対象の腫瘍細胞の試料において検出され、変異は、A763_Y764insFHEA、C797S/L858R、d746−750、d746−750/C797A、d746−750/C797S、d746−750/T790M/C797S、D770GY、D770_N771insNPG、G719C、G719S、L747S、L858R、L858R/T790M、L861Q、及びT790M/C797S/L858R、からなる群から選択されるEGFR変異である、または、変異は、D769H、D769Y、R896C、V777L、及びV777_G778insCG、からなる群から選択されるErbB−2変異である。更にその他の実施形態では、がんはHER駆動性薬剤耐性がんである。更にその他の実施形態では、化合物は化合物Aまたは化合物Bである。
【0255】
更に別の態様では、本出願は、がんを有する対象におけるがんの治療において使用するための、本明細書で検討する化合物を提供し、
(a)対象の腫瘍細胞を準備すること、
(b)対象の準備した腫瘍細胞における変異の有無を検出すること(変異は、A763_Y764insFHEA、C797S/L858R、d746−750、d746−750/C797A、d746−750/C797S、d746−750/T790M/C797S、D770GY、D770_N771insNPG、G719C、G719S、L747S、L858R、L858R/T790M、L861Q、及びT790M/C797S/L858R、からなる群から選択されるEGFR変異である、または、変異は、D769H、D769Y、R896C、V777L、及びV777_G778insCG、からなる群から選択されるErbB−2変異である)、及び、
(c)変異が検出された場合に、治療有効量の本明細書で検討する化合物を対象に投与すること、
を含む。
【0256】
一部の実施形態では、がんはHER駆動性がんである。
【0257】
一部の実施形態では、がんはHER駆動性薬剤耐性がんである。
【0258】
一部の実施形態では、化合物は化合物Aである。一部の実施形態では、化合物は化合物Bである。
【0259】
更に別の態様では、本出願は、がんを有する対象におけるがんの治療において使用するための、本明細書で検討する化合物を提供する。一部の実施形態では、方法は、
(a)対象の腫瘍細胞における変異の有無を検出すること(変異は、A763_Y764insFHEA、C797S/L858R、d746−750、d746−750/C797A、d746−750/C797S、d746−750/T790M/C797S、D770GY、D770_N771insNPG、G719C、G719S、L747S、L858R、L858R/T790M、L861Q、及びT790M/C797S/L858R、からなる群から選択されるEGFR変異である、または、変異は、D769H、D769Y、R896C、V777L、及びV777_G778insCG、からなる群から選択されるErbB−2変異である)、及び、
(b)対象の準備した腫瘍細胞において変異が検出された場合に、治療有効量の本明細書で検討する化合物を対象に投与すること、
を含む。
【0260】
一部の実施形態では、がんはHER駆動性がんである。
【0261】
一部の実施形態では、がんはHER駆動性薬剤耐性がんである。
【0262】
一部の実施形態では、化合物は化合物Aである。一部の実施形態では、化合物は化合物Bである。
【0263】
一部の実施形態では、対象は、薬剤耐性がんを治療または予防する、少なくとも1種の別の薬剤、またはその塩もしくは溶媒和物を更に投与される。検討する別の抗増殖剤の非限定例としては、Merck Indexの第14版(2006)のがん化学療法剤レジメンに列挙される化合物(参照により本明細書に組み込まれる)、例えば、アスパラギナーゼ、ブレオマイシン、カルボプラチン、カルムスチン、クロラムブシル、シスプラチン、コラスパーゼ、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、エピルビシン、エトポシド、5−フルオロウラシル、ヘキサメチルメラミン、ヒドロキシウレア、イホスファミド、イリノテカン、ロイコボリン、ロムスチン、メクロレタミン、6−メルカプトプリン、メスナ、メトトレキサート、マイトマイシンC、ミトキサントロン、プレドニゾロン、プレドニゾン、プロカルバジン、ラロキシフェン、ストレプトゾシン、タモキシフェン、チオグアニン、トポテカン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、及びビンデシン、など、が挙げられるがこれらに限定されない。別の抗増殖剤としては、並行経路を調節するその他の分子標的薬、例えば、MEK1/2阻害剤、AKT阻害剤、及びmTor阻害剤、モノクローナル抗体(例えば、セツキシマブなど)、オキサリプラチン、ゲムシタビン、ゲフィニチブ、タキソテール、ara A、ara C、ハーセプチン、BCNU、CCNU、DTIC、ならびに、アクチノマイシンD、など、が挙げられる。なおも更なる抗増殖剤としては、Goodman and Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics(第11版)(編集者、Molinoff et al.、出版、McGraw−Hill、1225〜1287ページ(2006年))に記載され、腫瘍性疾患の治療への使用が承認されている化合物(参照により本明細書に組み込まれる)、例えば、アミノグルテチミド、L−アスパラギナーゼ、アザチオプリン、5−アザシチジン、クラドリビン、ブスルファン、ジエチルスチルベストロール、2’,2’−ジフルオロデオキシシチジン、ドセタキセル、エリスロヒドロキシノニルアデニン、エチニルエストラジオール、5−フルオロデオキシウリジン、5−フルオロデオキシウリジン一リン酸、リン酸フルダラビン、フルオキシメステロン、フルタミド、カプロン酸ヒドロキシプロゲステロン、イダルビシン、インターフェロン、酢酸メドロキシプロゲステロン、酢酸メゲストロール、メルファラン、ミトタン、パクリタキセル、ペントスタチン、N−ホスホノアセチル−L−アスパルテート(PALA)、プリカマイシン、セムスチン、テニポシド、プロピオン酸テストステロン、チオテパ、トリメチルメラミン、ウリジン、及びビノレルビン、など、が挙げられるがこれらに限定されない。
【0264】
一部の実施形態では、本明細書で開示する、式I、II、VII、VIII、IX、X、及び/またはXIのうちのいずれか1種の化合物、ならびに少なくとも1種の別の薬剤は、対象に同時投与される。その他の実施形態では、本明細書で開示する、式I、II、VII、VIII、IX、X、及び/またはXIのうちのいずれか1種の化合物、ならびに少なくとも1種の別の薬剤は、共配合される。
【0265】
一部の実施形態では、化合物Aまたは化合物B、及び少なくとも1種の別の薬剤は、対象に同時投与される。その他の実施形態では、化合物Aまたは化合物B、及び少なくとも1種の別の薬剤は、共配合される。
【0266】
一部の実施形態では、本明細書で開示する、式I、II、VII、VIII、IX、X、及び/またはXIのうちのいずれか1種の化合物は、吸入(inhalational)、経口、経鼻、直腸、非経口、舌下、経皮、経粘膜、膀胱内、肺内、十二指腸内、胃内、硬膜内、硬膜外、胸膜内、腹腔内、気管内、耳、眼内、皮下、筋肉内、皮膚内、動脈内、静脈内、気管支内、吸入(inhalation)、及び局所、からなる群から選択される少なくとも1つの経路で投与される。その他の実施形態では、対象は哺乳動物である。更にその他の実施形態では、哺乳動物はヒトである。一部の実施形態では、対象は、自身の治療を必要とするヒトである。
【0267】
一部の実施形態では、化合物Aまたは化合物Bは、吸入、経口、経鼻、直腸、非経口、舌下、経皮、経粘膜、膀胱内、肺内、十二指腸内、胃内、硬膜内、硬膜外、胸膜内、腹腔内、気管内、耳、眼内、皮下、筋肉内、皮膚内、動脈内、静脈内、気管支内、吸入、及び局所、からなる群から選択される少なくとも1つの経路で投与される。その他の実施形態では、対象は哺乳動物である。更にその他の実施形態では、哺乳動物はヒトである。
【0268】
一部の実施形態では、対象は、自身の治療を必要とするヒトである。
【0269】
本明細書ではまた、本明細書で開示する、式I、II、VII、VIII、IX、X、及び/またはXIのうちのいずれか1種の化合物、その化合物を使用するためのアプリケーター及び取扱説明用資料、を含むキットを提供し、取扱説明用資料は、HER駆動性がんを予防または治療するための取扱説明書を含む。一部の実施形態では、がんはHER駆動性薬剤耐性がんである。
【0270】
本明細書では更に、化合物Aまたは化合物B、その化合物を使用するためのアプリケーター及び取扱説明用資料、を含むキットを提供し、取扱説明用資料は、HER駆動性がんを予防または治療するための取扱説明書を含む。一部の実施形態では、がんはHER駆動性薬剤耐性がんである。
【0271】
塩
本明細書に記載の化合物は、酸と塩を形成していてもよく、このような塩は本出願に包含される。一実施形態では、塩は薬学的に許容される塩である。用語「塩」は、本明細書で開示する方法において有用な、遊離酸の付加塩を包含する。用語「薬学的に許容される塩」とは、薬学的用途において有用性をもたらす範囲内の毒性プロファイルを有する塩のことを意味する。薬学的に許容されない塩は、それでもなお、高い結晶化度などの特性を有し得、本出願の実施において有用であり、例えば、本明細書で開示する方法において有用な化合物の合成、精製、または配合のプロセスなどにおいて有用である。
【0272】
好適な薬学的に許容される酸付加塩を、無機酸から、または有機酸から調製してもよい。無機酸の例としては、硫酸、水素硫酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、炭酸、硫酸、及びリン酸(水素リン酸及び二水素リン酸を含む)、が挙げられる。適切な有機酸は、脂肪族、脂環式、芳香族、芳香脂肪族、複素環式、カルボン酸、及びスルホン酸の部類の有機酸、から選択してもよく、その例としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、グルクロン酸、マレイン酸、フマル酸、ピルビン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、安息香酸、アントラニル酸、4−ヒドロキシ安息香酸、フェニル酢酸、マンデル酸、エンボン酸(パモ酸)、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パントテン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、スルファニル酸、シクロヘキシルアミノスルホン酸、ステアリン酸、アルギン酸、β−ヒドロキシブチル酸、サリチル酸、ガラクタル酸、ガラクツロン酸、グリセロリン酸、及びサッカリン(例えば、サッカリン酸、サッカラート)、が挙げられる。塩は、本明細書で検討する任意の化合物に対して、数分の1モル当量、1モル当量、または2モル当量以上の酸または塩基から構成されていてもよい。
【0273】
本明細書で検討する化合物の好適な薬学的に許容される塩基付加塩としては、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属、及び遷移金属塩を含む金属塩、例えば、カルシウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、及び亜鉛塩など、が挙げられる。薬学的に許容される塩基付加塩としてはまた、塩基性アミン、例えば、N,N’−ジベンジルエチレン−ジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン(N−メチルグルカミン)、及びプロカイン、などから形成される有機塩が挙げられる。これらの塩の全ては、例えば、適切な酸または塩基を、対応する化合物と反応させることにより、対応する化合物から調製することができる。
【0274】
予測/同定法
本出願ではまた、本明細書で検討する化合物を用いた治療に対する、がんを有する対象の反応性を予測するための方法について検討する。
【0275】
一部の実施形態では、化合物は、式I、II、VII、VIII、IX、X、及び/またはXIの化合物である。一部の実施形態では、化合物は、式I、II、IX、X、及び/またはXIの化合物である。一部の実施形態では、化合物は、式VII及び/またはVIIIの化合物である。一部の実施形態では、化合物は、化合物12〜88、及び91〜104のうちの1つである。一部の実施形態では、化合物は、化合物1〜11、89、及び90のうちの1つである。一部の実施形態では、化合物は化合物17である。一部の実施形態では、化合物は化合物5である。一部の実施形態では、化合物は化合物Aである。一部の実施形態では、化合物は化合物Bである。
【0276】
一態様では、本出願は、本明細書で検討する化合物を用いた治療に対する、がんを有する対象の反応性を予測するための方法を提供する。一部の実施形態では、方法は、
(a)対象の腫瘍細胞を準備すること、
(b)対象の準備した腫瘍細胞における変異の有無を検出すること(変異は、EGFR変異である)、
(c)対象の準備した腫瘍細胞において変異が検出された場合に、本明細書で検討する化合物を用いた治療に対して、対象が反応を示す見込みがあることを予測すること、
を含む。
【0277】
一態様では、本出願は、本明細書で検討する化合物を用いた治療に対する、がんを有する対象の反応性を予測するための方法を提供する。一部の実施形態では、方法は、
(a)対象の腫瘍細胞を準備すること、
(b)対象の準備した腫瘍細胞における変異の有無を検出すること(変異は、A763_Y764insFHEA、C797S/L858R、d746−750、d746−750/C797A、d746−750/C797S、d746−750/T790M/C797S、D770GY、D770_N771insNPG、G719C、G719S、L747S、L858R、L858R/T790M、L861Q、及びT790M/C797S/L858R、からなる群から選択されるEGFR変異である、または、変異は、D769H、D769Y、R896C、V777L、及びV777_G778insCG、からなる群から選択されるErbB−2変異である)、
(c)対象の準備した腫瘍細胞において変異が検出された場合に、本明細書で検討する化合物を用いた治療に対して、対象が反応を示す見込みがあることを予測すること、
を含む。
【0278】
一部の実施形態では、化合物は化合物Aである。一部の実施形態では、化合物は化合物Bである。
【0279】
別の態様では、本出願は、本明細書で検討する化合物を用いた治療に対する、がんを有する対象の反応性を予測するための方法を提供する。一部の実施形態では、方法は、
(a)対象に由来する試料における変異の有無を検出すること(試料は腫瘍細胞を含み、変異は、A763_Y764insFHEA、C797S/L858R、d746−750、d746−750/C797A、d746−750/C797S、d746−750/T790M/C797S、D770GY、D770_N771insNPG、G719C、G719S、L747S、L858R、L858R/T790M、L861Q、及びT790M/C797S/L858R、からなる群から選択されるEGFR変異である、または、変異は、D769H、D769Y、R896C、V777L、及びV777_G778insCG、からなる群から選択されるErbB−2変異である)、
(b)対象に由来する試料において変異が検出された場合に、本明細書で検討する化合物を用いた治療に対して、対象が反応を示す見込みがあることを予測すること、
を含む。
【0280】
一部の実施形態では、化合物は化合物Aである。一部の実施形態では、化合物は化合物Bである。
【0281】
更に別の態様では、本出願は、本明細書で検討する化合物を用いた治療に対する、がんを有する対象の反応性を予測するための方法を提供する。一部の実施形態では、方法は、
(a)対象の腫瘍細胞における変異の有無を検出すること(変異は、A763_Y764insFHEA、C797S/L858R、d746−750、d746−750/C797A、d746−750/C797S、d746−750/T790M/C797S、D770GY、D770_N771insNPG、G719C、G719S、L747S、L858R、L858R/T790M、L861Q、及びT790M/C797S/L858R、からなる群から選択されるEGFR変異である、または、変異は、D769H、D769Y、R896C、V777L、及びV777_G778insCG、からなる群から選択されるErbB−2変異である)、及び、
(b)対象の腫瘍細胞において変異が検出された場合に、本明細書で検討する化合物を用いた治療に対して、対象が反応を示す見込みがあることを予測すること、
を含む。
【0282】
一部の実施形態では、化合物は化合物Aである。一部の実施形態では、化合物は化合物Bである。
【0283】
更に別の態様では、本出願は、本明細書で検討する化合物を用いた治療に対する、がんを有する対象の反応性を予測するための方法を提供する。一部の実施形態では、方法は、
(a)対象に由来する腫瘍細胞の試料における変異の有無を検出すること(変異は、A763_Y764insFHEA、C797S/L858R、d746−750、d746−750/C797A、d746−750/C797S、d746−750/T790M/C797S、D770GY、D770_N771insNPG、G719C、G719S、L747S、L858R、L858R/T790M、L861Q、及びT790M/C797S/L858R、からなる群から選択されるEGFR変異である、または、変異は、D769H、D769Y、R896C、V777L、及びV777_G778insCG、からなる群から選択されるErbB−2変異である)、及び、
(b)対象に由来する腫瘍細胞の試料において変異が検出された場合に、本明細書で検討する化合物を用いた治療に対して、対象が反応を示す見込みがあることを予測すること、
を含む。
【0284】
一部の実施形態では、化合物は化合物Aである。一部の実施形態では、化合物は化合物Bである。
【0285】
更に別の態様では、本出願は、本明細書で検討する化合物を用いた治療に対する、がんを有する対象の反応性を予測するための方法を提供する。一部の実施形態では、方法は、
(a)対象の腫瘍細胞を準備すること、
(b)対象の準備した腫瘍細胞における変異の有無を検出すること(変異は、A763_Y764insFHEA、C797S/L858R、d746−750、d746−750/C797A、d746−750/C797S、d746−750/T790M/C797S、D770GY、D770_N771insNPG、G719C、G719S、L747S、L858R、L858R/T790M、L861Q、及びT790M/C797S/L858R、からなる群から選択されるEGFR変異である、または、変異は、D769H、D769Y、R896C、V777L、及びV777_G778insCG、からなる群から選択されるErbB−2変異である)、
を含み、
対象の準備した腫瘍細胞において変異が検出された場合、対象は、本明細書で検討する化合物を用いた治療に対して反応を示す見込みがある。
【0286】
一部の実施形態では、化合物は化合物Aである。一部の実施形態では、化合物は化合物Bである。
【0287】
更に別の態様では、本出願は、本明細書で検討する化合物を用いた治療に対する、がんを有する対象の反応性を予測するための方法を提供する。一部の実施形態では、方法は、対象の腫瘍細胞における変異の有無を検出すること、を含み、変異は、A763_Y764insFHEA、C797S/L858R、d746−750、d746−750/C797A、d746−750/C797S、d746−750/T790M/C797S、D770GY、D770_N771insNPG、G719C、G719S、L747S、L858R、L858R/T790M、L861Q、及びT790M/C797S/L858R、からなる群から選択されるEGFR変異である、または、変異は、D769H、D769Y、R896C、V777L、及びV777_G778insCG、からなる群から選択されるErbB−2変異であり、
対象の腫瘍細胞において変異が検出された場合、対象は、本明細書で検討する化合物を用いた治療に対して反応を示す見込みがある。
【0288】
一部の実施形態では、化合物は化合物Aである。一部の実施形態では、化合物は化合物Bである。
【0289】
更に別の態様では、本出願は、本明細書で検討する化合物を用いた治療に対する、がんを有する対象の反応性を予測するための方法を提供する。一部の実施形態では、方法は、対象に由来する腫瘍細胞の試料における挿入変異の有無を検出すること、を含み、変異は、A763_Y764insFHEA、C797S/L858R、d746−750、d746−750/C797A、d746−750/C797S、d746−750/T790M/C797S、D770GY、D770_N771insNPG、G719C、G719S、L747S、L858R、L858R/T790M、L861Q、及びT790M/C797S/L858R、からなる群から選択されるEGFR変異である、または、変異は、D769H、D769Y、R896C、V777L、及びV777_G778insCG、からなる群から選択されるErbB−2変異であり、
対象に由来する腫瘍細胞の試料において変異が検出された場合、対象は、本明細書で検討する化合物を用いた治療に対して反応を示す見込みがある。
【0290】
一部の実施形態では、化合物は化合物Aである。一部の実施形態では、化合物は化合物Bである。
【0291】
更に別の態様では、本出願は、本明細書で検討する化合物を用いた治療に対する、がんを有する対象の反応性を予測するための方法を提供する。一部の実施形態では、方法は、
(a)対象の腫瘍細胞を準備すること、及び、
(b)対象の準備した腫瘍細胞における変異の有無を検出すること(変異は、A763_Y764insFHEA、C797S/L858R、d746−750、d746−750/C797A、d746−750/C797S、d746−750/T790M/C797S、D770GY、D770_N771insNPG、G719C、G719S、L747S、L858R、L858R/T790M、L861Q、及びT790M/C797S/L858R、からなる群から選択されるEGFR変異である、または、変異は、D769H、D769Y、R896C、V777L、及びV777_G778insCG、からなる群から選択されるErbB−2変異である)、
を含み、
対象の準備した腫瘍細胞における変異の存在は、治療に対する対象の、反応性の高い見込みまたは高い反応性と相関している。
【0292】
一部の実施形態では、化合物は化合物Aである。一部の実施形態では、化合物は化合物Bである。
【0293】
本明細書で提供する様々な方法のうちの一部の実施形態では、本明細書で検討する化合物による治療に対する、がんを有する対象の反応性の予測は、腫瘍細胞における変異の存在を検出することにより行われ、変異は、A763_Y764insFHEA、C797S/L858R、d746−750、d746−750/C797A、d746−750/C797S、d746−750/T790M/C797S、D770GY、D770_N771insNPG、G719C、G719S、L747S、L858R、L858R/T790M、L861Q、及びT790M/C797S/L858R、からなる群から選択されるEGFR変異である、または、変異は、D769H、D769Y、R896C、V777L、及びV777_G778insCG、からなる群から選択されるErbB−2変異である。その他の実施形態では、方法は、本明細書で検討する化合物の対象への投与を更に含む。更にその他の実施形態では、治療に対して反応を示す見込みがあると対象が予測される場合、方法は、本明細書で検討する化合物の対象への投与を更に含む。更にその他の実施形態では、本明細書で検討する化合物は、治療有効量で投与される。
【0294】
本出願ではまた、本明細書で検討する化合物を用いた治療に対して、がんを有する対象が反応を示す見込みがあるかどうかを予測するための方法について検討する。
【0295】
一態様では、本出願は、本明細書で検討する化合物を用いた治療に対して、がんを有する対象が反応を示す見込みがあるかどうかを予測するための方法を提供する。一部の実施形態では、方法は、
(a)対象の腫瘍細胞を準備すること、
(b)対象の準備した腫瘍細胞における変異の有無を検出すること(変異は、A763_Y764insFHEA、C797S/L858R、d746−750、d746−750/C797A、d746−750/C797S、d746−750/T790M/C797S、D770GY、D770_N771insNPG、G719C、G719S、L747S、L858R、L858R/T790M、L861Q、及びT790M/C797S/L858R、からなる群から選択されるEGFR変異である、または、変異は、D769H、D769Y、R896C、V777L、及びV777_G778insCG、からなる群から選択されるErbB−2変異である)、
(c)対象の準備した腫瘍細胞において変異が検出された場合に、本明細書で検討する化合物を用いた治療に対して、対象が反応を示す見込みがあることを予測すること、
を含む。
【0296】
一部の実施形態では、化合物は化合物Aである。一部の実施形態では、化合物は化合物Bである。
【0297】
別の態様では、本出願は、本明細書で検討する化合物を用いた治療に対して、がんを有する対象が反応を示す見込みがあるかどうかを予測するための方法を提供する。一部の実施形態では、方法は、
(a)対象に由来する試料における変異の有無を検出すること(試料は腫瘍細胞を含み、変異は、A763_Y764insFHEA、C797S/L858R、d746−750、d746−750/C797A、d746−750/C797S、d746−750/T790M/C797S、D770GY、D770_N771insNPG、G719C、G719S、L747S、L858R、L858R/T790M、L861Q、及びT790M/C797S/L858R、からなる群から選択されるEGFR変異である、または、変異は、D769H、D769Y、R896C、V777L、及びV777_G778insCG、からなる群から選択されるErbB−2変異である)、
(b)対象に由来する試料において変異が検出された場合に、本明細書で検討する化合物を用いた治療に対して、対象が反応を示す見込みがあることを予測すること、
を含む。
【0298】
一部の実施形態では、化合物は化合物Aである。一部の実施形態では、化合物は化合物Bである。
【0299】
更に別の態様では、本出願は、本明細書で検討する化合物を用いた治療に対して、がんを有する対象が反応を示す見込みがあるかどうかを予測するための方法を提供する。一部の実施形態では、方法は、
(a)対象の腫瘍細胞における変異の有無を検出すること(変異は、A763_Y764insFHEA、C797S/L858R、d746−750、d746−750/C797A、d746−750/C797S、d746−750/T790M/C797S、D770GY、D770_N771insNPG、G719C、G719S、L747S、L858R、L858R/T790M、L861Q、及びT790M/C797S/L858R、からなる群から選択されるEGFR変異である、または、変異は、D769H、D769Y、R896C、V777L、及びV777_G778insCG、からなる群から選択される、ErbB−2変異である)、及び、
(b)対象の腫瘍細胞において変異が検出された場合に、本明細書で検討する化合物を用いた治療に対して、対象が反応を示す見込みがあることを予測すること、
を含む。
【0300】
一部の実施形態では、化合物は化合物Aである。一部の実施形態では、化合物は化合物Bである。
【0301】
更に別の態様では、本出願は、本明細書で検討する化合物を用いた治療に対して、がんを有する対象が反応を示す見込みがあるかどうかを予測するための方法を提供する。一部の実施形態では、方法は、
(a)対象に由来する腫瘍細胞の試料における変異の有無を検出すること(変異は、A763_Y764insFHEA、C797S/L858R、d746−750、d746−750/C797A、d746−750/C797S、d746−750/T790M/C797S、D770GY、D770_N771insNPG、G719C、G719S、L747S、L858R、L858R/T790M、L861Q、及びT790M/C797S/L858R、からなる群から選択されるEGFR変異である、または、変異は、D769H、D769Y、R896C、V777L、及びV777_G778insCG、からなる群から選択されるErbB−2変異である)、及び、
(b)対象に由来する腫瘍細胞の試料において変異が検出された場合に、本明細書で検討する化合物を用いた治療に対して、対象が反応を示す見込みがあることを予測すること、
を含む。
【0302】
一部の実施形態では、化合物は化合物Aである。一部の実施形態では、化合物は化合物Bである。
【0303】
更に別の態様では、本出願は、本明細書で検討する化合物を用いた治療に対して、がんを有する対象が反応を示す見込みがあるかどうかを予測するための方法を提供する。一部の実施形態では、方法は、
(a)対象の腫瘍細胞を準備すること、
(b)準備した腫瘍細胞における変異の有無を検出すること(変異は、A763_Y764insFHEA、C797S/L858R、d746−750、d746−750/C797A、d746−750/C797S、d746−750/T790M/C797S、D770GY、D770_N771insNPG、G719C、G719S、L747S、L858R、L858R/T790M、L861Q、及びT790M/C797S/L858R、からなる群から選択されるEGFR変異である、または、変異は、D769H、D769Y、R896C、V777L、及びV777_G778insCG、からなる群から選択されるErbB−2変異である)、
を含み、
準備した細胞において変異が検出された場合、対象は、本明細書で検討する化合物を用いた治療に対して反応を示す見込みがある。
【0304】
一部の実施形態では、化合物は化合物Aである。一部の実施形態では、化合物は化合物Bである。
【0305】
更に別の態様では、本出願は、本明細書で検討する化合物を用いた治療に対して、がんを有する対象が反応を示す見込みがあるかどうかを予測するための方法を提供する。一部の実施形態では、方法は、対象の腫瘍細胞における変異の有無を検出すること、を含み、変異は、A763_Y764insFHEA、C797S/L858R、d746−750、d746−750/C797A、d746−750/C797S、d746−750/T790M/C797S、D770GY、D770_N771insNPG、G719C、G719S、L747S、L858R、L858R/T790M、L861Q、及びT790M/C797S/L858R、からなる群から選択されるEGFR変異である、または、変異は、D769H、D769Y、R896C、V777L、及びV777_G778insCG、からなる群から選択されるErbB−2変異であり、
変異が検出された場合、対象は、本明細書で検討する化合物を用いた治療に対して反応を示す見込みがある。
【0306】
一部の実施形態では、化合物は化合物Aである。一部の実施形態では、化合物は化合物Bである。
【0307】
別の態様では、本出願は、本明細書で検討する化合物を用いた治療に対して、がんを有する対象が反応を示す見込みがあるかどうかを予測するための方法を提供する。一部の実施形態では、方法は、対象に由来する腫瘍細胞の試料における挿入変異の有無を検出すること、を含み、変異は、A763_Y764insFHEA、C797S/L858R、d746−750、d746−750/C797A、d746−750/C797S、d746−750/T790M/C797S、D770GY、D770_N771insNPG、G719C、G719S、L747S、L858R、L858R/T790M、L861Q、及びT790M/C797S/L858R、からなる群から選択されるEGFR変異である、または、変異は、D769H、D769Y、R896C、V777L、及びV777_G778insCG、からなる群から選択されるErbB−2変異であり、
変異が検出された場合、対象は、本明細書で検討する化合物を用いた治療に対して反応を示す見込みがある。
【0308】
一部の実施形態では、化合物は化合物Aである。一部の実施形態では、化合物は化合物Bである。
【0309】
別の態様では、本出願は、本明細書で検討する化合物を用いた治療に対して、がんを有する対象が反応を示す見込みがあるかどうかを予測するための方法を提供する。一部の実施形態では、方法は、
(a)対象の腫瘍細胞を準備すること、及び、
(b)腫瘍細胞における変異の有無を検出すること(変異は、A763_Y764insFHEA、C797S/L858R、d746−750、d746−750/C797A、d746−750/C797S、d746−750/T790M/C797S、D770GY、D770_N771insNPG、G719C、G719S、L747S、L858R、L858R/T790M、L861Q、及びT790M/C797S/L858R、からなる群から選択されるEGFR変異である、または、変異は、D769H、D769Y、R896C、V777L、及びV777_G778insCG、からなる群から選択されるErbB−2変異である)、
を含み、
変異の存在は、治療に対する対象の、反応性の高い見込みまたは高い反応性と相関している。
【0310】
一部の実施形態では、化合物は化合物Aである。一部の実施形態では、化合物は化合物Bである。
【0311】
本明細書で提供する様々な方法のうちの一部の実施形態では、本明細書で検討する化合物による治療に対して、がんを有する対象が反応を示す見込みがあるかどうかの予測は、腫瘍細胞における変異の存在を検出することにより行われ、変異は、A763_Y764insFHEA、C797S/L858R、d746−750、d746−750/C797A、d746−750/C797S、d746−750/T790M/C797S、D770GY、D770_N771insNPG、G719C、G719S、L747S、L858R、L858R/T790M、L861Q、及びT790M/C797S/L858R、からなる群から選択されるEGFR変異である、または、変異は、D769H、D769Y、R896C、V777L、及びV777_G778insCG、からなる群から選択されるErbB−2変異である。その他の実施形態では、方法は、本明細書で検討する化合物の対象への投与を更に含む。更にその他の実施形態では、治療に対して反応を示す見込みがあると対象が予測される場合、方法は、本明細書で検討する化合物の対象への投与を更に含む。更にその他の実施形態では、本明細書で検討する化合物は、治療有効量で投与される。
【0312】
本出願ではまた、本明細書で検討する化合物を用いた治療に対して反応を示す見込みがある、がんを有する対象を同定するための方法について検討する。
【0313】
一態様では、本出願は、本明細書で検討する化合物を用いた治療に対して反応を示す見込みがある、がんを有する対象を同定するための方法を提供する。一部の実施形態では、方法は、
(a)対象の腫瘍細胞を準備すること、
(b)準備した腫瘍細胞における変異の有無を検出すること(変異は、A763_Y764insFHEA、C797S/L858R、d746−750、d746−750/C797A、d746−750/C797S、d746−750/T790M/C797S、D770GY、D770_N771insNPG、G719C、G719S、L747S、L858R、L858R/T790M、L861Q、及びT790M/C797S/L858R、からなる群から選択されるEGFR変異である、または、変異は、D769H、D769Y、R896C、V777L、及びV777_G778insCG、からなる群から選択されるErbB−2変異である)、
(c)準備した腫瘍細胞において変異が検出された場合に、本明細書で検討する化合物を用いた治療に対して、対象が反応を示す見込みがあることを同定すること、
を含む。
【0314】
一部の実施形態では、化合物は化合物Aである。一部の実施形態では、化合物は化合物Bである。
【0315】
別の態様では、本出願は、本明細書で検討する化合物を用いた治療に対して反応を示す見込みがある、がんを有する対象を同定するための方法を提供する。一部の実施形態では、方法は、
(a)対象に由来する試料における変異の有無を検出すること(試料は腫瘍細胞を含み、変異は、A763_Y764insFHEA、C797S/L858R、d746−750、d746−750/C797A、d746−750/C797S、d746−750/T790M/C797S、D770GY、D770_N771insNPG、G719C、G719S、L747S、L858R、L858R/T790M、L861Q、及びT790M/C797S/L858R、からなる群から選択されるEGFR変異である、または、変異は、D769H、D769Y、R896C、V777L、及びV777_G778insCG、からなる群から選択されるErbB−2変異である)、
(b)対象に由来する試料において変異が検出された場合に、本明細書で検討する化合物を用いた治療に対して、対象が反応を示す見込みがあることを同定すること、
を含む。
【0316】
一部の実施形態では、化合物は化合物Aである。一部の実施形態では、化合物は化合物Bである。
【0317】
更に別の態様では、本出願は、本明細書で検討する化合物を用いた治療に対して反応を示す見込みがある、がんを有する対象を同定するための方法を提供する。一部の実施形態では、方法は、
(a)対象の腫瘍細胞における変異の有無を検出すること(変異は、A763_Y764insFHEA、C797S/L858R、d746−750、d746−750/C797A、d746−750/C797S、d746−750/T790M/C797S、D770GY、D770_N771insNPG、G719C、G719S、L747S、L858R、L858R/T790M、L861Q、及びT790M/C797S/L858R、からなる群から選択されるEGFR変異である、または、変異は、D769H、D769Y、R896C、V777L、及びV777_G778insCG、からなる群から選択される、ErbB−2変異である)、及び、
(b)対象の腫瘍細胞において変異が検出された場合に、本明細書で検討する化合物を用いた治療に対して、対象が反応を示す見込みがあることを同定すること、
を含む。
【0318】
一部の実施形態では、化合物は化合物Aである。一部の実施形態では、化合物は化合物Bである。
【0319】
別の態様では、本出願は、本明細書で検討する化合物を用いた治療に対して反応を示す見込みがある、がんを有する対象を同定するための方法を提供する。一部の実施形態では、方法は、
(a)対象に由来する腫瘍細胞の試料における変異の有無を検出すること(変異は、A763_Y764insFHEA、C797S/L858R、d746−750、d746−750/C797A、d746−750/C797S、d746−750/T790M/C797S、D770GY、D770_N771insNPG、G719C、G719S、L747S、L858R、L858R/T790M、L861Q、及びT790M/C797S/L858R、からなる群から選択されるEGFR変異である、または、変異は、D769H、D769Y、R896C、V777L、及びV777_G778insCG、からなる群から選択されるErbB−2変異である)、及び、
(b)試料において変異が検出された場合に、本明細書で検討する化合物を用いた治療に対して、対象が反応を示す見込みがあることを同定すること、
を含む。
【0320】
一部の実施形態では、化合物は化合物Aである。一部の実施形態では、化合物は化合物Bである。
【0321】
別の態様では、本出願は、本明細書で検討する化合物を用いた治療に対して反応を示す見込みがある、がんを有する対象を同定するための方法を提供する。一部の実施形態では、方法は、
(a)対象の腫瘍細胞を準備すること、
(b)準備した腫瘍細胞における変異の有無を検出すること(変異は、A763_Y764insFHEA、C797S/L858R、d746−750、d746−750/C797A、d746−750/C797S、d746−750/T790M/C797S、D770GY、D770_N771insNPG、G719C、G719S、L747S、L858R、L858R/T790M、L861Q、及びT790M/C797S/L858R、からなる群から選択されるEGFR変異である、または、変異は、D769H、D769Y、R896C、V777L、及びV777_G778insCG、からなる群から選択されるErbB−2変異である)、
を含み、
準備した腫瘍細胞において変異が検出された場合、対象は、本明細書で検討する化合物を用いた治療に対して反応を示す見込みがあると同定される。
【0322】
一部の実施形態では、化合物は化合物Aである。一部の実施形態では、化合物は化合物Bである。
【0323】
別の態様では、本出願は、本明細書で検討する化合物を用いた治療に対して反応を示す見込みがある、がんを有する対象を同定するための方法を提供する。一部の実施形態では、方法は、対象の腫瘍細胞における変異の有無を検出すること、を含み、変異は、A763_Y764insFHEA、C797S/L858R、d746−750、d746−750/C797A、d746−750/C797S、d746−750/T790M/C797S、D770GY、D770_N771insNPG、G719C、G719S、L747S、L858R、L858R/T790M、L861Q、及びT790M/C797S/L858R、からなる群から選択されるEGFR変異である、または、変異は、D769H、D769Y、R896C、V777L、及びV777_G778insCG、からなる群から選択されるErbB−2変異であり、
腫瘍細胞において変異が検出された場合、対象は、本明細書で検討する化合物を用いた治療に対して反応を示す見込みがあると同定される。
【0324】
一部の実施形態では、化合物は化合物Aである。一部の実施形態では、化合物は化合物Bである。
【0325】
別の態様では、本出願は、本明細書で検討する化合物を用いた治療に対して反応を示す見込みがある、がんを有する対象を同定するための方法を提供する。一部の実施形態では、方法は、対象に由来する腫瘍細胞の試料における変異の有無を検出すること、を含み、変異は、A763_Y764insFHEA、C797S/L858R、d746−750、d746−750/C797A、d746−750/C797S、d746−750/T790M/C797S、D770GY、D770_N771insNPG、G719C、G719S、L747S、L858R、L858R/T790M、L861Q、及びT790M/C797S/L858R、からなる群から選択されるEGFR変異である、または、変異は、D769H、D769Y、R896C、V777L、及びV777_G778insCG、からなる群から選択されるErbB−2変異であり、
試料において変異が検出された場合、対象は、本明細書で検討する化合物を用いた治療に対して反応を示す見込みがあると同定される。
【0326】
一部の実施形態では、化合物は化合物Aである。一部の実施形態では、化合物は化合物Bである。
【0327】
別の態様では、本出願は、本明細書で検討する化合物を用いた治療に対して反応を示す見込みがある、がんを有する対象を同定するための方法を提供する。一部の実施形態では、方法は、
(a)対象の腫瘍細胞を準備すること、及び、
(b)準備した腫瘍細胞における変異の有無を検出すること(変異は、A763_Y764insFHEA、C797S/L858R、d746−750、d746−750/C797A、d746−750/C797S、d746−750/T790M/C797S、D770GY、D770_N771insNPG、G719C、G719S、L747S、L858R、L858R/T790M、L861Q、及びT790M/C797S/L858R、からなる群から選択されるEGFR変異である、または、変異は、D769H、D769Y、R896C、V777L、及びV777_G778insCG、からなる群から選択されるErbB−2変異である)、
を含み、
変異の存在により、本明細書で検討する化合物を用いた治療に対して、対象が反応を示す見込みがあることが同定される。
【0328】
一部の実施形態では、化合物は化合物Aである。一部の実施形態では、化合物は化合物Bである。
【0329】
本明細書で提供する様々な方法のうちの一部の実施形態では、本明細書で検討する化合物による治療に対して反応を示す見込みがある、がんを有する対象の同定は、腫瘍細胞における変異の存在を検出することにより行われ、変異は、A763_Y764insFHEA、C797S/L858R、d746−750、d746−750/C797A、d746−750/C797S、d746−750/T790M/C797S、D770GY、D770_N771insNPG、G719C、G719S、L747S、L858R、L858R/T790M、L861Q、及びT790M/C797S/L858R、からなる群から選択されるEGFR変異である、または、変異は、D769H、D769Y、R896C、V777L、及びV777_G778insCG、からなる群から選択されるErbB−2変異である。その他の実施形態では、方法は、本明細書で検討する化合物の対象への投与を更に含む。更にその他の実施形態では、方法は、治療に対して反応を示す見込みがあると同定された対象への、本明細書で検討する化合物の投与を更に含む。更にその他の実施形態では、本明細書で検討する化合物は、治療有効量で投与される。
【0330】
更に別の態様において、本明細書では、本明細書で検討する化合物を用いた治療に対して、がんを有する対象が影響を受けやすいかどうかを決定するための方法を提供する。一部の実施形態では、方法は、
(a)対象の腫瘍細胞を準備すること、
(b)準備した腫瘍細胞における変異の有無を検出すること(変異は、A763_Y764insFHEA、C797S/L858R、d746−750、d746−750/C797A、d746−750/C797S、d746−750/T790M/C797S、D770GY、D770_N771insNPG、G719C、G719S、L747S、L858R、L858R/T790M、L861Q、及びT790M/C797S/L858R、からなる群から選択されるEGFR変異である、または、変異は、D769H、D769Y、R896C、V777L、及びV777_G778insCG、からなる群から選択されるErbB−2変異である)、
(c)準備した腫瘍細胞において変異が検出された場合に、本明細書で検討する化合物を用いた治療に対して、対象が影響を受けやすいということを診断すること、
を含む。
【0331】
一部の実施形態では、化合物は化合物Aである。一部の実施形態では、化合物は化合物Bである。
【0332】
一部の実施形態では、方法は、本明細書で検討する化合物の対象への投与を更に含む。更にその他の実施形態では、治療に対して、対象が影響を受けやすいと決定された場合、方法は、本明細書で検討する化合物の対象への投与を更に含む。更にその他の実施形態では、本明細書で検討する化合物は、治療有効量で投与される。
【0333】
更に別の態様では、本出願は、本明細書で検討する化合物を用いた治療に対して、がんを有する対象が影響を受けやすいかどうかを決定するための方法を提供する。一部の実施形態では、方法は、
(a)対象の腫瘍細胞を準備すること、
(b)準備した腫瘍細胞における変異の有無を検出すること(変異は、A763_Y764insFHEA、C797S/L858R、d746−750、d746−750/C797A、d746−750/C797S、d746−750/T790M/C797S、D770GY、D770_N771insNPG、G719C、G719S、L747S、L858R、L858R/T790M、L861Q、及びT790M/C797S/L858R、からなる群から選択されるEGFR変異である、または、変異は、D769H、D769Y、R896C、V777L、及びV777_G778insCG、からなる群から選択されるErbB−2変異である)、
(c)準備した腫瘍細胞において変異が検出された場合に、本明細書で検討する化合物を用いた治療に対して、対象が影響を受けやすいということを診断すること、
を含む。
【0334】
一部の実施形態では、化合物は化合物Aである。一部の実施形態では、化合物は化合物Bである。
【0335】
一部の実施形態では、方法は、本明細書で検討する化合物の対象への投与を更に含む。更にその他の実施形態では、治療に対して、対象が影響を受けやすいと決定された場合、方法は、本明細書で検討する化合物の対象への投与を更に含む。更にその他の実施形態では、本明細書で検討する化合物は、治療有効量で投与される。
【0336】
更に別の態様では、本出願は、本明細書で検討する化合物を用いた治療に対して、がんを有する対象が影響を受けやすいかどうかを決定するための方法を提供する。一部の実施形態では、方法は、
(a)対象に由来する試料における変異の有無を検出すること(試料は腫瘍細胞を含み、変異は、A763_Y764insFHEA、C797S/L858R、d746−750、d746−750/C797A、d746−750/C797S、d746−750/T790M/C797S、D770GY、D770_N771insNPG、G719C、G719S、L747S、L858R、L858R/T790M、L861Q、及びT790M/C797S/L858R、からなる群から選択されるEGFR変異である、または、変異は、D769H、D769Y、R896C、V777L、及びV777_G778insCG、からなる群から選択されるErbB−2変異である)、
(b)試料において変異が検出された場合に、本明細書で検討する化合物を用いた治療に対して、対象が影響を受けやすいということを診断すること、
を含む。
【0337】
一部の実施形態では、化合物は化合物Aである。一部の実施形態では、化合物は化合物Bである。
【0338】
組み合わせ治療及び同時治療
一実施形態では、本明細書で検討する化合物は、本明細書で検討する疾患及び/または障害を予防及び/または治療するのに有用な少なくとも1種の別の化合物と同時に使用する場合、本出願の方法において有用である。
【0339】
一実施形態では、本明細書で検討する化合物は、本明細書で検討する疾患及び/または障害を予防及び/または治療するのに有用な少なくとも1種の別の化合物と組み合わせて、本出願の方法において有用である。
【0340】
これらの別の化合物は、本出願の化合物、あるいはその他の化合物、例えば、本明細書で検討する疾患及び/または障害の症候を治療、予防、または低下させることが知られている、市販の化合物などを含んでいてもよい。一部の実施形態では、本明細書で検討する少なくとも1種の化合物またはその塩と、本明細書で検討する疾患及び/または障害を予防及び/または治療するのに有用な少なくとも1種の別の化合物の組み合わせは、本明細書で検討する疾患及び/または障害の予防及び/または治療において、相加効果、相補的効果、または相乗効果を有する。
【0341】
別の非限定的例では、本明細書で検討する化合物、またはその塩もしくは溶媒和物は、HER駆動性(例えば、EGFR駆動性など)薬剤耐性がんを治療または予防するのに有用であることが知られている1種または複数種の薬剤と同時に、または、それらと組み合わせて、使用することができる。
【0342】
本明細書で使用する場合、2種またはそれ以上の化合物の組み合わせとは、個々の化合物が物理的に混合されている、または、個々の化合物が物理的に分離している、組成物のことを意味し得る。組み合わせ治療は、構成成分を別々に投与して、所望の相加効果、相補的効果、または相乗効果を生じさせることを包含する。
【0343】
一実施形態では、化合物と薬剤は、組成物内において物理的に混合されている。別の実施形態では、化合物と薬剤は、組成物内において物理的に分離している。
【0344】
相乗効果は、例えば、好適な方法、例えば、シグモイド−E
max方程式(Holford & Scheiner,19981,Clin.Pharmacokinet.6:429−453)、Loewe加算方程式(Loewe & Muischnek,1926,Arch.Exp.Pathol Pharmacol.114:313−326)、median−effect方程式(Chou & Talalay,1984,Adv.Enzyme Regul.22:27−55)などを使用して、また、アイソボログラム(Tallarida & Raffa,1996,Life Sci.58:23−28)の使用により、算出することができる。上で言及したそれぞれの方程式を実験データに適用して、薬剤組み合わせの効果を評価するのに役立つ、対応するグラフを生成してもよい。上で言及した方程式に関連した対応するグラフはそれぞれ、濃度効果曲線、アイソボログラム曲線、及び組み合わせ係数曲線である。
【0345】
投与/用量/製剤化
投与のレジメンは、何が有効量を構成するかに影響を及ぼし得る。本明細書で検討する疾患または障害の発症後または発症前のいずれかに、治療用製剤を対象に投与してもよい。更に、数回の分割用量に加えて時差的な用量を、毎日もしくは連続的に投与してもよく、または、用量を継続的に注入してもよく、または、用量はボーラス注入であってもよい。更に、治療用製剤の用量は、治療状況または予防状況の緊急性に比例させて、増加または減少させてもよい。
【0346】
本出願の組成物の、患者、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトへの投与は、周知の手順を用いて、本明細書で検討する疾患または障害を治療可能な用量及び期間で、実施することができる。治療効果を得るために必要な有効量の治療用化合物は、患者における疾患または障害の状態、患者の年齢、性別、及び体重、ならびに、本明細書で検討する疾患または障害を治療する治療用化合物の性能、などの因子に応じて様々であり得る。用量レジメンを調節して最適な治療効果をもたらしてもよい。例えば、数回の分割用量を毎日投与してもよく、または、治療状況の緊急性に比例させて用量を減少させてもよい。本明細書で検討する治療用化合物における有効用量範囲の非限定例は、約1〜5,000mg/kg(体重/1日あたり)である。当業者であれば、適切な因子を試験して、過度な実験をすることなく有効量の治療用化合物について、決定を下すことができる。
【0347】
本明細書で開示する医薬組成物内における活性成分の実際の用量レベルは、患者に毒性とはならずに、個々の患者、組成物及び投与方法における所望の治療効果を得ることが可能な活性成分の量を得るために、様々であり得る。
【0348】
治療有効量または治療有効用量の本出願の化合物は、患者の年齢、性別、及び体重、患者の現在の医学的症状、ならびに、本明細書で検討する疾患または障害の増悪、によって決まる。
【0349】
通常の技能を有する医師、例えば、内科医または獣医は、必要とされる有効量の医薬組成物を容易に決定し処方することができる。例えば、内科医または獣医は、所望の治療効果を得るために必要なレベル未満のレベルで、医薬組成物に用いられる本明細書で検討する化合物の用量を開始して、所望の効果が得られるまで用量を徐々に増加させることができる。
【0350】
本出願の化合物の好適な用量は、1日あたり、約0.01mg〜約5,000mg、例えば、約0.1mg〜約1,000mg、例えば、約1mg〜約500mg、例えば、1日あたり、約5mg〜約250mg、の範囲であってもよい。用量は、単回用量で、または、例えば、1日あたり1〜4回もしくはそれ以上の回数での複数回用量で、投与されてもよい。複数回用量を用いる場合、それぞれの用量の量は、同一でも異なっていてもよい。例えば、1日あたり1mgの用量は、用量間に約12時間のインターバルを設けた2回の0.5mg用量として、投与され得る。
【0351】
投与用の本明細書で検討する化合物は、約1μg〜約10,000mg、約20μg〜約9,500mg、約40μg〜約9,000mg、約75μg〜約8,500mg、約150μg〜約7,500mg、約200μg〜約7,000mg、約3050μg〜約6,000mg、約500μg〜約5,000mg、約750μg〜約4,000mg、約1mg〜約3,000mg、約10mg〜約2,500mg、約20mg〜約2,000mg、約25mg〜約1,500mg、約30mg〜約1,000mg、約40mg〜約900mg、約50mg〜約800mg、約60mg〜約750mg、約70mg〜約600mg、約80mg〜約500mg、及び、間にある全ての整数増分または端数増分、の範囲であってもよい。
【0352】
一部の実施形態では、本明細書で検討する化合物の用量は、約1mg〜約2,500mgである。一部の実施形態では、本明細書に記載の組成物に用いる本明細書で検討する化合物の用量は、約10,000mg未満、約8,000mg未満、約6,000mg未満、約5,000mg未満、約3,000mg未満、約2,000mg未満、約1,000mg未満、約500mg未満、約200mg未満、または約50mg未満、である。同様に、一部の実施形態では、本明細書に記載の第2の化合物の用量は、約1,000mg未満、約800mg未満、約600mg未満、約500mg未満、約400mg未満、約300mg未満、約200mg未満、約100mg未満、約50mg未満、約40mg未満、約30mg未満、約25mg未満、約20mg未満、約15mg未満、約10mg未満、約5mg未満、約2mg未満、約1mg未満、または約0.5mg未満、及び、その全ての整数増分または端数増分、である。
【0353】
一実施形態では、本明細書で検討する組成物は、1日またはそれ以上の日数あたり1〜5回の範囲の用量で、患者へと投与される。別の実施形態では、本明細書で検討する組成物は、毎日1回、1日おきに1回、2日おきに1回から1週間に1回、及び2週間に1回、を含むがこれらに限定されない用量の範囲で、患者へと投与される。本明細書で検討する様々な組み合わせの組成物の投与頻度が、年齢、治療する疾患または障害、性別、総合的な健康状態、及びその他の因子、を含むがこれらに限定されない多くの因子に応じて、個体によって様々であることは、当業者には容易に明白である。それゆえ、任意の特定の用量レジメンに限定するものと本開示を解釈すべきではなく、任意の患者へと投与される正確な用量及び組成物は、患者に関するその他全ての因子を考慮に入れて、主治医により決定される。
【0354】
非限定例では、1日あたりに投与される化合物の量が、毎日、隔日、1日おき、2日おき、3日おき、または4日おき、で投与され得るということを理解されたい。例えば、隔日の投与では、5mgの1日あたりの用量を月曜日に開始して、第1のそれに続く5mgの1日あたりの用量を水曜日に投与し、第2のそれに続く5mgの1日あたりの用量を金曜日に投与する、などであってもよい。
【0355】
患者の状態が実際に改善した場合、医師の裁量に基づいて、本明細書で検討する化合物の投与を任意選択的に継続的に行い、代替的に、投与する薬剤の用量を、ある特定の期間にわたり、一時的に減少させる、または、一時的に中止する(すなわち、「休薬」)。休薬の長さは任意選択的に、2日間〜1年間の間において様々であり、単なる例ではあるが、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、10日間、12日間、15日間、20日間、28日間、35日間、50日間、70日間、100日間、120日間、150日間、180日間、200日間、250日間、280日間、300日間、320日間、350日間、または365日間、が挙げられる。休薬中の用量減少としては、10%〜100%が挙げられ、単なる例ではあるが、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%、が挙げられる。
【0356】
患者の症状における改善が生じると、必要に応じ、維持用量を投与する。それに続き、疾患または障害に応じて、用量もしくは投与頻度、またはその両方を、改善した疾患が維持されるレベルにまで低下させる。一実施形態では、症候及び/または感染の任意の再発が生じると、患者は、長期間ベースの断続的な治療を必要とする。
【0357】
本明細書で開示する方法に用いる化合物は、単位投与剤形で製剤化されてもよい。用語「単位投与剤形」とは、治療を受けている患者用の単一用量に適した物理的に不連続な単位のことを意味し、それぞれの単位は、任意選択的に好適な医薬品担体と協同して、所望の治療効果をもたらすように計算された所定量の活性物質を含有している。単位投与剤形は、単回の1日量用、または複数回の1日量のうちの1回(例えば、1日あたり約1〜4回またはそれ以上の回数)用であってもよい。複数回の1日量を用いる場合、単位投与剤形は、それぞれの用量において、同一でも異なっていてもよい。
【0358】
このような治療レジメンの毒性及び治療効果は任意選択的に、細胞培養物または実験動物を用いて測定され、LD
50(集団の50%が死に至る用量)及びED
50(集団の50%において治療的に有効な用量)の測定を含むがこれらに限定されない。毒性作用と治療効果の間の用量比率は、LD
50とED
50の間の比率として表される治療指数である。細胞培養アッセイ及び動物実験から得たデータは任意選択的に、ヒトに用いるための用量の範囲を構築するのに利用される。このような化合物の用量は、毒性が極めてわずかなED
50を含む血中濃度の範囲内に収まることが好ましい。用量は、採用する剤形及び利用する投与経路に応じ、この範囲内で任意選択的に変化する。
【0359】
一実施形態では、本明細書で検討する組成物は、1種または複数種の薬学的に許容される添加剤または担体を使用して製剤化される。一実施形態では、本明細書で検討する医薬組成物は、治療有効量の本明細書で検討する化合物及び薬学的に許容される担体を含む。
【0360】
担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、及び液体ポリエチレングリコールなど)、これらの好適な混合液、及び植物油、を含有する溶媒または分散媒体であってもよい。例えば、レシチンなどの被覆剤を使用することにより、分散液剤の場合には所定の粒径を維持することにより、また界面活性剤を使用することにより、適度な流動性を維持してもよい。様々な抗菌剤及び抗カビ剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロサールなどを用いて、微生物の作用の予防を実施してもよい。多くの場合、等張化剤、例えば、糖、塩化ナトリウム、または、ポリアルコール、例えば、マンニトール及びソルビトールなどを、組成物内に含ませることが好ましい。
【0361】
一実施形態では、本出願は、治療有効量の本明細書で検討する化合物を単独で収容する、または第2の医薬品と組み合わせて収容する、容器を含む、包装された医薬組成物、及び、本開示において検討する疾患または障害の1種または複数種の症候を治療、予防、または低下させる化合物を使用するための取扱説明書、に関する。
【0362】
当業者に周知の通常の添加剤、すなわち、任意の好適な投与方法に好適な、薬学的に許容される有機または無機の担体物質との混合物状の製剤を採用してもよい。医薬品製剤を滅菌してもよく、必要に応じ、補助剤、例えば、滑沢剤、防腐剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、浸透圧に影響を与える塩、緩衝剤、着色剤、香味物質及び/または芳香物質などと混合してもよい。望ましい場合、医薬品製剤をまた、その他の活性剤、例えば、鎮痛剤と混合してもよい。
【0363】
本明細書で検討する組成物のいずれかの投与経路としては、吸入、経口、経鼻、直腸、非経口、舌下、経皮、経粘膜(例えば、舌下、舌側、(経)頬側、(経)尿道、膣(例えば、経膣及び膣周囲)、(経)鼻、及び(経)直腸)、膀胱内、肺内、十二指腸内、胃内、硬膜内、硬膜外、胸膜内、腹腔内、気管内、耳、眼内、皮下、筋肉内、皮膚内、動脈内、静脈内、気管支内、吸入、及び局所投与、が挙げられる。
【0364】
追加の投与形態
追加の剤形としては、米国特許第6,340,475号、第6,488,962号、第6,451,808号、第5,972,389号、第5,582,837号、及び第5,007,790号に記載の剤形が挙げられる。追加の剤形としてはまた、米国特許出願第20030147952号、第20030104062号、第20030104053号、第20030044466号、第20030039688号、及び第20020051820号に記載の剤形が挙げられる。更なる剤形としては、PCT出願第WO03/35041号、第WO03/35040号、第WO03/35029号、第WO03/35177号、第WO03/35039号、第WO02/96404号、第WO02/32416号、第WO01/97783号、第WO01/56544号、第WO01/32217号、第WO98/55107号、第WO98/11879号、第WO97/47285号、第WO93/18755号、及び第WO90/11757に記載の剤形が挙げられる。
【0365】
制御放出製剤及びドラッグデリバリーシステム
一実施形態では、本出願の製剤は、限定するわけではないが、短期製剤、急速相殺製剤に加えて、制御製剤、例えば、持続放出製剤、遅延放出製剤及び拍動放出製剤であってもよい。
【0366】
用語「持続放出」はその通常の意味で使用され、薬物を長期間にわたり徐々に放出することで、必ずしもそうなるとは限らないが、長期間にわたり薬物の血中レベルがほぼ一定となり得る薬物製剤のことを意味する。期間は、1ヶ月間またはそれ以上の長さであってもよく、ボーラス形態で投与された同量の薬剤よりも長く放出されるはずである。
【0367】
持続放出性とするために、化合物に持続放出性をもたらす好適な高分子物質または疎水性物質を、化合物に配合してもよい。このように、本明細書で開示する方法に用いる化合物は、例えば、微小粒子の形態で注射投与されてもよく、または、ウェーハもしくはディスクの形態で埋め込み投与されてもよい。
【0368】
一実施形態では、本明細書で検討する化合物は、持続放出製剤を用いて、単独でまたは別の医薬品と組み合わせて患者へと投与される。
【0369】
用語「遅延放出」は本明細書においてその通常の意味で使用され、薬物投与後に一定期間遅れて薬物を初期放出する薬物製剤のことを意味し、必ずしもそうなるとは限らないが、約10分間〜最長約12時間の遅延を含んでいてもよい。
【0370】
用語「拍動放出」は本明細書においてその通常の意味で使用され、薬物投与後に薬物の拍動血漿プロファイルをもたらすように薬物を放出する薬物製剤のことを意味する。
【0371】
用語「即時放出」はその通常の意味で使用され、薬物投与の直後に薬物を放出する薬物製剤のことを意味する。
【0372】
本明細書で使用する場合、「短期」とは、薬物投与後、最長、約8時間、約7時間、約6時間、約5時間、約4時間、約3時間、約2時間、約1時間、約40分間、約20分間、または約10分間、及び、薬物投与後のその一部または全ての整数増分または端数増分、を含む、任意の期間のことを意味する。
【0373】
本発明で使用する場合、「急速相殺」とは、薬物投与後、最大、約8時間、約7時間、約6時間、約5時間、約4時間、約3時間、約2時間、約1時間、約40分間、約20分間、または約10分間、及び、その全ての整数増分または端数増分、を含む、任意の期間のことを意味する。
【0374】
本明細書に記載の具体的な手順、実施形態、請求項、及び実施例に対する多くの等価物について、当業者は理解する、または、通常の実験を行うだけで確認することが可能である。このような等価物は、本開示の範囲内であるとみなされ、本明細書に添付する特許請求の範囲により包含される。例えば、反応時間、反応サイズ/容量、実験試薬、例えば、溶媒、触媒など、圧力、雰囲気条件、例えば、窒素雰囲気、還元剤/酸化剤、当業者に周知の代替条件、及び単に定型的な実験法を用いることを含むがこれらに限定されない反応条件における調整は、本出願の範囲内であると理解すべきである。
【0375】
本明細書において数値及び範囲を提供する場合、これらの数値及び範囲を包含する全ての数値及び範囲は、本出願の範囲内に包含されることを意味すると理解すべきである。更に、これらの範囲に含まれる全ての数値に加えて、数値範囲の上限または下限もまた本出願とみなされる。
【0376】
以下の実施例において、本出願の態様について更に説明する。しかしながら、それらの実施例は、本明細書に記載する本出願の教示または開示を限定するものではない。
【実施例】
【0377】
ここから、以下の実施例を参照しながら本開示の特定の態様を説明する。これらの実施例は例示のみを目的として提供されるものであり、本開示は、これら実施例に限定するものと決して解釈されるべきではなく、むしろ、本明細書で提供する教示の結果として明らかになる全ての変化形態を包含するものと解釈されるべきである。
【0378】
実施例1:TRLX−TKI(化合物B)キナーゼアッセイ
タルロキソチニブ(TRLXまたは化合物A)は、異常な低酸素条件下で不可逆EGFR/HER2チロシンキナーゼ阻害剤(TRLX−TKI、この場合、化合物B)を放出する、低酸素活性化EGFR/HER2/HER4 TKIプロドラッグである。ほとんどのEGFR(HER1またはErbB−1としても周知)変異が、数種類のFDA承認済みチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)に対する効果を有すると予測されているが、C797Sの単一変異、二重変異、及び三重変異を含むEGFRのいくつかの変異は、EGFR阻害剤に対して極めて低い反応性を示す、チロシンキナーゼドメイン内における活性化変異であり、現時点において、承認済みの標的化治療薬は存在していない。
【0379】
23種のキナーゼに対し、100μMで開始した4倍系列希釈の10用量IC
50複製様式で、化合物Bを試験した。20μMで開始した4倍系列希釈の10用量IC
50様式で、対照化合物であるスタウロスポリンを試験した。RBC K
m結合構造に準じたK
m ATPで反応を実施した。得られたIC
50データを表3に示す。化合物Bとスタウロスポリンの両方における活性曲線を
図2〜
図24に示す。化合物Bは、様々なErbBキナーゼに対するin vitroキナーゼアッセイのスペクトル全体にわたり強力な活性を示している。
【0380】
【表3-1】
【表3-2】
【0381】
化合物B及び様々なキナーゼにおいて算出したIC
50値を、EGFR阻害剤として周知の数種類のキナーゼ、オシメルチニブ、アファチニブ、ゲフィチニブ、EGF816、及びTTI−2341におけるIC
50値と比較した。
【0382】
【表4】
【0383】
表4に関連する参照文献:
1.Park et al.,Angew Chem Int Ed Engl.2017 Jun 19;56(26):7634−7638
2.Engel et al.,Angew Chem Int Ed Engl.2016 Aug 26;55(36):10909−12
3.Wang et al.,Abstract # 4329,SNO 2017
4.Cross et al.,Cancer Discov;4(9);1046−61
5.Li et al.,Oncogene.2008 August 7;27(34):4702−4711
【0384】
表4のデータは、その他のEGFR阻害剤の公開データと比較して、化合物Bが、様々なEGFR(ErbB−1)変異及びHER2(ErbB−2)変異、とりわけ、C797Sの二重変異及び三重変異、d746−750/C797S、d746−750/T790M/C797S、及びL858R/T790M/C797S用のin vitroキナーゼアッセイにおいて強力な活性を有していること、を示している。このことは、C797S集団が現時点で承認済みの共有結合不可逆EGFR阻害剤に対する耐性を有することから、C797S集団にとって特に重要である。
【0385】
実施例2:様々なEGFR変異非小細胞肺癌細胞株に対するTRLX(化合物A)またはTRLX−TKI(化合物B)の評価
非小細胞肺癌(NSCLC)は低酸素疾患を特徴としており、約15%の肺腺癌はEGFR変異を有している。表5に記載のEGFR変異に対する標的化治療薬の開発を加速させるために、それらの変異を有する様々なヒト肺腺癌細胞株を誘導及び特性決定する。
【0386】
【表5】
【0387】
これらの細胞株をTRLX−TKIまたはTRLXで処理し、腫瘍増殖の評価を行い、これらのタイプの変異を有する腫瘍に対する治療薬としての、TRLX−TKI及びTRLXの適用性を確認する。評価は、例えば、細胞増殖アッセイ及び細胞成長アッセイ、in vitro阻害性酵素カイネティックアッセイ、質量分析、平衡結合アッセイなど、を使用して実施する。その結果を、オシメルチニブ、アファチニブ、ゲフィチニブ、EGF816、及びTTI−2341を含む周知のEGFR阻害剤と比較する。
【0388】
実施例3:正常な酸素化(有酸素)条件下、及び低酸素化(低酸素)条件下における、がん細胞株に対するTRLX(化合物A)及びTRLX−TKI(化合物B)の力価の評価
タルロキソチニブ(TRLX)は、直接的な「酸素センサー」として機能するニトロラジカルアニオンに還元される低酸素活性化プロドラッグ(HAP)であり、低酸素条件下で不可逆pan−ErbB阻害剤(タルロキソチニブ−E、TRLX−TKI)を放出する。TRLXは、低酸素選択的細胞代謝を受けて、様々な細胞株においてTRLX−TKIを放出する。TRLX−TKI抗増殖活性は、細胞を低酸素に曝露した後に、より高くなる。TRLX−TKIは、変異陽性EGFR駆動性NSCLCにおいて活性であるが、低酸素下で、WT EGFR駆動性細胞株及びHER2駆動性細胞株に対するナノモル活性もまた示す。
【0389】
【表6】
【0390】
1.Sequenom massARRAYを用いて測定した
2.96時間の薬剤フリー復元を伴う24時間の有酸素曝露
3.4時間の低酸素曝露(<1ppm O2)に続く、20時間の有酸素復元及び96時間の薬剤フリー復元
4.HCR=低酸素細胞傷害比率(有酸素条件下及び低酸素条件下における、IC
50値の実験内比率の平均値)
【0391】
表6のデータは、化合物Aが、in vitroがん細胞株において強力な活性を有していること、を示している。更に、力価は低酸素条件下でより高くなっており、理論に束縛されるものではないが、化合物Aが活性TRLX−TKI(化合物B)へと変換されていると考えられる。化合物A及び化合物Bは、様々なEGFR(ErbB−1)変異及びHER2(ErbB−2)変異、すなわち、L858R/T790M、Del747_L751/T790M、ならびにWT EGFR駆動性がん株及びHER駆動性がん株用のin vitro細胞アッセイにおいて強力な活性を有している。理論に束縛されるものではないが、この変異集団は、現時点で承認済みの共有結合不可逆EGFR阻害剤に対する耐性を有している。
【0392】
実施例4.様々なEGFR変異及びHER2変異を発現するBa/F3細胞に対するTRLX(化合物A)及びTRLX−TKI(化合物B)の力価
EGFRの変異形態またはHER2の変異形態を発現するBa/F3細胞の樹立
マウスpro−B細胞株Ba/F3(RCB0805)をRIKEN Bio Resource Center(Tsukuba,Japan)から得た。これまでに記載されている(Nishino M.and Suda K.,et al.Lung Cancer 2018)とおりに、第2のEGFR変異を伴う/伴わない、ヒトEGFR活性化変異(E746_A750del(エキソン19欠失)、L858R変異、またはエキソン20挿入(A763insFQEA、V769insASV、D770insSVD、またはH773insNPH)のうちの1つ、のいずれか)を発現する、Ba/F3細胞を樹立した。これまでの試験で樹立した数種類のBa/F3株もまた本試験に使用した。HER2エキソン20挿入変異(A775_G776insYVMA、G776delinsVC、P780_Y781insGSP)を発現する全てのBa/F3細胞は、これまでに樹立されている(Koga T.and Kobayashi Y.,et al.Lung Cancer 2018)。ポジオチニブに対する耐性を付与する第2のHER2 C805S変異を有するBa/F3細胞もまたこれまでに樹立されている。
【0393】
細胞増殖阻害アッセイ
これまでに記載されている(Nishino M.and Suda K.,et al.Lung Cancer 2018)とおりに、以下のTKI、タルロキソチニブ−E(活性化形態)、タルロキソチニブ(活性化前のプロドラッグ)、アファチニブ、ポジオチニブ、及びオシメルチニブ、のうちの1つ用の、細胞増殖阻害アッセイを実施した。簡潔に説明すると、96ウェルプレートのそれぞれのウェルに2000の細胞を播種した。24時間後、指定薬剤濃度のDMSOまたはTKIを加えてから、更に72時間細胞を培養した。比色アッセイを用い、Cell Counting Kit−8試薬(Dojindo Laboratories,Kumamoto,Japan)を使用して、それぞれの薬剤の増殖阻害を推定した。それぞれの実験を3回実施した。
【0394】
レトロウイルスベクターを使用して、様々なEGFR変異及びHER2変異をBa/F3細胞に導入した。様々なEGFRエキソン20変異及びHER2変異を有するBa/F3細胞を用いて、TRLX(化合物A)及びTRLX−TKI(化合物B)、ポジオチニブ、アファチニブ、ならびにオシメルチニブ用の、増殖阻害アッセイを実施した。
【0395】
【表7】
【0396】
表7は、Ba/F3細胞におけるタルロキソチニブ−E細胞力価を示しており、タルロキソチニブ−TKIは、EGFRエキソン20挿入変異の強力なin vitro阻害を示している(
図28A〜E)。
【0397】
【表8】
【0398】
表8は、変異EGFRの細胞力価を示しており、タルロキソチニブ−Eは、EGFR C797S変異において、in vivoで活性を示している(
図29A〜D)。
【0399】
【表9】
【0400】
【表10】
【0401】
タルロキソチニブ−Eは、タルロキソチニブと比較して強力な活性を示し、広い治療窓が示唆された。タルロキソチニブ−Eは、EGFRエキソン20挿入変異を有する試験した全てのBa/F3細胞に対する有効性を示した(表10、
図30A〜30C)。H773insH エキソン20挿入変異は、試験した全てのEGFR−TKIの影響を受けなかった。タルロキソチニブ−Eは、単一変異のdel19及びL858R、ならびに、二重変異のdel19+C797S及びL858R+C797Sに対して強力であった(表9、
図32A〜B)。三重変異のDel19+T790M+C797S及びL858R+T790M+C797Sに対する力価の若干の低下が認められ、理論に束縛されるものではないが、潜在的な耐性メカニズムとしてのC797S及びT790Mが示唆された。タルロキソチニブ−Eは、その他のTKIに不応性の様々な第三オシメルチニブ耐性変異に対する強力な活性を示した。タルロキソチニブ−Eは、その他のTKIと比較して、EGFRエキソン20挿入変異を有する患者由来細胞に対して最も強力であった。
【0402】
実施例5:様々なHER2(ErbB−2)変異がん細胞株に対するTRLX(化合物A)またはTRLX−TKI(化合物B)の有効性の評価
多くのNSCLC、乳癌、大腸癌、肺癌、膀胱癌、子宮頸癌、子宮内膜癌、卵巣癌、胆道癌、唾液腺管癌、及び胃癌は、ErbB−2変異を有している。表11に記載のErbB−2変異に対する標的化治療薬の開発を加速させるために、それらの変異を有する様々なヒトがん細胞株を誘導及び特性決定する。加えて、これらの変異に対する標的化治療薬の開発を加速させるために、様々なBa/F3細胞株を誘導及び特性決定する。
【0403】
【表11】
【0404】
これらの細胞株をTRLX−TKIまたはTRLXで処理し、腫瘍増殖の評価を行い、これらのタイプの変異を有する腫瘍に対する治療薬としての、TRLX−TKI及びTRLXの適用性を確認する。評価は、例えば、細胞増殖アッセイ及び細胞成長アッセイ、in vitro阻害性酵素カイネティックアッセイ、質量分析、ペプチド消化解析及びペプチド解析、ならびに平衡結合アッセイなど、を使用して実施する。その結果を、ラパチニブ及びネラチニブなどの現行治療薬を含む周知の低分子ErbB−2阻害剤と比較する。
【0405】
実施例6.低酸素条件下でより高い力価を示す、正常な酸素化(有酸素)条件下、及び低酸素化(低酸素)条件下における、がん細胞株に対するTRLX(化合物A)及びTRLX−TKI(化合物B)の力価。
TRLX−E抗増殖活性は、細胞を低酸素に曝露した後に、より高くなる。TRLX−Eは、変異陽性EGFR駆動性NSCLCにおいて強力な活性を示すが、低酸素下で、HER2/HER4駆動性細胞株に対するナノモル活性、及び、Ras変異細胞株に対する中程度の力価もまた示す(表12)。
【0406】
【表12】
1.Sequenom massARRAYを用いて測定した
2.96時間の薬剤フリー復元を伴う24時間の有酸素曝露
3.4時間の低酸素曝露(<1ppm O2)に続く、20時間の有酸素復元及び96時間の薬剤フリー復元
4.HCR=低酸素細胞傷害比率(有酸素条件下及び低酸素条件下における、IC
50値の実験内比率の平均値)
【0407】
実施例7:Ba/F3細胞におけるHER2エキソン20挿入変異に対するTRLX(化合物A)及びTRLX−TKI(化合物B)の力価
レトロウイルスベクターを使用して、HER2 A775_G776insYVMA、G776delinsVC、P780_Y781insGSP、YVMA+C805S(YVMACS)、及びVC+C805S(VCCS)変異を、Ba/F3細胞に導入した。それぞれのHER2エキソン20変異を有するBa/F3細胞(表13)を用いて、TRLX(化合物A)及びTRLX−TKI(化合物B)、ポジオチニブ、アファチニブ、ならびにオシメルチニブ用の、増殖阻害アッセイを実施した。
【0408】
【表13】
【0409】
タルロキソチニブは、タルロキソチニブ−Eと比較して>84倍より高いIC
50値を有しており、このプロドラッグ戦略で広い治療窓を生成する潜在能力を示した。タルロキソチニブ−Eは、YVMA+C805S(YVMACS)及びVC+C805S(VCCS)(HER2エキソン20挿入変異と共に、C805S変異が導入されている)を除く、HER2エキソン20挿入変異を有する試験した全てのBa/F3細胞に対する有効性を示し、理論に束縛されるものではないが、C805Sが、タルロキソチニブ及びタルロキソチニブ−Eに対する耐性メカニズムである可能性が示唆された。
【0410】
実施例8:HER2増幅/変異細胞株に対するTRLX(化合物A)及びTRLX−TKI(化合物B)の力価
【0411】
【表14】
【0412】
タルロキソチニブ−Eは、HER2増幅細胞株及びHER2変異細胞株のin vitro増殖を阻害する。HER2依存性細胞株において、タルロキソチニブ−Eは、タルロキソチニブと比較して、正常酸素条件下in vitroで、60〜150倍より高い活性を有している(表14)。
【0413】
実施例9:マウスを用いたTRLX(化合物A)またはTRLX−TKI(化合物B)の薬物動態(PK)解析
実験の詳細
空腹ではない雌ヌードマウス(n=3)にTRLXを注射で投与した(48.0mg/kgの公称用量、投与用量、20%ヒドロキシルプロピル−β−シクロデキストリンを含有する水中の31.1 mg/kg)。投与の直前に投与液剤を調製した。投与用量は、公称用量よりも約35%少なく(許容範囲±20%)、そのうちの13%は、分子内の臭化物塩によるものであった。TRLXのLC−MS/MS解析用に、200μLのIS溶液(アセトニトリル中の、100ng/mLのラベタロール&100ng/mLのトルブタミド)を用いて、20μLアリコートの試料をタンパク質沈殿させた。混合液をボルテックスしてから、4℃、4000rpmで15分間遠心分離にかけた。100μLアリコートの上清を試料プレートに移し、100μLの水と混合してから、そのプレートを800rpmで10分間振盪した。それに続き、TRLX(化合物A)のLC−MS/MS解析用に、1〜2μLの上清を注入した。TRLX−TKIの解析用に、200μLのIS溶液(アセトニトリル中の、100ng/mLのラベタロール&100ng/mLのトルブタミド)を用いて、20μLアリコートの試料をタンパク質沈殿させた。混合液をボルテックスしてから、4℃、4000rpmで15分間遠心分離にかけた。160μLアリコートの上清を試料プレートに移し、N
2ガス下で乾燥させてから、120μLの純粋なアセトニトリル中に再懸濁した。それに続き、TRLX−TKI(化合物B)のLC−MS/MS解析用に、0.42μLの上清を注入した。
【0414】
TRLX(化合物A)のPK解析
化合物Aのマウス血漿及び脳薬物動態試験の結果を、表15〜16ならびに
図25A及び
図25Bに示す。これらのデータは、化合物Aが驚くべきことに、血液脳関門を実際に越えていることを示している。
【0415】
【表15】
【0416】
【表16】
【0417】
TRLX−TKI(化合物B)のPK解析
化合物Bのマウス血漿及び脳薬物動態試験の結果を、表17〜18ならびに
図26A及び
図26Bに示す。これらのデータは、化合物Bが驚くべきことに、血液脳関門を実際に越えていることを示している。
【0418】
【表17】
【0419】
【表18】
【0420】
実施例10:オシメルチニブPC9脳異種移植片データ
血液脳関門を越えることができるEGFR TKIは、PC9脳転移モデルにおける有効性を示している。オシメルチニブAは、オシメルチニブによる用量依存的な腫瘍退縮を示しており、全生存率と相関し得る。曝露の観点からオシメルチニブ80mg QDの臨床用量にほぼ等しいと考えられる、オシメルチニブ25mg/kg QDの用量は、良好な忍容性を示し、初期の時点においてわずかな体重減少が認められたが、投与期間中にわたりそれに続く減少は認められず、60日目の試験終了まで持続的な腫瘍退縮を誘導した。
【0421】
最初の3週間のより少ない5mg/kg QD用量のオシメルチニブにより腫瘍退縮が生じたが、それはより一時的なものであった。それに対し、500mg1日2回のヒト用量にほぼ等しいロシレチニブ100mg/kgでは、腫瘍退縮は達成されず、生存効果は認められなかった(Ballard et al.,Clin Cancer Res;22(20);5130−40,2016)。
【0422】
脳内に入り込む別のEGFR TKIであるYH25448は、H1975異種移植モデルにおいて頭蓋内腫瘍の退縮を示した(Yun et al.,Clin Cancer Res.2019 Apr 15;25(8):2575−2587)。49日間の治療の間に1日1回、10mg/kg及び25mg/kgで、YH25448は、オシメルチニブと比較して、体重の明らかな減少を伴わずに、より効果的に頭蓋内腫瘍の増殖を阻害した(one−way ANOVAでそれぞれ、P=0.0125、及びP=0.0274)。BLIで検出したYH25448治療マウスにおける脳腫瘍の縮小と一致することだが、組織学的解析は、溶媒治療マウスにおけるものと比較したYH25448(10mg/kg)治療マウスにおいて、脳腫瘍領域の縮小、及び増殖性細胞の数の有意な低下についても、示した。
【0423】
H1975皮下移植モデル及びH1975脳転移(BM)モデル
雌BALB/cヌードマウスの右脇腹及び/または脳にH1975−lucヒトNSCLC細胞を移植した。それぞれ、リアルタイムin vivoイメージングシステム(IVIS Spectrum,Caliper Life Sciences)を用いたBLI技術、及びデジタルキャリパー(Mitutoyo Corp.)、を使用して、頭蓋内病巣の全身腫瘍組織量及び右脇腹の腫瘍サイズを測定した。移植後13日目から、YH25448またはオシメルチニブの1日1回の経口投与で、腫瘍保有マウスを治療した(
図33)。
【0424】
タルロキソチニブは、荷電分子であるにもかかわらず血液脳関門を越える。理論に束縛されるものではないが、脳内レベルがオシメルチニブと同等である場合、タルロキソチニブは、頭蓋内PC9異種移植モデルにおいて同等の有効性を示すと予想される。上で概要を述べたオシメルチニブ耐性変異及びその他のEGFR変異に対する強力な活性に基づくと、脳転移モデルにおいて有効であることが予想される。
【0425】
実施例11:様々な変異細胞株に対するTRLX(化合物A)またはTRLX−TKI(化合物B)の有効性を試験するin vivoアッセイ(マウスモデル)
マウスコホートの作製、及びTRLX−TKIまたはTRLXを用いた治療
所望の変異、例えば、上の表11〜14に記載の変異を有するマウスを作製する。変異導入の数週間後にマウスにMRIを実施してがん負荷量を記録してから、様々な治療試験コホートに割り当てる。その後、溶媒単独、または溶媒+TRLX−TKIもしくはTRLXを用いて、マウスを治療する。
【0426】
MRIスキャン及び腫瘍容積測定
マウスにMRIスキャンを実施して、治療に対するそれらマウスの反応を記録する。
【0427】
免疫組織化学解析
腫瘍切片の染色を実施する。特定の腫瘍切片に対して免疫組織化学を実施する。染色腫瘍切片内の核小体をカウントすることにより、また末端デオキシヌクレオチジル−トランスフェラーゼ介在性dUTP−ビオチンニック末端標識(TUNEL)アッセイにより、アポトーシスを測定する。
【0428】
薬物動態解析
健康なマウスを準備する。用量投与前に全てのマウスの体重を測定してから、無作為化する。静脈内投与用に新たに調製したTRLX−TKIまたはTRLXの液剤を、ある一定の用量レベル、緩徐かつ一定の速度で尾静脈投与する。経口投与用に新たに調製したTRLX−TKIまたはTRLXの液剤を、経口摂取針を用いた胃挿管により、ある一定の経口用量で投与する。
【0429】
血液試料及びバイオ解析:それぞれのマウスの伏在静脈から規則的なインターバルで血液試料を採取する。それぞれの試料採取時点の間、抗凝固剤を含有するラベル添付マイクロチューブ内に血液試料を採取する。バイオ解析を実施し、様々な方法、例えば、LC−MS/MSを使用して、マウス血漿中におけるTRLX−TKIまたはTRLXの化合物濃度を測定する。
【0430】
薬物動態解析:マウス血漿中におけるTRLX−TKIまたはTRLXの薬物動態パラメータ、例えば、T
max、C
max、AUC、CL、V
d、T
1/2A、及びバイオアベイラビリティなどを、濃度−時間データから算出する。
【0431】
様々なEGFR変異を有する細胞株を使用し、皮下異種移植モデルを用いて、タルロキソチニブを試験した。
【0432】
HCC827(Del19 EGFR)異種移植モデル及びPC9(Del19/WT EGFR)異種移植モデルにおいて、タルロキソチニブは、エルロチニブと比較してより高い力価を示している(
図34A〜B)。
【0433】
タルロキソチニブは、
図35に見られるように、HER2陽性NCI−N87胃腫瘍異種移植片に対する活性を示している。
【0434】
EGFRエキソン20挿入(A767_V769dupASV)患者由来細胞株CUTO−14異種移植モデルにおけるタルロキソチニブの強力な活性は、
図36に見られる。
【0435】
タルロキソチニブは、HCC827(EGFR Del19)異種移植モデル、PC9(EGFR del19/ET EGFR)異種移植モデル、NCI−N87(HER2陽性)異種移植モデル、CUTO−14(EGFRエキソン20挿入変異A767_V769dupASV患者由来細胞株)異種移植モデルにおいて、強力な単剤活性を示し、in vitro力価と一致した。理論に束縛されるものではないが、その他の変異におけるin vitro活性が、異種移植モデルにおける同様の強力な活性を示すと予想される。
【0436】
タルロキソチニブは、
図37に示すように、H1781(HER2 G776Ins V_G/C)異種移植モデルにおいて、VEGFR2阻害剤との相乗的な活性を示した。タルロキソチニブは、H1781(HER2 G776Ins V_G/C)異種移植モデルにおける有意な単剤活性を示した。タルロキソチニブの活性は、VEGFR2 mabであるDC101と組み合わせることにより増強した。理論に束縛されるものではないが、この組み合わせを臨床的に使用して、タルロキソチニブの活性を増強させることができる。
【0437】
参照文献:
1.Reiss et al J Thorac Oncol.2018 Oct;13(10):1560−1568.
2.Arcila et al Mol Cancer Ther.2013 February;12(2):220−229.
3.Beau−Faller et al Annals of Oncology 25:126−131,2014.
4.Martin et al Clin Lung Cancer.2019 May 11.pii:S1525−7304(19)30103−2.
5.Mishra et al Oncotarget,2017,Vol.8,(No.69),pp:114371−114392.
6.Thress et al.,Nat.Med.21(6)(2015)560−562
7.Nishino et al,Lung Cancer,Volume 126,149−155
8.Le et al,Clin Cancer Res.2018 Dec 15;24(24):6195−6203.
9.Konduri et al,Cancer Discov.2016 Jun;6(6):601−11
10.Shah et al BMC Genomics.2013;14:818−832
11.Frattini et al,Nat Genet.2013;45:1141−1149
12.Gallant et al,Cancer Discov.2015 Nov;5(11):1155−63
13.Bose,et al.,2013,Cancer Discov 3:224−37.
14.Greulich,et al.,2012,Proc Natl Acad Sci U S A 109:14476−81.
15.Kavuri,et al.,2015,Cancer Discov 5:832−41.
16.Ou,et al.,2017,J Thorac Oncol 12:446−457.
17.Zuo,et al.,2016,Clin Cancer Res 22:4859−4869.
18.Verma,et al.,2018,PLoS One 13:e0190942,2018.
19.Bellmunt,et al.,2015,Cancer Med 4:844−52.
20.Kloth,et al.,2016,Gut 65:1296−305.
21.Xu,et al.,2017,Clin Cancer Res 23:5123−5134.
22.Stephens,et al.,2004,Nature 431:525−6.
23.Shigematsu,et al.,2005,Cancer Res 65:1642−6.
24.Wang,et al.,2006,Cancer Cell 10:25−38.
25.Pahuja et al Cancer Cell 34,792−806,November 12,2018
26.Yu,et al.,2015,J Transl Med 13:116,2015.
27.Ross,et al.,2013,Clin Cancer Res 19:2668−76.
28.Ross,et al.,2014,Clin Cancer Res 20:68−75.
29.Chmielecki,et al.,2015,Oncologist 20:7−12.
30.Gao,et al.,2018,Cell Rep 23:227−238 e3.
31.Mishra et al Oncotarget,2017,Vol.8,(No.69),pp:114371−114392
32.Kruppa et al Oncogene.2016 Mar 10;35(10):1283−91.(Link)
33.Kurppa etal,Oncogene(2015),1−9.
34.Prickett et al,Nat Genet.2009 Oct;41(10):1127−32.
35.Mishra et al Oncotarget.2018 Jun 12;9(45):27773−27788.
36.Jaiswal,et al.,2013,Cancer Cell 23:603−17.
37.Prickett et al,Nat Genet.2009 Oct;41(10):1127−32 for use of lapatinib for HER4 mutations
【0438】
等価物
本開示の1つまたは複数の実施形態の詳細については、添付の上記明細書に記載している。本明細書に記載の方法及び物質と同様または同等の任意の方法及び物質を、本開示の実施または試験において使用できるが、好ましい方法及び物質については以下で説明する。本開示のその他の特徴、目的及び利点は、本明細書及び特許請求の範囲により明らかとなるであろう。本明細書及び添付の特許請求の範囲において、単数形は、文脈上特に明確に定めない限り、複数の指示対象を含む。別途定義しない限り、本明細書で使用する全ての技術用語及び科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者が一般に理解する意味と同一の意味を有する。本明細書に引用した全ての特許及び刊行物は参照により組み込まれる。
【0439】
上記の記述は例示の目的に限り提供されるものであり、本開示を、開示する正確な形態に限定することを意図するものではなく、本明細書に添付する特許請求の範囲により限定することを意図するものである。