(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-536723(P2021-536723A)
(43)【公表日】2021年12月27日
(54)【発明の名称】車両用の制御アーキテクチャ
(51)【国際特許分類】
H04L 12/46 20060101AFI20211129BHJP
B60R 16/02 20060101ALI20211129BHJP
【FI】
H04L12/46 200
B60R16/02 660G
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2021-538908(P2021-538908)
(86)(22)【出願日】2019年9月4日
(85)【翻訳文提出日】2021年4月16日
(86)【国際出願番号】EP2019073523
(87)【国際公開番号】WO2020057971
(87)【国際公開日】20200326
(31)【優先権主張番号】18195302.7
(32)【優先日】2018年9月18日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】597007363
【氏名又は名称】クノル−ブレムゼ ジステーメ フューア ヌッツファールツォイゲ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Knorr−Bremse Systeme fuer Nutzfahrzeuge GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】タマーシュ ラップ
(72)【発明者】
【氏名】フーバ ネーメト
(72)【発明者】
【氏名】ペテル セル
(72)【発明者】
【氏名】チャバ コクレヘル
(72)【発明者】
【氏名】アダム バルドス
【テーマコード(参考)】
5K033
【Fターム(参考)】
5K033AA05
5K033BA06
5K033CB08
5K033DA05
5K033DB16
5K033EB06
(57)【要約】
本発明は、車両用の制御アーキテクチャ(20)に関する。第1の制御ユニット(3)を第1の車両通信ネットワーク(1)に接続する(110)ことについて説明する。第2の制御ユニット(4)が、第2の車両通信ネットワークに接続される(120)。指令が、複数の被指令ユニット(6,7,8,9)によって通信線(10,11)を介して第1の制御ユニットおよび/または第2の制御ユニットから受信される(130)。第1の制御ユニットと第2の制御ユニットとの間のインターリンク通信線(5)が接続される(140)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用の制御アーキテクチャ(20)であって、
第1の制御ユニット(3)と、
第2の制御ユニット(4)と、
第1の車両通信ネットワーク回路(1)と、
第2の車両通信ネットワーク回路(2)と、
複数の被指令ユニット(6,7,8,9)と、
を備え、
前記第1の制御ユニットが前記第1の車両通信ネットワークに接続されており、
前記第2の制御ユニットが前記第2の車両通信ネットワークに接続されており、
前記複数の被指令ユニットが、通信線(10,11)を介して前記第1の制御ユニットおよび/または前記第2の制御ユニットから指令を受信するように構成され、
インターリンク通信線(5)が、前記第1の制御ユニットを前記第2の制御ユニットに接続する、
制御アーキテクチャ(20)。
【請求項2】
前記制御アーキテクチャが、前記インターリンク通信線を利用して、前記第1の車両通信ネットワークと前記第2の制御ユニットとの間でデータを伝送するように構成されており、前記制御アーキテクチャが、前記インターリンク通信線を利用して、前記第2の車両通信ネットワークと前記第1の制御ユニットとの間でデータを伝送するように構成されている、請求項1記載の制御アーキテクチャ。
【請求項3】
前記第1の制御ユニットが、前記複数の被指令コンポーネントの全てに通信可能に接続されており、前記第2の制御ユニットが、前記複数の被指令コンポーネントの全てに通信可能に接続されている、請求項1または2記載の制御アーキテクチャ。
【請求項4】
第1の動作モードでは、前記第1の制御ユニットがマスタコントローラの役割を果たすように構成されており、前記第2の制御ユニットがスレーブコントローラの役割を果たすように構成されており、第2の動作モードでは、前記第2の制御ユニットがマスタコントローラの役割を果たすように構成されており、前記第1の制御ユニットがスレーブコントローラの役割を果たすように構成されている、請求項1から3までのいずれか1項記載の制御アーキテクチャ。
【請求項5】
前記動作モードの決定が、前記インターリンク通信線を介した通信を含む、請求項4記載の制御アーキテクチャ。
【請求項6】
前記動作モードの決定が、アルゴリズムにしたがって行われ、前記インターリンク通信線を介して調整される、請求項5記載の制御アーキテクチャ。
【請求項7】
前記動作モードの決定が、前記第1の制御ユニットおよび/または前記第2の制御ユニットによって行われる、請求項4から6までのいずれか1項記載の制御アーキテクチャ。
【請求項8】
前記第1の制御ユニットおよび前記第2の制御ユニットが、前記インターリンク通信線を利用して前記制御ユニット間でデータを伝送して、妥当性チェックおよび/またはクロスチェックのタスクを実行するように構成されている、請求項1から7までのいずれか1項記載の制御アーキテクチャ。
【請求項9】
車両の制御アーキテクチャのための制御方法(100)であって、該方法が、
a)第1の制御ユニット(3)を第1の車両通信ネットワーク(1)に接続するステップ(110)と、
b)第2の制御ユニット(4)を第2の車両通信ネットワークに接続するステップ(120)と、
c)複数の被指令ユニット(6,7,8,9)によって通信線(10,11)を介して前記第1の制御ユニットおよび/または前記第2の制御ユニットから指令を受信するv(130)と、
d)前記第1の制御ユニットと前記第2の制御ユニットとの間にインターリンク通信線(5)を接続するステップ(140)と、
を含む、方法。
【請求項10】
前記方法が、
e)前記インターリンク通信線によって前記第1の車両通信ネットワークと前記第2の制御ユニットとの間でデータを伝送するステップ(150)、または
f)前記インターリンク通信線によって前記第2の車両通信ネットワークと前記第1の制御ユニットとの間でデータを伝送するステップ(160)
を含む、請求項9記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用の制御アーキテクチャおよび車両の制御アーキテクチャのための制御方法に関する。
【0002】
背景技術
自動車は、推進および伝達システム、操舵システム、制動システムなど、車両の動作を共同で実現しうる幾つかのサブシステムで構成されており、各サブシステムは、その関連する制御ユニットによって制御される。アクチュエータまたは個々の制御システムレベルにおけるサブシステムの誤動作は、車両の更なる動作を妨げたり、少なくともその機能を低下させたりする可能性がある。自動運転のために、制動および操舵のような安全性に関連するシステムには、冗長の構成と各構成間の適切な通信とが必要とされる。
【0003】
米国特許第9195232号明細書には、故障作動システムの共通故障(common failure)を補償するための方法およびシステムが記載されている。例示的なシステムは、推進制動および操舵などの車両の機能を実行するように構成された1次コントローラと、1次コントローラに対する冗長の構成として構成された2次コントローラとを含みうる。コントローラは、互いにクロスチェックを行うとともに、それぞれ内部セルフチェックを行いうる。加えて、システムは、故障の検出に基づいてコントローラ間で車両の制御を移行させるように構成された制御モジュールを含みうる。制御モジュールは、コントローラの共通故障を検出することができ、これにより、制御モジュールが、共通故障信号を出力する。これに応じて、システムは、1次コントローラに制御を戻せるようになるまで車両機能を実行するように構成された安全コントローラに制御を移行させることができる。
【0004】
米国特許出願公開第20160009257号明細書には、システムが、第1および第2の制動モジュールを含む自律的なサブシステムを含むことが記載されている。各モジュールは、プロセッサおよびメモリを含み、メモリは、故障の検出のためにプロセッサによって実行可能な命令を記憶している。システムは、第2の制動モジュールからの信号に応じてブレーキ機構を作動させるようにプログラムされたブレーキサブシステムをさらに含む。自律的なサブシステムは、故障が検出されたか否かに応じて、ブレーキ機構に信号を供給する制動モジュールの1つを選択するようにさらにプログラムされている。
【0005】
しかし、システムの冗長性を向上させる必要がある。
【0006】
発明の概要
したがって、車両用のシステムの冗長性を向上させることが有利である。
【0007】
本発明の課題は各独立請求項の主題によって解決され、更なる実施形態は各従属請求項に組み込まれている。本発明の以下で説明する態様は、車両用の制御アーキテクチャおよび車両の制御アーキテクチャのための制御方法にも適用されることに留意されたい。
【0008】
第1の態様では、車両用の制御アーキテクチャが提供され、制御アーキテクチャは、
‐第1の制御ユニットと、
‐第2の制御ユニットと、
‐第1の車両通信ネットワーク回路と、
‐第2の車両通信ネットワーク回路と、
‐複数の被指令ユニットと
を備える。
【0009】
第1の制御ユニットは、第1の車両通信ネットワークに接続されている。第2の制御ユニットは、第2の車両通信ネットワークに接続されている。複数の被指令ユニットは、通信線を介して第1の制御ユニットおよび/または第2の制御ユニットから指令を受信するように構成されている。インターリンク通信線が、第1の制御ユニットを第2の制御ユニットに接続する。
【0010】
このようにして、冗長性を有する制御システムアーキテクチャが提供され、これにより、安全性およびシステム性能が向上する。
【0011】
一実施例では、制御アーキテクチャは、インターリンク通信線を利用して、第1の車両通信ネットワークと第2の制御ユニットとの間でデータを伝送するように構成される。制御アーキテクチャは、インターリンク通信線を利用して、第2の車両通信ネットワークと第1の制御ユニットとの間でデータを伝送するようにも構成される。
【0012】
このようにして、通信の一方が故障した状況が緩和される。
【0013】
一実施例では、第1の制御ユニットは、複数の被指令コンポーネントの全てに通信可能に接続され、第2の制御ユニットは、複数の被指令コンポーネントの全てに通信可能に接続される。
【0014】
それゆえ、制御ユニットの一方が故障した場合に、他方の制御ユニットが全ての被指令ユニットに指令を提供し続けることができ、更なるシステム障害保護がもたらされ、このことは、通信ネットワークのどちらが故障した場合でも可能となる。
【0015】
一実施例では、第1の動作モードでは、第1の制御ユニットがマスタコントローラの役割を果たすように構成され、第2の制御ユニットがスレーブコントローラの役割を果たすように構成される。第2の動作モードでは、第2の制御ユニットがマスタコントローラの役割を果たすように構成され、第1の制御ユニットがスレーブコントローラの役割を果たすように構成される。
【0016】
換言すれば、制御ユニットはマスタまたはスレーブのどちらの役割も果たすことができ、一方がマスタの役割を有し、他方がスレーブの役割を有する。
【0017】
一実施例では、動作モードの決定は、インターリンク通信線を介した通信を含む。
【0018】
一実施例では、動作モードの決定は、アルゴリズムにしたがって行われ、インターリンク通信線を介して調整される。
【0019】
一実施例では、動作モードの決定は、第1の制御ユニットおよび/または第2の制御ユニットによって行われる。
【0020】
一実施例では、第1の制御ユニットおよび第2の制御ユニットは、インターリンク通信線を利用して制御ユニット間でデータを伝送して、妥当性チェック(plausibility check)および/またはクロスチェックのタスクを実行するように構成される。
【0021】
第2の態様では、車両の制御アーキテクチャのための制御方法が提供され、当該方法は、
a)第1の制御ユニットを第1の車両通信ネットワークに接続することと、
b)第2の制御ユニットを第2の車両通信ネットワークに接続することと、
c)複数の被指令ユニットによって通信線を介して第1の制御ユニットおよび/または第2の制御ユニットから指令を受信することと、
d)第1の制御ユニットと第2の制御ユニットとの間にインターリンク通信線を接続することと
を含む。
【0022】
一実施例では、方法は、
e)インターリンク通信線によって第1の車両通信ネットワークと第2の制御ユニットとの間でデータを伝送すること、または
f)インターリンク通信線によって第2の車両通信ネットワークと第1の制御ユニットとの間でデータを伝送すること
を含む。
【0023】
上記の態様および実施例は、以下で説明する各実施形態を参照することで明瞭に解明されるであろう。
【0024】
以下では、以下の図面を参照しながら例示的な実施形態について説明する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】車両用の制御アーキテクチャの一実施例を示す模式図である。
【
図2】車両の制御アーキテクチャのための制御方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、車両用の制御アーキテクチャ20の一実施例を示している。制御アーキテクチャは、第1の制御ユニット3、第2の制御ユニット4、第1の車両通信ネットワーク回路1、第2の車両通信ネットワーク回路2、および複数の被指令ユニット6,7,8,9を備える。第1の制御ユニットは、第1の車両通信ネットワークに接続されている。第2の制御ユニットは、第2の車両通信ネットワークに接続されている。複数の被指令ユニットは、通信線10,11を介して第1の制御ユニットおよび/または第2の制御ユニットから指令を受信するように構成されている。インターリンク通信線5が、第1の制御ユニットを第2の制御ユニットに接続している。図示の実施例は2つの制御ユニットを有しているが、2つより多くの制御ユニットが設けられていてもよく、この場合、制御ユニットの第1のセットが第1の車両通信ネットワークに接続され、残り(第2のセット)が第2の車両通信ネットワークに接続される。ここでは、インターリンク通信線が、第1のセットの制御ユニットを第2のセットの制御ユニットに接続する。
【0027】
一実施例によれば、制御アーキテクチャは、インターリンク通信線を利用して、第1の車両通信ネットワークと第2の制御ユニットとの間でデータを伝送するように構成される。制御アーキテクチャは、インターリンク通信線を利用して、第2の車両通信ネットワークと第1の制御ユニットとの間でデータを伝送するようにも構成される。
【0028】
一実施例によれば、第1の制御ユニットは、複数の被指令コンポーネントの全てに通信可能に接続されており、第2の制御ユニットは、複数の被指令コンポーネントの全てに通信可能に接続されている。
【0029】
一実施例によれば、第1の動作モードでは、第1の制御ユニットがマスタコントローラの役割を果たすように構成され、第2の制御ユニットがスレーブコントローラの役割を果たすように構成され、第2の動作モードでは、第2の制御ユニットがマスタコントローラの役割を果たすように構成され、第1の制御ユニットがスレーブコントローラの役割を果たすように構成される。
【0030】
一実施例では、2つより多くの制御ユニットがあってよく、マスタとして機能し、残りがスレーブとして機能する。それゆえ、3つの制御ユニットがある場合には、上記の命名法を用いると、3つの動作モードがあってよく、各モードにおいて異なる制御ユニットがマスタの役割を果たし、残りがスレーブの役割を果たす。このことは、4つ、5つ、6つの制御ユニットにも当てはまり、この場合、4つ、5つ、6つなどの動作モードが生じる。
【0031】
一実施例によれば、動作モードの決定は、インターリンク通信線を介した通信を含む。
【0032】
一実施例によれば、動作モードの決定は、アルゴリズムにしたがって行われ、制御ユニットは、インターリンク通信線を介して調整される。
【0033】
一実施例によれば、動作モードの決定は、第1の制御ユニットおよび/または第2の制御ユニットによって行われる。
【0034】
一実施例によれば、第1の制御ユニットおよび第2の制御ユニットは、インターリンク通信線を利用して制御ユニット間でデータを伝送して、妥当性チェックおよび/またはクロスチェックのタスクを実行するように構成される。
【0035】
図2は、車両の制御アーキテクチャのための制御方法100の基本ステップを示しており、ここで、任意選択的なステップは破線で示している。方法100は、
ステップa)とも称される接続ステップ110において、第1の制御ユニット3を第1の車両通信ネットワーク1に接続することと、
ステップb)とも称される接続ステップ120において、第2の制御ユニット4を第2の車両通信ネットワークに接続することと、
ステップc)とも称される受信ステップ130において、複数の被指令ユニットによって通信線10,11を介して第1の制御ユニットおよび/または第2の制御ユニットから指令を受信することと、
ステップd)とも称される接続ステップ140において、第1の制御ユニットと第2の制御ユニットとの間にインターリンク通信線5を接続することと
を含む。
【0036】
一実施例によれば、方法は、
ステップe)とも称される伝送ステップ150において、インターリンク通信線によって第1の車両通信ネットワークと第2の制御ユニットとの間でデータを伝送すること、または
ステップf)とも称される伝送ステップ160において、インターリンク通信線によって第2の車両通信ネットワークと第1の制御ユニットとの間でデータを伝送すること
を含む。
【0037】
一実施例では、第1の制御ユニットは、複数の被指令コンポーネントの全てに通信可能に接続され、第2の制御ユニットは、複数の被指令コンポーネントの全てに通信可能に接続される。
【0038】
一実施例では、第1の動作モードでは、第1の制御ユニットがマスタコントローラの役割を果たし、第2の制御ユニットがスレーブコントローラの役割を果たし、第2の動作モードでは、第2の制御ユニットがマスタコントローラの役割を果たし、第1の制御ユニットがスレーブコントローラの役割を果たす。
【0039】
一実施例では、動作モードの決定は、インターリンク通信線を介した通信を含む。
【0040】
一実施例では、動作モードの決定は、アルゴリズムにしたがって行われ、インターリンク通信線を介して調整される。
【0041】
一実施例では、動作モードの決定は、第1の制御ユニットおよび/または第2の制御ユニットによって行われる。
【0042】
一実施例では、第1の制御ユニットおよび第2の制御ユニットは、インターリンク通信線を利用して制御ユニット間でデータを伝送して、妥当性チェックおよび/またはクロスチェックのタスクを実行する。
【0043】
次に、再び
図1を用いて詳細な実施例について説明する。この詳細な実施例では、2つの制御ユニット3,4が設けられ、制御ユニット3,4のそれぞれが冗長の車両通信ネットワーク回路1,2の一方ずつに接続された、冗長のコントローラアーキテクチャが示されている。制御ユニット間には、インターリンク通信線5が存在している。各制御ユニットは、更なる制御線10,11によって幾つかの被指令ユニット6,7,8,9に接続されており、図示しているように、各制御ユニットを各被指令ユニットに接続することができる。制御ユニットの一方はマスタの役割を有し、他方はスレーブの役割を有する。マスタスレーブの役割分担の決定は、適切なアルゴリズムにしたがって制御ユニットによって行われ、インターリンク通信線によって調整される。
【0044】
このように、制御ユニット間にインターリンク通信線を設けることで、車両通信ネットワークの一方が故障またはダウンした状況を緩和することが可能になる。このような場合、正常な車両通信ネットワークからのデータを、インターリンク通信線を介して他の制御ユニットに送信することができる。インターリンク通信は、妥当性チェックまたはクロスチェックのタスクを実行して安全性を高める機会をも提供する。
【0045】
本発明の実施形態は、種々の主題を参照して説明を行っていることに留意されたい。特に、幾つかの実施形態は、方法形式の請求項を参照して説明を行っている一方で、他の実施形態は、装置形式の請求項を参照して説明を行っている。しかし、当業者であれば、上記および以下の説明から、別様の注記がない限り、一方の形式の主題に属する特徴の任意の組み合わせに加えて、異なる主題に関する特徴間の任意の組み合わせも本出願によって開示されているとみなされることを推論するであろう。なお、全ての特徴を組み合わせることで、各特徴の単純な総和を上回る相乗効果が得られる可能性がある。
【0046】
本発明を図面および前述の説明において詳細に図示および説明してきたが、当該図示および説明は、図示または例示のためのものであって、限定のためのものではないとみなされたい。本発明は、開示した実施形態に限定されるものではない。開示した実施形態に対する他の変形形態は、特許請求された発明を実施する当業者が、図面、開示および各従属請求項の検討から理解し、実施することができる。
【0047】
特許請求の範囲では、「備える(comprising)」なる語は、他の要素またはステップを除外せず、不定冠詞の「1つの(a)」または「1つの(an)」は、複数を除外しない。単一のプロセッサまたは他のユニットが、特許請求の範囲に記載された複数の項目の機能を果たす場合がある。特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという事実のみによって、これらの手段の組み合わせを有利に使用できないということは示唆されない。特許請求の範囲中の参照符号は、範囲を限定するものと解釈されるべきでない。
【符号の説明】
【0048】
20 車両用の制御アーキテクチャ
1,2 通信ネットワーク回路
3,4 制御ユニット
5 インターリンク通信線
6,7,8,9 被指令ユニット
10,11 通信線
100 車両の制御アーキテクチャのための制御方法
110 第1の制御ユニットを第1の車両通信ネットワークに接続する
120 第2の制御ユニットを第2の車両通信ネットワークに接続する
130 複数の被指令ユニットによって通信線を介して第1の制御ユニットおよび/または第2の制御ユニットから指令を受信する
140 第1の制御ユニットと第2の制御ユニットとの間にインターリンク通信線を接続する
150 インターリンク通信線によって第1の車両通信ネットワークと第2の制御ユニットとの間でデータを伝送する
160 インターリンク通信線によって第2の車両通信ネットワークと第1の制御ユニットとの間でデータを伝送する
【国際調査報告】