(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
本開示は、限定はされないが、操作されたプロモータの開発を含む、インビトロおよび/またはインビボであろうとなかろうと、フラタキシン(FXN)の発現を変更する、例えば、増強するための組成物および方法に関する。かかる組成物は、アデノ随伴ウイルス(AAV)粒子の投与を介した送達を含む。本開示の組成物および方法は、フリードライヒ運動失調症あるいはフラタキシンの量および/もしくは機能における欠損から生じるまたはフラタキシンの減少した発現もしくはタンパク質レベルに関連する別の神経筋または神経学的状態と診断されたあるいはそれを有すると疑われる対象の治療において有用である。
5’末端逆位配列(ITR)、操作されたプロモータ、ペイロード領域および3’ITRを含むアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターゲノムであって、前記ペイロード領域が、フラタキシン(FXN)タンパク質をコードする、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターゲノム。
前記操作されたプロモータが、サイトメガロウイルス(CMV)プロモータ、ニワトリβ−アクチン(CBA)プロモータおよびFXNプロモータのうち1つ以上から選択されるプロモータに由来する、請求項1に記載のAAVベクターゲノム。
前記操作されたプロモータが、配列番号1734〜1777から選択される配列に対して少なくとも90%配列同一性を有する配列を含む、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のAAVベクターゲノム。
前記操作されたプロモータが、配列番号1734〜1777から選択される配列に対して少なくとも95%配列同一性を有する配列を含む、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のAAVベクターゲノム。
前記操作されたプロモータが、配列番号1734〜1777から選択される配列に対して少なくとも99%配列同一性を有する配列を含む、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のAAVベクターゲノム。
前記操作されたプロモータが、配列番号1734〜1742、1760〜1766、1768および1775〜1776から選択される配列を含む、請求項1に記載のAAVベクターゲノム。
前記フラタキシンタンパク質のアミノ酸配列が、配列番号1725、1726または1727に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または少なくとも99%配列同一性を有する、請求項47に記載のAAVベクターゲノム。
前記フラタキシンタンパク質をコードする核酸配列が、配列番号1728、1729もしくは1730、またはその断片に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または少なくとも99%配列同一性を有する、請求項47に記載のAAVベクターゲノム。
前記フラタキシンタンパク質をコードする核酸配列が、配列番号1728、1729および1730、またはその断片から選択される、請求項47に記載のAAVベクターゲノム。
前記フラタキシンタンパク質をコードする核酸配列が、配列番号1728のヌクレオチド221〜853を含むまたはそれからなる、請求項47に記載のAAVベクターゲノム。
前記フラタキシンタンパク質をコードする核酸配列が、配列番号1823または1824に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または少なくとも99%配列同一性を有する、請求項47に記載のAAVベクターゲノム。
前記フラタキシンタンパク質が、カニクイザル(Macaca fascicularis)フラタキシンである、請求項1乃至46のいずれか1項に記載のAAVベクターゲノム。
前記フラタキシンタンパク質が、アカゲザル(Macaca mulatta)フラタキシンである、請求項1乃至46のいずれか1項に記載のAAVベクターゲノム。
前記フラタキシンタンパク質のアミノ酸配列が、配列番号1731、1732または1733に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または少なくとも99%同一である、請求項55乃至57のいずれか1項に記載のAAVベクターゲノム。
前記フラタキシンタンパク質のアミノ酸配列が、配列番号1731、1732または1733を含む、請求項55乃至56のいずれか1項に記載のAAVベクターゲノム。
以下の成分:イントロン(例えば、エンハンサーを含むまたはそれからなる)、microRNA(miR)結合部位、ポリアデニル化(ポリA)配列またはフィラー配列のうち1つ以上(例えば、全て)を含む、請求項1乃至69のいずれか1項に記載のAAVベクターゲノム。
192mM塩化ナトリウム、10mMリン酸ナトリウム、2.7mM塩化カリウム、2mMリン酸カリウムおよび0.001%ポロキサマー188(v/v)を含む、請求項154に記載の医薬組成物。
AAVベクターゲノムおよびカプシドを含むAAV粒子であって、前記AAVベクターゲノムが、配列番号1797を含み、前記カプシドがVOY 101である、AAV粒子。
請求項160に記載のAAV粒子を含む医薬組成物であって、塩化ナトリウム、リン酸ナトリウム、塩化カリウム、リン酸カリウムおよびポロキサマー188を含み、任意選択で、192mM塩化ナトリウム、10mMリン酸ナトリウム、2.7mM塩化カリウム、2mMリン酸カリウムおよび0.001%ポロキサマー188(v/v)を含み、前記組成物のpHが7.4である、医薬組成物。
AAVベクターゲノムおよびカプシドを含むAAV粒子であって、前記AAVベクターゲノムが、配列番号1801を含み、前記カプシドがVOY 101である、AAV粒子。
請求項162に記載のAAV粒子を含む医薬組成物であって、塩化ナトリウム、リン酸ナトリウム、塩化カリウム、リン酸カリウムおよびポロキサマー188を含み、任意選択で、192mM塩化ナトリウム、10mMリン酸ナトリウム、2.7mM塩化カリウム、2mMリン酸カリウムおよび0.001%ポロキサマー188(v/v)を含み、前記組成物のpHが7.4である、医薬組成物。
AAVベクターゲノムおよびカプシドを含むAAV粒子であって、前記AAVベクターゲノムが、配列番号1808を含み、前記カプシドがVOY 101である、AAV粒子。
請求項164に記載のAAV粒子を含む医薬組成物であって、塩化ナトリウム、リン酸ナトリウム、塩化カリウム、リン酸カリウムおよびポロキサマー188を含み、任意選択で、192mM塩化ナトリウム、10mMリン酸ナトリウム、2.7mM塩化カリウム、2mMリン酸カリウムおよび0.001%ポロキサマー188(v/v)を含み、前記組成物のpHが7.4である、医薬組成物。
AAVベクターゲノムおよびカプシドを含むAAV粒子であって、前記AAVベクターゲノムが、配列番号1809を含み、前記カプシドがVOY 101である、AAV粒子。
請求項166に記載のAAV粒子を含む医薬組成物であって、塩化ナトリウム、リン酸ナトリウム、塩化カリウム、リン酸カリウムおよびポロキサマー188を含み、任意選択で、192mM塩化ナトリウム、10mMリン酸ナトリウム、2.7mM塩化カリウム、2mMリン酸カリウムおよび0.001%ポロキサマー188(v/v)を含み、前記組成物のpHが7.4である、医薬組成物。
神経学的または神経筋障害を治療する方法であって、請求項154乃至159、161、163、165または167のいずれか1項に記載の医薬組成物を対象に投与する工程を含む方法。
前記医薬組成物の投与が、減少したフラタキシンタンパク質レベルに関連する障害を有さない対象中の等価な標的細胞におけるフラタキシン発現と比較して、前記対象の標的細胞におけるフラタキシンタンパク質発現の0.5×〜3.0×の増加をもたらす、請求項168乃至170のいずれか1項に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0040】
I.組成物
アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター
パルボウイルス科のウイルスは、一本鎖DNAゲノムによって特徴付けられる小型非エンベロープ二十面体カプシドウイルスである。パルボウイルス科ウイルスは、2つの亜科:脊椎動物に感染するパルボウイルス亜科および無脊椎動物に感染するデンソウイルス亜科からなる。このウイルスファミリーは、標準的分子生物学技法を使用して操ることができる比較的単純な構造に起因して、生物学的ツールとして有用であり得る。ウイルスのゲノムは、所望の核酸コンストラクトまたはペイロード、例えば、トランス遺伝子、ポリペプチドコード化ポリヌクレオチドもしくはFXNを有するかまたはそれを発現もしくは送達するように操作されている機能的組換えウイルスまたはウイルス粒子をアセンブリするための最低限の成分を含有するように改変することができ、それを、標的細胞、組織、または生物に送達することができる。一部の実施形態において、標的細胞は、CNS細胞である。一部の実施形態において、標的組織は、CNS組織である。
【0041】
パルボウイルスおよびパルボウイルス科の他のメンバーは、ケネス I.ベルン(Kenneth I.Berns)、「パルボウイルス科:ウイルスおよびそれらの複製(The Viruses and Their Replication)」、FIELDS VIROLOGY(第3版、1996年)の第69章に概説されている。その内容は本明細書において全体として参照により援用される。
【0042】
パルボウイルス科は、限定はされないが、ヒト、霊長類、ウシ、イヌ、ウマ、およびヒツジ種を含む脊椎動物宿主において複製可能なアデノ随伴ウイルス(AAV)を含むディペンドウイルス属を含む。
【0043】
アデノ随伴ウイルス(AAV)は、約5000ヌクレオチド長のゲノムを有する一本鎖非エンベロープDNAウイルスであり、複製を担うタンパク質(Rep)およびカプシドの構造タンパク質(Cap)をコードする2つのオープンリーディングフレームを含有する、依存性パルボウイルス(他のパルボウイルスと同様)である。これらのオープンリーディングフレームには、ウイルスゲノムの複製起点として働く2つの末端逆位配列(ITR)配列が隣接する。野生型AAVウイルスゲノムは、2つのオープンリーディングフレームについてのヌクレオチド配列を含み、1つのオープンリーディングフレームは、4つの非構造Repタンパク質(Rep遺伝子によってコードされるRep78、Rep68、Rep52、Rep40)についてのものであり、1つのオープンリーディングフレームは、3つのカプシドすなわち構造タンパク質(カプシド遺伝子すなわちCap遺伝子によってコードされるVP1、VP2、VP3)についてのものである。Repタンパク質は、複製およびパッケージングにとって重要であるが、カプシドタンパク質は、アセンブルして、AAVのタンパク質シェルすなわちAAVカプシドを創出する。選択的スプライシングならびに選択的開始コドンおよびプロモータは、単一のオープンリーディングフレームからの4つの異なるRepタンパク質の生成および単一のオープンリーディングフレームからの3つのカプシドタンパク質の生成をもたらす。AAV血清型、非限定的な例として、AAV9/hu.14(米国特許第7,906,111号明細書(その内容は全体として本願明細書に援用される)の配列番号123)によって異なるが、VP1は、アミノ酸1〜736を指し、VP2は、アミノ酸138〜736を指し、VP3は、アミノ酸203〜736を指す。言い換えると、VP1は全長カプシド配列であるが、VP2およびVP3は、全体のより短い成分である。結果として、VP3領域中の配列における変化は、VP1およびVP2に対する変化でもあるが、VP3がこれら3つのうち最も短い配列なので、親配列と比較したパーセント差異は、VP3で最も高くなるであろう。アミノ酸配列と関連して本明細書に記載しているが、これらのタンパク質をコードする核酸配列も、同様に記載することもできる。一緒になって、3つのカプシドタンパク質はアセンブルして、AAVカプシドタンパク質を創出する。理論によって束縛されることを望むものではないが、AAVカプシドタンパク質は、典型的には、1:1:10のモル比のVP1:VP2:VP3を含む。本明細書で使用されるとき、「AAV血清型」は、AAVカプシドによって主に定義される。一部の場合において、ITRもまた、AAV血清型によって具体的に記載される(例えば、AAV2/9)。
【0044】
AAVベクターは、典型的には、感染細胞において増殖性感染を受けるために、コヘルパー(co−helper)(例えば、アデノウイルス)を必要とする。かかるヘルパー機能が存在しない場合、AAVビリオンは本質的に、宿主細胞に進入するが、細胞のゲノム中には組み込まれない。本明細書で使用されるとき、用語「AAVベクター」または「AAV粒子」は、カプシドとポリヌクレオチドペイロードを含むウイルスゲノムとを含む。本明細書で使用されるとき、「ペイロード」または「ペイロード領域」は、ウイルスゲノムによりもしくはその内にコードされる1つ以上のポリヌクレオチドもしくはポリヌクレオチド領域、またはかかるポリヌクレオチドもしくはポリヌクレオチド領域、例えばトランス遺伝子、ポリペプチドもしくはマルチポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、例えばFXNを指す。
【0045】
AAVベクターは、幾つかの固有の特徴に起因して、送達について調査されてきた。特徴の非限定的な例としては、(i)分裂細胞および非分裂細胞の両方に感染する能力;(ii)ヒト細胞を含む、感染性のための広い宿主範囲;(iii)野生型AAVは、いずれの疾患にも関連付けられておらず、感染細胞において複製しないことが示されている;(iv)ベクターに対する細胞媒介性免疫応答が欠如している、ならびに(v)長期の遺伝子変更の潜在性を低減させる、宿主染色体中に組み込まれない性質、が挙げられる。更に、AAVベクターによる感染は、細胞遺伝子発現のパターンを変化させることに対して最小限の影響を有する(スティルウェルおよびサムルスキーら(Stilwell and Samulski et al.),Biotechniques,2003,34,148(その内容は全体として本願明細書に援用される))。
【0046】
典型的には、FXN送達のためのAAVベクターは、ウイルスゲノム内に機能的RepおよびCapタンパク質をコードする配列を欠如するので、複製欠損型である組換えウイルスベクターであり得る。一部のケースにおいて、欠損AAVベクターは、ほとんどのまたは全てのコード配列を欠如してもよく、1つまたは2つのAAV ITR配列およびペイロード配列のみを本質的に含有する。特定の実施形態において、ウイルスゲノムは、FXNをコードする。例えば、ウイルスゲノムは、ヒトFXNをコードする。
【0047】
一実施形態において、本開示のAAV粒子は、哺乳類細胞に導入することができる。
AAVベクターは、送達の効率を増強するために改変することができる。本開示のかかる改変されたAAVベクターは、効率的にパッケージングすることができ、高頻度でおよび最低限の毒性で標的細胞への感染を成功させるために使用することができる。
【0048】
他の実施形態において、本開示のAAV粒子は、FXNを中枢神経系に送達するために使用することができる(例えば、米国特許第6,180,613号明細書を参照されたい;その内容は全体として本願明細書に援用される)。
【0049】
AAV血清型
本開示のAAV粒子は、任意の天然または組換えAAV血清型を含んでもよく、またはそれに由来してもよい。本開示によれば、AAV粒子は、以下のいずれか、VOY101、VOY201、AAV9、AAV9 K449R、AAVPHP.B(PHP.B)、AAVPHP.A(PHP.A)、AAVG2B−26、AAVG2B−13、AAVTH1.1−32、AAVTH1.1−35、AAVPHP.B2(PHP.B2)、AAVPHP.B3(PHP.B3)、AAVPHP.N/PHP.B−DGT、AAVPHP.B−EST、AAVPHP.B−GGT、AAVPHP.B−ATP、AAVPHP.B−ATT−T、AAVPHP.B−DGT−T、AAVPHP.B−GGT−T、AAVPHP.B−SGS、AAVPHP.B−AQP、AAVPHP.B−QQP、AAVPHP.B−SNP(3)、AAVPHP.B−SNP、AAVPHP.B−QGT、AAVPHP.B−NQT、AAVPHP.B−EGS、AAVPHP.B−SGN、AAVPHP.B−EGT、AAVPHP.B−DST、AAVPHP.B−DST、AAVPHP.B−STP、AAVPHP.B−PQP、AAVPHP.B−SQP、AAVPHP.B−QLP、AAVPHP.B−TMP、AAVPHP.B−TTP、AAVPHP.S/G2A12、AAVG2A15/G2A3(G2A3)、AAVG2B4(G2B4)、AAVG2B5(G2B5)、PHP.S、AAV1、AAV2、AAV2G9、AAV3、AAV3a、AAV3b、AAV3−3、AAV4、AAV4−4、AAV5、AAV6、AAV6.1、AAV6.2、AAV6.1.2、AAV7、AAV7.2、AAV8、AAV9、AAV9.11、AAV9.13、AAV9.16、AAV9.24、AAV9.45、AAV9.47、AAV9.61、AAV9.68、AAV9.84、AAV9.9、AAV10、AAV11、AAV12、AAV16.3、AAV24.1、AAV27.3、AAV42.12、AAV42−1b、AAV42−2、AAV42−3a、AAV42−3b、AAV42−4、AAV42−5a、AAV42−5b、AAV42−6b、AAV42−8、AAV42−10、AAV42−11、AAV42−12、AAV42−13、AAV42−15、AAV42−aa、AAV43−1、AAV43−12、AAV43−20、AAV43−21、AAV43−23、AAV43−25、AAV43−5、AAV44.1、AAV44.2、AAV44.5、AAV223.1、AAV223.2、AAV223.4、AAV223.5、AAV223.6、AAV223.7、AAV1−7/rh.48、AAV1−8/rh.49、AAV2−15/rh.62、AAV2−3/rh.61、AAV2−4/rh.50、AAV2−5/rh.51、AAV3.1/hu.6、AAV3.1/hu.9、AAV3−9/rh.52、AAV3−11/rh.53、AAV4−8/r11.64、AAV4−9/rh.54、AAV4−19/rh.55、AAV5−3/rh.57、AAV5−22/rh.58、AAV7.3/hu.7、AAV16.8/hu.10、AAV16.12/hu.11、AAV29.3/bb.1、AAV29.5/bb.2、AAV106.1/hu.37、AAV114.3/hu.40、AAV127.2/hu.41、AAV127.5/hu.42、AAV128.3/hu.44、AAV130.4/hu.48、AAV145.1/hu.53、AAV145.5/hu.54、AAV145.6/hu.55、AAV161.10/hu.60、AAV161.6/hu.61、AAV33.12/hu.17、AAV33.4/hu.15、AAV33.8/hu.16、AAV52/hu.19、AAV52.1/hu.20、AAV58.2/hu.25、AAVA3.3、AAVA3.4、AAVA3.5、AAVA3.7、AAVC1、AAVC2、AAVC5、AAV−DJ、AAV−DJ8、AAVF3、AAVF5、AAVH2、AAVrh.72、AAVhu.8、AAVrh.68、AAVrh.70、AAVpi.1、AAVpi.3、AAVpi.2、AAVrh.60、AAVrh.44、AAVrh.65、AAVrh.55、AAVrh.47、AAVrh.69、AAVrh.45、AAVrh.59、AAVhu.12、AAVH6、AAVLK03、AAVH−1/hu.1、AAVH−5/hu.3、AAVLG−10/rh.40、AAVLG−4/rh.38、AAVLG−9/hu.39、AAVN721−8/rh.43、AAVCh.5、AAVCh.5R1、AAVcy.2、AAVcy.3、AAVcy.4、AAVcy.5、AAVCy.5R1、AAVCy.5R2、AAVCy.5R3、AAVCy.5R4、AAVcy.6、AAVhu.1、AAVhu.2、AAVhu.3、AAVhu.4、AAVhu.5、AAVhu.6、AAVhu.7、AAVhu.9、AAVhu.10、AAVhu.11、AAVhu.13、AAVhu.15、AAVhu.16、AAVhu.17、AAVhu.18、AAVhu.20、AAVhu.21、AAVhu.22、AAVhu.23.2、AAVhu.24、AAVhu.25、AAVhu.27、AAVhu.28、AAVhu.29、AAVhu.29R、AAVhu.31、AAVhu.32、AAVhu.34、AAVhu.35、AAVhu.37、AAVhu.39、AAVhu.40、AAVhu.41、AAVhu.42、AAVhu.43、AAVhu.44、AAVhu.44R1、AAVhu.44R2、AAVhu.44R3、AAVhu.45、AAVhu.46、AAVhu.47、AAVhu.48、AAVhu.48R1、AAVhu.48R2、AAVhu.48R3、AAVhu.49、AAVhu.51、AAVhu.52、AAVhu.54、AAVhu.55、AAVhu.56、AAVhu.57、AAVhu.58、AAVhu.60、AAVhu.61、AAVhu.63、AAVhu.64、AAVhu.66、AAVhu.67、AAVhu.14/9、AAVhu.t 19、AAVrh.2、AAVrh.2R、AAVrh.8、AAVrh.8R、AAVrh.10、AAVrh.12、AAVrh.13、AAVrh.13R、AAVrh.14、AAVrh.17、AAVrh.18、AAVrh.19、AAVrh.20、AAVrh.21、AAVrh.22、AAVrh.23、AAVrh.24、AAVrh.25、AAVrh.31、AAVrh.32、AAVrh.33、AAVrh.34、AAVrh.35、AAVrh.36、AAVrh.37、AAVrh.37R2、AAVrh.38、AAVrh.39、AAVrh.40、AAVrh.46、AAVrh.48、AAVrh.48.1、AAVrh.48.1.2、AAVrh.48.2、AAVrh.49、AAVrh.51、AAVrh.52、AAVrh.53、AAVrh.54、AAVrh.56、AAVrh.57、AAVrh.58、AAVrh.61、AAVrh.64、AAVrh.64R1、AAVrh.64R2、AAVrh.67、AAVrh.73、AAVrh.74、AAVrh8R、AAVrh8R A586R突然変異体、AAVrh8R R533A突然変異体、AAAV、BAAV、ヤギAAV、ウシAAV、AAVhE1.1、AAVhEr1.5、AAVhER1.14、AAVhEr1.8、AAVhEr1.16、AAVhEr1.18、AAVhEr1.35、AAVhEr1.7、AAVhEr1.36、AAVhEr2.29、AAVhEr2.4、AAVhEr2.16、AAVhEr2.30、AAVhEr2.31、AAVhEr2.36、AAVhER1.23、AAVhEr3.1、AAV2.5T、AAV−PAEC、AAV−LK01、AAV−LK02、AAV−LK03、AAV−LK04、AAV−LK05、AAV−LK06、AAV−LK07、AAV−LK08、AAV−LK09、AAV−LK10、AAV−LK11、AAV−LK12、AAV−LK13、AAV−LK14、AAV−LK15、AAV−LK16、AAV−LK17、AAV−LK18、AAV−LK19、AAV−PAEC2、AAV−PAEC4、AAV−PAEC6、AAV−PAEC7、AAV−PAEC8、AAV−PAEC11、AAV−PAEC12、AAV−2−pre−miRNA−101、AAV−8h、AAV−8b、AAV−h、AAV−b、AAV SM 10−2、AAVシャッフル100−1、AAVシャッフル100−3、AAVシャッフル100−7、AAVシャッフル10−2、AAVシャッフル10−6、AAVシャッフル10−8、AAVシャッフル100−2、AAV SM 10−1、AAV SM 10−8、AAV SM 100−3、AAV SM 100−10、BNP61 AAV、BNP62 AAV、BNP63 AAV、AAVrh.50、AAVrh.43、AAVrh.62、AAVrh.48、AAVhu.19、AAVhu.11、AAVhu.53、AAV4−8/rh.64、AAVLG−9/hu.39、AAV54.5/hu.23、AAV54.2/hu.22、AAV54.7/hu.24、AAV54.1/hu.21、AAV54.4R/hu.27、AAV46.2/hu.28、AAV46.6/hu.29、AAV128.1/hu.43、トゥルータイプAAV(ttAAV)、UPENN AAV 10、ジャパニーズAAV10血清型、AAV CBr−7.1、AAV CBr−7.10、AAV CBr−7.2、AAV CBr−7.3、AAV CBr−7.4、AAV CBr−7.5、AAV CBr−7.7、AAV CBr−7.8、AAV CBr−B7.3、AAV CBr−B7.4、AAV CBr−E1、AAV CBr−E2、AAV CBr−E3、AAV CBr−E4、AAV CBr−E5、AAV CBr−e5、AAV CBr−E6、AAV CBr−E7、AAV CBr−E8、AAV CHt−1、AAV CHt−2、AAV CHt−3、AAV CHt−6.1、AAV CHt−6.10、AAV CHt−6.5、AAV CHt−6.6、AAV CHt−6.7、AAV CHt−6.8、AAV CHt−P1、AAV CHt−P2、AAV CHt−P5、AAV CHt−P6、AAV CHt−P8、AAV CHt−P9、AAV CKd−1、AAV CKd−10、AAV CKd−2、AAV CKd−3、AAV CKd−4、AAV CKd−6、AAV CKd−7、AAV CKd−8、AAV CKd−B1、AAV CKd−B2、AAV CKd−B3、AAV CKd−B4、AAV CKd−B5、AAV CKd−B6、AAV CKd−B7、AAV CKd−B8、AAV CKd−H1、AAV CKd−H2、AAV CKd−H3、AAV CKd−H4、AAV CKd−H5、AAV CKd−H6、AAV CKd−N3、AAV CKd−N4、AAV CKd−N9、AAV CLg−F1、AAV CLg−F2、AAV CLg−F3、AAV CLg−F4、AAV CLg−F5、AAV CLg−F6、AAV CLg−F7、AAV CLg−F8、AAV CLv−1、AAV CLv1−1、AAV Clv1−10、AAV CLv1−2、AAV CLv−12、AAV CLv1−3、AAV CLv−13、AAV CLv1−4、AAV Clv1−7、AAV Clv1−8、AAV Clv1−9、AAV CLv−2、AAV CLv−3、AAV CLv−4、AAV CLv−6、AAV CLv−8、AAV CLv−D1、AAV CLv−D2、AAV CLv−D3、AAV CLv−D4、AAV CLv−D5、AAV CLv−D6、AAV CLv−D7、AAV CLv−D8、AAV CLv−E1、AAV CLv−K1、AAV CLv−K3、A
AV CLv−K6、AAV CLv−L4、AAV CLv−L5、AAV CLv−L6、AAV CLv−M1、AAV CLv−M11、AAV CLv−M2、AAV CLv−M5、AAV CLv−M6、AAV CLv−M7、AAV CLv−M8、AAV CLv−M9、AAV CLv−R1、AAV CLv−R2、AAV CLv−R3、AAV CLv−R4、AAV CLv−R5、AAV CLv−R6、AAV CLv−R7、AAV CLv−R8、AAV CLv−R9、AAV CSp−1、AAV CSp−10、AAV CSp−11、AAV CSp−2、AAV CSp−3、AAV CSp−4、AAV CSp−6、AAV CSp−7、AAV CSp−8、AAV CSp−8.10、AAV CSp−8.2、AAV CSp−8.4、AAV CSp−8.5、AAV CSp−8.6、AAV CSp−8.7、AAV CSp−8.8、AAV CSp−8.9、AAV CSp−9、AAV.hu.48R3、AAV.VR−355、AAV3B、AAV4、AAV5、AAVF1/HSC1、AAVF11/HSC11、AAVF12/HSC12、AAVF13/HSC13、AAVF14/HSC14、AAVF15/HSC15、AAVF16/HSC16、AAVF17/HSC17、AAVF2/HSC2、AAVF3/HSC3、AAVF4/HSC4、AAVF5/HSC5、AAVF6/HSC6、AAVF7/HSC7、AAVF8/HSC8、および/またはAAVF9/HSC9、ならびにそれらのバリアントまたはハイブリッド/キメラ/組合せから選択される血清型を利用してもよく、またはそれをベースとしてもよく、あるいは、それらから選択されるペプチドを含んでもよい。
【0050】
一部の実施形態において、本明細書で開示される組成物において使用されるAAV血清型は、限定はされないが、AAV1(米国特許出願公開第20030138772号明細書の配列番号6および64)、AAV2(米国特許出願公開第20030138772号明細書の配列番号7および70)、AAV3(米国特許出願公開第20030138772号明細書の配列番号8および71)、AAV4(米国特許出願公開第20030138772号明細書の配列番号63)、AAV5(米国特許出願公開第20030138772号明細書の配列番号114)、AAV6(米国特許出願公開第20030138772号明細書の配列番号65)、AAV7(米国特許出願公開第20030138772号明細書の配列番号1〜3)、AAV8(米国特許出願公開第20030138772号明細書の配列番号4および95)、AAV9(米国特許出願公開第20030138772号明細書の配列番号5および100)、AAV10(米国特許出願公開第20030138772号明細書の配列番号117)、AAV11(米国特許出願公開第20030138772号明細書の配列番号118)、AAV12(米国特許出願公開第20030138772号明細書の配列番号119)、AAVrh10(米国特許出願公開第20030138772号明細書の配列番号81のアミノ酸1〜738)、AAV16.3(米国特許出願公開第20030138772号明細書 配列番号10)、AAV29.3/bb.1(米国特許出願公開第20030138772号明細書 配列番号11)、AAV29.4(米国特許出願公開第20030138772号明細書 配列番号12)、AAV29.5/bb.2(米国特許出願公開第20030138772号明細書 配列番号13)、AAV1.3(米国特許出願公開第20030138772号明細書 配列番号14)、AAV13.3(米国特許出願公開第20030138772号明細書 配列番号15)、AAV24.1(米国特許出願公開第20030138772号明細書 配列番号16)、AAV27.3(米国特許出願公開第20030138772号明細書 配列番号17)、AAV7.2(米国特許出願公開第20030138772号明細書 配列番号18)、AAVC1(米国特許出願公開第20030138772号明細書 配列番号19)、AAVC3(米国特許出願公開第20030138772号明細書 配列番号20)、AAVC5(米国特許出願公開第20030138772号明細書 配列番号21)、AAVF1(米国特許出願公開第20030138772号明細書 配列番号22)、AAVF3(米国特許出願公開第20030138772号明細書 配列番号23)、AAVF5(米国特許出願公開第20030138772号明細書 配列番号24)、AAVH6(米国特許出願公開第20030138772号明細書 配列番号25)、AAVH2(米国特許出願公開第20030138772号明細書 配列番号26)、AAV42−8(米国特許出願公開第20030138772号明細書 配列番号27)、AAV42−15(米国特許出願公開第20030138772号明細書 配列番号28)、AAV42−5b(米国特許出願公開第20030138772号明細書 配列番号29)、AAV42−1b(米国特許出願公開第20030138772号明細書 配列番号30)、AAV42−13(米国特許出願公開第20030138772号明細書 配列番号31)、AAV42−3a(米国特許出願公開第20030138772号明細書 配列番号32)、AAV42−4(米国特許出願公開第20030138772号明細書 配列番号33)、AAV42−5a(米国特許出願公開第20030138772号明細書 配列番号34)、AAV42−10(米国特許出願公開第20030138772号明細書 配列番号35)、AAV42−3b(米国特許出願公開第20030138772号明細書 配列番号36)、AAV42−11(米国特許出願公開第20030138772号明細書 配列番号37)、AAV42−6b(米国特許出願公開第20030138772号明細書 配列番号38)、AAV43−1(米国特許出願公開第20030138772号明細書 配列番号39)、AAV43−5(米国特許出願公開第20030138772号明細書 配列番号40)、AAV43−12(米国特許出願公開第20030138772号明細書 配列番号41)、AAV43−20(米国特許出願公開第20030138772号明細書 配列番号42)、AAV43−21(米国特許出願公開第20030138772号明細書 配列番号43)、AAV43−23(米国特許出願公開第20030138772号明細書 配列番号44)、AAV43−25(米国特許出願公開第20030138772号明細書 配列番号45)、AAV44.1(米国特許出願公開第20030138772号明細書 配列番号46)、AAV44.5(米国特許出願公開第20030138772号明細書 配列番号47)、AAV223.1(米国特許出願公開第20030138772号明細書 配列番号48)、AAV223.2(米国特許出願公開第20030138772号明細書 配列番号49)、AAV223.4(米国特許出願公開第20030138772号明細書 配列番号50)、AAV223.5(米国特許出願公開第20030138772号明細書 配列番号51)、AAV223.6(米国特許出願公開第20030138772号明細書 配列番号52)、AAV223.7(米国特許出願公開第20030138772号明細書 配列番号53)、AAVA3.4(米国特許出願公開第20030138772号明細書 配列番号54)、AAVA3.5(米国特許出願公開第20030138772号明細書 配列番号55)、AAVA3.7(米国特許出願公開第20030138772号明細書 配列番号56)、AAVA3.3(米国特許出願公開第20030138772号明細書 配列番号57)、AAV42.12(米国特許出願公開第20030138772号明細書 配列番号58)、AAV44.2(米国特許出願公開第20030138772号明細書 配列番号59)、AAV42−2(米国特許出願公開第20030138772号明細書 配列番号9)など、米国特許出願公開第20030138772号明細書(その内容は全体として本願明細書に援用される)に記載される配列、またはそれらのバリアントもしくはハイブリッド/キメラ/組合せであってもよく、またはそれを含んでもよい。
【0051】
一部の実施形態において、AAV血清型は、限定はされないが、AAV2(米国特許出願公開第20150159173号明細書の配列番号7および23)、rh20(米国特許出願公開第20150159173号明細書の配列番号1)、rh32/33(米国特許出願公開第20150159173号明細書の配列番号2)、rh39(米国特許出願公開第20150159173号明細書の配列番号3、20および36)、rh46(米国特許出願公開第20150159173号明細書の配列番号4および22)、rh73(米国特許出願公開第20150159173号明細書の配列番号5)、rh74(米国特許出願公開第20150159173号明細書の配列番号6)、AAV6.1(米国特許出願公開第20150159173号明細書の配列番号29)、rh.8(米国特許出願公開第20150159173号明細書の配列番号41)、rh.48.1(米国特許出願公開第20150159173号明細書の配列番号44)、hu.44(米国特許出願公開第20150159173号明細書の配列番号45)、hu.29(米国特許出願公開第20150159173号明細書の配列番号42)、hu.48(米国特許出願公開第20150159173号明細書の配列番号38)、rh54(米国特許出願公開第20150159173号明細書の配列番号49)、AAV2(米国特許出願公開第20150159173号明細書の配列番号7)、cy.5(米国特許出願公開第20150159173号明細書の配列番号8および24)、rh.10(米国特許出願公開第20150159173号明細書の配列番号9および25)、rh.13(米国特許出願公開第20150159173号明細書の配列番号10および26)、AAV1(米国特許出願公開第20150159173号明細書の配列番号11および27)、AAV3(米国特許出願公開第20150159173号明細書の配列番号12および28)、AAV6(米国特許出願公開第20150159173号明細書の配列番号13および29)、AAV7(米国特許出願公開第20150159173号明細書の配列番号14および30)、AAV8(米国特許出願公開第20150159173号明細書の配列番号15および31)、hu.13(米国特許出願公開第20150159173号明細書の配列番号16および32)、hu.26(米国特許出願公開第20150159173号明細書の配列番号17および33)、hu.37(米国特許出願公開第20150159173号明細書の配列番号18および34)、hu.53(米国特許出願公開第20150159173号明細書の配列番号19および35)、rh.43(米国特許出願公開第20150159173号明細書の配列番号21および37)、rh2(米国特許出願公開第20150159173号明細書の配列番号39)、rh.37(米国特許出願公開第20150159173号明細書の配列番号40)、rh.64(米国特許出願公開第20150159173号明細書の配列番号43)、rh.48(米国特許出願公開第20150159173号明細書の配列番号44)、ch.5(米国特許出願公開第20150159173号明細書の配列番号46)、rh.67(米国特許出願公開第20150159173号明細書の配列番号47)、rh.58(米国特許出願公開第20150159173号明細書の配列番号48)、またはそれらのバリアントなど、限定はされないが、Cy5R1、Cy5R2、Cy5R3、Cy5R4、rh.13R、rh.37R2、rh.2R、rh.8R、rh.48.1、rh.48.2、rh.48.1.2、hu.44R1、hu.44R2、hu.44R3、hu.29R、ch.5R1、rh64R1、rh64R2、AAV6.2、AAV6.1、AAV6.12、hu.48R1、hu.48R2、もしくはhu.48R3など、米国特許出願公開第20150159173号明細書(その内容は本明細書において全体として参照により援用される)に記載される通りの配列、またはそれらのバリアントもしくはハイブリッド/キメラ/組合せであってもよく、またはそれを含んでもよい。
【0052】
一部の実施形態において、AAV血清型は、限定はされないが、AAV9(米国特許第7198951号明細書の配列番号1〜3)、AAV2(米国特許第7198951号明細書の配列番号4)、AAV1(米国特許第7198951号明細書の配列番号5)、AAV3(米国特許第7198951号明細書の配列番号6)もしくはAAV8(米国特許第7198951号明細書の配列番号7)など、米国特許第7198951号明細書(その内容は全体として本願明細書に援用される)に記載される配列、またはそれらのバリアントもしくはハイブリッド/キメラ/組合せであってもよく、またはそれを含んでもよい。
【0053】
一部の実施形態において、AAV血清型は、限定はされないが、AAV9.9、AAV9.11、AAV9.13、AAV9.16、AAV9.24、AAV9.45、AAV9.47、AAV9.61、AAV9.68、もしくはAAV9.84など、N・プリチャーラ(N Pulicherla)ら(Molecular Therapy、第19巻、第6号、p.1070〜1078、2011年、その内容は本明細書において全体として参照により援用される)により記載される通りのAAV9配列、またはそれらのバリアントであってもよい。
【0054】
一部の実施形態において、AAV血清型は、限定はされないが、AAV3B(米国特許第6156303号明細書の配列番号1および10)、AAV6(米国特許第6156303号明細書の配列番号2、7および11)、AAV2(米国特許第6156303号明細書の配列番号3および8)、AAV3A(米国特許第6156303号明細書の配列番号4および9)など、米国特許第6156303号明細書(その内容は全体として本願明細書に援用される)に記載される配列、またはそれらの誘導体もしくはバリアントもしくはハイブリッド/キメラ/組合せであってもよく、またはそれを含んでもよい。
【0055】
一部の実施形態において、AAV血清型は、限定はされないが、AAV8(米国特許出願公開第20140359799号明細書の配列番号1)、AAVDJ(米国特許出願公開第20140359799号明細書の配列番号2および3)、またはそれらのバリアントなど、米国特許出願公開第20140359799号明細書(その内容は本明細書において全体として参照により援用される)に記載される通りの配列であってもよく、またはそれを含んでもよい。
【0056】
一部の実施形態において、血清型は、グリム(Grimm)ら(Journal of Virology、第82巻、第12号、p.5887〜5911、2008年、本明細書において全体として参照により援用される)により記載される通り、AAVDJまたはそのバリアント、例えばAAVDJ8(またはAAV−DJ8)であってもよい。AAVDJ8のアミノ酸配列は、ヘパリン結合ドメイン(HBD)を除去するのに有効な2つ以上の突然変異を含み得る。非限定的な例として、米国特許第7,588,772号明細書(その内容は本明細書において全体として参照により援用される)に配列番号1として記載されるAAV−DJ配列は、2つの突然変異:(1)R587Q[アミノ酸587のアルギニン(R;Arg)がグルタミン(Q;Gln)に変更される]および(2)R590T[アミノ酸590のアルギニン(R;Arg)がスレオニン(T;Thr)に変更される]を含み得る。別の非限定的な例として、米国特許第7,588,772号明細書に記載されるAAV−DJ配列は、3つの突然変異:(1)K406R[アミノ酸406のリシン(K;Lys)がアルギニン(R;Arg)に変更される]、(2)R587Q[アミノ酸587のアルギニン(R;Arg)がグルタミン(Q;Gln)に変更される]、および(3)R590T[アミノ酸590のアルギニン(R;Arg)がスレオニン(T;Thr)に変更される]を含み得る。
【0057】
一部の実施形態において、AAV血清型は、限定はされないが、AAV4(国際公開第1998011244号パンフレットの配列番号1〜20)など、国際公開第1998011244号パンフレット(その内容は本明細書において全体として参照により援用される)に記載される通りのAAV4の配列であってもよく、またはそれを含んでもよい。
【0058】
一部の実施形態において、AAV血清型は、国際公開第2014144229号パンフレットに記載されおよび本明細書において全体として参照により援用される通りのAAV2G9を生じさせるAAV2配列における突然変異であってもよく、またはそれを含んでもよい。
【0059】
一部の実施形態において、AAV血清型は、限定はされないが、AAV3−3(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号217)、AAV1(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号219および202)、AAV106.1/hu.37(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号10)、AAV114.3/hu.40(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号11)、AAV127.2/hu.41(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号6および8)、AAV128.3/hu.44(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号81)、AAV130.4/hu.48(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号78)、AAV145.1/hu.53(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号176および177)、AAV145.6/hu.56(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号168および192)、AAV16.12/hu.11(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号153および57)、AAV16.8/hu.10(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号156および56)、AAV161.10/hu.60(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号170)、AAV161.6/hu.61(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号174)、AAV1−7/rh.48(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号32)、AAV1−8/rh.49(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号103および25)、AAV2(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号211および221)、AAV2−15/rh.62(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号33および114)、AAV2−3/rh.61(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号21)、AAV2−4/rh.50(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号23および108)、AAV2−5/rh.51(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号104および22)、AAV3.1/hu.6(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号5および84)、AAV3.1/hu.9(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号155および58)、AAV3−11/rh.53(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号186および176)、AAV3−3(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号200)、AAV33.12/hu.17(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号4)、AAV33.4/hu.15(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号50)、AAV33.8/hu.16(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号51)、AAV3−9/rh.52(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号96および18)、AAV4−19/rh.55(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号117)、AAV4−4(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号201および218)、AAV4−9/rh.54(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号116)、AAV5(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号199および216)、AAV52.1/hu.20(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号63)、AAV52/hu.19(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号133)、AAV5−22/rh.58(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号27)、AAV5−3/rh.57(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号105)、AAV5−3/rh.57(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号26)、AAV58.2/hu.25(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号49)、AAV6(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号203および220)、AAV7(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号222および213)、AAV7.3/hu.7(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号55)、AAV8(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号223および214)、AAVH−1/hu.1(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号46)、AAVH−5/hu.3(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号44)、AAVhu.1(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号144)、AAVhu.10(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号156)、AAVhu.11(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号153)、AAVhu.12(国際公開第2005033321号パンフレット 配列番号59)、AAVhu.13(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号129)、AAVhu.14/AAV9(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号123および3)、AAVhu.15(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号147)、AAVhu.16(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号148)、AAVhu.17(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号83)、AAVhu.18(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号149)、AAVhu.19(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号133)、AAVhu.2(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号143)、AAVhu.20(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号134)、AAVhu.21(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号135)、AAVhu.22(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号138)、AAVhu.23.2(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号137)、AAVhu.24(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号136)、AAVhu.25(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号146)、AAVhu.27(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号140)、AAVhu.29(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号132)、AAVhu.3(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号145)、AAVhu.31(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号121)、AAVhu.32(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号122)、AAVhu.34(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号125)、AAVhu.35(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号164)、AAVhu.37(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号88)、AAVhu.39(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号102)、AAVhu.4(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号141)、AAVhu.40(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号87)、AAVhu.41(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号91)、AAVhu.42(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号85)、AAVhu.43(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号160)、AAVhu.44(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号144)、AAVhu.45(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号127)、AAVhu.46(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号159)、AAVhu.47(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号128)、AAVhu.48(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号157)、AAVhu.49(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号189)、AAVhu.51(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号190)、AAVhu.52(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号191)、AAVhu.53(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号186)、AAVhu.54(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号188)、AAVhu.55(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号187)、AAVhu.56(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号192)、AAVhu.57(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号193)、AAVhu.58(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号194)、AAVhu.6(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号84)、AAVhu.60(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号184)、AAVhu.61(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号185)、AAVhu.63(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号195)、AAVhu.64(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号196)、AAVhu.66(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号197)、AAVhu.67(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号198)、AAVhu.7(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号150)、AAVhu.8(国際公開第2005033321号パンフレット 配列番号12)、AAVhu.9(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号155)、AAVLG−10/rh.40(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号14)、AAVLG−4/rh.38(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号86)、AAVLG−4/rh.38(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号7)、AAVN721−8/rh.43(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号163)、AAVN721−8/rh.43(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号43)、AAVpi.1(国際公開第2005033321号パンフレット 配列番号28)、AAVpi.2(国際公開第2005033321号パンフレット 配列番号30)、AAVpi.3(国際公開第2005033321号パンフレット 配列番号29)、AAVrh.38(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号86)、AAVrh.40(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号92)、AAVrh.43(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号163)、AAVrh.44(国際公開第2005033321号パンフレット 配列番号34)、AAVrh.45(国際公開第2005033321号パンフレット 配列番号41)、AAVrh.47(国際公開第2005033321号パンフレット 配列番号38)、AAVrh.48(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号115)、AAVrh.49(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号103)、AAVrh.50(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号108)、AAVrh.51(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号104)、AAVrh.52(国際公開第2005033
321号パンフレットの配列番号96)、AAVrh.53(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号97)、AAVrh.55(国際公開第2005033321号パンフレット 配列番号37)、AAVrh.56(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号152)、AAVrh.57(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号105)、AAVrh.58(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号106)、AAVrh.59(国際公開第2005033321号パンフレット 配列番号42)、AAVrh.60(国際公開第2005033321号パンフレット 配列番号31)、AAVrh.61(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号107)、AAVrh.62(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号114)、AAVrh.64(国際公開第2005033321号パンフレットの配列番号99)、AAVrh.65(国際公開第2005033321号パンフレット 配列番号35)、AAVrh.68(国際公開第2005033321号パンフレット 配列番号16)、AAVrh.69(国際公開第2005033321号パンフレット 配列番号39)、AAVrh.70(国際公開第2005033321号パンフレット 配列番号20)、AAVrh.72(国際公開第2005033321号パンフレット 配列番号9)、またはそれらのバリアントなど、限定はされないが、AAVcy.2、AAVcy.3、AAVcy.4、AAVcy.5、AAVcy.6、AAVrh.12、AAVrh.17、AAVrh.18、AAVrh.19、AAVrh.21、AAVrh.22、AAVrh.23、AAVrh.24、AAVrh.25、AAVrh.25/42 15、AAVrh.31、AAVrh.32、AAVrh.33、AAVrh.34、AAVrh.35、AAVrh.36、AAVrh.37、またはAAVrh14を含め、国際公開第2005033321号パンフレット(その内容は本明細書において全体として参照により援用される)に記載される通りの配列であってもよく、またはそれを含んでもよい。バリアントの非限定的な例としては、国際公開第2005033321号パンフレット(その内容は全体として本願明細書に援用される)の配列番号13、15、17、19、24、36、40、45、47、48、51、52、53、54、60、61、62、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、79、80、82、89、90、93、94、95、98、100、101、109、110、111、112、113、118、119、120、124、126、131、139、142、151、154、158、161、162、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、202、204、205、206、207、208、209、210、211、212、215、219、224、225、226、227、228、229、230、231、232、233、234、235または236が挙げられる。
【0060】
一部の実施形態において、AAV血清型は、限定はされないが、AAVrh8R(国際公開第2015168666号パンフレットの配列番号9)、AAVrh8R A586R突然変異体(国際公開第2015168666号パンフレットの配列番号10)、AAVrh8R R533A突然変異体(国際公開第2015168666号パンフレットの配列番号11)、またはそれらのバリアントなど、国際公開第2015168666号パンフレット(その内容は本明細書において全体として参照により援用される)に記載される通りの配列であってもよく、またはそれを含んでもよい。
【0061】
一部の実施形態において、AAV血清型は、限定はされないが、AAVhE1.1(米国特許第9233131号明細書の配列番号44)、AAVhEr1.5(米国特許第9233131号明細書の配列番号45)、AAVhER1.14(米国特許第9233131号明細書の配列番号46)、AAVhEr1.8(米国特許第9233131号明細書の配列番号47)、AAVhEr1.16(米国特許第9233131号明細書の配列番号48)、AAVhEr1.18(米国特許第9233131号明細書の配列番号49)、AAVhEr1.35(米国特許第9233131号明細書の配列番号50)、AAVhEr1.7(米国特許第9233131号明細書の配列番号51)、AAVhEr1.36(米国特許第9233131号明細書の配列番号52)、AAVhEr2.29(米国特許第9233131号明細書の配列番号53)、AAVhEr2.4(米国特許第9233131号明細書の配列番号54)、AAVhEr2.16(米国特許第9233131号明細書の配列番号55)、AAVhEr2.30(米国特許第9233131号明細書の配列番号56)、AAVhEr2.31(米国特許第9233131号明細書の配列番号58)、AAVhEr2.36(米国特許第9233131号明細書の配列番号57)、AAVhER1.23(米国特許第9233131号明細書の配列番号53)、AAVhEr3.1(米国特許第9233131号明細書の配列番号59)、AAV2.5T(米国特許第9233131号明細書の配列番号42)、またはそれらのバリアントなど、米国特許第9233131号明細書(その内容は本明細書において全体として参照により援用される)に記載される通りの配列であってもよく、またはそれを含んでもよい。
【0062】
一部の実施形態において、AAV血清型は、限定はされないが、AAV−PAEC(米国特許出願公開第20150376607号明細書の配列番号1)、AAV−LK01(米国特許出願公開第20150376607号明細書の配列番号2)、AAV−LK02(米国特許出願公開第20150376607号明細書の配列番号3)、AAV−LK03(米国特許出願公開第20150376607号明細書の配列番号4)、AAV−LK04(米国特許出願公開第20150376607号明細書の配列番号5)、AAV−LK05(米国特許出願公開第20150376607号明細書の配列番号6)、AAV−LK06(米国特許出願公開第20150376607号明細書の配列番号7)、AAV−LK07(米国特許出願公開第20150376607号明細書の配列番号8)、AAV−LK08(米国特許出願公開第20150376607号明細書の配列番号9)、AAV−LK09(米国特許出願公開第20150376607号明細書の配列番号10)、AAV−LK10(米国特許出願公開第20150376607号明細書の配列番号11)、AAV−LK11(米国特許出願公開第20150376607号明細書の配列番号12)、AAV−LK12(米国特許出願公開第20150376607号明細書の配列番号13)、AAV−LK13(米国特許出願公開第20150376607号明細書の配列番号14)、AAV−LK14(米国特許出願公開第20150376607号明細書の配列番号15)、AAV−LK15(米国特許出願公開第20150376607号明細書の配列番号16)、AAV−LK16(米国特許出願公開第20150376607号明細書の配列番号17)、AAV−LK17(米国特許出願公開第20150376607号明細書の配列番号18)、AAV−LK18(米国特許出願公開第20150376607号明細書の配列番号19)、AAV−LK19(米国特許出願公開第20150376607号明細書の配列番号20)、AAV−PAEC2(米国特許出願公開第20150376607号明細書の配列番号21)、AAV−PAEC4(米国特許出願公開第20150376607号明細書の配列番号22)、AAV−PAEC6(米国特許出願公開第20150376607号明細書の配列番号23)、AAV−PAEC7(米国特許出願公開第20150376607号明細書の配列番号24)、AAV−PAEC8(米国特許出願公開第20150376607号明細書の配列番号25)、AAV−PAEC11(米国特許出願公開第20150376607号明細書の配列番号26)、AAV−PAEC12(米国特許出願公開第20150376607号明細書の配列番号27)、またはそれらのバリアントなど、米国特許出願公開第20150376607号明細書(その内容は本明細書において全体として参照により援用される)に記載される通りの配列であってもよく、またはそれを含んでもよい。
【0063】
一部の実施形態において、AAV血清型は、限定はされないが、AAV−2−pre−miRNA−101(米国特許第9163261号明細書の配列番号1)、またはそのバリアントなど、米国特許第9163261号明細書(その内容は本明細書において全体として参照により援用される)に記載される通りの配列であってもよく、またはそれを含んでもよい。
【0064】
一部の実施形態において、AAV血清型は、限定はされないが、AAV−8h(米国特許出願公開第20150376240号明細書の配列番号6)、AAV−8b(米国特許出願公開第20150376240号明細書の配列番号5)、AAV−h(米国特許出願公開第20150376240号明細書の配列番号2)、AAV−b(米国特許出願公開第20150376240号明細書の配列番号1)、またはそれらのバリアントなど、米国特許出願公開第20150376240号明細書(その内容は本明細書において全体として参照により援用される)に記載される通りの配列であってもよく、またはそれを有してもよい。
【0065】
一部の実施形態において、AAV血清型は、限定はされないが、AAV SM 10−2(米国特許出願公開第20160017295号明細書の配列番号22)、AAVシャッフル100−1(米国特許出願公開第20160017295号明細書の配列番号23)、AAVシャッフル100−3(米国特許出願公開第20160017295号明細書の配列番号24)、AAVシャッフル100−7(米国特許出願公開第20160017295号明細書の配列番号25)、AAVシャッフル10−2(米国特許出願公開第20160017295号明細書の配列番号34)、AAVシャッフル10−6(米国特許出願公開第20160017295号明細書の配列番号35)、AAVシャッフル10−8(米国特許出願公開第20160017295号明細書の配列番号36)、AAVシャッフル100−2(米国特許出願公開第20160017295号明細書の配列番号37)、AAV SM 10−1(米国特許出願公開第20160017295号明細書の配列番号38)、AAV SM 10−8(米国特許出願公開第20160017295号明細書の配列番号39)、AAV SM 100−3(米国特許出願公開第20160017295号明細書の配列番号40)、AAV SM 100−10(米国特許出願公開第20160017295号明細書の配列番号41)、またはそれらのバリアントなど、米国特許出願公開第20160017295号明細書(その内容は本明細書において全体として参照により援用される)に記載される通りの配列であってもよく、またはそれを有してもよい。
【0066】
一部の実施形態において、AAV血清型は、限定はされないが、BNP61 AAV(米国特許出願公開第20150238550号明細書の配列番号1)、BNP62 AAV(米国特許出願公開第20150238550号明細書の配列番号3)、BNP63 AAV(米国特許出願公開第20150238550号明細書の配列番号4)、またはそれらのバリアントなど、米国特許出願公開第20150238550号明細書(その内容は本明細書において全体として参照により援用される)に記載される通りの配列であってもよく、またはそれを含んでもよい。
【0067】
一部の実施形態において、AAV血清型は、限定はされないが、AAVrh.50(米国特許出願公開第20150315612号明細書の配列番号108)、AAVrh.43(米国特許出願公開第20150315612号明細書の配列番号163)、AAVrh.62(米国特許出願公開第20150315612号明細書の配列番号114)、AAVrh.48(米国特許出願公開第20150315612号明細書の配列番号115)、AAVhu.19(米国特許出願公開第20150315612号明細書の配列番号133)、AAVhu.11(米国特許出願公開第20150315612号明細書の配列番号153)、AAVhu.53(米国特許出願公開第20150315612号明細書の配列番号186)、AAV4−8/rh.64(米国特許出願公開第20150315612号明細書の配列番号15)、AAVLG−9/hu.39(米国特許出願公開第20150315612号明細書の配列番号24)、AAV54.5/hu.23(米国特許出願公開第20150315612号明細書の配列番号60)、AAV54.2/hu.22(米国特許出願公開第20150315612号明細書の配列番号67)、AAV54.7/hu.24(米国特許出願公開第20150315612号明細書の配列番号66)、AAV54.1/hu.21(米国特許出願公開第20150315612号明細書の配列番号65)、AAV54.4R/hu.27(米国特許出願公開第20150315612号明細書の配列番号64)、AAV46.2/hu.28(米国特許出願公開第20150315612号明細書の配列番号68)、AAV46.6/hu.29(米国特許出願公開第20150315612号明細書の配列番号69)、AAV128.1/hu.43(米国特許出願公開第20150315612号明細書の配列番号80)、またはそれらのバリアントなど、米国特許出願公開第20150315612号明細書(その内容は本明細書において全体として参照により援用される)に記載される通りの配列であってもよく、またはそれを含んでもよい。
【0068】
一部の実施形態において、AAV血清型は、限定はされないが、トゥルータイプAAV(ttAAV)(国際公開第2015121501号パンフレットの配列番号2)、「ユーペンAAV10」(国際公開第2015121501号パンフレットの配列番号8)、「ジャパニーズAAV10」(国際公開第2015121501号パンフレットの配列番号9)、またはそれらのバリアントなど、国際公開第2015121501号パンフレット(その内容は本明細書において全体として参照により援用される)に記載される通りの配列であってもよく、またはそれを含んでもよい。
【0069】
本開示によれば、AAVカプシド血清型の選択または使用は様々な種からであってよい。一実施形態において、AAVは鳥類AAV(AAAV)であってもよい。AAAV血清型は、限定はされないが、AAAV(米国特許第9238800号明細書の配列番号1、2、4、6、8、10、12、もしくは14)、またはそのバリアントなど、米国特許第9238800号明細書(その内容は本明細書において全体として参照により援用される)に記載される通りの配列であってもよく、またはそれを有してもよい。
【0070】
一実施形態において、AAVはウシAAV(BAAV)であってもよい。BAAV血清型は、限定はされないが、BAAV(米国特許第9193769号明細書の配列番号1および6)、またはそのバリアントなど、米国特許第9,193,769号明細書(その内容は本明細書において全体として参照により援用される)に記載される通りの配列であってもよく、またはそれを有してもよい。BAAV血清型は、限定はされないが、BAAV(米国特許第7427396号明細書の配列番号5および6)、またはそのバリアントなど、米国特許第7427396号明細書(その内容は本明細書において全体として参照により援用される)に記載される通りの配列であってもよく、またはそれを有してもよい。
【0071】
一部の実施形態において、AAVはヤギAAVであってもよい。ヤギAAV血清型は、限定はされないが、ヤギAAV(米国特許第7427396号明細書の配列番号3)、またはそのバリアントなど、米国特許第7427396号明細書(その内容は本明細書において全体として参照により援用される)に記載される通りの配列であってもよく、またはそれを有してもよい。
【0072】
一部の実施形態において、AAVは2つ以上の親血清型からハイブリッドAAVとして操作されてもよい。一実施形態において、このAAVは、AAV2およびAAV9からの配列を含むAAV2G9であってもよい。AAV2G9 AAV血清型は、米国特許出願公開第20160017005号明細書(その内容は本明細書において全体として参照により援用される)に記載される通りの配列であってもよく、またはそれを有してもよい。
【0073】
一実施形態において、AAVは、プリチャーラ(Pulicherla)ら(Molecular Therapy、第19巻、第6号、p.1070〜1078、2011年、その内容は本明細書において全体として参照により援用される)により記載される通りのアミノ酸390〜627(VP1の付番)に突然変異を有するAAV9カプシドライブラリによって生成された血清型であってもよい。血清型ならびに対応するヌクレオチドおよびアミノ酸の置換は、限定はされないが、AAV9.1(G1594C;D532H)、AAV6.2(T1418AおよびT1436X;V473DおよびI479K)、AAV9.3(T1238A;F413Y)、AAV9.4(T1250CおよびA1617T;F417S)、AAV9.5(A1235G、A1314T、A1642G、C1760T;Q412R、T548A、A587V)、AAV9.6(T1231A;F411I)、AAV9.9(G1203A、G1785T;W595C)、AAV9.10(A1500G、T1676C;M559T)、AAV9.11(A1425T、A1702C、A1769T;T568P、Q590L)、AAV9.13(A1369C、A1720T;N457H、T574S)、AAV9.14(T1340A、T1362C、T1560C、G1713A;L447H)、AAV9.16(A1775T;Q592L)、AAV9.24(T1507C、T1521G;W503R)、AAV9.26(A1337G、A1769C;Y446C、Q590P)、AAV9.33(A1667C;D556A)、AAV9.34(A1534G、C1794T;N512D)、AAV9.35(A1289T、T1450A、C1494T、A1515T、C1794A、G1816A;Q430L、Y484N、N98K、V606I)、AAV9.40(A1694T、E565V)、AAV9.41(A1348T、T1362C;T450S)、AAV9.44(A1684C、A1701T、A1737G;N562H、K567N)、AAV9.45(A1492T、C1804T;N498Y、L602F)、AAV9.46(G1441C、T1525C、T1549G;G481R、W509R、L517V)、9.47(G1241A、G1358A、A1669G、C1745T;S414N、G453D、K557E、T582I)、AAV9.48(C1445T、A1736T;P482L、Q579L)、AAV9.50(A1638T、C1683T、T1805A;Q546H、L602H)、AAV9.53(G1301A、A1405C、C1664T、G1811T;R134Q、S469R、A555V、G604V)、AAV9.54(C1531A、T1609A;L511I、L537M)、AAV9.55(T1605A;F535L)、AAV9.58(C1475T、C1579A;T492I、H527N)、AAV.59(T1336C;Y446H)、AAV9.61(A1493T;N498I)、AAV9.64(C1531A、A1617T;L511I)、AAV9.65(C1335T、T1530C、C1568A;A523D)、AAV9.68(C1510A;P504T)、AAV9.80(G1441A;G481R)、AAV9.83(C1402A、A1500T;P468T、E500D)、AAV9.87(T1464C、T1468C;S490P)、AAV9.90(A1196T;Y399F)、AAV9.91(T1316G、A1583T、C1782G、T1806C;L439R、K528I)、AAV9.93(A1273G、A1421G、A1638C、C1712T、G1732A、A1744T、A1832T;S425G、Q474R、Q546H、P571L、G578R、T582S、D611V)、AAV9.94(A1675T;M559L)、またはAAV9.95(T1605A;F535L)であってもよい。
【0074】
一部の実施形態において、AAV血清型は、限定はされないが、AAVF1/HSC1(国際公開第2016049230号パンフレットの配列番号2および20)、AAVF2/HSC2(国際公開第2016049230号パンフレットの配列番号3および21)、AAVF3/HSC3(国際公開第2016049230号パンフレットの配列番号5および22)、AAVF4/HSC4(国際公開第2016049230号パンフレットの配列番号6および23)、AAVF5/HSC5(国際公開第2016049230号パンフレットの配列番号11および25)、AAVF6/HSC6(国際公開第2016049230号パンフレットの配列番号7および24)、AAVF7/HSC7(国際公開第2016049230号パンフレットの配列番号8および27)、AAVF8/HSC8(国際公開第2016049230号パンフレットの配列番号9および28)、AAVF9/HSC9(国際公開第2016049230号パンフレットの配列番号10および29)、AAVF11/HSC11(国際公開第2016049230号パンフレットの配列番号4および26)、AAVF12/HSC12(国際公開第2016049230号パンフレットの配列番号12および30)、AAVF13/HSC13(国際公開第2016049230号パンフレットの配列番号14および31)、AAVF14/HSC14(国際公開第2016049230号パンフレットの配列番号15および32)、AAVF15/HSC15(国際公開第2016049230号パンフレットの配列番号16および33)、AAVF16/HSC16(国際公開第2016049230号パンフレットの配列番号17および34)、AAVF17/HSC17(国際公開第2016049230号パンフレットの配列番号13および35)、またはそれらのバリアントもしくは誘導体など、国際公開第2016049230号パンフレット(その内容は本明細書において全体として参照により援用される)に記載される通りの配列であってもよく、またはそれを含んでもよい。
【0075】
一部の実施形態において、AAV血清型は、限定はされないが、AAV CBr−E1(米国特許第8734809号明細書の配列番号13および87)、AAV CBr−E2(米国特許第8734809号明細書の配列番号14および88)、AAV CBr−E3(米国特許第8734809号明細書の配列番号15および89)、AAV CBr−E4(米国特許第8734809号明細書の配列番号16および90)、AAV CBr−E5(米国特許第8734809号明細書の配列番号17および91)、AAV CBr−e5(米国特許第8734809号明細書の配列番号18および92)、AAV CBr−E6(米国特許第8734809号明細書の配列番号19および93)、AAV CBr−E7(米国特許第8734809号明細書の配列番号20および94)、AAV CBr−E8(米国特許第8734809号明細書の配列番号21および95)、AAV CLv−D1(米国特許第8734809号明細書の配列番号22および96)、AAV CLv−D2(米国特許第8734809号明細書の配列番号23および97)、AAV CLv−D3(米国特許第8734809号明細書の配列番号24および98)、AAV CLv−D4(米国特許第8734809号明細書の配列番号25および99)、AAV CLv−D5(米国特許第8734809号明細書の配列番号26および100)、AAV CLv−D6(米国特許第8734809号明細書の配列番号27および101)、AAV CLv−D7(米国特許第8734809号明細書の配列番号28および102)、AAV CLv−D8(米国特許第8734809号明細書の配列番号29および103)、AAV CLv−E1(米国特許第8734809号明細書の配列番号13および87)、AAV CLv−R1(米国特許第8734809号明細書の配列番号30および104)、AAV CLv−R2(米国特許第8734809号明細書の配列番号31および105)、AAV CLv−R3(米国特許第8734809号明細書の配列番号32および106)、AAV CLv−R4(米国特許第8734809号明細書の配列番号33および107)、AAV CLv−R5(米国特許第8734809号明細書の配列番号34および108)、AAV CLv−R6(米国特許第8734809号明細書の配列番号35および109)、AAV CLv−R7(米国特許第8734809号明細書の配列番号36および110)、AAV CLv−R8(米国特許第8734809号明細書の配列番号37および111)、AAV CLv−R9(米国特許第8734809号明細書の配列番号38および112)、AAV CLg−F1(米国特許第8734809号明細書の配列番号39および113)、AAV CLg−F2(米国特許第8734809号明細書の配列番号40および114)、AAV CLg−F3(米国特許第8734809号明細書の配列番号41および115)、AAV CLg−F4(米国特許第8734809号明細書の配列番号42および116)、AAV CLg−F5(米国特許第8734809号明細書の配列番号43および117)、AAV CLg−F6(米国特許第8734809号明細書の配列番号43および117)、AAV CLg−F7(米国特許第8734809号明細書の配列番号44および118)、AAV CLg−F8(米国特許第8734809号明細書の配列番号43および117)、AAV CSp−1(米国特許第8734809号明細書の配列番号45および119)、AAV CSp−10(米国特許第8734809号明細書の配列番号46および120)、AAV CSp−11(米国特許第8734809号明細書の配列番号47および121)、AAV CSp−2(米国特許第8734809号明細書の配列番号48および122)、AAV CSp−3(米国特許第8734809号明細書の配列番号49および123)、AAV CSp−4(米国特許第8734809号明細書の配列番号50および124)、AAV CSp−6(米国特許第8734809号明細書の配列番号51および125)、AAV CSp−7(米国特許第8734809号明細書の配列番号52および126)、AAV CSp−8(米国特許第8734809号明細書の配列番号53および127)、AAV CSp−9(米国特許第8734809号明細書の配列番号54および128)、AAV CHt−2(米国特許第8734809号明細書の配列番号55および129)、AAV CHt−3(米国特許第8734809号明細書の配列番号56および130)、AAV CKd−1(米国特許第8734809号明細書の配列番号57および131)、AAV CKd−10(米国特許第8734809号明細書の配列番号58および132)、AAV CKd−2(米国特許第8734809号明細書の配列番号59および133)、AAV CKd−3(米国特許第8734809号明細書の配列番号60および134)、AAV CKd−4(米国特許第8734809号明細書の配列番号61および135)、AAV CKd−6(米国特許第8734809号明細書の配列番号62および136)、AAV CKd−7(米国特許第8734809号明細書の配列番号63および137)、AAV CKd−8(米国特許第8734809号明細書の配列番号64および138)、AAV CLv−1(米国特許第8734809号明細書の配列番号35および139)、AAV CLv−12(米国特許第8734809号明細書の配列番号66および140)、AAV CLv−13(米国特許第8734809号明細書の配列番号67および141)、AAV CLv−2(米国特許第8734809号明細書の配列番号68および142)、AAV CLv−3(米国特許第8734809号明細書の配列番号69および143)、AAV CLv−4(米国特許第8734809号明細書の配列番号70および144)、AAV CLv−6(米国特許第8734809号明細書の配列番号71および145)、AAV CLv−8(米国特許第8734809号明細書の配列番号72および146)、AAV CKd−B1(米国特許第8734809号明細書の配列番号73および147)、AAV CKd−B2(米国特許第8734809号明細書の配列番号74および148)、AAV CKd−B3(米国特許第8734809号明細書の配列番号75および149)、AAV CKd−B4(米国特許第8734809号明細書の配列番号76および150)、AAV CKd−B5(米国特許第8734809号明細書の配列番号77および151)、AAV CKd−B6(米国特許第8734809号明細書の配列番号78および152)、AAV CKd−B7(米国特許第8734809号明細書の配列番号79および153)、AAV CKd−B8(米国特許第8734809号明細書の配列番号80および154)、AAV CKd−H1(米国特許第8734809号明細書の配列番号81および155)、AAV CKd−H2(米国特許第8734809号明細書の配列番号82および156)、AAV CKd−H3(米国特許第8734809号明細書の配列番号83および157)、AAV CKd−H4(米国特許第8734809号明細書の配列番号84および158)、AAV CKd−H5(米国特許第8734809号明細書の配列番号85および159)、AAV CKd−H6(米国特許第8734809号明細書の配列番号77および151)、AAV CHt−1(米国特許第8734809号明細書の配列番号86および160)、AAV CLv1−1(米国特許第8734809号明細書の配列番号171)、AAV CLv1−2(米国特許第8734809号明細書の配列番号172)、AAV CLv1−3(米国特許第8734809号明細書の配列番号173)、AAV CLv1−4(米国特許第8734809号明細書の配列番号174)、AAV Clv1−7(米国特許第8734809号明細書の配列番号175)、AAV Clv1−8(米国特許第8734809号明細書の配列番号176)、AAV Clv1−9(米国特許第8734809号明細書の配列番号177)、AAV Clv1−10(米国特許第8734809号明細書の配列番号178)、AAV.VR−355(米国特許第8734809号明細書の配列番号181)、AAV.hu.48R3(米国特許第8734809号明細書の配列番号183)、またはそれらのバリアントもしくは誘導体など、米国特許第8734809号明細書(その内容は本明細書において全体として参照により援用される)に記載される通りの配列であってもよく、またはそれを含んでもよい。
【0076】
一部の実施形態において、AAV血清型は、限定はされないが、AAV CHt−P2(国際公開第2016065001号パンフレットの配列番号1および51)、AAV CHt−P5(国際公開第2016065001号パンフレットの配列番号2および52)、AAV CHt−P9(国際公開第2016065001号パンフレットの配列番号3および53)、AAV CBr−7.1(国際公開第2016065001号パンフレットの配列番号4および54)、AAV CBr−7.2(国際公開第2016065001号パンフレットの配列番号5および55)、AAV CBr−7.3(国際公開第2016065001号パンフレットの配列番号6および56)、AAV CBr−7.4(国際公開第2016065001号パンフレットの配列番号7および57)、AAV CBr−7.5(国際公開第2016065001号パンフレットの配列番号8および58)、AAV CBr−7.7(国際公開第2016065001号パンフレットの配列番号9および59)、AAV CBr−7.8(国際公開第2016065001号パンフレットの配列番号10および60)、AAV CBr−7.10(国際公開第2016065001号パンフレットの配列番号11および61)、AAV CKd−N3(国際公開第2016065001号パンフレットの配列番号12および62)、AAV CKd−N4(国際公開第2016065001号パンフレットの配列番号13および63)、AAV CKd−N9(国際公開第2016065001号パンフレットの配列番号14および64)、AAV CLv−L4(国際公開第2016065001号パンフレットの配列番号15および65)、AAV CLv−L5(国際公開第2016065001号パンフレットの配列番号16および66)、AAV CLv−L6(国際公開第2016065001号パンフレットの配列番号17および67)、AAV CLv−K1(国際公開第2016065001号パンフレットの配列番号18および68)、AAV CLv−K3(国際公開第2016065001号パンフレットの配列番号19および69)、AAV CLv−K6(国際公開第2016065001号パンフレットの配列番号20および70)、AAV CLv−M1(国際公開第2016065001号パンフレットの配列番号21および71)、AAV CLv−M11(国際公開第2016065001号パンフレットの配列番号22および72)、AAV CLv−M2(国際公開第2016065001号パンフレットの配列番号23および73)、AAV CLv−M5(国際公開第2016065001号パンフレットの配列番号24および74)、AAV CLv−M6(国際公開第2016065001号パンフレットの配列番号25および75)、AAV CLv−M7(国際公開第2016065001号パンフレットの配列番号26および76)、AAV CLv−M8(国際公開第2016065001号パンフレットの配列番号27および77)、AAV CLv−M9(国際公開第2016065001号パンフレットの配列番号28および78)、AAV CHt−P1(国際公開第2016065001号パンフレットの配列番号29および79)、AAV CHt−P6(国際公開第2016065001号パンフレットの配列番号30および80)、AAV CHt−P8(国際公開第2016065001号パンフレットの配列番号31および81)、AAV CHt−6.1(国際公開第2016065001号パンフレットの配列番号32および82)、AAV CHt−6.10(国際公開第2016065001号パンフレットの配列番号33および83)、AAV CHt−6.5(国際公開第2016065001号パンフレットの配列番号34および84)、AAV CHt−6.6(国際公開第2016065001号パンフレットの配列番号35および85)、AAV CHt−6.7(国際公開第2016065001号パンフレットの配列番号36および86)、AAV CHt−6.8(国際公開第2016065001号パンフレットの配列番号37および87)、AAV CSp−8.10(国際公開第2016065001号パンフレットの配列番号38および88)、AAV CSp−8.2(国際公開第2016065001号パンフレットの配列番号39および89)、AAV CSp−8.4(国際公開第2016065001号パンフレットの配列番号40および90)、AAV CSp−8.5(国際公開第2016065001号パンフレットの配列番号41および91)、AAV CSp−8.6(国際公開第2016065001号パンフレットの配列番号42および92)、AAV CSp−8.7(国際公開第2016065001号パンフレットの配列番号43および93)、AAV CSp−8.8(国際公開第2016065001号パンフレットの配列番号44および94)、AAV CSp−8.9(国際公開第2016065001号パンフレットの配列番号45および95)、AAV CBr−B7.3(国際公開第2016065001号パンフレットの配列番号46および96)、AAV CBr−B7.4(国際公開第2016065001号パンフレットの配列番号47および97)、AAV3B(国際公開第2016065001号パンフレットの配列番号48および98)、AAV4(国際公開第2016065001号パンフレットの配列番号49および99)、AAV5(国際公開第2016065001号パンフレットの配列番号50および100)、またはそれらのバリアントもしくは誘導体など、国際公開第2016065001号パンフレット(その内容は本明細書において全体として参照により援用される)に記載される通りの配列であってもよく、またはそれを含んでもよい。
【0077】
一部の実施形態において、AAV粒子は、表1中に見出されるもののうちいずれかから選択される血清型であってもよく、またはそれを含んでもよい。
一部の実施形態において、AAV粒子は、表1中の任意の配列の配列、断片またはバリアントを含んでもよい。
【0078】
一部の実施形態において、AAV粒子は、表1中の任意の配列の配列、断片またはバリアントによってコードされてもよい。
本明細書において引用および/または記載したDNAおよびRNA配列において、一文字記号は以下の説明を有する:Aはアデニンであり;Cはシトシンであり;Gはグアニンであり;Tはチミンであり;Uはウラシルであり;Wはアデニンまたはチミンなどの弱塩基であり;Sはシトシンおよびグアニンなどの強ヌクレオチドであり;Mはアデニンおよびシトシンなどのアミノヌクレオチドであり;Kはグアニンおよびチミンなどのケトヌクレオチドであり;Rはプリンのアデニンおよびグアニンであり;Yはピリミジンのシトシンおよびチミンであり;BはAではない任意の塩基(例えば、シトシン、グアニン、およびチミン)であり;DはCではない任意の塩基(例えば、アデニン、グアニン、およびチミン)であり;HはGではない任意の塩基(例えば、アデニン、シトシン、およびチミン)であり;VはTではない任意の塩基(例えば、アデニン、シトシン、およびグアニン)であり;Nは任意のヌクレオチドであり(ギャップではない);Zはゼロである。
【0079】
本明細書において引用および/または記載したアミノ酸配列のいずれかにおいて、一文字記号は以下の説明を有する:G(Gly)はグリシンであり;A(Ala)はアラニンであり;L(Leu)はロイシンであり;M(Met)はメチオニンであり;F(Phe)はフェニルアラニンであり;W(Trp)はトリプトファンであり;K(Lys)はリシンであり;Q(Gln)はグルタミンであり;E(Glu)はグルタミン酸であり;S(Ser)はセリンであり;P(Pro)はプロリンであり;V(Val)はバリンであり;I(Ile)はイソロイシンであり;C(Cys)はシステインであり;Y(Tyr)はチロシンであり;H(His)はヒスチジンであり;R(Arg)はアルギニンであり;N(Asn)はアスパラギンであり;D(Asp)はアスパラギン酸であり;T(Thr)はスレオニンであり;B(Asx)はアスパラギン酸またはアスパラギンであり;J(Xle)はロイシンまたはイソロイシンであり;O(Pyl)はピロリジンであり;U(Sec)はセレノシステインであり;X(Xaa)は任意のアミノ酸であり;Z(Glx)はグルタミンまたはグルタミン酸である。
【0114】
表1中に列挙される特許、出願および/または公報の各々の内容は、全体として本願明細書に援用される。
一部の実施形態において、AAV血清型は、限定はされないが、AAV9(国際公開第2015038958号パンフレットの配列番号2および11、または本明細書における配列番号135および136)、PHP.B(国際公開第2015038958号パンフレットの配列番号8および9、本明細書における配列番号3および4)、G2B−13(国際公開第2015038958号パンフレットの配列番号12、本明細書における配列番号5)、G2B−26(国際公開第2015038958号パンフレットの配列番号13、本明細書における配列番号3)、TH1.1−32(国際公開第2015038958号パンフレットの配列番号14、本明細書における配列番号6)、TH1.1−35(国際公開第2015038958号パンフレットの配列番号15、本明細書における配列番号7)など、国際公開第2015038958号パンフレット(その内容は全体として本願明細書に援用される)に記載される配列、またはそれらのバリアントであってもよく、またはそれを含んでもよい。更に、国際公開第2015038958号パンフレットに記載される「ターゲティングペプチド」または「アミノ酸インサート」(CNS組織への送達を容易にするためにAAVカプシド配列に挿入されてもよい配列を意味するために、互換性があるように本明細書で使用される)のいずれかが、限定はされないが、AAV9(DNA配列について配列番号135およびアミノ酸配列について配列番号136)など、任意の親AAV血清型に挿入されてもよい。一部の実施形態において、アミノ酸インサートは親AAV(例えばAAV9)のアミノ酸586〜592に挿入される。一部の実施形態において、アミノ酸インサートは親AAV配列のアミノ酸588〜589に挿入される。アミノ酸インサートは、限定はされないが、以下のアミノ酸配列、TLAVPFK(国際公開第2015038958号パンフレットの配列番号1;本明細書における配列番号1260)、KFPVALT(国際公開第2015038958号パンフレットの配列番号3;本明細書における配列番号1261)、LAVPFK(国際公開第2015038958号パンフレットの配列番号31;本明細書における配列番号1262)、AVPFK(国際公開第2015038958号パンフレットの配列番号32;本明細書における配列番号1263)、VPFK(国際公開第2015038958号パンフレットの配列番号33;本明細書における配列番号1264)、TLAVPF(国際公開第2015038958号パンフレットの配列番号34;本明細書における配列番号1265)、TLAVP(国際公開第2015038958号パンフレットの配列番号35;本明細書における配列番号1266)、TLAV(国際公開第2015038958号パンフレットの配列番号36;本明細書における配列番号1267)、SVSKPFL(国際公開第2015038958号パンフレットの配列番号28;本明細書における配列番号1268)、FTLTTPK(国際公開第2015038958号パンフレットの配列番号29;本明細書における配列番号1269)、MNATKNV(国際公開第2015038958号パンフレットの配列番号30;本明細書における配列番号1270)、QSSQTPR(国際公開第2015038958号パンフレットの配列番号54;本明細書における配列番号1271)、ILGTGTS(国際公開第2015038958号パンフレットの配列番号55;本明細書における配列番号1272)、TRTNPEA(国際公開第2015038958号パンフレットの配列番号56;本明細書における配列番号1273)、NGGTSSS(国際公開第2015038958号パンフレットの配列番号58;本明細書における配列番号1274)、またはYTLSQGW(国際公開第2015038958号パンフレットの配列番号60;本明細書における配列番号1275)のいずれかであってもよい。アミノ酸インサートをコードし得るヌクレオチド配列の非限定的な例としては、限定はされないが、以下、AAGTTTCCTGTGGCGTTGACT(国際公開第2015038958号パンフレットの配列番号3について;本明細書における配列番号1276)、ACTTTGGCGGTGCCTTTTAAG(国際公開第2015038958号パンフレットの配列番号24および49;本明細書における配列番号1277)、AGTGTGAGTAAGCCTTTTTTG(国際公開第2015038958号パンフレットの配列番号25;本明細書における配列番号1278)、TTTACGTTGACGACGCCTAAG(国際公開第2015038958号パンフレットの配列番号26;本明細書における配列番号1279)、ATGAATGCTACGAAGAATGTG(国際公開第2015038958号パンフレットの配列番号27;本明細書における配列番号1280)、CAGTCGTCGCAGACGCCTAGG(国際公開第2015038958号パンフレットの配列番号48;本明細書における配列番号1281)、ATTCTGGGGACTGGTACTTCG(国際公開第2015038958号パンフレットの配列番号50および52;本明細書における配列番号1282)、ACGCGGACTAATCCTGAGGCT(国際公開第2015038958号パンフレットの配列番号51;本明細書における配列番号1283)、AATGGGGGGACTAGTAGTTCT(国際公開第2015038958号パンフレットの配列番号53;本明細書における配列番号1284)、またはTATACTTTGTCGCAGGGTTGG(国際公開第2015038958号パンフレットの配列番号59;本明細書における配列番号1285)が挙げられる。
【0115】
一部の実施形態において、AAV血清型は、限定はされないが、AAV9 K449R(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号45、本明細書における配列番号9)、PHP.N(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号46、本明細書における配列番号2)、PHP.S(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号47、本明細書における配列番号8)、またはそれらのバリアントなど、国際公開第2017100671号パンフレット(その内容は本明細書において全体として参照により援用される)に記載される通りの配列であってもよく、またはそれを含んでもよい。更に、国際公開第2017100671号パンフレットに記載されるターゲティングペプチドまたはアミノ酸インサートのいずれかが、限定はされないが、AAV9(配列番号9または配列番号136)など、任意の親AAV血清型に挿入されてもよい。一部の実施形態において、アミノ酸インサートは親AAV(例えばAAV9)のアミノ酸586〜592に挿入される。一部の実施形態において、アミノ酸インサートは親AAV配列のアミノ酸588〜589に挿入される。アミノ酸インサートは、限定はされないが、以下のアミノ酸配列、AQTLAVPFKAQ(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号1;本明細書における配列番号1286)、AQSVSKPFLAQ(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号2;本明細書における配列番号1287)、AQFTLTTPKAQ(国際公開第2017100671号パンフレットの配列表の配列番号3;本明細書における配列番号1288)、DGTLAVPFKAQ(国際公開第2017100671号パンフレットの配列表の配列番号4;本明細書における配列番号1289)、ESTLAVPFKAQ(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号5;本明細書における配列番号1290)、GGTLAVPFKAQ(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号6;本明細書における配列番号1291)、AQTLATPFKAQ(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号7および33;本明細書における配列番号1292)、ATTLATPFKAQ(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号8;本明細書における配列番号1293)、DGTLATPFKAQ(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号9;本明細書における配列番号1294)、GGTLATPFKAQ(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号10;本明細書における配列番号1295)、SGSLAVPFKAQ(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号11;本明細書における配列番号1296)、AQTLAQPFKAQ(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号12;本明細書における配列番号1297)、AQTLQQPFKAQ(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号13;本明細書における配列番号1298)、AQTLSNPFKAQ(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号14;本明細書における配列番号1299)、AQTLAVPFSNP(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号15;本明細書における配列番号1300)、QGTLAVPFKAQ(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号16;本明細書における配列番号1301)、NQTLAVPFKAQ(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号17;本明細書における配列番号1302)、EGSLAVPFKAQ(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号18;本明細書における配列番号1303)、SGNLAVPFKAQ(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号19;本明細書における配列番号1304)、EGTLAVPFKAQ(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号20;本明細書における配列番号1305)、DSTLAVPFKAQ(国際公開第2017100671号パンフレットの表1の配列番号21;本明細書における配列番号1306)、AVTLAVPFKAQ(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号22;本明細書における配列番号1307)、AQTLSTPFKAQ(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号23;本明細書における配列番号1308)、AQTLPQPFKAQ(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号24および32;本明細書における配列番号1309)、AQTLSQPFKAQ(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号25;本明細書における配列番号1310)、AQTLQLPFKAQ(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号26;本明細書における配列番号1311)、AQTLTMPFKAQ(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号27および34ならびに国際公開第2017100671号パンフレットの配列表の配列番号35;本明細書における配列番号1312)、AQTLTTPFKAQ(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号28;本明細書における配列番号1313)、AQYTLSQGWAQ(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号29;本明細書における配列番号1314)、AQMNATKNVAQ(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号30;本明細書における配列番号1315)、AQVSGGHHSAQ(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号31;本明細書における配列番号1316)、AQTLTAPFKAQ(国際公開第2017100671号パンフレットの表1の配列番号35;本明細書における配列番号1317)、AQTLSKPFKAQ(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号36;本明細書における配列番号1318)、QAVRTSL(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号37;本明細書における配列番号1319)、YTLSQGW(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号38;本明細書における配列番号1275)、LAKERLS(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号39;本明細書における配列番号1320)、TLAVPFK(国際公開第2017100671号パンフレットの配列表の配列番号40;本明細書における配列番号1260)、SVSKPFL(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号41;本明細書における配列番号1268)、FTLTTPK(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号42;本明細書における配列番号1269)、MNSTKNV(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号43;本明細書における配列番号1321)、VSGGHHS(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号44;本明細書における配列番号1322)、SAQTLAVPFKAQAQ(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号48;本明細書における配列番号1323)、SXXXLAVPFKAQAQ(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号49、式中Xは任意のアミノ酸であってもよい;本明細書における配列番号1324)、SAQXXXVPFKAQAQ(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号50、式中Xは任意のアミノ酸であってもよい;本明細書における配列番号1325)、SAQTLXXXFKAQAQ(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号51、式中Xは任意のアミノ酸であってもよい;本明細書における配列番号1326)、SAQTLAVXXXAQAQ(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号52、式中Xは任意のアミノ酸であってもよい;本明細書における配列番号1327)、SAQTLAVPFXXXAQ(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号53、式中Xは任意のアミノ酸であってもよい;本明細書における配列番号1328)、TNHQSAQ(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号65;本明細書における配列番号1329)、AQAQTGW(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号66;本明細書における配列番号1330)、DGTLATPFK(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号67;本明細書における配列番号1331)、DGTLATPFKXX(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号68、式中Xは任意のアミノ酸であってもよい;本明細書における配列番号1332)、LAVPFKAQ(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号80;本明細書における配列番号1333)、VPFKAQ(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号81;本明細書における配列番号1334)、FKAQ(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号82;本明細書における配列番号1335)、AQTLAV(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号83;本明細書における配列番号1336)、AQTLAVPF(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号84;本明細書における配列番号1337)、QAVR(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号85;本明細書における配列番号1338)、AVRT(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号86;本明細書における配列番号1339)、VRTS(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号87;本明細書における配列番号1340)、RTSL(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号88;本明細書における配列番号1341)、QAVRT(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号89;本明細書における配列番号1342)、AVRTS(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号90;本明細書における配列番号1343)、VRTSL(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号91;本明細書における配列番号1344)、QAVRTS(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号92;本明細書における配列番号1345)、またはAVRTSL(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号93;本明細書における配列番号1346)のいずれかであってもよい。
【0116】
アミノ酸インサートをコードし得るヌクレオチド配列の非限定的な例としては、以下、GATGGGACTTTGGCGGTGCCTTTTAAGGCACAG(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号54;本明細書における配列番号1347)、GATGGGACGTTGGCGGTGCCTTTTAAGGCACAG(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号55;本明細書における配列番号1348)、CAGGCGGTTAGGACGTCTTTG(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号56;本明細書における配列番号1349)、CAGGTCTTCACGGACTCAGACTATCAG(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号57および78;本明細書における配列番号1350)、CAAGTAAAACCTCTACAAATGTGGTAAAATCG(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号58;本明細書における配列番号1351)、ACTCATCGACCAATACTTGTACTATCTCTCTAGAAC(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号59;本明細書における配列番号1352)、GGAAGTATTCCTTGGTTTTGAACCCA(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号60;本明細書における配列番号1353)、GGTCGCGGTTCTTGTTTGTGGAT(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号61;本明細書における配列番号1354)、CGACCTTGAAGCGCATGAACTCCT(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号62;本明細書における配列番号1355)、GTATTCCTTGGTTTTGAACCCAACCGGTCTGCGCCTGTGCMNNMNNMNNMNNMNNMNNMNNTTGGGCACTCTGGTGGTTTGTC(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号63、式中NはA、C、T、もしくはGであってもよい;本明細書における配列番号1356)、GTATTCCTTGGTTTTGAACCCAACCGGTCTGCGCMNNMNNMNNAAAAGGCACCGCCAAAGTTTG(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号69、式中NはA、C、T、もしくはGであってもよい;本明細書における配列番号1357)、GTATTCCTTGGTTTTGAACCCAACCGGTCTGCGCCTGTGCMNNMNNMNNCACCGCCAAAGTTTGGGCACT(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号70、式中NはA、C、T、もしくはGであってもよい;本明細書における配列番号1358)、GTATTCCTTGGTTTTGAACCCAACCGGTCTGCGCCTGTGCCTTAAAMNNMNNMNNCAAAGTTTGGGCACTCTGGTGG(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号71、式中NはA、C、T、もしくはGであってもよい;本明細書における配列番号1359)、GTATTCCTTGGTTTTGAACCCAACCGGTCTGCGCCTGTGCCTTAAAAGGCACMNNMNNMNNTTGGGCACTCTGGTGGTTTGTG(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号72、式中NはA、C、T、もしくはGであってもよい;本明細書における配列番号1360)、ACTTTGGCGGTGCCTTTTAAG(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号74;本明細書における配列番号1277)、AGTGTGAGTAAGCCTTTTTTG(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号75;本明細書における配列番号1278)、TTTACGTTGACGACGCCTAAG(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号76;本明細書における配列番号1279)、TATACTTTGTCGCAGGGTTGG(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号77;本明細書における配列番号1285)、またはCTTGCGAAGGAGCGGCTTTCG(国際公開第2017100671号パンフレットの配列番号79;本明細書における配列番号1361)が挙げられる。
【0117】
一部の実施形態において、AAV血清型は、限定はされないが、AAV1(米国特許第9624274号明細書の配列番号181)、AAV6(米国特許第9624274号明細書の配列番号182)、AAV2(米国特許第9624274号明細書の配列番号183)、AAV3b(米国特許第9624274号明細書の配列番号184)、AAV7(米国特許第9624274号明細書の配列番号185)、AAV8(米国特許第9624274号明細書の配列番号186)、AAV10(米国特許第9624274号明細書の配列番号187)、AAV4(米国特許第9624274号明細書の配列番号188)、AAV11(米国特許第9624274号明細書の配列番号189)、bAAV(米国特許第9624274号明細書の配列番号190)、AAV5(米国特許第9624274号明細書の配列番号191)、GPV(米国特許第9624274号明細書の配列番号192;本明細書における配列番号992)、B19(米国特許第9624274号明細書の配列番号193;本明細書における配列番号993)、MVM(米国特許第9624274号明細書の配列番号194;本明細書における配列番号994)、FPV(米国特許第9624274号明細書の配列番号195;本明細書における配列番号995)、CPV(米国特許第9624274号明細書の配列番号196;本明細書における配列番号996)、またはそれらのバリアントなど、米国特許第9624274号明細書(その内容は本明細書において全体として参照により援用される)に記載される通りの配列であってもよく、またはそれを含んでもよい。更に、米国特許第9624274号明細書に記載される構造タンパク質インサートのいずれかが、限定はされないが、AAV2(米国特許第9624274号明細書の配列番号183)などの任意の親AAV血清型の、限定はされないが、I−453およびI−587に挿入されてもよい。アミノ酸インサートは、限定はされないが、以下のアミノ酸配列、VNLTWSRASG(米国特許第9624274号明細書の配列番号50;本明細書における配列番号1362)、EFCINHRGYWVCGD(米国特許第9624274号明細書の配列番号55;本明細書における配列番号1363)、EDGQVMDVDLS(米国特許第9624274号明細書の配列番号85;本明細書における配列番号1364)、EKQRNGTLT(米国特許第9624274号明細書の配列番号86;本明細書における配列番号1365)、TYQCRVTHPHLPRALMR(米国特許第9624274号明細書の配列番号87;本明細書における配列番号1366)、RHSTTQPRKTKGSG(米国特許第9624274号明細書の配列番号88;本明細書における配列番号1367)、DSNPRGVSAYLSR(米国特許第9624274号明細書の配列番号89;本明細書における配列番号1368)、TITCLWDLAPSK(米国特許第9624274号明細書の配列番号90;本明細書における配列番号1369)、KTKGSGFFVF(米国特許第9624274号明細書の配列番号91;本明細書における配列番号1370)、THPHLPRALMRS(米国特許第9624274号明細書の配列番号92;本明細書における配列番号1371)、GETYQCRVTHPHLPRALMRSTTK(米国特許第9624274号明細書の配列番号93;本明細書における配列番号1372)、LPRALMRS(米国特許第9624274号明細書の配列番号94;本明細書における配列番号1373)、INHRGYWV(米国特許第9624274号明細書の配列番号95;本明細書における配列番号1374)、CDAGSVRTNAPD(米国特許第9624274号明細書の配列番号60;本明細書における配列番号1375)、AKAVSNLTESRSESLQS(米国特許第9624274号明細書の配列番号96;本明細書における配列番号1376)、SLTGDEFKKVLET(米国特許第9624274号明細書の配列番号97;本明細書における配列番号1377)、REAVAYRFEED(米国特許第9624274号明細書の配列番号98;本明細書における配列番号1378)、INPEIITLDG(米国特許第9624274号明細書の配列番号99;本明細書における配列番号1379)、DISVTGAPVITATYL(米国特許第9624274号明細書の配列番号100;本明細書における配列番号1380)、DISVTGAPVITA(米国特許第9624274号明細書の配列番号101;本明細書における配列番号1381)、PKTVSNLTESSSESVQS(米国特許第9624274号明細書の配列番号102;本明細書における配列番号1382)、SLMGDEFKAVLET(米国特許第9624274号明細書の配列番号103;本明細書における配列番号1383)、QHSVAYTFEED(米国特許第9624274号明細書の配列番号104;本明細書における配列番号1384)、INPEIITRDG(米国特許第9624274号明細書の配列番号105;本明細書における配列番号1385)、DISLTGDPVITASYL(米国特許第9624274号明細書の配列番号106;本明細書における配列番号1386)、DISLTGDPVITA(米国特許第9624274号明細書の配列番号107;本明細書における配列番号1387)、DQSIDFEIDSA(米国特許第9624274号明細書の配列番号108;本明細書における配列番号1388)、KNVSEDLPLPTFSPTLLGDS(米国特許第9624274号明細書の配列番号109;本明細書における配列番号1389)、KNVSEDLPLPT(米国特許第9624274号明細書の配列番号110;本明細書における配列番号1390)、CDSGRVRTDAPD(米国特許第9624274号明細書の配列番号111;本明細書における配列番号1391)、FPEHLLVDFLQSLS(米国特許第9624274号明細書の配列番号112;本明細書における配列番号1392)、DAEFRHDSG(米国特許第9624274号明細書の配列番号65;本明細書における配列番号1393)、HYAAAQWDFGNTMCQL(米国特許第9624274号明細書の配列番号113;本明細書における配列番号1394)、YAAQWDFGNTMCQ(米国特許第9624274号明細書の配列番号114;本明細書における配列番号1395)、RSQKEGLHYT(米国特許第9624274号明細書の配列番号115;本明細書における配列番号1396)、SSRTPSDKPVAHWANPQAE(米国特許第9624274号明細書の配列番号116;本明細書における配列番号1397)、SRTPSDKPVAHWANP(米国特許第9624274号明細書の配列番号117;本明細書における配列番号1398)、SSRTPSDKP(米国特許第9624274号明細書の配列番号118;本明細書における配列番号1399)、NADGNVDYHMNSVP(米国特許第9624274号明細書の配列番号119;本明細書における配列番号1400)、DGNVDYHMNSV(米国特許第9624274号明細書の配列番号120;本明細書における配列番号1401)、RSFKEFLQSSLRALRQ(米国特許第9624274号明細書の配列番号121;本明細書における配列番号1402)、FKEFLQSSLRA(米国特許第9624274号明細書の配列番号122;本明細書における配列番号1403)、またはQMWAPQWGPD(米国特許第9624274号明細書の配列番号123;本明細書における配列番号1404)のいずれかであってもよい。
【0118】
一部の実施形態において、AAV血清型は、限定はされないが、天然AAV2カプシドタンパク質のアミノ酸585〜590位に1つ以上のアミノ酸の改変を含むAAVカプシドタンパク質など、米国特許第9475845号明細書(その内容は本明細書において全体として参照により援用される)に記載される通りの配列であってもよく、またはそれを有してもよい。更に、改変は、限定はされないが、以下のアミノ酸配列、RGNRQA(米国特許第9475845号明細書の配列番号3;本明細書における配列番号1405)、SSSTDP(米国特許第9475845号明細書の配列番号4;本明細書における配列番号1406)、SSNTAP(米国特許第9475845号明細書の配列番号5;本明細書における配列番号1407)、SNSNLP(米国特許第9475845号明細書の配列番号6;本明細書における配列番号1408)、SSTTAP(米国特許第9475845号明細書の配列番号7;本明細書における配列番号1409)、AANTAA(米国特許第9475845号明細書の配列番号8;本明細書における配列番号1410)、QQNTAP(米国特許第9475845号明細書の配列番号9;本明細書における配列番号1411)、SAQAQA(米国特許第9475845号明細書の配列番号10;本明細書における配列番号1412)、QANTGP(米国特許第9475845号明細書の配列番号11;本明細書における配列番号1413)、NATTAP(米国特許第9475845号明細書の配列番号12;本明細書における配列番号1414)、SSTAGP(米国特許第9475845号明細書の配列番号13および20;本明細書における配列番号1415)、QQNTAA(米国特許第9475845号明細書の配列番号14;本明細書における配列番号1416)、PSTAGP(米国特許第9475845号明細書の配列番号15;本明細書における配列番号1417)、NQNTAP(米国特許第9475845号明細書の配列番号16;本明細書における配列番号1418)、QAANAP(米国特許第9475845号明細書の配列番号17;本明細書における配列番号1419)、SIVGLP(米国特許第9475845号明細書の配列番号18;本明細書における配列番号1420)、AASTAA(米国特許第9475845号明細書の配列番号19および27;本明細書における配列番号1421)、SQNTTA(米国特許第9475845号明細書の配列番号21;本明細書における配列番号1422)、QQDTAP(米国特許第9475845号明細書の配列番号22;本明細書における配列番号1423)、QTNTGP(米国特許第9475845号明細書の配列番号23;本明細書における配列番号1424)、QTNGAP(米国特許第9475845号明細書の配列番号24;本明細書における配列番号1425)、QQNAAP(米国特許第9475845号明細書の配列番号25;本明細書における配列番号1426)、またはAANTQA(米国特許第9475845号明細書の配列番号26;本明細書における配列番号1427)をもたらし得る。一部の実施形態において、アミノ酸改変は、天然AAV2カプシドタンパク質のアミノ酸262〜265位、またはターゲティング配列を有する別のAAVのカプシドタンパク質の対応する位置における置換である。ターゲティング配列は、限定はされないが、以下のアミノ酸配列、NGRAHA(米国特許第9475845号明細書の配列番号38;本明細書における配列番号1428)、QPEHSST(米国特許第9475845号明細書の配列番号39および50;本明細書における配列番号1429)、VNTANST(米国特許第9475845号明細書の配列番号40;本明細書における配列番号1430)、HGPMQKS(米国特許第9475845号明細書の配列番号41;本明細書における配列番号1431)、PHKPPLA(米国特許第9475845号明細書の配列番号42;本明細書における配列番号1432)、IKNNEMW(米国特許第9475845号明細書の配列番号43;本明細書における配列番号1433)、RNLDTPM(米国特許第9475845号明細書の配列番号44;本明細書における配列番号1434)、VDSHRQS(米国特許第9475845号明細書の配列番号45;本明細書における配列番号1435)、YDSKTKT(米国特許第9475845号明細書の配列番号46;本明細書における配列番号1436)、SQLPHQK(米国特許第9475845号明細書の配列番号47;本明細書における配列番号1437)、STMQQNT(米国特許第9475845号明細書の配列番号48;本明細書における配列番号1438)、TERYMTQ(米国特許第9475845号明細書の配列番号49;本明細書における配列番号1439)、DASLSTS(米国特許第9475845号明細書の配列番号51;本明細書における配列番号1440)、DLPNKKT(米国特許第9475845号明細書の配列番号52;本明細書における配列番号1441)、DLTAARL(米国特許第9475845号明細書の配列番号53;本明細書における配列番号1442)、EPHQFNY(米国特許第9475845号明細書の配列番号54;本明細書における配列番号1443)、EPQSNHT(米国特許第9475845号明細書の配列番号55;本明細書における配列番号1444)、MSSWPSQ(米国特許第9475845号明細書の配列番号56;本明細書における配列番号1445)、NPKHNAT(米国特許第9475845号明細書の配列番号57;本明細書における配列番号1446)、PDGMRTT(米国特許第9475845号明細書の配列番号58;本明細書における配列番号1447)、PNNNKTT(米国特許第9475845号明細書の配列番号59;本明細書における配列番号1448)、QSTTHDS(米国特許第9475845号明細書の配列番号60;本明細書における配列番号1449)、TGSKQKQ(米国特許第9475845号明細書の配列番号61;本明細書における配列番号1450)、SLKHQAL(米国特許第9475845号明細書の配列番号62;本明細書における配列番号1451)、SPIDGEQ(米国特許第9475845号明細書の配列番号63;本明細書における配列番号1452)、WIFPWIQL(米国特許第9475845号明細書の配列番号64および112;本明細書における配列番号1453)、CDCRGDCFC(米国特許第9475845号明細書の配列番号65;本明細書における配列番号1454)、CNGRC(米国特許第9475845号明細書の配列番号66;本明細書における配列番号1455)、CPRECES(米国特許第9475845号明細書の配列番号67;本明細書における配列番号1456)、CTTHWGFTLC(米国特許第9475845号明細書の配列番号68および123;本明細書における配列番号1457)、CGRRAGGSC(米国特許第9475845号明細書の配列番号69;本明細書における配列番号1458)、CKGGRAKDC(米国特許第9475845号明細書の配列番号70;本明細書における配列番号1459)、CVPELGHEC(米国特許第9475845号明細書の配列番号71および115;本明細書における配列番号1460)、CRRETAWAK(米国特許第9475845号明細書の配列番号72;本明細書における配列番号1461)、VSWFSHRYSPFAVS(米国特許第9475845号明細書の配列番号73;本明細書における配列番号1462)、GYRDGYAGPILYN(米国特許第9475845号明細書の配列番号74;本明細書における配列番号1463)、XXXYXXX(米国特許第9475845号明細書の配列番号75;本明細書における配列番号1464)、YXNW(米国特許第9475845号明細書の配列番号76;本明細書における配列番号1465)、RPLPPLP(米国特許第9475845号明細書の配列番号77;本明細書における配列番号1466)、APPLPPR(米国特許第9475845号明細書の配列番号78;本明細書における配列番号1467)、DVFYPYPYASGS(米国特許第9475845号明細書の配列番号79;本明細書における配列番号1468)、MYWYPY(米国特許第9475845号明細書の配列番号80;本明細書における配列番号1469)、DITWDQLWDLMK(米国特許第9475845号明細書の配列番号81;本明細書における配列番号1470)、CWDDXWLC(米国特許第9475845号明細書の配列番号82;本明細書における配列番号1471)、EWCEYLGGYLRCYA(米国特許第9475845号明細書の配列番号83;本明細書における配列番号1472)、YXCXXGPXTWXCXP(米国特許第9475845号明細書の配列番号84;本明細書における配列番号1473)、IEGPTLRQWLAARA(米国特許第9475845号明細書の配列番号85;本明細書における配列番号1474)、LWXXX(米国特許第9475845号明細書の配列番号86;本明細書における配列番号1475)、XFXXYLW(米国特許第9475845号明細書の配列番号87;本明細書における配列番号1476)、SSIISHFRWGLCD(米国特許第9475845号明細書の配列番号88;本明細書における配列番号1477)、MSRPACPPNDKYE(米国特許第9475845号明細書の配列番号89;本明細書における配列番号1478)、CLRSGRGC(米国特許第9475845号明細書の配列番号90;本明細書における配列番号1479)、CHWMFSPWC(米国特許第9475845号明細書の配列番号91;本明細書における配列番号1480)、WXXF(米国特許第9475845号明細書の配列番号92;本明細書における配列番号1481)、CSSRLDAC(米国特許第9475845号明細書の配列番号93;本明細書における配列番号1482)、CLPVASC(米国特許第9475845号明細書の配列番号94;本明細書における配列番号1483)、CGFECVRQCPERC(米国特許第9475845号明細書の配列番号95;本明細書における配列番号1484)、CVALCREACGEGC(米国特許第9475845号明細書の配列番号96;本明細書における配列番号1485)、SWCEPGWCR(米国特許第9475845号明細書の配列番号97;本明細書における配列番号1486)、YSGKWGW(米国特許第9475845号明細書の配列番号98;本明細書における配列番号1487)、GLSGGRS(米国特許第9475845号明細書の配列番号99;本明細書における配列番号1488)、LMLPRAD(米国特許第9475845号明細書の配列番号100;本明細書における配列番号1489)、CSCFRDVCC(米国特許第9475845号明細書の配列番号101;本明細書における配列番号1490)、CRDVVSVIC(米国特許第9475845号明細書の配列番号102;本明細書における配列番号1491)、MARSGL(米国特許第9475845号明細書の配列番号103;本明細書における配列番号1492)、MARAKE(米国特許第9475845号明細書の配列番号104;本明細書における配列番号1493)、MSRTMS(米国特許第9475845号明細書の配列番号105;本明細書における配列番号1494)、KCCYSL(米国特許第9475845号明細書の配列番号106;本明細書における配列番号1495)、MYWGDSHWLQYWYE(米国特許第9475845号明細書の配列番号107;本明細書における配列番号1496)、MQLPLAT(米国特許第9475845号明細書の配列番号108;本明細書における配列番号1497)、EWLS(米国特許第9475845号明細書の配列番号109;本明細書における配列番号149
8)、SNEW(米国特許第9475845号明細書の配列番号110;本明細書における配列番号1499)、TNYL(米国特許第9475845号明細書の配列番号111;本明細書における配列番号1500)、WDLAWMFRLPVG(米国特許第9475845号明細書の配列番号113;本明細書における配列番号1501)、CTVALPGGYVRVC(米国特許第9475845号明細書の配列番号114;本明細書における配列番号1502)、CVAYCIEHHCWTC(米国特許第9475845号明細書の配列番号116;本明細書における配列番号1503)、CVFAHNYDYLVC(米国特許第9475845号明細書の配列番号117;本明細書における配列番号1504)、CVFTSNYAFC(米国特許第9475845号明細書の配列番号118;本明細書における配列番号1505)、VHSPNKK(米国特許第9475845号明細書の配列番号119;本明細書における配列番号1506)、CRGDGWC(米国特許第9475845号明細書の配列番号120;本明細書における配列番号1507)、XRGCDX(米国特許第9475845号明細書の配列番号121;本明細書における配列番号1508)、PXXX(米国特許第9475845号明細書の配列番号122;本明細書における配列番号1509)、SGKGPRQITAL(米国特許第9475845号明細書の配列番号124;本明細書における配列番号1510)、AAAAAAAAAXXXXX(米国特許第9475845号明細書の配列番号125;本明細書における配列番号1511)、VYMSPF(米国特許第9475845号明細書の配列番号126;本明細書における配列番号1512)、ATWLPPR(米国特許第9475845号明細書の配列番号127;本明細書における配列番号1513)、HTMYYHHYQHHL(米国特許第9475845号明細書の配列番号128;本明細書における配列番号1514)、SEVGCRAGPLQWLCEKYFG(米国特許第9475845号明細書の配列番号129;本明細書における配列番号1515)、CGLLPVGRPDRNVWRWLC(米国特許第9475845号明細書の配列番号130;本明細書における配列番号1516)、CKGQCDRFKGLPWEC(米国特許第9475845号明細書の配列番号131;本明細書における配列番号1517)、SGRSA(米国特許第9475845号明細書の配列番号132;本明細書における配列番号1518)、WGFP(米国特許第9475845号明細書の配列番号133;本明細書における配列番号1519)、AEPMPHSLNFSQYLWYT(米国特許第9475845号明細書の配列番号134;本明細書における配列番号1520)、WAYXSP(米国特許第9475845号明細書の配列番号135;本明細書における配列番号1521)、IELLQAR(米国特許第9475845号明細書の配列番号136;本明細書における配列番号1522)、AYTKCSRQWRTCMTTH(米国特許第9475845号明細書の配列番号137;本明細書における配列番号1523)、PQNSKIPGPTFLDPH(米国特許第9475845号明細書の配列番号138;本明細書における配列番号1524)、SMEPALPDWWWKMFK(米国特許第9475845号明細書の配列番号139;本明細書における配列番号1525)、ANTPCGPYTHDCPVKR(米国特許第9475845号明細書の配列番号140;本明細書における配列番号1526)、TACHQHVRMVRP(米国特許第9475845号明細書の配列番号141;本明細書における配列番号1527)、VPWMEPAYQRFL(米国特許第9475845号明細書の配列番号142;本明細書における配列番号1528)、DPRATPGS(米国特許第9475845号明細書の配列番号143;本明細書における配列番号1529)、FRPNRAQDYNTN(米国特許第9475845号明細書の配列番号144;本明細書における配列番号1530)、CTKNSYLMC(米国特許第9475845号明細書の配列番号145;本明細書における配列番号1531)、CXXTXXXGXGC(米国特許第9475845号明細書の配列番号146;本明細書における配列番号1532)、CPIEDRPMC(米国特許第9475845号明細書の配列番号147;本明細書における配列番号1533)、HEWSYLAPYPWF(米国特許第9475845号明細書の配列番号148;本明細書における配列番号1534)、MCPKHPLGC(米国特許第9475845号明細書の配列番号149;本明細書における配列番号1535)、RMWPSSTVNLSAGRR(米国特許第9475845号明細書の配列番号150;本明細書における配列番号1536)、SAKTAVSQRVWLPSHRGGEP(米国特許第9475845号明細書の配列番号151;本明細書における配列番号1537)、KSREHVNNSACPSKRITAAL(米国特許第9475845号明細書の配列番号152;本明細書における配列番号1538)、EGFR(米国特許第9475845号明細書の配列番号153;本明細書における配列番号1539)、AGLGVR(米国特許第9475845号明細書の配列番号154;本明細書における配列番号1540)、GTRQGHTMRLGVSDG(米国特許第9475845号明細書の配列番号155;本明細書における配列番号1541)、IAGLATPGWSHWLAL(米国特許第9475845号明細書の配列番号156;本明細書における配列番号1542)、SMSIARL(米国特許第9475845号明細書の配列番号157;本明細書における配列番号1543)、HTFEPGV(米国特許第9475845号明細書の配列番号158;本明細書における配列番号1544)、NTSLKRISNKRIRRK(米国特許第9475845号明細書の配列番号159;本明細書における配列番号1545)、LRIKRKRRKRKKTRK(米国特許第9475845号明細書の配列番号160;本明細書における配列番号1546)、GGG、GFS、LWS、EGG、LLV、LSP、LBS、AGG、GRR、GGHまたはGTVのいずれかであってもよい。
【0119】
一部の実施形態において、AAV血清型は、限定はされないが、AAV2(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号97;本明細書における配列番号1547)の部位特異的突然変異カプシドタンパク質、またはそのバリアントであって、特異的突然変異部位が、VP1またはその断片の部位R447、G453、S578、N587、N587+1、S662から選択される少なくとも1つの部位であるものなど、米国特許出願公開第20160369298号明細書(その内容は本明細書において全体として参照により援用される)に記載される通りの配列であってもよく、またはそれを有してもよい。
【0120】
更に、米国特許出願公開第20160369298号明細書に記載される突然変異配列のいずれかが、限定はされないが、以下の配列、SDSGASN(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号1および配列番号231;本明細書における配列番号1548)、SPSGASN(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号2;本明細書における配列番号1549)、SHSGASN(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号3;本明細書における配列番号1550)、SRSGASN(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号4;本明細書における配列番号1551)、SKSGASN(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号5;本明細書における配列番号1552)、SNSGASN(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号6;本明細書における配列番号1553)、SGSGASN(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号7;本明細書における配列番号1554)、SASGASN(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号8、175、および221;本明細書における配列番号1555)、SESGTSN(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号9;本明細書における配列番号1556)、STTGGSN(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号10;本明細書における配列番号1557)、SSAGSTN(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号11;本明細書における配列番号1558)、NNDSQA(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号12;本明細書における配列番号1559)、NNRNQA(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号13;本明細書における配列番号1560)、NNNKQA(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号14;本明細書における配列番号1561)、NAKRQA(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号15;本明細書における配列番号1562)、NDEHQA(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号16;本明細書における配列番号1563)、NTSQKA(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号17;本明細書における配列番号1564)、YYLSRTNTPSGTDTQSRLVFSQAGA(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号18;本明細書における配列番号1565)、YYLSRTNTDSGTETQSGLDFSQAGA(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号19;本明細書における配列番号1566)、YYLSRTNTESGTPTQSALEFSQAGA(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号20;本明細書における配列番号1567)、YYLSRTNTHSGTHTQSPLHFSQAGA(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号21;本明細書における配列番号1568)、YYLSRTNTSSGTITISHLIFSQAGA(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号22;本明細書における配列番号1569)、YYLSRTNTRSGIMTKSSLMFSQAGA(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号23;本明細書における配列番号1570)、YYLSRTNTKSGRKTLSNLSFSQAGA(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号24;本明細書における配列番号1571)、YYLSRTNDGSGPVTPSKLRFSQRGA(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号25;本明細書における配列番号1572)、YYLSRTNAASGHATHSDLKFSQPGA(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号26;本明細書における配列番号1573)、YYLSRTNGQAGSLTMSELGFSQVGA(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号27;本明細書における配列番号1574)、YYLSRTNSTGGNQTTSQLLFSQLSA(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号28;本明細書における配列番号1575)、YFLSRTNNNTGLNTNSTLNFSQGRA(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号29;本明細書における配列番号1576)、SKTGADNNNSEYSWTG(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号30;本明細書における配列番号1577)、SKTDADNNNSEYSWTG(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号31;本明細書における配列番号1578)、SKTEADNNNSEYSWTG(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号32;本明細書における配列番号1579)、SKTPADNNNSEYSWTG(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号33;本明細書における配列番号1580)、SKTHADNNNSEYSWTG(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号34;本明細書における配列番号1581)、SKTQADNNNSEYSWTG(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号35;本明細書における配列番号1582)、SKTIADNNNSEYSWTG(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号36;本明細書における配列番号1583)、SKTMADNNNSEYSWTG(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号37;本明細書における配列番号1584)、SKTRADNNNSEYSWTG(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号38;本明細書における配列番号1585)、SKTNADNNNSEYSWTG(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号39;本明細書における配列番号1586)、SKTVGRNNNSEYSWTG(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号40;本明細書における配列番号1587)、SKTADRNNNSEYSWTG(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号41;本明細書における配列番号1588)、SKKLSQNNNSKYSWQG(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号42;本明細書における配列番号1589)、SKPTTGNNNSDYSWPG(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号43;本明細書における配列番号1590)、STQKNENNNSNYSWPG(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号44;本明細書における配列番号1591)、HKDDEGKF(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号45;本明細書における配列番号1592)、HKDDNRKF(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号46;本明細書における配列番号1593)、HKDDTNKF(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号47;本明細書における配列番号1594)、HEDSDKNF(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号48;本明細書における配列番号1595)、HRDGADSF(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号49;本明細書における配列番号1596)、HGDNKSRF(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号50;本明細書における配列番号1597)、KQGSEKTNVDFEEV(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号51;本明細書における配列番号1598)、KQGSEKTNVDSEEV(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号52;本明細書における配列番号1599)、KQGSEKTNVDVEEV(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号53;本明細書における配列番号1600)、KQGSDKTNVDDAGV(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号54;本明細書における配列番号1601)、KQGSSKTNVDPREV(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号55;本明細書における配列番号1602)、KQGSRKTNVDHKQV(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号56;本明細書における配列番号1603)、KQGSKGGNVDTNRV(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号57;本明細書における配列番号1604)、KQGSGEANVDNGDV(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号58;本明細書における配列番号1605)、KQDAAADNIDYDHV(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号59;本明細書における配列番号1606)、KQSGTRSNAAASSV(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号60;本明細書における配列番号1607)、KENTNTNDTELTNV(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号61;本明細書における配列番号1608)、QRGNNVAATADVNT(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号62;本明細書における配列番号1609)、QRGNNEAATADVNT(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号63;本明細書における配列番号1610)、QRGNNPAATADVNT(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号64;本明細書における配列番号1611)、QRGNNHAATADVNT(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号65;本明細書における配列番号1612)、QEENNIAATPGVNT(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号66;本明細書における配列番号1613)、QPPNNMAATHEVNT(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号67;本明細書における配列番号1614)、QHHNNSAATTIVNT(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号68;本明細書における配列番号1615)、QTTNNRAAFNMVET(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号69;本明細書における配列番号1616)、QKKNNNAASKKVAT(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号70;本明細書における配列番号1617)、QGGNNKAADDAVKT(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号71;本明細書における配列番号1618)、QAAKGGAADDAVKT(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号72;本明細書における配列番号1619)、QDDRAAAANESVDT(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号73;本明細書における配列番号1620)、QQQHDDAAYQRVHT(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号74;本明細書における配列番号1621)、QSSSSLAAVSTVQT(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号75;本明細書における配列番号1622)、QNNQTTAAIRNVTT(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号76;本明細書における配列番号1623)、NYNKKSDNVDFT(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号77;本明細書における配列番号1624)、NYNKKSENVDFT(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号7
8;本明細書における配列番号1625)、NYNKKSLNVDFT(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号79;本明細書における配列番号1626)、NYNKKSPNVDFT(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号80;本明細書における配列番号1627)、NYSKKSHCVDFT(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号81;本明細書における配列番号1628)、NYRKTIYVDFT(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号82;本明細書における配列番号1629)、NYKEKKDVHFT(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号83;本明細書における配列番号1630)、NYGHRAIVQFT(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号84;本明細書における配列番号1631)、NYANHQFVVCT(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号85;本明細書における配列番号1632)、NYDDDPTGVLLT(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号86;本明細書における配列番号1633)、NYDDPTGVLLT(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号87;本明細書における配列番号1634)、NFEQQNSVEWT(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号88;本明細書における配列番号1635)、SQSGASN(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号89および配列番号241;本明細書における配列番号1636)、NNGSQA(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号90;本明細書における配列番号1637)、YYLSRTNTPSGTTTWSRLQFSQAGA(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号91;本明細書における配列番号1638)、SKTSADNNNSEYSWTG(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号92;本明細書における配列番号1639)、HKDDEEKF(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号93、209、214、219、224、234、239、および244;本明細書における配列番号1640)、KQGSEKTNVDIEEV(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号94;本明細書における配列番号1641)、QRGNNQAATADVNT(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号95;本明細書における配列番号1642)、NYNKKSVNVDFT(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号96;本明細書における配列番号1643)、SQSGASNYNTPSGTTTQSRLQFSTSADNNNSEYSWTGATKYH(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号106;本明細書における配列番号1644)、SASGASNFNSEGGSLTQSSLGFSTDGENNNSDFSWTGATKYH(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号107;本明細書における配列番号1645)、SQSGASNYNTPSGTTTQSRLQFSTDGENNNSDFSWTGATKYH(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号108;本明細書における配列番号1646)、SASGASNYNTPSGTTTQSRLQFSTSADNNNSEFSWPGATTYH(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号109;本明細書における配列番号1647)、SQSGASNFNSEGGSLTQSSLGFSTDGENNNSDFSWTGATKYH(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号110;本明細書における配列番号1648)、SASGASNYNTPSGSLTQSSLGFSTDGENNNSDFSWTGATKYH(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号111;本明細書における配列番号1649)、SQSGASNYNTPSGTTTQSRLQFSTSADNNNSDFSWTGATKYH(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号112;本明細書における配列番号1650)、SGAGASNFNSEGGSLTQSSLGFSTDGENNNSDFSWTGATKYH(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号113;本明細書における配列番号1651)、SGAGASN(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号176;本明細書における配列番号1652)、NSEGGSLTQSSLGFS(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号177、185、193および202;本明細書における配列番号1653)、TDGENNNSDFS(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号178;本明細書における配列番号1654)、SEFSWPGATT(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号179;本明細書における配列番号1655)、TSADNNNSDFSWT(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号180;本明細書における配列番号1656)、SQSGASNY(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号181、187、および198;本明細書における配列番号1657)、NTPSGTTTQSRLQFS(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号182、188、191、および199;本明細書における配列番号1658)、TSADNNNSEYSWTGATKYH(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号183;本明細書における配列番号1659)、SASGASNF(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号184;本明細書における配列番号1660)、TDGENNNSDFSWTGATKYH(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号186、189、194、197、および203;本明細書における配列番号1661)、SASGASNY(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号190および配列番号195;本明細書における配列番号1662)、TSADNNNSEFSWPGATTYH(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号192;本明細書における配列番号1663)、NTPSGSLTQSSLGFS(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号196;本明細書における配列番号1664)、TSADNNNSDFSWTGATKYH(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号200;本明細書における配列番号1665)、SGAGASNF(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号201;本明細書における配列番号1666)、CTCCAGVVSVVSMRSRVCVNSGCAGCTDHCVVSRNSGTCVMSACACAA(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号204;本明細書における配列番号1667)、CTCCAGAGAGGCAACAGACAAGCAGCTACCGCAGATGTCAACACACAA(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号205;本明細書における配列番号1668)、SAAGASN(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号206;本明細書における配列番号1669)、YFLSRTNTESGSTTQSTLRFSQAG(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号207;本明細書における配列番号1670)、SKTSADNNNSDFS(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号208、228、および253;本明細書における配列番号1671)、KQGSEKTDVDIDKV(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号210;本明細書における配列番号1672)、STAGASN(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号211;本明細書における配列番号1673)、YFLSRTNTTSGIETQSTLRFSQAG(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号212および配列番号247;本明細書における配列番号1674)、SKTDGENNNSDFS(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号213および配列番号248;本明細書における配列番号1675)、KQGAAADDVEIDGV(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号215および配列番号250;本明細書における配列番号1676)、SEAGASN(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号216;本明細書における配列番号1677)、YYLSRTNTPSGTTTQSRLQFSQAG(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号217、232および242;本明細書における配列番号1678)、SKTSADNNNSEYS(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号218、233、238、および243;本明細書における配列番号1679)、KQGSEKTNVDIEKV(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号220、225および245;本明細書における配列番号1680)、YFLSRTNDASGSDTKSTLLFSQAG(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号222;本明細書における配列番号1681)、STTPSENNNSEYS(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号223;本明細書における配列番号1682)、SAAGATN(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号226および配列番号251;本明細書における配列番号1683)、YFLSRTNGEAGSATLSELRFSQAG(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号227;本明細書における配列番号1684)、HGDDADRF(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号229および配列番号254;本明細書における配列番号1685)、KQGAEKSDVEVDRV(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号230および配列番号255;本明細書における配列番号1686)、KQDSGGDNIDIDQV(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号235;本明細書における配列番号1687)、SDAGASN(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号236;本明細書における配列番号1688)、YFLSRTNTEGGHDTQSTLRFSQAG(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号237;本明細書における配列番号1689)、KEDGGGSDVAIDEV(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号240;本明細書における配列番号1690)、SNAGASN(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号246;本明細書における配列番号1691)、ならびにYFLSRTNGEAGSATLSELRFSQPG(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号252;本明細書における配列番号1692)のいずれかであってもよく、またはいずれを有してもよい。アミノ酸突然変異部位をコードし得るヌクレオチド配列の非限定的な例としては、以下、AGCVVMDCAGGARSCASCAAC(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号97;本明細書における配列番号1693)、AACRACRRSMRSMAGGCA(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号98;本明細書における配列番号1694)、CACRRGGACRRC
RMSRRSARSTTT(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号99;本明細書における配列番号1695)、TATTTCTTGAGCAGAACAAACRVCVVSRSCGGAMNCVHSACGMHSTCAVVSCTTVDSTTTTCTCAGSBCRGSGCG(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号100;本明細書における配列番号1696)、TCAAMAMMAVNSRVCSRSAACAACAACAGTRASTTCTCGTGGMMAGGA(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号101;本明細書における配列番号1697)、AAGSAARRCRSCRVSRVARVCRATRYCGMSNHCRVMVRSGTC(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号102;本明細書における配列番号1698)、CAGVVSVVSMRSRVCVNSGCAGCTDHCVVSRNSGTCVMSACA(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号103;本明細書における配列番号1699)、AACTWCRVSVASMVSVHSDDTGTGSWSTKSACT(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号104;本明細書における配列番号1700)、TTGTTGAACATCACCACGTGACGCACGTTC(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号256;本明細書における配列番号1701)、TCCCCGTGGTTCTACTACATAATGTGGCCG(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号257;本明細書における配列番号1702)、TTCCACACTCCGTTTTGGATAATGTTGAAC(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号258;本明細書における配列番号1703)、AGGGACATCCCCAGCTCCATGCTGTGGTCG(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号259;本明細書における配列番号1704)、AGGGACAACCCCTCCGACTCGCCCTAATCC(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号260;本明細書における配列番号1705)、TCCTAGTAGAAGACACCCTCTCACTGCCCG(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号261;本明細書における配列番号1706)、AGTACCATGTACACCCACTCTCCCAGTGCC(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号262;本明細書における配列番号1707)、ATATGGACGTTCATGCTGATCACCATACCG(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号263;本明細書における配列番号1708)、AGCAGGAGCTCCTTGGCCTCAGCGTGCGAG(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号264;本明細書における配列番号1709)、ACAAGCAGCTTCACTATGACAACCACTGAC(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号265;本明細書における配列番号1710)、CAGCCTAGGAACTGGCTTCCTGGACCCTGTTACCGCCAGCAGAGAGTCTCAAMAMMAVNSRVCSRSAACAACAACAGTRASTTCTCCTGGMMAGGAGCTACCAAGTACCACCTCAATGGCAGAGACTCTCTGGTGAATCCCGGACCAGCTATGGCAAGCCACRRGGACRRCRMSRRSARSTTTTTTCCTCAGAGCGGGGTTCTCATCTTTGGGAAGSAARRCRSCRVSRVARVCRATRYCGMSNHCRVMVRSGTCATGATTACAGACGAAGAGGAGATCTGGAC(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号266;本明細書における配列番号1711)、TGGGACAATGGCGGTCGTCTCTCAGAGTTKTKKT(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号267;本明細書における配列番号1712)、AGAGGACCKKTCCTCGATGGTTCATGGTGGAGTTA(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号268;本明細書における配列番号1713)、CCACTTAGGGCCTGGTCGATACCGTTCGGTG(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号269;本明細書における配列番号1714)、またはTCTCGCCCCAAGAGTAGAAACCCTTCSTTYYG(米国特許出願公開第20160369298号明細書の配列番号270;本明細書における配列番号1715)が挙げられる。
【0121】
一部の実施形態において、AAV血清型は、限定はされないが、国際公開第2016134375号パンフレットの配列番号9または配列番号10など、国際公開第2016134375号パンフレット(その内容は本明細書において全体として参照により援用される)に記載される通りの眼細胞ターゲティングペプチドを含み得る。更に、国際公開第2016134375号パンフレットに記載される眼細胞ターゲティングペプチドまたはアミノ酸のいずれかが、限定はされないが、AAV2(国際公開第2016134375号パンフレットの配列番号8;本明細書における配列番号1716)、またはAAV9(国際公開第2016134375号パンフレットの配列番号11;本明細書における配列番号1717)など、任意の親AAV血清型に挿入されてもよい。一部の実施形態において、挿入などの改変は、AAV2タンパク質のP34〜A35、T138〜A139、A139〜P140、G453〜T454、N587〜R588、および/またはR588〜Q589になされる。特定の実施形態において、挿入は、AAV9のD384、G385、1560、T561、N562、E563、E564、E565、N704、および/またはY705になされる。眼細胞ターゲティングペプチドは、限定はされないが、以下のアミノ酸配列、GSTPPPM(国際公開第2016134375号パンフレットの配列番号1;本明細書における配列番号1718)またはGETRAPL(国際公開第2016134375号パンフレットの配列番号4;本明細書における配列番号1719)のいずれかであってもよい。
【0122】
一部の実施形態において、AAV血清型は、米国特許出願公開第20170145405号明細書(その内容は本明細書において全体として参照により援用される)に記載される通りに改変されていてもよい。AAV血清型としては、改変AAV2(例えば、Y444F、Y500F、Y730Fおよび/またはS662Vの改変)、改変AAV3(例えば、Y705F、Y731Fおよび/またはT492Vの改変)、ならびに改変AAV6(例えば、S663Vおよび/またはT492Vの改変)が挙げられ得る。
【0123】
一部の実施形態において、AAV血清型は、国際公開第2017083722号パンフレット(その内容は本明細書において全体として参照により援用される)に記載される通りに改変されていてもよい。AAV血清型としては、AAV1(Y705+731F+T492V)、AAV2(Y444+500+730F+T491V)、AAV3(Y705+731F)、AAV5、AAV5(Y436+693+719F)、AAV6(VP3バリアントY705F/Y731F/T492V)、AAV8(Y733F)、AAV9、AAV9(VP3バリアントY731F)、およびAAV10(Y733F)が挙げられ得る。
【0124】
一部の実施形態において、AAV血清型は、国際公開第2017015102号パンフレット(その内容は本明細書において全体として参照により援用される)に記載される通りの、アミノ酸SPAKFA(国際公開第2017015102号パンフレットの配列番号24;本明細書における配列番号1720)またはNKDKLN(国際公開第2017015102号パンフレットの配列番号2;本明細書における配列番号1721)を含む操作されたエピトープを含み得る。エピトープは、AAV8(国際公開第2017015102号パンフレットの配列番号3)のVP1カプシドの付番に基づきアミノ酸665〜670の領域および/またはAAV3B(配列番号3)の残基664〜668の領域に挿入されていてもよい。
【0125】
一部の実施形態において、AAV血清型は、限定はされないが、いずれかの組合せで、AAV1のアミノ酸残基262〜268、370〜379、451〜459、472〜473、493〜500、528〜534、547〜552、588〜597、709〜710、もしくは716〜722の1つ以上(例えば、2、3、4、5、6、もしくは7つ)に、またはAAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、AAV12、AAVrh8、AAVrh10、AAVrh32.33、ウシAAV、もしくは鳥類AAVの等価なアミノ酸残基に置換を含み得る、カプシドタンパク質を有するAAVバリアントなど、国際公開第2017058892号パンフレット(その内容は本明細書において全体として参照により援用される)に記載される通りの配列であってもよく、またはそれを有してもよい。アミノ酸置換は、限定はされないが、国際公開第2017058892号パンフレットに記載されるアミノ酸配列のいずれかであってもよい。一部の実施形態において、AAVは、以下の残基、AAV1(国際公開第2017058892号パンフレットの配列番号1)の256L、258K、259Q、261S、263A、264S、265T、266G、272H、385S、386Q、S472R、V473D、N500E、547S、709A、710N、716D、717N、718N、720L、A456T、Q457T、N458Q、K459S、T492S、K493A、S586R、S587G、S588N、T589Rおよび/または722Tのいずれかの組合せ、AAV5(国際公開第2017058892号パンフレットの配列番号5)の244N、246Q、248R、249E、250I、251K、252S、253G、254S、255V、256D、263Y、377E、378N、453L、456R、532Q、533P、535N、536P、537G、538T、539T、540A、541T、542Y、543L、546N、653V、654P、656S、697Q、698F、704D、705S、706T、707G、708E、709Yおよび/または710Rのいずれかの組合せ、AAV5(国際公開第2017058892号パンフレットの配列番号5)の248R、316V、317Q、318D、319S、443N、530N、531S、532Q、533P、534A、535N、540A、541T、542Y、543L、545G、546N、697Q、704D、706T、708E、709Yおよび/または710Rのいずれかの組合せ、AAV6(国際公開第2017058892号パンフレットの配列番号6)の264S、266G、269N、272H、457Q、588Sおよび/または589Iのいずれかの組合せ、AAV8(国際公開第2017058892号パンフレットの配列番号8)の457T、459N、496G、499N、500N、589Q、590Nおよび/または592Aのいずれかの組合せ、AAV9(国際公開第2017058892号パンフレットの配列番号9)の451I、452N、453G、454S、455G、456Q、457Nおよび/または458Qのいずれかの組合せでアミノ酸置換を含み得る。
【0126】
一部の実施形態において、AAVは、国際公開第2017066764号パンフレット(その内容は本明細書において全体として参照により援用される)に記載される通りに、VP1の155、156、および157位またはVP2の17、18、19、および20位にアミノ酸の配列を含み得る。アミノ酸の配列は、限定はされないが、N−S−S、S−X−S、S−S−Y、N−X−S、N−S−Y、S−X−Y、またはN−X−Yであってもよく、式中、N、X、およびYは、限定はされないが、独立に、非セリンまたは非スレオニンのアミノ酸であり、AAVは、限定はされないが、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、またはAAV12であってもよい。一部の実施形態において、AAVは、VP1の156、157、もしくは158位またはVP2の19、20、もしくは21位の少なくとも1つのアミノ酸の欠失を含んでいてもよく、AAVは、限定はされないが、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、またはAAV12であってもよい。
【0127】
一部の実施形態において、AAVは、デバーマン(Deverman)ら(ネイチャー・バイオテクノロジー(Nature Biotechnology)、第34巻、第2号、p.204〜209、2016年)、チャン(Chan)ら(Nature Neuroscience、第20巻、第8号、p.1172〜1179、2017年)、ならびに国際公開第2015038958号パンフレットおよび国際公開第2017100671号パンフレット(これらの各々の内容は、本明細書において全体として参照により援用される)により記載される通りのCre組換えに基づくAAV標的進化(Cre−recombination−based AAV targeted evolution、CREATE)によって作製した血清型であり得る。一部の実施形態において、この様式で作製したAAV血清型は、この様式で作製しなかったAAV血清型と比較して改善されたCNS伝達ならびに/または神経およびアストロサイト向性を有する。非限定的な例として、AAV血清型は、ターゲティングペプチド、例えば、限定はされないが、PHP.B、PHP.B2、PHP.B3、PHP.A、PHP.S、PHP.N、G2A12、G2A15、G2A3、G2B4またはG2B5を含んでもよい。一部の実施形態において、これらのAAV血清型は、アミノ酸588と589との間にアミノ酸インサートを有するAAV9(配列番号136)またはAAV9 K449R(配列番号9)の誘導体であってもよい。これらのアミノ酸インサートの非限定的な例としては、TLAVPFK(PHP.B;配列番号1260)、SVSKPFL(PHP.B2;配列番号1268)、FTLTTPK(PHP.B3;配列番号1269)、YTLSQGW(PHP.A;配列番号1275)、QAVRTSL(PHP.S;配列番号1319)、LAKERLS(G2A3;配列番号1320)、MNSTKNV(G2B4;配列番号1321)、VSGGHHS(G2B5;配列番号1322)および/またはDGTLAVPFKAQ(PHP.N;配列番号1289)が挙げられる。
【0128】
一部の実施形態において、AAV血清型は、ジャクソン(Jackson)ら(Frontiers in Molecular Neuroscience、第9巻、第154号、2016年)(その内容は本明細書において全体として参照により援用される)に記載される通りであり得る。
【0129】
一部の実施形態において、AAV血清型は、AAV9(配列番号135または136)である。一部の実施形態において、AAV血清型は、ペプチドインサートを有するAAV9である。
【0130】
一部の実施形態において、AAV血清型は、K449R AAV9バリアント(配列番号9)である。AAV9 K449Rは、野生型AAV9と同じ機能を有する。一部の実施形態において、AAV血清型は、ペプチドインサートを有するAAV9 K449Rである。
【0131】
一部の実施形態において、AAV血清型は(例えば、国際公開第2015038958号パンフレットに記載されるような)PHP.Bである。一部の実施形態において、AAV血清型をシナプシンプロモータと対にして、より遍在的なプロモータを使用した場合(すなわち、CBAまたはCMV)と比較して神経伝達を増強させる。
【0132】
一部の実施形態において、AAV血清型は、PHP.N(例えば、国際公開第2017100671号パンフレットに記載される)である。
一部の実施形態において、AAV血清型は、AAVPHP.N(PHP.N)ペプチドまたはそのバリアントを含む血清型である。
【0133】
一部の実施形態において、AAV血清型は、AAVPHP.B(PHP.B)ペプチドまたはそのバリアントを含む血清型である。
一部の実施形態において、AAV血清型は、AAVPHP.A(PHP.A)ペプチドまたはそのバリアントを含む血清型である。
【0134】
一部の実施形態において、AAV血清型は、PHP.Sペプチドまたはそのバリアントを含む血清型である。
一部の実施形態において、AAV血清型は、PHP.B2ペプチドまたはそのバリアントを含む血清型である。
【0135】
一部の実施形態において、AAV血清型は、PHP.B3ペプチドまたはそのバリアントを含む血清型である。
一部の実施形態において、AAV血清型は、G2B4ペプチドまたはそのバリアントを含む血清型である。
【0136】
一部の実施形態において、AAV血清型は、G2B5ペプチドまたはそのバリアントを含む血清型である。
一部の実施形態において、AAV血清型は、VOY101またはそのバリアントである。一部の実施形態において、VOY101は、配列番号1のアミノ酸配列を含む。一部の実施形態において、カプシド配列は、配列番号1722の核酸配列を含む。
【0137】
一部の実施形態において、AAV血清型は、VOY201またはそのバリアントである。一部の実施形態において、VOY201は、配列番号1724のアミノ酸配列を含む。一部の実施形態において、カプシド配列は、配列番号1723の核酸配列を含む。
【0138】
一部の実施形態において、AAVカプシドは、静脈内投与後に血液脳関門の透過を可能にする。かかるAAVカプシドの非限定的な例としては、ペプチドインサート、例えば、限定はされないが、AAVPHP.N(PHP.N)、AAVPHP.B(PHP.B)、PHP.S、G2A3、G2B4、G2B5、G2A12、G2A15、PHP.B2、PHP.B3またはAAVPHP.A(PHP.A)を含む、AAV9、AAV9 K449R、VOY101、VOY201またはAAVカプシドが挙げられる。
【0139】
一部の実施形態において、AAV血清型は、上述したもののいずれかと50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一性を有するカプシドアミノ酸配列を含み得る。一部の実施形態において、AAV血清型は、配列番号1、2、3、9、136または1724に対して少なくとも80%同一なカプシドアミノ酸配列を含む。一部の実施形態において、AAV血清型は、配列番号1、2、3、9、136または1724に対して少なくとも85%同一なカプシドアミノ酸配列を含む。一部の実施形態において、AAV血清型は、配列番号1、2、3、9、136または1724に対して少なくとも90%同一なカプシドアミノ酸配列を含む。一部の実施形態において、AAV血清型は、配列番号1、2、3、9、136または1724に対して少なくとも95%同一なカプシドアミノ酸配列を含む。一部の実施形態において、AAV血清型は、配列番号1、2、3、9、136または1724に対して少なくとも99%同一なカプシドアミノ酸配列を含む。一部の実施形態において、AAV血清型は、配列番号1、2、3、9、136または1724のカプシドアミノ酸を含む。
【0140】
一部の実施形態において、AAV血清型は、上述したもののいずれかと50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一性を有するカプシド核酸配列によってコードされてもよい。一部の実施形態において、AAV血清型は、配列番号4、135、1722または1723に対して少なくとも80%同一なカプシド核酸配列を含む。一部の実施形態において、AAV血清型は、配列番号4、135、1722または1723に対して少なくとも85%同一なカプシド核酸配列を含む。一部の実施形態において、AAV血清型は、配列番号4、135、1722または1723に対して少なくとも90%同一なカプシド核酸配列を含む。一部の実施形態において、AAV血清型は、配列番号4、135、1722または1723に対して少なくとも95%同一なカプシド核酸配列を含む。一部の実施形態において、AAV血清型は、配列番号4、135、1722または1723に対して少なくとも99%同一なカプシド核酸配列を含む。一部の実施形態において、AAV血清型は、配列番号4、135、1722または1723のカプシド核酸配列を含む。
【0141】
一部の実施形態において、AAV VP1カプシドタンパク質の翻訳の開始コドンは、米国特許第8163543号明細書(その内容は本明細書において全体として参照により援用される)に記載される通りのCTG、TTG、またはGTGであり得る。
【0142】
本開示は、カプシド(Cap)遺伝子にコードされる構造的カプシドタンパク質(VP1、VP2、およびVP3を含む)に言及する。これらのカプシドタンパク質はAAVなどのウイルスベクターのタンパク質外部の構造的殻(すなわちカプシド)を形成する。Capポリヌクレオチドから合成されたVPカプシドタンパク質には、一般に、ペプチド配列中の最初のアミノ酸としてメチオニンが含まれ(Met1)、これは対応するCapヌクレオチド配列中の開始コドン(AUGまたはATG)に関連している。しかし、最初のメチオニン(Met1)残基または一般にどの最初のアミノ酸(AA1)でも、ポリペプチド合成後またはその間に、Met−アミノペプチダーゼなどのタンパク質プロセシング酵素によって切断されることが一般的である。この「Met/AAクリッピング」プロセスは、しばしば、ポリペプチド配列中の2番目のアミノ酸(例えば、アラニン、バリン、セリン、スレオニンなど)の対応するアセチル化に関連している。Metクリッピングは一般的にVP1およびVP3のカプシドタンパク質で起こるが、VP2カプシドタンパク質でも起こる場合がある。
【0143】
Met/AAクリッピングが不完全な場合、ウイルスカプシドを含む1つ以上(1つ、2つ、または3つ)のVPカプシドタンパク質の混合物が生成される場合があり、その一部はMet1/AA1アミノ酸(Met+/AA+)を含む場合があり、一部はMet/AAクリッピング(Met−/AA−)の結果としてMet1/AA1アミノ酸を欠く場合がある。カプシドタンパク質におけるMet/AAクリッピングに関する更なる議論には、ジン(Jin)ら、「組換えアデノ随伴ウイルスカプシドタンパク質の完全な特徴付けのための、直接液体クロマトグラフィー/質量分析による分析(Direct Liquid Chromatography/Mass Spectrometry Analysis for Complete Characterization of Recombinant Adeno−Associated Virus Capsid Proteins.)」Hum Gene Ther Methods、2017年10月、第28巻、第5号、p.255〜267;ホワン(Hwang)ら、「細胞タンパク質のN末端アセチル化は特定の分解シグナルを生じる(N−Terminal Acetylation of Cellular PRoteins Creates Specific Degradation Signals.)」、Science、2010年2月19日、第327巻、第5968号、p.973〜977(これらの各々の内容は、本明細書において全体として参照により援用される)を参照されたい。
【0144】
本開示によれば、カプシドタンパク質への言及は、クリップされた(Met−/AA−)配列またはクリップされていない(Met+/AA+)配列のどちらかに限定されず、文脈内において、独立したカプシドタンパク質、カプシドタンパク質の混合物から構成されるウイルスカプシド、および/または本開示のカプシドタンパク質をコードする、記載する、生じる、もしくはもたらすポリヌクレオチド配列(もしくはその断片)を指してもよい。また、「カプシドタンパク質」または「カプシドポリペプチド」(VP1、VP2、またはVP3など)への直接の言及は、Met1/AA1アミノ酸(Met+/AA+)、ならびにMet/AAクリッピング(Met−/AA−)の結果としてMet1/AA1アミノ酸を欠く対応するVPカプシドタンパク質を含むVPカプシドタンパク質も含み得る。
【0145】
更に、本開示によれば、Met1/AA1アミノ酸(Met+/AA+)を含む1つ以上のカプシドタンパク質をそれぞれ含むまたはコードする、特定の配列番号(タンパク質または核酸にかかわらない)への言及は、配列を再調査した際に、最初の列挙したアミノ酸(メチオニンであるかどうかにかかわらない)を単に欠く任意の配列であることは容易に明らかであるため、Met1/AA1アミノ酸を欠くVPカプシドタンパク質を教示するものと理解されたい。
【0146】
非限定的な例として、736個のアミノ酸の長さであり、AUG/ATG開始コドンにコードされる「Met1」アミノ酸(Met+)を含む、VP1ポリペプチド配列への言及も、735個のアミノ酸の長さであり、736個のアミノ酸のMet+配列の「Met1」アミノ酸(Met−)が含まれない、VP1ポリペプチド配列を教示するものと理解され得る。第2の非限定的な例として、736個のアミノ酸の長さであり、任意のNNN開始コドンにコードされる「AA1」アミノ酸(AA1+)を含む、VP1ポリペプチド配列への言及も、735個のアミノ酸の長さであり、736個のアミノ酸のAA1+配列の「AA1」アミノ酸(AA1−)が含まれない、VP1ポリペプチド配列を教示するものと理解され得る。
【0147】
VPカプシドタンパク質から形成されたウイルスカプシドへの言及(特定のAAVカプシド血清型への言及など)は、Met1/AA1アミノ酸(Met+/AA1+)、Met/AA1クリッピング(Met−/AA1−)の結果としてMet1/AA1アミノ酸を欠く対応するVPカプシドタンパク質、またはその組合せ(Met+/AA1+およびMet−/AA1−)を含むVPカプシドタンパク質を組み入れることができる。
【0148】
非限定的な例として、AAVカプシド血清型としては、VP1(Met+/AA1+)、VP1(Met−/AA1−)、またはVP1(Met+/AA1+)とVP1(Met−/AA1−)との組合せを挙げることができる。AAVカプシド血清型として、VP3(Met+/AA1+)、VP3(Met−/AA1−)、またはVP3(Met+/AA1+)とVP3(Met−/AA1−)との組合せを挙げることもでき、また、VP2(Met+/AA1)とVP2(Met−/AA1−)との同様の任意選択の組合せも挙げることができる。
【0149】
発現ベクター
一部の態様では、本開示のAAV粒子は、FXNをコードする発現ベクターとして働く。発現ベクターは、AAVに限定されず、アデノウイルス、レトロウイルス、レンチウイルス、プラスミド、ベクター、またはそれらの任意のバリアントであってもよい。
【0150】
一部の実施形態において、AAV粒子発現ベクターは、5’から3’へと記載されるITRからITRまでに、ITR、プロモータ、イントロン、FXNをコードする核酸配列、ポリA配列およびITRを含んでもよい。
【0151】
末端逆位配列(ITR)
本開示のAAV粒子は、少なくとも1つのITR領域とFXNをコードするペイロード領域とを有するウイルスゲノムを含む。本明細書で使用されるとき、「ウイルスゲノム」または「ベクターゲノム」は、少なくとも1つの末端逆位ITRと少なくとも1つのコード化ペイロードとを含むポリヌクレオチドである。一実施形態において、ウイルスゲノムは2つのITRを有する。これらの2つのITRは5’末端および3’末端でペイロード領域に隣接する。ITRは、複製のための認識部位を含む複製起点として働く。ITRは、相補的でかつ対称に配置され得る配列領域を含む。本開示のウイルスゲノムに組み込まれるITRは、天然に存在するポリヌクレオチド配列または組換え的に誘導されたポリヌクレオチド配列を含み得る。
【0152】
ITRは、表1に挙げられる血清型のいずれか、またはその誘導体から選択される、カプシドと同じ血清型に由来していてもよい。ITRはカプシドとは異なる血清型のものであってもよい。一部の実施形態において、AAV粒子は2つ以上のITRを有する。一部の実施形態において、AAV粒子は、2つのITRを含むウイルスゲノムを有する。一部の実施形態において、ITRは互いに同じ血清型のものである。一部の実施形態において、ITRは異なる血清型のものである。非限定的な例としては、ITRのうちのゼロ個、一方、または両方がカプシドと同じ血清型を有することが挙げられる。一部の実施形態において、AAV粒子のウイルスゲノムの両方のITRがAAV2 ITRである。
【0153】
独立に、各ITRは約100ヌクレオチド〜約150ヌクレオチド長であってもよい。ITRは、約100〜105ヌクレオチド長、106〜110ヌクレオチド長、111〜115ヌクレオチド長、116〜120ヌクレオチド長、121〜125ヌクレオチド長、126〜130ヌクレオチド長、131〜135ヌクレオチド長、136〜140ヌクレオチド長、141〜145ヌクレオチド長または146〜150ヌクレオチド長であってもよい。一部の実施形態において、ITRは140〜142ヌクレオチド長である。ITR長さの非限定的な例は、102、105、119、130、140、141、142、または145ヌクレオチド長、およびそれと少なくとも95%の同一性を有するものである。
【0154】
一部の実施形態において、1つ以上のITRは、AAV2 ITRまたはその断片もしくはバリアントである。一部の実施形態において、5’ITRおよび3’ITRは共に、AAV2 ITRまたはその断片もしくはバリアントである。一部の実施形態において、1つ以上のITRは、141ヌクレオチド長である。一部の実施形態において、5’ITRおよび3’ITRは共に、141ヌクレオチド長である。一部の実施形態において、5’ITRは、配列番号1811に対して少なくとも95%、少なくとも99%または100%同一な配列を含む。一部の実施形態において、3’ITRは、配列番号1812に対して少なくとも95%、少なくとも99%または100%同一な配列を含む。一部の実施形態において、5’ITRは、配列番号1811に対して少なくとも95%、少なくとも99%または100%同一な配列を含み、3’ITRは、配列番号1812に対して少なくとも95%、少なくとも99%または100%同一な配列を含む。一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、上述した5’および3’ITRと、フラタキシンをコードする、例えば、配列番号1725または少なくとも90%配列同一性を有するそのバリアントをコードするペイロード領域とを含む。一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、上述した5’および3’ITRと、フラタキシンをコードするペイロード領域、例えば、配列番号1824または少なくとも90%配列同一性を有するそのバリアント、例えば、野生型フラタキシンの機能的特性のうち1つ以上を保持するバリアントを含むペイロード領域とを含む。
【0155】
プロモータ
当業者であれば、標的細胞には、限定はされないが、種特異的な、誘導可能な、組織特異的な、または細胞周期特異的なプロモータを含む、特異的なプロモータが必要とされ得ることを認識し得る(パー(Parr)ら著、Nat.Med.、第3巻、p.1145〜9(1997年);その内容は本明細書において全体として参照により援用される)。
【0156】
一部の実施形態において、中枢神経系(例えば、実質)の細胞へのAAV粒子の送達は、AAVゲノムが細胞特異的プロモータ領域を更に含む組成物を含む。一部の実施形態において、送達は、AAVゲノムが遍在的なプロモータ領域を更に含む組成物を含む。
【0157】
一部の実施形態において、プロモータは、ペイロードまたはトランス遺伝子の発現をドライブするのに効率的である。一部の実施形態において、プロモータは、FXNの発現をドライブするのに効率的である。
【0158】
一部の実施形態において、FXNプロモータは、FXNまたはそのバリアントをコードするAAV粒子のウイルスゲノムにおいて使用される。特定の実施形態は、FXNプロモータが最適なFXN発現のために操作されることを提供する。
【0159】
一部の実施形態において、プロモータは、標的組織、例えば、限定はされないが、神経系組織(例えば、CNS組織)において、一定期間にわたるペイロード、例えば、FXNの発現を提供する弱いプロモータである。発現は、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、1日、2日、3日、4日、5日、6日、1週間、8日、9日、10日、11日、12日、13日、2週間、15日、16日、17日、18日、19日、20日、3週間、22日、23日、24日、25日、26日、27日、28日、29日、30日、31日、1ヵ月、2ヵ月、3ヵ月、4ヵ月、5ヵ月、6ヵ月、7ヵ月、8ヵ月、9ヵ月、10ヵ月、11ヵ月、1年、13ヵ月、14ヵ月、15ヵ月、16ヵ月、17ヵ月、18ヵ月、19ヵ月、20ヵ月、21ヵ月、22ヵ月、23ヵ月、2年、3年、4年、5年、6年、7年、8年、9年、10年または10年超の期間であってもよい。発現は、1〜5時間、1〜12時間、1〜2日、1〜5日、1〜2週間、1〜3週間、1〜4週間、1〜2ヵ月、1〜4ヵ月、1〜6ヵ月、2〜6ヵ月、3〜6ヵ月、3〜9ヵ月、4〜8ヵ月、6〜12ヵ月、1〜2年、1〜5年、2〜5年、3〜6年、3〜8年、4〜8年または5〜10年であってもよい。一部の実施形態において、プロモータは、神経組織においてペイロードを持続的に発現させる弱いプロモータである。
【0160】
一部の実施形態において、プロモータは、1kbサイズ未満のプロモータであってもよい。プロモータは、50、55、100、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、332、340、350、360、361、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、505、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、610、620、630、640、650、660、670、680、690、700、710、720、730、740、750、760、770、780、790、800、または800ヌクレオチド超の長さを有してもよい。プロモータは、50〜100、100〜150、150〜200、200〜300、200〜400、200〜500、200〜600、200〜700、200〜800、300〜400、300〜500、300〜600、300〜700、300〜800、400〜500、400〜600、400〜700、400〜800、500〜600、500〜700、500〜800、600〜700、600〜800、または700〜800ヌクレオチドの長さを有してもよい。
【0161】
一部の実施形態において、プロモータは、2つ以上の成分、例えば、限定はされないが、CMVとCBAとの組合せであってもよい。各成分は、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、381、382、383、384、385、386、387、388、389、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、610、620、630、640、650、660、670、680、690、700、710、720、730、740、750、760、770、780、790、800、または800ヌクレオチド超の長さを有してもよい。各成分は、200〜300、200〜400、200〜500、200〜600、200〜700、200〜800、300〜400、300〜500、300〜600、300〜700、300〜800、400〜500、400〜600、400〜700、400〜800、500〜600、500〜700、500〜800、600〜700、600〜800、または700〜800ヌクレオチドの長さを有してもよい。一部の実施形態において、プロモータは、382ヌクレオチドCMVエンハンサー配列と260ヌクレオチドCBAプロモータ配列との組合せである。一部の実施形態において、プロモータは、380ヌクレオチドCMVエンハンサー配列と260ヌクレオチドCBAプロモータ配列との組合せである。
【0162】
一部の実施形態において、ベクターゲノムは、FXNの標的特異性および発現を増強する少なくとも1つのエレメントを含む(例えば、パウエルら(Powell et al.),遺伝子療法におけるトランス遺伝子標的特異性および発現を増強するウイルス発現カセットエレメント(Viral Expression Cassette Elements to Enhance Transgene Target Specificity and Expression in Gene Therapy)、2015を参照されたい;その内容は全体として本願明細書に援用される)。発現を増強するエレメントの非限定的な例としては、プロモータ、内因性miRNA、転写後調節エレメント(PRE)、ポリアデニル化(ポリA)シグナル配列、上流エンハンサー(USE)、CMVエンハンサーおよび/またはイントロンが挙げられる。特定の実施形態において、FXNの標的特異性および/または発現を増強するために使用されるエレメントは、「エンハンサー」または「エンハンサー配列」と称される。一部の実施形態において、プロモータは、エンハンサー配列を含んでもよい。一部の実施形態において、エンハンサーは、プロモータとは別の、ウイルスゲノムの成分であってもよい。一部の実施形態において、エンハンサーは、ウイルスゲノム中のプロモータ配列に対して5’であってもよい。一部の実施形態において、エンハンサーは、ウイルスゲノム中のプロモータ配列に対して3’であってもよい。一部の実施形態において、エンハンサーは、配列番号1777を含むまたはそれからなる。
【0163】
本明細書で使用されるとき、「イントロン」または「イントロン配列」は、全長イントロンまたはその断片を包含する。本明細書で使用されるとき、「エクソン」または「エクソン配列」は、全長エクソンまたはその断片を包含する。一部の実施形態において、エンハンサーは、少なくとも1つのイントロンまたはエクソン配列を含んでもよい。一部の実施形態において、エンハンサーは、少なくとも1つのイントロン配列を含んでもよい。一部の実施形態において、エンハンサーは、少なくとも1つのエクソン配列を含んでもよい。一部の実施形態において、エンハンサーは、1つのイントロン配列および1つのエクソン配列を含む。一部の実施形態において、エンハンサー配列は、2つのイントロン配列を含む。一部の実施形態において、エンハンサー配列は、2つのエクソン配列を含む。一部の実施形態において、エンハンサー配列は、2つのイントロン配列および2つのエクソン配列を含む。一部の実施形態において、エンハンサーは、配列番号1818を含む。一部の実施形態において、エンハンサーは、2つのイントロン配列および2つのエクソン配列を含んでもよい。一部の実施形態において、エンハンサーは、ie1エクソン(例えば、エクソン1)、ie1イントロン(例えば、イントロン1)、ヒトベータ−グロビンイントロン(例えば、イントロン2)およびヒトベータ−グロビンエクソン(例えば、エクソン3)を含んでもよい。一部の実施形態において、エンハンサーは、5’から3’へと、配列番号1817、1819、1820、1821を含んでもよい。一部の実施形態において、エンハンサーは、配列番号1816を含んでもよい。
【0164】
ほとんどの組織で発現を促進するプロモータとしては、限定はされないが、ヒト伸長因子1α−サブユニット(EF1α)、前初期サイトメガロウイルス(CMV)、ニワトリβ−アクチン(CBA)およびその誘導体CAG、βグルクロニダーゼ(GUSB)またはユビキチンC(UBC)が挙げられる。組織特異的発現エレメントは、限定はされないが、ニューロン、アストロサイトまたはオリゴデンドロサイトに発現を制限するために使用することができる神経系プロモータなど、発現を特定の細胞型に限定するために使用することができる。ニューロンの組織特異的発現エレメントの非限定的な例としては、ニューロン特異的エノラーゼ(NSE)、血小板由来増殖因子(PDGF)、血小板由来増殖因子B鎖(PDGF−β)、シナプシン(Syn)、メチル−CpG結合タンパク質2(MeCP2)、CaMKII、mGluR2、NFL、NFH、nβ2、PPE、EnkおよびEAAT2プロモータが挙げられる。アストロサイトに対する組織特異的発現エレメントの非限定的な例としては、グリア線維性酸性タンパク質(GFAP)およびEAAT2プロモータが挙げられる。オリゴデンドロサイトに対する組織特異的発現エレメントの非限定的な例としては、ミエリン塩基性タンパク質(MBP)プロモータが挙げられる。
【0165】
一部の実施形態において、ベクターゲノムはユビキタスプロモータを含む。ユビキタスプロモータの非限定的な例としては、H1、U6、CMV、CBA(誘導体CAG、CBh等を含む)、EF−1α、PGK、UBC、GUSB(hGBp)、およびUCOE(HNRPA2B1−CBX3のプロモータ)が挙げられる。ユー(Yu)ら(Molecular Pain、2011年、第7巻、p.63;これらの内容は本明細書において全体として参照により援用される)は、レンチウイルスベクターを使用してラットDRG細胞および初代DRG細胞におけるCAG、EFIα、PGKおよびUBCプロモータ下のeGFPの発現を評価し、UBCが他の3つのプロモータよりも弱い発現を示し、全てのプロモータについてわずか10〜12%のグリア細胞発現しか見られなかったことを見出した。セーデルブロム(Soderblom)ら(E.Neuro、2015年;これらの内容は本明細書において全体として参照により援用される)は、運動皮質における注射後のCMVおよびUBCプロモータを含むAAV8およびCMVプロモータを含むAAV2におけるeGFPの発現を研究した。UBCまたはEFIαプロモータを含むプラスミドの鼻腔内投与は、CMVプロモータによる発現よりも高い持続的気道発現を示した(例えば、ギル(Gill)ら著、Gene Therapy、2001年、第8巻、p.1539〜1546(その内容は本明細書において全体として参照により援用される)を参照のこと)。フセイン(Husain)ら(Gene Therapy、2009年;これらの内容は本明細書において全体として参照により援用される)は、hGUSBプロモータ、HSV−1LATプロモータおよびNSEプロモータを含むHβHコンストラクトを評価し、このHβHコンストラクトがマウス脳においてNSEよりも弱い発現を示したことを見出した。パッシーニ(Passini)およびウォルフ(Wolfe)(J.Virol.、2001年、p.12382〜12392、これらの内容は本明細書において全体として参照により援用される)は、新生仔マウスにおける脳室内注射後のHβHベクターの長期効果を評価し、少なくとも1年間にわたり持続的発現があったことを見出した。スー(Xu)ら(Gene Therapy、2001年、第8巻、p.1323〜1332;これらの内容は本明細書において全体として参照により援用される)により、NF−LおよびNF−Hプロモータを使用したとき、CMV−lacZ、CMV−luc、EF、GFAP、hENK、nAChR、PPE、PPE+wpre、NSE(0.3kb)、NSE(1.8kb)およびNSE(1.8kb+wpre)と比較して全ての脳領域で低発現が見出された。スー(Xu)らは、プロモータ活性が、降順に、NSE(1.8kb)、EF、NSE(0.3kb)、GFAP、CMV、hENK、PPE、NFLおよびNFHであることを見出した。NFLは650ヌクレオチドプロモータであり、NFHは920ヌクレオチドプロモータであり、両方とも肝臓には存在しないが、NFHは固有受容感覚ニューロン、脳および脊髄に豊富にあり、NFHは心臓に存在する。Scn8aは、DRG、脊髄および脳全体にわたって発現する470ヌクレオチドプロモータであり、特に海馬ニューロンおよび小脳プルキンエ細胞、皮質、視床および視床下部に高発現が見られる(例えば、ドレウス(Drews)ら、2007年、およびレイモンド(Raymond)ら著、2004年を参照のこと;この各々の内容は本明細書において全体として参照により援用される)。
【0166】
一部の実施形態において、ベクターゲノムは、UBCプロモータを含む。UBCプロモータは、300〜350ヌクレオチドのサイズを有してもよい。一部の実施形態において、UBCプロモータは、332ヌクレオチド長である。
【0167】
一部の実施形態において、ベクターゲノムは、GUSBプロモータを含む。GUSBプロモータは、350〜400ヌクレオチドのサイズを有してもよい。一部の実施形態において、GUSBプロモータは、378ヌクレオチド長である。一部の実施形態において、コンストラクトは、AAV−プロモータ−CMV/グロビンイントロン−FXN−RBGであってもよく、ここで、AAVは自己相補的であってもよく、AAVは、AAV6、AAVrh10またはAAVDJ血清型であってもよい。
【0168】
一部の実施形態において、ベクターゲノムは、NFLプロモータを含む。NFLプロモータは、600〜700ヌクレオチドのサイズを有してもよい。一部の実施形態において、NFLプロモータは、650ヌクレオチド長である。
【0169】
一部の実施形態において、ベクターゲノムは、NFHプロモータを含む。NFHプロモータは、900〜950ヌクレオチドのサイズを有してもよい。一部の実施形態において、NFHプロモータは、920ヌクレオチド長である。
【0170】
一部の実施形態において、ベクターゲノムは、scn8aプロモータを含む。scn8aプロモータは、450〜500ヌクレオチドのサイズを有してもよい。一部の実施形態において、scn8aプロモータは、470ヌクレオチド長である。
【0171】
一部の実施形態において、ベクターゲノムは、FXNプロモータを含む。
一部の実施形態において、ベクターゲノムは、PGKプロモータを含む。
一部の実施形態において、ベクターゲノムは、CBAプロモータを含む。
【0172】
一部の実施形態において、ベクターゲノムは、CMVプロモータを含む。
一部の実施形態において、ベクターゲノムは、H1プロモータを含む。
一部の実施形態において、ベクターゲノムは、U6プロモータを含む。
【0173】
一部の実施形態において、ベクターゲノムは、肝臓または骨格筋プロモータを含む。肝臓プロモータの非限定的な例としては、hAATおよびTBGが挙げられる。骨格筋プロモータの非限定的な例としては、デスミン、MCKおよびC5−12が挙げられる。
【0174】
一部の実施形態において、AAVベクターは、エンハンサーエレメント、プロモータおよび/または5’UTRイントロンを含む。エンハンサーは、限定はされないが、CMVエンハンサーであってもよい;プロモータは、限定はされないが、CMV、CBA、FXN、UBC、GUSB、NSE、シナプシン、MeCP2またはGFAPプロモータであってもよい;5’UTR/イントロンは、限定はされないが、SV40およびCBA−MVMであってもよい。一部の実施形態において、組み合わせて使用されるエンハンサー、プロモータおよび/またはイントロンは、(1)CMVエンハンサー、CMVプロモータ、SV40 5’UTRイントロン;(2)CMVエンハンサー、CBAプロモータ、SV40 5’UTRイントロン;(3)CMVエンハンサー、CBAプロモータ、CBA−MVM 5’UTRイントロン;(4)UBCプロモータ;(5)GUSBプロモータ;(6)NSEプロモータ;(7)シナプシンプロモータ;(8)MeCP2プロモータ;(9)GFAPプロモータ;(10)H1プロモータ;および/または(11)U6プロモータ、であってもよい。
【0175】
一部の実施形態において、AAVベクターは、操作されたプロモータを有する。
一部の実施形態において、AAVベクターは、配列番号1734〜1777からなる群から選択される配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%または100%配列同一性を有する配列を含むプロモータを含む。一部の実施形態において、プロモータは、CMVプロモータであるまたはそれに由来し、配列番号1743〜1751、1767、1772〜1774および1777からなる群から選択される配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%または100%配列同一性を有する配列を含む。一部の実施形態において、プロモータは、CBAプロモータであるまたはそれに由来し、配列番号1734〜1742、1760〜1766、1768および1775〜1776からなる群から選択される配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%または100%配列同一性を有する配列を含む。一部の実施形態において、プロモータは、FXNプロモータであるまたはそれに由来し、配列番号1752〜1759および1769〜1770からなる群から選択される配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%または100%配列同一性を有する配列を含む。
【0176】
一部の実施形態において、プロモータは、配列番号1738に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%または100%配列同一性を有する配列を含む。一部の実施形態において、プロモータは、配列番号1738である。一部の実施形態において、AAVベクターゲノムは、配列番号1738に対して少なくとも90%配列同一性を有するプロモータ配列と、配列番号1725に対して少なくとも90%同一なアミノ酸配列を有するフラタキシンポリペプチドをコードするペイロード領域(例えば、配列番号1824に対して少なくとも90%同一な核酸配列を含むペイロード領域)とを含む。一部の実施形態において、AAVベクターゲノムは、配列番号1738に対して少なくとも95%配列同一性を有するプロモータ配列と、配列番号1725に対して少なくとも95%同一なアミノ酸配列を有するフラタキシンポリペプチドをコードするペイロード領域(例えば、配列番号1824に対して少なくとも95%同一な核酸配列を含むペイロード領域)とを含む。一部の実施形態において、AAVベクターゲノムは、配列番号1738のプロモータ配列と、配列番号1725のアミノ酸配列を有し(例えば、配列番号1824を含むペイロード領域)、および/または表5〜11に提供される1つ以上の配列もしくはそれらの95%同一なバリアントを更に含むフラタキシンポリペプチドをコードするペイロード領域とを含む。一部の実施形態において、フラタキシンポリペプチドは、配列番号1728またはその断片、任意選択で配列番号1728のヌクレオチド221〜853を含む核酸配列によってコードされる。一部の実施形態において、フラタキシンポリペプチドは、配列番号1822、1823または1824を含む核酸配列によってコードされる。
【0177】
一部の実施形態において、プロモータは、配列番号1738に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%または100%配列同一性を有する配列を含む。一部の実施形態において、プロモータは、配列番号1740である。一部の実施形態において、AAVベクターゲノムは、配列番号1740に対して少なくとも90%配列同一性を有するプロモータ配列と、配列番号1725に対して少なくとも90%同一なアミノ酸配列を有するフラタキシンポリペプチドをコードするペイロード領域(例えば、配列番号1824に対して少なくとも90%同一な核酸配列を含むペイロード領域)とを含む。一部の実施形態において、AAVベクターゲノムは、配列番号1740に対して少なくとも95%配列同一性を有するプロモータ配列と、配列番号1725に対して少なくとも95%同一なアミノ酸配列を有するフラタキシンポリペプチドをコードするペイロード領域(例えば、配列番号1824に対して少なくとも95%同一な核酸配列を含むペイロード領域)とを含む。一部の実施形態において、AAVベクターゲノムは、配列番号1740のプロモータ配列と、配列番号1725のアミノ酸配列を有し(例えば、配列番号1824を含むペイロード領域)、および/または表5〜11に提供される1つ以上の配列もしくはそれらの95%同一なバリアントを更に含むフラタキシンポリペプチドをコードするペイロード領域とを含む。一部の実施形態において、フラタキシンポリペプチドは、配列番号1728またはその断片、任意選択で配列番号1728のヌクレオチド221〜853を含む核酸配列によってコードされる。一部の実施形態において、フラタキシンポリペプチドは、配列番号1822、1823または1824を含む核酸配列によってコードされる。
【0178】
一部の実施形態において、プロモータは、配列番号1742に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%または100%配列同一性を有する配列を含む。一部の実施形態において、プロモータは、配列番号1742である。一部の実施形態において、AAVベクターゲノムは、配列番号1742に対して少なくとも90%配列同一性を有するプロモータ配列と、配列番号1725に対して少なくとも90%同一なアミノ酸配列を有するフラタキシンポリペプチドをコードするペイロード領域(例えば、配列番号1824に対して少なくとも90%同一な核酸配列を含むペイロード領域)とを含む。一部の実施形態において、AAVベクターゲノムは、配列番号1742に対して少なくとも95%配列同一性を有するプロモータ配列と、配列番号1725に対して少なくとも95%同一なアミノ酸配列を有するフラタキシンポリペプチドをコードするペイロード領域(例えば、配列番号1824に対して少なくとも95%同一な核酸配列を含むペイロード領域)とを含む。一部の実施形態において、AAVベクターゲノムは、配列番号1742のプロモータ配列と、配列番号1725のアミノ酸配列を有し(例えば、配列番号1824を含むペイロード領域)、および/または表5〜11に提供される1つ以上の配列もしくはそれらの95%同一なバリアントを更に含むフラタキシンポリペプチドをコードするペイロード領域とを含む。一部の実施形態において、フラタキシンポリペプチドは、配列番号1728またはその断片、任意選択で配列番号1728のヌクレオチド221〜853を含む核酸配列によってコードされる。一部の実施形態において、フラタキシンポリペプチドは、配列番号1822、1823または1824を含む核酸配列によってコードされる。
【0179】
一部の実施形態において、プロモータは、配列番号1750に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%または100%配列同一性を有する配列を含む。一部の実施形態において、プロモータは、配列番号1750である。一部の実施形態において、AAVベクターゲノムは、配列番号1750に対して少なくとも90%配列同一性を有するプロモータ配列と、配列番号1725に対して少なくとも90%同一なアミノ酸配列を有するフラタキシンポリペプチドをコードするペイロード領域(例えば、配列番号1824に対して少なくとも90%同一な核酸配列を含むペイロード領域)とを含む。一部の実施形態において、AAVベクターゲノムは、配列番号1750に対して少なくとも95%配列同一性を有するプロモータ配列と、配列番号1725に対して少なくとも95%同一なアミノ酸配列を有するフラタキシンポリペプチドをコードするペイロード領域(例えば、配列番号1824に対して少なくとも95%同一な核酸配列を含むペイロード領域)とを含む。一部の実施形態において、AAVベクターゲノムは、配列番号1750のプロモータ配列と、配列番号1725のアミノ酸配列を有し(例えば、配列番号1824を含むペイロード領域)、および/または表5〜11に提供される1つ以上の配列もしくはそれらの95%同一なバリアントを更に含むフラタキシンポリペプチドをコードするペイロード領域とを含む。一部の実施形態において、フラタキシンポリペプチドは、配列番号1728またはその断片、任意選択で配列番号1728のヌクレオチド221〜853を含む核酸配列によってコードされる。一部の実施形態において、フラタキシンポリペプチドは、配列番号1822、1823または1824を含む核酸配列によってコードされる。
【0180】
一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、エンハンサー、例えば、前初期「ie」エンハンサーまたはCMV/グロビンエンハンサーを含む。一部の実施形態において、エンハンサーは、ie1エクソン1およびie1イントロン1またはそれらの断片を含む。一部の実施形態において、エンハンサーは、ie1エクソン1、ie1イントロン1またはそれらの断片、ヒトベータ−グロビンイントロン2、およびヒトベータ−グロビンエクソン3を含む。一部の実施形態において、エンハンサーは、配列番号1815〜1821のいずれかによって与えられる配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%または100%同一な配列を含む。一部の実施形態において、エンハンサーは、配列番号1816によって与えられる配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%または100%同一な配列を含む。一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、上述したエンハンサーと、フラタキシンをコードする、例えば、配列番号1725もしくはそれに対して少なくとも90%配列同一性を有するそのバリアントをコードする、または核酸配列である配列番号1824もしくはそれに対して少なくとも90%配列同一性を有するバリアントを含むペイロード領域とを含む。
【0181】
イントロン
一部の実施形態において、ベクターゲノムは、少なくとも1つのイントロンまたはその断片もしくは誘導体を含む。一部の実施形態において、少なくとも1つのイントロンは、FXNの発現を増強することができる(例えば、パウエルら(Powell et al.),遺伝子療法におけるトランス遺伝子標的特異性および発現を増強するウイルス発現カセットエレメント(Viral Expression Cassette Elements to Enhance Transgene Target Specificity and Expression in Gene Therapy),2015を参照されたい;その内容は全体として本願明細書に援用される)。イントロンの非限定的な例としては、MVM(67〜97bp)、F.IXトランケート型イントロン1(300bp)、β−グロビンSD/免疫グロブリン重鎖スプライスアクセプター(250bp)、アデノウイルススプライスドナー/イムノグロビン(immunoglobin)スプライスアクセプター(500bp)、SV40後期スプライスドナー/スプライスアクセプター(19S/16S)(180bp)およびハイブリッドアデノウイルススプライスドナー/IgGスプライスアクセプター(230bp)が挙げられる。
【0182】
一部の実施形態において、イントロンは、100〜500ヌクレオチド長であってもよい。イントロンは、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490または500ヌクレオチドの長さを有してもよい。イントロンは、80〜100、80〜120、80〜140、80〜160、80〜180、80〜200、80〜250、80〜300、80〜350、80〜400、80〜450、80〜500、200〜300、200〜400、200〜500、300〜400、300〜500、または400〜500ヌクレオチドの長さを有してもよい。
【0183】
一部の実施形態において、AAVベクターは、SV40イントロンまたはその断片もしくはバリアントを含んでもよい。一部の実施形態において、プロモータは、CMVであってもよい。一部の実施形態において、プロモータは、CBAであってもよい。一部の実施形態において、プロモータは、H1であってもよい。
【0184】
一部の実施形態において、AAVベクターは、1つ以上のベータ−グロビンイントロンまたはその断片もしくはバリアントを含んでもよい。一部の実施形態において、イントロンは、1つ以上のヒトベータ−グロビン配列(例えば、その断片/バリアントを含む)を含む。
【0185】
一部の実施形態において、イントロンは、配列番号1815〜1821のいずれかによって与えられる配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%または100%同一な配列を含む。一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、上述したイントロンと、フラタキシンをコードする、例えば、配列番号1725もしくはそれに対して少なくとも90%配列同一性を有するそのバリアントをコードする、または核酸配列である配列番号1824もしくはそれに対して少なくとも90%配列同一性を有するバリアントを含むペイロード領域とを含む。一部の実施形態において、プロモータは、CMVであってもよい。一部の実施形態において、プロモータは、CBAであってもよい。一部の実施形態において、プロモータは、H1であってもよい。
【0186】
一部の実施形態において、コード化FXNは、発現ベクター中のイントロン、例えば、限定はされないが、SV40イントロンもしくはベータグロビンイントロンまたは当該技術分野で公知の他のものの下流に位置してもよい。更に、コード化FXNは、発現ベクター中のポリアデニル化配列の上流に位置してもよい。一部の実施形態において、コード化FXNは、発現ベクター中のイントロンを有するプロモータから下流および/またはポリアデニル化配列の上流1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、または30ヌクレオチド超以内に位置してもよい。一部の実施形態において、コード化FXNは、発現ベクター中のイントロンから下流および/またはポリアデニル化配列の上流1〜5、1〜10、1〜15、1〜20、1〜25、1〜30、5〜10、5〜15、5〜20、5〜25、5〜30、10〜15、10〜20、10〜25、10〜30、15〜20、15〜25、15〜30、20〜25、20〜30、または25〜30ヌクレオチド以内に位置してもよい。一部の実施形態において、コード化FXNは、発現ベクター中のイントロンから下流および/またはポリアデニル化配列の上流のヌクレオチドの最初の1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、または25%超以内に位置してもよい。一部の実施形態において、コード化FXNは、発現ベクター中のイントロンから下流および/またはポリアデニル化配列の上流の配列の最初の1〜5%、1〜10%、1〜15%、1〜20%、1〜25%、5〜10%、5〜15%、5〜20%、5〜25%、10〜15%、10〜20%、10〜25%、15〜20%、15〜25%、または20〜25%以内に位置してもよい。
【0187】
特定の実施形態において、イントロン配列は、エンハンサー配列ではない。特定の実施形態において、イントロン配列は、プロモータ配列の下位成分ではない。
ウイルスゲノム成分:非翻訳領域(UTR)
定義上、遺伝子の野生型非翻訳領域(UTR)は、転写されるが翻訳されない。一般的には、5’UTRは、転写開始部位から始まり、開始コドンで終了し、3’UTRは、終止コドンの直後から始まり、転写の終結シグナルまで継続する。
【0188】
特定の標的臓器の、豊富に発現される遺伝子に典型的に見出される特徴を、UTR内に操作して、安定性およびタンパク質産生を増強することができる。非限定的な例として、肝臓において通常発現されるmRNA(例えば、アルブミン、血清アミロイドA、アポリポタンパク質A/B/E、トランスフェリン、アルファフェトプロテイン、エリスロポエチン、または第VIII因子)に由来する5’UTRを、本開示のAAV粒子のウイルスゲノムに使用して、肝細胞株または肝臓での発現を増強することができる。
【0189】
理論によって束縛されることを望むものではないが、野生型5’非翻訳領域(UTR)は、翻訳開始に役割を果たす特徴を含む。コザック配列は、リボソームが多数の遺伝子の翻訳を開始させる過程に関与することが広く知られており、通常は5’UTRに含まれている。コザック配列は、コンセンサスCCR(A/G)CCAUGGを有し、式中Rは、開始コドン(ATG)の3塩基上流にあるプリン(アデニンまたはグアニン)であり、別の「G」がその後に続く。
【0190】
一部の実施形態において、ウイルスゲノムの5’UTRは、コザック配列を含む。
一部の実施形態において、ウイルスゲノムの5’UTRは、コザック配列を含まない。
理論によって束縛されることを望むものではないが、野生型3’UTRは、アデノシンおよびウリジンのストレッチがそこに埋め込まれていることが知られている。これらのAUリッチシグネチャーは、高いターンオーバー率を有する遺伝子において特に広く見受けられる。それらの配列特徴および機能的特性に基づき、AUリッチエレメント(ARE)は、3つのクラスに分離することできる(チェン(Chen)ら著、1995年。その内容は本明細書において全体として参照により援用される):限定はされないが、c−MycおよびMyoDなどのクラスI AREは、Uリッチ領域内にAUUUAモチーフの幾つかの分散コピーを含有する。限定はされないが、GM−CSFおよびTNF−aなどのクラスII AREは、2つ以上のオーバーラップUUAUUUA(U/A)(U/A)ノナマーを有する。限定はされないが、c−JunおよびミオゲニンなどのクラスIII ARESは、それほど十分に規定されていない。これらのUリッチ領域は、AUUUAモチーフを含有しない。AREに結合するほとんどのタンパク質は、メッセンジャーを不安定化することが知られているが、ELAVファミリーのメンバーである最も顕著にはHuRは、mRNAの安定性を増加させることが実証されている。HuRは、3つ全てのクラスのAREに結合する。HuR特異的結合部位を核酸分子の3’UTR内に、操作により加えることは、インビボにて、HuR結合を、したがってメッセージの安定化をもたらすことになる。
【0191】
3’UTR AUリッチエレメント(ARE)の導入、除去または改変を使用して、ポリヌクレオチドの安定性を調節することができる。特異的なポリヌクレオチド、例えばウイルスゲノムのペイロード領域を操作する場合、AREの1つ以上のコピーを導入して、ポリヌクレオチドをより不安定にし、それにより、翻訳を減らし、結果として生じるタンパク質の産生を減少させることができる。同様に、AREを、同定および除去または突然変異させて、細胞内安定性を増加させ、したがって結果として生じるタンパク質の翻訳および産生を増加させることができる。
【0192】
一部の実施形態において、ウイルスゲノムの3’UTRは、ポリAテールを鋳型付加するためのオリゴ(dT)配列を含み得る。
当該技術分野で公知の任意の遺伝子に由来する任意のUTRを、AAV粒子のウイルスゲノムに組み込むことができる。これらのUTRまたはそれらの部分は、それらが選択されたかまたはそれらの配向性もしくは位置が変更され得る遺伝子と同じ配向性に配置され得る。一部の実施形態において、AAV粒子のウイルスゲノムに使用されるUTRは、逆位化、短縮化、延長化、または当該技術分野で公知の1つ以上の他の5’UTRもしくは3’UTRで作製され得る。本明細書で使用されるとき、用語「変更される」は、UTRに関する場合、UTRが、参照配列に対して何らかの点で変化していることを意味する。例えば、3’または5’UTRは、上記で教示されるような配向性または位置の変化によって野生型または天然UTRに対して変更されていてもよく、または追加ヌクレオチドの介在、ヌクレオチドの欠失、ヌクレオチドの交換もしくは転位によって変更されていてもよい。
【0193】
一部の実施形態において、AAV粒子のウイルスゲノムは、野生型UTRのバリアントでない少なくとも1つの人工UTRを含む。
一部の実施形態において、AAV粒子のウイルスゲノムは、そのタンパク質が、共通の機能、構造、特徴、または特性を共有する転写物のファミリーから選択されているUTRを含む。
【0194】
miRNA標的部位
一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、少なくとも1つのmiRNA結合部位を含んでもよい。microRNA(またはmiRNAまたはmiR)は、核酸標的の部位に結合し、核酸分子安定性を低減することまたは翻訳を阻害することのいずれかによって遺伝子発現を下方調節する19〜25ヌクレオチド非コードRNAである。一部の実施形態において、ウイルスゲノムの3’UTRは、少なくとも1つのmiRNA結合部位を含むように操作されてもよい。
【0195】
一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、特定の組織におけるトランス遺伝子の発現を低減させるmiRNA標的部位をコードする少なくとも1つの配列を含む。miRNAおよびその標的組織は、当該技術分野で周知である。一部の実施形態において、miR−122 miRNA標的部位(miR−122TS)、またはそのタンデムコピーは、miR−122が豊富に発現される肝臓におけるウイルスゲノムの発現を低減させるために、ウイルスゲノムにコードされ得る。
【0196】
一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、少なくとも1つのmiR122結合部位を含む。一部の実施形態において、miR122結合部位は、配列番号1827に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%または100%同一な配列を含む。一部の実施形態において、AAVベクターゲノムは、3コピーのmiR122結合部位、例えば、3コピーの配列番号1827または少なくとも90%配列同一性を有するそのバリアントを含む。一部の実施形態において、miR122結合部位シリーズは、配列番号1826に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%または100%同一な配列を含む。一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、上述した1、2または3つのmiR122結合部位と、フラタキシンをコードする、例えば、配列番号1725もしくはそれに対して少なくとも90%配列同一性を有するそのバリアントをコードする、または核酸配列である配列番号1824もしくはそれに対して少なくとも90%配列同一性を有するバリアントを含むペイロード領域とを含む。一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、上述した3つのmiR122結合部位と、フラタキシンをコードする、例えば、配列番号1725もしくはそれに対して少なくとも90%配列同一性を有するそのバリアントをコードする、または核酸配列である配列番号1824もしくはそれに対して少なくとも90%配列同一性を有するバリアントを含むペイロード領域とを含む。
【0197】
骨格
特定の実施形態において、シス−エレメント、例えばベクター骨格は、FXNをコードするウイルス粒子中に取り込まれる。骨格配列は、ウイルス産生の間の転写を調節することができる。骨格配列は、FXN発現の安定性に寄与することができる。骨格配列は、pAAVscまたはpcDNA3.1ベクター骨格中にクローニングすることができるFXNの発現のレベルに寄与することができる。
【0198】
ポリアデニル化配列
一部の実施形態において、本開示のAAV粒子のウイルスゲノムは少なくとも1つのポリアデニル化配列を含む。AAV粒子のウイルスゲノムは、ペイロードコード配列の3’末端と3’UTRの5’末端との間にポリアデニル化配列を含み得る。
【0199】
一部の実施形態において、ポリアデニル化配列または「ポリA配列」は、存在しない〜約500ヌクレオチド長の範囲であってもよい。ポリアデニル化配列は、限定はされないが、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、200、201、202、203、204、205、206、207、208、209、210、211、212、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、226、227、228、229、230、231、232、233、234、235、236、237、238、239、240、241、242、243、244、245、246、247、248、249、250、251、252、253、254、255、256、257、258、259、260、261、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、287、288、289、290、291、292、293、294、295、296、297、298、299、300、301、302、303、304、305、306、307、308、309、310、311、312、313、314、315、316、317、318、319、320、321、322、323、324、325、326、327、328、329、330、331、332、333、334、335、336、337、338、339、340、341、342、343、344、345、346、347、348、349、350、351、352、353、354、355、356、357、358、359、360、361、362、363、364、365、366、367、368、369、370、371、372、373、374、375、376、377、378、379、380、381、382、383、384、385、386、387、388、389、390、391、392、393、394、395、396、397、398、399、400、401、402、403、404、405、406、407、408、409、410、411、412、413、414、415、416、417、418、419、420、421、422、423、424、425、426、427、428、429、430、431、432、433、434、435、436、437、438、439、440、441、442、443、444、445、446、447、448、449、450、451、452、453、454、455、456、457、458、459、460、461、462、463、464、465、466、467、468、469、470、471、472、473、474、475、476、477、478、479、480、481、482、483、484、485、486、487、488、489、490、491、492、493、494、495、496、497、498、499、または500ヌクレオチド長であってもよい。
【0200】
一部の実施形態において、ポリアデニル化配列は50〜100ヌクレオチド長である。
一部の実施形態において、ポリアデニル化配列は50〜150ヌクレオチド長である。
一部の実施形態において、ポリアデニル化配列は50〜160ヌクレオチド長である。
【0201】
一部の実施形態において、ポリアデニル化配列は50〜200ヌクレオチド長である。
一部の実施形態において、ポリアデニル化配列は60〜100ヌクレオチド長である。
一部の実施形態において、ポリアデニル化配列は60〜150ヌクレオチド長である。
【0202】
一部の実施形態において、ポリアデニル化配列は60〜160ヌクレオチド長である。
一部の実施形態において、ポリアデニル化配列は60〜200ヌクレオチド長である。
一部の実施形態において、ポリアデニル化配列は70〜100ヌクレオチド長である。
【0203】
一部の実施形態において、ポリアデニル化配列は70〜150ヌクレオチド長である。
一部の実施形態において、ポリアデニル化配列は70〜160ヌクレオチド長である。
一部の実施形態において、ポリアデニル化配列は70〜200ヌクレオチド長である。
【0204】
一部の実施形態において、ポリアデニル化配列は80〜100ヌクレオチド長である。
一部の実施形態において、ポリアデニル化配列は80〜150ヌクレオチド長である。
一部の実施形態において、ポリアデニル化配列は80〜160ヌクレオチド長である。
【0205】
一部の実施形態において、ポリアデニル化配列は80〜200ヌクレオチド長である。
一部の実施形態において、ポリアデニル化配列は90〜100ヌクレオチド長である。
一部の実施形態において、ポリアデニル化配列は90〜150ヌクレオチド長である。
【0206】
一部の実施形態において、ポリアデニル化配列は90〜160ヌクレオチド長である。
一部の実施形態において、ポリアデニル化配列は90〜200ヌクレオチド長である。
一部の実施形態において、コード化FXNは、発現ベクター中のポリアデニル化配列の上流に位置してもよい。更に、コード化FXNは、発現ベクター中のSV40イントロンを有するプロモータ、例えば、限定はされないが、CMV、U6、CBAもしくはCBAプロモータ、またはそれらの断片(例えば、本明細書で開示されるもの)の下流に位置してもよい。一部の実施形態において、コード化FXNは、発現ベクター中のプロモータから下流および/またはポリアデニル化配列の上流1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、または30ヌクレオチド超以内に位置してもよい。一部の実施形態において、コード化FXNは、発現ベクター中のプロモータから下流および/またはポリアデニル化配列の上流1〜5、1〜10、1〜15、1〜20、1〜25、1〜30、5〜10、5〜15、5〜20、5〜25、5〜30、10〜15、10〜20、10〜25、10〜30、15〜20、15〜25、15〜30、20〜25、20〜30、または25〜30ヌクレオチド以内に位置してもよい。一部の実施形態において、コード化FXNは、発現ベクター中のプロモータから下流および/またはポリアデニル化配列の上流のヌクレオチドの最初の1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、または25%超以内に位置してもよい。一部の実施形態において、コード化FXNは、発現ベクター中のプロモータから下流および/またはポリアデニル化配列の上流の最初の1〜5%、1〜10%、1〜15%、1〜20%、1〜25%、5〜10%、5〜15%、5〜20%、5〜25%、10〜15%、10〜20%、10〜25%、15〜20%、15〜25%、または20〜25%以内に位置してもよい。
【0207】
一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、ヒト成長ホルモン(hGH)ポリA配列を含む。一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、配列番号1828に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%または100%同一なポリA配列を含む。一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、上述したhGHポリAと、フラタキシンをコードする、例えば、配列番号1725もしくはそれに対して少なくとも90%配列同一性を有するそのバリアントをコードする、または核酸配列である配列番号1824もしくはそれに対して少なくとも90%配列同一性を有するバリアントを含むペイロード領域とを含む。
【0208】
フィラー配列
一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、1つ以上のフィラー配列を含む。フィラー配列は、野生型配列または操作された配列であってもよい。フィラー配列は、野生型配列のバリアントであってもよい。一実施形態において、フィラー配列は、ヒトアルブミンの誘導体である。
【0209】
一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、ウイルスゲノムの長さをパッケージングに最適なサイズにするために、1つ以上のフィラー配列を含む。一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、ウイルスゲノムの長さを約2.3kbにするために、少なくとも1つのフィラー配列を含む。一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、ウイルスゲノムの長さを約4.6kbにするために、少なくとも1つのフィラー配列を含む。
【0210】
一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、一本鎖(ss)ウイルスゲノムであり、限定はされないが、0.1kb、0.2kb、0.3kb、0.4kb、0.5kb、0.6kb、0.7kb、0.8kb、0.9kb、1kb、1.1kb、1.2kb、1.3kb、1.4kb、1.5kb、1.6kb、1.7kb、1.8kb、1.9kb、2kb、2.1kb、2.2kb、2.3kb、2.4kb、2.5kb、2.6kb、2.7kb、2.8kb、2.9kb、3kb、3.1kb、3.2kb、3.3kb、3.4kb、3.5kb、3.6kb、3.7kbまたは3.8kbなど、約0.1kb〜3.8kbの長さを独立にまたは一緒に有する1つ以上のフィラー配列を含む。一部の実施形態において、ベクターゲノム中のフィラー配列の合計長は、3.1kbである。一部の実施形態において、ベクターゲノム中のフィラー配列の合計長は、2.7kbである。一部の実施形態において、ベクターゲノム中のフィラー配列の合計長は、0.8kbである。一部の実施形態において、ベクターゲノム中のフィラー配列の合計長は、0.4kbである。一部の実施形態において、ベクターゲノム中の各フィラー配列の長さは、0.8kbである。一部の実施形態において、ベクターゲノム中の各フィラー配列の長さは、0.4kbである。
【0211】
一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、自己相補的(sc)ウイルスゲノムであり、限定はされないが、0.1kb、0.2kb、0.3kb、0.4kb、0.5kb、0.6kb、0.7kb、0.8kb、0.9kb、1kb、1.1kb、1.2kb、1.3kb、1.4kbまたは1.5kbなど、約0.1kb〜1.5kbの長さを独立にまたは一緒に有する1つ以上のフィラー配列を含む。一部の実施形態において、ベクターゲノム中のフィラー配列の合計長は、0.8kbである。一部の実施形態において、ベクターゲノム中のフィラー配列の合計長は、0.4kbである。一部の実施形態において、ベクターゲノム中の各フィラー配列の長さは、0.8kbである。一部の実施形態において、ベクターゲノム中の各フィラー配列の長さは、0.4kbである。
【0212】
一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、フィラー配列の任意の部分を含む。ウイルスゲノムは、フィラー配列の1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%または99%を含んでいてもよい。
【0213】
一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、一本鎖(ss)ウイルスゲノムであり、ウイルスゲノムの長さを約4.6kbにするために、1つ以上のフィラー配列を含む。一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、少なくとも1つのフィラー配列を含み、フィラー配列は、5’ITR配列の3’に位置する。一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、少なくとも1つのフィラー配列を含み、フィラー配列は、プロモータ配列の5’に位置する。一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、少なくとも1つのフィラー配列を含み、フィラー配列は、ポリアデニル化シグナル配列の3’に位置する。一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、少なくとも1つのフィラー配列を含み、フィラー配列は、3’ITR配列の5’に位置する。一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、少なくとも1つのフィラー配列を含み、フィラー配列は、2つのイントロン配列間に位置する。一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、少なくとも1つのフィラー配列を含み、フィラー配列は、イントロン配列内に位置する。一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、2つのフィラー配列を含み、第1のフィラー配列は、5’ITR配列の3’に位置し、第2のフィラー配列は、ポリアデニル化シグナル配列の3’に位置する。一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、2つのフィラー配列を含み、第1のフィラー配列は、プロモータ配列の5’に位置し、第2のフィラー配列は、ポリアデニル化シグナル配列の3’に位置する。一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、2つのフィラー配列を含み、第1のフィラー配列は、5’ITR配列の3’に位置し、第2のフィラー配列は、5’ITR配列の5’に位置する。
【0214】
一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、自己相補的(sc)ウイルスゲノムであり、ウイルスゲノムの長さを約2.3kbにするために、1つ以上のフィラー配列を含む。一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、少なくとも1つのフィラー配列を含み、フィラー配列は、5’ITR配列の3’に位置する。一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、少なくとも1つのフィラー配列を含み、フィラー配列は、プロモータ配列の5’に位置する。一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、少なくとも1つのフィラー配列を含み、フィラー配列は、ポリアデニル化シグナル配列の3’に位置する。一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、少なくとも1つのフィラー配列を含み、フィラー配列は、3’ITR配列の5’に位置する。一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、少なくとも1つのフィラー配列を含み、フィラー配列は、2つのイントロン配列間に位置する。非限定的な例として、ウイルスゲノムは、少なくとも1つのフィラー配列を含み、フィラー配列は、イントロン配列内に位置する。一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、2つのフィラー配列を含み、第1のフィラー配列は、5’ITR配列の3’に位置し、第2のフィラー配列は、ポリアデニル化シグナル配列の3’に位置する。一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、2つのフィラー配列を含み、第1のフィラー配列は、プロモータ配列の5’に位置し、第2のフィラー配列は、ポリアデニル化シグナル配列の3’に位置する。一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、2つのフィラー配列を含み、第1のフィラー配列は、5’ITR配列の3’に位置し、第2のフィラー配列は、5’ITR配列の5’に位置する。
【0215】
一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、ウイルスゲノムのより多くの領域の1つの間に1つ以上のフィラー配列を含み得る。一部の実施形態において、フィラー領域は、限定はされないが、ペイロード領域、末端逆位配列(ITR)、プロモータ領域、イントロン領域、エンハンサー領域、ポリアデニル化シグナル配列領域、および/またはエクソン領域などの領域の前に位置していてもよい。一部の実施形態において、フィラー領域は、限定はされないが、ペイロード領域、末端逆位配列(ITR)、プロモータ領域、イントロン領域、エンハンサー領域、ポリアデニル化シグナル配列領域、および/またはエクソン領域などの領域の後に位置していてもよい。一部の実施形態において、フィラー領域は、限定はされないが、ペイロード領域、末端逆位配列(ITR)、プロモータ領域、イントロン領域、エンハンサー領域、ポリアデニル化シグナル配列領域、および/またはエクソン領域などの領域の前および後に位置していてもよい。
【0216】
一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、ウイルスゲノムの少なくとも1つの領域を二分する1つ以上のフィラー配列を含んでもよい。ウイルスゲノムの二分された領域は、フィラー配列領域の5’にある領域の1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99%を含んでいてもよい。一部の実施形態において、フィラー配列は、領域の10%がフィラー配列の5’に位置し、領域の90%がフィラー配列の3’に位置するように、少なくとも1つの領域を二分してもよい。一部の実施形態において、フィラー配列は、領域の20%がフィラー配列の5’に位置し、領域の80%がフィラー配列の3’に位置するように、少なくとも1つの領域を二分してもよい。一部の実施形態において、フィラー配列は、領域の30%がフィラー配列の5’に位置し、領域の70%がフィラー配列の3’に位置するように、少なくとも1つの領域を二分してもよい。一部の実施形態において、フィラー配列は、領域の40%がフィラー配列の5’に位置し、領域の60%がフィラー配列の3’に位置するように、少なくとも1つの領域を二分してもよい。一部の実施形態において、フィラー配列は、領域の50%がフィラー配列の5’に位置し、領域の50%がフィラー配列の3’に位置するように、少なくとも1つの領域を二分してもよい。一部の実施形態において、フィラー配列は、領域の60%がフィラー配列の5’に位置し、領域の40%がフィラー配列の3’に位置するように、少なくとも1つの領域を二分してもよい。一部の実施形態において、フィラー配列は、領域の70%がフィラー配列の5’に位置し、領域の30%がフィラー配列の3’に位置するように、少なくとも1つの領域を二分してもよい。一部の実施形態において、フィラー配列は、領域の80%がフィラー配列の5’に位置し、領域の20%がフィラー配列の3’に位置するように、少なくとも1つの領域を二分してもよい。一部の実施形態において、フィラー配列は、領域の90%がフィラー配列の5’に位置し、領域の10%がフィラー配列の3’に位置するように、少なくとも1つの領域を二分してもよい。
【0217】
一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、5’ITRの後にフィラー配列を含む。
一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、プロモータ領域の後にフィラー配列を含む。一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、ペイロード領域の後にフィラー配列を含む。一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、イントロン領域の後にフィラー配列を含む。一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、エンハンサー領域の後にフィラー配列を含む。一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、ポリアデニル化シグナル配列領域の後にフィラー配列を含む。一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、エクソン領域の後にフィラー配列を含む。
【0218】
一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、プロモータ領域の前にフィラー配列を含む。一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、ペイロード領域の前にフィラー配列を含む。一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、イントロン領域の前にフィラー配列を含む。一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、エンハンサー領域の前にフィラー配列を含む。一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、ポリアデニル化シグナル配列領域の前にフィラー配列を含む。一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、エクソン領域の前にフィラー配列を含む。
【0219】
一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、3’ITRの前にフィラー配列を含む。
一部の実施形態において、フィラー配列は、限定はされないが、5’ITRおよびプロモータ領域などの、2つの領域間に位置していてもよい。一部の実施形態において、フィラー配列は、限定はされないが、5’ITRおよびペイロード領域などの、2つの領域間に位置していてもよい。一部の実施形態において、フィラー配列は、限定はされないが、5’ITRおよびイントロン領域などの、2つの領域間に位置していてもよい。一部の実施形態において、フィラー配列は、限定はされないが、5’ITRおよびエンハンサー領域などの、2つの領域間に位置していてもよい。一部の実施形態において、フィラー配列は、限定はされないが、5’ITRおよびポリアデニル化シグナル配列領域などの、2つの領域間に位置していてもよい。
【0220】
一部の実施形態において、フィラー配列は、限定はされないが、5’ITRおよびエクソン領域などの、2つの領域間に位置していてもよい。
一部の実施形態において、フィラー配列は、限定はされないが、プロモータ領域およびペイロード領域などの、2つの領域間に位置していてもよい。一部の実施形態において、フィラー配列は、限定はされないが、プロモータ領域およびイントロン領域などの、2つの領域間に位置していてもよい。一部の実施形態において、フィラー配列は、限定はされないが、プロモータ領域およびエンハンサー領域などの、2つの領域間に位置していてもよい。一部の実施形態において、フィラー配列は、限定はされないが、プロモータ領域およびポリアデニル化シグナル配列領域などの、2つの領域間に位置していてもよい。一部の実施形態において、フィラー配列は、限定はされないが、プロモータ領域およびエクソン領域などの、2つの領域間に位置していてもよい。一部の実施形態において、フィラー配列は、限定はされないが、プロモータ領域および3’ITRなどの、2つの領域間に位置していてもよい。
【0221】
一部の実施形態において、フィラー配列は、限定はされないが、ペイロード領域およびイントロン領域などの、2つの領域間に位置していてもよい。一部の実施形態において、フィラー配列は、限定はされないが、ペイロード領域およびエンハンサー領域などの、2つの領域間に位置していてもよい。一部の実施形態において、フィラー配列は、限定はされないが、ペイロード領域およびポリアデニル化シグナル配列領域などの、2つの領域間に位置していてもよい。一部の実施形態において、フィラー配列は、限定はされないが、ペイロード領域およびエクソン領域などの、2つの領域間に位置していてもよい。
【0222】
一部の実施形態において、フィラー配列は、2つの領域間、例えば、限定はされないが、ペイロード領域と3’ITRとの間に位置してもよい。
自己相補的および一本鎖ベクター
一部の実施形態において、本開示で使用されるAAVベクターは、一本鎖ベクター(ssAAV)である。
【0223】
一部の実施形態において、AAVベクターは、自己相補的AAVベクター(scAAV)であってもよい。例えば、米国特許第7,465,583号明細書を参照されたい。scAAVベクターは、共にアニーリングして二本鎖DNAを形成するDNA鎖を含有する。第2鎖の合成をスキップすることにより、scAAVは、細胞において迅速に発現することが可能である。
【0224】
一部の実施形態において、本開示で使用されるAAVベクターは、scAAVである。
AAVベクターを産生および/または改変するための方法は、シュードタイプAAVベクター(国際公開第200028004号パンフレット;国際公開第200123001号パンフレット;国際公開第2004112727号パンフレット;国際公開第2005005610号パンフレットおよび国際公開第2005072364号パンフレット(その各々の内容は全体として本願明細書に援用される))など、当該技術分野で開示されている。
【0225】
ゲノムサイズ
一部の実施形態において、本開示のAAV粒子のウイルスゲノムは、一本鎖または二本鎖であってもよい。ベクターゲノムのサイズは、小型、中型、大型または最大サイズであってもよい。
【0226】
一部の実施形態において、本明細書に記載されるFXNをコードする核酸配列を含むベクターゲノムは、小型一本鎖ベクターゲノムであってもよい。小型一本鎖ベクターゲノムは、約2.7、約2.8、約2.9、約3.0、約3.1、約3.2、約3.3、約3.4または約3.5kbサイズなど、約2.7kb〜約3.5kbサイズであってもよい。一部の実施形態において、小型一本鎖ベクターゲノムは、3.2kbサイズであってもよい。
【0227】
一部の実施形態において、本明細書に記載されるFXNをコードする核酸配列を含むベクターゲノムは、小型二本鎖ベクターゲノムであってもよい。小型二本鎖ベクターゲノムは、約1.3、約1.4、約1.5、約1.6または約1.7kbサイズなど、約1.3〜約1.7kbサイズであってもよい。一部の実施形態において、小型二本鎖ベクターゲノムは、1.6kbサイズであってもよい。
【0228】
一部の実施形態において、本明細書に記載されるFXNをコードする核酸配列を含むベクターゲノムは、中型一本鎖ベクターゲノムであってもよい。中型一本鎖ベクターゲノムは、約3.6、約3.7、約3.8、約3.9、約4.0、約4.1、約4.2または約4.3kbサイズなど、約3.6〜約4.3kbサイズであってもよい。一部の実施形態において、中型一本鎖ベクターゲノムは、4.0kbサイズであってもよい。
【0229】
一部の実施形態において、本明細書に記載されるFXNをコードする核酸配列を含むベクターゲノムは、中型二本鎖ベクターゲノムであってもよい。中型二本鎖ベクターゲノムは、約1.8、約1.9、約2.0または約2.1kbサイズなど、約1.8〜約2.1kbサイズであってもよい。一部の実施形態において、中型二本鎖ベクターゲノムは、2.0kbサイズであってもよい。加えて、ベクターゲノムはプロモータおよびポリAテールを含み得る。
【0230】
一実施形態において、本明細書に記載されるFXNをコードする核酸配列を含むベクターゲノムは、大型一本鎖ベクターゲノムであってもよい。大型一本鎖ベクターゲノムは、約4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9および6.0kbサイズなど、4.4〜6.0kbサイズであってもよい。非限定的な例として、大型一本鎖ベクターゲノムは、4.7kbサイズであってもよい。別の非限定的な例として、大型一本鎖ベクターゲノムは、4.8kbサイズであってもよい。更に別の非限定的な例として、大型一本鎖ベクターゲノムは6.0kbサイズであってもよい。
【0231】
一実施形態において、本明細書に記載されるFXNをコードする核酸配列を含むベクターゲノムは、大型二本鎖ベクターゲノムであってもよい。大型二本鎖ベクターゲノムは、約2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9および3.0kbサイズなど、2.2〜3.0kbサイズであってもよい。非限定的な例として、大型二本鎖ベクターゲノムは、2.4kbサイズであってもよい。
【0232】
ペイロード
一部の実施形態において、本明細書の開示は、遺伝子療法ベクターによって送達されるFXNの発現を改善させるコンストラクトを提供する。
【0233】
一部の態様では、本開示は、フラタキシン(FXN)またはその機能的断片(複数可)をコードする核酸配列(複数可)を含有するまたは含む組成物、ならびに疾患のヒトおよび/または動物モデルにおいてこれらの組成物をインビトロまたはインビボで投与する方法に関する。
【0234】
本開示のAAV粒子は、少なくとも1つの「ペイロード」をコードする核酸分子を含んでもよい。本明細書で使用されるとき、「ペイロード」または「ペイロード領域」は、ウイルスゲノムによりもしくはその内にコードされる1つ以上のポリヌクレオチドもしくはポリヌクレオチド領域、またはかかるポリヌクレオチドもしくはポリヌクレオチド領域、例えば、トランス遺伝子、ポリペプチドもしくはマルチポリペプチド、例えば、FXNもしくはそのバリアントをコードするポリヌクレオチドの発現産物を指す。ペイロードは、ペイロードを有するAAV粒子で形質導入されたまたはそれと接触された標的細胞におけるFXNの発現(タンパク質産物の補充または調節性核酸を使用する遺伝子置換による)のために有用な当該技術分野で公知の任意の核酸を含んでもよい。
【0235】
ペイロードコンストラクトは、コードおよび非コード核酸配列の組合せを含んでもよい。
ウイルスゲノムの任意の区分、断片、またはウイルスゲノム全体、およびその中のペイロードコンストラクトは、コドン最適化されてもよい。
【0236】
一部の実施形態において、AAV粒子の核酸配列は、FXNをコードする少なくとも1つの部分を含むペイロードコンストラクトであってもよい。
一部の実施形態において、ペイロードコンストラクトは、1つ超のペイロードをコードする。限定的な例として、1つ超のペイロードをコードするペイロードコンストラクトは、複製され得、ウイルス粒子へとパッケージングされ得る。1つ超のペイロードを含むウイルス粒子で形質導入された標的細胞は、単一細胞においてペイロードの各々を発現することができる。
【0237】
一部の実施形態において、ペイロードコンストラクトは、コードまたは非コードRNAをコードしてもよい。特定の実施形態において、アデノ随伴ウイルスベクター粒子は、コザック配列、骨格配列およびイントロン配列からなる群から選択される少なくとも1つのシス−エレメントを更に含む。
【0238】
一部の実施形態において、ペイロードは、ペプチドまたはタンパク質であってもよいポリペプチドである。ペイロードコンストラクトによってコードされるタンパク質は、分泌型タンパク質、細胞内タンパク質、細胞外タンパク質および/または膜タンパク質を含んでもよい。コード化タンパク質は、構造的または機能的であってもよい。ペイロードコンストラクトによってコードされるタンパク質としては、限定はされないが、哺乳動物タンパク質が挙げられる。特定の実施形態において、AAV粒子は、FXNまたはそのバリアントをコードするウイルスゲノムを含有する。ペイロードをコードするAAV粒子は、ヒト疾患、獣医学的応用の分野、ならびに様々なインビボおよびインビトロ設定において有用であり得る。
【0239】
一部の実施形態において、ペイロードは、細胞形質転換および発現を評価するためのマーカータンパク質として働くポリペプチド、融合タンパク質、所望の生物学的活性を有するポリペプチド、遺伝的欠損を補完できる遺伝子産物、RNA分子、転写因子、ならびに調節および/または発現において目的とされる他の遺伝子産物を含んでもよい。一部の実施形態において、ペイロードは、所望の効果または調節機能を提供するヌクレオチド配列(例えば、トランスポゾン、転写因子)を含んでもよい。
【0240】
コード化ペイロードは、遺伝子療法産物を含んでもよい。遺伝子療法産物としては、限定はされないが、ポリペプチド、RNA分子、または標的細胞において発現させた場合に所望の治療効果を提供する他の遺伝子産物が挙げられ得る。一部の実施形態において、遺伝子療法産物は、非機能的遺伝子、または存在しない、不十分な量で発現される、もしくは突然変異された遺伝子の代用品を含んでもよい。一部の実施形態において、遺伝子療法産物は、非機能的タンパク質もしくはポリペプチド、または存在しない、不十分な量で発現される、ミスフォールドされた、あまりに迅速に分解される、もしくは突然変異されたタンパク質もしくはポリペプチドの代用品を含んでもよい。例えば、遺伝子療法産物は、FXN欠損またはFAを治療するための、FXNポリペプチド、またはFXNポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含んでもよい。
【0241】
一部の実施形態において、ペイロードは、メッセンジャーRNA(mRNA)をコードする。本明細書で使用されるとき、用語「メッセンジャーRNA」(mRNA)は、目的のポリペプチドをコードし、目的のコード化ポリペプチドをインビトロ、インビボ、インサイチュまたはエキソビボで産生するように翻訳されることが可能な任意のポリヌクレオチドを指す。特定の実施形態は、FXNまたはそのバリアントをコードするmRNAを提供する。
【0242】
mRNAの成分としては、限定はされないが、コード領域、5’−UTR(非翻訳領域)、3’−UTR、5’−キャップおよびポリAテールが挙げられる。一部の実施形態において、AAVゲノムのコード化mRNAまたは任意の部分は、コドン最適化されてもよい。
【0243】
一部の実施形態において、FXNまたはそのバリアントをコードするペイロードコンストラクトによってコードされるタンパク質またはポリペプチドは、約50〜約4500アミノ酸残基長である(この文脈で、本明細書で以下、「Xアミノ酸長」は、Xアミノ酸残基を指す)。一部の実施形態において、コードされるタンパク質またはポリペプチドは、50〜2000アミノ酸長である。一部の実施形態において、コードされるタンパク質またはポリペプチドは、50〜1000アミノ酸長である。一部の実施形態において、コードされるタンパク質またはポリペプチドは、50〜1500アミノ酸長である。一部の実施形態において、コードされるタンパク質またはポリペプチドは、50〜1000アミノ酸長である。一部の実施形態において、コードされるタンパク質またはポリペプチドは、50〜800アミノ酸長である。一部の実施形態において、コードされるタンパク質またはポリペプチドは、50〜600アミノ酸長である。一部の実施形態において、コードされるタンパク質またはポリペプチドは、50〜400アミノ酸長である。一部の実施形態において、コードされるタンパク質またはポリペプチドは、50〜200アミノ酸長である。一部の実施形態において、コードされるタンパク質またはポリペプチドは、50〜100アミノ酸長である。
【0244】
ペイロードをコードするペイロードコンストラクトは、選択可能なマーカーを含んでもよくまたはそれをコードしてもよい。選択可能なマーカーは、選択可能なマーカーを発現するまたはしないかもしれない細胞の集団からの、宿主細胞の同定、選択および/または精製を可能にする、宿主細胞中の遺伝子配列、または宿主細胞において発現される遺伝子配列によってコードされるタンパク質もしくはポリペプチドを含んでもよい。一部の実施形態において、選択可能なマーカーは、宿主細胞をさもなければ死滅させる選択プロセス、例えば、抗生物質による治療を生存するための耐性を提供する。一部の実施形態において、抗生物質選択可能なマーカーは、限定はされないが、ネオマイシン耐性(例えば、neo)、ハイグロマイシン耐性、カナマイシン耐性および/またはピューロマイシン耐性が挙げられる1つ以上の抗生物質耐性因子を含んでもよい。
【0245】
一部の実施形態において、タンパク質またはポリペプチドをコードする任意の核酸配列が、特異的抗体による認識を含め、選択可能なマーカーとして使用することができる。
一部の実施形態において、ペイロードをコードするペイロードコンストラクトは、限定はされないが、β−ラクタマーゼ、ルシフェラーゼ、β−ガラクトシダーゼ、または細胞表面マーカー、例えば、CD4もしくはトランケート型神経成長因子(NGFR)を含め、その用語が当該技術分野で理解される通りの任意の他の受容体遺伝子が挙げられる、選択可能なマーカーを含んでもよい(GFPについては、国際公開第96/23810号パンフレット;ハイムら(Heim et al.),Current Biology 2:178−182(1996);ハイムら(Heim et al.),Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1995);またはハイムら(Heim et al.),Science 373:663−664(1995)を参照されたい;β−ラクタマーゼについては、国際公開第96/30540号パンフレットを参照されたい);その各々の内容は全体として本願明細書に援用される。
【0246】
一部の実施形態において、選択可能なマーカーをコードするペイロードコンストラクトは、蛍光タンパク質を含んでもよい。本明細書に記載される蛍光タンパク質は、限定はされないが、緑色、黄色および/または赤色蛍光タンパク質(GFP、YFPおよび/またはRFP)が挙げられる、任意の蛍光マーカーを含んでもよい。一部の実施形態において、選択可能なマーカーをコードするペイロードコンストラクトは、ヒトインフルエンザヘマグルチニン(HA)タグを含んでもよい。
【0247】
特定の実施形態において、標的細胞におけるペイロードの発現のための核酸は、ウイルスゲノム中に取り込まれ、2つのITR配列間に位置するであろう。
ペイロード:フラタキシン
一部の実施形態において、ペイロードは、フラタキシンタンパク質である。本明細書で使用されるとき、用語「フラタキシンタンパク質」または「FXNタンパク質」は、「フラタキシンポリペプチド」または「FXNポリペプチド」と互換性があるように使用され、野生型FXNならびにその機能的バリアントを包含する。機能的バリアントは、所望の治療効果を達成するように、その野生型対応物の活性の一部または全てを保持するバリアントである。例えば、一部の実施形態において、機能的バリアントは、障害または状態、例えば、FXN欠損またはFAを治療するために、遺伝子療法において有効に使用される。別途示されない限り、本明細書に記載されるFXNのバリアント(例えば、本開示のコンストラクト、ベクター、ゲノム、方法、キット、組成物などに関連して)は、機能的バリアントである。
【0248】
フリードライヒ運動失調症(FA)は、フラタキシン(FXN)遺伝子が増幅されたイントロンGAA反復(トリヌクレオチド反復拡大の例)を含有する場合に生じる常染色体劣性障害である。パーキンソンら(Parkinson et al.),Journal of Neurochemistry,2013,126(Suppl.1),103−117(その内容は全体として本願明細書に援用される)を参照されたい。遺伝子内のGAA反復拡大は、FXNタンパク質レベルの低減を引き起こす。FXNは、鉄−硫黄クラスター形成を担う鉄結合タンパク質である。FXNタンパク質欠損の1つの結果は、多くのタンパク質に対する損傷を引き起こす可能性があるミトコンドリア鉄過負荷である。ナゲシュワラン(Nageshwaran)およびフェステンシュタイン(Festenstein),Frontiers in Neurology,Vol.6,Art.262(2015)(その内容は全体として本願明細書に援用される)を参照されたい。FXN遺伝子は、9番染色体上に位置する。サンディら(Sandi et al.),Frontiers in Genetics,Vol.5,Art.165(June 2014)(その内容は全体として本願明細書に援用される)を参照されたい。
【0249】
突然変異体遺伝子は、第1のイントロン中に拡大されたGAAトリプレット反復を含有し、わずかな例では、点突然変異が検出されている。欠損はイントロン(転写と翻訳との間でmRNA転写物から除去される)中に位置するので、この突然変異は、異常なFXNタンパク質の産生をもたらさない。ナゲシュワラン(Nageshwaran)およびフェステンシュタイン(Festenstein),Frontiers in Neurology,Vol.6,Art.262(2015)を参照されたい。その代わり、突然変異は、斑入り位置効果と類似の様式でのヘテロクロマチン構造の誘導を介して、遺伝子サイレンシングを引き起こす(すなわち、この突然変異は、遺伝子の転写を減少させる)。FXNタンパク質の発現を低減させることの他に、GAA反復の長いトラクトは、インビボ酵母研究において染色体切断を誘導する。
【0250】
低レベルのFXNタンパク質は、ミトコンドリア電子伝達および機能的アコニターゼのアセンブリのために必要な鉄−硫黄クラスターの不十分な生合成、ならびに細胞全体の調節不全の鉄代謝をもたらす。ナゲシュワラン(Nageshwaran)およびフェステンシュタイン(Festenstein),Frontiers in Neurology,Vol.6,Art.262(2015)を参照されたい。正常な個体では、FXN遺伝子は、ミトコンドリアマトリックスFXNタンパク質をコードする。この球状タンパク質は、2つのαヘリックスおよび7つのβ鎖からなり、高度に保存され、全ての真核生物および一部の原核生物中に存在する。FXNタンパク質は、様々な公知の機能を有する;最も顕著には、これは、電子伝達鎖における鉄−硫黄タンパク質合成を支援して、細胞において代謝機能を実行するために必要なエネルギー通貨であるアデノシン三リン酸(ATP)を最終的に生成する。FXNタンパク質はまた、正常なプロセスを維持するために適切な量の反応性酸素種(ROS)を提供するために、ミトコンドリアにおける鉄移行を調節する。FXNタンパク質が存在しないと、ミトコンドリア中のエネルギーが不足し、過剰な鉄が余計なROSの創出を引き起こし、更なる細胞損傷をもたらす。
【0251】
中枢神経系の他の障害は、FXNタンパク質の異常な発現またはその量もしくは機能における欠損に関連することが最終的に見出される場合がある。かかる障害としては、限定はされないが、神経学的または神経筋障害、例えば、アルツハイマー病、ハンチントン病、自閉症、パーキンソン病および脊髄性筋萎縮症、または本明細書に記載される他の神経学的もしくは神経筋疾患、障害もしくは状態を挙げることができる。
【0252】
本明細書で使用されるとき、「減少したフラタキシンタンパク質レベルに関連する」または「減少した発現に関連する」は、疾患の1つ以上の症状が、標的組織または生物流体(biofluid)、例えば血液中の、正常よりも低いフラタキシンタンパク質レベルによって引き起こされることを意味する。減少したフラタキシンタンパク質レベルまたは発現に関連する疾患または状態は、中枢神経系の障害であってもよい。かかる疾患または状態は、神経筋または神経学的障害または状態であってもよい。例えば、減少したフラタキシンタンパク質レベルに関連する疾患は、FAであってもよく、または本明細書に記載される別の神経学的もしくは神経筋障害であってもよい。
【0253】
本開示は、FAの治療のためのAAVに基づく組成物および複合体によって送達可能なFXN関連治療を提供することにより、新たな技術の要求に対処する。
送達はAAVに関連して例示されるが、他のウイルスベクター、非ウイルスベクター、ナノ粒子またはリポソームが、治療的FXNを送達するために同様に使用することができ、これには、限定はされないが、AAV血清型のいずれかのベクターゲノム、または他のウイルス送達ビヒクルもしくはレンチウイルスなどが挙げられる。観察および教示は、本明細書に記載される様式でCNS中に導入される改変細胞が挙げられる、任意の高分子構造に及ぶ。
【0254】
本明細書で開示されるウイルスゲノムにおいて使用することができ、フラタキシンペイロードを構成することができるフラタキシンの代表的なポリヌクレオチドおよびポリペプチド配列の配列識別子が表2に与えられる。機能的バリアント、例えば、表2に示される配列に対して少なくとも約90%または少なくとも95%配列同一性を保持するものも使用することができる。コドン最適化された、および同じまたは本質的に同じFXNアミノ酸配列をコードする他のバリアント(例えば、少なくとも約90%アミノ酸配列同一性を有するもの)も使用することができる。
【0256】
一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、フラタキシンタンパク質をコードするペイロード領域を含む。コード化フラタキシンは、任意の種、例えば、限定はされないが、ヒト、非ヒト霊長類または齧歯動物に由来してもよい。
【0257】
一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、ヒト(Homo sapiens)フラタキシンまたはそのバリアントをコードするペイロード領域を含む。
本明細書の開示の様々な実施形態は、ウイルスゲノムを含むアデノ随伴ウイルス(AAV)粒子を提供し、そのウイルスゲノムは、少なくとも1つの末端逆位配列領域と、配列番号1725、1726および/もしくは1727のヒトフラタキシン(hFXN)配列またはそれらのバリアントに対して少なくとも90%配列同一性を有するポリペプチドをコードする核酸配列とを含む。
【0258】
一部の実施形態において、AAVウイルスゲノムは、少なくとも1つの末端逆位配列領域と、配列番号1725に対して少なくとも90%配列同一性を有するポリペプチドをコードする核酸配列とを含む。一部の実施形態において、AAVウイルスゲノムは、少なくとも1つの末端逆位配列領域と、配列番号1725に対して少なくとも95%配列同一性を有するポリペプチドをコードする核酸配列とを含む。一部の実施形態において、AAVウイルスゲノムは、少なくとも1つの末端逆位配列領域と、配列番号1725に対して少なくとも98%配列同一性を有するポリペプチドをコードする核酸配列とを含む。一部の実施形態において、AAVウイルスゲノムは、少なくとも1つの末端逆位配列領域と、配列番号1725に対して少なくとも99%配列同一性を有するポリペプチドをコードする核酸配列とを含む。一部の実施形態において、AAVウイルスゲノムは、少なくとも1つの末端逆位配列領域と配列番号1725をコードする核酸配列とを含む。
【0259】
一部の実施形態において、AAVウイルスゲノムは、少なくとも1つの末端逆位配列領域と、配列番号1728に対して少なくとも90%配列同一性を有する核酸配列またはその断片とを含む。一部の実施形態において、AAVウイルスゲノムは、少なくとも1つの末端逆位配列領域と、配列番号1728に対して少なくとも95%配列同一性を有する核酸配列またはその断片とを含む。一部の実施形態において、AAVウイルスゲノムは、少なくとも1つの末端逆位配列領域と、配列番号1728に対して少なくとも98%配列同一性を有する核酸配列またはその断片とを含む。一部の実施形態において、AAVウイルスゲノムは、少なくとも1つの末端逆位配列領域と、配列番号1728に対して少なくとも99%配列同一性を有する核酸配列またはその断片とを含む。一部の実施形態において、AAVウイルスゲノムは、少なくとも1つの末端逆位配列領域と配列番号1728の核酸配列またはその断片とを含む。一部の実施形態において、配列番号1728の断片は、配列番号1728のヌクレオチド221〜853を含む。
【0260】
一部の実施形態において、AAVウイルスゲノムは、少なくとも1つの末端逆位配列領域と、配列番号1823に対して少なくとも90%配列同一性を有する核酸配列またはその断片とを含む。一部の実施形態において、AAVウイルスゲノムは、少なくとも1つの末端逆位配列領域と、配列番号1823に対して少なくとも95%配列同一性を有する核酸配列またはその断片とを含む。一部の実施形態において、AAVウイルスゲノムは、少なくとも1つの末端逆位配列領域と、配列番号1823に対して少なくとも98%配列同一性を有する核酸配列またはその断片とを含む。一部の実施形態において、AAVウイルスゲノムは、少なくとも1つの末端逆位配列領域と、配列番号1823に対して少なくとも99%配列同一性を有する核酸配列またはその断片とを含む。一部の実施形態において、AAVウイルスゲノムは、少なくとも1つの末端逆位配列領域と配列番号1823の核酸配列またはその断片とを含む。一部の実施形態において、核酸配列は、終止コドンを更に含む。
【0261】
一部の実施形態において、AAVウイルスゲノムは、少なくとも1つの末端逆位配列領域と、配列番号1824に対して少なくとも90%配列同一性を有する核酸配列またはその断片とを含む。一部の実施形態において、AAVウイルスゲノムは、少なくとも1つの末端逆位配列領域と、配列番号1824に対して少なくとも95%配列同一性を有する核酸配列またはその断片とを含む。一部の実施形態において、AAVウイルスゲノムは、少なくとも1つの末端逆位配列領域と、配列番号1824に対して少なくとも98%配列同一性を有する核酸配列またはその断片とを含む。一部の実施形態において、AAVウイルスゲノムは、少なくとも1つの末端逆位配列領域と、配列番号1824に対して少なくとも99%配列同一性を有する核酸配列またはその断片とを含む。一部の実施形態において、AAVウイルスゲノムは、少なくとも1つの末端逆位配列領域と配列番号1824の核酸配列またはその断片とを含む。
【0262】
一部の実施形態において、FXNポリペプチドは、非ヒト霊長類、例えば、カニクイザルMacaca fascicularisのFXN配列(cynoFXN)に由来する。特定の実施形態は、Macaca fascicularisのヒト化版(HcynoFXN)配列などのFXNポリペプチドを提供する。一部の実施形態において、FXNポリペプチド配列は、配列番号1728の核酸配列によってコードされてもよい配列番号1725の当該技術分野で受容されたカノニカルヒトFXNアミノ酸配列に対して少なくとも約90%配列同一性を有する。一部の実施形態において、FXNポリペプチド配列は、配列番号1729の核酸配列によってコードされる配列番号1726の当該技術分野で受容されたカノニカルヒトFXNアミノ酸配列に対して少なくとも約90%配列同一性を有する。一部の実施形態において、FXNポリペプチド配列は、配列番号1730の核酸配列によってコードされる配列番号1727の当該技術分野で受容されたカノニカルヒトFXNアミノ酸配列に対して少なくとも約90%配列同一性を有する。
【0263】
一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、カニクイザルもしくは蟹食い(尾長)猿(Macaca fascicularis)フラタキシンまたはそのバリアントをコードするペイロード領域を含む。
【0264】
一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、アカゲザル(Macaca mulatta)フラタキシンまたはそのバリアントをコードするペイロード領域を含む。
一部の実施形態において、AAVウイルスゲノムは、少なくとも1つの末端逆位配列領域と、配列番号1822に対して少なくとも90%配列同一性を有する核酸配列またはその断片とを含む。一部の実施形態において、AAVウイルスゲノムは、少なくとも1つの末端逆位配列領域と、配列番号1822に対して少なくとも95%配列同一性を有する核酸配列またはその断片とを含む。一部の実施形態において、AAVウイルスゲノムは、少なくとも1つの末端逆位配列領域と、配列番号1822に対して少なくとも98%配列同一性を有する核酸配列またはその断片とを含む。一部の実施形態において、AAVウイルスゲノムは、少なくとも1つの末端逆位配列領域と、配列番号1822に対して少なくとも99%配列同一性を有する核酸配列またはその断片とを含む。一部の実施形態において、AAVウイルスゲノムは、少なくとも1つの末端逆位配列領域と配列番号1822の核酸配列またはその断片とを含む。
【0265】
一部の実施形態において、フラタキシンポリペプチドは、上述したもののいずれかに対して50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一性を有するアミノ酸配列を含んでもよい。
【0266】
一部の実施形態において、フラタキシンポリペプチドは、上述したもののいずれかに対して50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一性を有する核酸配列によってコードされてもよい。
【0267】
ウイルスゲノム:プロモータ
一部の実施形態において、ウイルスゲノムのペイロード領域は、ペイロード発現を増強または調節するエレメント、例えば、限定はされないが、プロモータを含む。プロモータは、野生型もしくは操作されたプロモータ、またはそれらの組合せであってよい。一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、少なくとも1つのプロモータを含む。一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、1つ超のプロモータを含む。
【0268】
一部の実施形態において、プロモータは、野生型フラタキシンプロモータまたはその誘導体(例えば、トランケーションまたはバリアント)である。野生型フラタキシンプロモータの好適な誘導体は、機能的な、例えば、ペイロードを少なくとも最小限に検出可能なレベルで発現するのに有効な誘導体である。
【0269】
一部の実施形態において、プロモータは、操作されたフラタキシンプロモータである。フラタキシンプロモータのより短いバリアントが本明細書に含まれる。フラタキシンプロモータは、200〜1400nt長、またはそれらの間の任意の長さであってよい。一部の実施形態において、フラタキシンプロモータバリアントは、223、363、534、747、906、1060、1226または1353ヌクレオチド長であってよい。フラタキシンプロモータバリアントは、プロモータ配列の任意の領域、例えば、限定はされないが、プロモータ配列の5’末端、プロモータ配列の3’末端、またはプロモータ配列内部中の欠失に起因して、野生型フラタキシンプロモータ配列よりも短くてもよい。
【0270】
一部の実施形態において、プロモータは、本明細書に記載されるプロモータのいずれかのうち1つ以上の組合せである。一部の実施形態において、プロモータは、エンハンサー配列と共に使用される。一部の実施形態において、エンハンサー配列は、サイトメガロウイルス前初期遺伝子(CMVie)に由来してもよい。一部の実施形態において、エンハンサーは、プロモータに対して上流(5’)に位置してもよい。一部の実施形態において、エンハンサーは、配列番号1777を含む。
【0271】
一部の実施形態において、プロモータは、CBAプロモータまたはその誘導体(例えば、トランケーションまたはバリアント)である。CBAプロモータの好適な誘導体は、機能的、例えば、ペイロードを発現するのに有効であることが理解される。
【0272】
一部の実施形態において、CBAプロモータは、5’から3’へと列挙した場合、CMVieエンハンサー、骨格配列およびCBプロモータ配列を含む。3つの成分(CMVieエンハンサー、骨格およびCB配列)の各々は、バリアント間で異なる長さであってもよい。
【0273】
一部の実施形態において、CBAプロモータは、5’から3’へと列挙した場合、骨格配列およびCBプロモータ配列を含む。
一部の実施形態において、CBAプロモータは、CBプロモータ配列を含む。
【0274】
一部の実施形態において、CBAプロモータは、100〜700nt長、またはそれらの間の任意の長さであってもよい。一部の実施形態において、CBAプロモータバリアントは、100、180、260、270、332、412、492または572ヌクレオチド長であってもよい。CBAプロモータバリアントは、エンハンサー、骨格またはプロモータ配列の任意の領域、例えば、限定はされないが、プロモータ配列の5’末端、プロモータ配列の3’末端、またはプロモータ配列内部中の欠失に起因して、野生型CBAプロモータ配列よりも短くてもよい。
【0275】
一部の実施形態において、プロモータは、CMVプロモータまたはその誘導体(例えば、トランケーションまたはバリアント)である。CMVプロモータの好適な誘導体は、機能的、例えば、ペイロードを発現するのに有効であることが理解される。CMVプロモータは、CMVエンハンサーおよびCMVプロモータ配列、またはCMVプロモータ配列のみを含んでもよい。CMVエンハンサーおよびCMVプロモータ配列は、プロモータバリアント間で異なる長さであってもよい。
【0276】
一部の実施形態において、CMVプロモータは、50〜700nt長、またはそれらの間の任意の長さであってもよい。一部の実施形態において、CMVプロモータバリアントは、55、109、163、217、289、361、433または505ヌクレオチド長であってもよい。CMVプロモータバリアントは、エンハンサーまたはプロモータ配列の任意の領域、例えば、限定はされないが、プロモータ配列の5’末端、プロモータ配列の3’末端、またはプロモータ配列内部中の欠失に起因して、野生型CMVプロモータ配列よりも短くてもよい。
【0277】
一部の実施形態において、プロモータは、1つ以上のヌクレオチドが親配列から除去された、親プロモータ配列の欠失バリアントである。
一部の実施形態において、プロモータは、1つ以上のヌクレオチドが親配列に付加された、親プロモータ配列の挿入バリアントである。
【0278】
一部の実施形態において、プロモータは、親プロモータ配列と比較して、1つ以上の突然変異を含む。
一部の実施形態において、プロモータは、プロモータバリアントを創出するために、1つ以上の方法(例えば、欠失、突然変異および/または挿入)で改変される。
【0279】
一部の実施形態において、プロモータは、表3中の配列のいずれかの、配列、その断片またはバリアントを含んでもよい。例えば、プロモータは、配列番号1734〜1777からなる群から選択される配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%または100%配列同一性を有する配列、例えば、指定されるパーセント同一性を有し、配列番号1734〜1777からなる群から選択される配列と同じ機能の一部または全てを提供する配列を含んでもよい。一部の実施形態において、プロモータは、CMVプロモータであるまたはそれに由来し、配列番号1743〜1751、1767、1772〜1772および1777からなる群から選択される配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%または100%配列同一性を有する配列を含む。一部の実施形態において、プロモータは、CBAプロモータであるまたはそれに由来し、配列番号1734〜1742、1760〜1766、1768および1775〜1776からなる群から選択される配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%または100%配列同一性を有する配列を含む。一部の実施形態において、プロモータは、FXNプロモータであるまたはそれに由来し、配列番号1752〜1759および1769〜1770からなる群から選択される配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%または100%配列同一性を有する配列を含む。
【0280】
一部の実施形態において、プロモータは、表3中に列挙されたもののいずれかのうち1つ超の配列の組合せを含んでもよい。一部の実施形態において、プロモータ配列は、表6に与えられるイントロン/エクソン配列のうち少なくとも1つを更に含んでもよい。
【0281】
一部の実施形態において、プロモータは、配列番号1738に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%または100%配列同一性を有する配列を含む。一部の実施形態において、プロモータは、配列番号1738である。一部の実施形態において、AAVベクターゲノムは、配列番号1738に対して少なくとも90%配列同一性を有するプロモータ配列と、配列番号1725に対して少なくとも90%同一なアミノ酸配列を有するフラタキシンポリペプチドをコードするペイロード領域(例えば、配列番号1824に対して少なくとも90%同一な核酸配列を含むペイロード領域)とを含む。一部の実施形態において、AAVベクターゲノムは、配列番号1738に対して少なくとも95%配列同一性を有するプロモータ配列と、配列番号1725に対して少なくとも95%同一なアミノ酸配列を有するフラタキシンポリペプチドをコードするペイロード領域(例えば、配列番号1824に対して少なくとも95%同一な核酸配列を含むペイロード領域)とを含む。一部の実施形態において、AAVベクターゲノムは、配列番号1738のプロモータ配列と、配列番号1725のアミノ酸配列を有するフラタキシンポリペプチドをコードするペイロード領域(例えば、配列番号1824を含むペイロード領域)とを含む。一部の実施形態において、フラタキシンポリペプチドは、配列番号1728またはその断片、任意選択で配列番号1728のヌクレオチド221〜853を含む核酸配列によってコードされる。一部の実施形態において、フラタキシンポリペプチドは、配列番号1822、1823または1824を含む核酸配列によってコードされる。
【0282】
一部の実施形態において、プロモータは、配列番号1740に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%または100%配列同一性を有する配列を含む。一部の実施形態において、プロモータは、配列番号1740である。一部の実施形態において、AAVベクターゲノムは、配列番号1740に対して少なくとも90%配列同一性を有するプロモータ配列と、配列番号1725に対して少なくとも90%同一なアミノ酸配列を有するフラタキシンポリペプチドをコードするペイロード領域(例えば、配列番号1824に対して少なくとも90%同一な核酸配列を含むペイロード領域)とを含む。一部の実施形態において、AAVベクターゲノムは、配列番号1740に対して少なくとも95%配列同一性を有するプロモータ配列と、配列番号1725に対して少なくとも95%同一なアミノ酸配列を有するフラタキシンポリペプチドをコードするペイロード領域(例えば、配列番号1824に対して少なくとも95%同一な核酸配列を含むペイロード領域)とを含む。一部の実施形態において、AAVベクターゲノムは、配列番号1740のプロモータ配列と、配列番号1725のアミノ酸配列を有するフラタキシンポリペプチドをコードするペイロード領域(例えば、配列番号1824を含むペイロード領域)とを含む。一部の実施形態において、フラタキシンポリペプチドは、配列番号1728またはその断片、任意選択で配列番号1728のヌクレオチド221〜853を含む核酸配列によってコードされる。一部の実施形態において、フラタキシンポリペプチドは、配列番号1822、1823または1824を含む核酸配列によってコードされる。
【0283】
一部の実施形態において、プロモータは、配列番号1742に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%または100%配列同一性を有する配列を含む。一部の実施形態において、プロモータは、配列番号1742である。一部の実施形態において、AAVベクターゲノムは、配列番号1742に対して少なくとも90%配列同一性を有するプロモータ配列と、配列番号1725に対して少なくとも90%同一なアミノ酸配列を有するフラタキシンポリペプチドをコードするペイロード領域(例えば、配列番号1824に対して少なくとも90%同一な核酸配列を含むペイロード領域)とを含む。一部の実施形態において、AAVベクターゲノムは、配列番号1742に対して少なくとも95%配列同一性を有するプロモータ配列と、配列番号1725に対して少なくとも95%同一なアミノ酸配列を有するフラタキシンポリペプチドをコードするペイロード領域(例えば、配列番号1824に対して少なくとも95%同一な核酸配列を含むペイロード領域)とを含む。一部の実施形態において、AAVベクターゲノムは、配列番号1742のプロモータ配列と、配列番号1725のアミノ酸配列を有するフラタキシンポリペプチドをコードするペイロード領域(例えば、配列番号1824を含むペイロード領域)とを含む。一部の実施形態において、フラタキシンポリペプチドは、配列番号1728またはその断片、任意選択で配列番号1728のヌクレオチド221〜853を含む核酸配列によってコードされる。一部の実施形態において、フラタキシンポリペプチドは、配列番号1822、1823または1824を含む核酸配列によってコードされる。
【0284】
一部の実施形態において、プロモータは、配列番号1750に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%または100%配列同一性を有する配列を含む。一部の実施形態において、プロモータは、配列番号1750である。一部の実施形態において、AAVベクターゲノムは、配列番号1750に対して少なくとも90%配列同一性を有するプロモータ配列と、配列番号1725に対して少なくとも90%同一なアミノ酸配列を有するフラタキシンポリペプチドをコードするペイロード領域(例えば、配列番号1824に対して少なくとも90%同一な核酸配列を含むペイロード領域)とを含む。一部の実施形態において、AAVベクターゲノムは、配列番号1750に対して少なくとも95%配列同一性を有するプロモータ配列と、配列番号1725に対して少なくとも95%同一なアミノ酸配列を有するフラタキシンポリペプチドをコードするペイロード領域(例えば、配列番号1824に対して少なくとも95%同一な核酸配列を含むペイロード領域)とを含む。一部の実施形態において、AAVベクターゲノムは、配列番号1750のプロモータ配列と、配列番号1725のアミノ酸配列を有するフラタキシンポリペプチドをコードするペイロード領域(例えば、配列番号1824を含むペイロード領域)とを含む。一部の実施形態において、フラタキシンポリペプチドは、配列番号1728またはその断片、任意選択で配列番号1728のヌクレオチド221〜853を含む核酸配列によってコードされる。一部の実施形態において、フラタキシンポリペプチドは、配列番号1822、1823または1824を含む核酸配列によってコードされる。
【0285】
一部の実施形態において、本明細書で開示されるウイルスゲノムにおいて使用されるプロモータは、表3中のプロモータ配列のうちいずれか1つを含む。表3中、CMVは、「サイトメガロウイルス」を示し;CBAは、CMV IE(「前初期」)エンハンサー領域とプロモータ領域とを有していてもよい「ニワトリβ−アクチン」を示し;CAGは、CMVエンハンサー、CBAプロモータおよびウサギベータ−グロビンスプライスアクセプター部位を示し;FXNは、「フラタキシン」を示し;mCBAは、PCRを使用して生成したCBAプロモータのバリアントを示す。
【0287】
一部の実施形態において、プロモータは、標的細胞におけるフラタキシン発現を調節するために使用される。特定の実施形態において、プロモータは、標的細胞におけるフラタキシン発現を、正常な内因性フラタキシン発現のレベルよりも高いレベルまで増加させるために使用することができる。特定の実施形態において、プロモータは、標的細胞におけるフラタキシン発現を、正常な内因性フラタキシン発現のレベルに近いまたはそれと等しいレベルに誘導するために使用することができる。
【0288】
一部の実施形態において、接合部配列は、本明細書に記載されるプロモータ、例えば、限定はされないが、表3中に列挙されるものと組み合わせて使用することができる。特定の実施形態において、接合部配列は、ウイルスゲノム中のプロモータに対して5’に位置してもよい。特定の実施形態において、接合部配列は、ウイルスゲノム中のプロモータに対して3’に位置してもよい。特定の実施形態において、ウイルスゲノムは、1つ超の接合部配列を含んでもよい。非限定的な例として、ウイルスゲノムは、プロモータの5’末端およびプロモータの3’末端に、接合部配列を含んでもよい。接合部配列は、同じ配列、2つの異なる配列、またはプロモータ配列のいずれの側にも分割された配列であってもよい。特定の実施形態において、接合部配列は、配列番号1813を含む。特定の実施形態において、接合部配列は、配列番号1814を含む。
【0289】
一部の実施形態において、プロモータは、標的細胞(例えば、神経系または心組織)におけるフラタキシン発現を増強するために使用される。フラタキシン発現は、その標的細胞についての内因性フラタキシン発現の0.01〜100(0.01〜100×)倍増加され得る。一部の実施形態において、プロモータは、標的細胞におけるフラタキシン発現を、内因性フラタキシン(すなわち、正常なヒトレベルまたはおよそ5.5〜32.8ng/mgのタンパク質)の0.5〜3×(例えば、0.5〜1×、1〜1.5×、1.5〜2×、2〜2.5×、2.5〜3×)で維持するために使用される。
【0290】
一部の実施形態において、プロモータ、例えば、表3中のプロモータは、フラタキシンポリペプチド配列、例えば、ヒトフラタキシンポリペプチド配列をコードする配列を更に含むAAVベクターゲノムにおいて使用される。一部の実施形態において、プロモータは、配列番号1742に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%または100%配列同一性を有する配列を含む。一部の実施形態において、プロモータは、配列番号1742である。一部の実施形態において、AAVベクターゲノムは、配列番号1742に対して少なくとも90%配列同一性を有するプロモータ配列と、配列番号1725に対して少なくとも90%同一なアミノ酸配列を有するフラタキシンポリペプチドをコードするペイロード領域(例えば、配列番号1824に対して少なくとも90%同一な核酸配列を含むペイロード領域)とを含む。一部の実施形態において、AAVベクターゲノムは、配列番号1742に対して少なくとも95%配列同一性を有するプロモータ配列と、配列番号1725に対して少なくとも95%同一なアミノ酸配列を有するフラタキシンポリペプチドをコードするペイロード領域(例えば、配列番号1824に対して少なくとも95%同一な核酸配列を含むペイロード領域)とを含む。一部の実施形態において、AAVベクターゲノムは、配列番号1742のプロモータ配列と、配列番号1725のアミノ酸配列を有し(例えば、配列番号1824を含むペイロード領域)、および/または表5〜11に提供される1つ以上の配列もしくはそれらの95%同一なバリアントを更に含むフラタキシンポリペプチドをコードするペイロード領域とを含む。一部の実施形態において、フラタキシンポリペプチドは、配列番号1728またはその断片、任意選択で配列番号1728のヌクレオチド221〜853を含む核酸配列によってコードされる。一部の実施形態において、フラタキシンポリペプチドは、配列番号1822、1823または1824を含む核酸配列によってコードされる。
【0291】
一部の実施形態において、プロモータは、配列番号1750に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%または100%配列同一性を有する配列を含む。一部の実施形態において、プロモータは、配列番号1750である。一部の実施形態において、AAVベクターゲノムは、配列番号1750に対して少なくとも90%配列同一性を有するプロモータ配列と、配列番号1725に対して少なくとも90%同一なアミノ酸配列を有するフラタキシンポリペプチドをコードするペイロード領域(例えば、配列番号1824に対して少なくとも90%同一な核酸配列を含むペイロード領域)とを含む。一部の実施形態において、AAVベクターゲノムは、配列番号1750に対して少なくとも95%配列同一性を有するプロモータ配列と、配列番号1725に対して少なくとも95%同一なアミノ酸配列を有するフラタキシンポリペプチドをコードするペイロード領域(例えば、配列番号1824に対して少なくとも95%同一な核酸配列を含むペイロード領域)とを含む。一部の実施形態において、AAVベクターゲノムは、配列番号1750のプロモータ配列と、配列番号1725のアミノ酸配列を有し(例えば、配列番号1824を含むペイロード領域)、および/または表5〜11に提供される1つ以上の配列もしくはそれらの95%同一なバリアントを更に含むフラタキシンポリペプチドをコードするペイロード領域とを含む。一部の実施形態において、フラタキシンポリペプチドは、配列番号1728またはその断片、任意選択で配列番号1728のヌクレオチド221〜853を含む核酸配列によってコードされる。一部の実施形態において、フラタキシンポリペプチドは、配列番号1822、1823または1824を含む核酸配列によってコードされる。
【0292】
一部の実施形態において、プロモータは、配列番号1738に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%または100%配列同一性を有する配列を含む。一部の実施形態において、プロモータは、配列番号1738である。一部の実施形態において、AAVベクターゲノムは、配列番号1738に対して少なくとも90%配列同一性を有するプロモータ配列と、配列番号1725に対して少なくとも90%同一なアミノ酸配列を有するフラタキシンポリペプチドをコードするペイロード領域(例えば、配列番号1824に対して少なくとも90%同一な核酸配列を含むペイロード領域)とを含む。一部の実施形態において、AAVベクターゲノムは、配列番号1738に対して少なくとも95%配列同一性を有するプロモータ配列と、配列番号1725に対して少なくとも95%同一なアミノ酸配列を有するフラタキシンポリペプチドをコードするペイロード領域(例えば、配列番号1824に対して少なくとも95%同一な核酸配列を含むペイロード領域)とを含む。一部の実施形態において、AAVベクターゲノムは、配列番号1738のプロモータ配列と、配列番号1725のアミノ酸配列を有し(例えば、配列番号1824を含むペイロード領域)、および/または表5〜11に提供される1つ以上の配列もしくはそれらの95%同一なバリアントを更に含むフラタキシンポリペプチドをコードするペイロード領域とを含む。一部の実施形態において、フラタキシンポリペプチドは、配列番号1728またはその断片、任意選択で配列番号1728のヌクレオチド221〜853を含む核酸配列によってコードされる。一部の実施形態において、フラタキシンポリペプチドは、配列番号1822、1823または1824を含む核酸配列によってコードされる。
【0293】
一部の実施形態において、プロモータは、配列番号1740に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%または100%配列同一性を有する配列を含む。一部の実施形態において、プロモータは、配列番号1740である。一部の実施形態において、AAVベクターゲノムは、配列番号1740に対して少なくとも90%配列同一性を有するプロモータ配列と、配列番号1725に対して少なくとも90%同一なアミノ酸配列を有するフラタキシンポリペプチドをコードするペイロード領域(例えば、配列番号1824に対して少なくとも90%同一な核酸配列を含むペイロード領域)とを含む。一部の実施形態において、AAVベクターゲノムは、配列番号1740に対して少なくとも95%配列同一性を有するプロモータ配列と、配列番号1725に対して少なくとも95%同一なアミノ酸配列を有するフラタキシンポリペプチドをコードするペイロード領域(例えば、配列番号1824に対して少なくとも95%同一な核酸配列を含むペイロード領域)とを含む。一部の実施形態において、AAVベクターゲノムは、配列番号1740のプロモータ配列と、配列番号1725のアミノ酸配列を有し(例えば、配列番号1824を含むペイロード領域)、および/または表5〜11に提供される1つ以上の配列もしくはそれらの95%同一なバリアントを更に含むフラタキシンポリペプチドをコードするペイロード領域とを含む。一部の実施形態において、フラタキシンポリペプチドは、配列番号1728またはその断片、任意選択で配列番号1728のヌクレオチド221〜853を含む核酸配列によってコードされる。一部の実施形態において、フラタキシンポリペプチドは、配列番号1822、1823または1824を含む核酸配列によってコードされる。
【0294】
様々な実施形態において、本明細書で開示されるプロモータのいずれか、例えば、表3からのプロモータまたはそれと90%以上の相同性を有するプロモータは、AAVウイルスベクターゲノム中で、単独で、または追加配列、例えば、フィラー配列(複数可)と組み合わせて、表5〜11に開示される成分のうち1つ以上またはそれと90%以上の相同性を有する成分(複数可)と対にしてもよい。一部の実施形態において、AAVベクターゲノムは、複数のコピー(例えば、2、3、またはそれより多くのコピー)の、本明細書に記載される1つ以上のウイルスゲノム成分を含んでもよい。一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、2つのmiR結合部位(例えば、2つのmiR122結合部位)を含む。一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、3つのmiR結合部位(例えば、3つのmiR122結合部位)を含む。一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、本明細書で開示されるプロモータのいずれか、例えば、表3からのプロモータまたはそれと90%以上の相同性を有するプロモータを、表5〜11のいずれかに提供されるまたは本明細書に別途記載される1つ以上の成分と共に、表4、12、13、14、15、16または17のいずれかに示される5’から3’までの順序で含む。一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、表3に提供されるプロモータを、表5〜11のいずれかに提供されるまたは本明細書に別途記載される1つ以上の成分と共に、表4、12、13、14、15、16または17のいずれかに示される5’から3’までの順序で含む。一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、全ての成分を、表4、12、13、14、15、16または17のいずれかに示される5’から3’までの順序で含む。
【0295】
例えば、配列番号1742を含む、またはそれと90%以上の相同性を有するプロモータは、AAVベクターゲノム中で、表5〜11中の成分(またはそれと90%以上の相同性を有する成分(複数可))のいずれか、例えば、5’ITR配列とie1エクソン1との間に(例えば、それら2つの他の成分と直接接触して、または1つ以上の非コード配列によって分離されて)位置するプロモータと対にしてもよい。一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、3つのmiR122結合部位を含む。一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、ペイロード領域、例えば、フラタキシンタンパク質をコードするものを更に含む。
【0296】
別の例において、配列番号1750を含む、またはそれと90%以上の相同性を有するプロモータは、AAVベクターゲノム中で、表5〜11中の成分(またはそれと90%以上の相同性を有する成分(複数可))のいずれか、例えば、5’ITR配列とie1エクソン1との間に(例えば、それら2つの他の成分と直接接触して、または1つ以上の非コード配列によって分離されて)位置するプロモータと対にしてもよい。一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、3つのmiR122結合部位を含む。一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、ペイロード領域、例えば、フラタキシンタンパク質をコードするものを更に含む。
【0297】
例えば、配列番号1738を含む、またはそれと90%以上の相同性を有するプロモータは、AAVベクターゲノム中で、表5〜11中の成分(またはそれと90%以上の相同性を有する成分(複数可))のいずれか、例えば、5’ITR配列とie1エクソン1との間に(例えば、それら2つの他の成分を直接接触して、または1つ以上の非コード配列によって分離されて)位置するプロモータと対にしてもよい。一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、3つのmiR122結合部位を含む。一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、ペイロード領域、例えば、フラタキシンタンパク質をコードするものを更に含む。
【0298】
別の例において、配列番号1740を含む、またはそれと90%以上の相同性を有するプロモータは、AAVベクターゲノム中で、表5〜11中の成分(またはそれと90%以上の相同性を有する成分(複数可))のいずれか、例えば、5’ITR配列とie1エクソン1との間に(例えば、それら2つの他の成分と直接接触して、または1つ以上の非コード配列によって分離されて)位置するプロモータと対にしてもよい。一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、3つのmiR122結合部位を含む。一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、ペイロード領域、例えば、フラタキシンタンパク質をコードするものを更に含む。
【0299】
一部の実施形態において、プロモータは、CBAプロモータであるまたはそれに由来する。CBAプロモータは、対象の様々な組織においてペイロードの発現をドライブすることができる。非限定的な例として、CBAプロモータ(プロモータは配列番号1776として示され、ITRからITRまでは配列番号1778として提供される)を使用するFXNの発現は、共有に係る国際特許出願第PCT/US2019/032387号(その内容は全体として本願明細書に援用される)の表16〜28を含む実施例4に示される。IV注射後のマウスにおけるFXNの発現は、共有に係る国際特許出願第PCT/US2019/032387号の表16に示され、そこで、発現は、CBAプロモータを有するVOY101粒子で、皮質、腰髄、腰椎後根神経節、三叉神経節、心臓および肝臓において見られる。IV注射後のNHPにおけるFXNの発現は、共有に係る国際特許出願第PCT/US2019/032387号の表18に示され、そこで、発現は、CBAプロモータを有するVOY101粒子で、脳幹、頸髄、胸髄、腰髄、頸椎DRG、胸椎DRG、腰椎/仙椎DRG、心室、心房、肝臓、ヒラメ筋および空腸において見られる。異なる用量(6.3×10
11VG/kg、2×10
12VG/kgまたは2×10
13VG/kg)でのIV注射後のNHPにおけるFXNの発現は、共有に係る国際特許出願第PCT/US2019/032387号の表19に示され、そこで、発現は、CBAプロモータを有するVOY201粒子で、脳幹、小脳、頸髄、胸髄、腰髄、頸椎DRG、胸椎DRG、腰椎/仙椎DRG、心室、心房、肝臓、腎臓、肺、ヒラメ筋および/または脾臓において見られる。異なる用量(6.7×10
12VG/kgまたは4.89×10
13VG/kg)でのIV注射後のNHPにおけるFXNの発現は、共有に係る国際特許出願第PCT/US2019/032387号の表20に示され、そこで、発現は、CBAプロモータを有するVOY101粒子で、脳幹、小脳、皮質、頸髄、胸髄、腰髄、頸椎DRG、胸椎DRG、腰椎/仙椎DRG、心室、心房、肝臓、腎臓、ヒラメ筋、胸椎交感神経幹神経節(sympathetic thoracic chain ganglia)および/または副腎において見られる。マウスにおけるIV注射後のベクターゲノムの分布は、共有に係る国際特許出願第PCT/US2019/032387号の表17に示され、そこで、分布は、CBAプロモータを有するVOY101およびAAV9粒子で、皮質、腰髄、胸椎後根神経節、三叉神経節、心臓および肝臓において見られる。NHPにおけるIV注射後のベクターゲノムの分布は、共有に係る国際特許出願第PCT/US2019/032387号の表18に示され、そこで、分布は、CBAプロモータを有するVOY101粒子で、前頭皮質、線条体、脳幹、小脳、頸髄、胸髄、頸椎後根神経節、胸椎後根神経節、腰椎/仙椎後根神経節、心室、心房、肝臓、腎臓、肺、ヒラメ筋、空腸および脾臓において見られる。異なる用量(6.3×10
11VG/kg、2×10
12VG/kgまたは2×10
13VG/kg)でのIV注射後のNHPにおけるベクターゲノムの分布は、共有に係る国際特許出願第PCT/US2019/032387号の表19に示され、そこで、分布は、CBAプロモータを有するVOY201粒子で、前頭皮質、線条体、脳幹、小脳、頸髄、胸髄、腰髄、頸椎DRG、胸椎DRG、腰椎/仙椎DRG、心室、心房、肝臓、腎臓、肺、ヒラメ筋、空腸および/または脾臓において見られる。異なる用量(6.7×10
12VG/kgまたは4.89×10
13VG/kg)でのIV注射後のNHPにおけるベクターゲノムの分布は、共有に係る国際特許出願第PCT/US2019/032387号の表20に示され、そこで、分布は、CBAプロモータを有するVOY101粒子で、運動皮質、感覚運動皮質、線条体、脳幹、小脳皮質、頸髄、胸髄、腰髄、胸髄、頸椎DRG、胸椎DRG、腰椎/仙椎DRG、心室、心房、肝臓、腎臓、ヒラメ筋、空腸、脾臓、胸椎交感神経幹神経節および/または副腎において見られる。
【0300】
一部の実施形態において、プロモータは、CMVieエンハンサー、CBA、CMV、フラタキシンプロモータ、トランケート型CBAおよび/またはトランケート型CMVプロモータが挙げられるプロモータであるまたはそれに由来する。プロモータは、対象の様々な組織においてペイロードの発現をドライブすることができる。非限定的な例として、共有に係る国際特許出願第PCT/US2019/032387号(その内容は全体として本願明細書に援用される)の実施例5に示される、FXNを有するVOY101粒子のIV投薬のインビボ分布、発現および有効性を評価するためのフリードライヒ運動失調症のマウスモデルが使用され得る。特定の実施形態において、プロモータ、例えば、限定はされないが、表3中のものは、共有に係る国際特許出願第PCT/US2019/032387号の実施例5で概説されるように、マウスにおけるFXNの発現をドライブすることについて評価され得る。別の非限定的な例として、FXNを有するVOY101粒子のIV投薬のインビボ分布および発現を評価するためのフリードライヒ運動失調症NHPモデルは、共有に係る国際特許出願第PCT/US2019/032387号(その内容は全体として本願明細書に援用される)の実施例5に示される。特定の実施形態において、プロモータ、例えば、限定はされないが、表3中のものは、共有に係る国際特許出願第PCT/US2019/032387号の実施例5で概説されるように、NHPにおけるFXNの発現をドライブすることについて評価され得る。
【0301】
一部の実施形態において、プロモータは、対象の様々な組織においてペイロードの発現をドライブすることができるCBAプロモータであるまたはそれに由来する。非限定的な例として、CBAプロモータ(プロモータは配列番号1776として示され、ITRからITRまでは配列番号1778として提供される)を使用するFXNの発現は、共有に係る国際特許出願第PCT/US2019/032387号(その内容は全体として本願明細書に援用される)の表33〜34を含む実施例14に示される。IV注射後のマウスにおけるFXNの発現は、共有に係る国際特許出願第PCT/US2019/032387号の表33に示され、そこで、発現は、CBAプロモータを有するVOY101、VOY801および/またはVOY1101粒子で、皮質、線条体、海馬、脳幹、胸髄、胸椎DRG、心臓および/または肝臓において見られる。マウスにおけるIV注射後のベクターゲノムの分布は、共有に係る国際特許出願第PCT/US2019/032387号の表34に示され、そこで、分布は、CBAプロモータを有するVOY101、VOY801および/またはVOY1101粒子で、皮質、線条体、海馬、脳幹、胸髄、心臓および肝臓において見られる。別の非限定的な例として、VOY701およびVOY101カプシドにおける、CBAプロモータ(プロモータは配列番号1776として示され、ITRからITRまでは配列番号1778として提供される)を使用するFXNの発現は、共有に係る米国仮特許出願第62/839,889号(その内容は全体として本願明細書に援用される)の表35〜36を含む実施例14に示される。IV注射後のマウスにおけるFXNの発現は、共有に係る米国仮特許出願第62/839,889号の表35に示され、そこで、発現は、CBAプロモータを有するVOY701および/またはVOY101粒子で、皮質、線条体、海馬、脳幹、胸髄および/または肝臓において見られる。マウスにおけるIV注射後のベクターゲノムの分布は、共有に係る米国仮特許出願第62/839,889号の表36に示され、そこで、分布は、CBAプロモータを有するVOY701および/またはVOY101粒子で、皮質、線条体、海馬、脳幹、胸髄および/または肝臓において見られる。
【0302】
一部の実施形態において、本明細書に記載されるAAV粒子は、フラタキシンタンパク質をコードするペイロード領域を有するウイルスゲノムを含む。ウイルスゲノムは、標的細胞におけるフラタキシン発現を最適化するために操作されてもよい。
【0303】
ウイルスゲノム:フラタキシンペイロードを含むITRからITRまでの配列
本明細書に記載される成分のいずれかが、所望のフラタキシン発現のためにウイルスゲノムのITRからITRまでの配列を設計および最適化するために使用され得る。ウイルスゲノムは、任意の数の成分、例えば、限定はされないが、ITR、エンハンサー、プロモータ、イントロン、UTR、ペイロード領域、タグもしくは選択可能なマーカー、miR結合もしくは標的部位、骨格領域、ポリA配列および/またはフィラー配列のうち1つ以上を含んでもよい。これらの成分の各々は、所与のウイルスゲノム中に、0、1、2、または2回超存在してもよい。
【0304】
ITR、プロモータ、エンハンサー、イントロン、エクソン、ペイロード、タグ、miR結合部位、ポリAおよび/またはフィラー成分の各々は、表3および5〜11中に提供される配列から、独立に、または任意の組合せで選択され得る。
【0305】
一部の実施形態において、AAVウイルスゲノムは、5’ITR、エンハンサー、イントロン、ペイロード領域、任意選択のタグ、最大3つのmiR結合部位、ポリA配列、任意選択のフィラー配列および3’ITRを含む。一部の実施形態において、5’ITRは、AAV2 ITRである。一部の実施形態において、5’ITRは、配列番号1811に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%または100%同一な配列を含む。一部の実施形態において、エンハンサーは、ie1エクソン1およびie1イントロン1またはそれらの断片を含む。一部の実施形態において、エンハンサーは、配列番号1817および/または1819に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%または100%同一な配列を含む。一部の実施形態において、エンハンサーは、1つ以上のヒトベータ−グロビン配列、例えば、配列番号1816、1820および/または1821に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%または100%同一な配列を含む。一部の実施形態において、エンハンサーは、配列番号1817、1819、1820および1821を含む。一部の実施形態において、エンハンサーは、配列番号1816を含む。
【0306】
一部の実施形態において、ペイロード領域は、配列番号1725、1726、1727、1731、1732または1733に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%または100%配列同一性を有する、例えば、配列番号1725に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%または100%配列同一性を有するポリペプチドをコードする核酸配列を含む。一部の実施形態において、ペイロード領域は、配列番号1728、1729、1730またはそれらの断片に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%または100%配列同一性を有する核酸配列を含む。一部の実施形態において、配列番号1728の断片は、配列番号1728のヌクレオチド221〜853を含む。一部の実施形態において、フラタキシンポリペプチドは、配列番号1822、1823または1824を含む核酸配列によってコードされる。一部の実施形態において、タグは存在しない。一部の実施形態において、タグは存在し、ヒトインフルエンザヘマグルチニンHAタグである。一部の実施形態において、HAタグは、配列番号1825を含む。一部の実施形態において、miR結合部位は存在しない。一部の実施形態において、少なくとも1つのmiR結合部位が存在し、miR122結合部位を含む。一部の実施形態において、miR122結合部位は、配列番号1827に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%または100%同一な配列を含む。一部の実施形態において、AAVベクターゲノムは、3コピーのmiR122結合部位、例えば、3コピーの配列番号1827または少なくとも90%配列同一性を有するそのバリアントを含む。一部の実施形態において、3コピーのmiR122結合部位を含むmiR結合部位シリーズは、配列番号1826を含む。一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、ヒト成長ホルモンポリA配列を含む。一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、配列番号1828に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%または100%同一なポリA配列を含む。一部の実施形態において、AAVウイルスゲノムは、フィラー配列、例えば、アルブミンフィラー配列を更に含む。一部の実施形態において、フィラー配列は、配列番号1829〜1842によって与えられる配列のいずれかを含む。一部の実施形態において、3’ITRは、AAV2 ITRである。一部の実施形態において、3’ITRは、配列番号1812に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%または100%同一な配列を含む。
【0307】
特定の実施形態において、AAV粒子は、限定はされないが、コザック配列、骨格配列および/またはイントロン配列が挙げられる少なくとも1つのシス−エレメントを含む。特定の実施形態は、AAV粒子がプロモータ領域を更に含むことを提供する。例えば、プロモータは、CBA、CMV、FXNおよび/もしくはSV40遺伝子、またはそれらのバリアントのいずれかからのものを含んでもよい。フラタキシンタンパク質をコードするペイロード領域を有するウイルスゲノムを含むAAV粒子のITRからITRまでの配列の非限定的な例は、表4に記載される。
【0308】
表4中、cFXNは、カニクイザル(Macaca fascicularis)フラタキシンを示し、hFXNは、ヒト(Homo sapiens)フラタキシンを示し、hβglobinは、ヒトベータ−グロビンを示し、HAは、ヒトインフルエンザヘマグルチニンHAタグを示し、hGHは、ヒト成長ホルモンを示す。Albは、アルブミンを示す。albの後ろの数字は、アルブミンフィラーの長さを示す。miR−122 BSは、miR−122結合部位である。「−」符号は、コンストラクトがその成分または配列を有さないことを示す。「+」符号は、コンストラクトがその成分または配列を有することを示す。
【0310】
一部の実施形態において、AAV粒子は、配列番号1778〜1810のいずれかに対して一定のパーセント同一性を有する配列を含むウイルスゲノムを含む。ウイルスゲノムは、配列番号1778〜1810のいずれかに対して1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%または100%同一性を有してもよい。ウイルスゲノムは、配列番号1778〜1810のいずれかに対して1〜10%、10〜20%、30〜40%、50〜60%、50〜70%、50〜80%、50〜90%、50〜99%、50〜100%、60〜70%、60〜80%、60〜90%、60〜99%、60〜100%、70〜80%、70〜90%、70〜99%、70〜100%、80〜85%、80〜90%、80〜95%、80〜99%、80〜100%、90〜95%、90〜99%または90〜100%同一性を有してもよい。一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、配列番号1778〜1810のいずれかに対して少なくとも80%同一性を有する配列を含む。一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、配列番号1778〜1810のいずれかに対して少なくとも85%同一性を有する配列を含む。一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、配列番号1778〜1810のいずれかに対して少なくとも90%同一性を有する配列を含む。一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、配列番号1778〜1810のいずれかに対して少なくとも95%同一性を有する配列を含む。一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、配列番号1778〜1810のいずれかに対して少なくとも99%同一性を有する配列を含む。
【0311】
一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、配列番号1797に対して少なくとも95%配列同一性を有する配列を含む。一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、配列番号1797を含む。一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、配列番号1801に対して少なくとも95%配列同一性を有する配列を含む。一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、配列番号1801を含む。一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、配列番号1808に対して少なくとも95%配列同一性を有する配列を含む。一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、配列番号1808を含む。一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、配列番号1809に対して少なくとも95%配列同一性を有する配列を含む。一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、配列番号1809を含む。一部の実施形態において、本開示のAAV粒子のウイルスゲノムは、表1に列挙されるまたは本明細書に記載されるカプシドのいずれか中に被包された、表2〜11に記載されるまたは本明細書に別途記載される配列領域の任意の組合せを含んでもよい。
【0312】
一部の実施形態において、AAV粒子ウイルスゲノムは、表2〜11に記載される少なくとも1つの配列領域を含んでもよい。これらの領域は、本明細書に記載される他の配列領域のいずれかの前または後に位置してもよい。ウイルスゲノムは、1つ超のコピーの、表2〜11に記載される1つ以上の配列領域を更に含んでもよい。
【0313】
ウイルスゲノム:末端逆位配列(ITR)
一部の実施形態において、AAV粒子ウイルスゲノムは、少なくとも1つの末端逆位配列(ITR)領域を含んでもよい。ITR領域(複数可)は、独立に、例えば、限定はされないが、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、および175ヌクレオチドの長さを有してもよい。ウイルスゲノムのためのITR領域の長さは、75〜80、75〜85、75〜100、80〜85、80〜90、80〜105、85〜90、85〜95、85〜110、90〜95、90〜100、90〜115、95〜100、95〜105、95〜120、100〜105、100〜110、100〜125、105〜110、105〜115、105〜130、110〜115、110〜120、110〜135、115〜120、115〜125、115〜140、120〜125、120〜130、120〜145、125〜130、125〜135、125〜150、130〜135、130〜140、130〜155、135〜140、135〜145、135〜160、140〜145、140〜150、140〜165、145〜150、145〜155、145〜170、150〜155、150〜160、150〜175、155〜160、155〜165、160〜165、160〜170、165〜170、165〜175、および170〜175ヌクレオチドであってもよい。非限定的な例として、ウイルスゲノムは、約141ヌクレオチド長である5’ITRを含む。非限定的な例として、ウイルスゲノムは、約130ヌクレオチド長である5’ITRを含む。非限定的な例として、ウイルスゲノムは、約119ヌクレオチド長である5’ITRを含む。非限定的な例として、ウイルスゲノムは、約141ヌクレオチド長である3’ITRを含む。非限定的な例として、ウイルスゲノムは、約130ヌクレオチド長である3’ITRを含む。非限定的な例として、ウイルスゲノムは、約119ヌクレオチド長である3’ITRを含む。非限定的な例として、5’ITRおよび3’ITRは、同じ長さおよび/または同じ配列を含んでもよい。別の非限定的な例では、5’ITRおよび3’ITRは、長さおよび/または配列が異なる。
【0314】
一部の実施形態において、AAV粒子ウイルスゲノムは、少なくとも1つの末端逆位配列配列領域を含む。ITR配列領域の非限定的な例は、表5に記載される。
【0316】
一部の実施形態において、AAV粒子ウイルスゲノムは、ITR1を含むITRを有してもよい。一部の実施形態において、AAV粒子ウイルスゲノムは、ITR2を含むITRを有してもよい。一部の実施形態において、AAV粒子ウイルスゲノムは、2つのITRを有してもよい。非限定的な例として、2つのITRは、ITR1およびITR2であってもよい。
【0317】
ウイルスゲノム:ペイロード領域のイントロンおよびエクソン配列
一部の実施形態において、AAV粒子ウイルスゲノムは、少なくとも1つのイントロンおよび/またはエクソン配列領域を含む。イントロンおよびエクソン配列領域の非限定的な例は、表6に記載される。
【0319】
一部の実施形態において、AAV粒子ウイルスゲノムは、少なくとも1つのイントロン配列領域を含んでもよい。イントロン配列領域(複数可)は、独立に、例えば、限定はされないが、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、200、201、202、203、204、205、206、207、208、209、210、211、212、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、226、227、228、229、230、231、232、233、234、235、236、237、238、239、240、241、242、243、244、245、246、247、248、249、250、251、252、253、254、255、256、257、258、259、260、261、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、287、288、289、290、291、292、293、294、295、296、297、298、299、300、301、302、303、304、305、306、307、308、309、310、311、312、313、314、315、316、317、318、319、320、321、322、323、324、325、326、327、328、329、330、331、332、333、334、335、336、337、338、339、340、341、342、343、344、345、346、347、348、349、350、および350ヌクレオチド超の長さを有してもよい。ウイルスゲノムのためのイントロン配列領域の長さは、25〜35、25〜50、35〜45、45〜55、50〜75、55〜65、65〜75、75〜85、75〜100、85〜95、95〜105、100〜125、105〜115、115〜125、125〜135、125〜150、135〜145、145〜155、150〜175、155〜165、165〜175、175〜185、175〜200、185〜195、195〜205、200〜225、205〜215、215〜225、225〜235、225〜250、235〜245、245〜255、250〜275、255〜265、265〜275、275〜285、275〜300、285〜295、295〜305、300〜325、305〜315、315〜325、325〜335、325〜350、および335〜345ヌクレオチドであってもよい。非限定的な例として、ウイルスゲノムは、約32ヌクレオチド長であるイントロン配列領域を含む。非限定的な例として、ウイルスゲノムは、約53ヌクレオチド長であるイントロン配列領域を含む。非限定的な例として、ウイルスゲノムは、約134ヌクレオチド長であるイントロン配列領域を含む。非限定的な例として、ウイルスゲノムは、約347ヌクレオチド長であるイントロン配列領域を含む。非限定的な例として、ウイルスゲノムは、約379ヌクレオチド長であるイントロン配列領域を含む。非限定的な例として、ウイルスゲノムは、約566ヌクレオチド長であるイントロン配列領域を含む。非限定的な例として、ウイルスゲノムは、約1016ヌクレオチド長であるイントロン配列領域を含む。非限定的な例として、ウイルスゲノムは、約1016ヌクレオチド超長であるイントロン配列領域を含む。
【0320】
一部の実施形態において、AAV粒子ウイルスゲノムは、2つのイントロン配列領域を含む。一部の実施形態において、AAV粒子ウイルスゲノムは、3つのイントロン配列領域を含む。一部の実施形態において、AAV粒子ウイルスゲノムは、3つ超のイントロン配列領域を含む。
【0321】
一部の実施形態において、AAV粒子ウイルスゲノムは、少なくとも1つのエクソン配列領域を含んでもよい。エクソン配列領域(複数可)は、独立に、例えば、限定はされないが、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、200、201、202、203、204、205、206、207、208、209、210、211、212、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、226、227、228、229、230、231、232、233、234、235、236、237、238、239、240、241、242、243、244、245、246、247、248、249、250、251、252、253、254、255、256、257、258、259、260、261、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、287、288、289、290、291、292、293、294、295、296、297、298、299、300、301、302、303、304、305、306、307、308、309、310、311、312、313、314、315、316、317、318、319、320、321、322、323、324、325、326、327、328、329、330、331、332、333、334、335、336、337、338、339、340、341、342、343、344、345、346、347、348、349、350、および350ヌクレオチド超の長さを有してもよい。ウイルスゲノムのためのエクソン配列領域の長さは、25〜35、25〜50、35〜45、45〜55、50〜75、55〜65、65〜75、75〜85、75〜100、85〜95、95〜105、100〜125、105〜115、115〜125、125〜135、125〜150、135〜145、145〜155、150〜175、155〜165、165〜175、175〜185、175〜200、185〜195、195〜205、200〜225、205〜215、215〜225、225〜235、225〜250、235〜245、245〜255、250〜275、255〜265、265〜275、275〜285、275〜300、285〜295、295〜305、300〜325、305〜315、315〜325、325〜335、325〜350、および335〜345ヌクレオチドであってもよい。非限定的な例として、ウイルスゲノムは、約32ヌクレオチド長であるエクソン領域を含む。非限定的な例として、ウイルスゲノムは、約53ヌクレオチド長であるエクソン配列領域を含む。非限定的な例として、ウイルスゲノムは、約134ヌクレオチド長であるエクソン配列領域を含む。非限定的な例として、ウイルスゲノムは、約347ヌクレオチド長であるエクソン配列領域を含む。非限定的な例として、ウイルスゲノムは、約379ヌクレオチド長であるエクソン配列領域を含む。非限定的な例として、ウイルスゲノムは、約566ヌクレオチド長であるエクソン配列領域を含む。非限定的な例として、ウイルスゲノムは、約1016ヌクレオチド長であるエクソン配列領域を含む。非限定的な例として、ウイルスゲノムは、約1016ヌクレオチド超長であるエクソン配列領域を含む。
【0322】
一部の実施形態において、AAV粒子ウイルスゲノムは、2つのエクソン配列領域を含む。一部の実施形態において、AAV粒子ウイルスゲノムは、3つのエクソン配列領域を含む。一部の実施形態において、AAV粒子ウイルスゲノムは、3つ超のエクソン配列領域を含む。
【0323】
一部の実施形態において、AAV粒子ウイルスゲノムは、少なくとも1つのイントロンおよび少なくとも1つのエクソンを含むハイブリッドイントロン/エクソン配列領域を含む。一部の実施形態において、ハイブリッドイントロン/エクソン配列領域は、1つのイントロンおよび1つのエクソンを含む。一部の実施形態において、ハイブリッドイントロン/エクソン配列領域は、2つのイントロンおよび2つのエクソンを含む。一部の実施形態において、イントロンまたはエクソン配列は、全長イントロンまたはエクソンを含んでもよい。一部の実施形態において、イントロンまたはエクソン配列は、イントロンまたはエクソン配列の断片またはバリアントを含んでもよい。
【0324】
ハイブリッドイントロン/エクソン配列領域(複数可)は、独立に、例えば、限定はされないが、15〜100、100〜200、200〜300、300〜400、400〜500、500〜600、600〜700、700〜800、800〜900、900〜1000、1000〜1100、1100〜1200、および1200ヌクレオチド超の長さを有してもよい。非限定的な例として、ウイルスゲノムは、約379ヌクレオチド長であるハイブリッドイントロン/エクソン配列領域を含む。非限定的な例として、ウイルスゲノムは、約566ヌクレオチド長であるハイブリッドイントロン/エクソン配列領域を含む。非限定的な例として、ウイルスゲノムは、約379ヌクレオチド長であるハイブリッドイントロン/エクソン領域を含む。
【0325】
一部の実施形態において、イントロン/エクソン配列領域は、エンハンサー配列である。一部の実施形態において、イントロン/エクソン配列領域は、エンハンサー配列ではない。
【0326】
一部の実施形態において、イントロン/エクソン配列領域は、プロモータ配列の成分である。一部の実施形態において、イントロン/エクソン配列領域は、プロモータ配列の成分ではない。
【0327】
ウイルスゲノム:フラタキシンペイロード
一部の実施形態において、ペイロードは、表7に与えられる配列のいずれを含んでもよい。
【0329】
一部の実施形態において、ペイロード配列は、カニクイザル(Macaca fascicularis)に由来するフラタキシンタンパク質またはそのバリアントをコードする。一部の実施形態において、ペイロード配列は、カニクイザル(Macaca fascicularis)に由来するが、少なくとも1アミノ酸とは異なるフラタキシンタンパク質をコードする。一部の実施形態において、ペイロード配列は、カニクイザル(Macaca fascicularis)に由来するが、少なくとも1アミノ酸野生型とは異なるフラタキシンタンパク質をコードする。一部の実施形態において、ペイロード配列は、カニクイザル(Macaca fascicularis)に由来するが、少なくとも2アミノ酸野生型とは異なるフラタキシンタンパク質をコードする。
【0330】
一部の実施形態において、ペイロード配列は、ヒト(Homo sapiens)に由来するフラタキシンタンパク質またはそのバリアントをコードする。一部の実施形態において、ペイロード配列は、終止コドンを含む。
【0331】
ウイルスゲノム:タグ配列
一部の実施形態において、AAV粒子ウイルスゲノムは、少なくとも1つのタグ配列領域を含んでもよい。本明細書で使用されるとき、用語「タグ」は、発現されると、発現されたペイロードを同定するために使用することができる、ペイロードに加えられるポリヌクレオチド配列を示す。あるいは、用語「タグ」は、細胞の特定の領域(例えば、小胞体)における発現されたペイロードの保持のためのシグナルを伝達する、ペイロードに加えられるポリヌクレオチド配列を示してもよい。タグ配列領域(複数可)は、独立に、例えば、限定はされないが、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、または30ヌクレオチド超の長さを有してもよい。ウイルスゲノム中のタグ配列領域の長さは、10〜15、15〜20、20〜25、25〜30、または30ヌクレオチド超であってもよい。非限定的な例として、ウイルスゲノムは、約27ヌクレオチド長であるタグ配列領域を含む。
【0332】
一部の実施形態において、AAV粒子ウイルスゲノムは、少なくとも1つのタグ配列領域を含む。タグ配列領域の非限定的な例は、表8に示される。
【0334】
一部の実施形態において、AAV粒子ウイルスゲノムは、1つのタグ配列領域を含む。一部の実施形態において、タグ配列領域は、ヒトインフルエンザヘマグルチニン(HA)タグである。
【0335】
一部の実施形態において、AAV粒子ウイルスゲノムは、1つ超のタグ配列領域を含む。一実施形態において、AAV粒子ウイルスゲノムは、2つのタグ配列領域を含む。一実施形態において、AAV粒子ウイルスゲノムは、3つのタグ配列領域を含む。一実施形態において、AAV粒子ウイルスゲノムは、3つ超のタグ配列領域を含む。
【0336】
ウイルスゲノム:microRNA(すなわち、miR)結合部位
一部の実施形態において、AAV粒子ウイルスゲノムは、少なくとも1つのmiR結合部位を含んでもよい。miR結合部位配列領域の非限定的な例は、表9に示される。
【0338】
一部の実施形態において、AAV粒子ウイルスゲノムは、単一のmiR結合部位配列を含む。非限定的な例として、miR結合部位配列は、miR−122結合部位であってもよい。
【0339】
一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、1つ超のmiR結合部位配列を含んでもよい。非限定的な例として、ウイルスゲノムは、2、3、4または5つのmiR結合部位配列を含んでもよい。
【0340】
一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、3つの単一のmiR結合部位配列(配列番号1827)を含むmiR結合部位シリーズ(配列番号1826)を含んでもよい。
miR結合部位配列領域は、例えば、限定はされないが、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、または125ヌクレオチドの長さを有してもよい。
【0341】
ウイルスゲノム:ポリAシグナル
一部の実施形態において、AAV粒子ウイルスゲノムは、少なくとも1つのポリアデニル化(ポリA)配列領域を含んでもよい。ポリアデニル化配列領域(複数可)は、独立に、例えば、限定はされないが、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、200、201、202、203、204、205、206、207、208、209、210、211、212、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、226、227、228、229、230、231、232、233、234、235、236、237、238、239、240、241、242、243、244、245、246、247、248、249、250、251、252、253、254、255、256、257、258、259、260、261、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、287、288、289、290、291、292、293、294、295、296、297、298、299、300、301、302、303、304、305、306、307、308、309、310、311、312、313、314、315、316、317、318、319、320、321、322、323、324、325、326、327、328、329、330、331、332、333、334、335、336、337、338、339、340、341、342、343、344、345、346、347、348、349、350、351、352、353、354、355、356、357、358、359、360、361、362、363、364、365、366、367、368、369、370、371、372、373、374、375、376、377、378、379、380、381、382、383、384、385、386、387、388、389、390、391、392、393、394、395、396、397、398、399、400、401、402、403、404、405、406、407、408、409、410、411、412、413、414、415、416、417、418、419、420、421、422、423、424、425、426、427、428、429、430、431、432、433、434、435、436、437、438、439、440、441、442、443、444、445、446、447、448、449、450、451、452、453、454、455、456、457、458、459、460、461、462、463、464、465、466、467、468、469、470、471、472、473、474、475、476、477、478、479、480、481、482、483、484、485、486、487、488、489、490、491、492、493、494、495、496、497、498、499、500、501、502、503、504、505、506、507、508、509、510、511、512、513、514、515、516、517、518、519、520、521、522、523、524、525、526、527、528、529、530、531、532、533、534、535、536、537、538、539、540、541、542、543、544、545、546、547、548、549、550、551、552、553、554、555、556、557、558、559、560、561、562、563、564、565、566、567、568、569、570、571、572、573、574、575、576、577、578、579、580、581、582、583、584、585、586、587、588、589、590、591、592、593、594、595、596、597、598、599、および600ヌクレオチドの長さを有してもよい。ウイルスゲノムのためのポリアデニル化配列領域の長さは、4〜10、10〜20、10〜50、20〜30、30〜40、40〜50、50〜60、50〜100、60〜70、70〜80、80〜90、90〜100、100〜110、100〜150、110〜120、120〜130、130〜140、140〜150、150〜160、150〜200、160〜170、170〜180、180〜190、190〜200、200〜210、200〜250、210〜220、220〜230、230〜240、240〜250、250〜260、250〜300、260〜270、270〜280、280〜290、290〜300、300〜310、300〜350、310〜320、320〜330、330〜340、340〜350、350〜360、350〜400、360〜370、370〜380、380〜390、390〜400、400〜410、400〜450、410〜420、420〜430、430〜440、440〜450、450〜460、450〜500、460〜470、470〜480、480〜490、490〜500、500〜510、500〜550、510〜520、520〜530、530〜540、540〜550、550〜560、550〜600、560〜570、570〜580、580〜590、および590〜600ヌクレオチドであってもよい。一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、約477ヌクレオチド長であるポリアデニル化配列領域を含む。
【0342】
一部の実施形態において、AAV粒子ウイルスゲノムは、少なくとも1つのポリA配列領域を含む。ポリA配列領域の非限定的な例は、表10に記載される。
【0344】
一部の実施形態において、AAV粒子ウイルスゲノムは、1つのポリA配列領域を含む。非限定的な例として、ポリA配列は、ヒト成長ホルモンポリアデニル化配列を含む。
一実施形態において、AAV粒子ウイルスゲノムは、1つ超のポリA配列領域を含む。
【0345】
ウイルスゲノム:フィラー(またはスタッファー)配列
一実施形態において、AAV粒子ウイルスゲノムは、少なくとも1つまたは複数のフィラー配列領域を含んでもよい。フィラー領域(複数可)は、独立に、例えば、限定はされないが、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、200、201、202、203、204、205、206、207、208、209、210、211、212、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、226、227、228、229、230、231、232、233、234、235、236、237、238、239、240、241、242、243、244、245、246、247、248、249、250、251、252、253、254、255、256、257、258、259、260、261、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、287、288、289、290、291、292、293、294、295、296、297、298、299、300、301、302、303、304、305、306、307、308、309、310、311、312、313、314、315、316、317、318、319、320、321、322、323、324、325、326、327、328、329、330、331、332、333、334、335、336、337、338、339、340、341、342、343、344、345、346、347、348、349、350、351、352、353、354、355、356、357、358、359、360、361、362、363、364、365、366、367、368、369、370、371、372、373、374、375、376、377、378、379、380、381、382、383、384、385、386、387、388、389、390、391、392、393、394、395、396、397、398、399、400、401、402、403、404、405、406、407、408、409、410、411、412、413、414、415、416、417、418、419、420、421、422、423、424、425、426、427、428、429、430、431、432、433、434、435、436、437、438、439、440、441、442、443、444、445、446、447、448、449、450、451、452、453、454、455、456、457、458、459、460、461、462、463、464、465、466、467、468、469、470、471、472、473、474、475、476、477、478、479、480、481、482、483、484、485、486、487、488、489、490、491、492、493、494、495、496、497、498、499、500、501、502、503、504、505、506、507、508、509、510、511、512、513、514、515、516、517、518、519、520、521、522、523、524、525、526、527、528、529、530、531、532、533、534、535、536、537、538、539、540、541、542、543、544、545、546、547、548、549、550、551、552、553、554、555、556、557、558、559、560、561、562、563、564、565、566、567、568、569、570、571、572、573、574、575、576、577、578、579、580、581、582、583、584、585、586、587、588、589、590、591、592、593、594、595、596、597、598、599、600、601、602、603、604、605、606、607、608、609、610、611、612、613、614、615、616、617、618、619、620、621、622、623、624、625、626、627、628、629、630、631、632、633、634、635、636、637、638、639、640、641、642、643、644、645、646、647、648、649、650、651、652、653、654、655、656、657、658、659、660、661、662、663、664、665、666、667、668、669、670、671、672、673、674、675、676、677、678、679、680、681、682、683、684、685、686、687、688、689、690、691、692、693、694、695、696、697、698、699、700、701、702、703、704、705、706、707、708、709、710、711、712、713、714、715、716、717、718、719、720、721、722、723、724、725、726、727、728、729、730、731、732、733、734、735、736、737、738、739、740、741、742、743、744、745、746、747、748、749、750、751、752、753、754、755、756、757、758、759、760、761、762、763、764、765、766、767、768、769、770、771、772、773、774、775、776、777、778、779、780、781、782、783、784、785、786、787、788、789、790、791、792、793、794、795、796、797、798、799、800、801、802、803、804、805、806、807、808、809、810、811、812、813、814、815、816、817、818、819、820、821、822、823、824、825、826、827、828、829、830、831、832、833、834、835、836、837、838、839、840、841、842、843、844、845、846、847、848、849、850、851、852、853、854、855、856、857、858、859、860、861、862、863、864、865、866、867、868、869、870、871、872、873、874、875、876、877、878、879、880、881、882、883、884、885、886、887、888、889、890、891、892、893、894、895、896、897、898、899、900、901、902、903、904、905、906、907、908、909、910、911、912、913、914、915、916、917、918、919、920、921、922、923、924、925、926、927、928、929、930、931、932、933、934、935、936、937、938、939、940、941、942、943、944、945、946、947、948、949、950、951、952、953、954、955、956、957、958、959、960、961、962、963、964、965、966、967、968、969、970、971、972、973、974、975、976、977、978、979、980、981、982、983、984、985、986、987、988、989、990、991、992、993、994、995、996、997、998、999、1000、1001、1002、1003、1004、1005、1006、1007、1008、1009、1010、1011、1012、1013、1014、1015、1016、1017、1018、1019、1020、1021、1022、1023、1024、1025、1026、1027、1028、1029、1030、1031、1032、1033、1034、1035、1036、1037、1038、1039、1040、1041、1042、1043、1044、1045、1046、1047、1048、1049、1050、1051、1052、1053、1054、1055、1056、1057、1058、1059、1060、1061、1062、1063、1064、1065、1066、1067、1068、1069、1070、1071、1072、1073、1074、1075、1076、1077、1078、1079、1080、1081、1082、1083、1084、1085、1086、1087、1088、1089、1090、1091、1092、1093、1094、1095、1096、1097、1098、1099、1100、1101、1102、1103、1104、1105、1106、1107、1108、1109、1110、1111、1112、1113、1114、1115、1116、1117、1118、1119、1120、1121、1122、1123、1124、1125、1126、1127、1128、1129、1130、1131、1132、1133、1134、1135、1136、1137、1138、1139、1140、1141、1142、1143、1144、1145、1146、1147、1148、1149、1150、1151、1152、1153、1154、1155、1156、1157、1158、1159、1160、1161、1162、1163、1164、1165、1166、1167、1168、1169、1170、1171、1172、1173、1174、1175、1176、1177、1178、1179、1180、1181、1182、1183、1184、1185、1186、1187、1188、1189、1190、1191、1192、1193、1194、1195、1196、1197、1198、1199、1200、1201、1202、1203、1204、1205、1206、1207、1208、1209、1210、1211、1212、1213、1214、1215、1216、1217、1218、1219、1220、1221、1222、1223、1224、1225、1226、1227、1228、1229、1230、1231、1232、12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1、2282、2283、2284、2285、2286、2287、2288、2289、2290、2291、2292、2293、2294、2295、2296、2297、2298、2299、2300、2301、2302、2303、2304、2305、2306、2307、2308、2309、2310、2311、2312、2313、2314、2315、2316、2317、2318、2319、2320、2321、2322、2323、2324、2325、2326、2327、2328、2329、2330、2331、2332、2333、2334、2335、2336、2337、2338、2339、2340、2341、2342、2343、2344、2345、2346、2347、2348、2349、2350、2351、2352、2353、2354、2355、2356、2357、2358、2359、2360、2361、2362、2363、2364、2365、2366、2367、2368、2369、2370、2371、2372、2373、2374、2375、2376、2377、2378、2379、2380、2381、2382、2383、2384、2385、2386、2387、2388、2389、2390、2391、2392、2393、2394、2395、2396、2397、2398、2399、2400、2401、2402、2403、2404、2405、2406、2407、2408、2409、2410、2411、2412、2413、2414、2415、2416、2417、2418、2419、2420、2421、2422、2423、2424、2425、2426、2427、2428、2429、2430、2431、2432、2433、2434、2435、2436、2437、2438、2439、2440、2441、2442、2443、2444、2445、2446、2447、2448、2449、2450、2451、2452、2453、2454、2455、2456、2457、2458、2459、2460、2461、2462、2463、2464、2465、2466、2467、2468、2469、2470、2471、2472、2473、2474、2475、2476、2477、2478、2479、2480、2481、2482、2483、2484、2485、2486、2487、2488、2489、2490、2491、2492、2493、2494、2495、2496、2497、2498、2499、2500、2501、2502、2503、2504、2505、2506、2507、2508、2509、2510、2511、2512、2513、2514、2515、2516、2517、2518、2519、2520、2521、2522、2523、2524、2525、2526、2527、2528、2529、2530、2531、2532、2533、2534、2535、2536、2537、2538、2539、2540、2541、2542、2543、2544、2545、2546、2547、2548、2549、2550、2551、2552、2553、2554、2555、2556、2557、2558、2559、2560、2561、2562、2563、2564、2565、2566、2567、2568、2569、2570、2571、2572、2573、2574、2575、2576、2577、2578、2579、2580、2581、2582、2583、2584、2585、2586、2587、2588、2589、2590、2591、2592、2593、2594、2595、2596、2597、2598、2599、2600、2601、2602、2603、2604、2605、2606、2607、2608、2609、2610、2611、2612、2613、2614、2615、2616、2617、2618、2619、2620、2621、2622、2623、2624、2625、2626、2627、2628、2629、2630、2631、2632、2633、2634、2635、2636、2637、2638、2639、2640、2641、2642、2643、2644、2645、2646、2647、2648、2649、2650、2651、2652、2653、2654、2655、2656、2657、2658、2659、2660、2661、2662、2663、2664、2665、2666、2667、2668、2669、2670、2671、2672、2673、2674、2675、2676、2677、2678、2679、2680、2681、2682、2683、2684、2685、2686、2687、2688、2689、2690、2691、2692、2693、2694、2695、2696、2697、2698、2699、2700、2701、2702、2703、2704、2705、2706、2707、2708、2709、2710、2711、2712、2713、2714、2715、2716、2717、2718、2719、2720、2721、2722、2723、2724、2725、2726、2727、2728、2729、2730、2731、2732、2733、2734、2735、2736、2737、2738、2739、2740、2741、2742、2743、2744、2745、2746、2747、2748、2749、2750、2751、2752、2753、2754、2755、2756、2757、2758、2759、2760、2761、2762、2763、2764、2765、2766、2767、2768、2769、2770、2771、2772、2773、2774、2775、2776、2777、2778、2779、2780、2781、2782、2783、2784、2785、2786、2787、2788、2789、2790、2791、2792、2793、2794、2795、2796、2797、2798、2799、2800、2801、2802、2803、2804、2805、2806、2807、2808、2809、2810、2811、2812、2813、2814、2815、2816、2817、2818、2819、2820、2821、2822、2823、2824、2825、2826、2827、2828、2829、2830、2831、2832、2833、2834、2835、2836、2837、2838、2839、2840、2841、2842、2843、2844、2845、2846、2847、2848、2849、2850、2851、2852、2853、2854、2855、2856、2857、2858、2859、2860、2861、2862、2863、2864、2865、2866、2867、2868、2869、2870、2871、2872、2873、2874、2875、2876、2877、2878、2879、2880、2881、2882、2883、2884、2885、2886、2887、2888、2889、2890、2891、2892、2893、2894、2895、2896、2897、2898、2899、2900、2901、2902、2903、2904、2905、2906、2907、2908、2909、2910、2911、2912、2913、2914、2915、2916、2917、2918、2919、2920、2921、2922、2923、2924、2925、2926、2927、2928、2929、2930、2931、2932、2933、2934、2935、2936、2937、2938、2939、2940、2941、2942、2943、2944、2945、2946、2947、2948、2949、2950、2951、2952、2953、2954、2955、2956、2957、2958、2959、2960、2961、2962、2963、2964、2965、2966、2967、2968、2969、2970、2971、2972、2973、2974、2975、2976、2977、2978、2979、2980、2981、2982、2983、2984、2985、2986、2987、2988、2989、2990、2991、2992、2993、2994、2995、2996、2997、2998、2999、3000、3001、3002、3003、3004、3005、3006、3007、3008、3009、3010、3011、3012、3013、3014、3015、3016、3017、3018、3019、3020、3021、3022、3023、3024、3025、3026、3027、3028、3029、3030、3031、3032、3033、3034、3035、3036、3037、3038、3039、3040、3041、3042、3043、3044、3045、3046、3047、3048、3049、3050、3051、3052、3053、3054、3055、3056、3057、3058、3059、3060、3061、3062、3063、3064、3065、3066、3067、3068、3069、3070、3071、3072、3073、3074、3075、3076、3077、3078、3079、3080、3081、3082、3083、3084、3085、3086、3087、3088、3089、3090、3091、3092、3093、3094、3095、3096、3097、3098、3099、3100、3101、3102、3103、3104、3105、3106、3107、3108、3109、3110、3111、3112、3113、3114、3115、3116、3117、3118、3119、3120、3121、3122、3123、3124、3125、3126、3127、3128、3129、3130、3131、3132、3133、3134、3135、3136、3137、3138、3139、3140、3141、3142、3143、3144、3145、3146、3147、3148、3149、3150、3151、3152、3153、3154、3155、3156、3157、3158、3159、3160、3161、3162、3163、3164、3165、3166、3167、3168、3169、3170、3171、3172、3173、3174、3175、3176、3177、3178、3179、3180、3181、3182、3183、3184、3185、3186、3187、3188、3189、3190、3191、3192、3193、3194、3195、3196、3197、3198、3199、3200、3201、3202、3203、3204、3205、3206、3207、3208、3209、3210、3211、3212、3213、3214、3215、3216、3217、3218、3219、3220、3221、3222、3223、3224、3225、3226、3227、3228、3229、3230、3231、3232、3233、3234、3235、3236、3237、3238、3239、3240、3241、3242、3243、3244、3245、3246、3247、3248、3249、および3250ヌクレオチドの長さを有してもよい。ウイルスゲノムのための任意のフィラー領域の長さは、50〜100、100〜150、150〜200、200〜250、250〜300、300〜350、350〜400、400〜450、450〜500、500〜550、550〜600、600〜650、650〜700、700〜750、750〜800、800〜850、850〜900、900〜950、950〜1000、1000〜1050、1050〜1100、1100〜1150、1150〜1200、1200〜1250、1250〜1300、1300〜1350、1350〜140
0、1400〜1450、1450〜1500、1500〜1550、1550〜1600、1600〜1650、1650〜1700、1700〜1750、1750〜1800、1800〜1850、1850〜1900、1900〜1950、1950〜2000、2000〜2050、2050〜2100、2100〜2150、2150〜2200、2200〜2250、2250〜2300、2300〜2350、2350〜2400、2400〜2450、2450〜2500、2500〜2550、2550〜2600、2600〜2650、2650〜2700、2700〜2750、2750〜2800、2800〜2850、2850〜2900、2900〜2950、2950〜3000、3000〜3050、3050〜3100、3100〜3150、3150〜3200、および3200〜3250ヌクレオチドであってもよい。非限定的な例として、ウイルスゲノムは、約450ヌクレオチド長であるフィラー領域を含む。非限定的な例として、ウイルスゲノムは、約570ヌクレオチド長であるフィラー領域を含む。非限定的な例として、ウイルスゲノムは、約1313ヌクレオチド長であるフィラー領域を含む。非限定的な例として、ウイルスゲノムは、約1384ヌクレオチド長であるフィラー領域を含む。非限定的な例として、ウイルスゲノムは、約1785ヌクレオチド長であるフィラー領域を含む。非限定的な例として、ウイルスゲノムは、約1790ヌクレオチド長であるフィラー領域を含む。非限定的な例として、ウイルスゲノムは、約1856ヌクレオチド長であるフィラー領域を含む。非限定的な例として、ウイルスゲノムは、約1868ヌクレオチド長であるフィラー領域を含む。非限定的な例として、ウイルスゲノムは、約1870ヌクレオチド長であるフィラー領域を含む。非限定的な例として、ウイルスゲノムは、約2012ヌクレオチド長であるフィラー領域を含む。非限定的な例として、ウイルスゲノムは、約2014ヌクレオチド長であるフィラー領域を含む。非限定的な例として、ウイルスゲノムは、約2034ヌクレオチド長であるフィラー領域を含む。非限定的な例として、ウイルスゲノムは、約2106ヌクレオチド長であるフィラー領域を含む。非限定的な例として、ウイルスゲノムは、約2264ヌクレオチド長であるフィラー領域を含む。非限定的な例として、ウイルスゲノムは、約2266ヌクレオチド長であるフィラー領域を含む。非限定的な例として、ウイルスゲノムは、約2335ヌクレオチド長であるフィラー領域を含む。
【0346】
一部の実施形態において、AAV粒子ウイルスゲノムは、少なくとも1つのフィラー配列領域を含む。フィラー配列領域の非限定的な例は、表11に記載される。
【0348】
一部の実施形態において、AAV粒子ウイルスゲノムは、ヒトアルブミン配列を含むフィラー配列領域を含む。一部の実施形態において、AAV粒子ウイルスゲノムは、フィラー配列領域Alb450を含む。一部の実施形態において、AAV粒子ウイルスゲノムは、フィラー配列領域Alb570を含む。一部の実施形態において、AAV粒子ウイルスゲノムは、フィラー配列領域Alb1313を含む。一部の実施形態において、AAV粒子ウイルスゲノムは、フィラー配列領域Alb1384を含む。一部の実施形態において、AAV粒子ウイルスゲノムは、フィラー配列領域Alb1785を含む。一部の実施形態において、AAV粒子ウイルスゲノムは、フィラー配列領域Alb1790を含む。一部の実施形態において、AAV粒子ウイルスゲノムは、フィラー配列領域Alb1856を含む。一部の実施形態において、AAV粒子ウイルスゲノムは、フィラー配列領域Alb1870を含む。一部の実施形態において、AAV粒子ウイルスゲノムは、フィラー配列領域Alb2014を含む。一部の実施形態において、AAV粒子ウイルスゲノムは、フィラー配列領域Alb2034を含む。一部の実施形態において、AAV粒子ウイルスゲノムは、フィラー配列領域Alb2106を含む。一部の実施形態において、AAV粒子ウイルスゲノムは、フィラー配列領域Alb2264を含む。一部の実施形態において、AAV粒子ウイルスゲノムは、フィラー配列領域Alb2266を含む。一部の実施形態において、AAV粒子ウイルスゲノムは、フィラー配列領域Alb2335を含む。
【0349】
ウイルスゲノム:接合部配列
一部の実施形態において、接合部配列は、本明細書に記載されるウイルスゲノム成分、例えば、限定はされないが、表5〜11に列挙されるもののいずれかと組み合わせて使用することができる。特定の実施形態において、接合部配列は、ウイルスゲノム内のウイルスゲノム成分(例えば、プロモータ、エンハンサー、イントロン/エクソン、miR結合部位、タグ、ポリA)に対して5’に位置してもよい。特定の実施形態において、接合部配列は、ウイルスゲノム内のウイルスゲノム成分(例えば、プロモータ、エンハンサー、イントロン/エクソン、miR結合部位、タグ、ポリA)に対して3’に位置してもよい。特定の実施形態において、ウイルスゲノムは、1つ超の接合部配列を含んでもよい。非限定的な例として、ウイルスゲノムは、ウイルスゲノム成分の5’末端およびウイルスゲノム成分の3’末端に、接合部配列を含んでもよい。接合部配列は、同じ配列、2つの異なる配列、またはウイルスゲノム成分のいずれの側にも分割された配列であってもよい。特定の実施形態において、接合部配列は、配列番号1813を含む。特定の実施形態において、接合部配列は、配列番号1814を含む。
【0350】
ウイルスゲノム:ITRからITRまでのモジュール性
一部の実施形態において、ウイルスゲノムのITRからITRまでの配列は、表12〜17に与えられる配列のいずれを含んでもよい。
【0352】
一部の実施形態において、AAV粒子ゲノムは、配列番号1778を含み(cFXN1)、これは、5’末端逆位配列(ITR)配列領域および3’ITR配列領域、CBAプロモータ領域、ie1エクソン1領域、ie1イントロン1領域、ヒトベータ−グロビンイントロン領域、ヒトベータ−グロビンエクソン領域を含むヒトベータグロビンイントロン/エクソン領域、カニクイザルフラタキシンペイロード配列、HAタグ配列、ならびにヒト成長ホルモンポリアデニル化配列を含む。
【0353】
一部の実施形態において、AAV粒子ゲノムは、配列番号1779を含み(cFXN2)、これは、5’末端逆位配列(ITR)配列領域および3’ITR配列領域、CBAプロモータ領域、ie1エクソン1領域、ie1イントロン1領域、ヒトベータ−グロビンイントロン領域、ヒトベータ−グロビンエクソン領域を含むヒトベータグロビンイントロン/エクソン領域、カニクイザルフラタキシンペイロード配列、HAタグ配列、3反復の単一のmiR122結合部位配列を含むmiR結合部位シリーズ、ならびにヒト成長ホルモンポリアデニル化配列を含む。
【0354】
一部の実施形態において、AAV粒子ゲノムは、配列番号1780を含み(cFXN3)、これは、5’末端逆位配列(ITR)配列領域および3’ITR配列領域、CBA−D4プロモータ領域、接合部配列、ie1エクソン1領域、ie1イントロン1領域、ヒトベータ−グロビンイントロン領域、ヒトベータ−グロビンエクソン領域を含むヒトベータグロビンイントロン/エクソン領域、カニクイザルフラタキシンペイロード配列、HAタグ配列、3反復の単一のmiR122結合部位配列を含むmiR結合部位シリーズ、ならびにヒト成長ホルモンポリアデニル化配列を含む。
【0355】
一部の実施形態において、AAV粒子ゲノムは、配列番号1781を含み(cFXN4)、これは、5’末端逆位配列(ITR)配列領域および3’ITR配列領域、CBA−D6プロモータ領域、接合部配列、ie1エクソン1領域、ie1イントロン1領域、ヒトベータ−グロビンイントロン領域、ヒトベータ−グロビンエクソン領域を含むヒトベータグロビンイントロン/エクソン領域、カニクイザルフラタキシンペイロード配列、HAタグ配列、3反復の単一のmiR122結合部位配列を含むmiR結合部位シリーズ、ならびにヒト成長ホルモンポリアデニル化配列を含む。
【0356】
一部の実施形態において、AAV粒子ゲノムは、配列番号1782を含み(cFXN5)、これは、5’末端逆位配列(ITR)配列領域および3’ITR配列領域、CBA−D6プロモータ領域、接合部配列、ie1エクソン1領域、ie1イントロン1領域、ヒトベータ−グロビンイントロン領域、ヒトベータ−グロビンエクソン領域を含むヒトベータグロビンイントロン/エクソン領域、カニクイザルフラタキシンペイロード配列、HAタグ配列、3反復の単一のmiR122結合部位配列を含むmiR結合部位シリーズ、ヒト成長ホルモンポリアデニル化配列、ならびにアルブミンフィラー配列を含む。
【0357】
一部の実施形態において、AAV粒子ゲノムは、配列番号1783を含み(cFXN6)、これは、5’末端逆位配列(ITR)配列領域および3’ITR配列領域、CBA−D8プロモータ領域、接合部配列、ie1エクソン1領域、ie1イントロン1領域、ヒトベータ−グロビンイントロン領域、ヒトベータ−グロビンエクソン領域を含むヒトベータグロビンイントロン/エクソン領域、カニクイザルフラタキシンペイロード配列、HAタグ配列、3反復の単一のmiR122結合部位配列を含むmiR結合部位シリーズ、ならびにヒト成長ホルモンポリアデニル化配列を含む。
【0359】
一部の実施形態において、AAV粒子ゲノムは、配列番号1784を含み(cFXN7)、これは、5’末端逆位配列(ITR)配列領域および3’ITR配列領域、CBA−D8プロモータ領域、接合部配列、ie1エクソン1領域、ie1イントロン1領域、ヒトベータ−グロビンイントロン領域、ヒトベータ−グロビンエクソン領域を含むヒトベータグロビンイントロン/エクソン領域、カニクイザルフラタキシンペイロード配列、HAタグ配列、3反復の単一のmiR122結合部位配列を含むmiR結合部位シリーズ、ヒト成長ホルモンポリアデニル化配列、ならびにアルブミンフィラー配列を含む。
【0360】
一部の実施形態において、AAV粒子ゲノムは、配列番号1785を含み(cFXN8)、これは、5’末端逆位配列(ITR)配列領域および3’ITR配列領域、mCBAプロモータ領域、接合部配列、ie1エクソン1領域、ie1イントロン1領域、ヒトベータ−グロビンイントロン領域、ヒトベータ−グロビンエクソン領域を含むヒトベータグロビンイントロン/エクソン領域、カニクイザルフラタキシンペイロード配列、HAタグ配列、3反復の単一のmiR122結合部位配列を含むmiR結合部位シリーズ、ならびにヒト成長ホルモンポリアデニル化配列を含む。
【0361】
一部の実施形態において、AAV粒子ゲノムは、配列番号1786を含み(cFXN9)、これは、5’末端逆位配列(ITR)配列領域および3’ITR配列領域、mCBA−D1プロモータ領域、接合部配列、ie1エクソン1領域、ie1イントロン1領域、ヒトベータ−グロビンイントロン領域、ヒトベータ−グロビンエクソン領域を含むヒトベータグロビンイントロン/エクソン領域、カニクイザルフラタキシンペイロード配列、HAタグ配列、3反復の単一のmiR122結合部位配列を含むmiR結合部位シリーズ、ならびにヒト成長ホルモンポリアデニル化配列を含む。
【0362】
一部の実施形態において、AAV粒子ゲノムは、配列番号1787を含み(cFXN10)、これは、5’末端逆位配列(ITR)配列領域および3’ITR配列領域、mCBA−D2プロモータ領域、接合部配列、ie1エクソン1領域、ie1イントロン1領域、ヒトベータ−グロビンイントロン領域、ヒトベータ−グロビンエクソン領域を含むヒトベータグロビンイントロン/エクソン領域、カニクイザルフラタキシンペイロード配列、HAタグ配列、3反復の単一のmiR122結合部位配列を含むmiR結合部位シリーズ、ならびにヒト成長ホルモンポリアデニル化配列を含む。
【0363】
一部の実施形態において、AAV粒子ゲノムは、配列番号1788を含み(cFXN11)、これは、5’末端逆位配列(ITR)配列領域および3’ITR配列領域、CMVエンハンサーおよびプロモータ領域、ie1エクソン1領域、ie1イントロン1領域、ヒトベータ−グロビンイントロン領域、ヒトベータ−グロビンエクソン領域を含むヒトベータグロビンイントロン/エクソン領域、カニクイザルフラタキシンペイロード配列、HAタグ配列、ならびにヒト成長ホルモンポリアデニル化配列を含む。
【0364】
一部の実施形態において、AAV粒子ゲノムは、配列番号1789を含み(cFXN12)、これは、5’末端逆位配列(ITR)配列領域および3’ITR配列領域、CMVエンハンサーおよびプロモータ領域、ie1エクソン1領域、ie1イントロン1領域、ヒトベータ−グロビンイントロン領域、ヒトベータ−グロビンエクソン領域を含むヒトベータグロビンイントロン/エクソン領域、カニクイザルフラタキシンペイロード配列、HAタグ配列、3反復の単一のmiR122結合部位配列を含むmiR結合部位シリーズ、ならびにヒト成長ホルモンポリアデニル化配列を含む。
【0366】
一部の実施形態において、AAV粒子ゲノムは、配列番号1790を含み(cFXN13)、これは、5’末端逆位配列(ITR)配列領域および3’ITR配列領域、CMV−D1プロモータ領域、ie1エクソン1領域、ie1イントロン1領域、ヒトベータ−グロビンイントロン領域、ヒトベータ−グロビンエクソン領域を含むヒトベータグロビンイントロン/エクソン領域、カニクイザルフラタキシンペイロード配列、HAタグ配列、3反復の単一のmiR122結合部位配列を含むmiR結合部位シリーズ、ならびにヒト成長ホルモンポリアデニル化配列を含む。
【0367】
一部の実施形態において、AAV粒子ゲノムは、配列番号1791を含み(cFXN14)、これは、5’末端逆位配列(ITR)配列領域および3’ITR配列領域、CMV−D3プロモータ領域、ie1エクソン1領域、ie1イントロン1領域、ヒトベータ−グロビンイントロン領域、ヒトベータ−グロビンエクソン領域を含むヒトベータグロビンイントロン/エクソン領域、カニクイザルフラタキシンペイロード配列、HAタグ配列、3反復の単一のmiR122結合部位配列を含むmiR結合部位シリーズ、ならびにヒト成長ホルモンポリアデニル化配列を含む。
【0368】
一部の実施形態において、AAV粒子ゲノムは、配列番号1792を含み(cFXN15)、これは、5’末端逆位配列(ITR)配列領域および3’ITR配列領域、CMV−D7プロモータ領域、ie1エクソン1領域、ie1イントロン1領域、ヒトベータ−グロビンイントロン領域、ヒトベータ−グロビンエクソン領域を含むヒトベータグロビンイントロン/エクソン領域、カニクイザルフラタキシンペイロード配列、HAタグ配列、3反復の単一のmiR122結合部位配列を含むmiR結合部位シリーズ、ならびにヒト成長ホルモンポリアデニル化配列を含む。
【0369】
一部の実施形態において、AAV粒子ゲノムは、配列番号1793を含み(cFXN16)、これは、5’末端逆位配列(ITR)配列領域および3’ITR配列領域、CMV−D7プロモータ領域、ie1エクソン1領域、ie1イントロン1領域、ヒトベータ−グロビンイントロン領域、ヒトベータ−グロビンエクソン領域を含むヒトベータグロビンイントロン/エクソン領域、カニクイザルフラタキシンペイロード配列、HAタグ配列、3反復の単一のmiR122結合部位配列を含むmiR結合部位シリーズ、ヒト成長ホルモンポリアデニル化配列ならびにアルブミンフィラー配列を含む。
【0370】
一部の実施形態において、AAV粒子ゲノムは、配列番号1794を含み(cFXN17)、これは、5’末端逆位配列(ITR)配列領域および3’ITR配列領域、フラタキシンプロモータ領域、ie1エクソン1領域、ie1イントロン1領域、ヒトベータ−グロビンイントロン領域、ヒトベータ−グロビンエクソン領域を含むヒトベータグロビンイントロン/エクソン領域、カニクイザルフラタキシンペイロード配列、HAタグ配列、3反復の単一のmiR122結合部位配列を含むmiR結合部位シリーズ、ならびにヒト成長ホルモンポリアデニル化配列を含む。
【0371】
一部の実施形態において、AAV粒子ゲノムは、配列番号1795を含み(cFXN18)、これは、5’末端逆位配列(ITR)配列領域および3’ITR配列領域、フラタキシンプロモータ領域、ie1エクソン1領域、ie1イントロン1領域、ヒトベータ−グロビンイントロン領域、ヒトベータ−グロビンエクソン領域を含むヒトベータグロビンイントロン/エクソン領域、カニクイザルフラタキシンペイロード配列、HAタグ配列、3反復の単一のmiR122結合部位配列を含むmiR結合部位シリーズ、ならびにヒト成長ホルモンポリアデニル化配列を含む。
【0373】
一部の実施形態において、AAV粒子ゲノムは、配列番号1796を含み(hFXN1)、これは、5’末端逆位配列(ITR)配列領域および3’ITR配列領域、CBAプロモータ領域、ie1エクソン1領域、ie1イントロン1領域、ヒトベータ−グロビンイントロン領域、ヒトベータ−グロビンエクソン領域を含むヒトベータグロビンイントロン/エクソン領域、ヒトフラタキシンペイロード配列、HAタグ配列、3反復の単一のmiR122結合部位配列を含むmiR結合部位シリーズ、ならびにヒト成長ホルモンポリアデニル化配列を含む。
【0374】
一部の実施形態において、AAV粒子ゲノムは、配列番号1797を含み(hFXN2)、これは、5’末端逆位配列(ITR)配列領域および3’ITR配列領域、CBA−D8プロモータ領域、接合部配列、ie1エクソン1領域、ie1イントロン1領域、ヒトベータ−グロビンイントロン領域、ヒトベータ−グロビンエクソン領域を含むヒトベータグロビンイントロン/エクソン領域、ヒトフラタキシンペイロード配列、3反復の単一のmiR122結合部位配列を含むmiR結合部位シリーズ、ヒト成長ホルモンポリアデニル化配列、ならびにアルブミンフィラー配列を含む。
【0375】
一部の実施形態において、AAV粒子ゲノムは、配列番号1798を含み(hFXN3)、これは、5’末端逆位配列(ITR)配列領域および3’ITR配列領域、CBA−D8プロモータ領域、接合部配列、ie1エクソン1領域、ie1イントロン1領域、ヒトベータ−グロビンイントロン領域、ヒトベータ−グロビンエクソン領域を含むヒトベータグロビンイントロン/エクソン領域、ヒトフラタキシンペイロード配列、ヒト成長ホルモンポリアデニル化配列、ならびにアルブミンフィラー配列を含む。
【0376】
一部の実施形態において、AAV粒子ゲノムは、配列番号1799を含み(hFXN4)、これは、5’末端逆位配列(ITR)配列領域および3’ITR配列領域、CMVエンハンサーおよびプロモータ領域、ie1エクソン1領域、ie1イントロン1領域、ヒトベータ−グロビンイントロン領域、ヒトベータ−グロビンエクソン領域を含むヒトベータグロビンイントロン/エクソン領域、ヒトフラタキシンペイロード配列、3反復の単一のmiR122結合部位配列を含むmiR結合部位シリーズ、ヒト成長ホルモンポリアデニル化配列、ならびにアルブミンフィラー配列を含む。
【0377】
一部の実施形態において、AAV粒子ゲノムは、配列番号1800を含み(hFXN5)、これは、5’末端逆位配列(ITR)配列領域および3’ITR配列領域、CMVエンハンサーおよびプロモータ領域、ie1エクソン1領域、ie1イントロン1領域、ヒトベータ−グロビンイントロン領域、ヒトベータ−グロビンエクソン領域を含むヒトベータグロビンイントロン/エクソン領域、ヒトフラタキシンペイロード配列、ヒト成長ホルモンポリアデニル化配列、ならびにアルブミンフィラー配列を含む。
【0379】
一部の実施形態において、AAV粒子ゲノムは、配列番号1801を含み(hFXN6)、これは、5’末端逆位配列(ITR)配列領域および3’ITR配列領域、CMV−D7プロモータ領域、ie1エクソン1領域、ie1イントロン1領域、ヒトベータ−グロビンイントロン領域、ヒトベータ−グロビンエクソン領域を含むヒトベータグロビンイントロン/エクソン領域、ヒトフラタキシンペイロード配列、3反復の単一のmiR122結合部位配列を含むmiR結合部位シリーズ、ヒト成長ホルモンポリアデニル化配列、ならびにアルブミンフィラー配列を含む。
【0380】
一部の実施形態において、AAV粒子ゲノムは、配列番号1802を含み(hFXN7)、これは、5’末端逆位配列(ITR)配列領域および3’ITR配列領域、CMV−D7プロモータ領域、ie1エクソン1領域、ie1イントロン1領域、ヒトベータ−グロビンイントロン領域、ヒトベータ−グロビンエクソン領域を含むヒトベータグロビンイントロン/エクソン領域、ヒトフラタキシンペイロード配列、ヒト成長ホルモンポリアデニル化配列、ならびにアルブミンフィラー配列を含む。
【0381】
一部の実施形態において、AAV粒子ゲノムは、配列番号1803を含み(hFXN8)、これは、5’末端逆位配列(ITR)配列領域および3’ITR配列領域、フラタキシンプロモータ領域、ie1エクソン1領域、ie1イントロン1領域、ヒトベータ−グロビンイントロン領域、ヒトベータ−グロビンエクソン領域を含むヒトベータグロビンイントロン/エクソン領域、ヒトフラタキシンペイロード配列、3反復の単一のmiR122結合部位配列を含むmiR結合部位シリーズ、ヒト成長ホルモンポリアデニル化配列、ならびにアルブミンフィラー配列を含む。
【0382】
一部の実施形態において、AAV粒子ゲノムは、配列番号1804を含み(hFXN9)、これは、5’末端逆位配列(ITR)配列領域および3’ITR配列領域、フラタキシンプロモータ領域、ie1エクソン1領域、ie1イントロン1領域、ヒトベータ−グロビンイントロン領域、ヒトベータ−グロビンエクソン領域を含むヒトベータグロビンイントロン/エクソン領域、ヒトフラタキシンペイロード配列、ヒト成長ホルモンポリアデニル化配列、ならびにアルブミンフィラー配列を含む。
【0383】
一部の実施形態において、AAV粒子ゲノムは、配列番号1805を含み(hFXN10)、これは、5’末端逆位配列(ITR)配列領域および3’ITR配列領域、CMVプロモータ領域およびCBAプロモータ領域を含むCAGプロモータ領域、イントロン、ヒトフラタキシンペイロード配列、3反復の単一のmiR122結合部位配列を含むmiR結合部位シリーズ、ヒト成長ホルモンポリアデニル化配列、ならびにアルブミンフィラー配列を含む。
【0385】
一部の実施形態において、AAV粒子ゲノムは、配列番号1806を含み(hFXN11)、これは、5’末端逆位配列(ITR)配列領域および3’ITR配列領域、CMV−D1プロモータ領域、ie1エクソン1領域、ie1イントロン1領域、ヒトベータ−グロビンイントロン領域、ヒトベータ−グロビンエクソン領域を含むヒトベータグロビンイントロン/エクソン領域、ヒトフラタキシンペイロード配列、3反復の単一のmiR122結合部位配列を含むmiR結合部位シリーズ、ヒト成長ホルモンポリアデニル化配列、ならびにアルブミンフィラー配列を含む。
【0386】
一部の実施形態において、AAV粒子ゲノムは、配列番号1807を含み(hFXN12)、これは、5’末端逆位配列(ITR)配列領域および3’ITR配列領域、CMV−D3プロモータ領域、ie1エクソン1領域、ie1イントロン1領域、ヒトベータ−グロビンイントロン領域、ヒトベータ−グロビンエクソン領域を含むヒトベータグロビンイントロン/エクソン領域、ヒトフラタキシンペイロード配列、3反復の単一のmiR122結合部位配列を含むmiR結合部位シリーズ、ヒト成長ホルモンポリアデニル化配列、ならびにアルブミンフィラー配列を含む。
【0387】
一部の実施形態において、AAV粒子ゲノムは、配列番号1808を含み(hFXN13)、これは、5’末端逆位配列(ITR)配列領域および3’ITR配列領域、CBA−D4プロモータ領域、接合部配列、ie1エクソン1領域、ie1イントロン1領域、ヒトベータ−グロビンイントロン領域、ヒトベータ−グロビンエクソン領域を含むヒトベータグロビンイントロン/エクソン領域、ヒトフラタキシンペイロード配列、3反復の単一のmiR122結合部位配列を含むmiR結合部位シリーズ、ヒト成長ホルモンポリアデニル化配列、ならびにアルブミンフィラー配列を含む。
【0388】
一部の実施形態において、AAV粒子ゲノムは、配列番号1809を含み(hFXN14)、これは、5’末端逆位配列(ITR)配列領域および3’ITR配列領域、CBA−D6プロモータ領域、ie1エクソン1領域、ie1イントロン1領域、ヒトベータ−グロビンイントロン領域、ヒトベータ−グロビンエクソン領域を含むヒトベータグロビンイントロン/エクソン領域、ヒトフラタキシンペイロード配列、3反復の単一のmiR122結合部位配列を含むmiR結合部位シリーズ、ヒト成長ホルモンポリアデニル化配列、ならびにアルブミンフィラー配列を含む。
【0389】
一部の実施形態において、AAV粒子ゲノムは、配列番号1810を含み(hFXN15)、これは、5’末端逆位配列(ITR)配列領域および3’ITR配列領域、CMV領域およびCBA領域を含むプロモータ領域、ie1エクソン1領域、ie1イントロン1領域、ヒトベータ−グロビンイントロン領域、ヒトベータ−グロビンエクソン領域を含むヒトベータグロビンイントロン/エクソン領域、ヒトフラタキシンペイロード配列、3反復の単一のmiR122結合部位配列を含むmiR結合部位シリーズ、ヒト成長ホルモンポリアデニル化配列、ならびにアルブミンフィラー配列を含む。特定の実施形態は、表1から選択される血清型を有するカプシド中にパッケージングされるウイルスゲノムを提供する。例えば、カプシド血清型は、VOY101、VOY102、AAVPHP.B、AAVPHP.N、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV9.47、AAV9(hu14)、AAV9 K449R、AAV10、AAV11、AAV12、AAVrh8、AAVrh10、AAVDJ、およびAAVDJ8、またはそれらの任意のバリアントからなる群から選択することができる。一部の実施形態において、カプシド血清型は、AAVPHP.B、AAV9、AAV6、AAVrh10および/またはAAVDJである。
【0390】
一部の実施形態において、表4、12、13、14、15、16または17のいずれかに提供されるウイルスゲノムは、AAVカプシド中にパッケージングされて、AAV粒子を生成する。一部の実施形態において、AAV粒子は、配列番号1797を含むウイルスゲノムとVOY101カプシドとを含む。一部の実施形態において、AAV粒子は、配列番号1797を含むウイルスゲノムとVOY201カプシドとを含む。一部の実施形態において、AAV粒子は、配列番号1797を含むウイルスゲノムとAAV9カプシドとを含む。一部の実施形態において、AAV粒子は、配列番号1797を含むウイルスゲノムとAAV9 K449Rカプシドとを含む。一部の実施形態において、AAV粒子は、配列番号1797を含むウイルスゲノムとAAVPHP.Bカプシドとを含む。一部の実施形態において、AAV粒子は、配列番号1797を含むウイルスゲノムとAAVPHP.Nカプシドとを含む。一部の実施形態において、AAV粒子は、配列番号1797を含むウイルスゲノムと配列番号1を含むカプシドとを含む。一部の実施形態において、AAV粒子は、配列番号1797を含むウイルスゲノムと配列番号1722を含む核酸配列によってコードされるカプシドとを含む。一部の実施形態において、AAV粒子は、配列番号1797を含むウイルスゲノムと配列番号1724を含むカプシドとを含む。一部の実施形態において、AAV粒子は、配列番号1797を含むウイルスゲノムと配列番号1723を含む核酸配列によってコードされるカプシドとを含む。一部の実施形態において、AAV粒子は、配列番号1797を含むウイルスゲノムと配列番号136を含むカプシドとを含む。一部の実施形態において、AAV粒子は、配列番号1797を含むウイルスゲノムと配列番号135を含む核酸配列によってコードされるカプシドとを含む。一部の実施形態において、AAV粒子は、配列番号1797を含むウイルスゲノムと配列番号3を含むカプシドとを含む。一部の実施形態において、AAV粒子は、配列番号1797を含むウイルスゲノムと配列番号4を含む核酸配列によってコードされるカプシドとを含む。一部の実施形態において、AAV粒子は、配列番号1797を含むウイルスゲノムと配列番号2を含むカプシドとを含む。一部の実施形態において、AAV粒子は、配列番号1797を含むウイルスゲノムと配列番号9を含むカプシドとを含む。
【0391】
一部の実施形態において、AAV粒子は、配列番号1801を含むウイルスゲノムとVOY101カプシドとを含む。一部の実施形態において、AAV粒子は、配列番号1801を含むウイルスゲノムとVOY201カプシドとを含む。一部の実施形態において、AAV粒子は、配列番号1801を含むウイルスゲノムとAAV9カプシドとを含む。一部の実施形態において、AAV粒子は、配列番号1801を含むウイルスゲノムとAAV9 K449Rカプシドとを含む。一部の実施形態において、AAV粒子は、配列番号1801を含むウイルスゲノムとAAVPHP.Bカプシドとを含む。一部の実施形態において、AAV粒子は、配列番号1801を含むウイルスゲノムとAAVPHP.Nカプシドとを含む。一部の実施形態において、AAV粒子は、配列番号1801を含むウイルスゲノムと配列番号1を含むカプシドとを含む。一部の実施形態において、AAV粒子は、配列番号1801を含むウイルスゲノムと配列番号1722を含む核酸配列によってコードされるカプシドとを含む。一部の実施形態において、AAV粒子は、配列番号1801を含むウイルスゲノムと配列番号1724を含むカプシドとを含む。一部の実施形態において、AAV粒子は、配列番号1801を含むウイルスゲノムと配列番号1723を含む核酸配列によってコードされるカプシドとを含む。一部の実施形態において、AAV粒子は、配列番号1801を含むウイルスゲノムと配列番号136を含むカプシドとを含む。一部の実施形態において、AAV粒子は、配列番号1801を含むウイルスゲノムと配列番号135を含む核酸配列によってコードされるカプシドとを含む。一部の実施形態において、AAV粒子は、配列番号1801を含むウイルスゲノムと配列番号3を含むカプシドとを含む。一部の実施形態において、AAV粒子は、配列番号1801を含むウイルスゲノムと配列番号4を含む核酸配列によってコードされるカプシドとを含む。一部の実施形態において、AAV粒子は、配列番号1801を含むウイルスゲノムと配列番号2を含むカプシドとを含む。一部の実施形態において、AAV粒子は、配列番号1801を含むウイルスゲノムと配列番号9を含むカプシドとを含む。
【0392】
一部の実施形態において、AAV粒子は、配列番号1808を含むウイルスゲノムとVOY101カプシドとを含む。一部の実施形態において、AAV粒子は、配列番号1808を含むウイルスゲノムとVOY201カプシドとを含む。一部の実施形態において、AAV粒子は、配列番号1808を含むウイルスゲノムとAAV9カプシドとを含む。一部の実施形態において、AAV粒子は、配列番号1808を含むウイルスゲノムとAAV9 K449Rカプシドとを含む。一部の実施形態において、AAV粒子は、配列番号1808を含むウイルスゲノムとAAVPHP.Bカプシドとを含む。一部の実施形態において、AAV粒子は、配列番号1808を含むウイルスゲノムとAAVPHP.Nカプシドとを含む。一部の実施形態において、AAV粒子は、配列番号1808を含むウイルスゲノムと配列番号1を含むカプシドとを含む。一部の実施形態において、AAV粒子は、配列番号1808を含むウイルスゲノムと配列番号1722を含む核酸配列によってコードされるカプシドとを含む。一部の実施形態において、AAV粒子は、配列番号1808を含むウイルスゲノムと配列番号1724を含むカプシドとを含む。一部の実施形態において、AAV粒子は、配列番号1808を含むウイルスゲノムと配列番号1723を含む核酸配列によってコードされるカプシドとを含む。一部の実施形態において、AAV粒子は、配列番号1808を含むウイルスゲノムと配列番号136を含むカプシドとを含む。一部の実施形態において、AAV粒子は、配列番号1808を含むウイルスゲノムと配列番号135を含む核酸配列によってコードされるカプシドとを含む。一部の実施形態において、AAV粒子は、配列番号1808を含むウイルスゲノムと配列番号3を含むカプシドとを含む。一部の実施形態において、AAV粒子は、配列番号1808を含むウイルスゲノムと配列番号4を含む核酸配列によってコードされるカプシドとを含む。一部の実施形態において、AAV粒子は、配列番号1808を含むウイルスゲノムと配列番号2を含むカプシドとを含む。一部の実施形態において、AAV粒子は、配列番号1808を含むウイルスゲノムと配列番号9を含むカプシドとを含む。
【0393】
一部の実施形態において、AAV粒子は、配列番号1809を含むウイルスゲノムとVOY101カプシドとを含む。一部の実施形態において、AAV粒子は、配列番号1809を含むウイルスゲノムとVOY201カプシドとを含む。一部の実施形態において、AAV粒子は、配列番号1809を含むウイルスゲノムとAAV9カプシドとを含む。一部の実施形態において、AAV粒子は、配列番号1809を含むウイルスゲノムとAAV9 K449Rカプシドとを含む。一部の実施形態において、AAV粒子は、配列番号1809を含むウイルスゲノムとAAVPHP.Bカプシドとを含む。一部の実施形態において、AAV粒子は、配列番号1809を含むウイルスゲノムとAAVPHP.Nカプシドとを含む。一部の実施形態において、AAV粒子は、配列番号1809を含むウイルスゲノムと配列番号1を含むカプシドとを含む。一部の実施形態において、AAV粒子は、配列番号1809を含むウイルスゲノムと配列番号1722を含む核酸配列によってコードされるカプシドとを含む。一部の実施形態において、AAV粒子は、配列番号1809を含むウイルスゲノムと配列番号1724を含むカプシドとを含む。一部の実施形態において、AAV粒子は、配列番号1809を含むウイルスゲノムと配列番号1723を含む核酸配列によってコードされるカプシドとを含む。一部の実施形態において、AAV粒子は、配列番号1809を含むウイルスゲノムと配列番号136を含むカプシドとを含む。一部の実施形態において、AAV粒子は、配列番号1809を含むウイルスゲノムと配列番号135を含む核酸配列によってコードされるカプシドとを含む。一部の実施形態において、AAV粒子は、配列番号1809を含むウイルスゲノムと配列番号3を含むカプシドとを含む。一部の実施形態において、AAV粒子は、配列番号1809を含むウイルスゲノムと配列番号4を含む核酸配列によってコードされるカプシドとを含む。一部の実施形態において、AAV粒子は、配列番号1809を含むウイルスゲノムと配列番号2を含むカプシドとを含む。一部の実施形態において、AAV粒子は、配列番号1809を含むウイルスゲノムと配列番号9を含むカプシドとを含む。
【0394】
一部の実施形態において、表4、12、13、14、15、16または17のいずれかに与えられるウイルスゲノムとカプシドとを含むAAV粒子は、投与に好適な溶液、例えば、1つ以上の塩および1つ以上の界面活性剤を含む製剤で製剤化される。一部の実施形態において、製剤は、pHが約7〜8で、塩化ナトリウム、リン酸ナトリウム、塩化カリウム、リン酸カリウムおよびプルロニック(登録商標)F−68のうち1つ以上を含む。一部の実施形態において、製剤は、pH7.4の192mM塩化ナトリウム、10mMリン酸ナトリウム(二塩基性)、2.7mM塩化カリウム、2mMリン酸カリウム(一塩基性)および0.001%プルロニックF−68(v/v)を含む(本開示における製剤1)。一部の実施形態において、配列番号1797を含むウイルスゲノムとVOY101カプシドとを含むAAV粒子は、pH7.4の192mM塩化ナトリウム、10mMリン酸ナトリウム(二塩基性)、2.7mM塩化カリウム、2mMリン酸カリウム(一塩基性)および0.001%プルロニックF−68(v/v)を含む溶液で製剤化される。一部の実施形態において、配列番号1797を含むウイルスゲノムとVOY201カプシドとを含むAAV粒子は、pH7.4の192mM塩化ナトリウム、10mMリン酸ナトリウム(二塩基性)、2.7mM塩化カリウム、2mMリン酸カリウム(一塩基性)および0.001%プルロニックF−68(v/v)を含む溶液で製剤化される。一部の実施形態において、配列番号1797を含むウイルスゲノムとAAV9カプシドとを含むAAV粒子は、pH7.4の192mM塩化ナトリウム、10mMリン酸ナトリウム(二塩基性)、2.7mM塩化カリウム、2mMリン酸カリウム(一塩基性)および0.001%プルロニックF−68(v/v)を含む溶液で製剤化される。一部の実施形態において、配列番号1797を含むウイルスゲノムとAAV9 K449Rカプシドとを含むAAV粒子は、pH7.4の192mM塩化ナトリウム、10mMリン酸ナトリウム(二塩基性)、2.7mM塩化カリウム、2mMリン酸カリウム(一塩基性)および0.001%プルロニックF−68(v/v)を含む溶液で製剤化される。一部の実施形態において、配列番号1797を含むウイルスゲノムとAAVPHP.Bカプシドとを含むAAV粒子は、pH7.4の192mM塩化ナトリウム、10mMリン酸ナトリウム(二塩基性)、2.7mM塩化カリウム、2mMリン酸カリウム(一塩基性)および0.001%プルロニックF−68(v/v)を含む溶液で製剤化される。一部の実施形態において、配列番号1797を含むウイルスゲノムとAAVPHP.Nカプシドとを含むAAV粒子は、pH7.4の192mM塩化ナトリウム、10mMリン酸ナトリウム(二塩基性)、2.7mM塩化カリウム、2mMリン酸カリウム(一塩基性)および0.001%プルロニックF−68(v/v)を含む溶液で製剤化される。一部の実施形態において、配列番号1797を含むウイルスゲノムと配列番号1を含むカプシドとを含むAAV粒子は、pH7.4の192mM塩化ナトリウム、10mMリン酸ナトリウム(二塩基性)、2.7mM塩化カリウム、2mMリン酸カリウム(一塩基性)および0.001%プルロニックF−68(v/v)を含む溶液で製剤化される。一部の実施形態において、配列番号1797を含むウイルスゲノムと配列番号1722を含む核酸配列によってコードされるカプシドとを含むAAV粒子は、pH7.4の192mM塩化ナトリウム、10mMリン酸ナトリウム(二塩基性)、2.7mM塩化カリウム、2mMリン酸カリウム(一塩基性)および0.001%プルロニックF−68(v/v)を含む溶液で製剤化される。一部の実施形態において、配列番号1797を含むウイルスゲノムと配列番号1724を含むカプシドとを含むAAV粒子は、pH7.4の192mM塩化ナトリウム、10mMリン酸ナトリウム(二塩基性)、2.7mM塩化カリウム、2mMリン酸カリウム(一塩基性)および0.001%プルロニックF−68(v/v)を含む溶液で製剤化される。一部の実施形態において、配列番号1797を含むウイルスゲノムと配列番号1723を含む核酸配列によってコードされるカプシドとを含むAAV粒子は、pH7.4の192mM塩化ナトリウム、10mMリン酸ナトリウム(二塩基性)、2.7mM塩化カリウム、2mMリン酸カリウム(一塩基性)および0.001%プルロニックF−68(v/v)を含む溶液で製剤化される。一部の実施形態において、配列番号1797を含むウイルスゲノムと配列番号136を含むカプシドとを含むAAV粒子は、pH7.4の192mM塩化ナトリウム、10mMリン酸ナトリウム(二塩基性)、2.7mM塩化カリウム、2mMリン酸カリウム(一塩基性)および0.001%プルロニックF−68(v/v)を含む溶液で製剤化される。一部の実施形態において、配列番号1797を含むウイルスゲノムと配列番号135を含む核酸配列によってコードされるカプシドとを含むAAV粒子は、pH7.4の192mM塩化ナトリウム、10mMリン酸ナトリウム(二塩基性)、2.7mM塩化カリウム、2mMリン酸カリウム(一塩基性)および0.001%プルロニックF−68(v/v)を含む溶液で製剤化される。一部の実施形態において、配列番号1797を含むウイルスゲノムと配列番号3を含むカプシドとを含むAAV粒子は、pH7.4の192mM塩化ナトリウム、10mMリン酸ナトリウム(二塩基性)、2.7mM塩化カリウム、2mMリン酸カリウム(一塩基性)および0.001%プルロニックF−68(v/v)を含む溶液で製剤化される。一部の実施形態において、配列番号1797を含むウイルスゲノムと配列番号4を含む核酸配列によってコードされるカプシドとを含むAAV粒子は、pH7.4の192mM塩化ナトリウム、10mMリン酸ナトリウム(二塩基性)、2.7mM塩化カリウム、2mMリン酸カリウム(一塩基性)および0.001%プルロニックF−68(v/v)を含む溶液で製剤化される。一部の実施形態において、配列番号1797を含むウイルスゲノムと配列番号2を含むカプシドとを含むAAV粒子は、pH7.4の192mM塩化ナトリウム、10mMリン酸ナトリウム(二塩基性)、2.7mM塩化カリウム、2mMリン酸カリウム(一塩基性)および0.001%プルロニックF−68(v/v)を含む溶液で製剤化される。一部の実施形態において、配列番号1797を含むウイルスゲノムと配列番号9を含むカプシドとを含むAAV粒子は、pH7.4の192mM塩化ナトリウム、10mMリン酸ナトリウム(二塩基性)、2.7mM塩化カリウム、2mMリン酸カリウム(一塩基性)および0.001%プルロニックF−68(v/v)を含む溶液で製剤化される。
【0395】
一部の実施形態において、配列番号1801を含むウイルスゲノムとVOY101カプシドとを含むAAV粒子は、pH7.4の192mM塩化ナトリウム、10mMリン酸ナトリウム(二塩基性)、2.7mM塩化カリウム、2mMリン酸カリウム(一塩基性)および0.001%プルロニックF−68(v/v)を含む溶液で製剤化される。一部の実施形態において、配列番号1801を含むウイルスゲノムとVOY201カプシドとを含むAAV粒子は、pH7.4の192mM塩化ナトリウム、10mMリン酸ナトリウム(二塩基性)、2.7mM塩化カリウム、2mMリン酸カリウム(一塩基性)および0.001%プルロニックF−68(v/v)を含む溶液で製剤化される。一部の実施形態において、配列番号1801を含むウイルスゲノムとAAV9カプシドとを含むAAV粒子は、pH7.4の192mM塩化ナトリウム、10mMリン酸ナトリウム(二塩基性)、2.7mM塩化カリウム、2mMリン酸カリウム(一塩基性)および0.001%プルロニックF−68(v/v)を含む溶液で製剤化される。一部の実施形態において、配列番号1801を含むウイルスゲノムとAAV9 K449Rカプシドとを含むAAV粒子は、pH7.4の192mM塩化ナトリウム、10mMリン酸ナトリウム(二塩基性)、2.7mM塩化カリウム、2mMリン酸カリウム(一塩基性)および0.001%プルロニックF−68(v/v)を含む溶液で製剤化される。一部の実施形態において、配列番号1801を含むウイルスゲノムとAAVPHP.Bカプシドとを含むAAV粒子は、pH7.4の192mM塩化ナトリウム、10mMリン酸ナトリウム(二塩基性)、2.7mM塩化カリウム、2mMリン酸カリウム(一塩基性)および0.001%プルロニックF−68(v/v)を含む溶液で製剤化される。一部の実施形態において、配列番号1801を含むウイルスゲノムとAAVPHP.Nカプシドとを含むAAV粒子は、pH7.4の192mM塩化ナトリウム、10mMリン酸ナトリウム(二塩基性)、2.7mM塩化カリウム、2mMリン酸カリウム(一塩基性)および0.001%プルロニックF−68(v/v)を含む溶液で製剤化される。一部の実施形態において、配列番号1801を含むウイルスゲノムと配列番号1を含むカプシドとを含むAAV粒子は、pH7.4の192mM塩化ナトリウム、10mMリン酸ナトリウム(二塩基性)、2.7mM塩化カリウム、2mMリン酸カリウム(一塩基性)および0.001%プルロニックF−68(v/v)を含む溶液で製剤化される。一部の実施形態において、配列番号1801を含むウイルスゲノムと配列番号1722を含む核酸配列によってコードされるカプシドとを含むAAV粒子は、pH7.4の192mM塩化ナトリウム、10mMリン酸ナトリウム(二塩基性)、2.7mM塩化カリウム、2mMリン酸カリウム(一塩基性)および0.001%プルロニックF−68(v/v)を含む溶液で製剤化される。一部の実施形態において、配列番号1801を含むウイルスゲノムと配列番号1724を含むカプシドとを含むAAV粒子は、pH7.4の192mM塩化ナトリウム、10mMリン酸ナトリウム(二塩基性)、2.7mM塩化カリウム、2mMリン酸カリウム(一塩基性)および0.001%プルロニックF−68(v/v)を含む溶液で製剤化される。一部の実施形態において、配列番号1801を含むウイルスゲノムと配列番号1723を含む核酸配列によってコードされるカプシドとを含むAAV粒子は、pH7.4の192mM塩化ナトリウム、10mMリン酸ナトリウム(二塩基性)、2.7mM塩化カリウム、2mMリン酸カリウム(一塩基性)および0.001%プルロニックF−68(v/v)を含む溶液で製剤化される。一部の実施形態において、配列番号1801を含むウイルスゲノムと配列番号136を含むカプシドとを含むAAV粒子は、pH7.4の192mM塩化ナトリウム、10mMリン酸ナトリウム(二塩基性)、2.7mM塩化カリウム、2mMリン酸カリウム(一塩基性)および0.001%プルロニックF−68(v/v)を含む溶液で製剤化される。一部の実施形態において、配列番号1801を含むウイルスゲノムと配列番号135を含む核酸配列によってコードされるカプシドとを含むAAV粒子は、pH7.4の192mM塩化ナトリウム、10mMリン酸ナトリウム(二塩基性)、2.7mM塩化カリウム、2mMリン酸カリウム(一塩基性)および0.001%プルロニックF−68(v/v)を含む溶液で製剤化される。一部の実施形態において、配列番号1801を含むウイルスゲノムと配列番号3を含むカプシドとを含むAAV粒子は、pH7.4の192mM塩化ナトリウム、10mMリン酸ナトリウム(二塩基性)、2.7mM塩化カリウム、2mMリン酸カリウム(一塩基性)および0.001%プルロニックF−68(v/v)を含む溶液で製剤化される。一部の実施形態において、配列番号1801を含むウイルスゲノムと配列番号4を含む核酸配列によってコードされるカプシドとを含むAAV粒子は、pH7.4の192mM塩化ナトリウム、10mMリン酸ナトリウム(二塩基性)、2.7mM塩化カリウム、2mMリン酸カリウム(一塩基性)および0.001%プルロニックF−68(v/v)を含む溶液で製剤化される。一部の実施形態において、配列番号1801を含むウイルスゲノムと配列番号2を含むカプシドとを含むAAV粒子は、pH7.4の192mM塩化ナトリウム、10mMリン酸ナトリウム(二塩基性)、2.7mM塩化カリウム、2mMリン酸カリウム(一塩基性)および0.001%プルロニックF−68(v/v)を含む溶液で製剤化される。一部の実施形態において、配列番号1801を含むウイルスゲノムと配列番号9を含むカプシドとを含むAAV粒子は、pH7.4の192mM塩化ナトリウム、10mMリン酸ナトリウム(二塩基性)、2.7mM塩化カリウム、2mMリン酸カリウム(一塩基性)および0.001%プルロニックF−68(v/v)を含む溶液で製剤化される。
【0396】
一部の実施形態において、配列番号1808を含むウイルスゲノムとVOY101カプシドとを含むAAV粒子は、pH7.4の192mM塩化ナトリウム、10mMリン酸ナトリウム(二塩基性)、2.7mM塩化カリウム、2mMリン酸カリウム(一塩基性)および0.001%プルロニックF−68(v/v)を含む溶液で製剤化される。一部の実施形態において、配列番号1808を含むウイルスゲノムとVOY201カプシドとを含むAAV粒子は、pH7.4の192mM塩化ナトリウム、10mMリン酸ナトリウム(二塩基性)、2.7mM塩化カリウム、2mMリン酸カリウム(一塩基性)および0.001%プルロニックF−68(v/v)を含む溶液で製剤化される。一部の実施形態において、配列番号1808を含むウイルスゲノムとAAV9カプシドとを含むAAV粒子は、pH7.4の192mM塩化ナトリウム、10mMリン酸ナトリウム(二塩基性)、2.7mM塩化カリウム、2mMリン酸カリウム(一塩基性)および0.001%プルロニックF−68(v/v)を含む溶液で製剤化される。一部の実施形態において、配列番号1808を含むウイルスゲノムとAAV9 K449Rカプシドとを含むAAV粒子は、pH7.4の192mM塩化ナトリウム、10mMリン酸ナトリウム(二塩基性)、2.7mM塩化カリウム、2mMリン酸カリウム(一塩基性)および0.001%プルロニックF−68(v/v)を含む溶液で製剤化される。一部の実施形態において、配列番号1808を含むウイルスゲノムとAAVPHP.Bカプシドとを含むAAV粒子は、pH7.4の192mM塩化ナトリウム、10mMリン酸ナトリウム(二塩基性)、2.7mM塩化カリウム、2mMリン酸カリウム(一塩基性)および0.001%プルロニックF−68(v/v)を含む溶液で製剤化される。一部の実施形態において、配列番号1808を含むウイルスゲノムとAAVPHP.Nカプシドとを含むAAV粒子は、pH7.4の192mM塩化ナトリウム、10mMリン酸ナトリウム(二塩基性)、2.7mM塩化カリウム、2mMリン酸カリウム(一塩基性)および0.001%プルロニックF−68(v/v)を含む溶液で製剤化される。一部の実施形態において、配列番号1808を含むウイルスゲノムと配列番号1を含むカプシドとを含むAAV粒子は、pH7.4の192mM塩化ナトリウム、10mMリン酸ナトリウム(二塩基性)、2.7mM塩化カリウム、2mMリン酸カリウム(一塩基性)および0.001%プルロニックF−68(v/v)を含む溶液で製剤化される。一部の実施形態において、配列番号1808を含むウイルスゲノムと配列番号1722を含む核酸配列によってコードされるカプシドとを含むAAV粒子は、pH7.4の192mM塩化ナトリウム、10mMリン酸ナトリウム(二塩基性)、2.7mM塩化カリウム、2mMリン酸カリウム(一塩基性)および0.001%プルロニックF−68(v/v)を含む溶液で製剤化される。一部の実施形態において、配列番号1808を含むウイルスゲノムと配列番号1724を含むカプシドとを含むAAV粒子は、pH7.4の192mM塩化ナトリウム、10mMリン酸ナトリウム(二塩基性)、2.7mM塩化カリウム、2mMリン酸カリウム(一塩基性)および0.001%プルロニックF−68(v/v)を含む溶液で製剤化される。一部の実施形態において、配列番号1808を含むウイルスゲノムと配列番号1723を含む核酸配列によってコードされるカプシドとを含むAAV粒子は、pH7.4の192mM塩化ナトリウム、10mMリン酸ナトリウム(二塩基性)、2.7mM塩化カリウム、2mMリン酸カリウム(一塩基性)および0.001%プルロニックF−68(v/v)を含む溶液で製剤化される。一部の実施形態において、配列番号1808を含むウイルスゲノムと配列番号136を含むカプシドとを含むAAV粒子は、pH7.4の192mM塩化ナトリウム、10mMリン酸ナトリウム(二塩基性)、2.7mM塩化カリウム、2mMリン酸カリウム(一塩基性)および0.001%プルロニックF−68(v/v)を含む溶液で製剤化される。一部の実施形態において、配列番号1808を含むウイルスゲノムと配列番号135を含む核酸配列によってコードされるカプシドとを含むAAV粒子は、pH7.4の192mM塩化ナトリウム、10mMリン酸ナトリウム(二塩基性)、2.7mM塩化カリウム、2mMリン酸カリウム(一塩基性)および0.001%プルロニックF−68(v/v)を含む溶液で製剤化される。一部の実施形態において、配列番号1808を含むウイルスゲノムと配列番号3を含むカプシドとを含むAAV粒子は、pH7.4の192mM塩化ナトリウム、10mMリン酸ナトリウム(二塩基性)、2.7mM塩化カリウム、2mMリン酸カリウム(一塩基性)および0.001%プルロニックF−68(v/v)を含む溶液で製剤化される。一部の実施形態において、配列番号1808を含むウイルスゲノムと配列番号4を含む核酸配列によってコードされるカプシドとを含むAAV粒子は、pH7.4の192mM塩化ナトリウム、10mMリン酸ナトリウム(二塩基性)、2.7mM塩化カリウム、2mMリン酸カリウム(一塩基性)および0.001%プルロニックF−68(v/v)を含む溶液で製剤化される。一部の実施形態において、配列番号1808を含むウイルスゲノムと配列番号2を含むカプシドとを含むAAV粒子は、pH7.4の192mM塩化ナトリウム、10mMリン酸ナトリウム(二塩基性)、2.7mM塩化カリウム、2mMリン酸カリウム(一塩基性)および0.001%プルロニックF−68(v/v)を含む溶液で製剤化される。一部の実施形態において、配列番号1808を含むウイルスゲノムと配列番号9を含むカプシドとを含むAAV粒子は、pH7.4の192mM塩化ナトリウム、10mMリン酸ナトリウム(二塩基性)、2.7mM塩化カリウム、2mMリン酸カリウム(一塩基性)および0.001%プルロニックF−68(v/v)を含む溶液で製剤化される。
【0397】
一部の実施形態において、配列番号1809を含むウイルスゲノムとVOY101カプシドとを含むAAV粒子は、pH7.4の192mM塩化ナトリウム、10mMリン酸ナトリウム(二塩基性)、2.7mM塩化カリウム、2mMリン酸カリウム(一塩基性)および0.001%プルロニックF−68(v/v)を含む溶液で製剤化される。一部の実施形態において、配列番号1809を含むウイルスゲノムとVOY201カプシドとを含むAAV粒子は、pH7.4の192mM塩化ナトリウム、10mMリン酸ナトリウム(二塩基性)、2.7mM塩化カリウム、2mMリン酸カリウム(一塩基性)および0.001%プルロニックF−68(v/v)を含む溶液で製剤化される。一部の実施形態において、配列番号1809を含むウイルスゲノムとAAV9カプシドとを含むAAV粒子は、pH7.4の192mM塩化ナトリウム、10mMリン酸ナトリウム(二塩基性)、2.7mM塩化カリウム、2mMリン酸カリウム(一塩基性)および0.001%プルロニックF−68(v/v)を含む溶液で製剤化される。一部の実施形態において、配列番号1809を含むウイルスゲノムとAAV9 K449Rカプシドとを含むAAV粒子は、pH7.4の192mM塩化ナトリウム、10mMリン酸ナトリウム(二塩基性)、2.7mM塩化カリウム、2mMリン酸カリウム(一塩基性)および0.001%プルロニックF−68(v/v)を含む溶液で製剤化される。一部の実施形態において、配列番号1809を含むウイルスゲノムとAAVPHP.Bカプシドとを含むAAV粒子は、pH7.4の192mM塩化ナトリウム、10mMリン酸ナトリウム(二塩基性)、2.7mM塩化カリウム、2mMリン酸カリウム(一塩基性)および0.001%プルロニックF−68(v/v)を含む溶液で製剤化される。一部の実施形態において、配列番号1809を含むウイルスゲノムとAAVPHP.Nカプシドとを含むAAV粒子は、pH7.4の192mM塩化ナトリウム、10mMリン酸ナトリウム(二塩基性)、2.7mM塩化カリウム、2mMリン酸カリウム(一塩基性)および0.001%プルロニックF−68(v/v)を含む溶液で製剤化される。一部の実施形態において、配列番号1809を含むウイルスゲノムと配列番号1を含むカプシドとを含むAAV粒子は、pH7.4の192mM塩化ナトリウム、10mMリン酸ナトリウム(二塩基性)、2.7mM塩化カリウム、2mMリン酸カリウム(一塩基性)および0.001%プルロニックF−68(v/v)を含む溶液で製剤化される。一部の実施形態において、配列番号1809を含むウイルスゲノムと配列番号1722を含む核酸配列によってコードされるカプシドとを含むAAV粒子は、pH7.4の192mM塩化ナトリウム、10mMリン酸ナトリウム(二塩基性)、2.7mM塩化カリウム、2mMリン酸カリウム(一塩基性)および0.001%プルロニックF−68(v/v)を含む溶液で製剤化される。一部の実施形態において、配列番号1809を含むウイルスゲノムと配列番号1724を含むカプシドとを含むAAV粒子は、pH7.4の192mM塩化ナトリウム、10mMリン酸ナトリウム(二塩基性)、2.7mM塩化カリウム、2mMリン酸カリウム(一塩基性)および0.001%プルロニックF−68(v/v)を含む溶液で製剤化される。一部の実施形態において、配列番号1809を含むウイルスゲノムと配列番号1723を含む核酸配列によってコードされるカプシドとを含むAAV粒子は、pH7.4の192mM塩化ナトリウム、10mMリン酸ナトリウム(二塩基性)、2.7mM塩化カリウム、2mMリン酸カリウム(一塩基性)および0.001%プルロニックF−68(v/v)を含む溶液で製剤化される。一部の実施形態において、配列番号1809を含むウイルスゲノムと配列番号136を含むカプシドとを含むAAV粒子は、pH7.4の192mM塩化ナトリウム、10mMリン酸ナトリウム(二塩基性)、2.7mM塩化カリウム、2mMリン酸カリウム(一塩基性)および0.001%プルロニックF−68(v/v)を含む溶液で製剤化される。一部の実施形態において、配列番号1809を含むウイルスゲノムと配列番号135を含む核酸配列によってコードされるカプシドとを含むAAV粒子は、pH7.4の192mM塩化ナトリウム、10mMリン酸ナトリウム(二塩基性)、2.7mM塩化カリウム、2mMリン酸カリウム(一塩基性)および0.001%プルロニックF−68(v/v)を含む溶液で製剤化される。一部の実施形態において、配列番号1809を含むウイルスゲノムと配列番号3を含むカプシドとを含むAAV粒子は、pH7.4の192mM塩化ナトリウム、10mMリン酸ナトリウム(二塩基性)、2.7mM塩化カリウム、2mMリン酸カリウム(一塩基性)および0.001%プルロニックF−68(v/v)を含む溶液で製剤化される。一部の実施形態において、配列番号1809を含むウイルスゲノムと配列番号4を含む核酸配列によってコードされるカプシドとを含むAAV粒子は、pH7.4の192mM塩化ナトリウム、10mMリン酸ナトリウム(二塩基性)、2.7mM塩化カリウム、2mMリン酸カリウム(一塩基性)および0.001%プルロニックF−68(v/v)を含む溶液で製剤化される。一部の実施形態において、配列番号1809を含むウイルスゲノムと配列番号2を含むカプシドとを含むAAV粒子は、pH7.4の192mM塩化ナトリウム、10mMリン酸ナトリウム(二塩基性)、2.7mM塩化カリウム、2mMリン酸カリウム(一塩基性)および0.001%プルロニックF−68(v/v)を含む溶液で製剤化される。一部の実施形態において、配列番号1809を含むウイルスゲノムと配列番号9を含むカプシドとを含むAAV粒子は、pH7.4の192mM塩化ナトリウム、10mMリン酸ナトリウム(二塩基性)、2.7mM塩化カリウム、2mMリン酸カリウム(一塩基性)および0.001%プルロニックF−68(v/v)を含む溶液で製剤化される。
【0398】
一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、一本鎖である。一部の実施形態において、ウイルスゲノムは、自己相補的である。本開示のAAV粒子の特定の実施形態は、2つの末端逆位配列(ITR)領域を含む。一部の実施形態において、ITRは、AAV2 ITRである。一部の実施形態において、一方のITRは、配列番号1811を含み、他方のITRは、配列番号1812を含む。特定の実施形態は、ポリヌクレオチド配列に対して5’に位置する第1のITR領域とポリヌクレオチド配列に対して3’に位置する第2の末端逆位配列領域とを含むウイルスゲノムを提供する。
【0399】
II.ウイルス産生
一般的なウイルス産生プロセス
AAV粒子、例えばrAAV粒子を作製するための細胞は、一部の実施形態において、哺乳類細胞(HEK293細胞など)および/または昆虫細胞(Sf9細胞など)を含んでもよい。
【0400】
様々な実施形態において、AAV産生は、ペイロード、例えば、ペイロード分子をコードするヌクレオチドを含む組換えウイルスコンストラクトを送達するために標的細胞に接触することができる、AAV粒子およびベクターを作製するためのプロセスおよび方法を含む。特定の実施形態において、ウイルスベクターは、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター、例えば組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)ベクターである。特定の実施形態において、AAV粒子は、アデノ随伴ウイルス(AAV)粒子、例えば組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子である。
【0401】
様々な実施形態において、(a)ウイルス産生細胞を、少なくとも1つのAAVカプシドタンパク質をコードする1つ以上のウイルス発現コンストラクト、ならびにトランス遺伝子、タンパク質をコードするポリヌクレオチドおよび調節性核酸から選択され得るペイロード分子をコードする1つ以上のペイロードコンストラクトと接触させる工程、(b)少なくとも1つのAAV粒子またはベクターが作製されるような条件下でウイルス産生細胞を培養する工程、ならびに(c)作製ストリームからAAV粒子またはベクターを単離する工程によって、AAV粒子またはベクターを作製する方法が本明細書において提供される。
【0402】
これらの方法において、ウイルス発現コンストラクトは、少なくとも1つの構造タンパク質および/または少なくとも1つの非構造タンパク質をコードし得る。構造タンパク質は、天然もしくは野生型カプシドタンパク質VP1、VP2、および/もしくはVP3またはそれらのキメラタンパク質のいずれかを含んでもよい。非構造タンパク質は、天然もしくは野生型Rep78、Rep68、Rep52、および/もしくはRep40タンパク質またはそれらのキメラタンパク質のいずれかを含んでもよい。
【0403】
特定の実施形態において、接触は、一過性トランスフェクション、ウイルス形質導入、および/またはエレクトロポレーションを介して生じる。
特定の実施形態において、ウイルス産生細胞は、哺乳類細胞および昆虫細胞から選択される。特定の実施形態において、昆虫細胞は、スポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)昆虫細胞を含む。特定の実施形態において、昆虫細胞は、Sf9昆虫細胞を含む。特定の実施形態において、昆虫細胞は、Sf21昆虫細胞を含む。
【0404】
本開示のペイロードコンストラクトベクターは、様々な実施形態において、少なくとも1つの末端逆位配列(ITR)を含んでもよく、哺乳類DNAを含んでもよい。
本明細書に記載される方法に従って作製されたAAV粒子およびウイルスベクターも提供される。
【0405】
様々な実施形態において、本開示のAAV粒子は、1つ以上の許容可能な賦形剤を有する医薬組成物として製剤化されてもよい。
特定の実施形態において、AAV粒子またはウイルスベクターは、本明細書に記載される方法によって作製されてもよい。
【0406】
特定の実施形態において、AAV粒子は、ウイルス産生細胞(例えば、昆虫細胞または哺乳類細胞)を、少なくとも1つのカプシドタンパク質および少なくとも1つのペイロードコンストラクトベクターをコードする少なくとも1つのウイルス発現コンストラクトと接触させることによって作製され得る。ウイルス産生細胞は、一過性トランスフェクション、ウイルス形質導入、および/またはエレクトロポレーションによって接触させてもよい。ペイロードコンストラクトベクターは、ペイロード分子、例えば、限定はされないが、トランス遺伝子、タンパク質をコードするポリヌクレオチド、および調節性核酸をコードするペイロードコンストラクトを含んでもよい。ウイルス産生細胞は、少なくとも1つのAAV粒子またはベクターが作製、単離(例えば、温度誘導溶解、機械的溶解、および/もしくは化学的溶解を使用)、ならびに/または精製(例えば、濾過、クロマトグラフィー、および/もしくは免疫親和性精製を使用)されるような条件下で培養され得る。非限定的な例として、ペイロードコンストラクトベクターは、哺乳類DNAを含んでもよい。
【0407】
特定の実施形態において、AAV粒子は、本明細書に記載される方法を使用して、昆虫細胞(例えば、スポドプテラ・フルギペルダ(Sf9)細胞)において作製される。非限定的な例として、昆虫細胞を、バキュロウイルス形質導入を含み得るウイルス形質導入を使用して接触させる。
【0408】
特定の実施形態において、AAV粒子は、本明細書に記載される方法を使用して、哺乳類細胞(例えば、HEK293細胞)において作製される。非限定的な例として、哺乳類細胞を、マルチプラスミド一過性トランスフェクション(三重プラスミド一過性トランスフェクションなど)を含み得るウイルス形質導入を使用して接触させる。
【0409】
特定の実施形態において、本明細書に記載されるAAV粒子作製方法は、ウイルス産生細胞において、10
1個を超える、10
2個を超える、10
3個を超える、10
4個を超える、または10
5個を超えるAAV粒子を作製する。
【0410】
特定の実施形態において、本開示のプロセスは、少なくとも1つのウイルス発現コンストラクトおよび少なくとも1つのペイロードコンストラクトを含むウイルス産生システムを使用した、ウイルス産生細胞におけるウイルス粒子の作製を含む。少なくとも1つのウイルス発現コンストラクトおよび少なくとも1つのペイロードコンストラクトは、ウイルス産生細胞にコトランスフェクト(例えば、二重トランスフェクション、三重トランスフェクション)させてもよい。トランスフェクションは、当業者によってルーチン的に行われる公知の標準的分子生物学的技法を用いて完了される。ウイルス産生細胞は、ペイロードコンストラクトを複製するRepタンパク質、および複製されたペイロードコンストラクトを封入するカプシドを形成するようにアセンブルするCapタンパク質を含む、AAV粒子を作製するために必要なタンパク質および他のバイオマテリアルの発現に必要な細胞機構を提供する。得られたAAV粒子は、ウイルス産生細胞から抽出され、投与のための医薬調製物へ処理される。
【0411】
様々な実施形態において、本明細書に開示されるAAV粒子は、投与されると、理論によって束縛されるものではないが、標的細胞に接触して、細胞、例えばエンドソーム内に入り得る。AAV粒子、例えば、エンドソームから放出されるAAV粒子は、次いで、標的細胞の核に接触して、ペイロードコンストラクトを送達し得る。ペイロードコンストラクト、例えば組換えウイルスコンストラクトは、ペイロードコンストラクトによってコードされるペイロード分子が発現され得る標的細胞の核に送達され得る。
【0412】
特定の実施形態において、ウイルス粒子の作製のためのプロセスは、1つ以上のバキュロウイルス(例えば、バキュロウイルス発現ベクター(BEV)またはウイルス発現コンストラクトおよびペイロードコンストラクトベクターでトランスフェクトされたバキュロウイルス感染昆虫細胞(BIIC))を含む、ウイルス産生細胞のシード培養物を利用する。特定の実施形態において、シード培養物は、回収され、アリコートに分割され、凍結される。更に、シード培養物は、後の時点で、産生細胞のナイーブ集団の感染を開始するために使用されてもよい。
【0413】
一部の実施形態において、AAV粒子の大規模な作製は、バイオリアクターを利用する。理論によって束縛されるものではないが、バイオリアクターの使用は、質量、温度、混合条件(インペラー回転数または波動オシレーション)、CO
2濃度、O
2濃度、ガススパージ速度および体積、ガスオーバーレイ速度および体積、pH、生存細胞密度(VCD)、細胞バイアビリティ、細胞直径、および/または光学濃度(OD)などの、ウイルス産生細胞の増殖および活性を支援する変数の正確な測定および/または制御を可能にし得る。特定の実施形態において、バイオリアクターは、培養物全体が実験的に決定された時点で回収され、AAV粒子が精製される、バッチ産生のために使用される。一部の実施形態において、バイオリアクターは、AAV粒子の精製のために実験的に決定された時点で培養物の一部が回収され、バイオリアクター中の残りの培養物が追加の成長培地成分でリフレッシュされる、連続生産のために使用される。
【0414】
様々な実施形態において、AAVウイルス粒子は、細胞溶解、清澄化、滅菌、および精製を含むプロセスにおいて、ウイルス産生細胞から抽出されてもよい。細胞溶解は、ウイルス産生細胞の構造を破壊し、それによってAAV粒子を放出する、任意のプロセスを含む。特定の実施形態において、細胞溶解は、熱ショック、化学的または機械的溶解方法を含み得る。清澄化は、溶解細胞、培地成分、およびAAV粒子の混合物の総精製(gross purification)を含み得る。特定の実施形態において、清澄化は、限定はされないが、デプスエンド、タンジェンシャルフロー、および/または中空繊維濾過を含む、遠心分離および/または濾過を含む。
【0415】
様々な実施形態において、ウイルス産生の最終結果物は、以下の2つの成分:(1)ペイロードコンストラクト(例えば、組換えAAVベクターゲノムコンストラクト)、および(2)ウイルスカプシドを含むAAV粒子の精製収集物である。
【0416】
特定の実施形態において、本開示のウイルス産生システムまたはプロセスは、ウイルス産生細胞(VPC)およびプラスミドコンストラクトを使用して、バキュロウイルス感染昆虫細胞(BIIC)を作製するための工程を含む。細胞バンク(CB)からのウイルス産生細胞(VPC)を融解し、拡大させて、標的作業体積およびVPC濃度を提供する。得られたVPCプールを、Rep/Cap VPCプールとペイロードVPCプールに分割する。1つ以上のRep/Capプラスミドコンストラクト(ウイルス発現コンストラクト)をRep/Capバクミドポリヌクレオチドへ処理し、Rep/CapVPCプールにトランスフェクトする。1つ以上のペイロードプラスミドコンストラクト(ペイロードコンストラクト)をペイロードバクミドポリヌクレオチドへ処理し、ペイロードVPCプールにトランスフェクトする。2つのVPCプールをインキュベートして、P1Rep/Capバキュロウイルス発現ベクター(BEV)およびP1ペイロードBEVを作製する。2つのBEVプールは、クローナルプラーク(CP)精製のために選択された単一のプラークを用いて、プラークのコレクションに拡大される(単一プラーク拡大とも呼ばれる)。プロセスは、単一のCP精製工程を含んでもよく、または一連のもしくは他のプロセシング工程によって分離された複数のCP精製工程を含んでもよい。1つ以上のCP精製工程により、CP Rep/Cap BEVプールおよびCPペイロードBEVプールが提供される。次いで、これら2つのBEVプールを保管し、将来の作製工程のために使用してもよく、またはそれらをVPCにトランスフェクトして、Rep/Cap BIICプールおよびペイロードBIICプールを作製してもよい。
【0417】
特定の実施形態において、本開示のウイルス産生システムまたはプロセスは、ウイルス産生細胞(VPC)およびバキュロウイルス感染昆虫細胞(BIIC)を使用してAAV粒子を作製するための工程を含む。細胞バンク(CB)からのウイルス産生細胞(VPC)を融解し、拡大させて、標的作業体積およびVPC濃度を提供する。ウイルス産生細胞の作業体積を、産生バイオリアクターに播種し、BIIC感染のための標的VPC濃度を有する200〜2000Lの作業体積に更に拡大してもよい。次に、産生バイオリアクター中のVPCの作業体積を、標的VPC:BIIC比および標的BIIC:BIIC比で、Rep/Cap BIICおよびペイロードBIICに共感染させる。VCD感染は、BEVを利用してもよい。共感染させたVPCを、産生バイオリアクター内でインキュベートし、拡大させて、AAV粒子およびVPCのバルク回収物を作製する。
【0418】
ウイルス発現コンストラクト
様々な実施形態において、本開示のウイルス産生システムは、ウイルス産生細胞にトランスフェクト/形質導入され得る1つ以上のウイルス発現コンストラクトを含む。特定の実施形態において、本開示のウイルス発現コンストラクトまたはペイロードコンストラクトは、バキュロウイルスプラスミドまたは組換えバキュロウイルスゲノムとしても知られるバクミドであり得る。特定の実施形態において、ウイルス発現は、タンパク質をコードするヌクレオチド配列、およびウイルス産生細胞において発現するための少なくとも1つの発現制御配列を含む。特定の実施形態において、ウイルス発現は、ウイルス産生細胞において発現するための少なくとも1つの発現制御配列に作動可能に連結されたタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む。特定の実施形態において、ウイルス発現コンストラクトは、1つ以上のプロモータの制御下にパルボウイルス遺伝子を含む。パルボウイルス遺伝子は、Rep52、Rep40、Rep68、またはRep78タンパク質をコードするRep遺伝子などの非構造AAV複製タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含んでもよい。パルボウイルス遺伝子は、VP1、VP2、およびVP3タンパク質をコードするCap遺伝子などの構造AAVタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含んでもよい。
【0419】
本開示のウイルス発現コンストラクトは、核酸を有する細胞の形質転換、トランスフェクション、または形質導入を容易にする任意の化合物もしくは製剤、または生物学的もしくは化学的物質を含んでもよい。例示的な生物学的ウイルス発現コンストラクトとしては、プラスミド、線状核酸分子、および組換えウイルス、例えばバキュロウイルスが挙げられる。例示的な化学的ベクターとしては、脂質複合体が挙げられる。ウイルス発現コンストラクトは、核酸配列を、本開示に従ってウイルス複製細胞に組み込むために使用される。(オライリー(O’Reilly)、デイビッド R.(David R.)、ロイス K.ミラー(Lois K.Miller)およびベルネ A ラコウ(Verne A.Luckow)、Baculovirus expression vectors:a laboratory manual、オックスフォード大学出版局(Oxford University Press)、1994年);マニアティス(Maniatis)ら編、Molecular Cloning、CSHラボラトリー(CSH Laboratory)、ニューヨーク州ニューヨーク所在(1982年);ならびにフィリポート(Philiport)およびスクルバー(Scluber)編、Liposomes as tools in Basic Research and Industry、CRCプレス(CRC Press)、ミシガン州アナーバー(Ann Arbor)所在(1995年)、これらの各々の内容は、ウイルス発現コンストラクトおよびその使用に関係して、本明細書において全体として参照により援用される。
【0420】
特定の実施形態において、ウイルス発現コンストラクトは、非構造AAV複製タンパク質、構造AAVカプシドタンパク質、またはその組合せをコードする1つ以上のヌクレオチド配列を含むAAV発現コンストラクトである。
【0421】
特定の実施形態において、本開示のウイルス発現コンストラクトは、プラスミドベクターであり得る。特定の実施形態において、本開示のウイルス発現コンストラクトは、バキュロウイルスコンストラクトであり得る。
【0422】
本開示は、AAV粒子またはウイルスベクターを作製するために用いられるウイルス発現コンストラクトの数によって限定されない。特定の実施形態において、本開示に従って、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、または6つより多くのウイルス発現コンストラクトが、ウイルス産生細胞においてAAV粒子を作製するために用いられてもよい。本開示の特定の実施形態において、ウイルス発現コンストラクトは、昆虫細胞においてAAV粒子を作製するために使用されてもよい。特定の実施形態において、例えば、感染性もしくは特異性の増加などのウイルス粒子の属性を改善するために、または産生収率を向上させるために、カプシドおよび/またはrep遺伝子の野生型AAV配列に改変を行ってもよい。
【0423】
特定の実施形態において、ウイルス発現コンストラクトは、開始コドン領域を含むヌクレオチド配列、例えば、1つ以上の開始コドン領域を含むAAVカプシドタンパク質をコードする配列を含んでもよい。特定の実施形態において、開始コドン領域は、発現制御配列内にあってもよい。開始コドンは、ATGまたは非ATGコドン(すなわち、AAV VP1カプシドタンパク質の開始コドンが非ATGである、最適以下の開始コドン)であってもよい。
【0424】
特定の実施形態において、AAV産生に使用されるウイルス発現コンストラクトは、AAV VP1カプシドタンパク質の開始コドンが非ATG、すなわち最適以下の開始コドンである、AAVカプシドタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含んでもよく、産生システムにおけるウイルスカプシドタンパク質の改変比率の発現を可能にして、宿主細胞の改善された感染性を提供し得る。非限定的な例において、ウイルスコンストラクトベクターは、AAV VP1、VP2、およびVP3カプシドタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む核酸コンストラクトであって、AAV VP1カプシドタンパク質の翻訳の開始コドンが、米国特許第8,163,543号明細書(その内容は、AAVカプシドタンパク質およびその産生に関係して、本明細書において全体として参照により援用される)に記載されているように、CTG、TTGまたはGTGである、核酸コンストラクトを含んでもよい。
【0425】
特定の実施形態において、本開示のウイルス発現コンストラクトは、昆虫細胞内での発現のためのパルボウイルスrepタンパク質をコードするプラスミドベクターまたはバキュロウイルスコンストラクトであってもよい。特定の実施形態において、Rep78およびRep52タンパク質には、例えば、高いベクター収率を促進し得るRep52と比較してRep78のより少ない発現を促進するために、単一のコード配列が使用され、ここで、Rep78タンパク質の翻訳開始コドンは、米国特許第8,512,981号明細書(その内容は本明細書において全体として参照により援用される)に記載されているように、昆虫細胞内での発現時に部分的なエクソンスキップをもたらす、ACG、TTG、CTGおよびGTGからなる群から選択される最適以下の開始コドンである。
【0426】
特定の実施形態において、VPコード領域は、特異的AAV血清型の1つ以上のAAVカプシドタンパク質をコードする。VPコード領域のAAV血清型は、同じであっても異なってもよい。特定の実施形態において、VPコード領域は、コドン最適化されてもよい。特定の実施形態において、VPコード領域またはヌクレオチド配列は、哺乳類細胞に対してコドン最適化されてもよい。特定の実施形態において、VPコード領域またはヌクレオチド配列は、昆虫細胞に対してコドン最適化されてもよい。特定の実施形態において、VPコード領域またはヌクレオチド配列は、スポドプテラ・フルギペルダ細胞に対してコドン最適化されてもよい。特定の実施形態において、VPコード領域またはヌクレオチド配列は、Sf9またはSf21細胞株に対してコドン最適化されてもよい。
【0427】
特定の実施形態において、1つ以上のVPカプシドタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、参照ヌクレオチド配列と100%未満のヌクレオチド相同性を有するようにコドン最適化されてもよい。特定の実施形態において、コドン最適化VPヌクレオチド配列と参照VPヌクレオチド配列との間のヌクレオチド相同性は、100%未満、99%未満、98%未満、97%未満、96%未満、95%未満、94%未満、93%未満、92%未満、91%未満、90%未満、89%未満、88%未満、87%未満、86%未満、85%未満、84%未満、83%未満、82%未満、81%未満、80%未満、78%未満、76%未満、74%未満、72%未満、70%未満、68%未満、66%未満、64%未満、62%未満、60%未満、55%未満、50%未満、および40%未満である。
【0428】
特定の実施形態において、本開示のウイルス発現コンストラクトまたはペイロードコンストラクトは、バキュロウイルスプラスミドまたは組換えバキュロウイルスゲノムとしても知られるバクミドであり得る。特定の実施形態において、本開示のウイルス発現コンストラクトまたはペイロードコンストラクト(例えば、バクミド)は、当業者によって行われる公知の標準的分子生物学的技法によって、バクミドへの相同組換え(トランスポゾンドナー/アクセプターシステム)によって組み込まれるポリヌクレオチドを含んでもよい。
【0429】
特定の実施形態において、バクミドに組み込まれたポリヌクレオチド(すなわち、ポリヌクレオチドインサート)は、タンパク質をコードするヌクレオチド配列に作動可能に連結された発現制御配列を含み得る。特定の実施形態において、バクミドに組み込まれたポリヌクレオチドは、p10またはpolhなどのプロモータを含み、構造AAVカプシドタンパク質(例えば、VP1、VP2、VP3、またはそれらの組合せ)をコードするヌクレオチド配列に作動可能に連結された発現制御配列を含み得る。特定の実施形態において、バクミドに組み込まれたポリヌクレオチドは、p10またはpolhなどのプロモータを含み、非構造AAVカプシドタンパク質(例えば、Rep78、Rep52、またはそれらの組合せ)をコードするヌクレオチド配列に作動可能に連結された発現制御配列を含み得る。
【0430】
本開示の方法は、特定の発現制御配列の使用によって限定されない。しかしながら、VP産物の特定の化学量論量が達成されるとき(VP1、VP2、およびVP3についてそれぞれ1:1:10近く)、およびRep52またはRep40(p19Repとも呼ばれる)のレベルがRep78またはRep68(p5Repとも呼ばれる)よりも著しく高いとき、産生細胞(昆虫細胞など)におけるAAVの収率が改善され得る。特定の実施形態において、p5/p19比は、0.6未満、0.4未満、または0.3未満であるが、常に少なくとも0.03である。これらの比は、タンパク質レベルで測定され得るか、または特定のmRNAの相対レベルから含意され得る。
【0431】
特定の実施形態において、AAV粒子は、ウイルス産生細胞(哺乳類細胞または昆虫細胞など)において作製され、ここで、3つ全てのVPタンパク質は、次の通りの、またはその約の、またはその近傍である化学量論量で発現される:1:1:10(VP1:VP2:VP3);2:2:10(VP1:VP2:VP3);2:0:10(VP1:VP2:VP3);1〜2:0〜2:10(VP1:VP2:VP3);1〜2:1〜2:10(VP1:VP2:VP3);2〜3:0〜3:10(VP1:VP2:VP3);2〜3:2〜3:10(VP1:VP2:VP3);3:3:10(VP1:VP2:VP3);3〜5:0〜5:10(VP1:VP2:VP3);または3〜5:3〜5:10(VP1:VP2:VP3)。
【0432】
特定の実施形態において、発現制御領域は、約または正確に1:0:10、約または正確に1:1:10、約または正確に2:1:10、約または正確に2:1:10、約または正確に2:2:10、約または正確に3:0:10、約または正確に3:1:10、約または正確に3:2:10、約または正確に3:3:10、約または正確に4:0:10、約または正確に4:1:10、約または正確に4:2:10、約または正確に4:3:10、約または正確に4:4:10、約または正確に5:5:10、約または正確に1〜2:0〜2:10、約または正確に1〜2:1〜2:10、約または正確に1〜3:0〜3:10、約または正確に1〜3:1〜3:10、約または正確に1〜4:0〜4:10、約または正確に1〜4:1〜4:10、約または正確に1〜5:1〜5:10、約または正確に2〜3:0〜3:10、約または正確に2〜3:2〜3:10、約または正確に2〜4:2〜4:10、約または正確に2〜5:2〜5:10、約または正確に3〜4:3〜4:10、約または正確に3〜5:3〜5:10、および約または正確に4〜5:4〜5:10からなる群から選択されるVP1:VP2:VP3比を生じるように操作される。
【0433】
本開示の特定の実施形態において、Rep52またはRep78は、バキュロウイルス由来多面体プロモータ(polh)から転写される。Rep52またはRep78は、弱いプロモータ、例えば、ie−1プロモータの欠失変異体であり、ie−1プロモータの転写活性の約20%を有するΔie−1プロモータからも転写され得る。Δie−1プロモータに対して実質的に相同なプロモータを用いてもよい。プロモータに関して、少なくとも50%、60%、70%、80%、90%または90%超の相同性は、実質的に相同なプロモータとみなされる。
【0434】
哺乳類細胞
本明細書に開示される本開示のウイルス産生は、ペイロードコンストラクト、例えばペイロード分子をコードするヌクレオチドを含む組換えAAV粒子またはウイルスコンストラクトを送達するために標的細胞に接触するAAV粒子またはウイルスベクターを作製するためのプロセスおよび方法を説明する。ウイルス産生細胞は、原核(例えば、細菌)細胞、ならびに昆虫細胞、酵母細胞および哺乳類細胞を含む真核細胞を含む、任意の生物学的生物から選択され得る。
【0435】
特定の実施形態において、本開示のAAV粒子は、哺乳類細胞を含むウイルス産生細胞において作製され得る。ウイルス産生細胞は、A549、WEH1、3T3、10T1/2、BHK、MDCK、COS1、COS7、BSC1、BSC40、BMT10、VERO、W138、HeLa、HEK293、HEK293T(293T)、Saos、C2C12、L細胞、HT1080、Huh7、HepG2、C127、3T3、CHO、HeLa細胞、KB細胞、BHKなどの哺乳類細胞、ならびに哺乳動物由来の初代線維芽細胞、肝細胞、および筋芽細胞を含み得る。ウイルス産生細胞は、任意の哺乳類種、例えば、限定はされないが、ヒト、サル、マウス、ラット、ウサギ、およびハムスター、または、任意の細胞型、例えば、限定はされないが、線維芽細胞、肝細胞、腫瘍細胞、細胞株形質転換細胞など、に由来する細胞を含み得る。
【0436】
組換えAAV粒子を作製するために一般的に使用されるAAVウイルス産生細胞は、限定はされないが、米国特許第6,156,303号明細書、同第5,387,484号明細書、同第5,741,683号明細書、同第5,691,176号明細書、同第6,428,988号明細書、および同第5,688,676号明細書;米国特許出願公開第2002/0081721号明細書;ならびに国際公開第00/47757号パンフレット、同第00/24916号パンフレット、および同第96/17947号パンフレットに記載されている他の哺乳類細胞株を含み、これらの文献の各々の内容は、それらが本開示と矛盾しない限り、本明細書において全体として参照により援用される。特定の実施形態において、AAVウイルス産生細胞は、複製欠損ヘルパーウイルスから欠失された機能を提供するトランス相補(trans−complementing)パッケージング細胞株、例えば、HEK293細胞または他のEaトランス相補細胞である。
【0437】
特定の実施形態において、パッケージング細胞株293−10−3(ATCC受託番号PTA−2361)は、米国特許第6,281,010号明細書(その内容は、293−10−3パッケージング細胞株およびその使用に関係して、本明細書において全体として参照により援用される)に記載されているように、AAV粒子を作製するために使用され得る。
【0438】
特定の実施形態において、ホスホグリセレートキナーゼ(PGK)プロモータの制御下で、アデノウイルスE1aおよびアデノウイルスE1bをコードするE1欠失アデノウイルスベクターをトランス相補するための、本開示の細胞株、例えばHeLA細胞株が、米国特許第6365394号明細書(その内容は、HeLa細胞株およびその使用に関係して、本明細書において全体として参照により援用される)に記載されるように、AAV粒子作製のために使用され得る。
【0439】
特定の実施形態において、AAV粒子は、マルチプラスミド一過性トランスフェクション方法(例えば、三重プラスミド一過性トランスフェクション)を使用して、哺乳類細胞において作製される。特定の実施形態において、マルチプラスミド一過性トランスフェクション方法は、以下の3つの異なるコンストラクト:(i)ペイロードコンストラクト、(ii)Rep/Capコンストラクト(パルボウイルスRepおよびパルボウイルスCap)、ならびに(iii)ヘルパーコンストラクト、のトランスフェクションを含む。特定の実施形態において、AAV粒子作製の3つの成分の三重トランスフェクション方法は、形質導入効率、標的組織(向性)評価、および安定性を含むアッセイのための小ロットのウイルスを産生するために利用されてもよい。特定の実施形態において、AAV粒子作製の3つの成分の三重トランスフェクション方法は、臨床または商業用途のための大ロットの材料を作製するために利用されてもよい。
【0440】
製剤化されるAAV粒子は、三重トランスフェクションもしくはバキュロウイルス媒介性ウイルス産生、または当該技術分野において公知の任意の他の方法によって作製され得る。当該技術分野で公知の任意の適切な許容される細胞またはパッケージング細胞を、ベクターを作製するために利用してもよい。特定の実施形態において、複製欠損ヘルパーウイルスから欠失された機能を提供するトランス相補パッケージング細胞株、例えば、293細胞、または他のE1aトランス相補細胞が使用される。
【0441】
遺伝子カセットは、パルボウイルス(例えば、AAV)capおよびrep遺伝子の一部または全てを含んでもよい。特定の実施形態において、capおよびrep機能の一部または全ては、カプシドおよび/またはRepタンパク質をコードするパッケージングベクター(複数可)を細胞に導入することによって、トランスで提供される。特定の実施形態において、遺伝子カセットは、カプシドまたはRepタンパク質をコードしない。あるいは、安定に形質転換されてcapおよび/またはrep遺伝子を発現するパッケージング細胞株が使用される。
【0442】
特定の実施形態において、組換えAAVウイルス粒子は、米国特許出願公開第2016/0032254号明細書(その内容は、組換えAAVウイルス粒子の作製およびプロセシングに関係して、全体として参照により援用される)に記載される手順に従って、培養上清から作製および精製される。作製はまた、293T細胞、三重トランスフェクション、または任意の好適な産生方法を使用する方法などの、当該技術分野で公知の方法を含んでもよい。
【0443】
特定の実施形態において、哺乳類ウイルス産生細胞(例えば、293T細胞)は、接着/接着性状態(例えば、リン酸カルシウムを用いて)であってもよく、または懸濁状態(例えば、ポリエチレンイミン(PEI)を用いて)であってもよい。哺乳類ウイルス産生細胞を、AAVの産生に必要なプラスミド(すなわち、AAV rep/capコンストラクト、アデノウイルスヘルパーコンストラクト、および/またはITR隣接ペイロードコンストラクト)でトランスフェクトする。特定の実施形態において、トランスフェクションプロセスは、任意選択の培地変更(例えば、接着形態の細胞について培地変更、懸濁形態の細胞について培地変更なし、所望される場合、懸濁形態の細胞について培地変更)を含み得る。特定の実施形態において、トランスフェクションプロセスは、DMEMまたはF17などのトランスフェクション培地を含んでもよい。特定の実施形態において、トランスフェクション培地は、血清を含んでもよく、または無血清であってもよい(例えば、リン酸カルシウムおよび血清を用いて接着状態にある細胞、PEIを用い、血清なしで懸濁状態にある細胞)。
【0444】
細胞は、その後、掻爬(接着性形態)および/またはペレット化(懸濁形態および掻爬された接着性形態)によって収集し、容器に移してもよい。産生された細胞を完全に収集するために、必要に応じて収集工程を繰り返してもよい。次に、細胞溶解を、連続的な凍結融解サイクル(−80℃〜37℃)、化学溶解(洗浄剤トリトンの添加など)、もしくは機械的溶解によって、または約0%のバイアビリティに達した後に細胞培養物を分解させることによって達成してもよい。細胞残屑は、遠心分離および/または深度濾過によって除去する。試料は、DNA qPCRによるDNase耐性ゲノム滴定によって、AAV粒子について定量する。
【0445】
AAV粒子力価は、ゲノムコピー数(1ミリリットル当たりのゲノム粒子)に応じて測定される。ゲノム粒子濃度は、以前に報告されたように、ベクターDNAのDNA qPCRに基づく(クラーク(Clark)ら(1999)Hum.Gene Ther.,10:1031−1039、フェルトワイク(Veldwijk)ら(2002)Mol.Ther.,6:272−278、これらの各々の内容は、粒子濃度の測定に関係して、全体として参照により援用される)。
【0446】
昆虫細胞
本開示のウイルス産生は、ペイロードコンストラクト、例えばペイロード分子をコードするヌクレオチドを含む組換えウイルスコンストラクトを送達するために標的細胞に接触するAAV粒子またはウイルスベクターを作製するためのプロセスおよび方法を含む。特定の実施形態において、本開示のAAV粒子またはウイルスベクターは、昆虫細胞を含むウイルス産生細胞において作製されてもよい。
【0447】
培養中の昆虫細胞の増殖条件、および培養中の昆虫細胞における異種産物の産生は、当該技術分野において周知である。米国特許第6,204,059号明細書を参照されたい(その内容は、ウイルス産生における昆虫細胞の増殖および使用に関係して、本明細書において全体として参照により援用される)。
【0448】
パルボウイルスの複製を可能にし、培養中に維持され得る任意の昆虫細胞を、本開示に従って使用し得る。組換えAAV粒子の作製に一般的に使用されるAAVウイルス産生細胞としては、限定されないが、Sf9またはSf21細胞株を含むスポドプテラ・フルギペルダ、ショウジョウバエ細胞株、またはヒトスジシマカ(Aedes albopictus)由来細胞株などの蚊細胞株が挙げられる。異種タンパク質の発現のための昆虫細胞の使用は、ベクター、例えば昆虫細胞適合性ベクターなどの核酸をそのような細胞に導入する方法、およびそのような細胞を培養物中で維持する方法と同様に、十分に報告されている。例えば、Methods in Molecular Biology、リチャード(Richard)編、ヒューマナ・プレス(Humana Press)、ニュージャージー州所在(1995年);オライリー(O’Reilly)ら、Baculovirus Expression Vectors:A Laboratory Manual、オックスフォード大学出版局(Oxford Univ.Press)(1994年);サムルスキ(Samulski)ら,J.Vir.第63巻:3822−8(1989年);カジガヤ(Kajigaya)ら,Proc.Nat’l.Acad.Sci.USA 第88巻:4646−50(1991年);ラフィング(Ruffing)ら,J.Vir.第66巻:6922−30(1992年);キムバウアー(Kimbauer)ら、Vir.第219巻:37−44(1996年);チャオ(Zhao)ら、Vir.第272巻:382−93(2000年)、およびサムルスキ(Samulski)ら、米国特許第6,204,059号明細書が参照され、これらの各々の内容は、ウイルス産生における昆虫細胞の使用に関係して、本明細書において全体として参照により援用される。
【0449】
一部の実施形態において、AAV粒子は、国際公開第2015/191508号パンフレット(その内容は、本開示と矛盾しない限り、本明細書において全体として参照により援用される)に記載される方法を使用して作製される。
【0450】
特定の実施形態において、昆虫宿主細胞システムは、バキュロウイルスシステム(例えば、ラコウ(Luckow)ら、Bio/Technology 第6巻:47(1988年)に記載されるような)と組み合わせて使用してもよい。特定の実施形態において、キメラペプチドを調製するための発現システムは、米国特許第6660521号明細書(その内容は、ウイルス粒子の作製に関係して、本明細書において全体として参照により援用される)に記載されているように、高レベルのタンパク質に使用され得るイラクサギンウワバ(Trichoplusia ni),Tn 5B1−4昆虫細胞/バキュロウイルスシステムである。
【0451】
昆虫細胞の拡大、培養、トランスフェクション、感染、および保管は、当該技術分野で公知の任意の細胞培養培地、細胞トランスフェクション培地、または保管培地、例えば、Hyclone(商標)SFX−Insect(商標)細胞培養培地、Expression System ESF AF(商標)昆虫細胞培養培地、ThermoFisher Sf−900II(商標)培地、ThermoFisher Sf−900II(商標)培地、またはThermoFisher Grace昆虫培地、において行い得る。本開示の昆虫細胞混合物は、本開示に記載される任意の製剤添加剤または要素、例えば、(限定はされないが)塩、酸、塩基、緩衝液、界面活性剤(ポロキサマー188/プルロニックF−68など)および他の公知の培養培地要素を含んでもよい。製剤添加剤は、徐々に、または「スパイク」(短時間で大量の組込み)として組み込んでもよい。
【0452】
バキュロウイルス産生システム
特定の実施形態において、本開示のプロセスは、ウイルス発現コンストラクトおよびペイロードコンストラクトベクターを使用するバキュロウイルスシステムにおける、AAV粒子またはウイルスベクターの作製を含み得る。特定の実施形態において、バキュロウイルスシステムは、バキュロウイルス発現ベクター(BEV)および/またはバキュロウイルス感染昆虫細胞(BIIC)を含む。特定の実施形態において、本開示のウイルス発現コンストラクトまたはペイロードコンストラクトは、バキュロウイルスプラスミドまたは組換えバキュロウイルスゲノムとしても知られるバクミドであり得る。特定の実施形態において、本開示のウイルス発現コンストラクトまたはペイロードコンストラクトは、当業者によって行われる公知の標準的分子生物学的技法によって、バクミドへの相同組換え(トランスポゾンドナー/アクセプターシステム)によって組み込まれるポリヌクレオチドであり得る。別個のウイルス複製細胞集団のトランスフェクションは、バキュロウイルス(BEV)の2つ以上の群(例えば2つ、3つ)、ウイルス発現コンストラクト(発現BEV)を含み得る1つ以上の群、およびペイロードコンストラクト(ペイロードBEV)を含み得る1つ以上の群を作製する。バキュロウイルスを、AAV粒子またはウイルスベクターの作製のためにウイルス産生細胞に感染させるために使用してもよい。
【0453】
特定の実施形態において、プロセスは、ウイルス発現コンストラクトおよびペイロードコンストラクトの両方を含む単一バキュロウイルス(BEV)群を作製するための単一のウイルス複製細胞集団のトランスフェクションを含む。これらのバキュロウイルスを、AAV粒子またはウイルスベクターの作製のためにウイルス産生細胞に感染させるために使用してもよい。
【0454】
特定の実施形態において、BEVは、バクミドトランスフェクション剤、例えば、Promega FuGENE(登録商標)HD、WFI水、またはThermoFisher Cellfectin(登録商標)II試薬を使用して産生される。特定の実施形態において、BEVは、昆虫細胞などのウイルス産生細胞において産生され、拡大される。
【0455】
特定の実施形態において、方法は、バキュロウイルス感染昆虫細胞(BIIC)を含む、1つ以上のBEVを含むウイルス産生細胞のシード培養を利用する。シードBIICは、ウイルス発現コンストラクトを含む発現BEV、およびペイロードコンストラクトを含むペイロードBEVでトランスフェクト/形質導入/感染されている。特定の実施形態において、シード培養物は、回収され、アリコートに分割され、凍結される。更にシード培養物は、後の時点で、産生細胞のナイーブ集団のトランスフェクション/形質導入/感染を開始するために使用してもよい。特定の実施形態において、シードBIICのバンクは、−80℃でまたはLN2蒸気中で保管される。
【0456】
バキュロウイルスは、複製タンパク質、エンベロープタンパク質およびカプシドタンパク質などのバキュロウイルスの機能および複製に不可欠な幾つかの必須タンパク質から作られている。したがって、バキュロウイルスゲノムは、必須タンパク質をコードする幾つかの必須遺伝子ヌクレオチド配列を含む。非限定的な例として、ゲノムは、バキュロウイルスコンストラクトのための必須タンパク質をコードする必須遺伝子ヌクレオチド配列を含む、必須遺伝子領域を含み得る。必須タンパク質としては、GP64バキュロウイルスエンベロープタンパク質、VP39バキュロウイルスカプシドタンパク質、またはバキュロウイルスコンストラクトのための他の類似の必須タンパク質が挙げられ得る。
【0457】
昆虫細胞、例えば、限定はされないが、スポドプテラ・フルギペルダ(Sf9)細胞、においてAAV粒子を作製するためのバキュロウイルス発現ベクター(BEV)は、高力価のウイルスベクター生成物を提供する。ウイルス発現コンストラクトおよびペイロードコンストラクトをコードする組換えバキュロウイルスは、ウイルスベクター複製細胞の増殖性感染を開始する。一次感染から放出される感染性バキュロウイルス粒子は、培養物中の追加の細胞に二次的に感染し、感染の初期多重度の関数である幾つかの感染サイクルで細胞培養集団全体に指数関数的に感染する。ウラベ,M.(Urabe,M.)ら、J Virol.2006年2月;80(4):1874−85を参照されたい(その内容は、BEVおよびウイルス粒子の作製および使用に関係して、本明細書において全体として参照により援用される)。
【0458】
昆虫細胞システムにおけるバキュロウイルスによるAAV粒子の作製は、既知のバキュロウイルスの遺伝的および物理的不安定性に対処し得る。
特定の実施形態において、本開示の作製システムは、力価のない感染細胞の保存およびスケールアップシステムを利用することによって、複数継代にわたるバキュロウイルスの不安定性に対処する。ウイルス産生細胞の小規模シード培養物を、AAV粒子の構造成分および/または非構造成分をコードするウイルス発現コンストラクトでトランスフェクトする。バキュロウイルス感染ウイルス産生細胞は、液体窒素中で凍結保存され得るアリコートに回収される;アリコートは、大規模ウイルス産生細胞培養物の感染のためのバイアビリティおよび感染性を保持する。ワシルコ DJ(Wasilko DJ)ら Protein Expr Purif.2009年6月;65(2):122−32参照(その内容は、BEVおよびウイルス粒子の作製および使用に関係して、本明細書において全体として参照により援用される)。
【0459】
遺伝的に安定なバキュロウイルスを使用して、無脊椎動物細胞においてAAV粒子を作製するための1つ以上の成分の供給源を作製してもよい。特定の実施形態において、欠損バキュロウイルス発現ベクターは、昆虫細胞内でエピソーム的に維持され得る。かかる実施形態において、対応するバクミドベクターは、複製制御エレメント、例えば、限定はされないが、プロモータ、エンハンサー、および/または細胞周期調節複製エレメントを用いて操作される。
【0460】
特定の実施形態において、バキュロウイルス感染を許容する安定なウイルス産生細胞は、AAV複製およびベクター産生に必要な任意のエレメント、例えば、限定はされないが、AAVゲノム全体、RepおよびCap遺伝子、Rep遺伝子、Cap遺伝子、別個の転写カセットとしての各Repタンパク質、別個の転写カセットとしての各VPタンパク質、AAP(アセンブリ活性化タンパク質)、または天然もしくは非天然プロモータを有する少なくとも1つのバキュロウイルスヘルパー遺伝子の少なくとも1つの安定に組み込まれたコピーを用いて操作される。
【0461】
一部の実施形態において、本開示のAAV粒子は、昆虫細胞(例えば、Sf9細胞)において作製され得る。
一部の実施形態において、本開示のAAV粒子は、三重トランスフェクションを使用して作製され得る。
【0462】
一部の実施形態において、本開示のAAV粒子は、哺乳類細胞において作製され得る。
一部の実施形態において、本開示のAAV粒子は、哺乳類細胞において三重トランスフェクションによって作製され得る。
【0463】
一部の実施形態において、本開示のAAV粒子は、HEK293細胞において三重トランスフェクションによって作製され得る。
本明細書に記載されるフラタキシンをコードするAAVウイルスゲノムは、ヒト疾患、獣医学的応用の分野、ならびに様々なインビボおよびインビトロ設定において有用であり得る。本開示のAAV粒子は、神経学的または神経筋疾患および/または障害を治療、予防、緩和、または改善するための医学分野に有用であり得る。一部の実施形態において、本開示のAAV粒子は、フリードライヒ運動失調症の予防および/または治療のために使用される。
【0464】
本明細書における本開示の様々な実施形態は、本明細書に記載されるAAV粒子および薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬組成物を提供する。
本明細書における本開示の様々な実施形態は、それを必要とする対象を治療する方法であって、前記対象に、治療有効量の本明細書に記載される医薬組成物を投与する工程を含む方法を提供する。
【0465】
本方法の特定の実施形態は、対象が、静脈内、脳室内、実質内、髄腔内、軟膜下および筋肉内、またはこれらの組合せからなる群から選択される医薬組成物の投与経路によって治療されることを提供する。本方法の特定の実施形態は、対象が、フラタキシンの量または機能の不足に起因するフリードライヒ運動失調症および/または他の神経学的障害について治療されることを提供する。本方法の一態様において、フリードライヒ運動失調症もしくは他の神経学的障害の病理学的特徴が軽減される、および/またはフリードライヒ運動失調症もしくは他の神経学的障害の進行が停止、遅延、改善、または逆転される。
【0466】
本明細書における本開示の様々な実施形態は、それを必要とする対象の中枢神経系におけるフラタキシンのレベルを増加させる方法であって、前記対象に、注入を介して、有効量の本明細書に記載される医薬組成物を投与する工程を含む方法を説明する。
【0467】
AAV粒子の設計、調製、製造および/または製剤化のための組成物、方法、プロセス、キットおよびデバイスも本明細書に記載される。一部の実施形態において、ペイロード、例えば、限定はされないが、FXNは、ペイロードコンストラクトによってコードされてもよく、またはプラスミドもしくはベクター、または組換えアデノ随伴ウイルス(AAV)内に含有されてもよい。
【0468】
本開示は、フリードライヒ運動失調症の治療または改善のためのベクターおよびウイルス粒子、例えばAAV粒子の投与および/または送達方法も提供する。かかる方法は、遺伝子置換または遺伝子活性化を伴ってもよい。そのような結果は、本明細書で教示される方法および組成物を利用することによって達成される。
【0469】
III.医薬組成物
本開示は、ヒト対象を含む哺乳類対象においてフラタキシンタンパク質の機能または発現の欠損に関連するFAおよび障害を治療するための方法であって、本明細書に記載されるAAVポリヌクレオチドもしくはAAVゲノム(すなわち、「ベクターゲノム」、「ウイルスゲノム」、もしくは「VG」)のいずれかを前記対象に投与する工程、または前記AAVポリヌクレオチドもしくはAAVゲノムを含む粒子を前記対象に投与する工程、または医薬組成物を含む、記載された組成物のいずれかを前記対象に投与する工程を含む方法を更に提供する。
【0470】
本明細書で使用されるとき、用語「組成物」は、AAVポリヌクレオチドまたはAAVゲノムまたはAAV粒子と、少なくとも1つの賦形剤とを含む。
本明細書で使用されるとき、用語「医薬組成物」は、AAVポリヌクレオチドまたはAAVゲノムまたはAAV粒子と、1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤とを含む。
【0471】
本明細書で提供される医薬組成物、例えば、送達されるFXNコンストラクトをコードするペイロードを含むAAVの説明は、主に、ヒトへの投与に好適な医薬組成物に向けられているが、当業者であれば、かかる組成物が、任意の他の動物、例えば非ヒト動物、例えば非ヒト哺乳類への投与に一般的に好適であることを理解するであろう。組成物を種々の動物への投与に好適にするための、ヒトへの投与に好適な医薬組成物の修飾については十分に理解されており、獣医薬理学の当業者は、あったとしても通常通りに過ぎない実験をもって、かかる修飾を設計および/または実施することができる。医薬組成物の投与が企図される対象としては、限定はされないが、ヒトおよび/または他の霊長類;ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ネコ、イヌ、マウス、および/もしくはラットなど、ならびに/または商業的に関連性のある哺乳類を含めた哺乳類、家禽、ニワトリ、アヒル、ガチョウ、および/もしくはシチメンチョウなど、商業的に関連性のある鳥類を含めた鳥類が挙げられる。
【0472】
一部の実施形態において、組成物は、ヒト、ヒト患者または対象に投与される。
一部の実施形態において、本明細書に記載されるAAV粒子製剤は、少なくとも1つのペイロードをコードする核酸を含有してもよい。一部の実施形態において、製剤は、1、2、3、4または5つのペイロードをコードする核酸を含有してもよい。一部の実施形態において、製剤は、限定はされないが、ヒトタンパク質、獣医学的タンパク質、細菌タンパク質、生物学的タンパク質、抗体、免疫原性タンパク質、治療用ペプチドおよびタンパク質、分泌タンパク質、血漿膜タンパク質、細胞質タンパク質、細胞骨格タンパク質、細胞内膜結合タンパク質、核タンパク質、ヒト疾患に関連するタンパク質、ならびに/または非ヒト疾患に関連するタンパク質などのカテゴリーから選択されるタンパク質をコードするペイロードコンストラクトをコードする核酸を含んでもよい。一部の実施形態において、製剤は、タンパク質をコードする少なくとも3つのペイロードコンストラクトを含む。特定の実施形態は、少なくとも1つのペイロードが、FXNまたはそのバリアントであることを提供する。
【0473】
本開示に係る医薬組成物は、バルクで、単回単位用量として、および/または複数の単回単位用量として調製、包装、および/または販売されてもよい。本明細書で使用されるとき、「単位用量」は、所定量の有効成分を含む医薬組成物の個別的な量を指す。有効成分の量は、概して対象に投与されるであろう有効成分の投薬量に等しく、および/またはかかる投薬量の好都合な一部、例えばかかる投薬量の2分の1または3分の1である。
【0474】
IV.製剤
本明細書に記載されるAAV医薬組成物の製剤は、薬理学の技術分野において公知のまたは今後開発される任意の方法によって調製されてもよい。一般に、かかる調製方法は、有効成分を賦形剤および/または1つ以上の他の補助成分と合わせる工程、次いで、必要な場合および/または望ましい場合に、生成物を所望の単回または複数回用量単位に分割、付形および/または包装する工程を含む。
【0475】
本開示に係る医薬組成物中の有効成分、薬学的に許容可能な賦形剤、および/または任意の追加成分の相対量は、治療下の対象のアイデンティティ、サイズ、および/または状態に応じて、更には組成物が投与される経路に応じて変動するであろう。
【0476】
例えば、組成物は、0.1%〜99%(w/w)の有効成分を含んでもよい。例として、組成物は、0.1%〜100%、例えば0.5〜50%、1〜30%、5〜80%、または少なくとも80%(w/w)の有効成分を含んでもよい。
【0477】
本開示のAAV粒子は、(1)安定性を増加させるために、(2)細胞トランスフェクションもしくは形質導入を増加させるために、(3)ペイロードの持続放出もしくは遅延放出を可能にするために、(4)生体内分布を変更するために(例えば、ウイルス粒子を、特定の組織もしくは細胞タイプへと標的化するために)、(5)コードされたタンパク質の翻訳をインビボで増加させるために、(6)コードされたタンパク質の放出プロファイルをインビボで変更するために、および/または(7)ペイロードの調節可能な発現を可能にするために、1つ以上の賦形剤を使用して製剤化され得る。
【0478】
本開示の製剤は、限定なしで、生理食塩水、リピドイド、リポソーム、脂質ナノ粒子、ポリマー、リポプレックス、コアシェルナノ粒子、ペプチド、タンパク質、ウイルスベクターでトランスフェクトされた細胞(例えば、対象への移植用の)、ナノ粒子模倣体、およびそれらの組合せを含み得る。更に、本開示のウイルスベクターは、自己組織化核酸ナノ粒子を使用して製剤化されてもよい。
【0479】
一部の実施形態において、FXNをコードするウイルスベクターは、バリシティおよび/または浸透圧を最適化するために製剤化されてもよい。一部の実施形態において、製剤のバリシティおよび/または浸透圧は、中枢神経系または中枢神経系の領域もしくは成分における最適な薬物分布を確実にするために最適化されてもよい。
【0480】
一部の実施形態において、本開示のAAV粒子は、pHが約7.0の0.001%プルロニック酸(F−68)を有するPBSで製剤化され得る。
一部の実施形態において、本開示のAAV粒子は、エチレンオキシド/プロピレンオキシドコポリマー(プルロニックまたはポロキサマーとしても知られている)と組み合わせてPBSで製剤化され得る。
【0481】
一部の実施形態において、本開示のAAV粒子は、pHが約7.0の0.001%w/vプルロニック酸(F−68)(ポロキサマー188)を有するPBSで製剤化され得る。
【0482】
一部の実施形態において、本開示のAAV粒子は、pHが約7.3の0.001%w/vプルロニック酸(F−68)(ポロキサマー188)を有するPBSで製剤化され得る。
【0483】
一部の実施形態において、本開示のAAV粒子は、pHが約7.4の0.001%w/vプルロニック酸(F−68)(ポロキサマー188)を有するPBSで製剤化され得る。
【0484】
一部の実施形態において、本開示のAAV粒子は、塩化ナトリウム、リン酸ナトリウムおよびエチレンオキシド/プロピレンオキシドコポリマーを含む溶液で製剤化され得る。
一部の実施形態において、本開示のAAV粒子は、塩化ナトリウム、リン酸二ナトリウム、塩化カリウム、リン酸一カリウム、およびポロキサマー188/プルロニック酸(F−68)を含む溶液で製剤化されてもよい。
【0485】
一部の実施形態において、本開示のAAV粒子は、pHが約7.4の192mM塩化ナトリウム、10mMリン酸ナトリウム(二塩基性)、2.7mM塩化カリウム、2mMリン酸カリウム(一塩基性)、および0.001%プルロニック酸F−68(v/v)を含む溶液で製剤化されてもよい。本開示において、この製剤を製剤1と称す。
【0486】
一部の実施形態において、本開示のAAV粒子は、pHが約7.3の約192mM塩化ナトリウム、約10mMリン酸二ナトリウム、および約0.001%ポロキサマー188を含む溶液で製剤化されてもよい。最終溶液中の塩化ナトリウムの濃度は、150mM〜200mMであってもよい。非限定的な例として、最終溶液中の塩化ナトリウムの濃度は、150mM、160mM、170mM、180mM、190mMまたは200mMであってもよい。最終溶液中のリン酸二ナトリウムの濃度は、1mM〜50mMであってもよい。非限定的な例として、最終溶液中のリン酸二ナトリウムの濃度は、1mM、2mM、3mM、4mM、5mM、6mM、7mM、8mM、9mM、10mM、15mM、20mM、25mM、30mM、40mM、または50mMであってもよい。ポロキサマー188(プルロニック酸(F−68))の濃度は、0.0001%〜1%であってもよい。非限定的な例として、ポロキサマー188(プルロニック酸(F−68))の濃度は、0.0001%、0.0005%、0.001%、0.005%、0.01%、0.05%、0.1%、0.5%、または1%であってもよい。最終溶液は、6.8〜7.7のpHを有してもよい。最終溶液のpHの非限定的な例としては、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、または7.7のpHが挙げられる。
【0487】
一実施形態において、本開示のAAV粒子は、pHが約7.4の約1.05%塩化ナトリウム、約0.212%リン酸二ナトリウム七水和物、約0.025%リン酸一ナトリウム一水和物、および0.001%ポロキサマー188を含む溶液で製剤化され得る。非限定的な例として、この製剤化溶液中のAAV粒子の濃度は、約0.001%であってもよい。最終溶液中の塩化ナトリウムの濃度は、0.1〜2.0%であってもよく、非限定的な例は、0.1%、0.25%、0.5%、0.75%、0.95%、0.96%、0.97%、0.98%、0.99%、1.00%、1.01%、1.02%、1.03%、1.04%、1.05%、1.06%、1.07%、1.08%、1.09%、1.10%、1.25%、1.5%、1.75%、または2%である。最終溶液中のリン酸二ナトリウムの濃度は、0.100〜0.300%であってもよく、非限定的な例としては、0.100%、0.125%、0.150%、0.175%、0.200%、0.210%、0.211%、0.212%、0.213%、0.214%、0.215%、0.225%、0.250%、0.275%、0.300%が挙げられる。最終溶液中のリン酸一ナトリウムの濃度は、0.010〜0.050%であってもよく、非限定的な例は、0.010%、0.015%、0.020%、0.021%、0.022%、0.023%、0.024%、0.025%、0.026%、0.027%、0.028%、0.029%、0.030%、0.035%、0.040%、0.045%、または0.050%である。ポロキサマー188(プルロニック酸(F−68))の濃度は、0.0001%〜1%であってもよい。非限定的な例として、ポロキサマー188(プルロニック酸(F−68))の濃度は、0.0001%、0.0005%、0.001%、0.005%、0.01%、0.05%、0.1%、0.5%、または1%であってもよい。最終溶液は、6.8〜7.7のpHを有してもよい。最終溶液のpHの非限定的な例としては、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、または7.7のpHが挙げられる。
【0488】
賦形剤
本開示の製剤は、1つ以上の賦形剤を、それぞれ、AAV粒子の安定性を一緒に増加させ、ウイルス粒子による細胞トランスフェクションもしくは形質導入を増加させ、ウイルス粒子にコードされたタンパク質の発現を増加させ、および/またはAAV粒子にコードされたタンパク質の放出プロファイルを変化させる量で含み得る。一部の実施形態において、薬学的に許容可能な賦形剤は、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の純度であってもよい。一部の実施形態において、賦形剤はヒトへの使用および動物への使用が承認されている。一部の実施形態において、賦形剤は米国食品医薬品局によって承認されていてもよい。一部の実施形態において、賦形剤は医薬品グレードであってもよい。一部の実施形態において、賦形剤は、米国薬局方(USP)、欧州薬局方(EP)、英国薬局方、および/または国際薬局方の規格に適合し得る。
【0489】
賦形剤には、本明細書で使用されるとき、限定はされないが、所望の特定の剤形に適する通りのあらゆる溶媒、分散媒、希釈剤、または他の液体ビヒクル、分散液または懸濁液助剤、表面活性剤、等張剤、増粘剤または乳化剤、保存剤などが含まれる。医薬組成物を製剤化するための様々な賦形剤および組成物の調製技法は、当該技術分野において公知である(Remington:The Science and Practice of Pharmacy、第21版、A.R.ジェンナロ(A.R.Gennaro)著、リッピンコット・ウィリアムズ・アンド・ウィルキンス(Lippincott,Williams & Wilkins)、メリーランド州ボルチモア(Baltimore)所在、2006年を参照されたい;その内容は、本明細書において全体として参照により援用される)。従来の賦形剤媒体の使用は本開示の範囲内に企図され得るが、ただし、任意の望ましくない生物学的効果を生じたり、またはその他、医薬組成物の任意の他の1つ以上の成分と有害な形で相互作用したりするなどにより、任意の従来の賦形剤媒体が物質またはその誘導体と不適合である場合は除く。
【0490】
非有効成分
一部の実施形態において、AAV製剤は、非有効成分である少なくとも1つの賦形剤を含んでもよい。本明細書で使用されるとき、用語「非有効成分」は、製剤に含まれる医薬組成物の活性に寄与しない1つ以上の薬剤を指す。一部の実施形態において、本開示の製剤に使用し得る非有効成分は、全てが米国食品医薬品局(FDA)によって承認されているか、いずれも承認されていないか、または一部が承認されているものであり得る。
【0491】
本明細書において開示されるAAV粒子の製剤は、カチオンまたはアニオンを含んでもよい。一実施形態において、製剤は、限定はされないが、Zn
2+、Ca
2+、Cu
2+、Mg
+またはこれらの組合せなどの、金属カチオンを含む。一部の実施形態において、製剤は、金属カチオンと複合化されたポリマーまたはポリヌクレオチドを含んでもよい(例えば、米国特許第6,265,389号明細書および同第6,555,525号明細書を参照されたい。これらの各々の内容は、本明細書において全体として参照により援用される)。
【0492】
V.使用および適用
本開示の組成物は、対象に投与されてもよく、またはFXNの量もしくは機能の欠損またはFXN発現減少に関連する疾患もしくは状態を有する対象に投与するための医薬の製造において使用されてもよい。一部の実施形態において、疾患は、FAである。特定の実施形態において、FXNを含むAAV粒子は、FAを治療するために対象に投与されてもよい。一部の実施形態において、FXNをコードするウイルスゲノムを含むAAV粒子の投与は、中枢経路を変性から保護し得る。
【0493】
一部の実施形態において、AAV粒子が有するペイロードは、配列番号1725〜1727のヒトFXN配列に対して少なくとも90%の配列同一性を有するFXNポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。一部の実施形態において、フラタキシンポリペプチドは、非ヒト霊長類のフラタキシンポリペプチドである。一部の実施形態において、非ヒト霊長類ポリペプチドは、カニクイザル(Macaca fascicularis)のFXN(cynoFXNもしくはcFXN)またはアカゲザル(Macaca mulatta)のFXNである。一部の実施形態において、非ヒト霊長類フラタキシンポリペプチドは、少なくとも部分的にヒト化されている。一部の実施形態において、AAV粒子が有するペイロードは、配列番号1731〜1733のいずれかの配列に対して少なくとも90%の配列同一性を有するFXNポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0494】
一部の実施形態において、AAV粒子の送達は、mFARS/SARAによってコンパレータ群に対して50%で測定されるように、フリードライヒ運動失調症の進行を停止または遅延させ得る。特定の実施形態において、AAV粒子の送達は、機能的FXNの存在を増加させ、歩行を改善および安定化させ、運動失調症に関連する心臓状態を改善させ、疲労感を減少させ、糖尿病などの代謝障害を治療する。
【0495】
一部の実施形態において、本開示は、医薬用、予防用、診断用またはイメージング用組成物と、それらのバイオアベイラビリティを改善し、それらの代謝を低減および/もしくは改変し、ならびに/またはそれらの体内分布を改変し得る薬剤とを組み合わせた送達を包含する。
【0496】
特定の実施形態において、本明細書において記載される医薬組成物は、研究ツールとして使用され、特に、HEK293Tなどのヒト細胞株を使用するインビトロ調査、およびヒト臨床試験の前にある非ヒト霊長類でのインビボ試験において使用される。
【0497】
CNS疾患
本開示は、ヒト対象を含む哺乳類対象における疾患、障害、および/または状態を治療するための方法であって、前記対象に、本明細書に記載されるFXN(すなわち、ウイルスゲノムもしくは「VG」)を産生するウイルス粒子、例えばAAV、AAV粒子もしくはAAVゲノム、のいずれかを投与する工程、または前記対象に、前記AAV粒子もしくはAAVゲノムを含む粒子を投与する工程、または前記対象に、医薬組成物を含む、記載された組成物のいずれかを投与する工程を含む方法を提供する。
【0498】
一部の実施形態において、CNSにおける遺伝子産物のレベルまたは機能を調節し得るFXNまたはそのバリアントを含む治療用産物である機能性ペイロードの送達を通じての本開示のAAV粒子。
【0499】
機能性ペイロードは、それを必要とする対象において遺伝子産物の異常なレベルおよび/もしくは機能(例えば、タンパク質の不在もしくは欠陥)から生じる症状、またはそうでなければそれを必要とする対象においてCNS障害に利益を付与する症状を軽減または低減させ得る。
【0500】
非限定的な例として、本開示のAAV粒子によって送達されるコンパニオンまたは組合せ治療用産物としては、限定はされないが、成長因子および栄養因子、サイトカイン、ホルモン、神経伝達物質、酵素、抗アポトーシス因子、血管新生因子、FXNポリペプチド、ならびにFAなどの病理障害において突然変異していることが公知の任意のタンパク質(例えば、脳特異的Mir−128a、本明細書において全体として参照により援用されるアドラカ(Adlakha)およびサイニ(Saini)、Molecular cancer、2014年、第13巻、第33号を参照されたい)を挙げ得る。
【0501】
一部の実施形態において、神経変性障害は、FXN遺伝子におけるイントロンGAAトリプレットリピートが拡大し、ミトコンドリアタンパク質フラタキシンの発現が減少して神経系に進行性の損傷を引き起こすことから生じる、フリードライヒ運動失調症である。
【0502】
一部の実施形態において、本開示のAAV粒子は、CNSの成長および発達の機能障害、すなわち、神経発達障害と関連している疾患を治療するために使用してもよい。一部の態様において、かかる神経発達障害は、遺伝子突然変異によって引き起こされ得る。
【0503】
一部の実施形態において、神経学的障害は、CNSに神経学的起源を有する運動症状および/または感覚症状を伴う機能性神経学的障害であり得る。非限定的な例として、機能性神経学的障害は、慢性疼痛、発作、発話問題、不随意運動、または睡眠障害であり得る。
【0504】
一部の実施形態において、神経学的または神経筋疾患、障害および/または状態は、フリードライヒ運動失調症である。一部の実施形態において、AAV粒子の送達は、既知の分析方法およびフリードライヒ運動失調症のコンパレータ群を用いて、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、または95%超でフリードライヒ運動失調症の疾患進行を停止または遅延し得る。非限定的な例として、AAV粒子の送達は、mFARS/SARAによってコンパレータ群に対して50%で測定されるように、フリードライヒ運動失調症の進行を停止または遅延させ得る。
【0505】
一部の実施形態において、ペイロードをコードするAAV粒子は、組織中のFXNの量を1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、99%、または100%超増加させ得る。一部の実施形態において、ペイロードをコードするAAV粒子は、組織中のFXNの量を、健康な対象の対応する組織におけるFXNの量に匹敵する(例えば、ほぼ同じ)ものに増加させ得る。一部の実施形態において、ペイロードをコードするAAV粒子は、組織中のFXNの量を、FXNの発現の減少、またはFXNの量および/もしくは機能の不足に関連する疾患、例えばFAの1つ以上の症状を低減させるために有効な量に増加させ得る。
【0506】
VI.用量設定および投与
投与
一部の態様において、本開示は、CNSの疾患または障害の予防、治療、または改善のための、FXNまたはそのバリアントをコードするベクターおよびウイルス粒子、例えばAAV粒子、の投与および/または送達方法を提供する。例えば、FAを予防、治療、または改善する、FXNをコードするAAV粒子の投与。
【0507】
本開示のAAV粒子は、治療上有効な結果をもたらす任意の送達経路によって投与されてもよい。それらとしては、限定はされないが、経腸(腸の中)、胃腸、硬膜上(硬膜の中)、経口(口を介して)、経皮、硬膜外、大脳内(大脳の中)、脳室内(脳室の中)、頭蓋内(頭蓋骨の中)、皮膚上(picutaneous)(皮膚への塗布)、皮内(皮膚それ自体の中)、皮下(皮膚の下)、鼻腔投与(鼻を通じて)、静脈内(静脈の中)、静脈内ボーラス、静脈内点滴、動脈内(動脈の中)、筋肉内(筋肉の中)、心臓内(心臓の中)、骨内注入(骨髄の中)、実質内(実質の中)、髄腔内(脊柱管の中)、腹腔内(腹膜への注入または注射)、小胞内注入、硝子体内(眼を通じて)、海綿体内注射(病的腔の中)、腔内(陰茎の基部の中)、膣内投与、子宮内、羊膜外投与、経皮(全身分布のためのインタクトな皮膚を通じた拡散)、経粘膜(粘膜を通じた拡散)、経膣、インサフレーション(鼻から吸い込む)、舌下、唇下、浣腸、点眼薬(結膜上)、点耳薬で、耳介(耳内または耳を介して)、頬側(頬の方に向けて)、結膜、皮膚、歯(1本以上の歯に対して)、電気浸透、子宮頸管内、副鼻腔内、気管内、体外、血液透析、浸潤、間質性、腹腔内、羊膜内、関節内、胆管内、気管支内、嚢内、軟骨内(軟骨の範囲内)、仙骨内(馬骨(cauda equine)の範囲内)、大槽内(大槽小脳延髄槽の範囲内)、角膜内(角膜の範囲内)、歯冠内、冠内(冠動脈の範囲内)、海綿体内(intracorporus cavernosum)(陰茎海綿体(corporus cavernosa)の可膨張性腔の範囲内)、椎間板内(椎間板の範囲内)、管内(腺管の範囲内)、十二指腸内(十二指腸の範囲内)、硬膜内(硬膜の範囲内または真下)、表皮内(表皮に対して)、食道内(食道に対して)、胃内(胃の範囲内)、歯肉内(歯肉の範囲内)、回腸内(小腸の遠位部分の範囲内)、病巣内(局所病変の範囲内、またはそこに直接導入される)、菅腔内(管の管腔の範囲内)、リンパ内(リンパの範囲内)、髄内(骨の髄腔の範囲内)、髄膜内(髄膜の範囲内)、眼内(眼の範囲内)、卵巣内(卵巣の範囲内)、心膜内(心膜の範囲内)、胸膜内(胸膜の範囲内)、前立腺内(前立腺の範囲内)、肺内(肺またはその気管支の範囲内)、洞内(鼻洞または眼窩周囲洞の範囲内)、脊髄内(脊柱の範囲内)、滑液嚢内(関節の滑膜腔の範囲内)、腱内(腱の範囲内)、精巣内(精巣の範囲内)、髄腔内(脳脊髄軸の任意のレベルにおける脳脊髄液の範囲内)、胸腔内(胸部の範囲内)、細管内(臓器の細管の範囲内)、腫瘍内(腫瘍の範囲内)、鼓室内(中耳(aurus media)の範囲内)、血管内(1つ以上の血管の範囲内)、脳室内(脳室の範囲内)、イオントフォレシス(電流を用いるもので、可溶性塩のイオンが体の組織に移動する)、潅注(開放創または体腔を浸すまたはフラッシュする)、咽頭(喉頭に対して直接)、経鼻胃(鼻を通じて胃の中に)、密封包帯療法(局所経路投与、これは次に包帯で覆われ、包帯がその範囲を閉塞する)、眼(外部眼に対して)、中咽頭(口および咽頭に対して直接)、非経口、経皮、関節周囲、硬膜外、神経周囲、歯周、直腸、呼吸器(局所または全身作用のため経口的または鼻腔的に吸入することにより気道の範囲内に)、球後(橋の後ろまたは眼球の後ろ)、軟部組織、くも膜下、結膜下、粘膜下、軟膜下、局所、経胎盤(胎盤を通じてまたは越えて)、経気管(気管の壁を通じて)、経鼓室(鼓室を越えてまたは通じて)、尿管(尿管に対して)、尿道(尿道に対して)、膣、仙骨ブロック、診断的、神経ブロック、胆管灌流、心灌流、フォトフェレーシス、または脊髄が挙げられる。
【0508】
一部の実施形態において、本開示のAAV粒子は、標的細胞または組織に送達されるように投与される。理論によって束縛されることを望むものではないが、標的細胞への送達は、FXN発現をもたらす。標的細胞は、FXN発現レベルを増加させることが望ましいと考えられる任意の細胞であり得る。標的細胞は、CNS細胞であり得る。かかる細胞および/または組織の非限定的な例としては、脊髄後根神経節および後柱、固有受容感覚ニューロン、クラーク柱、薄束核および楔状束核、小脳歯状核、皮質脊髄路、およびそれらを含む細胞、ベッツ細胞、ならびに心臓の細胞が挙げられる。
【0509】
一部の実施形態において、組成物は、それらが血液脳関門、脈管障壁、または他の上皮性障壁を越えることを可能にするように投与されてもよい。
一部の実施形態において、中枢神経系(例えば、実質)の細胞へのアデノ随伴ウイルス(AAV)粒子によるFXNの送達は、脳脊髄液(CSF)への注入を含む。CSFは、脳の室に位置する脈絡叢を含む特殊な上衣細胞によって生成される。脳内で生成されたCSFは、次いで、脳および脊髄を含む中枢神経系を循環し、中枢神経系を包む。CSFは、生成と、血管系への再吸収との恒常的なバランスを維持しながら、脳の室ならびに脳および脊髄の両方を包むくも膜下空間を含む中枢神経系の周囲を継続的に循環する。CSFの全体容積は、1日におよそ4〜6回、またはおよそ4時間に1回置き換えられ、ただし、個体の値は変動し得る。
【0510】
一部の実施形態において、AAV粒子は、全身性送達によって送達されてもよい。一部の実施形態において、全身性送達は、血管内投与によるものであってもよい。一部の実施形態において、全身性送達は、静脈内投与によるものであってもよい。
【0511】
一部の実施形態において、AAV粒子は、静脈内送達によって送達されてもよい。
一部の実施形態において、AAV粒子は、CSF経路への注射によって送達されてもよい。CSF経路への送達の非限定的な例としては、髄腔内および脳室内投与が挙げられる。
【0512】
一部の実施形態において、AAV粒子は、視床送達によって送達されてもよい。
一部の実施形態において、AAV粒子は、大脳内送達によって送達されてもよい。
一部の実施形態において、AAV粒子は、心臓内送達によって送達されてもよい。
【0513】
一部の実施形態において、AAV粒子は、頭蓋内送達によって送達されてもよい。
一部の実施形態において、AAV粒子は、臓器(例えば、CNS(脳または脊髄))内へ直接(実質内)注射によって送達されてもよい。一部の実施形態において、実質内送達は、脳またはCNSの任意の領域、例えば、線条体内へのものであってもよい。
【0514】
一部の実施形態において、本開示のAAV粒子は、脳の室へ投与されてもよい。
一部の実施形態において、本開示のAAV粒子は、脳室内送達によって脳の室に投与されてもよい。
【0515】
一部の実施形態において、本開示のAAV粒子は、筋肉内送達によって投与されてもよい。
一部の実施形態において、本開示のAAV粒子は、上述の2つ以上の経路によって投与される。非限定的な例として、AAV粒子は、静脈内送達および視床送達によって投与されてもよい。
【0516】
一部の実施形態において、本開示のAAV粒子は、上述の2つ以上の経路によって投与される。非限定的な例として、AAV粒子は、静脈内送達および大脳内送達によって投与されてもよい。
【0517】
一部の実施形態において、本開示のAAV粒子は、上述の2つ以上の経路によって投与される。非限定的な例として、AAV粒子は、静脈内送達および頭蓋内送達によって投与されてもよい。
【0518】
一部の実施形態において、本開示のAAV粒子は、上述の2つ以上の経路によって投与される。一部の実施形態において、本開示のAAV粒子は、髄腔内および脳室内投与によって送達されてもよい。
【0519】
一部の実施形態において、AAV粒子は、ミトコンドリア機能不全を改善および/または是正するために対象に送達されてもよい。
一部の実施形態において、AAV粒子は、ニューロンを保存するために対象に送達されてもよい。ニューロンは、一次および/または二次感覚ニューロンであってもよい。一部の実施形態において、AAV粒子は、脊髄後根神経節および/またはそのニューロンに送達される。
【0520】
一部の実施形態において、AAV粒子の投与は、感覚経路における機能を保存および/または是正し得る。
一部の実施形態において、AAV粒子は、静脈内(IV)、脳室内(ICV)、実質内、および/または髄腔内(IT)注入を介して送達されてもよく、療法剤は、骨格筋に療法剤を送達するために、筋肉内(IM)四肢注入を介して対象に送達されてもよい。血管内四肢注入による少なくとも1つのFXNまたはそのバリアントをコードするAAVの送達は、グルントマン(Gruntman)およびフロッテ(Flotte)、Human Gene Therapy Clinical Development,2015年,26(3),159−164(その内容は本明細書において全体として参照により援用される)によって説明されている。
【0521】
一部の実施形態において、本開示に係るウイルスベクター医薬組成物の、中枢神経系(例えば、実質)の細胞への送達は、VG/時間=mL/時間
*VG/mL(式中、VGはウイルスゲノムであり、VG/mLは組成物濃度であり、mL/時間は注入速度である)によって定義される送達速度を含む。
【0522】
一部の実施形態において、本開示に係るAAV粒子医薬組成物の、中枢神経系(例えば、実質)の細胞への送達は、最大1mLの注入を含む。一部の実施形態において、本開示に係るウイルスベクター医薬組成物の、中枢神経系(例えば、実質)の細胞への送達は、0.0001、0.0002、0.001、0.002、0.003、0.004、0.005、0.008、0.010、0.015、0.020、0.025、0.030、0.040、0.050、0.060、0.070、0.080、0.090、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、または0.9mLの注入を含んでもよい。
【0523】
一部の実施形態において、本開示に係るAAV粒子医薬組成物の、中枢神経系(例えば、実質)の細胞への送達は、約1mL〜約120mLの注入を含む。一部の実施形態において、本開示に係るウイルスベクター医薬組成物の、中枢神経系(例えば、実質)の細胞への送達は、0.1、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、または120mLの注入を含んでもよい。一部の実施形態において、中枢神経系(例えば、実質)の細胞へのAAV粒子の送達は、少なくとも3mLの注入を含む。一実施形態において、中枢神経系(例えば、実質)の細胞へのAAV粒子の送達は、3mLの注入からなる。一実施形態において、中枢神経系(例えば、実質)の細胞へのAAV粒子の送達は、少なくとも10mLの注入を含む。一部の実施形態において、中枢神経系(例えば、実質)の細胞へのAAV粒子の送達は、10mLの注入からなる。
【0524】
一部の実施形態において、対象の中枢神経系(例えば、実質)の細胞に送達されるAAV粒子医薬組成物の容積は、2μl、20μl、50μl、80μl、100μl、200μl、300μl、400μl、500μl、600μl、700μl、800μl、900μl、1000μl、1100μl、1200μl、1300μl、1400μl、1500μl、1600μl、1700μl、1800μl、1900μl、2000μl、または2000μl超である。
【0525】
一部の実施形態において、対象脳の両半球の領域に送達されるAAV粒子医薬組成物の容積は、2μl、20μl、50μl、80μl、100μl、200μl、300μl、400μl、500μl、600μl、700μl、800μl、900μl、1000μl、1100μl、1200μl、1300μl、1400μl、1500μl、1600μl、1700μl、1800μl、1900μl、2000μl、または2000μl超である。一部の実施形態において、両半球の領域に送達される容積は200μlである。非限定的な別の例として、両半球の領域に送達される容積は900μlである。更に別の非限定的な例として、両半球の領域に送達される容積は1800μlである。
【0526】
特定の実施形態において、本開示に係るAAV粒子またはウイルスベクター医薬組成物は、約10〜約600μl/部位、約50〜約500μl/部位、約100〜約400μl/部位、約120〜約300μl/部位、約140〜約200μl/部位、または約160μl/部位で投与されてもよい。
【0527】
一部の実施形態において、対象に送達される総容積は、1つ以上の投与部位、例えば、1、2、3、4、5つ、または5つより多くの部位間で分割されてもよい。一部の実施形態において、総容積は、左半球および右半球への投与間で分割される。
【0528】
AAV粒子の送達
一部の実施形態において、本開示のAAV粒子または医薬組成物は、米国特許第8,999,948号明細書または国際公開第2014178863号パンフレット(これらの内容は本明細書において全体として参照により援用される)に記載される疾患の治療方法を使用して、投与または送達されてもよい。
【0529】
一部の実施形態において、本開示のAAV粒子または医薬組成物は、米国特許出願公開第20150126590号明細書(その内容は本明細書において全体として参照により援用される)に記載される通りの、アルツハイマー病または他の神経変性状態において遺伝子療法を送達するための方法を使用して、投与または送達されてもよい。
【0530】
一部の実施形態において、本開示のAAV粒子または医薬組成物は、米国特許第6,436,708号明細書、および同第8,946,152号明細書、ならびに国際公開第2015168666号パンフレット(これらの内容は本明細書において全体として参照により援用される)に記載される通りの、CNS遺伝子療法を送達するための方法を使用して、投与または送達されてもよい。
【0531】
一部の実施形態において、本開示のAAV粒子は、欧州特許出願第1857552号明細書(その内容は本明細書において全体として参照により援用される)に記載される、AAVビリオンを送達するための方法を使用して、投与または送達されてもよい。
【0532】
一部の実施形態において、本開示のAAV粒子または医薬組成物は、欧州特許出願第2678433号明細書(その内容は本明細書において全体として参照により援用される)に記載される、AAVベクターを使用してタンパク質を送達するための方法を使用して、投与または送達されてもよい。
【0533】
一部の実施形態において、FXNをコードするウイルスベクターは、米国特許第5,858,351号明細書(その内容は本明細書において全体として参照により援用される)に記載される、AAVベクターを使用してDNA分子を送達するための方法を使用して、投与または送達されてもよい。
【0534】
一部の実施形態において、本開示のAAV粒子または医薬組成物は、米国特許第6,211,163号明細書(その内容は本明細書において全体として参照により援用される)に記載される、血流にDNAを送達するための方法を使用して、投与または送達されてもよい。
【0535】
一部の実施形態において、FXNをコードするウイルスベクターは、米国特許第6,325,998号明細書(その内容は本明細書において全体として参照により援用される)に記載される、AAVビリオンを送達するための方法を使用して、投与または送達されてもよい。
【0536】
一部の実施形態において、FXNをコードするウイルスベクターは、米国特許第6,335,011号明細書(その内容は本明細書において全体として参照により援用される)に記載される、DNAを筋肉細胞に送達するための方法を使用して、投与または送達されてもよい。
【0537】
一部の実施形態において、FXNをコードするウイルスベクターは、米国特許第6,610,290号明細書(その内容は本明細書において全体として参照により援用される)に記載される、DNAを筋肉細胞および組織に送達するための方法を使用して、投与または送達されてもよい。
【0538】
一部の実施形態において、FXNをコードするウイルスベクターは、米国特許第7,704,492号明細書(その内容は本明細書において全体として参照により援用される)に記載される、DNAを筋肉細胞に送達するための方法を使用して、投与または送達されてもよい。
【0539】
一部の実施形態において、FXNをコードするウイルスベクターは、米国特許第7112321号明細書(その内容は本明細書において全体として参照により援用される)に記載される、ペイロードを骨格筋に送達するための方法を使用して、投与または送達されてもよい。
【0540】
一部の実施形態において、本開示のAAV粒子または医薬組成物は、米国特許第7,588,757号明細書(その内容は本明細書において全体として参照により援用される)に記載される、ペイロードを中枢神経系に送達するための方法を使用して、投与または送達されてもよい。
【0541】
一部の実施形態において、本開示のAAV粒子または医薬組成物は、米国特許第8,283,151号明細書(その内容は本明細書において全体として参照により援用される)に記載される、ペイロードを送達するための方法を使用して、投与または送達されてもよい。
【0542】
一部の実施形態において、FXNをコードするウイルスベクターは、米国特許第8318687号明細書(その内容は本明細書において全体として参照により援用される)に記載される、ペイロードをアルツハイマー病の治療のために送達するための方法を使用して、投与または送達されてもよい。
【0543】
一部の実施形態において、FXNをコードするウイルスベクターは、国際公開第2012144446号パンフレット(その内容は本明細書において全体として参照により援用される)に記載される、ペイロードを送達するための方法を使用して、投与または送達されてもよい。
【0544】
一部の実施形態において、本開示のAAV粒子または医薬組成物は、国際公開第2001089583号パンフレット(その内容は本明細書において全体として参照により援用される)に記載される、グルタミン酸デカルボキシラーゼ(GAD)送達ベクターを使用したペイロードの送達方法を使用して、投与または送達されてもよい。
【0545】
一部の実施形態において、本開示のAAV粒子または医薬組成物は、国際公開第2012057363号パンフレット(その内容は本明細書において全体として参照により援用される)に記載される、神経細胞へのペイロードの送達方法を使用して、投与または送達されてもよい。
【0546】
一部の実施形態において、FXNをコードするウイルスベクターは、国際公開第2001096587号パンフレット(その内容は本明細書において全体として参照により援用される)に記載される、ペイロードを送達するための方法を使用して、投与または送達されてもよい。
【0547】
一部の実施形態において、FXNをコードするウイルスベクターは、国際公開第2002014487号パンフレット(その内容は本明細書において全体として参照により援用される)に記載される、ペイロードを筋肉組織に送達するための方法を使用して、投与または送達されてもよい。
【0548】
一部の実施形態において、カテーテルを使用して、AAV粒子を投与してもよい。特定の実施形態において、カテーテルまたはカニューレは、多部位送達のために、脊椎内の2つ以上の部位に配置させてもよい。FXNをコードするウイルス粒子は、連続および/またはボーラス注入で送達されてもよい。各送達部位は、異なる投与レジメンであってもよく、または同じ投与レジメンが、各送達部位に使用されてもよい。一部の実施形態において、送達部位は、頸部および腰部領域にあってもよい。一部の実施形態において、送達部位は、頸部領域にあってもよい。一部の実施形態において、送達部位は、腰部領域にあってもよい。
【0549】
一部の実施形態において、対象は、本明細書に記載されるFXNをコードするAAV粒子の送達の前に、脊椎解剖学および病理学について分析されてもよい。非限定的な例として、脊柱側弯症を有する対象は、脊柱側弯症を有しない対象と比較して、異なる投薬レジメンおよび/またはカテーテル位置を有してもよい。
【0550】
一部の実施形態において、送達方法および持続時間は、脊髄において広範な形質導入を提供するために選択される。一部の実施形態において、髄腔内送達は、脊髄の体軸方向長に沿った広範な形質導入を提供するために使用される。一部の実施形態において、多部位注入は、脊髄の体軸方向長に沿ったより均一な形質導入を提供する。
【0551】
細胞への送達
一部の態様では、本開示は、上述のAAV粒子のいずれかを細胞または組織に送達する方法であって、前記AAV粒子と細胞もしくは組織を接触させる工程、または前記AAV粒子を含む製剤と細胞もしくは組織を接触させる工程、または医薬組成物を含めた記載される組成物のいずれかと細胞もしくは組織を接触させる工程を含む方法を提供する。AAV粒子を細胞または組織に送達する方法は、インビトロ、エキソビボ、またはインビボで達成することができる。
【0552】
対象への送達
一部の態様において、本開示は、上述のAAV粒子のいずれかを、対象、例えば哺乳類対象に送達する方法であって、前記AAV粒子を前記対象に投与する工程、または前記AAV粒子を含む製剤を前記対象に投与する工程、または医薬組成物を含む記載される組成物のいずれかを前記対象に投与する工程を含む方法を更に提供する。
【0553】
一部の実施形態において、AAV粒子は、解剖学的封鎖、例えば、限定はされないが、血液脳関門をバイパスするために送達されてもよい。
一部の実施形態において、AAV粒子は、製剤化され、経口送達と比較して薬物効果の速度を増加させる経路によって対象に送達されてもよい。
【0554】
一部の実施形態において、AAV粒子は、脊髄および脊髄後根神経節(DRG)の均一な形質導入を提供するための方法によって送達されてもよい。一部の実施形態において、AAV粒子は、髄腔内注入を使用して送達されてもよい。
【0555】
一部の実施形態において、対象は、ボーラス注入を使用して、本明細書に記載されるAAV粒子を投与されてもよい。本明細書で使用されるとき、「ボーラス注入」とは、物質または組成物の単回かつ迅速な注入を意味する。
【0556】
一部の実施形態において、FXNをコードするAAV粒子は、連続および/またはボーラス注入で送達されてもよい。各送達部位は、異なる投与レジメンであってもよく、または同じ投与レジメンが、各送達部位に使用されてもよい。非限定的な例として、送達部位は、頸部および腰部領域にあってもよい。別の非限定的な例として、送達部位は、頸部領域にあってもよい。別の非限定的な例として、送達部位は、腰部領域にあってもよい。
【0557】
一部の実施形態において、AAV粒子は、単一経路投与を介して対象に送達されてもよい。
一部の実施形態において、AAV粒子は、多部位投与経路を介して対象に送達されてもよい。例えば、対象には、AAV粒子が、2、3、4、5つ、または5つより多い部位で投与されてもよい。
【0558】
一部の実施形態において、対象には、本明細書に記載されるAAV粒子が、数分間、数時間、または数日間の時間をかけた徐放送達を用いて投与されてもよい。注入速度は、対象、分布、製剤、または当業者に公知の別の送達パラメータに応じて変更されてもよい。
【0559】
一部の実施形態において、AAV粒子の連続送達(連続注入)が使用される場合、連続注入は、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、24時間、または24時間超であってもよい。
【0560】
一部の実施形態において、頭蓋内圧力は、投与の前に評価されてもよい。経路、容積、AAV粒子濃度、注入持続時間、および/またはベクター力価は、対象の頭蓋内圧力に基づいて最適化されてもよい。
【0561】
一部の実施形態において、AAV粒子は、全身性送達によって送達されてもよい。一部の実施形態において、全身性送達は、血管内投与によるものであってもよい。
一部の実施形態において、AAV粒子は、CSF経路への注射によって送達されてもよい。CSF経路への送達の非限定的な例としては、髄腔内および脳室内投与が挙げられる。
【0562】
一部の実施形態において、AAV粒子は、臓器、例えば、脳の1つ以上の領域の物質への直接(実質内)注射によって送達されてもよい。
一部の実施形態において、AAV粒子は、脊髄への軟膜下注射によって送達されてもよい。例えば、対象は、脊髄固定装置に配置される場合がある。脊髄を露出させるために、背側椎弓切除が行われてもよい。ガイドチューブおよびXYZマニピュレータが、カテーテルの配置を補助するために使用されてもよい。ガイドチューブからカテーテルを前進させることによって、軟膜下カテーテルを軟膜下腔内に配置して、当該カテーテルを通してAAV粒子を注射してもよい(ミヤノハラ(Miyanohara)ら,Mol Ther Methods Clin Dev.2016;3:16046)。一部の場合において、AAV粒子は、頸部軟膜下腔内に注射されてもよい。一部の場合において、AAV粒子は、胸部軟膜下腔内に注射されてもよい。
【0563】
一部の実施形態において、AAV粒子は、内因性レベルと比較して脊髄後根神経節(DRG)におけるFXNタンパク質レベルを増加させるために、対象に送達されてもよい。増加は、内因性レベルと比較して、0.1倍〜5倍、0.5倍〜5倍、1倍〜5倍、2倍〜5倍、3倍〜5倍、4倍〜5倍、0.1倍〜4倍、0.5倍〜4倍、1倍〜4倍、2倍〜4倍、3倍〜4倍、0.1倍〜3倍、0.5倍〜3倍、1倍〜3倍、2倍〜3倍、0.1倍〜2倍、0.5倍〜2倍、0.1倍〜1倍、0.5倍〜1倍、0.1倍〜0.5倍、1倍〜2倍、0.1倍、0.2倍、0.3倍、0.4倍、0.5倍、0.6倍、0.7倍、0.8倍、0.9倍、1.0倍、1.1倍、1.2倍、1.3倍、1.4倍、1.5倍、1.6倍、1.7倍、1.8倍、1.9倍、2.0倍、2.1倍、2.2倍、2.3倍、2.4倍、2.5倍、2.6倍、2.7倍、2.8倍、2.9倍、3.0倍、3.1倍、3.2倍、3.3倍、3.4倍、3.5倍、3.6倍、3.7倍、3.8倍、3.9倍、4.0倍、4.1倍、4.2倍、4.3倍、4.4倍、4.5倍、4.6倍、4.7倍、4.8倍、4.9倍、または5倍超であり得る。増加は、脊椎の頸部、胸部および/または腰部領域において見られ得る。非限定的な例として、DRGにおけるFXNの増加は、内因性レベルの0.5倍超であり得る。非限定的な例として、DRGにおけるFXNの増加は、内因性レベルと比較して、0.5倍〜3倍であり得る。
【0564】
一部の実施形態において、AAV粒子は、脊髄後根神経節(DRG)におけるFXNタンパク質レベルを増加させるために、頸部、胸部および/または腰部領域における大型DRGニューロンに形質導入することによって、対象に送達されてもよい。形質導入は、陽性であるDRGの量として参照されてもよい。形質導入は、1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99%より大きいかそれに等しくてもよい。非限定的な例として、頸部、胸部および/または腰部領域における大型DRGニューロンの形質導入は、15%より大きいかそれに等しくてもよい。非限定的な例として、頸部、胸部および/または腰部領域における大型DRGニューロンの形質導入は、20%より大きいかそれに等しくてもよい。非限定的な例として、頸部、胸部および/または腰部領域における大型DRGニューロンの形質導入は、25%より大きいかそれに等しくてもよい。非限定的な例として、頸部、胸部および/または腰部領域における大型DRGニューロンの形質導入は、30%より大きいかそれに等しくてもよい。非限定的な例として、頸部、胸部および/または腰部領域における大型DRGニューロンの形質導入は、35%より大きいかそれに等しくてもよい。非限定的な例として、頸部、胸部および/または腰部領域における大型DRGニューロンの形質導入は、40%より大きいかそれに等しくてもよい。非限定的な例として、頸部、胸部および/または腰部領域における大型DRGニューロンの形質導入は、45%より大きいかそれに等しくてもよい。非限定的な例として、頸部、胸部および/または腰部領域における大型DRGニューロンの形質導入は、50%より大きいかそれに等しくてもよい。非限定的な例として、頸部、胸部および/または腰部領域における大型DRGニューロンの形質導入は、55%より大きいかそれに等しくてもよい。非限定的な例として、頸部、胸部および/または腰部領域における大型DRGニューロンの形質導入は、60%より大きいかそれに等しくてもよい。非限定的な例として、頸部、胸部および/または腰部領域における大型DRGニューロンの形質導入は、65%より大きいかそれに等しくてもよい。非限定的な例として、頸部、胸部および/または腰部領域における大型DRGニューロンの形質導入は、70%より大きいかそれに等しくてもよい。
【0565】
一部の実施形態において、AAV粒子は、脊髄後根神経節(DRG)におけるFXNタンパク質レベルを内因性レベルと比較して増加させるために、ならびに頸部、胸部および/または腰部領域における大型DRGニューロンに形質導入するために、対象に送達されてもよい。DRGにおけるFXNタンパク質レベルは、頸部、胸部および/または腰部領域における内因性レベルと比較して0.5倍〜3倍増加してもよく、頸部、胸部および/または腰部領域における大型DRGニューロンは、少なくとも20%形質導入されてもよい。
【0566】
一部の実施形態において、AAV粒子は、小脳歯状核の大型ニューロンに形質導入するために対象に送達されてもよい。形質導入は、陽性である大型ニューロンの数として参照されてもよい。形質導入は、1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99%より大きいかそれに等しくてもよい。非限定的な例として、小脳歯状核の大型ニューロンの形質導入は、15%より大きいかそれに等しくてもよい。非限定的な例として、小脳歯状核の大型ニューロンの形質導入は、20%より大きいかそれに等しくてもよい。非限定的な例として、小脳歯状核の大型ニューロンの形質導入は、25%より大きいかそれに等しくてもよい。非限定的な例として、小脳歯状核の大型ニューロンの形質導入は、30%より大きいかそれに等しくてもよい。非限定的な例として、小脳歯状核の大型ニューロンの形質導入は、35%より大きいかそれに等しくてもよい。非限定的な例として、小脳歯状核の大型ニューロンの形質導入は、40%より大きいかそれに等しくてもよい。非限定的な例として、小脳歯状核の大型ニューロンの形質導入は、45%より大きいかそれに等しくてもよい。非限定的な例として、小脳歯状核の大型ニューロンの形質導入は、50%より大きいかそれに等しくてもよい。非限定的な例として、小脳歯状核の大型ニューロンの形質導入は、55%より大きいかそれに等しくてもよい。非限定的な例として、小脳歯状核の大型ニューロンの形質導入は、60%より大きいかそれに等しくてもよい。非限定的な例として、小脳歯状核の大型ニューロンの形質導入は、65%より大きいかそれに等しくてもよい。非限定的な例として、小脳歯状核の大型ニューロンの形質導入は、70%より大きいかそれに等しくてもよい。
【0567】
一部の実施形態において、AAV粒子は、クラーク柱のニューロンに形質導入するために対象に送達されてもよい。形質導入は、陽性であるニューロンの数として参照されてもよい。形質導入は、1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99%より大きいかそれに等しくてもよい。非限定的な例として、クラーク柱のニューロンの形質導入は、15%より大きいかそれに等しくてもよい。非限定的な例として、クラーク柱のニューロンの形質導入は、20%より大きいかそれに等しくてもよい。非限定的な例として、クラーク柱のニューロンの形質導入は、25%より大きいかそれに等しくてもよい。非限定的な例として、クラーク柱のニューロンの形質導入は、30%より大きいかそれに等しくてもよい。非限定的な例として、クラーク柱のニューロンの形質導入は、35%より大きいかそれに等しくてもよい。非限定的な例として、クラーク柱のニューロンの形質導入は、40%より大きいかそれに等しくてもよい。非限定的な例として、クラーク柱のニューロンの形質導入は、45%より大きいかそれに等しくてもよい。非限定的な例として、クラーク柱のニューロンの形質導入は、50%より大きいかそれに等しくてもよい。非限定的な例として、クラーク柱のニューロンの形質導入は、55%より大きいかそれに等しくてもよい。非限定的な例として、クラーク柱のニューロンの形質導入は、60%より大きいかそれに等しくてもよい。非限定的な例として、クラーク柱のニューロンの形質導入は、65%より大きいかそれに等しくてもよい。非限定的な例として、クラーク柱のニューロンの形質導入は、70%より大きいかそれに等しくてもよい。
【0568】
一部の実施形態において、AAV粒子は、薄束核のニューロンに形質導入するために対象に送達されてもよい。形質導入は、陽性であるニューロンの数として参照されてもよい。形質導入は、1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99%より大きいかそれに等しくてもよい。非限定的な例として、薄束核のニューロンの形質導入は、15%より大きいかそれに等しくてもよい。非限定的な例として、薄束核のニューロンの形質導入は、20%より大きいかそれに等しくてもよい。非限定的な例として、薄束核のニューロンの形質導入は、25%より大きいかそれに等しくてもよい。非限定的な例として、薄束核のニューロンの形質導入は、30%より大きいかそれに等しくてもよい。非限定的な例として、薄束核のニューロンの形質導入は、35%より大きいかそれに等しくてもよい。非限定的な例として、薄束核のニューロンの形質導入は、40%より大きいかそれに等しくてもよい。非限定的な例として、薄束核のニューロンの形質導入は、45%より大きいかそれに等しくてもよい。非限定的な例として、薄束核のニューロンの形質導入は、50%より大きいかそれに等しくてもよい。非限定的な例として、薄束核のニューロンの形質導入は、55%より大きいかそれに等しくてもよい。非限定的な例として、薄束核のニューロンの形質導入は、60%より大きいかそれに等しくてもよい。非限定的な例として、薄束核のニューロンの形質導入は、65%より大きいかそれに等しくてもよい。非限定的な例として、薄束核のニューロンの形質導入は、70%より大きいかそれに等しくてもよい。
【0569】
一部の実施形態において、AAV粒子は、楔状束核のニューロンに形質導入するために対象に送達されてもよい。形質導入は、陽性であるニューロンの数として参照されてもよい。形質導入は、1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99%より大きいかそれに等しくてもよい。非限定的な例として、楔状束核のニューロンの形質導入は、15%より大きいかそれに等しくてもよい。非限定的な例として、楔状束核のニューロンの形質導入は、20%より大きいかそれに等しくてもよい。非限定的な例として、楔状束核のニューロンの形質導入は、25%より大きいかそれに等しくてもよい。非限定的な例として、楔状束核のニューロンの形質導入は、30%より大きいかそれに等しくてもよい。非限定的な例として、楔状束核のニューロンの形質導入は、35%より大きいかそれに等しくてもよい。非限定的な例として、楔状束核のニューロンの形質導入は、40%より大きいかそれに等しくてもよい。非限定的な例として、楔状束核のニューロンの形質導入は、45%より大きいかそれに等しくてもよい。非限定的な例として、楔状束核のニューロンの形質導入は、50%より大きいかそれに等しくてもよい。非限定的な例として、楔状束核のニューロンの形質導入は、55%より大きいかそれに等しくてもよい。非限定的な例として、楔状束核のニューロンの形質導入は、60%より大きいかそれに等しくてもよい。非限定的な例として、楔状束核のニューロンの形質導入は、65%より大きいかそれに等しくてもよい。非限定的な例として、楔状束核のニューロンの形質導入は、70%より大きいかそれに等しくてもよい。
【0570】
一部の実施形態において、AAV粒子は、内因性レベルと比較して心臓におけるFXNタンパク質レベルを増加させるために、対象に送達されてもよい。増加は、内因性レベルと比較して、0.1倍〜5倍、0.5倍〜5倍、1倍〜5倍、2倍〜5倍、3倍〜5倍、4倍〜5倍、0.1倍〜4倍、0.5倍〜4倍、1倍〜4倍、2倍〜4倍、3倍〜4倍、0.1倍〜3倍、0.5倍〜3倍、1倍〜3倍、2倍〜3倍、0.1倍〜2倍、0.5倍〜2倍、0.1倍〜1倍、0.5倍〜1倍、0.1倍〜0.5倍、1倍〜2倍、0.1倍、0.2倍、0.3倍、0.4倍、0.5倍、0.6倍、0.7倍、0.8倍、0.9倍、1.0倍、1.1倍、1.2倍、1.3倍、1.4倍、1.5倍、1.6倍、1.7倍、1.8倍、1.9倍、2.0倍、2.1倍、2.2倍、2.3倍、2.4倍、2.5倍、2.6倍、2.7倍、2.8倍、2.9倍、3.0倍、3.1倍、3.2倍、3.3倍、3.4倍、3.5倍、3.6倍、3.7倍、3.8倍、3.9倍、4.0倍、4.1倍、4.2倍、4.3倍、4.4倍、4.5倍、4.6倍、4.7倍、4.8倍、4.9倍、または5倍超であり得る。非限定的な例として、心臓におけるFXNの増加は、内因性レベルの0.5倍を超えてもよい。非限定的な例として、心臓におけるFXNの増加は、内因性レベルと比較して、0.5倍〜3倍であってもよい。
【0571】
一部の実施形態において、AAV粒子は、心筋細胞に形質導入することによってFXNタンパク質レベルを増加させるために、対象に送達されてもよい。形質導入は、陽性である心筋細胞の数として参照されてもよい。形質導入は、1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99%より大きいかそれに等しくてもよい。非限定的な例として、心筋細胞の形質導入は、15%より大きいかそれに等しくてもよい。非限定的な例として、心筋細胞の形質導入は、20%より大きいかそれに等しくてもよい。非限定的な例として、心筋細胞の形質導入は、25%より大きいかそれに等しくてもよい。非限定的な例として、心筋細胞の形質導入は、30%より大きいかそれに等しくてもよい。非限定的な例として、心筋細胞の形質導入は、35%より大きいかそれに等しくてもよい。非限定的な例として、心筋細胞の形質導入は、40%より大きいかそれに等しくてもよい。非限定的な例として、心筋細胞の形質導入は、45%より大きいかそれに等しくてもよい。非限定的な例として、心筋細胞の形質導入は、50%より大きいかそれに等しくてもよい。非限定的な例として、心筋細胞の形質導入は、55%より大きいかそれに等しくてもよい。非限定的な例として、心筋細胞の形質導入は、60%より大きいかそれに等しくてもよい。非限定的な例として、心筋細胞の形質導入は、65%より大きいかそれに等しくてもよい。非限定的な例として、心筋細胞の形質導入は、70%より大きいかそれに等しくてもよい。
【0572】
一部の実施形態において、AAV粒子は、内因性レベルと比較して心臓におけるFXNタンパク質レベルを増加させるために、および心筋細胞に形質導入するために、対象に送達されてもよい。心臓におけるFXNタンパク質レベルは、内因性レベルと比較して0.5倍〜3倍増加してもよく、および/または心筋細胞は、少なくとも30%形質導入されてもよい。
【0573】
一部の実施形態において、本明細書に記載されるFXNをコードするウイルスゲノムを含むAAV粒子の、脊髄後根神経節(DRG)、上行性脊髄感覚路および小脳における感覚ニューロンへの送達は、FXNの発現増加を導くであろう。発現増加は、様々な細胞タイプの生存および機能の改善を導き得る。
【0574】
具体的には、一部の実施形態において、フラタキシンの発現増加は、運動失調症(バランス)および歩行、感覚能力、動作および強弱の協調、機能的能力および/または生活の質の改善を導き得る。
【0575】
投薬
一部の態様において、本開示は、本開示に係るウイルスベクターおよびそれらのペイロードを、それを必要とする対象に投与する工程を含む方法を提供する。ウイルスベクターの医薬用、イメージング用、診断用、または予防用のその組成物は、疾患、障害、および/または状態(例えば、FXN発現の減少またはFXNの量および/もしくは機能の不足に関連する疾患、障害、および/または状態)を予防、治療、診断、またはイメージングするために有効な任意の投与量および任意の投与経路を使用して、対象に投与され得る。一部の実施形態において、疾患、障害および/または状態は、FAである。必要となる正確な量は、対象の種、年齢、および全身状態、疾患の重症度、詳細な組成物、その投与様式、その活性様式などに応じて対象毎に異なることになる。本開示に係る組成物は、典型的には、投与の簡便性および投薬量の均一性のため、単位剤形に製剤化される。しかし、本開示の組成物の1日の総使用量は、主治医が妥当な医学的判断の範囲内で決定し得ることは理解されるであろう。任意の特定の患者のための具体的な治療有効用量レベル、予防有効用量レベル、または適切なイメージング用量レベルは、治療下の障害および障害の重症度;用いられる具体的な化合物の活性;用いられる具体的な組成物;患者の年齢、体重、全般的な健康、性別、および食事;用いられる具体的なFXNの投与時間、投与経路、および排泄速度;治療継続期間;用いられる具体的な化合物と組み合わせてまたは同時に使用される薬物;ならびに医学分野で周知の同様の要因を含めた、様々な要因に依存することになる。
【0576】
特定の実施形態において、本開示に係るAAV粒子医薬組成物は、1日当たり対象体重の約0.0001mg/kg〜約100mg/kg、約0.001mg/kg〜約0.05mg/kg、約0.005mg/kg〜約0.05mg/kg、約0.001mg/kg〜約0.005mg/kg、約0.05mg/kg〜約0.5mg/kg、約0.01mg/kg〜約50mg/kg、約0.1mg/kg〜約40mg/kg、約0.5mg/kg〜約30mg/kg、約0.01mg/kg〜約10mg/kg、約0.1mg/kg〜約10mg/kg、または約1mg/kg〜約25mg/kgのFXNを、1日に1回以上送達して、所望の治療効果、診断効果、予防効果、またはイメージング効果を得るために十分な投薬量レベルで投与されてもよい。上記の投薬濃度は、VGに、または1kg当たりのウイルスゲノムに、または当業者によって投与される総ウイルスゲノムへと変換され得ることが理解されるであろう。
【0577】
特定の実施形態において、所望の投薬量は、複数回の投与(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14回、またはそれより多くの投与)を使用して送達されてもよい。複数回の投与が用いられる場合、本明細書に記載されるものなどの分割用量投与レジメンが使用されてもよい。本明細書で使用されるとき、「分割用量」は、単一単位用量または総1日用量を2つ以上の用量へと分割するもの、例えば、単一単位用量の2回以上の投与である。本明細書で使用されるとき、「単一単位用量」は、1用量/1回/単一経路/単一接触点、すなわち単一の投与イベントで投与される、任意の療法組成物の用量である。一部の実施形態において、単一単位用量は、別個の剤形(例えば、錠剤、カプセル、パッチ、充填済みシリンジ、バイアルなど)として提供される。本明細書で使用されるとき、「総1日用量」は、24時間の期間内に与えられるまたは処方される量である。これは単一単位用量として投与されてもよい。ウイルス粒子は、緩衝液のみにおいて、または本明細書に記載される製剤において製剤化されてもよい。
【0578】
本明細書に記載される医薬組成物は、本明細書に記載される剤形、例えば、局所、鼻腔内、肺、気管内、または注射可能(例えば、静脈内、眼内、硝子体内、筋肉内、心臓内、腹腔内、および/または皮下)剤形に製剤化することができる。
【0579】
一部の実施形態において、本明細書に記載されるAAV粒子の送達は、AAV粒子の送達の結果として、最小限の重篤有害事象(SAE)をもたらす。
特定の実施形態において、本開示に係るAAV粒子医薬組成物の、中枢神経系(例えば、実質)の細胞への送達は、約1×10
6VG/mL〜約1×10
16VG/mLの総濃度を含んでもよい。一部の実施形態において、送達は、約1×10
6、2×10
6、3×10
6、4×10
6、5×10
6、6×10
6、7×10
6、8×10
6、9×10
6、1×10
7、2×10
7、3×10
7、4×10
7、5×10
7、6×10
7、7×10
7、8×10
7、9×10
7、1×10
8、2×10
8、3×10
8、4×10
8、5×10
8、6×10
8、7×10
8、8×10
8、9×10
8、1×10
9、2×10
9、3×10
9、4×10
9、5×10
9、6×10
9、7×10
9、8×10
9、9×10
9、1×10
10、2×10
10、3×10
10、4×10
10、5×10
10、6×10
10、7×10
10、8×10
10、9×10
10、1×10
11、1.6×10
11、1.8×10
11、2×10
11、3×10
11、4×10
11、5×10
11、5.5×10
11、6×10
11、7×10
11、8×10
11、9×10
11、0.8×10
12、0.83×10
12、1×10
12、1.1×10
12、1.2×10
12、1.3×10
12、1.4×10
12、1.5×10
12、1.6×10
12、1.7×10
12、1.8×10
12、1.9×10
12、2×10
12、2.1×10
12、2.2×10
12、2.3×10
12、2.4×10
12、2.5×10
12、2.6×10
12、2.7×10
12、2.8×10
12、2.9×10
12、3×10
12、3.1×10
12、3.2×10
12、3.3×10
12、3.4×10
12、3.5×10
12、3.6×10
12、3.7×10
12、3.8×10
12、3.9×10
12、4×10
12、4.1×10
12、4.2×10
12、4.3×10
12、4.4×10
12、4.5×10
12、4.6×10
12、4.7×10
12、4.8×10
12、4.9×10
12、5×10
12、6×10
12、7×10
12、8×10
12、9×10
12、1×10
13、2×10
13、2.3×10
13、3×10
13、4×10
13、5×10
13、6×10
13、7×10
13、8×10
13、9×10
13、1×10
14、1.9×10
14、2×10
14、3×10
14、4×10
14、5×10
14、6×10
14、7×10
14、8×10
14、9×10
14、1×10
15、2×10
15、3×10
15、4×10
15、5×10
15、6×10
15、7×10
15、8×10
15、9×10
15、または1×10
16VG/mLの組成物濃度を含んでもよい。一部の実施形態において、組成物中のウイルスベクターの濃度は、1×10
13VG/mLである。一部の実施形態において、組成物中のウイルスベクターの濃度は、1.1×10
12VG/mLである。一部の実施形態において、組成物中のウイルスベクターの濃度は、3.7×10
12VG/mLである。一部の実施形態において、組成物中のウイルスベクターの濃度は、8×10
11VG/mLである。一部の実施形態において、組成物中のウイルスベクターの濃度は、2.6×10
12VG/mLである。一部の実施形態において、組成物中のウイルスベクターの濃度は、4.9×10
12VG/mLである。一部の実施形態において、組成物中のウイルスベクターの濃度は、0.8×10
12VG/mLである。一部の実施形態において、組成物中のウイルスベクターの濃度は、0.83×10
12VG/mLである。一実施形態において、組成物中のウイルスベクターの濃度は、バイアル中に含有され得る最大最終用量である。一部の実施形態において、組成物中のウイルスベクターの濃度は、1.6×10
11VG/mLである。一部の実施形態において、組成物中のウイルスベクターの濃度は、5×10
11VG/mLである。一部の実施形態において、組成物中のウイルスベクターの濃度は、2.3×10
13VG/mLである。一部の実施形態において、組成物中のウイルスベクターの濃度は、1.9×10
14VG/mLである。
【0580】
一部の実施形態において、本開示に係るAAV粒子医薬組成物の、中枢神経系(例えば、実質)の細胞への送達は、対象当たり約1×10
6VG〜約1×10
16VGの総濃度を含んでもよい。一部の実施形態において、送達は、約1×10
6、2×10
6、3×10
6、4×10
6、5×10
6、6×10
6、7×10
6、8×10
6、9×10
6、1×10
7、2×10
7、3×10
7、4×10
7、5×10
7、6×10
7、7×10
7、8×10
7、9×10
7、1×10
8、2×10
8、3×10
8、4×10
8、5×10
8、6×10
8、7×10
8、8×10
8、9×10
8、1×10
9、2×10
9、3×10
9、4×10
9、5×10
9、6×10
9、7×10
9、8×10
9、9×10
9、1×10
10、2×10
10、3×10
10、4×10
10、5×10
10、6×10
10、7×10
10、8×10
10、9×10
10、1×10
11、1.6×10
11、2×10
11、2.1×10
11、2.2×10
11、2.3×10
11、2.4×10
11、2.5×10
11、2.6×10
11、2.7×10
11、2.8×10
11、2.9×10
11、3×10
11、4×10
11、4.6×10
11、5×10
11、6×10
11、7×10
11、7.1×10
11、7.2×10
11、7.3×10
11、7.4×10
11、7.5×10
11、7.6×10
11、7.7×10
11、7.8×10
11、7.9×10
11、8×10
11、9×10
11、1×10
12、1.1×10
12、1.2×10
12、1.3×10
12、1.4×10
12、1.5×10
12、1.6×10
12、1.7×10
12、1.8×10
12、1.9×10
12、2×10
12、2.3×10
12、3×10
12、4×10
12、4.1×10
12、4.2×10
12、4.3×10
12、4.4×10
12、4.5×10
12、4.6×10
12、4.7×10
12、4.8×10
12、4.9×10
12、5×10
12、6×10
12、7×10
12、8×10
12、8.1×10
12、8.2×10
12、8.3×10
12、8.4×10
12、8.5×10
12、8.6×10
12、8.7×10
12、8.8×10
12、8.9×10
12、9×10
12、1×10
13、2×10
13、3×10
13、4×10
13、5×10
13、6×10
13、7×10
13、8×10
13、9×10
13、1×10
14、2×10
14、3×10
14、4×10
14、5×10
14、6×10
14、7×10
14、8×10
14、9×10
14、1×10
15、2×10
15、3×10
15、4×10
15、5×10
15、6×10
15、7×10
15、8×10
15、9×10
15、または1×10
16VG/対象の組成物濃度を含んでもよい。一部の実施形態において、組成物中のウイルスベクターの濃度は、2.3×10
11VG/対象である。一部の実施形態において、組成物中のウイルスベクターの濃度は、7.2×10
11VG/対象である。一部の実施形態において、組成物中のウイルスベクターの濃度は、7.5×10
11VG/対象である。一部の実施形態において、組成物中のウイルスベクターの濃度は、1.4×10
12VG/対象である。一部の実施形態において、組成物中のウイルスベクターの濃度は、4.8×10
12VG/対象である。一部の実施形態において、組成物中のウイルスベクターの濃度は、8.8×10
12VG/対象である。一部の実施形態において、組成物中のウイルスベクターの濃度は、2.3×10
12VG/対象である。一部の実施形態において、組成物中のウイルスベクターの濃度は、2×10
10VG/対象である。一部の実施形態において、組成物中のウイルスベクターの濃度は、1.6×10
11VG/対象である。一部の実施形態において、組成物中のウイルスベクターの濃度は、4.6×10
11VG/対象である。
【0581】
一部の実施形態において、中枢神経系(例えば、実質)の細胞へのAAV粒子の送達は、約1×10
6VG〜約1×10
16VGの総用量を含んでもよい。一部の実施形態において、送達は、約1×10
6、2×10
6、3×10
6、4×10
6、5×10
6、6×10
6、7×10
6、8×10
6、9×10
6、1×10
7、2×10
7、3×10
7、4×10
7、5×10
7、6×10
7、7×10
7、8×10
7、9×10
7、1×10
8、2×10
8、3×10
8、4×10
8、5×10
8、6×10
8、7×10
8、8×10
8、9×10
8、1×10
9、2×10
9、3×10
9、4×10
9、5×10
9、6×10
9、7×10
9、8×10
9、9×10
9、1×10
10、1.9×10
10、2×10
10、3×10
10、3.73×10
10、4×10
10、5×10
10、6×10
10、7×10
10、8×10
10、9×10
10、1×10
11、2×10
11、2.5×10
11、3×10
11、4×10
11、5×10
11、6×10
11、7×10
11、8×10
11、9×10
11、1×10
12、2×10
12、3×10
12、4×10
12、5×10
12、6×10
12、7×10
12、8×10
12、9×10
12、1×10
13、2×10
13、3×10
13、4×10
13、5×10
13、6×10
13、7×10
13、8×10
13、9×10
13、1×10
14、2×10
14、3×10
14、4×10
14、5×10
14、6×10
14、7×10
14、8×10
14、9×10
14、1×10
15、2×10
15、3×10
15、4×10
15、5×10
15、6×10
15、7×10
15、8×10
15、9×10
15、または1×10
16VGの総用量を含んでもよい。一部の実施形態において、総用量は、1×10
13VGである。一部の実施形態において、総用量は、3×10
13VGである。一部の実施形態において、総用量は、3.73×10
10VGである。一部の実施形態において、総用量は、1.9×10
10VGである。一部の実施形態において、総用量は、2.5×10
11VGである。一部の実施形態において、総用量は、5×10
11VGである。一部の実施形態において、総用量は、1×10
12VGである。一部の実施形態において、総用量は、5×10
12VGである。
【0582】
組合せ
AAV粒子は、1つ以上の他の療法剤、予防剤、診断剤、またはイメージング剤と組み合わせて使用されてもよい。語句「と組み合わせて」とは、薬剤が、同時に投与されなければならない、および/または一緒に送達するために製剤化されなければならないことを要請するよう意図するものではない。しかしながら、これらの送達方法は本開示の範囲内にある。組成物は、1つ以上の他の所望の療法剤または医療手技と同時に、その前に、またはその後に投与することができる。一般に、各薬剤は、当該の薬剤について決定された用量および/またはタイムスケジュールで投与されることになる。一部の実施形態において、本開示は、医薬用、予防的、診断用、またはイメージング用組成物を、それらのバイオアベイラビリティを向上させ得る、それらの代謝を低減および/もしくは改変させ得る、ならびに/またはそれらの体内分布を改変させ得る薬剤と組み合わせて送達することを包含する。
【0583】
発現の測定
ウイルスゲノムからのFXNの発現は、限定はされないが、免疫化学(例えばIHC)、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)、親和性ELISA、ELISPOT、フローサイトメトリー、免疫細胞学、表面プラズモン共鳴分析、速度論的排除アッセイ、液体クロマトグラフィー−質量分析(LCMS)、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、BCAアッセイ、免疫電気泳動法、ウェスタンブロット、SDS−PAGE、タンパク質免疫沈殿、PCR、および/またはインサイツハイブリダイゼーション(ISH)などの、当該技術分野で公知の種々の方法を使用して決定されてもよい。一部の実施形態において、異なるAAVキャプシドにおいて送達されるFXNをコードするトランス遺伝子は、脊髄後根神経節(DRG)において異なる発現レベルを有し得る。
【0584】
特定の実施形態において、FXNポリペプチドは、ウェスタンブロットによって検出可能である。
VII.キットおよびデバイス
キット
一部の態様において、本開示は、本開示の方法を便宜的および/または効果的に実施するための様々なキットを提供する。典型的に、キットは、ユーザが対象の複数の治療を行うことおよび/または複数の実験を行うことを可能にするのに十分な量および/または数の成分を含むであろう。
【0585】
本開示のベクター、コンストラクト、またはFXNのいずれかがキットに含まれてもよい。一部の実施形態において、キットは、本開示の化合物および/または組成物を作製および/または合成するための試薬および/または説明書を更に含んでもよい。一部の実施形態において、キットはまた、1つ以上の緩衝液も含んでもよい。一部の実施形態において、本開示のキットは、タンパク質または核酸のアレイまたはライブラリを作製するための成分を含んでもよく、したがって、例えば、固体支持体を含んでもよい。
【0586】
一部の実施形態において、キットの成分は、水性媒体中または凍結乾燥形態のいずれかで、パッケージングされてもよい。キットの容器手段は、一般に、少なくとも1つのバイアル、試験管、フラスコ、ボトル、シリンジ、または他の容器手段を含み、その中に成分が配置され、好適にアリコートされてもよい。1つを上回ってキットの構成要素が存在する場合(標識化試薬および標識が、一緒にパッケージングされてもよい)、キットはまた、通常、追加の構成要素が別個に配置され得る第2、第3、またはその他の追加の容器も含んでよい。一部の実施形態において、キットはまた、滅菌の薬学的に許容可能な緩衝液および/または他の希釈剤を格納する第2の容器手段を含んでもよい。一部の実施形態において、様々な組合せの構成要素が、1つ以上のバイアルに含まれてもよい。本開示のキットはまた、典型的に、本開示の化合物および/または組成物を格納するための手段、例えば、タンパク質、核酸、および任意の他の試薬の容器を、商業販売のために緊密に封止した状態で含み得る。そのような容器としては、所望されるバイアルが中に保持される、射出成形または吹込み成形された容器を挙げることができる。
【0587】
一部の実施形態において、キットの成分は1つおよび/または複数の溶液で提供される。一部の実施形態において、溶液は、水溶液であり、滅菌水溶液が、特に使用される。一部の実施形態において、キットの成分は、乾燥粉末として提供されてもよい。試薬および/または成分が乾燥粉末として提供される場合、かかる粉末は、好適な容積の溶媒の添加によって、復元されてもよい。一部の実施形態において、溶媒が別の容器手段で提供されてもよいことも想定される。一部の実施形態において、標識化色素は、乾燥粉末として提供される。一部の実施形態において、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、120、120、130、140、150、160、170、180、190、200、300、400、500、600、700、800、900、1000マイクログラム、または少なくとももしくは多くともこれらの量の乾燥色素が、本開示のキットにおいて提供されることが、企図される。かかる実施形態において、色素は、次いで、任意の好適な溶媒、例えば、DMSO中に再懸濁させてもよい。
【0588】
一部の実施形態において、キットは、キットの成分を用いるため、ならびにキットに含まれない任意の他の試薬を使用するための説明書を含んでもよい。説明書は、実装され得るバリエーションを含んでもよい。
【0589】
デバイス
一部の実施形態において、本開示の化合物および/または組成物は、デバイスと組み合わせられるか、デバイス上にコーティングされるか、またはデバイス内に埋め込まれてもよい。デバイスとしては、限定はされないが、歯科用インプラント、ステント、骨置換、人工関節、バルブ、ペースメーカー、および/または他の埋込み型治療用デバイスが挙げられ得る。
【0590】
本開示は、1つ以上のFXN分子をコードするウイルスベクターを組み込み得るデバイスを提供する。これらのデバイスは、安定した製剤中にウイルスベクターを含有し、これは、それを必要とする対象、例えばヒト患者に即座に送達され得る。
【0591】
投与のためのデバイスは、本明細書において教示される単回、複数回、または分割用量の投薬レジメンに従って、本開示のFXNをコードするウイルスベクターを送達するために利用してもよい。
【0592】
細胞、臓器、および組織への複数回投与のための当該技術分野において公知の方法およびデバイスは、本開示の実施形態として本明細書に開示されている方法および組成物との併用での使用が企図される。
【0593】
VIII.定義
本明細書の様々な箇所において、本開示の化合物の置換基は、群または範囲で、開示されている。本開示は、かかる群および範囲のメンバーのありとあらゆる個々の部分的な組合せを含むことが、具体的に意図される。以下は、用語の定義の非限定的なリストである。
【0594】
アデノ随伴ウイルス:用語「アデノ随伴ウイルス」または「AAV」は、本明細書で使用されるとき、ディペンドウイルス属のメンバーを指し、それに由来する任意の粒子、配列、遺伝子、タンパク質、または成分を含む。本明細書で使用されるとき、用語「AAV粒子」は、カプシドと、AAVゲノムまたはウイルス(もしくはベクター)ゲノム(VG)と称されるポリヌクレオチドとを含む。AAV粒子は、本明細書に記載されるもしくは当該技術分野において公知の任意の血清型(血清型の組合せ(すなわち、「シュードタイプ」AAV)を含む)、または様々なゲノム(例えば、一本鎖もしくは自己相補的)に由来してもよい。加えて、AAV粒子は複製欠損型および/またはターゲティング型であってもよい。
【0595】
有効成分:本明細書において使用されるとき、用語「有効成分」は、生物学的に活性であり、生物学的効果を生み出す役割を担う分子またはその複合体を指す。医薬組成物中の有効成分は、有効医薬成分と呼ばれる場合もある。本開示の目的のために、語句「有効成分」は、一般に、ペイロードを有するウイルス粒子、または本明細書に記載されるウイルス粒子によって送達されるペイロード(もしくはその遺伝子産物)のいずれかを指す。これに対して、「非有効成分」とは、生物学的に不活性な物質を示す。賦形剤は、非有効成分の一例である。
【0596】
活性:本明細書で使用されるとき、用語「活性」は、物事が生じているまたは行われている状態を指す。本開示の組成物は、活性を有してもよく、この活性が、1つ以上の生物学的事象を伴ってもよい。
【0597】
組み合わせて投与される:本明細書で使用されるとき、用語「組み合わせて投与される」または「組み合わせて送達される」または「組合せ投与」は、ある時点で対象が両方の薬剤に同時に曝露されるように、および/または患者に各薬剤の効果のオーバーラップが存在するように、同時にまたはある間隔以内に、投与される2つ以上の薬剤(例えば、AAV)の曝露を指す。一部の実施形態において、少なくとも1用量の1つ以上の薬剤は、少なくとも1用量の1つ以上の他の薬剤の約24時間、12時間、6時間、3時間、1時間、30分、15分、10分、5分、または1分以内に投与される。一部の実施形態において、投与はオーバーラッピング投薬レジメンで行われる。本明細書で使用されるとき、用語「投薬レジメン」は、時間の間隔が空いた複数回の用量を指す。かかる用量は、規則的な間隔で投与されてもよく、または、投与中に1回以上の中断を含んでもよい。一部の実施形態において、本明細書に記載されるように、本開示の1つ以上の化合物および/または組成物の個々の用量の投与は、コンビナトリアル(例えば、相乗)効果が達成されるように、十分に一緒に近接した間隔となっている。
【0598】
改善:本明細書で使用されるとき、用語「改善」または「改善すること」は、状態または疾患の少なくとも1つの指標の重症度を低下させることを指す。例えば、神経変性障害の文脈において、改善は、ニューロン喪失の低減または安定化を含む。
【0599】
動物:本明細書で使用されるとき、用語「動物」は、動物界の任意のメンバーを指す。一部の実施形態において、「動物」は、発達の任意のステージにあるヒトを指す。一部の実施形態において、「動物」は、発達の任意のステージにある非ヒト動物を指す。特定の実施形態において、非ヒト動物は、哺乳動物(例えば、齧歯動物、マウス、ラット、ウサギ、サル、イヌ、ネコ、ヒツジ、ウシ、霊長類、またはブタ)である。一部の実施形態において、動物は、限定はされないが、哺乳動物、鳥類、爬虫類、両生類、魚類、および蠕虫を含む。一部の実施形態において、動物は、トランスジェニック動物、遺伝子操作動物、またはクローンである。
【0600】
およそ:本明細書で使用されるとき、1つ以上の目的の値に適用される用語「およそ」または「約」は、言及された参照値に類似である値を指す。特定の実施形態において、用語「およそ」または「約」は、別段に示されない限り、または文脈から明らかでない限り、言及された参照値のいずれかの方向で(より大きいかまたは小さい)、25%以内、20%以内、19%以内、18%以内、17%以内、16%以内、15%以内、14%以内、13%以内、12%以内、11%以内、10%以内、9%以内、8%以内、7%以内、6%以内、5%以内、4%以内、3%以内、2%以内、1%以内、0.5%以内、0.25%以内、0.1%以内、またはそれ以下に入る値の範囲を指す(ただし、かかる数が可能な値の100%を超える場合を除く)。
【0601】
生物学的に活性:本明細書で使用されるとき、語句「生物学的に活性」は、生物システムおよび/または生物において活性を有する任意の物質(例えば、AAV)の特徴を指す。例えば、生物に投与された際に、その生物に対して生物学的効果を有する物質は、生物学的に活性であるとみなされる。特定の実施形態において、本開示の化合物および/または組成物は、その一部分が、生物学的に活性である、または生物学的に関連性があるとみなされる活性を模倣する場合でさえも、生物学的に活性であるとみなされ得る。一部の実施形態において、生物学的活性は、フラタキシンまたはそのバリアントの発現を誘導することを指す。一部の実施形態において、生物学的活性は、フラタキシンの発現の減少、またはフラタキシンの量および/もしくは機能の不足に関連する疾患の予防および/または治療を指す。一部の実施形態において、生物学的活性は、フリードライヒ運動失調症の予防および/または治療を指す。
【0602】
生物システム:本明細書で使用されるとき、用語「生物システム」は、細胞膜、細胞内コンパートメント、細胞、組織、臓器、臓器システム、多細胞生物、または任意の生物学的実体内において、ある特定の生物学的タスクを一緒に行うように機能する、臓器、組織、細胞、細胞内成分、タンパク質、核酸、分子(限定はされないが、生体分子を含む)の群を指す。一部の実施形態において、生物システムは、細胞内および/または細胞外の細胞シグナル伝達生体分子を含む、細胞シグナル伝達経路である。一部の実施形態において、生物システムは、細胞外/細胞マトリックスおよび/または細胞ニッチ内の成長因子シグナル伝達事象を含む。
【0603】
カプシド:本明細書で使用されるとき、用語「カプシド」は、ウイルスにおけるタンパク質の殻を指す。カプシドは、幾つかのカプシドタンパク質(例えば、AAVのVP1、VP2、および/またはVP3)からなる。カプシドはウイルスの遺伝物質を封入する。カプシドは、野生型カプシドであってもよく、組換えもしくは操作されたカプシドであってもよい。
【0604】
中枢神経系またはCNS:本明細書で使用されるとき、「中枢神経系」または「CNS」とは、神経系の2つの主要な細分類のうちの1つを指し、脊椎動物においては、脳および脊髄を含む。中枢神経系は、神経系全体の活動をコーディネートする。
【0605】
頸部領域:本明細書で使用されるとき、「頸部領域」とは、頸椎C1、C2、C3、C4、C5、C6、C7、およびC8を含む脊髄の領域を指す。
Cisエレメント:本明細書で使用されるとき、cisエレメントまたは同義語「cis調節エレメント」とは、近傍の遺伝子の転写を調節する非コードDNA領域を指す。ラテン語の接頭辞「cis」は「こちら側(on this side)」と翻訳される。cisエレメントは、それが調節する1つ以上の遺伝子の近傍で見出される。cisエレメントの例としては、Kozak配列、SV40イントロン、またはその骨格の一部が挙げられる。
【0606】
CNS組織:本明細書で使用されるとき、「CNS組織」とは、中枢神経系の組織であって、脊椎動物においては、脳および脊髄ならびにその部分構造を含む組織を指す。
CNS構造:本明細書で使用されるとき、「CNS構造」とは、中枢神経系の構造およびその部分構造を指す。脊髄内の構造の非限定的な例としては、前角、後角、白質、および神経系経路または内部の核が挙げられ得る。脳内の構造の非限定的な例としては、前脳、中脳、後脳、間脳、終脳、髄脳、後脳胞、中脳胞、前脳胞、菱脳胞、皮質、前頭葉、頭頂葉、側頭葉、後頭葉、大脳、視床、視床下部、蓋、被蓋、小脳、脳橋、髄質、扁桃腺、海馬、基底神経節、脳梁、下垂体、被殻、線条体、室、およびそれらの部分構造が挙げられる。
【0607】
CNS細胞:本明細書で使用されるとき、「CNS細胞」とは、中枢神経系およびその部分構造の細胞を指す。CNS細胞の非限定的な例としては、ニューロンおよびそのサブタイプ、グリア、ミクログリア、オリゴデンドロサイト、上衣細胞、ならびにアストロサイトが挙げられる。ニューロンの非限定的な例としては、感覚ニューロン、運動ニューロン、介在ニューロン、単極細胞、双極細胞、多極細胞、擬似単極細胞、錐体細胞、バスケット細胞、星状細胞、プルキンエ細胞、ベッツ細胞、アマクリン細胞、顆粒細胞、卵形細胞、中型有棘ニューロン、および大型有棘ニューロンが挙げられる。
【0608】
コドン最適化:本明細書で使用されるとき、用語「コドン最適化」とは、遺伝子によってコードされるポリペプチド配列が同一性を維持しながら、変化したコドンが当該ポリペプチド配列の発現プロセスを改善するような様式で、所与の遺伝子のコドンを変更するプロセスを指す。例えば、ポリペプチドがヒトタンパク質配列のポリペプチドであり、大腸菌で発現させる場合、コドン最適化をそのDNA配列に対して行い、ヒトコドンを大腸菌での発現により効果的なコドンに変化させると、発現が改善されることが多いであろう。
【0609】
組成物:本明細書で使用されるとき、用語「組成物」は、AAVポリヌクレオチド、AAVゲノムまたはAAV粒子と、少なくとも1つの賦形剤とを含む。
化合物:本明細書で使用されるとき、用語「化合物」は、異なる化学的実体を指す。一部の実施形態において、特定の化合物は、1つ以上の異性体または同位体形態(限定はされないが、立体異性体、幾何異性体、および同位体を含む)で存在してもよい。一部の実施形態において、化合物は、単一のかかる形態のみで提供または利用される。一部の実施形態において、化合物は、2つ以上のかかる形態の混合物(限定はされないが、立体異性体のラセミ混合物を含む)として、提供または利用される。一部の化合物が、異なるかかる形態で存在し、異なる特性および/または活性(限定はされないが、生物学的活性を含む)を示すことが、当業者には理解される。かかる事例において、本開示に従って使用するための化合物の特定の形態を選択または回避することは、当業者の技能の範囲内である。例えば、非対称置換された炭素原子を含有する化合物は、光学的に活性な形態またはラセミ形態で単離することができる。ラセミ混合物の分解または立体選択的合成によるものなど、光学的に活性な出発材料から、光学的に活性な形態を調製する方法は、当該技術分野において公知である。
【0610】
保存されている:本明細書で使用されるとき、用語「保存されている」は、比較されている2つ以上の配列の同じ位置に変更されずに生じる、ポリヌクレオチド配列またはポリペプチド配列の、それぞれ、ヌクレオチドまたはアミノ酸残基を指す。比較的保存されているヌクレオチドまたはアミノ酸は、配列中の別の箇所に出現するヌクレオチドまたはアミノ酸よりも、より関連する配列間で保存されているものである。
【0611】
一部の実施形態において、2つ以上の配列は、それらが互いに100%同一である場合に、「完全に保存されている」と言われる。一部の実施形態において、2つ以上の配列は、それらが互いに少なくとも70%同一、少なくとも80%同一、少なくとも90%同一、または少なくとも95%同一である場合に、「高度に保存されている」と言われる。一部の実施形態において、2つ以上の配列は、それらが互いに約70%同一、約80%同一、約90%同一、約95%、約98%、または約99%同一である場合に、「高度に保存されている」と言われる。一部の実施形態において、2つ以上の配列は、それらが互いに少なくとも30%同一、少なくとも40%同一、少なくとも50%同一、少なくとも60%同一、少なくとも70%同一、少なくとも80%同一、少なくとも90%同一、または少なくとも95%同一である場合に、「保存されている」と言われる。一部の実施形態において、2つ以上の配列は、それらが互いに約30%同一、約40%同一、約50%同一、約60%同一、約70%同一、約80%同一、約90%同一、約95%同一、約98%同一、または約99%同一である場合に、「保存されている」と言われる。配列の保存は、オリゴヌクレオチドもしくはポリペプチドの全長に適用され得るか、または、その一部分、領域、もしくは特徴に適用され得る。
【0612】
一実施形態において、保存されている配列は、連続していない。当業者であれば、連続的アラインメントにおけるギャップが配列の間に存在する場合にアラインメントを達成する方法、および挿入または欠失が存在するにもかかわらず、対応する残基をアラインメントする方法を、理解することができる。
【0613】
送達:本明細書で使用されるとき、「送達」は、パルボウイルス、例えば、AAV化合物、物質、実体、部分、カーゴ、またはペイロードを標的に送達する動作または方式を指す。かかる標的は、細胞、組織、臓器、生物、またはシステム(生物学的もしくは製品に関係なく)であってもよい。
【0614】
送達剤:本明細書で使用されるとき、「送達剤」は、少なくとも部分的に、ターゲティングされる細胞への、1つ以上の物質(限定はされないが、本開示の化合物および/もしくは組成物、例えば、ウイルス粒子もしくはAAVベクターを含む)の送達を容易にする、任意の薬剤または物質を指す。
【0615】
送達経路:本明細書で使用されるとき、用語「送達経路」および同義の用語「投与経路」は、治療剤を対象にもたらす異なる方法のいずれかを指す。投与経路は、物質が適用される場所により一般に分類され、作用の標的がある場所に基づき分類されてもよい。例としては、静脈内投与、皮下投与、経口投与、非経口投与、経腸投与、局所投与、舌下投与、吸入投与、および注射投与、または本明細書において記載される他の投与経路が挙げられるが、これらに限定されない。
【0616】
誘導体:本明細書で使用されるとき、用語「誘導体」は、親組成物からもたらされるか、または親組成物においてその基礎を見出す組成物(例えば、配列、化合物、製剤など)を指す。親組成物の非限定的な例は、野生型もしくはオリジナルのアミノ酸または核酸配列、あるいは希釈されていない製剤を含む。一部の実施形態では、誘導体は、親組成物のバリアントである。誘導体は、約1%未満、約5%未満、約10%未満、約15%未満、約20%未満、約25%未満、約30%未満、約35%未満、約40%未満、約45%未満、または約50%未満、親組成物と異なってもよい。特定の実施形態では、誘導体は、約50%より多く、親組成物と異なってもよい。特定の実施形態では、誘導体は、約75%より多く、親組成物と異なってもよい。一部の実施形態では、誘導体は、親アミノ酸またはヌクレオチド配列の断片またはトランケーションであってもよい。非限定的な例として、誘導体は、親核酸またはアミノ酸配列と比較してヌクレオチドまたはペプチドインサートを有する配列(例えば、AAV9と比較したAAVPHP.B)であってもよい。
【0617】
有効量:本明細書で使用されるとき、用語、薬剤の「有効量」は、例えば、対象または細胞への単回または複数回の用量の投与の際に、障害の1つ以上の症状の治癒、軽減、緩和、または改善において有益なまたは所望の結果をもたらすために十分な量であり、したがって、「有効量」は、それが適用されるコンテクストに依存する。例えば、FAを治療する薬剤を投与するコンテクストでは、薬剤の有効量は、例えば、その薬剤の投与なしで得られる応答と比較して、本明細書に定義される通りのFAの治療を達成するために十分な量である。
【0618】
操作されている:本明細書で使用されるとき、本開示の実施形態は、出発点、野生型、または天然の分子から構造的であるか化学的であるかにかかわらず、変化した特徴または特性を有するように設計されている場合、「操作されている」。したがって、操作された薬剤または実体は、その設計および/または産生が、人間の手による行為を含むものである。
【0619】
発現:本明細書で使用されるとき、核酸配列の「発現」は、以下の事象のうちの1つ以上を指す:(1)DNA配列からのRNA鋳型の産生(例えば、転写による);(2)RNA転写物のプロセシング(例えば、スプライシング、編集、5’キャップ形成、および/もしくは3’末端プロセシングによる);(3)RNAのポリペプチドもしくはタンパク質への翻訳;(4)ポリペプチドもしくはタンパク質のフォールディング;ならびに/または(5)ポリペプチドもしくはタンパク質の翻訳後修飾。
【0620】
賦形剤:本明細書で使用されるとき、用語「賦形剤」は、活性な医薬剤または他の活性物質のためのビヒクルまたは媒体として働く不活性な物質を指す。
製剤:本明細書で使用されるとき、「製剤」は、本開示の少なくとも化合物および/または組成物(例えば、ベクター、AAV粒子など)、ならびに送達剤を含む。
【0621】
断片:「断片」は、本明細書で使用されるとき、全体のうちの連続した一部分を指す。例えば、タンパク質の断片は、培養細胞から単離した完全長タンパク質を消化することによって得られるポリペプチドを含んでもよい。一部の実施形態において、タンパク質の断片は、少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、またはそれ以上のアミノ酸を含む。断片はまた、タンパク質のトランケーション(例えば、N末端および/もしくはC末端のトランケーション)または核酸のトランケーション(例えば、5’および/もしくは3’末端における)を指してもよい。タンパク質断片は、核酸が、全長タンパク質の一部をコードするように、切断された核酸の発現により得られてもよい。
【0622】
遺伝子発現:用語「遺伝子発現」は、核酸配列が首尾よく転写およびほとんどの場合は翻訳を受けて、タンパク質またはペプチドを産生する過程を指す。明確にするため、「遺伝子発現」の測定に言及する場合、これは、測定が、核酸転写産物、例えばRNAもしくはmRNA、またはアミノ酸翻訳産物、例えばポリペプチドもしくはペプチドの測定であり得ることを意味するものと理解されたい。RNA、mRNA、ポリペプチド、およびペプチドの量またはレベルを測定する方法は当該技術分野において周知である。
【0623】
相同性:本明細書で使用されるとき、用語「相同性」は、ポリマー分子間、例えば、核酸分子(例えば、DNA分子および/もしくはRNA分子)間ならびに/またはポリペプチド分子間の全般的な関連性を指す。一部の実施形態において、ポリマー分子は、それらの配列が少なくとも25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99%同一または類似である場合に、互いに「相同」であるとみなされる。用語「相同」は、必然的に、少なくとも2つの配列(ポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列)間の比較を指す。本開示に従って、2つのポリヌクレオチド配列は、それらがコードするポリペプチドが、少なくとも約20個のアミノ酸の少なくとも1つのストレッチに関して、少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、または更には99%同一である場合に、相同であるとみなされる。一部の実施形態において、相同的なポリヌクレオチド配列は、少なくとも4〜5個の固有に指定されるアミノ酸のストレッチをコードする能力によって特徴付けられる。60ヌクレオチド長未満のポリヌクレオチド配列については、相同性は、典型的に、少なくとも4〜5個の固有に指定されるアミノ酸のストレッチをコードする能力によって決定される。本開示に従って、2つのタンパク質配列は、タンパク質が、少なくとも約20個のアミノ酸の少なくとも1つのストレッチについて、少なくとも約50%、60%、70%、80%、または90%同一である場合に、相同であるとみなされる。多数の実施形態において、相同的なタンパク質は、大きな全般的な相同性の程度、および少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、またはそれ以上のアミノ酸の少なくとも1つの短いストレッチにわたる高い程度の相同性を示してもよい。多数の実施形態において、相同的なタンパク質は、1つ以上の特徴的な配列エレメントを共有している。本明細書で使用されるとき、用語「特徴的な配列エレメント」は、関連するタンパク質に存在するモチーフを指す。一部の実施形態において、かかるモチーフの存在は、特定の活性(例えば、生物学的活性)と相関する。
【0624】
ヒト化:本明細書で使用されるとき、用語「ヒト化」は、その対応するヒト配列に対するその類似性を増加させるように変更されたポリヌクレオチドまたはポリペプチドの非ヒト配列を指す。
【0625】
同一性:本明細書で使用されるとき、用語「同一性」は、ポリマー分子間、例えば、オリゴヌクレオチド分子(例えば、DNA分子および/もしくはRNA分子)間ならびに/またはポリペプチド分子間の全般的な関連性を指す。2つのポリヌクレオチド配列の同一性パーセントの計算は、例えば、2つの配列を最適な比較の目的でアラインメントすることによって、行ってもよい(例えば、ギャップが、最適なアラインメントのために、第1および第2の核酸配列の一方または両方に導入することができ、非同一配列は比較目的で無視することができる)。特定の実施形態において、比較目的のためにアラインメントした配列の長さは、参照配列の長さの少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、または100%である。次いで、対応するヌクレオチド位置のヌクレオチドが比較される。第1の配列における位置が、第2の配列における対応する位置と同じヌクレオチドによって占有されている場合、分子はその位置において同一である。2つの配列間の同一性パーセントは、それらの配列によって共有される同一な位置の数の関数であり、2つの配列の最適なアラインメントのために導入する必要があるギャップの数および各ギャップの長さを考慮する。2つの配列間の配列の比較および同一性パーセントの決定は、数学的アルゴリズムを使用して達成することができる。例えば、2つのヌクレオチド配列間の同一性パーセントは、Computational Molecular Biology、レスクA.M.(Lesk,A.M.)編、オックスフォード・ユニバーシティ・プレス(Oxford University Press)、ニューヨーク(New York)、1988年;Biocomputing:Informatics and Genome Projects、スミスD.W.(Smith,D.W.)編、アカデミックプレス(Academic Press)、ニューヨーク(New York)、1993年;Sequence Analysis in Molecular Biology、フォン ヘインジェG.(von Heinje,G.)、アカデミックプレス(Academic Press)、1987年;Computer Analysis of Sequence Data,Part I、グリフィンA.M.(Griffin,A.M.)およびグリフィンH.G.(Griffin,H.G.)編、ヒューマナ・プレス(Humana Press)、ニュージャージー(New Jersey)、1994年;ならびにSequence Analysis Primer、グリブスコフM.(Gribskov,M.)およびデヴェルーJ.(Devereux,J.)編、Mストックトンプレス(M Stockton Press)、ニューヨーク(New York)、1991年に記載されるものなどの方法を使用して、決定することができる。これらの各々は、本明細書においてその全体として参照により援用される。例えば、2つのヌクレオチド配列間の同一性パーセントは、例えば、アライン(ALIGN)プログラム(バージョン2.0)に組み込まれているマイヤーズ(Meyers)およびミラー(Miller)(CABIOS、1989年、4:p.11〜17)のアルゴリズムを使用して、PAM120の重み付け残基表、ギャップ長ペナルティ12、およびギャップペナルティ4を使用して決定することができる。2つのヌクレオチド配列間の同一性パーセントは、代替として、NWSgapdna.CMPマトリックスを使用し、GCGソフトウェアパッケージにおいてGAPプログラムを使用して決定することができる。配列間の同一性パーセントを決定するために一般的に用いられる方法としては、限定はされないが、カリロH.(Carillo,H.)およびリップマンD.(Lipman,D.)、SIAM J Applied Math.、第48号:p.1073(1988年)に開示されているものが挙げられ、これは本明細書において全体として参照により援用される。同一性を決定するための技法は、公的に利用可能なコンピュータプログラムにおいて成文化されている。2つの配列間の相同性を決定するためのコンピュータソフトウェアとしては、限定はされないが、GCGプログラムパッケージ、(デヴェルーJ.(Devereux,J.)ら、Nuceleic Acids Research、第12巻(第1号)、p.387、1984年)、BLASTP、BLASTN、およびFASTA(アルチュルS.F.(Altschul,S.F.)ら、J.Molecular Biol.、第215巻、p.403(1990年))が挙げられる。
【0626】
インビトロ:本明細書で使用されるとき、用語「インビトロ」は、生物(例えば、動物、植物、または微生物)内ではなく、人工環境、例えば、試験管または反応槽内、細胞培養物中、ペトリ皿内等で起こる事象を指す。
【0627】
インビボ:本明細書で使用されるとき、用語「インビボ」は、生物(例えば、動物、植物、もしくは微生物、またはその細胞もしくは組織)内で起こる事象を指す。
単離された:本明細書で使用されるとき、用語「単離された」は、「分離された」と同義であるが、分離が人間の手によって行われたという推測を含意する。用語「単離された」および「実質的に単離された」は、本明細書において互換性があるように使用される。単離された物質または実体は、それらが以前に関連付けられていた(天然または実験設定のいずれか)成分の少なくとも一部から部分的または全体的に分けられたものである。単離された物質は、それが会合していた物質に関して、様々なレベルの純度を有してもよい。単離された物質および/または実体は、それが最初に会合していた他の成分のうちの少なくとも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、またはそれ以上から分離されていてもよい。一部の実施形態において、単離された薬剤は、約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%より高く、または約99%を上回って純粋である。
【0628】
腰部領域:本明細書で使用されるとき、用語「腰部領域」は、腰椎L1、L2、L3、L4、およびL5を含む脊髄の領域を指す。
改変された(Modified):本明細書で使用されるとき、用語「改変された」は、親または参照の分子または実体と比較して変化した、分子または実体の状態または構造を指す。分子は、化学的、構造的、および機能的なものを含めて、多くの様式で改変されてもよい。一部の実施形態において、本開示の化合物および/または組成物は、非天然アミノ酸または非天然ヌクレオチドの導入によって改変される。
【0629】
突然変異:本明細書で使用されるとき、用語「突然変異」は、変化および/または変更を指す。一部の実施形態において、突然変異は、タンパク質(ペプチドおよびポリペプチドを含む)ならびに/または核酸(ポリ核酸を含む)に対する変化および/または変更であってもよい。一部の実施形態において、突然変異は、タンパク質および/または核酸配列に対する変化および/または変更を含む。かかる変化および/または変更は、1つ以上のアミノ酸(タンパク質および/もしくはペプチドの場合)ならびに/またはヌクレオチド(核酸および もしくはポリ核酸の場合)の付加、置換、および または欠失を含んでもよい。突然変異がアミノ酸および/またはヌクレオチドの付加および/または置換を含む実施形態において、かかる付加および/または置換は、1つ以上のアミノ酸および/またはヌクレオチド残基を含んでもよく、改変されたアミノ酸および/またはヌクレオチドを含んでもよい。1つまたは複数の変異は、「変異体」、「誘導体」、または「バリアント」、例えば、核酸配列またはポリペプチドもしくはタンパク質配列の「変異体」、「誘導体」、または「バリアント」をもたらしてもよい。
【0630】
天然に存在する:本明細書で使用されるとき、「天然に存在する」または「野生型」は、人工的な助け、または人の手という環境がない天然に存在することを意味する。「天然に存在する」または「野生型」は、生体分子、配列、または実体の天然形態を指してもよい。
【0631】
非ヒト脊椎動物:本明細書で使用されるとき、「非ヒト脊椎動物」は、野生種および家畜種を含む、ホモ・サピエンス以外の全ての脊椎動物を含む。非ヒト脊椎動物の例としては、限定はされないが、アルパカ、バンテン、バイソン、ラクダ、ネコ、ウシ、シカ、イヌ、ロバ、ガヤル、ヤギ、モルモット、ウマ、ラマ、ラバ、ブタ、ウサギ、トナカイ、ヒツジ、水牛、およびヤクなどの哺乳動物が挙げられる。
【0632】
核酸:本明細書で使用されるとき、用語「核酸」、「ポリヌクレオチド」、および「オリゴヌクレオチド」は、ポリデオキシリボヌクレオチド(2−デオキシ−D−リボースを含有する)もしくはポリリボヌクレオチド(D−リボースを含有する)のいずれか、あるいは、プリンもしくはピリミジン塩基のNグリコシド、または改変されたプリンもしくはピリミジン塩基である、任意の他の種類のポリヌクレオチドで構成される、任意の核酸ポリマーを指す。用語「核酸」、「ポリヌクレオチド」、および「オリゴヌクレオチド」の間で長さの区別は意図されず、これらの用語は互換性があるように使用される。これらの用語は、分子の一次構造のみを指す。したがって、これらの用語は、二本鎖および一本鎖のDNA、ならびに二本鎖および一本鎖のRNAを含む。
【0633】
作動可能に連結された:本明細書で使用されるとき、語句「作動可能に連結された」は、2つ以上の分子、コンストラクト、転写物、実体、部分などの間の機能的接続を指す。
粒子:本明細書で使用されるとき、「粒子」は、少なくとも2つの成分、タンパク質カプシドおよびカプシド内に封入されたポリヌクレオチド配列から構成されるウイルスである。
【0634】
患者:本明細書で使用されるとき、「患者」は、治療を求めていても、もしくは必要としていてもよい対象、治療を必要としている対象、治療を受けている対象、治療を受けるであろう対象、または、特定の疾患もしくは状態について訓練された(例えば、資格のある)専門家によるケアを受けている対象を指す。
【0635】
ペイロード:本明細書で使用されるとき、「ペイロード」または「ペイロード領域」は、ウイルスゲノムによりコードされるもしくはウイルスゲノム内の1つもしくは複数のポリヌクレオチドまたはポリヌクレオチド領域、またはかかるポリヌクレオチドもしくはポリヌクレオチド領域、例えば、導入遺伝子、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの発現産物を指す。
【0636】
ペイロードコンストラクト:本明細書で使用されるとき、「ペイロードコンストラクト」は、一方または両方に末端逆位反復(ITR)配列が隣接している、ペイロードをコードするまたは含む1つ以上のポリヌクレオチド領域である。ペイロードコンストラクトは、ウイルス産生細胞において複製されてウイルスゲノムを産生する鋳型である。
【0637】
ペイロードコンストラクトベクター:本明細書で使用されるとき、「ペイロードコンストラクトベクター」は、ペイロードコンストラクト、ならびに細菌細胞における複製および発現のための制御性領域をコードするまたは含むベクターである。ペイロードコンストラクトベクターはまた、ウイルス複製細胞におけるウイルス発現のための構成要素を含んでもよい。
【0638】
ペプチド:本明細書で使用されるとき、用語「ペプチド」は、約50アミノ酸長、例えば、約5、10、15、20、25、30、35、40、45、もしくは50アミノ酸長未満またはそれと等しいアミノ酸鎖を指す。
【0639】
薬学的に許容可能:語句「薬学的に許容可能」は、本明細書では、妥当な医学的判断の範囲内にあり、過度の毒性、刺激作用、アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症なしでヒトおよび動物の組織と接触して使用するために適しており、妥当なリスク対効果比に相応の、化合物、材料、組成物、および/または剤形を指して用いられる。
【0640】
薬学的に許容可能な賦形剤:本明細書で使用されるとき、用語「薬学的に許容可能な賦形剤」は、本明細書で使用されるとき、医薬組成物中に存在し、対象において実質的に非毒性かつ非炎症性である特性を有する、活性剤(例えば、本明細書に記載されるもの)以外の任意の成分を指す。一部の実施形態において、薬学的に許容可能な賦形剤は、活性剤を懸濁および/または溶解させることができるビヒクルである。賦形剤としては、例えば、抗接着剤、抗酸化剤、結合剤、コーティング剤、圧縮補助剤、崩壊剤、色素(着色剤)、エモリエント、乳化剤、充填剤(希釈剤)、フィルム形成剤またはコーティング剤、香味剤、香料、滑剤(流動増強剤)、潤沢剤、保存剤、印刷用インク、吸着剤、懸濁剤または分散剤、甘味剤、および水和の水を挙げることができる。賦形剤としては、限定はされないが、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム(二塩基性)、ステアリン酸カルシウム、クロスカルメロース、架橋ポリビニルピロリドン、クエン酸、クロスポビドン、システイン、エチルセルロース、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ラクトース、ステアリン酸マグネシウム、マルチトール、マンニトール、メチオニン、メチルセルロース、メチルパラベン、微結晶セルロース、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポビドン、α化デンプン、プロピルパラベン、パルミチン酸レチニル、シェラック、二酸化ケイ素、カルボキシメチルセルロースナトリウム、クエン酸ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、ソルビトール、デンプン(トウモロコシ)、ステアリン酸、スクロース、タルク、二酸化チタン、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンC、および/またはキシリトールが挙げられる。
【0641】
薬学的に許容可能な塩:本明細書において記載される化合物の薬学的に許容可能な塩は、酸性または塩基性部分が、その塩形態(例えば、遊離塩基を適当な有機酸と反応させることにより、生成される)で存在する、開示された化合物の形態である。薬学的に許容可能な塩の例としては、限定はされないが、アミン類などの塩基性残基の鉱酸塩または有機酸塩;カルボン酸などの酸性残基のアルカリ塩または有機塩などが挙げられる。代表的な酸付加塩としては、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、カンファー酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプトン酸塩、ヘキサン酸塩、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバリン酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などが挙げられる。代表的なアルカリまたはアルカリ土類金属塩としては、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなど、ならびに非毒性アンモニウム、第四級アンモニウム、およびアミンカチオンが挙げられ、限定はされないが、アンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチルアミンなどが挙げられる。代表的なアルカリまたはアルカリ土類金属塩は、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなど、ならびに無毒性のアンモニウム、四級アンモニウム、およびアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチルアミンなどを含むが、これらに限定されない、アミンカチオンを含む。薬学的に許容可能な塩は、従来の無毒性の塩、例えば、無毒性の無機酸または有機酸由来の従来の無毒性の塩を含む。一部の実施形態では、薬学的に許容可能な塩は、塩基性または酸性部分を含有する親化合物から、従来の化学的方法により調製される。一般に、かかる塩は、遊離酸または塩基形態のこれらの化合物を、化学量論量の適切な塩基または酸と、水中もしくは有機溶媒中、または2つの混合物中で;一般に、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、またはアセトニトリルのような非水溶液が使用される、反応させることにより、調製することができる。適当な塩のリストは、Remington’s Pharmaceutical Sciences、第17編、マック出版社(Mack Publishing Company)、イーストン(Easton)、ペンシルベニア州、1985、p.1418、Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,andUse、ピー エッチ シュタール(P.H.Stahl)およびシー ジー ワームース(C.G.Wermuth)(編)、Wiley−VCH、2008、およびベルジュら(Berge et al.)、Journal of Pharmaceutical Science、66、1−19(1977)において見られ、その各々の内容全体を、本明細書に援用する。
【0642】
医薬組成物:本明細書で使用されるとき、用語「医薬組成物」または「薬学的に許容可能な組成物」は、AAVポリヌクレオチド、AAVゲノム、またはAAV粒子および1つまたは複数の薬学的に許容可能な賦形剤、溶媒、アジュバントなどを含む。
【0643】
ポリペプチド:本明細書で使用されるとき、用語「ポリペプチド」は、鎖における一緒に結合した多数のアミノ酸残基からなる有機ポリマーを指す。モノマータンパク質分子は、ポリペプチドである。
【0644】
予防すること:本明細書で使用されるとき、用語「予防すること」は、感染症、疾患、障害、および/もしくは状態の発症を部分的もしくは完全に遅延させること;特定の感染症、疾患、障害、および/もしくは状態の1つ以上の症状、特徴、もしくは臨床兆候の発症を部分的もしくは完全に遅延させること;特定の感染症、疾患、障害、および/もしくは状態の1つ以上の症状、特徴、もしくは兆候の発症を部分的もしくは完全に遅延させること;感染症、特定の疾患、障害、および/もしくは状態からの進行を部分的もしくは完全に遅延させること;ならびに/または、感染症、疾患、障害、および/もしくは状態と関連する病理を発生する危険性を減少させることを指す。
【0645】
プロモータ:本明細書で使用されるとき、用語「プロモータ」は、ポリメラーゼ酵素が、転写(DNAからRNA)または逆転写(RNAからDNA)を開始するために結合する核酸部位を指す。
【0646】
目的のタンパク質:本明細書で使用されるとき、用語「目的のタンパク質」または「所望のタンパク質」は、本明細書に提供されるもの、およびその断片、突然変異体、バリアント、または変更形態を含む。
【0647】
精製された:本明細書で使用されるとき、用語「精製する」は、実質的に純粋にするか、または1つもしくは複数の不所望の成分、物質汚染、混合もしくは不完全なものを取り除くことを意味する。「精製された」は、純粋である状態を指す。「精製」は、純粋にするプロセスを指す。本明細書で使用されるとき、物質は、1つまたは複数の成分、例えば、天然の環境において見られる1つまたは複数の成分を実質的に含まない(実質的に単離される)なら、それは「純粋」である。
【0648】
領域:本明細書で使用されるとき、用語「領域」は、区域または一般的な範囲を指す。一部の実施形態において、タンパク質またはタンパク質モジュールに言及する場合、領域は、タンパク質もしくはタンパク質モジュールに沿ったアミノ酸の線形配列を含んでもよく、または、三次元の範囲、エピトープ、および/もしくはエピトープのクラスターを含んでもよい。一部の実施形態では、領域は、末端領域を含む。本明細書で使用されるとき、用語「末端領域」は、所定の薬剤の端または末端に位置する領域を指す。タンパク質を指すとき、末端領域は、Nおよび/またはC末端を含んでもよい。N末端は、遊離アミノ基を有するアミノ酸を含むタンパク質の端を指す。C末端は、遊離カルボキシル基を有するアミノ酸を含むタンパク質の端を指す。Nおよび/またはC末端領域は、Nおよび/またはC末端ならびに周囲のアミノ酸を含んでもよい。一部の実施形態では、Nおよび/またはC末端領域は、約3個のアミノ酸〜約30個のアミノ酸、約5個のアミノ酸〜約40個のアミノ酸、約10個のアミノ酸〜約50個のアミノ酸、約20個のアミノ酸〜約100個のアミノ酸および/または少なくとも100個のアミノ酸を含む。一部の実施形態では、N末端領域は、N末端を含むが、C末端を含まない、任意の長さのアミノ酸を含んでもよい。一部の実施形態では、C末端領域は、C末端を含むが、N末端を含まない、任意の長さのアミノ酸を含んでもよい。
【0649】
一部の実施形態では、ポリヌクレオチドを指すとき、領域は、ポリヌクレオチドに沿った核酸の直線配列を含んでもよいか、または三次元範囲、二次構造、または三次構造を含んでもよい。一部の実施形態では、領域は、末端領域を含む。本明細書で使用されるとき、用語「末端領域」は、所定の薬剤の端または末端に見られる領域を指す。ポリヌクレオチドを指すとき、末端領域は、5’および3’末端を含んでもよい。5’末端は、遊離リン酸基を有する核酸を含むポリヌクレオチドの端を指す。3’末端は、遊離ヒドロキシル基を有する核酸を含むポリヌクレオチドの端を指す。そのため、5’および3’領域は、5’および3’末端ならびに周囲の核酸を含んでもよい。一部の実施形態では、5’および3’末端領域は、約9個の核酸〜約90個の核酸、約15個の核酸〜約120個の核酸、約30個の核酸〜約150個の核酸、約60個の核酸〜約300個の核酸および/または少なくとも300個の核酸を含んでもよい。一部の実施形態では、5’領域は、5’末端を含むが、3’末端を含まない、任意の長さの核酸を含んでもよい。一部の実施形態では、3’領域は、3’末端を含むが、5’末端を含まない、任意の長さの核酸を含んでもよい。
【0650】
RNAまたはRNA分子:本明細書で使用されるとき、用語「RNA」または「RNA分子」または「リボ核酸分子」は、リボヌクレオチドのポリマーを指し、用語「DNA」または「DNA分子」または「デオキシリボ核酸分子」は、デオキシリボヌクレオチドのポリマーを指す。DNAおよびRNAは、例えば、それぞれDNAの複製およびDNAの転写によって、天然で合成することができるか、または化学的に合成することができる。DNAおよびRNAは、一本鎖(すなわち、それぞれssRNAもしくはssDNA)または多重鎖(例えば二本鎖、すなわち、それぞれdsRNAおよびdsDNA)であることができる。用語「mRNA」または「メッセンジャーRNA」は、本明細書で使用されるとき、1本以上のポリペプチド鎖のアミノ酸配列をコードする一本鎖RNAを指す。
【0651】
試料:本明細書で使用されるとき、用語「試料」は、供給源から採取された、および/または分析もしくはプロセシングのために提供される、アリコート、サブセット、または一部分を指す。一部の実施形態において、試料は、組織、細胞、または成分部分(例えば、限定はされないが、血液、粘液、リンパ液、滑液、脳脊髄液、唾液、羊水、羊水臍帯血、尿、膣液、および精液を含む、体液)などの生物学的供給源に由来する。一部の実施形態において、試料は、全生物、あるいは、限定はされないが、例えば、血漿、血清、脊髄液、リンパ液;皮膚、呼吸器、腸、および尿生殖管の外切片;涙液、唾液、乳、血液細胞、腫瘍、または臓器を含む、その組織、細胞、もしくは成分部分のサブセット、またはその画分もしくは一部分から調製された、ホモジネート、ライセート、または抽出物であるか、またはそれを含んでもよい。一部の実施形態において、試料は、タンパク質または核酸分子などの細胞成分を含有してもよい栄養培地またはゲルなどの培地であるか、またはそれを含む。一部の実施形態において、「一次」試料は供給源のアリコートである。一部の実施形態において、一次試料は、分析または他の使用のための試料を調製するために、1つ以上のプロセシング(例えば、分離、精製など)の工程に供される。
【0652】
血清型:本明細書で使用されるとき、用語「血清型」は、亜種レベルでのAAVの疫学分類を可能にする表面抗原に基づく、AAVのカプシドにおける別個のバリエーションを指す。
【0653】
シグナル配列:本明細書で使用されるとき、語句「シグナル配列」は、輸送または局在化を誘導することができる配列を指す。
単一単位用量:本明細書で使用されるとき、「単一単位用量」は、1用量/1回/単一経路/単一接触点で、すなわち単一の投与イベントで投与される、任意の療法剤の用量である。一部の実施形態において、単一単位用量は、別個の剤形(例えば、錠剤、カプセル、パッチ、充填済みシリンジ、バイアルなど)として提供される。
【0654】
類似性:本明細書で使用されるとき、用語「類似性」は、ポリマー分子間、例えば、ポリヌクレオチド分子(例えば、DNA分子および/もしくはRNA分子)間ならびに/またはポリペプチド分子間の全般的な関連性を指す。ポリマー分子の互いに対する類似性パーセントの計算は、同一性パーセントの計算と同じ方式で行うことができるが、ただし、類似性パーセントの計算は、当該技術分野において理解される保存的置換を考慮に入れることを除く。
【0655】
安定:本明細書で使用されるとき、「安定」は、反応混合物から有用な程度の純度への単離に耐えるために十分に頑強であり、好ましくは有効な療法剤へと製剤化することができる、化合物または実体を指す。
【0656】
安定化された:本明細書で使用されるとき、用語「安定化する」、「安定化された」、「安定化された領域」は、安定にするまたは安定になることを意味する。一部の実施形態において、安定性は絶対値と比べて測定される。一部の実施形態において、安定性は参照の化合物または実体と比べて測定される。
【0657】
対象:本明細書で使用されるとき、用語「対象」または「患者」は、例えば、実験的、診断的、予防的、および/または治療的な目的で本開示に係る組成物を投与してもよい、任意の生物を指す。同様に、「対象」または「患者」は、治療を求めていてもよい生物、必要としていてもよい生物、治療を受けている生物、もしくは治療を受けるであろう生物、または、特定の疾患もしくは状態について訓練された専門家によるケアを受けている生物を指す。典型的な対象は、動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、非ヒト霊長類、およびヒトなどの哺乳類)を含む。特定の実施形態では、対象または患者は、フリードライヒ運動失調を有することが疑われるか、または疑いがあってもよい。特定の実施形態では、対象または患者は、フリードライヒ運動失調と診断されていてもよい。
【0658】
実質的に:本明細書で使用されるとき、用語「実質的に」は、目的の特徴または特性の完全またはほぼ完全な程度または度合を呈する定性的状態を指す。生物学分野の当業者には、生物学的および化学的な現象が完全となるおよび/もしくは完全性へと進行する、または絶対的な結果を達成するもしくは回避することは、あったとしても稀であることを理解されるであろう。したがって、用語「実質的に」は、本明細書において、多くの生物学的および化学的な現象において固有の完全性の潜在的な欠如を捉えるために使用される。
【0659】
実質的に同等:本明細書で使用されるとき、用量間の時間的相違に関しての場合、この用語は、プラス/マイナス2%を意味する。
実質的に同時に:本明細書で使用されるとき、複数の用量に関しての場合、この用語は、典型的に、約2秒以内を意味する。
【0660】
罹患している:疾患、障害、および/または状態を「罹患している」個体は、疾患、障害、および/または状態を診断されている、またはその1つ以上の症状を呈する。
罹り易い:疾患、障害、および/または状態に「罹り易い」個体は、疾患、障害、および/または状態を診断されていない、および/またはその症状を呈さなくてもよいが、疾患またはその症状を発症する傾向を有する。一部の実施形態において、疾患、障害、および/または状態(例えば、がん)に罹り易い個体は、以下のうちの1つ以上によって特徴付けられてもよい:(1)疾患、障害、および/または状態の発症と関連する遺伝子突然変異;(2)疾患、障害、および/または状態の発症と関連する遺伝的多型;(3)疾患、障害、および/または状態と関連するタンパク質および/または核酸の発現および/または活性の増加および/または減少;(4)疾患、障害、および/または状態の発症と関連する習慣および/または生活様式;(5)疾患、障害、および/または状態の家族歴;ならびに(6)疾患、障害、および/または状態の発症と関連する微生物への曝露および/または感染。一部の実施形態において、疾患、障害、および/または状態に罹り易い個体は、疾患、障害、および/または状態を発症するであろう。一部の実施形態において、疾患、障害、および/または状態に罹り易い個体は、疾患、障害、および/または状態を発症しないであろう。
【0661】
合成:用語「合成」は、人間の手によって生成、調製、および/または製造されることを意味する。本開示のポリヌクレオチドもしくはポリペプチドまたは他の分子の合成は、化学的または酵素的であってもよい。
【0662】
ターゲティング:本明細書で使用されるとき、「ターゲティング」は、標的核酸にハイブリダイズして所望の効果を誘導するであろう核酸配列の設計および選択のプロセスを意味する。
【0663】
ターゲティングされる細胞:本明細書で使用されるとき、「標的細胞」または「ターゲティングされる細胞」は、任意の1つ以上の目的の細胞を指す。細胞は、インビトロ、インビボ、インサイチュ、または生物の組織もしくは臓器において見出されてもよい。生物は、動物、哺乳動物、ヒト、および/または患者であってもよい。標的細胞は、CNS細胞またはCNS組織における細胞であってもよい。
【0664】
療法剤:用語「療法剤」は、対象に投与された際に、治療的、診断的、および/もしくは予防的な効果を有する、ならびに/または所望の生物学的および/もしくは薬理学的効果を誘発する、任意の薬剤を指す。
【0665】
治療有効量:本明細書で使用されるとき、用語「治療有効量」は、感染症、疾患、障害、および/または状態に罹患しているまたは罹り易い対象に投与された際に、感染症、疾患、障害、および/または状態を治療する、その症状を改善する、それを診断する、予防する、および/またはその発症を遅延させるために十分である、送達しようとする薬剤(例えば、核酸、薬物、療法剤、診断剤、予防剤など)の量を意味する。一部の実施形態において、治療有効量は単一用量で提供される。一部の実施形態において、治療有効量は、複数の用量を含む投薬レジメンで投与される。当業者には、一部の実施形態において、単位剤形は、かかる投薬レジメンの一部として投与された場合に有効である量を含む場合に、治療有効量の特定の薬剤または実体を含むとみなされてよいことが理解されよう。
【0666】
治療上有効な結果:本明細書で使用されるとき、用語「治療上有効な結果」は、感染症、疾患、障害、および/または状態に罹患しているまたは罹り易い対象において、感染症、疾患、障害、および/または状態を治療する、その症状を改善する、それを診断する、予防する、および/またはその発症を遅延させるために十分である結果を意味する。
【0667】
胸部領域:本明細書で使用されるとき、「胸部領域」は、胸椎T1、T2、T3、T4、T5、T6、T7、T8、T9、T10、T11、およびT12を含む脊髄の領域を指す。
【0668】
治療すること:本明細書で使用されるとき、用語「治療すること」は、特定の感染症、疾患、障害、および/または状態の1つまたは複数の症状または特徴を、部分的または完全に軽減させる、改善する(ameliorating)、改善する(improving)緩和させる、逆転させる、その発症を遅延させる、その進行を阻害する、その重症度を低減させる、および/またはその発生を低減させることを指す。治療は、疾患、障害、および/もしくは状態の兆候を呈さない対象、ならびに/または疾患、障害、および/もしくは状態の初期兆候のみを呈する対象に、疾患、障害、および/または状態と関連する病理を発症する危険性を減少させる目的で投与されてもよい。
【0669】
未修飾(Unmodified):本明細書で使用されるとき、「未修飾」は、任意の様式で変化される前の任意の物質、化合物、または分子を指す。未修飾は、生体分子または実体の野生型または天然の形態を指してもよいが、必ずしもそうとは限らない。分子または実体は一連の修飾を受けてもよく、その場合、各々の修飾された製品は、後続の修飾の「未修飾」の出発分子または実体として役割を果たしてもよい。
【0670】
ベクター:本明細書で使用されるとき、「ベクター」は、異種分子を輸送する、形質導入する、またはその他担体として働く、任意の分子または部分である。本開示のベクターは組換えにより産生されてもよく、アデノ随伴ウイルス(AAV)親または参照配列に基づいてもよい、および/またはそれを含んでもよい。かかる親または参照AAV配列は、ベクターを操作するための元の、第2の、第3の、または後続の配列として働いてもよい。非限定的な例では、かかる親または参照AAV配列は、次の配列:ポリペプチドまたは複数のポリペプチドをコードし、野生型であり得るか、または野生型から改変され得る、その配列が、全長または部分配列のタンパク質、タンパク質ドメイン、または1つもしくは複数のサブユニットのFXNおよびそのバリアントをコードし得る配列を有するポリヌクレオチド配列;FXNおよびそのバリアントをコードし、野生型であるか、または野生型から改変されてもよい配列を有するポリヌクレオチド;ならびにFXNおよび野生型配列から改変され得るか、またはできないそのバリアントをコードする導入遺伝子のいずれか1つまたは複数を含んでもよい。
【0671】
ウイルスコンストラクトベクター:本明細書で使用されるとき、「ウイルスコンストラクトベクター」は、Repおよび またはCapタンパク質をコードするまたは含む1つまたは複数のポリヌクレオチド領域を含むベクターである。ウイルスコンストラクトベクターはまた、ウイルス複製細胞におけるウイルス発現のための成分をコードするまたは含む1つまたは複数のポリヌクレオチド領域を含んでもよい。
【0672】
ウイルスゲノム:本明細書で使用されるとき、「ウイルスゲノム」または「ベクターゲノム」は、少なくとも1つの末端逆位配列(ITR)および少なくとも1つのコードされたペイロードを含むポリヌクレオチドである。ウイルスゲノムは、少なくとも1つのコピーのペイロードをコードする。
【0673】
野生型:本明細書で使用されるとき、「野生型」は、生体分子、配列、または実体の天然形態である。
AAV粒子の設計、調製、製造および/または製剤のための組成物、方法、プロセス、キットおよび装置が、本明細書において記載される。
【0674】
本開示の1つまたは複数の実施形態の詳細は、以下の付随する説明において記載される。本明細書において記載されるものと類似または均等な任意の物質および方法を、本開示の実施または試験において使用することができるが、物質および方法が、ここで記載される。
【0675】
本開示は、以下の非限定的な実施例により更に説明される。
【実施例】
【0676】
実施例1.プロモータバリアントの設計
A.プロモータ
従前の研究は、CMVプロモータが、最も高いレベルのフラタキシン発現をもたらし、CBAが、発現をもたらすことに関しより低い有効性を示すことを示した。PGKおよびFXNプロモータは、タンパク質発現をもたらすのにずっと弱いプロモータであることが示されている。どのプロモータがペイロードの最も高い発現(例えば、フラタキシンまたはルシフェラーゼ)をもたらすかを決定するために、CMV、CBAおよびFXNプロモータのバリアントを生成した。プロモータを、標準的な分子クローニング技術を使用して構築したルシフェラーゼ発現ベクターに挿入した。
【0677】
設計したプロモータを、上の表3に記載する。表3において、「サイトメガロウイルス」についてのCMV鎖、CMV IEエンハンサー領域およびプロモータ領域を有し得る「ニワトリβ−アクチン」についてのCBA鎖、CMVエンハンサー、CBAプロモータ、およびウサギベータ−グロビンスプライス受容部位についてのCAG鎖、「フラタキシン」についてのFXN鎖、ならびにCBAプロモータのバリアントについてのmCBA鎖を、PCRを使用して生成した。
【0678】
操作されたプロモータバリアントの各々を、ゲル電気泳動により解析し、切断し(Sac1およびHindIII)、検証し、配列決定した。
B.プロモータのインビトロ評価
7種のフラタキシンプロモータバリアント、15種のCBAプロモータバリアントおよび8種のCMVプロモータバリアントを、発現活性についてインビトロで評価した。HEK293細胞を、96ウェルプレートに播種し(3.0×10
4個の細胞/ウェル、FuGENE(登録商標)HDトランスフェクション試薬1ウェル当たり0.3ulを含む)、表3のプロモータおよびルシフェラーゼペイロード(ホタル(約75ng)またはウミシイタケ(25ng)のいずれか)を含むプラスミドを、二連または三連のいずれかでトランスフェクトした(5回のトランスフェクション)。トランスフェクションの48時間後、ルシフェラーゼの活性および発現を、DUAL−GLO(登録商標)ルシフェラーゼアッセイシステムを使用して決定した。簡単に述べると、等しい体積のDual−Glo(登録商標)ルシフェラーゼ試薬を、成長培地中の細胞に直接加え、10分間インキュベーションし、次に、ホタルルシフェラーゼ発現について測定した。次に、同体積の試薬を加えて、ホタル発光をクエンチし、ウミシイタケルシフェラーゼ活性を10分後に測定した。pGL3−basicのプロモータのないベクターの対照を、対照として使用した。
【0679】
ホタルおよびウミシイタケルシフェラーゼ発現により決定したプロモータバリアントの活性を、表18〜20に示し、相対的光単位(RLU)で定量する。表18は、開始のFXN、CBAおよびCMVプロモータバリアントについてのデータを示し、一方、表19は、第二世代のPCRにより生成したCBAプロモータバリアントについてのデータを示す。表20は、全てのプロモータバリアントが一緒に実行したデータを示す。
【0680】
【表18】
【0681】
【表19】
【0682】
【表20】
【0683】
プロモータの活性は、対照と比較して、0.4〜125倍の増加の範囲にあった。これは、最も低い発現を有するプロモータと最も高い発現をもたらすプロモータの間の活性における321倍の差である。CMV(配列番号1743)プロモータが、最大の活性をもたらし、CBA(配列番号1734)、mCBA(配列番号1760)、CMV−D2(配列番号1745)、CBA−D1(配列番号1735)、CBA−D2(配列番号1736)、CMV−D6(配列番号1749)、mCBA−D1(配列番号1761)、およびCMV−D4(配列番号1747)プロモータ各々が、ルシフェラーゼの発現の誘導において減少する有効性を示した。プロモータバリアントの全体的な活性ランキングは、以下の通りであり、最も高い発現を有するプロモータから、最小の活性を有するプロモータの順で列挙する:CMV(配列番号1743)、mCBA(配列番号1760)、CBA(配列番号1734)、CMV−D2(配列番号1745)、CMV−D1(配列番号1744)、CBA−D1(配列番号1735)、CBA−D2(配列番号1736)、CMV−D6(配列番号1749)、mCBA−D1(配列番号1761)、CMV−D4(配列番号1747)、CMV−D5(配列番号1748)、CMV−D3(配列番号1746)、mCBA−D3(配列番号1763)、mCBA−D2(配列番号1762)、CBA−D5(配列番号1739)、CBA−D6(配列番号1740)、mCBA−D6(配列番号1766)、CBA−D3(配列番号1737)、mCBA−D5(配列番号1765)、mCBA−D4(配列番号1764)、CBA−D4(配列番号1738)、CBA−D7(配列番号1741)、CMV−D7(配列番号1750)、CMV−D8(配列番号1751)、CBA−D8(配列番号1742)、pGL3−FXNpro1336(配列番号1759)、pGL3−FXNpro1060(配列番号1756)、pGL3−FXNpro1226(配列番号1757)、pGL3−FXNpro534(配列番号1754)、pGL3−FXNpro363(配列番号1753)、pGL3−FXNpro223(配列番号1752)およびpGL3−basic。
【0684】
これらの知見に基づき、12種のプロモータバリアントを、更なる研究のため選択した。これらは、CMV(配列番号1743)、CBA(配列番号1734)、CMV−D1(配列番号1744)、mCBA−D1(配列番号1761)、CMV−D3(配列番号1746)、mCBA−D2(配列番号1762)、CBA−D6(配列番号1740)、CBA−D4(配列番号1738)、CMV−D7(配列番号1750)、CBA−D8(配列番号1742)、pGL3−FXNpro1060(配列番号1756)、およびpGL3−FXNpro534(配列番号1754)を含む。低、中、および高発現を示したプロモータを選択した。
【0685】
実施例2.フラタキシンをコードするペイロードコンストラクトの設計
フラタキシンタンパク質をコードする核酸配列を最小で含むペイロードコンストラクトを設計した。ペイロードコンストラクトを、標準的な分子クローニング技術を使用して構築した。FXN−タグ導入遺伝子を、AAV発現ベクターにクローニングし、得られたクローンを更に配列決定して、ITR、プロモータ、およびタグのような全てのエレメントが正確であるかを確認した。
【0686】
カニクイザルフラタキシン(cFXN)ペイロードコンストラクトを構築するために、血球凝集素(HA)タグ付cFXN導入遺伝子を、AAV2ゲノム由来の5’および3’ITR配列(141個のヌクレオチド)、CBA、CMVまたはFXNプロモータ、hβグロビンイントロン領域、hGHポリ(A)シグナルおよび肝臓脱ターゲティングのための3つのmiR−122結合部位(miR−122 BS)を含有するプラスミドにクローニングした。CBA、CMVまたはFXNプロモータの欠損バリアントを評価した。450bpのヒトアルブミン配列(Alb450)を、3種のコンストラクトにおけるフィラー配列として試験した(表4;ITR〜ITR配列を参照)。
【0687】
異なる配置を有するヒトフラタキシン(hFXN)ペイロードコンストラクトを構築するために、AAV2ゲノム由来の5’および3’ITR配列(141個のヌクレオチド)、CBAプロモータ、hβグロビンイントロン領域、hFXN遺伝子、およびhGHポリ(A)シグナルを含む開始コンストラクトを利用した。開始コンストラクト由来のその後のペイロードコンストラクトは、次の4種のプロモータ欠損バリアント:CBA−D8、CMV、CMV−D7、およびFXNpro1060のうちの1つを含有していた。完全なゲノムサイズを有するために、フィラー(Alb1384、Alb1856、Alb450、Alb2266、Alb2335、Alb1785、Alb2264、またはAlb1313)として働くヒトアルブミンを選択し、その後のペイロードコンストラクトに加えた。肝臓脱ターゲティングのためのmiR−122結合部位(miR−122 BS)を有するか、または有さない、フィラー配列を含有するヒトフラタキシンコンストラクトを構築した(表4を参照)。
【0688】
ペイロードコンストラクトを含有するプラスミドを、表4に記載する。これらのペイロードコンストラクトは、ベクター骨格、AAV2ゲノム由来の5’および3’ITR配列(141個のヌクレオチド)、ヒトβ−グロビン(hβグロビン)イントロン領域、ヒト成長ホルモン(hGH)ポリ(A)シグナルを含み、次の成分:CBA、mCBA、CMV、またはFXNプロモータもしくはその欠損バリアント;カニクイザルフラタキシン(cFXN)またはヒトフラタキシン(hFXN)遺伝子;血球凝集素(HA)タグ;3つのmiR−122結合部位(BS);およびヒトアルブミン遺伝子由来の様々な長さのフィラー配列も含んでもよい。hβグロビンイントロン領域は、前初期タンパク質1(ie1)エキソン1、部分ie1イントロン、hβグロビンイントロン2およびhβグロビンエキソン3を含む。ITR配列間の成分を、表4において5’から3’で提示する。
【0689】
コンストラクトITR〜ITR配列を、配列決定により確認し、配列番号1778〜1804として与えた。
実施例3.cFXNコンストラクトおよびその成分の検証
A.プロモータバリアントおよびhβグロビンイントロンの同定
CMV、CBA、およびFXNプロモータバリアントがもたらした操作されたcFXNコンストラクトにおけるプロモータおよびhβグロビンイントロン領域を検証するために、コンストラクトを、高忠実度の制限酵素MluI−HFおよびAgeI−HFで切断した。二重切断により、プロモータおよびhβグロビンイントロン領域からなる切断産物が生じる。切断した試料を、アガロースゲル電気泳動により解析した。試験したバリアントは、cFXN1−cFXN18(配列番号1778〜1795)を含んでいた。ゲルにより、プロモータバリアントのサイズに対応するパターンを有するバンドが明らかになった。
【0690】
B.miR−122およびhGHポリ(A)の同定
CMV、CBA、およびFXNプロモータバリアントがもたらした操作されたcFXNコンストラクトにおけるmiR−122およびhGHポリ(A)領域を検証するために、コンストラクトを、制限酵素XhoIおよびClaIで切断した。二重切断により、miR−122結合部位、hGHポリ(A)配列およびある場合には、フィラー配列からなる切断産物が生じる。切断した試料を、アガロースゲル電気泳動により解析した。試験したバリアントは、cFXN1−cFXN18(配列番号1778〜1795)を含んでいた。miR−122およびhGHポリ(A)領域に対応するバンドを、大部分のコンストラクトにおいて検出した。miR−122配列を欠くバリアントは、miR−122配列を有するコンストラクトと比較して、より小さいバンドを示した。フィラー配列を有するバリアントは、より大きいバンドを示し、これにより、フィラーの存在を確認した。
【0691】
C.ITRの同定
CMV、CBA、およびFXNプロモータバリアントがもたらした操作されたcFXNコンストラクトにおける末端逆位配列(ITR)を検証するために、コンストラクトを、制限酵素XmaIまたはMscIで個別に切断した。XmaIとMscIの両方が、ITR内およびコンストラクトにおける1つの追加部位で切断する。切断した試料を、アガロースゲル電気泳動により解析した。試験したバリアントは、cFXN1−cFXN18(配列番号1778〜1795)を含んでいた。両方のゲルにより、全てのコンストラクトにおける3つの切断産物が明らかになり、これにより、ITRの存在を確認した。
【0692】
実施例4.哺乳類細胞におけるcFXNコンストラクトの産生
cFXNコンストラクト(配列番号1778〜1795)を使用して、HEK−293TまたはHuh7細胞にトランスフェクトした。トランスフェクションを、1ウェル当たりおよそ1.5×10
5個の細胞を有する12ウェルプレートにおいて行った。細胞を、cFXNコンストラクト1.0μg、EGFP遺伝子を含有する対照プラスミド1.0μg、およびFUGENE(登録商標)HDトランスフェクション試薬(プロメガ株式会社(Promega)、マディソン(Madison)、ウィスコンシン州)4.0μlとインキュベーションした。トランスフェクションの72時間後、細胞を、EGFP発現について蛍光顕微鏡により解析した。EGFPプラスミド単独をトランスフェクトした細胞は、蛍光を示し、陽性対照として働き、一方、トランスフェクトしていない細胞は、陰性対照として働き、蛍光を示さなかった。様々なコンストラクトは、類似のレベルのEGFP発現を示し、これにより、効果的なトランスフェクションを示した。次に、細胞を、その後の解析のためRNAおよびタンパク質抽出に供した。
【0693】
実施例5.hβグロビンイントロンスプライシングの検出
フォワードプライマーおよびリバースプライマーを使用して、hβグロビンイントロンおよびcFXNコンストラクト由来のcFXN−HA導入遺伝子配列をカバーする断片を増幅した。PCR反応を行い、産物を、アガロースゲル電気泳動により解析した。全てのコンストラクトは、hβグロビンイントロンを保持する断片に対応する同一のバンドを示した。
【0694】
cDNAを、トランスフェクトしたHEK−293TまたはHuh7細胞から抽出したRNAからの逆転写により合成した。cDNA鋳型を用いたPCR反応を繰り返し、産物を、アガロースゲル電気泳動により解析した。cDNA反応により、コンストラクトから直接増幅した断片と比較して、より小さい断片が生じた。サイズ差は、ie1イントロンおよびhβグロビンイントロン2の長さと合致した。結果は、トランスフェクション後のhβグロビンイントロンの良好なスプライシングを示した。
【0695】
実施例6.HEK−293TおよびHuh7細胞におけるcFXNタンパク質の発現
A.HEK−293T細胞
異なるcFXNコンストラクトの導入後のHEK293T細胞におけるcFXN(配列番号1778〜1795)の発現を、ウェスタンブロットによって検出した。総タンパク質を、cFXN1−cFXN18を含む異なるcFXNコンストラクト(配列番号1778〜1795)をトランスフェクトしたHEK−293T細胞から抽出した。総タンパク質10μgを、各試料に添加した。GAPDHは、内部対照として働いた。ウェスタンブロットにより、3つの異なる種のcFXNタンパク質、すなわち、前駆体タンパク質(約25KDa)、中間体タンパク質(約20KDa)、および成熟タンパク質(約15KDa)が明らかになった。cFXNタンパク質は、EGFPのみをトランスフェクトした細胞において検出されなかった。ほぼ全てのコンストラクトは、cFXN17(配列番号1794)およびcFXN18(配列番号1795)を除く、cFXNタンパク質のロバストな発現を示した。cFXN11(配列番号1788)、cFXN12(配列番号1789)、cFXN13(配列番号1790)、cFXN14(配列番号1791)は、最も高い発現を有していた。
【0696】
発現したcFXNタンパク質の量を、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)によって定量した。総タンパク質20ngを、1つの群当たり使用した。cFXNコンストラクトは、cFXNを異なるレベルで発現し、cFXN発現のレベルは、CBA/CMV/FXNプロモータバリアントのプロモータ活性と高度に一致した。表21は、HEK−293T細胞において異なるcFXNコンストラクトが発現したcFXNタンパク質濃度を列挙する。
【0697】
【表21】
【0698】
B.Huh7細胞
異なるcFXNコンストラクトの導入後のHuh7細胞におけるcFXNの発現を、ウェスタンブロットによって検出した。総タンパク質を、cFXN1−cFXN18を含む異なるcFXNコンストラクト(配列番号1778〜1795)をトランスフェクトしたHuh7細胞から抽出した。総タンパク質10μgを、各試料に添加した。GAPDHは、内部対照として働いた。ウェスタンブロットにより、3つの異なる種のcFXNタンパク質、すなわち、前駆体タンパク質(25KDa)、中間体タンパク質(20kDa)、および成熟タンパク質(15kDa)が明らかになった。cFXNタンパク質は、EGFPのみをトランスフェクトした細胞において検出されなかった。小さいバンドは、miR−122結合部位を含有するコンストラクトをトランスフェクトした細胞において見られ、これは、miR−122が、肝細胞におけるcFXNタンパク質発現を有効に低減したことを示している。
【0699】
発現したcFXNタンパク質の量を、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)によって定量した。総タンパク質20ngを、コンストラクト毎に使用した。cFXNコンストラクトは、cFXNを異なるレベルで発現し、cFXN発現のレベルは、CBA/CMV/FXNプロモータバリアントのプロモータ活性と高度に一致した。miR−122結合部位を含有するコンストラクトをトランスフェクトした細胞は、非miR−122コンストラクトをトランスフェクトした細胞と比較して、より低いレベルのcFXNタンパク質を有意に示した。表22は、Huh7細胞における異なるcFXNコンストラクトが発現したcFXNタンパク質濃度を列挙する。
【0700】
【表22】
【0701】
実施例7.hFXN1コンストラクトのインビトロ試験
hFXN1(配列番号1796)を、プラスミドをHEK−293T細胞にパッケージングするAAV PHP.Bをコトランスフェクトした。トランスフェクトした細胞の4つのディッシュを使用して、AAV粒子を精製した。AAV粒子を、ヨードキサノール勾配超遠心分離により精製した。精製した試料は、1E12vg/mlAAV粒子を含有していた。試料を、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)ゲル泳動させ、続いて、導入遺伝子バンドを視覚化し、不純物についてチェックするための銀染色を行った。ゲルにより、同時精製したhFXNタンパク質が明らかになり、これにより、導入遺伝子のAAVへの良好なパッケージングを確認した。
【0702】
感染(MOI)の3つの異なるAAV多様性を利用して、HEK−293T細胞、すなわち、5×10
5、1×10
5、および2×10
4個のHEK−293T細胞にトランスフェクトした。トランスフェクション後、タンパク質を細胞から抽出し、発現を、ウェスタンブロットを行うことにより検出した。hFXNの発現は、MOIのトランスフェクションと正比例した。ロバストなhFXN発現は、5×10
5の最大MOIで感染させた細胞で見られた。hFXNタンパク質は、2×10
4のMOIでトランスフェクトしたHEK−293T細胞では検出されず、一方、1×10
5のMOIでトランスフェクトしたHEK−293T細胞では検出された。
【0703】
AAVウイルスゲノムのサイズを、変性アガロースゲル電気泳動を使用して解析した。予測ゲノムサイズ(2881bp)に対応する一本のバンドを検出した。
実施例8.ヒトhFXNコンストラクトの生成
A.hFXN1をコードするコンストラクトの代替プロモータ設計
hFXN1(配列番号1796)コンストラクトを、開始鋳型として利用して、プロモータを交換することにより、4種の中間体プラスミドを生成した。生成した4種の中間体プラスミドは、各々、次のプロモータ:FXNpro1060(配列番号1756)、CMV(配列番号1743)、CMV−D7(配列番号1750)、およびCBA−D8(配列番号1742)のうちの1つを含有していた。中間体プラスミドを、4種のプロモータ配列をhFXN1鋳型に、MluIおよびHind3制限酵素部位を使用してサブクローニングすることにより、生成した。ライゲーション産物を細菌細胞に形質転換し、プラスミドを、標準的な操作プロトコールを使用して精製した。精製したプラスミドを、MluI/Hind3またはMluI/AgeIでの制限酵素切断、続いて、アガロースゲル電気泳動により検証した。
【0704】
B.ヒトアルブミン(Alb)フィラー配列の挿入
完全なゲノムサイズを確認するために、フィラーとして機能するヒトアルブミンDNAを選択した。ヒトアルブミンのゲノムDNAを、HEK−297TおよびHeLa細胞から単離した。PCR反応を行い、8種の異なるサイズのアルブミンDNA、すなわち、1313bp(配列番号1831)、1384bp(配列番号1832)、1785bp(配列番号1833)、1856bp(配列番号1835)、2264bp(配列番号1840)、2266bp(配列番号1841)、および2335bp(配列番号1842)を増幅した。4種の中間体プラスミドを、miR−122結合部位と3’ITRの間で切断物を作る、いずれか1つの制限酵素AvrII、またはmiR−122結合部位を含有する断片を削除する、2つの制限酵素AvrIIおよびBspEIで切断した。8種のアルブミンPCR産物を、Gibsonアセンブリを介してmiR−122結合部位を有するか、または有さない酵素で切断したプラスミドとライゲーションした。ライゲーション産物を、細菌細胞に形質転換し、プラスミドを、標準的な操作プロトコールを使用して精製した。精製したプラスミドを、XbaI/KpnIでの制限酵素切断、続いて、アガロースゲル電気泳動により検証した。
【0705】
ゲノムサイズ4.6kbを有する最終の8種のコンストラクトを、末端逆位配列(ITR)からITRに配列決定して、配列完全性を確認した。
実施例9.HEK−293T細胞におけるhFXNタンパク質の発現
hFXNコンストラクトを、HEK−293T細胞にトランスフェクトし、hFXNタンパク質発現を、ウェスタンブロットおよびELISAによって評価した。トランスフェクションを、以前に記載の通り行った。GFPプラスミドを、内部対照として使用した。総タンパク質10μgを、試料毎に添加した。ウェスタンブロットにより、3種の形態のhFXNタンパク質:前駆体、中間体および成熟hFXNを検出した。コンストラクトhFXN4およびhFXN5(配列番号1799および1800)は、最も強いhFXN発現を有し、一方、hFXN2、hFXN3、hFXN6、およびhFXN7(配列番号1797、1798、1801、および1802)は、制限された発現を示し、hFXN8−hFXN9(配列番号1803〜1804)は、弱い発現から検出不可能な発現を有していた。
【0706】
hFXNタンパク質およびGFP発現の量を、ELISAにより定量した。hFXNコンストラクトのうち、hFXN4(配列番号1799)およびhFXN5(配列番号1800)は、最大のhFXNタンパク質濃度を示し、これは、他の物より20倍より高い相対的なhFXN発現を伴った。表23は、HEK−293T細胞におけるhFXNタンパク質濃度およびGFP発現を列挙する。相対的なhFXN発現を、hFXN/GFP比として計算し、これは、内在性hFXN対照に対する倍数変化を示している。
【0707】
【表23】
【0708】
実施例10.インビボプロモータ選択研究
プロモータを含むITRからITR配列を、AAV6カプシドにパッケージングし、用量1×10
10VGでのスプラーグドーリーラットへの線条体内注射により送達した。組織試料を、3週または10週目に収集し、フラタキシンタンパク質レベルを定量した。コンストラクトcFXN2(配列番号1779)、cFXN3(配列番号1780)、cFXN4(配列番号1781)、cFXN13(配列番号1790)、cFXN14(配列番号1791)、cFXN17(配列番号1794)、cFXN18(配列番号1795)、hFXN2(配列番号1797)、hFXN4(配列番号1799)、hFXN5(配列番号1800)、およびhFXN6(配列番号1801)を、これらの研究のため使用した。
【0709】
フラタキシン発現の定量に基づき、cFXN2より3倍(hFXN4;配列番号1799)、5倍(hFXN8;配列番号1803)、8倍(hFXN2;配列番号1797)および25倍(hFXN6;配列番号1801)弱い発現を示すコンストラクトを、更なる研究のため選択した。野生型CBAおよびCMVプロモータ含有コンストラクト(例えば、cFXN1;配列番号1778)を、対照として使用した。ウイルスゲノムを、カプシドVOY201(配列番号1724)にパッケージングし、用量6.3×10
12または2×10
13VG/kgのいずれかでのスプラーグドーリーラットへの静脈内送達により投与した。28または90日後、組織試料を収集し、フラタキシン発現(ng/mg)の定量のため処理した。
【0710】
プロモータCMV−D7(配列番号1750)およびCBA−D8(配列番号1742)は、他のコンストラクトと比較して、中程度の標的フラタキシン発現を示し、故に、更なる研究のため選択した。
【0711】
CMV−D7(配列番号1750)およびCBA−D8(配列番号1742)プロモータがもたらすフラタキシン発現の耐久性および持続性を試験するために、時間経過研究を行った。CMV−D7(配列番号1750)、CBA−D8(配列番号1742)、CBA(配列番号1734)またはCMV(配列番号1743)プロモータをフラタキシンペイロード配列と共に含むウイルスゲノムをVOY101(配列番号1)カプシドにパッケージングして、AAV粒子を生成した。これらのAAV粒子を、2回用量の1回(6.3×10
12または2×10
13)でのオスのスプラーグドーリーラットへの尾静脈を介した静脈内送達により投与した。投与の28、90、または180日後に、組織試料を収集し(心臓、肝臓、小脳、胸部および腰部DRG)、抗フラタキシンSimpleStep ELISAに基づく二倍体細胞毎のベクターゲノムおよびフラタキシン発現レベルの定量のため処理した。データを、以下で、表24および25、
図1A、
図1B、
図1Cおよび
図1Dにおいて示す。
【0712】
【表24】
【0713】
【表25】
【0714】
心室から収集した組織において、CMV−D7(配列番号1750)プロモータを使用してフラタキシン発現をもたらすことにより、フラタキシン発現を0.2〜2.5倍増強し、一方、CBA−D8(配列番号1742)プロモータを使用してフラタキシン発現をもたらすことにより、フラタキシン発現を0.3〜7.8倍増強した。比較として、CBA(配列番号1734)プロモータは、通常のフラタキシン発現と比較して、フラタキシン発現を41.2〜70倍増強し、CMV(配列番号1743)プロモータは、フラタキシン発現を297倍増強した。
【0715】
小脳から収集した組織において、CMV−D7(配列番号1750)プロモータを使用してフラタキシン発現をもたらすことにより、フラタキシン発現を0.01〜0.31倍増強し、一方、CBA−D8(配列番号1742)プロモータを使用してフラタキシン発現をもたらすことにより、フラタキシン発現を0.01〜0.28倍増強した。比較として、CBA(配列番号1734)プロモータは、通常のフラタキシン発現と比較して、フラタキシン発現を0.0〜0.9倍増強し、CMV(配列番号1743)プロモータは、フラタキシン発現を0.21倍増強した。
【0716】
腰部DRGから収集した組織において、CMV−D7(配列番号1750)プロモータを使用してフラタキシン発現をもたらすことにより、フラタキシン発現を1.6〜6.2倍増強し、一方、CBA−D8(配列番号1742)プロモータを使用してフラタキシン発現をもたらすことにより、フラタキシン発現を1.1〜5.2倍増強した。比較として、CBA(配列番号1734)プロモータは、通常のフラタキシン発現と比較して、フラタキシン発現を0.0〜5.4倍増強し、CMV(配列番号1743)プロモータは、フラタキシン発現を0.5倍増強した。
【0717】
免疫組織化学解析を、AAV粒子投与の28日後に収集した30μmの試料で行った。抗hFXN抗体(1/50,000)を使用した。CMV−D7(配列番号1750)およびCBA−D8(配列番号1742)プロモータがもたらしたフラタキシン発現を、処置したラットの歯状核において検出した。
【0718】
CMV−D7(配列番号1750)、CBA−D8(配列番号1742)およびCBA(配列番号1734)プロモータの各々が、DRGおよび脳における類似の分布および発現パターンを示した。心臓において、CMV−D7およびCBA−D8プロモータは、CBAがもたらしたフラタキシン発現のおよそ50〜260分の1のFXN発現を生じた。
【0719】
CMV−D7(配列番号1750)とCBA−D8(配列番号1742)プロモータの両方が、AAV粒子の投与の180日後に小脳、心臓およびDRGにおいてフラタキシン発現をもたらす。この時点において、小脳における発現は、参照CBAプロモータを使用して達成したものよりおよそ3倍高く、これは、CMV−D7およびCBA−D8プロモータが、小脳の標的細胞において活性であることを示している。
【0720】
実施例11.ラットにおける代替プロモータバリアントを含むウイルスゲノムの線条体内投与後のインビボcFXN発現レベル
別段示さない限り、代替プロモータバリアントがもたらしたフラタキシン発現を試験するために、次のプロモータ:CMV−D1(配列番号1744)、CMV−D3(配列番号1746)、CBA−D4(配列番号1738)およびCBA−D6(配列番号1740)(表3において教示した)のいずれかから選択した1つのプロモータ、AAV2野生型ITR、HA−タグを有するカニクイザルフラタキシン(cynoFXNまたはcFXN)、3回反復のmiR−122標的およびヒト成長ホルモンポリアデニル化配列を含むウイルスゲノムを、AAV6カプシドにパッケージングし、用量1×10
10VG/kgでスプラーグドーリーラットに線条体内注射により送達した。対照として、FXNpro534(配列番号1754)、FXNpro1060(配列番号1756)、CMV(配列番号1743)、CBA(配列番号1734)プロモータまたはそれらのバリアントを使用して、ウイルスゲノムからcFXN発現をもたらし、AAV6カプシドにパッケージングした。組織試料を、注射の3週間後に収集し、線条体cFXNタンパク質レベルを、ELISAにより定量した。データを、以下の表26および
図2に示す。
【0721】
【表26】
【0722】
FXNpro534(配列番号1754)プロモータがもたらした線条体cFXN発現は、内在性フラタキシンレベルに匹敵し、一方、FXNpro1060(配列番号1756)プロモータは、内在性FXNレベルの6.6倍となった。対照として、高レベルのcFXN発現を、それぞれ、CMV.miR122(24.4倍)、CBA.miR122(34.7倍)またはCBA(86倍)プロモータにより達成した。CMV−D7(配列番号1750)またはCBA−D8(配列番号1742)プロモータがもたらした中程度の発現レベルのcFXNが、1.4倍および4.2倍で観察され、これらはそれぞれ、2種のFXNプロモータバリアントがもたらしたものの範囲内であった。代替プロモータバリアントCMV−D1(配列番号1744)、CMV−D3(配列番号1746)、CBA−D4(配列番号1738)およびCBA−D6(配列番号1749)は、CMV−D7(配列番号1750)またはCBA−D8(配列番号1742)のいずれかより高いcFXN発現をもたらしたが、依然として、CMV.miR122よりずっと低かった。まとめると、これらのデータは、追加のプロモータバリアントが、ラット線条体においてcFXN発現を誘導するのに有効であったことを示した。
【0723】
実施例12.VOY101−cFXN−HA AAVベクターの視床内投与後のインビボcFXN発現およびベクターゲノム生体内分布
小脳核におけるcFXNの広がった発現ならびに脊髄および後根神経節における関連するcFXNレベルを達成するために、VOY101−cFXN−HA(配列番号1778)ベクターを、スプラーグドーリーラットへの両側の視床内注射により投与した。
【0724】
CBAプロモータおよびcFXN−HA配列を含む一本鎖ウイルスゲノムを、VOY101粒子にパッケージングし、用量5×10
10vg/注射で視床内注射した。注射体積および注射速度は、それぞれ、12μl/注射および0.5μl/分であった。1匹のラットを、ビヒクル対照で処置した。処置の6週間後、免疫組織化学解析を行い、抗HA免疫染色を使用して、小脳の歯状核および脊髄におけるcFXN−HAの発現を評価した。ビヒクル対照と比較すると、強力なHA染色を、全ての処置した動物において小脳の歯状核の全体を通じて観察した。更に、広がったcFXN発現は、注射部位から遠い、脊髄後柱、中心管、頸部の腹角およびクラーク柱、胸部および腰髄において明らかであった。これらの結果は一緒になって、VOY101−CBA−cFXNベクターの視床内注射が、深部小脳核および脊髄のニューロンの効果的な伝達を引き起こし、FXNタンパク質の発現をもたらすことができたことを示した。
【0725】
実施例13.VOY101−CMV−D7−hFXNまたはVOY101−CBA−D8−hFXN AAV粒子を用いたPvalb cKOマウスの静脈内投与後のhFXNの導入遺伝子発現レベル
フリードライヒ運動失調(FA)を、フラタキシン遺伝子におけるイントロンGAA拡大により引き起こし、ミトコンドリアにおいてFXN発現を有意に低減させる。フリードライヒ運動失調の早期の患者は、抹消後根神経節(DRG)における巨大固有受容性ニューロンの喪失に起因した歩行困難および平衡感覚の喪失を示す。続いて、胴体および腕の機能が、増加する脊髄小脳ニューロン障害のため、悪化する。患者は、車椅子に頼らざるを得なくなり、行動能力を奪われ、これにより、平均寿命は約40歳に低減されてしまう。FAにおけるニューロン喪失の選択的性質をモデル化するために、FXN発現を、パルブアルブミン発現細胞におけるCre Lox系を介して廃止している(Pvalb cKOマウス)、トランスジェニックマウスを生成した(ピゲら(Piguet et al.)2018)。Pvalb cKOマウスは、生後数週間以内に固有受容性感覚機能の喪失および進行性運動失調を示した。
【0726】
CMV−D7−hFXN(配列番号1801)またはCBA−D8−hFXN(配列番号1797)を含むウイルスゲノムを使用して、VOY101(配列番号1)のカプシド血清型を有する、AAV粒子を生成した。プロモータ(CMV−D7またはCBA−D8)、2つのAAV2 ITR、hFXN、3回反復のmiR−122標的およびヒト成長ホルモンポリアデニル化配列を含むウイルスゲノムを、HEK293細胞の三重トランスフェクションにより、VOY101 AAV粒子にパッケージングした。AAV粒子を精製し、0.001%F−68を含むリン酸緩衝食塩水(PBS)において製剤化し、次に、用量2×10
13VG/kgでマウスに静脈内投与した。
【0727】
一本鎖VOY101−CMV−D7−hFXNまたはVOY101−CBA−D8−hFXN AAV粒子を静脈内投与したPvalb cKO動物におけるhFXN発現レベルを試験するために、粒子を、3回用量の1回の6.32×10
12VG/kg、または2.0×10
13VG/kgで7.5週齢のPvalb cKOマウスに静脈内投与した。Pvalb cKOマウスの群を、7.0×10
12VG/kgでAAV9−hFXN粒子を静脈内投与した。WTまたはPvalb cKOマウスに、ビヒクル対照も投与した。
【0728】
投与の4週間後、11.5週齢のマウスを安楽死させた。小脳および腰部DRG組織を収集し、hFXN発現レベルの定量のため処理した。hFXNタンパク質レベルを、ELISAにより測定し、総タンパク質1mg当たりのhFXN ngで報告した。WT内在性FXNレベルと比較した小脳または腰部DRGにおけるhFXN発現の倍数変化を計算した。データを、表27、
図3A、および
図3Bにおいて示す。
【0729】
【表27】
【0730】
腰部DRGから収集した組織における、Pvalb cKO動物におけるVOY101−CMV−D7−hFXN(配列番号1801)粒子の静脈内投与は、送達の4週間後にWT内在性FXNレベルと比較して、hFXN発現を2.8〜6.4倍増強した。Pvalb cKO動物におけるVOY101−CBA−D8−hFXN(配列番号1797)粒子の静脈内投与は、送達の4週間後にhFXN発現を0.8〜2.6倍増強した。
【0731】
小脳から収集した組織において、Pvalb cKO動物におけるVOY101−CMV−D7−hFXN(配列番号1801)粒子の静脈内投与は、送達の4週間後にWT内在性FXNレベルと比較して、hFXN発現を10.3〜24.3倍増強した。Pvalb cKO動物におけるVOY101−CBA−D8−hFXN(配列番号1797)粒子の静脈内投与は、送達の4週間後にWT内在性FXNレベルと比較して、hFXN発現を6.4〜18.8倍増強した。
【0732】
まとめると、Pvalb cKO動物における小脳および腰部DRGでの高いhFXN発現レベルは、VOY101−CMV−D7−hFXN(配列番号1801)またはVOY101−CBA−D8−hFXN(配列番号1797)粒子のいずれかが、これらの組織を形質導入する能力があったことを示した。
【0733】
実施例14.VOY101−CMV−D7−hFXNまたはVOY101−CBA−D8−hFXN AAV粒子の静脈内投与後のPvalb cKOマウスにおける運動機能および筋機能の固有受容性不足の修正およびレスキュー
VOY101−CMV−D7−hFXN(配列番号1801)またはVOY101−CBA−D8−hFXN(配列番号1797)ベクターの治療有効性を評価するために、Pvalb cKOマウスにおける固有受容性不足のレスキューを、用量6.32×10
12VG/kgまたは2.0×10
13VG/kgでのこれらのベクターの静脈内(IV)送達後の筋電図解析により試験した。
【0734】
一本鎖VOY101−CMV−D7−hFXN(配列番号1801)またはVOY101−CBA−D8−hFXN(配列番号1797)粒子を精製し、0.001%プルロニック酸(Pluronic F−68)を含み、pH7.4の192mM塩化ナトリウム、2.7mM塩化カリウム、2mMリン酸カリウム(一塩基性)および10mMリン酸ナトリウム(二塩基性)において製剤化し、単回用量6.32×10
12VG/kgまたは2.0×10
13VG/kgで7.5週齢の大人のPvalb cKOマウスに静脈注射によって投与した。対照群は、用量7×10
12VG/kgでのAAV9−hFXN粒子の静脈注射を受けた。
【0735】
筋電図解析を、Natus UltraProS100装置(メグツーヘルス社(Mag2Health)、フランス)を使用して行った。Pvalb cKOマウスを、ケタミン/キシラジン(130/13mg/kg)でのIP注射を使用して麻酔した。動物を、電機生理学評価を通じて37℃で維持した。坐骨神経刺激(0.1msおよび強度8mA)後の足の裏の後足の筋肉における脊髄の体性感覚の誘発応答(H波)の潜伏および振幅を記録した。ピゲら(Piguet et al)2018に従い6.5週齢で開始し、マウスの年齢に応じて毎週、2週間毎または3週間毎に脊髄の体性感覚の誘発応答(H波)を記録することにより、筋電図解析を行った。
【0736】
図4に示す通り、6.5週齢のPvalb cKOマウスにおけるH波強度は、WTマウスと比較して有意に低減した。注射の1週間後の8.5週齢のcKOマウスにおいて、H波レベルは、もはや測定可能でなかった。対照的に、VOY101−CMV−D7−hFXN(配列番号1801)またはVOY101−CBA−D8−hFXN(配列番号1797)粒子のいずれかの静脈注射は、投与の1週間以内、WT動物において見られるものに匹敵するレベルまでほぼ完全にH波強度を保存し、これは、Pvalb cKOマウスの固有受容性不足の逆転を示している。完全なレスキューを、AAV粒子のいずれかを使用した2.0×10
13VG/kgの高用量の投与の4週間後に観察した。
【0737】
これらの結果は、脊髄の体性感覚の誘発応答に対するIV VOY101−CMV−D7−hFXN(配列番号1801)またはVOY−CBA−D8−hFXN(配列番号1797)、特に、11.5週齢のマウスにおける6.32×10
12VG/kg〜2.00×10
13VG/kgのIV用量の、用量依存性の効果を示した。
【0738】
VOY101−CMV−D7−hFXN(配列番号1801)またはVOY101−CBA−D8−hFXN(配列番号1797)粒子のいずれかの静脈内送達後のPvalb cKO動物における運動および筋機能のレスキューを試験するために、以前に記載(ピゲら(Piguet el al.)2018)された切欠試片実験(上肢または下肢の滑り−「落下」数の記録)を、7.5、8.5、9.5および11.5週齢のcKO動物において行った。VOY101粒子を、上で記載した通り、cKO動物(7.5週齢)へのIV注射により投与した。
【0739】
図5に示す通り、Pvalb cKOマウスは、7.5〜11.5週に運動失調不足を直ぐに発症した。対照的に、用量6.3×10
12または2.0×10
13VG/kgでのVOY101−CMV−D7−hFXN(配列番号1801)またはVOY101CBA−D8−hFXN(配列番号1797)粒子のいずれかの静脈内投与は、注射の1週間後に運動失調の表現型を迅速に逆転させた。レスキュー効果は、処置の4週間後のcKO動物において依然として持続した。
【0740】
実施例15.非ヒト霊長類(NHP)におけるVOY101−CMV−D7またはVOY101−CBA−D8−hFXN AAV粒子の静脈内投与後のインビボhFXN発現およびベクターゲノム生体内分布
2つのAAV2 ITR、プロモータ(CMV−D7またはCBA−D8)、hFXN cDNA配列、3回反復のmiR−122標的、ヒト成長ホルモンポリA配列、スタッファー配列としてのヒトアルブミンの断片を含む一本鎖ウイルスゲノムを、VOY101カプシドにパッケージングし、三重トランスフェクションにより作製し、精製し、0.001%F−68を含むリン酸緩衝食塩水(PBS)において製剤化する。
【0741】
LEC2 nAbインビトロアッセイとIgG ELISAの両方を使用して低抗AAVVoy101抗体について予めスクリーニングした、およそ2.7〜5.8歳の大人のカニクイザルの3つの群(1群当たり3匹の動物)は、静脈注射によって用量5×10
13VG/kg(力価1.0×10
13VG/ml)のビヒクル(0.001%F−68を含むPBS)、VOY101−CMV−D7−hFXN(配列番号1801)またはVOY101−CBA−D8−hFXN(配列番号1797)を受ける。注射速度は、3ml/分であり、用量体積は、5mL/kg(約17.5mL/動物)である。
【0742】
NHPにおけるVOY101−CMV−D7−hFXN(配列番号1801)またはVOY101−CBA−D8−hFXN(配列番号1797)の分布および発現を試験するために、当該技術分野において公知の任意の試験を利用してもよい。hFXNタンパク質およびmRNA発現を、ELISA、PCR、免疫組織化学、インサイツハイブリダイゼーション(ISH)および液体クロマトグラフィータンデム質量分析(LC−MS/MS)により評価する。異なる組織におけるベクターゲノムレベルを、PCRおよびISHを使用して定量する。
【0743】
次の試料:頸部の、胸部および/または腰部DRG、頸部、胸部、および/または腰髄、前頭皮質、運動皮質、海馬、線条体、小脳、脳幹、肝臓、心臓、心房、心室を収集してもよい。DRG、心室、下側の腰髄、上側の腰髄、前頭皮質、小脳および肝臓の組織を使用し、ELISAおよびLC−MSならびにベクターゲノム/二倍体細胞を定量するための指先の小滴PCRを使用して標的組織におけるhFXN発現を決定する。hFXNの発現および分布を、インサイツハイブリダイゼーション(ISH)により、DRG、小脳歯状核、クラーク柱、薄束核および楔状束核ならびに心臓の細胞において測定する。得られたデータを使用して、非ヒト霊長類におけるVOY101−CMV−D7−hFXN(配列番号1801)またはVOY101−CBA−D8−hFXN(配列番号1797)AAV粒子の予測した組織生体内分布および導入遺伝子hFXN発現を確認する。
【0744】
実施例16.非ヒト霊長類(NHP)におけるインビボプロモータ選択研究
プロモータバリアント配列を含むウイルスゲノムを有する選択AAV粒子を、非ヒト霊長類において試験して、標的細胞および組織におけるフラタキシン発現を決定する。hFXN2(配列番号1797)、hFXN3(配列番号1798)、hFXN6(配列番号1801)、hFXN7(配列番号1802)、hFXN13(配列番号1808)およびhFXN14(配列番号1809)を含む、表4から選択したhFXN ITR−to−ITRコンストラクトを使用する。
【0745】
VOY101カプシドにおける選択したhFXN ITR−to−ITRコンストラクトを含むAAV粒子を、本開示に従い、哺乳類HEK293細胞を使用した三重トランスフェクションにより生成する。得られたAAV粒子を精製し、次に、製剤1(0.001%プルロニック酸(Pluronic F−68)を含み、pH7.4の、192mM塩化ナトリウム、2.7mM塩化カリウム、2mMリン酸カリウム(一塩基性)および10mMリン酸ナトリウム(二塩基性))に製剤化する。
【0746】
若年のカニクイザル(中国起源、NAbアッセイを使用して低抗AAVVoy101抗体について予めスクリーニングした)の群を、試験している各hFXN ITR−to−ITRコンストラクトのため選択する(1群当たり2匹のメスおよび1匹のオス)。カニクイザルは、表28の試験パラメータに従い、静脈注射(伏在静脈)によってAAV粒子を受け取る。
【0747】
【表28】
【0748】
選択したhFXNコンストラクトの得られた分布および発現を、次の:頸部DRG、胸部DRG、腰部DRG、頸髄、胸髄、腰髄、前頭皮質、運動皮質、海馬、線条体、小脳、脳幹、肝臓、心臓、心房、および心室の1つまたは複数を含む、様々な組織において試験する。
【0749】
次の:完全血球算定(CBC)、血清化学、血清サイトカインタンパク質、ケージ側での観察、体重、AAVベクターゲノム(VG)分布、hFXNタンパク質分布、およびhFXNタンパク質発現の一次読み出しを測定し、試験対象から収集する。これらの一次読み出しを試験し、ELISA、PCR、免疫組織化学、インサイツハイブリダイゼーション(ISH)および液体クロマトグラフィータンデム質量分析(LC−MS/MS)を含む、当該技術分野において公知の様々な方法に従い、測定する。
【0750】
実施例17.代替カプシドを用いたプロモータコンストラクトの試験
表4の選択プロモータバリアントコンストラクトを含むウイルスゲノム(例えば、hFXN2;配列番号1797、hFXN6;配列番号1801)を、表1から選択した代替カプシドを有するAAV粒子に取り込む。これらのカプシドは、CTGのような、だがこれに限定されない、VP1の翻訳のための最適以下または非標準的開始コドンを有する。かかるAAV粒子を使用して、尾静脈を介した静脈注射によりマウスにおける標的細胞にフラタキシンタンパク質を送達する。23匹のオスのC57BL/6Jマウスに、2×10
13VG/kg容量のAAV粒子組成物を与える。送達の14日後、マウスは、冷1×PBSでの経心臓灌流を受け、組織試料を収集する。
【0751】
次の組織試料のいずれかまたは全てを収集する。頸部、胸部および/または腰部DRG、頸髄、胸髄、および/または腰髄、前頭皮質、運動皮質、海馬、線条体、小脳、脳幹、肝臓、心臓、心房、心室、および/または腓腹筋。腰部DRG、心室、下側の腰髄、前頭皮質および小脳の組織をELISAのため使用して、標的組織におけるフラタキシン発現を決定する。胸部DRG、心室、上側の腰髄、前頭皮質、小脳、および/または肝臓を指先の小滴PCRのため使用して、ベクターゲノム/二倍体細胞を定量する。得られたデータを使用して、予測組織生体内分布および導入を確認する。代替カプシドの使用が、VOY101、VOY201、および/もしくはAAV9またはそのバリアントと比較して、より良好な生体内分布および導入でないなら、類似であると予想する。
【0752】
実施例18.ラットにおけるインビボプロモータ選択研究
プロモータバリアント配列を含むウイルスゲノムを有する選択AAV粒子をラットにおいて試験して、標的細胞および組織におけるフラタキシン発現を決定した。次の表4から選択したhFXN ITR−to−ITRコンストラクト:hFXN2(配列番号1797)、hFXN10(配列番号1805)、hFXN11(配列番号1806)、hFXN12(配列番号1807)、hFXN13(配列番号1808)、hFXN14(配列番号1809)、およびhFXN15(配列番号1810)を使用した。VOY101カプシドにおいて選択したhFXN ITR−to−ITRコンストラクトを含むAAV粒子を、本開示に従い、哺乳類HEK293細胞を使用して三重トランスフェクションにより生成した。得られたAAV粒子を精製し、次に、0.001%プルロニック酸(Pluronic F−68)を含み、pH7.4の、192mM塩化ナトリウム、2.7mM塩化カリウム、および10mMリン酸ナトリウム(二塩基性)に製剤化した。
【0753】
AAV粒子を、2回用量の1回:6.3×10
12vg/kgまたは2×10
13vg/kg(1時間にわたり5ml/kg)でオスのスプラーグドーリーラット(1群当たり5匹)に尾静脈を介して静脈内送達により投与した。投与の28日後、組織試料を収集し(心室およびDRG)、抗フラタキシンSimpleStep ELISAに基づき、フラタキシン発現レベルについて解析した。データを、
図6A、
図6B、
図6C、および
図6Dに示す。
【0754】
hFXN13(CBA.D4)、hFXN14(CBA.D6)およびhFXN2(CBA.D8)は、6.3×10
12vg/kgまたは2×10
13vg/kgで十分に許容され、これは、hFXN10、hFXN11、hFXN12およびhFXN15と比較して、DRGと心室組織の両方における低い発現レベルを伴った。
【0755】
実施例19.プロモータバリアントのインビトロ評価
hFXN2(配列番号1797)、hFXN6(配列番号1801)、hFXN10(配列番号1805)、hFXN11(配列番号1806)、hFXN12(配列番号1807)、hFXN13(配列番号1808)、およびhFXN14(配列番号1809)を含む7種のプロモータバリアントコンストラクトを、HEK293細胞におけるインビトロ発現活性について評価した。CMVおよびCBAプロモータコンストラクトを対照として使用した。細胞に、hFXNコンストラクトまたは対照およびルシフェラーゼペイロードのうちの1つを含むプラスミドをトランスフェクトした。ルシフェラーゼの活性および発現を、ルシフェラーゼアッセイシステムを使用して決定した。239T細胞を、陰性対照として使用した。
【0756】
ルシフェラーゼ発現により決定したプロモータバリアントの活性を、
図7に示す。
X.均等物および範囲
当業者は、本明細書に記載される本開示に係る具体的な実施形態の多くの均等物を認識し、またはルーチンに過ぎない実験を用いて確かめることが可能であろう。本開示の範囲は、上記の説明に限定されることが意図されず、むしろ、添付の請求の範囲において説明される。
【0757】
特許請求の範囲では、「a」、「an」、および「the」などの冠詞は、反する旨が示されない限り、または文脈上特に明らかでない限り、1つまたは2つ以上を意味し得る。ある群の1つ以上のメンバーの間に「または」を含むクレームまたは説明は、反する旨が示されない限り、または文脈上特に明らかでない限り、その群メンバーの1つ、2つ以上、または全てが所与の製品または方法に存在する、それに用いられる、または他の形でそれに関連する場合に満たされるものとみなされる。本開示は、群の正確に1つのメンバーが所与の製品または方法に存在する、それに用いられる、または他の形でそれに関連する実施形態を含む。本開示は、2つ以上の、または群メンバー全体が所与の製品または方法に存在する、それに用いられる、または他の形でそれに関連する実施形態を含む。
【0758】
また、用語「含む(comprising)」は非限定的(open)であることが意図され、追加の要素または工程の包含を許容するがそれは必須でないことにも注意されたい。したがって、用語「含む(comprising)」が本明細書で使用されるとき、用語「からなる(consisting of)」も包含され、開示される。
【0759】
範囲が与えられる場合、端の値は含まれる。更に、示されない限り、またはそうでない場合は文脈および当業者の理解から明白でない限りは、範囲として表される値は、文脈により明白にそうでないと指示されない限り、その範囲の下限の単位の10分の1に至るまでの、本開示の様々な実施形態において記述された範囲内の任意の特定の値または部分範囲をとることができることが理解されよう。
【0760】
加えて、先行技術に含まれる本開示の任意の特定の実施形態は、クレームの任意の1つ以上から明示的に除外され得ることが理解されるべきである。かかる実施形態は当業者に公知であるとみなされるため、除外が本明細書に明示的に示されないとしても、それらは除外され得る。本開示の組成物の任意の詳細な実施形態(例えば、任意の抗生物質、治療または有効成分;任意の製造方法;任意の使用方法など)が、先行技術の存在に関係するか否かにかかわらず、何らかの理由で任意の1つ以上のクレームから除外されることがある。
【0761】
使用される語句は、制限よりむしろ説明の語句であり、より広い側面の本開示の真の範囲および趣旨から逸脱することなく、添付の請求の範囲の範囲内で、修正がなされ得ることは、理解されるべきである。
【0762】
本開示をかなり詳しく、幾つかの説明される実施形態に関するある具体性をもって説明したが、それが任意のかかる具体例もしくは実施形態または任意の具体的な実施形態に限定されるべきであることを意図するものではなく、しかし先行技術を考慮してかかる特許請求の範囲の最も広義の可能な解釈を提供し、したがって本開示の意図される範囲を有効に包含するように添付の特許請求の範囲を参照して解釈されるべきである。