(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
生体組織(例えば脳組織)に装置を埋め込むシステム及び方法を提供する。本システムは、生体適合性プローブと、プローブに繋がれる集積回路(IC)チップと、カートリッジと、プローブと可逆的に係合する針と、針を保持するロボットアームと、カメラと、マイクロプロセッサ制御装置と、を含んでもよく、カートリッジは、プローブがカートリッジに取り外し可能に結合される仮取り付け面と、ICチップをカートリッジに取り外し可能に結合する留め具と、を備える。マイクロプロセッサ制御装置は、ロボットアーム及び針を制御して、針を使用して仮取り付け面からプローブを取り外し、針とプローブで生体組織を穿刺し、プローブを生体組織内に残したまま針を引き抜き、カートリッジからICチップを切り離して生体組織にICチップを残し、ICチップがプローブに繋がれたままにし得る。
前記生体組織の外側に露出するように配置されるとともにデータ、電気又は他の信号を中継するように構成される通信ポートを更に備える、請求項12に記載のカートリッジ−プローブ装置組立体。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本開示の例示的態様は、以下の図を参照して以下で詳細に説明する。本明細書に開示される実施形態及び図面は、限定的ではなく例示的であると考えられるべきであることが意図される。
【0019】
本開示は、生体組織を記録する及び/又は刺激するように構成される電極を有する、埋め込み型装置(本明細書では「プローブ装置組立体」又は「プローブ装置」とも呼ばれる)を埋め込むシステム及び方法に関する。いくつかの実施形態では、生体組織は、神経組織(「脳組織」とも呼ばれる)を含むことができる。「プローブ装置を埋め込むこと」とは、プローブ装置の少なくとも一部を組織に埋め込むことを指し得る。代替的に又は追加的に、プローブ装置を埋め込むことは、プローブ装置の一部を組織上に、又は組織に近接して配置することを含み得る。
【0020】
上述のように、神経組織にプローブ装置を埋め込む従来の手法は、複数の制限を受ける。電極を有する従来の脳インプラントは、穿通の深さが制限される傾向にある。このようなインプラントはまた、耐用年数又は機能寿命が制限される傾向にあるが、これは一部には現在存在する神経プローブが脳を穿通するのに十分な剛性を有するように設計されているためであり、この剛性がその後の機械的インピーダンス不整合(すなわち脳が比較的軟質である)とともに、慢性的な微小運動をもたらし、これが次いで瘢痕化並びに電極の記録及び刺激能力の喪失をもたらすことを示唆する証拠がある。更に、このようなインプラントは標的化能力が制限されている。いくつかの従来のシステムでは、プローブ装置は剛性の2次元(2D)アレイで製造され、2次元(2D)アレイは例えば、標的化されて血管を回避するのに十分な柔軟性を持って配列することができない。また、標的化能力が制限されることは、従来の構造体又は2Dアレイの一部としての電極が、脳全体にわたって動的に選択される位置又は任意に選択される位置に標的化又は置かれ得ないことを意味する。その上このようなインプラントは、刺激する及び/又は記録する組織と比較してサイズが比較的大きいことにより制限される。このような大きなインプラントは、免疫反応及び異物反応を誘発するおそれがある。更に、このようなインプラントは帯域幅が制限され、このような用途に使用される従来の技術では、ニューロンのごくわずかな部分しか記録又は調節できない。更に、いくつかの従来のシステムでは、プローブは補強材を使用して埋め込まれるが、これは時間のかかるプロセスである。
【0021】
本明細書に記載される技術は、これらの問題を解決する。ミクロンスケールプローブを実装して、より大きなプローブ装置の挿入に関連する問題を解決し得る。このようなミクロンスケールプローブを手動で埋め込むことは困難であるので、特殊なシステムにより、これらの小さなプローブを操作し、照準を合わせ、そして埋め込むことができる。更に、プローブは、埋め込み領域上又は埋め込み領域近傍に配置することができる格納パッケージ構造体に結合される。格納パッケージ構造体は、1つ以上の集積回路(IC)チップを格納及び保護する役割を果たし得る。集積回路チップは、プローブから集まるデータを収集及び分析する役割を果たし得る。プローブ及び格納パッケージ構造体は、プローブ装置組立体を集合的に形成する。このようなプローブ装置組立体は数千ものチャネルを含み、これらのチャネルを組織の標的領域に埋め込んで、組織から高帯域幅の情報ストリームを得てもよい。
【0022】
開示されたプローブ装置は、皮質の表面のほぼ下に穿通することができる、穿通深さが改善された電極を含むことができる。例示的な電極は、参照により本明細書に組み込まれる米国仮特許出願(出願番号第62/731,496号、出願日2018年9月14日、発明の名称「ELECTRODE FABRICATION AND DESIGN」)で議論されているものを含むことができる。加えて、開示されたプローブ装置は針を使用して埋め込むことができ、この針は、プローブ装置の電極を所望の標的に位置決めして埋め込むのに十分な剛性を有する。いくつかの実施形態では、プローブ装置が埋め込まれると、針はプローブ装置と係合解除することができ、生体組織と接触する可撓性電極アレイのみを残し、これにより従来の手法に共通する慢性的な微小運動、瘢痕化、及び記録/刺激効果の喪失を低減する。加えていくつかの実施形態では、プローブ装置は、針及びロボット手術技術の誘導を用いて埋め込むことができる。ロボット手術技術は、埋め込みのタイを決定するように構成される接地(touch−down)センサを含むことができる。その上、このようなロボット手術技術は1つ以上のコンピュータビジョン技術を含むことができ、この技術は、標的化を改善して血管等を回避する標的化手順に有用である。例示的なコンピュータビジョン技術は、参照により本明細書に組み込まれる米国仮特許出願(出願番号第62/731,520号、出願日2018年9月14日、発明の名称「COMPUTER VISION TECHNIQUES」、以下、「‘520出願」という)に記載されている。加えて、開示されたプローブ装置は、米国仮特許出願(出願番号第62/644,217号、出願日2018年3月16日、発明の名称「NETWORK-ON-CHIP FOR NEUROLOGICAL DATA」)、及び関連する米国非仮特許出願(出願番号第16/354,059号、出願日2019年3月14日)に記載されているような、特別に構成される特定用途向け集積回路を含むことができ、これらは参照により本明細書に組み込まれる。
【0023】
プローブ装置を埋め込む針を実装する他の手法は、国際出願(出願番号PCT/US2015/066879、出願日2015年12月18日、発明の名称「METHODS, COMPOSITIONS, AND SYSTEMS FOR DEVICE IMPLANTATION」)、及び国際出願(出願番号PCT/US2017/063492、出願日2017年11月28日、発明の名称「MICRONEEDLE FABRICATION AND DEVICE IMPLANTATION」)に見出すことができ、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0024】
本開示及び上記で参照された開示から理解されるように、プローブ装置を埋め込む従来の手法に対する制限を克服するプローブ装置は、極めて小さく、微細な電極を有する。いくつかの実施形態では、このような電極のアレイはプローブ装置全体の一部として接続されることになり、ここで、電極は互いに接続されて、同様に小さく微細なフィラメント様接続部を有するインプラントの中央モジュールに接続される。いくつかのこのような態様では、プローブ装置はメッシュのように考えることができ、メッシュは、電極がインプラントの端子点として延在し、信号を送受信するように配列及び構成される。いくつかの態様では、脳を覆うこのような複数の端子電極を有するプローブ装置は、マルチプレクサに類似しており、複数の入力を有し、出力信号を通して個別に又は集合的に信号を方向付けると理解することができる。もちろん、プローブ装置は、複数の電極を通して信号を送達し、電流又はデータの反対方向に効果的に動作するように構成することもできる。
【0025】
更に理解されるように、プローブ装置組立体は、回路を保持する格納パッケージ構造体を含んでもよく、この格納パッケージ構造体は、様々な形状及びサイズを有することができ、手術後にプローブ装置と共に被検体の生体内(in vivo)に留まるように構成することができる。格納パッケージ構造体は例えば、削られ又は刻まれて格納パッケージ構造体を収容する動物の頭蓋骨の一部内に配置することができる。プローブ装置組立体は通信リレーを更に含み、プローブ装置との間で信号を送受信することができる。いくつかの態様では、プローブ装置組立体は、被検体の頭蓋骨を通って延在し及び皮膚を通って露出するポートを更に含むことができ、生体組織の外側に外部アクセスポイントを提供し、そこで、ポートがデータ、電気又は他の信号を中継することができる。他の態様では、プローブ装置組立体は、無線周波数、Wi-Fi周波数等で送信するように構成されるアンテナを含む無線通信ポートを更に含み、データ、(例えばプローブ装置を充電する)電気又は他の信号を中継することができる。
【0026】
図に示される詳細、寸法、角度及び他の構成の多くは、特有の実施形態の単なる例示である。したがって、他の実施形態は、本発明の精神又は範囲から逸脱することなく、他の詳細、寸法、角度及び構成を含むことができる。本技術の様々な実施形態はまた、図に示される構造以外の構造を含むことができ、図に示される構造に明示的に限定されるものではない。その上、図に示される様々な要素及び構成は、縮尺通りに描かれていない場合がある。図において、同一の符号は、同一又は少なくとも一般的に類似する要素を識別する。
【0027】
本明細書で使用される場合、原文の単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈が明確にそうでないことを示さない限り、複数形も含むことが意図される。「含む」及び/又は「含んでいる」という用語は、本明細書で使用される場合、記載された構成、整数、ステップ、動作、要素及び/又は構成元素の存在を指定するが、1つ以上の他の構成、整数、ステップ、動作、要素、構成元素及び/又はこれらのグループの存在若しくは追加を排除しないことが更に理解されるだろう。
【0028】
本明細書では、説明を容易にするために、「下に(beneath)」、「下方(below)」、「下部(lower)」、「上方(above)」、「上部(upper)」等のような空間的に相対的な用語を使用して、図に示すように、1つの要素又は構成と1つ以上の別の要素又は構成との関係を説明し得る。空間的に相対的な用語は、図に描かれる方位に加えて、使用中又は動作中の装置の異なる方位を包含することを意図していることが理解されるだろう。例えば、図中の装置を裏返す場合、他の要素又は構成の「下の」又は「下に」と記載される要素は、その後、他の要素又は構成の「上に」向けられることになるだろう。このように、「下の」等の用語は、その使用の状況に応じて、上及び下の両方の方位を包含することができる。装置は他の方法で配向されてもよく(90度回転又は他の方位)、本明細書で使用される空間的に相対的な記述子は、それに応じて解釈される。
【0029】
本明細書では、「第1の」、「第2の」等の用語を使用して、様々な要素、構成要素、領域、層及び/又はセクションを説明し得るが、これらがこれらの用語によって限定されるべきではないことを理解されたい。これらの用語は、ある要素、構成要素、領域、層又はセクションを、別の領域、層又はセクションから区別するためにのみ使用される。したがって、以下に説明する第1の要素、構成要素、領域、層又はセクションは、本発明の教示から逸脱することなく、第2の要素、構成要素、領域、層又はセクションと呼ぶことができる。
【0030】
本明細書で使用されるように、「及び/又は」及び「少なくとも1つの」という用語は、関連する列挙された項目のうちの1つ以上の任意の組合せ及び全ての組合せを含む。
【0031】
本明細書で使用されるように、「およそ」及び「約」という用語を使用して、所与の値が所与の値よりも大きい又は小さい機能範囲内にあり得ることを提供することによって、数値範囲の端点に柔軟性を与える。本明細書で使用するときには、特に明記しない限り、およそ又は約によって修飾される所与の値は、±10%で修飾される。
【0032】
<システム概要>
図1A及び1Bは、いくつかの実施形態による、装置を埋め込むシステム100を図示する。
図1Aは、システム100の正面図である。
図1Bは、システム100の側面図である。システム100は、挿入器ヘッド102と、プローブ装置ステージ104と、洗浄器106と、を含む。
【0033】
挿入器ヘッド102は、生体組織内にプローブ装置を埋め込む構成要素を含み、
図2に関して以下で更に詳細に説明する。プローブ装置ステージ104は、埋め込みに対してプローブ装置を整列させる構成要素を含む。プローブ装置ステージ104は、
図3に関して以下で更に詳細に説明する。
【0034】
洗浄器106は、システム100の構成要素を洗浄する機能を含み得る。洗浄器106は例えば、超音波洗浄器であり得る。洗浄器106は、針の挿入及び後退後に針を滅菌するように構成され得る。洗浄器106は、針を迅速かつ自動的に滅菌することを容易にし、これにより、プローブ装置を良好かつ迅速に挿入することを容易にし得る。
【0035】
図2は、いくつかの実施形態による挿入器ヘッド200を図示する。挿入器ヘッド200は、プローブ装置の一部を生体組織に埋め込む要素を含む。挿入器ヘッド200は、標的化カメラアクチュエータ202と、標的化カメラ204と、挿入カメラ206と、光パイプ組立体208と、針220を保持するように構成される針組立体210と、ピンチアクチュエータ212と、針アクチュエータ214と、挿入アーム230と、を含み得る。
【0036】
針組立体210は、挿入アーム230上に配置される基板に移動可能に取り付けられる、針220及びピンチ222を含み得る。針組立体210は小さくてもよい(例えばミリメートルスケール)。針組立体210は、挿入アーム230上に迅速かつ容易に設置又は交換されるように構成され得る。
【0037】
針220は、プローブ装置の一部を組織に挿入するように構成され得る。針220は、タングステン、レニウム、イリジウム又は炭素等の1つ以上の材料で構成され得る。具体例として、針220は、タングステン−レニウムワイヤで構成され得る。針220を粉砕及び/又は電気化学的にエッチングして、小径、例えば、24μm及び/又は20〜50μmを実現し得る。いくつかの実施形態では、針220の直径は、20μm未満又は50μm超であり得る。針220はカニューレを含み、プローブ装置の埋め込みを容易にし得る。
【0038】
ピンチ222は、挿入に対してプローブ装置を誘導するように構成され得る。ピンチ222は、タングステン等の材料で構成されるワイヤであり得る。ピンチ222は(例えば、およそ90度の角度で)曲げられ得る。ピンチ222の直径は、およそ50μm(例えば針220に匹敵するスケール)であり得る。ピンチ222は、搬送中のプローブ装置を支持するとともに、プローブ装置又はプローブ装置の一部が針220の経路に沿って挿入されることを確実にする役割を果たし得る。ピンチ220は、動作時に伸縮するように構成され得る。ピンチ220は、回転して、例えば針220に対してプローブ装置を挟み込むように構成され得る。針220及びピンチ222は、原寸に比例して示されていない。
【0039】
いくつかの実施形態では、針組立体210は、「接地」センサ(図示せず)を含み得る。接地センサは、針組立体210から展開し、垂直軸線に沿って生体組織の存在を感知するように構成され得る。いくつかの態様では、接地センサは力センサを含むことができる。他の態様では、接地センサはコンデンサベースの電気センサを含むことができる。接地センサは、針組立体210から展開され、次いで生体組織の存在が検出されるとき、針組立体210内に後退することができる。接地センサは、手術中に垂直方向に脈動及び/又は移動することができる、脳等の生きた生体組織に対して行われる手術技術において有益であり得る。
【0040】
針組立体210は、挿入アーム230(本明細書ではロボットアームとも呼ばれる)に結合され得る。挿入アーム230は、針組立体210の運動をもたらす構造体であり得る。挿入アーム230は、運動を駆動するモータを含んでもよく、又はモータに結合されてもよい。モータは例えば、可変挿入速度及び急速後退加速に対して構成されるリニアモータであり得る。挿入アーム230は、針組立体210の運動を制御する挿入アーム230に命令を送る、マイクロプロセッサ制御装置及び/又は計算装置に結合され得る。
【0041】
マイクロプロセッサ制御装置は、挿入アーム230、
図3のカートリッジアーム320、及び/又は可視化構成要素(例えば、1つ以上の標的化カメラ204、1つ以上の挿入カメラ206、前方カメラ積層体304、側方カメラ積層体302、並びに/又は光パイプ組立体208及び306)、のうちの1つ以上の運動を制御するように構成され得る。マイクロプロセッサ制御装置は、可視化構成要素から受け取る可視化情報を、入力として受け取り得る。可視化情報は、マイクロプロセッサ制御装置が使用する情報を提供して、挿入アーム230及び/又はカートリッジアーム320を制御する方向及び/又は速度情報を決定し得る。マイクロプロセッサ制御装置は、可視化情報を分析して、運動命令を決定し得る。マイクロプロセッサ制御装置は、運動命令を挿入アーム230及び/又はカートリッジアーム320に送信して、これらの運動を制御し得る。マイクロプロセッサ制御装置は、同様の態様で、ピンチアクチュエータ212及び針アクチュエータ214に対して微細運動命令を更に決定及び伝達し得る。
【0042】
挿入アーム230は、ピンチ222の運動を引き起こすピンチアクチュエータ212と、針220の運動を引き起こす針アクチュエータ214と、を含み得る。いくつかの実施形態では、挿入アーム230全体としての運動が比較的大規模な運動に対応し、一方、ピンチアクチュエータ212及び針アクチュエータ214の運動が微細運動に対応する。ピンチアクチュエータ212及び針アクチュエータ214は、挿入アーム230として同じ又は異なる、マイクロプロセッサ制御装置と、計算装置と、モータと、を使用して移動し得る。
【0043】
挿入器ヘッド200の運動は、1つ以上の可視化装置を使用して制御されてもよく、可視化装置は、カメラ(例えば、標的化カメラ204及び/又は挿入カメラ206)を含み得る。可視化装置によって得られる画像を使用して、挿入アーム230の運動を決定し得る。
【0044】
標的化カメラ204及び挿入カメラ206は、ビデオフィード及び/又は静止画像を取り込むカメラであり得る。挿入器ヘッド200は、1つ以上の標的化カメラ204及び/又は挿入カメラ206を含み得る。標的化カメラ204を使用して、インプラントが挿入される領域の画像を取り込んでもよく、この画像を使用して、挿入プロセスを制御し得る。複数の標的化カメラ204を使用して、立体視効果を実現することができる。
図2に示す例では、2つの標的化カメラ204が設けられている。代替的に、1つ、3つ、4つ又はそれ以上の標的化カメラ204を使用し得る。挿入カメラ206は、埋め込み中に針220に焦点を合わせるように構成され得る。同様に、1つ以上の挿入カメラ206を実装し得る。
【0045】
標的化カメラアクチュエータ202は、標的化カメラ204の運動を制御し得る。標的化カメラアクチュエータ202は、マイクロプロセッサ制御装置に結合される標的化カメラ204を移動させる機械的構成要素を含んでもよく、このマイクロプロセッサ制御装置は、挿入アーム230及び/又は挿入アーム230の構成要素の運動を制御するマイクロプロセッサ制御装置と同じであっても異なっていてもよい。標的化カメラアクチュエータ202は、各標的化カメラ204に結合され得る。
図2では、2つの標的化カメラアクチュエータ202が示されており、1つは各標的化カメラ204に結合されている。
【0046】
光パイプ組立体208は、インプラントが挿入される領域を照明する機能を含み得る。いくつかの実施形態では、光パイプ組立体208は、‘520出願に記載されているように、標的波長の光を生成してコンピュータビジョン技術を容易にするように構成され得る。
【0047】
図3は、いくつかの実施形態によるプローブ装置ステージ300を図示する。プローブ装置ステージ300は、埋め込みに対してプローブ装置を誘導する要素を含む。プローブ装置ステージ300は、側方カメラ積層体302と、前方カメラ積層体304と、光パイプ組立体306と、カートリッジ−ピルボックス組立体308と、カメラパン作動組立体310と、カメラ焦点作動組立体312と、カートリッジアーム320と、を含み得る。
【0048】
カートリッジ−ピルボックス組立体308(本明細書では「カートリッジ−プローブ装置組立体」とも呼ばれる)は、1つ以上のプローブ装置組立体(プローブ装置とも呼ばれる)の埋め込みを誘導するカートリッジを含む。プローブ装置組立体は、格納パッケージ構造体又は「ピルボックス」に結合される1つ以上のプローブを含み得る。格納パッケージ構造体は、格納パッケージ構造体によって保護される(例えば密封される)1つ以上の回路等の電子機器を保持し得る。カートリッジは、プローブ及び/又は格納パッケージ構造体に取り外し可能に取り付けられ得る。「取り外し可能に取り付けられる」又は「取り外し可能に結合される」とは、取り付けられ、比較的容易に切り離すことができる構成要素を指し得る。例えば、磁気的に取り付けられる構成要素、及び単純な運動で緩められる機械的連結を介して互いにスナップされる構成要素は、取り外し可能に取り付けられている。カートリッジ−ピルボックス組立体308、カートリッジ及びプローブ装置組立体は、
図4〜7に関して以下で詳細に説明する。
【0049】
カートリッジアーム320(ロボットアームとも呼ばれる)は、カートリッジ−ピルボックス組立体308に取り外し可能に結合され得る。カートリッジアーム320は、カートリッジ−ピルボックス組立体308の運動をもたらす構造体であり得る。カートリッジアーム320は、カートリッジアーム320の運動を駆動するモータを含み得るか、又はモータに結合され得る。カートリッジアーム320は、
図2に関して上述したように、カートリッジ−ピルボックス組立体308の運動を制御するカートリッジアーム320に命令を送る、マイクロプロセッサ制御装置及び/又は計算装置に結合され得る。
【0050】
代替的に又は追加的に、いくつかの実施形態では、カートリッジ−ピルボックス組立体308は、システム100の残りの部分から切り離され得る。例えば、1つ以上のカートリッジ−ピルボックス組立体308は、カートリッジ−ピルボックス組立体308をカートリッジアーム320に取り付けることなく、
図2の挿入器ヘッド200に近接して置かれ得る。この場合、挿入アーム230は移動して、固定カートリッジ−ピルボックス組立体の構成要素と係合し得る。
【0051】
カートリッジ−ピルボックス組立体308がカートリッジアーム320に取り付けられている場合、カートリッジアーム320及び取り付けられているカートリッジ−ピルボックス組立体308の運動は、カメラ(例えば、カメラ積層体302及びカメラ積層体304)を含み得る1つ以上の可視化装置を使用して制御され得る。可視化装置によって得られる画像をマイクロプロセッサ制御装置で使用して、カートリッジアーム320の運動を制御し得る。
【0052】
カメラ積層体302及びカメラ積層体304は、ビデオフィード及び/又は静止画像を取り込むカメラを含み得る。前方カメラ積層体304及び側方カメラ積層体302は、互いに対して配向されて、標的埋め込み領域の正面図及び側面図を得てもよい。カメラ積層体302及びカメラ積層体304を使用して、インプラントが挿入される領域の画像を取り込んでもよく、この画像を使用して、挿入プロセスを制御することができる。いくつかの実施形態では、カメラ積層体302及びカメラ積層体304は、(例えば、ブラケット又はクランプを用いて)互いに固定的に結合される。
図3に示す例では、2つのカメラ積層体302及びカメラ積層体304が設けられている。代替的に、1つ、3つ、4つ又はそれ以上のカメラ積層体を使用し得る。
【0053】
光パイプ組立体306は、インプラントが挿入される領域を照明する機能を含み得る。いくつかの実施形態では、光パイプ組立体208は、コンピュータビジョン技術で使用する標的波長の光を生成するように構成され得る。
【0054】
カメラパン作動組立体310は、カメラ積層体302及びカメラ積層体304のパニング運動を引き起こす機械的要素を含み得る。カメラパンアクチュエータ組立体310は、カメラを固定位置から水平方向に旋回させ得る。いくつかの実施形態では、カメラパンアクチュエータ組立体310がカメラ積層体302及びカメラ積層体304を一緒に移動させて、両方のカメラ積層体302及びカメラ積層体304が互いに対して同じ方位を維持しながら、同じ方向にパンさせ得る。カメラパンアクチュエータ組立体310は、カメラパンアクチュエータ組立体310に命令を送信するマイクロプロセッサ制御装置及び計算装置に通信可能に結合されて、カメラパンアクチュエータ組立体310の運動を制御し得る。
【0055】
カメラ焦点作動組立体312は、カメラ積層体302及びカメラ積層体304の焦点合わせ運動を引き起こす機械的要素を含み得る。カメラ焦点アクチュエータ組立体312は、カメラ積層体302及びカメラ積層体304と標的領域との間の距離を調整し得る。カメラ焦点アクチュエータ組立体312は、カメラ積層体302及びカメラ積層体304を一緒に移動させて、両方のカメラ積層体302及びカメラ積層体304が互いに対して同じ方位を維持しながら、同じ方向に焦点を合わせ得る。代替的に又は追加的に、カメラ焦点アクチュエータ組立体312は、側方カメラ積層体302及び前方カメラ積層体304の高精度焦点を別々に制御する別個の高精度焦点要素を含み得る。カメラ焦点アクチュエータ組立体312は、カメラ焦点アクチュエータ組立体312に命令を送信するマイクロプロセッサ制御装置及び計算装置に通信可能に結合されて、カメラ焦点アクチュエータ組立体312の運動を制御し得る。カメラパンアクチュエータ組立体310及びカメラ焦点アクチュエータ組立体312は、同じ又は異なるマイクロプロセッサ制御装置及び計算装置によって制御され得る。
【0056】
<プローブ装置組立体>
図1のシステム100を使用して埋め込まれる埋め込み可能な装置は、埋め込み可能な部分又はプローブを含み得る。埋め込み可能な部分又はプローブは、生体適合性があり、かつミクロンスケールであり、挿入領域において目立たず(low profile)、侵襲の少ない様式で生体組織とインターフェースする。1つ以上のこのようなプローブは、1つ以上の集積回路チップを格納する格納パッケージ構造体に通信可能に結合されて、プローブ装置組立体を形成し得る。
図4及び
図5は、このようなプローブ装置組立体の2つの実施例を図示する。
【0057】
図4は、いくつかの実施形態による、分解図で描かれるプローブ装置組立体400を図示する。プローブ装置組立体400は、格納パッケージ構造体423に通信可能に結合される1つ以上のプローブ421を含み得る。
【0058】
プローブ421は、生体組織に埋め込む装置である。プローブ421は生体適合性プローブであってもよく、例えばポリイミド又は他のポリメトリック材料等の生体適合性材料から構成される。プローブ421は、生体組織に挿入するワイヤ408と、ワイヤ408上に配置される1つ以上の電極407と、受容機構409と、を含み得る。
【0059】
ワイヤ408は、1つ以上の生体適合性薄膜材料を含むポリマーの薄片であり得る。ワイヤ408は導電性材料を含み、情報を伝達し得る。例えばワイヤ408は、金薄膜トレースを含み得る。いくつかの実施形態では、金薄膜トレースはポリイミド基板に包まれている。例えば、ポリイミドの薄膜層が堆積され、次いで金薄膜層が堆積され、次いでポリイミドの別の薄膜層が堆積されて、金薄膜層がポリイミド層の間に挟まれる。いくつかの実施形態では、ワイヤ408は、最大3層の絶縁層及び2層の導体層を含み得る。単一のプローブ421が
図4に図示されているが、当業者ならば理解するように、複数のプローブ421がプローブ装置組立体400に含まれ得る。
【0060】
電極407は、導電性材料の小片である。電極407は、生体組織を記録する及び/又は刺激する(例えば、脳内のニューロンを刺激し、脳からの神経スパイクを記録する)ように構成され得る。代替的に又は追加的に、ワイヤ408は、導波管又はマイクロ流体チャネル等の、情報を伝導する他の導管と共に分散され得る。いくつかの実施形態では、電極407(又は他の導管)は、約50μm、75μm及び/又は25〜100μmの間で離間される。各プローブ421は、約32個の電極407及び/又は1〜100個の電極若しくは25〜75個の電極407を含み得る。電極407は、生体組織に挿入されるように構成され得る(例えば、生体適合性及び/又は生体組織に挿入されるサイズ)。
【0061】
ワイヤ408の一端部は、受容機構409で終端し得る。受容機構409は、針を受容する構成及び/又は係合機構であり得る。受容機構409の例には、ループ、フック又はクランプが含まれる。例えばワイヤ408は、(16×50)μm
2のループを含み、ミクロンスケール針の係合機構を受け入れ得る。
【0062】
図4はプローブ装置組立体400の概略図であり、縮尺を示すものではない。プローブ421は、格納パッケージ構造体423よりもかなり小さくてもよい。プローブ421は、ミクロンスケールで寸法決めされ得る(例えばプローブ421は、マイクロメートル(μm)で測定するのが最適なサイズを有する)。例えばプローブ421は、約2マイクロメートル(μm)〜約50μmの範囲の厚さを有し得る。具体例として、プローブ421の厚さは約4μm〜6μmの範囲としてもよく、これは脳組織への侵襲の少ない埋め込みに適した寸法である。別の具体例として、プローブ421の厚さは、約15μm〜30μmの範囲としてもよい。様々な他の態様では、プローブ421は、2μm未満又は50μm超の幅を有することができる。
【0063】
いくつかの実施形態では、プローブ421は、受容機構409からチップ区画部分413までの長さを約100μm〜50mmの範囲としてもよい。具体例として、プローブ421の長さは、およそ20ミリメートル(mm)である。様々な他の態様では、プローブ421は、100μm未満又は50mm超の長さを有することができる。
図4に示すプローブ421の部分図には4つの電極407のみが図示されているが、プローブ421の長さに沿って、最大200個の、又は他の態様では200個超の複数の電極が存在できることが理解される。具体例として、プローブ421は32個の電極を含み得る。
【0064】
いくつかの実施形態では、プローブ装置組立体400はアンテナ403を含み得る。アンテナ403は、データを無線で送受信する機能を含み得る。代替的に又は追加的に、プローブ装置組立体400のサブセットはアンテナ403を含み得る。例えば第1のプローブ装置組立体は、アンテナと、追加のプローブ装置組立体400のセットへの配線接続を含んでもよく、第1のプローブ装置組立体400が、追加のプローブ装置組立体400から収集されるデータを外部に送信する。
【0065】
プローブ装置組立体400は、1つ以上のチップ405(本明細書では集積回路チップとも呼ばれる)を更に含み得る。チップ405は、特別に構成される集積回路(IC)又は電気チップ405であり得る。チップ405は、ワイヤ408を介して電極407に通信可能に結合され得る。チップ405は、チップ405との間でデータ及び情報を無線で送受信するように構成される少なくとも1つのアンテナ403に接続され得る。したがって、チップ405は、アンテナ403及び電極407の両方と電子通信、情報通信及び/又は動作通信するように構成することができる。
【0066】
チップ405は、格納パッケージ構造体423内に配置することができる。格納パッケージ構造体423は、本明細書では、電子機器格納パッケージ構造体又はピルボックスとも呼ばれ得る。格納パッケージ構造体423は、チップ405及び他の電子機器を、生体組織への近接に関連する湿気及び他の不純物から保護し得る。
【0067】
格納パッケージ構造体423は、チップ405を配置できる1つ以上のチップ区画411Aと、チップ区画411Bと、チップ区画411Cと、チップ区画411Dと、(集合的に、チップ区画部分413)を含み得る。いくつかの実施形態では、複数のチップ405が、ピルボックスのチップ区画部分413内に嵌合することができる。
図4に図示するように、チップ区画部分413は、4つのチップ区画(411A〜411D)を含む。各チップ区画(411A〜411D)は、対応するチップ405を保持し得る。したがっていくつかの実施形態では、格納パッケージ構造体423は4つのチップ405を含む。代替的に又は追加的に、チップ区画は、1、2、3、5又は10個のチップ等の任意の適切な数のチップに対して設けられ得る。
【0068】
チップ区画部分413は、ピルボックス構成要素係合機構413Aを含むことができる。第2の部分である格納パッケージ構造体423のカバー415は、ピルボックス構成要素係合機構415Bを介してチップ区画部分413と係合するように構成することができる。ピルボックスのチップ区画部分413は、ピルボックス構成要素係合機構413A及びピルボックス構成要素係合機構415Bを介して、格納パッケージ構造体423のカバー415に機械的に接続され得る。代替的に又は追加的に、接着剤を塗布して、カバー415をチップ区画部分413に貼り付けることができる。接着剤は、例えばエポキシ又は他の任意の適切な材料であり得る。いくつかの実施形態では、接着剤は、電気的に絶縁され、熱的に断熱された材料である。
【0069】
いくつかの実施形態では、格納パッケージ構造体423のチップ区画部分413又はカバー415のうちの少なくとも1つは、ピルボックスとヘッドプレート(例えば、
図9Bに関して以下に示し説明するヘッドプレート901)とを係合するように構成される、ピルボックス−ヘッドプレート係合機構419を含むことができる。
【0070】
いくつかの実施形態では、プローブ装置組立体400は、格納パッケージ構造体423の外面上に位置するピルボックス−カートリッジ係合機構417を含み得る。ピルボックス−カートリッジ係合機構417は、プローブ装置組立体400をカートリッジ(例えば、
図6A〜7に示されるカートリッジ)に取り外し可能に結合するように構成される磁石及び/又は機械的位置合わせ要素を含んでもよく、プローブ装置組立体400がカートリッジと係合及び係合解除することができる。いくつかの実施形態では、磁石は、第1の軸線(例えば垂直軸線)上でピルボックス及びカートリッジと係合することができ、一方、位置合わせ要素はピルボックス及びカートリッジを機械的に固定することができ、これらが第2の軸線(例えば水平軸線)に沿って移動しない。
【0071】
いくつかの実施形態では、格納パッケージ構造体423は、使用されるチップ及び/又はアンテナに基づいて、サイズ、方位及び形状が異なることができる。いくつかの実施形態では、格納パッケージ構造体423は、脳の湾曲に基づいて、サイズ、方位及び形状が異なることができる。いくつかの実施形態では、ピルボックス−ヘッドプレート係合機構419の位置は、ピルボックスが脳の右半球又は左半球上のどちらに埋め込まれるように構成されているかどうかに基づいて変化させることができる。例えば、ピルボックス−ヘッドプレート係合機構419は、生体組織の外周に沿ってヘッドプレートに機械的に係合(例えば、クリップイン)するように位置決めすることができる。
【0072】
いくつかの実施形態では、チップ405及び/又はアンテナ403を含む格納パッケージ構造体423は、プローブが生体組織内に埋め込まれるときに、生体組織の表面又は生体組織の表面上に位置決めされるように構成される、プローブ装置組立体の構成要素の集合体を形成することができる。
【0073】
本開示のシステム及び方法のいくつかの実装形態では、プローブ装置組立体400の形状及び構成は、脳の左側及び右側の両方で同じである。他の実装形態では、2つの別個のタイプのプローブ装置組立体400(形状及び構成がしばしば鏡像化されている)が、それぞれ脳の左側及び右側に使用される。
【0074】
いくつかの実施形態では、プローブ装置組立体400の一部は、被検者の頭蓋骨及び皮膚を越えて延在し得る。場合によっては、単一のプローブ装置組立体400又はプローブ装置組立体400の凝縮セットは、特定領域で頭蓋骨及び皮膚から突出するように(例えば、モヒカンのヘアスタイルと類似に見えるように)埋め込まれ得る。これは、脳と頭蓋骨との間の空間が比較的小さいラット等の小動物での使用に適し得る。代替的に、
図5に関して以下で説明するように、より小さいプローブ装置が被検者の皮膚の下に置かれ得る。この構成は、ヒト又はヒト以外の霊長類等のより大きな動物に好ましい場合がある。
【0075】
図5は、プローブ装置組立体500の別の実施形態を図示する。プローブ装置組立体500は、複数のプローブ504に結合される格納パッケージ構造体506を含む。
【0076】
プローブ504は、
図4に関して上述したプローブ421と実質的に類似し得る。プローブ504は、ワイヤ(
図4のワイヤ408に類似)と、1つ以上の電極(
図4の電極407に類似)と、受容機構(
図4の受容機構409に類似)と、を含み得る。電極及び受容機構は、
図5に描かれる縮尺では見えないが、
図4に示されている。
【0077】
各プローブ装置組立体500は、約1〜200個のプローブ504又は200個超のプローブ504を含み得る。特に、プローブ装置組立体は、48個又は96個のプローブ504を含み得る。
【0078】
受容機構に近接して、プローブ504の一部は、仮取り付け面502上に堆積してもよく、この仮取り付け面502は、プローブ504が仮取り付け面502から剥離されるまで、(例えば、
図2に上述した針220及び針アクチュエータ214を使用して)プローブ504を適所に保持する。仮取り付け面502に適した材料には、パリレン(例えばパリレンC)及びシリコンが含まれる。仮取り付け面502は、
図6A〜7に関して以下で説明するように、カートリッジに融着され得る。
【0079】
各プローブ504の第2の端部は、格納パッケージ構造体506内のチップで終端し得る。格納パッケージ構造体506の中に1つ以上のチップを封入し、密封し得る。プローブ504は、チップ上の接点に付着し又は繋がれ得る。所与のプローブ装置組立体500のプローブ504は、単一の回路基板に接続され得る。代替的に、プローブ504は複数の回路基板に接続され得る(例えば、回路基板ごとに1つのプローブ504)。様々な実施形態では、格納パッケージ構造体506は、幅約50μm〜100mm、長さ50μm〜100mm、深さ50μm〜100mmのサイズを有することができる。プローブ装置組立体500は、
図4に示す実施形態と比較して、体積が約3〜4倍コンパクトであり得る。この実装形態の電子機器格納パッケージ構造体内の電子機器の密度は、
図4に示す実施形態の約10倍の密度とし得る。
【0080】
格納パッケージ構造体506は、(例えば
図7に図示するような)長方形の形状を有することができるが、長円形、球形、円形、三角形、六角形、略凸形、略凹形又は他のこのような形状を有することもできる。
図11に示すように、格納パッケージ構造体は、略楕円形の形状を有し得る。プローブ504は、埋め込みに対して格納パッケージ構造体506の外に延在し得る。
【0081】
いくつかの実施形態では、各プローブ装置組立体500は、ケーブル(例えば、可撓性ケーブル又はワイヤ)を介してコネクタポートに接続することができる。コネクタポートは、被検者の身体及び皮膚の外側に延在し得る。場合によっては、コネクタポートは身体又は皮膚の外側に露出する唯一の部分である。代替的に又は追加的に、被検者に埋め込まれるプローブ装置組立体500の総数、及び神経組織に挿入される関連する電極は、直接(有線)ポート又は無線伝送構造を有する単一の通信モジュールに接続されることになる。言い換えれば、チップ、容器及びアレイは全て完全に皮膚の下にあり、その上、埋め込まれるときには大部分が骨上にあり(例えば、頭蓋骨に形成される凹部内に置かれる)、(いくつかの実施形態では)ポートが皮膚を破壊して、一旦埋め込まれたプローブ装置組立体への外部アクセスを提供するのみである。代替実施形態では、2つの通信モジュールを使用することができる(例えば、脳の各半球に対して1つずつ)。他の代替実施形態では、被検者に埋め込まれる2つの別個のモジュールを使用することができ、1つは通信用であり、1つは発電用(例えば埋め込まれる装置を充電するため)である。代替的に又は追加的に、1つ以上のプローブ装置組立体は、無線通信用のアンテナを含み得る。複数のプローブ装置組立体及び通信要素の1つの構成を図示し、
図11に関して以下で詳細に説明する。
【0082】
<カートリッジ>
図6A〜6Bは、いくつかの実施形態によるカートリッジ600を図示する。
図6Aはカートリッジ600の側面斜視図を図示し、
図6Bは、カートリッジ600の上面斜視図を図示する。
【0083】
カートリッジ600は、略台形形状を有し得る。代替的に、カートリッジ600は、プローブ装置及び/又は対象となる被検動物を収容するのに適した角錐形又は長方形等の他の形状を有し得る。カートリッジ600は、突出縁部607を含み得る。突出縁部607は、カートリッジ600の上面602から延び得る。突出縁部607は、係合に対してプローブの受容機構(例えば
図4の409)を位置合わせするように構成することができる。突出縁部607は、
図7に関して以下で説明する突出縁部705と類似であり得る。
【0084】
図6Aに図示するように、カートリッジ600の下面603は、1つ以上のピルボックス−カートリッジ係合機構601を含み得る。ピルボックス−カートリッジ係合機構601は、カートリッジ600を、
図4の格納パッケージ構造体423又は
図5の格納パッケージ構造体506等の、プローブ装置組立体の格納パッケージ構造体と取り外し可能に結合するように構成され得る。ピルボックス−カートリッジ係合機構601は、プローブ装置組立体の格納パッケージ構造体上に位置する相互のピルボックス−カートリッジ係合機構(例えば
図4の417)と係合し得る。ピルボックス−カートリッジ係合機構601は、磁石、機械的位置合わせ要素又はこれらの組み合わせを含むことができる。下面603は、プローブ装置組立体の格納パッケージ構造体に取り付けるように構成される形状を有することができ、突起部、ラッチ機構又はブラケット機構を有して、格納パッケージ構造体と機械的に結合することができる。
【0085】
カートリッジ600は、ロボットアーム620に取り付けられて示されている。カートリッジ600の1つ以上の側面605は、カートリッジ600を手術ロボット等のロボットアーム620に取り付けるように構成されるロボットアーム係合機構を含むことができる。いくつかの実施形態では、カートリッジ600は、
図6Aでは(ロボットアームに取り付けられていない)片面に露出するように示され、
図6Bではロボットアームに結合されて(したがって、図から遮断されて)示されるように、両側面605上にロボットアーム係合機構を含み得る。カートリッジ600は、磁気的及び/又は機械的取り付け手段を介して、ロボットアーム620に取り外し可能に取り付けられるように構成され得る。
【0086】
カートリッジ600は、1つ以上のプローブを取り外し可能に取り付ける仮取り付け面を更に含み得る。このような仮取り付け面については、
図7に関して以下で更に詳細に説明する。
【0087】
本開示のシステム及び方法のいくつかの実装形態では、プローブ装置の神経組織への挿入に使用されるカートリッジの形状及び構成は、脳の左側及び右側の両方で同じである。他の実装形態では、2つの別個のタイプのカートリッジ(形状及び構成がしばしば鏡像化されている)がプローブ装置の神経組織への挿入に使用され、それぞれ脳の左側及び右側について同じである。
【0088】
<カートリッジ−ピルボックス組立体>
図7は、いくつかの実施形態によるカートリッジ−ピルボックス組立体700を図示する。カートリッジ−ピルボックス組立体700は、カートリッジ703と、格納パッケージ構造体701と、複数のプローブ707と、を含む。
【0089】
カートリッジ703は、
図6A及び6Bに関して上述したカートリッジ600と実質的に類似し得る。カートリッジ703は、ロボットアーム(
図6に示し、
図7には描かれていない)に取り外し可能に取り付ける係合機構を含み得る。
【0090】
格納パッケージ構造体701は、プローブ707のセットに対する回路を包含する及び/又は接続を整理する構造体であり得る。格納パッケージ構造体701は、
図4の格納パッケージ構造体423及び/又は
図5の格納パッケージ構造体506に類似し得る。
図6に関して上述したように、格納パッケージ構造体701及びカートリッジ703は、例えば磁気的及び/又は機械的取り付け手段を用いて、互いに取り外し可能に取り付けられ得る。特に、格納パッケージ構造体701は、カートリッジ703が格納パッケージ構造体701の上面に搭載されて示されている。
【0091】
プローブ707は、
図4のプローブ421及び
図5のプローブ504に関して上述したように、生体組織に埋め込む電極で分散されたワイヤであり得る。プローブ707は、カートリッジ703に取り外し可能に結合され得る。プローブ707は、針によって係合される準備及び生体組織に埋め込まれる準備ができた位置で、カートリッジ703に搭載され得る。
【0092】
カートリッジ703は、カートリッジの本体から距離を置いて延びる突出縁部705を含み得る。プローブ707は、格納パッケージ構造体701から延在してもよく、各プローブ707の受容機構が突出縁部705上に搭載されて、各プローブ707の受容機構704(例えばループ)を係合可能な位置に提示するように配列され得る。言い換えれば、電極装着フィラメント状ワイヤは、カートリッジ703の突出縁部705上に位置決めされて、ワイヤの端部上の受容機構704を針等の別の構造体によって係合することができる。
【0093】
突出縁部705は、各プローブ707の受容部分を最もよく提示するように配列される角度で、カートリッジ703の上面から外向きに延び得る。いくつかの実装形態では、突出縁部705は、(カートリッジ303の上面に対して)37°の角度で外に延びる。いくつかの態様では、突出縁部705は、(カートリッジの上面に対して)約27°〜約47°の角度で外に延び得る。
【0094】
図7は、針710を更に図示し、針710は、ロボットアームシステムによって操作されてプローブ707と可逆的に係合することができる。特に、針710の先端部はプローブ707の受容機構704を通過することができ、針710が受容機構704を通過するときの針710の角度及び力により、プローブ707をカートリッジ703から引き離すことができる。更なる態様では、針710は、プローブ707の受容機構と物理的に結合する(例えば、捕捉する、保持する又は固定する)ように構成される、ステップ、棚、レッジ、プロング又は他のこのような構造等の係合機構を含み得る。実装形態では、針710は、各プローブ707と連続的に係合し、プローブ707をある方向に(例えば、組織へ下向きに)駆動し、次いで、プローブ707から係合解除して係合前位置に戻り得る。このプロセスを通して、ロボット制御される針710は、カートリッジ703の突出縁部705上に搭載されるようなプローブ装置組立体の1つ以上のプローブ707と、繰り返し、任意の順序で係合することができる。
【0095】
いくつかの実施形態では、プローブ707は、仮取り付け面に取り外し可能に接着又は結合される。この文脈において、接着という用語を使用することで、プローブを係合針によって可撓性裏打ちシートから取り外すことができるように、プローブが可撓性裏打ちシートと緩く関連していることを示すことができる。プローブ707は、プローブ707が針710と係合して可撓性裏打ちシートから剥離される(裂ける)まで、整理された様式で(例えば、プローブ707のアレイを形成する規則的な間隔で)シートと関連したままであるように、可撓性裏打ちシートに接着することができる。言い換えれば、針710は、プローブ707と可撓性裏打ちシートとの間の接着の強度を克服するのに十分な機械的力でプローブ707と係合し、プローブ707を引っ張ってもよく、裏打ちシートにまだ貼り付けられている又は既に組織内に埋め込まれている他のプローブ707を妨害することはない。このような実装形態では、針710を移動させて、プローブ707の受容要素を捕捉し、剥離運動を伴って移動させて、プローブ707を損傷することなく、可撓性裏打ちシートからプローブ707を引き抜くことができる。
【0096】
いくつかの実施形態では、プローブ707は、薄膜上に堆積することによって可撓性裏打ちシートに接着することができる。可撓性裏打ちシートは、パリレン、パリレン系ポリマー及び/又はこれらに類似するような薄膜を形成する可撓性材料であってもよい。このような薄膜は、接着剤層を介してカートリッジに取り付けられ得る。いくつかの実施形態では、可撓性裏打ちシートは1つ以上の誘電体層を含み、可撓性裏打ちシート(例えば、電極に近接する)からのプローブ707の解放を容易にすることができる。いくつかの実施形態では、可撓性裏打ちシートは、機械及び/又は人間による取り扱いを可能にする固体支持体(例えば、磁性ステンレス鋼等のステンレス鋼)に付着又は接着することができる。別の例として、プローブ707は、シリコン裏材上に堆積して、プローブがシリコン裏材から剥離され得る。シリコン裏材は、黒色スライドガラス等の基板に付着し得る。基板はカートリッジに(例えば接着剤層で)付着し得る。代替的に又は追加的に、接着物質を使用して、プローブを可撓性裏打ちシートに接着させることができる。
【0097】
プローブ707の可撓性裏打ちシートへの整理された接着により、ロボット手術技術の使用を可能にすることができる。上記で議論したように、コンピュータビジョン技術を使用して、針710を誘導してプローブ707と係合させ、プローブ707をカートリッジ703から整理された方法で取り外すことができる。
【0098】
いくつかの実施形態では、カートリッジ−ピルボックス組立体は、(a)各々が(i)生体適合性基材(例えば、
図4のワイヤ408)と、(ii)生体適合性基材上に配置される少なくとも1つの電極と、(iii)針の対応する係合機構と可逆的に係合するように構成される受容機構と、を持つ複数のプローブ、及び(b)複数のプローブが接着される可撓性裏打ちシートを含む。カートリッジ−ピルボックス組立体は、電子機器を収容してカートリッジに取り外し可能に取り付けられる、ピルボックス又は格納パッケージ構造体を更に含み得る。
【0099】
いくつかの実施形態では、カートリッジ−ピルボックス組立体は、単一のユニットとして製造され得る。プローブ装置を埋め込むとき、カートリッジはカートリッジアーム320から取り外され、新しいカートリッジ−ピルボックス組立体と交換され得る。
【0100】
<プローブの選択と操作>
図8A〜8Dは、針をプローブと係合させ、プローブをカートリッジから取り外すステップを図示している。
図8A及び8Bは、プローブ802と係合する準備をしている針組立体801の2つの図である。プローブ802は、受容機構803を含む。針組立体801は、針804とピンチ807とを含む。
図8C及び8Dは、プローブ802との係合時の針組立体801の2つの図である。
【0101】
図8A及び
図8Bでは、プローブ802は、仮取り付け面805(例えば、
図7に関して上述したように、パリレン又はシリコンの薄膜)上に配置される。針組立体801は、受容機構803に向かって誘導され得る。
図2に関して上述したように、針組立体は、挿入アーム(例えば、挿入アーム230)に取り付けられてもよく、この挿入アームは、挿入アーム及び取り付けられる針組立体の運動を制御するマイクロプロセッサ制御装置に結合され得る。針804、受容機構803及びプローブ802がミクロンスケールであり得ると仮定すると、特殊なコンピュータビジョン技術を使用して、針804を誘導してプローブ802と係合させ得る(例えば、
図2及び
図3に関して上述したように、光パイプ組立体306及び可視化装置204、206、302、304を使用して)。このようなコンピュータビジョン技術は、‘520出願に詳細に記載されている。
【0102】
図8C及び8Dでは、針組立体801上の針804は、選択されるプローブ802の受容機構803と係合する。針804を受容機構803に引っ掛けて、針804をプローブ802に可逆的に係合させ得る。ピンチ807は、受容機構803を針804に対して挟み込んで、プローブ802を針804に固定し得る。受容機構803を針804に対して挟み込むために、ピンチ807が回転し得る。いくつかの実施形態では、ピンチ807は、針801が受容機構803に挿入されるときに、針組立体801から延在する。
【0103】
針組立体801がプローブ802と係合して上方に移動し、プローブ802に上向きの力を及ぼすとき、プローブ802は仮取り付け面805から係合解除され、仮取り付け面805から剥離する。この時点で、選択されるプローブ802が針804に取り付けられ、装着された針(すなわち、プローブの受容機構と可逆的に係合した針)を形成する。この時点で、針にプローブ802が装着され、プローブ802を生体組織等の標的に埋め込む準備が整う。
【0104】
<埋め込み方法>
図9A〜9Kは、本明細書に記載されるようなプローブ装置を埋め込む外科手術プロセスに関与する例示的なステップを図示する。図示の例は、プローブ装置組立体のプローブを脳内に埋め込む神経外科手術プロセスに関連するが、本明細書に記載されるシステム及びプロセスは、任意の適切な生体組織で使用することができる。
【0105】
図9Aは、頭蓋骨900を示す。頭蓋骨900は、最初に埋め込みに対して準備され得る。いくつかの実施形態では、
図9Bに示すように、埋め込みの前に開頭手術が行われ得る。開頭手術は、
図4に示す比較的大きなプローブ装置組立体400の埋め込みに適し得る。代替的に、
図5に示すプローブ装置組立体500のような、より小さいプローブ装置組立体を埋め込むために、頭蓋骨900に1つ以上の穴を穿孔し得る。
【0106】
図9Bは、ヘッドプレート901が取り付けられた頭蓋骨を示す。
図9Bに図示するように、ヘッドプレート901は頭蓋骨900の上部に位置決めすることができる。いくつかの実施形態では、頭蓋骨900は外科手術ステージ(図示せず)に搭載することができる。ヘッドプレート901は、
図4に描くようなプローブ装置組立体を取り付けることができる組織構造体を提供することができる。いくつかの実施形態では、ヘッドプレート901は、チタン又は類似の材料で作ることができる。ヘッドプレート901は、コンピュータ断層撮影(CT)スキャン、磁気共鳴画像(MRI)スキャン等から得られる情報を用いて、頭蓋骨900に対して特別なサイズにすることができる。代替的に、
図5に示すようなより小さなプローブ装置を埋め込むために、ヘッドプレートなしで、又は遥かに小さなヘッドプレートで実装し得る。
【0107】
図9Cは、神経外科手術プロセスの初期段階を図示する。針組立体911は、標的埋め込み領域に近接する初期位置に誘導される。針組立体911は、第1のロボットアーム906(例えば
図2の挿入アーム230)に搭載され、第1のロボットアーム906によって移動し得る。プローブ装置組立体905に解放可能に結合されるカートリッジ903も、標的埋め込み領域に近接する初期位置に誘導され得る。カートリッジ903は、第2のロボットアーム907(例えば
図3のカートリッジアーム320)に搭載され、第2のロボットアーム907によって移動し得る。
図2及び
図3に関して上述したように、第1のロボットアーム906及び第2のロボットアーム907の運動は、別個のそれぞれのマイクロプロセッサ制御装置及び/又は共有マイクロプロセッサ制御装置によって制御され得る。
【0108】
図9Dは、第1のロボットアーム及び第2のロボットアームが移動して埋め込みプロセスを開始するときの、第2の時間における神経外科手術プロセスを図示する。プローブ装置組立体905は、ヘッドプレート901に固定されている。これは、プローブ装置組立体905をヘッドプレート901上に機械的にラッチ又はブラケッティングすることによって達成され得る。ロボットアーム906及びロボットアーム907は、可視化装置909(例えば、カメラ、光検出器、光電子増倍管等)を含むコンピュータビジョン技術によって、少なくとも部分的に誘導することができる。
【0109】
図9Dに図示するように、針組立体911からの針は、カートリッジ903に沿って位置するプローブの受容機構と係合し、プローブを生体組織(例えば脳)に埋め込み、次いで、埋め込まれたプローブと係合解除することができる。このプロセスは、所与のプローブ装置組立体905の全てのプローブについてカートリッジ903にわたって連続的に、及び後続のプローブ装置組立体905に結合される後続のカートリッジ903について連続的に繰り返すことができる。いくつかの実施形態では、プローブは、生体組織に1〜2ミリメートル(1〜3mm)まで打ち込むことができる。このようにして、針組立体911を使用して、カートリッジ903上に組み立てられる受容機構を有するプローブのセットを埋め込むことができる。プローブの受容機構は、針の構造の一部である係合機構に対する相互係合機構と考えることができることを理解されたい。
【0110】
いくつかの実施形態では、生体組織へのプローブの埋め込みは、「接地」センサ(
図2に関して上述)の使用を含むことができる。接地センサは、針組立体911から展開され、次いで、生体組織の存在が検出されるとき、針−ピンチ組立体へ後退することができる。次いで、針は、接地センサの後退時にプローブを埋め込むように構成することができる。接地センサは後退することができ、針は、約10分の1秒(<0.1秒)未満でプローブを埋め込むことができる。接地センサを使用して、Z軸線に沿った標的化を改善できる。コンピュータビジョン技術(例えば‘520出願に記載されるような)により、標的生体組織のX軸線及びY軸線に沿って標的化することができる。
【0111】
ピルボックス−カートリッジ組立体からのプローブが生体組織内に埋め込まれると、針組立体911は、
図9Eに図示するように、ヘッドプレート901の領域外に進むことができる。
【0112】
図9Fに図示するように、カートリッジ903は、プローブ装置組立体905から分離することができる。いくつかの実施形態では、この分離は、プローブ装置組立体905とカートリッジ903との間の磁気的保持を解放することを含むことができる。いくつかのこのような態様では、生体組織が置かれる外科手術ステージを下げることによって、磁気的保持を解放することができる。プローブ装置組立体905とカートリッジ903との間の磁気引力がこれらの物理的結合を十分に保持できないほど強くなくなるまで、プローブ装置組立体905とカートリッジ903との間の物理的距離を増大させ得る。他の態様では、カートリッジ903を垂直に持ち上げることによって、磁気的保持を解放することができる。更なる実施形態では、2つの技術の組み合わせを使用することができる。
【0113】
図9Gに図示するように、上述のプロセスを後続のカートリッジ−ピルボックス組立体で繰り返すことができ、そこでは新しいカートリッジ−ピルボックス組立体が第2のロボットアーム907上に装着される。第1のプローブ装置組立体905をヘッドプレート901に固定し、1つ以上のプローブを埋め込みした後、第2のロボットアーム907上の残りのカートリッジ903を取り外し、次いで、次の埋め込みサイクルに対してセットされた新しいカートリッジ903及びプローブ装置組立体905のペアと交換することができる。いくつかの実施形態では、1つ以上の針を使用して、1つ以上のカートリッジに結合される複数のプローブを埋め込むことができる。
【0114】
図9Hは、埋め込みに対して位置決めされている第2のプローブ装置組立体905を図示する。
図9Iは、それぞれのプローブが埋め込まれると、複数のプローブ装置組立体905がどのように見えるかを図示している。
【0115】
図9Jに図示するように、
図9C〜9Iの脳の左半球について図示するプロセスは、脳の右半球について繰り返すことができる。
図9Kは、プローブが脳内及び脳の両側に埋め込まれると、複数のプローブ装置組立体905がヘッドプレートからどのように延在できるかを図示している。
【0116】
<埋め込み装置>
図10A〜10Cは、いくつかの実施形態による、埋め込まれたプローブ装置組立体1003を図示する。
図10Aは、埋め込み後のカートリッジ1001及びプローブ装置組立体1003の第1の図である。
図10Bは埋め込み後のカートリッジ1001及びプローブ装置組立体1003の第2の図であり、
図10Cは、埋め込み後のカートリッジ1001及びプローブ装置組立体1003の第3の図である。
【0117】
図10A〜10Cに示すように、カートリッジ1001は、プローブ装置組立体1003から係合解除している。プローブは、生体組織内に埋め込まれている。これは、
図9A〜
図9K及び
図11に関連して議論した技術によって理解することができる。特に、
図10Cはワイヤフレームレンダリングにおけるカートリッジ1001を表し、カートリッジ1001の下に設置されるプローブ装置組立体1003の相対的な配列を示す。
【0118】
図示のように、各プローブ装置組立体1003又はプローブ装置組立体1003の集合体は、データ、電気又は他の信号を中継するように構成されるアンテナを含み得る。代替的に又は追加的に、プローブ装置組立体1003は、被検者(図示せず)の頭蓋骨及び皮膚から導出される1つ以上のケーブルに結合され得る。プローブ装置組立体1003又はプローブ装置組立体1003の集合体は、生体組織の外側に露出されるように配置されるとともにデータ、電気又は他の信号を中継するように構成される通信ポートを含み得るか、又は通信ポートに結合され得る。一例として、各プローブ装置組立体1003は、ワイヤに結合されてもよく、ワイヤは、被検者の皮膚及び頭蓋骨の外側に配置される通信ポート(例えば、USB Cケーブル)に導出されるように接続されてもよい。いずれの場合も、データは、プローブ装置組立体1003によって収集されるデータを分析する計算装置に中継され得る。
【0119】
図11は、他の実施形態による埋め込まれたプローブ装置組立体を図示する。
図11のプローブ装置組立体は、
図5に示すとともに
図5に関して上述したプローブ装置組立体500に対応し得る。
【0120】
複数の格納パッケージ構造体1103は、埋め込み領域に近接する組織上又は組織の上方に位置決めされ得る。例えば格納パッケージ構造体1103は、組織上に載置されてもよく、又は生体組織埋め込み領域の上方で頭蓋骨に貼り付けられてもよい。したがっていくつかの実施形態では、プローブ装置組立体全体(例えば、格納パッケージ構造体1103及び
図11では見えない1つ以上のプローブ)が被検者の皮膚の下に埋め込まれ得る。格納パッケージ構造体1103は1つ以上のチップを保持してもよく、チップは、組織内に埋め込まれるプローブ(
図11には図示せず)に結合され得る。
【0121】
格納パッケージ構造体1103は、それぞれの接続リード1107に結合され得る。接続リード1107は、例えばワイヤ又は可撓性ケーブルであり得る。接続リード1107は、格納パッケージ構造体1103(例えば、格納パッケージ構造体1103内の回路)を内部ハブ1105に通信可能に結合し得る。内部ハブ1105は、それぞれのプローブを介して得られるように、格納パッケージ構造体1103の各々からデータを収集し得る。
【0122】
内部ハブ1105は、外部ハブ1109と無線通信し得る。別の実施形態では、各プローブ装置組立体は、(例えば内部ハブ1105なしで)外部ハブ1109と無線通信し得る。外部ハブ1109は、受信データを処理及び/又は格納し得る。外部ハブ1109は、受信データの全て又は一部を、外部ハブ1109が有線又は無線通信している外部計算装置に更に送信し得る。例えば外部ハブ1109は、USBケーブルを介して外部計算装置に結合され得る。代替的に又は追加的に、内部ハブ1105は、有線接続を介して外部装置に通信可能に結合され得る。
【0123】
図10A〜11のいずれかに示すプローブ装置に対応し得る例示的な実施形態では、各プローブは、組織を記録及び/又は刺激するように構成される約1〜100個の電極を含み得る。200個ものプローブが格納パッケージ構造体に結合されて、プローブ装置組立体を形成し得る。合計10個のプローブ装置組立体に対して、約5個のプローブ装置組立体を脳の半球上に配列し得る。したがってこの配列は、数万個の電極を含むことができる。
【0124】
<埋め込みフロー>
図12は、プローブ装置を生体組織に埋め込む方法1200を示すフローチャートであり、様々なステップ又はその一部が、開示されたフローチャートブロックで表されている。
【0125】
ブロック1202において、本方法は、プローブに取り外し可能に結合されるカートリッジ及びICチップ(例えば
図7のカートリッジ−ピルボックス組立体)を提供するステップから開始することができる。ICチップは、1つ以上のプローブに繋がれ得る。カートリッジ−ピルボックス組立体は、ロボットアーム(例えば
図3のカートリッジアーム320)に取り外し可能に結合され得る。いくつかの実施形態では、格納パッケージ構造体は、ヘッドプレートに、及び/又は頭蓋骨等の被検者の身体の一部に直接取り付けられ得る。
【0126】
ブロック1204において、本方法は、プローブを選択及び標的化するステップを含むことができる。例えば
図7に示すように、カートリッジ−ピルボックス組立体700は5つのプローブ707を含み、各プローブはそれぞれの受容機構704を有する。本システムは、複数のプローブのうち特有のプローブを選択し得る。本システムは、係合に対して選択されるプローブを標的化し得る。本システムは、選択されるプローブの受容機構と針を位置合わせさせ得る。
【0127】
ブロック1206において、本方法は、選択されるプローブと針を可逆的に係合させるステップを含むことができる。針は、選択されるプローブの受容機構に誘導され得る。いくつかの実施形態では、‘520特許に記載されているように、コンピュータビジョン技術を使用して針を誘導し、係合し得る。カメラ及び光パイプ等の可視化構成要素を使用して、位置情報を識別し、このような情報を1つ以上のマイクロプロセッサ制御装置に送信することができる。1つ以上のマイクロプロセッサ制御装置は、1つ以上のロボットアーム(例えば、
図2の挿入アーム230及び/又は
図3のカートリッジアーム320)の運動を制御して、針の係合構成要素を選択される受容機構に向かって移動させ得る。本システムは、いくつかの実施形態では、可視化構成要素(例えば、カメラ、照明装置及び/又は類似のもの)を使用して、1つ以上のロボットアームを移動させて、選択される受容機構と針を係合させ得る。一例として、挿入アーム及びカートリッジアームは協働して移動して、針とプローブを係合させ得る。別の例として、挿入アームが移動して、静的カートリッジ−ピルボックス組立体のプローブと係合し得る。
【0128】
針の係合機構(例えばフック又は類似のもの)は、プローブの受容機構を捕捉し得る。いくつかの態様では、プローブ装置の受容機構と係合する針の運動は、針の部分回転を含むことができ、針の部分回転は、プローブ装置の生体組織への挿入と、プローブ装置部分が生体組織内に固定された後の針の引き抜きと、の両方を補助する。より具体的には、針がプローブ受容機構と係合すると、針の運動を制御するロボットアームが所定量回転することができ、針の係合機構上にプローブ装置を更に固定する。様々な態様では、針のこの回転は、約5°〜約180°(5°〜180°)又はその範囲内の回転の増分若しくは勾配とすることができる。いくつかの態様では、プローブ装置が部分的にワイヤ又はフィラメントから作られている場合、この回転は、プローブ装置の一部を促進、微調整又は誘導して、そのワイヤ又はフィラメントを針に沿って位置合わせさせることができる。
【0129】
針と受容機構との係合は、ピンチ(例えば
図2のピンチ22)を使用して補助され、プローブを誘導し得る。
図2の挿入アーム230等のロボットアームは、
図8A〜8Dに図示するように、上向きに引っ張られて、カートリッジからプローブを剥離し得る。
【0130】
ブロック1208において、本方法は、針及びプローブで生体組織を穿刺するステップを含むことができる。いくつかの実装形態では、プローブ挿入の標的深さは、約1〜3ミリメートル(1〜3mm)又はその範囲内の深さの増分又は勾配とすることができる。装着された針は、挿入アームを介して針に下向きの力を加えることによって、生体組織内に挿入され得る。
【0131】
ブロック1210において、本方法は、生体組織内にプローブを残したまま針を引き抜くステップを含むことができる。針は、挿入アームを介して針に実質的に上向きの力を加えることによって後退し得る。いくつかの実施形態では、針を急速加速度(例えば、30,000mm/sまで)でリニアモータによって後退させて、プローブからの針の分離を促進し得る。代替的に又は追加的に、トルクを加えて(例えば針をねじることによって)、プローブ及び針の係合解除を促進し得る。
【0132】
ブロック1212において、追加のプローブがカートリッジ上にあるかどうかの判定を行い得る。例えばカートリッジは最初、
図7に示すように5つのプローブに、又は他の実施形態では200個ものプローブに結合され得る。本システムは、例えばコンピュータビジョン技術を使用して、カートリッジ上のプローブの有無を識別し得る。プローブがカートリッジ上に残っている場合、本方法はブロック1204に戻り、次のプローブを埋め込み得る。プローブがもはやカートリッジ上に残っていない場合(例えば、カートリッジ上の全てのプローブが生体組織内に埋め込まれた場合)、プロセスはブロック1214に進み得る。
【0133】
ブロック1214において、ICチップをカートリッジから切り離し、ICチップを生体組織に残す。「生体組織に」とは、生体組織と接触しているか、又は生体組織から約7mm以内にあることを指し得る。例えば、格納パッケージ構造体をヘッドプレートに結合して、格納パッケージ構造体が脳組織に接触しているか、又は脳組織の上にわずかに浮いているようにしてもよい。このような埋め込みスキームは、例えば
図10Aに図示している。別の例として、
図11に図示するように、格納パッケージ構造体は、脳組織に近接して頭蓋骨に貼り付けられ得る。プローブは、格納パッケージ構造体から脳組織に延在してもよく、格納パッケージ構造体は、脳組織上に配置されて、プローブを介して読み出される情報を収集及び分析する回路を保持する。
【0134】
カートリッジは、カートリッジに上向きの力を加え、及び/又は標的組織に下向きの力を加えて、格納パッケージ構造体とカートリッジとの間の磁気引力に打ち勝つことによって、格納パッケージ構造体から係合解除され得る。格納パッケージ構造体とカートリッジとの係合解除については、
図9Fに関して更に上述されている。
【0135】
いくつかの実施形態では、ステップ1202〜1214を繰り返すことによって、追加のプローブ装置組立体が埋め込まれ得る。これにより、複数のプローブ装置の埋め込みがもたらされ得る。例えば、
図10Aでは10個のプローブ装置組立体が埋め込まれており、
図11では4個のプローブ装置組立体が埋め込まれている。いくつかの態様では、装置を脳に埋め込むとき、次のカートリッジは、前に設置されたカートリッジと同じ脳半球側にあってもよく、又は反対側の脳半球側にあってもよい。
【0136】
本明細書に記載のシステム及び方法は、毎分約6個のプローブを挿入することが可能であり得る。例えば、プローブ当たり32個の電極で、本システムは毎分192個までの電極を挿入することができる。更に、針組立体は、1分足らずで手術中に交換することができる。したがって、本明細書に記載の技術は、生体組織内に数百又は数万の電極を迅速に埋め込むことを可能にする。
【0137】
本明細書に記載のプローブ装置は、科学及び研究実験、神経プロテーゼ(例えば、脳/神経機械インターフェース)、並びに神経疾患の治療(例えば、てんかん治療のための脳深部刺激、アルツハイマー病治療のための感覚記録及び/又は電気刺激、パーキンソン病治療のための感覚記録及び/又は電気刺激等)に使用することができる。
【0138】
いくつかの実施形態では、プローブ装置は、生体組織内に埋め込むように構成することができる。生体組織は、脳、筋肉、肝臓、膵臓、脾臓、腎臓、膀胱、腸、心臓、胃、皮膚、結腸等を含み得るが、これらに限定されない。加えて、電極アレイ設計は、無脊椎動物、脊椎動物、魚類、鳥類、哺乳類、齧歯類(例えば、マウス、ラット)、有蹄類、ウシ、ヒツジ、ブタ、ウマ、非ヒト霊長類及びヒトを含むがこれらに限定されない、任意の適切な多細胞生物に関連して使用され得る。その上、生体組織は、生体外(ex vivo)(例えば、組織外植片)又は生体内(in vivo)(例えば、本方法は患者に対して行われる外科的処置である)であり得る。
【0139】
<コンピュータシステム例>
図13は、特定の実施形態の実装に使用され得る例示的なコンピュータシステム1300を図示する。例えばいくつかの実施形態では、コンピュータシステム1300を使用して、上述の生体組織にプローブ装置をロボットで埋め込むシステムのいずれかを実装し得る。
図13に示すように、コンピュータシステム1300は様々なサブシステムを含み、サブシステムは、バスサブシステム1302を介して多数の他のサブシステムと通信する処理サブシステム1304を含む。これらの他のサブシステムは、処理加速ユニット1306と、I/Oサブシステム1308と、記憶サブシステム1318と、通信サブシステム1324と、を含み得る。記憶サブシステム1318は、記憶媒体1322及びシステムメモリ1310を含む非一時的なコンピュータ可読記憶媒体を含み得る。
【0140】
バスサブシステム1302は、コンピュータシステム1300の様々な構成要素及びサブシステムに意図した通りに相互に通信させる機構を提供する。バスサブシステム1302は単一のバスとして概略的に示されているが、バスサブシステムの代替実施形態は複数のバスを利用し得る。バスサブシステム1302は、メモリバス又はメモリ制御装置、周辺バス、様々なバスアーキテクチャのいずれかを使用するローカルバス等を含む、いくつかのタイプのバス構造のいずれであってもよい。例えばこのようなアーキテクチャは、Industry Standard Architecture(ISA)バス、Micro Channel Architecture(MCA)バス、EnhancedISA(EISA)バス、Video Electronics Standards Association(VESA)ローカルバス、及びPeripheral Component Interconnect(PCI)バス等を含んでもよく、これらはIEEEP1386.1規格に製造されたMezzanineバスとして実装することができる。
【0141】
処理サブシステム1304は、コンピュータシステム1300の動作を制御し、1つ以上のプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を備え得る。プロセッサは、シングルコア又はマルチコアプロセッサであり得る。コンピュータシステム1300の処理リソースは、1つ以上の処理ユニット1332、1334等に編成することができる。処理ユニットは、1つ以上のプロセッサ、同じ又は異なるプロセッサからの1つ以上のコア、コアとプロセッサの組み合わせ、又は他のコアとプロセッサの組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態では、処理サブシステム1304は、グラフィックスプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)等の1つ以上の専用コプロセッサを含むことができる。いくつかの実施形態では、処理サブシステム1304の処理ユニットの一部又は全部は、特定用途向け集積回路(ASIC)又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)等のカスタマイズされた回路を使用して実装することができる。
【0142】
いくつかの実施形態では、処理サブシステム1304内の処理ユニットは、システムメモリ1310又はコンピュータ可読記憶媒体1322内に格納された命令を実行することができる。様々な実施形態では、処理ユニットは様々なプログラム又はコード命令を実行することができ、複数の同時実行プログラム又はプロセスを維持することができる。任意の所与の時点で、実行されるプログラムコードの一部又は全部は、システムメモリ1310及び/又は1つ以上の記憶装置上に潜在的に含まれるコンピュータ可読記憶媒体1322上に常駐することができる。適切なプログラミングによって、処理サブシステム1304は、上述の様々な機能を提供することができる。コンピュータシステム1300が1つ以上の仮想マシンを実行している場合、1つ以上の処理ユニットを各仮想マシンに割り当ててもよい。
【0143】
いくつかの実施形態では、処理加速ユニット1306が任意に設けられて、カスタマイズされた処理を行い、又は処理サブシステム1304によって行われる処理の一部をオフロードして、コンピュータシステム1300によって行われる全体的な処理を加速し得る。
【0144】
I/Oサブシステム1308は、コンピュータシステム1300に情報を入力する、及び/又はコンピュータシステム1300から若しくはコンピュータシステム1300を介して情報を出力する装置及び機構を含み得る。一般に、入力装置という用語の使用は、コンピュータシステム1300に情報を入力する全ての可能なタイプの装置及び機構を含むことを意図している。ユーザインターフェース入力装置は、例えば、キーボード、マウス又はトラックボール等のポインティング装置、ディスプレイに組み込まれるタッチパッド又はタッチスクリーン、スクロールホイール、クリックホイール、ダイヤル、ボタン、スイッチ、キーパッド、音声コマンド認識システムを有する音声入力装置、マイクロフォン、及び他のタイプの入力装置を含み得る。ユーザインターフェース入力装置はまた、ユーザが入力装置を制御して対話することを可能にするMicrosoft Kinect(登録商標)運動センサ、Microsoft Xbox(登録商標)360ゲーム制御装置、ジェスチャ及び音声コマンドを使用して入力を受信するインターフェースを提供する装置等、運動検知及び/又はジェスチャ認識装置を含み得る。ユーザインターフェース入力装置はまた、ユーザからの目の活動(例えば、写真撮影時及び/又はメニュー選択時の「まばたき」)を検出し、目のジェスチャを入力装置(例えばGoogle Glass(登録商標))への入力として変換する、Google Glass(登録商標)点滅検出器等の目のジェスチャ認識装置を含み得る。加えて、ユーザインターフェース入力装置は、ユーザが音声指令を通して音声認識システム(例えばSiri(登録商標)ナビゲータ)と対話することを可能にする音声認識感知装置を含み得る。
【0145】
ユーザインターフェース入力装置の他の例には、3次元(3D)マウス、ジョイスティック又はポインティングスティック、ゲームパッド及びグラフィックタブレット、並びにスピーカ、デジタルカメラ、デジタルカムコーダ、ポータブルメディアプレーヤ、ウェブカム、画像スキャナ、指紋スキャナ、バーコードリーダ3Dスキャナ、3Dプリンタ、レーザー測距器及び視線追跡装置等の音声/表示装置が含まれるが、これらに限定されない。加えて、ユーザインターフェース入力装置は、例えば、コンピュータ断層撮影装置、磁気共鳴撮像装置、位置放射断層撮影装置及び医療用超音波検査装置等の医療用撮像入力装置を含み得る。ユーザインターフェース入力装置はまた、例えば、MIDIキーボード、デジタル楽器等の音声入力装置を含み得る。
【0146】
一般に、出力装置という用語の使用は、コンピュータシステム1300からユーザ又は他のコンピュータに情報を出力する全ての可能なタイプの装置及び機構を含むことを意図している。ユーザインターフェース出力装置は、表示サブシステム、インジケータライト又は音声出力装置等の非視覚的表示を含み得る。表示サブシステムは、陰極線管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)又はプラズマディスプレイを使用するフラットパネル装置、投影装置、タッチスクリーン等であってもよい。例えば、ユーザインターフェース出力装置は、モニタ、プリンタ、スピーカ、ヘッドフォン、カーナビシステム、プロッタ、音声出力装置及びモデム等の、テキスト、グラフィックス及び音声/ビデオ情報を視覚的に伝達する様々な表示装置を含み得るが、これらに限定されない。
【0147】
記憶サブシステム1318は、コンピュータシステム1300によって使用される情報及びデータを格納するリポジトリ又はデータストアを提供する。記憶サブシステム1318は、いくつかの実施形態の機能を提供する基本的なプログラム及びデータ構造を格納する、有形の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体を提供する。記憶サブシステム1318は、処理サブシステム1304によって実行されるときに上述の機能を提供するソフトウェア(例えば、プログラム、コードモジュール、命令)を格納し得る。ソフトウェアは、処理サブシステム1304の1つ以上の処理ユニットによって実行され得る。記憶サブシステム1318はまた、本開示の教示に従って使用されるデータを格納するリポジトリを提供し得る。
【0148】
記憶サブシステム1318は、揮発性及び不揮発性記憶装置を含む1つ以上の非一時的記憶装置を含み得る。
図13に示すように、記憶サブシステム1318は、システムメモリ1310と、コンピュータ可読記憶媒体1322とを含む。システムメモリ1310は、プログラム実行中の命令及びデータを格納する揮発性メインランダムアクセスメモリ(RAM)と、固定命令が格納された不揮発性リードオンリーメモリ(ROM)又はフラッシュメモリと、を含む多数のメモリを含み得る。いくつかの実装形態では、起動時等にコンピュータシステム1300内の要素間で情報を転送するのに役立つ基本ルーチンを包含する基本入出力システム(BIOS)が、典型的にはROMに格納され得る。RAMは、典型的には、処理サブシステム1304によって現在動作及び実行されているデータ及び/又はプログラムモジュールを包含する。いくつかの実装形態では、システムメモリ1310は、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)等の複数の異なるタイプのメモリを含み得る。
【0149】
限定ではなく例として、
図13に描くように、システムメモリ1310は実行中のアプリケーションプログラム1312をロードしてもよく、このアプリケーションプログラム1312は、ウェブブラウザ、中間層アプリケーション、関係データベース管理システム(RDBMS)等の様々なアプリケーション、プログラムデータ1314及びオペレーティングシステム1316を含み得る。例として、オペレーティングシステム1316は、様々なバージョンのMicrosoft Windows(登録商標)、Apple Macintosh(登録商標)及び/又はLinuxオペレーティングシステム、様々な市販のUNIX(登録商標)又はUNIX類似のオペレーティングシステム(様々なGNU/Linuxオペレーティングシステム、Google Chrome(登録商標)OS等を含むがこれらに限定されない)、及び/又はiOS、Windows(登録商標)Phone、Android(登録商標)OS、BlackBerry(登録商標)OS、Palm(登録商標)OSオペレーティングシステム等のモバイルオペレーティングシステムを含み得る。
【0150】
コンピュータ可読記憶媒体1322は、いくつかの実施形態の機能を提供するプログラム及びデータ構造を格納し得る。コンピュータ可読媒体1322は、コンピュータシステム1300に対するコンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール及び他のデータの記憶を提供し得る。処理サブシステム1304によって実行されるとき、上述の機能を提供するソフトウェア(プログラム、コードモジュール、命令)は、記憶サブシステム1318に格納され得る。例として、コンピュータ可読記憶媒体1322は、ハードディスクドライブ、磁気ディスクドライブ、CD−ROM、DVD、Blu−Ray(登録商標)ディスク等の光ディスクドライブ、又は他の光媒体等の不揮発性メモリを含み得る。コンピュータ可読記憶媒体1322は、Zip(登録商標)ドライブ、フラッシュメモリカード、ユニバーサルシリアルバスフラッシュ(USB)ドライブ、セキュアデジタル(SD)カード、DVDディスク、デジタルビデオテープ等を含むが、これらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体1322はまた、フラッシュメモリベースのSSD、エンタープライズフラッシュドライブ、ソリッドステートROM等の不揮発性メモリベースのソリッドステートドライブ(SSD)、ソリッドステートRAM、ダイナミックRAM、スタティックRAM等の揮発性メモリベースのSSD、DRAMベースのSSD、磁気抵抗RAM(MRAM)SSD、及びDRAMとフラッシュメモリベースのSSDの組み合わせを使用するハイブリッドSSDを含み得る。
【0151】
特定の実施形態では、記憶サブシステム1318は、コンピュータ可読記憶媒体1322に更に接続可能なコンピュータ可読記憶媒体リーダ1320も含み得る。リーダ1320は、ディスク、フラッシュドライブ等のメモリ装置からデータを受信し、読み取るように構成され得る。
【0152】
特定の実施形態では、コンピュータシステム1300は、処理及びメモリリソースの仮想化を含むがこれに限定されない仮想化技術をサポートし得る。例えば、コンピュータシステム1300は、1つ以上の仮想マシンを実行するサポートを提供し得る。特定の実施形態では、コンピュータシステム1300は、仮想マシンの構成及び管理を容易にするハイパーバイザ等のプログラムを実行し得る。各仮想マシンには、メモリ、計算機(例えばプロセッサ、コア)、I/O及びネットワークリソースが割り当てられ得る。各仮想マシンは一般に、他の仮想マシンとは独立して実行される。仮想マシンは、典型的にはそれ自体のオペレーティングシステムを実行し、このオペレーティングシステムは、コンピュータシステム1300で実行される他の仮想マシンによって実行されるオペレーティングシステムと同じであっても異なっていてもよい。したがって、コンピュータシステム1300によって複数のオペレーティングシステムが同時に実行される可能性がある。
【0153】
通信サブシステム1324は、他のコンピュータシステム及びネットワークへのインターフェースを提供する。通信サブシステム1324は、コンピュータシステム1300から他のシステムへデータを送受信するインターフェースとして機能する。例えば、通信サブシステム1324は、コンピュータシステム1300がインターネットを介してクライアント装置との間で情報を送受信する、1つ以上のクライアント装置への通信チャネルを確立することを可能にし得る。例えば、通信サブシステムを使用して、クライアント装置から音声入力を受信し、その応答として値をクライアント装置に送信し得る。
【0154】
通信サブシステム1324は、有線及び/又は無線通信プロトコルの両方をサポートし得る。例えば特定の実施形態では、通信サブシステム1324は、無線音声及び/又はデータネットワークにアクセスする無線周波数(RF)トランシーバコンポーネント(例えば携帯電話技術、3G、4G又はEDGE(グローバルな進化のためのデータ転送速度の向上)等の高度データネットワーク技術、Wi-Fi(IEEE802.XX家庭標準若しくは他のモバイル通信技術、又はこれらの任意の組合せ)を使用する)、全地球測位システム(GPS)受信機コンポーネント、及び/又は他のコンポーネントを含み得る。いくつかの実施形態では、通信サブシステム1324は、無線インターフェースに加えて又は無線インターフェースの代わりに、有線ネットワーク接続(例えばイーサネット(登録商標))を提供することができる。
【0155】
通信サブシステム1324は、様々な形態でデータを送受信することができる。例えばいくつかの実施形態では、他の形態に加えて、通信サブシステム1324は、構造化及び/又は非構造化データフィード1326、イベントストリーム1328、イベントアップデート1330等の形態で入力通信を受信することができる。例えば通信サブシステム1324は、Twitter(登録商標)フィード、Facebook(登録商標)アップデート、リッチサイトサマリ(RSS)フィード等のウェブフィード及び/又は1つ以上の第三者情報源からのリアルタイムアップデート等、ソーシャルメディアネットワーク及び/又は他の通信サービスのユーザからリアルタイムでデータフィード1326を受信(又は送信)するように構成され得る。
【0156】
特定の実施形態では、通信サブシステム1324は、連続的なデータストリームの形態でデータを受信するように構成されてもよく、この連続的なデータストリームは、明示的な終了を伴わない連続的な又は無制限な性質を持つリアルタイムイベント及び/又はイベントアップデート1330のイベントストリーム1328を含み得る。連続データを生成するアプリケーションの例には、例えば、センサデータアプリケーション、金融ティッカー、ネットワークパフォーマンス測定ツール(例えば、ネットワーク監視及びトラフィック管理アプリケーション)、クリックストリーム分析ツール、自動車交通監視等が含まれ得る。
【0157】
通信サブシステム1324はまた、コンピュータシステム1300から他のコンピュータシステム又はネットワークにデータを通信するように構成され得る。データは、構造化及び/又は非構造化データフィード1326、イベントストリーム1328、イベントアップデート1330等の様々な異なる形態で1つ以上のデータベースに通信されてもよく、1つ以上のデータベースは、コンピュータシステム1300に結合される1つ以上のストリーミングデータソースコンピュータと通信し得る。
【0158】
コンピュータシステム1300は、ハンドヘルド携帯装置(例えば、iPhone(登録商標)携帯電話、iPad(登録商標)コンピューティングタブレット、PDA)、ウェアラブル装置(例えば、Google Glass(登録商標)ヘッドマウントディスプレイ)、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、メインフレーム、キオスク、サーバラック又は任意の他のデータ処理システムを含む、様々なタイプの1つとすることができる。コンピュータ及びネットワークは常に変化しているため、
図13に描かれるコンピュータシステム1300の説明は、具体例としてのみ意図される。
図13に描かれるシステムよりも多い又は少ない構成要素を有する多くの他の構成が可能である。本明細書で提供される開示及び教示に基づいて、当業者であれば、様々な実施形態を実装する他の手段及び/又は方法を理解するであろう。
【0159】
プローブ装置の1つ以上の部分を取り扱い、結合し、係合するロボットシステムは、更にシステム全体の構成要素とすることができる1つ以上のマイクロプロセッサ/処理装置を有する制御システム(又はマイクロプロセッサ制御装置)を含むことができることを理解されたい。制御システムはロボットシステムに対してローカル又はリモートとすることができ、またユーザによって取り扱われるように構成される表示インターフェース及び/又は動作制御を含んで、ロボットアームのプログラムを変更し、プローブ装置を可視化し、プローブ装置が挿入されている生体組織を可視化し、並びにロボット装置及びそのサブ部分の構成を変更することができる。このような処理装置は、バスを介して不揮発性メモリ装置に通信可能に結合することができる。不揮発性メモリ装置は、電源を切ったときに記憶された情報を保持する任意のタイプのメモリ装置を含み得る。メモリ装置の非限定的な例には、電気的に消去可能なプログラム可能読み出し専用メモリ(「ROM」)、フラッシュメモリ又は任意の他の種類の不揮発性メモリが含まれる。いくつかの態様では、メモリ装置の少なくともいくつかは、処理装置が命令を読み取ることができる非一時的媒体又はメモリ装置を含むことができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読命令又は他のプログラムコードを処理装置に提供することができる電子的な、光学的な、磁気的な又は他の記憶装置を含むことができる。非一時的なコンピュータ可読媒体の非限定的な例には、1つ以上の磁気ディスク、1つ以上のメモリチップ、ROM、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)、ASIC、構成されたプロセッサ、光学記憶装置及び/又はコンピュータプロセッサが命令を読み取ることができる他の任意の媒体が含まれる(ただしこれらに限定されない)。命令は、例えばC、C++、C#、Java、Python、Perl、JavaScript等を含む任意の適切なコンピュータプログラム言語で書かれたコードからコンパイラ及び/又はインタプリタによって生成される、プロセッサ固有の命令を含み得る。
【0160】
上記の説明では、本発明の様々な実施形態及び企図される最良の形態について説明したが、上記の本文がどの程度詳述されているかにかかわらず、本発明は多くの手段で実施することができる。システムの詳細は、その具体的な実装形態においてかなり変化し得るが、それでも本開示によって包含され得る。上述のように、本発明の特定の構成又は態様を説明するときに使用される特有の専門用語は、その専門用語が関連付けられる本発明の任意の具体的な特徴、構成又は態様に限定されるように、本明細書で専門用語が再定義されることを意味するものと解釈されるべきではない。一般に、以下の特許請求の範囲で使用される用語は、上記の詳細な説明セクションがこのような用語を明示的に定義しない限り、本明細書で開示される具体的な例に本発明を限定するものと解釈されるべきではない。したがって、本発明の実際の範囲は、開示された例だけでなく、特許請求の範囲に基づいて本発明を実施又は実装する全ての均等な手段をも包含する。
【0161】
本明細書で提供される本発明の教示は、必ずしも上述のシステムではなく、他のシステムに適用することができる。上述の様々な例の要素及び作用を組み合わせて、本発明の更なる実装形態を提供することができる。本発明のいくつかの代替実装形態は、上述の実装形態に対する付加要素を含むだけでなく、より少ない要素を含み得る。更に、本明細書で言及される任意の具体的な数値は単なる例であり、代替実装形態は異なる値又は範囲を採用してもよく、このような範囲の境界内及び境界における値の様々な増分及び勾配に対応することができる。
【0162】
前述の説明全体を通して、構成、利点又は同様の言語への言及は、本技術で実現され得る構成及び利点の全てが、本発明の任意の単一の実施形態であるべきであること、又は本発明の任意の単一の実施形態であることを意味するものではない。むしろ、構成及び利点に言及する言葉は、実施形態に関連して説明される特定の構成、利点又は特徴が、本技術の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味すると理解される。それ故に、本明細書全体を通しての構成及び利点並びに類似の言語の議論は、必ずしもそうではないが、同じ実施形態を指すことがある。なお、本技術の記載された構成、利点及び特徴は、1つ以上の実施形態において任意の適切な様式で組み合わされ得る。当業者であれば、本技術が特有の実施形態の具体的な構成又は利点のうちの1つ以上がなくても実施できることを認識するであろう。他の例では、本技術の全ての実施形態には存在しないかもしれない特定の実施形態において、追加の構成及び利点が認識され得る。
前記生体組織の外側に露出するように配置されるとともにデータ、電気又は他の信号を中継するように構成される通信ポートを更に備える、請求項12に記載のカートリッジ−プローブ装置組立体。