特表2022-500485(P2022-500485A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2022-500485(P2022-500485A)
(43)【公表日】2022年1月4日
(54)【発明の名称】グラピプラント単位剤形
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/437 20060101AFI20211203BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20211203BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20211203BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20211203BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20211203BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20211203BHJP
【FI】
   A61K31/437
   A61P35/00
   A61K9/20
   A61K47/38
   A61K47/26
   A61K47/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】165
(21)【出願番号】特願2021-517311(P2021-517311)
(86)(22)【出願日】2019年9月27日
(85)【翻訳文提出日】2021年5月25日
(86)【国際出願番号】US2019053413
(87)【国際公開番号】WO2020069288
(87)【国際公開日】20200402
(31)【優先権主張番号】62/737,285
(32)【優先日】2018年9月27日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/834,513
(32)【優先日】2019年4月16日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】520401712
【氏名又は名称】アリーズ セラピューティクス, インコーポレイテッド
(71)【出願人】
【識別番号】513043352
【氏名又は名称】株式会社AskAt
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】マンフレディ, マーク
(72)【発明者】
【氏名】エクセディ, ジェフリー
(72)【発明者】
【氏名】長久 厚
(72)【発明者】
【氏名】奥村 貴子
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA36
4C076BB01
4C076CC27
4C076DD41
4C076DD67
4C076EE31
4C076EE32
4C076FF34
4C086AA01
4C086AA02
4C086CB05
4C086MA01
4C086MA03
4C086MA04
4C086MA05
4C086MA35
4C086MA52
4C086NA10
4C086ZB26
(57)【要約】
本発明は、グラピプラント単位剤形、および増殖性障害を処置するためのその使用方法を提供する。本発明のグラピプラント単位剤形は、患者において増殖性障害を処置するための経口投与に好適であることが判明している。したがって、一態様では、本発明は、グラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩を含む医薬組成物の単位剤形を提供する。いくつかの実施形態において、本発明の単位剤形は、約50mg〜約375mgのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
約50mg〜約375mgのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩、および1または複数の薬学的に受容可能な賦形剤またはキャリアを含む医薬組成物の単位剤形。
【請求項2】
前記医薬組成物が、約300mgのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩、および1または複数の薬学的に受容可能な賦形剤またはキャリアを含む、請求項1に記載の単位剤形。
【請求項3】
前記単位剤形が、健康な成人被験体における:
i)第1日目の朝、絶食状態で1用量、
ii)第2日目から第13日目まで1日2回(BID、およそ12時間毎):朝に絶食状態で1用量、および晩に空腹状態で1用量、
iii)第14日目の朝、絶食状態で1用量
での14日の経口投与により、投薬後第1日目において:
約8240ng/mLの平均血清Cmax
約24900ng時間/mLの平均血清AUCτ、および
約1.5時間の平均血清Tmax
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす、請求項2に記載の単位剤形。
【請求項4】
前記単位剤形が、請求項3に記載の健康な成人被験体における前記14日の経口投与により、投薬後第14日目において:
約10400ng/mLの平均血清Cmax
約32300ng時間/mLの平均血清AUCτ
約1.33の平均血清Rac
約1.00時間の平均血清Tmax
約8.76時間の平均血清t1/2
約82.4mgの平均尿A
約27.5%の平均尿A/用量、
約44.5mL/分の平均尿CL、および
約4838mL/分の平均尿CL/Fu
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす、請求項2または3に記載の単位剤形。
【請求項5】
前記単位剤形が、請求項3に記載の健康な成人被験体における前記14日の経口投与により、投薬後第1日目において:
約8240±約5390ng/mLの血清Cmax
約24900±約10300ng時間/mLの血清AUCτ、および
約0.50〜約4.00時間の血清Tmax
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす、請求項2から4のいずれか一項に記載の単位剤形。
【請求項6】
前記単位剤形が、請求項3に記載の健康な成人被験体における前記14日の経口投与により、投薬後第14日目において:
約10400±約5000ng/mLの血清Cmax
約32300±約11900ng時間/mLの血清AUCτ
約1.33±約0.334の血清Rac
約0.50〜約4.00時間の血清Tmax
約8.76±約2.35時間の血清t1/2
約82.4±約27.1mgの尿A
約27.5%±約9.05%の尿A/用量、
約44.5±約10.0mL/分の尿CL、および
約4838±約1085mL/分の尿CL/Fu
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす、請求項2から5のいずれか一項に記載の単位剤形。
【請求項7】
前記医薬組成物が、約250mgのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩、および1または複数の薬学的に受容可能な賦形剤またはキャリアを含む、請求項1に記載の単位剤形。
【請求項8】
前記単位剤形が、小さな腎臓機能障害を有する高齢の被験体における:
i)第1日目の朝、絶食状態で1用量、
ii)第4日目から第16日目まで1日2回(BID、およそ12時間毎):朝に絶食状態で1用量、および晩に空腹状態で1用量、
iii)第17日目の朝、絶食状態で1用量
での17日の経口投与により、投薬後第1日目において:
約10300ng/mLの平均血清Cmax
約30100ng時間/mLの平均血清AUCτ
約1.00時間の平均血清Tmax、および
約8.63時間の平均血清T1/2
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす、請求項7に記載の単位剤形。
【請求項9】
前記単位剤形が、請求項8に記載の小さな腎臓機能障害を有する高齢の被験体における前記17日の経口投与により、投薬後第17日目において:
約12300ng/mLの平均血清Cmax
約40200ng時間/mLの平均血清AUCτ
約1.54の平均血清Rac
約1.00時間の平均血清Tmax
約57.9mgの平均尿A
約23.2%の平均尿A/用量、
約25.0mL/分の平均尿CL、および
約2719mL/分の平均尿CL/Fu
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす、請求項7または8に記載の単位剤形。
【請求項10】
前記単位剤形が、請求項8に記載の小さな腎臓機能障害を有する高齢の被験体における前記17日の経口投与により、投薬後第1日目において:
約10300±約5710ng/mLの血清Cmax
約30100±約12800ng時間/mLのAUCτ
約0.50〜約1.50時間のTmax、および
約8.63±約2.22時間の血清T1/2
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす、請求項7から9のいずれか一項に記載の単位剤形。
【請求項11】
前記単位剤形が、請求項8に記載の小さな腎臓機能障害を有する高齢の被験体における前記17日の経口投与により、投薬後第17日目において:
約12300±約4020ng/mLの血清Cmax
約40200±約17300ng時間/mLの血清AUCτ
約1.54±約0.841の血清Rac
約0.50〜約1.50時間の血清Tmax
約57.9±約18.7mgの尿A
約23.2%±約7.48%の尿A/用量、
約25.0±約4.69mL/分の尿CL、および
約2719±約510mL/分の尿CL/Fu
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす、請求項7から10のいずれか一項に記載の単位剤形。
【請求項12】
前記医薬組成物が、約375mgのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩、および1または複数の薬学的に受容可能な賦形剤またはキャリアを含む、請求項1に記載の単位剤形。
【請求項13】
前記単位剤形が、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により:
約28900ng時間/mLの平均血清AUC(0−tlast)、
約29100ng時間/mLの平均血清AUC(0−inf)、
約8990ng/mLの平均血清Cmax
約1時間の平均血清Tmax、および
約9.48時間の平均血清T1/2
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす、請求項12に記載の単位剤形。
【請求項14】
前記単位剤形が、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により:
約28900±約13000ng時間/mLの血清AUC(0−tlast)、
約29100±約13000ng時間/mLの血清AUC(0−inf)、
約8990±約4270ng/mLの血清Cmax
約0.5〜約3時間の血清Tmax、および
約9.48±約1.87時間の血清T1/2
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす、請求項12または13に記載の単位剤形。
【請求項15】
前記単位剤形が、食事摂取状態での健康な成人被験体における単回経口投与により:
約24600ng時間/mLの平均血清AUC(0−tlast)、
約24800ng時間/mLの平均血清AUC(0−inf)、
約5840ng/mLの平均血清Cmax
約4時間の平均血清Tmax、および
約8.52時間の平均血清T1/2
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす、請求項12から14のいずれか一項に記載の単位剤形。
【請求項16】
前記単位剤形が、食事摂取状態での健康な成人被験体における単回経口投与により:
約24600±約8660ng時間/mLの血清AUC(0−tlast)、
約24800±約8720ng時間/mLの血清AUC(0−inf)、
約5840±約2890ng/mLの血清Cmax
約1.5〜約4時間の血清Tmax、および
約8.52±約1.29時間の血清T1/2
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす、請求項12から15のいずれか一項に記載の単位剤形。
【請求項17】
前記医薬組成物が、約150mgのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩、および1または複数の薬学的に受容可能な賦形剤またはキャリアを含む、請求項1に記載の単位剤形。
【請求項18】
前記単位剤形が、健康な成人被験体における:
i)第1日目の朝、絶食状態で1用量、
ii)第2日目から第13日目まで1日2回(BID、およそ12時間毎):朝に絶食状態で1用量、および晩に空腹状態で1用量、
iii)第14日目の朝、絶食状態で1用量
での14日の経口投与により、投薬後第1日目において:
約2150ng/mLの平均血清Cmax
約8970ng時間/mLの平均血清AUCτ、および
約1.5時間の平均血清Tmax
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす、請求項17に記載の単位剤形。
【請求項19】
前記単位剤形が、請求項18に記載の健康な成人被験体における前記14日の経口投与により、投薬後第14日目において:
約2670ng/mLの平均血清Cmax
約10300ng時間/mLの平均血清AUCτ
約1.20の平均血清Rac
約1.50時間の平均血清Tmax
約9.71時間の平均血清t1/2
約33.3mgの平均尿A
約22.2%の平均尿A/用量、
約55.2mL/分の平均尿CL、および
約6004mL/分の平均尿CL/Fu
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす、請求項17または18に記載の単位剤形。
【請求項20】
前記単位剤形が、請求項18に記載の健康な成人被験体における前記14日の経口投与により、投薬後第1日目において:
約2150±約1390ng/mLの血清Cmax
約8970±約3880ng時間/mLの血清AUCτ、および
約1.00〜約3.00時間の血清Tmax
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす、請求項17から19のいずれか一項に記載の単位剤形。
【請求項21】
前記単位剤形が、請求項18に記載の健康な成人被験体における前記14日の経口投与により、投薬後第14日目において:
約2670±約1160ng/mLの血清Cmax
約10300±約3350ng時間/mLの血清AUCτ
約1.20±約0.165の血清Rac
約0.50〜約4.00時間の血清Tmax
約9.71±約1.18時間の血清t1/2
約33.3±約11.2mgの尿A
約22.2%±約7.48%の尿A/用量、
約55.2±約12.1mL/分の尿CL、および
約6004±約1313mL/分の尿CL/Fu
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす、請求項17から20のいずれか一項に記載の単位剤形。
【請求項22】
前記医薬組成物が、約50mgのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩、および1または複数の薬学的に受容可能な賦形剤またはキャリアを含む、請求項1に記載の単位剤形。
【請求項23】
前記単位剤形が、健康な成人被験体における:
i)第1日目の朝、絶食状態で1用量、
ii)第2日目から第13日目まで1日2回(BID、およそ12時間毎):朝に絶食状態で1用量、および晩に空腹状態で1用量、
iii)第14日目の朝、絶食状態で1用量
での14日の経口投与により、投薬後第1日目において:
約578ng/mLの平均血清Cmax
約3150ng時間/mLの平均血清AUCτ、および
約1.5時間の平均血清Tmax
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす、請求項22に記載の単位剤形。
【請求項24】
前記単位剤形が、請求項23に記載の健康な成人被験体における前記14日の経口投与により、投薬後第14日目において:
約611ng/mLの平均血清Cmax
約3370ng時間/mLの平均血清AUCτ
約1.13の平均血清Rac
約1.25時間の平均血清Tmax
約6.47時間の平均血清t1/2
約10.6mgの平均尿A
約21.2%の平均尿A/用量、
約56.3mL/分の平均尿CL、および
約6118mL/分の平均尿CL/Fu
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす、請求項22または23に記載の単位剤形。
【請求項25】
前記単位剤形が、請求項23に記載の健康な成人被験体における前記14日の経口投与により、投薬後第1日目において:
約578±約381ng/mLの血清Cmax
約3150±約1490ng時間/mLの血清AUCτ、および
約0.50〜約3.00時間の血清Tmax
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす、請求項22から24のいずれか一項に記載の単位剤形。
【請求項26】
前記単位剤形が、請求項23に記載の健康な成人被験体における前記14日の経口投与により、投薬後第14日目において:
約611±約316ng/mLの血清Cmax
約3370±約1420ng時間/mLの血清AUCτ
約1.13±約0.153の血清Rac
約0.50〜約3.00時間の血清Tmax
約6.47±約1.40時間の血清t1/2
約10.6±約3.18mgの尿A
約21.2%±約6.37%の尿A/用量、
約56.3±約14.5mL/分の尿CL、および
約6118±約1580mL/分の尿CL/Fu
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす、請求項22から25のいずれか一項に記載の単位剤形。
【請求項27】
前記1または複数の薬学的に受容可能な賦形剤またはキャリアが、微結晶性セルロース、ラクトース一水和物(修飾)、クロスカルメロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、およびステアリン酸マグネシウムを含む、請求項1から26のいずれか一項に記載の単位剤形。
【請求項28】
前記賦形剤の量が、グラピプラント1mg当たり:
約1.82mgの微結晶性セルロース、
約0.88mgのラクトース一水和物(修飾)、
約0.2mgのクロスカルメロースナトリウム、
約0.08mgのヒドロキシプロピルセルロース、および
約0.02mgのステアリン酸マグネシウム
である、請求項27に記載の単位剤形。
【請求項29】
前記単位剤形が、1または複数の錠剤を含む、請求項1から28のいずれか一項に記載の単位剤形。
【請求項30】
1または複数の錠剤が、約125mgのグラピプラント、約227.5mgの微結晶性セルロース、約110.0mgのラクトース一水和物(修飾)、約25.0mgのクロスカルメロースナトリウム、10.0mgのヒドロキシプロピルセルロース、および約2.5mgのステアリン酸マグネシウムを含む、請求項29に記載の単位剤形。
【請求項31】
1または複数の錠剤が、約25mgのグラピプラント、約45.5mgの微結晶性セルロース、約22.0mgのラクトース一水和物(修飾)、約5.0mgのクロスカルメロースナトリウム、約2.0mgのヒドロキシプロピルセルロース、および約0.5mgのステアリン酸マグネシウムを含む、請求項29または30に記載の単位剤形。
【請求項32】
患者において、増殖性障害を処置するための方法であって、請求項1から31のいずれか一項に記載の単位剤形を投与することを含む、方法。
【請求項33】
約1mg〜約2000mgのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩を含む、構成用経口粉末(OPC)製剤の医薬組成物の単位剤形。
【請求項34】
約1mg〜約2000mgのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩、および水を含む、液体形態の医薬組成物の単位剤形。
【請求項35】
約1mgのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩、および水を含む、請求項34に記載の単位剤形。
【請求項36】
絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、
約6.59ng/mLの平均血清Cmax
約2.5時間の平均血清Tmax、および
約59.1ng時間/mLの平均血清AUC(Tlast)
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす、請求項35に記載の単位剤形。
【請求項37】
絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、
約6.59±約1.86ng/mLの血清Cmax
約1.5時間〜約8.00時間の血清Tmax、および
約59.1±約18.8ng時間/mLの血清AUC(Tlast)
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす、請求項35または36に記載の単位剤形。
【請求項38】
約3mgのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩、および水を含む、請求項34に記載の単位剤形。
【請求項39】
絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、
約23.1ng/mLの平均血清Cmax
約3.00時間の平均血清Tmax
約246ng時間/mLの平均血清AUC(Tlast)、
約260ng時間/mLの平均血清AUC(inf)、および
約5.34時間の平均血清T1/2
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす、請求項38に記載の単位剤形。
【請求項40】
絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、
約23.1±約6.16ng/mLの血清Cmax
約2.50時間〜約6.00時間の血清Tmax
約246±約76.7ng時間/mLの血清AUC(Tlast)、
約260±約82.7ng時間/mLの血清AUC(inf)、および
約5.34±約0.147時間の血清T1/2
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす、請求項38または39に記載の単位剤形。
【請求項41】
約10mgのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩、および水を含む、請求項34に記載の単位剤形。
【請求項42】
絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、
約110ng/mLの平均血清Cmax
約2.00時間の平均血清Tmax
約901ng時間/mLの平均血清AUC(Tlast)、
約917ng時間/mLの平均血清AUC(inf)、および
約5.10時間の平均血清T1/2
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす、請求項41に記載の単位剤形。
【請求項43】
絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、
約110±約21.0ng/mLの血清Cmax
約1.00時間〜約2.50時間の血清Tmax
約901±約179ng時間/mLの血清AUC(Tlast)、
約917±約178ng時間/mLの血清AUC(inf)、および
約5.10±約1.90時間の血清T1/2
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす、請求項41または42に記載の単位剤形。
【請求項44】
約30mgのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩、および水を含む、請求項34に記載の単位剤形。
【請求項45】
絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、
約262ng/mLの平均血清Cmax
約1.00時間の平均血清Tmax
約2120ng時間/mLの平均血清AUC(Tlast)、
約2150ng時間/mLの平均血清AUC(inf)、および
約6.14時間の平均血清T1/2
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす、請求項44に記載の単位剤形。
【請求項46】
絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、
約262±約83.1ng/mLの血清Cmax
約1.00時間〜約2.00時間の血清Tmax
約2120±約750ng時間/mLの血清AUC(Tlast)、
約2150±約740ng時間/mLの血清AUC(inf)、および
約6.14±約1.36時間の血清T1/2
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす、請求項44または45に記載の単位剤形。
【請求項47】
約100mgのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩、および水を含む、請求項34に記載の単位剤形。
【請求項48】
絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、
約1440ng/mLの平均血清Cmax
約0.75時間の平均血清Tmax
約7170ng時間/mLの平均血清AUC(Tlast)、
約7220ng時間/mLの平均血清AUC(inf)、および
約6.91時間の平均血清T1/2
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす、請求項47に記載の単位剤形。
【請求項49】
絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、
約1440±約489ng/mLの血清Cmax
約0.50時間〜約1.00時間の血清Tmax
約7170±約1720ng時間/mLの血清AUC(Tlast)、
約7220±約1720ng時間/mLの血清AUC(inf)、および
約6.91±約2.57時間の血清T1/2
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす、請求項47または48に記載の単位剤形。
【請求項50】
約300mgのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩、および水を含む、請求項34に記載の単位剤形。
【請求項51】
絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、
約12000ng/mLの平均血清Cmax
約0.75時間の平均血清Tmax
約31200ng時間/mLの平均血清AUC(Tlast)、
約31300ng時間/mLの平均血清AUC(inf)、および
約7.98時間の平均血清T1/2
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす、請求項50に記載の単位剤形。
【請求項52】
絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、
約12000±約3240ng/mLの血清Cmax
約0.50時間〜約1.00時間の血清Tmax
約31200±約7270ng時間/mLの血清AUC(Tlast)、
約31300±約7260ng時間/mLの血清AUC(inf)、および
約7.98±約1.73時間の血清T1/2
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす、請求項50または51に記載の単位剤形。
【請求項53】
約600mgのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩、および水を含む、請求項34に記載の単位剤形。
【請求項54】
絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、
約45000ng/mLの平均血清Cmax
約0.50時間の平均血清Tmax
約92200ng時間/mLの平均血清AUC(Tlast)、
約92500ng時間/mLの平均血清AUC(inf)、および
約8.03時間の平均血清T1/2
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす、請求項53に記載の単位剤形。
【請求項55】
絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、
約45000±約11500ng/mLの血清Cmax
約0.50時間〜約1.00時間の血清Tmax
約92200±約20700ng時間/mLの血清AUC(Tlast)、
約92500±約20800ng時間/mLの血清AUC(inf)、および
約8.03±約1.46時間の血清T1/2
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす、請求項53または54に記載の単位剤形。
【請求項56】
約1000mgのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩、および水を含む、請求項34に記載の単位剤形。
【請求項57】
絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、
約64300ng/mLの平均血清Cmax
約1.00時間の平均血清Tmax
約174000ng時間/mLの平均血清AUC(Tlast)、
約175000ng時間/mLの平均血清AUC(inf)、および
約9.41時間の平均血清T1/2
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす、請求項56に記載の単位剤形。
【請求項58】
絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、
約64300±約17100ng/mLの血清Cmax
約0.50時間〜約1.00時間の血清Tmax
約174000±約56700ng時間/mLの血清AUC(Tlast)、
約175000±約56700ng時間/mLの血清AUC(inf)、および
約9.41±約1.49時間の血清T1/2
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす、請求項56または57に記載の単位剤形。
【請求項59】
約1500mgのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩、および水を含む、請求項34に記載の単位剤形。
【請求項60】
絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、
約83800ng/mLの平均血清Cmax
約0.75時間の平均血清Tmax
約242000ng時間/mLの平均血清AUC(Tlast)、
約242000ng時間/mLの平均血清AUC(inf)、および
約8.13時間の平均血清T1/2
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす、請求項59に記載の単位剤形。
【請求項61】
絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、
約83800±約21800ng/mLの血清Cmax
約0.50時間〜約1.00時間の血清Tmax
約242000±約64000ng時間/mLの血清AUC(Tlast)、
約242000±約63900ng時間/mLの血清AUC(inf)、および
約8.13±約2.18時間の血清T1/2
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす、請求項59または60に記載の単位剤形。
【請求項62】
約2000mgのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩、および水を含む、請求項34に記載の単位剤形。
【請求項63】
絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、
約134000ng/mLの平均血清Cmax
約1.00時間の平均血清Tmax
約478000ng時間/mLの平均血清AUC(Tlast)、
約479000ng時間/mLの平均血清AUC(inf)、および
約8.25時間の平均血清T1/2
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす、請求項62に記載の単位剤形。
【請求項64】
絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、
約134000±約51600ng/mLの血清Cmax
約0.50時間〜約1.00時間の血清Tmax
約478000±約228000ng時間/mLの血清AUC(Tlast)、
約479000±約229000ng時間/mLの血清AUC(inf)、および
約8.25±約1.38時間の血清T1/2
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす、請求項62または63に記載の単位剤形。
【請求項65】
1または複数の薬学的に受容可能な賦形剤またはキャリアをさらに含む、請求項33から65のいずれか一項に記載の単位剤形。
【請求項66】
1または複数の薬学的に受容可能な賦形剤またはキャリアが、ヒドロキシプロピルセルロース、微結晶性セルロース、二酸化チタン、キシリトール、および30%シメチコン乳剤を含む、請求項33から65のいずれか一項に記載の単位剤形。
【請求項67】
1または複数の薬学的に受容可能な賦形剤またはキャリアが、約200mgのヒドロキシプロピルセルロース、約300mgの微結晶性セルロース、約50mgの二酸化チタン、約400mgのキシリトール、および約33.3mgの30%シメチコン乳剤を含む、請求項66に記載の単位剤形。
【請求項68】
前記水が約100mLである、請求項34から67のいずれか一項に記載の単位剤形。
【請求項69】
患者において増殖性障害を処置するための方法であって、請求項33から68のいずれか一項に記載の単位剤形を投与することを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の技術分野
本発明は、グラピプラント単位剤形およびその使用の方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
プロスタグランジンは、炎症に伴う疼痛、発熱および他の症状の媒介因子である。プロスタグランジンE2(PGE2)は、炎症状態において検出される主要なエイコサノイドである。加えて、PGE2はまた、様々な生理学的および/または病理学的状態、例えば、痛覚過敏、子宮収縮、消化のぜん動、覚醒、胃酸分泌の抑制、血圧、血小板機能、骨代謝、血管新生などにも関与している。
異なる薬理学的特性を示す4種のPGE2受容体サブタイプ(EP1、EP2、EP3およびEP4)が存在する。EP4サブタイプであるGs共役受容体は、cAMP産生ならびにPI3KおよびGSK3βシグナル伝達を刺激し、多種多様な組織に分配され、PGE2媒介性生物学的事象における主要な役割を示唆している。N−((4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェネチル)カルバモイル)−4−メチルベンゼンスルホンアミド(グラピプラントとしても公知である)を含む様々なEP4阻害剤は、例えば、その内容がそれら全体において参照により本明細書に組み込まれる、WO2002/032900、WO2005/021508、US6,710,054、およびUS7,238,714に以前に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2002/032900号
【特許文献2】国際公開第2005/021508号
【特許文献3】米国特許第6,710,054号明細書
【特許文献4】米国特許第7,238,714号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
発明の概要
本発明のグラピプラント単位剤形は、患者において増殖性障害を処置するための経口投与に好適であることが判明している。したがって、一態様では、本発明は、グラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩を含む医薬組成物の単位剤形を提供する。いくつかの実施形態において、本発明の単位剤形は、約50mg〜約375mgのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩を含む。いくつかの実施形態において、本発明の単位剤形は、1または複数の薬学的に受容可能な賦形剤またはキャリアを含む。いくつかの実施形態において、1または複数の薬学的に受容可能な賦形剤またはキャリアは、微結晶性セルロース、ラクトース一水和物(修飾)、クロスカルメロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、およびステアリン酸マグネシウムを含む。いくつかの実施形態において、本発明の単位剤形は、本明細書に記載されている薬物動態学結果を示す。
【0005】
いくつかの実施形態において、本発明は、約1mg〜約2000mgのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩を含む、構成用経口粉末(OPC)製剤の医薬組成物の単位剤形を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、約1mg〜約2000mgのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩、および水を含む、液体形態の医薬組成物の単位剤形を提供する。
【0006】
別の態様では、本発明は、増殖性障害を処置するための方法であって、本明細書に記載のグラピプラント単位剤形を投与することを含む方法を提供する。いくつかの実施形態において、増殖性障害は本明細書に記載されている通りである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、絶食状態および食事摂取状態の健康な被験体(N=12)における、375mg錠剤のグラピプラントの経口投与後の平均血清グラピプラント濃度対時間プロファイルを示している。
【0008】
図2図2は、CT−26腫瘍を保持するBALB/Cマウスにおける成長動態を表している。CT−26腫瘍を保持するBALB/Cマウスを、ビヒクル(0.5%メチルセルロースおよびIgG2a)、抗PD−1、または化合物Bを、15mg/kg QDおよびBIDで、単独でまたは抗PD−1と組み合わせて処置した。平均腫瘍体積(mm)および平均の標準誤差(n=10/群)が示されている。
【0009】
図3図3は、腫瘍を保持するマウスのKaplan−Meier曲線を表している。ビヒクル(0.5%メチルセルロースおよびIgG2a)、抗PD−1、または化合物Bを、15mg/kg QDおよびBIDで、単独でまたは抗PD−1と組み合わせて処置した腫瘍保持マウスのKaplan−Meier曲線。マウスは腫瘍接種後から99日モニターし、動物は腫瘍サイズが3000mmを超えた時点で屠殺した。
【0010】
図4図4は、4T1腫瘍を保持するBALB/Cマウスにおける腫瘍成長動態を表している。4T1腫瘍を保持するBALB/Cマウスは、ビヒクル、抗CTLA4、または化合物Bを、15mg/kg BIDで、単独でまたは抗CTLA41と組み合わせて処置した。平均腫瘍体積(mm)および平均の標準誤差(n=10/群)が示されている。
【0011】
図5図5は腫瘍保持マウス研究のKaplan−Meier曲線を表している。ビヒクル、抗CTLA4、または化合物Bを15mg/kg BIDで、単独でまたは抗CTLA4と組み合わせて処置した腫瘍保持マウスのKaplan−Meier曲線。マウスは腫瘍接種後、41日間モニターし、動物は腫瘍サイズが3000mmを超えた時点で屠殺した。
【0012】
図6図6は、健康な成人被験体への絶食状態でのグラピプラントOPCの単回経口投与後の平均(SD)グラピプラント血清中濃度を示している。
【0013】
図7図7は、健康な成人被験体への絶食状態での1mg、3mg、10mg、30mg、100mg、300mg、600mg、1000mg、1500mg、および2000mgの単回用量のグラピプラントOPCの個々および平均の用量規格化AUC(Tlast)値を示す。
【0014】
図8図8は、ビヒクル(0.5%メチルセルロースおよびPBS)、抗PD1、または化合物Bを15mg/kg BIDで、単独でまたは抗PD1と組み合わせて処置した、CT−26腫瘍を保持するBALB/Cマウスを表す。平均腫瘍体積(mm)および平均の標準誤差(n=7/群)が示される。
【0015】
図9図9は、ビヒクル(0.5%メチルセルロースおよびPBS)、抗PD1、または化合物Bを15mg/kg BIDで、単独でまたは抗PD1と組み合わせて処置した、4T1腫瘍を保持するBALB/Cマウスを表す。平均腫瘍体積(mm)および平均の標準誤差(n=7/群)が示される。
【0016】
図10図10は、ビヒクル(0.5%メチルセルロースおよびPBS)、抗PD1、または化合物B(CPD−B)を15mg/kg BIDで、単独でまたは抗PD1と組み合わせて処置したBALB/cマウスにおいて成長させたCT−26腫瘍の免疫細胞の組成を表している。制御性T細胞(a)、樹状細胞(b)、活性化T細胞(c)および活性化PD−1高T細胞(d)のパーセンテージが示されている。ビヒクルを処置群と比較するスチューデントのt検定を使用してp値を決定した;p<0.05、**p<0.01。
【発明を実施するための形態】
【0017】
発明の詳細な説明
1.本発明のある種の実施形態の一般的記載
様々な投与量レベルのグラピプラント錠剤が、14日の経口投与レジメンを介して健康な成人被験体に投与され、14日間の複数回用量のグラピプラントの投与は、約300mg BID(1日2回)までの用量において十分許容されることが判明した。全身暴露は、50〜150mg BIDの間において、ほぼ用量比例方式で用量と共に増加した。しかし、用量が150mg BIDから300mg BIDへと2倍増加した場合、平均曝露はおよそ3倍増加した。375mg用量のグラピプラント錠剤は、絶食状態と食事摂取状態の両方の健康な成人被験体において、十分許容されることも判明した。
【0018】
約250mg BIDにおける17日のグラピプラントの経口投与は、軽度腎臓機能障害を有する高齢の被験体において十分に許容されることもまた判明した。この群の被験体における平均曝露は、健康な成人における300mg BID用量で観察された平均曝露よりわずかに大きく、個々の曝露においてこれら2つの群の間でかなりの重複が存在した。
【0019】
したがって、いくつかの実施形態において、本発明は、医薬組成物の単位剤形であって、約50mg〜約375mgのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩、および1または複数の薬学的に受容可能な賦形剤またはキャリアを含む単位剤形を提供する。
【0020】
加えて、OPC製剤での、約1mg〜約2000mgのグラピプラントの単回経口投与の後、グラピプラントは、急速な吸収、これに続く血清中濃度における双指数関数的減少を示し、グラピプラントの曝露およびピーク血清中濃度は用量と共に増加したことが判明した。便潜血検査に対する陽性結果、心臓テレメトリーの異常、およびバイタルサイン測定またはECGパラメーターにおける臨床的に重要な、処置に関連した変化はいずれの処置群に対しても観察されなかった。
【0021】
したがって、いくつかの実施形態において、本発明は、OPC製剤での、約1mg〜約2000mgのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩を含む医薬組成物の単位剤形を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、約1mg〜約2000mgのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩、および水を含む、医薬組成物の液体単位剤形を提供する。
【0022】
いくつかの実施形態において、本発明は、増殖性障害を処置するための方法であって、本明細書に記載のグラピプラント単位剤形を投与することを含む方法を提供する。
【0023】
2.定義
本明細書で使用される場合、用語「グラピプラント」は、式:
【化1】
の化合物を指す。いくつかの実施形態では、グラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩は結晶形である。いくつかの実施形態において、グラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩は、その内容がこれら全体において参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,960,407号および第9,265,756号に記載されているような多形形態Aである。いくつかの実施形態において、多形形態Aのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩は、2−シータ°9.8、13.2、13.4、13.7、14.1、17.5、19.0、21.6、24.0および25.7+/−0.2において主要ピークを含む、Cu Kα放射線での照射により得られる粉末X線回折パターンを特徴とする。いくつかの実施形態において、多形形態Aのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩は、それが約160℃で吸熱性事象を示す示差走査熱量測定(DSC)を特徴とする。いくつかの実施形態において、多形形態Aのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩は、約9.9、約13.5、約14.3、約16.1、約17.7、約21.8、約24.14、および約25.8度の2シータで表される特徴的ピークを有する粉末X線回折パターンを示す。いくつかの実施形態において、多形形態Aのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩は、約155〜170℃で吸熱/発熱を示した示差走査熱量測定プロファイルを示す。いくつかの実施形態において、多形形態Aのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩は、約30°〜約150℃に加熱した場合、0.5〜0.6%の質量損失を示す熱重量分析を示す。
【0024】
本明細書で使用する場合、用語「薬学的に受容可能な塩」は、妥当な医療的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などがなく、ヒトおよび下等動物の組織に接触させて使用するのに好適であり、かつ妥当な利益/リスク比に見合う塩を意味する。薬学的に受容可能な塩は、当技術分野において周知である。例えば、S.M.Bergeらが、参照により本明細書に組み込まれている、J.Pharmaceutical Sciences、1977年、66巻、1〜19頁に薬学的に受容可能な塩を詳細に記載している。本発明の化合物の薬学的に受容可能な塩は、好適な無機酸および有機酸、ならびに無機塩基および有機塩基から誘導されるものを含む。薬学的に受容可能な非毒性の酸付加塩の例は、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸および過塩素酸などの無機酸と共に、または酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸もしくはマロン酸などの有機酸と共に、またはイオン交換などの当技術分野において使用されている他の方法を使用することにより形成される、アミノ基の塩である。他の薬学的に受容可能な塩には、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、二グルコン酸塩、ドデシル硫酸酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などが含まれる。
【0025】
適切な塩基から誘導される塩には、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩およびN(C1〜4アルキル)塩が含まれる。代表的なアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩には、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどが含まれる。さらに、薬学的に受容可能な塩には、適切な場合、ハロゲン化物イオン、水酸化物イオン、カルボン酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオン、硝酸イオン、低級アルキルスルホン酸イオンおよびアリールスルホン酸イオンなどの対イオンを使用して形成される、非毒性のアンモニウム陽イオン、四級アンモニウム陽イオン、およびアミン陽イオンが含まれる。
【0026】
特に明記しない限り、本明細書において図示されている構造は、該構造のすべての異性体(例えば、鏡像異性体、ジアステレオマー異性体および幾何(または立体構造)異性体)、例えば、各不斉中心に関してRおよびS立体配置、ZおよびE二重結合異性体、ならびにZおよびE立体構造異性体を含むことがやはり意図される。したがって、本化合物の単一立体化学異性体、ならびに鏡像異性体、ジアステレオマー異性体および幾何(または立体構造)異性体混合物が、本発明の範囲内にある。特に明記しない限り、本発明の化合物のすべての互変異性体が、本発明の範囲内にある。さらに、特に明記しない限り、本明細書で示されている構造は、1個または複数の同位体濃縮原子の存在のみが異なる化合物を含むことが意図される。例えば、重水素またはトリチウムによる水素の置き換え、または13Cまたは14Cを豊富に含む炭素による炭素の置き換えを含む本発明の構造を有する化合物は、本発明の範囲内である。このような化合物は、例えば、分析用ツールとして、生物学的アッセイにおけるプローブとして、または本発明による治療剤として有用である。
【0027】
血清薬物動態学的パラメーターは、標準的な非コンパートメント法を使用する、WinNonlinバージョン3.2(Pharsight(登録商標)、Mountain View、CA)を使用して計算することができる。本明細書で使用される場合、用語「Cmax」は、濃度対時間データから直接推定したグラピプラントの最大血清中濃度を指す。本明細書で使用される場合、用語「Tmax」は、Cmaxの最初の発生時間を指す。本明細書で使用される場合、用語「AUC(0−tlast)」は、時間0〜Tlast(線形/対数台形近似を使用して推定した最後の定量化可能濃度の時間)の血清中濃度対時間曲線下面積を指す。データが許す場合、最終対数−線形期の間に得た血清中濃度−時間データの線形最小二乗回帰分析を使用して、終末相の消失速度定数(kel)を推定した。本明細書で使用される場合、用語「AUC(0−inf)」は、無限大まで外挿したAUC(0−tlast)を指し、これは、AUC(0−tlast)とCest/kelの合計として計算される(式中、Cestは、最後の定量化可能な時間点における対数線形回帰分析から得られる、予測される血漿中濃度である)。本明細書で使用される場合、用語「t1/2」は、ln(2)/kelとして計算される終末相半減期を指す。本明細書で使用される場合、用語「AUC(last−inf)」は、Tlastから無限大までの血清中濃度対時間曲線下面積を指し、Cpest/kel(式中、Cpestは上述の回帰分析に基づく、時間Tlastでの推定濃度を表した)として推定される。本明細書で使用される場合、用語「AUCτ」は、投薬間隔にわたる血清中濃度対時間曲線下面積を指す。本明細書で使用される場合、用語「Rac」は、血清中のグラピプラントの蓄積比を指し、第1日目と比較して、定常状態での薬物蓄積の尺度として計算される。本明細書に記載されている14日の経口投与に対するRacは、方程式:Rac=(第14日目AUCτ/第1日目AUCτ)を使用して計算する。本明細書に記載されている17日の経口投与に対するRacは、方程式:Rac=(第17日目AUCτ/第1日目AUCτ)を使用して計算する。第17日目は、被験体の高齢者群において定常状態として使用され、これら被験体に対する複数回投薬期間の第14日目である。
【0028】
尿薬物動態学パラメーターは、尿中に未変化で排出された親薬物の量を評価するために使用することができる。尿薬物動態学的パラメーターは、投薬間隔にわたり尿中に未変化で排出されたグラピプラントの量が本明細書に記載されている14日および17日の経口投与に対する投薬最終日において定常状態にあったという想定で計算することができる。本明細書で使用される場合、用語「A」は、第14日目または第17日目において投薬から0〜12時間後に排出された親薬物の量を指し、(尿グラピプラント濃度x尿体積)により計算される。本明細書で使用される場合、用語「A/用量」は第14日目または第17日目において腎臓により未変化で排出された用量のパーセントを指し、(A/用量)×100により計算される。本明細書で使用される場合、用語「CL」は、第14日目または第17日目における腎臓クリアランスを指し、(A/AUCτ)により計算される。本明細書で使用される場合、用語「CL/Fu」は、非結合薬物の腎臓クリアランスを指し、(CL/Fu)により計算され、この場合タンパク質(Fu)に結合していない血清中の薬物の割合が、in vitroヒト血清タンパク質結合データから決定される。
【0029】
各骨マーカー(血清骨特異的アルカリホスファターゼおよびオステオカルシン、I型コラーゲンの泌尿器N末端テロペプチド)は、ベースラインからの変化のパーセンテージとして表現され、分析される。骨マーカーデータ分析に対する外れ値の影響を評価するため、以下の分析を最初に行うことができる。外れ値は、各投薬レジメンと日の組合せに対する(中央値±3.5標準偏差[SD])として定義される正常分布と一致する区間の外側にあるものと特定される。SDは、すべての投薬レジメンと日の組合せの全域でプールした推定値であり、それぞれスケーリングされた四分位数範囲0.75(Q75〜Q25)により推定される。明示的に、各投薬レジメンと日の組合せに対して、SDiで表されるそのSDはそのスケーリングされた四分位数範囲0.75(Q75〜Q25)により推定される。全体的SDは、
【数1】
として推定される。次いで、混合効果モデル、処置(投薬レジメン)、日、および日単位での治療相互作用を固定とし、被験体を無作為と考えて、(ベースラインからのパーセント変化)値を分析する。ベースライン値は共変量として含まれていない。モデルは、コホートの各グループ(コホート1〜3および5)に別個にフィットする。コホート1〜3に対して、目的の日は第7日目および第14日目である。コホート5に対して、目的の日は第10日目および第17日目である。コホートの各グループに対して、化合物対称性を想定し、制限付き最尤推定法(Restricted Maximum Likelihood Estimates)を使用する。最小二乗平均(LSMeans)および95%信頼区間(CI)を各処置と日の組合せに対して得る。各処置内で、投薬後の各日におけるベースラインからのLSMeanパーセント変化(すなわち、コホート1〜3に対しては第7日目および第14日目、およびコホート5に対しては第10日目および第17日目)を、これらの95%CIと共に得る。加えて、投薬後の各日に対して、実剤投薬されたレジメンとプラセボとの間のベースラインからのLSMeanパーセント変化の差を得る。t検定を使用して、これらのプラセボとの差を比較するp値を得る。複数比較に対して調節は行わない。差に対する95%CIもまた示される。異常値が特定された場合、同じ混合効果モデルを上記に詳述されたように使用して、追加の混合モデル分析を行って、異常値を除外する。元データと、処置レジメンおよび時間点によるベースライン変数からの変化のパーセンテージとの両方に対して、各骨マーカーに対する記述統計学(N、平均値、中央値、SD、変動係数[CV]、最小値、および最大値)が提供され、これらはコホートの各グループに対して別個に示される。ベースラインプロファイルからの個々の変化のパーセント対時間プロットを処置レジメンによりプロットする。さらに、ベースラインからの変化のパーセンテージとして表現される元データに対する各骨マーカーに対して、LSMean処置レジメンプロファイル対時間プロットもまた提供され、プロットはすべてのデータを含み、異常値を除外し、異常値はコホートの各グループに対して別個に示されている。
【0030】
本明細書で使用される場合、用語「コホート1」、「コホート2」、および「コホート3」は、グラピプラント錠剤が、健康な成人被験体における、以下:第1日目の朝、絶食状態で1用量;第2日目から第13日目まで1日2回(BID、およそ12時間毎):朝に絶食状態で1用量、および晩に空腹状態で1用量;ならびに、第14日目の朝、絶食状態で1用量の14日の経口投与レジメンにより、それぞれ50mg、150mg、および300mgの投与量レベルで投与される研究を指す。
【0031】
本明細書で使用される場合、用語「コホート5」および/または「コホート6」は、グラピプラント錠剤が、小さな腎臓機能障害を有する高齢の被験体における、以下:第1日目の朝、絶食状態で1用量;第4日目から第16日目まで1日2回(BID、およそ12時間毎):朝に絶食状態で1用量、および晩に空腹状態で1用量;ならびに第17日目の朝、絶食状態で1用量の17日の経口投与レジメンにより、250mgの投与量レベルで投与される研究を指す。
【0032】
本明細書で使用される場合、用語「健康な成人被験体」は、年齢18〜55才の間(両端の値を含む)であり、詳細な病歴、血圧および心拍数測定を含む全身診察、12−lead ECG、ならびに臨床検査試験により特定される臨床的に関連する異常を有さない被験体を指す。いくつかの実施形態において、健康な成人被験体は、ボディマス指数(BMI)18〜30kg/m(両端の値を含む)を有する。いくつかの実施形態において、健康な成人被験体は、全体重>50kg(110ポンド)を有する。
【0033】
本明細書で使用される場合、用語「小さな腎臓機能障害を有する高齢の被験体」(elderly subjects with minor renal impairment)は、60才またはそれよりも上であり、Cockcroft and Gaultの方法(その全内容物が参照により本明細書に組み込まれる、Cockcroft DW, Gault MH. Prediction of creatinine clearance from serum creatinine. Nephron 1976; 16:31-41):
【数2】
を使用して導かれる、およそ60〜80mL/分のクレアチニンクリアランス計算値を有する被験体を指す。いくつかの実施形態において、小さな腎臓機能障害を有する高齢の被験体は、18〜30kg/m(両端の値を含む)のボディマス指数(BMI)を有する。いくつかの実施形態において、小さな腎臓機能障害を有する高齢の被験体は全体重>50kg(110ポンド)を有する。
【0034】
本明細書で使用される場合、数値と併せて使用されている用語「約」または「およそ」は、数値的な値の上下の境界を超えて広がる範囲を指す。例えば、用語「約」または「およそ」は、述べられている値を30%、25%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、または0.5%の誤差分だけ上方および/または下方に(より高くまたはより低く)広げることができる。いくつかの実施形態において、用語「約」または「およそ」は、述べられている値を25%の誤差分だけ上方および/または下方に(より高くまたはより低く)広げることができる。いくつかの実施形態において、用語「約」または「およそ」は、述べられている値を10%の誤差分だけ上方および/または下方に(より高くまたはより低く)広げることができる。いくつかの実施形態において、用語「約」または「およそ」は、述べられている値を5%の誤差分だけ上方および/または下方に(より高くまたはより低く)広げることができる。
【0035】
本明細書で使用される場合、用語「絶食状態(state)」、「絶食状態(condition)」、「絶食した状態(state)」または「絶食した状態(condition)」は、すべての食物および飲み物(水を除く)を少なくとも約8時間絶った後の状態(state)または状態(condition)を指す。いくつかの実施形態において、被験体は、朝、投薬を受ける少なくとも8時間前からすべての食物および飲み物(水を除く)を絶ち、昼食までこれを継続するものとする。
【0036】
本明細書で使用される場合、用語「食事摂取状態(fed state)」または「食事摂取状態(fed condition)」は、標準化した高脂肪食の後の状態(state)または状態(condition)を指す。いくつかの実施形態において、食事摂取状態での投与は、標準的なFDA高脂肪朝食後の投与を指す。いくつかの実施形態において、食事摂取状態レジメンを受ける被験体は、試験食を摂取する少なくとも8時間前からすべての食物および飲み物(水を除く)を絶つ。いくつかの実施形態において、投薬第1日目以前は、被験体には、バターで炒めた卵2個、ベーコン2切れ、バター2かけとトースト2切れ、ハッシュブラウン4オンスおよび全乳8オンスで構成される標準的なFDA高脂肪朝食が出され、被験体はこれらを摂取し、20分以内に完全に消費するものとする。この朝食はおよそタンパク質150kcal、炭水化物250kcal、および脂肪500〜600kcalを含有する。いくつかの実施形態において、食事が同様の配合およびカロリー含有量を有するという条件で代替の食事が出されても良い。
【0037】
3.例示的実施形態の記載
一態様では、本発明は、約50mg〜約375mgのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩、および1または複数の薬学的に受容可能な賦形剤またはキャリアを含む医薬組成物の単位剤形を提供する。
【0038】
いくつかの実施形態において、本発明の単位剤形は、約50mgのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩、および1または複数の薬学的に受容可能な賦形剤またはキャリアを含む(本明細書では「50mgのグラピプラント単位剤形」と言及される)。
【0039】
いくつかの実施形態において、本発明の50mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第1日目において:
約578ng/mLの平均血清Cmax
約3150ng時間/mLの平均血清AUCτ、および
約1.5時間の平均血清Tmax
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす。
【0040】
いくつかの実施形態において、本発明の50mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第1日目において、約578ng/mLの平均血清Cmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の50mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第1日目において、約3150ng時間/mLの平均血清AUCτをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の50mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第1日目において、約1.5時間の平均血清Tmaxをもたらす。
【0041】
いくつかの実施形態において、本発明の50mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において:
約611ng/mLの平均血清Cmax
約3370ng時間/mLの平均血清AUCτ
約1.13の平均血清Rac
約1.25時間の平均血清Tmax
約6.47時間の平均血清t1/2
約10.6mgの平均尿A
約21.2%の平均尿A/用量、
約56.3mL/分の平均尿CL、および
約6118mL/分の平均尿CL/Fu
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす。
【0042】
いくつかの実施形態において、本発明の50mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約611ng/mLの平均血清Cmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の50mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約3370ng時間/mLの平均血清AUCτをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の50mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約1.13の平均血清Racをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の50mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約1.25時間の平均血清Tmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の50mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約6.47時間の平均血清t1/2をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の50mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約10.6mgの平均尿Aをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の50mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約21.2%の平均尿A/用量をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の50mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約56.3mL/分の平均尿CLをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の50mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約6118mL/分の平均尿CL/Fuをもたらす。
【0043】
いくつかの実施形態において、本発明の50mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第1日目において:
約578±約381ng/mLの血清Cmax
約3150±約1490ng時間/mLの血清AUCτ、および
約0.50〜約3.00時間の血清Tmax
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす。
【0044】
いくつかの実施形態において、本発明の50mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第1日目において、約578±約381ng/mLの血清Cmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の50mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第1日目において、約578±約190ng/mLの血清Cmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の50mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第1日目において、約578±約95ng/mLの血清Cmaxをもたらす。
【0045】
いくつかの実施形態において、本発明の50mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第1日目において、約3150±約1490ng時間/mLの血清AUCτをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の50mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第1日目において、約3150±約745ng時間/mLの血清AUCτをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の50mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第1日目において、約3150±約372ng時間/mLの血清AUCτをもたらす。
【0046】
いくつかの実施形態において、本発明の50mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第1日目において、約0.5〜約3.00時間の血清Tmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の50mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第1日目において、約1.0〜約2.25時間の血清Tmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の50mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第1日目において、約1.25〜約1.875時間の血清Tmaxをもたらす。
【0047】
いくつかの実施形態において、本発明の50mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において:
約611±約316ng/mLの血清Cmax
約3370±約1420ng時間/mLの血清AUCτ
約1.13±約0.153の血清Rac
約0.50〜約3.00時間の血清Tmax
約6.47±約1.40時間の血清t1/2
約10.6±約3.18mgの尿A
約21.2%±約6.37%の尿A/用量、
約56.3±約14.5mL/分の尿CL、および
約6118±約1580mL/分の尿CL/Fu
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす。
【0048】
いくつかの実施形態において、本発明の50mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約611±約316ng/mLの血清Cmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の50mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約611±約158ng/mLの血清Cmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の50mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約611±約79ng/mLの血清Cmaxをもたらす。
【0049】
いくつかの実施形態において、本発明の50mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約3370±約1420ng時間/mLの血清AUCτをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の50mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約3370±約710ng時間/mLの血清AUCτをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の50mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約3370±約355ng時間/mLの血清AUCτをもたらす。
【0050】
いくつかの実施形態において、本発明の50mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約1.13±約0.153の血清Racをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の50mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約1.13±約0.076の血清Racをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の50mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約1.13±約0.038の血清Racをもたらす。
【0051】
いくつかの実施形態において、本発明の50mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約0.50〜約3.00時間の血清Tmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の50mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約0.87〜約2.12時間の血清Tmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の50mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約1.06〜約1.69時間の血清Tmaxをもたらす。
【0052】
いくつかの実施形態において、本発明の50mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約6.47±約1.40時間の血清t1/2をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の50mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約6.47±約0.70時間の血清t1/2をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の50mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約6.47±約0.35時間の血清t1/2をもたらす。
【0053】
いくつかの実施形態において、本発明の50mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約10.6±約3.18mgの尿Aをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の50mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約10.6±約1.59mgの尿Aをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の50mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約10.6±約0.79mgの尿Aをもたらす。
【0054】
いくつかの実施形態において、本発明の50mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約21.2%±約6.37%の尿A/用量をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の50mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約21.2%±約3.18%の尿A/用量をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の50mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、21.2%±約1.59%の尿A/用量をもたらす。
【0055】
いくつかの実施形態において、本発明の50mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約56.3±約14.5mL/分の尿CLをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の50mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約56.3±約7.25mL/分の尿CLをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の50mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約56.3±約3.62mL/分の尿CLをもたらす。
【0056】
いくつかの実施形態において、本発明の50mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約6118±約1580mL/分の尿CL/Fuをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の50mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約6118±約790mL/分の尿CL/Fuをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の50mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約6118±約395mL/分の尿CL/Fuをもたらす。
【0057】
いくつかの実施形態において、本発明の50mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第7日目および第14日目において:
投薬後第7日目において、骨特異的アルカリホスファターゼにおける約−8.62%のLS平均差、
投薬後第14日目において、骨特異的アルカリホスファターゼにおける約7.16%のLS平均差、
投薬後第7日目において、血中オステオカルシンにおける約−37.90%のLS平均変化;
投薬後第14日目において、血中オステオカルシンにおける約−13.58%のLS平均変化、
投薬後第7日目において、I型コラーゲンのN−テロペプチドにおける約14.77%のLS平均変化、および
投薬後第14日目において、I型コラーゲンのN−テロペプチドにおける約−23.50%のLS平均変化
から選択される1または複数の骨マーカー結果をもたらす。
【0058】
いくつかの実施形態において、本発明の50mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第7日目において、骨特異的アルカリホスファターゼにおける約−8.62%のLS平均差をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の50mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、骨特異的アルカリホスファターゼにおける約7.16%のLS平均差をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の50mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第7日目において、血中オステオカルシンにおける約−37.90%のLS平均変化をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の50mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、血中オステオカルシンにおける約−13.58%のLS平均変化をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の50mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第7日目において、I型コラーゲンのN−テロペプチドにおける約14.77%のLS平均変化をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の50mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、I型コラーゲンのN−テロペプチドにおける約−23.50%のLS平均変化をもたらす。
【0059】
いくつかの実施形態において、本発明の50mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第7日目および第14日目において:
投薬後第7日目において、骨特異的アルカリホスファターゼにおける約−22.00%〜約4.76%のLS平均差、
投薬後第14日目において、骨特異的アルカリホスファターゼにおける約−6.65%〜約20.98%のLS平均差、
投薬後第7日目において、血中オステオカルシンにおける約−70.12%〜約−5.68%のLS平均変化、
投薬後第14日目において、血中オステオカルシンにおける約−48.06%〜約20.89%のLS平均変化、
投薬後第7日目において、I型コラーゲンのN−テロペプチドにおける約−23.15%〜約52.70%のLS平均変化、および
投薬後第14日目において、I型コラーゲンのN−テロペプチドにおける約−64.73%〜約17.74%のLS平均変化
から選択される1または複数の骨マーカー結果をもたらす。
【0060】
いくつかの実施形態において、本発明の50mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第7日目において、骨特異的アルカリホスファターゼにおける約−22.00%〜約4.76%のLS平均差をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の50mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、骨特異的アルカリホスファターゼにおける約−6.65%〜約20.98%のLS平均差をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の50mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第7日目において、血中オステオカルシンにおける約−70.12%〜約−5.68%のLS平均変化をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の50mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、血中オステオカルシンにおける約−48.06%〜約20.89%のLS平均変化をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の50mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第7日目において、I型コラーゲンのN−テロペプチドにおける約−23.15%〜約52.70%のLS平均変化をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の50mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、I型コラーゲンのN−テロペプチドにおける約−64.73%〜約17.74%のLS平均変化をもたらす。
【0061】
いくつかの実施形態において、本発明は、約150mgのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩、および1または複数の薬学的に受容可能な賦形剤またはキャリアを含む医薬組成物の単位剤形(本明細書では「150mgグラピプラント単位剤形」と言及される)を提供する。
【0062】
いくつかの実施形態において、本発明の150mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第1日目において:
約2150ng/mLの平均血清Cmax
約8970ng時間/mLの平均血清AUCτ、および
約1.5時間の平均血清Tmax
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす。
【0063】
いくつかの実施形態において、本発明の150mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第1日目において、約2150ng/mLの平均血清Cmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の150mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第1日目において、約8970ng時間/mLの平均血清AUCτをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の150mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第1日目において、約1.5時間の平均血清Tmaxをもたらす。
【0064】
いくつかの実施形態において、本発明の150mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において:
約2670ng/mLの平均血清Cmax
約10300ng時間/mLの平均血清AUCτ
約1.20の平均血清Rac
約1.50時間の平均血清Tmax
約9.71時間の平均血清t1/2
約33.3mgの平均尿A
約22.2%の平均尿A/用量、
約55.2mL/分の平均尿CL、および
約6004mL/分の平均尿CL/Fu
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす。
【0065】
いくつかの実施形態において、本発明の150mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約2670ng/mLの平均血清Cmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の150mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約10300ng時間/mLの平均血清AUCτをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の150mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約1.20の平均血清Racをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の150mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約1.50時間の平均血清Tmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の150mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約9.71時間の平均血清t1/2をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の150mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約33.3mgの平均尿Aをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の150mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約22.2%の平均尿A/用量をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の150mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約55.2mL/分の平均尿CLをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の150mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約6004mL/分の平均尿CL/Fuをもたらす。
【0066】
いくつかの実施形態において、本発明の150mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第1日目において:
約2150±約1390ng/mLの血清Cmax
約8970±約3880ng時間/mLの血清AUCτ、および
約1.00〜約3.00時間の血清Tmax
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす。
【0067】
いくつかの実施形態において、本発明の150mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第1日目において、約2150±約1390ng/mLの血清Cmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の150mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第1日目において、約2150±約695ng/mLの血清Cmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の150mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第1日目において、約2150±約347ng/mLの血清Cmaxをもたらす。
【0068】
いくつかの実施形態において、本発明の150mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第1日目において、約8970±約3880ng時間/mLの血清AUCτをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の150mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第1日目において、約8970±約1940ng時間/mLの血清AUCτをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の150mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第1日目において、約8970±約970ng時間/mLの血清AUCτをもたらす。
【0069】
いくつかの実施形態において、本発明の150mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第1日目において、約1.00〜約3.00時間の血清Tmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の150mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第1日目において、約1.25〜約2.25時間の血清Tmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の150mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第1日目において、約1.375〜約1.875時間の血清Tmaxをもたらす。
【0070】
いくつかの実施形態において、本発明の150mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において:
約2670±約1160ng/mLの血清Cmax
約10300±約3350ng時間/mLの血清AUCτ
約1.20±約0.165の血清Rac
約0.50〜約4.00時間の血清Tmax
約9.71±約1.18時間の血清t1/2
約33.3±約11.2mgの尿A
約22.2%±約7.48%の尿A/用量、
約55.2±約12.1mL/分の尿CLおよび
約6004±約1313mL/分の尿CL/Fu
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす。
【0071】
いくつかの実施形態において、本発明の150mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約2670±約1160ng/mLの血清Cmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の150mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約2670±約580ng/mLの血清Cmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の150mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約2670±約290ng/mLの血清Cmaxをもたらす。
【0072】
いくつかの実施形態において、本発明の150mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約10300±約3350ng時間/mLの血清AUCτをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の150mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約10300±約1675ng時間/mLの血清AUCτをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の150mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約10300±約837ng時間/mLの血清AUCτをもたらす。
【0073】
いくつかの実施形態において、本発明の150mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約1.20±約0.165の血清Racをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の150mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約1.20±約0.0825の血清Racをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の150mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約1.20±約0.041の血清Racをもたらす。
【0074】
いくつかの実施形態において、本発明の150mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約0.50〜約4.00時間の血清Tmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の150mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約1.0〜約2.75時間の血清Tmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の150mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約1.25〜約2.125時間の血清Tmaxをもたらす。
【0075】
いくつかの実施形態において、本発明の150mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約9.71±約1.18時間の血清t1/2をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の150mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約9.71±約0.59時間の血清t1/2をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の150mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約9.71±約0.29時間の血清t1/2をもたらす。
【0076】
いくつかの実施形態において、本発明の150mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約33.3±約11.2mgの尿Aをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の150mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約33.3±約5.6mgの尿Aをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の150mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約33.3±約2.8mgの尿Aをもたらす。
【0077】
いくつかの実施形態において、本発明の150mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約22.2%±約7.48%の尿A/用量をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の150mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約22.2%±約3.74%の尿A/用量をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の150mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約22.2%±約1.87%の尿A/用量をもたらす。
【0078】
いくつかの実施形態において、本発明の150mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約55.2±約12.1mL/分の尿CLをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の150mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約55.2±約6.0mL/分の尿CLをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の150mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約55.2±約3.1mL/分の尿CLをもたらす。
【0079】
いくつかの実施形態において、本発明の150mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約6004±約1313mL/分の尿CL/Fuをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の150mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約6004±約656mL/分の尿CL/Fuをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の150mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約6004±約329mL/分の尿CL/Fuをもたらす。
【0080】
いくつかの実施形態において、本発明の150mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第7日目および第14日目において:
投薬後第7日目において、骨特異的アルカリホスファターゼにおける約4.76%のLS平均差、
投薬後第14日目において、骨特異的アルカリホスファターゼにおける約1.23%のLS平均差、
投薬後第7日目において、血中オステオカルシンにおける約−31.02%のLS平均変化、
投薬後第14日目において、血中オステオカルシンにおける約−10.29%のLS平均変化、
投薬後第7日目において、I型コラーゲンのN−テロペプチドにおける約−9.78%のLS平均変化、および
投薬後第14日目において、I型コラーゲンのN−テロペプチドにおける約−38.72%のLS平均変化
から選択される1または複数の骨マーカー結果をもたらす。
【0081】
いくつかの実施形態において、本発明の150mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第7日目において、骨特異的アルカリホスファターゼにおける約4.76%のLS平均差をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の150mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、骨特異的アルカリホスファターゼにおける約1.23%のLS平均差をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の150mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第7日目において、血中オステオカルシンにおける約−31.02%のLS平均変化をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の150mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、血中オステオカルシンにおける約−10.29%のLS平均変化をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の150mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第7日目において、I型コラーゲンのN−テロペプチドにおける約−9.78%のLS平均変化をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の150mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、I型コラーゲンのN−テロペプチドにおける約−38.72%のLS平均変化をもたらす。
【0082】
いくつかの実施形態において、本発明の150mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第7日目および第14日目において:
投薬後第7日目において、骨特異的アルカリホスファターゼにおける約−9.66%〜約19.19%のLS平均差、
投薬後第14日目において、骨特異的アルカリホスファターゼにおける約−13.35%〜約15.80%のLS平均差、
投薬後第7日目において、血中オステオカルシンにおける約−63.31%〜約1.26%のLS平均変化、
投薬後第14日目において、血中オステオカルシンにおける約−43.42%〜約22.84%のLS平均変化、
投薬後第7日目において、I型コラーゲンのN−テロペプチドにおける約−47.36%〜約27.79%のLS平均変化、および
投薬後第14日目において、I型コラーゲンのN−テロペプチドにおける約−77.39%〜約−0.04%のLS平均変化
から選択される1または複数の骨マーカーをもたらす。
【0083】
いくつかの実施形態において、本発明の150mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第7日目において、骨特異的アルカリホスファターゼにおける約−9.66%〜約19.19%のLS平均差をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の150mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、骨特異的アルカリホスファターゼにおける約−13.35%〜約15.80%のLS平均差をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の150mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第7日目において、血中オステオカルシンにおける約−63.31%〜約1.26%のLS平均変化をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の150mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、血中オステオカルシンにおける約−43.42%〜約22.84%のLS平均変化をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の150mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第7日目において、I型コラーゲンのN−テロペプチドにおける約−47.36%〜約27.79%のLS平均変化をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の150mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、I型コラーゲンのN−テロペプチドにおける約−77.39%〜約−0.04%のLS平均変化をもたらす。
【0084】
いくつかの実施形態において、医薬組成物の単位剤形は、約250mgのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩、および1または複数の薬学的に受容可能な賦形剤またはキャリアを含む(本明細書では「250mgグラピプラント単位剤形」と言及する)。
【0085】
いくつかの実施形態において、本発明の250mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている小さな腎臓機能障害を有する高齢の被験体における17日の経口投与により、投薬後第1日目において:
約10300ng/mLの平均血清Cmax
約30100ng時間/mLの平均血清AUCτ
約1.00時間の平均血清Tmax、および
約8.63時間の平均血清T1/2
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす。
【0086】
いくつかの実施形態において、本発明の250mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている小さな腎臓機能障害を有する高齢の被験体における17日の経口投与により、投薬後第1日目において、約10300ng/mLの平均血清Cmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の250mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている小さな腎臓機能障害を有する高齢の被験体における17日の経口投与により、投薬後第1日目において、約30100ng時間/mLの平均血清AUCτをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の250mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている小さな腎臓機能障害を有する高齢の被験体における17日の経口投与により、投薬後第1日目において、約1.00時間の平均血清Tmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の250mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている小さな腎臓機能障害を有する高齢の被験体における17日の経口投与により、投薬後第1日目において、約8.63時間の平均血清T1/2をもたらす。
【0087】
いくつかの実施形態において、本発明の250mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている小さな腎臓機能障害を有する高齢の被験体における17日の経口投与により、投薬後第17日目において:
約12300ng/mLの平均血清Cmax
約40200ng時間/mLの平均血清AUCτ
約1.54の平均血清Rac
約1.00時間の平均血清Tmax
約57.9mgの平均尿A
約23.2%の平均尿A/用量、
約25.0mL/分の平均尿CL、および
約2719mL/分の平均尿CL/Fu
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす。
【0088】
いくつかの実施形態において、本発明の250mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている小さな腎臓機能障害を有する高齢の被験体における17日の経口投与により、投薬後第17日目において、約12300ng/mLの平均血清Cmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の250mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている小さな腎臓機能障害を有する高齢の被験体における17日の経口投与により、投薬後第17日目において、約40200ng時間/mLの平均血清AUCτをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の250mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている小さな腎臓機能障害を有する高齢の被験体における17日の経口投与により、投薬後第17日目において、約1.54の平均血清Racをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の250mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている小さな腎臓機能障害を有する高齢の被験体における17日の経口投与により、投薬後第17日目において、約1.00時間の平均血清Tmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の250mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている小さな腎臓機能障害を有する高齢の被験体における17日の経口投与により、投薬後第17日目において、約57.9mgの平均尿Aをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の250mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている小さな腎臓機能障害を有する高齢の被験体における17日の経口投与により、投薬後第17日目において、約23.2%の平均尿A/用量をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の250mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている小さな腎臓機能障害を有する高齢の被験体における17日の経口投与により、投薬後第17日目において、約25.0mL/分の平均尿CLをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の250mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている小さな腎臓機能障害を有する高齢の被験体における17日の経口投与により、投薬後第17日目において、約2719mL/分の平均尿CL/Fuをもたらす。
【0089】
いくつかの実施形態において、本発明の250mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている小さな腎臓機能障害を有する高齢の被験体における17日の経口投与により、投薬後第1日目において:
約10300±約5710ng/mLの血清Cmax
約30100±約12800ng時間/mLのAUCτ
約0.50〜約1.50時間のTmax、および
約8.63±約2.22時間の血清T1/2
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす。
【0090】
いくつかの実施形態において、本発明の250mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている小さな腎臓機能障害を有する高齢の被験体における17日の経口投与により、投薬後第1日目において、約10300±約5710ng/mLの血清Cmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の250mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている小さな腎臓機能障害を有する高齢の被験体における17日の経口投与により、投薬後第1日目において、約10300±約2855ng/mLの血清Cmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の250mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている小さな腎臓機能障害を有する高齢の被験体における17日の経口投与により、投薬後第1日目において、約10300±約1427ng/mLの血清Cmaxをもたらす。
【0091】
いくつかの実施形態において、本発明の250mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている小さな腎臓機能障害を有する高齢の被験体における17日の経口投与により、投薬後第1日目において、約30100±約12800ng時間/mLのAUCτをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の250mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている小さな腎臓機能障害を有する高齢の被験体における17日の経口投与により、投薬後第1日目において、約30100±約6400ng時間/mLのAUCτをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の250mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている小さな腎臓機能障害を有する高齢の被験体における17日の経口投与により、投薬後第1日目において、約30100±約3200ng時間/mLのAUCτをもたらす。
【0092】
いくつかの実施形態において、本発明の250mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている小さな腎臓機能障害を有する高齢の被験体における17日の経口投与により、投薬後第1日目において、約0.50〜約1.50時間のTmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の250mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている小さな腎臓機能障害を有する高齢の被験体における17日の経口投与により、投薬後第1日目において、約0.75〜約1.25時間のTmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の250mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている小さな腎臓機能障害を有する高齢の被験体における17日の経口投与により、投薬後第1日目において、約0.88〜約1.12時間のTmaxをもたらす。
【0093】
いくつかの実施形態において、本発明の250mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている小さな腎臓機能障害を有する高齢の被験体における17日の経口投与により、投薬後第1日目において、約8.63±約2.22時間の血清T1/2をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の250mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている小さな腎臓機能障害を有する高齢の被験体における17日の経口投与により、投薬後第1日目において、約8.63±約1.11時間の血清T1/2をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の250mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている小さな腎臓機能障害を有する高齢の被験体における17日の経口投与により、投薬後第1日目において、約8.63±約0.55時間の血清T1/2をもたらす。
【0094】
いくつかの実施形態において、本発明の250mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている小さな腎臓機能障害を有する高齢の被験体における17日の経口投与により、投薬後第17日目において:
約12300±約4020ng/mLの血清Cmax
約40200±約17300ng時間/mLの血清AUCτ
約1.54±約0.841の血清Rac
約0.50〜約1.50時間の血清Tmax
約57.9±約18.7mgの尿A
約23.2%±約7.48%の尿A/用量、
約25.0±約4.69mL/分の尿CL、および
2719±約510mL/分の尿CL/Fu
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす。
【0095】
いくつかの実施形態において、本発明の250mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている小さな腎臓機能障害を有する高齢の被験体における17日の経口投与により、投薬後第17日目において、約12300±約4020ng/mLの血清Cmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の250mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている小さな腎臓機能障害を有する高齢の被験体における17日の経口投与により、投薬後第17日目において、約12300±約2010ng/mLの血清Cmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の250mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている小さな腎臓機能障害を有する高齢の被験体における17日の経口投与により、投薬後第17日目において、約12300±約1005ng/mLの血清Cmaxをもたらす。
【0096】
いくつかの実施形態において、本発明の250mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている小さな腎臓機能障害を有する高齢の被験体における17日の経口投与により、投薬後第17日目において、約40200±約17300ng時間/mLの血清AUCτをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の250mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている小さな腎臓機能障害を有する高齢の被験体における17日の経口投与により、投薬後第17日目において、約40200±約8650ng時間/mLの血清AUCτをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の250mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている小さな腎臓機能障害を有する高齢の被験体における17日の経口投与により、投薬後第17日目において、約40200±約4325ng時間/mLの血清AUCτをもたらす。
【0097】
いくつかの実施形態において、本発明の250mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている小さな腎臓機能障害を有する高齢の被験体における17日の経口投与により、投薬後第17日目において、約1.54±約0.841の血清Racをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の250mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている小さな腎臓機能障害を有する高齢の被験体における17日の経口投与により、投薬後第17日目において、約1.54±約0.42の血清Racをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の250mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている小さな腎臓機能障害を有する高齢の被験体における17日の経口投与により、投薬後第17日目において、約1.54±約0.21の血清Racをもたらす。
【0098】
いくつかの実施形態において、本発明の250mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている小さな腎臓機能障害を有する高齢の被験体における17日の経口投与により、投薬後第17日目において、約0.50〜約1.50時間の血清Tmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の250mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている小さな腎臓機能障害を有する高齢の被験体における17日の経口投与により、投薬後第17日目において、約0.75〜約1.25時間の血清Tmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の250mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている小さな腎臓機能障害を有する高齢の被験体における17日の経口投与により、投薬後第17日目において、約0.875〜約1.125時間の血清Tmaxをもたらす。
【0099】
いくつかの実施形態において、本発明の250mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている小さな腎臓機能障害を有する高齢の被験体における17日の経口投与により、投薬後第17日目において、約57.9±約18.7mgの尿Aをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の250mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている小さな腎臓機能障害を有する高齢の被験体における17日の経口投与により、投薬後第17日目において、約57.9±約9.3mgの尿Aをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の250mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている小さな腎臓機能障害を有する高齢の被験体における17日の経口投与により、投薬後第17日目において、約57.9±約4.7mgの尿Aをもたらす。
【0100】
いくつかの実施形態において、本発明の250mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている小さな腎臓機能障害を有する高齢の被験体における17日の経口投与により、投薬後第17日目において、約23.2%±約7.48%の尿A/用量をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の250mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている小さな腎臓機能障害を有する高齢の被験体における17日の経口投与により、投薬後第17日目において、約23.2%±約3.74%の尿A/用量をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の250mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている小さな腎臓機能障害を有する高齢の被験体における17日の経口投与により、投薬後第17日目において、約23.2%±約1.87%の尿A/用量をもたらす。
【0101】
いくつかの実施形態において、本発明の250mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている小さな腎臓機能障害を有する高齢の被験体における17日の経口投与により、投薬後第17日目において、約25.0±約4.69mL/分の尿CLをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の250mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている小さな腎臓機能障害を有する高齢の被験体における17日の経口投与により、投薬後第17日目において、約25.0±約2.34mL/分の尿CLをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の250mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている小さな腎臓機能障害を有する高齢の被験体における17日の経口投与により、投薬後第17日目において、約25.0±約1.17mL/分の尿CLをもたらす。
【0102】
いくつかの実施形態において、本発明の250mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている小さな腎臓機能障害を有する高齢の被験体における17日の経口投与により、投薬後第17日目において、約2719±約510mL/分の尿CL/Fuをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の250mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている小さな腎臓機能障害を有する高齢の被験体における17日の経口投与により、投薬後第17日目において、約2719±約255mL/分の尿CL/Fuをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の250mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている小さな腎臓機能障害を有する高齢の被験体における17日の経口投与により、投薬後第17日目において、約2719±約127mL/分の尿CL/Fuをもたらす。
【0103】
いくつかの実施形態において、本発明の250mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている小さな腎臓機能障害を有する高齢の被験体における17日の経口投与により、投薬後第10日目および第17日目において:
投薬後第10日目において、骨特異的アルカリホスファターゼにおける約−1.75%のLS平均差、
投薬後第17日目において、骨特異的アルカリホスファターゼにおける約3.88%のLS平均差、
投薬後第10日目において、血中オステオカルシンにおける約−5.91%のLS平均変化、
投薬後第17日目において、血中オステオカルシンにおける約−3.96%のLS平均変化、
投薬後第10日目において、I型コラーゲンのN−テロペプチドにおける約−9.62%のLS平均変化、および
投薬後第17日目において、I型コラーゲンのN−テロペプチドにおける約−16.76%のLS平均変化
から選択される1または複数の骨マーカー結果をもたらす。
【0104】
いくつかの実施形態において、本発明の250mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている小さな腎臓機能障害を有する高齢の被験体における17日の経口投与により、投薬後第10日目において、骨特異的アルカリホスファターゼにおける約−1.75%のLS平均差をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の250mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている小さな腎臓機能障害を有する高齢の被験体における17日の経口投与により、投薬後第17日目において、骨特異的アルカリホスファターゼにおける約3.88%のLS平均差をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の250mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている小さな腎臓機能障害を有する高齢の被験体における17日の経口投与により、投薬後第10日目において、血中オステオカルシンにおける約−5.91%のLS平均変化をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の250mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている小さな腎臓機能障害を有する高齢の被験体における17日の経口投与により、投薬後第17日目において、血中オステオカルシンにおける約−3.96%のLS平均変化をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の250mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている小さな腎臓機能障害を有する高齢の被験体における17日の経口投与により、投薬後第10日目において、I型コラーゲンのN−テロペプチドにおける約−9.62%のLS平均変化をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の250mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている小さな腎臓機能障害を有する高齢の被験体における17日の経口投与により、投薬後第17日目において、I型コラーゲンのN−テロペプチドにおける約−16.76%のLS平均変化をもたらす。
【0105】
いくつかの実施形態において、本発明の250mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている小さな腎臓機能障害を有する高齢の被験体における17日の経口投与により、投薬後第10日目および第17日目において:
投薬後第10日目において、骨特異的アルカリホスファターゼにおける約−18.60%〜約15.11%のLS平均差、
投薬後第17日目において、骨特異的アルカリホスファターゼにおける約−12.98%〜約20.73%のLS平均差、
投薬後第10日目において、血中オステオカルシンにおける約−31.72%〜約19.90%のLS平均変化、
投薬後第17日目において、血中オステオカルシンにおける約−29.77%〜約21.85%のLS平均変化、
投薬後第10日目において、I型コラーゲンのN−テロペプチドにおける約−39.25%〜約20.01%のLS平均変化、および
投薬後第17日目において、I型コラーゲンのN−テロペプチドにおける約−46.39%〜約12.87%のLS平均変化
から選択される1または複数の骨マーカー結果をもたらす。
【0106】
いくつかの実施形態において、本発明の250mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている小さな腎臓機能障害を有する高齢の被験体における17日の経口投与により、投薬後第10日目において、骨特異的アルカリホスファターゼにおける約−18.60%〜約15.11%のLS平均差をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の250mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている小さな腎臓機能障害を有する高齢の被験体における17日の経口投与により、投薬後第17日目において、骨特異的アルカリホスファターゼにおける約−12.98%〜約20.73%のLS平均差をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の250mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている小さな腎臓機能障害を有する高齢の被験体における17日の経口投与により、投薬後第10日目において、血中オステオカルシンにおける約−31.72%〜約19.90%のLS平均変化をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の250mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている小さな腎臓機能障害を有する高齢の被験体における17日の経口投与により、投薬後第17日目において、血中オステオカルシンにおける約−29.77%〜約21.85%のLS平均変化をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の250mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている小さな腎臓機能障害を有する高齢の被験体における17日の経口投与により、投薬後第10日目において、I型コラーゲンのN−テロペプチドにおける約−39.25%〜約20.01%のLS平均変化をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の250mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている小さな腎臓機能障害を有する高齢の被験体における17日の経口投与により、投薬後第17日目において、I型コラーゲンのN−テロペプチドにおける約−46.39%〜約12.87%のLS平均変化をもたらす。
【0107】
いくつかの実施形態において、医薬組成物の単位剤形は、約300mgのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩、および1または複数の薬学的に受容可能な賦形剤またはキャリア(本明細書では「300mgグラピプラント単位剤形」」と言及される)を含む。
【0108】
いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第1日目において:
約8240ng/mLの平均血清Cmax
約24900ng時間/mLの平均血清AUCτ、および
約1.5時間の平均血清Tmax
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす。
【0109】
いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第1日目において、約8240ng/mLの平均血清Cmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第1日目において、約24900ng時間/mLの平均血清AUCτをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第1日目において、約1.5時間の平均血清Tmaxをもたらす。
【0110】
いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において:
約10400ng/mLの平均血清Cmax
約32300ng時間/mLの平均血清AUCτ
約1.33の平均血清Rac
約1.00時間の平均血清Tmax
約8.76時間の平均血清t1/2
約82.4mgの平均尿A
約27.5%の平均尿A/用量、
約44.5mL/分の平均尿CL、および
約4838mL/分の平均尿CL/Fu
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす。
【0111】
いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約10400ng/mLの平均血清Cmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約32300ng時間/mLの平均血清AUCτをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約1.33の平均血清Racをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約1.00時間の平均血清Tmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約8.76時間の平均血清t1/2をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約82.4mgの平均尿Aをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約27.5%の平均尿A/用量をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約44.5mL/分の平均尿CLをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約4838mL/分の平均尿CL/Fuをもたらす。
【0112】
いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第1日目において:
約8240±約5390ng/mLの血清Cmax
約24900±約10300ng時間/mLの血清AUCτ、および
約0.50〜約4.00時間の血清Tmax
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす。
【0113】
いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第1日目において、約8240±約5390ng/mLの血清Cmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第1日目において、約8240±約2695ng/mLの血清Cmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第1日目において、約8240±約1348ng/mLの血清Cmaxをもたらす。
【0114】
いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第1日目において、約24900±約10300ng時間/mLの血清AUCτをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第1日目において、約24900±約5150ng時間/mLの血清AUCτをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第1日目において、約24900±約2575ng時間/mLの血清AUCτをもたらす。
【0115】
いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第1日目において、約0.50〜約4.00時間の血清Tmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第1日目において、約1.00〜約2.75時間の血清Tmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第1日目において、約1.25〜約2.125時間の血清Tmaxをもたらす。
【0116】
いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において:
約10400±約5000ng/mLの血清Cmax
約32300±約11900ng時間/mLの血清AUCτ
約1.33±約0.334の血清Rac
約0.50〜約4.00時間の血清Tmax
約8.76±約2.35時間の血清t1/2
約82.4±約27.1mgの尿A
約27.5±約9.05%の尿A/用量、
約44.5±約10.0mL/分の尿CL、および
約4838±約1085mL/分の尿CL/Fu
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす。
【0117】
いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約10400±約5000ng/mLの血清Cmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約10400±約2500ng/mLの血清Cmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約10400±約1250ng/mLの血清Cmaxをもたらす。
【0118】
いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約32300±約11900ng時間/mLの血清AUCτをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約32300±約5950ng時間/mLの血清AUCτをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約32300±約2975ng時間/mLの血清AUCτをもたらす。
【0119】
いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約1.33±約0.334の血清Racをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約1.33±約0.167の血清Racをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約1.33±約0.084の血清Racをもたらす。
【0120】
いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約0.50〜約4.00時間の血清Tmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約1.00〜約2.75時間の血清Tmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約1.25〜約2.125時間の血清Tmaxをもたらす。
【0121】
いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約8.76±約2.35時間の血清t1/2をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約8.76±約1.18時間の血清t1/2をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約8.76±約0.59時間の血清t1/2をもたらす。
【0122】
いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約82.4±約27.1mgの尿Aをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約82.4±約13.6mgの尿Aをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約82.4±約6.8mgの尿Aをもたらす。
【0123】
いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約27.5±約9.05%の尿A/用量をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約27.5±約4.53%の尿A/用量をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約27.5±約2.26%の尿A/用量をもたらす。
【0124】
いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約44.5±約10.0mL/分の尿CLをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約44.5±約5.0mL/分の尿CLをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約44.5±約2.5mL/分の尿CLをもたらす。
【0125】
いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約4838±約1085mL/分の尿CL/Fuをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約4838±約543mL/分の尿CL/Fuをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、約4838±約271mL/分の尿CL/Fuをもたらす。
【0126】
いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第7日目および第14日目において:
投薬後第7日目において、骨特異的アルカリホスファターゼにおける約16.10%のLS平均差(ベースラインからのパーセント変化の最小二乗平均差)、
投薬後第14日目において、骨特異的アルカリホスファターゼにおける約19.72%のLS平均差、
投薬後第7日目において、血中オステオカルシンにおける約−10.30%のLS平均変化、
投薬後第14日目において、血中オステオカルシンにおける約−33.47%のLS平均変化、
投薬後第7日目において、I型コラーゲンのN−テロペプチドにおける約12.69%のLS平均変化、および
投薬後第14日目において、I型コラーゲンのN−テロペプチドにおける約−21.33%のLS平均変化
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす。
【0127】
いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第7日目において、骨特異的アルカリホスファターゼにおける約16.10%のLS平均差(ベースラインからのパーセント変化の最小二乗平均差)をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、骨特異的アルカリホスファターゼにおける約19.72%のLS平均差をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第7日目において、血中オステオカルシンにおける約−10.30%のLS平均変化をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、血中オステオカルシンにおける約−33.47%のLS平均変化をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第7日目において、I型コラーゲンのN−テロペプチドにおける約12.69%のLS平均変化をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、I型コラーゲンのN−テロペプチドにおける約−21.33%のLS平均変化をもたらす。
【0128】
いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第7日目および第14日目において:
投薬後第7日目において、骨特異的アルカリホスファターゼにおける約2.67%〜約29.53%のLS平均差、
投薬後第14日目において、骨特異的アルカリホスファターゼにおける約6.17%〜約33.28%のLS平均差、
投薬後第7日目において、血中オステオカルシンにおける約−42.27%〜約21.67%のLS平均変化、
投薬後第14日目において、血中オステオカルシンにおける約−66.18%〜約−0.76%のLS平均変化、
投薬後第7日目において、I型コラーゲンのN−テロペプチドにおける約−25.58%〜約50.96%のLS平均変化、および
投薬後第14日目において、I型コラーゲンのN−テロペプチドにおける約−60.53%〜約17.88%のLS平均変化
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす。
【0129】
いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第7日目において、骨特異的アルカリホスファターゼにおける約2.67%〜約29.53%のLS平均差をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、骨特異的アルカリホスファターゼにおける約6.17%〜約33.28%のLS平均差をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第7日目において、血中オステオカルシンにおける約−42.27%〜約21.67%のLS平均変化をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、血中オステオカルシンにおける約−66.18%〜約−0.76%のLS平均変化をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第7日目において、I型コラーゲンのN−テロペプチドにおける約−25.58%〜約50.96%のLS平均変化をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント単位剤形は、本明細書に記載されている健康な成人被験体における14日の経口投与により、投薬後第14日目において、I型コラーゲンのN−テロペプチドにおける約−60.53%〜約17.88%のLS平均変化をもたらす。
【0130】
いくつかの実施形態において、医薬組成物の単位剤形は、約375mgのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩、および1または複数の薬学的に受容可能な賦形剤またはキャリアを含む(本明細書では「375mgグラピプラント単位剤形」と言及される)。
【0131】
いくつかの実施形態において、本発明の375mgグラピプラント単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により:
約28900ng時間/mLの平均血清AUC(0−tlast)、
約29100ng時間/mLの平均血清AUC(0−inf)、
約8990ng/mLの平均血清Cmax
約1時間の平均血清Tmax、および
約9.48時間の平均血清T1/2
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす。
【0132】
いくつかの実施形態において、本発明の375mgグラピプラント単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約28900ng時間/mLの平均血清AUC(0−tlast)をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の375mgグラピプラント単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約29100ng時間/mLの平均血清AUC(0−inf)をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の375mgグラピプラント単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約8990ng/mLの平均血清Cmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の375mgグラピプラント単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約1時間の平均血清Tmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の375mgグラピプラント単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約9.48時間の平均血清T1/2をもたらす。
【0133】
いくつかの実施形態において、本発明の375mgグラピプラント単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により:
約28900±約13000ng時間/mLの血清AUC(0−tlast)、
約29100±約13000ng時間/mLの血清AUC(0−inf)、
約8990±約4270ng/mLの血清Cmax
約0.5〜約3時間の血清Tmax、および
約9.48±約1.87時間の血清T1/2
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす。
【0134】
いくつかの実施形態において、本発明の375mgグラピプラント単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約28900±約13000ng時間/mLの血清AUC(0−tlast)をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の375mgグラピプラント単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約28900±約6500ng時間/mLの血清AUC(0−tlast)をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の375mgグラピプラント単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約3250±約13000ng時間/mLの血清AUC(0−tlast)をもたらす。
【0135】
いくつかの実施形態において、本発明の375mgグラピプラント単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約29100±約13000ng時間/mLの血清AUC(0−inf)をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の375mgグラピプラント単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約29100±約6500ng時間/mLの血清AUC(0−inf)をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の375mgグラピプラント単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約29100±約3250ng時間/mLの血清AUC(0−inf)をもたらす。
【0136】
いくつかの実施形態において、本発明の375mgグラピプラント単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約8990±約4270ng/mLの血清Cmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の375mgグラピプラント単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約8990±約2135ng/mLの血清Cmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の375mgグラピプラント単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約8990±約1068ng/mLの血清Cmaxをもたらす。
【0137】
いくつかの実施形態において、本発明の375mgグラピプラント単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約0.5〜約3時間の血清Tmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の375mgグラピプラント単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約0.75〜約2時間の血清Tmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の375mgグラピプラント単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約0.875〜約1.5時間の血清Tmaxをもたらす。
【0138】
いくつかの実施形態において、本発明の375mgグラピプラント単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約9.48±約1.87時間の血清T1/2をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の375mgグラピプラント単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約9.48±約0.935時間の血清T1/2をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の375mgグラピプラント単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約9.48±約0.47時間の血清T1/2をもたらす。
【0139】
いくつかの実施形態において、本発明の375mgグラピプラント単位剤形は、食事摂取状態での健康な成人被験体における単回経口投与により:
約24600ng時間/mLの平均血清AUC(0−tlast)、
約24800ng時間/mLの平均血清AUC(0−inf)、
約5840ng/mLの平均血清Cmax
約4時間の平均血清Tmax、および
約8.52時間の平均血清T1/2
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす。
【0140】
いくつかの実施形態において、本発明の375mgグラピプラント単位剤形は、食事摂取状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約24600ng時間/mLの平均血清AUC(0−tlast)をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の375mgグラピプラント単位剤形は、食事摂取状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約24800ng時間/mLの平均血清AUC(0−inf)をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の375mgグラピプラント単位剤形は、食事摂取状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約5840ng/mLの平均血清Cmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の375mgグラピプラント単位剤形は、食事摂取状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約4時間の平均血清Tmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の375mgグラピプラント単位剤形は、食事摂取状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約8.52時間の平均血清T1/2をもたらす。
【0141】
いくつかの実施形態において、本発明の375mgグラピプラント単位剤形は、食事摂取状態での健康な成人被験体における単回経口投与により:
約24600±約8660ng時間/mLの血清AUC(0−tlast)、
約24800±約8720ng時間/mLの血清AUC(0−inf)、
約5840±約2890ng/mLの血清Cmax
約1.5〜約4時間の血清Tmax、および
約8.52±約1.29時間の血清T1/2
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす。
【0142】
いくつかの実施形態において、本発明の375mgグラピプラント単位剤形は、食事摂取状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約24600±約8660ng時間/mLの血清AUC(0−tlast)をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の375mgグラピプラント単位剤形は、食事摂取状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約24600±約4330ng時間/mLの血清AUC(0−tlast)をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の375mgグラピプラント単位剤形は、食事摂取状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約24600±約2165ng時間/mLの血清AUC(0−tlast)をもたらす。
【0143】
いくつかの実施形態において、本発明の375mgグラピプラント単位剤形は、食事摂取状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約24800±約8720ng時間/mLの血清AUC(0−inf)をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の375mgグラピプラント単位剤形は、食事摂取状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約24800±約4360ng時間/mLの血清AUC(0−inf)をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の375mgグラピプラント単位剤形は、食事摂取状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約24800±約2180ng時間/mLの血清AUC(0−inf)をもたらす。
【0144】
いくつかの実施形態において、本発明の375mgグラピプラント単位剤形は、食事摂取状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約5840±約2890ng/mLの血清Cmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の375mgグラピプラント単位剤形は、食事摂取状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約5840±約1445ng/mLの血清Cmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の375mgグラピプラント単位剤形は、食事摂取状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約5840±約723ng/mLの血清Cmaxをもたらす。
【0145】
いくつかの実施形態において、本発明の375mgグラピプラント単位剤形は、食事摂取状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約1.5〜約4時間の血清Tmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の375mgグラピプラント単位剤形は、食事摂取状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約2.75〜約4時間の血清Tmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の375mgグラピプラント単位剤形は、食事摂取状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約3.375〜約4時間の血清Tmaxをもたらす。
【0146】
いくつかの実施形態において、本発明の375mgグラピプラント単位剤形は、食事摂取状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約8.52±約1.29時間の血清T1/2をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の375mgグラピプラント単位剤形は、食事摂取状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約8.52±約0.645時間の血清T1/2をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の375mgグラピプラント単位剤形は、食事摂取状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約8.52±約0.32時間の血清T1/2をもたらす。
【0147】
4.例示的剤形の記載
本発明の単位剤形は、経口投与向けに製剤化することができる。経口投与に好適である医薬組成物/製剤は、別個の剤形、例えば、以下に限定されないが、錠剤、速溶融製剤、咀嚼錠、カプセル剤、丸剤、ストリップ、トローチ剤、ロゼンジ剤、パステル剤、カシェ剤、ペレット、薬用チューインガム、塊状粉末、発泡性または非発泡性散剤または粒剤、経口ミスト、液剤、乳剤、懸濁剤、ウエハース、スプリンクル、エリキシル剤、およびシロップ剤として提供することができる。いくつかの実施形態において、このような剤形は、既定の量の活性成分を含有し、当業者に公知の調剤方法により調製することができる。Remington's Pharmaceutical Sciences, 18th ed., Mack Publishing, Easton Pa. (1990)を全般的に参照されたい。本明細書で使用される場合、経口投与はまた、口腔内頬側、舌、および舌下投与も含む。
【0148】
いくつかの実施形態において、本発明の単位剤形は錠剤である。いくつかの実施形態において、本発明の単位剤形はカプセル剤である。いくつかの実施形態において、本発明の単位剤形はカプレット剤である。
【0149】
いくつかの実施形態において、本明細書に提供されている単位剤形は、従来の薬学的配合技術に従い、活性成分を、密な混和物内で、以下に限定されないが、結合剤、充填剤、希釈剤、崩壊剤、湿潤剤、滑沢剤、流動促進剤、着色剤、染料移動阻害剤、甘味剤、香味剤、乳化剤、懸濁化剤および分散剤、保存剤、溶媒、非水性液体、有機酸、ならびに二酸化炭素源を含む1または複数の薬学的に受容可能な賦形剤またはキャリアと組み合わせることにより調製される。賦形剤またはキャリアは、投与に対して所望される調製形態に応じて多種多様な形態を取ることができる。例えば、経口用液体またはエアゾール剤の剤形での使用に好適な賦形剤またはキャリアとして、以下に限定されないが、水、グリコール、油、アルコール、香味剤、保存剤、および着色剤が挙げられる。固体経口投与剤形(例えば、散剤、錠剤、カプセル剤、およびカプレット剤)での使用に好適な賦形剤またはキャリアの例として、以下に限定されないが、デンプン、糖、微結晶性セルロース、希釈剤、造粒剤、滑沢剤、結合剤、および崩壊剤が挙げられる。
【0150】
ある種の実施形態において、剤形は錠剤であり、錠剤は、標準的な、当技術分野において承認されている錠剤加工手順および装置を使用して製造される。ある種の実施形態において、錠剤を形成するための方法は、本明細書に提供されている固体形態を、単独でまたは1種もしくは複数の賦形剤またはキャリア、例えばキャリア、添加剤、ポリマーなどと組み合わせて含む粉末状、結晶性および/または顆粒状組成物の直圧縮である。ある種の実施形態において、直圧縮の代替として、錠剤は、湿式造粒法または乾式造粒法のプロセスを使用して調製することができる。ある種の実施形態において、錠剤は、湿ったまたはさもなければ細工しやすい材料から開始して、圧縮というよりむしろ成型される。ある種の実施形態において、圧縮および造粒技術が使用される。
【0151】
ある種の実施形態において、剤形はカプセル剤であり、カプセル剤は、標準的な、当技術分野において承認されているカプセルプロセシング手順および装置を使用して製造することができる。ある種の実施形態において、カプセル剤が、本明細書に提供されている固体形態および植物油または非水性の、水混和性材料、例えば、ポリエチレングリコールなどを含む混合物を含有する軟質ゼラチンカプセルが調製されてもよい。ある種の実施形態において、本明細書に提供されている固体形態の粒剤を、固体粉状キャリア、例えば、ラクトース、サッカロース、ソルビトール、マンニトール、ジャガイモデンプン、トウモロコシデンプン、アミロペクチン、セルロース誘導体、またはゼラチンと組み合わせて含有する硬質ゼラチンカプセルが調製されてもよい。ある種の実施形態において、硬質ゼラチンカプセルシェルは、ゼラチンおよび少量の可塑剤、例えば、グリセロールを含むカプセル剤組成物から調製されてもよい。ある種の実施形態において、カプセル剤シェルは、ゼラチンの代替として炭水化物材料で作製されてもよい。ある種の実施形態において、カプセル剤組成物は、必要な場合、ポリマー、着色剤、香味剤および乳白剤をさらに含んでもよい。ある種の実施形態において、カプセル剤はHPMCを含む。
【0152】
本明細書に提供されている経口投与剤形に使用することができる賦形剤またはキャリアの例として、以下に限定されないが、例えば、当技術分野で公知の希釈剤(充填剤)、滑沢剤、崩壊剤、充填剤、安定剤、界面活性剤、保存剤、着色剤、香味剤、結着剤(結合剤)、賦形剤支持体、流動促進剤、浸透促進賦形剤、可塑剤などが挙げられる。当業者であれば、一部の物質が医薬組成物中で1つより多くの目的を果たすことを理解されよう。例えば、一部の物質は、圧縮後に錠剤を一つにまとめることを助ける結合剤であり、しかも今度は錠剤が標的送達部位に到達すると、錠剤がバラバラに崩壊するのを助ける崩壊剤にもなる。賦形剤の選択および使用量は、経験ならびに当技術分野で利用可能な標準的手順および参考資料の検討に基づき、製剤専門家により容易に決定され得る。
【0153】
ある種の実施形態において、本明細書に提供されている剤形は1または複数の結合剤を含む。結合剤は、例えば、粘着性の性質を錠剤またはカプセル剤に付与するため、よって圧縮後に製剤が確実に元のまま保たれるよう使用することができる。好適な結合剤として、以下に限定されないが、中でもデンプン(ジャガイモデンプン、トウモロコシデンプン、およびアルファ化デンプンを含む)、ゼラチン、糖(スクロース、グルコース、ブドウ糖およびラクトースを含む)、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ワックス、ならびに天然および合成ガム、例えば、アカシアアルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン(PVP)、セルロース系ポリマー(ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、カルボキシメチルセルロースなどを含む)、veegum、カルボマー(例えば、カーボポール)、ナトリウム、デキストリン、グアーガム、硬化植物油、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マルトデキストリン、ポリメタクリレート、ポビドン(例えば、KOLLIDON、PLASDONE)、微結晶性セルロースが挙げられる。結着剤としてまた、例えば、アカシア、寒天、アルギン酸、カルボマー、カラギーナム、酢酸フタル酸セルロース、イナゴマメ、キトサン、粉砂糖、コポビドン、デキストレート、デキストリン、ブドウ糖、エチルセルロース、ゼラチン、ベヘン酸グリセリル、グアーガム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルデンプン、ヒプロメロース、イヌリン、ラクトース、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マルトデキストリン、マルトース、メチルセルロース、ポロキサマー、ポリカルボフィル、ポリデキストロース、ポリエチレンオキシド、ポリアクリル酸メチル、ポビドン、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デンプン、アルファ化デンプン、ステアリン酸、スクロース、およびゼインも挙げられる。
【0154】
好適形態の微結晶性セルロースとして、以下に限定されないが、AVICEL−PH−101、AVICEL−PH−103、AVICEL RC−581、AVICEL−PH−105(FMC Corporation、Marcus Hook、Pa.)として販売されている材料、およびこれらの混合物が挙げられる。いくつかの実施形態では、具体的な結合剤は、微結晶性セルロースとAVICEL RC−581として販売されているカルボキシメチルセルロースナトリウムとの混合物である。好適な無水または低水分賦形剤または添加物として、AVICEL−PH−103.TM.およびStarch 1500 LMが挙げられる。
【0155】
本明細書に提供されている医薬組成物および剤形における使用に好適な充填剤の例として、以下に限定されないが、タルク、炭酸カルシウム(例えば、粒剤または散剤)、微結晶性セルロース、粉末状セルロース、デキストレート、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、デンプン、アルファ化デンプン、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0156】
ある種の実施形態において、本明細書に提供されている剤形は1または複数の希釈剤を含む。希釈剤は、例えば、実用的サイズの錠剤またはカプセル剤が最終的に提供されるように、かさを増すために使用することができる。好適な希釈剤として、中でもリン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、ラクトース、セルロース、カオリン、マンニトール、塩化ナトリウム、乾燥デンプン、微結晶性セルロース(例えば、AVICEL)、超微粒セルロース、アルファ化デンプン、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、糖、デキストレート、デキストリン、ブドウ糖、第二リン酸カルシウム二水和物、三塩基性リン酸カルシウム、カオリン、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、マルトデキストリン、マンニトール、ポリメタクリレート(例えば、EUDRAGIT)、塩化カリウム、塩化ナトリウム、ソルビトールおよびタルクが挙げられる。希釈剤としてまた、例えば、アンモニウムアルギン酸塩、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸セルロース、圧縮糖、粉砂糖、デキストレート、デキストリン、ブドウ糖、エリスリトール、エチルセルロース、フルクトース、フマル酸、パルミチン酸ステアリン酸グリセリン、イソマルト、カオリン、ラクチトール(lacitol)、ラクトース、マンニトール、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、マルトデキストリン、マルトース、中鎖トリグリセリド、微結晶性セルロース、微結晶性ケイ化セルロース、強化セルロース、ポリデキストロース、ポリアクリル酸メチル、シメチコン、アルギン酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ソルビトール、デンプン、アルファ化デンプン、スクロース、スルホブチルエーテル−ベータ−シクロデキストリン、タルク、トラガント、トレハロース、およびキシリトールも挙げられる。
【0157】
組成物中に崩壊剤を使用することにより、水性環境に曝露された際に分解する錠剤またはカプセル剤を提供することができる。好適な崩壊剤として、以下に限定されないが、寒天;ベントナイト;セルロース、例えば、メチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロース;木材製品;天然スポンジ;カチオン交換樹脂;アルギン酸;ガム、例えば、グアーガムおよびVeegum HV;柑橘ジュース粕;架橋セルロース、例えば、クロスカルメロース;架橋ポリマー、例えば、クロスポビドン;架橋デンプン;炭酸カルシウム;微結晶性セルロース、例えば、デンプングリコール酸ナトリウム;ポラクリリンカリウム;デンプン、例えば、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、タピオカデンプン、およびアルファ化デンプン;粘土;アライン(align);およびこれらの混合物が挙げられる。
【0158】
医薬組成物および剤形に使用することができる滑沢剤として、以下に限定されないが、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、鉱油、軽油、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール、他のグリコール、ステアリン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、タルク、硬化植物油(例えば、ピーナッツ油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、およびダイズ油)、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸エチル、ラウリン酸エチル(ethyl laureate)、寒天、およびこれらの混合物が挙げられる。追加の滑沢剤として、例えば、syloidシリカゲル(AEROSIL200、W.R. Grace Co. of Baltimore、Md.製)、合成シリカの凝固エアゾール剤(Degussa Co. of Plano、Tex.により市販)、CAB−O−SIL(Cabot Co. of Boston、Mass.により販売されている発熱性二酸化ケイ素製品)、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0159】
好適な流動促進剤として、以下に限定されないが、コロイド状二酸化ケイ素、CAB−O−SIL.RTM.(Cabot Co. of Boston、Mass.)およびアスベスト不含タルクが挙げられる。
【0160】
好適な着色剤として、以下に限定されないが、認可、承認された、水溶性FD&C染料、およびアルミナ水和物に懸濁させた水不溶性FD&C染料、およびカラーレーキおよびこれらの混合物のいずれかが挙げられる。カラーレーキは、水溶性染料を重金属の水和酸化物に吸着させて、不溶性形態の染料をもたらす組合せである。
【0161】
好適な香味剤として、以下に限定されないが、植物、例えば、果実から抽出した天然香味料、およびさわやかな味覚、例えば、ペパーミントおよびサルチル酸メチルを生成する化合物の合成ブレンドが挙げられる。
【0162】
好適な甘味剤として、以下に限定されないが、スクロース、ラクトース、マンニトール、シロップ、グリセリン、および人工甘味剤、例えば、サッカリンおよびアスパルテームが挙げられる。
【0163】
好適な乳化剤として、以下に限定されないが、ゼラチン、アカシア、トラガント、ベントナイト、および界面活性剤、例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(TWEEN(登録商標)20)、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン80(TWEEN(登録商標)80)、およびオレイン酸トリエタノールアミンが挙げられる。
【0164】
好適な懸濁化剤および分散剤として、以下に限定されないが、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ペクチン、トラガント、Veegum、アカシア、ナトリウムカルボメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびポリビニルピロリドンが挙げられる。
【0165】
好適な保存剤として、以下に限定されないが、グリセリン、メチルおよびプロピルパラベン、安息香酸(benzoic add)、安息香酸ナトリウムおよびアルコールが挙げられる。
【0166】
好適な湿潤剤として、以下に限定されないが、モノステアリン酸プロピレングリコール、モノオレイン酸ソルビタン、モノラウリン酸ジエチレングリコール、およびポリオキシエチレンラウリルエーテルが挙げられる。
【0167】
好適な溶媒として、以下に限定されないが、グリセリン、ソルビトール、エチルアルコール、およびシロップが挙げられる。
【0168】
乳剤に利用される好適な非水性液体として、以下に限定されないが、鉱油および綿実油が挙げられる。
【0169】
好適な有機酸として、以下に限定されないが、クエン酸および酒石酸が挙げられる。
【0170】
好適な二酸化炭素源として、以下に限定されないが、炭酸水素ナトリウムおよび炭酸ナトリウムが挙げられる。
【0171】
経口投与向けに本明細書に提供されている医薬組成物は、圧縮錠、粉薬錠剤、チュアブルロゼンジ剤、即溶性錠剤、多重圧縮錠、または腸内コーティング錠剤、糖衣錠、またはフィルムコート錠剤として提供することができる。腸溶性錠剤は、胃酸の作用に耐性があるが、腸で溶解または分解し、よって胃の酸性環境から活性成分を保護する物質でコーティングされた圧縮錠である。腸内コーティングとして、以下に限定されないが、脂肪酸、脂肪、サリチル酸フェニル、ワックス、セラック、アンモニア処理セラック、および酢酸フタル酸セルロースが挙げられる。糖衣錠は、糖コーティングで取り囲まれた圧縮錠であり、好ましくない味覚または臭気を覆い隠し、錠剤を酸化から保護するのに有益となり得る。フィルムコート錠剤は、水溶性材料の薄層またはフィルムで覆われている圧縮錠である。フィルムコーティングとして、以下に限定されないが、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリエチレングリコール4000、および酢酸フタル酸セルロースが挙げられる。フィルムコーティングは糖コーティングと同じ一般的特徴を付与する。多重圧縮錠は1つより多くの圧縮サイクルで作製された圧縮錠であり、層状の錠剤、および圧縮コーティングまたは乾燥コーティングした錠剤を含む。
【0172】
錠剤剤形は、粉末状、結晶性、または顆粒状の形態の活性成分から、単独で、または結合剤、崩壊剤、制御放出性ポリマー、滑沢剤、希釈剤、および/または着色剤を含む、本明細書に記載されている1または複数のキャリアまたは賦形剤と組み合わせて調製することができる。
【0173】
いくつかの実施形態において、本発明の単位剤形は、微結晶性セルロース、ラクトース一水和物(修飾)、クロスカルメロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、およびステアリン酸マグネシウムから選択される1または複数の薬学的に受容可能な賦形剤を含む。
【0174】
いくつかの実施形態において、本発明の単位剤形は、グラピプラント1mg当たり約1.82mgの量の微結晶性セルロースを含む。
【0175】
いくつかの実施形態において、本発明の単位剤形は、グラピプラント1mg当たり約0.88mgの量のラクトース一水和物(修飾)を含む。
【0176】
いくつかの実施形態において、本発明の単位剤形は、グラピプラント1mg当たり約0.2mgの量のクロスカルメロースナトリウムを含む。
【0177】
いくつかの実施形態において、本発明の単位剤形は、グラピプラント1mg当たり約0.08mgの量のヒドロキシプロピルセルロースを含む。
【0178】
いくつかの実施形態において、本発明の単位剤形は、グラピプラント1mg当たり約0.02mgの量のステアリン酸マグネシウムを含む。
【0179】
いくつかの実施形態において、本発明の単位剤形は、約50mgのグラピプラント、約91mgの微結晶性セルロース、約44.0mgのラクトース一水和物(修飾)、約10.0mgのクロスカルメロースナトリウム、約4.0mgのヒドロキシプロピルセルロース、および約1mgのステアリン酸マグネシウムを含む。
【0180】
いくつかの実施形態において、本発明の単位剤形は、約150mgのグラピプラント、約273mgの微結晶性セルロース、約132.0mgのラクトース一水和物(変性)、約30.0mgのクロスカルメロースナトリウム、約12.0mgのヒドロキシプロピルセルロース、および約3mgのステアリン酸マグネシウムを含む。
【0181】
いくつかの実施形態において、本発明の単位剤形は、約250mgのグラピプラント、約455mgの微結晶性セルロース、約220.0mgのラクトース一水和物(修飾)、約50.0mgのクロスカルメロースナトリウム、20.0mgのヒドロキシプロピルセルロース、および約5mgのステアリン酸マグネシウムを含む。
【0182】
いくつかの実施形態において、本発明の単位剤形は、約300mgのグラピプラント、約546mgの微結晶性セルロース、約264.0mgのラクトース一水和物(修飾)、約60.0mgのクロスカルメロースナトリウム、約24.0mgのヒドロキシプロピルセルロース、および約6mgのステアリン酸マグネシウムを含む。
【0183】
いくつかの実施形態において、本発明の単位剤形は、約375mgのグラピプラント、約682.5mgの微結晶性セルロース、約330.0mgのラクトース一水和物(修飾)、約75.0mgのクロスカルメロースナトリウム、約30.0mgのヒドロキシプロピルセルロース、および約7.5mgのステアリン酸マグネシウムを含む。
【0184】
いくつかの実施形態において、本発明の単位剤形は1または複数の錠剤を含む。いくつかの実施形態において、1または複数の錠剤は、約125mgのグラピプラント、約227.5mgの微結晶性セルロース、約110.0mgのラクトース一水和物(修飾)、約25.0mgのクロスカルメロースナトリウム、10.0mgのヒドロキシプロピルセルロース、および約2.5mgのステアリン酸マグネシウムを含む。いくつかの実施形態において、1または複数の錠剤は、約25mgのグラピプラント、約45.5mgの微結晶性セルロース、約22.0mgのラクトース一水和物(修飾)、約5.0mgのクロスカルメロースナトリウム、約2.0mgのヒドロキシプロピルセルロース、および約0.5mgのステアリン酸マグネシウムを含む。
【0185】
5.例示的単位剤形OPCおよび液体単位剤形の記載
いくつかの実施形態において、本発明は、OPC製剤で、約1mg〜約2000mgのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩を含む医薬組成物の単位剤形を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、OPC製剤で、約10mg〜約1500mgのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩を含む医薬組成物の単位剤形を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、OPC製剤で、約30mg〜約1000mgのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩を含む医薬組成物の単位剤形を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、OPC製剤で、約100mg〜約600mgグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩を含む医薬組成物の単位剤形を提供する。
【0186】
いくつかの実施形態において、本発明の単位剤形は、OPC製剤中に約1mgのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩を含む(本明細書では「1mgグラピプラント単位剤形OPC」と言及される)。いくつかの実施形態において、本発明の単位剤形は、OPC製剤中に約3mgのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩を含む(本明細書では「3mgグラピプラント単位剤形OPC」と言及される)。いくつかの実施形態において、本発明の単位剤形は、OPC製剤中に約10mgのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩を含む(本明細書では「10mgグラピプラント単位剤形OPC」と言及される)。いくつかの実施形態において、本発明の単位剤形は、OPC製剤中に約30mgのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩を含む(本明細書では「30mgグラピプラント単位剤形OPC」と言及される)。いくつかの実施形態において、本発明の単位剤形は、OPC製剤中に約60mgのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩を含む(本明細書では「60mgグラピプラント単位剤形OPC」と言及される)。いくつかの実施形態において、本発明の単位剤形は、OPC製剤中に約100mgのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩を含む(本明細書では「100mgグラピプラント単位剤形OPC」と言及される)。いくつかの実施形態において、本発明の単位剤形は、OPC製剤中に約200mgのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩を含む(本明細書では「200mgグラピプラント単位剤形OPC」と言及される)。いくつかの実施形態において、本発明の単位剤形は、OPC製剤中に約300mgのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩を含む(本明細書では「300mgグラピプラント単位剤形OPC」と言及される)。いくつかの実施形態において、本発明の単位剤形は、OPC製剤中に約600mgのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩を含む(本明細書では「600mgグラピプラント単位剤形OPC」と言及される)。いくつかの実施形態において、本発明の単位剤形は、OPC製剤中に約1000mgグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩を含む(本明細書では「1000mgグラピプラント単位剤形OPC」と言及される)。いくつかの実施形態において、本発明の単位剤形は、OPC製剤中に約1500mgのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩を含む(本明細書では「1500mgグラピプラント単位剤形OPC」と言及される)。いくつかの実施形態において、本発明の単位剤形は、OPC製剤中に約2000mgのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩を含む(本明細書では「2000mgグラピプラント単位剤形OPC」と言及される)。
【0187】
いくつかの実施形態において、本発明は、液体形態で、約1mg〜約2000mgのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩、および水を含む医薬組成物の単位剤形を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、液体形態で、約10mg〜約1500mgのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩、および水を含む医薬組成物の単位剤形を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、液体形態で、約30mg〜約1000mgのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩、および水を含む医薬組成物の単位剤形を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、液体形態で、約100mg〜約600mgのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩、および水を含む医薬組成物の単位剤形を提供する。
【0188】
いくつかの実施形態において、本発明の単位剤形は、液体形態で、約1mgのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩、および水を含む(本明細書では「1mgグラピプラント液体単位剤形」と言及される)。いくつかの実施形態において、本発明の単位剤形は、液体形態で、約3mgのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩、および水を含む(本明細書では「3mgグラピプラント液体単位剤形」と言及される)。いくつかの実施形態において、本発明の単位剤形は、液体形態で、約10mgのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩、および水を含む(本明細書では「10mgグラピプラント液体単位剤形」と言及される)。いくつかの実施形態において、本発明の単位剤形は、液体形態で、約30mgのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩、および水を含む(本明細書では「30mgグラピプラント液体単位剤形」と言及される)。いくつかの実施形態において、本発明の単位剤形は、液体形態で、約60mgのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩、および水を含む(本明細書では「60mgグラピプラント液体単位剤形」と言及される)。いくつかの実施形態において、本発明の単位剤形は、液体形態で、約100mgのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩、および水を含む(本明細書では「100mgグラピプラント液体単位剤形」と言及される)。いくつかの実施形態において、本発明の単位剤形は、液体形態で、約200mgのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩、および水を含む(本明細書では「200mgグラピプラント液体単位剤形」と言及される)。いくつかの実施形態において、本発明の単位剤形は、液体形態で、約300mgのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩、および水を含む(本明細書では「300mgグラピプラント液体単位剤形」と言及される)。いくつかの実施形態において、本発明の単位剤形は、液体形態で、約600mgのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩、および水を含む(本明細書では「600mgグラピプラント液体単位剤形」と言及される)。いくつかの実施形態において、本発明の単位剤形は、液体形態で、約1000mgのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩、および水を含む(本明細書では「1000mgグラピプラント液体単位剤形」と言及される)。いくつかの実施形態において、本発明の単位剤形は、液体形態で、約1500mgのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩、および水を含む(本明細書では「1500mgグラピプラント液体単位剤形」と言及される)。いくつかの実施形態において、本発明の単位剤形は、液体形態で、約2000mgのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩、および水を含む(本明細書では「2000mgグラピプラント液体単位剤形」と言及される)。
【0189】
いくつかの実施形態において、本発明のグラピプラント液体単位剤形は、約50〜150mL、62.5〜137.5mL、75〜125mL、または87.5〜112.5mLの水を含む。いくつかの実施形態において、本発明のグラピプラント液体単位剤形は約100mLの水を含む。
【0190】
いくつかの実施形態において、本発明の1mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により:
約6.59ng/mLの平均血清Cmax
約2.5時間の平均血清Tmax、および
約59.1ng時間/mLの平均血清AUC(Tlast)
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす。
【0191】
いくつかの実施形態において、本発明の1mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約6.59ng/mLの平均血清Cmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の1mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約2.5時間の平均血清Tmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の1mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約59.1ng時間/mLの平均血清AUC(Tlast)をもたらす。
【0192】
いくつかの実施形態において、本発明の1mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により:
約6.59±約1.86ng/mLの血清Cmax
約1.5時間〜約8.00時間の血清Tmax、および
約59.1±約18.8ng時間/mLの血清AUC(Tlast)
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす。
【0193】
いくつかの実施形態において、本発明の1mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約6.59±約1.86ng/mLの血清Cmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の1mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約6.59±約0.93ng/mLの血清Cmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の1mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約6.59±約0.47ng/mLの血清Cmaxをもたらす。
【0194】
いくつかの実施形態において、本発明の1mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約1.5時間〜約8.00時間の血清Tmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の1mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約2.0時間〜約5.25時間の血清Tmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の1mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約1.75時間〜約3.875時間の血清Tmaxをもたらす。
【0195】
いくつかの実施形態において、本発明の1mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約59.1±約18.8ng時間/mLの血清AUC(Tlast)をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の1mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約59.1±約9.4ng時間/mLの血清AUC(Tlast)をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の1mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約59.1±約4.7ng時間/mLの血清AUC(Tlast)をもたらす。
【0196】
いくつかの実施形態において、本発明の3mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により:
約23.1ng/mLの平均血清Cmax
約3.00時間の平均血清Tmax
約246ng時間/mLの平均血清AUC(Tlast)、
約260ng時間/mLの平均血清AUC(inf)、および
約5.34時間の平均血清T1/2
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす。
【0197】
いくつかの実施形態において、本発明の3mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約23.1ng/mLの平均血清Cmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の3mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約3.00時間の平均血清Tmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の3mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約246ng時間/mLの平均血清AUC(Tlast)をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の3mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約260ng時間/mLの平均血清AUC(inf)をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の3mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約5.34時間の平均血清T1/2をもたらす。
【0198】
いくつかの実施形態において、本発明の3mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により:
約23.1±約6.16ng/mLの血清Cmax
約2.50時間〜約6.00時間の血清Tmax
約246±約76.7ng時間/mLの血清AUC(Tlast)、
約260±約82.7ng時間/mLの血清AUC(inf)、および
約5.34±約0.147時間の血清T1/2
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす。
【0199】
いくつかの実施形態において、本発明の3mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約23.1±約6.16ng/mLの血清Cmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の3mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約23.1±約3.08ng/mLの血清Cmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の3mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約23.1±約1.54ng/mLの血清Cmaxをもたらす。
【0200】
いくつかの実施形態において、本発明の3mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約2.50時間〜約6.00時間の血清Tmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の3mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約2.75時間〜約4.50時間の血清Tmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の3mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約2.875時間〜約3.25時間の血清Tmaxをもたらす。
【0201】
いくつかの実施形態において、本発明の3mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約246±約76.7ng時間/mLの血清AUC(Tlast)をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の3mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約246±約38.35ng時間/mLの血清AUC(Tlast)をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の3mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約246±約19.175ng時間/mLの血清AUC(Tlast)をもたらす。
【0202】
いくつかの実施形態において、本発明の3mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約260±約82.7ng時間/mLの血清AUC(inf)をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の3mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約260±約41.35ng時間/mLの血清AUC(inf)をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の3mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約260±約20.675ng時間/mLの血清AUC(inf)をもたらす。
【0203】
いくつかの実施形態において、本発明の3mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約5.34±約0.147時間の血清T1/2をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の3mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約5.34±約0.074時間の血清T1/2をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の3mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約5.34±約0.037時間の血清T1/2をもたらす。
【0204】
いくつかの実施形態において、本発明の10mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により:
約110ng/mLの平均血清Cmax
約2.00時間の平均血清Tmax
約901ng時間/mLの平均血清AUC(Tlast)、
約917ng時間/mLの平均血清AUC(inf)、および
約5.10時間の平均血清T1/2
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす。
【0205】
いくつかの実施形態において、本発明の10mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約110ng/mLの平均血清Cmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の10mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約2.00時間の平均血清Tmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の10mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約901ng時間/mLの平均血清AUC(Tlast)をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の10mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約917ng時間/mLの平均血清AUC(inf)をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の10mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約5.10時間の平均血清T1/2をもたらす。
【0206】
いくつかの実施形態において、本発明の10mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により:
約110±約21.0ng/mLの血清Cmax
約1.00時間〜約2.50時間の血清Tmax
約901±約179ng時間/mLの血清AUC(Tlast)、
約917±約178ng時間/mLの血清AUC(inf)、および
約5.10±約1.90時間の血清T1/2
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす。
【0207】
いくつかの実施形態において、本発明の10mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約110±約21.0ng/mLの血清Cmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の10mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約110±約10.50ng/mLの血清Cmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の10mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約110±約5.25ng/mLの血清Cmaxをもたらす。
【0208】
いくつかの実施形態において、本発明の10mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約1.00時間〜約2.50時間の血清Tmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の10mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約1.50時間〜約2.25時間の血清Tmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の10mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約1.75時間〜約2.125時間の血清Tmaxをもたらす。
【0209】
いくつかの実施形態において、本発明の10mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約901±約179ng時間/mLの血清AUC(Tlast)をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の10mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約901±約89.5ng時間/mLの血清AUC(Tlast)をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の10mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約901±約44.75ng時間/mLの血清AUC(Tlast)をもたらす。
【0210】
いくつかの実施形態において、本発明の10mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約917±約178ng時間/mLの血清AUC(inf)をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の10mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約917±約89ng時間/mLの血清AUC(inf)をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の10mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約917±約44.5ng時間/mLの血清AUC(inf)をもたらす。
【0211】
いくつかの実施形態において、本発明の10mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約5.10±約1.90時間の血清T1/2をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の10mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約5.10±約0.95時間の血清T1/2をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の10mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約5.10±約0.475時間の血清T1/2をもたらす。
【0212】
いくつかの実施形態において、本発明の30mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により:
約262ng/mLの平均血清Cmax
約1.00時間の平均血清Tmax
約2120ng時間/mLの平均血清AUC(Tlast)、
約2150ng時間/mLの平均血清AUC(inf)、および
約6.14時間の平均血清T1/2
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす。
【0213】
いくつかの実施形態において、本発明の30mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約262ng/mLの平均血清Cmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の30mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約1.00時間の平均血清Tmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の30mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約2120ng時間/mLの平均血清AUC(Tlast)をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の30mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約2150ng時間/mLの平均血清AUC(inf)をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の30mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約6.14時間の平均血清T1/2をもたらす。
【0214】
いくつかの実施形態において、本発明の30mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により:
約262±約83.1ng/mLの血清Cmax
約1.00時間〜約2.00時間の血清Tmax
約2120±約750ng時間/mLの血清AUC(Tlast)、
約2150±約740ng時間/mLの血清AUC(inf)、および
約6.14±約1.36時間の血清T1/2
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす。
【0215】
いくつかの実施形態において、本発明の30mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約262±約83.1ng/mLの血清Cmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の30mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約262±約41.55ng/mLの血清Cmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の30mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約262±約20.775ng/mLの血清Cmaxをもたらす。
【0216】
いくつかの実施形態において、本発明の30mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約1.00〜約2.00時間の血清Tmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の30mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約1.00〜約1.50時間の血清Tmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の30mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約1.00〜約1.25時間の血清Tmaxをもたらす。
【0217】
いくつかの実施形態において、本発明の30mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約2120±約750ng時間/mLの血清AUC(Tlast)をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の30mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約2120±約375ng時間/mLの血清AUC(Tlast)をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の30mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約2120±約187.5ng時間/mLの血清AUC(Tlast)をもたらす。
【0218】
いくつかの実施形態において、本発明の30mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約2150±約740ng時間/mLの血清AUC(inf)をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の30mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約2150±約370ng時間/mLの血清AUC(inf)をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の30mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約2150±約185ng時間/mLの血清AUC(inf)をもたらす。
【0219】
いくつかの実施形態において、本発明の30mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約6.14±約1.36時間の血清T1/2をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の30mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約6.14±約0.68時間の血清T1/2をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の30mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約6.14±約0.34時間の血清T1/2をもたらす。
【0220】
いくつかの実施形態において、本発明の100mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により:
約1440ng/mLの平均血清Cmax
約0.75時間の平均血清Tmax
約7170ng時間/mLの平均血清AUC(Tlast)、
約7220ng時間/mLの平均血清AUC(inf)、および
約6.91時間の平均血清T1/2
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす。
【0221】
いくつかの実施形態において、本発明の100mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約1440ng/mLの平均血清Cmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の100mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約0.75時間の平均血清Tmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の100mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約7170ng時間/mLの平均血清AUC(Tlast)をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の100mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約7220ng時間/mLの平均血清AUC(inf)をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の100mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約6.91時間の平均血清T1/2をもたらす。
【0222】
いくつかの実施形態において、本発明の100mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により:
約1440±約489ng/mLの血清Cmax
約0.50〜約1.00時間の血清Tmax
約7170±約1720ng時間/mLの血清AUC(Tlast)、
約7220±約1720ng時間/mLの血清AUC(inf)、および
約6.91±約2.57時間の血清T1/2
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす。
【0223】
いくつかの実施形態において、本発明の100mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約1440±約489ng/mLの血清Cmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の100mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約1440±約244.5ng/mLの血清Cmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の100mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約1440±約122.25ng/mLの血清Cmaxをもたらす。
【0224】
いくつかの実施形態において、本発明の100mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約0.50〜約1.00時間の血清Tmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の100mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約0.625〜約0.875時間の血清Tmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の100mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約0.69〜約0.81時間の血清Tmaxをもたらす。
【0225】
いくつかの実施形態において、本発明の100mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約7170±約1720ng時間/mLの血清AUC(Tlast)をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の100mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約7170±約860ng時間/mLの血清AUC(Tlast)をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の100mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約7170±約430ng時間/mLの血清AUC(Tlast)をもたらす。
【0226】
いくつかの実施形態において、本発明の100mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約7220±約1720ng時間/mLの血清AUC(inf)をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の100mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約7220±約860ng時間/mLの血清AUC(inf)をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の100mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約7220±約430ng時間/mLの血清AUC(inf)をもたらす。
【0227】
いくつかの実施形態において、本発明の100mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約6.91±約2.57時間の血清T1/2をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の100mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約6.91±約1.285時間の血清T1/2をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の100mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約6.91±約0.64時間の血清T1/2をもたらす。
【0228】
いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により:
約12000ng/mLの平均血清Cmax
約0.75時間の平均血清Tmax
約31200ng時間/mLの平均血清AUC(Tlast)、
約31300ng時間/mLの平均血清AUC(inf)、および
約7.98時間の平均血清T1/2
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす。
【0229】
いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約12000ng/mLの平均血清Cmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約0.75時間の平均血清Tmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約31200ng時間/mLの平均血清AUC(Tlast)をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約31300ng時間/mLの平均血清AUC(inf)をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約7.98時間の平均血清T1/2をもたらす。
【0230】
いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により:
約12000±約3240ng/mLの血清Cmax
約0.50〜約1.00時間の血清Tmax
約31200±約7270ng時間/mLの血清AUC(Tlast)、
約31300±約7260ng時間/mLの血清AUC(inf)、および
約7.98±約1.73時間の血清T1/2
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす。
【0231】
いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約12000±約3240ng/mLの血清Cmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約12000±約1620ng/mLの血清Cmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約12000±約810ng/mLの血清Cmaxをもたらす。
【0232】
いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約0.50〜約1.00時間の血清Tmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約0.625〜約0.875時間の血清Tmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約0.69〜約0.81時間の血清Tmaxをもたらす。
【0233】
いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約31200±約7270ng時間/mLの血清AUC(Tlast)をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約31200±約3635ng時間/mLの血清AUC(Tlast)をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約31200±約1817.5ng時間/mLの血清AUC(Tlast)をもたらす。
【0234】
いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約31300±約7260ng時間/mLの血清AUC(inf)をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約31300±約3630ng時間/mLの血清AUC(inf)をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約31300±約1815ng時間/mLの血清AUC(inf)をもたらす。
【0235】
いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約7.98±約1.73時間の血清T1/2をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約7.98±約0.865時間の血清T1/2をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の300mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約7.98±約0.433時間の血清T1/2をもたらす。
【0236】
いくつかの実施形態において、本発明の600mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により:
約45000ng/mLの平均血清Cmax
約0.50時間の平均血清Tmax
約92200ng時間/mLの平均血清AUC(Tlast)、
約92500ng時間/mLの平均血清AUC(inf)、および
約8.03時間の平均血清T1/2
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす。
【0237】
いくつかの実施形態において、本発明の600mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約45000ng/mLの平均血清Cmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の600mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約0.50時間の平均血清Tmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の600mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約92200ng時間/mLの平均血清AUC(Tlast)をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の600mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約92500ng時間/mLの平均血清AUC(inf)をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の600mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約8.03時間の平均血清T1/2をもたらす。
【0238】
いくつかの実施形態において、本発明の600mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により:
約45000±約11500ng/mLの血清Cmax
約0.50〜約1.00時間の血清Tmax
約92200±約20700ng時間/mLの血清AUC(Tlast)、
約92500±約20800ng時間/mLの血清AUC(inf)、および
約8.03±約1.46時間の血清T1/2
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす。
【0239】
いくつかの実施形態において、本発明の600mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約45000±約11500ng/mLの血清Cmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の600mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約45000±約5750ng/mLの血清Cmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の600mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約45000±約2875ng/mLの血清Cmaxをもたらす。
【0240】
いくつかの実施形態において、本発明の600mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約0.50〜約1.00時間の血清Tmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の600mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約0.50〜約0.75時間の血清Tmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の600mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約0.50〜約0.625時間の血清Tmaxをもたらす。
【0241】
いくつかの実施形態において、本発明の600mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約92200±約20700ng時間/mLの血清AUC(Tlast)をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の600mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約92200±約10350ng時間/mLの血清AUC(Tlast)をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の600mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約92200±約5175ng時間/mLの血清AUC(Tlast)をもたらす。
【0242】
いくつかの実施形態において、本発明の600mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約92500±約20800ng時間/mLの血清AUC(inf)をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の600mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約92500±約10400ng時間/mLの血清AUC(inf)をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の600mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約92500±約5200ng時間/mLの血清AUC(inf)をもたらす。
【0243】
いくつかの実施形態において、本発明の600mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約8.03±約1.46時間の血清T1/2をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の600mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約8.03±約0.73時間の血清T1/2をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の600mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約8.03±約0.365時間の血清T1/2をもたらす。
【0244】
いくつかの実施形態において、本発明の1000mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により:
約64300ng/mLの平均血清Cmax
約1.00時間の平均血清Tmax
約174000ng時間/mLの平均血清AUC(Tlast)、
約175000ng時間/mLの平均血清AUC(inf)、および
約9.41時間の平均血清T1/2
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす。
【0245】
いくつかの実施形態において、本発明の1000mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約64300ng/mLの平均血清Cmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の1000mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約1.00時間の平均血清Tmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の1000mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約174000ng時間/mLの平均血清AUC(Tlast)をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の1000mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約175000ng時間/mLの平均血清AUC(inf)をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の1000mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約9.41時間の平均血清T1/2をもたらす。
【0246】
いくつかの実施形態において、本発明の1000mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により:
約64300±約17100ng/mLの血清Cmax
約0.50〜約1.00時間の血清Tmax
約174000±約56700ng時間/mLの血清AUC(Tlast)、
約175000±約56700ng時間/mLの血清AUC(inf)、および
約9.41±約1.49時間の血清T1/2
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす。
【0247】
いくつかの実施形態において、本発明の1000mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約64300±約17100ng/mLの血清Cmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の1000mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約64300±約8550ng/mLの血清Cmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の1000mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約64300±約4275ng/mLの血清Cmaxをもたらす。
【0248】
いくつかの実施形態において、本発明の1000mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約0.50〜約1.00時間の血清Tmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の1000mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約0.75〜約1.00時間の血清Tmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の1000mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約0.875〜約1.00時間の血清Tmaxをもたらす。
【0249】
いくつかの実施形態において、本発明の1000mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約174000±約56700ng時間/mLの血清AUC(Tlast)をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の1000mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約174000±約28350ng時間/mLの血清AUC(Tlast)をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の1000mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約174000±約14175ng時間/mLの血清AUC(Tlast)をもたらす。
【0250】
いくつかの実施形態において、本発明の1000mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約175000±約56700ng時間/mLの血清AUC(inf)をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の1000mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約175000±約28350ng時間/mLの血清AUC(inf)をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の1000mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約175000±約14175ng時間/mLの血清AUC(inf)をもたらす。
【0251】
いくつかの実施形態において、本発明の1000mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約9.41±約1.49時間の血清T1/2をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の1000mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約9.41±約0.745時間の血清T1/2をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の1000mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約9.41±約0.3725時間の血清T1/2をもたらす。
【0252】
いくつかの実施形態において、本発明の1500mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により:
約83800ng/mLの平均血清Cmax
約0.75時間の平均血清Tmax
約242000ng時間/mLの平均血清AUC(Tlast)、
約242000ng時間/mLの平均血清AUC(inf)、および
約8.13時間の平均血清T1/2
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす。
【0253】
いくつかの実施形態において、本発明の1500mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約83800ng/mLの平均血清Cmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の1500mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約0.75時間の平均血清Tmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の1500mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約242000ng時間/mLの平均血清AUC(Tlast)をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の1500mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約242000ng時間/mLの平均血清AUC(inf)をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の1500mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約8.13時間の平均血清T1/2をもたらす。
【0254】
いくつかの実施形態において、本発明の1500mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により:
約83800±約21800ng/mLの血清Cmax
約0.50〜約1.00時間の血清Tmax
約242000±約64000ng時間/mLの血清AUC(Tlast)、
約242000±約63900ng時間/mLの血清AUC(inf)、および
約8.13±約2.18時間の血清T1/2
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす。
【0255】
いくつかの実施形態において、本発明の1500mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約83800±約21800ng/mLの血清Cmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の1500mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約83800±約10900ng/mLの血清Cmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の1500mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約83800±約5450ng/mLの血清Cmaxをもたらす。
【0256】
いくつかの実施形態において、本発明の1500mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約0.50〜約1.00時間の血清Tmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の1500mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約0.625〜約0.875時間の血清Tmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の1500mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約0.69〜約0.81時間の血清Tmaxをもたらす。
【0257】
いくつかの実施形態において、本発明の1500mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約242000±約64000ng時間/mLの血清AUC(Tlast)をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の1500mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約242000±約32000ng時間/mLの血清AUC(Tlast)をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の1500mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約242000±約16000ng時間/mLの血清AUC(Tlast)をもたらす。
【0258】
いくつかの実施形態において、本発明の1500mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約242000±約63900ng時間/mLの血清AUC(inf)をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の1500mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約242000±約31950ng時間/mLの血清AUC(inf)をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の1500mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約242000±約15975ng時間/mLの血清AUC(inf)をもたらす。
【0259】
いくつかの実施形態において、本発明の1500mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約8.13±約2.18時間の血清T1/2をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の1500mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約8.13±約1.09時間の血清T1/2をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の1500mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約8.13±約0.545時間の血清T1/2をもたらす。
【0260】
いくつかの実施形態において、本発明の2000mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により:
約134000ng/mLの平均血清Cmax
約1.00時間の平均血清Tmax
約478000ng時間/mLの平均血清AUC(Tlast)、
約479000ng時間/mLの平均血清AUC(inf)、および
約8.25時間の平均血清T1/2
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす。
【0261】
いくつかの実施形態において、本発明の2000mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約134000ng/mLの平均血清Cmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の2000mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約1.00時間の平均血清Tmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の2000mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約478000ng時間/mLの平均血清AUC(Tlast)をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の2000mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約479000ng時間/mLの平均血清AUC(inf)をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の2000mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約8.25時間の平均血清T1/2をもたらす。
【0262】
いくつかの実施形態において、本発明の2000mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により:
約134000±約51600ng/mLの血清Cmax
約0.50〜約1.00時間の血清Tmax
約478000±約228000ng時間/mLの血清AUC(Tlast)、
約479000±約229000ng時間/mLの血清AUC(inf)、および
約8.25±約1.38時間の血清T1/2
から選択される1または複数の薬物動態学結果をもたらす。
【0263】
いくつかの実施形態において、本発明の2000mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約134000±約51600ng/mLの血清Cmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の2000mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約134000±約25800ng/mLの血清Cmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の2000mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約134000±約12900ng/mLの血清Cmaxをもたらす。
【0264】
いくつかの実施形態において、本発明の2000mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約0.50〜約1.00時間の血清Tmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の2000mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約0.75〜約1.00時間の血清Tmaxをもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の2000mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約0.875〜約1.00時間の血清Tmaxをもたらす。
【0265】
いくつかの実施形態において、本発明の2000mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約478000±約2280000ng時間/mLの血清AUC(Tlast)をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の2000mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約478000±約114000ng時間/mLの血清AUC(Tlast)をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の2000mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約478000±約57000ng時間/mLの血清AUC(Tlast)をもたらす。
【0266】
いくつかの実施形態において、本発明の2000mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約479000±約229000ng時間/mLの血清AUC(inf)をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の2000mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約479000±約114500ng時間/mLの血清AUC(inf)をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の2000mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約479000±約57250ng時間/mLの血清AUC(inf)をもたらす。
【0267】
いくつかの実施形態において、本発明の2000mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約8.25±約1.38時間の血清T1/2をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の2000mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約8.25±約0.69時間の血清T1/2をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の2000mgグラピプラント液体単位剤形は、絶食状態での健康な成人被験体における単回経口投与により、約8.25±約0.345時間の血清T1/2をもたらす。
【0268】
いくつかの実施形態において、本発明のグラピプラント単位剤形OPCは、グラピプラント(grapirprant)、またはその薬学的に受容可能な塩、および1または複数の薬学的に受容可能な賦形剤またはキャリアを含む。いくつかの実施形態において、本発明のグラピプラント液体単位剤形は、グラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩、1または複数の薬学的に受容可能な賦形剤またはキャリア、および水を含む。いくつかの実施形態において、本発明のグラピプラント単位剤形OPCおよび/またはグラピプラント液体単位剤形中の1または複数の薬学的に受容可能な賦形剤またはキャリアは、本明細書に記載されている通りである。
【0269】
いくつかの実施形態において、本発明のグラピプラント単位剤形OPCおよび/またはグラピプラント液体単位剤形中の1または複数の薬学的に受容可能な賦形剤またはキャリアはヒドロキシプロピルセルロースを含む。いくつかの実施形態において、本発明のグラピプラント単位剤形OPCおよび/またはグラピプラント液体単位剤形は、約100〜300mg、125〜275mg、150〜250mg、または175〜225mgのヒドロキシプロピルセルロースを含む。いくつかの実施形態において、本発明のグラピプラント単位剤形OPCおよび/またはグラピプラント液体単位剤形は約200mgのヒドロキシプロピルセルロースを含む。
【0270】
いくつかの実施形態において、本発明のグラピプラント単位剤形OPCおよび/またはグラピプラント液体単位剤形中の1または複数の薬学的に受容可能な賦形剤またはキャリアは微結晶性セルロースを含む。いくつかの実施形態において、本発明のグラピプラント単位剤形OPCおよび/またはグラピプラント液体単位剤形は、約150〜450mg、175〜425mg、200〜400mg、225〜375mg、250〜350mg、または275〜325mgの微結晶性セルロースを含む。いくつかの実施形態において、本発明のグラピプラント単位剤形OPCおよび/またはグラピプラント液体単位剤形は約300mgの微結晶性セルロースを含む。
【0271】
いくつかの実施形態において、本発明のグラピプラント単位剤形OPCおよび/またはグラピプラント液体単位剤形中の1または複数の薬学的に受容可能な賦形剤またはキャリアは二酸化チタンを含む。いくつかの実施形態において、本発明のグラピプラント単位剤形OPCおよび/またはグラピプラント液体単位剤形は、約25〜75mg、31.25〜68.75mg、37.5〜62.5mg、または43.75〜56.25mgの二酸化チタンを含む。いくつかの実施形態において、本発明のグラピプラント単位剤形OPCおよび/またはグラピプラント液体単位剤形は約50mgの二酸化チタンを含む。
【0272】
いくつかの実施形態において、本発明のグラピプラント単位剤形OPCおよび/またはグラピプラント液体単位剤形中の1または複数の薬学的に受容可能な賦形剤またはキャリアはキシリトールを含む。いくつかの実施形態において、本発明のグラピプラント単位剤形OPCおよび/またはグラピプラント液体単位剤形は、約200〜600mg、250〜550mg、300〜500mg、または350〜450mgのキシリトールを含む。いくつかの実施形態において、本発明のグラピプラント単位剤形OPCおよび/またはグラピプラント液体単位剤形は約400mgのキシリトールを含む。
【0273】
いくつかの実施形態において、本発明のグラピプラント単位剤形OPCおよび/またはグラピプラント液体単位剤形中の1または複数の薬学的に受容可能な賦形剤またはキャリアはシメチコンを含む。いくつかの実施形態において、シメチコンはシメチコン乳剤である。いくつかの実施形態において、シメチコンは30%シメチコン乳剤である。いくつかの実施形態において、本発明のグラピプラント単位剤形OPCおよび/またはグラピプラント液体単位剤形は、約16.65〜49.95mg、20.81〜45.79mg、24.97〜41.63mg、または29.13〜37.47mgの30%シメチコン乳剤を含む。いくつかの実施形態において、本発明のグラピプラント単位剤形OPCおよび/またはグラピプラント液体単位剤形は約33.3mgの30%シメチコン乳剤を含む。
【0274】
いくつかの実施形態において、本発明のグラピプラント単位剤形OPCおよび/またはグラピプラント液体単位剤形中の1または複数の薬学的に受容可能な賦形剤またはキャリアは、約200mgのヒドロキシプロピルセルロース、約300mgの微結晶性セルロース、約50mgの二酸化チタン、約400mgのキシリトール、および約33.3mgの30%シメチコン乳剤を含む。
【0275】
いくつかの実施形態において、本発明は、液体形態で、約1mgのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩、および約100mLの水を含む医薬組成物の単位剤形を提供する。
【0276】
いくつかの実施形態において、本発明は、液体形態で、約3mgのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩、および約100mLの水を含む、これらを本質的に含む、またはこれらからなる医薬組成物の単位剤形を提供する。
【0277】
いくつかの実施形態において、本発明は、液体形態で、約10mgのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩、および約100mLの水を含む、これらを本質的に含む、またはこれらからなる医薬組成物の単位剤形を提供する。
【0278】
いくつかの実施形態において、本発明は、液体形態で、約30mgのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩、約200mgのヒドロキシプロピルセルロース、約300mgの微結晶性セルロース、約50mgの二酸化チタン、約400mgのキシリトール、約33.3mgの30%シメチコン乳剤、および約100mLの水を含む、これらを本質的に含む、またはこれらからなる医薬組成物の単位剤形を提供する。
【0279】
いくつかの実施形態において、本発明は、液体形態で、約60mgのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩、約200mgのヒドロキシプロピルセルロース、約300mgの微結晶性セルロース、約50mgの二酸化チタン、約400mgのキシリトール、約33.3mgの30%シメチコン乳剤、および約100mLの水を含む、これらを本質的に含む、またはこれらからなる医薬組成物の単位剤形を提供する。
【0280】
いくつかの実施形態において、本発明は、液体形態で、約100mgのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩、約200mgのヒドロキシプロピルセルロース、約300mgの微結晶性セルロース、約50mgの二酸化チタン、約400mgのキシリトール、約33.3mgの30%シメチコン乳剤、および約100mLの水を含む、これらを本質的に含む、またはこれらからなる医薬組成物の単位剤形を提供する。
【0281】
いくつかの実施形態において、本発明は、液体形態で、約200mgのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩、約200mgのヒドロキシプロピルセルロース、約300mgの微結晶性セルロース、約50mgの二酸化チタン、約400mgのキシリトール、約33.3mgの30%シメチコン乳剤、および約100mLの水を含む、これらを本質的に含む、またはこれらからなる医薬組成物の単位剤形を提供する。
【0282】
いくつかの実施形態において、本発明は、液体形態で、約300mgのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩、約200mgのヒドロキシプロピルセルロース、約300mgの微結晶性セルロース、約50mgの二酸化チタン、約400mgのキシリトール、約33.3mgの30%シメチコン乳剤、および約100mLの水を含む、これらを本質的に含む、またはこれらからなる医薬組成物の単位剤形を提供する。
【0283】
いくつかの実施形態において、本発明は、液体形態で、約600mgのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩、約200mgのヒドロキシプロピルセルロース、約300mgの微結晶性セルロース、約50mgの二酸化チタン、約400mgのキシリトール、約33.3mgの30%シメチコン乳剤、および約100mLの水を含む、これらを本質的に含む、またはこれらからなる医薬組成物の単位剤形を提供する。
【0284】
いくつかの実施形態において、本発明は、液体形態で、約1000mgのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩、約200mgのヒドロキシプロピルセルロース、約300mgの微結晶性セルロース、約50mgの二酸化チタン、約400mgのキシリトール、約33.3mgの30%シメチコン乳剤、および約100mLの水を含む、これらを本質的に含む、またはこれらからなる医薬組成物の単位剤形を提供する。
【0285】
いくつかの実施形態において、本発明は、液体形態で、約1500mgのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩、約200mgのヒドロキシプロピルセルロース、約300mgの微結晶性セルロース、約50mgの二酸化チタン、約400mgのキシリトール、約33.3mgの30%シメチコン乳剤、および約100mLの水を含む、これらを本質的に含む、またはこれらからなる医薬組成物の単位剤形を提供する。
【0286】
いくつかの実施形態において、本発明は、液体形態で、約2000mgのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩、約200mgのヒドロキシプロピルセルロース、約300mgの微結晶性セルロース、約50mgの二酸化チタン、約400mgのキシリトール、約33.3mgの30%シメチコン乳剤、および約100mLの水を含む、これらを本質的に含む、またはこれらからなる医薬組成物の単位剤形を提供する。
【0287】
いくつかの実施形態において、本発明のグラピプラント単位剤形OPCは、本明細書に記載されている量でのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩を本質的に含む。いくつかの実施形態において、本発明のグラピプラント単位剤形OPCは、本明細書に記載されている量でのグラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩からなる。いくつかの実施形態において、本発明のグラピプラント液体単位剤形は、グラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩、および水を本質的に含み、グラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩、および水のそれぞれは本明細書に記載されている量である。いくつかの実施形態において、本発明のグラピプラント液体単位剤形は、グラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩、および水からなり、グラピプラント、またはその薬学的に受容可能な塩、および水のそれぞれは本明細書に記載されている量である。
【0288】
6.投与および使用
別の態様に従い、本発明は、生体試料または患者において、EP4、またはその突然変異体を阻害するための方法であって、本発明の単位剤形を投与することを含む方法を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、患者においてEP4媒介性疾患または障害を処置するための方法であって、本発明の単位剤形を投与することを含む方法を提供する。いくつかの実施形態において、本発明の単位剤形は経口投与を介して投与される。
【0289】
本明細書で使用する場合、用語「処置(treatment)」、「処置する(treat)」および「処置すること(treating)」とは、本明細書に記載されているような疾患もしくは障害、または1つもしくは複数のそれらの症状を逆転させる、軽減する、それらの発症を遅延させる、またはそれらの進行を阻害することを指す。いくつかの実施形態において、処置は、1つまたは複数の症状が発症した後に、行われてもよい。他の実施形態において、処置は、症状の非存在下で行われてもよい。例えば、処置は、症状の発症前に、感受性の高い個体に行われてもよい(例えば、症状歴に照らし合わせて、および/または遺伝的もしくは他の感受性因子に照らし合わせて)。処置はまた、症状が治癒した後に、例えば、その再発を予防または遅延させるために、継続されてもよい。
【0290】
本明細書で使用される場合、用語「EP4媒介性」障害、疾患、および/または状態は、本明細書で使用される場合、EP4、またはその突然変異体が、以下に限定されないが、細胞の増殖性障害を含むある役割を果たすことが公知である任意の疾患または他の有害な状態を意味する。いくつかの実施形態において、細胞の増殖性障害は本明細書に記載されているがんである。
【0291】
用語「患者」とは、本明細書で使用する場合、動物、好ましくは哺乳動物、および最も好ましくはヒトを意味する。
【0292】
いくつかの実施形態において、本発明の単位剤形は単一組成物で、単一剤形として投与される。
【0293】
6.1. 1または複数の他の治療剤との共投与
処置される特定の状態、または疾患に依存して、その状態を処置するために通常投与される追加の治療剤は、本発明の単位剤形と組み合わせて投与され得る。本明細書で使用される場合、特定の疾患、または状態を処置するために通常投与される追加の治療剤は、「処置される疾患、または状態のために適切である」として公知である。
【0294】
いくつかの実施形態において、本発明は、開示されている疾患または状態を処置する方法であって、それを必要とする患者に、本発明の単位剤形を投与するステップ、および本明細書に記載されているものなどの、有効量の1または複数の追加の治療剤を同時にまたは逐次に共投与するステップを含む方法を提供する。いくつかの実施形態において、本方法は、1種の追加の治療剤を共投与するステップを含む。いくつかの実施形態において、本方法は、2種の追加の治療剤を共投与するステップを含む。いくつかの実施形態において、開示化合物および追加の治療剤(単数または複数)を組み合わせると、相乗的に作用する。
【0295】
本発明の単位剤形はまた、公知の治療プロセス、例えば、ホルモンまたは放射線の投与と組み合わせて使用され得る。
【0296】
本発明の単位剤形は、単独で投与するか、または1種もしくは複数の他の治療化合物と組み合わせて投与することができ、可能な併用療法は、一定の組み合わせの形態、または本発明の単位剤形と1種もしくは複数の他の治療化合物との投与が交互であるか、または互いに独立している形態、または一定の組み合わせと1種もしくは複数の他の治療化合物との組み合わせた投与の形態をとり得る。本発明の単位剤形は、それ以外に、またはそれに加えて、特に、腫瘍治療のために、化学療法、放射線療法、免疫療法、光線療法、外科手術介入、またはこれらの組み合わせと組み合わせて、投与することができる。上で記載されたように、他の処置ストラテジーの文脈で、補助的な治療と同様に、長期間の治療が可能である。他の可能な処置は、腫瘍退縮後の患者の状態を維持するための治療、またはさらに、例えばリスクがある患者における化学予防治療である。
【0297】
1または複数の他の治療剤は、複数投与量レジメンの一部として、本発明の単位剤形とは別個に投与されてもよい。代わりに、1または複数の他の治療剤は、単一組成物中に本発明の単位剤形と一緒に混合された単一剤形の一部であってもよい。複数投与量レジメンとして投与される場合、1または複数の他の治療剤および本発明の単位剤形は、同時に、逐次的にまたは互いにある時間内に、例えば、互いに1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、18、20、21、22、23、または24時間内に投与されてもよい。いくつかの実施形態において、1または複数の他の治療剤および本発明の単位剤形は、24時間より長く間をあけて複数投与量レジメンとして投与される。
【0298】
本明細書で使用する場合、用語「組合せ」、「組み合わせた」および関連用語は、本発明による治療剤の同時投与または逐次投与を指す。例えば、本発明の単位剤形は、別個の単位剤形で、1または複数の他の治療剤と同時にもしくは逐次に、または単一単位剤形で一緒に投与されてもよい。したがって、本発明は、本発明の活性成分、1または複数の他の治療剤、および薬学的に受容可能なキャリア、アジュバント、またはビヒクルを含む単一の単位剤形を提供する。
【0299】
単一剤形を生成するためにキャリア物質と一緒にされ得る、本発明の単位剤形および1または複数の他の治療剤の(上記に記載されている追加の治療剤を含むような組成物中の)量は、処置される宿主および投与の特定の様式に応じて変動する。
【0300】
1または複数の他の治療剤を含むような組成物において、1または複数の他の治療剤および本発明の活性成分は相乗的に作用することができる。したがって、このような組成物中の1または複数の他の治療剤の量は、その治療剤だけしか利用しない単剤療法において必要となる量未満であってよい。このような組成物において、1または複数の他の治療剤の0.01〜1,000μg/kg体重/日の間の投与量を投与することができる。
【0301】
本発明の単位剤形中に存在する1つまたはそれより多くの他の治療剤の量は、唯一の活性な薬剤としてその治療剤を含む組成物で通常投与される量以下であり得る。好ましくは、本発明の単位剤形中の1つまたはそれより多くの他の治療剤の量は、唯一の治療上活性な薬剤としてその薬剤を含む組成物中に通常存在する量の約50%から100%の範囲である。いくつかの実施形態において、1つまたはそれより多くの他の治療剤は、その薬剤について通常投与される量の、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、または約95%の投薬量で投与される。本明細書中で使用される場合、語句「通常投与される」とは、FDAの承認を受けている治療剤が、FDAラベルインサートにより投薬について承認されている量を意味する。
【0302】
本発明の単位剤形はまた、補綴物、人工弁、脈管移植片、ステントおよびカテーテルなどの、埋込式医療用装具をコーティングするための組成物に取り込ませることもできる。脈管ステントは、例えば、再狭窄(損傷後の脈管壁の再狭小化)の克服に使用されてきた。しかし、ステント、または他の埋込式装具を使用する患者は、凝塊形成または血小板活性化のリスクがある。これらの望ましくない作用は、キナーゼ阻害剤を含む、薬学的に受容可能な組成物によりこれらのデバイスを予めコーティングすることにより予防または軽減することができる。本発明の単位剤形によりコーティングされた埋込式装具は、本発明の別の実施形態である。
【0303】
6.1.1. 例示的な他の治療剤
いくつかの実施形態において、1または複数の他の治療剤はポリADPリボースポリメラーゼ(PARP)阻害剤である。いくつかの実施形態において、PARP阻害剤は、オラパリブ(Lynparza(登録商標)、AstraZeneca);ルカパリブ(Rubraca(登録商標)、Clovis Oncology);ニラパリブ(Zejula(登録商標)、Tesaro);タラゾパリブ(MDV3800/BMN673/LT00673、Medivation/Pfizer/Biomarin);ベリパリブ(ABT−888、AbbVie);およびBGB−290(BeiGene,Inc.)から選択される。
【0304】
いくつかの実施形態において、1または複数の他の治療剤はヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤である。いくつかの実施形態において、HDAC阻害剤は、ボリノスタット(Zolinza(登録商標)、Merck);ロミデプシン(Istodax(登録商標)、Celgene);パノビノスタット(Farydak(登録商標)、Novartis);ベリノスタット(Beleodaq(登録商標)、Spectrum Pharmaceuticals);エンチノスタット(SNDX−275、Syndax Pharmaceuticals)(NCT00866333);およびチダミド(Epidaza(登録商標)、HBI−8000、Chipscreen Biosciences、China)から選択される。
【0305】
いくつかの実施形態において、1または複数の他の治療剤は、CDK阻害剤、例えば、CDK4/CDK6阻害剤である。いくつかの実施形態において、CDK4/6阻害剤は、パルボシクリブ(Ibrance(登録商標)、Pfizer);リボシクリブ(Kisqali(登録商標)、Novartis);アベマシクリブ(Ly2835219、Eli Lilly);およびトリラシクリブ(G1T28、G1 Therapeutics)から選択される。
【0306】
いくつかの実施形態において、1または複数の他の治療剤はホスファチジルイノシトール3キナーゼ(PI3K)阻害剤である。いくつかの実施形態において、PI3K阻害剤は、イデラリシブ(Zydelig(登録商標)、Gilead)、アルペリシブ(BYL719、Novartis)、タセリシブ(GDC−0032、Genentech/Roche);ピクチリシブ(GDC−0941、Genentech/Roche);コパンリシブ(BAY806946、Bayer);デュベリシブ(旧名称IPI−145、Infinity Pharmaceuticals);PQR309(Piqur Therapeutics、Switzerland);およびTGR1202(旧名称RP5230、TG Therapeutics)から選択される。
【0307】
いくつかの実施形態において、1または複数の他の治療剤は、プラチンとも呼ばれている白金ベース治療薬である。プラチンは、これらが主に急速に繁殖している細胞、例えば、がん細胞においてDNA修復および/またはDNA合成を阻害するようDNAの架橋を引き起こす。いくつかの実施形態において、白金ベース治療薬は、シスプラチン(Platinol(登録商標)、Bristol−Myers Squibb);カルボプラチン(Paraplatin(登録商標)、Bristol−Myers Squibb;また、Teva;Pfizer);オキサリプラチン(Eloxitin(登録商標)Sanofi−Aventis);ネダプラチン(Aqupla(登録商標)、Shionogi)、ピコプラチン(Poniard Pharmaceuticals);およびサトラプラチン(JM−216、Agennix)から選択される。
【0308】
いくつかの実施形態において、1または複数の他の治療剤はタキサン化合物であり、タキサン化合物は、細胞分裂に不可欠な微小管の破壊を引き起こす。いくつかの実施形態において、タキサン化合物は、パクリタキセル(Taxol(登録商標)、Bristol−Myers Squibb)、ドセタキセル(Taxotere(登録商標)、Sanofi−Aventis;Docefrez(登録商標)、Sun Pharmaceutical)、アルブミン結合パクリタキセル(Abraxane(登録商標);Abraxis/Celgene)、カバジタキセル(Jevtana(登録商標)、Sanofi−Aventis)、およびSID530(SK Chemicals,Co.)(NCT00931008)から選択される。
【0309】
いくつかの実施形態において、1または複数の他の治療剤はヌクレオシド阻害剤、または正常なDNA合成、タンパク質合成、細胞複製を妨げる、さもなければ急速に増殖する細胞を阻害する治療剤である。
【0310】
いくつかの実施形態において、ヌクレオシド阻害剤は、トラベクテジン(グアニジンアルキル化剤、Yondelis(登録商標)、Janssen Oncology)、メクロレタミン(アルキル化剤、Valchlor(登録商標)、Aktelion Pharmaceuticals);ビンクリスチン(Oncovin(登録商標)、Eli Lilly;Vincasar(登録商標)、Teva Pharmaceuticals;Marqibo(登録商標)、Talon Therapeutics);テモゾロミド(アルキル化剤5−(3−メチルトリアゼン−1−イル)−イミダゾール−4−カルボキサミド(MTIC)に対するプロドラッグ、Temodar(登録商標)、Merck);シタラビン注射(ara−C、抗代謝性シチジンアナログ、Pfizer);ロムスチン(アルキル化剤、CeeNU(登録商標)、Bristol−Myers Squibb;Gleostine(登録商標)、NextSource Biotechnology);アザシチジン(シチジンのピリミジンヌクレオシドアナログ、Vidaza(登録商標)、Celgene);オマセタキシンメペサクシネート(セファロタキシンエステル)(タンパク質合成阻害剤、Synribo(登録商標);Teva Pharmaceuticals);アスパラギナーゼErwinia chrysanthemi(アスパラギンを枯渇する酵素、Elspar(登録商標)、Lundbeck;Erwinaze(登録商標)、EUSA Pharma);エリブリンメシル酸塩(微小管阻害剤、チューブリンベースの抗有糸分裂剤、Halaven(登録商標)、Eisai);カバジタキセル(微小管阻害剤、チューブリンベースの抗有糸分裂剤、Jevtana(登録商標)、Sanofi−Aventis);カパセトリン(チミジル酸シンターゼ阻害剤、Xeloda(登録商標)、Genentech);ベンダムスチン(二官能性メクロレタミン誘導体、鎖間DNA架橋を形成すると考えられている、Treanda(登録商標)、Cephalon/Teva);イクサベピロン(エポチロンBの半合成アナログ、微小管阻害剤、チューブリンベースの抗有糸分裂剤、Ixempra(登録商標)、Bristol−Myers Squibb);ネララビン(デオキシグアノシンアナログのプロドラッグ、ヌクレオシド代謝阻害剤、Arranon(登録商標)、Novartis);クロファラビン(clorafabine)(リボヌクレオチドレダクターゼ阻害剤のプロドラッグ、デオキシシチジンの競合阻害剤、Clolar(登録商標)、Sanofi−Aventis);ならびにトリフルリジンおよびチピラシル(チミジンベースのヌクレオシドアナログおよびチミジンホスホリラーゼ阻害剤、Lonsurf(登録商標)、Taiho Oncology)から選択される。
【0311】
いくつかの実施形態において、1または複数の他の治療剤はキナーゼ阻害剤またはVEGF−Rアンタゴニストである。本発明において有用な承認されたVEGF阻害剤およびキナーゼ阻害剤として、ベバシズマブ(Avastin(登録商標)、Genentech/Roche)抗VEGFモノクローナル抗体;ラムシルマブ(Cyramza(登録商標)、Eli Lilly)、抗VEGFR−2抗体およびziv−アフリバーセプト(VEGF Trapとしても公知)(Zaltrap(登録商標);Regeneron/Sanofi)、VEGFR阻害剤、例えば、レゴラフェニブ(Stivarga(登録商標)、Bayer);バンデタニブ(Caprelsa(登録商標)、AstraZeneca);アキシチニブ(Inlyta(登録商標)、Pfizer);およびレンバチニブ(Lenvima(登録商標)、Eisai);Raf阻害剤、例えば、ソラフェニブ(Nexavar(登録商標)、Bayer AGおよびOnyx);ダブラフェニブ(Tafinlar(登録商標)、Novartis);およびベムラフェニブ(Zelboraf(登録商標)、Genentech/Roche);MEK阻害剤、例えば、コビメチニブ(cobimetanib)(Cotellic(登録商標)、Exelexis/Genentech/Roche);トラメチニブ(Mekinist(登録商標)、Novartis);Bcr−Ablチロシンキナーゼ阻害剤、例えば、イマチニブ(Gleevec(登録商標)、Novartis);ニロチニブ(Tasigna(登録商標)、Novartis);ダサチニブ(Sprycel(登録商標)、BristolMyersSquibb);ボスチニブ(Bosulif(登録商標)、Pfizer);およびポナチニブ(Inclusig(登録商標)、Ariad Pharmaceuticals);Her2およびEGFR阻害剤、例えば、ゲフィチニブ(Iressa(登録商標)、AstraZeneca);エルロチニブ(Tarceeva(登録商標)、Genentech/Roche/Astellas);ラパチニブ(Tykerb(登録商標)、Novartis);アファチニブ(Gilotrif(登録商標)、Boehringer Ingelheim);オシメルチニブ(活性化EGFRを標的とする、Tagrisso(登録商標)、AstraZeneca);およびブリガチニブ(Alunbrig(登録商標)、Ariad Pharmaceuticals);c−MetおよびVEGFR2阻害剤、例えば、カボザンチニブ(cabozanitib)(Cometriq(登録商標)、Exelexis);およびマルチキナーゼ阻害剤、例えば、スニチニブ(Sutent(登録商標)、Pfizer);パゾパニブ(Votrient(登録商標)、Novartis);ALK阻害剤、例えば、クリゾチニブ(Xalkori(登録商標)、Pfizer);セリチニブ(Zykadia(登録商標)、Novartis);およびアレクチニブ(Alecenza(登録商標)、Genentech/Roche);ブルトン型チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、イブルチニブ(Imbruvica(登録商標)、Pharmacyclics/Janssen);ならびにFlt3受容体阻害剤、例えば、ミドスタウリン(Rydapt(登録商標)、Novartis)が挙げられる。
【0312】
開発中の、および本発明において使用することができる他のキナーゼ阻害剤およびVEGF−Rアンタゴニストとして、チボザニブ(Aveo Pharmaecuticals);バタラニブ(Bayer/Novartis);ルシタニブ(Clovis Oncology);ドビチニブ(TKI258、Novartis);チアウアニブ(Chipscreen Biosciences);CEP−11981(Cephalon);リニファニブ(Abbott Laboratories);ネラチニブ(HKI−272、Puma Biotechnology);ラドチニブ(Supect(登録商標)、IY5511、Il−Yang Pharmaceuticals、S.Korea);ルキソリチニブ(Jakafi(登録商標)、Incyte Corporation);PTC299(PTC Therapeutics);CP−547,632(Pfizer);フォレチニブ(Exelexis、GlaxoSmithKline);クイザルチニブ(Daiichi Sankyo)およびモテサニブ(Amgen/Takeda)が挙げられる。
【0313】
いくつかの実施形態において、1または複数の他の治療剤はmTOR阻害剤であり、mTOR阻害剤は細胞増殖、血管新生およびグルコース取り込みを阻害する。いくつかの実施形態において、mTOR阻害剤は、エベロリムス(Afinitor(登録商標)、Novartis);テムシロリムス(Torisel(登録商標)、Pfizer);およびシロリムス(Rapamune(登録商標)、Pfizer)である。
【0314】
いくつかの実施形態において、1または複数の他の治療剤はプロテアソーム阻害剤である。本発明に有用な承認されたプロテアソーム阻害剤として、ボルテゾミブ(Velcade(登録商標)、Takeda);カルフィルゾミブ(Kyprolis(登録商標)、Amgen);およびイキサゾミブ(Ninlaro(登録商標)、Takeda)が挙げられる。
【0315】
いくつかの実施形態において、1または複数の他の治療剤は成長因子アンタゴニスト、例えば、血小板由来増殖因子(PDGF)、または上皮成長因子(EGF)またはその受容体(EGFR)のアンタゴニストである。本発明において使用することができる承認されたPDGFアンタゴニストとして、オララツマブ(Lartruvo(登録商標);Eli Lilly)が挙げられる。本発明において使用することができる承認されたEGFRアンタゴニストとして、セツキシマブ(Erbitux(登録商標)、Eli Lilly);ネシツムマブ(Portrazza(登録商標)、Eli Lilly)、パニツムマブ(Vectibix(登録商標)、Amgen);およびオシメルチニブ(活性化EGFRを標的とする、Tagrisso(登録商標)、AstraZeneca)が挙げられる。
【0316】
いくつかの実施形態において、1または複数の他の治療剤はアロマターゼ阻害剤である。いくつかの実施形態において、アロマターゼ阻害剤は、エキセメスタン(Aromasin(登録商標)、Pfizer);アナスタゾール(Arimidex(登録商標)、AstraZeneca)およびレトロゾール(Femara(登録商標)、Novartis)から選択される。
【0317】
いくつかの実施形態において、1または複数の他の治療剤はヘッジホッグ経路のアンタゴニストである。本発明において使用することができる承認されたヘッジホッグ経路阻害剤として、ソニデジブ(Odomzo(登録商標)、Sun Pharmaceuticals);およびビスモデギブ(Erivedge(登録商標)、Genentech)が挙げられ、両方とも基底細胞癌の処置のためのものである。
【0318】
いくつかの実施形態において、1または複数の他の治療剤は葉酸阻害剤である。本発明において有用な、承認された葉酸阻害剤として、ペメトレキセド(Alimta(登録商標)、Eli Lilly)が挙げられる。
【0319】
いくつかの実施形態において、1または複数の他の治療剤はCCケモカイン受容体4(CCR4)阻害剤である。本発明において有用となり得る、現在検討中のCCR4阻害剤として、モガムリズマブ(Poteligeo(登録商標)、協和発酵キリン株式会社、日本)が挙げられる。
【0320】
いくつかの実施形態において、1または複数の他の治療剤はイソクエン酸デヒドロゲナーゼ(IDH)阻害剤である。本発明において使用することができる、現在検討中のIDH阻害剤として、AG120(Celgene;NCT02677922);AG221(Celgene、NCT02677922;NCT02577406);BAY1436032(Bayer、NCT02746081);IDH305(Novartis、NCT02987010)が挙げられる。
【0321】
いくつかの実施形態において、1または複数の他の治療剤はアルギナーゼ阻害剤である。本発明に使用することができる、現在検討中のアルギナーゼ阻害剤として、急性骨髄性白血病および骨髄異形成症候群(NCT02732184)および固形腫瘍(NCT02561234)に対して第1相臨床試験において現在検討中のAEB1102(ペグ化組換えアルギナーゼ、Aeglea Biotherapeutics);ならびにCB−1158(Calithera Biosciences)が挙げられる。
【0322】
いくつかの実施形態において、1または複数の他の治療剤はグルタミナーゼ阻害剤である。本発明において使用することができる、現在検討中のグルタミナーゼ阻害剤として、CB−839(Calithera Biosciences)が挙げられる。
【0323】
いくつかの実施形態において、1または複数の他の治療剤は、腫瘍抗原、すなわち、腫瘍細胞の細胞表面上に発現するタンパク質に結合する抗体である。本発明において使用することができる、腫瘍抗原に結合する、承認された抗体として、リツキシマブ(Rituxan(登録商標)、Genentech/BiogenIdec);オファツムマブ(抗CD20、Arzerra(登録商標)、GlaxoSmithKline);オビヌツズマブ(抗CD20、Gazyva(登録商標)、Genentech)、イブリツモマブ(抗CD20およびイットリウム−90、Zevalin(登録商標)、Spectrum Pharmaceuticals);ダラツムマブ(抗CD38、Darzalex(登録商標)、Janssen Biotech)、ジヌツキシマブ(抗糖脂質GD2、Unituxin(登録商標)、United Therapeutics);トラスツズマブ(抗HER2、Herceptin(登録商標)、Genentech);アド−トラスツズマブエムタンシン(抗HER2、エムタンシンに融合、Kadcyla(登録商標)、Genentech);およびペルツズマブ(抗HER2、Perjeta(登録商標)、Genentech);ならびにブレンツキシマブベドチン(抗CD30−薬物コンジュゲート、Adcetris(登録商標)、Seattle Genetics)が挙げられる。
【0324】
いくつかの実施形態において、1または複数の他の治療剤はトポイソメラーゼ阻害剤である。本発明において有用な、承認されたトポイソメラーゼ阻害剤として、イリノテカン(Onivyde(登録商標)、Merrimack Pharmaceuticals);トポテカン(Hycamtin(登録商標)、GlaxoSmithKline)が挙げられる。本発明において使用することができる、現在検討中のトポイソメラーゼ阻害剤として、ピクサントロン(Pixuvri(登録商標)、CTI Biopharma)が挙げられる。
【0325】
いくつかの実施形態において、1または複数の他の治療剤は抗アポトーシスタンパク質、例えば、BCL−2の阻害剤である。本発明において使用することができる、承認された抗アポトーシス剤として、ベネトクラックス(Venclexta(登録商標)、AbbVie/Genentech);およびブリナツモマブ(Blincyto(登録商標)、Amgen)が挙げられる。臨床試験を受けており、本発明において使用することができる、アポトーシスタンパク質を標的とする他の治療剤として、ナビトクラックス(ABT−263、Abbott)、BCL−2阻害剤(NCT02079740)が挙げられる。
【0326】
いくつかの実施形態において、1または複数の他の治療剤はアンドロゲン受容体阻害剤である。本発明において有用な、承認されたアンドロゲン受容体阻害剤として、エンザルタミド(Xtandi(登録商標)、Astellas/Medivation)が挙げられ、承認されたアンドロゲン合成阻害剤として、アビラテロン(Zytiga(登録商標)、Centocor/Ortho)が挙げられ、承認された性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)受容体アンタゴニスト(デガラリクス、Firmagon(登録商標)、Ferring Pharmaceuticals)が挙げられる。
【0327】
いくつかの実施形態において、1または複数の他の治療剤は選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)であり、SERMは、エストロゲンの合成または活性を妨げる。本発明において有用な、承認されたSERMとして、ラロキシフェン(Evista(登録商標)、Eli Lilly)が挙げられる。
【0328】
いくつかの実施形態において、1または複数の他の治療剤は骨吸収阻害剤である。骨吸収を阻害する承認された治療薬は、デノスマブ(Xgeva(登録商標)、Amgen)であり、これは、RANKLに結合し、破骨細胞、これらの前駆体、および破骨細胞様巨細胞の表面上に見出される、骨転移を伴う固形腫瘍における骨病理を媒介する、その受容体RANKへの結合を阻止する抗体である。骨吸収を阻害する、他の承認された治療剤として、ビスホスホネート、例えば、ゾレドロン酸(Zometa(登録商標)、Novartis)が挙げられる。
【0329】
いくつかの実施形態において、1または複数の他の治療剤は、2つの主要なp53抑制タンパク質であるMDMXとMDM2との間の相互作用の阻害剤である。本発明において使用することができる、現在検討中のp53抑制タンパク質阻害剤として、MDMXおよびMDM2に等価に結合して、これらとp53との相互作用を撹乱するステープルペプチド、ALRN−6924(Aileron)が挙げられる。ALRN−6924は、AML、進行性骨髄異形成症候群(MDS)および末梢T細胞リンパ腫(PTCL)(NCT02909972;NCT02264613)の処置に対して、臨床試験において現在評価中である。
【0330】
いくつかの実施形態において、1または複数の他の治療剤は、トランスフォーミング増殖因子−ベータ(TGF−ベータまたはTGFβ)の阻害剤である。本発明において使用することができる、現在検討中のTGF−ベータタンパク質の阻害剤として、乳房、肺、肝細胞、結腸直腸、膵臓、前立腺および腎臓がん(NCT02947165)を含めた、様々ながんの処置に対して臨床で試験されている抗TGF−ベータ抗体であるNIS793(Novartis)が挙げられる。いくつかの実施形態において、TGF−ベータタンパク質阻害剤は、フレソリムマブ(GC1008;Sanofi−Genzyme)であり、フレソリムマブは、黒色腫(NCT00923169);腎臓細胞癌(NCT00356460);および非小細胞肺がん(NCT02581787)に対して現在検討中である。さらに、いくつかの実施形態において、追加の治療剤は、TGF−ベータトラップ、例えば、Connolly et al. (2012) Int’l J. Biological Sciences 8:964-978に記載されているものなどである。固形腫瘍の処置に対して現在臨床試験中の1つの治療用化合物は、M7824(Merck KgaA−旧名称MSB0011459X)であり、M7824は、二重特異性の抗PD−L1/TGFβトラップ化合物(NCT02699515);および(NCT02517398)である。M7824は、TGFβ「トラップ」として機能する、ヒトTGF−ベータ受容体IIの細胞外ドメインに融合したPD−L1に対する完全ヒトIgG1抗体で構成される。
【0331】
いくつかの実施形態において、1または複数の他の治療剤は、グレンバツムマブベドチン−モノメチルアウリスタチンE(MMAE)(Celldex)、細胞傷害性MMAEに結合した抗糖タンパク質NMB(gpNMB)抗体(CR011)から選択される。gpNMBは、がん細胞の転移能力に関連する複数の種類の腫瘍型により過剰発現されるタンパク質である。
【0332】
いくつかの実施形態において、1または複数の他の治療剤は、抗増殖性化合物である。このような抗増殖性化合物には、以下に限定されないが、アロマターゼ阻害剤;抗エストロゲン薬;トポイソメラーゼI阻害剤;トポイソメラーゼII阻害剤;微小管活性化合物;アルキル化化合物;ヒストンデアセチラーゼ阻害剤;細胞分化過程を誘発する化合物;シクロオキシゲナーゼ阻害剤;MMP阻害剤;mTOR阻害剤;抗新生物抗代謝拮抗物質;白金化合物;タンパク質または脂質キナーゼ活性を標的とする/低下させる化合物、およびさらには抗血管新生化合物;タンパク質または脂質ホスファターゼを標的とする、その活性を低下させるまたは阻害する化合物;ゴナドレリンアゴニスト;抗アンドロゲン薬;メチオニンアミノペプチダーゼ阻害剤;マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤;ビスホスホネート;生物学的応答調節剤;抗増殖抗体;ヘパラナーゼ阻害剤;Ras発がんアイソフォームの阻害剤;テロメラーゼ阻害剤;プロテアソーム阻害剤;血液悪性疾患の処置に使用される化合物;Flt−3を標的とする、その活性を低下させるまたは阻害する化合物;Hsp90阻害剤(17−AAG(17−アリルアミノゲルダナマイシン、NSC330507)、17−DMAG(17−ジメチルアミノエチルアミノ−17−デメトキシ−ゲルダナマイシン、NSC707545)、IPI−504、CNF1010、CNF2024、CNF1010(Conforma Therapeuticsから)など);テモゾロミド(Temodal(登録商標));キネシンスピンドルタンパク質阻害剤(GlaxoSmithKlineからのSB715992もしくはSB743921、またはCombinatoRxからのペンタミジン/クロルプロマジンなど);MEK阻害剤(Array BioPharmaからのARRY142886、AstraZenecaからのAZd244、PfizerからのPD181461およびロイコボリンなど)が含まれる。
【0333】
用語「アロマターゼ阻害剤」とは、本明細書で使用する場合、エストロゲン産生、例えば基質であるアンドロステンジオンおよびテストステロンの、それぞれ、エストロンおよびエストラジオールへの変換を阻害する化合物に関する。この用語には、以下に限定されないが、ステロイド、とりわけアタメスタン、エキセメスタンおよびフォルメスタン、ならびに特に非ステロイド、とりわけアミノグルテチミド、ログレチミド、ピリドグルテチミド、トリロスタン、テストラクトン、ケトコナゾール、ボロゾール、ファドロゾール、アナストロゾールおよびレトロゾールが含まれる。エキセメスタンは、商標名Aromasin(商標)で上市されている。フォルメスタンは、商標名Lentaron(商標)で上市されている。ファドロゾールは、商標名Afema(商標)で上市されている。アナストロゾールは、商標名Arimidex(商標)で上市されている。レトロゾールは、商標名Femara(商標)またはFemar(商標)で上市されている。アミノグルテチミドは、商標名Orimeten(商標)で上市されている。アロマターゼ阻害剤である化学治療剤を含む本発明の組合せは、乳房腫瘍などのホルモン受容体陽性腫瘍の処置に特に有用である。
【0334】
用語「抗エストロゲン」とは、本明細書で使用する場合、エストロゲン受容体レベルでエストロゲンの作用を拮抗する化合物に関する。この用語には、以下に限定されないが、タモキシフェン、フルベストラント、ラロキシフェンおよびラロキシフェン塩酸塩が含まれる。タモキシフェンは、商標名Nolvadex(商標)で上市されている。ラロキシフェン塩酸塩は、商標名Evista(商標)で上市されている。フルベストラントは、商標名Faslodex(商標)で投与することができる。抗エストロゲンである化学治療剤を含む本発明の組合せは、乳房腫瘍などのエストロゲン受容体陽性腫瘍の処置に特に有用である。
【0335】
用語「抗アンドロゲン」は、本明細書で使用する場合、アンドロゲンホルモンの生物学的作用を阻害することが可能な任意の物質に関し、以下に限定されないが、ビカルタミド(Casodex(商標))を含む。用語「ゴナドレリンアゴニスト」には、本明細書で使用する場合、以下に限定されないが、アバレリックス、ゴセレリンおよび酢酸ゴセレリンが含まれる。ゴセレリンは、商標名Zoladex(商標)で投与することができる。
【0336】
用語「トポイソメラーゼI阻害剤」には、本明細書で使用する場合、以下に限定されないが、トポテカン、ギマテカン、イリノテカン、カンプトテシアンおよびそのアナログである9−ニトロカンプトテシン、およびマクロ分子である、カンプトテシンコンジュゲートPNU−166148が含まれる。イリノテカンは、例えば、商標Camptosar(商標)で、例えば上市されている形態で、投与することができる。トポテカンは、商標名Hycamptin(商標)で上市されている。
【0337】
用語「トポイソメラーゼII阻害剤」には、本明細書で使用する場合、以下に限定されないが、ドキソルビシン(Caelyx(商標)などのリポソーム製剤を含む)、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシンおよびネモルビシンなどのアントラサイクリン、アントラキノンであるミトキサントロンおよびロソキサントロン、ならびにポドフィロトキシンであるエトポシドおよびテニポシドが含まれる。エトポシドは、商標名Etopophos(商標)で上市されている。テニポシドは、商標名VM26−Bristolで上市されている。ドキソルビシンは、商標名Acriblastin(商標)またはAdriamycin(商標)で上市されている。エピルビシンは、商標名Farmorubicin(商標)で上市されている。イダルビシンは、商標名Zavedos(商標)で上市されている。ミトキサントロンは、商標名Novantronで上市されている。
【0338】
用語「微小管活性剤」は、以下に限定されないが、パクリタキセルおよびドセタキセルなどのタキサン;ビンブラスチンまたはビンブラスチン硫酸塩、ビンクリスチンまたはビンクリスチン硫酸塩およびビノレルビンなどのビンカアルカロイド;ディスコデルモライド;コチシンおよびエポチロンおよびそれらの誘導体を含めた、微小管安定化化合物、微小管脱安定化化合物および微小管重合阻害剤に関する。パクリタキセルは、商標名Taxol(商標)で上市されている。ドセタキセルは、商標名Taxotere(商標)で上市されている。ビンブラスチン硫酸塩は、商標名Vinblastin R.P(商標)で上市されている。ビンクリスチン硫酸塩は、商標名Farmistin(商標)で上市されている。
【0339】
用語「アルキル化剤」には、本明細書で使用する場合、以下に限定されないが、シクロホスファミド、イホスファミド、メルファランまたはニトロソ尿素(BCNUまたはGliadel)が含まれる。シクロホスファミドは、商標名Cyclostin(商標)で上市されている。イホスファミドは、商標名Holoxan(商標)で上市されている。
【0340】
用語「ヒストンデアセチラーゼ阻害剤」または「HDAC阻害剤」は、ヒストンデアセチラーゼを阻害し、かつ抗増殖活性を有する化合物に関する。これには、以下に限定されないが、スベロイルアニリドヒドロキサム酸(SAHA)が含まれる。
【0341】
用語「抗新生物抗代謝拮抗物質」には、以下に限定されないが、5−フルオロウラシルまたは5−FU、カペシタビン、ゲムシタビン、DNA脱メチル化化合物(5−アザシチジンおよびデシタビンなど)、メトトレキセートおよびエダトレキセートおよび葉酸アンタゴニスト(ペメトレキセドなど)が含まれる。カペシタビンは、商標名Xeloda(商標)で上市されている。ゲムシタビンは、商標名Gemzar(商標)で上市されている。
【0342】
用語「白金化合物」には、本明細書で使用する場合、以下に限定されないが、カルボプラチン、シスプラチン、シスプラチナムおよびオキサリプラチンが含まれる。カルボプラチンは、例えば、商標名Carboplat(商標)で、例えば上市されている形態で投与することができる。オキサリプラチンは、例えば、商標名Eloxatin(商標)で、例えば上市されている形態で、投与することができる。
【0343】
用語「タンパク質もしくは脂質キナーゼ活性;またはタンパク質もしくは脂質ホスファターゼ活性を標的とする/低下させる化合物;あるいはさらには抗血管新生化合物」には、本明細書で使用する場合、以下に限定されないが、a)血小板由来成長因子受容体(PDGFR)を標的とする、その活性を低下させるまたは阻害する化合物、とりわけイマチニブ、SU101、SU6668およびGFB−111などのN−フェニル−2−ピリミジン−アミン誘導体などのPDGF受容体を阻害する化合物などの、PDGFRを標的とする、その活性を低下させるまたは阻害する化合物、b)線維芽成長因子受容体(FGFR)を標的とする、その活性を低下させるまたは阻害する化合物、c)インスリン様成長因子受容体I(IGF−IR)を標的とする、その活性を低下させるまたは阻害する化合物、とりわけIGF−I受容体のキナーゼ活性を阻害する化合物、またはIGF−I受容体もしくはその成長因子の細胞外ドメインを標的とする抗体などの、IGF−IRを標的とする、その活性を低下させるまたは阻害する化合物、d)Trk受容体チロシンキナーゼファミリーを標的とする、それらの活性を低下させるまたは阻害する化合物、あるいはエフリンB4阻害剤、e)AxI受容体チロシンキナーゼファミリーを標的とする、その活性を低下させるまたは阻害する化合物、f)Ret受容体チロシンキナーゼを標的とする、その活性を低下させるまたは阻害する化合物、g)イマチニブなどのKit/SCFR受容体チロシンキナーゼを標的とする、その活性を低下させるまたは阻害する化合物、h)c−Kit受容体チロシンキナーゼファミリーを標的とする、その活性を低下させるまたは阻害する化合物、とりわけイマチニブなどのc−Kit受容体を阻害する化合物などの、PDGFRファミリーの一部である、C−kit受容体チロシンキナーゼを標的とする、その活性を低下させるまたは阻害する化合物、i)イマチニブまたはニロチニブ(AMN107)などのN−フェニル−2−ピリミジン−アミン誘導体;PD180970;AG957;NSC680410;ParkeDavisからのPD173955;またはダサチニブ(BMS−354825)などの、c−Ablファミリーメンバーおよびその遺伝子融合産物を標的とする、その活性を低下させるまたは阻害する化合物などの、c−Ablファミリーのメンバー、その遺伝子融合産物(例えばBCR−Ablキナーゼ)および変異体を標的とする、その活性を低下させるまたは阻害する化合物、j)セリン/トレオニンキナ−ゼのタンパク質キナーゼC(PKC)およびRafファミリー、MEK、SRC、JAK/pan−JAK、FAK、PDK1、PKB/Akt、Ras/MAPK、PI3K、SYK、TYK2、BTKおよびTECファミリーのメンバー、ならびに/またはミドスタウリンなどのスタウロスポリン誘導体を含む、サイクリン依存性キナーゼファミリー(CDK)のメンバーを標的とする、それらの活性を低下させるまたは阻害する化合物(さらなる化合物の例には、UCN−01、サフィンゴール、BAY43−9006、ブリオスタチン1、ペリフォシン(Perifosine);ルルモフォシン(llmofosine);RO318220およびRO320432;GO6976;lsis3521;LY333531/LY379196;イソキノリン化合物;FTI;PD184352またはQAN697(P13K阻害剤)またはAT7519(CDK阻害剤)が含まれる)、k)メシル酸イマチニブ(Gleevec(商標))またはチルホスチン(tyrphostin)(チルホスチンA23/RG−50810;AG99;チルホスチンAG213;チルホスチンAG1748;チルホスチンAG490;チルホスチンB44;チルホスチンB44(+)鏡像異性体;チルホスチンAG555;AG494;チルホスチンAG556、AG957など)およびアダホスチン(4−{[(2,5−ジヒドロキシフェニル)メチル]アミノ}−安息香酸アダマンチルエステル;NSC680410、アダホスチン)を含めた、タンパク質−チロシンキナーゼ阻害剤を標的とする、その活性を低下させるまたは阻害する化合物などの、タンパク質チロシンキナーゼ阻害剤を標的とする、その活性を低下させるまたは阻害する化合物、l)上皮成長因子受容体ファミリーを標的とする、その活性を低下させるまたは阻害する化合物、とりわ
け、EGF受容体、ErbB2、ErbB3およびErbB4などのEGF受容体チロシンキナーゼファミリーのメンバーを阻害する、またはEGFもしくはEGF関連リガンドに結合する化合物、タンパク質あるいは抗体、CP358774、ZD1839、ZM105180;トラスツズマブ(Herceptin(商標))、セツキシマブ(Erbitux(商標))、Iressa、タルセバ、OSI−774、Cl−1033、EKB−569、GW−2016、E1.1、E2.4、E2.5、E6.2、E6.4、E2.11、E6.3またはE7.6.3および7H−ピロロ−[2,3−d]ピリミジン誘導体などの受容体チロシンキナーゼ(ホモ二量体またはヘテロ二量体としてのEGFR、ErbB2、ErbB3、ErbB4)およびその変異体の上皮成長因子ファミリーを標的とする、その活性を低下させるまたは阻害する化合物、m)c−Metを標的とする、その活性を低下させるまたは阻害する化合物、とりわけc−Met受容体のキナーゼ活性を阻害する化合物、またはc−Metの細胞外ドメインを標的とするもしくはHGFに結合する抗体などの、c−Met受容体を標的とする、その活性を低下させるまたは阻害する化合物、n)以下に限定されないが、PRT−062070、SB−1578、バリシチニブ、パクリチニブ、モメロチニブ、VX−509、AZD−1480、TG−101348、トファシチニブおよびルキソリチニブを含めた、1または複数のJAKファミリーメンバー(JAK1/JAK2/JAK3/TYK2および/またはpan−JAK)を標的とする、そのキナーゼ活性を低下させるまたは阻害する化合物、o)以下に限定されないが、ATU−027、SF−1126、DS−7423、PBI−05204、GSK−2126458、ZSTK−474、ブパルリシブ、ピクトレリシブ、PF−4691502、BYL−719、ダクトリシブ、XL−147、XL−765およびイデラリシブを含めた、PI3キナーゼ(PI3K)を標的とする、そのキナーゼ活性を低下させるまたは阻害する化合物、ならびにq)以下に限定されないが、シクロパミン、ビスモデギブ、イトラコナゾール、エリスモデギブおよびIPI−926(サリデギブ)を含む、ヘッジホッグタンパク質(Hh)またはスムーズンド受容体(SMO)経路のシグナル伝達作用を標的とする、低下させるまたは阻害する化合物などのタンパク質チロシンキナーゼおよび/またはセリンおよび/またはトレオニンキナーゼ阻害剤または脂質キナーゼ阻害剤が含まれる。
【0344】
用語「PI3K阻害剤」には、本明細書で使用する場合、以下に限定されないが、PI3Kα、PI3Kγ、PI3Kδ、PI3Kβ、PI3K−C2α、PI3K−C2β、PI3K−C2γ、Vps34、p110−α、p110−β、p110−γ、p110−δ、p85−α、p85−β、p55−γ、p150、p101およびp87を含む、ホスファチジルイノシトール−3−キナーゼファミリーにおける1または複数の酵素に対する阻害活性を有する化合物が含まれるが、これらに限定されない。本発明において有用なPI3K阻害剤の例には、以下に限定されないが、ATU−027、SF−1126、DS−7423、PBI−05204、GSK−2126458、ZSTK−474、ブパルリシブ、ピクトレリシブ、PF−4691502、BYL−719、ダクトリシブ、XL−147、XL−765およびイデラリシブが含まれる。
【0345】
用語「Bcl−2阻害剤」には、本明細書で使用する場合、以下に限定されないが、ABT−199、ABT−731、ABT−737、アポゴシポール、Ascentaのpan−Bcl−2阻害剤、クルクミン(およびそのアナログ)、デュアルBcl−2/Bcl−xL阻害剤(Infinity Pharmaceuticals/Novartis Pharmaceuticals)、ゲナセンス(G3139)、HA14−1(およびそのアナログ;WO2008118802を参照されたい)、ナビトクラックス(およびそのアナログ、US7390799を参照されたい)、NH−1(Shenayng Pharmaceutical University)、オバトクラックス(およびそのアナログ、WO2004106328を参照されたい)、S−001(Gloria Pharmaceuticals)、TWシリーズの化合物(Univ.of Michigan)およびベネトクラックスを含む、B細胞リンパ腫2タンパク質(Bcl−2)に対する阻害活性を有する化合物が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、Bcl−2阻害剤は、低分子治療剤である。いくつかの実施形態において、Bcl−2阻害剤は、ペプチド模倣薬である。
【0346】
用語「BTK阻害剤」には、本明細書で使用する場合、以下に限定されないが、AVL−292およびイブルチニブを含めた、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)に対する阻害活性を有する化合物が含まれるが、これらに限定されない。
【0347】
用語「SYK阻害剤」には、本明細書で使用する場合、以下に限定されないが、PRT−062070、R−343、R−333、Excellair、PRT−062607およびフォスタマチニブを含めた、脾臓チロシンキナーゼ(SYK)に対する阻害活性を有する化合物が含まれるが、これらに限定されない。
【0348】
BTK阻害性化合物のさらなる例、および本発明の化合物と組み合わせて、このような化合物により処置可能な状態は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれている、WO2008039218およびWO2011090760に見出すことができる。
【0349】
SYK阻害性化合物のさらなる例、および本発明の化合物と組み合わせて、このような化合物により処置可能な状態は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれている、WO2003063794、WO2005007623およびWO2006078846に見出すことができる。
【0350】
PI3K阻害性化合物のさらなる例、および本発明の化合物と組み合わせて、このような化合物により処置可能な状態は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれている、WO2004019973、WO2004089925、WO2007016176、US8138347、WO2002088112、WO2007084786、WO2007129161、WO2006122806、WO2005113554およびWO2007044729に見出すことができる。
【0351】
JAK阻害性化合物のさらなる例、および本発明の化合物と組み合わせて、このような化合物により処置可能な状態は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれている、WO2009114512、WO2008109943、WO2007053452、WO2000142246およびWO2007070514に見出すことができる。
【0352】
さらなる抗血管新生化合物には、例えばタンパク質または脂質キナーゼ阻害に無関係な、その活性に対して別の機構を有する化合物、例えば、サリドマイド(Thalomid(商標))およびTNP−470が含まれる。
【0353】
本発明の化合物と組み合わせて使用するのに有用なプロテアソーム阻害剤の例には、以下に限定されないが、ボルテゾミブ、ジスルフィラム、エピガロカテキン−3−ガレート(EGCG)、サリノスポラミドA、カルフィルゾミブ、ONX−0912、CEP−18770およびMLN9708が含まれる。
【0354】
タンパク質または脂質ホスファターゼを標的とする、それらの活性を低下させるまたは阻害する化合物は、例えば、ホスファターゼ1、ホスファターゼ2AまたはCDC25の阻害剤(オカダ酸またはその誘導体など)である。
【0355】
細胞分化過程を誘発する化合物には、以下に限定されないが、レチノイン酸、α−、γ−もしくはδ−トコフェロールまたはα−、γ−もしくはδ−トコトリエノールが含まれる。
【0356】
シクロオキシゲナーゼ阻害剤という用語には、本明細書で使用する場合、以下に限定されないが、Cox−2阻害剤、5−アルキル置換2−アリールアミノフェニル酢酸および誘導体(セレコキシブ(Celebrex(商標))、ロフェコキシブ(Vioxx(商標))、エトリコキシブ、バルデコキシブなど)、または5−アルキル−2−アリールアミノフェニル酢酸(5−メチル−2−(2’−クロロ−6’−フルオロアニリノ)フェニル酢酸、ルミラコキシブなど)が含まれる。
【0357】
用語「ビスホスホネート」には、本明細書で使用する場合、以下に限定されないが、エトリドン酸、クロドロン酸、チルドロン酸、パミドロン酸、アレンドロン酸、イバンドロン酸、リセドロン酸およびゾレドロン酸が含まれる。エトリドン酸は、商標名Didronel(商標)で上市されている。クロドロン酸は、商標名Bonefos(商標)で上市されている。チルドロン酸は、商標名Skelid(商標)で上市されている。パミドロン酸は、商標名Aredia(商標)で上市されている。アレンドロン酸は、商標名Fosamax(商標)で上市されている。イバンドロン酸は、商標名Bondranat(商標)で上市されている。リセドロン酸は、商標名Actonel(商標)で上市されている。ゾレドロン酸は、商標名Zometa(商標)で上市されている。用語「mTOR阻害剤」は、シロリムス(Rapamune(登録商標))、エベロリムス(Certican(商標))、CCI−779およびABT578などの、ラパマイシンの哺乳動物標的(mTOR)を阻害し、かつ抗増殖活性を有する化合物に関する。
【0358】
用語「ヘパラナーゼ阻害剤」とは、本明細書で使用する場合、ヘパリン硫酸分解を標的とする、低下させるまたは阻害する化合物を指す。この用語には、以下に限定されないが、PI−88が含まれる。用語「生物学的応答調節剤」とは、本明細書で使用する場合、リンホカインまたはインターフェロンを指す。
【0359】
H−Ras、K−RasまたはN−Rasなどの、用語「Ras発がんアイソフォームの阻害剤」とは、本明細書で使用する場合、Rasを標的とする、その腫瘍活性を低下させるまたは阻害する化合物、例えば、L−744832、DK8G557またはR115777(Zarnestra(商標))などの「ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤」を指す。用語「テロメラーゼ阻害剤」とは、本明細書で使用する場合、テロメラーゼを標的とする、その活性を低下させるまたは阻害する化合物を指す。テロメラーゼを標的とする、その活性を低下させるまたは阻害する化合物は、とりわけテロメスタチンなどのテロメラーゼ受容体を阻害する化合物である。
【0360】
用語「メチオニンアミノペプチダーゼ阻害剤」とは、本明細書で使用する場合、メチオニンアミノペプチダーゼを標的とする、その活性を低下させるまたは阻害する化合物を指す。メチオニンアミノペプチダーゼを標的とする、その活性を低下させるまたは阻害する化合物には、以下に限定されないが、ベンガミドまたはその誘導体が含まれる。
【0361】
用語「プロテアソーム阻害剤」とは、本明細書で使用する場合、プロテアソームを標的とする、その活性を低下させるまたは阻害する化合物を指す。プロテアソームを標的とする、その活性を低下させるまたは阻害する化合物には、以下に限定されないが、ボルテゾミブ(Velcade(商標))およびMLN341が含まれる。
【0362】
用語「マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤」または(「MMP」阻害剤)には、本明細書で使用する場合、以下に限定されないが、コラーゲンペプチド模倣阻害剤および非ペプチド模倣阻害剤、テトラサイクリン誘導体、例えばヒドロキサメートペプチド模倣阻害剤であるバチマスタットおよびその経口的に生体利用可能なアナログであるマリマスタット(BB−2516)、プリノマスタット(AG3340)、メタスタット(NSC683551)、BMS−279251、BAY12−9566、TAA211、MMI270BまたはAAJ996が含まれる。
【0363】
用語「血液悪性疾患の処置において使用される化合物」には、本明細書で使用する場合、以下に限定されないが、FMS様チロシンキナーゼ型受容体(Flt−3R)を標的とする、その活性を低下させるまたは阻害する化合物である、FMS様チロシンキナーゼ阻害剤;インターフェロン、1−β−D−アラビノフラノシルシトシン(1−β−D−arabinofuransylcytosine)(ara−c)およびビスルファン;および未分化リンパ腫キナーゼを標的とする、低下させるまたは阻害する化合物であるALK阻害剤が含まれる。
【0364】
FMS様チロシンキナーゼ型受容体(Flt−3R)を標的とする、その活性を低下させるまたは阻害する化合物は、とりわけ、PKC412、ミドスタウリン、スタウロスポリン誘導体、SU11248およびMLN518などの、Flt−3R受容体キナーゼファミリーのメンバーを阻害する化合物、タンパク質または抗体である。
【0365】
用語「HSP90阻害剤」には、本明細書で使用する場合、以下に限定されないが、HSP90の内在性ATPアーゼ活性を標的とする、低下させるまたは阻害する化合物;ユビキチンプロテアソーム経路により、HSP90クライアントタンパク質を分解する、標的とする、低下させるまたは阻害する化合物が含まれる。HSP90の内在性ATPアーゼ活性を標的とする、低下させるまたは阻害する化合物は、とりわけ、17−アリルアミノ,17−デメトキシゲルダナマイシン(17AAG)、ゲルダナマイシン誘導体、他のゲルダナマイシン関連化合物などのHSP90のATPアーゼ活性を阻害する化合物、タンパク質または抗体;ラジシコールおよびHDAC阻害剤である。
【0366】
用語「抗増殖性抗体」には、本明細書で使用する場合、以下に限定されないが、トラスツズマブ(Herceptin(商標))、トラスツズマブ−DM1、エルビタックス、ベバシズマブ(Avastin(商標))、リツキシマブ(Rituxan(登録商標))、PRO64553(抗CD40)および2C4抗体が含まれる。抗体とは、これらが所望の生物活性を示す限り、無傷モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、少なくとも2種の無傷抗体から形成された多重特異的抗体、および抗体断片を意味する。
【0367】
急性骨髄性白血病(AML)の処置の場合、本発明の化合物は、標準白血病治療法と組み合わせて、とりわけAMLの処置に使用される治療法と組み合わせて使用することができる。特に、本発明の化合物は、例えば、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、ならびに/またはダウノルビシン、アドリアマイシン、Ara−C、VP−16、テニポシド、ミトキサントロン、イダルビシン、カルボ白金およびPKC412などの、AMLの処置に有用な他の薬物と組み合わせて投与することができる。
【0368】
他の抗白血病性化合物には、例えば、ピリミジンアナログであるAra−Cが含まれ、これは、デオキシシチジンの2’−アルファ−ヒドロキシリボース(アラビノシド)誘導体である。同様に、ヒポキサンチン、6−メルカプトプリン(6−MP)およびリン酸フルダラビンのプリンアナログも含まれる。酪酸ナトリウムおよびスベロイルアニリドヒドロキサム酸(SAHA)などの、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤を標的とする、その活性を低下させるまたは阻害する化合物は、ヒストンデアセチラーゼとして公知の酵素の活性を阻害する。具体的なHDAC阻害剤には、MS275、SAHA、FK228(以前のFR901228)、トリコスタチンA、ならびにN−ヒドロキシ−3−[4−[[[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチル]−アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロパンアミドまたはその薬学的に受容可能な塩およびN−ヒドロキシ−3−[4−[(2−ヒドロキシエチル){2−(1H−インドール−3−イル)エチル]−アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミドまたはその薬学的に受容可能な塩、とりわけ乳酸塩を含めるがこれらに限定されない、US6,552,065に開示されている化合物が含まれる。ソマトスタチン受容体アンタゴニストとは、本明細書で使用する場合、オクトレオチドおよびSOM230などの、ソマトスタチン受容体を標的とする、処理するまたは阻害する化合物を指す。腫瘍細胞に損傷を与える手法とは、電離放射線などの手法を指す。上記およびこれ以降に言及されている用語「電離放射線」は、電磁光線(X線およびガンマ線など)または粒子(アルファ粒子およびベータ粒子など)のどちらか一方として発生する電離放射線を意味する。電離放射線は、以下に限定されないが、放射線療法で供給され、当技術分野において公知である。Hellman、Principles of Radiation Therapy、Cancer、Principles and Practice of Oncology、Devitaら(編)、第4版、1巻、248〜275頁(1993年)を参照されたい。
【0369】
同様に、EDG結合剤およびリボヌクレオチドレダクターゼ阻害剤が含まれる。用語「EDG結合剤」とは、本明細書で使用する場合、FTY720などのリンパ球の再循環をモジュレートする免疫抑制薬のクラスを指す。用語「リボヌクレオチドレダクターゼ阻害剤」とは、以下に限定されないが、フルダラビンおよび/またはシトシンアラビノシド(ara−C)、6−チオグアニン、5−フルオロウラシル、クラドリビン、6−メルカプトプリン(とりわけ、ALLに対してはara−Cアゴニストと組み合わせて)、ならびに/あるいはペントスタチンを含めた、ピリミジンまたはプリンヌクレオシドアナログを指す。リボヌクレオチドレダクターゼ阻害剤は、とりわけヒドロキシ尿素または2−ヒドロキシ−1H−イソインドール−1,3−ジオン誘導体である。
【0370】
同様に、1−(4−クロロアニリノ)−4−(4−ピリジルメチル)フタラジンまたはその薬学的に受容可能な塩、1−(4−クロロアニリノ)−4−(4−ピリジルメチル)フタラジンコハク酸塩などのVEGFの化合物、タンパク質またはモノクローナル抗体;Angiostatin(商標);Endostatin(商標);アントラニル酸アミド;ZD4190;Zd474;SU5416;SU6668;ベバシズマブ;またはrhuMAbおよびRHUFabなどの抗VEGF抗体もしくは抗VEGF受容体抗体、MacugonなどのVEGFアプタマー;FLT−4阻害剤、FLT−3阻害剤、VEGFR−2 IgGI抗体、Angiozyme(RPI4610)およびベバシズマブ(Avastin(商標))が、特に含まれる。
【0371】
光線力学療法とは、本明細書で使用する場合、がんを処置または予防するために、感光性化合物として公知のある種の化学品を使用する治療法を指す。光線力学療法の例には、Visudyne(商標)およびポルフィマーナトリウムなどの化合物を用いる処置が含まれる。
【0372】
血管新生抑制性ステロイドとは、本明細書で使用する場合、例えば、アネコルタブ、トリアムシノロン、ヒドロコルチゾン、11−α−エピヒドロコチゾール、コルテキソロン、17α−ヒドロキシプロゲステロン、コルチコステロン、デスオキシコルチコステロン、テストステロン、エストロンおよびデキサタサゾンなどの、血管新生を遮断または阻害する化合物を指す。
【0373】
コルチコステロイドを含有するインプラントは、フルオシノロンおよびデキサタサゾンなどの化合物を指す。
【0374】
他の化学治療用化合物には、以下に限定されないが、植物アルカロイド、ホルモン化合物およびアンタゴニスト;生物学的応答調節剤、好ましくはリンホカインまたはインターフェロン;アンチセンスオリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチド誘導体;shRNAまたはsiRNA;あるいは様々な化合物、または他のもしくは未知の作用機序を有する化合物が含まれる。
【0375】
コード番号、一般名または商標名により特定される活性化合物の構造は、標準抄録「The Merck Index」の実版から、またはデータベース、例えば、Patents International(例えば、IMS World Publications)から採用することができる。
【0376】
6.1.2. 例示的がん免疫療法剤
いくつかの実施形態において、1または複数の他の治療剤はがん免疫療法剤である。本明細書で使用される場合、用語「がん免疫療法剤」は、被験体において免疫応答を向上させる、刺激する、および/または上方調節するのに有効な薬剤を指す。いくつかの実施形態において、本発明の単位剤形とのがん免疫療法剤の投与は、がんを処置する上で相乗効果を有する。
【0377】
腫瘍免疫剤は、例えば、低分子薬物、抗体、または生物学的もしくは低分子であり得る。生物学的腫瘍免疫剤の例としては、がんワクチン、抗体、およびサイトカインが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、抗体は、モノクローナル抗体である。いくつかの実施形態において、モノクローナル抗体は、ヒト化抗体またはヒト抗体である。
【0378】
いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、T細胞の(i)刺激(共刺激を含む)受容体のアゴニスト、または(ii)阻害(共阻害を含む)シグナルのアンタゴニストであり、これらの両方が、抗原特異的T細胞応答の増幅をもたらす。
【0379】
刺激分子および阻害分子の特定のものは、免疫グロブリンスーパーファミリー(IgSF)のメンバーである。共刺激受容体または共阻害受容体に結合する膜結合リガンドの1つの重要なファミリーは、B7ファミリーであり、これは、B7−1、B7−2、B7−H1(PD−L1)、B7−DC(PD−L2)、B7−H2(ICOS−L)、B7−H3、B7−H4、B7−H5(VISTA)、およびB7−H6を含む。共刺激受容体または共阻害受容体に結合する膜結合リガンドの別のファミリーは、コグネイトTNF受容体ファミリーメンバーに結合する分子のTNFファミリーであり、これは、CD40およびCD40L、OX−40、OX−40L、CD70、CD27L、CD30、CD30L、4−1BBL、CD137(4−1BB)、TRAIL/Apo2−L、TRAILR1/DR4、TRAILR2/DR5、TRAILR3、TRAILR4、OPG、RANK、RANKL、TWEAKR/Fn14、TWEAK、BAFFR、EDAR、XEDAR、TACI、APRIL、BCMA、LTβR、LIGHT、DcR3、HVEM、VEGI/TL1A、TRAMP/DR3、EDAR、EDA1、XEDAR、EDA2、TNFR1、リンホトキシンα/TNFβ、TNFR2、TNFα、LTβR、リンホトキシンα1β2、FAS、FASL、RELT、DR6、TROY、NGFRを含む。
【0380】
いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、T細胞活性化を阻害するサイトカイン(例えば、IL−6、IL−10、TGF−β、VEGF、および他の免疫抑制性サイトカイン)、または免疫反応を刺激するための、T細胞活性化を刺激するサイトカインである。
【0381】
いくつかの実施形態において、本発明の化合物と腫瘍免疫剤との組み合わせ物は、T細胞応答を刺激し得る。いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、(i)T細胞活性化を阻害するタンパク質のアンタゴニスト(例えば、免疫チェックポイント阻害剤)(例えば、CTLA−4、PD−1、PD−L1、PD−L2、LAG−3、TIM−3、ガレクチン9、CEACAM−1、BTLA、CD69、ガレクチン−1、TIGIT、CD113、GPR56、VISTA、2B4、CD48、GARP、PD1H、LAIR1、TIM−1、およびTIM−4);または(ii)T細胞活性化を刺激するタンパク質のアゴニスト(例えば、B7−1、B7−2、CD28、4−1BB(CD137)、4−1BBL、ICOS、ICOS−L、OX40、OX40L、GITR、GITRL、CD70、CD27、CD40、DR3およびCD28H)である。
【0382】
いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、NK細胞の阻害受容体のアンタゴニスト、またはNK細胞の活性化受容体のアゴニストである。いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、リリルマブなどの、KIRのアンタゴニストである。
【0383】
いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、マクロファージまたは単球を阻害または枯渇する薬剤であり、CSF−1Rアンタゴニスト(例えば、RG7155(WO11/70024、WO11/107553、WO11/131407、WO13/87699、WO13/119716、WO13/132044)またはFPA−008(WO11/140249;WO13169264;WO14/036357)が挙げられるCSF−1Rアンタゴニスト抗体)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0384】
いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、正の共刺激受容体を連結するアゴニスト性剤、阻害性の受容体、アンタゴニスト、および抗腫瘍T細胞の頻度を全身的に増大させる1つまたはそれより多くの薬剤を介してシグナル伝達を減衰させる遮断剤、腫瘍微小環境内の異なる免疫抑制経路に打ち勝つ(例えば、阻害受容体の関与を遮断する(例えば、PD−L1/PD−1相互作用)、Tregsを枯渇もしくはは阻害する(例えば、抗CD25モノクローナル抗体(例えば、ダクリズマブ(daclizumab))を使用して、またはエキソビボ抗CD25ビーズ枯渇により)、IDOなどの代謝酵素を阻害する、あるいはT細胞のエネルギーまたは枯渇を逆転/防止する)薬剤、ならびに先天性免疫活性化および/または炎症を腫瘍部位で誘発する薬剤から選択される。
【0385】
いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、CTLA−4アンタゴニストである。いくつかの実施形態において、CTLA−4アンタゴニストは、アンタゴニスト性CTLA−4抗体である。いくつかの実施形態において、アンタゴニスト性CTLA−4抗体は、YERVOY(イピリムマブ)またはトレメリムマブ(tremelimumab)である。
【0386】
いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、PD−1アンタゴニストである。いくつかの実施形態において、PD−1アンタゴニストは、注入により投与される。いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、プログラム細胞死−1(PD−1)受容体に特異的に結合し、そしてPD−1活性を阻害する、抗体またはその抗原結合部分である。いくつかの実施形態において、PD−1アンタゴニストは、アンタゴニスト性PD−1抗体である。いくつかの実施形態において、アンタゴニスト性PD−1抗体は、OPDIVO(ニボルマブ)、KEYTRUDA(ペムブロリズマブ)、またはMEDI−0680(AMP−514;WO2012/145493)である。いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、ピディリズマブ(pidilizumab)(CT−011)であり得る。いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、IgG1のFc部分に融合したPD−L2(B7−DC)の細胞外ドメインからなる、AMP−224と呼ばれる組換えタンパク質である。
【0387】
いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、PD−L1アンタゴニストである。いくつかの実施形態において、PD−L1アンタゴニストは、アンタゴニスト性PD−L1抗体である。いくつかの実施形態において、PD−L1抗体は、MPDL3280A(RG7446;WO2010/077634)、デュルバルマブ(durvalumab)(MEDI4736)、BMS−936559(WO2007/005874)、およびMSB0010718C(WO2013/79174)である。
【0388】
いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、LAG−3アンタゴニストである。いくつかの実施形態において、LAG−3アンタゴニストは、アンタゴニスト性LAG−3抗体である。いくつかの実施形態において、LAG3抗体は、BMS−986016(WO10/19570、WO14/08218)、またはIMP−731もしくはIMP−321(WO08/132601、WO009/44273)である。
【0389】
いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、CD137(4−1BB)アゴニストである。いくつかの実施形態において、CD137(4−1BB)アゴニストは、アゴニスト性CD137抗体である。いくつかの実施形態において、CD137抗体は、ウレルマブ(urelumab)またはPF−05082566(WO12/32433)である。
【0390】
いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、GITRアゴニストである。いくつかの実施形態において、GITRアゴニストは、アゴニスト性GITR抗体である。いくつかの実施形態において、GITR抗体は、BMS−986153、BMS−986156、TRX−518(WO006/105021、WO009/009116)、またはMK−4166(WO11/028683)である。
【0391】
いくつかの実施形態において、がん免疫療法剤は、インドールアミン(2,3)−ジオキシゲナーゼ(IDO)アンタゴニストである。いくつかの実施形態において、IDOアンタゴニストは、エパカドスタット(INCB024360、Incyte);インドキシモド(NLG−8189、NewLink Genetics Corporation);カプマチニブ(capmanitib)(INC280、Novartis);GDC−0919(Genentech/Roche);PF−06840003(Pfizer);BMS:F001287(Bristol−Myers Squibb);Phy906/KD108(Phytoceutica);キヌレニンを分解する酵素(Kynase、Kyn Therapeutics);およびNLG−919(WO09/73620、WO009/1156652、WO11/56652、WO12/142237)から選択される。
【0392】
いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、OX40アゴニストである。いくつかの実施形態において、OX40アゴニストは、アゴニスト性OX40抗体である。いくつかの実施形態において、OX40抗体は、MEDI−6383またはMEDI−6469である。
【0393】
いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、OX40Lアンタゴニストである。いくつかの実施形態において、OX40Lアンタゴニストは、アンタゴニスト性OX40抗体である。いくつかの実施形態において、OX40Lアンタゴニストは、RG−7888(WO06/029879)である。
【0394】
いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、CD40アゴニストである。いくつかの実施形態において、CD40アゴニストは、アゴニスト性CD40抗体である。いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、CD40アンタゴニストである。いくつかの実施形態において、CD40アンタゴニストは、アンタゴニスト性CD40抗体である。いくつかの実施形態において、CD40抗体は、ルカツムマブ(lucatumumab)またはダセツズマブ(dacetuzumab)である。
【0395】
いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、CD27アゴニストである。いくつかの実施形態において、CD27アゴニストは、アゴニスト性CD27抗体である。いくつかの実施形態において、CD27抗体は、バーリルマブ(varlilumab)である。
【0396】
いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、MGA271(B7H3に対して)(WO11/109400)である。
【0397】
いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、アバゴボマブ(abagovomab)、アデカツムマブ(adecatumumab)、アフツズマブ(afutuzumab)、アレムツズマブ、アナツモマブマフェナトクス(anatumomab mafenatox)、アポリズマブ(apolizumab)、アテゾリマブ(atezolimab)、アベルマブ(avelumab)、ブリナツモマブ(blinatumomab)、BMS−936559、カツマキソマブ(catumaxomab)、デュルバルマブ、エパカドスタット(epacadostat)、エプラツズマブ(epratuzumab)、インドキシモド(indoximod)、イノツズマブオゾガマイシン、インテルムマブ(intelumumab)、イピリムマブ、イサツキシマブ(isatuximab)、ランブロリズマブ(lambrolizumab)、MED14736、MPDL3280A、ニボルマブ、オビヌツズマブ(obinutuzumab)、オカラツズマブ(ocaratuzumab)、オファツムマブ、オラタツマブ(olatatumab)、ペムブロリズマブ、ピディリズマブ、リツキシマブ、チシリムマブ(ticilimumab)、サマリズマブ(samalizumab)、またはトレメリムマブである。
【0398】
いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、免疫刺激薬である。例えば、PD−1およびPD−L1阻害性軸を遮断する抗体は、活性化された腫瘍反応性T細胞を開放することができ、免疫療法に感受性があるとは従来、考えられていなかった一部の腫瘍タイプを含めた、増加している数の腫瘍組織学における永続的な抗腫瘍応答を誘発することが臨床試験において示された。例えば、Okazaki,T.ら(2013年)Nat.Immunol.14巻、1212〜1218頁;Zouら(2016年)Sci.Transl.Med.8巻を参照されたい。抗PD−1抗体であるニボルマブ(Opdivo(登録商標)、Bristol−Myers Squibb、ONO−4538、MDX1106およびBMS−936558としても公知)は、以前の抗血管新生治療法の間またはその後に、疾患進行を経験したRCCを有する患者における、全生存率を改善させる可能性を示した。
【0399】
いくつかの実施形態において、免疫調節治療剤は、腫瘍細胞のアポトーシスを特異的に誘発する。本発明において使用することができる承認を受けている免疫調節治療剤には、ポマリドミド(Pomalyst(登録商標)、Celgene);レナリドマイド(Revlimid(登録商標)、Celgene);インゲノールメブテート(Picato(登録商標)、LEO Pharma)が含まれる。
【0400】
他の実施形態において、免疫調節治療剤はがんワクチンである。いくつかの実施形態において、がんワクチンは、シプリューセル−T(Provenge(登録商標)、Dendreon/Valeant Pharmaceuticals)(無症候性または最小限の症候性転移性の去勢抵抗性(ホルモン不応性)前立腺がんの処置に承認を受けている);およびタリモジンラヘルパレプベク(Imlygic(登録商標)、BioVex/Amgen、以前はT−VECとして公知であった)(黒色腫における、切除不能な皮膚、皮下および節病巣の処置に承認を受けた、遺伝子修飾した腫瘍溶解性ウイルス治療法)から選択される。いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、肝細胞癌(NCT02562755)および黒色腫(NCT00429312)に対する、GM−CSFを発現するよう操作されているチミジンキナーゼ−(TK−)欠損ワクシニアウイルスである、ペキサスチモジンデバシレプベク(PexaVec/JX−594、SillaJen/以前のJennerex Biotherapeutics)などの腫瘍溶解性ウイルス治療法;ペラレオレップ(Reolysin(登録商標)、Oncolytics Biotech)(結腸直腸がん(NCT01622543);前立腺がん(NCT01619813)、頭頚部扁平上皮細胞がん(NCT01166542)、膵臓腺癌(NCT00998322)および非小細胞肺がん(NSCLC)(NCT00861627)を含めた多数のがんにおける、RASにより活性化されていない細胞では複製しない呼吸器腸管孤立ウイルス(レオウイルス)の変異体);卵巣がん(NCT02028117)、結腸直腸がん、膀胱がん、頭頚部扁平上皮癌および唾液腺がん(NCT02636036)などの転移性または進行性上皮腫瘍における、エナデノツシレブ(NG−348、PsiOxus、以前はColoAd1として公知であった)(T細胞受容体CD3タンパク質に特異的な完全長CD80および抗体断片を発現するよう操作されているアデノウイルス);黒色腫(NCT03003676)、および腹膜疾患、結腸直腸がんまたは卵巣がん(NCT02963831)における、ONCOS−102(Targovax/以前のOncos)(GM−CSFを発現するよう操作されているアデノウイルス);GL−ONC1(GLV−1h68/GLV−1h153、Genelux GmbH)(癌性腹膜炎(NCT01443260);卵管がん、卵巣がん(NCT02759588)において、それぞれ、ベータ−ガラクトシダーゼ(ベータ−gal)/ベータ−グルコロニダーゼまたはベータ−gal/ヒトナトリウムヨウ素共輸送体(hNIS)を発現するよう操作されているワクシニアウイルスが検討された);あるいは膀胱がん(NCT02365818)における、CG0070(Cold Genesys)(GM−CSFを発現するよう操作されているアデノウイルス)から選択される。
【0401】
いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、JX−929(SillaJen/以前のJennerex Biotherapeutics)(プロドラッグである5−フルオロシトシンを細胞毒性薬5−フルオロウラシルに変換することが可能な、シトシンデアミナーゼを発現するよう操作されている、TKおよびワクシニア成長因子欠損ワクシニアウイルス);TG01およびTG02(Targovax/以前のOncos)(難治性RAS変異を標的とするペプチドをベースとする免疫療法剤);およびTILT−123(TILT Biotherapeutics)(Ad5/3−E2F−デルタ24−hTNFα−IRES−hIL20と表される操作されたアデノウイルス);およびVSV−GP(ViraTherapeutics)(リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス(LCMV)のグリコタンパク質(GP)を発現するよう操作されており、抗原特異的CD8T細胞応答を向上するよう設計されている抗原を発現するようさらに操作され得る、水泡性口内炎ウイルス(VSV))から選択される。
【0402】
いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、キメラ抗原受容体すなわちCARを発現するよう操作されているT細胞である。このようなキメラ抗原受容体を発現するよう操作されているT細胞は、CAR−T細胞と呼ばれる。
【0403】
結合ドメインからなるCARが構築され、このドメインは、細胞表面抗原に特異的なモノクローナル抗体から誘導される、天然リガンドである一本鎖可変断片(scFv)であって、Tリンパ球において活性化シグナルを生じることが可能な、TCRに由来するCD3−ゼータシグナル伝達ドメインなどの、T細胞受容体(TCR)の機能端部であるエンドドメインに融合している、一本鎖可変断片(scFv)から誘導され得る。抗原に結合すると、このようなCARは、エフェクター細胞における内因性シグナル伝達経路にリンクし、TCR複合体により開始されるものと類似の活性シグナルを生じる。
【0404】
例えば、いくつかの実施形態において、CAR−T細胞は、米国特許第8,906,682号(June、その全体が参照により本明細書に組み込まれている)に記載されているものの1つであり、この特許は、抗原結合ドメイン(CD19に結合するドメインなど)を有する細胞外ドメインであって、T細胞抗原受容体複合体ゼータ鎖(CD3ゼータなど)の細胞内シグナル伝達ドメインに融合している、細胞外ドメインを含むよう操作されているCAR−T細胞を開示している。CARは、T細胞において発現する場合、抗原結合特異性に基づいて、抗原認識の方向を変えることができる。CD19の場合、抗原は、悪性B細胞上で発現する。200を超える臨床試験が、現在、幅広い範囲の適応症において、CAR−Tを使用して、進行中である[https://clinicaltrials.gov/ct2/results?term=chimeric+antigen+receptors&pg=1]。
【0405】
いくつかの実施形態において、免疫刺激剤は、レチノイン酸受容体関連オーファン受容体γ(RORγt)のアクチベーターである。RORγtは、CD4+(Th17)およびCD8+(Tc17)T細胞のタイプ17エフェクターサブセットの分化および維持、ならびにNK細胞などの、IL−17を発現する自然免疫細胞部分集合の分化において、重要な役割を有する転写因子である。いくつかの実施形態において、のアクチベーターは、固形腫瘍(NCT02929862)の処置に関する臨床試験において現在評価されているLYC−55716(Lycera)である。
【0406】
いくつかの実施形態において、免疫刺激剤は、toll様受容体(TLR)のアゴニストまたはアクチベーターである。TLRの好適なアクチベーターは、SD−101(Dynavax)などのTLR9のアゴニストまたはアクチベーターを含む。SD−101は、濾胞性B細胞および他のリンパ腫(NCT02254772)に関して現在、検討されている免疫刺激性CpGである。本発明において使用することができるTLR8のアゴニストまたはアクチベーターには、頭頚部の扁平上皮細胞がん(NCT02124850)および卵巣がん(NCT02431559)に関して、現在、検討中のモトリモド(VTX−2337、VentiRx Pharmaceuticals)が含まれる。
【0407】
本発明において使用され得る他の腫瘍免疫剤としては、ウレルマブ(BMS−663513、Bristol−Myers Squibb)、抗CD137モノクローナル抗体;バーリルマブ(CDX−1127、Celldex Therapeutics)、抗CD27モノクローナル抗体;BMS−986178(Bristol−Myers Squibb)、抗OX40モノクローナル抗体;リリルマブ(IPH2102/BMS−986015、Innate Pharma、Bristol−Myers Squibb)、抗KIRモノクローナル抗体;モナリズマブ(monalizumab)(IPH2201、Innate Pharma、AstraZeneca)抗NKG2Aモノクローナル抗体;アンデカリキシマブ(andecaliximab)(GS−5745、Gilead Sciences)、抗MMP9抗体;MK−4166(Merck & Co.)、抗GITRモノクローナル抗体が挙げられる。
【0408】
いくつかの実施形態において、免疫刺激剤は、エロツズマブ、ミファムルチド、toll様受容体のアゴニストまたはアクチベーター、およびRORγtのアクチベーターから選択される。
【0409】
いくつかの実施形態において、免疫刺激治療剤は、組換えヒトインターロイキン15(rhIL−15)である。rhIL−15は、診療所において、黒色腫および腎細胞癌(NCT01021059およびNCT01369888)、ならびに白血病(NCT02689453)に対する治療剤として、試験されている。いくつかの実施形態において、免疫刺激剤は、組換えヒトインターロイキン12(rhIL−12)である。いくつかの実施形態において、IL−15ベースの免疫治療剤は、ヘテロ二量体IL−15(hetIL−15、Novartis/Admune)であり、これは、可溶性IL−15結合タンパク質IL−15受容体α鎖に複合体化した、内因性IL−15の合成形態からなる融合複合体(IL15:sIL−15RA)であり、これは、黒色腫、腎細胞癌、非小細胞肺がんおよび頭頚部扁平上皮癌(NCT02452268)に関して、第1相臨床試験で試験されている。いくつかの実施形態において、組換えヒトインターロイキン12(rhIL−12)は、NM−IL−12(Neumedicines、Inc.)、NCT02544724、またはNCT02542124である。
【0410】
いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、Jerry L.Adams et.al.,“Big opportunities for small molecules in immuno−oncology,”Cancer Therapy 2015,Vol.14,pages 603−622に記載されるものから選択され、その内容は、その全体が本明細書中に参考として援用される。いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、Jerry L.Adams et.alの表1に記載される例から選択される。いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、Jerry L.Adams et.alの表2に列挙されるものから選択される腫瘍免疫的標的を標的化する、低分子である。いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、Jerry L.Adams et.alの表2に列挙されるものから選択される低分子薬剤である。
【0411】
いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、Peter L.Toogood,“Small molecule immuno−oncology therapeutic agents,”Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters 2018,Vol.28,pages 319−329に記載される低分子腫瘍免疫剤から選択され、その内容は、その全体が本明細書中に参考として援用される。いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、Peter L.Toogoodに記載される経路を標的化する薬剤である。
【0412】
いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、Sandra L.Ross et al.,“Bispecific T cell engager(BiTE(R))antibody constructs can mediate bystander tumor cell killing”,PLoS ONE 12(8):e0183390に記載されるものから選択され、その内容は、その全体が本明細書中に参考として援用される。いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、二重特異的T細胞エンゲージャー(BiTE(登録商標))抗体構築物である。いくつかの実施形態において、二重特異的T細胞エンゲージャー(BiTE(登録商標))抗体構築物は、CD19/CD3二重特異的抗体構築物である。いくつかの実施形態において、二重特異的T細胞エンゲージャー(BiTE(登録商標))抗体構築物は、EGFR/CD3二重特異的抗体構築物である。いくつかの実施形態において、二重特異的T細胞エンゲージャー(BiTE(登録商標))抗体構築物は、T細胞を活性化させる。いくつかの実施形態において、二重特異的T細胞エンゲージャー(BiTE(登録商標))抗体構築物は、T細胞を活性化させ、これは、細胞間接着分子1(ICAM−1)および巻き添え(bystander)細胞のFASの上方調節を誘導するサイトカインを放出する。いくつかの実施形態において、二重特異的T細胞エンゲージャー(BiTE(登録商標))抗体構築物は、T細胞を活性化させ、これは、巻き添え細胞溶解の誘導をもたらす。いくつかの実施形態において、巻き添え細胞は、固形腫瘍内にある。いくつかの実施形態において、溶解する巻き添え細胞は、BiTE(登録商標)により活性化されたT細胞の近隣にある。いくつかの実施形態において、巻き添え細胞は、腫瘍関連抗原(TAA)ネガティブがん細胞を含む。いくつかの実施形態において、巻き添え細胞は、EGFRネガティブがん細胞を含む。いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、PD−L1/PD1軸および/またはCTLA4を遮断する抗体である。いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、エキソビボで増殖した腫瘍浸潤T細胞である。いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、T細胞を腫瘍関連表面抗原(TAAs)と直接接続させる、二重特異的抗体構築物またはキメラ抗体受容体(CAR)である。
【0413】
例示的な免疫チェックポイント阻害剤
いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、本明細書中に記載されるような免疫チェックポイント阻害剤である。
【0414】
用語「チェックポイント阻害剤」は、本明細書で使用する場合、がん細胞が患者の免疫系を回避するのを阻止するのに有用な作用剤に関する。抗腫瘍免疫破壊の主な機序の1つは「T細胞の疲弊」として公知であり、これは、阻害性受容体の上方調節をもたらす抗原への長期曝露に起因する。これらの阻害性受容体は、無差別な免疫反応を予防するために、免疫チェックポイントとして働く。
【0415】
PD−1、および細胞毒性T−リンパ球抗原4(CTLA−4、BおよびTリンパ球アテニュエータ(BTLA;CD272)、T細胞免疫グロブリンおよびムチンドメイン−3(Tim−3)、リンパ球活性化遺伝子−3(Lag−3;CD223)などの共阻害性受容体は、チェックポイント調節因子と称されることが多い。それらは、細胞周期進行および他の細胞内シグナル伝達過程が進行するべきかを細胞外情報が指令することを可能にする、分子「ゲートキーパー」として働く。
【0416】
いくつかの実施形態において、免疫チェックポイント阻害剤はPD−1への抗体である。PD−1は、プログラム細胞死1受容体(PD−1)に結合して、この受容体が阻害性リガンドPDL−1に結合するのを阻止し、こうして、腫瘍が宿主の抗腫瘍免疫応答を抑制する能力を無効にする。
【0417】
1つの局面において、チェックポイント阻害剤は、生物学的治療剤または低分子である。別の局面において、チェックポイント阻害剤は、モノクローナル抗体、ヒト化抗体、完全ヒト抗体、融合タンパク質またはそれらの組合せである。さらなる局面において、チェックポイント阻害剤は、CTLA−4、PDL1、PDL2、PD1、B7−H3、B7−H4、BTLA、HVEM、TIM3、GAL9、LAG3、VISTA、KIR、2B4、CD160、CGEN−15049、CHK1、CHK2、A2aR、B−7ファミリーのリガンドまたはそれらの組合せから選択されるチェックポイントタンパク質を阻害する。追加的な局面において、チェックポイント阻害剤は、CTLA−4、PDL1、PDL2、PD1、B7−H3、B7−H4、BTLA、HVEM、TIM3、GAL9、LAG3、VISTA、KIR、2B4、CD160、CGEN−15049、CHK1、CHK2、A2aR、B−7ファミリーのリガンドまたはそれらの組合せから選択されるチェックポイントタンパク質のリガンドと相互作用する。ある局面において、チェックポイント阻害剤は、免疫刺激剤、T細胞成長因子、インターロイキン、抗体、ワクチンまたはそれらの組合せである。さらなる局面において、インターロイキンはIL−7またはIL−15である。特定の局面において、インターロイキンは、グリコシル化IL−7である。追加的な局面において、ワクチンは樹状細胞(DC)ワクチンである。
【0418】
チェックポイント阻害剤には、免疫系の阻害経路を統計的に有意な方法で、遮断または阻害する任意の薬剤が含まれる。このような阻害剤は、低分子阻害剤を含むことができる、あるいは免疫チェックポイント受容体に結合して遮断または阻害する抗体またはその抗原結合断片、あるいは免疫チェックポイント受容体リガンドに結合して遮断または阻害する抗体を含むことができる。遮断または阻害のために標的とされ得る例示的な免疫チェックポイント分子には、以下に限定されないが、CTLA−4、PDL1、PDL2、PD1、B7−H3、B7−H4、BTLA、HVEM、GAL9、LAG3、TIM3、VISTA、KIR、2B4(CD2ファミリーの分子に属し、NK、γδおよびメモリCD8(αβ)T細胞のすべてに発現する)、CD160(BY55とも称される)、CGEN−15049、CHK1およびCHK2キナーゼ、A2aRおよび様々なB−7ファミリーのリガンドが含まれる。B7ファミリーのリガンドには、以下に限定されないが、B7−1、B7−2、B7−DC、B7−H1、B7−H2、B7−H3、B7−H4、B7−H5、B7−H6およびB7−H7が含まれる。チェックポイント阻害剤には、CTLA−4、PDL1、PDL2、PD1、BTLA、HVEM、TIM3、GAL9、LAG3、VISTA、KIR、2B4、CD160およびCGEN−15049のうちの1つまたは複数に結合して、その活性を遮断または阻害する、抗体もしくはその抗原結合断片、他の結合タンパク質、生物治療剤または低分子が含まれる。例示的な免疫チェックポイント阻害剤には、トレメリムマブ(CTLA−4ブロッキング抗体)(抗OX40)、PD−L1モノクローナル抗体(抗B7−H1;MEDI4736)、MK−3475(PD−1ブロッカー)、ニボルマブ(抗PD1抗体)、CT−011(抗PD1抗体)、BY55モノクローナル抗体、AMP224(抗PDL1抗体)、BMS−936559(抗PDL1抗体)、MPLDL3280A(抗PDL1抗体)、MSB0010718C(抗PDL1抗体)およびイピリムマブ(抗CTLA−4チェックポイント阻害剤)が含まれる。チェックポイントタンパク質リガンドには、以下に限定されないが、PD−L1、PD−L2、B7−H3、B7−H4、CD28、CD86およびTIM−3が含まれる。
【0419】
特定の実施形態において、免疫チェックポイント阻害剤は、PD−1アンタゴニスト、PD−L1アンタゴニストおよびCTLA−4アンタゴニストから選択される。いくつかの実施形態において、チェックポイント阻害剤は、ニボルマブ(Opdivo(登録商標))、イピリムマブ(Yervoy(登録商標))およびペムブロリズマブ(Keytruda(登録商標))からなる群より選択される。いくつかの実施形態において、チェックポイント阻害剤は、ニボルマブ(抗PD−1抗体、Opdivo(登録商標)、Bristol−Myers Squibb);ペムブロリズマブ(抗PD−1抗体、Keytruda(登録商標)、Merck);イピリムマブ(抗CTLA−4抗体、Yervoy(登録商標)、Bristol−Myers Squibb);デュルバルマブ(抗PD−L1抗体、Imfinzi(登録商標)、AstraZeneca);およびアテゾリズマブ(抗PD−L1抗体、Tecentriq(登録商標)、Genentech)から選択される。
【0420】
いくつかの実施形態において、チェックポイント阻害剤は、ランブロリズマブ(MK−3475)、ニボルマブ(BMS−936558)、ピジリズマブ(CT−011)、AMP−224、MDX−1105、MEDI4736、MPDL3280A、BMS−936559、イピリムマブ、リリルマブ(lirlumab)、IPH2101、ペムブロリズマブ(Keytruda(登録商標))またはトレメリムマブからなる群より選択される。
【0421】
いくつかの実施形態において、免疫チェックポイント阻害剤は、REGN2810(Regeneron)(基底細胞癌(NCT03132636);NSCLC(NCT03088540);皮膚扁平上皮癌(NCT02760498);リンパ腫(NCT02651662);および黒色腫(NCT03002376)を有する患者において試験された抗PD−1抗体);びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫および多発性骨髄腫に関する臨床試験中の、ピジリズマブ(CureTech)(CT−011としても公知であり、PD−1に結合する抗体);非小細胞肺がん、メルケル細胞癌、中皮腫、固形腫瘍、腎がん、卵巣がん、膀胱がん、頭頚部がん、および胃がんに関する臨床試験中の、アベルマブ(Bavencio(登録商標)、Pfizer/Merck KGaA)(MSB0010718Cとしても公知であり、完全ヒトIgG1抗PD−L1抗体);または非小細胞肺がん、黒色腫、トリプルネガティブ乳がんおよび進行性、または転移性固形腫瘍に関する臨床試験中の、PDR001(Novartis)(PD−1に結合する阻害性抗体)である。トレメリムマブ(CP−675,206;Astrazeneca)は、中皮腫、結腸直腸がん、腎臓がん、乳がん、肺がんおよび非小細胞肺がん、膵臓導管腺癌、膵臓がん、生殖細胞がん、頭頚部の扁平上皮細胞がん、肝細胞癌、前立腺がん、子宮内膜がん、肝臓における転移性がん、肝臓がん、大細胞型B細胞性リンパ腫、卵巣がん、子宮頚がん、転移性未分化甲状腺がん、尿路上皮がん、卵管がん、多発性骨髄腫、膀胱がん、軟組織肉腫および黒色腫を含めた、いくつかの適応症に関する臨床試験において検討された、CTLA−4に対する完全ヒトモノクローナル抗体である。AGEN−1884(Agenus)は、進行性固形腫瘍(NCT02694822)について、第1相臨床試験において現在検討中の、抗CTLA4抗体である。
【0422】
いくつかの実施形態において、チェックポイント阻害剤は、T細胞免疫グロブリンムチン含有タンパク質−3(TIM−3)の阻害剤である。本発明において使用することができるTIM−3阻害剤には、TSR−022、LY3321367およびMBG453が含まれる。TSR−022(Tesaro)は、固形腫瘍(NCT02817633)において現在、検討中の抗TIM−3抗体である。LY3321367(Eli Lilly)は、固形腫瘍(NCT03099109)において現在、検討中の抗TIM−3抗体である。MBG453(Novartis)は、進行性悪性腫瘍(NCT02608268)において現在、検討中の抗TIM−3抗体である。
【0423】
いくつかの実施形態において、チェックポイント阻害剤は、ある種のT細胞およびNK細胞上の免疫受容体である、IgおよびITIMドメインを有するT細胞免疫受容体、すなわちTIGITの阻害剤である。本発明において使用することができるTIGIT阻害剤には、BMS−986207(Bristol−Myers Squibb)、抗TIGITモノクローナル抗体(NCT02913313);OMP−313M32(Oncomed);および抗TIGITモノクローナル抗体(NCT03119428)が含まれる。
【0424】
いくつかの実施形態において、チェックポイント阻害剤は、リンパ球活性化遺伝子−3(LAG−3)の阻害剤である。本発明において使用することができるLAG−3阻害剤には、BMS−986016およびREGN3767およびIMP321が含まれる。抗LAG−3抗体である、BMS−986016(Bristol−Myers Squibb)は、神経膠芽腫および膠肉腫(NCT02658981)において、現在、検討されている。REGN3767(Regeneron)もまた、抗LAG−3抗体であり、悪性腫瘍(NCT03005782)において現在、検討中である。IMP321(Immutep S.A.)は、LAG−3−Ig融合タンパク質であり、黒色腫(NCT02676869);腺癌(NCT02614833);および転移性乳がん(NCT00349934)において検討されている。
【0425】
本発明において使用することができるチェックポイント阻害剤は、OX40アゴニストを含む。臨床試験において現在検討中のOX40アゴニストには、転移性腎臓がん(NCT03092856)ならびに進行性がんおよび新生物(NCT02554812;NCT05082566)における、PF−04518600/PF−8600(Pfizer)(アゴニスト性抗OX40抗体);がんの第1相臨床試験(NCT02528357)におけるGSK3174998(Merck)(アゴニスト性抗OX40抗体);進行性固形腫瘍(NCT02318394およびNCT02705482)におけるMEDI0562(Medimmune/AstraZeneca)(アゴニスト性抗OX40抗体);結腸直腸がん(NCT02559024)、乳がん(NCT01862900)、頭頚部がん(NCT02274155)および転移性前立腺がん(NCT01303705)を有する患者における、MEDI6469(アゴニスト性抗OX40抗体)(Medimmune/AstraZeneca);ならびに進行性がん(NCT02737475)におけるBMS−986178(Bristol−Myers Squibb)(アゴニスト性抗OX40抗体)が含まれる。
【0426】
本発明において使用することができるチェックポイント阻害剤は、CD137(4−1BBとも呼ばれる)アゴニストを含む。臨床試験において現在検討中のCD137アゴニストには、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(NCT02951156)、ならびに進行性がんおよび新生物(NCT02554812およびNCT05082566)における、ウトミルマブ(PF−05082566、Pfizer)(アゴニスト性抗CD137抗体);黒色腫および皮膚がん(NCT02652455)ならびに神経膠芽腫および膠肉腫(NCT02658981)におけるウレルマブ(BMS−663513、Bristol−Myers Squibb)(アゴニスト性抗CD137抗体)が含まれる。
【0427】
本発明において使用することができるチェックポイント阻害剤は、CD27アゴニストを含む。臨床試験において現在検討中のCD27アゴニストには、扁平上皮細胞頭頚部がん、卵巣癌、結腸直腸がん、腎細胞がんおよび神経膠芽腫(NCT02335918)、リンパ腫(NCT01460134)、ならびに神経膠腫および星状細胞腫(NCT02924038)におけるバルリルマブ(CDX−1127、Celldex Therapeutics)(アゴニスト性抗CD27抗体)が含まれる。
【0428】
本発明において使用することができるチェックポイント阻害剤は、グルココルチコイド誘発性腫瘍壊死因子受容体(GITR)アゴニストを含む。臨床試験において現在検討中のGITRアゴニストには、悪性黒色腫および他の悪性固形腫瘍(NCT01239134およびNCT02628574)におけるTRX518(Leap Therapeutics)(アゴニスト性抗GITR抗体);固形腫瘍およびリンパ腫(NCT02740270)におけるGWN323(Novartis)(アゴニスト性抗GITR抗体);進行性がん(NCT02697591およびNCT03126110)におけるINCAGN01876(Incyte/Agenus)(アゴニスト性抗GITR抗体);固形腫瘍(NCT02132754)におけるMK−4166(Merck)(アゴニスト性抗GITR抗体)、ならびに進行性固形腫瘍(NCT02583165)におけるMEDI1873(Medimmune/AstraZeneca)(ヒトIgG1 Fcドメインを有するアゴニスト性六量体GITRリガンド分子)が含まれる。
【0429】
本発明において使用することができるチェックポイント阻害剤は、誘発性T細胞共刺激剤(ICOS、CD278としても公知)アゴニストを含む。臨床試験において現在検討中のICOSアゴニストには、リンパ腫(NCT02520791)におけるMEDI−570(Medimmune)(アゴニスト性抗ICOS抗体);第1相試験(NCT02723955)における、GSK3359609(Merck)(アゴニスト性抗ICOS抗体);第1相試験(NCT02904226)における、JTX−2011(Jounce Therapeutics)(アゴニスト性抗ICOS抗体)が含まれる。
【0430】
本発明において使用することができるチェックポイント阻害剤は、キラーIgG様受容体(KIR)阻害剤を含む。臨床試験において現在検討中のKIR阻害剤には、白血病(NCT01687387、NCT02399917、NCT02481297、NCT02599649)、多発性骨髄腫(NCT02252263)およびリンパ腫(NCT01592370)における、リリルマブ(IPH2102/BMS−986015、Innate Pharma/Bristol−Myers Squibb)(抗KIR抗体);骨髄腫(NCT01222286およびNCT01217203)における、IPH2101(1−7F9、Innate Pharma);ならびにリンパ腫(NCT02593045)における、IPH4102(Innate Pharma)(長い細胞質尾部の3つのドメイン(KIR3DL2)に結合する抗KIR抗体)が含まれる。
【0431】
本発明において使用することができるチェックポイント阻害剤は、CD47とシグナル調節タンパク質アルファ(SIRPa)との間の相互作用のCD47阻害剤を含む。臨床試験において現在検討中のCD47/SIRPa阻害剤には、第1相試験(NCT03013218)における、ALX−148(Alexo Therapeutics)(CD47に結合してCD47/SIRPa媒介性シグナル伝達を阻止する(SIRPa)のアンタゴニスト性変異体);第1相の臨床試験(NCT02890368およびNCT02663518)における、TTI−621(SIRPa−Fc、Trillium Therapeutics)(SIRPaのN末端CD47結合ドメインとヒトIgG1のFcドメインとを連結させることにより生成する可溶性組換え融合タンパク質は、ヒトCD47に結合して、ヒトCD47がその「私を食べないで(do not eat」)シグナルをマクロファージに送るのを阻止することにより作用する);白血病(NCT02641002)における、CC−90002(Celgene)(抗CD47抗体);ならびに結腸直腸の新生物および固形腫瘍(NCT02953782)、急性骨髄性白血病(NCT02678338)およびリンパ腫(NCT02953509)における、Hu5F9−G4(Forty Seven,Inc.)が含まれる。
【0432】
本発明において使用することができるチェックポイント阻害剤は、CD73阻害剤を含む。臨床試験において現在検討中のCD73阻害剤には、固形腫瘍(NCT02503774)における、MEDI9447(Medimmune)(抗CD73抗体);および固形腫瘍(NCT02754141)における、BMS−986179(Bristol−Myers Squibb)(抗CD73抗体)が含まれる。
【0433】
本発明において使用することができるチェックポイント阻害剤は、インターフェロン遺伝子タンパク質の刺激因子(STING、膜貫通タンパク質173またはTMEM173としても公知)のアゴニストを含む。臨床試験において現在検討中のSTINGのアゴニストには、リンパ腫(NCT03010176)における、MK−1454(Merck)(アゴニスト性合成環式ジヌクレオチド);ならびに第1相試験(NCT02675439およびNCT03172936)における、ADU−S100(MIW815、Aduro Biotech/Novartis)(アゴニスト性合成環式ジヌクレオチド)が含まれる。
【0434】
本発明において使用することができるチェックポイント阻害剤は、CSF1R阻害剤を含む。臨床試験において現在検討中のCSF1R阻害剤には、結腸直腸がん、膵臓がん、転移性および進行性がん(NCT02777710)ならびに黒色腫、非小細胞肺がん、扁平上皮細胞頭頚部がん、消化管間質腫瘍(GIST)および卵巣がん(NCT02452424)における、ペキシダルチニブ(PLX3397、Plexxikon)(CSF1R低分子阻害剤);ならびに膵臓がん(NCT03153410)、黒色腫(NCT03101254)および固形腫瘍(NCT02718911)における、IMC−CS4(LY3022855、Lilly)(抗CSF−1R抗体);ならびに進行性固形腫瘍(NCT02829723)における、BLZ945(4−[2((1R,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)−ベンゾチアゾール−6−イルオキシル]−ピリジン−2−カルボン酸メチルアミド、Novartis)(CSF1Rの経口利用可能な阻害剤)が含まれる。
【0435】
本発明において使用することができるチェックポイント阻害剤は、NKG2A受容体阻害剤を含む。臨床試験において現在検討中のNKG2A受容体阻害剤には、頭頚部の新生物(NCT02643550)および慢性リンパ球性白血病(NCT02557516)における、モナリズマブ(IPH2201、Innate Pharma)(抗NKG2A抗体)が含まれる。
【0436】
いくつかの実施形態において、免疫チェックポイント阻害剤は、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、イピリムマブ、アベルマブ、デュルバルマブ、アテゾリズマブまたはピジリズマブから選択される。
【0437】
6.2. 使用
いくつかの実施形態において、本発明は、患者において細胞の増殖性障害を処置するための方法であって、患者に本発明の単位剤形を投与することを含む方法を提供する。いくつかの実施形態において、細胞の増殖性障害は本明細書に記載されているがんである。
【0438】
いくつかの実施形態において、がんは、小細胞肺がん、非小細胞肺がん、直腸結腸がん、乳がん、胃がん、多発性骨髄腫、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、膵臓がん、肝臓がん、肝細胞がん、神経芽細胞腫、他の固形腫瘍または他の血液がんである。
【0439】
NSCLC患者
いくつかの実施形態において、がん患者はNSCLC患者である。いくつかの実施形態において、NSCLC患者は免疫療法で処置された。いくつかの実施形態において、NSCLC患者はPD−1/L1免疫療法で処置された。いくつかの実施形態において、NSCLC患者は最低12週間PD−1/L1免疫療法で処置された。いくつかの実施形態において、NSCLC患者は最低12週間付与されたPD−1/L1免疫療法において進行していた(別名、PD−1/L1後NSCLC腺癌(post−PD−1/L1 NSCLC adenocarcinoma)患者)。
【0440】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者はNSCLCの病理学的に診断された腺癌組織学を有する。
【0441】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、RECIST1.1(固形腫瘍における応答評価基準(Response Evaluation Criteria in Solid Tumors))にしたがって臨床的におよび/またはX線検査で進行している、進行した(ステージIIIb)および転移性(ステージIV)の患者である。
【0442】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は少なくとも18歳である。
【0443】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は公知のPD−L1陽性状態(>1%)を有する。いくつかの実施形態において、NSCLC患者はRECIST1.1による測定可能病変を有する。いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、最低12週間付与された、PD−1またはPD−L1アンタゴニストによる過去の免疫療法処置から進行がある。いくつかの実施形態において、過去の免疫療法は、化学療法と共にまたは化学療法なしで付与され、任意の系統で使用された。いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、進行後、1つの追加の系統の介入化学療法がある。
【0444】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者はECOG0〜1のパフォーマンスステータスを有する。いくつかの実施形態において、NSCLC患者はECOGパフォーマンスステータスグレード0を有する。いくつかの実施形態において、NSCLC患者はECOGパフォーマンスステータスグレード1を有する。ECOGパフォーマンスステータスは、Oken M, Creech R, Tormey D, et al. "Toxicity and response criteria of the Eastern Cooperative Oncology Group" Am J Clin Oncol. 1982; 5:649-655で論じられている。ECOGパフォーマンスステータスグレード0は、完全に活動的であり、疾患前の動作をすべて制限なしで実行することができる患者を指す。ECOGパフォーマンスステータスグレード1は、肉体的に激しい活動には制限があるが、歩行および軽いまたは座って行う性質の作業、例えば、軽い家事、事務などを行うことができる患者を指す。
【0445】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、以下の通り、十分な骨髄、腎臓、および肝臓機能を有する(療法開始の7日以内):
・好中球絶対数(ANC)≧1000/μL;および/または
・ヘモグロビン>9g/dl;および/または
・血小板数>75,000/μL;および/または
・血清クレアチニン≦1.5×正常上限(ULN)、もしくはクレアチニンレベル>1.5×施設ULN(Cockcroft−Gault式を使用)を有する被験体に対して糸球体濾過率(GFR)≧40mL/分;および/または
・血清全ビリルビン≦1.5×ULN、もしくは全ビリルビンレベル>1.5ULNを有する被験体に対して直接ビリルビン≦ULN;および/または
・アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)およびアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)≦2.5×ULN(または肝臓転移が存在する場合≦5×)。
【0446】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、過去の療法からのすべての臨床的に有意な進行中の有害事象(AE)について、グレード1またはベースラインまで回復している。
【0447】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、クローン病および潰瘍性大腸炎、または非感染性間質性肺疾患を含めた、炎症性腸疾患(IBD)の最近の病歴(最近12カ月内)を有さない。
【0448】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、有害事象の管理のために使用する以外は、処置開始前の3日以内にまたは研究中のいかなる時点においても、非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)またはシクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)阻害剤の現行の使用はない。いくつかの実施形態において、NSCLC患者はアスピリン製品を使用していない、または予防的心血管用量でのみこれを使用する。
【0449】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、連続的な全身免疫抑制療法を必要とする、消化管(GI)潰瘍もしくは大腸炎(IBD以外)または臨床的に有意な自己免疫疾患(すなわち重篤)を最近(最近12カ月以内)または現在有さない。
【0450】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、PD−1抗体に対する重篤な過敏性反応の病歴を持たない。
【0451】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、本発明の処置の計画された最初の用量前の30日以内に生ワクチンを受けていない。
【0452】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、本発明の処置の最初の用量前の2週以内にコルチコステロイド(>10mgの一日プレドニゾン当量)または他の免疫抑制薬物のいずれかによる連続的な全身的処置を必要とする任意の状態を有さない。いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、活動性自己免疫疾患の非存在下で、吸入または局所的ステロイドおよび10mgまでの一日プレドニゾン当量の生理学的補充用量を取っている。
【0453】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は公知のEGFR、ALK、またはROS遺伝子変更を有さない。
【0454】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は喫煙歴を有する。
【0455】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、無制御なまたは命にかかわる症候性の併発疾患(公知の症候性HIV、症候性B型肝炎およびC型肝炎、または活動性結核[TB]を含む)を有さない。
【0456】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、本発明の処置開始の3週間以内に化学療法または研究用薬剤またはデバイスを受けていない、または大手術もしくは全身放射線を受けていない、または本発明の処置の開始前、これらのうちのいずれかの合併症から不十分な治癒または回復を有した。
【0457】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、本発明の処置開始前の3年以内に潜在的に命にかかわる第2の悪性疾患を有さない。
【0458】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は臨床的に不安定な中枢神経系(CNS)/脳転移(処置したまたは安定したCNS転移は許容される)を有さない。
【0459】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、寛解のために許容された病変の局所的放射線(処置後の非標的病変と考えられる)を除いて、任意の他の同時進行の抗腫瘍性処置を行っていない。
【0460】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、これらに限定されないが、
・脳血管系障害/脳卒中(登録前<6カ月);および/または
・心筋梗塞(登録前<6カ月);および/または
・不安定な狭心症;および/または
・うっ血性心不全(≧ニューヨーク心臓協会心機能分類(New York Heart Association Classification)クラスII);および/または
・薬物を必要とする重度の心不整脈
を含む、臨床的に有意な(すなわち、活動性)心血管疾患を有さない。
【0461】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、強力なCYP3A4またはP−糖タンパク質阻害剤もしくは誘導剤の同時投与を必要とする医学的状態を有さない。
【0462】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は妊娠または授乳していない、または本発明の処置中に受胎する予定はない。
【0463】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、進行したまたは転移性PD−1/L1後非小細胞肺がん(NSCLC)腺癌を有する。
【0464】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、任意のPD−1またはPD−L1チェックポイント阻害剤で最低12週間過去に処置したことのあるNSCLCと診断された成人患者である。
【0465】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、グラピプラン、1日2回(BID)300mgの開始用量レベルで処置される。いくつかの実施形態において、NSCLC患者は2年までの間グラピプランおよびペムブロリズマブで処置される。
【0466】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は組織学的に確認された非小細胞肺がん(NSCLC)腺癌を有する成人患者である。
【0467】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、同時進行の化学放射線療法による治癒的意図の処置に適していない進行した(ステージIIIb)疾患を有し、転移性の(ステージIV)患者である。
【0468】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は最低12週間PD−1またはPD−L1アンタゴニストを投与後、RECIST v1.1にしたがって臨床的におよび/またはX線検査で進行している。いくつかの実施形態において、NSCLC患者は化学療法と共に免疫療法を受けた。いくつかの実施形態において、NSCLC患者は化学療法を伴わない免疫療法を受けた。いくつかの実施形態において、NSCLC患者は任意の系統での免疫療法を受けた。いくつかの実施形態において、NSCLC患者は1つ以下の免疫療法の過去のレジメンを受けた。
【0469】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、現地の研究者/放射線学により評価されたように、RECIST v1.1に従い測定可能病変を有する。いくつかの実施形態において、以前に照射された領域に位置する病変は、このような病変において進行が実証された場合、測定可能と考えられる。
【0470】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、複数のコア生検のための気管支鏡、胸腔鏡または経皮的生検(1つの生検当たり最低3通りの経路)を介して安全に到達できる疾患を有する。
【0471】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、Eastern Cooperative Oncology Group(ECOG)パフォーマンスステータス0〜1を有する。
【0472】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、以下の表Aに定義されているような十分な器官機能を有する。
【0473】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、処置開始前の3日以内にまたは処置中のいかなる時点においても、NSAID(例えば、イブプロフェン、ナプロキセン)、COX−2阻害剤(例えば、セレコキシブ)を使用しない。いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、AEの管理のため、処置開始前の3日以内にまたは処置中のいずれかの時点において、NSAID(例えば、イブプロフェン、ナプロキセン)、COX−2阻害剤(例えば、セレコキシブ)を使用する。いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、予防的心血管用量に限定されたアスピリン製品を使用する。
【0474】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、公知の上皮成長因子受容体(EGFR)、未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)、またはROS遺伝子変更を有さない。
【0475】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は公知のBRAF遺伝子変異を有さない。
【0476】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は喫煙歴を有する(生涯の煙草の本数>100本)。
【0477】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、PD−1/L1抗体に対する重篤な過敏性反応の病歴を持たない。
【0478】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、処置前の4週以内に研究用薬剤を含む過去の全身抗がん療法を受けていない。いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、過去の療法によるすべてのAEから≦グレード1またはベースラインまで回復している。いくつかの実施形態において、NSCLC患者は≦グレード2ニューロパシーを有する。
【0479】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、本発明の処置開始の2週間以内に過去の放射線療法を受けていない。いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、すべての放射線関連の毒性から回復し、コルチコステロイドを必要とせず、放射線肺炎に罹ったことがない。いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、非中枢神経系(CNS)疾患に対する待機的放射線(≦2週間の放射線療法)に対して1週間のウォッシュアウトを有する。いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、寛解のみのために許容された病変の局所的放射線(処置後の非標的病変と考えられる)を除いて、本発明の処置中任意の抗腫瘍性処置を受けない。いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、本発明の処置開始前に、手術を受け、ならびに介入に由来する毒性および/または合併症から完全に回復している。
【0480】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は実験処置の最初の用量前の30日以内に生ワクチンを受けていない。
【0481】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、本発明の処置前および処置中に強力なCYP3A4またはP−糖タンパク質阻害剤もしくは誘導剤を摂取しない。いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、強力なCYP3A4またはP−糖タンパク質阻害剤もしくは誘導剤を摂取していたが、本発明の処置の投薬前の≧5半減期以内に他の薬物に移行している。
【0482】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、本発明の処置の最初の用量前の4週以内に研究用薬剤の研究に参加しない、または参加していない。いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、本発明の処置の最初の用量前の4週以内に研究用デバイスを使用していない。
【0483】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は免疫不全の診断を有さない。いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、本発明の処置の最初の用量前の7日以内に、慢性全身ステロイド療法(10mgの一日プレドニゾン当量を超える投薬)、または任意の他の形態の免疫抑制療法を受けない。
【0484】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は本発明の処置の最初の用量前の3年以内に積極的な処置を進めているまたは必要とする公知の追加の潜在的に命にかかわる悪性疾患を有さない。いくつかの実施形態において、NSCLC患者は皮膚の基底細胞癌を有する。いくつかの実施形態において、NSCLC患者は皮膚の扁平上皮癌を有する。いくつかの実施形態において、NSCLC患者は潜在的に治癒的療法を受けてきた上皮内癌(すなわち、乳癌、上皮子宮頸がん)を有する。
【0485】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、公知の活動性のCNS転移および/または癌性髄膜炎を有さない(臨床的に安定したおよび/または以前に処置した不活性なCNS転移は許容される)。
【0486】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、過去2年間全身的処置を必要とする活動性自己免疫疾患(つまり、疾患修飾薬、コルチコステロイドまたは免疫抑制薬物の使用を伴う)を有さない。いくつかの実施形態において、全身的処置は補充療法(つまり、副腎不全または下垂体不全に対するチロキシン、インスリン、または生理学的コルチコステロイド補充療法)ではない。いくつかの実施形態において、自己免疫疾患は炎症性腸疾患(IBD)、例えば、クローン病および潰瘍性大腸炎である。
【0487】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、ステロイドを必要とする(非感染性)肺炎の病歴を有さない、または現行の肺炎を有する。
【0488】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、全身療法を必要とする活動性感染症を有さない。
【0489】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、最近の(最近12カ月以内)または現行のGI潰瘍または大腸炎または非免疫大腸炎を有さない。
【0490】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症の公知の病歴を有さない。
【0491】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、B型肝炎または公知の活動性C型肝炎ウイルス感染症の公知の病歴を有さない。
【0492】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、臨床的に有意な(すなわち、活動性)心血管疾患:脳血管系障害/脳卒中(登録前<6カ月)、心筋梗塞(登録前<6カ月)、不安定狭心症、うっ血性心不全(≧ニューヨーク心臓協会心機能分類クラスII)、または無制御な心不整脈を有さない。
【0493】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、本発明の処置との協調を妨げる公知の精神障害または物質乱用障害を有さない。
【0494】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、本発明の処置前に妊娠試験が陽性である、妊娠の可能性がある女性(WOCBP)ではない。
【0495】
いくつかの実施形態において、NSCLC患者は、本発明の処置の予測される期間内に授乳していない、または受胎する、または子供の父親になることが予想されていない。
【0496】
CRC患者
いくつかの実施形態において、CRC患者は組織学的に確認された進行した、転移性、または進行性の直腸結腸がん(CRC)である。いくつかの実施形態において、マイクロサテライト安定疾患(MSS)は過去のPCRまたは免疫組織化学の結果に基づく。
【0497】
いくつかの実施形態において、CRC患者は少なくとも18歳である。
【0498】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、第一選択の5−FUベースの療法において進行している、療法を拒絶した、または5−FUベースの療法に耐えられない。
【0499】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、RECIST1.1(固形腫瘍における応答評価基準)の通り測定可能病変を有する。
【0500】
いくつかの実施形態において、CRC患者はECOG0〜1のパフォーマンスステータスを有する。いくつかの実施形態において、CRC患者はECOGパフォーマンスステータスグレード0を有する。いくつかの実施形態において、CRC患者はECOGパフォーマンスステータスグレード1を有する。
【0501】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、以下の通り、十分な骨髄、腎臓、および肝臓機能を有する(療法開始の7日以内):
・好中球絶対数(ANC)≧1000/μL;および/または
・ヘモグロビン>9g/dl;および/または
・血小板数>75,000/μl;および/または
・血清クレアチニン≦1.5×正常上限(ULN)、もしくはクレアチニンレベル>1.5×施設ULN(Cockcroft−Gault式を使用)を有する被験体に対して糸球体濾過率(GFR)≧40mL/分;および/または
・血清全ビリルビン≦1.5×ULN、もしくは全ビリルビンレベル>1.5ULNを有する被験体に対して直接ビリルビン≦ULN;および/または
・アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)およびアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)≦2.5×ULN(または肝臓転移が存在する場合、≦5×)。
【0502】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、過去の療法によるすべての臨床的に有意な進行中の有害事象(AE)について、グレード1またはベースラインまで回復している。
【0503】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、本発明の処置開始の少なくとも3週間前には過去の処置(他の研究用療法を含む)を完了している。
【0504】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、抗PD−1、抗PD−L1、または抗PD−L2治療抗体で処置されていない。
【0505】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、AEの管理のために使用する以外は、本発明の処置開始前の3日以内にまたは本発明の処置中のいかなる時点でも、非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)またはシクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)阻害剤を使用していない。いくつかの実施形態において、CRC患者は、任意のアスピリン製品を使用しない、または予防的心血管用量でのみこれを使用する。
【0506】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、クローン病および潰瘍性大腸炎、または非感染性間質性肺疾患を含む、炎症性腸疾患(IBD)の最近の(最近12カ月以内)病歴を有さない。
【0507】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、連続的な全身免疫抑制療法を必要とする、最近(最近12カ月以内)または現行の消化管(GI)潰瘍または大腸炎(IBD以外)または臨床的に有意な自己免疫疾患(すなわち重篤)を有さない。
【0508】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、本発明の処置の最初の用量前の2週以内に、コルチコステロイド(>10mgの一日プレドニゾン当量)または他の免疫抑制薬物のいずれかによる連続的な全身的処置を必要とする任意の状態を有さない。いくつかの実施形態において、CRC患者は、臨床的に活動性のある有意な(重篤)自己免疫疾患の非存在下で、吸入または局所的ステロイドおよび10mgまでの一日プレドニゾン当量の生理学的補充用量を摂取している。
【0509】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、キメラ抗体またはヒト化抗体に対する重篤な過敏性反応の病歴を持たない。
【0510】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、本発明の処置の最初の用量前の30日以内に生ワクチンを受けていない。
【0511】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、寛解のみのために許容された病変の局所的放射線(処置後の非標的病変と考えられる)を除いて、任意の他の同時進行の抗腫瘍性処置を受けていない。
【0512】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、無制御なまたは命にかかわる症候性の併発疾患(公知の症候性HIV、症候性B型肝炎およびC型肝炎、または活動性結核[TB]を含む)を有さない。
【0513】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、本発明の処置開始の3週間以内に大手術もしくは全身放射線を受けていない、または本発明の処置の開始前、手術または放射線の合併症から不十分な治癒または回復をしている。
【0514】
いくつかの実施形態において、CRC患者は最近3年以内に潜在的に命にかかわる第2の悪性疾患を有さない。
【0515】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、臨床的に不安定な中枢神経系(CNS)/脳転移(処置したまたは安定したCNS転移は許容される)を有さない。
【0516】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、これらに限定されないが:
・脳血管系障害/脳卒中(登録前<6カ月);および/または
・心筋梗塞(登録前<6カ月);および/または
・不安定な狭心症;および/または
・うっ血性心不全(≧ニューヨーク心臓協会心機能分類クラスII);および/または
・薬物を必要とする重度の心不整脈
を含む、臨床的に有意な(すなわち、活動性)心血管疾患を有さない。
【0517】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、強力なCYP3A4またはP−糖タンパク質阻害剤もしくは誘導剤の同時投与を必要とする医学的状態を有さない。
【0518】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、進行したまたは進行性のMSS CRCを有する。
【0519】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、グラピプラン、開始用量300mgの1日2回(BID)の経口投与で処置される。
【0520】
いくつかの実施形態において、CRC患者はグラピプラン300mg、BID経口投与、およびペムブロリズマブ200mg、3週ごとの(Q3W)IV投与で処置される。
【0521】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、MSSである、組織学的に確認された進行した、転移性、または進行性のCRCを有する成人患者である。いくつかの実施形態において、マイクロサテライト安定性は、施設標準に従い、過去のポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)、Next−Gen配列決定、または免疫組織化学の結果に基づく。
【0522】
いくつかの実施形態において、CRC患者はそのうちの少なくとも1つがフルオロウラシルを含んだ、進行したまたは転移性CRCに対する少なくとも2回の過去の系統の療法を受けた。いくつかの実施形態において、CRC患者は補助療法を受け、その完了から6カ月以内に進行が生じている。
【0523】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、現地の研究者/放射線学により評価されたように、RECIST v1.1に従い測定可能病変を有する。いくつかの実施形態において、以前に照射された領域に位置する病変は、このような病変において進行が実証された場合、測定可能と考えられる。
【0524】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、複数のコア生検のために安全に入手できる到達可能な腫瘍を有する。
【0525】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、Eastern Cooperative Oncology Group(ECOG)パフォーマンスステータス0〜1を有する。
【0526】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、以下の表Aに定義されているような十分な器官機能を有する。
【0527】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、経口の錠剤を嚥下および吸収することができる。
【0528】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、閉経していない、避妊している女性であるか、または男性である。
【0529】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、抗PD−1、抗PD−L1、または抗PD−L2薬剤による、または別の刺激性または共阻害性T−細胞受容体(例えば、CTLA−4、OX40、CD137)を対象とする薬剤による過去の療法を受けていない。
【0530】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、本発明の処置開始前の3日以内にまたは本発明の処置中のいかなる時点においても、NSAID(例えば、イブプロフェン、ナプロキセン)、COX−2阻害剤(例えば、セレコキシブ)を使用しない。いくつかの実施形態において、CRC患者は、本発明の処置のAEの管理のため、NSAID(例えば、イブプロフェン、ナプロキセン)、COX−2阻害剤(例えば、セレコキシブ)を使用する。いくつかの実施形態において、CRC患者は予防的心血管用量に限定されたアスピリン製品を使用する。
【0531】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、キメラ抗体またはヒト化抗体に対する重篤な過敏性反応の病歴を持たない。
【0532】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、本発明の処置前の4週以内に(または5半減期、どちらか短い方)研究用薬剤を含む全身抗がん療法を過去に受けていない。いくつかの実施形態において、CRC患者は、過去の療法によるすべてのAEから≦グレード1またはベースラインまで回復している。いくつかの実施形態において、CRC患者は≦グレード2ニューロパシーを有する。いくつかの実施形態において、CRC患者は大手術を受け、本発明の処置開始前に、介入に由来する毒性および/または合併症から完全に回復している。
【0533】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、本発明の処置開始の2週間以内に過去の放射線療法を受けていない。いくつかの実施形態において、CRC患者は、すべての放射線関連の毒性から回復し、コルチコステロイドを必要とせず、放射線肺炎に罹ったことがない。いくつかの実施形態において、CRC患者は非中枢神経系(CNS)疾患に対する待機的放射線(≦2週間の放射線療法)に対して1週間のウォッシュアウトを有する。いくつかの実施形態において、CRC患者は、本発明の処置と同時進行的に抗腫瘍性処置を受けない。いくつかの実施形態において、CRC患者は寛解のみのための病変の局所的放射線(処置後の非標的病変と考えられる)のための抗腫瘍処置を受ける。
【0534】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、本発明の処置の最初の用量前の30日以内に生ワクチンを受けていない。
【0535】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、強力なCYP3A4またはP−糖タンパク質阻害剤もしくは誘導剤を摂取しない。いくつかの実施形態において、CRC患者は強力なCYP3A4またはP−糖タンパク質阻害剤もしくは誘導剤を摂取していたが、本発明の処置の投薬前の≧5半減期以内に他の薬物に移行している。
【0536】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、本発明の処置の最初の用量前の4週以内に研究用薬剤の研究に参加しない、または参加していない。いくつかの実施形態において、CRC患者は、本発明の処置の最初の用量前の4週以内に研究用デバイスを使用していない。
【0537】
いくつかの実施形態において、CRC患者は免疫不全の診断を有さない。いくつかの実施形態において、CRC患者は、本発明の処置の最初の用量前の7日以内に、慢性全身ステロイド療法(10mgの一日プレドニゾン当量を超える投薬)、または任意の他の形態の免疫抑制療法を受けない。
【0538】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、本発明の処置の開始前の3年以内に、進行するまたは積極的な処置を必要とした公知の追加の潜在的に命にかかわる悪性疾患を有さない。いくつかの実施形態において、CRC患者は皮膚の基底細胞癌を有する。いくつかの実施形態において、CRC患者は皮膚の扁平上皮癌を有する。いくつかの実施形態において、CRC患者は、上皮内癌(例えば、乳癌、上皮子宮頸がん)を有し、潜在的に治癒的な療法を受けている。
【0539】
いくつかの実施形態において、CRC患者は公知の活動性CNS転移および/または癌性髄膜炎を有さない。いくつかの実施形態において、CRC患者は、脳転移を以前に処置したことがあり、放射線学的には安定している、すなわち、反復画像化により少なくとも4週間の間進行の証拠がなく(反復画像化は、実験スクリーニング中に実施されるべきであることに注目されたい)、および/または臨床的に安定しており、本発明の処置の最初の用量前の少なくとも14日以内にステロイド処置の必要がない。
【0540】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、本発明の処置の開始前の2年間に全身的処置(すなわち、疾患修飾薬、コルチコステロイドまたは免疫抑制薬物の使用を伴う)を必要とする活動性自己免疫疾患を有さない。いくつかの実施形態において、CRC患者は本発明の処置の開始前の2年間に補充療法(例えば、副腎不全または下垂体不全に対するチロキシン、インスリン、または生理学的コルチコステロイド補充療法)を受けている。いくつかの実施形態において、自己免疫疾患は、これらに限定されないが、炎症性腸疾患(IBD)、例えば、クローン病および潰瘍性大腸炎を含む。
【0541】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、ステロイドを必要とする(非感染性)肺炎の病歴を有さない、または現行の肺炎を有する。
【0542】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、全身療法を必要とする活動性感染症を有さない。
【0543】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、最近の(本発明の処置開始から12カ月以内)または現行のGI潰瘍または非免疫大腸炎を有さない。
【0544】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症の公知の病歴を有さない。
【0545】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、B型肝炎または公知の活動性C型肝炎ウイルス感染症の公知の病歴を有さない。
【0546】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、臨床的に有意な(すなわち、活動性)心血管疾患:脳血管系障害/脳卒中(登録前<6カ月)、心筋梗塞(登録前<6カ月)、不安定狭心症、うっ血性心不全(≧ニューヨーク心臓協会心機能分類クラスII)、または無制御な心不整脈を有さない。
【0547】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、本発明の処置との協調を妨げる公知の精神障害または物質乱用障害を有さない。
【0548】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、本発明の処置前に妊娠試験が陽性である、妊娠の可能性がある女性(WOCBP)ではない。
【0549】
いくつかの実施形態において、CRC患者は、本発明の処置中に、授乳していない、または受胎する、または子供の父親になることが予想されていない。
【0550】
がん
がんには、いくつかの実施形態では、非限定的に、白血病(例えば、急性白血病、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、急性骨髄芽球性白血病、急性前骨髄球性白血病、急性骨髄単球性白血病、急性単球性白血病、急性赤白血病、慢性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病)、真性多血症、リンパ腫(例えば、ホジキン病または非ホジキン病)、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、多発性骨髄腫、重鎖病および固形腫瘍(肉腫および癌腫など)(例えば、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮腫(lymphangioendotheliosarcoma)、滑液膜腫、中皮腫、ユーイング肉腫、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、結腸癌、膵臓がん、乳がん、卵巣がん、前立腺がん、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、脂腺癌、乳頭状癌、乳頭腺癌、嚢胞腺癌、髄様癌、気管支原性肺癌、腎細胞癌、肝細胞腫、胆管癌、絨毛癌、精上皮腫、胎生期癌、ウィルムス腫瘍、子宮頚がん、子宮がん、精巣がん、肺癌、小細胞肺癌、膀胱癌、上皮性癌、神経膠腫、星状細胞腫、多形膠芽細胞腫(GBM、神経膠芽腫としても公知)、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽細胞腫、聴神経鞘腫、乏突起神経膠腫、神経鞘腫、神経線維肉腫、髄膜腫、黒色腫、神経芽細胞腫および網膜芽細胞腫)である。
【0551】
いくつかの実施形態において、がんは、神経膠腫、星状細胞腫、多形膠芽細胞腫(GBM、神経膠芽腫としても公知)、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽細胞腫、聴神経鞘腫、乏突起神経膠腫、神経鞘腫、神経線維肉腫、髄膜腫、黒色腫、神経芽細胞腫または網膜芽細胞腫が含まれる。
【0552】
いくつかの実施形態において、がんは、聴神経鞘腫、星状細胞腫(例えば、グレードI−毛様細胞性星細胞腫、グレードII−低悪性星状細胞腫、グレードIII−退形成性星細胞腫もしくはグレードIV−神経膠芽腫(GBM))、脊索腫、CNSリンパ腫、頭蓋咽頭腫、脳幹グリオーマ、上衣腫、混合型神経膠腫、視神経膠腫、上衣下腫、髄芽腫、髄膜腫、転移性脳腫瘍、乏突起神経膠腫、下垂体腫瘍、原始神経外胚葉性(PNET)腫瘍または神経鞘腫である。いくつかの実施形態において、がんは、脳幹グリオーマ、頭蓋咽頭腫、上衣腫、若年性毛様細胞性星細胞腫(JPA)、髄芽腫、視神経膠腫、松果体腫瘍、未分化神経外胚葉性腫瘍(PNET)またはラブドイド腫瘍などの、成人よりも子供に一般的に見出されるタイプである。いくつかの実施形態において、患者は成人のヒトである。いくつかの実施形態において、患者は子供または小児患者である。
【0553】
がんには、別の実施形態では、非限定的に、中皮腫、胆管道(肝臓および胆管)、骨がん、膵臓がん、皮膚がん、頭部または頚部のがん、皮下または眼内黒色腫、卵巣がん、結腸がん、直腸がん、肛門領域のがん、胃がん、胃腸管(胃、結腸直腸および十二指腸)、子宮がん、卵管癌、子宮内膜癌、子宮頚部癌、膣癌、外陰部の癌、ホジキン病、食道がん、小腸がん、内分泌系のがん、甲状腺がん、副甲状腺がん、副腎がん、軟部組織の肉腫、尿道がん、陰茎がん、前立腺がん、精巣がん、慢性または急性白血病、慢性骨髄性白血病、リンパ球性リンパ腫、膀胱がん、腎臓がんまたは尿管がん、腎細胞癌、腎盂癌、非ホジキンリンパ腫、脊髄軸椎腫瘍(spinal axis tumor)、脳幹グリオーマ、下垂体腺種、副腎皮質がん、胆嚢がん、多発性骨髄腫、胆管細胞癌、線維肉腫、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、または上述のがんのうちの1つまたは複数の組合せが含まれる。
【0554】
いくつかの実施形態において、がんは、肝細胞癌、卵巣がん、卵巣上皮がんまたは卵管がん;乳頭状漿液嚢胞腺癌または子宮体部漿液性腺癌(UPSC);前立腺がん;精巣がん;胆嚢がん;肝臓胆管癌;軟部組織および骨滑膜肉腫;横紋筋肉腫;骨肉腫;軟骨肉腫;ユーイング肉腫;未分化甲状腺がん;副腎皮質腺腫;膵臓がん;膵管腺癌または膵臓腺癌;胃腸管/胃(GIST)がん;リンパ腫;頭頚部の扁平上皮癌(SCCHN);唾液腺がん;神経膠腫または脳がん;神経線維腫症1型関連悪性末梢神経鞘腫瘍(MPNST);ワルデンシュトレームマクログロブリン血症;または髄芽腫から選択される。
【0555】
いくつかの実施形態において、がんは、肝細胞癌(HCC)、肝芽腫、結腸がん、直腸がん、卵巣がん、卵巣上皮がん、卵管がん、乳頭状漿液嚢胞腺癌、子宮体部漿液性腺癌(UPSC)、肝臓胆管癌、軟部組織および骨滑膜肉腫、横紋筋肉腫、骨肉腫、未分化甲状腺がん、副腎皮質腺腫、膵臓がん、膵管腺癌、膵臓腺癌、神経膠腫、神経線維腫症1型関連悪性末梢神経鞘腫瘍(MPNST)、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症または髄芽腫から選択される。
【0556】
いくつかの実施形態において、がんは、肉腫、癌腫またはリンパ腫などの固形腫瘍である。固形腫瘍は、嚢胞または液状領域を通常は含まない、異常な組織の塊を一般に含む。いくつかの実施形態において、がんは、腎細胞癌または腎臓がん;肝細胞癌(HCC)または肝芽腫または肝臓がん;黒色腫;乳がん;結腸直腸癌または結腸直腸がん;結腸がん;直腸がん;肛門がん;非小細胞肺がん(NSCLC)または小細胞肺がん(SCLC)などの肺がん;卵巣がん、卵巣上皮がん、卵巣癌または卵管がん;乳頭状漿液嚢胞腺癌または子宮体部漿液性腺癌(UPSC);前立腺がん;精巣がん;胆嚢がん;肝臓胆管癌;軟部組織および骨滑膜肉腫;横紋筋肉腫;骨肉腫;軟骨肉腫;ユーイング肉腫;未分化甲状腺がん;副腎皮質癌;膵臓がん;膵管腺癌または膵臓腺癌;胃腸管/胃(GIST)がん;リンパ腫;頭頚部の扁平上皮癌(SCCHN);唾液腺がん;神経膠腫または脳がん;神経線維腫症1型関連悪性末梢神経鞘腫瘍(MPNST);ワルデンシュトレームマクログロブリン血症;または髄芽腫から選択される。
【0557】
いくつかの実施形態において、がんは、腎細胞癌、肝細胞癌(HCC)、肝芽腫、結腸直腸腫、結腸直腸がん、結腸がん、直腸がん、肛門がん、卵巣がん、卵巣上皮がん、卵巣癌、卵管がん、乳頭状漿液嚢胞腺癌、子宮体部漿液性腺癌(UPSC)、肝臓胆管癌、軟部組織および骨滑膜肉腫、横紋筋肉腫、骨肉腫、軟骨肉腫、未分化甲状腺がん、副腎皮質癌、膵臓がん、膵管腺癌、膵臓腺癌、神経膠腫、脳がん、神経線維腫症1型関連悪性末梢神経鞘腫瘍(MPNST)、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症または髄芽腫から選択される。
【0558】
いくつかの実施形態において、がんは、肝細胞癌(HCC)、肝芽腫、結腸がん、直腸がん、卵巣がん、卵巣上皮がん、卵巣癌、卵管がん、乳頭状漿液嚢胞腺癌、子宮体部漿液性腺癌(UPSC)、肝臓胆管癌、軟部組織および骨滑膜肉腫、横紋筋肉腫、骨肉腫、未分化甲状腺がん、副腎皮質癌、膵臓がん、膵管腺癌、膵臓腺癌、神経膠腫、神経線維腫症1型関連悪性末梢神経鞘腫瘍(MPNST)、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症または髄芽腫から選択される。
【0559】
いくつかの実施形態において、がんは肝細胞癌(HCC)である。いくつかの実施形態において、がんは肝芽腫である。いくつかの実施形態において、がんは結腸がんである。いくつかの実施形態において、がんは直腸がんである。いくつかの実施形態において、がんは、卵巣がんまたは卵巣癌である。いくつかの実施形態において、がんは卵巣上皮がんである。いくつかの実施形態において、がんは卵管がんである。いくつかの実施形態において、がんは乳頭状漿液嚢胞腺癌である。いくつかの実施形態において、がんは子宮体部漿液性腺癌(UPSC)である。いくつかの実施形態において、がんは肝臓胆管癌である。いくつかの実施形態において、がんは、軟部組織および骨滑膜肉腫である。いくつかの実施形態において、がんは横紋筋肉腫である。いくつかの実施形態において、がんは骨肉腫である。いくつかの実施形態において、がんは未分化甲状腺がんである。いくつかの実施形態において、がんは副腎皮質癌である。いくつかの実施形態において、がんは、膵臓がんまたは膵管腺癌である。いくつかの実施形態において、がんは膵臓腺癌である。いくつかの実施形態において、がんは神経膠腫である。いくつかの実施形態において、がんは悪性末梢神経鞘腫瘍(MPNST)である。いくつかの実施形態において、がんは神経線維腫症1型関連MPNSTである。いくつかの実施形態において、がんはワルデンシュトレームマクログロブリン血症である。いくつかの実施形態において、がんは髄芽腫である。
【0560】
いくつかの実施形態において、がんは、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、副腎皮質癌、肛門がん、虫垂がん、非定型奇形腫様/ラブドイド腫瘍、基底細胞癌、胆管がん、膀胱がん、骨がん、脳腫瘍、星状細胞腫、脳および脊髄腫瘍、脳幹神経膠腫、中枢神経系非定型奇形腫様/ラブドイド腫瘍、中枢神経系胚芽腫、乳がん、気管支腫瘍、バーキットリンパ腫、カルチノイド腫瘍、原発不明癌、中枢神経系がん、子宮頸がん、小児期がん、脊索腫、慢性リンパ球性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性骨髄増殖性障害、結腸がん、直腸結腸がん、頭蓋咽頭腫、皮膚T細胞リンパ腫、非浸潤性乳管癌(DCIS)、胚芽腫、子宮内膜がん、上衣芽腫、上衣細胞腫、食道がん、感覚神経芽腫、ユーイング肉腫、頭蓋外胚細胞腫瘍、性腺外胚細胞腫瘍、肝外胆管がん、眼のがん、骨の線維性組織球腫、胆嚢がん、胃がん、消化菅カルチノイド腫瘍、消化管間質腫瘍(GIST)、胚細胞腫瘍、卵巣胚細胞腫瘍、妊娠性絨毛腫瘍、神経膠腫、有毛細胞白血病、頭頸部がん、心臓がん、肝細胞がん、組織球症、ランゲルハンス細胞がん、ホジキンリンパ腫、下咽頭がん、眼内黒色腫、島細胞腫瘍、カポジ肉腫、腎臓がん、ランゲルハンス細胞組織球症、喉頭がん、白血病、唇および口腔がん、肝臓がん、上皮内小葉癌(LCIS)、肺がん、リンパ腫、AIDS関連リンパ腫、マクログロブリン血症、男性の乳がん、髄芽腫、髄上皮腫、黒色腫、メルケル細胞癌、悪性中皮腫、原発不明の転移性頸部扁平上皮がん、NUT遺伝子を含む正中管癌、口のがん、多発性内分泌腫瘍症候群、多発性骨髄腫/形質細胞新生物、菌状息肉腫、骨髄異形成症候群、骨髄異形成/骨髄増殖性新生物、慢性骨髄性白血病(CML)、急性骨髄性白血病(AML)、骨髄腫、多発性骨髄腫、慢性骨髄増殖性障害、鼻腔がん、副鼻腔がん、鼻咽頭がん、神経芽細胞腫、非ホジキンリンパ腫、非小細胞肺がん、口腔のがん、口腔がん、口唇がん、中咽頭がん、骨肉腫、卵巣がん、膵臓がん、乳頭腫症、傍神経節腫、副鼻腔がん、鼻腔がん、副甲状腺がん、陰茎がん、咽頭がん、褐色細胞腫、中間分化型松果体実質腫瘍(Pineal Parenchymal Tumors of Intermediate Differentiation)、松果体芽腫、下垂体の腫瘍、形質細胞新生物、胸膜肺芽腫(Pleuropulmonary Blastoma)、乳がん、原発性中枢神経系(CNS)リンパ腫、前立腺がん、直腸がん、腎細胞がん、明細胞腎臓細胞癌、腎盂がん、尿管がん、移行性細胞がん、網膜芽腫、横紋筋肉腫、唾液腺がん、肉腫、セザリー症候群、皮膚がん、小細胞肺がん、小腸がん、軟部組織肉腫、扁平上皮癌、原発不明の頸部扁平上皮がん、頭頸部扁平上皮癌(HNSCC)、胃がん、テント上未分化神経外胚葉性腫瘍、T細胞リンパ腫、精巣がん、咽喉がん、胸腺腫、胸腺癌、甲状腺がん、腎孟尿管の移行性細胞がん、トリプルネガティブ乳がん(TNBC)、妊娠性絨毛腫瘍、小児期の未知の原発性、稀ながん、尿道がん、子宮がん、子宮肉腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、またはウィルムス腫瘍である。
【0561】
ある種の実施形態において、がんは、膀胱がん、乳がん(TNBCを含む)、子宮頸がん、直腸結腸がん、慢性リンパ球性白血病(CLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、食道の腺癌、神経膠芽腫、頭頸部がん、白血病(急性および慢性)、低悪性度の神経膠腫、肺がん(腺癌、非小細胞肺がん、および扁平上皮癌を含む)、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫(NHL)、黒色腫、多発性骨髄腫(MM)、卵巣がん、膵臓がん、前立腺がん、腎臓がん(腎臓の明細胞癌および腎臓乳頭状細胞癌を含む)、および胃がんから選択される。
【0562】
いくつかの実施形態において、がんは、小細胞肺がん、非小細胞肺がん、直腸結腸がん、多発性骨髄腫、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、膵臓がん、肝臓がん、肝細胞がん、神経芽細胞腫、他の固形腫瘍または他の血液がんである。
【0563】
いくつかの実施形態において、がんは、小細胞肺がん、非小細胞肺がん、直腸結腸がん、多発性骨髄腫、またはAMLである。
【0564】
本発明は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)関連固形腫瘍、ヒトパピローマウイルス(HPV)−16に陽性な治癒不能固形腫瘍および成人T細胞白血病(これは、ヒトT細胞性白血病ウイルスI型(HTLV−I)により引き起こされ、白血病細胞におけるHTLV−Iのクローン組込みを特徴とするCD4+T細胞白血病の非常に侵襲性の形態である(https://clinicaltrials.gov/ct2/show/study/NCT02631746を参照されたい))、ならびに胃がん、鼻咽頭癌、子宮頚がん、膣がん、疣状がん、頭頚部の扁平上皮癌およびメルケル細胞癌におけるウイルス関連腫瘍(https://clinicaltrials.gov/ct2/show/study/NCT02488759を参照されたい。https://clinicaltrials.gov/ct2/show/study/NCT0240886;https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT02426892もまた参照されたい)を含めた、ウイルス関連がんの診断、予後および処置のための方法および組成物をさらに特徴とする。
【0565】
いくつかの実施形態において、本発明は、それを必要とする患者において腫瘍を処置するための方法であって、患者に、化合物IIまたはその薬学的な塩もしくは組成物および本明細書に記載されているようながん免疫療法剤を投与するステップを含む方法を提供する。いくつかの実施形態において、腫瘍は、本明細書に記載されているがんのいずれかを含む。いくつかの実施形態において、腫瘍は黒色腫がんを含む。いくつかの実施形態において、腫瘍は乳がんを含む。いくつかの実施形態において、腫瘍は肺がんを含む。いくつかの実施形態において腫瘍は小細胞肺がん(SCLC)を含む。いくつかの実施形態において、腫瘍は非小細胞肺がん(NSCLC)を含む。
【0566】
いくつかの実施形態において、腫瘍は、腫瘍のさらなる成長を抑止することにより処置される。いくつかの実施形態において、腫瘍は、処置前の腫瘍のサイズに比べて、少なくとも5%、10%、25%、50%、75%、90%または99%、腫瘍のサイズ(例えば、体積または塊)を退縮させることにより処置される。いくつかの実施形態において、腫瘍は、処置前の腫瘍の量に比べて、少なくとも5%、10%、25%、50%、75%、90%または99%、患者における腫瘍の量を低減させることにより処置される。
【0567】
本発明の方法による化合物および組成物は、がんを処置する、またはそれらの重症度を軽減するのに有効な任意の量および任意の投与経路を使用して投与することができる。必要な正確な量は、被験体の人種、年齢および全身状態、疾患または状態の重症度、具体的な薬剤、その投与形式などに応じて、被験体ごとに様々となろう。本発明の方法に従う化合物および組成物は、投与を容易にするため、および投与量を均質とするために、投与量単位形態で好ましくは製剤化される。「投与量単位形態」という表現は、本明細書で使用する場合、処置される患者にとって適切な、物理的に個別の薬剤の単位を指す。しかし、化合物および組成物の1日あたりの合計使用量は、妥当な医療的判断の範囲内で、主治医により決定されることが理解されよう。任意の特定の患者または生物に対する具体的に有効な用量レベルは、処置される障害および障害の重症度、使用される具体的な化合物の活性、使用される具体的な組成物、患者の年齢、体重、一般的な健康、性別および食事、投与時間、投与経路、および使用される具体的な化合物の排出速度、処置の期間、使用される具体的な化合物と組み合わせてまたは同時に使用される薬物を含めた様々な因子、ならびに医療分野において周知の同様の因子に依存する。用語「患者」とは、本明細書で使用する場合、動物、好ましくは哺乳動物、および最も好ましくはヒトを意味する。
【0568】
本発明の薬学的に受容可能な組成物は、処置されている疾患または状態の重症度に応じて、経口的に、直腸により、非経口的に、嚢内に、膣内に、腹腔内に、局所的に(散剤、軟膏剤またはドロップ剤によるなど)、口腔により、経口噴霧剤または点鼻薬などとして、ヒトおよび他の動物に投与することができる。ある種の実施形態において、本発明の化合物は、所望の治療効果を得るため、1日あたり、1回または複数回で、1日あたり約0.01mg/被験体の体重のkg〜約50mg/被験体の体重のkg、および好ましくは約1mg/kg〜約25mg/被験体の体重のkgの投与量レベルで、経口的または非経口的に投与することができる。
【0569】
経口投与向けの液状剤形には、以下に限定されないが、薬学的に受容可能なエマルション剤、マイクロエマルション剤、溶液剤、懸濁液剤、シロップ剤およびエリキシル剤が含まれる。活性化合物に加えて、液状剤形は、例えば、水、またはエチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチルカーボネート、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に、綿実油、ラッカセイ油、コーン油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、ならびにそれらの混合物などの他の溶媒、可溶化剤ならびに乳化剤などの、当技術分野において一般に使用される不活性な希釈剤を含有することができる。不活性な希釈剤に加えて、経口組成物はまた、湿潤剤、乳化剤および懸濁化剤、甘味剤、着香剤および芳香剤などのアジュバントを含むことができる。
【0570】
公知技術に従い、好適な分散剤または湿潤剤、および懸濁化剤を使用して、注射調製物、例えば注射可能な水性または油性の滅菌懸濁液剤を製剤化することができる。滅菌注射調製物はまた、例えば、1,3−ブタンジオール中の溶液剤として、非毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶媒中の注射用滅菌溶液剤、懸濁液剤またはエマルション剤とすることもできる。使用することができる、許容されるビヒクルおよび溶媒の中には、水、リンゲル液,U.S.P.および等張性の塩化ナトリウム溶液がある。さらに、滅菌の不揮発油が、溶媒または懸濁媒体として、従来、使用される。この目的のために、合成モノまたはジグリセリドを含む任意の無刺激性の不揮発性油を用いることができる。さらに、オレイン酸などの脂肪酸が、注射剤の調製に使用される。
【0571】
注射可能な製剤は、使用前に、例えば、細菌保持フィルターでろ過することにより、または滅菌水もしくは他の注射可能な滅菌媒体中に溶解または分散することができる滅菌固体組成物の形態の殺菌剤を配合することにより、滅菌され得る。
【0572】
本明細書に記載の化合物の作用を延長するために、皮下または筋肉内注射からの化合物の吸収を減速させることが望ましいことが多い。これは、水への溶解度が乏しい、結晶性物質またはアモルファス性物質の液体懸濁液の使用により行うことができる。次に、化合物の吸収速度は、この溶出速度に依存し、ひいては、結晶サイズおよび結晶形態に依存することがある。代替として、非経口的に投与される化合物形態の吸収遅延は、油性ビヒクル中に化合物を溶解または懸濁することにより行われる。ポリラクチド−ポリグリコリドなどの生分解性ポリマー中に、本化合物のマイクロ封入マトリックスを形成させることにより、注射可能なデポ剤形態が作製される。化合物とポリマーとの比、および使用される特定のポリマーの性質に応じて、化合物の放出速度を制御することができる。他の生分解性ポリマーの例には、ポリ(オルトエステル)およびポリ(酸無水物)が含まれる。注射可能なデポ製剤もまた、身体組織と適合可能なリポソームまたはマイクロエマルション中に本化合物を捕捉することにより調製される。
【0573】
直腸または膣投与向けの組成物は、好ましくは、本発明の化合物を、周囲温度では固体であるが、身体温度では液体であり、したがって、直腸または膣腔において融解し、活性化合物を放出する、カカオ脂、ポリエチレングリコールまたは坐剤用ワックスなどの、好適な非刺激性賦形剤またはキャリアと混合することにより調製することができる坐剤である。
【0574】
経口投与向けの固形剤形は、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤および顆粒剤を含む。このような固形剤形において、活性化合物は、クエン酸ナトリウムもしくはリン酸二カルシウムなどの少なくとも1腫の不活性な薬学的に受容可能な賦形剤またはキャリア、ならびに/あるいはa)デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトールおよびケイ酸などの充填剤または増量剤、b)例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギネート、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロースおよびアカシアなどの結合剤、c)グリセロールなどの保湿剤、d)寒天、炭酸カルシウム、バレイショデンプンまたはタピオカデンプン、アルギン酸、ある種のシリケートおよび炭酸ナトリウムなどの崩壊剤、e)パラフィンなどの溶解遅延剤、f)四級アンモニウム化合物などの吸収促進剤、g)例えば、セチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセロールなどの湿潤剤、h)カオリンおよびベントナイトクレイなどの吸収剤、およびi)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウムなどの滑沢剤、ならびにこれらの混合物と混合される。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、これらの剤形はまた、緩衝化剤を含んでもよい。
【0575】
同様のタイプの固体組成物はまた、ラクトースまたは乳糖、および高分子量ポリエチレングリコールなどの賦形剤を使用する、軟質および硬質充填ゼラチンカプセル中に充填剤として使用されてもよい。錠剤、ドラジェ剤、カプセル剤、丸剤および顆粒剤の固形剤形は、腸溶コーティング剤、および医薬調合分野において周知の他のコーティング剤などのコーティング剤およびシェルを用いて調製することができる。それらは、乳白剤を必要に応じて含んでもよく、これらは、腸管のある部分において、必要に応じて遅延させて、活性成分(単数または複数)を単独で、または優先的に放出するような組成物とすることもできる。使用され得る埋め込み組成物の例には、ポリマー物質およびワックスが含まれる。同様のタイプの固体組成物はまた、ラクトースまたは乳糖、および高分子量ポリエチレングリコール(polethylene glycol)などの賦形剤を使用する、軟質および硬質充填ゼラチンカプセル中に充填剤として使用されてもよい。
【0576】
活性化合物はまた、上記のような1または複数の賦形剤とのマイクロ封入形態にあることもできる。錠剤、ドラジェ剤、カプセル剤、丸剤および顆粒剤の固形剤形は、腸溶コーティング剤、放出制御用コーティング剤、および医薬調合分野において周知の他のコーティング剤などのコーティング剤およびシェルを用いて調製することができる。このような固形剤形では、活性化合物はスクロース、ラクトースまたはデンプンなどの少なくとも1種の不活性な希釈剤と混合されてもよい。このような剤形はまた、通常実務のように、不活性な希釈剤以外の追加の物質、例えば、ステアリン酸マグネシウムおよびマイクロクリスタリンセルロースなどの錠剤化用滑沢剤および他の錠剤化助剤を含んでもよい。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、これらの剤形はまた、緩衝化剤を含んでもよい。それらは、乳白剤を必要に応じて含んでもよく、これらは、腸管のある部分において、必要に応じて遅延させて、活性成分(単数または複数)を単独で、または優先的に放出するような組成物とすることもできる。使用され得る埋め込み組成物の例には、ポリマー物質およびワックスが含まれる。
【0577】
本発明の化合物の局所または経皮投与向け剤形には、軟膏剤、ペースト剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、散剤、溶液剤、噴霧剤、吸入薬またはパッチ剤が含まれる。活性構成成分は、滅菌条件下において、必要となることがある、薬学的に受容可能なキャリアおよび任意の必要な保存剤または緩衝化剤と混合される。眼科用製剤、点耳剤および点眼剤も、本発明の範囲内にあることがやはり企図されている。さらに、本発明は、身体への化合物の制御送達の提供という追加の利点を有する、経皮パッチ剤の使用を企図する。このような剤形は、適切な媒体中に本化合物を溶解または分注することにより作製することができる。吸収促進剤はまた、本化合物が皮膚を通過する流動を増大させるために使用することもできる。速度は、速度制御膜を設けることによるか、またはポリマーマトリックスもしくはゲル中に本化合物を分散させることによるかのどちらか一方によって、制御することができる。
【0578】
以下の実施例は、例証的目的のためのみに提供され、いかなる方法によっても本発明を制限すると解釈されないものとする。
【実施例】
【0579】
例証
化合物グラピプラントは、当業者に公知の方法で、例えば、その内容物がそれら全体において参照により本明細書に組み込まれるWO2002/032900、WO2005/021508、ならびに米国特許第6,710,054号および第7,960,407号に記載されている通り調製することができる。多形形態Aのグラピプラントを調製するための例示的プロトコールは、その内容物がそれら全体において参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,960,407号および第9,265,756号に記載されている。
略語および用語の定義のリスト
AE 有害事象
ALT アラニントランスアミナーゼ
AST アスパラギン酸トランスアミナーゼ
AUC 血清薬物濃度対時間において、ベースラインからの変化を記載する曲線下面積
AUC(inf) 時間0から無限大までのAUC
AUC(Tlast) 定量化可能濃度での、時間0から最終時間(Tlast)までのAUC
AUC(Tlast−inf) 時間Tlastから無限大までのAUC
AV 房室
BMI ボディマス指数
BP 血圧
bpm ビートパーミニッツ
BUN 血中尿素窒素
CFR 連邦規則集
Clp 血漿クリアランス
Cmax CJ−023,423の最大血清中濃度
COSTART 有害反応用語のシソーラスのコーディングシンボル
COX−1、−2 シクロオキシゲナーゼ1、シクロオキシゲナーゼ2
Cpest 時間Tlastでの推定濃度
CPK クレアチンホスホキナーゼ
CRF 症例報告フォーム
CRU 臨床研究単位
CYP シトクロムP
ECG 心電図
FDA 食品医薬品局
FID 連邦識別番号
FOBT 便潜血検査
GCP 良き臨床上の基準
GGT ガンマグルタミルトランスフェラーゼ
hERG Ether−a−go−go−関連遺伝子
HR 心拍数(bpm)
IRB 施設内倫理委員会
IUD 子宮内避妊器具
kel 見かけの終末相の消失速度定数
LC/MS/MS 液体クロマトグラフィー/質量分析法/質量分析法
MTD 最大耐用量
NOAEL 無毒性量
NSAID 非ステロイド性抗炎症剤
OA 骨関節炎
OPC 構成用経口粉末
OTC 市販の、非処方せん薬物
PD 薬力学
PGE2 プロスタグランジンE2
P−gp P−糖タンパク質
PK 薬物動態学
PR interval P波の開始からQRS群の開始までの時間。
QRS Complex QRS群の開始から終点までの時間(msec)。心室の減極を表す。
QT interval QRS群の開始からT波の終点までの時間(msec)であり、心室の脱分極と再分極の両方を表す
QTc 心拍数に対して補正されたQT間隔(msec)
QTcB Bazett式を使用して補正されたQT:QT/(平方根(60/心拍数))
QTcF QT/(立方根(60/心拍数))
RBC 赤血球
SAE 重篤な有害事象
SD 標準偏差
T1/2 見かけの終末半減期
TESS 処置により発現した兆候および症状
Tmax Cmaxの初回発現時間
ULN 正常範囲の上限
Vdss 分布体積
WBC 白血球
【0580】
(実施例1)
多形形態Aのグラピプラントを調製するためのプロトコール
1.1 プロトコール1(米国特許第7,960,407号に記載されている通り)
ステップ1:粗製の非晶質生成物
機械撹拌装置、温度計、および2個の滴下漏斗を備えた4口丸底フラスコを水槽に浸す(水槽温度18℃)。フラスコ内で、2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エタンアミンおよびトリエチルアミンのCHCl中溶液に、内部温度を28℃未満に維持した滴下漏斗の1つから、イソシアン酸p−トシルをゆっくりと滴下添加する。生成した溶液を室温で撹拌し、次いで、内部温度を22℃未満に維持しながらクエン酸水溶液を滴下添加する。生成した混合物を室温で激しく撹拌し、次いで、NaOH水溶液を滴下添加する。添加完了後、溶液のpH値が5〜5.5であることを確認する。次いで、層を分離し、水層をCHClで再抽出し、有機層を一緒にする。有機層をクエン酸水溶液とNaOH水溶液の混合物で洗浄する。層を分離後、水層をCHClで再抽出し、有機層を一緒にする。生成した有機層にNaSOおよび木炭を加え、混合物を室温で穏やかに撹拌する。混合物を、セライトパッドを介して濾過した後、これを濃縮して、粗生成物を得る。
【0581】
ステップ2:多形形態Aへの変換およびその精製
機械撹拌装置、温度計および還流冷却器を備えた丸底、4口フラスコを水槽内に浸す。フラスコ内で、高温の(40℃)アセトンを粗製のN−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミドに加える(ステップ1)。混合物を窒素雰囲気下、50℃で撹拌し、次いで、ゆっくりと室温に冷却する。アセトンを加え、混合物を窒素雰囲気下、室温で撹拌する。濾紙を通して結晶を濾過し、アセトンで洗浄し、窒素ガスを流すことにより乾燥させて、表題化合物の結晶を得、これを以下の手順でさらに精製する。
【0582】
機械撹拌装置、温度計および還流冷却器を備えたステンレス3口反応器を水槽に浸す。フラスコ内で、上記化合物のアセトン中混合物(懸濁液)を50℃で撹拌し、次いで室温に冷却する。アリコートを取り出し、結晶を吸引により収集し、HPLC分析用サンプルを調製して結晶の純度を決定する。混合物を窒素雰囲気下、室温で撹拌する。濾紙を使用して、結晶を濾別し、アセトンで洗浄し、窒素ガスを流すことにより乾燥させ、減圧下40℃で乾燥させる。生成物を以下の手順でさらに精製する。
【0583】
機械撹拌装置、温度計および還流冷却器を備えた丸底4口フラスコを水槽に浸す。フラスコ内で、アセトンを上述の結晶に加える。混合物を窒素雰囲気下、50℃で撹拌し、次いで、ゆっくりと室温に冷却する。アリコートを取り出し、結晶を吸引で収集して、HPLC分析用のサンプルを調製して、結晶の純度を決定する。混合物を窒素雰囲気下室温で撹拌する。結晶を、濾紙を通して濾過し、アセトンで洗浄し、窒素ガスを流すことにより乾燥させ、減圧下40℃で乾燥させて、表題化合物の多形形態Aを得る。
【0584】
1.2. プロトコール2(米国特許第7,960,407号に記載されている通り)
清潔な、乾燥した3口丸底フラスコに2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エタンアミンおよびCHClを入れる。温度を21℃未満に保ちながら、CHClに溶解したイソシアン酸トシルを反応物に加え、撹拌する。HPLCにより反応物が完了したとみなされたら、活性炭を加える。生成したスラリーを、0.5ミクロンフィルターを介して濾過してほこりのない3口丸底フラスコに取り、CHClでフィルターを洗浄する。反応物を撹拌可能な最小容量まで大気により濃縮し、内部温度58℃〜62℃が達成されるまで、ほこりのないアセトンによる置換を継続する。反応物を少なくとも30℃に冷却し、N−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド多形形態Aのシードを加える。反応物を20℃〜25℃の間で造粒させる。反応を0℃〜5℃へ冷却し、造粒した後、反応物をほこりのないフィルター上で濾過する。0℃〜5℃に冷却したほこりのないアセトンで2回固体を洗浄する。湿ったケーキをほこりのない3口丸底のフラスコに戻し、ほこりのない酢酸エチルを加える。スラリーを少なくとも75℃に加熱し、しばらくの間保持する。反応物を少なくとも30℃に冷却し、固体をほこりのないフィルター上で濾過する。固体をほこりのない酢酸エチルで洗浄する。湿ったケーキを同じほこりのない3口丸底フラスコに戻し、ほこりのない酢酸エチルを加える。スラリーを少なくとも75℃に加熱し、しばらくの間保持する。反応物を少なくとも30℃に冷却し、固体をほこりのないフィルター上で濾過する。固体をほこりのない酢酸エチルで洗浄する。生成物を45℃〜50℃に乾燥させて、表題生成物の多形形態Aを生成する。
【0585】
上記方法により生成した粒径は、ミリングを必要としない粒径を生成する。単純な手動ふるいプロセスによりあらゆる塊を除去する。0.0278インチ開口を有するほこりのない#25手動ふるいを介して、生成物を手動で篩い分けする。
【0586】
1.3 プロトコール3(米国特許第9,265,756号に記載されている通り)
多形形態Aのグラピプラントは、25℃で、1:2ジクロロメタン/アセトン(v/v)中の形態Jのグラピプラントのスラリーで調製する。形態Jのグラピプラントはジクロロメタン(DCM)溶媒和物であり、未確認量の水を有する。グラピプラントを2:1ジクロロメタン/n−ヘプタン(2:1)中に沈殿させることにより形態J結晶を調製する。
(実施例2)
グラピプラント錠剤の製造
2.1.グラピプラント25mg錠剤の構成成分/組成の表
【表1】
2.2.グラピプラント125mg錠剤の構成成分/組成表
【表2】
2.3.グラピプラント25mg錠剤バッチ処方
【表3】
2.4.グラピプラント125mg錠剤バッチ処方
【表4】
2.5.製造方法および包装手順
2.5.1.生産作業
2.5.1.1.グラピプラント25mg錠剤
1.湿性造粒物を以下の通り3等分で調製した:適量の微結晶性セルロース、グラピプラント、クロスカルメロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロースおよびラクトース一水和物を適切なサイズの高剪断ミキサー/造粒機に加え、混合する。
2.各部分を混合しながら、適量の精製水をステップ1で得たブレンドに加える。
3.ステップ2で得た造粒物を高剪断ミキサー/造粒機から出し、適切な強制熱風オーブンに加え、乾燥させる。
4.各部分からの乾燥造粒物を適切なミルに通す。
5.ステップ4で得た粉砕した造粒物を適切なサイズのブレンダーに加え、ブレンドする。
6.適量のステアリン酸マグネシウムを、ステップ5で得たブレンドに加え、ブレンドする。
7.潤滑したブレンドの一部分を、以下に記載されているようなグラピプラント125mg錠剤の製造用に分割する。
8.適切な回転式打錠機を使用して、ステップ7で得た潤滑したブレンドの残りを1/4インチの標準的円形凸面素錠に圧縮する。
9.適切な錠剤除塵装置を使用して、ステップ8の錠剤を除塵する。
サンプリング
【0587】
ステップ5のブレンドの代表的サンプルを試験に供し、試験のため検査値を公開する。ステップ9の錠剤の代表的なサンプルを試験に供し、承認試験のために検査値を公開する。
仕様
【0588】
HPLCによる同一性(実施例4.1または4.2):サンプルクロマトグラムは、グラピプラントの実用標準の保持時間と同じ保持時間を有する主要ピークを示す。
【0589】
HPLCによる効力(実施例4.1または4.2):10錠の平均は、表示量の90.0%〜110.0%範囲内である。
【0590】
HPLCによる純度(実施例4.1):特定されていない分解生成物のそれぞれは0.5%以下である。
【0591】
HPLCによる全分解物(実施例4.1):5.0%以下。
2.5.1.2.グラピプラント125mg錠剤
1.適切な回転式打錠機を使用して、上記に記載されているグラピプラント25mg錠剤から得た潤滑したブレンドを13/32インチの標準的円形凸面素錠に圧縮する。
2.適切な錠剤除塵装置を使用して、ステップ1の錠剤を除塵する。
サンプリング
【0592】
ステップ2の錠剤の代表的なサンプルを試験に供し、承認試験のために検査値を公開する。
仕様
【0593】
HPLCによる同一性(実施例4.1または4.2):サンプルクロマトグラムは、グラピプラントの実用標準の保持時間と同じ保持時間を有する主要なピークを示す。
【0594】
HPLCによる効力(実施例4.1または4.2):10錠の平均は表示量の90.0%〜110.0%内である。
【0595】
HPLCによる純度(実施例4.1):特定されていない分解物のそれぞれは0.5%以下である。
【0596】
HPLCによる全分解物(実施例4.1):5.0%以下。
2.5.2.包装手順
【0597】
グラピプラント25mgおよび125mg錠剤を承認された容器に充填する。充填した容器を密閉し、標識し、自動、半自動または手作動式装置で箱詰めする。充填、標識および包装作業は、製品の完全性、純度および強度を確実にするため、このタイプの製品に対する文書による標準的手順で実施する。
(実施例3)
プラセボ錠剤の製造
3.1.25mgグラピプラント錠剤に対するプラセボ構成成分/組成表
【表7】
3.2.125mgグラピプラント錠剤に対するプラセボ構成成分/組成表
【表8】
3.3.25mgグラピプラント錠剤バッチ処方に対するプラセボ
【表9】
3.4.125mgグラピプラント錠剤バッチ処方に対するプラセボ
【表10】
3.5.製造方法および包装手順
3.5.1.生産作業
3.5.1.1.25mgグラピプラント錠剤に対するプラセボ
1.ラクトース一水和物、微結晶性セルロースおよびデンプングリコール酸ナトリウムを適切なサイズのブレンダーに加え、ブレンドする。
2.ステップ1のブレンドを適切なミルに通し、適切なサイズのブレンダーに加え、ブレンドする
3.適量のステアリン酸マグネシウムを、ステップ2のブレンドに加え、ブレンドする。
4.潤滑したブレンドの一部分を、以下に記載されているように、125mgグラピプラント錠剤用プラセボを製造するために分割する。
5.適切な回転式打錠機を使用して、ステップ4の潤滑したブレンドの残りを、1/4インチの標準的円形凸面素錠へと圧縮する。
6.適切な錠剤除塵装置を使用して、ステップ5の錠剤を除塵する。
【0598】
サンプリング
ステップ6の錠剤の代表的なサンプルを試験に供し、承認試験のために検査値を公開する。
仕様
【0599】
HPLCによる薬物不在(実施例4.1または4.2):プラセボ錠剤抽出物のアリコートの注入は、グラピプラント実用標準の保持時間でのピークを示さない。
3.5.1.2.125mgグラピプラント錠剤に対するプラセボ
1.適切な回転式打錠機を使用して、上記に記載されている25mgグラピプラント錠剤用プラセボから得た潤滑したブレンドを、13/32インチの標準的円形凸面素錠へと圧縮する。
2.適切な錠剤除塵装置を使用して、ステップ2の錠剤を除塵する。
【0600】
サンプリング
ステップ2の錠剤の代表的なサンプルを試験に供し、承認試験のために検査値を公開する。
【0601】
仕様
HPLCによる薬物不在(実施例4.1または4.2):プラセボ錠剤抽出物のアリコートの注入は、グラピプラント実用標準の保持時間でのピークを示さない。
【0602】
3.5.2.包装手順
25mgおよび125mgグラピプラント錠剤に対するプラセボを承認された容器に充填する。充填した容器を密閉し、標識し、自動、半自動または手作動式装置で箱詰めする。充填、標識および包装作業は、製品の完全性、純度および強度を確実にするため、このタイプの製品に対する文書による標準的手順で実施する。
(実施例4)
分析法
4.1.逆相液体クロマトグラフィーによるグラピプラント錠剤および錠剤造粒物/ブレンドの同一性、アッセイおよび純度評価
【表13-1】
【表13-2】
【0603】
純度評価に対する勾配条件:
【表14】
【0604】
本方法は、具体的で、安定性があることが示されており、意図した目的を満たすための好適な正確さおよび精度をもって示される。本方法は、0.05%レベルで、前駆体、合成不純物、および分解物をモニタリングすることが可能である。グラピプラントは、錠剤および錠剤造粒物から定量的に抽出されることが示されている。
4.2.逆相液体クロマトグラフィーによるグラピプラント錠剤および錠剤造粒物/ブレンドの同一性およびアッセイ
【表15-1】
【表15-2】
【0605】
本方法は、その意図した目的を満たすため、好適な正確さおよび精度をもって具体的であることが示されている。グラピプラントは、錠剤および錠剤造粒物から定量的に抽出されたことが示されている。
【0606】
(実施例5)
健康な成人被験体および軽度腎臓機能障害を有する高齢の被験体において安全性、耐性および薬物動態の評価を行うための、第1相、無作為抽出、プラセボ対照、連続する並行群、複数の漸増用量実験
【0607】
研究目的
・健康な成人被験体(コホート1〜4)において14日間投与される複数の漸増用量のグラピプラント錠剤の安全性および耐性を評価する。
・健康な成人被験体(コホート1〜4)において14日間投与される複数の漸増用量のグラピプラント錠剤の薬物動態を評価する。
・軽度腎臓機能障害を有する高齢の被験体において14日間投与されるグラピプラント錠剤の安全性および耐性を評価する(コホート5および6)。
・軽度腎臓機能障害を有する高齢の被験体において14日間投与されるグラピプラント錠剤の薬物動態を評価する(コホート5および6)。
【0608】
方法論
実験設計:これは、グラピプラント錠剤の無作為抽出、研究者盲検、被験体盲検、スポンサー公開、プラセボ対照、連続する並行群、複数の漸増用量実験である。3つの連続するコホート(コホート1〜3)の適格な健康な成人被験体を無作為抽出して、グラピプラント50mg、150mg、または300mgのBID、またはプラセボの投与を14日間受けさせる。軽度腎臓機能障害を有する高齢の被験体(年齢≧60才)をコホート5および6から無作為抽出して、グラピプラント250mgのBIDまたはプラセボの投与を14日間受けさせた。
【0609】
組み込みのための診断および主な基準:コホート1〜3は、健康であり、詳細な病歴、血圧および心拍数測定、12−lead ECGおよび臨床検査試験を含む全身診察により特定される臨床的に関連する異常がないことが確定され、ボディマス指数(BMI)18〜30kg/m2(両端の値を含む)および全体重>50kg(110ポンド)を有する年齢18〜55才の被験体を含んだ。コホート5および6は、およそ60〜80mL/分のクレアチニンクリアランス計算値と定義される軽度腎臓機能障害を有する、年齢≧60才高齢の被験体を含んだ。
【0610】
除外基準:被験体は、この実験への参加資格を有するためには、以下の基準のいずれにも当てはまらないものとする:
1.臨床的に著しい血液、腎臓、内分泌性、肺、消化管、心血管、肝臓、精神性、神経性、またはアレルギー性(薬物アレルギーを含むが、投薬時の未処置、無症候性、季節性アレルギーは除外する)の疾患の証拠または病歴
2.薬物吸収におそらく影響を与える任意の状態、例えば、胃切除術
3.進行中の痔疾患
4.尿薬物スクリーニング陽性
5.スクリーニングの6カ月以内における定期的アルコール消費の病歴、女性に対しては7ドリンク/週を上回るまたは男性に対しては14ドリンク/週を上回るアルコール消費(1ドリンク=5オンスのワインまたは12オンスのビールまたは1.5オンスの蒸留酒類)
6.スクリーニングの3カ月以内における常習的タバコもしくはニコチン含有製品の病歴もしくは証拠、または尿もしくは血液コチニンスクリーニングでの陽性
7.実験薬の最初の用量前の30日以内または5半減期以内(どちらか長い方)における研究用薬物での処置
8.以下のうちの少なくとも1つを実証する12−lead ECGのスクリーニング:脈拍数>100ビートパーミニッツ(bpm)、QRS>120msec、QTc>430msec(男性)およびQTc>450msec(女性)、またはPR>220msec
9.妊娠または授乳中の女性;妊娠の可能性のある女性
10.追跡調査を含む実験期間の間、妊娠または授乳中の女性との性交渉またはコンドームの使用を控えることを望まない男性
11.精管切除していない男性であって、男性のこの女性パートナーが実験薬の最初の用量時から追跡調査手順の完了までの間に妊娠する可能性がある場合、この女性パートナーが別形態の避妊、例えば、子宮内避妊器具、殺精子剤を含むダイヤフラム、経口避妊薬、注射用プロゲステロン、皮下インプラントまたは卵管結紮術を使用することを望まないことに加えて、コンドームを使用することを望まない男性
12.実験薬の最初の用量前の7日以内または5半減期以内(どちらか長い方)における処方せんまたは非処方せん薬物、ビタミン、および栄養補助食品の使用。ハーブ系サプリメントは、実験薬の最初の用量の30日前に中断していなければならない。このリストから除外されるものは、アセトアミノフェン、用量≦2g/日、低用量アスピリン(81mg)、テストステロンを除く甲状腺およびホルモン補充療法、ベータ遮断剤、例えば、メトプロロール、カルシウムチャネル遮断剤、例えば、ジルチアゼム、およびヒドロキシメチルグルタリルコエンザイムA(HMG−CoA)レダクターゼ阻害剤、例えば、アトルバスタチン。
13.実験薬の最初の用量前の7日以内におけるグレープフルーツまたはグレープフルーツ含有製品の消費
14.投薬前の56日以内における500mLを超える献血
15.ヘパリンが留置カテーテル患者を実験に保つために使用された場合、ヘパリン過敏症またはヘパリン誘発性血小板減少症の病歴
16.消化管出血、胃または十二指腸潰瘍の病歴
17.便潜血検査に対する注意および制限に従わなかった被験体
18.スクリーニングにおいて便潜血陽性
19.スクリーニングにおいて、尿検査での潜血陽性または1+タンパク質
20.投薬前の2カ月以内における下痢の病歴。
【0611】
実験処置:グラピプラント錠剤およびプラセボ錠剤は、25mgおよび125mg錠剤で構成される。
【0612】
投薬および期間:コホート1〜3では、実験薬は、第1日目および第14日目の朝、1日1回、および第2日目から第13日目までは1日2回(BID、およそ12時間毎)投与した。コホート5および6では、実験薬は、第1日目の朝、1日1回、第4日目から第16日目までBID、および第17日目の朝1回投与した。すべてのコホートでは、投薬は、朝の用量に対して絶食状態および晩の用量に対して「空腹状態」とした。
【0613】
薬物動態学的評価:グラピプラントの血清PK評価のための連続採血は、投薬第1日目以前に開始し、第14日目の投薬後48時間まで(コホート1〜3)または第17日目の投薬後24時間まで(コホート5および6)継続した。
【0614】
グラピプラントのPK評価のための連続採尿試料は、第14日目の投薬後48時間までの間(コホート1〜3)または第17日目の投薬後24時間までの間(コホート5および6)に収集した。
【0615】
2種の検証された分析法を使用して、グラピプラントについて血清サンプルをアッセイした。最初の方法は、オンカラム抽出、これに続いて液体クロマトグラフィー/直列質量分析法(LC/MS/MS)を含んだ。実験中、システムはこの抽出法の下で汚染を起こす傾向があることを発見した。したがって、アッセイ抽出法を修正して、システム夾雑物を回避した。修正した方法は、タンパク質沈殿による抽出、これに続くLC/MS/MSからなった。コホート1および2から得たサンプルをオンカラム抽出法で分析した。残りのサンプル(コホート3、5、および6)を修正したタンパク質沈殿抽出法でアッセイした。両方のアッセイに対するダイナミックレンジは1.00〜1000ng/mLであった。標準的非コンパートメント法を使用して、グラピプラントに対する薬物動態学的パラメーターを血清中濃度−時間データから決定した。
【0616】
タンパク質沈殿によりグラピプラントを尿から抽出し、次いで検証されたLC/MS/MS法で分析した。アッセイのダイナミックレンジは1.00〜600μg/mLであった。投薬間隔にわたり尿中に未変化で排出されたグラピプラントの量は、投薬の第14日目に定常状態にあるという想定で、以下のパラメーター:排出された親薬物の量(AE)、腎臓により未変化で排出された用量のパーセント(AE/用量)、腎臓クリアランス(CLR)、および未結合の薬物の腎臓クリアランス(CLR/Fu)を計算した。
【0617】
安全性の評価:安全性評価は、臨床モニタリング、有害事象(AE)、腎機能試験を含む臨床検査試験、骨マーカー(血清の骨特異的アルカリホスファターゼおよびオステオカルシンおよびI型コラーゲンの泌尿器N末端テロペプチド)、バイタルサイン(心拍数および血圧)、および12−lead ECGを含んだ。
【0618】
統計方法:
【0619】
血清および尿薬物動態:血清および尿濃度について収集したグラピプラントのデータを、各処置レジメンに対する各被験体に対して一覧にし、および/またはプロットした。薬物動態学的パラメーターのデータリストおよび簡易統計を利用した。
【0620】
安全性の分析:安全性データは、表および/またはグラフによるフォーマットで提示され、記述的に要約される。
【0621】
コホート5および6に対して、腎機能をBUN、血清クレアチニンおよびクレアチニンクリアランスにより評価し、ベースラインからの変化として、および予め定義されたカテゴリーによる分析により評価した。骨マーカーは、ベースラインからの変化のパーセンテージとして分析し、外れ値の影響を評価した。
【0622】
結果
【0623】
被験体の状況および人口統計学:各コホートにおいて、12人の被験体を、グラピプラントまたはプラセボに対して3:1比で無作為抽出した。分析した被験体の状況および被験体の数が表5−1に示されている。
【表5-1】
【0624】
被験体の人口統計的特徴は、表5−2においてコホートにより要約されている。
【表5-2】
【0625】
薬物動態学結果:グラピプラントの14日の複数回投薬の後、健康な成人被験体におけるグラピプラントの平均全身暴露パラメーター(AUCおよびCmax)は50〜150mg BIDの間でほぼ用量比例方式で増加した。用量を150mg BIDから300mg BIDまで増加させた場合、曝露における用量比例方式の増加より大きい増加が観察された。軽度腎臓機能障害(クレアチニンクリアランス:60〜80mL/分)を有する高齢の被験体に投与した用量250mg BIDは、300mg BIDの健康な成人群のレベルよりわずかに大きい平均曝露レベルをもたらした。健康な被験体と高齢の被験体の両方において、タンパク質結合に対して補正した腎臓クリアランスは、糸球体濾過速度(GFR)よりずっと大きく、これは、グラピプラントの有意に活性のある腎臓分泌を示唆している。投与された総1日用量のおよそ21%〜28%が尿中に未変化で排出された。
【0626】
血清グラピプラントPKパラメーターは表5−3に要約されている。
【表5-3】
【0627】
尿グラピプラントPKパラメーターは表5−4に要約されている。
【表5-4】
【0628】
安全性結果:この実験において死亡は報告されなかった。1人の健康な被験体(150mg BID)はヘモグロビンの低下、ヘマトクリット値の低下、および消化管出血という重篤AEを有し、これらは実験薬に関係していると考えられた。1人の高齢の被験体(250mg BID)は、心室性頻拍という非薬物関連AEにより離脱した。健康な被験体の中で、50mg BIDの投与を受けた4人の被験体が7件のAEを報告し、150mg BIDの投与を受けた7人の被験体が23件のAEを報告し、300mg BIDを受けた6人の被験体が13件のAEを報告し、プラセボの投与を受けた4人の被験体が10件のAEを報告した。高齢の被験体の中で、250mg BIDの投与を受けた14人の被験体が44件のAEを報告し、プラセボを受けた4人の被験体が18件のAEを報告した。処置下で発現した大部分のAEは軽度のものであった。
【0629】
結果はグラピプラントおよびプラセボに対して類似しており、腎機能試験を含む、実験安全性試験に対する臨床的に重要な知見はなかった。
【0630】
健康な被験体における骨マーカーに対して、以下の結果は統計学的に有意であった。骨特異的アルカリホスファターゼにおけるベースラインからの変化は、300mg BIDの投与を受けた被験体における変化が、プラセボの投与を受けた被験体における変化より有意に大きかった(第7日目、20.80%対4.70%、p=0.020、および第14日目、14.36%対−5.36%、p=0.006;最小二乗平均として表現)。オステオカルシンにおけるベースラインからの変化は、第7日目、50mg BIDの投与を受けた被験体において、プラセボの投与を受けた被験体と比較して有意に少なく(1.40%対39.30%、p=0.023)、第14日目、300mg BIDの投与を受けた被験体において、プラセボの投与を受けた被験体と比較して有意に少なかった(14.37%対47.84%、p=0.045)。尿N−テロペプチドにおけるベースラインからの変化は、第14日目、150mg BIDの投与を受けた被験体において、プラセボを受けた被験体よりも有意に少なかった(−3.97%対34.74%、p=0.050)。高齢の被験体に対して処置群間に統計学的に有意な差はなかった。
【0631】
骨代謝に対するEP4受容体アンタゴニストの作用の可能性があったために、骨マーカーをこの実験で評価した。健康な被験体において、グラピプラントとプラセボ群との間に一部の統計学的に有意な差があったが、これらの差は小さな規模であり、骨破壊のマーカーであるN−テロペプチドの減少が同時に起こることがあったため、実験結果を解釈するのは困難である。
【0632】
社内の強力な3重BPモニタリングを使用して測定した心臓収縮期血圧に対して、300mg BIDまでの用量の投与を受けた健康な被験体は、プラセボと比較してベースラインからの変化にいかなる差も示さなかったが、250mg BIDの投与を受けた軽度腎臓機能障害を有する高齢の被験体は、対応するプラセボ群と比較して、ベースラインからわずかな増加を示した。バイタルサインおよびECGにおいてベースラインからの臨床的に著しい平均変化はなく、グラピプラントとプラセボ群との間で他の明らかな差はなかった。
【0633】
結論:
・グラピプラント14日間の複数回用量の投与は、健康な成人被験体において300mg BID用量までおよび軽度腎臓機能障害を有する高齢の被験体において250mg BID用量まで十分に許容された。
・絶食状態での錠剤としてのグラピプラントの複数回用量の投与後、グラピプラントの平均全身暴露は、50mg BID〜150mg BIDの間で、およそ用量比例方式で用量と共に増加し、用量がさらに300mg BIDに増加した場合、用量比例方式より大きく増加することを実証した。
・BID投薬後の定常状態で、一部のグラピプラントの蓄積があった(すべての用量群全域で13%〜54%)。
・用量に対して正規化した場合、軽度腎臓機能障害を有する高齢の被験体における曝露は、健康な成人において観察された曝露よりわずかにより大きかった。グラピプラントのタンパク質結合調節された腎臓クリアランスは、予測された集団GFRより大きかった。これは、未変化の化合物が尿中で活発に分泌されることを示唆している。
(実施例6)
健康な成人被験体における、グラピプラント錠剤の薬物動態に対する食物の作用を評価するための第1相、無作為抽出、非盲検、クロスオーバー実験
実験目的:
1.健康な成人被験体において、グラピプラント錠剤の単回経口投与の薬物動態に対する食物の作用を評価する。
2.健康な成人被験体において、グラピプラント錠剤の単回経口投与の安全性および耐性に対する食物の作用を評価する。
実験設計:
【0634】
この実験は、無作為抽出、非盲検、単回用量、2期間クロスオーバー設計であった。各被験体は2つの実験期間に参加した。各実験期間において、被験体は、絶食状態または食事摂取状態で、無作為抽出の投薬シーケンスに従いクロスオーバー方式でグラピプラント3x125mg錠剤として投与される375mgの用量の投与を受けた。食事摂取状態は、標準化した高脂肪食事からなった。28日以下の初期スクリーニング期間の後、12人の適格な被験体を、表6−1に示されている通り2つの処置シーケンスおよび2つの処置期間セッションに対して無作為抽出した。
【表6-1】
【0635】
6人の被験体を各処置シーケンスに対して無作為抽出した。各処置セッション日は、少なくとも7日のウォッシュアウト期間で区切られていた。期間1の投薬後の全実験期間はすべての被験体に対して15日であった。
実験集団および組み込みに対する基準:
【0636】
文書によるインフォームドコンセントを付与した後、年齢18〜55才の間の(両端の値を含む)健康なボランティアの、子供を作る予定のない男性または女性が実験に登録した。被験体は、詳細な病歴、血圧および脈拍数測定を含む全身診察、12−lead心電図(ECG)および臨床検査室評価により決定される良好な健康の状態でなければならなかった。すべての被験体は、体重>50kg(>110lb)であり、18〜30kg/m2の間のボディマス指数を有するものとした。
【0637】
除外基準:
1.臨床的に著しい血液、腎臓、内分泌性、肺、消化管、心血管、肝臓、精神性、神経性、またはアレルギー性(薬物アレルギーを含むが、投薬時の未処置、無症候性、季節性アレルギーは除外する)の疾患の証拠または病歴
2.薬物吸収におそらく影響を与える任意の状態、例えば、胃切除術
3.進行中の痔疾患
4.尿薬物スクリーニング陽性
5.スクリーニングの6カ月以内における定期的アルコール消費の病歴、女性に対しては7ドリンク/週を上回るまたは男性に対しては14ドリンク/週を上回るアルコール消費(1ドリンク=5オンスのワインまたは12オンスのビールまたは1.5オンスの蒸留酒類)
6.スクリーニングの3カ月以内における常習的タバコもしくはニコチン含有製品の病歴もしくは証拠、または尿もしくは血液コチニンスクリーニングでの陽性
7.実験薬の最初の用量前の30日以内または5半減期以内(どちらか長い方)における研究用薬物での処置
8.以下のうちの少なくとも1つを実証する12−lead ECGのスクリーニング:脈拍数>100bpm、QRS>120msec、QTc>430msec(男性)およびQTc>450msec(女性)、またはPR>220msec
9.妊娠または授乳中の女性;セクション11、項目プロトコールセクション3.3.4に定義されているような妊娠の可能性のある女性
10.追跡調査を含む実験期間の間、妊娠または授乳中の女性との性交渉またはコンドームの使用を控えることを望まない男性
11.精管切除していない男性であって、男性の女性パートナーが実験薬の最初の用量時から追跡調査手順の完了までの間に妊娠する可能性がある場合、この女性パートナーが別形態の避妊、例えば、子宮内避妊器具(IUD)、殺精子剤を含むダイヤフラム、経口避妊薬、注射用プロゲステロン、皮下インプラントまたは卵管結紮術を使用することを望まないことに加えて、コンドームを使用することを望まない男性
12.実験薬の最初の用量前の7日以内または5半減期以内(どちらか長い方)における処方せんまたは非処方せん薬物、ビタミン、および栄養補助食品の使用。ハーブ系サプリメントおよびホルモン補充療法は、実験薬の最初の用量の30日前に中断するものとした。このリストから除外されるものはアセトアミノフェン、用量≦2g/日であった。
13.投薬前の7日以内におけるグレープフルーツまたはグレープフルーツジュースの消費
14.投薬前の56日以内における500mLを超える献血
15.ヘパリンが留置カテーテル患者を実験に保つために使用された場合、ヘパリン過敏症またはヘパリン誘発性血小板減少症の病歴
16.消化管出血、胃または十二指腸潰瘍の病歴
17.便潜血検査に対する注意および制限に従わなかった(セクション11、項目1、プロトコールセクション3.6.1.4)
18.スクリーニングにおいて便潜血陽性
19.スクリーニングにおいて、尿検査での潜血陽性または1+タンパク質
20.投薬前の2カ月以内における下痢の病歴
21.乳製品不耐症の病歴
22.スルホンアミド過敏症の病歴
【0638】
処置:
各実験期間において、被験体は、375mgグラピプラント(3×125mg錠剤)の投与を食事摂取状態または絶食状態のいずれかで受けた。各被験体は2単回用量の投与を受けた:第1日目および第8日目。
評価および方法論に対する基準:
【0639】
安全性:
すべての被験体を安全性について評価し、安全性は、有害事象(自然に報告されたものでも、実験スタッフからの非誘導的質問により導かれたものであってもよい)、臨床所見、安全性臨床試験、バイタルサイン、12−lead ECG、併用薬評価、健康診断、および便潜血検査により評価した。
【0640】
薬物動態:
血液試料を以下の時点で収集した:0(投薬直前)、各投薬の0.5、1、1.5、2、2.5、3、4、6、8、12、16、24および48時間後。実験の主要な薬物動態学的エンドポイントは、血清グラピプラントのAUC(0−tlast)(時間0から、最後の定量化可能濃度の時間までの血清中濃度−時間曲線下の面積)、AUC(0−inf)(時間0から無限時間までのAUC)、およびCmax(観察された最大血清中濃度)であった。実験の2次的薬物動態学的エンドポイントは、データが得られる場合、Tmax(Cmaxまでの時間)およびt1/2(消失半減期)であった。
【0641】
統計方法:
シーケンス、処置(食事摂取状態および絶食状態)、および期間を固定効果として、ならびに被験体(シーケンス内)を変量効果として含有する混合効果モデルを使用して、対数変換したAUC(0−inf)、AUC(0−tlast)およびCmaxをそれぞれ分析した。SAS手順PROC MIXEDを分析に使用した。化合物対称性を仮定し、制限付き最尤推定法(REML)を利用した。
【0642】
AUC(0−inf)、AUC(0−tlast)およびCmaxに対し、自然のlogスケールで、食事摂取状態(試験)でのグラピプラント錠剤と、絶食状態(基準)でのグラピプラントとの間の調節された平均差の推定値およびこれらの対応する90%信頼区間を計算した。
【0643】
差異および信頼区間のanti−log(指数)を利用して、平均比率(相対的バイオアベイラビリティー)およびその対応する90%信頼区間を推定した。バイタルサイン、有害事象、ECGパラメーター、および安全性実験値を、記述統計学を用いて要約した。
【0644】
結果:
被験体の状況:12人の健康な成人(男性8人および女性4人)年齢33〜54才(両端の値を含む)が実験に参加し、完了した。12人の被験体すべてが、各期間において薬物動態学的および安全性について分析された。
【0645】
安全性:この実験において、死亡、重篤な有害事象、または有害事象による離脱はなかった。375mg錠剤の絶食状態での処置後、合計7件の処置により発現した有害事象が5人の被験体において報告された。2人の被験体により報告されたこれら事象のうちの3件は処置に関連すると考えられた。食事摂取状態での375mg錠剤による処置後、処置により発現した合計5件の有害事象が4人の被験体において報告された。1人の被験体により報告されたこれら事象のうちの2件は処置に関連すると考えられた。両方の処置後に報告されたすべての有害事象は、強度が軽く、治療介入なしで解消された。
【0646】
臨床検査室試験またはバイタルサイン測定において、ベースラインから臨床的に著しい変化があった被験体はいなかった。
【0647】
QTまたはQTc区間において、ベースラインからの平均変化の大部分はネガティブであった(期間が低減)。可能性臨床的有意性(>500msec)に対してプロトコールで特定された基準を満たすQTc値を有する被験体はおらず、ベースラインからの≧30msecの最大QTc増加を有する被験体はいなかった。
【0648】
薬物動態:標準的な高脂肪食事は、絶食状態と比較して、Cmaxにおける36%低減およびTmaxにおける遅延(約3時間後)で示されている通り、グラピプラント吸収速度を低減させた。しかし、吸収の範囲(AUCで測定)は食物により影響を受けなかった。絶食状態および食事摂取状態でのグラピプラントの血清中濃度対時間プロファイルが図1に示されている。
【0649】
絶食状態および食事摂取状態での375mg錠剤の単回経口投与後のグラピプラントの薬物動態学的パラメーターが表6−1に要約されている。
【表6-1】
【0650】
統計的分析から得た結果は表6−2に示されている。平均して、CmaxおよびAUCは、グラピプラントが標準的な高脂肪食事と共に与えられた場合、絶食状態と比較してそれぞれ36%および13%低減した。Cmaxにおける、およびその後のTmaxにおける低減により証明される通り、グラピプラントの吸収速度は、高脂肪食事と共に投与された場合、絶食状態と比較して低減した。対照的に、AUCの調節された幾何平均比の90%CIは、受け入れ基準内に入り(80%、125%)、これは、標準的高脂肪食事がグラピプラントの吸収範囲に影響しなかったことを示している。
【0651】
【表6-2】
【0652】
結論:
・絶食状態と比較して、標準的高脂肪食事は、Cmaxにおける36%の低減およびTmaxにおけるおよそ3時間の遅延で示される通り、グラピプラント錠剤の吸収速度を低減させた。全身暴露(AUCで測定)は食物の影響を受けなかった。
・375mg用量のグラピプラント錠剤は絶食状態および食事摂取状態の両方で十分許容された。
【0653】
(実施例7)
進行したまたは転移性のPD−1/L1後非小細胞肺がん(NSCLC)腺癌を有する患者における、グラピプラン、EP4阻害剤、およびペムブロリズマブ、PD−1チェックポイント阻害剤のフェーズ1b/2実験
全体的設計:本実験は、最低12週間の間PD−1またはPD−L1チェックポイント阻害剤のいずれかで以前に処置していた、NSCLCと診断された成人患者において、ペムブロリズマブと組み合わせたグラピプランの安全性および効力を評価するための多施設、非盲検、単一アーム、フェーズ1b/2実験である。参加者登録および連続的な安全性評価はmTPIモデルにより指示される。用量の漸増および漸減に対する決定は、参加する実験研究者およびスポンサーで構成される安全性審査委員会(SRB)によりなされる。実験開始時にSRBにより低下されない限り、グラピプラン開始用量は、1日2回300mg(BID)である。用量の漸増および確認は、選択された用量のいずれかで処置した14名の参加者が許容されると判明した後、終了する。連続的な安全性評価フェーズに続いて、全治験サイズ25名までの追加の参加者が登録して効力を評価する。完全奏効(CR)を達成するものを含む参加者は、2年までまたは参加者が臨床的悪化、許容不可能な毒性、または同意撤回を伴う疾患進行を経験するまでグラピプランおよびペムブロリズマブによる処置を受けることができ、これに続いて、これらの実験処置の最後の日から30日および90日後に処置終了追跡診察を行う。
・参加者らはサイクル1、第1日目にグラピプランおよびペムブロリズマブで処置する。
・PKサンプルを実施計画(SoE)に示されている通り採取する。
・腫瘍評価用スキャンは、すべての参加者に対して、最初の3サイクルは処置開始から8週間ごとに(+/−7日)、次いでその後は12週ごとに(+/−7日)および研究者の裁量で評価される。
・参加者は併用処置の間通常の食事を維持するように指導され、食物は、類似のクラスの薬物(COX−2阻害剤)において共通の軽度GI AEを低減することが公知であるため、グラピプランを食物と共に定期的に摂取することが促される。投薬後PKサンプルを採取する場合、朝の食物摂取をその日の薬物投与日誌に記録する。
・強制的腫瘍生検は、サイクル1、第1日目の前におよびサイクル1の終点とサイクル3の終点との間、理想的には同じ腫瘍由来の、反復生検に対して安全とみなされた、10名までの評価可能な参加者のサブセットで収集される。第3の腫瘍生検は、入手が安全であり、スポンサーに相談の上、腫瘍評価について部分奏効を有する生検サブグループ内の任意の参加者において、RECIST v1.1応答記録の1カ月以内に収集される。
【0654】
主な組み入れ基準:
1.組織学的に確認された非小細胞肺がん(NSCLC)腺癌を有する男性および女性の成人患者(インフォームドコンセント署名日に年齢≧18歳)。
2.化学放射線療法が同時進行している、治癒的意図の処置に適していない進行した(ステージIIIb)疾患および転移性(ステージIV)の患者。過去の処置レジメンの数に対する制限はない。
3.患者は、最低12週間の間PD−1またはPD−L1アンタゴニストの投与を受けた後、RECIST v1.1にしたがって臨床的におよび/またはX線検査で進行していなければならない。注釈:免疫療法は、化学療法と共にまたは化学療法なしで付与されていてもよく、任意の系統で使用されていてもよいが、ただし、許容される免疫療法の過去のレジメンは1つ以下とする。
4.現地の研究者/放射線学により評価されたRECIST v1.1に従う測定可能病変を有する。以前に照射された領域に位置する病変は、このような病変において進行が実証された場合、測定可能と考えられる。
5.生検サブグループ(10名の参加者)に対して、複数のコア生検のための気管支鏡、胸腔鏡または経皮的生検(1回の生検当たり最低3通りの経路)を介して安全に到達できる疾患であり、参加者は実験で新しく得た生検からの組織を提供する意志がある。
6.Eastern Cooperative Oncology Group(ECOG)パフォーマンスステータス0〜1を有する。
7.以下の表Aで定義されているような十分な器官機能を有する。
8.閉経していない女性およびすべての男性については避妊を使用する意志がある。
9.治験に対して文書によるインフォームドコンセントを提供する意志があり、それが可能である。
【表A-1】

【表A-2】

ALT(SGPT)=アラニンアミノトランスフェラーゼ(血清グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ); ANC=好中球絶対数; aPTT=活性化部分的トロンボプラスチン時間; AST(SGOT)=アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(血清グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ); CrCl=クレアチニンクリアランス; GFR=糸球体濾過率; INR=国際正規化比; PT=プロトロンビン時間; ULN=正常上限。
1最近2週間以内に、エリスロポエチン依存なし、および濃縮赤血球(pRBC)輸血なしで基準を満たさなければならない。
2クレアチニンクリアランス(単位:ml/分)はCockcroft-Gault式で予測するものとする。
注釈:この表は、処置を受けるための資格を定義する実験値要件を含む;実験値要件は特定の化学療法の投与に対する地方の規制およびガイドラインに適応させるべきである。
【0655】
主な除外基準:
1.AEの管理のために使用されている、またはさもなければ医学的指導者の認可を得ている場合を除いて、処置開始前の3日以内または実験中のいずれかの時点における、NSAID(例えば、イブプロフェン、ナプロキセン)、COX−2阻害剤(例えば、セレコキシブ)の現行の使用。スポンサーと相談した場合を除いて、アスピリン製品は、予防的心血管用量に限定される。
2.公知の上皮成長因子受容体(EGFR)、未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)、またはROS遺伝子変更を有する任意の患者。
3.公知のBRAF遺伝子変異を有する任意の患者。
4.喫煙歴を有さない任意の患者(生涯の煙草の本数≦100本)は、登録前にスポンサーに相談すべきである。
5.PD−1/L1抗体に対する重篤な過敏性反応の病歴。
6.処置前の4週以内に研究用薬剤を含む過去の全身抗がん療法を受けている。注釈:参加者は、過去の療法によるすべてのAEから≦グレード1またはベースラインまで回復している。≦グレード2ニューロパシーを有する参加者は、スポンサーとの相談後、適格となり得る。
7.実験処置開始の2週間以内に過去の放射線療法を受けている。参加者は、すべての放射線関連の毒性から回復しており、コルチコステロイドを必要とせず、放射線肺炎に罹ったことがないことが必要である。非中枢神経系(CNS)疾患に対する待機的放射線(≦2週間の放射線療法)に対して1週間のウォッシュアウトが許される。
注釈:寛解のみのために許容された病変の局所的放射線(処置後の非標的病変と考えられる)を除いて、他の同時進行の抗腫瘍性処置は実験に対して許されない。
注釈:参加者が手術を受けた場合、参加者は、実験処置を開始する前の介入に由来する毒性および/または合併症から完全に回復していなければならない。
8.実験処置の最初の用量前の30日以内に生ワクチンを受けている。
9.強力なCYP3A4またはP−糖タンパク質阻害剤もしくは誘導剤を服用している参加者は、投薬前の≧5半減期以内に他の薬物に移行することができる場合を除いて、実験から除外される。
10.研究用薬剤の研究に現在参加しているもしくは参加していた、または実験処置の最初の用量前の4週以内に研究用デバイスを使用していた。注釈:研究用実験の追跡フェーズに入った参加者は、過去の研究用薬剤の最終用量から4週間後である場合に限り参加可能である。
11.実験処置の最初の用量前の7日以内に、免疫不全の診断を受けている、または慢性全身ステロイド療法(10mgの一日プレドニゾン当量を超える投薬)または任意の他の形態の免疫抑制療法を受けている。
12.過去3年以内に、進行しているまたは積極的な処置を必要とする、公知の追加の潜在的に命にかかわる悪性疾患を有する。注釈:潜在的に治癒的療法を受けた、皮膚の基底細胞癌、皮膚の扁平上皮癌、または上皮内癌(例えば、乳癌、上皮子宮頸がん)を有する参加者は除外されないものとする。
13.公知の活動性CNS転移および/または癌性髄膜炎を有する(臨床的に安定したおよび/または以前に処置した不活性なCNS転移は許容される)。
14.過去2年間の間に全身的処置を必要とする(すなわち、疾患修飾薬、コルチコステロイドまたは免疫抑制薬物の使用を伴う)活動性自己免疫疾患を有する。補充療法(例えば、副腎不全または下垂体不全に対するチロキシン、インスリン、または生理学的コルチコステロイド補充療法)は全身的処置の形態とは考えられていないので、許容される。自己免疫疾患は、これらに限定されないが、炎症性腸疾患(IBD)、例えば、クローン病および潰瘍性大腸炎を含む。
15.ステロイドを必要とする(非感染性)肺炎の病歴を有する、または現行の肺炎を有する。
16.全身療法を必要とする活動性感染症を有する。
17.最近の(最近12カ月)または現行のGI潰瘍もしくは大腸炎または非免疫性大腸炎。
18.ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症の公知の病歴を有する。
19.B型肝炎または公知の活動性C型肝炎ウイルス感染症の公知の病歴を有する。
20.臨床的に有意な(すなわち、活動性)心血管疾患:脳血管系障害/脳卒中(登録前<6カ月)、心筋梗塞(登録前<6カ月)、不安定狭心症、うっ血性心不全(≧ニューヨーク心臓協会心機能分類クラスII)、または無制御な心不整脈。
21.処置する研究者の見解により、実験の結果を混乱させ得る、参加者の全実験期間の参加を妨げ得る、または参加者の参加への関心があまりない任意の状態、療法、または検査所見の異常の履歴または現在の証拠を有する。
22.実験の必要条件との協調を妨げる公知の精神障害または物質乱用障害を有する。
23.処置前、妊娠試験が陽性である、妊娠の可能性がある女性(WOCBP)。
24.予測される実験期間内に授乳している、または受胎する、または子供の父親になることが予想される。
【0656】
参加者数:
・米国内のおよそ3〜6の実験センターからおよそ30名の患者がスクリーニングされて、25名の参加者をこの実験に登録する。登録は、実験処置の最初の用量の開始時と定義される。
・最初のサイクル(すなわち、用量制限毒性[DLT]期間)の間にAE以外の理由で処置から離脱した参加者は差し替えられる
【0657】
介入群および期間:
【0658】
1サイクルの処置は3週間ごと(Q3W)と定義される。
・参加者はサイクル1第1日目から開始して、グラピプランとペムブロリズマブの組合せを受ける。
・グラピプランの用量は、BIDで経口投与される300mgである(1日用量は8〜12時間の間隔で、好ましくは食物と共に摂取する)。
・ペムブロリズマブ用量は200mg、IV、Q3Wである。
・用量およびスケジュール調節、コルチコステロイド投与、およびモニタリングプランはプロトコールに記載されている。
・最初のサイクルにおいてDLTを有する参加者は、これらの毒性が改善するまでグラピプランとペムブロリズマブのこれらの両方の用量をそのままにとどめ、スポンサーと相談した場合を除いて、グラピプランのこれらの既存の用量を50mg BIDまたは100mg BIDだけ減少させる。
・最初のサイクル後、治療により発現した、許容できない最初の有害事象(TEAE)を経験した参加者は、これらの毒性が改善するまでグラピプランおよびペムブロリズマブのこれらの用量をそのままにとどめ、これらの既存のグラピプラン用量を50mg BID分だけ減らす。TEAEの性質によっては、グラピプラン投与を投与2週間/休み1週間のスケジュールに切り替えることも研究者により考慮されるものとする。
・グラピプラン用量を150mg BID未満に低減しなければならない任意の参加者は、グラピプラン処置を停止するが、臨床上の利益が実証される場合にはペムブロリズマブを受け続けることができる。
【0659】
5日間またはそれよりも長い間、グレード2またはそれよりも高い消化不良を有する参加者は、研究者の判断で、症状が軽減するまで、グラピプランの用量の2時間後に摂取する経口BIDでのラニチジン75mgを開始することができる。
【0660】
追加の用量調節およびモニタリングプランはプロトコールに記載されている。
【0661】
CRを達成するものを含む参加者は、臨床的悪化、許容不可能な毒性、または同意撤回を伴う疾患進行を経験するまでグラピプランおよびペムブロリズマブの投与を受け、これに続いてこれらの実験処置の最終日から30日および90日後に処置終了追跡診察が行われる。
【0662】
各参加者に対する実験期間は、28日までの実験への組み込みのためのスクリーニング期間、21日ごとに最大35サイクル(2年まで)繰り返される組合せ処置サイクルの過程、ならびに実験処置投与の最終日から30日および90日後の処置終了追跡診察を含むことになる。処置終了から90日目の追跡診察が実験診察の終点と考えられる。
【0663】
すべての参加者に対する用量の漸減は安全性規定が示す任意の時間に行われる(例えば、最初の6名の参加者のうちの4名またはそれよりも多くの参加者がDLTを経験するなど)。すでに登録し、重篤なAEなしに薬物を受けている参加者は、スポンサーと相談後、元の用量レベルで追加の用量を受けることが許されてもよい。
【0664】
予想される登録期間は15カ月である。実験停止日は、すべての参加者が16週の処置を完了した(すなわち、第2の腫瘍評価まで)または実験処置を止めた日付のいずれかと定義される。実験停止日後、実験処置を継続して受ける参加者は観察が続けられ、すべての参加者が実験処置を止めた時点で適当な統計分析(安全性、薬物暴露および活性に対するリスティングまたは表の更新)が実施される。
【0665】
統計的検討事項:
サンプルサイズの決定:併用の副作用プロファイルはペムブロリズマブ単独の場合と類似していると予想される。
【0666】
mTPI設計に対して推奨されるサンプルサイズは、n=k(d+1)である(Ji and Wang, J Clin Oncol. 2013;31(14):1785-91)。8名の被験体に1つの用量レベル(k=8)が投薬され、2つの用量が試験される場合(d=2)、24名の被験体が必要と予測される。1つの用量が試験される場合、n=16の被験体が必要と予測される。選択された用量のいずれかで処置した14名の参加者が受容可能と判明した後で、用量漸増および確認は終了する。連続的な安全性評価フェーズ後、全治験サイズ25名までの追加の被験体を評価して、効力の推定値を確立する。多重度に対する正式な仮説検定または調節は存在しない。
【0667】
一般的な統計手法:安全性パラメーターの記述的分析を、処置した集団全体(少なくとも1つの用量のグラピプランに曝露されたすべての参加者と定義される)に実施する。TEAEの種類、頻度、重症度および関連性をMedical Dictionary for Regulatory Activities(MedDRA)に従い分析する。米国国立癌研究所の有害事象の一般用語基準(National Cancer Institute Common Terminology Criteria for Adverse Events)(NCI−CTCAE)v5.0に従い実験の異常を分析する。
【0668】
薬物動態学的分析:グラピプランのPKパラメーターは、用量レベルおよび最終用量からの時間により、記述統計学を使用して要約される。グラピプランの血漿PKは、CmaxおよびAUC PKパラメーターに対して記載される。任意の追加のPK分析は統計分析プラン(SAP)に記載される。
【0669】
集団PKおよび曝露−応答分析:本実験からのデータは、集団PK分析における過去の実験から収集したデータと共に含まれる。PKパラメーターに対する共変量の影響(例えば、体重、年齢、性別、人種、および併用薬)は、必要および適当な場合調査される。
【0670】
追加の探索的PKおよび/または曝露−応答モデリングを、必要に応じてデータに適用することができる。
【0671】
PKおよび/または任意の集団PKの結果または曝露−応答分析は、臨床研究報告とは別に報告されてもよい。
【0672】
効力分析:抗腫瘍効力データは、スクリーニングにおいておよび実験処置中の最低1つの他の時間点において疾患評価を受けた参加者を含む評価可能な奏効集団について記述に
より提示される。
【0673】
以下の推定値および信頼区間(CI)は、いくつかのシナリオの下でのORR推定値の精度の概説を提供することを意図する。
1/25の被験体が奏効した場合、平均(95%CI)は0.04(0.0020、0.1761)である。
2/25の被験体が奏効した場合、平均(95%CI)は0.08(0.0144、0.2310)である。
3/25の被験体が奏効した場合、平均(95%CI)は0.12(0.0335、0.2817)である。
4/25の被験体が奏効した場合、平均(95%CI)は0.16(0.0566、0.3296)である。
5/25の被験体が奏効した場合、平均(95%CI)は0.20(0.0823、0.3754)である。
8/25の被験体が奏効した場合、平均(95%CI)は0.32(0.1703、0.5036)である。
【0674】
(実施例8)
進行したまたは進行性のマイクロサテライト安定(MSS)直腸結腸がん(CRC)を有する患者における、グラピプラン、EP4阻害剤、およびペムブロリズマブ、PD−1チェックポイント阻害剤のフェーズ1b実験
全体的設計:本実験は、進行したまたは進行性のMSS CRCを有する成人患者において、ペムブロリズマブと組み合わせたグラピプランの多施設、非盲検、単一アーム、フェーズ1b、安全性、および効力実験である。これは、グラピプランをPD−1抗体(ペムブロリズマブ)と組み合わせた最初の実験であり、したがって、参加者登録および連続的な安全性評価はmTPIモデルにより指示されることになる。併用処置期間は35サイクル(2年まで)からなる。実験はまた、単剤としてのグラピプラン、ならびに以下の併用処置期間にペムブロリズマブと組み合わせたグラピプランの薬力学を評価する目的のための1週間の単剤導入期間を含む。コホート1に登録した参加者は、単剤導入期間中はグラピプランで処置し、コホート1およびコホート2に登録したすべての参加者は、併用処置期間中、グラピプランおよびペムブロリズマブによる処置を受ける。およそ30名の患者に対して本実験のスクリーニングが計画され、コホート1への登録に対して15名までの参加者およびコホート2への登録に対して10名までの参加者が許容される。コホート2への参加者の登録前にコホート1への参加者が登録する。連続的な安全性評価フェーズ後、全治験サイズ25名までの参加者の追加参加者の登録が評価されて、効力の推定値を確立する。
【0675】
単剤導入期間:コホート1
・参加者は、単剤として薬理学的に活性な用量のグラピプランを用いて1週間処置する。グラピプランの開始用量300mgを1日2回(BID)経口投与する。
・参加者は単剤導入期間中は通常の食事を維持するように指導され、食物は、類似のクラスの薬物(COX−2阻害剤)において一般的な軽度GI AEを低減することが公知であるため、グラピプランを食物と共に定期的に摂取することが促される。
・第1日目のグラピプランの最初の用量前にコホート1において反復生検に対して安全とみなされた参加者に対して強制的な処置前腫瘍生検を収集し、単剤導入期間の第5日目と、併用処置期間のサイクル1第1日目のペムブロリズマブの投薬前との間に、理想的には同じ腫瘍から強制的な処置後腫瘍生検を得る。
・PKサンプルは実施計画(SoE)に示されている通り採取する。
【0676】
併用処置期間:コホート1および2
・コホート1および2のすべての参加者は、サイクル1第1日目から開始して、用量の漸減が生じない限り、BIDで経口投与されるグラピプラン開始用量300mg、および3週ごとに(Q3W)IVで200mg投与される固定用量のペムブロリズマブで処置される。
・PKサンプルはSoEに示されている通り採取される。
・コホート2において反復生検に対して安全とみなされた参加者に対して、強制的な処置前腫瘍生検はサイクル1第1日目のいずれかの薬剤の最初の用量を受ける前のスクリーニングの間に収集され、強制的な第2の腫瘍生検は、サイクル1の終点と、サイクル3の終点との間に、理想的には同じ腫瘍から収集される。第3の腫瘍生検は、生検がすでに奏効から1カ月以内に得られている、またはさもなければ医学的指導者と相談した場合を除いて、固形腫瘍における応答評価基準バージョン1.1(RECIST v1.1)応答記録の1カ月以内に、腫瘍評価に対して部分奏効(PR)を有する任意の参加者に対して収集される。
・腫瘍評価のためのスキャンは、すべての参加者(コホート1および2)に対して処置開始から最初の3サイクルの間は、8週ごとに(+/−7日)、次いでその後は12週ごとに(+/−7日)、および研究者の裁量により評価される。
・参加者は併用処置の間通常の食事を維持するように指導され、食物は、類似のクラスの薬物(COX−2阻害剤)において一般的な軽度GI AEを低減することが公知であるため、グラピプランを食物と共に定期的に摂取することが促される。投薬後PKサンプルを採取する場合、朝の食物摂取をその日の薬物投与日誌に記録する。
【0677】
主な組み入れ基準:
1.組織学的に確認された進行した、転移性、または進行性のCRC(MSSである)を有する男性および女性の成人患者(インフォームドコンセント署名日に年齢≧18歳)。マイクロサテライト安定性は、施設標準による、過去のポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)、Next−Gen配列決定、または免疫組織化学の結果に基づく。
2.患者は、進行したまたは転移性のCRCに対して少なくとも2回の過去の系統の療法を受け、このうち少なくとも1回がフルオロウラシルを含んだ。補助療法は、進行がその完了の6カ月以内に生じた場合のみ、1系統の療法とカウントされる。過去の処置レジメンの数に対する制限はない。
3.現地の研究者/放射線学により評価されたRECIST v1.1に従う測定可能病変を有する。以前に照射された領域に位置する病変は、このような病変において進行が実証された場合、測定可能と考えられる。
4.複数のコア生検に対して、安全に到達できる到達可能な腫瘍であり、患者は処置前および処置中に新しく得た生検からの組織を提供する意志がある。
5.Eastern Cooperative Oncology Group(ECOG)パフォーマンスステータス0〜1を有する。
6.上記表Aで定義されているような十分な器官機能を有する。
7.経口錠剤を嚥下および吸収することができる。
8.閉経していない女性およびすべての男性については避妊を使用する意志がある。
9.治験に対して文書によるインフォームドコンセントを提供する意志があり、それが可能である。
【0678】
主な除外基準:
1.抗PD−1、抗PD−L1、または抗PD−L2薬剤を用いた、または別の刺激性もしくは共阻害性T−細胞受容体(例えば、CTLA−4、OX40、CD137)を対象とする薬剤を用いた過去の療法を受けた。
2.AEの管理のために使用した、またはさもなければスポンサーによる承認を受けた場合を除いて、処置開始前の3日以内または実験のいずれかの時点における、NSAID(例えば、イブプロフェン、ナプロキセン)、COX−2阻害剤(例えば、セレコキシブ)の現行の使用。スポンサーと相談した場合を除いて、アスピリン製品は、予防的心血管用
量に限定されるべきである。
3.キメラ抗体またはヒト化抗体に対する重篤な過敏性反応の病歴。
4.処置前の4週以内、または5半減期以内のどちらか短い方に、研究用薬剤を含む、過去の全身抗がん療法を受けた。参加者は、過去の療法によるすべてのAEから、≦グレード1またはベースラインまで回復していなければならない。≦グレード2ニューロパシーを有する参加者はスポンサーと相談後、適格になり得る。参加者が大手術を受けた場合、この参加者は実験処置の開始前に、介入に由来する毒性および/または合併症から完全に回復していなければならない。
5.実験処置開始の2週間以内に過去の放射線療法を受けている。参加者は、すべての放射線関連の毒性から回復しており、コルチコステロイドを必要とせず、放射線肺炎に罹ったことがない。非中枢神経系(CNS)疾患に対する待機的放射線(≦2週間の放射線療法)に対して、1週間のウォッシュアウトが許される。寛解のみのために許容された病変の局所的放射線(処置後の非標的病変と考えられる)を除いて、他の同時進行の抗腫瘍性処置は実験に対して許されない。
6.実験薬物の最初の用量前の30日以内に生ワクチンを受けている。
7.強力なCYP3A4またはP−糖タンパク質阻害剤もしくは誘導剤を服用している参加者は、投薬前の≧5半減期以内に他の薬物に移行することができる場合を除いて、実験から除外される。
8.研究用薬剤の研究に現在参加しているもしくは参加していた、または実験処置の最初の用量前の4週以内に研究用デバイスを使用していた。研究用実験の追跡フェーズに入った参加者は、過去の研究用薬剤の最終用量から4週間後である場合に限り参加可能である。
9.実験薬物の最初の用量前の7日以内に、免疫不全の診断を受けている、または慢性全身ステロイド療法(10mgの一日プレドニゾン当量を超える投薬)または任意の他の形態の免疫抑制療法を受けている。
10.過去3年以内に、進行しているまたは積極的な処置を必要とする、公知の追加の潜在的に命にかかわる悪性疾患を有する。潜在的に治癒的療法を受けた、皮膚の基底細胞癌、皮膚の扁平上皮癌、または上皮内癌(例えば、乳癌、上皮子宮頸がん)を有する参加者は除外されないものとする。
11.公知の活動性CNS転移および/または癌性髄膜炎を有する。脳転移を以前に処置した参加者は参加できるが、ただし、この参加者は放射線学的に安定している、すなわち、反復画像化により少なくとも4週間の間進行の証拠がなく(反復画像化は、実験スクリーニング中に実施されるべきであることに注目されたい)、および/または臨床的に安定しており、実験処置の最初の用量前の少なくとも14日間の期間、ステロイド処置の必要がないものとする。
12.過去2年間の間に全身的処置を必要とする(すなわち、疾患修飾薬、コルチコステロイドまたは免疫抑制薬物の使用を伴う)活動性自己免疫疾患を有する。補充療法(例えば、副腎不全または下垂体不全に対するチロキシン、インスリン、または生理学的コルチコステロイド補充療法)は全身的処置の形態とは考えられていないので、許容される。自己免疫疾患は、これらに限定されないが、炎症性腸疾患(IBD)、例えば、クローン病および潰瘍性大腸炎を含む。
13.ステロイドを必要とする(非感染性)肺炎の病歴を有する、または現行の肺炎を有する。
14.全身療法を必要とする活動性感染症を有する。
15.最近の(最近12カ月以内)または現行のGI潰瘍もしくは非免疫大腸炎。
16.ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症の公知の病歴を有する。
17.B型肝炎または公知の活動性C型肝炎ウイルス感染症の公知の病歴を有する。
18.臨床的に有意な(すなわち、活動性)心血管疾患:脳血管系障害/脳卒中(登録前<6カ月)、心筋梗塞(登録前<6カ月)、不安定狭心症、うっ血性心不全(≧ニューヨーク心臓協会心機能分類クラスII)、または無制御な心不整脈。
19.処置する研究者の見解により、実験の結果を混乱させ得る、参加者の全実験期間の参加を妨げ得る、または参加者の参加への関心があまりない任意の状態、療法、または検査所見の異常の履歴または現在の証拠を有する。
20.実験の必要条件との協調を妨げる公知の精神障害または物質乱用障害を有する。
21.処置前、妊娠試験が陽性である、妊娠の可能性がある女性(WOCBP)。
22.予測される実験期間内に授乳している、または受胎する、または子供の父親になることが予想される。
【0679】
参加者数:米国内のおよそ3〜5の実験センターからおよそ30名の患者がスクリーニングされて、25名の参加者をこの実験に登録する(コホート1に15名の参加者およびコホート2に10名の参加者)。登録は実験薬物の最初の用量の開始時と定義される。単一薬剤導入(コホート1)の間または併用の最初のサイクル(すなわち、用量制限毒性[DLT]期間)の間にAE以外の理由で処置から離脱した参加者は差し替えられる。
【0680】
処置群および期間:
【0681】
1サイクルの処置はQ3Wと定義される。
【0682】
ペムブロリズマブ用量は200mg、IV、Q3Wとする。
・用量およびスケジュール調節、コルチコステロイド投与、およびモニタリングプランはプロトコールに記載されている。
【0683】
グラピプランの用量は、BIDで経口投与される300mgである(1日用量は8〜12時間の間隔で、好ましくは食物と共に摂取する)。
・最初のサイクルにおいてDLTを有する参加者は、これらの毒性が改善するまでこれらの用量をそのままにとどめ、スポンサーと相談した場合を除いて、これらの既存の用量を50mg BIDまたは100mg BIDだけ減少させる。
・最初のサイクル後、治療により発現した、許容できない最初の有害事象(TEAE)を経験した参加者は、これらの毒性が改善するまでこれらの用量をそのままにとどめ、これらの既存の用量を50mg BID分だけ減らす。TEAEの性質によっては、グラピプラン投与を投与2週間/休み1週間のスケジュールに切り替えることも研究者により考慮されるものとする。
・グラピプラン用量を150mg BID未満に低減しなければならない任意の参加者は、グラピプラン処置を停止するが、臨床上の利益が実証される場合にはペムブロリズマブを受け続けることができる。
【0684】
5日間またはそれよりも長い間、グレード2またはそれよりも高い消化不良を有する参加者は、研究者の判断で、腹部の不快感が軽減するまで、グラピプランの用量の2時間後に摂取する経口BIDでのラニチジン75mgを開始することができる。
【0685】
追加の用量調節およびモニタリングプランはプロトコールに記載されている。
【0686】
完全奏効(CR)を達成するものを含む参加者は、2年までまたは参加者が、疾患進行、許容不可能な毒性、または同意撤回を経験するまでグラピプランおよびペムブロリズマブによる処置を受けることができ、これに続いてこれらの実験薬物の最終日から30日および90日後に処置終了追跡診察が行われる。
【0687】
各参加者に対する実験期間は、28日までの実験への組み込みのためのスクリーニング期間、7日間の単剤導入(コホート1に対してのみ)、21日ごと繰り返される併用処置サイクルの過程、ならびに最終実験薬物投与から30日および90日後のすべての参加者に対する処置終了追跡診察を含むことになる。参加者は、最大35サイクル(2年まで)実験薬物を受け続けることができる。
【0688】
すべての参加者に対する用量漸減は、安全性規定が示す任意の時間に行われる(例えば、最初の5名の参加者のうちの3名またはそれよりも多くの参加者がDLTを経験するなど)。すでに登録し、重篤なAEなしに薬物を受けている参加者は、スポンサーと相談後、元の用量レベルで追加の用量を受けることが許されてもよい。
【0689】
予想される登録期間は10カ月である。実験停止日は、すべての参加者が16週の処置を完了した(すなわち、第2の腫瘍評価まで)または実験薬物を止めた日付のいずれかと定義される。実験停止日後、実験薬物を継続して受ける参加者は観察が続けられ、すべての参加者が実験薬物を止めた時点で適当な統計分析(安全性、薬物暴露および活性に対するリスティングまたは表の更新)を実施する。
【0690】
統計的検討事項:
【0691】
サンプルサイズの決定:併用の副作用プロファイルはペムブロリズマブ単独の場合と類似していると予想される。
【0692】
mTPI設計に対して推奨されるサンプルサイズは、n=k(d+1)である(Ji and Wang, J Clin Oncol. 2013;31(14):1785-91)。8名の被験体に1つの用量レベル(k=8)が投薬され、2つの用量が試験される場合(d=2)、24名の被験体が必要と予測される。1つの用量が試験される場合、n=16名の被験体が必要と予測される。連続的な安全性評価フェーズ後、全治験サイズ25名までの追加の被験体を評価して、効力の推定値を確立する。多重度に対する正式な仮説検定または調節は存在しない。
【0693】
一般的な統計手法:安全性パラメーターの記述的分析を、処置した集団全体(少なくとも1つの用量のグラピプランに曝露されたすべての参加者と定義される)に実施する。具体的には、両方の実験コホートをプールし、コホートごとの分析は実施しない。TEAEの種類、頻度、重症度および関連性をMedical Dictionary for Regulatory Activities(MedDRA)に従い分析する。米国国立癌研究所の有害事象の一般用語基準(NCI−CTCAE)v5.0に従い実験の異常を分析する。
【0694】
薬物動態学的分析:グラピプランのPKパラメーターは、用量レベルおよび最終用量からの時間により、記述統計学を使用して要約される。グラピプランの血漿PKは、CmaxおよびAUC PKパラメーターに対して記載される。任意の追加のPK分析は統計分析プラン(SAP)に記載される。
【0695】
集団PKおよび曝露−応答分析:本実験からのデータは、集団PK分析における過去の実験から収集したデータと共に含まれる。PKパラメーターに対する共変量の影響(例えば、体重、年齢、性別、人種、および併用薬)は、必要および適当な場合調査される。
【0696】
追加の探索的PKおよび/または曝露−応答モデリングを、必要に応じてデータに適用することができる。
【0697】
PKおよび/または任意の集団PKの結果または曝露−応答分析は、臨床研究報告とは別に報告されてもよい。
【0698】
効力分析:抗腫瘍効力データは、スクリーニングにおいておよび実験処置中の最低1つの他の時間点において疾患評価を受けた参加者を含む評価可能な奏効集団について記述に
より提示される。
【0699】
スポンサーの裁量で将来の治験計画を可能にするための非公式の中間分析が行われ、データは、用量発見の決定を可能にする継続ベースで検討される。
【0700】
(実施例9)
CT−26結腸腺癌マウスモデルにおける化合物Bの抗腫瘍活性
化合物Bは、以下の式を有するか、またはその薬学的に受容可能な塩であり、EP4受容体選択的アンタゴニストである(例えば、US7,238,714を参照されたい)。
【化2】
【0701】
BALB/cマウスで成長させたCT−26マウス結腸腺癌モデルにおいて、単剤としてのおよびマウス抗PD−1抗体と組み合わせた化合物Bの抗腫瘍活性を評価した。マウスは、右の側腹部に、5×10個の腫瘍細胞を皮下接種した。腫瘍が平均サイズ71mm(腫瘍細胞接種から6日後)に到達した時点で投薬を開始した。それぞれ10匹のマウスを含む8つの別個のコホートにおける投薬レジメンは以下の通りである:
【表16】
【0702】
投薬期間中、15mg/kg 1日1回(QD)およびBIDで投薬した化合物Bにより処置したマウスにおける腫瘍成長動態は、ビヒクル処置したマウスととりわけ異なることはなかった(図2)。処置期間中、抗PD−1と組み合わせて15mg/kg QDおよびBIDで投薬した化合物Bにより処置したマウスにおける腫瘍成長動態もまた単剤抗PD−1で処置したマウスととりわけ異なることはなかった。各投薬レジメンは、処置期間中および処置を中止した後、各コホートの体重の平均増加により示されている通り、マウスに許容されるものであった。
【0703】
処置を中止した後、抗PD−1と組み合わせて15mg/kg BIDでの化合物Bにより処置したマウスは、抗PD−1と比べて成長動態の低減(図22)および生存の改善(図3)を実証した。腫瘍接種後99日間マウスを継続してモニターした後、10匹のうち5匹のマウスが依然生存していた(4匹は腫瘍なし)のに対して、抗PD−1を単剤として処置した10匹では1匹のマウスのみが、化合物Bでは10匹のうち1匹のマウスが依然生存し、腫瘍がなかった。これらのデータは抗PD−1と組み合わせた場合、化合物Bは、改善された長期的な抗腫瘍応答をもたらすことを示している。
【0704】
CT26腫瘍細胞を6匹の腫瘍ナイーブマウス、または以前化合物Bおよび抗PD−1単独もしくはそれらの組合せで処置したCT26腫瘍保持マウスの完全奏効マウスに接種した。データは、完全奏効を有するマウスは、ナイーブマウスと比べて、CT26の成長を低減したことを示しており、これは、治癒したマウスにワクチン効果があったことを示唆している。
【0705】
単剤として用いた、およびマウス抗PD1抗体と組み合わせた化合物Bの抗腫瘍活性を追加の実験において、BALB/cマウスで成長させたCT−26マウス結腸腺癌モデルにおいて評価した。マウスは、右の側腹部に、5×10個の腫瘍細胞を皮下接種した。腫瘍が平均サイズ91mmに到達した時点で、投薬を開始した。7匹のマウスをそれぞれ含む4つの別個のコホートの投薬レジメンは以下の通りである:
【表17】
【0706】
投薬期間中、15mg/kg 1日2回(BID)で投薬した化合物Bおよび抗PD1で処置したマウスにおける腫瘍成長動態は、ビヒクル群のものよりも低かった(図8)。抗PD1と組み合わせて15mg/kg、BIDで投薬した化合物Bにより処置したマウスにおける腫瘍成長動態は、いずれかの単剤で処置したマウスより低かった。各投薬レジメンは、処置期間中、各コホートの体重の平均増加により示されている通り、マウスに許容されるものであった。
【0707】
(実施例10)
4T1乳がんマウスモデルにおける化合物Bの抗腫瘍活性
単剤として用いたおよびマウス抗CTLA4抗体と組み合わせた化合物B(上記の実施例9に記載される通り)の抗腫瘍活性を、BALB/cマウスで成長させた4T1マウス乳がんモデルにおいて評価した。マウスは、右の側腹部に3×10個の腫瘍細胞を皮下接種した。腫瘍が平均サイズ100mmに到達した時点で(腫瘍細胞接種から7日後)投薬を開始した。
【0708】
投薬期間中、15mg/kg BIDで投薬した化合物Bおよび抗CTLA4で処置したマウスにおける腫瘍成長動態は、ビヒクル処置したマウスと比べて低減した(図4)。さらに、化合物Bおよび抗CTLA4を組み合わせて処置したマウスにおける腫瘍成長動態は、いずれかの薬剤が単独で投薬された場合と比べて低減した。各投薬レジメンは、処置期間中および処置を中止した後、各コホートの体重の平均増加により示されている通り、マウスに許容されるものであった。
【0709】
処置を中止した後、抗CTLA4と組み合わせて15mg/kg BIDでの化合物Bにより処置したマウスは、いずれかの単剤単独の場合と比べて改善された生存率を実証した(図5)。例えば、腫瘍接種後47日間マウスを継続してモニターした後、組み合わせて処置した10匹のうち7匹のマウスは依然生存したのに対して、いずれかの単剤を単独で用いて処置したマウスのうち、腫瘍接種の47日後に生存していたマウスはいない。組み合わせて処置した10匹のマウスのうちの3匹は腫瘍接種から55日後の実験終了時にまだ生存していた。これらのデータは、化合物Bおよび抗CTLA4の併用は、いずれかの薬剤単独の場合と比べて改善された抗腫瘍応答をもたらすことを示唆している。
【0710】
単剤として用いた、およびマウス抗PD1抗体と組み合わせた化合物Bの抗腫瘍活性を、追加の実験において、BALB/cマウスで成長させた4T1マウス乳がんモデルにおいて評価した。マウスは、右の側腹部に3×10個の腫瘍細胞を皮下接種した。腫瘍が平均サイズ97mmに到達した時点で、投薬を開始した。7匹のマウスそれぞれを含む4つの別個のコホートの投薬レジメンは以下の通りである:
【表18】
【0711】
投薬期間中、15mg/kg 1日2回(BID)で投薬した化合物Bにより処置したマウスの腫瘍成長動態は、ビヒクル群および単独で投薬した抗PD1のものより低かった(図9)。抗PD1と組み合わせて、15mg/kg BIDで投薬した化合物Bにより処置したマウスにおける腫瘍成長動態は、いずれかの単剤で処置したマウスにおけるものより低かった。各投薬レジメンは、処置期間中、各コホートの体重の平均増加により示されている通り、マウスに許容されるものであった。
【0712】
(実施例11)
グラピプラント単位剤形OPCおよびグラピプラント液体単位剤形の製造
11.1グラピプラント単位剤形OPC
理論的原薬の効力100.0%に基づき、強度10mg、30mg、60mg、100mg、200mg、300mg、600mg、1000mg、1500mg、および2000mgでグラピプラント単位剤形OPCを調製する。グラピプラント単位剤形OPCに対する構成成分は表11−1に列挙されている。
【表11-1】
【0713】
グラピプラント単位剤形OPCを以下の手順に従い調製する:
1.適量のグラピプラントを秤量し、事前に洗浄した4オンス琥珀色ガラスボトルに移す。
2.ステップ1からの充填したボトルのそれぞれを、事前に洗浄した留め具で密閉し、トルクをかける。
11.2グラピプラント単位剤形OPCおよびグラピプラント液体単位剤形に対するビヒクルおよびプラセボ
【表11-2】
1.適量のキシリトールおよびヒドロキシプロピルセルロースを適切なサイズの乳鉢に加え、ブレンドする。
2.適量のキシリトールおよび残りのヒドロキシプロピルセルロースをステップ1からの乳鉢に加え、ブレンドする。
3.残りのキシリトールをステップ2の乳鉢に加え、ブレンドする。
4.二酸化チタンおよび適量の微結晶性セルロースを適切なサイズの乳鉢に加え、ブレンドする。
5.残りの微結晶性セルロースをステップ4の乳鉢に加え、ブレンドする。
6.適量の微結晶性セルロースおよび30%シメチコン乳剤を適切なサイズの秤量皿に加える。
7.適量の微結晶性セルロースおよびステップ6の秤量皿の内容物を適切なサイズの乳鉢に加え、ブレンドする。
8.残りの微結晶性セルロースをステップ7の乳鉢に加え、ブレンドする。
9.ステップ3、ステップ5およびステップ8のブレンドを適切なサイズのボトルに加え、ブレンドする。
10.ステップ9の適量のブレンドを秤量し、事前に洗浄した4オンス琥珀色ガラスボトルに移す。
11.ステップ10の充填したボトルのそれぞれを事前に洗浄した留め具で密閉し、トルクをかける。
11.3調製、構成、および投与指示
11.3.1 0.3、1、3および10mgグラピプラント液体単位剤形の調製
1.10mgグラピプラントを含有する4oz.琥珀色ボトルを用意する。これをボトルSとする。
2.ボトルSを立位にしてそっとたたき、首部分またはキャップに残されたあらゆる粉末を取り除き、ボトルの底から粉末をほぐす
3.60ccプラスチックシリンジを使用して、グラピプラントを含有するボトルSに100mL(50mL+50mL)SWIを正確に移す。ボトルのキャップを再びしめる。
4.ボトルSを4分間激しく振って、内容物を溶解する。ボトルSの内容物を4時間以内に使用しない場合、ボトルおよびその内容物は廃棄する。
5.用量が10mgの場合、ステップ4の後で終了する。用量が0.3、1または3mgの場合、継続してステップ6に進む。
6.表11−3を使用して、ボトルS中の10mgグラピプラントストック溶液の体積および所望の用量の調製物に対して使用すべきSWIの体積を決定する。
7.適切なサイズのシリンジ(表11−3に従い)を使用して、ボトルS内の適切な体積の10mgグラピプラントストック溶液を空の4oz琥珀色ボトルに移す。
8.アリコートを取り出した10mgグラピプラントストック溶液を廃棄する。
9.適切なサイズのシリンジ(表11−3に従い)を使用して、適切な体積のSWIを、ステップ7のグラピプラントストック溶液を含有する4oz琥珀色ボトルに移す。ボトルのキャップをしっかりとしめる。これをボトルDとする。
10.ステップ9のボトルDを5回逆さにし、ボトルを適切に標識する。ボトルDの内容物を4時間以内に使用しない場合、ボトルおよびその内容物は廃棄する。
【表11-3】
11.3.2 30、60、100、200、300、600、1000、1500、および2000mgグラピプラント液体単位剤形の調製
1.ビヒクルを含有する4oz.琥珀色ボトルを用意する。これをボトルVとする。
2.ボトルVを立位にしてそっとたたき、首部分またはキャップに残されたあらゆる粉末を取り除き、ボトルの底から粉末をほぐす。
3.60ccプラスチックシリンジを使用して、ビヒクルを含有するボトルVに100mL(50mL+50mL)SWIを正確に移す。ボトルのキャップを再びしめる。
4.ボトルVを2分間振り、1分間静置させる。
5.30、60、100、200、300、600、1000、1500または2000mgのグラピプラントを含有する4oz.琥珀色ボトルを用意する。これをボトルAとする。
6.ボトルAを立位にしてそっとたたき、首部分またはキャップに残されたあらゆる粉末を取り除き、ボトルの底から粉末をほぐす。
7.ビヒクルを含有するボトルVを3回逆さにし、内容物を、グラピプラントを含有するボトルAに注ぐ。
8.ボトルAのキャップをしめ、1分間振る。ボトルAの内容物を4時間以内に使用しない場合、ボトルおよびその内容物は廃棄する。
11.3.3 0.3、1、3、および10mgグラピプラント液体単位剤形に対するプラセボの調製
1.空の4oz.琥珀色ボトルを用意する。これをボトルWとする。
2.60ccプラスチックシリンジを使用して、ボトルWに100mL SWIを正確に移す。
11.3.4 30、60、100、200、300、600、1000、1500、および2000mgグラピプラント液体単位剤形に対するプラセボの調製
1.ビヒクルを含有する4oz.琥珀色ボトルを用意する。これをボトルPとする。
2.ボトルPを立位にしてそっとたたき、首部分またはキャップに残されたあらゆる粉末を取り除き、ボトルの底から粉末をほぐす。
3.60ccプラスチックシリンジを使用して、ビヒクルを含有するボトルPに100mL(50mL+50mL)SWIを正確に移す。ボトルのキャップを再びしめる。
4.ボトルPを2分間振り、1分間静置させる。
11.3.5投与指示
a.投薬前、2個のミントを被験体に投与する。ミントは噛まずに、被験体の口の中で少なくとも5分間かけて溶かす。
2.被験体にボトルS、D、A、WまたはPの全内容物を飲ませる。
3.投薬ボトルに70mLのSWIを正確に加え、振り、すすぎ液を被験体に与える。
4.ステップ3を繰り返す。
5.2個のミントを被験体に投与する。ミントは噛まずに、被験体の口の中で少なくとも5分間かけて溶かす。
(実施例12)
健康な成人被験体への漸増する単回用量の初回投与後の安全性、耐性および薬物動態を評価するための第1相、無作為抽出、プラセボ対照、連続する並行群の実験
【0714】
実験目的:健康な成人被験体において、OPCとして投与される、漸増する単回経口用量のグラピプラントの安全性、耐性、および薬物動態を評価する。
【0715】
実験設計:この実験は、無作為抽出の、研究者盲検、被験体盲検、スポンサー公開、プラセボ対照、連続する並行群の、グラピプラントOPCの漸増する単回用量実験であった。適格な被験体は、計画した用量レベル、1mg、3mg、10mg、30mg、100mg、300mg、600mg、および1000mgに対応する、8つの連続するコホートに登録することとした。十分な安全性が実証された場合、追加の被験体を2つの必要に応じた連続するコホート(1500mgおよび2000mg)に登録することとした。最大耐用量(MTD)が決定された後、または最も高用量のコホートが完了した後、MTDが未確定であった場合、コホート11を登録することで、MTD(または最も高用量)で評価した被験体の数を増加させた。
【0716】
各コホートにおいて、単回経口用量のグラピプラントまたはマッチングプラセボの投与を受けるための被験体を無作為抽出した。
【0717】
各コホートに投与されるグラピプラントOPC(またはマッチングプラセボ)の実際の用量は計画した用量より低くてもよいが、超えてはならず、すべての利用可能な安全性および薬物動態学的データの評価に基づき決定された。各漸増用量レベルのコホートへの実験薬物の投与の間は最小7日あけた。
【0718】
各投薬期間において、被験体はおよそ60時間の間(投薬前のおよそ36時間から投薬後の24時間まで)臨床研究単位(CRU)に隔離し、安全性および薬物動態学的評価用血液サンプルの収集のため、投薬後48時間の時点で実験場所に戻るように指示した。被験体は第0日目の選択時間点において、(時間合致させたベースラインを得るため)および投薬後24時間にわたり3重にECG測定を行った。テレメトリーによる連続的な心臓モニタリングを投薬後12時間実施した(または、薬物動態学的データに基づき保証される場合、24時間まで)。クレアチンホスホキナーゼ(CPK;全CPKおよびCPK−MBアイソエンザイム)およびトロポニンIレベルを投薬前ならびに投薬後12時間および24時間の時点でモニターした。各投薬期間において、薬物動態学的評価のため、血液サンプルを投薬前および投薬後0.5、1、1.5、2、2.5、3、4、6、8、12、16、24、および48時間の時点で収集した。便潜血を投薬前および投薬後48時間にわたりモニターした。生体内変換の探索的分析のため、尿を投薬後24時間にわたり収集した。グラピプラントは排出トランスポーターの基質となり得るため、排出トランスポーターP−gpに対する遺伝子型決定もまた本実験に対して計画された。
【0719】
実験集団および組み込みに対する基準:本実験に対してスクリーニングされる被験体は、年齢18〜55才(両端の値を含む)の間の男性および女性の被験体であり、体重>110lbおよびボディマス指数18〜30(kg/m2)の間(両端の値を含む)であった。登録した被験体は、詳細な病歴、全身診察(血圧および脈拍数測定を含む)、12−lead ECG、および臨床検査室試験で決定される良好な健康の状態でなければならない。
【0720】
処置は以下の表12−1に列挙されている。
【表12-1】
【0721】
評価に対する基準および方法:
安全性:すべての被験体は安全性に対して評価した。被験体は、投薬前24時間の時点、投薬前0時間(ベースライン)、および投薬後1、2、4、8、および12時間の時点で有害事象(AE)に関して問われた。限定された健康診断、臨床検査室試験、および便潜血検査を投薬前の24時間に実施した。バイタルサイン測定および12−lead ECGを、特定された間隔で投薬前の24時間、0時間(投薬前)、および投薬後0.5、1、1.5、2、3、4、8、および12時間の時点で、三重反復試験(およそ2分間の間をあけて)で実施した。連続的心臓テレメトリーモニタリングを投薬後1時間の時点で開始し、投薬後12時間継続し、便潜血を投薬後48時間の間モニターした。
【0722】
薬物動態:グラピプラントの最大血清中濃度(Cmax)は、生の血清中濃度−時間データから直接推定し、TmaxはCmaxの最初の発現時間と定義した。見かけの終末相の消失速度定数(kel)は、最終対数−線形期の間に得た血清中濃度−時間データの最小二乗法回帰分析を使用して推定した。見かけの終末半減期(T1/2)はln2/kelとして計算した。定量化可能濃度を有する、時間0から最終時間(Tlast)までの血清中濃度−時間曲線下面積[AUC(Tlast)]は、線形/対数の台形近似を使用して推定した。時間Tlastから無限大までの血清中濃度−時間曲線下面積[AUC(Tlast−inf)]は、Cpest/kelとして推定し、この場合Cpestは上述の回帰分析に基づき推定される時間Tlastでの濃度を表した。時間0から無限大までの血清中濃度−時間曲線下面積[AUC(inf)]は、AUC(Tlast)およびAUC(Tlast−inf)の合計として推定した。算術平均をすべての薬物動態学的パラメーターに対して報告した。グラピプラントの個々の血清中濃度は、表およびグラフによる形態で要約した。定量化の下限未満であると判定された濃度は、薬物動態学的分析および平均濃度−時間プロットに対してゼロと等しいと仮定した。
【0723】
600mg用量は、2つの別個のコホートで実験した。これらの2つのコホートの2番目はこの用量強度における安全性評価を確認するために行った。薬物動態学的分析に対して、両方のコホートの薬物動態学的パラメーターを一緒にプールし、単一群として分析した。
【0724】
統計方法:本実験の主な目的は、安全性および耐性を評価し、実験薬物の薬物動態を探究することであったため、具体的な統計的仮説試験は計画されなかった。安全性および薬物動態学的データは、適切なデータ作表、記述統計学、およびグラフによる提示を介して要約された。すべてのコホートからのプラセボ被験体は、データ概要および解釈のため1群にまとめた。
【0725】
結果:
被験体の状況:適格な被験体を、計画した最初の7つの連続するコホートに登録した(用量レベル1mg、3mg、10mg、30mg、100mg、300mg、および600mg)。被験体の1つの追加コホートには、安全性評価を確認するために600mgを投薬した。最初の7つの用量レベルにおいて、用量を制限するAEは観察されなかった。したがって、1000mg、1500mg、および2000mgの投与を受ける追加の被験体を登録した。
【0726】
合計78人の被験体を、処置を受けるように割り当てた:61人の被験体は、1mg〜2000mgの範囲の用量の単回用量のグラピプラントの投与を受け、17人の被験体はプラセボの投与を受けた。処置したすべての被験体を安全性および検査値に対して分析した。プラセボ処置群の1人の被験体は、投薬後の追跡調査評価のためにCRUに戻ることができなかった(第3日目の後、7〜10日に実施されるものとする)、したがって実験を中断したとみなされた。
【0727】
人口統計的特徴:被験体の大部分は男性(95%)および白人(79%)であった。登録した被験体に対する概要データが表12−2に示されている。
【表12-2】
【0728】
安全性:この実験においてAEによる死亡または中断は報告されなかった。3人の被験体がSAEを経験した:600mgで処置した1人の被験体における心臓動悸は処置に無関係と考えられる。さらに2人の被験体(1500mgおよび2000mg用量レベルでそれぞれ1人の被験体)は、軽度の、処置に関連した血清クレアチニン上昇およびBUN(COSTART用語:急性腎不全)を有した。グラピプラントで処置した61人の被験体のうちの合計26人(43%)がAEを経験した。AEの発症率は、2つの最も高い用量レベルで最も高かった(1500mg処置群の6人の被験体のうちの4人および2000mg処置群の6人の被験体のうちの5人)。一般的に、AEは重症度において軽度であった。
【0729】
1mg〜1000mgの範囲のグラピプラントの単回用量は全般的に十分に許容された。単一の有害事象が処置群中1人より多くの被験体に生じたことはなかった(600mg処置群における2人の被験体の軽度の、無関係な胸痛を除く)。最も頻繁に報告されたAEは腹痛であり、2000mgグラピプラントで処置した4人の被験体、1500mgグラピプラントで処置した2人の被験体、および30mgグラピプラントで処置した1人の被験体において報告された。処置群中1人より多くの被験体により報告された追加のAEは、胸痛(600mgで2人の被験体)、悪心(2000mgで2人の被験体)、および味覚倒錯(100mgで2人の被験体)であった。
【0730】
バイタルサイン測定、心臓のテレメトリー、またはECGパラメーターにおける臨床的に重要な、実験薬物に関連した変化は観察されなかった。実験薬物での処置前または処置後の便潜血の陽性結果はなかった。
【0731】
薬物動態:絶食状態の健康な被験体への、OPCとしてのグラピプラントの単回用量投与後、平均血清曝露パラメーターは用量と共に増加し、用量比例的増加より大きい増加が100mg〜600mgの間の用量レベルで観察された(表12−3、図6および7)。グラピプラントは急速な吸収、これに続いて血清中濃度の双指数関数的減少を示した(図6)。中央値Tmax推定値は、用量群の全域で0.5〜3時間の範囲であり、100mgおよびそれよりも上の用量において、個々のTmax値は0.5時間〜1時間の範囲であった(表12−3)。平均終末相T1/2は実験した広範囲の用量にわたり同等であり、5.10〜9.41時間の範囲であった(表12−3)。時間−濃度プロファイルにおける低下の第2相は、低用量群では明らかではなかった(図6)。濃度の明白な双指数関数的減少を有するコホート(30mgおよびそれよりも上)では、平均終末相T1/2は6.14〜9.41時間の範囲だった。
【表12-3】
【0732】
結論:OPC製剤の単回経口用量の投与の後、グラピプラントは急速な吸収これに続いて、血清中濃度の双指数関数的減少を示した。グラピプラントの曝露およびピーク血清中濃度は用量と共に増加した。
【0733】
便潜血検査に対する陽性結果、心臓テレメトリーの異常、およびバイタルサイン測定またはECGパラメーターにおける臨床的に重要な、処置に関連した変化はいずれの処置群に対しても観察されなかった。1mg〜1000mgの範囲のグラピプラントの単回用量に対して、有害事象は、処置群中1人より多くの被験体にほとんど生じなかった。1500または2000mgのグラピプラントの単回用量を受けた12人被験体の中で、6人の被験体が処置に関連した腹痛を経験した。2人の被験体(1500mg処置群に1人および2000mg処置群に1人)が、軽度の、無症候性の、処置に関連した血清クレアチニンの上昇およびBUN値(COSTART用語:急性腎不全)を経験したが、これは発症の14日内に正常な範囲内に戻った。
【0734】
(実施例13)
CT−26結腸腺癌マウスモデルにおける免疫細胞組成に対する化合物Bの影響
単剤として用いたおよびマウス抗PD1抗体と組み合わせた化合物B(上記の実施例9に記載される通り)の免疫細胞組成をBALB/cマウスで成長させたCT−26マウス結腸腺癌モデルにおいて評価した。マウスは、右の側腹部に、5×10個の腫瘍細胞を皮下接種した。腫瘍が平均サイズ85mmに到達した時点で、投薬を開始した。10匹のマウスをそれぞれ含む4つの別個のコホートの投薬レジメンは以下の通り列挙される:
【表19】
【0735】
動物に7日間投薬した後、腫瘍を切除し、これを使用して単一細胞懸濁物を調製した。腫瘍および免疫細胞を表す生細胞を、異なる蛍光タグにコンジュゲートした複数の免疫細胞マーカー(抗CD45、抗CD3、抗CD4、抗CD8、抗CD25、抗FoxP3、抗PD−1、抗CD11c)を標的とする抗体カクテルで染色した。染色した細胞を4%パラホルムアルデヒド中に固定し、マルチカラーフローサイトメーター(Fortessa)を使用して定量化した。データをFloJoソフトウエアで分析した。
【0736】
化合物B、抗PD−1および2種の薬剤の組合せは、制御性T細胞(CD45、CD4、FoxP3、CD25陽性)の有意な低減をもたらした(図10a)。単独でおよび抗PD−1と共に投薬した化合物Bは、樹状細胞(CD45、CD11c陽性)のパーセンテージの増加をもたらしたのに対して、抗PD−1単独では増加を生じなかった(図10b)。化合物Bの抗PD−1との組合せはまた、CD25の発現を評価することにより、活性化T細胞(CD45、CD3、CD8)のパーセンテージの増加をもたらしたが、単独で投薬したいずれの薬剤も増加をもたらすことはなかった(図10c)。CD25のパーセンテージは、PD−1のレベルが増加したT細胞においてより高かった(図10d)。総合的に、これらの知見は、単独で用いたおよび抗PD−1抗体と組み合わせた化合物Bは、CT−26腫瘍の免疫細胞組成を変化させ、炎症促進性の表現型の増加を示すことを実証している。
【0737】
本発明のいくつかの実施形態を記載してきたが、発明者らの基本的実施例は、本発明の化合物および方法を利用する他の実施形態を得るために変更し得ることは明らかである。したがって、本発明の範囲は、実施例により示された特定の実施形態よりむしろ添付の特許請求の範囲で定義されることを認識されたい。
図1
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【国際調査報告】