特表2022-500501(P2022-500501A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2022-500501(P2022-500501A)
(43)【公表日】2022年1月4日
(54)【発明の名称】血漿含有組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 35/16 20150101AFI20211203BHJP
   A61P 7/00 20060101ALI20211203BHJP
   A61K 47/59 20170101ALI20211203BHJP
   A61K 47/61 20170101ALI20211203BHJP
   A61K 47/20 20060101ALI20211203BHJP
   A61K 47/24 20060101ALI20211203BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20211203BHJP
   A61K 47/18 20060101ALI20211203BHJP
   A61K 9/19 20060101ALI20211203BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20211203BHJP
   A61P 7/08 20060101ALI20211203BHJP
【FI】
   A61K35/16 Z
   A61P7/00
   A61K47/59
   A61K47/61
   A61K47/20
   A61K47/24
   A61K47/26
   A61K47/18
   A61K9/19
   A61K9/08
   A61P7/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】39
(21)【出願番号】特願2021-538179(P2021-538179)
(86)(22)【出願日】2019年9月11日
(85)【翻訳文提出日】2021年4月15日
(86)【国際出願番号】US2019050624
(87)【国際公開番号】WO2020056009
(87)【国際公開日】20200319
(31)【優先権主張番号】62/729,830
(32)【優先日】2018年9月11日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】508180585
【氏名又は名称】セルフィアー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100102118
【弁理士】
【氏名又は名称】春名 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【弁理士】
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【弁理士】
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【弁理士】
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】バタチャルヤ ビプロブ
(72)【発明者】
【氏名】ヘイル アン エス.
(72)【発明者】
【氏名】ジョルダ ラファエル
(72)【発明者】
【氏名】フィッツパトリック グレン マイケル
【テーマコード(参考)】
4C076
4C087
【Fターム(参考)】
4C076AA12
4C076AA29
4C076BB18
4C076CC14
4C076DD51
4C076DD51Q
4C076DD57
4C076DD57Q
4C076DD63
4C076DD63Q
4C076DD67
4C076DD67Q
4C076EE23
4C076EE30
4C076EE48
4C076FF63
4C087AA01
4C087AA02
4C087BB35
4C087BB38
4C087MA05
4C087MA16
4C087MA44
4C087MA66
4C087NA14
4C087ZA51
4C087ZA52
(57)【要約】
血球成分を実質的に含まない乾燥血漿;ならびに(a)少なくとも1つの糖類と少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む蘇生混合物、(b)血小板もしくは血小板由来材料、または(c)(a)および(b)の両方を含む組成物が、本明細書中に提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血球成分を実質的に含まない乾燥血漿;ならびに
(a)少なくとも1つの糖類と少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む、蘇生混合物、
(b)血小板もしくは血小板由来材料、または
(c)(a)および(b)の両方
を含む組成物。
【請求項2】
水性液体をさらに含む、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
水性液体が水または生理食塩水である、請求項2記載の組成物。
【請求項4】
蘇生混合物が水性液体をさらに含む、請求項1、2、または3記載の組成物。
【請求項5】
水性液体が水または生理食塩水である、請求項4記載の組成物。
【請求項6】
再水和後、血小板、血小板由来材料、または両方が水性液体をさらに含有する、請求項1〜5のいずれか一項記載の組成物。
【請求項7】
トレハロースを含まない、請求項1〜6のいずれか一項記載の組成物。
【請求項8】
水性液体によって再水和された、血球成分を実質的に含まない血漿;ならびに
(a)少なくとも1つの糖類と少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む、蘇生混合物、
(b)血小板もしくは血小板由来材料、または
(c)(a)および(b)の両方
を含む組成物であって、血液蘇生を必要とする対象へ投与された時に蘇生効果を提供するために十分な血漿、糖類、塩、および高分子量非イオン性親水性ポリマーを含む、該組成物。
【請求項9】
血漿が、40国際単位(IU)以上の全ての個々の因子を示す凝固因子レベルを有する、請求項8記載の組成物。
【請求項10】
蘇生混合物の少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーがショ糖とエピクロロヒドリンとのコポリマーである、前記請求項のいずれか一項記載の組成物。
【請求項11】
コポリマーがポリスクロースである、請求項10記載の組成物。
【請求項12】
凝固機能の保存のための添加剤をさらに含む、前記請求項のいずれか一項記載の組成物。
【請求項13】
凝固機能の保存のための添加剤がL-カルニチン、プロピオニルL-カルニチン、タウリン、グリセロホスホコリン(GCP)、またはトレハロースである、請求項12記載の組成物。
【請求項14】
凝固機能の保存のための添加剤がタウリンを含む、請求項12記載の組成物。
【請求項15】
(a)血小板、血小板由来材料、もしくは両方、
(b)血漿、または
(c)緩衝剤と少なくとも1つの糖類と少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む、混合物
のうちの2つ以上を含む組成物であって、
(a)、(b)、または(c)のうちの少なくとも1つが凍結乾燥物である、
該組成物。
【請求項16】
(a)、(b)、および(c)を含む、請求項15記載の組成物。
【請求項17】
請求項1〜16のいずれか一項記載の組成物を対象へ投与する工程を含む、対象における血液量減少を処置する方法。
【請求項18】
血小板または血小板由来材料および血漿を含む、請求項1記載の組成物。
【請求項19】
血小板が乾燥物である、請求項18記載の組成物。
【請求項20】
血小板が凍結乾燥物である、請求項18または請求項19記載の組成物。
【請求項21】
血小板由来材料が乾燥物である、請求項18記載の組成物。
【請求項22】
血小板由来材料が凍結乾燥物である、請求項18または請求項21記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、参照によってその全体が本明細書中に組み入れられる2018年9月11日に出願された米国仮出願第62/729,830号に基づく優先権を主張する。
【0002】
技術分野
本書は、医学の領域に関する。血小板、血漿、または少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物のうちの1つまたは複数を含む組成物、ならびにそのような組成物によって血液量減少を処置する方法が、本明細書中に提供される。
【発明の概要】
【0003】
概要
(a)血小板または血小板由来材料のうちの1つまたは複数;(b)血漿;および(c)少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物という3つの成分を含む組成物が、本明細書中に提供される。本明細書中に提供される組成物のいくつかの態様において、混合物は、緩衝剤および/または少なくとも1つの糖類をさらに含む。
【0004】
いくつかの態様において、
(a)血小板もしくは血小板由来材料、または
(b)血漿
のうちの少なくとも1つは、乾燥物である。
【0005】
いくつかの態様において、
(a)血小板もしくは血小板由来材料、または
(b)少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む、混合物
のうちの少なくとも1つは、乾燥物である。
【0006】
いくつかの態様において、
(a)血漿、または
(b)少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む、混合物
のうちの少なくとも1つは、乾燥物である。
【0007】
いくつかの態様において、
(a)血小板もしくは血小板由来材料、
(b)血漿、または
(c)少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む、混合物
のうちの少なくとも1つは、乾燥物である。
【0008】
さらに、本明細書中に提供される組成物のいくつかの態様は、血小板もしくは血小板由来材料、血漿、または少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物のうちの1つまたは複数を含む。いくつかの態様において、本明細書中に提供される組成物は、血小板もしくは血小板由来材料、血漿、または少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物のうちの2つ以上を含む。いくつかの態様において、本明細書中に提供される組成物は、血小板または血小板由来材料、血漿、および少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物を含む。いくつかの態様において、本明細書中に提供される組成物は、緩衝剤および/または少なくとも1つの糖類をさらに含む混合物を含む。
【0009】
いくつかの態様において、
(a)血小板もしくは血小板由来材料、または
(b)血漿
のうちの少なくとも1つは、乾燥物である。
【0010】
いくつかの態様において、
(a)血小板もしくは血小板由来材料、または
(b)少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む、混合物
のうちの少なくとも1つは、乾燥物である。
【0011】
いくつかの態様において、
(a)血漿、または
(b)少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む、混合物
のうちの少なくとも1つは、乾燥物である。
【0012】
いくつかの態様において、
(a)血小板もしくは血小板由来材料、
(b)血漿、または
(c)少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む、混合物
のうちの少なくとも1つは、乾燥物である。
【0013】
いくつかの態様において、血小板もしくは血小板由来材料、血漿、または少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物のうちの1つまたは複数を含む組成物は、血中へ注入可能な組成物のような注入可能な組成物である。いくつかの態様において、本明細書中に提供される組成物は、注射可能な組成物である。
【0014】
いくつかの態様において、血小板もしくは血小板由来材料、血漿、または少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物のうちの1つまたは複数を含む組成物は、赤血球または赤血球代用物をさらに含む。従って、いくつかの態様において、
赤血球または赤血球代用物;ならびに
(a)少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む、蘇生混合物、
(b)血小板もしくは血小板由来材料、または
(c)(a)および(b)の両方
を含む組成物が、本明細書中に提供される。
【0015】
いくつかの態様において、
血球成分を実質的に含まない乾燥血漿;
赤血球または赤血球代用物;ならびに
(a)少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む、蘇生混合物、
(b)血小板もしくは血小板由来材料、または
(c)(a)および(b)の両方
を含む組成物が、本明細書中に提供される。
【0016】
いくつかの態様において、
赤血球または赤血球代用物;ならびに
(a)少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む、蘇生混合物、および
(b)血小板または血小板由来材料
を含む組成物が、本明細書中に提供される。
【0017】
いくつかの態様において、
赤血球または赤血球代用物;および
少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む、蘇生混合物
を含む組成物が、本明細書中に提供される。
【0018】
いくつかの態様において、
血球成分を実質的に含まない乾燥血漿;
赤血球または赤血球代用物;ならびに
(a)少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む、蘇生混合物、および
(b)血小板または血小板由来材料
を含む組成物が、本明細書中に提供される。
【0019】
いくつかの態様において、
血球成分を実質的に含まない乾燥血漿;
赤血球または赤血球代用物;および
少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む、蘇生混合物
を含む組成物が、本明細書中に提供される。
【0020】
いくつかの態様において、
血球成分を実質的に含まない乾燥血漿;
(a)少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む、蘇生混合物、および
(b)血小板または血小板由来材料
を含む組成物が、本明細書中に提供される。
【0021】
いくつかの態様において、
血球成分を実質的に含まない乾燥血漿;および
少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む、蘇生混合物
を含む組成物が、本明細書中に提供される。
【0022】
いくつかの態様において、本明細書中に開示される組成物を対象へ投与する工程を含む、対象における血液量減少を処置する方法が、本明細書中に提供される。
【0023】
いくつかの態様において、組成物は、有効量で存在する。組成物の「有効量」とは、血液量減少もしくは失血のような本明細書中に記載の疾患もしくは状態もしくは障害の処置において有効であるか、または出血の管理において有効である組成物の量である。
【0024】
いくつかの態様において、有効量で存在する組成物は、有効量の血小板または血小板由来材料(例えば、トロンボソーム)を含む組成物である。血小板または血小板由来材料の有効量は、対象へ投与され得る、本明細書中に記載される血小板または血小板由来材料を含む組成物の任意の適切な投薬量である。例えば、いくつかの態様において、有効量は、約1.0×107粒子〜約1.0×1010粒子、例えば、約1.6×107粒子(例えば、トロンボソーム)/kg〜約1.0×1010粒子/kg(例えば、約1.6×107〜約5.1×109粒子/kg、約1.6×107〜約3.0×109粒子/kg、約1.6×107〜約1.0×109粒子/kg、約1.6×107〜約5.0×108粒子/kg、約1.6×107〜約1.0×108粒子/kg、約1.6×107〜約5.0×107粒子/kg、約5.0×107〜約1.0×108粒子/kg、約1.0×108〜約5.0×108粒子/kg、約5.0×108〜約1.0×109粒子/kg、約1.0×109〜約5.0×109粒子/kg、または約5.0×109〜約1.0×1010粒子/kg)である。
【0025】
いくつかの態様において、有効量で存在する組成物は、少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む蘇生混合物の1つまたは複数の成分を、有効量、含む組成物である。混合物の成分の有効量、例えば、少なくとも1つの塩の有効量、少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーの有効量、緩衝剤の有効量、および少なくとも1つの糖類の有効量の例は、本明細書中に開示される。いくつかの態様において、少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む蘇生混合物の有効量は、対象へ投与され得る、本明細書中に記載される少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む蘇生混合物を含む組成物の任意の適切な投薬量である。例えば、いくつかの態様において、少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む蘇生混合物の有効量は、約1mL/kg、2mL/kg、3mL/kg、4mL/kg、5mL/kg、6mL/kg、7mL/kg、8mL/kg、9mL/kg、または10mL/kgである。いくつかの態様において、有効量で存在する組成物は、コロイド液である組成物を形成するため、任意の適切な投薬量で、有効量の蘇生混合物を含む組成物である。
【0026】
いくつかの態様において、本明細書中に開示される組成物を対象へ投与する工程を含む、対象における失血を処置しかつ/または出血を管理する方法が、本明細書中に提供される。失血を処置しかつ/または出血を管理する方法は、血小板もしくは血小板由来材料、血漿、および/または少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物を使用するかまたは投与する工程を含み得る。いくつかの態様において、失血を処置する方法は、赤血球を使用するかまたは投与する工程を含む。いくつかの態様において、失血を処置する方法は、赤血球を使用するかまたは投与する工程を含まない。
【0027】
いくつかの態様において、組成物、それらを作製する方法、および低下した血液量を有する対象における血液量を増大させるため、それらを使用する方法が、本明細書中に提供される。さらに、組成物を作製し、供給し、かつ/または保管するためのキットが、本明細書中に提供される。
【0028】
いくつかの態様において、組成物、それらを作製する方法、およびヒト対象における血液量を増大させるため、それらを使用する方法が、本明細書中に提供される。いくつかの態様において、対象は、非ヒト動物であり得る。
【0029】
いくつかの態様において、組成物を対象の血中へ注入するかまたは注射する工程を含む、本明細書中に提供される組成物を使用する方法が、本明細書中に提供される。例えば、いくつかの態様において、組成物は、望ましい注入速度、例えば、1.0mL/分で、対象へ注入されるかまたは注射される。
【0030】
いくつかの態様において、本明細書中に提供される組成物は、血行動態および/または止血に関する利益を与える、相乗的に優れた血液量増大特性および蘇生特性を提供することができる。いくつかの態様において、本明細書中に提供される組成物は、単独の血漿と比較して、または単独の付加的な成分と比較して、優れた血液量増大および/または蘇生を提供することができる。本明細書中に提供される例示的な組成物に関して、乾燥血漿と蘇生混合物との組み合わせは、血液量増大に対する効果において相乗的である血液蘇生液を提供することができる。
【0031】
いくつかの態様において、本明細書中に提供される組成物は、少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物であって、平衡合成コロイド蘇生液である混合物を含む。本明細書中に提供される組成物のいくつかの態様において存在するコロイドは、血液量減少性ショックおよび/または出血性ショックの処置において血漿増量剤として作用することができる。コロイドは、血管に保持され、毛細血管壁を容易に通過しない大きい分子を含むことによって、血漿量増大を容易にすることができる。いくつかの態様において、本明細書中に提供される組成物は、クリスタロイド蘇生液を含む。クリスタロイド溶液は、一般に、身体の血漿より高濃度の電解質を有する。
【0032】
一つの態様において、組成物は、乾燥血漿のような血漿および1つまたは複数の付加的な成分を含む。いくつかの態様において、組成物は、単独の血漿と比較して、または単独の付加的な成分と比較して、優れた血液量増大または蘇生を提供することができる。いくつかの態様において、付加的な成分は、少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物のような蘇生組成物;乾燥血小板もしくは乾燥血小板由来材料のような血小板もしくは血小板由来材料;または両方であり得る。組成物は、乾燥物の形態または液体の形態であり得る。いくつかの態様において、組成物の血漿は、乾燥物の形態であり、付加的な成分のうちの少なくとも1つは、液体の形態である。本明細書中で使用されるように、「液体の形態」とは、液体中の成分の溶液もしくは懸濁液、または成分と液体との混合物、例えば、水性液体中の溶液もしくは懸濁液、または水性液体との混合物、例えば、水性溶液をさす。いくつかの態様において、組成物は、血液量増大または蘇生を必要とする対象の処置のために組成物を使用する方法において、液体の形態で存在することができる。
【0033】
本明細書中で使用されるように、「wt/v」とは、成分を含む組成物の体積に対する成分の重量をさし、「v/v」とは、成分を含む組成物の体積に対する成分の体積をさす。
【0034】
もう一つの態様において、組成物を作製する方法が、本明細書中に提供される。作製の方法は、実務家によって選択される所望の製剤に依って変動し得る。いくつかの態様において、乾燥血漿のような血漿は、血球成分、即ち、赤血球、白血球、血小板、および血小板由来材料を実質的に含まず、「実質的に含まない」とは、本明細書中で、血漿から血球成分を分離するための当技術分野において公知の標準的な手法を使用して達成され得る量だけ、血球成分が、動物(例えば、ヒトまたはその他の哺乳動物対象)の血漿から分離されていることを意味する。いくつかの態様において、血球成分を実質的に含まない乾燥血漿のような血漿は、血漿が液体の形態で存在する時、例えば、血漿が再水和された時、1マイクロリットル(μL)当たり約10,000血小板未満(例えば、約10,000血小板/μL未満、約8,000血小板/μL未満、約6,000血小板/μL未満、約4,000血小板/μL未満、約2,000血小板/μL未満、または約1,000血小板/μL未満)を含有する。本明細書中で使用されるように、体積の単位(例えば、μL)を含む単位の記載は、最初の状態または再水和された状態の時に液体の形態である組成物を含み、乾燥物の形態であり、適切な量の液体による再水和によって所望の量の血小板/μLを提供する組成物も含む。例として、4,000血小板/μLという記載は、1mLの体積を提供するために再水和される、4,000,000個の血小板を含む組成物を示すため、使用され得る。「血小板」についての本明細書中に提供される限度(または範囲)には、血小板を含有する組成物における血小板の限度(または範囲)が包含され、血小板由来材料を含有している組成物における血小板または粒子の限度(または範囲)も包含される。例えば、血小板を含有する組成物の10,000血小板/μLという限度には、血小板由来材料を含有している組成物の10,000血小板または粒子/μLも包含される。いくつかの態様において、血小板の濃度は、患者の安全のため、7.0×1011/mL以下である。付加的な成分は、乾燥物の形態または液体の形態で提供され得る。例示的な態様において、組成物を作製する方法は、乾燥血漿組成物を作製する工程、乾燥コロイド血液量蘇生混合物を別に作製する工程、乾燥血漿組成物または乾燥コロイド血液量蘇生混合物のいずれかに水性液体を添加する工程、および液体の形態の組成物を作製するため、組成物と混合物とを組み合わせる工程を含む。他の例示的な態様において、血漿をコロイド血液量蘇生混合物の成分と組み合わせ、乾燥組成物を得ることができる。
【0035】
いくつかの態様において、乾燥組成物は、水性液体によって再水和され得る。
【0036】
コロイド血液量蘇生混合物のための補助剤または置換剤として、付加的なまたは代替的な組成物が、本明細書中に開示される組成物を作製する方法に含まれてもよい。
【0037】
いくつかの態様において、本明細書中に開示される組成物を作製する方法は、真空凍結乾燥(lyophilization)工程を含む。いくつかの態様において、組成物を作製する方法は、真空凍結乾燥工程前に病原体低下工程を含まない。
【0038】
いくつかの態様において、
乾燥血漿;ならびに
(a)少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む、蘇生混合物、
(b)血小板もしくは血小板由来材料、または
(c)(a)および(b)の両方
を含む組成物が、本明細書中に提供される。
【0039】
いくつかの態様において、
乾燥血漿;ならびに
(a)赤血球または赤血球代用物、
(b)少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む、蘇生混合物、および
(c)血小板もしくは血小板由来材料、または
(d)(a)および(b)および(c)の各々
を含む組成物が、本明細書中に提供される。
【0040】
いくつかの態様において、
血球成分を実質的に含まない乾燥血漿;ならびに
(a)少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む、蘇生混合物、
(b)血小板もしくは血小板由来材料、または
(c)(a)および(b)の両方
を含む組成物が、本明細書中に提供される。
【0041】
いくつかの態様において、
血球成分を実質的に含まない乾燥血漿;ならびに
(a)赤血球または赤血球代用物、
(b)少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む、蘇生混合物、
(c)血小板もしくは血小板由来材料、または
(c)(a)および(b)および(c)の各々
を含む組成物が、本明細書中に提供される。
【0042】
血小板(もしくは血小板由来材料)、血漿、または少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物のうちの2つ以上を含む組成物のいくつかの態様において、血漿は、約30%〜約80%wt/vの量で存在し;血小板(または血小板由来材料)は、約10,000血小板/μL〜約2,000,000血小板/μLの濃度で存在する。
【0043】
血小板(もしくは血小板由来材料)、血漿、または少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物のうちの2つ以上を含む組成物のいくつかの態様において、血漿は、約40%〜約70%wt/vの量で存在し;血小板(または血小板由来材料)は、約100,000血小板/μL〜約1,000,000血小板/μLの濃度で存在する。
【0044】
血小板(もしくは血小板由来材料)、血漿、または少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物のうちの2つ以上を含む組成物のいくつかの態様において、血漿は、約30%〜約80%wt/vの量で存在し;少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物は、約20%〜約70%wt/vの量で存在する。
【0045】
血小板(もしくは血小板由来材料)、血漿、または少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物のうちの2つ以上を含む組成物のいくつかの態様において、血漿は、約40%〜約70%wt/vの量で存在し;少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物は、約30%〜約60%wt/vの量で存在する。
【0046】
血小板(もしくは血小板由来材料)、血漿、または少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物のうちの2つ以上を含む組成物のいくつかの態様において、血漿は、約30%〜約80%wt/vの量で存在し;血小板(または血小板由来材料)は、約10,000血小板/μL〜約2,000,000血小板/μLの濃度で存在する。
【0047】
血小板(もしくは血小板由来材料)、血漿、または少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物のうちの2つ以上を含む組成物のいくつかの態様において、血漿は、約40%〜約70%wt/vの量で存在し;血小板(または血小板由来材料)は、約100,000血小板/μL〜約1,000,000血小板/μLの濃度で存在する。
【0048】
血小板(もしくは血小板由来材料)、血漿、または少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物のうちの2つ以上を含む組成物のいくつかの態様において、血漿は、約30%〜約80%wt/vの量で存在し;少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物は、約20%〜約70%wt/vの量で存在する。
【0049】
血小板(もしくは血小板由来材料)、血漿、または少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物のうちの2つ以上を含む組成物のいくつかの態様において、血漿は、約40%〜約70%wt/vの量で存在し;少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物は、約30%〜約60%wt/vの量で存在する。
【0050】
組成物のいくつかの態様において、血漿の量および血小板の量は、参照によってその全体が本明細書中に組み入れられるHolcomb et. al.,Crit Care Clin.2017;33(1):15-36に開示される比である。
【0051】
いくつかの態様において、本明細書中に提供される組成物のうちのいずれか1つは、赤血球または赤血球代用物を含み、赤血球または赤血球代用物は、1マイクロリットル当たり約200万〜約800万単位の量で存在する。いくつかの態様において、赤血球または赤血球代用物は、1マイクロリットル当たり約300万〜約700万単位の量で存在する。いくつかの態様において、赤血球または赤血球代用物は、1マイクロリットル当たり約400万〜約600万単位の量で存在する。いくつかの態様において、赤血球または赤血球代用物は、1マイクロリットル当たり約400万〜約500万単位または1マイクロリットル当たり約500万〜約600万単位の量で存在する。
【0052】
いくつかの態様において、(a)、(b)、または(c)のうちの少なくとも1つは、凍結乾燥物(freeze-dried)である。本明細書中で使用されるように、「凍結乾燥物」とは、真空凍結乾燥を使用して達成される乾燥方法をさす。従って、「凍結乾燥物」および「真空凍結乾燥物」のような用語は、本書において交換可能に使用され得る。
【0053】
いくつかの態様において、(a)は、少なくとも1つの糖類、緩衝剤、または少なくとも1つの糖類および緩衝剤の両方をさらに含む。
【0054】
いくつかの態様において、「血小板由来」材料とは、参照によってその全体が本明細書中に組み入れられる米国特許第8,486,617号に開示されるようにして血小板から得られた材料である。
【0055】
いくつかの態様において、血小板由来材料は、(i)トロンボソーム、(ii)血小板からの破壊によって形成された微粒子のような微粒子、または(iii)(i)および(ii)の両方を含む。
【0056】
本明細書中で使用されるように、(本明細書中で「Tソーム」または「T」とも呼ばれる)「トロンボソーム」とは、インキュベーティング剤(例えば、本明細書中に記載された糖類のような、本明細書中に記載されたインキュベーティング剤のうちのいずれか)によって処理され、凍結保存(例えば、凍結乾燥)された血小板誘導体である。いくつかのケースにおいて、トロンボソームは、プールされた血小板から調製され得る。トロンボソームは、環境温度において乾燥物の形態で2〜3年という有効期間を有することができ、即時注入のため、数分以内に滅菌水によって再水和され得る。トロンボソームの一例は、血小板減少患者における急性出血の処置のための臨床試験下にあるTHROMBOSOMES(登録商標)である。
【0057】
いくつかの態様において、本明細書に開示される組成物は、水性液体をさらに含む。いくつかの態様において、水性液体は、水または生理食塩水である。
【0058】
いくつかの態様において、本明細書に開示される蘇生混合物は、水性液体をさらに含む。いくつかの態様において、水性液体は、水または生理食塩水である。
【0059】
本明細書中に開示される組成物のいくつかの態様において、再水和後、血小板、血小板由来材料、または両方は、水性液体をさらに含有する。いくつかの態様において、水性液体は、血漿である。いくつかの態様において、水性液体は、少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物である。
【0060】
いくつかの態様において、乾燥血小板、乾燥血小板由来材料、または両方は、凍結乾燥物、噴霧乾燥物、または凍結噴霧乾燥物である。
【0061】
いくつかの態様において、本明細書中に開示される組成物は、トレハロースを含まない。
【0062】
本明細書中に開示される組成物のいくつかの態様において、乾燥血漿は、水性液体によって再水和された時、40国際単位(IU)以上の血液凝固に関連した全ての個々の因子(例えば、第VII因子、第VIII因子、および第IX因子)を示す凝固因子レベルを有する。
【0063】
いくつかの態様において、乾燥血漿は、水性液体によって再水和された時、第VII因子、第VIII因子、および第IX因子のみを含む凝固因子を有する。
【0064】
いくつかの態様において、乾燥血漿は、水性液体によって再水和された時、40国際単位(IU)以上の血液凝固に関連した個々の第VII因子、第VIII因子、および第IX因子を示す凝固因子レベルを有する。
【0065】
いくつかの態様において、
水性液体によって再水和された、血球成分を実質的に含まない血漿、ならびに
(a)少なくとも1つの糖類と少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む、蘇生混合物、
(b)血小板もしくは血小板由来材料、または
(c)(a)および(b)の両方
を含む組成物であって、血液蘇生を必要とする対象へ投与された時に蘇生効果を提供するために十分な血漿、糖類、塩、および高分子量非イオン性親水性ポリマーを含む組成物が、本明細書中に提供される。
【0066】
いくつかの態様において、組成物は、血液蘇生を必要とする対象へ投与された時に蘇生効果を提供するための1つまたは複数の成分を含む。「蘇生効果」とは、血管が崩壊せず、血液が患者体内の主要器官に到達するよう、患者の血圧(例えば、平均動脈圧)および/または血液量を回復させることである。いくつかの態様において、蘇生効果は、平均動脈圧(MAP)の少なくとも50mmHg(例えば、少なくとも60mmHg、少なくとも70mmHg、少なくとも80mmHg、少なくとも90mmHg、または少なくとも100mmHg)への回復を含む。いくつかの態様において、蘇生効果は、平均動脈圧(MAP)の100mmHg以下(例えば、90mmHg以下、80mmHg以下、70mmHg以下、または60mmHg以下)への回復を含む。いくつかの態様において、蘇生効果は、平均動脈圧(MAP)の約60mmHg〜約100mmHgまたは約70mmHg〜約90mmHgへの回復を含む。
【0067】
いくつかの態様において、
水性液体によって再水和された血漿、ならびに
(a)赤血球または赤血球代用物、
(b)少なくとも1つの糖類と少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む、蘇生混合物、
(c)血小板もしくは血小板由来材料、または
(d)(a)および(b)および(c)の各々
を含む組成物であって、血液蘇生を必要とする対象へ投与された時に蘇生効果を提供するために十分な血漿、糖類、塩、および高分子量非イオン性親水性ポリマーを含む組成物が、本明細書中に提供される。
【0068】
水性液体によって再水和された血漿を含む組成物のいくつかの態様(例えば、前記の態様)において、血漿は、40国際単位(IU)以上の血液凝固に関連した全ての個々の因子を示す凝固因子レベルを有する。
【0069】
本明細書中に開示された組成物のいくつかの態様において、蘇生混合物の少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーは、ショ糖とエピクロロヒドリンとのコポリマーである。いくつかのより具体的な態様において、コポリマーは、ポリスクロースである。
【0070】
本明細書中に開示された組成物のいくつかの態様において、組成物は等張である。
【0071】
いくつかの態様において、本明細書に開示される組成物は、凝固機能の保存のための添加剤をさらに含む。いくつかの態様において、凝固機能の保存のための添加剤には、L-カルニチン、プロピオニルL-カルニチン、タウリン、グリセロホスホコリン(GCP)、またはトレハロースが含まれる。いくつかの態様において、凝固機能の保存のための添加剤には、タウリンが含まれる。
【0072】
いくつかの態様において、
(a)第1の混合物を形成するため、多数の血漿試料を混合する工程;および
(b)血球成分を実質的に含まない乾燥血漿を形成するため、第1の混合物を真空凍結乾燥するかまたは噴霧乾燥する工程
を含む、血球成分を実質的に含まない乾燥血漿を製造する方法が、本明細書中に提供される。
【0073】
いくつかの態様において、製造の方法は、水和された血漿を形成するため、水性液体によって乾燥血漿を再水和する工程をさらに含む。
【0074】
組成物を使用する方法も、本明細書中に提供される。使用の方法は、典型的には、血液量増大または蘇生を必要とする対象の処置の方法に関する。しかしながら、組成物を使用する方法は、血液の実質的な喪失が予想されるか、またはしばしば見られる手技を受ける直前の対象の処置のための予防的な方法であってもよいことが理解されるべきである。例えば、出血は、一般人および軍人の両方の外傷後の防止可能な死亡の主因であり続けている。
【0075】
出血は、外傷関連死亡の40%もの原因となっており、大部分の出血関連死亡が損傷後の最初の6時間に起こる。出血性ショックに直面した蘇生の目標は、出血の根治的な管理を試みながらの終末器官灌流の回復および組織酸素化の維持である。組成物を使用する方法は、インビトロもしくはインビボの方法または診断方法であり得ることが理解されるべきである。一般に、対象の処置のために組成物を使用する方法は、水性液体によって組成物の成分(例えば、乾燥血漿、乾燥血小板、または乾燥血小板由来材料)を再水和する工程、均一な混合物を達成するために適切な条件を提供する工程、およびそれを必要とする対象へ混合物を投与する工程を含む。同様に、研究または診断の方法のため、方法は、組成物の成分(例えば、乾燥血漿、乾燥血小板、または乾燥血小板由来材料)を水性液体によって再水和する工程、および均一な混合物を達成するために適切な条件を提供する工程を含む。次いで、均一な混合物は、研究または診断方法において使用され得る。
【0076】
従って、いくつかの態様において、
再水和された組成物を得るため、本明細書中に開示される組成物の少なくとも1つの成分を再水和する工程;および
再水和された組成物を対象へ投与する工程
を含む、対象における血液増大および/または蘇生の方法が、本明細書中に提供される。
【0077】
いくつかのより具体的な態様において、再水和された組成物は、均一な混合物である。
【0078】
いくつかの態様において、組成物の成分を含有するキットが、本明細書中に提供される。本書において使用されるように、キットとは、本明細書中に提供される組成物の成分のうちの一部または全部を提供するパッケージである。パッケージは、組成物成分の出荷、輸送等のために適当である。パッケージは、使用のために必要とされるまで、組成物成分を保管するためにも適当であり得る。血液成分の出荷および保管のためのキットは、より詳細に以下に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0079】
図1図1は、様々な組成物についての、平均動脈圧(MAP)の、時間に対するプロットを示す(t=ベースラインは動物の初期平均血圧が測定される時点であり;t=0は出血が誘導される(即ち、40%の血液量が対象から取り出される)時点であり;t=10は静脈内試験試料が注入される時点である)。
図2図2は、様々な組成物についての、ベースラインからの平均動脈圧の%変化の、時間に対するプロットを示す(t=ベースラインは動物の初期MAPが測定される時点であり;t=0は出血が誘導される時点であり;t=10は静脈内試験試料が注入される時点である)。
図3図3は、様々な組成物についての、ベースラインからの平均動脈圧の%変化の、時間に対するプロットを示す(t=ベースラインは動物の初期MAPが測定される時点であり;t=0は出血が誘導される時点であり;t=10は静脈内試験試料が注入される時点である)。
図4図4は、5ml/kgにおける、生理食塩水と比べた、表1の試験物1についての、ベースラインからの平均動脈圧の、時間に対するプロットを示す(t=ベースラインは動物の初期MAPが測定される時点であり;t=0は出血が誘導される時点であり;t=10は静脈内試験試料が注入される時点である)。
図5図5は、様々な蘇生混合物についての、ベースラインからの平均動脈圧の、時間に対するプロットを示す(t=ベースラインは動物の初期MAPが測定される時点であり;t=0は出血が誘導される時点であり;t=10は静脈内試験試料が注入される時点である)。
図6図6は、1.25ml/kgにおける、生理食塩水と比べた、例示的な蘇生混合物(表1の試験物1)についての、ベースラインからの平均動脈圧の、時間に対するプロットを示す(t=ベースラインは動物の初期MAPが測定される時点であり;t=0は出血が誘導される時点であり;t=10は静脈内試験試料が注入される時点である)。
図7図7は、例示的な蘇生混合物(表1の試験物1)の様々な濃度についての、ベースラインからの平均動脈圧の、時間に対するプロットを示す(t=ベースラインは動物の初期MAPが測定される時点であり;t=0は出血が誘導される時点であり;t=10は静脈内試験試料が注入される時点である)。
【発明を実施するための形態】
【0080】
詳細な説明
本明細書中に提供される様々な例示的な態様が、ここで、詳細に参照されるであろう。例示的な態様の以下の考察は、本明細書中に広く開示される本発明を限定するためのものではないことが理解されるべきである。むしろ、以下の考察は、本発明のある種の局面および特色のより詳細な理解を与えるため、提供される。
【0081】
具体的な態様が詳細に記載される前に、本明細書中で使用される用語法は、具体的な態様を記載するためのものに過ぎず、限定するためのものではないことが理解されるべきである。さらに、値の範囲が提供される場合、その範囲の上限と下限との間に含まれる値も、各々、具体的に開示されていることが理解されるべきである。明記された値または明記された範囲に含まれる値と、他の明記された値または明記された範囲に含まれる値との間のより小さい範囲も、各々、本書内に包含され、暗示的に開示されている。
【0082】
他に定義されない限り、本明細書中で使用される技術用語および科学用語は全て、その用語が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同一の意味を有する。本明細書中に記載されたものと類似しているかまたは等価である任意の方法および材料が、本明細書中に記載された様々な態様の実施または試行において使用され得るが、好ましい方法および材料がここで記載される。本明細書中で言及された刊行物は全て、その刊行物の引用に関連した方法および/または材料を開示し、記載するため、参照によって本明細書中に組み入れられる。組み入れられた刊行物と矛盾する場合、本開示が優先される。
【0083】
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用されるように、単数形「(a)」、「(an)」、および「(the)」には、そうでないことを情況が明白に指示しない限り、複数の指示物が含まれる。従って、例えば、「コロイド(a colloid)」との言及には、多数のそのようなコロイドが含まれ、「糖類(a saccharide)」との言及には、当業者に公知の1つまたは複数の糖類およびそれらの等価物への言及が含まれる。全くさらなる明確のため、言及された物質の1つまたは複数が存在し得ることを示すため、「少なくとも1つ」および「1つまたは複数」という用語が、時に使用され得る。そのような用語法の使用は、この段落において既になされた記述を変更せず、それと矛盾しない。さらに、等価な用語を使用して記載され得る用語の使用には、それらの等価な用語の使用が含まれる。
【0084】
いくつかの態様において、血小板(もしくは血小板由来材料)、血漿、または緩衝剤と少なくとも1つの糖類と少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物のうちの1つまたは複数を含む組成物、ならびにそのような組成物によって血液量減少を処置する方法が、本明細書中に提供される。いくつかの態様において、血小板(もしくは血小板由来材料)、血漿、または緩衝剤と少なくとも1つの糖類と少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物のうちの2つ以上を含む組成物、ならびにそのような組成物によって血液量減少を処置する方法が、本明細書中に提供される。いくつかの態様において、血小板、血漿、および緩衝剤と少なくとも1つの糖類と少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物を含む組成物、ならびにそのような組成物によって血液量減少を処置する方法が、本明細書中に提供される。
【0085】
いくつかの態様において、本明細書中に開示される組成物を対象へ投与する工程を含む、血液量減少を処置する方法が、本明細書中に提供される。
【0086】
いくつかの態様において、
血球成分を実質的に含まない乾燥血漿;ならびに
(a)少なくとも1つの糖類と少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む、蘇生混合物、
(b)血小板もしくは血小板由来材料、または
(c)(a)および(b)の両方
を含む組成物が、本明細書中に提供される。
【0087】
いくつかの態様において、本明細書中に開示される組成物は、水性液体をさらに含む。いくつかの態様において、水性液体は、水または生理食塩水である。
【0088】
いくつかの態様において、本明細書中に開示される蘇生混合物は、水性液体をさらに含む。いくつかの態様において、水性液体は、水または生理食塩水である。
【0089】
本明細書中に開示される組成物のいくつかの態様において、乾燥血小板、乾燥血小板由来材料、または両方は、水性液体をさらに含有する。いくつかの態様において、乾燥血小板、乾燥血小板由来材料、または両方は、凍結乾燥物、噴霧乾燥物、または凍結噴霧乾燥物である。
【0090】
いくつかの態様において、本明細書中に開示される組成物は、トレハロースを含まない。
【0091】
本明細書中に開示される組成物のいくつかの態様において、乾燥血漿は、水性液体によって再水和された時、40国際単位(IU)以上の全ての個々の因子を示す凝固因子レベルを有する。
【0092】
いくつかの態様において、乾燥血漿は、水性液体によって再水和された時、第VII因子、第VIII因子、および第IX因子のみを含む凝固因子を有する。
【0093】
いくつかの態様において、乾燥血漿は、水性液体によって再水和された時、40国際単位(IU)以上の血液凝固に関連した個々の第VII因子、第VIII因子、および第IX因子を示す凝固因子レベルを有する。
【0094】
いくつかの態様において、
水性液体によって再水和された、血球成分を実質的に含まない血漿;ならびに
(a)少なくとも1つの糖類と少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む、蘇生混合物、
(b)血小板もしくは血小板由来材料、または
(c)(a)および(b)の両方
を含む組成物であって、血液蘇生を必要とする対象へ投与された時に蘇生効果を提供するために十分な血漿、糖類、塩、および高分子量非イオン性親水性ポリマーを含む組成物が、本明細書中に提供される。
【0095】
水性液体によって再水和された血漿を含む組成物のいくつかの態様において、血漿は、40国際単位(IU)以上の全ての個々の因子を示す凝固因子レベルを有する。
【0096】
乾燥組成物が再水和されるいくつかの態様において、組成物は、乾燥前の組成物の体積とほぼ同一の体積に再水和される。乾燥組成物が再水和されるいくつかの態様において、組成物は、乾燥前の組成物の体積の約0.5倍または約0.6倍または約0.7倍または約0.8倍または約0.9倍または約1.0倍または約1.1倍または約1.2倍または約1.3倍または約1.4倍または約1.5倍または約1.6倍または約1.7倍または約1.8倍または約1.9倍または約2.0倍に再水和される。
【0097】
組成物の(本明細書中に開示される血漿、血小板、血小板由来材料、または少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物のような)乾燥成分が再水和されるいくつかの態様において、成分は、乾燥前の組成物の体積と同一の体積に再水和される。組成物の成分が再水和されるいくつかの態様において、成分は、乾燥前の成分の体積の約0.5倍または約0.6倍または約0.7倍または約0.8倍または約0.9倍または約1.0倍または約1.1倍または約1.2倍または約1.3倍または約1.4倍または約1.5倍または約1.6倍または約1.7倍または約1.8倍または約1.9倍または約2.0倍に再水和される。
【0098】
本明細書中に開示された組成物のいくつかの態様において、蘇生混合物の少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーは、ショ糖とエピクロロヒドリンとのコポリマーである。いくつかのより具体的な態様において、コポリマーは、ポリスクロースである。
【0099】
いくつかの態様において、本明細書中に開示される組成物は、凝固機能の保存のための添加剤をさらに含む。いくつかの態様において、凝固機能の保存のための添加剤には、L-カルニチン、プロピオニルL-カルニチン、タウリン、グリセロホスホコリン(GCP)、またはトレハロースが含まれる。いくつかの態様において、凝固機能の保存のための添加剤には、タウリンが含まれる。
【0100】
いくつかの態様において、
(a)第1の混合物を形成するため、多数の血漿試料を混合する工程;および
(b)血球成分を実質的に含まない乾燥血漿を形成するため、第1の混合物を真空凍結乾燥するかまたは噴霧乾燥する工程
を含む、血球成分を実質的に含まない乾燥血漿を製造する方法が、本明細書中に提供される。
【0101】
いくつかの態様において、製造の方法は、水和された血漿を形成するため、水性液体によって乾燥血漿を再水和する工程をさらに含む。
【0102】
いくつかの態様において、血小板(もしくは血小板由来材料)、血漿、または緩衝剤と少なくとも1つの糖類と少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物のうちの1つまたは複数を含む組成物、ならびにそのような組成物によって血液量減少を処置する方法が、本明細書中に提供される。いくつかの態様において、血小板(もしくは血小板由来材料)、血漿、または緩衝剤と少なくとも1つの糖類と少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物のうちの2つ以上を含む組成物、ならびにそのような組成物によって血液量減少を処置する方法が、本明細書中に提供される。いくつかの態様において、血小板(または血小板由来材料)、血漿、および緩衝剤と少なくとも1つの糖類と少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物を含む組成物、ならびにそのような組成物によって血液量減少を処置する方法が、本明細書中に提供される。
【0103】
本明細書中に提供される組成物のうちのいずれか1つは、赤血球または赤血球代用物を含んでいてもよい。いくつかの態様において、血小板もしくは血小板由来材料、血漿、または少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物のうちの1つまたは複数を含み、赤血球または赤血球代用物をさらに含む組成物が、本明細書中に提供される。従って、いくつかの態様において、
赤血球または赤血球代用物;ならびに
(a)少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む、蘇生混合物、
(b)血小板もしくは血小板由来材料、または
(c)(a)および(b)の両方
を含む組成物が、本明細書中に提供される。
【0104】
いくつかの態様において、
血球成分、赤血球、または赤血球代用物を実質的に含まない乾燥血漿;ならびに
(a)少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む、蘇生混合物、
(b)血小板もしくは血小板由来材料、または
(c)(a)および(b)の両方
を含む組成物が、本明細書中に提供される。
【0105】
いくつかの態様において、
赤血球または赤血球代用物;ならびに
(a)少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む、蘇生混合物、および
(b)血小板または血小板由来材料
を含む組成物が、本明細書中に提供される。
【0106】
いくつかの態様において、
赤血球または赤血球代用物;および
少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む、蘇生混合物
を含む組成物が、本明細書中に提供される。
【0107】
いくつかの態様において、
血球成分を実質的に含まない乾燥血漿;
赤血球または赤血球代用物;ならびに
(a)少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む、蘇生混合物、および
(b)血小板または血小板由来材料
を含む組成物が、本明細書中に提供される。
【0108】
いくつかの態様において、
血球成分を実質的に含まない乾燥血漿;
赤血球または赤血球代用物;および
少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む、蘇生混合物
を含む組成物が、本明細書中に提供される。
【0109】
いくつかの態様において、
血球成分を実質的に含まない乾燥血漿;
(a)少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む、蘇生混合物、および
(b)血小板または血小板由来材料
を含む組成物が、本明細書中に提供される。
【0110】
いくつかの態様において、
血球成分を実質的に含まない乾燥血漿;および
少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む、蘇生混合物
を含む組成物が、本明細書中に提供される。
【0111】
いくつかの態様において、本明細書中に開示される組成物を対象へ投与する工程を含む、血液量減少を処置する方法が、本明細書中に提供される。
【0112】
いくつかの態様において、血小板または血小板由来材料を含む組成物が、本明細書中に提供される。いくつかの態様において、血小板または血小板由来材料を含む組成物を対象へ投与する工程を含む、対象における血液量減少を処置する方法が、本明細書中に提供される。いくつかの態様において、血小板または血小板由来材料は、乾燥物である。いくつかの態様において、血小板または血小板由来材料は、凍結乾燥物である。いくつかの態様において、血小板または血小板由来材料は、凍結乾燥物ではない。いくつかの態様において、血小板を含む組成物は、水性である。いくつかの態様において、血小板由来材料は、乾燥物である。いくつかの態様において、血小板由来材料は、凍結乾燥物である。いくつかの態様において、血小板由来材料を含む組成物は、水性である。
【0113】
いくつかの態様において、血漿を含む組成物が、本明細書中に提供される。いくつかの態様において、血漿を含む組成物を対象へ投与する工程を含む、対象における血液量減少を処置する方法が、本明細書中に提供される。いくつかの態様において、血漿は、乾燥物である。いくつかの態様において、血漿は、凍結乾燥物である。いくつかの態様において、血漿は、凍結乾燥物ではない。いくつかの態様において、血漿を含む組成物は、水性である。いくつかの態様において、血漿は、血球成分を実質的に含まない乾燥血漿である。
【0114】
いくつかの態様において、少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物を含む組成物が、本明細書中に提供される。いくつかの態様において、緩衝剤と少なくとも1つの糖類と少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物を含む組成物が、本明細書中に提供される。いくつかの態様において、少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物を含む組成物を対象へ投与する工程を含む、対象における血液量減少を処置する方法が、本明細書中に提供される。いくつかの態様において、緩衝剤と少なくとも1つの糖類と少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物を含む組成物を対象へ投与する工程を含む、対象における血液量減少を処置する方法が、本明細書中に提供される。いくつかの態様において、混合物は、乾燥物である。いくつかの態様において、混合物は、凍結乾燥物である。いくつかの態様において、混合物は、凍結乾燥物ではない。いくつかの態様において、混合物は、水性である。いくつかの態様において、緩衝剤と少なくとも1つの糖類と少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物は、Reovol(商標)である。
【0115】
いくつかの態様において、(1)血小板または血小板由来材料および(2)血漿を含む組成物が、本明細書中に提供される。いくつかの態様において、(1)血小板または血小板由来材料および(2)血漿を含む組成物を対象へ投与する工程を含む、対象における血液量減少を処置する方法が、本明細書中に提供される。いくつかの態様において、血小板は、乾燥物(例えば、凍結乾燥物)である。いくつかの態様において、血小板由来材料は、乾燥物である。いくつかの態様において、血漿は、乾燥物(例えば、凍結乾燥物)である。いくつかの態様において、血小板は、乾燥物であり、血漿は、乾燥物である。いくつかの態様において、血小板由来材料は、乾燥物であり、血漿は、乾燥物である。いくつかの態様において、(1)血小板または血小板由来材料および(2)血漿を含む組成物は、水性である。いくつかの態様において、組成物は、血小板および血漿を含み、血漿は、血球成分を実質的に含まない乾燥血漿である。いくつかの態様において、組成物は、血小板由来材料および血漿を含み、血漿は、血球成分を実質的に含まない乾燥血漿である。いくつかの態様において、(1)血小板または血小板由来材料および(2)血漿を含む組成物は、少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物を含まない。いくつかの態様において、(1)血小板または血小板由来材料および(2)血漿を含む組成物は、緩衝剤と少なくとも1つの糖類と少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物を含まない。
【0116】
いくつかの態様において、(1)血小板または血小板由来材料および(2)少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物を含む組成物が、本明細書中に提供される。いくつかの態様において、(1)血小板または血小板由来材料および(2)緩衝剤と少なくとも1つの糖類と少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物を含む組成物が、本明細書中に提供される。いくつかの態様において、(1)血小板または血小板由来材料および(2)少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物を含む組成物を対象へ投与する工程を含む、対象における血液量減少を処置する方法が、本明細書中に提供される。いくつかの態様において、(1)血小板または血小板由来材料および(2)緩衝剤と少なくとも1つの糖類と少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物を含む組成物を対象へ投与する工程を含む、対象における血液量減少を処置する方法が、本明細書中に提供される。いくつかの態様において、血小板は、乾燥物(例えば、凍結乾燥物)である。いくつかの態様において、血小板由来材料は、乾燥物(例えば、凍結乾燥物)である。いくつかの態様において、混合物は、乾燥物(例えば、凍結乾燥物)である。いくつかの態様において、血小板は、乾燥物であり、混合物は、乾燥物である。いくつかの態様において、血小板由来材料は、乾燥物であり、混合物は、乾燥物である。いくつかの態様において、(1)血小板または血小板由来材料および(2)少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物を含む組成物は、水性である。いくつかの態様において、(1)血小板または血小板由来材料および(2)緩衝剤と少なくとも1つの糖類と少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物を含む組成物は、水性である。いくつかの態様において、組成物は、血小板を含み、緩衝剤と少なくとも1つの糖類と少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物は、Reovol(商標)である。いくつかの態様において、組成物は、血小板由来材料を含み、緩衝剤と少なくとも1つの糖類と少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物は、Reovol(商標)である。いくつかの態様において、(1)血小板または血小板由来材料および(2)緩衝剤と少なくとも1つの糖類と少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーを含む組成物を含む混合物は、血漿を含まない。
【0117】
いくつかの態様において、(1)血漿および(2)少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物を含む組成物が、本明細書中に提供される。いくつかの態様において、(1)血漿および(2)緩衝剤と少なくとも1つの糖類と少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物を含む組成物が、本明細書中に提供される。いくつかの態様において、(1)血漿および(2)少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物を含む組成物を対象へ投与する工程を含む、対象における血液量減少を処置する方法が、本明細書中に提供される。いくつかの態様において、(1)血漿および(2)緩衝剤と少なくとも1つの糖類と少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物を含む組成物を対象へ投与する工程を含む、対象における血液量減少を処置する方法が、本明細書中に提供される。いくつかの態様において、血漿は、乾燥物(例えば、凍結乾燥物)である。いくつかの態様において、少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物は、乾燥物(例えば、凍結乾燥物)である。いくつかの態様において、緩衝剤と少なくとも1つの糖類と少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物は、乾燥物(例えば、凍結乾燥物)である。いくつかの態様において、血漿は、乾燥物であり、緩衝剤と少なくとも1つの糖類と少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物は、乾燥物である。いくつかの態様において、血漿は、乾燥物であり、緩衝剤と少なくとも1つの糖類と少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物は、乾燥物である。いくつかの態様において、(1)血漿および(2)少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物を含む組成物は、水性である。いくつかの態様において、(1)血漿および(2)緩衝剤と少なくとも1つの糖類と少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物を含む組成物は、水性である。いくつかの態様において、血漿は、血球成分を実質的に含まない乾燥血漿であり、緩衝剤と少なくとも1つの糖類と少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物は、Reovol(商標)である。いくつかの態様において、(1)血漿および(2)少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物を含む組成物は、血小板または血小板由来材料を含まない。いくつかの態様において、(1)血漿および(2)緩衝剤と少なくとも1つの糖類と少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物を含む組成物は、血小板または血小板由来材料を含まない。
【0118】
血小板(または血小板由来材料)、血漿、または少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物のうちの2つ以上を含む組成物のいくつかの態様において、血漿は、約1%〜約99%wt/v、約10%〜約90%wt/v、例えば、約20%〜約80%wt/v、例えば、約30%〜約80%wt/v、例えば、約30%〜約70%wt/v、例えば、約30%〜約60%wt/v、例えば、約40%〜約60%wt/v、例えば、約40%〜約50%wt/vの量で存在し;血小板(または血小板由来材料)は、約10,000血小板/μL〜約2,000,000血小板/μL、例えば、約20,000血小板/μL〜約1,500,000血小板/μL、例えば、約30,000血小板/μL〜約1,000,000血小板/μL、例えば、約40,000血小板/μL〜約900,000血小板/μL v、例えば、約50,000血小板/μL〜約800,000血小板/μL、例えば、約100,000血小板/μL〜約700,000血小板/μL、例えば、約200,000血小板/μL〜約600,000血小板/μL、例えば、約300,000血小板/μL〜約500,000血小板/μLの濃度で存在し;少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物は、約0%〜約90%wt/v、例えば、約10%〜約80%wt/v、例えば、約20%〜約80%wt/v、例えば、約30%〜約80%wt/v、例えば、約30%〜約70%wt/v、例えば、約30%〜約60%wt/v、例えば、約40%〜約60%wt/v、例えば、約40%〜約50%wt/vの量で存在し;
ここで、wt/vは、成分の重量と組成物の重量との比を示し;
但し、
血小板(または血小板由来材料)、または
少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物
のうちの少なくとも1つ
が、組成物に存在する。
【0119】
血小板(または血小板由来材料)、血漿、または少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物のうちの2つ以上を含む組成物のいくつかの態様において、
血漿は、約30%〜約80%wt/vの量で存在し;
血小板(または血小板由来材料)は、約10,000血小板/μL〜約2,000,000血小板/μLの濃度で存在する。
【0120】
血小板(もしくは血小板由来材料)、血漿、または少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物のうちの2つ以上を含む組成物のいくつかの態様において、
血漿は、約40%〜約70%wt/vの量で存在し;
血小板(または血小板由来材料)は、約100,000血小板/μL〜約1,000,000血小板/μLの濃度で存在する。
【0121】
血小板(もしくは血小板由来材料)、血漿、または少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物のうちの2つ以上を含む組成物のいくつかの態様において、
血漿は、約30%〜約80%wt/vの量で存在し;
少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物は、約20%〜約70%wt/vの量で存在する。
【0122】
血小板(もしくは血小板由来材料)、血漿、または少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物のうちの2つ以上を含む組成物のいくつかの態様において、
血漿は、約40%〜約70%wt/vの量で存在し;
少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物は、約30%〜約60%wt/vの量で存在する。
【0123】
血小板(もしくは血小板由来材料)、血漿、または少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物のうちの2つ以上を含む組成物のいくつかの態様において、
血漿は、乾燥物であり;
少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物は、液体の形態である。
【0124】
血小板(もしくは血小板由来材料)、血漿、または少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物のうちの2つ以上を含む組成物のいくつかの態様において、
血小板(または血小板由来材料)は、乾燥物であり;
少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物は、液体の形態である。
【0125】
いくつかの態様において、(1)血小板または血小板由来材料、(2)血漿、および(3)少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物を含む組成物が、本明細書中に提供される。いくつかの態様において、(1)血小板または血小板由来材料、(2)血漿、および(3)緩衝剤と少なくとも1つの糖類と少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物を含む組成物が、本明細書中に提供される。いくつかの態様において、(1)血小板または血小板由来材料、(2)血漿、および(3)少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物を含む組成物を対象へ投与する工程を含む、対象における血液量減少を処置する方法が、本明細書中に提供される。いくつかの態様において、(1)血小板または血小板由来材料、(2)血漿、および(3)緩衝剤と少なくとも1つの糖類と少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物を含む組成物を対象へ投与する工程を含む、対象における血液量減少を処置する方法が、本明細書中に提供される。いくつかの態様において、血小板は、乾燥物(例えば、凍結乾燥物)である。いくつかの態様において、血小板由来材料は、乾燥物(例えば、凍結乾燥物)である。いくつかの態様において、血漿は、乾燥物(例えば、凍結乾燥物)である。いくつかの態様において、少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物は、乾燥物(例えば、凍結乾燥物)である。いくつかの態様において、緩衝剤と少なくとも1つの糖類と少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物は、乾燥物(例えば、凍結乾燥物)である。いくつかの態様において、血小板は、乾燥物であり、血漿は、乾燥物であり、少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物は、乾燥物である。いくつかの態様において、血小板は、乾燥物であり、血漿は、乾燥物であり、緩衝剤と少なくとも1つの糖類と少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物は、乾燥物である。いくつかの態様において、血小板由来材料は、乾燥物であり、血漿は、乾燥物であり、少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物は、乾燥物である。いくつかの態様において、血小板由来材料は、乾燥物であり、血漿は、乾燥物であり、緩衝剤と少なくとも1つの糖類と少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物は、乾燥物である。いくつかの態様において、(1)血小板または血小板由来材料、(2)血漿、および(3)少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物を含む組成物は、水性である。いくつかの態様において、(1)血小板または血小板由来材料、(2)血漿、および(3)緩衝剤と少なくとも1つの糖類と少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物を含む組成物は、水性である。いくつかの態様において、血漿は、血球成分を実質的に含まない乾燥血漿であり、緩衝剤と少なくとも1つの糖類と少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物は、Reovol(商標)である。いくつかの態様において、血漿は、血球成分を実質的に含まない乾燥血漿であり、緩衝剤と少なくとも1つの糖類と少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物は、Reovol(商標)である。
【0126】
血小板(または血小板由来材料)、血漿、および少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物を含む組成物のいくつかの態様において、血漿は、約1%〜約99%wt/v、10%〜約90%wt/v、例えば、約20%〜約80%wt/v、例えば、約30%〜約80%wt/v、例えば、約30%〜約70%wt/v、例えば、約30%〜約60%wt/v、例えば、約40%〜約60%wt/v、例えば、約40%〜約50%wt/vの量で存在し;血小板(または血小板由来材料)は、約10,000血小板/μL〜約2,000,000血小板/μL、例えば、約20,000血小板/μL〜約1,500,000血小板/μL、例えば、約30,000血小板/μL〜約1,000,000血小板/μL、例えば、約40,000血小板/μL〜約900,000血小板/μL v、例えば、約50,000血小板/μL〜約800,000血小板/μL、例えば、約100,000血小板/μL〜約700,000血小板/μL、例えば、約200,000血小板/μL〜約600,000血小板/μL、例えば、約300,000血小板/μL〜約500,000血小板/μLの濃度で存在し;少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物は、約1%〜約99%wt/v、例えば、約10%〜約90%wt/v、例えば、約20%〜約80%wt/v、例えば、約30%〜約80%wt/v、例えば、約30%〜約70%wt/v、例えば、約30%〜約60%wt/v、例えば、約40%〜約60%wt/v、例えば、約40%〜約50%wt/vの量で存在し;
ここで、wt/vは、成分の重量と組成物の重量との比を示す。
【0127】
血小板(または血小板由来材料)、血漿、および少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物を含む組成物のいくつかの態様において、
血漿は、約40%〜約60%wt/vの量で存在し;
血小板(または血小板由来材料)は、約10,000血小板/μL〜約800,000血小板/μLの濃度で存在し;
少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物は、約20%〜約40%wt/vの量で存在する。
【0128】
血小板(または血小板由来材料)、血漿、および少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物を含む組成物のいくつかの態様において、
血漿は、約30%〜約50%wt/vの量で存在し;
血小板(または血小板由来材料)は、約100,000血小板/μL〜約800,000血小板/μLの濃度で存在し;
少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物は、約30%〜約40%wt/vの量で存在する。
【0129】
血小板(または血小板由来材料)、血漿、および少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物を含む組成物のいくつかの態様において、
血漿は、乾燥物であり;
血小板(または血小板由来材料)は、乾燥物であり;
少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物は、液体の形態である。
【0130】
血小板(もしくは血小板由来材料)、血漿、または緩衝剤と少なくとも1つの糖類と少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物のうちの1つまたは複数を含む組成物;血小板(もしくは血小板由来材料)、血漿、または緩衝剤と少なくとも1つの糖類と少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物のうちの2つ以上を含む組成物、ならびにそのような組成物によって血液量減少を処置する方法;または血小板(もしくは血小板由来材料)、血漿、および緩衝剤と少なくとも1つの糖類と少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物を含む組成物のいくつかの態様において、組成物は、注入可能または注射可能な形態である。
【0131】
従って、いくつかの態様において、本明細書中に開示される組成物の注入可能な形態または注射可能な形態によって血液量減少を処置する方法が、本明細書中に提供される。いくつかの態様において、少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物は、エタノールを含む。いくつかの態様において、少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物は、エタノールを含まず、トレハロースを含まない。少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物のいくつかの態様において、少なくとも1つの塩は、ナトリウム塩である。
【0132】
いくつかの態様において、緩衝剤と少なくとも1つの糖類と少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物は、エタノールを含む。いくつかの態様において、少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物は、エタノールを含まない。
【0133】
緩衝剤と少なくとも1つの糖類と少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物のいくつかの態様において、少なくとも1つの塩は、ナトリウム塩である。
【0134】
緩衝剤と少なくとも1つの糖類と少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物のいくつかの態様において、糖類は、トレハロースである。
【0135】
いくつかの態様において、本明細書中に提供される混合物は、リン酸塩、ナトリウム塩(例えば、NaCl)、カリウム塩(例えば、KCl)、カルシウム塩(例えば、CaCl2)、マグネシウム塩、および血液もしくは血液製剤に見出され得るか、もしくは血小板の凍結保存において有用であることが公知であるその他の塩、またはこれらのうちの2つ以上の組み合わせのような1つまたは複数の塩を含む。いくつかの態様において、1つまたは複数の塩は、組成物の約0.01%(wt/v)〜約10%(wt/v)(例えば、約0.02%(wt/v)〜約8%(wt/v)、約0.03%(wt/v)〜約5%(wt/v)、約0.4%(wt/v)〜約2%(wt/v)、または約0.5%(wt/v)〜約1%(wt/v))の量で存在する。いくつかの態様において、1つまたは複数の塩は、組成物の約0.1%(wt/v)〜約5%(wt/v)の量で存在する。いくつかの態様において、1つまたは複数の塩は、約0.1%(wt/v)以下の量で存在する。いくつかの態様において、1つまたは複数の塩の有効量は、前記の本明細書中に開示された塩の量である。
【0136】
いくつかの態様において、1つまたは複数の塩は、血液の浸透圧または血漿の浸透圧と等価な浸透圧レベルに組成物を調整しかつ/または維持する量で存在する。例えば、いくつかの態様において、1つまたは複数の塩は、約150mOsm/kg〜約600mOsm/kg(例えば、約250〜約300mOsm/kg)の浸透圧レベルの組成物を与える量で存在する。いくつかの態様において、1つまたは複数の塩の有効量は、前記の本明細書中に開示された浸透圧レベルの組成物を与える塩の量である。
【0137】
いくつかの態様において、本明細書中に提供される混合物は、1つまたは複数の緩衝材料を含む。いくつかの態様において、緩衝剤は、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、炭酸水素ナトリウム緩衝剤のような炭酸水素/炭酸、N-2-ヒドロキシエチルピペラジン-N'-2-エタンスルホン酸(HEPES)、トリスに基づく緩衝剤、トリス緩衝生理食塩水(TBS)、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される。いくつかの態様において、1つまたは複数の緩衝材料は、組成物の約0.01%(wt/v)〜約30%(wt/v)(例えば、約0.02%(wt/v)〜約20%(wt/v)、約0.03%(wt/v)〜約10%(wt/v)、約0.4%(wt/v)〜約5%(wt/v)、または約0.5%(wt/v)〜約2%(wt/v))の量で存在する。いくつかの態様において、1つまたは複数の緩衝材料は、組成物の約0.5%(wt/v)〜約2%(wt/v)の量で存在する。いくつかの態様において、1つまたは複数の緩衝材料は、約0.1%(wt/v)以下の量で存在する。いくつかの態様において、1つまたは複数の緩衝材料の有効量は、前記の本明細書中に開示された1つまたは複数の緩衝材料の量である。
【0138】
いくつかの態様において、本明細書中に提供される混合物は、有機溶媒を含む。いくつかの態様において、有機溶媒は、組成物の約0.1%(wt/v)〜約5%(wt/v)の量で存在する。いくつかの態様において、有機溶媒は、組成物の約0.1%(wt/v)〜約1%(wt/v)の量で存在する。いくつかの態様において、有機溶媒は、アルコールを含む。いくつかの態様において、アルコールは、短鎖アルコールを含む。いくつかの態様において、短鎖アルコールは、メタノール、エタノール、プロパノール、1-プロパノール、2-プロパノール、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される。
【0139】
いくつかの態様において、本明細書中に提供される混合物は、糖類、単糖類、二糖類、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される成分を含む。いくつかの態様において、混合物は、ショ糖、マルトース、トレハロース、グルコース、マンノース、キシロース、デキストロース、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される成分を含む。いくつかの態様において、1つまたは複数の成分は、組成物の約0.01%(wt/v)〜約60%(wt/v)の量で存在する。いくつかの態様において、糖類、単糖類、二糖類、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される成分の有効量は、前記の本明細書中に開示された1つまたは複数の成分の量である。いくつかの態様において、1つまたは複数の緩衝剤は、組成物の約0.1%(wt/v)〜約40%(wt/v)、約30%(wt/v)〜約40%(wt/v)、または約0.02%(wt/v)〜約1%(wt/v)の量で存在する。
【0140】
いくつかの態様において、本明細書中に提供される混合物は、ショ糖およびエピクロロヒドリンに由来するポリマーを含む。いくつかの態様において、ポリマーは、ポリスクロースである。いくつかの態様において、ポリスクロースは、混合物の約1%(w/v)〜約30%(w/v)または混合物の1%(v/v)〜約30%(v/v)の量である。いくつかの態様において、ポリスクロースは、約3%(w/v)〜約20%(w/v)または約3%(v/v)〜約20%(v/v)の量である。いくつかの態様において、ポリスクロースは、約5%(w/v)〜約10%(w/v)または約5%(v/v)〜約10%(v/v)の量で存在する。いくつかの態様において、ショ糖およびエピクロロヒドリンに由来するポリマーの有効量は、前記の本明細書中に開示された量である。いくつかの態様において、ポリスクロースは、高分子量ポリマーを含む。いくつかの態様において、高分子量ポリマーは、少なくとも約70キロダルトン(kDa)、少なくとも約400キロダルトン、少なくとも約600キロダルトン、少なくとも約800キロダルトン、少なくとも約1,000キロダルトン、または少なくとも約2,000キロダルトンの平均分子量を有する。いくつかの態様において、ポリマーは、ポリスクロースのような、ショ糖とエピクロロヒドリンとの共重合によって作製されたものである。いくつかの態様において、ポリマーは、約70kD〜約2メガダルトン(MD)、例えば、約200kD〜約1MD、例えば、約70kD〜約400kD、例えば、約200kD〜約400kDの平均分子量を有するポリスクロースである。
【0141】
いくつかの態様において、緩衝剤と少なくとも1つの糖類と少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物は、以下の表1に示される4つの混合物(「試験物」)のうちの1つである。
【0142】
(表1)
【0143】
いくつかの態様において、本明細書中に提供される組成物は、1つまたは複数の付加的な成分と組み合わせて、乾燥血漿を含み、そのような付加的な成分には、(a)緩衝剤と少なくとも1つの糖類と少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物;(b)血小板もしくは血小板由来材料;または(c)(a)および(b)の両方が含まれ得る。いくつかの態様において、組成物は、血液量不足の寛解的または予防的なインビボ処置において使用するために極めてよく適している。
【0144】
例示的な態様において、付加的な成分には、対象へ投与された時に血液量増大を提供する、コロイドに基づく蘇生組成物が含まれる。いくつかの態様において、コロイドに基づく蘇生組成物は、その全体が本明細書中に組み入れられる(WO 2016/201081として公開された)PCT/US2016/036657および/もしくはPCT/US2016/065681に開示された組成物、またはそれらの組成物に由来するものであり得る。いくつかの態様において、その他のコロイドに基づく蘇生混合物が包含されることが理解されるべきである。いくつかの態様において、Hextend(登録商標)(Biotime,Inc.,Alameda,CA)のような、ヘタスターチを含有するいくつかのコロイドに基づく蘇生混合物は、本明細書中に提供される組成物から排除される。いくつかの態様において、ヘタスターチを含有する混合物は、本明細書中に提供される組成物から排除される。
【0145】
いくつかの態様において、乾燥血漿への例示的な付加的な成分は、凍結乾燥血小板、噴霧乾燥血小板、および/もしくは噴霧凍結乾燥血小板等のような乾燥血小板、または乾燥血小板由来材料である。完全な血小板ではないが、血小板の乾燥過程に起因する生物学的材料が、いくつかの態様において、包含される。本明細書中に提供される凍結乾燥血小板には、例えば、米国特許第7,811,558号、米国特許第8,486,617号、および米国特許第8,097,403号に開示された方法によって調製されたものが含まれる。
【0146】
いくつかの態様において、組成物の成分を含有するキットが、本明細書中に提供される。本書において使用されるように、キットとは、本明細書中に提供される組成物の成分のうちの一部または全部を提供するパッケージである。パッケージは、組成物成分の出荷、輸送等のために適当である。パッケージは、使用のために必要とされるまで、組成物成分を保管するためにも適当であり得る。血液成分の出荷および保管のためのキットは、より詳細に以下に記載される。
【実施例】
【0147】
本明細書中に提供される実施例は、純粋に本発明のある種の態様を例示するためのものであり、決して本発明を限定するものと見なされるべきではない。
【0148】
実施例1。4匹の対象(雄スプラーグドーリーラット)において、時点t=0において、出血を誘導し、図1に示される組成物を対象へ投与した。
【0149】
図1に関して、組成物は、以下の通りである:
P1=固体の形態の表1の1列目の混合物
P2=液体の形態の表1の2列目の混合物
P3=P2と同一の体積へ血漿によって再水和された最初は固体の形態であった表1の3列目の混合物
P4=P3の液体製剤
P5=血小板由来材料(トロンボソーム)および表1の1列目の混合物および生理食塩水溶液
P6=血漿および血小板由来材料(トロンボソーム)および表1の1列目の混合物
P7=血小板由来材料(トロンボソーム)および表1の1列目の混合物、血漿、およびP2と同一の体積へ血漿によって再水和された最初は固体の形態であった表1の3列目の混合物
Vetstarch(登録商標)(0.9%塩化ナトリウム中の6%ヒドロキシエチルデンプン130/0.4の市販の形態)
【0150】
以下は、再水和された組成物P3を調製する方法を示す例示的なプロトコルである:
工程1:再水和のための混合物および血漿を準備する。
1.表1の3列目の混合物を15mLバイアルに置く。
2.再水和の前に0.22μmフィルタを使用してラット血漿を濾過する。
【0151】
工程2:血漿による混合物(表1の3列目)の再水和。
無菌の注射器および針を使用して、14.3mLのラット血漿を吸引する。この体積は、15mlバイアル充填に特異的である。対象(即ち、対象の体重)1kg当たり1.89×108個の血小板を注入するため、計算および希釈を実施した。そのような注入は、3×1011/70kg(対象の体重)という標準的なヒト投薬量、および、例えば、参照によってその全体が本明細書中に組み入れられるOptimal Fluid Therapy for Traumatic Hemorrhagic Shock,Holcomb et. al.,Crit Care Clin.2017;33(1):15-36に開示されるようなある種の産業標準と一致している。
2.水流をバイアルのガラス側面に向けて、適切な体積のラット血漿によって、バイアルに含有されている混合物を再水和する。
3.再水和の開始時間を記録する。
4.再水和過程を助けるため、およそ5〜10秒間、再水和された混合物を静かに撹拌する。
5.使用前に、再水和過程を完了させるため、再水和された混合物を室温で10分間静置する。
6.再水和の間、数分(およそ5分)毎に、再水和された混合物を撹拌する。
7.塊が観察された場合には、再水和された混合物を撹拌し、さらに5分間静置する。
【0152】
以下は組成物P5〜P7を調製する方法を示す例示的なプロトコルである:
工程1:滅菌水による再水和。
1.無菌の注射器および針を使用して、9.5mlの滅菌水を吸引する。この体積は10mlバイアル充填に特異的である。
2.「溶液A」を与えるため、血小板を10mlに再水和する。
【0153】
工程2:希釈パート1
「溶液B」を与えるため、工程1において得られた1mlの溶液Aを、9mlの血漿、生理食塩水、または組成物P3に添加する。
【0154】
工程2:希釈パート2
1kg当たり1.89×108血小板の濃度を達成するため、「溶液C」を得るため、工程2のパート1において得られた1mlの溶液B、および4mlの血漿、生理食塩水、またはP3を添加する。
【0155】
工程2のパート2において得られた溶液Cを、5ml/Kgの投薬量基準に従ってラットの体重に基づき計算された体積で、対象へ注射する。
【0156】
使用されたラット血漿は、Innovation Research Inc.(Novi,MI,USA)によって製造されたスプラーグドーリーラット血漿であった。
【0157】
あるいは、Sigma-Aldrich(St.Louis,MO,USA)によって製造された凍結乾燥ラット血漿(例えば、製品番号P2516)のような凍結乾燥ラット血漿が使用されてもよい。
【0158】
時間に対するMAPの得られたプロットは、図1に示される。
【0159】
実施例2。4匹の対象(ラット)において、時点t=0において、出血を誘導し、時点t=10において、図2に示される組成物を対象へ投与した。
【0160】
図2に関して、組成物は以下の通りである:
P(S)=固体の形態の表1の1列目の混合物
P(L)=液体の形態の表1の2列目の混合物
P(S)(-Tre、EtOH)-血漿=P2と同一の体積に血漿によって再水和された最初は固体の形態であった表1の3列目の混合物
Vetstarch(登録商標)(0.9%塩化ナトリウム中の6%ヒドロキシエチルデンプン130/0.4の市販の形態)
【0161】
時間に対するMAPの%変化の得られたプロットは、図2に示される。
【0162】
実施例3。対象(ラット)において、時点t=0において、出血を誘導し、図3に示される組成物を対象へ投与した。各組成物によって処置された対象の数は、図中に示される。
【0163】
図3に関して、組成物は以下の通りである:
Ts+生理食塩水=血小板由来材料(トロンボソーム)および表1の1列目の混合物および生理食塩水溶液
Ts+血漿=血漿および血小板由来材料(トロンボソーム)および表1の1列目の混合物
Ts+P3=血小板由来材料(トロンボソーム)および表1の1列目の混合物、血漿、およびP2と同一の体積に血漿によって再水和された最初は固体の形態であった表1の3列目の混合物
Vetstarch(登録商標)(0.9%塩化ナトリウム中の6%ヒドロキシエチルデンプン130/0.4の市販の形態)
【0164】
時間に対するMAPの%変化の得られたプロットは、図3に示される。
【0165】
組み合わせ蘇生混合物実験の用量漸増
体重およそ400gmの雄スプラーグドーリーラットを、対照クリスタロイド溶液と比較して、蘇生混合物の用量漸増を評価するため、使用した。以下のプロトコルを使用した。
【0166】
実験において使用されるカテーテルをフラッシュし、3つの研究アームを可能にするため、ラットを無作為化した。ラットに麻酔をかけ、介入前に少なくとも5分間観察した。t=0分において、およそ45mmHg MAPまで、動物の全血液量の40%を除去するため、頚動脈カテーテルから血液を取り出し始めた。t=10分において、試験蘇生混合物または対照溶液を、1ml/分の速度で、頚静脈カテーテルを通して投与した。試験対象を、5分毎に120分間連続的にモニタリングした(心拍数、pO2、およびMAP)。120分後、試験対象を安楽死させた。
【0167】
以下の蘇生混合物および/または対照を試験した:
A1=固体の形態の表1の1列目の混合物+滅菌水
A2=0.9%生理食塩水溶液
A3=固体の形態の表1の1列目の混合物+血漿
A4=トロンボソーム+血漿
A5=トロンボソーム+血漿+固体の形態の表1の1列目の混合物(A3とトロンボソームとの組み合わせ)
【0168】
3つの研究アームは以下の通りであった:
【0169】
結果は以下の通りであった。
【0170】
群1:5mL/kgにおけるA1(固体の形態の表1の1列目の混合物+滅菌水)とA2(0.9%生理食塩水溶液)との比較が、図4に示される。図4から分かるように、表1の1列目の混合物は、5ml/kgにおいて、生理食塩水より高いMAPを維持した。
【0171】
群2:以下の蘇生混合物および/または対照を試験した:
A1=表1の1列目の混合物(固体)+滅菌水
A2=0.9%生理食塩水溶液
A3=表1の1列目の混合物(固体)+血漿
A4=トロンボソーム+血漿
A5=トロンボソーム+血漿+表1の1列目の混合物(固体)(注:A5はA3とトロンボソームとの組み合わせである)
【0172】
2.5mL/kgにおける全ての混合物A1(固体の形態の表1の1列目の混合物+滅菌水)、A3(固体の形態の表1の1列目の混合物+血漿)、A4(トロンボソーム+血漿)、およびA5(トロンボソーム+血漿+固体の形態の表1の1列目の混合物=A3とトロンボソームとの組み合わせ)と、対照A2(0.9%生理食塩水溶液)との比較が、図5に示される。
【0173】
図5に示されるように、A1とA3との間、即ち、滅菌水によって再水和された固体の形態の表1の1列目の混合物と、血漿によって再水和された固体の形態の表1の1列目の混合物との間に、実質的な差は存在しない。図5は、固体の形態の表1の1列目の混合物が、2.5ml/kgにおいて、生理食塩水より高いMAPを維持したことも示している。MAP値の差は、5ml/kgにおける固体の形態の表1の1列目の混合物と生理食塩水との間のMAP値の差より小さかった(前記の図4を参照すること)。
【0174】
例えば、A3とA5との比較によって示されるように、トロンボソームを含めることによって、MAPが増加した。
【0175】
群3:1.25mL/kgにおける混合物A1(固体の形態の表1の1列目の混合物+滅菌水)とA2(0.9%生理食塩水溶液)との比較が、図6に示される。
【0176】
図6に示されるように、生理食塩水は、1.25ml/kgにおいて、固体の形態の表1の1列目の混合物と類似しているかまたはわずかに高いMAPを維持した。
【0177】
群1、2、および3の比較は、固体の形態の表1の1列目の混合物が、1.25mL/Kgから5mL/Kgへ濃度が増加する時、生理食塩水と比較してより高性能になることを示す。このことは、投与後の大部分の時点において、固体の形態の表1の1列目の混合物の濃度が増加する時にMAPが増加することを示す、図7のプロットによっても立証される。
【0178】
例示的な態様
1.
血球成分を実質的に含まない乾燥血漿;ならびに
(a)少なくとも1つの糖類と少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む、蘇生混合物、
(b)血小板もしくは血小板由来材料、または
(c)(a)および(b)の両方
を含む組成物。
2.水性液体をさらに含む、請求項1記載の組成物。
3.水性液体が水または生理食塩水である、請求項2記載の組成物。
4.蘇生混合物が水性液体をさらに含む、請求項1、2、または3記載の組成物。
5.水性液体が水または生理食塩水である、請求項4記載の組成物。
6.再水和後、血小板、血小板由来材料、または両方が水性液体をさらに含有する、請求項1〜5のいずれか一項記載の組成物。
7.トレハロースを含まない、請求項1〜6のいずれか一項記載の組成物。
8.
水性液体によって再水和された、血球成分を実質的に含まない血漿;ならびに
(a)少なくとも1つの糖類と少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む、蘇生混合物、
(b)血小板もしくは血小板由来材料、または
(c)(a)および(b)の両方
を含む組成物であって、血液蘇生を必要とする対象へ投与された時に蘇生効果を提供するために十分な血漿、糖類、塩、および高分子量非イオン性親水性ポリマーを含む、該組成物。
9.血漿が、40国際単位(IU)以上の全ての個々の因子を示す凝固因子レベルを有する、請求項8記載の組成物。
10.蘇生混合物の少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーがショ糖とエピクロロヒドリンとのコポリマーである、前記請求項のいずれか一項記載の組成物。
11.コポリマーがポリスクロースである、請求項10記載の組成物。
12.凝固機能の保存のための添加剤をさらに含む、前記請求項のいずれか一項記載の組成物。
13.凝固機能の保存のための添加剤がL-カルニチン、プロピオニルL-カルニチン、タウリン、グリセロホスホコリン(GCP)、またはトレハロースである、請求項12記載の組成物。
14.凝固機能の保存のための添加剤がタウリンを含む、請求項12記載の組成物。
15.
(a)血小板、血小板由来材料、もしくは両方、
(b)血漿、または
(c)緩衝剤と少なくとも1つの糖類と少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む、混合物
のうちの2つ以上を含む組成物であって、
(a)、(b)、または(c)のうちの少なくとも1つが凍結乾燥物である、
該組成物。
16.(a)、(b)、および(c)を含む、請求項15記載の組成物。
請求項1〜16のいずれか一項記載の組成物を対象へ投与する工程を含む、対象における血液量減少を処置する方法。
17.血小板または血小板由来材料および血漿を含む、請求項1記載の組成物。
18.血小板が乾燥物である、請求項17記載の組成物。
19.血小板が凍結乾燥物である、請求項17または請求項18記載の組成物。
20.血小板由来材料が乾燥物である、請求項17記載の組成物。
21.血小板由来材料が凍結乾燥物である、請求項17または請求項20記載の組成物。22.水性である、請求項17〜21のいずれか一項記載の組成物。
23.少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物を含まない、請求項17〜22のいずれか一項記載の組成物。
24.緩衝剤と少なくとも1つの糖類と少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物を含まない、請求項17〜22のいずれか一項記載の組成物。
25.血漿が約30%〜約80%wt/wtの量で存在する、請求項17〜24のいずれか一項記載の組成物。
26.血漿が約40%〜約70%wt/wtの量で存在する、請求項17〜25のいずれか一項記載の組成物。
27.血小板または血小板由来材料が約10,000血小板/μL〜約2,000,000血小板/μLの濃度で存在する、請求項17〜26のいずれか一項記載の組成物。
28.血小板または血小板由来材料が約100,000血小板/μL〜約1,000,000血小板/μLの濃度で存在する、請求項17〜27のいずれか一項記載の組成物。
29.請求項17記載の組成物を対象へ投与する工程を含む、対象における血液量減少を処置する方法。
30.血小板が乾燥物である、請求項29記載の方法。
31.血小板が凍結乾燥物である、請求項29または請求項30記載の方法。
32.血小板由来材料が乾燥物である、請求項29記載の方法。
33.血小板由来材料が凍結乾燥物である、請求項29または請求項32記載の方法。
34.組成物が水性である、請求項29〜33のいずれか一項記載の方法。
35.組成物が少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物を含まない、請求項29〜34のいずれか一項記載の方法。
36.組成物が緩衝剤と少なくとも1つの糖類と少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物を含まない、請求項29〜35のいずれか一項記載の方法。
37.
血小板または血小板由来材料;および
少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む混合物
を含む組成物であって、血中へ注入可能な組成物である組成物。
38.請求項37記載の組成物を含む組成物を対象へ投与する工程を含む、対象における血液量減少を処置する方法。
39.混合物が緩衝剤、少なくとも1つの糖類、または両方をさらに含む、請求項38記載の方法。
40.血小板が乾燥物である、請求項38または請求項39記載の方法。
41.血小板が凍結乾燥物である、請求項40記載の方法。
42.混合物が乾燥物である、請求項37〜41のいずれか一項記載の方法。
43.血小板が乾燥物であり、混合物が乾燥物である、請求項37〜40および請求項42のいずれか一項記載の方法。
44.血小板由来材料が乾燥物である、請求項37、38、および請求項42のいずれか一項記載の方法。
45.血小板由来材料が凍結乾燥物である、請求項44記載の方法。
46.血小板由来材料が乾燥物であり、混合物が乾燥物である、請求項37、38、42、および44のいずれか一項記載の方法。
47.混合物がReovol(商標)である、請求項37〜46のいずれか一項記載の方法。
48.組成物が水性である、請求項37〜47のいずれか一項記載の方法。
49.組成物が血漿を含まない、請求項37〜48のいずれか一項記載の方法。
50.
血漿、および
少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む、混合物
を含む、請求項1記載の組成物。
51.混合物が緩衝剤、少なくとも1つの糖類、または両方をさらに含む、請求項50記載の組成物。
52.血漿が凍結乾燥物である、請求項50または請求項51記載の組成物。
53.混合物が乾燥物である、請求項50〜52のいずれか一項記載の組成物。
54.混合物がReovol(商標)である、請求項50〜53のいずれか一項記載の組成物。
55.水性である、請求項50〜54のいずれか一項記載の組成物。
56.血漿が約30%〜約80%wt/wtの量で存在する、請求項50〜55のいずれか一項記載の組成物。
57.血漿が約40%〜約70%wt/wtの量で存在する、請求項50〜56のいずれか一項記載の組成物。
58.混合物が約20%〜約70%wt/wtの量で存在する、請求項50〜57のいずれか一項記載の組成物。
59.混合物が約30%〜約60%wt/wtの量で存在する、請求項50〜58のいずれか一項記載の組成物。
60.血小板または血小板由来材料を含まない、請求項50〜59のいずれか一項記載の組成物。
61.請求項50〜60のいずれか一項記載の組成物を対象へ投与する工程を含む、対象における血液量減少を処置する方法。
62.混合物が緩衝剤、少なくとも1つの糖類、または両方をさらに含む、請求項61記載の方法。
63.混合物が乾燥物である、請求項61または請求項62記載の方法。
64.混合物がReovol(商標)である、請求項61〜63のいずれか一項記載の方法。
65.組成物が水性である、請求項61〜64のいずれか一項記載の方法。
66.組成物が血小板または血小板由来材料を含まない、請求項61〜65のいずれか一項記載の方法。
67.
血小板または血小板由来材料;
血漿;および
少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む、混合物
を含む、請求項1記載の組成物。
68.混合物が緩衝剤、少なくとも1つの糖類、または両方をさらに含む、請求項67記載の組成物。
69.血小板が乾燥物である、請求項67および請求項68記載の組成物。
70.血小板が凍結乾燥物である、請求項67〜69のいずれか一項記載の組成物。
71.血小板由来材料が乾燥物である、請求項67記載の組成物。
72.血小板由来材料が凍結乾燥物である、請求項67または請求項71記載の組成物。
73.混合物が乾燥物である、請求項67〜72のいずれか一項記載の組成物。
74.混合物が凍結乾燥物である、請求項67〜73のいずれか一項記載の組成物。
75.血小板が乾燥物であり、混合物が乾燥物である、請求項67〜70および73のいずれか一項記載の組成物。
76.血小板由来材料が乾燥物であり、混合物が乾燥物である、請求項67、71〜72、および73〜74のいずれか一項記載の組成物。
77.混合物がReovol(商標)である、請求項67〜76のいずれか一項記載の組成物。
78.水性である、請求項67〜77のいずれか一項記載の組成物。
79.血漿が約40%〜約60%wt/wtの量で存在する、請求項67〜78のいずれか一項記載の組成物。
80.血漿が約30%〜約50%wt/wtの量で存在する、請求項67〜79のいずれか一項記載の組成物。
81.血小板または血小板由来材料が約10,000血小板/μL〜約800,000血小板/μLの濃度で存在する、請求項67〜80のいずれか一項記載の組成物。
82.血小板または血小板由来材料が約100,000血小板/μL〜約800,000血小板/μLの濃度で存在する、請求項67〜81のいずれか一項記載の組成物。
83.混合物が約20%〜約40%wt/wtの量で存在する、請求項67〜82のいずれか一項記載の組成物。
84.混合物が約30%〜約40%wt/wtの量で存在する、請求項67〜83のいずれか一項記載の組成物。
85.請求項67〜84のいずれか一項記載の組成物を対象へ投与する工程を含む、対象における血液量減少を処置する方法。
86.混合物が緩衝剤、少なくとも1つの糖類、または両方をさらに含む、請求項85記載の方法。
87.血小板が乾燥物である、請求項85または請求項86記載の方法。
88.血小板が凍結乾燥物である、請求項85〜87のいずれか一項記載の方法。
89.血小板由来材料が乾燥物である、請求項85または請求項86記載の方法。
90.血小板由来材料が凍結乾燥物である、請求項85、86、および89のいずれか一項記載の方法。
91.混合物が乾燥物である、請求項85〜90のいずれか一項記載の方法。
92.混合物が凍結乾燥物である、請求項85〜90のいずれか一項記載の方法。
93.血小板が乾燥物であり、混合物が乾燥物である、請求項85〜87および91のいずれか一項記載の方法。
94.血小板由来材料が乾燥物であり、混合物が乾燥物である、請求項85、86、89、および91のいずれか一項記載の方法。
95.混合物がReovol(商標)である、請求項85〜94のいずれか一項記載の方法。
96.組成物が水性である、請求項85〜95のいずれか一項記載の方法。
97.
(a)血球成分を実質的に含まない血漿;
(b)少なくとも1つの糖類と少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む、蘇生混合物、および
(c)血小板または血小板由来材料
を含む組成物であって、
(a)、(b)、および(c)の各々が乾燥物であるかまたは再水和されており;
組成物が、血液蘇生を必要とする対象へ投与された時に蘇生効果を提供するために十分な血漿、糖類、塩、および高分子量非イオン性親水性ポリマーを含む、
組成物。
98.血漿が水性液体によって再水和された血漿である、請求項97記載の組成物。
99.血漿が乾燥物である、請求項97記載の組成物。
100.蘇生混合物が水性液体によって再水和された蘇生混合物である、請求項97記載の組成物。
101.蘇生混合物が乾燥物である、請求項97記載の組成物。
102.血小板または血小板由来材料が水性液体によって再水和されている、請求項97記載の組成物。
103.血小板または血小板由来材料が乾燥物である、請求項97記載の組成物。
104.水性液体が水である、請求項98、100、および102のいずれか一項記載の組成物。
105.水性液体が滅菌水である、請求項98、100、102、および104記載の組成物。
106.血漿が40国際単位(IU)以上の全ての個々の因子を示す凝固因子レベルを有する、請求項97記載の組成物。
107.第VII因子、第VIII因子、および第IX因子のみを含む凝固因子を有する、請求項97記載の組成物。
108.
(a)赤血球または赤血球代用物、
(b)少なくとも1つの糖類と少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む、蘇生混合物、および
(c)血小板または血小板由来材
を含む組成物であって、(a)、(b)、および(c)の各々が乾燥物であるかまたは再水和されている、組成物。
109.
(a)赤血球または赤血球代用物、
(b)乾燥血漿、
(c)少なくとも1つの糖類と少なくとも1つの塩と少なくとも1つの高分子量非イオン性親水性ポリマーとを含む、蘇生混合物、および
(d)血小板または血小板由来材料
を含む組成物であって、(a)、(b)、(c)、および(d)の各々が乾燥物であるかまたは再水和されている、組成物。
【0179】
本発明の範囲または本旨から逸脱することなく、本発明の実施において、様々な修飾および変動を成し得ることは、当業者に明白であろう。本明細書を考慮することによって、ある種の態様が当業者に明白になるであろう。本明細書および実施例は、例示的なものとしてのみ見なされ、本発明の真の範囲および本旨は、以下の特許請求の範囲によって示されるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】