(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2022-501083(P2022-501083A)
(43)【公表日】2022年1月6日
(54)【発明の名称】取り外し可能なカーペット
(51)【国際特許分類】
A47G 27/02 20060101AFI20211210BHJP
【FI】
A47G27/02 106A
A47G27/02 101
A47G27/02 103
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2021-501301(P2021-501301)
(86)(22)【出願日】2019年12月25日
(85)【翻訳文提出日】2021年1月14日
(86)【国際出願番号】CN2019128289
(87)【国際公開番号】WO2021031491
(87)【国際公開日】20210225
(31)【優先権主張番号】201910759370.6
(32)【優先日】2019年8月16日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】517071380
【氏名又は名称】昆山怡家居紡織有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100205936
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 海龍
(74)【代理人】
【識別番号】100132805
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 貴之
(72)【発明者】
【氏名】曹 順林
(72)【発明者】
【氏名】張 怡
【テーマコード(参考)】
3B120
【Fターム(参考)】
3B120AA16
3B120AA19
3B120AA24
3B120BA03
3B120BA12
3B120BA23
3B120BA38
3B120DA29
3B120EB16
(57)【要約】
本発明によれば、取り外し可能なカーペットが提供される。このカーペットは、カーペット面および滑り止めマットを含む。前記カーペット面は、面層および底層の三次元メッシュクロス構造層を含む。前記滑り止めマット層は、底層の滑り止め撥水層および上層の結合層を含む。前記結合層は、複数のポリエステル、ポリプロピレンまたはナイロンモノフィラメント突起が分布して配置される片面生地である。前記突起は、前記三次元メッシュクロス構造層のメッシュ隙間に挿入可能である。本発明的滑り止めマットの結合面は、三次元メッシュクロス構造層を中央からカットして形成された片面構造層または20D以上のモノフィラメント糸で作製された突起を有する片面生地である。この結合面上の20D〜120Dのポリエステルモノフィラメント糸は、太く、硬く、ある程度剛性がある突起を形成できるため、カーペット面の底層の三次元メッシュクロス構造層のメッシュに容易に挿入でき、便利で自由に取り外すことができ、繰り返して複数回取り外しても損傷することがなく、使用寿命を顕著に延長できる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カーペット面と滑り止めマットとを含む取り外し可能なカーペットであって、
前記カーペット面は、面層と、底層の三次元メッシュクロス構造層とを含み、
前記滑り止めマットは、底層の滑り止め撥水層と上層の結合層とを含み、
前記結合層は、複数のポリエステル、ポリプロピレンまたはナイロンモノフィラメント突起が分布して配置される片面生地であり、
前記ポリエステル、ポリプロピレンまたはナイロンモノフィラメント突起は、前記三次元メッシュクロス構造層のメッシュ隙間に挿入可能であることを特徴とする、取り外し可能なカーペット。
【請求項2】
前記結合層のポリエステル、ポリプロピレンまたはナイロンモノフィラメントと片面生地との挟角は40°〜90°であることを特徴とする、請求項1に記載の取り外し可能なカーペット。
【請求項3】
前記結合層は、三次元メッシュクロス構造層を中央からカットして形成された片面構造層であり、
前記三次元メッシュクロス構造層は、上下2層の経編メッシュクロスと、前記上下2層の経編メッシュクロスの間に垂直に配置され、前記上下2層の経編メッシュクロスを接続する複数のポリエステル、ポリプロピレンまたはナイロンモノフィラメントとからなることを特徴とする、請求項1または2に記載の取り外し可能なカーペット。
【請求項4】
前記片面構造層の片面経編メッシュクロスにおける単一のメッシュの面積は、0.2mm2〜100mm2であることを特徴とする、請求項3に記載の取り外し可能なカーペット。
【請求項5】
前記三次元メッシュクロス構造層は、20D〜120Dのポリエステルモノフィラメント糸を用いて一体に織って形成されたものである、ことを特徴とする、請求項3に記載の取り外し可能なカーペット。
【請求項6】
前記結合層は、20D〜120Dのポリエステル、ポリプロピレンまたはナイロンモノフィラメントを織った片面タフテッド生地であり、あるいは20D〜120Dのポリエステル、ポリプロピレンまたはナイロンモノフィラメントを用いて織った片面フロック生地であることを特徴とする、請求項1または2に記載の取り外し可能なカーペット。
【請求項7】
前記結合層上のポリエステルまたはナイロンモノフィラメント突起の高さは1.5mm〜10mmであることを特徴とする、請求項1または2に記載の取り外し可能なカーペット。
【請求項8】
前記カーペット面の底層の三次元メッシュクロス構造層は、上下2層の経編メッシュクロスと、前記上下2層の経編メッシュクロスの間に垂直に配置され、前記上下2層の経編メッシュクロスを接続する複数のポリエステル、ポリプロピレンまたはナイロンモノフィラメントとからなることを特徴とする、請求項1に記載の取り外し可能なカーペット。
【請求項9】
前記三次元メッシュクロス構造層の厚さは2mm〜20mmであり、
上下2層の経編メッシュクロス上の単一のメッシュの面積は0.2mm2〜100mm2であることを特徴とする、請求項8に記載の取り外し可能なカーペット。
【請求項10】
前記カーペット面の三次元メッシュクロス構造層の四辺または四隅には、水洗可能で、移動可能なポリウレタンおよびアクリル材料製の両面テープが設けられることを特徴とする、請求項1に記載の取り外し可能なカーペット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、織物業界のカーペットに関し、具体的には、取り外し可能なカーペットに関する。
【背景技術】
【0002】
標準バスマットには2つの設計方法がある。一つ目の方法はタオルのようなバスマットに設計することであり、このようなバスマットが洗える。しかし、このようなバスマットは滑り止め機能を有しないので、潜在的な安全上の問題がある。もう一つの方法は滑り止め機能を有する材料をカーペットの背面に貼り付けることである。このようなカーペットは洗えると主張しているが、機械で洗うと、剥がれたり壊れたりするか、または上層生地と下層底部が分離したりする。そして、従来のカーペットは、設計および製造が面倒で、高価であるため、このようなカーペットの汎用性が防がれる。例えば、使用者は季節や必要に応じてカーペットを変更することはできない。従って、カーペットの一般的な機能を有するとともに、使用者がカーペットの面層材料と滑り止め、撥水性を有するライナー層を分離してカーペットの面層材料を容易に洗うことができるカーペットが必要とされる。
【0003】
従来技術には、面ファスナーを介してカーペットのカーペット面とライナーとを接続する複合カーペットがある。面ファスナーは、フック面とループ面により両層構造を接続するものである。面ファスナーの一面は小さくて柔らかい繊維ループ(Loop)からなり、他面は硬いフック状の毛 (Hook)であり、両者の結合は非常に堅固であり、両者を分離するために強い力が必要である。両者を分離するための引張力が大きいため、面ファスナーによりカーペットのカーペット面とライナーを結合する場合、大きい作用力により柔らかいカーペットを損害する可能性があり、かつ取り外しが不便である。面ファスナーの硬い面は、カーペットの使用快適性を低下させる。さらに、面ファスナーまたは砂利状マット層は、柔らかいループクロスに対して大きな破壊作用を有し、複数回使用すると、結合力が大幅に低下する。
【0004】
中国実用新案登録(出願番号:201520843605.7)には、取り外し可能な滑り止めカーペットが開示されている。このような滑り止めカーペットにおいて、ベース層の頂面に均等に分布して配置されるとともに収縮性を有する複数の挿入孔が設けられ、接続層の底面に挿入孔に1対1対応する挿入部が設けられ、毛紡層が接続層の頂面に編んで固定される。しかしながら、このカーペットの製造プロセスは煩雑であり、ベース層の頂面と接続層の底面との接続に弾性がなく、それを歩くときに反響が発生し、遮音性が悪い。また、接続する際に、挿入部と挿入孔とを完全に位置合わせしないと接続を達成できず、操作が便利ではなく、多くの場合、操作を実行するには専門の操作者が必要である。さらに、取り外しおよび洗浄の過程において挿入部が損傷しやすく、温度などの要因により変形し、カーペットの使用寿命に悪影響を与える。
【0005】
中国特許出願201711361727.2には、取り外し可能なカーペットが開示されている。このカーペットの本体構造は基布層であり、基布層の頂部および底部の左右両側のいずれにも係止ストリップが設けられ、2群の防水層と基布層との接続箇所のいずれにも係止ストリップと結合する固定溝が設けられ、係止ストリップと固定溝との結合により防水層および基布層の着脱を実現し、防水層の左側および右側に設けられた係止ブロックと係止溝との結合により、防水層と基布層の結合を強化することができる。しかしながら、このような防水層と基布層の係止接続方式では、カーペットとの結合は非一体的な機械接続であり、係止溝には隙間があり、カーペットが高いため、通常、家庭用ではなく、ホテルやオフィスの大面積の敷設に適している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従来の取り外して洗濯することができる複合カーペットに存在するカーペットカーペット面と結合して使用するときに、結合力が高すぎる場合、取り付けるときにカーペット面が損傷しやすく、結合力が低すぎる場合、使用効果に影響を与え、取り外しが不便であり、耐用年数が短いなどの欠陥を克服するために、取り外し可能なカーペットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的は、以下の技術手段により実現される。
本発明によれば、
カーペット面と滑り止めマットとを含む取り外し可能なカーペットであって、
上記カーペット面は、面層と、底層の三次元メッシュクロス構造層とを含み、
上記滑り止めマットは、底層の滑り止め撥水層と上層の結合層とを含み、
上記結合層は、複数のポリエステル、ポリプロピレンまたはナイロンモノフィラメント突起が分布して配置される片面生地であり、
上記ポリエステル、ポリプロピレンまたはナイロンモノフィラメント突起は、上記三次元メッシュクロス構造層のメッシュ隙間に挿入可能である取り外し可能なカーペットが提供される。
【0008】
本発明の一実施形態において、上記ポリエステル、ポリプロピレンまたはナイロンモノフィラメント突起と片面生地との挟角は40°〜90°である。
【0009】
本発明の一実施形態において、上記結合層は、三次元メッシュクロス構造層を中央からカットして形成された片面構造層であり、上記三次元メッシュクロス構造層は、上下2層の経編メッシュクロスと、上記上下2層の経編メッシュクロスの間に垂直に配置され、上記上下2層の経編メッシュクロスを接続する複数のポリエステル、ポリプロピレンまたはナイロンモノフィラメントとからなる。
【0010】
上記片面構造層の片面経編メッシュクロス上の単一のメッシュの面積は0.2mm
2〜100mm
2である。
【0011】
上記三次元メッシュクロス構造層は、20D〜120Dのポリエステル、ポリプロピレンまたはナイロンモノフィラメントを用いて一体に織って形成されたものである。より具体的には、20D〜120Dのポリエステルモノフィラメント糸を用いて一体に織って形成されたものである。ポリエステルモノフィラメント糸が20D未満である場合、結合層上に形成されたポリエステルモノフィラメント糸突起は柔らかすぎるため、入カーペット面の底層の三次元メッシュクロス構造層のメッシュ隙間に挿入できないかまたは小さな部分しか挿入できないことで、本発明の結合強度が高いなどの効果が得られない。
【0012】
本発明の一実施形態において、上記結合層は、20D〜120Dのポリエステル、ポリプロピレンまたはナイロンモノフィラメントを用いて織った片面タフテッド生地であり、あるいは20D〜120Dのポリエステル、ポリプロピレンまたはナイロンモノフィラメントを用いて織った片面フロック生地である。
【0013】
本発明において、上記結合層上ポリエステル、ポリプロピレンまたはナイロンモノフィラメント突起の高さは1.5mm〜10mmである。
【0014】
本発明の一実施形態において、上記カーペット面の底層の三次元メッシュクロス構造層は、上下2層の経編メッシュクロスと、上記上下2層の経編メッシュクロスの間に垂直に配置され、上記上下2層の経編メッシュクロスを接続する複数のポリエステル、ポリプロピレンまたはナイロンモノフィラメントとからなる。上記ポリエステル、ポリプロピレンまたはナイロンモノフィラメントと上層または下層経編メッシュクロスとの挟角は40°〜90°である。
【0015】
上記三次元メッシュクロス構造層の厚度は2mm〜20mmである。上下2層の経編メッシュクロス上の単一のメッシュの面積は0.2mm
2〜100mm
2である。
【0016】
本発明の一実施形態において、上記カーペット面の底層の三次元メッシュクロス構造層も20D〜120Dのポリエステルモノフィラメント糸を用いて一体に織って形成されたものである。
【0017】
本発明の一実施形態において、上記面層は、プラッシュ層、平織層、ループのうちの少なくとも1種または複数種の構造の組み合わせである。
【0018】
本発明の一実施形態において、上記滑り止め撥水層は、発泡ラテックス層、熱可塑性エラストマー材料層、アクリル繊維樹脂層、EVA発泡層、ポリウレタン発泡層、XPE発泡層またはIXPE発泡層である。
【0019】
本発明の一実施形態において、上記カーペット面の三次元メッシュクロス構造層の四辺または四隅には、水洗可能で移動可能な(ナノテクノロジーにより作成される)ポリウレタンおよびアクリル材料製の両面テープが設けられる。この両面テープは、カーペット面の四辺と滑り止めマットとの結合を強化させるためのものである。
【発明の効果】
【0020】
従来技術に比べ、本発明は、以下の有益な効果を有する。
【0021】
1、本発明の滑り止めマットの結合面は、三次元メッシュクロス構造層を中央からカットして形成された片面構造層を採用し、この片面構造層上のポリエステルモノフィラメント糸と経編メッシュクロスは一体化的であるため、脱落しにくく、使用寿命が長くなる。
2、本発明の滑り止めマットの結合面(特に、三次元メッシュクロス構造層を中央からカットして形成された片面構造層を採用する)上の20D〜120Dのポリエステルモノフィラメント糸は、太く、硬く、ある程度剛性がある突起を形成できるため、カーペット面の底層の三次元メッシュクロス構造層のメッシュに容易に挿入でき、便利で自由に取り外すことができ、繰り返して複数回取り外しても損傷することがない。
3、本発明のカーペット面の底層は、三次元メッシュクロス構造層を採用し、滑り止めマットの結合面と同じ材質であるとともに、三次元メッシュクロス構造層は一定の厚さを有するため、結合面上の突起がメッシュに挿入されるときに、この突起は三次元メッシュクロス構造層内のポリエステルモノフィラメント糸を接続する隙間にも挿入される。これによって、カーペット面と滑り止めマットを結合して使用するときに、結合強度は高くなり、カーペット面と滑り止めマットを結合して使用するときに、結合強度が高く、使用環境において移動しにくく、四辺に反りが発生することなく、良好な快適さを有する。
4、カーペット面と滑り止めマットは、いずれも全体/半分の三次元メッシュクロス構造層を採用し、両者の挿入による結合使用は、本発明のカーペットに良好な弾性に付与し、使用者に快適性および保護を提供するとともに、カーペット自体の使用寿命を延長させる。
5、本発明の取り外し可能なカーペットは、巻いたり折り畳んだりすることができ、輸送に便利である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
以下の図面を参照して非限定的な実施形態の詳細な説明を読むことにより、本発明の他の特徴、目的および利点がより明らかになるであろう。
【0023】
【
図1】本発明の取り外し可能なカーペットの構造模式図である。
図1Aは、面層が起毛構造である取り外し可能なカーペットの構造模式図である。
図1Bは、面層が平織構造である取り外し可能なカーペットの構造模式図である。
図Cは、面層がループ構造である取り外し可能なカーペットの構造模式図である。
【
図2】本発明の取り外し可能なカーペットのカーペット面の構造模式図である。
図2Aは、面層が起毛構造である取り外し可能なカーペットのカーペット面の構造模式図である。
図2Bは、面層が平織構造である取り外し可能なカーペットのカーペット面の構造模式図である。
図2Cは、面層がループ構造である取り外し可能なカーペットのカーペット面の構造模式図である。
【
図3】本発明の取り外し可能なカーペットの滑り止めマットの構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、実施例により本発明を詳しく説明する。以下の実施例は、当業者が本発明をさらに理解するのを助けるが、いかなる形でも本発明を限定しない。当業者にとって、本発明の概念から逸脱することなく、いくつかの調整および改善を行うことができることに留意されたい。これらはすべて、本発明の保護範囲に属する。
【0025】
<実施例1>
図1A、2Aおよび
図3に示すように、本実施例に係る取り外し可能なカーペットは、
起毛構造面層1と、底層の経編三次元メッシュクロス3と、両層の間に設けられた接着剤層2とを含むカーペット面と、
底層の滑り止め撥水層4(発泡ラテックス層)と、上層の結合層5とを含み、上記結合層5は、複数のポリエステルモノフィラメント糸突起が分布して配置される片面経編メッシュクロスである滑り止めマットと、
を含む。
滑り止めマット上のポリエステルモノフィラメント糸突起は、カーペット面の経編三次元メッシュクロスのメッシュ隙間に挿入可能であり、これによって、カーペット面と滑り止めマットとを結合して使用することができる。
【0026】
上記カーペット面底層の経編三次元メッシュクロスは、上下2層の経編メッシュクロスと、上記上下2層の経編メッシュクロスの間に垂直に配置され、上記上下2層の経編メッシュクロスを接続する複数のポリエステルモノフィラメント糸とからなり、具体的には、60Dのポリエステルモノフィラメント糸を用いて一体に織って形成されたものである。上記ポリエステルモノフィラメント糸と上層または下層の経編メッシュクロスとの挟角は60°〜90°である。この三次元メッシュクロス構造層の厚さは、5mmであり、上層または下層の経編メッシュクロス上の単一のメッシュの面積は、20mm
2である。
【0027】
上記滑り止めマット結合層は、上下2層の経編メッシュクロスと、上記上下2層の経編メッシュクロスの間に垂直に配置され、上記上下2層の経編メッシュクロスを接続する複数のポリエステルモノフィラメント糸とからなる三次元メッシュクロス構造層を中央からカットして形成された片面構造層である。この三次元メッシュクロス構造層は、具体的には、80Dのポリエステルモノフィラメント糸BCF紡績糸を用いて一体に織って形成されたものである。上記ポリエステルモノフィラメント糸突起と経編メッシュクロスとの挟角は40°〜60°である。ポリエステルモノフィラメント糸突起の高さは5mmである。結合層の経編メッシュクロス上の単一のメッシュの面積は20mm
2であり、メッシュのサイズは4mm×5mmである。
【0028】
<実施例2>
図1B、
図2Bおよび
図3に示すように、本実施例に係る取り外し可能なカーペットは、
平織構造面層6と、底層の経編三次元メッシュクロス3と、両層の間に設けられる接着剤層2とを含むカーペット面と、
底層の滑り止め撥水層4(TPE/TPR材料層)と、上層の結合層5とを含み、上記結合層5は、複数のポリエステルモノフィラメント糸突起が分布して配置される片面経編メッシュクロスである滑り止めマットと、
を含む。
滑り止めマット上のポリエステルモノフィラメント糸突起は、カーペット面の経編三次元メッシュクロスのメッシュ隙間に挿入可能であり、これによって、カーペット面と滑り止めマットとを結合して使用することができる。
【0029】
上記カーペット面の底層の経編三次元メッシュクロスは、上下2層の経編メッシュクロスと、上記上下2層の経編メッシュクロスの間に垂直に配置され、上記上下2層の経編メッシュクロスを接続する複数のポリエステルモノフィラメント糸とからなり、具体的には、20Dのポリエステルモノフィラメント糸を用いて一体に織って形成されたものである。上記ポリエステルモノフィラメント糸と上層または下層の経編メッシュクロスとの挟角は40°〜70°である。この三次元メッシュクロス構造層の厚さは2mmである。上層または下層の経編メッシュクロス上の単一のメッシュの面積は0.2mm
2である。
【0030】
上記滑り止めマット結合層は、上下2層の経編メッシュクロスと、上記上下2層の経編メッシュクロスの間に垂直に配置され、上記上下2層の経編メッシュクロスを接続する複数のポリエステルモノフィラメント糸とからなる三次元メッシュクロス構造層を中央からカットして形成された片面構造層である。この三次元メッシュクロス構造層は、具体的には、20Dのポリエステルモノフィラメント糸BCF紡績糸を用いて一体に織って形成されたものである。上記ポリエステルモノフィラメント糸突起と経編メッシュクロスとの挟角は50°〜70°である。ポリエステルモノフィラメント糸突起の高さは1.5mmである。結合層の経編メッシュクロス上の単一のメッシュの面積は0.2mm
2である。
【0031】
<実施例3>
図1C、
図2Cおよび
図3に示すように、本実施例に係る取り外し可能なカーペットは、
ループ構造面層7と、底層の経編三次元メッシュクロス3と、両層の間に設けられる接着剤層2とを含むカーペット面と、
底層の滑り止め撥水層4(アクリル繊維樹脂層)と、上層の結合層5とを含み、上記結合層5は複数のポリエステルモノフィラメント糸突起が分布して配置される片面経編メッシュクロスである滑り止めマットと、
を含む。
滑り止めマット上のポリエステルモノフィラメント糸突起は、カーペット面の三次元メッシュクロス構造層のメッシュ隙間に挿入可能であり、これによって、カーペット面と滑り止めマットとを結合して使用することができる。
【0032】
上記カーペット面底層の三次元メッシュクロス構造層は、上下2層の経編メッシュクロスと、上記上下2層の経編メッシュクロスの間に垂直に配置され、上記上下2層の経編メッシュクロスを接続する複数のポリエステルモノフィラメント糸とからなり、具体的には、120Dのポリエステルモノフィラメント糸を用いて一体に織って形成されたものである。上記ポリエステルモノフィラメント糸と上層または下層の経編メッシュクロスとの挟角は70°〜90°である。この三次元メッシュクロス構造層の厚さは20mmである。上層または下層の経編メッシュクロス上の単一のメッシュの面積は64mm
2である。
【0033】
上記滑り止めマット結合層は、上下2層の経編メッシュクロスと、上記上下2層の経編メッシュクロスの間に垂直に配置され、上記上下2層の経編メッシュクロスを接続する複数のポリエステルモノフィラメント糸とからなる三次元メッシュクロス構造層を中央からカットして形成された片面構造層である。この三次元メッシュクロス構造層は、具体的には、120Dのポリエステルモノフィラメント糸BCF紡績糸を用いて一体に織って形成されたものである。上記ポリエステルモノフィラメント糸突起と経編メッシュクロスとの挟角は40°〜60°である。ポリエステルモノフィラメント糸突起の高さは10mmである。結合層の経編メッシュクロス上の単一のメッシュの面積は100mm
2である。
【0034】
<実施例4>
本実施例に係る取り外し可能なカーペットは、
ループ構造面層と、底層の経編三次元メッシュクロスと、両層の間に設けられる接着剤層とを含むカーペット面と、
底層の滑り止め撥水層(アクリル繊維樹脂層)と、上層の結合層とを含み、上記結合層は、複数のポリエステルモノフィラメント糸突起が分布して配置される片面タフテッド生地である滑り止めマットと、
を含む。
滑り止めマット上のポリエステルモノフィラメント糸突起は、カーペット面の三次元メッシュクロス構造層のメッシュ隙間に挿入可能であり、これによって、カーペット面と滑り止めマットとを結合して使用することができる。
【0035】
上記カーペット面底層の三次元メッシュクロス構造層は、上下2層の経編メッシュクロスと、上記上下2層の経編メッシュクロスの間に垂直に配置され、上記上下2層の経編メッシュクロスを接続する複数のポリエステルモノフィラメント糸からなり、具体的には、120Dのポリエステルモノフィラメント糸を用いて一体に織って形成されたものである。上記ポリエステルモノフィラメント糸と、上層または下層の経編メッシュクロスとの挟角は70°〜90°である。この三次元メッシュクロス構造層の厚さは8mmである。上層または下層の経編メッシュクロス上の単一のメッシュの面積は36mm
2である。
【0036】
上記滑り止めマット結合層は、100Dのポリエステルモノフィラメント糸を用いて一体に織ってタフティング加工したものである。上記ポリエステルモノフィラメント糸突起と片面タフテッド生地との挟角は50°〜60°である。ポリエステルモノフィラメント糸突起の高さは8mmである。結合層の経編メッシュクロス上の単一のメッシュの面積は36mm
2である。
【0037】
<性能検証>
従来技術には、マット部を有するカーペットが提案されている。このようなカーペットは、カバーと、下方の滑り止めで非水吸収性のマットとが、カバー上のループとマット上のフックにより互いにロックし合うように機械的に接続されてなる。
【0038】
上記ロックし合う機械的接続は、第1実施計画において、VELCRO(登録商標)により実現される。このようなVELCRO(登録商標)は、面ファスナー効果を有する。しかしながら、複数回の着脱によりループとフックが破壊され、例えば、10回着脱すれば、起毛面が破壊され、結合強度が低下する。
【0039】
上記ロックし合う機械的接続は、第2実施計画において、上記マット上の粒状材料層により実現される。カバーは起毛布を採用し、その上面のループが微細であるため、肉眼では見づらい。マット上の粒状材料層は、マット上の3D−18Dの短繊維を熱処理して形成された砂利層である。そのため、このようなロックし合い接続の強度が十分ではないとともに、使用過程において、カバーの四辺が反るため、使用者の体験感に影響を与える。また、マット上の粒状材料層は、マット上の繊維を熱処理して形成された砂利層であるので、巻いたり折り畳んだりすることはできない。
【0040】
上記ロックし合う機械的接続は、第3実施計画において、上記カバーの底面とロックし合う突起を有する樹脂材料により実現される。しかしながら、このようなカバーとマットの接続の結合力が低い。
【0041】
上記第2実施計画を対照群1、上記第1実施計画を対照群2とする。対照群1、対照群2および実施例1の着脱可能なカーペットを用いて以下の実験を行う。
【0042】
1、結合強度実験
実験装置 コンピューター型卓上引張試験機
1)サイズが5cmx20cmの対照群1のカーペット面およびマット層を取り、互いに重ね合わせ、6kgのローラーで2回ローリングして押し付けた後、引張試験機により平均剥離力試験を3回行った結果、0.576N、0.453N、0.321Nであった。剥離力は徐々に弱くなったことが分かった。
サイズが5cmx20cmの対照群2のカーペット面およびマット層を取り、互いに重ね合わせ、6kgのローラーで2回ローリングして押し付けた後、引張試験機により平均剥離力試験を3回行った結果、1.881N、1.346N、1.219Nであった。剥離力は徐々に弱くなったことが分かった。
サイズが5cmx20cmの実施例1の着脱可能なカーペットのカーペット面および滑り止め結合層を取り、互いに重ね合わせ、6kgのローラーで2回ローリングして押し付けた後、引張試験機により平均剥離力試験を3回行った結果、1.387N、1.325N、1.467Nであった。剥離力はほとんど変わらず、いずれも対照群1よりも優れたことが分かった。
【0043】
2)サイズが5cmx20cmの対照群1のカーペット面およびマット層を取り、互いに重ね合わせ、6kgのローラーで2回ローリングして押し付けた後、引張試験機により平均横方向分離力試験を3回行なった結果、26.551N、11.575N、6.230Nであった。横方向分離力は大幅に弱くなったことが分かった。
サイズが5cmx20cmの対照群2のカーペット面およびマット層を取り、互いに重ね合わせ、6kgのローラーで2回ローリングして押し付けた後、引張試験機により平均横方向分離力試験を3回行なった結果、70.875N、35.529N、26.182Nであった。横方向分離力は大幅に弱くなったことが分かった。
サイズが5cmx20cmの実施例1の着脱可能なカーペットのカーペット面および滑り止め結合層を取り、互いに重ね合わせ、6kgのローラーで2回ローリングして押し付けた後、引張試験機により平均横方向分離力試験を3回行った結果、52.128N、52.128N、53.252Nであった。横方向分離力はほとんど変わらず、いずれも対照群1よりも優れたことが分かった。
【0044】
2、取り外し寿命試験
サイズが5cmx20cmの対照群1のカーペット面およびマット層を取り、互いに重ね合わせ、6kgのローラーで2回ローリングして押し付けた後、引張試験機により縦方向と横方向分離試験を20回行なった結果、カーペット面の底層のループがひどく破壊され、砂利層の一部が破損し、断裂した砂利粒子とカーペット面の底層の起毛布と絡み合い、外観に深刻な影響を与えるとともに、最終的に、引張試験機により結合力を測定できなかった。
サイズが5cmx20cmの対照群2のカーペット面およびマット層を取り、互いに重ね合わせ、6kgのローラーで2回ローリングして押し付けた後、引張試験機により縦方向と横方向分離試験を20回行なった結果、カーペット面の底層のループがひどく破壊され、最終的に、引張試験機により結合力を測定できなかった。
サイズが5cmx20cmの実施例1の着脱可能なカーペットのカーペット面および滑り止め結合層を取り、互いに重ね合わせ、6kgのローラーで2回ローリングして押し付けた後、引張試験機により縦方向と横方向分離試験を20回行なった結果、剥離力は1.335Nであった。
【0045】
以上のように、本発明の具体的な実施例を説明した。本発明は上記実施形態に限定されず、当業者は、特許請求の範囲内で様々な変更または修正を行うことができ、これらの変更および修正は、本発明の実施的な内容に影響を与えない。
【符号の説明】
【0046】
1 起毛構造面層、
2 接着剤層、
3 経編三次元メッシュクロス、
4 結合層、
5 滑り止め撥水層、
6 平織構造面層、
7 ループ構造面層。
【国際調査報告】