(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2022-501161(P2022-501161A)
(43)【公表日】2022年1月6日
(54)【発明の名称】電極作製及び設計
(51)【国際特許分類】
A61N 1/05 20060101AFI20211210BHJP
A61B 5/293 20210101ALI20211210BHJP
【FI】
A61N1/05
A61B5/293
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】32
(21)【出願番号】特願2021-539472(P2021-539472)
(86)(22)【出願日】2019年9月12日
(85)【翻訳文提出日】2021年5月11日
(86)【国際出願番号】US2019050886
(87)【国際公開番号】WO2020056187
(87)【国際公開日】20200319
(31)【優先権主張番号】62/731,496
(32)【優先日】2018年9月14日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】521109589
【氏名又は名称】ニューラリンク コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】NEURALINK CORP.
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100173794
【弁理士】
【氏名又は名称】色部 暁義
(72)【発明者】
【氏名】スピン チェン
(72)【発明者】
【氏名】カミロ エイ ディアス−ボティア
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー ジェイ ガードナー
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー エル ハンソン
(72)【発明者】
【氏名】ザッカリー エム テッドフ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァネッサ エム トロサ
【テーマコード(参考)】
4C053
4C127
【Fターム(参考)】
4C053BB12
4C053BB22
4C053BB36
4C127AA03
4C127LL04
4C127LL08
4C127LL30
(57)【要約】
脳のような繊細な組織に埋め込むことができる生体適合性多重電極デバイス及びこのようなアレイを作製する方法を開示する。開示したアレイは、1回のニードル挿入で生きた生物組織に埋め込むことができる。デバイスとしては、端縁に沿う接点を有する線形的アレイ、パリレン支持層における開口毎の多重電極を有する線形的アレイ、多重スレッド電極アレイ、ツリー状電極アレイ、及びそれらの組合せがあり得る。或る実施形態において、柔軟電極装置は、頂面によって画定される頂端縁及び誘電体長さに沿う側面を有する、生体適合性及び生体埋込み型の柔軟な誘電体と、誘電体の長さに沿って指向する絶縁した電気配線と、並びに前記配線に結合されかつ誘電体の長さに沿う側面に位置する電極接点であって、電極接点それぞれの露出部分が誘電体の頂端縁から突出する、該電極接点と、を備える。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
頂面及び誘電体の長さに沿う側面によって画定される頂端縁を有する、生体適合性の柔軟な誘電体と、
生体適合性誘電体内で前記誘電体の前記長さに実質的に沿って指向する電気配線であって、前記電気配線それぞれが前記電気配線の第2電気配線から絶縁されている、電気配線と、
前記誘電体の前記長さに沿う前記側面に位置する電極接点であって、電極接点それぞれの露出部分が前記誘電体の前記頂端縁から突出し、また前記電極接点それぞれが対応する前記電気配線に結合されている、電極接点と、
を備える、柔軟電極装置。
【請求項2】
請求項1記載の柔軟電極装置において、さらに、生体組織内の流体から基準信号を読み取るよう構成されるとともに前記電気配線のうち1つに接続される基準電極を備える、柔軟電極装置。
【請求項3】
請求項1記載の柔軟電極装置において、前記電極接点は、前記誘電体の前記長さに沿って互いに離間した20〜50個の電極接点を有し、前記電極接点の中心間間隔は45マイルロメートル〜55マイクロメートルであり、また各電極接点の面積は350平方マイクロメートル未満である、柔軟電極装置。
【請求項4】
請求項1記載の柔軟電極装置において、前記電極接点それぞれは、ほぼ楕円形状を有している、柔軟電極装置。
【請求項5】
請求項1記載の柔軟電極装置において、生体適合性誘電体はポリイミドを有し、また前記電気配線及び前記電極接点は、金又は他の金属を有する、柔軟電極装置。
【請求項6】
請求項1記載の柔軟電極装置において、前記生体適合性誘電体は、エポキシ、ポリパラキシレン、パリレン及びアクリルのうち1つ以上を有する、
柔軟電極装置。
【請求項7】
請求項1記載の柔軟電極装置において、さらに、挿入ニードルに着脱可能に連結するため、前記誘電体の端部に連結した係合コンポーネントを備える、柔軟電極装置。
【請求項8】
請求項1記載の柔軟電極装置において、前記誘電体の厚さは4マイクロメートル〜8マイクロメートルであり、また前記誘電体の前記長さは15ミリメートル〜25ミリメートルである、柔軟電極装置。
【請求項9】
請求項1記載の柔軟電極装置において、前記電極接点それぞれの突出している露出部分の底部は前記誘電体でカバーされる、柔軟電極装置。
【請求項10】
幹構造から枝分かれする複数の分岐を有する生体適合性の柔軟な誘電体と、
前記複数の分岐における1つ以上の分岐に位置する電極接点と、
それぞれが、少なくとも部分的に対応する分岐内に位置し、対応する電極接点に結合され、第2電気配線から絶縁される、複数の電気配線と、
を備える、柔軟電極装置。
【請求項11】
請求項10記載の柔軟電極装置において、前記複数の分岐は、少なくとも4本の可撓性ストランドを有し、また前記電極接点は前記少なくとも4本の可撓性ストランド上に位置する、柔軟電極装置。
【請求項12】
請求項11記載の柔軟電極装置において、前記電極接点は、前記少なくとも4本の可撓性ストランドに沿って互いに異なる位置に位置する、柔軟電極装置。
【請求項13】
請求項10記載の柔軟電極装置において、
生体適合性柔軟誘電体の前記幹構造は主ロッドを有し、
各前記分岐は前記主ロッドから枝分かれする二次ロッドを有し、また
各前記電極接点は前記主ロッドから枝分かれする前記二次ロッドに位置する、
柔軟電極装置。
【請求項14】
請求項13記載の柔軟電極装置において、
前記電極接点はほぼ二次ロッドの端部に位置し、
前記二次ロッドのうち1つ以上は、前記電極接点が前記主ロッドから分離するよう、前記主ロッドから角度をなして枝分かれする、
柔軟電極装置。
【請求項15】
請求項10記載の柔軟電極装置において、前記誘電体の前記幹構造は、埋め込み中折れ曲がるよう構成される柔軟な骨格を有する、柔軟電極装置。
【請求項16】
請求項10記載の柔軟電極装置において、前記電極接点の最大形体サイズは10マイクロメートルであり、また前記電極接点それぞれの面積は350平方マイクロメートル未満である、柔軟電極装置。
【請求項17】
請求項10記載の柔軟電極装置において、前記電極接点は少なくとも20個の電極接点を含む、柔軟電極装置。
【請求項18】
請求項10記載の柔軟電極装置において、生体適合性誘電体はポリイミドを有し、また前記電気配線及び前記電極接点は、金又は他の金属を有する、柔軟電極装置。
【請求項19】
請求項10記載の柔軟電極装置において、生体適合性誘電体は、エポキシ、ポリパラキシレン、パリレン及びアクリルのうち1つ以上を有する、柔軟電極装置。
【請求項20】
請求項10記載の柔軟電極装置において、さらに、挿入ニードルに着脱可能に連結するため、前記誘電体の端部に係合コンポーネントを備え、前記係合コンポーネントは40マイクロメートル〜60マイクロメートルの長さのループを有する、柔軟電極装置。
【請求項21】
生体適合性柔軟誘電体の第1層を堆積するステップと、
前記生体適合性柔軟誘電体の前記第1層上に電気配線を堆積するステップであり、前記電気配線がほぼ誘電体の長さに沿って指向し、また前記電気配線におけるそれぞれの電気配線が前記電気配線の第2電気配線から絶縁されるよう、堆積するステップと、
生体適合性誘電体の長さに沿う側面に電極接点を堆積するステップと、
前記第1層、前記電気配線及び前記電極接点の上に、電極接点それぞれの露出部分が、前記誘電体の頂面及び前記誘電体の前記長さに沿う側面によって画定される頂端縁を越えて突出して残るよう、前記生体適合性柔軟誘電体の第2層を堆積するステップであり、また前記電極接点それぞれが対応する前記電気配線に結合されている、ステップと、
を含む、生体適合性柔軟電極装置製造方法。
【請求項22】
請求項21記載の生体適合性柔軟電極装置製造方法において、さらに、生体組織内の流体から基準信号を読み取るよう構成されるとともに、前記電気配線のうち1つに接続される基準電極を堆積するステップを備える、生体適合性柔軟電極装置製造方法。
【請求項23】
請求項21記載の生体適合性柔軟電極装置製造方法において、前記電極接点は、前記誘電体の前記長さに沿って互いに離間した20〜50個の電極接点を有し、前記電極接点の中心間間隔は45マイルロメートル〜55マイクロメートルであり、また各電極接点の面積は350平方マイクロメートル未満である、生体適合性柔軟電極装置製造方法。
【請求項24】
請求項21記載の生体適合性柔軟電極装置製造方法において、前記電極接点それぞれは、ほぼ楕円形状を有している、生体適合性柔軟電極装置製造方法。
【請求項25】
請求項21記載の生体適合性柔軟電極装置製造方法において、生体適合性誘電体はポリイミドを有し、また前記電気配線及び前記電極接点は、金又は他の金属を有する、生体適合性柔軟電極装置製造方法。
【請求項26】
請求項21記載の生体適合性柔軟電極装置製造方法において、生体適合性誘電体は、エポキシ、ポリパラキシレン、パリレン及びアクリルのうち1つ以上を有する、生体適合性柔軟電極装置製造方法。
【請求項27】
請求項21記載の生体適合性柔軟電極装置製造方法において、さらに、挿入ニードルに着脱可能に連結するよう構成される係合コンポーネントを形成し前記誘電体の端部に連結するステップを含む、生体適合性柔軟電極装置製造方法。
【請求項28】
請求項27記載の生体適合性柔軟電極装置製造方法において、前記係合コンポーネントは40マイクロメートル〜60マイクロメートルの長さのループを有する、生体適合性柔軟電極装置製造方法。
【請求項29】
請求項21記載の生体適合性柔軟電極装置製造方法において、前記誘電体の厚さは4マイクロメートル〜8マイクロメートルであり、また前記誘電体の前記長さは15ミリメートル〜25ミリメートルである、生体適合性柔軟電極装置製造方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
本出願は、あらゆる目的のために参照により全体が本明細書に組み入れられるものとする、「電極作製及び設計(Electrode Fabrication and Design)」と題した、2018年9月14日出願の米国仮出願第62/731,496号の優先権の恩典を主張する。
【0002】
連邦支援の研究開発の下でなされた発明に対する権利に関する声明(STATEMENT AS TO RIGHTS TO INVENTIONS MADE UNDER FEDERALLY SPONSORED RESEARCH AND DEVELOPMENT)
非適用(NOT APPLICABLE)
【背景技術】
【0003】
電極を有する埋込み型デバイスは、脳のような標的生体組織における電気信号を記録及び刺激するのに使用することができる。しかし、埋め込み中、電極は生体組織に損傷又は炎症を与えるおそれがあり、正確な研究、診断、及び/又は組織の医療を複雑にする。さらに、埋込み部位の付近における組織の免疫反応並びに成長は長期間生存能力及び埋め込まれた電極の安定性を低下させることがあり得る。
【0004】
さらに、従来型電極は幾つかの生物学的応用で必要とされる深さで精密に記録及び/又は刺激するよう構成することができない。
【0005】
さらに、埋込み型デバイスに使用される従来型電極は、そのサイズ及び/又は材料組成に起因して、破損し易く、また破損したとき生体組織を損傷することがあり得る。この結果として、従来型電極は埋込み型デバイスでの使用には実用的でないことがあり得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
概して、本明細書に開示するのは、脳のような生体組織に埋め込むための、可撓性でリボンケーブル状の微細に作製した電極である。電極としては、端縁に沿う接点の線形的アレイ、誘電性支持層における開口毎の多重電極を有する線形的アレイ、多重スレッド電極アレイ、ツリー状電極アレイ、記録/刺激部位を有する電極アレイ、突起を有する電極アレイ、及びそれらの組合せを有する電極があり得る。電極アレイは、生体適合性及び生体埋込み型の柔軟な誘電体であって、頂面によって画定される頂端縁及び誘電体長さに沿う側面を有する、該誘電体と、誘電体の長さに沿って指向する絶縁した電気配線と、並びに前記配線に結合されかつ誘電体の長さに沿う側面に位置する電極接点と、を備えることができ、電極接点それぞれの露出部分は誘電体の頂端縁から突出する。
【0007】
開示した電極アレイは、生体適合性が改善されており、また向上した精度で、かつ従来型電極よりも組織内における深さが増大して標的生体組織を記録及び/又は刺激することができる。加えて、開示した電極アレイは、機械的歪みに対する安定性及び復元性が改善しており、また生体組織内での長期間使用するよう構成することができる。微細製造した電極は、極めて小さく、細く、かつ可撓性があり、したがって、挿入創傷を減少し、埋め込んだ電極周りの標的組織を成長させ、電極接点と標的部位との間の近接性を改善し、またより多くの電極を埋め込むことを可能にする。
【0008】
本開示の一態様において、柔軟電極装置は、生体適合性のある柔軟な誘電体を備え、この誘電体は、頂面によって画定される頂端縁及び誘電体長さに沿う側面を有する。柔軟電極装置は、さらに、生体適合性誘電体内でほぼ誘電体の長さに沿って指向する電気配線を備え、前記電気配線におけるそれぞれの電気配線は電気配線の第2配線から絶縁する。柔軟電極装置は、さらに、生体適合性誘電体の長さに沿う側面に位置する電極接点を備え、電極接点それぞれの露出部分は誘電体の頂端縁から突出し、また電極接点各々はそれぞれに対応する電気配線に結合される。
【0009】
幾つかの実施形態において、柔軟電極装置は、さらに、生体組織の体液から基準信号を読み取るよう構成された基準電極を備え、前記基準電極は電気配線のうち1つに接続される。
【0010】
幾つかの実施形態において、電極接点は、誘電体の長さに沿って互いに離間した20〜50の間における個数の電極接点を有し、電極接点の中心間間隔は45マイルロメートル〜55マイクロメートルの間の値である。各電極接点の面積は350平方マイクロメートル未満である。
【0011】
幾つかの実施形態において、電極接点それぞれはほぼ楕円形状を有している。
【0012】
幾つかの実施形態において、生体適合性誘電体はポリイミドを有し、また電気配線及び電極接点は、金又は他の金属を有する。
【0013】
幾つかの実施形態において、生体適合性誘電体は、エポキシ、ポリパラキシレン、パリレン、及びアクリルのうち1つ又はそれ以上を有する。
【0014】
幾つかの実施形態において、柔軟電極装置は、さらに、挿入ニードルに着脱可能に連結するため、誘電体の端部に連結した係合コンポーネントを備える。
【0015】
幾つかの実施形態において、誘電体の厚さは4マイクロメートル〜8マイクロメートルの間であり、また誘電体の長さは15ミリメートル〜25ミリメートルの間である。
【0016】
幾つかの実施形態において、電極接点の突出している露出部分の底部は誘電体でカバーされる。
【0017】
本開示の他の態様において、柔軟電極装置は、生体適合性の柔軟な誘電体を備える。生体適合性柔軟誘電体は、幹構造から枝分かれする複数の分岐を有することができる。生体適合性柔軟構造は、さらに、複数分岐における1つ又はそれ以上の分岐に位置する電極接点を有することができる。生体適合性柔軟構造は、さらに、電気配線を有することができ、電気配線それぞれは、少なくとも部分的にそれぞれに対応する分岐内に位置し、それぞれに対応する電極に結合され、また第2電気配線から絶縁される。
【0018】
幾つかの実施形態において、複数の分岐は、少なくとも4本の可撓性ストランドを有し、また電極接点は少なくとも4本の可撓性ストランド上に位置する。
【0019】
幾つかの実施形態において、電極接点は、少なくとも4本の可撓性ストランドに沿って互いに異なる位置に位置する。
【0020】
幾つかの実施形態において、生体適合性柔軟誘電体の幹構造は、主ロッドを有する。各分岐は、主ロッドから枝分かれする二次ロッドを有する。各電極接点は、主ロッドから枝分かれする前記二次ロッドに位置する。
【0021】
幾つかの実施形態において、電極接点は、ほぼ二次ロッドの端部に位置する。二次ロッドのうち1つ又はそれ以上は、電極接点が主ロッドから分離するよう主ロッドから角度をなして枝分かれすることができる。
【0022】
幾つかの実施形態において、誘電体の幹構造は、埋め込み中折れ曲がるよう構成された柔軟な骨格を有する。
【0023】
幾つかの実施形態において、電極接点の最大形体サイズは10マイクロメートルであり、また電極接点それぞれの面積は350平方マイクロメートル未満である。
【0024】
幾つかの実施形態において、電極接点は少なくとも20個の電極接点を含む。
【0025】
幾つかの実施形態において、生体適合性誘電体はポリイミドを有し、また電気配線及び電極接点は、金又は他の金属を有する。
【0026】
幾つかの実施形態において、生体適合性誘電体は、エポキシ、ポリパラキシレン、パリレン、及びアクリルのうち1つ又はそれ以上を有する。
【0027】
幾つかの実施形態において、生体適合性誘電体は、さらに、挿入ニードルに着脱可能に連結するため誘電体の端部に係合コンポーネントを備える。係合コンポーネントは、40マイクロメートル〜60マイクロメートルの間における長さのループを有することができる。
【0028】
本開示の他の態様において、生体適合性柔軟電極装置を作製する方法は、生体適合性柔軟誘電体の第1層を堆積するステップを備える。方法は、さらに、生体適合性柔軟誘電体の第1層上に電気配線を堆積するステップであり、電気配線がほぼ誘電体の長さに沿って指向し、また電気配線におけるそれぞれの電気配線を電気配線の第2電気配線から絶縁する、ステップを備える。方法は、さらに、生体適合性誘電体の長さに沿う側面に電極接点を堆積するステップを備える。方法は、さらに、第1層、電気配線、及び電極接点上に、電極接点それぞれの露出部分が、前記誘電体の頂面によって画定される頂端縁及び前記誘電体の長さに沿う側面を越えて突出して残るよう、生体適合性柔軟誘電体の第2層を堆積するステップであり、また電極接点それぞれが対応する電気配線に結合されている、該ステップを備える。
【0029】
幾つかの実施形態において、方法は、さらに、上述した電極装置のいずれかを作製するステップを備える。
【0030】
本開示の他の態様において、生体適合性柔軟電極装置を作製する方法は、表面上にレジストレーション・マークを形成するステップと、表面上に第1絶縁層を堆積するステップと、表面を金属化するステップと、表面上に第2絶縁層を堆積するステップと、表面上にデバイスのアウトラインをパターン形成するステップと、表面上にスレッド支持層を構築するステップと、表面の電流バスを電気めっきするステップと、及び表面上の結合パッドを電気めっきするステップとを備える。或る実施形態において、表面上に第1絶縁層を堆積するステップ及び表面を金属化するステップは、表面上に第2絶縁層を堆積するステップに継続する前に複数回繰り返すことができる。
【0031】
幾つかの実施形態において、表面上に第1絶縁層を堆積するステップは、表面上に絶縁材料層(約2μmのポリイミド)をスピンコーティングするステップと、ホットプレート上で表面をソフトベークすると、及び真空オーブン内で低温により表面を養生させるステップとを有する。或る実施形態において、これらステップのうち幾つか又はすべては必要に応じて複数回繰り返すことができる。
【0032】
幾つかの実施形態において、表面を金属化するステップは、表面上にレジスト層(約350nmのレジスト(例えば、LOR3A))をスピンコーティングするステップと、表面上にフォトレジスト層(約420nmの深UV)をスピンコーティングするステップと、金属パターンを有するステッパツール内で表面を露光するステップと、表面を露光後ベークしかつフォトレジストを現像するステップと、表面をデスカム又はイオンミルエッチングするステップと、表面を電子ビーム蒸発器チャンバ内に配置するステップと、電子ビーム蒸着により表面上に金属(例えばプラチナ)を堆積するステップと、溶剤浴内で表面上の金属リフトオフを実施するステップと、及び表面上で脱塩を実施するステップと、を含む。或る実施形態において、これらステップの幾つか又はすべては必要に応じて複数回繰り返すことができる。
【0033】
開示した電極アレイは、より高い解像度形体を可能にするプロセスを使用して作製することができる。とくに、幾つかの実施形態において、電極アレイは、アレイ上に多数の電極をパターン形成することができるステッパリソグラフィを用いて作製することができる。この結果として、電極アレイは小さい形体サイズを有するとともに、複数の記録/刺激チャネルを有する大きい電極アレイを設けることができる。
【0034】
本明細書に組み入れられてその一部を構成する添付図面は、幾つかの実施形態を図解し、また明細書の記載とともに、開示される原理を説明する役目を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1A】本発明実施形態による、線形端縁形態をした電極スレッドの概略的頂面図を示す。
【
図2A】本発明実施形態による、線形端縁形態をした多重電極スレッドの頂面図を示す。
【
図2B】
図2Aの電極スレッドにおける1つの電極スレッド縦断面図を示す。
【
図3】本発明実施形態による、3つの線形的電極アレイを示す。
【
図4】本発明実施形態による、ステレオトロード(stereotrode)形態の線形的アレイを示す。
【
図5】本発明実施形態による、ツリー形態の電極アレイを示す。
【
図6】本発明実施形態による、4本脚形態の電極アレイを示す。
【
図7】本発明実施形態による、極小サイズ形態の2つの線形的アレイを示す。
【
図9】本発明実施形態による、骨格形態をした電極アレイを示す。
【
図10】本発明実施形態による、生体埋込み型の柔軟な電極を作製する例示的方法を示すフローチャートである。
【
図11】本発明実施形態による、電極アレイを作製する例示的技術を示すフローチャートである。
【
図12】本開示による、電極アレイを作製する間における表面上にレジストレーション・マークを形成する例示的技術を示すフローチャートである。
【
図13】本開示による、電極アレイを作製する間における表面上に第1絶縁層を堆積する例示的技術を示すフローチャートである。
【
図14】本開示による、電極アレイを作製する間における表面を金属化する例示的技術を示すフローチャートである。
【
図15】本開示による、電極アレイを作製する間における表面に第2絶縁層を堆積する例示的技術を示すフローチャートである。
【
図16】本開示による、電極アレイを作製する間における表面にデバイスの外形をパターン形成する例示的技術を示すフローチャートである。
【
図17】本開示による、電極アレイを作製する間における表面にスレッド支持層を構築する例示的技術を示すフローチャートである。
【
図18】本開示による、電極アレイを作製する間における表面の電流バスを電気めっきする例示的技術を示すフローチャートである。
【
図19】本開示による、電極アレイを作製する間における表面の電流パッドを電気めっきする例示的技術を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本開示は、埋込み型デバイス内に設けることができる種々の電極アレイ、及びこのような電極アレイを作製する方法を記載する。本明細書に開示される埋込み型デバイスは、生きている傷つき易い組織を含む生体組織に対して小さい挿入穴を介して一回のニードル挿入により埋め込むよう構成することができるが、このような組織に対して電気信号の記録及び/又は刺激(活性化)をするための複数の電極を設けることができる。とくに、開示した電極アレイの実施形態は、小さい形体サイズ(例えば、10マイクロメートル(μm)最大形体サイズ、又は接点に作製した形体の特徴的サイズ)を有することができるとともに、挿入瘢痕を越えて関心対象組織部位を包囲するよう延在することができる多重記録/刺激チャネルを有する大きな電極アレイを設けることができる。多重電極アレイ及びアレイの柔軟な分岐構造の組合せは、システムが標的部位における詳細な立体画像を形成することを可能にする。
【0037】
従来型システムと比較すると、開示した電極アレイは、増大した精度及び生体組織内でのより深い深さにおける記録及び/又は刺激を行うことができる。それに加えて、開示したシステム及び方法は、生体適合性が改善されており、また機械的歪みに対する安定性及び復元性が改善しており、かつ生体組織内で長期間使用するよう構成することができる。
【0038】
代表的実施例において、開示したシステム及び方法は、神経組織内に96本のポリマースレッドを埋め込むことができ、各スレッドは32個の電極を有し、アレイにおける電極は合計3,072個である。電極はコンパクトで細くまた可撓性があり、5〜50μmのスレッド幅及び3層の絶縁層及び2層の導体層まで含めて4〜6μmの公称スレッド厚さを有するよう設計される。これらプローブの極めて薄い厚さ、小さいサイズ、及び増大した可撓性は、より高い生体適合性をもたらし、プローブが免疫反応を引き起こすトリガとならず、長期間にわたる埋込み状態に留まることができるようにする。小さいスレッド断面積も標的における組織変位を最小化することができる。
【0039】
非限定的な実施例において、開示した電極アレイは、脳に埋め込むよう構成された埋込み型デバイスに使用することができる。とくに、開示した電極アレイは、脳の領域における電気信号記録及び/又は刺激を行うのに使用することができる。開示した電極アレイは、従来型システムよりもより深い深さ、例えば、約2ミリメートルで脳内に埋め込むことができる。幾つかの実施形態において、開示した電極アレイは、活動電位、単一ニューロン、多重単位ニューロンの活動、及び/又は電場電位を記録するよう構成することができる。幾つかの実施形態において、開示した電極アレイは、個別ニューロン又はニューロン集団に対して刺激するよう構成することができる。
【0040】
他の実施例において、開示したシステム及び方法は、限定しないが、脳、筋肉、肝臓、膵臓、脾臓、腎臓、膀胱、腸、心臓、胃、皮膚、結腸、等々を含む生体組織に使用することができる。さらに、開示した電極アレイは、限定しないが、無脊椎動物、脊椎動物、魚、鳥、哺乳動物、齧歯動物(例えば、マウス、ラット)、有蹄動物、牛、ヒツジ、ブタ、馬、ヒトではない霊長類、及びヒトを含む、任意の適当な多細胞生物に関連して使用することができる。さらに、生体組織は、体外組織(例えば、外植組織片)とすることができる、又は生体内組織(例えば、患者に対して実施される外科手術処置において、又は脳-コンピュータインタフェースの一部として使用される)とすることができる。
【0041】
<I. 電極構成>
図1A〜9は種々の電極構成を示す。種々の実施形態において、多くの異なるスレッド及び電極タイプを電極アレイに使用することができ、
図1A〜9の実施例で説明される設計並びに任意な他の設計が含まれ、またこれは本開示によって限定されない。スレッドは、5〜50μmの範囲にわたる幅で作製することができ、また
図1A〜9の実施例で説明される設計並びに任意な他の設計のような幾つかのジオメトリの記録部位を組み入れることができる。
【0042】
或る実施形態において、開示した電極アレイは、生体埋込み型柔軟構造及びパリレンで作成することができる支持層における多重開口を有することができる。支持層における開口は電気信号記録/刺激を可能にする電極(活性部位とも称される)を露出させることができる。幾つかの実施形態において、柔軟構造は、以下の
図1A〜4の実施例におけるような、電極の線形的アレイを備える。代案として、柔軟構造は、以下の
図5〜6及び8〜9の実施例におけるような、幹構造から枝分かれする複数の分岐と、及び複数の分岐のうち1つ又はそれ以上に位置する多重電極を有することができる。
【0043】
幾つかの実施形態において、このような複数の分岐は、生体組織内への挿入中により小さい断面積を呈して組織における挿入創傷を最小化するよう、挿入ニードルの周りに巻き付けることができる。このとき、分岐は挿入ニードルを取り外す際にバラバラに広がるよう構成することができる。分岐構造の他の特徴は、個別分岐における機械的歪みを消散させる能力である。したがって、開示した構造は、標的組織に対して侵襲性がより少なく、生体適合性がより高く、また構造的損傷に対する復元性があるというような技術的利点をもたらすことができる。
【0044】
各薄膜アレイは、電極接点及び配線を特徴とする「スレッド」エリア、及び薄膜が信号増幅及び捕捉を可能にするカスタムチップとのインタフェースをとる「センサ」エリアから構成することができる。代表的実施形態において、各アレイは、48又は96本のスレッドを有することができ、また各スレッドは電極接点に終端する32本の独立した配線を含むことができる。ウェハーレベルの微細作製プロセスは、これらデバイスの高生産性製造を可能にする。例えば、10個の薄膜アレイを単一ウェハー上にパターン形成することができ、各薄膜アレイは、3,072個の電極接点を有することができる。或る実施例において、このような各アレイは、患者の頭蓋における単一の外科手術的ボア経由で埋め込むことができる。種々の実施形態において、任意な他の個数のアレイ、デバイス、スレッド、配線、及び/又は接点も可能であり、またこれは本開示によって限定されない。フリップチップ・ボンディング・プロセスを使用して、集積チップを薄膜のセンサエリア上の接点に接合する。この手法は、脳内における組織変位を最小化するため、小さいスレッド断面積を維持するという技術的利点をもたらす。チャネルカウントを高く維持しつつ、このことを達成するため、ステッパリソグラフィ及び他の微細作製技術を用いてサブミクロン解像度で金属薄膜を作成することができる。
【0045】
アレイは、さらに、電極に結合されかつ互いに絶縁された多重電気配線を有することができる。或る実施形態において、電極アレイは、10μmの最大形体サイズを有することができ、また電極に対して約100ナノメートル(nm)の代表的スケールを有することができる。或る実施形態において、電気配線は、数100ナノメートルの代表的スケールを有することができる。
【0046】
最大形体サイズは、接点上に作製した形体の特徴的サイズに言及することができる。
【0047】
10μmの最大形体サイズは、標的組織における細胞の電極アレイ周りで成長する及び/又は互いに通信する、並びに機械的緩衝をもたらす能力を改善することができる。したがって、開示した電極アレイの小さいサイズ、可撓性、及び拡散ジオメトリは、標的神経組織をより自由に成長させるとともに、依然としてアレイあたり3,072個という多数の電極を埋め込むことを可能にすることによって、技術的利点をもたらすことができる。加えて、開示したシステムの可撓性及び分岐構造によれば、電極アレイが挿入創傷を越えて延在し、かつ関心対象標的部位を包囲することを可能にする。開示した電極アレイの幾何学(ジオメトリ)的構成、サイズ、形状、及び可撓性のようなこれら特性は、電極の記録部位と電極埋込み中に形成されるすべての瘢痕組織との間における距離を最大化することにも役立つことができる。
【0048】
幾つかの実施形態において、電極アレイは、支持層に1つ又はそれ以上の開口を有することができる。図示の実施形態において、支持層における開口は間隔を空けたハッチングで描かれる。支持層における開口は、刺激及び/又は記録するよう構成された電極(活性部位とも称される)を露出させることができる。さらに、図示の実施形態において、電極接点はクロスハッチングで描かれる。電極は、金、プラチナ、イリジウム等々のような金属を含むことができる。電極は、ポリイミド、エポキシ、ポリパラキシレン、パリレン、アクリル、アルミナ、窒化ケイ素、等々のような材料によって絶縁することができる。例えば、プローブに使用される主基板及び誘電体は、電気配線を完全に包囲できるポリイミドとすることができる。図示の実施形態において、電極アレイの基板は明白セグメントで描かれる。種々の実施形態において、電気配線は点線で描かれる。
【0049】
電気配線は、ニッケル、金、プラチナ、プラチナ合金等々を含む、金属及び/又は金属合金を有することができる。例えば、電気配線は、金薄膜を有することができる。或る実施形態において、電極アレイは、多重電極のための孔を有することができるパリレンシートでカバーできる。とくに、パリレンcはスレッド上に堆積して、ロボット外科手術的埋込み中にロボットが除去するまでスレッドを取り付けておくことができる薄膜を形成することができる。
【0050】
幾つかの実施形態において、生体組織の体液から基準信号を読み取るよう構成された基準電極を各電極スレッド上に設けることができる。したがって、或る実施形態において、個別の基準電極は、標的組織を測定及び/又は刺激するため、各スレッド上で電極近傍に存在することができる。オンプローブ基準と称されるこの構成は、生物学的体液における電位における長距離ドリフト又はランダムな局所的変動に起因するスプリアス効果を減少させる、より正確な基準電極読取りを生ずる技術的利点をもたらすことができる。したがって、開示したシステム及び方法は、ノイズを減少し、また精度を向上することができる。他の実施形態において、基準電極は別個のスレッド上に存在することができ、またこれは本開示によって限定されない。
【0051】
<II. 線形的アレイ形態>
図1Aは、本発明実施形態による、線形端縁形態をした電極スレッド100の概略的頂面図を示す。幾つかの実施形態において、電極スレッド100の線形端縁形態は、以下に記載する幾つかの他の電極形態における好ましい技術的形体を組み合わせることができる。この実施例において、複数の電極ワイヤ配線102は、金又は他の金属の薄膜のような導体から形成することができ、またポリイミドのような柔軟生体適合性生体埋込み型誘電材料のベース104上に堆積することができる。代表的実施例において、単一スレッド100上に32本の配線を存在させることができる。ワイヤ配線102は、互いにまた誘電ベース104の長さに対してほぼ平行とすることができる。
【0052】
この実施例において、各配線は電極接点に終端する。例えば、配線106は接点108に終端する。接点は誘電体の長さに沿う端縁172に位置することができ、したがって、スレッド100の形態は「線形端縁」形態と称される。或る実施形態において、この形態は、記録及び/又は刺激すべき標的(例えば、ニューロン)近傍に接点を近接させることによって、例えば、接点及び標的の高さを均一にする、また露出した接点を誘電体端縁から突出させることによって、技術的利点をもたらすことができる。したがって、記録及び/又は刺激信号は線形端縁形態ジオメトリによってより強くまたよりクリアなものとすることができる。或る実施形態において、この形態は、さらに、記録部位と、電極埋込みによって生ずるいかなる瘢痕組織との間の距離を最大化することもできる。接点はほぼ楕円形の形状とすることができ、また楕円の短軸及び長軸のそれぞれに沿って測定して約14×24μm
2の寸法、及び350μm
2未満の総面積を有することができる。電極接点は単に電極とも称することができる。
【0053】
スレッド100は極めて長くかつ薄いものとすることができ、代表的実施例において、5μm〜50μmの幅及び4μm〜6μmの公称厚さ、また約20mmの長さとすることができる。スレッドの薄い寸法及び可撓性はより高い生体適合性をもたらし、また標的内での組織変位を最小化することができる。これら長くかつ薄いスレッドを挿入前に管理するため、パリレン-cをスレッド上に堆積して薄膜を形成し、外科手術ロボットがスレッドを剥ぎ取るまでこの薄膜上にスレッドが付着した状態の留めておくことができる。
【0054】
幾つかの実施形態において、デバイスの完全性及び強度を確保するため、十分なデバイス及び/又は電極厚さを維持し、とくに、デバイス端縁に沿う電極を有する線形端縁形態において十分な厚さを維持することを必要とする場合があり得る。とくに、4μm〜6μmの範囲内におけるスレッド厚さは十分な構造完全性をもたらすことができる。
【0055】
幾つかの実施形態において、電極スレッド100はオンプローブ基準形態を有することができる。例えば、配線102のうちの1つを、標的生体組織における体液からの基準信号を読み取るよう構成された基準電極とすることができる。このことは、ランダムな局所的変動に起因するスプリアス効果を減少させる、より正確な基準電極読取りをもたらすことができる。
【0056】
図1Bは、
図1Aの電極スレッド100の詳細図を示す。この実施例において、配線132は、誘電体ベース134にほぼ平行であり、またベース134の幅の輪郭及び/又は変調に追随するしわを有することができる。
図1Aの実施例におけるように、接点136及び138は誘電体ベースの長さに沿う端縁上に位置する。電極接点はほぼ楕円形の形状とすることができ、また楕円の短軸及び長軸のそれぞれに沿って測定して約14×24μm
2の寸法、及び350μm
2未満の総面積を有することができる。或る実施形態において、電極接点は、誘電体の長さに沿って45μm〜55μmの間における中心間間隔、例えば、50μm間隔で離間する。接点の小さい面積及びコンパクトな間隔は、より高い生体適合性をもたらすことができ、また標的における組織変位を最小化することができる。電極接点は単に電極とも称することができる。
【0057】
個別の金電極部位はこのような小さい幾何学的表面積を有するため、表面変調を使用することができる。このような処理は、電気生理学上のインピーダンスを低下させ、またインタフェースの有効帯電容量を増加するという技術的利点をもたらすことができる。2つのこのような処理としては、ポリスチレンスルホン酸塩をドープしたポリ-エチレンジオキシチオフェン(PEDOT:PSS)の導電性ポリマー及び酸化イリジウム(IrOx)をドープした導電性ポリマーがある。或る実施形態において、このような処理は、PEDOT:PSS及びIrOxに関してそれぞれ、36.97±4.68kΩ(n=257電極)及び56.46±7.10kΩ(n=588)のインピーダンスを達成することができる。これら技術及びプロセスは、他タイプの導電性電極材料及びコーティングを含むことができ、またこれは本開示によって限定されない。
【0058】
図1Cは、
図1Aの電極スレッドにおける2つの断面図を示す。この実施例において、断面
図160は
図1Aに示す断面ラインA-Aに対応する断面A-Aである。この実施例において、断面
図160は、誘電体ベース162(
図1Aの実施例における誘電体ベース104に対応する)、部分的誘電体カバー164(誘電体の頂部とも称される)、電気配線166及び168(
図1Aの実施例における配線102に対応する)、並びに電極接点170(
図1Aの実施例における電極接点108に対応する)を示す。代表的実施形態において、誘電体ベース162及び部分的誘電体カバー164は、ポリイミドのような生体適合性柔軟誘電性材料を有することができる。代案として、誘電体ベース162及び/又は部分的誘電体カバー164は、エポキシ、ポリパラキシレン、パリレン、アクリル、アルミナ、及び/又は窒化ケイ素のような他の材料を有することができ、またこれは本開示によって限定されない。配線166及び168は、誘電性材料によって、例えば、誘電性材料のカバー164及び/又は他の部分によって互いに絶縁することができる。
【0059】
図示のように、電極接点170は長方形断面を有するが、
図1Bの実施例におけるような頂面図から見て楕円形状のような丸みのある形状を有することができる。したがって、電極接点170は、ほぼ楕円又は楕円円筒体の形状とすることができる。代表的実施形態において、電極の頂面及び内部は
図1Cの断面A-Aの実施例におけるように露出させることができる。
【0060】
この実施例において、電極スレッドは、上述したように、線形端縁形態で電極接点170を含むことができる端縁172を有する。したがって、電極スレッドの生体適合性柔軟誘電体は、単一誘電体を称することができる。このように電極スレッド及び/又は誘電体は、頂部164、底部162、及び側面174を有し、また頂面164が側面174に合流する端縁172として定義される頂端縁を有する。線形端縁形態において、誘電体によってカバーされない電極接点170の部分は、端縁172を越えて突出することができる。非カバー部分は依然として誘電体ベース162上に載置することができるが、頂部164によってカバーされないようにすることができる。
【0061】
同様に、断面
図180は
図1Aに示す断面ラインB-Bに対応する断面B-Bである。この実施例において、断面
図180は、誘電体ベース182(
図1Aの実施例における誘電体ベース104に対応し、また誘電体の底部とも称される)、部分的誘電体カバー184(誘電体の頂部とも称される)、並びに電気配線186及び188(
図1Aの実施例における配線102に対応する)を示す。はやり誘電体ベース182及び部分的誘電体カバー184は、ポリイミド又は他の材料のような生体適合性で柔軟な誘電性材料を有することができる。この実施例において、電極スレッドは、上述したように、線形端縁形態で電極接点を含むことができる端縁190を有する。はやり、電極スレッド及び/又は誘電体は、頂部184、底部182、及び側面192を有し、また頂部184が側面192に合流する端縁190として定義される頂端縁を有する。しかし、この実施例において、断面
図180における配線186及び188のB-B断面部分は誘電体の頂部184によって完全にカバーすることができる。配線186及び188は、さらに、誘電性材料によって、例えば、誘電性材料の頂部184及び/又は他の部分によって互いに絶縁することができる。配線の他の断面部分は、以下に説明するように、カバーされない、又は単に部分的にカバーされるようにすることができる。
【0062】
図2Aは、本発明実施形態による、線形端縁形態をした多重電極スレッド200の頂面図を示す。代表的実施形態において、単一電極アレイ200は48又は96個のスレッドを有することができ、また各スレッド202は、電極接点に終端する32個の独立配線を有することができる。電極スレッドのロボットによる埋込み中に複数のアレイ200のような電極スレッドを保持するピルボックス-カートリッジ組立体を手術野内に挿入ニードルとともに位置決めすることができる。或る実施形態において、スレッド202のような個別スレッドは、このようなピルボックス-カートリッジ組立体上に配列することができる。
【0063】
各スレッド202は、標的組織における外科手術的埋込み前に挿入ニードルによるロボット係合を容易にすることができる係合形体を端部とすることができる。この実施例において、スレッドは、ニードル挿通を許容するループ204のようなものであり、ループ寸法はループの長軸及び短軸に沿って測定できる(16×50)μm
2のループを端部とすることができる。ロボットによる埋込み中に、このような係合形体は、ロボットアセンブリが係合するためのピルボックス-カートリッジ組立体のカートリッジ部分に配列することができる。ロボットアセンブリはこのような係合形体に係合することができ、この係合は、例えば、標的組織における外科手術的埋込みの準備としてカートリッジから電極を取り出すため、挿入ニードルを電極のループ204に挿通することによって行うことができる。或る実施形態において、ループ204のような係合形体は、
図1A及び1Bの実施例における誘電体ベース104,162,及び168のポリイミドのような、同一の生体適合性柔軟材料から成るものとすることができる。代案として、ループ204のような係合形体及び/又は誘電体ベースは、エポキシ、ポリパラキシレン、パリレン、アクリル、アルミナ、及び/又は窒化ケイ素のような他の材料を有することができ、またこれは本開示によって限定されない。
【0064】
この実施例において、各スレッド202は生体適合性柔軟誘電体の第2層206で部分的にカバーすることができる。第2層206は、
図1Cの実施例における部分的誘電体カバー164及び部分的誘電体カバー184に対応することができる。したがって、或る実施形態において、第2層206は、
図1A及び1Bの実施例におけるベース104,162,及び168のポリイミドのような、同一の生体適合性柔軟材料から成るものとすることができる。代案として、第2層206及び/又はベースは、エポキシ、ポリパラキシレン、パリレン、アクリル、アルミナ、及び/又は窒化ケイ素のような他の材料を有することができ、またこれは本開示によって限定されない。各スレッド202は、例えば、電気配線、
図1Bの実施例における配線132のような複数の電気配線、又は薄い金属フォイルが誘電体の第2層206によってカバーされない金属の露出部分を有することができる。しかし、これら露出部分208は、生体適合性柔軟誘電性材料の細条210のような細条によって部分的にカバーすることもできる。
【0065】
図2Bは、
図2Aの電極スレッドにおける1つの電極スレッド縦断面
図250を示す。この実施例において、断面
図250は、
図2Aに示す断面ラインC-Cに対応する断面C-Cである。図示のように、断面C-Cは電気配線252を含む。この実施例において、生体適合性柔軟誘電性材料は、ベース254,部分的カバー256、側面を含む部分的カバー258、及び部分的カバー細条260(
図2Aの実施例における細条210に対応する)を形成する。生体適合性柔軟誘電性材料は、ポリイミド又は他の材料から成るものとすることができる。したがって、部分的カバー256、側面を含む部分的カバー258、及び部分的カバー細条260は、ともに電気配線252を部分的にカバーする生体適合性柔軟誘電性材料の頂部又はカバーを構成することができる。細条260及び/又は誘電体頂部の残りの部分は、配線252の幾つかの部分をカバーするが、他の部分はカバーしない。
【0066】
この実施例において、右側側面を含む部分的カバー258は、配線252の右側端部をカバー及び/又は絶縁し、配線252の左側端部は、
図2Aの実施例におけるループ204のような係合形体に至ることができる。しかし、幾つかの実施形態において、ループ204はポリイミドのような生体適合性柔軟誘電性材料を有することができる。このように配線252の両側端部を絶縁することができる。
【0067】
図3は、本発明実施形態による、3つの線形的アレイ300を示し、各アレイは、係合形体301と、及び本発明実施形態による、パリレンのような支持層における複数の開口303を有する。電気配線307は、開口303及び電極305を集積回路(図示せず)に接続することができる。図示の実施形態において、電極アレイは、形状がほぼ線形的であり、また支持層に多数の開口及び/又は多数の活性部位(例えば、8個、12個又はそれ以上)を有することができる。電極305は記録及び/又は刺激するよう構成することができる。電極305はプローブの端縁に向けて配列することができ、これにより露出金属は埋込みの標的組織に同一平面となる。
【0068】
図4は、本発明実施形態による、ステレオトロード(stereotrode)形態の線形的アレイ400を示す。線形的アレイ400は、アレイを挿入ニードルに着脱可能に連結させるための係合形体401、及びパリレンのような支持層における複数の開口403を有し、各開口は2つの電極405A、405Bのグループを有する。このような多重電極グループは仕分けを容易にすることができる。或る実施形態において、このグループは、2個より多い数の電極を有し、またこれは本開示によって限定されない。例えば、4個の電極グループを有する線形的アレイは「テトロード(tetrode)」形態と称することができる。電気配線407は、開口403及び電極405A、405Bを集積回路(図示せず)に接続することができる。開口403内に位置付けられる2つの電極405A、405Bが同一電気的活量(相対位置決めに起因するオフセットはあるが)を記録できるとき、或る実施形態において、電極から取得される電気的記録は、記録された電気的活量の局在診断に使用することができる。ステレオトロード405A、405Bはプローブの端縁に向けて配列することができ、これにより露出金属は埋込みの標的組織に同一平面となる。
【0069】
<III. 3アレイ形態>
従来型埋込み型デバイスは、挿入部位における慢性炎症及び/又は急性免疫反応を生じ易く、これは電極の挿入部位における刺激又は記録する能力に干渉するおそれがある。幾つかの実施形態において、開示したシステム及び方法は、生体組織内に挿入するための極めて小さい断面積を呈するとともに、組織に対する挿入外傷部位を越えて突出するよう構成された多重電極をもたらすことによって、このような問題を回避又は大幅に減少することができる。とくに、幾つかの実施形態において、開示した電極アレイはほぼ樹状(ツリー)構造に構成することができ、この構造は、挿入瘢痕又は他の免疫系反応からのこのような干渉を回避又は大幅に減少することができる。
【0070】
「ツリー」構造としては、細長の分岐素子がある中心長手方向素子を有し、各分岐素子の一方の端部が中心長手方向素子に接続される構造があり、又は従来既知の他の構造のものがある。
【0071】
図5は、本発明実施形態による、「ツリー」形態の電極アレイ500を示す。この実施例において、電極アレイ500は、アレイを挿入ニードルに着脱可能に連結するための係合形体501、及び支持層(例えば、パリレン)における複数の開口503を有し、各開口は1つ又はそれ以上の電極505を露出させる。電気配線507は開口503及び電極505を集積回路(図示せず)に接続することができる。ツリー形態による実施形態において、開口503及び/又は電極505は、主構造(又は「幹部(trunk)」)から分離した分岐構造509に位置することができる。
【0072】
とくに、分岐構造509は、主構造から延在するよう構成し、この構成は、主構造に対して鋭角の角度をなす及び/又は主構造に直交するように行うことができる。したがって、開口503及び/又は電極505は、慢性組織炎症及び/又は挿入創傷のエリアの外側に位置付けることができる。或る実施形態において、異なる分岐は主幹部から異なる分岐角度を有することができる。代案として、分岐構造509は、分岐構造509が時間経過とともに挿入エリアから拡散するよう連結ポイントの周りに回動することができる。
【0073】
或る実施形態において、分岐構造509は挿入中に挿入ニードルの周りに巻き付けることができる。或る実施形態において、分岐及び/又は幹部(「シャンク」とも称することができる)は、ポリイミドのような柔軟材料から作成することができる。
【0074】
或る実施形態において、幹部は約25〜30μmの太さを有するとともに、分岐は約5.5μmの太さを有することができる。電極は約10μmの幅を有し、また支持層の開口は各々が約300μm
2の面積を有することができる。
【0075】
<IV. 4本脚アレイ形態>
他の実施形態において、開示した電極アレイは、時間的期間にわたり挿入部位を越えて延在することができる多重の細い可撓性電極を設けることによって、電極機能に対する免疫反応干渉の問題を解決することができる。とくに、電極アレイは、本明細書で「4本脚(quadrapus)」及び/又は「8本脚(octopus)」と称される構造で構成することができる。さらに、埋め込むとき、この実施形態における活性部位は関心対象物(例えば、神経系構造)を包囲することができ、関心対象物の3次元的記録及び/又は刺激をもたらすことができる。
【0076】
図6は、本発明実施形態による、4本脚形態の電極アレイ600を示す。この実施例において、電極アレイ600は、アレイを挿入ニードルに着脱可能に連結するための係合形体601、及び支持層(例えば、パリレン)における複数の開口603を有し、各活性部位は1つ又はそれ以上の電極605を有する。電気配線607は、開口603及び電極605を集積回路(図示せず)に接続することができる。
図6に示すように、4個の開口603があり、各開口は別個のスレッド又はストランド613(「触腕(tentacle)」とも称される)上に位置付けられ、また4本のスレッド又はストランドは係合形体601、例えば、ループに接合させることができる。
【0077】
或る実施形態において、開口603はスレッド又はストランド613に沿う異なる高さで離間させることができる。幾つかの実施形態において、電極アレイ600は、4本のスレッド又はストランド613には限定されず、また任意な数の含む複数のスレッドを有することができる。例えば、8本のスレッドを有する電極アレイは「8本脚」構造と称することができる。
【0078】
或る実施形態において、スレッド又はストランド613は、挿入中に挿入ニードルの周りに巻き付けることができ、また挿入ニードルを取り外す際にバラバラに広がるよう構成することができる。複数のスレッド又はストランド613の他の利点は、機械的歪みを消散させる能力であり、例えば、個別ストランドに発生する歪みは他のストランドに対する影響が少ない。
【0079】
<V. 極小電極アレイ形態>
或る実施形態において、電極アレイは、埋込み中に標的生体組織の免疫反応を最小限にするため、極小サイズを有するよう設計することができる。
図7は、本発明実施形態による、極小サイズ形態の2つの線形的アレイ700を示す。各々は係合形体701を有し、また支持層(例えば、パリレン)における複数の開口703は1つ又はそれ以上の電極705を有するよう構成される。電気配線707は、開口703及び電極705を集積回路(図示せず)に接続することができる。その理由のため、電極アレイ700は直径10マイクロメートル以下のサイズに構成することができ、例えば、電極705は2〜10μmの間におけるサイズとすることができる。或る実施形態において、線形的アレイ700のサイズを一層減少させるために、線形的アレイ700は、生体組織の免疫反応を最小限にするようより少ない数の開口703及び/又は電極705を有するよう構成することができる。
【0080】
図8は、係合形体801、及び1つ又はそれ以上の電極805を持つよう構成された支持層(例えば、パリレン)における複数の開口803を有する、電極アレイ800を示す。電極805は1つ又はそれ以上の突起811を有することができる。幾つかの実施形態において、この突起811は、金属を含むものとすることができる。例えば、幾つかの実施形態において、突起811はプラチナ、イリジウム、金、又は同様の材料で作成することができる。幾つかの実施形態において、突起811は、約500〜1000nmの範囲内におけるサイズとすることができる。例えば、突起811は約750nmのサイズとすることができる。これら突起811(「フィンガ」とも称することができる)は、記録及び/又は刺激に使用するため、生体組織内に突入するよう構成することができる。幾つかの実施形態において、突起811は、突起811を3次元記録及び/又は刺激に使用できるよう、電極アレイ800に対して非平面状にすることができる。
【0081】
<VI. 骨格アレイ形態>
図9は係合形体901、骨格903、及び骨格903に連結される1つ又はそれ以上の電気配線905を有する電極アレイ900を示す。各電気配線905は、生体組織を記録及び/又は刺激するよう構成された1つ又はそれ以上の電極907を含むことができる。幾つかの実施形態において、骨格903は、ポリイミド又は同様の材料を含むことができる。
図9に示す電極アレイは、
図5に示すツリー状電極構造の態様を
図6の構造に組み合わせるものである。幾つかの実施形態において、電極の各ストランドは、直径約6μm以下のサイズとすることができる。さらに、幾つかの実施形態において、ポリイミドの骨格は、ほぼ3つの電気配線に連結することができ、各配線は約500nm〜1000nmの間における長さを有する。例えば、幾つかの実施形態において、金属配線は約750nm以下とすることができる。幾つかの実施形態において、
図9に示す電極アレイ900は、30又はそれ以上の記録及び/又は刺激部位を生ずるよう電極907のような30個又はそれ以上の電極を含むことができる。30又はそれ以上の記録及び/又は刺激部位を有するにも係わらず、電極アレイ全体を1回のニードル挿入で生体組織内に埋め込むことができる。とくに、埋込みシステムは、
図9に示すような複雑で多孔質のジオメトリで可撓性電極を埋め込むことができる。埋込み(又は挿入)中、可撓性電極が延在した構造は、小さい挿入穴内に嵌入するよう密集化することができる。埋め込んだ後、電極はセルが挿入エリア内に成長し、また創傷が修復する時間経過につれて拡開する。
【0082】
<VII. 変化形態>
種々の実施形態において、
図1〜9に示した電極アレイのうち1つ又はそれ以上は、電極アレイを創成するよう任意の適当な組合せで改変、組合せ又は分散させることができる。例えば、幾つかの実施形態において、
図5に示すツリー状構造は、
図6の4本脚形態におけるように、多数のスレッド又はストランドから分岐させることができる。このような形態は、挿入中における電極アレイが呈するサイズを減少するとともに、可撓性をもたらし、また挿入部位から活性部位を分離させることもする。
【0083】
他の実施例において、
図4に示すステレオトロード構造のように、支持層における同一開口に位置付けた多重電極は、
図6の4本脚構造のように、種々のスレッド又はストランドに沿って配置することができる。或る実施形態において、開口及び/又は活性部位は、同一深さであるが、異なる向きにして配置することができる。或る実施形態において、多重電極は同一開口において異なる高さにすることができる。このようなハイブリッド形態は全体的インピーダンスを最小化することができるとともに、3次元における電気信号を局限するシステム能力を改善することができる。
【0084】
幾つかの実施形態において、
図1〜9に示す開示した電極アレイは、係合形体201、301、401、501、601、701、801、901のような、係合形体に終端するよう構成することができる。幾つかの実施形態において、係合形体としては、ループ(基板における孔)、フック、カップ、突出部、延長アーム、「v」字状部等々があり得る。幾つかの実施形態において、係合形体は、電極アレイを挿入ニードルにおける1つ又はそれ以上の相反係合形体に着脱可能に結合するよう構成することができる。例示的挿入ニードルとしては、本出願と同時出願された「ニードル及びニードル製造方法(Needle and Method of Manufacturing a Needle)」」と題した米国特許出願第62/__,__号に詳述されたものがあり、この米国特許出願は参照によって本明細書に組み入れられるものとする。幾つかの実施形態において、開示した電極アレイは、係合形体なしに終端させることができる。
【0085】
他の実施例において、活性部位の分岐階層は係合形体毎に1つのループを有する構成とすることができる。
【0086】
幾つかの実施形態において、
図1〜9に示す開示した電極アレイは、本出願と同時出願された「神経学的データのためのチップネットワーク(Chip Network for Neurological Data)」と題した米国特許出願第62/__,__号に記載された、電圧又は電流の信号として神経学的インパルスを伝達し、これら信号を特別に構成した集積回路に送るよう構成することができ、この米国特許出願は参照によって本明細書に組み入れられるものとする。
【0087】
幾つかの実施形態において、
図1〜9に示す電極アレイのうち1つ又はそれ以上を含む電極アレイは、1つ又はそれ以上の電極アレイを含むカートリッジ内に組み付けることができる。幾つかの実施形態において、ロボットシステムはカートリッジから電極アレイを取り出し、また電極アレイを生体組織内に埋め込むことができる。例示的カートリッジ及びロボットシステムとしては、本出願と同時出願された「カートリッジを使用するデバイス埋込み(Device Implantation Using A Cartridge)」と題した米国特許出願第62/__,__号に記載されたものがあり、この米国特許出願は参照によって本明細書に組み入れられるものとする。
【0088】
<VIII. 作製プロセス>
図1〜9に示す電極アレイは
図10〜19に示す作製プロセスによって製造することができる。幾つかの実施形態において、電極アレイは、多数(例えば、32、64、128、256)個の電極を単一プローブ上にパターン形成することができるステッパリソグラフィを用いて作製することができる。或る実施形態において、ウェハーレベルの微細作製プロセスはデバイスの高生産性製造を可能にする。例えば、10個の薄膜アレイを単一ウェハー上にパターン形成することができ、48又は96本のスレッドを有する各薄膜アレイは、3,072個の電極接点を有する。或る実施形態において、開示した電極アレイは、標的組織の変位が最小限であり、また多様な生体適合性薄膜材料を含む神経プローブを生産するため特注プロセスにより作製することができる。
【0089】
図10は、本発明実施形態による、生体埋込み型の柔軟な電極を作製する例示的方法1000を示すフローチャートである。或る実施形態において、方法1000は、多重電極(例えば、接点に終端する32、64、又は128個の電極配線)を含む単一スレッドを作製することができる。第1ステップ1001において、生体適合性柔軟誘電体の第1層を誘電体の長さに沿って堆積することができる。誘電体の第1層は、頂面によって画定される頂端縁及び側面を有することができる。生体適合性柔軟誘電体は、生体埋込み型、すなわち、免疫反応を誘発することなく脳又は神経組織のような生体組織内に長期間にわたり埋め込み可能なものとすることができる。誘電体は、材料及び/又は他の特性により生体適合性でありかつ生体埋込み型であるものとすることができる。例えば、生体適合性誘電体は、ポリイミド、エポキシ、ポリパラキシレン、パリレン及び/又はアクリルを含むことができる。或る実施形態において、誘電体は、4μm〜8μm間における厚さを有し、15μm〜25μmの間における長さを有する。誘電体は、5〜50μmの幅を有することができる。
【0090】
第2ステップ1003において、生体埋込み型誘電体の第1層上に絶縁した電気配線を堆積することができる。この電気配線は、第1層の長さにほぼ沿う方向に指向させることができる。電気配線それぞれは第2電気配線から絶縁することができる。或る実施形態において、絶縁した電気配線は、スレッドあたり少なくとも20本の電気配線、例えば、32本の電気配線を有することができる。電気配線は、さらに生体適合性でもあり、また金又は他の金属を有することができる。或る実施形態において、配線は他の導電性材料を有することができ、またこれは本開示によって限定されない。
【0091】
幾つかの実施形態において、誘電体は、中心幹構造から枝分かれする複数の分岐を有することができ、またこの場合、配線は分岐に沿って堆積することができる。例えば、分岐は、
図6の実施例における線形的電極アレイのように、多重可撓性ストランド(少なくとも4本のストランド)を有することができる。この場合、配線はストランドに沿って堆積することができる。第2実施例において、幹構造は主ロッドを有することができ、また各分岐は主ロッドから枝分かれする二次ロッドを有することができ、また配線は、
図5の実施例のツリー構造におけるように、二次ロッドに沿って堆積することができる。第3実施例において、誘電体の幹構造は、
図9の実施例におけるように、埋込み中に折れ曲がるよう構成された柔軟な骨格を有する。
【0092】
第3ステップ1005において、電極接点を生体適合性誘電体の長さに沿う側面に堆積することができる。各電極接点は対応する電気配線に電気的に接続することができる。電極接点は生体適合性とすることができ、また金又は他の金属を有することができる。或る実施形態において、接点は他の導電性材料を有することができ、またこれは本開示によって限定されない。或る実施形態において、多重電極接点はスレッドあたり、少なくとも20個の接点、又は20〜50個の範囲内における電極接点、例えば、32個の接点を有することができる。或る実施形態において、電極接点それぞれは、接点上に作製した10μmの最大形体サイズ、又は特徴的形体サイズ、及び350μm
2未満の面積を有する。例えば、接点それぞれは、14×24μm
2にほぼ等しい寸法を有することができる。或る実施形態において、電極接点それぞれはほぼ楕円形状を有し、またこの寸法は楕円形状の長軸及び短軸に言及することができる。或る実施形態において、電極接点は、誘電体の長さに沿って互いに離間しており、中心間間隔が45μm〜55μmの間の値、例えば50μmの間隔である。
【0093】
これら顕微鏡的微小形体サイズ及び全体サイズ、並びに電極の可撓性は、電極の生体適合性を高めることができる。したがって、多数の電極、例えば、アレイあたり3,072個の電極を埋め込むことができ、これにより一層良好な記録及び刺激性能をもたらすことができる。
【0094】
誘電体が中心幹構造から枝分かれする複数の分岐を有する実施形態において、電極接点は分岐に配置し、またやはりその同一分岐に配置した対応する電気配線に接続することができる。
【0095】
第4ステップ1007において、生体適合性柔軟誘電体の第2層を第1層、電気配線、及び電極接点上に堆積することができる。電極接点それぞれの露出部分は、頂面によって画定される誘電体の頂端縁及び誘電体の長さに沿う側面を越えて突出したままに残存することができる。
【0096】
随意的な第5ステップ1009において、基準電極を堆積することができる。基準電極は、生体組織における体液から基準信号を読み取るよう構成することができる。基準電極は1つの電気配線に接続することができる。このようにして、或る実施形態において、基準電極は、標的組織を測定及び/又は刺激するための電極と同一スレッド上に直接堆積することができ、したがって、基準電極を保持する別個のスレッドを作製する必要はなくなる。このようにして、開示したシステム及び方法は、各スレッド上に個別基準電極を設けることができる。このことは、生物学的体液における電位における長距離ドリフト又はランダムな局所的変動に起因するスプリアス効果を減少させる、より正確な基準電極読取りを生ずる技術的利点をもたらすことができる。したがって、開示したシステム及び方法は、ノイズを減少し、また精度を向上することができる。他の実施形態において、基準電極は別個のスレッド上に存在することができ、またこれは本開示によって限定されない。
【0097】
随意的な第6ステップ1011において、挿入ニードルに対して着脱可能の連結するよう構成された係合コンポーネントを誘電体の端部に形成しまた結合することができる。或る実施形態において、この係合コンポーネントは40μm〜60μmの間における長さのループを有することができる。このループ長さは、ループの長軸に沿って測定することができる。
【0098】
図11は、本開示の種々の態様による、電極アレイを作製する例示的プロセス1100を示すフローチャートである。図示の実施例において、電極アレイは、表面上にレジストレーション・マークを形成するステップ1101と、表面上に第1絶縁層を堆積するステップ1103と、表面を金属化するステップ1105と、表面上に第2絶縁層を堆積する1107と、表面上にデバイスの外形をパターン形成するステップ1109と、表面上にスレッド支持層を構築するステップ1111と、表面上の電流バスを電気めっきするステップ1113と、及び表面上のパッドを電気めっきするステップ1115とによって、作製する。或る実施形態において、ステップ1103及び1105は、ステップ1107に継続する前に複数回繰り返すことができる。
【0099】
図11に示すプロセスに関連して使用される例示的技術を
図12〜19で詳述する。しかし、本開示は、これら特定技術、実施形態及び細部に限定されず、これらは単に例示的なものであると理解されたい。さらに、既知のシステム及び方法を考慮して、意図した目的及び利益のために、特別な設計及び他のニーズに基づいて、任意な多数の代案的実施形態に本開示を使用するのは当業者には明らかであると理解されたい。
【0100】
図12は、ステップ1101に関連して表面上にレジストレーション・マークを形成するための例示的技術1200を示す。レジストレーション・マークを形成することによって、電極アレイを作製する本明細書記載のプロセスは、約40nmの解像度で層相互を整列させることができる。このようにして、記載した電極アレイ作製プロセスは、より高い解像度の形体を可能にする。図示のように、この例示的技術において、表面上にレジストレーション・マークを形成するステップ1101は、シリコンウェハーをフォトレジスト(例えば、1200nm深UV(DUV))で被覆(コーティング)するステップ1201と、主マークレチクル(PM)を有するステッパリソグラフィツール内において被覆済みシリコンウェハーを露光するステップ1203と、被覆済みシリコンウェハーを露光後ベーク(PEB)してフォトレジストを現像するステップ1205と、被覆済みシリコンウェハーをUVベークするステップ1207と、反応性イオンエッチャー(RIE)の使用により表面を適当な深さ(例えば、120nm)までエッチングするステップ1209と、及び酸素プラズマを使用してフォトレジストを剥離するステップ1211と、を含むことができる。
【0101】
図13は、ステップ1101に関連して表面上に第1絶縁層を堆積する例示的技術を示す。図示のように、例示的技術において、表面上に第1絶縁層を堆積するステップ1103は、表面上に絶縁層(例えば、約2μmのポリイミド)をスピンコーティングするステップ1301と、ホットプレート上で表面をソフトベークするステップ1303と、及び真空オーブン内で低温により表面を硬化させるステップ1305と、を含むことができる。幾つかの実施形態において、ホットプレート上で表面をソフトベークするステップ1303は、ポリイミドウェハー被覆率を向上することができ、また硬化ステップ1305中に溶剤が薄膜内に溜まる機会を減少することができる。或る実施形態において、技術1300又はこの技術における幾つかのステップは、必要に応じて複数回繰り返すことができる。
【0102】
図14は、ステップ1105に関連して、表面を金属化する例示的技術1400を示すフローチャートである。図示のように、例示的技術において、表面を金属化する捨て1105は、表面上にレジスト層(例えば、約350nmのレジスト(例えば、LOR3A))をスピンコーティングするステップ1401と、表面上にフォトレジスト層(例えば、約420nmの深UV)をスピンコーティングするステップ1403と、ステッパツール内で表面を金属パターンにより露光するステップ1405と、表面を露光後ベーク(PEB)し、またフォトレジストを現像するステップ1407と、表面をデスカム又はイオンミルエッチングするステップ1409と、電子ビーム蒸着チャンバ内に表面を配置するステップ1411と、電子ビーム蒸着により表面上に金属(例えば、プラチナ)を堆積するステップ1413と、溶剤浴内において表面上の金属リフトオフを実施するステップ1415と、及び表面上で脱塩を実施するステップ1417と、を含むことができる。或る実施形態において、技術1400又はこの技術における幾つかのステップは、必要に応じて複数回繰り返すことができる。
【0103】
幾つかの実施形態において、表面を金属化するステップ1105は、ステッパリソグラフィに特有の1つ又はそれ以上のステップを含むことができ、またより高い解像度の形体を生ずることができる。幾つかの実施形態において、表面をデスカム又はイオンミルエッチングするステップ1409は、ポリイミド表面に対する金属配線の付着を改善することができる。
【0104】
図15は、ステップ1107に関連して表面上に第2絶縁層を堆積するための例示的技術1500を示す。図示のように、例示的技術において、表面上に第2絶縁層を堆積するステップ1107は、表面上に絶縁層をスピンコーティング(例えば、表面上に約2μmのポリイミドを被覆)するステップ1501と、ホットプレート上で表面をソフトベークするステップ1503と、及び真空オーブン内で低温により表面を硬化させるステップ1505と、を含むことができる。
【0105】
図13に関連して上述したプロセスと同様に、ホットプレート上で表面をソフトベークするステップ1503は、ポリイミドウェハー被覆率を向上することができ、また硬化ステップ中に溶剤が薄膜内に溜まる可能性を減少することができる。
【0106】
図16は、ステップ1109に関連して、表面にデバイスの外形をパターン形成する例示的技術1600を示す。図示のように、例示的技術において、表面にデバイスの外形をパターン形成するステップ1109は、表面上に硬質マスクを堆積するステップ1601と、表面上にフォトレジスト(例えば、約420nmの深UV(DUV)フォトレジスト)をスピンコーティングするステップ1603と、表面をステッパツール内でデバイス外形パターンにより露光するステップ1605と、表面をベークしてフォトレジストを現像するステップ1607と、表面をUVベークするステップ1609と、反応性イオンエッチャーの使用により表面を硬質マスクエッチングするステップ1611と、反応性イオンエッチャーの使用によりポリイミドをエッチングするステップ1613と、反応性イオンエッチャーの使用によりキャリヤを粗面化するステップ1615と、及び水リンスを表面に供給するステップ1617と、を含むことができる。
【0107】
幾つかの実施形態において、図示の例示的技術における1つ又はそれ以上のステップは、ステッパリソグラフィに特有のものであり、またより高い解像度の形体を生ずることができる。幾つかの実施形態において、反応性イオンエッチャーの使用によりキャリヤを粗面化するステップ1615は、キャリヤウェハーに対する支持層の付着を改善することができ、このことは、ウェハーをデバイスの損傷がなく更に処理できるようにする。
【0108】
図17は、ステップ1111に関連して、表面にスレッド支持層を構築する例示的技術1700を示す。図示のように、例示的技術において、表面にスレッド支持層を構築するステップ1111は、表面上に電気絶縁材料(例えば、約6μmのパリレン-C)を堆積するステップ1701と、表面上に硬質マスクを堆積するステップ1703と、表面上にフォトレジスト(例えば、2μmのフォトレジスト)をスピンコーティングするステップ1705と、支持層マスクを有する接点アライナー内で表面を露光するステップ1707と、フォトレジストを現象するステップ1709と、表面をデスカムするステップ1711と、表面上で硬質マスクをエッチングする1713と、及び電気絶縁材料を反応性イオンエッチングするステップ1715と、を含むことができる。幾つかの実施形態において、硬質マスクを堆積するステップ1703は、スレッド支持層におけるより高い解像度を可能にする(例えば、材料選択により)よう構成することができる。
【0109】
図18は、ステップ1113に関連して、表面の電流バスを電気めっきする例示的技術1800を示す。図示のように例示的技術において、表面に電流バスを電気めっきするステップ1113は、表面上にフォトレジスト層をスピンコーティングする(例えば、約5.6μmのg-ライン・フォトレジスト)ステップ1801と、表面上に第2フォトレジスト層をスピンコーティングする(例えば、約2.8μmのi-ライン・フォトレジスト)ステップ1803と、接点アライナー内で表面をバスパターン(例えば、銅)により露光するステップ1805と、フォトレジストを現像するステップ1807と、表面をデスカムするステップ1809と、電子ビーム蒸着により表面上に金属を堆積する(例えば、約10nmのチタン及び約3μmの銅)ステップ1811と、及び溶剤浴内において表面上の金属リフトオフを実施するステップ1813と、を含むことができる。
【0110】
幾つかの実施形態において、表面上の金属リフトオフを実施するステップ1813によって、開示した作製技術は、ウェットエッチプロセスを用いて作製した電極アレイと比べると、電極アレイの解像度を向上することができる。幾つかの実施形態において、金属リフトオフは、電極アレイのビア内における接続部を接合パッドに接近して位置付けることを可能にでき、これにより電極アレイが必要とする空間及び電極アレイの設置面積を減少することができる。
【0111】
図19は、表面の接合パッドを電気めっきする例示的技術1900を示す。図示のように、例示的技術において、表面上の接合パッド(例えば、ニッケル)を電気めっきするステップ1115は、表面上にフォトレジスト層をスピンコーティングする(例えば、約2μmのフォトレジスト)ステップ1901と、接点アライナー内で表面をバンプパターン(例えば、ニッケル)により露光するステップ1903と、フォトレジストを現像するステップ1905と、表面をデスカムするステップ1907と、バンプを電気めっきする(例えば、約10〜20μmのニッケルバンプ)ステップ1909と、溶剤浴内でフォトレジストを剥離するステップ1911と、及び水リンスを供給するステップ1913と、を含むことができる。
【0112】
本開示はステップシーケンスを提示したが、幾つかの実施形態において、付加的ステップを追加することができ、記載したステップを省略することができ、またこれらは本開示によって限定されないと理解されたい。さらに、記載したステップシーケンスは任意の適当な順序で実施することができる。
【0113】
本開示は値の範囲を提示したが、その範囲の上限と下限との間に介在する各値も具体的に開示されていると理解されたい。
【0114】
図示の実施形態を本明細書で記載してきたが、その範囲は、本開示に基づいて当業者には理解されるであろう、等価要素、変更、省略、組合せ(例えば、種々の実施形態にわたる態様の)、適応及び/又は代替を有する任意な及びすべての実施形態を含む。例えば、例示的システムに示されるコンポーネントの数及び向きは変更することができる。
【0115】
したがって、上述の記載は説明目的のために提示されている。それは網羅的なものではなく、本明細書記載の正確な形式又は実施形態に限定されない。変更及び適応は、開示した実施形態の明細及び実践を考慮することにより当業者には明らかであろう。
【国際調査報告】