(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2022-501260(P2022-501260A)
(43)【公表日】2022年1月6日
(54)【発明の名称】自動車窓用の液体噴霧ワイパーフレームおよびこのフレームの封止の最適化
(51)【国際特許分類】
B60S 1/38 20060101AFI20211210BHJP
【FI】
B60S1/38 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2021-517234(P2021-517234)
(86)(22)【出願日】2019年9月18日
(85)【翻訳文提出日】2021年5月20日
(86)【国際出願番号】EP2019074931
(87)【国際公開番号】WO2020064445
(87)【国際公開日】20200402
(31)【優先権主張番号】1858994
(32)【優先日】2018年9月28日
(33)【優先権主張国】FR
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】512092737
【氏名又は名称】ヴァレオ システム デシュヤージュ
【氏名又は名称原語表記】VALEO SYSTEMES D’ESSUYAGE
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100202304
【弁理士】
【氏名又は名称】塙 和也
(72)【発明者】
【氏名】ジェラルド、カイユ
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ、シャサーニュ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン−ミシェル、ジャラソン
(72)【発明者】
【氏名】ピエール、セベレク
(72)【発明者】
【氏名】ドニ、テボー
【テーマコード(参考)】
3D225
【Fターム(参考)】
3D225AA01
3D225AC01
3D225AC02
3D225AD02
3D225AE13
3D225AE19
3D225AF10
(57)【要約】
本発明は、液体を散布および/または噴霧するための装置(24)、特に空力偏向器を備えるワイパーフレーム(10)であって、その長手方向端部(27)が装置(24)の端面(28)上で開放している少なくとも1つの液体フローチャネル(26)と、液体フローチャネル(26)の長手方向端部(27)を塞ぐためのプラグ(40)であって、前記チャネル(26)の長手方向端部セクション(27)に挿入される、プラグ(40)と、装置(24)の端面(28)の反対側に配置された先端(30)と、を備え、閉鎖プラグ(40)は、先端(30)およびプラグ(40)が液体フローチャネル(26)の長手方向端部(27)の閉鎖を共に保証するように、球形のボールなどの、先端(30)とは異なる構成要素であることを特徴とする、ワイパーフレーム(10)に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体の散布および/または噴霧装置を備えるワイパーフレーム(10)であって、
−一方の長手方向端部(27)が前記装置(24)の端面(28)内に向かって開放している少なくとも1つの液体循環ダクト(26)と、
−前記液体循環ダクト(26)の前記長手方向端部(27)を閉塞するためのプラグ(40)であって、前記ダクト(26)の長手方向端部部分(27)に挿入される、プラグ(40)と、
−前記装置(24)の前記端面(28)に対向して配置されたエンドピース(30)と
を備え、
前記プラグ(40)は、前記エンドピース(30)および前記プラグ(40)が前記液体循環ダクト(26)の前記長手方向端部(27)を共に閉塞するように、前記エンドピース(30)とは異なる構成要素であることを特徴とする、ワイパーフレーム(10)。
【請求項2】
前記プラグ(40)は、その横断面が前記ダクト(26)の前記自由端部分(27)の横断面と適合する閉塞体を少なくとも備えることを特徴とする、請求項1に記載のワイパーフレーム(10)。
【請求項3】
前記プラグ(40)は回転対称性を呈する閉塞体を備え、前記液体循環ダクト(26)の前記長手方向端部部分(27)の前記横断面は、円形であることを特徴とする、請求項1に記載のワイパーフレーム(10)。
【請求項4】
前記プラグ(40)の前記閉塞体は球体であることを特徴とする、請求項3に記載のワイパーフレーム(10)。
【請求項5】
前記プラグ(40)の前記閉塞体は、球、円錐、または円柱の一部であることを特徴とする、請求項3に記載のワイパーフレーム(10)。
【請求項6】
前記プラグ(40)は、前記閉塞体を軸方向に延在させる挿入シャンク(44)を備えることを特徴とする、請求項2から5のいずれか一項に記載のワイパーフレーム(10)。
【請求項7】
前記液体循環ダクト(26)の前記端部を閉塞するための前記プラグ(40)は、前記ダクト(26)の前記長手方向端部部分(27)に軸方向に挿入されることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載のワイパーフレーム(10)。
【請求項8】
前記エンドピース(30)は、前記ダクト(26)の前記長手方向端部部分(27)の中に受容されるステム(36)を備えることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載のワイパーフレーム(10)。
【請求項9】
前記ステム(36)は、接着、溶接、または圧入によって前記液体循環ダクト(26)の前記長手方向端部部分(27)の中に固定されることを特徴とする、請求項8に記載のワイパーフレーム(10)。
【請求項10】
前記エンドピース(30)の前記ステム(36)は管状であり、前記挿入シャンク(44)は前記管状挿入ステム(36)の補完孔(50)内に収容されることを特徴とする、請求項6と組み合わせて検討される請求項8または9に記載のワイパーフレーム(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に自動車の窓の外表面を拭くための、拭かれる表面に液体を散布および/または噴霧するための手段に関連付けられた、ワイパーフレームとも呼ばれるフロントガラスワイパーブレードフレームに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、より具体的には、少なくとも1つの液体循環ダクトを備える液体の散布および/または噴霧装置を備えるワイパーフレームに関する。
【0003】
自動車には、従来、特にフロントガラスの外表面を清掃し、これによって運転者の周囲の視界を妨げることを回避するためのワイパーが備えられている。
【0004】
フロントガラスワイパーは、一般に、特に角度的な前後運動を生じる駆動アーム(ワイパーアームまたはワイパーキャリアとも呼ばれる)と、ゴムまたはエラストマー材料などの弾力性のある材料で作られたワイパーブレードまたはブレードラバーを担持する細長いワイパーフレームとを備える。
【0005】
ブレードラバーは、フロントガラスの外表面をこすり、運転者の視界から水を除去することによって水を排出する。
【0006】
従来のバージョンでは、ワイパーフレームは、長手方向に分布する幾つかの別々の箇所にワイパーブレードを保持する連結ブラケットの形態で製造され、フロントガラスのいかなる曲率にも厳密に従うことができるようにする曲げが与えられる。
【0007】
「フラットブレード」として知られる最近のバージョンでは、ワイパーフレームは、ブラケットを使用する必要性を伴わずにワイパーおよびブレードラバーをフロントガラスに押しつけることを可能にする1つ以上の曲げビームによって、その全長にわたってブレードラバーを保持する半硬質アセンブリの形態で製造される。
【0008】
このような設計は、2つの機能的に異なる部品で作られた少なくとも1つの一体型長手方向構成要素の周りに構築された構造からなる。第1の部品は、一方では、ビームとも呼ばれる補強ロッドが収容される空洞と、他方では、エラストマー材料またはゴムで作られたブレードラバーを保持する爪と、を備える、半硬質プラスチックで作られた支持体である。
【0009】
一体型長手方向構成要素の第2の部品は、拭き取りの効率および品質を向上させることを意図された付属品である。
【0010】
装置の付属品または構成要素は、ブレードラバーの清掃運動と組み合わせた動作を通じて窓に付着した特定の固体粒子の除去を可能にする、適切なウォッシャー流体を散布および/または噴霧するためのものであり、装置の付属品または構成要素は、拭かれる窓の表面に対してウォッシャー流体が噴霧される横穴が備えられた少なくとも1つの液体循環または搬送ダクトを備え得る。
【0011】
たとえば、仏国特許出願公開第2920729号明細書で教示されるように、液体の散布および/または噴霧装置は、拭かれる窓に対するワイパーブレードの接触力を増加させるために車両に対する風を使用する空力偏向器と組み合わせられる。
【0012】
支持機能ならびに少なくとも液体の散布および/または噴霧装置機能を組み込んだ複雑な長手方向構成要素は、少なくとも2つの材料の共押出しによって得ることができる。第1の材料は、長手方向の可撓性を有する半硬質プラスチック材料であり、適切な支持体として機能するように意図されている一方で、エラストマーなどの少なくとも1つの別の材料は、少なくとも液体噴霧機能を実行するために使用される。
【0013】
この同じ文献は、構造体の第1の長手方向端部に配置され、液体循環ダクトを閉塞するための手段を備える、少なくとも1つのエンドピースを備えるワイパーフレームを提案している。
【0014】
エンドピースに組み込まれた閉塞手段は、拭かれるガラス表面を湿らせるまたは濡らすためにダクトの横穴に液体を強制的に通すように、循環ダクト内に含まれる液体を加圧することができる。
【0015】
搬送ダクトは、ワイパーフレームの長手方向支持体とともに共押出しされてもよく、または弾性クリップ固定、蟻継ぎアセンブリなどの様々な手段によって支持体に直接取り付けられる別個の構成要素を構成することもできる。
【0016】
また、少なくとも1つの液体循環ダクトは、ブレードラバーに組み込まれてもよく、もしくはワイパーフレームの空力偏向器と組み合わせられてもよい。
【0017】
仏国特許出願公開第2920729号明細書に示されるように、液体循環ダクトは空力偏向器を構成するプロファイル要素内に作成され、散布および/または噴霧装置が最小容積となり、偏向器の設計に組み込まれるという利点を有する。
【0018】
当該文献の
図4aおよび
図5aに示されるように、エンドピースに組み込まれた閉塞手段は、その自由端が液体搬送ダクトに挿入可能なプラグの形状になっているステムを備える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明は、液体循環ダクトの閉塞の品質および封止を改善することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明は、液体の散布および/または噴霧装置を備えるワイパーフレームであって、
−一方の長手方向端部が装置の端面内に向かって開放している少なくとも1つの液体循環ダクトと、
−液体循環ダクトの前記長手方向端部を閉塞するためのプラグであって、前記ダクトの長手方向端部部分に挿入される、プラグと、
−装置の前記端面に対向して配置されたエンドピースと
を備え、
プラグは、エンドピースおよびプラグが液体循環ダクトの前記長手方向端部を共に閉塞するように、エンドピースとは異なる構成要素であることを特徴とする、ワイパーフレームを提案する。
【0021】
ワイパーフレームの別の特徴によれば、
−プラグは、その横断面が前記ダクトの自由端部分の横断面と適合する閉塞体を少なくとも備え、
−プラグは回転対称性を呈する閉塞体を備え、液体循環ダクトの長手方向端部部分の横断面は、円形であり、
−プラグの閉塞体は球体であり、
−プラグの閉塞体は、球、円錐、または円柱の一部であり、
−プラグは、装置の端面の方向に、閉塞体を軸方向に延在させる挿入シャンクを備え、
−液体循環ダクトの前記端部を閉塞するためのプラグは、前記ダクトの前記長手方向端部部分に軸方向に挿入され、
−エンドピースは、前記ダクトの前記長手方向端部部分の中に受容されるステムを備え、
−ステムは、接着、溶接、または圧入によって液体循環ダクトの前記長手方向端部部分の中に固定され、
−エンドピースのステムは管状であり、挿入シャンクは管状挿入ステムの補完孔内に収容され、
−挿入ステムの一方の長手軸方向端部は、プラグの補完的なハウジング内に収容され、
−液体循環ダクトの前記長手方向端部部分は、少なくとも1つのエラストマーまたはゴム材料に基づいて作られた散布装置の長手方向端部部分に属し、
−液体循環ダクトは、ワイパーフレームの空力偏向器に属する。
【0022】
本発明のさらなる特徴および利点は、添付の図面を参照しながら下記の詳細な説明を読んで理解することにより、明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】垂直および横平面の断面における、本発明によるワイパーフレームの長手方向端部部分の斜視図である。
【
図2】
図1のワイパーフレームの空力偏向器の斜視図である。
【
図3】
図1のワイパーフレームのエンドピースの斜視図である。
【
図4】
図3のエンドピースの上部の斜視図であり、エンドピースが
図3の水平面4−4の断面で描かれた斜視図である。
【
図5】
図3の平面4−4に対応する水平面の断面図であり、その組み立て前の、空力偏向器のエンドピース、球形プラグ、および長手方向前端部分を示す断面図である。
【
図6】
図5と同様の図であり、エンドピースおよびプラグが共に液体循環ダクトを閉塞する組み立て済み位置にある、
図5の3つの構成要素を示す図である。
【
図7】
図5と同様の図であり、液体循環ダクトを共に閉塞するエンドピースおよびプラグの第1の設計変形例を示す図である。
【
図8】
図5と同様の図であり、液体循環ダクトを共に閉塞するエンドピースおよびプラグの第2の設計変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下において、同一の構造または類似の機能を有する要素は、同じ符号で指定される。
【0025】
以下において、長手方向、垂直、および横の配向は、図中の「L、V、T」の三面体によって示されるように、地球の重力場を参照することなく、非限定的に採用される。長手方向および横方向に延在する水平面もまた定義される。
【0026】
慣例により、長手方向軸は、後方から前方に向かって配向され、ワイパーフレームの主軸または伸長方向に沿って全体的に延在する。
【0027】
図1は、「フラットブレード」タイプのワイパーフレーム10を示しており、その構造体は、たとえば押出成形プラスチック材料で作られた長手方向構造支持体12を備えている。
【0028】
支持体12は、その全長にわたって延在し、金属またはプラスチック材料で作られた補強ビーム14を収容する空洞を備える。
【0029】
ビーム14は、実質的に水平面内でワイパーフレームの全長にわたって延在する平坦なストリップの形態をとる。
【0030】
また、長手方向構造支持体12は、エラストマー材料で作られたブレードラバー20の上部ビード18を保持する長手方向の爪16を備える。
【0031】
ブレードラバー20は、拭かれる窓の外表面と協働することができ、全体において長手方向軸の周りで両方向に旋回することができるように連結する態様で、上部ビード18に接続されている下部部品22を備える。
【0032】
図1には、押出成形によって長手方向構造支持体12とは独立して製造された付属品24も描かれており、これは構造支持体12の上部部品に取り付けられ、同様に実質的にワイパーフレームの全長にわたって延在する。
【0033】
付属品24は、下部部品内でこれらの長手方向縁部の一方に沿って横方向に配置され、流体を内部で循環させるために空力偏向器24の全長にわたって延在するダクト26を備える、全体設計が既知な空力偏向器である。
【0034】
ダクト26は、空力偏向器24の2つの端部で、特にここでは、
図2に見られるように、空力偏向器24の横および垂直の前部自由端面28で、自由に開放している。
【0035】
非限定的に、この事例のダクト26は、円形の輪郭の断面を有する円筒形である。
【0036】
図では見えないが既知の方法で、ダクト26には、たとえば、拭かれる窓上にウォッシャー流体を噴霧できるようにするために穴またはスリットが貫通しており、穴またはスリットは、その長さに沿って分布している。
【0037】
また、ワイパーは、その長手方向端部の各々にエンドピースを備える。
【0038】
図1に示される前部エンドピース30は、垂直および横平面内に延在する後端縁部32によって後方に向かって長手方向に画定された、概ね閉じられた中空のシェルの形態をとる、硬質または半硬質プラスチック材料で成形された構成要素である。
【0039】
こうして前部エンドピース30の縁部32は、特に、事前に組み立てられている別の構成要素12、14、20、および24の集合体が、前部エンドピース30の内部空洞31の中に向かって、長手方向に、軸に沿って導入され得るように、開放した後面を画定する。
【0040】
あるいは、前部エンドピース30および空力偏向器24を備える第1のサブアセンブリを事前に組み立てておき、長手方向構造支持体12、ビーム14、およびブレードラバー20を備える第2のサブアセンブリ上にこの第1のサブアセンブリを実装することが、可能である。
【0041】
これを行うために、前部エンドピース30は、空力偏向器24を構成するプロファイル要素の外部輪郭を補完するように、内部が構成されている。
【0042】
前部エンドピース30は好ましくは、内部に配置され、構成要素が実装または固定位置にあるときに、空力偏向器24の前端横面28の対向部分と共同で、前部エンドピース30に対する空力偏向器24の相対的な長手方向位置を決定する、2つのエンドストップ34を備える。
【0043】
また、空洞31の内部で、前部エンドピース30は、長手方向に延在するステム36であって、特に
図3以降で見られるように、後縁部32の横平面に対して前方に向かってわずかにずれている後部横面38によって画定されたステム36も備える。
【0044】
構成要素の集合体が組み立て済み位置にあるとき、ステム36は、前端横面28の中に向かって開放しているダクト26の前部自由端部分27の中で軸に沿って長手方向に収容されるように設計されている。
【0045】
その部分がダクト26の前部自由端部分27内に受容され得る、ステム36の後部自由端部分の外径は、この前部自由端部分27の部分の内径よりも大きい。
【0046】
ダクト26の前部自由端部分27内に受容され得るステム36の後部自由端部分の直径および長さの寸法差により、ステム36は、この事例では、特に
図6に示されるように、径方向の変形を生じる空力偏向器24の構成材料の弾性変形によって、ダクト26内へ軸方向に圧入される。
【0047】
このように、前部エンドピース30は、前端横面28の中に向かって開放しているダクト26の前部端部の少なくとも部分的な封止を提供する。
【0048】
本発明の教示によれば、前部エンドピース30とは異なる構成要素であるプラグ40が提供され、前部エンドピース30およびプラグ40が、共に可能な限り良好な封止を伴って、流体循環ダクト26の前部長手方向端部を閉鎖または閉塞する。
【0049】
図5および
図6に示される実施形態では、プラグ40は、プラグ40を収容するように意図されるダクト26の前部自由端部分27の内径よりも、その外径が大きい球形のボールである。
【0050】
非限定的に、プラグ40を形成する球形のボールは、たとえば金属、好ましくは錆びない金属で作られる。
【0051】
封止された態様での実装のため、および直径差により、プラグ40を形成する球形のボールは、たとえば
図6に示される位置まで、圧入によって、ならびにダクト26の前部自由端部分27の弾性変形によって、
図5を検討した場合に左から右へ、軸方向に導入される。
【0052】
ダクト26内への挿入は、少なくとも部分的に、エンドピース30の実装および固定の前に、実行される。
【0053】
プラグ40が後にダクト26の前部自由端部分27の内部を占有する軸方向位置または長手方向位置に応じて、ならびにステム36がダクト26内へ軸方向に導入される際に、ステム36の後部横端面38は、この例では、プラグ40をダクト26の前部自由端部分27の中に向かってさらに軸方向に「押す」ために、プラグ40の凸状の球状壁と協働する。
【0054】
非限定的に、ならびにダクト26の前部自由端部分27の中の前部エンドピース30のステム36の後部自由端部分の封止および保持の品質をさらに向上させるために、これらの要素のさらなる相互接着または相互溶接が提供され得る。
【0055】
変形例として、溶接および/または接着は、弾性変形による軸方向圧入を置き換えるかまたは補完し、ダクト26の前部自由端部分27の中のステム36の後部自由端部分の封止および軸方向保持を提供する。
【0056】
組み立て済み位置において、側壁の弾性変形、およびプラグを形成するためにダクト26内に挿入される球形のボールの位置における空力偏向器24の構造体の内部に向かう変形であって、この事例では外周の半分を超える変形により、局所的な膨張が外部から見える場合がある。
【0057】
このような膨張は、前部エンドピース30の側壁によって完全にまたは部分的に隠される場合があり、この壁の軸方向長さはその目的に合わせて適合され得る。
【0058】
一般に、ステム36から生じる封止閉塞効果を別個の追加構成要素と組み合わせることからなる、本発明の背後にある原理は、プラグの一連の可能な設計につながり、これにより、好ましくは、プラグは、その横断面が前記ダクトの自由端部分の横断面と適合する少なくとも1つの閉塞体、特に回転対称性を呈する閉塞体40を備える。
【0059】
図7に概略的に示される第1の設計変形例によれば、偏光器24のダクト26の前部自由端部分27の中のその軸方向への圧入を保証するように、プラグ40は、プラグ40の少なくとも前部(
図7を検討した場合に左側)が球形のボールである場合と同程度のサイズの外径を有する、円錐台の形態をとる。
【0060】
軸方向への挿入による取り付けを容易にするために、その小径の後部端部は、好ましくはダクト26の開放した自由端に向かって配向される。
【0061】
この配向を決定し、組み立ての動作を容易にするために、円錐台形のプラグ40は、その前面42に、
図7の左側の部分に示されるように、後に事前に配置されるステム36の自由端を受容することが可能なハウジング(図示せず)を有する。
【0062】
このように、ステム36はプラグ40の支持体として機能する。
【0063】
ステム36の後部自由端上のプラグ40の保持は、一時的に摩擦によって提供されてもよく、あるいはたとえば接着または溶接を使用して、恒久的であってもよい。
【0064】
図8に示される第2の変形例によれば、プラグの閉塞体は、
図7を参照して上記で説明されたように、やはり円錐台形である。
【0065】
前部エンドピース30によって支持されるために、閉塞体は、この目的のために管状の設計であるステム36の補完孔50内にその前部自由端部分46が軸方向に収容される段付きステム44によって、軸方向前方に延在させられる。
【0066】
大径の後方部分48と比較して直径が小さい前方部分46を画定する径方向ショルダーは、前部エンドピース30に対する閉塞体の軸方向位置、したがって組み立て後にはダクト26の内部における閉塞体の軸方向位置を決定するために、ステム36の環状横端面と協働する。
【0067】
図示されていない変形例によれば、本発明は、空力偏向器内に形成された単一のダクトに制限されない。
【0068】
空力偏向器は、たとえば2つの平行な横方向ダクトを備えてもよい。
【0069】
ダクトは、必ずしも横方向である必要はなく、これはまた、空力偏向器の本体を形成する中央部品の中に形成されてもよい。
【0070】
加えて、空力偏向器などの付属品は、必ずしもワイパーフレームの全長にわたって延在する単一の部品で作られる必要はない。
【0071】
また、本発明は、「フラットブレード」タイプのワイパーフレームに限定されるものでもなく、ブレードラバーを支持するように意図される構造が、ブラケットを伴う構造のような、連結構造であることも可能である。
【国際調査報告】