特表2022-501271(P2022-501271A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2022-501271独立した制御ユニットを2つ備えるブレーキシステム及びその制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2022-501271(P2022-501271A)
(43)【公表日】2022年1月6日
(54)【発明の名称】独立した制御ユニットを2つ備えるブレーキシステム及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
   B60T 17/18 20060101AFI20211210BHJP
【FI】
   B60T17/18
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2021-542241(P2021-542241)
(86)(22)【出願日】2019年7月30日
(85)【翻訳文提出日】2021年3月26日
(86)【国際出願番号】CN2019098260
(87)【国際公開番号】WO2020063090
(87)【国際公開日】20200402
(31)【優先権主張番号】201811129731.0
(32)【優先日】2018年9月27日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】521128915
【氏名又は名称】▲蕪▼湖伯特利汽▲車▼安全系▲統▼股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BETHEL AUTOMOTIVE SAFETY SYSTEMS CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100160299
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 卓
(72)【発明者】
【氏名】▲強▼ 玉霖
(72)【発明者】
【氏名】袁 ▲暁▼峰
(72)【発明者】
【氏名】袁 永彬
【テーマコード(参考)】
3D049
【Fターム(参考)】
3D049BB02
3D049CC07
3D049HH48
3D049HH51
3D049HH53
3D049HH54
3D049KK01
3D049KK05
(57)【要約】
独立した制御ユニットを2つ備えるブレーキシステム及びその制御方法であって、ブレーキシステムには第一ブレーキ制御ユニット(S1)と第二ブレーキ制御ユニット(S2)とが設けられ、第一ブレーキ制御ユニット(S1)と第二ブレーキ制御ユニット(S2)とは、各々が独立して駐車制御機能を完成する制御ユニットである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
独立した制御ユニットを2つ備え、車両通信ネットワーク及び給電電源が設けられる自動車のブレーキに応用されるブレーキシステムであって、各々が独立してブレーキ制御機能を完成する制御ユニットである第一ブレーキ制御ユニットと第二ブレーキ制御ユニットとを含むことを特徴とする独立した制御ユニットを2つ備えるブレーキシステム。
【請求項2】
前記第一ブレーキ制御ユニットと前記第二ブレーキ制御ユニットとは、それぞれ第一通信回路、第二通信回路を通じて、前記車両通信ネットワークに接続されることを特徴とする請求項1に記載の独立した制御ユニットを2つ備えるブレーキシステム。
【請求項3】
前記第一ブレーキ制御ユニットと前記第二ブレーキ制御ユニットとは、それぞれ第一駐車要求モジュールと第二駐車要求モジュールとに接続されることを特徴とする請求項1に記載の独立した制御ユニットを2つ備えるブレーキシステム。
【請求項4】
前記第一ブレーキ制御ユニットには、第一制御決定モジュールと、第一駐車駆動モジュールと、第一駐車アクチュエータとが設けられ、前記第一制御決定モジュールは、信号回線を通じて、第一通信回路及び前記第一駐車要求モジュールに接続され、前記第一駐車駆動モジュールは、前記信号回線を通じて、前記第一制御決定モジュールと前記第一駐車アクチュエータとにそれぞれ接続され、
前記第二ブレーキ制御ユニットには、第二制御決定モジュールと、第二駐車駆動モジュールと、第二駐車アクチュエータとが設けられ、前記第二制御決定モジュールは、前記信号回線を通じて、第二通信回路及び前記第二駐車要求モジュールに接続され、前記第二駐車駆動モジュールは、前記信号回線を通じて、前記第二制御決定モジュールと前記第二駐車アクチュエータとにそれぞれ接続され、
前記第一制御決定モジュールと前記第二制御決定モジュールとは、前記第一通信回路と前記第二通信回路とをそれぞれ通じて、前記車両通信ネットワークとユニット状態情報の相互作用を行い、ブレーキ駐車制御に使用することを特徴とする請求項3に記載の独立した制御ユニットを2つ備えるブレーキシステム。
【請求項5】
前記第一制御決定モジュールと前記第二制御決定モジュールとは、前記信号回線を通じて相互通信を行い、前記第一ブレーキ制御ユニットと前記第二ブレーキ制御ユニットとの間は、前記第一制御決定モジュールと前記第二制御決定モジュールとを通じて、相互通信を実現することを特徴とする請求項4に記載の独立した制御ユニットを2つ備えるブレーキシステム。
【請求項6】
前記第一ブレーキ制御ユニットと前記第二ブレーキ制御ユニットとは、それぞれ前記給電電源に接続されることを特徴とする請求項1に記載の独立した制御ユニットを2つ備えるブレーキシステム。
【請求項7】
第一ブレーキ制御ユニットと第二ブレーキ制御ユニットとがいずれも正常に動作するとき、当該2つの制御ユニットによって、第一駐車駆動モジュールと第二駐車駆動モジュールとがそれぞれ独立して制御され、当該2つの駐車駆動モジュールが第一駐車アクチュエータと第二駐車アクチュエータとをそれぞれ独立して駆動することによって、常用ブレーキ又は駐車ブレーキの機能を実現し、
給電電源が第一ブレーキ制御ユニットに供給する過程において故障が発生したとき、第二ブレーキ制御ユニットは論理制御に基づいて、第二駐車駆動モジュールを通じて第二駐車アクチュエータを駆動することによって、補助常用ブレーキ又は駐車ブレーキを実現し、
給電電源が第二ブレーキ制御ユニットに供給する過程において故障が発生したとき、第一ブレーキ制御ユニットは論理制御に基づいて、第一駐車駆動モジュールを通じて第一駐車アクチュエータを駆動することによって、補助常用ブレーキ又は駐車ブレーキを実現し、
第一制御決定モジュール、第一駐車駆動モジュール、第一駐車アクチュエータのうちの一つに故障が発生したとき、第二ブレーキ制御ユニットを通じて補助常用ブレーキ又は駐車ブレーキを実行し、
第二制御決定モジュール、第二駐車駆動モジュール、第二駐車アクチュエータのうちの一つに故障が発生したとき、第一ブレーキ制御ユニットを通じて補助常用ブレーキ又は駐車ブレーキを実行し、
第一駐車要求モジュール及び第二駐車要求モジュールに故障が発生したとき、第一通信回路、第二通信回路を通じて車両状態情報を受信し、車両の要求に基づいて、第一ブレーキ制御ユニット、第二ブレーキ制御ユニットは、設定された制御アルゴリズムによって、車両を一定の減速度でスローダウンさせて徐々に停止させることで、安全な補助常用ブレーキ又は駐車ブレーキを実現することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の独立した制御ユニットを2つ備えるブレーキシステムの制御方法。
【請求項8】
上述の過程と同時に、常用ブレーキ及び駐車ブレーキは、車両通信ネットワークの信号要求、駐車要求により第一ブレーキ制御ユニット、第二ブレーキ制御ユニットが一定のブレーキ機能を実行して、前記安全なブレーキ及び駐車機能を実現できることを含むことを特徴とする請求項7に記載の独立した制御ユニットを2つ備えるブレーキシステムの制御方法。
【請求項9】
前記第一ブレーキ制御ユニット、前記第二ブレーキ制御ユニットは、車両通信ネットワークの信号要求又は駐車要求を受信することによって駐車機能を実現することを特徴とする請求項7に記載の独立した制御ユニットを2つ備えるブレーキシステムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動車ブレーキシステム制御の技術分野に属する。より具体的には、本発明は独立した制御ユニットを2つ備えるブレーキシステムに関する。また、本発明は更に、制御システムの安全なデュアル制御及び2つの制御ユニットの独立制御に基づく駐車制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電気制御ブレーキシステムが次第に発展するにつれて、ブレーキ制御技術は日々進化しており、車両の更なる安全性を満たすために、駐車制御における新しい技術方案の応用方向として、二重の独立した制御に対するニーズが生まれている。同時に、EPB(電動駐車ブレーキシステム)の幅広い応用に伴って、EPBにおける駐車安全性の機能向上に対してより多くの方法が実現されなければならず、新しい世代の駐車方式では必然の選択となっている。特に、新エネルギー車両、自動運転車両において応用されている。
【0003】
しかし、従来技術において、Pレンジロック機構のキャンセル、EPB電動駐車の共用電源故障、制御決定モジュール故障、スイッチ故障などの問題がEPBシステム全体の故障につながっており、多重の独立した駐車ブレーキ制御については、完全で実現可能な技術案は未だ充分に存在していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は独立した制御ユニットを2つ備えるブレーキシステムを提供し、目的は、車両駐車の安全性を高めることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の目的を実現するために、本発明は以下の技術方案を採用する。
【0006】
本発明における独立した制御ユニットを2つ備えるブレーキシステムは、車両通信ネットワーク及び給電電源が設けられる自動車のブレーキに応用され、各々が独立してブレーキ制御機能を完成する制御ユニットである第一ブレーキ制御ユニットと第二ブレーキ制御ユニットとを含んでいる。
【0007】
前記第一ブレーキ制御ユニットと前記第二ブレーキ制御ユニットとは、それぞれ第一通信回路、第二通信回路を通じて、車両通信ネットワークに接続されている。
【0008】
前記第一ブレーキ制御ユニットと前記第二ブレーキ制御ユニットとは、それぞれ第一駐車要求モジュールと第二駐車要求モジュールとに接続されている。
【0009】
前記第一ブレーキ制御ユニットには、第一制御決定モジュールと、第一駐車駆動モジュールと、第一駐車アクチュエータとが設けられ、前記第一制御決定モジュールは、信号回線を通じて、第一通信回路及び第一駐車要求モジュールに接続され、前記第一駐車駆動モジュールは、信号回線を通じて、第一制御決定モジュールと第一駐車アクチュエータとにそれぞれ接続されている。
【0010】
前記第二ブレーキ制御ユニットには、第二制御決定モジュールと、第二駐車駆動モジュールと、第二駐車アクチュエータとが設けられ、前記第二制御決定モジュールは、信号回線を通じて、第二通信回路及び第二駐車要求モジュールに接続され、前記第二駐車駆動モジュールは、信号回線を通じて、第二制御決定モジュールと第二駐車アクチュエータとにそれぞれ接続されている。
【0011】
前記第一制御決定モジュールと前記第二制御決定モジュールとは、第一通信回路と第二通信回路とをそれぞれ介した、車両通信ネットワークとユニット状態情報の相互作用を通じて、ブレーキ駐車制御に使用される。
【0012】
前記第一制御決定モジュールと前記第二制御決定モジュールとは、信号回線を通じて相互通信を行い、前記第一ブレーキ制御ユニットと前記第二ブレーキ制御ユニットとの間は、第一制御決定モジュールと第二制御決定モジュールとを通じて、相互通信を実現する。
【0013】
前記第一ブレーキ制御ユニットと前記第二ブレーキ制御ユニットとは、それぞれ給電電源に接続されている。
【0014】
上述の技術方案と同じ発明の目的を実現するために、本発明は更に、以上に述べた独立した制御ユニットを2つ備えるブレーキシステムの制御方法を提供する。技術方案は、第一ブレーキ制御ユニットと第二ブレーキ制御ユニットとがいずれも正常に動作するとき、当該2つの制御ユニットによって、第一駐車駆動モジュールと第二駐車駆動モジュールとがそれぞれ独立して制御され、当該2つの駐車駆動モジュールが第一駐車アクチュエータと第二駐車アクチュエータとをそれぞれ独立して駆動することによって、常用ブレーキ又は駐車ブレーキの機能を実現する。
【0015】
給電電源が第一ブレーキ制御ユニットに供給する過程において故障が発生したとき、第二ブレーキ制御ユニットは論理制御に基づいて、第二駐車駆動モジュールを通じて第二駐車アクチュエータを駆動することによって、補助常用ブレーキ又は駐車ブレーキを実現する。
【0016】
給電電源が第二ブレーキ制御ユニットに供給する過程において故障が発生したとき、第一ブレーキ制御ユニットは論理制御に基づいて、第一駐車駆動モジュールを通じて第一駐車アクチュエータを駆動することによって、補助常用ブレーキ又は駐車ブレーキを実現する。
【0017】
第一制御決定モジュール、第一駐車駆動モジュール、第一駐車アクチュエータのうちの一つに故障が発生したとき、第二ブレーキ制御ユニットを通じて補助常用ブレーキ又は駐車ブレーキを実行する。
【0018】
第二制御決定モジュール、第二駐車駆動モジュール、第二駐車アクチュエータのうちの一つに故障が発生したとき、第一ブレーキ制御ユニットを通じて補助常用ブレーキ又は駐車ブレーキを実行する。
【0019】
第一駐車要求モジュール及び第二駐車要求モジュールに故障が発生したとき、第一通信回路、第二通信回路を通じて車両状態情報を受信し、必要な場合は、車両の要求に基づいて、第一ブレーキ制御ユニット、第二ブレーキ制御ユニットは、設定された制御アルゴリズム、設定された通信論理によって、車両を一定の減速度でスローダウンさせて徐々に停止させることで、安全な補助常用ブレーキ又は駐車ブレーキを実現する。
【0020】
上述の過程と同時に、常用ブレーキ及び駐車ブレーキは、車両通信ネットワークの信号要求、駐車要求により第一ブレーキ制御ユニット、第二ブレーキ制御ユニットが一定のブレーキ機能を実行して、前記安全なブレーキ及び駐車機能を実現できることを含んでいる。
【0021】
前記第一ブレーキ制御ユニット、前記第二ブレーキ制御ユニットは、車両通信ネットワークの信号要求又は駐車要求を受信することによって駐車機能を実現する。
【発明の効果】
【0022】
本発明は上述の技術方案を採用する。信頼できる安全性を高めることについて、独立した制御ユニットを2つ備えるブレーキシステムは、2セットの重要な駐車要求情報、車両情報の相互作用、制御決定モジュールが完全に独立して設けられ、相対的に独立した運転が可能であり、2つのEPBが運転していることと同視できるため、運転・駐車の安全性が2桁高まることになる。また、移植性を実現することについて、デュアル制御される独立駐車機能のブレーキは、2つのEPBシステムとしてそれぞれ設定及び開発することができ、他の制御システムにそれぞれ統合することもでき、各々の制御機能を独立して実現可能となる。また、省エネルギー効果について、従来のPレンジ駐車を完全にカバー、廃止することができ、車両はPレンジロック機構を配置する必要がないため、車両重量を軽減し、省エネルギーと排出削減に有利となる。また、後ろ側ブレーキディスクのブレーキパッドにおけるドラッグ力を低減し、ガソリン消費を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は本発明における論理制御の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
当業者が本発明の発明構想、技術方案をより完全に、正確に、深く理解できるように、以下、図面を参照しながら実施例を示すことによって、本発明の具体的な実施形態を更に詳細に説明する。
【0025】
図1に示す構造は、本発明における独立した制御ユニットを2つ備えるブレーキシステムであり、自動車の駐車及びブレーキに応用される。
【0026】
本発明で述べる自動車、車両は、乗用車、商用車を含むが、これらに限定されるものではない。
【0027】
図1において、矢印は、信号の走行方向を示しており、実線は、回線接続を示しており、点線は、駐車制御ユニットを構成する枠線を示している。
【0028】
従来技術の欠陥を克服して、車両駐車の安全性を高めるという発明の目的を実現するために、本発明は以下の技術方案を採用する。
【0029】
図1に示すように、本発明における独立した制御ユニットを2つ備えるブレーキシステムには、第一ブレーキ制御ユニットS1と第二ブレーキ制御ユニットS2とが設けられ、第一ブレーキ制御ユニットS1と第二ブレーキ制御ユニットS2とは、各々が独立してブレーキ制御機能を完成する制御ユニットである。
【0030】
前記第一ブレーキ制御ユニットS1と前記第二ブレーキ制御ユニットS2との間は、互いに完全に独立した運転が可能で、互いに干渉せず、同時に、相互通信も可能であり、協調動作を実現する。
【0031】
本発明は、以下の方式によって保護される。
【0032】
1.第一ブレーキ制御ユニットS1と第二ブレーキ制御ユニットS2とは並列接続され、2つの制御システムユニットは完全に独立して運転される。
【0033】
2.第一ブレーキ制御ユニットS1と第二ブレーキ制御ユニットS2とは、それぞれ第一駐車駆動モジュール7と第二駐車駆動モジュール8とに接続され、2つの駆動モジュールは、制御に干渉する故障モードが同時に発生しない。
【0034】
3.論理制御は、ブレーキ要求及び駐車要求に速やかに応答できるように、第一ブレーキ制御ユニットS1と第二ブレーキ制御ユニットS2とが、両者と車両との間の動作状態を互いに監視し、デュアル制御される独立駐車制御ユニットにおけるリアルタイムの判断が充足される。
【0035】
4.CANネットワーク、駐車要求モジュール(第一駐車要求モジュール3及び第二駐車要求モジュール4)からのブレーキ信号及び駐車信号について、第一ブレーキ制御ユニットS1及び第二ブレーキ制御ユニットS2ともに、それぞれ応答することができ、上述の論理機能によって駐車を行う。
【0036】
有益な効果は、以下のとおりである。
【0037】
1.信頼できる安全性
デュアル制御される独立駐車機能のブレーキシステムであって、完全に独立した2つの駐車ブレーキ制御ユニットが設けられており、相対的に独立した運転が可能で、2つの制御駆動モジュールの入力端をそれぞれ制御することができ、2つのEPBが運転していることと同視できるため、冗長バックアップが増える。
【0038】
2.移植性
2つの独立した制御ユニットのブレーキは、2つのEPBシステムとしてそれぞれ設計及び開発することができ、横滑り防止システム、ボディ制御装置、車両制御装置、電動ステアリング制御装置、エアバッグ制御装置、電池管理制御装置のような、他の制御システムに統合することもできる。
【0039】
3.省エネルギー
従来のPレンジ駐車を完全にカバーすることができ、車両にはPレンジロック機構を配置する必要がない。また、重量を軽減することができ、省エネルギーと排出削減に有利となる。
【0040】
前記第一ブレーキ制御ユニットS1と前記第二ブレーキ制御ユニットS2とは、それぞれ第一通信回路11、第二通信回路12を通じて、車両通信ネットワーク1に接続される。
【0041】
前記第一通信回路11、前記第二通信回路12は、駐車決定モジュールが車両の他のネットワーク信号を受信する接続経路であり、当該モジュールを介して、駐車システムは、取得したリアルタイム情報に基づいて論理計算及び機能の駆動を行うことが実現できる。
【0042】
2つの駐車ブレーキ制御ユニットは、対応するCAN通信回路を通じて車両状態情報を受信し、駐車ブレーキ制御を決定するために使用する。前記車両状態情報は、スイッチ信号、エンジン信号、車速信号、加速信号、ブレーキ信号、車輪速信号、圧力信号、ステアリング信号、温度信号などを含むが、これらに限定されるものではない。
【0043】
具体的には、前記第一ブレーキ制御ユニットS1と前記第二ブレーキ制御ユニットS2とは、それぞれ第一駐車要求モジュール3と第二駐車要求モジュール4とに接続される。第一駐車要求モジュール3と第二駐車要求モジュール4とが接続される信号回線は、車両状態信号を含み、駐車スイッチ信号、加速度信号、ブレーキストローク信号、マスタシリンダ圧力信号、温度信号を含むが、これらに限定されるものではない。
【0044】
前記第二駐車要求モジュール4は、駐車決定モジュールが外部要求を受信する接続経路であり、当該要求は、EPBスイッチ、Pレンジスイッチ、ネットワーク要求信号を含むが、これらに限定されるものではない。駐車決定モジュールは当該信号を受信した後、車両信号状態に基づいて計算して駐車機能を実施する。
【0045】
前記第一ブレーキ制御ユニットS1には、第一制御決定モジュール5と、第一駐車駆動モジュール7と、第一駐車アクチュエータ9とが設けられ、前記第一制御決定モジュール5は、信号回線を通じて、第一通信回路11及び第一駐車要求モジュール3に接続され、前記第一駐車駆動モジュール7は、信号回線を通じて、第一制御決定モジュール5と第一駐車アクチュエータ9とにそれぞれ接続される。
【0046】
前記第一制御決定モジュール5は、制御回線を通じて、第一駐車駆動モジュール7に接続され、前記第一駐車駆動モジュール7は、制御回線を通じて、第一駐車アクチュエータ9に接続される。
【0047】
前記第二ブレーキ制御ユニットS2には、第二制御決定モジュール6と、第二駐車駆動モジュール8と、第二駐車アクチュエータ10とが設けられ、前記第二制御決定モジュール6は、信号回線を通じて、第二通信回路12及び第二駐車要求モジュール4に接続され、前記第二駐車駆動モジュール8は、信号回線を通じて、第二制御決定モジュール6と第二駐車アクチュエータ10とにそれぞれ接続される。
【0048】
前記第二制御決定モジュール6は、制御回線を通じて、第二駐車駆動モジュール8に接続され、前記第二駐車駆動モジュール8は、制御回線を通じて、第二駐車アクチュエータ10に接続される。
【0049】
前記第一駐車要求モジュール3と前記第二駐車要求モジュール4とは、信号回線を通じて、第一ブレーキ制御ユニットS1と第二ブレーキ制御ユニットS2とにそれぞれ独立して接続される。
【0050】
前記第二駐車要求モジュール4は、駐車スイッチ、ネットワーク信号に限定されるものではない。
【0051】
前記第一制御決定モジュール5と前記第二制御決定モジュール6とは、対応する第一通信回路11と第二通信回路12とをそれぞれ通じて車両状態情報を受信し、駐車ブレーキ制御に使用する。
【0052】
前記第一制御決定モジュール5と第二制御決定モジュール6とは、それぞれ複数の信号回線を通じて、第二通信回路12モジュールに接続される。
【0053】
前記制御決定モジュールと前記駐車駆動モジュールとは、論理回路を通じて、それぞれ接続される。前記駐車駆動モジュールと前記駐車アクチュエータとは、信号回線を通じて、それぞれ接続される。前記駐車要求モジュールは、信号回線を通じて、制御決定モジュールに接続される。前記制御決定モジュールの両者の間は、信号回線を通じて、互いに接続される。
【0054】
前記第一制御決定モジュール5と前記第二制御決定モジュール6とは、信号回線を通じて接続され、相互接続通信が可能で、前記第一ブレーキ制御ユニットS1と前記第二ブレーキ制御ユニットS2との間は、第一制御決定モジュール5と第二制御決定モジュール6とを通じて、相互通信を実現する。
【0055】
前記第一制御決定モジュール5と前記第二制御決定モジュール6とは、システム制御ユニット全体の中核的制御決定モジュールであり、スマートブレイン制御、論理回路制御に限定されず、各回路モジュールに接続され、各モジュール間の信号の相互作用、論理計算、制御を実現する。
【0056】
前記第一駐車駆動モジュール7と前記第二駐車駆動モジュール8とは、駐車決定モジュールが駐車アクチュエータを制御する接続経路であり、駐車アクチュエータを駆動し、駐車過程の信号をフィードバックするための重要部である。
【0057】
前記第一駐車アクチュエータ9と第二駐車アクチュエータ10とは、完全に独立した2つの機構であり、車両の設計において、ドライブシャフト又はホイール周辺に設けられるが、ドライブシャフト又はホイール周辺に限定されるものではない。一般に、モータブレーキ機構である。
【0058】
以上に述べた信号回線は、汎用の又は専用の論理回路の総称である。
【0059】
前記第一ブレーキ制御ユニットS1と前記第二ブレーキ制御ユニットS2とは、それぞれ給電電源2(第一給電電源、第二給電電源)に接続されている。
【0060】
給電電源2は、独立した2つの動作電源であり、2つの駐車制御ユニットにそれぞれ提供する。
【0061】
前記デュアル制御される独立駐車機能のブレーキシステムは、完全に独立した第一ブレーキ制御ユニットS1と前記第二ブレーキ制御ユニットS2と、独立した給電電源2から構成され、各々の機能を独立して完成する。前記給電電源2は、独立した2つの動作電源を含む。前記給電電源2は、2つの電源を第一ブレーキ制御ユニットS1と第二ブレーキ制御ユニットS2とにそれぞれ提供する。
【0062】
上述の技術方案と同じ発明の目的を実現するために、本発明は更に、以上に述べた独立した制御ユニットを2つ備えるブレーキシステムの制御方法を提供する。技術方案は、以下のとおりである。
【0063】
第一ブレーキ制御ユニットS1と第二ブレーキ制御ユニットS2とがいずれも正常に動作するとき、当該2つの制御ユニットによって、第一駐車駆動モジュール7と第二駐車駆動モジュール8とがそれぞれ独立して制御され、2つの駐車駆動モジュールが第一駐車アクチュエータ9と第二駐車アクチュエータ10とをそれぞれ独立して駆動することによって、駐車ブレーキ機能を実現する。
【0064】
第一ブレーキ制御ユニットS1と第二ブレーキ制御ユニットS2とが駐車要求制御信号を受信するのに基づいて、第一制御決定モジュール5と第二制御決定モジュール6とが一定の論理アルゴリズムに従って駐車ブレーキモジュールを制御することで、第一駐車アクチュエータ9と第二駐車アクチュエータ10とを制御することによって、安全な駐車ブレーキ機能を実現する。
【0065】
第一ブレーキ制御ユニットS1と第二ブレーキ制御ユニットS2との間は互いに通信しており、2つのユニットがいずれも正常に動作するとき、デュアル制御される独立駐車ブレーキシステムはフル機能運転を実現する。
【0066】
給電電源2が第一ブレーキ制御ユニットS1に供給する過程において故障が発生したとき、第二ブレーキ制御ユニットS2は論理制御に基づいて、第二駐車駆動モジュール8を通じて第二駐車アクチュエータ10を駆動することによって、駐車ブレーキを実現する。
【0067】
このとき、第二制御決定モジュール6は、論理制御及びアルゴリズムに基づいて、第二駐車駆動モジュール8を通じて第二駐車アクチュエータ10を駆動することによって、駐車及び安全なブレーキ機能を実現する。
【0068】
給電電源2が第二ブレーキ制御ユニットS2に供給する過程において故障が発生したとき、第一ブレーキ制御ユニットS1は論理制御に基づいて、第一駐車駆動モジュール7を通じて第一駐車アクチュエータ9を駆動することによって、駐車ブレーキを実現する。
【0069】
このとき、第一制御決定モジュール5は、論理制御及びアルゴリズムに基づいて、第一駐車駆動モジュール7を通じて第一駐車アクチュエータ9を駆動することによって、駐車及び安全なブレーキ機能を実現する。
【0070】
本発明のEPBデュアル制御独立駐車ブレーキシステムは、いずれかのユニットが故障した場合、もう一つのユニットが駐車駆動モジュールを制御して駐車アクチュエータを駆動し、ブレーキ及び駐車の実現を保証することができる。
【0071】
第一制御決定モジュール5、第一駐車駆動モジュール7、第一駐車アクチュエータ9のうちの一つに故障が発生したとき、第二制御決定モジュール6は論理制御アルゴリズムに基づいて、第二ブレーキ制御ユニットS2を通じて駐車ブレーキを実行することによって、駐車を実現する。
【0072】
第二制御決定モジュール6、第二駐車駆動モジュール8、第二駐車アクチュエータ10のうちの一つに故障が発生したとき、第一制御決定モジュール5は論理制御アルゴリズムに基づいて、第一ブレーキ制御ユニットS1を通じて駐車ブレーキを実行する。
【0073】
第一駐車要求モジュール3、第二駐車要求モジュール4に故障が発生したとき、第一通信回路11、第二通信回路12を通じて車両状態情報を受信し、第一ブレーキ制御ユニットS1、第二ブレーキ制御ユニットS2は設定された制御アルゴリズムによって車両を一定の減速度でスローダウンさせて徐々に停止させることで、安全な駐車ブレーキを実現する。
【0074】
このとき、車両状態信号を通じて、第一ブレーキ制御ユニットS1、第二ブレーキ制御ユニットS2が一定の制御アルゴリズムによって車両状態を判断し、駐車駆動モジュールを通じて駐車アクチュエータを駆動することによって、駐車及び安全なブレーキ機能を実現する。
【0075】
上述の過程と同時に、車両通信ネットワーク1が信号要求し、第一ブレーキ制御ユニットS1、第二ブレーキ制御ユニットS2が一定の制御機能を実行する場合もまた、上述の安全なブレーキ駐車機能を実現できる。
【0076】
上述の過程と同時に、上述の過程が車両外部から要求されるブレーキ信号(駐車要求)によるもので、駐車ブレーキユニットが一定の制御アルゴリズムを経る場合もまた、緊急用の安全な駐車機能を実現できる。
【0077】
本発明における上述の技術方案が実現する機能は、以下のとおりである。
【0078】
1.第一ブレーキ制御ユニットS1、第二ブレーキ制御ユニットS2は、駐車要求モジュールの有効信号を通じて判断し、駐車クランプ・解放機能を実行することができる。
【0079】
2.第一ブレーキ制御ユニットS1、第二ブレーキ制御ユニットS2が設けられているため、いずれかのユニットが故障した場合、もう一つのユニットがモータ駆動モジュールを制御して駐車アクチュエータを駆動し、駐車の実現を保証することができ、かつ片側の駐車制御ユニットは、法規が要求する8%よりも大きい坂道駐車機能を満たすことができる。
【0080】
3.第一ブレーキ制御ユニットS1、第二ブレーキ制御ユニットS2は、車両通信ネットワーク情報を受信して、ネットワークからの常用ブレーキ(service brake)の要求を実行することができる。
【0081】
4.第一ブレーキ制御ユニットS1、第二ブレーキ制御ユニットS2は、駐車要求信号を受信し、車両運転状態に対する計算・判断をすることによって、車両走行過程におけるアンチロックブレーキ機能を実現する。
【0082】
5.第一ブレーキ制御ユニットS1、第二ブレーキ制御ユニットS2は、傾斜角信号の数値を通じて駐車クランプ力の大きさを計算することができ、それによって信頼できる駐車を実現する。
【0083】
6.第一ブレーキ制御ユニットS1、第二ブレーキ制御ユニットS2は、ブレーキ制御ユニットを通じて温度特性、坂道の車両滑り傾向、時間などの情報をリアルタイムで監視することができ、駐車モータアクチュエータを制御して駐車力を複数回付与することによって、車両の坂道駐車の安全性を保証する。
【0084】
本発明が法規に合致する状況においては、駐車の信頼性におけるリスクを解決し、駐車の安全を保証することができ、デュアル制御独立駐車ブレーキ制御の2つのユニットによって、車両の安全性を高め、エネルギー消費を低減させ、Pレンジロックシステムに代替させることで車両コストを低減することもできる。
【0085】
以上、図面を参照して本発明に対する例示的説明を行ったが、言うまでもなく、本発明の具体的な実現は、上述の方式に制限されず、本発明の方法・構想及び技術方案を採用して行う非実質的な各種の改良、又は、改良せずに本発明の構想及び技術方案を他の場面に直接応用するものは、いずれも本発明の保護範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0086】
1 車両通信ネットワーク
2 給電電源
3 第一駐車要求モジュール
4 第二駐車要求モジュール
5 第一制御決定モジュール
6 第二制御決定モジュール
7 第一駐車駆動モジュール
8 第二駐車駆動モジュール
9 第一駐車アクチュエータ
10 第二駐車アクチュエータ
11 第一通信回路
12 第二通信回路
S1 第一ブレーキ制御ユニット
S2 第二ブレーキ制御ユニット
図1
【国際調査報告】