【実施例】
【0130】
材料及び方法
局所的なデフェロキサミン(デスフェリオキサミン、デスフェロキサアミン、DFOとしても知られる)は、実験条件に応じて幾つかの濃度で使用される。更に、デフェリプロン、デフェラシロクス等の、本明細書に記載されるような複数の他の鉄キレーターも用いられる。
【0131】
鉄キレーターの経皮的な送達。経皮的な送達システム用に、接着剤と、不浸透性のバッキング膜と、生分解性ポリマー内に分散された若しくは過飽和となされた鉄キレーター(50〜200mg)を含有するリリースライナーとを含むパッチが設計される。経皮パッチの調製剤は、10mlのクロロホルムに溶解された、ポリマー類(総重量、400mg、エチルセルロースとポリビニルピロリドンとの比率7:1にて秤量)と鉄キレーター類との混合物を含む。小分子の結晶化を防止し、結果として増強された薬剤放出をもたらす添加剤もまた含まれる。次いで、フタル酸ジ−n−ブチルが可塑剤として使用される(ポリマー類の重量中30重量%)。最終のリリースライナーを作製する為に、この溶液を次に滅菌ガラスペトリ皿に注いで、室温にて乾燥する。この均質な分散物各2mlを4%ポリビニルアルコールバッキング膜上にキャスティングし及び40Cで6時間乾燥する。最後に、バッキング膜をマトリックス側を上向きに保って接触接着剤(3Mテガダーム(Tegaderm))に取り付ける。24時間後、前記経皮フィルムをデラスコ(Delasco)KP−16mm円形バイオプシパンチ(punch biopsy)を用いて切断し、及び更なる使用までデシケータ中に保管する。
【0132】
免疫組織化学。4℃で一晩ブロッキングヤギ血清中に希釈されたパラフィン埋設5ミクロン創傷切片(1:50、サンタクルーズバイオテクノロジー(Santa Cruz Biotechnology)、カリフォルニア州、サンタクルーズ(Santa Cruz))上でCD31染色を行う。次いで切片を、ヤギ抗ラットFITC二次抗体(サンタクルーズバイオテクノロジー(Santa Cruz Biotechnology、カリフォルニア州、サンタクルーズ(Santa Cruz))を用いて室温で1時間染色した。次いで切片をベクタシールドプラスDAPI(Vectashield plus DAPI)(ベクターラボラトリーズ(Vector Laboratories)、カリフォルニア州、バーリンゲーム(Burlingame))で封入し、ツァイスアキシオカムHRデジタルイメージングソフトフェア(Zeiss AxioCam HR digital imaging software)(カールツァイスビジョン(Carl Zeiss Vision))を装備したツァイスアキシオプラン2(Zeiss Axioplan 2)光学蛍光顕微鏡(light-fluorescent microscope)(カールツァイスビジョン(Carl Zeiss Vision)、ドイツ)用いて分析する。4つの別個の40×高倍率視野(HPF)中に存在する毛細血管の数を数えることによって、CD31+血管の計数を行う。TUNEL(ロッシェ(Roche))染色も行った。全ての測定は、2人の盲検試験観測者により行う。
【0133】
スーパーオキシドアッセイ(Superoxide Assay)(DHE)。30μmの新鮮な凍結切片をPBSで洗浄し、10μMのジヒドロエチジウム(DHE、インビトロゲン(invitrogen))を用いて37Cで30分間染色する。次いでスライドをPBSで洗浄し、及びDAPI添加ベクタシールド(Vectashield with DAPI)を加える。
【0134】
ウェスタンブロット。50μgの核タンパク質をNE−PERキット(ピース(Pierce))を用いて抽出し、プロテアーゼ阻害カクテル(カンパニー(company))を補充する。マイクロBCAタンパク質アッセイキット(Micro BCA Protein Assay Kit)(ピース(Pierce))を用いてライセートタンパク質濃度を決定する。次いで、50μgの核ライセートをSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)によって分画し、及び免疫ブロットによって分析する。5%/TBS−T中で鉄キレーターに対する一次抗体(1:500希釈、ノーブスバイオロジカルス(Novus Biologicals)、コロラド州、リトルトン(Littleton))及びβ−アクチンに対する一次抗体(1:5000希釈、ラボビジョン(Lab Vision)、カリフォルニア州、フレモント(Fremont))を用いて、4℃で一晩タンパク質検出を行う。次いでブロットを、対応するHRP結合二次抗体(1:10,000希釈、BDファーミンゲン(BD Pharmingen)、カリフォルニア州、サンノゼ(San Jose))と共に室温で1時間インキュベートする。ブロットをECL検出試薬(アマルシャム(Amersham)、英国)を用いて展開し、及びバイオマックス(Biomax)−MSフィルム(コダック(Kodak)、ニューヨーク州、ロチェスター(Rochester))を用いて1〜10分間露光する。
【0135】
実施例1
DFO製剤:フィルム。本発明に使用される製剤のうちの幾つかを表1に挙げる。
【0136】
【表1】
【0137】
DFOパッチの調整(上記の6つの製剤全ての一般的な手順):各成分を前記処方表に記載の量に秤量する。以下のように、全ての成分を別個に溶解する:(例えば、100cm
2パッチ用の製剤1)、5mLのエタノール中エチルセルロース(エトキシ含量:48%、110cps、アクロスオーガニクス(Acros Organics)、ニュージャージー州により供給)、1mlのエタノール中ポリビニルピロリドン(MW:10,000、シグマ(Sigma)、ミズーリ州、セントルイス(St Louis))、1mLの50%エタノール−水混合物中DFO(デフェロキサミンメシレート)、1mLのエタノール中トウィーン(TWEEN)−80及びスパン(Span)−20、1mLのエタノール中プルロールオレイーク(Plurol Oleique)、1mLのエタノール中セチルアルコール。これら全ての溶液を混合し、エタノールを用いて総体積を10mLとした。溶液を30分間撹拌する。溶液(10mL)をテフロン(登録商標)(Teflon)コーティングトレイ(100cm
2−10×10cm)に注ぐ(即ちcm
2当たり0.1mL)。これを37℃で12時間乾燥させることによってエタノールを蒸発させる。乾燥されたフィルムを取り出し、必要なサイズに切断する。このパッチを接着剤膜(3Mテガダーム(Tegaderm))に取り付け、及びデシケータ中に保管する(使用に備える)。
【0138】
表2に、前記製剤に使用される賦形剤の種々の供給元を記載する。
【0139】
【表2】
【0140】
本発明中に使用される別の製剤は以下を含む。
【表3】
【0141】
製剤7は以下のように調製できる。
(1)1600mgのエチルセルロースを24mlのエタノールに溶解する(一晩撹拌、白濁溶液)。
(2)セチルアルコール、PVP、プルロールオレイーク(Plurol Oleique)、及び16mlのエタノールを合わせて、撹拌する。
(3)400mgのDFOを秤量し、それを約400μlの水で湿らせ、(2)から得られた溶液を添加し、撹拌する(懸濁液となる)。
(4)(1)と(3)とを合わせて、撹拌する。
(5)37℃の温度で8ウェルトレイを水平面上に設置する。
(6)4mlの(4)を各ウェルに分注し、ティッシュ/ペーパータオルで被覆する。一晩乾燥させる。
(7)スパチュラを用いてトレイからパッチを取り出す。気密な容器中に室温で保管する。
【0142】
本発明において使用される別の製剤は、以下を含む。
【表4】
【0143】
製剤8は以下のように調製できる。
(1)1600mgのエチルセルロースを24mlのギ酸エチルに溶解する(一晩撹拌、白濁溶液)。
(2)セチルアルコール、PVP、プルロールオレイーク(Plurol Oleique)、及び16mlのギ酸エチルを合わせて、撹拌する。
(3)400mgのDFOを秤量し、それを約600μlの水で湿らせ、(2)から得られた溶液600μlを添加する。(2)の残りを加えて撹拌する(透明な溶液となる)。
(4)(1)と(3)とを合わせて、撹拌する(濁るが沈降はしない)。
(5)37℃の温度で8ウェルトレイを水平面上に設置する。
(6)4mlの(4)を各ウェルに分注し、ティッシュ/ペーパータオルで被覆する。一晩乾燥させる。
(7)スパチュラを用いてトレイからパッチを取り出す。気密な容器中に室温で保管する。
【0144】
本発明において使用される別の製剤は、以下を含む。
【表5】
【0145】
製剤9は以下のように調製できる。
(1)1600mgのエチルセルロースを24mlのエチルアルコールに溶解する(一晩撹拌、白濁溶液)。
(2)CTAB、PVP、及び16mlのエチルアルコールを合わせて、撹拌する。
(3)400mgのDFOを秤量し、それを約600μlの水で湿らせ、(2)から得られた溶液600μlを添加する。(2)の残りを加えて攪拌する(白濁溶液となり振盪すると渦が見える)。
(4)1.2mlの水を加えて、一晩撹拌する。更に1mlの水を加える。
(5)(1)と(4)とを合わせて、撹拌する(濁るが沈降はしない)。
(6)37℃の温度で8ウェルトレイを水平面上に設置する。
(7)4mlの(5)を各ウェルに分注し、ティッシュ/ペーパータオルで被覆する。一晩乾燥させる。
(8)スパチュラを用いてトレイからパッチを取り出す。気密な容器中に室温で保管する。
【0146】
本発明において使用される別の製剤は、以下を含む。
【表6】
【0147】
製剤10は以下のように調製できる。
(1)1600mgのエチルセルロースを24mlのギ酸エチルに溶解する(一晩撹拌、白濁溶液)。
(2)CTAB、PVP、及び16mlのギ酸エチルを合わせて、撹拌する(溶解されない)。500μl×3(1.5ml)の水を加える(白濁溶液となる)
(3)400mgのDFOを秤量し、それを約600μlの水で湿らせ、(2)から得られた溶液600μlを添加する。(2)の残りを加えて攪拌する(白濁溶液となり、浸透すると渦が見える)。
(4)1.2mlの水を加えて、一晩撹拌する。更に1mlの水を加える。
(5)(1)と(4)とを合わせて、撹拌する(濁るが沈降はしない)。
(6)37℃の温度で8ウェルトレイを水平面上に設置する。
(7)4mlの(5)を各ウェルに分注し、ティッシュ/ペーパータオルで被覆する。一晩乾燥させる。
(8)スパチュラを用いてトレイからパッチを取り出す。気密な容器中に室温で保管する。
【0148】
上記の製剤9及び10を用いたパッチは、ギ酸エチルを異なる溶媒(例えば、イソオクタン、n−ヘプタン、CO2の超臨界流体等)と置き換えることによって作製することもできる。これらの代替溶媒は、上記のギ酸エチルについて記載した体積の最大2倍の体積で使用することができる。
【0149】
界面活性剤、安定剤、マトリックス分子、及び可溶化剤の他の組み合わせを使用してもよい。DFOの代わりに異なる鉄キレーターを処方してもよい。より疎水性の鉄キレーターを処方する場合、逆ミセルを採用しなくてもよく(例えば、本明細書で使用するようなセチルアルコール、又はいずれかの他の非イオン性界面活性剤は逆ミセルを形成しないこともある)、PVP等の安定剤の比率を大きく変更してもよい。非イオン性界面活性剤以外の他の界面活性剤を使用してもよい。
【0150】
DFO送達デバイス。経皮的な送達システムを使用してDFOをマウスの真皮組織に送達させた。この送達システムは、エチルセルロースマトリックス中でポリビニルピロリドン(PVP)によって安定化された非イオン性界面活性剤を用いて逆ミセル中に封入されたDFOをフィルムの13.4%重量/重量%の濃度で含む乾燥フィルムであって、5/8インチの円に切断されて同サイズのシリコンシートによって被覆された乾燥フィルムを含む。
【0151】
実施例2
DFO製剤:ローション若しくはクリーム。表3に、クリーム若しくはローションとして使用され得る製剤の幾つかを列挙する。
【0152】
【表7】
【0153】
製剤11、12、及び13は以下の工程に従って調製できる。
(1)100uLの水を100mgのDFOに加える。
(2)0.9mLのエタノールを2段階添加で加える。0.4mLを加え、成分を混合し、次いで残りの0.5mLを加える。
(3)1mLのエタノール中に溶解された選択された量のポリビニルピロリドン(PVP)を加える。
(4)1mLのエタノール中の選択された量のセチルアルコールを加える。
(5)1mLのエタノール中の選択された量のプルロールオレイーク(Plurol Oleique)を加える。
(6)合わせた混合物((2)、(3)、(4)、及び(5)から を超音波を用いて10分間混合する。
(7)別の容器中で、400mgのワセリン(Vaseline)を、容器を温浴中に入れた状態で磁性撹拌機上で温めることにより溶融する。
(8)(6)から得られたDFO含有混合物を前記溶融されたワセリン(Vaseline)に撹拌しながらゆっくりと加える。
(9)30分間若しくはエタノールが蒸発するまで撹拌する。
(10)混合物を撹拌しながら冷まして、均質なクリームを得る。
【0154】
クリーム製剤11、12、13に対し多くの変更が成され得ることが理解され得る。ワセリン(Vaseline)は、ユーセリン(Eucerin)、ユーセリナムアンヒドリカム(eucerinum anhydricum)、ベントナイト(Bentonite)、PEG、マルガファリン(mulgafarin)、及びデコダームバシスクリーム(Decoderm basiscreme)で置き換えることができる。
【0155】
本明細書を通して記載したように、ローション製剤を提供する為に、他の油性若しくは水性材料でクリームベースを置き換えてもよい。また、これらの実施例を一般的ガイドとして用いて、鉄キレーターの量は異なってもよく、及び異なる鉄キレーターを処方してもよい。
【0156】
本発明は、記載された特定の方法論、プロトコル、細胞株、動物種若しくは属、構築物、及び試薬に限定されず、そのようなものとして当然変更し得ることを理解すべきである。本明細書で使用された用語は特定の実施形態を記載する為だけに使用され、及び本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の範囲は添付特許請求の範囲によってのみ限定されるということもまた理解すべきである。
【0157】
別途定期されない限り、本明細書中で使用された全ての技術的及び科学的用語は、本発明が属する当該技術分野の当業者に共通して理解される意味と同じ意味を有する。本明細書に記載された方法、デバイス、及び材料と同様の又は等価の任意の方法、デバイス、及び材料は、本発明を実施する若しくは試験する為に使用することができるが、好ましい方法、デバイス、及び材料がここに記載されている。
【0158】
本明細書において言及された全ての刊行物は、ここに記載した発明に関連して使用され得る、それらの刊行物に記載されている、例えば細胞株、構築物、及び方法論を記載し及び開示する目的で、参照により本明細書に組み込まれる。上記で及びテキストを通じて議論されたそれらの刊行物は、本出願の出願日以前の開示についてのみ提供される。本明細書におけるいずれも、事前発明との理由で本発明者らがかかる開示に先行する権利を有さないことの容認であると解釈されるべきではない。
【0159】
本開示の幾つかの実施形態の列挙。
【0160】
1.被験者の皮膚における審美的皮膚状態を治療する方法であって、それを必要とする前記被験者の皮膚を、有効量の鉄キレーター化合物若しくはその薬剤的に許容可能な塩又は鉄キレーター化合物若しくはその薬剤的に許容可能な塩を含む組成物と、接触させることを含み、その際に前記審美的皮膚状態が予防される若しくは治療される、方法。
【0161】
2.前記鉄キレーター化合物は、デフェロキサミン、デフェリプロン、デフェラシロクス、N,N’−ジ(2−ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン−N,N’−二酢酸一塩酸塩(HBED)、ピリドキサールイソニコチノイルヒドラジン(PIH)、デスフェリチオシン、及びデフェリトリンから選択される、実施形態1の方法。
【0162】
3.前記鉄キレーター化合物はデフェロキサミンである、実施形態1又は2の方法。
【0163】
4.前記審美的皮膚状態は、低下した毛髪密度、皺、皮膚上の細線、乾燥した、鱗状の、若しくは痒みを伴う皮膚、脱毛症、老化、皮膚変色、日焼け染み、加齢染み、目元の隈、外傷若しくは手術後の打撲傷、肝斑、傷痕、くも状静脈、又は酒さである、実施形態1〜3のいずれか1つの方法。
【0164】
5.前記有効量の鉄キレーター化合物若しくはその薬剤的に許容可能な塩又は鉄キレーター化合物若しくはその薬剤的に許容可能な塩を含む組成物は、局所的に投与される、実施形態1〜4のいずれか1つの方法。
【0165】
6.前記鉄キレーター化合物は、少なくとも1つの界面活性剤を用いて逆ミセル構造中に封入される、実施形態1〜5のいずれか1つの方法。
【0166】
7.前記被験者の皮膚を前記鉄キレーター化合物を含む前記組成物と接触させることは、治療期間に渡り前記鉄キレーター化合物を前記組成物から放出させることと、前記鉄キレーター化合物を治療を必要とする前記皮膚に浸透させることと、を更に含む、実施形態6の方法。
【0167】
8.前記鉄キレーター化合物を放出させることは、前記鉄キレーター化合物を前記組成物のマトリックス内から放出させることを更に含む、実施形態7の方法。
【0168】
9.前記マトリックスはエチルセルロースを含む、実施形態8の方法。
【0169】
10.前記組成物は、ポリビニルピロリドン(PVP)を更に含む、実施形態1〜9のいずれかの方法。
【0170】
11.前記鉄キレーター化合物は、前記組成物の重量/重量パーセントとして少なくとも約0.1%且つ約40%以下の濃度を有する、実施形態1〜10のいずれか1つの方法。
【0171】
12.前記組成物はクリーム若しくはローションである、実施形態1〜11のいずれか1つの方法。
【0172】
13.前記組成物はフィルムである、実施形態1〜12のいずれか1つの方法。
【0173】
14.適用することは、前記皮膚に前記組成物を含有する経皮パッチを適用することを含む、実施形態13の方法。
【0174】
15.前記有効量の鉄キレーター化合物若しくはその薬剤的に許容可能な塩又は鉄キレーター化合物若しくはその薬剤的に許容可能な塩を含む組成物は、経口的に投与される、実施形態1〜4のいずれか1つの方法。
【0175】
16.経皮的な審美的皮膚治療の為に処方されたクリーム、ローション、若しくはフィルム組成物中に鉄キレーター化合物若しくはその薬剤的に許容可能な塩を含む、製剤。
【0176】
17.前記鉄キレーター化合物は前記クリーム、ローション、若しくはフィルム組成物中で安定化される、実施形態16の製剤。
【0177】
18.前記鉄キレーター化合物は逆ミセル構造中に封入される、実施形態16又は17の製剤。
【0178】
19.前記鉄キレーター化合物若しくはその薬剤的に許容可能な塩は、前記逆ミセル内に少なくとも1つの界面活性剤を用いて封入される、実施形態18の製剤。
【0179】
20.前記少なくとも1つの界面活性剤は、トウィーン(TWEEN)85(登録商標)(ポリオキシエチレン(20)ソルビタントリオレエート(Polyoxyethylene (20) Sorbitan Trioleate))、リン脂質類、脂肪酸エステル類、トリトン(TRITON)X−100(登録商標)(オクチルフェノールエチレンオキシド凝縮物(Octylphenol ethylene oxide condensate))、AOT(ジオクチルスルホスクシネート)−トウィーン(TWEEN)80(登録商標)(ポリソルベート(Polysorbate)80)、スパン(Span)20(ソルビタンモノラウレート)、AOT−DOLPA(ジオレイルリン酸)、AOT−OPE4(p,t−オクチルフェノキシエトキシエタノール)、CTAB(セチルトリメチルアンモニウムブロミド)−TRPO(混合トリアルキルホスフィンオキシド)、脂肪アルコール類、及びCTAB(セチルトリメチルアンモニウムブロミド)のうちの1つ以上を含む、実施形態19の製剤。
【0180】
21.前記少なくとも1つの界面活性剤は、ポリソルベート(Polysorbate)80及びソルビタンモノラウレート(スパン(Span)20)の少なくとも1つを含む、実施形態19又は20の製剤。
【0181】
22.前記少なくとも1つの界面活性剤は、1%w/w〜25%w/wの濃度で存在する、実施形態18〜21のいずれか1つの製剤。
【0182】
23.前記製剤はポリビニルピロリドンを更に含む、実施形態16〜22のいずれか1つの製剤。
【0183】
24.前記ポリビニルピロリドンは、0.1%〜25%w/wの濃度で存在する、実施形態23の製剤。
【0184】
25.前記鉄キレート化合物は、前記製剤内に1%〜35%w/wの濃度で存在する、実施形態16〜24のいずれか1つの製剤。
【0185】
26.前記鉄キレート化合物は、前記製剤内に13%w/wの濃度で存在する、実施形態25の製剤。
【0186】
27.前記製剤はローション若しくはゲルである、実施形態16〜26のいずれか1つの製剤。
【0187】
28.マトリックスを更に含む、実施形態16〜26のいずれか1つの製剤。
【0188】
29.前記マトリックスは生分解性ポリマーである、28の製剤。
【0189】
30.前記生分解性ポリマーはエチルセルロースを含む、実施形態29の製剤。
【0190】
31.エチルセルロースは25%w/w〜75%w/wの濃度で存在する、実施形態30の製剤。
【0191】
32.前記鉄キレート化合物の前記製剤はフィルム若しくはパッチである、実施形態16〜31のいずれか1つの製剤。
【0192】
33.前記製剤は、被験者の顔の皮膚若しくは頭皮と適合可能となるように構成される、実施形態16〜32のいずれか1つの製剤。
【0193】
34.皮膚細胞の酸化に伴う皮膚状態を治療する方法であって、それを必要とする皮膚に、鉄キレーター化合物若しくはその薬剤的に許容可能な塩又は鉄キレーター化合物若しくはその薬剤的に許容可能な塩を含む組成物を局所的に適用することを含み、その際に前記化合物、塩、又は組成物の局所適用が皮膚細胞の酸化を治療する、方法。
【0194】
35.適用することは、前記皮膚に前記組成物を含有する経皮パッチを適用することを含む、実施形態34の方法。
【0195】
36.前記鉄キレーター化合物は、デフェロキサミン、デフェリプロン、デフェラシロクス、N,N’−ジ(2−ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン−N,N’−二酢酸一塩酸塩(HBED)、ピリドキサールイソニコチノイルヒドラジン(PIH)、デスフェリチオシン、及びデフェリトリンから選択される、実施形態34又は35の方法。
【0196】
37.前記鉄キレーター化合物はDFOである、実施形態34〜36のいずれか1つの方法。
【0197】
38.前記鉄キレーター化合物は、界面活性剤を用いて逆ミセル構造中に封入される、実施形態34〜37のいずれか1つの方法。
【0198】
39.前記鉄キレーター化合物は、マトリックス内で前記逆ミセル構造内に封入される、実施形態38の方法。
【0199】
40.前記マトリックスは生分解性ポリマーを含む、実施形態39の方法。
【0200】
41.前記組成物はポリビニルピロリドン(PVP)を更に含む、実施形態34〜40のいずれか1つの方法。
【0201】
42.被験者の皮膚における審美的皮膚状態を予防する及び/若しくは治療する為の方法であって、それを必要とする前記被験者の皮膚を有効量の鉄キレーター化合物若しくはその薬剤的に許容可能な塩又は鉄キレーター化合物若しくはその薬剤的に許容可能な塩を含む組成物と接触させることを含み、その際に前記審美的皮膚状態が予防される若しくは治療される、方法。
【0202】
43.前記審美的皮膚状態は、低下した毛髪密度、皺を細くする皮膚、皮膚上の細線、脱毛症、老化、皮膚変色、日焼け染み、加齢染み、目元の隈、外傷若しくは手術後の打撲傷、肝斑、傷痕、くも状静脈、又は酒さである、実施形態42の方法。
【0203】
44.前記鉄キレーター化合物は、マトリックス内で界面活性剤を用いて逆ミセル構造中に封入される、実施形態42又は43の方法。
【0204】
45.前記封入された鉄キレーター化合物は、治療期間に渡り前記マトリックスから放出され、及び治療を必要とする前記皮膚に浸透する、実施形態44の方法。
【0205】
46.前記鉄キレーター化合物は、経皮的な送達に好適な組成物に処方される、実施形態42〜45のいずれか1つの方法。
【0206】
47.前記組成物はフィルムである、実施形態46の方法。
【0207】
48.前記鉄キレーター化合物はパッチ中に含有される、実施形態46又は47の方法。
【0208】
49.前記鉄キレーター化合物は局所的な送達に好適な組成物に処方される、実施形態42〜48のいずれか1つの方法。
【0209】
50.前記組成物はクリーム若しくはローションである、実施形態49の方法。
【0210】
51.前記接触させることは、前記皮膚に、鉄キレーター化合物を含むフィルムを含む経皮パッチを適用することを含む、実施形態42〜48のいずれか1つの方法。
【0211】
52.前記鉄キレーター化合物は、デフェロキサミン、デフェリプロン、デフェラシロクス、N,N’−ジ(2−ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン−N,N’−二酢酸一塩酸塩(HBED)、ピリドキサールイソニコチノイルヒドラジン(PIH)、デスフェリチオシン、及びデフェリトリンから選択される、実施形態42〜51のいずれか1つの方法。
【0212】
53.前記鉄キレーター化合物はデフェロキサミン(DFO)である、実施形態42〜52のいずれか1つの方法。
【0213】
54.前記マトリックスはエチルセルロースを含む、実施形態42〜53のいずれか1つの方法。
【0214】
55.前記組成物はポリビニルピロリドン(PVP)を更に含む、実施形態42〜54のいずれか1つの方法。
【0215】
56.前記鉄キレーター化合物は、前記組成物の重量/重量パーセントとして少なくとも約0.1%且つ約40%以下の濃度を有する、実施形態42〜55のいずれか1つの方法。
【0216】
57.前記鉄キレーター化合物は、前記フィルムの重量/重量%として少なくとも約0.1%且つ約40%以下の濃度を有する、実施形態47の方法。
【0217】
58.被験者において審美的皮膚状態を改善する、予防する、及び/若しくは治療する方法であって、それを必要とする前記被験者に、有効量の鉄キレーター化合物若しくはその薬剤的に許容可能な塩又は鉄キレーター化合物若しくはその薬剤的に許容可能な塩を含有する組成物を投与し、それによって前記審美的皮膚状態を改善する及び/若しくは治療することを含む、方法。
【0218】
59.前記鉄キレーター化合物は経口投与に好適な組成物に処方される、実施形態58の方法。
【0219】
60.被験者の皮膚における審美的皮膚状態を予防する及び/若しくは治療する為の方法であって、それを必要とする前記被験者の皮膚を、マトリックス内で界面活性剤を用いて逆ミセル構造中に封入された鉄キレーター化合物若しくはその薬剤的に許容可能な塩を含むフィルムを含む経皮パッチと接触させることを含み、その際に前記封入された鉄キレーター化合物は治療期間に渡り前記マトリックスから放出され、及び前記皮膚に浸透する、方法。
【0220】
61.前記鉄キレーター化合物は、デフェロキサミン、デフェリプロン、デフェラシロクス、N,N’−ジ(2−ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン−N,N’−二酢酸一塩酸塩(HBED)、ピリドキサールイソニコチノイルヒドラジン(PIH)、デスフェリチオシン、及びデフェリトリンから選択される、実施形態60の方法。
【0221】
62.前記鉄キレーター化合物はDFOである、実施形態60又は61の方法。
【0222】
63.皮膚を明るくする若しくは皮膚色調を均一化する方法であって、それを必要とする皮膚に鉄キレーター化合物若しくはその薬剤的に許容可能な塩又は鉄キレーター化合物を含む組成物を局所的に適用することを含み、その際に前記化合物、塩、又は組成物の局所適用が皮膚を明るくする若しくは皮膚色調を均一化する、方法。
【0223】
64.前記鉄キレーター化合物は、デフェロキサミン、デフェリプロン、デフェラシロクス、N,N’−ジ(2−ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン−N,N’−二酢酸一塩酸塩(HBED)、ピリドキサールイソニコチノイルヒドラジン(PIH)、デスフェリチオシン、及びデフェリトリンから選択される、実施形態63の方法。
【0224】
65.前記鉄キレーター化合物はDFOである、実施形態63又は64の方法。
【0225】
65.適用することは、前記皮膚に前記組成物を含有する経皮パッチを適用することを含む、実施形態63〜65のいずれか1つの方法。
【0226】
67.前記鉄キレーター化合物はマトリックス内で界面活性剤を用いて逆ミセル中に封入される、実施形態63〜66のいずれか1つの方法。
【0227】
68.前記組成物はポリビニルピロリドン(PVP)を更に含む、実施形態63〜67のいずれか1つの方法。
【0228】
69.紅斑を伴う症候の外観を低減させる方法であって、それを必要とする皮膚に鉄キレーター化合物若しくはその薬剤的に許容可能な塩又は鉄キレーター化合物若しくはその薬剤的に許容可能な塩を含む組成物を局所的に適用することを含み、その際に前記化合物、塩、又は組成物の局所適用が紅斑を伴う症候の外観を低減させる、方法。
【0229】
70.前記適用することは、前記皮膚に前記組成物を含有する経皮パッチを適用することを含む、実施形態69の方法。
【0230】
71.前記鉄キレーター化合物は、デフェロキサミン、デフェリプロン、デフェラシロクス、N,N’−ジ(2−ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン−N,N’−二酢酸一塩酸塩(HBED)、ピリドキサールイソニコチノイルヒドラジン(PIH)、デスフェリチオシン、及びデフェリトリンから選択される、実施形態69又は70の方法。
【0231】
72.前記鉄キレーター化合物はDFOである、実施形態69〜71のいずれか1つの方法。
【0232】
73.前記鉄キレーター化合物はマトリックス内で界面活性剤を用いてミセル構造中に封入される、実施形態69〜72のいずれか1つの方法。
【0233】
74.前記組成物はポリビニルピロリドン(PVP)を更に含む、実施形態69〜73のいずれか1つの方法。
【0234】
75.乾燥した、鱗状の、若しくは痒みを伴う皮膚を治療する又は不均一な皮膚色調の外観を低減させる方法であって、それを必要とする皮膚に鉄キレーター化合物若しくはその薬剤的に許容可能な塩又は鉄キレーター化合物若しくはその薬剤的に許容可能な塩を含む組成物を局所的に適用することを含み、その際に前記化合物、塩、又は組成物の局所適用が、乾燥した、鱗状の、若しくは痒みを伴う皮膚を治療する又は前記不均一な皮膚の外観を低減させる、方法。
【0235】
76.前記適用することは前記皮膚に前記組成物を含有する経皮パッチを適用することを含む、実施形態75の方法。
【0236】
77.前記鉄キレーター化合物は、デフェロキサミン、デフェリプロン、デフェラシロクス、N,N’−ジ(2−ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン−N,N’−二酢酸一塩酸塩(HBED)、ピリドキサールイソニコチノイルヒドラジン(PIH)、デスフェリチオシン、及びデフェリトリンから選択される、実施形態75又は76の方法。
【0237】
78.前記鉄キレーター化合物はDFOである、実施形態75〜77のいずれか1つの方法。
【0238】
79.前記鉄キレーター化合物はマトリックス内で界面活性剤を用いてミセル構造中に封入される、実施形態75〜78のいずれか1つの方法。
【0239】
80.前記組成物はポリビニルピロリドン(PVP)を更に含む、実施形態75〜79のいずれか1つの方法。
【0240】
81.皮膚の細線若しくは皺の外観を低減させる方法であって、それを必要とする前記皮膚に鉄キレーター化合物若しくはその薬剤的に許容可能な塩又は鉄キレーター化合物若しくはその薬剤的に許容可能な塩を含む組成物を局所的に適用することを含み、その際に前記組成物の局所適用が前記皮膚の前記細線若しくは皺を低減させる、方法。
【0241】
82.前記適用することは、前記皮膚に前記組成物を含有する経皮パッチを適用することを含む、実施形態81の方法。
【0242】
83.前記鉄キレーター化合物は、デフェロキサミン、デフェリプロン、デフェラシロクス、N,N’−ジ(2−ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン−N,N’−二酢酸一塩酸塩(HBED)、ピリドキサールイソニコチノイルヒドラジン(PIH)、デスフェリチオシン、及びデフェリトリンから選択される、実施形態81又は82の方法。
【0243】
84.前記鉄キレーター化合物はDFOである、実施形態81〜83のいずれか1つの方法。
【0244】
85.前記鉄キレーター化合物はマトリックス内で界面活性剤を用いてミセル構造中に封入される、実施形態81〜84のいずれか1つの方法。
【0245】
86.前記組成物はポリビニルピロリドン(PVP)を更に含む、実施形態81〜85のいずれか1つの方法。
【0246】
87.皮膚の色素沈着過剰を治療する方法であって、それを必要とする前記皮膚に鉄キレーター化合物若しくはその薬剤的に許容可能な塩又は鉄キレーター化合物若しくはその薬剤的に許容可能な塩を含む組成物を局所的に適用することを含み、その際に前記化合物、塩、又は組成物の局所適用が前記皮膚の色素沈着過剰を治療する、方法。
【0247】
88.前記適用することは、前記皮膚に前記組成物を含有する経皮パッチを適用することを含む、実施形態87の方法。
【0248】
89.前記鉄キレーター化合物は、デフェロキサミン、デフェリプロン、デフェラシロクス、N,N’−ジ(2−ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン−N,N’−二酢酸一塩酸塩(HBED)、ピリドキサールイソニコチノイルヒドラジン(PIH)、デスフェリチオシン、及びデフェリトリンから選択される、実施形態87又は88の方法。
【0249】
90.前記鉄キレーター化合物はDFOである、実施形態87〜89のいずれか1つの方法。
【0250】
91.前記鉄キレーター化合物はマトリックス内で界面活性剤を用いてミセル構造中に封入される、実施形態87〜90のいずれか1つの方法。
【0251】
92.前記組成物はポリビニルピロリドン(PVP)を更に含む、実施形態87〜91のいずれか1つの方法。
【0252】
93.毛髪を増やす又は頭皮上の毛髪喪失を治療する若しくは予防する方法であって、それを必要とする皮膚に鉄キレーター化合物若しくはその薬剤的に許容可能な塩又は鉄キレーター化合物若しくはその薬剤的に許容可能な塩を含む組成物を局所的に適用することを含み、その際に前記化合物、塩、又は組成物の局所適用が毛髪を増やす又は前記頭皮上の毛髪喪失を治療する若しくは予防する、方法。
【0253】
94.前記適用することは、前記皮膚に前記組成物を含有する経皮パッチを適用することを含む、実施形態93の方法。
【0254】
95.前記鉄キレーター化合物は、デフェロキサミン、デフェリプロン、デフェラシロクス、N,N’−ジ(2−ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン−N,N’−二酢酸一塩酸塩(HBED)、ピリドキサールイソニコチノイルヒドラジン(PIH)、デスフェリチオシン、及びデフェリトリンから選択される、実施形態93又は94の方法。
【0255】
96.前記鉄キレーター化合物はDFOである、実施形態93〜95のいずれか1つの方法。
【0256】
97.前記鉄キレーター化合物はマトリックス内で界面活性剤を用いてミセル構造中に封入される、実施形態93〜96のいずれか1つの方法。
【0257】
98.前記組成物はポリビニルピロリドン(PVP)を更に含む、実施形態93〜97のいずれか1つの方法。
【0258】
99.審美的皮膚状態を治療する為のキットであって、鉄キレーター化合物を含む組成物と、その使用の為の指示と、を含むキット。
【0259】
100.前記組成物は実施形態16〜33のいずれか1つの製剤である、実施形態99のキット。
【0260】
101.前記組成物は、保湿剤、軟化剤、若しくは皮膚科学的に許容可能なビヒクルを更に含む、実施形態99又は100のキット。
【0261】
102.前記組成物はローション若しくはクリームである、実施形態99〜101のいずれか1つのキット。
【0262】
103.前記組成物はフィルム若しくはパッチである、実施形態99〜102のいずれか1つのキット。
【0263】
104.前記キットは前記組成物用のアプリケータを更に含む、実施形態99〜103のキット。