特表2022-501566(P2022-501566A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アルビレオ エナジー,エルエルシーの特許一覧

特表2022-501566複数の加熱コイルを有するシステム、装置、及びハイブリッドVAVデバイス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2022-501566(P2022-501566A)
(43)【公表日】2022年1月6日
(54)【発明の名称】複数の加熱コイルを有するシステム、装置、及びハイブリッドVAVデバイス
(51)【国際特許分類】
   F24F 13/08 20060101AFI20211210BHJP
   F24F 11/74 20180101ALI20211210BHJP
   F24F 11/80 20180101ALI20211210BHJP
   F24F 11/58 20180101ALI20211210BHJP
   F24F 11/63 20180101ALI20211210BHJP
【FI】
   F24F13/08 Z
   F24F11/74
   F24F11/80
   F24F11/58
   F24F11/63
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】34
(21)【出願番号】特願2021-517858(P2021-517858)
(86)(22)【出願日】2019年9月27日
(85)【翻訳文提出日】2021年5月19日
(86)【国際出願番号】US2019000048
(87)【国際公開番号】WO2020068150
(87)【国際公開日】20200402
(31)【優先権主張番号】62/741,690
(32)【優先日】2018年10月5日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/737,251
(32)【優先日】2018年9月27日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】521126209
【氏名又は名称】アルビレオ エナジー,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ヴォイジー,キース,スタンレー
【テーマコード(参考)】
3L081
3L260
【Fターム(参考)】
3L081AA03
3L081AB02
3L260AB07
3L260BA02
3L260BA49
3L260BA50
3L260BA57
3L260BA71
3L260BA74
3L260CA03
3L260CA07
3L260CA12
3L260CB55
3L260CB57
3L260FB43
3L260FC06
3L260GA02
3L260GA11
3L260GA17
3L260JA18
3L260JA20
(57)【要約】
複数の部屋の各々の個々の部屋内の温度制御を向上させるための複数の加熱コイルを有する、エネルギー効率の良いハイブリッド変風量末端システム。ハイブリッド変風量末端システムは、新規のハイブリッド変風量ボックスに結合された1つの入口ダクト及び複数の出口ダクトを有する新規のハイブリッド変風量ボックスを含む。各出口ダクトは、エネルギー効率の良い建物管理システムを提供するために任意の数の複数の部屋に動作可能に接続され得るそれに動作可能に接続された加熱コイルを有する。特定の実施形態では、システムの動作を遠隔制御するために、実際又は仮想のサーモスタットがハイブリッド変風量末端システムに動作可能に接続されている。特定の実施形態では、ハイブリッド変風量末端システムは、空気流の量を制御及び/又は変更するための自動エアバランスシステム又は自動空間制御ダンパ並びに需要応答制御システムを備える。
【選択図】図4A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物内の複数の部屋のための温度制御を向上させるための複数の加熱コイルを有する変風量末端デバイスであって、前記変風量末端システムが、
(a)入口を有するハイブリッド変風量ボックスと、
(b)前記ハイブリッド変風量ボックスに結合された複数の出口であって、前記複数の出口の各出口が、それに動作可能に接続された加熱コイルを有し、各出口が、調節空気を複数の部屋に提供するためのダクトへの接続のために利用可能である、複数の出口と、
(c)サブプレナムと、を備える変風量末端デバイス。
【請求項2】
前記入口と前記複数の出口との間に配設された温度を実際に制御するフローティングダンパをさらに備える、請求項1に記載の変量末端デバイス。
【請求項3】
前記加熱コイルが温水加熱コイル又は電気加熱コイルである、請求項1に記載の変量末端デバイス。
【請求項4】
前記加熱コイルが前記ハイブリッド変風量ボックスの内部に配設される、請求項1に記載の変量末端デバイス。
【請求項5】
前記加熱コイルが前記ハイブリッド変風量ボックスの外部において前記複数の出口に配設される、請求項1に記載の変風量末端デバイス。
【請求項6】
複数の自動空間制御ダンパをさらに備える、請求項1に記載の変量末端デバイス。
【請求項7】
前記複数の自動空間制御ダンパが単一のダクトによって前記ハイブリッド変風量ボックスに接続される、請求項6に記載の変量末端デバイス。
【請求項8】
前記複数の自動空間制御ダンパを個々に制御するための複数のサーモスタットをさらに備える、請求項7に記載の変量末端デバイス。
【請求項9】
前記複数のサーモスタットと前記複数の自動空間制御ダンパとの間の有線又は無線接続をさらに備える、請求項8に記載の変量末端デバイス。
【請求項10】
前記複数の自動空間制御ダンパのうちの少なくとも1つのためのプラグ接続式ヒートカートリッジをさらに備える、請求項6に記載の変量末端デバイス。
【請求項11】
前記プラグ接続式ヒートカートリッジが照明回路によって給電される、請求項10に記載の変量末端デバイス。
【請求項12】
前記ハイブリッド変量ボックスへの前記複数の出口が2つ〜7つある、請求項1に記載の変量末端デバイス。
【請求項13】
前記加熱コイルが、前記2つ〜7つの出口よりも1つ少ない出口に動作可能に接続される、請求項12に記載の変量末端デバイス。
【請求項14】
前記サブプレナムが前記複数の出口と前記ハイブリッドVAVボックスの末端壁との間に配設される、請求項2に記載の変量末端デバイス。
【請求項15】
静圧センサをさらに備える、請求項14に記載の変量末端デバイス。
【請求項16】
前記空気入口と前記フローティングダンパとの間に配設された空気測定デバイスをさらに備える、請求項2に記載の変量末端デバイス。
【請求項17】
複数の空調ゾーンのうちの空調ゾーンごとにサーモスタットを提供するための変風量システムを提供する方法であって、
(a)複数出口ダクトVAVボックスであって、前記複数ダクトVAVの前記出口ダクトのうちの少なくとも1つに関連付けられた少なくとも1つのヒータを有する、複数出口ダクトVAVボックスを利用することと、
(b)前記少なくとも1つのヒータを有する前記ダクトに、調節空気を複数の別個の空調ゾーンに供給させることと、
(c)調節空気を前記複数の別個の空調ゾーンの各々に入れるための電気制御オリフィスを有する複数の自動空間制御ダンパを取り付けることと、
(d)調節空気を特定のゾーンに入れるべく前記電気制御オリフィスを開放又は閉鎖するための仮想又は実際のサーモスタットを前記複数の別個の空調ゾーンの各ゾーンに提供することと、を含む方法。
【請求項18】
前記複数ダクトVAVの各ダクトに関連付けられたヒータを有することをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記複数ダクトVAVの前記出口ダクトのうちの前記少なくとも1つに関連付けられた前記少なくとも1つのヒータ、又は電気制御オリフィスを有する前記複数の自動空間制御ダンパを制御するためのコンピュータをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
在室者負荷に関するデータを提供するためのセンサをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
在室者負荷データに基づいて前記複数ダクトVAVを動作させるためのデータベースをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記複数ダクトVAVの前記ダクトのうちの少なくとも1つに関連付けられた前記少なくとも1つのヒータを動作させるための信号を送信するための遠隔命令を前記コンピュータに提供するためのスマートデバイスアプリをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記信号がモノのインターネットを通じて送信される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記信号が前記建物管理人又はテナントによって送信される、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
ゾーンの多数のユーザからの多数の温度入力を平均し、前記ゾーンのための最適温度を算出するためのステップをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項26】
ハイブリッドVAVボックスであって、
(a)少なくとも1つの空気入口及び少なくとも2つの空気出口を有するハウジングと、
(b)前記空気入口に接続された温度を制御しないフローティング流量制御ダンパと、
(c)前記少なくとも2つの空気出口の各々のものに接続された少なくとも1つの加熱コイルと、を備えるハイブリッドVAVボックス。
【請求項27】
空気流量センサをさらに備える、請求項26に記載のハイブリッドVAVボックス。
【請求項28】
前記少なくとも1つの加熱コイルを制御するためのコントローラをさらに備える、請求項26に記載のハイブリッドボックス。
【請求項29】
前記コントローラが、データベースを有するコンピュータに接続される、請求項28に記載のハイブリッドVAVボックス。
【請求項30】
前記少なくとも2つの出口が3つ〜6つの出口であり、少なくとも1つの出口が加熱コイルを有しない、請求項26に記載のハイブリッドVAVボックス。
【請求項31】
前記少なくとも2つの空気出口と前記VAVボックスの末端壁との間に配設されており、前記ハイブリッドVAVボックスの内部空間の10パーセント〜20パーセントの空間を占有するサブプレナムをさらに備える、請求項26に記載のハイブリッドVAVボックス。
【請求項32】
暖房及び空調バランシング装置であって、
(a)入口と、複数の出口であって、前記複数の出口のうちの少なくとも1つの内部に少なくとも1つのヒータコイルを有する複数の出口と、を有するハイブリッドVAVと、
(b)複数の自動空間制御ダンパと、
(c)前記複数の出口のうちの1つの内部の前記少なくとも1つのヒータコイルを前記複数の自動空間制御ダンパの各々のものに接続する共通供給ダクトと、
(d)前記複数の自動空間制御ダンパの各自動空間制御ダンパによって支配されるゾーン又は区域に関連付けられた空気流量及び/又は温度センサと、
(e)前記複数の自動空間制御ダンパの各々を選択的に開放及び閉鎖し、各自動空間制御ダンパによって支配される前記ゾーン又は区域内の空気流量及び/又は温度を記録し、前記複数の自動空間制御ダンパの各々の内部の各ダンパを、各自動空間制御ダンパによって支配される各ゾーン又は区域をバランスさせるよう設定するためのコントローラと、を備える暖房及び空調バランシング装置。
【請求項33】
コンピュータデータベースをさらに備える、請求項32に記載の暖房及び空調バランシング装置。
【請求項34】
各自動空間制御ダンパによって支配される各区域又はゾーン内のサーモスタットをさらに備える、請求項33に記載の暖房及び空調バランシング装置。
【請求項35】
前記複数の自動空間制御ダンパの最後のバランシングを時間指定して記録するためのタイマをさらに備える、請求項33に記載の暖房及び空調バランシング装置。
【請求項36】
前記複数の自動空間制御ダンパを定期的に再バランスさせるためのプログラムをさらに備える、請求項32に記載の暖房及び空調バランシング装置。
【請求項37】
前記ハイブリッドVAV内の構成要素、及び前記複数の自動空間制御ダンパ内の各構成要素の機械的状態に関する自己診断及び報告システムをさらに備える、請求項32に記載の暖房及び空調バランシング装置。
【請求項38】
在室中に定期的に再バランスさせないよう、在室センサをさらに備える、請求項37に記載の暖房及び空調バランシング装置。
【請求項39】
前記空調及びバランシング装置が有線又は無線通信リンクを有する、請求項32に記載の暖房及び空調バランシング装置。
【請求項40】
前記複数の自動空間制御ダンパのうちの少なくとも1つが補助ヒータを含む、請求項32に記載の暖房及び空調バランシング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
著作権/商標の表示
[0001] 本文書は、米国及び国際著作権及び商標保護の対象である主題を含む。著作権及び商標の所有者は、米国特許商標庁及び対応する特許庁における本文書並びに米国仮特許出願第62/737,251号及び同第62/741,690号の複製を許可するが、添付の図面を含む、本明細書において、並びに2018年9月27日に出願された米国仮特許出願第62/737,251号、及び2018年10月5日に出願された米国仮特許出願第62/741,690号において説明される、商標、並びにソフトウェア、データ、及びGUIインターフェースに対する全ての権利を保持する。著作権(c)2018,2019 Yorba Linda, California 92887 USAのKeith Voysey and Advanced Automated Systems, Inc. 全ての権利が保持されている。
【0002】
関連出願の相互参照
[0002] 本出願は、2018年9月27日に出願された米国特許仮出願第62/737,251号、及び2018年10月5日に出願された米国特許仮出願第62/741,690号において開示されている主題に関連し、それに基づく優先権を受ける権利を有する。これらの出願は全体が本明細書において参照により組み込まれる。
【0003】
発明の背景
1.発明の分野
[0003] 本発明は、エネルギーを節約し、その一方で、同時に、特に、商用建物を含む、建物の個々のゾーンの暖房及び冷房の粒度の細かい制御を提供するためのシステム、方法、及びデバイスに関する。より詳細には、実施形態は、少なくとも1つの空気入口ダクト、ダンパ、好ましくは、出口ごとに少なくとも1つの専用加熱コイルを有する少なくとも2つの空気出口を有する新規のハイブリッド変風量(VAV(variable air volume))末端ユニットに関する。本発明のシステムは、現場での、又は携帯電話アプリ若しくはモノのインターネット(IoT(internet of things))を通じた遠隔での、マスタ制御及びテナント制御を通じた粒度の細かいゾーン温度制御を提供する。新規の方法及びシステムは、VAVの数を低減すること、並びにシステム全体の自動エアバランシング、及び個々のゾーンの温度制御を提供することによって、エネルギーを節約し、導入コストを節約するための新規のハイブリッドVAVボックスに依拠し、オフィス空間の将来の再構成における最大限の柔軟性をもたらす。
【背景技術】
【0004】
2.従来技術の説明
[0004] 変風量末端ユニット(VAVボックス)は、異なる部屋にいる在室者のために暖房、冷房、及び換気を提供するために、建物、及び特に、商用建物内で一般的に用いられている。従来技術の図1に示されるように、典型的な従来技術VAVボックス11は、空気入口13、空気流量測定デバイス若しくは速度センサ15、制御ダンパ19、及び単一の出口21を含む。次に図1Aを参照すると、従来技術のVAVボックス11は、ファン、又はこの場合には、出口21に近接して配設された単一の加熱若しくは冷却コイル25の位置を示すために、上部23が取り去られている。
【0005】
[0005] 各VAVボックス11は、図1Aに示されるように、フロア内のオフィスのより小さい区域又はグループを制御する。その結果、およそ30,000平方フィートを有する商用建物が建物フロア全体にわたっておよそ33個のVAVボックスの導入を必要とすることが珍しくない。各々の個々のVAVボックスの目的は、部屋の小区域(通例、1〜6部屋)に、或いは例えば、別個のドロップダウンダンパ27a、29a、31a及び33aを通して空気を各々供給される4つの部屋27、29、31及び33のために、空調、暖房、及び換気、並びに制御を提供することである。部屋の各々のための温度は、まず、主としてスレーブ室27、31及び33内の温度を制御するマスタ室29内に配置されたサーモスタットTによって制御される。この従来技術はまた、各ダンパ39、41、43及び45を用いてダクト37からの空気流量を調整することによってマスタ室29内の温度がスレーブ室27、31及び33内の温度に大なり小なり対応するよう、初期エアバランシングも必要とする。エアバランサがエアバランシング作業を完了した後に、スレーブ室27、31及び33の温度はマスタ室29内のサーモスタットTによって制御される。サーモスタットTは、主として、温度を制御するためにVAVボックス11内のダンパ19の位置を制御する。
【0006】
[0006] 従来技術はまた、建物の異なるゾーン内の温度を制御するための、単一のエアハンドラ(AH(air handler))入口及び複数の出口を有するVAVボックスも含む。このような従来技術の例としては、ダンパ、別個の再加熱コイル、及び別個の冷却コイルを出口ごとに有する複数の出口を各々有する、Federspielらの米国特許第8,688,243号、Ringの米国特許第4,917,174号、及びGinnらの米国特許第3,934,795号が挙げられる。VAV内の別個のダクトのうちの1つの内部の再加熱コイルは別個の加熱ダクトによってドロップダウンレジスタに接続されており、その一方で、VAV内の別個のダクトのうちの1つの内部の別個の冷却コイルは別個の冷却ダクトによってドロップダウンレジスタに接続されており、そこで、暖気及び冷気が、部屋のために選択された温度要求を満たすよう混合される。
【0007】
[0007] このような従来技術は各ゾーンの特定の要求に対処するが、それは、ダクトの別個のセット、並びに別個のダクトを有するVAV内の加熱コイル及び冷却コイルの両方の要件を代償にしてのことである。このような従来技術は導入及び運用のための費用が高くつく。なぜなら、それはエネルギー効率が良くなく、仮想サーモスタットを提供しないか、又は新規のハイブリッドVAVを追加することによって改良され得る商用建物において主に見出される単一の配管系を利用する新規のハイブリッドVAVの利点を提供しないためである。新規のハイブリッドVAVは、単一のエアハンドラ入口、及び以下においてより詳細に説明されることになるように、各暖房ゾーンの粒度の細かい温度制御を提供するためのその独自の加熱コイルを各々有する少なくとも2つの出口若しくはより多数の出口を利用する。
【0008】
[0008] 本明細書において提供されるハイブリッドVAV及び方法及びシステムは、9/27/18の米国仮特許出願第62/737,251号、及び10/5/18の米国仮特許出願第62/741,690号によって示されるとおりの発明者による多大な研究努力の結果である。第62/741,690号における2018年7月9日の添付書面は、個々のゾーンの温度制御を提供するための新たなシステムを創造するための考えを示している。第62/737,251号における2018年8月28日の添付書面は、仮特許出願の出願からかなり後まで販売されなかった、又は販売のために提供されなかった新たなシステムにおけるさらなる改良を示している。その後、2018年12月6日に新規のシステムが導入された。
【0009】
[0009] 従来技術はまた、Kuckukらの米国特許出願公開第2017/0314796号、Salisburyの米国特許第8,255,085号、Westの米国特許第6,296,193号、及びBarooahの米国特許第10,047,968号などの、エネルギーを節約するためのコンピュータ及びデータベースを有する遠隔制御式システムを有する数多くの完全システムも含む。従来技術のうちのいくつかは、VAVを制御し、複数のVAVを用い、目標値、負荷、及び換気要求に基づいて温度を制御する。従来技術はいずれも新規のハイブリッドVAVを採用していない。実際に、Westの米国特許第6,296,193号は、Ben-Aissaの米国特許第5,558,274号の従来のVAVボックスに言及している。
【0010】
[0010] マスタ室29から温度を制御することは、スレーブオフィス47が、図2Aに示されるとおりの角のオフィスであるとき、とりわけ、角のオフィスが日内暖房サイクルにおいて日なたで太陽に曝される場合に、特に問題になる。オフィス47は、1つの24時間周期の間には過度に暑くなり、24時間周期の別の部分の間には過度に寒くなり得る。このような状況に対する典型的な解決策は、エネルギー効率が良くなく、オフィス空間の価値を損なう追加のVAVボックス又は別個のスペースヒータ若しくはスペースクーラを追加することである。
【0011】
[0011] 従来技術においてこれまで説明されたように、空気流は、それがVAVボックスを出ると、HVAC出力に基づいて温度を制御するために手動バランシングダンパを調整することによって複数の空間(部屋)に分配される。冷房温度制御は、通例、単一の室温に基づき、空気量が、VAVボックスによって支配される全ての空間を制御するよう増大又は減少する。外部オフィスのためには、暖房能力が追加される。暖房が必要とされる場合には、VAVボックスの空気量が低減され、温水コイル25又は電熱要素のどちらかを通して熱が空気ストリーム中に注入される。内部オフィスのためには、通例、暖房能力は提供されず、暖房は、単に、冷房しないこと(空気量をその最小設定まで閉じ、内部空間温度負荷、及び外部空間からの余熱が空間をゆっくりと暖房することを可能にすることによって達成されるのみである。この従来のVAVシステムの設計は、比較的安価ではあるが、以下のとおりの多くの欠点を有する。
【0012】
[0012] 1.支配される部屋ごとに個々のVAVボックスが提供されない限り、VAVボックスは個々の部屋の制御を提供しない。この新たな設計は、手動バランシングダンパを自動空間制御ダンパと置換することによって、この設計の非効率性を解決する。この設計を用いることによって、少なくとも2つの空気出口を有する単一のハイブリッドVAVボックスが、より多くのVAVボックスを追加することを代償にせずとも、今や個々の部屋の制御を提供することができる。(1つ)を超える再加熱コイルをハイブリッドVAVボックスに追加し、任意選択的に、出口ごとに再加熱コイルを追加することによって、ハイブリッドVAVボックスから支配される各区域は、同じVAVボックスから支配される別のものから自律した制御を有することができる。
【0013】
[0013] 2.VAVボックスが複数のオフィスを支配し、在室される区域が(1つ)存在するのみであるときに、典型的なVAVは、在室されていない区域を隔離する(切り離す)能力を有しない。
【0014】
[0014] 3.各VAVボックスの導入に費用がかかる。この新たな設計は、通例、全体的なVAVの数を2/3だけ低減する。バランシング弁及び隔離弁の単一のセットによって支配される複数の出口及び再加熱コイルを有する、より少数であるが、より大型のVAVボックスを用いることは、建物の機械的インフラストラクチャのコストを大幅に低減する。
【0015】
[0015] 4.VAVが制御のために物理サーモスタットを用いる。新たな設計は、各部屋が、物理サーモスタット、又は物理サーモスタットが提供することができない多くの固有の特徴を有するモノのインターネットに接続され得る(スマートフォンを介した)仮想サーモスタットのどちらかを有することを可能にする。
【0016】
[0016] 5.新たなハイブリッドVAVは、内部及び外部区域が、複数の出口を有する同じマルチコイルVAVによって支配されることを可能にする。これはより柔軟な全体的システム設計に役立ち、将来におけるより容易で単純なフロア変更を可能にする。
【0017】
[0017] 6.この新たなハイブリッドVAVはまた、支配される区域ごとの最小及び最大空気流量設定を自動的に校正する固有の能力を含む。全ての制御ダンパを閉鎖し、1度に1つの制御ダンパのみを開放することによって、空気流量がハイブリッドVAVボックスの速度センサを通じて読み取られる。制御ダンパを調節し、空気流量センサを読み取ることによって、システムは、適切な最小及び最大ダンパ位置がいつ達成されたのかを記録する。
【0018】
[0018] 加えて、新たなハイブリッドVAVは、単一のダクトシステム内の単一のサーモスタットによって制御される複数の部屋を支配する従来技術のVAVによる不十分な温度分布及び制御を含む、従来技術における多数の問題を解決する。新規のハイブリッド設計は、所与の空間量のための様々なゾーン内のより精密な温度制御を提供するために必要とされるVAVの数を低減する。新たなハイブリッドVAVはエネルギーの使用の効率を増大させ、コンピュータ及びスマートフォンアプリ及び/又はモノのインターネットに結合されたときには、必要な場所で必要な時に最小限の量のエネルギーのみを使用することによって、エネルギーが節約して使用されることを可能にする。
【0019】
[0019] それゆえ、単一ダクトシステムに適合し、量末端ボックスの温度制御及びエリアカバレッジを向上させる複数の加熱コイルを有するハイブリッド変風量末端システムが業界において必要とされている。新規のハイブリッドVAVは、従来技術のVAVボックスが支配することができるエリアカバレッジを増大させ、建物内に導入されるVAVボックスの数を低減し、導入、運用、及びエネルギー使用を低減する。新規の方法及びシステム、並びにその制御アプリケーション及びスマートフォンアプリ、及びモノのインターネットへの接続は、オフィスの改装及びオフィスレイアウトの変更の融通性、並びに適用及び運用における省エネルギーをもたらす。
【発明の概要】
【0020】
概要
[0020] 本開示の実施形態の一実装形態は、複数のゾーン又は部屋を支配する単一のダクトによって支配される建物の各ゾーン又は部屋に関連付けられた仮想又は物理サーモスタットを提供する新規の建物管理システムに関する。ドロップダウンダンパと、又は好ましくは、自動空間制御ダンパ(automated space control damper)ASCDと通信するための通信インターフェースが提供される。通信インターフェースは、新規のハイブリッドVAVからの空気流量を増大又は減少させるために電気動作式ダンパを動作させる。建物管理システムは、エネルギーを節約するために、感知された使用、及び/又はデータベースからの過去の使用の履歴のいずれかに基づいて、コマンドを実施し、スペースのテナント、建物の管理人、又はコントローラを形成する、コントローラ及びデータベースを含む。
【0021】
[0021] 建物を支配するエアハンドラ(AH)は、暖房、冷房、換気、及び他のサービスを建物に提供するためのヒータ、チラー、ポンプ、及びファンを含む。エネルギーの節約に従えば、在室されていない建物又は建物の部屋を約68〜70°F又は20〜25℃に維持することが、暖房及び冷房のために最も効率の良いエネルギー使用であると認識及び理解されている。また、空気を冷却するよりも、空気を加熱することがエネルギー効率が良いと認識及び理解されている。
【0022】
[0022] これらの省エネルギーパラメータの認識において、省エネルギーの実装形態の利点は、AHのACの冷却サイクルを55°F前後で実行し、冷却された空気を新規のハイブリッドVAVへ輸送することを含む。新規のハイブリッドVAVは、暖められた空気を、単一のダクトによって便益を受ける複数のゾーンの各ゾーンに提供するために、VAVの各出口に1つの加熱要素又はコイルを差し引いた加熱要素を提供し、ここでVAVの出口は3つ以上ある。単一のダクトによって便益を受ける複数のゾーンにおける各ゾーンの粒度の細かい温度制御は、好ましくは、電気動作式ASCDによって、各々の個々の空間のための、或いは集合的に、及び個々に、各部屋又はゾーンのための特定のサーモスタット設定と一致するよう、冷気に加えられる熱量を増大させるべく、新規のハイブリッドVAVからの空気流及び/又は空気流の温度を増大又は減少させるように制御される。
【0023】
[0023] 冬季又は寒い天候において、AHは約70°F又は21℃における暖気を供給する。次に、新規のハイブリッドVAVは、この空気を、この加熱された空気を単一のダクト分配システムに分配する前に、約95°F又は35℃に加熱することもできる。その後、ゾーンのテナント又は在室者によって、床又は壁のいずれかのレジスタであってもよいが、通常は商用建物内のドロップダウンダンパである、ASCD内のダンパの位置を変更することによって流量を増大又は減少させることによってそのゾーンのために提供された実際のサーモスタット又は仮想サーモスタットを変更することによって、各単一のゾーンの温度が変更される。代替的な適用におけるASCDは、新規のハイブリッドVAVに接続された特定の部屋又はゾーン内の追加の暖房、冷房、及び換気制御を提供するための任意選択的なヒータ又はヒータハウジングを含むことができる。
【0024】
[0024] 自動空間制御ダンパASCDが、一方が加熱要素を有する少なくとも2つの出口を有する新規のハイブリッドVAVボックスと一緒になる結果、温度制御はASCDによって制御されるようになり、従来技術のVAVボックスの場合のように従来のVAVボックスダンパによって制御されなくなる。その代わりに、温度は、建物の特定の部屋又はゾーン内の有線又は無線サーモスタットを用いてASCDによって制御される。新規のハイブリッドVAVボックスにおけるこの変更は、新規のハイブリッドVAVボックスを、いくらかは定風量ボックスのように、及びいくらかは変風量ボックスのように動作させ、それゆえ、それはハイブリッドVAVと称される。使用されていないゾーンから使用されているゾーンへ暖房及び冷房を流用することができるため、ASCDからの温度の制御はシステム全体の動作における省エネルギーの利点をもたらす。
【0025】
[0025] 省エネルギーの利点の一実装形態は、電子在室センサ(EOS(electronic occupancy sensor))又は室内灯スイッチによって感知された実際の負荷に基づいて区域を暖房又は冷房するためのセンサリンク及び/又は通信インターフェースの両方をASCDに提供し、これにより、照明が点灯しており、部屋が在室されていることを示すときには、ASCDが所望の室温を維持するようにすることによって達成され得る。部屋が在室されていないときには、空間は、オフの設定、又はよりエネルギー効率の良い設定のどちらかに制御される。ASCD、ハイブリッドVAV、及びAHは、予想される将来の負荷要求に基づいて暖房及び冷房するためのデータベースと通信することもできる。実際の負荷要求は、実際の建物の使用及び在室を追跡するための、センサ、及びデータベースを用いたコンピュータ制御を採用した建物管理システム(building management system)BMSを採用することによって提供され得る。予想される将来の負荷要求は、正規の就業時間外の予期せぬ会議を準備するために通信デバイスに接続されたスマートデバイスアプリによって提供され得る。
【0026】
[0026] ASCD及び部屋のグループによる温度制御は、以前にはエアバランサの作業を必要とした、部屋のグループ全体のプログラムされた、又は自動的な再校正も提供する。従来技術のVAVの導入後、又はその動作中に、VAVダクトによって便益を受ける各部屋又はゾーンへの空気流量を等化するためのエアバランサの作業、これにより、スレーブ区域は、サーモスタットを有するマスタ区域に大なり小なり対応する。このバランシングは、(日内暖房及び冷房に応じた)1日の一時期、又は1年の一時期、冬若しくは夏については良好であり、他の時期にはアンバランスをもたらし得るであろう。コンピュータプログラミング及びデータベースと共にASCDと組み合わせた新規のハイブリッドVAVはエアバランサの必要性を無くす。加えて、コンピュータ及びデータベースは、天候、及び各ゾーン内のサーモスタット設定に基づいて定期的再バランシングを提供するようにプログラムすることができる。従来技術のエアバランサはオフィスごとに最小及び最大空気流量設定を設定する。好ましい実施形態に係る自動エアバランスシステムはこれを自動的に行う。
【0027】
[0027] これら及び他の利点は、建物内の複数の部屋の温度制御を向上させるための複数の加熱コイルを有するハイブリッド変風量末端システムを用いて達成される。ハイブリッド変風量末端システムは、建物のためのハイブリッド変風量ボックスと、ハイブリッド変風量ボックスに結合された複数のダクトと、を備え、複数のダクトの各ダクトは、それに動作可能に接続された加熱コイルを含み、各ダクトは任意の数の複数の部屋に動作可能に接続されている。
【0028】
[0028] 新規のハイブリッド変風量システムは、形状が長方形でないボックスを有することができる。実際に、天井と、天井と建物の次のフロアとの間のユーティリティ区域との間の根太又は支持構造梁に適合する任意のVAVボックス形状を採用することができる。その結果、空間に応じて、円形、多角形、又は他の形状のハイブリッドVAVボックスが採用され得る。ハイブリッドVAVボックスへの出口の数は、要求に適するよう変更されてもよく、ハイブリッドVAVボックスの少なくとも1つの出口は、空気を内部区域に提供するか、又は非加熱入口を複数の加熱出口と共に有する別の末端VAVボックスへの入口を提供するために、加熱要素を有しなくてもよい。ハイブリッドVAVボックスのサイズは変更することができる。しかし、より大きいサイズのハイブリッドVAVボックスが好ましく、約16インチ又は40センチメートルのサイズが好ましい。
【0029】
[0029] 特定の実施形態では、有線又は無線サーモスタットを部屋ごとに用いることができ、システムの動作を遠隔制御するために、仮想サーモスタットを新規のハイブリッド変風量末端システムに動作可能に接続することができる。特定の実施形態では、変風量末端システムは、建物内の複数の部屋内への空気流の量を制御及び/又は変更するための自動エアバランスシステム及び需要応答制御システムを備える。
【0030】
[0030] さらなる実施形態及び適用物が当業者によって理解されることになり、さらなる態様及び利点は、限定ではなく、例示であると考えられる。このようなさらなる実施形態は単なる例示にすぎず、請求項を、添付の図面及び特定の実施形態の詳細な説明において示されるとおりの任意の一実施形態又は適用物に限定するものとして意図されていない。
【0031】
図面の簡単な説明
[0031] 以下において、添付の図面を参照して本発明のいくつかの実施形態の詳細な説明が行われる。図面は本発明の1つ以上の実施形態を開示する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】ドロップダウンダンパへの単一のダクティングを有する従来技術のVAVの斜視図である。
図1A】部分的に切り取られ、分解された従来技術のVAVボックスの斜視図である。
図2】従来技術のVAVボックスを用いた典型的な暖房配置図の従来技術の斜視図である。
図2A】従来技術の暖房配置図の部分の斜視図である。
図3図6の新規のハイブリッドVAV及びシステムの利点をもたらすために必要とされる従来技術のVAVボックスの数及びレイアウトを示す、斜視図による従来技術の比較の暖房配置図である。
図4A】1つの入口、及びヒータコイルを有する2つの出口を有する、新規のハイブリッドVAVの部分的に切り取られた斜視図である。
図4B】1つの入口及び3つの出口を有する新規のハイブリッドVAVの、上部が取り去られた斜視図である。
図4C】1つの入口及び4つの出口を有する新規のハイブリッドVAVの、上部が取り去られた斜視図である。
図4D】1つの入口及び5つの出口を有する新規の多角形ハイブリッドVAVの、上部が取り去られた斜視図である。
図4E】1つの入口及び6つの出口を有する新規の円形ハイブリッドVAVの、上部が取り去られた斜視図である。
図5】別個のサーモスタットTを各々有する複数の部屋への個々の温度制御を提供するための新規のハイブリッドVAVの適用の概略図である。
図6】新規のハイブリッドVAVを用いた低減された数のVAVボックスを示す、従来技術の図3との比較のための斜視図による暖房配置図である。
図6A】新規のハイブリッドVAVを用いた暖房配置図の部分の部分斜視図である。
図6B】任意選択的なプラグ接続式加熱カートリッジを有する自動空間制御ダンパ(ASCD)を示すさらなる実施形態の概略図である。
図7】例示的実施形態における複数の自動空間制御ダンパASCDに接続された新規のハイブリッドVAVの概略図である。
図8】さらなる実施形態を示す図7のようなハイブリッドVAVの概略図である。
図9】典型的なVAVと新規のハイブリッドVAVとのコスト比較を比較する比較グラフである。
図10】快適指数を、新規のハイブリッドVAVを有するASCDにおける温度、換気、及びダンパ位置と共に示す斜視図である。
図11】実施形態を採用した建物管理システムにおける様々なモードの概略図である。
図12】新規のBMSの実施形態を有するオフィスの斜視図である。
図13】新規のハイブリッドVAVの一実施形態の概略図である。
図14】新規のハイブリッドVAVのさらなる実施形態の概略図である。
図15】20個のダクト、2つのハイブリッドVAVの再加熱コイルのための概略的な制御レイアウトである。
図16図15のための概略配線図である。
図17】6つの出口ダクト、6つの再加熱コイルの新規のハイブリッドVAVの制御のための回路図である。
図18】ASCDコントローラ及び新規のハイブリッドVAVのための制御図である。
図19】ASCDコントローラのためのブロック図である。
図20】ASCD及び新規のハイブリッドVAVのための一実施形態のための論理フローチャートである。
図21】共有サーモスタットのための論理フローチャートである。
図22】快適指数のための論理フローチャートである。
図23】異常検出のための論理フローチャートである。
図24】BMSアプリケーションに係るセットバックレポートのスマートフォングラフィックユーザインターフェース(GUI(graphic user interface))アプリディスプレイである。
図25】年間セットバックレポートのスマートフォンGUIアプリディスプレイである。
図26】BMSアプリケーションに係る快適制御アプリのスマートフォンGUIアプリディスプレイである。
図27】BMSアプリケーションに係る警告メッセージを提供するスマートフォンGUIアプリディスプレイである。
図28】各種の仮想サーモスタットを提供するスマートフォンGUIアプリディスプレイである。
図29】BMSアプリケーションに係るスマートフォンGUIアプリディスプレイである。
図30】スマートフォンGUIアプリディスプレイである。
図31】建物管理システムの論理図及びフローチャートである。
図32】建物管理システムの論理図及びフローチャートである。
図33】建物管理システムの論理図及びフローチャートである。
図34】建物管理システムの論理図及びフローチャートである。
図35】建物管理システムの論理図及びフローチャートである。
図36】建物管理システムの論理図及びフローチャートである。
図37】建物管理システムの論理図及びフローチャートである。
図38】建物管理システムの論理図及びフローチャートである。
図39】建物管理システムの論理図及びフローチャートである。
図40】建物管理システムの論理図及びフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
特定の実施形態の詳細な説明
[0071] 以下の詳細な説明は最良の態様及び添付の図面を含む。図面において、同様の参照符号は類似の要素を指示し、図面は、本発明を実施するためのGUIインターフェースの特定の実施形態及び部分を示す。実施形態は、クレームされているとおりの本発明の範囲から逸脱することなく変更され得る、本発明を実施するための、任意選択的な、及び好ましい実施形態を含む。例えば、本発明の実施においては、本発明から逸脱することなく、論理的変更、機械的変更、電気的変更、機能的変更、及びシステム変更を行うことができる。本発明の範囲は添付の請求項において定義されるため、最良の態様を含む以下の詳細な説明は限定的な意味で解釈されるべきでない。
【0034】
[0072] 本発明の特定の実施形態では、新規のハイブリッド変風量末端システムは、以下の構成要素のうちの1つ以上を、単独で、又は組み合わせで備える:(1)サブプレナムを有する、又は有しないハイブリッドVAVボックス、(2)2重加熱コイル、(3)第1の空気分配ダクト又は複数の分配ダクト、(4)第2の空気分配ダクト、(5)第1のダクトのための部屋制御ダンパ、並びに(6)第2のダクトのための部屋制御ダンパ及び好ましくは、自動空間制御ダンパ(ASCD)。
【0035】
[0073] 次に図4Aを参照すると、入口ダクト12及び2つの出口ダクト14及び16を有する新規のハイブリッドVAV10が示されている。空気速度流量センサ18が任意選択的なダンパ20と共に入口に設けられている。新規のハイブリッドVAV10は、ハイブリッドVAVボックス10を出ていく空気の温度を制御するために調整されない任意選択的なダンパ20を有するという点で、従来技術VAVボックス11(図1A)とは異なる。ハイブリッドVAVボックスを出ていく調節空気の温度は、ダンパ20ではなく、その代わりに、自動空間制御ダンパASCD40及び加熱コイル22によって決定される。加熱コイル22A及び22Bは、水加熱コイル又は電気加熱コイルのどちらかであることができ、水が好ましい実装形態である。加熱コイルアクチュエータ24、26が新規のVAV10の出口14及び16の各々のために設けられている。
【0036】
[0074] ハイブリッドVAV10は、空気流量を等化し、騒音を低減するための、複数の出口と、入口12と反対側の末端壁36との間に配設されたサブプレナム30を含む。サブプレナムのサイズは新規のハイブリッドVAVの内部空間のおよそ10%〜20%である。ハイブリッドVAV10は少なくとも2つ以上の出口14及び16を有するが、出口の総数よりも1つ少ない加熱要素22A又は22Bを有し得る。新規のハイブリッドVAVが、加熱要素22A及び22Bを各々有する出口を含む場合には、単一のダクト32及び34がハイブリッドVAV10をオフィスの別個のグループに接続し、各オフィスは、図5に示されるように、ダクト32内の温度を各々制御するその独自のASCD又は自動空間制御ダンパ40A、40B、40C及び40Dを有し、ASCDダンパ40E、40F、40G及び40Hはダクト34内の温度を制御する。
【0037】
[0075] 次に図5及び図6Aを参照すると、ASCD40A、40B、40C、40D、40E、40F、40G及び40Hによって支配される各オフィスは、有線サーモスタット、又は携帯電話50などのスマートデバイスを通じてアクセスされ得る無線サーモスタットを用いてそれらの個々のオフィス内のASCD内のダンパを開放及び閉鎖することによってそれらのオフィス内の温度を個々に設定するためのそれらの別個のサーモスタットを各々有することができる。
【0038】
[0076] 次に、従来技術の図1A及び図2A図5及び図6Aと比較すると、従来技術とは異なり、各々の個々のオフィスの温度は、ダンパ19ではなく、その代わりに、各々の個々のオフィス52、54、56、58、60及び62内の各ASCD40A、40B、40C、40D、40E、40F及び40G内のダンパによって制御されることが明らかになるであろう。制御のこの変更は、VAV変風量デバイスを、いくらかは定風量デバイスのように、及びいくらかは変量デバイスのように動作する新規のハイブリッドVAVに転換する。さらに注目すべきは、部屋52を、独自のサーモスタット及び温度制御を各々有する2つの部屋に後から改装又は細分することができることである。さらに注目すべきは、オフィス間のマスタスレーブ構成が解消されたことである。
【0039】
[0077] 新規のハイブリッドVAVボックスは、図4B図4C図4D及び図4Eに示されるように、多数の異なる様態で構成することができる。ハイブリッドVAV10は、図4B及び図4Cに示されるとおりの長方形、又は図4Dに示されるとおりの多角形、又はさらに、図4Eに示されるとおりの丸形であることができる。ハイブリッドVAVは、好ましくは、単一の入口を、2つ〜6つ又はより多くの出口と共に有し、各出口が加熱コイル22を有するか、又は1つ以上の出口は加熱コイルを有せず、加熱されていない空気を建物の他の部分へ、又は別のハイブリッドVAVボックスへ移送する。
【0040】
[0078] 一実施形態では、単一のハイブリッドVAVボックス(10)が2つ以上のダクト(14、16)に給気する。各ダクトは、それに動作可能に接続された加熱コイル(22)を有することができる。次に、調節空気がASCD制御ダンパ(40)によって、個々の温度制御された部屋へ送られる。このアセンブリを建物全体にわたって必要なだけ導入することができる。ハイブリッドVAVボックス空気流量は、ダクト静圧センサP(図5)からのフィードバックを用いて静的ダクト圧力目標値図5を維持するよう制御される。総空気流量が最大CFM目標値を超えた場合には、このとき、制御は、ハイブリッドVAVボックス内の速度圧センサ18を用いて最大CFM流量設定を維持するように切り替えられる。ダクト(32、34)ごとに、支配される部屋52、54、56、58、60及び62(図6A)のうちの半分超が暖房を必要とする場合には、加熱コイルが開放する。半分超の部屋が暖房を必要とする場合には、このとき、ASCDの部屋ダンパ制御アクションは逆転され(暖房開放)、さもなければ、部屋制御アクション(冷房開放)である。各部屋制御ダンパASCDは、各温度センサに基づいて個々の空間温度を維持するよう開放及び閉鎖する。
【0041】
[0079] 次に従来技術の図2を参照すると、暖房及び冷房のための典型的なフロアオフィスレイアウトが示されている。VAVボックスは高価であり、その結果、各VAVボックス11は複数のオフィス27、29、31、33及び47を支配し、内部暖房を有せず、限定的な換気を有する区域51及び53などの多くの内部区域を生じさせる。これらの内部空間51及び53は、概して、無駄なオフィス空間又は保管区域になる。
【0042】
[0080] 次に図6及び従来技術の図3を参照すると、換気、快適制御、及びコストの問題は新規のハイブリッドVAVボックス10及びASCD40によって解決された。図6では、85個のASCD40と結合された11個のハイブリッドVAVボックス10のみで85個の制御された区域を提供する。6つの新規のハイブリッドVAV’のみが、全ての外部オフィスを暖房するために必要とされ、5つの新規のハイブリッドVAV’のみが、暖房及び換気を全ての内部空間に提供するために必要とされる。比較の従来技術の図3は、同じ暖房及び換気を提供するために、32個の従来技術のVAVボックスが必要とされ、17個の従来技術のVAVボックスが、外部オフィスを暖房するために必要とされ、15個のVAVボックスが、内部オフィスのために必要とされることを示す。従来技術の図3図6との比較、新規のハイブリッドVAVボックスは、ボックスの数を2/3だけ低減し、マスタスレーブシステムの解消による、より粒度の細かい暖房制御、及び従来のシステムよりも18%低いコストをもたらす。利点は図9においてさらに細分化されており、グラフを用いてプロジェクトコストの比較で提示されている。図9におけるコスト比較における項目のうちの1つは、新規のハイブリッドVAV10及び自動空間制御ダンパASCDの組み合わせによって提供されるエアバランスを利用することによるエアバランスのための手作業労働コストのコストである。
【0043】
[0081] 特定の実施形態及び好ましい適用では、ハイブリッド変風量末端システムは、ASCDによる建物内の複数の部屋内への空気流の量を制御及び/又は変更するための自動エアバランスシステム及び需要応答制御システムを備える。従来技術では、一度、システムが導入されると、技術者が現れてシステムを再バランスさせるまでエアバランスは同じままである。その結果、季節変化によって、及び日変化によってさえも、静的なエアバランスシステム、特に、従来技術のマスタスレーブエアバランスシステムは不快に感じられるようになり得る。新規のVAV10及びASCD40によって提供される動的エアバランスシステム。
【0044】
[0082] 次に図8を参照すると、新規のハイブリッドVAV及びASCDによってもたらされる動的エアバランスは、ASCDダンパ40Aのうちの1つを順次に開放し、他のもの40B〜40Hを閉鎖し、次に、新規のハイブリッドVAVをフローフード(flow hood)として用い、最小及び最大、並びにまた、ログ流量対ダンパ位置のためのダンパ設定のシーケンスログを準備することによって達成される。センサ24又は26図4Aは、ASCD40A〜40Hごとの流量のログを取るために用いられる。ダンパ40Aが完了すると、ダンパ40Aは閉鎖され、ダンパ40Bが開放され、全てのASCD40のダンパが完了され、ログを取られるまで、ダンパは互いに対するバランス位置又はデフォルト位置に設定される。本実施形態の利点は、ASCDコントローラ100がデータベース102(図19)を含むときに、定期的再バランシングのためにもたらされるのみでない。
【0045】
[0083] 動的エアバランシングの実施形態では、ハイブリッド変風量末端システムは、個々の部屋を隔離するその能力に基づく自動エアバランスシステムを含む。特定の実施形態では、自動エアバランスシステムは以下のもののうちの1つ以上を含む:(1)最小CFMドロップダンパ位置(測定された空気流量に基づく)、(2)最大CFMドロップダンパ位置(測定された空気流量に基づく)、(3)最大騒音CFMドロップダンパ位置(設定又はディフューザ設計に基づく)、(4)ドロップダンパ位置/CFM算出(バランス中に作成される)、(5)ハイブリッドVAVボックス静圧目標値校正(バランス中に作成される)、(6)高精度フローフードに対する自動ハイブリッドVAV2点CFM校正、並びに(7)自動バランスレポート。
【0046】
[0084] 新規のハイブリッド及びASCDの複合は、動的バランシングを提供するだけでなく、定期的再バランシングのためのデータベース102図19、及び図10に示されるとおりのASCDダンパ40A〜40Fによって支配される区域ゾーン若しくは部屋ごとの快適指数も提供する。各区域1〜6は、全ての区域が在室されている状態で、区域1〜3内では100%、区域4内では99.7前後、及び/区域5内では99.2%、及び区域6内では99.4%の快適指数をもたらすよう、15%〜55%に設定される各ASCDダンパを通る空気流量を変更することによって、所望の温度設定を提供される。
【0047】
[0085] 次に図7を参照すると、各ASCDダンパ40A〜40Gは、区域の部屋若しくはゾーン内の物理的サーモスタットTによって、及びIoTに接続されたスマートタブレット若しくは携帯電話などの通信デバイスによっても、遠隔で設定され得る。特定の実施形態では、ASCDによって提供される快適性は、図6Bに示されるとおりの別個の可搬式プラグ接続式ヒータカートリッジ62の追加によって増大させられ得る。
【0048】
[0086] 実施形態の利点は、図11及び図12に示されるとおりの、並びに図31図40において説明されるとおりの省エネルギー建物管理システムBMSを用いてさらに高められる。省エネルギーの実施形態では、在室センサが照明スイッチ又は入退室カードシステムに提供又は接続され得る。図11に示されるように、省エネルギーの実施形態は、オフィスを、特定の区域のために最も効率の良い温度、例えば、68〜70°F又は20〜25℃に維持し、次に、図11に示されるように、テナントの入室を記録すると、個々のオフィスのためのサービスを活動化することによって、達成され得る。加えて、動きが存在しない場合にサービスを中止するか、又は動きが検出されたときにサービスを活動化するための動きセンサが採用され得る。同様に、オフィスを退室すると、図11に示されるように、あらゆるものをオフにすることができる。システムは、図12に示されるように週末に会議又は仕事を準備するために、遠隔でスマートデバイスによって遠隔で活動化され得る。
【0049】
[0087] さらなる省エネルギーの実施形態では、需要応答制御システムが、システムの以下の段階を可能にするために追加され得る:(1)第1の段階:在室されておらず、温度セットバックを用いて制御されている部屋内の全ての空気をオフにする、(2)第2の段階:重要でない共同区域(すなわち調理室、休憩室、保管区域等)内の室温目標値を上げる、及び(3)第3の段階:在室されているオフィス内の室温目標値を上げる。
【0050】
[0088] 特定の実施形態では、変風量末端システムは、特定の実施形態において説明されたVAVボックスを用いて、又は用いずに動作するように構成された仮想オフィスサーモスタットを備える。仮想オフィスサーモスタットは、スマートフォン、タブレット、又はデスクトップコンピュータを使用する建物のオフィス在室者又は建物の職員が、自分自身の個々のオフィス空間を見て制御することを可能にするウェブサービスを提供する。仮想サーモスタットは、ウェブ又はシッククライアントアプリケーションを介して建物BMSシステム内に接続される/インターフェースをとられる。
【0051】
[0089] 特定の実施形態では、オフィス在室者、建物職員、又は他のユーザは仮想オフィスサーモスタットを用いて以下のもののうちの任意のものにアクセスし、及び/又はそれを制御することができる:(1)室温目標値(単一及び2重目標値を含む)、(2)照明レベル目標値、(3)到着及び出発時間、(4)時間外サービスの要求(HVAC及び/又は照明)、(5)温度目標値限度の調整(建物のスタッフのみ)、(6)セットアップの調整(建物のスタッフのみ)最小空気流設定、最大空気流量設定、Kファクタ設定、ボックス/ダンパサイズ設定を含む)、(7)サーモスタット限度を一時的に無効にする、エアバランスモードの起動(建物のスタッフのみ)、(8)このウェブサービスを通じた、ユーティリティ会社がいつ需要応答を起動するのかの表示及びテナントへの通知。システムは、エネルギー消費を低減するためにその個人目標値を上げる、並びに(9)ユーザの氏名、さらに電子メールアドレス及び/又は携帯電話番号のみを必要とする、100%オンボード。
【0052】
[0090] 特定の実施形態では、省エネルギーは、以下の特徴を有するハイブリッド変風量末端システムの使用を通じて実現される:(1)個々のオフィスの日射温度のリセット、(2)個々のオフィスの非在室温度のセットバック(de-occupy temperature setback)、(3)個々のオフィスの時間外制御、(4)例えば、ユーティリティ会社が電力低減を告知した際の複数の需要応答レベル、(5)全ての区域の過冷房及び過暖房の防止、(6)各区域を退かせることによって、それはファン及び暖房/冷房エネルギーを劇的に低減する、並びに(7)全ての内部ゾーンの暖房能力のゆえに、より高速な昇温時間が達成可能である。
【0053】
[0091] 特定の実施形態では、ハイブリッド変風量末端システムは、以下の特徴を有する向上した在室者エクスペリエンスをもたらす:(1)各部屋及び共同区域が仮想サーモスタットを通じた個々の温度制御を有する、(2)好みの調整(仮想サーモスタット及び照明制御)のための容易な直感的ソフトウェアアプリケーション、及び(3)遠隔の個々の制御可能性(到着前に設定することができる)。特定の実施形態では、変風量末端システムは、以下の特徴を有する向上した建物職員エクスペリエンスをもたらす:(1)粒度の細かい制御が、優れた遠隔トラブルシューティング能力を提供する、(2)3D制御グラフィックが直感的で使いやすい、並びに(3)快適制御ソフトウェアアプリケーションが完全な制御及びセットアップ機能性を提供する。
【0054】
[0092] 特定の実施形態では、変風量末端システムは、以下の特徴を有する向上したシステム機能性をもたらす:(1)図11及び図12に示されるように、インテリジェントな制御された降温/昇温が過去の在室に基づく、(2)優先度ベースのフロア回復モード(重要な区域を最初に冷房する)、(3)需要応答制御の向上(セットバック区域を切り離す)、並びに(4)アクセスエキスパートに統合可能(入室及び退室に基づくオフィスの制御が可能にされる)。
【0055】
[0093] 変風量末端システムは、1つの新規のハイブリッドVAVゾーニングボックスが複数の従来技術のVAVボックスの作業を実行することを可能にすることを理解されたい。これは、自動エアバランス、下流の制御された部屋ダンパ、仮想サーモスタット、及び向上したシーケンスと組み合わせて、全体コストを低減し、温度制御の全体的有効性を増大させる。
【0056】
[0094] 変風量末端システムは以下の利点を含む:(1)商用建物のためのより優れた制御を提供しつつ、空気分配システムのコストを低減する、(2)システムが、建物の機械システムと対話するための直感的なインターフェース(サーモスタットのように見える)をテナントに提供する、(3)システムが、建物をセットアップし、制御するための便利なツールを建物の職員に提供する、及び(4)システムの設計のおかげで優れた省エネルギーを達成することができる。
【0057】
[0095] 変風量末端システムの、下流の部屋制御ダンパを伴う2重又は多重ダクト加熱コイルの設計の使用により、2倍のエリアカバレッジ及び優れた制御が可能になることを理解されたい。およそ33個のVAVボックスの導入を必要とする30,000平方フィートの商用建物では、量末端システムを、およそ11個のVAVボックスを用いて同じ建物内に導入することができる。それゆえ、変風量末端システムの使用を通じてコストの利点が実現され得る。
【0058】
[0096] 次に図13及び図14を参照すると、図4Cに示されるとおりの4つのダクトを有する新規のハイブリッドVAV10が概略的に示されている。各ダクトは加熱コイル22A、22B、22C及び22Dを有する。本実施形態では、加熱コイルはハイブリッドVAVボックスの外側に装着されている。図13図14との主たる相違は、図13に示される実施形態は電気加熱式加熱コイル22A〜22Dを有し、その一方で、図14における実施形態は温水加熱式加熱コイル22A〜22Dを有することである。
【0059】
[0097] 図15に、2つの空気ダンパ及び2つの空間センサを伴う2つの再加熱コイルを有するハイブリッドVAVを制御するための制御回路が示されている。図16は、図15と同様に、4ダクト4再加熱弁水加熱式コイルを有するハイブリッドVAVを示す。図17は、6つのダクト及び6つの加熱コイルを有するハイブリッドVAVのための配線図を示す。
【0060】
[0098] 次に図18を参照すると、複合の室温センサ及び照明制御に接続する在室又は日照センサを有するハイブリッドVAVのための概略的なルームコントローラが示されている。
【0061】
[0099] 図20は、新規のハイブリッドVAVを採用した建物の部屋又はゾーンの各々における個々のサーモスタットを制御するためのプロセスのフローチャートである。図21は、インターネットを通じて、又はアプリを通じてアクセスされ得る共有サーモスタットを利用するためのプロセスのフローチャートである。図22は、スマートフォン上に表示され得る快適制御を提供するためのプロセスのフローチャートである。
【0062】
[0100] 図23は、様々なゾーン内におけるデフォルト(defaults)の位置を特定し、電子メールレポートを提供するためのプロセスを提供する。図24図30は、セットバック、セットバックレポート、ゾーン警告及びレポート、並びに仮想サーモスタットの種類及びレポート、並びに利用可能なディスプレイを表示するための様々なGUIインターフェースを示す。
【0063】
[0101] 本明細書におけるいくつかの実施形態において説明される変風量末端システムの構成要素は、当技術分野において知られた任意の代替的な材料を含み、任意の色、サイズ及び/又は寸法のものであり得ることを理解されたい。本明細書において説明される変風量末端システムの構成要素は、当技術分野において知られた任意の技法を用いて製造され、組み立てられ得ることを理解されたい。
【0064】
[0102] 当業者は、本発明のシステムの機能的恩恵を享受するための数多くの設計構成が可能であり得ることを理解し得る。それゆえ、本発明の実施形態の多種多様の構成及び配置を所与として、本発明の範囲は、上述された実施形態によって狭められるのではなく、添付の請求項の広さによって反映される。
図1
図1A
図2
図2A
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5
図6
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
【国際調査報告】