特表2022-502170(P2022-502170A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2022-502170(P2022-502170A)
(43)【公表日】2022年1月11日
(54)【発明の名称】ヘアドライヤー
(51)【国際特許分類】
   A45D 20/10 20060101AFI20211217BHJP
【FI】
   A45D20/10 Z
   A45D20/10 104
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】34
(21)【出願番号】特願2021-517045(P2021-517045)
(86)(22)【出願日】2019年12月19日
(85)【翻訳文提出日】2021年3月25日
(86)【国際出願番号】CN2019126731
(87)【国際公開番号】WO2020186855
(87)【国際公開日】20200924
(31)【優先権主張番号】201910200054.5
(32)【優先日】2019年3月15日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】517384844
【氏名又は名称】キングクリーン エレクトリック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ニ ズゲン
【テーマコード(参考)】
3B040
【Fターム(参考)】
3B040CA01
3B040CA02
3B040CE00
(57)【要約】
本発明は、ヘアドライヤーを提供し、家庭電気用品の技術分野に関する。該ヘアドライヤーは、送風筒(100)及びハンドル(200)を含む。送風筒(100)内には、送風部材(13)と、送風部材(13)の外側に覆設される電気制御PCB(14)とが設置され、電気制御PCB(14)は、送風部材(13)に電気的に接続される。電気制御PCB(14)は、送風筒(100)の主風路以外に位置する。電気制御PCB(14)には、放熱構造が接続される。該ヘアドライヤーは、送風部材(13)と電気制御PCB(14)とが送風筒(100)内に配置され、電気制御PCB(14)を環状に形成して送風部材(13)の外側に覆設することで、送風部材(13)と電気制御PCB(14)とをコンパクトにすることができるので、送風部材(13)及び電気制御PCB(14)が占めるスペースが小さくなる。これによって、合理的なレイアウトで送風筒(100)のサイズが減少する。送風筒(100)のサイズは、従来技術のブロワーをハンドル(200)に収納するヘアドライヤーの送風筒(100)のサイズと同じ或いはより小さくなる。送風筒(100)のサイズが同じであるとしても、送風部材(13)をハンドル(200)に設置する態様と比べると、送風部材(13)が送風筒(100)に位置されることで、風路の長さが短くなり、それにより、ヘアドライヤーの効率が向上する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送風筒(100)とハンドル(200)とを含み、
前記送風筒(100)内に、送風部材(13)と、前記送風部材(13)の外側に覆設される電気制御PCB(14)を設置し、前記電気制御PCB(14)と前記送風部材(13)とが電気的に接続され、前記電気制御PCB(14)は、前記送風筒(100)の主風路以外の位置に設置され、前記電気制御PCBに放熱構造が接続される、
ことを特徴とするヘアドライヤー。
【請求項2】
前記送風筒(100)の長さは120mm以下であり、前記送風筒(100)の直径は77mm以下である、
ことを特徴とする請求項1に記載のヘアドライヤー。
【請求項3】
前記ハンドル(200)の長さは170mm以下であり、前記ハンドル(200)の直径は40mm以下である、
ことを特徴とする請求項1に記載のヘアドライヤー。
【請求項4】
前記ヘアドライヤーは、さらに、前記送風部材(13)の下流に設置される加熱室(12)を含み、前記送風部材(13)内に送風室が設けられ、前記加熱室(12)と前記送風室により前記主風路が形成される、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のヘアドライヤー。
【請求項5】
前記放熱構造は、導風カバー(15)を含み、前記導風カバー(15)は、前記送風部材(13)と前記加熱室(12)とに接続され、前記導風カバー(15)に気流ガイド構造が設置され、前記気流ガイド構造は、前記送風部材(13)を通過する気流の一部を前記電子制御PCB(14)にガイドするように構成される、
ことを特徴とする請求項4に記載のヘアドライヤー。
【請求項6】
前記送風筒(100)内には取付スリーブ(18)が設けられ、前記電子制御PCB(14)は前記取付スリーブ(18)の外側に覆設され、前記送風部材(13)は前記取付スリーブ(18)内に設けられるブロワーを含み、前記ブロワー内に前記送風室が形成される、
ことを特徴とする請求項4に記載のヘアドライヤー。
【請求項7】
前記放熱構造は、放熱部材を含み、前記放熱部材は、前記電気制御PCB(14)の加熱素子と接触され、前記放熱部材は少なくとも一部が主風路に位置される、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のヘアドライヤー。
【請求項8】
前記放熱部材は、第1の放熱シート(134)を含み、前記第1の放熱シート(134)の一端が前記電子制御PCB(14)の加熱素子と接触され、その他の一端が前記送風筒(100)の給気口(101)に位置される、
ことを特徴とする請求項7に記載のヘアドライヤー。
【請求項9】
前記放熱部材は、第2の放熱シート(135)を含み、前記第2の放熱シート(135)の一端が前記電気制御PCB(14)の加熱素子と接触され、その他の一端が前記送風部材(13)の下流の前記主風路に入り込んでいる、
ことを特徴とする請求項7に記載のヘアドライヤー。
【請求項10】
前記加熱素子と前記放熱部材との間には、熱伝導シリコーングリースが設置される、
ことを特徴とする請求項7に記載のヘアドライヤー。
【請求項11】
前記ハンドル(200)内には、マイナスイオン発生器(23)が設置され、前記マイナスイオン発生器(23)の放電端(231)が前記送風筒(100)に入り込んでいる、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のヘアドライヤー。
【請求項12】
前記送風筒(100)に内筒(122)が設けられ、前記送風筒(100)の排気口(102)側にイオン出口(1211)が設けられ、前記放電端(231)は前記内筒(122)に位置され且つ前記イオン出口(1211)に向かうように設置される、
ことを特徴とする請求項11に記載のヘアドライヤー。
【請求項13】
前記ハンドル(200)内には2次風路が設けられ、前記2次風路は前記主風路と連通される、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のヘアドライヤー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家庭電気用品の技術分野に関し、特にヘアドライヤーに関する。
【背景技術】
【0002】
ヘアドライヤーは日常生活でよく使用されている家庭電気用品である。ヘアドライヤーは、モータにより羽根片を回転させるように駆動する。羽根片が回転すると、空気が給気口から送風筒内に吸い込まれ、送風筒内の加熱部材に通過され、遠心気流が形成される。当該遠心気流が送風筒の前部の排気口から吹き出されるによって、ヘアドライヤーで乾燥と型形成という目的を図る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来技術では、ヘアドライヤー内の機能部材(例えばブロワーや制御基板等)は、通常、送風筒内に配置され、放熱効果を確保するために気流が送風筒内の機能部材に通過させる。しかし、この構成で送風筒が大型化になる。ブラシレスモータの電子制御PCBが風路に配置されることにより、騒音が増加したり、給気の乱流が発生される可能性がある。
【0004】
上記問題を解決ために、従来技術では、羽根片を駆動するブラシレスモータや電子制御PCBをハンドルに収納することによって、送風筒を小型化するヘアドライヤーが提案される。ブラシレスモータ自体がある程度のサイズを有し、ブラシレスモータと配合する電子制御PCBの体積も大きいとともに、ヘアドライヤーの使用時のハンドルの振動を低減するために、ブラシレスモータに減震ケースが覆設されるから、ハンドルの長さ及び直径が大きくなり、使用者の把持感がよくない。
【0005】
また、ブラシレスモータや電子制御PCBが作業時に発熱量が大きく、ハンドルの過熱を避けるために、このようなヘアドライヤーはハンドルの末端から風を送り、気流がハンドルを通して送風筒内に入るので、風路が長くなり、風量が少なくなり、ヘアドライヤーの効率が著しく損なわれる。
【0006】
したがって、上記の問題を解決することができるコンパクトで小型なヘアドライヤーが求められる。
【0007】
本発明は、コンパクトで小型なヘアドライヤーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、以下の技術案を採用する。
【0009】
ヘアドライヤーであって、送風筒とハンドルとを含み、前記送風筒内に、送風部材と、前記送風部材の外側に覆設される電気制御PCBを設置し、前記電気制御PCBと前記送風部材とが電気的に接続され、前記電気制御PCBは、前記送風筒の主風路以外の位置に設置され、前記電気制御PCBに放熱構造が接続される、ヘアドライヤーである。
【0010】
また、前記放電端は前記送風筒の中心軸線に設置される。
【0011】
また、前記放電端は前記送風筒の排気口に向いて延伸する。
【0012】
また、前記送風筒の長さは120mm以下であり、前記送風筒の直径は77mm以下である。
【0013】
また、前記ハンドルの長さは170mm以下であり、前記ハンドルの直径は40mm以下である。
【0014】
また、前記ヘアドライヤーは、さらに、前記送風部材の下流に設置される加熱室を含み、前記送風部材内に送風室が設けられ、前記加熱室と前記送風室により前記主風路が形成される。
【0015】
また、前記放熱構造は、導風カバーを含み、前記導風カバーは、前記送風部材と前記加熱室とに接続され、前記導風カバーに気流ガイド構造が設置され、前記気流ガイド構造は、前記送風部材を経過する気流の一部を前記電子制御PCBにガイドするように構成される。
【0016】
また、前記送風筒内には取付スリーブが設けられ、前記電子制御PCBは前記取付スリーブの外側に覆設され、前記送風部材は前記取付スリーブ内に設けられるブロワーを含み、前記ブロワー内に前記送風室が形成される。
【0017】
また、前記放熱構造は、放熱部材を含み、前記放熱部材は、前記電気制御PCBの加熱素子と接触され、前記放熱部材は少なくとも一部が主風路に位置される。
【0018】
また、前記放熱部材は、第1の放熱シートを含み、前記第1の放熱シートの一端が前記電子制御PCBの加熱素子と接触され、その他の一端が前記送風筒の給気口に位置される。
【0019】
また、前記放熱部材は、第2の放熱シートを含み、前記第2の放熱シートの一端が前記電気制御PCBの加熱素子と接触され、その他の一端が前記送風部材の下流の前記主風路に入り込まれる。
【0020】
また、前記加熱素子と前記放熱部材との間には、熱伝導シリコーングリースが設置される。
【0021】
また、前記ハンドル内には、マイナスイオン発生器が設置され、前記マイナスイオン発生器の放電端が前記送風筒に入り込まれる。
【0022】
また、前記送風筒に内筒が設けられ、前記送風筒の排気口側にイオン出口が設けられ、前記放電端は前記内筒に位置され且つ前記イオン出口に向かうように設置される。
【0023】
また、前記ハンドル内には2次風路が設けられ、前記2次風路は前記主風路と連通される。
【0024】
また、前記ハンドルに、主制御PCBが設けられ、前記加熱室に加熱部材が設置され、前記加熱室に温度検出部材が設置され、前記主制御PCBが前記温度検出部材と電気的に接続され、前記加熱部材が前記主制御PCBと電気的に接続され、前記主制御PCBは、前記温度検出部材で取得される温度値に基づいて前記加熱部材が間欠的にオンオフにするように制御する。
【0025】
また、前記ヘアドライヤーは、さらに、ノズルを含み、前記ノズルは前記送風筒に吸着されて固定される。
【0026】
また、前記送風筒の排気口の内側に磁石が設置され、前記ノズルに前記磁石と配合する吸着ブロックが設置される。
【0027】
また、前記ノズルは、
入口、出口及び前記入口と前記出口とを連通する風路が設置され、前記入口が前記送風筒の排気口に連通する導風部材と、
前記導風部材に接続され、且つ、前記導風部材に対して相対移動可能であり、前記導風部材に相対して移動するときに前記風路のある位置の断面サイズを調節することができる調節部材と、を含む。
【0028】
また、前記ノズルは、グリルを含み、前記グリルは、第1方向に沿って前記ノズルが受け取った空気の一部を排出するように作用され、前記グリルは、複数の櫛歯が延設され、少なくとも一部前記櫛歯はその円周方向に沿って複数の空気出口が開設され、前記空気出口は、前記第1方向に直交する第2方向に沿って前記空気の他の一部を排出する。
【0029】
また、前記送風筒の給気口には、着脱自在に保護カバーが取り付けられ、前記保護カバー内に、フィルター部材が着脱自在に設置される。
【0030】
本発明によれば、以下の有益な効果を実現する。即ち、本発明は、ヘアドライヤーを提供する。このヘアドライヤーでは、送風部材及び電子制御PCBが送風筒内に配置される。送風部材及び電子制御PCBが占めるスペースを小さくするために、電子制御PCBを環状に形成して送風部材の外側に覆設することで、電子制御PCBと送風部材とをコンパクトに組み立てることができ、送風部材及び電子制御PCBが占めるスペースを小さくし、合理的なレイアウトで送風筒のサイズを小型化する。よって、本発明の送風筒のサイズは、従来技術の送風部材をハンドルに設置するヘアドライヤーの送風筒のサイズと、同じ或いはさらに小さい。また、送風筒のサイズが同じであるとしても、送風部材をハンドル内に設置する態様と比べて、送風部材が送風筒内に位置することで、風路の長さを短くしてヘアドライヤーの効率を向上させることができる。電子制御PCBに放熱構造が接続されることにより、電子制御PCBの放熱効果を向上させることができる。これによって、電子制御PCBが主風路の外に位置されることによる放熱がよくないという問題を解決できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の実施例1に係るヘアドライヤーの構造模式図である。
図2】本発明の実施例1に係る送風筒の構造模式図である。
図3】本発明の実施例1に係るケースを取り除いた送風筒の構造模式図である。
図4】本発明の実施例1に係るケースを取り除いた送風筒の断面図である。
図5】本発明の実施例1に係る送風部材と電子制御PCBを示した分解図である。
図6】本発明の実施例1に係る送風部材と電子制御PCBを組み立てた構成の模式図である。
図7】本発明の実施例1に係る第1の放熱シートの構造模式図である。
図8】本発明の実施例1に係るケースを取り除いた送風筒の他の構造模式図である。
図9】本発明の実施例1に係るケースを取り除いた送風筒の他の断面図である。
図10】本発明の実施例1に係る加熱室の断面図である。
図11】本発明の実施例1に係る加熱室の分解図である。
図12】本発明の実施例1に係るハンドルの分解図である。
図13】本発明の実施例7に係るヘアドライヤーの断面図である。
図14】本発明の実施例7に係る保護カバーの構造模式図である。
図15】本発明の第8の実施例に係るヘアドライヤーの断面図である。
図16】本発明の実施例8に係る保護カバーの構造模式図である。
図17】本発明の実施例9に係るフィルター部材の断面図である。
図18図17のC部の部分拡大図である。
図19】本発明の実施例9に係るブラケットの構造模式図である。
図20】本発明の実施例11に係るノズルの一つの方位の構造模式図である。
図21】本発明の実施例11に係るノズルのもう一つの方位の構造模式図である。
図22】本発明の実施例11に係るノズルのさらに一つの方位の構造模式図である。
図23】本発明の実施例11に係る導風部材の一つの方位の構造模式図である。
図24】本発明の実施例11に係る導風部材のさらに一つの方位の構造模式図である。
図25】本発明の実施例11に係る調節部材の構造模式図である。
図26】本発明の実施例11に係る接続部材の構造模式図である。
図27】本発明の実施例11に係る調節部材が接続部から取り外された構造模式図である。
図28】本発明の実施例12に係るノズルの構造模式図である。
図29】本発明の実施例12に係るノズルの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明が解決しようとする課題、採用する技術案及び達する効果を一層明らかにするために、以下、図面を参照しつつ、実施形態に基づいて本発明の技術案を更に説明する。
【0033】
実施例1
図1に示すように、本実施例のヘアドライヤーは、送風筒100と、送風筒100に接続されたハンドル200と、ハンドル200に接続された電源ライン400とを含む。送風筒100内には主風路が形成され、主風路内には加熱部材123が設けられ、送風筒100には主風路と連通する給気口101と排気口102が設けられる。気流は送風筒100の後ろ側に設けられた給気口101から主風路内に流入し、加熱部材123で加熱されてから排気口102から排出することにより、乾燥や型形成という目的を実現する。
【0034】
図2に示すように、送風筒100は、左右両端が開口したケース11を含み、気流が流入及び流出するようになっている。ケース11の底部には取付口103が設けられており、この取付口103を介してハンドル200が送風筒100に接続される。
【0035】
図3及び図4に示すように、主風路の排気口102に近い位置には加熱室12が設けられており、加熱室12内には主風路内の気流を加熱する加熱部材123が設けられる。本実施例では、加熱室12を排気口102に近接して設け、加熱部材123で加熱された気体を直接、送風筒100の外部に排気することにより、主風路内での熱損失を低減し、排気の温度を満たした上でヘアドライヤーの消費エネルギーを低減することができる。
【0036】
ヘアドライヤーは、送風部材13をさらに含み、該送風部材13はヘアドライヤーの外部の空気が圧力で主風路内に入るように主風路内に負圧を形成する。図4に示すように、送風部材13は、ブロワーと、ブロワーに接続されてブロワーの作動停止などを制御するための電子制御PCB14とを含む。ブロワーは、ファンと、ファンを回転するように駆動するモータとを含むことができる。好ましくは、モータは、ブラシレスモータである。
【0037】
従来、送風筒100のサイズを小さくするために、送風部材13及び電子制御PCB14をハンドル内に設置する。ブラシレスモータ自体のサイズ及び配合する電子制御PCB14のサイズが大きいため、ハンドルの長さ及び直径が大きくなり、通常の使用及び外出先への携帯が不便であり、使用者の使用体験を損なう。
【0038】
上記問題を解決するために、本実施例では、図4に示すように、送風部材13を送風筒100内に設け、気流が風路内において順番に、送風部材13と加熱室12を通過する。好ましくは、加熱室12と送風部材13とが導風カバー15を介して連通していてもよい。本実施例では、送風部材13を送風筒100内に配置することで、ハンドルを小型化し、使用者の把持感を向上させ、使い勝手や携帯性を向上させることができる。
【0039】
ブラシレスモータに配合する電子制御PCB14が占めるスペースが大きいという問題を解決するために、本実施例において、電子制御PCB14は、環状構造であり、送風部材13の外側に覆設する。電子制御PCB14を環状に設置することで、電子制御PCB14の占有スペースを小さくすることができる。電子制御PCB14を送風部材13の外側に覆設することで、送風筒100内の構造をコンパクトにして送風筒100の小型化に寄与することができる。好ましくは、電子制御PCB14を二つの環状の制御基板に分割し、電子制御PCB14が送風筒100の径方向に占める面積を小さくし、二つの環状の制御基板同士を接続リブで接続することにより、送風筒100をさらにコンパクトにする。
【0040】
具体的には、図4及び図5に示すように、送風部材13は、ブロワーを含み、送風筒100内には、取付スリーブ18が設けられる。取付スリーブは筒状のブロワー接続部材181と、ブロワー接続部材181の給気口101に近い端部に接続されるエンドキャップ182とを含む。取付スリーブ18は両端が開口しており、ブロワーは取付スリーブ18内に位置し、ブロワーを保護する役割を果たす。環状の電気制御PCB14が取付スリーブ18上に覆設されることにより、ブロワーと電気制御PCB14とが直接、接触することを回避できる。エンドキャップ182は、取付スリーブ18の給気口101に近い端部に設けられ、エンドキャップ182には中心孔が設けられ、中心孔は送風筒100の給気口101と連通する。ブロワー内部は送風室を形成し、送風室は加熱室12と連通して主風路を形成する。
【0041】
本実施例において、電気制御PCB14は送風部材13の外側に覆設される。即ち、電気制御PCB14は主風路以外に位置し、気流が電気制御PCB14と接触しないので、電気制御PCB14が主風路内で騒音を増加することを回避し、気流を乱して乱流を発生させることを回避し、気流が主風路内で流通する円滑性を向上させることができる。
【0042】
電気制御PCB14は主風路以外に位置するので、電気制御PCB14が動作する時に大量の熱を発生させる。電気制御PCB14から発生した熱を放熱しやすくして送風筒100の発熱を避けるために、電気制御PCB14はさらに放熱構造に接続される。放熱構造は電気制御PCB14の熱をすばやく排出し、電気制御PCB14が主風路以外に設置された際の放熱問題を解決する。
【0043】
具体的には、放熱構造は、放熱部材を含む。放熱部材は一端が電子制御PCB14の加熱素子に接触し、その他の一端が主風路内に入り込む、加熱素子で発生した熱を放熱する。そのうち、放熱部材は、加熱素子と直接、接触していてもよく、他の構造を介して間接的に接触していてもよく、熱を伝導するものであればよい。
【0044】
放熱部材は、加熱素子に接触しており、加熱素子の熱を放熱部材に伝達する。放熱部材は少なくとも一部が主風路内に位置し、自然風などで放熱部材の温度よりも低い温度の気流によって放熱部材の熱が奪われ、加熱素子の放熱効果が得られる。すなわち、放熱部材は、加熱素子の補助放熱装置として、加熱素子の熱を適時に効率よく排出し、電子制御PCB14等の構造が正常に動作することを確保し、製品の使用寿命を延長し、従来のヘアドライヤーで電子制御PCB14が良好に放熱できない問題を解決する。
【0045】
具体的には、図5及び図6に示すように、取付スリーブ18には、第1の放熱シート191が設けられていてもよい。該第1の放熱シート191は一端が電子制御PCB14の加熱素子に接触し、その他の一端が送風筒100の給気口101内に位置する。加熱素子の熱は熱伝導により第1の放熱シート191に伝わり、第1の放熱シート191を介して吸風口101内の一端に伝わる。気流が給気口101に流入するにつれて第1の放熱シート191の熱が奪われる。本実施例では、熱を奪われた気流が送風室を経由して加熱室12内に流入するので、加熱素子の発する熱を利用して熱の無駄を避ける。好ましくは、本実施例の加熱素子は、電子制御PCB14のMOSトランジスタやサイリスタであってもよい。
【0046】
図7に示すように、第1の放熱シート191は、ベース1911と、ベース1911に設けられた複数枚のシート1912とを含み、シート1912は加熱素子から給気端に向かって延設される。シート1912は、来風方向に向かって傾斜して設けられるので、気流との熱交換面積を大きくするとともに、風の抵抗をできるだけ小さくして騒音を小さくする。すなわち、シート1912の延伸方向とヘアドライヤーの給気方向とが逆向きであることにより、より上流側でより低温の気流に接触することができる。
【0047】
シート1912は、給気端から離れた底部と、給気端に近い頂部と、風向け側の前側面と、風避け側の後側面とを含む。シート1912は、その底部によりベース1911上に設けられ、より安定した構造を有する。頂部は、必ず風路内に位置するが、他の構成は風路11内に位置するか否かは、実際の使用上で決定される。本実施例では、シート1912の頂部は、給気口101内に位置する。
【0048】
頂部と底部との間の距離は給気方向に沿って徐々に小さくなる。すなわち、頂部は給気方向に沿うように傾斜する斜面であり、放熱に影響を与えることなく風抵抗を低減して騒音を低減する。前側面は、凸でアーチ状を呈し、つまりタイル状に膨らみ、給気が前側面を通過する際に気流がより滑らかであるので、騒音が小さい。後側面と頂部との接続箇所は、円弧面であり、すなわち、後側面と頂部とは滑らかに接続することによって、後側面と頂部との接続箇所において、給気が妨げられることを回避する。
【0049】
ベース1911には、段差面1913が設けられており、段差面1913は加熱素子に張り付いており、熱伝導効率が向上している。また、段差面1913は、ベース1911と発熱部品との間で両者の位置を規制することもできる。
【0050】
ベース1911は、加熱素子から効率よく熱を伝えることができればよく、具体的な形状が特に限定されない。好ましくは、ベース1911は加熱素子の発熱箇所に位置合わせする扇形、又は加熱素子の全体に位置合わせする環状のシートに形成されている。環形の場合には、放熱面積が大きく、放熱効率が高い。扇形の場合には、小型、軽量でドライヤーの小型化、軽量化に有利である。好ましくは、ベース1911は、加熱素子の発熱箇所に直接、熱伝導に接続されているので、熱伝導効率がより高い。
【0051】
ベース1911は、加熱素子に貼り付けた部分が熱を伝導するだけではなく、加熱素子に貼り付けていない部分も加熱素子の周囲空間の熱を速やかに伝導することができるので、加熱素子の放熱を補助する役割を果たす。
【0052】
好ましくは、本実施例では、電子制御PCB14が二つの環状構造であり、電子制御PCB14上の電気素子を二つの環状構造の外側の2つの環状面に配置する。そのうち、給気口101に近い側の電気素子を上記第1の放熱シート191により放熱され、他の側は給気口101から離れるため、その接続された放熱部材が給気口101内に入り込むことが難しくなり、放熱効果が良くない。
【0053】
そこで、本実施例では、図8及び図9に示すように、放熱部材は、第2の放熱シート192を含む。該第2の放熱シート192は電子制御PCB14の給気口から遠い側に位置する。第2の放熱シート192は、一端が電子制御PCB14の加熱素子に接触し、その他の一端が加熱室12内に入り込む。加熱室12内に進入された気流によって熱を奪うことによって、放熱が実現する。具体的には、第2の放熱シート192は、導熱カバー15を貫通して加熱室12の上流側(即、導風カバー15内)に入り込んでもよい。この側の気流は比較的低温であるので、放熱効率を向上させ、第2の放熱シート192の熱が気流の加熱に利用されて熱利用効率を向上させる。
【0054】
第2の放熱シート192と導風カバー15との間に存在する隙間を小さくするために、第2の放熱シート192と導風カバー15との間にさらに風止めブロックが設けられる。風止めブロックは、加熱室12内の気体がケース11と主風路との間に進入することを回避する。
【0055】
上記構成で放熱部材と加熱素子との隙間に熱伝導材が充填され、放熱部材と加熱素子とが確実に熱伝導材に接続されることにより、空気が遮断された原因で加熱素子の熱が放熱部材に伝達されなくなることを回避できる。この熱伝導材は、熱伝導シリコーングリースであってもよいが、これに限定されず、効率的な熱伝達を保証できればよい。
【0056】
他の実施例において、放熱構造は、導風カバー15であってもよい。具体的には、送風部材13と加熱室12とを接続する導風カバー15に気流ガイド構造を設けてもよい。気流ガイド構造は、給気口101から入る気流の一部を電気制御PCB14に導いて、電気制御PCB14の放熱効果を高めることができる。具体的には、導風カバー15は、一端が送風部材13の取付スリーブ18に接続され、その他の一端が加熱室12に接続される。導風カバー15には第1の分流孔が設けられ、送風部材13のエンドキャップ182には第2の分流孔が設けられる。導風カバー15を通過する気流の一部は、第1の分流孔を通じてケース11と送風部材13との間に入って、電子制御PCB14を冷却する。電子制御PCB14の熱を吸収する気流は、第2の分流孔を通じて流出して、電子制御PCB14を冷却する循環風路を形成する。
【0057】
ヘアドライヤーの使用後で髪の乾燥や静電気の発生を防止するために、ヘアドライヤーはマイナスイオン発生器23をさらに含んでもよい。マイナスイオン発生器23は、空気マイナスイオンを生成し、空気マイナスイオンが気流と共に髪に接触することで、髪の静電気の発生を防止し、髪をより柔軟にし、髪を保護する。しかしながら、従来のヘアドライヤーでは、マイナスイオン発生器23が送風筒100内,例えば加熱室12の外周面に位置しており、送風筒100のスペースを占め、加熱室12とケース11との間の空隙が大きく、送風筒100が大型化する。
【0058】
上記問題を解決するために、本実施例では、図10図12に示すように、マイナスイオン発生器23がハンドル200内に配置され、マイナスイオン発生器23の放電端231を送風筒100内に入り込む。マイナスイオン発生器23をハンドル200内に配置することで、送風筒100を小型化することができ、加熱室12とケース11との間を小型化するのに有利となり、送風筒100のコンパクト化、小型化に有利となる。
【0059】
マイナスイオンは空気中に存在する時間が短いため、放電端231から発生したマイナスイオンが主風路内を通過する時間を短くするように、放電端231を送風筒100の送風口102側に延伸し、マイナスイオンを髪に早く接触させる。
【0060】
好ましくは、放電端231を送風筒100の中心軸上に位置させて、送風筒100内の空間利用率をより向上させるとともに、マイナスイオンの分布をより均一にするようにしてもよい。
【0061】
具体的には、加熱室12は、外筒121と内筒122とを含む。外筒121の下流端には、イオン出口1211と排気口102とが設けられる。内筒122は、両端が開口し、外筒121内に位置するように設けられる。内筒122と外筒121との間に加熱部材123が設けられる。放電端231は、内筒122内に位置し、イオン出口1211に向けて設けられる。気流が送風室を経由して内筒122と外筒121との間に入り、加熱部材123により昇温されるとともに、放電端231が作動してマイナスイオンを発生する。マイナスイオンはイオン出口1211から放出されて気流に混入し、髪に接触して除電する。
【0062】
放電端231を保護するために、放電端231の外にイオンエンドキャップ232を設置し、加熱室12内の部材が放電端231に接触することを回避して、放電端231を保護する目的を達成する。
【0063】
好ましくは、加熱部材123は、複数の加熱部材を含み、各加熱部材は内筒122の軸方向に延伸する。複数の加熱部材は、内筒122の円周方向に均一に配置されるので、加熱の均一性を改善する。熱が外筒121で放散することを回避するために、加熱部材123は、外筒121の内側に配設された断熱筒1232をさらに含む。断熱筒1232は、熱損失を低減し、熱利用率を向上させることができる。
【0064】
また、図12に示すように、使用者がヘアドライヤーを使い易くするために、ハンドル200には、スイッチボタン、風速調節ボタン、風温調節ボタン、モード調節ボタン等の制御ボタン26が設けられるので、ヘアドライヤーの発停、風速、風温を制御したり、適切な送風モードを選択したりすることができる。また、上記ボタンによるヘアドライヤーの制御を行うために、ハンドル200には、主制御PCB24が設けられ、主制御PCB24は、送風部材13、加熱部材123、マイナスイオン発生器23とそれぞれ接続され、使用者の操作に応じて送風部材13と加熱部材123を制御する。好ましくは、マイナスイオン発生器23は、主制御PCB24の底部に配置してもよい。
【0065】
好ましくは、ヘアドライヤーは、複数のノズルを含む。各ノズルは、使用者の使用ニーズに応じて交換できるように、各送風筒100の排気口102に着脱自在に取り付けられる。好ましくは、ノズルは、送風筒100に係止構造で取り付け、磁石部材で吸着固定、またはネジ等の締結具で取り付けるようにしてもよい。
【0066】
従来技術では、ハンドル200にブロワーを内蔵したヘアドライヤー、例えば、ダイソンのSupersonic HD01型のヘアドライヤーは、送風筒のサイズを低減できる。送風筒100の直径及び長さはそれぞれに78mm及び97mmであるが、ハンドル200が長くなり、ハンドル200の長さは245mmである。本実施例では、ヘアドライヤーの各部材の構成や位置を調節することにより、送風筒100のサイズを減少し、送風筒100の長さを125mm以下、例えば120mm以下、送風筒100の直径を80mm以下、例えば77mm以下にすることができる。送風筒100のサイズは、ダイソンのSupersonic HD01型のヘアドライヤーの送風筒100のサイズとの差が小さく、主風路がハンドル200を介することない。主風路の長さを大幅に短縮することができるので、ヘアドライヤーの効率を大幅に向上させることができる。また、送風筒100内の部材を合理的にレイアウトすることにより、ハンドル200の体積を大きくする必要がなくなり、ハンドル200の長さを125mm以下、直径40mm以下とすることができる。例えば、ハンドル200の長さを170mmとするように小さくし、直径を38mmとするように小さくすることができる。従来の245mmに比べて、ハンドル200の長さを大幅に短縮することができる。
【0067】
実施例2
本実施例は、ヘアドライヤーを提供し、該ヘアドライヤーに保護装置をさらに設け、ヘアドライヤーの過熱を防止する点で第1の実施形態と異なる。保護装置は、温度検出部材17を含む。図4に示すように、温度検出部材17は、加熱室12内に設けられてもよい。具体的には、温度検出部材17は、内筒122の外周面に設けられ、主制御PCB24は、温度検出部材17からの信号を受ける。温度検出部材17から得られた温度値に基づいて、加熱部材123を間欠的にオフ制御される。
【0068】
具体的には、主制御PCB24は、記憶ユニットと、比較ユニットと、実行ユニットとを含む。記憶ユニットは、第1の温度設定値及び第2の温度設定値を予め記憶する。比較ユニットは、温度検出部材17によって取得された温度値と第1の温度設定値及び第2の温度設定値とを比較する。実行ユニットは、ヘアドライヤーがドライモードで動作する時に、温度検出部材17で取得した温度値が第1温度設定値より高いと、過熱であると判断し、主制御PCB24が加熱部材123をオフにして発熱を停止させように制御し、ヘアドライヤーの送風部材13が正常に運転されるようにする。ヘアドライヤーが乾燥モードで動作するとともに加熱部材123が停止する際に、温度検出部材17によって取得された温度値が第2の温度設定値より低いと、主制御PCB24が加熱部材123を再びオンにするように制御するように構成される。
【0069】
温度検出部材17によって得られた温度値が、第2の温度設定値と第1の温度設定値との間にある場合、加熱部材123の温度が正常であることを意味する。ここで、第1の温度設定値と第2の温度設定値の大きさは、特に限定されず、実際の状況に応じて設定されてもよい。
【0070】
使用時において、ヘアドライヤーがドライモードにあるとき、送風部材13と加熱部材123が同時に作動して熱風を供給する。使用中、温度検出部材17は、加熱部材123の温度をリアルタイムで検出し、取得された信号を主制御PCB24に送信し、主制御PCB24は、加熱部材123の現在の温度値を取得し、現在の温度値を第1の温度設定値及び第2の温度設定値と比較する。現在の温度値が第2の温度設定値と第1の温度設定値との間にある場合、加熱部材123の温度が正常であることを意味する。
【0071】
ある時間で使用してから、加熱部材123の温度値が第1の温度設定値より高い場合、加熱部材123が過熱であることを示す。主制御PCB24は、加熱部材123をオフにして発熱を停止させように制御し、ヘアドライヤー内の温度が高くなり過ぎてヘアドライヤーの部材を焼損したり、使用者を火傷させたりすることを防止する。この場合、送風部材13は、正常な運転を維持し、加熱部材123の残りの温度でも熱風を確実に発生させる。送風部材13は加熱部材123を降温させることができる。これとともに、加熱部材123が発熱を停止する間、加熱部材123の余熱も熱風の発生を保証し、通常の使用に影響を与えない。加熱部材123の温度が第2の温度設定値より低くなると、主制御PCB24は、加熱部材123を再びオンに制御する。間欠的にオンにすることにより、加熱部材123の温度の低下が容易になり、通常の使用に影響を与えない。
【0072】
主制御PCB24と加熱部材123との間には加熱制御回路を介して接続される。加熱制御回路にはサイリスタが設けられ、主制御PCB24はサイリスタをオン或いはオフに制御する。サイリスタをオフにしたときには、加熱部材123の給電ユニットが遮断され、加熱部材123がオフで発熱が停止するが、このとき送風部材13は正常に運転する。
【0073】
実施例3
本実施例は、ヘアドライヤーを提供する。主制御PCB24は送風部材13と、送風部材13の近傍の温度を検出することができる補助温度検出部材とに電気的に接続され、主制御PCB24は補助温度検出部材から得られた温度値に基づいて総給電ユニットをオン或いはオフ制御する点で実施例2と異なる。
【0074】
送風部材13の温度が高すぎると、送風部材13が長時間で作動するか又は正常に作動しないことを示し、主制御PCB24は、送風部材13の給電ユニットを直ちにオフにする。送風部材13の運転が停止されて加熱部材123が単独で作動して冷風が通過することなく必ず過熱を起こすので、加熱部材123の電源を同時に遮断する必要がある。したがって、送風部材13の温度が高すぎると、主制御PCB24は、送風部材13及び加熱部材123の電源を切る、すなわち、総給電ユニットをオフにする。
【0075】
送風部材13は、加熱部材123と並列に接続され、独立して制御しやすくする。温度検出部材17と補助温度検出部材は並列に接続され、検出結果同士の干渉を防止する。
【0076】
主制御PCB24の記憶ユニット内には第3の温度設定値が予め記憶される。補助温度検出部材によって取得された温度値が第3の温度設定値より高い場合、送風部材13の温度が高すぎることを示し、主制御PCB24は総給電ユニットをオフにする。ここで、第3の温度の設定値の大きさは、特に限定されず、実際の状況に応じて設定されてもよい。
【0077】
このとき、送風部材13の長時間稼動による過熱や送風部材13の故障による過熱が考えられるので、ある程度の時間、放置して送風部材13を降温させた後、操作者はメインスイッチをオンにしてこれを検出する。再度オンにして風が出ない場合、送風部材13が故障しており、メンテナンスをタイムリーに行う。再度オンにして正常に風が出る場合、送風部材13を前回使用した時間が長すぎることを意味する。
【0078】
温度検出部材17と補助温度検出部材は、協同でヘアドライヤーの二重保護の役割を果たし、一方の故障による不正確な検出を防止する。
【0079】
実施例4
本実施例はヘアドライヤーを提供し、ヘアドライヤーの排気口102に風速センサを設け、風速センサは主制御PCB24に電気的に接続される。風速センサは、排気口102の所においての風速を検出するものであり、温度検出部材と協同してヘアドライヤーを多重に保護する点で実施例2と異なる。
【0080】
ヘアドライヤーがドライモードにあるときに、温度検出部材17が加熱部材123の温度が高すぎることを検出した際には、それは加熱部材123の稼働時間が長時間であることが原因かもしれず、また、送風部材13の停止または排気口の詰まりが生じたことが原因かもしれない。このとき、主制御PCB24は、加熱部材123をオフにして発熱を停止させるように制御し、風速センサが検出した風速値に基づいて総合的に判断する。
【0081】
風速センサによって取得された風速値が風速設定値より低い場合、送風部材13が故障で停止することを示し、主制御PCB24は、加熱部材123をオフにすると同時に送風部材13をオフにする。すなわち、総給電ユニットをオフにする。そして、送風部材13のメンテナンスを行う。このとき、風速センサから得られた風速値が正常であれば、送風部材13が正常であることを意味し、即ち主制御PCB24は、加熱部材123のみをオフにすることでき、送風部材13により加熱部材123の熱を放熱させる。そして、排気口の検査及び処理を行う。
【0082】
このため、風速センサが設置されることで、ヘアドライヤーの状態をさらに確定でき、よりよい対処をすることができる。ここで、主制御PCB24内に予め記憶された風速の設定値の大きさは、特に限定されなく、状況に応じて設定することができる。
【0083】
主制御PCB24は、ヘアドライヤーが故障したと判断すると、故障の種類による異なる色の警告灯で提示することができ、使用者が故障に対処することが便利になる。
【0084】
実施例5
本実施例はヘアドライヤーを提供する。本実施例のヘアドライヤーのモータに回転速度センサを設け、回転速度センサは、主制御PCB24に電気的に接続され、モータの回転速度を検出するためのものであり、温度検出部材と協働してヘアドライヤーを多重に保護する点で実施例2と異なる。
【0085】
ヘアドライヤーがドライモードにあるときに温度検出部材17が加熱部材123の温度が高すぎることを検出した際には、それは加熱部材123の稼働時間が長時間であることが原因かもしれず、また、送風部材13の停止または排気口の詰まりが生じたことが原因かもしれない。このとき、主制御PCB24は、加熱部材123をオフにして発熱を停止させように制御し、回転速度センサが検出した回転速度値に基づいて総合的に判断する。
【0086】
送風部材13の回転速度が予め設定された回転速度範囲内であれば、排気口が塞がれている可能性があることを示す。この場合には、加熱部材123のみをオフにすることができ、送風部材13により加熱部材123の熱を放熱させる。そして、排気口の検査及び処理を行う。ヘアドライヤーに放熱装置を取り付けていれば、このときに放熱装置を開放して放熱を行うことができる。あるいは、ヘアドライヤーを静置して放熱を行う。そして、ヘアドライヤーが冷却した後に再び使用する。送風部材13の回転速度が異常であれば、送風部材13が故障で停止したことを示す。この場合には、主制御PCB24は、加熱部材123をオフにすると同時に送風部材13をオフにする。すなわち、総給電ユニットをオフにして送風部材13のメンテナンスを行う。
【0087】
主制御PCB24の記憶ユニット内には予め回転速度設定範囲が記憶され、回転速度センサが検出した回転速度値と回転速度設定範囲内の両端の値とを比較させる。回転速度値が回転速度設定範囲内に存在しない場合、送風部材13の回転速度が異常であることを示す。
【0088】
温度検出部材17から取得した温度値が第2の温度設定値より低い場合、この時、加熱部材123をオンに制御する前に、回転速度センサから取得した回転速度値が回転速度設定範囲内にあることを確保し、送風部材13が正常な運転状態にあることを示す場合には、加熱部材123をオンに制御して安全性を確保する。
【0089】
このため、回転速度センサを設けることで、より一層ヘアドライヤーの状態を特定することができ、よりよい対処が可能となる。
【0090】
実施例6
本実施例はヘアドライヤーを提供し、本実施例ではハンドル200内に2次風路が設けられ、2次風路は主風路と連通する点で上記実施例と異なる。
【0091】
具体的には、図12に示すように、ハンドル200は、シェル21と、接続部材25とを含む。シェル21内には2次風路が形成され、シェル21の上端は送風筒100の取り付け口103に接続され、シェル21の下端は接続部材25を介して電源ライン400に接続される。接続部材25はグリル構造であり、シェル21の内部と連通する中空部を有す。中空部は2次風路の気流入口として機能する。ヘアドライヤーが作動すると、ハンドル200付近の空気は、気圧差によって気流入口から2次風路内に入り、ハンドル200内の主制御PCB24とマイナスイオン発生器23を経由して主風路に入る。2次風路を設けることにより、ヘアドライヤー内の気流の安定性を増し、その流れをよりスムーズにすることができる一方、ハンドル200内の電気素子の放熱効果を高めることができ、ヘアドライヤーの使用時にハンドル200が発熱したり、熱くなったりすることを回避し、使用者の使用体験を向上させることができる。
【0092】
好ましくは、シェル21の内部には、内部シェル21が設けられている。該内部シェル21は主制御PCB24とマイナスイオン発生器23とを収容する。内部シェル21は、ネジ止め可能な左シェル221と右シェル222とから構成される。また、内部シェル21は、主制御PCB24やマイナスイオン発生器23を保護するとともに、主制御PCB24やマイナスイオン発生器23のメンテナンス時には、内部シェル21をシェル21内からスライドして外に移動させ、その後ネジを外して左シェル221と右シェル222を分離することにより、主制御PCB24やマイナスイオン発生器23の分離時の破損を防止することができる。
【0093】
実施例7
本実施例は、ヘアドライヤーを提供する。図13に示すように、送風筒100の給気口の位置に保護カバー111とフィルターを設けた点で上記実施例と異なる。具体的には、送風筒100のケース11は、筒体と、給気口側に位置する保護カバー111とを含み、保護カバー111は筒体に着脱可能に取り付けられる。保護カバー111内には、フィルター部材112が設けられており、空気がフィルター部材112を経由して送風室内に送り込む。フィルター部材112は、空気中の塵埃や髪等の異物を効率よく除去し、空気を清浄化して送風筒100内のブロワーの巻き付きを防止する効果を奏する。フィルター部材112を保護カバー111に着脱可能に接続することにより、フィルター部材112の使用期間が長くなると、作業者は保護カバー111を送風筒100から取り外し、次にフィルター部材112を保護カバー111から取り外し、そしてフィルター部材112を個別に完全に洗浄することができ、洗浄後のフィルター部材112に高いフィルター効果をもたらす。また、フィルター部材112と保護カバー111とを着脱可能に接続することにより、フィルター部材112または保護カバー111のいずれか一方に損傷が生じた場合には、損傷が生じた部材のみを交換すればよく、フィルター部材112と保護カバー111とを同時に交換する必要がなく、ヘアドライヤーのメンテナンスのコストを効果的に低減することができる。
【0094】
図13及び図14に示すように、本実施例のフィルター部材112は、フィルタースポンジまたはスクリーンであってもよい。フィルタースポンジまたはスクリーンは、保護カバー111の内壁に係止されて保護カバー111とフィルタースポンジまたはスクリーンとの着脱可能な接続を実現し、フィルター部材112と保護カバー111との間に別途の固定部材を設ける必要がなく、ヘアドライヤーの全体構造を簡素化し、フィルター部材112と保護カバー111との着脱効率を向上させることができる。
【0095】
また、フィルタースポンジやスクリーンの空隙が小さいので、径が小さい埃や細かい髪の毛をフィルターすることができ、送風筒100の風路に小さな径の埃や細かい髪の毛が入り込むことを防止でき、使用者の体感を向上させることができる。好ましくは、フィルタースポンジの空隙密度(PPI、Pores Per Linear Inch)は40PPI以上、スクリーンのメッシュ数は40以上であることが好ましく、これにより、フィルター部112が塵埃、髪等の異物に対するフィルター効果をより良好に確保することができる。また、フィルター部112が存在するによるヘアドライヤーの送風量を減少しないことを確保できる。ここで、空隙密度とは、インチごとに平均孔数を意味し、メッシュとは、スクリーンの1インチにおける孔数を意味する。
【0096】
図14に示すように、保護カバー111の一方の端面は筒体に接続され、他方の端面には給気口101を形成する給気グリル1111が設けられる。この給気グリル1111は、送風筒100の軸に対して対称に設けられた複数の柱部を含み、給気グリル1111の全体が中空の構造となっており、作業者の手がヘアドライヤー内部に入ることを防止しつつ、保護カバー111の内部への空気の取り込みをスムーズに行うことができる。
【0097】
保護カバー111内には、複数のフィルター孔が開設されたフィルターカバー113が設けられる。空気は、フィルター部材112及びフィルターカバー113を順に通過し、フィルター部材112及びフィルターカバー113によって二重フィルターされ、送風筒100の風路に入る。フィルター部材112のみを設けた場合に比べて、埃及び髪のフィルター効果が一層高められる。
【0098】
ヘアドライヤーの使用中に振動が発生し、この振動によりフィルター部112が保護カバー111から脱落してヘアドライヤーケース100内の送風部に巻き込んで送風部のブロワーが巻きついて故障する可能性があるので、ブロワーが焼損して使用者の安全を損なう。上記課題を解決するために、フィルターカバー113は、多数のフィルター孔が設けられたステンレスメッシュであり、ステンレスメッシュは、フィルター部材112を送風筒100の外部に効果的に隔離し、フィルター部材112が送風部材内部に入り込むことを回避し、ブロワーの正常な運転を保証し、使用者の安全を確保する。
【0099】
フィルターカバー113は、給気グリル1111に向かって突出し、フィルターカバー113により多くのフィルター孔を設けることができ、ステンレスメッシュカバーの複数のフィルター孔の断面積の合計を送風部材の給気口の断面積よりも大きくし、空気がスムーズに送風部材に入ってヘアドライヤーに高い送風効果を提供する。
【0100】
送風筒100の長さを短縮するために、フィルター部材112に第1の回避孔1124を設けている。少なくとも一部のフィルターカバー113を第1の回避孔1124に収容することにより、フィルター部材112とフィルターカバー113とが送風筒100の長手方向の配置をコンパクトにし、送風筒100の小型化を図ることができ、移動の便利性を向上させることができる。
【0101】
実施例8
本実施例はヘアドライヤーを提供し、図15図16に示すように、保護カバー111の内壁には周方向に複数の係止ブロック1112が突設され、係止ブロック1112と給気グリル1111との間にフィルター部材112を収容する装着空間が形成される点で実施例7と異なる。また、係止ブロック1112を設けることにより、フィルター部材112の保護カバー111に対し、保護カバー111の軸線方向に沿う動きが規制され、フィルター部材112と保護カバー111との固定効果をより高めることができる。係止ブロック1112でフィルター部材112を位置規制する効果をさらに高めるために、複数の係止ブロック1112が保護カバー111の周方向に沿って均等に分布するように配置されてもよい。
【0102】
本実施例では、係止ブロック1112と保護カバー111とが一体に成形するので、保護カバー111の加工ステップを簡略化して保護カバー111の生産性を向上できる。
【0103】
実施例9
本実施例はヘアドライヤーを提供する。図17図19に示すように、本実施例のフィルター部材112はフィルター布1122であり、フィルター布1122は孔がスクリーンやフィルタースポンジよりも細かいので、小さい埃や髪の毛のフィルターを実現でき、実施例8のヘアドライヤーよりもフィルター効果が高い。
【0104】
フィルター布1122は軟質であり、直接に保護カバー111に固定することが困難であり、また、フィルター布1122が保護カバー111からの着脱が容易ではないので、本実施例のフィルター部材112は、さらに、ブラケット1121を備え、フィルター布1122は、ブラケット1121に敷かれてフィルター布1122がある程度に引っ張られる。ブラケット1121の外周を保護カバー111の内壁に係着させることで、フィルター布1122と保護カバー111とを固定してフィルター布1122の保護カバー111からの着脱が容易となる。好ましくは、実施例のフィルター布1122は孔の直径が0.3mm以下であり、より高いフィルター効果およびより高い風入効果を確保することができる。また、ブラケット1121には、風入孔が開口され、空気がフィルター部材112を良好に通過する。
【0105】
他の実施例では、薄いフィルタースポンジやスクリーンの材質も柔らかいので、薄いフィルタースポンジやスクリーンをブラケット1121に装着してから、ブラケット1121の外周を保護カバー111の内壁に係止してもよい。
【0106】
フィルター布1122は、使用して交換する必要があると、フィルター布1122の交換を容易にするために、本実施例のフィルター部材112は、環状固定バンド1123をさらに備え、フィルター布1122の外周が環状固定バンド1123とブラケット1121との間に挟まれており、環状固定バンド1123をブラケット1121から取り外して、フィルター布1122をブラケット1121から取り外して交換することができる。
【0107】
フィルター布1122は、ブラケット1121が給気口101から離れた面に覆って配置される。ヘアドライヤーは、使用時に、空気がフィルター布1122とブラケット1121を順に通過することで、通気がフィルター布1122に及ぼす力によって、フィルター布1122をブラケット1121に押し付けることができる。ブラケット1121はフィルター布1122を支持することで、フィルター布1122がブラケット1121から剥離することを防止できる。
【0108】
フィルター部材112は軸線が送風筒100の軸線と一致し、ブラケット1121は送風筒100の軸線に対して対称に配置された複数の柱部を有す。フィルター布1122がブラケット1121に押し付けられたときに、フィルター布1122の引張力を均一にすることができるので、フィルター布1122が一部の領域で引張力が集中することによる破損を回避し、フィルター布1122の寿命を向上させることができる。
【0109】
本実施例では、ブラケット1121に第2の回避孔を設け、フィルターカバー113とフィルター布1122とが送風筒100の軸線方向にブラケット1121の両側に位置させ、かつ、フィルターカバー113の少なくとも一部が第2の回避孔に位置させることにより、フィルターカバー113とブラケット1121とが送風筒100の軸線方向に沿ってよりコンパクトに配列させ、ヘアドライヤーの送風筒100の軸線方向に沿うサイズを小さくさせることができ、送風筒100全体を小型化にすることができるので、ヘアドライヤーの携帯性が向上させる。
【0110】
実施例10
本実施例では、ヘアドライヤーを提供する。図4および図10に示すように、ノズル300と送風筒100とが磁石16により吸着して固定されるとともに、磁石16が隠されて設けられてヘアドライヤーの美観が向上する点で上記実施例と異なる。
【0111】
具体的には、送風筒100は、排気口の内側に磁石16が設けられ、磁石16は外筒121の下流端面の内側に設けられ、ノズル300には磁石16に吸着される吸着ブロックが設けられ、磁石16と吸着ブロックとの協同によりノズル300と送風筒100との固定が実現される。
【0112】
本実施例では、外筒121の下流端面の内側には、磁石16が嵌め込まれるスリットが設けられており、磁石16が外筒径方向及び周方向に固定される。内筒122の端部には位置規制柱が設けられ、位置規制柱が磁石16に当接することで、磁石16が外筒121の下流端面に当接され、軸方向上に固定されることが実現される。
【0113】
好ましくは、磁石16は、環状であり、環状の磁石16はイオン出口1211を囲み、磁石16がイオン出口1211を遮蔽することを回避する。外筒121の下流端面には、イオン出口1211の周囲にグリル構造が設けられて排気口102を形成する。磁石16は、排気口102とイオン出口1211との間に配置されてもよい。
【0114】
好ましくは、吸着ブロックは、鉄片であってもよい。鉄片は、ノズル300の外側や内側に設け、磁石16と吸着してノズル300に十分な固定吸着力を提供できるものであればよい。
【0115】
実施例11
本実施例は、ヘアドライヤーを提供する。本実施例のヘアドライヤーはノズル300により使用者の要求に応じて排気量を調節できるとともに、ノズル300の交換が不要で使用が便利である点で上述した実施形態と異なる。
【0116】
具体的には、図20図27に示すように、ノズルは、導風部材と調節部材36とを含む。ここで、導風部材には、入口351、出口352、および入口351と出口352とを連通する風路が設けられ、調節部材36は、導風部材の外側に覆設され、導風部材に対して移動可能である。調節部材36は、導風部材に対して移動するときに、風路のある位置での断面のサイズを調節することができる。
【0117】
本発明では、導風部材と調節材36との協同設置により、一つのノズルで排気面積の調節を実現でき、調節が簡単で便利であり、複数のノズルを設ける無駄を回避することができ、ノズルの価値が向上する。
【0118】
好ましくは、導風部材には、軟質のゴムで作られた変形領域が設けられ、調節部材36は、導風部材に対して移動するときに導風部材に力を印加する。変形領域が力を受け、変形することによって、変形領域が位置された風路の断面積は調節される。本実施形態では、導風部材の排気口102の縁部に変形領域を設け、調節部材36はこの変形領域の変形によって排気口102のサイズの調節を可能としている。
【0119】
具体的には、導風部材は、軟質のゴムで形成されて力を受けて変形する。また、変形領域を設ける部分を軟質のゴム材で形成し、他の部分を硬質のゴム材で形成してもよい。
【0120】
好ましくは、導風部材に受力ブロック353を設け、調節部材36に付勢ブロック361を設ける。調節部材36が導風部材に対して移動するときに、付勢ブロック361が受力ブロック353を押圧または引張ることにより、変形領域が変形してその位置の風路の断面積が調節される。
【0121】
具体的には、受力ブロック353は、変形領域に設けられていてもよく、導風部材の周方向に変形領域の近傍に設けられてもよい。本実施例では、導風部材の排気口の部位を扁平な柱状構造とし、二つ受力ブロック353をその厚さ方向両側のストレート領域に配置して非変形領域とする。該構造はその周方向に非変形領域に隣接する円弧部を変形領域とする。
【0122】
好ましくは、受力ブロック353は凹溝であり、付勢ブロック361は突起であり(その他には、受力ブロック353が突起であり、付勢ブロック361が凹溝であってもよい)。受力ブロック353と付勢ブロック361の少なくとも1つは延伸方向が風路の軸線とある角度を成して設置されるとともに、排気口から内向きに徐々に風路の軸線に近づく。付勢ブロック361は受力ブロック353に係止する。そのうち、付勢ブロック361は風路の軸線に向かって斜めに延伸される一方、受力ブロック353は付勢ブロック361の延伸方向で異なる位置に覆設され、これによって変形領域が位置された風路の断面積を変化させてもよい。受力ブロック353は風路の軸線に向かって斜めに延伸される一方、受力ブロック353の延伸方向で異なる位置に付勢ブロック361が覆設され、これによって変形領域が位置された風路の断面積を変化させてもよい。また、付勢ブロック361と受力ブロック353とを、いずれも風路の軸線に向かって斜めに延伸され、両者の係合の長さを調節することにより、変形領域が位置された風路の断面積を変化させるようにしてもよい。
【0123】
本実施例では、付勢ブロック361(突起)と受力ブロック353(凹溝)が共に風路の軸線に向かって斜めに延伸することによって、調節部材36が導風部材上に排気口に向かう方向に移動するときに、付勢ブロック361が受力ブロック353の風路に向かう側の内壁を押圧して排気口が小さくさせ、調節部材36が給気口の方向に移動するときに、排気口を大きくする(風路が弾性回復できない場合、付勢ブロック361が受力ブロック353の風路から離れる側の内壁を押圧し、風路が弾性回復できる場合、付勢ブロック361は受力ブロック353の風路に向かう内壁に対する押圧を徐々に緩める)。全体としては、調節部材36が導風部材に対する移動により、排気口の面積が調節される。なお、付勢ブロック361および受力ブロック353を、排気口から風路内に向けて風路の軸線から徐々に離れるように延伸させてもよい。この場合には、調節部材36を排気口方向に移動させると排気口が大きくなり、給気口方向に移動させると排気口が小さくなる。
【0124】
好ましくは、導風部材は、互いに接続される接続部37および排気部35を含み、給気口が接続部37に設けられ、排気口と変形領域が排気部35に設けられる。風量を調節可能なノズルは、接続部37を介してヘアドライヤーの本体に接続され、風路は、接続部37と排気部35とを貫通して設けられる。
【0125】
調節部材36は、接続部37に接続され、前記接続部37に対して移動可能であり、移動時に変形領域に力をかけることができる。
【0126】
具体的には、排気部35は、扁平な円柱構造であり、排気部35が厚さ方向で対向する両側にそれぞれに1つの変形領域が設けられる。各変形領域に1つの受力ブロック353が設けられる。付勢ブロック361は2つ設けられ、環状の調節部材36の内壁に設けられ、2つの受力ブロック353にそれぞれ嵌め込まれる。これら2つの付勢ブロック361および受力ブロック353を設けることで、2つの方向から同時に排気部35を付勢することができ、排気口面積の調節効率が向上し、調節効果が増加する。
【0127】
好ましくは、調節部材36は、脱落防止構造を介して接続部37に接続される。脱落防止構造は調節部材36が接続部37から脱落することを防止する。
【0128】
具体的には、脱落防止構造は、接続突起362と接続係止孔371を含む。接続突起362と接続係止孔371の何れか一つが調節部材36に設けられ、その他の一つが接続部37に設けられる。接続係止孔371は、長手状であり、この延伸方向が風路の軸線と平行である。接続突起362は接続係止孔371の中で接続係止孔371の延伸方向に沿って摺動可能に設けられる。本実施例では、調節部材36の一部が接続部37の外側に覆設され、調節部材36の内壁に接続突起362が設けられ、接続部37の外壁に接続係止孔371が設けられる。これによって、調節部材36が接続部37に対して移動可能であり、且つ接続部37から外れないようにする。また、係止装着の便宜性から、装着時に接続突起362が接続係止孔371に係入しやすいように、接続係止孔371が排気口に向かう側縁の外縁において案内凹溝が設けられる。なお、脱落防止構造は、上記の接続突起362と接続係止孔371の構造の他に線であってもよい。
【0129】
好ましくは、調節部材36と接続部37とそれぞれにガイド構造を合わせるように設けられ、調節部材36をガイド構造のガイドによって風路の軸方向にスライド可能としてもよい。
【0130】
具体的には、ガイド構造は、ガイド板363とガイド溝372を備え、ガイド板363とガイド溝372の何れか一つが調節部材36に設けられ、その他の一つが接続部37に設けられる。ガイド板363は少なくとも部分的にガイド溝372に係止する。ガイド板363及びガイド溝372の延伸方向は、いずれも風路の軸線と平行である。本実施例では、調節部材36の内壁にガイド板363を設け、接続部37の外壁にガイド溝372を設けることにより、調節部材36が接続部37に対してスムーズに移動できるようにする。また、ガイド構造は、ガイド板363とガイド溝372の他、レールとスライダが協同する構造であってもよい。
【0131】
より具体的には、接続突起362と接続係止孔371は4組で設けられ、ガイド板363とガイド溝372は2組で設けられる。接続部37で対向する両側には、2組で接続突起362および接続係止孔371と、1組でガイド板363およびガイド溝372とが設けられる。各側の1組のガイド板363とガイド溝372は、2組の接続突起362と接続係止孔371の間に設けられる。本実施例では、接続部37の排気口に向かう側は扁平状に形成され、その対向する二つの側面には、それぞれに2つの接続係止孔371と1つのガイド溝372が設置される。一つの側面のガイド溝372は二つの接続係止孔371の間に位置する。
【0132】
より具体的には、1つのガイド溝372に二つのガイド板363がそれぞれに係合する。二つのガイド板363は間隔をあけて平行に配置される。二つのガイド板363はそれぞれのガイド溝372の二つの側壁に当接する。ガイド溝372が排気口に向かう側で一端の開口には、外側に広がったガイド入口が設けられ、位置合わせて取り付けることを容易にする。
【0133】
好ましくは、調節部材36と接続部37との間にシフト構造が対応して設けられる。調節部材36が接続部37に対して移動する際に、調節部材36はシフト構造によって複数の位置に保持されるので、変形領域が位置された風路の断面積を複数の異なる数値に調節することができる。
【0134】
具体的には、シフト構造は、シフトブロック群364とシフト突起373とを備える。シフトブロック群364およびシフト突起373は、一方が調節部材36に設けられ、他方が接続部37に設けられる。シフトブロック群364は、複数のシフトブロックを含み、シフト突起373は、任意の隣接する2つのシフトブロックの間に係入可能である。本実施例では、接続部37は、排気口に向かう側が扁平状であり、対向する2つの弧面にシフト突起373が1つずつ設けられる。シフト突起373は、接続部37に対して弾性変形可能である。調節部材36の内壁には、2つのシフト突起373に対応して2つのシフトブロック群364が2つで設けられる。一つのシフトブロック群364は3つのシフトブロックを含む。3つのシフトブロック群364は、サイズが一致してもよく、異なっていてもよい。異なるシフトブロック間でシフト突起373を調節することにより、変形領域位置における風路断面積を異なるサイズに調節することができる。
【0135】
本発明は、さらに、ヘアドライヤーを提供する。該ヘアドライヤーは、本体と、前記風量調節可能なノズルとを備える。前記風量調節可能なノズルは、前記本体に着脱可能に取り付けられる。
【0136】
本発明のヘアドライヤーでは、導風部材と調節部材36とが協同で配置されることにより、風量調節可能なノズルによって排気の面積の調節を実現し、本体のブロワーの微調節を行って、本発明のヘアドライヤーは使用と調節が簡単かつ便利である。複数のノズルを設ける無駄を回避することができ、ノズルの価値が向上する。
【0137】
実施例12
本実施例は、ヘアドライヤーを提供する。図28および図29に示すように、本実施例では、ノズル300は、入口および出口を有する本体31を含む。出口は、グリル32と、グリル32から外側に延伸する複数の櫛歯33とを備える点で上述の実施形態と異なる。グリル32は、第1の方向にノズル300が受け取った空気の一部を排出して長手方向の流体を形成する。第1の方向は、ノズル300と送風筒100とが接続される状態で送風筒100の軸方向である。櫛歯33の少なくとも一部には、その周方向に沿って複数の空気出口331が開設される。空気出口331は、第2の方向(第1の方向に対して直交)に空気の他の部分を排出して横方向の流体を形成する。各櫛歯33に1つの空気出口331のみを設ける技術案と比べ、本実施例のノズル300は、より多くの横方向の流体を供給して縦方向の流体との乱れを発生させることができるので、ノズルの出口352で流体をより緩やかにして、外部に拡散しにくいである。ノズルは、出口352で温度をより高くして、髪の乾燥に要する時間をより短縮し、消費者の要求を満たすことができる。
【0138】
本実施例の櫛歯33は、例えば組で設置され、第1の櫛歯群と第2の櫛歯群を含む。第1の櫛歯群は、環状に配列された5つの第1の櫛歯を含む。第2の櫛歯群は、環状に配列された10つの第2の櫛歯を含む。第2の櫛歯群の10つの第2の櫛歯は第1の櫛歯群の周囲に同軸に配置される。各第1の櫛歯の周方向には、グリル32の径方向に沿って分布する2つの第1の空気出口が開口され、各第2の櫛歯には1つの第2の空気出口が開口される。本実施例のノズル300は、全部で二十個の横方向の気流を有する。各第1の櫛歯に1つの第1空気出口のみが開設されていれば、ノズル300は全部で十五個の横方向の気流を有する。本実施例のノズル300は、従来技術のノズルよりも5つの横方向の気流を多く出せるので、横方向の気流と縦方向気流との乱れをより十分なものとする。他の実施形態では、櫛歯群の数は上記数(本実施例において2つである)以外でもよいし、各櫛歯群においての櫛歯の数は、上記数(本実施例において5つ、10つ等である)以外であってもよい。
【0139】
本実施例では、第2の櫛歯群の第2の櫛歯は外輪に設けられ、第2の櫛歯には第1の櫛歯群に向かう第2空気出口のみが開設されるので、横方向の流体がノズル300の外周に排出されることを避けて熱い流体が流失することを防ぎ、熱い流体をできる限りグリル32の前端位置に集めて縦方向流体との乱れを与えて髪をタイムリーに乾燥させる。
【0140】
内輪に複数の第1の櫛歯が設けられる。第1の櫛歯の数と第2の櫛歯の数とが同数であると、第1の櫛歯の配置が密になり過ぎてその後の加工が困難になる。図28に示すように、第1の櫛歯群と第2の櫛歯群は同心環状のように配列されている。隣接する2つの第1の櫛歯の間隔が適切になって加工便利性が高くなるように、第2の櫛歯群の第2の櫛歯は、一つ置き(alternately)に第1の櫛歯群の第1の櫛歯に対向し、対向される第1の櫛歯に空気を排出するよう配置される。
【0141】
グリル32が櫛歯に対向する側には、ガイドファン34が設けられる。入口351、ガイドファン34、グリル32がノズル300の軸線に沿って順に配置される。ガイドファン34は、外周に向けて空気をガイドする羽根を含む。羽根は、入口351から入った空気をノズル300の内側の外周に向けて拡散させることができるので、空気を周方向にグリル32の全体に拡散させてからグリルの孔から排出し、ノズル300が広い面積の乾燥領域を有することを確保する。それで、ノズル300が一回で乾燥できる髪の量を多くして髪の乾燥に要する時間を効果的に短縮することができる。他の実施例では、ガイドファン34を外周に空気をガイドすることができる導風カバー等に置き換えてもよい。
【0142】
使用者の髪がガイドファン34に巻き込まれることを防止して使用者の安全性を確保するために、ガイドファン34はグリル32に対して固定されるように配置される。ネジがグリル32の軸方向に沿って順次にガイドファン34およびグリル32に螺合されることにより、ガイドファン34とグリル32とがグリル32の軸方向に沿って固定される。ガイドファン34には、差し込みブロックが設けられる。グリル32にはスリットが設けられる。差し込みブロックとスリットとがグリル32の軸線方向に延伸する。差し込みブロックがスリットに差し込んでいるので、ガイドファン34がグリル32に対する回転が規制される。ネジ、差込みブロックおよびスリットの協働によって、グリル32に対するガイドファン34の良好な固定を実現する。他の実施例では、差込みブロックをグリル32に設け、スリットをガイド用ファン34に設けてもグリル32に対するガイドファン34の回転を規制する効果を奏する。
【0143】
本実施例では、差込ブロックとガイドファン34の取付カバーとを一体に成型できるので、取付カバーの加工工程を簡素化して取付カバーの生産性を向上することができる。
【0144】
グリル32の開孔率(グリル32の面積に対するグリル32の総開口面積の比)を向上させるために、グリル32には、同心状でその径方向に間隔をあけて設置される複数の組のグリル群が開設される。各群のグリル群は、グリル32の周方向に間隔をあけて分布する複数のグリル孔を含む。グリル孔は円弧状の孔である。また、グリル孔を円弧状の孔とすることにより、ノズル300のコストが少なくて低コストで加工が簡便となる。
【0145】
好ましくは、第1の櫛歯の内部には、入口351に連通する第1孔目が設けられる。第1の櫛歯の断面は楕円形状である。第1空気出口は、櫛歯の長手方向に沿って第1の櫛歯を切断してなる切欠きである。楕円の長軸が切断面に直交であるので、切断された楕円はその長軸方向に沿うサイズが小さくなり、切断した楕円形の形状がより円形に近い。従って、切断した第1の櫛歯の横断面が円形に近く、第1の櫛歯の外周が滑らかになる。滑らかな第1の櫛歯の周面が使用者の頭皮に接触するとき、使用者は非常に快適な体感を感じる。
【0146】
以上の説明は、本発明の好ましい実施例に過ぎず、当業者であれば、本発明の思想に基づいて具体的な実施形態及び応用範囲に変更を行える。本明細書の内容は、本発明を限定するものと解釈されるべきではない。
【符号の説明】
【0147】
100 送風筒、101 給気口、102 排気口、103 取付口、
11 ケース、111 保護カバー、1111 給気グリル、1112 係止ブロック、112 フィルター部材、1121 ブラケット、1122 フィルター布、1123 環状固定バンド、1124 第1の回避孔、113 フィルターカバー、12 加熱室、121 外筒、1211 イオン出口、122 内筒、123 加熱部材、1231 加熱素子、1232 断熱筒、13 送風部材、14 電子制御PCB、15 導風カバー、16 磁石、17 温度検出部材、18 取付スリーブ、181 ブロワー接続部、182 エンドキャップ、191 第1の放熱シート、1911 ベース、1912 シート、1913 段差面、192 第2の放熱シート、
200 ハンドル、
21 シェル、221 左シェル、222 右シェル、23 マイナスイオン発生器、231 放電端、232 イオンエンドキャップ、24 主制御PCB、25 接続部材、26 制御ボタン、
300 ノズル、
31 本体、32 グリル、33 櫛歯、331 空気出口、34 ガイドファン、35 排気部、351 入口、352 出口、353 受力ブロック、36 調節部材、361 付勢ブロック、362 接続突起、363 ガイド板、364 シフトブロック群、37 接続部、371 接続係止孔、372 ガイド溝、373 シフト突起、
400 電源ライン。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
【国際調査報告】