【構成】駆動制御部が、映像データ信号に基づく各画素の輝度レベルを示す画素データ系列信号を生成し、データドライバが、この画素データ系列信号に基づき画素各々の輝度レベルに対応した画素駆動電圧を生成して表示デバイスのデータラインに供給する。この際、互いに時系列的に隣接する1フレーム分の映像データ信号同士が一致している場合には、データドライバへの画素データ系列信号の供給を停止する。
前記駆動制御部は、互いに時系列的に隣接する1フレーム分の前記映像データ信号同士が一致している場合にはK(KはNより大なる整数)フレーム表示期間に亘り前記画素駆動電圧の極性を固定することを特徴とする請求項2記載の表示デバイスの駆動装置。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0009】
図1は、本発明に係る表示デバイスの駆動装置を搭載した表示装置の概略構成を示す図である。
図1に示すように、かかる表示装置は、ビデオメモリ10、駆動制御部11、走査ドライバ12、データドライバ13、及び、液晶又は有機ELからなる表示デバイス20から構成される。
【0010】
表示デバイス20には、夫々が2次元画面の水平方向に伸張するm個(mは2以上の自然数)の水平走査ラインS
1〜S
mと、夫々が2次元画面の垂直方向に伸張するn個(nは2以上の自然数)のデータラインD
1〜D
nとが形成されている。更に、水平走査ライン及びデータラインの各交叉部の領域、つまり
図1において破線にて囲まれた領域には、画素を担う表示セルが形成されている。
【0011】
ビデオメモリ10は、各種アプリケーションソフトウェア(以下、APと称する)によって提供される映像データ信号、又はテレビチューナ等によって受信して得られた映像データ信号を記憶する。ビデオメモリ10は記憶されている映像データ信号を読み出し、これを映像データ信号VDとして駆動制御部11に供給する。
【0012】
駆動制御部11は、ビデオメモリ10から読み出された映像データ信号VDに基づき、各画素毎にその画素の輝度レベルを例えば8ビットで表す画素データPDの系列を生成し、この画素データPDの系列に、クロック信号の基準タイミングを示す基準タイミング信号を重畳した画素データ系列信号VPDを、データドライバ13に供給する。また、駆動制御部11は、かかる映像データ信号VDに基づき、
図2に示すように各画像のフレームに同期した垂直同期信号FSを生成しこれをデータドライバ13に供給する。
【0013】
また、駆動制御部11は、映像データ信号VDに応じて、
図2に示すように、表示デバイス20に対する水平走査タイミングを示すストローブパルスSBの系列からなるストローブ信号STBを生成し、これを走査ドライバ12及びデータドライバ13に供給する。よって、ストローブ信号STBにおけるストローブパルスSBの周期が、表示ディバイス20を駆動すべく印加される水平走査パルス(後述する)の水平走査周期Hsとなる。この際、
図2に示すように各フレーム表示期間(垂直走査期間)内において、走査ラインS
1に対応した第1のストローブパルスSB
1が供給されてから、走査ラインS
mに対応した第mのストローブパルスSB
mが供給されるまでの期間をデータ走査期間SPとし、それ以降をブランク期間BPとする。尚、上記したデータ走査期間SPでは、駆動制御部11は、
図2に示すように、電源供給を継続させるべき例えば論理レベル1の電源スイッチ信号PW1及びPW2を生成し、夫々をデータドライバ13に供給する。そして、
図2に示すように、データ走査期間SPからブランク期間BPに切り替わると、駆動制御部11は、その時点から所定の電源停止期間T1の間に亘り電源供給を停止させるべき例えば論理レベル0の電源スイッチ信号PW1をデータドライバ13に供給し、その後、電源スイッチ信号PW1を論理レベル1の状態に戻す。この際、データ走査期間SPからブランク期間BPに切り替わると、駆動制御部11は、その時点から所定の電源停止期間T2(T2>T1)に亘り、電源供給を停止させるべき論理レベル0の電源スイッチ信号PW2をデータドライバ13に供給し、その後、電源スイッチ信号PW2を論理レベル1の状態に戻す。更に、
図2に示すようにブランク期間BPの開始時点から電源停止期間T1だけ経過した時点で、駆動制御部11は、ダミーの画素データ系列に上記した基準タイミング信号を重畳させてなるクロック同期トレーニング用のデータ系列TLDを含む画素データ系列信号VPDを生成し、これをデータドライバ13に供給する。
【0014】
また、駆動制御部11は、表示デバイス20に印加する画素駆動電圧の極性を、例えば
図3に示すようにフレーム毎に正極性から負極生、或いは負極性から正極性に切り替えるべき極性切替信号POLを生成し、これをデータドライバ13に供給する。例えば、
図3に示すように、極性切替信号POLの立ち上がりエッジタイミング、及び立ち下がりエッジタイミングで、画素駆動電圧の極性が負極性から正極性、或いは正極性から負極性に切り替わる。
【0015】
更に、駆動制御部11は、映像データ信号VDに基づき、互いに時系列的に隣接する1フレーム分の映像データ同士が同一であるか否かを判定するフレーム一致判定部11aを含む。
【0016】
走査ドライバ12は、駆動制御部11から供給されたストローブ信号STBにおける各ストローブパルスに同期させて、所定のピーク電圧を有する水平走査パルスを生成し、これを表示デバイス20の走査ラインS
1〜S
m各々に順次、択一的に印加する。
【0017】
図4は、データドライバ13の内部構成を示すブロック図である。
図4に示すように、データドライバ13は、クロックデータリカバリ(以下、CDRと称する)回路130、電源スイッチ131、132、シフトレジスタ133、データラッチ134、階調電圧変換部135、及び出力バッファ136を含む。
【0018】
CDR回路130は、駆動制御部11から供給された画素データ系列信号VPD中から基準タイミング信号を抽出し、この基準タイミング信号に位相同期したクロック信号CLKを生成してシフトレジスタ133及びデータラッチ134に供給する。
【0019】
電源スイッチ131は、電源供給を継続させるべき例えば論理レベル1の電源スイッチ信号PW1が駆動制御部11から供給されている間はオン状態となり、ディジタル回路駆動用の電源電圧VLを、CDR回路130と、データ取込部としてのシフトレジスタ133及びデータラッチ134に供給する。よって、この間、CDR回路130、シフトレジスタ133及びデータラッチ134は、この電源電圧VLの供給に応じて動作可能な状態となる。一方、電源を停止させるべき例えば論理レベル0の電源スイッチ信号PW1が供給されている間は、電源スイッチ131はオフ状態となり、CDR回路130、シフトレジスタ133及びデータラッチ134への電源電圧VLの供給を停止する。よって、この間、CDR回路130、シフトレジスタ133及びデータラッチ134は動作停止状態となる。
【0020】
電源スイッチ132は、電源供給を継続させるべき例えば論理レベル1の電源スイッチ信号PW2が駆動制御部11から供給されている間はオン状態となり、画素駆動用の電源電圧VHを、画素駆動電圧出力部としての階調電圧変換部135及び出力バッファ136に供給する。よって、この間、階調電圧変換部135及び出力バッファ136は、かかる電源電圧VHの供給に応じて動作可能な状態となる。一方、電源を停止させるべき例えば論理レベル0の電源スイッチ信号PW2が供給されている間は、電源スイッチ132はオフ状態となり、階調電圧変換部135及び出力バッファ136への電源電圧VHの供給を停止する。よって、この間、階調電圧変換部135及び出力バッファ136は動作停止状態となる。
【0021】
シフトレジスタ133は、駆動制御部11から供給された画素データ系列信号VPD中から、クロック信号CLKに同期したタイミングにて各画素に対応した画素データPDを順次取り込む。この際、シフトレジスタ133は、1水平走査ライン分(n個)の取り込みが為される度に、n個の画素データPDを画素データP
1〜P
nとしてデータラッチ134に供給する。
【0022】
データラッチ134は、
図2に示すストローブ信号STBに応じて、シフトレジスタ133から供給された画素データP
1〜P
nをクロック信号CLKに同期したタイミングで取り込み、これらを階調電圧変換部135に供給する。
【0023】
階調電圧変換部135は、データラッチ134から供給された画素データP
1〜P
nを、夫々の輝度レベルに対応した電圧値を有する画素駆動電圧V
1〜V
nに変換して出力バッファ136に供給する。
【0024】
出力バッファ136は、画素駆動電圧V
1〜V
n各々の極性を、駆動制御部11から供給された極性切替信号POLのエッジタイミングにて正極性から負極性、又は負極性から正極性に切り替える。出力バッファ136は、上述したように極性の切り替えが為された各画素毎の画素駆動電圧の各々を所望に増幅したものを画素駆動電圧G
1〜G
nとし、夫々を表示デバイス20のデータラインD
1〜D
nに印加する。
【0025】
表示デバイス20は、
図2に示すように、各フレーム表示期間内のデータ走査期間SP内において、ストローブパルスSB
1〜SB
mの各々に同期した走査パルスが走査ラインS
1〜S
mの各々に順次、択一的に印加されることにより、画素駆動電圧G
1〜G
nに応じた映像を1走査ライン分ずつ順に表示して行く。
【0026】
以下に、上記した駆動制御部11及びデータドライバ13を含む駆動装置の動作について説明する。
【0027】
駆動制御部11は、フレーム一致判定部11aにおいて、互いに時系列的に隣接する1フレーム分の映像データ同士が一致していないと判定された場合、つまり、映像データ信号VDに基づく映像が動画像である場合には、
図5に示すように、前述した
図2及び
図3に従った制御を行う(動画駆動モード)。一方、フレーム一致判定部11aにおいて、互いに時系列的に隣接する1フレーム分の映像データ同士が一致していると判定された場合、つまり映像データ信号VDに基づく映像が静止画像である場合には、駆動制御部11は、以下の静止画駆動モードに従った駆動制御を行う。
【0028】
静止画駆動モードでは、駆動制御部11は、
図5に示すように、データドライバ13への画素データ系列信号VPDの供給を停止する。これにより、データドライバ13のシフトレジスタ133及びデータラッチ134内では画素データ系列信号VPDによる論理レベルの変化が生じないので、かかる論理レベルの変化に伴って流れる電流が実質的にゼロとなる。よって、これらシフトレジスタ133及びデータラッチ134が動作を停止することによって、消費電力の低減が図られる。
【0029】
尚、
図5に示す実施例では、例えば表示デバイス20が液晶の表示デバイスである場合に生じる液晶材料の劣化等に伴う画面の焼き付きを防止する為に、動画駆動モード及び静止画駆動モードの双方において、画素駆動電圧G
1〜G
nの極性をフレーム毎に反転させている。
【0030】
しかしながら、静止画駆動モードでは、
図6に示すように、画素駆動電圧G
1〜G
nの極性反転動作を一時的に停止してその極性を固定するようにしても良い。つまり、動画駆動モードから静止画駆動モードに遷移したら、駆動制御部11は、例えば
図6に示すように極性反転動作を1回分だけ省くべく2フレーム表示期間に亘り極性切替信号POLの論理レベルを固定する。よって、この間、データドライバ13の出力バッファ136内では電圧の極性反転処理が為されなくなるので、その分だけ電力消費量を低減させることが可能となる。尚、
図6に示す一例では、2フレーム表示期間に亘り画素駆動電圧の極性を固定するようにしているが、静止画駆動モードにおいて画素駆動電圧の極性を固定する期間は2フレーム表示期間に限定されない。要するに、表示デバイス20が焼き付きを起こすことのない期間であれば、3フレーム以上の所定の表示期間に亘り画素駆動電圧の極性を固定するようにしても良いのである。
【0031】
また、
図5及び
図6に示す一例では、動画駆動モード時には、1フレーム表示期間毎に画素駆動電圧の極性を反転させているが、2フレーム以上の複数のフレーム毎、要するにNフレーム(Nは整数)表示期間毎に画素駆動電圧の極性を反転させるようにしても良い。この際、静止画駆動モードでは、Kフレーム(KはNより大なる整数)表示期間に亘り画素駆動電圧の極性を固定する。
【0032】
また、
図5及び
図6に示す一例では、1フレーム分の画素駆動電圧の極性を一律に正極性から負極性、又は負極性から正極性に切り替えているが、極性切り替えの形態はこれに限定されない。例えば、出力バッファ136は、奇数の水平走査ラインSに対応した画素駆動電圧G
1〜G
nを正極性(又は負極性)、偶数の水平走査ラインSに対応した画素駆動電圧G
1〜G
nを負極性(又は正極性)とし、極性切替信号POLに応じてその極性を反転させるようにしても良い。また、例えば出力バッファ136は、画素駆動電圧G
1〜G
nの内で奇数のデータラインDに対応した画素駆動電圧Gを正極性(又は負極性)、偶数のデータラインDに対応した画素駆動電圧Gを負極性(又は正極性)とし、極性切替信号POLに応じてその極性を反転させるようにしても良い。
【0033】
以上のように、本発明に係る駆動装置は、映像データ信号(VD)に基づく各画素の輝度レベルを示す画素データ系列信号(VPD)を生成する駆動制御部(11)と、この画素データ系列信号に基づき画素各々の輝度レベルに対応した画素駆動電圧(G)を生成して表示デバイス(20)のデータライン(D)に供給するデータドライバ(13)と、を有する。この際、駆動制御部は、互いに時系列的に隣接する1フレーム分の映像データ信号同士が一致している場合には、データドライバへの画素データ系列信号の供給を停止することにより、消費電力の低減を図るようにしている。また、かかる駆動装置では、データドライバが周期的(Nフレーム表示期間毎)に画素駆動電圧の極性を反転させるにあたり、互いに時系列的に隣接する1フレーム分の映像データ同士が一致している場合には、所定期間(Kフレーム(N<K)表示期間)に亘り、出力バッファ136による画素駆動電圧の極性を固定することにより、消費電力を更に低減できるようにしている。