【実施例】
【0067】
以下に実施例を挙げ、本発明について更に説明する。なお、これらは本発明を何ら限定するものではない。
【0068】
<実施例1:SELEX法によるCryj2結合性核酸アプタマーのスクリーニング>
スギ花粉アレルゲンCryj2に対して結合能を有する核酸アプタマーは、SELEX法により作製した。24merのランダム化領域(N
24)と、両端に各3merのリンカー(TTT)により連結された各18merのプライマー領域を含む、一本鎖DNAライブラリー(5’−TCGTCTTCCGTCAACTACTTT−N
24−TTTCTCAATAGCGACACCGTA−3’:配列番号37)を初期ライブラリーとして用いた(約1×10
14クローン)。この一本鎖DNAライブラリーに、フォワード(Fw)プライマー(5’−TCGTCTTCCGTCAACTAC−3’:配列番号38)の相補鎖と、ビオチン標識リバース(Rv)プライマー(5’−TACGGTGTCGCTATTGAG−3’:配列番号39)とを混合し、95℃で10分間加熱し、30分かけて25℃まで冷却することにより、DNA構造のフォールディングと、プライマー領域のブロックと、ライブラリーのビオチン標識を行った。DNAライブラリーは、その後、0.05%(v/v)のTween20を含有するTBSバッファー(10mMのTris/HCl、150mMのNaCl、5mMのKCl、pH7.4)(TBST)に溶解した。
【0069】
標的タンパク質として、精製スギ花粉抗原Cryj1(林原生物化学研究所社製)または精製スギ花粉抗原Cryj2(林原生物化学研究所社製)をニトロセルロース膜上に固定した後(1μg/スポット)、4%(w/v)のスキムミルクを含有するTBSTにより、室温で1時間ブロッキングした。その後、ニトロセルロース膜をDNAライブラリー(濃度1μM)とともに室温で1時間インキュベーションした。次いで、ニトロセルロース膜をTBSTで5分間2回、10分間1回の計3回洗浄した後、Cryj1またはCryj2に結合したDNAをフェノールクロロホルム抽出し、エタノール沈殿を行った。回収したDNAを、FwプライマーおよびRvプライマー、ならびにPrimeSTAR GXL(タカラバイオ社製)を用いたPCRにより増幅した。増幅は、98℃を10秒(変性)、59℃を15秒(アニーリング)、68℃を30秒(伸長)の3ステップからなるサイクルを反復することにより行った。増幅されたDNAを一本鎖化し、次のラウンドのスクリーニングライブラリーとして使用した。
【0070】
上記工程を1ラウンドとして、Cryj1については5回、Cryj2については4回、スクリーニングラウンドを繰り返した。各スクリーニングラウンドにおけるライブラリー濃度およびPCRサイクル数は以下の通りである。
【表1】
【0071】
DNAライブラリーのCryj1またはCryj2に対する親和性を、各スクリーニングラウンドにつき、ドットブロットにより確認した。上記手順によりCryj1またはCryj2を固定したニトロセルロース膜について、上記濃度のDNAライブラリーとともにインキュベーションした。その後、ニトロセルロース膜をTBSTで5分間2回、10分間1回の計3回洗浄し、500ng/mLのホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)標識ニュートラアビジン(サーモサイエンティフィック社製)/TBSTとともに室温で1時間インキュベーションした。その後、ニトロセルロース膜をTBSTで5分間2回、10分間1回の計3回洗浄し、イモビロン(Immobilon)ウェスタン化学発光HRP基質(ミリポア社製)により、結合したDNAを可視化した。
【0072】
結果を
図1に示す。
図1の上段は、Cryj1を標的タンパク質としてスクリーニングを行った結果を示す。
図1の下段は、Cryj2を標的タンパク質としてスクリーニングを行った結果を示す。初期ライブラリーとともにインキュベーションしたニトロセルロース膜にはほとんどスポットが検出されないのに対し、スクリーニングラウンド回数を重ねたライブラリーとともにインキュベーションしたニトロセルロース膜には、強いスポットが検出された。この結果から、上記スクリーニングラウンドの反復によって、Cryj1またはCryj2に対して結合能を有する核酸アプタマーが選別されたDNAライブラリーが得られたことが示された。
【0073】
<実施例2:Cryj2結合性核酸アプタマーの配列解析>
上記スクリーニングラウンドの反復を経て得られたDNAライブラリーを、PrimeSTAR GXL(タカラバイオ社製)を用いてPCRにより増幅し、増幅産物をFastGene Gel/PCR Extraction Kit(日本ジェネティクス社製)により精製した。精製されたPCR産物に対し、AmpliTaq Gold(アプライドバイオシステムズ社製)を用いてAテーリングを行った後、pGEM−T Easyベクター(プロメガ社製)にTAクローニングした。得られたサブクローニングベクターにより、大腸菌DH5αを形質転換した。形質転換された大腸菌DH5αを培養し、生育したコロニーに対し、illustra TempliPhi DNA Amplification Kit(GEヘルスケア・ジャパン社製)を用いて、シークエンシング解析用の鋳型を調製し、DNAアプタマーの塩基配列を決定した。
【0074】
Cryj2を標的タンパク質として得られたDNAアプタマーの塩基配列を表2に、Cryj1を標的タンパク質として得られたDNAアプタマーの塩基配列を表3に示す。
【表2】
【表3】
【0075】
上記のDNAアプタマーについて、ClustalXを用いてアラインメントを行い整列した結果を
図2、アラインメントの結果から近隣結合法に基づいて作製した分子系統樹を
図3に示す。これらのDNAアプタマーのCryj1またはCryj2に対する結合能と、DNAアプタマーの構造的特徴との相関を明らかにするために、分子系統樹の全体をカバーするように、N
24領域配列としてCJ2−01〜CJ2−17(配列番号1〜17)を選択し(
図2B、○で表示)、これらのN
24領域配列を有するDNAアプタマーについて、Cryj1およびCryj2に対する結合能評価を行った。
【0076】
<実施例3:ドットブロットによるCryj2結合性核酸アプタマーの結合能評価>
CJ2−01〜CJ2−17(配列番号1〜17)のN
24領域配列を有するDNAアプタマーについて、Cryj1およびCryj2に対する結合能を、ドットブロットにより評価した。DNAアプタマーは、実施例1と同様の手順により、フォールディング、プライマー領域のブロックおよびビオチン標識の導入を行うことにより調製した(CJ2−01_p〜CJ2−17_p)。Cryj1およびCryj2(各0.1μg/スポット)、ならびに陰性対照としてヒト血清(2.5μL/スポット)および3%BSA(2.5μL/スポット)を、同一のニトロセルロース膜上に固定し、4%(w/v)のスキムミルクを含むTBSTにより、室温で1時間ブロッキングした。その後、上記調製したDNAアプタマー(100nM/TBST)とともに室温で1時間インキュベーションした。その後、実施例1と同様の手順によって、化学発光により、各スポットに対するDNAアプタマーの結合を可視化した。
【0077】
結果を
図4に示す。Cryj2を標的タンパク質としてスクリーニングを実施して得たDNAアプタマーであるCJ2−01_p〜CJ2−08_pはいずれもCryj2に結合し、このうち、CJ2−02_p、CJ2−04_p、CJ2−05_p、CJ2−06_pおよびCJ2−08_pの5クローン(
図2中、記号「*」により表示)が、Cryj2のみに特異的に結合することが明らかになった。Cryj2のみに特異的に結合したこれらのアプタマーは、
図3に示す分子系統樹において共通の分岐に属しており、以下の特徴的なコンセンサス配列:
5’−AGGGAAA−(G)
n−KGNGGMC−3’
(ここで、nは3または4であり、Kは、GまたはTであり、Mは、AまたはCであり、Nは、A、C、GまたはTである)を有することが明らかになった(表4)。
【表4】
【0078】
一方、Cryj1を標的タンパク質としてスクリーニングを実施して得られたDNAアプタマーであるCJ2−09_p〜CJ2−17_pは、いずれもCryj1に結合するが、Cryj1よりもCryj2に対して強く結合することが示された。この結果から、Cryj1を標的タンパク質としても、Cryj2結合性DNAアプタマーを調製することが可能であることが示された。
【0079】
<実施例4:Cryj2結合性核酸アプタマーによる破裂スギ花粉の染色>
Cryj2結合性核酸アプタマーが、破裂スギ花粉から放出されたCryj2に結合するかどうかを検証した。Cryj2結合性核酸アプタマーとして、CJ2−01〜CJ2−08(配列番号1〜8)のN
24領域配列を有するDNAアプタマーを選択し、実施例1と同様の手順により、フォールディング、プライマー領域のブロックおよびビオチン標識の導入を行うことにより調製した(CJ2−01_p〜CJ2−08_p)。また、陰性対照として、アプタマーのN
24領域配列をすべてチミンとしたもの(T24)を、実施例1と同様の手順により、フォールディング、プライマー領域のブロックおよびビオチン標識の導入を行うことにより調製した(T24_p)。
【0080】
破裂スギ花粉標本は、以下の手順により作製した。スギ花粉をスライドグラス上に塗抹し、5μLのTBSバッファー(10mMのTris/HCl、150mMのNaCl、5mMのKCl、pH7.4)を用いて破裂させた後、室温で30分乾燥させた。その後、95%エタノール:酢酸(99:1、v/v)にて氷上で15分固定し、TBSで3回リンスした後、1%のBSA及び100μg/mLの超音波処理済サケ精子DNAを含有するTBSにより、室温で15分ブロッキングを行った。なお、超音波処理済サケ精子DNAは、95℃で3分間加熱した後、使用するまで氷上で静置した。
【0081】
ブロッキング後の破裂スギ花粉標本を、TBSで3回リンスした後、上記の調製したアプタマー(5μM)とともに室温で1時間インキュベーションした。その後、破裂スギ花粉標本を、TBSTで5分間、3回洗浄し、5μg/mLのHRP標識ニュートラアビジン/TBSとともに室温で30分間インキュベーションした。その後、ペルオキシダーゼ染色DABキット(ナカライテスク社製)を用いて化学発色反応を行った。
【0082】
また、破裂スギ花粉におけるCryj2の局在を示すための比較例として、破裂スギ花粉におけるデンプンの染色を行った。Cryj2は、スギ花粉の細胞質内のデンプン粒に存在することが知られているため、デンプンを染色することにより、Cryj2の局在を確認することができる。破裂スギ花粉におけるデンプンの染色は、上記と同様の条件で破裂および固定を行った花粉標本に、ヨウ素溶液(ヨウ化カリウム2gを100mLの超純水に溶解後、ヨウ素1gを溶解して調製)を滴下することにより行った。
【0083】
破裂スギ花粉のCryj2結合性核酸アプタマーによる染色結果を
図5に、破裂スギ花粉のデンプン粒の染色結果を
図6に示す。また、破裂スギ花粉の構造を
図7に示す。スギ花粉は、吸水すると、花粉粒(外壁に内壁1および内壁2が付着したもの)から、内壁3および内壁4が付着した原形質体が遊離する(
図7(a))。さらに吸水が進むと、内壁4が膨張し(
図7(b))、内壁4が付着した原形質体が内壁3から放出される(
図7(c))。
【0084】
図5に示すように、CJ2−01_p〜CJ2−08_pのいずれのCryj2結合性核酸アプタマーによっても、破裂スギ花粉の原形質体および内壁3が染色された。デンプン粒も、同様に原形質体および内壁3に局在しており(
図6)、この結果から、CJ2−01_p〜CJ2−08_pのいずれのアプタマーも、破裂スギ花粉から放出されたCryj2を認識して結合できるものであることが明らかになった。
【0085】
以下、Cryj2結合性核酸アプタマーを代表して、実施例3において最も強いCryj2結合能を示したCJ2−06(配列番号6)のアプタマーについて、詳細な結合能評価を実施した。
【0086】
<実施例5:ドットブロットによるCJ2−06_pの結合能評価>
CJ2−06_pと、市販の抗Cryj2の抗体のCryj2に対する結合特異性を比較した。CJ2−06_pおよび初期ライブラリーは、実施例1と同様の手順により、フォールディング、プライマー領域のブロックおよびビオチン標識の導入を行うことにより調製した。抗Cryj2抗体として、抗Cryj2ポリクローナル抗体(林原生物化学研究所社製)および抗Cryj2モノクローナル抗体(林原生物化学研究所社製)を使用した。陰性対照として、ウサギIgG(シグマ・アルドリッチ社製)およびマウスIgG(シグマ・アルドリッチ社製)を使用した。ブロック鎖として、Fwプライマーの相補鎖およびRvプライマーを使用した。
【0087】
標的タンパク質であるCryj2と、競合タンパク質であるCryj1を、同一のニトロセルロース膜上に固定し(各0.1μg/スポット)、2%BSA/TBSTにより室温で1時間ブロッキングを行った。その後、上記調製したCJ2−06_p(100nM/TBST)、初期ライブラリー(100nM/TBST)またはブロック鎖(100nM/TBST)とともに室温で1時間インキュベーションした。その後、実施例1と同様の手順によって、化学発光により、各スポットに対するDNAアプタマーの結合を可視化した。
【0088】
抗体については、上記の抗体を一次抗体として用い(50ng/mL)、室温で1時間インキュベーションを行った。TBSTで5分間、3回洗浄した後、抗Cryj2ポリクローナル抗体およびウサギIgGに対してはHRP標識抗ウサギイムノグロブリン(ダコ・ジャパン社製)(1:2000)を、抗Cryj2モノクローナル抗体およびマウスIgGに対してはHRP標識抗マウスイムノグロブリン(ダコ・ジャパン社製)(1:1000)を、それぞれ二次抗体として用い、室温で1時間インキュベーションを行った。その後、DNAアプタマーと同様に、化学発光により、各スポットに対する抗体の結合を可視化した。
【0089】
結果を
図8に示す。CJ2−06_pのCryj2に対する検出感度は、市販の抗Cryj2ポリクローナル抗体よりも強く、市販の抗Cryj2モノクローナル抗体と同等であった。また、CJ2−06_pのCryj1に対する結合は、ほとんど検出されなかった。一方、市販の抗Cryj2ポリクローナル抗体では、Cryj1に対する結合が明確なスポットとして検出されており、この結果から、CJ2−06_pは、Cryj2に対し、市販の抗Cryj2ポリクローナル抗体よりも優れた結合特異性を有するものであることが示された。
【0090】
<実施例6:ドットブロットによるビオチン標識CJ2−06の結合能評価>
プライマー領域配列を有しない、N
24領域配列のみからなるアプタマーの結合能を評価するために、CJ2−06(配列番号6)の5’末端をビオチン化したアプタマー(Bio−CJ2−06)を調製し、ドットブロットを行った。陽性対照としてCJ2−06_p、陰性対照としてT24_pと、24塩基のチミンからなる核酸の5’末端をビオチン化したもの(Bio−T24)を使用した。ドットブロットは、実施例5と同様の手順および条件により行った。
【0091】
結果を
図9に示す。Bio−CJ2−06も、CJ2−06_pと同様にCryj2に対して結合するアプタマーであることが示された。
【0092】
<実施例7:酵素結合オリゴヌクレオチドアッセイ法によるBio−CJ2−06の結合能評価>
Bio−CJ2−06のCryj2に対する結合能を、酵素結合オリゴヌクレオチドアッセイ(ELONA)法により評価した。PBS(−)により希釈したCryj2(濃度10μg/mL)を、96ウェルプレートに100μL/ウェルずつ添加し、4℃で一晩固定した。その後、各ウェルをTBSTで3回洗浄し、続いて、1%BSA/TBSを200μL/ウェルずつ添加し、室温で1時間インキュベーションした。その後、各ウェルをTBSTで3回洗浄し、Bio−CJ2−06(16〜250nM/TBS)またはBio−T24(16〜250nM/TBS)を100μL/ウェルずつ添加し、室温で1時間インキュベーションした。その後、各ウェルをTBSTで5回洗浄し、500ng/mLのHRP標識ニュートラアビジン/TBSを100μL/ウェルずつ添加し、室温で1時間インキュベーションした。その後、各ウェルをTBSTで7回洗浄し、BMケミルミネッセンスELISA基質(POD)(ロシュ・ダイアグノスティックス社製)を100μL/ウェルずつ添加し、化学発光反応を行った。化学発光は、ARVO MX 1420マルチラベルカウンター(パーキンエルマー社製)により測定した。同一試料に対する3重測定結果の平均値を1回の測定値とし、Bio−CJ2−06については8回の測定値の平均値から、Bio−T24については3回の測定の平均値から、スキャッチャード・プロットを作製し、解離定数(Kd)を算出した。
【0093】
結果を
図10に示す。エラーバーは標準誤差を示す。CJ2−06の濃度に依存して化学発光シグナルが増加することが示された。
図10の結果に基づいて作製されたスキャッチャード・プロット(
図11)から、CJ2−06とCryj2の解離定数(Kd)は22nMと算出された。一般的な抗体のKd値は数nM〜数百nM程度であることから、CJ2−06はCryj2に対し、抗体と同等の高い結合親和性を有するものであることが明らかになった。
【0094】
<Bio−CJ2−06による破裂スギ花粉の染色>
破裂スギ花粉から放出されたCryj2に対するBio−CJ2−06の結合能を評価するために、破裂スギ花粉の染色を行った。破裂スギ花粉標本の調製および破裂スギ花粉の染色は、実施例4と同様の手順により行った。
【0095】
また、比較例として、実施例5で使用した市販の抗Cryj2モノクローナル抗体および抗Cryj2ポリクローナル抗体による染色を行った。陰性対照には、実施例5で使用したウサギIgGおよびマウスIgGを使用した。染色は、以下の手順により行った。破裂処理および固定処理後の破裂スギ花粉標本を、TBSで3回リンスした後、5%ヤギ血清および1%BSAを含有するTBSにより、室温で15分ブロッキングを行った。ブロッキング後の破裂スギ花粉標本を、TBSで3回リンスした後、上記の抗体を一次抗体として用い(2μg/mL)、室温で1時間インキュベーションを行った。TBSTで5分間、3回洗浄した後、抗Cryj2ポリクローナル抗体およびウサギIgGに対してはHRP標識抗ウサギイムノグロブリン(1:500)を、抗Cryj2モノクローナル抗体およびマウスIgGに対してはHRP標識抗マウスイムノグロブリン(1:500)を、それぞれ二次抗体として用い、室温で1時間インキュベーションを行った。その後、TBSTで5分間、3回洗浄した後、DNAアプタマーと同様に、その後、ペルオキシダーゼ染色DABキット(ナカライテスク社製)を用いて化学発色反応を行った。
【0096】
結果を
図12に示す。Bio−CJ2−06も、CJ2−06_pと同様に、市販の抗Cryj2抗体と同等のCryj2検出感度を有するものであることが示された。
【0097】
このように、Cryj2結合性核酸アプタマーは、Cryj2に対し、一般的な抗体と同等以上の高い結合親和性を有しており、破裂スギ花粉から放出されるCryj2を捕捉できるものであることが確認された。また、Cryj2結合性核酸アプタマーを使用することにより、生活環境での使用に適したCryj2検出試薬、検出キット、除去材、および抑制剤を提供することができることが示唆された。