【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態としては、試験測定システムがあり、これには、試験測定装置と、この試験測定装置に接続されるプローブと、このプローブに接続される被試験デバイスと、上記プローブの特性を表すパラメータを記憶するよう構成される少なくとも1つのメモリと、ユーザ・インタフェースと、プロセッサとが含まれる。ユーザ・インタフェースは、被試験デバイスの公称(nominal)の信号源インピーダンスを受けるように構成される。プロセッサは、メモリからプローブの特性を表すパラメータと、ユーザ・インタフェースからの被試験デバイスの公称信号源インピーダンスとを受け、これらプローブ特性を表すパラメータと公称信号源インピーダンスとを用いて等化フィルタを計算する。等化フィルタは、被試験デバイスの測定が原因で生じる被試験デバイスの負荷を補償(相殺:compensate)するのに適したものである。言い換えると、被試験デバイスの測定のためにプローブを被試験デバイスにロードする(このため、プローブによる負荷が試験デバイスに与えられる)影響を補償(相殺:compensate)するのに適している。
【0008】
本発明の別の実施形態としては、試験測定システムで使用する等化フィルタを計算する方法がある。この方法は、
試験測定装置のプローブの特性を表すパラメータをプロセッサが受ける処理と、
被試験デバイスの公称信号源インピーダンスをユーザ・インタフェースを介してプロセッサが受ける処理と、
プローブの特性を表すパラメータと、被試験デバイスの公称信号源インピーダンスとに基いて、被試験デバイスの測定が原因で生じる被試験デバイスの負荷を補償(相殺:compensate)するのに適した等化フィルタを算出する処理と
を含んでいる。
【0009】
本発明を別の観点から見ると、本発明の概念1は、試験測定システムであって、
試験測定装置と、
該試験測定装置に接続されたプローブと、
該プローブと接続された被試験デバイスと、
上記プローブの特性を表すパラメータを記憶するよう構成された少なくとも1つのメモリと、
上記被試験デバイスの公称信号源インピーダンスを受けるよう構成されたユーザ・インタフェースと、
上記メモリからの上記プローブの特性を表すパラメータと、上記ユーザ・インタフェースからの上記被試験デバイスの上記公称信号源インピーダンスとを受けると共に、上記メモリからの上記プローブの特性を表すパラメータと、上記ユーザ・インタフェースからの上記被試験デバイスの上記公称信号源インピーダンスとを用いて等化フィルタを計算するよう構成されるプロセッサと
を具えている。
【0010】
本発明の概念2は、上記概念1の試験測定システムであって、上記メモリが、更に上記試験測定装置の特性を表すパラメータを記憶するよう構成され、
上記プロセッサが、上記試験測定装置の特性を表す上記パラメータを受けて、上記試験測定装置の特性を表す上記パラメータを用いて上記等化フィルタを計算するよう構成されている。
【0011】
本発明の概念3は、上記概念1の試験測定システムであって、上記プローブの特性を表すパラメータがSパラメータであることを特徴としている。
【0012】
本発明の概念4は、上記概念1の試験測定システムであって、上記プローブの特性を表すパラメータがTパラメータであることを特徴としている。
【0013】
本発明の概念5は、上記概念2の試験測定システムであって、上記プローブ及び上記試験測定装置の特性を表すパラメータがSパラメータであることを特徴としている。
【0014】
本発明の概念6は、上記概念2の試験測定システムであって、上記プローブ及び上記試験測定装置の特性を表すパラメータがTパラメータであることを特徴としている。
【0015】
本発明の概念7は、上記概念1の試験測定システムであって、上記ユーザ・インタフェースが、実数の公称信号源インピーダンスを受けるよう構成されることを特徴としている。
【0016】
本発明の概念8は、上記概念1の試験測定システムであって、上記ユーザ・インタフェースが、複素数の公称信号源インピーダンスを受けるよう構成されることを特徴としている。
【0017】
本発明の概念9は、上記概念1の試験測定システムであって、
上記ユーザ・インタフェースが、上記被試験デバイスの試験ポイントの特性を表すパラメータを受けるよう更に構成され、
上記プロセッサが、上記被試験デバイスの上記試験ポイントの特性を表す上記パラメータを受けて、上記被試験デバイスの上記試験ポイントの特性を表す上記パラメータを用いて上記等化フィルタを計算するよう更に構成されることを特徴としている。
【0018】
本発明の概念10は、上記概念1の試験測定システムであって、ユーザが公称等化表示をオンにできるように、上記ユーザ・インタフェースが更に構成されていることを特徴としている。
【0019】
本発明の概念11は、上記概念1の試験測定システムであって、ユーザがプローブ・ロード・フィルタの利用を選択できるように、上記ユーザ・インタフェースが更に構成されていることを特徴としている。
【0020】
本発明の概念12は、上記概念1の試験測定システムであって、
上記等化フィルタで変更された、上記被試験デバイスから受けた信号を表す波形を表示するよう構成された表示装置を更に具えることを特徴としている。
【0021】
本発明を更に別の観点から見ると、本発明の概念13は、試験測定システムで使用する等化フィルタを計算する方法であって、
試験測定装置のプローブの特性を表すパラメータをプロセッサが受ける処理と、
被試験デバイスの公称信号源インピーダンスをユーザ・インタフェースを介して上記プロセッサが受ける処理と、
上記プローブの特性を表す上記パラメータと、上記被試験デバイスの上記公称信号源インピーダンスとに基いて、上記被試験デバイスの測定が原因で生じる上記被試験デバイスの負荷を補償(相殺:compensate)するのに適した等化フィルタを算出する処理と
を具えている。
【0022】
本発明の概念14は、上記概念12の方法であって、上記プローブの特性を表すパラメータがSパラメータであることを特徴としている。
【0023】
本発明の概念15は、上記概念12の方法であって、上記プローブの特性を表すパラメータがTパラメータであることを特徴としている。