特開2015-149479(P2015-149479A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-149479(P2015-149479A)
(43)【公開日】2015年8月20日
(54)【発明の名称】アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   H05K 9/00 20060101AFI20150724BHJP
   H05K 5/02 20060101ALI20150724BHJP
【FI】
   H05K9/00 C
   H05K5/02 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-20918(P2015-20918)
(22)【出願日】2015年2月5日
(31)【優先権主張番号】61/936585
(32)【優先日】2014年2月6日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/286233
(32)【優先日】2014年5月23日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】391002340
【氏名又は名称】テクトロニクス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】TEKTRONIX,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110001209
【氏名又は名称】特許業務法人山口国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エム・デイビッド・スワフォード
(72)【発明者】
【氏名】マーカス・ケイ・ダシルバ
(72)【発明者】
【氏名】スティーブ・ユー・ラインホルド
【テーマコード(参考)】
4E360
5E321
【Fターム(参考)】
4E360AB33
4E360CA02
4E360EA27
4E360ED02
4E360ED08
4E360EE04
4E360EE15
4E360GC02
4E360GC08
5E321AA01
5E321AA03
5E321AA11
5E321CC22
5E321GG01
5E321GG05
(57)【要約】
【課題】打ち抜き加工と積層構造を利用して製造コストを低減する。
【解決手段】電子部品を収納するのに適したアセンブリが、上部シールドと底部シールド210とから構成される。底部シールド210には、導電性外面カバー212と、仕切り部216と、これらの間のラミネート部214とがある。印刷回路基板(PCB)は、上部シールドと底部シールド210との間に配置される。ラミネート部214は、必要な電気的減衰性能を有すると共に、ラミネート処理に適した材料から形成される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品を収容するのに適したアセンブリであって、
第1シールドと、
該第1シールドと連結される第2シールドとを具え、
該第2シールドが
導電性外面カバーと、
仕切り部と、
ラミネート材料から構成され、上記導電性外面カバーと上記仕切り部との間に配置されるラミネート部とを有するアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品を収容する筐体又はシールドによるアセンブリに関し、特に、積層構造の筐体又はシールドによるアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、電子回路を収容するのに適した現在入手可能なアセンブリの例100を示す。アセンブリ100には、機械加工(machined)底部シールド110と、機械加工上部シールド130があり、これらの一方又は両方には、流し込み型ガスケット(form-in-place gasket(FIPG)、必要な場所に注入して形成するガスケット:非特許文献1参照)などのガスケットが設けられる。アセンブリ100には、印刷回路基板(PCB)120もあり、これは、機械加工底部シールド110と機械加工上部シールド130との間に配置され、固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−240801号公報
【特許文献2】特開平10−244557号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】「Choosing A Form-In-Place Gasket Solution」、Western Rubber & Supply社、[オンライン]、[2015年1月21日検索]、インターネット<http://www.westernrubber.com/blog/choosing-a-form-in-place-gasket-solution/>
【非特許文献2】「プリフォーム」の製品案内、千住金属株式会社、[オンライン]、[2015年1月23日検索]、インターネット<http://www.senju-m.co.jp/product/solder/preform/index.html>
【非特許文献3】「PEM」の製品案内、PennEngineering社、[オンライン]、[2015年1月23日検索]、インターネット<http://www.pemnet.com/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図1に示すアセンブリ100のような1つ以上の機械加工シールドのあるアセンブリの主要な欠点は、機械加工シールドの内部空洞や外装表面だけでなく、ガスケット用の構造の形成に、機械加工で多くの材料を削り出すために生じる費用が大きいということである。また、機械加工にかかる時間は、製造コストを直接大幅に増加させることになる。
【0006】
従って、図1に示すアセンブリ100のようなアセンブリを代替する費用対効果の高いアセンブリが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態としては、印刷回路基板(PCB)を有するアセンブリがあり、PCBは、上部シールドと底部シールドとの間に配置されて固定される。このとき、上部及び底部シールドの少なくとも一方は、積層(ラミネート)シールドである。
【0008】
本発明の概念1は、電子部品を収容するのに適したアセンブリであって、
上部シールド(第1シールド)と、
該上部シールドと連結される底部シールド(第2シールド)とを具え、
該底部シールドが
導電性外面カバーと、
仕切り部と、
ラミネート材料から構成され、上記導電性外面カバーと上記仕切り部との間に配置されるラミネート部とを有している。
【0009】
本発明の概念2は、上記概念1のアセンブリであって、上記仕切り部が、導電性打ち抜き加工仕切り部であることを特徴としている。
【0010】
本発明の概念3は、上記概念1のアセンブリであって、上記上部シールドと上記底部シールドとの間に配置される印刷回路基板(PCB)を更に具えている。
【0011】
本発明の概念4は、上記概念3のアセンブリであって、上記底部シールドの上記仕切り部と上記PCBとの間に適切な間隔を設けるよう構成される機械構造部品(スペーサ)を少なくとも1つ更に具えている。
【0012】
本発明の概念5は、上記概念1のアセンブリであって、上記導電性外面カバーが打ち抜き加工アルミニウムで形成されることを特徴としている。
【0013】
本発明の概念6は、上記概念1のアセンブリであって、上記導電性外面カバーが、上記PCB上の少なくとも1つの部品用に追加の空間を与えるよう構成されることを特徴としている。
【0014】
本発明の概念7は、上記概念6のアセンブリであって、上記導電性外面カバーに凹みが設けられることを特徴としている。
【0015】
本発明の概念8は、上記概念6のアセンブリであって、上記導電性外面カバーに取り付けられ、上記PCB上の少なくとも1つの上記部品用に追加の空間を与えるよう構成される補助部品を更に具えることを特徴としている。
【0016】
本発明の概念9は、上記概念1のアセンブリであって、上記仕切り部がアルミニウムから構成されることを特徴としている。
【0017】
本発明の概念10は、上記概念1のアセンブリであって、上記ラミネート材料が、例えば、両面導電性粘着剤、アルミニウム半田ペースト、アルミニウム半田プリフォーム、導電性エポキシ、両面導電性粘着剤付シート・ガスケットの中の少なくとも1つであることを特徴としている。
【0018】
本発明の概念11は、上記概念1のアセンブリであって、上記導電性外面カバーと上記仕切り部との間にガスケット又はガスケットのような部材を保持する、少なくとも1つの機械的固定部材(ファスナ)を更に具えている。
【0019】
本発明の概念12は、上記概念11のアセンブリであって、少なくとも1つの上記機械的固定部材(ファスナ)が、例えば、リベット、ねじ、PEM(登録商標)固定用製品の中の1つであることを特徴としている。
【0020】
本発明の概念13は、上記概念11のアセンブリであって、上記ガスケットのような部材が、例えば、凹み付シート・ガスケット、金網スクリーン、シート・ガスケット、誘電性吸収材の中の1つであることを特徴としている。
【0021】
本発明の概念14は、上記概念1のアセンブリであって、上記仕切り部には、上記PCB上の少なくとも1つの上記部品用に追加の空間を与えるための少なくとも1つの空間形成用空洞があることを特徴としている。
【0022】
本発明の概念
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は、電子回路を収容するのに適した現在入手可能なアセンブリの例を示す。
図2図2は、電子回路を収容するのに適した本発明の実施形態の例によるアセンブリの例を示す。
図3図3は、図2に示した本発明の実施形態による積層(ラミネート)底部シールドの例の詳細を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図2は、電子回路を収容するのに適した本発明の実施形態によるアセンブリの例200を示す。この例において、アセンブリ200には、底部シールド210と上部シールド230との間に配置され、固定された印刷回路基板(PCB)220がある。上部シールド230は、機械加工しても良いし、薄板を重ねて(即ち、積層構造で)製造しても良い。
【0025】
図3は、図2に示した本発明の実施形態による積層底部シールドの例210の詳細を示す。この例において、底部シールド210には、導電性外面カバー212と導電性打ち抜き加工(punched)仕切り部(wall section:壁部)216がある。導電性外面カバー212は、例えば、これに合致する適切な構造のラミネート部214を使って取り付けられる。機械構造部品(位置決めストッパ兼スペーサ)218は、導電性打ち抜き加工仕切り部216とPCB220との間の間隔を適切なものにする大きさのものとし、ガスケット部材が過大に圧迫されないようにする。
【0026】
導電性外面カバー212は、例えば、アルミニウムのような適切な導電性材料から打ち抜き加工で製造しても良い。別の実施形態では、導電性外面カバー212を打ち抜き加工ではなく、例えば、レーザー切断、水ジェット切断、プレス加工(スタンピング)などの他の適切な金属加工処理で形成しても良い。部品用の空間として、打ち抜き加工仕切り部216の高さが少し足りないのならば、外面カバー212に凹み(ディンプル)を設けるか、これに取り付ける補助部品を用意して、不足する高さを補っても良い。
【0027】
ラミネート部214を形成する材料は、大まかに言えば、必要な電気的減衰性能を有すると共に、ラミネート処理に適した材料から選択される。外面カバー212及び仕切り部216の両方をアルミニウムから形成する例で考えてみる。こうした例では、使用に適したラミネート部用の材料には、大雑把に言えば、例えば、両面導電性粘着剤、アルミニウム半田ペースト、アルミニウム半田プリフォーム(非特許文献2参照)、導電性エポキシ、両面導電性粘着剤付シート・ガスケットなどがある。
【0028】
その他のラミネート処理方法としては、スポット溶接を利用したり、リベット、ねじ、PEM(登録商標)固定用製品(非特許文献3参照)など、機械的な固定部材を利用して、外面カバー212及び仕切り部216間にガスケット又はガスケットのような部材を保持するものがある。使用するガスケット部材としては、例えば、凹み付シート・ガスケット、金網スクリーン、シート・ガスケット、誘電性吸収材などがある。
【0029】
打ち抜き加工導電性仕切り部216も、例えば、アルミニウムのような任意の導電性材料から形成しても良い。ガスケット用スペーサ218で設けられる間隔を超える背の高いPCB部品用の空間を設けるために、複数の空間形成用空洞(clearance cavities:クリアランス空洞)が打ち抜き加工で形成される。この場合、ガスケット用スペーサによって、例えば、PCBの表面から0.025インチ(約0.0635センチメータ)の空間(クリアランス、間隔)が得られるようにする一方で、空洞の部分では、0.125インチ(約0.478センチメータ)の空間が得られるようにしても良い。別の実施形態としては、こうした空間をもっと大きくしたり、小さくしたりしても良い。空間を大きくしたければ、例えば、もっと厚い金属板(シート)を用いるか、又は、供給業者で可能な打ち抜き加工に制限があって必要なのであれば、複数の仕切り部を積層する(重ねて層状にする)ことによって、空間を大きくしても良い。
【0030】
本発明に実施形態による積層(ラミネート)打ち抜き金属板の手法は、多くの場合において、部品を製造する時間に加えて、打ち抜き加工処理の両方において、コストが低減される。2次的な圧延処理が必要となる場合でさえも、金属のビレット(billet:鋼片、圧延用素材)からシールド全体を圧延する必要がなくなるので、相当な節約になる。打ち抜き加工に比較した圧延処理のコストが原因で、製造業者は、遠隔地(海外など)の供給業者から圧延シールドを調達する傾向にあり、これが、着想を得てから部品を製造するまでの時間を増加させている。打ち抜き加工に移行することで、コスト面から、部品を遠隔地でなく近い場所(国内など)で部品を製造しようという動機が与えられることになるだろうし、これによって、着想から部品製造までの時間が短縮されることになろう。
【0031】
図示した実施形態を参照しながら本発明の原理を説明してきたが、こうした原理から離れることなく、図示した実施形態の構成や詳細を変更したり、望ましい形態に組み合わせても良いことが理解できよう。先の説明では、特定の実施形態に絞って説明しているが、別の構成も考えられる。
【0032】
特に、「本発明の実施形態によると」といった表現を本願では用いているが、こうした言い回しは、大まかに言って実施形態として可能であることを述べているに過ぎず、特定の実施形態の構成に限定することを意味するものではない。本願で用いているように、こうした用語は、別の実施形態に組み合わせ可能な同じ又は異なる実施形態を言及していると考えても良い。
【0033】
従って、本願で説明した実施形態は、幅広く種々に組み合え可能であるとの観点から、詳細な説明や図面等は、単に説明の都合によるものに過ぎず、本発明の範囲を限定するものと考えるべきではない。
【符号の説明】
【0034】
200 アセンブリ
210 底部シールド
212 導電性外面カバー
214 ラミネート部
216 仕切り部
218 機械構造部品(位置決めストッパ兼スペーサ)
220 印刷回路基板(PCB)
230 上部シールド
図1
図2
図3