【解決手段】本発明に係る発光装置(100)は、第1基板部(11)と、前記第1基板部(11)に対向する第2基板部(12)と、前記第1基板部(11)と前記第2基板部(12)の間の中間基板部(13)と、を含むように折り曲げられた可撓性配線基板(10)と、前記第1基板部(11)、前記第2基板部(12)、及び前記中間基板部(13)のうちの少なくとも1つの内面上に実装された光源装置(20)と、を備える発光装置であって、前記中間基板部(13)は、配線(15)以外の光反射性部材(16)を有し、当該発光装置の主発光面(101)とは反対の側に設けられていることを特徴とする。
当該発光装置を前記主発光面側から見たとき、前記LEDパッケージは、実装側の主面の幅が、前記実装側とは反対側の主面の幅より大きい、請求項3を引用する請求項4に記載の発光装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、発明の実施の形態について適宜図面を参照して説明する。但し、以下に説明する発光装置は、本発明の技術思想を具体化するためのものであって、特定的な記載がない限り、本発明を以下のものに限定しない。また、一の実施の形態において説明する内容は、他の実施の形態にも適用可能である。なお、各図面が示す部材の大きさ及び位置関係等は、説明を明確にするため、誇張していることがある。以下、図中に示す「x」方向を横方向又は側方、「y」方向を上下方向又は厚さ方向、「z」方向を前後方向とする。
【0011】
<実施の形態1>
図1(a)は実施の形態1に係る発光装置100の概略正面図であり、
図1(b)は
図1(a)におけるA−A断面を拡大して示す概略断面図であり、
図1(c)は発光装置100における折り曲げ前の可撓性配線基板上の光源装置の配置を示す概略平面図である。
【0012】
図1(a)〜(c)に示すように、発光装置100は、前方に主発光面101を有する横方向に長尺な発光装置である。発光装置100は、可撓性配線基板10と、第1光源装置20と、を備えている。可撓性配線基板10は、第1基板部11と、この第1基板部11に対向する第2基板部12と、第1基板部11と第2基板部12の間の中間基板部13と、を含むように折り曲げられている。光源装置20は、第1基板部11の内面上に実装されている。以下、この第1基板部11の内面上に実装される光源装置を「第1光源装置」とする。可撓性配線基板の中間基板部13は、配線15以外の光反射性部材16を有している。そして、可撓性配線基板の中間基板部13は、当該発光装置の主発光面101とは反対の側に設けられている。
【0013】
このように、発光装置100は、第1光源装置20(後述の第2光源装置22も)が実装された可撓性配線基板10を、
図1(c)中に示す点線を各部位の境界として(以下、他の実施の形態も同様)、断面視U字状などに折り曲げることによって、前方と横方向に(すなわち正面と左右側面が)開放した光源収容体を擬似的に形成して成る。したがって、可撓性配線基板の中間基板部13によって、発光装置後方への光の漏れを抑えることができる。また、可撓性配線基板の中間基板部13にある光反射性部材16により、第1光源装置20が発する光を前方に反射させて主発光面101から効率良く取り出すことができる。さらに、第1光源装置20の実装側である第1基板部11に加え、第2基板部12によっても、第1光源装置20が発する光の発光装置上下方向への漏れを抑えることができる。以上のように、発光装置100は、光源(光源装置内の光源)が発する光の利用効率に優れながら、薄型化可能な発光装置とすることができる。また、発光装置100からの意図しない発光を抑え、迷光の発生を抑制することができる。
【0014】
なお、図示する例の発光装置100では、可撓性配線基板10は、基体14上に、配線15と、光反射性部材16と、を順に有している。このように、光反射性部材16は、第1基板部11、第2基板部12、及び中間基板部13において、これら各部位の内面(最表面)を構成していることが光反射性の観点で好ましいが、これら各部位の内部にあっても外面を構成していても光の漏れを抑える効果を奏することができる。また、図示する例の発光装置100では、第1光源装置20(後述の第2光源装置22も)は、複数あり、発光装置の横方向に配列されているが、少なくとも1つあればよい。
【0015】
以下、発光装置100の好ましい形態について説明する。
【0016】
図1(a)及び(c)に示すように、発光装置100においては、可撓性配線基板の第1基板部11の内面上に光源装置20,第2基板部12の内面上に光源装置22が,各々実装されている。以下、この第2基板部12の内面上に実装される光源装置を「第2光源装置」とする。そして、当該発光装置100を主発光面101側から見たとき、第1光源装置20と第2光源装置22は、互いに上下方向に対向しないように配置されている。すなわち、第1光源装置20と第2光源装置22は、互いに重ならないように横方向にずれて配置されている。これにより、発光装置100を薄型に形成しやすい。また、第1基板部11と第2基板部12のいずれか一方のみに同数の光源装置を実装する場合に比べて、可撓性配線基板10上における光源装置の実装間隔を大きくでき、光源装置の放熱性を高めることができる。さらに、第1基板部11と第2基板部12のいずれか一方のみに同数の光源装置を実装する場合に受ける配線15の幅及び/又は間隔の制約を回避することができ、光源装置を密に配置しやすい。なお、本例では、第1光源装置20と第2光源装置22は、横方向に交互に並ぶように配置されているが、これに限らない。
【0017】
図1(b)に示すように、発光装置100において、可撓性配線基板の第1基板部11及び第2基板部12は、配線15以外の光反射性部材16を有している。これにより、第1光源装置20及び/又は第2光源装置22が発する光を光反射性部材16で効率良く反射させることができる。したがって、第1光源装置20及び/又は第2光源装置22が発する光の装置上下方向への漏れをよりいっそう抑えることができると共に、第1光源装置20及び/又は第2光源装置22が発する光を主発光面101から効率良く取り出すことができる。なお、本例のように第1基板部11と第2基板部12の両方が光反射性部材16を有していることが好ましいが、第1基板部11と第2基板部12のどちらか一方が光反射性部材16を有していてもよい。また、第1基板部11、第2基板部12、中間基板部13に各々設けられる光反射性部材16は、互いに同じであることが簡便で好ましいが、異なっていてもよい。
【0018】
図1(a)〜(c)に示すように、発光装置100において、第1光源装置20及び第2光源装置22は、側面発光型のLEDパッケージである。側面発光型のLEDパッケージは、それ自体で実装面と平行な一方向に効率良く発光することができ、可撓性配線基板の第1基板部11及び/又は第2基板部12の内面上に実装されたとき、主発光面101側への高効率の発光が可能である。しかし、パッケージから上下方向及び後方へ発せられる光も微量ながらあり、そのような光の漏れを、可撓性配線基板の第1基板部11、第2基板部12及び中間基板部13によって抑えることで、発光装置上下方向及び後方への光の漏れを効果的に抑えることができる。
【0019】
図1(a)及び(b)に示すように、発光装置100において、第1基板部11の内面と、第2基板部12の内面と、の距離(最大値)は、第1光源装置20(第2光源装置22でもよい)の厚さの2倍以下である。これにより、発光装置100を薄型に形成しやすい。特に、この第1基板部11の内面と第2基板部12の内面の距離は、ほぼ第1光源装置20(第2光源装置22でもよい)の厚さにすることができる。その場合、第1光源装置20の上面(天面)と第2基板部12の内面、及び/又は第2光源装置22の上面(天面)と第1基板部11の内面が接することがある。なお、より厳密には、ここでいう「第1光源装置20(第2光源装置22でもよい)の厚さ」には、半田などの接着剤の厚さも含めることができる。
【0020】
図1(a)に示すように、発光装置100において、当該発光装置100を主発光面101側から見たとき、側面発光型のLEDパッケージである第1光源装置20及び第2光源装置22は、実装側の主面(パッケージの底面)の幅が、実装側とは反対側の主面(パッケージの天面)の幅より大きくなっている。これにより、可撓性配線基板10が折り曲げられたときに、第1光源装置20及び第2光源装置22同士が干渉すること、又は、第1光源装置20若しくは第2光源装置22と半田などの接着剤が干渉することを避けやすく、第1光源装置20と第2光源装置22を密に配置しやすい。
【0021】
図1(a)及び(b)に示すように、発光装置100において、第1基板部11と第2基板部12の間に、第1光源装置20及び第2光源装置22を被覆する電気的絶縁性の被覆部材30が設けられている。これにより、第1光源装置20及び第2光源装置22を可撓性配線基板10上に安定して保持することができる。また、第1光源装置20と第2光源装置22の干渉による損傷及び/又は電気的な短絡を抑制乃至回避することができる。さらに、第1基板部11と第2基板部12、第1光源装置20と第2基板部12、第2光源装置22と第1基板部11、第1光源装置20と第2光源装置22などを互いに接着させることができる。なお、被覆部材30は、第1基板部11と第2基板部12の間の一部に設けられていてもよいが、本例のように第1基板部11と第2基板部12の間の略全ての空隙を満たすように充填されていることが好ましい。これらのことは、後述の被覆部材32についても同様である。
【0022】
図1(b)に示すように、発光装置100において、被覆部材30は、充填剤35を含有している。これにより、被覆部材30に、様々な機能を付与することができる。例えば、充填剤35が熱伝導性の高い物質であれば、被覆部材30を放熱グリスのように機能させ、第1光源装置20及び/又は第2光源装置22の放熱性を高めることができる。この場合、充填剤35は、光源装置及び/又は配線15の電気的短絡を回避できる範囲の配合であれば、金属であってもよい。金属の充填剤35としては、銀、銅、又はこれらの合金などが挙げられる。また例えば、充填剤35が白色顔料など光反射性の高い物質であれば、発光装置100の正面光度を高めることができる。また例えば、充填剤35が黒色顔料など遮光性の高い物質であれば、光源装置毎の発光領域を際立たせたり、主発光面101側における戻り光及び/又は外来光の反射を抑制したり、することができる。
【0023】
図1(a)〜(c)に示すように、発光装置100において、可撓性配線基板の中間基板部13には、光源装置が実装されていない。これにより、可撓性配線基板10を中間基板部13で折り曲げやすく、発光装置100を薄型に形成しやすい。但し、これに限らず、例えば高光束化を図るために、可撓性配線基板の中間基板部13にも光源装置が実装されてもよい(後述の実施の形態4参照)。また、可撓性配線基板の中間基板部13には、保護素子などの光源装置以外の半導体装置が実装されてもよい。保護素子としては、例えばツェナーダイオードが挙げられる。
【0024】
なお、可撓性配線基板の中間基板部13の形状は特に限定されないが、発光装置100では、
図1(b)に示すように、可撓性配線基板の中間基板部13は湾曲している。これにより、可撓性配線基板の中間基板部13の疲労が少なく、配線15の断線及び光反射性部材16の剥離などの発生を抑制乃至回避することができる。このほか、可撓性配線基板10が断面視V字状に折り曲げられた場合など、可撓性配線基板の中間基板部13が角張って曲がっていれば、中間基板部13ひいては発光装置100を小型に形成することができる。また、可撓性配線基板の中間基板部13に光源装置及び/又は他の半導体装置が実装される場合、可撓性配線基板10が中間基板部13の中央に平坦な領域を含むように(例えば断面視コの字状に)折り曲げられれば、その平坦な領域に光源装置及び/又は他の半導体装置を配置しやすい(後述の実施の形態4、特に
図4(b)参照)。また、このような可撓性配線基板10の折り曲げ後の形状は、配線15の存在により維持可能であるが、より維持しやすくするために、可撓性配線基板10を支持する支持部材が設けられてもよい。この支持部材は、可撓性配線基板10の外面を支持する支持具(ケース若しくはブラケットなど)でもよいし、可撓性配線基板10に形成され且つ配線15とは電気的に絶縁された、擬装(ダミー)配線若しくは金属膜でもよい。
【0025】
<実施の形態2>
図2(a)は実施の形態2に係る発光装置200の概略正面図であり、
図2(b)は
図2(a)におけるB−B断面を拡大して示す概略断面図であり、
図2(c)は発光装置200における折り曲げ前の可撓性配線基板上の光源装置の配置を示す概略平面図である。
【0026】
実施の形態2に係る発光装置200は、可撓性配線基板の折り曲げ形状の点、第2光源装置(実施の形態1における第2光源装置22)を備えていない点、並びに、第1光源装置の形状の点で、実施の形態1に係る発光装置100と異なり、その他の点では実施の形態1に係る発光装置100と共通している。なお、図示する例の発光装置200は、被覆部材(実施の形態1における被覆部材30)も備えていないが、これに限らず、被覆部材を備えていてもよい。
【0027】
図2(a)〜(c)に示すように、発光装置200は、前方に主発光面201を有する横方向に長尺な発光装置である。発光装置200は、実施の形態1の発光装置100に比べて光源装置の数が少ないが、実施の形態1の発光装置100より構成が簡素であり簡便に形成しやすい。発光装置200において、可撓性配線基板の第1基板部11の内面上に第1光源装置23が実装されており、第2基板部12の内面上には光源装置は実装されていない。第2基板部12は、第1光源装置23上を覆うように設けられている。第2基板部12の内面は、第1光源装置23の上面に接していてもよく、接着剤又は実施の形態1における被覆部材30によって第1光源装置23の上面に接着されていてもよい。本例においても、第1基板部11及び/又は第2基板部12が配線15以外の光反射性部材16を有していることで、第1光源装置23が発する光の発光装置上下方向への漏れをよりいっそう抑えることができると共に、第1光源装置23が発する光を主発光面201から効率良く取り出すことができる。なお、当該発光装置200を主発光面201側から見たとき、第1光源装置23における、実装側の主面(パッケージの底面)の幅は、実装側とは反対側の主面(パッケージの天面)の幅と略同等である。
【0028】
実施の形態1の発光装置100では、可撓性配線基板10を横方向に開放した擬似的な光源収容体として、横方向への光取り出しを促している。一方、発光装置200では、
図2(a)及び(c)に示すように、可撓性配線基板17は、側壁部18を有している。このように、可撓性配線基板10を、上下、後方に加え、横方向(左右側方)も閉じられた擬似的な光源収容体とすることで、発光装置100における可撓性配線基板10の形態に比べて正面光度を高めることができる。なお、本例では、側壁部18は、第2基板部12の端に連続して設けられ、第1基板部11側に折り曲げられて形成されているが、第1基板部11の端に連続して設けられ、第2基板部12側に折り曲げられて形成されてもよいし、中間基板部13の端に連続して設けられ、主発光面201側(前方)に折り曲げられて形成されてもよい。また、側壁部18は、第1基板部11、第2基板部12、又は中間基板部13との間の隙間を少なくするために、これらの部位の主面に沿うように折り曲げられる折りしろ部を有していてもよい。また、側壁部18もまた、配線15以外の光反射性部材16を有していることが好ましい。
【0029】
<実施の形態3>
図3(a)は実施の形態3に係る発光装置300の概略正面図であり、
図3(b)は
図3(a)におけるC−C断面を拡大して示す概略断面図であり、
図3(c)は発光装置300における折り曲げ前の可撓性配線基板上の光源装置の配置を示す概略平面図である。
【0030】
実施の形態3に係る発光装置300は、光源装置の形態の点で、実施の形態1に係る発光装置100と異なり、その他の点では実施の形態1に係る発光装置100と共通している。なお、図示する例の発光装置300は、被覆部材(実施の形態1における被覆部材30)を備えていないが、これに限らず、被覆部材を備えていてもよい。
【0031】
図3(a)〜(c)に示すように、発光装置300は、前方に主発光面301を有する横方向に長尺な発光装置である。発光装置300において、第1光源装置25及び第2光源装置26は、実施の形態1,2とは異なる形態の側面発光型のLEDパッケージである。このLEDパッケージは、LEDチップが、配線基板上にフリップチップ実装され、且つ側方を光反射性の被包部材で、前方を透光性部材(本例では蛍光体を含有するが省略可能である)で被覆されて成る。被包部材及び透光性部材の母材としては、被覆部材30と同じ物質を用いることができ、被包部材には酸化チタンなどの白色顔料を含有させればよい。このような第1光源装置25及び第2光源装置26は、凹部を有するパッケージにLEDチップを収容する形態のLEDパッケージより薄型に形成することができる。したがって、発光装置300は、実施の形態1の発光装置100より薄型に形成しやすい。しかし、パッケージを備えないため、第1光源装置25及び第2光源装置26(特に透光性部材)から上下方向及び後方へ発せられる光が比較的多くなるが、そのような光の漏れを、可撓性配線基板の第1基板部11、第2基板部12及び中間基板部13によって抑えることで、発光装置上下方向及び後方への光の漏れを抑えることができる。また、本例においても、第1基板部11及び/又は第2基板部12が配線15以外の光反射性部材16を有していることで、第1光源装置25及び/又は第2光源装置26が発する光の発光装置上下方向への漏れをよりいっそう抑えることができると共に、第1光源装置25及び/又は第2光源装置26が発する光を主発光面301から効率良く取り出すことができる。
【0032】
<実施の形態4>
図4(a)は実施の形態4に係る発光装置400の概略正面図であり、
図4(b)は
図4(a)におけるD−D断面を拡大して示す概略断面図であり、
図4(c)は発光装置400における折り曲げ前の可撓性配線基板上の光源装置の配置を示す概略平面図である。
【0033】
実施の形態4に係る発光装置400は、光源装置の形態の点、並びに、被覆部材の形態の点で、実施の形態1に係る発光装置100と異なり、その他の点では実施の形態1に係る発光装置100と共通している。なお、図示する例の発光装置400は、第1基板部及び第2基板部の距離と光源装置の厚さの関係の点、及び第3光源装置29(中間基板部13の内面上に実装される光源装置)を有する点でも、実施の形態1に係る発光装置100と異なるが、これに限らず、発光装置100と同様としてもよい。
【0034】
図4(a)〜(c)に示すように、発光装置400は、前方に主発光面401を有する横方向に長尺な発光装置である。発光装置400においては、可撓性配線基板の第1基板部11の内面上に第1光源装置27、第2基板部12の内面上に第2光源装置28、中間基板部13の内面上に第3光源装置29が各々実装されている。第1光源装置27、第2光源装置28、及び第3光源装置29は、LEDチップである。第1基板部11と第2基板部12の間に、第1光源装置27、第2光源装置28、及び第3光源装置29を被覆する電気的絶縁性で且つ透光性の被覆部材32が設けられている。被覆部材32は、蛍光体37を含有している。このような構成により、第1基板部11と第2基板部12の間の領域の略全てを光源領域として、1つの線状発光が得られる。なお、蛍光体37は、必ずしも必要ではなく、省略することができる。なお、図示する例の発光装置400では、第3光源装置29も、複数あり、発光装置の横方向に配列されているが、少なくとも1つあればよい。
【0035】
図4(a)及び(b)に示すように、発光装置400において、第1基板部11の内面と、第2基板部12の内面と、の距離(最大値)は、第1光源装置27(第2光源装置28でもよい)の厚さの2倍より大きくなっている。第1光源装置27及び/又は第2光源装置28をLEDチップとする場合、光源装置近隣において輝度が高くなりやすい。このため、第1基板部11の内面と、第2基板部12の内面と、の距離、すなわち被覆部材32の厚さを比較的大きくして、LEDチップが発する光を拡散させて、主発光面401から取り出すことが好ましい。また、被覆部材32に含有される蛍光体37は、光拡散剤としても機能させることができるが、別途、光拡散剤として充填剤を被覆部材32に含有させてもよい。なお、第1基板部11の内面と、第2基板部12の内面と、の距離の上限値は、特に限定されないが、例えば第1光源装置27(第2光源装置28でもよい)の厚さの10倍以下とし、発光装置の薄型化の観点からは、5倍以下とすることが好ましく、3倍以下とすることがより好ましい。また、発光装置の薄型化の観点から、第3光源装置29は、横方向に長く、上下(縦)方向に短いLEDチップを使用してもよい。
【0036】
図4(b)に示すように、発光装置400において、可撓性配線基板の中間基板部13における第1基板部11に連続する折り曲げ領域の内面、及び第2基板部12に連続する折り曲げ領域の内面は、湾曲面に形成されている。これにより、第3光源装置29から発せられる光を、主発光面401に直接的に向かう光に偏向させやすく、主発光面401から効率良く取り出しやすい。
【0037】
図4(b)に示すように、発光装置400において、主発光面401は、被覆部材32の表面により構成されている。特に、本実施形態の主発光面401は、前方に向かって凸面に形成されており、主発光面401から光をよりいっそう効率良く取り出することができる。また、
図4(a)に示すように、被覆部材32の側面もまた、横方向に向かって凸面に形成されている。このような被覆部材32の形状は、被覆部材32の量を調整すること、並びに、被覆部材32を固化させる際に第1基板部11及び/又は第2基板部12を押圧すること、などにより形成することができる。また、主発光面401は、可撓性配線基板10の先端(前面)より前方に突出しているが、上述の実施の形態1〜3の発光装置における主発光面のように、可撓性配線基板の先端より内側に形成することで、例えばバックライト装置の導光板の光入射面(側面)に発光装置を近接させやすく、導光板への光結合効率を高めやすい。さらには、導光板の端部が可撓性配線基板10の先端より内側に位置する、言い換えれば可撓性配線基板が導光板の上面及び/又は下面の端部を覆う、ようにすることもできる。
【0038】
なお、被覆部材32が可撓性を有することで、発光装置400を曲げて使用することができ、例えば曲面ディスプレイ用のバックライト装置などに有用である。
【0039】
以上、実施の形態1〜4では、光源装置が少なくとも可撓性配線基板の第1基板部11上に実装される発光装置の例について示したが、これらに限らず、光源装置は、第1基板部11、第2基板部12、及び中間基板部13のうちの少なくとも1つの内面上に実装されていればよく、例えば中間基板部13の内面上にのみ実装されていてもよい。
【0040】
以下、本発明の発光装置の各構成要素について説明する。
【0041】
(可撓性配線基板10,17)
可撓性配線基板は、基体と、その基体上に保持される配線と、を少なくとも有し、カバーレイ又はソルダーレジスト等の保護膜を更に有することが好ましい。可撓性配線基板は、基体及び/又は配線が、単層である基板に限らず、積層されている基板でもよい。可撓性配線基板の厚さ(総厚)は、例えば0.05mm以上2mm以下であり、0.05mm以上1mm以下が好ましく、0.05mm以上0.5mm以下がより好ましい。可撓性配線基板の折り曲げ前における平面視の大きさは、特に限定されないが、一例として、縦3mm以上10mm以下程度、横50mm以上200mm以下程度が挙げられる。
【0042】
(基体14)
基体は、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、液晶ポリマー、シクロオレフィンポリマーなどのフィルムを用いることができる。
【0043】
(配線15)
配線は、外部電源から光源装置への給電を担う導体である。配線は、箔又は膜として、基体の少なくとも上面に形成され、基体の内部及び/又は下面にも形成されていてもよい。また、配線は、光源装置が接合されるランド(ダイパッド)部、外部接続端子部、及びこれらを接続する引き出し配線部を含むことが好ましい。外部接続端子部は、接続のしやすさの観点から、可撓性配線基板の端部(例えば各図(a)及び(c)における右端にある延伸部)に設けられることが好ましいが、可撓性配線基板の下面(折り曲げ後の外面)、なかでも第1基板部の下面に設けられてもよい。配線は、銅、ニッケル、パラジウム、ロジウム、タングステン、クロム、チタン、アルミニウム、銀、金、又はこれらの合金で形成することができる。これらの金属又は合金の単層でも多層でもよい。特に、放熱性の観点においては銅又は銅合金が好ましい。また、その表層に、銀、アルミニウム、ロジウム、白金、金若しくはこれらの合金などの鍍金又は光反射膜が設けられていてもよく、なかでも光反射性に優れる銀が好ましい。
【0044】
(光反射性部材16)
光反射性部材は、樹脂などの高分子化合物の母材中に、白色顔料が配合された部材を用いることができる。光反射性部材の母材としては、上述の基体と同じ物質のほか、後述の被覆部材と同じ物質などが挙げられる。白色顔料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、チタン酸バリウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムなどが挙げられる。なお、光反射性部材は、上述のカバーレイ又はソルダーレジスト等の保護膜であってもよい。このほか、光反射性部材は、絶縁膜を介して配線などの短絡を回避できれば、金属膜としてもよい。このような金属膜としては、銀、アルミニウム、ロジウム、白金、又はこれらの合金の膜が挙げられる。
【0045】
(光源装置20,22,23,25,26,27,28,29)
光源装置は、LEDチップ、又は各種LEDパッケージを用いることができる。LEDパッケージは、樹脂又はセラミックのパッケージの凹部内にLEDチップが封止されたパッケージ型LED(特に表面実装型:SMD)、配線基板上にLEDチップが実装且つ封止された基板型LED(チップ・オン・ボード:COB)、LEDチップに突起電極(バンプ)と蛍光体層などが接合されたチップ・サイズ・パッケージ(CSP)などが挙げられる。樹脂のパッケージは、ポリアミド樹脂、ポリシクロヘキサンテレフタレート樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、又はこれらの変性樹脂やハイブリッド樹脂などの母材中に、後述の充填剤35と同じ物質の粒子(繊維状を含む)を含有させて形成できる。LEDチップの厚さは、0.05mm以上1mm以下が好ましく、0.1mm以上0.3mm以下がより好ましい。LEDパッケージの厚さは、0.2mm以上1mm以下が好ましく、0.3mm以上0.8mm以下がより好ましい。LEDチップは、可撓性配線基板上に実装された後、個々に封止部材(蛍光体含有可)で封止されていてもよい。なお、光源装置を複数用いる場合、各光源装置の発光色は、略同等に揃えてもよいし、異ならせてもよい。例えば、発光色が赤色、緑色、青色の3種の光源装置としてもよい。また、第1光源装置と第2光源装置の発光色を互いに異ならせてもよい。
【0046】
LEDチップは、特に、蛍光体を効率良く励起可能な窒化物半導体(In
xAl
yGa
1−x−yN、0≦x、0≦y、x+y≦1)の素子が好ましい。このほか、LEDチップは、ガリウム砒素系、ガリウム燐系半導体の素子でもよい。なお、光源装置としてLEDチップを用いる場合、LEDチップは、可撓性配線基板に、ワイヤで接続されてもよいが、導電性の接着剤でフリップチップ(フェイスダウン)実装されることが、断線を抑制乃至回避しやすい観点で好ましい。このため、LEDチップは、透光性基板を有し、正負電極が同一面側にある素子が好ましい。透光性基板としては、サファイア又は窒化ガリウムなどが挙げられる。なお、LEDチップは、基板が除去されていてもよい。LEDパッケージ内のLEDチップの電極の形態及び実装形態は、特に限定されない。
【0047】
(被覆部材30,32)
被覆部材は、電気的絶縁性を有し、固化前は流動性を有する部材を用いることができる。被覆部材の具体的な母材としては、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、TPX樹脂、ポリノルボルネン樹脂、これらの変性樹脂、又はこれらの樹脂を1種以上含むハイブリッド樹脂などが挙げられる。また、各種ガラスを用いてもよい。なかでも、シリコーン樹脂及びその変性樹脂は、耐熱性及び耐光性に優れると共に、可撓性を比較的得られやすく、好ましい。被覆部材は、これらの母材の中に、充填剤及び/又は蛍光体を含有していてもよい。
【0048】
(充填剤35)
充填剤は、シリカ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、チタン酸バリウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、ワラストナイト、マイカ、チタン酸カリウム、ホウ酸アルミニウム、炭化珪素、酸化アンチモン、スズ酸亜鉛、ホウ酸亜鉛、酸化鉄、酸化クロム、酸化マンガン、カーボンブラック、窒化アルミニウム、窒化珪素、各種ガラスなどの粒子(繊維状を含む)を用いることができる。
【0049】
(蛍光体37)
蛍光体は、光源装置又は光源装置内の光源から出射される一次光の少なくとも一部を吸収して、一次光とは異なる波長の二次光を出射する。蛍光体は、一種類でもよいし、複数種類を組み合わせてもよい。具体的な蛍光体としては、セリウムで賦活されたイットリウム・アルミニウム・ガーネット、ユウロピウム及び/又はクロムで賦活された窒素含有アルミノ珪酸カルシウム、ユウロピウムで賦活されたサイアロン、ユウロピウムで賦活されたシリケート、マンガンで賦活されたフッ化珪酸カリウムなどが好ましい。