特開2015-173150(P2015-173150A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 新光電気工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特開2015173150-半導体パッケージ 図000003
  • 特開2015173150-半導体パッケージ 図000004
  • 特開2015173150-半導体パッケージ 図000005
  • 特開2015173150-半導体パッケージ 図000006
  • 特開2015173150-半導体パッケージ 図000007
  • 特開2015173150-半導体パッケージ 図000008
  • 特開2015173150-半導体パッケージ 図000009
  • 特開2015173150-半導体パッケージ 図000010
  • 特開2015173150-半導体パッケージ 図000011
  • 特開2015173150-半導体パッケージ 図000012
  • 特開2015173150-半導体パッケージ 図000013
  • 特開2015173150-半導体パッケージ 図000014
  • 特開2015173150-半導体パッケージ 図000015
  • 特開2015173150-半導体パッケージ 図000016
  • 特開2015173150-半導体パッケージ 図000017
  • 特開2015173150-半導体パッケージ 図000018
  • 特開2015173150-半導体パッケージ 図000019
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-173150(P2015-173150A)
(43)【公開日】2015年10月1日
(54)【発明の名称】半導体パッケージ
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/12 20060101AFI20150904BHJP
   H05K 1/18 20060101ALI20150904BHJP
【FI】
   H01L23/12 K
   H01L23/12 501T
   H05K1/18 U
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2014-47684(P2014-47684)
(22)【出願日】2014年3月11日
(71)【出願人】
【識別番号】000190688
【氏名又は名称】新光電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】井原 義博
【テーマコード(参考)】
5E336
【Fターム(参考)】
5E336AA04
5E336AA09
5E336AA16
5E336CC32
5E336CC42
5E336CC55
5E336DD02
5E336DD17
5E336DD18
5E336DD19
5E336EE03
5E336GG16
(57)【要約】
【課題】信頼性の低下を抑制すること。
【解決手段】半導体装置10は、半導体素子90が実装された配線基板30と、配線基板30に接続された複数の接続部材40を有している。接続部材40はそれぞれ、保持部材50と、保持部材に接続部61が保持された複数の接続端子60を有している。接続端子60は、ばね性を有する導電性の部材である。接続端子60の接続部63は、配線基板30の第2の面30bの接続用パッド32にそれぞれはんだ71により接続されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向する第1の面と第2の面と、前記第1の面の複数の実装用パッドと、前記第2の面の複数の接続用パッドとを有する配線基板と、
前記複数の接続用パッドに接続された複数の接続部材と、
を有し、
前記複数の接続部材はそれぞれ、
前記配線基板の第2の面と対向して配置された保持部材と、
第1端が前記保持部材により前記配線基板とは反対側の面から露出して保持され、第2端が前記接続用パッドに接続され、ばね性を有する導電性の複数の接続端子と、
を有すること、
を特徴とする半導体パッケージ。
【請求項2】
前記接続端子の第2端と前記接続用パッドとを接続する高融点の接続材を有すること、
を特徴とする請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項3】
前記保持部材から露出する前記接続端子の第1端の面に形成されたはんだボールと、
前記接続端子の第2端と前記接続用パッドとを接続する接続材と、
を有し、
前記接続材は前記はんだボールより高融点材であること、
を特徴とする請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項4】
前記接続端子は絶縁体を介して前記保持部材により保持されること、を特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の半導体パッケージ。
【請求項5】
前記保持部材は金属製であること、を特徴とする請求項4に記載の半導体パッケージ。
【請求項6】
前記接続端子は金属板を屈曲して形成されること、
を特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の半導体パッケージ。
【請求項7】
前記接続端子は、互いに平行な板状の第1接続部及び第2接続部と、前記第1接続部と前記第2接続部とを連結するばね部とを有すること、
を特徴とする請求項6に記載の半導体パッケージ。
【請求項8】
前記接続端子は柱状であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の半導体パッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
半導体パッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体素子は、ボールグリッドアレイ(BGA)やランドグリッドアレイ(LGA)等のパッケージに実装され、そのパッケージは、マザーボードなどの基板に実装される。パッケージは、例えばはんだにより基板に直接実装される。また、パッケージは、コネクタやソケットを用いて基板に接続される(例えば、特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−199641号公報
【特許文献2】特表2001−524258号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、直接実装では、鉛フリー化に伴い基板の反り等による接続部の破断等が発生し、接続の信頼性が低下するおそれがある。また、ソケット等を用いた実装では、直接実装と同様に、基板とソケットとの間の接続において接続の信頼性が低下するおそれがある。
【0005】
この半導体パッケージで、信頼性の低下を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一観点によれば、互いに対向する第1の面と第2の面と、前記第1の面の複数の実装用パッドと、前記第2の面の複数の接続用パッドとを有する配線基板と、前記複数の接続用パッドに接続された複数の接続部材と、を有し、前記複数の接続部材はそれぞれ、前記配線基板の第2の面と対向して配置された保持部材と、第1端が前記保持部材により前記配線基板とは反対側の面から露出して保持され、第2端が前記接続用パッドに接続され、ばね性を有する導電性の複数の接続端子と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一観点によれば、信頼性の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】半導体装置の概略断面図。
図2】半導体装置の概略を示す裏面図。
図3】保持部材の配列状態を示す半導体パッケージの一部裏面図。
図4】接続端子の斜視図。
図5】保持部材を示す斜視図。
図6】製造工程を示す断面図。
図7】(a)(b)は製造工程における接続端子を示す斜視図。
図8】製造工程を示す断面図。
図9】別の接続部材を示す概略断面図。
図10】別の接続部材を示す概略断面図。
図11】別の接続部材を示す概略断面図。
図12】別の接続部材を示す概略断面図。
図13】別の接続端子を示す斜視図。
図14】(a)は別の接続端子を示す斜視図、(b)は側面図。
図15】(a)は別の接続端子を示す斜視図、(b)は断面図。
図16】別の接続端子を示す斜視図。
図17】(a)(b)は別の接続端子を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、各実施形態を、添付図面を参照して説明する。
なお、添付図面は、部分的に拡大して示している場合があり、寸法,比率などは実際と異なる場合がある。また、断面図では、各部材の断面構造を分かりやすくするために、一部のハッチングを省略する場合がある。
【0010】
図1に示すように、半導体装置10は、実装基板(たとえば、マザーボード)MBの第1の面(図において上面)に実装される。
半導体装置10は、実装基板MBに接続される半導体パッケージ20と、その半導体パッケージ20に実装された半導体素子90とを有している。
【0011】
半導体パッケージ20は、配線基板30と、複数の接続部材40とを有している。配線基板30は、互いに対向する第1の面30a(図において上面)と第2の面30b(図において下面)とを有している。配線基板30の第1の面30a(図において上面)に半導体素子90が実装されている。配線基板30の第2の面30bに複数の接続部材40が接続されている。配線基板30は、複数の接続部材40を介して実装基板MBに接続される。
【0012】
配線基板30の第1の面30a(上面)には、複数の実装用パッド31が形成されている。実装用パッド31は、バンプ81を介して半導体素子90のパッド91に接続される。配線基板30はたとえば有機基材の基板(有機基板)であり、ガラス等の繊維を含む。実装用パッド31の材料は、たとえば銅(Cu)、ニッケル(Ni)、ニッケル合金等である。バンプ81は、たとえばはんだバンプである。
【0013】
配線基板30の第1の面30aと半導体素子90の間にはアンダーフィル樹脂82が充填されている。アンダーフィル樹脂82は、半導体素子90の側面下部から配線基板30の第1の面30aに向かってなだらかに傾斜して広がるフィレットを有している。アンダーフィル樹脂82は、配線基板30と半導体素子90との間の接続強度を向上させ、実装用パッド31等の腐食やエレクトロマイグレーションの発生を抑制する。アンダーフィル樹脂82の材料は、例えばエポキシ系樹脂やポリイミド系樹脂などの絶縁性樹脂、又はこれら樹脂にシリカやアルミナ等のフィラーを混入した樹脂材である。
【0014】
配線基板30の第2の面30b(下面)には、複数の接続用パッド32が形成されている。接続用パッド32の材料は、たとえば銅(Cu)、ニッケル(Ni)、ニッケル合金等である。配線基板30は、第1の面30aの実装用パッド31と第2の面30bの接続用パッド32とを互いに電気的に接続する。配線基板30は、内部に配線層が形成されていてもよく、配線層が形成されていなくてもよい。なお、配線基板30の内部に配線層が形成される場合には、複数の配線層が絶縁層を介して形成され、各配線層と各絶縁層に形成されたビアとによって実装用パッド31と接続用パッド32とを互いに電気的に接続している。配線基板30としては、例えばコア基板を有するコア付きビルドアップ基板やコア基板を有さないコアレス基板等を用いることができる。
【0015】
配線基板30の接続用パッド32には複数の接続部材40が接続されている。
図2に示すように、配線基板30は、平面視矩形状に形成されている。なお、図2では、半導体素子90、配線基板30、複数の接続部材40の外形を概略的に示し、それぞれに含まれる部材については省略されている。配線基板30の中央に半導体素子90(破線にて示す)が実装される。配線基板30の第2の面30b(下面)には複数の接続部材40が配設されている。本実施形態の半導体パッケージ20は9個の接続部材40を有し、それら接続部材40は、配線基板30の第2の面30bに沿ってマトリックス状に配置されている。
【0016】
図1に示すように、接続部材40は、保持部材50と複数の接続端子60を有している。保持部材50の材料は、LCP(Liquid Crystal Polymer)樹脂などの絶縁性を有する樹脂である。保持部材50は、本体部51と複数の突出部52とを有している。
【0017】
図3に示すように、本体部51は矩形状に形成されている。なお、図3では、隣接する複数の保持部材50の関係を判りやすくするため、1つの保持部材50を実線にて示し、他の保持部材50を破線にて示している。突出部52は、本体部51の各頂点から対角線に沿って外側に突出している。したがって、本実施形態の保持部材50は、4つの突出部52を有している。図1に示すように、本体部51は、互いに対向する第1の面51a(図において上面)と第2の面51b(図において下面)を有している。そして、突出部52は、本体部51の側面51cに沿って、本体部51の第2の面51bから第1の面51aに向かって、つまり本体部51の高さ方向に沿って延びるように形成されている。本体部51は、第1の面51aと第2の面51bとの間を貫通する複数の貫通孔53が形成されている。図5に示すように、貫通孔53は四角形筒状の内周面を有している。本体部51の第2の面51bにおいて、貫通孔53の開口端には段差部53aが形成されている。
【0018】
図4に示すように、接続端子60は、接続部61(第1接続部)と、ばね部62と、接続部63(第2接続部)とを有している。接続部61,63は、互いに対向する平板状に形成されている。ばね部62は、接続部61と接続部63とを連結する。ばね部62は、接続部61と接続部63の間に入り込むように湾曲している。ばね部62は、中央部62aの幅が、両端部62b,62cの幅よりも狭く設定されている。
【0019】
接続端子60は、ばね性を有する導電性の部材である。接続端子60の材料は、たとえば銅(Cu)、銅を含む合金であり、表面にニッケル(Ni)等のめっき膜が形成されている。接続部61の裏面は接続面61aであり、この接続面には金(Au)等のめっき膜が形成されている。このようなめっき膜は、はんだの濡れ性や接続信頼性を向上する。
【0020】
接続端子60は、たとえばプレス装置等によって所定の形状に外形加工された金属板を屈曲して形成される。接続端子60の厚さは、0.04〜1.00mmである。なお、金属板を所定の形状にエッチング加工し、その加工後の金属板を屈曲して接続端子60を形成してもよい。
【0021】
接続部63は、配線基板30の接続用パッド32と電気的及び機械的に接続されている。本実施形態において、接続部63は、はんだ71により接続用パッド32に接続されている。はんだ71は、接続材の一例である。なお、導電性樹脂ペースト(たとえば、銀(Ag)ペースト)などの導電性材料により接続部63と接続用パッド32とを接続してもよい。また、金(Au)とインジウム(In)による接合によって接続部63と接続用パッド32とを接続してもよい。
【0022】
接続部61は、保持部材50(本体部51)に形成された貫通孔53内に挿入され、保持部材50の本体部51に固定されている。図5に示すように、貫通孔53において、本体部51の第2の面51bの開口端に段差部53aが形成されている。この段差部53aは、接続部61の大きさと厚さに応じて、たとえば接続部61の厚さよりも深くなるように形成されている。このため、本体部51の第2の面51bが接続部61の接続面61aよりも突出するように、接続端子60の接続部61が配置される。そして、この接続部61をたとえば接着剤によって段差部53aに固定する。接着剤は、たとえば紫外線硬化性を有する接着剤、熱硬化性を有する接着剤、等を用いることができる。これにより、接続端子60は保持部材50(本体部51)に保持される。
【0023】
そして、図1に示すように、接続部61の接続面61aは、保持部材50(本体部51)の第2の面51bに対して露出している。この接続部61の接続面61aには、はんだボール83が形成されている。はんだボール83は、接続端子60と実装基板MBとを接続するために用いられる。このようなはんだボール83には、上記の接続部63を接続用パッド32に接続するはんだ71よりも融点の低い材料が用いられる。つまり、接続端子60は、接続部61と実装基板MBとを接続するはんだボール83より融点の高い材料(高融点材)を用いて配線基板30の接続用パッド32に接続されている。
【0024】
図3に示すように、突出部52は、隣接して配置された複数の保持部材50の配列間隔に応じた大きさにて形成されている。突出部52は、隣接して配置された複数の保持部材50の貫通孔53の配置間隔を互いに等しくするように設定されている。
【0025】
たとえば、本体部51に縦列状(マトリックス状)に形成された貫通孔53にはそれぞれ図4に示す接続端子60が挿入される。各接続端子60は、図1に示すように、配線基板30の接続用パッド32と接続される。配線基板30の接続用パッド32は、等ピッチにてマトリックス状に配置されている。したがって、1つの保持部材50に形成された複数の貫通孔53のピッチL1(貫通孔53の中心の距離であって、接続端子60の配置間隔)は、配線基板30の接続用パッド32の配置ピッチと等しく設定される。そして、隣接する2つの保持部材50(図3において、符号50a,50bを付す)において、保持部材50aの貫通孔53と、保持部材50bの貫通孔53のピッチL2は、保持部材50aにおけるピッチL1と等しい。したがって、図3において、横方向に配列された複数の貫通孔53の配置間隔は互いに等しい。なお、図3の横方向に配列された保持部材50について説明したが、図3の縦方向に配列された保持部材50についても同様である。
【0026】
次に、上記の半導体装置10における作用を説明する。
半導体装置10は、半導体素子90が実装された配線基板30と、配線基板30に接続された複数の接続部材40を有している。接続部材40はそれぞれ、保持部材50と、保持部材に接続部61が保持された複数の接続端子60を有し、接続端子60の接続部63は、配線基板30の第2の面30bの接続用パッド32にそれぞれはんだ71により接続されている。
【0027】
接続端子60は、ばね性を有する導電性の部材である。このような接続端子60は、配線基板30と保持部材50、つまり接続部61の間の距離の、配線基板30に対する保持部材50の傾きを許容する。したがって、熱等によって実装基板MBに反りやねじれが生じた場合、その実装基板MBの形状変化に応じて各保持部材50が独立して変位する。したがって、実装基板MBに接続されたはんだボール83に加わる応力が緩和され、はんだボール83における断線が低減される。
【0028】
また、保持部材50の突出部52は、図3に示すように、隣接した保持部材50の突出部52に当接し、隣接した2つの保持部材50の間に間隙55を形成する。この間隙55は、隣接した2つの保持部材50の相対的な傾きを許容する。したがって、はんだボール83に加わる応力が緩和され、はんだボール83における断線が低減される。
【0029】
そして、上記の保持部材50の姿勢の変化は、反り等が生じた実装基板MBに半導体パッケージ20を実装する際も同様である。したがって、反り等が生じた実装基板MBにたいして、半導体パッケージ20のはんだボール83を確実に接続される。このため、接続不良の発生がすくなくなり、歩留まりが向上する。そして、半導体パッケージ20の実装に対する工数や、実装基板MBに反りが生じないように温度などを管理する手間が削減される。
【0030】
接続端子60は、ばね性を有する導電性の部材である。このような接続端子60は、配線基板30に対して、その配線基板30の第2の面30bに垂直な方向において、配線基板30と保持部材50つまり接続部61との相対的な移動を許容する。また、接続端子60は、配線基板30の第2の面30bと平行な方向において、配線基板30と保持部材50(接続部61)との相対的な移動を許容する。
【0031】
次に、上記の接続部材40の製造工程の概略を説明する。
図6に示すように、保持部材50を形成する。たとえば、樹脂よりなる保持部材50は、モールド成型加工により形成することができる。
【0032】
次に、図7(a)に示すように、接続端子60を形成する。この接続端子60は、プレス加工やレーザ加工などの機械加工やエッチング等によって所定形状の金属板を生成し、その金属板を屈曲加工して製造される。
【0033】
なお、図7(b)に示すように、リードフレーム65によって接続された複数の接続端子60を一括して形成した後、個片化してもよい。
そして、図8に示すように、保持部材50に接続端子60を固定する。たとえば、保持部材50の段差部53aにたとえば紫外線硬化性を有する接着剤を塗布し、保持部材50の貫通孔53に接続端子60の接続部63を挿入する。そして、段差部53aに接続部61を当接させ、接着剤を硬化する。これにより、段差部53aに接続端子60の接続部61が固定され、保持部材50に接続端子60が保持される。なお、圧入により接続端子60を固定してもよい。たとえば、保持部材50の貫通孔53の大きさより接続端子60の接続部61の大きさを大きくしてその接続部61を貫通孔53に圧入して接続端子60を保持部材50に固定する。また、接続部61とばね部62の端部62bを含む部分の大きさを貫通孔53の大きさより大きくして圧入することで、接続端子60を保持部材50に固定してもよい。
【0034】
以上記述したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)半導体装置10は、半導体素子90が実装された配線基板30と、配線基板30に接続された複数の接続部材40を有している。接続部材40はそれぞれ、保持部材50と、保持部材に接続部61が保持された複数の接続端子60を有し、接続端子60の接続部63は、配線基板30の第2の面30bの接続用パッド32にそれぞれはんだ71により接続されている。
【0035】
ばね性を有する接続端子60により、半導体パッケージ20の配線基板30を実装基板MBに実装する。したがって、熱や応力により接続端子60が変形することにより、接続端子60と実装基板MBとを接続するはんだに加わる応力が低減される。これにより、はんだ(はんだボール83)の破損が低減され、信頼性の低下を抑制することができる。
【0036】
(2)反り等の発生した実装基板MBへ実装する場合、その実装基板MBの形状に応じて各保持部材50が独立して変位する。したがって、実装基板MBのパッドに対して各接続部材40のはんだボール83がそれぞれ接触するため、各接続端子60が実装基板MBに対して確実に接続される。このように、反り等が生じた実装基板MBに対して半導体パッケージ20を確実に接続することができる。そして、接続不良の発生が抑制されるため、歩留まりを向上することができる。
【0037】
(3)接続端子60の先端に形成されたはんだボール83は、接続端子60と配線基板30とを接続するはんだ71と比べ、融点が低い材料により形成されている。したがって、半導体パッケージ20を実装基板MBに実装する際のリフロー炉などの熱により、はんだ71が溶融することはない。したがって、実装基板MBに対して半導体パッケージ20を容易にすることができる。また、はんだ71が溶融するのに十分な熱を加えることで、実装基板MBから半導体パッケージ20を容易に取り外すことができる。
【0038】
尚、上記各実施形態は、以下の態様で実施してもよい。なお、上記実施形態と同様の部材については符号及び説明を省略することがある。
・上記実施形態に対し、接続部材40の構成、保持部材50や接続端子60の材質・形状を適宜変更してもよい。
【0039】
たとえば、図9に示すように、接続部材100は、保持部材110、保持具120、接続端子130を有している。
保持部材110は、上記実施形態の保持部材50と同様に、本体111、調整部112を有し、本体111は第1の面113と第2の面114との間を貫通する貫通孔115を有している。保持部材110は、金属製である。保持部材110の材料は、たとえばアルミニウム、アルミニウムを含む合金、銅、銅合金、等である。
【0040】
接続端子130は、接続部131,ばね部132、接続部133を有している。接続端子130は、側面視略C字状に形成されている。
接続端子130は、保持具120に固定されている。保持具120は、たとえば断面長方形状に形成されている。保持具120は保持部材110の貫通孔115内に固定されている。保持具120は、たとえばエポキシ系樹脂等の絶縁体である。このような金属製の保持部材110を、たとえばグランドに接続することで、接続端子130に対するノイズの混入が抑制される。このため、接続端子130により高周波の信号を伝達することが可能となる。
【0041】
なお、絶縁材よりなる保持具120に固定した接続端子130を、樹脂製の保持部材に用いてもよい。この場合、圧入、融着、または接着剤を用いて保持部材に保持具120を固定することができる。
【0042】
また、図10に示すように、接続部材100aは、保持部材110a,保持具120a、接続端子130を有している。保持部材110aは、図9に示す保持部材110と同様に、本体111a,調整部112を有し、本体111aは、第1の面113と第2の面114との間を貫通する貫通孔115aを有している。貫通孔115aは、第1の面113から第2の面114にかけて徐々に狭くなるテーパ状に形成されている。接続端子130は保持具120aに固定されている。保持具120aは断面長方形状または台形状に形成されている。保持具120aは貫通孔115aに圧入される。
【0043】
また、図11に示すように、接続部材100bは、保持部材110b,保持具120、接続端子130を有している。保持部材110bは、図9に示す保持部材110と同様に、本体111b,調整部112を有し、本体111bは、第1の面113と第2の面114との間を貫通する貫通孔115bを有している。貫通孔115bは、第1の面113における開口の大きさが第2の面114における開口よりも小さくなるように段差部116bが形成されている。保持具120は、保持部材110bの第2の面114側からと保持具120を貫通孔115bに挿入され、段差部116bにより固定(位置決め)される。
【0044】
また、図12に示すように、接続部材100cは、保持部材110c,保持具120、接続端子130を有している。保持部材110cは、図9に示す保持部材110と同様に、本体111c,調整部112を有し、本体111cは、第1の面113と第2の面114との間を貫通する貫通孔115cを有している。貫通孔115cは、第1の面113における開口の大きさが第2の面114における開口よりも大きくなるように段差部116cが形成されている。保持具120は、保持部材110cの第1の面113側からと保持具120を貫通孔115cに挿入され、段差部116cにより固定(位置決め)される。
【0045】
また、接続端子60の形状を適宜変更してもよい。
たとえば、図13に示すように、この接続端子200は、接続部201と、ばね部202と、接続部203とを有している。接続部201,203は、互いに対向する平板状に形成されている。ばね部202は平板状に形成され、接続部201と接続部203とを連結する。接続端子200は、接続部201と接続部203が、ばね部202との接続部から互いに逆方向に延びるように形成されている。
【0046】
また、図14(a),図14(b)に示すように、この接続端子210は、接続部211と、ばね部212と、接続部213とを有している。接続部211,213は、互いに対向する平板状に形成されている。ばね部212は平板状に形成され、接続部211と接続部213とを連結する。接続端子210は、接続部211と接続部213が、ばね部212との接続部から互いに同じ方向に延びるように形成されている。
【0047】
また、接続端子を柱状としてもよい。
たとえば、図15(a)に示すように、接続端子220は、円形板状の接続部221,223と、それら接続部221,223を連結する円柱状のばね部222とを有している。このばね部222は、撓みと軸方向における伸縮とが可能である。このような接続端子220は、たとえば、図15(b)に示すように、ばね部222に保持具230が固定され、この保持具230を保持部材に固定して接続部材とすることができる。
【0048】
また、図16に示すように、接続端子240を形成してもよい。この接続端子240は、円形板状の接続部241,243と、それら接続部241,243を連結するばね部242を有している。ばね部242は、中央部242aが両端部242b,242cに比べて細くなるように形成されている。このような接続端子240は、図15(b)と同様に、保持具を用いて保持部材に固定して接続部材とすることができる。
【0049】
また、図17(a)に示すように、接続端子250は、円形板状の接続部251,253と、それら接続部251,253を連結する円柱状のばね部252とを有している。そして、接続部251は、接続部253より大きく形成されている。このような接続端子250は、上記実施形態と同様に、接続部251を保持部材に直接固定して接続部材とすることができる。
【0050】
同様に、図17(b)に示す接続端子260は、円形板状の接続部261,263と、それら接続部261,263を連結するばね部262を有している。ばね部262は、中央部262aが両端部262b,262cに比べて細くなるように形成されている。そして、そして、接続部261は、接続部263より大きく形成されている。このような接続端子260は、上記実施形態と同様に、接続部261を保持部材に直接固定して接続部材とすることができる。
【0051】
・上記各形態では、図3に示すように、本体部51の4つの頂点部に突出部52を形成したが、突出部52の形成位置及び形状は上記実施形態に限定されない。たとえば、本体部51の側面に突出部を形成してもよい。また、本体部51の各側面に複数の突出部を形成してもよい。
【0052】
・上記各形態では、例えば図3に示すように、各保持部材50の突出部52が互いに当接することで、接続端子60の配列間隔を設定したが、突出部52が隣接する保持部材50の本体部51に当接して配列間隔を設定するようにしてもよい。
【0053】
・上記各形態では、図3に示すように、保持部材50に3×3個の接続端子60を保持したが、例えば2×2個,4×4個,5×5個のように、保持する接続端子60の数を適宜変更してもよい。また、3×4個、4×6個のように、縦方向の数と横方向の数を相違させた保持部材としてもよい。
【符号の説明】
【0054】
20 半導体パッケージ
30 配線基板
30a 第1の面
30b 第2の面
40 接続部材
50 保持部材
60 接続端子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17