【解決手段】発光装置の第1電極及び第2電極が実装基板の第1配線及び第2配線にそれぞれ接合材料を介して対向するよう接合される照明装置であって、前記実装基板の第1配線と前記発光装置の第1電極との少なくとも一部が平面視において重なる場合に、前記発光装置の向きにかかわらず、前記実装基板の第2配線と前記発光装置の第2電極との少なくとも一部が平面視において重なる照明装置である。
前記発光装置の第2電極は前記発光装置の第1電極の形状に応じて定められる点を回転中心とした場合に回転対称となる形状を有していることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
前記発光装置は、前記発光装置の実装面に対して垂直な軸を回転軸として−90°又は90°回転させた場合において、回転の前後における配光特性が等しくなることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の照明装置。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施形態1に係る照明装置を説明するための模式図である。(a)は実装基板の上面図、(b)は発光装置の底面図、(c)は発光装置を実装基板に載置した場合の様子を示す平面図、(d)は(c)中のA−A断面を示す断面図である。なお、(c)においては、実装基板を実線で示し、発光装置を破線で示している。
【
図2】実施形態1に係る照明装置を説明するための模式図である。(a)は実装基板の上面図、(b)は発光装置の底面図、(c)は発光装置を実装基板に載置した場合の様子を示す平面図、(d)は(c)中のA−A断面を示す断面図である。なお、(c)においては、実装基板を実線で示し、発光装置を破線で示している。
【
図3】実施形態1に係る照明装置を説明するための模式図である。(a)は実装基板の上面図、(b)は発光装置の底面図、(c)は発光装置を実装基板に載置した場合の様子を示す平面図、(d)は(c)中のA−A断面を示す断面図である。なお、(c)においては、実装基板を実線で示し、発光装置を破線で示している。
【
図4】実施形態1に係る照明装置を説明するための模式図である。(a)は実装基板の上面図、(b)は発光装置の底面図、(c)は発光装置を実装基板に載置した場合の様子を示す平面図、(d)は(c)中のA−A断面を示す断面図である。なお、(c)においては、実装基板を実線で示し、発光装置を破線で示している。
【
図5】実施形態2に係る照明装置を説明するための模式図である。(a)は実装基板の上面図、(b)は発光装置の底面図、(c)は発光装置を実装基板に載置した場合の様子を示す平面図、(d)は(c)中のA−A断面を示す断面図である。なお、(c)においては、実装基板を実線で示し、発光装置を破線で示している。
【
図6】実施形態3に係る照明装置を説明するための模式図である。(a)は実装基板の上面図、(b)は発光装置の底面図、(c)は発光装置を実装基板に載置した場合の様子を示す平面図、(d)は(c)中のA−A断面を示す断面図である。なお、(c)においては、実装基板を実線で示し、発光装置を破線で示している。
【
図7】実施形態4に係る照明装置を説明するための模式図である。(a)は実装基板の上面図、(b)は発光装置の底面図、(c)は発光装置を実装基板に載置した場合の様子を示す平面図、(d)は(c)中のA−A断面を示す断面図である。なお、(c)においては、実装基板を実線で示し、発光装置を破線で示している。
【
図8】実施形態4に係る照明装置を説明するための模式図である。(a)は実装基板の上面図、(b)は発光装置の底面図、(c)は発光装置を実装基板に載置した場合の様子を示す平面図、(d)は(c)中のA−A断面を示す断面図である。なお、(c)においては、実装基板を実線で示し、発光装置を破線で示している。
【
図9】実施形態4に係る照明装置を説明するための模式図である。(a)は実装基板の上面図、(b)は発光装置の底面図、(c)は発光装置を実装基板に載置した場合の様子を示す平面図、(d)は(c)中のA−A断面を示す断面図である。なお、(c)においては、実装基板を実線で示し、発光装置を破線で示している。
【
図10】セルフアライメント効果の原理について説明する図である。(a)はセルフアライメント効果が働く前の様子の一例を示し、(b)はセルフアライメント効果が働いた後の様子の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[実施形態1に係る照明装置100]
図1から
図4は、実施形態1に係る照明装置を説明するための模式図である。各図において、(a)は実装基板の上面図、(b)は発光装置の底面図、(c)は発光装置を実装基板に載置した場合の様子を示す平面図、(d)は(c)中のA−A断面を示す断面図である。なお、(c)においては、実装基板を実線で示し、発光装置を破線で示している。
【0009】
図1から
図4に示すように、実施形態1に係る照明装置100は、発光装置10の第1電極11及び第2電極12が実装基板20の第1配線21及び第2配線22にそれぞれ接合材料30を介して対向するよう接合される照明装置であって、実装基板20の第1配線21と発光装置10の第1電極11との少なくとも一部が平面視において重なる場合に、発光装置10の向きにかかわらず、実装基板20の第2配線22と発光装置10の第2電極12との少なくとも一部が平面視において重なる照明装置である。
【0011】
(発光装置10)
発光装置10は、発光素子13、第1電極11、及び第2電極12を備えている。また、発光装置10は、発光素子13が載置されるパッケージ14と、発光素子13を封止するカバー15とを備えている。発光装置10の第1電極11は例えばパッケージ14の下面に形成されたn側外部電極であり、発光装置10の第2電極12は例えばパッケージ14の下面に形成されたp側外部電極である。発光装置10の第1電極11および第2電極12は、ともに、発光装置10の実装面側(本実施形態ではパッケージ14の下面)に形成されており、リードフレームやスルーホールなどの金属部材を介して、パッケージ14の上面側にある発光素子13のn側電極およびp側電極に電気的に接続されている。
【0012】
発光素子13は、例えば、発光ダイオードチップやレーザダイオードチップなどである。発光素子13は、例えば、サファイア基板、n型半導体層、発光層、及びp型半導体層などを備えている。n型半導体層の厚みは例えば1〜2μm程度であり、発光層の厚みは例えば50〜150nm程度であり、p型半導体層の厚みは例えば100〜300nm程度である。なお、発光素子13はサファイア基板を備えていなくてもよい。また、n型半導体層、発光層、及びp型半導体層は、例えば、窒化物半導体などを用いて形成することができる。
【0013】
パッケージ14としては、平板状のパッケージ(
図1から9を参照)のほか、例えば凹部を有するパッケージなどを用いることができる。平板状のパッケージをパッケージ14として用いる場合は、例えば、パッケージ14の上面に発光素子13を載置することができる。また、凹部を有するパッケージをパッケージ14として用いる場合は、例えば、凹部の底面に発光素子13を載置することができる。平板状のパッケージとしては、例えばセラミック基板を用いることができる。また、凹部を有するパッケージとしては例えば樹脂成形体(例:エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、アクリレート樹脂、ウレタン樹脂)を用いることができる。
【0014】
カバー15としては、例えば透光性の樹脂成形体(例:硬質シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ガラス)などを用いることができる。カバー15は、例えば、硬質シリコーン樹脂を滴下することなどにより形成される。カバー15の形状は特に限定されるものではないが、カバー15はパッケージ14よりも大きな略半円形のレンズ状(
図1から9を参照)に形成されていることが好ましい。このようにすれば、発光装置10が予め定められた向きとは異なる向きで実装基板20に載置された場合においても、カバー15の表面で発光素子13からの光を均一化させやすくなる。
【0015】
発光装置10としては、発光装置10の実装面に対して垂直な軸を回転軸として−90°又は90°回転させた場合において、回転の前後における配光特性(発光装置10の配光特性)が等しくなるものを用いるのが好ましい。この場合、搭載している発光素子13は、その発光面が回転対称性を有する形状であることが好ましく、さらに発光素子13の実装面に対して垂直な軸を回転軸として−90°又は90°に回転させた場合において、回転の前後における配光特性(発光素子13の配光特性)が等しくなるものであることがより好ましい。これらの発光装置を発光装置10として用いれば、発光装置10の実装面に対して垂直な軸を回転軸として−90°又は90°に回転させても配光特性に差異がない照明装置を提供することが可能になる。
【0016】
(実装基板20)
実装基板20は、基体23と、第1配線21、及び第2配線22を備えている。実装基板20の第1配線21は例えば発光装置10のn側外部電極(発光装置10の第1電極11の一例)に接合される配線であり、実装基板20の第2配線22は例えば発光装置10のp側外部電極(発光装置10の第2電極12の一例)に接合される配線である。実装基板20の第1配線21および第2配線22は、ともに基体23の上面に形成されている。
【0017】
基体23には、発光装置10に電力を供給するための導体配線が施されている。導体配線は、第1配線21及び第2配線22に接続されている。基体23の一例としては、銅箔などからなる導電性パターンが形成されたガラスエポキシ基板やフレキシブル基板あるいは絶縁性樹脂で結合された金属体などを挙げることができる。また、基体23は、基体23と発光装置10との間に発生する熱応力の影響が緩和されるよう、発光装置10と熱膨張係数がほぼ等しい材料で形成されていることが好ましい。
【0018】
(接合材料30)
接合材料30は、発光装置10の第1電極11及び第2電極12と実装基板20の第1配線21及び第2配線22とを接合する部材である。接合材料30には各種の部材を用いることができるが、ワイヤーは本明細書の接合材料30から除かれる。接合材料30の一例としては、例えば、リフローにより溶融し電極の全面に均一に拡がろうとする部材(例:SnPb系、SnAgCu系、AuSn系、SnZn系、SuCu系等のハンダ材料)を挙げることができる。このような部材を接合材料30として用いれば、実装基板20と発光装置10にセルフアライメント効果を生じさせることができるため、実装性の高い照明装置を実現することができる。なお、AuSn系のハンダ材料は、発光装置10をリフローで固定する場合において、耐熱性と接合信頼性の面で好ましく用いることができる。また、接合材料30には、濡れ性又はハンダクラック性が改善されるよう、Bi、Inなどを添加してもよい。
【0019】
(対向)
発光装置10の第1電極11及び第2電極12は、実装基板20の第1配線21及び第2配線22にそれぞれ接合材料30を介して対向するよう接合されている。
【0020】
(発光装置10の第1電極11、実装基板20の第1配線21)
発光装置10の第1電極11と実装基板20の第1配線21は、発光装置10が予め定められた向きとは異なる向きで実装基板20に載置された場合においても互いに導通する形状を有している。発光装置10の第1電極11と実装基板20の第1配線21がこのような形状を有する場合の一例としては、点Pを回転中心として回転対称(X回回転対称。Xは2以上の整数。)となる図形(例:円、楕円、正方形、三角形)を描いた場合に、この図形の外周に発光装置10の第1電極11が沿っており、実装基板20の第1配線21が発光装置10の第1電極11に対応する形状(完全に同じ形状であってもよいが、誤差と呼べる程度の違いがある形状であってもよい。)である場合を挙げることができる。また、より具体的には、
図1から
図4に示したように、発光装置10の第1電極11が点Pを回転中心として回転対称(X回回転対称。Xは2以上の整数。)となる形状であり、実装基板20の第1配線21が発光装置10の第1電極11に対応する形状(完全に同じ形状であってもよいが、誤差と呼べる程度の違いがある形状であってもよい。)である場合を挙げることできる。
【0021】
点Pは、例えば、発光装置10の第1電極11の形状に応じて発光装置10の底面に定められる点、およびその点に対応する実装基板20の上面に定められる点である。点Pは、例えば、
図1、2に示すように発光装置10の第1電極11内に定めたり、
図3、4に示すように発光装置10の第1電極11外に定めたりすることができる。なお、セルフアライメント効果が働く場合、発光装置10は回転中心である点Pを回転軸として回転することがある。
【0022】
発光装置10の第1電極11及び実装基板20の第1配線21は、単一の領域から構成されていてもよく、例えば均一な層厚の電極形状(
図1、2参照)や、内部に穴があるドーナツ状の電極形状(
図3参照)であってもよい。また、第1電極11や第1配線21は複数の領域(
図4参照)から構成されていてもよい。発光装置10の第1電極11が複数の領域から構成される場合は、点Pを、発光装置10の第1電極11を構成する複数の領域のうちいずれか1つの領域内に定めてもよい。
【0023】
(発光装置10の第2電極12、実装基板20の第2配線22)
発光装置10の第2電極12と実装基板20の第2配線22は、発光装置10が予め定められた向きとは異なる向きで実装基板20に載置された場合においても互いに導通する形状を有している。発光装置10の第2電極12と実装基板20の第2配線22がこのような形状を有する場合の一例としては、点Pを回転中心として回転対称(X回回転対称。Xは2以上の整数。)となる図形(例:円、楕円、正方形、三角形)を描いた場合に、この図形の外周に発光装置10の第2電極12が沿っており、実装基板20の第2配線22が発光装置10の第2電極12に対応する形状(完全に同じ形状であってもよいが、誤差と呼べる程度の違いがある形状であってもよい。)である場合を挙げることができる。また、より具体的には、
図1から
図4に示したように、発光装置10の第2電極12が点Pを回転中心として回転対称となる形状であり、実装基板20の第2配線22が発光装置10の第2電極12に対応する形状(完全に同じ形状であってもよいが、誤差と呼べる程度の違いがある形状であってもよい。)である場合を挙げることができる。
【0024】
点Pの定め方、均一な層厚の電極形状、ドーナツ状などについては、第1電極11や第1配線21の場合と同様である。また、単一の領域(
図1、3、4参照)から構成されてもよい点、複数の領域(
図2参照)から構成されてもよい点についても、第1電極11や第1配線21の場合と同様である。
【0025】
発光装置10の第2電極12及び実装基板20の第2配線22を複数の領域から構成する場合は、例えば、
図2のように、第2電極12(第2配線22)を、第1電極11(第2配線21)を取り囲む隙間領域Tを備えた複数の取り囲み部121、122(221、222)から構成していてもよく、この場合は、各取り囲み部121、122(221、222)を、
図2に示すように互いの隙間領域Tが塞がれるよう配置することが好ましい。このようにすれば、発光装置10を回転させた際に発光装置10の第2電極12と実装基板20の第2配線22とをより導通させやすくなる。なお、隙間領域Tとは、点Pを回転中心として発光装置10を回転した場合に描かれる第2電極12や第2配線22の軌跡(回転領域)のうち、第2電極12や第2配線22が形成されていない領域である。
【0026】
(載置)
発光装置10は、発光装置10の底面と実装基板20の上面とに定められた点Pが互いに合致するよう(完全に合致する場合のみならず、誤差と呼べる程度に縦方向や横方向にずれがある場合(
図1から
図4を参照)を含む。)、実装基板20の上面に載置される。この載置に際して、発光装置10が予め定められた向きとは異なる向きで実装基板20に載置されたとしても、実施形態1によれば、発光装置10の電極(第1電極11及び第2電極12)と実装基板20の配線(第1配線21及び第2配線22)との接合が確保される。
【0027】
以上説明した実施形態1に係る照明装置100によれば、実装基板20の第1配線21と発光装置10の第1電極11との少なくとも一部が平面視において重なる場合に、発光装置10の向きにかかわらず、実装基板20の第2配線22と発光装置10の第2電極12との少なくとも一部が平面視において重なる。したがって、実施形態1に係る照明装置100によれば、発光装置10を載置する向きにかかわらず発光装置10の電極(第1電極11及び第2電極12)と実装基板20の配線(第1配線21及び第2配線22)を接合することができるため、接合不良による歩留まりの低下を抑制して、照明装置を製造する際の生産性を向上させることができる。
【0028】
[実施形態2に係る照明装置200]
図5は、実施形態2に係る照明装置を説明するための模式図である。(a)は実装基板の上面図、(b)は発光装置の底面図、(c)は発光装置を実装基板に載置した場合の様子を示す平面図、(d)は(c)中のA−A断面を示す断面図である。なお、(c)においては、実装基板を実線で示し、発光装置を破線で示している。
【0029】
図5に示すように、実施形態2に係る照明装置200は、実装基板20の第2配線22が、発光装置10の第2電極12に対応する形状(完全に同じ形状であってもよいが、誤差と呼べる程度の違いがある形状であってもよい。)から一部が切り欠かれた形状(切り欠かれる前の形状は発光装置10の第2電極12と対応した形状である。)であるとともに、実装基板20の第1配線21が、発光装置10の第1電極11に対応する形状の本体部21aと、本体部21aから延在して切り欠かれている領域を通る付属部21bと、を有する点で、実施形態1に係る照明装置100と相違する。この場合の「延在」とは、付属部21bが本体部21aから切り欠かれている領域に向かって伸びている状態をいう。
【0030】
実施形態2に係る照明装置200によれば、実装基板20の上面の任意の位置から実装基板20の第1配線21に対して簡単に給電することができるため、例えば実装基板20の裏面側にヒートシンク等を備えているために裏面側に給電するスペースがない場合においても、実装基板20の第1配線21に対して簡単に給電することができる。
【0031】
なお、実装基板20の第2配線22が切り欠かれている領域においては、発光装置10と実装基板20がショートしないよう、実装基板20の第1配線21の付属部21bが絶縁部材40に覆われている。この場合の「覆う」とは、少なくとも発光装置10と実装基板20がショートしないように絶縁部材40が付属部21の表面に配置されていればよいことを意味し、絶縁部材40の形状が切り欠かれている領域と合致する形状であるかどうかは問わない。絶縁部材40としては、例えばポリフタルアミドなどの熱可塑性樹脂や、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、ガラスエポキシ、セラミックスなどを用いることができる。
【0032】
[実施形態3に係る照明装置300]
図6は、実施形態3に係る照明装置を説明するための模式図である。(a)は実装基板の上面図、(b)は発光装置の底面図、(c)は発光装置を実装基板に載置した場合の様子を示す平面図、(d)は(c)中のA−A断面を示す断面図である。なお、(c)においては、実装基板を実線で示し、発光装置を破線で示している。
【0033】
図6に示すように、実施形態3に係る照明装置300は、発光装置10の第2電極12及び実装基板20の第2配線22が互いに交差する2方向に沿った2辺12a、12bを有している点で、実施形態1に係る照明装置100と相違する。後述のとおり、セルフアライメント効果とは、接合材料30の表面張力が均衡するまで、発光装置10を平面視における縦方向または横方向に移動させたり時計回りまたは反時計回りに回転させたりする効果であるが、接合材料30の表面張力が均衡する場合とは、発光装置10の第1電極11及び第2電極12と実装基板20の第1配線21及び第2配線22が互いに合致する場合にほかならない。しかるところ、実施形態3に係る照明装置300によれば、(1)点X1、X2、X3、X4と点Y1、Y2、Y3、Y4がそれぞれ重なる向き、(2)点X1、X2、X3、X4と点Y2、Y3、Y4、Y1がそれぞれ重なる向き、(3)点X1、X2、X3、X4と点Y3、Y4、Y1、Y2がそれぞれ重なる向き、(4)点X1、X2、X3、X4と点Y4、Y1、Y2、Y3がそれぞれ重なる向きのいずれかでしか、接合材料30の表面張力が均衡せず、前述の合致が生じないものとされる。したがって、実施形態3に係る照明装置300によれば、接合材料30としてセルフアライメント効果を生じさせる部材を用いることにより、発光装置10を時計回り(符号K1で示す方向)あるいは反時計回り(符号K2で示す方向)に回転させて4通りの向きのいずれか1つの向きに向けることが可能となる。なお、
図6に示した例では、発光装置10が予め定められた向きとは異なる向きで実装基板20に載置されているとともに、予め定められた位置から縦方向と横方向に若干ずれて実装基板20に載置されている。したがって、発光装置10は、実装基板20への載置後に、時計回り(符号K1で示す方向)あるいは反時計回り(符号K2で示す方向)に回転するほか、縦方向や横方向にも若干移動する。
【0034】
発光装置10の第2電極12及び実装基板20の第2配線22が互いに交差する2方向に沿った2辺12a、12bを有する場合の一例としては、例えば、発光装置10の第2電極12がn角形(nは3以上)である場合などを挙げることができる。なお、第2電極が有する互いに交差する2方向に沿った辺とは、第2電極の頂点と頂点を結ぶ線分(直線)である。例えば、
図6に示す例でいうと、点X1と点X2を結ぶ線分12a、点X2と点X3を結ぶ線分12b、点X3と点X4を結ぶ線分12a、点X4と点X1を結ぶ線分12b、点Y1と点Y2を結ぶ線分12a、点Y2と点Y3を結ぶ線分12b、点Y3と点Y4を結ぶ線分12a、及び点Y4と点Y1を結ぶ線分12bが、互いに交差する2方向に沿った辺の一例となる。
【0035】
[実施形態4に係る照明装置400]
図7から
図9は、実施形態4に係る照明装置を説明するための模式図である。各図において、(a)は実装基板の上面図、(b)は発光装置の底面図、(c)は発光装置を実装基板に載置した場合の様子を示す平面図、(d)は(c)中のA−A断面を示す断面図である。なお、(c)においては、実装基板を実線で示し、発光装置を破線で示している。
【0036】
図7から
図9に示すように、実施形態4に係る照明装置400は、発光装置10の第2電極12の幅Wが不均一であり、実装基板20の第2配線22は発光装置10の第2電極12に対応する形状(完全に同じ形状であってもよいが、誤差と呼べる程度の違いがある形状であってもよい。)を有している点で、第2電極12の幅Wが均一である実施形態3に係る照明装置300と相違する。第2電極12の幅Wが均一である場合は、発光装置10の電極と実装基板20の配線が合致しやすくなり両者の導通を容易に図ることが可能となるが、第2電極12の幅Wが不均一である場合は、さらに照明装置の意匠性を向上させることができる。すなわち、前述のとおり、実施形態3に係る照明装置300によれば、4通りの向きのいずれか1つの向きでしか発光装置10の第1電極11及び第2電極12と実装基板20の第1配線21及び第2配線22が互いに合致しないものとされるが、実施形態4に係る照明装置400によれば、第2電極12の幅Wが不均一であるため、発光装置10の第2電極12に平面視における縦方向や横方向の対称性や回転対称性がなくなり、発光装置10がハンダ量の多い方へ一方的に移動や回転するようになるため、1通りの向きでしか発光装置10の第2電極12と実装基板20の第2配線22が合致しないものとなる。このため、実施形態4に係る照明装置400によれば、発光装置10を一方向にのみ回転・移動させるようセルフアライメント効果が働くため、例えば複数の発光装置10を1つの実装基板20に実装する場合などにおいて、各発光装置10を同じ方向に整列させるのみならず、同じ向きに向けることが可能となり、照明装置の意匠性を向上させることができる。
【0037】
発光装置10の第2電極12の幅Wが不均一である場合とは、例えば、
図7に示すように幅Wが連続的に大きくなるような場合や、
図8に示すように幅Wが断続的に大きくなるような場合のほか、
図9に示すように幅Wが局所的に大きくなる場合などをいう。なお、
図8に示すように幅Wが断続的に大きくなるような場合には、表面張力を均衡させようとする力が一時的にではなく段階的にハンダにかかり、発光装置10の第2電極12及び実装基板20の第2配線22の形状それ自体が発光装置10を移動や回転させるガイドとしての役割を果たすようになるため、発光装置10の第1電極11及び第2電極12と実装基板20の第1配線21及び第2配線22を互いに合致させることが容易になる。
【0038】
[セルフアライメント効果]
図10は、セルフアライメント効果の原理について説明する図であり、(a)はセルフアライメント効果が働く前の様子の一例を示し、(b)はセルフアライメント効果が働いた後の様子の一例を示す。
【0039】
セルフアライメント効果とは、リフローにより、溶融した接合材料30の表面張力が均衡するまで、発光装置10を平面視における縦方向や横方向に移動させたり時計回りまたは反時計回りに回転させたりする現象をいう。しかるところ、溶融した接合材料30の表面張力が均衡する場合とは、発光装置10の第1電極11及び第2電極12と実装基板20の第1配線21及び第2配線22が互いに合致する場合にほかならない。したがって、セルフアライメント効果によれば、発光装置10と実装基板20の位置関係が、発光装置10を実装基板20に載置した際にたとえ
図10(a)に示すようにずれていたとしても、その後、
図10(b)に示すように正常な位置関係へと修復されやすくなる。なお、セルアライメント効果による位置関係の修復が十分になされない場合あるいは全くなされない場合であっても、実施形態1から4によれば、前述のとおり、発光装置10の電極と実装基板20の配線を導通させることができる。
【0040】
以上、実施形態について説明したが、これらの説明は、一例に関するものであり、特許請求の範囲に記載された構成は、これらの説明によって何ら限定されるものではない。