【解決手段】(A)重合性不飽和基含有アルカリ可溶性樹脂、(B)少なくとも1個のエチレン性不飽和結合を有する光重合性モノマー、(C)光重合開始剤、(D)遮光材、(E)有機顔料又は染料、及び(H)溶剤を含有する遮光膜用黒色感光性樹脂組成物であり、光硬化後に固形分となるモノマー成分を含むとして、(H)溶剤を除いた固形分中に、(A)が10〜60質量%であり、(A)100質量部に対して、(B)が10〜60質量部、(C)が(A)と(B)の合計量100質量部に対して2〜50質量部であり、さらに固形分中(D)が30〜60質量%であり、(E)が固形分中1〜15質量%部である遮光膜用黒色感光性樹脂組成物である。
(A)重合性不飽和基含有アルカリ可溶性樹脂、(B)少なくとも1個のエチレン性不飽和結合を有する光重合性モノマー、(C)光重合開始剤、(D)遮光材、(E)有機顔料又は染料、及び(H)溶剤を含有する遮光膜用黒色感光性樹脂組成物であり、光硬化後に固形分となるモノマー成分を含むとして、(H)溶剤を除いた固形分中に、(A)が10〜60質量%であり、(A)100質量部に対して、(B)が10〜60質量部、(C)が(A)と(B)の合計量100質量部に対して2〜50質量部であり、さらに固形分中(D)が30〜60質量%であり、(E)が固形分中1〜15質量%部であることを特徴とする遮光膜用黒色感光性樹脂組成物。
(A)重合性不飽和基含有アルカリ可溶性樹脂として、ビスフェノール類から誘導される2個のグリシジルエーテル基を有するエポキシ化合物と不飽和基含有モノカルボン酸との反応物に対して、(a)ジカルボン酸若しくはトリカルボン酸又はその酸無水物、及び(b)テトラカルボン酸又はその酸二無水物を反応させて得られたアルカリ可溶性樹脂を用いることを特徴とする請求項1に記載の遮光膜用黒色感光性樹脂組成物。
請求項1〜3のいずれかに記載の遮光膜用黒色感光性樹脂組成物を用いてフォトリソグラフィー法によりパターニングした後、引き続き熱硬化させることにより得られる硬化物。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の黒色感光性樹脂組成物における(A)重合性不飽和基含有アルカリ可溶性樹脂は、重合性不飽和基とカルボキシル基等の酸性基を分子内に有する樹脂であれば、使用可能である。たとえば、(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸エステル化合物をラジカル共重合して得られた樹脂のカルボキシル基の一部に、(メタ)アクリル酸グリシジルのような重合性不飽和基とエポキシ基を1分子中に有する化合物を反応させて得られる不飽和基含有アルカリ可溶性樹脂を始めとして広範な樹脂を用いることができる。本発明の効果を得る上で好ましい不飽和基含有アルカリ可溶性樹脂としては、ビスフェノール類から誘導される2個のグルシジルエーテル基を有するエポキシ化合物と不飽和基含有モノカルボン酸との反応物に対して、(a)ジカルボン酸若しくはトリカルボン酸又はその酸無水物、及び(b)テトラカルボン酸又はその酸二無水物を反応させて得られたアルカリ可溶性樹脂である。ここで、(a)/(b)のモル比が0.01〜10であることが好ましい。
【0015】
(A)の原料となるビスフェノール類としては、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ケトン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)ケトン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジメチルシラン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ジメチルシラン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)ジメチルシラン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−クロロフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)エーテル、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−クロロフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−フルオロフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)フルオレン、4,4’−ビフェノール、3,3’−ビフェノール等およびこれらの誘導体が挙げられる。これらの中では、9,9−フルオレニル基を有するものが特に好適に利用される。
【0016】
次に、上記ビスフェノール類とエピクロルヒドリンを反応させて2個のグリシジルエーテル基を有するエポキシ化合物を得る。この反応の際には、一般にジグリシジルエーテル化合物のオリゴマー化を伴うため、下記一般式(I)のエポキシ化合物を得ることになる。
【化1】
一般式(I)の式中、R
1、R
2、R
3及びR
4は、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、ハロゲン原子又はフェニル基を表し、Aは、−CO−、−SO
2−、−C(CF
3)
2−、−Si(CH
3)
2−、−CH
2−、−C(CH
3)
2−、−O−、9,9−フルオレニル基又は直結合を表す。lは0〜10の数である。好ましいR
1、R
2、R
3、及びR
4は水素原子であり、好ましいAは9,9−フルオレニル基である。また、lは通常複数の値が混在するため平均値0〜10(整数とは限らない)となるが、好ましいlの平均値は0〜3である。lの値が上限値を超えると、当該エポキシ化合物を使用して合成したアルカリ可溶性樹脂を用いた黒色感光性樹脂組成物としたとき、該組成物の粘度が大きくなりすぎて塗工がうまく行かなくなったり、アルカリ可溶性を十分に付与できずアルカリ現像性が非常に悪くなったりする。
【0017】
次に、一般式(I)の化合物に、不飽和基含有モノカルボン酸としてアクリル酸若しくはメタクリル酸又はこれらの両方を反応させ、得られたヒドロキシ基を有する反応物に、(a)ジカルボン酸若しくはトリカルボン酸又はその酸無水物、及び(b)テトラカルボン酸又はその酸二無水物を、好ましくは(a)/(b)のモル比が0.01〜10となる範囲で反応させて、下記一般式(II)で表されるエポキシ(メタ)アクリレート酸付加物の構造を有するアルカリ可溶性樹脂を得る。
【化2】
(式中、R
1、R
2、R
3及びR
4は、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、ハロゲン原子又はフェニル基を表し、R
5は、水素原子又はメチル基を表し、Aは、−CO−、−SO
2−、−C(CF
3)
2−、−Si(CH
3)
2−、−CH
2−、−C(CH
3)
2−、−O−、9,9−フルオレニル基又は直結合を表し、Xは4価のカルボン酸残基を表し、Y
1及びY
2は、それぞれ独立して水素原子又は−OC−Z−(COOH)
m(但し、Zは2価又は3価カルボン酸残基を表し、mは1〜2の数を表す)を表し、nは1〜20の数を表す。)
【0018】
このエポキシ(メタ)アクリレート酸付加物(II)は、エチレン性不飽和二重結合とカルボキシル基とを併せ持つアルカリ可溶性樹脂であるため、本発明の黒色感光性樹脂組成物の(A)として優れた光硬化性、良現像性、パターニング特性を与え、良好なパターン形状が得られるものである。
【0019】
本発明の(A)である一般式(II)のエポキシ(メタ)アクリレート酸付加物に利用される(a)ジカルボン酸若しくはトリカルボン酸又はその酸無水物としては、鎖式炭化水素ジカルボン酸若しくはトリカルボン酸又はその酸無水物や脂環式ジカルボン酸若しくはトリカルボン酸又はその酸無水物、芳香族ジカルボン酸若しくはトリカルボン酸又はその酸無水物が使用される。ここで、鎖式炭化水素ジカルボン酸若しくはトリカルボン酸又はその酸無水物としては、例えば、コハク酸、アセチルコハク酸、マレイン酸、アジピン酸、イタコン酸、アゼライン酸、シトラリンゴ酸、マロン酸、グルタル酸、クエン酸、酒石酸、オキソグルタル酸、ピメリン酸、セバシン酸、スベリン酸、ジグリコール酸等の化合物があり、更には任意の置換基の導入されたジカルボン酸若しくはトリカルボン酸又はその酸無水物でもよい。また、脂環式ジカルボン酸若しくはトリカルボン酸又はその酸無水物としては、例えば、シクロブタンジカルボン酸、シクロペンタンジカルボン酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ノルボルナンジカルボン酸等の化合物があり、更には任意の置換基の導入されたジカルボン酸若しくはトリカルボン酸又はその酸無水物でもよい。更に、芳香族ジカルボン酸若しくはトリカルボン酸又はその酸無水物としては、例えばフタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸等の化合物があり、更には任意の置換基の導入されたジカルボン酸若しくはトリカルボン酸又はその酸無水物でもよい。
【0020】
また、本発明の(A)である一般式(II)のエポキシ(メタ)アクリレート酸付加物に利用される(b)テトラカルボン酸又はその酸二無水物としては、鎖式炭化水素テトラカルボン酸又はその酸二無水物や脂環式テトラカルボン酸又はその酸二無水物、又は、芳香族多価カルボン酸又はその酸二無水物が使用される。ここで、鎖式炭化水素テトラカルボン酸又はその酸二無水物としては、例えば、ブタンテトラカルボン酸、ペンタンテトラカルボン酸、ヘキサンテトラカルボン酸等があり、更には置換基の導入されたテトラカルボン酸又はその酸二無水物でもよい。また、脂環式テトラカルボン酸又はその酸二無水物としては、例えば、シクロブタンテトラカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸、シクロヘキサンテトラカルボン酸、シクロへプタンテトラカルボン酸、ノルボルナンテトラカルボン酸等があり、更には置換基の導入されたテトラカルボン酸又はその酸二無水物でもよい。更に、芳香族テトラカルボン酸やその酸二無水物としては、例えば、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ビフェニルテトラカルボン酸、ビフェニルエーテルテトラカルボン酸又はその酸二無水物が挙げられ、更には置換基の導入されたテトラカルボン酸又はその酸二無水物でもよい。
【0021】
本発明の(A)である一般式(II)のエポキシ(メタ)アクリレート酸付加物に使用される(a)ジカルボン酸若しくはトリカルボン酸又はその酸無水物と(b)テトラカルボン酸又はその酸二無水物とのモル比(a)/(b)は、好ましくは0.01〜10であるのがよく、より好ましくは0.1〜3.0となる範囲である。モル比(a)/(b)が上記範囲を逸脱すると最適分子量が得られず、(A)を使用した黒色感光性樹脂組成物において、アルカリ現像性、耐熱性、耐溶剤性、パターン形状等が劣化するので好ましくない。なお、モル比(a)/(b)が小さいほど分子量が大きくなり、アルカリ溶解性が悪化する傾向がある。
【0022】
また、本発明の(A)である一般式(II)のエポキシ(メタ)アクリレート酸付加物は、重量平均分子量(Mw)が2000〜10000の間であることが好ましく、3000〜7000の間であることが特に好ましい。重量平均分子量(Mw)が2000に満たないと(A)を使用した黒色感光性樹脂組成物の現像時のパターンの密着性が維持できず、パターン剥がれが生じ、また、重量平均分子量(Mw)が10000を超えると現像残渣や未露光部の残膜が残り易くなる。更に、(A)は、その酸価が30〜200mgKOH/gの範囲にあることが望ましい。この値が30mgKOH/gより小さいと(A)を使用した黒色感光性樹脂組成物のアルカリ現像が悪化する傾向になることから、強アルカリ等の特殊な現像条件が必要となる。一方、200mgKOH/gを超えると(A)を使用した黒色感光性樹脂組成物へのアルカリ現像液の浸透が早くなり過ぎ、剥離現像が起きることから何れも好ましくない。
【0023】
本発明で利用される一般式(II)のエポキシ(メタ)アクリレート酸付加物は、上述の工程により、既知の方法、例えば特開平8-278629号公報や特開2008-9401号公報等に記載の方法により製造することができる。先ず、一般式(I)のエポキシ化合物に不飽和基含有モノカルボン酸を反応させる方法としては、例えば、エポキシ化合物のエポキシ基と当モルの不飽和基含有モノカルボン酸を溶剤中に添加し、触媒(トリエチルベンジルアンモニウムクロライド、2,6-ジイソブチルフェノール等)の存在下、空気を吹き込みながら90〜120℃に加熱・攪拌して反応させるという方法がある。次に、反応生成物であるエポキシアクリレート化合物の水酸基に酸無水物を反応させる方法としては、エポキシアクリレート化合物と酸二無水物および酸一無水物の所定量を溶剤中に添加し、触媒(臭化テトラエチルアンモニウム、トリフェニルホスフィン等)の存在下、90〜130℃で加熱・攪拌して反応させるという方法がある。
【0024】
本発明の黒色感光性樹脂組成物における(B)少なくとも1個のエチレン性不飽和結合を有する光重合性モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル類や、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、又はジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、フォスファゼンのアルキレンオキサイド変性ヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類を挙げることができ、これらの1種又は2種以上を使用することができる。また、当該少なくとも1個のエチレン性不飽和結合を有する光重合性モノマーは、光重合性基を3個以上有して不飽和基含有アルカリ可溶性樹脂の分子同士を架橋することができるものを用いることが好ましい。なお、(B)少なくとも1個のエチレン性不飽和結合を有する光重合性モノマーは遊離のカルボキシ基を有しない。
【0025】
本発明の黒色感光性樹脂組成物における(C)光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、ジクロロアセトフェノン、トリクロロアセトフェノン、p−tert−ブチルアセトフェノン等のアセトフェノン類、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、p,p'-ビスジメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル類、2-(o-クロロフェニル)-4,5-フェニルビイミダゾール、2-(o-クロロフェニル)-4,5-ジ(m-メトキシフェニル)ビイミダゾール、2-(o-フルオロフェニル)-4,5-ジフェニルビイミダゾール、2-(o-メトキシフェニル)-4,5-ジフェニルビイミダゾール、2、4,5-トリアリールビイミダゾール等のビイミダゾール系化合物類、2-トリクロロメチル−5−スチリル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル-5-(p-シアノスチリル)-1,3,4-オキサジアゾール、2-トリクロロメチル-5-(p-メトキシスチリル)-1,3,4-オキサジアゾール等のハロメチルチアゾール化合物類、2,4,6-トリス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-メチル−4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-フェニル-4、6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-(4-クロロフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-(4-メトキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-(4-メトキシナフチル)-4,6-ビス(トリクロロRメチル)-1,3,5-トリアジン、2-(4-メトキシスチリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-(3,4,5-トリメトキシスチリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-(4-メチルチオスチリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン等のハロメチル−S−トリアジン系化合物類、1,2-オクタンジオン,1-[4-(フェニルチオ)フェニル]-,2-(o-ベンゾイルオキシム)、1-(4-フェニルスルファニルフェニル)ブタン-1,2-ジオン-2-オキシム-o-ベンゾアート、1-(4-メチルスルファニルフェニル)ブタン-1,2-ジオン-2-オキシム-o-アセタート、1-(4-メチルスルファニルフェニル)ブタン-1-オンオキシム-o-アセタート等のo-アシルオキシム系化合物類、ベンジルジメチルケタール、チオキサンソン、2-クロロチオキサンソン、2,4-ジエチルチオキサンソン、2-メチルチオキサンソン、2-イソプロピルチオキサンソン等のイオウ化合物、2-エチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2-ベンズアントラキノン、2,3-ジフェニルアントラキノン等のアントラキノン類、アゾビスイソブチルニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、クメンパーオキシド等の有機過酸化物、2-メルカプトベンゾイミダゾール、2-メルカプトベンゾオキサゾール、2-メルカプトベンゾチアゾール等のチオール化合物、トリエタノールアミン、トリエチルアミン等の第3級アミンなどが挙げられる。この中でも、高感度の黒色感光性樹脂組成物を得られやすい観点から、o-アシルオキシム系化合物類を用いることが好ましい。また、これら光重合開始剤を2種類以上使用することもできる。なお、本発明でいう光重合開始剤とは、増感剤を含む意味で使用される。
【0026】
本発明の黒色感光性樹脂組成物における(D)遮光材は、黒色有機顔料、混色有機顔料又は無機系顔料等を特に制限なく用いることができる。黒色有機顔料としては、例えばペリレンブラック、シアニンブラック、アニリンブラック等が挙げられる。混色有機顔料としては、赤、青、緑、紫、黄色、シアニン、マゼンタ等から選ばれる少なくとも2種以上の顔料を混合して擬似黒色化されたものが挙げられる。無機系顔料としては、カーボンブラック、酸化クロム、酸化鉄、チタンブラック、酸窒化チタン、チタン窒化物等を挙げることができる。これらの遮光材は、1種類単独でも2種以上を適宜選択して用いることもできるが、特にカーボンブラックが、遮光性、表面平滑性、分散安定性、樹脂との親和性が良好な点で好ましい。
【0027】
本発明の黒色感光性樹脂組成物における(E)有機顔料又は染料としては、例えば、カラーインデックス(ColourIndex:C.I.)において、ピグメント(Pigment)や染料に分類されている化合物が挙げられる。有機顔料や染料としては、具体的には、以下のようなカラーインデックス(ColourIndex:C.I.)番号の化合物が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
C.I.ピグメントイエロー20,24,31,53,83,86,93,94,109,110,117,125,137,138,139,147,148,150,153,154,166及び173;
C.I.ピグメントオレンジ13,31,36,38,40,42,43,51,55,59,61,64,65,及び71;
C.I.ピグメントレッド9,97,105,122,123,144,149,166,168,176,177,180,192,215,216,224,242,及び254;
C.I.ピグメントバイオレット14,19,23,29,32,33,36,37及び38;
C.I.ソルベントバイオレット2,8,9,11,13,14等;
C.I.ピグメントブルー15(15:3,15:4,15:6等),21,22,28,60及び64;
C.I.ソルベントブルー25,38,45,64,67,70,129;
C.I.ピグメントグリーン7,10,15,25,36,47及び58;
C.I.ソルベントグリーン3,28,32および33;
C.I.ピグメントブラウン28;
C.I.ピグメントブラック1及び7。
などが挙げられるが、カーボンブラックを遮光材として用いる場合には、カーボンブラックが、通常、茶系統の反射色を有するため、同系色の顔料であるY139、Y150が好ましい。
【0028】
また、(E)有機顔料又は染料は、(D)遮光材と同系色の色度を持つのが好ましい。ここで、(D)遮光材と同系色であるとは、遮光材が無彩色からずれた色相・色度である場合において、ずれた色相・色度と同系色であることを示す。例えば、遮光材が茶系にずれた色相・色度であれば、色相環上で同じような位置にある橙、黄色系の色相・色度が同系色である。ちなみに、遮光材と反対色であるとは、遮光材が無彩色からずれた色相・色度である場合に、ずれた色相・色度と反対色であることを示す。例えば、遮光材が茶系にずれた色相・色度であれば、色相環上で対角線付近に位置する青、紫系の色相・色度が反対色である。すなわち、遮光材のひとつであるカーボンブラックは、無彩色から茶色系にずれた色相であるのに対して、従来は、そのずれた色相と補色(反対色)の顔料/染料である「青色顔料/染料」や「紫色顔料/染料」を配合すると考えられてきた。
【0029】
(E)成分として有機顔料を用いる場合は、動的光散乱法で測定されキュムラント法により求められる平均二次粒子径が40〜150nmのものが好ましく、より好ましくは60〜140nmのものを用いる。ただし、遮光材の動的光散乱法で測定した平均二次粒子径と同等かそれより小さいことが、b*をマイナス側にするために有効である。遮光材としてカーボンブラックを用いる場合、その動的散乱法で測定されキュムラント法により求められる平均二次粒子径は、60〜150nmが好ましく、より好ましくは80〜120nmである。
【0030】
また、本発明の黒色感光性樹脂組成物における(H)溶剤は1種又は複数種類の溶剤を含有させることができ、特に限定されるものでもない。例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類、α−もしくはβ−テルピネオール等のテルペン類等、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、N−メチル−2−ピロリドン等のケトン類、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、セロソルブ、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等のグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の酢酸エステル類等が挙げられ、これらを数種類用いて溶解、混合させることにより、遮光材や顔料等を安定的に分散させた均一な組成物とすることが出来る。
【0031】
(H)溶剤の使用量は、目標とする粘度により変化するが、黒色感光性樹脂組成物中に20〜90質量%の範囲で含まれるようにするのがよい。遮光材としてカーボンブラックや有機顔料を用いる場合は、60〜90質量%の範囲が好ましく、無機顔料としてチタン等の金属を含む遮光材や金属酸化物の充填剤を使用する場合は20〜80質量%の範囲が好ましい。
【0032】
また、本発明の黒色感光性樹脂組成物には、必要に応じて硬化促進剤、熱重合禁止剤、可塑剤、充填材、レベリング剤、消泡剤、カップリング剤、界面活性剤等の添加剤を配合することができる。熱重合禁止剤としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ピロガロール、tert−ブチルカテコール、フェノチアジン等を挙げることができ、可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、リン酸トリクレジル等を挙げることができ、充填材としては、ガラスファイバー、シリカ、マイカ、アルミナ等を挙げることができ、消泡剤やレベリング剤としては、シリコーン系、フッ素系、アクリル系の化合物を挙げることができる。また、界面活性剤としてはフッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等を挙げることができる。
【0033】
本発明の黒色感光性樹脂組成物は、上記(A)〜(H)成分を主成分として含有する。黒色感光性樹脂組成物においては、好ましくは、(H)溶剤を除いた固形分(光硬化後に固形分となるモノマー成分を含む)中に、(A)が10〜60質量%であり、(A)100質量部に対して、(B)が10〜60質量部、(C)が(A)と(B)の合計量100質量部に対して2〜50質量部である。より好ましくは、(A)100質量部に対して、(B)が15〜35質量部、(C)が(A)と(B)の合計量100質量部に対して5〜30質量部である。また、(D)遮光材については、固形分に対して含有量が30〜60質量%の範囲であるのがよく、より好ましくは、40〜50質量%の範囲である。また(E)が固形分中1〜15質量%であるのがよく、より好ましくは、2〜7質量%の範囲である。
【0034】
本発明の黒色感光性樹脂組成物を用いた硬化膜の形成方法としては、フォトリソグラフィー法を利用する方法が挙げられる。その形成方法としては、先ず、黒色感光性樹脂組成物を基板表面に塗布し、次いで溶剤を乾燥させた(プリベーク)後、得られた塗膜にフォトマスクを介して紫外線を照射して露光部を硬化させ、アルカリ水溶液を用いて未露光部を溶出させる現像を行うことにより、パターンを形成し、更に熱硬化(ポストベーク)を行う方法が挙げられる。ここで、黒色感光性樹脂組成物を塗布する基板としては、ガラス、透明フィルム(例えば、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルスルフォン等)等が用いられる。
【0035】
黒色感光性樹脂組成物を基板に塗布する方法としては、公知の溶液浸漬法、スプレー法の他、ローラーコーター機、ランドコーター機、スリットコーター機やスピナー機を用いる方法等の何れかの方法を採用することができる。これらの方法によって、所望の厚さに塗布した後、溶剤を除去する(プリベーク)ことにより、塗膜が形成される。プリベーク後、20〜100Paで15〜60秒間減圧乾燥(VCD)により溶剤を除去した後、オーブン、ホットプレート等により加熱することによって行われる。このプリベークにおける加熱温度及び加熱時間は使用する溶剤に応じて適宜選択され、例えば60〜110℃の温度で1〜3分間行われる。
【0036】
プリベーク後に行われる露光は、露光機によって行なわれ、フォトマスクを介して露光することによりパターンに対応した部分の感光性樹脂及び感光性モノマーを感光させる。露光機及びその露光照射条件は適宜選択され、超高圧水銀灯、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、遠紫外線灯等の光源を用いて露光を行う。
【0037】
露光後のアルカリ現像は、露光されない部分の塗膜を除去する目的で行われ、この現像によって所望のパターンが形成される。このアルカリ現像に適した現像液としては、例えば、アルカリ金属やアルカリ土類金属の炭酸塩の水溶液、アルカリ金属の水酸化物の水溶液等を挙げることができるが、特に炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸塩を0.03〜1質量%含有する弱アルカリ性水溶液を用いて23〜27℃の温度で現像するのが好ましく、市販の現像機や超音波洗浄機等を用いて微細な画像を精密に形成することができる。
【0038】
このようにして現像した後、200〜240℃の温度、20〜60分の条件で熱処理(ポストベーク)が行われる。このポストベークは、パターニングされた黒色膜と基板との密着性を高めるため等の目的で行われる。これは、オーブン、ホットプレート等により加熱することによって行われる。
【0039】
得られた黒色硬化物の色相・色度は、本発明の黒色を無彩色または青味を帯びた黒色に調整する目的のためには、−1.0<b*<0.2が好ましく、より好ましくは−1.0<b*<0.0に調整できることが必要である。このb*の値は、昼光で照明される物体色を表示する場合に用いられるD65光源(JIS Z8720の昼光の標準イルミナント(測色用の光))またはC光源(JIS Z8720の昼光の補助イルミナント)を用いて、視野角2°又は10°で測定した値である。
【0040】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【実施例】
【0041】
先ず、本発明の(A)重合性不飽和基含有アルカリ可溶性樹脂の合成例1を示す。合成例における樹脂の評価は、以下の通りに行った。
【0042】
[固形分濃度]
合成例中で得られた樹脂溶液1gをガラスフィルター〔重量:W
0(g)〕に含浸させて秤量し〔W
1(g)〕、160℃にて2hr加熱した後の重量〔W
2(g)〕から次式より求めた。
固形分濃度(重量%)=100×(W
2−W
0)/(W
1−W
0)
【0043】
[酸価]
樹脂溶液をジオキサンに溶解させ、電位差滴定装置〔平沼産業(株)製 商品名COM-1600〕を用いて1/10N−KOH水溶液で滴定して求めた。
【0044】
[分子量]
ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(GPC)[東ソー(株)製商品名HLC-8220GPC、溶媒:テトラヒドロフラン、カラム:TSKgelSuperH-2000(2本)+TSKgelSuperH-3000(1本)+TSKgelSuperH-4000(1本)+TSKgelSuper-H5000(1本)〔東ソー(株)製、温度:40℃、速度:0.6ml/min]にて測定し、標準ポリスチレン〔東ソー(株)製PS−オリゴマーキット〕換算値として重量平均分子量(Mw)を求めた。
【0045】
[平均二次粒子径]
遮光材又は有機顔料を分散剤とともに溶剤中に分散させた粒度測定用の分散液(遮光材又は有機顔料の濃度0.1〜0.5質量%)を調製し、動的光散乱法の粒度分析計(大塚電子株式会社製、粒径アナライザーFPAR-1000)を使用して、遮光材又は有機顔料の溶剤分散時のキュムラント法の平均粒径を測定し、平均二次粒子径とした。
【0046】
また、合成例等で使用する略号は次のとおりである。
BPFE:9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレンとクロロメチルオキシランとの反応物。一般式(I)の化合物において、Aが9,9-フルオレニル、R
1〜R
4が水素の化合物。
BPDA:3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
THPA:1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸無水物
TPP:トリフェニルホスフィン
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
【0047】
[合成例1]
還留冷却器付き500ml四つ口フラスコ中に、BPFE 78.63g(0.17mol)、アクリル酸24.50g(0.34mol)、TPP 0.45g、及びPGMEA 114gを仕込み、100〜105℃の加熱下で12hr撹拌し、反応生成物を得た。
【0048】
次いで、得られた反応生成物にBPDA 25.01g(0.085mol)及びTHPA 12.93g(0.085mol)を仕込み、120〜125℃の加熱下で6hr撹拌し、重合性不飽和基含有アルカリ可溶性樹脂溶液(A)-1を得た。得られた樹脂溶液の固形分濃度は55.8wt%であり、酸価(固形分換算)は103mgKOH/gであり、GPC分析によるMwは2600であった。
【0049】
[黒色感光性樹脂組成物の作製]
表1に示す組成によって配合を行い、実施例1〜3、及び比較例1、2の黒色感光性樹脂組成物を調製した。下記に各組成に使用した成分を示す。
(A)アルカリ可溶性樹脂溶液:合成例1で調製したアルカリ可溶性樹脂溶液
(B)光重合性モノマー:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとジペンタエリス
リトールペンタアクリレートとの混合物(日本化薬(株)製 商品名DPHA)
(C)光重合開始剤:1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)カルバゾール−3−イル]エタノン=O−アセチルオキシム(BASF社製 商品名イルガキュアOXE02)
(D)遮光材:カーボンブラック(平均二次粒子径109nm)25質量%、高分子分散剤6質量%のPGMEA溶剤のカーボンブラック分散体
(E)有機顔料、染料:
(E)−1:Y139(平均二次粒子径108nm)が15質量%、高分子分散剤が9質量%のPGMEA溶剤のYELLOW顔料分散体
(E)−2:Y139(平均二次粒子径123nm)が15質量%、高分子分散剤が9質量%のPGMEA溶剤のYELLOW顔料分散体
(E)−3:Y139(平均二次粒子径158nm)が15質量%、高分子分散剤が9質量%のPGMEA溶剤のYELLOW顔料分散体
(E)−4:Solvent Blue 45(青染料:粉体)
(F)界面活性剤:1%プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液
(G)シランカップリング剤
(H)溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノンの混合溶剤
【0050】
【表1】
【0051】
[反射色の評価]
実施例1〜3、及び比較例1、2の黒色感光性樹脂組成物をガラス板(5インチ角)上にスピンコートして、90℃で1分ホットプレートにて乾燥した後、230℃で30分間ポストベークした。このようにして、厚み1.45μmの黒色硬化物を得た。
この黒色硬化物のベタ基板を用いて株式会社日立ハイテクノロジーズ社製 UH-4100にて反射色測定を行った。光源はC光源(2°視野)又はD65光源(10°視野)である。
【0052】
【表2】
【0053】
比較例1では遮光材のみの反射色の色度を示しているが、無彩色にするためにはa*およびb*を0に近づける必要性があり、特に反射色が無彩色から若干ずれた場合に茶色系よりも青系統の色相が求められる状況からは、b*を−の数値にする必要性がある。それに対して、実施例1〜3では、遮光材と同系色の色度を持つ黄色の有機顔料を添加することにより、反射色のa*を大きく動かすことなく、b*を−側(マイナス側)に動かすことができたことが分かる。
一方、比較例2のように遮光材の反対色の色度を持つ青染料を添加すると、逆にb*の値が大きくなって反射色を無彩色の方向とは逆方向に動かし、所望の無彩色または若干青系統の色相を得ることはできないことが分かる。
従って、本発明のように、遮光材と同系色の有機顔料(又は染料)を選定し、少量添加することによってのみ、黒色硬化物の反射色を無彩色化または所望の色相への調整が可能であることが明らかになった。