【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成25年度、独立行政法人情報通信研究機構「高度通信・放送研究開発委託研究/高い臨時設営性を持つ有無線両用通信技術の研究開発」、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【解決手段】光発生装置は、第1の波長のキャリア光と、第1の波長と異なる第2の波長のキャリア光とが入力され、同じDC電圧を印加しても波長が異なると出力する光パワーが異なる波長依存性を有し、入力された光を変調し、DC電圧を印加する光変調器と、光変調器から出力される第2の波長のキャリア光の変化に基づいて、光変調器に印加するDCバイアス電圧を制御する制御手段と、を備える。
前記光変調器は、マッハツェンダー型の光変調器であり、電気光学効果を有する基板と、当該基板内に形成された光導波路により構成される請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の光発生装置。
第1の波長のキャリア光と、前記第1の波長と異なる第2の波長のキャリア光とが入力され、同じDC電圧を印加しても波長が異なると出力する光パワーが異なる波長依存性を有し、前記入力された光を変調し、DC電圧を印加する光変調器を有する光発生器における制御方法であって、
制御手段が、前記光変調器から出力される前記第2の波長のキャリア光の変化に基づいて、前記光変調器に印加するバイアス電圧を制御する手順、
を含む光発生装置の制御方法。
【背景技術】
【0002】
マッハツェンダー型光変調器を用いて2波長の光を同時に発生させた場合、2波長の光の間隔が常に一定、かつ信号レベルを一致させることができることが開示されている(例えば、特許文献1参照)。なお、マッハツェンダー型光変調器とは、例えばニオブ酸リチウム(LiNbO
3;以下LNと略す)などの電気光学効果を有する単結晶の基板上に、マッハツェンダー型の光導波路と変調電極およびバイアス電極等を形成した光変調器である。
【0003】
図9は、従来技術における光発生装置901の構成を示す図である。
図9に示すように、光発生装置901において、光発生装置901への入力光である周波数f
0の光(キャリア光)は、分岐手段911aによって2つに分岐されて、一方が光変調器910へ出力され、他方が光位相変調器912へ出力される。
光変調器910は、変調信号生成部915によって生成された周波数f
mの変調信号に応じて、入力光を変調する。これにより、光変調器910からは、キャリア光f
0に加えて、キャリア光と異なる周波数f
+1(=f
0+f
m)およびf
−1(=f
0−f
m)のサイドバンド光を含む光が出力される。光変調器910からの出力光は、分岐手段911cによって2つに分岐されて、一方が光発生装置901のメイン出力として伝送路へと出力され、もう他方が合波手段913の第1の入力に出力される。
【0004】
光位相変調器912は、分岐手段911aからの分岐光を、不図示の変調信号生成部によって生成された位相変調信号に応じて位相変調する。これにより、光位相変調器912からは、位相変調されたキャリア光f
0_PMが出力される。この位相変調されたキャリア光は、合波手段913の第2の入力に出力される。
合波手段913への第1の入力光および第2の入力光は、合波手段913によって合波され、その合波光は光検出手段914へ出力される。この光検出手段914への入力光は、光検出手段914により受光される。
【0005】
ここで、合波手段913への第1の入力光は、キャリア光f
0とサイドバンド光f
+1およびf
−1であり、合波手段913への第2の入力光は、位相変調されたキャリア光f
0_PMである。この第1の入力光と第2の入力光とが合波手段913によって合波されると、第1の入力光に含まれるキャリア光f
0と第2の入力光である位相変調されたキャリア光f
0_PMとが干渉することにより、キャリア光のみが変調周波数f
k(位相変調されたキャリア光f
0_PMと同じ変調周波数)で強度変調されることになる。合波手段913からは、周波数f
kで強度変調されたキャリア光f
0_IMと、強度変調されていないサイドバンド光f
+1およびf
−1とが出力される。
【0006】
光検出手段914からは、入力された光強度に応じた電気的信号が出力され2分岐される。2分岐された電気的信号の各々は、それぞれ平均値フィルタ918aおよびf
0_IM抽出フィルタ918bへ出力される。これらのフィルタは、電気的信号に含まれる不要な信号成分による制御エラーを抑止するために配置される。
平均値フィルタ918aは、所定の周波数成分以下の周波数成分のみを抽出することにより、入力された電気的信号のうちパワー平均値|f
+1+f
−1|を出力する機能を有する。f
0_IM抽出フィルタ918bは、f
0_IM成分(位相変調器の変調周波数f
kの整数倍)のみを抽出することにより、入力された電気的信号のうち時間波形の振幅成分f
0_IMを出力する機能を有する。2つのフィルタから出力された電気的信号は、それぞれ制御手段917へ出力される。
【0007】
変調信号生成部915で生成された周波数f
mの変調信号は、RFドライバ916で増幅されて、光変調器910のメインマッハツェンダー(MZ−C)に印加される。
【0008】
制御手段917は、平均値フィルタ918aおよびf
0_IM抽出フィルタ918bから出力された電気的信号に基づいて制御信号を生成し、この制御信号を光変調器910へ供給することにより、光変調器910の変調動作を制御する。この制御は、光変調器910を構成する3つのマッハツェンダー光導波路(MZ−A、MZ−B、MZ−C)の各電極に印加する電圧(制御信号)を、個別に調整することによって行われる。なお、MZ−A及びMZ−Bは、サブマッハツェンダーであり、MZ−Cは、メインマッハツェンダーである(例えば、特許文献2参照)。
【0009】
また、LNを用いたマッハツェンダー型光変調器(以下、LN光変調器という)は、ドリフトが発生することが知られている。ドリフトとは、一度設定した動作点が温度や経時により変化する現象であり、温度変化により発生する熱(温度)ドリフトと、経時的にDC電圧の印加によるDCドリフトとがある。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る実施形態による光発生装置1の構成を示すブロック図である。
図2は、本実施形態に係る各部から出力される光のスペクトルを説明する図である。
図2において、横軸は周波数である。
図2において、符号g101が示す領域の図は第1光源2から出力される光のスペクトル、符号g111が示す領域の図は光位相変調器12から出力される光のスペクトルである。また、符号g121が示す領域の図は光変調器14から出力される光のスペクトル、符号g131が示す領域の図は合波手段18から出力される光のスペクトルである。
【0022】
図1に示すように、光発生装置1は、分岐手段11、光位相変調器12、合波手段13、光変調器14、分波手段15、第2光検出手段16、分岐手段17、合波手段18、第1光検出手段19、平均値フィルタ20、f
0_IM抽出フィルタ21、制御手段22、記憶部23、変調信号生成部24、及びRFドライバ25を備える。また、光発生装置1には、第1光源2、第2光源3、及び位相変調信号生成部4が接続される。
【0023】
第1光源2は、波長λ
0の光を出力する光源である。第1光源2は、
図2の符号g101が示す図のように中心周波数がf
0であり、波長λ
0の光g1を分岐手段11に出力する。
第2光源3は、波長λ
1の光を出力する光源である。第2光源3は、中心周波数がf
1であり、波長λ
1の光g2を合波手段13に出力する。なお、波長λ
1は、波長λ
0に対して例えば10%以上異なる波長である。波長λ
0は、例えば1550nm、波長λ
1は、例えば1350nmである。第1光源2、及び第2光源3は、例えばレーザである。なお、この波長は一例であり、光変調器14の波長依存性によって、後述するように、光変調器14から出力される光の波形におけるピークの位置が異なる波長同士であればよい。
位相変調信号生成部4は、位相変調用の周波数f
kの位相変調信号g5を生成し、生成した位相変調信号g5を光位相変調器12に出力する。
【0024】
分岐手段11は、第1光源2から入射された波長λ
0の光g1を、光g3と光g4の2つに分岐し、分岐した一方の光g3を光位相変調器12に出力し、分岐した他方の光g4を合波手段13に出力する。
【0025】
光位相変調器12は、位相変調信号生成部4から入力された周波数f
kの位相変調信号g5に応じて、分岐手段11から入力された光g3の位相を変調する。これにより、光位相変調器12からは、
図2の符号g111が示す図のように、位相変調されたキャリア光(f
0_PM)である光g6が合波手段18に出力される。ただし、位相変調信号g5の変調周波数f
kは、光変調器14の変調周波数f
mよりも十分に小さい方が、最終的に得たいサイドバンド光f
0+1およびf
0−1への影響が少ないためより好ましい。たとえば、位相変調信号の変調周波数f
kは、光変調器14の変調周波数f
mに対して1/2以下とするのが好ましく、更に光位相変調器12により位相変調された変調信号が変調周波数f
kの整数倍の高調波成分を含むことを考えると1/3以下とするのがより好ましい。
なお、光位相変調器12は、ドリフト等による干渉信号振幅への影響を少なくするためVπまたはそれ以上の高い電圧にて変調を行う場合もある。なお、Vπ電圧とは、半波長電圧である。その場合は、位相変調における高調波成分による影響も考慮に入れ、変調周波数f
kを光変調器14の変調周波数f
mに対して1/6以下とすることが望ましい。例えば、光位相変調器12の変調周波数f
kを10Hz程度とすれば、光変調器14の変調周波数f
mを100Hzで駆動して制御することが可能であるが、実際にはレーザの線幅(最先端の超狭幅レーザでも1kHz程度)により、光変調器14の変調周波数f
mの下限が制限される。
【0026】
合波手段13は、第2光源3から入射された波長λ
1の光g2と、分岐手段11から入力された光g4とを合波し、合波した光g9を光変調器14に出力する。すなわち、合波された光g9には、波長λ
0の光g4と波長λ
1の光g2が含まれる。
【0027】
光変調器14は、変調信号生成部24によって生成されRFドライバ25を介して入力される周波数f
mの変調信号g8に応じて、合波手段13から入力された光g9を変調し、変調した光g10を分波手段15に出力する。これにより、光g10には、キャリア光f
0及びf
1に加えて、キャリア光と異なる周波数f
0+1、f
1+1、f
0−1、及びf
1−1それぞれのサイドバンド光が含まれる。ここで、f
0+1、f
1+1、f
0−1、及びf
1−1それぞれは、次式(1)〜次式(4)で表される。
【0032】
なお、周波数f
mで変調を行う際、さらなる高次成分f
0±2f
m、f
0±3f
m、f
1±2f
m、及びf
1±3f
mも発生するが、ここでは説明を簡単にするためこれらを無視するものとする。
また、光変調器14には、制御手段22から制御信号MZA、MZB、及びMZCの電圧が印加される。制御信号MZCは、メインマッハツェンダー光導波路(MZ−C)に印加される制御信号、制御信号MZBは、第2サブマッハツェンダー光導波路(MZ−B)に印加される制御信号、制御信号MZAは、第1サブマッハツェンダー光導波路(MZ−A)に印加される制御信号である。なお、MZ−A、MZ−B、及びMZ−Cについては後述する。
【0033】
分波手段15は、光変調器14から入力された光g10を、波長λ
0の光g11と波長λ
1の光g12とに分波し、分波した光g11を分岐手段17に出力し、分波した光g12を第2光検出手段16に出力する。
図2の符号g121の図に示すように、光g11には、中心周波数がf
0のキャリア光f
0、中心周波数がf
0−f
mのサイドバンド光f
0−1、及び中心周波数がf
0+f
mのサブバンド光f
0+1が含まれている。また、光g12には、不図示の中心周波数がf
1のキャリア光f
1、中心周波数がf
1−f
mのサイドバンド光f
1−1、及び中心周波数がf
1+f
mのサブバンド光f
1+1が含まれている。また、図の符号g121の図に示すように、MZ−A、MZ−B、及びMZ−Cが必要なバイアス調整をされた場合(調整方法は後述)、光g11は、キャリア光f
0の振幅がサイドバンド光f
0−1及びf
0+1より抑圧されている。すなわち、キャリア光f
0が十分に抑圧されている場合、光g11は、中心周波数がf
0−1、波長がλ
0−1の光と、中心周波数がf
0+1、波長がλ
0+1の光との2波長を含む光である。
【0034】
第2光検出手段16は、分波手段15から入力された光g12を受光し、受光したパワーに応じた電気信号を検出信号g13として制御手段22に出力する。第2光検出手段16は、例えばPD(PhotoDetector;フォトディテクタ)である。
【0035】
分岐手段17は、分波手段15から入力された光g11を2つに光に分岐させ、分岐させた一方の光を、光発生装置1の出力として出力し、分岐させた他方の光g14を合波手段18に出力する。なお、分岐手段17から出力される光は、MZ−A、MZ−B、及びMZ−Cが必要なバイアス調整をされた場合は、キャリア光f
0が抑圧された光g11と同様に、波長がλ
0−1の光と波長がλ
0+1の光との2波長を含む光である。
【0036】
合波手段18は、分岐手段17から入力された光g14と、光位相変調器12から入力された光g6とを合波し、合波した光を第1光検出手段19に出力する。なお、光g14には、キャリア光f
0とサイドバンド光f
0+1及びf
0−1が含まれ、光g6は、位相変調されたキャリア光f
0_PMである。後述するように、光g14と光g6とが合波されると、光g14に含まれるキャリア光f
0と位相変調されたキャリア光f
0_PMとが干渉することにより、キャリア光のみが変調周波数f
k(位相変調されたキャリア光f
0_PMと同じ変調周波数)で強度変調されることになる。この結果、合波手段18からは、周波数f
kで強度変調されたキャリア光f
0_IMと、強度変調されていないサイドバンド光f
0+1及びf
0−1とを含む光g15が出力される。
図2の符号g131が示す図は、合波手段18から出力される光g15のスペクトルの図である。
図2の符号g131が示す図のように、光g15は、光位相変調器12の変調周波数f
kの整数倍の周波数f
0_IMのf
0_IM成分、中心周波数がf
0−1のサイドバンドf
0−1、中心周波数がf
0+1のサイドバンド光f
0+1を含む。
【0037】
第1光検出手段19は、合波手段18から入力された光g15を受光し、受光したパワーに応じた電気信号g16を平均値フィルタ20とf
0_IM抽出フィルタ21とに出力する。第1光検出手段19は、例えばPDである。
【0038】
平均値フィルタ20は、所定の周波数成分以下の周波数成分のみを抽出することにより、入力された電気的信号のうちパワー平均値|f
+1+f
−1|を出力するフィルタである。平均値フィルタ20は、濾過した信号g17を制御手段22に出力する。ここで、濾過された信号g17は、平均値であるためDC成分であるといえる。このため、信号g17を、以下、第1PDのDC成分ともいう。
【0039】
f
0_IM抽出フィルタ21は、f
0_IM成分のみを抽出することにより、入力された電気的信号のうち時間波形の振幅成分f
0_IMを出力するフィルタである。f
0_IM抽出フィルタ21は、濾過した信号g18を制御手段22に出力する。ここで、濾過された信号g18は、AC成分であるといえる。このため、信号g18を、以下、第1PDのAC成分ともいう。
【0040】
制御手段22には、第2光検出手段16から検出信号g13、平均値フィルタ20から濾過された後の信号g17、及びf
0_IM抽出フィルタ21から濾過された後の信号g18が入力される。制御手段22は、入力された信号g17が最大になるように制御信号MZA、MZB、及びMZCを制御する。また、制御手段22は、入力された信号g18が最小になるように制御信号MZA、MZB、及びMZCを制御する。さらに、制御手段22は、入力された検出信号g13に基づいて、ドリフトの方向を判別し、判別した結果に応じて制御信号MZCを制御する。なお、制御手段22が行う制御手順については、後述する。
【0041】
変調信号生成部24は、周波数f
mの信号を、RFドライバ25に出力する。
RFドライバ25は、変調信号生成部24から入力された信号を、光変調器14に供給される制御信号g19に重畳する。
【0042】
なお、分岐手段11、17は、固定の分岐比を有する。分岐手段11、17、分波手段15および合波手段13、18は、例えばファイバ型の光力プラである。
【0043】
ここで、f
0_IM抽出フィルタ21によるf
0_IM成分の抽出について、更に説明する。f
0_IM抽出フィルタ21に第1光検出手段19から検出信号g16が入力されるのに先立って、合波手段18によってサイドバンドf
0+1およびf
0−1を含む出力光g14と光位相変調器12の出力光g6とが干渉し、その干渉光が光位相変調器12の変調周波数f
kの整数倍の干渉信号を有する光信号g15として第1光検出手段19により検出され電気的信号に変換される。その後、f
0_IM抽出フィルタ21では、第1光検出手段19から出力される電気的信号から変調周波数f
kの整数倍のf
0_IM成分だけを抽出する。
【0044】
キャリア光f
0の干渉信号の成分には、光位相変調器12の駆動の基本波である変調周波数f
kの成分だけでなく、f
kの二倍高調波成分や、三倍高調波成分などの高調波も含まれる。光発生装置1に入力されたキャリア光f
0が分岐手段11で分岐されてから合波手段18で合波されるまでの構成は一種の光干渉計の構成であり、光変調器14側の光路と光位相変調器12側の光路との実効光路長差(伝搬するキャリア光が感じる位相差)や、光位相変調器12を駆動する電圧によっては、基本波f
kの成分よりも高調波の成分の方が大きくなる場合がある。
前記の実効光路長差(位相差)は、特に二倍高調波2f
kの成分の発生に影響を与える。実効光路長差(位相差)がほぼ90°(光の波長の4分の1に相当)である場合は、二倍高調波2f
kの成分は小さいが、二倍高調波2f
kの成分は、前記の構成の光干渉計における環境変化や外乱による微小な温度変化や微弱な振動、機械的歪みなどに起因する実効光路長差(位相差)の変動にともなって、大きく変化する。
一方、光位相変調器12の駆動電圧の大きさは特に三倍高調波3f
kの成分の発生に影響を与え、駆動電圧が大きいほど三倍高調波3f
kの成分が大きくなる。なお、上記の光干渉計における高調波成分の発生については、例えば、参考文献に記載されている。
【0045】
参考文献:IEC Publicly Avai lable Specification "Measurement method of a half-wavelength voltage for Mach-Zehnder optical modulators in wireless communication and broadcasting systems”," IEC/PAS 62593 Edition 1.0 2008-11
【0046】
以上のようにf
kの高調波成分への対策として、環境変化や外乱への対応をしたり、光位相変調器12の駆動条件を変えながら光変調器14の制御最適化を行ったりする場合には、光位相変調器12の駆動の基本波f
kの成分だけでなく、その高調波成分も含めてモニタすることが有効である。このとき、f0_IM抽出フィルタ21が、基本波成分とその高調波成分とを通過させるものであって、その出力信号が基本波成分および高調波成分が混ざったものであってもよい。この場合には、いずれの成分についても時間波形信号の振幅成分を最小化するように光変調器14を制御するため、制御上の問題はない。
【0047】
なお、環境変化や外乱の影響が少ない場合や、光位相変調器12を特定の条件で駆動する場合には、基本波成分あるいは特定の高調波成分の信号を選択して光変調器14の制御が可能である。また、光位相変調器12の駆動電圧が大きい場合には、四次以上の高調波成分も発生するが、その比率は二次、三次の成分に比べて小さいため、実用上は三次以下の成分を抽出していれば光変調器14の制御に必要な信号を得ることができる。
【0048】
また平均値フィルタ20は、所定の周波数成分以下の周波数成分のみを抽出することによりパワー平均値|f
0+1+f
0−1|を出力することができるものであればよいが、f
0_IM成分の1/2以下の周波数成分のみを抽出するようにすると、更に不要な信号成分による制御エラーを抑止できるためより効果的である。なお、本実施形態では第1光検出手段19からの電気的信号を2分岐しフィルタを介して制御手段22に入力しているが、2分岐せず制御手段22へ入力し、制御手段22の中で2分岐してそれぞれの分岐路に上記2種類のフィルタを組み込んでもよい。
【0049】
図3は、本実施形態に係る光変調器14の原理を説明する図である。このような構成のマッハツェンダー型の光変調器は、ネスト型という。
図3に示すように、光変調器14は、MZ−C101と、MZ−C101の一方のアームに設けられたMZ−A102と、MZ−C101のもう一方のアームに設けられたMZ−B103とからなる光導波路を有している。さらに、MZ−A102およびMZ−B103には、それぞれの両アームを通過する光の位相差を調整するためのDC電極106a、106bが設けられ、MZ−C101には、その両アーム(MZ−A102、MZ−B103)を通過する光にバイアスの位相差を与えるDC電極104と、両アームの通過光を周波数f
mで変調するための変調電極105とが設けられている。そして、DC電極106a、106b、104へは、制御手段22からの電圧(制御信号)が印加され、変調電極105へは、RFドライバ25を介して周波数f
mの変調信号が印加される。
【0050】
なお、図示されていないが、光変調器14は、上記各要素が電気光学効果を有する結晶であるLN基板上に形成されたものであり、各電極から印加された電界によって光導波路の屈折率が変化することで、光導波路を通過する光に位相変化が与えられるようになっている。
【0051】
ここで、MZ−A102のDC電極106aへの制御信号MZAの印加電圧を変化させると、MZ−A102の各アームを通過する光の位相差を調整することができる。これにより、MZ−A102から出力される光のパワーを変化させることが可能である。MZ−B103についても同様であり、MZ−B103のDC電極106bへの制御信号MZBの印加電圧を変化させると、MZ−B103から出力される光のパワーを変化させることが可能である。
【0052】
また、MZ−C101のDC電極104への制御信号MZCの印加電圧を変化させると、MZ−A102から出力されてMZ−C101の一方のアームを通過する光とMZ−B103から出力されてMZ−C101のもう一方のアームを通過する光の位相差を調整することができる。
【0053】
そして、DC電極104から位相差πを付与した場合には、MZ−C101の両アームを伝搬した光が合波される際に、キャリア光f
0は逆位相で干渉し、変調により発生したサイドバンド光f
+1及びf
−1は同位相で干渉する。この結果、光変調器14の出力は、キャリア光f
0が消失してサイドバンド光f
+1及びf
−1のみを含むものとなる。すなわち、2波長の光を出力することができる。
ただし、MZ−A102とMZ−B103の出力光パワーが一致していないときは、逆位相のキャリア光f
0は干渉しても完全には打ち消しあわず、光変調器14の出力にキャリア光f
0が残留してしまう。
【0054】
このため、本実施形態の光発生装置1では、光変調器14からキャリア光f
0が抑圧された出力光を得るために、第1光検出手段19による受光パワーに基づいて、受光パワーのDC成分が最大となり、かつAC成分である時間波形の振幅が最小となるよう、制御手段22が各DC電極106a、106b、および104への印加電圧MZA、MZB、及びMZCを制御する。
そして、制御手段22は、第2光検出手段16による受光パワーに基づいて、ドリフトの方向を判別し、DC電極104への印加電圧MZCを再設定して制御する。
【0055】
図4は、本実施形態に係るネスト型の光変調器14の概略平面図である。
基板120は、電気光学効果を有する基板であり、例えば、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、PLZT(ジルコン酸チタン酸鉛ランタン)などが用いられる。例えば、ニオブ酸リチウムやタンタル酸リチウムを基板として用いた場合、Xカット板、またはZカット板が、よく用いられる。
【0056】
基板120上には、メインマッハツンダー型導波路のMZ−C101の2つの分岐導波路にサブマッハツンダー型導波路MZ―A102とMZ−B103を組み込んだ形状の光導波路が形成されている。これらの光導波路は、Tiなどの熱拡散法などで基板表面に拡散させることにより形成することができる。また、変調電極を構成する信号電極(40、42、40a、42a、43、45、43a、45a)や該信号電極を取り巻く接地電極(不図示)並びにDCバイアスを印加するDCバイアス電極(不図示)などは、Ti・Auの電極パターン上に金メッキ方法などにより形成することが可能である。さらに、必要に応じて光導波路形成後の基板表面に誘電体SiO
2等のバッファ層(不図示)を設けることや、信号電極が形成する電界が効率的に導波路に印加されるようにリッジ構造を設けることも可能である。
【0057】
次に、制御手段22が行う処理手順の一例を説明する。
図5は、本実施形態に係る制御手段22が行う処理手順のフローチャートである。
【0058】
(ステップS1)制御手段22は、平均値フィルタ20から入力された第1PDのDC成分が最大になるように、制御信号MZAを制御して調整する。
(ステップS2)制御手段22は、平均値フィルタ20から入力された第1PDのDC成分が最大になるように、制御信号MZBを制御して調整する。
(ステップS3)制御手段22は、平均値フィルタ20から入力された第1PDのDC成分が最大になるように、制御信号MZCを制御して調整する。
【0059】
(ステップS4)制御手段22は、f
0_IM抽出フィルタから入力された第1PDのAC成分が最小になるように、制御信号MZCを制御して調整する。次に、制御手段22は、調整後の第1PDのAC成分の値をPD
MZCとして記憶部23に記憶させる。なお、この処理では、第1PDのAC成分が真の最小ではない場合もあるため、ステップS5以下の処理を行うことで、制御手段22は、第1PDのAC成分が真の最小になるようにする。
【0060】
(ステップS5)制御手段22は、f
0_IM抽出フィルタから入力された第1PDのAC成分が、記憶させたPD
MZCの値より小さくなるように、制御信号MZAを制御して調整する。次に、制御手段22は、制御信号MZAの調整値を記憶部23に記憶させ、調整後の第1PDのAC成分の値をPD
MZAとして記憶部23に記憶させる。
(ステップS6)制御手段22は、f
0(λ0)_IM抽出フィルタから入力された第1PDのAC成分が、記憶させたPD
MZCの値より小さくなるように、制御信号MZBを制御する。次に、制御手段22は、制御信号MZBの調整値を記憶部23に記憶させ、調整後の第1PDのAC成分の値をPD
MZBとして記憶部23に記憶させる。
【0061】
(ステップS7)制御手段22は、ステップS5で調整されたPD
MZAの値が、ステップS6で調整されたPD
MZBの値未満であるか否かを判別する。制御手段22は、PD
MZAの値がPD
MZBの値未満であると判別した場合(ステップS7;YES)、ステップS8に進み、PD
MZAの値がPD
MZBの値以上であると判別した場合(ステップS7;NO)、ステップS9に進む。
【0062】
(ステップS8)制御手段22は、制御信号MZAを調整した場合の方が第1PDのAC成分の値を最小に調整できたため、記憶部23に記憶させた制御信号MZAの調整値を読み出し、読み出した制御信号MZAの調整値を用いて、ステップS4で調整した第1PDのAC成分を調整する。制御手段22は、処理をステップS10に進める。
【0063】
(ステップS9)制御手段22は、制御信号MZBを調整した場合の方が第1PDのAC成分の値を最小に調整できたため、記憶部23に記憶させた制御信号MZBの調整値を読み出し、読み出した制御信号MZBの調整値を用いて、ステップS4で調整した第1PDのAC成分を調整する。制御手段22は、処理をステップS10に進める。
【0064】
(ステップS10)制御手段22は、電圧V0のときのf
0(λ0)_IM抽出フィルタ21から入力された第1PDのAC成分、電圧V−のときの第1PDのAC成分、電圧V+のときの第1PDのAC成分を計測し、計測結果を記憶部23に記憶させる。なお、電圧V0とは、ステップS9までに調整された後の制御信号MZCの電圧値である。また、電圧V−とは、電圧V0からマイナスの電圧値である所定の電圧値だけずれた値であり、電圧V+とは、電圧V0からプラスの電圧値である所定の電圧値だけずれた値である。なお、電圧を降る回数は3回に限られず、2回以上であればよく、4回以上であってよい。
【0065】
(ステップS11)制御手段22は、ドリフト方向を検出し、検出した結果に基づいて調整を行う。なお、ステップS10、S11については、後述する。制御手段22は、ステップS1〜S10の処理終了後、ステップS11の処理を繰り返す。
【0066】
次に、ステップS10及びステップS11で行う処理について説明する。
ステップS1〜S9(
図5)の調整後、第1PDのAC成分は最小化、すなわち最適化されている。
制御手段22は、以下のI)〜VI)場合における光検出手段の計測値を計測して記憶部23に記憶させる。
I)調整された制御値MZA、MZB、及びMZCのときの、波長λ
0の第1PDのAC成分
II)調整された制御信号MZA、MZB、及びMZCのときの、波長λ
1の第2光検出手段によって計測された計測値(以下、第2PDの計測値という)
III)I)のMZCを電圧V−だけ変化させたときの、波長λ
0の第1PDのAC成分
IV)I)のMZCを電圧V+だけ変化させたときの、波長λ
0の第1PDのAC成分
V)I)のMZCを電圧V−だけ変化させたときの、波長λ
1の第2PDの計測値
VI)I)のMZCを電圧V+だけ変化させたときの、波長λ
1の第2PDの計測値
【0067】
図6は、本実施形態に係るドリフト方向の検出を説明する図である。
図6において、横軸はMZCの電圧値である。また、符号g201が示す波形は、波長λ
0の第1PDのDC成分の波形、符号g202が示す波形は、波長λ
1の第2PDの計測値の波形である。また、
図6に示す例では、電圧V−と電圧V+の絶対値が同じ例を示している。
波長λ
0については、調整後の状態では、制御信号MZCの電圧がV0のとき、点g211が示すように第1PDのAC成分が最小値L0となっている。このため、制御信号MZCの電圧がV−及びV+それぞれのとき、点g212及び点g213に示すように第1PDのAC成分がL1となっている。
【0068】
図6の符号g201に示す波形g201が、電圧V0から電圧V+に向かって左方向にドリフトが発生した場合、波長λ
0の第1PDのAC成分の電圧値は、点g214に示すようにL2になる。また、電圧V0から電圧V−に向かって右方向にドリフトが発生した場合も、波長λ
0の第1PDのAC成分の電圧値は、L2になる。このため、制御手段22は、この電圧値L2のみを用いて、波長λ
0の第1PDのAC成分が左方向にドリフトしたのか、右方向にドリフトしたのかを判別することができない。
【0069】
一方、波長λ
1については、調整後の状態では、制御信号MZCの電圧がV0のとき、点g221が示すように第2PDの計測値がL10となっている。そして、制御信号MZCの電圧がV−のとき、点g222に示すように第2PDの計測値がL11となり、制御信号MZCの電圧がV+のとき、点g223に示すように第2PDの計測値がL12となっている。
従って、符号g202に示す波形g202が、電圧V0から電圧V+に向かってドリフトが発生した場合、点g224に示すように第2PDの計測値がL10から減少し、電圧V0から電圧V+に向かってドリフトが発生した場合、第2PDの計測値がL10から増加する。
【0070】
このように、制御手段22は、記憶部23に記憶させた光パワーのレベルに基づいて、波長λ
1のドリフト方向を判別し、このドリフト方向を波長λ
0のドリフト方向として決定する。具体的には、制御手段22は、記憶部23に記憶されている第2PDの計測値と、現在の第2PDの計測値とを比較することで、ドリフトの変化方向を検出する。このように、制御手段22は、ドリフトの方向検出を行う際に、制御信号MZCの電圧(バイアス電圧)を変化させる必要がない。この結果、本実施形態によれば、ドリフトの方向を判別するための処理時間が短くて済む。
【0071】
そして、ドリフト方向を判別した結果に基づいて、制御手段22は、ドリフト方向に応じた制御信号MZCのバイアス電圧を再設定することで波長λ
0の第1PDのAC成分が最小値になるように制御して調整する。
この結果、本実施形態によれば、調整後は、波長λ
1に対して制御信号MZCを振ることで、ドリフト方向を判別しているため、ドリフトを増加させることなくバイアスを調整して変調動作を制御することができる。
【0072】
なお、上述した例では、記憶部23に記憶させた第2PDの計測値と、現在の第2PDの計測値とを比較する例を説明したが、これに限られない。制御手段22は、調整後に記憶部23に第2PDの計測値を記憶させた後、現在の第2PDの計測値を取得し、さらに制御信号MZCに対して所定の電圧を変化させたときの第2PDの計測値も取得するようにしてもよい。そして、制御手段22は、記憶されている第2PDの計測値、取得された2つの値に基づいて、ドリフトの変化方向を判別するようにしてもよい。なお、制御信号MZCを変化させる電圧は2種類以上であってもよい。
【0073】
なお、
図6に示した例では、波長λ
1の波形が、波長λ
0のボトムを中心にして、左方向に減少し、右方向に増加する例を示したが、これに限られない。
図6に示す波形のように、波長λ
1の波形が、波長λ
0のボトムを中心にして、左方向に増加し、右方向に減少する波形であってもよい。
図7は、本実施形態に係るドリフト方向の検出の他の例を説明する図である。
図7において、横軸はMZCの電圧値、縦軸は光検出手段の計測値のレベルである。また、符号g203が示す波形は、波長λ
1の第2PDの計測値の波形である。
【0074】
以上のように、本実施形態の光発生装置1は、第1の波長(λ
0)のキャリア光と、第1の波長と異なる第2の波長(λ
1)のキャリア光とが入力され、同じDC電圧を印加しても波長が異なると出力する光パワーが異なる波長依存性を有し、入力された光を変調し、DC電圧を印加する光変調器14(例えば、マッハツェンダー型の光変調器)と、光変調器から出力される第2の波長のキャリア光の変化に基づいて、光変調器に印加するDCバイアス電圧を制御する制御手段22と、を備える。
【0075】
この構成によって、本実施形態の光発生装置1は、ドリフトが発生した場合に、波長λ
1のキャリア光に基づいて、ドリフト方向を判別できる。これにより、本実施形態では、バイアス電圧を必要以上に動かす必要がないので、従来より短い時間でボトムを設定することが可能になる。
【0076】
なお、本実施形態では、合波手段18の出力の光g15を第1光検出手段19で検出し、検出された光パワーのDC成分とAC成分に基づいて、制御手段22がDC成分を最大になるように制御する例を説明したが、これに限られない。以下に、光発生装置1の他の例を説明する。
【0077】
図8は、本実施形態に係る実施形態による光発生装置1Aの構成を示すブロック図である。
図8に示すように、光発生装置1Aは、分岐手段11、光位相変調器12、合波手段13、光変調器14、分波手段15、第2光検出手段16、分岐手段26、第3光検出手段27、分岐手段17、合波手段18、第1光検出手段19、制御手段22A、記憶部23、変調信号生成部24、及びRFドライバ25を備える。また、光発生装置1には、第1光源2、第2光源3、及び位相変調信号生成部4が接続される。光発生装置1と同じ機能を有する機能部には、同じ符号を用いて説明を省略する。
【0078】
分波手段15と分岐手段17との間に、分岐手段26を設け、この分岐手段26によって分岐された光の一方が分岐手段17に出力され、他方の光が第3光検出手段27に出力されるようにしてもよい。そして、第1光検出手段19によって検出された電圧P1と、第3光検出手段27によって検出された電圧P2とに基づいて、制御手段22Aが、DC成分が最大になるように調整してもよい。
【0079】
以下に、制御手段22Aが行う処理の手順を説明する。
まず、制御手段22Aは、3つのDC電極106a、106b、および104の印加電圧を調整して、光パワーP1の時間波形の振幅が最大となり、且つ、光パワーP2が最大値をとる状態に設定する。この設定により、MZ−A102とMZ−B103では、それぞれの両アームにおける位相差がゼ口となり、MZ−A102およびMZ−B103の光パワーがいずれも最大(但し両者の光パワーは一致しない)になる。また、MZ−C101においても2つのアームの位相差(MZ−A102とMZ−B103の出力光の位相差)はゼ口となる。また、光変調器14の構造は、
図4と同様である。
【0080】
次に、制御手段22Aは、上記の状態でDC電極104の印加電圧を調整して、光パワーP1の時間波形の振幅が最小(この段階での最小であり最終的な最小ではない)となる状態に設定する。この設定により、MZ−C101では2つのアームの位相差がπとなるため、光変調器14の出力光に含まれるキャリア光f
0の光パワーが最小になる。ただし、MZ−A102およびMZ−B103の出力光パワーが一致していないため、キャリア光f
0は完全には消失せず残留している。
【0081】
最後に、制御手段22Aは、DC電極106aおよび106bの印加電圧を僅かずつ調整して、光パワーP1の時間波形の振幅がさらに小さくなる方向に変化する方のDC電極を選択し、選択したDC電極の印加電圧を調整することによって、受光パワーP1の時間波形の振幅が最終的な最小となる状態に設定する。この設定により、出力光パワーが大きい方のサブマッハツェンダー光導波路(MZ−A102とMZ−B103の一方)からの出力光のパワーが減衰させられて、もう一方のサブマッハツェンダー光導波路(MZ−A102とMZ−B103のもう一方)からの出力光パワーに揃うようになる。その結果、光変調器14からの出力光は、キャリア光f
0が完全に抑圧され、サイドバンド光f
+1及びf
−1のみを含んだ光となる。
【0082】
なお、本実施形態では、光発生装置1及び1Aに2つの異なる波長の光を入力する例を説明したが、入力される光は3つ以上の異なる波長の光であってもよい。例えば、入力される光が3波長の場合、光発生装置1は、例えば合波手段13が3つの波長の光を合波し、分波手段15によって3つの波長の光に分波されるようにしてもよい。そして、分波手段15に、不図示の3つ目の波長の光パワーを検出する光検出手段が接続され、制御手段22は、第2光検出手段によって検出された光パワーと、3つ目の波長の光パワーを検出する光検出手段によって検出された光パワーと、記憶部23に記憶された値とに基づいて、ドリフトの方向を判別するようにしてもよい。
【0083】
以上、図面を参照して本発明の各実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
例えば、本発明は、光変調器の導波路構成がシングル型マッハツェンダー光導波路である場合にも適用可能である。シングル型マッハツェンダー光導波路とは、
図3において第1サブマッハツェンダー光導波路102と第2サブマッハツェンダー光導波路103が直線導波路に置き換わった構成である。
【0084】
なお、制御手段22または22Aの機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各部の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。