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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-191280(P2015-191280A)
(43)【公開日】2015年11月2日
(54)【発明の名称】半導体装置及び電流源制御方法
(51)【国際特許分類】
   G05F 1/56 20060101AFI20151006BHJP
【FI】
   G05F1/56 310D
   G05F1/56 310Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-66187(P2014-66187)
(22)【出願日】2014年3月27日
(71)【出願人】
【識別番号】308033711
【氏名又は名称】ラピスセミコンダクタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】島崎 広野
【テーマコード(参考)】
5H430
【Fターム(参考)】
5H430BB01
5H430BB05
5H430BB09
5H430BB11
5H430EE12
5H430FF02
5H430FF13
5H430HH03
(57)【要約】
【課題】動作状態の電流源の消費電流を低減することができる半導体装置及び電流源制御方法を提供する。
【解決手段】演算増幅器22の出力端子に一端が接続され、演算増幅器22の反転入力端子に他端が接続されたコンデンサ22と、分圧器25と接地部24Bとの接続状態及び非接続状態を切替可能な第1スイッチSW1と、フィードバック電圧VFBがコンデンサC2の他端に入力される入力状態とフィードバック電圧VFBがコンデンサC2の他端に入力されない非入力状態とを切替可能な第2スイッチSW2と、第1スイッチSW1による接続状態及び非接続状態が繰り返し切り替えられ、かつ、第2スイッチSW2による入力状態及び非入力状態が繰り返し切り替えられるように制御信号を第1スイッチSW1及び第2スイッチSW2に供給する信号供給端子26と、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準電圧が入力される非反転入力端子を有する演算増幅器の出力端子に一端が接続され、前記演算増幅器の反転入力端子に他端が接続される容量性素子と、
前記出力端子の出力電圧に前記容量性素子の電圧が付加された付加電圧を負荷に供給する供給端子から入力された前記付加電圧を分圧する分圧器と低電圧源との接続状態及び非接続状態を切替可能な第1切替部と、
前記付加電圧を前記分圧器により分圧して得た帰還用電圧が前記容量性素子の他端に入力される入力状態と前記帰還用電圧が前記容量性素子の他端に入力されない非入力状態とを切替可能な第2切替部と、
前記接続状態及び前記非接続状態が繰り返し切り替えられ、かつ、前記入力状態及び前記非入力状態が繰り返し切り替えられるように前記第1切替部及び前記第2切替部を制御する制御信号を前記第1切替部及び前記第2切替部に供給する供給部と、
を含む半導体装置。
【請求項2】
前記第1切替部による前記接続状態及び前記非接続状態の切り替え、及び前記第2切替部による前記入力状態及び前記非入力状態の切り替えは、前記付加電圧が予め許容された電圧範囲内に保持されるように行われる請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記電圧範囲は、前記負荷の作動を補償可能な電圧範囲である請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記接続状態及び前記非接続状態は周期的に切り替えられ、かつ、前記入力状態及び前記非入力状態は周期的に切り替えられる請求項1から請求項3の何れか1項に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記制御信号は、前記接続状態から前記非接続状態に切り替えられ、かつ、前記入力状態から前記非入力状態に切り替えられてから、予め定められた第1時間が経過した場合に、前記非接続状態から前記接続状態に切り替えられ、かつ、前記非入力状態から前記入力状態に切り替えられるように前記第1切替部及び前記第2切替部に供給される請求項1から請求項4の何れか1項に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記制御信号は、前記非接続状態から前記接続状態に切り替えられ、かつ、前記非入力状態から前記入力状態に切り替えられてから、前記第1時間よりも短い第2時間が経過した場合に、前記接続状態から前記非接続状態に切り替えられ、かつ、前記入力状態から前記非入力状態に切り替えられるように前記第1切替部及び前記第2切替部に供給される請求項5に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記付加電圧が第1閾値に達した否かを検出する検出部を更に含み、
前記制御信号は、前記付加電圧が前記第1閾値に達したことが検出された場合に、前記非接続状態から前記接続状態に切り替えられ、かつ、前記非入力状態から前記入力状態に切り替えられるように前記第1切替部及び前記第2切替部に供給される請求項1から請求項3の何れか1項に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記検出部は、前記付加電圧が前記第1閾値よりも大きな第2閾値に達したか否かを更に検出し、
前記制御信号は、前記付加電圧が前記第2閾値に達したことが検出された場合に、前記接続状態から前記非接続状態に切り替えられ、かつ、前記入力状態から前記非入力状態に切り替えられるように前記第1切替部及び前記第2切替部に供給される請求項7に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記演算増幅器は、前記接続状態から前記非接続状態に切り替えられ、かつ、前記入力状態から前記非入力状態に切り替えられた場合にボルテージフォロワとして動作する請求項1から請求項8の何れか1項に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記容量性素子は、前記演算増幅器の位相補償用コンデンサである請求項1から請求項9の何れか1項に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記制御信号は、前記第1切替部による前記接続状態及び前記非接続状態の切り替え動作と前記第2切替部による前記入力状態及び前記非入力状態の切り替え動作とが同期するように前記第1切替部及び前記第2切替部に供給される請求項1から請求項10の何れか1項に記載の半導体装置。
【請求項12】
前記供給部に対して前記制御信号を供給する制御部を更に含む請求項1から請求項11何れか1項に記載の半導体装置。
【請求項13】
基準電圧が入力される非反転入力端子を有する演算増幅器の出力端子に一端が接続され、前記演算増幅器の反転入力端子に他端が接続される容量性素子と、前記出力端子の出力電圧に前記容量性素子の電圧が付加された付加電圧を負荷に供給する供給端子から入力された前記付加電圧を分圧する分圧器と低電圧源との接続状態及び非接続状態を切替可能な第1切替部と、前記付加電圧を前記分圧器により分圧して得た帰還用電圧が前記容量性素子の他端に入力される入力状態と前記帰還用電圧が前記容量性素子の他端に入力されない非入力状態とを切替可能な第2切替部と、を含む半導体装置における前記接続状態及び前記非接続状態が繰り返し切り替えられ、かつ、前記入力状態及び前記非入力状態が繰り返し切り替えられるように前記第1切替部及び前記第2切替部を制御する制御信号を前記第1切替部及び前記第2切替部に供給すること、
を含む電流源制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及び電流源制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置に搭載されるレギュレータ(電流源)の消費電力を低減する方法として、レギュレータの動作を停止させる方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図6には、従来のレギュレータ100の構成の一例が示されている。一例として図6に示すように、レギュレータ100は、検出回路110、演算増幅器120、出力回路130、接続遮断回路140、及び電圧設定回路150を含む。演算増幅器120及び出力回路130には、駆動用電圧HVが入力される。検出回路110及び演算増幅器120には、ハイレベル(Hレベル)とローレベル(Lレベル)とに信号レベルが遷移する制御信号ENREGが入力され、検出回路110及び演算増幅器120は、制御信号ENREGの信号レベルに応じて制御される。
【0004】
検出回路110は、レギュレータ100の出力端子100Aの出力電圧Voutを検出し、検出した出力電圧Voutに応じたフィードバック電圧VFBを生成して出力する。演算増幅器120は、非反転入力端子、反転入力端子、及び出力端子を有しており、反転入力端子に入力された基準電圧VREFと非反転入力端子に入力された検出回路110のフィードバック電圧VFBとを比較した比較結果VAOUTを出力する。出力回路130は、演算増幅器120から入力された比較結果VAOUTに基づいて出力端子100Aに電流を供給して出力電圧outを維持する。
【0005】
接続遮断回路140は、検出回路110の出力端子110Aと演算増幅器120の非反転入力端子との接続状態及び非接続状態を切り替える。電圧設定回路150は、フィードバック電圧VFBを所定の電圧に設定する。
【0006】
レギュレータ100の出力端子100Aには、出力電圧Voutの電圧変動を抑える平滑容量部160と、出力電圧Voutの供給先である負荷回路170とが接続されている。負荷回路170は、電流源ILとスイッチSWを有しており、スイッチSWがオンされると出力電圧Voutに基づく電流が電流源ILに供給される。
【0007】
このように構成されたレギュレータ100は、制御信号ENREGの信号レベルに応じて動作状態と停止状態とに切り替えられる。すなわち、スイッチSWがオンされると、制御信号ENREGがHレベルとなり、レギュレータ100が動作状態となる。スイッチSWがオフされると、制御信号ENREGがLレベルとなり、レギュレータ100は停止状態となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006−146421号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、レギュレータ100が動作状態の場合、図6に示すように検出回路110の構成要素であるNチャネル型トランジスタNのゲートにHレベルの制御信号ENREGが常時入力され、Nチャネル型トランジスタNのオン状態が継続される。そのため、レギュレータ100が動作状態の間、検出回路110で電流が消費されてしまう、という問題点があった。
【0010】
本発明は上記問題点を解決するために成されたものであり、動作状態の電流源の消費電流を低減することができる半導体装置及び電流源制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の半導体装置は、基準電圧が入力される非反転入力端子を有する演算増幅器の出力端子に一端が接続され、前記演算増幅器の反転入力端子に他端が接続される容量性素子と、前記出力端子の出力電圧に前記容量性素子の電圧が付加された付加電圧を負荷に供給する供給端子から入力された前記付加電圧を分圧する分圧器と低電圧源との接続状態及び非接続状態を切替可能な第1切替部と、前記付加電圧を前記分圧器により分圧して得た帰還用電圧が前記容量性素子の他端に入力される入力状態と前記帰還用電圧が前記容量性素子の他端に入力されない非入力状態とを切替可能な第2切替部と、前記接続状態及び前記非接続状態が繰り返し切り替えられ、かつ、前記入力状態及び前記非入力状態が繰り返し切り替えられるように前記第1切替部及び前記第2切替部を制御する制御信号を前記第1切替部及び前記第2切替部に供給する供給部と、を含む。
【0012】
上記目的を達成するために、請求項13に記載の電流源制御方法は、基準電圧が入力される非反転入力端子を有する演算増幅器の出力端子に一端が接続され、前記演算増幅器の反転入力端子に他端が接続される容量性素子と、前記出力端子の出力電圧に前記容量性素子の電圧が付加された付加電圧を負荷に供給する供給端子から入力された前記付加電圧を分圧する分圧器と低電圧源との接続状態及び非接続状態を切替可能な第1切替部と、前記付加電圧を前記分圧器により分圧して得た帰還用電圧が前記容量性素子の他端に入力される入力状態と前記帰還用電圧が前記容量性素子の他端に入力されない非入力状態とを切替可能な第2切替部と、を含む半導体装置における前記接続状態及び前記非接続状態が繰り返し切り替えられ、かつ、前記入力状態及び前記非入力状態が繰り返し切り替えられるように前記第1切替部及び前記第2切替部を制御する制御信号を前記第1切替部及び前記第2切替部に供給すること、を含む。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、動作状態の電流源の消費電流を低減することができる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施形態に係る半導体装置の要部構成の一例を示す概略構成図である。
図2】実施形態に係る半導体装置に含まれるレギュレータの動作の流れの一例を示すタイムチャートである。
図3】実施形態に係る半導体装置に含まれるレギュレータの動作の流れの変形例を示すタイムチャートである。
図4】実施形態に係る半導体装置の要部構成の変形例を示す概略構成図である。
図5】実施形態に係る半導体装置の要部構成の変形例を示す概略構成図である。
図6】従来のレギュレータの一例を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態例について詳細に説明する。
【0016】
一例として図1に示すように、半導体装置10は、レギュレータ12及び制御部14を含む。なお、図1には図示されていないが、本実施形態に係る半導体装置10は、メインレギュレータとサブレギュレータとを含み、後述の負荷18に対してメインレギュレータの出力電流とサブレギュレータの出力電流とが選択的に入力される。本実施形態では、説明の便宜上、レギュレータ12がサブレギュレータとして用いられる場合を例に挙げて説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、レギュレータ12がメインレギュレータとして用いられてもよい。
【0017】
レギュレータ12の出力端子12A(本発明に係る供給端子の一例)は、コンデンサC1及び負荷18に接続されている。コンデンサC1は、所謂バイパスコンデンサである。コンデンサC1の一端は出力端子12Aに接続され、コンデンサC1の他端は接地されている。負荷18は、レギュレータ12の出力電圧Vout(出力端子12Aの電圧)に基づく電流Iloadの供給先(電流Iloadが供給されることによって作動する負荷)である。負荷18の一例としては、図6に示す負荷回路170に相当する回路、記憶素子(例えば、不揮発性メモリ)、CPU(Central Processing Unit)、又はASIC(application specific integrated circuit)が挙げられる。
【0018】
制御部14は、信号レベルがHレベルとLレベルとに遷移する制御信号をレギュレータ12に供給することでレギュレータ12を制御する。なお、制御部14の一例としては、CPU又はASICが挙げられる。
【0019】
レギュレータ12は、基準電圧回路20、演算増幅器22、検出回路24、コンデンサC2(本発明に係る容量性素子の一例)、第2スイッチSW2(本発明に係る第2切替部の一例)、及び信号供給端子26(本発明に係る供給部の一例)を含む。
【0020】
基準電圧回路20は、接地されており、駆動用電圧HVによって入力された駆動用電圧に基づいて基準電圧Vrefを生成して出力する。
【0021】
演算増幅器22は、反転入力端子、非反転入力端子、及び出力端子を備えている。演算増幅器22は、接地されており、駆動用電圧が入力されることで駆動する。演算増幅器22の非反転入力端子には基準電圧Vrefが入力される。また、演算増幅器22の出力端子は反転入力端子に負帰還されている。また、負帰還経路には、演算増幅器22の位相補償用コンデンサであるコンデンサC2が挿入されている。すなわち、演算増幅器22の出力端子は、コンデンサC2を介して非反転入力端子に接続されている。具体的には、コンデンサC2の一端が演算増幅器22の出力端子に接続されており、コンデンサC2の他端が演算増幅器22の反転入力端子に接続されている。
【0022】
検出回路24は、本発明に係る付加電圧の一例である出力電圧Vout(≒演算増幅器22の出力電圧(基準電圧Vref)+コンデンサC2の電圧V)を検出し、検出した出力電圧Voutに応じたフィードバック電圧VFBを生成して出力する回路である。
【0023】
検出回路24は、抵抗R1,R2による分圧器25と第1スイッチSW1(本発明に係る第1切替部の一例)との直列回路を有する。分圧器25は、出力端子12から入力された出力電圧Voutを分圧することでフィードバック電圧VFB(本発明に係る帰還用電圧の一例)を取り出す。第1スイッチSW1は、分圧器25と接地電圧とされた接地部24B(本発明に係る低電圧源の一例)との接続状態及び非接続状態を切替可能なスイッチである。
【0024】
分圧器25は、第1スイッチSW1を介して本発明に係る低電圧源の一例である接地部24Bに接続されている。すなわち、第1スイッチSW1の一端は、接地部24Bに接続されることで接地されており、第1スイッチSW1の他端は抵抗R1の一端に接続されている。抵抗R1の他端は抵抗R2の一端に接続されている。抵抗R2の他端は、出力端子12Aに接続されている。なお、フィードバック電圧VFB(本発明に係る帰還用電圧の一例)は、分圧器25における抵抗R1と抵抗R2との接続点24Aから取り出される。
【0025】
第2スイッチSW2は、フィードバック電圧VFBがコンデンサC2の他端に入力される入力状態とフィードバック電圧VFBがコンデンサC2の他端に入力されない非入力状態とを切替可能なスイッチである。
【0026】
第2スイッチSW2は、コンデンサC2の他端と接続点24Aとの間に挿入されている。すなわち、第2スイッチSW2の一端が接続点24Aに接続されており、第2スイッチSW2の他端がコンデンサC2の他端に接続されている。なお、以下では、説明の便宜上、第1スイッチSW1及び第2スイッチSW2を区別して説明する必要がない場合(第1スイッチSW1及び第2スイッチSW2の両方を指す場合)、「スイッチSW」と称する)。
【0027】
信号供給端子26は、第1スイッチSW1により接続状態及び非接続状態が繰り返し切り替えられ、かつ、第2スイッチSW2により入力状態及び非入力状態が繰り返し切り替えられるように制御信号をスイッチSWに供給する。
【0028】
信号供給端子26は、スイッチSWに接続されている。また、信号供給端子26は、制御部14に接続されており、制御部14によって制御信号が入力され、入力された制御信号をスイッチSWに供給する。
【0029】
スイッチSWは、例えば、Nチャネル型トランジスタである。第1スイッチSW1として用いるNチャネル型トランジスタにおいて、ゲートは信号供給端子26に接続され、ドレインは抵抗R1の一端に接続され、ソースは接地部24Bに接続される。また、第2スイッチSW2として用いるNチャネル型トランジスタにおいて、ゲートは信号供給端子26に接続され、ドレインは接続点24Aに接続され、ソースはコンデンサC2の他端に接続される。従って、各Nチャネル型トランジスタのゲートに入力される制御信号の信号レベルに応じてドレインとソースとの間の導通状態と非導通状態とが切り替えられる。すなわち、第1スイッチSW1及び第2スイッチSW2は、入力された制御信号の信号レベルに応じて同期してスイッチングされる。
【0030】
本実施形態では、スイッチSWにHレベルの制御信号が入力されると、スイッチSWがオンされ、スイッチSWにLレベルの制御信号が入力されると、スイッチSWがオフされる。そのため、Hレベルの制御信号が入力されて第1スイッチSW1がオンされると、検出回路24に電流が供給され、第1スイッチSW1がオフされると、検出回路24に対する電流の供給が停止される。また、第2スイッチSW2がオフされると、演算増幅器22の反転入力端子にフィードバック電圧VFBが入力されず、第2スイッチSW2がオンされると、演算増幅器22の反転入力端子にフィードバック電圧VFBが入力される。
【0031】
次に、レギュレータ12の動作について図2を参照しながら説明する。なお、以下では、説明の便宜上、レギュレータ12が制御部14によって停止モード又は動作モードに設定される場合について説明する。停止モードとは、例えば、スイッチSWがオフされ、かつ、基準電圧回路20及び演算増幅器22に対して駆動用電圧HVが入力されていない状態を指す。動作モードとは、例えば、基準電圧回路20及び演算増幅器22に対して駆動用電圧HVが入力された状態(レギュレータ12が駆動している状態)を指す。また、動作モードは、通常動作モードと間欠動作モードとに大別される。なお、図2に示す例では、レギュレータ12が通常動作モードから間欠動作モードに移行し、間欠動作モードから通常動作モードに復帰する場合が示されている。
【0032】
先ず、レギュレータ12が停止モードから通常動作モードに移行する場合、基準電圧回路20及び演算増幅器22に対して駆動用電圧HVが入力され、制御部14から信号供給端子26にHレベルの制御信号が入力される。そして、Hレベルの制御信号は、信号供給端子26からスイッチSWに入力され、これに応じて、スイッチSWがオンされる。スイッチSWがオンされると、通常動作モードが開始される。
【0033】
通常動作モードが開始されると、基準電圧VrefにコンデンサC2の電圧Vが付加された電圧が出力電圧Voutとされ、この出力電圧VoutがコンデンサC1及び負荷18に入力される。コンデンサC2の電圧Vは、例えば、基準電圧Vrefとフィードバック電圧VFBとの差分(電位差)に相当する電圧である。また、この場合、出力端子12Aから検出回路24に電流が供給され、検出回路24で電流が消費される。
【0034】
次に、通常動作モードの状態で、制御部14から信号供給端子26にLレベルの制御信号が入力される。そして、Lレベルの制御信号は、信号供給端子26からスイッチSWに入力され、これに応じて、スイッチSWがオフされる。スイッチSWがオフされると、通常動作モードから間欠動作モードに移行する。
【0035】
間欠動作モードが開始されると、先ず、ホールド期間でスイッチSWがオフされ、次のサンプリング期間でスイッチSWがオンされる。ホールド期間とは、予め許容された電圧範囲内に出力電圧Voutを保持する期間として予め定められた期間を指す。サンプリング期間とは、例えば、出力電圧Voutを間欠動作モードが開始された時点(通常動作モードが終了した時点)での電圧に戻す期間として予め定められた期間を指す。
【0036】
間欠動作モードでは、ホールド期間とサンプリング期間とで1サイクルが形成される。間欠動作モードでは、予め許容された電圧範囲(例えば、負荷18が許容可能な電圧範囲)内に出力電圧Voutが保持されるように複数サイクルが実施される。ここで、複数サイクルが実施されるとは、ホールド期間とサンプリング期間とが繰り返し切り替えられることを意味する。また、本実施形態では、ホールド期間及びサンプリング期間の各々が不変時間(固定化された時間)であるため、ホールド期間とサンプリング期間とが周期的(規則的)に切り替えられる。
【0037】
ホールド期間では、スイッチSWがオフされる。そのため、演算増幅器22はボルテージフォロワとして動作する。しかし、コンデンサC2ではリーク電流(コンデンサC2から漏れ出る電流)が生じるため(コンデンサC2が放電されるため)、図2に示すホールド期間における出力電圧Voutは徐々に低下する。そして、スイッチSWがオフされてから第1所定時間(例えば、1ミリ秒)が経過した場合に制御部14から信号供給端子26にHレベルの制御信号が入力される。Hレベルの制御信号は、信号供給端子26からスイッチSWに入力され、これに応じて、サンプリング期間が開始される。
【0038】
ここで、本発明に係る第1時間の一例である第1所定時間とは、例えば、スイッチSWがオフされてから出力電圧Voutが許容下限電圧(本発明に係る第1閾値の一例)に達するまでの時間としてシミュレーション又は実験等によって事前に得られた時間を指す。許容下限電圧とは、例えば、負荷18の動作を補償可能な電圧範囲内の下限電圧(負荷18で許容される下限電圧)を指す。本実施形態では、負荷18の動作を補償可能な電圧範囲が1.35ボルト以上1.52ボルト未満であり、通常動作モードでの出力電圧Voutを1.5ボルトとし、許容下限電圧を1.35ボルトとしているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、許容下限電圧に代えて、1.35ボルトよりも大きく1.5ボルトよりも小さな電圧(例えば、1.4ボルト)を採用してもよい。
【0039】
また、本実施形態では、第1所定時間として不変時間を採用しているが、本発明はこれに限定されるものではない。ユーザの指示(例えば、制御部14に接続されたユーザ・インタフェースによって受け付けられた指示)に応じてカスタマイズされる可変時間、又は、環境条件の変化に応じて制御部14によって調整される可変時間を採用してもよい。環境条件とは、例えば、半導体装置10の設置環境の温度及び湿度、並びに半導体装置10又はレギュレータ12(特に、コンデンサC2)を電磁的な外乱から保護するシールドの強度等を指す。
【0040】
サンプリング期間では、スイッチSWがオンされる。そのため、コンデンサC2に対する充電が開始される。スイッチSWがオンされてから第2所定時間(例えば、30マイクロ秒)が経過した場合に、制御部14から信号供給端子26を介してスイッチSWにLレベルの制御信号が入力されると、次の1サイクルのホールド期間が開始される。スイッチSWがオンされてから第2所定時間が経過した場合に、スイッチSWに継続してHレベルの制御信号が入力されると、間欠動作モードから通常動作モードへ移行する。
【0041】
ここで、本発明に係る第2時間の一例である第2所定時間とは、例えば、スイッチSWがオンされてから出力電圧Voutが通常動作モード時電圧(例えば、通常動作モードの終了時の電圧(1.5ボルト))に達するまでの時間としてシミュレーション又は実験等によって事前に得られた時間を指す。なお、ここでは、本発明に係る第2閾値の一例として通常動作モード時電圧を例示したが、これに限らず、通常動作モード時電圧に代えて、通常動作モード時電圧未満の電圧又は通常動作モード時電圧を超える電圧であってもよい。但し、この場合、通常動作モード時電圧未満の電圧又は通常動作モード時電圧を超える電圧は、許容下限電圧よりも大きく、かつ、負荷18の動作を補償可能な電圧範囲内の電圧(例えば、1.45ボルト)であることが好ましい。
【0042】
また、本実施形態では、第2所定時間として不変時間を採用しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、ユーザの指示に応じてカスタマイズされる可変時間、又は、環境条件の変化に応じて制御部14によって調整される可変時間を採用してもよい。
【0043】
以上説明したように、本実施形態に係る半導体装置10では、制御部14の制御下でレギュレータ12が間欠的に動作する。すなわち、レギュレータ12の間欠動作モードにおいて、信号供給端子26からスイッチSWに供給される制御信号の信号レベルに応じてスイッチSWのオン状態とオフ状態が繰り返される。これは、スイッチSWがオンされている間のみ検出回路24で電流が消費され、スイッチSWがオフされている間は検出回路24で電流が消費されないことを意味する。従って、本実施形態に係る半導体装置10は、スイッチSW及び信号供給端子26を有しない構成に比べ、動作状態のレギュレータ12の消費電流を低減することができる。
【0044】
また、本実施形態に係る半導体装置10では、出力電圧Voutが予め許容された電圧範囲内に保持されるようにスイッチSWのオン状態及びオフ状態の切り替えが行われる。これにより、半導体装置10は、出力電圧Voutが予め許容された電圧範囲内に保持されるようにスイッチSWのオン状態及びオフ状態の切り替えが行われない場合に比べ、負荷18に対する安定した電圧供給を実現することができる。
【0045】
また、本実施形態に係る半導体装置10では、出力電圧Voutが負荷18の動作を補償可能な電圧範囲内に保持されるようにスイッチSWのオン状態及びオフ状態の切り替えが行われる。これにより、半導体装置10は、出力電圧Voutが負荷18の動作を補償可能な電圧範囲内に保持される構成を有しない場合に比べ、負荷18の動作を補償可能な電圧範囲内の出力電圧Voutを負荷18に対して安定して供給することができる。
【0046】
また、本実施形態に係る半導体装置10では、第1所定時間及び第2所定時間の各々を固定化されて時間とすることで、間欠動作モードでスイッチSWのオン状態とオフ状態とが周期的に繰り返される。これにより、半導体装置10は、間欠動作モードでスイッチSWのオン状態とオフ状態とが不規則に切り替えられる場合に比べ、簡素な制御でスイッチSWのオン状態とオフ状態とを切り替えることができる。
【0047】
また、本実施形態に係る半導体装置10では、間欠動作モードにおいて、スイッチSWがオフされてから第1所定時間が経過した場合に、スイッチSWがオンされる。これにより、半導体装置10は、簡易な構成で、予め許容された電圧範囲の下限値(許容下限電圧)を下回らない範囲内に出力電圧Voutを保持することができる。
【0048】
また、本実施形態に係る半導体装置10では、間欠動作モードにおいて、スイッチSWがオンされてから第2所定時間が経過した場合に、スイッチSWがオフされる。これにより、半導体装置10は、簡易な構成で、予め許容された電圧範囲の上限値(通常動作モード時電圧)を超えない範囲内に出力電圧Voutを保持することができる。
【0049】
また、本実施形態に係る半導体装置10では、レギュレータ12の間欠動作モードにおいてスイッチSWがオフされている場合に演算増幅器22がボルテージフォロワとして動作する。これにより、半導体装置10は、演算増幅器22がボルテージフォロワとして動作しない場合に比べ、簡易な構成でレギュレータ12の出力電圧Voutの低下を抑制することができる。
【0050】
また、本実施形態に係る半導体装置10では、コンデンサC2として演算増幅器22の位相補償用コンデンサが利用されている。これにより、半導体装置10は、コンデンサC2として演算増幅器22の位相補償用コンデンサを利用しない場合に比べ、簡素な構成で、ホールド期間での出力電圧Voutの低下を抑制することができる。
【0051】
また、本実施形態に係る半導体装置10では、第1スイッチSW1のスイッチング動作と第2スイッチSW2のスイッチング動作とを同期させている。これにより、半導体装置10は、間欠動作モードにおいて第1スイッチSW1のスイッチング動作と第2スイッチSW2のスイッチング動作とを同期させていない場合に比べ、ホールド期間とサンプリング期間との切り替えを円滑に行うことができる。
【0052】
また、本実施形態に係る半導体装置10では、レギュレータ12の外部に、信号供給端子26に対して制御信号を供給する制御部14が設けられている。これにより、半導体装置10は、レギュレータ12内に制御信号を生成する回路が搭載される場合に比べ、レギュレータ12の構成を簡素化することができる。
【0053】
なお、上記実施形態では、通常動作モード及び間欠動作モードが制御部14によって選択的に設定される場合を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図3に示すように、通常動作モードを含めずに間欠動作モードのみを動作モードとして採用するようにしてもよい。この場合、通常動作モードと間欠動作モードとを併用する場合に比べ、動作状態のレギュレータ12の消費電流を低減することができる。また、通常動作モードと間欠動作モードとを切り替える制御が不要となる。
【0054】
また、上記実施形態では、第2スイッチSW2が接続点24AとコンデンサC2の他端との間に挿入されている場合を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、半導体装置10に代えて、一例として図4に示す半導体装置50を採用してもよい。
【0055】
一例として図4に示すように、半導体装置50は、図1に示す半導体装置10に比べ、レギュレータ12に代えてレギュレータ52を有する点が異なる。レギュレータ52は、レギュレータ12に比べ、接続点24AとコンデンサC2との間の第2スイッチSW2が除去され、接続点24AとコンデンサC2の他端とが直接接続された点が異なる。また、レギュレータ52は、レギュレータ12に比べ、第2スイッチSW2Aを有する点が異なる。第2スイッチSW2Aの一端は抵抗R2の他端に接続され、第2スイッチSW2Aの他端は出力端子12Aに接続される。このように構成された半導体装置50であっても上記実施形態で説明した半導体装置10と同様の効果が得られる。
【0056】
また、上記実施形態では、第1所定時間及び第2所定時間に基づいてスイッチSWのオン状態とオフ状態とを切り替える場合を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、半導体装置10に代えて、一例として図5に示す半導体装置60を採用してもよい。
【0057】
一例として図5に示すように、半導体装置60は、図1に示す半導体装置10に比べ、出力端子12AとコンデンサC1の一端との間に検出部62が挿入されている点が異なる。検出部62は、出力電圧Voutが第1閾値に達したか否かを検出し、かつ、出力電圧Voutが第1閾値よりも大きな第2閾値に達したか否かを検出する。
【0058】
なお、ここでは、検出部62の一例としてコンパレータを含む回路を採用しているが、これに限らず、出力電圧Voutが第1閾値に達したか否かを検出し、かつ、出力電圧Voutが第2閾値に達したか否かを検出する回路であればよい。また、ここでは、第1閾値として、負荷18の動作を補償可能な電圧範囲の下限値(例えば、許容下限電圧に相当する電圧)を採用している。また、ここでは、第2閾値として、負荷18の動作を補償可能な電圧範囲で第1閾値よりも大きな値(例えば、通常動作モード時電圧に相当する電圧)を採用している。
【0059】
検出部62は、制御部14に接続されており、検出部62での検出結果を制御部14に出力する。制御部14は、入力された検出結果に応じてスイッチSWのオン状態とオフ状態とを切り替える。例えば、制御部14は、スイッチSWがオフ状態で、検出部62によって出力電圧Voutが第1閾値に達したと検出された場合に、スイッチSWをオフ状態からオン状態に切り替える。また、制御部14は、スイッチSWがオン状態で、検出部62によって出力電圧Voutが第2閾値に達したと検出された場合に、スイッチSWをオン状態からオフ状態に切り替える。
【0060】
従って、半導体装置60は、スイッチSWがオフされてから出力電圧Voutが第1閾値に達したと検出された場合にスイッチSWがオンされる構成を有しない場合に比べ、第1閾値を下回らない範囲内に出力電圧Voutを高精度に保持することができる。
【0061】
また、半導体装置60は、スイッチSWがオンされてから出力電圧Voutが第2閾値に達したと検出された場合にスイッチSWがオフされる構成を有しない場合に比べ、簡易な構成で、第2閾値を超えない範囲内に出力電圧Voutを高精度に保持することができる。
【0062】
また、半導体装置60は、第1閾値及び第2閾値を、負荷18の動作を補償可能な電圧範囲の値としない場合に比べ、負荷18の動作を補償可能な電圧範囲内に出力電圧Voutを高精度に保持することができる。
【0063】
また、上記実施形態では、第1スイッチSW1のスイッチング動作と第2スイッチSW2のスイッチング動作とを同期させているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、第2スイッチSW2のスイッチング動作が第1スイッチSW1のスイッチング動作よりも先に行われるようにしてもよい。
【0064】
また、上記実施形態では、出力電圧Voutが予め許容された電圧範囲内に保持されるようにスイッチSWの切り替えが行われる場合を例示したが、本発明はこれに限定されるものはない。例えば、間欠動作モードにおいて出力電圧Voutが許容下限電圧を下回った場合であってもスイッチSWをオンしなくてもよい。この場合、例えば、出力電圧Voutが許容下限電圧を下回っている間、負荷18に対してレギュレータ12以外の図示しないレギュレータ(例えば、メインレギュレータ)から補完電圧が負荷18に供給されるようにすればよい。
【符号の説明】
【0065】
10,50,60 半導体装置
12A 出力端子
14 制御部
18 負荷
22 演算増幅器
24 検出回路
24A 接続点
24B 接地部
25 分圧器
26 信号供給端子
62 検出部
C1,C2 コンデンサ
R1,R2 抵抗
SW1 第1スイッチ
SW2,SW2A 第2スイッチ
図1
図2
図3
図4
図5
図6