【解決手段】配線基板10は、放熱板20と、放熱板20上に接着層30を介して設けられた絶縁層60を有している。絶縁層60の接着層30の側の下面60bには配線層41,42,43が設けられている。絶縁層60には厚さ方向に貫通する貫通孔61,62,63,64,65が形成されている。貫通孔61を充填するように設けられた貫通配線71は配線層41に接続され、上面にパッド81が形成され、パッド81に半導体素子100が搭載される。貫通孔62,63を充填するように設けられた貫通配線72,73は配線層42に接続され、貫通孔64,65を充填するように設けられた貫通配線74,75は配線層43に接続されている。貫通配線72〜75の上面にパッド82〜85が形成され、パッド82,84はボンディングワイヤ102,103により半導体素子100と電気的に接続される。
前記第1の貫通配線及び前記第1のパッドはそれぞれ複数設けられ、複数の前記第1の貫通配線は、1つの前記第1の配線層に接続され、複数の前記第1のパッドはそれぞれ第1のバンプを介して前記半導体素子に熱的に接続され、
前記第2の貫通配線及び前記第2のパッドはそれぞれ複数設けられ、複数の前記第2の貫通配線は、1つの前記第2の配線層に接続され、複数の前記第2のパッドはそれぞれ第2のバンプを介して前記半導体素子に電気的に接続されること、
を特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の配線基板。
前記絶縁層上に設けられ、前記第1の貫通配線を露出する第1の開口部と、前記第2の貫通配線を露出する第2の開口部を備えた保護層を有すること、を特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の配線基板。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して各実施形態を説明する。
なお、添付図面は、部分的に拡大して示している場合があり、寸法,比率などは実際と異なる場合がある。また、断面図では、各部材の断面構造を分かりやすくするために、一部のハッチングを省略している。
【0009】
(第一実施形態)
以下、第一実施形態を説明する。
図1(a)は第一実施形態の配線基板の概略平面図を示す。
図1(b)は、配線基板に半導体素子を実装した半導体パッケージの概略断面図を示す。
【0010】
図1(b)に示すように、この半導体パッケージ1は、配線基板10と、配線基板10に実装された半導体素子100を有している。
配線基板10は、放熱板20、接着層30、配線層41,42,43、接着層50、絶縁層60、貫通配線71,72,73,74,75、パッド81,82,83,84,85、保護層90を有している。配線基板10において、配線層41,42,43、絶縁層60、貫通配線71〜75、パッド81〜85、保護層90を含む部分を配線部Z1と称する場合がある。つまり、配線基板10は、放熱板20と、放熱板20に接着層30を介して接続された配線部Z1とを有している。
【0011】
本実施形態において、便宜上、配線基板10の保護層90側を上側又は一方の側、放熱板20側を下側又は他方の側とする。又、各部位の保護層90側の面を上面又は一方の面、放熱板20側の面を下面又は他方の面とする。但し、配線基板10は天地逆の状態で用いることができ、又は任意の角度で配置することができる。又、平面視とは対象物を保護層90の一方の面の法線方向から視ることを指し、平面形状とは対象物を保護層90の一方の面の法線方向から視た形状を指すものとする。
【0012】
放熱板20は、たとえば平面視矩形の板状に形成されている。放熱板20の厚さは、たとえば、50μm〜2mmである。放熱板20の材料としては、たとえば、熱伝導率の良い銅(Cu)やアルミニウム(Al)等の金属材料、または銅やアルミニウム等の金属を含む合金で作製された基板を用いることができる。放熱板20として、アルミナや窒化アルミニウム等のセラミックスやシリコン等の熱伝導率の高い絶縁材料で作製された基板を用いてもよい。
【0013】
接着層30は、放熱板20上に設けられ、絶縁層60の他方の面に接して、絶縁層60と放熱板20とを接着している。なお、本実施形態において、絶縁層60の下面60bに接着層30が設けられている。したがって、放熱板20の上面20aには、接着層30と接着層30を介して絶縁層60が接着されている。接着層30の厚さは、例えば、20〜200μm程度とすることができる。接着層30は、半導体素子100から放熱板20へ熱を伝達する経路の一部となる部分であるため、熱伝導率の高い材料を用いることが好ましい。接着層30の材料としては、例えば、アルミナ等のフィラーを含有したエポキシ系接着剤、アクリル系接着剤、シリコーン系接着剤、オレフィン系接着剤、ポリイミド系接着剤等の絶縁性樹脂製の耐熱性接着剤を用いることができる。
【0014】
絶縁層60は、例えば、可撓性を有する絶縁樹脂フィルムである。絶縁樹脂フィルムとしては、例えば、ポリイミド系樹脂製のフィルムや、ポリエステル系樹脂製のフィルム(ポリエチレンテレフタレートフィルムやポリエチレンナフタレートフィルム)等の絶縁性の高い材料からなるフィルム(テープ)を用いることが好ましい。絶縁層60の厚さは、例えば、20〜100μm程度である。
【0015】
接着層50は、絶縁層60の下側の面である下面60bに、配線層41〜43を接着する。絶縁層60の下面60bは、接着層50と接着層30を介して放熱板20の上面20aに接着されている。したがって、配線層41〜43は、接着層30に埋設されている。接着層30としては、例えば、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤、シリコーン系接着剤、オレフィン系接着剤、ポリイミド系接着剤等の絶縁性樹脂製の耐熱性接着剤を用いることができる。接着層30の厚さは、例えば、10〜200μm程度である。
【0016】
図1(a)に示すように、配線層41〜43は、互いに電気的に独立した配線である。配線層41〜43は、それぞれ平面視矩形状に形成されている。配線層41〜43の厚さは、たとえば、10〜150μmである。配線層41〜43の材料としては、たとえば銅(Cu)等を用いることができる。配線層41〜43は、たとえば銅などの金属箔をエッチング等によりパターニングして形成されている。
【0017】
図1(b)に示すように、絶縁層60及び接着層50には、厚さ方向に貫通する複数の貫通孔61〜65が形成されている。各貫通孔61〜65には、貫通配線71〜75が形成されている。したがって、各貫通配線71〜75は、絶縁層60の上面60aから接着層50の下面50bとの間を貫通して形成されている。貫通配線71の下端は、配線層41に接続されている。貫通配線72,73の下端は配線層42に接続されている。同様に、貫通配線74,75の下端は配線層43に接続されている。
図1(a)に示すように、貫通配線71〜75は、平面視矩形に形成されている。貫通配線71〜75の材料としては、たとえば銅(Cu)等を用いることができる。
【0018】
図1(b)に示すように、貫通配線71〜75の上面はパッド81〜85により被覆されている。
図1(a)に示すように、平面視において、パッド81〜85は、貫通配線71〜75と同形状(矩形状)に形成されている。上記のパッド81〜85はたとえばめっき膜である。なお、パッド81〜85を、OSP(Organic Solderbility Preservative)処理を施して形成したOSP膜としてもよい。パッド81〜85は、半導体素子100や配線材(ボンディングワイヤ等)との接続を良好にする。また、パッド81〜85は、貫通配線71〜75の酸化を防止する酸化防止膜として機能する。
【0019】
めっき膜の材料としては、たとえば、ニッケル(Ni),金(Au),パラジウム(Pd),銀(Ag),これらの金属を含む合金を用いることができる。めっき膜の層構造は、単層または複数層とすることができる。たとえば、Ni又はNi合金膜/Au又はAu合金膜をこの順番で積層形成しためっき膜を用いることができる。また、Ni又はNi合金膜/Pd又はPd合金膜/Au又はAu合金膜、Ni又はNi合金膜/Pd又はPd合金膜/Ag又はAg合金膜/Au又はAu合金膜、Ag又はAg合金膜、Ni又はNi合金膜/Ag又はAg合金膜、Ni又はNi合金膜/Pd又はPd合金膜/Ag又はAg合金膜、等を用いてもよい。
【0020】
めっき膜に含まれるNi又はNi合金膜の膜厚は、0.5μm以上とすることが好ましい。めっき膜に含まれるAu又はAu合金膜、Ag又はAg合金膜の膜厚は、0.1μm以上とすることが好ましい。また、めっき膜に含まれるPd又はPd合金膜の膜厚は、0.005μm以上とすることが好ましい。
【0021】
絶縁層60の上面60aは、保護層90により被覆されている。保護層90には開口部91〜95が形成され、それらの開口部91〜95によりパッド81〜85が露出している。保護層90の厚さは、例えば、20〜100μm程度である。保護層90の材料としては、例えばエポキシ系樹脂、オルガノポリシロキサン等のシリコーン系樹脂などの絶縁性樹脂を用いることができる。なお、半導体素子100が発光素子である場合、保護層90を発光素子からの光を反射する反射膜とすることができる。反射膜となる保護層90の材料としては、例えば、エポキシ系樹脂、オルガノポリシロキサン等のシリコーン系樹脂に、酸化チタン(TiO
2)や硫酸バリウム(BaSO
4)等のフィラーや顔料を含有させたものを用いることができる。
【0022】
パッド81には、半導体素子100が実装される。半導体素子100は、たとえば接着層101を介してパッド81上に実装されている。接着層101は、たとえばダイアタッチフィルムである。パッド82,84は、半導体素子100の端子と電気的に接続される。
図1(b)では、パッド82,84は、ボンディングワイヤ102,103により半導体素子100の端子と接続される。パッド83,85は、
図1(b)に示す半導体素子100に対して、半導体パッケージ1の外部に配置される電源や駆動回路等に接続される。
【0023】
配線層41〜43及び貫通配線71〜75について詳述する。
図1(b)に示すように、配線層41は、貫通配線71の下端に接続されている。貫通配線71の上面にはパッド81が形成され、そのパッド81には半導体素子100の裏面100bが接着層101を介して接続されている。したがって、本実施形態において、配線層41は、半導体素子100と熱的に接続された配線(熱拡散用配線)である。
【0024】
パッド81と貫通配線71は、半導体素子100をフェイスアップにて実装が可能なように、半導体素子100の形状に応じて、その半導体素子100の大きさ(平面視の大きさ)よりも大きく形成されている。そして、配線層41(熱拡散用配線)の形成領域は、平面視において、半導体素子やモジュール又は半導体素子の放熱用端子やモジュールの放熱用端子が接合されるパッド81及び貫通配線71(保護層90の開口部91)の領域よりも外側に延在して、大きく設けられている。
【0025】
配線層42は、貫通配線72の下端に電気的に接続されている。貫通配線72の上面にはパッド82が形成され、そのパッド82はボンディングワイヤ102を介して半導体素子100の端子に接続されている。同様に、配線層43は、貫通配線74の下端に電気的に接続されている。貫通配線74の上面にはパッド84が形成され、そのパッド84はボンディングワイヤ103を介して半導体素子100の端子に接続されている。したがって、配線層42,43は、半導体素子100の端子と電気的に接続される電気接続用配線である。
【0026】
上記の配線層41〜43は、たとえば銅箔などの金属箔をパターニングして形成される。したがって、配線層41〜43は、めっきなどにより形成した金属層に比して、粗化面とし易い。即ち、
図2に示すように、配線層41は、接着層30と接する下面41b及び側面41cが粗化されている。同様に、配線層42は、接着層30と接する下面42b及び側面42cが粗化されている。また、同様に、配線層43は、接着層30と接する下面43b及び側面43cが粗面化されている。粗化処理としては、例えば黒化処理、エッチング処理、めっき、ブラスト等によって行うことができる。配線層41,42,43は、たとえば、絶縁層60に貼付された状態で、粗化処理される。したがって、配線層41〜43において、粗化された下面41b,42b,43b及び側面41c,42c,43cの粗度は、表面粗さRa値により表され、絶縁層60側の面(上面41a,42a,43a)の粗度よりも高い。このように、配線層41〜43において、接着層30と接する面を粗面化することにより、配線層41〜43と接着層30との密着性を高くすることができる。
【0027】
次に、上記の配線基板10の製造方法の一例の概略を説明する。
先ず、絶縁層60としてたとえばリール状(テープ状)のフィルムを準備し、絶縁層60の下面60bに接着剤を塗布または接着フィルムを貼付して接着層50を形成する。そして、絶縁層60及び接着層50を貫通する貫通孔61〜65をたとえばパンチングにより形成する。次に、接着層50に銅箔などを貼付して金属層を形成し、所定の温度に加熱して接着層50を硬化させる。次に、たとえば、金属層を給電層とする電解めっき法により、貫通孔61〜65内にめっき金属を充填して貫通配線71〜75を形成する。そして、金属層を例えばウエットエッチングによりパターニングして配線層41〜43を形成する。
【0028】
次に、絶縁層60の上面60aに保護層90を形成し、その保護層90に貫通配線71〜75を露出する開口部91〜95を、フォトリソ法,ブラスト処理,レーザ加工等によって形成する。次に、貫通配線71〜75の上面に、たとえば無電解めっき法や電解めっき法によってパッド81〜85を形成する。次に、放熱板20の上面20aに接着剤を塗布または接着フィルムを貼付して接着層30を形成し、その接着層30に配線層41〜43を対向して配線部Z1を配置し、所定の温度及び圧力で配線層41〜43を接着層30に埋め込み、所定の温度に加熱して接着層30を硬化させる。このような工程により、配線基板10が形成される。
【0029】
ここで、上記の配線基板10に対する比較例を説明する。
図3に示すように、比較例の配線基板510は、絶縁層540を有している。配線層571〜573は、絶縁層540の上面に接着層560を介して設けられており、互いに独立している。絶縁層540の上面には保護層590が形成されている。保護層590に形成した開口部により配線層571〜573が部分的に露出され、その露出した配線層571〜573にパッド581〜585が形成されている。絶縁層540を厚さ方向に貫通する貫通孔に貫通配線550が形成されている。貫通配線550の上端は配線層571に接続されている。絶縁層540は、接着層530を介して放熱板520の上面に接着されている。そして、パッド581の上面に半導体素子(図示略)が実装される。この比較例の配線基板510において、半導体素子の熱は、配線層571、貫通配線550、接着層530を介して放熱板520へ伝達され、放熱板520から放熱される。
【0030】
この比較例では、熱を放熱板520へ放熱させる経路が貫通配線550のみであるため、熱が貫通配線550に集中し、放熱効果が低下するおそれがある。そして、実装された半導体素子の温度が上昇し、半導体素子における動作や半導体素子自体の信頼性の低下を招くおそれがある。また、放熱性を上げるために接着層530を薄くして貫通配線550の端面と放熱板520を近づけた場合、配線層571と配線層572,573の間で電圧が誘起され、貫通配線550と放熱板520でリークが発生し、絶縁信頼性に影響を与えるおそれがある。
【0031】
接着層560は、絶縁層540に配線層571〜573を接着する。このため、高い接着力が得られる特性の接着層560は、絶縁層540に比して絶縁性が低い。図では、接着層560を保護層590により被覆しているが、一部露出する場合がある。このように露出した接着層560は、劣化によって絶縁性が低下するおそれがある。このような絶縁性の低下は、ギャップが小さな配線層間の短絡を招く。
【0032】
次に、上記の半導体パッケージ1(配線基板10)の作用を説明する。
配線基板10に実装された半導体素子100は、半導体パッケージ1外部の電源や駆動回路等から供給される駆動電圧に基づいて動作する。たとえば、発光素子は、カソード端子とアノード端子の間に供給される所定の電位差に応じて光を放射する。半導体素子100は、このような動作に応じて発熱する。半導体素子100の熱は、パッド81及び貫通配線71を介して配線層41に伝わり、更に、配線層41から接着層30を経由して放熱板20に伝わり、放熱板20により放熱される。
【0033】
パッド81及び貫通配線71は、平面視において、半導体素子100より大きく形成されている。そして、配線層41は、板状に形成され、貫通配線71より大きく形成されている。したがって、配線層41と接着層30の接触面積は、
図3に示す比較例と比して大きい。このため、半導体素子100からの熱を効率よく放熱板20へと伝達される。そして、接着層30と接する配線層41は、例えば銅等の金属箔をパターニングして形成される。また、配線層41〜43を粗面化することにより、より密着性を高めることができる。このため、剥離等の発生が抑制される。
【0034】
本実施形態の接着層50は、絶縁層60と配線層41〜43及び接着層30の間に介在される。外部に対して接着層50が露出する部分が少なく、また、配線層41〜43の付近は露出されない。したがって、接着層50は劣化し難いため、接着層50の劣化により信頼性の低下(絶縁性の低下,短絡の発生等)が抑制される。
【0035】
以上記述したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1−1)配線層41は絶縁層60の下面60bに設けられ、接着層30に埋設されている。配線層41は、絶縁層60の貫通孔61に設けられた貫通配線71と、貫通配線71の上端に設けられたパッド81を介して半導体素子100と熱的に接続される。パッド81及び貫通配線71は、平面視において、半導体素子100より大きく形成されている。そして、配線層41は、板状に形成され、貫通配線71より大きく形成されている。したがって、配線層41と接着層30の接触面積は、
図3に示す比較例と比して大きい。このため、半導体素子100からの熱を効率よく放熱板20へと伝達することができる。
【0036】
(1−2)配線層41は、貫通配線71より大きく形成されている。したがって、熱を貫通配線71より配線層41の平面方向に拡散して、接着層30を介して放熱板20へと放熱することができる。そして、貫通配線71に熱が集中することがなく、放熱性を工場させ、半導体素子の信頼性を確保することができる。また、配線層41により、熱の集中が低減されるため、接着層30の厚さを薄くする必要がなく、絶縁信頼性を確保することができる。
【0037】
(1−3)
図2に示すように、配線層41〜43により
図3に示す貫通配線550に比して粗化した面積が広く確保できる。したがって、配線層41〜43を粗面化することにより、より密着性を高めることができる。このため、剥離等の発生が抑制を抑制し、信頼性の低下を抑制することができる。
【0038】
(1−4)本実施形態の接着層50は、絶縁層60と配線層41〜43及び接着層30の間に介在される。外部に対して接着層30が露出する部分が少なく、また、配線層41〜43の付近は露出されない。したがって、接着層50は劣化し難いため、接着層50の劣化により信頼性の低下(絶縁性の低下)を抑制することができる。
【0039】
(1−5)本実施形態の配線基板10は、2つの接着層30,50を有している。たとえば、接着層50には、接着性に特化した材料を選択することができる。そのため、配線基板10に応力が発生した場合、剥離を防止することができる。また、2つの接着層30,50を用いているため、絶縁信頼性を得ることができる。
【0040】
(第二実施形態)
以下、第二実施形態を説明する。
なお、この実施形態において、上記実施形態と同じ構成部材については同じ符号を付してその説明を省略する場合がある。
【0041】
図4(a)は第二実施形態の配線基板の概略平面図を示す。
図4(b)は、配線基板に半導体素子を実装した半導体パッケージの概略断面図を示す。
図4(b)に示すように、この半導体パッケージ2は、配線基板210と、配線基板210に実装された半導体素子110を有している。
【0042】
配線基板210は、放熱板20、接着層30、配線層41〜43、接着層220、絶縁層230、貫通配線241,242,243,244,245、パッド251,252,253,254,255、保護層260を有している。配線基板210において、配線層41〜43と、絶縁層230と、貫通配線241〜245と、パッド251〜255と、保護層260を含む部分を配線部Z2と称する場合がある。つまり、配線基板210は、放熱板20と、放熱板20に接着層30を介して接続された配線部Z2とを有している。
【0043】
本実施形態において、便宜上、配線基板210の保護層260側を上側又は一方の側、放熱板20側を下側又は他方の側とする。又、各部位の保護層260側の面を上面又は一方の面、放熱板20側の面を下面又は他方の面とする。但し、配線基板210は天地逆の状態で用いることができ、又は任意の角度で配置することができる。又、平面視とは対象物を保護層260の一方の面の法線方向から視ることを指し、平面形状とは対象物を保護層260の一方の面の法線方向から視た形状を指すものとする。
【0044】
放熱板20上には接着層30を介して絶縁層230が設けられている。絶縁層230の材料としては、上記第一実施形態の絶縁層60の材料と同じものを用いることができる。
接着層220は、絶縁層230の下側の面である下面230bに、配線層41〜43を接着する。接着層220の材料としては、上記第一実施形態の接着層50の材料と同じものを用いることができる。絶縁層230の下面230bは、接着層220と接着層30を介して放熱板20の上面20aに接着されている。配線層41〜43は、接着層30に埋設されている。
【0045】
図4(a)に示すように、配線層41〜43は、互いに電気的に独立した配線である。配線層41〜43は、それぞれ平面視矩形状に形成されている。配線層41〜43は、たとえば銅などの金属箔をエッチング等によりパターニングして形成される。
【0046】
図4(b)に示すように、絶縁層230及び接着層220には、絶縁層230の上面230aと接着層220の下面220bとの間を貫通する複数の貫通孔231が形成されている。つまり、複数の貫通孔231は、絶縁層230の上面230aから配線層41の上面41aに到達する複数の貫通孔231が形成されている。
【0047】
図4(a)に示すように、複数の貫通孔231は、実装される半導体素子110に応じて形成されている。本実施形態において、複数の貫通孔231は、平面視においてマトリックス状の配列にて形成されている。そして、複数の貫通孔231は、平面視円形状に形成されている。各貫通孔231には貫通配線241が形成されている。
【0048】
図4(b)に示すように、絶縁層230及び接着層220には、絶縁層230の上面230aから配線層42の上面42aに到達する貫通孔232,233が形成されている。貫通孔232には貫通配線242が形成されている。貫通孔233には貫通配線243が形成されている。
【0049】
図4(a)に示すように、貫通孔232及び貫通配線242は、直線状に複数(図では3つ)形成されている。複数の貫通孔232及び貫通配線242は、平面視円形状に形成されている。本実施形態において、貫通孔233及び貫通配線243は1つ形成されている。の貫通孔233及び貫通配線243は平面視矩形状に形成されている。なお、貫通孔232及び貫通配線242は、
図4(a)に示す数,形状に限定されず、種々の数,形状に変更することができる。同様に、貫通孔233及び貫通配線243は、
図4(a)に示す数,形状に限定されず、種々の数,形状に変更することができる。
【0050】
同様に、
図4(b)に示すように、絶縁層230及び接着層220には、絶縁層230の上面230aから配線層43の上面43aに到達する貫通孔234,235が形成されている。貫通孔234には貫通配線244が形成されている。貫通孔235には貫通配線245が形成されている。
【0051】
図4(a)に示すように、貫通孔234及び貫通配線244は、直線状に複数(図では3つ)形成されている。複数の貫通孔234及び貫通配線244は、平面視円形状に形成されている。貫通孔235及び貫通配線245は1つ形成されている。貫通孔235及び貫通配線245は平面視矩形状に形成されている。なお、貫通孔234及び貫通配線244は、
図4(a)に示す数,形状に限定されず、種々の数,形状に変更することができる。同様に、貫通孔235及び貫通配線245は、
図4(a)に示す数,形状に限定されず、種々の数,形状に変更することができる。
【0052】
貫通配線241〜245の材料としては、上記第一実施形態の貫通配線71〜75の材料と同じものを用いることができ、たとえば銅(Cu)である。したがって、複数の貫通配線241は、絶縁層230及び接着層220を厚さ方向に貫通し、配線層41に接続されている。また、貫通配線242,243は、絶縁層230及び接着層220を厚さ方向に貫通し、配線層42に接続されている。同様に、貫通配線244,245は、絶縁層230及び接着層220を厚さ方向に貫通し、配線層43に接続されている。
【0053】
図4(b)に示すように、貫通配線241の上面はパッド251により被覆されている。貫通配線242,243の上面はパッド252,253により被覆されている。そして、貫通配線244,245の上面はパッド254,255により被覆されている。
【0054】
図4(a)に示すように、平面視において、パッド251は、貫通配線241と同形状(円形状)に形成されている。平面視において、パッド252,254は、貫通配線242,244と同形状(円形状)に形成されている。平面視において、パッド253,255は、貫通配線243,245と同形状(矩形状)に形成されている。なお、貫通配線241〜245と同様に、パッド251〜255の数を種々に変更することができる。また、パッド251〜255の形状は、貫通配線241〜245と同形状に限定されず、種々の形状に変更することができる。
【0055】
パッド251〜255の材料としては、上記第一実施形態のパッド81〜85の材料と同じものを用いることができる。したがって、パッド251は、半導体素子110との接続を良好にする。また、パッド251は、貫通配線241の酸化を防止する酸化防止膜として機能する。また、パッド252,253は、半導体素子110や配線材(ボンディングワイヤ等)との接続を良好にする。また、パッド252,253は、貫通配線242,243の酸化を防止する酸化防止膜として機能する。同様に、パッド254,255は、半導体素子110や配線材(ボンディングワイヤ等)との接続を良好にする。また、パッド254,255は、貫通配線244,245の酸化を防止する酸化防止膜として機能する。
【0056】
絶縁層230の上面230aは、保護層260により被覆されている。保護層260の材料としては、上記第一実施形態の保護層90の材料と同じものを用いることができる。保護層260には開口部261〜265が形成され、それらの開口部261〜265によりパッド251〜255が露出している。本実施形態の場合、保護層260の厚さは、パッド251〜255の厚さより薄く設定されている。したがって、パッド251〜255は、保護層260の上面260aから上方に向かって突出している。
【0057】
保護層260の材料としては、例えばエポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、オルガノポリシロキサン等のシリコーン系樹脂などの絶縁性樹脂を用いることができる。なお、半導体素子110が発光素子である場合、保護層260を発光素子からの光の反射する反射膜とすることができる。
【0058】
貫通配線241,242,244及びパッド251,252,254は、半導体素子110の端子に応じた位置に形成されている。
半導体素子110は、素子形成面110a(図では下面)に、半導体素子110の回路素子(たとえば、発光素子等)に接続された端子(電気接続用端子)と、回路素子と電気的に接続されない非接続端子(熱拡散用端子)を有している(図示略)。熱拡散用端子は、バンプ111を介してパッド251と接続されている。電気接続用端子は、
図4(b)に示すバンプ112,113を介してパッド252,254と電気的に接続されている。
【0059】
次に、上記の半導体パッケージ2(配線基板210)の作用を説明する。
たとえば半導体素子110が発光素子の場合、電気接続用端子は、アノード端子とカソード端子である。発光素子である半導体素子110は、両端子の間に供給される所定の電位差に応じて光を放射する。半導体素子110は、このような動作に応じて発熱する。半導体素子110の熱は、熱拡散用端子からバンプ111、パッド251、貫通配線241を介して配線層41に伝わり、さらに配線層41から接着層30を経由して放熱板20に伝わり、放熱板20により放熱される。つまり、半導体素子110はバンプ111、パッド251、貫通配線241を介して、接着層30に埋設された配線層41と熱的に接続されている。
【0060】
本実施形態の配線基板210は、第一実施形態の配線基板10と同様に、半導体素子110の熱を放熱板20へ放熱する。
貫通配線241〜245の上面を覆うパッド251〜255は、絶縁層230を覆う保護層260の上面よりも突出している。パッド251,252,254には、半導体素子110がバンプ111〜113を介して接続される。保護層260がパッド251,252,254より高いと、パッド251,252,254に接続するためのバンプ等の高さを高くする必要がある。したがって、パッド251,252,254は、保護層260の上面260aから突出しているため、低い接続端子の半導体素子110を実装することができる。
【0061】
以上記述したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(2−1)配線層41は絶縁層230の下面230bに設けられ、接着層30に埋設されている。配線層41は、絶縁層230の貫通孔231に設けられた貫通配線241とパッド251を介して半導体素子110と熱的に接続される。半導体素子110の熱は、パッド251、貫通配線241、配線層41、接着層30を介して放熱板20に伝達される。比較例の場合、貫通配線550の下端が接着層530と接触するのみであるため、貫通配線550が熱伝達におけるボトルネックとなる。しかし、本実施形態は、貫通配線241及び配線層41はたとえば銅であり、接着層30より熱電度率が高い。そして、配線層41と接着層30との間の接触面積は、
図3に示す比較例よりも大きい。したがって、本実施形態の貫通配線241はボトルネックとならず、効率よく熱伝達を行うことができる。
【0062】
(2−2)配線層41は、貫通配線71より大きく形成されている。したがって、熱を貫通配線71より配線層41の平面方向に拡散して、接着層30を介して放熱板20へと放熱することができる。そして、貫通配線71に熱が集中することがなく、放熱性を工場させ、半導体素子の信頼性を確保することができる。また、配線層41により、熱の集中が低減されるため、接着層30の厚さを薄くする必要がなく、絶縁信頼性を確保することができる。
【0063】
(2−3)
図2に示すように、配線層41〜43により
図3に示す貫通配線550に比して粗化した面積が広く確保できる。したがって、配線層41〜43を粗面化することにより、より密着性を高めることができる。このため、剥離等の発生が抑制を抑制し、信頼性の低下を抑制することができる。
【0064】
(2−4)本実施形態の接着層220は、絶縁層230と配線層41〜43及び接着層30の間に介在される。外部に対して接着層220が露出する部分が少なく、また、配線層41〜43の付近は露出されない。したがって、接着層220は劣化し難いため、接着層220の劣化による信頼性の低下(絶縁性の低下)を抑制することができる。
【0065】
(2−5)本実施形態の配線基板210は、2つの接着層30,220を有している。たとえば、接着層220には、接着性に特開した材料を選択することができる。そのため、配線基板210に応力が発生した場合、剥離を防止することができる。また、2つの接着層30,220を用いているため、絶縁信頼性を得ることができる。
【0066】
(2−6)パッド251〜255は、保護層260の上面260aから突出している。パッド251,252,254には、フェースダウン実装される半導体素子110の接続端子(バンプ111,112,113)が接続される。保護層260がパッド251〜255より高いと、パッド251,252,254と接続するためのバンプ等の高さを高くする必要がある。したがって、パッド251〜255は、保護層260の上面から突出しているため、半導体素子110の接続端子を低くすることができる。
【0067】
[変形例]
次に、上記各実施形態に対する変形例を説明する。なお、以下の説明及び図面は、上記第一実施形態の配線基板10に対応しているが、上記第二実施形態に対して同様に変更することが可能である。なお、以下の説明において、上記各実施形態と同じ部材については同じ符号を付して説明の全てまたは一部を省略する場合がある。また、説明に現れない部材については符号を省略することがある。
【0068】
図5に示すように、この配線基板310は、絶縁層60の上面60aが露出している。つまり、この配線基板310は、
図1(b)の配線基板10における保護層90が省略されている。この配線基板310は、たとえば、発光機能を有していない半導体素子や、反射機能が不要な発光素子である半導体素子を搭載する場合に用いられる。このように、保護層90の無い配線基板310とすることで、この配線基板310の製造に要する期間の短縮やコストの低下を図ることができる。また、第二実施形態のように、フェースダウンにて実装される半導体素子110の場合、保護層90が無い分、半導体素子110の接続端子(バンプ等)の高さを低くすることができる。
【0069】
また、上記第一実施形態の配線基板10及び
図5に示す配線基板310は、接着層50が絶縁層60と接着層30の間に介在されている。言い換えれば、絶縁層60と接着層30により接着層50の両面が覆われている。したがって、
図5に示すように、保護層90を省略した配線基板310としても、接着層50が劣化することはない。なお、第二実施形態の接着層220についても、この接着層50と同様である。
【0070】
図6に示すように、この配線基板320は、貫通配線71〜75及びパッド81〜85が、絶縁層60の貫通孔61〜65内に形成されている。つまり、パッド81〜85の上面81a〜85aの高さが、絶縁層60の上面60aよりも低い。このような配線基板320は、実装される半導体素子100の高さが低くなり、半導体パッケージ全体の高さの低くすることができる。この配線基板320は、たとえば、貫通配線71〜75の厚さを調整することにより得られる。貫通配線71〜75の厚さは、例えば電解めっきの時間や、エッチング等によって調整することが可能である。なお、
図6は、パッド81〜85の上面81a〜85aが絶縁層60の上面60aよりも低くした例を示しているが、パッド81〜85の上面81a〜85aを、保護層90の上面90aよりも低く絶縁層60の上面60aよりも高くしてもよい。
【0071】
なお、
図7に示すように、保護層を省略した配線基板330とすることができる。このような配線基板330は、実装される半導体素子100の高さが低くなり、半導体パッケージ全体の高さの低くすることができる。
【0072】
図8に示すように、この配線基板340は、接着層50と絶縁層60と保護層90とを厚さ方向に貫通する貫通孔61〜65が形成され、それらの貫通孔61〜65を充填するように貫通配線71〜75が形成されている。この配線基板340は、保護層90を有し、その保護層90の上面90aよりパッド81〜85が突出している。この配線基板340は、たとえば積層した2枚の絶縁層60に厚さ方向に貫通する貫通孔を形成し、その貫通孔に貫通配線71〜75を形成した後、1枚の絶縁層を除去(剥離等)し、保護層90とパッド81〜85を形成することにより得られる。この配線基板340は、第二実施形態と同様に、フェースダウンにて実装される半導体素子100の場合、半導体素子の接続端子(バンプ等)の高さを低くすることができる。また、保護層90を反射膜とすることで、発光素子である半導体素子を実装した場合にその半導体素子から放射される光を効率よく反射することができる。
【0073】
なお、
図9に示すように、保護層を省略した配線基板350とすることができる。この配線基板350は、たとえば積層した2枚の絶縁層60に厚さ方向に貫通する貫通孔61〜65を形成し、その貫通孔61〜65に貫通配線71〜75を形成した後、1枚の絶縁層を除去(剥離等)し、貫通配線71〜75の上面及び上端部側面を覆うパッド351〜355を形成することにより得られる。この配線基板350は、第二実施形態と同様に、フェースダウンにて実装される半導体素子100の場合、半導体素子の接続端子(バンプ等)の高さを低くすることができる。また、パッド81〜85が保護層90より上方に突出しているため、実装された半導体素子に対する応力を緩和することができ、接続部分における破断等を抑制することができる。
【0074】
また、
図10に示すように、保護層を省略した配線基板360とすることができる。この配線基板360の貫通配線361〜365は、絶縁層60の上面60aから上方へ突出するとともに、貫通孔61〜65から絶縁層60の上面60aに沿って絶縁層60上に延出している。この配線基板360は、1枚の絶縁層60に厚さ方向に貫通する貫通孔61〜65を形成し、電解めっき法におけるめっき浴の時間を調整することで、その貫通孔61〜65に充填するとともに上方及び側方へ突出する貫通配線361〜365が得られる。
【0075】
図11に示すように、この配線基板370は、配線層41〜43が絶縁層60の下面60bに接している。つまり、この配線基板370は、
図1(b)に示す接着層50が省略されている。この配線基板370に含まれる絶縁層60及び配線層41〜43は、以下のようにして得られる。すなわち、ポリイミド系樹脂製のフィルム(ポリイミドテープ)等である絶縁層60を準備し、無電解めっき法やスパッタ法、電解めっき法等を用いて、絶縁層60の一方の面に銅(Cu)等からなる金属層を直接形成する。形成された金属層をパターニングして配線層41〜43を形成する。また、他の例として、銅箔等の金属箔上にポリイミド系絶縁樹脂を塗布して絶縁層60を形成し、金属箔をパターニングして配線層41〜43を形成する。
【0076】
図12に示すように、この配線基板380の配線層41は、平面視において、
図1(a)に示す配線基板10の配線層41より大きく形成されている。また、この配線層41は、平面視において、配線層42,43よりも大きく形成されている。たとえば、配線層42,43の形成領域を除く、接着層50の下面50b(
図1(b)参照)の領域を覆うように形成することができる。
図12では、配線層41はH形状に設けられ、H形状の凹部に配線層42,43が対向するように配置されている。なお、配線層41の厚さは、他の配線層42,43と等しい。このように形成された配線層41は、接着層30(
図1(b)参照)との接触面積が上記第一実施形態に比して大きくなる。そして、熱を配線層41の平面方向に拡散して、接着層30を介して放熱板20へ放熱する。したがって、接着層30において熱を伝達する経路が大きくなり、効率よく放熱を行うことが可能となる。なお、図面は省略したが、貫通配線71を配線層41に応じて大きくしてもよい。貫通配線71により熱が配線基板380の平面方向(配線層41の上面方向)に沿って伝達され、効率よく放熱を行うことが可能となる。
【0077】
同様に、
図13に示すように、この配線基板390は、第二実施形態の配線基板210に対応するものであり、
図12に示す配線基板380と同様に、配線層41は、平面視において、
図4(a)に示す配線基板210の配線層41より大きく形成されている。また、この配線基板390の配線層41は、平面視において、配線層42,43よりも大きく形成されている。したがって、この配線基板390は、
図12に示す配線基板380と同様の効果を得ることができる。
【0078】
なお、
図13に示す配線基板390では、配線層42,43が、貫通配線242〜245に応じた形状に形成されている。このように、配線層42,43は矩形状に限定されることなく、適宜の変更を行うことができる。
【0079】
尚、上記各形態は、以下の態様で実施してもよい。
・上記各形態の配線基板を、複数の半導体素子を実装可能としてもよい。
・上記各形態の配線基板を、半導体素子を含むモジュールを搭載するものとしてもよい。モジュールとしてたとえば、基板上に形成された配線に実装された半導体素子と、半導体素子を封止する樹脂と、樹脂から露出する外部接続端子とを有するものを挙げることができる。また、別のモジュールとしてたとえば、基板上に形成された配線に実装された半導体素子と、基板上の半導体素子の外周側に搭載されたリフレクタと、半導体素子及びリフレクタを封止する樹脂と、樹脂から露出する外部接続端子とを有するものを挙げることができる。
【0080】
・上記の第一実施形態及びその変形例に対し、配線層41及び貫通配線71を半導体素子に対して電気的に接続してもよい。たとえば、リードフレームのダイパッド(アイランド)のように、半導体素子の基板(たとえばシリコン基板)にはんだ等の導電材により接続され、半導体素子の基板を所定の電位(たとえばグランド)とする。また、上面と下面とに端子を有する半導体素子(たとえば発光ダイオード)の場合、下面の端子をはんだ等の導電材によりパッド81に接続し、上面に端子をボンディングワイヤ等によりたとえばパッド84に接続する。そして、配線層43と同様に配線層41に対して貫通配線75とパッド85を設ける。半導体素子(たとえば発光ダイオード)は、上面の端子と下面の端子に対する給電により動作する。このように、半導体素子に対して所定の電位を設定する経路、または半導体素子に対する給電の経路として配線層41及び貫通配線71を利用することができる。なお、上記の第二実施形態及びその変形例についても同様に接続してもよい。
【0081】
・上記第一実施形態、第二実施形態、各変形例において、配線基板の平面形状、及び配線基板に含まれる配線層、貫通孔、貫通配線等の平面形状は、図示された形状に限らず、矩形、多角形、円形、これらを組み合わせた結合形状など、種々の形状を用いることができる。また、形状に応じた配置を用いることができる。