【解決手段】配線基板は、絶縁層61の上面61aに配線層62と位置合せマーク63が形成されている。配線層62の上面62aは粗面化されている。位置合せマーク63の上面は保護層64により覆われている。絶縁層61の上面61a,配線層62,保護層64は絶縁層65により覆われている。絶縁層65はフィラーを含む絶縁材によりなる。絶縁層65にビアホール66を形成するレーザ加工機は、付属するカメラ72により位置合せマーク63を撮影し、認識した位置合せマーク63を基準としてレーザ光71によりビアホール66を形成する。
フィラーを含まない絶縁材、または前記第2絶縁層よりも含有するフィラーが少ない絶縁材により前記保護層を形成すること、を特徴とする請求項3または4に記載の配線基板の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して各実施形態を説明する。
なお、添付図面は、部分的に拡大して示している場合があり、寸法,比率などは実際と異なる場合がある。また、断面図では、各部材の断面構造を分かりやすくするために、一部のハッチングを省略している。
【0009】
(第一実施形態)
まず、配線基板1の構造について説明する。
図1に示すように、配線基板1は、配線基板1は、コア基板11を有している。コア基板11は、たとえば補強材であるガラスクロス(ガラス織布)にエポキシ樹脂を主成分とする熱硬化性の絶縁性樹脂を含浸させ硬化させた、いわゆるガラスエポキシ基板である。
【0010】
コア基板11には、所定位置に上面と下面との間を貫通する複数の貫通孔12が形成されている。貫通孔12内には、コア基板11の上面と下面との間を貫通する貫通電極13が形成されている。貫通電極13の材料は、たとえば銅(Cu)である。
【0011】
コア基板11の上面には、配線パターン31a,絶縁層21a,配線パターン31b,絶縁層21b,配線パターン31c,絶縁層21c,配線パターン31dがこの順番で積層されている。コア基板11の下面には、配線パターン33a,絶縁層22a,配線パターン33b,絶縁層22b,配線パターン33c,絶縁層22c,配線パターン33dがこの順番で積層されている。絶縁層21a〜21c及び絶縁層22a〜22cの材料は、たとえばエポキシ系の絶縁樹脂である。配線パターン31a〜31d及び配線パターン33a〜33dの材料は、たとえば銅である。
【0012】
コア基板11の上方側においては、配線パターン31bは、絶縁層21aの上面と下面との間を貫通するビアホールに形成されたビア32aにより配線パターン31aと電気的に接続されている。同様に、配線パターン31cはビア32bにより配線パターン31bと電気的に接続され、配線パターン31dはビア32cにより配線パターン31cと電気的に接続されている。最外層の絶縁層21c及び配線パターン31dの表面は、ソルダレジスト等の保護膜41により被覆されている。保護膜41には、所定位置に開口41aが形成され、開口41aから配線パターン31dがパッドとして露出される。なお、図では省略しているが、配線パターン31a等の表面(図において上面)、コア基板11の上面、絶縁層21a等の表面(図において上面)は粗面化されている。
【0013】
コア基板11の下方側においては、配線パターン33bは、絶縁層22aの上面と下面との間を貫通するビアホールに形成されたビア34aにより配線パターン33aと電気的に接続されている。同様に、配線パターン33cは、ビア34bにより配線パターン33bと電気的に接続され、配線パターン33dはビア34cにより配線パターン33cと電気的に接続されている。最外層の絶縁層22c及び配線パターン33dの表面は、ソルダレジスト等の保護膜42により被覆されている。保護膜42には、所定位置に開口42aが形成され、開口42aから配線パターン33dがパッドとして露出される。なお、図では省略しているが、配線パターン33a等の表面(図において下面)、コア基板11の下面、絶縁層22a等の表面(図において下面)は粗面化されている。
【0014】
上記の配線基板1は、たとえば1枚の配線基板を個片化して形成される。
図2に示すように、配線基板50は、たとえばシート状の基板である。配線基板50は、たとえば平面視矩形状に形成されている。配線基板50は、上記の配線基板1を形成するため、複数(図では16個)の基板領域1と、基板領域1の周囲に設定された枠部51とを有している。枠部51は、たとえば矩形枠状に形成されている。複数の基板領域1は、たとえばマトリックス状(4×4)に配列されている。なお、
図2では、各基板領域1の境界を実線にて示し、上記配線基板1と同じ符号を付している。配線基板50は、各基板領域1の境界線に沿って切断される。これにより配線基板50を個片化して
図1に示す配線基板1が形成される。なお、枠部51は、個片化の際に破棄される部分である。
【0015】
枠部51には、所定位置に位置合せマーク52が設けられている。なお、位置合せマーク52は、積層される絶縁層及び配線層に応じて形成される。たとえば、
図1に示す配線基板1の場合、絶縁層21a、配線パターン31b及びビア32aのために、コア基板11の上面に位置合せマーク52が形成される。また、絶縁層21b、配線パターン31c及びビア32bのために、絶縁層21aの上面に位置合せマーク52が形成される。
【0016】
なお、
図2では、1つの絶縁層の面に形成された位置合せマーク52を示す。また、
図2では、位置合せマーク52を円として示しているが、これは位置合せマーク52が形成された位置を示すものである。そして、位置合せマーク52は、保護層53により覆われている。なお、
図2では、位置合せマーク52と保護層53を、1つの円を用いて示している。
【0017】
次に、上記の配線基板において、ビアホールの形成にかかる工程を説明する。なお、
図1に示す絶縁層21a〜21c,22a〜22c,ビア32a〜32c、34a〜34c等については同様の工程であるため、1つの絶縁層にかかる工程の概略を説明する。なお、ビアホールについては配線層及び絶縁層を特定しないため、上記の
図1,
図2に用いた符号と異なる符号を用いて説明する。
【0018】
先ず、
図3(a)に示すように、絶縁層61の上面に配線層62と位置合せマーク63を形成する。絶縁層61は、
図2に示す配線基板50に含まれる1つの絶縁層(
図1に示すコア基板11や絶縁層21a等)である。配線層62は、基板領域1に含まれる配線層である。また、配線層62は、たとえば
図1に示す配線パターン31bに相当する。位置合せマーク63は
図2に示す位置合せマーク52に相当する。
【0019】
配線層62及び位置合せマーク63は、たとえば、絶縁層61上に開口部を有するレジスト膜を形成し、そのレジスト膜の開口部から露出する絶縁層61の上面に、無電解めっきや電解めっき等により形成することができる。また、絶縁層61の上面に貼付した金属箔をたとえばエッチングして配線層62及び位置合せマーク63を形成してもよい。また、配線層62及び位置合せマーク63は、スパッタ法や蒸着法を用いて形成することができる。
【0020】
次に、
図3(b)に示すように、位置合せマーク63上に保護層64を形成する。この保護層64は、
図2に示す保護層53に相当する。保護層64の材料は、位置合せマーク63の表面に密着可能である材料が好ましい。また、保護層64の材料は、絶縁層61よりも検出のための光を透過させ易い材料が好ましい。また、保護層64の材料は、積層した絶縁層61を硬化する際の温度(たとえば、200℃程度)に耐えられる材料が好ましい。これらの条件に対し、保護層64の材料としては、たとえば、エポキシ系樹脂やポリイミド系樹脂などのフィラーを含まない絶縁性樹脂を用いることができる。保護層64の材料としては、熱硬化性を有する絶縁性樹脂や感光性を有する絶縁性樹脂を用いることができる。
【0021】
たとえば、保護層64として感光性ドライフィルムを用いた場合、絶縁層61の表面、保護層64、配線層62を被覆したフィルムをフォトリソグラフィ法によりパターニングして保護層64を形成する。なお、液状のフォトレジスト材を用いる場合にも、同様の工程により保護層64を形成することができる。また、位置合せマーク63に応じた大きさのフィルムを位置合せマーク63上面に貼付しこれを硬化して保護層64を形成してもよい。
【0022】
次いで、
図3(c)に示すように、絶縁層61の上面側から粗化処理を行う。粗化処理は、たとえばエッチング、酸化、めっき、ブラスト、O
2プラズマアッシング等のプラズマ処理、等によって行うことができる。この粗化処理により、露出する絶縁層61の上面61a、配線層62の上面62aが粗面化される。そして、位置合せマーク63の上面63aは保護層64により覆われているため、粗面化されない。
【0023】
次に、
図3(d)に示すように、絶縁層61、保護層64、配線層62を覆う絶縁層65を形成する。絶縁層65は、たとえば、樹脂フィルムや液状またはペースト状の絶縁性樹脂を用いて形成することができる。樹脂フィルムを用いる場合には、たとえば、絶縁層61、位置合せマーク63、配線層62を樹脂フィルムにてラミネートした後に、樹脂フィルムを押圧しながら130〜190℃程度の温度で熱処理して硬化させることにより絶縁層65を形成することができる。また、液状又はペースト状の絶縁性樹脂を用いる場合には、金属膜上に液状又はペースト状の絶縁性樹脂をスピンコート法などにより塗布し、その塗布した絶縁性樹脂を130〜190℃程度の温度で熱処理して硬化させることにより絶縁層65を形成することができる。
【0024】
これにより、位置合せマーク63の上には、保護層64と絶縁層65aとが積層され、配線層62の上には絶縁層65bのみである。したがって、位置合せマーク63の上の絶縁層65aの厚さt1は、配線層62の上の絶縁層65bの厚さt2よりも薄い。
【0025】
そして、
図3(e)に示すように、図示しないレーザ装置を用いて、レーザ光71を絶縁層65bに照射し、配線層62上の絶縁層65bにビアホール66を形成する。このとき、レーザ装置に付属されたカメラ72により位置合せマーク63を撮影する。
【0026】
たとえば、絶縁層65の上面から図示しない光源を用いて光を絶縁層65aに照射し、位置合せマーク63をカメラ72により撮影する。光源としては、たとえばリング状の照射器を用いることができる。絶縁層65aに照射する光としては、たとえは赤外光を用いることができる。カメラ72は、絶縁層65aに照射する光に対応する特性を持つものであり、たとえば赤外線カメラを用いることができる。
【0027】
レーザ装置に付属された画像処理装置は、カメラ72により得られた画像に基づいて位置合せマーク63を認識する。そして、レーザ装置は、認識した位置合せマーク63を基準として、レーザ光71を照射し、ビアホール66を形成する。
【0028】
(比較例)
次に、比較例の製造工程を説明する。この比較例の製造工程における処理は、上記実施形態における処理と同様であるため、上記実施形態における工程を説明した符号を用い、概略的に説明する。
【0029】
先ず、
図5(a)に示すように、絶縁層61の上面に配線層62と位置合せマーク63を形成する。
次に、
図5(b)に示すように、絶縁層61の上面側から粗化処理を行う。この粗化処理により、露出する絶縁層61の上面61a、配線層62の上面62a、及び位置合せマーク63の上面63aが粗面化される。
【0030】
そして、
図5(c)に示すように、絶縁層61、配線層62、位置合せマーク63を覆う絶縁層65を形成する。これにより、位置合せマーク63は、配線層62と同様に、厚さt2の絶縁層65cにより覆われる。
【0031】
次に、
図5(d)に示すように、図示しないレーザ装置に付属するカメラ72を用いて位置合せマーク63を認識し、この位置合せマーク63を基準としてレーザ光71を絶縁層65bに照射し、配線層62上の絶縁層65bにビアホール66を形成する。
【0032】
次に、本実施形態の配線基板1,50における作用を説明する。
上記の比較例の場合、位置合せマーク63が厚さt2の絶縁層65cにより覆われている。この絶縁層65,65b,65cはシリカ等のフィラーを含む。フィラーは、位置合せマーク63の撮影に用いられる光を透過し難くする。また、近年では、フィラーの量が増加した、いわゆるフィラーリッチな絶縁層65,65b,65cが用いられる。このため、カメラ72における入射光量が、絶縁層65cにおけるフィラーの含有量に応じて少なくなる。また、位置合せマーク63の上面63aが、配線層62の上面と同様に粗面化されている。このため、位置合せマーク63の上面63aにおいて、撮影のための光が散乱し、カメラ72における入射光量が、粗面化しない場合と比べて少なくなる。これらの入射光量の減少は、撮影した画像において、位置合せマーク63を認識し難くする。この結果、位置合わせの精度が低下し、絶縁層65bにおいて正確な位置にビアホール66を形成することができなくなる。
【0033】
本実施形態の場合、光源から照射された光は、絶縁層65aと保護層64を通過して位置合せマーク63に照射され、位置合せマーク63の上面63aにて反射する。その反射光は、保護層64と絶縁層65aを介してカメラ72に入射する。そして、カメラ72は、撮影対象である位置合せマーク63を、保護層64及び絶縁層65aを介して撮影する。
【0034】
このとき、保護層64は、フィラーを含まない樹脂であり、光の透過率が絶縁層65,65aよりも高い。そして、絶縁層65aは、配線層62を覆う絶縁層65bよりも薄い。したがって、カメラ72に入射する光の量は、保護層64を設けてない場合、つまり厚さt2にて位置合せマーク63の上に形成された場合に比して多くなる。このため、撮影した画像において、位置合せマーク63が認識し易い。この結果、位置合せマーク63の位置を精度よく検出することができ、位置合せマーク63を基準としてビアホール66を精度よく形成することができる。
【0035】
また、上記
図3(c)で示したように、粗化処理において、位置合せマーク63は保護層64に覆われている。位置合せマーク63の上面が粗面化されている場合、位置合せマーク63に照射された光は、散乱される。したがって、本実施形態においてカメラ72に入射する光の量は、位置合せマーク63の上面63aが粗面化された場合に比して多くなる。このため、撮影した画像において、位置合せマーク63が認識し易い。この結果、位置合せマーク63の位置を精度よく検出することができ、位置合せマーク63を基準としてビアホール66を精度よく形成することができる。
【0036】
以上記述したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1−1)配線基板は、絶縁層61の上面61aに配線層62と位置合せマーク63が形成されている。配線層62の上面62aは粗面化されている。位置合せマーク63の上面は保護層64により覆われている。絶縁層61の上面61a,配線層62,保護層64は絶縁層65により覆われている。絶縁層65はフィラーを含む絶縁材によりなる。
【0037】
絶縁層65にビアホール66を形成するレーザ加工機は、付属するカメラ72により位置合せマーク63を撮影する。この位置合せマーク63を覆う保護層64は、フィラーを含まない絶縁材、または絶縁層65よりフィラーの含有率が少ない絶縁材よりなる。したがって、保護層64を介して位置合せマーク63を撮影することにより、位置合せマーク63が認識し易い。したがって、位置合せマーク63の位置を精度よく検出することができる。そして、認識した位置合せマーク63を基準とするビアホール66の加工において、ビアホール66を精度よく形成することができる。
【0038】
(1−2)位置合せマーク63を覆う保護層64を形成した後、粗化処理を行って配線層62の上面62aを粗面化した。粗面化された上面62aは、この配線層62と、配線層62を覆う絶縁層65との密着性を良くする。そして、粗化処理において、位置合せマーク63の上面63aは保護層64により覆われているため、その上面63aは粗面化されない。このため、位置合せマーク63を撮影するための光が、上面63aにおいて散乱されない。この結果、保護層64を設けない場合に比して、カメラ72への入射光量が多くなる。このため、撮影した画像において、位置合せマーク63が認識し易い。この結果、位置合せマーク63の位置を精度よく検出することができ、位置合せマーク63を基準としてビアホール66を精度よく形成することができる。
【0039】
(第二実施形態)
以下、第二実施形態を説明する。
この実施形態において形成される配線基板は上記の第一実施形態と同様である。また、個片化する配線基板における位置合せマークと基板領域についても同様である。このため、これらについての説明を省略し、製造工程を説明する。なお、この実施形態において、上記実施形態と同じ構成部材については同じ符号を付してその説明を省略する。
【0040】
先ず、
図4(a)に示すように、絶縁層61の上面に配線層62と位置合せマーク63を形成する。配線層62及び位置合せマーク63は、たとえば、絶縁層61上に開口部を有するレジスト膜を形成し、そのレジスト膜の開口部から露出する絶縁層61の上面に、無電解めっきや電解めっき等により形成することができる。また、絶縁層61の上面に貼付した金属箔を、たとえばエッチングして配線層62及び位置合せマーク63を形成してもよい。また、配線層62及び位置合せマーク63を、スパッタ法や蒸着法を用いて形成してもよい。
【0041】
次に、
図4(b)に示すように、絶縁層61の上面側から粗化処理を行う。粗化処理は、たとえばエッチング、酸化、めっき、ブラスト、O
2プラズマアッシング等のプラズマ処理、等によって行うことができる。この粗化処理により、露出する絶縁層61の上面61a、配線層62の上面62a、及び位置合せマーク63の上面63aが粗面化される。
【0042】
次いで、
図4(c)に示すように、位置合せマーク63上に保護層64を形成する。保護層64の材料は、位置合せマーク63の表面に密着可能である材料が好ましい。また、保護層64の材料は、絶縁層61よりも検出のための光を透過させ易い材料が好ましい。また、保護層64の材料は、積層した絶縁層61を硬化する際の温度(たとえば、200℃程度)に耐えられる材料が好ましい。これらの条件に対し、保護層64の材料としては、たとえば、エポキシ系樹脂やポリイミド系樹脂などのフィラーを含まない絶縁性樹脂を用いることができる。保護層64の材料としては、熱硬化性を有する絶縁性樹脂や感光性を有する絶縁性樹脂を用いることができる。
【0043】
たとえば、保護層64として感光性ドライフィルムを用いた場合、絶縁層61の表面、保護層64、配線層62を被覆したフィルムをフォトリソグラフィ法によりパターニングして保護層64を形成する。なお、液状のフォトレジスト材を用いる場合にも、同様の工程により保護層64を形成することができる。また、位置合せマーク63に応じた大きさのフィルムを位置合せマーク63上面に貼付しこれを硬化して保護層64を形成してもよい。
【0044】
次に、
図4(d)に示すように、絶縁層61、保護層64、配線層62を覆う絶縁層65を形成する。絶縁層65は、たとえば、樹脂フィルムや液状またはペースト状の絶縁性樹脂を用いて形成することができる。樹脂フィルムを用いる場合には、たとえば、絶縁層61、位置合せマーク63、配線層62を樹脂フィルムにてラミネートした後に、樹脂フィルムを押圧しながら130〜190℃程度の温度で熱処理して硬化させることにより絶縁層65を形成することができる。また、液状又はペースト状の絶縁性樹脂を用いる場合には、金属膜上に液状又はペースト状の絶縁性樹脂をスピンコート法などにより塗布し、その塗布した絶縁性樹脂を130〜190℃程度の温度で熱処理して硬化させることにより絶縁層65を形成することができる。
【0045】
これにより、位置合せマーク63の上には、保護層64と絶縁層65aとが積層され、配線層62の上には絶縁層65bのみである。したがって、位置合せマーク63の上に積層された絶縁層65aの厚さt1は、配線層62の上の絶縁層65bの厚さt2よりも薄い。
【0046】
そして、
図4(e)に示すように、図示しないレーザ装置を用いて、レーザ光71を絶縁層65bに照射し、配線層62上の絶縁層65bにビアホール66を形成する。このとき、レーザ装置に付属されたカメラ72により位置合せマーク63を撮影する。
【0047】
たとえば、絶縁層65の上面から図示しない光源を用いて光を絶縁層65aに照射し、位置合せマーク63をカメラ72により撮影する。光源としては、たとえばリング状の照射器を用いることができる。絶縁層65aに照射する光としては、たとえは赤外光を用いることができる。カメラ72は、絶縁層65aに照射する光に対応する特性を持つものであり、たとえば赤外線カメラを用いることができる。
【0048】
レーザ装置に付属された画像処理装置は、カメラ72により得られた画像に基づいて位置合せマーク63を認識する。そして、レーザ装置は、認識した位置合せマーク63を基準として、レーザ光71を照射し、ビアホール66を形成する。
【0049】
次に、本実施形態の作用を説明する。
光源から照射された光は、絶縁層65aと保護層64を通過して位置合せマーク63に照射され、位置合せマーク63の上面63aにて反射する。その反射光は、保護層64と絶縁層65aを介してカメラ72に入射する。そして、カメラ72は、撮影対象である位置合せマーク63を、保護層64及び絶縁層65aを介して撮影する。
【0050】
このとき、保護層64は、フィラーを含まない樹脂であり、光の透過率が絶縁層65,65a,65bよりも高い。そして、絶縁層65aは、配線層62を覆う絶縁層65bよりも薄い。したがって、カメラ72に入射する光の量は、保護層64を設けてない場合、つまり厚さt2にて位置合せマーク63の上に形成された場合に比して多くなる。このため、撮影した画像において、位置合せマーク63が認識し易い。この結果、位置合せマーク63の位置を精度よく検出することができ、位置合せマーク63を基準としてビアホール66を精度よく形成することができる。
【0051】
以上記述したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(2−1)上記第一実施形態における(1−1)と同様の効果を得ることができる。
尚、上記各実施形態は、以下の態様で実施してもよい。
【0052】
・上記各形態では、
図2に示すように、枠部51に位置合せマーク63を形成したが、基板領域1内に位置合せマーク63を形成してもよい。
・上記各形態において、たとえば
図3(a)に示す絶縁層61の上面61aを粗面化した後、配線層62及び位置合せマーク63を形成してもよい。
【0053】
・上記各形態において、たとえば
図3(b)では位置合せマーク63の上面63a全体を覆うように保護層64を形成したが、上面63aの一部であって位置合せに基準となる部分を覆うように保護層64を形成してもよい。