特開2015-221414(P2015-221414A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-221414(P2015-221414A)
(43)【公開日】2015年12月10日
(54)【発明の名称】吐出装置
(51)【国際特許分類】
   B05C 5/00 20060101AFI20151113BHJP
【FI】
   B05C5/00 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-106923(P2014-106923)
(22)【出願日】2014年5月23日
(71)【出願人】
【識別番号】000231464
【氏名又は名称】株式会社アルバック
(74)【代理人】
【識別番号】100106666
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100102875
【弁理士】
【氏名又は名称】石島 茂男
(72)【発明者】
【氏名】中尾 裕利
【テーマコード(参考)】
4F041
【Fターム(参考)】
4F041AA05
4F041AB01
4F041BA21
4F041BA22
(57)【要約】

【課題】部品点数が少なく簡素な構成でドットピッチを変更でき、インクの変更等の作業を容易に行うことができるインクジェット技術を提供する。
【解決手段】複数のノズル42が列状に配列されたインクジェットヘッド41と、インク供給部43とが一体的に構成されたインクカートリッジ部4と、基準ブラケット2に取り付けられ、インクカートリッジ部4を回転させるサーボモータ3と、サーボモータ3の駆動軸30に連結固定されるとともに駆動軸30の回転軸線と一致する回転軸線を中心として回転するように基準ブラケット2に取り付けられた中間連結軸26とを有する。インクカートリッジ部4は、中間連結軸26に着脱自在に連結可能で、中間連結軸26に連結された場合に、中間連結軸26の回転軸線と一致し且つノズル42の配列方向と直交する回転軸線を中心として回転するように構成されている。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のノズルが列状に配列されたインクジェットヘッドと、当該インクジェットヘッドに対してインクを供給するインク供給部とが一体的に構成されたインクカートリッジ部と、
位置決め基準となる取付部に取り付けられ、前記インクカートリッジ部を回転させるための電動機と、
前記電動機の駆動軸に連結固定されるとともに、当該電動機の駆動軸の回転軸線と一致する回転軸線を中心として回転するように前記取付部に取り付けられた中間連結軸とを有し、
前記インクカートリッジ部は、前記中間連結軸に着脱自在に連結可能であって、前記中間連結軸に連結された場合において、前記中間連結軸の回転軸線と一致し、かつ、前記インクジェットヘッドの複数のノズルの配列方向と直交する回転軸線を中心として回転するように構成されている吐出装置。
【請求項2】
前記取付部には、第1及び第2の基準平面が設けられ、当該第1の基準平面に対して直交し、かつ、前記第1及び第2の基準平面が交差する部分の基準直線から所定の距離でもって形成した断面真円形状の取付孔が設けられ、当該取付孔に装着された軸受機構によって前記中間連結軸が回転するように支持されている請求項1記載の吐出装置。
【請求項3】
前記軸受機構は、前記取付部の取付孔に微小隙間で装着された円筒形状のベアリングホルダと、当該ベアリングホルダの内側に設けられた軸受によって前記中間連結軸を回転可能に支持するように構成されるとともに、
前記ベアリングホルダは、前記取付部に前記取付孔の中心軸線に対して直交する方向からねじ部材によって固定されるように構成されている請求項2記載の吐出装置。
【請求項4】
前記ベアリングホルダには、外周部に沿ってねじ部が設けられるとともに、当該ベアリングホルダの回転軸線と平行に長溝状のキー溝部が設けられ、
一方、前記取付部には、前記取付孔の中心軸線に対して直交する方向に延びる位置決め孔が設けられ、
前記取付部の位置決め孔を介してキー部材を前記キー溝部に嵌め合わせた状態で、前記ベアリングホルダのねじ部に噛み合わされた外ねじ部材を回転させることにより、前記取付部の取付孔の中心軸線と前記中間連結軸の回転軸線を一致させながら前記ベアリングホルダを前記第1の基準平面に対して移動するように構成されている請求項3記載の吐出装置。
【請求項5】
前記キー部材の先端部には、前記ベアリングホルダのキー溝部に微小隙間をもって嵌り合う位置決め係止部が二面取りによって設けられるとともに、
前記キー部材の内部には、前記ねじ部材に噛み合うねじ部が設けられ、
前記キー部材の位置決め係止部を前記ベアリングホルダのキー溝部に嵌め合わせた状態で、前記ねじ部材を前記キー部材内のねじ部に噛み合わせて前記ベアリングホルダのキー溝部に向って移動させ、当該ねじ部材の先端を前記ベアリングホルダのキー溝部に押し付けて当該ベアリングホルダを位置決め固定するように構成されている請求項4記載の吐出装置。
【請求項6】
前記取付部には、吐出対象物のアライメントマークを撮像するカメラの円筒鏡筒を保持する鏡筒保持溝が設けられ、
当該鏡筒保持溝は、当該円筒鏡筒を保持した場合において、前記取付部の基準直線に対する当該円筒鏡筒の中心軸線の距離が、前記取付部の基準直線に対する前記取付孔の中心軸線の距離と等しくなるように、その位置及び形状が設定されている請求項2乃至5のいずれか1項記載の吐出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェット方式によってインクの吐出を行う装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の装置としては、発光材料や導電材料を含むインクを吐出して種々のパターンを形成するものが知られている。
このようなパターンをインクジェット技術で形成する場合には、微細なパターンを形成する必要があり、また、プロセス中にインクの液滴のドットピッチを変更する必要がある場合がある。
【0003】
このため、従来、列状に配列された吐出孔を有する吐出ヘッド(インクジェットヘッド)の角度を変更することにより、インクの液滴のドットピッチを変更する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、この従来技術では、列状に配列された吐出孔を有する吐出ヘッドの角度を変更する構成は具体的に記載されておらず、一般的には複雑な構成の機構部分が必要になる。
【0004】
その一方、従来技術では、インクの種類を変えて種々のパターンを形成したいという要望もあるが、インクジェットヘッドの角度を変更する装置において、インクの供給部を交換する場合には、装置構成が複雑になるとともに、インクを吐出する際の応答時間を短くすることが困難であるという問題もある。
また、インクジェットヘッドを交換する際、インクの吐出位置を一定にするため再調整するなどの工程が必要になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−42001号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような従来の技術の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、部品点数が少なく簡素な構成でドットピッチを変更することができ、しかもインクの変更等の際の作業を容易に行うことができるインクジェット技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するためになされた本発明は、複数のノズルが列状に配列されたインクジェットヘッドと、当該インクジェットヘッドに対してインクを供給するインク供給部とが一体的に構成されたインクカートリッジ部と、位置決め基準となる取付部に取り付けられ、前記インクカートリッジ部を回転させるための電動機と、前記電動機の駆動軸に連結固定されるとともに、当該電動機の駆動軸の回転軸線と一致する回転軸線を中心として回転するように前記取付部に取り付けられた中間連結軸とを有し、前記インクカートリッジ部は、前記中間連結軸に着脱自在に連結可能であって、前記中間連結軸に連結された場合において、前記中間連結軸の回転軸線と一致し、かつ、前記インクジェットヘッドの複数のノズルの配列方向と直交する回転軸線を中心として回転するように構成されている吐出装置である。
本発明では、前記取付部には、第1及び第2の基準平面が設けられ、当該第1の基準平面に対して直交し、かつ、前記第1及び第2の基準平面が交差する部分の基準直線から所定の距離でもって形成した断面真円形状の取付孔が設けられ、当該取付孔に装着された軸受機構によって前記中間連結軸が回転するように支持されている場合にも効果的である。
本発明では、前記軸受機構は、前記取付部の取付孔に微小隙間で装着された円筒形状のベアリングホルダと、当該ベアリングホルダの内側に設けられた軸受によって前記中間連結軸を回転可能に支持するように構成されるとともに、前記ベアリングホルダは、前記取付部に前記取付孔の中心軸線に対して直交する方向からねじ部材によって固定されるように構成されている場合にも効果的である。
本発明では、前記ベアリングホルダには、外周部に沿ってねじ部が設けられるとともに、当該ベアリングホルダの回転軸線と平行に長溝状のキー溝部が設けられ、一方、前記取付部には、前記取付孔の中心軸線に対して直交する方向に延びる位置決め孔が設けられ、前記取付部の位置決め孔を介してキー部材を前記キー溝部に嵌め合わせた状態で、前記ベアリングホルダのねじ部に噛み合わされた外ねじ部材を回転させることにより、前記取付部の取付孔の中心軸線と前記中間連結軸の回転軸線を一致させながら前記ベアリングホルダを前記第1の基準平面に対して移動するように構成されている場合にも効果的である。
本発明では、前記キー部材の先端部には、前記ベアリングホルダのキー溝部に微小隙間をもって嵌り合う位置決め係止部が二面取りによって設けられるとともに、前記キー部材の内部には、前記ねじ部材に噛み合うねじ部が設けられ、前記キー部材の位置決め係止部を前記ベアリングホルダのキー溝部に嵌め合わせた状態で、前記ねじ部材を前記キー部材内のねじ部に噛み合わせて前記ベアリングホルダのキー溝部に向って移動させ、当該ねじ部材の先端を前記ベアリングホルダのキー溝部に押し付けて当該ベアリングホルダを位置決め固定するように構成されている場合にも効果的である。
本発明では、前記取付部には、吐出対象物のアライメントマークを撮像するカメラの円筒鏡筒を保持する鏡筒保持溝が設けられ、当該鏡筒保持溝は、当該円筒鏡筒を保持した場合において、前記取付部の基準直線に対する当該円筒鏡筒の中心軸線の距離が、前記取付部の基準直線に対する前記取付孔の中心軸線の距離と等しくなるように、その位置及び形状が設定されている場合にも効果的である。
【発明の効果】
【0008】
以上述べた本発明の場合、複数のノズルが列状に配列されたインクジェットヘッドと、このインクジェットヘッドに対してインクを供給するインク供給部とが一体的に構成されたインクカートリッジ部を有し、インクカートリッジ部は、電動機の駆動軸に連結された中間連結軸に着脱自在に連結可能であって、インクカートリッジ部が中間連結軸に連結された場合において、インクジェットヘッドの複数のノズルの配列方向と直交する回転軸線を中心として回転するように構成されていることから、簡素な構成で、電動機を駆動してインクカートリッジ部を回転させることによってノズルから吐出されるインクのドットピッチを容易に変更することができる。
【0009】
また、本発明におけるインクカートリッジ部は、複数のノズルが列状に配列されたインクジェットヘッドと、インクジェットヘッドに対してインクを供給するインク供給部とが一体的に構成されており、インクジェットヘッドとインク供給部との距離を近くに配置してインクを供給するパイプ等を短くすることができるため、インクを吐出する際の応答時間を短くすることができる。
【0010】
さらに、本発明では、電動機の駆動軸の回転軸線と中間連結軸の回転軸線が一致するとともに、中間連結軸にインクカートリッジ部を連結した場合に中間連結軸の回転軸線とインクカートリッジ部の回転軸線が一致するように構成されていることから、インクカートリッジ部を交換した場合であっても、高い位置再現性を得ることができ、これにより調整工程を必要とすることなくインクの変更や補充を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係る吐出装置の実施の形態の全体構成を示す部分断面図
図2】(a)〜(c):同実施の形態における基準ブラケットの例を示すもので、図2(a)は平面図、図2(b)は正面図、図2(c)は斜視図
図3】(a)〜(c):同実施の形態におけるキー固定具の構成を示すもので、図3(a)は、ねじ部材とキー部材を示す外観図、図3(b)は、ねじ部材の外観とキー部材の断面を示す図、図3(c)は、ねじ部材とキー部材を組み合わせた状態を示す外観図
図4】(a)(b):キー部材と、基準ブラケットと、ベアリングホルダの嵌め合い部分の寸法関係を示す説明図
図5】キー固定具を基準ブラケットに装着した状態を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る吐出装置の実施の形態の全体構成を示す部分断面図である。
また、図2(a)〜(c)は、同実施の形態における基準ブラケットの例を示すもので、図2(a)は平面図、図2(b)は正面図、図2(c)は斜視図である。
【0013】
図1に示すように、本実施の形態の吐出装置1は、インクジェット技術を用いてインクを吐出するもので、基準ブラケット(取付部)2と、サーボモータ(電動機)3と、インクカートリッジ部4とを有している。
【0014】
基準ブラケット2は、例えばXYテーブル(図示せず)等に固定されるもので、ステンレス等の金属からなり例えば細長で平板ブロック状に一体的に形成されている。
この基準ブラケット2には、第1及び第2の基準平面2A、2Bが設けられている。
【0015】
第1の基準平面2Aは、基準ブラケット2の長手方向に高精度で形成された平面からなり、基準ブラケット2が吐出装置1に組み込まれた際には水平面となるものである。
第2の基準平面2Bは、第1の基準平面2Aに対して直交し高精度で形成された平面からなり、基準ブラケット2が吐出装置1に組み込まれた際には鉛直面となるものである。
また、第1及び第2の基準平面2A、2Bが交わる部分の直線は、ここでは、基準直線2Cとする。
【0016】
図2(a)(b)に示すように、基準ブラケット2の第1の基準平面2Aが設けられた側と反対側には、その厚さ方向を貫通するように断面真円形状の取付孔20が設けられている。
この取付孔20は、その中心軸線Oが第1の基準平面2Aに対して直交し、基準直線2Cから一定の距離だけ離れた位置に高精度で形成されている。
【0017】
また、基準ブラケット2の取付孔20が設けられた側の端部には、キー取付部2aが形成されている。このキー取付部2aは、第2の基準平面2Bと平行な平面からなる。
また、基準ブラケット2のキー取付部2aには、取付孔20と連通する位置決め孔2bが設けられている。
この位置決め孔2bは、例えば断面真円形状に形成され、その中心軸線Nが上記取付孔20の中心軸線Oと直交して交差するように高精度で形成されている。
【0018】
さらに、基準ブラケット2の一方の側部で取付孔20の近傍には、鏡筒保持溝2cが設けられている。
この鏡筒保持溝2cは、吐出対象物である基板のアライメントマークを撮像するカメラの対物レンズの円筒鏡筒10を保持するもので、例えば断面V字形状で、取付孔20の中心軸線Oと平行な方向に延びるように形成されている。
【0019】
この場合、鏡筒保持溝2cは、円筒鏡筒10を保持した場合において、基準ブラケット2の基準直線2Cに対する円筒鏡筒10の中心軸線O1の距離が、基準ブラケット2の基準直線2Cに対する取付孔20の中心軸線Oの距離と等しくなるように、その位置及び形状が設定されている(図2(a)参照)。
【0020】
以上述べた基準ブラケット2は、上述したように一体的に形成されたものであるが、加工精度をより向上させる観点からは、基準ブラケット2の第1及び第2の基準平面2A、2B、基準直線2C、取付孔20、鏡筒保持溝2cは、同一の段取りで加工プロセスを行うことが好ましい。
【0021】
図1に示すように、基準ブラケット2の取付孔20には、軸受機構21が装着されている。
この軸受機構21は、円筒形状のベアリングホルダ22と、ベアリングホルダ22の内壁面に外輪が保持されるころがり軸受(軸受)23とを有している。
【0022】
ここで、ベアリングホルダ22は、基準ブラケット2の取付孔20の内径より若干小さな外径を有し、基準ブラケット2の取付孔20に微小隙間をもって嵌り合うように構成されている。
そして、これにより、基準ブラケット2の取付孔20の中心軸線Oと、ベアリングホルダ22の回転軸線とが一致するようになっている。
【0023】
また、ベアリングホルダ22は、その上部にサーボモータ3を支持するための平面状の支持部22aが設けられている。
ベアリングホルダ22の外周面には、ベアリングホルダ22の回転軸線と平行に長溝状のキー溝部24が高精度で形成されている。
このキー溝部24は、後述するように、基準ブラケット2の位置決め孔2bと対応する位置に配置されるようになっている。
【0024】
一方、ころがり軸受23の内輪には、中間連結軸26が固定されている。
この中間連結軸26は、円筒形状の部材からなり、ベアリングホルダ22の回転軸線と回転軸線が一致するように配置構成されている。
【0025】
そして、ベアリングホルダ22の支持部22aには、サーボモータ3が駆動軸30を下方に向けて配置され、その駆動軸30の回転軸線が、ベアリングホルダ22及び中間連結軸26の回転軸線と一致するように配置構成されている。
このサーボモータ3の駆動軸30は、中間連結軸26の上部部材27から内部に貫通し、締結部材28によって中間連結軸26と締結固定されている。
【0026】
一方、ベアリングホルダ22の上部の外周部分には、ねじ部22bが設けられている。そして、ベアリングホルダ22のねじ部22bには、当該ねじ部22bと噛み合うリング状のナット(外ねじ部材)29が装着されている。
【0027】
そして、このナット29を回転させることにより、基準ブラケット2の取付孔20の中心軸線Oと、中間連結軸26の回転軸線とを一致させた状態で、ベアリングホルダ22が、第1の基準平面2Aに対し、当該回転軸線方向即ち鉛直方向に移動するように構成されている。
このような構成によれば、ナット29を回転させることによってベアリングホルダ22の高さ方向の位置を容易に調整することができる。
【0028】
インクカートリッジ部4は、例えば円筒形状のカートリッジフレーム40を有している。
このカートリッジフレーム40の上部の外周部には、例えば雄ねじ部(図示せず)が設けられ、この雄ねじ部が中間連結軸26の下部に設けられた雌ねじ部(図示せず)と噛み合うことにより、それぞれの回転軸線を一致させた状態で連結固定されるように構成されている。
【0029】
このカートリッジフレーム40の下端部には、インクジェットヘッド41が一体的に取り付けられている。
インクジェットヘッド41には、インクを吐出するための複数のノズル42が設けられている。
【0030】
これら複数のノズル42は、図示しない吐出面に向けて例えば直線状に所定(例えば一定)の間隔で配列されている。ここで、複数のノズル42は、カートリッジフレーム40の回転軸線に対して直交する方向に沿って固定されている。
【0031】
また、カートリッジフレーム40の中腹部の側部には、インクを供給するためのインク供給部43が設けられている。
このインク供給部43は、保持部材44によってカートリッジフレーム40の側部に固定され、インクジェットヘッド41との相対位置が変化しないように一体的に構成されている。
【0032】
そして、インク供給部43に接続されたインク供給管45を介してインクジェット用のインクをインクジェットヘッド41に供給するようになっている。なお、このインク供給部43には、他のインク供給源から連続的又は所定のタイミングでインクを供給するように構成することもできる。
【0033】
そして、このような構成を有するインクカートリッジ部4では、カートリッジフレーム40が、中間連結軸26に対してそれぞれの回転軸線を一致させた状態で連結固定されており、また、カートリッジフレーム40に対してインクジェットヘッド41とインク供給部43が一体的に構成されていることから、中間連結軸26に対し、それぞれの回転軸線を一致させた状態でインクカートリッジ部4が回転するようになっている。
【0034】
図3(a)〜(c)は、本実施の形態におけるキー固定具の構成を示すもので、図3(a)は、ねじ部材とキー部材を示す外観図、図3(b)は、ねじ部材の外観とキー部材の断面を示す図、図3(c)は、ねじ部材とキー部材を組み合わせた状態を示す外観図である。
【0035】
本実施の形態に用いるキー固定具25は、ねじ部材31とキー部材32とを有するものである。
ここで、ねじ部材31は、公知の小ねじからなるもので、頭部31aと直線状の雄ねじ部31bとから構成されている。
【0036】
一方、キー部材32は、平板状の取付フランジ部32aと、この取付フランジ部32aに対して直交する方向に延びる円筒形状の嵌合部32bとを有している。
また、キー部材32の嵌合部32bの先端部には、二面取りによって位置決め係止部32cが設けられている。
【0037】
さらに、キー部材32には、嵌合部32bの延びる方向に沿って貫通するように雌ねじ部32dが設けられている。このキー部材32の雌ねじ部32dは、ねじ部材31の雄ねじ部31bと噛み合うように構成されている。
【0038】
本実施の形態の場合、キー部材32の取付フランジ部32a側からねじ部材31を装着した場合に、ねじ部材31の雄ねじ部31bの先端がキー部材32の位置決め係止部32cの先端から所定長さだけ突出するようにそれぞれの寸法が設定されている(図3(c)参照)。
【0039】
図4(a)(b)は、キー部材と、基準ブラケットと、ベアリングホルダの嵌め合い部分の寸法関係を示す説明図である。
図5は、キー固定具を基準ブラケットに装着した状態を示す説明図である。
【0040】
本実施の形態においては、基準ブラケット2のキー取付部2aに設けられた位置決め孔2bに、キー部材32の嵌合部32bが嵌め合わされる。
ここでは、基準ブラケット2の位置決め孔2bの内径D0に対し、キー部材32の嵌合部32bの外径D1が若干小さくなるように設定し(図4(a)参照)、これによりキー部材32の嵌合部32bが、基準ブラケット2の位置決め孔2bに微小隙間をもって嵌り合うように構成されている。
【0041】
この場合、基準ブラケット2の取付孔20に嵌め合わされたベアリングホルダ22のキー溝部24が、基準ブラケット2の取付孔20と対向する位置に配置されるようにする。
そして、基準ブラケット2の位置決め孔2bにキー部材32の嵌合部32bが嵌め合わされ、さらに、キー部材32の嵌合部32bの先端部の位置決め係止部32cが、ベアリングホルダ22のキー溝部24に嵌め合わされる。
【0042】
ここでは、ベアリングホルダ22のキー溝部24の幅d0に対し、キー部材32の位置決め係止部32cの幅(二面取りした部分の厚さ)d1が若干小さくなるように設定し(図4(b)参照)、これによりキー部材32の位置決め係止部32cが、基準ブラケット2のキー溝部24に微小隙間をもって嵌り合うように構成されている。
【0043】
この場合、キー部材32の位置決め係止部32cが、基準ブラケット2のキー溝部24に嵌り合った状態において、キー部材32の位置決め係止部32cの先端が、基準ブラケット2のキー溝部24の溝底に対して若干の隙間が形成されるようにそれぞれの寸法が設定されている。
【0044】
このような構成を有する本実施の形態においては、キー部材32の嵌合部32bを基準ブラケット2の位置決め孔2bに嵌め合わせるとともに、キー部材32の位置決め係止部32cをベアリングホルダ22のキー溝部24に嵌め合わせる。
【0045】
そして、キー部材32の取付フランジ部32aを基準ブラケット2のキー取付部2aに例えばねじ止めで固定し、キー部材32に嵌め合わされたねじ部材31を固定方向に回転させ、ベアリングホルダ22のキー溝部24に向って移動させる。
【0046】
これにより、キー部材32の位置決め係止部32cの先端からねじ部材31の雄ねじ部31bの先端が所定長さだけ突出してベアリングホルダ22のキー溝部24の底部に接触し、更にねじ部材31を同方向に回転させることにより、ねじ部材31の雄ねじ部31bの先端がベアリングホルダ22のキー溝部24の底部に押し付けられる。
【0047】
その結果、ベアリングホルダ22が、基準ブラケット2に対して回転せず、また鉛直方向にも移動しないように、位置決めされた状態で固定される。
この状態では、サーボモータ3の駆動軸30の回転軸線と、中間連結軸26の回転軸線と、カートリッジフレーム40(インクカートリッジ部4)の回転軸線が一致している。
【0048】
そして、この状態で、サーボモータ3を駆動することにより、中間連結軸26及びインクカートリッジ部4が、それぞれ一致する回転軸線、すなわち、基準ブラケット2の取付孔20の中心軸線Oを中心として回転する。
【0049】
これによりインクジェットヘッド41が水平方向に回転することから、インクジェットヘッド41のノズル42列の方向を、インクジェットヘッド41と吐出面の相対移動方向に対して傾斜させることができるので、ピッチを変更することができる。
【0050】
以上述べた本実施の形態の場合、複数のノズル42が列状に配列されたインクジェットヘッド41と、このインクジェットヘッド41に対してインクを供給するインク供給部43とが一体的に構成されたインクカートリッジ部4を有し、インクカートリッジ部4は、サーボモータ3の駆動軸30に連結された中間連結軸26に着脱自在に連結可能であって、インクカートリッジ部4が中間連結軸26に連結された場合において、インクジェットヘッド41の複数のノズル42の配列方向と直交する回転軸線を中心として回転するように構成されていることから、簡素な構成で、サーボモータ3を駆動してインクカートリッジ部4を回転させることによってノズル42から吐出されるインクのドットピッチを容易に変更することができる。
【0051】
また、本実施の形態におけるインクカートリッジ部4は、複数のノズル42が列状に配列されたインクジェットヘッド41と、インクジェットヘッド41に対してインクを供給するインク供給部43とが一体的に構成されており、インクジェットヘッド41とインク供給部43との距離を近くに配置してインクを供給するインク供給管45を短くすることができるため、インクを吐出する際の応答時間を短くすることができる。
【0052】
さらに、本実施の形態では、サーボモータ3の駆動軸30の回転軸線と中間連結軸26の回転軸線が一致するとともに、中間連結軸26にインクカートリッジ部4を連結した場合に中間連結軸26の回転軸線とインクカートリッジ部4の回転軸線が一致するように構成されていることから、インクカートリッジ部4を交換した場合であっても、高い位置再現性を得ることができ、これにより調整工程を必要とすることなくインクの変更や補充を容易に行うことができる。
【0053】
その一方、一般にディスプレイ等産業用途でインクジェットで成膜する場合には、吐出対象物である例えばガラス基板の所定位置に精密にインクを着弾させることが必要となるためガラス基板の基準となる位置にアライメントマークが描画されているが、このアライメントマークに基づいて所定座標に正確に着弾させるためには、アライメントマークを撮像し、その画像から得られた座標の位置にインクジェットヘッドを正確に移動させなければならない。
【0054】
その際、インクジェットヘッドの回転中心と、アライメントマークの相対位置が再現よく固定されていることが望ましい。そうでなければ、撮像画像から得られた座標位置に移動しても着弾位置の再現性が保たれないからである。
【0055】
これに対し、本実施の形態では、基準ブラケット2の鏡筒保持溝2cについて、円筒鏡筒10を保持した場合に、基準ブラケット2の基準直線2Cに対する円筒鏡筒10の中心軸線O1の距離が、基準ブラケット2の基準直線2Cに対する取付孔20の中心軸線Oの距離と等しくなるようにその位置及び形状が設定され、しかも、基準ブラケット2の取付孔20の中心軸線Oとインクカートリッジ部4の回転軸線が一致するように構成されていることから、基準ブラケット2の基準直線2Cに対する、インクカートリッジ部4の回転軸線の距離と円筒鏡筒10の中心軸線O1の距離を等距離に固定することが可能になり、その結果、撮像画像から得られた座標位置にインクジェットヘッド41を移動させた場合において高い着弾位置の再現性を保持することができる。
【0056】
この場合、基準ブラケット2の取付孔20と鏡筒保持溝2cを同一の段取りで加工プロセスを行うことにより、極めて高い加工精度で加工することができるので、撮像画像から得られた座標位置にインクジェットヘッド41を移動させた場合における着弾位置の再現性をより向上させることができる。
【0057】
さらに、円筒鏡筒10として外径精度が高いものを使用することにより着弾位置の相対間距離再現性も高くできるので、同一の円筒鏡筒10を交換して組み替えることによって高い組立再現性を維持することができる。
【0058】
なお、本発明は上述の実施の形態に限られることなく、種々の変更を行うことができる。
例えば、インク吐出の際に、吐出装置を移動させて吐出面を固定させることもでき、また、吐出装置を固定して吐出面を移動させることもできる。
さらに、吐出装置と吐出面の両方を移動させることもできる。
【符号の説明】
【0059】
1…吐出装置
2…基準ブラケット(取付部)
2a…キー取付部
2b…位置決め孔
2c…鏡筒保持溝
2A…第1の基準面
2B…第2の基準面
2C…基準直線
3…サーボモータ(電動機)
4…インクカートリッジ部
10…円筒鏡筒
20…取付孔
21…軸受機構
22…ベアリングホルダ
23…ころがり軸受(軸受)
25…キー固定具
26…中間連結軸
30…駆動軸
31…ねじ部材
32…キー部材
32c…位置決め係止部
40…カートリッジフレーム
41…インクジェットヘッド
42…ノズル
43…インク供給部
図1
図2
図3
図4
図5