特開2015-222818(P2015-222818A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-222818(P2015-222818A)
(43)【公開日】2015年12月10日
(54)【発明の名称】プラズマ処理方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20151113BHJP
   H05H 1/46 20060101ALI20151113BHJP
【FI】
   H01L21/302 101D
   H01L21/302 105A
   H05H1/46 A
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-132487(P2015-132487)
(22)【出願日】2015年7月1日
(62)【分割の表示】特願2011-93099(P2011-93099)の分割
【原出願日】2011年4月19日
(71)【出願人】
【識別番号】501387839
【氏名又は名称】株式会社日立ハイテクノロジーズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000062
【氏名又は名称】特許業務法人第一国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】紺野 秋彦
(72)【発明者】
【氏名】安並 久夫
(72)【発明者】
【氏名】豊岡 秀則
(57)【要約】
【課題】マイクロ波プラズマエッチングによるシリコン深溝トレンチの高速エッチングを実現することによる生産性の高いエッチング方法を提供する。
【解決手段】シリコン基板111やSOI(Silicon On Insulator)基板111に高アスペクト比(アスペクト比=トレンチ深さ/トレンチ幅)の深いシリコントレンチまたは穴を形成するプラズマエッチング方法において、マイクロ波によって生成されたプラズマを用い、プラズマを形成するマイクロ波は、高圧力、高マイクロ波出力においても安定したプラズマを形成するため、導波管104の一部にマイクロ波回転発生器105を設け、マイクロ波回転発生器105を通過したものであり、また、プラズマ形成に用いるガスとして少なくともフッ素を含むガスとOの混合ガスを用い、かつ、試料台110に高周波電源112によりバイアス電圧を印加することにより深いシリコントレンチまたは穴を形成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部を減圧可能な処理室と、該処理室内に処理ガスを供給するガス供給手段と、前記処理室内にマイクロ波を供給してプラズマを生成するマイクロ波供給手段と、前記マイクロ波の偏波面を回転させて前記処理室に供給するマイクロ波回転発生器と、前記マイクロ波回転発生器を介して前記マイクロ波を前記処理室へ導入するマイクロ波導入部と、前記処理室内に設けられ試料を載置する試料載置電極と、前記試料載置電極に高周波電力を印加する高周波電源と、前記ガス供給手段により供給されたガスを排気する排気手段とを備えるプラズマ処理装置を用いて、シリコン基板またはSOI基板に深いシリコントレンチまたは穴を形成するプラズマエッチング方法において、
フッ素を含むガスと酸素ガスを用い、処理圧力を60Pa以下、前記マイクロ波の電力を1000〜5000Wにして前記マイクロ波の偏波面を回転させてエッチング処理を行うことを特徴とするプラズマエッチング方法。
【請求項2】
請求項1記載のプラズマエッチング方法において、前記フッ素を含むガスは、SFガスまたは、SFガス及びSiFガスであることを特徴とするプラズマエッチング方法。
【請求項3】
請求項1記載のプラズマエッチング方法において、時間変調された間欠的な高周波電力を試料台に印加してエッチングすることを特徴とするプラズマエッチング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロ波プラズマエッチングにおけるシリコントレンチを形成するプラズマエッチング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本技術分野の背景技術として、特開2007−103876号公報(特許文献1)には、シリコン基板に対してSF、O、SiFからなる混合ガスに、Hを含有するガスを添加した混合ガスプラズマでシリコントレンチを形成することにより、トレンチ側壁面にえぐれや面荒れのないトレンチエッチングを実現できることが記載されている。
【0003】
また、特開2007−129260号公報(特許文献2)には、シリコンの異方性エッチングにおいて、分かれたそれぞれ交互に連続するエッチングおよび重合工程を実施することにより、非常に高いエッチング速度でシリコン基板の深堀りエッチングができることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−103876号公報
【特許文献2】特開2007−129260号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された従来技術において、例えばマイクロ波プラズマエッチング装置により、アスペクト比5程度のシリコントレンチエッチングを高速で実現できる点についての開示がある。しかしながら、上記従来技術では、エッチング速度を更に向上するために圧力を増加しても逆にエッチレートが低下する場合があり、また、より高いマイクロ波パワーを印加しても放電状態の遷移領域が存在することに起因して放電不安定となり使用できない場合があるという問題点について配慮されていなかった。
【0006】
一方、特許文献2に記載された従来技術では、エッチングおよび重合工程を繰り返し実施することにより、非常に高いエッチング速度でシリコン基板の深堀りエッチングができる点について開示されている。しかしながら、上記従来技術では、例えば重合工程によって処理室内に重合膜が堆積し続けることに起因して異物の発生やエッチング特性の再現性の低下が起きることや、前記問題点を解決するためには枚葉クリーニングを行う必要があり、スループットの低下という問題点について配慮されていなかった。
【0007】
本発明の目的は、マイクロ波プラズマエッチングによるシリコントレンチまたは穴の高速エッチングを実現することによる生産性の高いプラズマエッチング方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のプラズマエッチング方法は、内部を減圧可能な処理室と、該処理室内に処理ガスを供給するガス供給手段と、前記処理室内にマイクロ波を供給してプラズマを生成するマイクロ波供給手段と、前記マイクロ波の偏波面を回転させて前記処理室に供給するマイクロ波回転発生器と、前記マイクロ波回転発生器を介して前記マイクロ波を前記処理室へ導入するマイクロ波導入部と、前記処理室内に設けられ試料を載置する試料載置電極と、前記試料載置電極に高周波電力を印加する高周波電源と、前記ガス供給手段により供給されたガスを排気する排気手段とを備えるプラズマ処理装置を用いて、シリコン基板またはSOI基板にシリコントレンチを形成するプラズマエッチング方法であって、フッ素を含むガスと酸素ガスを用い、処理圧力を60Pa以下、前記マイクロ波の電力を1000〜5000Wにして前記マイクロ波の偏波面を回転させてエッチング処理を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、シリコントレンチ形状を悪化させることなく、エッチング時間を短縮しスループットを向上することのできるプラズマエッチング方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は本発明のマイクロ波プラズマエッチング装置を示す図である。
図2図2は被処理基板のトレンチ形状を示す図である。
図3図3は被処理基板のトレンチ形状を示す図である。
図4図4は被処理基板のトレンチ形状を示す図である。
図5図5は被処理基板のトレンチ形状を示す図である。
図6図6は被処理基板のトレンチ形状を示す図である。
図7図7はシリコン深溝トレンチのエッチングを行なった時の、シリコンエッチング速度の処理圧力依存性を示す図である。
図8図8はシリコンエッチング速度の面内均一性の処理圧力依存性を示す図である。
図9図9はシリコントレンチのテーパ角の処理圧力依存性を示す図である。
図10図10は放電安定性のマイクロ波出力依存性を示す図である。
図11図11はシリコンエッチングを行った時の、シリコンエッチング速度の処理圧力依存性を示す図である。
図12図12は深いシリコントレンチのエッチングを行った時の、シリコントレンチのテーパ角のマイクロ波出力依存性を示す図である。
図13図13は本発明で得られたマイクロ波出力依存性およびデューティー比依存性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施例について、図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0012】
図1は、本発明の実施例1において使用するプラズマを形成する手段にマイクロ波と磁界を利用した、マイクロ波プラズマエッチング装置を示している。
【0013】
この装置では、エッチング処理室101にガス導入手段107から多孔構造の例えば、石英からなる透過窓108を介してエッチングガスが供給される。また、マイクロ波発生器102で発振されたマイクロ波を整合器103及び導波管104を通し、導波管104の途中に設けたマイクロ波回転発生器105を通過させ、マイクロ波導入窓106よりエッチング処理室101にマイクロ波を輸送して前記エッチングガスをプラズマ化する。
【0014】
高効率放電のための磁場発生用のソレノイドコイル109をエッチング処理室101の周辺に配置し、0.0875テスラの磁場をつくり電子サイクロトロン共鳴を用いて高密度プラズマを発生させる。エッチング処理室101には試料台110があり、この上に被処理基板111を設置して、マイクロ波により生成されたガスプラズマによりエッチングする。被処理基板111を設置する試料台110には高周波電源112が接続され、400kHzから13.56MHzの高周波バイアスを印加できる構造となっている。
【0015】
また、高周波電源112は、パルス発生器(図示せず)を備えており、時間変調された間欠的な高周波電力、あるいは、連続的な高周波電力を選択的に試料台110に印加することができる。試料台110表面には、静電吸着電源113より直流電圧を印加することにより静電吸着力が発生し、被処理基板111が静電チャックにより、試料台110に吸着される。
【0016】
また、試料台110の表面には溝が形成され、固定された被処理基板111裏面との間で形成される流路(図示しない)に、冷却ガス供給口114からHe、Ar、O等の冷却ガスを供給し、流路内を所定圧力に維持できる構造となっている。被処理基板111の表面の温度上昇は、流路におけるガス伝熱と接触面からの熱伝導にて、試料台110表面へ熱伝達され、一定温度に維持される。被処理基板111を0℃以下の低温に冷却するため、試料台110内部に埋設された冷媒循環流路には、チラーユニット115により指定の低温に温度制御された冷媒が循環される。
【0017】
被処理基板111の周囲には、セラミックスや石英製の絶縁カバー(図示しない)が配置されている。なお、エッチング処理室101に導入されたエッチングガスは、エッチング処理中、排気ポンプ116及び排気配管(図示しない)によりエッチング処理室101の外に排気される。
【0018】
次に、本実施例1における溝からなる深いシリコントレンチエッチング方法の具体的な例を説明する。ここでは、前述のプラズマエッチング装置を使用し、SF,O,SiFの混合ガスプラズマを主体としたプロセスにおける一例を示す。
【0019】
また、被処理基板202の詳細構造とエッチング後の状態を図2図3に示す。図2に示す通り、被処理基板202はSiOなどからなるマスク材201でパターニングされたシリコン基板となっている。この被処理基板202を、搬送手段(図示せず)を用いて試料台110に載置した後、SF,O,SiFをそれぞれ、600、80、400ml/minの流量に調整してエッチング処理室101に供給し、処理圧力を調整バルブ(図示せず)にて5Paに調整する。
【0020】
その後、マイクロ波出力3000Wを印加することによりプラズマを発生させ、試料台110にバイアス出力225Wを印加することにより、図3に示すようにトレンチ開口部203よりエッチングが進行し、深溝トレンチが形成される。表1に代表的な処理条件を示す。
【表1】
【0021】
上記のエッチング過程において、エッチング処理室101に導入されたSFとO、SiFガスが、それぞれSi、S、F、Oのイオン及びラジカルに解離し、被処理基板202の表面との反応とともにSiFやSiOを生成する。
【0022】
一方、トレンチ開口部203内のエッチングの進行と同時に、適度なSiOが側壁保護膜として形成され、Fラジカルによる等方的エッチングを抑制し、異方性・高速エッチングが可能となっている。また、上述の説明では混合ガスとしてSiFの含有を必須としたが、側壁保護膜として適度なSiOが形成されればSFとOガスでも本発明は達成される。
【0023】
次に、本発明に用いたマイクロ波回転発生器105の効果について説明する。
【0024】
図7は、シリコン深溝トレンチのエッチングを行なった時の、シリコンエッチング速度の処理圧力依存性を示す図である。同じく、図8は、シリコンエッチング速度の面内均一性の処理圧力依存性を示す図、図9は、トレンチのテーパ角の処理圧力依存性を示す図である。ここでテーパ角は、図3に示すように、シリコントレンチの最底部から引いた水平線とシリコントレンチの側壁面との成す角で表している。
【0025】
比較的マイクロ波出力が小さい場合、図7において、マイクロ波出力が600Wの時のように、処理圧力が2.5Paまではシリコンエッチング速度は圧力とともに増加するが、5Paより大きい圧力では、エッチング速度は低下し、図9のように、シリコントレンチのテーパ角が減少する。この時、エッチング形状としては、面荒れやささくれといった異常な形状を呈している。
【0026】
このように、比較的小さいマイクロ波出力において圧力を増加してもエッチング速度が低下することは、圧力が高くなると電子の衝突確率が増えることにより電子がマイクロ波により加速を受ける期間も減ってしまい、その結果、エッチングを進行させるのに必要なイオンの密度すなわちプラズマ密度が低下していくためと考えられる。
【0027】
従って、更に高い圧力においてシリコンエッチング速度を増やそうとする場合には、プラズマ密度を増加させなければならない。このため、より高いマイクロ波出力を印加する必要がある。しかし、この時、問題になるのが放電安定性であった。
【0028】
図10に、放電安定性のマイクロ波出力依存性の図を示す。図10に示す通り、マイクロ波回転発生器105を備えていない従来装置においては、マイクロ波出力が概ね1000W以上になると放電不安定が発生した。
【0029】
この放電不安定が発生する原因の一つとして、電子サイクロトロン共鳴で得られるプラズマ密度がプラズマの遮断周波数になるような数となる前後のマイクロ波出力において放電状態が変わるため、丁度遮断周波数となる数に近いプラズマ密度が得られるマイクロ波出力において放電状態の遷移、すなわち異常放電が発生することが挙げられる。
【0030】
これに対して、図1の通り、マイクロ波回転発生器105を装備すると、図10のように放電不安定は殆ど見られなくなる。マイクロ波回転発生器105により放電が安定する理由の一つとして、マイクロ波が回転すると定在波の谷が、異常放電の原因となるプラズマ密度の局所的に高い領域を通過することにより、プラズマ密度が平均化されることによるものと考えられる。
【0031】
このようにして、比較的大きいマイクロ波出力を印加できるようになると、図7において、マイクロ波出力が3000Wの時のように、処理圧力を5Paから10Paに増加しても、シリコンエッチング速度は5Paの時の1.4倍へと増加し続けた。但し、図8、9のように、7.5Pa以上の圧力では均一性は悪化した。また、テーパ角は減少している。
【0032】
この場合においても、圧力を増加してもエッチング速度の低下は発生していないため、より高圧領域での最適化の余地はあると考えられる。
【0033】
図11は、試料に占めるパターン開口率が比較的小さく、パターンサイズも100μm角以上である試料のシリコンエッチングを行った時の、シリコンエッチング速度の処理圧力依存性を示す図である。図11に示す通り、マイクロ波出力が1000Wの時は、処理圧力を増加することによりシリコンエッチング速度は増加するが、30Paを超えるとシリコンエッチング速度は逆に低下していく。
【0034】
これは、実施例1で説明した通り、圧力が高くなるとプラズマ密度が低下していくためと考えられる。
【0035】
従って、更に高い圧力においてシリコンエッチング速度を増やそうとする場合には、プラズマ密度を増加させなければならない。このため、より高いマイクロ波出力を印加する必要がある。
【0036】
これをもとに、マイクロ波出力を3000Wに増加してシリコンエッチングを行うと、図11に示す通り、シリコンエッチング速度は60Paまで増加し続け。このため、本実施例の処理圧力範囲は、60Pa以下である。
【0037】
更に高いマイクロ波出力を印加することにより、高いエッチング速度と所望の形状、面内均一性の確保ができると考えられるが、1000Wから5000Wのマイクロ波出力範囲で使用するのが望ましい。
【0038】
このように、マイクロ波回転発生器105を装備することにより、高いマイクロ波出力を印加することが可能となるため、従来よりも高いエッチング速度を得ることができた。
【実施例2】
【0039】
次に、本発明の実施例2について説明する。ここでは、実施例1で説明したプラズマエッチング装置と同じ装置を使用し、SF,O,SiFの混合ガスプラズマを主体としたプロセスにおける一例を、図12にて説明する。
【0040】
図12は、深いシリコントレンチのエッチングを行った時の、シリコントレンチのテーパ角のマイクロ波出力依存性を示す図である。マイクロ波出力を1900Wから3000Wに増加すると、テーパ角は90.4°から89.5°に減少した。これは、マイクロ波出力の増加に伴い、デポ性の増加、即ち、側壁保護膜の形成が多くなったことを示す。従って、これを利用して選択比の向上、ボーイング防止に必要な側壁保護膜の形成が容易になるものと考えられる。
【0041】
図4に示すように、より深く(概ねアスペクト比5以上)エッチングを行うと、深さ方向のエッチングの進行とともに側壁保護が不十分となり、ボーイング形状が発生するとともに、シリコントレンチ底部ではトレンチ幅が狭くなる先細り形状となるという問題点が発生することがある。本実施例において、このようなボーイングや先細り形状を低減するために、一例として、試料に印加するバイアス電力の時間変調のデューティー比(繰り返し周波数の1周期に対するオンの時間)を変更する方法を、図13を参照して説明する。
【0042】
図13に、試料に印加するバイアス電力の時間変調のデューティー比を変えた時のシリコントレンチのテーパ角の図を示す。デューティー比が20%と比較的小さい場合は電力がオフの期間におけるデポ量が多いため、シリコントレンチのテーパ角は小さくなる。一方、デューティー比が40%と比較的大きい場合は電力がオフの期間におけるデポ量が少なくなるため、シリコントレンチのテーパ角は大きくなる。
【0043】
これらを組合せてシリコントレンチを形成する場合の方法を、図5図6を参照して説明する。まず最初に、デューティー比が20%で処理したものが図5となる。次に、連続してデューティー比が40%で処理を行ったものが図6となる。このように、ボーイングを抑制するためにシリコントレンチのテーパ角が大きくなる条件と、先細りが少なくなる条件を組み合わせることにより、より垂直なシリコントレンチ形状を得ることができる。
【0044】
更に、シリコントレンチを形成する期間を複数に分割して、それぞれのステップのデューティー比を変えることにより、深さ方向の全域にわたって溝幅を変えることができ、より垂直なもしくは、一様なテーパ角のシリコントレンチ形状を得ることができる。
【0045】
表1に示すプロセス条件は、図1の有磁場マイクロ波プラズマエッチング装置で使用される代表的なエッチング条件である。ここで示されるプロセス条件は、本発明において適正化された条件であり、ヘリコン波エッチング装置、誘導結合型エッチング装置、容量結合型エッチング装置、有磁場RIE装置など他のエッチング装置とは、個々のプロセスパラメータの最適値においては、多少異なるものである。また、本実施例では、深いシリコントレンチを形成する方法について、説明したが、本実施例はシリコントレンチ形成に限定されず、穴の形成についても適用できる。
【0046】
しかし、トレンチエッチングにおけるエッチング形状の制御方法については、この装置に限定して使用されるものではなく、他のエッチング装置にも適用することが可能である。エッチングプロセスに携わるものであれば、ここに提示したプロセス条件を基に、前記他の装置を最適条件に調整し、順応させることができる。
【符号の説明】
【0047】
101 エッチング処理室
102 マイクロ波発生器
103 整合器
104 導波管
105 マイクロ波回転発生器
106 マイクロ波導入窓
107 ガス導入手段
108 透過窓
109 ソレノイドコイル
110 試料台
111 被処理基板
112 高周波電源
113 静電吸着電源
114 冷却ガス供給口
115 チラーユニット
116 排気ポンプ
201 マスク材
202 被処理基板
203 トレンチ開口部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2015年7月1日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマを用いてシリコン基板またはSOI基板にシリコントレンチを形成するプラズマエッチング方法において、
SFガスとSiFガスと酸素ガスの混合ガスを用い、前記シリコン基板または前記SOI基板が載置された試料台に間欠的に時間変調された高周波電力を供給しながら前記シリコントレンチを形成し、
前記形成されるシリコントレンチの深さが深くなるに従って前記時間変調のデューティー比を増加させることを特徴とするプラズマエッチング方法。