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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-229738(P2015-229738A)
(43)【公開日】2015年12月21日
(54)【発明の名称】ウレタン接着剤組成物
(51)【国際特許分類】
   C09J 175/04 20060101AFI20151124BHJP
   C09J 11/06 20060101ALI20151124BHJP
【FI】
   C09J175/04
   C09J11/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-117189(P2014-117189)
(22)【出願日】2014年6月6日
(71)【出願人】
【識別番号】000002060
【氏名又は名称】信越化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079304
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100114513
【弁理士】
【氏名又は名称】重松 沙織
(74)【代理人】
【識別番号】100120721
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 克成
(74)【代理人】
【識別番号】100124590
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 武史
(74)【代理人】
【識別番号】100157831
【弁理士】
【氏名又は名称】正木 克彦
(72)【発明者】
【氏名】廣神 宗直
【テーマコード(参考)】
4J040
【Fターム(参考)】
4J040EF031
4J040EF131
4J040EF281
4J040GA20
4J040HD32
4J040HD37
4J040JA01
4J040JA12
4J040JB04
4J040MA02
4J040MA05
4J040MA10
(57)【要約】
【解決手段】(A)ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物との反応により得られる活性イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー、及び
(B)下式(1)で表される有機ケイ素化合物
を含有するウレタン接着剤組成物。

(R1は炭素数1〜10のアルキル基、又は炭素数6〜10のアリール基、R2は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜10のアラルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、又は炭素数1〜20のアルコキシ基、R3は炭素数1〜10のアルキル基、又は炭素数6〜10のアリール基、nは1〜3の整数、mは1〜12の整数)
【効果】本発明の有機ケイ素化合物は、分子中に加水分解性シリル基とS−Si結合を有する有機ケイ素化合物を配合することにより、高い密着性を有するウレタン接着剤組成物を得ることができる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物との反応により得られる活性イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー、及び
(B)下式(1)で表される有機ケイ素化合物
を含有することを特徴とするウレタン接着剤組成物。
【化1】
(式中、R1は置換もしくは無置換の炭素数1〜10のアルキル基、又は置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、R2はそれぞれ独立に置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜10のアラルキル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜10のアルケニル基、又は置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基であり、R3は置換もしくは無置換の炭素数1〜10のアルキル基、又は置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、nは1〜3の整数であり、mは1〜12の整数である。)
【請求項2】
前記有機ケイ素化合物が、下式(2)で表される有機ケイ素化合物を含有することを特徴とする請求項1記載のウレタン接着剤組成物。
【化2】
(式中、R1,n,R2は上記と同様であり、R4は置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜10のアラルキル基、又は置換もしくは無置換の炭素数2〜10のアルケニル基であり、Meはメチル基である。)
【請求項3】
前記有機ケイ素化合物が、下式(3)〜(8)で表される有機ケイ素化合物のうち1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1又は2記載のウレタン接着剤組成物。
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
(式中、R1,nは上記と同様である。Meはメチル基、Etはエチル基である。)
【請求項4】
前記有機ケイ素化合物の含有量が、(A)成分のウレタンプレポリマー100質量部に対し1〜10質量部であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のウレタン接着剤組成物。
【請求項5】
一液型ウレタン接着剤組成物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のウレタン接着剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分子内に加水分解性シリル基及びS−Si結合を有する有機ケイ素化合物を含有するウレタン接着剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、分子鎖末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを含有するウレタン樹脂組成物は、接着剤、シーラント、塗料、コーティング剤等と広く使用されている。このウレタン樹脂組成物は、空気中の水分とイソシアネート基が反応し、架橋硬化する。従って、1液湿気硬化型として用いることができ、使用前に硬化剤を配合する2液型ウレタン樹脂組成物に比べ、作業性に優れる。
【0003】
1液型ウレタン樹脂組成物には、基材と樹脂との密着性を向上させる目的で、イソシアネート基を有する有機ケイ素化合物が配合されているが、十分な密着性を得られない場合が多く(特許文献1)、この点の改善が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014−77094号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、高い密着性を有するウレタン接着剤組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、(A)ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物との反応により得られる活性イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー、及び
(B)下式(1)
【化1】
(式中、R1は置換もしくは無置換の炭素数1〜10のアルキル基、又は置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、R2はそれぞれ独立に置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜10のアラルキル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜10のアルケニル基、又は置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基であり、R3は置換もしくは無置換の炭素数1〜10のアルキル基、又は置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、nは1〜3の整数であり、mは1〜12の整数である。)
で表される有機ケイ素化合物を含有するウレタン接着剤組成物が、高い密着性を有することを知見し、本発明をなすに至った。
【0007】
従って、本発明は下記のウレタン接着剤組成物を提供する。
〔1〕
(A)ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物との反応により得られる活性イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー、及び
(B)下式(1)で表される有機ケイ素化合物
を含有することを特徴とするウレタン接着剤組成物。
【化2】
(式中、R1は置換もしくは無置換の炭素数1〜10のアルキル基、又は置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、R2はそれぞれ独立に置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜10のアラルキル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜10のアルケニル基、又は置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基であり、R3は置換もしくは無置換の炭素数1〜10のアルキル基、又は置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、nは1〜3の整数であり、mは1〜12の整数である。)
〔2〕
前記有機ケイ素化合物が、下式(2)で表される有機ケイ素化合物を含有することを特徴とする〔1〕記載のウレタン接着剤組成物。
【化3】
(式中、R1,n,R2は上記と同様であり、R4は置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜10のアラルキル基、又は置換もしくは無置換の炭素数2〜10のアルケニル基であり、Meはメチル基である。)
〔3〕
前記有機ケイ素化合物が、下式(3)〜(8)で表される有機ケイ素化合物のうち1種又は2種以上であることを特徴とする〔1〕又は〔2〕記載のウレタン接着剤組成物。
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】
(式中、R1,nは上記と同様である。Meはメチル基、Etはエチル基である。)
〔4〕
前記有機ケイ素化合物の含有量が、(A)成分のウレタンプレポリマー100質量部に対し1〜10質量部であることを特徴とする〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のウレタン接着剤組成物。
〔5〕
一液型ウレタン接着剤組成物であることを特徴とする〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載のウレタン接着剤組成物。
【発明の効果】
【0008】
本発明の有機ケイ素化合物は、分子中に加水分解性シリル基とS−Si結合を有する有機ケイ素化合物を配合することにより、高い密着性を有するウレタン接着剤組成物を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明について具体的に説明する。なお、本発明において「シランカップリング剤」は「有機ケイ素化合物」に含まれる。
【0010】
本発明に用いられる活性イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(A)とは、水酸基(OH)を2個以上有するポリオールとイソシアネート基(NCO)を2個以上有するポリイソシアネート化合物とをイソシアネート基が過剰となるように、即ちNCO/OH当量比が、1より大となるように反応させることにより得られる。その反応条件としては、例えばNCO/OH当量比2.0〜15.0の割合、より好ましくは2.0〜8.0の割合にて、窒素又はドライエアー気流中で70〜100℃で数時間反応させることにより製造される。得られたNCO含有プレポリマーの通常のNCO含有量としては5〜25質量%の範囲である。
【0011】
ウレタンプレポリマーを作製する際に使用されるポリイソシアネート化合物は、分子内にイソシアネート基を2個以上有するものであれば特に限定されない。ポリイソシアネート化合物としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4′−MDI)、2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,2′−MDI)、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4′−MDI)、1,4−フェニレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、トリジンジイソシアネート(TODI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、トリフェニルメタントリイソシアネートのような芳香族ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHDI)、リジンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート(NBDI)のような脂肪族ポリイソシアネート;トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン(H6XDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)のような脂環式ポリイソシアネート;ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートなどのポリイソシアネート化合物;これらのイソシアネート化合物のカルボジイミド変性ポリイソシアネート;これらのイソシアネート化合物のイソシアヌレート変性ポリイソシアネート;これらのイソシアネート化合物と後述するポリオール化合物とを反応させて得られるウレタンプレポリマー;などが挙げられる。これらのポリイソシアネート化合物は、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0012】
ウレタンプレポリマーを作製する際に使用されるポリオール化合物は、特に限定されるものではなく、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリカーボネートポリオール、その他のポリオールのいずれであってもよい。また、これらのポリオールはそれぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。ポリオール化合物として、具体的には、ポリプロピレンエーテルジオール、ポリエチレンエーテルジオール、ポリプロピレンエーテルトリオール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシプロピレントリオール、ポリオキシブチレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)、ポリマーポリオール、ポリ(エチレンアジペート)、ポリ(ジエチレンアジペート)、ポリ(プロピレンアジペート)、ポリ(テトラメチレンアジペート)、ポリ(ヘキサメチレンアジペート)、ポリ(ネオペンチレンアジペート)、ポリ−ε−カプロラクトン、ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)等が挙げられる。また、ヒマシ油などの天然系のポリオール化合物を使用してもよい。
【0013】
この場合、ポリオール化合物としては、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算数平均分子量が1,000〜20,000、特に2,000〜10,000の範囲のものが好ましい。
【0014】
本発明に用いられる(B)成分の有機ケイ素化合物(シランカップリング剤)の特徴として、下記構造(i)、(ii)を共に有することが挙げられる。
(i)加水分解性シリル基
(ii)S−Si結合
【0015】
上記(i)、(ii)を共に有する有機ケイ素化合物は、下式(1)として示すことができる。
【化10】
(式中、R1は置換もしくは無置換の炭素数1〜10のアルキル基、又は置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、R2はそれぞれ独立に置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜10のアラルキル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜10のアルケニル基、又は置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基であり、R3は置換もしくは無置換の炭素数1〜10のアルキル基、又は置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、nは1〜3の整数であり、mは1〜12の整数である。)
【0016】
この場合、下式(2)として示すものが好ましい。
【化11】
(式中、R1,n,R2は上記と同様であり、R4は置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜10のアラルキル基、又は置換もしくは無置換の炭素数2〜10のアルケニル基であり、Meはメチル基である。)
【0017】
更には、下式(3)〜(8)として示すものがより好ましく、有機ケイ素化合物としてこれらの1種又は2種以上を使用することができる。
【化12】
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
【化17】
(式中、R1,n,Meは上記と同様であり、Etはエチル基である。)
【0018】
1のアルキル基、アリール基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基などが挙げられ、これらの中でもメチル基、エチル基が好ましい。
【0019】
2のアルキル基としては、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基などが挙げられ、アリール基、アラルキル基としては、フェニル基、ベンジル基、キシリル基、トリル基などが挙げられ、アルケニル基としては、ビニル基、プロペニル基、ペンテニル基などが挙げられ、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、オクトキシ基、ドデコキシ基などが挙げられ、中でもメチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基が好ましく、少なくとも一つはメトキシ基もしくはエトキシ基であることが更に好ましい。
【0020】
3のアルキル基、アリール基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基などが挙げられ、これらの中でもメチル基が好ましい。
【0021】
4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基などが挙げられ、アリール基、アラルキル基としては、フェニル基、ベンジル基、キシリル基、トリル基などが挙げられ、アルケニル基としては、ビニル基、プロペニル基、ペンテニル基などが挙げられ、中でもメチル基、エチル基が好ましい。
【0022】
また、置換アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルコキシ基における置換基としては、ハロゲン原子が挙げられる。
【0023】
前記有機ケイ素化合物の含有量は、主剤であるウレタンプレポリマー100質量部に対して1質量部以上10質量部以下であり、好ましくは1.5質量部以上8質量部以下である。有機ケイ素化合物の含有量が1質量部以上の場合には接着性能を向上させる効果が得られる。また、前記有機ケイ素化合物の含有量が10質量部以下の場合には本実施形態の組成物の硬化物は硬くなると共に発泡が生じることが抑制されると共に、コストが高くなることを抑制することができる。そのため、前記有機ケイ素化合物の含有量が上記範囲内である場合には、本実施形態の組成物は、ガラスやポリプロピレン樹脂などのオレフィン系樹脂などの材料からなる被着体に対してプライマー組成物を用いることなく安定して優れた接着性を有する。
【0024】
本実施形態の組成物は、主剤として用いられる(A)成分のウレタンプレポリマーに前記有機ケイ素化合物(B)を併用することにより、被着体に対してプライマー組成物を用いることなく安定して優れた接着性を有することができる。特に、本実施形態の組成物は、ガラス、ポリプロピレン樹脂などのオレフィン系樹脂などの材料からなる被着体に対して優れた接着性を有する。前記有機ケイ素化合物の加水分解性シリル基(Si−OR基)が空気中の水分により加水分解されシラノール基(Si−OH基)となり、ガラスのOH基と反応し、Si−O−Si結合が形成され、高い接着性が付与される。更に、S−Si結合が空気中の水分により脱保護されメルカプト基(−SH基)が生成する。生成したメルカプト基とウレタンプレポリマー中のNCO基がチオウレタン結合を形成し、高い接着性が付与される。
【0025】
本発明のウレタン接着剤組成物には、上記した成分に加えて、必要に応じて、硬化触媒、接着付与剤、物性調整剤、充填剤、可塑剤、揺変剤、脱水剤(保存安定性改良剤)、粘着付与剤、垂れ防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、難燃剤、着色剤、ラジカル重合開始剤などの各種添加剤やトルエンやアルコール等の各種溶剤を配合してもよい。
【0026】
充填剤は、特に限定されず、例えば、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、カーボンブラック、ホワイトカーボン、シリカ、ガラス、カオリン、タルク(ケイ酸マグネシウム)、フュームドシリカ、沈降性シリカ、無水ケイ酸、含水ケイ酸、クレー、焼成クレー、ベントナイト、ガラス繊維、石綿、ガラスフィラメント、粉砕石英、ケイソウ土、ケイ酸アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化チタン、あるいはこれらの表面処理品等の無機質充填剤;カーボネート類、有機ベントナイト、ハイスチレン樹脂、クマロン−インデン樹脂、フェノール樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、変性メラミン樹脂、環化ゴム、リグニン、エボナイト粉末、セラック、コルク粉末、骨粉、木粉、セルローズパウダー、ココナッツ椰子がら、木材パルプ等の有機質充填剤;ランプブラック、チタンホワイト、ベンガラ、チタンイエロー、亜鉛華、鉛丹、コバルトブルー、鉄黒、アルミ粉等の無機顔料及びネオザボンブラックRE、ネオブラックRE、オラゾールブラックCN、オラゾールブラックBa(いずれもチバ・ガイギー社製)、スピロンブルー2BH(保土ヶ谷化学社製)等の有機顔料等が挙げられる。中でも、所望の特性を付与するために、カーボンブラックと炭酸カルシウムを用いることが好ましい。これらのカーボンブラック及び炭酸カルシウムとしては、特に限定されず、通常市販されているものを用いることができる。例えば、カーボンブラックは、米国材料試験協会規格における、N110、N220、N330、N550、N770等あるいはこれらの混合物が挙げられ、炭酸カルシウムは、重質炭酸カルシウム、沈降性炭酸カルシウム等が挙げられる。これらの充填剤は、1種単独でも2種以上を併用しても使用することができる。その配合量は、ウレタンプレポリマー100質量部に対し0〜100質量部、特に0〜70質量部であることが好ましい。
【0027】
触媒は主剤と反応可能なものであれば特に制限されない。触媒としては、特に限定されず、例えば、スタナスオクトエート、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジラウレート、ジブチルチンオキサイド、ジブチルチンジメトキシド、ジブチルチンジマレエート、ジブチルチンビスアセチルアセトナート、ジブチルチンシリレート、オクチル酸ビスマスなどの金属触媒;オクタン酸錫、オクチル酸錫、ブタン酸錫、ナフテン酸錫、カプリル酸錫、オレイン酸錫、ラウリン酸錫等の2価の有機錫化合物;ジブチル錫ジオクトエート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジマレエート、ジブチル錫ジステアレート、ジブチル錫ジオレエート、ジブチル錫ベンゾエート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジバーサテート、ジフェニル錫ジアセテート、ジブチル錫ジメトキシド、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ビス(トリエトキシシリケート)、ジブチル錫オキサイドとフタル酸エステルとの反応物等の4価の有機錫化合物;ジブチル錫ジアセチルアセトナート、ジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)などのような錫系キレート化合物;ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、ドデシルアミン、オレイルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン等の第一級アミン;ジブチルアミン等の第二級アミン;ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、グアニジン、ジフェニルグアニジン、キシリレンジアミン等のポリアミン;トリエチレンジアミン及びその誘導体、2−メチルトリエチレンジアミン、モルホリン、N−メチルモルホリン、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン等の環状アミン;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミノアルコール化合物;2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等のアミノフェノール化合物等のアミン化合物及びそのカルボン酸塩;ベンジルトリエチルアンモニウムアセタート等の第四級アンモニウム塩;過剰のポリアミンと多塩基酸とから得られる低分子量アミド樹脂;過剰のポリアミンとエポキシ化合物との反応生成物等が挙げられる。これらの中でも、微量で大きな触媒能を有するという観点から、錫系触媒、アミン系触媒が好ましい。これらの触媒は、1種単独でも2種以上を併用しても使用することができる。その配合量はウレタンプレポリマー100質量部に対し0.01〜5質量部、特に0.1〜2質量部である。
【0028】
本実施形態のウレタン接着剤組成物は上記のような特性を有することから、自動車や車両(新幹線、電車)、船舶、航空機、建築・土木、エレクトロニクス、宇宙産業分野その他の工業製品の接着剤として用いることができる。
なお、本発明接着剤組成物を塗布するとき、その厚さは適宜選定されるが、通常0.1〜100mm、特に1〜10mmとすることが好ましい。
【実施例】
【0029】
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0030】
(A)ウレタンプレポリマー合成
【0031】
数平均分子量5000のポリプロピレンエーテルトリオール600g(G−5000、商品名「EXCENOL5030」、旭硝子株式会社製)と、数平均分子量2000のポリプロピレンエーテルジオール300g(D−2000、商品名「EXCENOL2020」、旭硝子株式会社製)とをフラスコに投入して、100〜130℃に加熱し、脱気しながら攪拌して水分率が0.01%以下になるまで脱水した。その後、90℃まで冷却し、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI、商品名「スミジュール44S」、住友バイエルジャパン株式会社製)をNCO基/OH基の当量比(NCOmol/OHmol)が1.70となる量を添加した後、約24時間、窒素雰囲気下で反応を進め、ウレタンプレポリマーを作製した。
【0032】
[実施例1〜5、比較例1,2]
下記表1に示す各組成成分を、下記表1に示す質量部となるように混合し、ウレタン接着剤組成物を調製した。
次いで、調製した各接着剤組成物を、被着体であるフロートガラス(50mm×50mm×5mm厚)上に塗布した後、120℃で10分間の条件で加熱乾燥させ、被着体上に接着剤層が形成された複合材料を作製した。
また、同様の条件で、調製した各接着剤組成物を、陽極酸化アルミニウム板(50mm×50mm×3mm厚)、アクリル樹脂板(50mm×50mm×3mm厚)及びポリエステル板(50mm×50mm×3mm厚)上に塗布し、乾燥させ、被着体上に接着剤層が形成された複合材料を作製した。なお、接着剤層の厚さは3mmであった。
【0033】
得られた各複合材料について、以下の方法により接着性を測定した。その結果を表1に示す。
【0034】
<接着性>
各被着体に対する接着剤層の接着性の評価は、作製した各複合材料を23℃、55%RHの条件下で3日間放置して養生した後、接着剤層をナイフでカットし、該カット部を手で引き剥がす手剥離試験を行い、被着体と接着剤層との界面の状態を目視で観察した。
【0035】
【表1】
【0036】
有機ケイ素化合物(9)・・・下式(9)で表される有機ケイ素化合物
【化18】
有機ケイ素化合物(10)・・・下式(10)で表される有機ケイ素化合物
【化19】
有機ケイ素化合物(11)・・・下式(11)で表される有機ケイ素化合物
【化20】
有機ケイ素化合物(12)・・・3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン
硬化触媒(A)・・・ジブチルスズジラウレート
【0037】
上記の実施例及び比較例の結果は、本発明のウレタン接着剤組成物は高い接着性を有することを実証するものである。