特開2015-229739(P2015-229739A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特開2015-229739プライマー組成物及び接着結合又はシーリング方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-229739(P2015-229739A)
(43)【公開日】2015年12月21日
(54)【発明の名称】プライマー組成物及び接着結合又はシーリング方法
(51)【国際特許分類】
   C09D 183/14 20060101AFI20151124BHJP
   C09K 3/10 20060101ALI20151124BHJP
   C09D 5/00 20060101ALI20151124BHJP
   C09J 5/02 20060101ALI20151124BHJP
   C09J 183/14 20060101ALI20151124BHJP
   C09J 201/00 20060101ALI20151124BHJP
   B05D 7/24 20060101ALI20151124BHJP
【FI】
   C09D183/14
   C09K3/10 E
   C09K3/10 L
   C09D5/00 D
   C09J5/02
   C09J183/14
   C09J201/00
   B05D7/24 302Y
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-117194(P2014-117194)
(22)【出願日】2014年6月6日
(71)【出願人】
【識別番号】000002060
【氏名又は名称】信越化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079304
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100114513
【弁理士】
【氏名又は名称】重松 沙織
(74)【代理人】
【識別番号】100120721
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 克成
(74)【代理人】
【識別番号】100124590
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 武史
(74)【代理人】
【識別番号】100157831
【弁理士】
【氏名又は名称】正木 克彦
(72)【発明者】
【氏名】廣神 宗直
【テーマコード(参考)】
4D075
4H017
4J038
4J040
【Fターム(参考)】
4D075AE03
4D075CA13
4D075DB04
4D075DB07
4D075DB39
4D075DB43
4D075DB46
4D075DB47
4D075DB48
4D075EA35
4D075EA39
4D075EA41
4D075EB22
4D075EB33
4D075EB38
4D075EB42
4D075EB43
4H017AA04
4H017AB01
4H017AB03
4H017AB08
4H017AB15
4H017AC17
4H017AD01
4H017AD05
4H017AE03
4H017AE05
4J038DL161
4J038JA02
4J038JA03
4J038JA17
4J038JA25
4J038JA32
4J038JA43
4J038JB01
4J038JC38
4J038JC39
4J038KA04
4J038KA06
4J038MA09
4J038NA12
4J038PA14
4J038PA19
4J038PA20
4J040DF001
4J040EF001
4J040EK031
4J040EK121
4J040LA06
4J040PA11
(57)【要約】
【解決手段】下式(1)で表される有機ケイ素化合物を含有するプライマー組成物。

(R1は炭素数1〜10のアルキル基、又は炭素数6〜10のアリール基であり、R2は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜10のアラルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、又は炭素数1〜20のアルコキシ基であり、R3は炭素数1〜10のアルキル基、又は炭素数6〜10のアリール基であり、nは1〜3の整数であり、mは1〜12の整数である。)
【効果】本発明のプライマー組成物は、分子中に加水分解性シリル基とS−Si結合を有する有機ケイ素化合物を含有しており、本発明のプライマー組成物を用いることにより、基材と接着剤もしくはシーリング剤とに優れた密着性を与える。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下式(1)で表される有機ケイ素化合物を含有することを特徴とするプライマー組成物。
【化1】
(式中、R1は置換もしくは無置換の炭素数1〜10のアルキル基、又は置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、R2はそれぞれ独立に置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜10のアラルキル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜10のアルケニル基、又は置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基であり、R3は置換もしくは無置換の炭素数1〜10のアルキル基、又は置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、nは1〜3の整数であり、mは1〜12の整数である。)
【請求項2】
前記有機ケイ素化合物が、下式(2)で表される有機ケイ素化合物を含有することを特徴とする請求項1記載のプライマー組成物。
【化2】
(式中、R1,n,R2は上記と同様であり、R4は置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜10のアラルキル基、又は置換もしくは無置換の炭素数2〜10のアルケニル基であり、Meはメチル基である。)
【請求項3】
前記有機ケイ素化合物が、下式(3)〜(8)で表される有機ケイ素化合物のうち1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1又は2記載のプライマー組成物。
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
(式中、R1,nは上記と同様である。Meはメチル基、Etはエチル基である。)
【請求項4】
(1)基材に請求項1〜3のいずれか1項記載のプライマー組成物を塗布する工程、
(2)前記プライマー組成物が塗布された基材に接着剤を塗布する工程
を含むことを特徴とする接着結合方法。
【請求項5】
前記接着剤が、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤、又はシリコーン系接着剤であることを特徴とする請求項4記載の接着結合方法。
【請求項6】
(1)基材に請求項1〜3のいずれか1項記載のプライマー組成物を塗布する工程、
(2)前記プライマー組成物が塗布された基材にシーリング剤を塗布する工程
を含むことを特徴とするシーリング方法。
【請求項7】
前記シーリング剤が、アクリル系シーリング剤、エポキシ系シーリング剤、ウレタン系シーリング剤、又はシリコーン系シーリング剤であることを特徴とする請求項6記載のシーリング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は分子内に加水分解性シリル基とS−Si結合を有する有機ケイ素化合物を含有するプライマー組成物、及び接着結合又はシーリング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
接着剤やシーリング材は、近年、建築物・自動車両等に幅広く使用されるようになってきている。シーリング材は、各種部材間の接合部や隙間に充填し、水密・気密を付与する目的で使用されている材料である。従って、目地部や窓枠周り等を構成する各種基材、すなわち、ガラス、セラミックス、金属、セメント、モルタル等の無機材料やプラスチック等の有機材料に対して良好な接着性を示す必要があるが、シーリング材の自己接着性は不十分であり、プライマーの使用が多くの場合必須となっている。
なお、本発明に関連する従来技術として、下記文献が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−86990号公報
【特許文献2】特開2002−265868号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、基材と接着剤やシーリング剤との優れた密着性を与えるプライマー組成物及び接着結合又はシーリング方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、
下式(1)
【化1】
(式中、R1は置換もしくは無置換の炭素数1〜10のアルキル基、又は置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、R2はそれぞれ独立に置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜10のアラルキル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜10のアルケニル基、又は置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基であり、R3は置換もしくは無置換の炭素数1〜10のアルキル基、又は置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、nは1〜3の整数であり、mは1〜12の整数である。)
で表される有機ケイ素化合物を含有するプライマー組成物が高い密着性を与えることを知見し、本発明をなすに至った。
【0006】
従って、本発明は下記のプライマー組成物及び接着結合方法又はシーリング方法を提供する。
〔1〕
下式(1)で表される有機ケイ素化合物を含有することを特徴とするプライマー組成物。
【化2】
(式中、R1は置換もしくは無置換の炭素数1〜10のアルキル基、又は置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、R2はそれぞれ独立に置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜10のアラルキル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜10のアルケニル基、又は置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基であり、R3は置換もしくは無置換の炭素数1〜10のアルキル基、又は置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、nは1〜3の整数であり、mは1〜12の整数である。)
〔2〕
前記有機ケイ素化合物が、下式(2)で表される有機ケイ素化合物を含有することを特徴とする〔1〕記載のプライマー組成物。
【化3】
(式中、R1,n,R2は上記と同様であり、R4は置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜10のアラルキル基、又は置換もしくは無置換の炭素数2〜10のアルケニル基であり、Meはメチル基である。)
〔3〕
前記有機ケイ素化合物が、下式(3)〜(8)で表される有機ケイ素化合物のうち1種又は2種以上であることを特徴とする〔1〕又は〔2〕記載のプライマー組成物。
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】
(式中、R1,nは上記と同様である。Meはメチル基、Etはエチル基である。)
〔4〕
(1)基材に〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のプライマー組成物を塗布する工程、
(2)前記プライマー組成物が塗布された基材に接着剤を塗布する工程
を含むことを特徴とする接着結合方法。
〔5〕
前記接着剤が、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤、又はシリコーン系接着剤であることを特徴とする〔4〕記載の接着結合方法。
〔6〕
(1)基材に〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のプライマー組成物を塗布する工程、
(2)前記プライマー組成物が塗布された基材にシーリング剤を塗布する工程
を含むことを特徴とするシーリング方法。
〔7〕
前記シーリング剤が、アクリル系シーリング剤、エポキシ系シーリング剤、ウレタン系シーリング剤、又はシリコーン系シーリング剤であることを特徴とする〔6〕記載のシーリング方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明のプライマー組成物は、分子中に加水分解性シリル基とS−Si結合を有する有機ケイ素化合物を含有しており、本発明のプライマー組成物を用いることにより、基材と接着剤もしくはシーリング剤とに優れた密着性を与える。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明について具体的に説明する。なお、本発明において「シランカップリング剤」は「有機ケイ素化合物」に含まれる。
【0009】
[プライマー組成物]
本発明のプライマー組成物は、下記構造(i)、(ii)を共に有する有機ケイ素化合物(シランカップリング剤)を含有することを特徴としている。
(i)加水分解性シリル基
(ii)S−Si結合
【0010】
上記(i)、(ii)を共に有する有機ケイ素化合物は、下式(1)として示すことができる。
【化10】
(式中、R1は置換もしくは無置換の炭素数1〜10のアルキル基、又は置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、R2はそれぞれ独立に置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜10のアラルキル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜10のアルケニル基、又は置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基であり、R3は置換もしくは無置換の炭素数1〜10のアルキル基、又は置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、nは1〜3の整数であり、mは1〜12の整数である。)
【0011】
この場合、下式(2)として示すものが好ましい。
【化11】
(式中、R1,n,R2は上記と同様であり、R4は置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜10のアラルキル基、又は置換もしくは無置換の炭素数2〜10のアルケニル基であり、Meはメチル基である。)
【0012】
更には、下式(3)〜(8)として示すものがより好ましく、有機ケイ素化合物としてこれらの1種又は2種以上を使用することができる。
【化12】
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
【化17】
(式中、R1,nは上記と同様である。Meはメチル基、Etはエチル基である。)
【0013】
1のアルキル基、アリール基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基などが挙げられ、これらの中でもメチル基、エチル基が好ましい。
【0014】
2のアルキル基としては、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基などが挙げられ、アリール基、アラルキル基としては、フェニル基、ベンジル基、キシリル基、トリル基などが挙げられ、アルケニル基としては、ビニル基、プロペニル基、ペンテニル基などが挙げられ、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、オクトキシ基、ドデコキシ基などが挙げられ、中でもメチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基が好ましく、少なくとも一つはメトキシ基もしくはエトキシ基であることが更に好ましい。
【0015】
3のアルキル基、アリール基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基などが挙げられ、これらの中でもメチル基が好ましい。
【0016】
4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基などが挙げられ、アリール基、アラルキル基としては、フェニル基、ベンジル基、キシリル基、トリル基などが挙げられ、アルケニル基としては、ビニル基、プロペニル基、ペンテニル基などが挙げられ、中でもメチル基、エチル基が好ましい。
【0017】
また、置換アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルコキシ基における置換基としては、ハロゲン原子などが挙げられる。
【0018】
本発明のプライマー組成物には、必要に応じて各種添加剤が添加することができる。このような添加物の例としては、たとえば、希釈溶媒、硬化触媒、生成する硬化被膜の引張特性を調整する物性調整剤、貯蔵安定性改良剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、オゾン劣化防止剤、滑剤、顔料などが挙げられる。
【0019】
この場合、希釈溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、デカンなどの脂肪族炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどのエーテル系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶媒が挙げられる。これらの希釈溶媒を用いた場合、上記有機ケイ素化合物の濃度が1〜50質量%、特に1〜40質量%になるように使用することが好ましい。
【0020】
また、硬化触媒としては、特に限定されず、例えば、スタナスオクトエート、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジラウレート、ジブチルチンオキサイド、ジブチルチンジメトキシド、ジブチルチンジマレエート、ジブチルチンビスアセチルアセトナート、ジブチルチンシリレート、オクチル酸ビスマスなどの金属触媒;オクタン酸錫、オクチル酸錫、ブタン酸錫、ナフテン酸錫、カプリル酸錫、オレイン酸錫、ラウリン酸錫等の2価の有機錫化合物;ジブチル錫ジオクトエート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジマレエート、ジブチル錫ジステアレート、ジブチル錫ジオレエート、ジブチル錫ベンゾエート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジバーサテート、ジフェニル錫ジアセテート、ジブチル錫ジメトキシド、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ビス(トリエトキシシリケート)、ジブチル錫オキサイドとフタル酸エステルとの反応物等の4価の有機錫化合物;ジブチル錫ジアセチルアセトナート、ジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)などのような錫系キレート化合物;ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、ドデシルアミン、オレイルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン等の第一級アミン;ジブチルアミン等の第二級アミン;ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、グアニジン、ジフェニルグアニジン、キシリレンジアミン等のポリアミン;トリエチレンジアミン及びその誘導体、2−メチルトリエチレンジアミン、モルホリン、N−メチルモルホリン、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン等の環状アミン;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミノアルコール化合物;2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等のアミノフェノール化合物等のアミン化合物及びそのカルボン酸塩;ベンジルトリエチルアンモニウムアセタート等の第四級アンモニウム塩;過剰のポリアミンと多塩基酸とから得られる低分子量アミド樹脂;過剰のポリアミンとエポキシ化合物との反応生成物等が挙げられる。これらの中でも、微量で大きな触媒能を有するという観点から、錫系触媒、アミン系触媒が好ましい。これらの触媒は、1種単独でも2種以上を併用しても使用することができる。その配合量は上記有機ケイ素化合物100質量部に対し0.001〜5質量部、特に0.01〜3質量部であることが好ましい。
【0021】
本発明の接着結合方法又はシーリング方法は、(1)基材に本発明のプライマー組成物を塗布する工程、(2)前記プライマーが塗布された基材に接着剤もしくはシーリング剤を塗布する工程からなることを特徴とする。
【0022】
前記接着剤としては、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤、又はシリコーン系接着剤が挙げられる。
【0023】
前記シーリング剤としては、アクリル系シーリング剤、エポキシ系シーリング剤、ウレタン系シーリング剤、又はシリコーン系シーリング剤が挙げられる。
【0024】
前記基材としては、例えば、鉄、ステンレススチール,アルミニウム、ニッケル、亜鉛、銅などの各種金属;アクリル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂,アルカリ処理されたフッ素樹脂などの合成樹脂材料;ガラス,セラミック,セメント,モルタル等の無機材料;及び、変性シリコーン系,シリコーン系,ポリウレタン系,アクリルウレタン系,ポリサルファイド系,変性ポリサルファイド系,ブチルゴム系、アクリル系,SBR系,含フッ素系,イソブチレン系などのシーリング材が挙げられる。
【0025】
本発明のプライマー組成物の塗布方法は特に限定されず、通常採用されているコーティング法、例えば、ハケ塗り法、スプレーコーティング法、ワイヤーバー法、ブレード法、ロールコーティング法、ディッピング法などを用いて基材にコーティングできる。本発明のプライマー組成物は通常常温にて被膜を形成しうるが、被膜形成速度を調整するために各温度条件下で被膜形成を行ってもよい。
【実施例】
【0026】
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0027】
[実施例1〜3、比較例1]
プライマー組成物の調製
(プライマー組成物の調製)
下記成分を表1に示す量(単位:g)で配合したプライマー組成物を調製した。
【0028】
【表1】
【0029】
有機ケイ素化合物(9)・・・下式(9)で表される有機ケイ素化合物
【化18】
有機ケイ素化合物(10)・・・下式(10)で表される有機ケイ素化合物
【化19】
有機ケイ素化合物(11)・・・下式(11)で表される有機ケイ素化合物
【化20】
有機ケイ素化合物(12)・・・3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン
硬化触媒(A)・・・Ti(OiPr)4
【0030】
(プライマー組成物の接着性試験)
各実施例及び比較例において、次のようにして接着性試験を行った。被着体として、フッ素樹脂系塗料(大日本塗料(株)製、商品名:ディックフロー)をスプレーにより塗布した塗装金属板(不二サッシ社製、アルミ板)と、アクリル樹脂電着塗装金属板(金属板:不二サッシ社製アルミ板、塗料:アルミ板耐候性向上用塗料〔関西ペイント社製、エレクロンAG300〕)を2種の被着体として用いた。被着体の表面をトルエンで洗浄した後、この表面にプライマー組成物をはけ塗りにより塗布し、乾燥させてプライマー塗膜を形成した。次に、このプライマー塗膜面にN,N−ジエチルヒドロキシアミンを放出する縮合型室温硬化性シリコーンエラストマー組成物(信越化学工業株式会社製、シーラントニュー70)を塗布して硬化させた。なお、その厚さは、5mmであった。14日後に硬化したシリコーンエラストマーと被着体との接着性をJIS−A−5758の方法に準拠して調べた。その結果を表2に示す。なお、表中の凝集破壊率は以下のようにして求めた。
【0031】
凝集破壊率〔CF:(%)〕
室温硬化性シリコーンエラストマーを挟持した2枚のアルミ板を相対する方向へ引き離し、ゴム質部分で破断が起こった面積(凝集破壊面積)と、ゴム質部分とアルミ板との界面で破断が起こった面積(界面破壊面積)とを測定し、下記式で示される凝集破壊率(%)を算出した。
凝集破壊率(%)=100・凝集破壊面積/(界面破壊面積+凝集破壊面積)
そして、表中、凝集破壊率100%をゴム質破壊100%と、凝集破壊率0%を界面破壊100%と記載した。
【0032】
【表2】
【0033】
上記の実施例及び比較例の結果は、本発明のプライマー組成物が塗装金属板とシリコーンエラストマーとの高い密着効果を実証するものである。
【0034】
[実施例4〜6、比較例2]
プライマー組成物の調製
(プライマー組成物の調製)
下記成分を表3に示す量(単位:g)で配合したプライマー組成物を調製した。
【0035】
【表3】
硬化触媒(B)・・・ジブチル錫ジラウレート
【0036】
(プライマー組成物の接着性試験)
各実施例及び比較例において、次のようにして接着性試験を行った。被着体であるフロートガラス(50mm×50mm×3mm厚)、陽極酸化アルミニウム板(50mm×50mm×3mm厚)、アクリル樹脂板(50mm×50mm×3mm厚)及びポリエステル板(50mm×50mm×3mm厚)上にプライマー組成物をはけ塗りにより塗布し、乾燥させてプライマー塗膜を形成した。その後ウレタン接着剤(UM700、セメダイン(株)製)を塗布した後、120℃で10分間の条件で加熱乾燥させ、更に23℃、55℃RH条件下で3日間放置して養成した後、接着剤層をナイフでカットし、該カット部を手で引き剥がす手剥離試験を行い、接着剤層の破壊の状態を目視で観察した。なおウレタン接着剤の厚さは3mmであった。その結果を表4に示す。
【0037】
【表4】
【0038】
上記の実施例及び比較例の結果は、本発明のプライマー組成物がガラス基材や陽極酸化アルミニウム基材、アクリル樹脂基材、ポリエステル樹脂基材とウレタン接着剤との高い密着効果を実証するものである。