【実施例】
【0059】
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0060】
[実施例1]
分散平均粒子径が5nmの8.5mol%イットリア安定化ジルコニア(8.5YSZ)分散液(8.5YSZ固形分濃度:6.81質量%、pH:3.5)200gに純水85.7gを加え、イットリア安定化ジルコニアの濃度が0.4mol/Lとなるように希釈した。
次いで、硝酸ニッケル6水和物(Ni(NO
3)
2・6H
2O)54.4gを、純水467.64gに溶解して水溶液を調製し、この水溶液に硝酸を添加し、この水溶液のpHを1.7に調整した。
次いで、硝酸ニッケルの水溶液に、上記のイットリア安定化ジルコニア分散液を加えて撹拌し、この分散液に硝酸を添加し、この分散液のpHを1.7に調整し、ニッケルイオン含有8.5mol%イットリア安定化ジルコニア(Ni−8.5YSZ)分散液を作製した。
【0061】
次いで、このNi−8.5YSZ分散液に、Ni量に対して所定量の炭酸量となる0.4mol/L炭酸テトラメチルアンモニウム水溶液を添加し、この水溶液のpHを9.0に調整し、8.5YSZ粒子の凝集体と、炭酸ニッケル化合物とを含む水溶液を得た。
【0062】
次いで、濾過洗浄装置を用いて、上記の水溶液から固形分を分離し、この固形分を純水により3回洗浄することで不純物イオンを除去し、次いで、エタノールにて溶媒置換を行い、その後、室温にて48時間自然乾燥した。次いで、得られた乾燥物を、ボールミルを用いて粉砕し、粉砕メディアを分離した後、電気炉を用いて1000℃にて6時間仮焼し、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)の表面に酸化ニッケルが複合した複合セラミックス材料を得た。
この複合セラミックス材料中のNi、Y、Zrの質量および固形分を分離した濾液のNi質量を蛍光X線分析により測定し、この測定結果に基づいて、酸化ニッケル(NiO)とイットリア安定化ジルコニア(YSZ)のモル比(ジルコニア粒子のモル量(M
Z)に対する、酸化ニッケルから形成される金属ニッケルのモル量(M
Ni)の比(M
Ni/M
Z))およびニッケル損失量を計算した。その結果、モル比(M
Ni/M
Z)は63.5/36.5、ニッケル損失量は1.1mol%であった。
複合セラミックス材料のBET比表面積、結晶子径、ニッケル粒子の含有率およびニッケル損失量を表1に示す。
【0063】
次いで、上記の複合セラミックス粉末17gを、10質量%ポリビニルブチラール溶液17g、2−プロパノール21.98g、フタル酸ジブチル1.7gおよび分散剤0.17gとともにボールミルにて混合し、スラリーを作製した。
次いで、このスラリーを、円筒状の酸化ニッケル−イットリア安定化ジルコニア基材の表面にディップコート法により塗布して、スラリーかなる膜を成膜し、1350℃にて3時間焼成し、燃料極を作製した。
【0064】
次いで、CeGdO
2(GDC)粉体17gを、10質量%ポリビニルブチラール溶液17g、2−プロパノール21.98g、フタル酸ジブチル1.7gおよび分散剤0.17gとともにボールミルにて混合し、スラリーを作製した。
次いで、このスラリーを、燃料極を作製したセルの表面上にディップコート法により塗布して、スラリーからなる膜を成膜し、1200℃にて3時間焼成し、中間層を形成した。
次いで、La
0.6Sr
0.4Co
0.2Fe
0.8O
3(LSCF)粉体21gとGDC9gとを、10質量%ポリビニルブチラール溶液30g、2−プロパノール34.0g、フタル酸ジブチル3.0gおよび分散剤0.3gとともにボールミルにて混合し、スラリーを作製した。
次いで、このスラリーを、中間層を作製したセルの表面にディップコート法により塗布して、スラリーからなる膜を成膜し、1000℃にて3時間焼成し、空気極を形成した。
【0065】
次いで、この燃料極の電極反応抵抗を、
図1に示す電気化学特性評価装置を用いて測定した。ここでは、空気極に乾燥空気を200mL/分の流量にて供給し、また、燃料極に20%H
2−80%N
2の組成の加湿混合ガス(加湿条件:露点20から25℃)を、50mL/分の流量にて供給し、空気極を対極とし、交流インピーダンスを測定することにより、電極反応抵抗を評価した。測定前、燃料極D−1は、露点20から25℃で加湿された20%H
2−80%N
2の組成の加湿混合ガスで加熱されることにより、含有される酸化ニッケルが還元されて金属ニッケルとなるが、この還元状態の燃料極をD−1Rとする。測定温度は600℃とし、測定周波数は10kHz〜0.1Hzとした。測定結果を表2および表3に示す。
次いで、空気極に乾燥空気を200mL/分の流量にて供給し、また、燃料極に20%H
2−80%N
2の組成の加湿混合ガス(加湿条件:露点20から25℃)を、20mL/分の流量にて供給し(水素ガスを4mL/分の流量にて供給するとともに、窒素ガスを16mL/分の流量にて供給し)、電流−電圧曲線を測定することにより、固体酸化物形燃料電池の発電効率を評価した。
【0066】
図2は、実施例1の燃料極D−1Rを示す透過型電子顕微鏡(TEM)像であり、
図3は、エネルギー分散型X線分光装置(EDX)により得られた実施例1の燃料極D−1Rの元素分布を示す図(位置は
図2と同一)である。
図2および
図3によれば、100nm〜500nm程度のイットリア安定化ジルコニア(YSZ)粒子が結合して三次元の網目状構造となっており、この網目状構造の表面に金属ニッケルが結合することにより、ニッケルとジルコニウムが絡み合った構造となっていることが分かる。
EDXの元素分布より求めたニッケル粒子の被覆率を表1に示す。
なお、TEM像における「樹脂」は、TEM測定用試料作製時に試料が分解しないようにするために、試料を埋め込んだ樹脂であって、本実施例とは直接は関係ない。
【0067】
[実施例2]
分散平均粒子径が5nmの8.5mol%イットリア安定化ジルコニア(8.5YSZ)分散液(8.5YSZ固形分濃度:6.81質量%、pH:3.5)200gに純水85.7gを加え、イットリア安定化ジルコニアの濃度が0.4mol/Lとなるように希釈した。
次いで、硝酸ニッケル6水和物(Ni(NO
3)
2・6H
2O)101.02gを、純水868.48gに溶解して水溶液を調製し、この水溶液に硝酸を添加し、この水溶液のpHを1.7に調整した。
次いで、硝酸ニッケルの水溶液に、上記のイットリア安定化ジルコニア分散液を加えて撹拌し、この分散液に硝酸を添加し、この分散液のpHを1.7に調整し、ニッケルイオン含有8.5mol%イットリア安定化ジルコニア(Ni−8.5YSZ)分散液を作製した。
【0068】
次いで、このNi−8.5YSZ分散液に、Ni量に対して所定量の炭酸量となる0.4mol/L炭酸テトラメチルアンモニウム水溶液を添加し、この水溶液のpHを9.0に調整し、8.5YSZ粒子の凝集体と、炭酸ニッケル化合物とを含む水溶液を得た。
【0069】
次いで、濾過洗浄装置を用いて、上記の水溶液から固形分を分離し、この固形分を純水により3回洗浄することで不純物イオンを除去し、次いで、エタノールにて溶媒置換を行い、その後、室温にて48時間自然乾燥した。次いで、得られた乾燥物を、ボールミルを用いて粉砕し、粉砕メディアを分離した後、電気炉を用いて1000℃にて6時間仮焼し、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)の表面に酸化ニッケルが複合した複合セラミックス材料を得た。
この複合セラミックス材料中のNi、Y、Zrの質量および固形分を分離した濾液のNi質量を蛍光X線分析により測定し、この測定結果に基づいて、酸化ニッケル(NiO)とイットリア安定化ジルコニア(YSZ)のモル比(ジルコニア粒子のモル量(M
Z)に対する、酸化ニッケルから形成される金属ニッケルのモル量(M
Ni)の比(M
Ni/M
Z))およびニッケル損失量を計算した。その結果、モル比(M
Ni/M
Z)は76.3/23.7、ニッケル損失量は1.8mol%であった。
複合セラミックス材料のBET比表面積、結晶子径、ニッケル粒子の含有率、ニッケル損失量およびニッケル粒子の被覆率を表1に示す。
【0070】
次いで、上記の複合セラミックス粉末17gを、10質量%ポリビニルブチラール溶液17g、2−プロパノール21.98g、フタル酸ジブチル1.7gおよび分散剤0.17gとともにボールミルにて混合し、スラリーを作製した。
次いで、このスラリーを、円筒状の酸化ニッケル−イットリア安定化ジルコニア基材の表面にディップコート法により塗布して、スラリーかなる膜を成膜し、1350℃にて3時間焼成し、燃料極を作製した。
以下、実施例1と同様にして、この燃料極の電極反応抵抗および固体酸化物形燃料電池の発電効率を測定した。測定結果を表2および表3に示す。
【0071】
[実施例3]
分散平均粒子径が4nmの10mol%スカンジア1mol%セリア安定化ジルコニア(10Sc1CeSZ)分散液(10Sc1CeSZ固形分濃度:7.68質量%、pH:3.7)200gに純水122.4gを加え、10mol%スカンジア1mol%セリア安定化ジルコニアの濃度が0.4mol/Lとなるように希釈した。
次いで、硝酸ニッケル6水和物(Ni(NO
3)
2・6H
2O)113.99gを、純水979.98gに溶解して水溶液を調製し、この水溶液に硝酸を添加し、この水溶液のpHを1.7に調整した。
次いで、硝酸ニッケルの水溶液に、上記の10mol%スカンジア1mol%セリア安定化ジルコニア分散液を加えて撹拌し、この分散液に硝酸を添加し、この分散液のpHを1.7に調整し、ニッケルイオン含有10mol%スカンジア1mol%セリア安定化ジルコニア(Ni−10Sc1CeSZ)分散液を作製した。
【0072】
次いで、このNi−10Sc1CeSZ分散液に、Ni量に対して所定量の炭酸量となる0.4mol/L炭酸テトラメチルアンモニウム水溶液を添加し、この水溶液のpHを9.0に調整し、10Sc1CeSZ粒子の凝集体と、炭酸ニッケル化合物とを含む水溶液を得た。
【0073】
次いで、濾過洗浄装置を用いて、上記の水溶液から固形分を分離し、この固形分を純水により3回洗浄することで不純物イオンを除去し、次いで、エタノールにて溶媒置換を行い、その後、室温にて48時間自然乾燥した。次いで、得られた乾燥物を、ボールミルを用いて粉砕し、粉砕メディアを分離した後、電気炉を用いて900℃にて6時間仮焼し、10mol%スカンジア1mol%セリア安定化ジルコニア(Ni−10Sc1CeSZ)の表面に酸化ニッケルが複合した複合セラミックス材料を得た。
この複合セラミックス材料中のNi、Sc、Ce、Zrの質量および固形分を分離した濾液のNi質量を蛍光X線分析により測定し、この測定結果に基づいて、酸化ニッケル(NiO)と10mol%スカンジア1mol%セリア安定化ジルコニア(Ni−10Sc1CeSZ)のモル比(ジルコニア粒子のモル量(M
Z)に対する、酸化ニッケルから形成される金属ニッケルのモル量(M
Ni)の比(M
Ni/M
Z))およびニッケル損失量を計算した。その結果、モル比(M
Ni/M
Z)は76.2/23.8、ニッケル損失量は1.6mol%であった。
複合セラミックス材料のBET比表面積、結晶子径、ニッケル粒子の含有率、ニッケル損失量およびニッケル粒子の被覆率を表1に示す。
【0074】
次いで、上記の複合セラミックス粉末17gを、10質量%ポリビニルブチラール溶液17g、2−プロパノール21.98g、フタル酸ジブチル1.7gおよび分散剤0.17gとともにボールミルにて混合し、スラリーを作製した。
次いで、このスラリーを、円筒状の酸化ニッケル−イットリア安定化ジルコニア基材の表面にディップコート法により塗布して、スラリーかなる膜を成膜し、1275℃にて3時間焼成し、燃料極を作製した。
以下、実施例1と同様にして、この燃料極の電極反応抵抗および固体酸化物形燃料電池の発電効率を測定した。測定結果を表2および表3に示す。
【0075】
[実施例4]
分散平均粒子径が4nmの10mol%スカンジア1mol%セリア安定化ジルコニア(10Sc1CeSZ)分散液(10Sc1CeSZ固形分濃度:7.68質量%、pH:3.7)200gに純水122.4gを加え、10mol%スカンジア1mol%セリア安定化ジルコニアの濃度が0.4mol/Lとなるように希釈した。
次いで、硝酸ニッケル6水和物(Ni(NO
3)
2・6H
2O)61.38gを、純水527.68gに溶解して水溶液を調製し、この水溶液に硝酸を添加し、この水溶液のpHを1.7に調整した。
次いで、硝酸ニッケルの水溶液に、上記の10mol%スカンジア1mol%セリア安定化ジルコニア分散液を加えて撹拌し、この分散液に硝酸を添加し、この分散液のpHを1.7に調整し、ニッケルイオン含有10mol%スカンジア1mol%セリア安定化ジルコニア(Ni−10Sc1CeSZ)分散液を作製した。
【0076】
次いで、このNi−10Sc1CeSZ分散液に、Ni量に対して所定量の炭酸量となる0.4mol/L炭酸テトラメチルアンモニウム水溶液を添加し、この水溶液のpHを9.0に調整し、10Sc1CeSZ粒子の凝集体と、炭酸ニッケル化合物とを含む水溶液を得た。
【0077】
次いで、濾過洗浄装置を用いて、上記の水溶液から固形分を分離し、この固形分を純水により3回洗浄することで不純物イオンを除去し、次いで、エタノールにて溶媒置換を行い、その後、室温にて48時間自然乾燥した。次いで、得られた乾燥物を、ボールミルを用いて粉砕し、粉砕メディアを分離した後、電気炉を用いて900℃にて6時間仮焼し、10mol%スカンジア1mol%セリア安定化ジルコニア(Ni−10Sc1CeSZ)の表面に酸化ニッケルが複合した複合セラミックス材料を得た。
この複合セラミックス材料中のNi、Sc、Ce、Zrの質量および固形分を分離した濾液のNi質量を蛍光X線分析により測定し、この測定結果に基づいて、酸化ニッケル(NiO)と10mol%スカンジア1mol%セリア安定化ジルコニア(Ni−10Sc1CeSZ)のモル比(ジルコニア粒子のモル量(M
Z)に対する、酸化ニッケルから形成される金属ニッケルのモル量(M
Ni)の比(M
Ni/M
Z))およびニッケル損失量を計算した。その結果、モル比(M
Ni/M
Z)は63.5/36.5、ニッケル損失量は1.2mol%であった。
複合セラミックス材料のBET比表面積、結晶子径、ニッケル粒子の含有率、ニッケル損失量およびニッケル粒子の被覆率を表1に示す。
【0078】
次いで、上記の複合セラミックス粉末17gを、10質量%ポリビニルブチラール溶液17g、2−プロパノール21.98g、フタル酸ジブチル1.7gおよび分散剤0.17gとともにボールミルにて混合し、スラリーを作製した。
次いで、このスラリーを、円筒状の酸化ニッケル−イットリア安定化ジルコニア基材の表面にディップコート法により塗布して、スラリーかなる膜を成膜し、1275℃にて3時間焼成し、燃料極を作製した。
以下、実施例1と同様にして、この燃料極の電極反応抵抗および固体酸化物形燃料電池の発電効率を測定した。測定結果を表2および表3に示す。
【0079】
[実施例5]
分散平均粒子径が6.5nmの8.5mol%イットリア安定化ジルコニア(8.5YSZ)分散液(8.5YSZ固形分濃度:7.98質量%、pH:3.5)300gに純水202.5gを加え、イットリア安定化ジルコニアの濃度が0.4mol/Lとなるように希釈した。
次いで、硝酸ニッケル6水和物(Ni(NO
3)
2・6H
2O)95.68gを、純水822.53gに溶解して水溶液を調製し、この水溶液に硝酸を添加し、この水溶液のpHを2.0に調整した。
次いで、硝酸ニッケルの水溶液に、上記のイットリア安定化ジルコニア分散液を加えて撹拌し、この分散液に硝酸を添加し、この分散液のpHを1.7に調整し、ニッケルイオン含有8.5mol%イットリア安定化ジルコニア(Ni−8.5YSZ)分散液を作製した。
【0080】
次いで、このNi−8.5YSZ分散液に、Ni量に対して所定量の炭酸量となる0.4mol/L炭酸テトラメチルアンモニウム水溶液を添加し、この水溶液のpHを8.7に調整し、8.5YSZ粒子の凝集体と、炭酸ニッケル化合物とを含む水溶液を得た。
【0081】
次いで、濾過洗浄装置を用いて、上記の水溶液から固形分を分離し、この固形分を純水により2回洗浄することで不純物イオンを除去し、次いで、エタノールにて溶媒置換を行い、その後、室温にて48時間自然乾燥した。次いで、得られた乾燥物を、ボールミルを用いて粉砕し、粉砕メディアを分離した後、電気炉を用いて950℃にて6時間仮焼し、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)の表面に酸化ニッケルが複合した複合セラミックス材料を得た。
この複合セラミックス材料中のNi、Y、Zrの質量および固形分を分離した濾液のNi質量を蛍光X線分析により測定し、この測定結果に基づいて、酸化ニッケル(NiO)とイットリア安定化ジルコニア(YSZ)のモル比(ジルコニア粒子のモル量(M
Z)に対する、酸化ニッケルから形成される金属ニッケルのモル量(M
Ni)の比(M
Ni/M
Z))およびニッケル損失量を計算した。その結果、モル比(M
Ni/M
Z)は68.2/31.8、ニッケル損失量を計算した。その結果、体積比(V
Ni/V
Z)は35/65、Niの損失量は1.3mol%であった。
複合セラミックス材料のBET比表面積、結晶子径、ニッケル粒子の含有率、ニッケル損失量およびニッケル粒子の被覆率を表1に示す。
【0082】
次いで、上記の複合セラミックス粉末17gを、10質量%ポリビニルブチラール溶液17g、エタノール21.98g、フタル酸ジオクチル1.7gおよび分散剤0.17gとともにボールミルにて混合し、スラリーを作製した。
次いで、このスラリーを、円筒状の酸化ニッケル−イットリア安定化ジルコニア基材の表面にディップコート法により塗布して、スラリーかなる膜を成膜し、1300℃にて3時間焼成し、燃料極を作製した。
以下、実施例1と同様にして、この燃料極の電極反応抵抗および固体酸化物形燃料電池の発電効率を測定した。測定結果を表2および表3に示す。
【0083】
[実施例6]
分散平均粒子径が6.5nmの8.5mol%イットリア安定化ジルコニア(8.5YSZ)分散液(8.5YSZ固形分濃度:7.98質量%、pH:3.5)300gに純水202.5gを加え、イットリア安定化ジルコニアの濃度が0.4mol/Lとなるように希釈した。
次いで、硝酸ニッケル6水和物(Ni(NO
3)
2・6H
2O)118.46gを、純水1018.4gに溶解して水溶液を調製し、この水溶液に硝酸を添加し、この水溶液のpHを2.0に調整した。
次いで、硝酸ニッケルの水溶液に、上記のイットリア安定化ジルコニア分散液を加えて撹拌し、この分散液に硝酸を添加し、この分散液のpHを1.7に調整し、ニッケルイオン含有8.5mol%イットリア安定化ジルコニア(Ni−8.5YSZ)分散液を作製した。
【0084】
次いで、このNi−8.5YSZ分散液に、Ni量に対して所定量の炭酸量となる0.4mol/L炭酸テトラメチルアンモニウム水溶液を添加し、この水溶液のpHを8.8に調整し、8.5YSZ粒子の凝集体と、炭酸ニッケル化合物とを含む水溶液を得た。
【0085】
次いで、濾過洗浄装置を用いて、上記の水溶液から固形分を分離し、この固形分を純水により2回洗浄することで不純物イオンを除去し、次いで、エタノールにて溶媒置換を行い、その後、室温にて48時間自然乾燥した。次いで、得られた乾燥物を、ボールミルを用いて粉砕し、粉砕メディアを分離した後、電気炉を用いて950℃にて6時間仮焼し、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)の表面に酸化ニッケルが複合した複合セラミックス材料を得た。
この複合セラミックス材料中のNi、Y、Zrの質量および固形分を分離した濾液のNi質量を蛍光X線分析により測定し、この測定結果に基づいて、酸化ニッケル(NiO)とイットリア安定化ジルコニア(YSZ)のモル比(ジルコニア粒子のモル量(M
Z)に対する、酸化ニッケルから形成される金属ニッケルのモル量(M
Ni)の比(M
Ni/M
Z))およびニッケル損失量を計算した。その結果、モル比(M
Ni/M
Z)は68.2/31.8、ニッケル損失量は1.5mol%であった。
複合セラミックス材料のBET比表面積、結晶子径、ニッケル粒子の含有率、ニッケル損失量およびニッケル粒子の被覆率を表1に示す。
【0086】
次いで、上記の複合セラミックス粉末17gを、10質量%ポリビニルブチラール溶液17g、エタノール21.98g、フタル酸ジオクチル1.7gおよび分散剤0.17gとともにボールミルにて混合し、スラリーを作製した。
次いで、このスラリーを、円筒状の酸化ニッケル−イットリア安定化ジルコニア基材の表面にディップコート法により塗布して、スラリーかなる膜を成膜し、1300℃にて3時間焼成し、燃料極を作製した。
以下、実施例1と同様にして、この燃料極の電極反応抵抗および固体酸化物形燃料電池の発電効率を測定した。測定結果を表2および表3に示す。
【0087】
[実施例7]
分散平均粒子径が5.5nmの10mol%スカンジア1mol%セリア安定化ジルコニア(10Sc1CeSZ)分散液(10Sc1CeSZ固形分濃度:6.88質量%、pH:3.4)350gに純水155.4gを加え、10mol%スカンジア1mol%セリア安定化ジルコニアの濃度が0.4mol/Lとなるように希釈した。
次いで、硝酸ニッケル6水和物(Ni(NO
3)
2・6H
2O)178.71gを、純水1536.4gに溶解して水溶液を調製し、この水溶液に硝酸を添加し、この水溶液のpHを2.0に調整した。
次いで、硝酸ニッケルの水溶液に、上記の10mol%スカンジア1mol%セリア安定化ジルコニア分散液を加えて撹拌し、この分散液に硝酸を添加し、この分散液のpHを1.7に調整し、ニッケルイオン含有10mol%スカンジア1mol%セリア安定化ジルコニア(Ni−10Sc1CeSZ)分散液を作製した。
【0088】
次いで、このNi−10Sc1CeSZ分散液に、Ni量に対して所定量の炭酸量となる0.4mol/L炭酸テトラメチルアンモニウム水溶液を添加し、この水溶液のpHを9.0に調整し、10Sc1CeSZ粒子の凝集体と、炭酸ニッケル化合物とを含む水溶液を得た。
【0089】
次いで、濾過洗浄装置を用いて、上記の水溶液から固形分を分離し、この固形分を純水により3回洗浄することで不純物イオンを除去し、次いで、エタノールにて溶媒置換を行い、その後、室温にて48時間自然乾燥した。次いで、得られた乾燥物を、ボールミルを用いて粉砕し、粉砕メディアを分離した後、電気炉を用いて850℃にて6時間仮焼し、10mol%スカンジア1mol%セリア安定化ジルコニア(Ni−10Sc1CeSZ)の表面に酸化ニッケルが複合した複合セラミックス材料を得た。
この複合セラミックス材料中のNi、Sc、Ce、Zrの質量および固形分を分離した濾液のNi質量を蛍光X線分析により測定し、この測定結果に基づいて、酸化ニッケル(NiO)と10mol%スカンジア1mol%セリア安定化ジルコニア(Ni−10Sc1CeSZ)のモル比(ジルコニア粒子のモル量(M
Z)に対する、酸化ニッケルから形成される金属ニッケルのモル量(M
Ni)の比(M
Ni/M
Z))およびニッケル損失量を計算した。その結果、モル比(M
Ni/M
Z)は76.3/23.7、ニッケル損失量は1.9mol%であった。
複合セラミックス材料のBET比表面積、結晶子径、ニッケル粒子の含有率、ニッケル損失量およびニッケル粒子の被覆率を表1に示す。
【0090】
次いで、上記の複合セラミックス粉末17gを、10質量%ポリビニルブチラール溶液17g、2−プロパノール21.98g、フタル酸ジイソノニル1.7gおよび分散剤0.17gとともにボールミルにて混合し、スラリーを作製した。
次いで、このスラリーを、円筒状の酸化ニッケル−イットリア安定化ジルコニア基材の表面にディップコート法により塗布して、スラリーかなる膜を成膜し、1275℃にて3時間焼成し、燃料極を作製した。
以下、実施例1と同様にして、この燃料極の電極反応抵抗および固体酸化物形燃料電池の発電効率を測定した。測定結果を表2および表3に示す。
【0091】
[実施例8]
分散平均粒子径が5.5nmの10mol%スカンジア1mol%セリア安定化ジルコニア(10Sc1CeSZ)分散液(10Sc1CeSZ固形分濃度:6.88質量%、pH:3.4)350gに純水155.4gを加え、10mol%スカンジア1mol%セリア安定化ジルコニアの濃度が0.4mol/Lとなるように希釈した。
次いで、硝酸ニッケル6水和物(Ni(NO
3)
2・6H
2O)76.59gを、純水658.44gに溶解して水溶液を調製し、この水溶液に硝酸を添加し、この水溶液のpHを2.0に調整した。
次いで、硝酸ニッケルの水溶液に、上記の10mol%スカンジア1mol%セリア安定化ジルコニア分散液を加えて撹拌し、この分散液に硝酸を添加し、この分散液のpHを1.7に調整し、ニッケルイオン含有10mol%スカンジア1mol%セリア安定化ジルコニア(Ni−10Sc1CeSZ)分散液を作製した。
【0092】
次いで、このNi−10Sc1CeSZ分散液に、Ni量に対して所定量の炭酸量となる0.4mol/L炭酸テトラメチルアンモニウム水溶液を添加し、この水溶液のpHを8.8に調整し、10Sc1CeSZ粒子の凝集体と、炭酸ニッケル化合物とを含む水溶液を得た。
【0093】
次いで、濾過洗浄装置を用いて、上記の水溶液から固形分を分離し、この固形分を純水により3回洗浄することで不純物イオンを除去し、次いで、エタノールにて溶媒置換を行い、その後、室温にて48時間自然乾燥した。次いで、得られた乾燥物を、ボールミルを用いて粉砕し、粉砕メディアを分離した後、電気炉を用いて800℃にて6時間仮焼し、10mol%スカンジア1mol%セリア安定化ジルコニア(Ni−10Sc1CeSZ)の表面に酸化ニッケルが複合した複合セラミックス材料を得た。
この複合セラミックス材料中のNi、Sc、Ce、Zrの質量および固形分を分離した濾液のNi質量を蛍光X線分析により測定し、この測定結果に基づいて、酸化ニッケル(NiO)と10mol%スカンジア1mol%セリア安定化ジルコニア(Ni−10Sc1CeSZ)のモル比(ジルコニア粒子のモル量(M
Z)に対する、酸化ニッケルから形成される金属ニッケルのモル量(M
Ni)の比(M
Ni/M
Z))およびニッケル損失量を計算した。その結果、モル比(M
Ni/M
Z)は57.8/42.2、ニッケル損失量は1.2mol%であった。
複合セラミックス材料のBET比表面積、結晶子径、ニッケル粒子の含有率、ニッケル損失量およびニッケル粒子の被覆率を表1に示す。
【0094】
次いで、上記の複合セラミックス粉末17gを、10質量%ポリビニルブチラール溶液17g、2−プロパノール21.98g、フタル酸ジイソノニル1.7gおよび分散剤0.17gとともにボールミルにて混合し、スラリーを作製した。
次いで、このスラリーを、円筒状の酸化ニッケル−イットリア安定化ジルコニア基材の表面にディップコート法により塗布して、スラリーかなる膜を成膜し、1275℃にて3時間焼成し、燃料極を作製した。
以下、実施例1と同様にして、この燃料極の電極反応抵抗および固体酸化物形燃料電池の発電効率を測定した。測定結果を表2および表3に示す。
【0095】
[実施例9]
分散平均粒子径が5.5nmの10mol%スカンジア1mol%セリア安定化ジルコニア(10Sc1CeSZ)分散液(10Sc1CeSZ固形分濃度:7.68質量%、pH:3.8)200gに純水122.4gを加え、10mol%スカンジア1mol%セリア安定化ジルコニアの濃度が0.4mol/Lとなるように希釈し、この分散液に硝酸を添加し、この分散液のpHを2.4に調整した。
次いで、硝酸ニッケル6水和物(Ni(NO
3)
2・6H
2O)61.38gを、純水527.68gに溶解して水溶液を調製し、この水溶液に硝酸を添加し、この水溶液のpHを2.0に調整した。
次いで、硝酸ニッケルの水溶液に、上記の10mol%スカンジア1mol%セリア安定化ジルコニア分散液を加えて撹拌し、この分散液に硝酸を添加し、この分散液のpHを1.7に調整し、ニッケルイオン含有10mol%スカンジア1mol%セリア安定化ジルコニア(Ni−10Sc1CeSZ)分散液を作製した。
【0096】
次いで、このNi−10Sc1CeSZ分散液に、Ni量に対して所定量の炭酸量となる0.4mol/L炭酸テトラメチルアンモニウム水溶液を添加し、この水溶液のpHを8.9に調整し、10Sc1CeSZ粒子の凝集体と、炭酸ニッケル化合物とを含む水溶液を得た。
【0097】
次いで、濾過洗浄装置を用いて、上記の水溶液から固形分を分離し、この固形分を純水により3回洗浄することで不純物イオンを除去し、次いで、エタノールにて溶媒置換を行い、その後、室温にて48時間自然乾燥した。次いで、得られた乾燥物を、ボールミルを用いて粉砕し、粉砕メディアを分離した後、電気炉を用いて925℃にて6時間仮焼し、10mol%スカンジア1mol%セリア安定化ジルコニア(Ni−10Sc1CeSZ)の表面に酸化ニッケルが複合した複合セラミックス材料を得た。
この複合セラミックス材料中のNi、Sc、Ce、Zrの質量および固形分を分離した濾液のNi質量を蛍光X線分析により測定し、この測定結果に基づいて、酸化ニッケル(NiO)と10mol%スカンジア1mol%セリア安定化ジルコニア(Ni−10Sc1CeSZ)のモル比(ジルコニア粒子のモル量(M
Z)に対する、酸化ニッケルから形成される金属ニッケルのモル量(M
Ni)の比(M
Ni/M
Z))およびニッケル損失量を計算した。その結果、モル比(M
Ni/M
Z)は63.4/36.4、ニッケル損失量は1.4mol%であった。
複合セラミックス材料のBET比表面積、結晶子径、ニッケル粒子の含有率、ニッケル損失量およびニッケル粒子の被覆率を表1に示す。
【0098】
次いで、上記の複合セラミックス粉末17gを、10質量%ポリビニルブチラール溶液17g、2−プロパノール21.98g、フタル酸ジブチル1.7gおよび分散剤0.17gとともにボールミルにて混合し、スラリーを作製した。
次いで、このスラリーを、円筒状の酸化ニッケル−イットリア安定化ジルコニア基材の表面にディップコート法により塗布して、スラリーかなる膜を成膜し、1275℃にて3時間焼成し、燃料極を作製した。
以下、実施例1と同様にして、この燃料極の電極反応抵抗および固体酸化物形燃料電池の発電効率を測定した。測定結果を表2および表3に示す。
【0099】
[実施例10]
分散平均粒子径が6.5nmの10mol%スカンジア1mol%セリア安定化ジルコニア(10Sc1CeSZ)分散液(10Sc1CeSZ固形分濃度:7.22質量%、pH:3.6)300gに純水154.2gを加え、10mol%スカンジア1mol%セリア安定化ジルコニアの濃度が0.4mol/Lとなるように希釈し、この分散液に硝酸を添加し、この分散液のpHを2.0に調整した。
次いで、硝酸ニッケル6水和物(Ni(NO
3)
2・6H
2O)107.06gを、純水920.4gに溶解して水溶液を調製し、この水溶液に硝酸を添加し、この水溶液のpHを2.0に調整した。
次いで、硝酸ニッケルの水溶液に、上記の10mol%スカンジア1mol%セリア安定化ジルコニア分散液を加えて撹拌し、この分散液に硝酸を添加し、この分散液のpHを1.5に調整し、ニッケルイオン含有10mol%スカンジア1mol%セリア安定化ジルコニア(Ni−10Sc1CeSZ)分散液を作製した。
【0100】
次いで、このNi−10Sc1CeSZ分散液に、Ni量に対して所定量の炭酸量となる0.4mol/L炭酸テトラメチルアンモニウム水溶液を添加し、この水溶液のpHを8.5に調整し、10Sc1CeSZ粒子の凝集体と、炭酸ニッケル化合物とを含む水溶液を得た。
【0101】
次いで、濾過洗浄装置を用いて、上記の水溶液から固形分を分離し、この固形分を純水により3回洗浄することで不純物イオンを除去し、次いで、エタノールにて溶媒置換を行い、その後、室温にて48時間自然乾燥した。次いで、得られた乾燥物を、ボールミルを用いて粉砕し、粉砕メディアを分離した後、電気炉を用いて925℃にて6時間仮焼し、10mol%スカンジア1mol%セリア安定化ジルコニア(Ni−10Sc1CeSZ)の表面に酸化ニッケルが複合した複合セラミックス材料を得た。
この複合セラミックス材料中のNi、Sc、Ce、Zrの質量および固形分を分離した濾液のNi質量を蛍光X線分析により測定し、この測定結果に基づいて、酸化ニッケル(NiO)と10mol%スカンジア1mol%セリア安定化ジルコニア(Ni−10Sc1CeSZ)のモル比(ジルコニア粒子のモル量(M
Z)に対する、酸化ニッケルから形成される金属ニッケルのモル量(M
Ni)の比(M
Ni/M
Z))およびニッケル損失量を計算した。その結果、モル比(M
Ni/M
Z)は68.2/31.8、ニッケル損失量は1.5mol%であった。
複合セラミックス材料のBET比表面積、結晶子径、ニッケル粒子の含有率、ニッケル損失量およびニッケル粒子の被覆率を表1に示す。
【0102】
次いで、上記の複合セラミックス粉末17gを、10質量%ポリビニルブチラール溶液17g、2−プロパノール21.98g、フタル酸ジオクチル1.7gおよび分散剤0.17gとともにボールミルにて混合し、スラリーを作製した。
次いで、このスラリーを、円筒状の酸化ニッケル−イットリア安定化ジルコニア基材の表面にディップコート法により塗布して、スラリーかなる膜を成膜し、1250℃にて3時間焼成し、燃料極を作製した。
以下、実施例1と同様にして、この燃料極の電極反応抵抗および固体酸化物形燃料電池の発電効率を測定した。測定結果を表2および表3に示す。
【0103】
[実施例11]
分散平均粒子径が3nmの8.5mol%イットリア安定化ジルコニア(8.5YSZ)分散液(8.5YSZ固形分濃度:7.14質量%、pH:3.8)500gに純水248.6gを加え、イットリア安定化ジルコニアの濃度が0.4mol/Lとなるように希釈し、この分散液に硝酸を添加し、この分散液のpHを2.5に調整した。
次いで、硝酸ニッケル6水和物(Ni(NO
3)
2・6H
2O)142.54gを、純水1225.4gに溶解して水溶液を調製し、この水溶液に硝酸を添加し、この水溶液のpHを1.7に調整した。
次いで、硝酸ニッケルの水溶液に、上記のイットリア安定化ジルコニア分散液を加えて撹拌し、この分散液に硝酸を添加し、この分散液のpHを1.7に調整し、ニッケルイオン含有8.5mol%イットリア安定化ジルコニア(Ni−8.5YSZ)分散液を作製した。
【0104】
次いで、このNi−8.5YSZ分散液に、Ni量に対して所定量の炭酸量となる0.4mol/L炭酸テトラメチルアンモニウム水溶液を添加し、この水溶液のpHを8.8に調整し、8.5YSZ粒子の凝集体と、炭酸ニッケル化合物とを含む水溶液を得た。
【0105】
次いで、濾過洗浄装置を用いて、上記の水溶液から固形分を分離し、この固形分を純水により2回洗浄することで不純物イオンを除去し、次いで、エタノールにて溶媒置換を行い、その後、室温にて48時間自然乾燥した。次いで、得られた乾燥物を、ボールミルを用いて粉砕し、粉砕メディアを分離した後、電気炉を用いて975℃にて6時間仮焼し、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)の表面に酸化ニッケルが複合した複合セラミックス材料を得た。
この複合セラミックス材料中のNi、Y、Zrの質量および固形分を分離した濾液のNi質量を蛍光X線分析により測定し、この測定結果に基づいて、酸化ニッケル(NiO)とイットリア安定化ジルコニア(YSZ)のモル比(ジルコニア粒子のモル量(M
Z)に対する、酸化ニッケルから形成される金属ニッケルのモル量(M
Ni)の比(M
Ni/M
Z))およびニッケル損失量を計算した。その結果、モル比(M
Ni/M
Z)は63.5/36.5、ニッケル損失量は1.2mol%であった。
複合セラミックス材料のBET比表面積、結晶子径、ニッケル粒子の含有率、ニッケル損失量およびニッケル粒子の被覆率を表1に示す。
【0106】
次いで、上記の複合セラミックス粉末17gを、10質量%ポリビニルブチラール溶液17g、2−プロパノール21.98g、フタル酸ジオクチル1.7gおよび分散剤0.17gとともにボールミルにて混合し、スラリーを作製した。
次いで、このスラリーを、円筒状の酸化ニッケル−イットリア安定化ジルコニア基材の表面にディップコート法により塗布して、スラリーかなる膜を成膜し、1325℃にて3時間焼成し、燃料極を作製した。
以下、実施例1と同様にして、この燃料極の電極反応抵抗および固体酸化物形燃料電池の発電効率を測定した。測定結果を表2および表3に示す。
【0107】
[比較例1]
市販の酸化ニッケル(住友金属鉱山社製、FP粉)とイットリア安定化ジルコニア(東ソー社製 、TZ−8Y)を、ジルコニア粒子のモル量(M
Z)に対する、酸化ニッケルから形成される金属ニッケルのモル量(M
Ni)の比(M
Ni/M
Z)が63.5/36.5となるように混合した。
複合セラミックス材料のBET比表面積、結晶子径、ニッケル粒子の含有率、ニッケル損失量およびニッケル粒子の被覆率を表1に示す。
次いで、上記の混合粉末17gを、10質量%ポリビニルブチラール溶液17g、2−プロパノール21.98g、フタル酸ジブチル1.7gおよび分散剤0.17gとともにボールミルにて混合し、スラリーを作製した。
次いで、このスラリーを、円筒状の酸化ニッケル−イットリア安定化ジルコニア基材の表面にディップコート法により塗布して、スラリーかなる膜を成膜し、1350℃にて3時間焼成し、燃料極を作製した。
以下、実施例1と同様にして、この燃料極の電極反応抵抗および固体酸化物形燃料電池の発電効率を測定した。測定結果を表2および表3に示す。
【0108】
図4は、比較例1の燃料極を示す透過型電子顕微鏡(TEM)像であり、
図5は、エネルギー分散型X線分光装置(EDX)により得られた比較例1の燃料極の元素分布を示す図(位置は
図4と同一)である。
図4および
図5によれば、1μm以上のイットリア安定化ジルコニア粒子の周囲に1μm以上の酸化ニッケル粒子が存在しているだけで、十分なネットワーク構造を有していないことが分かる。
【0109】
[比較例2]
市販の酸化ニッケル(住友金属鉱山社製、FP粉)とスカンジア安定化ジルコニア(第一希元素社製 、10Sc1CeSZ)を、ジルコニア粒子のモル量(M
Z)に対する、酸化ニッケルから形成される金属ニッケルのモル量(M
Ni)の比(M
Ni/M
Z)が63.5/36.5となるように混合した。
複合セラミックス材料のBET比表面積、結晶子径、ニッケル粒子の含有率、ニッケル損失量およびニッケル粒子の被覆率を表1に示す。
次いで、上記の混合粉末17gを、10質量%ポリビニルブチラール溶液17g、2−プロパノール21.98g、フタル酸ジブチル1.7gおよび分散剤0.17gとともにボールミルにて混合し、スラリーを作製した。
次いで、このスラリーを、円筒状の酸化ニッケル−イットリア安定化ジルコニア基材の表面にディップコート法により塗布して、スラリーかなる膜を成膜し、1350℃にて3時間焼成し、燃料極を作製した。
以下、実施例1と同様にして、この燃料極の電極反応抵抗および固体酸化物形燃料電池の発電効率を測定した。測定結果を表2および表3に示す。
【0110】
[比較例3]
分散平均粒子径が5nmの8.5mol%イットリア安定化ジルコニア(8.5YSZ)分散液(8.5YSZ固形分濃度:6.81質量%、pH:3.5)200gに純水332.0gを加え、イットリア安定化ジルコニアの濃度が0.2mol/Lとなるように希釈し、この分散液に硝酸を添加し、この分散液のpHを3.3に調整した。
次いで、硝酸ニッケル6水和物(Ni(NO
3)
2・6H
2O)54.41gを、純水935.56gに溶解して水溶液を調製し、この水溶液に硝酸を添加し、この水溶液のpHを2.0に調整した。
次いで、硝酸ニッケルの水溶液に、上記のイットリア安定化ジルコニア分散液を加えて撹拌し、ニッケルイオン含有8.5mol%イットリア安定化ジルコニア(Ni−8.5YSZ)分散液を作製した。
【0111】
次いで、このNi−8.5YSZ分散液に、Ni量に対して所定量の炭酸量となる0.2mol/L炭酸水素アンモニウム水溶液を添加し、この水溶液のpHを8.0に調整し、8.5YSZ粒子の凝集体と、炭酸ニッケル化合物とを含む水溶液を得た。
【0112】
次いで、濾過洗浄装置を用いて、上記の水溶液から固形分を分離し、この固形分を純水により4回洗浄することで不純物イオンを除去し、次いで、エタノールにて溶媒置換を行い、その後、室温にて48時間自然乾燥した。次いで、得られた乾燥物を、ボールミルを用いて粉砕し、粉砕メディアを分離した後、電気炉を用いて1000℃にて6時間仮焼し、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)の表面に酸化ニッケルが複合した複合セラミックス材料を得た。
この複合セラミックス材料中のNi、Y、Zrの質量および固形分を分離した濾液のNi質量を蛍光X線分析により測定し、この測定結果に基づいて、酸化ニッケル(NiO)とイットリア安定化ジルコニア(YSZ)のモル比(ジルコニア粒子のモル量(M
Z)に対する、酸化ニッケルから形成される金属ニッケルのモル量(M
Ni)の比(M
Ni/M
Z))およびニッケル損失量を計算した。その結果、モル比(M
Ni/M
Z)は57.8/42.2、ニッケル損失量は22.4mol%であった。
複合セラミックス材料のBET比表面積、結晶子径、ニッケル粒子の含有率、ニッケル損失量およびニッケル粒子の被覆率を表1に示す。
【0113】
次いで、上記の複合セラミックス粉末17gを、10質量%ポリビニルブチラール溶液17g、2−プロパノール21.98g、フタル酸ジブチル1.7gおよび分散剤0.17gとともにボールミルにて混合し、スラリーを作製した。
次いで、このスラリーを、円筒状の酸化ニッケル−イットリア安定化ジルコニア基材の表面にディップコート法により塗布して、スラリーかなる膜を成膜し、1350℃にて3時間焼成し、燃料極を作製した。
以下、実施例1と同様にして、この燃料極の電極反応抵抗および固体酸化物形燃料電池の発電効率を測定した。測定結果を表2および表3に示す。
【0114】
図6は、比較例3の燃料極を示す透過型電子顕微鏡(TEM)像であり、
図7は、エネルギー分散型X線分光装置(EDX)により得られた比較例3の燃料極の元素分布を示す図(位置は
図6と同一)である。
図6および
図7によれば、100nm〜500nmnm程度のイットリア安定化ジルコニア粒子が結合して三次元の網目状構造を有し、その表面に金属ニッケルが結合しているが、Niの損失により、有効なネットワーク構造を十分に形成できていないことが分かる。
【0115】
[比較例4]
分散平均粒子径が5nmの8.5mol%イットリア安定化ジルコニア(8.5YSZ)分散液(8.5YSZ固形分濃度:6.81質量%、pH:3.5)300gに純水332.0gを加え、イットリア安定化ジルコニアの濃度が0.2mol/Lとなるように希釈し、この分散液に硝酸を添加し、この分散液のpHを3.3に調整した。
次いで、硝酸ニッケル6水和物(Ni(NO
3)
2・6H
2O)101.05gを、純水1737.5gに溶解して水溶液を調製し、この水溶液に硝酸を添加し、この水溶液のpHを2.0に調整した。
次いで、硝酸ニッケルの水溶液に、上記のイットリア安定化ジルコニア分散液を加えて撹拌し、ニッケルイオン含有8.5mol%イットリア安定化ジルコニア(Ni−8.5YSZ)分散液を作製した。
【0116】
次いで、このNi−8.5YSZ分散液に、Ni量に対して所定量の炭酸量となる0.2mol/L炭酸水素アンモニウム水溶液を添加し、この水溶液のpHを8.0に調整し、8.5YSZ粒子の凝集体と、炭酸ニッケル化合物とを含む水溶液を得た。
【0117】
次いで、濾過洗浄装置を用いて、上記の水溶液から固形分を分離し、この固形分を純水により4回洗浄することで不純物イオンを除去し、次いで、エタノールにて溶媒置換を行い、その後、室温にて48時間自然乾燥した。次いで、得られた乾燥物を、ボールミルを用いて粉砕し、粉砕メディアを分離した後、電気炉を用いて1000℃にて6時間仮焼し、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)の表面に酸化ニッケルが複合した複合セラミックス材料を得た。
この複合セラミックス材料中のNi、Y、Zrの質量および固形分を分離した濾液のNi質量を蛍光X線分析により測定し、この測定結果に基づいて、酸化ニッケル(NiO)とイットリア安定化ジルコニア(YSZ)のモル比(ジルコニア粒子のモル量(M
Z)に対する、酸化ニッケルから形成される金属ニッケルのモル量(M
Ni)の比(M
Ni/M
Z))およびニッケル損失量を計算した。その結果、モル比(M
Ni/M
Z)は71.6/28.4、ニッケル損失量は24.8mol%であった。
複合セラミックス材料のBET比表面積、結晶子径、ニッケル粒子の含有率、ニッケル損失量およびニッケル粒子の被覆率を表1に示す。
【0118】
次いで、上記の複合セラミックス粉末17gを、10質量%ポリビニルブチラール溶液17g、2−プロパノール21.98g、フタル酸ジブチル1.7gおよび分散剤0.17gとともにボールミルにて混合し、スラリーを作製した。
次いで、このスラリーを、円筒状の酸化ニッケル−イットリア安定化ジルコニア基材の表面にディップコート法により塗布して、スラリーかなる膜を成膜し、1350℃にて3時間焼成し、燃料極を作製した。
以下、実施例1と同様にして、この燃料極の電極反応抵抗および固体酸化物形燃料電池の発電効率を測定した。測定結果を表2および表3に示す。
【0119】
[比較例5]
分散平均粒子径が4nmの10mol%スカンジア1mol%セリア安定化ジルコニア(10Sc1CeSZ)分散液(10Sc1CeSZ固形分濃度:7.68質量%、pH:3.7)200gに純水400.0gを加え、10mol%スカンジア1mol%セリア安定化ジルコニアの濃度が0.2mol/Lとなるように希釈し、この分散液に硝酸を添加し、この分散液のpHを3.3に調整した。
次いで、硝酸ニッケル6水和物(Ni(NO
3)
2・6H
2O)61.36gを、純水1055.9gに溶解して水溶液を調製し、この水溶液に硝酸を添加し、この水溶液のpHを2.0に調整した。
次いで、硝酸ニッケルの水溶液に、上記の10mol%スカンジア1mol%セリア安定化ジルコニア分散液を加えて撹拌し、ニッケルイオン含有10mol%スカンジア1mol%セリア安定化ジルコニア(Ni−10Sc1CeSZ)分散液を作製した。
【0120】
次いで、このNi−10Sc1CeSZ分散液に、Ni量に対して所定量の炭酸量となる0.2mol/L炭酸水素アンモニウム水溶液を添加し、この水溶液のpHを8.0に調整し、10Sc1CeSZ粒子の凝集体と、炭酸ニッケル化合物とを含む水溶液を得た。
【0121】
次いで、濾過洗浄装置を用いて、上記の水溶液から固形分を分離し、この固形分を純水により2回洗浄することで不純物イオンを除去し、次いで、エタノールにて溶媒置換を行い、その後、室温にて48時間自然乾燥した。次いで、得られた乾燥物を、ボールミルを用いて粉砕し、粉砕メディアを分離した後、電気炉を用いて900℃にて6時間仮焼し、10mol%スカンジア1mol%セリア安定化ジルコニア(Ni−10Sc1CeSZ)の表面に酸化ニッケルが複合した複合セラミックス材料を得た。
この複合セラミックス材料中のNi、Sc、Ce、Zrの質量および固形分を分離した濾液のNi質量を蛍光X線分析により測定し、この測定結果に基づいて、酸化ニッケル(NiO)と10mol%スカンジア1mol%セリア安定化ジルコニア(Ni−10Sc1CeSZ)のモル比(ジルコニア粒子のモル量(M
Z)に対する、酸化ニッケルから形成される金属ニッケルのモル量(M
Ni)の比(M
Ni/M
Z))およびニッケル損失量を計算した。その結果、モル比(M
Ni/M
Z)は57.8/42.2、ニッケル損失量は23.1mol%であった。
複合セラミックス材料のBET比表面積、結晶子径、ニッケル粒子の含有率、ニッケル損失量およびニッケル粒子の被覆率を表1に示す。
【0122】
次いで、上記の複合セラミックス粉末17gを、10質量%ポリビニルブチラール溶液17g、2−プロパノール21.98g、フタル酸ジブチル1.7gおよび分散剤0.17gとともにボールミルにて混合し、スラリーを作製した。
次いで、このスラリーを、円筒状の酸化ニッケル−イットリア安定化ジルコニア基材の表面にディップコート法により塗布して、スラリーかなる膜を成膜し、1350℃にて3時間焼成し、燃料極を作製した。
以下、実施例1と同様にして、この燃料極の電極反応抵抗および固体酸化物形燃料電池の発電効率を測定した。測定結果を表2および表3に示す。
【0123】
[比較例6]
分散平均粒子径が4nmの10mol%スカンジア1mol%セリア安定化ジルコニア(10Sc1CeSZ)分散液(10Sc1CeSZ固形分濃度:7.68質量%、pH:3.7)200gに純水400.0gを加え、10mol%スカンジア1mol%セリア安定化ジルコニアの濃度が0.2mol/Lとなるように希釈し、この分散液に硝酸を添加し、この分散液のpHを3.3に調整した。
次いで、硝酸ニッケル6水和物(Ni(NO
3)
2・6H
2O)113.96gを、純水1959.4gに溶解して水溶液を調製し、この水溶液に硝酸を添加し、この水溶液のpHを2.0に調整した。
次いで、硝酸ニッケルの水溶液に、上記の10mol%スカンジア1mol%セリア安定化ジルコニア分散液を加えて撹拌し、ニッケルイオン含有10mol%スカンジア1mol%セリア安定化ジルコニア(Ni−10Sc1CeSZ)分散液を作製した。
【0124】
次いで、このNi−10Sc1CeSZ分散液に、Ni量に対して所定量の炭酸量となる0.2mol/L炭酸水素アンモニウム水溶液を添加し、この水溶液のpHを8.0に調整し、10Sc1CeSZ粒子の凝集体と、炭酸ニッケル化合物とを含む水溶液を得た。
【0125】
次いで、濾過洗浄装置を用いて、上記の水溶液から固形分を分離し、この固形分を純水により2回洗浄することで不純物イオンを除去し、次いで、エタノールにて溶媒置換を行い、その後、室温にて48時間自然乾燥した。次いで、得られた乾燥物を、ボールミルを用いて粉砕し、粉砕メディアを分離した後、電気炉を用いて900℃にて6時間仮焼し、10mol%スカンジア1mol%セリア安定化ジルコニア(Ni−10Sc1CeSZ)の表面に酸化ニッケルが複合した複合セラミックス材料を得た。
この複合セラミックス材料中のNi、Sc、Ce、Zrの質量および固形分を分離した濾液のNi質量を蛍光X線分析により測定し、この測定結果に基づいて、酸化ニッケル(NiO)と10mol%スカンジア1mol%セリア安定化ジルコニア(Ni−10Sc1CeSZ)のモル比(ジルコニア粒子のモル量(M
Z)に対する、酸化ニッケルから形成される金属ニッケルのモル量(M
Ni)の比(M
Ni/M
Z))およびニッケル損失量を計算した。その結果、モル比(M
Ni/M
Z)は73.3/26.7、ニッケル損失量は21.5mol%であった。
複合セラミックス材料のBET比表面積、結晶子径、ニッケル粒子の含有率、ニッケル損失量およびニッケル粒子の被覆率を表1に示す。
【0126】
次いで、上記の複合セラミックス粉末17gを、10質量%ポリビニルブチラール溶液17g、2−プロパノール21.98g、フタル酸ジブチル1.7gおよび分散剤0.17gとともにボールミルにて混合し、スラリーを作製した。
次いで、このスラリーを、円筒状の酸化ニッケル−イットリア安定化ジルコニア基材の表面にディップコート法により塗布して、スラリーかなる膜を成膜し、1350℃にて3時間焼成し、燃料極を作製した。
以下、実施例1と同様にして、この燃料極の電極反応抵抗および固体酸化物形燃料電池の発電効率を測定した。測定結果を表2および表3に示す。
【0127】
【表1】
【0128】
【表2】
【0129】
【表3】
【0130】
表1の結果から、実施例1〜実施例11では、ニッケル粒子の含有率が63.5mol%〜76.3mol%、ニッケル粒子の被覆率が47.5%〜72.4%、ニッケル損失量が1.9mol%以下であり、ジルコニア粒子およびニッケルの組成制御性が高いことが分かった。
一方、比較例3〜比較例6では、ニッケル粒子の含有率が57.8mol%〜73.3mol%、ニッケル粒子の被覆率が29.8%〜47.1%、ニッケル損失量が21.5mol%〜24.8mol%であり、ジルコニア粒子およびニッケルの組成制御性が低いことが分かった。
【0131】
表2の結果から、実施例1〜実施例11では、燃料極の電極反応抵抗が140mΩ・cm
2〜210mΩ・cm
2であり、電子伝導性に優れることが分かった。
一方、比較例1〜比較例6では、燃料極の電極反応抵抗が310mΩ・cm
2〜500mΩ・cm
2であり、電子伝導性に劣ることが分かった。
【0132】
表3の結果から、実施例1〜実施例11では、固体酸化物形燃料電池の発電効率が50.1%LHV〜52.0%LHVであり、高効率発電が可能であることが分かった。
一方、比較例1〜比較例6では、固体酸化物形燃料電池の発電効率が37.3%LHV〜45.3%であり、高効率発電が困難であることが分かった。