【解決手段】第1半導体ウェーハ(10)を複数の第1デバイスチップ(15)に分割した後、第2半導体ウェーハ(20)の第2半導体デバイス(23)に対応させて第1デバイスチップを位置付けて、仮接着剤シート(41)を介してサポート基板(40)上に第1デバイスチップを接着する。次いで、第1デバイスチップの第1半導体デバイス(13)と第2半導体ウェーハ(20)の第2半導体デバイス(23)とを対応させて貼り合わせた後、第1デバイスチップからサポート基板及び仮接着剤シートを剥離する。そして、隣接する第1デバイスチップ間及び複数の第1デバイスチップを全て覆うように樹脂(51)で被覆してから平坦化した後、第1半導体デバイスの第1電極及び第2半導体デバイスの第2電極(24)を接続する。
表面に設定された交差する複数の分割予定ラインで区画される各領域に第1半導体デバイスが形成された第1半導体ウェーハから分割された第1デバイスチップと、表面に設定された交差する複数の分割予定ラインで区画される各領域に第2半導体デバイスが形成された第2半導体ウェーハから分割された第2デバイスチップと、が積層されて形成された積層デバイスの製造方法であって、
該第1半導体ウェーハを該分割予定ラインに沿って複数の第1デバイスチップに分割する第1半導体ウェーハ分割ステップと、
該第1半導体ウェーハ分割ステップを実施した後に、平板形状のサポート基板上に、該第1デバイスチップを該第2半導体ウェーハの各該第2半導体デバイスに対応させた位置に位置付けて、第1デバイスチップの該表面側を仮接着剤を介して接着する第1デバイスチップ接着ステップと、
該第1デバイスチップ接着ステップを実施した後に、露呈する該第1デバイスチップの裏面を薄化する第1デバイスチップ薄化ステップと、
該第1デバイスチップ薄化ステップを実施した後に、該第1デバイスチップの該裏面側を該第2半導体ウェーハの該表面に対面させるとともに、該第1デバイスチップの該第1半導体デバイスと該第2半導体ウェーハの該第2半導体デバイスとを対応させて貼り合わせて、貼り合わせウェーハを形成する貼り合わせウェーハ形成ステップと、
該貼り合わせウェーハ形成ステップを実施した後に、該貼り合わせウェーハの該第1デバイスチップの該表面から該サポート基板及び該仮接着剤を剥離するサポート基板剥離ステップと、
該サポート基板剥離ステップを実施した後に、該貼り合わせウェーハの隣接する該第1デバイスチップ間及び複数の該第1デバイスチップを全て覆うように樹脂を被覆し、次いで該樹脂表面を平坦化して、該貼り合わせウェーハを樹脂で被覆する樹脂被覆ステップと、
該樹脂被覆ステップを実施した後に、該第1半導体ウェーハの該第1デバイスチップに形成された電極と該第2半導体ウェーハの各該第2半導体デバイスに形成された電極とを接続する電極接続ステップと、
該電極接続ステップを実施した後、該貼り合わせウェーハを個々の積層デバイスへと分割する分割ステップと、
を備えたことを特徴とする積層デバイスの製造方法。
【背景技術】
【0002】
近年、新たな三次元実装技術として、ワイヤの代わりにSi貫通電極(Through−Silicon Via:TSV)を用いた実装技術が注目されている。TSV技術を用いると、配線長がワイヤより短いため配線抵抗やインダクタンスが大幅に低減でき、消費電力も大幅に低減できるというメリットがある。デバイスチップの積層方法としては以下の述べる積層技術(Chip on wafer:COW、例えば特許文献1)が開発されつつある。
【0003】
この積層方法では、積層するウェーハの少なくとも一方を仮ウェーハとして作成する場合がある。仮ウェーハの作成は、先ず、複数の半導体デバイスチップから良品のみを選別する。そして、シート状に形成された仮接着剤シートによって、サポート基板上の所定領域に選別された半導体デバイスチップを接着する。次いで、半導体デバイスチップを樹脂で封止し、半導体デバイスチップ間に樹脂が充填した状態することで、仮ウェーハの作成を完了する。仮ウェーハの作成後、仮ウェーハと他方の半導体ウェーハ又は、もう1枚作成した仮ウェーハとを貼り合わせて貼り合わせウェーハを作成し、この貼り合わせたウェーハから仮接着剤シート及びサポート基板を剥離する。この剥離後、貼り合わせたウェーハを貫く貫通電極を形成してウェーハ上の半導体デバイス同士を接続する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記積層方法においては、サポート基板に半導体デバイスチップを接着する際、チップ側面に仮接着剤シートの粘着層が数十μm程度盛り上がって隆起してしまう。この隆起した状態で樹脂の充填を行うと、仮接着剤シートを剥離して除去したときに、仮接着剤シートの隆起した部分が凹んで空洞になる。このため、後工程となる貫通電極の形成において、空洞箇所に不要な電極を形成したり、積層したウェーハ間に空洞が形成され、積層デバイスの信頼性が低下したりする、という問題がある。
【0006】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、不要な電極形成を回避でき、積層デバイスの信頼性を向上することができる積層デバイスの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の積層デバイスの製造方法は、表面に設定された交差する複数の分割予定ラインで区画される各領域に第1半導体デバイスが形成された第1半導体ウェーハから分割された第1デバイスチップと、表面に設定された交差する複数の分割予定ラインで区画される各領域に第2半導体デバイスが形成された第2半導体ウェーハから分割された第2デバイスチップと、が積層されて形成された積層デバイスの製造方法であって、第1半導体ウェーハを分割予定ラインに沿って複数の第1デバイスチップに分割する第1半導体ウェーハ分割ステップと、第1半導体ウェーハ分割ステップを実施した後に、平板形状のサポート基板上に、第1デバイスチップを第2半導体ウェーハの各第2半導体デバイスに対応させた位置に位置付けて、第1デバイスチップの表面側を仮接着剤を介して接着する第1デバイスチップ接着ステップと、第1デバイスチップ接着ステップを実施した後に、露呈する第1デバイスチップの裏面を薄化する第1デバイスチップ薄化ステップと、第1デバイスチップ薄化ステップを実施した後に第1デバイスチップの裏面側を第2半導体ウェーハの表面に対面させるとともに、第1デバイスチップの第1半導体デバイスと第2半導体ウェーハの第2半導体デバイスとを対応させて貼り合わせて、貼り合わせウェーハを形成する貼り合わせウェーハ形成ステップと、貼り合わせウェーハ形成ステップを実施した後に、貼り合わせウェーハの第1デバイスチップの表面からサポート基板及び仮接着剤を剥離するサポート基板剥離ステップと、サポート基板剥離ステップを実施した後に、貼り合わせウェーハの隣接する第1デバイスチップ間及び複数の第1デバイスチップを全て覆うように樹脂を被覆し、次いで樹脂表面を平坦化して、貼り合わせウェーハを樹脂で被覆する樹脂被覆ステップと、樹脂被覆ステップを実施した後に、第1半導体ウェーハの第1デバイスチップに形成された電極と第2半導体ウェーハの各第2半導体デバイスに形成された電極とを接続する電極接続ステップと、電極接続ステップを実施した後、貼り合わせウェーハを個々の積層デバイスへと分割する分割ステップと、を備えた、ことを特徴とする。
【0008】
この方法では、第1デバイスチップと第2半導体ウェーハとを貼り合わせてから仮接着剤を剥離した後、第1のデバイスチップ間に仮接着剤が存在しない状態で第1のデバイスチップ間を樹脂で被覆している。これにより、貼り合わせウェーハにおいて、仮接着剤の隆起に起因する空洞箇所が形成されることを防止することができる。この結果、電極接続ステップにおいて、空洞箇所に不要な電極が形成されることを回避でき、且つ、積層デバイスの空洞形成を回避して信頼性を向上することができる。
【0009】
なお、特許請求の範囲において、分割された第2デバイスチップ、と記載しているが、同記載における分割のタイミングは、第1及び第2デバイスチップを積層する前及び後の両方を含む意味である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、第1デバイスチップと第2半導体ウェーハとを貼り合わせ、仮接着剤を剥離した後、第1のデバイスチップ間を樹脂で被覆するので、不要な電極形成を回避でき、積層デバイスの信頼性を向上することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して、本実施の形態に係る積層デバイスの製造方法ついて説明する。先ず、
図1を参照して、第1半導体ウェーハ及び第2半導体ウェーハについて説明する。
図1は、第1半導体ウェーハ及び第2半導体ウェーハの概略斜視図である。
【0013】
図1に示すように、第1半導体ウェーハ10は、円板状の第1基台11を備え、第1基台11の表面11aには格子状に交差する複数の第1分割予定ライン(ストリート)12が設定されている。第1半導体ウェーハ10は、LSI等からなる複数の第1半導体デバイス13を更に備え、第1半導体デバイス13は、第1分割予定ライン12によって区画された各領域に配設されている。第1半導体デバイス13の表面(
図1中上面)には、第1電極(不図示)が形成されている。
図1の符号11bは、第1基台11の裏面11bである。
【0014】
第1半導体ウェーハ10に対し、第2半導体ウェーハ20は、デバイス等の大きさや、材質、内部構造等が異なるものの、外観上は類似した構成となる。従って、第2半導体ウェーハ20の構成については、第1半導体ウェーハ10の各構成の名称の「第1」を「第2」に変更し、符号の下二桁目の「1」を「2」に変更して
図1中括弧内に併記することで、説明を省略する。なお、
図5乃至
図11において、第2半導体ウェーハ20における第2電極は、図示省略せずに符号24を付す。第2電極24は、第2半導体デバイス23に形成されている。
【0015】
続いて、本実施の形態に係る積層デバイスの製造方法について、
図2乃至
図11を参照して説明する。
図2は、第1半導体ウェーハ分割ステップの説明図、
図3は、第1デバイスチップ接着ステップの説明図、
図4は、第1デバイスチップ薄化ステップの説明図、
図5は、貼り合わせウェーハ形成ステップの説明図、
図6は、サポート基板剥離ステップの説明図、
図7は、樹脂被覆ステップの説明図、
図8及び
図9は、電極接続ステップの説明図、
図10は、第2半導体ウェーハ薄化ステップの説明図、
図11は、分割ステップの説明図である。なお、
図2乃至
図11に示す各ステップは、あくまでも一例に過ぎず、この構成に限定されるものではない。
【0016】
まず、
図2に示すように、第1半導体ウェーハ10に対して第1半導体ウェーハ分割ステップを実施する。このステップでは、最初に、第1半導体ウェーハ10における第1基板11の裏面11bと環状フレーム30とにダイシングテープ31を貼着し、第1半導体ウェーハ10を環状フレーム30で支持する。そして、ダイシングテープ31が貼着された状態の第1半導体ウェーハ10を切削装置(不図示)のテーブル33上に載置してから、切削すべき第1分割予定ライン12を検出する。この検出結果に基づき、切削装置(不図示)の切削ブレード34を第1分割予定ライン12に沿って位置付ける。そして、切削ブレード34の下端がダイシングテープ31の厚み方向中間に達するように位置付けてから、高速回転する切削ブレード34と、第1半導体ウェーハ10とを第1分割予定ライン12の延在方向に相対移動する。これにより、第1半導体ウェーハ10がフルカットで切削加工され、第1半導体ウェーハ10が全ての第1分割予定ライン12に沿って個々の第1デバイスチップ15に分割される。各第1デバイスチップ15は、第1半導体デバイス13を1体ずつ含んで形成される。
【0017】
第1半導体ウェーハ分割ステップを実施した後、
図3に示すように、第1デバイスチップ接着ステップを実施する。このステップでは、先ず、平板形状をなすガラス板等のサポート基板40の支持面40a(
図3中上面)に仮接着剤シート41を貼付する。仮接着剤シート41の両面には、UV照射や薬品処理等を行うことによって、接着力を失う性質を有する仮接着剤がそれぞれ積層されている。仮接着剤シート41の貼付後、ダイシングテープ31(
図2参照)から個々の第1デバイスチップ15を剥離する。そして、サポート基板40上の仮接着剤シート41に対し、剥離した第1デバイスチップ15の表面15a側(第1半導体デバイス13側)を押圧して接着する。この接着において、サポート基板40上における各第1デバイスチップ15は、第2半導体ウェーハ20における各第2半導体デバイス23(
図5A参照)に対応するように位置付けられる。なお、第1デバイスチップ15の接着によって、
図3中符号Rで示すように、第1デバイスチップ15の側面に仮接着剤シート41の粘着層が隆起する場合がある。
【0018】
第1デバイスチップ接着ステップを実施した後、
図4に示すように、第1デバイスチップ薄化ステップを実施する。このステップでは、二点鎖線で示す第1デバイスチップ15の裏面15bを研削装置(不図示)で研削し、第1デバイスチップ15を所定の仕上げ厚みに薄化することで仮ウェーハ44を形成する。
【0019】
第1デバイスチップ薄化ステップを実施した後、貼り合わせウェーハ形成ステップを実施する。このステップでは、先ず、
図5Aに示すように、第2半導体ウェーハ20における第2基台21の表面21a側に永久接着剤46を塗布する。永久接着剤46は、後工程や製品としての使用時においても接着状態を確保できる接着特性を有する。次に、真空中において、仮ウェーハ44における第1デバイスチップ15の裏面15b側を、第2半導体ウェーハ20における第2基台21の表面21a側(永久接着剤46側)に対面させる。次いで、仮ウェーハ44と第2半導体ウェーハ20とのアライメントを行い、第1デバイスチップ15と第2半導体デバイス23とが上下方向に整列して対応した状態に位置付ける。
【0020】
この状態から、
図5Bに示すように、仮ウェーハ44及び第2半導体ウェーハ20を永久接着剤46で貼り合わせて積層させることで貼り合わせウェーハ50を形成する。貼り合わせウェーハ50では、隣接する第1デバイスチップ15間のスペースの下方に、第2分割予定ライン22及び第2電極24が配設される。なお、永久接着剤46による接着に代えて、仮ウェーハ44及び第2半導体ウェーハ20の何れか一方にSiN膜を形成する一方、何れか他方にSi膜を形成し、これらを化学結合により接合するSiN−Si結合により貼り合わせを行ってもよい。また、永久接着剤46を使用せずに常温接合によって貼り合わせを行ってもよい。
【0021】
貼り合わせウェーハ形成ステップを実施した後、
図6に示すように、サポート基板剥離ステップを実施する。このステップでは、仮接着剤シート41に所定処理を施して接着力を失わせた後、貼り合わせウェーハ50からサポート基板40を剥離する。これにより、貼り合わせウェーハ50からサポート基板40と共に仮接着剤シート41が除去される。この除去によって、第2半導体ウェーハ20における表面21a側において、第1デバイスチップ15の表面15aが露出した状態となる。
【0022】
サポート基板剥離ステップを実施した後、樹脂被覆ステップを実施する。このステップでは、
図7Aに示すように、貼り合わせウェーハ50において、隣接する第1デバイスチップ15間及び複数の第1デバイスチップ15の表面15a側を全てエポキシ樹脂等の樹脂51で覆うように被覆する。その後、樹脂51の表面(
図7A中上面)を研削装置(不図示)で研削する。これにより、
図7Bに示すように、第1デバイスチップ15の表面15aに所定厚みの樹脂51が残るように樹脂51が薄化され、樹脂51の
図7B中上面が平坦化した状態で、全ての第1デバイスチップ15を被覆する。
【0023】
サポート基板剥離ステップを実施した後、電極接続ステップを実施する。このステップでは、先ず、
図8Aに示すように、貼り合わせウェーハ50において、樹脂51の
図8A中上面にレジスト54を塗布する。レジスト54の塗布後、レジスト54をパターンに従って露光してマスクを形成する。このマスクを介してドライエッチングを施すと、
図8Bに示すように、第1デバイスチップ15の表面15a上の樹脂51を貫通する複数の貫通孔55と、樹脂51及び永久接着剤46を貫通する複数の貫通孔56とが形成される。貫通孔55は、第1デバイスチップ15の表面15aに配設される第1電極(不図示)の上面に達するように形成される。貫通孔56は、第2電極24の上面に達するように形成される。貫通孔55、56の形成後、
図8Cに示すように、薬液等によってレジスト54が剥離される。
【0024】
レジスト54の剥離後、
図9に示すように、貼り合わせウェーハ50の上面側から、各貫通孔55、56内に銅をそれぞれ充填し、上端側を平坦に形成する。これにより、貫通孔55、56内の内部と、隣接する貫通孔55、56の上部を連結する位置に貫通電極58が形成される。貫通電極58において、貫通孔55内を延在する部分の下端は、第1デバイスチップ15の第1電極(不図示)に接続される。また、貫通電極58における貫通孔56内を延在する部分の下端は、第2電極24に接続される。従って、貫通電極58によって、各第1デバイスチップ15の第1半導体デバイス13と、第2半導体ウェーハ20の各第2半導体デバイス23とが電気的に接続される。
【0025】
電極接続ステップを実施した後、
図10に示すように、第2半導体ウェーハ薄化ステップを実施する。このステップでは、第2半導体ウェーハ20における第2基台21の裏面21b側を研削装置(不図示)によって研削し、第2基台21を所定の仕上げ厚みに形成する。そして、研削後に、研磨装置(不図示)によって裏面21bを研磨し、裏面21bを平坦化する。
【0026】
第2半導体ウェーハ薄化ステップを実施した後、
図11に示すように、分割ステップを実施する。このステップでは、貼り合わせウェーハ50における第2基板21の裏面21bと環状フレーム60とにダイシングテープ61を貼着し、貼り合わせウェーハ50を環状フレーム60で支持する。そして、ダイシングテープ61が貼着された状態の貼り合わせウェーハ50を切削装置(不図示)のテーブル63上に載置してから、切削すべき第2分割予定ライン22を検出する。この検出結果に基づき、切削装置(不図示)の切削ブレード64を第2分割予定ライン22に沿って位置付ける。そして、切削ブレード64の下端がダイシングテープ61の厚み方向中間に達するように位置付けてから、高速回転する切削ブレード64と、貼り合わせウェーハ50とを第2分割予定ライン22の延在方向に相対移動する。これにより、貼り合わせウェーハ50がフルカットで切削加工され、貼り合わせウェーハ50が全ての第2分割予定ライン22に沿って個々の積層デバイスDに分割される。なお、積層デバイスDにおいて、第2半導体デバイス23が形成されて第2半導体ウェーハ20から分割された構成部分が第2デバイスチップ25となる。
【0027】
以上のように、本実施の形態に係る積層デバイスの製造方法では、第1デバイスチップ接着ステップにおいて、
図3の符号Rで示すように、第1デバイスチップ15の側面に仮接着剤シート41の粘着層が隆起しても、樹脂52の被覆に影響を及ぼすことを回避することができる。これを詳述すると、本実施の形態では、樹脂被覆ステップを実施する前に、貼り合わせウェーハ50からサポート基板40と共に仮接着剤シート41を除去している。従って、樹脂52を被覆する際には、貼り合わせウェーハ50に仮接着剤シート41が存在しないので、仮接着剤シート41の隆起によって被覆した樹脂52の形態が変化することを防止することができる。これにより、仮接着剤シート41の隆起によって、樹脂52が部分的に凹んで空洞が形成されることを回避可能となる。この結果、電極接続ステップにおいて、かかる空洞に銅等の金属が充填されて不要な電極が形成されることを防止でき、且つ、積層デバイスDの内部に空洞が形成されることを回避して信頼性を向上することができる。
【0028】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
【0029】
例えば、分割ステップは、上記のように、切削ブレード64によるフルカットでの切削加工に限定されるものではない。例を挙げると、レーザビームを照射するアブレーション加工によるフルカット、切削加工やアブレーション加工によるハーフカット後ブレーキング装置を使用する割断、貼り合わせウェーハ50内に改質層を形成した後、ブレーキング装置を使用する割断等で貼り合わせウェーハ50を個々の積層デバイスDに分割するようにしてもよい。ここで、アブレーションとは、レーザビームの照射強度が所定の加工閾値以上になると、固体表面で電子、熱的、光科学的及び力学的エネルギーに変換され、その結果、中性原子、分子、正負のイオン、ラジカル、クラスタ、電子、光が爆発的に放出され、固体表面がエッチングされる現象をいう。
【0030】
また、上記貼り合わせウェーハ50では、第1半導体ウェーハ10と第2半導体ウェーハ20との2枚のウェーハを貼り合わせたが、ウェーハの枚数を増加し、積層デバイスDにおける半導体デバイスの積層数を増やしてもよい。
【0031】
また、貫通電極58の形状や形成位置は、第1半導体デバイス13の第1電極(不図示)と第2半導体デバイス23の第2電極24とが接続できる限りにおいて、種々の変更が可能である。例えば、
図7Bの樹脂51を、第1デバイスチップ15の表面15aが露出するように形成し、
図9の貫通電極58における貫通孔55内に延びる部分を省略した形状にしてもよい。更には、第1デバイスチップ15を貫通するように貫通電極58を形成してもよい。
【0032】
また、上記の実施の形態においては、上記各ステップは別々の装置で実施されてもよいし、同一の装置で実施されてもよい。