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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-233077(P2015-233077A)
(43)【公開日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】ウエーハの加工方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/301 20060101AFI20151201BHJP
   B24B 27/06 20060101ALI20151201BHJP
【FI】
   H01L21/78 Q
   B24B27/06 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2014-119409(P2014-119409)
(22)【出願日】2014年6月10日
(71)【出願人】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】100075177
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 尚純
(74)【代理人】
【識別番号】100113217
【弁理士】
【氏名又は名称】奥貫 佐知子
(74)【代理人】
【識別番号】100186897
【弁理士】
【氏名又は名称】増田 さやか
(72)【発明者】
【氏名】中村 勝
【テーマコード(参考)】
3C158
5F063
【Fターム(参考)】
3C158AA03
3C158AA04
3C158AB04
3C158CA04
3C158DA17
5F063AA04
5F063AA15
5F063BA31
5F063CB02
5F063CB05
5F063CB24
5F063CC26
5F063DD64
5F063DD69
5F063DD75
5F063DF06
5F063DF19
5F063DG04
5F063EE73
5F063FF38
(57)【要約】      (修正有)
【課題】先ダイシング法によって個々の半導体デバイスに分割された半導体ウエーハの裏面に装着したダイボンディング用の接着フィルムを、分割された半導体デバイスに沿って破断する際に微細に破砕された接着フィルムが半導体デバイスの表面に直接付着するのを防止できる加工方法の提供。
【解決手段】ウエーハ2の表面側から分割予定ラインに沿ってデバイス22の仕上がり厚さに相当する深さの分割溝を形成工程と、表面に水溶性樹脂を被覆して保護膜400を形成する工程と、保護膜の表面に保護部材を貼着する工程と、裏面を研削して裏面に分割溝を表出させ、ウエーハを個々のデバイスに分割する工程と、裏面に接着フィルム7を装着するとともにダイシングテープTを貼着し、表面に貼着された保護部材を剥離するウエーハ支持工程と、ダイシングテープを拡張して接着フィルムを個々のデバイスに沿って破断する工程と、洗浄水で保護膜を洗い流す工程とを含む。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に複数の分割予定ラインが格子状に形成されているとともに該複数の分割予定ラインによって区画された複数の領域にデバイスが形成されたウエーハを、分割予定ラインに沿って個々のデバイスに分割するとともに、各デバイスの裏面にダイボンディング用の接着フィルムを装着するウエーハの加工方法であって、
ウエーハの表面側から分割予定ラインに沿ってデバイスの仕上がり厚さに相当する深さの分割溝を形成する分割溝形成工程と、
該分割溝形成工程が実施されたウエーハの表面に水溶性樹脂を被覆して保護膜を形成する保護膜形成工程と、
該保護膜形成工程が実施されウエーハの表面に被覆された保護膜の表面に保護部材を貼着する保護部材貼着工程と、
該保護部材貼着工程が実施されたウエーハの裏面を研削して裏面に該分割溝を表出させ、ウエーハを個々のデバイスに分割する裏面研削工程と、
該裏面研削工程が実施されたウエーハの裏面に接着フィルムを装着するとともに接着フィルム側にダイシングテープを貼着しダイシングテープの外周部を環状のフレームによって支持し、ウエーハの表面に貼着された保護部材を剥離するウエーハ支持工程と、
ダイシングテープを拡張して接着フィルムを個々のデバイスに沿って破断する接着フィルム破断工程と、
ウエーハの表面に被覆された保護膜に洗浄水を供給して保護膜を洗い流す保護膜洗浄工程と、を含む、
ことを特徴とするウエーハの加工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面に格子状に形成されたストリートによって区画された複数の領域にデバイスが形成されたウエーハをストリートに沿って個々のデバイスに分割するとともに、各デバイスの裏面にダイボンディング用の接着フィルムを装着するウエーハの加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、半導体デバイス製造工程においては、略円板形状である半導体ウエーハの表面に格子状に形成された分割予定ラインによって区画された複数の領域にIC、LSI等のデバイスを形成し、該デバイスが形成された各領域をストリートに沿って分割することにより個々の半導体デバイスを製造している。半導体ウエーハを分割する分割装置としては一般にダイシング装置が用いられており、このダイシング装置は厚さが20〜30μm程度の切削ブレードによって半導体ウエーハをストリートに沿って切削する。このようにして分割された半導体デバイスは、パッケージングされて携帯電話やパソコン等の電気機器に広く利用されている。
【0003】
半導体ウエーハを個々のデバイスに分割する方法として、所謂先ダイシング法と呼ばれる分割技術が実用化されている。この先ダイシング法は、半導体ウエーハの表面からストリートに沿って所定の深さ(半導体デバイスの仕上がり厚さに相当する深さ)の切削溝を形成し、その後、表面に切削溝が形成された半導体ウエーハの裏面を研削して該裏面に切削溝を表出させ個々の半導体デバイスに分割する技術であり、半導体デバイスの厚さを50μm以下に加工することが可能である。(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
個々に分割された半導体デバイスは、その裏面にポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂脂等で形成された厚さ20〜40μmのダイアタッチフィルム(DAF)と呼ばれる ダイボンディング用の接着フィルムが装着され、この接着フィルムを介して半導体デバイスを支持するダイボンディングフレームに加熱溶着することによりボンディングされる。
【0005】
しかるに、ダイボンディング用の接着フィルムを半導体ウエーハの裏面に装着した状態で上述した所謂先ダイシング法によって半導体デバイスとともに分割することはできないことから、所謂先ダイシング法によって個々の半導体デバイスに分割された半導体ウエーハの裏面にダイボンディング用の接着フィルムを装着するとともに、接着フィルム側をダイシングテープに貼着し、該ダイシングテープを拡張することにより接着フィルムを個々に分割された半導体デバイスに沿って破断する技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−7648号公報
【特許文献2】特開2008−235650号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
而して、個々のデバイスに分割されたウエーハの裏面に接着フィルムを装着するとともにダイシングテープを貼着し、該ダイシングテープを拡張することにより接着フィルムを個々のデバイスに沿って破断すると、接着フィルムはウエーハよりも僅かに大きく形成されているため接着フィルムの外周部が微細に破砕して飛散し、デバイスの表面に付着するという問題がある。
微細に破砕された接着フィルムが半導体デバイスの表面に露出された電極に付着すると、ワイヤーボンディングの妨げになり、導通不良を起こしてデバイスの品質を低下させるという問題がある。
【0008】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術課題は、所謂先ダイシング法によって個々の半導体デバイスに分割された半導体ウエーハの裏面に装着したダイボンディング用の接着フィルムを個々に分割された半導体デバイスに沿って破断するとともに、破断する際に微細に破砕された接着フィルムが半導体デバイスの表面に直接付着するのを防止できるウエーハの加工方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記主たる技術課題を解決するため、本発明によれば、表面に複数の分割予定ラインが格子状に形成されているとともに該複数の分割予定ラインによって区画された複数の領域にデバイスが形成されたウエーハを、分割予定ラインに沿って個々のデバイスに分割するとともに、各デバイスの裏面にダイボンディング用の接着フィルムを装着するウエーハの加工方法であって、
ウエーハの表面側から分割予定ラインに沿ってデバイスの仕上がり厚さに相当する深さの分割溝を形成する分割溝形成工程と、
該分割溝形成工程が実施されたウエーハの表面に水溶性樹脂を被覆して保護膜を形成する保護膜形成工程と、
該保護膜形成工程が実施されウエーハの表面に被覆された保護膜の表面に保護部材を貼着する保護部材貼着工程と、
該保護部材貼着工程が実施されたウエーハの裏面を研削して裏面に該分割溝を表出させ、ウエーハを個々のデバイスに分割する裏面研削工程と、
該裏面研削工程が実施されたウエーハの裏面に接着フィルムを装着するとともに接着フィルム側にダイシングテープを貼着しダイシングテープの外周部を環状のフレームによって支持し、ウエーハの表面に貼着された保護部材を剥離するウエーハ支持工程と、
ダイシングテープを拡張して接着フィルムを個々のデバイスに沿って破断する接着フィルム破断工程と、
ウエーハの表面に被覆された保護膜に洗浄水を供給して保護膜を洗い流す保護膜洗浄工程と、を含む、
ことを特徴とするウエーハの加工方法が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明におけるウエーハの加工方法は、ウエーハの表面側から分割予定ラインに沿ってデバイスの仕上がり厚さに相当する深さの分割溝を形成する分割溝形成工程と、分割溝形成工程が実施されたウエーハの表面に水溶性樹脂を被覆して保護膜を形成する保護膜形成工程と、保護膜形成工程が実施されウエーハの表面に被覆された保護膜の表面に保護部材を貼着する保護部材貼着工程と、保護部材貼着工程が実施されたウエーハの裏面を研削して裏面に分割溝を表出させ、ウエーハを個々のデバイスに分割する裏面研削工程と、裏面研削工程が実施されたウエーハの裏面に接着フィルムを装着するとともに接着フィルム側にダイシングテープを貼着しダイシングテープの外周部を環状のフレームによって支持し、ウエーハの表面に貼着された保護部材を剥離するウエーハ支持工程と、ダイシングテープを拡張して接着フィルムを個々のデバイスに沿って破断する接着フィルム破断工程と、ウエーハの表面に被覆された保護膜に洗浄水を供給して保護膜を洗い流す保護膜洗浄工程とを含んでいるので、接着フィルム破断工程においてウエーハの外周縁からはみ出している接着フィルムの外周部の一部が破砕して飛散し、デバイスの表面側に落下するが、デバイスの表面には保護膜が被覆されているので、破砕された接着フィルムの外周部の一部はデバイスの表面に被覆された保護膜の表面に付着し、破砕された接着フィルムの外周部の一部がデバイスの表面に直接付着することはない。従って、デバイスの表面に被覆された保護膜を洗浄水を供給して洗い流すことにより、付着した接着フィルムの外周部の一部も除去されるのでデバイスの品質を低下させることはない。
また、上記保護膜形成工程においてウエーハの表面に保護膜を形成する際には水溶性樹脂が分割溝に埋設されるので、裏面研削工程を実施する際にはデバイスの動きが規制されデバイスに欠けが生じないとともに、研削屑が混入した研削水の侵入が妨げられデバイスの表面が汚染されない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明によるウエーハの加工方法によって分割されるウエーハとしての半導体ウエーハの斜視図。
図2】本発明によるウエーハの加工方法における分割溝形成工程を示す説明図。
図3】本発明によるウエーハの加工方法における保護膜形成工程を示す説明図。
図4】本発明によるウエーハの加工方法における保護部材貼着工程を示す説明図。
図5】本発明によるウエーハの加工方法における裏面研削工程を示す説明図。
図6】本発明によるウエーハの加工方法におけるウエーハ支持工程の第1の実施形態を示す説明図。
図7】本発明によるウエーハの加工方法におけるウエーハ支持工程の第2の実施形態を示す説明図。
図8】本発明によるウエーハの加工方法における接着フィルム破断工程を実施するためのテープ拡張装置の斜視図。
図9】本発明によるウエーハの加工方法における接着フィルム破断工程を示す説明図。
図10】本発明によるウエーハの加工方法における保護膜洗浄工程を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明によるウエーハの加工方法の好適な実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
図1には、ウエーハとしての半導体ウエーハの斜視図が示されている。図1に示す半導体ウエーハ2は、例えば厚さが500μmのシリコンウエーハからなっており、表面2aには複数の分割予定ライン21が格子状に形成されている。そして、半導体ウエーハ2の表面2aには、格子状に形成された複数の分割予定ライン21によって区画された複数の領域にIC、LSI等のデバイス22が形成されている。以下、この半導体ウエーハ2を分割予定ライン21に沿って個々のデバイス22に分割するとともに、各デバイス22の裏面にダイボンディング用の接着フィルムを装着するウエーハの加工方法について説明する。
【0014】
先ず、半導体ウエーハ2を所謂先ダイシング法によって個々のデバイス22に分割する方法について説明する。
半導体ウエーハ2を所謂先ダイシング法によって個々のデバイス22に分割するには、先ず半導体ウエーハ2の表面2aに形成された分割予定ライン21に沿って所定深さ(各デバイスの仕上がり厚さに相当する深さ)の分割溝を形成する(分割溝形成工程)。この分割溝形成工程は、図示の実施形態においては図2の(a)に示す切削装置3を用いて実施する。図2の(a)に示す切削装置3は、被加工物を保持するチャックテーブル31と、該チャックテーブル31に保持された被加工物を切削する切削手段32と、該チャックテーブル31に保持された被加工物を撮像する撮像手段33を具備している。チャックテーブル31は、被加工物を吸引保持するように構成されており、図示しない切削送り機構によって図2の(a)において矢印Xで示す切削送り方向に移動せしめられるとともに、図示しない割り出し送り機構によって矢印Yで示す割り出し送り方向に移動せしめられるようになっている。
【0015】
上記切削手段32は、実質上水平に配置されたスピンドルハウジング321と、該スピンドルハウジング321に回転自在に支持された回転スピンドル322と、該回転スピンドル322の先端部に装着された切削ブレード323を含んでおり、回転スピンドル322がスピンドルハウジング321内に配設された図示しないサーボモータによって矢印322aで示す方向に回転せしめられるようになっている。なお、切削ブレード323の厚みは、図示の実施形態においては30μmに設定されている。上記撮像手段33は、スピンドルハウジング321の先端部に装着されており、被加工物を照明する照明手段と、該照明手段によって照明された領域を捕らえる光学系と、該光学系によって捕らえられた像を撮像する撮像素子(CCD)等を備え、撮像した画像信号を図示しない制御手段に送る。
【0016】
上述した切削装置3を用いて分割溝形成工程を実施するには、図2の(a)に示すようにチャックテーブル31上に半導体ウエーハ2の裏面2b側を載置し、図示しない吸引手段を作動することにより半導体ウエーハ2をチャックテーブル31上に保持する。従って、チャックテーブル31に保持された半導体ウエーハ2は、表面2aが上側となる。このようにして、半導体ウエーハ2を吸引保持したチャックテーブル31は、図示しない切削送り機構によって撮像手段33の直下に位置付けられる。
【0017】
チャックテーブル31が撮像手段33の直下に位置付けられると、撮像手段33および図示しない制御手段によって半導体ウエーハ2の分割予定ライン21に沿って分割溝を形成すべき切削領域を検出するアライメント作業を実行する。即ち、撮像手段33および図示しない制御手段は、半導体ウエーハ2の所定方向に形成されている分割予定ライン21と、切削ブレード323との位置合わせを行うためのパターンマッチング等の画像処理を実行し、切削領域のアライメントを遂行する(アライメント工程)。また、半導体ウエーハ2に形成されている上記所定方向に対して直角に延びる分割予定ライン21に対しても、同様に切削領域のアライメントが遂行される。
【0018】
以上のようにしてチャックテーブル31上に保持されている半導体ウエーハ2の切削領域を検出するアライメントが行われたならば、半導体ウエーハ2を保持したチャックテーブル31を切削領域の切削開始位置に移動する。そして、切削ブレード323を図2の(a)において矢印322aで示す方向に回転しつつ下方に移動して切り込み送りを実施する。この切り込み送り位置は、切削ブレード323の外周縁が半導体ウエーハ2の表面からデバイスの仕上がり厚さに相当する深さ位置(例えば、50μm)に設定されている。このようにして、切削ブレード323の切り込み送りを実施したならば、切削ブレード323を回転しつつチャックテーブル31を図2の(a)において矢印Xで示す方向に切削送りすることによって、図2の(b)に示すように分割予定ライン21に沿って幅が30μmでデバイスの仕上がり厚さに相当する深さ(例えば、50μm)の分割溝210が形成される(分割溝形成工程)。
【0019】
上述した分割溝形成工程を実施したならば、半導体ウエーハ2の表面2aに水溶性樹脂を被覆して保護膜を形成する保護膜形成工程を実施する。この保護膜形成工程は、図3の(a)および(b)に示す保護膜形成装置4を用いて実施する。図3の(a)および(b)に示す保護膜形成装置4は、ウエーハを保持するスピンナーテーブル41と、該スピンナーテーブル41の回転中心における上方に配置された樹脂液供給ノズル42を具備している。このように構成された保護膜形成装置4のスピンナーテーブル41上に上述した分割溝形成工程が実施された半導体ウエーハ2の裏面2b側を載置する。そして、図示しない吸引手段を作動し、スピンナーテーブル41上に半導体ウエーハ2を吸引保持する。従って、スピンナーテーブル41上に保持された半導体ウエーハ2は、表面2aが上側となる。このようにして、スピンナーテーブル41上に半導体ウエーハ2を保持したならば、図3の(a)に示すようにスピンナーテーブル41を矢印で示す方向に所定の回転速度(例えば300〜1000rpm)で回転しつつ、スピンナーテーブル41の上方に配置された樹脂液供給ノズル42から半導体ウエーハ2の表面2aの中央領域に所定量の液状の水溶性樹脂40を滴下する。そして、スピンナーテーブル41を60秒間程度回転することにより、図3の(b) および(c)に示すように半導体ウエーハ2の表面2aに保護膜400が形成される。この保護膜400が形成される際には、液状の水溶性樹脂40が分割溝210に埋設される。このようにして半導体ウエーハ2の表面2aに被覆する保護膜400の厚さは、上記液状の水溶性樹脂40の滴下量によって決まるが、50μm程度でよい。なお、水溶性樹脂40としては、ポリビニールアルコール(PVA)、水溶性フェノール樹脂、アクリル系水溶性樹脂等を用いることができる。
【0020】
上述した保護膜形成工程を実施することによって半導体ウエーハ2の表面2aに被覆された保護膜400が乾燥され固化したならば、保護膜400の表面400aに保護部材を貼着する保護部材貼着工程を実施する。即ち、図4に示すように半導体ウエーハ2の表面に被覆された保護膜400の表面400aに保護部材としての保護テープ5を貼着する。なお、保護テープ5は、図示の実施形態においては厚さが100μmのポリ塩化ビニル(PVC)からなるシート状基材の表面にアクリル樹脂系の糊が厚さ5μm程度塗布されている。
【0021】
上記保護部材貼着工程を実施したならば、半導体ウエーハ2の裏面を研削水を供給しつつ研削して所定の厚みに形成するとともに裏面に分割溝を表出させ、半導体ウエーハ2を個々のデバイスに分割する裏面研削工程を実施する。この裏面研削工程は、図5の(a)に示す研削装置6を用いて実施する。図5の(a)に示す研削装置6は、被加工物を保持する保持手段としてのチャックテーブル61と、該チャックテーブル61に保持された被加工物を研削する研削手段62を具備している。チャックテーブル61は、上面に被加工物を吸引保持するように構成されており、図示しない回転駆動機構によって図5の(a)において矢印Aで示す方向に回転せしめられる。研削手段62は、スピンドルハウジング631と、該スピンドルハウジング631に回転自在に支持され図示しない回転駆動機構によって回転せしめられる回転スピンドル632と、該回転スピンドル632の下端に装着されたマウンター633と、該マウンター633の下面に取り付けられた研削ホイール634とを具備している。この研削ホイール634は、円環状の基台635と、該基台635の下面に環状に装着された研削砥石636とからなっており、基台635がマウンター633の下面に締結ボルト637によって取り付けられている。なお、上述した研削装置6を構成する回転スピンドル632には軸心に沿って形成された研削水供給通路が設けられており、該研削水供給通路を通して研削水を研削砥石636による研削領域に供給するようになっている。
【0022】
上述した研削装置6を用いて上記ウエーハ分割工程を実施するには、図5の(a)に示すようにチャックテーブル61の上面(保持面)に半導体ウエーハ2の表面に貼着されている保護テープ5側を載置する。そして、図示しない吸引手段によってチャックテーブル61上に半導体ウエーハ2を保護テープ5を介して吸着保持する(ウエーハ保持工程)。従って、チャックテーブル61上に保持された半導体ウエーハ2は、裏面2bが上側となる。このようにチャックテーブル61上に半導体ウエーハ2を保護テープ5を介して吸引保持したならば、チャックテーブル61を図5の(a)において矢印Aで示す方向に例えば300rpmで回転しつつ、研削手段62の研削ホイール634を図5の(a)において矢印Bで示す方向に例えば6000rpmで回転せしめて、図5の(b)に示すように研削砥石636を被加工面である半導体ウエーハ2の裏面2bに接触せしめ、研削ホイール634を矢印Cで示すように例えば1μm/秒の研削送り速度で下方(チャックテーブル61の保持面に対し垂直な方向)に所定量研削送りする。そして、分割溝210が表出するまで研削することによって、図5の(b)および(c)に示すように半導体ウエーハ2は個々のデバイス22に分割される。なお、分割された複数のデバイス22は、その表面に保護テープ5が貼着されているので、バラバラにはならず半導体ウエーハ2の形態が維持されている。なお、上記保護膜形成工程において半導体ウエーハ2の表面2aに保護膜400を形成する際には液状の水溶性樹脂40が分割溝210に埋設されるので、ウエーハ分割工程を実施する際にはデバイス22の動きが規制されデバイス22に欠けが生じないとともに、研削屑が混入した研削水の侵入が妨げられデバイス22の表面が汚染されない。
【0023】
次に、上記ウエーハ分割工程が実施された半導体ウエーハ2の裏面に接着フィルムを装着するとともに接着フィルム側にダイシングテープを貼着し該ダイシングテープの外周部を環状のフレームによって支持するウエーハ支持工程を実施する。このウエーハ支持工程における実施形態においては、図6の(a)および(b)に示すように半導体ウエーハ2の裏面2bに接着フィルム7を装着する(接着フィルム装着工程)。なお、接着フィルム7は、半導体ウエーハ2の裏面全面に確実に装着するために、半導体ウエーハ2より僅かに大きく形成されている。このようにして半導体ウエーハ2の裏面2bに接着フィルム7を装着したならば、図6の(c)に示すように接着フィルム7が装着された半導体ウエーハ2の接着フィルム7側を環状のフレームFに装着された伸張可能なダイシングテープTに貼着する。そして、半導体ウエーハ2の表面2aに被覆された保護膜400の表面に貼着されている保護テープ5を剥離する(保護部材剥離工程)。なお、図6の(a)乃至(c)に示す実施形態においては、環状のフレームFに装着されたダイシングテープTに接着フィルム7が装着された半導体ウエーハ2の接着フィルム7側を貼着する例を示したが、接着フィルム7が装着された半導体ウエーハ2の接着フィルム7側にダイシングテープTを貼着するとともにダイシングテープTの外周部を環状のフレームFに同時に装着してもよい。
【0024】
上述したウエーハ支持工程の他の実施形態について、図7を参照して説明する。
図7に示す実施形態は、ダイシングテープTの表面に予め接着フィルム7が貼着された接着フィルム付きのダイシングテープを使用する。即ち、図7の(a)、(b)に示すように環状のフレームFの内側開口部を覆うように外周部が装着されたダイシングテープTの表面に貼着された接着フィルム7に、半導体ウエーハ2の裏面2bを装着する。このように接着フィルム付きのダイシングテープを使用する場合には、ダイシングテープTの表面に貼着された接着フィルム7に半導体ウエーハ2の裏面2bを装着することにより、接着フィルム7が装着された半導体ウエーハ2が環状のフレームFに装着されたダイシングテープTによって支持される。なお、ダイシングテープTの表面に予め貼着されている接着フィルム7も、半導体ウエーハ2の裏面全面に確実に装着するために、半導体ウエーハ2より僅かに大きく形成されている。そして、図7の(b)に示すように半導体ウエーハ2の表面2aに被覆された保護膜400の表面に貼着されている保護テープ5を剥離する(保護部材剥離工程)。なお、図7の(a)、(b)に示す実施形態においては、環状のフレームFに外周部が装着されたダイシングテープTの表面に貼着された接着フィルム7に半導体ウエーハ2の裏面2bを装着する例を示したが、半導体ウエーハ2の裏面2bにダイシングテープTに貼着された接着フィルム7を装着するとともにダイシングテープTの外周部を環状のフレームFに同時に装着してもよい。
【0025】
以上のようにしてウエーハ支持工程を実施したならば、ダイシングテープTを拡張することにより接着フィルム7を個々のデバイス22に沿って破断する接着フィルム破断工程を実施する。この接着フィルム破断工程は、図8に示すテープ拡張装置8を用いて実施する。図8に示すテープ拡張装置8は、上記環状のフレームFを保持するフレーム保持手段81と、該フレーム保持手段81に保持された環状のフレームFに装着されたダイシングテープTを拡張するテープ拡張手段82を具備している。フレーム保持手段81は、環状のフレーム保持部材811と、該フレーム保持部材811の外周に配設された固定手段としての複数のクランプ812とからなっている。フレーム保持部材811の上面は環状のフレームFを載置する載置面811aを形成しており、この載置面811a上に環状のフレームFが載置される。そして、載置面811a上に載置された環状のフレームFは、クランプ812によってフレーム保持部材811に固定される。このように構成されたフレーム保持手段81は、テープ拡張手段82によって上下方向に進退可能に支持されている。
【0026】
テープ拡張手段82は、上記環状のフレーム保持部材811の内側に配設される拡張ドラム821を具備している。この拡張ドラム821は、環状のフレームFの内径より小さく該環状のフレームFに装着されたダイシングテープTに貼着される半導体ウエーハ2の外径より大きい内径および外径を有している。また、拡張ドラム821は、下端に支持フランジ822を備えている。図示の実施形態におけるテープ拡張手段82は、上記環状のフレーム保持部材811を上下方向に進退可能な支持手段823を具備している。この支持手段823は、上記支持フランジ822上に配設された複数のエアシリンダ823aからなっており、そのピストンロッド823bが上記環状のフレーム保持部材811の下面に連結される。このように複数のエアシリンダ823aからなる支持手段823は、図9の(a)に示すように環状のフレーム保持部材811を載置面811aが拡張ドラム821の上端と略同一高さとなる基準位置と、図9の(b)に示すように拡張ドラム821の上端より所定量下方の拡張位置の間を上下方向に移動せしめる。
【0027】
以上のように構成されたテープ拡張装置8を用いて実施する接着フィルム破断工程について図9を参照して説明する。即ち、半導体ウエーハ2が貼着されているダイシングテープTが装着された環状のフレームFを、図9の(a)に示すようにフレーム保持手段81を構成するフレーム保持部材811の載置面811a上に載置し、クランプ812によってフレーム保持部材811に固定する(フレーム保持工程)。このとき、フレーム保持部材811は図9の(a)に示す基準位置に位置付けられている。次に、テープ拡張手段82を構成する支持手段823としての複数のエアシリンダ823aを作動して、環状のフレーム保持部材811を図9の(b)に示す拡張位置に下降せしめる。従って、フレーム保持部材811の載置面911a上に固定されている環状のフレームFも下降するため、図9の(b)に示すように環状のフレームFに装着されたダイシングテープTは拡張ドラム821の上端縁に接して拡張せしめられる(テープ拡張工程)。従って、ダイシングテープTに接着フィルム7を介して貼着されている半導体ウエーハ2(分割予定ライン21に沿って分割されている)は、デバイス22間に隙間(s)が形成される。この結果、半導体ウエーハ2の裏面に装着された接着フィルム7は、各デバイス22に沿って破断され分離される。このようにして接着フィルム7が各デバイス22に沿って破断される際に、図9の(b)に示すように半導体ウエーハ2の外周縁からはみ出している接着フィルム7の外周部71の一部71aが破砕して飛散し、デバイス22の表面側に落下するが、デバイス22の表面には保護膜400が被覆されているので、破砕された接着フィルム7の外周部71の一部71aがデバイス22の表面に直接付着することはない。従って、デバイス22の表面に被覆された保護膜400を除去することにより、付着した接着フィルム7の外周部71の一部71aも除去されるのでデバイス22の品質を低下させることはない。
【0028】
上述した接着フィルム破断工程を実施したならば、個々のデバイス22の表面に洗浄液を供給して保護膜400を除去する保護膜除去工程を実施する。この保護膜除去工程は、上記接着フィルム破断工程を実施した図9の(b)に示す状態から図10の(a)に示すようにテープ拡張装置8を洗浄水供給ノズル9の直下に位置付け、洗浄水供給ノズル9から洗浄液としての洗浄水を環状のフレームFに装着されたダイシングテープTに貼着されている個々のデバイス22の表面に被覆された保護膜400の表面に供給する。この結果、図10の(b)に示すように保護膜400は水溶性樹脂からなっているので洗浄水によって容易に除去されるとともに保護膜400の表面に付着した接着フィルム7の一部も除去される。従って、デバイス22の表面に接着フィルムの一部が付着することがないので、デバイス22の品質を低下させることはない。
【0029】
以上のようにして保護膜除去工程を実施したならば、裏面に接着フィルム7が装着されたデバイス22をダイシングテープTから剥離してピックアップするピックアップ工程に搬送される。
【符号の説明】
【0030】
2:半導体ウエーハ
21:分割予定ライン
22:デバイス
210:分割溝
3:切削装置
31:切削装置のチャックテーブル
32:切削手段
323:切削ブレード
4:保護膜形成装置
41:スピンナーテーブル
42:樹脂液供給ノズル
400:保護膜
5:保護テープ
6:研削装置
61:研削装置のチャックテーブル
62:研削手段
634:研削ホイール
7:接着フィルム
8:テープ拡張装置
81:フレーム保持手段
82:テープ拡張手段
9:洗浄水供給ノズル
F:環状のフレーム
T:ダイシングテープ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10